特表 2023-542636 ラベリングマシン用の切断ドラム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2023-10-11

(54)【発明の名称】ラベリングマシン用の切断ドラム

(51)【国際特許分類】

   B65C 9/18 20060101AFI20231003BHJP

【ＦＩ】

B65C9/18

【審査請求】未請求

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2023515382

(86)(22)【出願日】2021-09-28

(85)【翻訳文提出日】2023-03-07

(86)【国際出願番号】 EP2021076600

(87)【国際公開番号】W WO2022069447

(87)【国際公開日】2022-04-07

(31)【優先権主張番号】102020000022891

(32)【優先日】2020-09-29

(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】510147581

【氏名又は名称】ピ・エ・ラベレルス・ソシエタ・ペル・アチオニ

【氏名又は名称原語表記】Ｐ．Ｅ． ＬＡＢＥＬＬＥＲＳ Ｓ．ｐ．Ａ．

(74)【代理人】

【識別番号】100101454

【弁理士】

【氏名又は名称】山田 卓二

(74)【代理人】

【識別番号】100111039

【弁理士】

【氏名又は名称】前堀 義之

(72)【発明者】

【氏名】バルディーニ，リッカルド

【テーマコード（参考）】

3E095

【Ｆターム（参考）】

3E095BA02

3E095CA10

3E095DA03

3E095DA24

3E095DA33

3E095DA52

3E095FA06

3E095FA30

(57)【要約】

ラベリングマシン用の切断ドラムであって、ドラム本体（２）を備える。ドラム本体は、それ自身の軸（２ａ）の周りに回転可能であり、それ自身の側面に、複数のラベルが連続して印刷されたラベルリボン（１２０）を付着して受けるように設計されている。ドラム本体（２）の周辺に沿って、それぞれの吸引チャンバ（５）を含む少なくとも１つの切断装置（４）が有る。吸引チャンバは、ドラムの外側面で開くとともに、少なくとも１つのブレード（６）を収容する。ラベルリボン（１２０）の切断を生じさせるために、ラベルリボン（１２０）を吸引チャンバ（５）の内部へ向かって、ブレード（６）に抗して引き寄せるために、吸引チャンバ（５）は空気吸引手段（７）に接続可能である。切断装置（４）は、吸引チャンバ（５）を内部に形成するとともに、ブレード（６）を支持するためのそれぞれの箱状体（８）を備える。箱状体（８）は、ドラム本体（２）によって着脱可能に支持される。ブレード（６）は、着脱可能な保持手段のおかげで箱状体（８）に結合される。

【特許請求の範囲】

【請求項1】

ラベリングマシン用の切断ドラムであって、
ドラム本体（２）を備え、
上記ドラム本体は、このドラム本体自身の軸（２ａ）の周りに回転可能であり、このドラム本体自身の側面に、複数のラベルが連続して印刷されたラベルリボン（１２０）を付着して受けるように設計されており、
上記ドラム本体（２）の周辺に沿って、それぞれの吸引チャンバ（５）を含む少なくとも１つの切断装置（４）が有り、
上記吸引チャンバは、上記ドラムの外側面で開くとともに、少なくとも１つのブレード（６）を収容しており、
上記ラベルリボン（１２０）の切断を生じさせるために、上記ラベルリボン（１２０）を上記吸引チャンバ（５）の内部へ向かって、ブレード（６）に抗して引き寄せるために、上記吸引チャンバ（５）は空気吸引手段（７）に接続可能である、切断ドラムにおいて、
上記少なくとも１つの切断装置（４）は、吸引チャンバ（５）を内部に形成するとともに、上記ブレード（６）を支持するためのそれぞれの箱状体（８）を備え、
上記箱状体（８）は、上記ドラム本体（２）によって着脱可能に支持され、
上記ブレード（６）は、着脱可能な保持手段のおかげで上記箱状体（８）に結合されている
ことを特徴とする切断ドラム。

