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特表2023-542595電極板、二次電池及びその製造方法、二次電池を含む装置
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  • 特表-電極板、二次電池及びその製造方法、二次電池を含む装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-11
(54)【発明の名称】電極板、二次電池及びその製造方法、二次電池を含む装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/13 20100101AFI20231003BHJP
   H01M 4/58 20100101ALI20231003BHJP
   H01M 4/40 20060101ALI20231003BHJP
   H01M 4/587 20100101ALI20231003BHJP
   H01M 4/48 20100101ALI20231003BHJP
   H01M 10/058 20100101ALI20231003BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20231003BHJP
   H01M 4/139 20100101ALI20231003BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20231003BHJP
   H01M 10/054 20100101ALI20231003BHJP
【FI】
H01M4/13
H01M4/58
H01M4/40
H01M4/587
H01M4/48
H01M10/058
H01M10/04 Z
H01M4/139
H01M4/36 B
H01M10/054
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023502811
(86)(22)【出願日】2021-11-04
(85)【翻訳文提出日】2023-01-13
(86)【国際出願番号】 CN2021128652
(87)【国際公開番号】W WO2022121571
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】202011433363.6
(32)【優先日】2020-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522010668
【氏名又は名称】ジアンス・コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】田 佳瑞
(72)【発明者】
【氏名】郭 永▲勝▼
(72)【発明者】
【氏名】欧▲陽▼ 楚英
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 欣欣
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲麗▼▲ティン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲蘇▼ ▲碩▼▲剣▼
(72)【発明者】
【氏名】林 文光
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲暁▼霞
【テーマコード(参考)】
5H028
5H029
5H050
【Fターム(参考)】
5H028AA05
5H028BB04
5H028BB05
5H028EE04
5H028HH01
5H029AJ03
5H029AK01
5H029AL01
5H029AL02
5H029AL03
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL13
5H029AM02
5H029AM03
5H029AM05
5H029AM07
5H029BJ02
5H029CJ02
5H029CJ03
5H029HJ01
5H029HJ05
5H050AA02
5H050AA08
5H050BA15
5H050CA01
5H050CB01
5H050CB02
5H050CB03
5H050CB07
5H050CB08
5H050CB12
5H050GA02
5H050GA03
5H050HA01
5H050HA05
(57)【要約】
本願は、電極板、二次電池及びその製造方法、二次電池を含む装置を開示する。電極板は、集電体と集電体の少なくとも一つの表面に設けられる活物質層とを含み、活物質層は、活物質と水分を固定することができる固体状の水固定剤とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集電体と前記集電体の少なくとも一つの表面に設けられる活物質層とを含む電極板であって、
前記活物質層は、活物質と水分を固定することができる固体状の水固定剤とを含む、電極板。
【請求項2】
前記水固定剤は、物理的吸収及び/又は化学的ボンディングによって水分を固定する、請求項1に記載の電極板。
【請求項3】
前記水固定剤は、結晶水の形式で水分を固定する、請求項1又は2に記載の電極板。
【請求項4】
水分を固定した前記水固定剤の80℃での30min熱処理後の含水量W≦5%×前記水固定剤の飽和吸水量であり、任意選択的に、W≦1%×前記水固定剤の飽和吸水量である、請求項1~3のいずれか一項に記載の電極板。
【請求項5】
前記電極板の150℃での30min熱処理後の重量損失率RWL≦15%であり、任意選択的に、RWLは、1%~10%であり、さらに任意選択的に、RWLは、2%~6%である、請求項1~4のいずれか一項に記載の電極板。
【請求項6】
前記水固定剤の飽和吸水率RSA≧40%であり、任意選択的に、RSA≧80%であり、さらに任意選択的に、RSA≧100%である、請求項1~5のいずれか一項に記載の電極板。
【請求項7】
前記水固定剤は、10nm~100μmの体積平均粒径D50を有する粉体であり、任意選択的に、前記水固定剤のD50は、50nm~10μmである、請求項1~6のいずれか一項に記載の電極板。
【請求項8】
前記水固定剤は、無機除水材料を含み、任意選択的に無水硫酸ナトリウム、無水硫酸カルシウム、無水塩化カルシウム、無水硫酸マグネシウム、無水過塩素酸マグネシウム、無水三塩化アルミニウム、活性アルミナとシリカゲルのうちの一つ又は複数を含み、さらに任意選択的に無水硫酸ナトリウムと無水硫酸マグネシウムのうちの一つ又は複数を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の電極板。
【請求項9】
前記活物質層における前記水固定剤の質量割合は、0.1%~10%であり、任意選択的に、0.5%~5%である、請求項1~8のいずれか一項に記載の電極板。
【請求項10】
前記電極板は、正極板であり、前記正極板は、正極集電体と前記正極集電体の少なくとも一つの表面に設けられる正極活物質層とを含み、前記正極活物質層は、正極活物質と前記水固定剤とを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の電極板。
【請求項11】
前記正極活物質層における前記水固定剤の質量割合は、1%~5%である、請求項10に記載の電極板。
【請求項12】
前記正極活物質は、遷移金属シアン化物を含み、任意選択的に、NaMnFe(CN)、NaFeFe(CN)、NaNiFe(CN)、NaCuFe(CN)のうちの一つ又は複数を含む、請求項10又は11に記載の電極板。
【請求項13】
