(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-11
(54)【発明の名称】編成された管状の製品を軸方向端部で閉じるための方法
(51)【国際特許分類】
D04B 9/46 20060101AFI20231003BHJP
【FI】
D04B9/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509429
(86)(22)【出願日】2021-09-16
(85)【翻訳文提出日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 EP2021075420
(87)【国際公開番号】W WO2022069235
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】102020000023137
(32)【優先日】2020-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597009471
【氏名又は名称】ロナティ エッセ.ピ.ア.
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ロナティ,エットーレ
(72)【発明者】
【氏名】ロナティ,ファウスト
(72)【発明者】
【氏名】ロナティ,フランチェスコ
【テーマコード(参考)】
4L054
【Fターム(参考)】
4L054AA01
4L054BD02
4L054GA00
4L054NA01
4L054NA03
(57)【要約】
【解決手段】円形靴下類編機での製造サイクルの終了の際に、編成された管状の製品を軸方向端部で閉じるための方法では、-製品を最後の編成列まで製造し、最後の編成列の編成ループを、最後の編成列の編成ループを形成した編機の針のヘッドに保持し、-ヘッドの反対側でラッチの直近に設けられた各針の軸の領域に接して配置されたピックアップ要素を有するピックアップ装置により編成ループを個々に把持し、-ピックアップ要素によって、形成された最後の編成列の各ループを保持して製品を外し、-製品を縫製ステーションに置き、-ピックアップ要素から、2つの半環状部分で構成された環状装置のスパイクにループを個々に移し、-処理装置によって保持された製品を裏返し、-最後の編成列の半分のループを最後の編成列の他方の半分の対応するループに処理装置の同一のスパイクで反転によって重ね、-相互に重ねられた対の編成ループを縫製し、-製品を処理装置から外す。製品を外す工程は第1の引出し準備工程、第2の製品引出し工程及び第3の製品移送工程を含む。様々な工程の指令の特定の順序が提供されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形靴下類編機などでの製造サイクルの終了の際に、編成された管状の製品を軸方向端部で閉じるための方法であって、
- 編成を開始した製品の軸方向端部の反対側の軸方向端部で最後の編成列まで製品を製造して、前記最後の編成列の編成ループを形成した円形靴下類編機の針のヘッドに前記編成ループを保持する初期の工程と、
- 前記ヘッドの反対側でラッチの直近に設けられた各針の軸の領域に接して配置されたピックアップ要素(29)により前記編成ループを個々に把持する工程と、
- 形成された最後の編成列の各編成ループを前記ピックアップ要素(29)により保持して、製品を製造した円形靴下類編機(100) から製品を外す工程と、
- 前記製品を縫製ステーション又はリンキングステーション(102) に置く工程と、
- 前記ピックアップ要素(29)から、2つの半環状部分で構成されて直径軸芯を中心として一方の半環状部分が他方の半環状部分に対して反転し得る環状の処理装置のスパイクへと編成ループを個々に移す工程と、
- 前記処理装置によって保持された製品を裏返す工程と、
- 前記直径軸芯を中心とした実質的に180 °の円弧を通って前記処理装置の2つの半環状部分の一方を他方の半環状部分に対して反転させることにより、最後の編成列の半分の編成ループを前記最後の編成列の残り半分の対応する編成ループに前記処理装置の同一のスパイクで夫々重ねる工程と、
- 相互に重ねられた対の編成ループを縫製又はリンキングする工程と、
- 第1の引出し準備工程、第2の製品引出し工程及び第3の製品移送工程を含む、前記処理装置から製品を外す工程と
を有し、
前記第1の引出し準備工程は、
