(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-11
(54)【発明の名称】誘導チェーン運搬システム
(51)【国際特許分類】
B65H 75/36 20060101AFI20231003BHJP
H02G 11/00 20060101ALI20231003BHJP
H02G 11/02 20060101ALI20231003BHJP
F16L 3/01 20060101ALI20231003BHJP
A01G 18/60 20180101ALI20231003BHJP
A01K 67/033 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
B65H75/36 G
H02G11/00
H02G11/02
F16L3/01
A01G18/60
A01K67/033 502
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516832
(86)(22)【出願日】2021-09-13
(85)【翻訳文提出日】2023-05-15
(86)【国際出願番号】 EP2021075138
(87)【国際公開番号】W WO2022053695
(87)【国際公開日】2022-03-17
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523091420
【氏名又は名称】ナセコモ・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルク・ルイス・レイモンド・ボラルド
【テーマコード(参考)】
2B011
3F068
3H023
5G371
【Fターム(参考)】
2B011AA01
2B011AA02
2B011AA03
2B011AA04
2B011AA05
2B011CA02
2B011CA06
2B011DA01
3F068AA05
3F068AA12
3F068CA02
3F068CA04
3F068DB03
3F068EA02
3H023AA04
3H023AA05
3H023AB07
3H023AC61
5G371AA05
5G371AA07
5G371BA07
5G371CA03
5G371CA04
(57)【要約】
誘導チェーンならびに可撓性の供給ケーブルおよび/またはパイプラインを折り畳まずに展開および保管するための誘導チェーン運搬システム(1)において、誘導チェーン運搬システムが、作業面(3)上を移動可能であり、ケーブルおよび/またはパイプラインに接続された移動ワークステーション(6)と、その一端が静的接続領域(7)に接続され、その他端が移動ワークステーション(6)に接続された、ケーブルおよび/またはパイプラインを支持するための少なくとも1つの誘導チェーン(20)とを備え、補償システムを備える少なくとも1つの補償台車(8)によって特徴付けられ、補償台車(8)が移動可能であり、移動ワークステーション(6)が静的接続領域(7)に最も近い動作位置から静的接続領域(7)から最も遠い動作位置まで移動する間に、誘導チェーン(20)を真っ直ぐに維持するために、補償システムが抵抗力を生成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備(2)のために構成され、誘導チェーンならびに可撓性の供給ケーブルおよび/またはパイプラインを折り畳まずに展開および保管するための誘導チェーン運搬システム(1)であって、
前記誘導チェーン運搬システムが、
第1のエンジンによって作業面(3)上を移動可能であり、前記ケーブルおよび/またはパイプラインに接続された移動ワークステーション(6)と、
前記ケーブルおよび/またはパイプラインを支持するために、一端が静的接続領域(7)に接続されかつ他端が前記移動ワークステーション(6)に接続された少なくとも1つの誘導チェーン(20)と、
補償システムを備える少なくとも1つの補償台車(8)と、
を備え、
前記補償台車(8)が、第2のエンジン(81)によって移動可能であり、
前記移動ワークステーション(6)が、前記静的接続領域(7)に最も近い動作位置から前記静的接続領域(7)から最も遠い動作位置まで移動する間に、前記誘導チェーン(20)を同じ平面内で屈曲させるが折り畳まれないように維持するために、前記第1のエンジンにより、または前記第1のエンジンに送信された信号の値に基づいてコントローラによって計算された抵抗力を前記補償システムが生成することができる、誘導チェーン運搬システム(1)。
【請求項2】
前記誘導チェーン(20)が、限られた回転軸によって互いに接続された、通路を画定する多数の容積を備え、前記回転軸それぞれが、前記誘導チェーン(20)の1つの片側に近接して位置し、本質的に前記誘導チェーン(20)の片側のみに可撓性のチェーンを得る、請求項1に記載の誘導チェーン運搬システム(1)。
【請求項3】
前記誘導チェーン(20)と同じ経路をたどって前記誘導チェーン(20)の終点(21、22)の近くに前記終点が固定され、前記誘導チェーン(20)のいかなる折り畳みも生成せずにその長さが前記誘導チェーン(20)よりも短い、少なくとも1つのセキュリティケーブルを備える、請求項1または2に記載の誘導チェーン運搬システム。
【請求項4】
前記移動ワークステーション(6)が、前記移動ワークステーション(6)を駆動する1つの第1のエンジンを備え、
前記補償システムが、前記補償台車(8)を駆動する1つの第2のエンジンを備え、
前記第1のエンジンおよび前記第2のエンジンが、協働して前記移動ワークステーション(6)が受信された移動命令に従って移動し、前記誘導チェーン(20)の折り畳みおよび破損を回避することを可能にする、請求項1から3のいずれか一項に記載の誘導チェーン運搬システム(1)。
【請求項5】
