(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-11
(54)【発明の名称】パネル組立体製造用組立装置
(51)【国際特許分類】
B27M 1/08 20060101AFI20231003BHJP
B25J 15/00 20060101ALI20231003BHJP
B23P 21/00 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
B27M1/08 A
B25J15/00 C
B23P21/00 302A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516527
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(85)【翻訳文提出日】2023-04-25
(86)【国際出願番号】 EP2021025340
(87)【国際公開番号】W WO2022053180
(87)【国際公開日】2022-03-17
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523089184
【氏名又は名称】レコ ラブス エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コルディア,フランソワ-ザビエル
(72)【発明者】
【氏名】フェラーリ,マテオ
(72)【発明者】
【氏名】カルヴァリェイラス,カタリナ
【テーマコード(参考)】
2B250
3C030
3C707
【Fターム(参考)】
2B250AA01
2B250CA11
2B250DA04
2B250FA13
2B250HA05
2B250HA07
3C030CB03
3C030CB15
3C707AS06
3C707AS21
3C707BS10
3C707DS01
3C707ES03
3C707ET08
3C707HS14
3C707LV02
(57)【要約】
本発明は、少なくとも2つのツーリングシステム(2,3)の両方が、木製スラット把持、配置、固定手段、および絶縁パネル把持配置手段を含むツーリングシステムと、ツーリングシステム(2,3)に通信可能に結合されたツーリングコントローラとを含む、パネル組立体を製造するための組立装置(1)に関し、ツーリングシステム(2,3)が、木製スラット(101)の長さが所定の閾値を超える場合、木製スラット把持手段が異なる部分で木製スラットを把持し、それらの中心線を位置合わせし、木製スラットの真直度(S
101)を補正するために、互いに対して相対的に移動されるように命令される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル組立体(10)を製造するための組立装置(1)であって、
前記パネル組立体(10)が、複数の木製スラット(101,103,105...111,113,115...)および絶縁パネル(102,104,106...)を含み、各木製スラットが、所与の長さ(L
101)および所与の真直度(S
101)を有し、
前記組立装置(1)が、少なくとも2つのツーリングシステム(2,3)を含み、各ツーリングシステムが、多関節アーム(2A,3A)と、前記多関節アームの端部に配置された多機能ツール(2B,3B)と、を含み、前記組立装置が、ツーリングコントローラをさらに含み、前記ツーリングコントローラは、前記ツーリングシステム(2,3)に通信可能に結合されており、かつ、前記パネル組立体(10)を組み立てるために前記木製スラット(101,103...)および前記絶縁パネル(102,104...)を操作するように前記ツーリングシステム(2,3)に命令するようプログラムされており、
前記各ツーリングシステム(2,3)が、
木製スラット(101)を把持するように構成され、中心線(C
21、C
31)を有する木製スラット把持手段(21,31)と、
把持された前記木製スラット(101)を前記パネル組立体(10)上の適切な場所に配置するように構成された木製スラット配置手段(2A,3A)と、
前記配置された木製スラット(101)を少なくとも1つの他の木製スラット(111)に固定するように構成された木製スラット固定手段(23,33)と、
絶縁パネル(102)を把持するように構成された絶縁パネル把持手段(24,34)と、
前記把持された絶縁パネル(102)を前記パネル組立体(10)上の適切な場所に配置するように構成された絶縁パネル配置手段(2A,3A)と、
をさらに含み、
木製スラットの長さ(L
101)が所定の閾値(L)を超える場合に、前記木製スラット把持手段(21,31)が異なる部分(101A,101B)で前記木製スラットを把持し、それらの中心線(C
21、C
31)を整列させて前記木製スラットの真直度(S
101)を補正するために互いに対して相対的に移動するように、前記ツーリングシステム(2,3)が前記ツーリングコントローラによって命令されることを特徴とする、
パネル組立体(10)を製造するための組立装置(1)。
【請求項2】
木製スラット(L
101)の長さが所定の閾値(L)を超える場合、前記木製スラット把持手段(21,31)の前記相対移動が、前記木製スラット(101A)の少なくとも一部に側圧が発生するように行われる、請求項1に記載の組立装置。
【請求項3】
木製スラット(L
101)の長さが所定の閾値(L)を超える場合、前記木製スラット把持手段(21,31)の相対移動が、前記木製スラット(S
101)の真直度が公称木製スラット真直度(S)に達するように行われる、請求項1または2に記載の組立装置。
【請求項4】
木製スラット(L
101)の長さが所定の閾値(L)を超えない場合、前記木製スラットが、ただ1つのツーリングシステム(2)の前記木製スラット把持手段および前記木製スラット配置手段によって把持され配置される、請求項1から3のいずれか1項に記載の組立装置。
【請求項5】
前記所定の閾値(L)が、50センチメートルから150センチメートルの間に含まれ、好ましくは100センチメートルから130センチメートルの間にあり、好ましくは約120センチメートルである、請求項1から4のいずれか1項に記載の組立装置。
【請求項6】
前記木製スラット固定手段(23,33)が前記木製スラット(101)を隣接する層(111)の前記木製スラットに固定するように意図している前記木製スラットの部分(101C)に前記木製スラット把持手段(21,31)および前記木製スラット配置手段(2A,3A)によって圧力が加えられるように、前記ツーリングシステム(2,3)が命令される、請求項1から5のいずれか1項に記載の組立装置。
【請求項7】
前記木製スラット把持手段(21,31)のうちの少なくとも1つが、グリッパ(210,310)を含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の組立装置。
【請求項8】
前記木製スラット固定手段(23,33)の少なくとも1つが、一連のスクリュードライバ(230)を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の組立装置。
【請求項9】
絶縁パネル(102)が、ただ1つのツーリングシステム(2)の前記絶縁パネル把持手段および前記絶縁パネル配置手段によって把持され配置されるように、前記ツーリングシステム(2,3)が、前記ツーリングコントローラによって命令される、請求項1から8のいずれか1項に記載の組立装置。
【請求項10】
前記絶縁パネル把持手段(24,34)の少なくとも1つが、絶縁パネル内に少なくとも部分的に突き刺さり、絶縁パネルから排出されるように設計された一連の針(240,340)を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の組立装置。
【請求項11】
前記パネル組立体(10)が前記ツール(2,3)によって操作されるときに前記パネル組立体(10)を保持するように設計された保持構造体(4)をさらに備える、請求項1から10のいずれか1項に記載の組立装置。
【請求項12】