- 引出し開始指令、
- 前記円形靴下類編機(100) を停止させるための指令、
- 糸案内板を上昇させるための指令、
- 前記円形靴下類編機(100) を再起動させるための指令、
- シリンダの配置を待機させるための指令、
- 編成品を作業位置に運ぶために内管のステップモータを作動させるための指令、
- 配置が行われたことを設定するための指令、
- 作業状態で前記シリンダ(101) の固定ピストンを作動させるための指令、
- 作業状態で前記シリンダの編成品押出ピストンを作動させるための指令、
- 作業状態でピックアップピストンを作動させるための指令、
- ピックアップアームを中間状態に移動させるための指令、
- 前記ピックアップアームを、前記円形靴下類編機(100) への進入高さに移動させるための指令、
- 前記糸案内板が引出位置にあることを待機させるための指令、
- 前記円形靴下類編機(100) への進入のために前記ピックアップアームを角度移動させるための指令、
- 前記シリンダの編成品押出ピストンを解放するために前記ピックアップアームを垂直移動させるための指令、
- 前記ピックアップアームを中間位置に垂直移動させるための指令、
- 前記シリンダの固定ピストンが前記作業状態にある場合、非作動状態のピックアップピストンを作動させるための指令、
- 待機指令、
- 前記ピックアップアームをピックアップ高さに垂直移動させるための指令
を含み、
- 前記円形靴下類編機(100) を停止させるための前記指令、
- 前記円形靴下類編機(100) を再起動させるための前記指令、
- 前記シリンダの配置を待機させるための前記指令、
- 作業位置で前記内管のステップモータを作動させるための前記指令、
- 配置が行われたことを設定するための前記指令、
- 作業状態で前記シリンダの固定ピストンを作動させるための前記指令
を含む指令を実質的に同時に行う、方法。
【請求項2】
- 作業状態で前記ピックアップピストンを作動させるための指令、
- 前記ピックアップアームを前記中間状態に移動させるための指令、
- 前記ピックアップアームを、前記円形靴下類編機(100) への進入高さに移動させるための指令
を含む指令を実質的に同時に行う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
- 前記円形靴下類編機(100) への進入のために前記ピックアップアームを角度移動させるための指令、
- 前記シリンダの編成品押出ピストンを解放するために前記ピックアップアームを垂直移動させるための指令、
- 前記ピックアップアームを前記中間位置に垂直移動させるための指令
を、前記糸案内板を上昇させるための指令により、前記糸案内板を予め設定された高さに運んだ後に行う、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の製品引出し工程は、
- 非作動状態の編成品上昇内管のステップモータを作動させるための指令、
- 製品をピックアップするために前記ステップモータを作業高さまで作動させるための指令、
- 作業位置で前記シリンダの編成品押出器を作動させるための指令、
- 待機指令、
- 吸込装置のステップモータ及び電気絞り弁を作動させるための指令、
- 前記ピックアップアームを引出高さに垂直に移動させるための指令、
- 製品を前記ピックアップ要素に置くための指令、
- 前記ステップモータを作動させて、シンカを安全な高さまで移動させるための指令、
- 作業状態で前記編成品上昇内管のステップモータを作動させるための指令、
- 非作動状態の前記シリンダの固定ピストンを作動させるための指令、
- 前記円形靴下類編機(100) を作動させて、針をヒール除外位置からタック編位置に同じ高さにするための指令
を含み、
- 非作動状態の編成品上昇内管のステップモータを作動させるための前記指令、
- 製品をピックアップするために前記ステップモータを作業高さまで作動させるための前記指令
を実質的に同時に行う、請求項1~3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
- 作業状態で前記編成品上昇内管のステップモータを作動させるための前記指令、
- 非作動状態の前記シリンダの固定ピストンを作動させるための前記指令
を実質的に同時に行う、請求項1~4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記第3の製品移送工程は、