前記第1のエンジンが、受信された第1の信号に従って始動または停止することができ、
前記第1のエンジンが、前記移動の有効性を示す第2の信号をコントローラに繰り返し送信することができ、
前記第2のエンジン(81)が、少なくとも前記第1および第2の信号を変数として含む方程式に従って前記コントローラによって繰り返し計算された命令に従って、所与の出力および速度で始動することができる、請求項4に記載の誘導チェーン運搬システム(1)。
【請求項6】
前記移動ワークステーション(6)が、前記第1のエンジンの動作を表す少なくとも第3の信号をコントローラに送信することができ、
前記補償システムが、前記第2のエンジン(81)の前記動作を表す少なくとも第4の信号を測定し、前記コントローラに送信することができ、
前記コントローラが、繰り返し受信された前記第3の信号および/または前記第4の信号を分析するように適合され、前記第3の信号および/または前記第4の信号が最小値または最大値の外側にある場合、前記コントローラが、前記第1のエンジンと前記第2のエンジンの両方に対するイモビライザ信号を生成するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の誘導チェーン運搬システム(1)。
【請求項7】
前記コントローラが、前記第3の信号および/または前記第4の信号が許容範囲外であることを検出し、オペレータに警告するために、第5の信号、例えば赤色光または警報音を生成することができる、請求項6に記載の誘導チェーン運搬システム(1)。
【請求項8】
前記補償台車(8)が、第1のチェーン滑車(10)に少なくとも部分的に巻き付けられた前記誘導チェーン(20)の動きに従って移動する少なくとも1つの前記第1のチェーン滑車(10)を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の誘導チェーン運搬システム(1)。
【請求項9】
前記設備(2)に固定され、そこに少なくとも部分的に巻き付けられた前記誘導チェーン(6)の前記動きに応じて回転可能であり、前記誘導チェーン(6)の軸方向を変更するための少なくとも1つの第2のチェーン滑車(30)を備える、請求項8に記載の誘導チェーン運搬システム(1)。
【請求項10】
前記誘導チェーン(6)が、前記補償台車(8)の1つの長手方向側面および前記移動ワークステーション(6)の1つの長手方向側面に配置され、前記長手方向側面が、前記移動ワークステーション(6)の移動方向に平行であり、前記誘導チェーン(20)を格納するための少なくとも1つの長手方向ケースを前記設備(2)に固定することができる、請求項1から9のいずれか一項に記載の誘導チェーン運搬システム(1)。
【請求項11】
前記移動ワークステーション(6)および前記補償台車(8)が、2つの平行な軸に従って反対方向に移動している、請求項1から10のいずれか一項に記載の誘導チェーン運搬システム(1)。
【請求項12】
前記補償台車(8)が前記作業面(3)の下に位置する、請求項1から11のいずれか一項に記載の誘導チェーン運搬システム(1)を備える設備(2)。
【請求項13】
前記補償台車(8)が前記作業面(3)の下に位置し、前記作業面が上下にいくつかの作業領域(3)に分割された、請求項9に記載の誘導チェーンシステム(1)を備える設備(2)であって、
前記設備(2)が、リフトシステム(5)をさらに備え、
前記リフトシステム(5)が、
1つのレベルの作業領域(3)から別のレベルの作業領域(3)に前記移動ワークステーションを受け入れ、支持し、搬送することができる垂直可動部(23)と、
前記可動部(23)を移動させる第3のエンジン(91)であって、前記第3のエンジン(91)が、前記第2のエンジン(81)と協働して、前記誘導チェーン(20)の折り畳みおよび破損を回避するように構成された、第3のエンジン(91)と、
少なくとも2つのチェーン滑車(30、40)であって、前記第2のチェーン滑車(30)が前記移動ワークステーション(8)の最も低い位置の下に固定され、前記第3のチェーン滑車(40)が前記可動部分(23)に固定される、チェーン滑車(30、40)と、
を備える、設備(2)。
【請求項14】
昆虫の繁殖、キノコの栽培、または物流の分野で使用される、請求項12または13に記載の設備(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導チェーン運搬システムの分野に関し、より正確には、一方で単一の静的接続点に接続され、他方で移動ワークステーションに接続された可撓性のケーブルおよび/またはパイプラインを誘導する誘導チェーンを展開および格納するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
より正確には、移動ワークステーションは作業面上で動作する必要がある。移動ワークステーションの移動の大きさは、作業面が増大するにつれて増大する。したがって、誘導チェーンの必要な長さは伸ばされ、誘導チェーンの長さは、静的接続点から最も遠い極限動作位置に到達するために数メートルにわたってもよい。
【0003】
誘導チェーンは、可撓性のケーブルおよび/またはパイプラインを支持し、移動ワークステーションが静的接続点に最も近い動作位置から、静的接続点から最も遠い動作位置まで移動することを可能にするために、移動ワークステーションの移動に従って展開または格納される。
【0004】
誘導チェーンは、移動ワークステーションが到達する必要がある有用な領域の任意の位置における可撓性のケーブルおよび/またはパイプライン(電気通信ケーブル、水管、圧縮空気管など)の誘導を確実にする。誘導チェーンは、ホース、ケーブル、パイプラインなどを誘導するためによく知られている。一例は「Igus」の商標で市販されている。
【0005】
