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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-11
(54)【発明の名称】口腔装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/56 20060101AFI20231003BHJP
【FI】
A61F5/56
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540728
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(85)【翻訳文提出日】2022-06-29
(86)【国際出願番号】 KR2021008203
(87)【国際公開番号】W WO2022270662
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0082862
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522261189
【氏名又は名称】パサメディ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PASAMEDI INC.
【住所又は居所原語表記】(Juan-dong)9Fl., 428, Gyeongin-ro, Michuhol-gu, Incheon 22149 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】パク ユンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】パク ジュンヒュク
(72)【発明者】
【氏名】パク ジュンユン
(72)【発明者】
【氏名】パク ジュンウォン
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098BB15
4C098BC50
4C098DD20
(57)【要約】
本発明の口腔装置は、下顎が前方前進されるようにしながらも顎関節及び周辺筋肉に無理を与えないようにして睡眠状態で長期間着用が可能でいびきかきを改善することができる効果がある。
また、本発明の口腔装置は、口腔内の舌が位置することができる空間を拡大すると共に舌が口蓋前方部に自然に位置するようにすることで、口呼吸が鼻呼吸に転換されるように誘導していびきかき及び睡眠無呼吸症をすべて改善することができる効果がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔内に挿入されて脱去可能に着用される口腔装置において、
前記口腔装置は口腔内の前歯部歯列に対応する形状で形成され、
上顎の前歯部歯列に対応する形状で形成されて上顎の前歯部を収容する第1歯列収容部と、
下顎の前歯部歯列に対応する形状で形成されて下顎の前歯部を収容する第2歯列収容部と、及び
前記第1歯列収容部及び第2歯列収容部を連結して、上顎の歯列と下顎の歯列が所定間隔以上で離隔されるように所定の厚さを有するように形成されるスペーサーと、を含む口腔装置。
【請求項2】
前記第1歯列収容部、第2歯列収容部及びスペーサーは一体型で形成されることを特徴とする請求項1に記載の口腔装置。
【請求項3】
前記スペーサーは上顎の歯列と下顎の歯列が所定間隔以上で離隔されるようにして上顎と下顎がスペーサーの厚さ程度離れるようにすることで口腔内空間を確張することを特徴とする請求項1に記載の口腔装置。
【請求項4】
スペーサー厚さは下記関係式1を満足することを特徴とする請求項1に記載の口腔装置。
[関係式1]
(T-T)/6≦T≦T+T
(T:第1歯列収容部の厚さ、T:第2歯列収容部の厚さ、T:スペーサーの厚さ)
【請求項5】
前記第1歯列収容部の前歯に対応される口腔側内壁面が開放されて舌先が据え置きすることができる空間である舌先据え置き部を含むことを特徴とする請求項1に記載の口腔装置。
【請求項6】
前記舌先据え置き部は前記第1歯列収容部の前歯に対応される口腔側内壁面が存在しなくて、使用者が着用時使用者の舌先が上前歯の裏手に据え置きされることを特徴とする請求項5に記載の口腔装置。
【請求項7】
前記第1歯列収容部の両末端部に形成され、前記第1歯列収容部の口腔側内壁面が所定距離延長されて使用者の歯牙が前記第1歯列収容部及び第2歯列収容部に収容されるようにガイドするガイド部と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の口腔装置。
【請求項8】
前記ガイド部は前記第1歯列収容部の犬歯の歯列に対応する位置に形成されることを特徴とする請求項7に記載の口腔装置。
【請求項9】
前記ガイド部は上顎の前歯部のうちで犬歯の歯列に沿って長さ方向に延長されて上顎の小臼歯部の少なくとも一部をさらに収容するように延長されることを特徴とする請求項8に記載の口腔装置。
【請求項10】
前記第2歯列収容部の口腔側内壁は、使用者の歯牙が摩擦によって固定されるように形成され、前記第1歯列収容部は上顎の歯牙と垂直方向及び水平方向に所定間隔で離隔されるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の口腔装置。
【請求項11】
前記第1歯列収容部と第2歯列収容部との間内壁は少なくとも一部が開放されて抜けていることを特徴とする請求項1に記載の口腔装置。
【請求項12】
前記第1歯列収容部と第2歯列収容部との間内壁は前歯に対応される部分の内壁が開放されて抜けていることを特徴とする請求項11に記載の口腔装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口蓋前方開放型口腔装置に関するものであり、より詳細には、いびきかき及び睡眠無呼吸を防止し、口呼吸を鼻呼吸に改善するための口腔装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