- 針の高さ合わせの終了を待機させるための指令、
- 下部裏返しユニット(130) を作動させるための指令、
- 作業状態でダイヤルを下げるための指令、
- 前記ピックアップアームを角度移動させて、前記ピックアップアームを中間位置に運ぶための作動指令、
- 管状の製品を移すためにセンサを制御するための指令、
- 前記ピックアップアームを所定の高さに角度移動させるための作動指令、
- 第1の絞り高さに運ぶためにミシンのステップモータ及び電気絞り弁を前記下部裏返しユニット(130) から作動させるための指令、
- 前記ステップモータを作動させて、前記下部裏返しユニット(130) を予め設定された高さで傾けるための指令、
- 吸込装置のステップモータ及び電気絞り弁をゼロにするための指令、
- 前記ステップモータを作動させて、前記下部裏返しユニット(130) を予め設定された高さで傾けるための指令、
- 待機指令、
- 前記ステップモータを作動させて、前記下部裏返しユニット(130) をゼロの高さで傾けるための指令、
- 管状の製品の引出しを容易にするために送風装置を作動させるための指令、
- ミシンのステップモータ及び電気絞り弁を作動させて、前記下部裏返しユニット(130) を第2の絞り高さに吸い込むための指令、
- 前記ステップモータを作動させて、前記下部裏返しユニット(130) をゼロの高さで傾けるための指令、
- 前記ピックアップアームをゼロの高さで角度移動させるための指令、
- 非作動状態の前記下部裏返しユニット(130) を固定するための作動指令、
- 非作動状態のダイヤルを下げるための作動指令、
- 待機指令
を含み、
前記ピックアップアームを角度移動させて、前記ピックアップアームを中間位置に運ぶための前記作動指令、管状の製品を移すために前記センサを制御するための前記指令、及び前記ピックアップアームを所定の高さに角度移動させるための前記作動指令を実質的に同時に行う、請求項1~5のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円形靴下類編機などでの製造サイクルの終了の際に、編成された管状の製品を軸方向端部で閉じるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、例えば靴下類製品などの管状のニット製品は、一般的に円形靴下類編機によって製造されて、管状のニット製品の軸方向端部が両方共開口した状態で円形靴下類編機から外される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
靴下類製品の場合、靴下類製品を製造した編機から靴下類製品を外した後、つま先を閉じる必要があり、その動作はミシン又はリンキング機によって行われる。
【0004】
このような動作は追加の機械の使用及び労力を必要とし、これは靴下類製品の製造コスト全体に著しい影響を及ぼすので、様々な技術が、靴下類製品のつま先の閉じを自動化すべく、更に一般的には円形靴下類編機などで製造された管状のニット製品の軸方向端部の閉じを自動化すべく提案されている。
【0005】
今まで提案されてきた様々な技術は、2つの主なカテゴリーに分類され得る。第1のカテゴリーは、製品を製造する編機で製造の始め又は終わりに直接行われる閉じに基づいた技術を含んでいる。第2のカテゴリーは、製品を製造する編機から間隔を置いてこのために設けられた縫製ステーション又はリンキングステーションでの閉じの実行に基づいた技術を含んでいる。
【0006】
第1のカテゴリーは、閉じの動作に一定の時間が必要であり、その時間に編機が新たな製品を製造することができないので、編機の生産性を著しく制限するという欠点を有する。
【0007】
例えばイタリア国特許第1300622 号に記載されている技術が属する第2のカテゴリーは、この問題を少なくとも部分的に除去することができる。その理由は、編機の生産力が、製品を製造した編機から製品を外すのに必要な時間の点でのみ不利になり、その後、先の製品の縫製又はリンキングを行いながら、編機は新たな製品を製造することができるためである。
【0008】
他方、製品を編機からリンキングステーションに移すための動作は、非常に精密な動作を保証しなければならない複雑な装置の使用を必要とすることが多い。
【0009】
