(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-10
(54)【発明の名称】喫煙物品の硬質パックを製造する製造方法および機械
(51)【国際特許分類】
B31B 50/22 20170101AFI20231002BHJP
B65B 19/12 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
B31B50/22
B65B19/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518161
(86)(22)【出願日】2021-09-21
(85)【翻訳文提出日】2023-04-17
(86)【国際出願番号】 IB2021058596
(87)【国際公開番号】W WO2022058991
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】102020000022189
(32)【優先日】2020-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ジルベルト スピリト
(72)【発明者】
【氏名】アレッサンドロ ベントゥローリ
(72)【発明者】
【氏名】ミケーレ フェラーリ
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアーノ ガンベリーニ
【テーマコード(参考)】
3E043
3E075
【Fターム(参考)】
3E043AA01
3E043BA12
3E043DB04
3E043EA12
3E043EA13
3E043FA01
3E075AA12
3E075BA04
3E075BB14
3E075CA01
3E075DB19
3E075GA02
(57)【要約】
本開示は、喫煙物品の硬質パック(1)を製造する製造方法および機械に関する。該方法及び機械は、少なくとも1つの喫煙物品グループ(3)を形成し、後でカットされる少なくとも1つの壁(7;15;17)を有する外側容器(4)を形成するために、喫煙物品グループ(3)の周囲でブランク(6)を少なくとも部分的に折り畳み、喫煙物品グループ(3)の周囲でブランク(6)を少なくとも部分的に折り畳んだ後に、壁(7;15;17)において、少なくとも1つの主貫通カット(9)を形成するために、提供される。主カット(9)は、ブランク(6)を形成する包装材料の一部を昇華させるために、壁(7;15;17)に焦点を合わせられたレーザービームによって形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙物品の硬質パック(1)を製造する製造方法であって、該製造方法は、
少なくとも1つの喫煙物品グループ(3)を形成するステップと、
後でカットされる少なくとも1つの壁(7;15;17)を有する外側容器(4)を形成するように、前記喫煙物品グループ(3)の周囲のブランク(6)を少なくとも部分的に折り畳むステップと、
前記喫煙物品グループ(3)の周囲で、前記ブランク(6)を少なくとも部分的に折り畳んだ後に、前記壁(7;15;17)において、少なくとも1つの主貫通カット(9)を形成するステップと、
を含み、
前記主貫通カット(9)が、レーザービームであって、前記ブランク(6)を形成する包装材料の一部を昇華させるために前記壁(7;15;17)に焦点を合わせられるレーザービームによって形成されることを特徴とする、製造方法。
【請求項2】
前記壁(7;15;17)が、その内部において、接着剤層であって、前記主カット(9)の領域に配置され、前記壁(7;15;17)を喫煙物品の前記硬質パック(1)の他の構成要素に結合させる接着剤層を備える、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記主カット(9)が前記壁(7)の廃棄部分の範囲を定め、
前記廃棄部分が前記壁(7)から分離される、
請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
2つの主カット(9)であって、前記廃棄部分の範囲を定めるように互いに離間した2つの主カット(9)が形成される、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