前記電極板は、負極板であり、前記負極板は、負極集電体と前記負極集電体の少なくとも一つの表面に設けられる負極活物質層とを含み、前記負極活物質層は、負極活物質と前記水固定剤とを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の電極板。
【請求項14】
前記負極活物質層における前記水固定剤の質量割合は、0.5%~3%である、請求項13に記載の電極板。
【請求項15】
前記負極活物質は、金属ナトリウム、ソフトカーボン、ハードカーボン、人造グラファイト、天然グラファイト、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン炭素複合体、遷移金属シアン化物、ナトリウムと合金を形成可能な金属、ポリアニオン化合物、ナトリウム含有遷移金属酸化物のうちの一つ又は複数を含む、請求項13又は14に記載の電極板。
【請求項16】
正極板と負極板とを含み、前記正極板及び/又は前記負極板は、請求項1~15のいずれか一項に記載の電極板である、二次電池。
【請求項17】
二次電池の製造方法であって、
活物質と水固定剤を含むスラリーを提供するステップ、
スラリーを集電体の少なくとも一つの表面に塗布し、乾燥、冷間プレスを経た後、電極板を得るステップにより、前記二次電池の前記電極板を製造することを含み、
前記電極板における前記水固定剤は、固体状であり、且つ前記水固定剤は、水分を固定することができる、二次電池の製造方法。
【請求項18】
請求項16に記載の二次電池及び/又は請求項17に記載の方法で製造された二次電池を含む装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2020年12月09日に提出された名称が「電極板、二次電池及びその製造方法、二次電池を含む装置」の中国特許出願番号202011433363.6の優先権を主張しており、同出願の内容の全ては、ここに参照として取り込まれる。
【0002】
本願は、エネルギ貯蔵装置の技術分野に属し、具体的には、電極板、二次電池及びその製造方法、二次電池を含む装置に関する。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、高比エネルギ、長寿命、低コスト等の優位性を有するため、広く応用されている。例えば、電気自動車、エネルギー貯蔵発電所などの新エネルギ産業の普及と応用の加速に伴い、二次電池に対する需要がますます高まる。
【0004】
現在では、リチウムイオン電池の普及により、リチウムリソースの需要が絶えず高まっており、このままではリチウム資源の戦略的不足を招くことになる。この背景の下で、人々は、リチウムイオン電池に代わる新型二次電池を求め始めており、且つこのような二次電池は、上流の原料の埋蔵量が豊富で、入手しやすいことを満たす必要がある。これにより、ナトリウムイオン電池に代表される新たな二次電池は、次第に人々の視野に入ってきた。これらの二次電池は、リチウムイオン電池と動作原理が似ており、正極板と負極板との間を活性イオンが往復移動することで充放電を行う。
【0005】
しかし、ナトリウムイオン電池などの新型二次電池の産業化の道には、解決すべき多くの問題が残されている。ここでは、サイクル寿命の高い新型二次電池をどのように提供するかが中心的な課題の一つである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、二次電池の容量発揮を改善し、二次電池が比較的に高い初回放電比容量と初回充放電効率を両立させることができる電極板、二次電池及びその製造方法、二次電池を含む装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の第1の態様による電極板は、集電体と集電体の少なくとも一つの表面に設けられる活物質層とを含み、ここでは、活物質層は、活物質と水分を固定することができる固体状の水固定剤とを含む。
【0008】
本願の電極板は、活物質層に固体状の水固定剤が添加されており、固体状の水固定剤は、水分を固定することができるため、電池の化成段階及び/又は充放電サイクル段階(例えば初期サイクル段階)で除水を行うことができ、それにより二次電池内の遊離水含有量を大幅に低減させることができ、それにより二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
【0009】
本願の任意の実施形態では、水固定剤は、物理的吸収及び/又は化学的ボンディングによって水分を固定することができる。二次電池の通常の作動条件では、水固定剤によって固定された水分が非常に少ないか、又は活物質相及び/又は電解液相に再び割り当てられることなく、電池のサイクル特性を十分に向上させることができる。
【0010】
本願の任意の実施形態では、水固定剤は、結晶水の形式で水分を固定することができる。水固定剤は、迅速に吸水し、遊離水を速やかに除去し、且つ水分を効果的に固定することができるため、電池のサイクル特性を改善することができる。
【0011】
本願の任意の実施形態では、水分を固定した水固定剤の80℃での30min熱処理後の含水量W≦5%×水固定剤の飽和吸水量である。任意選択的に、W≦1%×水固定剤の飽和吸水量である。水固定剤は、上記条件を満たし、それに含まれる水分が極板製造プロセスの乾燥過程において除去されることができ、それにより水固定剤が電池化成段階及び/又は充放電サイクル段階で水分を固定する作用を発揮することを確保することができる。
【0012】
本願の任意の実施形態では、電極板の150℃での30min熱処理後の重量損失率RWL≦15%である。任意選択的に、RWLは、1%~10%である。さらに任意選択的に、RWLは、2%~6%である。電極板が上記条件を満たす場合、コーティングが乾燥した温度で、水固定剤が基本的に分解されることなく、それにより水固定剤が電池化成段階及び/又は充放電サイクル段階で水分を固定する作用を発揮することを確保する。
【0013】
本願の任意の実施形態では、水固定剤の飽和吸水率RSA≧40%であり、任意選択的に、RSA≧80%であり、さらに任意選択的に、RSA≧100%である。水固定剤は、比較的に大きい吸水量を有し、活物質層内の水固定剤の含有量を減少することができ、これによって電池サイクル特性を改善するとともに、電池のエネルギ密度を向上させることができる。
【0014】
本願の任意の実施形態では、水固定剤は、10nm~100μmの体積平均粒径Dv50を有する粉体である。任意選択的に、水固定剤のD50は、50nm~10μmである。水固定剤粉体のD50は、適切な範囲内にあり、電池のサイクル特性をさらに向上させることができ、また電池に比較的に高い安全性能を取得させることに有利である。
【0015】
本願の任意の実施形態では、水固定剤は、無機除水材料を含み、任意選択的に無水硫酸ナトリウム、無水硫酸カルシウム、無水塩化カルシウム、無水硫酸マグネシウム、無水過塩素酸マグネシウム、無水三塩化アルミニウム、活性アルミナとシリカゲルのうちの一つ又は複数を含み、さらに任意選択的に無水硫酸ナトリウムと無水硫酸マグネシウムのうちの一つ又は複数を含む。適切な水固定剤を採用すれば、電池のサイクル特性をよりよく改善することができ、さらに初回放電比容量と初回充放電効率を改善することができる。
【0016】
本願の任意の実施形態では、活物質層における水固定剤の質量割合は、0.1%~10%であり、任意選択的に、0.5%~5%である。活物質層における水固定剤の質量割合は、上記範囲内にあり、電池のサイクル特性を効果的に向上させることができるだけでなく、電池が比較的に高いエネルギ密度の取得に有利である。
【0017】
本願の任意の実施形態では、電極板は、正極板であり、正極板は、正極集電体と正極集電体の少なくとも一つの表面に設けられる正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極活物質と水固定剤とを含む。