いびきかきは鼻に吸入された空気が鼻腔を通過して口蓋垂や舌後方部位を流れる時この区間がある理由で周辺組織によって圧迫や捻れ現象が招来されて頂上より気道が細くなった状態で進入するようになれば発生する。変形されて細くなった気道で空気の流れが円滑ではなくて流れが停滞されながら周辺の軟調職が振動されるが、口蓋垂が震えるか、または鼻周辺の空いている空間に震えることが転移されて共鳴するようになれば騷音が発生するようになる。この時それ程度がひどくてこの区間で空気の流れ自体が中断されると睡眠無呼吸が発生するようになる。
【0003】
このようないびきかきと睡眠無呼吸症を防止するため、睡眠中に強制で空気を気道に供給してくれる陽圧装置を使用することができる。しかし、このような陽圧装置はいびきかきと睡眠無呼吸症に効果はあるが、使用することに不便で人体適応が大変で費用がたくさんかかるという問題点がある。
【0004】
また、口咽頭部の軟調職を切り捨てる手術的方法があるが、再発が有り勝ちで手術による副作用があるという問題点があって止揚されている。
【0005】
以外に、口腔内上顎及び下顎の歯列に装着していびきかきと睡眠無呼吸症を防止する口腔装置がある。このような口腔装置は下顎が前方前進されることによって舌が自然に前方に引かれて出るようにすることで舌によって気道に作用する圧迫が解消されるようにする。
【0006】
口腔装置は上顎の歯列に含まれる歯牙が挿入される部分である上顎の歯牙挿入部と下顎の歯列に含まれる歯牙が挿入される部分である下顎の歯牙挿入部が一体でなされた上下顎一体型口腔装置と、分離されている上下顎分離型口腔装置がある。
【0007】
上下顎一体型口腔装置は前述したように上顎の歯牙挿入部と下顎の歯牙挿入部が一体でなされている。よって、上下顎一体型口腔装置を使えば下顎が前進された状態で動くことができなくて睡眠中にその状態を続いて維持しなければならない。これによって下顎関節や周辺筋肉または靭帯が硬直されるか、または疼痛が発生するという問題点があった。
【0008】
これを解消しようと、上下顎分離型口腔装置では睡眠中に下顎が動くことができるように前述したように上顎の歯牙挿入部と下顎の歯牙挿入部が分離されている。また、上顎の歯牙挿入部と下顎の歯牙挿入部が下顎が動くことができるように連結部材によって連結される。しかし、このような上下顎分離型口腔装置でも上、下顎部を連結するために上、下顎部を側面で横切る連結部材によって下顎の移動が拘束されるため上述した問題点が解決されることができなかった。
【0009】
これに本発明の発明者は大韓民国登録特許第10-1463021号で口腔装置を着用しても下顎が自然に動くことができて筋肉と靭帯の硬直が緩和されることができる口腔装置を提供して上述した問題点を解決しようとした。
【0010】
しかし、この場合にも相変らず顎関節に無理を与えて、周辺筋肉または靭帯が硬直されて長期間着用時に使用者に痛症を誘発する限界点があった。また、下顎が前方前進されながら舌も前方前進して突き出されるようになるが、前方に突き出された舌は長期間の睡眠途中に後に後退する現象が発生した。その結果、舌後方に位置した気道を圧迫する現象が発生するようになっていびきかき及び睡眠無呼吸症緩和効果が低下される現象が発生した。
【0011】
それだけでなく、いびきかき及び睡眠無呼吸症が発生する場合酸素不足現象が徐徐に悪くなりながら人体は足りない酸素量をふやすために口を開けて呼吸する口呼吸を遂行するようになる。口呼吸のために口を開けるようになれば、下顎が後下方に回転するようになって下顎と連動する舌もこれによって口蓋と接触が離れるながら低く位置するようになって、時間が経ちながらますます下方に低くなった舌が後に垂れながら気道を圧迫する現象が後をつぐようになって、いびきかき及び睡眠無呼吸症が悪くなる現象が発生した。
【0012】
したがって、下顎を前方前進させながらも顎関節及び周辺筋肉に無理を与えないようにすると共に舌を口蓋前方部に位置するようにして口呼吸を鼻呼吸に転換させていびきかき及び睡眠無呼吸症を緩和することができる装置の開発が必要な実情であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明が解決しようとする一番目の課題は、下顎が前方前進されるようにしながらも顎関節及び周辺筋肉に無理を与えないようにして睡眠状態で長期間着用が可能でいびきかきを改善することができる口腔装置を提供することである。
【0014】
本発明が解決しようとする二番目課題は、口腔内の舌が位置することができる空間を拡大すると共に舌が口蓋前方部に自然に位置するようにすることで、口呼吸が鼻呼吸に転換されるように誘導していびきかき及び睡眠無呼吸症を改善することができる口腔装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述した課題を解決するために、口腔内に挿入されて脱去可能に着用される口腔装置の一例は、口腔内の前歯部歯列に対応する形状で形成され、上顎の前歯部歯列に対応する形状で形成されて上顎の前歯部を収容する第1歯列収容部と、下顎の前歯部歯列に対応する形状で形成されて下顎の前歯部を収容する第2歯列収容部と、及び前記第1歯列収容部及び第2歯列収容部を連結し、上顎の歯列と下顎の歯列が所定間隔以上で離隔されるように所定の厚さを有するように形成されるスペーサーと、を含むことができる。
【0016】
また、前記第1歯列収容部、第2歯列収容部及びスペーサーは一体型で形成されることができる。
【0017】
また、前記スペーサーは上顎の歯列と下顎の歯列が所定間隔以上で離隔されるようにして上顎と下顎がスペーサーの厚さ程度離れるようにすることで、口腔内の空間を確張するようにできる。
