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特表2023-542520地上探知レーダシステムおよびブロードキャスト伝送を使用した車両場所の監視
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-10
(54)【発明の名称】地上探知レーダシステムおよびブロードキャスト伝送を使用した車両場所の監視
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/04 20060101AFI20231002BHJP
   G08G 1/0968 20060101ALI20231002BHJP
   G01S 13/88 20060101ALI20231002BHJP
   G01S 13/89 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
G01C21/04
G08G1/0968 A
G01S13/88 200
G01S13/89
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518163
(86)(22)【出願日】2021-09-13
(85)【翻訳文提出日】2023-05-09
(86)【国際出願番号】 US2021050019
(87)【国際公開番号】W WO2022060659
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】63/080,927
(32)【優先日】2020-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522019904
【氏名又は名称】ジーピーアール, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】クラーク, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】クイン, コナー
(72)【発明者】
【氏名】フリードマン, サンフォード
(72)【発明者】
【氏名】スタンリー, バイロン
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
5J070
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB12
2F129BB14
2F129BB22
2F129EE52
2F129EE78
2F129EE81
2F129FF02
2F129FF15
2F129FF62
2F129FF65
2F129GG18
2F129HH18
2F129HH20
2F129HH33
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF17
5H181FF27
5H181LL09
5J070AD08
5J070AE11
5J070AF03
5J070AH04
5J070BE03
(57)【要約】
位置特定システムは、地上および地下道路の特徴ならびにブロードキャスト伝送の両方を検出するために地中探知レーダ(GPR)アンテナアレイを利用し、これは、位置特定を改良するために使用される。例えば、GPRアンテナは、AMまたはFMラジオ伝送またはWi-Fi信号を傍受し得、車両の推定される位置を計算または精緻化するために、これらを使用し得る。ナビゲーションシステムは、SPR信号および無線周波数(RF)信号を受信するように構成される、GPRアンテナアレイを備えるSPRシステムと、SPRシステムからの信号を、地下の特徴を含む画像に処理するための画像生成モジュールと、SPRシステムからRF信号を抽出するためのRF受信モジュールと、少なくとも部分的に、RF信号、画像生成モジュールによって生成された画像、および少なくとも1つの参照SPR画像に基づいて、場所を判定するためのナビゲーションシステムとを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーションシステムであって、
地中探知レーダ(GPR)アンテナアレイを備える地上探知レーダ(SPR)システムであって、前記GPRアンテナアレイは、SPR信号および無線周波数(RF)信号を受信するように構成される、SPRシステムと、
前記SPRシステムからの信号を、地下の特徴を含む画像に処理するための画像生成モジュールと、
前記SPRシステムからRF信号を抽出するためのRF受信モジュールと、