【0018】
本願の任意の実施形態では、正極活物質層における水固定剤の質量割合は、1%~5%である。水固定剤が正極活物質層に添加されている時、正極活物質層における水固定剤の質量割合を上記範囲内にすれば、電池のサイクル特性を効果的に向上させることができるだけでなく、また電池が比較的に高いエネルギ密度の取得に有利である。
【0019】
本願の任意の実施形態では、正極活物質は、遷移金属シアン化物を含み、任意選択的にNaMnFe(CN)、NaFeFe(CN)、NaNiFe(CN)、NaCuFe(CN)のうちの一つ又は複数を含む。
【0020】
本願の任意の実施形態では、電極板は、負極板であり、負極板は、負極集電体と負極集電体の少なくとも一つの表面に設けられる負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極活物質と水固定剤とを含む。
【0021】
本願の任意の実施形態では、負極活物質層における水固定剤の質量割合は、0.5%~3%である。水固定剤が負極活物質層に添加されている時、負極活物質層における水固定剤の質量割合を上記範囲内にすれば、電池のサイクル特性を効果的に向上させることができるだけでなく、電池が比較的に高いエネルギ密度の取得にも有利である。
【0022】
本願の任意の実施形態では、負極活物質は、金属ナトリウム、ソフトカーボン、ハードカーボン、人造グラファイト、天然グラファイト、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン炭素複合体、遷移金属シアン化物、ナトリウムと合金を形成可能な金属、ポリアニオン化合物、ナトリウム含有遷移金属酸化物のうちの一つ又は複数を含む。
【0023】
本願の第2の態様による二次電池は、正極板と負極板とを含み、正極板及び/又は負極板は、本願で提供される電極板である。
【0024】
本願の二次電池は、本願の電極板を採用するため、比較的に高いサイクル特性を取得することができ、さらに比較的に高い初回放電比容量と初回充放電効率を取得することができる。
【0025】
本願の第3の態様による二次電池の製造方法は、活物質と水固定剤を含むスラリーを提供するステップ、スラリーを集電体の少なくとも一つの表面に塗布し、乾燥、冷間プレスを経た後、電極板を得るステップにより、二次電池の電極板を製造することを含みここでは、電極板における水固定剤は、固体状であり、且つ水固定剤は、水分を固定することができる。
【0026】
本願による製造方法で取得される二次電池において、電極板の活物質層に水分を固定することができる固体状の水固定剤が添加されているため、電池の化成段階及び/又は充放電サイクル段階(例えば初期サイクル段階)で除水を行うことにより、二次電池のサイクル特性を向上させることができる。また、二次電池は、さらに比較的に高い初回放電比容量と初回充放電効率とを両立させることができる。
【0027】
本願の第4の態様による装置は、本願の第2の態様の二次電池、及び/又は本願の第3の態様の製造方法に基づいて得られる二次電池を含む。
【0028】
本願の装置は、本願で提供される二次電池を含むため、少なくとも二次電池と同じ又は類似する優位性を有する。
【0029】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、本願の実施例で使用する必要がある図面を簡単に説明するが、明らかなことに、以下に説明する図面は、本願のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労力を支払うことなく、図面に基づいて他の図面を入手することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本願の電極板の一実施形態の概略図である。
図2】本願の電極板の別の実施形態の概略図である。
図3】本願の二次電池の一実施形態の概略図である。
図4図3の分解図である。
図5】本願の電池モジュールの一実施形態の概略図である。
図6】本願の電池パックの一実施形態の概略図である。
図7図6の分解図である。
図8】本願の二次電池が電源として用いられる装置の一実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本願の発明目的、技術的解決手段及び有益な技術的効果をより明確にするために、以下、実施例を参照しながら、本願についてさらに詳細に説明する。なお、本明細書に記述されている実施例は、本願を説明するためだけのものであり、本願を限定するためのものではない。
【0032】
簡潔にするために、本明細書ではいくつかの数値範囲のみが明示的に開示されている。しかしながら、任意の下限は、任意の上限と組み合わせて明確に記載されていない範囲を形成することができ、また、任意の下限は、他の下限と組み合わせて明確に記載されていない範囲を形成することができ、同様に任意の上限は、他の任意の上限と組み合わせて明確に記載されていない範囲を形成することができる。また、明確に記載されていないが、範囲の端点間の各点又は個々の数値は、いずれもこの範囲内に含まれる。したがって、各点又は個々の数値は、それ自体の下限又は上限として、他の任意の点又は個々の数値と組み合わせて、又は他の下限又は上限と組み合わせて、明確に記載されていない範囲を形成することができる。
【0033】
本明細書の記述では、別段の記載がない限り、「以上」、「以下」は、その数字を含むものであり、「一つ又は複数」のうちの「複数」の意味は、2つ以上であることを理解されたい。
【0034】
本明細書の説明では、別段の記載がない限り、用語「又は」は包含的なである。例えば、「A又はB」という用語は、「A、B、又はAとBの両方」を表す。より具体的には、以下のいずれか一つの条件は、いずれも「A又はB」という条件を満たす。Aが真であり(又は存在し)且つBが偽であり(又は存在せず)、Aが偽であり(又はが存在せず)且つBが真であり(又は存在し)、又はAとBがいずれも真である(又は存在する)。
【0035】
なお、用語「第1」、「第2」などの関係用語は、単に一つのエンティティ又は操作を別のエンティティ又は操作から区別するために用いられ、これらのエンティティ又は操作の間に任意の実際の関係又は順序が存在することを必ずしも要求又は示唆するものではない。
【0036】
本願の上記発明の概要は、本願における開示された各実施形態又は各実現形態を記述することを意図しているものではない。以下に、例を挙げて、例示的な実施形態をより具体的に記述する。様々な組み合わせの形式で使用することができる一連の実施例によって、出願全体の複数の箇所でガイダンスが提供される。それぞれの例では、列挙は、代表的な群としてのみ行われ、網羅的なものと解釈すべきではない。
【0037】
電極板は、二次電池の重要な構成部分である。電極板は、電極活物質を含み、活物質は、活性イオンを可逆的に挿入脱離することによって、電池の充放電を実現することができる。そのため、電極活物質の性能は、二次電池の電気化学特性に直接的に影響を与える。
【0038】
プルシアンブルー化合物(遷移金属シアン化物)は、独特の開放フレーム構造を有し、複数のイオン(例えばLi及び比較的に大きいサイズを有するNa、K、Mg2+等)の脱離に豊富な活性サイトと三次元伝送チャンネルを提供することができるため、比較的に高い応用可能性を有する二次電池正極活物質となる。これは、間違いなく、ナトリウムイオン電池などの新型の二次電池の発展に機会を提供する。
【0039】