【0018】
また、スペーサー厚さは下記関係式1を満足するようにできる。
【0019】
[関係式1]
(T-T)/6≦T≦T+T
(T:第1歯列収容部の厚さ、T:第2歯列収容部の厚さ、T:スペーサーの厚さ)
【0020】
また、前記第1歯列収容部の前歯に対応される口腔側内壁面が開放されて舌先が据え置きすることができる空間である舌先据え置き部を含むことができる。
【0021】
延いては、前記舌先据え置き部は前記第1歯列収容部の前歯に対応される口腔側内壁面が存在しなくて使用者が着用時使用者の舌先が上前歯の裏手に据え置きされるようにできる。
【0022】
また、前記第1歯列収容部の両末端部に形成され、前記第1歯列収容部の口腔側内壁面が所定距離延長されて使用者の歯牙が前記第1歯列収容部及び第2歯列収容部に収容されるようにガイドするガイド部と、をさらに含むことができる。
【0023】
延いては、前記ガイド部は前記第1歯列収容部の犬歯の歯列に対応する位置に形成されるようにできる。
【0024】
さらに、前記ガイド部は上顎の前歯部のうちで犬歯の歯列に沿って長さ方向に延長されて上顎の小臼歯部の少なくとも一部をさらに収容するように延長されるようにできる。
【0025】
また、前記第2歯列収容部の口腔側内壁は使用者の歯牙が摩擦によって固定されるように形成され、前記第1歯列収容部は上顎の歯牙と垂直方向及び水平方向に所定間隔で離隔されるように形成することができる。
【0026】
また、前記第1歯列収容部と第2歯列収容部との間内壁は少なくとも一部が開放されて抜けているようにすることができる。
【0027】
延いては、前記第1歯列収容部と第2歯列収容部との間内壁は前歯に対応される部分の内壁が開放されて抜けているようにできる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の口腔装置は、下顎が前方前進されるようにしながらも顎関節及び周辺筋肉に無理を与えないようにして睡眠状態で長期間着用が可能でいびきかきを改善することができる効果がある。
【0029】
また、本発明の口腔装置は口腔内の舌が位置することができる空間を拡大すると共に舌が口蓋前方部に自然に位置するようにすることで、口呼吸が鼻呼吸に転換されるように誘導していびきかき及び睡眠無呼吸症をすべて改善することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は本発明の望ましい一実施例による口腔装置と使用者の口腔内歯列を示した図面である。
図2図2は本発明の望ましい一実施例による口腔装置の正面斜視図である。
図3図3は本発明の望ましい一実施例による口腔装置の底面斜視図である。
図4図4は本発明の望ましい一実施例による口腔装置の着用状態図である。
図5図5は本発明の望ましい一実施例による口腔装置を着用しない場合使用者の呼吸時に人体内の気体流れを示した状態図である。
図6図6は本発明の望ましい一実施例による口腔装置を着用した場合使用者の呼吸時に人体内の気体流れを示した状態図である。
図7図7は本発明の望ましい一実施例による口腔装置の正面斜視図である。
図8図8は本発明の望ましい一実施例による口腔装置の上面図である。
図9図9は本発明の望ましい一実施例による口腔装置の側面斜視図である。
図10図10は本発明の望ましい一実施例による口腔装置を図9のA-A'線に沿って切断した断面図である。
図11図11は本発明の望ましい一実施例による口腔装置を上顎の歯列だけに着用した状態を口腔内側から眺めた着用状態図である。
図12図12は口呼吸時に人体内の気体の流れを示した状態図である。
図13図13は鼻呼吸時に人体内の気体の流れを示した状態図である。
図14図14は本発明の望ましい一実施例による口腔装置を使った場合の呼吸状態を示した状態図である。
図15図15は口腔装置を装着する前の使用者の側面を撮影したCTイメージである。
図16図16は本発明の望ましい一実施例による口腔装置を装着した後の使用者の側面を撮影したCTイメージである。
【発明を実施するための最良の様態】
【0031】
以下、添付した図面を参照にして本発明の実施例によって本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者が容易に実施できるように詳しく説明する。
【0032】
前述したように既存の上下顎分離型口腔装置は、睡眠中に下顎が動くことができるが、相変らず連結部材によって下顎の移動が拘束されるため下顎関節や周辺筋肉または靭帯が硬直されるか、または疼痛が発生するという問題点があった。また、既存の上下顎一体型口腔装置も臼歯部を固定して下顎が前進されるようにすることで長期間の睡眠状態で顎関節及び周辺筋肉にストレスを与えて、靭帯が硬直されるようにした。これに長期間着用が難しくて、使用者に痛症を誘発する問題点があった。また、下顎が前方前進されながら舌も前方前進して突き出されるようになるが、前方に突き出された舌は長期間の睡眠途中に後に後退する現象が発生した。その結果、舌後方に位置した気道を圧迫する現象が発生するようになって、いびきかき及び睡眠無呼吸症緩和の効果が低下される問題点が発生した。それだけでなく、いびきかき及び睡眠無呼吸症が発生する場合酸素不足現象が徐徐に悪くなりながら人体は足りない酸素量をふやすために口を開けて呼吸する口呼吸を遂行するようになる。口呼吸のために口を開けるようになれば、下顎が後下方に回転するようになって、下顎と連動する舌もこれによって口蓋と接触が落ちながら低く位置するようになって、時間が経ちながらますます下方に低くなった舌と後に垂れながら気道を圧迫する現象が後をつぐようになって、いびきかき及び睡眠無呼吸症の悪くなる副作用があった。
【0033】