少なくとも部分的に、前記RF信号、前記画像生成モジュールによって生成された前記画像、および少なくとも1つの参照SPR画像に基づいて、場所を判定するためのナビゲーションシステムと
を備える、システム。
【請求項2】
前記SPRシステムは、RF伝送機の場所が、把握されている場合、
前記RF伝送機からの距離を推定するために、前記抽出されたRF信号の感知された電力レベルを使用することと、
GPRマップに基づいて推定される場所を検証または補正することと
を行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記GPRセンサアレイは、複数のアンテナを備える水平GPRセンサアレイを備え、
前記SPRシステムは、RF伝送機の場所が、把握されていない場合、
車両の場所を推定するために、マップの一部として、経時的に、前記受信されたRF信号の電力レベルの変化を監視することと、
前記複数のアンテナのうちの少なくともいくつかを横断した到着時間の差に基づいて、前記RF信号の方向的出所を推定することと
を行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記GPRアンテナアレイから垂直に変位される無線アンテナをさらに備え、
前記GPRアンテナアレイを横断した到着時間の差は、RF伝送機の場所に対する水平方向を推定するために使用され、
前記GPRアンテナアレイと前記無線アンテナとの間の到着時間の差は、前記RF伝送機の前記場所に対する垂直方向を推定するために使用される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記SPRシステムは、GPRシステムを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
ナビゲーション方法であって、
SPR信号および無線周波数(RF)信号を受信することと、
前記SPR信号を、地下の特徴を含む画像に処理することと、
少なくとも部分的に、前記受信されたRF信号、前記画像、および参照SPR画像のライブラリに基づいて、場所を判定することと
を含む、方法。
【請求項7】
RF伝送機の場所が、把握されている場合、
前記RF伝送機からの距離を推定するために、前記受信されたRF信号の感知された電力レベルを使用することと、
GPRマップに基づいて推定される場所を検証または補正することと
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
RF伝送機の場所が、把握されていない場合、
車両の場所を推定するために、マップの一部として、経時的に、前記受信されたRF信号の電力レベルの変化を監視することと、
到着時間の差に基づいて、前記RF信号の方向的出所を推定することと
をさらに含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
GPRアンテナアレイを横断したRF信号の到着時間の差に基づいて、RF伝送機の場所に対する水平方向を推定することと、
前記GPRアンテナアレイと無線アンテナとの間の到着時間の差に基づいて、前記RF伝送機の前記場所に対する垂直方向を推定することと
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記受信されたRF信号は、大まかな場所推定を提供するために使用され、前記SPR信号は、前記大まかな推定を精緻化するために使用される、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年9月21日に出願された、米国仮特許出願第63/080,927号の優先権および利益を主張し、それを参照することによってその全体として本明細書に組み込む。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、車両ルート計画に関し、より具体的には、地上探知レーダ(SPR)システムを使用した車両ルート計画に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
種々のナビゲーションシステムが、規定された出発場所と目的地の場所との間のルート計画を車両の運転者に提供するために、開発されてきた。一般的には、1つ以上のルートは、道路に関する大規模なデータベースから選択される。ナビゲーションシステムは、典型的には、データベース内の道路に対して相対的な車両の現在の位置を示すために、全地球測位システム(GPS)受信機等の1つ以上の位置判定デバイスを含む。従来の方法では、ルート計画は、最短距離または最速走行時間等のあるユーザ規定基準に基づいて実施される。車両が、砂、砂利、泥、雪、岩、および他の自然地形を特徴とし得る、未舗装の道路または軌道上で運転される、オフロード条件では、従来の技法を利用するルート計画は、困難なままである。例えば、オフロード走行では、条件および地形に応じて、特別に装備された車両を要求し得る。しかしながら、そのような考慮事項は、従来のナビゲーション技法によって考慮されていない。