これらの装置を使用する際、製品を製造した編機の針からの製品のピックアップは、製品の移送時間全体に大きな影響を及ぼし、必要な精密さを必ずしも確保することができるとは限らないので、特に重大であることが分かっている。
【0010】
同一出願人の名義の欧州特許出願公開第2250305 号明細書から、円形靴下類編機などでの製造サイクルの終了の際に、編成された管状の製品を軸方向端部の一方で閉じるための方法であって、編成を開始した製品の軸方向端部の反対側の軸方向端部で最後の編成列まで製品を製造して、前記最後の編成列の編成ループを形成した編機の針のヘッドに前記編成ループを保持する初期の工程を有する前記方法が知られている。
【0011】
本発明の意図は、上述した態様の内の一又は複数で背景技術を改善することができる、編成された管状の製品を閉じるための方法を提供することである。
【0012】
この意図の範囲内で、本発明の目的は、方法及び装置の生産性を大幅に向上させることを可能にする、編成された管状の製品を閉じるための方法を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、移送動作を非常に正確に維持しながら、サイクルタイムを短縮することができる、編成された管状の製品を閉じるための方法を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、高い信頼性があり、比較的提供し易く、競争力のある価格で、編成された管状の製品を閉じるための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この意図、並びにこれらの目的及び以下でより明らかとなる他の目的は、任意に従属請求項の特徴の一又は複数を有する、請求項1に係る、編成された管状の製品を閉じるための方法によって達成される。
【0016】
本発明の更なる特徴及び利点は、添付図面の非限定例で示した本発明に係る、編成された管状の製品を閉じるための方法の好ましいが排他的でない実施形態の説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】製品を製造する初期の工程中の
図1の円形靴下類編機の一部を示す正面図である。
【
図3】製品を製造する初期の工程とピックアップ要素によって編成ループを個々に把持する工程との間の中間工程で、
図1の円形靴下類編機の一部を示す平面図である。
【
図5】ピックアップ要素によって編成ループを個々に把持する工程中の
図1の円形靴下類編機の一部を示す正面図である。
【
図6】製品を編機から外す工程中の
図1の円形靴下類編機の一部を示す正面図である。
【
図7】
図6の状態にある円形靴下類編機を、異なる部分的な断面の観点から示す図である。
【
図8】製品を縫製ステーション又はリンキングステーション102 に置く工程中の
図1の円形靴下類編機の一部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を参照すると、本発明に係る、円形靴下類編機100 などでの製造サイクルの終了の際に、編成された管状の製品を軸方向端部で閉じるための方法は、
- 編成を開始した製品の軸方向端部の反対側の軸方向端部で最後の編成列まで製品を製造して、最後の編成列の編成ループを形成した編機100 の針123 のヘッド123cに前記編成ループを保持する初期の工程と、
- ヘッド123cの反対側でラッチ123dの直近に設けられた各針123 の軸123bの領域に接して配置されたピックアップ要素29により編成ループを個々に把持する工程と、
- 形成された最後の編成列の各編成ループを前記ピックアップ要素29により保持して、製品を製造した編機100 から製品を外す工程と、
- 縫製ステーション又はリンキングステーション102 に製品を置く工程と、
- ピックアップ要素29から、2つの半環状部分で構成されて直径軸芯を中心として一方の半環状部分が他方の半環状部分に対して反転し得る環状の処理装置のスパイクへと編成ループを個々に移す工程と、
- 前記処理装置によって保持された製品を裏返す工程と、
- 直径軸芯を中心とした実質的に180 °の円弧を通って処理装置の2つの半環状部分の一方を他方の半環状部分に対して反転させることにより、最後の編成列の半分の編成ループを最後の編成列の残り半分の対応する編成ループに処理装置の同一のスパイクで夫々重ねる工程と、
- 相互に重ねられた対の編成ループを縫製又はリンキングする工程と、
