(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-11
(54)【発明の名称】電池セル、電池、電力消費機器及び電池製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/566 20210101AFI20231003BHJP
H01M 50/536 20210101ALI20231003BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20231003BHJP
H01M 50/152 20210101ALI20231003BHJP
H01M 50/627 20210101ALI20231003BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20231003BHJP
H01M 50/586 20210101ALI20231003BHJP
【FI】
H01M50/566
H01M50/536
H01M50/533
H01M50/152
H01M50/627
H01M50/593
H01M50/586
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023503226
(86)(22)【出願日】2021-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-01-17
(86)【国際出願番号】 CN2021081053
(87)【国際公開番号】W WO2022099960
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】202011249820.6
(32)【優先日】2020-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522010668
【氏名又は名称】ジアンス・コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】方 ▲クン▼
【テーマコード(参考)】
5H011
5H023
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA04
5H011BB03
5H011CC06
5H023AS01
5H023CC01
5H043AA19
5H043BA19
5H043CA03
5H043EA02
5H043EA06
5H043EA22
5H043EA35
5H043GA23
5H043GA26
5H043HA11E
5H043JA01E
5H043JA03E
5H043KA45D
(57)【要約】
本願の実施例は、電池セル、電池、電力消費機器及び電池製造方法を提供し、電池技術分野に属する。この電池は、電極組立体と、電極端子と、電極組立体と電極端子を接続するための集電体を含み、集電体と電極端子は、溶接部により接続され、溶接部は、集電体及び/又は電極端子の外周面に露出する。この電池セル、電池、電力消費機器及び電池製造方法によれば、電池の安全性を保証することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体と、
電極端子と、
前記電極組立体と前記電極端子を接続するための集電体と、
を含み、
前記集電体と前記電極端子は、溶接部により接続され、前記溶接部は、前記集電体及び/又は前記電極端子の外周面に露出する電池セル。
【請求項2】
前記集電体及び前記電極端子のうちの一方は、前記集電体及び前記電極端子のうちの他方に接続するための突起を有し、前記突起と前記他方の外周面は、前記溶接部により接続される請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記溶接部は、前記突起の側面に露出する請求項2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記他方の一端の外周面に凹み溝が形成されており、前記突起は、前記凹み溝と互いに嵌合するために用いられる請求項2又は3に記載の電池セル。
【請求項5】
前記突起は、前記集電体及び前記電極端子のうちの他方に嵌設するための環状突起である請求項2~4の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項6】
前記集電体は、対向する第1の表面と第2の表面を含み、前記突起は、前記第1の表面に形成され、前記第2の表面は、前記電極組立体に密着するために用いられる請求項2~5の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項7】
前記電極端子と前記第1の表面の間に隙間が形成されている請求項6に記載の電池セル。
【請求項8】
前記集電体は、対向する第1の表面と第2の表面を含み、前記第1の表面に第1のボスが形成されており、前記第2の表面は、前記電極組立体に密着され、前記突起は、前記電極端子の前記集電体に近い面に形成され、前記突起は、前記第1のボスに嵌設され、前記突起と前記第1のボスは、前記溶接部により接続される請求項2又は3に記載の電池セル。
【請求項9】
前記第1のボスは環状ボスである請求項8に記載の電池セル。
【請求項10】
前記電池セルは、
前記電極端子に取り付けられるエンドキャップと、
少なくとも一部が前記エンドキャップと前記電極端子の間に設けられ、前記エンドキャップと前記集電体の間まで延伸し、前記エンドキャップと前記電極端子を隔離するための絶縁部材と、
を更に含む請求項1~9の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項11】
前記絶縁部材の前記電極組立体に向かう側に第2のボスが形成されており、前記第2のボスは、前記電極組立体に当接するために用いられ、複数の前記第2のボスは、前記集電体の周囲に間隔をおいて設けられ、隣接する2つの前記第2のボスの間に退避部が形成される請求項10に記載の電池セル。
【請求項12】