【0004】
米国特許第8,949,024号(その開示全体が、参照することによって本明細書によって組み込まれる)に説明されるように、車両の経路に沿って、地上および地下の特徴のSPR画像が、取得され、車両を位置特定するために分析され得る。特に、場所は、以前に入手されたSPR画像に関連付けられる場所に基づいて、確かめられ得る。例えば、新たなSPR画像は、画像相関または他の好適な技法によって、以前に入手されたSPR画像と比較されてもよい。
【0005】
本アプローチは、正確な場所情報を提供し得、速度情報を導出することができる。一方、GPSシステムは、2つのGPS点(場所)およびGPS受信機クロック(これは、非常に正確であり、GPS人工衛星に搭載される、原子時計と定期的に同期している)を使用して、速さを報告することができる。故に、SPRシステムによって生成される、場所情報の正確度を改良することを対象とする、技法に対する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第8,949,024号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(要約)
本発明の実施形態は、ブロードキャスト伝送を検出するために、地中探知レーダ(GPR)アンテナアレイを有する、SPRシステムを利用し、位置特定を改良するためにこれらを使用する。例えば、GPRアンテナは、AMまたはFMラジオ伝送またはWi-Fi信号を傍受し得、車両の位置を計算するために、これらを使用し得る。
【0008】
故に、第1の側面において、本発明は、種々の実施形態では、SPR信号および無線周波数(RF)信号を受信するように構成される、GPRアンテナアレイを備える、SPRシステムと、SPRシステムからの信号を、地下の特徴を含む画像に処理するための画像生成モジュールと、SPRシステムからRF信号を抽出するためのRF受信モジュールと、少なくとも部分的に、RF信号、画像生成モジュールによって生成された画像、および少なくとも1つの参照SPR画像に基づいて、場所を判定するためのナビゲーションシステムとを備える、ナビゲーションシステムに関する。
【0009】
SPRシステムは、RF伝送機の場所が、把握されている場合、RF伝送機からの距離を推定するために、抽出されたRF信号の感知された電力レベルを使用し、GPRマップに基づいて推定される場所を検証または補正するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、GPRセンサアレイは、複数のアンテナを備える水平GPRセンサアレイを備え、SPRシステムは、RF伝送機の場所が、把握されていない場合、車両の場所を推定するために、マップの一部として、経時的に、受信されたRF信号の電力レベルの変化を監視し、複数のアンテナのうちの少なくともいくつかを横断した到着時間の差に基づいて、RF信号の方向的出所を推定するように構成されてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、本システムはさらに、GPRアンテナアレイから垂直に変位される、無線アンテナをさらに備え、GPRアンテナアレイを横断した到着時間の差は、RF伝送機の場所に対する水平方向を推定するために使用され、GPRアンテナアレイと無線アンテナとの間の到着時間の差は、RF伝送機の場所に対する垂直方向を推定するために使用される。
【0011】
第2の側面では、本発明は、種々の実施形態では、SPR信号および無線周波数(RF)信号を受信することと、SPR信号を、地下の特徴を含む画像に処理することと、少なくとも部分的に、受信されたRF信号、画像、および参照SPR画像のライブラリに基づいて、場所を判定することとを含む、ナビゲーション方法に関連する。
【0012】
本方法はさらに、RF伝送機の場所が、把握されている場合、RF伝送機からの距離を推定するために、受信されたRF信号の感知された電力レベルを使用することと、GPRマップに基づいて推定される場所を検証または補正することとを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、RF伝送機の場所が、把握されていない場合、車両の場所を推定するために、マップの一部として、経時的に、受信されたRF信号の電力レベルの変化を監視することと、到着時間の差に基づいて、RF信号の方向的出所を推定することとを含む。