しかし、プルシアンブルー化合物は、吸水性が高いため、その含水量が比較的に多い。例えば、ナトリウムイオン電池正極活物質としてのプルシアンブルー化合物は、そのフレーム構造内にナトリウム原子数に近いゼオライト型水分子が存在しやすい。また、自体のC-遷移金属結合の欠陥のため、プルシアンブルー化合物のフレーム構造内にかなりの量のC-配位水が存在しやすく、また、チャンネル内に独立した間隙水も存在する。プルシアンブルー化合物の構造内に大量の水が含まれ、容量発揮に影響を与えるだけでなく、さまざまな形式の水が電池の充放電の過程でナトリウムイオンとともに電解液内に放出され、遊離水を形成し、電池内の副反応の増加、活性イオンの不可逆的な消耗をもたらすことにより、電池のサイクル特性に影響を与える。電池内の遊離水は、固体電解質界面(solid electrolyte interface、SEI)膜の成膜品質にも影響を与える。SEI膜の絶えない修復は、電解液と活性イオンの成膜消耗をさらに増加させ、電池の内部抵抗を増大させることにより、電池のサイクル特性をさらに低下させる。
【0040】
しかし、プルシアンブルー化合物自体の構造特性のため、それに含まれる水分の除去の難易度が非常に高い。既存の除水方法は、高温(例えば140℃)と真空条件下でプルシアンブルー化合物を長時間処理することができ、それにより、産業化実施の難易度が高く、機器に対する要求が高い。且つ、高温真空乾燥過程でほとんどの水分が除去されても、プルシアンブルー化合物が真空乾燥機器から取り出された後や、後続の電極板と電池製造プロセスにおいて、空気中の水分を再吸収することは、極めて容易である。そのため、プルシアンブルー化合物の高い吸水特性による電池の電気化学特性の低下という問題をいかに克服するかは、二次電池の研究開発における一つの肝心な挑戦となっている。
【0041】
発明者らは、多くの研究を行って、電池を組み立てて成形した後に除水を行うことができる新しいアイデアを巧みに提供し、二次電池のサイクル特性を大幅に改善する。
【0042】
これに基づいて、本願は、電極板を提供し、それは、集電体と集電体の少なくとも一つの表面に設けられる活物質層とを含み、ここでは、活物質層は、活物質と固体状の水固定剤とを含み、水固定剤は、水分を固定することができる。
【0043】
本願の電極板は、正極板及び/又は負極板であってもよい。二次電池において、正極板と負極板のうちのいずれか一つ又は両方には前記水固定剤が含まれ、いずれも電池内の水分を固定する作用を実現することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、水固定剤は、物理的吸収及び/又は化学的ボンディングによって水分を固定することができることができる。この電極板を採用する電池は、通常の作動条件では、水固定剤によって固定された水分が極めて少ないか、又は活物質相及び/又は電解液相に再割り当てられることがない。通常、二次電池は、通常の作動条件では、その内部の最高温度が30℃~70℃であり、例えば45℃~70℃、55℃~70℃、又は40℃~60℃である。いくつかの実施例では、水固定剤は、遊離水と結合して構造水及び/又は吸収水を含む物質を生成する。一例として、水固定剤は、結晶水の形式で水分を固定することができる。この例において、水固定剤は、遊離水と結合して水合物、例えば結晶水合物を生成することができる。別のいくつかの実施例では、水固定剤は、さらに遊離水と化学的に反応して他の電気化学的不活性成分を生成することができる。
【0045】
本願の電極板を採用する二次電池は、化成段階及び/又は充放電サイクル段階(例えば初期サイクル段階)、正極活物質(例えばプルシアンブルー化合物等の正極材料)又は負極活物質内に結合された水分(例えば吸収水、配位水、又はゼオライト水等)は、活性イオンとともに電解液内に放出され、遊離水を形成する。同時に、活物質層における水固定剤が遊離水を捕捉して固定することにより、二次電池内の遊離水の含有量を大幅に低減させ、水分による電気化学特性への悪影響を大幅に低減させ、二次電池のサイクル過程での容量維持率を向上させ、二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、水固定剤は、固体状で存在してもよい。二次電池において、水固定剤は、電解液に溶けにくいか、溶けない。換言すれば、電池は、通常の充放電又は貯蔵過程において、水固定剤は、固体状で活物質層内に粘着されることを維持することができる。これにより、水固定剤が電解液に溶解して水分が再び電解液に戻ることを回避することができる。また、活物質層における水固定剤の状態が安定し、極板に良好な細孔構造及び電解液接触界面を維持させることもでき、電池のサイクル特性の改善に有利である。
【0047】
本願で提供される電極板を採用すれば、さらに二次電池の容量発揮を改善し、二次電池が比較的に高い初回放電比容量と初回充放電効率を両立させることができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、活物質層は、活物質と水固定剤とを含む電極スラリーで塗布され、且つ乾燥、冷間プレスを経て形成されてもよい。電極スラリーの溶媒は、本分野で既知の溶媒を採用してもよい。例えば、溶媒は、N-メチルピロリドン(NMP)、脱イオン水等から選択されてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、水分を固定した水固定剤の80℃での30min熱処理後の含水量Wは、W≦5%×水固定剤の飽和吸水量を満たすことができる。例えば、W≦4%×水固定剤の飽和吸水量、≦3%×水固定剤の飽和吸水量、≦2%×水固定剤の飽和吸水量、又は≦1%×水固定剤の飽和吸水量が挙げられる。水固定剤に多くの水が含まれている場合、特に電極スラリーが水を溶媒とする場合、水固定剤は、水を多く吸収する。水固定剤が上記条件を満たすため、それに吸收される水分がコーティングの乾燥(例えば80℃~140℃)過程において除去されることができ、それにより水固定剤が電池化成段階及び/又は充放電サイクル段階で水分を固定する作用を発揮することを確保する。
【0050】
いくつかの実施形態では、電極板の150℃での30min熱処理後の重量損失率RWLは、RWL≦15%を満たすことができる。例えば、RWLは、1%~15%、1%~10%、2%~8%、2%~6%、1.5%~5%、2%~5%、2.5%~4.5%、3%~12%、4%~9%、又は3%~7%である。電極板は、上記条件を満たし、コーティングが乾燥した温度で、水固定剤が基本的に分解することなく、それにより水固定剤が電池化成段階及び/又は充放電サイクル段階で水分を固定する作用を発揮することを確保する。
【0051】
いくつかの実施形態では、水固定剤の飽和吸水率RSAは、RSA≧40%を満たすことができる。例えば、RSA≧50%、≧60%、≧70%、≧80%、≧90%、又は≧100%が挙げられる。水固定剤は、比較的に大きい吸水量を有し、活物質層における水固定剤の含有量を減少することができ、比較的に高い除水効果を達成するとともに、電池のエネルギ密度を向上させることができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、水固定剤は、粉体である。例えば、水固定剤の体積平均粒径D50は、10nm~100μmである。さらに例えば、水固定剤のD50は、20nm~30μm、30nm~15μm、50nm~10μmであり、200nm~3μm、1μm~10μm、又は2μm~8μm等である。水固定剤粉体のD50が適切な範囲内にあり、比較的に大きい比表面積を有することができ、除水に有利であり、それにより、電池のサイクル特性をさらに向上させ、また活物質層の表面が粗すぎてセパレータを突き破るリスクを回避することができ、電池は、比較的に高い安全性能を得ることができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、水固定剤は、無機除水材料を含んでもよい。