前記組立装置(1)によって前記パネル組立体(10)を製造するための方法であって、前記パネル組立体(10)が、一連の木製スラット(101,103,105...111,113,115...)を含む複数の重ね合わされた層(100,110,120...)を含み、前記一連の木製スラットの各々が、所与の長さ(L
101)及び所与の真直度(S
101)を有し、前記複数の層の少なくとも1つが一連の絶縁パネル(102,104,106...)も含み、各層(101,103,105...)の前記木製スラットが隣接する層(111,113,115...)の前記木製スラットに固定されており、前記方法が、一連の層組み立てサイクルを含み、各層組み立てサイクルが、前記パネル組立体(100、110...)の層を組み立てることからなり、かつ、
1つのツーリングシステム(2)で絶縁パネル(102)を操作するステップであって、
絶縁パネル把持手段(24)で絶縁パネルを把持するステップと、
絶縁パネル配置手段(25)で絶縁パネルを同じ層(101,103)の2つの木製スラットの間に配置するステップと、
前記絶縁パネルを押圧するステップと、
前記絶縁パネルをリリースするステップと、
によって1つのツーリングシステム(2)で絶縁パネル(102)を操作するステップと、
長さが所定の閾値(L)を超えない木製スラットを1つのツーリングシステム(2)で操作するステップであって、
前記木製スラット把持手段(21)で前記木製スラットを把持するステップと、
隣接する層の少なくとも1つの木製スラット上に木製スラット配置手段(2A)で前記木製スラットを配置するステップと、
前記木製スラットを前記木製スラット固定手段(23)で隣接する層の少なくとも1つの木製スラットに一緒に固定するステップと、
前記木製スラットをリリースするステップと、
によって長さが所定の閾値(L)を超えない木製スラットを1つのツーリングシステム(2)で操作するステップと、
長さ(L
101)が所定の閾値(L)を超える木製スラット(101)を2つのツーリングシステム(2,3)で操作するステップであって、
各ツール(21,31)の前記木製スラット把持手段で前記木製スラット(101A,101B)の異なる部分を把持するステップと、
各ツール(2A,3A)の前記木製スラット配置手段で木製スラット把持手段(21,31)を互いに対して相対的に移動させて、前記木製スラットの真直度(S
101)を補正するステップと、
各ツール(22,24)の木製スラット配置手段で前記木製スラットを隣接する層(111)の少なくとも1つの木製スラット上に配置するステップと、
前記木製スラットを前記木製スラット固定手段(23)で隣接する層(111)の少なくとも1つの木製スラットに一緒に固定するステップと、
前記木製スラットをリリースするステップと、
によって2つのツーリングシステム(2,3)で長さ(L
101)が所定の閾値(L)を超える木製スラット(101)を操作するステップと、
を含む方法。
【請求項13】
長さ(L
101)が所定の閾値(L)を超える木製スラット(101)を操作するとき、前記木製スラット(101A)の少なくとも一部に側圧が発生し、前記木製スラットの前記真直度(S
101)が公称木製スラット真直度(S)に達するように、前記木製スラット把持手段(21,31)の前記相対移動が行われる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項12または13に記載の方法によって製造されたパネル組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に構築システムの製造のための木製パネル組立体の組み立て及び製造に関する。特に、本発明は、特に木製パネル組立体が一連の木製要素および絶縁要素を備える重ね合わされた層で作られている場合に、木製パネル組立体の製造を可能にすることを意図している。木製要素は、通常、「スラット(細長い薄板)」の形状を有する。これらのパネルは、「直交集成板」または「CLT」として当分野で知られている。
【背景技術】
【0002】
木製パネル組立体を製造するためのいくつかの技術が知られている。第1の技術は、スラットを手作業で組み立てる作業者を有することからなるが、これは長くて高価であるという欠点を有する。
【0003】
第2の技術は、電子的に制御されるツールを使用することからなる。例えば、FR2951975A1は、木製スラット配置ツールおよび木製スラット固定ツールを含む組立機械を開示しており、それらを移動させ、組み立てられる木製パネル上の異なる位置で動作させるために、両方ともフレームに取り付けられる。
【0004】
第3の技術は、アームエンドツール、すなわち「EOAT」を使用することからなる。このツールは、従来のロボット木製物ハンドリング製造ラインで既に使用されている。これは、通常、ツールを取り扱い移動させる多関節アームの端部に配置される。次いでEOATは、特殊な動作を実行するように意図されている。
【0005】
そのようなツールの欠点は、それらが通常、非常に特殊な操作を実行するように意図されていることである。したがって、大きなスラットを有する大きなパネルを組み立てることになると、スラットを把持するための真空構成要素を有することが多い大きなアームエンドツールを必要とする。この結果、多関節アームによって支持される、静的で柔軟性のないかさばるフレームは、木製パネルの組み立てを満足させるものではない。
【0006】
また、EOATを使用する既知の解決策では、ツールは、全く同じタスク(すなわち、例えば、所与のワークを摘まむか、配置するか、またはねじ止めするかのいずれか)を繰り返し実行するように意図されており、常に同じ種類のワーク(すなわち、例えば、木製要素または絶縁要素のいずれか)を操作するように意図されている。このツールは、操作される要素のバリエーションに対応するのに十分な柔軟性を欠いている。
【0007】
例えば、CN106541483Aは、2つのアーム・ツール対14-41および24-42を含む木製パレット用の製造ラインを開示しており、各対のツール41および42は釘打ちステーションのみである。木製パレットの横方向スラットを釘打ちする前に、これらのスラットの適切な配置は、別個のコンベヤによって達成される。ツール41および42は、製造ラインの異なるレベルで互いに独立して動作する。
【0008】
ツールが機能ごと、またはワークごとのバリエーションに対応することを製造が必要とする場合、多関節アームから所与のツールを外し、次いでツール交換器によってアーム上に別のツールを取り付けることが知られている。しかしながら、そのような解決策は高価であり、時間がかかり、故障する傾向があり、追加のサービスおよび保守が必要であることを意味する。
【0009】
このようなツールの変更を回避するために、実行される機能および操作されるワークと同数のアーム・ツール対を有し、次いで対から別の対に切り替えることも知られている。しかしながら、この解決策の欠点は、組立装置の全体的な費用と、非常に多くのアーム・ツール対を収容し、製造中にそれらを変更するのに必要な床面積の両方を増大させることである。
【0010】
別の代替の解決策は、所与のEOATのサイズを変更するために伸縮構造および/またはアクチュエータを使用することである。しかしながら、これらの追加の構成要素は、組立装置の信頼性を低下させるという不都合を有し、したがって、より故障しやすい傾向にある。したがって、これらの構成要素は、より複雑な制御手段を必要とし、組立装置の複雑さを増大させる。
【0011】
いずれの場合でも、既知のツールは木製スラットを操作することのみを意図しているが、他の種類の要素、特に絶縁パネルは、適切な操作ツールによって別個に操作する必要があり、これにより、さらに複雑さと床面積が増大する。
【0012】