誘導チェーンは、特許文献1に開示されているように、連結式に互いに接続された多数のチェーンリンクから作製される。
【0006】
誘導チェーンは、移動ワークステーションが静的接続点の近くにあるときに格納される必要がある。誘導チェーンはまた、移動ワークステーションが静的接続点から最も離れた動作位置の近くにあるときに展開されなければならない。
【0007】
可撓性供給パイプラインを誘導するための装置の分野では、少なくとも部分的にその上に巻き付けられた誘導チェーンを有する戻りホイールを使用することが知られており、前記戻りホイールは、前記誘導チェーンの一部の上を自由に回転し、前記誘導チェーンの移動によって駆動されるチェーンホイールを含み、前記ワークステーションの移動中に、余分な長さの誘導チェーンが持ち上げられ、ループ内に置かれる。
【0008】
特許文献2は、移動ワークステーションが可撓性パイプラインによって静的接続点に接続される例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0000198A1号明細書
【特許文献2】米国特許第4600817号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、この既知の誘導システムは、誘導システムに設置されると2つの反対方向に曲げられる誘導チェーンを備えるが、それは非常に希少で非常に高価な誘導チェーンである。この既知の誘導システムはまた、誘導チェーンの折り畳みに対する保護を提供しない。
【0011】
軸の周りの数メートルよりも長い誘導チェーンの単純な巻き取りは、その寸法が一般的なサイズの上屋と互換性がない容積を占める。14メートルより長い誘導チェーンを完全に展開または格納する現実的な解決策は存在しない。
【0012】
したがって、本発明は、移動ワークステーションの位置が静的接続点に最も近い動作位置と静的接続点から最も遠い動作位置との間のどこであっても、一方向のみに曲げられた誘導チェーンを簡単に、安全に、かつ効率的に展開および格納し、誘導チェーンの長さが何であれ、誘導チェーンのいかなる折り畳みも回避することを目的とする。
【0013】
本発明の目的はまた、移動ワークステーションが静的接続点に最も近い位置にあるときに、格納スペースを浪費することなく誘導チェーンを展開および格納する解決策を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって、本発明は、請求項1に記載された誘導チェーン運搬システムに関する。
【0015】
静的接続点は、異なる供給物資(電気、水、圧縮空気など)が搬送される場所である。異なる供給物資は、すべて同様の向きを有する同じ要素上でグループ化され、パイプラインおよび/またはケーブルの端部に接続可能な要素を介して利用可能である。
【0016】
移動ワークステーションは、作業スペース内でいくつかの動作を実行することができる操作デバイスである。例えば、農業の分野では、移動ワークステーションは、加湿、換気、下地の位置決めおよび除去、食品の送達などを行うことができる。
【0017】
したがって、本発明は、簡単に、効率的に、かつ安全に誘導チェーンを展開および格納することを可能にする。
【0018】
本発明によれば、真っ直ぐな誘導チェーンは、誘導チェーンを同じ平面内で曲げることができるが、折り畳むことができないことを意味する。真っ直ぐな誘導チェーンは、誘導チェーンが同じ平面内に留まる限り曲げることができる。誘導チェーンの平面は、通常、垂直である。
【0019】
誘導チェーンの折り畳みを回避することは非常に重要である。本発明によれば、折り畳みは、誘導チェーンによって耐えられる機械的限界を超える折り畳みを形成することを意味する。したがって、誘導チェーンを折り畳むことは、誘導チェーン自体、ならびにケーブルおよびパイプラインにも損傷をもたらす可能性がある。
【0020】
誘導チェーンを格納するために必要なスペースも、設備を最適化するための重要な基準である。作業面を増大させると、移動ワークステーションが移動する距離が増大し、誘導チェーンの長さの増大をもたらす。誘導チェーンを折り畳むリスクおよび格納に必要なスペースは、誘導チェーンの長さとともに増加する。
【0021】
本発明によれば、1つの要素が別の要素に「近い」とは、それらの要素が同じ位置、同じ向きにあり、限られた距離に位置することを意味する。限られた距離は、動作中の各要素の安定した固定を保証しながら可能な最小距離である。
【0022】
様々な態様によれば、以下の特徴のうちの1以上が実装されてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態によれば、本発明は、請求項2に記載された誘導チェーン運搬システムに関する。
【0024】
したがって、誘導チェーンの最も一般的なタイプおよび単純な構造を誘導チェーンとして使用することができる。
【0025】
いくつかの実施形態によれば、本発明は、請求項3に記載された誘導チェーン運搬システムに関する。
【0026】
上記セキュリティケーブルのおかげで、誘導チェーンならびにケーブルおよび/またはパイプラインに加えられる張力が低減され、誘導チェーンの摩耗が低減され、誘導チェーンの破損のリスクが低減される。
【0027】
いくつかの実施形態によれば、本発明は、請求項4に記載された誘導チェーン運搬システムに関する。
【0028】
したがって、標準的で利用可能な産業用非同期エンジンは、誘導チェーン運搬システムを動作させるために使用することができる。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、本発明は、請求項5に記載された誘導チェーン運搬システムに関する。
【0030】
