(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-11
(54)【発明の名称】熱電素子
(51)【国際特許分類】
H10N 10/17 20230101AFI20231003BHJP
H10N 10/852 20230101ALI20231003BHJP
H10N 10/13 20230101ALI20231003BHJP
H02N 11/00 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
H10N10/17 Z
H10N10/852
H10N10/13
H02N11/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519048
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(85)【翻訳文提出日】2023-03-24
(86)【国際出願番号】 KR2021009353
(87)【国際公開番号】W WO2022065651
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】10-2020-0124094
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0091531
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0095001
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】チェ,マンヒュ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョンミン
(72)【発明者】
【氏名】イ,セウン
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ヨンサン
(57)【要約】
本発明の一実施例に係る熱電素子は一つの第1基板、前記一つの第1基板上に配置された絶縁層、前記絶縁層上に配置された第1電極部、前記絶縁層上に配置され、前記第1電極部から前記第1基板の第1外側に向かうように突出した第1ターミナル電極および第2ターミナル電極、前記第1電極部上に配置された半導体構造物、前記半導体構造物上に配置された第2電極部、そして前記第2電極部上に配置された第2基板部を含み、前記第2基板部は互いに離隔するように配置された複数の第2基板を含み、前記第1電極部は、前記複数の第2基板それぞれと垂直に重なった複数の電極グループ、そして前記複数の電極グループのうち互いに異なる二つの電極グループを連結する第1連結電極を含み、前記第1連結電極の長辺は前記複数の電極グループに含まれた第1電極の長辺より長く、前記第1連結電極の少なくとも一部は前記複数の第2基板と垂直に重ならないように配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの第1基板、
前記一つの第1基板上に配置された絶縁層、
前記絶縁層上に配置された第1電極部、
前記絶縁層上に配置され、前記第1電極部から前記第1基板の第1外側に向かうように突出した第1ターミナル電極および第2ターミナル電極、
前記第1電極部上に配置された半導体構造物、
前記半導体構造物上に配置された第2電極部、そして
前記第2電極部上に配置された第2基板部を含み、
前記第2基板部は互いに離隔するように配置された複数の第2基板を含み、
前記第1電極部は、
前記複数の第2基板それぞれと垂直に重なった複数の電極グループ、そして
前記複数の電極グループのうち互いに異なる二つの電極グループを連結する第1連結電極を含み、
前記第1連結電極の長辺は前記複数の電極グループに含まれた第1電極の長辺より長く、
前記第1連結電極の少なくとも一部は前記複数の第2基板と垂直に重ならないように配置される、熱電素子。
【請求項2】
前記第1ターミナル電極および前記第2ターミナル電極はそれぞれ互いに異なる電極グループに配置され、
前記第1連結電極は前記互いに異なる電極グループを連結するように前記複数の電極グループ内で前記第1ターミナル電極および前記第2ターミナル電極に最も近い行に配置された、請求項1に記載の熱電素子。
【請求項3】
前記複数の電極グループは前記第1外側および前記第1外側に対向する第2外側の間で分割された互いに異なる電極グループを含み、前記第1電極部は前記互いに異なる電極グループを連結するように二つの連結電極を含み、
前記二つの連結電極は、
前記第1連結電極および前記第1連結電極と隣接して互いに並んで配置された第2連結電極である、請求項1に記載の熱電素子。
【請求項4】
前記二つの連結電極は前記複数の電極グループ内で最外側列に最も隣接した二つの列に配置された、請求項3に記載の熱電素子。
【請求項5】
前記複数の電極グループは前記第1外側および前記第1外側に対向する第2外側の間で順次分割された第1電極グループ、第2電極グループおよび第3電極グループを含み、
前記第1電極部は前記第1電極グループおよび前記第2電極グループを連結するように互いに隣接して配置される二つの連結電極および前記第2電極グループおよび前記第3電極グループを連結するように互いに隣接して配置される他の二つの連結電極を含み、
前記二つの連結電極は前記第1連結電極および前記第1連結電極と隣接して互いに並んで配置された第2連結電極を含み、前記第1外側に垂直な第3外側および前記第3外側に対向する第4外側のうち一側に配置され、
前記他の二つの連結電極は第3連結電極および前記第3連結電極と隣接して互いに並んで配置された第4連結電極を含み、前記第3外側および前記第4外側のうち他の一側に配置される、請求項1に記載の熱電素子。
【請求項6】
前記二つの連結電極は前記第3外側の最外側列に最も隣接した二つの列に配置され、前記他の二つの連結電極は前記第4外側の最外側列に最も隣接した二つの列に配置された、請求項5に記載の熱電素子。
