(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-11
(54)【発明の名称】ロボットアームを位置合わせするための触覚フィードバック
(51)【国際特許分類】
A61B 34/30 20160101AFI20231003BHJP
【FI】
A61B34/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519034
(86)(22)【出願日】2021-09-21
(85)【翻訳文提出日】2023-04-12
(86)【国際出願番号】 IB2021058612
(87)【国際公開番号】W WO2022064369
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518083032
【氏名又は名称】オーリス ヘルス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ホ・ミンエン
【テーマコード(参考)】
4C130
【Fターム(参考)】
4C130AA13
4C130AA24
4C130AA44
4C130AB01
4C130AB06
4C130AD02
4C130AD05
4C130AD25
4C130CA02
4C130CA03
(57)【要約】
技法は、ロボットシステムの1つ又は2つ以上のロボットアームを1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に位置合わせすることに関する。例えば、ロボットアームの手動移動に対する抵抗は、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に対するロボットアームの遠位端の移動方向に基づいて設定することができる。ロボットアームは、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づく方向への手動移動に対して第1の抵抗量を提供し、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる方向への手動移動に対して第2の抵抗量を提供することができる。場合によっては、ロボットアームが1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの距離内にあるときに、ロボットアームを1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に自動的に移動させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
医療器具に結合するように構成されたロボットアームと、
前記ロボットアームに通信可能に結合された制御回路であって、
前記ロボットアームの遠位端の1つ又は2つ以上の位置合わせ位置を判定することと、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に対する前記ロボットアームの前記遠位端の移動方向に少なくとも部分的に基づいて、前記ロボットアームの手動移動に対する抵抗を設定することと、を行うように構成された、制御回路と、を備える、システム。
【請求項2】
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置が、前記システムの追加のロボットアームの遠位端への位置合わせに関連付けられた複数の位置合わせ位置を含み、前記複数の位置合わせ位置が、前記医療器具の挿入又は後退のうちの少なくとも1つに関連付けられた仮想レールに関連付けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置が、前記ロボットアームの前記遠位端の以前の位置を表している、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記制御回路が、
前記ロボットアームの手動移動がある期間を超えて停止していることを判定することと、
前記ロボットアームの前記遠位端が前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの閾値距離内に位置決めされていることを判定することと、
前記ロボットアームの手動移動が前記期間を超えて停止していることを判定することと、前記ロボットアームの前記遠位端が前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの前記閾値距離内に位置決めされていることを判定することと、に少なくとも部分的に基づいて、前記ロボットアームを前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に自動的に移動することと、を行うように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記制御回路が、前記ロボットアームの手動移動に対する前記抵抗を、
少なくとも1つの次元に関して前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づく方向への前記ロボットアームの手動移動に対する第1の抵抗を設定することと、
少なくとも1つの次元に関して前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる方向への前記ロボットアームの手動移動に対する第2の抵抗を設定することであって、前記第2の抵抗が、前記第1の抵抗より大きい、設定することと、によって設定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御回路が、
前記ロボットアームの前記遠位端が、前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に到達したことを判定することと、
少なくとも1つの次元に関して前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる前記方向への前記ロボットアームの手動移動に対する前記第2の抵抗を増加させることと、を行うように更に構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置が、前記システムの追加のロボットアームの遠位端への位置合わせに関連付けられた複数の位置合わせ位置を含み、前記制御回路が、
前記ロボットアームの前記遠位端が前記複数の位置合わせ位置のうちの第1の位置合わせ位置に到達したことを判定することと、
前記第1の位置合わせ位置から前記複数の位置合わせ位置のうちの第2の位置合わせ位置への前記ロボットアームの手動移動に対する第3の抵抗を設定することであって、前記第3の抵抗が、前記第1の抵抗より小さい、設定することと、を行うように更に構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記制御回路が、前記ロボットアームが前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づくにつれて前記抵抗を減少させることによって、前記ロボットアームの手動移動に対する前記抵抗を設定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記制御回路が、前記ロボットアームが前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から更に遠くに移動するにつれて前記抵抗を増加させることによって、前記ロボットアームの手動移動に対する前記抵抗を設定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
コンピュータ実行可能命令を記憶する1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令は、制御回路によって実行されると、前記制御回路に、
医療器具に結合するように構成されたロボットアームの遠位端の1つ又は2つ以上の位置合わせ位置を判定することと、
前記ロボットアームを、前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づく方向への手動移動に対して第1の抵抗量を提供し、前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる方向への手動移動に対して第2の抵抗量を提供する、ように構成することと、を含む、動作を実施させる、1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記動作が、
前記ロボットアームの手動移動がある期間を超えて停止していることを判定することと、
前記ロボットアームの前記遠位端が前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの閾値距離内に位置決めされていることを判定することと、
前記ロボットアームの前記手動移動が前記期間を超えて停止していることを前記判定することと、前記ロボットアームの前記遠位端が前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの前記閾値距離内に位置決めされていることを前記判定することと、に少なくとも部分的に基づいて、前記ロボットアームを前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に自動的に移動することと、を更に含む、請求項10に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記動作が、
前記ロボットアームが少なくとも1つの次元に関して前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から更に遠くに移動していることを判定することと、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる前記方向への前記ロボットアームの手動移動に対する前記第2の抵抗量を増加させることと、を更に含む、請求項10に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記動作が、
前記ロボットアームの前記遠位端が、前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に到達したことを判定することと、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる前記方向への前記ロボットアームの手動移動に対する前記第2の抵抗量を増加させることと、を更に含む、請求項10に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置が、追加のロボットアームの遠位端への位置合わせに関連付けられた複数の位置合わせ位置を含み、前記動作が、
前記ロボットアームの前記遠位端が前記複数の位置合わせ位置のうちの第1の位置合わせ位置に到達したことを判定することと、
前記ロボットアームを、前記第1の位置合わせ位置から前記複数の位置合わせ位置のうちの第2の位置合わせ位置への前記ロボットアームの手動移動に対して第3の抵抗量を提供するように構成することであって、前記第3の抵抗が、前記第1の抵抗量より小さい、構成することと、を更に含む、請求項10に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
ロボットシステムであって、
1つ又は2つ以上の位置合わせ位置を判定するように構成された制御回路と、
前記制御回路に通信可能に結合されたロボットアームであって、
医療器具に結合することと、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づく方向への前記ロボットアームの手動移動に対して第1の抵抗量を提供することと、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から更に遠のく方向への前記ロボットアームの手動移動に対して第2の抵抗量を提供することと、を行うように構成されている、ロボットアームと、を備える、ロボットシステム。
【請求項16】
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置が、前記医療器具の挿入又は後退のうちの少なくとも1つに関連付けられた仮想レールを表す複数の位置合わせ位置を含む、請求項15に記載のロボットシステム。
【請求項17】
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置が、前記ロボットアームの遠位端の以前の位置を表している、請求項15に記載のロボットシステム。
【請求項18】
前記制御回路が、
前記ロボットアームの手動移動がある期間を超えて停止していることを判定することと、
前記ロボットアームの遠位端が前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの閾値距離内に位置決めされていることを判定することと、
前記ロボットアームを前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に自動的に移動させることと、を行うように更に構成されている、請求項15に記載のロボットシステム。
【請求項19】
前記制御回路が、
前記ロボットアームの遠位端が、前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に到達したことを判定することと、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる前記方向への前記ロボットアームの手動移動に対する前記第2の抵抗量を増加させることと、を行うように更に構成されている、請求項15に記載のロボットシステム。
【請求項20】
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置が、前記システムの追加のロボットアームの遠位端への位置合わせに関連付けられた複数の位置合わせ位置を含み、
前記制御回路が、前記ロボットアームの遠位端が前記複数の位置合わせ位置のうちの第1の位置合わせ位置に到達したことを判定するように更に構成され、
前記ロボットアームが、前記第1の位置合わせ位置から前記複数の位置合わせ位置のうちの第2の位置合わせ位置への前記ロボットアームの手動移動に対して第3の抵抗量を提供するように構成され、前記第3の抵抗が、前記第1の抵抗量より小さい、請求項15に記載のロボットシステム。
【請求項21】
前記制御回路が、前記ロボットアームが前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づくにつれて、前記第1の抵抗量を減少させるように構成されている、請求項15に記載のロボットシステム。
【請求項22】
前記制御回路が、前記ロボットアームが前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から更に遠くに移動するにつれて、前記第2の抵抗量を増加させるように構成されている、請求項15に記載のロボットシステム。
【請求項23】
方法であって、
制御回路によって、医療器具に結合するように構成されたロボットアームの遠位端の1つ又は2つ以上の位置合わせ位置を判定することと、
前記制御回路によって、前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に対する前記ロボットアームの手動移動の方向を判定することと、
前記制御回路によって、前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に対する前記ロボットアームの前記手動移動の前記方向に少なくとも部分的に基づいて、前記ロボットアームの前記手動移動に対する抵抗量を構成することと、を含む、方法。
【請求項24】
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置が、追加のロボットアームの遠位端への位置合わせに関連付けられた複数の位置合わせ位置を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置が、前記ロボットアームの前記遠位端の以前の位置を表している、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記ロボットアームの前記手動移動がある期間を超えて停止していることを判定することと、
前記ロボットアームの前記遠位端が前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの閾値距離内に位置決めされていることを判定することと、
前記ロボットアームの前記手動移動が前記期間を超えて停止していることを前記判定することと、前記ロボットアームの前記遠位端が前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの前記閾値距離内に位置決めされていることを前記判定することと、に少なくとも部分的に基づいて、前記ロボットアームを前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に自動的に移動することと、を更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記ロボットアームの前記手動移動の前記方向を前記判定することが、前記ロボットアームが少なくとも1つの次元に関して前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から更に遠くに移動していることを判定することを含み、
前記ロボットアームの前記手動移動に対する前記抵抗量を前記構成することが、前記ロボットアームの前記手動移動に対する第1の抵抗量を構成することを含み、前記第1の抵抗量が、前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づく前記ロボットアームの手動移動に関連付けられた第2の抵抗量より大きい、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記ロボットアームの前記手動移動の前記方向を前記判定することが、前記ロボットアームが少なくとも1つの次元に関して前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づいていることを判定することを含み、
前記ロボットアームの前記手動移動に対する前記抵抗量を前記構成することが、前記ロボットアームの前記手動移動に対する第1の抵抗量を構成することを含み、前記第1の抵抗量が、前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から更に遠くへの前記ロボットアームの手動移動に関連付けられた第2の抵抗量より小さい、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記抵抗量が、第1の抵抗量であり、前記方法が、
前記ロボットアームの前記遠位端が、前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に到達したことを判定することと、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる前記ロボットアームの手動移動のための第2の抵抗量を構成することであって、前記第2の抵抗量が、前記第1の抵抗量より大きい、構成することと、を更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置が、追加のロボットアームの遠位端への位置合わせに関連付けられた複数の位置合わせ位置を含み、前記抵抗量が、第1の抵抗量であり、前記方法が、
前記ロボットアームの前記遠位端が前記複数の位置合わせ位置のうちの第1の位置合わせ位置に到達したことを判定することと、
前記第1の位置合わせ位置から前記複数の位置合わせ位置のうちの第2の位置合わせ位置への前記ロボットアームの手動移動に対する第2の抵抗量を構成することであって、前記第2の抵抗量が、前記第1の抵抗量より小さい、構成することと、を更に含む、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年9月25日に出願され、かつ「HAPTIC FEEDBACK FOR ALIGNING ROBOTIC ARMS」と題された米国仮出願第63/083,664号の優先権を主張するものであり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、医療デバイス及び医療手技の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な医療手技は、患者を調べ、かつ/又は治療するための1つ又は2つ以上の医療器具の使用を伴う。場合によっては、医療器具を制御して患者に対して手技を実施するために、複数のシステム/デバイスが実装される。そのようなシステム、デバイス、及び/又は医療器具の不適切な使用は、患者の健康及び/又は手技の有効性に悪影響を及ぼし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実装形態では、本開示は、医療器具に結合するように構成されたロボットアームと、ロボットアームに通信可能に結合された制御回路と、を備えるシステムに関する。制御回路は、ロボットアームの遠位端の1つ又は2つ以上の位置合わせ位置を判定するように構成されている。更に、制御回路は、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に対するロボットアームの遠位端の移動方向に少なくとも部分的に基づいて、ロボットアームの手動移動に対する抵抗を設定するように構成されている。