【0013】
本方法は、種々の実施形態では、GPRアンテナアレイを横断したRF信号の到着時間の差に基づいて、RF伝送機の場所に対する水平方向を推定することと、GPRアンテナアレイと無線アンテナとの間の到着時間の差に基づいて、RF伝送機の場所に対する垂直方向を推定することとを含んでもよい。受信されたRF信号は、例えば、大まかな場所推定を提供するために使用され、SPR信号は、大まかな推定を精緻化するために使用されてもよい。
【0014】
本明細書で使用されるように、用語「略」は、±10%、いくつかの実施形態では、±5%を意味する。本明細書全体を通した「一実施例」、「ある実施例」、「一実施形態」、または「ある実施形態」の言及は、実施例に関連して説明される、特定の特徴、構造、または特性が、本技術の少なくとも1つの実施例内に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して種々の箇所における「一実施例では」、「ある実施例では」、「一実施形態では」、および「ある実施形態では」という語句の出現は、必ずしも全てが、同一の実施例を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、ルーチン、ステップ、または特性は、本技術の1つ以上の実施例内で、任意の好適な様式で組み合わせられ得る。本明細書で提供される見出しは、便宜上のためだけのものであり、主張される技術の範囲または意味を限定または解釈することを意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
前述および以下の詳細な説明は、図面と併せて解釈されるとき、より容易に理解されるであろう。
【0016】
図1A図1Aは、本発明の実施形態による、場所監視システムを含む、例示的走行車両を概略的に図示する。
【0017】
図1B図1Bは、場所監視システムのアンテナが、道路の表面により近接している、またはそれと接触している、代替構成を概略的に図示する。
【0018】
図2図2は、本発明の実施形態による、例示的場所監視システムを概略的に描写する。
【0019】
図3A図3A-3Dは、本発明の実施形態による、例示的場所監視システムのコントローラおよびRF受信機モジュールのための代替アーキテクチャを概略的に描写する。
図3B図3A-3Dは、本発明の実施形態による、例示的場所監視システムのコントローラおよびRF受信機モジュールのための代替アーキテクチャを概略的に描写する。
図3C図3A-3Dは、本発明の実施形態による、例示的場所監視システムのコントローラおよびRF受信機モジュールのための代替アーキテクチャを概略的に描写する。
図3D図3A-3Dは、本発明の実施形態による、例示的場所監視システムのコントローラおよびRF受信機モジュールのための代替アーキテクチャを概略的に描写する。
【0020】
図4図4は、ブロードキャスト信号伝送処理を使用する、場所監視システムのコントローラの動作を概略的に図示する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
最初に、所定のルート104上を走行する、例示的車両102を描写する、図1Aを参照すると、車両102は、本明細書による車両ナビゲーションのための地形監視システム106を具備する。種々の実施形態では、地形監視システム106は、車両102の前面(または任意の好適な部分)に固定される、地中探知レーダ(GPR)アンテナアレイ110を有する、SPRシステム108を含む。GPRアンテナアレイ110は、概して、地面に対して平行に配向され、走行方向に対して垂直に延在する。代替構成では、GPRアンテナアレイ110は、道路の表面に近接している、またはそれと接触している(図1B)。一実施形態では、GPRアンテナアレイ110は、GPR信号を道路に伝送するための空間的に不変なアンテナ要素の線形構成を含み、GPR信号は、道路表面を通して地下領域に伝搬し、上向きの方向に反射されてもよい。反射されたGPR信号は、GPRアンテナアレイ110内の受信アンテナ要素によって検出されることができる。種々の実施形態では、検出されたGPR信号は、次いで、車両102の軌道に沿った地下領域の1つ以上のSPR画像(例えば、GPR画像)を生産するために、処理および分析される。GPRアンテナアレイ110が、表面に接触していない場合、受信される最強帰還信号は、道路表面によって引き起こされる反射であり得る。したがって、SPR画像は、表面データ、すなわち、空気または局所的環境を含む、地下領域の界面を表すデータを含んでもよい。