前記集電体のエッジに切欠きが形成されており、少なくとも1つの前記第2のボスは、前記切欠きに係合し、前記集電体が転動しないように制限する請求項11に記載の電池セル。
【請求項13】
前記エンドキャップに第1の注液孔が設けられ、そのうちの1つの前記第2のボスの端面に逃げ溝が設けられ、前記逃げ溝は、前記第2のボスの外周面まで延伸し、前記逃げ溝の底面に第2の注液孔が設けられ、前記第2の注液孔は前記第1の注液孔に連通する請求項11に記載の電池セル。
【請求項14】
請求項1~13の何れか一項に記載の電池セルを含む電池。
【請求項15】
請求項14に記載の電池を含む電力消費機器。
【請求項16】
電極端子の周囲から集電体と前記電極端子を溶接し、前記電極端子と前記集電体の溶接部を前記電極端子及び/又は前記集電体の外周面に露出させるステップを含む電池セルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池技術分野に関し、特に電池セル、電池、電力消費機器及び電池製造方法に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2020年11月11日に提出された、発明の名称が「電池セル、電池、電力消費機器及び電池製造方法」である中国特許出願202011249820.6の優先権を主張し、当該出願の全ての内容は引用により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
電池の組み立て過程で、電極端子を介して集電体により集められた電流を出力するように、電極端子と集電体を溶接する必要がある。
【0004】
関連技術において、電池の組み立て時に、電極端子と集電体の溶接が確実ではなく、電池の安全性に影響を与える。
【発明の概要】
【0005】
本願の目的は、電池の安全性を向上可能な電池セル、電池、電力消費機器及び電池製造方法を提供することである。
【0006】
第1の態様によれば、電池セルを提供し、この電池セルは、
電極組立体と、
電極端子と、
電極組立体と電極端子を接続するための集電体と、を含み、
集電体と電極端子は、溶接部により接続され、溶接部は、集電体及び/又は電極端子の外周面に露出する。
【0007】
一方、本願の実施例において、集電体及び電極端子の周方向の側面から溶接し、溶接操作がしやすい。他方、本願の実施例において、側面から溶接することで、溶接部が厚さ方向に集電体を貫通することはなく、電解液が溶接部から漏れることを防止する。更に、この側面から溶接する方法により、集電体と電極端子の溶接品質を保証し、更に電池の安全性を保証することができる。
【0008】
幾つかの実施例において、集電体及び電極端子のうちの一方は、集電体及び電極端子のうちの他方に接続するための突起を有し、突起と他方の外周面は、溶接部により接続される。
【0009】
集電体及び電極端子のうちの一方が突起を有し、突起が集電体の厚さ方向に延伸し、突起と他方の外周面が溶接部により接続されるため、他の部材を損傷するリスクを低減することができる一方、溶接の信頼性を向上させ、集電体と電極端子の溶接品質を保証することができる。
【0010】
幾つかの実施例において、他方の一端の外周面に凹み溝が形成されており、突起は、凹み溝と互いに嵌合するために用いられる。
【0011】
凹み溝は、突起と嵌合することができ、電極端子と集電体を凹み溝と突起の接合箇所において突合せ溶接しやすくなる。
【0012】
幾つかの実施例において、突起は、集電体及び電極端子のうちの他方に嵌設するための環状突起である。
【0013】
環状突起の設置により、集電体と電極端子の位置決めの正確性を保証することができ、集電体と電極端子の組み立てを実現しやすい。
【0014】
幾つかの実施例において、集電体は、対向する第1の表面と第2の表面を含み、突起は、第1の表面に形成され、第2の表面は、電極組立体に密着するために用いられる。
【0015】
突起は、第1の表面に形成され、電極端子に接続しやすくなり、第2の表面は、電極組立体に密着するために用いられ、集電体と電極端子及び電極組立体の接続を実現する。
【0016】
幾つかの実施例において、電極端子と第1の表面の間に隙間が形成されている。
【0017】
隙間の設置により、電極端子と突起の溶接箇所の過度の位置決めを回避し、又は、集電体と電極組立体の溶接エリアが平坦でなく、集電体と電極端子の溶接に影響を与えることを防止することができる。
【0018】
幾つかの実施例において、集電体は、対向する第1の表面と第2の表面を含み、第1の表面に第1のボスが形成されており、第2の表面は、電極組立体に密着され、突起は、電極端子の集電体に近い面に形成され、突起は、第1のボスに嵌設され、突起と第1のボスは、溶接部により接続される。
【0019】
突起は、電極端子の集電体に近い面に形成され、第1のボスに嵌設され、且つ集電体の厚さ方向に延伸することで、他の部材を損傷するリスクを低下させることができる一方、溶接の信頼性を向上させ、集電体と電極端子の溶接品質を保証することができる。幾つかの実施例において、第1のボスは環状ボスである。
【0020】
環状ボスの設計により、集電体の重量を軽減することができる。
【0021】
幾つかの実施例において、電池は、電極端子に取り付けられるエンドキャップと、少なくとも一部がエンドキャップと電極端子の間に設けられ、エンドキャップと集電体の間まで延伸し、エンドキャップと電極端子を隔離するための絶縁部材と、を更に含む。
【0022】
絶縁部材の設置により、電極端子とエンドキャップの隔離を実現することができる。
【0023】
幾つかの実施例において、絶縁部材の電極組立体に向かう側に第2のボスが形成されており、第2のボスは、電極組立体に当接するために用いられ、複数の第2のボスは、集電体の周囲に間隔をおいて設けられ、隣接する2つの第2のボスの間に退避部が形成される。
【0024】
第2のボスの設置により、電極組立体の揺れを防止することができる。第2のボスの間の退避部の設置により、集電体と電極端子の溶接を実現しやすくなる。
【0025】
幾つかの実施例において、集電体のエッジに切欠きが形成されており、少なくとも1つの第2のボスは、切欠きに係合し、集電体が転動しないように制限する。