これらの既知の解決策のすべてにおいて、操作ツールは、任意の長さ、特に非常に短い(1メートル未満の長さの)スラットおよび非常に長尺スラット(少なくとも5メートルの長さ)の木製スラットを取り扱うようには設計されていない。ここで、長尺木製スラットおよび非常に長尺な木製スラットは特定の曲率を有することが知られており、これは、それらの真直度が公称の端部から端部までの真直度から逸脱することを意味する。そのような長尺スラットが真直度補正なしでパネル上に組み立てられる場合、得られるパネルは品質要件を満たさない。ここで、長尺スラットを組み立てる前にスラットの真直度を補正するために、追加のツールが必要とされ、これもまた、組立機械の複雑さおよび床面積を増大させる。さらに、長尺スラットおよび非常に長尺なスラットを取り扱うには、大きく、したがって高価な特殊なツールが必要になる場合がある。
【0013】
パネル組立体が複数の重ね合わされた層を含み、すべての層が一連の木製スラットを含むが、それらのいくつかが一連の(音響的、熱的、またはその他の)絶縁パネルも含み、各層の木製スラットが隣接する層の木製スラットに固定されている場合、既存の機械のいずれも、そのようなパネルを満足のいく方法で組み立てることを可能にしない。
【発明の概要】
【0014】
したがって、本発明の目的は、木製スラットおよび絶縁パネルを有する一連の重ね合わされた層を含むパネルを組み立てるための装置および方法であって、費用、複雑さ、および床面積を低減しながら、短尺木製スラットおよび長尺木製スラットを含む異なる種類のスラットおよび絶縁パネルを操作し、様々なタスクを実行するのに十分に汎用的である装置および方法を提供することである。
【0015】
この目的のために、本発明は、パネル組立体を製造するための組立装置に関し、パネル組立体は、複数の木製スラットおよび絶縁パネルを含み、各木製スラットは、所与の長さおよび所与の真直度を有し、組立装置は、少なくとも2つのツーリングシステムを含み、各ツーリングシステムは、多関節アームと、多関節アームの端部に配置された多機能ツールと、を含み、組立装置は、ツーリングコントローラをさらに含み、ツーリングコントローラは、ツーリングシステムに通信可能に結合されており、かつ、パネル組立体を組み立てるために木製スラットおよび絶縁パネルを操作するようにツーリングシステムに命令するようにプログラムされている。本発明によれば、各ツーリングシステムは、(i)木製スラットを把持するように構成され、中心線を有する木製スラット把持手段と、(ii)把持された木製スラットをパネル組立体上の適切な場所に配置するように構成された木製スラット配置手段と、(iii)配置された木製スラットを少なくとも1つの他の木製スラットに固定するように構成された木製スラット固定手段と、(iv)絶縁パネルを把持するように構成された絶縁パネル把持手段と、(v)把持された絶縁パネルをパネル組立体上の適切な場所に配置するように構成された絶縁パネル配置手段と、を更に含む。さらに、本発明によれば、木製スラットの長さが所定の閾値を超える場合、木製スラット把持手段が異なる部分で木製スラットを把持し、それらの中心線を整列させて(一直線にして)木製スラットの真直度を補正するために、木製スラット把持手段が互いに対して相対的に移動するように、ツーリングシステムは、ツーリングコントローラによって命令される。
【0016】
各アームエンドツールにいくつかの種類の操作手段を設けることにより、本発明の組立装置は、スラットの把持、配置、および必要に応じて固定を含む様々な操作を実行することができる。これにより、パネル組立体を製造するために使用されるツールの数を制限することを可能にする。
【0017】
さらに、特に取り扱われるスラットの種類およびサイズに応じて、いくつかの独立したツールの代わりに、独立してまたは協働して動作することができる少なくとも2つのアームエンドツールを使用することによって、本発明は従来技術よりも高い柔軟性を提供する。特に、長尺木製スラットおよび非常に長尺な木製スラットを取り扱うことに関して、本発明は、それらを高精度かつ低費用で取り扱うことを可能にするだけでなく、そのような事前の補正の唯一の目的のために追加のツールを必要とせずに木製スラットの真直度を補正することも可能にする特殊な操作を提供する。
【0018】
全体として、様々な操作手段を含み、すべての種類のスラットを取り扱って組み立てるようにプログラムされている、多目的でモジュール式のツーリングシステムのペアにより、パネルの自動組み立てを改善することができる一方で、非常にコンパクトで、費用対効果が高く、使用しやすい。
【0019】
好ましくは、組み立て前に木製スラットの真直度を補正するために、長さが所定の閾値を超える木製スラットについて、木製スラットの少なくとも一部に側圧(横圧)が発生するように木製スラット把持手段の相対移動が行われるよう、ツーリングシステムは命令される。
【0020】
また、この真直度補正の目的のために、長さが所定の閾値を超える木製スラットについて、木製スラットの真直度が公称の木製スラット真直度に達するように木製スラット把持手段の相対移動が行われるよう、ツーリングシステムは命令される。
【0021】
好ましくは、短尺木製スラットを収容するために、ツーリングシステムは、木製スラットの長さが所定の閾値を超えない場合に、木製スラットがただ1つのツーリングシステムの木製スラット把持手段および木製スラット配置手段によって把持され配置されるように命令される。したがって、本発明は、短尺木製スラットが2つのツーリングシステム間の協働を必要としないという事実から利益を得る。
【0022】
好ましくは、所定の閾値は、50センチメートルから150センチメートルの間に含まれ、好ましくは100センチメートルから130センチメートルの間に含まれ、好ましくは約120センチメートルである。そのような閾値は、ツールのサイズに対応し、それによって操作中にツールが近すぎる状態を維持し、より短尺木製スラットの真直度が公称真直度から逸脱しないという事実を考慮している。
【0023】
好ましい実施形態では、木製スラットの適切な固定を可能にするために、木製スラット固定手段が木製スラットを隣接する層の木製スラットに固定するように意図されている木製スラットの部分に、木製スラット把持手段および木製スラット配置手段によって圧力が加えられるように、ツーリングシステムはプログラムされる。
【0024】
本発明の特定の実施形態では、木製スラット把持手段の少なくとも1つ(および好ましくはそれらの各々)は、グリッパ(掴み部)を含む。
【0025】
本発明の特定の実施形態では、木製スラット固定手段の少なくとも1つ(および好ましくはそれらの各々)は、一連のスクリュードライバを含む。
【0026】
好ましくは、絶縁パネルを収容するために、ツーリングシステムは、絶縁パネルがただ1つのツーリングシステムの絶縁パネル把持手段および絶縁パネル配置手段によって把持され配置されるように命令される。したがって、本発明は、絶縁パネルが2つのツーリングシステム間の協働を必要としないという事実から利益を得る。
【0027】
本発明の好ましい実施形態では、絶縁パネル把持手段の少なくとも1つは、絶縁パネル内に少なくとも部分的に突き刺さり、絶縁パネルから排出されるように設計された一連の針を含む。
【0028】
好ましくは、木製スラット配置手段および絶縁パネル配置手段の少なくとも一方(および好ましくはそれらのすべて)は、直線ガイドを含み、直線ガイドは、把持手段を改善された精度で配置することを可能にし、圧入による木製スラット間の絶縁パネルの組み立てを助ける。
【0029】
好ましくは、本発明の組立装置は、パネル組立体がツールによって操作されるときにパネル組立体を保持するように設計された保持構造体をさらに備える。したがって、ツールは、スラットを操作し、パネルを保持構造体上に組み立てることができる。
【0030】
また、本発明は、本発明に係る組立装置によってパネル組立体を製造する方法に関する。パネル組立体は、一連の木製スラットを含む複数の重ね合わされた層を含み、各木製スラットは所与の長さ及び所与の真直度を有し、層の少なくとも1つは一連の絶縁パネルも含み、各層の木製スラットは隣接する層の木製スラットに固定される。本発明によれば、本方法は、一連の層組み立てサイクルを含み、各層組み立てサイクルは、パネル組立体の層を組み立てることからなり、かつ、
(i)絶縁パネル把持手段で絶縁パネルを把持するステップと、(ii)同じ層の2つの木製スラットの間に絶縁パネル配置手段で絶縁パネルを配置するステップと、(iii)絶縁パネルを押圧するステップと、(iv)絶縁パネルをリリース(解放)するステップと、によって、1つのツーリングシステムで絶縁パネルを操作するステップと、