【0005】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置は、システムの追加のロボットアームの遠位端への位置合わせに関連付けられた複数の位置合わせ位置を含む。複数の位置合わせ位置は、医療器具の挿入又は後退のうちの少なくとも1つに関連付けられた仮想レールに関連付けられてもよい。更に、いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置は、ロボットアームの遠位端の以前の位置を表し得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、制御回路は、ロボットアームの手動移動がある期間を超えて停止していることを判定し、ロボットアームの遠位端が1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの閾値距離内に位置決めされていることを判定し、ロボットアームの手動移動が期間を超えて停止していることを判定することと、ロボットアームの遠位端が1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの閾値距離内に位置決めされていることを判定することと、に少なくとも部分的に基づいて、ロボットアームを1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に自動的に移動する、ように更に構成されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、制御回路は、少なくとも1つの次元に関して1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づく方向へのロボットアームの手動移動に対する第1の抵抗を設定し、少なくとも1つの次元に関して1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる方向へのロボットアームの手動移動に対する第2の抵抗を設定することによってロボットアームの手動移動に対する抵抗を設定する、ように構成されている。第2の抵抗は、第1の抵抗より大きくてもよい。更に、いくつかの実施形態では、制御回路は、ロボットアームの遠位端が1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に到達したことを判定し、少なくとも1つの次元に関して1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる方向へのロボットアームの手動移動に対する第2の抵抗を増加させるように更に構成され得る。更に、いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置は、システムの追加のロボットアームの遠位端への位置合わせに関連付けられた複数の位置合わせ位置を含む。制御回路は、ロボットアームの遠位端が複数の位置合わせ位置のうちの第1の位置合わせ位置に到達したことを判定し、第1の位置合わせ位置から複数の位置合わせ位置のうちの第2の位置合わせ位置へのロボットアームの手動移動に対する第3の抵抗を設定するように更に構成され得る。第3の抵抗は、第1の抵抗より小さくてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、制御回路は、ロボットアームが1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づくにつれて抵抗を減少させることによって、ロボットアームの手動移動に対する抵抗を設定するように構成されている。更に、いくつかの実施形態では、制御回路が、ロボットアームが1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から更に遠くに移動するにつれて抵抗を増加させることによって、ロボットアームの手動移動に対する抵抗を設定するように構成されている。
【0009】
いくつかの実装形態では、本開示は、コンピュータ実行可能命令を記憶する1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体であって、制御回路によって実行されると、制御回路に、医療器具に結合するように構成されたロボットアームの遠位端の1つ又は2つ以上の位置合わせ位置を判定することと、ロボットアームを、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づく方向への手動移動に対して第1の抵抗量を提供し、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる方向への手動移動に対して第2の抵抗量を提供する、ように構成することと、含む、動作を実施させる、1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体に関する。
【0010】
いくつかの実施形態では、動作は、ロボットアームの手動移動がある期間を超えて停止していることを判定することと、ロボットアームの遠位端が1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの閾値距離内に位置決めされていることを判定することと、ロボットアームの手動移動が期間を超えて停止していることを判定すること、及びロボットアームの遠位端が1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの閾値距離内に位置決めされていることを判定すること、に少なくとも部分的に基づいて、ロボットアームを1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に自動的に移動することと、を更に含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、動作は、ロボットアームが少なくとも1つの次元に関して1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から更に遠くに移動していることを判定することと、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる方向へのロボットアームの手動移動に対する第2の抵抗量を増加させることを更に含む。更に、いくつかの実施形態では、動作は、ロボットアームの遠位端が1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に到達したことを判定することと、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる方向へのロボットアームの手動移動に対する第2の抵抗量を増加させることと、を更に含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置は、追加のロボットアームの遠位端への位置合わせに関連付けられた複数の位置合わせ位置を含む。動作は、ロボットアームの遠位端が複数の位置合わせ位置のうちの第1の位置合わせ位置に到達したことを判定することと、第1の位置合わせ位置から複数の位置合わせ位置のうちの第2の位置合わせ位置へのロボットアームの手動移動に対して第3の抵抗量を提供するようにロボットアームを構成することと、を更に含む。第3の抵抗は、第1の抵抗量より小さくてもよい。
【0013】
いくつかの実装形態では、本開示は、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置を判定するように構成された制御回路と、制御回路に通信可能に結合されたロボットアームと、を備えるロボットシステムに関する。ロボットアームは、医療器具に結合し、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づく方向へのロボットアームの手動移動に対して第1の抵抗量を提供し、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から更に遠のく方向へのロボットアームの手動移動に対して第2の抵抗量を提供するように構成されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置は、医療器具の挿入又は後退のうちの少なくとも1つに関連付けられた仮想レールを表す複数の位置合わせ位置を含む。更に、いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置は、ロボットアームの遠位端の以前の位置を表している。
【0015】
いくつかの実施形態では、制御回路は、ロボットアームの手動移動がある期間を超えて停止していることを判定し、ロボットアームの遠位端が1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの閾値距離内に位置決めされていることを判定し、ロボットアームを1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に自動的に移動させる、ように更に構成されている。更に、いくつかの実施形態では、制御回路は、ロボットアームの遠位端が1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に到達したことを判定し、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる方向へのロボットアームの手動移動に対する第2の抵抗量を増加させる、ように更に構成されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置は、システムの追加のロボットアームの遠位端への位置合わせに関連付けられた複数の位置合わせ位置を含む。制御回路は、ロボットアームの遠位端が複数の位置合わせ位置のうちの第1の位置合わせ位置に到達したことを判定するように更に構成され得る。更に、ロボットアームは、第1の位置合わせ位置から複数の位置合わせ位置のうちの第2の位置合わせ位置へのロボットアームの手動移動に対して第3の抵抗量を提供するように構成され得る。第3の抵抗は、第1の抵抗量より小さくてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、制御回路は、ロボットアームが1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づくにつれて、第1の抵抗量を減少させるように構成されている。更に、いくつかの実施形態では、制御回路は、ロボットアームが1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から更に遠くに移動するにつれて、第2の抵抗量を増加させるように構成されている。
【0018】
いくつかの実装形態では、本開示は、制御回路によって、医療器具に結合するように構成されたロボットアームの遠位端の1つ又は2つ以上の位置合わせ位置を判定することと、制御回路によって、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に対するロボットアームの手動移動の方向を判定することと、制御回路によって、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に対するロボットアームの手動移動の方向に少なくとも部分的に基づいて、ロボットアームの手動移動に対する抵抗量を構成することと、を含む、方法に関する。
【0019】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置は、追加のロボットアームの遠位端への位置合わせに関連付けられた複数の位置合わせ位置を含む。更に、いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置は、ロボットアームの遠位端の以前の位置を表している。
【0020】
いくつかの実施形態では、方法は、ロボットアームの手動移動がある期間を超えて停止していることを判定することと、ロボットアームの遠位端が1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの閾値距離内に位置決めされていることを判定することと、ロボットアームの手動移動が期間を超えて停止していることを判定すること、及びロボットアームの遠位端が1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの閾値距離内に位置決めされていることを判定すること、に少なくとも部分的に基づいて、ロボットアームを1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に自動的に移動することと、を更に含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、ロボットアームの手動移動の方向を判定することは、ロボットアームが少なくとも1つの次元に関して1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から更に遠くに移動していることを判定することを含む。ロボットアームの手動移動に対する抵抗量を構成することは、ロボットアームの手動移動に対する第1の抵抗量を構成することを含み得る。第1の抵抗量は、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づくロボットアームの手動移動に関連付けられた第2の抵抗量より大きくてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、ロボットアームの手動移動の方向を判定することは、ロボットアームが少なくとも1つの次元に関して1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づいていることを判定することを含む。ロボットアームの手動移動に対する抵抗量を構成することは、ロボットアームの手動移動に対する第1の抵抗量を構成することを含む。第1の抵抗量は、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から更に遠くへのロボットアームの手動移動に関連付けられた第2の抵抗量より小さくてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、抵抗量は、第1の抵抗量である 方法は、ロボットアームの遠位端が1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に到達したことを判定することと、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れるロボットアームの手動移動に対する第2の抵抗量を構成することと、を更に含み得る。第2の抵抗量は、第1の抵抗量より大きい。
【0024】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置は、追加のロボットアームの遠位端への位置合わせに関連付けられた複数の位置合わせ位置を含む。抵抗量は第1の抵抗量であり得る。方法は、ロボットアームの遠位端が複数の位置合わせ位置のうちの第1の位置合わせ位置に到達したことを判定することと、第1の位置合わせ位置から複数の位置合わせ位置のうちの第2の位置合わせ位置へのロボットアームの手動移動に対する第2の抵抗量を構成することと、を更に含み得る。第2の抵抗量は、第1の抵抗量より小さくてもよい。
【0025】
本開示を要約する目的で、ある特定の態様、利点、及び特徴が記載されている。必ずしも全てのかかる利点が任意の特定の実施形態に従って達成され得るわけではないことを理解されたい。したがって、開示された実施形態は、本明細書で教示又は提案され得るような他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるような1つの利点又は利点の群を達成又は最適化する様式で、実行され得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
様々な実施形態が、例示目的のために添付の図面に描写されるが、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。加えて、異なる開示された実施形態の様々な特徴は、本開示の一部である追加の実施形態を形成するために組み合わせることができる。図面の全体を通して、参照番号は、参照要素間の対応を示すために再利用され得る。
【
図1】本開示の1つ又は2つ以上の実施形態による、様々な医療手技を実施するための例示的医療システムを例解している。
【
図2】1つ又は2つ以上の実施形態による、
図1の制御システム及びロボットシステムの例示的な詳細を例解している。
【
図3】1つ又は2つ以上の実施形態による、
図1のロボットシステムの例示的な詳細を例解している。
【
図4】1つ又は2つ以上の実施形態によるロボットアームの例示的な位置合わせ位置を例解している。
【
図5】1つ又は2つ以上の実施形態による、ロボットアームの手動移動に対して様々な抵抗量を提供するように構成された例示的なロボットアームを例解している。
【
図6】1つ又は2つ以上の実施形態による、位置合わせ位置までの閾値距離内に位置決めされた例示的なロボットアームを例解している。
【
図7】1つ又は2つ以上の実施形態による、位置合わせ位置に自動的に移動された例示的なロボットアームを例解している。
【
図8】1つ又は2つ以上の実施形態による、様々な抵抗量を提供するように位置決め及び構成された位置合わせで位置決めされた例示的なロボットアームを例解している。
【
図9】1つ又は2つ以上の実施形態による、位置合わせ位置に位置決めされ、取り付けられたスコープが配設された例示的なロボットアームを例解している。
【
図10】1つ又は2つ以上の実施形態による、ロボットアームを位置合わせするために触覚フィードバックを提供するためのプロセスの例示的なフロー図を例解している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書で提供される見出しは、単に便宜的なものに過ぎず、必ずしも開示の範囲又は意味に影響を及ぼすものではない。特定の実施形態及び実施例が以下に開示されるが、主題は、具体的に開示された実施形態を超えて他の代替実施形態及び/又は用途まで、並びにそれらの修正及び均等物まで拡張する。そのため、本明細書から生じ得る特許請求の範囲は、以下に記載される特定の実施形態のいずれによっても限定されない。例えば、本明細書に開示される任意の方法又はプロセスでは、方法又はプロセスの行為又は動作は、任意の好適な順序で実施され得、必ずしも任意の特定の開示された順序に限定されない。様々な動作が、特定の実施形態を理解することに役立ち得る様式で、複数の別個の動作として説明され得る。しかしながら、説明の順序は、これらの動作が順序依存的であることを示唆すると解釈されるべきではない。加えて、本明細書に記載の構造、システム、及び/又はデバイスは、統合された構成要素として、又は別個の構成要素として具現化され得る。様々な実施形態を比較する目的のために、これらの実施形態の特定の態様及び利点が記載される。必ずしも全てのそのような態様又は利点が、任意の特定の実施形態によって達成されるわけではない。したがって、例えば、様々な実施形態は、本明細書で同様に教示又は提案され得るような他の態様又は利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるような1つの利点又は利点の群を達成又は最適化する様式で、実行され得る。
【0028】
場所の特定の標準的な解剖学的用語は、本明細書において、好ましい実施形態に関して、動物、すなわちヒトの解剖学的構造を指すために使用することができる。「外側」、「内側」、「上側」、「下側」、「下方」、「上方」、「垂直」、「水平」、「上部」、「底部」、及び同様の用語などの特定の空間的に相対的な用語は、本明細書では、1つのデバイス/要素又は解剖学的構造の別のデバイス/要素又は解剖学的構造との空間的関係を説明するために使用されるが、これらの用語は、図面に例解されるように、要素/構造の間の位置関係を説明するための説明を容易にするために本明細書で使用されることが理解される。空間的に相対的な用語は、図面に描写される配向に加えて、使用又は動作時の要素/構造の異なる配向を包含することを意図していると理解されたい。例えば、別の要素/構造の「上方」として記載される要素/構造は、対象患者又は要素/構造の代替配向に対してそのような他の要素/構造の下方にある、又はその傍にある位置を表し得、逆もまた同様である。
【0029】
概説
特定の医療手技は、1つ又は2つ以上の医療器具と係合し、かつ/又はそれを制御するためのロボットシステムの使用を伴う。様々な手技、ワークフロー、環境、医師の好み、及び/又は安全対策に対応するために、ロボットシステムは、ユーザによって異なる様式で位置決めされ得る。例えば、ロボットシステムは、独立して移動可能な1つ又は2つ以上のロボットアームを含むことができ、その結果、ユーザは、1つ又は2つ以上のロボットアームを所望の場所に手動で位置決めして、手技を実施することができる。そのような手動移動は、1つ又は2つ以上のロボットアームの自動移動に関連する安全性リスクを回避するのに役立ち得る。しかしながら、そのような柔軟性は、ロボットアームを所望の場所に正確に位置決めすることを困難にし得る。例えば、いくつかの手技では、第1のロボットアームは、第2のロボットアームと協調的様式で動作するために、比較的小さい程度の公差内で(及び/又は特定の量のオフセットを伴って)第2のロボットアームと位置合わせされる必要があり得る。ここで、ユーザが、位置合わせされた構成を視覚化するなど、第1のロボットアームを第2のロボットアームと手動で位置合わせすることは困難であり得る。更に、場合によっては、ユーザは、一方の手でロボットアームを位置決めし、他方の手で医療器具を保持するなど、ロボットアームを位置決めしようと試みながら複数のタスクを実施する場合がある。これにより、ロボットアームを所望の場所に正確に位置決めすることが更に困難になり得る。
【0030】
本開示は、1つ又は2つ以上のロボットアームの位置決めを支援するシステム、デバイス、及び方法に関する。例えば、ロボットシステムは、手技を実施するために1つ又は2つ以上の医療器具に結合するように構成された1つ又は2つ以上のロボットアームを含むことができる。手技前、手技中、又は手技後の任意の時点で、ユーザは、ロボットアームの遠位端を、別のロボットアームと位置合わせされた位置、ロボットアームの以前の位置などの特定の位置に位置決めしようとして、ロボットアームを手動で移動させることができる。場合によっては、ロボットシステムは、触覚フィードバックを提供して、ユーザがロボットアームをある位置に位置合わせするのを支援することができる。例えば、ロボットアームは、ロボットアームが位置合わせ位置に近づいているか又はそこから更に遠くに移動しているか、ロボットアームが位置合わせ位置に位置決めされているか、などを示すために、ロボットアームの手動移動に対して様々な抵抗量を提供することができる。したがって、本明細書で論じられる技法は、ユーザがロボットアームを手動で移動させ(特定のワークフロー、環境、医師の好み、及び/又は安全予防措置に対応することができる)、ロボットアームを特定の場所に正確に位置決めすることを可能にすることができる。これは、ユーザによって実施される手動タスク、他のデバイス/器具などによって実施されるタスクなどの、ロボットアームを必要としない他のタスクに十分な空間を提供するために、ロボットアームを様々な時点で作業空間から出し入れする柔軟性をユーザに提供することができる。更に、場合によっては、ロボットアームを位置合わせ位置の近傍内で手動で動かすときなどには、ロボットアームを位置合わせ位置に自動的に移動させることができる。これは、医師がロボットアームを位置合わせするのを更に支援することができる。
【0031】
本開示のある特定の態様は、腎臓結石の除去/治療の手技などの腎臓、泌尿器、及び/又は腎臓学的な手技の文脈において本明細書に記載されるが、かかる文脈は、便宜上提供されるものであり、本明細書に開示される概念は、任意の好適な医療手技に適用可能であることを理解されたい。例えば、以下の説明は、経皮的及び/又は内視鏡的アクセスを介して治療部位又は患者の体腔(例えば、食道、尿管、腸、眼など)から除去することができる任意の物体を含む、物体の患者からの除去に関する他の外科/医療手術又は医療手技、例えば、胆嚢結石除去、肺臓(肺/経胸腔)腫瘍生検、又は白内障摘出などにも適用可能である。しかしながら、上述のように、腎臓/泌尿器の解剖学的構造並びに関連する医学的問題及び手技の記載が、本明細書に開示される概念の記載を補助するために以下に提示される。
【0032】
例示的なロボットシステム
図1は、本開示の態様による、様々な医療手技を実施するための例示的な医療システム100を例解する。医療システム100は、患者120に対して手技を実施するために、1つ又は2つ以上の医療器具及び/又は別のデバイス/器具と係合し、かつ/又はそれらを制御するように構成されたロボットシステム110を含む。