【0026】
切欠きの設置により、集電体が第2のボスに嵌合しやすくなり、電極端子が転動しないように防止する。
【0027】
幾つかの実施例において、エンドキャップに第1の注液孔が設けられ、そのうちの1つの第2のボスの端面に逃げ溝が設けられ、逃げ溝は、第2のボスの外周面まで延伸し、逃げ溝の底面に第2の注液孔が設けられ、第2の注液孔は第1の注液孔に連通する。
【0028】
第1の注液孔及び第2の注液孔の設置により、電解液の注入を実現することができる。逃げ溝の設置により、電解液が順調に流動しやすくなる。
【0029】
第2の態様によれば、上記電池セルを含む電池を提供する。
【0030】
第3の態様によれば、上記電池を含む電力消費機器を提供する。
【0031】
第4の態様によれば、電極端子の周囲から集電体と電極端子を溶接し、電極端子と集電体の溶接部を電極端子及び/又は集電体の外周面に露出させるステップを含む電池製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、本願の実施例で使用する必要がある図面を簡単に説明するが、明らかに、以下に説明される図面は、本願の幾つかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な努力をすることなく、図面に基づいて更に他の図面を得ることができる。
【
図2】本願の一実施例により提供される電池の構造概略図である。
【
図3】本願の一実施例により提供される電池セルの組み立て図である。
【
図4】本願の一実施例により提供される電池セルの分解図である。
【
図5】本願の一実施例により提供される電池セルの端部組立体の分解図である。
【
図6】本願の一実施例により提供される電池セルの局所断面構造概略図である。
【
図7】本願の一実施例により提供される端部組立体と集電体の組み立て概略図である。
【
図9】本願の別の実施例により提供される端部組立体と集電体の組み立て概略図である。
【
図10】本願の一実施例により提供される電池セルの端部組立体の別の視野からの分解図である。
【
図11】本願の一実施例により提供される電池セルの逃げ部及び溶接部の概略図である。
【
図12】本願の一実施例により提供される電池セルの集電体の切欠きと絶縁部材の第2のボスの組み立て概略図である。
【
図13】本願の一実施例により提供される電池セルの集電体の切欠きの概略図である。
【
図14】本願の一実施例により提供される電池セルの電極端子と集電体の突合せ溶接の一実施例の溶接部の概略図である。
【
図15】本願の一実施例により提供される電池セルの電極端子と集電体を集電体の外周面において貫通溶接する場合における溶接部の概略図である。
【
図17】本願の一実施例により提供される電池セルの電極端子と集電体を電極端子の外周面において貫通溶接する場合における溶接部の概略図である。
【
図19】本願の一実施例により提供される電池セルの電極端子と集電体の突合せ溶接の別の実施例の溶接部の概略図である。
【
図21】本願の一実施例により提供される電池セルの製造方法のフローチャートである。
【0033】
図面部分において、図面は、実際の縮尺に応じて描かれるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本願の実施例の図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明確且つ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、本願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。一般的には、ここの図面において説明・図示される本願の実施例の組立体は様々な異なる構成で配置・設計されることができる。
【0035】
従って、以下、図面により提供される本願の実施例の詳細な説明は、本願の特許請求の範囲を限定することを意図するものではなく、単に本願の選択された実施例を示すものに過ぎない。本願における実施例に基づき、当業者が創造的な努力をしない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0036】
注意すべきこととして、似ている参照番号及びアルファベットは以下の図面において類似している項目を示すため、一旦ある項目が1つの図面に定義されると、これに続く図面においてそれに対して更に定義・解釈する必要がない。
【0037】
本願の説明において、「内」、「外」などの用語により指示される方位や位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、又はこの出願される製品が使用時に通常置かれる方位や位置関係であり、単に本願を説明しやすくするとともに説明を簡略化するためのものに過ぎず、前記装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成され操作されることを指示又は示唆するものではないため、本願を限定するものとして理解してはいけないことを説明しておく。更に、「第1」、「第2」などの用語は、単に区別して説明するためのものであり、相対的な重要性を指示又は示唆するものとして理解してはいけない。
【0038】
本願の説明において、明確に規定されて限定されていない限り、「設ける」、「接続」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続であってもよく、又は一体的な接続であってもよく、直接接続であってもよく、中間媒体を介する間接接続であってもよく、2つの素子の内部の連通であってもよいことをも説明しておく。当業者にとって、具体的な状況に応じて、上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0039】