これに本発明は、口腔内に挿入されて脱去可能に着用される口腔装置において、前記口腔装置は口腔内の前歯部歯列に対応する形状で形成され、上顎の前歯部歯列に対応する形状で形成されて上顎の前歯部を収容する第1歯列収容部と、下顎の前歯部歯列に対応する形状で形成されて下顎の前歯部を収容する第2歯列収容部と、及び前記第1歯列収容部及び第2歯列収容部を連結し、上顎の歯列と下顎の歯列が所定間隔以上で離隔されるように所定の厚さを有するように形成されるスペーサーと、を含む口腔装置を提供して上述した問題点の解決策を模索した。
【0034】
これによって本発明は、臼歯部を固定しないながらも下顎が自然に前方前進されるようにして顎関節及び周辺筋肉の硬直を緩和することができる。これに本発明は顎関節及び周辺筋肉に無理にならなくて睡眠状態で長期間着用時使用者の着心地を改善し、痛症を著しく緩和することができる効果がある。また、本発明は口腔内舌が位置することができる空間を拡大することで、舌が口蓋前方部に自然に位置するようにして舌が気道を過度に押す現象を緩和することができる。これに本発明は、自然に口呼吸が鼻呼吸に転換されるように誘導することができていびきかき及び睡眠無呼吸症を改善することができるし、これと共に顎口腔界に及ぶ副作用を緩和することができる効果がある。
【0035】
図1は、本発明の望ましい一実施例による口腔装置と使用者の口腔内歯列を示した図面である。図1を参照すれば、使用者の口腔内歯列は前歯と犬歯を含む前歯部(X)、小臼歯部(Y)、大臼歯部(Z)でなされる。口腔装置10はこのうち前歯部(X)歯列に対応する形状で形成される。具体的に、口腔装置10は上顎(UJ)の歯列(UT)のうちで前歯部歯列(X)に対応する形状及び下顎(LJ)の歯列(LT)のうちで前歯部歯列(X)に対応する形状で形成され、使用者の口腔内歯列のうちで前歯部(X)は収容するが大臼歯部(Z)は収容しない。
【0036】
このように、本発明は臼歯部を固定しないことで、下顎が自然に前方前進されるが、顎関節及び周辺筋肉の硬直を緩和することができるようにした。これによって顎関節及び周辺筋肉に無理にならないようにして、睡眠状態で長期間着用時にも使用者に痛症を誘発しない効果がある。その結果、着心地が著しく改善されることで、睡眠のうちで長期間着用が容易で、いびきかきを効果的に改善することができる。
【0037】
図2は、本発明の望ましい一実施例による口腔装置10の正面斜視図である。図3は本発明の望ましい一実施例による口腔装置10の底面斜視図である。図2及び図3を参照すれば、口腔装置10は口腔内の前歯部歯列に対応する形状で形成される。また、口腔装置10は第1歯列収容部100、第2歯列収容部200及び前記第1歯列収容部100と第2歯列収容部200を連結するスペーサー300を含む。歯列収容部100、200らは人体口腔のうちで前歯と犬歯に対応される前歯部(X)が収容されるように形成されている。スペーサー300は第1歯列収容部100及び第2歯列収容部200を連結し、上顎(UJ)の歯列(UT)と下顎(LJ)の歯列(LT)が所定間隔以上で離隔されるように所定の厚さを有するように形成されている。
【0038】
このように本発明の口腔装置10は、使用者の歯列のうちで前歯部(X)を収容して使用者の下顎が効果的に前方に移動するようにして気道を確張することで、いびきかき及び睡眠無呼吸を防止することができる。また、口に入って来る空気が鼻に入って来るようにして自然に鼻呼吸を誘導することができる。
【0039】
先ず、口腔装置10は口腔内に挿入されて脱去可能に着用され、口腔内の前歯部歯列に対応する形状で形成される。
【0040】
口腔装置10は図1乃至図3に示されたように口腔内前歯部歯列に対応される形状である。具体的に、口腔装置10の上部は‘上あご'である上顎(UJ:Upper Jaw)の歯列(UT:Upper set of Teeth)のうちで前歯部歯列と対応し、下部は‘下あご’である下顎(LJ:Lower Jaw)の歯列(LT:Lower set of Teeth)のうちで前歯部歯列と対応する形状で形成される。
【0041】
また、本発明は、上下顎一体型口腔装置10であることがあって、別途の連結部材なしに一体型で形成されることができる。すなわち、前述した第1歯列収容部100、第2歯列収容部200及びスペーサー300は別途の連結部材なしに一体型で形成されることができる。
【0042】
連結部材によって連結される上下分離型装置の場合に下顎の移動が口送されて下顎関節や周辺筋肉、靭帯などが硬直され、これによって痛症の発生する問題点が易しく発生する。本発明は一体型で形成され、これと共に着用時口腔内生理的な動きが可能にさせることで上述した問題点を解消することができる効果がある。
【0043】
口腔装置10を成す素材は該当技術分野で通常的に使用することができる素材で、使用者が口腔に着用時に人体に有害ではなくて、本発明の構成を形成することができる素材なら制限なしに使用することができる。例えば、医療用レジン(Dental Resin)やシリコン材質を使用することができる。
【0044】
一方、口腔装置10の成形方法は該当技術分野で通常的に使用される方法で、使用される素材に好適な方法なら制限がない。望ましくは、使用者の歯牙及び周辺組織に対する実際または仮想の模型を作った後、これに対応されるように成形するか、または3D設計後3次元プリンターまたはCAD/CAMミーリングマシンによって製造する方法を利用することができる。
【0045】
次に、上顎(UJ)の前歯部歯列に対応する形状で形成されて上顎(UJ)の前歯部を収容する第1歯列収容部100及び下顎(LJ)の前歯部歯列に対応する形状で形成されて下顎(LJ)の前歯部を収容する第2歯列収容部200に対して説明する。
【0046】
図2に示されたように、第1歯列収容部100は口腔装置10の上部に形成される。第1歯列収容部10は上顎(UJ)の歯列(UT)のうちで前歯部歯列に対応する形状で形成されて上顎(UJ)の前歯部を収容する機能を遂行する。また、第2歯列収容部200は下顎(LJ)の歯列(LT)のうちで前歯部歯列に対応する形状で形成されて下顎(LJ)の前歯部を収容する機能を遂行する。