少なくとも1つの二次的貫通カット(12)であって、前記主カット(9)を横切る向きであり、前記廃棄部分を2つの部分(13)に分割する二次的貫通カット(12)が形成される、請求項3または4に記載の製造方法。
【請求項6】
複数の二次的貫通カット(12)であって、前記主カット(9)を横切る向きであり、前記廃棄部分を複数の部分(13)に分割する複数の二次的貫通カット(12)が形成される、請求項3、4または5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記壁(7)に前記レーザービームの焦点が合わせられる切断ステーションの領域に配置された吸引装置(14)によって前記壁(7)から前記廃棄部分を取り除くステップをさらに含む、請求項3ないし6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
少なくとも2つの主カット(9)であって、互いに接しつつ平行で隣り合っており、それらの間には全く包装材料が残されない、少なくとも2つの主カットが形成される、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項9】
2つの喫煙物品グループ(3)であって、互いに分離され独立している2つの内側容器(2)それぞれの内部に挿入される2つの喫煙物品グループ(3)が形成され、
両方の内側容器(2)が、前記外側容器(4)の内側となるように前記ブランク(6)によって包まれており、
前記壁(7)が両方の内側容器(2)に接着され、かつ、
前記主貫通カット(9)が、前記壁(7)の2つの対向する端の間を延伸し、第1の内側容器(2)に接着された前記壁(7)の第1の部分を第2の内側容器(2)に接着された前記壁(7)の第2の部分から分離する、
請求項1ないし8のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
喫煙物品グループ(3)であって、内側容器(2)の中に挿入される喫煙物品グループ(3)が形成され、
前記内側容器(2)が、前記外側容器(4)の内側となるように前記ブランク(6)によって包まれ、かつ、
前記主貫通カット(9)が、閉じた円形を有し、前記壁(15)から留め具(16)を分離し、前記留め具(16)はすぐ下に位置する前記内側容器(2)に接着される、
請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項11】
前記外側容器(4)が、スライド蓋(5)を備え、かつ、
前記主貫通カット(9)が、前記スライド蓋(5)が前記外側容器(4)に対して相対的にスライドすることを可能にするために、前記外側容器(4)と前記スライド蓋(5)との間の完全な分離を形成する、
請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項12】
喫煙物品の硬質パック(1)を製造する製造機械であって、該製造機械は、
少なくとも1つの喫煙物品グループ(3)を形成する形成ユニットと、
後でカットされる少なくとも1つの壁(7;15;17)を有する外側容器(4)を形成するように、前記喫煙物品グループ(3)の周囲のブランク(6)を、少なくとも部分的に折り畳む包装ユニットと、
前記喫煙物品グループ(3)の周囲で、前記ブランク(6)を少なくとも部分的に折り畳んだ後に、前記ブランク(6)の前記壁(7;15;17)において、少なくとも1つの主貫通カット(9)を形成する切断ユニット(8)と、
を含み、
前記切断ユニット(8)が、エミッター(11)であって、前記ブランク(6)を形成する包装材料の一部を昇華させる前記貫通カット(9)を形成するために前記壁(7;15;17)上にレーザービームの焦点を合わせるように構成されたエミッター(11)を備えることを特徴とする、製造機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2020年9月21日に出願されたイタリア国特許出願第102020000022189号の優先権を主張するものであり、その開示内容は参照により援用される。
【0002】
本発明は、喫煙物品の硬質パックを製造する製造方法および機械に関する。
【0003】
本発明は、「ウォレット」型(wallet)として知られているシガレットパックを製造する包装機械において有利に適用され、それによって如何なる一般性を失うことなく、以下の開示が明確に参照される。