本願における「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を説明するものに過ぎず、3つの関係が存在してもよいことを表し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの3つのケースを表してもよい。また、本願における文字「/」は、一般的には前後の関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0040】
本願の実施例において言及される電池は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよいが、本願の実施例ではそれについて限定しない。電池は、円筒体、扁平体、直方体又はその他の形状などをなしてもよく、本願の実施例ではこれについても限定しない。電池は、パッケージングの形態によって、一般的には、円柱電池、角形電池とパウチ電池の3つの種類に分けられる。
【0041】
本願の実施例に説明される電池は、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、電気バイク、電気自動車、船舶、宇宙航空機、電気玩具及び電動工具などの電池を使用する様々な機器に用いられ、例えば、宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトルや宇宙船などを含み、電気玩具は、ゲーム機、電気自動車玩具、電気推進船玩具や電気飛行機玩具などの固定型又は移動型の電気玩具を含み、電動工具は、電動ドリル、電動グラインダ、電動レンチ、電動ドライバ、電動ハンマー、電動インパクトドリル、コンクリート振動機や電動カンナといった金属切削電動工具、研磨電動工具、実装電動工具と鉄道用電動工具を含む。
【0042】
理解すべきこととして、本願の実施例で説明される技術的解決手段は、上記で説明された機器のみに適用されるわけではなく、電池を使用する全ての機器に適用できるが、説明を簡潔にするために、下記実施例では、電気自動車を例にして説明する。
【0043】
例えば、
図1に示すように、本願の一実施例による車両1の構造概略図である。車両1は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、二次電池式電気自動車、ハイブリッド電気自動車や航続距離延長型電気自動車などであってもよい。
図1に示すように、車両1の内部に電池10が設けられてもよく、例えば、車両1の底部又は前部又は後部に電池10が設けられてもよい。電池10は、車両に給電するために用いることができ、例えば、電池10は、車両1の動作電源とすることができる。また、車両1は、コントローラ20及びモータ30を含んでもよい。コントローラ20は、電池10がモータ30に給電し、例えば、車両1の始動、ナビゲーション及び走行時の作動電力需要に用いるように制御するためのものである。本願の別の実施例では、電池10は、車両1の動作電源として用いることができるだけでなく、車両1の駆動電源として、燃料油又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1に駆動動力を提供することもできる。
【0044】
例えば、
図2に示すように、本願の一実施例による電池10の構造概略図である。電池10は、筐体101、上蓋102及び複数の電池セル100を含む。複数の電池セル100は、筐体101内に収納され、上蓋102は、筐体101の開口部に締め付けられ、筐体101の開口を閉塞する。例えば、
図3は電池セル100の一例である。
【0045】
この電池10は、複数の電池セル100同士の電気的接続、例えば、並列又は直列又は直並列接続を実現するためのバスバー部材(図示されていない)を更に含んでもよい。具体的には、バスバー部材は、電池セル100の電極端子に接続されることで電池セル100同士の電気的接続を実現することができる。バスバー部材は、溶接によって電池セル100の電極端子に固定することができる。複数の電池セル100の電気エネルギーは、更に導電機構(図示されていない)により筐体101を通過して引き出すことができる。
【0046】
様々な電力需要に応じて、電池セル100の数は、任意の数値に設定されてもよい。複数の電池セル100を直列、並列、又は直並列接続することにより、大きい容量又は電力を実現することができる。
【0047】
幾つかの実施例において、
図3及び
図4に示すように、この電池セル100は円筒型電池である。本願の他の実施例において、電池セル100は角形電池であってもよい。
【0048】
図4及び
図5を参照し、電池セル100は、ケース110、電極組立体120、電極端子130、集電体140、エンドキャップ150、絶縁部材160を含む。電極組立体120は、正極板、負極板及びセパレータを含む。正極板は、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗布されており、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極活物質層が塗布された集電体から突出しており、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極タブとされる。リチウムイオン電池を例にして、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極板は、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗布されており、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極活物質層が塗布された集電体から突出しており、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極タブとされる。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は、炭素又はシリコンなどであってもよい。大電流を流しても溶断が生じないように、正極タブの数は複数で積層されており、負極タブの数は複数で積層されている。セパレータの材質は、PP又はPEなどであってもよい。また、電極組立体は、巻回型構造であってもよいし、積層型構造であってもよく、本願の実施例はこれに限定されるものではない。