【請求項2】

請求項１に記載の切断ドラムにおいて、
上記箱状体（８）は、或るスライド方向（１００）に沿った上記箱状体（８）と上記ドラム本体（２）との間の相対的なスライド移動によって、上記ドラム本体（２）に対して結合または結合解除され得る
ことを特徴とする切断ドラム。

【請求項3】

請求項１から２までのいずれかに記載の切断ドラムにおいて、
上記着脱可能な保持手段は、上記ブレード（６）の配置面に対して実質的に垂直な少なくとも１つの保持方向に沿って延在されている
ことを特徴とする切断ドラム。

【請求項4】

請求項１から３までのいずれかに記載の切断ドラムにおいて、
上記スライド方向（１００）は、実質的に上記ドラム本体（２）の上記軸（２ａ）に対して径方向である方向に対して実質的に垂直である少なくとも１つの成分を有する
ことを特徴とする切断ドラム。

【請求項5】

請求項１から４までのいずれかに記載の切断ドラムにおいて、
上記スライド方向（１００）は、上記ドラム本体（２）の上記軸（２ａ）に対して実質的に平行である
ことを特徴とする切断ドラム。

【請求項6】

請求項１から５までのいずれかに記載の切断ドラムにおいて、
上記着脱可能な保持手段は、上記ブレード（６）に形成された対応する貫通係合開口（１０）に着脱可能に係合する少なくとも１つのロックピン（９）を含む
ことを特徴とする切断ドラム。

【請求項7】

請求項１から６までのいずれかに記載の切断ドラムにおいて、
上記本体（２）の周辺領域に、上記少なくとも１つの切断装置（４）の箱状体（８）のために、少なくとも１つの相補的な形状に形成された収容座（１１）が有り、
上記箱状体（８）は、上記相対的なスライド移動によって、上記収容座（１１）から抜き出し可能または上記収容座（１１）に挿入可能である
ことを特徴とする切断ドラム。

【請求項8】

請求項１から７までのいずれかに記載の切断ドラムにおいて、
上記箱状体（８）の面に、外側へ向けられるべく設計されるとともに、上記吸引チャンバ（５）と連通している吸引開口（１２）が形成され、
上記箱状体（８）が上記収容座（１１）に挿入された状態で、上記吸引開口（１２）が実質的に上記ドラム本体（２）の側面に配置されている
ことを特徴とする切断ドラム。

【請求項9】

請求項１から８までのいずれかに記載の切断ドラムにおいて、
上記箱状体（８）を上記収容座（１１）に着脱可能にスナップロックするための手段を備え、
このスナップロックするための手段は、上記箱状体（８）が上記収容座（１１）に挿入されると、自動的に作動され得る
ことを特徴とする切断ドラム。

【請求項10】

請求項１から９までのいずれかに記載の切断ドラムにおいて、
上記箱状体（８）は、少なくとも１つのそれぞれの結合座（１４）に係合可能な少なくとも１つの結合部（１３）を備え、
上記結合座は、対応する形状に形成され、上記本体（２）に形成され、かつ収容座（１１）と連通している
ことを特徴とする切断ドラム。

【請求項11】

請求項１から１０までのいずれかに記載の切断ドラムにおいて、
上記結合部（１３）は、実質的に蟻継ぎの形状を有している
ことを特徴とする切断ドラム。

【請求項12】

請求項１から１１までのいずれかに記載の切断ドラムにおいて、
上記結合部（１３）は、少なくとも１つのリブ（１５）を備え、
上記リブは、上記箱状体（８）の外面から突出し、上記スライド方向（１００）と実質的に平行に延在され、
上記少なくとも１つのリブ（１５）は、上記結合座（１４）に形成された対応する溝（１６）内に挿入可能である
ことを特徴とする切断ドラム。