(i)木製スラット把持手段で木製スラットを把持するステップと、(ii)木製スラット配置手段で木製スラットを隣接する層の少なくとも1つの木製スラット上に配置するステップと、(iii)木製スラット固定手段で木製スラットを隣接する層の少なくとも1つの木製スラットに一緒に固定するステップと、(iv)木製スラットをリリースするステップと、によって、長さが所定の閾値を超えない木製スラットを1つのツーリングシステムで操作するステップと、
(i)木製スラット把持手段で木製スラットの異なる部分を把持するステップと、(ii)木製スラットの真直度を補正するために、各ツールの木製スラット配置手段で木製スラット把持手段を互いに対して相対的に移動させるステップと、(iii)隣接する層の少なくとも1つの木製スラット上に各ツールの木製スラット配置手段で木製スラットを配置するステップと、(iv)木製スラットを木製スラット固定手段で隣接する層の少なくとも1つの木製スラットに一緒に固定するステップと、(v)木製スラットをリリースするステップと、によって、長さが所定の閾値を超える木製スラットを2つのツーリングシステムで操作するステップと、
を含む。
【0031】
1つのツーリングシステムの個々の機能により、または2つのツーリングシステムの協働機能により、異なる絶縁パネル、短尺木製スラットおよび長尺木製スラットを操作することによって、本発明は、パネルを組み立てるより汎用的な方法を提供する。
【0032】
好ましい実施形態では、長尺の木製スラットの真直度を補正するために、長さが所定の閾値を超える木製スラットを操作する場合、木製スラットの少なくとも一部に側圧が発生し、木製スラットの真直度が公称の木製スラット真直度に達するように、木製スラット把持手段の相対移動が行われる。
【0033】
本発明はまた、本発明の方法によって製造されたパネル組立体に関する。
【0034】
本発明の別の目的は、パネル組立体を製造するための組立装置を提供することであり、組立装置は、複数のツーリングシステムを備え、複数のツーリングシステムが複数の多機能ツールを備えるように、各ツーリングシステムは、多関節アームと、多関節アームの端部に配置された多機能ツールと、を備え、複数の多機能ツールは、
スラット把持要素の両端の間に配置された中心線に沿ってパネル組立体の木製スラットを把持するように構成されたスラット把持要素と、
パネル組立体内に木製スラットを配置するように構成されたスラット配置要素と、
木製スラットをパネル組立体の隣接する層の少なくとも1つの他の木製スラットに固定するように構成されたスラット固定要素と、
絶縁パネルを把持するように構成された絶縁把持要素と、
パネル組立体内に絶縁パネルを配置するように構成された絶縁配置要素と、
のうちの1つ以上を備え、
1つ以上のコンピューティング装置は複数のツーリングシステムに通信可能に結合されており、1つ以上のコンピューティング装置はコンピュータ可読命令を記憶しており、コンピュータ可読命令は、1つ以上のコンピューティング装置によって実行されると、複数のツーリングシステムに、複数の木製スラットおよび複数の絶縁パネルからパネル組立体を組み立てさせるように構成されており、
コンピュータ可読命令は命令を含み、当該命令は、1つ以上のコンピューティング装置によって実行されると、1つ以上のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つに、2つの連続するスラット把持要素に対して命令を送信させ、スラット把持要素それぞれの中心線を整列させ、それにより、2つの連続するスラット把持要素によって把持された長尺木製スラットの曲率を、長尺木製スラットの長さが所定の長さ閾値を超えるという判定に少なくとも部分的に基づいて真っ直ぐにする。
【0035】
本発明の異なる実施形態によれば、
2つの連続するスラット把持要素のそれぞれの中心線の整列が、長尺木製スラットの少なくとも1つの端部に側圧を加え、
2つの連続するスラット把持要素のそれぞれの中心線を整列させることにより、長尺木製スラットが公称真直度に達し、
コンピュータ可読命令は、1つ以上のコンピューティング装置によって実行されると、1つ以上のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つに、第2の木製スラットの長さが所定の長さ閾値を超えないことを判定させ、第2の木製スラットを把持して配置するための命令を複数のツーリングシステム内の単一のツーリングシステムに送信させる命令を含み、単一のツーリングシステムは、単一の把持要素と単一の配置要素とを備え、
所定の長さ閾値は、50センチメートルと150センチメートルとの間であり、好ましくは100センチメートルと130センチメートルとの間であり、好ましくは約120センチメートルであり、
スラット把持要素、スラット配置要素、及びスラット固定要素は、木製スラット上の同じ位置に接触するように構成され、
スラット把持要素はグリッパを備え、
スラット固定要素は、1つ以上のスクリュードライバを備え、
コンピュータ可読命令は、1つ以上のコンピューティング装置によって実行されると、1つ以上のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つに、絶縁パネルを把持して配置するための命令を複数のツーリングシステム内の1つのツーリングシステムのみに送信させる命令を含み、
絶縁把持要素は、絶縁パネル内に突き刺さり、絶縁パネルから排出されるように構成された一連の針を含み、
組立装置は、複数のツーリングシステムによってパネル組立体が組み立てられるときにパネル組立体を保持するように構成された保持構造体をさらに備える。
【0036】
本発明の別の目的はパネル組立体を製造するための方法を提供し、本方法は、
複数のツーリングシステムに通信可能に結合された1つ以上のコンピューティング装置によって、組立サイクルソフトウェアルーチンを記憶することであって、組立サイクルソフトウェアルーチンが、絶縁パネルサブルーチンと、木製スラットサブルーチンと、長尺木製スラットサブルーチンと、を含むことと、
複数のツーリングシステムに通信可能に結合された1つ以上のコンピューティング装置によって、組立サイクルソフトウェアルーチンの複数の繰り返しを実行し、それによってパネル組立体を製造することであって、組立サイクルソフトウェアルーチンの各繰り返しが、絶縁パネルサブルーチン、木製スラットサブルーチン、または長尺木製スラットサブルーチンのうちの1つ以上を実行することと、
を含み、
絶縁パネルサブルーチンの実行により、複数のツーリングシステムは、
複数のツーリングシステムの絶縁把持要素によって、絶縁パネルを把持し、
複数のツーリングシステムの絶縁配置要素によって、パネル組立体の単一の層の2つの木製スラットの間に絶縁パネルを配置し、
複数のツーリングシステムの絶縁把持要素によって、絶縁パネルをリリースし、
木製スラットサブルーチンの実行により、複数のツーリングシステムは、
複数のツーリングシステムのスラット把持要素によって、長さが所定の長さ閾値を超えない木製スラットを把持し、
複数のツーリングシステムのスラット配置要素によって、パネル組立体の隣接する層の少なくとも1つの木製スラット上に木製スラットを配置し、
複数のツーリングシステムのスラット固定要素によって、隣接する層の少なくとも1つの木製スラットに木製スラットを固定し、
複数のツーリングシステムのスラット把持要素によって、木製スラットをリリースし、
長尺木製スラットサブルーチンの実行により、複数のツーリングシステムは、
複数のツーリングシステムの2つのスラット把持要素によって、長さが所定の長さ閾値を超える長さの木製スラットを把持し、長尺木製スラットの各端部は、2つのスラット把持要素のうちの1つによって把持され、
2つのスラット把持要素を互いに対して相対的に移動させて、2つのスラット把持要素を整列させ、それにより、長尺木製スラットの曲率を真っ直ぐにし、
