IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソマロジック,インコーポレイテッドの特許一覧

特表2023-542660サンプル分析物を検出するための構造および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-11
(54)【発明の名称】サンプル分析物を検出するための構造および方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/543 20060101AFI20231003BHJP
   C12Q 1/68 20180101ALI20231003BHJP
   C12Q 1/6851 20180101ALI20231003BHJP
   C12Q 1/6869 20180101ALI20231003BHJP
   C12N 15/11 20060101ALI20231003BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALI20231003BHJP
   B82Y 35/00 20110101ALI20231003BHJP
   B82Y 5/00 20110101ALI20231003BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
G01N33/543 525U
C12Q1/68
C12Q1/6851 Z
C12Q1/6869 Z
C12N15/11 Z
C12Q1/686 Z
B82Y35/00
B82Y5/00
G01N33/543 525E
G01N33/53 D
G01N33/53 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516728
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(85)【翻訳文提出日】2023-05-09
(86)【国際出願番号】 US2021050262
(87)【国際公開番号】W WO2022060728
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】63/078,837
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505373306
【氏名又は名称】ソマロジック オペレーティング カンパニー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ゴピナス,アシュウィン
(72)【発明者】
【氏名】ロザムンド,ポール
(72)【発明者】
【氏名】シェティ,リシャブ
(72)【発明者】
【氏名】ボーエン,シェーン
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QQ03
4B063QQ36
4B063QQ42
4B063QS36
(57)【要約】
サンプル中に存在する1つ以上の分析物分子を検出するための構造および方法が、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、1つ以上の分析物分子は、1つ以上の超分子構造を使用して検出される。いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子構造は、特に、互いに交差反応性を最小限に抑えるように設計される。いくつかの実施形態では、超分子構造は双安定性であり、超分子構造が、サンプルからの1つ以上の分析物分子との相互作用を介して不安定状態から安定状態に移行する。いくつかの実施形態では、安定状態の超分子構造は、分析物分子の検出および定量化のための信号を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、分析物分子の検出および定量化が分析物分子の存在をDNA信号に変換することを含むように、信号はDNA信号と相関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル中に存在する分析物分子を検出するための方法であって、
(a)i.複数のコア分子を含むコア構造、
ii.前記コア構造に第1の位置で連結された捕捉分子、および
iii.前記コア構造に第2の位置で連結された検出器分子を含む超分子構造であって、前記検出器分子が前記コア構造から、前記第2の位置におけるそれらの間の連結を切断することによって結合解除されるように構成されるような、不安定状態である超分子構造を提供すること;
(b)前記サンプルを前記超分子構造と接触させて、前記超分子構造を前記不安定状態から、前記検出器分子および前記捕捉分子が前記分析物分子との結合を介して共に連結され、それによって前記検出器分子と前記捕捉分子との間の連結を形成する、安定状態に移行させること;
(c)トリガーを提供して、前記検出器分子が前記捕捉分子との前記連結を介して前記コア構造に連結されたまま、前記第2の位置における前記検出器分子と前記コア構造との間の前記連結を切断すること;ならびに
(d)前記安定状態に移行した前記超分子構造によって提供される信号に基づいて、前記分析物分子を検出すること
を含む、方法。
【請求項2】
サンプル中に存在する1つ以上の分析物分子を検出するための方法であって、
(a)複数の超分子構造であって、各々が
i.複数のコア分子を含むコア構造、
ii.前記コア構造に第1の位置で連結された捕捉分子、および
iii.前記コア構造に第2の位置で連結された検出器分子を含み、前記検出器分子が前記コア構造から、前記第2の位置のそれらの間の連結を切断することで結合解除されるように構成されるような、不安定状態である超分子構造を提供すること;
(b)前記サンプルを前記複数の超分子構造と接触させて、少なくとも1つの超分子構造を前記不安定状態から、対応する検出器分子および捕捉分子が前記1つ以上の分析物分子の分析物分子との結合を介して共に連結され、それによって前記対応する検出器分子と捕捉分子との間の連結を形成する安定状態に移行させること;
(c)トリガーを提供して、安定状態へ移行した前記少なくとも1つの超分子構造の前記検出器分子が、前記対応する捕捉分子との前記連結を介して対応するコア構造に連結されたまま、前記複数の超分子構造の前記第2の位置における各検出器分子と前記対応するコア構造との間の前記連結を切断すること;ならびに
(d)前記安定状態に移行した前記少なくとも1つの超分子構造のそれぞれの超分子構造によって提供される信号に基づいて、前記1つ以上の分析物分子のそれぞれの分析物分子を検出すること
を含む、方法。
【請求項3】
安定状態に移行しなかった任意の超分子構造から結合解除された任意の検出器分子から、前記複数の超分子構造を単離することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記サンプル中の前記分析物分子の濃度を定量することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記検出された分析物分子を同定することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記分析物分子が単一分子の数以上で前記サンプル中に存在する場合、前記信号に基づいて前記分析物分子を検出することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
前記サンプルが複合生物学的サンプルを含み、前記方法が単一分子感度を提供し、それによって前記複合生物学的サンプル内のある範囲の分子濃度のダイナミックレンジおよび定量的捕捉を増加させる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上の分析物分子が、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、それらの複合体、またはそれらの任意の組み合せを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
各超分子構造がナノ構造である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項10】
各コア構造がナノ構造である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項11】
各コア構造の前記複数のコア分子が、所定の形状に配置され、かつ/または所定の分子量を有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項12】
前記所定の形状が、別の超分子構造との交差反応性を制限または防止するように構成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
各コア構造の前記複数のコア分子が、1つ以上の核酸鎖、1つ以上の分岐核酸、1つ以上のペプチド、1つ以上の小分子、またはそれらの組み合せを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項14】
各コア構造が独立して、骨格デオキシリボ核酸(DNA)オリガミ、骨格リボ核酸(RNA)オリガミ、骨格ハイブリッドDNA:RNAオリガミ、一本鎖DNAタイル構造、多本鎖DNAタイル構造、一本鎖RNAオリガミ、多本鎖RNAタイル構造、複数の骨格を有する階層的に構成されたDNAもしくはRNAオリガミ、ペプチド構造、またはそれらの組み合せを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記トリガーが、デコンストラクタ(deconstructor)分子、トリガー信号、またはそれらの組み合せを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項16】
前記デコンストラクタ(deconstructor)分子が、DNA、RNA、ペプチド、小有機分子、またはそれらの組み合せを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記トリガー信号が、光信号、電気信号、またはその両方を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記トリガー光信号が、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、近赤外照明、またはそれらの組み合せを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
それぞれの前記分析物分子が、1)それぞれの前記超分子構造の前記捕捉分子に化学結合を介して結合し、かつ/または2)それぞれの前記超分子構造の前記検出器分子に化学結合を介して結合する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項20】
各超分子構造の前記捕捉分子および検出器分子が、独立して、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNAおよびDNA)、フルオロフォア、ダルピン、触媒、重合開始剤、PEGのようなポリマー、またはそれらの組み合せを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項21】
各超分子構造について、
(a)前記捕捉分子が捕捉バーコードを介して前記コア構造に連結されており、前記捕捉バーコードが第1の捕捉リンカー、第2の捕捉リンカー、および前記第1の捕捉リンカーと前記第2の捕捉リンカーとの間に配置された捕捉架橋を含み、前記第1の捕捉リンカーが、前記コア構造上の前記第1の位置に結合している第1のコアリンカーに結合されており、前記捕捉分子および前記第2の捕捉リンカーが、第3の捕捉リンカーへの結合を介して共に連結されており、
(b)前記検出器分子が、検出器バーコードを介して前記コア構造に連結されており、前記検出器バーコードが、第1の検出器リンカー、第2の検出器リンカー、および前記第1の検出器リンカーと前記第2の検出器リンカーとの間に配置された検出器架橋を含み、前記第1の検出器リンカーが、前記コア構造上の前記第2の位置に結合されている第2のコアリンカーに結合されており、前記検出器分子および前記第2の検出器リンカーが、第3の検出器リンカーへの結合を介して互いに連結されている、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項22】
前記捕捉架橋および検出器架橋が、独立してポリマーコアを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記捕捉架橋のポリマーコアおよび前記検出器架橋のポリマーコアが、独立して、特定の配列の核酸(DNAもしくはRNA)またはPEGのようなポリマーを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のコアリンカー、第2のコアリンカー、第1の捕捉リンカー、第2の捕捉リンカー、第3の捕捉リンカー、第1の検出器リンカー、第2の検出器リンカーおよび第3の検出器リンカーが、独立して、反応性分子またはDNA配列ドメインを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
各反応性分子が、独立して、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHS-エステル、特定の配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、1つ以上のPEGのようなポリマーもしくは重合開始剤、またはそれらの組み合せを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記捕捉バーコードと、1)前記第1のコアリンカーおよび/または2)前記第3の捕捉リンカーとの間の連結が、化学結合を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記化学結合が共有結合を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記検出器バーコードと、1)前記第2のコアリンカーおよび/または2)前記第3の検出器リンカーとの間の連結が、化学結合を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記化学結合が共有結合を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記トリガーが、1)前記第1の検出器リンカーと前記第2のコアリンカーとの間、および/または2)前記第1の捕捉リンカーと前記第1のコアリンカーとの間の連結を切断する、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記捕捉分子が化学結合を介して前記第3の捕捉リンカーに結合され、かつ/または前記検出器分子が化学結合を介して前記第3の検出器リンカーに結合される、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記捕捉分子が前記第3の捕捉リンカーに共有結合し、かつ/または前記検出器分子が前記第3の検出器リンカーに共有結合している、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記不安定状態の各超分子構造が、第1の超分子構造の捕捉分子および/または検出器分子と、第2の超分子構造の対応する捕捉分子および/または検出器分子との間の交差反応の発生を低減または阻害するように、所定の距離で離間したそれぞれの前記捕捉分子および検出器分子を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項34】
前記所定の距離が、約3nm~約40nmである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
各超分子構造が、前記コア構造に連結されたアンカー分子をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項36】
前記アンカー分子が、アンカーバーコードを介して前記コア構造に連結され、前記アンカーバーコードが、第1のアンカーリンカー、第2のアンカーリンカー、および前記第1のアンカーリンカーと第2のアンカーリンカーとの間に配置されたアンカー架橋を含み、前記第1のアンカーリンカーが、前記コア構造上の第3の位置に結合された第3のコアリンカーに結合され、前記アンカー分子が、前記第2のアンカーリンカーに連結されている、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記アンカー分子が、独立して、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHS-エステル、特定の配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、1つ以上のPEGのようなポリマーもしくは重合開始剤、またはそれらの組み合せを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記アンカー架橋がポリマーコアを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記アンカー架橋の前記ポリマーコアが、特定の配列の核酸(DNAもしくはRNA)またはPEGのようなポリマーを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記第3のコアリンカー、第1のアンカーリンカー、第2のアンカーリンカー、およびアンカー分子が、独立して、アンカー反応性分子またはDNA配列ドメインを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
各アンカー反応性分子が、独立して、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHS-エステル、特定の配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、1つ以上のPEGのようなポリマーもしくは重合開始剤、またはそれらの組み合せを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記アンカー分子が、化学結合を介して前記第2のアンカーリンカーに連結されている、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
前記アンカー分子が、前記第2のアンカーリンカーに共有結合している、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記トリガーが、1)前記アンカー分子から前記第2のアンカーリンカー、2)前記第3のコアリンカーから前記第1のアンカーリンカー、またはそれらの組み合せをさらに切断する、請求項36に記載の方法。
【請求項45】
前記第1および第2の位置が、前記コア構造の第1の側に位置し、前記第3の位置が、前記コア構造の第2の側に位置する、請求項36に記載の方法。
【請求項46】
前記信号が、安定状態に移行した超分子構造に対応する前記検出器バーコード、前記捕捉バーコード、またはそれらの組み合せを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項47】
安定状態に移行した前記少なくとも1つの超分子構造の対応する検出器分子から、前記対応する信号が、それぞれの前記捕捉分子および検出器分子に結合した前記分析物分子を検出するためのそれぞれの前記検出器バーコードを含むように、各検出器バーコードを分離することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項48】
分離された各検出器バーコードが、それぞれの前記検出器分子に結合した前記分析物分子に対応するDNA信号を提供する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記少なくとも1つの分離された検出器バーコードが、遺伝子タイピング、qPCR、配列決定、またはそれらの組み合せを使用して分析される、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記サンプル中の複数の分析物分子が、安定状態に移行した1つ以上の超分子構造を介した多重化によって同時に検出される、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
各超分子構造の前記捕捉分子および検出器分子が、1つ以上の特定のタイプの分析物分子に結合するように構成される、請求項21に記載の方法。
【請求項52】
前記複数の超分子構造の各コア構造が互いに同一である、請求項2に記載の方法。
【請求項53】
各超分子構造が、複数の超分子構造間の交差反応を低減または排除するような、所定の形状、サイズ、分子量、またはそれらの組み合せを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
各超分子構造が、複数の捕捉分子および検出器分子を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
各超分子構造が、前記複数の超分子構造間の交差反応を低減または排除するような、前記捕捉分子および検出器分子の所定の化学量論比を含む、請求項52または54に記載の方法。
【請求項56】
各超分子構造の前記不安定状態が、第1の超分子構造および第2の超分子構造の捕捉分子および/または検出器分子間での交差反応の発生を低減または阻害するように、所定の距離で離間した前記捕捉分子および検出器分子をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項57】
前記所定の距離が、約3nm~約40nmである、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
任意の2つの超分子構造間の平均距離が、それぞれの超分子構造の前記捕捉分子と検出器分子との間の所定の距離よりも大きい、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記複数の超分子構造が、1つ以上のウィジェット、1つ以上の固体支持体、1つ以上のポリマーマトリックス、1つ以上の固体基質、1つ以上の分子凝縮物、またはそれらの組み合せに結合している、請求項52に記載の方法。
【請求項60】
任意の2つの超分子構造間の平均距離が、それぞれの超分子構造の前記捕捉分子と検出器分子との間の所定の距離よりも大きい、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記1つ以上のポリマーマトリックスの各ポリマーマトリックスがヒドロゲルビーズを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
1つ以上の超分子基質が、ヒドロゲルビーズに結合している、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
各超分子構造が、対応する超分子構造のそれぞれのコア構造に連結された対応するアンカー分子を介して前記ヒドロゲルビーズと共重合される、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記1つ以上の超分子構造が、前記ヒドロゲルビーズ内に埋め込まれる、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
単一細胞分解能での細胞内分析物分子検出のために、各ヒドロゲルビーズを前記サンプル中の単一細胞と接触させる、請求項62に記載の方法。
【請求項66】
前記1つ以上の固体基質の各固体基質が微粒子を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項67】
1つ以上の超分子基質が、前記微粒子の固体表面に結合される、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記微粒子が、ポリスチレン粒子、シリカ粒子、磁性粒子または常磁性粒子を含む、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
単一細胞分解能での細胞内分析物分子検出のために、各固体基質を前記サンプル中の単一細胞と接触させる、請求項66に記載の方法。
【請求項70】
前記1つ以上の固体基質の各固体基質が平面基質を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項71】
複数の超分子構造が前記平面基質上に配置され、前記平面基質が複数の結合部位を含み、各結合部位が対応する超分子構造と連結するように構成される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記複数の超分子構造が、同じ分析物分子を検出するように構成される、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記安定状態に移行した前記少なくとも1つの超分子構造の前記検出器分子と連結するように構成された、複数の信号伝達要素を提供することをさらに含む、請求項70に記載の方法。
【請求項74】
各信号伝達要素が、蛍光分子またはマイクロビーズ、蛍光ポリマー、高荷電ナノ粒子またはポリマーを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記複数の超分子構造のうちの少なくとも1つの超分子構造が、他の超分子構造とは異なる分析物分子を検出するように構成される、請求項70に記載の方法。
【請求項76】
前記平面基質上の各超分子構造の位置を特定するために、各超分子構造をバーコード化することをさらに含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記安定状態に移行した前記少なくとも1つの超分子構造の前記検出器分子と連結するように構成された、複数の信号伝達要素を提供することをさらに含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
各信号伝達要素が、蛍光分子またはマイクロビーズ、蛍光ポリマー、高荷電ナノ粒子またはポリマーを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記サンプルが、生物学的粒子または生体分子を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項80】
前記サンプルが、タンパク質、ペプチド、ペプチドの断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、ウイルス粒子、エキソソーム、オルガネラ、またはそれらの任意の複合体を含む水溶液を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項81】
前記サンプルが、組織生検、血液、血漿、尿、唾液、涙、脳脊髄液、細胞外液、培養細胞、培養培地、廃棄組織、植物物質、合成タンパク質、細菌および/もしくはウイルスサンプルまたは真菌組織、またはそれらの組み合せを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項82】
サンプル中の1つ以上の分析物分子を検出するための基質であって、複数の超分子構造を含み、各超分子構造が、
(a)複数のコア分子を含むコア構造と、
(b)第1の位置で前記超分子コアに連結された捕捉分子と、
(c)第2の位置で前記超分子コアに連結された検出器分子とを含み、前記超分子構造が、前記検出器分子が前記コア構造から前記第2の位置におけるそれらの間の連結の切断によって結合解除されるように構成されるような、不安定状態にあり;
各超分子構造が、前記検出器分子、前記捕捉分子、および前記1つ以上の分析物分子のそれぞれの分析物分子の間の相互作用によって、前記不安定状態から安定状態に移行するように構成され;
トリガーと相互作用すると、前記安定状態に移行したそれぞれの超分子構造が、前記それぞれの分析物分子を検出するための信号を提供する、基質。
【請求項83】
前記トリガーと相互作用すると、前記不安定状態で超分子構造に連結された各検出器分子が、前記超分子構造から結合解除される、請求項82に記載の基質。
【請求項84】
前記複数の超分子構造の各コア構造が互いに同一である、請求項82に記載の基質。
【請求項85】
任意の2つの超分子構造間の平均距離が、それぞれの超分子構造の前記捕捉分子と検出器分子との間の所定の距離よりも大きい、請求項84に記載の基質。
【請求項86】
固体支持体、固体基質、ポリマーマトリックスまたは分子凝縮物を含む、請求項82に記載の基質。
【請求項87】
前記サンプルが複合生物学的サンプルを含み、前記方法が単一分子感度を提供し、それによって前記複合生物学的サンプル内のある範囲の分子濃度のダイナミックレンジおよび定量的捕捉を増加させる、請求項82に記載の基質。
【請求項88】
前記1つ以上の分析物分子が、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、それらの複合体、またはそれらの任意の組み合せを含む、請求項82に記載の基質。
【請求項89】
各超分子構造がナノ構造である、請求項82に記載の基質。
【請求項90】
各コア構造がナノ構造である、請求項82に記載の基質。
【請求項91】
各コア構造の前記複数のコア分子が、所定の形状に配置され、かつ/または所定の分子量を有する、請求項82に記載の基質。
【請求項92】
前記所定の形状が、別の超分子構造との交差反応性を制限または防止するように構成される、請求項91に記載の基質。
【請求項93】
各コア構造の前記複数のコア分子が、1つ以上の核酸鎖、1つ以上の分岐核酸、1つ以上のペプチド、1つ以上の小分子、またはそれらの組み合せを含む、請求項82に記載の基質。
【請求項94】
各コア構造が独立して、骨格デオキシリボ核酸(DNA)オリガミ、骨格リボ核酸(RNA)オリガミ、骨格ハイブリッドDNA:RNAオリガミ、一本鎖DNAタイル構造、多本鎖DNAタイル構造、一本鎖RNAオリガミ、多本鎖RNAタイル構造、複数の骨格を有する階層的に構成されたDNAもしくはRNAオリガミ、ペプチド構造、またはそれらの組み合せを含む、請求項93に記載の基質。
【請求項95】
前記トリガーが、デコンストラクタ(deconstructor)分子、トリガー信号、またはそれらの組み合せを含む、請求項82に記載の基質。
【請求項96】
前記デコンストラクタ(deconstructor)分子が、DNA、RNA、ペプチド、小有機分子、またはそれらの組み合せを含む、請求項95に記載の基質。
【請求項97】
前記トリガー信号が、光信号、電気信号、またはその両方を含む、請求項95に記載の基質。
【請求項98】
前記トリガー光信号が、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、近赤外照明、またはそれらの組み合せを含む、請求項97に記載の基質。
【請求項99】
前記それぞれの分析物分子が、1)化学結合によって前記捕捉分子に結合し、かつ/または2)化学結合によって前記検出器分子に結合する、請求項82に記載の基質。
【請求項100】
各超分子構造の前記捕捉分子および検出器分子が、独立して、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNAおよびDNA)、フルオロフォア、ダルピン、触媒、重合開始剤、PEGのようなポリマー、またはそれらの組み合せを含む、請求項82に記載の基質。