【背景技術】
【0004】
「ウォレット」型シガレットパックは、(少なくとも)2つの内側容器であって、各々包装されたシガレットグループを格納し、各々開いた上端を有し、そして、閉じた形態であって、内側容器が互いに重なり合う閉じた形態と、開いた形態であって、内側容器が互いに離れる開いた形態の間で回転するように、外側容器によって互いにヒンジで留められている、(少なくとも)2つの内側容器を具備し、さらに、蓋であって、外側容器とヒンジで留められており、閉じた形態においては内側容器の両方の上部を包む蓋が提供される。
【0005】
「ウォレット」型シガレットパックの製造は、包装された各シガレットグループの周囲で折り畳まれる2つの対応するブランクを使用することによって2つの内側容器を形成し、2つの内側容器を(重ね合わせて)結合し、そして、2つの(重ね合わせて)結合した内側容器の周囲で、2つの内側容器を結合し、共通の蓋を備えた外側容器を形成する第3のブランクを折り畳むことができる。
【0006】
外側容器の製造を容易にするために、外側容器の一壁(たとえば、底壁)は、内側容器の両方に接着剤で接着され得、従って、第3のブランクが折り畳まれた後で、2つの内側容器の分離が可能となるように(すなわち、2つの内側容器が互いに回転できるように)外側容器の底壁にカットを形成する必要がある場合がある。
【0007】
2つの内側容器を分離するために、単一の回転ブレードを使用して外側容器の底壁を2つに切断することが知られている。しかしながら、このカットの実施の間に、外側容器の底壁と内側容器との間に塗布された接着剤によってブレードが汚れる傾向があり、それゆえ、接着剤を除去するために上記製造機械を頻繁に停止する必要がある。
【0008】
この課題を解決するために、外側容器の底壁上で、2つの内側容器の間の分離領域には(すなわちカット領域には)接着剤を塗布しないことが提案されている。しかしながら、一方で、この解決策は、外側容器の底壁と内側容器の間に圧力を加えた際、接着剤の運動を制御することが非常に困難である(すなわち、圧力が加えられた際、接着剤はランダムに移動し、いかなる場合においても、カット領域を「浸食する」可能性がある)ため、実装が困難であり、もう一方においては、カットに際して外側容器の底壁の端部を接着剤がないままに残し、従って、この端部が(接着剤によって所望の位置に固定されずに)自由に「はためく」(flap)傾向があり、最終消費者に低品質のシガレットパックの印象を与える。
【0009】
外側容器の底壁において二重カットを実施し、かつ、2つの内側容器を明確に分離するために、2つの内側容器(すなわち、2つの近接した平行カット)の間の分離領域において、外側容器の底壁からストラップ(帯片)を除去することも可能である。この目的のために、ストラップが底壁の他の部分から分離されるとただちにストラップを捕捉し除去する吸引動作が内部で実施される収集チャンバーの内部に部分的に格納される、平行かつ隣り合った2つの回転ブレードを具備する切断ユニットが使用される。
【0010】
しかしながら、2つの回転ブレードによるカットの後においてさえも、ストラップが底壁に貼り付いたままであり、従って吸引によって除去されないことは珍しくなく、従って、切断ユニットの下流にて、幾つかの「ウォレット」型シガレットパックが、程度の差こそあれ外側容器の底壁の所定の位置にストラップをなおも有している。このことは、透明プラスチック包装の適用の前の、ストラップの機械の内部における脱落、または、シガレットパックと一体であるストラップの、完全にランダムな位置における(透明プラスチック包装をもっての)包装、といった様々な問題を発生させ得、最終消費者に低品質のシガレットパックの印象を与える。
【0011】
さらに、2つの回転ブレードによるカットが形成された後に、ストラップが2つの回転ブレードの間に貼り付いて残り、長期的に見れば、包装機械を停止させるジャムを引き起こすことも発生し得る。
【0012】
特許文献1は、「ウォレット」型シガレットパックを形成するように構成された製造機械であって、第1の内側の枠に結合され、包装された第1のシガレットグループを形成する第1の機械と、第2の内側の枠に結合され、包装された第2のシガレットグループを形成する第2の機械と、2つの包装されたシガレットグループを垂直なヒンジを有する単一のヒンジ付きパックに組み合わせる第3の機械とを具備する製造機械を開示する。