したがって、第2のエンジンは、第1のエンジンが実際に移動ワークステーションを移動させているときにのみ始動することができる。第2のエンジンはまた、第1のエンジンに送信された移動信号にもかかわらず第1のエンジンが移動できない場合に停止することができる。そのような構成により、作業ステーションが移動せずに補償台車を移動させることが回避される。
【0031】
そのため、誘導チェーンに加えられる摩耗を制御することができる。
【0032】
セキュリティケーブルに加えられる張力は、規定された範囲内のコントローラに記録された目標値のままである。目標張力の値は、使用される材料、異なる可動要素の重量、および移動ワークステーションの位置に依存する。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、本発明は、請求項6に記載された誘導チェーン運搬システムに関する。
【0034】
したがって、1つのパラメータが正常動作範囲外になった場合に、システムの固定化を適用することができる。それにより、損傷のリスクが低減され、損傷が制限される。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、本発明は、請求項7に記載された誘導チェーン運搬システムに関する。
【0036】
したがって、誰かが設置時に問題があることを知ることができ、問題、例えば、移動ワークステーションが要素によってその移動がブロックされていることを手動で解決しようと試みることができる。
【0037】
いくつかの実施形態によれば、本発明は、請求項8に記載された誘導チェーン運搬システムに関する。
【0038】
したがって、誘導チェーンは、固定された直径による誘導チェーンのループを可能にする補償台車によって運搬することができる。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、本発明は、請求項9に記載された誘導チェーン運搬システムに関する。
【0040】
上記固定滑車のおかげで、誘導チェーンは、移動ワークステーションの上方または作業面の下方に曲げ戻され、誘導チェーン運搬システムによって使用されるスペースを最適化することができる。
【0041】
いくつかの実施形態によれば、本発明は、請求項10に記載された誘導チェーン運搬システムに関する。
【0042】
この配置のおかげで、誘導チェーンの重量は、主に横の長手方向ケースによって支持される。したがって、この配置により、誘導チェーンおよび誘導チェーン運搬システムの摩耗が低減され、誘導チェーンの破損のリスクが低減される。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、本発明は、請求項11に記載された誘導チェーン運搬システムに関する。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、本発明は、請求項12に記載された設備に関する。
【0045】
いくつかの用途では、例えば、メンテナンスまたは清掃のためのアクセスを可能にするために、地面と作業面との間に空きスペースが必要である。したがって、この空きスペースは、追加の設置面積を使用することなく誘導チェーンを格納するために使用することができる。
【0046】
いくつかの実施形態によれば、本発明は、請求項13に記載された設備に関する。
【0047】
したがって、いくつかの追加の移動ワークステーションへの投資を要求することなく、地上の設置面積が最適化され、生産量が上下の作業領域の数で乗算される。
【0048】
したがって、作業面のサイズに関する唯一の残りの制限は、すべての作業を実行するための制限時間と比較して、作業面全体にわたって動作するために移動ワークステーションによって要求される時間である。そのような制限時間は、例えば農業の分野に存在する。
【0049】
いくつかの実施形態によれば、本発明は、請求項14に記載された設備に関する。
【0050】
したがって、例えば、自動培養設備の1平方メートル当たりの生産量を増加させ、その最大値まで最適化することができる。
【0051】
これらの適用分野は、作業面に重い要素を有することを強要し、作業面の両側縁部に沿った地面に基づく補強を要求する。したがって、誘導チェーンの長さは、少なくとも1つの作業領域の全長プラス静的接続点から最も遠い作業領域に到達する長さでなければならない。
【0052】
以下の図面に関連して、本発明の実施形態が以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】自動繁殖設備の簡略側面図であって、上下に4つの6メートル長の培養領域が、誘導チェーン運搬システムを備え、誘導チェーン運搬システムが、最も低い培養床の下に取り付けられた補償台車を備え、移動ワークステーションが静的接続点に最も近い動作位置にある、簡略側面図である。
【
図2】
図1と同じ自動繁殖設備の簡略側面図であって、移動ワークステーションは静的接続点から最も遠い動作位置にある、簡略側面図である。
【
図3】側方かつ上方の視点からの補償台車のみの3D詳細図である。
【
図4】自動繁殖設備の3D詳細図であって、誘導チェーン運搬システムへのより良好な視覚的アクセスを付与するために、作業領域が切断されて完全には表示されていない、自動繁殖設備の3D詳細図である。補償レールおよび移動ワークステーションも表示されていない。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図面上で、同じ参照符号は同じまたは同様のオブジェクトを示す。
【0055】
図1は、本発明の1つの可能な実施形態による設備を示す。本例によれば、設備は昆虫を繁殖させるための繁殖設備2である。繁殖設備2は、繁殖の場合は培養領域3とも呼ばれる複数の作業領域3を備え、それらは上下に配置されている。図示された繁殖設備2は繁殖サイクルの途中であり、すべての培養領域に下地が搬入されている。