【0047】
このために第1歯列収容部100及び第2歯列収容部200は全体的にはそれぞれ上顎(UJ)の歯列(UT)のうちで前歯部歯列に対応する形状、下顎(LJ)の歯列(LT)のうちで前歯部歯列に対応する形状であるが弦(Chord)形状であることがある。また、上顎(UJ)及び下顎(LJ)の歯列(UT、LT)に含まれるそれぞれの歯牙にも対応される形状であることができる。
【0048】
このような第1歯列収容部100及び第2歯列収容部200を口腔装置10の上部及び下部にそれぞれ形成する方法は、使用される素材に好適な方法なら制限がない。例えば、先に使用者の歯牙模型を作った後、これに対応されるように成形するか、または歯牙模型ファイルを設計加工して3次元プリンターまたはCAD/CAMミーリングマシンによって作われるなど周知のどのような方法でも可能である。
【0049】
既存の口腔装置10は一体型でも上下分離型でも無関係に使用者の前歯部及び臼歯部をすべて収容して下顎が前進されるようにした。この場合、長期間の睡眠状態で顎関節及び周辺筋肉にストレスを与えて、靭帯が硬直されるようにした。これに長期間着用が難しくて、使用者に痛症を誘発する問題点があった。
【0050】
これに本発明は、上顎(UJ)及び下顎(LJ)の歯列(UT、LT)のうちで前歯部は収容するが、臼歯部は収容しないようにして下顎が自然に前方前進されるようにして、これと共に顎関節及び周辺筋肉の硬直を緩和することができるようにした。これによって顎関節及び周辺筋肉に無理にならないようにして睡眠状態で長期間着用時にも使用者に痛症を誘発しない効果がある
これと関して、図4は本発明の望ましい一実施例による口腔装置10の着用状態図である。図4を参照すれば、口腔装置10が上顎(UJ)及び下顎(LJ)の歯列(UT、LT)のうちで前歯部(X)のみを収容して下顎が自然に前方前進される。また、口腔装置10が小臼歯部(Y)及び大臼歯部(Z)を固定しなくて顎関節に付与されるストレスを最小化することができることを分かる。すなわち、本発明の口腔装置10は使用者が長期間着用する場合にも使用者の顎口腔界を楽な状態で維持するようにできる。
【0051】
一方、下顎(LJ)の前歯部が第2歯列収容部200に収容されれば、下顎(LJ)が所定距離前方移動されることができる。このように下顎(LJ)が前方移動される場合には、横になった時舌が後に垂れて気道を直接圧迫するか、または口蓋垂を押して口蓋垂が後に押されながら気道を圧迫する現象を緩和させて空気流れが円滑になされるようにしていびきかき及び睡眠無呼吸を防止することができる。
【0052】
これと関して、図5は本発明の望ましい一実施例による口腔装置10を着用しない場合使用者の呼吸時に人体内の気体流れを示した状態図であり、図6は本発明の望ましい一実施例による口腔装置10を着用した場合使用者の呼吸時に人体内の気体流れを示した状態図である。
【0053】
図5を参照すれば、いびきかきする人は通常的に鼻に吸入された空気が鼻腔を通過して口蓋垂や舌後方部位に流れる時該当区間の気道(TH)が細くなって空気流れが停滞される。この時、周辺軟調職が振動されていびきかきが発生するようになる。また、空気流れ自体が中断される場合には睡眠無呼吸が発生するようになる。
【0054】
図6を参照すれば、使用者が本発明の口腔装置10を着用する場合の使用者の状態を確認することができる。本発明の口腔装置10を着用する場合使用者の下顎(LJ)が前方に移動するようになって、これと共に下顎(LJ)に連結された舌も前方に所定距離移動するようになって、気道(TH)を圧迫する現象が緩和されるものである。これによって空気の流れが円滑になされるようになって、いびきかき及び睡眠無呼吸を防止することができるようになる。また、鼻炎や副鼻腔炎を予防または治療、口呼吸を鼻呼吸に改善するのに役に立つことができる。
【0055】
本発明の望ましい一実施例によれば、第2歯列収容部200は下顎(LJ)の前歯部が収容されれば、下顎(LJ)の歯牙が自然な位置より前方に移動されることができるように、第1歯列収容部100より所定距離前に位置するように形成されることができる。すなわち、図4を参照すれば、下顎(LJ)の前歯部が上顎(UJ)の前歯部より所定距離前に位置するように第1歯列収容部100及び第2歯列収容部200が形成されることができる。
【0056】
本発明の望ましい一実施例によれば、前記第1歯列収容部100及び第2歯列収容部200は口腔装置10の口腔側内壁面と前記上顎(UJ)の前歯部または下顎(LJ)の前歯部と間隔を調節することで、使用者の下顎(LJ)を固定することができる。例えば、本発明は下顎(LJ)に固定されるので、口腔装置10の口腔側内壁面と下顎(LJ)の歯牙との間隔がないように第2歯列収容部200が形成されることができるし、口腔装置10の口腔側内壁面と歯牙が所定離隔されて間隔を形成するように第1歯列収容部100が形成されることができる。
【0057】
すなわち、本発明は使用者の歯列、歯牙条件によって第1歯列収容部100及び第2歯列収容部200の溝の厚さを調節することで、下顎(LJ)を固定することができる。具体的に第1歯列収容部100及び第2歯列収容部200の口腔側内壁面が歯牙と離隔される間隔を調節することで、本発明の口腔装置10が使用者の下顎(LJ)を固定することはするが、臼歯部は収容されないようにすることで、下顎(LJ)関節や周辺筋肉または靭帯が硬直されない程度だけに固定するようにできる。
【0058】
また、第2歯列収容部200の口腔側内壁は使用者の歯牙が摩擦によって固定されるように形成され、第1歯列収容部100は上顎(UJ)の歯牙と垂直方向及び水平方向に所定間隔で離隔されるように形成されることができる。
【0059】