【0022】
位置特定のために、SPR画像は、画定されたルートに対して地下領域と少なくとも部分的に重複する、地下領域に対して、(例えば、ライブラリとして)以前に入手および記憶された、SPR参照画像と比較されてもよい。画像比較は、例えば、相関に基づいた位置合わせプロセスであってもよい。例えば、上記で記述される第‘024号特許および米国特許第8,786,485号(その開示全体が参照することによって本明細書に組み込まれる)を参照されたい。車両102の場所は、次いで、比較に基づいて判定されることができる。ナビゲーションは、場所を確認するために、参照画像のサブセットを検索することを要求し、本サブセットのサイズを縮小することは、効率を改良する。本明細書に提供されるような場所情報に関する独立型ソースは、本サブセットを低減させ、効率を改良し、誤一致の可能性を低減させる。画像ルックアップの頻度を低減させるために、車両102は、前輪の配向を持続的に記録する、センサを装備してもよく、走行距離計データと組み合わせて、これは、前の既知場所に基づいて、現在の位置の「自律航法」推定を実装するために、コントローラ112によって使用されてもよい。自律航法の推定はさらに、第‘024号特許に説明されるように、現在のSPR画像を、1つ以上の以前に取得されたSPR画像と比較することによって改良され得る。
【0023】
加えて、入手されたSPR画像とSPR参照画像との比較に基づいて判定される場所データは、車両102が走行したルートを含む、場所マップを作成するために使用され得る。加えて、または代替として、車両102に対する場所データは、車両102を誘導するために、既存のマップ(例えば、GOOGLEマップ)、および/または慣性航法システム(INS)、GPS、水中音波探知装置(SONAR)システム、LIDARシステム、カメラ、慣性測定ユニット(IMU)、および補助レーダシステム等の1つ以上の他のセンサまたはナビゲーションシステムによって提供される、データと組み合わせて使用されてもよい。例えば、コントローラ112は、取得されたSPR情報を、GPSによって生成される既存のマップに対して位置特定し得る。車両ナビゲーションおよび位置特定のためにSPRシステムを利用するためのアプローチは、例えば、第‘024号特許に説明されている。
【0024】
図2は、本明細書による、最適なルートを判定するために車両内に実装される、例示的場所監視システム200を描写する。ナビゲーションを促進するために、SPRシステム200は、それを通してユーザが、ルートを画定する、または所定のルートを選択するためにデータを打ち込むことができる、ユーザインターフェース202を含んでもよい。SPR画像は、ルートに従って、SPR基準画像ソース204から読み出される。SPRシステム200はまた、GPRアンテナアレイ110(図1参照)を有する、モバイルSPRシステム206も含む。モバイルSPRシステム206の伝送動作は、GPRアンテナアレイ110によって検出される帰還SPR信号も受信する、コントローラ(例えば、プロセッサ)208によって制御される。モバイルSPRシステム206は、道路表面の下方の地下領域、および/または、例えば、上記で記述される第‘024号および第‘485号特許による、GPRアンテナアレイ110の真下の道路表面のSPR画像を生成する。SPR画像は、岩、根、巨礫、パイプ、割れ目、土壌層、および地下/地上領域内の土壌または材料性質における変動を示す他の特徴等、地下領域内および/または道路表面上の構造および物体を表す特徴を含む。コントローラ208はまた、無線周波数(RF)受信機モジュール212を含む、またはそれと通信する。
【0025】
種々の実施形態では、位置合わせモジュール215は、車両の場所(例えば、ルート上の最近傍点に対する車両のオフセット)を判定するために、モジュール210によって提供されるSPR画像を、SPR参照画像ソース204から読み出されるSPR画像と比較する。位置合わせプロセスにおいて判定される、場所的情報(例えば、オフセットデータ、または位置的誤差データ)は、車両をナビゲートするための場所マップを作成する、変換モジュール218に提供され得る。例えば、変換モジュール218は、ルートからの車両の位置的逸脱に対して補正される、GPSデータを生成し得る。代替として、変換モジュール218は、マップソース220(例えば、GPS等の他のナビゲーションシステム、またはマッピングサービス)から既存のマップを読み出し、次いで、取得された場所的情報を既存のマップに位置特定し得る。一実施形態では、所定のルートの場所マップは、システムメモリ、および/またはコントローラ208にアクセス可能な記憶デバイス内のデータベース222に記憶される。