【0056】
例えば、第1の培養領域3は地面Xから約1メートル上方に設置される。他の培養領域3は第1の培養領域3の上方に配置される。
【0057】
この実施形態では、すべての培養領域3は同一または同様である。所与の培養領域3は水平に配置されている。それは、複数メートルの長さ、例えば6メートルの長さ、またはそれより長くてもよい。各培養領域3では、一回の繁殖サイクルの開始時および終了時に、それぞれ、下地100が搬入および搬出される。設備2は、以下でより詳細に記載される誘導チェーン運搬システム1を備える。
【0058】
図示されていない垂直柱が、培養領域3の重量を支持するために一定の間隔で各長手方向側面に配置される。
【0059】
1つのリフトシステム5が、移動ワークステーション6を垂直に持ち上げるために設けられる。リフトシステム5は、培養領域3の1つの横方向側面に設置される。
【0060】
各培養領域3はステンレス製である。各培養領域3の構造は矩形板である。各培養領域3の長手方向縁部31は、培養領域3の上面に下地を保持するためにフランジを有する。各培養領域3の横方向縁部は、下地100の搬入および搬出を容易にするために平坦である。各ステンレス製矩形板の下面には、誘導レール4が設けられている。誘導レール4は、長手方向縁部に平行である。誘導レール4は長手方向に延在し、真っ直ぐであり、ステンレス製矩形板の下面の中央に配置される。
【0061】
移動ワークステーション6に設置された第1のエンジンは、移動ワークステーション6を培養領域3の上方に移動させることができる。移動ワークステーション6は、ケーブルおよびパイプラインに接続される。ケーブルおよびパイプラインには、以下の3つのタイプ、すなわち、
-電気、圧縮空気のようなエネルギーを搬送するタイプ、
-水のような生成物質を供給して下地を洗浄するタイプ、および、
-移動ワークステーションを動作させるコマンドのようなデジタルデータまたは監視センサデータを交換するタイプ、
がある。
【0062】
移動ワークステーション6は、データを送受信するためにイーサネットケーブルによって接続される。移動ワークステーション6はまた、コントローラに接続される。
【0063】
図1の実施形態によれば、移動ワークステーションはサスペンションホイール11を有する。
図1に示されたように、前記サスペンションホイール11は、誘導レール4のいずれかに接続可能なリフトシステム5のレールセクション23に配置される。リフトシステム5は、オペレータ200によって、またはオペレータによってプログラムされたプロセッサを介して選択された培養領域3に対応する誘導レール4と連続してレールセクション23を配置して、移動ワークステーションの移動のサイクルを繰り返す。
【0064】
図4の実施形態によれば、誘導レール41は、作業領域の各長手方向縁部31の上方にある。
図4に示されていない移動ワークステーションは、
図1の実施形態にあるようなサスペンションホイール11の代わりに支持車輪を有する。リフトシステムの動作は、上述された通りである。
【0065】
静的接続領域7は、第1の培養領域3の下に位置する。静的接続領域7は、これらのエネルギー源、水、およびデータ交換によって支持されるすべてのソケットがグループ化される壁の垂直側面である。静的接続領域7の位置は、地面と第1の培養領域との間のほぼ中間である。静的接続領域7は、リフトシステム5が位置する培養領域の横方向側面に近接している。静的接続領域7は、培養領域3の反対の横方向側面に向けられている。あるいは、様々なケーブルおよび/またはパイプライン用の複数の静的接続領域が存在してもよい。
【0066】
静的接続領域7の下方には、誘導チェーン20を水平に通過させるための穴がある。
【0067】
ケーブルおよびパイプラインは、静的接続領域7に接続される。前記ケーブルおよびパイプラインの長さは、移動ワークステーション6を静的接続領域7から最も遠い動作位置に移動させるのに十分である。
【0068】
これらのケーブルおよびパイプラインは、1次元誘導チェーン20によって誘導される。誘導チェーン20は、回転軸に従って互いに接続された中空平行6面体構造の多数のチェーンリンクから作製される。各回転軸は、誘導チェーン20の1つの片側に近接して位置する。1次元誘導チェーン20を損傷しない2つの連続するチェーンリンク間の可能な最小角度は150°である。1次元誘導チェーン20を損傷しない2つの連続するチェーンリンク間の可能な最大角度は190°である。すべての回転軸は平行である。したがって、可撓性は、本質的に誘導チェーン20の片側のみに影響し、そのような誘導チェーンは1次元誘導チェーンと呼ばれる。したがって、最終的に組み立てられた1次元誘導チェーン20は、ケーブルおよび/またはパイプラインが通り抜けることができる通路である。
【0069】
1次元誘導チェーンの第1の先端21は、移動ワークステーションの1つの横方向側面の垂直に固定された軸上で、移動ワークステーション6に固定されている。1次元誘導チェーン20の第2の先端22は、静的接続領域7に固定されている。
【0070】
1次元誘導チェーン20は、すべてが誘導チェーン20の唯一の可撓性側面に向けられたいくつかの巻線を含む位置に垂直に設置される。この位置は、1次元誘導チェーン20と1次元誘導チェーンによって画定された垂直面に配置された3つのチェーン滑車10、30、40との間の相互作用の結果である。
【0071】
地面Xのレベルに最も近い培養領域3の下には、補償レール9が固定されて設けられている。補償台車8は、4つの支持車輪12と、ラック9と相互作用するピニオン82と、ピニオン82に補償力を加えることができる第2のエンジン81とを備える。
【0072】