【請求項13】

請求項１から１２までのいずれかに記載の切断ドラムにおいて、
上記結合部（１３）は、上記少なくとも１つのリブ（１５）の自由端に、少なくとも１つの横方向拡張部（１７）を備え、
上記横方向拡張部は、上記結合座（１４）に形成された、それぞれの、上記溝（１６）に対してより広い領域（１８）に係合し得る
ことを特徴とする切断ドラム。

【請求項14】

請求項１から１３までのいずれかに記載の切断ドラムにおいて、
上記結合部（１３）は、上記箱状体（８）の上記吸引開口（１２）が形成されている側に対して反対の側に配置されている。
ことを特徴とする切断ドラム。

【請求項15】

請求項１から１４までのいずれかに記載の切断ドラムにおいて、
上記箱状体（８）は、上記ブレード（６）を上記着脱可能な保持手段から解放するために、相互に分離可能な少なくとも２つの部分（８ａ、８ｂ）を含んでいる
ことを特徴とする切断ドラム。

【請求項16】

請求項１から１５までのいずれかに記載の切断ドラムにおいて、
上記部分（８ａ、８ｂ）は、弾性復帰手段（１９）のおかげで相互に連結されている
ことを特徴とする切断ドラム。

【請求項17】

請求項１から１６までのいずれかに記載の切断ドラムにおいて、
上記ブレード（６）は、そのブレードの少なくとも１つの部分が、上記ドラム本体（２）の少なくとも１つの領域に接触するおかげで、上記着脱可能な保持手段との係合状態が維持される
ことを特徴とする切断ドラム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

この出願は、ラベリングマシン用の切断ドラムに関する。

【背景技術】

【0002】

知られているように、容器にラベルを貼ることができるラベリングマシンが使用されている。上記ラベルは、スプールに巻かれた連続的なラベルリボンを切断することによって得られる。上記ラベルは、容器と接触するように設計されたラベルの面に接着剤の部分を備えることができ、または、接着剤を含まないことができ、この場合、マシンは、ラベルに接着剤を塗布するのに適合したアセンブリを装備している。

【0003】

典型的 には、ラベリングマシンは容器のためのコンベヤを有する。通常、コンベヤは、個々の容器を支持するためのプレート（複数）を周囲に備えた回転カルーセルで構成されている。それらのプレートは、対応する軸を中心に容器を回転させることが可能になっている。

【0004】

少なくとも１つのラベル付けユニットが、上記カルーセルの周囲に沿って配置される。ラベル付けユニットは、一般に、ラベルリボンをそのスプールから巻き戻して、切断ドラムに供給するように設計された巻き戻しアセンブリを有している。上記切断ドラムは、ラベルリボンをその切断ドラム自身の側面に付着させて保持するために、その側面に吸引ポートが設けられている。また、上記切断ドラムは、その切断ドラムに固定されたブレード（複数）を備えている。それらのブレードは、固定されたコントラストブレードと協働して、連続する２つのラベルの間の領域でラベルリボンを切断するために動作する。

【0005】

切断後に分離されたラベルは、切断ドラムによって転送ドラムへ放出される。転写ドラムは、それらのラベルをカルーセル上で到着するそれぞれの容器に接着する。

【0006】

上記切断ドラムは、ラベルの切断の正しい実行を保証するために、切断ドラムに固定されているブレードの位置と固定されたブレードの位置を正確に調整する必要があるという欠点がある。

【0007】

また、固定されたコントラストブレードの存在を必要とせずにラベルリボンの切断を行うことを可能にするために、切断ドラムがそれぞれの作動シリンダによって移動されるブレードを備えたラベリングマシンも知られている。

【0008】

このタイプの解決策は、有効ではあるが、一定の構成的な複雑さがある。

【0009】

背景技術のこの欠点および他の欠点を克服するために、この同じ出願人の名前で米国特許第１０３４３８０８号明細書に記載されている切断ドラムが提案されている。この切断ドラムは、その側面に、巻き戻しアセンブリによって供給されるラベルリボンを受けるようになっており、その側面の周りに、複数の切断装置を備えている。その切断装置の各々は、その切断ドラムに一体的に固定されるとともに、それぞれの吸引チャンバに収容されたブレードを有している。上記吸引チャンバは、上記切断ドラム内に形成され、上記切断ドラムの側面で開いている。