すなわち、第2歯列収容部200は上述したように下顎(LJ)の歯列(LT)のうちで前歯部に対応する形状で、前歯部との間隔がないように形成されることができる。これによって下顎(LJ)の前歯部が第2歯列収容部200に密着されるように挟まれて、第2歯列収容部200に下顎(LJ)の前歯部歯牙が摩擦によって固定されることができる。また、第2歯列収容部200と下顎(LJ)の前歯部との摩擦力より大きい外力が作用しない限り、下顎(LJ)の前歯部は第2歯列収容部200から易しく分離しなくて、長期間の間着用時にも効果的にいびきかき及び睡眠無呼吸を防止することができる。
【0060】
一方、第1歯列収容部100は上顎(UJ)の歯牙と垂直方向及び水平方向に所定間隔で離隔されるように形成されることができる。このような第1歯列収容部100と上顎(UJ)の前歯部との垂直方向と水平方向での間隔によって、上顎(UJ)の歯牙が必要時に第1歯列収容部100内で容易に離脱されることができて使用中にもあごの生理的動きが可能になるようにできる。
【0061】
これによって使用者があごを自然に動くことができるため、下顎(LJ)を前方移動させた状態で使用者の下顎(LJ)を効果的に固定しながらも周辺筋肉と靭帯が硬直されることを解消することができる。
【0062】
また、第1歯列収容部100が上顎(UJ)の歯牙と垂直方向または水平方向に離隔された間隔の範囲は使用者による全体咬合面の傾き角や、歯牙の突出度、歯牙が前後内外に傾いた状態または歯牙が全体歯列から脱した位置によって基準値で加減することで、変更させて制限なしに適用されることができる。
【0063】
望ましくは、第1歯列収容部100が上顎(UJ)の歯牙と垂直方向に離隔された間隔は使用者の歯列、歯牙状態などによって決まることができるし、上顎(UJ)の歯牙と下顎(LJ)の歯牙との間の間隔は前記間隔及び自然な上顎(UJ)の歯牙と下顎(LJ)の歯牙との間の間隔によって決まることが望ましい。
【0064】
一方、本発明の望ましい一実施例によれば、第1歯列収容部100と第2歯列収容部200との間内壁は少なくとも一部が開放されて抜けていることがある。これを通じて使用者が口腔装置10を着用する場合に歯牙の下部面(歯牙を使って食べ物などをかむ時触れる面)が密閉されて発生する不便感を最小化することができる効果がある。
【0065】
望ましくは、第1歯列収容部100と第2歯列収容部200との間内壁は前歯に対応される部分の内壁が開放されて抜けていることがある。具体的に、第1歯列収容部100と第2歯列収容部200との間の内壁のうちで前歯の下部面に対応する部分が開放されて抜けることがある。これを通じて長期間口腔装置10を着用する場合にも使用者が感じる不便感を最小化することができる効果がある。
【0066】
これと関して、図7は本発明の望ましい一実施例による口腔装置10の正面斜視図である。図7を参照すれば、口腔装置10の第1歯列収容部100と第2歯列収容部200との間の内壁が一部開放されて抜けていること(BS)が分かる。
【0067】
また、図8は本発明の望ましい一実施例による口腔装置10の上面図である。図8を参照すれば、前記開放されて抜けた部分(BS)は使用者が口腔装置10を着用した時使用者の前歯に対応される部分の第1歯列収容部100と第2歯列収容部200との間の内壁であることを分かる。
【0068】
次に、第1歯列収容部100及び第2歯列収容部200を連結し、上顎(UJ)の歯列と下顎(LJ)の歯列が所定間隔以上で離隔されるように所定の厚さを有するように形成されるスペーサー300に対して説明する。
【0069】
スペーサー300は所定の厚さを有するように形成されて第1歯列収容部100と第2歯列収容部200が所定間隔以上で離隔されるようにして、これによって上顎(UJ)の歯列(UT)と下顎(LJ)の歯列(LT)が所定間隔以上で離隔されるようにして上顎と下顎がスペーサーの厚さ程度離れるようにすることで口腔内空間を確張することができる。
【0070】
これによって口腔内で舌が不自然に固定されるか、または据え置きされることで惹起される不便さを防止することができるし、使用者の舌が長期間の間楽に据え置きされることができるようにできる。その結果、使用者の顎口腔界を楽に維持することができる効果がある。
【0071】
この時、本発明の明細書で使用される‘厚さ'は口腔装置10が使用者の口腔内に着用される方向及び角度を基準で、水平面に対して垂直な方向の厚さを意味する。
【0072】
スペーサー300の厚さは第1歯列収容部100と第2歯列収容部200が所定間隔以上で離隔されることができる程度の厚さ範囲なら充分であるが、望ましくは下記関係式1を満足することができる。
【0073】
[関係式1]
(T-T)/6≦T≦T+T
(T:第1歯列収容部100の厚さ、T:第2歯列収容部200の厚さ、T:スペーサー300の厚さ)
【0074】
より望ましくは、スペーサー300の厚さは
(T-T)/4≦T≦T+T
を満足することができる。
【0075】
スペーサー300の厚さが前記範囲を満足する場合、着用時使用者の上顎(UJ)の歯列(UT)と下顎(LJ)の歯列(LT)が所定間隔以上で離隔されるようにして口腔内空間を確張することができながらも、上顎(UJ)と下顎(LJ)がすぎるほど離れて顎関節に無理を与えることを防止することができる。
【0076】
仮に、しスペーサー300の厚さが前記範囲未満である場合には、上顎(UJ)の歯列(UT)と下顎(LJ)の歯列(LT)が充分に離隔されることができなくて口腔内の空間を充分に確保することができずに、これによって口腔内で舌が不自然に固定されるか、または据え置きされる問題点が発生することがある。また、仮にスペーサー300の厚さが前記範囲を超過する場合には、上顎(UJ)と下顎(LJ)がすぎるほど離れて顎関節にストレスを与える副作用が発生することがある。
【0077】
一方、本発明は第1歯列収容部100の両末端部に形成され、前記第1歯列収容部100の口腔側内壁面が所定距離に延長されて使用者の歯牙が前記第1歯列収容部100及び第2歯列収容部200に収容されるようにガイドするガイド部400をさらに含むことができる。