補償台車8は、第1のチェーン滑車10も備える。第1のチェーン滑車10は、補償台車8の長手方向側面に取り付けられ、その回転軸は、いくつかのロッドと、補償台車8の1つの長手方向側面に突出する金属プレートとを備える横方向構造83によって補償台車8に接続される。横方向構造83の高さは、チェーン滑車10の直径よりも小さく、チェーン滑車10は、この構造よりも高いと低いとの両方になるようにこの構造に取り付けられる。したがって、設備2に取り付けられると、誘導チェーン20は構造83に圧力をかけている。構造83は、伸張力よりも圧力に対して耐性がある。誘導チェーン10と横方向構造83との間のいかなる摩擦も回避するために、支持車輪85が、横方向構造83上に、横方向構造83上の第1のチェーン滑車10の反対側および上方位置に追加される。
【0073】
補償台車8は、Uターン構成に従って誘導チェーン20の向きを保持している。誘導チェーン20は、静的接続領域7から水平方向に始まり、静的接続領域7の水平方向下方で第1のチェーン滑車10の周りに巻き付いている。補償台車8は、ラック9上に支持された支持車輪12のおかげで動いている。補償台車8は、補償台車8の動きを保持して誘導チェーン20を真っ直ぐに維持するように力を加える第2のエンジン81を備える。補償台車8は、図示されていない2次誘導チェーンによって誘導されるケーブルによって電気エネルギー源に接続されている。保持力は、移動ワークステーション6が静的接続領域7に接近しているときであり、保持力は、移動ワークステーション6が静的接続領域7から遠ざかるときに低減される。したがって、誘導チェーン20の折り畳みも伸張もない。
【0074】
地面Xと静的接続領域7との間を通過した後、誘導チェーン20はリフトシステム5の下を通過し、設備2に取り付けられた第2のチェーン滑車30に到達する。第2のチェーン滑車30は、誘導チェーン20の向きを水平から垂直に変更している。第2のチェーン滑車30は、第3のチェーン滑車40と垂直に整列している。第3のチェーン滑車40は、移動ワークステーション6を支持することができる支持セクション23を備えるリフトシステム5の垂直可動部に取り付けられている。第3のチェーン滑車40は、誘導チェーン20の向きを垂直から水平に変更している。
【0075】
リフトシステム5は、オペレータ200によって直接、またはオペレータによってプログラムされたプロセッサを介して、移動ワークステーションの移動のサイクルを繰り返すように制御することができる。したがって、同じ移動ワークステーションは、培養領域3の1つのレベル、次いで別のレベルを選択することにより、すべての培養領域3上で動作することができる。
【0076】
図2に示されたように、例えば、オペレータが第4のレベルを選択した後、リフトシステム5は培養領域3で作業するために最も遠い位置に到達した。
【0077】
保持力は、ピニオン82とトラック9との間の相互作用を介して第2のエンジン81によって誘導チェーンに加えられる。加えられる保持力は、第1のエンジンにより、または第1のエンジンに送信される信号の値に基づいてコントローラによって計算される。
【0078】
補償システムは、いくつかの信号を監視し、3つの異なるプロセスに従っていくつかのコマンド信号を生成するコントローラを備える。
【0079】
第1の移動プロセスは、通常の水平プロセスとも呼ばれ、以下に記載される。
【0080】
初期段階は、第1および第2の両方のエンジンが回転中にブロックされ、移動ワークステーションが
図1に示された待機位置にある、ブロックされた構成である。
【0081】
第1に、コントローラは、移動ワークステーション6を移動させ、いくつかの可能な動作のうちの動作を実行する命令を受信する。
【0082】
第2に、コントローラは、この情報を分析し、結果として第1のエンジンに送信される第1のコマンド信号を計算する。
【0083】
第3に、第1のエンジンは、その移動の第1の代表信号を生成する。
【0084】
第4に、コントローラは、第1の代表信号を受信すると、第2のエンジン81への第2のコマンド信号を生成する。第2のコマンド信号強度は、補償台車8を移動ワークステーション6の移動と比較して半分の速度で反対方向に移動させるように計算される。
【0085】
第5に、コントローラは、動作を実行するためにコマンド信号を移動ワークステーション6に送信する。
【0086】
第6に、命令が遂行されると、コントローラは、移動ワークステーション6を後退させ、第1のエンジンおよび第2のエンジン81を初期待機位置で停止させる命令を送信する。
【0087】
受信されたコマンドがレベルの変更を含む場合、第2の移動プロセスが水平プロセスの前後に2回追加される。
【0088】
第2の移動プロセスは、通常の垂直プロセスとも呼ばれ、以下に記載される。
【0089】
初期段階は、移動ワークステーションが垂直可動部23によって完全に支持されているときである。
【0090】
第1に、コントローラは、移動ワークステーション6を作業領域3の異なるレベルに移動させる命令を受信する。
【0091】
第2に、コントローラは、この情報を分析し、結果として、可動部23を所要のレベルに向かう方向の上方または下方に移動させるように、第3のエンジン91への第3のコマンド信号を計算する。
【0092】
第3に、第3のエンジン91は、その移動の第3の代表信号を生成する。
【0093】
第4に、コントローラは、第3の代表信号を受信すると、第2のエンジン81への第2のコマンド信号を生成する。第2のコマンド信号強度は、補償台車8を可動部23の速度と比較して半分の速度で移動させるように計算される。補償台車8の方向は、垂直可動部23の移動が上方への移動である場合、リフトシステム5により近い。補償台車8の方向は、垂直可動部23の移動が下方への移動である場合、リフトシステム5からさらに離れている。
【0094】