【請求項7】
前記複数の電極グループは前記第1外側に垂直な第3外側および前記第3外側に対向する第4外側の間で分割された互いに異なる電極グループを含み、前記第1連結電極は前記互いに異なる電極グループ内の最外側行に配置された、請求項1に記載の熱電素子。
【請求項8】
前記第1電極部は前記互いに異なる電極グループを連結するように配置される二つの連結電極を含み、
前記二つの連結電極は前記第1連結電極および前記第1連結電極と隣接して互いに並んで配置された第2連結電極を含み、前記互いに異なる電極グループ内の最外側行および前記最外側行に最も隣接した行に配置された、請求項7に記載の熱電素子。
【請求項9】
前記絶縁層は前記第1基板上に配置された第1絶縁層、そして前記第1絶縁層上に配置され、前記第1絶縁層の面積より小さい面積を有する第2絶縁層を含み、
前記第2絶縁層は前記第2基板部と垂直に重なる重なり領域および前記重なり領域から前記第1基板の第1外側に向かって突出した突出パターンを含む、請求項1に記載の熱電素子。
【請求項10】
前記突出パターンは互いに離隔するように配置された第1突出パターンおよび第2突出パターンを含み、
前記第1突出パターン上に前記第1ターミナル電極が配置され、前記第2突出パターン上に前記第2ターミナル電極が配置された、請求項9に記載の熱電素子。
【請求項11】
前記複数の電極グループは前記絶縁層上で互いに離隔するように配置され、
前記絶縁層上で前記複数の電極グループの間に配置されたダミー部をさらに含む、請求項1に記載の熱電素子。
【請求項12】
前記ダミー部は前記複数の電極グループそれぞれに含まれた各電極と同一の形状および大きさを有し、互いに離隔するように配置された複数のダミー構造物を含む、請求項11に記載の熱電素子。
【請求項13】
各ダミー構造物は金属層または樹脂層である、請求項12に記載の熱電素子。
【請求項14】
前記複数の電極グループは前記第1外側および前記第1外側に対向する第2外側の間で分割された第1電極グループおよび第2電極グループを含み、
前記第1電極グループは前記第1外側に垂直な第3外側および前記第3外側に対向する第4外側の間で分割された第1-1電極グループおよび第1-2電極グループを含み、
前記第2電極グループは前記第3外側および前記第4外側の間で分割された第2-1電極グループおよび第2-2電極グループを含み、
前記ダミー部は前記第1-1電極グループと前記第1-2電極グループの間に配置された第1ダミー部、前記第2-1電極グループと第2-2電極グループの間に配置された第2ダミー部および前記第1電極グループと前記第2電極グループの間に配置された第3ダミー部を含む、請求項11に記載の熱電素子。
【請求項15】
前記第1ダミー部および前記第2ダミー部は互いに離隔するように配置された、請求項14に記載の熱電素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱電素子に関し、より詳細には熱電素子の電極部の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
熱電現象は材料内部の電子(electron)と正孔(hole)の移動によって発生する現象で、熱と電気の間の直接的なエネルギー変換を意味する。
【0003】
熱電素子は熱電現象を利用する素子を総称するものであり、P型熱電材料とN型熱電材料を金属電極の間に接合させてPN接合対を形成する構造を有する。
【0004】
熱電素子は電気抵抗の温度変化を利用する素子、温度差によって起電力が発生する現象であるゼーベック効果を利用する素子、電流による吸熱または発熱が発生する現象であるペルティエ効果を利用する素子などに区分され得る。
【0005】
熱電素子は家電製品、電子部品、通信用部品などに多様に適用されている。例えば、熱電素子は冷却用装置、温熱用装置、発電用装置などに適用され得る。これに伴い、熱電素子の熱電性能に対する要求はますます高まっている。
【0006】
熱電素子は基板、電極および熱電レッグを含み、上部基板と下部基板の間に複数の熱電レッグがアレイの形態で配置され、複数の熱電レッグと上部基板の間に複数の上部電極が配置され、複数の熱電レッグとおよび下部基板の間に複数の下部電極が配置される。
【0007】
熱電素子の製造工程上基板、電極および熱電レッグ間の接合のために高温の環境で処理され得る。これに伴い、基板に曲げ現象が発生し得、基板の曲げ現象によって熱電素子の長期的な信頼性、耐久性および発電性能が低下し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が達成しようとする技術的課題は、熱電モジュールの電極部の構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施例に係る熱電素子は一つの第1基板、前記一つの第1基板上に配置された絶縁層、前記絶縁層上に配置された第1電極部、前記絶縁層上に配置され、前記第1電極部から前記第1基板の第1外側に向かうように突出した第1ターミナル電極および第2ターミナル電極、前記第1電極部上に配置された半導体構造物、前記半導体構造物上に配置された第2電極部、そして前記第2電極部上に配置された第2基板部を含み、前記第2基板部は互いに離隔するように配置された複数の第2基板を含み、前記第1電極部は、前記複数の第2基板それぞれと垂直に重なった複数の電極グループ、そして前記複数の電極グループのうち互いに異なる二つの電極グループを連結する第1連結電極を含み、前記第1連結電極の長辺は前記複数の電極グループに含まれた第1電極の長辺より長く、前記第1連結電極の少なくとも一部は前記複数の第2基板と垂直に重ならないように配置される。
【0010】