【0013】
特許文献2は、テープ様の包装材料が内部においてレーザーによる材料除去に関与する処理を受ける包装ユニットを開示する。
【0014】
特許文献3は、2つの別個のシガレットグループを格納するヒンジ付きの蓋を備えるシガレットの硬質パックを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】国際公開第2005/054056号
【特許文献2】国際公開第2016/166692号
【特許文献3】欧州特許出願公開第2253547号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、上述の欠点のない喫煙物品の硬質パックを製造する製造方法および機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によれば、添付の請求項に記載された内容に従って、喫煙物品の硬質パックを製造する製造方法および機械が提供される。
【0018】
各請求項は、本開示内容の一体的部分を構成する本発明の実施形態を記述する。
【0019】
次に本発明は、本発明の非限定的な実施形態を図示する添付図面に関連して記述される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、閉じた形態にある、「ウォレット」型シガレットパックの斜視図である。
【
図2】
図2は、開いた形態にある、
図1の「ウォレット」型シガレットパックの斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1の「ウォレット」型シガレットパックの内部に格納される、覆いのないシガレットグループの斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1の「ウォレット」型シガレットパックの内部に格納される、包装されたシガレットグループの斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1の「ウォレット」型シガレットパックの2つの内側容器の一斜視図である。
【
図6】
図6は、
図1の「ウォレット」型シガレットパックの2つの内側容器の他の斜視図である。
【
図7】
図7は、
図1の「ウォレット」型シガレットパックの外側容器を製造するために使用されるブランクの平面図である。
【
図8】
図8は、
図1の「ウォレット」型シガレットパックの壁からストラップを除去するための切断ユニットの概略的斜視図である。
【
図9】
図9は、
図1の「ウォレット」型シガレットパックの壁の拡大図であり、ストラップを除去するために形成されるカット群を示す、
【
図10】
図10は、従来の機械的カットによって実施される二重貫通カットにおける、
図1の「ウォレット」型シガレットパックの壁の細部の概略的断面図である。
【
図11】
図11は、
図8の切断ユニットによって実施される二重貫通カットにおける、
図1の「ウォレット」型シガレットパックの壁の細部の概略的断面図である。
【
図12】
図12は、
図8の切断ユニットによって実施され、さらなる動作バリエーションに従う二重貫通カットにおける、
図1の「ウォレット」型シガレットパックの壁の細部の概略的断面図である。
【
図13】
図13は、
図8の切断ユニットによって実施され、さらなる動作バリエーションに従う二重貫通カットにおける、
図1の「ウォレット」型シガレットパックの壁の細部の概略的断面図である。
【
図14】
図14は、閉じた形態にある、一「スライド」式シガレットパックの斜視図である。
【
図15】
図15は、開いた形態にある、
図14の「スライド」式シガレットパックの斜視図である。
【
図16】
図16は、閉じた形態にある、他の「スライド」式シガレットパックの斜視図である。
【
図17】
図17は、開いた形態にある、
図16の「スライド」式シガレットパックの斜視図である。
【
図18】
図18は、閉じた形態にある、さらなる「スライド」式シガレットパックの斜視図である。
【
図19】
図19は、開いた形態にある、
図18の「スライド」式シガレットパックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1および
図2において、番号1は、全体として、(
図5および