複数のツーリングシステムの2つのスラット配置要素によって、パネル組立体の隣接する層の少なくとも1つの木製スラット上に長尺木製スラットを配置し、
複数のツーリングシステムの2つのスラット固定要素によって、隣接する層の少なくとも1つの木製スラットに木製スラットを固定し、
複数のツーリングシステムの2つのスラット把持要素によって、長尺木製スラットをリリースする。
【0037】
好ましい実施形態では、2つのスラット把持要素の整列により、長尺木製スラットが公称真直度に達する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照することによって、例示目的のために以下に与えられる本発明の実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【
図2A】既知のパネル組立体(木製スラットのみ、すなわち絶縁パネルなし)の斜視図である。
【
図2B】(木製スラットおよび絶縁パネルの両方を有する)既知のパネル組立体の斜視図である。
【
図4】本発明のツーリングシステムの斜視図である。
【
図5】本発明のツーリングシステムの斜視図である。
【
図6】本発明のツーリングシステムの斜視図である。
【
図7】短尺木製スラットの操作中の本発明のツーリングシステムの斜視図である。
【
図8】短尺木製スラットの操作中の本発明のツーリングシステムの斜視図である。
【
図9】短尺木製スラットの操作中の本発明のツーリングシステムの斜視図である。
【
図10】短尺木製スラットの操作中の本発明のツーリングシステムの斜視図である。
【
図11】絶縁パネルの操作中の本発明のツーリングシステムの斜視図である。
【
図12】絶縁パネルの操作中の本発明のツーリングシステムの斜視図である。
【
図13】絶縁パネルの操作中の本発明のツーリングシステムの斜視図である。
【
図14】絶縁パネルの操作中の本発明のツーリングシステムの斜視図である。
【
図15】絶縁パネルの操作中の本発明のツーリングシステムの斜視図である。
【
図16】2つのツーリングシステムが非直線木製スラットを把持する本発明の組立装置の斜視図である。
【
図17】長尺木製スラットの操作中の本発明の2つのツーリングシステムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明による組立装置の目的は、一連のパネル組立体を製造することであり、次いでパネル組立体を組み立てて構築システムを得ることであり、その一例を
図1に示す。住宅または建物などの構築システム9は、典型的には、互いに固定された複数の木製パネルで作られる。所与の構築システムのパネルは、要求される特性、特に構築システムのすべての構造要件に応じて、同一または異なり得る。構築システム9のパネル10のセットへの分割は、現場で搬送されるパネルのサイズ、およびシステムの統一性を含む理論的根拠に従って行われる。
【0040】
本発明の組立装置は、
図2Aおよび
図2Bに示すようなパネル組立体10の製造に特に適している。パネル組立体10は、複数の重ね合わされた層、
図2Aおよび
図2Bの8つの層を含み、最初の4つの層は100,110,120および130で示されている。第1の層100は、パネル組立体の上側部分10A上にあると考えられ、一方、8つの層は、下側部分10B上にあると考えられる。第1の層100は、一連の木製スラットを含み、
図2Aでは7つのスラットを含み、そのうち4つのスラットを符号101,103,105および107で示す。木製スラットは、構造的機能を果たす。木製スラットは互いに平行であり、木製スラットは、層100に沿って均等に分布しており、層100の端部に端部スラット(スラット101など)およびそれらの間の互いに等距離である中間スラット(例えばスラット103,105および107)を有する。
【0041】
第2の層110はまた、第2の層の木製スラットが第1の層の木製スラットに直交することを除いて、同様の分布を有する5つの木製スラットを含み、そのうちの最初の4つは符号111,113,115及び117で示される。より一般的には、各層(例えば、層110)の木製スラットは互いに平行であるが、隣接する層(例えば、層100および120)の木製スラットに対して直交している。したがって、各層は「交差」しており、パネル組立体10は、「直交集成板」または「CLT」として当技術分野で周知である。
【0042】
第1の層100の木製スラット101,103,105,107は、ねじが好ましいが、一連のねじ又は釘のような任意の他の固体固定手段によって第2の層の木製スラット111,113,115,117に固定されてもよい。これらのスラットに突き刺さり、それらを互いに固定するために、隣接する層の2つのスラットの間の接触領域で4つのねじのセットを使用してもよい。例えば、4つのねじを、スラット101とスラット111との間の接触領域だけでなく、スラット101とスラット113との間、スラット101とスラット115との間、およびスラット101とスラット117との間の接触領域にも通してもよい。他の全ての層のスラットについても同様に適用され、各層の木製スラットを隣接する層の木製スラットに固定することができる。
【0043】
実際には、
図2Aの構成では、各連続層の第1のスラットの接触領域が重ね合わされる。層を互いに固定することは、層ごとに行われ、すなわち、第1の層が最初に配置され、次いで第2の層の木製スラットが配置され、ねじによって第2の層の木製スラットが第1の層の木製スラットに固定される。次いで、第3の層の木製スラットは、第1および第2の層を固定するために使用されるねじに対してオフセットされたねじによって、第1の層の木製スラットに配置されて固定される。
【0044】
木製スラットは、それらのいくつかが細長い形状を有する限り、異なるサイズおよび形状を有してもよく、これは本発明の態様が適用される。これらの木製スラットの高さおよび幅は、通常、数センチメートル程度である。長さは、1メートル未満(短尺スラットと見なされる)から3メートル(長尺スラット)、さらには5または6メートルを超える(非常に長尺なスラットと見なされる)まで、より広い範囲に沿って変化する可能性がある。
【0045】
木製スラットはまた、通常は直線である公称方向に対して、木製スラットの実際の方向との間のずれに対応する所定の真直度を有する。言い換えれば、木材の真直度は、それが直線として成形されているか否かを表す。木材が直線を有するほど、木材は公称真直度から逸脱していない。このようなずれは、当技術分野では「木材の反り」としても知られている。これは、応力、不均一な収縮、または不均一な水分に起因する可能性がある。それは、木材種、木目の配向、空気流、太陽光、不均一な仕上げ、または温度などの複数の要因に依存する可能性がある。
【0046】
パネル組立体は一連の真っ直ぐな木製スラットで作られるべきであるため、木製スラットのいくつかが十分に真っ直ぐではないという事実は、パネル組立体の全体的な性能に有害である。この真直度の欠陥を克服するために、スラットは除かれるか(しかし、これは費用対効果が高くない)か、または組み立てられる前に補正される(しかし、追加のツールを必要とする可能性がある)。
【0047】
層の木製スラットの間には、絶縁パネルが交互配置されている。
図2Bでは、第1の層が7つの木製スラットを含むので、6つの絶縁パネルを配置することができ、そのうち最初の3つを符号102,104および106で示す。各絶縁パネルは、2つの木製スラットの間に配置され、例えば、絶縁パネル102は、木製スラット101と103との間に配置される。絶縁パネルは、音響的および/または熱的観点からパネルを絶縁する機能を果たす。それらは、必要な絶縁性能に応じて、すべての木製スラットの間、またはそれらのいくつかのみの間に配置されてもよい。そうすることによって、絶縁パネルは、一方では同じ層の2つの連続する木製スラットの間に、他方では隣接する層の直交する木製スラットの間に捕捉され得る。絶縁パネルの長さおよび高さは、木製スラットの1つとほぼ同じであるが、それらの幅は、所与の層内の2つの連続する木製スラット間のブランク(空間)に応じて変化する可能性がある。実際、適切な絶縁を実行するためには、絶縁パネルが2つの連続する木製スラットの間のすべての空間を充填することが好ましい。