【0026】
いくつかの実施形態では、RF受信機モジュール212によって受信される信号の場所は、信号周波数または成分から導出されてもよく、これは、車両の位置特定を支援し得る。例えば、RF信号の周波数が、把握されている場合、変換モジュール218は、エリア内のFCC認証伝送機の単純なルックアップを(ローカルで、またはインターネットを介して無線で)実行し得る。例えば、車両が、ボストン内で走行していることが(例えば、GPRマップに基づいて、モジュール215、218を介して)把握されており、強い信号が、98.5MHzにおいて検出される場合、WBZ伝送機の場所が、ルックアップされ、信号強度が、そこからの距離を推定するために使用されることができる。現代の伝送機(デジタルTV、携帯電話等)は、データおよび電気通信成分に加えて、識別情報を含む、デジタルビットストリームを含有する、信号をブロードキャストする。本情報は、具体的塔をその地理的な場所に結び付けることができる。変換モジュール218は、本ビットストリームをデコードし、場所をルックアップするように構成されてもよい。伝送機ルックアップはまた、そのような情報の公的に利用可能なソース、または本明細書に説明されるように装備される車両によって感知され、そこからアップロードされる、電力レベルに基づいて組み立てられるデータベースのいずれかから、伝送機の電力レベルを取得し得る。
【0027】
より一般的には、RF受信機モジュール212は、GPRアンテナアレイ110を使用して、RF伝送機、例えば、ブロードキャスト塔(例えば、携帯電話(4G/GSM(登録商標)等)または固定もしくは既知の場所を伴うWi-Fiユニット)から、AMまたはFMラジオ伝送またはWi-Fi信号を受信し得る。RF伝送機の場所(ある場合では、その電力レベル)が、把握されている場合、SPRシステムは、RF伝送機からの距離を推定するために、感知された電力レベルを使用し、それによって、GPRマップに基づいて推定される場所を検証または補正することができる。
【0028】
RF伝送機の場所が、把握されていない場合でも、SPRシステムは、車両の場所をより良好に推定するために、おおよそのマップさえも併せて、経時的に(ある場合では、アレイ内のセンサを横断して)、受信された無線(または他の)信号の電力レベルの変化を、監視し得、信号の方向的出所は、水平GPRセンサアレイ内のアンテナを横断した到着時間の差に基づいて推定され得る。GPRアンテナアレイから垂直に変位され得る、自動車の従来の無線アンテナは、RF伝送機ソースの場所をさらに推定するために、採用されることができる。例えば、GPRアンテナアレイを横断した到着時間の差は、水平方向を推定するために使用され得、GPRアンテナアレイと車両の無線アンテナとの間の到着時間の差は、RF伝送機ソースに対する垂直方向を推定するために使用され得る。代替として、1つ以上の他のアンテナは、GPRアンテナアレイから垂直に変位され、車両の無線アンテナの代わりに、またはそれに加えて使用されることができる。
【0029】
図3Aは、図2のコントローラ208およびRF受信機モジュール212の実施例を示す。図3Aでは、(図2の)コントローラ208は、GPR回路網302と、プロセッサ322とを含む。(図1の)GPRアンテナアレイ110は、Txアンテナ324から発信される、反射されたGPR信号に加えて、受信(Rx)アンテナ304を介して、ブロードキャスト伝送信号、例えば、AMラジオ、FMラジオ、Wi-Fi、または別のRF信号を受信する。未加工の信号は、最初に、スプリアス帯域外信号を除去することによって信号を条件付ける、第1のフィルタ306によって、次いで、低雑音増幅器308によって処理される。GPR回路網302は、反射されたGPR信号を処理するために、低雑音増幅器308からの出力を受信する。ミキサ310もまた、低雑音増幅器308からの低雑音増幅信号を受信し、それをRF同調可能発振器312からの信号と混合することによって、所望のブロードキャスト伝送信号を入手し、その出力を、スプリアス帯域外信号をさらに低減させる、第2フィルタ314に送信する。第2のフィルタ314は、増幅器316に出力し、これは、復調器318に出力する。増幅器316は、従来のものであり、動作周波数範囲の周囲において合理的な線形性を提供する、いかなる設計も、好適であり、例えば、これは、低雑音増幅器である必要はない。
【0030】