図6で個別に示される)2つの内側容器2であって、(
図3および
図4で示される)包装された各シガレットグループ3を格納する2つの内側容器2を含む「ウォレット」型の硬質シガレットパックを示す。特に、
図3は、剥き出しの(すなわち、包装が欠如した)シガレットグループ3を示しており、一方で、
図4は、包装された(すなわち、上部に切取り部分を備えた軟性包装を提供された)シガレットグループ3を示す。
【0022】
図示された(非限定的な)実施形態によれば、2つのシガレットグループ3は(従って、2つの内側容器2は)異なるサイズを有し、すなわち、一方のシガレットグループ3は、もう一方のシガレットグループ3よりも大きい。
【0023】
図1および
図2に示されるように、シガレットパック1は、2つの内側容器2を内部に囲い込む(格納する)外側容器4を具備し、かつ、2つの内側容器2が互いに重なり合う閉じた形態(
図1参照)と、2つの内側容器2が互いに離れる開いた形態(
図2参照)との間で、2つの内側容器2が回転することを可能とするヒンジを有する。さらに、外側容器4には、外側容器4にヒンジで留められた蓋5が設けられており、蓋5は、閉じた形態(
図1参照)にあるとき内側容器2の両方の上部を取り囲む。
【0024】
シガレットパック1の製造は、まず2つのシガレットグループ3を形成すること、シガレットグループ3群の周囲において各々の包装を包装すること、そして、各シガレットグループ3の周囲で折り畳まれた(かつ、接着剤によって安定化された)2つの対応するブランク(公知であるため示さない)の使用によって2つの内側容器2を製造することとを、備える。2つの内側容器2が形成されたなら、(包装された各シガレットグループ3を格納する)2つの内側容器2は互いに(重ね合わせられ)結合され、そして、外側容器4が、互いに結合した2つの内側容器2の周囲で(
図7で示される)ブランク6を折り畳むことによって、形成される。
【0025】
図1および
図2に示された内容によると、ブランク6を折り畳むとただちに、外側容器4は、底壁7であって、内側容器2の両方に接着されている(従って、内側容器2群が互いに相対的に回転することを可能にする)底壁7と、側壁7であって、内側容器2の両方に接着されている(従って、内側容器2群が互いに相対的に回転することを可能にする)側壁7の、両方を備えており、従って、2つの内側容器2が互いに分離できるように(すなわち、2つの内側容器2が互いに相対的に回転できるように)外側容器4の底壁7と側壁7の両方にカットを形成することが必要である。ブランク6を折り畳んで外側容器4を形成する間において、(ブランク6の一部であり、従って外側容器4の一部である)壁7群が、(各内側容器2の間置を伴いつつ)包装された喫煙物品グループ3の両方に当接して着座するよう注意することが重要である。
【0026】
図8において、番号8は、全体として、既に完全に形成されているシガレットパック1群が、各シガレットパック1の外側容器4の壁7群のカットを実施するために供給される切断ユニットを示している(
図8においては、便宜のため、底壁7のカットのみが示されているが、側壁7のカットも同様に実施される)。
【0027】
特に、
図9においてさらによく示される内容によると、切断ユニット8は、2つの内側容器2の間に明確な分離を形成するために、各壁7のストラップ(帯片)10を取り除くための二重主貫通カット(すなわち、2つの主貫通カット9であって、互いに離間され平行である2つの主貫通カット9)を実施し、すなわち、切断ユニット8は、2つの内側容器2を分離するために、シガレットパック1の各壁7から、対応する相対的に薄い中央部分(ストラップ10)を除去する。
【0028】
添付図面中に示されている実施形態において、2つの主貫通カット9であって、各壁7の他の部分からストラップ10を分離する2つの主貫通カット9は、互いに平行であり、従ってストラップ10は不変値の幅を有し、示されていない異なる実施形態によれば、各壁7の他の部分からストラップ10を分離する2つの主カット9は、完全には互いに平行ではないことがあり(すなわち、それらは互いに相対的にわずかに収束または発散し得)、従ってストラップ10は可変値の幅を有し得る。
【0029】