【0049】
図6に示すように、ケース110は、電極組立体120を収容するための収納空間111を有し、電極組立体120は、ケース110内に収容されるように配置される。
図4及び
図6に示すように、電極端子130、エンドキャップ150及び絶縁部材160は、一体的に組み立てられ、端部組立体を構成し、エンドキャップ150は、ケース110の一端の開口を封止するために用いられる。
図5及び
図6に示すように、絶縁部材160は、エンドキャップ150と電極端子130の間に設けられ、エンドキャップ150と電極端子130を電気的に絶縁させるために用いられる。
図6に示すように、集電体140は、電極組立体120と電極端子130を接続するために用いられ、電極端子130は、電気エネルギーを出力するために用いられる。
【0050】
図6に示すように、電極組立体120は、主体部121及びタブ122を含み、タブ122は、主体部121のエンドキャップ150の厚さ方向における端部に位置し、例えば、
図4及び
図6に示すように、電池セル100は、円筒型電池セルであり、主体部121は、2つの端部を有し、各端部に1つのタブ122が設けられ、各タブ122は各集電体140に対応し、集電体140は、対応するタブ122に溶接される。
【0051】
幾つかの実施例において、
図7及び
図8に示すように、集電体140と電極端子130は、溶接部170により接続され、溶接部170は、集電体140及び電極端子130の外周面に露出し、即ち、集電体140と電極端子130は、集電体140及び電極端子130の外周面において突合せ溶接することができ、この時、溶接部170は、集電体140及び電極端子130の外周面に露出する。
【0052】
本願の実施例において、エンドキャップ組立体、集電体140及び電極組立体120は、所定の方向に沿って順に配置され、集電体140の厚さ方向、エンドキャップ150の厚さ方向は、いずれも所定の方向と一致する。外周面は、物体の集電体140の厚さ方向に垂直な方向における表面を指し、又は、外周面は、物体の周方向の表面を指し、又は、外周面は、物体の側面を指し、又は、外周面は、物体の周方向の側面を指し、又は、外周面は、物体の外側面を指す。例えば、集電体140の外周面は、集電体140の周方向の表面であり、即ち集電体140の側面であり、集電体140の、集電体140の厚さ方向に垂直な方向における表面であると理解してもよい。電極端子130は、回動体であると理解してもよく、電極端子130の回動中心線は、所定の方向(集電体140の厚さ方向)に沿って延伸し、電極端子130の外周面は、電極端子130の周方向の表面であり、即ち電極端子130の側面であり、電極端子130の、電極端子130の回動中心線に垂直な方向における表面であると理解してもよい。
【0053】
一方、本願の実施例において、集電体140及び電極端子130の周方向の側面から溶接し、溶接操作がしやすい。他方、本願の実施例において、側面から溶接することで、溶接部170が厚さ方向に集電体140を貫通することはなく、電解液が溶接部170から漏れることを防止する。更に、この側面から溶接する方法により、集電体140と電極端子130の溶接品質を保証し、更に電池の安全性を保証することができる。
【0054】
溶接部170は、溶接継ぎ目であると理解してもよく、溶接継ぎ目は、溶接熱源の高温を利用して、継ぎ目部における金属を溶融して接続してなるものであり、それが実体であることを指摘しておく。溶接には、レーザ溶接やロウ付けなどの手段を採用することができる。
図6に示すように、図中のX-Y方向は、集電体の厚さ方向であり、厚さ方向と略称される。溶接部170は、集電体140の厚さ方向に垂直な方向に沿って集電体140及び/又は電極端子130の外周面において溶接してなる溶接継ぎ目であると理解してもよい。
【0055】
エンドキャップ150と電極端子130の組み立て及び電気エネルギーの出力を実現しやすくするために、エンドキャップ150は、電極端子130の外部に嵌設され、一部の電極端子130は、エンドキャップ150から突出する。
【0056】
幾つかの実施例において、
図7に示すように、電極端子130は、端子本体131及び端子ベース132を含み、端子本体131の一端は、端子ベース132に接続されるか又は一体成形される。端子ベース132は、集電体140に接続するために用いられ、端子本体131は、バスバー部材に接続して電気エネルギーを導出するために用いられる。
【0057】
幾つかの実施例において、
図7に示すように、端子本体131は、柱状構造であり、端子ベース132は、円盤状構造であり、端子ベース132の直径は、端子本体131の直径よりも大きい。他の実施例において、端子本体131及び端子ベース132は、他の適切な構造であってもよい。
【0058】
幾つかの実施例において、
図5、
図6及び
図7に示すように、電池セル100は、外部アダプタ190を更に含み、外部アダプタ190は、電極端子130の集電体140から離れる一端に接続され、外部アダプタ190とエンドキャップ150は、絶縁部材160により電気的に絶縁する。
図7に示すように、外部アダプタ190は、端子本体131の外周面に嵌設され、外部アダプタ190は、エンドキャップ150の集電体140から離れる側に位置し、且つ、外部アダプタ190は、端子ベース132及び端子本体131と協働して、絶縁部材160及びエンドキャップ150を外部アダプタ190と端子ベース132の間に挟持する。外部アダプタ190の設置により、電気エネルギーを出力するための接続面積が増やされ、バスバー部材に接続しやすくなる。
【0059】
幾つかの実施例において、
図7に示すように、集電体140は、電極端子130に接続するための突起181を含み、突起181の外周面と電極端子130の外周面は、溶接部170により接続される。突起181は、集電体140の厚さ方向に沿って電極端子130へ突出し、突起181の設置により、他の部材を損傷するリスクを低下させることができる一方、溶接の信頼性を向上させ、集電体140と電極端子130の溶接品質を保証することができる。