【0078】
図2を参照すれば、ガイド部400は口腔装置10の第1歯列収容部100が延長されて形成され、第1歯列収容部100の下に延長されることができる。これを通じてガイド部400は使用者が着用時使用者の歯牙が第1歯列収容部100及び第2歯列収容部200に容易に収容されることができるようにガイドすることができる。
【0079】
具体的に、図9は本発明の望ましい一実施例による口腔装置10の側面斜視図であり、図10は本発明の望ましい一実施例による口腔装置10を図9のA-A'線に沿って切断した断面図である。図9を参照すれば、ガイド部400は第1歯列収容部100の両末端に形成されることを確認することができる。また、図10を参照すれば、口腔装置10の第1歯列収容部100の口腔側内壁面が所定距離延長されてガイド部400が形成されることを確認することができる。
【0080】
このようにガイド部400が口腔装置10の第1歯列収容部100が延長されて形成される場合、ガイド部400が第1歯列収容部100を形成する機能も遂行することができるようになる。具体的に、本発明は後述するように舌先据え置き部500を形成して第1歯列収容部100で前歯に対応される口腔側内壁面が開放された構造を有するが、ガイド部400を通じて上顎(UJ)の歯牙を収容することができると共に上顎(UJ)及び下顎(LJ)の歯牙が第1歯列収容部100及び第2歯列収容部200に容易に収容されることができるようにガイドすることができる機能も遂行することができるものである。
【0081】
仮にガイド部400が第2歯列収容部200に形成される場合、構造的に第1歯列収容部100を通じて上顎(UJ)を固定して下顎が前方前進されるように口腔装置10を形成しなければならないであろう。このように上顎(UJ)を固定するように口腔装置10を形成する場合には、第1歯列収容部100で前歯に対応される口腔側内壁面が開放された構造を有する舌先据え置き部500を形成し難い問題点が発生することがある。舌先据え置き部500がなければ、長期間口腔装置10を着用する場合前方に突き出された舌は長期間の睡眠途中に後に後退する現象が発生するようになって、その結果舌後方に位置した気道を圧迫する現象が発生するようになって、いびきかき及び睡眠無呼吸症緩和効果が低下される問題点が発生することがあるし、口で呼吸する状況が続く。
【0082】
一方、ガイド部400は第1歯列収容部100の犬歯の歯列に対応する位置に形成されることができる。また、ガイド部400は第1歯列収容部100から延長される長さは特別に限定されないで、個人の口腔状態によって適切な長さで延長されることができる。望ましくは、ガイド部400は望ましくは、上顎(UJ)の前歯部のうちで犬歯の歯列に沿って長さ方向に延長されて上顎(UJ)の小臼歯部の少なくとも一部をさらに収容できるように延長されることができる。
【0083】
これと関して、図1を参照すれば、第1歯列収容部100は前歯部(X)は収容するが、大臼歯部(Z)を収容しないで、ガイド部400が犬歯の歯列に対応する位置に形成されて歯列に沿って延長されることで、小臼歯部(Y)の一部をさらに収容することができることを確認することができる。一方、第2歯列収容部200は前歯部(X)のみを収容して小臼歯部(Y)及び大臼歯部(Z)は収容しないことを分かる。
【0084】
図4を参照すれば、ガイド部400が第1歯列収容部100から歯列に沿って長さ方向に延長されることによって口腔装置10が上顎(UJ)の小臼歯部(Y)の一部をさらに収容するようになることを確認することができる。
【0085】
ガイド部400の形状は特別に限定されないし、前述した機能を遂行することができる形状で使用者の口腔運動に不便さを与えない範囲で適切なもので採択することができる。
【0086】
また、ガイド部400は第1歯列収容部100の右側または左側、少なくとも一箇所に形成されることができるし、これは使用者の口腔構造または口腔便宜などを考慮して決まることができるが、望ましくは、第1歯列収容部100の右側及び左側が対応する形状で形成されることができる。この場合より上顎(UJ)の歯牙を収容することがより容易で、使用者着用時にも過ぎる程に易しく脱着される問題点を解決することができる。
【0087】
口腔装置10は前記第1歯列収容部100の前歯部のうちで前歯に対応される口腔側内壁面が開放されて舌先が据え置きすることができる空間である舌先据え置き部500をさらに含むことができる。
【0088】
舌先据え置き部500を通じて使用者は口腔装置10着用時に舌を容易に口蓋前方と上顎(UJ)の前歯部のうちで前歯裏手に位置させることができるようになる。これによって舌が生理的範囲内で最も前方に据え置きされることができるし、気道拡張効果を極大化して発現することができるので、舌後方に位置した気道を圧迫する現象を緩和することができて、いびきかき及び睡眠無呼吸症を防止することができる効果がある。
【0089】
図9及び図10を参照すれば、舌先据え置き部500が第1歯列収容部100の前歯に対応される口腔側内壁面が開放されて形成されることを確認することができる。このように前方が開放される構造で舌先据え置き部500が形成されることで舌先が据え置きすることができる空間が設けられ、後述するように口腔装置10を着用する場合にも舌が前方上方の自然な位置に置かれることができる長所がある。
【0090】
本発明の望ましい一実施例によれば、舌先据え置き部500は第1歯列収容部100の前歯部のうちで前歯に対応される口腔側内壁面が存在しなくて、使用者が着用時使用者の舌先が上前歯の裏手に据え置きされることがある。自然な状態で人体の舌先は上前歯の裏手に置かれるようになる。よって、口腔装置を着用した場合にも舌先が自然に上前歯の裏手に据え置きされることができたら、使用者にとって口腔装置を着用した場合にも楽さを与えることができるであろう。