図1の例では、ロボットシステム110は、以下で更に詳細に論じるように、スコープ130及び電磁(electromagnetic、EM)場発生器140に結合する。医療システム100はまた、ロボットシステム110とインターフェースし、手技に関する情報を提供し、かつ/又は種々の他の動作を実施するように構成された制御システム150も含む。例えば、制御システム150は、医師160を支援するために、ある特定の情報を提示するディスプレイ152を含み得る。医療システム100は、患者120を保持するように構成されたテーブル170(例えばベッド)を含むことができる。様々な行為が、医師160によって実施されるものとして本明細書に記載されている。これらの行為は、医師160、医師160の指示の下にあるユーザ、別のユーザ(例えば、技術者)、それらの組み合わせ、及び/又は任意の他のユーザによって直接実施され得る。医療システム100のデバイス/構成要素は、特定の手技に応じて様々な方式で配設することができる。
【0033】
制御システム150は、ロボットシステム110に結合され、ロボットシステム110と協働して動作して、患者120に対して医療手技を実施し得る。例えば、制御システム150は、無線又は有線接続を介してロボットシステム110と通信して、ロボットシステム110に接続された医療器具を制御すること、医療器具(例えば、スコープ130)によって捕捉された画像を受信することなどができる。加えて、又は代替として、制御システム150は、1つ又は2つ以上の流体チャネルを介してロボットシステム110に流体を提供すること、1つ又は2つ以上の電気的接続を介してロボットシステム110に電力を提供すること、1つ又は2つ以上の光ファイバ又は他の構成要素を介してロボットシステム110に光学系を提供することなどができる。いくつかの実施形態では、制御システム150は、(ロボットシステム110を介して、及び/又は医療器具から直接)センサデータを受信するために医療器具と通信することができる。センサデータは、医療器具の位置及び/又は向きを示すことができる、又はそれを判定するために使用され得る。更に、いくつかの実施形態では、制御システム150は、テーブル170と通信して、テーブル170を特定の向きに位置決めするか、又はそうでなければテーブル170を制御することができる。更に、いくつかの実施形態では、制御システム150は、EM場発生器140と通信して、患者120の周囲のEM場の生成を制御することができる。
【0034】
ロボットシステム110は、医療器具及び/又は別のデバイス/器具と係合し、かつ/又はそれらを制御するように構成された1つ又は2つ以上のロボットアーム112を含むことができる。各ロボットアーム112は、ジョイントに結合された複数のアームセグメントを含み得、これにより、複数の移動度を提供し得る。ロボットアーム112(例えば、エンドエフェクタ)の遠位端は、器具/デバイスに結合するように構成され得る。
図1の例では、第2のロボットアーム112(B)は、標的部位を調べかつ/又は治療するために患者120内に挿入され、かつ/又は患者120内でナビゲートすることができるスコープ130の一部に結合される。第3のロボットアーム112(C)はまた、以下で更に詳細に論じられるように、第3のロボットアーム112(C)を位置合わせさせる際などに、スコープ130のハンドル132に結合することができる。更に、ロボットアーム112(A)は、EM場発生器140に結合され、これは、スコープ130などの医療器具上のセンサによって検出されるEM場を生成するように構成することができる。EM場発生器140は、一般的に、手技の段階の間は、治療部位の近くに(例えば、特定の距離内に)位置決めされていてもよい。3つのロボットアームが特定の医療器具に接続されているように
図1に例解されているが、ロボットシステム110は、様々なタイプの医療器具に接続するように構成された任意の数のロボットアームを含むことができる。
【0035】
ロボットシステム110は、医療システム100の任意の構成要素に通信可能に結合することができる。例えば、ロボットシステム110は、制御システム150に通信可能に結合されて、制御システム150から制御信号を受信して、ロボットアーム112を、医療器具を操作するなど、特定の様式で制御するなどの動作を実施することができる。更に、ロボットシステム110は、患者120の内部の解剖学的構造を描写する画像(画像データとも呼ばれる)をスコープ130から受信し、かつ/又は画像を制御システム150に送信するように構成され、次いで、それは、ディスプレイ152上に表示され得る。更に、ロボットシステム110は、制御システム150などの医療システム100の構成要素に、そこから流体、光学系、電力などを受容することができるような形態で結合することができる。
【0036】
ロボットシステム110及び/又は制御システム150は、ロボットアーム112のうちの1つ又は2つ以上を、複数の位置合わせ位置180(1)~(N)(Nは1より大きい整数である)のうちの1つ又は2つ以上などの所望の場所に位置決めするのを支援するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ロボットシステム110は、医師160がロボットアーム112のうちの1つ又は2つ以上を位置合わせさせることを支援するために、手動移動に対する抵抗の形態で触覚フィードバックを提供するように構成することができる。ロボットアーム112に対する抵抗量は、ロボットアーム112が移動されている方向、ロボットアーム112の位置合わせ位置への近接度などに基づくことができる。抵抗量は、ロボットアーム112を移動させるときに医師160が経験する力に影響を及ぼし得る。例えば、制御システム150及び/又はロボットシステム110は、第3のロボットアーム112(C)を構成して、位置合わせ位置180に近づく方向への手動移動に対して第1の抵抗量を提供して、第3のロボットアーム112(C)を移動するときに、位置合わせ位置180から離れる方向への移動と比較して、医師160に軽さ(又は代わりに重さ)の感覚を経験させることができる。更に、制御システム150及び/又はロボットシステム110は、第3のロボットアーム112(C)を構成して、位置合わせ位置180に近づく方向への手動移動に対して第2の抵抗量を提供して、第3のロボットアーム112(C)を移動するときに、位置合わせ位置180から離れる方向への移動と比較して、医師160に軽さ(又は代わりに重さ)の感覚を経験させることができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム110及び/又は制御システム150は、ロボットアーム112が位置合わせ位置に到達したときにロボットアーム112に対する抵抗量を再構成することができる。例えば、第3のロボットアーム112(C)が、位置合わせ位置180に近づく方向への手動移動に対して第1の抵抗量を提供し、位置合わせ位置180から離れる手動移動に対して第2の抵抗量を提供するように構成されていると仮定する。第3のロボットアーム112(C)が位置合わせ位置180に到達すると、第3のロボットアーム112(C)は、位置合わせ位置180のうちの1つからの位置合わせ位置180うちの別の1つへの第3のロボットアーム112(C)の手動移動に対して(第1の抵抗量と比較して)より少ない(又は、場合によってはより多い)抵抗量を提供するように構成することができる。更に、第3のロボットアーム112(C)は、位置合わせ位置180のうちのいずれからも離れた第3のロボットアーム112(C)の手動移動に対して、(第2の抵抗量と比較して)更に大きな(又は場合によっては、より少ない)抵抗量を提供するように構成することができる。したがって、医師160は、第3のロボットアーム112(C)が位置合わせされていない位置から位置合わせ位置180に移行するときに抵抗の変化を経験することができ、その結果、ロボットアーム112(C)は、位置合わせ位置において定位置にロックされているかのように感じる。更に、医師160は、第3のロボットアーム112(C)を位置合わせ位置180のうちの1つから位置合わせ位置180のうちの別の1つに手動で移動させるときに、更に大きな軽さ/容易さの感覚を経験することができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム110及び/又は制御システム150は、ロボットアーム112を制御して、位置合わせ位置に自動的に移動させることができる。例えば、医師160が第3のロボットアーム112(C)の遠位端を位置合わせ位置180(1)の近くに手動で動かし、第3のロボットアーム112(C)を解放した場合、ロボットシステム110及び/又は制御システム150は、第3のロボットアーム112(C)が位置合わせ位置180(1)まで所定の距離内にある場合、第3のロボットアーム112(C)を位置合わせ位置180(1)に自動的に移動させることができる。場合によっては、第3のロボットアーム112(C)の手動移動がある期間(例えば、所定の期間)を超えて停止しているときに、第3のロボットアーム112(C)を自動的に位置合わせすることができ、これは、以下で更に詳細に論じるように、ボタンを解放して第3のロボットアーム112(C)の手動移動を制御することに基づくことができる。
【0039】
位置合わせ位置は、任意のタイプの判定された/所望の位置を表すことができる。いくつかの実施形態では、ロボットアームのための位置合わせ位置は、別のロボットアームの遠位端への位置合わせと関連付けられる。例えば、
図1の例では、第3のロボットアーム112(C)の位置合わせ位置180は、第2のロボットアーム112(B)の遠位端への位置合わせに関連付けられた位置を表すので、スコープ130が(第3のロボットアーム112(C)に取り付けられたとき)以下で更に詳細に説明するように、実質的に真っ直ぐな仮想レールに沿って挿入/後退することができる。更に、いくつかの実施形態では、位置合わせ位置は、ロボットアームの遠位端の以前の位置を表すことができる。例えば、第3のロボットアーム112(C)は、スコープ130のハンドル132が第3のロボットアーム112(C)に接続されているかどうかにかかわらず、最初は位置180(2)に位置決めされ、その後、スコープ130を取り外すかどうかにかかわらず、横に移動する(例えば、追加の作業空間を提供するため)と仮定する。医師160が、第3のロボットアーム112(C)を位置180(2)に戻し、スコープ130又は別の医療器具を用いて手技を続けることを望む場合、医師160は、本明細書で論じる位置合わせ技法を使用して、第3のロボットアーム112(C)の端部を位置180(2)に再位置合わせすることができ、及び/又はスコープ130/別の医療器具を第3のロボットアーム112(C)に再び取り付けることができる。更に、いくつかの実施形態では、位置合わせ位置は、患者の解剖学的構造への位置合わせに関連付けられ得る。例えば、位置合わせ位置180は、患者120の尿道と位置合わせされる長手方向軸に沿って位置することができる。説明を容易にするために、位置合わせ位置180は3つの表現で例解されている。しかしながら、任意の数の位置合わせ位置を実装することができる。
【0040】
医療器具には、スコープ(「内視鏡」と呼ばれることもある)、カテーテル、針、ガイドワイヤ、砕石器、バスケット回収デバイス、鉗子、吸引器、針、メス、撮像プローブ、ジョー、ハサミ、把持器、針ホルダ、マイクロ切開器具、ステープルアプライヤ、タッカ、吸引/灌注ツール、クリップアプライヤなど、様々な種類の器具が含まれ得る。医療器具は、直接進入器具、経皮進入器具、及び/又は別のタイプの器具を含むことができる。いくつかの実施形態では、医療器具が、操縦可能デバイスである一方で、他の実施形態では、医療器具は、操縦不可能デバイスである。いくつかの実施形態では、外科用ツールは、針、メス、ガイドワイヤなどの、人体解剖学的構造を穿刺するか、又はそれを通して挿入されるように構成されたデバイスを指す。しかしながら、外科用ツールは、他のタイプの医療器具も指し得る。
【0041】
「スコープ」又は「内視鏡」という用語は、本明細書では、それらの広義及び通常の意味に従って使用され、画像生成、視認、及び/又は捕捉機能性を有し(又は、作業チャネルを介して展開された撮像デバイスでそのような機能性を提供するように構成され)、身体の任意のタイプの臓器、腔、管腔、室、及び/又は空間に導入されるように構成された任意のタイプの細長い医療器具を指すことができる。例えば、本明細書における、スコープ130などの、スコープ又は内視鏡は、(例えば、尿路にアクセスするための)尿管鏡、腹腔鏡、(例えば、腎臓にアクセスするための)腎孟尿管鏡、(例えば、気管支などの気道にアクセスするための)気管支鏡、(例えば、結腸にアクセスするための)結腸鏡、(例えば、ジョイントにアクセスするための)ジョイント鏡、(例えば、膀胱にアクセスするための)膀胱鏡、ボアスコープなどを指すことができる。スコープ/内視鏡は、いくつかの事例では、剛性又は可撓性チューブを備え得、外側シース、カテーテル、導入器、若しくは他の管腔型デバイス内を通過させられるように定寸され得るか、又はそのようなデバイスを用いることなく使用され得る。いくつかの実施形態では、スコープは、砕石器、バスケットデバイス、鉗子、レーザデバイス、撮像デバイスなどの追加のツールを治療部位に導入できる1つ又は2つ以上の作業チャネルを含む。
【0042】
「直接的エントリー」又は「直接的アクセス」という用語は、本明細書では、それらの広義及び通常の意味に従って使用され、患者の身体内の自然の又は人工の開口部を通した器具類の任意のエントリーを指し得る。例えば、スコープ130は、スコープ130が患者の尿路内に尿道を介して入るので、直接的アクセス器具と呼ばれ得る。
【0043】
「経皮的エントリー」又は「経皮的アクセス」という用語は、本明細書では、それらの広義及び通常の意味に従って使用され、患者の皮膚を通した、及び手技に関連付けられた標的解剖学的場所(例えば、腎臓の腎杯網)に到達するために必要な任意の他の身体層を通した、器具類の穿刺及び/又は小切開などによるエントリーを指し得る。したがって、経皮的アクセス器具は、針、メス、ガイドワイヤ、シース、シャフト、スコープ、カテーテルなど、皮膚及び/又は他の組織/解剖学的構造を穿刺するように構成された、又はそれを通して挿入されるように構成された医療器具、デバイス、又はアセンブリを指す場合がある。しかしながら、経皮的アクセス器具は、本開示の文脈において他のタイプの医療器具を指し得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、経皮的アクセス器具は、穿刺及び/又は小切開を容易にするデバイスとともに、患者の皮膚を通して挿入又は実装される器具/デバイスを指す。例えば、カテーテルは、カテーテルが患者の皮膚を穿刺したシース/シャフトを通して挿入されるとき、経皮的アクセス器具と称され得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、医療器具は、センサデータを生成するように構成されたセンサ(位置センサと呼ばれることもある)を含む。実施例では、センサデータは、医療器具の位置及び/又は向きを示すことができ、かつ/又は医療器具の位置及び/又は向きを判定するために使用され得る。例えば、センサデータは、スコープの位置及び/又は向きを示すことができ、これはスコープの遠位端のロールを含み得る。医療器具の位置及び向きは、医療器具の姿勢と称され得る。センサは、医療器具の遠位端及び/又は任意の他の場所に位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、センサは、センサデータを制御システム150、ロボットシステム110及び/又は他のシステム/デバイスに提供することができ、医療器具の位置及び/又は向きを判定/追跡するための1つ又は2つ以上の位置特定技法を実施させ得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、センサは、導電性材料のコイルを有する電磁(EM)センサを含み得る。ここで、EM場発生器140などのEM場発生器は、医療器具上のEMセンサによって検出されるEM場を提供することができる。磁場は、EMセンサのセンサコイル内に小電流を誘導することができ、この小電流を分析して、EMセンサとEM場発生器との間の距離及び角度を判定し得る。更に、センサとしては、例えば、カメラ、レンジセンサ、レーダデバイス、形状検知ファイバ、加速度計、ジャイロスコープ、加速度計、衛星ベースの測位センサ(例えば、全地球測位システム(global positioning system、GPS))、無線周波数トランシーバなどの他のタイプのセンサが挙げられ得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、医療システム100はまた、Cアームに一体化され、かつ/又は蛍光透視術タイプの手技などの手技中に撮像を提供するように構成され得る撮像デバイス(
図1に例解されていない)を含み得る。撮像デバイスは、1つ又は2つ以上のX線又はCT画像など、手技中に、患者120の1つ又は2つ以上の画像を捕捉/生成するように構成され得る。実施例では、撮像デバイスからの画像は、医師160が手技を実施するのを支援するため、患者120内の解剖学的構造及び/又は、医療器具を視認するように、リアルタイムで提供され得る。撮像デバイスを使用して、(例えば、患者120内で造影剤を用いた)蛍光透視法又は別のタイプの撮像技法を実施し得る。
【0047】
医療システム100の様々な構成要素は、無線及び/又は有線のネットワークを含み得るネットワークを介して互いに通信可能に結合され得る。例示的なネットワークとしては、1つ又は2つ以上のパーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN)、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、ワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)、インターネットエリアネットワーク(Internet area network、IAN)、セルラーネットワーク、インターネットなどが挙げられる。更に、いくつかの実施形態では、医療システム100の構成要素は、1つ又は2つ以上の支持ケーブル、チューブなどを介して、データ通信、流体/ガス交換、電力交換などのために接続されている。
【0048】
様々な例において、医療システム100は、腎臓の解剖学的構造に関連する医療手技を実施するように実装される。腎臓は、一般に、後腹膜腔の左右に位置する2つの豆形状臓器を含む。成人のヒトでは、腎臓は、一般に、長さが約11cmである。腎臓は、対になった腎動脈から血液を受容し、血液は、対になった腎静脈内に出る。各腎臓は、尿管に付着し、尿管は、排泄された尿を腎臓から膀胱に搬送するチューブである。膀胱は、尿道に付着している。
【0049】
腎臓は、典型的には、腹腔内で比較的高く位置し、わずかに斜めの角度で後腹膜位置にある。肝臓の位置によって引き起こされる腹腔内の非対称性は、典型的には、右腎臓を左よりわずかに低く、かつ小さくし、左腎臓よりもわずかに中央に配置させる。各腎臓の上部には、副腎がある。腎臓の上部は、第11肋骨及び第12肋骨によって部分的に保護される。その副腎を伴う各腎臓は、脂肪の2つの層、すなわち、腎筋膜と腎被膜との間に存在する腎周囲脂肪、及び腎筋膜の上方にある腎傍脂肪によって囲繞される。
【0050】
腎臓は、様々な体液区画の体積、流体浸透圧、酸塩基平衡、様々な電解質濃度、及び毒素の除去の制御に関与する。腎臓は、特定の物質を分泌し、他の物質を再吸収することによって、濾過機能を提供する。尿中に分泌される物質の例は、水素、アンモニウム、カリウム、及び尿酸である。加えて、腎臓はまた、ホルモン合成及び他などの様々な他の機能も実行する。
【0051】
腎臓の凹状境界上の凹部領域は腎門部であり、腎門部では、腎動脈が腎臓に入り、腎静脈及び尿管が出ている。腎臓は、丈夫な繊維状組織である腎被膜によって囲まれており、腎被膜自体は、腎周囲脂肪、腎筋膜、及び腎傍脂肪によって囲まれている。これらの組織の前(正)面が、腹膜である一方で、後(裏)面は、横筋筋膜である。
【0052】
腎臓の機能物質又は実質は、2つの主要構造、すなわち、外側腎皮質及び内側腎髄質に分割される。これらの構造は、複数の円錐形の腎葉の形状をとり、それぞれが腎錐体と称される髄質の一部分を囲む腎皮質を含む。腎錐体間には、腎柱と称される皮質の突起がある。ネフロン、すなわち腎臓の尿産生機能構造体は、皮質及び髄質に及ぶ。ネフロンの初期濾過部分は、皮質に位置する腎小体である。これに、皮質から髄錐体の奥深くに通過する尿細管が続く。腎皮質の一部である、髄線は、単一の集合管の中に排出する尿細管の集合である。
【0053】
各錐体の先端又は乳頭は、尿をそれぞれの小腎杯に排出し、小腎杯は大腎杯に排出し、大腎杯は腎孟に排出し、尿は尿管に遷移する。門部では、尿管及び腎静脈が腎臓から出て、腎動脈が入る。腎門脂肪及びリンパ節を伴うリンパ組織は、これらの構造を囲繞する。腎門脂肪は、腎洞と呼ばれる脂肪で充填された空洞と隣接している。腎洞は、腎盂及び腎杯を集合的に含有し、これらの構造を腎髄組織から分離する。
【0054】
いくつかの実施形態では、医療システム100は、腎臓結石を治療するために使用することができる。尿路結石症としても既知である腎臓結石疾患は、「腎臓結石」、「尿路結石」、「腎結石」、「腎臓結石症」、又は「腎結石症」と称される、物質の固体片の尿路における形成を伴う病状である。尿路結石は、腎臓、尿管、及び膀胱内で形成され、かつ/又は見出され得る(「膀胱結石」と称される)。そのような尿路結石は、尿液中のミネラルが濃縮された結果として形成され得、そのような結石が尿管又は尿道を通る尿流を妨げるのに十分な大きさになると、著しい腹痛を引き起こし得る。尿路結石は、カルシウム、マグネシウム、アンモニア、尿酸、システイン、及び/又は他の化合物、又はそれらの組み合わせから形成され得る。
【0055】
一般的に、腎臓結石を有する患者を治療するためのいくつかの方法があり、これには、観察、医学的治療(排除的療法など)、非侵襲的治療(体外衝撃波結石破砕法(extracorporeal shock wave lithotripsy、ESWL)など)、及び外科的治療(尿管鏡術及び経皮的腎切石術(ureteroscopy and percutaneous nephrolithotomy、「PCNL」)など)が挙げられる。外科的アプローチ(尿管鏡検査及びPCNLなど)では、医師は病状(すなわち、除去する対象、例えば、結石)へのアクセスを得て、結石を、小片又は断片に破砕し、比較的小さい結石断片/微粒子が、腎臓から取り出される。
【0056】
膀胱及び尿管から尿結石を除去するために、外科医は、尿道を通って尿路に尿管鏡を挿入し得る。典型的には、尿管鏡は、尿路の可視化を可能にするように構成された内視鏡をその遠位端に含む。尿管鏡はまた、尿路結石を捕捉又は破砕するための砕石デバイスを含むことができる。尿管鏡手技中に、1人の医師/技師が、尿管鏡の位置を制御し得る一方で、別の医師/技師は、砕石デバイスを制御し得る。腎臓から相対的に大きい石(すなわち、「腎臓結石」)を除去するために、医師は、皮膚(すなわち、経皮的に)及び介在する組織を通して腎盂尿管鏡を挿入し、石を破壊及び/又は除去するために治療部位へのアクセスを提供することを伴う、経皮的腎石切除(「PCNL」)技法を使用し得る。
【0057】