【0060】
突起181の外周面は、突起181の側面であり、突起181の所定の方向に垂直な方向における表面であると理解してもよいことを指摘しておく。突起181が集電体140に形成される場合、突起181の側面は、集電体140の外周面であると理解してもよい。
【0061】
幾つかの実施例において、
図7に示すように、集電体140は、対向する第1の表面141と第2の表面142を含み、第1の表面141は、電極端子130に向かい、第2の表面142は、電極組立体120に密着するために用いられる。集電体140の第2の表面142は、電極組立体120に密着され、集電体140と電極組立体120の溶接の信頼性を向上又は強化させ、温度の分布が均一でないことで局所的な温度上昇が高過ぎる問題を改善する。突起181は、第1の表面141に形成され、突起181は、集電体140の厚さ方向に沿って第1の表面141から電極端子130へ突出する。
【0062】
幾つかの実施例において、
図7及び
図8に示すように、端子ベース132の外周面に凹み溝182が形成されており、突起181は、凹み溝182と互いに嵌合するために用いられ、突起181は、凹み溝182内に挿入されるように配置される。凹み溝182は、端子ベース132の周方向に沿って延伸すると理解してもよい。凹み溝182の設置により、突起181に嵌合することができ、電極端子130と集電体140が凹み溝182と突起181の接合箇所において突合せ溶接しやすくなり、突起181の外周面と電極端子130の外周面は、溶接部170により接続され、溶接部170は、電極端子130及び集電体140の外周面に露出する。溶接部170は、突起181の外周面に露出すると理解してもよい。
【0063】
幾つかの実施例において、
図7及び
図8に示すように、電極端子130の集電体140に向かう端面と第1の表面141の間に隙間183が形成されている。隙間183の設置により、電極端子130の端面が第1の表面141に当接して、突起181が凹み溝182の溝底に当接するという位置決めと重複する位置決めとなることを回避することができる。又は、隙間183の設置により、集電体140と電極組立体の溶接エリアが平坦でなく、集電体140と電極端子130の溶接に影響を与えることを防止することができる。
【0064】
幾つかの実施例において、
図7に示すように、少なくとも一部の絶縁部材160は、エンドキャップ150と電極端子130の間に設けられ、一部の絶縁部材160は、エンドキャップ150と集電体140の間まで延伸し、エンドキャップ150と電極端子130を隔離するために用いられる。
【0065】
幾つかの実施例において、
図7に示すように、絶縁部材160は、第1の絶縁部材161及び第2の絶縁部材162を含む。第1の絶縁部材161は、端子本体131の外周面に嵌設され、且つエンドキャップ150の集電体140から離れる側に位置し、第1の絶縁部材161は、エンドキャップ150と電極端子130の間に設けられる。第2の絶縁部材162は、端子本体131の外周面に嵌設され、且つエンドキャップ150の集電体140に向かう側に位置し、エンドキャップ150は、第2の絶縁部材162と第1の絶縁部材161の間に位置する。第2の絶縁部材162は、エンドキャップ150と端子ベース132の間に位置し、且つエンドキャップ150と集電体140の間まで延伸する。
【0066】
幾つかの実施例において、
図7に示すように、第2の絶縁部材162には、エンドキャップ150と嵌合するための凹み部163が形成されており、凹み部163は環状構造である。一部のエンドキャップ150は、凹み部163内に嵌設されるように配置され、エンドキャップ150の中部に第2の絶縁部材162と嵌合するスルーホール151が開設され、一部の第2の絶縁部材162は、エンドキャップ150と端子本体131を隔離するように、当該スルーホール151内に穿設される。凹み部163の設置により、取り付け空間が合理的に利用され、外部アダプタ190が集電体140の厚さ方向において集電体140に一層近く、電池セル100の高さが低減され、電池セル100のエネルギー密度が向上する。
【0067】
第1の絶縁部材161と第2の絶縁部材162は、2つの独立した部材であってもよく、一体成形されてもよい。第1の絶縁部材161と第2の絶縁部材162が一体成形された場合、絶縁部材160は、電極端子130及びエンドキャップ150に組み立てられる時、組み立てやすいように変形することができ、同時に、絶縁部材160と電極端子130の組み立ては、封止嵌合である。一実施例において、第1の絶縁部材161と第2の絶縁部材162は、2つの独立した部材であり、エンドキャップ150と電極端子130が組み立てられやすくなる。
【0068】
幾つかの実施例において、第1の絶縁部材161と第2の絶縁部材162は、2つの独立した部材である。絶縁部材160と電極端子130の封止嵌合を保証するために、
図9に示すように、第2の絶縁部材162は、絶縁体1621及び封止体1622を含み、絶縁体1621と封止体1622は、2つの独立した部材である。封止体1622は、端子本体131の外周面に嵌設され、絶縁体1621及びエンドキャップ150は、封止体1622の外周面に嵌設されることで、エンドキャップ150と電極端子130が封止嵌合される。
【0069】
幾つかの実施例において、
図10及び
図11に示すように、絶縁部材160の電極組立体120に向かう側には、電極組立体120に当接するための第2のボス164が形成されている。第2のボス164が電極組立体120に当接することで、電極組立体120の揺れを防止することができる。
【0070】
幾つかの実施例において、
図10及び
図11を参照し、絶縁部材160の電極組立体120に向かう側に複数の第2のボス164が形成されており、それにより電極組立体120の接触面が大きくなり、電極組立体120への多点当接を実現しやすくなる。
【0071】
幾つかの実施例において、
図10及び