【請求項101】
各超分子構造について、
(a)前記捕捉分子が捕捉バーコードを介して前記コア構造に連結されており、前記捕捉バーコードが第1の捕捉リンカー、第2の捕捉リンカー、および前記第1の捕捉リンカーと前記第2の捕捉リンカーとの間に配置された捕捉架橋を含み、前記第1の捕捉リンカーが、前記コア構造上の前記第1の位置に結合している第1のコアリンカーに結合されており、前記捕捉分子および前記第2の捕捉リンカーが、第3の捕捉リンカーへの結合を介して共に連結されており、
(b)前記検出器分子が、検出器バーコードを介して前記コア構造に連結されており、前記検出器バーコードが、第1の検出器リンカー、第2の検出器リンカー、および前記第1の検出器リンカーと前記第2の検出器リンカーとの間に配置された検出器架橋を含み、前記第1の検出器リンカーが、前記コア構造上の前記第2の位置に結合されている第2のコアリンカーに結合されており、前記検出器分子および前記第2の検出器リンカーが、第3の検出器リンカーへの結合を介して互いに連結されている、
請求項82に記載の基質。
【請求項102】
前記捕捉架橋および検出器架橋が、独立してポリマーコアを含む、請求項101に記載の基質。
【請求項103】
前記捕捉架橋のポリマーコアおよび前記検出器架橋のポリマーコアが、独立して、特定の配列の核酸(DNAもしくはRNA)またはPEGのようなポリマーを含む、請求項101に記載の基質。
【請求項104】
前記第1のコアリンカー、第2のコアリンカー、第1の捕捉リンカー、第2の捕捉リンカー、第3の捕捉リンカー、第1の検出器リンカー、第2の検出器リンカーおよび第3の検出器リンカーが独立して、反応性分子またはDNA配列ドメインを含む、請求項101に記載の基質。
【請求項105】
各反応性分子が、独立して、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHS-エステル、特定の配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、1つ以上のPEGのようなポリマーもしくは重合開始剤、またはそれらの組み合せを含む、請求項104に記載の基質。
【請求項106】
前記捕捉バーコードと、1)前記第1のコアリンカーおよび/または2)前記第3の捕捉リンカーとの間の連結が、化学結合を含む、請求項101に記載の基質。
【請求項107】
前記化学結合が共有結合を含む、請求項106に記載の基質。
【請求項108】
前記検出器バーコードと、1)前記第2のコアリンカーおよび/または2)前記第3の検出器リンカーとの間の連結が、化学結合を含む、請求項101に記載の基質。
【請求項109】
前記化学結合が共有結合を含む、請求項108に記載の基質。
【請求項110】
前記トリガーが、1)前記第1の検出器リンカーと前記第2のコアリンカーとの間、および/または2)前記第1の捕捉リンカーと前記第1のコアリンカーとの間の連結を切断する、請求項101に記載の基質。
【請求項111】
前記捕捉分子が化学結合を介して前記第3の捕捉リンカーに結合され、かつ/または前記検出器分子が化学結合を介して前記第3の検出器リンカーに結合される、請求項101に記載の基質。
【請求項112】
前記捕捉分子が前記第3の捕捉リンカーに共有結合し、かつ/または前記検出器分子が前記第3の検出器リンカーに共有結合している、請求項111に記載の基質。
【請求項113】
前記不安定状態の各超分子構造が、第1の超分子構造の捕捉分子および/または検出器分子と、第2の超分子構造の対応する捕捉分子および/または検出器分子との間の交差反応の発生を低減または阻害するように、所定の距離で離間したそれぞれの前記捕捉分子および検出器分子を含む、請求項82に記載の基質。
【請求項114】
前記所定の距離が、約3nm~約40nmである、請求項113に記載の基質。
【請求項115】
各超分子構造が、前記コア構造に連結されたアンカー分子をさらに含む、請求項101に記載の基質。
【請求項116】
前記アンカー分子が、アンカーバーコードを介して前記コア構造に連結され、前記アンカーバーコードが、第1のアンカーリンカー、第2のアンカーリンカー、および前記第1のアンカーリンカーと第2のアンカーリンカーとの間に配置されたアンカー架橋を含み、前記第1のアンカーリンカーが、前記コア構造上の第3の位置に結合された第3のコアリンカーに結合され、前記アンカー分子が、前記第2のアンカーリンカーに連結されている、請求項115に記載の基質。
【請求項117】
前記アンカー分子が、独立して、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHS-エステル、特定の配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、1つ以上のPEGのようなポリマーもしくは重合開始剤、またはそれらの組み合せを含む、請求項116に記載の基質。
【請求項118】
前記アンカー架橋がポリマーコアを含む、請求項116に記載の基質。
【請求項119】
前記アンカー架橋の前記ポリマーコアが、特定の配列の核酸(DNAもしくはRNA)またはPEGのようなポリマーを含む、請求項118に記載の基質。
【請求項120】
前記第3のコアリンカー、第1のアンカーリンカー、第2のアンカーリンカー、およびアンカー分子が、独立して、アンカー反応性分子またはDNA配列ドメインを含む、請求項116に記載の基質。
【請求項121】
各アンカー反応性分子が、独立して、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHS-エステル、特定の配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、1つ以上のPEGのようなポリマーもしくは重合開始剤、またはそれらの組み合せを含む、請求項120に記載の基質。
【請求項122】
前記アンカー分子が、化学結合を介して前記第2のアンカーリンカーに連結されている、請求項116に記載の基質。
【請求項123】
前記アンカー分子が、前記第2のアンカーリンカーに共有結合している、請求項122に記載の基質。
【請求項124】
前記トリガーが、1)前記アンカー分子から前記第2のアンカーリンカー、2)前記第3のコアリンカーから前記第1のアンカーリンカー、またはそれらの組み合せをさらに切断する、請求項116に記載の基質。
【請求項125】
前記第1および第2の位置が、前記コア構造の第1の側に位置し、前記第3の位置が、前記コア構造の第2の側に位置する、請求項116に記載の基質。
【請求項126】
前記信号が、安定状態に移行した超分子構造に対応する前記検出器バーコード、前記捕捉バーコード、またはそれらの組み合せを含む、請求項101に記載の基質。
【請求項127】
安定状態に移行した前記少なくとも1つの超分子構造の対応する検出器分子からの各検出器バーコードが、対応する信号が、前記対応する検出器分子に結合した前記分析物分子を検出するためのそれぞれの前記検出器バーコードを含むように、前記対応する検出器分子から分離されるように構成される、請求項101に記載の基質。
【請求項128】
分離された各検出器バーコードが、それぞれの前記検出器分子に結合した前記分析物分子に対応するDNA信号を提供する、請求項127に記載の基質。
【請求項129】
前記少なくとも1つの分離された検出器バーコードが、遺伝子タイピング、qPCR、配列決定、またはそれらの組み合せを使用して分析されるように構成される、請求項127に記載の基質。
【請求項130】
1つ以上の超分子構造が、前記サンプルを多重化するため構成され、前記サンプル中の複数の分析物分子が同時に検出される、請求項127に記載の基質。
【請求項131】
各超分子構造の前記捕捉分子および検出器分子が、1つ以上の特定のタイプの分析物分子に結合するように構成される、請求項101に記載の基質。
【請求項132】
前記複数の超分子構造の各コア構造が互いに同一である、請求項82に記載の基質。
【請求項133】
各超分子構造が、複数の超分子構造間の交差反応を低減または排除するような、所定の形状、サイズ、分子量、またはそれらの組み合せを含む、請求項132に記載の基質。
【請求項134】
各超分子構造が、複数の捕捉分子および検出器分子を含む、請求項132に記載の基質。
【請求項135】
各超分子構造が、前記複数の超分子構造間の交差反応を低減または排除するような、前記捕捉分子および検出器分子の所定の化学量論比を含む、請求項132または134に記載の基質。
【請求項136】
各超分子構造の前記不安定状態が、第1の超分子構造および第2の超分子構造の捕捉分子および/または検出器分子間での交差反応の発生を低減または阻害するように、所定の距離で離間した前記捕捉分子および検出器分子をさらに含む、請求項82に記載の基質。
【請求項137】
前記所定の距離が、約3nm~約40nmである、請求項136に記載の基質。
【請求項138】
任意の2つの超分子構造間の平均距離が、それぞれの超分子構造の前記捕捉分子と検出器分子との間の所定の距離よりも大きい、請求項136に記載の基質。
【請求項139】
各基質が、ウィジェット、固体支持体、ポリマーマトリックス、固体基質、または分子凝縮物を含む、請求項82に記載の基質。
【請求項140】
任意の2つの超分子構造間の平均距離が、それぞれの超分子構造の前記捕捉分子と検出器分子との間の所定の距離よりも大きい、請求項139に記載の基質。
【請求項141】
前記ポリマーマトリックスがヒドロゲルビーズを含む、請求項139に記載の基質。
【請求項142】
1つ以上の超分子基質が、前記ヒドロゲルビーズに結合している、請求項141に記載の基質。
【請求項143】
各超分子構造が、前記対応する超分子構造のそれぞれの前記コア構造に連結された対応するアンカー分子を介して前記ヒドロゲルビーズと共重合される、請求項141に記載の基質。
【請求項144】
前記1つ以上の超分子構造が、前記ヒドロゲルビーズ内に埋め込まれる、請求項141に記載の基質。
【請求項145】
単一細胞分解能での細胞内分析物分子検出のために、各ヒドロゲルビーズが、前記サンプル中の単一細胞と接触するように構成される、請求項141に記載の基質。
【請求項146】
前記固体基質が微粒子を含む、請求項139に記載の基質。
【請求項147】
1つ以上の超分子基質が、前記微粒子の固体表面に結合される、請求項146に記載の基質。
【請求項148】
前記微粒子が、ポリスチレン粒子、シリカ粒子、磁性粒子または常磁性粒子を含む、請求項146に記載の基質。
【請求項149】
単一細胞分解能での細胞内分析物分子検出のために、各固体基質が、前記サンプル中の単一細胞と接触するように構成される、請求項146に記載の基質。
【請求項150】
前記固体基質が平面基質を含む、請求項139に記載の基質。
【請求項151】
複数の超分子構造が前記平面基質上に配置され、前記平面基質が複数の結合部位を含み、各結合部位が対応する超分子構造と連結するように構成される、請求項150に記載の基質。
【請求項152】
前記複数の超分子構造が、同じ分析物分子を検出するように構成される、請求項150に記載の基質。
【請求項153】
複数の信号伝達要素が、前記安定状態に移行した前記少なくとも1つの超分子構造の前記検出器分子と連結するように構成される、請求項150に記載の基質。
【請求項154】
各信号伝達要素が、蛍光分子またはマイクロビーズ、蛍光ポリマー、高荷電ナノ粒子またはポリマーを含む、請求項153に記載の基質。
【請求項155】
前記複数の超分子構造のうちの少なくとも1つの超分子構造が、他の超分子構造とは異なる分析物分子を検出するように構成される、請求項150に記載の基質。
【請求項156】
前記サンプルが、生物学的粒子または生体分子を含む、請求項82に記載の基質。
【請求項157】
前記サンプルが、タンパク質、ペプチド、ペプチドの断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、ウイルス粒子、エキソソーム、オルガネラ、またはそれらの任意の複合体を含む水溶液を含む、請求項82に記載の基質。
【請求項158】
前記サンプルが、組織生検、血液、血漿、尿、唾液、涙、脳脊髄液、細胞外液、培養細胞、培養培地、廃棄組織、植物物質、合成タンパク質、細菌および/もしくはウイルスサンプルまたは真菌組織、またはそれらの組み合せを含む、請求項82に記載の基質。
【請求項159】
サンプル中の分析物分子を検出するための超分子構造であって、
(a)複数のコア分子を含むコア構造と、
(b)第1の位置で前記超分子コアに連結された捕捉分子と、
(c)第2の位置で前記超分子コアに連結された検出器分子とを含み、前記超分子構造は、前記検出器分子が、前記コア構造から前記第2の位置におけるそれらの間の連結の切断によって結合解除されるように構成されるような、不安定状態にあり;
前記超分子構造は、前記検出器分子、前記捕捉分子、および分析物分子の間の相互作用によって、前記不安定状態から安定状態に移行するように構成され;
トリガーと相互作用すると、前記安定状態に移行した前記超分子構造が、前記分析物分子を検出するための信号を提供する、超分子構造。
【請求項160】
前記サンプルが複合生物学的サンプルを含み、前記方法が単一分子感度を提供し、それによって前記複合生物学的サンプル内のある範囲の分子濃度のダイナミックレンジおよび定量的捕捉を増加させる、請求項159に記載の超分子構造。
【請求項161】
前記分析物分子が、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、それらの複合体、またはそれらの任意の組み合せを含む、請求項159に記載の超分子構造。
【請求項162】
ナノ構造である、請求項159に記載の超分子構造。
【請求項163】
前記コア構造がナノ構造である、請求項159に記載の超分子構造。
【請求項164】
前記コア構造の前記複数のコア分子が、所定の形状に配置され、かつ/または所定の分子量を有する、請求項159に記載の超分子構造。
【請求項165】
前記所定の形状が、別の超分子構造との交差反応性を制限または防止するように構成される、請求項164に記載の超分子構造。
【請求項166】
各コア構造の前記複数のコア分子が、1つ以上の核酸鎖、1つ以上の分岐核酸、1つ以上のペプチド、1つ以上の小分子、またはそれらの組み合せを含む、請求項159に記載の超分子構造。
【請求項167】
前記コア構造が独立して、骨格デオキシリボ核酸(DNA)オリガミ、骨格リボ核酸(RNA)オリガミ、骨格ハイブリッドDNA:RNAオリガミ、一本鎖DNAタイル構造、多本鎖DNAタイル構造、一本鎖RNAオリガミ、多本鎖RNAタイル構造、複数の骨格を有する階層的に構成されたDNAもしくはRNAオリガミ、ペプチド構造、またはそれらの組み合せを含む、請求項166に記載の超分子構造。
【請求項168】
前記トリガーが、デコンストラクタ(deconstructor)分子、トリガー信号、またはそれらの組み合せを含む、請求項159に記載の超分子構造。
【請求項169】
前記デコンストラクタ(deconstructor)分子が、DNA、RNA、ペプチド、小有機分子、またはそれらの組み合せを含む、請求項168に記載の超分子構造。
【請求項170】
前記トリガー信号が、光信号、電気信号、またはその両方を含む、請求項168に記載の超分子構造。
【請求項171】
前記トリガー光信号が、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、近赤外照明、またはそれらの組み合せを含む、請求項170に記載の超分子構造。
【請求項172】
前記分析物分子が、1)化学結合によって前記捕捉分子に結合し、かつ/または2)化学結合によって前記検出器分子に結合する、請求項159に記載の超分子構造。
【請求項173】
各超分子構造の前記捕捉分子および検出器分子が、独立して、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNAおよびDNA)、フルオロフォア、ダルピン、触媒、重合開始剤、PEGのようなポリマー、またはそれらの組み合せを含む、請求項159に記載の超分子構造。
【請求項174】
各超分子構造について、
(a)前記捕捉分子が捕捉バーコードを介して前記コア構造に連結されており、前記捕捉バーコードが第1の捕捉リンカー、第2の捕捉リンカー、および前記第1の捕捉リンカーと前記第2の捕捉リンカーとの間に配置された捕捉架橋を含み、前記第1の捕捉リンカーは、前記コア構造上の前記第1の位置に結合している第1のコアリンカーに結合されており、前記捕捉分子および前記第2の捕捉リンカーは、第3の捕捉リンカーへの結合を介して共に連結されており、
(b)前記検出器分子が、検出器バーコードを介して前記コア構造に連結されており、前記検出器バーコードが、第1の検出器リンカー、第2の検出器リンカー、および前記第1の検出器リンカーと前記第2の検出器リンカーとの間に配置された検出器架橋を含み、前記第1の検出器リンカーが、前記コア構造上の前記第2の位置に結合されている第2のコアリンカーに結合されており、前記検出器分子および前記第2の検出器リンカーが、第3の検出器リンカーへの結合を介して互いに連結されている、
請求項159に記載の超分子構造。
【請求項175】
前記捕捉架橋および検出器架橋が、独立してポリマーコアを含む、請求項174に記載の超分子構造。
【請求項176】
前記捕捉架橋のポリマーコアおよび前記検出器架橋のポリマーコアが、独立して、特定の配列の核酸(DNAもしくはRNA)またはPEGのようなポリマーを含む、請求項174に記載の超分子構造。
【請求項177】
前記第1のコアリンカー、第2のコアリンカー、第1の捕捉リンカー、第2の捕捉リンカー、第3の捕捉リンカー、第1の検出器リンカー、第2の検出器リンカーおよび第3の検出器リンカーが独立して、反応性分子またはDNA配列ドメインを含む、請求項174に記載の超分子構造。
【請求項178】
各反応性分子が、独立して、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHS-エステル、特定の配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、1つ以上のPEGのようなポリマーもしくは重合開始剤、またはそれらの組み合せを含む、請求項177に記載の超分子構造。
【請求項179】
前記捕捉バーコードと、1)前記第1のコアリンカーおよび/または2)前記第3の捕捉リンカーとの間の連結が、化学結合を含む、請求項174に記載の超分子構造。
【請求項180】
前記化学結合が共有結合を含む、請求項179に記載の超分子構造。
【請求項181】
前記検出器バーコードと、1)前記第2のコアリンカーおよび/または2)前記第3の検出器リンカーとの間の連結が、化学結合を含む、請求項174に記載の超分子構造。
【請求項182】
前記化学結合が共有結合を含む、請求項181に記載の超分子構造。
【請求項183】
前記トリガーが、1)前記第1の検出器リンカーと前記第2のコアリンカーとの間、および/または2)前記第1の捕捉リンカーと前記第1のコアリンカーとの間の連結を切断する、請求項174に記載の超分子構造。
【請求項184】
前記捕捉分子が化学結合を介して前記第3の捕捉リンカーに結合され、かつ/または前記検出器分子が化学結合を介して前記第3の検出器リンカーに結合される、請求項174に記載の超分子構造。
【請求項185】
前記捕捉分子が前記第3の捕捉リンカーに共有結合し、かつ/または前記検出器分子が前記第3の検出器リンカーに共有結合している、請求項184に記載の超分子構造。
【請求項186】
前記不安定状態の前記超分子構造が、前記超分子構造の捕捉分子および/または検出器分子と、別の超分子構造の対応する捕捉分子および/または検出器分子との間の交差反応の発生を低減または阻害するように、所定の距離で離間したそれぞれの前記捕捉分子および検出器分子を含む、請求項159に記載の超分子構造。
【請求項187】
前記所定の距離が、約3nm~約40nmである、請求項186に記載の超分子構造。
【請求項188】
前記コア構造に連結されたアンカー分子をさらに含む、請求項174に記載の超分子構造。
【請求項189】
前記アンカー分子が、アンカーバーコードを介して前記コア構造に連結され、前記アンカーバーコードが、第1のアンカーリンカー、第2のアンカーリンカー、および前記第1のアンカーリンカーと第2のアンカーリンカーとの間に配置されたアンカー架橋を含み、前記第1のアンカーリンカーが、前記コア構造上の第3の位置に結合された第3のコアリンカーに結合され、前記アンカー分子が、前記第2のアンカーリンカーに連結されている、請求項188に記載の超分子構造。
【請求項190】
前記アンカー分子が、独立して、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHS-エステル、特定の配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、1つ以上のPEGのようなポリマーもしくは重合開始剤、またはそれらの組み合せを含む、請求項189に記載の超分子構造。
【請求項191】
前記アンカー架橋がポリマーコアを含む、請求項189に記載の超分子構造。
【請求項192】
前記アンカー架橋の前記ポリマーコアが、特定の配列の核酸(DNAもしくはRNA)またはPEGのようなポリマーを含む、請求項191に記載の超分子構造。
【請求項193】
前記第3のコアリンカー、第1のアンカーリンカー、第2のアンカーリンカー、およびアンカー分子が、独立して、アンカー反応性分子またはDNA配列ドメインを含む、請求項189に記載の超分子構造。
【請求項194】
各アンカー反応性分子が、独立して、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHS-エステル、特定の配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、1つ以上のPEGのようなポリマーもしくは重合開始剤、またはそれらの組み合せを含む、請求項193に記載の超分子構造。
【請求項195】
前記アンカー分子が、化学結合を介して前記第2のアンカーリンカーに連結されている、請求項189に記載の超分子構造。
【請求項196】
前記アンカー分子が、前記第2のアンカーリンカーに共有結合している、請求項195に記載の超分子構造。
【請求項197】
前記トリガーが、1)前記アンカー分子から前記第2のアンカーリンカー、2)前記第3のコアリンカーから前記第1のアンカーリンカー、またはそれらの組み合せをさらに切断する、請求項189に記載の超分子構造。
【請求項198】
前記第1および第2の位置が、前記コア構造の第1の側に位置し、前記第3の位置が、前記コア構造の第2の側に位置する、請求項189に記載の超分子構造。
【請求項199】
前記信号が、安定状態に移行した超分子構造に対応する前記検出器バーコード、前記捕捉バーコード、またはそれらの組み合せを含む、請求項174に記載の超分子構造。
【請求項200】
安定状態に移行した超分子構造の対応する検出器分子からの前記検出器バーコードが、対応する信号が、前記対応する検出器分子に結合した前記分析物分子を検出するためのそれぞれの前記検出器バーコードを含むように、前記対応する検出器分子から分離されるように構成される、請求項174に記載の超分子構造。
【請求項201】
前記分離された検出器バーコードが、それぞれの前記検出器分子に結合した前記分析物分子に対応するDNA信号を提供する、請求項200に記載の超分子構造。
【請求項202】
前記分離された検出器バーコードが、遺伝子タイピング、qPCR、配列決定、またはそれらの組み合せを使用して分析されるように構成される、請求項200に記載の超分子構造。
【請求項203】
前記超分子構造の前記捕捉分子および検出器分子が、1つ以上の特定のタイプの分析物分子に結合するように構成される、請求項174に記載の超分子構造。
【請求項204】
別の超分子構造との交差反応を低減または排除するような、所定の形状、サイズ、分子量、またはそれらの組み合せを含む、請求項159に記載の超分子構造。
【請求項205】
複数の捕捉分子および検出器分子を含む、請求項159に記載の超分子構造。
【請求項206】
別の超分子構造との交差反応を低減または排除するような、捕捉分子および検出器分子の所定の化学量論比を含む、請求項204または205に記載の超分子構造。
【請求項207】
前記サンプルが、生物学的粒子または生体分子を含む、請求項159に記載の超分子構造。
【請求項208】
前記サンプルが、タンパク質、ペプチド、ペプチドの断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、ウイルス粒子、エキソソーム、オルガネラ、またはそれらの任意の複合体を含む水溶液を含む、請求項159に記載の超分子構造。
【請求項209】
前記サンプルが、組織生検、血液、血漿、尿、唾液、涙、脳脊髄液、細胞外液、培養細胞、培養培地、廃棄組織、植物物質、合成タンパク質、細菌および/もしくはウイルスサンプルまたは真菌組織、またはそれらの組み合せを含む、請求項159に記載の超分子構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2020年9月15日に出願された米国仮特許出願第63/078,837号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
個別化医療の現在の状況は、圧倒的にゲノム中心であり、主に個体内に存在する遺伝子の定量化に焦点を当てている。そのようなアプローチは非常に強力であることが証明されているが、臨床医に個人の健康の完全な様相を提供するものではない。遺伝子は個体の「青写真」であり、病気を発症する可能性を知らせるに過ぎないからである。個体内では、これらの「青写真」は、最初にRNAに転写され、個体の健康に何らかの影響を及ぼすために、次いで細胞内の実際の「作用因子」である様々なタンパク質分子に翻訳される必要がある。
【0003】
タンパク質の濃度、タンパク質間の相互作用(タンパク質-タンパク質相互作用またはPPI)、ならびにタンパク質と小分子間の相互作用は、種々の器官の健康、恒常性調節機構、ならびにこれらの系と外部環境との相互作用に複雑に連係している。したがって、タンパク質に関する定量的情報ならびにPPIは、出現する任意の健康問題の予測だけでなく、所与の時点における個体の健康状態の完全な様相の作成のために不可欠である。例えば、(例えば、心臓発作中に)心筋が経験する応力の量は、末梢血内に存在するトロポニンI/IIおよびミオシン軽鎖の濃度を測定することによって推測することができる。同様のタンパク質バイオマーカーも同定、検証されており、多種多様な臓器機能不全(例えば、肝疾患および甲状腺障害)、特定の癌(例えば、結腸直腸癌または前立腺癌)、および感染症(例えばHIVおよびジカ)について展開されている。これらのタンパク質間の相互作用も薬物開発に不可欠であり、データセットへの需要は高まりつつある。所与の体液サンプル内のタンパク質および他の分子を検出および定量する能力は、そのようなヘルスケア開発の不可欠な構成要素である。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、一般に、サンプル中の分析物分子の検出および定量化のためのシステム、構造および方法に関する。
【0005】
いくつかの実施形態では、サンプル中に存在する分析物分子を検出するための方法を提供し、方法は:a)超分子構造であって、i)複数のコア分子を含むコア構造、ii)コア構造に第1の位置で連結された捕捉分子、およびiii)コア構造に第2の位置で連結された検出器分子を含み、検出器分子がコア構造から、第2の位置におけるそれらの間の連結を切断することで結合解除されるように構成されるような、不安定状態である超分子構造を提供すること;b)サンプルを超分子構造と接触させて、超分子構造を不安定状態から、検出器分子および捕捉分子が分析物分子との結合を介して共に連結され、それによって検出器分子と捕捉分子との間の連結を形成する安定状態に移行させること;c)トリガーを提供して、検出器分子が捕捉分子との連結を介してコア構造に連結されたまま、第2の位置における検出器分子とコア構造との間の連結を切断すること;ならびにd)安定状態に移行した超分子構造によって提供される信号に基づいて分析物分子を検出することを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、サンプル中に存在する1つ以上の分析物分子を検出するための方法を提供し、方法は:a)複数の超分子構造であって、各々がi)複数のコア分子を含むコア構造、ii)コア構造に第1の位置で連結された捕捉分子、およびiii)コア構造に第2の位置で連結された検出器分子を含み、検出器分子がコア構造から、第2の位置のそれらの間の連結を切断することで結合解除されるように構成されるような、不安定状態である超分子構造を提供すること;b)サンプルを複数の超分子構造と接触させて、少なくとも1つの超分子構造を不安定状態から、対応する検出器分子および捕捉分子が1つ以上の分析物分子の分析物分子との結合を介して共に連結され、それによって対応する検出器分子と捕捉分子との間の連結を形成する安定状態に移行させること;c)トリガーを提供して、安定状態へ移行した少なくとも1つの超分子構造の検出器分子が、対応する捕捉分子との連結を介して対応するコア構造に連結されたまま、複数の超分子構造の第2の位置における各検出器分子と対応するコア構造との間の連結を切断すること;ならびにd)安定状態に移行した少なくとも1つの超分子構造のそれぞれの超分子構造によって提供される信号に基づいて、1つ以上の分析物分子のそれぞれの分析物分子を検出することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、安定状態に移行しなかった超分子構造から結合解除された検出器分子から複数の超分子構造を単離することをさらに含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法は、サンプル中の分析物分子の濃度を定量することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法は、検出された分析物分子を同定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法は、分析物分子が単一分子の数以上でサンプル中に存在する場合、信号に基づいて分析物分子を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法について、サンプルは複合生物学的サンプルを含み、方法は単一分子感度を提供し、それによって複合生物学的サンプル内のある範囲の分子濃度のダイナミックレンジおよび定量的捕捉を増加させる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法について、分析物分子は、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、それらの複合体、またはそれらの任意の組み合せを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法について、各超分子構造はナノ構造である。