【0010】

各切断装置の吸引チャンバは、空気吸引手段に接続され得、ラベルリボンを吸引チャンバの内部へ向けて吸引し、それによってラベルリボンをブレードに抗して押し付け、切断することが可能になっている。

【0011】

上記切断ドラムは、ラベルリボンを正しく切断するためにブレードの位置を正確に調整する必要がなく、構成的には、むしろ設けるのが簡単である。しかし、摩耗したブレードを取り外して新しいブレードに交換する操作に一定の手間を伴うものである。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0012】

本発明の狙いは、上述した１つ以上の局面において背景技術を改善することが可能なラベリングマシン用の切断ドラムを提供することにある。

【0013】

この狙いの範囲内で、本発明の目的は、摩耗したブレードの交換を非常に簡単かつ実用的な態様で実行することを可能にする切断ドラムを提供することにある。

【0014】

本発明の他の目的は、構成的に簡単に設けることができるラベリングマシン用の切断ドラムを提供することである。

【0015】

本発明の他の目的は、動作における信頼性と安全性を最大限に保証することができるラベリングマシン用の切断ドラムを提供することにある。

【0016】

本発明のさらなる目的は、既存のいかなる解決策にも代わる態様で、背景技術の欠点を克服することにある。

【0017】

特に、本発明の目的は、純粋に経済的な観点からも競争力のある切断ドラムを提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0018】

以下により明らかになるであろう、この狙いおよびその他の目的は、請求項１に記載のラベリングマシン用の切断ドラムであって従属請求項の１つ以上の特徴を任意に備えるものによって達成される。

【図面の簡単な説明】

【0019】

この発明のさらなる特徴および利点は、添付図面に非限定的な例として示される、この発明によるラベリングマシン用の切断ドラムの、幾つかの好ましいが排他的ではない実施形態の説明から、より明らかになるであろう。ここで、

【図1】本発明による切断ドラムの斜視図である。

【図2】本発明による切断ドラムの切断装置が引き抜かれた状態を示す斜視図である。

【図3】第１実施形態による切断ドラムから引き抜かれた切断デバイスの分解斜視図である。

【図4】上記切断ドラム内に形成された、上記切断装置を収容するための収容座の模式的な上面図である。

【図5】本発明による切断ドラムの切断装置の第２実施形態を示す斜視図である。

【図6】図５の切断装置の分解された正面図である。

【図7】図６におけるVII-VII平面に沿って取られた断面図である。

【図8】図５の切断装置の分解された斜視図である。

【図9】本発明による切断ドラムの切断装置の第３実施形態を示す斜視図である。

【図10】図９の切断装置の背面図である。

【図11】図９の切断装置の僅かに分解された正面図である。

【図12】図１１におけるXII-XII平面に沿って取られた断面図である。

【図13】図９の実施形態の分解された斜視図である。

【図14】本発明による切断ドラムの切断装置の第４実施形態を示す斜視図である。

【図15】図１４の切断装置を収容するために切断ドラムに形成された収容座の模式的な上面図である。

【図16】図１４の切断装置の正面図である。

【図17】図１６におけるXVII-XVII平面に沿って取られた断面図である。

【図18】図１４の切断装置の分解された斜視図である。

【図19】本発明による切断ドラムの一部の模式的な直径方向の断面図である。

【図20】本発明による切断ドラムをラベリングマシンに適用した状態を示す模式的な上面図である。

【発明を実施するための形態】

【0020】

図を参照すると、本発明によるラベリングマシン用の切断ドラムは、全体として参照数字１によって示されており、ドラム本体２を備えている。ドラム本体２は、実質的に円筒形であり、それ自身の軸２ａの周りに回転可能に作動し、それ自身の側面にラベルリボン１２０を付着して受けるように設計されている。ラベルリボン１２０には、複数のラベルが連続して印刷されている。ラベルリボン１２０は、巻き戻しアセンブリ１３０によってドラム本体２に供給され得る。巻き戻しアセンブリ１３０は、例えば、スプールからラベルリボン１２０をピックアップする一対の牽引ローラ１３０ａ及び１３０ｂを備えている。