アナログ/デジタル変換器320は、復調器から、ならびにGPR回路網302から、出力を受信し、それぞれからのアナログ信号を、プロセッサ322によって使用されることになるデジタル信号に変換する。伝送(Tx)アンテナ324は、SPR処理のためのGPR信号を送信するために、GPR回路網によって使用される。Rxアンテナ304もまた、SPR処理のために反射されたGPR信号を受信するために、GPR回路網302によって使用される。図3Aのシステムは、例えば、汎用混合アナログ/デジタルGPRを伴うスーパーヘテロダインアナログ信号RF受信機を使用し得る。
【0031】
図3Bは、図2のコントローラ208およびRF受信機モジュール212の別の実施例を示す。図3Bでは、(図2の)コントローラ208は、GPR回路網302と、GPRプロセッサ330とを含む。(図1の)GPRアンテナアレイ110は、Rxアンテナ304を介して、ブロードキャスト伝送信号、例えば、AMラジオ、FMラジオ、Wi-Fi、または別のRF信号を受信する。未加工の信号は、最初に、第1のフィルタ306によって、次いで、低雑音増幅器308によって処理される。GPR回路網302は、低雑音増幅器308からの出力を受信する。第1のアナログ/デジタル変換器326もまた、低雑音増幅器308から低雑音増幅信号を受信し、アナログ信号をRFプロセッサ328によって使用されることになるデジタル信号に変換する。第2のアナログ/デジタル変換器320は、GPR回路網302から出力を受信し、アナログ信号をGPRプロセッサ330によって使用されることになるデジタル信号に変換する。Txアンテナ324は、SPR処理のためのGPR信号を送信するために、GPR回路網によって使用される。Rxアンテナ304もまた、SPR処理のための反射されたGPR信号を受信するために、GPR回路網302によって使用される。図3Bのシステムは、例えば、混合アナログ/デジタルGPRを伴うデジタルRF受信機を使用し得る。
【0032】
図3Cは、図2のコントローラ208およびRF受信機モジュール212の別の実施例を図示する。図3Cでは、(図2の)コントローラ208は、プロセッサ322を含む。(図1の)GPRアンテナアレイ110は、Rxアンテナ304を介して、ブロードキャスト伝送信号、例えば、AMラジオ、FMラジオ、Wi-Fi、または別のRF信号を受信する。未加工の信号は、最初に、フィルタ306によって、次いで、低雑音増幅器308によって処理される。アナログ/デジタル変換器320は、低雑音増幅器308から低雑音増幅信号を受信し、アナログ信号をプロセッサ322によって使用されることになるデジタル信号に変換する。プロセッサ322は、アナログ/デジタル変換器332に出力し、プロセッサ322からのデジタル信号を、増幅器334が、増幅された信号をTxアンテナ324に送信する前に増幅し得る、アナログ信号に変換する。Txアンテナ324は、SPR処理のためのGPR信号を送信するために、GPR回路網によって使用される。Rxアンテナ304もまた、SPR処理のための反射されたGPR信号を受信するために、GPR回路網302によって使用される。図3Aおよび3Bに示される実施形態に対して相対的に、図3Cのシステムは、GPRを伴うデジタルRF受信機の簡略化された回路網を表す。
【0033】
図3Dは、図2のコントローラ208およびRF受信機モジュール212のさらなる別の実施例を示す。図3Dでは、デジタルスーパーヘテロダインRF受信機のための処理が、図示されている。アナログ/デジタル変換器のRx入力336は、Rxアンテナ304からアナログ入力を受信し、それをデジタル信号に変換する。ミキサ310は、アナログ/デジタル変換器のRx入力336からデジタル信号を受信し、それをRF同調可能発振器312からの信号と混合し、出力をフィルタ314に送信する。フィルタ314は、増幅器316に出力し、これは、復調器318に出力する。図3Dの復調器318の下流の処理は、図3Aに示される、復調器318と同様であり得る。
【0034】
図4は、ブロードキャスト信号伝送処理を使用する、コントローラ208の動作の実施例を示す。図4では、RF信号入力402は、RFプロセッサ、例えば、図3Aおよび3Cのプロセッサ322、または図3BのGPRプロセッサ330から処理された信号を受信する。目印抽出モジュール404は、RF信号入力402からのデータを使用し、RF信号のブロードキャスト場所の判定された位置の近傍で、目印(例えば、既知である、または以前に目録化された場所を伴う物理的構造物、すなわち、例えば、図1に示されるような消火栓125)を認識する。目印抽出モジュール404は、具体的なタイプの物理的構造物(言及されたような消火栓、信号機、街灯柱、標識等)と関連付けられる、帰還信号のシグネチャを記憶し、近似一致のために、RF信号入力402を分析することによって、動作し得る。一致するシグネチャの振幅は、目印までの距離を推定するために使用され得る。代替として、自動運転型の車のように、物体検出および認識のためにプログラミングされる、畳み込みニューラルネットワークが、採用されてもよい。