図8に示されるように、切断ユニット8は、シガレットパック1を直線経路Pに沿って連続して供給するコンベアーを含み、該コンベアーは、たとえば、欧州特許出願公開第1916188号明細書および欧州特許出願公開2172339号明細書に記載のように形成される。さらに、切断ユニット8は、ブランク6を形成する包装材料の一部を昇華(気化)させることによって主貫通カット9群を形成するように、各ブランク6の(または、ブランク6によって形成された、対応する外側容器4の)各壁7上に、レーザービームの焦点を合わせるように形成される(少なくとも)1つのエミッター11を含む。換言すると、経路Pに沿って供給される各シガレットパック1のために、各壁7の他の部分からストラップ10を分離する主貫通カット9群は、レーザービームであって、包装材料の一部を昇華(気化)させるため、外側容器4の(または、正しくは、外側容器4を形成するブランク6の)壁7上に焦点を合わせられるレーザービームによって形成される。
【0030】
例として、レーザースポットは、各壁7上に焦点を合わせられ、ガルバノメーター群によりモーター駆動するミラー群(レーザーマーカーおよび2軸スキャナヘッド)の使用によって移動させられるが、そのレーザーフォーカスに作用する付加的モーター駆動が存在する場合がある(マーカー群および3つまたはさらに多くの軸を備えたスキャナヘッド群)。概略的には、エミッター11による主カット9の実施の間、シガレットパック1群は静止または移動し、いかなる移動の間であっても、シガレットパック1群の位置は、位置センサーであって、コンベアー機構に接続された位置センサーによって、または、視覚光学系によって、追跡され得る。
【0031】
エミッター11によって実施された主カット9は、直線たり得、または、自由にプログラム可能な経路に従い得る。
【0032】
先に述べられたように、各シガレットパック1において、および各壁7において、2つの主貫通カット9は、互いに離間され、壁の廃棄部分であるストラップ10の範囲を定め、すなわち、ストラップ10は、壁7の他の部分から分離され除去されるに相違ない部分である。
図9に示された内容によると、(各壁7の廃棄部分を構成する)ストラップ10の分離及び除去を容易にするために、切断ユニット8を通じて、主貫通カット9のみならず、ストラップ10(すなわち廃棄部分)を各壁からの分離および除去がさらに容易な複数のさらに小さい部分に分割する一連の二次的貫通カット12をも、形成することが可能である。特に、各二次的カット12は、2つの主カット9に対して横切る(垂直な、または、それぞれに傾斜した)向きであり、2つの主カット9と共に(廃棄部分を2つの部分13に分割するように)結合する。
図9に示された実施形態において、二次的カット群が、ストラップ10を(すなわち、廃棄部分を)異なる部分13に分割するように形成される。示されていない他の実施形態において、単一の二次的カット12が、ストラップ10(すなわち、廃棄部分)を2つの部分13にのみ分割するように形成されることが可能である。
【0033】
図8に示された好ましい実施形態によれば、切断ユニットは、その内部においてレーザービームが各シガレットパック1の壁7群上に焦点を合わせられる切断ステーションに配置され、廃棄部分(すなわち、全体であり得る、または、複数の部分13に分割され得る、ストラップ10)を吸引するように形成される、吸引装置14を含む。
【0034】
さらに、切断ユニット8は、各壁7を形成する包装材料の昇華(気化)の後で生成される煙霧(ダスト)を吸引するための吸引システムをも含む。可能な実施形態によれば、吸引装置14は、廃棄部分(すなわち、ストラップ10であって、全体であり得る、または、複数の部分13に分割され得るストラップ10)と、包装材料の昇華(気化)の後で生成される煙霧(ダスト)の両方を吸引することができ、吸引装置14の下流にて、包装材料は、異なって処理されるために適当なフィルター群によって、煙霧(ダスト)から分離され得る。
【0035】
添付図面中に示された各実施形態において、切断ユニット8は、各シガレットパック1の2つの異なる壁7上で(すなわち、底壁7上および側壁7上の両方で)カットを実施する。異なっており、かつ、完全に同等な実施形態によれば、ブランク6は、異なって形成され、従って、切断ユニット8は、各シガレットパック1の単一の壁7上においてのみ(すなわち、底壁7上においてのみ、または、側壁7上においてのみ)、カットを実施する。
【0036】