【0048】
図2Aおよび
図2Bのパネル組立体は、例示目的として与えられている。本発明は、一方では少なくともいくつかの絶縁パネルを含み、他方では少なくともいくつかの絶縁パネルを有する限り、このパネルの変形例に適用することができる。例えば、所与の層の木製スラットは互いに平行でなくてもよく、または隣接する層の木製スラットは互いに直交しなくてもよい。さらに、層、木製スラットおよび/または絶縁パネルの数は、必要な用途および性能に応じて異なっていてもよい。
【0049】
特に、パネル組立体は「積層」することができ、すなわち、少なくともいくつかの木製スラットの表面を積層して、2つの隣接する木製スラットがそれらの接触界面のレベルで互いに相対的に摺動することを回避する手段を提供することができる。例えば、積層は、木製スラットの表面、すなわち、所与の層(例えば、スラット101)のスラットの前側および隣接する層(例えば、スラット111)のスラットの裏側に溝を設けることからなり、それぞれの溝は互いに相互作用し、したがって摺動を防止する。木製要素を互いに固定し、連続層を互いに固定するために使用され得るねじ止め手段に加えて、例えば木製要素を互いに接着するなど、他の手段は、そのような摺動を回避するのに適している。
【0050】
図3を参照すると、そのようなパネル組立体を製造するために、本発明による組立装置1は、2つのツーリングシステム2,3と、保持構造体と、を含む。保持構造体(不図示)は、組み立て作業中にパネル組立体を保持するように意図され、すなわち、木製スラットおよび絶縁パネルを、それらがツーリングシステム2,3によって扱われる際に保持するように意図されている。保持構造体はテーブルの形状を有し、そのサイズはパネル10全体を覆うように決定される。
【0051】
本発明によれば、組立装置1は少なくとも2つのツーリングシステムを含み、以下の例では、組立装置は2つのツーリングシステム2および3を含む。第1のツーリングシステム2は、
図4、
図5、および
図6の3つの異なる視点から表されている。第1のツーリングシステム2は、多関節アーム2Aと、多機能ツール2Bと、を含む。多関節アーム2Aは、製造ラインで使用される周知のアームである。これは、通常、動作中に多機能ツール2Bを配置させるために移動される手首のセットを含む。そのような多関節アームまたはロボットアームは当技術分野で周知であるため、当業者は意図された目的のためにこのアームを設計およびプログラムすることができる。
【0052】
多機能ツール2Bは、アーム2Aの端部に取り付けられ、特定の操作を実行することが意図されている。そのようなツールは、通常、「アームエンドツーリング(エンドオブアームツーリング)」または「EOAT」と呼ばれる。それは通常、1つまたはいくつかの操作手段を含む。パネル10などのパネル組立体を組み立てるために、ツール2Aは、木製スラットおよび絶縁パネルの操作、特にスラットの把持、配置、および必要に応じて固定を実行するように設計されている。したがって、ツール2B(またはEAOT)は、アームの動作と共に移動する。
【0053】
本発明によれば、ツール2Bは、5つの操作手段21~25を含む。これらの操作手段はすべて、多関節アーム2Aの端部に取り付けられたフレームワーク20に取り付けられている。この様々な操作手段により、組立装置は、別のツーリングシステムに移行する必要なく、木製スラットおよび絶縁パネルの両方を操作する能力を有する。したがって、より柔軟である。
【0054】
ツール2Bの構造は、木製スラット101の把持またはリリースに関して、
図7、
図8、
図9、および
図10に示されている。ツールは、一方の側に、木製スラットを操作するための手段を含み、他方の側に、絶縁パネルを操作するための手段を含む。
【0055】
詳細には、ツール2Bは、最初に、木製スラットを把持する(または捕捉する)ことによってそれを摘まむように意図された木製スラット把持手段21を含む(ここで、「摘まむ」および「把持」は同じ操作を指すために使用される)。この例では、木製スラット把持手段21は機械的グリッパであり、その機械的グリッパは、互いに平行な2つのフィンガ21A,21Bであって、フィンガを互いに接近または離隔させることができるアクチュエータ21C、例えば空気圧アクチュエータによって結合された2つのフィンガ21A,21Bを含む。把持手段は、そのフィンガを近づけることによって木製スラットを把持して摘まむことができ(
図7および
図8参照)、隣接する層の木製スラットに固定された後に、そのフィンガを互いに離すことによって木製スラットをリリースすることができる(
図9および
図10参照)。
【0056】
木製スラット把持手段21は、中心線C
21を有する。フィンガ21A,21Bの例では、中心線は、フィンガの中央に位置し、フィンガに平行な線に対応する(
図5参照)。
【0057】
ツール2Bは、木製スラット配置手段も含み、その機能は、把持された木製スラットが他の木製スラットに固定される前に、把持された木製スラットをパネル組立体10上の適切な場所に配置することである。この例では、この機能はアーム2Aに起因する、なぜなら、アーム2Aの移動がツーリングシステム全体、したがって把持手段を適切な位置で移動させるからである。
【0058】
ツール2Bはまた、木製スラット固定手段23を含み、その機能は、配置された木製スラットを隣接する層の少なくとも1つの木製スラットに固定することである(例えば、スラット101をスラット111に固定する)。この目的のために、木製スラット固定手段23は、一連のスクリュードライバ230を含む。この例では、4つのスクリュードライバが設けられているので、スラット101および111は、それらの接触領域において、4つのスクリュードライバ230によって同時に注入される4つの均等に分布するねじによって互いに固定される。スクリュードライバは、電子コントローラによって制御されてもよく、上下移動を達成するために空気圧ヘッドによって作動されてもよい。
【0059】
スクリュードライバを木製スラットねじ止め位置の真上に配置させるために、ツール2Bは直線ガイド22も含み、木製スラット固定手段23は直線ガイド22に取り付けられ、直線ガイド22は空気圧で作動され、それにより、固定手段23を左から右に移動させることができる。任意選択のこの直線ガイドは、把持手段がいくつかの連続する木製スラットを同時に把持するように設計されている場合(例えば、2つの連続した木製平板)に特に意味があるので、スクリュードライバは1つのスラットまたは別のスラット上を移動する必要がある。
【0060】
ツールの反対側には、絶縁パネル102の把持およびリリースに関して、絶縁パネルを操作するための手段が設けられており、
図11、
図12、
図13、
図14、および
図15も参照されたい。この点に関して、ツールは、絶縁パネル102を把持するように意図された絶縁パネル把持手段24を本質的に含む。この例では、把持手段は針240を含み、針240は、(絶縁パネル102を把持するために)絶縁パネル102内に少なくとも部分的に突き刺さり、(絶縁パネル102をリリースするために)絶縁パネル102から排出されるように設計されている。安全上の理由から、針は、好ましくは、絶縁パネルの他方の側に突き出ることなく絶縁パネル内に突き刺さるように設計されることが留意される(それらのストロークはパネルの厚さよりも小さい)。針は、2つのアーム24A,24Bに分布する。アーム21A,24Bは、上下に移動するために空気圧で作動され、一方、針240は、絶縁パネルを把持するために排出され(「入る」)、絶縁パネルをリリースするために後退され(「出る」)得る。
【0061】
アーム24A,24Bは、絶縁パネル102の異なる2つの部分を把持することができる。アーム24A,24Bは、十分な把持だけでなく、2つの木製スラット間の絶縁パネルの良好な圧入も保証するために、絶縁パネル102の幅の端部の周りに配置されることが好ましい。そうするために、アーム24A,24B間の距離を制御してもよい。この目的のために、ツール2Bは直線ガイド25を含み、絶縁パネル把持手段24は直線ガイド25に取り付けられ、アーム24A,24Bは適切に配置されるように左右に直線ガイド25上で摺動することができる。任意選択のこの直線ガイドは、把持手段24が実際に絶縁パネルを把持する前に把持手段の配置を改善するために特に興味深い。