図11を参照し、複数の第2のボス164は、集電体140の周囲に間隔をおいて設けられ、隣接する2つの第2のボス164の間に退避部165が形成され、少なくとも一部の溶接部170は、退避部165内に位置する。第2のボス164の間の退避部165の設置により、レーザが退避部165から貫入しやすく、又は溶接ヘッドが退避部165内に伸び込みやすく、集電体140と電極端子130の溶接を行うことができる。
【0072】
一実施例において、
図10に示すように、絶縁部材160に2つの第2のボス164が設けられ、2つの第2のボス164に2つの退避部165が形成され、2つの方向から集電体140と電極端子130を溶接しやすくなる。
【0073】
幾つかの実施例において、
図10及び
図5に示すように、エンドキャップ150に第1の注液孔152が設けられ、そのうちの1つの第2のボス164の端面に逃げ溝1641が設けられ、逃げ溝1641は、第2のボス164の外周面まで延伸し、逃げ溝1641の底面に第2の注液孔1642が設けられ、第2の注液孔1642は第1の注液孔152に連通する。
【0074】
エンドキャップ150の第1の注液孔152を介して電解液を注入する時、電解液は、第2の注液孔1642を介して逃げ溝1641まで流れることができ、逃げ溝1641を介して第2のボス164の外周面へ流れてから、電極組立体120とケース110の間のギャップまで流れることができ、電解液の流速が速くなり、注液効率が向上する。逃げ溝1641の設置により、第2の注液孔1642の端部が電極組立体120に直接当接することを回避し、電解液を順調に流動させる。
【0075】
逃げ溝1641は、第2のボス164の集電体140に向かう端面に設けられることを指摘しておく。
【0076】
幾つかの実施例において、埃などの異物がケース110内に入ることを回避するために、この電池セル100は、エンドキャップ150及びケース110の収納空間111を封止するように、第1の注液孔152を閉塞するための封止蓋(図示されていない)を更に含む。
【0077】
幾つかの実施例において、
図10、
図12及び
図13に示すように、集電体140のエッジに切欠き144が形成され、複数の第2のボス164のうち、集電体140の切欠き144に対応する第2のボス164aがあり、当該第2のボス164aの輪郭形状は、切欠き144に合致し、第2のボス164aは、切欠き144に係合され、集電体140が転動しないように制限する。第2のボス164aの数は、少なくとも1つであり、本願において限定しない。切欠き144の形状は、V字形、U字形、凹字形などの任意の適切な形であってもよい。
【0078】
幾つかの実施例において、切欠き144の形状は、他の第2のボスの形状に合致してもよい。
【0079】
幾つかの実施例において、
図10に示すように、電極端子130のエッジに位置制限部133が形成され、位置制限部133は、切欠き144に対応し、且つ、位置制限部133は、第2のボス164aの輪郭に合致し、位置制限部133と第2のボス164aの協働により電極端子130の転動を防止し、組み立て安定性を増やすことができる。
【0080】
幾つかの実施例において、
図10に示すように、複数の第2のボス164のうち切欠き144に対応する第2のボス164a以外に、他の第2のボス164bは、円弧状構造であり、集電体140の周方向に分布し、第2のボス164bの内周面は、集電体140のエッジの輪郭に合致し、第2のボス164bと第2のボス164aは、集電体140を位置決めするように協働する。
【0081】
幾つかの実施例において、
図10及び
図12に示すように、第2のボス164aが他の第2のボス164bに対して集電体140の径方向において大きい面積を有することに基づき、第2の注液孔1642は、第2のボス164aに開設される。
【0082】
一実施例において、
図10及び
図12に示すように、集電体140は円盤構造であってもよく、第2のボス164の集電体140の周方向における2つの端面は、端子ベース132へ延伸するとともに、夾角をなすように設けられ、この2つの端面の夾角は鈍角であり、レーザが退避部165内に入射しやすく、又は溶接ヘッドが退避部165内に伸び込みやすく、溶接部170の長さが増加する。
【0083】
図12に示すように、第2のボス164と端子ベース132及び集電体140の溶接部位(即ち溶接部170を形成する前の部位)のピッチが大きい場合、第2のボス164の2つの端面の延伸面の交差部は、第2のボス164と端子ベース132及び集電体140の溶接部位の間に位置し、このような場合、溶接部170の端子ベース132の周方向における延伸の連続性を保証することができる。
【0084】
幾つかの実施例において、溶接部170は、集電体140及び電極端子130の外周面に露出し、上記に記載の形態の他、集電体140は、電極端子130に密着されてもよい。
図14に示すように、集電体140のエッジ輪郭は、電極端子130のエッジ輪に合致し、集電体140の第1の表面141は、電極端子130に密着され、溶接部170は、集電体140と電極端子130の密着シーム部に位置し、集電体140及び電極端子130は、密着シーム部に突合せ溶接の手段により固定される。第1の表面141が電極端子130に密着されることで、集電体140と電極端子130の溶接の信頼性を保証し、集電体140と電極端子130の溶接品質を保証する。
【0085】
幾つかの実施例において、
図15及び
図16に示すように、溶接部170は、集電体140の外周面に露出してもよく、集電体140と電極端子130は、集電体140の外周面に貫通溶接されてもよい。集電体140は、突起181を含み、突起181は、第1の表面141に形成され、集電体の厚さ方向に沿って電極端子130へ突出し、且つ、電極端子130(端子ベース132)に嵌設するために用いられ、溶接部170は、突起181の側面に露出する。
【0086】
幾つかの実施例において、溶接部170は、電極端子130の外周面に露出してもよく、集電体140と電極端子130は、電極端子130の外周面に貫通溶接されてもよい。
図17及び