前記第1ターミナル電極および前記第2ターミナル電極はそれぞれ互いに異なる電極グループに配置され、前記第1連結電極は前記互いに異なる電極グループを連結するように前記複数の電極グループ内で前記第1ターミナル電極および前記第2ターミナル電極に最も近い行に配置され得る。
【0011】
前記複数の電極グループは前記第1外側および前記第1外側に対向する第2外側の間で分割された互いに異なる電極グループを含み、前記第1電極部は前記互いに異なる電極グループを連結するように二つの連結電極を含み、前記二つの連結電極は、前記第1連結電極および前記第1連結電極と隣接して互いに並んで配置された第2連結電極であり得る。
【0012】
前記二つの連結電極は前記複数の電極グループ内で最外側列に最も隣接した二つの列に配置され得る。
【0013】
前記複数の電極グループは前記第1外側および前記第1外側に対向する第2外側の間で順次分割された第1電極グループ、第2電極グループおよび第3電極グループを含み、前記第1電極部は前記第1電極グループおよび前記第2電極グループを連結するように互いに隣接して配置される二つの連結電極および前記第2電極グループおよび前記第3電極グループを連結するように互いに隣接して配置される他の二つの連結電極を含み、前記二つの連結電極は前記第1連結電極および前記第1連結電極と隣接して互いに並んで配置された第2連結電極を含み、前記第1外側に垂直な第3外側および前記第3外側に対向する第4外側のうち一側に配置され、前記他の二つの連結電極は第3連結電極および前記第3連結電極と隣接して互いに並んで配置された第4連結電極を含み、前記第3外側および前記第4外側のうち他の一側に配置され得る。
【0014】
前記二つの連結電極は前記第3外側の最外側列に最も隣接した二つの列に配置され、前記他の二つの連結電極は前記第4外側の最外側列に最も隣接した二つの列に配置され得る。
【0015】
前記複数の電極グループは前記第1外側に垂直な第3外側および前記第3外側に対向する第4外側の間で分割された互いに異なる電極グループを含み、前記第1連結電極は前記互いに異なる電極グループ内の最外側行に配置され得る。
【0016】
前記第1電極部は前記互いに異なる電極グループを連結するように配置される二つの連結電極を含み、前記二つの連結電極は前記第1連結電極および前記第1連結電極と隣接して互いに並んで配置された第2連結電極を含み、前記互いに異なる電極グループ内の最外側行および前記最外側行に最も隣接した行に配置され得る。
【0017】
前記絶縁層は前記第1基板上に配置された第1絶縁層、そして前記第1絶縁層上に配置され、前記第1絶縁層の面積より小さい面積を有する第2絶縁層を含み、前記第2絶縁層は前記第2基板部と垂直に重なる重なり領域および前記重なり領域から前記第1基板の第1外側に向かって突出した突出パターンを含むことができる。
【0018】
前記突出パターンは互いに離隔するように配置された第1突出パターンおよび第2突出パターンを含み、前記第1突出パターン上に前記第1ターミナル電極が配置され、前記第2突出パターン上に前記第2ターミナル電極が配置され得る。
【0019】
前記複数の電極グループは前記絶縁層上で互いに離隔するように配置され、前記絶縁層上で前記複数の電極グループの間に配置されたダミー部をさらに含むことができる。
【0020】
前記ダミー部は前記複数の電極グループそれぞれに含まれた各電極と同一の形状および大きさを有し、互いに離隔するように配置された複数のダミー構造物を含むことができる。
【0021】
各ダミー構造物は金属層または樹脂層であり得る。
前記複数の電極グループは前記第1外側および前記第1外側に対向する第2外側の間で分割された第1電極グループおよび第2電極グループを含み、前記第1電極グループは前記第1外側に垂直な第3外側および前記第3外側に対向する第4外側の間で分割された第1-1電極グループおよび第1-2電極グループを含み、前記第2電極グループは前記第3外側および前記第4外側の間で分割された第2-1電極グループおよび第2-2電極グループを含み、前記ダミー部は前記第1-1電極グループと前記第1-2電極グループの間に配置された第1ダミー部、前記第2-1電極グループと第2-2電極グループの間に配置された第2ダミー部および前記第1電極グループと前記第2電極グループの間に配置された第3ダミー部を含むことができる。
【0022】
前記第1ダミー部および前記第2ダミー部は互いに離隔するように配置され得る。
【0023】
本発明の他の実施例に係る熱電素子は第1基板;前記第1基板上に配置され、互いに離隔するように配置された第1電極グループおよび第2電極グループを含む第1電極部;前記第1電極部上に配置され、互いに離隔するように配置された第3電極グループおよび第4電極グループを含む第2電極部;そして前記第1電極部と前記第2電極部の間に配置された半導体構造物;を含み、前記第1電極グループと前記第3電極グループは第1領域を形成するように前記第1基板に対して垂直な方向に互いに重なり、前記第2電極グループと前記第4電極グループは第2領域を形成するように前記第1基板に対して垂直な方向に互いに重なり、前記第1領域と前記第2領域の間に離隔領域が形成され、前記離隔領域の少なくとも一部に配置されたダミー部を含む。
【0024】
各電極グループは互いに離隔するように配置された複数の電極を含み、前記第1電極グループと前記第2電極グループ間の離隔距離は前記各電極グループ内の複数の電極間の離隔距離より大きくてもよい。
【0025】
前記第1電極グループと前記第2電極グループは第1方向に離隔し、前記第1電極グループは前記第1方向に垂直な第2方向に離隔した第1-1電極グループおよび第1-2電極グループを含み、前記第2電極グループは前記第1方向に垂直な第2方向に離隔した第2-1電極グループおよび第2-2電極グループを含むことができる。
【0026】
前記ダミー部は前記第1-1電極グループと前記第2-1電極グループの間に配置された第1ダミー部および前記第1-2電極グループと前記第2-2電極グループの間に配置された第2ダミー部を含むことができる。