【0008】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法について、各コア構造はナノ構造である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法について、各コア構造の複数のコア分子は、所定の形状に配置され、かつ/または所定の分子量を有する。いくつかの実施形態では、所定の形状は、別の超分子構造との交差反応性を制限または防止するように構成される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法について、各コア構造の複数のコア分子は、1つ以上の核酸鎖、1つ以上の分岐核酸、1つ以上のペプチド、1つ以上の小分子、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法について、各コア構造は独立して、骨格デオキシリボ核酸(DNA)オリガミ、骨格リボ核酸(RNA)オリガミ、骨格ハイブリッドDNA:RNAオリガミ、一本鎖DNAタイル構造、多本鎖DNAタイル構造、一本鎖RNAオリガミ、多本鎖RNAタイル構造、複数の骨格を有する階層的に構成されたDNAもしくはRNAオリガミ、ペプチド構造、またはそれらの組み合せを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法について、トリガーは、デコンストラクタ(deconstructor)分子、トリガー信号、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、デコンストラクタ(deconstructor)分子は、DNA、RNA、ペプチド、小有機分子、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、トリガー信号は、光信号、電気信号、またはその両方を含む。いくつかの実施形態では、トリガー光信号は、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、近赤外照明、またはそれらの組み合せを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法について、それぞれの分析物分子は、1)それぞれの超分子構造の捕捉分子に化学結合によって結合し、かつ/または2)それぞれの超分子構造の検出器分子に化学結合によって結合する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法について、各超分子構造の捕捉分子および検出器分子は、独立して、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNAおよびDNA)、フルオロフォア、ダルピン、触媒、重合開始剤、PEGのようなポリマー、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法について、各超分子構造では、a)捕捉分子は捕捉バーコードを介してコア構造に連結されており、捕捉バーコードは第1の捕捉リンカー、第2の捕捉リンカー、および第1の捕捉リンカーと第2の捕捉リンカーとの間に配置された捕捉架橋を含み、第1の捕捉リンカーは、コア構造上の第1の位置に結合している第1のコアリンカーに結合されており、捕捉分子および第2の捕捉リンカーは、第3の捕捉リンカーへの結合を介して共に連結されており、b)検出器分子は、検出器バーコードを介してコア構造に連結されており、検出器バーコードは、第1の検出器リンカー、第2の検出器リンカー、および第1の検出器リンカーと第2の検出器リンカーとの間に配置された検出器架橋を含み、第1の検出器リンカーは、コア構造上の第2の位置に結合されている第2のコアリンカーに結合されており、検出器分子および第2の検出器リンカーは、第3の検出器リンカーへの結合を介して互いに連結されている。いくつかの実施形態では、捕捉架橋および検出器架橋は、独立してポリマーコアを含む。いくつかの実施形態では、捕捉架橋のポリマーコアおよび検出器架橋のポリマーコアは、独立して、特定の配列の核酸(DNAもしくはRNA)またはPEGのようなポリマーを含む。いくつかの実施形態において、第1のコアリンカー、第2のコアリンカー、第1の捕捉リンカー、第2の捕捉リンカー、第3の捕捉リンカー、第1の検出器リンカー、第2の検出器リンカーおよび第3の検出器リンカーは、独立して、反応性分子またはDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、各反応性分子は、独立して、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHS-エステル、特定の配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、1つ以上のPEGのようなポリマーもしくは重合開始剤、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態において、捕捉バーコードと、1)第1のコアリンカー、および/または2)第3の捕捉リンカーとの間の連結は化学結合を含む。いくつかの実施形態では、化学結合は共有結合を含む。いくつかの実施形態において、検出器バーコードと、1)第2のコアリンカー、および/または2)第3の検出器リンカーとの間の連結は化学結合を含む。いくつかの実施形態では、化学結合は共有結合を含む。いくつかの実施形態において、トリガーは、1)第1の検出器リンカーと第2のコアリンカーとの間、および/または2)第1の捕捉リンカーと第1のコアリンカーとの間の連結を切断する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法について、捕捉分子は化学結合によって第3の捕捉リンカーに結合され、かつ/または検出器分子は化学結合によって第3の検出器リンカーに結合される。いくつかの実施形態では、捕捉分子は第3の捕捉リンカーに共有結合し、かつ/または検出器分子は第3の検出器リンカーに共有結合している。
【0011】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法について、不安定状態の各超分子構造は、第1の超分子構造の捕捉分子および/または検出器分子と、第2の超分子構造の対応する捕捉分子および/または検出器分子との間の交差反応の発生を低減または阻害するように、所定の距離で離間したそれぞれの捕捉分子および検出器分子を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法について、所定の距離は、約3nm~約40nmである。
【0012】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法について、各超分子構造は、コア構造に連結されたアンカー分子をさらに含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子は、アンカーバーコードを介してコア構造に連結され、アンカーバーコードは、第1のアンカーリンカー、第2のアンカーリンカー、および第1のアンカーリンカーと第2のアンカーリンカーとの間に配置されたアンカー架橋を含み、第1のアンカーリンカーは、コア構造上の第3の位置に結合された第3のコアリンカーに結合され、アンカー分子は第2のアンカーリンカーに連結されている。いくつかの実施形態では、アンカー分子は、独立して、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHS-エステル、特定の配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、1つ以上のPEGのようなポリマーもしくは重合開始剤、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、アンカー架橋はポリマーコアを含む。いくつかの実施形態では、アンカー架橋のポリマーコアは、特定の配列の核酸(DNAもしくはRNA)またはPEGのようなポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第3のコアリンカー、第1のアンカーリンカー、第2のアンカーリンカー、およびアンカー分子は、独立して、アンカー反応性分子またはDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、各アンカー反応性分子は、独立して、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHS-エステル、特定の配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、1つ以上のPEGのようなポリマーもしくは重合開始剤、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子は、化学結合を介して第2のアンカーリンカーに連結されている。いくつかの実施形態では、アンカー分子は、第2のアンカーリンカーに共有結合している。いくつかの実施形態では、トリガーは、1)アンカー分子から第2のアンカーリンカー、2)第3のコアリンカーから第1のアンカーリンカー、またはそれらの組み合せをさらに切断する。いくつかの実施形態では、第1および第2の位置はコア構造の第1の側に位置し、第3の位置はコア構造の第2の側に位置する。
【0013】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法について、信号は、安定状態に移行した超分子構造に対応する検出器バーコード、捕捉バーコード、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で開示される任意の方法は、対応する信号が、それぞれの捕捉分子および検出器分子に結合した分析物分子を検出するためのそれぞれの検出器バーコードを含むような、安定状態に移行した少なくとも1つの超分子構造の対応する検出器分子から、各検出器バーコードを分離することをさらに含む。いくつかの実施形態では、分離された各検出器バーコードは、それぞれの検出器分子に結合した分析物分子に対応するDNA信号を提供する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの分離された検出器バーコードは、遺伝子タイピング、qPCR、配列決定、またはそれらの組み合せを使用して分析される。いくつかの実施形態では、サンプル中の複数の分析物分子は、安定状態に移行した1つ以上の超分子構造を介した多重化によって同時に検出される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法について、各超分子構造の捕捉分子および検出器分子は、1つ以上の特定のタイプの分析物分子に結合するように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される複数の超分子構造を使用することを含む任意の方法について、複数の超分子構造の各コア構造は互いに同一である。いくつかの実施形態では、各超分子構造は、複数の超分子構造間の交差反応を低減または排除するように、所定の形状、サイズ、分子量、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、各超分子構造は、複数の捕捉分子および検出器分子を含む。いくつかの実施形態では、各超分子構造は、複数の超分子構造間の交差反応を低減または排除するような、捕捉分子および検出器分子の所定の化学量論比を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される複数の超分子構造を使用することを含む任意の方法について、各超分子構造の不安定状態は、第1の超分子構造および第2の超分子構造の捕捉分子および/または検出器分子間での交差反応の発生を低減または阻害するように、所定の距離で離間した捕捉分子および検出器分子をさらに含む。いくつかの実施形態では、所定の距離は、約3nm~約40nmである。いくつかの実施形態では、任意の2つの超分子構造間の平均距離は、それぞれの超分子構造の捕捉分子と検出器分子との間の所定の距離よりも大きい。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造は、1つ以上のウィジェット、1つ以上の固体支持体、1つ以上のポリマーマトリックス、1つ以上の固体基質、1つ以上の分子凝縮物、またはそれらの組み合せに結合している。いくつかの実施形態では、任意の2つの超分子構造間の平均距離は、それぞれの超分子構造の捕捉分子と検出器分子との間の所定の距離よりも大きい。いくつかの実施形態では、1つ以上のポリマーマトリックスの各ポリマーマトリックスは、ヒドロゲルビーズを含む。いくつかの実施形態において、1つ以上の超分子基質は、ヒドロゲルビーズに付着される。いくつかの実施形態では、各超分子構造は、対応する超分子構造のそれぞれのコア構造に連結された対応するアンカー分子を介して、ヒドロゲルビーズと共重合される。いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子構造は、ヒドロゲルビーズ内に埋め込まれる。いくつかの実施形態では、単一細胞分解能での細胞内分析物分子検出のために、各ヒドロゲルビーズをサンプル中の単一細胞と接触させる。いくつかの実施形態では、1つ以上の固体基質の各固体基質は、微粒子を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子基質は、微粒子の固体表面に結合される。いくつかの実施形態では、微粒子は、ポリスチレン粒子、シリカ粒子、磁性粒子または常磁性粒子を含む。いくつかの実施形態では、単一細胞分解能での細胞内分析物分子検出のために、各固体基質をサンプル中の単一細胞と接触させる。いくつかの実施形態では、1つ以上の固体基質の各固体基質は、平面基質を含む。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造は平面基質上に配置され、平面基質は複数の結合部位を含み、各結合部位は対応する超分子構造と連結するように構成される。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造は、同じ分析物分子を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、平面基質を使用することを含む任意の方法について、安定状態に移行した少なくとも1つの超分子構造の検出器分子と連結するように構成された複数の信号伝達要素を提供することをさらに含む。いくつかの実施形態では、各信号伝達要素は、蛍光分子またはマイクロビーズ、蛍光ポリマー、高荷電ナノ粒子またはポリマーを含む。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造のうちの少なくとも1つの超分子構造は、他の超分子構造とは異なる分析物分子を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、平面基質を使用することを含む任意の方法について、平面基質上の各超分子構造の位置を特定するために各超分子構造をバーコード化することをさらに含む。いくつかの実施形態では、平面基質を使用することを含む任意の方法について、安定状態に移行した少なくとも1つの超分子構造の検出器分子と連結するように構成された複数の信号伝達要素を提供することをさらに含む。いくつかの実施形態では、各信号伝達要素は、蛍光分子またはマイクロビーズ、蛍光ポリマー、高荷電ナノ粒子またはポリマーを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法について、サンプルは、生物学的粒子または生体分子を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法について、サンプルは、タンパク質、ペプチド、ペプチドの断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、ウイルス粒子、エキソソーム、オルガネラ、またはそれらの任意の複合体を含む水溶液を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法について、サンプルは、組織生検、血液、血漿、尿、唾液、涙、脳脊髄液、細胞外液、培養細胞、培養培地、廃棄組織、植物物質、合成タンパク質、細菌および/もしくはウイルスサンプルまたは真菌組織、またはそれらの組み合せを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、サンプル中の1つ以上の分析物分子を検出するための基質が本明細書に提供され、基質は、複数の超分子構造を含み、各超分子構造は、a)複数のコア分子を含むコア構造と、b)第1の位置で超分子コアに連結された捕捉分子と、c)第2の位置で超分子コアに連結された検出器分子とを含み、超分子構造は、検出器分子がコア構造との間の第2の位置での連結の切断によってコア構造から結合解除されるような不安定状態にあり、各超分子構造は、検出器分子、捕捉分子、および1つ以上の分析物分子のそれぞれの分析物分子の間の相互作用によって、不安定状態から安定状態に移行するように構成され、トリガーと相互作用すると、安定状態に移行したそれぞれの超分子構造が、それぞれの分析物分子を検出するための信号を提供する。
【0018】
いくつかの実施形態では、トリガーと相互作用すると、不安定状態で超分子構造に連結された各検出器分子は、前記超分子構造から結合解除される。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造の各コア構造は互いに同一である。いくつかの実施形態では、任意の2つの超分子構造間の平均距離は、それぞれの超分子構造の捕捉分子と検出器分子との間の所定の距離よりも大きい。いくつかの実施形態では、基質は、固体支持体、固体基質、ポリマーマトリックスまたは分子凝縮物を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは複合生物学的サンプルを含み、方法は単一分子感度を提供し、それによって複合生物学的サンプル内のある範囲の分子濃度のダイナミックレンジおよび定量的捕捉を増加させる。いくつかの実施形態では、1つ以上の分析物分子は、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、それらの複合体、またはそれらの任意の組み合せを含む。いくつかの実施形態では、各超分子構造はナノ構造である。いくつかの実施形態では、各コア構造はナノ構造である。いくつかの実施形態では、各コア構造の複数のコア分子は、所定の形状に配置され、かつ/または所定の分子量を有する。いくつかの実施形態では、所定の形状は、別の超分子構造との交差反応性を制限または防止するように構成される。いくつかの実施形態では、各コア構造の複数のコア分子は、1つ以上の核酸鎖、1つ以上の分岐核酸、1つ以上のペプチド、1つ以上の小分子、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、各コア構造は独立して、骨格デオキシリボ核酸(DNA)オリガミ、骨格リボ核酸(RNA)オリガミ、骨格ハイブリッドDNA:RNAオリガミ、一本鎖DNAタイル構造、多本鎖DNAタイル構造、一本鎖RNAオリガミ、多本鎖RNAタイル構造、複数の骨格を有する階層的に構成されたDNAもしくはRNAオリガミ、ペプチド構造、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、トリガーは、デコンストラクタ(deconstructor)分子、トリガー信号、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、デコンストラクタ(deconstructor)分子は、DNA、RNA、ペプチド、小有機分子、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、トリガー信号は、光信号、電気信号、またはその両方を含む。いくつかの実施形態では、トリガー光信号は、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、近赤外照明、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、それぞれの分析物分子は、1)化学結合によって捕捉分子に結合し、かつ/または2)化学結合によって検出器分子に結合する。いくつかの実施形態では、各超分子構造の捕捉分子および検出器分子は、独立して、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNAおよびDNA)、フルオロフォア、ダルピン、触媒、重合開始剤、PEGのようなポリマー、またはそれらの組み合せを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、基質の各超分子構造について、a)捕捉分子は捕捉バーコードを介してコア構造に連結されており、捕捉バーコードは第1の捕捉リンカー、第2の捕捉リンカー、および第1の捕捉リンカーと第2の捕捉リンカーとの間に配置された捕捉架橋を含み、第1の捕捉リンカーは、コア構造上の第1の位置に結合している第1のコアリンカーに結合されており、捕捉分子および第2の捕捉リンカーは、第3の捕捉リンカーへの結合を介して共に連結されており、b)検出器分子は、検出器バーコードを介してコア構造に連結されており、検出器バーコードは、第1の検出器リンカー、第2の検出器リンカー、および第1の検出器リンカーと第2の検出器リンカーとの間に配置された検出器架橋を含み、第1の検出器リンカーは、コア構造上の第2の位置に結合されている第2のコアリンカーに結合されており、検出器分子および第2の検出器リンカーは、第3の検出器リンカーへの結合を介して互いに連結されている。いくつかの実施形態では、捕捉架橋および検出器架橋は、独立してポリマーコアを含む。いくつかの実施形態では、捕捉架橋のポリマーコアおよび検出器架橋のポリマーコアは、独立して、特定の配列の核酸(DNAもしくはRNA)またはPEGのようなポリマーを含む。いくつかの実施形態において、第1のコアリンカー、第2のコアリンカー、第1の捕捉リンカー、第2の捕捉リンカー、第3の捕捉リンカー、第1の検出器リンカー、第2の検出器リンカーおよび第3の検出器リンカーは、独立して、反応性分子またはDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、各反応性分子は、独立して、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHS-エステル、特定の配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、1つ以上のPEGのようなポリマーもしくは重合開始剤、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態において、捕捉バーコードと、1)第1のコアリンカー、および/または2)第3の捕捉リンカーとの間の連結は化学結合を含む。いくつかの実施形態では、化学結合は共有結合を含む。いくつかの実施形態において、検出器バーコードと、1)第2のコアリンカー、および/または2)第3の検出器リンカーとの間の連結は化学結合を含む。いくつかの実施形態では、化学結合は共有結合を含む。いくつかの実施形態において、トリガーは、1)第1の検出器リンカーと第2のコアリンカーとの間、および/または2)第1の捕捉リンカーと第1のコアリンカーとの間の連結を切断する。いくつかの実施形態では、捕捉分子は化学結合によって第3の捕捉リンカーに結合され、かつ/または検出器分子は化学結合によって第3の検出器リンカーに結合される。いくつかの実施形態では、捕捉分子は第3の捕捉リンカーに共有結合し、かつ/または検出器分子は第3の検出器リンカーに共有結合している。いくつかの実施形態では、不安定状態の各超分子構造は、第1の超分子構造の捕捉分子および/または検出器分子と、第2の超分子構造の対応する捕捉分子および/または検出器分子との間の交差反応の発生を低減または阻害するように、所定の距離で離間したそれぞれの捕捉分子および検出器分子を含む。所定の距離は、約3nm~約40nmである。
【0020】
いくつかの実施形態では、各超分子構造は、コア構造に連結されたアンカー分子をさらに含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子は、アンカーバーコードを介してコア構造に連結され、アンカーバーコードは、第1のアンカーリンカー、第2のアンカーリンカー、および第1のアンカーリンカーと第2のアンカーリンカーとの間に配置されたアンカー架橋を含み、第1のアンカーリンカーは、コア構造上の第3の位置に結合された第3のコアリンカーに結合され、アンカー分子は第2のアンカーリンカーに連結されている。いくつかの実施形態では、アンカー分子は、独立して、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHS-エステル、特定の配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、1つ以上のPEGのようなポリマーもしくは重合開始剤、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、アンカー架橋はポリマーコアを含む。いくつかの実施形態では、アンカー架橋のポリマーコアは、特定の配列の核酸(DNAもしくはRNA)またはPEGのようなポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第3のコアリンカー、第1のアンカーリンカー、第2のアンカーリンカー、およびアンカー分子は、独立して、アンカー反応性分子またはDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、各アンカー反応性分子は、独立して、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHS-エステル、特定の配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、1つ以上のPEGのようなポリマーもしくは重合開始剤、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子は、化学結合を介して第2のアンカーリンカーに連結されている。いくつかの実施形態では、アンカー分子は、第2のアンカーリンカーに共有結合している。いくつかの実施形態では、トリガーは、1)アンカー分子から第2のアンカーリンカー、2)第3のコアリンカーから第1のアンカーリンカー、またはそれらの組み合せをさらに切断する。いくつかの実施形態では、第1および第2の位置はコア構造の第1の側に位置し、第3の位置はコア構造の第2の側に位置する。
【0021】
いくつかの実施形態では、信号は、安定状態に移行した超分子構造に対応する検出器バーコード、捕捉バーコード、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、安定状態に移行した少なくとも1つの超分子構造の対応する検出器分子からの各検出器バーコードは、対応する信号が、前記対応する検出器分子に結合した分析物分子を検出するためのそれぞれの検出器バーコードを含むように、前記対応する検出器分子から分離されるように構成される。いくつかの実施形態では、分離された各検出器バーコードは、それぞれの検出器分子に結合した分析物分子に対応するDNA信号を提供する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの分離された検出器バーコードは、遺伝子タイピング、qPCR、配列決定、またはそれらの組み合せを使用して分析されるように構成される。いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子構造は、サンプルを多重化するため構成され、サンプル中の複数の分析物分子が同時に検出される。いくつかの実施形態では、各超分子構造の捕捉分子および検出器分子は、1つ以上の特定のタイプの分析物分子に結合するように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、複数の超分子構造の各コア構造は互いに同一である。いくつかの実施形態では、各超分子構造は、複数の超分子構造間の交差反応を低減または排除するように、所定の形状、サイズ、分子量、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、各超分子構造は、複数の捕捉分子および検出器分子を含む。いくつかの実施形態では、各超分子構造は、複数の超分子構造間の交差反応を低減または排除するような、捕捉分子および検出器分子の所定の化学量論比を含む。いくつかの実施形態では、各超分子構造の不安定状態は、第1の超分子構造および第2の超分子構造の捕捉分子および/または検出器分子間での交差反応の発生を低減または阻害するように、所定の距離で離間した捕捉分子および検出器分子をさらに含む。いくつかの実施形態では、所定の距離は、約3nm~約40nmである。いくつかの実施形態では、任意の2つの超分子構造間の平均距離は、それぞれの超分子構造の捕捉分子と検出器分子との間の所定の距離よりも大きい。
【0023】
いくつかの実施形態では、各基質は、ウィジェット、固体支持体、ポリマーマトリックス、固体基質、または分子凝縮物を含む。いくつかの実施形態では、任意の2つの超分子構造間の平均距離は、それぞれの超分子構造の捕捉分子と検出器分子との間の所定の距離よりも大きい。いくつかの実施形態では、ポリマーマトリックスはヒドロゲルビーズを含む。いくつかの実施形態において、1つ以上の超分子基質は、ヒドロゲルビーズに結合される。いくつかの実施形態では、各超分子構造は、対応する超分子構造のそれぞれのコア構造に連結された対応するアンカー分子を介して、ヒドロゲルビーズと共重合される。いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子構造は、ヒドロゲルビーズ内に埋め込まれる。いくつかの実施形態では、単一細胞分解能での細胞内分析物分子検出のために、各ヒドロゲルビーズは、サンプル中の単一細胞と接触するように構成される。いくつかの実施形態では、固体基質は微粒子を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子基質は、微粒子の固体表面に結合される。いくつかの実施形態では、微粒子は、ポリスチレン粒子、シリカ粒子、磁性粒子または常磁性粒子を含む。いくつかの実施形態では、単一細胞分解能での細胞内分析物分子検出のために、各固体基質は、サンプル中の単一細胞と接触するように構成される。いくつかの実施形態では、固体基質は平面基質を含む。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造は平面基質上に配置され、平面基質は複数の結合部位を含み、各結合部位は対応する超分子構造と連結するように構成される。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造は、同じ分析物分子を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、複数の信号伝達要素は、安定状態に移行した少なくとも1つの超分子構造の検出器分子と連結するように構成される。いくつかの実施形態では、各信号伝達要素は、蛍光分子またはマイクロビーズ、蛍光ポリマー、高荷電ナノ粒子またはポリマーを含む。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造のうちの少なくとも1つの超分子構造は、他の超分子構造とは異なる分析物分子を検出するように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、サンプルは、生物学的粒子または生体分子を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、タンパク質、ペプチド、ペプチドの断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、ウイルス粒子、エキソソーム、オルガネラ、またはそれらの任意の複合体を含む水溶液を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、組織生検、血液、血漿、尿、唾液、涙、脳脊髄液、細胞外液、培養細胞、培養培地、廃棄組織、植物物質、合成タンパク質、細菌および/もしくはウイルスサンプルまたは真菌組織、またはそれらの組み合せを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、サンプル中の分析物分子を検出するための超分子構造が提供され、超分子構造は、a)複数のコア分子を含むコア構造と、b)第1の位置で超分子コアに連結された捕捉分子と、c)第2の位置で超分子コアに連結された検出器分子とを含み、超分子構造は、検出器分子がコア構造との間の第2の位置での連結の切断によってコア構造から結合解除されるような不安定状態にあり、超分子構造は、検出器分子、捕捉分子、および分析物分子の間の相互作用によって、不安定状態から安定状態に移行するように構成され、トリガーと相互作用すると、安定状態に移行した超分子構造が分析物分子を検出するための信号を提供する。