任意選択的に、水固定剤は、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸カルシウム、無水塩化カルシウム、無水硫酸マグネシウム、無水過塩素酸マグネシウム、無水三塩化アルミニウム、活性アルミナとシリカゲルのうちの一つ又は複数を含む。さらに任意選択的に、水固定剤は、無水硫酸ナトリウム、無水塩化カルシウム、無水硫酸マグネシウムと無水三塩化アルミニウムのうちの一つ又は複数を含む。更さらに任意選択的に、水固定剤は、無水硫酸ナトリウムと無水硫酸マグネシウムのうちの一つ又は複数を含む。適切な水固定剤を採用すれば、電池のサイクル特性をよりよく改善することができ、さらに初回放電比容量と初回充放電効率を改善することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、活物質層における水固定剤の質量割合は、0.1%~10%であってもよい。任意選択的に、活物質層における水固定剤の質量割合は、0.2%~8%、0.5%~5%、1%~6%、2%~5%、又は3%~6%等である。活物質層における水固定剤の質量割合が上記範囲内にあり、電池内の遊離水の含有量を効果的に低減させ、電池のサイクル特性を向上させることができるだけでなく、電池が比較的に高いエネルギ密度の取得に有利である。
【0055】
いくつかの実施形態では、電極板は、正極板であってもよい。正極板は、正極集電体と正極集電体の少なくとも一つの表面に設けられる正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極活物質と固体状の水固定剤とを含み、水固定剤は、水分を固定することができる。水固定剤は、本明細書に記載のいずれか一つ又は複数であってもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、正極集電体は、金属箔片又は複合集電体を採用してもよい(金属材料を高分子基材に設けて複合集電体を形成してもよい)。例として、正極集電体は、アルミホイルを採用してもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、正極活物質層は、正極活物質と、水固定剤と、任意選択的なバインダーと、任意選択的な導電剤とを含む。正極活物質層は、正極スラリーで塗布され、且つ乾燥、冷間プレスを経て形成されてもよい。正極スラリーは、正極活物質と、水固定剤と、任意選択的な導電剤と、任意選択的なバインダーとを溶媒に分散し且つ均一に撹拌して形成されるものである。溶媒は、N-メチルピロリドン(NMP)であってもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、正極活物質層における水固定剤の質量割合は、0.1%~10%、例えば1%~8%、2.5%~8%、3%~7%、2%~6%、1%~5%、2%~5%、又は3%~5%であってもよい。水固定剤が正極活物質層に添加されている時、正極活物質層における水固定剤の質量割合を上記範囲内にすれば、電池内の遊離水の含有量を効果的に低減させ、電池のサイクル特性を向上させることができるだけでなく、電池が比較的に高いエネルギ密度の取得に有利である。
【0059】
いくつかの実施形態では、正極活物質は、遷移金属シアン化物を含んでもよい。例として、正極活物質は、NaMnFe(CN)、NaFeFe(CN)、NaNiFe(CN)、NaCuFe(CN)のうちの一つ又は複数を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、正極活物質層における正極活物質の質量割合は、70%~95%、例えば70%~95%、75%~90%、又は80%~90%等であってもよい。正極活物質層は、比較的に高い活物質占有率を有し、それによって、電池は、比較的に高いエネルギ密度を取得することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、正極活物質層のバインダーは、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のうちの一つ又は複数を含んでもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、正極活物質層におけるバインダーの質量割合は、3%~10%、例えば4%~8%、又は5%~6%であってもよい。正極活物質層は、適量のバインダーを含み、正極活物質層と正極集電体との間及び粒子と粒子との間の粘着力を向上させることができ、剥離、粉落ちのリスクを低減させることにより、電池は、比較的に高いサイクル特性が得られる。また、バインダーの含有量が適切であれば、電池が比較的に高いエネルギ密度を備えることに有利である。
【0063】
いくつかの実施形態では、正極活物質層の導電剤は、超伝導カーボン、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック)、カーボンスポット、カーボンナノチューブ、グラフェン及びカーボンナノファイバーのうちの一つ又は複数を含んでもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、正極活物質層における導電剤の質量割合は、5%~10%、例えば6%~10%であってもよい。正極活物質層は、適量の導電剤を含み、正極板が比較的に高い電子導電性を備えるようにすることができ、電池のサイクル特性を向上させることができ、また、電池が比較的に高いエネルギ密度を備えることに有利である。
【0065】
電極板は、負極板であってもよい。負極板は、負極集電体と負極集電体の少なくとも一つの表面に設けられる負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極活物質と固体状の水固定剤とを含み、水固定剤は、水分を固定することができる。水固定剤は、本明細書に記載のいずれか一つ又は複数であってもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、負極集電体は、金属箔片又は複合集電体を採用してもよい(金属材料を高分子基材に設けて複合集電体を形成してもよい)。例として、負極集電体は、銅箔を採用してもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、本願の負極板において、負極活物質層は、負極活物質と、水固定剤と、任意選択的なバインダーと、任意選択的な導電剤と、他の任意選択的な助剤を含んでもよい。負極活物質層は、負極スラリーで塗布され、且つ乾燥、冷間プレスを経て形成されてもよい。負極スラリーは、負極活物質と、水固定剤と、任意選択的な導電剤と、任意選択的なバインダーと、他の選択的な助剤を溶媒に分散し且つ均一に撹拌して形成されるものである。溶媒は、N-メチルピロリドン(NMP)又は脱イオン水であってもよい。
【0068】
負極活物質層における水固定剤の質量割合は、0.1%~5%、例えば、0.5%~5%、1%~5%、0.5%~3%、1%~3%、0.8%~2.5%、又は1%~2%であってもよい。水固定剤が負極活物質層に添加されている時、負極活物質層における水固定剤の質量割合を上記範囲内にすれば、電池内の遊離水の含有量を効果的に低減させ、電池のサイクル特性を向上させることができるだけでなく、電池が比較的に高いエネルギ密度の取得にも有利である。
【0069】