【0062】
最後に、ツール2Bは絶縁パネル配置手段25も含み、絶縁パネル配置手段25の機能は、把持された絶縁パネルをパネル組立体10上の適切な場所に配置することである。この例でも、この機能は、アーム2Aの移動が把持手段を移動させるため、アーム2Aに起因する。
【0063】
絶縁パネルは、「圧入」によって、すなわち、パネルが針グリッパ24Aおよび24Bによって把持されるときにツーリングシステム2を用いて2つのスラットの間にパネルを押圧することによって、スラットの間に挿入されるように意図されているので、パネルは、落下することなく、かつステープルで固定する必要なく保持される。そうするためには、例えば絶縁パネル106を考慮すると、絶縁パネル106の幅と(同じツーリングシステム2によってパネル組立体に組み立てられ固定された)木製スラット105および107の内縁との間の寸法クリアランスは、通常よりもきつくなければならない。これらの寸法クリアランスの実際の定量化は、パネル組立体の開発中に実行することができる。
【0064】
ツール2Bに他の操作手段を追加して、組立装置1全体の柔軟性を高めることができる。しかしながら、パネル組立体が、一連の木製スラットおよび絶縁パネルを有するいくつかの層の重ね合わせからなる場合、上述の操作手段は、スラットに対して必要なすべての操作を実行することを可能にするのに十分であり得ることが理解されよう。
【0065】
木製スラット操作手段21,22,23は、フレームワーク20に対して、ツール2Aの一方の側に配置され、絶縁パネル操作手段24,25は、他方の側に配置される。このような構成により、ツーリングシステム2は、アーム2Aの端部を中心としたツール2Bの単純な回転によって、木製スラット操作から絶縁パネル操作に容易に移行することができる。実際には、ツールが木製スラットを操作しているとき、木製スラット操作手段21,22,23は適切な側に向けられ、絶縁パネル操作手段24,25は非作動にされる。次いで、ツールが絶縁パネルを操作する必要があるとき、アーム2Aはツール2Bの180度の回転を提供するので、絶縁パネル操作手段24,25は適切な側に配向され、一方、木製スラット操作手段21,22,23は非作動にされる。ツール2B上の操作手段の他の分布も考えられ得るが、
図4、
図5および
図6の構成は、木製スラットおよび絶縁パネル上で連続的に操作するための迅速かつ効率的な方法を提供する。したがって、これは、例えばパネル組立体の異なる要素(木製スラットまたは絶縁パネルであるかどうかにかかわらず)の向きに関して、組立方針に関して高い柔軟性を与える。
【0066】
図16および
図17に見える第2のツーリングシステム3は、
図4、
図5および
図6の第1のツーリングシステム2のうちの1つと同様の構造を有する。したがって、ツーリングシステム2,3の対は「ツイン」ツーリングシステムであり、交換可能であり、全く同じ動作を実行することができる。必要な動作に応じて、および企図されるパネル組立体に応じて、当業者は、第2のツーリングシステムを異なって設計することができる。当業者は、他のツーリングシステムを追加することもできるが、本発明の主な利点は、この種類のパネル組立体を製造するために必要なツールが当技術分野で知られていたものよりも少ないことである。したがって、ツーリングシステムの数を制限することが特に有利であり、2つのツーリングシステムの対がすべての必要な動作を実行するのに十分であり得ることが理解されよう。
【0067】
本発明によれば、ツーリングシステム2,3は、操作される要素に応じて、異なる種類の操作を実行するように、コンピューティングプログラム(またはツーリングコントローラ)によって命令される。特に、ツーリングコントローラは、3種類のスラット、すなわち、絶縁パネル、「短尺」木製スラット、および「長尺」木製スラットを収容するようにツーリングシステムに命令する。本発明の以下の説明では、「短尺」又は「長尺」木製スラットへの言及は、以下で説明する長さ閾値Lとの比較によって行われる。
【0068】
本発明の組立装置は、製造ラインの一部であってもよい。一例では、木製スラットおよび絶縁パネルは、製造ラインの上流に位置する他の機械からもたらされる。要素は、QRコードによってタグ付けされ、一意に識別されてもよく、原材料からパネルの完成したスラットに至るまでの製造プロセス全体を通して追跡される。要素の品質管理は、それらが本発明の組立装置に到達する前に製造ラインで実行されてもよく、そのため、有効な要素のみが組立プロセスを流れる。組立装置の入口において、QRコードリーダは、各要素のQRコードを読み取り、手元のスラットまたはパネル上のツーリングシステムに通知してもよい。次いで、この要素が実際に、現在組み立てられているパネル上でツーリングシステムが操作すると予想された次の要素であることを確かめるために、健全性チェック(サニティーチェック)を実行することができ、次いで、ツーリングシステムは、パネル組立体上で要素の組み立てを実行することができる。この例では、スラットの長さは、前もってプログラムされており且つパネル組立体の参照される各スラットの長さを記憶するツーリングコントローラに関連して、QRコードを通して単に読み取られる。
【0069】
図11、
図12、
図13、
図14および
図15に示すように、スラット102などの絶縁パネルの場合、ただ1つのツーリングシステムが必要である。これは、ただ1つのツーリングシステム(この例ではツーリングシステム2)の絶縁パネル把持手段(アーム24A,24Bおよび針240)および絶縁パネル配置手段(多関節アーム2A)によってスラット102を把持し配置することができることを意味する。
【0070】
したがって、以下の操作は、ツーリングシステム2(または必要に応じてツーリングシステム3)によって実行され得る:
第1のステップ:絶縁パネル把持手段24で絶縁パネル102を把持する。初期位置(
図12)から、アーム24A,24Bを下方に移動させ(
図13)、針を排出してスラット102に突き刺す(
図14および
図15の詳細)。次いで、アームを上方に移動させ、スラットをアームと共に移動させる。
第2のステップ:同じ層100の2つの木製スラット101および103の間に絶縁パネル把持手段2Aを用いて絶縁パネル102を配置する。多関節アーム2Aは、木製スラット101と103との間にスラット102を配置するために移動する。次いで、スラット102は、一方では木製スラット101,103と、他方では層110の木製スラット111,113,115,117との間に「捕捉」される。
第3のステップ:絶縁パネルを押圧する。アームは、同じ層の木製スラット101,103の間及び隣接する層の木製スラット111,113,115,117に嵌合するまで下方に移動される。細長い下面241を有するアーム24A,24Bの形状は、絶縁パネルを押圧するのに十分な下面を提供する。
第4のステップ:絶縁パネルをリリースする。針240が後退され、アーム24A,24Bが上方に移動される。
【0071】
図11~
図15の例では、第1のステップの前に、アーム24Aと24Bとの間の距離が直線ガイド25によって設定される。アームは、アーム間の初期距離(
図11)から、アームがパネル102の長さの端部周辺に配置されたときに到達したと考えることができる適切な距離(
図12)に到達するまで直線ガイドに沿って摺動する(ただし、アームはパネル102の他の部分を把持するために配置することもできる)。
【0072】
図7、
図8、
図9、および
図10に見えるスラット101´などの「短尺」木製スラットの場合、やはり1つのツーリングシステムのみが必要である。これは、スラット101´が、ただ1つのツーリングシステム(この例ではツーリングシステム2)の木製スラット把持手段(フィンガ21A,21B)および木製スラット配置手段(多関節アーム2A)によって把持および配置され得ることを意味する。