【0026】
いくつかの実施形態では、サンプルは複合生物学的サンプルを含み、方法は単一分子感度を提供し、それによって複合生物学的サンプル内のある範囲の分子濃度のダイナミックレンジおよび定量的捕捉を増加させる。いくつかの実施形態では、分析物分子は、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、それらの複合体、またはそれらの任意の組み合せを含む。いくつかの実施形態では、超分子構造はナノ構造である。いくつかの実施形態では、コア構造はナノ構造である。いくつかの実施形態では、コア構造の複数のコア分子は、所定の形状に配置され、かつ/または所定の分子量を有する。いくつかの実施形態では、所定の形状は、別の超分子構造との交差反応性を制限または防止するように構成される。いくつかの実施形態では、各コア構造の複数のコア分子は、1つ以上の核酸鎖、1つ以上の分岐核酸、1つ以上のペプチド、1つ以上の小分子、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、コア構造は独立して、骨格デオキシリボ核酸(DNA)オリガミ、骨格リボ核酸(RNA)オリガミ、骨格ハイブリッドDNA:RNAオリガミ、一本鎖DNAタイル構造、多本鎖DNAタイル構造、一本鎖RNAオリガミ、多本鎖RNAタイル構造、複数の骨格を有する階層的に構成されたDNAもしくはRNAオリガミ、ペプチド構造、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、トリガーは、デコンストラクタ(deconstructor)分子、トリガー信号、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、デコンストラクタ(deconstructor)分子は、DNA、RNA、ペプチド、小有機分子、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、トリガー信号は、光信号、電気信号、またはその両方を含む。いくつかの実施形態では、トリガー光信号は、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、近赤外照明、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、分析物分子は、1)化学結合によって捕捉分子に結合し、かつ/または2)化学結合によって検出器分子に結合する。いくつかの実施形態では、各超分子構造の捕捉分子および検出器分子は、独立して、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNAおよびDNA)、フルオロフォア、ダルピン、触媒、重合開始剤、PEGのようなポリマー、またはそれらの組み合せを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、超分子構造については、a)捕捉分子は捕捉バーコードを介してコア構造に連結されており、捕捉バーコードは第1の捕捉リンカー、第2の捕捉リンカー、および第1の捕捉リンカーと第2の捕捉リンカーとの間に配置された捕捉架橋を含み、第1の捕捉リンカーは、コア構造上の第1の位置に結合している第1のコアリンカーに結合されており、捕捉分子および第2の捕捉リンカーは、第3の捕捉リンカーへの結合を介して共に連結されており、b)検出器分子は、検出器バーコードを介してコア構造に連結されており、検出器バーコードは、第1の検出器リンカー、第2の検出器リンカー、および第1の検出器リンカーと第2の検出器リンカーとの間に配置された検出器架橋を含み、第1の検出器リンカーは、コア構造上の第2の位置に結合されている第2のコアリンカーに結合されており、検出器分子および第2の検出器リンカーは、第3の検出器リンカーへの結合を介して互いに連結されている。いくつかの実施形態では、捕捉架橋および検出器架橋は、独立してポリマーコアを含む。いくつかの実施形態では、捕捉架橋のポリマーコアおよび検出器架橋のポリマーコアは、独立して、特定の配列の核酸(DNAもしくはRNA)またはPEGのようなポリマーを含む。いくつかの実施形態において、第1のコアリンカー、第2のコアリンカー、第1の捕捉リンカー、第2の捕捉リンカー、第3の捕捉リンカー、第1の検出器リンカー、第2の検出器リンカーおよび第3の検出器リンカーは、独立して、反応性分子またはDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、各反応性分子は、独立して、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHS-エステル、特定の配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、1つ以上のPEGのようなポリマーもしくは重合開始剤、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態において、捕捉バーコードと、1)第1のコアリンカー、および/または2)第3の捕捉リンカーとの間の連結は化学結合を含む。いくつかの実施形態では、化学結合は共有結合を含む。いくつかの実施形態において、検出器バーコードと、1)第2のコアリンカー、および/または2)第3の検出器リンカーとの間の連結は化学結合を含む。いくつかの実施形態では、化学結合は共有結合を含む。いくつかの実施形態において、トリガーは、1)第1の検出器リンカーと第2のコアリンカーとの間、および/または2)第1の捕捉リンカーと第1のコアリンカーとの間の連結を切断する。いくつかの実施形態では、捕捉分子は化学結合によって第3の捕捉リンカーに結合され、かつ/または検出器分子は化学結合によって第3の検出器リンカーに結合される。いくつかの実施形態では、捕捉分子は第3の捕捉リンカーに共有結合し、かつ/または検出器分子は第3の検出器リンカーに共有結合している。いくつかの実施形態では、不安定状態の超分子構造は、超分子構造の捕捉分子および/または検出器分子と、別の超分子構造の対応する捕捉分子および/または検出器分子との間の交差反応の発生を低減または阻害するように、所定の距離で離間したそれぞれの捕捉分子および検出器分子を含む。いくつかの実施形態では、所定の距離は、約3nm~約40nmである。
【0028】
いくつかの実施形態では、超分子構造は、コア構造に連結されたアンカー分子をさらに含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子は、アンカーバーコードを介してコア構造に連結され、アンカーバーコードは、第1のアンカーリンカー、第2のアンカーリンカー、および第1のアンカーリンカーと第2のアンカーリンカーとの間に配置されたアンカー架橋を含み、第1のアンカーリンカーは、コア構造上の第3の位置に結合された第3のコアリンカーに結合され、アンカー分子は第2のアンカーリンカーに連結されている。いくつかの実施形態では、アンカー分子は、独立して、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHS-エステル、特定の配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、1つ以上のPEGのようなポリマーもしくは重合開始剤、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、アンカー架橋はポリマーコアを含む。いくつかの実施形態では、アンカー架橋のポリマーコアは、特定の配列の核酸(DNAもしくはRNA)またはPEGのようなポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第3のコアリンカー、第1のアンカーリンカー、第2のアンカーリンカー、およびアンカー分子は、独立して、アンカー反応性分子またはDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、各アンカー反応性分子は、独立して、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHS-エステル、特定の配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、1つ以上のPEGのようなポリマーもしくは重合開始剤、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子は、化学結合を介して第2のアンカーリンカーに連結されている。いくつかの実施形態では、アンカー分子は、第2のアンカーリンカーに共有結合している。いくつかの実施形態では、トリガーは、1)アンカー分子から第2のアンカーリンカー、2)第3のコアリンカーから第1のアンカーリンカー、またはそれらの組み合せをさらに切断する。いくつかの実施形態では、第1および第2の位置はコア構造の第1の側に位置し、第3の位置はコア構造の第2の側に位置する。
【0029】
いくつかの実施形態では、信号は、安定状態に移行した超分子構造に対応する検出器バーコード、捕捉バーコード、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、安定状態に移行した超分子構造の対応する検出器分子からの各検出器バーコードは、対応する信号が、前記対応する検出器分子に結合した分析物分子を検出するためのそれぞれの検出器バーコードを含むように、前記対応する検出器分子から分離されるように構成される。いくつかの実施形態では、分離された検出器バーコードは、それぞれの検出器分子に結合した分析物分子に対応するDNA信号を提供する。いくつかの実施形態では、分離された検出器バーコードは、遺伝子タイピング、qPCR、配列決定、またはそれらの組み合せを使用して分析されるように構成される。いくつかの実施形態では、超分子構造の捕捉分子および検出器分子は、1つ以上の特定のタイプの分析物分子に結合するように構成される。
【0030】
いくつかの実施形態では、超分子構造は、別の超分子構造との交差反応を低減または排除するような、所定の形状、サイズ、分子量、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、超分子構造は、複数の捕捉分子および検出器分子を含む。いくつかの実施形態では、超分子構造は、別の超分子構造との交差反応を低減または排除するような、捕捉分子および検出器分子の所定の化学量論比を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、サンプルは、生物学的粒子または生体分子を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、タンパク質、ペプチド、ペプチドの断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、ウイルス粒子、エキソソーム、オルガネラ、またはそれらの任意の複合体を含む水溶液を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、組織生検、血液、血漿、尿、唾液、涙、脳脊髄液、細胞外液、培養細胞、培養培地、廃棄組織、植物物質、合成タンパク質、細菌および/もしくはウイルスサンプルまたは真菌組織、またはそれらの組み合せを含む。
【0032】
参照による組み込み
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、あたかも各個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
ここで、開示された装置、送達システム、または方法の特定の実施形態を、図面を参照して説明する。この詳細な説明のいずれも、任意の特定の構成要素、特徴、またはステップが本発明に必須であることを暗示することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】超分子構造および関連する下位要素の例示的な描写を示す。
図2】組み立てられた3アーム核酸接合ベースの超分子構造および関連する下位要素の例示的な描写を示す。
図3図2の3アーム核酸接合ベースの超分子構造の個々の下位要素の例示的な描写を示す。
図4図2の3アーム核酸接合ベースの超分子構造の個々の下位要素に対応する、デコンストラクタ(deconstructor)分子の例示的な描写を示す。
図5】組み立てられたDNAオリガミベースの超分子構造および関連する下位要素の例示的な描写を示す。
図6図5のDNAオリガミベースの超分子構造の個々の下位要素の例示的な描写を示す。
図7図5のDNAオリガミベースの超分子構造の個々の下位要素に対応する、デコンストラクタ(deconstructor)分子の例示的な描写を示す。
図8】トリガー(例えば、デコンストラクタ(deconstructor)分子との相互作用)に曝される前および後の、不安定状態の超分子構造の例示的な描写を提供する。
図9】トリガー(例えば、デコンストラクタ(deconstructor)分子との相互作用)に曝される前および後の、安定状態の超分子構造の例示的な描写を提供する。
図10】分析物分子との相互作用後に不安定状態から安定状態に移行する超分子構造、およびトリガー(例えば、デコンストラクタ(deconstructor)分子との相互作用)に曝される前および後のそれぞれの構成の例示的な描写を提供する。
図11】分析物分子との相互作用後に安定状態から不安定状態に移行する超分子構造、およびトリガー(例えば、デコンストラクタ(deconstructor)分子との相互作用)に曝される前および後のそれぞれの構成の例示的な描写を提供する。
図12】複数の超分子構造を使用して分析物分子を検出および定量する方法の例示的な描写を提供する。
図13】複数の超分子構造と結合したヒドロゲルビーズを形成する方法の例示的な描写を提供する。
図14】液滴技術を使用して、複数の超分子構造と結合したヒドロゲルビーズを形成する方法の例示的な描写を提供する。
図15】固体基質(例えば、微粒子)上に複数の超分子構造を結合させる例示的な描写を提供する。
図16】ヒドロゲルビーズ内に埋め込まれた複数の超分子構造を使用して分析物分子を検出および定量する方法の例示的な描写を提供する。
図17】細胞内分析物分子を検出および定量するための方法の一部として、液滴中のヒドロゲルビーズ内に埋め込まれた単一細胞および超分子構造を捕捉する例示的な描写を提供する。
図18】細胞内分析物分子を検出および定量するための方法の一部として、ヒドロゲルビーズ内に埋め込まれた単一細胞および超分子構造を封入する液滴を収集および処理する例示的な描写を提供する。
図19】細胞内分析物分子を検出および定量するための方法の一部として、捕捉された細胞内分析物分子(図18より)および液滴中のバーコード化されたビーズを含む超分子構造を捕捉する例示的な描写を提供する。
図20】細胞内分析物分子を検出および定量するための方法の一部として、捕捉された細胞内分析物分子(図18より)および液滴中のバーコード化されたビーズを含む超分子構造を封入する液滴を収集および処理する例示的な描写を提供する。
図21】平面基質に結合した複数の超分子構造を使用して分析物分子を検出および定量する方法の例示的な描写を提供する。
図22】3部(3pt)ウィジェットおよび5部(5pt)ウィジェットを含む2つの例示的なDNAウィジェットを作成するためのDNA鎖(S1、S2、コア)およびDNA集合体(W1、W2、W3、W4、W5、W6、W7)の例示的な描写を提供する。
図23】基本的な3部ウィジェットを作成するためのDNA成分(S1、S2、コア)の例示的な描写を提供する。
図24】架橋、放出、3ptウィジェット、および5ptウィジェットの動作原理の例示的な描写を提供する。
図25図24に示す動作原理を実証するためのアガロースゲルの例示的な描写を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本明細書では、サンプル中に存在する1つ以上の分析物分子を検出するための構造および方法が開示される。いくつかの実施形態では、1つ以上の分析物分子は、1つ以上の超分子構造を使用して検出される。いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子構造は、特に、互いに交差反応性を最小限に抑えるように設計される。いくつかの実施形態では、超分子構造は双安定性であり、超分子構造が、サンプルからの1つ以上の分析物分子との相互作用を介して不安定状態から安定状態に移行する。いくつかの実施形態では、安定状態の超分子構造は、分析物分子の検出および定量化のための信号を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、分析物分子の検出および定量化が分析物分子の存在をDNA信号に変換することを含むように、信号はDNA信号と相関する。
【0036】
サンプル
いくつかの実施形態では、サンプルは、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、それらの複合体、またはそれらの任意の組み合せを含む水溶液を含む。いくつかの実施形態では、サンプル中の分析物分子は、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、それらの複合体、またはそれらの任意の組み合せを含む。いくつかの実施形態では、分析物分子は、インタクトなタンパク質、変性タンパク質、部分的もしくは完全に分解されたタンパク質、ペプチド断片、変性核酸、分解された核酸断片、それらの複合体、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、組織、細胞、組織および/もしくは細胞の環境、またはそれらの組み合せから得られる。いくつかの実施形態では、サンプルは、組織生検、血液、血漿、尿、唾液、涙、脳脊髄液、細胞外液、培養細胞、培養培地、廃棄組織、植物物質、合成タンパク質、細菌、ウイルスサンプル、真菌組織、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、精製された、またはされていない一次供給源、例えば組織、体液(例えば、血液)、環境サンプル、またはそれらの組み合せから単離される。いくつかの実施形態では、機械的プロセスまたは他の細胞溶解方法(例えば、溶解緩衝液)を使用して細胞を溶解する。いくつかの実施形態では、サンプルは、機械的プロセス(例えば、遠心分離)、ミクロン濾過、クロマトグラフィーカラム、他の濾過方法、またはそれらの組み合せを使用して濾過される。いくつかの実施形態では、サンプルを1つ以上の酵素で処理して、1つ以上の核酸または1つ以上のタンパク質を取り出す。いくつかの実施形態では、サンプルは、インタクトなタンパク質、変性タンパク質、部分的もしくは完全に分解されたタンパク質、ペプチド断片、変性核酸、または分解された核酸断片を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、1人以上の個人、1匹以上の動物、1つ以上の植物、またはそれらの組み合せから収集される。いくつかの実施形態では、サンプルは、感染症、免疫障害、癌、遺伝性疾患、変性疾患、生活習慣病、傷害、希少疾患、加齢性疾患、またはそれらの組み合せを含む疾患または障害を有する個人、動物および/または植物から収集される。
【0037】
超分子構造
いくつかの実施形態では、超分子構造は、分子を空間的に構成することができるプログラム可能な構造である。いくつかの実施形態では、超分子構造は、互いに連結された複数の分子を含む。いくつかの実施形態では、超分子構造の複数の分子は、少なくとも互いのいくつかと相互作用する。いくつかの実施形態では、超分子構造は、特定の形状を含む。いくつかの実施形態では、超分子ナノ構造は、超分子構造体の複数の分子に基づく所定の分子量を含む。いくつかの実施形態では、超分子構造はナノ構造である。いくつかの実施形態では、複数の分子は、結合、化学結合、物理的結合、またはそれらの組み合せを介して互いに連結される。いくつかの実施形態では、超分子構造は、互いに特異的に相互作用する明確に定義された数のより小さい分子から形成された、特定の形状および分子量の大きな分子実体を含む。いくつかの実施形態では、超分子構造の構造的、化学的、および物理的特性が明示的に設計される。いくつかの実施形態では、超分子構造は、所定の距離よって離間された複数の下位要素を含む。いくつかの実施形態では、超分子構造の少なくとも一部は剛性である。いくつかの実施形態では、超分子構造の少なくとも一部は半剛性である。いくつかの実施形態では、超分子構造の少なくとも一部は柔軟性である。
【0038】
図1は、コア構造13、捕捉分子2、検出器分子1、およびアンカー分子18を含む超分子構造40の例示的な実施形態を提供する。いくつかの実施形態では、超分子構造は、1つ以上の捕捉分子2、1つ以上の検出器分子1、および場合により1つ以上のアンカー分子18を含む。いくつかの実施形態では、超分子構造はアンカー分子を含まない。いくつかの実施形態では、超分子構造はポリヌクレオチド構造である。
【0039】
いくつかの実施形態では、コア構造13は、互いに連結された1つ以上のコア分子を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のコア分子は、互いに連結された2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、50、100、200または500個の固有分子を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のコア分子は、約2個の固有分子から約1000個の固有の分子を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のコア分子は互いに相互作用し、超分子構造の特定の形状を画定する。いくつかの実施形態では、複数のコア分子は、可逆的な非共有結合相互作用を介して互いに相互作用する。いくつかの実施形態では、コア構造の特定の形状は、三次元(3D)構成である。いくつかの実施形態では、1つ以上のコア分子は、特定の分子量を提供する。いくつかの実施形態では、コア構造13はナノ構造である。いくつかのケースでは、1つ以上のコア分子は、1つ以上の核酸鎖(例えば、DNA、RNA、非天然核酸)、1つ以上の分岐核酸、1つ以上のペプチド、1つ以上の小分子、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の核酸鎖は、一本鎖足場鎖および3本以上のステープル鎖を含む。いくつかの実施形態では、コア構造はポリヌクレオチド構造を含む。いくつかの実施形態では、コア構造の少なくとも一部は剛性である。いくつかの実施形態では、コア構造の少なくとも一部は半剛性である。いくつかの実施形態では、コア構造の少なくとも一部は柔軟性である。いくつかの実施形態では、コア構造は、骨格デオキシリボ核酸(DNA)オリガミ、骨格リボ核酸(RNA)オリガミ、骨格ハイブリッドDNA/RNAオリガミ、一本鎖DNAタイル構造、多本鎖DNAタイル構造、一本鎖DNAオリガミ、一本鎖RNAオリガミ、一本鎖RNAタイル構造、多本鎖RNAタイル構造、複数の骨格を有する階層的に構成されたDNAおよび/もしくはRNAオリガミ、ペプチド構造、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、DNAオリガミは足場状に組まれる。いくつかの実施形態では、RNAオリガミは足場状に組まれる。いくつかの実施形態では、ハイブリッドDNA/RNAオリガミは足場状に組まれる。いくつかの実施形態では、コア構造は、DNAオリガミ、RNAオリガミ、または所定の二次元(2D)または3D形状を含むハイブリッドDNA/RNAオリガミを含む。
【0040】
本明細書で使用される場合、いくつかの実施形態における「一緒に連結される」という用語は、化学結合の形成を可能にすることを指す。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される場合、化学結合は、原子、イオンまたは分子間の持続的な引力を指す。結合は、共有結合、イオン結合、水素結合、ファンデルワールス相互作用、またはそれらの任意の組み合せを含む。いくつかの実施形態では、「一緒に連結される」という用語は、核酸のハイブリダイゼーションを指し、それは、2つの相補的な一本鎖DNAまたはRNA分子を組み合せ、塩基対合によってそれらに単一の二本鎖分子を形成させるプロセスである。
【0041】
本明細書で使用される場合、「核酸オリガミ」という用語は、一般に、天然に存在する核酸の二次構造(例えば、螺旋構造)に加えて、操作された三次構造(例えば、二次構造の折り畳みおよび相対配向)または四次構造(例えば、互いに共有結合していない鎖間のハイブリダイゼーション)を含む核酸構築物を指す。核酸オリガミは、DNA、RNA、PNA、修飾もしくは非天然核酸、またはそれらの組み合せを含み得る。核酸オリガミは、「足場鎖」を含むことができる。足場鎖は、環状(すなわち、5’末端および3’末端を欠いている)または線状(すなわち、5’末端および/または3’末端を有する)であり得る。核酸オリガミは、配列相補性を介してハイブリダイズして、オリガミ粒子の操作された構造を生成する複数のオリゴヌクレオチド(「ステープル鎖」)を含み得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、足場鎖および/または他のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができる。核酸オリガミは、一本鎖もしくは二本鎖核酸のセクション、またはそれらの組み合せを含み得る。例示的な核酸オリガミ構造は、ナノチューブ、ナノワイヤ、ケージ、タイル、ナノスフェア、ブロック、およびそれらの組み合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、DNAオリガミは、一本鎖領域と二本鎖領域の両方を含む。
【0042】
図1に示すように、いくつかの実施形態では、コア構造13は、捕捉分子2、検出器分子1、アンカー分子18、またはそれらの組み合せに連結されるように構成される。いくつかの実施形態では、捕捉分子2、検出器分子1、および/またはアンカー分子18は、コアナノ構造13に関して、それに連結された場合に固定化される。いくつかの実施形態では、1つ以上の任意の数のコア分子は、捕捉分子2、検出器分子1、および/またはアンカー分子18と連結を形成するように構成された1つ以上のコアリンカー10、12、14を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の任意の数のコア分子は、捕捉分子2、検出器分子1、および/またはアンカー分子18と連結を形成するように構成された1つ以上のコアリンカー10、12、14と連結するように構成される。いくつかの実施形態において、1つ以上のコアリンカーは、化学結合を介して1つ以上のコア分子に連結される。いくつかの実施形態において、1つ以上のコアリンカーの少なくとも1つは、コア反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、各コア反応性分子は、独立して、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定の配列の一本鎖核酸(例えば、RNAまたはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)または1つ以上の重合開始剤)を含む。いくつかの実施形態において、1つ以上のコアリンカーの少なくとも1つは、DNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のコアリンカーは、特にコア構造から突出する少なくとも1つの伸長したステープル鎖を含む。いくつかの実施形態では、伸長したステープル鎖は、コア反応性分子とコンジュゲートする(化学結合を作る)ことができる。いくつかの実施形態では、伸長したステープル鎖の位置は、予め決定されている。
【0043】
いくつかの実施形態では、コア構造13は、1)コア構造上の所定の第1の位置にある捕捉分子2、2)コア構造上の所定の第2の位置にある検出器分子1、および場合により3)コア構造体上の所定の第3の位置にあるアンカー分子18に連結される。いくつかの実施形態では、特定の第1のコアリンカー12は、コア構造上の第1の位置に配置され、特定の第2のコアリンカー10は、コア構造上の第2の位置に配置される。いくつかの実施形態において、第1の位置にある1つ以上のコア分子は、第1のコアリンカー12との連結を形成するように修飾される。いくつかの実施形態では、第1のコアリンカー12は、コア構造13の伸長である。いくつかの実施形態では、第1のコアリンカー12は、特にコア構造13から突出する伸長したステープル鎖である。いくつかの実施形態では、第2の位置にある1つ以上のコア分子は、第2のコアリンカー10との連結を形成するように修飾される。いくつかの実施形態では、第2のコアリンカー10は、コア構造13の伸長である。いくつかの実施形態では、第2のコアリンカー10は、特にコア構造13から突出する伸長したステープル鎖である。いくつかの実施形態では、コア構造13の3D形状ならびに第1および第2の位置の相対距離は、捕捉分子2と検出器分子1との間の分子内相互作用を最大化するように指定される。いくつかの実施形態では、コア構造13の3D形状ならびに第1および第2の位置の相対距離は、捕捉分子2と検出器分子1との間の分子内相互作用を最大化するための、捕捉分子2と検出器分子1との間の所望の距離を得るように指定される。
【0044】