【0021】

特に、吸引ポート３は、ドラム本体２の側面にそれ自体既知の方法で設けられ、ラベルリボン１２０および切断後に分離されたラベルを、ドラム本体２の上記側面に保持することを可能にする。

【0022】

ドラム本体２の周辺に沿って、少なくとも１つの切断装置４が有る。この切断装置４は、それぞれの吸引チャンバ５を含んでいる。吸引チャンバ５は、ドラムの側面で開いており、その中に、少なくとも１つのブレード６が収容されている。ブレード６は、実質的にドラム本体２の直径平面に沿って、都合よく配置されている。

【0023】

吸引チャンバ５は、ラベルリボン１２０を吸引チャンバ５の内部へ、ブレード６に抗して引き寄せることができるように、空気吸引手段７に接続可能である。それによって、ラベルリボン１２０の切断は、２つの連続するラベルの間の分離領域で行われる。

【0024】

複数の切断装置４が、ドラム本体２の周辺領域に沿って配置され、ラベルの長さに少なくとも等しい相互の周方向距離で配置されていてもよい、ということが注記されるべきである。

【0025】

本発明によれば、上記または各切断装置４は、ブレード６を支持するためのそれぞれの箱状体８を備えている。この箱状体８は、吸引チャンバ５を内部に形成している。

【0026】

また、本発明によれば、箱状体８は、ドラム本体２に着脱可能に支持されている。これによって、箱状体８は、メンテナンス時やブレード６を取り外す必要がある場合に、ドラム本体２から取り外され得る。

【0027】

さらに、ブレード６は、着脱可能な保持手段のおかげで箱状体８に結合されている。これによって、ブレード６が破損したり摩耗したりした場合に、それを新しいブレード６に交換できるように、ブレード６は、箱状体８との結合から解除され得る。

【0028】

有利には、箱状体８は、スライド方向１００に沿った箱状体８とドラム本体２との間の相対的なスライド移動によって、ドラム本体２に対して結合または結合解除され得る。

【0029】

好ましくは、ブレード６の着脱可能な保持手段は、ブレード６の配置の平面に対して実質的に垂直である少なくとも１つの保持方向に沿って延在され、箱状体８からのブレード６の出口と対比的であるようになっている。

【0030】

有利には、ドラム本体２に対する箱状体８の結合または結合解除を可能にする相対的なスライド移動が生じるスライド方向１００は、ブレード６に遠心力が作用する方向に対して、すなわち、実質的にドラム本体２の軸２ａに関する径方向に対して、垂直である少なくとも１つの成分を有している。

【0031】

好ましくは、スライド方向１００は、実際には、ドラム本体２の回転軸２ａに実質的に平行である。

【0032】

好都合なことに、ブレード６の着脱可能な保持手段は、少なくとも１つのロックピン９によって提供される。ロックピン９は、ブレード６に形成された、対応する貫通係合開口１０に着脱可能に係合する。

【0033】

好ましくは、ブレード６の長手方向の延在に沿って形成されたそれぞれの貫通係合開口１０に係合する複数のロックピン９が有る。

【0034】

ドラム本体２の周辺領域には、都合よく、切断装置４または各切断装置４の箱状体８のために、少なくとも１つの相補的な形状に形成された収容座１１が有る。この収容座１１は、都合よく、ドラム本体２の側面で開いている、ということが注記されるべきである。