本明細書に記載のいくつかの例では、ロボット支援経皮的手技は、腎臓結石除去手技などの様々な医療手技に関連して実装することができ、ロボットツール(例えば、医療システム100の1つ又は2つ以上の構成要素)は、医師/泌尿器科医が内視鏡(例えば、尿管鏡検査)標的アクセス並びに経皮的アクセス/治療を実施できるようにすることができる。しかしながら、本開示は、腎臓結石除去及び/又はロボット支援手技に限定されない。いくつかの実装形態では、ロボット医療ソリューションは、厳密に手動の手技と比較して、特定の器具に関して相対的に高い精度、より優れた制御、及び/又はより優れた手と眼との協調を提供することができる。例えば、いくつかの手技による、腎臓へのロボット支援型経皮的アクセスは、泌尿器科医が、直接エントリー内視鏡腎臓アクセス及び経皮的腎臓アクセスの両方を実施することを、有利なことに可能にし得る。本開示のいくつかの実施形態は、カテーテル、腎盂尿管鏡、尿管鏡及び/又は人間の腎臓の解剖学的構造の文脈で提示されているが、本明細書に開示する原理は、任意のタイプの内視鏡/経皮的手技又は別のタイプの手技で実装され得ることを理解されたい。
【0058】
1つの例示的な手技において、医療システム100は、腎臓結石190を患者120から除去するために使用することができる。手技のためのセットアップ中、医師160は、ロボットシステム110のロボットアーム112を適切な/所望の構成に位置決めすることができる。例えば、医師160は、
図1に示されるように、治療部位(すなわち、腎臓結石190が位置する腎臓191)の近くに第1のロボットアーム112(A)を手動で移動させることができる。EM場発生器140は、手技中にスコープ130及び/又は他の器具の場所を追跡するのを支援するために、第1のロボットアーム112(A)に接続され得る。第1のロボットアーム112(A)は患者120の比較的近くに位置決めされるが、いくつかの実施形態では、第1のロボットアーム112(A)は他の場所に位置決めされ、及び/又はEM場発生器140はテーブル170に統合される(これにより、第1のロボットアーム112(A)はドッキング位置にあることを可能にすることができる)。
【0059】
更に、医師160は、示されるように、第2のロボットアーム112(B)を患者120の脚の間に手動で位置決めすることができる。この例では、医師160は、医療器具193を少なくとも部分的に尿道192に挿入し、医療器具193を第2のロボットアーム112(B)に接続する。医療器具193は、スコープ130(例えば、アクセスシース)を受容するように構成された管腔型デバイスを含むことができ、それによって、スコープ130を患者120の解剖学的構造内に挿入するのを支援する。第2のロボットアーム112(B)を患者120の尿道192に位置合わせすることによって、かつ/又は医療器具193を使用することによって、その領域内の敏感な解剖学的構造に対する摩擦及び/又は力が低減され得る。医療器具193が尿道192内に少なくとも部分的に挿入されると、スコープ130は、手動で、ロボットで、又はそれらの組み合わせで患者120内に挿入され得る。医療器具193が
図1に例解されているが、いくつかの実施形態では、医療器具193は使用されない(例えば、スコープ130は、尿道192に直接挿入される)。
【0060】
医師160はまた、第2のロボットアーム112(B)と位置合わせするように、第3のロボットアーム112(C)を手動で位置決めすることもできる。例えば、第3のロボットアーム112(C)は、第2のロボットアーム112(B)に対する位置合わせを表すことができる位置合わせ位置180のうちの1つ又は2つ以上に移動させ得る。スコープ130のハンドル132は、次いで、第3のロボットアーム112(C)の遠位端に接続され得る。この例は、ロボットアーム112を位置決めし、次いでスコープ130/EM場発生器140を接続する文脈で論じられているが、スコープ130/EM場発生器140は、ロボットアーム112にいつでも接続することができる。例えば、スコープ130は、第3のロボットアーム112(C)に接続され、次いで、位置合わせ位置180のうちの1つ又は2つ以上に位置決めされ得る。
【0061】
医師160は、制御システム150と対話し、ロボットシステム110に、尿道192から、膀胱194を通して、尿管195を上昇させ、腎臓191の中へスコープ130を前進及び/又はナビゲートさせることができる。医師160は、スコープ130をナビゲートして、腎臓結石190の位置を特定し得る。制御システム150は、医師160がスコープ130をナビゲートするのを支援するために、スコープ130に関する情報を、ディスプレイ152を介して提供し得る。例えば、制御システム150は、医師160がスコープ130を制御するのを支援するために、スコープ130によって取得されたリアルタイム画像を見せるために、ディスプレイ152を介してインターフェース(例解されていない)を提示し得る。いくつかの実施形態では、制御システム150は、位置特定技法を使用して、スコープ130の位置及び/又は向きを判定し得るが、これは、ディスプレイ152を介して医師160によって視認され、スコープ130を制御するのを支援もする。更に、いくつかの実施形態では、スコープ130の制御時に医師160を支援するために、患者120の内部解剖学的構造のX線画像など、他のタイプの情報がディスプレイ152を通して提示され得る。
【0062】
腎臓結石190の部位(例えば、腎臓191の腎杯内の)に到達すると、スコープ130を使用して、腎臓191に経皮的にアクセスするために、カテーテルの標的場所を指定/タグ付けし得る。腎臓191及び/又は周囲の解剖学的構造への損傷を最小限に抑えるために、医師160は、腎臓191に経皮的に進入するための標的場所として、乳頭196などの乳頭を指定することができる。しかしながら、他の標的場所も、指定又は決定することができる。乳頭196を指定するいくつかの実施形態では、医師160は乳頭196に接触するようにスコープ130をナビゲートすることができ、制御システム150は位置特定技法を使用してスコープ130の場所(例えば、スコープ130の端部の位置)を判定することができ、制御システム150は、スコープ130の場所を標的場所に関連付けることができる。更に、いくつかの実施形態では、医師160は、乳頭196まで特定の距離内にある(例えば、乳頭196の前に静止状態にする)ようにスコープ130をナビゲートし、標的場所がスコープ130の視野内にあることを示す入力を提供し得る。制御システム150は、標的場所の場所を判定するために、画像分析及び/又は他の位置特定技法を実施し得る。更に、いくつかの実施形態では、スコープ130は、標的場所として乳頭196をマーク付けするための基準点を送達し得る。
【0063】
標的場所が指定されると、医師160は、EM場発生器140を第1のロボットアーム112(A)から除去し、カテーテルを第1のロボットアーム112(A)に取り付けることができる。医師160は、制御システム150と対話して、ロボットシステム110にカテーテルを患者120の経皮的アクセス経路を通して標的場所まで前進及び/又はナビゲートさせることができる(例えば、患者120の皮膚を通って、指定された乳頭196を介して腎臓120に入るなど)。いくつかの実施形態では、針又は別の医療器具が患者120に挿入されて、経皮的アクセス経路を作成し、カテーテルは、次にその中に挿入される。カテーテルは、第1のロボットアーム112(A)によって制御されて、標的部位に到達するように、及び/又は腎臓結石190を患者120から除去するように、カテーテルを挿入、後退、及び/又は関節運動させることができる。制御システム150は、医師160がカテーテルをナビゲートするのを支援するために、カテーテルに関する情報を、ディスプレイ152を介して提供し得る。例えば、インターフェースは、スコープ130の視点からの画像データを提供し得る。画像データは、カテーテルが適切な様式でナビゲート/制御され得るように、カテーテルを描写し得る(例えば、スコープ130の撮像デバイスの視野内にあるとき)。
【0064】
スコープ130及び/又はカテーテルが(例えば、異なるアクセス経路を介して)標的場所に位置した状態で、医師160は、スコープ130を使用して腎臓結石190を破砕し、及び/又はカテーテルを使用して患者120から腎臓の腎臓結石190を取り出すことができる。例えば、スコープ130は、ツール(例えば、レーザ、切断器具など)を展開させて、腎臓結石190を破片に断片化することができ、カテーテルは、腎臓191から、経皮的アクセス経路を通して破片を吸引して取り出し得る。実施例では、カテーテル及び/又はスコープ130は、腎臓結石190の除去を容易にするために灌注及び/又は吸引を提供し得る。例えば、カテーテルは、灌注及び/又は吸引システム(例解されていない)に結合され得る。上述したように、制御システム150は、腎臓結石190の除去を支援するためにスコープ130の視点から画像データを提供することができる(例えば、腎臓結石190がカテーテルを使用して分解されて腎臓191から除去されていることを視認する)。
【0065】
手技前、手技中、又は手技後の任意の時点で、医療システム100は、ロボットアーム112のうちの1つ又は2つ以上を位置決めするために、本明細書で論じられる位置合わせ技法を実装することができる。一例では、第3のロボットアーム112(C)が第2のロボットアーム112(B)と(例えば、位置合わせ位置180に)位置合わせされているとき、第3のロボットアーム112(C)は、第3のロボットアーム112(C)が位置合わせ位置180に近づいて又はそこから更に遠くに移動しているかを医師160に示すために、異なる抵抗量を呈することができる。別の例では、ロボットシステム110/制御システム150は、
図1に例解するように、第1のロボットアーム112(A)の遠位端の場所を示す情報を記憶することができる。次いで、医師160は、第1のロボットアーム112(A)を患者120から離れた側に配置して、EM場発生器140を取り外し(例えば、スコープ130が標的部位に到達すると)、カテーテル又は別の器具を取り付けることができる。第1のロボットアーム112(A)は、カテーテルの使用のために配設され得る。カテーテルが使用されると、医師160は、第1のロボットアーム112(A)を再び側方に移動させることによって、EM場発生器140を再取り付けすることができる。医師160は、EM場発生器140が再び取り付けられたことを示し、第1のロボットアーム112(A)の以前の位置との再位置合わせを要求する入力を提供することができる。第1のロボットアーム112(A)は、第1のロボットアーム112(A)が第1のロボットアーム112(A)の以前の位置に近づいて又はそこから更に遠くに移動しているかを示すために、異なる抵抗量を呈することができる。
【0066】
医療システム100は、医師が手技を実施することを支援するための誘導(例えば、器具追跡、器具ナビゲーション、器具較正など)を提供すること、医師がぎこちない腕の運動及び/又は位置を必要とすることなく人間工学的位置から手技を実施することを可能にすること、1人の医師が1つ又は2つ以上の医療器具を用いて手技を実施することを可能にすること、(例えば、蛍光透視技法と関連付けられた)放射線曝露を回避すること、手技が単一手術設定で実施されることを可能にすること、連続的吸引を提供し、より効率的に物体を除去する(例えば、腎臓結石を除去する)ことなどの種々の利益を提供し得る。例えば、医療システム100は、出血及び/又は解剖学的構造(例えば、決定器官、血管など)への損傷を最小限に抑えながら、医師が様々な医療器具を使用して、標的解剖学的特徴にアクセスすることを支援するための誘導情報を提供することができる。更に、医療システム100は、医師及び患者の放射線への曝露を低減し、かつ/又は手術室内の機器の量を低減するための非放射線ベースのナビゲーション並びに/若しくは位置特定技法を提供することができる。更に、医療システム100は、独立して移動可能であり得る少なくとも制御システム150とロボットシステム110との間に分散された機能性を提供することができる。機能性及び/又は移動性のかかる分散は、制御システム150及び/又はロボットシステム110が、特定の医療手技に最適である場所に配置されることを可能にすることができ、これにより、患者の周囲の作業領域を最大化し、かつ/又は医師が手技を実施するための最適化された場所を提供することが可能になる。
【0067】
様々な技法及びシステムがロボット支援手技(例えば、医療システム100を少なくとも部分的に使用する手技)として実装されるものとして考察されているが、これらの技法及びシステムは、完全ロボット医療手技、人間のみの手技(例えば、ロボットシステムを含まない)などの他の手技で実装され得る。例えば、医療システム100は、医師が医療器具を保持/操作することなく手技(例えば、完全ロボット手技)を実施するために使用され得る。すなわち、手技中に使用される医療器具は各々、ロボットシステム110のロボットアーム112などの、医療システム100の構成要素によって保持/制御され得る。
【0068】
例示的な制御システム及びロボットシステム
図2は、
図1の制御システム150及びロボットシステム110の例示的な詳細を示す一方、
図3は、1つ又は2つ以上の実施形態によるロボットシステム110の追加の詳細を示す。制御システム150及び/又はロボットシステム110の特定の構成要素を
図2及び/又は
図3に例解しているが、示されていない追加の構成要素が本開示による実施形態に含まれ得ることを理解されたい。更に、例解された構成要素のうちのいずれも、省略し、交換し、かつ/又はテーブル170、医療器具などの他のデバイス/システムに統合することができる。
【0069】
図2を参照すると、制御システム150は、以下の構成要素、デバイス、モジュール、及び/又はユニット(本明細書では「構成要素」と呼ぶ)のうちの1つ又は2つ以上を、別々に/個別に、及び/又は組み合わせて/まとめて含むことができる:1つ又は2つ以上のI/O構成要素202、1つ又は2つ以上の通信インターフェース204、1つ又は2つ以上の電源ユニット206、及び/又は1つ又は2つ以上の可動化構成要素208(例えば、キャスタ又は他のタイプのホイール)。いくつかの実施形態では、制御システム150は、制御システム150の構成要素のうちの1つ又は2つ以上の少なくとも一部を収容若しくは含有するように構成された、かつ/又は寸法決めされたハウジング/筐体を備えることができる。この例では、制御システム150は、1つ又は2つ以上の可動化構成要素208を用いて移動可能なカートベースのシステムとして例解されている。場合によっては、適切な位置に到達した後、1つ又は2つ以上の可動化構成要素208は、ホイールロックを使用して固定されて、制御システム150を所定の位置に保持し得る。しかしながら、制御システム150は、固定システムとして実装されたり、別のシステム/デバイスなどに統合されたりし得る。
【0070】
制御システム150の様々な構成要素は、ある特定の接続回路/デバイス/機能部を使用して、電気的及び/又は通信可能に結合され得るが、それら構成要素は、制御回路の一部であってもなくてもよい。例えば、接続機能部は、制御システム150の様々な構成要素/回路のうちの少なくともいくつかの取り付け及び/又は相互接続を容易にするように構成された1つ又は2つ以上のプリント回路基板を含み得る。いくつかの実施形態では、制御システム150の構成要素のうちの2つ又は3つ以上は、互いに電気的に及び/又は通信可能に結合され得る。
【0071】
1つ又は2つ以上のI/O構成要素/デバイス202は、医療手技の実施を支援するためにユーザとインターフェース接続するなどのために、入力を受信し、及び/又は出力を提供するための様々な構成要素を含み得る。1つ又は2つ以上のI/O構成要素202は、タッチ、発話、ジェスチャ、又は任意の他のタイプの入力を受信するように構成され得る。実施例では、1つ又は2つ以上のI/O構成要素202を使用して、デバイス/システムの制御に関する入力、例えば、ロボットシステム110の制御、ロボットシステム110に取り付けられたスコープ又は他の医療器具のナビゲート、テーブル170の制御、蛍光透視デバイスの制御などを提供し得る。例えば、医師160(例解されていない)は、I/O構成要素202を介して入力を提供することができ、それに応答して、制御システム150は、医療器具を操作するために制御信号をロボットシステム110に送信することができる。実施例では、医師160は、同じI/Oデバイスを使用して、複数の医療器具を制御する(例えば、器具間で制御を切り替える)ことができる。
【0072】
示されるように、1つ又は2つ以上のI/O構成要素202は、データを表示するように構成された1つ又は2つ以上のディスプレイ152(「1つ又は2つ以上の表示デバイス152」と称される場合もある)を含み得る。1つ又は2つ以上のディスプレイ152は、1つ又は2つ以上の液晶ディスプレイ(liquid-crystal display、LCD)、発光ダイオード(light-emitting diode、LED)ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、電子ペーパーディスプレイ、及び/又は任意の他のタイプの技術を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のディスプレイ152は、入力及び/又は表示データを受信するように構成された1つ又は2つ以上のタッチスクリーンを含む。更に、1つ又は2つ以上のI/O構成要素202は、1つ又は2つ以上のI/Oデバイス/制御装置210を含むことができ、これは、タッチパッド、コントローラ(例えば、ハンドヘルドコントローラ、ビデオゲームタイプのコントローラなど)、マウス、キーボード、ウェアラブルデバイス(例えば、光学ヘッドマウントディスプレイ)、仮想又は拡張現実デバイス(例えば、ヘッドマウントディスプレイ)などを含むことができる。加えて、1つ又は2つ以上のI/O構成要素202は、音声信号に基づいて音を出力するように構成された1つ又は2つ以上のスピーカ及び/又は音を受信し音声信号を生成するように構成された1つ又は2つ以上のマイクロフォンを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のI/O構成要素202は、コンソールを含むか、又はコンソールとして実装される。
【0073】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のI/O構成要素202は、手技に関する情報を出力することができる。例えば、制御システム150は、スコープによって捕捉されたリアルタイム画像を受信し、ディスプレイ152を介して、リアルタイム画像及び/又はリアルタイム画像のバーチャル表現を表示し得る。ディスプレイ152は、スコープ及び/又は別の医療器具からの画像データを含むことができる、本明細書で論じられるインターフェースのうちの任意のものなどのインターフェースを提示し得る。加えて、又は代替として、制御システム150は、患者と関連付けられた医療モニタ及び/又はセンサから信号(例えば、アナログ、デジタル、電気、音響/音波、空気圧、触覚、油圧など)を受信することができ、ディスプレイ152は、患者の健康又は環境に関する情報を提示することができる。そのような情報は、例えば、心拍数(例えば、ECG、HRVなど)、血圧/血流速度、筋肉生体信号(例えば、EMG)、体温、血液酸素飽和度(例えば、SpO2)、CO2、脳波(例えば、EEG)、環境温度及び/又は局所体温若しくは中核体温などを含む、医療モニタを介して表示される情報を含み得る。
【0074】
1つ又は2つ以上の通信インターフェース204は、1つ又は2つ以上のデバイス/センサ/システムと通信するように構成され得る。例えば、1つ又は2つ以上の通信インターフェース204は、ネットワークを介して無線及び/又は有線の様式でデータを送信/受信し得る。本開示の実施形態によるネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)(例えば、インターネット)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ボディエリアネットワーク(body area network、BAN)などを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の通信インターフェース204は、Bluetooth、Wi-Fi、近距離無線通信(near field communication、NFC)などの無線技術を実装し得る。
【0075】
1つ又は2つ以上の電源ユニット206は、制御システム150(及び/又は場合によっては、ロボットシステム110)の電力を管理及び/又は提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の電源ユニット206は、リチウム系電池、鉛酸電池、アルカリ電池、及び/又は別のタイプの電池などの1つ又は2つ以上の電池を含む。すなわち、1つ又は2つ以上の電源ユニット206は、電力源を提供及び/又は電力管理機能性を提供するように構成された、1つ又は2つ以上のデバイス及び/又は回路を備えることができる。更に、いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の電源ユニット206は、交流(alternating current、AC)又は直流(direct current、DC)主電源に結合するように構成されている主電源コネクタを含む。
【0076】
図2には示されていないが、制御システム150は、制御された灌注能力及び/又は吸引能力を医療器具(例えば、スコープ)、医療器具を通して展開され得るデバイスなどに提供するために、1つ又は2つ以上のポンプ、流量計、バルブ制御装置、及び/又は流体アクセス構成要素など他の構成要素を含み得る、かつ/又は制御し得る。いくつかの実施形態では、灌注能力及び吸引能力は、別個のケーブルを通して医療器具に直接送達され得る。更に、制御システム150は、フィルタリングされた、かつ/又は保護された電力をロボットシステム110など別のデバイスに提供するように設計された電圧プロテクタ及び/又はサージプロテクタを含むことができ、それによって、ロボットシステム110内に電力変圧器及び他の補助電力構成要素を配置することが回避され、ロボットシステム110がより小さく、より移動可能になる。
【0077】
いくつかの実施形態では、制御システム150は、医療システム100全体に展開されたセンサのための支持機器も含み得る。例えば、制御システム150は、光センサ及び/又はカメラから受信されたデータを、検出、受信、及び/又は処理するための光電子機器を含み得る。かかる光電子機器を使用して、制御システム150内に含まれる、任意の数のデバイス/システムに表示するためのリアルタイム画像を生成し得る。同様に、制御システム150は、展開された電磁(EM)センサから受信された信号を受信及び/又は処理するための電子サブシステムも含み得る。いくつかの実施形態では、制御システム150を使用して、医療器具内又はその上のEMセンサによる検出のためにEM場発生器を収容及び位置決めすることもできる。
【0078】
更に、いくつかの実施形態では、制御システム150は、1つ又は2つ以上のケーブル又は接続(示されていない)を介して、ロボットシステム110、テーブル170、医療器具に結合され得る。いくつかの実装形態では、制御システム150からのサポート機能性は、単一のケーブルを介して提供されることができ、手術室を簡略化し、乱雑さを軽減し得る。他の実装形態では、特定の機能性は、別個の配線及び接続で結合され得る。例えば、電力は単一の電力ケーブルを通して供給され得るが、制御、光学、流体工学、及び/又はナビゲーションのためのサポートは、別個のケーブルを通して提供され得る。
【0079】
図2及び