本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態では、捕捉分子2と検出器分子1との間の距離は、約3nm、4nm、5nm、6nm、10nm、12nm、15nm、20nm、30nm、または40nmである。いくつかの実施形態では、捕捉分子2と検出器分子1との間の距離は、約1nm~約60nmである。いくつかの実施形態では、捕捉分子2と検出器分子1との間の距離は、約1nm~約2nm、約1nm~約5nm、約1nm~約10nm、約1nm~約20nm、約1nm~約40nm、約1nm~約60nm、約2nm~約5nm、約2nm~約10nm、約2nm~約20nm、約2nm~約40nm、約2nm~約60nm、約5nm~約10nm、約5nm~約20nm、約5nm~約40nm、約5nm~約60nm、約10nm~約20nm、約10nm~約40nm、約10nm~約60nm、約20nm~約40nm、約20nm~約60nm、または約40nm~約60nmであり、それらのインクリメントを含む。いくつかの実施形態では、捕捉分子2と検出器分子1との間の距離は、約1nm、約2nm、約5nm、約10nm、約20nm、約40nm、または約60nmである。いくつかの実施形態では、捕捉分子2と検出器分子1との間の距離は、少なくとも約1nm、約2nm、約5nm、約10nm、約20nm、または約40nmである。いくつかの実施形態では、捕捉分子2と検出器分子1との間の距離は、最大で約2nm、約5nm、約10nm、約20nm、約40nm、または約60nmである。
【0045】
本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態では、第1の位置(捕捉分子2に対応する)と第2の位置(検出器分子1に対応する)との間の距離は、約3nm、4nm、5nm、6nm、10nm、12nm、15nm、20nm、30nm、または40nmである。いくつかの実施形態では、捕捉分子2と検出器分子1との間の距離は、約1nm~約60nmである。いくつかの実施形態では、第1の位置(捕捉分子2に対応する)と第2の位置(検出器分子1に対応する)との間の距離は、約1nm~約2nm、約1nm~約5nm、約1nm~約10nm、約1nm~約20nm、約1nm~約40nm、約1nm~約60nm、約2nm~約5nm、約2nm~約10nm、約2nm~約20nm、約2nm~約40nm、約2nm~約60nm、約5nm~約10nm、約5nm~約20nm、約5nm~約40nm、約5nm~約60nm、約10nm~約20nm、約10nm~約40nm、約10nm~約60nm、約20nm~約40nm、約20nm~約60nm、または約40nm~約60nmであり、それらのインクリメントを含む。いくつかの実施形態では、第1の位置(捕捉分子2に対応する)と第2の位置(検出器分子1に対応する)との間の距離は、約1nm、約2nm、約5nm、約10nm、約20nm、約40nm、または約60nmである。いくつかの実施形態では、捕捉分子2と検出器分子1との間の距離は、少なくとも約1nm、約2nm、約5nm、約10nm、約20nm、または約40nmである。いくつかの実施形態では、捕捉分子2と検出器分子1、第1の位置(捕捉分子2に対応する)と第2の位置(検出器分子1に対応する)との間の距離は、最大で約2nm、約5nm、約10nm、約20nm、約40nm、または約60nmである。
【0046】
いくつかの実施形態において、特定の第3のコアリンカー14は、コア構造13上の第3の位置に配置される。いくつかの実施形態では、第3の位置にある1つ以上のコア分子は、第3のコアリンカー14との連結を形成するように修飾される。いくつかの実施形態では、第3のコアリンカー14は、コア構造13の伸長である。いくつかの実施形態では、第1および第2の位置はコア構造13の第1の側に配置され、任意の第3の位置はコア構造13の第2の側に配置される。いくつかの実施形態では、第3のコアリンカー14は、特にコア構造13から突出する少なくとも1つの伸長したステープル鎖を含む。いくつかの実施形態では、伸長したステープル鎖は、コア反応性分子とコンジュゲートする(化学結合を作る)ことができる。いくつかの実施形態では、伸長したステープル鎖の位置は、予め決定されている。
【0047】
いくつかの実施形態では、捕捉分子2は、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNAおよびDNA)、フルオロフォア、ナノボディ、ダルピン、触媒、重合開始剤、PEGのようなポリマー、有機分子、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、検出器分子1は、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNAおよびDNA)、フルオロフォア、ナノボディ、ダルピン、触媒、重合開始剤、PEGのようなポリマー、有機分子、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子18は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子18は、反応性分子を含むDNA鎖を含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子18は、独立して、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定の配列の一本鎖核酸(例えば、RNAまたはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)または1つ以上の重合開始剤)を含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子18は、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNAおよびDNA)、フルオロフォア、ナノボディ、ダルピン、触媒、重合開始剤、PEGのようなポリマー、有機分子、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、捕捉分子2および対応する検出器分子1の単一の対が、コア構造13に連結される。いくつかの実施形態では、捕捉分子2および対応する検出器分子1の複数の対が、コア構造13に連結される。いくつかの実施形態では、捕捉分子2および対応する検出器分子1の複数の対は、クロストークを最小限に抑えるために、すなわち、第2の対からの捕捉および/または検出器分子と相互作用する第1の対からの捕捉および/または検出器分子を最小限に抑えるために、互いに離間している。
【0048】
いくつかの実施形態では、超分子構造の各構成要素を単独で修飾または調整することができる。いくつかの実施形態では、超分子構造の構成要素の1つ以上を修飾することにより、超分子構造自体の2Dおよび3Dジオメトリーを変更することができる。いくつかの実施形態では、超分子構造の構成要素の1つ以上を修飾することにより、コア構造の2Dおよび3Dジオメトリーを変更することができる。いくつかの実施形態では、超分子ナノ構造の構成要素を独立して修飾するそのような能力は、固体表面(例えば、平面または微粒子)および3D体積(例えば、ヒドロゲルマトリックス内)上の1つ以上の超分子構造の構成に対する正確な制御を可能にする。
【0049】
捕捉バーコード
図1に示すように、いくつかの実施形態では、捕捉分子2は、捕捉バーコード20を介してコア構造13に連結される。いくつかの実施形態では、捕捉バーコード20は捕捉分子2と連結を形成し、捕捉バーコード20はコア構造13と連結を形成する。いくつかの実施形態では、捕捉バーコード20は、第1の捕捉リンカー11、第2の捕捉リンカー6、および捕捉架橋7を含む。いくつかの実施形態では、第1の捕捉リンカー11は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、第1の捕捉リンカー11は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、アジド、アクリダイト、特定の配列の一本鎖核酸(例えば、RNAまたはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)または1つ以上の重合開始剤)を含む。いくつかの実施形態では、第1の捕捉リンカー11はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、DNA配列ドメインは、第1のコアリンカー12のDNA配列ドメインに相補的である。いくつかの実施形態では、第2の捕捉リンカー6は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、第2の捕捉リンカー6は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、ビオチン、マレイミド、アジド、アクリダイト、特定の配列の一本鎖核酸(例えば、RNAまたはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)または1つ以上の重合開始剤)を含む。いくつかの実施形態では、第2の捕捉リンカーはDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、DNA配列ドメインは、第3の捕捉リンカー5のDNA配列ドメインに相補的である。いくつかの実施形態では、捕捉架橋7はポリマーを含む。いくつかの実施形態では、捕捉架橋7は、特定の配列の核酸(例えば、DNAまたはRNA)を含むポリマーを含む。いくつかの実施形態では、捕捉架橋7は、PEGなどのポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第1の捕捉リンカー11は、捕捉架橋7にその第1の末端で結合され、第2の捕捉リンカー6は、捕捉架橋7にその第2の末端で結合される。いくつかの実施形態では、第1の捕捉リンカー11は、化学結合を介して捕捉架橋7に結合している。いくつかの実施形態では、第2の捕捉リンカー6は、化学結合を介して捕捉架橋7に結合している。いくつかの実施形態では、第1の捕捉リンカー11は、物理的結合を介して捕捉架橋7に結合している。いくつかの実施形態では、第2の捕捉リンカー6は、物理的結合を介して捕捉架橋7に結合している。
【0050】
いくつかの実施形態では、捕捉バーコード20は、第1の捕捉リンカー11と第1のコアリンカー12との間の連結を介してコア構造13に連結されている。いくつかの実施形態では、本明細書で記載されるように、第1のコアリンカー12は、コア構造13上の第1の位置に配置される。いくつかの実施形態では、第1の捕捉リンカー11および第1のコアリンカー12は、化学結合を介して互いに連結されている。いくつかの実施形態では、第1の捕捉リンカー11および第1のコアリンカー12は、共有結合を介して互いに連結されている。いくつかの実施形態では、第1の捕捉リンカー11および第1のコアリンカー12は、一本鎖核酸間のハイブリダイゼーションによって一緒に連結されている。いくつかの実施形態では、第1の捕捉リンカー11と第1のコアリンカー12との間の連結は、トリガーに曝されると可逆的である。いくつかの実施形態では、トリガーは、デコンストラクタ(deconstructor)分子(「捕捉デコンストラクタ(deconstructor)分子」、例えば、図4図7の参照符号30)との相互作用、またはトリガー信号への曝露を含む。いくつかの実施形態では、捕捉デコンストラクタ(deconstructor)分子は、核酸(DNAまたはRNA)、ペプチド、小有機分子、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、トリガー信号は光信号を含む。いくつかの実施形態では、トリガー信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、近赤外照明を含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、捕捉バーコード20は、第2の捕捉リンカー6と、捕捉分子2に結合している第3の捕捉リンカー5との間の連結を介して、捕捉分子2に連結している。いくつかの実施形態では、第3の捕捉リンカー5は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、第3の捕捉リンカー5は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定の配列の一本鎖核酸(例えば、RNAまたはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)または1つ以上の重合開始剤)を含む。いくつかの実施形態では、第3の捕捉リンカー5はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第3の捕捉リンカー5および第2のリンカー6の特定のDNA配列ドメインは、互いに相補的である。いくつかの実施形態では、捕捉分子2は、化学結合を介して第3の捕捉リンカー5に結合される。いくつかの実施形態では、捕捉分子2は、共有結合を介して第3の捕捉リンカー5に結合される。いくつかの実施形態では、第2の捕捉リンカー6および第3の捕捉リンカー5は、化学結合を介して一緒に連結されている。いくつかの実施形態では、第2のリンカー6および第3の捕捉リンカー5は、共有結合を介して一緒に連結されている。いくつかの実施形態では、第3の捕捉リンカー5および第2の捕捉リンカー6は、一本鎖核酸間のハイブリダイゼーションによって一緒に連結されている。いくつかの実施形態では、第2の捕捉リンカー6と第3の捕捉リンカー5との間の連結は、トリガーに曝されると可逆的である。いくつかの実施形態では、トリガーは、デコンストラクタ(deconstructor)分子(「捕捉バーコード放出分子」、例えば、図4図7の参照符号31)との相互作用、またはトリガー信号への曝露を含む。いくつかの実施形態では、捕捉バーコード放出分子は、核酸(DNAまたはRNA)、ペプチド、小有機分子、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、トリガー信号は光信号を含む。いくつかの実施形態では、トリガー信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、近赤外照明を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、トリガーに曝されると、第1の捕捉リンカー11と第1のコアリンカー12との間の連結のみが切断され、それにより、第1の位置で捕捉分子のコアナノ構造13との連結が切断される。いくつかの実施形態では、捕捉バーコード20は、コア構造13および捕捉分子2から分離されると、分析物分子を検出するための信号を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、捕捉バーコード20から提供される信号は、DNA信号である。
【0053】
本明細書で使用される場合、いくつかの実施形態における「DNA信号」という用語は、核酸配列決定プロセスによって同定され得るコアナノ構造または特定のDNA配列のあらゆる変化を指す(例えば、捕捉バーコード、検出器バーコード)。
【0054】
検出器バーコード
図1に示すように、いくつかの実施形態では、検出器分子1は、検出器バーコード21を介してコア構造13に連結される。いくつかの実施形態では、検出器バーコード21は検出器分子1と連結を形成し、検出器バーコード21はコア構造13と連結を形成する。いくつかの実施形態では、検出器バーコードは、第1の検出器リンカー9、第2の検出器リンカー4、および検出器架橋8を含む。いくつかの実施形態では、第1の検出器リンカー9は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、第1の検出器リンカー9は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定の配列の一本鎖核酸(例えば、RNAまたはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)または1つ以上の重合開始剤)を含む。いくつかの実施形態では、第1の検出器リンカー9はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、DNA配列ドメインは、第2のコアリンカー10のDNA配列ドメインに相補的である。いくつかの実施形態では、第2の検出器リンカー4は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、第2の検出器リンカー4は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定の配列の一本鎖核酸(例えば、RNAまたはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)または1つ以上の重合開始剤)を含む。いくつかの実施形態では、第2の検出器リンカー4はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、DNA配列ドメインは、第3の検出器リンカー3のDNA配列ドメインに相補的である。いくつかの実施形態では、検出器架橋8はポリマーを含む。いくつかの実施形態では、検出器架橋8は、特定の配列の核酸(DNAまたはRNA)を含むポリマーを含む。いくつかの実施形態では、検出器架橋8は、PEGなどのポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第1の検出器リンカー9は、検出器架橋8にその第1の末端で結合され、第2の検出器リンカー4は、検出器架橋8にその第2の末端で結合される。いくつかの実施形態では、第1の検出器リンカー9は、化学結合を介して検出器架橋8に結合している。いくつかの実施形態では、第2の検出器リンカー4は、化学結合を介して検出器架橋8に結合している。いくつかの実施形態では、第1の検出器リンカー9は、物理的結合を介して検出器架橋8に結合している。いくつかの実施形態では、第2の検出器リンカー4は、物理的結合を介して検出器架橋8に結合している。
【0055】
いくつかの実施形態では、検出器バーコード21は、第1の検出器リンカー9と第2のコアリンカー10との間の連結を介してコア構造13に連結されている。いくつかの実施形態では、本明細書で記載されるように、第2のコアリンカー10は、コア構造13上の第2の位置に配置される。いくつかの実施形態では、第1の検出器リンカー9および第2のコアリンカー10は、化学結合を介して一緒に連結されている。いくつかの実施形態では、第1の検出器リンカー9および第2のコアリンカー10は、共有結合を介して一緒に連結されている。いくつかの実施形態では、第1の検出器リンカー9および第2のコアリンカー10は、一本鎖核酸間のハイブリダイゼーションによって一緒に連結されている。いくつかの実施形態では、第1の検出器リンカー9と第2のコアリンカー10との間の連結は、トリガーに曝されると可逆的である。いくつかの実施形態では、トリガーは、デコンストラクタ(deconstructor)分子(「検出器デコンストラクタ(deconstructor)分子」、例えば、図4図7の参照符号28)との相互作用、またはトリガー信号への曝露を含む。いくつかの実施形態では、検出器デコンストラクタ(deconstructor)分子は、核酸(DNAまたはRNA)、ペプチド、小有機分子、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、トリガー信号は光信号を含む。いくつかの実施形態では、トリガー信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、近赤外照明を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、検出器バーコード21は、第2の検出器リンカー4と、検出器分子1に結合した第3の検出器リンカー3との間の連結を介して検出器分子1に連結される。いくつかの実施形態では、第3の検出器リンカー3は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、第3の検出器リンカー3は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定の配列の一本鎖核酸(例えば、RNAまたはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)または1つ以上の重合開始剤)を含む。いくつかの実施形態では、第3の検出器リンカー3はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第3の検出器リンカー3および第2の検出器リンカー4の特定のDNA配列ドメインは、互いに相補的である。いくつかの実施形態では、検出器分子1は、化学結合を介して第3の検出器リンカー3に結合される。いくつかの実施形態では、検出器分子1は、共有結合を介して第3の検出器リンカー3に結合される。いくつかの実施形態では、第2の検出器リンカー4および第3の検出器リンカー3は、化学結合を介して一緒に連結されている。いくつかの実施形態では、第2の検出器リンカー4および第3の検出器リンカー3は、共有結合を介して一緒に連結されている。いくつかの実施形態では、第3の検出器リンカー3および第2の検出器リンカー4は、一本鎖核酸間のハイブリダイゼーションによって一緒に連結されている。いくつかの実施形態では、第2の検出器リンカー4と第3の検出器リンカー3との間の連結は、トリガーに曝されると可逆的である。いくつかの実施形態では、トリガーは、デコンストラクタ(deconstructor)分子(「検出器バーコード放出分子」、例えば、図4図7の参照符号29)との相互作用、またはトリガー信号への曝露を含む。いくつかの実施形態では、検出器バーコード放出分子は、核酸(DNAまたはRNA)、ペプチド、小有機分子、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、トリガー信号は光信号を含む。いくつかの実施形態では、トリガー信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、近赤外照明を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、トリガーに曝されると、第1の検出器リンカー9と第2のコアリンカー10との間の連結のみが切断され、それにより、第2の位置で検出器分子のコアナノ構造13との連結が切断される。いくつかの実施形態では、検出器バーコード21は、コア構造13および検出器分子2から分離されると、分析物分子を検出するための信号を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、検出器バーコード21から提供される信号は、DNA信号である。
【0058】
アンカーバーコード
図1に示すように、いくつかの実施形態では、アンカー分子18は、アンカーバーコードを介してコア構造13に連結される。いくつかの実施形態では、アンカーバーコードはアンカー分子18と連結を形成し、アンカーバーコードはコア構造13と連結を形成する。いくつかの実施形態では、アンカーバーコードは、第1のアンカーリンカー15、第2のアンカーリンカー17、およびアンカー架橋16を含む。いくつかの実施形態では、第1のアンカーリンカー15は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、第1のアンカーリンカー15は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定の配列の一本鎖核酸(例えば、RNAまたはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)または1つ以上の重合開始剤)を含む。いくつかの実施形態では、第1のアンカーリンカー15はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、DNA配列ドメインは、第3のコアリンカー14のDNA配列ドメインに相補的である。いくつかの実施形態では、第2のアンカーリンカー17は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、第2のアンカーリンカー17は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定の配列の一本鎖核酸(例えば、RNAまたはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)または1つ以上の重合開始剤)を含む。いくつかの実施形態では、第2のアンカーリンカー17はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、アンカー架橋16はポリマーを含む。いくつかの実施形態では、アンカー架橋16は、特定の配列の核酸(DNAまたはRNA)を含むポリマーを含む。いくつかの実施形態では、アンカー架橋16は、PEGなどのポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第1のアンカーリンカー15は、アンカー架橋16にその第1の末端で結合され、第2のアンカーリンカー17は、アンカー架橋16にその第2の末端で結合される。いくつかの実施形態では、第1のアンカーリンカー15は、化学結合を介してアンカー架橋16に結合している。いくつかの実施形態では、第2のアンカーリンカー17は、物理的結合を介してアンカー架橋16に結合している。いくつかの実施形態では、第1のアンカーリンカー15は、化学結合を介してアンカー架橋16に結合している。いくつかの実施形態では、第2のアンカーリンカー17は、物理的結合を介してアンカー架橋16に結合している。
【0059】
いくつかの実施形態では、アンカーバーコードは、第1のアンカーリンカー15と第3のコアリンカー14との間の連結を介してコア構造13に連結されている。いくつかの実施形態では、本明細書で記載されるように、第3のコアリンカー14は、コア構造13上の第3の位置に配置される。いくつかの実施形態では、第1のアンカーリンカー15および第3のコアリンカー14は、化学結合を介して一緒に連結されている。いくつかの実施形態では、第1のアンカーリンカー15および第3のコアリンカー14は、共有結合を介して一緒に連結されている。いくつかの実施形態では、第1のアンカーリンカー15および第3のコアリンカー14は、一本鎖核酸間のハイブリダイゼーションによって一緒に連結されている。いくつかの実施形態では、第1のアンカーリンカー15と第3のコアリンカー14との間の連結は、トリガーに曝されると可逆的である。いくつかの実施形態では、トリガーは、デコンストラクタ(deconstructor)分子(「アンカーデコンストラクタ(deconstructor)分子」、例えば、図4図7の参照符号32)との相互作用、またはトリガー信号への曝露を含む。いくつかの実施形態では、アンカーデコンストラクタ(deconstructor)分子は、核酸(DNAまたはRNA)、ペプチド、小有機分子、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、トリガー信号は光信号を含む。いくつかの実施形態では、トリガー信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、近赤外照明を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、アンカーバーコードは、第2のアンカーリンカー17とアンカー分子18との間の連結を介してアンカー分子18に連結されている。本明細書に開示されるように、いくつかの実施形態では、アンカー分子は、反応性分子、DNA配列ドメイン、反応性分子を含むDNA配列ドメイン、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、第2のアンカーリンカー17およびアンカー分子18のDNA配列ドメインは、互いに相補的である。いくつかの実施形態では、アンカー分子18は、化学結合を介して第2のアンカーリンカー17に結合される。いくつかの実施形態では、アンカー分子18は、共有結合を介して第2のアンカーリンカー17に結合される。いくつかの実施形態では、第2のアンカーリンカー17およびアンカー分子18は、一本鎖核酸間のハイブリダイゼーションによって一緒に連結されている。いくつかの実施形態では、第2のアンカーリンカー17とアンカー分子18との間の連結は、トリガーに曝されると可逆的である。いくつかの実施形態では、トリガーは、デコンストラクタ(deconstructor)分子(「アンカーバーコード放出分子」、例えば、図4図7の参照符号33)との相互作用、またはトリガー信号への曝露を含む。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード放出分子は、核酸(DNAまたはRNA)、ペプチド、小有機分子、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、トリガー信号は光信号を含む。いくつかの実施形態では、トリガー信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、近赤外照明を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、トリガーに曝されると、第1のアンカーリンカー15と第3のコアリンカー14との間の連結のみが切断され、それにより、第3の位置でアンカー分子のコアナノ構造13との連結が切断される。
【0062】
いくつかの実施形態では、捕捉デコンストラクタ(deconstructor)分子、捕捉バーコード放出分子、検出器デコンストラクタ(deconstructor)分子、および検出器バーコード放出分子は、同じタイプの分子を含む。いくつかの実施形態では、捕捉デコンストラクタ(deconstructor)分子、捕捉バーコード放出分子、検出器デコンストラクタ(deconstructor)分子、および検出器バーコード放出分子は、異なるタイプの分子を含む。いくつかの実施形態では、捕捉デコンストラクタ(deconstructor)分子、捕捉バーコード放出分子、検出器デコンストラクタ(deconstructor)分子、検出器バーコード放出分子、アンカーデコンストラクタ(deconstructor)分子、およびアンカーバーコード放出分子は、同じタイプの分子を含む。いくつかの実施形態では、捕捉デコンストラクタ(deconstructor)分子、捕捉バーコード放出分子、検出器デコンストラクタ(deconstructor)分子、検出器バーコード放出分子、アンカーデコンストラクタ(deconstructor)分子、およびアンカーバーコード放出分子は、異なるタイプの分子を含む。いくつかの実施形態では、捕捉デコンストラクタ(deconstructor)分子、捕捉バーコード放出分子、検出器デコンストラクタ(deconstructor)分子、検出器バーコード放出分子、アンカーデコンストラクタ(deconstructor)分子、およびアンカーバーコード放出分子の任意の組み合せは、同じタイプの分子を含む。
【0063】
3アーム核酸接合ベースの超分子構造
図2図3は、3アーム核酸接合および関連する下位要素を含む超分子構造40の例示的な描写を提供する。図2は完全な超分子構造を提供し、図3図2の超分子構造を構成する下位要素を提供する。いくつかの実施形態では、超分子構造の下位要素は、5本のDNA鎖(参照符号20~24)、末端修飾25を有する一本のDNA鎖、および単一のDNAリンカー3、5で修飾された2つの抗体(1,2)を含む。図4は、図2の超分子構造40からそれぞれの下位要素を切断するように構成された、それぞれのデコンストラクタ(deconstructor)分子の例示的な描写を提供する。図2図4の参照符号1~18は、図1と同じ符号が付された各構成要素に対応する。
【0064】
図2図3に示すように、超分子構造のいくつかの実施形態では、コア構造は、図2図4のAおよび
【化1】