【0035】

有利には、箱状体８は、実際には、ドラム本体２の軸方向面に形成されたアクセス開口１１ａを通して、収容座１１から抜き出し可能であるか、または収容座１１に挿入可能である。好都合にも、そのような相対的なスライド運動によってである。

【0036】

好都合なことに、箱状体８の、外側に向けられるように設計されている面には、吸引開口１２が形成されている。吸引開口１２は、吸引チャンバ５と連通し、ブレード６がラベルリボン１２０を切断できるように、ラベルリボン１２０を吸引チャンバ５の内部へ向かって引き寄せることを可能にする。

【0037】

好都合なことに、箱状体８が収容座１１に挿入された状態では、吸引開口１２は、実質的にドラム本体２の側面に配置される。

【0038】

箱状体８の着脱可能なスナップロックのための手段を、都合よく収容座１１内に設けることが可能である、ということが注記されるべきである。そのスナップロックのための手段は、箱状体８が収容座１１に挿入されると、自動的に作動され得る。

【0039】

好ましくは、箱状体８は、少なくとも１つのそれぞれの結合座１４と係合可能である少なくとも１つの結合部１３を備える。結合座１４は、対応する形状に形成され、ドラム本体２に形成され、かつ収容座１１と連通している。これは、ドラム本体２に対して結合または結合解除を可能にする箱状体８のスライド移動を容易にするためであり、同時に、スライド方向１００（それに沿って、ドラム本体２に対して箱状体８の結合または結合解除を可能にする相対的なスライド移動が生じる）に対して実質的に垂直な少なくとも１つの方向に沿ってドラム本体２に対して箱状体８が移動する可能性を防止するためである。

【0040】

有利には、結合部１３は、実質的に蟻継ぎの形状を有していてもよい。

【0041】

より詳しくは、結合部１３は、少なくとも１つのリブ１５を有する。リブ１５は、箱状体８の外面から突出し、スライド方向１００（それに沿って、ドラム本体２に対して箱状体８の結合または結合解除を可能にする相対的なスライド移動が生じる）と実質的に平行に延在されている。

【0042】

特に、リブ１５は、結合座１４に形成された対応する溝１６内に挿入可能である。

【0043】

有利には、結合部１３は、リブ１５の自由端に、それぞれの領域１８と係合可能な少なくとも１つの横方向拡張部１７をさらに備えている。この横方向拡張部は、溝１６に対してより広く、結合座１４にも形成されている。

【0044】

任意に、一対の互いに反対側の横方向拡張部１７ａ，１７ｂを設けることも可能である。それらの横方向拡張部１７ａ，１７ｂの各々は、結合座１４のそれぞれの幅広領域１８ａ，１８ｂに係合することができる。

【0045】

好都合なことに、結合部１３は、箱状体のうち吸引開口１２が配置されている側に対して反対の側に配置されている。

【0046】

特に図３に示す第１の実施形態によれば、ブレード６の着脱可能な保持手段の解除を可能にするために、各ロックピン９は、箱状体８から軸方向に取り外され得る。これによって、箱状体８が収容座１１から一旦抜き出されると、ロックピン９を箱状体８から抜き出すだけで、ブレード６の貫通係合開口１０をロックピン９との係合から解放することが可能になる。この結果、続いて、ブレード６を、吸引開口１２を通して吸引チャンバ５から取り外すことができ、容易に交換することができる。

【0047】

図５から図８に示す第２の実施形態では、箱状体８は、少なくとも２つの部分８ａ及び８ｂを備えている。それらの部分８ａ及び８ｂは、収容座１１から箱状体８が一旦抜き出されると、相互に分離され得る。これによって、ブレード６を、取り外し可能な保持手段との結合から、より詳しくは、ロックピン９との係合から、解放することができる。

【0048】

好都合なことに、この場合、箱状体８の２つの部分８ａ，８ｂのうちの一方、例えば８ａによって設計された一方は、その上に一体的に形成されたロックピン９を有するとともに、吸引チャンバ５の少なくとも１つの部分を形成している。他方の部分８ｂは、吸引チャンバ５の残りの部分を形成するとともに、ブレード６のための保持支台として機能する。