上記内容を要約すると、形成ユニットにおいて、各シガレットパック1のために2つの包装されたシガレットグループ3が形成され、第1の包装ユニットにおいて、2つの包装されたシガレットグループ3の周囲で2つの内側容器2が形成され、第2の包装ユニットにおいて、2つの内側容器の周囲で(すなわち、2つの包装されたシガレットグループ3の周囲で)ブランク6が折り畳まれ外側容器4を形成し、このステップにおいて、外側容器4の(少なくとも)底壁7は、内側容器の両方に接着される。最後に、切断ユニット8において、外側容器4の底壁7上で、2つの主カット9であって、互いに離間されており、壁7の2つの対向する端の間を延伸し、第1の内側容器2に接着された壁7の第1の部分と第2の内側容器2に接着された壁7の第2の部分を分離する2つの主カット9が形成される。
【0037】
切断ユニット8は、貫通カット9(および、場合によっては12)の実施に加え、各シガレットパック1において付加的な処理を実施するために使用されることも可能である。たとえば、エミッター11によって放出されたレーザーは、(カット9、および、場合によっては12の実施に加えて)ベクター形式またはラスター形式の英数字標示、バーコード、ロゴ、または外側容器4の画像的かつ装飾的要素さえをも形成するために使用されることも可能である。概略的には、エミッター11の動作パラメーター群(力、速さ、振動数、繰り返し回数、直径、そしてスポットフォーカス)は、一の処理と他の処理の間で異なることがあり、さらに、エミッター11の動作パラメーター群は、同一処理の間においてさえも変化させられることが可能である。
【0038】
図1ないし9、および11に示された実施形態において、各シガレットパック1において、切断ユニット8は、壁7の2つの対向する端の間を延伸し、ストラップ10(すなわち、廃棄部分)であって除去されるストラップ10を各壁7から分離する、互いに離間されている2つの主カット9を形成する。
【0039】
図12に示された異なる実施形態によれば、各シガレットパック1において、切断ユニット8は、各壁7の2つの対向する端の間を延伸する単一の主カット9を形成する。この実施形態において、各壁7は、いかなる場合においても、(各々対応する内側容器2に対してのみ接着されている)2つの部分に分割されるが、いかなる廃棄部分(すなわち、壁7から取り除かれるいかなるストラップ10)の形成もない。
【0040】
図13に示されたさらなる実施形態によれば、各シガレットパック1において、切断ユニット8は、壁7においてさらに幅の広い分離を形成するように、互いに隣り合いかつ接する(すなわち、2つの隣接した主カット9の間に残存するいかなる包装材料も伴わない)2つまたはさらに多くの主カット9を、各壁7において形成する(すなわち、壁7はいかなる場合においても2つの部分に分割される)が、いかなる廃棄部分(すなわち、壁7から取り除かれるいかなるストラップ10)の形成もない。換言すると、
図13に示された実施形態において、ストラップ10(すなわち、廃棄部分)は、同様のカットの間に包装材料が全く残存しないように(すなわち、廃棄材料が機械的に除去されるように)、複数の近接したレーザーの通過(ストローク)によって、すなわち、互いに隣り合いかつ接している複数の主カット9によって、完全に「分解」(気化、昇華)させられる。
【0041】
図10と
図11の間で比較を行うことにより、二重回転ブレードによって実施される二重主カット9(
図10)とレーザーによって実施される二重主カット9(
図11)の間にある相違を評価し得る。レーザーによって実施される主カット9は、壁7と下にある内側容器2群の間に間置された接着剤に至る優れた分離を形成し(そして、場合によっては、壁7と下にある容器2群の間に間置された接着剤の一部さえも除去、気化させ)、一方においては、主カット9であって、ブレードが壁7とその下にある内側容器2群の間に間置された接着剤によって汚れることを防止するように機械的に実施される主カット9は、接着剤の近傍においては非常に薄い(従って、不明確である)に相違ない。従って、レーザーによって実施された主カット9によって範囲を定められたストラップ10は、主カット9(
図11)が最早壁7といかなる種類の残余接続も有さないため、非常に容易に除去され得、一方においては、二重主カットによって範囲を定められたストラップ10であって、二重回転ブレードによって機械的に実施されるストラップ10(