- 第1の引出し準備工程、第2の製品引出し工程及び第3の製品移送工程を含む、処理装置から製品を外す工程と
を有する。
【0019】
編機100 は、上昇及び下降が可能な糸案内板、シリンダ101 、編成品を作業位置に運ぶために内管の指令で移動するためのステップモータ、シリンダ固定ピストン、編成品押出ピストン、対応するピストンを有するピックアップアーム43、糸案内板、編成品上昇内管、裏返しピストン、ダイヤルを備えている。
【0020】
この方法は、第1の引出し準備工程が、
- 引出し開始指令、
- 編機を停止させるための指令、
- 糸案内板を上昇させるための指令、
- 編機を再起動させるための指令、
- 編機100 のシリンダ101 の配置を待機させるための指令、
- 編成品を作業位置に運ぶために内管のステップモータを作動させるための指令、
- 配置が行われたことを設定するための指令、
- 作業状態でシリンダ固定ピストンを作動させるための指令、
- 作業状態でシリンダの編成品押出ピストンを作動させるための指令、
- 作業状態でピックアップアームのピストンを作動させるための指令、
- ピックアップアーム43を中間状態に移動させるための指令、
- ピックアップアーム43を編機への進入高さに移動させるための指令、
- 糸案内板が引出位置にあることを待機させるための指令、
- 編機への進入のためにピックアップアーム43を角度移動させるための指令、
- シリンダの編成品押出ピストンを解放するためにピックアップアーム43を垂直移動させるための指令、
- ピックアップアーム43を中間位置に垂直移動させるための指令、
- シリンダ固定ピストンが作業状態にある場合、非作動状態のピックアップアームのピストンを作動させるための指令、
- 待機指令、及び
- ピックアップアーム43をピックアップ高さに垂直移動させるための指令
を含む点で特徴付けられている。
【0021】
- 編機を停止させるための指令、
- 編機を再起動させるための指令、
- シリンダの配置を待機させるための指令、
- 作業位置で内管のステップモータを作動させるための指令、
- 配置が行われたことを設定するための指令、及び
- 作業状態でシリンダ固定ピストンを作動させるための指令
を含む指令を実質的に同時に行う。
【0022】
好都合なことに、
- 作業状態でピックアップアームのピストンを作動させるための指令、
- ピックアップアーム43を中間状態に移動させるための指令、及び
- ピックアップアーム43を編機への進入高さに移動させるための指令
を含む指令を実質的に同時に行う。
【0023】
好都合なことに、
- 編機への進入のためにピックアップアーム43を角度移動させるための指令、
- シリンダの編成品押出ピストンを解放するためにピックアップアーム43を垂直移動させるための指令、及び
- ピックアップアーム43を中間位置に垂直移動させるための指令
を、糸案内板を上昇させるための指令により、糸案内板を予め設定された高さに運んだ後に行う。
【0024】
編機は、シリンダの編成品押出器、吸込装置に関連付けられたステップモータ及び電気絞り弁、シンカを移動させるためのステップモータ、編成品上昇内管に関連付けられたステップモータを更に備えている。
【0025】
製品を引き出す第2の製品引出し工程は、
- 非作動状態の編成品上昇内管のステップモータを作動させるための指令と、
- 製品をピックアップするためにステップモータを作業高さに作動させるための指令と、
- 作業位置でシリンダの編成品押出器を作動させるための指令と、
- 待機指令と、
- 吸込装置のステップモータ及び電気絞り弁を作動させるための指令と、
- ピックアップアーム43を引出高さに垂直に移動させるための指令と、
- 製品をピックアップ要素に置くための指令と、
- ステップモータを作動させて、シンカを安全な高さまで移動させるための指令と、
- 作業状態で編成品上昇内管のステップモータを作動させるための指令と、
- 非作動状態のシリンダ固定ピストンを作動させるための指令と、
- 編機を作動させて、針をヒール除外位置からタック編位置に同じ高さにするための指令と
を含む。
【0026】
特に、
- 非作動状態の編成品上昇内管のステップモータを作動させるための指令、及び
- 製品をピックアップするためにステップモータを作業高さに作動させるための指令
を実質的に同時に行う。
【0027】
好都合なことに、
- 作業状態で編成品上昇内管のステップモータを作動させるための指令、及び