【0049】

有利には、箱状体８の２つの部分８ａ及び８ｂは、ドラム本体２の直径平面と実質的に平行な平面に沿って分離され得る。

【0050】

図９から図１３は第３の実施形態を示している。第３の実施形態では、第２実施形態に対する唯一の相違点は、箱状体８を構成する部分８ａ及び８ｂが、弾性復帰手段１９によって相互に接続されている点である。弾性復帰手段１９は、例えば、箱状体８内に設けられた弾性的に柔軟な部分、または、ゴム若しくは他の同様の材料からなる要素によって構成されている。

【0051】

この場合、箱状体８が収容座１１から一旦抜き出されると、２つの部分８ａ、８ｂの一方に一体的に形成されたロックピン９との係合からブレード６を解放するためには、弾性復帰手段１９による付勢力に打ち勝って、箱状体８の２つの部分８ａ、８ｂを相互に離間させれば足りる。

【0052】

第４の実施形態によれば、ブレード６は、そのブレード６の少なくとも１つの部分がドラム本体２の少なくとも１つの領域に接触するおかげで、着脱可能な保持手段との係合状態に維持される。

【0053】

この場合、好ましくは、箱状体８のドラム本体２の軸線に向けられた部分に、ブレード６に対して横方向に、開放された後部領域２０が形成されている。これによって、箱状体８が収容座に挿入されたとき、ブレード６の、その刃先とは反対側の後部６ａが、収容座１１または結合座１４の内壁の領域に接触することができる。この結果、ブレード６は、ドラム本体２と箱状体８との間でロックされた位置で、ロックピン９と係合した状態に保持される。

【0054】

この場合にも、箱状体８が収容座１１から一旦抜き出されると、ブレード６は、もはやドラム本体２との接触によってロックされていないため、回転して、その後部６ａを箱状体８に画定された開いた後部領域２０から抜け出させることができる。これによって、ロックピン９を貫通係合開口１０から離脱させる。したがって、ブレード６を、吸引開口１２を通して吸引チャンバ５から抜き出すことが可能となる。

【0055】

空気吸引手段７は、都合よく、真空分配ユニット２１によって提供される、ということが注記されるべきである。真空分配ユニット２１上に、ドラム本体２が回転可能に搭載される。

【0056】

真空分配ユニット２１内には、真空ポンプ２３に接続された真空チャンバ２２が有る。真空チャンバ２２は、真空分配ユニット２１のドラム本体２へ向けられた面に形成された真空取入開口２４を備えている。

【0057】

好都合なことに、箱状体８には、その面に、連通開口２５が設けられている。連通開口２５は、吸引チャンバ５に接続され、ドラム本体２に形成された通過ポート２５ａに配設可能である。これによって、箱状体８が自身の収容座１１に挿入された状態で、本体２が自身の軸の周りに回転する間に、対応する切断装置４が真空分配ユニット２１に形成された真空取入開口２４を通過すると、箱状体８の吸引チャンバ５と真空チャンバ２２、したがって真空ポンプ２３との間の接続が生じる。

【0058】

ドラム本体２内で、ドラム本体２の回転方向に沿って各切断装置４の箱状体８の収容座１１の前方に、対応するスライダ２６を都合よく配置することができる、ということが注記されるべきである。スライダ２６は、本体２の側面の残りの部分に対して僅かに浮き彫り状になっている。スライダ２６は、ドラム本体２に対して横方向に配置されるべく設計された接着剤ローラ（図示せず）と協働して、ラベルリボン１２０の切断から得られたラベルの前縁および後縁に接着剤を塗布することを可能にする。