でそれぞれ標識される部分相補的DNA配列ドメインを各々が含む2本の鎖、第1のコア鎖23および第2のコア鎖24を含む。
【0065】
いくつかの実施形態において、コア構造の第1のコア鎖23は、DNA配列ドメインを含む第1のコアリンカー12を含む。いくつかの実施形態では、第1のコア鎖23は、非構造化DNA領域によって第1のコアリンカー12から分離された、図2図4において「A」と標識されるDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態において、非構造化DNA領域は、ポリマースペーサーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマースペーサーは、特定の配列の核酸(DNAまたはRNA)を含む。いくつかの実施形態では、ポリマースペーサーは、PEGなどのポリマーを含む。
【0066】
いくつかの実施形態において、第1のコアリンカー12は、捕捉バーコード鎖20上の第1の捕捉リンカー11に相補的である。いくつかの実施形態では、捕捉バーコード鎖20は、前記捕捉バーコード鎖20のいずれかの末端に第1の捕捉リンカー11および第2の捕捉リンカー6を含むDNA鎖を含む。いくつかの実施形態では、第1の捕捉リンカー11はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第2の捕捉リンカー6はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、捕捉バーコード鎖20は、第1および第2の捕捉リンカー11、6の間に固有の捕捉バーコード配列7をさらに含む。いくつかの実施形態では、固有の捕捉バーコード配列7は、特定の配列の核酸(DNAまたはRNA)を含む。いくつかの実施形態では、固有の捕捉バーコード配列7は、PEGなどのポリマーを含む。いくつかの実施形態では、捕捉バーコード20は、足がかり(「TH」)と呼ばれる短いドメインを含む。いくつかの実施形態では、捕捉バーコード配列7は、足がかり(「TH」)を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、第2の捕捉リンカー6は、第3の捕捉リンカー5に相補的である。いくつかの実施形態では、第3の捕捉リンカー5はDNA配列ドメインである。いくつかの実施形態では、捕捉分子2は、第3の捕捉リンカー5に結合27される。いくつかの実施形態では、捕捉分子2は、第3の捕捉リンカー5に共有結合される。いくつかの実施形態では、捕捉分子2は捕捉抗体である。
【0068】
いくつかの実施形態において、コア構造の第2のコア鎖24は、DNA配列ドメインを含む第2のコアリンカー10を含む。いくつかの実施形態では、第2のコア鎖24は、非構造化DNA領域によって第2のコアリンカー10から分離された、図2図4において
【化2】
と標識されるDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態において、非構造化DNA領域は、ポリマースペーサーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマースペーサーは、特定の配列の核酸(DNAまたはRNA)を含む。いくつかの実施形態では、ポリマースペーサーは、PEGなどのポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第2のコア鎖24は、配列ドメイン
【化3】
に隣接する第3のコアリンカー14をさらに含む。いくつかの実施形態では、第3のコアリンカー14はDNA配列ドメインを含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、第2のコアリンカー10は、検出器バーコード鎖21上の第1の検出器リンカー9に相補的である。いくつかの実施形態では、検出器バーコード鎖21は、検出器バーコード鎖21のいずれかの末端に第1の検出器リンカー9および第2の検出器リンカー4を含むDNA鎖を含む。いくつかの実施形態では、第1の検出器リンカー9はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第2の検出器リンカー4はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、検出器バーコード鎖21は、第1および第2の検出器リンカー9、4の間に固有の検出器バーコード配列8をさらに含む。いくつかの実施形態では、固有の検出器バーコード配列8は、特定の配列の核酸(DNAまたはRNA)を含む。いくつかの実施形態では、固有の検出器バーコード配列8は、PEGなどのポリマーを含む。いくつかの実施形態では、検出器バーコード21は、足がかり(「TH」)と呼ばれる短いドメインを含む。いくつかの実施形態では、検出器バーコード配列8は、足がかり(「TH」)を含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、第2の検出器リンカー4は、第3の検出器リンカー3に相補的である。いくつかの実施形態では、第3の検出器リンカー3はDNA配列ドメインである。いくつかの実施形態では、検出器分子1は、第3の検出器リンカー3に結合26される。いくつかの実施形態では、検出器分子1は、第3の捕捉リンカー3に共有結合される。いくつかの実施形態では、検出器分子1は検出器抗体である。
【0071】
いくつかの実施形態では、第3のコアリンカー14は、アンカーバーコード鎖22上の第1のアンカーリンカー15に相補的である。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード鎖22は、アンカーバーコードセクション22のいずれかの末端に第1のアンカーリンカー15および第2のアンカーリンカー17を含むDNA鎖を含む。いくつかの実施形態では、第1のアンカーリンカー15はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第2のアンカーリンカー17はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード鎖22は、第1および第2のアンカーリンカー15、17の間に固有のアンカーバーコード配列16をさらに含む。いくつかの実施形態では、固有のアンカーバーコード配列16は、特定の配列の核酸(DNAまたはRNA)を含む。いくつかの実施形態では、固有のアンカーバーコード配列16は、PEGなどのポリマーを含む。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード22は、足がかり(「TH」)と呼ばれる短いドメインを含む。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード配列16は、足がかり(「TH」)を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、第2のアンカーリンカー17は、アンカー分子18に相補的である。いくつかの実施形態では、アンカー分子18はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子18は、末端修飾34に連結25される。いくつかの実施形態では、末端修飾34は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、末端修飾34は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、末端修飾34は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定の配列の一本鎖核酸(例えば、RNAまたはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)または1つ以上の重合開始剤)を含む。
【0073】
図4は、超分子構造40上で種々の反応を引き起こすために使用され得るデコンストラクタ(deconstructor)分子の例示的な実施形態を提供する。いくつかの実施形態では、検出器デコンストラクタ(deconstructor)分子28はTH’ドメインから構成され、その配列は、検出器バーコード21上のTHドメインおよび第2のコア鎖24上の第2のコアリンカー10(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、検出器デコンストラクタ(deconstructor)分子28は、検出器バーコード21とコア構造との間の連結(例えば、第2のコア鎖24)を切断するように構成される。いくつかの実施形態では、検出器バーコード放出分子29はTH’ドメインから構成され、その配列は、検出器バーコード21上のTHドメインおよび第3の検出器リンカー3(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、検出器バーコード放出分子28は、検出器バーコード21と検出器分子1との間の連結を切断するように構成される。
【0074】
いくつかの実施形態では、捕捉デコンストラクタ(deconstructor)分子30はTH’ドメインを含み、その配列は、捕捉バーコード20上のTHドメインおよび第1のコア鎖23上の第1のコアリンカー12(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、捕捉デコンストラクタ(deconstructor)分子30は、捕捉バーコード20とコア構造との間の連結(例えば、第1のコア鎖23)を切断するように構成される。いくつかの実施形態では、捕捉バーコード放出分子31はTH’ドメインを含み、その配列は、捕捉バーコード20上のTHドメイン、および第3の捕捉リンカー5(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、捕捉バーコード放出分子31は、捕捉バーコード20と捕捉分子2との間の連結を切断するように構成される。
【0075】
いくつかの実施形態では、アンカーデコンストラクタ(deconstructor)分子32はTH’ドメインを含み、その配列は、アンカーバーコード22上のTHドメインおよび第2のコア鎖上の第3のコアリンカー14(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、アンカーデコンストラクタ(deconstructor)分子32は、アンカーバーコード22とコア構造との間の連結(例えば、第2のコア鎖24)を切断するように構成される。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード放出分子33はTH’ドメインを含み、その配列は、アンカーバーコード22上の「TH」ドメイン、およびアンカー分子18(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード放出分子33は、アンカーバーコード22とアンカー分子18との間の連結を切断するように構成される。
【0076】
いくつかの実施形態において、種々のDNAドメイン配列(参照符号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、A、
【化4】
TH、捕捉バーコード20、検出器バーコード21およびアンカーバーコード22)の各々は、独立して約2ヌクレオチド~約80ヌクレオチドの核酸配列を含む。
【0077】
DNAオリガミベースの超分子構造
図5図6は、DNAオリガミおよび関連する下位要素を含む超分子構造40の例示的な描写を提供する。図5は完全な超分子構造を提供し、図6図5の超分子構造を構成する下位要素を提供する。いくつかの実施形態では、超分子構造の下位要素は、コア構造としてのDNAオリガミ13、3本のDNA鎖(参照符号20~22)、末端修飾25を有する一本のDNA鎖、および単一のDNAリンカー3、5で修飾された2つの抗体(1,2)を含む。図6は、図5の超分子構造40からそれぞれの下位要素を切断するように構成された、それぞれのデコンストラクタ(deconstructor)分子の例示的な描写を提供する。図5図7の参照符号1~18は、図1と同じ符号が付された各構成要素に対応する。
【0078】
いくつかの実施形態では、コア構造13は、足場状に組まれたDNAオリガミを含み、ここで「足場」鎖と呼ばれる環状ssDNA分子は、ssDNA「足場」鎖の特定のサブセクションと相互作用する「ステープル」鎖と呼ばれる2つ以上の短いssDNAと相互作用することによって、所定の2Dまたは3D形状へと折り畳まれる。
【0079】
図5図6に示すように、超分子構造のいくつかの実施形態では、コア構造13はDNAオリガミを含む。いくつかの実施形態において、コア構造13は、DNA配列ドメインを含む第1のコアリンカー12を含む。いくつかの実施形態において、第1のコアリンカー12は、捕捉バーコード鎖20上の第1の捕捉リンカー11に相補的である。いくつかの実施形態では、捕捉バーコード鎖20は、前記捕捉バーコード鎖20のいずれかの末端に第1の捕捉リンカー11および第2の捕捉リンカー6を含むDNA鎖を含む。いくつかの実施形態では、第1の捕捉リンカー11はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第2の捕捉リンカー6はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、捕捉バーコード鎖20は、第1および第2の捕捉リンカー11、6の間に固有の捕捉バーコード配列7をさらに含む。いくつかの実施形態では、固有の捕捉バーコード配列7は、特定の配列の核酸(DNAまたはRNA)を含む。いくつかの実施形態では、固有の捕捉バーコード配列7は、PEGなどのポリマーを含む。いくつかの実施形態では、捕捉バーコード20は、足がかり(「TH」)と呼ばれる短いドメインを含む。いくつかの実施形態では、捕捉バーコード配列7は、足がかり(「TH」)を含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、第2の捕捉リンカー6は、第3の捕捉リンカー5に相補的である。いくつかの実施形態では、第3の捕捉リンカー5はDNA配列ドメインである。いくつかの実施形態では、捕捉分子2は、第3の捕捉リンカー5に結合27される。いくつかの実施形態では、捕捉分子2は、第3の捕捉リンカー5に共有結合される。いくつかの実施形態では、捕捉分子2は捕捉抗体である。
【0081】
いくつかの実施形態において、コア構造13は、DNA配列ドメインを含む第2のコアリンカー10を含む。いくつかの実施形態では、第2のコアリンカー10は、検出器バーコード鎖21上の第1の検出器リンカー9に相補的である。いくつかの実施形態では、検出器バーコード鎖21は、検出器バーコード鎖21のいずれかの末端に第1の検出器リンカー9および第2の検出器リンカー4を含むDNA鎖を含む。いくつかの実施形態では、第1の検出器リンカー9はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第2の検出器リンカー4はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、検出器バーコード鎖21は、第1および第2の検出器リンカー9、4の間に固有の検出器バーコード配列8をさらに含む。いくつかの実施形態では、固有の検出器バーコード配列8は、特定の配列の核酸(DNAまたはRNA)を含む。いくつかの実施形態では、固有の検出器バーコード配列8は、PEGなどのポリマーを含む。いくつかの実施形態では、検出器バーコード21は、足がかり(「TH」)と呼ばれる短いドメインを含む。いくつかの実施形態では、固有の検出器バーコード配列8は、足がかり(「TH」)を含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、第2の検出器リンカー4は、第3の検出器リンカー3に相補的である。いくつかの実施形態では、第3の検出器リンカー3はDNA配列ドメインである。いくつかの実施形態では、検出器分子1は、第3の検出器リンカー3に結合26される。いくつかの実施形態では、検出器分子1は、第3の捕捉リンカー3に共有結合される。いくつかの実施形態では、検出器分子1は検出器抗体である。
【0083】
いくつかの実施形態では、コア構造13は、DNA配列ドメインを含む第3のコアリンカー14を含む。いくつかの実施形態では、第3のコアリンカー14は、アンカーバーコード鎖22上の第1のアンカーリンカー15に相補的である。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード鎖22は、アンカーバーコードセクション22のいずれかの末端に第1のアンカーリンカー15および第2のアンカーリンカー17を含むDNA鎖を含む。いくつかの実施形態では、第1のアンカーリンカー15はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第2のアンカーリンカー17はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード鎖22は、第
1および第2のアンカーリンカー15、17の間に固有のアンカーバーコード配列16をさらに含む。いくつかの実施形態では、固有の検出器バーコード配列16は、特定の配列の核酸(DNAまたはRNA)を含む。いくつかの実施形態では、固有の検出器バーコード配列16は、PEGなどのポリマーを含む。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード22は、足がかり(「TH」)と呼ばれる短いドメインを含む。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード配列16は、足がかり(「TH」)を含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、第2のアンカーリンカー17は、アンカー分子18に相補的である。いくつかの実施形態では、アンカー分子18はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子18は、末端修飾34に連結25される。いくつかの実施形態では、末端修飾34は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、末端修飾34は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定の配列の一本鎖核酸(例えば、RNAまたはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)または1つ以上の重合開始剤)を含む。
【0085】
図6は、超分子構造40上で種々の反応を引き起こすために使用され得るデコンストラクタ(deconstructor)分子の例示的な実施形態を提供する。いくつかの実施形態では、検出器デコンストラクタ(deconstructor)分子28はTH’ドメインから構成され、その配列は、検出器バーコード21上のTHドメインおよびコアナノ構造13上の第2のコアリンカー10(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、検出器デコンストラクタ(deconstructor)分子28は、検出器バーコード21とコア構造13との間の連結を切断するように構成される。いくつかの実施形態では、検出器バーコード放出分子29はTH’ドメインから構成され、その配列は、検出器バーコード21上のTHドメインおよび第3の検出器リンカー3(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、検出器バーコード放出分子28は、検出器バーコード21と検出器分子1との間の連結を切断するように構成される。
【0086】
いくつかの実施形態では、捕捉デコンストラクタ(deconstructor)分子30はTH’ドメインを含み、その配列は、捕捉バーコード20上のTHドメインおよびコアナノ構造13上の第1のコアリンカー12(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、捕捉デコンストラクタ(deconstructor)分子30は、捕捉バーコード20とコア構造13との間の連結を切断するように構成される。いくつかの実施形態では、捕捉バーコード放出分子31はTH’ドメインを含み、その配列は、捕捉バーコード20上のTHドメイン、および第3の捕捉リンカー5(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、捕捉バーコード放出分子31は、捕捉バーコード20と捕捉分子2との間の連結を切断するように構成される。
【0087】
いくつかの実施形態では、アンカーデコンストラクタ(deconstructor)分子32はTH’ドメインを含み、その配列は、アンカーバーコード22上のTHドメインおよびコアナノ構造13上の第3のコアリンカー14(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、アンカーデコンストラクタ(deconstructor)分子32は、アンカーバーコード22とコア構造13との間の連結を切断するように構成される。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード放出分子33はTH’ドメインを含み、その配列は、アンカーバーコード22上のTHドメイン、およびアンカー分子18(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード放出分子33は、アンカーバーコード22とアンカー分子18との間の連結を切断するように構成される。
【0088】
超分子構造の安定・不安定状態
いくつかの実施形態では、超分子構造は、1つ以上の安定状態構成を含む。いくつかの実施形態では、超分子構造は、1つ以上の不安定状態構成を含む。いくつかの実施形態では、超分子構造は、安定状態構成および不安定状態構成を有する双安定構成を含む。いくつかの実施形態では、安定および不安定の2つの状態は、固有の分子(例えば、デコンストラクタ(deconstructor)分子)および/またはトリガー信号に曝された場合に、構造的にインタクトのままである個々の超分子構造の能力に基づいて定義される。いくつかの実施形態では、超分子構造が安定状態にある場合、超分子構造の部分であるすべての種々の構成要素は、デコンストラクタ(deconstructor)分子および/またはトリガー信号に曝された後でさえ、互いに物理的に連結したままである。いくつかの実施形態では、超分子構造が不安定状態にある場合、デコンストラクタ(deconstructor)分子および/またはトリガー信号への曝露によって、超分子構造の定義されたセクション(例えば、1つ以上の下位要素)が物理的に切断される、すなわち超分子構造から結合解除(分離)される。いくつかの実施形態では、超分子構造は、(本明細書に記載の)分析物分子との相互作用時に安定状態から不安定状態に移行するように構成される。いくつかの実施形態では、超分子構造は、(本明細書に記載の)分析物分子との相互作用時に不安定状態から安定状態に移行するように構成される。いくつかの実施形態では、超分子構造の状態変化を引き起こす分析物分子は、タンパク質、タンパク質のクラスター、ペプチド断片、ペプチド断片のクラスター、DNA、RNA、DNAナノ構造、RNAナノ構造、脂質、有機分子、無機分子、またはそれらの任意の組み合せを含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、不安定状態構成の超分子構造は、捕捉分子2がコアナノ構造13から結合解除されるように、コア構造13と捕捉分子2との間の連結が切断され得る物理的状態を含む。いくつかの実施形態では、不安定状態構成は、検出器分子1がコアナノ構造13から結合解除されるように、コア構造13と検出器分子1との間の連結が切断され得る物理的状態を含む。いくつかの実施形態では、不安定状態構成は、捕捉分子2および検出器分子1がコアナノ構造13から結合解除されるように、コアナノ構造13と捕捉分子2との間の連結、およびコアナノ構造13と検出器分子1との間の連結が切断され得る物理的状態を含む。いくつかの実施形態では、コアナノ構造13と、1)捕捉分子2、2)検出器分子1、または3)両方との間の連結は、トリガー(例えば、本明細書に記載のデコンストラクタ(本明細書に記載のdeconstructor)分子またはトリガー信号)に曝されると切断される。図8は、不安定状態の超分子構造40の例示的な描写を提供し、検出器分子1は、検出器バーコード21との連結を介して最初にコア構造13に結合されている。引き続き図8を参照すると、デコンストラクタ(deconstructor)分子42(例えば、検出器デコンストラクタ(deconstructor)分子28)との相互作用は、その後、検出器分子1がコアナノ構造13から結合解除されるように、検出器バーコード21とコア構造13との間の連結を切断する。いくつかの実施形態では、不安定状態では、コアナノ構造13上の捕捉分子2および検出器分子1は互いに自由に拡散し、コアナノ構造13の物理的構成にのみ拘束される。
【0090】
いくつかの実施形態では、安定状態構成は、コア構造13と捕捉分子2との間の連結の切断時に、捕捉分子2がコアナノ構造13に結合したままである物理的状態を含む。いくつかの実施形態では、安定状態構成は、コアナノ構造13と検出器分子1との間の連結の切断時に、検出器分子1がコア構造13に結合したままである物理的状態を含む。いくつかの実施形態では、安定状態構成は、捕捉分子2および検出器分子1が互いに対して近位に配置されている物理的状態を含む。いくつかの実施形態では、検出器分子1および捕捉分子2は、互いの間の明示的な結合形成の有無にかかわらず、互いに対して近位に配置される。いくつかの実施形態では、検出器1分子および捕捉2分子は、互いに連結されている。いくつかの実施形態では、検出器1分子および捕捉2分子は、化学結合を介して互いに連結されている。いくつかの実施形態では、検出器1分子および捕捉2分子は、捕捉分子と検出器分子との間に位置する別の分子との結合を介して互いに結合される(例えば、サンドイッチ形成)。いくつかの実施形態では、検出器分子および捕捉分子は、(本明細書に記載される)サンプルからの分析物分子44との連結を介して共に連結される。図9は、安定状態の超分子構造40の例示的な描写を提供し、捕捉分子2は、分析物分子44との連結を介して検出器分子1に連結されている。引き続き図9を参照すると、デコンストラクタ(deconstructor)分子42との相互作用によって、検出器分子1とコア構造13との間の連結が切断されるが、検出器分子1は、捕捉分子2との連結を介してコアナノ構造13と結合されたままである。本明細書にさらに記載されるように、いくつかの実施形態では、捕捉および/または検出器分子は、サンプルからの1つ以上の特定のタイプの分析物分子と連結を形成するように構成される。いくつかの実施形態では、デコンストラクタ(deconstructor)分子および/またはトリガー信号との相互作用は、捕捉分子と検出器分子との間の連結を切断しない。
【0091】
図10は、不安定状態から安定状態に移行する超分子構造の例示的な実施形態を提供する。本明細書に記載されるように、不安定状態構成の超分子構造40は、対応するデコンストラクタ(deconstructor)分子42(例えば、検出器デコンストラクタ(deconstructor)分子28)および/またはトリガー信号と相互作用すると、検出器分子1から分離される(検出器分子が超分子構造から結合解除される)。引き続き図10を参照すると、いくつかの実施形態では、サンプルからの分析物分子44との相互作用によって、捕捉分子および検出器分子が共にそれらの間に位置する分析物分子に結合し(例えば、サンドイッチ形成)、それによって超分子構造40が不安定状態から安定状態に移行する。いくつかの実施形態では、分析物分子44は単一の分子を含む。いくつかの実施形態では、分析物分子は、複数の分析物分子を代わりに含む。いくつかの実施形態では、分析物分子は、分子クラスターを代わりに分子を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載され、図10に示されるように、安定状態にある超分子構造の、対応するデコンストラクタ(deconstructor)分子との相互作用によって、コア構造13と検出器バーコード21との間の連結が切断され、検出器分子1は、捕捉分子2および分析物分子44との連結を介してコア構造13に連結されたままである。
【0092】
図11は、安定状態から不安定状態に移行する超分子構造40の例示的な実施形態を提供する。本明細書に記載されるように、超分子構造40は安定した状態構成にあり、検出器分子1が捕捉分子2に連結されているため、対応するデコンストラクタ(deconstructor)分子および/またはトリガー信号と相互作用すると、検出器分子1はコア構造13に連結されたままであろう。引き続き図11を参照すると、いくつかの実施形態では、サンプルからの分析物分子44との相互作用によって、捕捉分子2と検出器分子1との間の連結が切断され、その結果、分析物分子44は捕捉分子1のみに結合し、それによって、検出器分子1が検出器バーコード21との連結のみを介してコアナノ構造13に結合する、不安定状態に超分子構造を移行させる。いくつかの実施形態では、分析物分子44は単一の分子を含む。いくつかの実施形態では、分析物分子は、複数の分析物分子を代わりに含む。いくつかの実施形態では、分析物分子は、分子クラスターを代わりに分子を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載され、図11に示されるように、不安定状態にある超分子構造の、対応するデコンストラクタ(deconstructor)分子42との相互作用によって、コア構造13と検出器バーコード21との間の連結が切断され、その結果、検出器分子1がコア構造13から結合解除(分離)される。
【0093】
いくつかの実施形態では、超分子構造40は、捕捉分子2と検出器分子1との間の連結を切断する分析物分子44との相互作用時に安定状態から不安定状態に移行し、分析物分子44は検出器分子1と結合する。これにより、捕捉分子2は、対応するデストラクタ(destructor)分子42(例えば、捕捉デコンストラクタ(deconstructor)分子30)と相互作用すると、コア構造13から結合解除される。
【0094】
分析物分子の検出方法
本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子構造は、サンプル中の1つ以上の分析物分子の検出を可能にする。いくつかの実施形態では、超分子構造は、サンプル中の所与の分析物分子の存在に関する情報をDNA信号に変換する。いくつかの実施形態では、DNA信号は、超分子構造上に位置する捕捉バーコードまたは検出器バーコードに対応し、捕捉分子および検出器分子は、分析物分子に同時に連結される(例えば、サンドイッチ形成)。いくつかの実施形態では、任意の不安定な超分子構造上に位置する捕捉および/または検出器バーコードは、トリガー、例えばデコンストラクタ(deconstructor)分子および/またはトリガー信号を使用してそこから結合解除される。いくつかの実施形態では、DNA信号はそれに応じて配列決定され、続いて特定の分析物分子と同定および相関させる。
【0095】