いくつかの実施形態では、負極活物質は、金属ナトリウム、ソフトカーボン、ハードカーボン、人造グラファイト、天然グラファイト、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン炭素複合体、遷移金属シアン化物、ナトリウムと合金を形成可能な金属、ポリアニオン化合物、ナトリウム含有遷移金属酸化物のうちの一つ又は複数を含んでもよい。任意選択的に、負極活物質は、金属ナトリウム、ソフトカーボン、ハードカーボン、人造グラファイト、天然グラファイト、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン炭素複合体のうちの一つ又は複数を含む。任意選択的に、負極活物質は、ハードカーボンとシリコン炭素複合体のうちの一つ又は複数を含む。適切な負極活物質を採用すれば、電池は、同時に比較的に高いサイクル特性とエネルギ密度を両立させることができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、負極活物質層における負極活物質の質量割合は、85%~97%、例えば90%~96%、又は93%~95%等であってもよい。負極活物質層は、比較的に高い活物質占有率を有することによって、電池は、比較的に高いエネルギ密度が得られる。
【0071】
いくつかの実施形態では、負極活物質層のバインダーは、スチレンブタジエンゴム(SBR)、水性アクリル樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)、アルギン酸ナトリウム(SA)及びカルボキシメチルキトサン(CMCS)のうちの一つ又は複数を含んでもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、負極活物質層におけるバインダーの質量割合は、1%~5%、例えば1%~3%、又は1%~2%であってもよい。負極活物質層は、適量のバインダーを含み、負極活物質層と負極集電体との間、及び粒子と粒子との間の粘着力を向上させることができ、剥離、粉落ちのリスクを低減させることにより、電池は、比較的に高いサイクル特性が得られる。また、バインダーの含有量が適切であれば、電池が比較的に高いエネルギ密度を備えることに有利である。
【0073】
いくつかの実施形態では、負極活物質層の導電剤は、超伝導カーボン、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック)、カーボンスポット、カーボンナノチューブ、グラフェン及びカーボンナノファイバーのうちの一つ又は複数を含んでもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、負極活物質層における導電剤の質量割合は、1%~5%、例えば2%~4%、又は2%~3%であってもよい。負極活物質層は、適量の導電剤を含み、負極板が比較的に高い電子導電性を備えるようにし、電池のサイクル特性を向上させることができ、また、電池が比較的に高いエネルギ密度を備えることに有利である。
【0075】
いくつかの実施形態では、負極活物質層は、負極活物質層の性能を改善するために、他の選択的な助剤をさらに含んでもよい。他の選択的な助剤は、例えば、増稠剤(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウムCMC-Na)、PTCサーミスタ材料等である。例として、負極活物質層には増稠剤が含まれる。負極活物質層における増稠剤の質量割合は、1%~5%、例えば1%~3%、又は1%~2%であってもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、活物質層が集電体の一つの表面に設けられてもよく、同時に集電体の二つの表面に設けられてもよい。
【0077】
図1は本願の電極板10の一実施形態の概略図を示す。電極板10は、集電体101、それぞれ集電体101の二つの表面に設けられる活物質層102で構成される。
【0078】
図2は本願の電極板10の別の実施形態の概略図を示す。電極板10は、集電体101、集電体101の一つの表面に設けられる活物質層102で構成される。
【0079】
本願において、水固定剤の飽和吸水量は、本分野で公知の意味であり、本分野で既知の方法を採用して測定することができる。一つの例示的なテスト方法は、以下の通りである。乾燥状態での水固定剤の質量mを計量し、ここでは、水固定剤が乾燥状態であることを確保するために、水固定剤を一定の温度(例えば150℃)で一定の時間(例えば30min)乾燥処理してもよく、その後、湿った環境(例えば相対湿度が50%~90%であり、例えば80%)で水固定剤を十分な時間(例えば24h~48h)放置し、水固定剤を吸水バランスにし、水固定剤の質量mを計量し、水固定剤の飽和吸水量=m-m。水固定剤が水と結合して結晶水合物を形成すれば、結晶水の含有量によって飽和吸水量を算出することができる。
【0080】
水分を固定した水固定剤の80℃での30min熱処理後の含水量Wの例示的なテスト方法は、以下の通りである。上記mを計量した後の水固定剤を80℃で30min加熱し、加熱後の質量mを記録し、W=m-mを得る。
【0081】
本願において、電極板の150℃で30min加熱し、加熱前の質量Mと加熱後の質量Mをそれぞれ記録し、RWL(%)=(1-M/M)×100%に基づいて電極板の150℃での30min熱処理後の重量損失率を得る。電極板の熱処理と計量は、同時に水分測定器(例えばメトラー計量式水分器HE53)の中で行うことができる。
【0082】
本願において、水固定剤の飽和吸水率RWAは、RWA(%)=(m-m)/m×100%という式に基づいて算出することができる。
【0083】
水固定剤が水と結合して水合物を形成すれば、さらに水固定剤と水との反応が平衡した時に消費される水の質量÷無水水固定剤の質量×100%で飽和吸水率を算出することができる。例えば、反応式(1)で算出された無水硫酸ナトリウムの飽和吸水率は、127%である。反応式(2)で算出された無水硫酸マグネシウムの飽和吸水率は、105%である。反応式(3)で算出された無水塩化アルミニウムの飽和吸水率は、81%である。同様に、無水塩化カルシウムの飽和吸水率が97%であることを得る。
【0084】
無水硫酸ナトリウム:NaSO+10HO(l)⇔NaSO・10HO(s)(1)
無水硫酸マグネシウム:MgSO+7HO(l)⇔MgSO・7HO(s)(2)
無水塩化アルミニウム:Al3++6HO(l)⇔Al・3HO(s)+6H(3)
【0085】
ここでは、lは、液状を示し、sは、固体状を示す。
【0086】
本願において、水固定剤粉体のD50は、本分野で公知の意味であり、本分野で既知の方法を採用してテストすることができる。例えばレーザー粒度分析器(例えばMalvern Master Size 3000)でテストする。テストは、GB/T 19077.1-2016を参照してもよい。ここでは、D50は、水固定剤粉体累積体積分布パーセントが50%に達する時に対応する粒径を示す。
【0087】
本願は、二次電池をさらに提供し、それは、正極板と負極板とを含み、正極板及び/又は負極板は、本願で提供される電極板である。
【0088】
二次電池は、リチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池、カリウムイオン電池、マグネシウムイオン電池、カルシウムイオン電池等であってもよいが、それらに限らない。例として、二次電池は、ナトリウムイオン電池である。
【0089】
本願の二次電池において、正極板は、本願の電極板を採用し、負極板は、水固定剤を含まない負極板を採用してもよい。又は、負極板は、本願の電極板を採用し、正極板は、水固定剤を含まない正極板を採用する。又は、正極板と負極板は、いずれも本願の電極板を採用する。
【0090】
二次電池は、本願の電極板を採用するため、該当する有益な効果を有することができる。二次電池は、比較的に高いサイクル特性を取得することができ、さらに比較的に高い初回放電比容量と初回充放電効率を取得することができる。