【0059】

本発明による切断ドラムの使用は、以下の通りである。

【0060】

本発明による切断ドラムの切断装置４のブレード６の１つを交換する必要がある場合、人は、本体２を静止させた状態で、ドラム本体２に形成された対応する収容座１１からの箱状体８の抜き出しが達成されるまで、箱状体８と本体２との間の上記スライド方向に沿った相対的なスライド移動によって、対応する箱状体８をドラム本体２から結合解除することを行う。

【0061】

箱状体８が収容座１１から一旦抜き出されると、ブレード６は、箱状体８から結合を解除される。

【0062】

これを行うには、まず、ブレード６の着脱可能な保持手段を非作動にする。だから、ブレード６に形成された貫通係合開口１０からロックピン９の結合を解除する。

【0063】

ロックピン９の連結解除は、実施形態に応じて、第１実施形態のようにロックピン９を箱状体８から抜き取ることによって、または、第２および第３実施形態のように箱状体８を構成する２つの部分８ａ、８ｂを分離することによって、または、第４実施形態のようにブレード６を回転させて、その刃先とは反対側の後部６ａを箱状体８の開いた後部領域２０から抜け出させることによって、行なわれる。

【0064】

ブレード６がロックピン９との係合から一旦解除されると、ブレード６は、吸引チャンバ５から、例えば吸引開口１２を通して抜き出される。

【0065】

この時点で、新しいブレード６が箱状体８の吸引チャンバ５に挿入され、着脱可能なロック手段のおかげで箱状体８にロックされ得る。

【0066】

特に、第１実施形態の場合、新しいブレード６を箱状体８にロックするために、人は、吸引開口１２を通して新しいブレード６を吸引チャンバに挿入した後、箱状体８内にロックピンを、それらのロックピンが新しいブレード６に形成されたそれぞれの貫通係合開口１０に係合するように、再び結合する。

【0067】

第２及び第３の実施形態の場合、それに代えて、新しいブレード６が箱状体８を構成する２つの部分８ａ及び８ｂの間に挿入される。それによって、新しいブレード６の貫通係合開口１０が、２つの部分８ａ及び８ｂのうちの一方と一体となっているロックピン９に係合し、その後、２つの部分８ａ及び８ｂが再び箱状体８を構成するように結合される。

【0068】

第３の実施形態の場合、２つの部分８ａ及び８ｂの接合は、弾性復帰手段によって与えられる弾性力のせいで生じる、ということが注記されるべきである。

【0069】

第４実施形態の場合、それに代えて、新しいブレード６が吸引開口１２に対して傾斜した姿勢で吸引チャンバ５内に挿入される。これによって、新しいブレード６の後部が、この場合、箱状体８に有る開いた後部領域から出る。それから、ブレードは、吸引開口と直角の姿勢に配置されるように、かつ、そのブレードの貫通係合開口１０をロックピン９に係合させるように、回転される。

【0070】

この時点で、箱状体８は、上記スライド方向に沿った相対的なスライド移動によって、再びドラム本体２に結合され得る。これによって、箱状体８を対応する収容座１１に挿入する。

【0071】

実際に、本発明は意図された狙いおよび目的を達成し、少ない簡単な操作で切断ドラムのブレードのメンテナンスを行うことができる切断ドラムを提供する、ということが判明した。

【0072】

このように考案された本発明は、多数の修正および変形が可能であり、それらの全ては添付の特許請求の範囲に含まれる。さらに、全ての細部は、他の技術的に同等の要素に置き換えられ得る。

【0073】

実際には、使用される材料は、起こり得る形状や寸法と同様に、当技術分野の要求および状況に従って、任意である。

【0074】

本出願が優先権を主張するイタリア国特許出願第102020000022891号の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。

【0075】

請求項に記載された技術的特徴の後に参照符号が付されている場合、それらの参照符号は、請求項の理解度を高める目的でのみ付されており、したがって、その参照符号は、その参照符号によって例示的に特定される各要素の解釈に対して何ら制限的な効果を有さない。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【国際調査報告】