【0027】
前記第1ダミー部および前記第2ダミー部は互いに離隔され得る。
【0028】
前記ダミー部は前記第1-1電極グループと前記第1-2電極グループの間および前記第2-1電極グループと前記第2-2電極グループの間に配置される第3ダミー部をさらに含むことができる。
【0029】
前記第1電極部は前記第1-1電極グループに連結される第1ターミナル電極および前記第2-1電極グループに連結される第2ターミナル電極をさらに含むことができる。
【0030】
前記第1電極部は前記第1-1電極グループ、前記第1-2電極グループ、前記第2-1電極グループおよび前記第2-2電極グループのうち少なくとも一部を連結する連結電極部をさらに含むことができる。
【0031】
前記連結電極部は前記第1-1電極グループおよび前記第2-1電極グループの間に配置された第1連結電極、前記第1-1電極グループおよび前記第1-2電極グループの間に配置された第2連結電極、前記第1-2電極グループおよび前記第2-2電極グループの間に配置された第3連結電極および前記第2-1電極グループおよび前記第2-2電極グループの間に配置された第4連結電極のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0032】
前記第1ダミー部および前記第2ダミー部は前記第1連結電極、前記第3ダミー部および前記第2連結電極によって離隔され得る。
【0033】
前記第1ダミー部、前記第2ダミー部および前記第3ダミー部のうち少なくとも一つは各電極グループに含まれた各電極と同一の形状および大きさを有し、互いに離隔するように配置された複数のダミー構造物を含むことができる。
【0034】
各ダミー構造物は金属層または樹脂層であり得る。
前記第2電極部上に配置された第2基板部をさらに含み、前記第2基板部は互いに離隔するように配置された複数の第2基板を含み、各第2基板は各電極グループに対応するように配置され得る。
【0035】
前記複数の第2基板間の離隔領域に配置された絶縁体をさらに含むことができる。
【0036】
前記絶縁体は前記複数の第2基板間の離隔領域から前記ダミー部まで延びるように配置され得る。
【0037】
前記各第2基板から前記各電極グループを通じて前記第1基板まで延びた複数の貫通ホールを通過する複数の結合部材をさらに含むことができる。
【0038】
前記各第2基板上に配置された複数のヒートシンクをさらに含むことができる。
【0039】
各ヒートシンクから前記各電極グループを通じて前記第1基板まで延びた複数の貫通ホールを通過する複数の結合部材をさらに含むことができる。
【0040】
前記第1基板と前記第1電極部の間に配置された絶縁層をさらに含むことができる。
【0041】
前記絶縁層は組成および弾性のうち少なくとも一つが互いに異なる複数の絶縁層を含むことができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明の実施例によると、基板の曲げ現象を改善して長期的な信頼性、耐久性および発電性能が高い熱電素子を得ることができる。
【0043】
また、本発明の実施例によると、高温部基板および低温部基板の構造を異なるように設計して熱電素子の信頼性、耐久性および発電性能を最適化することができる。
【0044】
特に、本発明の実施例によると、基板上に電極が配置される形状により基板が曲がる問題を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図3】シーリング部材を含む熱電素子の斜視図である。
【
図4】シーリング部材を含む熱電素子の分解斜視図である。
【
図5】熱電素子内の基板、絶縁層および電極の断面図である。
【
図6】本発明の一実施例に係る熱電モジュールの斜視図である。
【
図9】
図6の熱電モジュールに含まれた第1基板側の上面図の一例である。
【
図10】
図6の熱電モジュールに含まれた第1基板側の上面図の他の例である。
【
図11】本発明の他の実施例に係る熱電モジュールの斜視図である。
【
図13】本発明の一実施例に係る熱電モジュールでヒートシンクと第2基板間の接合構造を示す。
【
図14a】比較例に係る熱電素子の基板および電極部の上面図である。
【
図14b】実施例1に係る熱電素子の基板および電極部の上面図である。
【
図14c】実施例2に係る熱電素子の基板および電極部の上面図である。
【
図14d】実施例3に係る熱電素子の基板および電極部の上面図である。
【
図15】本発明の一実施例に係る熱電素子の斜視図である。
【
図16】
図15の実施例で第1基板、絶縁層および複数の第1電極の上面図である。
【
図17】本発明の他の実施例に係る熱電素子の斜視図である。
【
図18】
図17の実施例で第1基板、絶縁層および複数の第1電極の上面図である。
【
図19】本発明のさらに他の実施例に係る熱電素子の斜視図である。
【
図20】
図19の実施例で第1基板、絶縁層および複数の第1電極の上面図である。
【
図21】本発明の実施例に係る熱電素子に含まれる電極配置の概略図である。
【
図22】本発明の実施例に係る熱電素子に含まれる電極配置の概略図である。
【
図23】本発明の実施例に係る熱電素子に含まれる電極配置の概略図である。
【
図24】本発明の実施例に係る熱電素子に含まれる電極配置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0047】
ただし、本発明の技術思想は説明される一部の実施例に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で具現され得、本発明の技術思想範囲内であれば、実施例間にその構成要素のうち一つ以上を選択的に結合、置き換えて使うことができる。
【0048】