【0073】
したがって、以下の操作は、ツーリングシステム2(または必要に応じてツーリングシステム3)によって実行され得る:
第1のステップ:木製スラット把持手段21で木製スラット101´を把持する。把持手段は、スラット101´が2つのフィンガ21A,21Bの間にあるように適切に配置され(
図7)、次いでフィンガはスラットを把持するまで近づく(
図8)。スラット101´は把持される。
第2のステップ:隣接する層110のスラット111,113,115,117上に、木製スラット配置手段2Aを用いて木製スラット101´を配置する。多関節アーム2Aは、スラット111,113,115,117上に、スラット101´を配置するために移動する。
第3のステップ:木製スラット固定手段23を用いて、隣接する層110のスラット111に木製スラット101´を一緒に固定する。スクリュードライバは、(必要に応じて)直線ガイド22によって横方向に配置され、次いでスクリュードライバヘッドが下方に移動され、その結果、スクリュードライバ240は、スラット101´およびスラット111の接触領域でスラット101´のスラット111への固定を実行することができる(
図9)。
第4のステップ:木製スラット101´をリリースするステップ。ねじ止めが終了すると、スクリュードライバが上方に移動し、フィンガ21A,21Bが互いに離隔するため、スラット101´がリリースされる(
図10)。
【0074】
スラット101´をスラット113,115,117などの他のスラットに固定しなければならない場合、アーム2Aは、スクリュードライバ230を、スラット101´および任意の他のスラットの接触領域に位置させ、その後ねじ止めを実施させるために、移動する。
【0075】
図2A、次いで
図17に見られるスラット101などの「長尺」木製スラットの場合、本発明によれば、2つのツーリングシステムは、スラットを把持し、配置し、固定するためだけでなく、スラットが固定される前にスラットの真直度を補正(矯正)するためにも協働して動作する。
【0076】
「短尺」木製スラットと「長尺」木製スラットとを区別するために、所定の閾値Lが設定される。長さがこの閾値を超えない木製スラット(スラット101´など)は「短尺」と見なされ、長さがこの閾値を超える木製スラット(スラット101など)は「長尺」と見なされる。関連する閾値は、50センチメートル~150センチメートル、好ましくは100センチメートル~130センチメートル、好ましくは約120センチメートルであってもよい。この閾値は、ツーリングシステムのサイズに対応するように決定され(短すぎるスラットは2つのツーリングシステムによって把持できない)、「短尺」木製スラットの真直度は公称真直度から大きく逸脱しないという事実を考慮している。
【0077】
長さL101が閾値Lを超えるそのような「長尺」木製スラットの場合、真直度S101は公称真直度Sから(すなわち、直線から)逸脱している可能性がある。ツーリングシステム2,3は、この真直度を補正するように命令される。そのために、木製スラットの2つの部分(この例では、端部101Aおよび101B)が、それぞれ木製スラット把持手段21および31によって把持される。上述したように、木製スラット把持手段21および31は、それぞれ中心線C21およびC31を有する。スラット101の真直度S101は直線ではない可能性があるため、木製スラット把持手段21,31がスラット101を把持するとき、それらのそれぞれの中心線C21,C31は整列していない(一直線ではない)可能性がある。
【0078】
この真直度を補正するために、木製スラット把持手段21および31は、それらの中心線C
21およびC
31を整列させるために、ここではそれぞれアーム2Aおよび3Bによって互いに対して相対的に移動される。これにより、2つの木製スラットの把持部分(この例では、スラット101Aおよび101Bの端部)を相対的に移動させる。この相対移動は、両方の把持手段、または一方(例えば、21)のみを他方に対して移動させることによって達成することができる。この相対モーメントは、スラットの異なる部分に(または一方の部分、他方の部分)側圧を発生させる。例えば
図17の軸X-X´に沿って中心線が実際に整列されると、そのような木製スラットの公称真直度Sに近づくために、または好ましくは達するために、木製スラット101の真直度S
101が補正される。
【0079】
したがって、以下の操作がツーリングシステム2,3によって実行され得る:
第1のステップ:各ツール21,31の木製スラット把持手段で、木製スラット101A,101Bの異なる部分をそれぞれ把持する。ここでも、把持手段の2つのフィンガが適切に配置され、次いでスラットを把持するために接近される。
第2のステップ:木製スラット配置手段(アーム2A,3A)を用いて、木製スラット把持手段21,31を互いに対して相対的に移動させて、木製スラットS101の真直度を補正する。上述したように、把持手段C21およびC31の中心線が整列される。
第3のステップ:隣接する層110の木製スラット111上に、木製スラット配置手段(アーム2A及び3A)を用いて、木製スラットを配置する。
第4のステップ:木製スラット固定手段23および33を用いて、隣接する層110の木製スラット111および117に木製スラット101を一緒に固定する。詳細には、スラット101は、スクリュードライバ230によってスラット111の一部(この例では、端部101A)に固定され、スラット101は、スクリュードライバ230によってスラット117の別の一部(この例では、端部101B)に固定される。第1のツーリングシステム2のスクリュードライバ230は、(必要であれば)直線ガイド22によって横方向に配置され、スクリュードライバヘッドは下方に移動し、その結果、スクリュードライバ240は、スラット101および111の接触領域において、スラット111へのスラット101の固定を行うことができる。同様に、第2のツーリングシステム3のスクリュードライバ330は、(必要であれば)直線ガイド32によって横方向に配置され、スクリュードライバヘッドは下方に移動し、その結果、スクリュードライバ340は、スラット101および117の接触領域において、スラット101のスラット117への固定を行うことができる。
第5のステップ:木製スラットをリリースするステップ。ねじ止めが終了すると、スクリュードライバ230および330が上方に移動し、フィンガ21A,21B,31A,31Bが互いに離隔するため、スラット101がリリースされる。
【0080】
ここでも、スラット101´をスラット113,115,117などの他のスラットに固定しなければならない場合、アーム2Aおよび3Aは、スクリュードライバ230および330を、スラット101および任意の他のスラットの接触領域に位置させ、その後ねじ止めを実施させるために、移動する。
【0081】
各種類のスラットについて、ツーリングシステムは、スラットがパネル組立体内で押圧または固定されるスラットの部分で動作することが好ましい。これは、絶縁パネルの場合、後(スラットのリリース直前)に圧力が掛かる領域で把持が行われることを意味する。木製スラットの場合、これは、把持手段および固定手段が動作する領域が、木製スラットと、それが固定されるはずの他の木製スラットとの間の接触領域であることを意味する(例えば、上記の例におけるスラット101とスラット111との間の接触領域)。
【0082】
全体的な組み立てプロセスは、パネル計画に基づいてプログラムおよび実行されてもよく、スラットの種類、長さ、位置などが挙げられる。したがって、ツーリングシステムが、どの種類のスラットを操作し、したがって、どの種類の組み立てステップを実行しなければならないかを知っている。
【0083】
製造プロセスは、8層から出発して最初の層(または逆に、第1の層から最後)まで、層ごとに、すなわち一度に1層ずつ行うことができる。この場合、プロセスは、一連の層組み立てサイクルを含むことができ、各層組み立てサイクルは、スラットごとにパネル組立体の1つの層を組み立てることからなり、それにより、考慮されるスラットの種類に応じて上記のステップを適用する。
【国際調査報告】