【0091】
本発明は、舌先据え置き部500を具備しており、使用者が本発明による口腔装置10を着用する場合自然に舌先が上前歯の裏手に据え置きされることができるので、不便さまたは異物感なしに睡眠中に長期間着用することができる効果がある。
【0092】
図11は、本発明の望ましい一実施例による口腔装置10を上顎(UJ)の歯列(UT)だけに着用した状態を口腔内側から眺めた着用状態図である。図11を参照すれば、使用者が口腔装置10を着用した場合使用者の舌(TT)がA方向に沿って自然に舌先が上前歯の裏手(OS)に据え置きされることができる。これによって舌が生理的範囲内で一番前方に据え置きされることができるようになる。
【0093】
一方、図11は本発明の明細書上で理解を助けるために上顎(UJ)の歯列(UT)だけに着用した状態を示したものであり、本発明の口腔装置10の着用状態がこれに限定されるものではない。
【0094】
本発明は、舌先据え置き部500を含むことで鼻呼吸を誘導することができる効果がある。
【0095】
通常に、いびきかき及び睡眠無呼吸が発生する場合に酸素不足現象が現われるようになりながら、人体は足りない酸素量をふやすために口を開けて呼吸する口呼吸を遂行するようになる。口呼吸のために口を開けるようになれば、下顎(LJ)が後下方に回転するようになって、これによって下顎(LJ)と連動する舌(TT)も口蓋との接触が落ちながら低く位置するようになって、時間が経つことによって漸次的に下方に低くなった舌(TT)が後に垂れながら気道を圧迫する現象が発生するようになる。その結果、いびきかき及び睡眠無呼吸が悪くなる。
【0096】
具体的に、図11は口呼吸時に人体内の気体の流れを示した状態図である。図11を参照すれば、口呼吸時に下顎(LJ)が後下方に回転するようになりながら下顎(LJ)と連結された舌(TT)も共に低く位置するようになる。このように下方に低くなった舌(TT)が後に垂れながら気道を圧迫するようになって、これによっていびきかき及び睡眠無呼吸が発生するようになる。
【0097】
反面、図12は鼻呼吸時に人体内の気体の流れを示した状態図である。図12を参照すれば、鼻呼吸時には下顎(LJ)及び舌(TT)が下方に移動しないので、下方に低くなった舌(TT)が後に垂れて気道を圧迫する現象が発生しなくなる。よって、効果的にいびきかき及び睡眠無呼吸を防止するためには、口呼吸を止揚して鼻呼吸に誘導する必要性がある。
【0098】
これに本発明は、舌先据え置き部500を形成することで、使用者が口腔装置10を使用する中に口呼吸を止揚して鼻呼吸を円滑に遂行するようにした。具体的に、舌先据え置き部500によって舌が口蓋前方部側に据え置きされるように誘導されるが、このように口蓋前方部に据え置きされる舌によって口呼吸をする時口に吸入される空気が物理的に遮られて、口呼吸が自然に鼻呼吸に転換されることができる。
【0099】
鼻呼吸が増大されることによって舌が下に垂れながら気道を過度に押す現象が消えて、空気が気道により円滑に流れるようになることによって、いびきかき及び睡眠無呼吸症を効果的に防止することができる効果がある。それだけでなく、扁桃が腫れるか、または口内が乾く現象が減るようになって、鼻に吸入される空気量が増えながら肺活動量が増えるようになって、呼吸の質が高くなって酸素飽和度が向上される効果がある。
【0100】
図14は、本発明の望ましい一実施例による口腔装置10を使った場合の呼吸状態を示した状態図である。図14を参照すれば、口腔装置10を着用した場合使用者は口呼吸((B))の代わりに鼻呼吸((A))を主に遂行するようになる。舌先据え置き部500によって使用者の舌(TT)は口蓋前方部側に安定的に据え置きされ、これによって口に吸入される空気が物理的に遮られるので、口呼吸((B))が自然に鼻呼吸((A))に転換されるものである。
【0101】
また、図15は口腔装置を装着する前の使用者の側面を撮影したCTイメージであり、図16は本発明の望ましい一実施例による口腔装置10を装着した後の使用者の側面を撮影したCTイメージである。図15及び図16を参照すれば、口腔装置10を着用してから以後にも口腔内で舌(TT)が自然に上前歯の裏手に据え置きすることができることを分かる。これによって本発明は、口腔内空間を確張することで口腔内で舌が不自然に固定されるか、または据え置きされることで惹起される不便さを防止することができるし、使用者の舌が長期間の間楽に据え置きされることができるようにできる。
【0102】
すなわち、本発明の舌先据え置き部500は使用者の舌(TT)を上前歯の裏手に据え置きすることができるようにして、着用時に楽さを与えて舌(TT)が安定的に口蓋前方部に位置するようにすることで、気道を圧迫するなどの症状を緩和することができると共に口呼吸が鼻呼吸に転換されるように誘導することで、より効果的にいびきかき及び睡眠無呼吸症を防止することができる効果がある。
【0103】
結局、本発明の口腔装置10を使えば、いびきかき及び睡眠無呼吸症を効果的に治療することができる。また、前歯部は収容するが臼歯部は収容しないことで、口腔装置10を長期間使用しても自然な動きが可能であり、これによって下顎(LJ)が前方に移動されて発生する関連筋肉と靭帯の硬直が緩和されることができる。また、口腔装置10を着用しても疼痛や不正咬合または、あご関節障害が発生しないこともあって、気道を通じた空気の流れが円滑にさせて鼻炎や副鼻腔炎が治ることができる。
【0104】
前記のように説明された口腔装置10は、前記説明された実施例の構成が限定されるように適用されることができるものではなく、前記実施例らは多様な変形がなされるように各実施例らの全部または一部が選択的に組合されて構成されることもできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】