また、本発明の実施例で使われる用語(技術および科学的用語を含む)は、明白に特に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般的に理解され得る意味で解釈され得、辞書に定義された用語のように一般的に使われる用語は関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈することができるであろう。
【0049】
また、本発明の実施例で使われた用語は実施例を説明するためのものであり本発明を制限しようとするものではない。
【0050】
本明細書で、単数型は文面で特に言及しない限り複数型も含むことができ、「Aおよび(と)B、Cのうち少なくとも一つ(または一つ以上)」と記載される場合、A、B、Cで組み合わせできるすべての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。
【0051】
また、本発明の実施例の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を使うことができる。
【0052】
このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって該当構成要素の本質や順番または順序などに限定されない。
【0053】
そして、或る構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結、結合または接続される場合だけでなく、その構成要素とその他の構成要素の間にあるさらに他の構成要素によって「連結」、「結合」または「接続」される場合も含むことができる。
【0054】
また、各構成要素の「上(うえ)または下(した)」に形成または配置されるものと記載される場合、上(うえ)または下(した)は2個の構成要素が互いに直接接触する場合だけでなく一つ以上のさらに他の構成要素が2個の構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上(うえ)または下(した)」と表現される場合、一つの構成要素を基準として上側方向だけでなく下側方向の意味も含むことができる。
【0055】
図1は熱電素子の断面図であり、
図2は熱電素子の斜視図である。
図3はシーリング部材を含む熱電素子の斜視図であり、
図4はシーリング部材を含む熱電素子の分解斜視図である。
図5は、熱電素子内の基板、絶縁層および電極の断面図である。
【0056】
図1~2を参照すると、熱電素子100は下部基板110、下部電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140、上部電極150および上部基板160を含む。
【0057】
下部電極120は下部基板110とP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の下部底面の間に配置され、上部電極150は上部基板160とP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の上部底面の間に配置される。これに伴い、複数のP型熱電レッグ130および複数のN型熱電レッグ140は下部電極120および上部電極150によって電気的に連結される。下部電極120と上部電極150の間に配置され、電気的に連結される一対のP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140は単位セルを形成することができる。
【0058】
例えば、口出し線181、182を通じて下部電極120および上部電極150に電圧を印加すると、ペルティエ効果によってP型熱電レッグ130からN型熱電レッグ140に電流が流れる基板は熱を吸収して冷却部として作用し、N型熱電レッグ140からP型熱電レッグ130に電流が流れる基板は加熱して発熱部として作用することができる。または下部電極120および上部電極150間に温度差を加えると、ゼーベック効果によってP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140内の電荷が移動し、電気が発生することもある。
【0059】
図1~
図4で口出し線181、182が下部基板110に配置されるものとして図示されているが、これに制限されるものではなく、口出し線181、182が上部基板160に配置されたり、口出し線181、182のうち一つが下部基板110に配置され、残りの一つが上部基板160に配置されたりしてもよい。
【0060】
ここで、P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140はビズマス(Bi)およびテルル(Te)を主原料で含むビスマステルライド(Bi-Te)系熱電レッグであり得る。P型熱電レッグ130はアンチモン(Sb)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、テルル(Te)、ビズマス(Bi)およびインジウム(In)のうち少なくとも一つを含むビスマステルライド(Bi-Te)系熱電レッグであり得る。例えば、P型熱電レッグ130は全体重量100wt%に対して主原料物質であるBi-Sb-Teを99~99.999wt%で含み、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)およびインジウム(In)のうち少なくとも一つを0.001~1wt%で含むことができる。N型熱電レッグ140はセレニウム(Se)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、テルル(Te)、ビズマス(Bi)およびインジウム(In)のうち少なくとも一つを含むビスマステルライド(Bi-Te)系熱電レッグであり得る。例えば、N型熱電レッグ140は全体重量100wt%に対して主原料物質であるBi-Se-Teを99~99.999wt%で含み、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)およびインジウム(In)のうち少なくとも一つを0.001~1wt%で含むことができる。これに伴い、本明細書で熱電レッグは半導体構造物、半導体素子、半導体材料層、半導体物質層、半導体素材層、導電性半導体構造物、熱電構造物、熱電材料層、熱電物質層、熱電素材層などと指称されてもよい。