【0035】
GPRナビゲーションフィルタ406は、先行マップ408、ならびにGPR信号入力410、例えば、図3Aおよび3BのGPR回路網302、または図3Cのプロセッサ322とともに、目印抽出モジュール404から判定される目印を使用し、ナビゲーション情報を提供する。先行マップ408は、RF信号の場所、GPR情報、GPS情報、および車線区分線層、または類似する情報(本質的に、これは、信号ソース、場所、電力レベルマップである)等、以前に記憶された情報である、またはそれを含み得る。例えば、それは、そのような情報を列挙する、インターネットまたは政府のウェブサイトからのデータを切り抜くことによって、組み立てられ、サーバ上にダウンロードするために使用可能にされてもよい。代替として、それは、多くのSPR装備型車両が、周囲を走行するにつれて、それによって検出された目印データをアップロードすることによって、生成されてもよい。先行マップ408は、独立型マップ、またはナビゲーションもしくは自動運転型車両のマップ内の層であってもよい。
【0036】
目印抽出モジュール404はまた、目印の位置を識別するために、先行マップ408およびGPRナビゲーションフィルタ406から情報を受信してもよい。目印ベースのナビゲーションフィルタ412はまた、位置付けデータの付加的な精緻化のために、GPRナビゲーションフィルタ406に粗い検索姿勢を提供するために、目印抽出モジュール404によって識別された目印を使用してもよい。センサ融合ナビゲーションフィルタ414は、目印ベースのナビゲーションフィルタ412からの出力を、GPRナビゲーションフィルタ406からの高正確度位置情報と、他のセンサ入力416からのデータと組み合わせ、図1Aの車両102の現在の場所を識別する際に、システム108において使用するための追跡ナビゲーションフィルタの融合された高正確度位置を生産する。融合された高正確度位置は、位置付け判定をさらに精緻化するために、改良された検索姿勢として、GPRナビゲーションフィルタ406にフィードバックされ得る。
【0037】
コントローラ208、画像生成モジュール210、および車両内に実装されるRF受信機モジュール212は、ハードウェア、ソフトウェア、または両方の組み合わせ内に実装される、1つ以上のモジュールを含んでもよい。機能が、1つ以上のソフトウェアプログラムとして提供される実施形態に関し、プログラムは、PYTHON(登録商標)、FORTRAN、PASCAL、JAVA(登録商標)、C、C++、C#、BASIC、種々のスクリプト言語、および/またはHTML等のいくつかの高水準言語のいずれかで記述され得る。加えて、ソフトウェアは、標的コンピュータ上に常駐するマイクロプロセッサに指示されるアセンブリ言語で実装され得、例えば、ソフトウェアは、IBM PCまたはPC複製品上で起動されるように構成される場合、Intel 80×86アセンブリ言語で実装され得る。本ソフトウェアは、限定ではないが、フロッピー(登録商標)ディスク、ジャンプドライブ、ハードディスク、光ディスク、磁気テープ、PROM、EPROM、EEPROM、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはCD-ROMを含む、製造品上に埋め込まれ得る。ハードウェア回路網を使用する実施形態は、例えば、1つ以上のFPGA、CPLD、またはASICプロセッサを使用して実装されてもよい。
【0038】
本明細書に採用される用語および表現は、説明の用語および表現として使用され、限定されるものではなく、そのような用語および表現の使用において、示され、説明される特徴またはその一部の任意の同等物を除外することは意図されない。加えて、本発明のある実施形態を説明したが、本明細書に開示される概念を組み込む、他の実施形態が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく使用され得ることは、当業者には明白であろう。故に、説明される実施形態は、全ての事項において、単に例証的であり、制限的ではないと見なされるべきである。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
【国際調査報告】