図3を参照すると、ロボットシステム110は、一般的に、細長い支持構造210(「カラム」とも称される)、ロボットシステム基部212、及びカラム210の上部にあるコンソール214を含む。カラム210は、1つ又は2つ以上のロボットアーム112の展開を支持するための1つ又は2つ以上のキャリッジ216(「アーム支持体216」とも称される)を含むことができる。キャリッジ216は、患者に対して位置決めするために、垂直軸に沿って回転してロボットアーム112の基部を調整するための個別に構成可能なアームマウントを含むことができる。キャリッジ216はまた、キャリッジ216がカラム210に沿って垂直方向に平行移動することを可能にするキャリッジインターフェース218を含む。キャリッジインターフェース218は、キャリッジ216の垂直方向の平行移動を案内するためにカラム210の両側に位置決めされているスロット220などのスロットを通してカラム210に接続され得る。スロット220は、キャリッジ216を基部212に対して様々な垂直高さに位置決め及び/又は保持するための垂直平行移動インターフェースを含み得る。キャリッジ216の垂直平行移動により、ロボットシステム110が、ロボットアーム112の到達範囲を調整して、様々なテーブル高さ、患者の大きさ、医師の好みなどを満たすことが可能になる。同様に、キャリッジ216上の個別に構成可能なアームマウントにより、ロボットアーム112のロボットアーム基部222を様々な構成で角度付けすることが可能になる。カラム210は、I/Oデバイスからの入力などのユーザ入力に応答して生成される制御信号に応答して、キャリッジ216を機械化された方法で平行移動させるために、垂直に位置合わせされた主ねじを使用するように設計されたギア及び/又はモータなどの機構を内部に備えることができる。
【0080】
基部212は、床などの表面上で、カラム210、キャリッジ216、及び/又はロボットアーム112の重量のバランスをとることができる。したがって、基部212は、1つ又は2つ以上の電子機器、モータ、電源などの重量のある構成要素、並びにロボットシステム110を移動及び/又は固定することを可能にする構成要素を収容することができる。例えば、基部212は、ロボットシステム110が手技のために部屋を動き回ることを可能にする転動可能ホイール224(「キャスタ224」又は「可動化構成要素224」とも称される)を含むことができる。適切な位置に到達した後、キャスタ224は、手技中にロボットシステム110を所定の場所に保持するためにホイールロックを使用して固定され得る。示されるように、ロボットシステム110はまた、ロボットシステム110を操縦及び/又は安定させるのを支援するためのハンドル226を含む。この例では、ロボットシステム110は、移動可能であるカート基部のシステムとして例解されている。しかしながら、ロボットシステム110は、テーブルなどに一体化された固定システムとして実装され得る。
【0081】
ロボットアーム112は、一般的に、一連のジョイント232によって接続された一連のリンク機構230(アームセグメント230とも称される)によって分離されたロボットアーム基部222及びエンドエフェクタ228を備えることができる。各ジョイント232は、独立したアクチュエータを備えることができ、各アクチュエータは、独立して制御可能なモータを備えることができる。各独立して制御可能なジョイント232は、ロボットアーム112に利用可能な独立した自由度を表す。例えば、アーム112の各々は、7つのジョイントを有し、したがって、7つの自由度を提供することができる。しかしながら、任意の数のジョイントを任意の自由度で実装することができる。実施例では、多数のジョイントは、多数の自由度をもたらし、「冗長」自由度を可能にすることができる。冗長自由度は、ロボットアーム112が、それらのそれぞれのエンドエフェクタ228を、異なるリンク機構位置及び/又はジョイント角度を使用して、空間内の特定の位置、向き、及び/又は軌道に位置決めすることを可能にする。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ228は、医療器具、デバイス、対象などと係合し、及び/又はそれらを制御するように構成され得る。アーム112の移動の自由度により、ロボットシステム110が、医療器具を空間内の所望の点から位置決めし、及び/又は方向付けることが可能になり、及び/又は医師が、アーム112を患者から離れた臨床的に有利な位置に移動させて、アームの衝突を回避しながらアクセスを作り出すことが可能になる。
【0082】
ロボットアーム112の各々のエンドエフェクタ228は、機構交換器インターフェース(mechanism changer interface、MCI)を使用して取り付けられ得る、器具デバイスマニピュレータ(instrument device manipulator、IDM)を備えることができる。いくつかの実施形態では、同じIDMを使用して、スコープ、カテーテル、EM場発生器などの異なる器具/デバイスを取り付けることができる。他の実施形態では、IDMを除去して、異なるタイプの器具/デバイス用の異なるタイプのIDMと交換することができる。例えば、第1のタイプのIDMは、内視鏡を操作することができ、第2のタイプのIDMは、カテーテルを操作することができ、第3のタイプのIDMは、EM場発生器を保持することができ、以下同様である。IDM/MCIは、空気圧、電力、電気信号、及び/又は光信号を、ロボットアーム112を用いて伝達するためのコネクタを含み得る。IDM228及び/又は医療器具(例えば、外科用ツール/器具)は、直接駆動、高調波駆動、ギア駆動、ベルト及びプーリ、磁気駆動などを含み得る。いくつかの実施形態では、IDM228は、ロボットアーム112のそれぞれに取り付けることができ、ロボットアーム112は、それぞれの結合された医療器具を治療部位の中に挿入するか又はそれから後退させるように構成されている。
【0083】
ロボットアーム112の各々のエンドエフェクタ228は、医療器具に接続する及び/又はそれと位置合わせする様々な構成要素/要素を含むことができる。ロボットアーム112のうちの1つのエンドエフェクタ228の拡大画像に示されるように、エンドエフェクタ228は、医療器具を制御/関節運動させるために複数のギア302、医療器具からデータを読み取るリーダ304(例えば、医療器具からシリアル番号を読み取る無線自動識別(radio-frequency identification、RFID)リーダ)、医療器具をIDM228に取り付けるためのファスナ306(例えば、医療器具を固定するためのラッチ)、患者に手動で取り付けられた器具(例えば、アクセスシース)と位置合わせするため、及び/又はIDM228の前面を画定するためのマーカ308を含むことができる。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ228の一部分310(例えば、プレート)は、ロボットアーム112がアドミタンス制御モードで動作しているときに、ユーザなどによって回転/スピンするように構成することができる。
【0084】
エンドエフェクタ228は、医療器具に直接、及び/又は別のデバイスを介して医療器具に結合するように構成され得る。例えば、アダプタ(例解されていない)は、エンドエフェクタ228と医療器具との間のインターフェース(例えば、ドライバインターフェース)を提供するために、エンドエフェクタ228に除去可能に及び/又は取り外し可能に結合され得る。信号は、空気圧、電力、電気信号、及び/又は光信号を含み得る。いくつかの実施形態では、アダプタは、モータなどの任意の電気機械構成要素を欠いてもよい。加えて、又は代替として、いくつかの構成では、プラスチックシートなどの滅菌ドレープが、エンドエフェクタ228と医療器具/アダプタとの間に配置され、ロボットアーム112と医療器具との間に滅菌障壁を提供してもよい。アダプタ及び/又は滅菌ドレープは、医療手技で使用される医療器具を滅菌する必要があるため、及び/又は複雑な機械アセンブリ及び/又は敏感な電子機器のために高価な資本機器を適切に滅菌できないことにより実装され得る。したがって、医療器具、アダプタ、及び/又は滅菌ドレープは、個々の滅菌又は廃棄のためにロボットアーム112から取り外され、除去され、及び/又は交換されるように設計され得る。対照的に、ロボットアーム112は、場合によっては、変更又は滅菌される必要がなく、及び/又は保護のために掛け布をすることができる。アダプタのような構成要素は、いくつかの文脈においてメカニズムチェンジャインターフェース(MCI)と呼ばれる場合がある。
【0085】
例えば、ロボットアーム112は、スコープ(例えば、スコープのシース及び/又はリーダ)の位置、向き、及び/又は先端ジョイント運動を制御するように構成され得る。例えば、ロボットアーム112は、細長い移動部材を使用してスコープを操作するように構成され/構成可能であり得る。細長い移動部材は、1つ又は2つ以上のプルワイヤ(例えば、プルワイヤ又はプッシュワイヤ)、ケーブル、ファイバ、及び/又は可撓性シャフトを含むことができる。例解のために、ロボットアーム112は、スコープに結合された複数のプルワイヤを作動させて、スコープの先端をゆがめるように構成され得る。プルワイヤは、ステンレス鋼、ケブラー、タングステン、炭素繊維などの金属及び/又は非金属材料などの任意の好適な又は望ましい材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、スコープは、細長い移動部材によって印加された力に応答して、非直線的挙動を呈するように構成されている。非線形挙動は、スコープの剛性及び圧縮性、並びに異なる細長い移動部材間のたるみ又は剛性の変動性に基づき得る。
【0086】
示されるように、コンソール214は、ロボットシステム110のカラム210の上端に位置決めされる。コンソール214は、医師/ユーザに術前データ、術中データ、ロボットシステム110を構成するための情報などを提供するために、ユーザ入力を受信し、及び/又は出力を提供するためのユーザインターフェース(例えば、タッチスクリーンなどの二重目的デバイス)を提供するディスプレイ234を含むことができる。潜在的な術前データとしては、術前計画、ナビゲーション、及び/又は術前コンピュータ断層撮影(computerized tomography、CT)スキャンから導出されたマッピングデータ、及び/又は術前患者問診からのメモを含み得る。術中データとしては、ツールから提供される光学情報、センサからのセンサ及び/又は座標情報、並びに呼吸、心拍数、及び/又は脈拍などの不可欠な患者統計が挙げられ得る。コンソール214は、医師がアーム支持体216の反対側のカラム214側からコンソール214にアクセスすることを可能にするように位置決めされ、傾け得る。この位置から、医師は、コンソール214をロボットシステム110の背後から操作しながら、コンソール214、ロボットアーム112、及び患者を視認し得る。
【0087】
ロボットシステム110は、入力を受信し、及び/又は出力を提供するために、例えば、ユーザとインターフェースするために、1つ又は2つ以上のI/O構成要素/デバイス236を含むことができる。1つ又は2つ以上のI/O構成要素236は、タッチ、発話、ジェスチャ、又は任意の他のタイプの入力を受信するように構成され得る。例では、1つ又は2つ以上のI/O構成要素236は、ロボットシステム110を制御/構成するためなど、デバイス/システムの制御に関する入力を提供するために使用され得る。示されているように、1つ又は2つ以上のI/O構成要素236は、データを表示するように構成された1つ又は2つ以上のディスプレイ234を含むことができる。1つ又は2つ以上のディスプレイ234は、1つ又は2つ以上の液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、電子ペーパーディスプレイ、及び/又は任意の他のタイプの技術を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のディスプレイ234は、入力及び/又は表示データを受信するように構成された1つ又は2つ以上のタッチスクリーンを含む。更に、1つ又は2つ以上のI/O構成要素236は、1つ又は2つ以上のI/Oデバイス/制御部238を含み得、これにはタッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、ウェアラブルデバイス(例えば、光学ヘッドマウントディスプレイ)、仮想又は拡張現実デバイス(例えば、ヘッドマウントディスプレイ)などを挙げることができる。加えて、1つ又は2つ以上のI/O構成要素236は、音声信号に基づいて音を出力するように構成された1つ又は2つ以上のスピーカ、及び/又は音を受信し音声信号を生成するように構成された1つ又は2つ以上のマイクロフォンを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のI/O構成要素236は、コンソール214を含むか、又はそれとして実装される。更に、1つ又は2つ以上のI/O構成要素236は、ロボットアーム112の遠位端上のボタン312(アドミタンス制御モードを有効/無効にすることができる)など、物理的に押すことができる1つ又は2つ以上のボタンを含むことができる。
【0088】
ロボットシステム110の様々な構成要素は、ある特定の接続回路/デバイス/機能部を使用して、電気的及び/又は通信可能に結合され得るが、それらは、制御回路の一部であってもなくてもよい。例えば、接続機能部は、ロボットシステム110の様々な構成要素/回路のうちの少なくともいくつかのマウント及び/又は相互接続を容易にするように構成された1つ又は2つ以上のプリント回路基板を含み得る。いくつかの実施形態では、ロボットシステム110の構成要素のうちの2つ又は3つ以上は、互いに電気的に及び/又は通信可能に結合され得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、ロボットアーム112及び/又はロボットシステム110のうちの1つ又は2つ以上は、アドミタンス制御モードで動作するように構成することができる。本明細書で使用される場合、「アドミタンス制御モード」(又は単に「アドミタンスモード」)という用語は、ユーザがそこに力を印加することによってロボットアーム112の移動を制御する、ロボットアーム112/ロボットシステム110の制御モードを指すことができる。例えば、アドミタンス制御モードで動作しているとき、ロボットアーム112は、ロボットアーム112を把持してそこに力を印加することなどによって、電子ユーザ制御を使用することなく、ユーザによって手動で移動され得る。したがって、ユーザは、ロボットアームの位置を直接制御することが可能であり得る。例では、ロボットアーム112は、ロボットアーム112の現在の姿勢(例えば、向き及び位置)を再配置及び/又は維持するように構成された駆動構成要素(例えば、ロボットアーム112の移動を制御するモータ/アクチュエータ)を含むことができる。したがって、アドミタンス制御機能性を提供するために、ロボットシステム110/制御システム150は、ユーザによってロボットアーム112に与えられた力を測定し、測定された力を入力値として使用して駆動構成要素のうちの1つ又は2つ以上を作動させることができる。
【0090】
例解するために、アドミタンス制御モードが有効にされているとき、ロボットアーム112は、ロボットアームに印加される力に基づいてロボットアーム112の手動操作を用いてユーザによって自由に移動させることができる。例えば、ユーザは、ロボットアーム112の遠位端を把持し、力を印加してロボットアーム112の遠位端(及び/又はロボットアーム112の他の部分)を所望の位置に位置決めすることができる。アドミタンス制御モードが無効にされているとき、及び/又はロボットアームに印加される力が閾値未満であるとき、ロボットアーム112は、ある位置に固定されたままであり得る(例えば、ロボットアーム112の手動移動を阻止する)。場合によっては、アドミタンス制御モードにおいて、ロボットアーム112は、ロボットアーム112のエンドエフェクタの向きを変更することなく(例えば、ユーザはロボットアーム112を傾けることができない)、X、Y、Z様式で移動させることができる。しかしながら、他の実施形態では、第3のロボットアーム112(C)の向きは、アドミタンス制御モードにおいて変更され得る。
【0091】
ロボットアーム112/ロボットシステム110は、様々な様式でアドミタンス制御モードに入る/出ることができる。例えば、ユーザは、ロボットシステム110/制御システム150(例えば、インターフェース、コントローラなど)を介して入力を提供することができ、ロボットアーム112上のボタン312を介して入力を提供することができ、又はそうでなければ、アドミタンス制御モードを有効/無効にするための入力を提供することができる。いくつかの実施形態では、ロボットアーム112のエンドエフェクタ228及び/又はアームセグメント230は、作動/接触されるとアドミタンス制御モードを有効にする(例えば、ロボットアーム112をアドミタンス制御モードに移行させる)ボタン312(「アドミタンス制御ボタン312」とも呼ばれる)などの1つ又は2つ以上のボタンを含む。
図3の例では、ボタン312は、エンドエフェクタ228に近接して(例えば、特定の距離内で)アームセグメント230上に例解されている。しかしながら、ボタン312は、エンドエフェクタ228、ジョイント、又は他の場所などの他の場所に位置させることができる。多くの実施形態では、ロボットアーム112の各遠位アームセグメント230/エンドエフェクタ228は、それぞれのアーム112のアドミタンス制御モードを有効/無効にするためのボタンを含むことができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、単一の入力が、複数のロボットアーム112のアドミタンス制御モードを有効/無効にすることができる。多くの例において、アドミタンス制御モードは、ボタン312を押すことに関連して有効/無効にされるものとして論じられているが、アドミタンス制御モードは、任意のタイプのI/Oデバイスを介するなど、様々な様式で有効/無効にすることができる。
【0092】
ロボットアーム112は、一般的に、アドミタンス制御モードで動作しているときに抵抗のある量を呈することができる。抵抗量は、ロボットアーム112を移動させるため、ロボットアーム112を特定の速度で移動させるため、ロボットアーム112を特定の距離だけ移動させるためなどに必要な力の量に影響を及ぼす可能性がある。したがって、ロボットアーム112の手動移動に関連付けられた抵抗量は、ロボットアーム112を手動で移動させるときにユーザに戻される力を示すことができる。いくつかの実施形態では、ロボットアーム112の1つ又は2つ以上のアクチュエータ/ハードウェア244は、ロボットアーム112の手動移動に対する抵抗量を構成するように制御することができる。例えば、ロボットアーム112のジョイント内のモータは、ロボットアーム112がユーザによって移動されるときにロボットアーム112が特定の抵抗量を呈するように、抵抗パラメータ/値に基づいて制御され得る。いくつかの実施形態では、アドミタンス制御モードで動作しているとき、ユーザによってロボットアーム112に印加される力、ロボットアーム112の仮想質量、及び/又は仮想減衰などの1つ又は2つ以上のパラメータを使用して、ロボットアーム112を移動させる速度を判定することができる。仮想質量は、ロボットアーム112がユーザによって感じる重さ(例えば、ロボットの動きの加速)を示すことができ、仮想減衰は、ユーザに抵抗感を提供することができる(例えば、ロボットアーム112がどれだけ速く移動するか)。
【0093】
いくつかの実施形態では、ロボットアーム112の手動移動に関連付けられた抵抗量は、ロボットアーム112の移動方向及び/又は特定の位置に対するロボットアーム112の近接度に基づくことができる。例えば、制御システム150/ロボットシステム110は、位置合わせ位置に近づく方向への手動移動に対して第1の抵抗量を提供するようにロボットアーム112を構成し、位置合わせ位置から離れる方向への手動移動に対して第2の抵抗量を提供するようにロボットアーム112を構成することができる。更に、位置合わせ位置に到達すると、制御システム150/ロボットシステム110は、位置合わせ位置間の手動移動に対して第3の抵抗量を提供し、及び/又は位置合わせ位置から離れる手動移動に対して第4の抵抗量を提供するようにロボットアーム112を構成することができる。
【0094】
1つ又は2つ以上の通信インターフェース240は、1つ又は2つ以上のデバイス/センサ/システムと通信するように構成され得る。例えば、1つ又は2つ以上の通信インターフェース240は、ネットワークを介して無線及び/又は有線の様式でデータを送信/受信し得る。本開示の実施形態によるネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)(例えば、インターネット)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ボディエリアネットワーク(BAN)などを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の通信インターフェース240は、Bluetooth、Wi-Fi、近距離無線通信(NFC)などの無線技術を実装し得る。
【0095】
1つ又は2つ以上の電源ユニット242は、ロボットシステム110のための電力を管理及び/又は提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の電源ユニット242は、リチウム系電池、鉛酸電池、アルカリ電池、及び/又は別のタイプの電池などの1つ又は2つ以上の電池を含む。すなわち、1つ又は2つ以上の電源ユニット242は、電力源を提供及び/又は電力管理機能性を提供するように構成された、1つ又は2つ以上のデバイス及び/又は回路を備えることができる。更に、いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の電源ユニット242は、交流(AC)又は直流(DC)主電源に結合するように構成されている主電源コネクタを含む。
【0096】
ロボットシステム110はまた、ロボットアーム112の移動を容易にするための1つ又は2つ以上のアクチュエータ/ハードウェア244を含むことができる。各アクチュエータ244は、ジョイント及び/又は接続されたアームセグメント/リンク機構の移動を容易にするために、ロボットアーム112内のジョイント又は他の場所に実装され得るモータを備えることができる。更に、ロボットシステム110は、空気圧、光源などの様々な他の構成要素を含むことができる。
【0097】
図2を参照すると、制御システム150及び/又はロボットシステム110は、本明細書に記載の機能を実施するように構成された制御回路246及び/又はデータ記憶装置/メモリ248を含むことができる。議論及び例解を容易にするために、制御回路246及びデータ記憶装置248は、制御システム150とロボットシステム110との間のブロックで示されている。多くの実施形態では、制御システム150及びロボットシステム110は、制御回路246及びデータ記憶装置248の別個のインスタンスを含むことができることを理解されたい。すなわち、制御システム150は、それ自体の制御回路及びデータ記憶装置を含むことができ(例えば、制御システム150上で処理を実装するために)、ロボットシステム110は、それ自体の制御回路及びデータ記憶装置を含むことができる(例えば、ロボットシステム110上で処理を実装するため)。多くの実施形態では、制御回路へ参照は、ロボットシステム、制御システム、又は
図1に示す医療システム100など医療システムの任意の他の構成要素に具現化された回路を指し得る。