【0061】
P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140はバルク型または積層型で形成され得る。一般的にバルク型P型熱電レッグ130またはバルク型N型熱電レッグ140は熱電素材を熱処理してインゴット(ingot)を製造し、インゴットを粉砕し篩分けして熱電レッグ用粉末を獲得した後、これを焼結し、焼結体をカッティングする過程を通じて得られ得る。この時、P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140は多結晶熱電レッグであり得る。このように、P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140は多結晶熱電レッグである場合、P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の強度が高くなり得る。積層型P型熱電レッグ130または積層型N型熱電レッグ140はシート状の基材上に熱電素材を含むペーストを塗布して単位部材を形成した後、単位部材を積層しカッティングする過程を通じて得られ得る。
【0062】
この時、一対のP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140は同一の形状および体積を有するか、互いに異なる形状および体積を有することができる。例えば、P型熱電レッグ130とN型熱電レッグ140の電気伝導特性が異なるので、N型熱電レッグ140の高さまたは断面積をP型熱電レッグ130の高さまたは断面積と異なるように形成してもよい。
【0063】
この時、P型熱電レッグ130またはN型熱電レッグ140は円筒状、多角柱状、楕円状の柱状などを有することができる。
【0064】
またはP型熱電レッグ130またはN型熱電レッグ140は積層型構造を有してもよい。例えば、P型熱電レッグまたはN型熱電レッグはシート状の基材に半導体物質が塗布された複数の構造物を積層した後、これを切断する方法で形成され得る。これに伴い、材料の損失を防止し電気伝導特性を向上させることができる。各構造物は開口パターンを有する導電性層をさらに含むことができ、これに伴い、構造物間の接着力を高め、熱伝導度を下げ、電気伝導度を高めることができる。
【0065】
またはP型熱電レッグ130またはN型熱電レッグ140は一つの熱電レッグ内で断面積が異なるように形成されてもよい。例えば、一つの熱電レッグ内で電極に向かうように配置される両端部の断面積が両端部の間の断面積より大きく形成されてもよい。これによると、両端部間の温度差を大きく形成できるため、熱電効率が高くなり得る。
【0066】
本発明の一実施例に係る熱電素子の性能は熱電性能指数(figure of merit、ZT)で示すことができる。熱電性能指数(ZT)は数学式1のように示すことができる。
[数学式1]
【0067】
【0068】
ここで、αはゼーベック係数[V/K]であり、σは電気伝導度[S/m]であり、α2σはパワー因子(Power Factor、[W/mK2])である。そして、Tは温度で、kは熱伝導度[W/mK]である。kはa・cp・ρで示すことができ、aは熱拡散度[cm2/S]で、cpは比熱[J/gK]であり、ρは密度[g/cm3]である。
【0069】
熱電素子の熱電性能指数を得るために、Zメーターを利用してZ値(V/K)を測定し、測定したZ値を利用して熱電性能指数(ZT)を計算することができる。
【0070】
ここで、下部基板110とP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の間に配置される下部電極120、そして上部基板160とP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の間に配置される上部電極150は銅(Cu)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)およびニッケル(Ni)のうち少なくとも一つを含み、0.01mm~0.3mmの厚さを有することができる。下部電極120または上部電極150の厚さが0.01mm未満の場合、電極として機能が落ちることになって電気伝導性能が低下し得、0.3mmを超過する場合、抵抗の増加によって伝導効率が低下し得る。
【0071】
そして、互いに対向する下部基板110と上部基板160は金属基板であり得、その厚さは0.1mm~1.5mmであり得る。金属基板の厚さが0.1mm未満であるか、1.5mmを超過する場合、放熱特性または熱伝導率が過度に高くなり得るので、熱電素子の信頼性が低下し得る。また、下部基板110と上部基板160が金属基板である場合、下部基板110と下部電極120の間および上部基板160と上部電極150の間にはそれぞれ絶縁層170がさらに形成され得る。絶縁層170は1~20W/mKの熱伝導度を有する素材を含むことができる。
【0072】
この時、下部基板110と上部基板160の大きさは異なって形成されてもよい。例えば、下部基板110と上部基板160のうち一つの体積、厚さまたは面積は他の一つの体積、厚さまたは面積より大きく形成され得る。これに伴い、熱電素子の吸熱性能または放熱性能を高めることができる。例えば、ゼーベック効果のために高温領域に配置されるか、ペルティエ効果のために発熱領域に適用されるかまたは熱電モジュールの外部環境から保護のためのシーリング部材が配置される基板の体積、厚さまたは面積のうち少なくとも一つが他の基板の体積、厚さまたは面積のうち少なくとも一つよりさらに大きくてもよい。