図10)は、壁7と幾らかの残余接続が存在するため、さらに多大な困難を伴って除去される(加えて、回転ブレード群を接着剤によって汚すことを伴わず、前もって除去することは困難である)。
図14および15において示された異なる実施形態において、単一の包装されたシガレットグループ3であって、外側容器4の内部にスライド式に格納される単一の内側容器2の内部に挿入される単一の包装されたシガレットグループ3が獲得され(すなわち、ブランク6は、従って、外側容器4の内部に存在する単一の内側容器2の周囲で包まれ)、かつ、単一の主貫通カットであって、それ自体で閉じており、下にある内側容器2に対して接着される留め具16を外側容器4の側壁15から分離する、単一の主貫通カットが提供される。この実施形態において、主カット9は(シガレットパック1の最初の開放に際して破られるに相違ない、完全性の保証としての残余接続点群を残存させるように)非連続でもあり得る。さらに、この実施形態において、主カット9によって形成される留め具16が、シガレットパック1の開放を「チャイルドプルーフ」にするために、シガレットパック1の開放をさらに「複雑」にする機能(すなわち、外側容器4から内側容器2をスライドさせることによる引抜)を有する。
【0042】
図16ないし19に示された異なる実施形態において、単一の包装されたシガレットグループ3であって、外側容器4の内部に直接挿入される(すなわち、ブランク6が包装されたシガレットグループ3の周囲で直接包まれ、内側容器2は存在しない)単一の包装されたシガレットグループ3が形成され、外側容器4がスライド蓋5を備えて提供され、そして、外側容器4の後壁17において形成され、外側容器4とスライド蓋5の間に完全な分離を形成する単一の主貫通カット9が、提供される(すなわち、当初は、スライド蓋5は、外側容器4の他の部分に接続されており、そして、該主貫通カット9のみによって、外側容器4の他の部分から完全に分離される)。この実施形態において、主カット9は(シガレットパック1の最初の開放に際して破られるに相違ない、完全性の保証としての残余接続点群を残存させるために)非連続でもあり得る。さらに、この実施形態において、主カット9は(
図16および17に示されたように)直線たり得、または、鋭利または丸みを帯びた端部群を備えて(
図18および19で示されたように)ジグザグに形成もされ得る。
【0043】
自明であることには、
図14ないし19に示された各実施形態においても、壁15および17において互いに隣り合う2つの主カット9を形成し、対応する壁15および17からストラップ10を分離して除去することも可能である。
【0044】
本明細書中に記述された各実施形態は、本発明の保護の有効範囲から逸脱せずに相互に組み合わされ得る。
【0045】
上述された製造方法は、多くの利点を有する。
【0046】
第1に、上述された製造方法は、ブランク6であって、ブランク6の折り畳みが完了した後で(または、ブランク6の折り畳みの間に)幾つかのブランク6の切断動作が実施されるので、製造および折り畳みがさらに容易かつ迅速であるというブランク6を使用できるようにし、シガレットの硬質パック1が効率的かつ効果的に製造されることを可能にする。
【0047】
さらに、上述された製造方法は、接着剤が主カット9群の下に見出される場合においてさえも、主カット9が、いかなるエラーと汚れの危険性も伴わず(従って、いかなる定期的なクリーニングの必要性も伴わず)、高い精度で実施されることを可能にする。
【0048】
必要な場合には、上述された製造方法は、カットの後にいかなるストラップ10(すなわち、いかなる廃棄部分)であっても容易かつ安全に取り除くことを可能にし、従って、ストラップ10(またはストラップ10の一断片)が、切断ユニット8の下流にても壁7と接したまま残存することを回避する。
【0049】
最後に、上述された製造方法は、類似で公知の製造方法と比較して、実施が簡単かつ非高額であり、該方法は、(エミッター11のような)市販部品群または標準的な機械的加工をもって容易に獲得され得る部品群を使用する、短時間での交換を要する。
【0050】
添付図面中に示された各実施形態は、シガレットパックの製造に関するが、本発明は、他のいかなる種類の喫煙物品パック(たとえば、シガーパック、リキッド気化式電子シガレットパック、新世代無煙シガレットパック…)の製造に対しても、実質的な変更を伴わずに適用され得る。
【国際調査報告】