図18に示すように、電極端子130は、集電体140に接続するための突起181を有してもよく、例えば、端子ベース132の集電体140に近い面に突起181が形成され、突起181は、集電体140の厚さ方向に沿って集電体140へ突出する。集電体140の第1の表面141に第1のボス143が形成され、突起181は、第1のボス143に嵌設され、突起181と第1のボス143は、溶接部170により接続される。即ち、電極端子130と集電体140は、突起181の側面において貫通溶接の手段により第1のボス143に溶接されてもよく、溶接部170は、突起181の側面に露出する。突起181の外周面と集電体140の外周面(第1のボス143の外周面)は、溶接部170により接続されると理解してもよい。突起181の外周面は、突起181の側面であり、突起181の所定の方向に垂直な方向における表面であると理解してもよいことを指摘しておく。突起181が電極端子130に形成される場合、突起181の側面は、電極端子130の外周面であると理解してもよい。
【0087】
突起181は、第1の表面141に当接してもよいが、第1のボス143は、端子ベース132の集電体140に向かう端面に接触せず、このように電極端子130と集電体140の位置決めを実現することを指摘しておく。又は、第1のボス143は、端子ベース132の集電体140に向かう端面に当接してもよいが、突起181は、第1の表面141に接触せず、このように電極端子130と集電体140の位置決めを実現する。
【0088】
幾つかの実施例において、
図18に示すように、第1のボス143は環状ボスであり、環状ボスの設計により、集電体140の重量を軽減することができる。
【0089】
幾つかの実施例において、端子ベース132の集電体140に近い面に突起181が形成され、集電体140の外周縁に凹み溝182が形成されてもよく、突起181は、凹み溝182内に挿入されるように配置され、溶接部170は、電極端子130及び集電体140の外周面に露出する。凹み溝182の設置により、突起181と嵌合することができ、電極端子130と集電体140を突起181と凹み溝182の接合箇所において突合せ溶接しやすくなる。
【0090】
幾つかの実施例において、
図19及び
図20に示すように、第1のボス143の外周縁に凹み溝182が形成されてもよく、突起181は、凹み溝182内に挿入されるように配置され、溶接部170は、電極端子130及び集電体140の外周面に露出する。
【0091】
幾つかの実施例において、上記で言及された突起181は環状突起であってもよく、環状突起の設置により、集電体140と電極端子130の位置決めの正確性を保証することができると同時に、溶接部170の長さを増やし、集電体140と電極端子130の接続の確実性を保証することもできる。環状突起の側面は、環状突起の外周面である。
【0092】
上記端部組立体は、正極に適用される端部組立体及び/又は負極に適用される端部組立体であってもよいことを指摘しておく。
【0093】
以上は、本願の実施例の電力消費機器及び電池10を説明した。以下は、本願の実施例の電池セルの製造方法を説明する。ここで、詳細に説明されない部分は、上記の各実施例を参照することができる。
【0094】
本願は、電池セルの製造方法を更に提供し、この電池セルの製造方法は、
図21に示すように、電極端子130の周方向から集電体140と電極端子130を溶接し、電極端子130と集電体140の溶接部170を電極端子130及び/又は集電体140の外周面に露出させるステップを含む。
【0095】
ここの電極端子130の周囲から溶接することは、電極端子130の外側面から径方向に沿って端子本体131の中心線の方向へ電極端子130と集電体140を溶接することであることを指摘しておく。電極端子130の外側面は、電極端子130の外周面である。
【0096】
幾つかの実施例において、電極端子130と集電体140を溶接する前に、電池セルの製造方法は、電極端子130、エンドキャップ150及び絶縁部材160を一体的に組み立て、端部組立体を構成するステップを更に含み、エンドキャップ150は、ケース110の開口を封止するために用いられる。
【0097】
幾つかの実施例において、電極端子130と集電体140を溶接する前に、電池セルの製造方法は、集電体140の第2の表面142と電極組立体120を密着し、且つ集電体140と電極組立体120を溶接するステップを更に含む。
【0098】
幾つかの実施例において、電池セルの製造方法は、ケース110内に電解液を注入するステップを更に含む。電解液は、エンドキャップ150にある第1の注液孔152、絶縁部材160の第2の注液孔1642、逃げ溝1641を介してケース110内に流れ込む。電解液の注入が完了した後、第1の注液孔152を封止することで、エンドキャップ150とケース110が、封止された空間を形成する。
【0099】
衝突しない限り、本願の実施例における特徴は、互いに組み合わせることができることを説明しておく。
【0100】
上記したのは、本願の好適な実施例に過ぎず、本願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本願は、種々な変更や変形が有り得る。本願の精神及び原則内で行われる全ての修正、同等置換や改善などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0101】
1 車両、10 電池、101 筐体、102 上蓋、100 電池セル、110 ケース、111 収納空間、120 電極組立体、121 主体部、122 タブ、130 電極端子、131 端子本体、132 端子ベース、133 位置制限部、140 集電体、141 第1の表面、142 第2の表面、143 第1のボス、144 切欠き、150 エンドキャップ、151 スルーホール、152 第1の注液孔、160 絶縁部材、161 第1の絶縁部材、162 第2の絶縁部材、1621 絶縁体、1622 封止体、163 凹み部、164、164a、164b 第2のボス、1641 逃げ溝、1642 第2の注液孔、165 退避部、170 溶接部、181 突起、182 凹み溝、183 隙間、190 外部アダプタ、20 コントローラ、30 モータ。
【国際調査報告】