いくつかの実施形態では、分析物分子の存在を検出することは、本明細書に記載されるように、超分子構造の状態変化を引き起こしたサンプルからの分析物分子の特性を同定および定量するために使用される溶液に、単一または複数の固有の核酸分子を制御可能に放出することを含む。いくつかの実施形態において、前記固有の核酸分子は、それぞれの超分子構造の捕捉バーコードおよび/または検出器バーコードによって提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の分析物分子の存在を検出することは、計数して溶液中の分析物分子の濃度を定量することができる、状態変化に関連する光または電気信号を生成することを含む。いくつかの実施形態では、光信号は、蛍光標識でタグ付けされたDNA鎖によって生成される。例えば、いくつかの実施形態では、光信号は蛍光発光を含む。いくつかの実施形態では、電気信号は、例えばメチレンブルーなどの信号伝達分子を有するDNA鎖によって生成される。
【0096】
いくつかの実施形態では、複数の分析物分子が多重化によってサンプルで同時に検出され、ここで複数の超分子構造は、配列決定および分析物同定のための複数の信号(例えば、検出器バーコード、捕捉バーコード)を提供する。いくつかの実施形態では、サンプル中の分析物を検出するための本明細書に記載の方法は、複数の超分子構造を使用することによって高スループットかつ高多重化能力を提供する。いくつかの実施形態では、高スループットかつ高多重化能力は、分析物分子の検出および定量化のための高い精度を提供する。いくつかの実施形態では、サンプル中の分析物を検出するための本明細書に記載の方法は、タンパク質分子を含むバイオポリマーを迅速に、高い感度および再現性で特徴付け、かつ/または同定するように構成される。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造は、交差反応性に関連する誤差を制限するように構成される。いくつかの実施形態では、そのような交差反応性関連誤差は、別の超分子構造の捕捉分子および/または検出器分子と相互作用(例えば、分子間相互作用)する超分子構造の捕捉分子および/または検出器分子を含む。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造の各コア構造は互いに同一である。いくつかの実施形態では、各超分子構造の構造的、化学的、および物理的特性が明示的に設計される。いくつかの実施形態では、同一のコア構造は、超分子構造間の交差反応性を制限するために、所定の形状、サイズ、分子量、所定の数の捕捉分子および検出器分子、対応する捕捉分子と検出器分子との間の所定の距離(本明細書に記載)、対応する捕捉分子と検出器分子との間の所定の化学量論、またはそれらの組み合せを有する。いくつかの実施形態では、すべてのコア構造の分子量は、コア分子の純度まで同一であり、正確である。いくつかの実施形態では、各コア構造は、少なくとも1つの捕捉分子および少なくとも1つの対応する検出器分子を有する。
【0097】
いくつかの実施形態では、状態変化(不安定から安定へ)は主に分子内相互作用(同じ超分子構造上の捕捉分子および検出器分子)によって駆動されるため、複数の超分子構造は、サンプルからの異なる分析物分子と独立して相互作用する。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造は、特定の下位要素が同一であることに起因して構造的類似性を共有し得るが、サンプルからの分析物分子と超分子構造との間の相互作用は、対応する捕捉分子および検出器分子によって定義される。いくつかの実施形態では、所与の超分子構造上の検出器および捕捉分子の各対は、サンプル中の特定の分析物分子と特異的に相互作用することができ、特定の分析物分子と相互作用すると超分子構造の状態変化をもたす。いくつかの実施形態では、各超分子構造は、検出器分子および捕捉分子のそれぞれの対に対応する固有のDNAバーコードを含む。いくつかの実施形態では、所与の超分子構造上の検出器分子および捕捉分子の対は、サンプル中の2つ以上の分析物分子と相互作用するように設計される。
【0098】
いくつかの実施形態では、各超分子構造を単一分子の感度のために構成して、典型的な複合生物学的サンプル内の広範囲の分子濃度を定量的に捕捉するのに必要な、可能な限り最高のダイナミックレンジを確保する。いくつかの実施形態では、単一分子感度は、単一の分析物分子との結合によって不安定状態から安定状態(またはその逆)に移行するように構成された所与の超分子構造の捕捉および検出器分子を含む。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造は、非特異的相互作用ならびに任意のユーザ誘発エラーを低減するために、必要なサンプルの操作を制限または排除する。
【0099】
いくつかの実施形態では、複数の超分子構造は溶液中に提供される。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造は、1つ以上の基質に結合される。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造は、1つ以上のウィジェットに結合される。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造は、1つ以上の固体基質、1つ以上のポリマーマトリックス、1つ以上の分子凝縮物、またはそれらの組み合せに結合している。いくつかの実施形態では、1つ以上のポリマーマトリックスは、1つ以上のヒドロゲル粒子を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のポリマーマトリックスは、1つ以上のヒドロゲルビーズを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の固体基質は、1つ以上の平面基質を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の固体基質は、1つ以上のマイクロビーズを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の固体基質は、1つ以上の微粒子を含む。
【0100】
図12は、1つ以上の超分子構造を使用してサンプル中の1つ以上の分析物分子を検出するための例示的な方法を提供する。いくつかの実施形態では、1つ以上の分析物(例えば、分析物プール102)を含むサンプルを、1つ以上の超分子構造40(例えば、超分子構造プール100)と接触させる。いくつかの実施形態では、超分子構造は、複数のウィジェットに結合される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、複数の超分子構造は、1つ以上の固体基質、1つ以上のポリマーマトリックス、1つ以上の分子凝縮物、またはそれらの組み合せに結合して提供される。図13図14は、ヒドロゲルビーズに結合した超分子構造(例えば、ヒドロゲルビーズ内に埋め込まれた超分子構造)の例を提供する。図15は、固体基質、例えば微粒子に結合した超分子構造の例を提供する。いくつかの実施形態では、サンプルは水溶液を含み、超分子構造と混合されて組み合せ溶液を形成する。いくつかの実施形態では、サンプルを超分子構造と接触させることは、サンプルを超分子構造と共にインキュベートすることを含む。いくつかの実施形態では、サンプルおよび超分子構造は、規定された環境条件を有するインキュベーターにおいてインキュベートされる。いくつかの実施形態では、サンプルを超分子構造と共に約30秒~約24時間インキュベートする。いくつかの実施形態では、サンプルを超分子構造と共に約30秒~約1分、約1分~約5分、約5分~約30分、約30分~約1時間、約1時間~約5時間、約5時間~約12時間、約12時間~約24時間、または約24時間~約48時間インキュベートする。
【0101】
引き続き図12を参照すると、いくつかの実施形態では、超分子構造はすべて(参照符号100で示すような)不安定状態にある。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、分析物分子と対応する捕捉2分子および検出器1分子との間の相互作用により、それぞれの超分子構造が不安定状態から安定状態(例えば、参照符号104で示すような捕捉分子、分析物分子、および検出器分子でのサンドイッチ形成)に移行する。いくつかの実施形態では、特定のタイプの分析物分子は、捕捉分子および検出器分子の特定の対と結合する。いくつかの実施形態では、捕捉分子および検出器分子の所与の対は、2種類以上の分析物分子と結合するように構成される。いくつかの実施形態では、任意の所与の超分子構造の不安定状態から安定状態への切り替えは、それに結合した特異的捕捉分子および検出器分子ならびにサンプル中の分析物分子に依存する。いくつかの実施形態では、超分子構造の状態変化が主に分子内相互作用(超分子構造上に置かれる構成要素)に依存することを考えると、2つの異なる超分子構造間の潜在的な分子間相互作用は、任意の2つの超分子構造間の平均距離が所与の超分子構造上の捕捉分子と検出器分子の対の間の最大分子内距離よりも大きくなるように、組み合せ溶液中の超分子構造の正味濃度を制限することによって最小化または排除される。
【0102】
図12に見られるように、参照符号104は、サンプルと接触した後、超分子構造の少なくとも1つは、分析物分子との相互作用を介して安定状態(例えば、捕捉分子、分析物分子および検出器分子が同時に一緒に連結されるサンドイッチ形成)に移行したが、超分子構造の少なくとも1つは、それぞれの捕捉分子および検出器分子がサンプルからの分析物分子と結合または相互作用しないため、不安定状態のままであった。
【0103】
サンプルを超分子構造と所定時間接触させた後、図12に示すように、サンプルと超分子構造を組み合わせた溶液を、検出器分子とコア構造との間の連結を切断するためにトリガーに曝す(符号106)。いくつかの実施形態では、トリガーは、1つ以上のデコンストラクタ(deconstructor)分子(例えば、検出器デコンストラクタ(deconstructor)分子、図4図7の参照符号28)を含む溶液を、組み合せ溶液に導入することを含む。いくつかの実施形態では、トリガーは、組み合せ溶液をトリガー信号に曝すことを含む。いくつかの実施形態では、トリガーは、組み合せ溶液中にデコンストラクタ(deconstructor)分子を導入することと、組み合せ溶液をトリガー信号に曝すこととの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、デコンストラクタ(deconstructor)分子は、核酸(DNAまたはRNA)、ペプチド、小有機分子、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、トリガー信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、近赤外照明を含む。いくつかの実施形態では、組み合せ溶液は、所定の時間にわたってトリガーに曝される。いくつかの実施形態では、組み合せ溶液は、所定の時間にわたって1つ以上のデコンストラクタ(deconstructor)分子とインキュベートされる。いくつかの実施形態では、組み合せ溶液をデコンストラクタ(deconstructor)分子と共に約30秒~約24時間インキュベートする。いくつかの実施形態では、組み合せ溶液をデコンストラクタ(deconstructor)分子と共に約30秒~約1分、約1分~約5分、約5分~約30分、約30分~約1時間、約1時間~約5時間、約5時間~約12時間、約12時間~約24時間、または約24時間~約48時間インキュベートする。
【0104】
図12に参照符号106で示すように、いくつかの実施形態では、組み合せ溶液をトリガーに曝すことにより、超分子構造の検出器分子とコア構造との間の連結、例えば検出器バーコード(例えば、図1の参照符号21)とコア構造13との間の連結が切断される。いくつかの実施形態では、切断は、核酸(DNA/RNA)鎖置換、光切断、化学的切断、当技術分野で公知の別の技術、またはそれらの組み合せによって達成される。安定状態に移行した超分子構造については、検出器分子1は、対応する捕捉分子2との連結を介してコア構造13に連結したままであるように示されている。不安定状態で残された超分子構造については、検出器分子は、それぞれの超分子構造から結合解除されている112として示されている。いくつかの実施形態では、結合解除されている検出器分子1は、それぞれの検出器バーコード21に連結されたままである。
【0105】
本明細書で使用される場合、「鎖置換」という用語は、DNAまたはRNAの1つの鎖(アウトプット)を別の鎖(インプット)と交換するための分子ツールを指す。これは、DNAまたはRNAの2つの相補鎖のハイブリダイゼーションに基づく。これは、元の鎖およびプロテクター鎖から構成される二本鎖DNA複合体から始まる。元の鎖は、「侵入鎖」と呼ばれるDNAの第3の鎖に相補的な、いわゆる「足がかり」(TH)と呼ばれるオーバーハング領域を有する。したがって、例えば、侵入鎖は、元の鎖に相補的な一本鎖DNA(ssDNA)の配列である。足がかり領域は、相補的侵入鎖を元の鎖とハイブリダイズさせ、3本のDNA鎖で構成されるDNA複合体を作成することによってプロセスを開始する。侵入鎖と元の鎖との結合が起こった後、侵入ドメインの分岐移動により、最初のハイブリダイズした鎖の置換が可能になる。
【0106】
いくつかの実施形態では、結合解除されている検出器分子1(および対応する検出器バーコード21)は、組み合せ溶液からさらに分離される。いくつかの実施形態では、結合解除されている検出器分子は、ポリエチレングリコール(PEG)沈殿によって組み合せ溶液から分離される。いくつかの実施形態では、結合解除された検出器分子は、組み合せ溶液中の各コア構造をそれぞれのコア構造上の対応するアンカー分子を介してマイクロビーズ、固体支持体および/または磁気ビーズに結合させることによって組み合せ溶液から分離され、その後、遠心分離、ミクロン濾過、クロマトグラフィーまたはそれらの組み合せによって、結合解除された検出器分子を分離する。
【0107】
いくつかの実施形態では、結合解除された検出器分子が組み合せ溶液から分離された後、検出器バーコード21は、それぞれの捕捉分子に連結された対応する検出器分子から切断される(例えば、安定状態に移行した超分子構造上に置かれている場合)。いくつかの実施形態では、検出器バーコード21は、核酸(DNA/RNA)鎖置換、光切断、化学的切断、またはそれらの組み合せによって、対応する検出器分子から切断される。いくつかの実施形態において、検出器バーコードは、トリガーに曝されることによって対応する検出器分子から切断される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、トリガーは、デコンストラクタ(deconstructor)分子、トリガー信号、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、デコンストラクタ(deconstructor)分子は、検出器バーコード放出分子(例えば、図4および図7の参照符号29)を含む。
【0108】
いくつかの実施形態において、切断された検出器バーコード21は、超分子構造を含む溶液から単離される(図12参照符号108)。いくつかの実施形態では、切断された検出器バーコード21は、ポリエチレングリコール(PEG)沈殿によって溶液から単離される。いくつかの実施形態では、切断された検出器バーコード21は、溶液中の各コア構造をそれぞれのコア構造上の対応するアンカー分子を介してマイクロビーズ、固体支持体および/または磁気ビーズに結合させることによって溶液から単離され、その後、遠心分離、ミクロン濾過、クロマトグラフィーまたはそれらの組み合せによって、切断された検出器バーコードを単離する。
【0109】
いくつかの実施形態では、切断された検出器バーコードは、それぞれの検出器分子に結合したそれぞれの分析物分子に相関する信号を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、検出器バーコードはDNA鎖を含む。いくつかの実施形態では、検出器バーコードは、分析物分子に相関するDNA信号を提供する。いくつかの実施形態では、図12に参照符号110で示すように、単離された検出器バーコード21を分析して、サンプル中の対応する分析物分子を同定および/または定量する。いくつかの実施形態では、単離された検出器バーコードの分析は、遺伝子タイピング、qPCR、配列決定、またはそれらの組み合せを含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、図12に示す分析物分子を検出する方法は、それぞれの検出器分子に連結された対応する捕捉分子から捕捉バーコード20を切断することを含む(例えば、安定状態に移行した超分子構造上にある場合)。いくつかの実施形態では、捕捉バーコード20は、核酸(DNA/RNA)鎖置換、光切断、化学的切断、またはそれらの組み合せによって、対応する検出器分子から切断される。いくつかの実施形態において、検出器バーコードは、トリガーに曝されることによって対応する検出器分子から切断される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、トリガーは、デコンストラクタ(deconstructor)分子、トリガー信号、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、デコンストラクタ(deconstructor)分子は、捕捉バーコード放出分子(例えば、図4および図7の参照符号31)を含む。
【0111】
いくつかの実施形態において、切断された捕捉バーコード20は、超分子構造を含む溶液から単離される(図12参照符号108)。いくつかの実施形態では、切断された捕捉バーコード20は、ポリエチレングリコール(PEG)沈殿によって溶液から単離される。いくつかの実施形態では、切断された捕捉バーコード20は、溶液中の各コア構造をそれぞれのコア構造上の対応するアンカー分子を介してマイクロビーズ、固体支持体および/または磁気ビーズに結合させることによって溶液から単離され、その後、遠心分離、ミクロン濾過、クロマトグラフィーまたはそれらの組み合せによって、切断された捕捉バーコードを単離する。
【0112】
いくつかの実施形態では、切断された捕捉バーコードは、それぞれの検出器分子に結合したそれぞれの分析物分子に相関する信号を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、捕捉バーコードはDNA鎖を含む。いくつかの実施形態では、捕捉バーコードは、分析物分子に相関するDNA信号を提供する。いくつかの実施形態では、図12に参照符号110で示すように、単離された捕捉バーコード21を分析して、サンプル中の対応する分析物分子を同定および/または定量する。いくつかの実施形態では、単離された捕捉バーコードの分析は、遺伝子タイピング、qPCR、配列決定、またはそれらの組み合せを含む。
【0113】
ヒドロゲルビーズまたは固体基質を備えた超分子構造
本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子構造は、1つ以上のヒドロゲルビーズおよび/または1つ以上の固体基質を備える。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルビーズは、ヒドロゲルマトリックスに重合された1つ以上の超分子構造を含む。図13は、ヒドロゲルビーズ120を形成するための例示的な実施形態を提供し、1つ以上のモノマー122および1つ以上の架橋分子124を組み合わせてヒドロゲルを形成することに加えて、1つ以上の超分子構造40が導入される。いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子構造40は、ヒドロゲルマトリックスと共重合し、ヒドロゲルビーズ120を形成する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルビーズ120は、ヒドロゲルマトリックスに結合された1つ以上の超分子構造を含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルビーズ120は、ヒドロゲルマトリックスに埋め込まれた1つ以上の超分子構造を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子構造40の各それぞれのアンカー分子18は、ヒドロゲルマトリックス120と共重合する。いくつかの実施形態では、1つ以上のモノマー122はアクリルアミドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の架橋剤124はビス-アクリルアミドを含む。いくつかの実施形態では、各ヒドロゲルビーズは、微細加工ツールを使用して形成される。いくつかの実施形態では、各ヒドロゲルビーズは、乳化重合を使用して形成される。図14は、液滴内への1つ以上のモノマー、1つ以上の架橋剤、および1つ以上の超分子構造40の捕捉126を含む、ヒドロゲルビーズ120を形成するための例示的な実施形態を提供する。いくつかの実施形態では、液滴は油滴である。いくつかの実施形態では、液滴寸法が指定される。いくつかの実施形態では、液滴内で重合が起こり、それにより、1つ以上のヒドロゲルビーズ120が形成される。いくつかの実施形態では、重合は、開始剤および/または触媒との相互作用によって起こる。
【0114】
図15は、1つ以上の超分子構造40が固体基質128に結合されている、例示的な実施形態を提供する。いくつかの実施形態では、超分子構造40の各アンカー分子18は、固体基質128の固体表面と連結する。いくつかの実施形態では、固体基質128は微粒子を含む。いくつかの実施形態では、微粒子は、ポリスチレン粒子、シリカ粒子、磁性粒子または常磁性粒子を含む。いくつかの実施形態では、固体基質128はマイクロビーズを含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、ポリスチレンビーズ、シリカビーズ、磁気ビーズまたは常磁性ビーズを含む。
【0115】
本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態では、単一のヒドロゲルビーズ内に埋め込まれた、または固体基質に結合された複数の超分子構造は、他の超分子構造との交差反応性(クロストーク、分子間相互作用)を制限または排除するように、所定の距離で離間している。いくつかの実施形態では、各ヒドロゲルビーズまたは固体基質に結合した超分子構造の数、サイズおよび/または化学量論は、各超分子構造間の所定の距離を達成するように指定される。いくつかの実施形態では、各ヒドロゲルビーズまたは固体基質に結合した超分子構造の表面および体積密度は、分子間相互作用を最小化または排除し、それによって複数の超分子構造間のクロストークの可能性を低減するように制御される。いくつかの実施形態では、所与のヒドロゲルビーズまたは固体基質(例えば、微粒子)上の任意の2つの超分子構造間の距離は、異なる超分子構造からの分子間の分子間相互作用を最小限に抑えるために、超分子構造の捕捉分子と検出器分子との間の最大距離よりも大きい。
【0116】
図16は、1つ以上のヒドロゲルビーズ内に埋め込まれた、または1つ以上の固体基質(例えば、微粒子)に結合した1つ以上の超分子構造を使用して、サンプル中の1つ以上の分析物分子を検出するための例示的な方法を提供する。図16は、1つ以上の超分子構造が1つ以上のヒドロゲルビーズ120内に埋め込まれている、ヒドロゲルビーズプール200が提供される例示的な実施形態を示す。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルビーズプールの代わりに、固体基質プールが提供され、本明細書に記載され、図15に示されるように、1つ以上の超分子構造が1つ以上の固体基質(例えば、微粒子)に結合している。いくつかの実施形態では、1つ以上の分析物分子(例えば、分析物プール202)を含むサンプルを、ヒドロゲルビーズ120に埋め込まれた超分子構造と接触させる。いくつかの実施形態では、サンプルは水溶液を含み、ヒドロゲルビーズプール200と混合されて組み合せ溶液を形成する。いくつかの実施形態では、サンプルを超分子構造と接触させることは、サンプルを超分子構造と共にインキュベートすることを含む。いくつかの実施形態では、サンプルおよび超分子構造は、規定された環境条件を有するインキュベーターにおいてインキュベートされる。いくつかの実施形態では、サンプルを超分子構造と共に約30秒~約24時間インキュベートする。いくつかの実施形態では、サンプルを超分子構造と共に約30秒~約1分、約1分~約5分、約5分~約30分、約30分~約1時間、約1時間~約5時間、約5時間~約12時間、約12時間~約24時間、または約24時間~約48時間インキュベートする。
【0117】
引き続き図16を参照すると、いくつかの実施形態では、超分子構造はすべて(例示的なヒドロゲルビーズ120で示すような)不安定状態にある。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、分析物分子と対応する捕捉2分子および検出器1分子との間の相互作用により、それぞれの超分子構造が不安定状態から安定状態(例えば、参照符号204で示すような捕捉分子、分析物分子、および検出器分子でのサンドイッチ形成)に移行する。いくつかの実施形態では、特定のタイプの分析物分子は、捕捉分子および検出器分子の特定の対と結合する。いくつかの実施形態では、捕捉分子および検出器分子の所与の対は、2種類以上の分析物分子と結合するように構成される。いくつかの実施形態では、任意の所与の超分子構造の不安定状態から安定状態への切り替えは、それに結合した特異的捕捉分子および検出器分子ならびにサンプル中の分析物分子に依存する。いくつかの実施形態では、超分子構造の状態変化が主に分子内相互作用(超分子ナノ構造上)に依存することを考えると、2つの異なる超分子構造間の潜在的な分子間相互作用は、任意の2つの超分子構造間の平均距離が所与の超分子構造上の捕捉分子と検出器分子の対の間の最大分子内距離よりも大きくなるように、(本明細書に記載されるように)ヒドロゲルビーズに埋め込まれるか、または固体基質に結合した超分子構造の正味濃度を制限することによって最小化または排除される。
【0118】
いくつかの実施形態では、サンプルと接触した後、超分子構造の少なくとも1つは安定状態(例えば、捕捉分子、分析物分子および検出器分子が同時に一緒に連結されるサンドイッチ形成)に移行するが、超分子構造の少なくとも1つは、それぞれの捕捉分子および検出器分子がサンプルからの分析物分子と結合または相互作用しないため、不安定状態のままである。
【0119】
引き続き図16を参照すると、サンプルを超分子構造と所定時間接触させた後、サンプルと超分子構造を組み合せた溶液を、それぞれの超分子構造について検出器分子とコア構造との間の連結を切断するためにトリガーに曝す。いくつかの実施形態では、トリガーは、1つ以上のデコンストラクタ(deconstructor)分子(例えば、検出器デコンストラクタ(deconstructor)分子、図4図7の参照符号28)を含む溶液を、組み合せ溶液に導入することを含む。いくつかの実施形態では、トリガーは、組み合せ溶液をトリガー信号に曝すことを含む。いくつかの実施形態では、トリガーは、組み合せ溶液中にデコンストラクタ(deconstructor)分子を導入することと、組み合せ溶液をトリガー信号に曝すこととの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、デコンストラクタ(deconstructor)分子は、核酸(DNAまたはRNA)、ペプチド、小有機分子、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、トリガー信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、近赤外照明を含む。いくつかの実施形態では、組み合せ溶液は、所定の時間にわたってトリガーに曝される。いくつかの実施形態では、組み合せ溶液は、所定の時間にわたって1つ以上のデコンストラクタ(deconstructor)分子とインキュベートされる。いくつかの実施形態では、組み合せ溶液をデコンストラクタ(deconstructor)分子と共に約30秒~約24時間インキュベートする。いくつかの実施形態では、組み合せ溶液をデコンストラクタ(deconstructor)分子と共に約30秒~約1分、約1分~約5分、約5分~約30分、約30分~約1時間、約1時間~約5時間、約5時間~約12時間、約12時間~約24時間、または約24時間~約48時間インキュベートする。
【0120】
図16に参照符号206で示すように、いくつかの実施形態では、組み合せ溶液をトリガーに曝すことにより、例えば検出器バーコード(例えば、図1の参照符号21)とコア構造13との間の連結による、検出器分子とそれぞれのコア構造との間の連結が切断される。いくつかの実施形態では、切断は、核酸(DNA/RNA)鎖置換、光切断、化学的切断、当技術分野で公知の別の技術、またはそれらの組み合せによって達成される。安定状態に移行した超分子構造については、検出器分子1は、対応する捕捉分子2との連結を介してコア構造13に連結したままであるように示されている。不安定状態で残された超分子構造については、検出器分子は、それぞれのコア構造から結合解除されている212として示されている。いくつかの実施形態では、参照符号206で示すように、結合解除された検出器分子をヒドロゲルビーズ(または固体基質)から分離する。いくつかの実施形態では、結合解除されている検出器分子2は、それぞれの検出器バーコード21に連結されたままである。
【0121】
いくつかの実施形態では、結合解除されている検出器分子および対応する検出器バーコードは、組み合せ溶液からさらに分離される。いくつかの実施形態では、結合解除されている検出器分子は、ポリエチレングリコール(PEG)沈殿によって組み合せ溶液から分離される。いくつかの実施形態では、結合解除された検出器分子は、組み合せ溶液中のコア構造をそれぞれのコア構造上の対応するアンカー分子を介してマイクロビーズ、固体支持体および/または磁気ビーズに結合させることによって組み合せ溶液から分離され、その後、遠心分離、ミクロン濾過、クロマトグラフィーまたはそれらの組み合せによって、結合解除された検出器分子を分離する。
【0122】
いくつかの実施形態では、結合解除された検出器分子が組み合せ溶液から分離された後、検出器バーコード21は、それぞれの捕捉分子に連結された対応する検出器分子から切断される(例えば、安定状態に移行した超分子構造上に置かれている場合)。いくつかの実施形態では、検出器バーコードは、核酸(DNA/RNA)鎖置換、光切断、化学的切断、またはそれらの組み合せによって、対応する検出器分子から切断される。いくつかの実施形態において、検出器バーコードは、トリガーに曝されることによって対応する検出器分子から切断される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、トリガーは、デコンストラクタ(deconstructor)分子、トリガー信号、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、デコンストラクタ(deconstructor)分子は、検出器バーコード放出分子(例えば、図4および図7の参照符号29)を含む。
【0123】