【0098】
制御回路246は、制御システム150/ロボットシステム110の他の構成要素とは別個の構成要素として例解されているが、制御システム150及び/又はロボットシステム110の他の構成要素のうちのいずれか又は全ては、制御回路246で少なくとも部分的に具現化できることを理解されたい。例えば、制御回路246は、様々なデバイス(能動的及び/又は受動的)、半導体材料、及び/又は領域、層、区域、及び/又はそれらの部分、導体、リード、ビア、接続などを含むことができ、制御システム150/ロボットシステム110の他の構成要素のうちの1つ又は2つ以上及び/又はその一部分は、かかる回路構成要素/デバイス内で/それらによって少なくとも部分的に形成及び/又は具現化され得る。
【0099】
例解されているように、データ記憶装置248は、本明細書で論じられた様々な機能を容易にするように構成された触覚フィードバック構成要素250を含むことができる。例えば、触覚フィードバック構成要素250は、ロボットアーム112の位置合わせ位置を判定し、位置合わせ位置に対するロボットアーム112の方向/近接度を判定し、ロボットアーム112の手動移動に対する抵抗を設定し、ロボットアーム112を自動的に移動するように制御する(例えば、位置合わせ位置に近接範囲内のとき)などのように構成することができる。いくつかの実施形態では、触覚フィードバック構成要素250は、1つ又は2つ以上の動作を実施するために制御回路246によって実行可能な1つ又は2つ以上の命令を含むことができる。多くの実施形態が、制御回路246によって実行可能である1つ又は2つ以上の命令として実装される(又は含む)触覚フィードバック構成要素250の文脈で論じられるが、触覚フィードバック構成要素250(及び/又は位置特定構成要素などの他の構成要素)は、少なくとも部分的に制御回路として実装することができる。
【0100】
図3には例解されていないが、いくつかの実施形態では、データ記憶装置248は、ロボットシステム110に接続された医療器具などの対象の位置及び/又は向きを判定及び/又は追跡するために、1つ又は2つ以上の位置特定技法を実施するように構成された位置特定構成要素を含む。例えば、位置特定構成要素は、医療器具からのセンサデータ(例えば、EM場センサデータ、医療器具上の撮像デバイス/深度センサによって捕捉された視覚データ、医療器具上の加速度計からの加速度計データ、医療器具上のジャイロスコープからのジャイロスコープデータ、衛星ベースのセンサ(例えば、全地球測位システム(GPS))からの衛星ベースの測位データなど)、ロボットアーム112のロボットコマンド及び/又は運動学データ、形状検知ファイバ(例えば、医療器具の場所/形状に関する形状データを提供することができる)からのセンサデータ、患者の解剖学的構造に関するモデルデータ、患者の位置データ、術前データなどの入力データを処理することができる。そのような処理に基づいて、位置特定構成要素は、医療器具の位置/向きデータを生成することができる。位置/向きデータは、視座に対する医療器具の位置及び/又は向きを示すことができる。視座は、患者の解剖学的構造、既知の物体(例えば、EM場発生器)、座標系/空間などに対する視座であり得る。いくつかの実装形態では、位置/向きデータは、医療器具の遠位端(及び/又は場合によっては、近位端)の場所及び/又は向きを示し得る。医療器具の位置及び向きは、医療器具の姿勢と称され得る。
【0101】
いくつかの実装形態では、位置特定構成要素は、電磁追跡を使用して、物体の位置及び/又は向きを判定し得る。例えば、位置特定構成要素は、リアルタイムEM追跡を使用して、患者の解剖学的構造に記録され得る、座標系/空間における医療器具のリアルタイムの場所を判定することができ、この場所は、術前モデル又は他のモデルによって表され得る。EM追跡では、1つ又は2つ以上のセンサコイルを含むEMセンサ(又はトラッカ)が、医療器具(例えば、スコープ、針など)内の1つ又は2つ以上の場所及び/又は向きに埋め込まれ得る。EMセンサは、既知の場所に位置決めされた1つ又は2つ以上の静的EM場発生器によって作り出されたEM場の変動を測定し得る。EMセンサによって検出された場所情報は、EMデータとして記憶され得る。位置特定構成要素は、EMデータを処理して、医療器具など対象の位置及び/又は向きを判定し得る。EM場発生器(又は送信機)は、EMセンサが検出することができる低強度磁場を作り出すために、患者の近くに(例えば、所定の距離内に)配置することができる。磁場は、EMセンサのセンサコイル内に小電流を誘導することができ、これを分析して、EMセンサとEM場発生器との間の距離及び角度を判定することができる。これらの距離及び向きは、座標系内の単一の場所を患者の解剖学的構造の術前モデルにおける位置と位置合わせする幾何学的変換を判定するために、患者の解剖学的構造(例えば、術前モデル)に術中「記録」され得る。記録されると、医療器具の1つ又は2つ以上の位置(例えば、内視鏡の遠位先端、針など)におけるEMセンサ(例えば、埋め込まれたEMトラッカ)は、患者の解剖学的構造を通る医療器具の位置及び/又は向きをリアルタイムで示し得る。
【0102】
ロボットアームの位置合わせを支援するために触覚フィードバックを提供するという文脈で様々な技法が論じられているが、そのような位置合わせを容易にするために、他の技法を加えて、又は代替として、実装することができる。いくつかの実施形態では、制御システム150及び/又はロボットシステム110は、位置合わせ位置に対するロボットアームの位置、位置合わせ位置までのロボットアームの距離、位置合わせ位置の視覚表現、仮想レールの視覚表現、ロボットアームの視覚表現など、所望の位置合わせ位置に対してロボットアームを位置合わせさせるのを支援するための情報を表示することができる。場合によっては、ユーザは、ロボットアームを位置合わせ位置に近接する初期位置に手動で移動させ、次いで、I/Oデバイスを使用して、所望の場所への位置合わせを終了させる(例えば、微調整を制御する)ことができる。他の場合には、ユーザは、手動操作なしにI/Oデバイスを使用することができる。いずれの場合も、ロボットシステム110及び/又は制御システム150は、上述の情報を表示することができる。更に、いくつかの実施形態では、ロボットアームは、ロボットアームのいかなるユーザ入力/ユーザ操作も伴わずに、位置合わせ位置に自動的に移動することができる。例えば、ユーザは、第1のロボットアームを位置決めし、次いで、I/Oデバイスを介してボタンを選択して、ロボットシステム110に、第2のロボットアームを第1のロボットアームと位置合わせさせるように命令することができる。更に、いくつかの実施形態では、1つのロボットアームの移動が別のロボットアームを自動的に移動させるように、複数のロボットアームを相関させることができる。例えば、ユーザが第1のロボットアームを(例えば、手動で、又は電子制御を使用して)位置決めすると、第2のロボットアームは、相関する様式で移動することができる。更に、いくつかの実施形態では、2つ又は3つ以上のロボットアームが最初に位置合わせされるとき、2つ又は3つ以上のロボットアームは、相関する様式で一緒に移動することができる(例えば、2つ又は3つ以上のロボットアームは、アームのうちの1つが移動するように制御されるのと同じ方向に同時に移動することができる)。
【0103】
更に、様々な技法が、ロボットアームの位置合わせを支援するために抵抗フィードバックを実装するが、他のタイプのフィードバックを実装することができる。例えば、ロボットアームは、異なるタイプの振動を提供して(ロボットアームは振動を生成するためのバイブレータを含む)、ロボットアームが位置合わせ位置に近づいているか/そこから更に遠くに移動しているかを示し、及び/又はロボットアームの位置合わせ位置への近接度を示すことができる。代替として、又は加えて、ロボットシステム110及び/又は制御システム150は、異なる音を出力して、ロボットアームが位置合わせ位置に近づいているか/そこから更に遠くに移動しているかを示し、及び/又はロボットアームの位置合わせ位置への近接度を示すことができる。
【0104】
「制御回路」という用語は、本明細書では、その広い通常の意味に従って使用され、1つ又は2つ以上のプロセッサ、処理回路、処理モジュール/ユニット、チップ、ダイ(例えば、1つ又は2つ以上の能動デバイス及び/又は受動デバイス及び/又は接続回路を含む半導体ダイ)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理ユニット、グラフィック処理ユニット、フィールドプログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路、プログラマブル論理デバイス、状態機械(例えば、ハードウェア状態機械)、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は回路及び/又は動作命令のハードコーディングに基づいて信号(アナログ及び/又はデジタル)を操作する任意のデバイスの任意の集合を指すことができる。制御回路は、1つ又は2つ以上の記憶デバイスを更に含むことができ、これは、単一のメモリデバイス、複数のメモリデバイス、及び/又はデバイスの埋め込み回路の中に具現化され得る。かかるデータ記憶装置は、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、データ記憶レジスタ、及び/又はデジタル情報を記憶する任意のデバイスを含み得る。制御回路が、ハードウェア状態機械を備え(かつ/又はソフトウェア状態機械を実装し)、かつアナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を備える、実施形態では、任意の関連付けられた動作命令を記憶するデータ記憶デバイス/レジスタは、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を備える回路の内部に又はその外部に埋め込まれ得ることに留意されたい。
【0105】
「メモリ」という用語は、本明細書では、その広い通常の意味に従って使用され、任意の好適な又は望ましいタイプのコンピュータ可読媒体を指すことができる。例えば、コンピュータ可読媒体は、1つ又は2つ以上の揮発性データ記憶デバイス、不揮発性データ記憶デバイス、取り外し可能なデータ記憶デバイス、並びに/又は任意の技術、レイアウト、及び/若しくはデータ構造/プロトコルを使用して実装される取り外し可能なデータ記憶デバイスを含むことができ、任意の好適な又は望ましいコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のタイプのデータを含む。
【0106】
本開示の実施形態に従って実装され得るコンピュータ可読媒体は、これらに限定されないが、相変化メモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(static random-access memory、SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random-access memory、DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(compact disk read-only memory、CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(digital versatile disk、DVD)若しくは他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶デバイス、又はコンピューティングデバイスによるアクセスのための情報を記憶するために使用され得る任意の他の非一時的媒体を含む。本明細書においてある特定の文脈で使用される場合、コンピュータ可読媒体は、一般に、変調データ信号及び搬送波などの通信媒体を含まなくてもよい。そのため、コンピュータ可読媒体は、一般に、非一時的媒体を指すと理解されるべきである。
【0107】
例示的な触覚支援ロボットアーム位置決め
図4~
図9は、1つ又は2つ以上の実施形態による、ロボットアーム112のうちの1つ又は2つ以上に触覚フィードバックを提供するように構成されたロボットシステム110を有する、
図1の医療システム100の特定のデバイス/構成要素の上面図を例解している。これらの例では、医療システム100は、患者120から腎臓結石を除去するために手術室内に配設される。多くの実施形態では、患者120は、患者120の背面又は側面にアクセスするために、患者120が側部にわずかに傾けられた修正された仰臥位に位置決めされる。しかしながら、患者120は、仰臥位、腹臥位など、他の様式に位置決めされ得る。説明を容易にするために、患者120の右脚の一部及びテーブル170の一部は示されていない。
図4~
図9は、患者120から腎臓結石を除去するための医療システム100の使用を例解しているが、医療システム100は、他の手技を実施するために、及び/又は他の様式で腎臓結石を除去するために使用することができる。更に、様々な行為は、医師160が特定の場所に位置している、医師160の特定の手が行為を実施しているなど、特定の様式で医師160によって実施されるものとして例解されているが、行為は、様々な様式で実施することができる。
図4~
図9は、手技のセットアップ段階中に第3のロボットアーム112(C)を第2のロボットアーム112(B)と位置合わせする例を例解している。しかしながら、位置合わせ技法は、他の文脈において実装され得ることが理解されるべきである。
【0108】
図4に示されるように、医師160は、ロボットシステム110を手技のための所望の位置に位置決めすることができる。医師160は、次いで、第1のロボットアーム112(A)のためのアドミタンス制御モードを有効にし、第1のロボットアーム112(A)を治療部位の近くに手動で位置決めすることができる。医師160は、EM場発生器140を第1のロボットアーム112(A)のエンドエフェクタに接続することができる。EM場発生器140は、位置特定技法(例えば、デバイス/器具の位置を追跡すること)を容易にすることができる。医師160はまた、第2のロボットアーム112(B)のためのアドミタンス制御モードを有効にし、第2のロボットアーム112(B)を患者120の脚の間に手動で位置決めして、患者120の尿道192などの患者120の解剖学的構造と位置合わせすることができる。医師160は、スコープ-ドライバ器具カップリング402を第2のロボットアーム112(B)のエンドエフェクタに接続することができる。スコープ-ドライバ器具カップリング402は、スコープ130のロボット制御/前進を容易にすることができる。医師160は、医療器具193(例えば、アクセスシース)を少なくとも部分的に患者120の尿道192に挿入し、医療器具193をスコープ-ドライバ器具カップリング402に接続することができる。次いで、医師160は、スコープ130を患者120に挿入することができる。すなわち、スコープ130を医療器具193内に挿入し、医療器具193を介して患者120内に前進させることができる。
【0109】
第2のロボットアーム112(B)に対する第3のロボットアーム112(C)の位置合わせを容易にするために、ロボットシステム110及び/又は制御システム150(例解されていない)は、仮想レール404を判定することができる。仮想レール404は、
図4に例解されているように、第2のロボットアーム112(B)のエンドエフェクタ228の中心を通って延在する線/軸を表すことができる。エンドエフェクタ228を通る仮想レール404の角度は、
図3を参照して上に記載した要素302~310のうちの1つ又は2つ以上などの、第2のロボットアーム112(B)のエンドエフェクタ228上の要素の向きに基づくことができる。そのような要素302~310は、第2のロボットアーム112(B)のエンドエフェクタ228上の回転可能プレート310上に配置することができる。医師160は、第2のロボットアーム112(B)のプレート310を特定の向きに回転/スピンさせて、スコープ-ドライバ器具カップリング402を特定の向きで取り付けることができるようにすることができる。例えば、マーカ308は、医療器具193が患者120の尿道192に位置合わせされた状態で医療器具193をスコープ-ドライバ器具カップリング402に取り付けることができるように位置合わせすることができる。この例では、ロボットシステム110及び/又は制御システム150は、
図4に示すように、リーダ304及び第2のロボットアーム112(B)のエンドエフェクタ228の中心を通過するように仮想レール404を画定する。ここで、仮想レール404は、医療器具193(例えば、スコープ130用のアクセスシース)と同軸に位置合わせされた軸/線を表す。しかしながら、仮想レール404は、様々な構成要素/基準点を通過することができる。
【0110】
仮想レール404に基づいて、ロボットシステム110及び/又は制御システム150は、位置合わせ位置180を判定することができる。例えば、位置合わせ位置180は、第3のロボットアーム112(C)のエンドエフェクタの中心が仮想レール404に位置合わせされるとき、第3のロボットアーム112(C)のエンドエフェクタの中心が、特定のオフセットで仮想レール404に位置合わせされるとき(
図9を参照して以下で論じるように)、第3のロボットアーム112(C)のエンドエフェクタの別の基準点/要素が仮想レール404に位置合わせされたとき、など、第3のロボットアーム112(C)の位置を表すことができる。この例では、位置合わせ位置180は、スコープ130が第3のロボットアーム112(C)の遠位端に取り付けられるときに、スコープ130の挿入/後退のためにスコープ130が仮想レール404と位置合わせされるように、第3のロボットアーム112(C)の遠位端の位置を表す。例解を容易にするために、3つの位置合わせ位置180が例解されている。しかしながら、位置合わせ位置180は、任意の数の位置合わせ位置を表すことを理解されたい。仮想レール404及び複数の位置合わせ位置180は、要素が医療システム100のいかなる物理的構造も描写しないことを示すために、破線を使用して描写されている。
【0111】
位置合わせ位置180が判定されると、医師160は、第3のロボットアーム112(C)を第2のロボットアーム112(B)に位置合わせしようと試みることができる。例えば、
図4及び
図5に示すように、医師160は、スコープ130のハンドル132を右手で保持し、第3のロボットアーム112(C)を左手で把持して、第3のロボットアーム112(C)のアドミタンス制御モードを有効にすることができる。次いで、医師160は、第3のロボットアーム112(C)を第2のロボットアーム112(B)に位置合わせしよう試みて(例えば、医師160によって見られない位置合わせ位置180に基づいて)、第3のロボットアーム112(C)をハンドル132のより近くに手動で移動させることができる。ハンドル132(「器具カップリング/マニピュレータ132」とも称される)は、スコープ130の作業チャネルを通して展開される任意の器具などの、スコープ130を使用して展開され得る、バスケットデバイス及び/又は別の医療器具の前進及び/又は動作を容易にするように構成することができる。
【0112】
図5に例解されているように、第3のロボットアーム112(C)は、位置合わせ位置180に対する第3のロボットアーム112(C)の手動移動に対して様々な抵抗量を提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、第3のロボットアーム112(C)に関連付けられた抵抗量は、第3のロボットアーム112(C)が移動されている方向に基づくことができる。例えば、第3のロボットアーム112(C)は、少なくとも1つの次元(例えば、X、Y、又はZ)に関して、位置合わせ位置180のうちの1つ又は2つ以上に近づく方向への第3のロボットアーム112(C)の手動移動に対して、第1の抵抗量(重りアイコン502で例解されている)を呈することができる。対照的に、第3のロボットアーム112(C)は、少なくとも1つの次元に関して位置合わせ位置180のうちの1つ又は2つ以上から更に遠のく方向への第3のロボットアーム112(C)の手動移動に対して、第2の抵抗量(重りアイコン504で例解されている)を呈することができる。この例では、第1の抵抗量は第2の抵抗量及び/又は閾値より小さいが、第2の抵抗量は第1の抵抗量及び/又は閾値より大きい。したがって、医師160は、第3のロボットアーム112(C)を位置合わせ位置180のより近くに移動させるとき、軽さ/容易さの感覚を体験し、第3のロボットアーム112(C)を位置合わせ位置180から更に遠くに移動させるとき、重さ/困難さの感覚を体験することができる。しかしながら、他の例では、第1の抵抗量は、第2の抵抗量より大きく(又は場合によっては同じに)することができる。場合によっては、第3のロボットアーム112(C)が位置合わせ位置180のうちの1つ又は2つ以上に近づくにつれて、第1の抵抗量が減少する。更に、第3のロボットアーム112(C)が位置合わせ位置180のうちの1つ又は2つ以上から更に遠くに移動するにつれて、第2の抵抗量が増加する。
【0113】
いくつかの実施形態では、第3のロボットアーム112(C)の手動移動に関連付けられた抵抗量は、位置合わせ位置180への第3のロボットアーム112(C)の近接度に基づくことができる。例えば、抵抗量は、第3のロボットアーム112(C)の遠位端が位置合わせ位置180のうちの1つ又は2つ以上までの閾値距離内にあるか否かに依存し得る。例えば、第3のロボットアーム112(C)が位置合わせ位置180のうちの1つ又は2つ以上までの閾値距離内にある場合、第3のロボットアーム112(C)は、任意の方向への移動に対して第1の抵抗量を呈することができる。対照的に、第3のロボットアーム112(C)が位置合わせ位置180のうちの1つ又は2つ以上までの閾値距離外にある場合、第3のロボットアーム112(C)は、任意の方向への移動に対して第2の抵抗量を呈することができる。
【0114】
ロボットシステム110及び/又は制御システム150は、一般的に、第3のロボットアーム112(C)の遠位端の場所を追跡することによって、第3のロボットアーム112(C)に対する抵抗量を調整/構成することができる。場合によっては、ロボットシステム110は、第3のロボットアーム112(C)の遠位端に関する位置/姿勢情報を生成することができ、これは、第3のロボットアーム112(C)を追跡するために制御システム150に提供され得る。追跡に基づいて、ロボットシステム110及び/又は制御システム150は、第3のロボットアーム112(C)が位置合わせ位置180に対して移動している方向、位置合わせ位置180に対する第3のロボットアーム112(C)の近接度などを判定することができる。したがって、ロボットシステム110及び/又は制御システム150は、第3のロボットアーム112(C)の手動移動に対する第3のロボットアーム112(C)の抵抗量を動的に更新することができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム110及び/又は制御システム150は、ロボットアーム112のうちの1つ又は2つ以上を位置合わせ位置180のうちの1つ又は2つ以上に自動的に移動させることができる。例えば、ロボットシステム110は、