第5に、リフトシステム5は、垂直可動部23が到達したレベルを示すコマンド信号をコントローラに送信する。最初のレベル命令がリフトシステム5によって到達されたとコントローラに示されると、コントローラは、第3のエンジン91および第2のエンジン81を停止およびブロックする命令を送信する。
【0095】
エンジンの少なくとも1つに加えられた抵抗力が正常範囲を超える場合、緊急停止プロセスとも呼ばれる第3の移動プロセスが、以下に記載されるように起動される。
【0096】
第1に、初期段階は、第1、第2、または(および)第3のエンジンのうちの1つが正常範囲外の抵抗信号をコントローラに送信するときである。
【0097】
第2に、コントローラは、いかなる進行中の移動コマンド信号も直ちに中断する。
【0098】
第3に、コントローラは、すべてのエンジンをブロックする信号を送信する。
【0099】
第4に、コントローラは、赤色光を点灯させ、アラーム音を発生させる。
【0100】
図1によれば、4つの支持車輪11を備える移動ワークステーションは、第1の培養領域のレベルにあるリフトシステム5に位置している。
【0101】
図には見えないが、鋼製の可撓性セキュリティケーブルが誘導チェーン20と同じ経路をたどっている。セキュリティケーブルの終点は、誘導チェーン20の終点21、22と同じ要素に固定されている。セキュリティケーブルの長さは、誘導チェーン20よりもわずかに短い。セキュリティケーブルと誘導チェーン20との間のこの長さの差は、誘導チェーン20のいかなる折り畳みも生み出すのに十分ではない。それにもかかわらず、張力が現れると、それは誘導チェーン20の代わりにセキュリティケーブルによって大部分は支持される。
【0102】
チェーン滑車は、補償台車の1つの長手方向側面および移動ワークステーションの1つの長手方向側面に配置される。前記長手方向側面は、移動ワークステーションの移動方向に平行な側面である。
【0103】
その後に誘導チェーンが続く経路セグメントは、誘導チェーン20を格納するためのいくつかの長手方向ケースを備える。1つの長手方向ケースが
図4に示されている。
【0104】
誘導チェーン20の重量を支持するために、
図4に示されたように、長手方向ケース90が設備2に固定されている。前記長手方向ケース90は、第1のチェーン滑車10と第2のチェーン滑車30との間に誘導チェーンを保持している。図示されていない同様の長手方向ケースは、第3の滑車40と移動ワークステーション6との間に誘導チェーンを保持するために装置に固定されている。
【0105】
コントローラは、移動ワークステーション6が到達した現在位置の情報を保持する。コントローラは、作業領域3の確保されたレベルを含む命令を受信する。
【0106】
移動ワークステーション6が垂直可動部23上にない場合、命令は待機命令の行でコントローラのメモリ内に保持される。移動ワークステーション6が垂直可動部23上にない場合、かつ移動ワークステーション6がまだ確保された作業領域3に対応するレベルにない場合、コントローラは最初に通常の垂直プロセスを起動する。
【0107】
移動ワークステーション6が選択された作業領域3にあるとき、コントローラは、第1の通常の水平プロセスを起動する。第1の通常の水平プロセスの方向は、リフトシステム5がセットアップされている側とは反対側を向いている。
【0108】
設備2は、移動ワークステーションが作業領域3の反対側の端部に到達したときに第1の検出信号を送信する。コントローラが第1の検出信号を受信すると、コントローラは第1の通常の水平プロセスを停止し、第2の通常の水平プロセスを起動する。第2の通常の水平プロセスの方向は、第1の通常の水平プロセスの方向と反対である。
【0109】
移動ワークステーションが垂直可動部23上に完全に戻ると、第2の検出信号がコントローラに送信される。コントローラがこの第2の検出信号を受信すると、コントローラは第2の通常の水平プロセスを停止する。待機中に別の命令がない場合、コントローラは、最も低い作業領域3への方向の通常の垂直プロセスを起動する。
【0110】
それらの間で個々の特徴を交換することによる、またはそれらの均等物および組合せについての本発明の主題のさらなる変形形態は、本発明の範囲内にある。
【符号の説明】
【0111】
1 誘導チェーン運搬システム、2 繁殖設備、3 培養領域,作業領域,作業面、4 誘導レール、5 リフトシステム、6 移動ワークステーション,誘導チェーン、7 静的接続領域、8 補償台車、9 補償レール,ラック、10 第1のチェーン滑車,誘導チェーン、11 サスペンションホイール、12 支持車輪、20 1次元誘導チェーン、21 第1の先端,終点、22 第2の先端,終点、23 垂直可動部,レールセクション,支持セクション、30 第2のチェーン滑車、31 長手方向縁部、40 第3のチェーン滑車、41 誘導レール、81 第2のエンジン、82 ピニオン、83 横方向構造、85 支持車輪、90 長手方向ケース、91 第3のエンジン、100 下地、200 オペレータ
【手続補正書】
【提出日】2023-05-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備(2)のために構成され、誘導チェーンならびに可撓性の供給ケーブルおよび/またはパイプラインを折り畳まずに展開および保管するための誘導チェーン運搬システム(1)であって、
前記誘導チェーン運搬システムが、
- 第1のエンジンによって作業面(3)上を移動可能であり、前記ケーブルおよび/またはパイプラインに接続された移動ワークステーション(6)と、
- 前記ケーブルおよび/またはパイプラインを支持するために、一端が静的接続領域(7)に接続されかつ他端が前記移動ワークステーション(6)に接続された少なくとも1つの誘導チェーン(20)と、
- 補償システムを備える少なくとも1つの補償台車(8)と、
を備え、
前記補償台車(8)が、第2のエンジン(81)によって移動可能であり、