【0073】
また、下部基板110と上部基板160のうち少なくとも一つの表面には、放熱パターン、例えば凹凸パターンが形成されてもよい。これに伴い、熱電素子の放熱性能を高めることができる。凹凸パターンがP型熱電レッグ130またはN型熱電レッグ140と接触する面に形成される場合、熱電レッグと基板間の接合特性も向上し得る。熱電素子100は下部基板110、下部電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140、上部電極150および上部基板160を含む。
【0074】
図3~
図4に図示された通り、下部基板110と上部基板160の間にはシーリング部材190がさらに配置されてもよい。シーリング部材190は下部基板110と上部基板160の間で下部電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140および上部電極150の側面に配置され得る。これに伴い、下部電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140および上部電極150は外部の湿気、熱、汚染などからシーリングされ得る。ここで、シーリング部材190は、複数の下部電極120の最外郭、複数のP型熱電レッグ130および複数のN型熱電レッグ140の最外郭および複数の上部電極150の最外郭の側面から所定距離離隔して配置されるシーリングケース192、シーリングケース192と下部基板110の間に配置されるシーリング材194およびシーリングケース192と上部基板160の間に配置されるシーリング材196を含むことができる。このように、シーリングケース192はシーリング材194、196を媒介として下部基板110および上部基板160と接触することができる。これに伴い、シーリングケース192が下部基板110および上部基板160と直接接触する場合、シーリングケース192を通じて熱伝導が起きることになり、結果として、下部基板110と上部基板160間の温度差が低くなる問題を防止できる。ここで、シーリング材194、196はエポキシ樹脂およびシリコン樹脂のうち少なくとも一つを含むか、エポキシ樹脂およびシリコン樹脂のうち少なくとも一つが両面に塗布されたテープを含むことができる。シーリング材194、194はシーリングケース192と下部基板110の間およびシーリングケース192と上部基板160の間を気密する役割をし、下部電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140および上部電極150のシーリング効果を高めることができ、仕上げ材、仕上げ層、防水材、防水層などと混用され得る。ここで、シーリングケース192と下部基板110の間をシーリングするシーリング材194は下部基板110の表面に配置され、シーリングケース192と上部基板160の間をシーリングするシーリング材196は上部基板160の側面に配置され得る。一方、シーリングケース192には電極に連結された口出し線181、182を引き出すためのガイド溝Gが形成され得る。このために、シーリングケース192はプラスチックなどからなる射出成形物であり得、シーリングカバーと混用され得る。ただし、シーリング部材に関する以上の説明は例示に過ぎず、シーリング部材は多様な形態で変形され得る。図示されてはいないが、シーリング部材を囲むように断熱材がさらに含まれ得る。またはシーリング部材は断熱成分を含んでもよい。
【0075】
以上で、下部基板110、下部電極120、上部電極150および上部基板160という用語を使っているが、これは理解の容易および説明の便宜のために任意に上部および下部と指称したものに過ぎず、下部基板110および下部電極120が上部に配置され、上部電極150および上部基板160が下部に配置されるように位置が逆転されてもよい。
【0076】
本明細書で、下部基板110は第1基板110または第1基板部110と混用され、上部基板160は第2基板160または第2基板部160と混用され得る。これと同様に、下部電極120は第1電極120または第1電極部120と混用され、上部電極150は第2電極150または第2電極部150と混用され得る。
【0077】
一方、前述した通り、熱電素子の熱伝導性能を向上させるために、金属基板を使おうとする試みが増加している。ただし、熱電素子が金属基板を含む場合、熱伝導の側面では有利な効果を得ることができるが、耐電圧が低くなる問題がある。特に、熱電素子が高電圧環境下で適用される場合、2.5kV以上の耐電圧性能が要求されている。熱電素子の耐電圧性能を改善するために金属基板と電極の間に組成が互いに異なる複数の絶縁層を配置することができる。
【0078】
図5を参照すると、絶縁層170は第1基板110上に配置された第1絶縁層172および第1絶縁層172上に配置された第2絶縁層174を含み、第2絶縁層174上には第1電極120が配置され得る。説明の便宜のために、第1基板110側の絶縁層を中心に説明するが、同じ内容が第2基板160側の絶縁層にも適用され得る。
【0079】