図6に例解されているように、第3のロボットアーム112(C)の遠位端が位置合わせ位置180(N)までの閾値距離602内に(又は閾値距離に)位置決めされていると判定することができる。閾値距離602は、医師160、ロボットシステム110、制御システム150、又は別のユーザ/システムなどによって構成可能であり得る。閾値距離602は、5mm、10mm、20mm、30mmなどの様々な距離に設定することができる。加えて、又は代替として、ロボットシステム110は、第3のロボットアーム112(C)の手動移動が停止したことを判定することができる。例えば、ロボットシステム110は、第3のロボットアーム112(C)のアドミタンス制御モードが無効化されている(例えば、医師160がもはやアドミタンス制御ボタン312を押していない、医師160がアドミタンス制御ボタン312を2回目に選択したなど)、第3のロボットアーム112(C)はもはや医師160からの外力を受けていない、医師160は第3のロボットアーム112(C)から自分の手を離している(例えば、接触/近接/静電容量センサのデータに基づいて)などを判定することができる。第3のロボットアーム112(C)の遠位端が位置合わせ位置180(N)までの閾値距離602内に位置決めされていること及び/又は第3のロボットアーム112(C)の手動移動がある期間(例えば、所定の期間)を超えて停止していることを判定すると、
図7に示すように、ロボットシステム110は、第3のロボットアーム112(C)を位置合わせ位置180(N)に自動的に移動させることができる。この例では、第3のロボットアーム112(C)の手動移動が止まったときに第3のロボットアーム112(C)が位置合わせ位置180(N)に最も近接しているので、第3のロボットアーム112(C)は位置合わせ位置180(N)に移動される。
図6のタイマアイコン604は、第3のロボットアーム112(C)の手動移動が停止したときのタイマの開始を例解し、
図7のタイマアイコン702は、タイマの開始から所定量の時間が経過したことを例解している。したがって、第3のロボットアーム112(C)が位置合わせ位置180の比較的近くに位置決めされるいくつかの状況では、第3のロボットアーム112(C)は、医師160が第3のロボットアーム112(C)を解放した直後に(又はそれに応答して)、第2のロボットアーム112(B)と位置合わせされるように自動的に移動することができる。
【0116】
いくつかの実施形態では、第3のロボットアーム112(C)の手動移動に対する抵抗量は、
図8に例解されているように、位置合わせ位置180のうちの1つ又は2つ以上と位置合わせされると、調整/再構成することができる。これは、第3のロボットアーム112(C)が位置合わせされているという指示を医師160に提供し、及び/又は位置合わせされた位置からの第3のロボットアーム112の手動移動を回避することができる。例えば、第3のロボットアーム112(C)が位置合わせ位置180のうちの1つ又は2つ以上と位置合わせされると、第3のロボットアーム112(C)は、位置合わせ位置180のうちの1つから位置合わせ位置180のうちの別の1つへの(例えば、仮想レール404に沿った)第3のロボットアーム112(C)の手動移動に対する第1の抵抗量(重りアイコン802で例解されている)を呈するように構成することができる。更に、第3のロボットアーム112(C)は、位置合わせ位置180から離れる方向(少なくとも1つの次元に関して)への第3のロボットアーム112(C)の手動移動に対する第2の抵抗量(重りアイコン804で例解されている)を呈することができる。この例では、第1の抵抗量は第2の抵抗量及び/又は閾値より小さいが、第2の抵抗量は第1の抵抗量及び/又は閾値より大きい。しかしながら、他の例では、第1の抵抗量は、第2の抵抗量より大きい場合がある(又は場合によっては同じ)。したがって、医師160は、位置合わせ位置180の間を移動するときに仮想壁/レールに沿って移動する感覚を経験することができる。そのような抵抗変化に起因して、医師160はまた、第3のロボットアーム112(C)が位置合わせされるときに、第3のロボットアーム112(C)を仮想レール/位置にロック/スナップする感覚を経験することができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、位置合わせ位置180内での又はそこから離れる第3のロボットアーム112(C)の手動移動に対する抵抗量は、位置合わせが達成される前の第3のロボットアーム112(C)の手動移動に対する抵抗量と異なり得る。例えば、
図5を参照して上で論じたように、第3のロボットアーム112(C)は、位置合わせ位置180に向かう方向への第3のロボットアーム112(C)の手動移動に対して第1の抵抗量を呈することができ、及び/又は位置合わせ位置180から離れる方向への第3のロボットアーム112(C)の手動移動に対して第2の抵抗量を呈することができる。第3のロボットアーム112(C)が位置合わせされると、第3のロボットアーム112(C)は、位置合わせ位置180のうちの1つから位置合わせ位置180のうちの別の1つへの手動移動に対する第3の抵抗量を呈することができ、第3の抵抗量は、第1の抵抗量より小さくすることができる。したがって、医師160は、第3のロボットアーム112(C)を1つの位置合わせ位置から別の位置合わせ位置に移動させるときに、(位置合わせ位置180に向かって移動させることと比較して)更により容易な感覚を経験することができる。更に、第3のロボットアーム112(C)が位置合わせされるとき、第3のロボットアーム112(C)は、位置合わせ位置180から離れる手動移動に対して第4の抵抗量を呈することができ、第4の抵抗量は、第2の抵抗量より大きくすることができる。したがって、医師160は、(第3のロボットアーム112(C)が位置合わせされる前に位置合わせ位置180から離れて移動することと比較して)第3のロボットアーム112(C)を位置合わせ位置180から移動させるときに、更に大きな困難さの感覚を経験することができる。
【0118】
同様に、
図6及び
図7を参照して上で論じたように、いくつかの実施形態では、第3のロボットアーム112(C)が、いったん位置合わせされた第2のロボットアーム112(B)との位置合わせからわずかにずれる場合、第3のロボットアーム112(C)は、第2のロボットアーム112(B)と位置合わせするように自動的に移動して戻ることができる。例えば、医師160が、第2のロボットアーム112(B)に対する第3のロボットアーム112(C)の挿入/後退距離を調整する(例えば、仮想レール404に実質的に沿って第3のロボットアーム112(C)を移動させる)と仮定する。また、そのようにする際に、第3のロボットアーム112(C)は、位置合わせ位置180との位置合わせからわずかに外れるように移動されると仮定する。ここで、第3のロボットアーム112(C)が依然として位置合わせ位置180のうちの1つ又は2つ以上までの閾値距離内にある場合、第3のロボットアーム112(C)は、位置合わせ位置180のうちの1つ又は2つ以上との位置合わせに自動的に移動して戻ることができる。
【0119】
多くの実施形態では、いったん第3のロボットアーム112(C)が位置合わせ位置180のうちの1つ又は2つ以上と位置合わせされると、医師160は、
図9に示されるように、スコープ130を第3のロボットアーム112(C)に取り付けることができる。特に、医師160は、スコープ130に関連付けられたハンドル132を第3のロボットアーム112(C)のエンドエフェクタに取り付けることができる。スコープ130が取り付けられた状態で、医師160は、手技を開始することができ、又は手技中にスコープ130が取り付けられている場合には手技の他の段階に移ることができる。いったん取り付けられると、スコープ130は、第3のロボットアーム112(C)を仮想レール404に沿って
図9に関して垂直方向に移動させることによって、患者120の中に後退/挿入され得る。
【0120】
図9に例解されているように、いくつかの実施形態では、第3のロボットアーム112(C)のエンドエフェクタの中心は、第3のロボットアーム112(C)が位置合わせ位置180のうちの1つ又は2つ以上に位置合わせされるときに、仮想レール404からオフセットされる。これは、ハンドル132が第3のロボットアーム112(C)に取り付けられているときの第3のロボットアーム112(C)のエンドエフェクタに対するスコープ130のオフセット(例えば、取り付け位置におけるオフセット)に起因し得る。示されるように、第3のロボットアーム112(C)のエンドエフェクタの中心を通って延在する線902は、ハンドル132が第3のロボットアーム112(C)上にマウントされるとき、距離904だけ仮想レール404からオフセットされる。そのようなオフセットがあると、医師160がロボットアーム112(B)及び112(C)を視覚的に位置合わせすることが困難な場合がある。例えば、医師162が、第3のロボットアーム112(C)のエンドエフェクタを、第2のロボットアーム112(B)のエンドエフェクタに関してある量のオフセットを伴って位置合わせさせることは困難であり得る。したがって、本明細書で論じられる位置合わせ技法は、医師160が第3のロボットアーム112(C)を第2のロボットアーム112(B)と位置合わせして、実質的に直線の経路に沿ったスコープ130の挿入/後退(位置合わせ及び取り付け後)を容易にするための支援を提供することができ、そのような位置合わせは、ロボットアーム112(B)及び112(C)のエンドエフェクタに対するある量のオフセットと関連付けることができる。
【0121】
場合によっては、本明細書で論じられる技法は、ユーザが、特定のワークフロー、環境、医師好み、及び/又は安全予防措置に対応するように、ロボットアームを特定の位置に正確な様式で手動で及び/又は独立して移動させることを可能にすることができる。これは、最終的に、様々な時点でロボットアームを作業空間から外へ及び/又はその中に移動させる際の柔軟性をユーザに提供することができる。いくつかの例では、患者の脚の間など、患者の周りの作業空間は、比較的コンパクト/小さくすることができる。更に、ロボットアームが特定の位置に位置合わせされているかどうかを視覚的に判定することは、特に、そのような位置合わせが別のデバイス/ロボットアームに対するいくらかの量のオフセットと関連付けられる場合、困難であり得る。したがって、本明細書で論じられる技法は、ロボットアームを作業空間の内外に1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に正確に移動させる柔軟性を提供することができる。更に、そのような技法は、ロボットアームを位置決めするために、及び/又はロボットアームの位置を視認するために、特定のI/Oデバイス(例えば、タッチスクリーン、コントローラ、キーボード、マウス、ディスプレイなど)とのユーザ対話を回避することができる。更に、本技法は、ユーザが別のアームで医療器具を保持しているときなどに、ユーザがロボットアームを1つのアームで正確な様式で手動で位置決めすることを可能にすることができる。
【0122】
図4~
図9は、第3のロボットアーム112(C)を第2のロボットアーム112(B)に位置合わせする文脈で論じられているが、本技法は、ロボットアームをロボットアームの以前の位置に位置合わせする文脈で実装することができる。例えば、位置合わせ位置180のうちの1つ又は2つ以上は、第3のロボットアーム112(C)の以前の位置を表すことができ、
図4~
図9(又は他の場所)を参照して論じられる位置合わせ技法は、医師160が第3のロボットアーム112(C)を位置合わせ位置180のうちの1つ又は2つ以上に位置合わせするのを支援するように実装され得る。一例解では、位置合わせ技法を使用して、第3のロボットアーム112(C)を側部にずらして位置決めして、第3のロボットアーム112(C)を伴わない動作のための十分な空間を提供し、次いで、第3のロボットアーム112(C)を以前の位置に移動して戻すことができる。別の例解では、位置合わせ技法を使用して、第3のロボットアーム112(C)に取り付けられた医療器具を交換することができる。ここで、第3のロボットアーム112(C)を初期位置から移動させることができ、異なる医療器具を第3のロボットアーム112(C)に取り付けることができ、第3のロボットアーム112(C)を以前の位置に再位置合わせすることができる。
【0123】
例示的なフロー図
図10は、1つ又は2つ以上の実施形態による、ロボットアームを位置合わせするために触覚フィードバックを提供するためのプロセス1000の例示的なフロー図を例解している。プロセス1000に関連付けられた様々な動作/行為は、制御システム150、ロボットシステム110、テーブル170、医療器具、及び/又は別のデバイスなどの、本明細書で論じられるデバイス/システムのうちのいずれか、又はそれらの組み合わせ中に実装された制御回路によって実施され得る。プロセス1000は、手技のための医療システム100のセットアップ/構成中、手技中、手技後、及び/又は他の時間に実施することができる。一例解では、プロセス1000は、手技のためにロボットシステム110を構成するために実施される。様々なブロックがプロセス1000の一部であるものとして例解されているが、そのようなブロックのいずれも削除することができる。更に、追加のブロックをプロセス1000の一部として実装することができる。ブロックが例解されている順序は、単に例解の目的で提供されており、ブロックは、任意の順序で実装され得る。いくつかの実施形態では、プロセス1000のブロックのうちの1つ又は2つ以上は、制御回路によって実行されると、論じられている機能性/動作を制御回路に実施させる、実行可能命令として実装される。しかしながら、プロセス1000のブロックのうちの1つ又は2つ以上は、他のデバイス/システム、ユーザなどによってなど、他の様式で実装され得る。
【0124】
ブロック1002において、プロセス1000は、ロボットアームのための1つ又は2つ以上の位置合わせ位置を判定することを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置は、追加のロボットアームの遠位端への位置合わせに関連付けられた複数の位置合わせ位置を含むことができる。複数の位置合わせ位置は、医療器具の挿入又は後退のうちの少なくとも1つに関連付けられた仮想レールに関連付けられ得る。更に、いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置は、ロボットアームの遠位端の以前の位置を表している。
【0125】
ブロック1004において、プロセス1000は、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に対するロボットアームの手動移動の方向を判定することを含むことができる。この方向は、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づいてもよく、又はそれらから更に遠くにあってもよい。例えば、ロボットアームの現在位置(例えば、ロボットアームの遠位端)を示す位置データを受信/生成することができる。そのような位置データ、及び/又は1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に関する位置データに基づいて、ロボットアームの移動方向を判定することができる。
【0126】
ブロック1006において、プロセス1000は、ロボットアームの手動移動に対する抵抗を構成する(例えば、設定する)ことを含むことができる。抵抗は、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に対するロボットアームの遠位端の移動方向に基づいて構成され得る。例えば、第1の抵抗は、少なくとも1つの次元に関して1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づく方向へのロボットアームの手動移動のために設定され得る。更に、第2の抵抗は、少なくとも1つの次元に関して1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる方向へのロボットアームの手動移動のために設定され得る。第2の抵抗は、第1の抵抗より大きいか、又は第1の抵抗より小さいなど、第1の抵抗とは異なり得る。
【0127】
いくつかの実施形態では、ロボットアームの手動移動に対する抵抗は、ロボットアームが1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づくにつれて(例えば、ロボットアームが少なくとも1つの次元に関して1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づいていると判定することに応答して/基づいて)減少させることができる。更に、いくつかの実施形態では、ロボットアームの手動移動に対する抵抗は、ロボットアームが1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から更に遠くに移動するにつれて(例えば、ロボットアームが少なくとも1つの次元に関して1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から更に遠くに移動すると判定することに応答して/基づいて)増加され得る。
【0128】
ブロック1008において、プロセス1000は、ロボットアームの手動移動が(例えば、所定の期間を超えて)停止しているかどうかを判定することを含むことができる。例えば、ロボットアームのアドミタンス制御モードが無効にされているかどうか(例えば、ユーザがもはやアドミタンス制御ボタンを押していない、ユーザがアドミタンス制御ボタンを2回目に選択するなど)、ロボットアームがもはやユーザから外力を受けていないかどうか、ユーザがロボットアームから自分の手を離したかどうかなどが判定され得る。ロボットアームの手動移動が停止していない場合、プロセス1000はブロック1004に戻り、ロボットアームの手動移動が停止するまで、ブロック1004~1008を任意の回数ループすることができる。対照的に、ロボットアームの手動移動が停止している場合、プロセス1000はブロック1010に進むことができる。
【0129】
ブロック1010において、プロセス1000は、ロボットアームが1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に到達したかどうかを判定することを含むことができる。例えば、ロボットアームが1つ又は2つ以上の位置合わせ位置のうちの1つ又は2つ以上に位置決めされているかどうかを判定することができる。ロボットアームが1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に到達した場合、プロセス1000はブロック1016に進むことができる。対照的に、ロボットアームが1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に到達していない場合、プロセス1000はブロック1012に進むことができる。
【0130】
ブロック1012において、プロセス1000は、ロボットアームが1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの閾値距離内に位置決めされているかどうかを判定することを含むことができる。例えば、ロボットアームの現在位置を示す位置データを受信/生成することができる。そのような位置データ、及び/又は1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に関する位置データに基づいて、ロボットアームが1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの閾値距離内に位置決めされているかどうかを判定することができる。ロボットアームが1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの閾値距離内に位置決めされている場合、プロセス1000は、ブロック1014に進むことができる。対照的に、ロボットアームが1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの閾値距離内に位置決めされていない場合、プロセス1000は、ブロック1004に戻ることができる。
【0131】
ブロック1014において、プロセス1000は、ロボットアームを1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に自動的に移動させることを含むことができる。例えば、ロボットアームの手動移動が停止していると判定すること、及び/又はロボットアームが1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの閾値距離内に位置決めされていると判定することに基づいて、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に自動的に移動するようにロボットアームを制御する命令/要求を生成/送信することができる。
【0132】
ブロック1016において、プロセス1000は、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れるロボットアームの手動移動に対する抵抗を構成すること、及び/又は1つ又は2つ以上の位置合わせ位置内の手動移動に対する抵抗を構成することを含み得る。例えば、ロボットアームが1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に到達したこと、及び/又はロボットアームが1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に自動的に移動したことの判定に基づいて、少なくとも1つの次元に関して1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる方向へのロボットアームの手動移動に対する抵抗を設定することができる。いくつかの例では、そのような抵抗は、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる方向へのロボットアームの手動移動に最初に関連付けられた抵抗より大きくすることができる(例えば、位置合わせに達する前の抵抗と比較して抵抗を増加させることができる)。しかしながら、場合によっては、抵抗を減少させるか又は同じにすることができる。加えて、又は代替として、ロボットアームが1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に到達したこと及び/又はロボットアームが1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に自動的に移動したことの判定に基づいて、1つの位置合わせ位置から別の位置合わせ位置へのロボットアームの手動移動に対する抵抗を設定することができる。いくつかの例では、そのような抵抗は、1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づく方向へのロボットアームの手動移動に最初に関連付けられた抵抗より小さくすることができる(例えば、抵抗は、位置合わせに達する前の抵抗と比較して減少させることができる)。しかしながら、場合によっては、抵抗を増加させるか、又は抵抗を同じにすることができる。
【0133】
追加の実施形態
実施形態に応じて、本明細書に記載されるプロセス又はアルゴリズムのうちのいずれかの特定の行為、事象、又は機能は、異なる順序で実施することができ、追加、マージ、又は完全に除外され得る。したがって、特定の実施形態では、全ての記載された行為又は事象が、プロセスの実践のために必要であるわけではない。
【0134】