前記移動ワークステーション(6)が、前記静的接続領域(7)に最も近い動作位置から前記静的接続領域(7)から最も遠い動作位置まで移動する間に、前記誘導チェーン(20)を同じ平面内で屈曲させるが折り畳まれないように維持するために、前記第1のエンジンにより、または前記第1のエンジンに送信された信号の値に基づいてコントローラによって計算された抵抗力を前記補償システムが生成することができる、誘導チェーン運搬システム(1)。
【請求項2】
前記誘導チェーン(20)が、限られた回転軸によって互いに接続された、通路を画定する多数の容積を備え、前記回転軸それぞれが、前記誘導チェーン(20)の1つの片側に近接して位置し、本質的に前記誘導チェーン(20)の片側のみに可撓性のチェーンを得る、請求項1に記載の誘導チェーン運搬システム(1)。
【請求項3】
前記誘導チェーン(20)と同じ経路をたどって前記誘導チェーン(20)の終点(21、22)の近くに前記終点が固定され、前記誘導チェーン(20)のいかなる折り畳みも生成せずにその長さが前記誘導チェーン(20)よりも短い、少なくとも1つのセキュリティケーブルを備える、
請求項1に記載の誘導チェーン運搬システム。
【請求項4】
前記移動ワークステーション(6)が、前記移動ワークステーション(6)を駆動する1つの第1のエンジンを備え、
前記補償システムが、前記補償台車(8)を駆動する1つの第2のエンジンを備え、
前記第1のエンジンおよび前記第2のエンジンが、協働して前記移動ワークステーション(6)が受信された移動命令に従って移動し、前記誘導チェーン(20)の折り畳みおよび破損を回避することを可能にする
ように適合されている、
請求項1に記載の誘導チェーン運搬システム(1)。
【請求項5】
前記第1のエンジンが、受信された第1の信号に従って始動または停止する
ように構成され、
前記第1のエンジンが、前記移動の有効性を示す第2の信号をコントローラに繰り返し送信する
ように構成され、
前記第2のエンジン(81)が、少なくとも前記第1および第2の信号を変数として含む方程式に従って前記コントローラによって繰り返し計算された命令に従って、所与の出力および速度で始動する
ように構成されている、請求項4に記載の誘導チェーン運搬システム(1)。
【請求項6】
前記移動ワークステーション(6)が、前記第1のエンジンの動作を表す少なくとも第3の信号をコントローラに送信する
ように構成され、
前記補償システムが、前記第2のエンジン(81)の前記動作を表す少なくとも第4の信号を測定し、前記コントローラに送信する
ように構成され、
前記コントローラが、繰り返し受信された前記第3の信号および/または前記第4の信号を分析するように適合され、前記第3の信号および/または前記第4の信号が最小値または最大値の外側にある場合、前記コントローラが、前記第1のエンジンと前記第2のエンジンの両方に対するイモビライザ信号を生成するように構成される、
請求項1に記載の誘導チェーン運搬システム(1)。
【請求項7】
前記コントローラが、前記第3の信号および/または前記第4の信号が許容範囲外であることを検出し、オペレータに警告するために、第5の信
号を生成する
ように構成されている、請求項6に記載の誘導チェーン運搬システム(1)。
【請求項8】
前記補償台車(8)が、第1のチェーン滑車(10)に少なくとも部分的に巻き付けられた前記誘導チェーン(20)の動きに従って移動する少なくとも1つの前記第1のチェーン滑車(10)を備える、
請求項1に記載の誘導チェーン運搬システム(1)。
【請求項9】
前記設備(2)に固定され、そこに少なくとも部分的に巻き付けられた前記誘導チェーン(6)の前記動きに応じて回転可能であり、前記誘導チェーン(6)の軸方向を変更するための少なくとも1つの第2のチェーン滑車(30)を備える、請求項8に記載の誘導チェーン運搬システム(1)。
【請求項10】
前記誘導チェーン(6)が、前記補償台車(8)の1つの長手方向側面および前記移動ワークステーション(6)の1つの長手方向側面に配置され、前記長手方向側面が、前記移動ワークステーション(6)の移動方向に平行であり、前記誘導チェーン(20)を格納するための少なくとも1つの長手方向ケースを前記設備(2)に固定する
ように適合されている、
請求項1に記載の誘導チェーン運搬システム(1)。
【請求項11】
前記移動ワークステーション(6)および前記補償台車(8)が、2つの平行な軸に従って反対方向に移動している、
請求項1に記載の誘導チェーン運搬システム(1)。
【請求項12】
前記補償台車(8)が前記作業面(3)の下に位置する、
請求項1に記載の誘導チェーン運搬システム(1)を備える設備(2)。
【請求項13】
前記補償台車(8)が前記作業面(3)の下に位置し、前記作業面が上下にいくつかの作業領域(3)に分割された、請求項9に記載の誘導チェーンシステム(1)を備える設備(2)であって、
前記設備(2)が、リフトシステム(5)をさらに備え、
前記リフトシステム(5)が、
1つのレベルの作業領域(3)から別のレベルの作業領域(3)に前記移動ワークステーションを受け入れ、支持し、搬送することができる垂直可動部(23)と、
前記可動部(23)を移動させる第3のエンジン(91)であって、前記第3のエンジン(91)が、前記第2のエンジン(81)と協働して、前記誘導チェーン(20)の折り畳みおよび破損を回避するように構成された、第3のエンジン(91)と、
少なくとも2つのチェーン滑車(30、40)であって、前記第2のチェーン滑車(30)が前記移動ワークステーション(8)の最も低い位置の下に固定され、前記第3のチェーン滑車(40)が前記可動部分(23)に固定される、チェーン滑車(30、40)と、
を備える、設備(2)。
【請求項14】
昆虫の繁殖、キノコの栽培、または物流の分野で使用される、
請求項12に記載の設備(2)。
【国際調査報告】