【0091】
本願の二次電池には、セパレータがさらに含まれてもよい。セパレータが正極板と負極板との間に設けられ、分離の役割を果たすことができる。本願の二次電池は、二次電池用の任意の公知の多孔質構造セパレータを選択することができる。例えば、セパレータは、ガラス繊維フィルム、不織布フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリビニリデンフルオライドフィルム、及びそれらのうちの一つ又は二つ以上を含む多層複合フィルムのうちの一つ又は複数から選択されてもよい。
【0092】
本願の二次電池には、電解質がさらに含まれてもよい。電解質は、二次電池の中でイオンを伝送するという役割を果たす。本願の二次電池において、電解質は、固体電解質膜、又は液状電解質(すなわち電解液)を採用してもよい。いくつかの実施形態では、電解質は、電解液を採用する。電解液は、電解質塩と、溶媒と、任意選択的な添加剤とを含む。
【0093】
いくつかの実施例では、電解質塩は、NaPF、NaClO、NaBF、NaBOB(ナトリウムビス(オキサレート)ボレート)のうちの一つ又は複数から選択されてもよい。
【0094】
いくつかの実施例では、溶媒は、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、メチルエチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、ブチレンカーボネート(BC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ぎ酸メチル(MF)、酢酸メチル(MA)、酢酸エチル(EA)、酢酸プロピル(PA)、プロピオン酸メチル(MP)、プロピオン酸エチル(EP)、プロピオン酸プロピル(PP)、酪酸メチル(MB)、酪酸エチル(EB)、1,4-ブチロラクトン(GBL)、スルホン(SF)、ジメチルスルホン(MSM)、メチルエチルスルホン(EMS)及ジエチルスルホン(ESE)からなる群から選択される1種または複数種であってもよい。
【0095】
いくつかの実施例では、添加剤は、任意選択的に、負極成膜添加剤を含み、また任意選択的に、正極成膜添加剤を含み、さらに任意選択的に、電池のなんらかの性能を改善できる添加剤、例えば電池の過充電性能を改善する添加剤、電池の高温性能を改善する添加剤、電池の低温性能を改善する添加剤などを含む。
【0096】
本願の二次電池において、正極板、負極板とセパレータは、積層プロセス又は巻き取りプロセスによって電極アセンブリを形成することができ、セパレータは、正極板と負極板との間に介在して分離の役割を果たす。
【0097】
本願の二次電池は、外装を含んでもよい。外装は、電極アセンブリと電解液をパッケージングするために用いられる。
【0098】
いくつかの実施例では、外装は、ハードケース、例えば硬質プラスチックケース、アルミニウムケース、鋼質ケース等であってもよい。外装は、ソフトバッグ、例えばバッグタイプのソフトバッグであってもよい。ソフトバッグの材質は、プラスチックであってもよく、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンサクシネート(PBS)等のうちの一つ又は複数を含んでもよい。
【0099】
本願は、二次電池の形状に特に制限がなく、それは、円柱状、四角形又は他の任意の形状であってもよい。図3は、一例としての四角形構造の二次電池5である。図4に示すように、外装は、ハウジング51と蓋板53とを含んでもよい。ここでは、ハウジング51は、底板と底板に接続される側板とを含んでもよく、底板と側板とが囲まれて収容室を形成する。ハウジング51は、収容室に連通する開口を有し、蓋板53は、前記収容室を閉鎖するように、前記開口に蓋設されることができる。電極アセンブリ52は、前記収容室にパッケージングされる。電解液は、電極アセンブリ52内に浸潤されることができる。二次電池5に含まれる電極アセンブリ52の数は、一つ又はいくつであってもよく、必要に応じて調節することができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、二次電池は、電池モジュールに組み立てることができ、電池モジュールに含まれる二次電池の数は、複数であってもよく、具体的な数は、電池モジュールの応用と容量に基づいて調節を行うことができる。
【0101】
図5は、一例としての電池モジュール4である。図5に示すように、電池モジュール4において、複数の二次電池5は、電池モジュール4の長さ方向に沿って順次配列されて設けられてもよい。無論、他の任意の方式で配列されてもよい。さらにファスナーによってこの複数の二次電池5を固定する。
【0102】
任意選択的に、電池モジュール4は、収容空間を有するハウジングをさらに含んでもよく、複数の二次電池5がこの収容空間に収容される。
【0103】
いくつかの実施形態では、電池モジュールは、さらに電池パックに組み立てることができ、電池パックに含まれる電池モジュールの数は、電池パックの応用と容量に基づいて調節を行うことができる。
【0104】
図6図7は、一例としての電池パック1である。図6図7に示すように、電池パック1には電池ボックスと電池ボックスに設けられる複数の電池モジュール4とが含まれてもよい。電池ボックスは、上ケース2と下ケース3とを含み、上ケース2が下ケース3に蓋設可能であり、且つ電池モジュール4を収容するための閉空間を形成する。複数の電池モジュール4は、任意の方式で電池ボックスの中に配列されることができる。
【0105】
本願は、二次電池の製造方法をさらに提供する。製造方法は、活物質と水固定剤を含むスラリーを提供するステップと、スラリーを集電体の少なくとも一つの表面に塗布し、乾燥、冷間プレスを経た後、電極板を得るステップとによって二次電池の電極板を製造することを含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、電極板は、正極板であってもよい。スラリーは、上記正極スラリーであってもよい。
【0107】
いくつかの実施形態では、電極板は、負極板であってもよい。スラリーは、上記負極スラリーであってもよい。
【0108】
本願の電極板の好ましい技術的特徴又は技術案は、同様に本願の製造方法にも適用され、且つ該当する有益な効果を生み出す。
【0109】
本願の製造方法は、二次電池を製造する他の公知のステップをさらに含んでもよく、これ以上説明しない。
【0110】
本願は、装置をさらに提供し、この装置は、本願の二次電池、電池モジュール、又は電池パックのうちの少なくとも一つを含む。二次電池、電池モジュール又は電池パックは、装置の電源としてもよく、装置のエネルギ貯蔵ユニットとしてもよい。装置は、移動機器(例えば携帯電話、ノートパソコン等)、電気自動車(例えば電気自動車、ハイブリッドカー、プラグインハイブリッドカー、電動自転車、電動スクーター、電動ゴルフカート、電動トラック等)、電車、船舶及び衛星、エネルギ貯蔵システム等であってもよいが、それらに限らない。
【0111】
装置は、その使用需要に応じて二次電池、電池モジュール又は電池パックを選択することができる。
【0112】
図8は、一例としての装置である。この装置は純電気自動車、ハイブリッド電気自動車、またはプラグインハイブリッド電気自動車などである。この装置は二次電池に対する高出力および高エネルギー密度の要求を満たすために、電池パックまたは電池モジュールを用いることができる。
【0113】
別の例としての装置は、携帯電話、タブレットパソコン、ノートパソコン等であってもよい。この装置は、一般的に軽量化、薄型化が要求されるが、電源として二次電池を採用することができる。