図16の参照符号207で示すように、いくつかの実施形態では、切断された検出器バーコード21は、対応するヒドロゲルビーズまたは固体基質から分離される。いくつかの実施形態において、切断された検出器バーコード21は、超分子構造を含む溶液から単離される(図16参照符号208)。いくつかの実施形態では、切断された検出器バーコード21は、ポリエチレングリコール(PEG)沈殿によって溶液から単離される。いくつかの実施形態では、切断された検出器バーコード21は、溶液中の各コア構造をそれぞれのコア構造上の対応するアンカー分子を介してマイクロビーズ、固体支持体および/または磁気ビーズに結合させることによって溶液から単離され、その後、遠心分離、ミクロン濾過、クロマトグラフィーまたはそれらの組み合せによって、切断された検出器バーコードを単離する。
【0124】
いくつかの実施形態では、切断された検出器バーコード21は、それぞれの検出器分子に結合した分析物分子に相関する信号を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、検出器バーコードはDNA鎖を含む。いくつかの実施形態では、検出器バーコードは、分析物分子に相関するDNA信号を提供する。いくつかの実施形態では、図16に参照符号210で示すように、単離された検出器バーコード21を分析して、サンプル中の対応する分析物分子を同定する。いくつかの実施形態では、単離された検出器バーコード21を分析して、サンプル中の対応する分析物分子を同定および/または定量する。いくつかの実施形態では、単離された検出器バーコードの分析は、遺伝子タイピング、qPCR、配列決定、またはそれらの組み合せを含む。
【0125】
単一細胞内の分析物分子の検出
図17図20は、単一細胞内にある分析種分子を検出するための例示的な方法を提供する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルビーズに超分子構造を結合させること、または固体基質(例えば、マイクロビーズ)に超分子構造を結合させることにより、単一細胞分解能での細胞内分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)の検出および細胞内分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)の定量化が可能になる。いくつかの実施形態では、細胞内分析物分子は、それぞれの細胞の外側に存在しない可能性がある。いくつかの実施形態では、単一細胞分解能での細胞内分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)の検出および細胞内分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)の定量化は、単一細胞プロテオミクスアッセイを含む。図17図20は、超分子構造がヒドロゲルビーズ内に埋め込まれた状態で提供される、分析物分子を検出するための例示的な方法を提供する。いくつかの実施形態では、図17図20に示す方法は、代替的に、固体基質(例えば、マイクロビーズ)に結合した超分子構造を提供することを含む。
【0126】
図17は、マイクロ流体液滴形成チップを使用して、単一細胞を、1つ以上の超分子構造が結合したヒドロゲルビーズで捕捉すること302を含む例示的な第1の工程を提供し、形成された各液滴304は、単一細胞およびヒドロゲルビーズを封入する。いくつかの実施形態では、各液滴304は、1つ以上の単一細胞および1つ以上のヒドロゲルビーズを封入する。いくつかの実施形態では、超分子構造は、本明細書に記載の方法を使用してヒドロゲルビーズに結合される(例えば、ヒドロゲルビーズ内に埋め込まれる)(例えば、図13図14)。いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子構造は、特定の細胞間分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)と相互作用するように構成される。いくつかの実施形態では、他の方法および/またはマイクロ流体チップ設計を使用して、1つ以上のヒドロゲルビーズを含む単一細胞の捕捉を達成する。
【0127】
図18は、組み合せ溶液中に、捕捉された単一細胞およびヒドロゲルビーズを有する液滴304を収集し、液滴304を処理するための例示的な実施形態を提供する。いくつかの実施形態では、細胞内分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)は、各細胞から同じ液滴304内のヒドロゲルビーズ上またはその周囲に移される。いくつかの実施形態では、細胞内分析物分子を移動させることは、液滴中に捕捉された細胞を溶解することを含む(図18の参照符号306、工程1)。いくつかの実施形態では、溶解は、機械的処理または溶解緩衝液の導入を含む。組み合せ溶液に示されるように、いくつかの実施形態では、ヒドロゲルビーズに対応するすべての超分子構造が不安定状態にある。いくつかの実施形態では、溶解物の内容物(例えば、分析物分子44)を、その後、液滴内のヒドロゲルビーズと相互作用308させ(工程2)、それによって特定の細胞間分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)が、ヒドロゲルビーズに付着した関連する超分子構造によって捕捉されることを可能にする(例えば、捕捉2および検出器1分子)。いくつかの実施形態では、溶解物の内容物(例えば、分析物分子)を、約30秒~約24時間の期間、ヒドロゲルビーズと相互作用させる。いくつかの実施形態では、溶解物の内容物(例えば、分析物分子)を約30秒~約1分、約1分~約5分、約5分~約30分、約30分~約1時間、約1時間~約5時間、約5時間~約12時間、約12時間~約24時間、または約24時間~約48時間、ヒドロゲルビーズと相互作用させる。
【0128】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、分析物分子と対応する捕捉2分子および検出器1分子との間の相互作用により、それぞれの超分子構造が不安定状態から安定状態に移行する(参照符号309で示すように)。いくつかの実施形態では、特定のタイプの分析物分子は、捕捉および検出器分子の特定の対と結合する(例えば、捕捉分子、分析物分子、および検出器分子でのサンドイッチ形成)。いくつかの実施形態では、捕捉分子および検出器分子の所与の対は、2種類以上の分析物分子と結合するように構成される。いくつかの実施形態では、任意の所与の超分子構造の不安定状態から安定状態への切り替えは、それに結合した特異的捕捉分子および検出器分子ならびに細胞中の分析物分子に依存する。
【0129】
溶解物の内容物をヒドロゲルと所定時間相互作用させた後、いくつかの実施形態では、続いて液滴を破壊し、その後、ヒドロゲルビーズを洗浄する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルビーズは、それぞれの超分子構造の検出器分子とコア構造との間の連結を切断するためにトリガーに曝される。いくつかの実施形態では、トリガーは、1つ以上のデコンストラクタ(deconstructor)分子(例えば、図4図7の検出器デコンストラクタ(deconstructor)分子28)を含む溶液を、ヒドロゲルビーズを含む組み合せ溶液に導入することを含む(参照符号310)。いくつかの実施形態では、トリガーは、組み合せ溶液をトリガー信号に曝すことを含む。いくつかの実施形態では、トリガーは、組み合せ溶液をデコンストラクタ(deconstructor)分子およびトリガー信号に曝すことを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、デコンストラクタ(deconstructor)分子は、核酸(DNAまたはRNA)、ペプチド、小有機分子、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、トリガー信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、近赤外照明を含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルビーズは、所定の時間にわたってトリガーに曝される。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルビーズは、約30秒~約24時間トリガーに曝される。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルビーズは、約30秒~約1分、約1分~約5分、約5分~約30分、約30分~約1時間、約1時間~約5時間、約5時間~約12時間、約12時間~約24時間、または約24時間~約48時間トリガーに曝される。
【0130】
いくつかの実施形態では、トリガー(例えば、図4図7からの検出器デコンストラクタ(deconstructor)分子28)は、対応する捕捉分子に連結されていないヒドロゲルビーズ(すなわち、捕捉分子、検出器分子、および分析物分子を含むサンドイッチ形成に関与しない)からすべての検出器分子を放出する。
【0131】
いくつかの実施形態では、ヒドロゲルビーズが規定の時間にわたってトリガーに曝された後、ヒドロゲルビーズを1回以上洗浄して、弱く結合した分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)またはそれぞれの超分子構造から結合解除された検出器分子を除去する(参照符号312、工程4)。いくつかの実施形態では、規定の回数洗浄した後、各ヒドロゲルビーズは、単一細胞から特異的に捕捉された分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)を含む。
【0132】
図19図20は、図18に示される方法から得られた各ヒドロゲルビーズの内容物を分析するための方法の、例示的な描写を提供する。いくつかの実施形態では、各ヒドロゲルビーズの内容物は独立して分析され、各ヒドロゲルビーズは個別にバーコード化される。図19は、1)単一の細胞からの1つ以上の分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)を内部に担持している単一のヒドロゲルビーズを、2)固有のバーコードビーズ318と共に封入314する液滴316を形成するように設計されたマイクロ流体液滴形成システムの例示的な図を提供する。いくつかの実施形態において、各バーコードビーズは、20~60塩基長であり、切断され得るリンカー322を介してビーズに連結された固有の核酸鎖320を含む。いくつかの実施形態において、バーコードビーズ上の切断可能なリンカーは、電磁信号(光)または化学的信号を用いて切断される。
【0133】
図20は、各ヒドロゲルビーズ上に固有のバーコードを移送(両方とも単一の液滴316中に存在する)する方法の例示的な図を提供する(参照符号324、工程1)。いくつかの実施形態では、バーコード320は、バーコード化ビーズ318から切断され、それぞれの液滴316中のヒドロゲルビーズと相互作用することが可能になる。本明細書に記載されるように、バーコード320は、電磁信号(例えば、光、UV光、DTT)または化学的信号に曝されることによってバーコード化ビーズ318から切断される。いくつかの実施形態では、バーコード320をバーコード化ビーズから切断すると、バーコード320がそれぞれの液滴316内の超分子構造上の検出器バーコード21に結合する(符号326、工程2)。いくつかの実施形態では、液滴はその後破壊される。いくつかの実施形態では、検出器バーコードと結合しなかったバーコード鎖320は分離される(参照符号328)。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルビーズを洗浄して、残っているバーコード化鎖を溶液から除去する(参照符号320)。いくつかの実施形態では、バーコード化された検出器バーコード332は、検出器分子から分離され、さらに分析される。いくつかの実施形態では、バーコード化された検出器バーコード332は、核酸(DNA/RNA)鎖置換、光切断、化学的切断、またはそれらの組み合せによって、対応する検出器分子から切断される。いくつかの実施形態において、検出器バーコードは、トリガーに曝されることによって対応する検出器分子から切断される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、トリガーは、デコンストラクタ(deconstructor)分子、トリガー信号、またはそれらの組み合せを含む。
【0134】
いくつかの実施形態では、各分離されバーコード化された検出器バーコード332は、2つの部分、すなわち固有の細胞を識別する固有のバーコード320を有する第1の部分320と、分析物分子(例えば、タンパク質または抗原)の同一性を提供する第2の部分21とを有する。いくつかの実施形態では、合わせて、バーコード化された検出器バーコード332の分析により、単一細胞分解能で細胞内分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)の濃度をプロファイリングすることが可能になる。いくつかの実施形態では、バーコード化された検出器バーコード332を分析して、サンプル中の対応する分析物分子を同定および/または定量する。いくつかの実施形態では、バーコード化された検出器バーコード332の分析は、遺伝子タイピング、qPCR、配列決定、またはそれらの組み合せを含む。
【0135】
表面アッセイを用いた分析物分子の検出
図21は、本明細書に記載の超分子構造を使用する表面ベースのアッセイを使用する、サンプル中の分析物の単一分子計数についてサンプル中の分析物分子を検出する方法(すなわち、単一分子分解能でサンプル中の分析物分子を検出する工程)の例示的な図を提供する。いくつかの実施形態では、超分子構造は、DNAオリガミコアを含むコア構造を含む。いくつかの実施形態では、平面基質400が提供され、平面基質400は、(a)基質400上のすべての特徴の基準座標として機能する基準マーカー402;(b)個々のコア構造(例えば、DNAオリガミ)を固定化することができるマイクロパターン化結合部位406の規定されたセット;(c)基質400の表面と超分子構造(捕捉および検出器分子、コア構造分子を含む)との間の相互作用を最小化または防止するバックグラウンド不動態化404を含む。いくつかの実施形態では、基準マーカーは、基質上の他の特徴の基準特徴として使用される、表面上に画定された幾何学的特徴を含む。いくつかの実施形態では、基準マーカー402は、コア構造または超分子構造の他の分子(例えば、DNAオリガミ)と相互作用しないポリマーまたは自己組織化単分子層でコーティングされる。いくつかの実施形態では、バックグラウンド不動態化404は、基質400の表面とサンプルの分析物分子との間の相互作用を最小化または防止する。いくつかの実施形態では、平面基質400は、結合部位406の形成前に規定されるFET、リング共振器、フォトニック結晶またはマイクロ電極などの光学または電気デバイスを含む。いくつかの実施形態では、結合部位406は、平面基質400上にマイクロパターン化される。いくつかの実施形態では、表面上の結合部位406は周期的パターンである。いくつかの実施形態では、表面上の結合部位406は非周期的パターン(例えば、ランダム)である。いくつかの実施形態において、最小距離は、任意の2つの結合部位406の間で特定される。いくつかの実施形態において、任意の2つの結合部位406の間の最小距離は、少なくとも約200nmである。いくつかの実施形態において、任意の2つの結合部位406の間の最小距離は、少なくとも約40nm~約5000nmである。いくつかの実施形態では、結合部位406の幾何学的形状は、円形、正方形、三角形、または他の多角形を含む。いくつかの実施形態では、不動態化404に使用される化学基は、トリメチルシリル(TMS)などの中性に帯電した分子、PEGなどの非帯電ポリマー、双性イオンポリマー、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、結合部位406を画定するために使用される化学基は、シラノール基、カルボキシル基、チオール、他の基、またはそれらの組み合せを含む。
【0136】
いくつかの実施形態において、単一の超分子構造40は、それぞれの結合部位406に結合される(工程1)。参照符号416は、超分子構造40の構成要素の描写を個別に、および平面基質上に組み立て、配置して提供する(構成要素は、本明細書、例えば、図1図2図3図5図6に記載されているとおりである)。いくつかの実施形態では、超分子構造40は、DNAオリガミを含むコア構造13を含み、超分子構造40は、DNAオリガミ配置技術を使用して結合部位のそれぞれに結合される(工程1)。いくつかの実施形態において、超分子構造40は、それぞれの結合部位406に結合される前に組み立てられる。いくつかの実施形態では、DNAオリガミは、DNAオリガミ配置技術を使用して結合部位への結合を容易にするように、固有の形状および寸法を含む。いくつかの実施形態では、DNAオリガミの配置は、表面(例えば、マイクロパターン化表面)上に個々のDNAオリガミ(例えば、コア構造体)を構成するための誘導自己組織化技術を含む。いくつかの実施形態では、DNAオリガミ配置の代わりに、結合部位に予め構成されたDNAオリガミに超分子ナノ構造40の反応性基が結合される。いくつかの実施形態では、超分子ナノ構造を対応する結合部位に結合させるためのこれらの方法の両方は、マイクロパターン化された結合部位上に、DNAオリガミ配置技術を使用して1つ以上の分子を構成する能力に依存している。いくつかの実施形態では、平面基質は、この工程の後、清浄な環境で有意な期間保管することができる。
【0137】
引き続き図21を参照すると、いくつかの実施形態では、分析物分子を含むサンプル(本明細書に記載)を平面基質と接触させる(工程2)。いくつかの実施形態では、フローセルを使用してサンプルを平面基質と接触させる。いくつかの実施形態では、サンプルは、結合部位406に結合した超分子構造と共に平面基質上でインキュベートされる。いくつかの実施形態では、インキュベーション期間は、約30秒~約24時間であり得る。いくつかの実施形態では、インキュベーション期間は、約30秒~約1分、約1分~約5分、約5分~約30分、約30分~約1時間、約1時間~約5時間、約5時間~約12時間、約12時間~約24時間、または約24時間~約48時間であり得る。
【0138】
いくつかの実施形態では、サンプル中の分析物分子44は、平面400上の超分子構造40と相互作用する。いくつかの実施形態では、特定の分析物分子44の単一のコピーが捕捉分子および検出器分子の両方と同時に結合し、その結果、特定の超分子構造が不安定状態から安定状態418に切り替わる(本明細書、例えば、図8図10に記載されるように)。いくつかの実施形態では、特定の分析物の単一のコピーは、既に互いに結合している捕捉および検出器分子と同時に相互作用し、超分子構造を安定状態から不安定状態に切り替えることができる(本明細書、例えば、図11に記載されるように)。
【0139】
引き続き図21を参照すると、いくつかの実施形態では、平面基質は次いでトリガーに曝される。いくつかの実施形態では、トリガーは、デコンストラクタ(deconstructor)分子(例えば、図7の検出器デコンストラクタ(deconstructor)分子28)を含む。いくつかの実施形態では、トリガーはトリガー信号を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、デコンストラクタ(deconstructor)分子(例えば、検出器デコンストラクタ(deconstructor)分子28)は、核酸(DNAまたはRNA)、ペプチド、小有機分子、またはそれらの組み合せを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、トリガー信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、近赤外照明を含む。いくつかの実施形態では、平面基質に結合した超分子構造に関連するデコンストラクタ(deconstructor)分子は、前記超分子構造と相互作用することができる。いくつかの実施形態では、デコンストラクタ(deconstructor)分子は、平面基質を含むフローセルに導入される。いくつかの実施形態では、デコンストラクタ(deconstructor)分子を超分子構造と共に約30秒~約24時間インキュベートする(工程3)。いくつかの実施形態では、インキュベーション期間は、約30秒~約1分、約1分~約5分、約5分~約30分、約30分~約1時間、約1時間~約5時間、約5時間~約12時間、約12時間~約24時間、または約24時間~約48時間であり得る。
【0140】
いくつかの実施形態では、デコンストラクタ(deconstructor)分子との相互作用によって、不安定状態のすべての超分子構造の検出器分子および検出器バーコードが切断され、その結果、これらの検出器分子および検出器バーコードは、平面基質400から物理的に切断される。いくつかの実施形態では、物理的に切断された検出器分子および検出器バーコードは、インキュベーション工程の終了時の1回または複数回の緩衝液洗浄中に除去される。平面基質上の超分子構造が単一の分析物分子の捕捉に起因して安定状態に移行した、いくつかの実施形態では、対応する検出器分子および検出器バーコードは、依然として超分子構造420に連結されており、それにより、対応する検出器分子と捕捉分子との間に形成された分析物媒介サンドイッチ(すなわち、捕捉分子、分析物分子、および検出器分子の間の連結)によって、平面基質に安定に結合される。
【0141】
引き続き図21を参照すると、いくつかの実施形態では、安定状態に移行した超分子構造の位置の検出器バーコードは、信号伝達要素414の結合部位422として使用される(工程4)。いくつかの実施形態では、信号伝達要素は、蛍光分子またはマイクロビーズ、蛍光ポリマー、高荷電ナノ粒子またはポリマーを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の信号伝達要素は、平面構造上の超分子構造と相互作用することができる。いくつかの実施形態では、信号伝達要素は、平面基質を含むフローセルに導入される。いくつかの実施形態では、検出器バーコードは、ローリングサークル増幅またはハイブリダイゼーション連鎖反応などのプロセスにおいて、高蛍光ポリマーの成長のための重合開始剤として使用される。
【0142】
いくつかの実施形態では、工程4で説明される信号伝達要素414の導入によって、表面において、あらゆる個々の分析物捕捉事象(すなわち、捕捉分子、検出器分子、および分析物分子の間の連結)が、(捕捉分子および検出器分子と連結された)それぞれの分析物の位置に存在する信号伝達要素となる。いくつかの実施形態では、信号伝達要素は光学的に活性であり、顕微鏡または一体型光学センサーを使用して平面基質400内で測定することができる。いくつかの実施形態では、信号伝達要素は電気的に活性であり、一体型電気センサーを使用して測定することができる。いくつかの実施形態では、信号伝達要素は磁気的に活性であり、一体型磁気センサーを使用して測定することができる。いくつかの実施形態では、各信号事象は、対応する検出器および捕捉分子によって決定される、同じ種類の分析物分子(同じ種類の分析物分子の単一のコピー)の捕捉に関連し、したがって、信号伝達要素が存在する位置の数をカウントすることは、サンプル中の分析物分子の定量化をもたらす。
【0143】
いくつかの実施形態では、図21に記載の分析物を検出するための方法は、コア構造が、平面基質の表面上に既に構成されたDNAオリガミにコア構造のそれぞれのアンカー部分を介して結合されている、超分子コアを使用する。
【0144】
いくつかの実施形態では、図21に記載の分析物を検出する方法は、分析物分子の単一種類の検出を可能にする。いくつかの実施形態では、図21に記載の分析物を検出する方法は、分析物分子の複数の種類の検出(多重分析物分子検出)を可能にする。いくつかの実施形態では、各超分子構造は、関連するそれぞれの捕捉および検出器分子を独自に同定するようにバーコード化され、それによって捕捉されたそれぞれの分析物分子を同定することを可能にする。いくつかの実施形態では、各超分子構造は、それぞれのアンカー分子を使用してバーコード化される。
【0145】
本発明の好ましい実施形態を本明細書に示し説明してきたが、そのような実施形態が例としてのみ提供されることは当業者には明らかであろう。本発明から逸脱することなく、当業者には多数の変形、変更、および置換が思い浮かぶであろう。本明細書に記載の本発明の実施形態に対する様々な代替形態が、本発明を実施する際に使用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法および構造ならびにそれらの均等物がそれによって包含されることが意図される。
【実施例
【0146】
DNAベースのウィジェットの実証
図22図25は、デコンストラクタ(deconstructor)分子の効率を評価するための例示的なプロセスを示し、架橋鎖(本明細書に記載のとおり)を使用して、本明細書に記載の抗体-抗原-抗体複合体を模倣する(例えば、捕捉分子-分析物分子-検出器分子複合体)。デコンストラクタ(deconstructor)分子の追加時のウィジェット構造の変化は、架橋鎖を有するウィジェットでは、架橋鎖を有さないウィジェットと比較して異なる。
【0147】
デコンストラクタ(deconstructor)の効率を評価するために、3部(3pt)ウィジェット(W3)および5部(5pt)ウィジェット(W5)を様々なDNA鎖で設計した。3部ウィジェットは、DNAの3つの一本鎖:S1、S2、およびコアを含み、コアはビオチンとコンジュゲートしている(図22および図23)。5部ウィジェットは、DNAの5つの一本鎖:S1、S2、ビオチンとコンジュゲートしたコア、架橋、およびデコンストラクタ(deconstructor)で構築された(図22)。
【0148】
3ptウィジェット(W3)の場合、ウィジェットが(S1+コア、W1)とS2の2つのセクションに分割できる能力は、システムが適切に機能するために不可欠である。最後に、鎖置換原則を使用して、デコンストラクタ(deconstructor)、または略して「DC」と呼ばれるDNAの短鎖を利用した。DC鎖は、3ptウィジェットシステムに導入されると、S2鎖を置換する。この実験の目的は、ウィジェットの最終バージョンに存在するであろう抗体-抗原-抗体複合体を模倣する「架橋」鎖を含むシミュレートされた条件下で、3ptウィジェット(W3)のデコンストラクション効率を観察することであった。
【0149】
核酸実験でのヌクレアーゼ汚染は、実験の不整合および実験の失敗さえも引き起こし得るので、ヌクレアーゼフリー脱イオンHOをすべての手順に使用した。最も一般的に使用される緩衝液はTris-EDTA(TE)-Mg緩衝液であり、DNA鎖のハイブリダイゼーションを誘導するのに十分なカチオンを含有する限り、任意の緩衝液を使用することができる。典型的な1xTE-Mg緩衝液は、10mM Tris-HCl(pH8.0)、1mM EDTA、および12.5mM Mg2+を含有する。
【0150】
2つの異なるウィジェットの調製:すべてのDNA鎖をHO中100μMに懸濁した。5ptウィジェットを作製するために、5つのDNA部分(S1、S2、コア、架橋、およびDC)の各鎖1μlおよびTE-Mg緩衝液95μLをPCRチューブに添加して最終容量を100μlにし、チューブを10秒間ボルテックスすることによって混合した。3ptウィジェットを作製するために、3つのDNA部分(S1、S2、およびコア)の各鎖1μlおよびTE-Mg緩衝液97μLをPCRチューブに添加して最終容量を100μlにし、チューブを10秒間ボルテックスすることによって混合した。チューブをサーモサイクラーに入れ、サーモサイクラーの温度を1℃/分の勾配で95℃から25℃まで実行するようにプログラムし、最終保持温度を4℃にした。最終生成物を4℃で短期間または-20℃で長期間保存した。
【0151】
DNA鎖をHO中100μMに懸濁した。3ptウィジェットの作製および精製後、3ptウィジェットの濃度を測定し、1.25μMに調整した。精製した3pt Widget、架橋鎖(DC鎖を除く)、1×TE-Mg緩衝液(A、C、Eのみ)を、表xのレシピに従って、それらをボルテックスすることによって6本のPCRチューブ中で混合し、室温で1時間インキュベートした。1時間のインキュベーション後、1μlの50μM DC溶液をチューブB、D、およびFに添加した。PCRチューブ内のDNA混合物をボルテックスし、さらに30分間インキュベートした。
【表1】
【0152】
DNAベースのウィジェットの動作原理を図24に示す。「架橋」鎖は、抗体への抗原結合を模倣する。架橋鎖の機能を明確に実証するために、限られた量の架橋鎖を精製した3ptウィジェット(W3)に追加して、3ptウィジェット/架橋の最終的な比率=1/0.1にした(表1のケースA)。3ptウィジェット(W3)と比較した架橋鎖の制限比率(0.1対1)では、理想的には、10%のウィジェットが架橋鎖に結合し、ほとんどのウィジェットは3ptウィジェット(W3)自体として残る。DC鎖が追加されると、架橋(W4)と結合されたウィジェットは分解しないが、架橋を欠くウィジェット(W3)は、S1+Core(W1)およびS2+DC(W2)を含む2つの部分に分解される。ストレプトアビジンビーズを添加すると、架橋を含むウィジェット(W5)とS1+コア(W1)との複合体は、コア-ビオチンおよびストレプトアビジンビーズの強い相互作用を使用して溶液の底に引き下げられるが、上清は、架橋を欠くウィジェット(W3)から容易に分離されるS2+DC(S2)複合体を含む。S2鎖に部分的に相補的な放出鎖のさらなる添加によって、ビーズ上に結合したS1+コア+架橋(W6)の複合体からS2+DC+放出(W7)複合体が分離することができる。
【0153】
図24に示すように、分子集合体(W1-W7)のアガロースゲル電気泳動(図25)により、DNAベースのウィジェットを用いたデコンストラクタ(deconstructor)の効率を評価した。アガロースゲル上で、強いバンドは、適切に折り畳まれた構造の強化を示した。図25に示すように、アガロースゲル上には、W1(レーン1)、W2(レーン2)、および架橋(レーン3)毎に1つのバンドが現れた。アガロースゲルは、強い単一バンドによって3ptウィジェットが作製されたことを示した(レーン4)。制限量の架橋鎖をW3に添加すると、W3に対応するバンドおよび1つの強いバンドおよびW4の小さいもの(レーン5)を含むいくつかのバンドがアガロースゲル上に出現し、これは図24の実例との良好な一致を示した。架橋対W3の比率は1/10であったので、W3の大部分は、架橋鎖と結合することなくそのままで残った。架橋と2つ以上のW3複合体との間の分子間相互作用による、W4のいくつかのバンドが現れた。この相互作用は、実験条件の最適化によって後に減少する。DCを添加すると、レーン7に示すように、W4はW5になり、W3はW1およびW2を含む2つのセクションに分離した。ストレプトアビジンビーズの添加時に、ビオチンを含有するW5およびW1の両方をチューブに引き下げた後、上清は、W1から分離されたW2(元々はW3)に対応するバンドおよび過剰DCのバンド(レーン8)を示した。過剰な放出鎖をさらに添加すると、各W7に対応する2つのバンド(レーン10として特定される)および過剰な放出が、大部分がストレプトアビジンビーズと共にチューブの底部に留まるW6の非常に軽いバンドで出現した(レーン9)。アガロースゲル電気泳動の結果は、図24に示された基本原理とよく一致し、DNAベースのウィジェットによるデコンストラクタ(deconstructor)分解器の効率を実証した。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【国際調査報告】