- 非作動状態のシリンダ固定ピストンを作動させるための指令
を実質的に同時に行う。
【0028】
編機は、下部裏返しユニットに関連付けられたピストンと、製品を移すためのセンサと、ミシンのステップモータ及び電気絞り弁と、管状製品を引き出すための送風装置とを更に備えている。
【0029】
製品を移す第3の製品移送工程は、
- 針の高さ合わせの終了を待機させるための指令と、
- 下部裏返しユニットを作動させるための指令と、
- 作業状態でダイヤルを下げるための指令と、
- ピックアップアーム43を角度移動させて、ピックアップアーム43を中間位置に運ぶための指令と、
- 管状製品を移すためにセンサを制御するための指令と、
- ピックアップアーム43を所定の高さに角度移動させるための作動指令と、
- 第1の絞り高さに運ぶためにミシンのステップモータ及び電気絞り弁を下部裏返しユニットから作動させるための指令と、
- ステップモータを作動させて、下部裏返しユニットを予め設定された高さで傾けるための指令と、
- 吸込装置のステップモータ及び電気絞り弁をゼロにするための指令と、
- ステップモータを作動させて、下部裏返しユニットを予め設定された高さで傾けるための指令と、
- 待機指令と、
- ステップモータを作動させて、下部裏返しユニットをゼロの高さで傾けるための指令と、
- 管状製品の引出しを容易にするために送風装置を作動させるための指令と、
- ミシンのステップモータ及び電気絞り弁を作動させて、下部裏返しユニットを第2の絞り高さに吸い込むための指令と、
- ステップモータを作動させて、下部裏返しユニットをゼロの高さで傾けるための指令と、
- ピックアップアーム43をゼロの高さで角度移動させるための指令と、
- 非作動状態の下部裏返しユニット130 を固定するための作動指令と、
- 非作動状態のダイヤルを下げるための作動指令と、
- 待機指令と
を含む。
【0030】
有利には、
- ピックアップアームを角度移動させて、ピックアップアームを中間位置に運ぶための作動指令、
- 管状製品を移すためにセンサを制御するための指令、及び
- ピックアップアームを所定の高さに角度移動させるための作動指令
を実質的に同時に行う。
【0031】
特に、第1の引出し準備工程に関連する、
- 引出し開始指令、
- 編機を停止させるための指令、及び
- 糸案内板を上昇させるための指令
を含む工程と、
- 作業状態でピックアップアームのピストンを作動させるための指令、
- ピックアップアームを中間状態に移動させるための指令、及び
- ピックアップアームを編機への進入高さに移動させるための指令
を含む工程とは、
実行中に少なくとも部分的に重なる。
【0032】
引出しのために製品を準備するための機械の移動を、上述した工程と同時的に行う。
【0033】
閉ループドライバを有するステップモータの採用により、作用する装置の移動速度を上げることが可能になった。
【0034】
糸案内板上昇装置に閉ループドライバを採用することにより、糸案内板上昇装置が開始状態に戻るのを待機させるために必要な複数の遊びの回転を靴下類プログラムから除去することが更に可能になった。製品を移す第3の製品移送工程を参照すると、ビデオカメラ又は代替の制御センサが取り付けられている場合、機械的センサによる制御工程を待機させることなく、靴下類製品の通過直後の編機の再起動が最適化される。
【0035】
実際、本発明は、編機の生産性を大幅に高めることができる方法を提供して、対象とする意図及び目的を達成していることが分かっている。
【0036】
このようにして考案された本発明は、その全てが添付した特許請求の範囲内にある多くの修正及び変更を加えることができ、細部の全ては、更に他の技術的に等価な要素に置き換えられてもよい。
【0037】
実際、用いられる材料が特定の用途に適合する限り、用いられる材料、並びに付随する形状及び寸法は、要件及び現状の技術に応じて如何なるものであってもよい。
【0038】
本出願が優先権を主張するイタリア国特許出願第102020000023137 号における開示内容は、参照として本明細書に盛り込まれる。
【0039】
任意の請求項に記載されている技術的特徴の後には参照符号が続いているが、これらの参照符号は、請求項の明瞭性を高めるためだけに含まれているものであり、従って、このような参照符号により一例として特定される各要素の解釈をいかなる形においても限定するものではない。
【国際調査報告】