とりわけ、「することができる(can)」、「することができる(could)」、「し得る(might)」、「し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、及び同等物などの本明細書で使用される条件的文言は、別途具体的に記述されない限り、又は使用される文脈内で別途理解されない限り、その通常の意味で意図され、一般的に、ある特定の実施形態が、ある特定の特徴、要素、及び/又はステップを含むが、他の実施形態が含まないことを伝達することを意図している。したがって、そのような条件的文言は、一般的に、特徴、要素、及び/又はステップが、1つ又は2つ以上の実施形態のために任意の方法で必要とされること、又は1つ又は2つ以上の実施形態が、入力若しくはプロンプティングの有無を問わず、これらの特徴、要素、及び/若しくはステップが任意の特定の実施形態に含まれるか、又は実施されるかどうかを決定するための論理を必ず含むことを示唆することを意図しない。「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」、及び同等物などの用語、それらの通常の意味で使用され、非限定的な様式で包括的に使用され、追加の要素、特徴、行為、動作などを除外しない。また、「又は」という用語は、使用される場合、例えば、要素の列挙を接続するために、「又は」という用語は、列挙された要素のうちの1つ、いくつか、又は全てを意味するように、その包含的な意味で(かつその排他的な意味ではなく)使用される。別途具体的に記述されない限り、「X、Y及びZのうちの少なくとも1つ」という語句などの接続言語は、アイテム、用語、要素などがX、Y、又はZのいずれかであり得ることを伝えるために、一般的に使用されるような文脈で理解される。したがって、そのような接続言語は、一般に、特定の実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、及びZのうちの少なくとも1つが、それぞれ存在することを要求することを暗示することを意図しない。
【0135】
実施形態の上記の説明では、様々な特徴が、時として、本開示を合理化し、様々な発明の態様のうちの1つ又は2つ以上の理解を補助する目的で、単一の実施形態、図、又はその説明においてともにグループ化されることを理解されたい。しかしながら、本開示の方法は、任意の請求項がその請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映すると解釈されるべきではない。更に、本明細書の特定の実施形態に例解及び/又は記載される任意の構成要素、特徴、又はステップは、任意の他の実施形態に適用されるか、又はそれとともに使用することができる。更に、いずれの構成要素、特徴、ステップ、又は構成要素、特徴、若しくはステップの群も、各実施形態のために必要又は不可欠ではない。したがって、本明細書において開示され、以下で特許請求される本開示の範囲、以下に特許請求される本発明の範囲は、上記の特定の実施形態によって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲を公正に読むことによって判定されるべきであることが意図される。
【0136】
特定の序数用語(例えば、「第1」又は「第2」)が参照を容易にするために提供され得、必ずしも物理的特性又は順序付けを示唆するわけではないことを理解されたい。したがって、本明細書で使用される場合、構造、構成要素、動作などの要素を修正するために使用される序数用語(例えば、「第1」、「第2」、「第3」など)は、必ずしも任意の他の要素に対する要素の優先順位又は順序を示すわけではなく、むしろ、一般に、要素を(序数用語の使用を別として)同様又は同一の名称を有する別の要素と区別し得る。更に、本明細書で使用される場合、不定冠詞(「a」及び「an」)は、「1つ」ではなく「1つ又は2つ以上」を示し得る。更に、条件又は事象に「基づいて」実施される動作はまた、明示的に列挙されていない1つ又は2つ以上の他の条件又は事象に基づいて実施され得る。
【0137】
別途定義されない限り、本明細書で使用されている全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、例示的な実施形態が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有している。一般的に使用される辞書で定義されているものなどの用語は、関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想的な意味又は過度に形式的な意味で解釈されるべきではないことを更に理解されたい。
【0138】
「外側」、「内側」、「上側」、「下側」、「下方」、「上方」、「垂直」、「水平」という空間的に相対的な用語、及び同様の用語は、図面に例解されるような1つの要素又は構成要素と別の要素又は構成要素との間の関係を説明するための説明を容易にするために、本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図面に描写される配向に加えて、使用又は動作時のデバイスの異なる配向を包含することを意図していると理解されたい。例えば、図面に示されるデバイスが反転される場合、別のデバイスの「下方」又は「下に」位置決めされたデバイスは、別のデバイスに「上方」に配置され得る。したがって、「下方」という例解的用語は、下側及び上側位置の両方を含み得る。デバイスはまた、他の方向に配向され得、したがって、空間的に相対的な用語は、配向に応じて異なって解釈され得る。
【0139】
別途明記されない限り、「より少ない」、「より多い」、「より大きい」などの比較及び/又は定量的用語は、平等の概念を包含することを意図している。例えば、「より少ない」は、厳密な数学的意味では「より少ない」だけでなく、「以下」も意味することができる。
【0140】
〔実施の態様〕
(1) システムであって、
医療器具に結合するように構成されたロボットアームと、
前記ロボットアームに通信可能に結合された制御回路であって、
前記ロボットアームの遠位端の1つ又は2つ以上の位置合わせ位置を判定することと、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に対する前記ロボットアームの前記遠位端の移動方向に少なくとも部分的に基づいて、前記ロボットアームの手動移動に対する抵抗を設定することと、を行うように構成された、制御回路と、を備える、システム。
(2) 前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置が、前記システムの追加のロボットアームの遠位端への位置合わせに関連付けられた複数の位置合わせ位置を含み、前記複数の位置合わせ位置が、前記医療器具の挿入又は後退のうちの少なくとも1つに関連付けられた仮想レールに関連付けられている、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置が、前記ロボットアームの前記遠位端の以前の位置を表している、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記制御回路が、
前記ロボットアームの手動移動がある期間を超えて停止していることを判定することと、
前記ロボットアームの前記遠位端が前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの閾値距離内に位置決めされていることを判定することと、
前記ロボットアームの手動移動が前記期間を超えて停止していることを判定することと、前記ロボットアームの前記遠位端が前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの前記閾値距離内に位置決めされていることを判定することと、に少なくとも部分的に基づいて、前記ロボットアームを前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に自動的に移動することと、を行うように更に構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記制御回路が、前記ロボットアームの手動移動に対する前記抵抗を、
少なくとも1つの次元に関して前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づく方向への前記ロボットアームの手動移動に対する第1の抵抗を設定することと、
少なくとも1つの次元に関して前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる方向への前記ロボットアームの手動移動に対する第2の抵抗を設定することであって、前記第2の抵抗が、前記第1の抵抗より大きい、設定することと、によって設定するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
【0141】
(6) 前記制御回路が、
前記ロボットアームの前記遠位端が、前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に到達したことを判定することと、
少なくとも1つの次元に関して前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる前記方向への前記ロボットアームの手動移動に対する前記第2の抵抗を増加させることと、を行うように更に構成されている、実施態様5に記載のシステム。
(7) 前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置が、前記システムの追加のロボットアームの遠位端への位置合わせに関連付けられた複数の位置合わせ位置を含み、前記制御回路が、
前記ロボットアームの前記遠位端が前記複数の位置合わせ位置のうちの第1の位置合わせ位置に到達したことを判定することと、
前記第1の位置合わせ位置から前記複数の位置合わせ位置のうちの第2の位置合わせ位置への前記ロボットアームの手動移動に対する第3の抵抗を設定することであって、前記第3の抵抗が、前記第1の抵抗より小さい、設定することと、を行うように更に構成されている、実施態様5に記載のシステム。
(8) 前記制御回路が、前記ロボットアームが前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づくにつれて前記抵抗を減少させることによって、前記ロボットアームの手動移動に対する前記抵抗を設定するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(9) 前記制御回路が、前記ロボットアームが前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から更に遠くに移動するにつれて前記抵抗を増加させることによって、前記ロボットアームの手動移動に対する前記抵抗を設定するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(10) コンピュータ実行可能命令を記憶する1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令は、制御回路によって実行されると、前記制御回路に、
医療器具に結合するように構成されたロボットアームの遠位端の1つ又は2つ以上の位置合わせ位置を判定することと、
前記ロボットアームを、前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づく方向への手動移動に対して第1の抵抗量を提供し、前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる方向への手動移動に対して第2の抵抗量を提供する、ように構成することと、を含む、動作を実施させる、1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0142】
(11) 前記動作が、
前記ロボットアームの手動移動がある期間を超えて停止していることを判定することと、
前記ロボットアームの前記遠位端が前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの閾値距離内に位置決めされていることを判定することと、
前記ロボットアームの前記手動移動が前記期間を超えて停止していることを前記判定することと、前記ロボットアームの前記遠位端が前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの前記閾値距離内に位置決めされていることを前記判定することと、に少なくとも部分的に基づいて、前記ロボットアームを前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に自動的に移動することと、を更に含む、実施態様10に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(12) 前記動作が、
前記ロボットアームが少なくとも1つの次元に関して前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から更に遠くに移動していることを判定することと、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる前記方向への前記ロボットアームの手動移動に対する前記第2の抵抗量を増加させることと、を更に含む、実施態様10に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(13) 前記動作が、
前記ロボットアームの前記遠位端が、前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に到達したことを判定することと、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる前記方向への前記ロボットアームの手動移動に対する前記第2の抵抗量を増加させることと、を更に含む、実施態様10に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(14) 前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置が、追加のロボットアームの遠位端への位置合わせに関連付けられた複数の位置合わせ位置を含み、前記動作が、
前記ロボットアームの前記遠位端が前記複数の位置合わせ位置のうちの第1の位置合わせ位置に到達したことを判定することと、
前記ロボットアームを、前記第1の位置合わせ位置から前記複数の位置合わせ位置のうちの第2の位置合わせ位置への前記ロボットアームの手動移動に対して第3の抵抗量を提供するように構成することであって、前記第3の抵抗が、前記第1の抵抗量より小さい、構成することと、を更に含む、実施態様10に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(15) ロボットシステムであって、
1つ又は2つ以上の位置合わせ位置を判定するように構成された制御回路と、
前記制御回路に通信可能に結合されたロボットアームであって、
医療器具に結合することと、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づく方向への前記ロボットアームの手動移動に対して第1の抵抗量を提供することと、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から更に遠のく方向への前記ロボットアームの手動移動に対して第2の抵抗量を提供することと、を行うように構成されている、ロボットアームと、を備える、ロボットシステム。
【0143】
(16) 前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置が、前記医療器具の挿入又は後退のうちの少なくとも1つに関連付けられた仮想レールを表す複数の位置合わせ位置を含む、実施態様15に記載のロボットシステム。
(17) 前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置が、前記ロボットアームの遠位端の以前の位置を表している、実施態様15に記載のロボットシステム。
(18) 前記制御回路が、
前記ロボットアームの手動移動がある期間を超えて停止していることを判定することと、
前記ロボットアームの遠位端が前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの閾値距離内に位置決めされていることを判定することと、
前記ロボットアームを前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に自動的に移動させることと、を行うように更に構成されている、実施態様15に記載のロボットシステム。
(19) 前記制御回路が、
前記ロボットアームの遠位端が、前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に到達したことを判定することと、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる前記方向への前記ロボットアームの手動移動に対する前記第2の抵抗量を増加させることと、を行うように更に構成されている、実施態様15に記載のロボットシステム。
(20) 前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置が、前記システムの追加のロボットアームの遠位端への位置合わせに関連付けられた複数の位置合わせ位置を含み、
前記制御回路が、前記ロボットアームの遠位端が前記複数の位置合わせ位置のうちの第1の位置合わせ位置に到達したことを判定するように更に構成され、
前記ロボットアームが、前記第1の位置合わせ位置から前記複数の位置合わせ位置のうちの第2の位置合わせ位置への前記ロボットアームの手動移動に対して第3の抵抗量を提供するように構成され、前記第3の抵抗が、前記第1の抵抗量より小さい、実施態様15に記載のロボットシステム。
【0144】
(21) 前記制御回路が、前記ロボットアームが前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づくにつれて、前記第1の抵抗量を減少させるように構成されている、実施態様15に記載のロボットシステム。
(22) 前記制御回路が、前記ロボットアームが前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から更に遠くに移動するにつれて、前記第2の抵抗量を増加させるように構成されている、実施態様15に記載のロボットシステム。
(23) 方法であって、
制御回路によって、医療器具に結合するように構成されたロボットアームの遠位端の1つ又は2つ以上の位置合わせ位置を判定することと、
前記制御回路によって、前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に対する前記ロボットアームの手動移動の方向を判定することと、
前記制御回路によって、前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に対する前記ロボットアームの前記手動移動の前記方向に少なくとも部分的に基づいて、前記ロボットアームの前記手動移動に対する抵抗量を構成することと、を含む、方法。
(24) 前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置が、追加のロボットアームの遠位端への位置合わせに関連付けられた複数の位置合わせ位置を含む、実施態様23に記載の方法。
(25) 前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置が、前記ロボットアームの前記遠位端の以前の位置を表している、実施態様23に記載の方法。
【0145】
(26) 前記ロボットアームの前記手動移動がある期間を超えて停止していることを判定することと、
前記ロボットアームの前記遠位端が前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの閾値距離内に位置決めされていることを判定することと、
前記ロボットアームの前記手動移動が前記期間を超えて停止していることを前記判定することと、前記ロボットアームの前記遠位端が前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置までの前記閾値距離内に位置決めされていることを前記判定することと、に少なくとも部分的に基づいて、前記ロボットアームを前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に自動的に移動することと、を更に含む、実施態様23に記載の方法。
(27) 前記ロボットアームの前記手動移動の前記方向を前記判定することが、前記ロボットアームが少なくとも1つの次元に関して前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から更に遠くに移動していることを判定することを含み、
前記ロボットアームの前記手動移動に対する前記抵抗量を前記構成することが、前記ロボットアームの前記手動移動に対する第1の抵抗量を構成することを含み、前記第1の抵抗量が、前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づく前記ロボットアームの手動移動に関連付けられた第2の抵抗量より大きい、実施態様23に記載の方法。
(28) 前記ロボットアームの前記手動移動の前記方向を前記判定することが、前記ロボットアームが少なくとも1つの次元に関して前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に近づいていることを判定することを含み、
前記ロボットアームの前記手動移動に対する前記抵抗量を前記構成することが、前記ロボットアームの前記手動移動に対する第1の抵抗量を構成することを含み、前記第1の抵抗量が、前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から更に遠くへの前記ロボットアームの手動移動に関連付けられた第2の抵抗量より小さい、実施態様23に記載の方法。
(29) 前記抵抗量が、第1の抵抗量であり、前記方法が、
前記ロボットアームの前記遠位端が、前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置に到達したことを判定することと、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置から離れる前記ロボットアームの手動移動のための第2の抵抗量を構成することであって、前記第2の抵抗量が、前記第1の抵抗量より大きい、構成することと、を更に含む、実施態様23に記載の方法。
(30) 前記1つ又は2つ以上の位置合わせ位置が、追加のロボットアームの遠位端への位置合わせに関連付けられた複数の位置合わせ位置を含み、前記抵抗量が、第1の抵抗量であり、前記方法が、
前記ロボットアームの前記遠位端が前記複数の位置合わせ位置のうちの第1の位置合わせ位置に到達したことを判定することと、
前記第1の位置合わせ位置から前記複数の位置合わせ位置のうちの第2の位置合わせ位置への前記ロボットアームの手動移動に対する第2の抵抗量を構成することであって、前記第2の抵抗量が、前記第1の抵抗量より小さい、構成することと、を更に含む、実施態様23に記載の方法。
【国際調査報告】