【0114】
実施例
下記実施例は、本願に開示された内容をより具体的に記述するものであり、これらの実施例は、単に例示的な説明のためにのみ使用される。これは、本願に開示された内容の範囲内で様々な修正及び変更が行われることが当業者にとって明らかであるためである。別段の宣言がない限り、以下の実施例で報告されるすべての部、パーセント、及び比率は、いずれも重量ベースであり、且つ実施例で使用されるすべての試薬は、いずれも市販又は従来の方法で合成して得られ、且つ処理することなく直接使用することができ、実施例で使用される器具は、市販されることができる。
【0115】
二次電池の性能テスト
25℃の環境で、各実施例と比較例で製造されたナトリウムイオン電池に対して一回目の充放電を行い、0.1C(すなわち10h内に理論容量を完全に放電する電流値)の充電電流倍率で上限カットオフ電圧4Vまで定電流充電を行い、その後に電流≦0.05Cまで定電圧充電を行い、初回サイクルの充電容量を記録し、5min静置し、0.1Cの放電電流倍率で下限カットオフ電圧2Vまで定電流放電を行い、初回サイクルの放電容量を記録する。上記方法に従って電池に対して15回の充放電サイクルを行い、15回目のサイクルの放電容量を記録する。二次電池のサイクル容量維持率(%)=(15回目のサイクルの放電容量/初回サイクルの放電容量)×100%を計算する。
二次電池の初回放電比容量(mAh/g)=初回サイクルの放電容量(mAh)/二次電池の質量(g)
二次電池の初回充放電効率(%)=初回サイクルの放電容量/初回サイクルの充電容量
【0116】
二次電池の製造及びテスト結果
(一)正極板は、本願の電極板を採用する
実施例1
正極板の製造
正極活物質NaMnFe(CN)、水固定剤の無水硫酸ナトリウム、導電剤カーボンナノチューブ(CNT)、バインダーのポリビニリデンフルオライド(PVDF)を80:5:10:5の重量比で混合し、溶媒NMP内に十分に撹拌して混合し、均一な正極スラリーを形成する。正極スラリーを正極集電体アルミホイルの両側の表面に塗布し、乾燥、冷間プレスを経た後、正極板を得る。
【0117】
負極板の製造
負極活物質のハードカーボン、導電剤のアセチレンブラック、バインダーのスチレンブタジエンゴム(SBR)及び増稠剤のカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)を96:2:1:1の重量比で脱イオン水溶媒内に十分に撹拌して混合し、均一な負極スラリーを形成する。負極スラリーを負極集電体銅箔の両側の表面に塗布し、乾燥、冷間プレスを経た後、負極板を得る。
【0118】
電解液の製造
ECとPCを1:1の体積比で均一に混合し、溶媒を得て、電解質NaPF6を上記溶媒内に溶解し、均一に混合し、電解液を得て、ここではNaPFの濃度は、1mol/Lである。
【0119】
二次電池の製造
正極板、ガラス繊維多孔質セパレータ、負極板を順番に積層した後、巻き取って電極アセンブリを得て、電極アセンブリをアルミニウム製のハードケースの外装に入れ、電解液を注入してパッケージングし、二次電池を得る。
【0120】
実施例2~10及び比較例1
二次電池の製造は、実施例1と類似しており、正極板の関連製造パラメータが調整されていることが異なり、その内容の詳細は、表1に示すとおりである。
【0121】
比較例2
二次電池の製造は、実施例1と類似しており、正極活物質層における水固定剤がヘキサメチルジシラザンに置換されており、ここでは、ヘキサメチルジシラザンの揮発を防止するために、極板の乾燥温度が100℃を超えないことが異なり、その他の内容の詳細は、表1に示すとおりである。
【0122】
【表1】
【0123】
表1の結果から分かるように、正極板は、本願の電極板を採用し、それを採用する二次電池のサイクル容量維持率を著しく向上させることができ、そのため二次電池は、著しく向上しているサイクル特性を有する。
【0124】
比較例1は、前記水固定剤を含まないため、そのサイクル特性が比較的に低い。
【0125】
比較例2は、正極活物質層にヘキサメチルジシラザンを添加したものであり、シラザン系物質は、Si-N結合上の水の加水分解を利用して水を除去し、加水分解により遊離アンモニウムラジカルを生成し、電池のサイクル特性に大きな影響を与える。
【0126】
【表2】
【0127】
表2の結果から分かるように、正極板は、本願の電極板を採用し、さらにそれを採用する二次電池が比較的に高い初回放電比容量と初回充放電効率を備えるようにすることができる。
【0128】
(二)負極板は、本願の電極板を採用する
実施例11
二次電池の製造方法は、(一)と類似しており、相違点は、以下の通りである。
【0129】
正極板の製造
正極活物質のNaMnFe(CN)、導電剤のカーボンナノチューブ(CNT)、バインダーのポリビニリデンフルオライド(PVDF)を80:10:10の重量比で混合し、溶媒NMP内に十分に撹拌して混合し、均一な正極スラリーを形成する。正極スラリーを正極集電体アルミホイルの両側の表面に塗布し、乾燥、冷間プレスを経た後、正極板を得る。
【0130】
負極板の製造
負極活物質のハードカーボン、水固定剤の無水硫酸ナトリウム、導電剤のアセチレンブラック、バインダーのスチレンブタジエンゴム(SBR)及び増稠剤のカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)を95:1:2:1:1の重量比で脱イオン水溶媒内に十分に撹拌して混合し、均一な負極スラリーを形成する。負極スラリーを負極集電体銅箔の両側の表面に塗布し、乾燥、冷間プレスを経た後、負極板を得る。
【0131】
実施例12~19及び比較例3
二次電池の製造は、実施例1と類似しており、負極板の関連製造パラメータが調整されていることが異なり、その内容の詳細は、表3に示すとおりである。
【0132】
比較例4
二次電池の製造は、実施例1と類似しており、負極活物質層における水固定剤がヘキサメチルジシラザンに置換されていることが異なり、その内容の詳細は、表3に示すとおりである。
【0133】
【表3A】
【0134】
【表3B】
【0135】
表3において、シリコン炭素複合体にハードカーボン70wt%、SiO30wt%が含まれる。
【0136】
表3の結果から分かるように、負極板は、本願の電極板を採用し、それを採用する二次電池のサイクル容量維持率を著しく向上させることができ、そのため二次電池は、著しく向上しているサイクル特性を有する。
【0137】
比較例3は、前記水固定剤を含まないため、そのサイクル特性が比較的に低い。
【0138】
比較例4は、負極活物質層の中にヘキサメチルジシラザンを添加し、電池のサイクル特性が著しく低下する。
【0139】
【表4】
【0140】
表4の結果から分かるように、負極板は、本願の電極板を採用し、それを採用する二次電池の初回放電比容量と初回充放電効率を向上させることもできる。
【0141】
以上の内容は、本願の具体的な実施形態に過ぎないが、本願の保護範囲は、これに限定されない。当業者であれば、本願に開示された技術的範囲内に、様々な等価な変更又は置き換えを容易に想到でき、これらの変更又は置き換えは、いずれも本願の保護範囲に属するものである。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲によって決定される保護範囲を基準とすべきである。
【符号の説明】
【0142】
1 電池パック
2 上ケース
3 下ケース
4 電池モジュール
5 二次電池
10 電極板
51 ハウジング
52 電極アセンブリ
53 蓋板
101 集電体
102 活物質層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】