この時、第1絶縁層172は例示的に樹脂物質を含むことができ、シリコンとアルミニウムを含む複合体(composite)および無機充填材を含むことができる。ここで、複合体はSi元素とAl元素を含む無機物とアルキルチェーンで構成された有機無機複合体であり得、シリコンとアルミニウムを含む酸化物、炭化物および窒化物のうち少なくとも一つであり得る。例えば、複合体はAl-Si結合、Al-O-Si結合、Si-O結合、Al-Si-O結合およびAl-O結合のうち少なくとも一つを含むことができる。このように、Al-Si結合、Al-O-Si結合、Si-O結合、Al-Si-O結合およびAl-O結合のうち少なくとも一つを含む複合体は絶縁性能が優秀であり、これに伴い高い耐電圧性能を得ることができる。または複合体はシリコンおよびアルミニウムと共にチタン、ジルコニウム、ホウ素、亜鉛などをさらに含む酸化物、炭化物、窒化物であってもよい。このために、複合体は無機バインダーおよび有機無機混合バインダーのうち少なくとも一つとアルミニウムを混合した後、熱処理する過程を通じて得られ得る。無機バインダーは、例えばシリカ(SiO2)、金属アルコキシド、酸化ホウ素(B2O3)および酸化亜鉛(ZnO2)のうち少なくとも一つを含むことができる。無機バインダーは無機粒子であるものの、水に触れるとゾルまたはゲル化されてバインディングの役割をすることができる。この時、シリカ(SiO2)、金属アルコキシドおよび酸化ホウ素(B2O3)のうち少なくとも一つはアルミニウム間の密着力または第1基板110との密着力を高める役割をし、酸化亜鉛(ZnO2)は第1絶縁層172の強度を高め、熱伝導率を高める役割をすることができる。無機充填材は複合体内に分散され得、酸化アルミニウムおよび窒化物のうち少なくとも一つを含むことができる。ここで、窒化物は、窒化ホウ素および窒化アルミニウムのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0080】
一方、第2絶縁層174はエポキシ樹脂および無機充填材を含むエポキシ樹脂組成物およびPDMS(polydimethylsiloxane)を含むシリコン樹脂組成物のうち少なくとも一つを含む樹脂層からなり得る。これに伴い、第2絶縁層174は第1絶縁層172と第1電極120間の絶縁性、接合力および熱伝導性能を向上させることができる。
【0081】
ここで、無機充填材は樹脂層の60~80wt%で含まれ得る。無機充填材が60wt%未満で含まれると熱伝導効果が低い可能性があり、無機充填材が80wt%を超過して含まれると無機充填材が樹脂内に均一に分散されることが難しく、樹脂層は容易に壊れ得る。
【0082】
そして、エポキシ樹脂はエポキシ化合物および硬化剤を含むことができる。この時、エポキシ化合物10体積比に対して硬化剤1~10体積比で含まれ得る。ここで、エポキシ化合物は結晶性エポキシ化合物、非結晶性エポキシ化合物およびシリコンエポキシ化合物のうち少なくとも一つを含むことができる。無機充填材は酸化アルミニウムおよび窒化物のうち少なくとも一つを含むことができる。ここで、窒化物は、窒化ホウ素および窒化アルミニウムのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0083】
一方、第2絶縁層174は未硬化状態または半硬化状態の樹脂組成物を第1絶縁層172上に塗布した後、予め整列された複数の第1電極120を配置して加圧後に硬化工程を通じて構成することができる。これに伴い、複数の第1電極120の側面の一部は第2絶縁層172内に埋め込まれ得る。この時、第2絶縁層174内に埋め込まれた複数の第1電極120の側面の高さH1は複数の第1電極330の厚さHの0.1~1倍、好ましくは0.2~0.9倍、さらに好ましくは0.3~0.8倍であり得る。このように、複数の第1電極120の側面の一部が第2絶縁層174内に埋め込まれると、複数の第1電極120と第2絶縁層174間の接触面積が広くなり、これに伴い、複数の第1電極120と第2絶縁層174間の熱伝達性能および接合強度がさらに高くなり得る。第2絶縁層174内に埋め込まれた複数の第1電極120の側面の高さH1が複数の第1電極120の厚さHの0.1倍未満の場合、複数の第1電極120と第2絶縁層174間の熱伝達性能および接合強度を十分に得ることが困難であり得、第2絶縁層174内に埋め込まれた複数の第1電極120の側面の高さH1が複数の第1電極120の厚さHの1倍を超過する場合、第2絶縁層174が複数の第1電極120上に上がってくる可能性があり、これに伴い、電気的に短絡する可能性がある。
【0084】
このように、第2絶縁層174の上面は第1凹面R1および第1凹面R1の周囲に配置される第2凹面R2を含むことができる。複数の第1電極120はそれぞれ第1凹面R1上に配置され、第1凹面R1と第1基板110の間の第1垂直距離は第2凹面R2と第1基板110の間の第2垂直距離より小さくてもよい。さらに詳しくは、複数の第1電極120の間で第2絶縁層174の厚さはそれぞれの電極の側面から中心領域に行くほど減少して、頂点がゆるやかな「V」字状を有し得る。したがって、複数の第1電極120の間の絶縁層170は厚さの偏差を有し、複数の第1電極120の側面と直接接触する領域での高さD2が最も高く、中心領域での高さD3は複数の第1電極120の側面と直接接触する領域での高さD2より低くてもよい。すなわち、複数の第1電極120の間の絶縁層170の中心領域の高さD3は複数の第1電極120の間の絶縁層170内で最も低くてもよい。また、複数の第1電極120の下の絶縁層170の高さD1は複数の第1電極120の間の絶縁層170の中心領域の高さD3より低くてもよい。第2絶縁層174が第2凹面R2を含むことによって、絶縁層に印加される応力を緩和できるため、絶縁層のクラックや剥離などの問題を改善することができる。
【0085】
一方、第1絶縁層172および第2絶縁層174の組成は互いに異なり、これに伴い、第1絶縁層172および第2絶縁層174の硬度、弾性係数、引張強度、延伸率(elongation)およびヤング率(Young’s modulus)のうち少なくとも一つが変わり得、これに伴い、耐電圧性能、熱伝導性能、接合性能および熱衝撃緩和性能などを制御することが可能である。例えば、第1絶縁層172全体に対する複合体および無機充填材の重量比は第2絶縁層174全体に対する無機充填材の重量比より高くてもよい。前述した通り、複合体はシリコンとアルミニウムを含む複合体(composite)、さらに具体的にはシリコンとアルミニウムを含む酸化物、炭化物および窒化物のうち少なくとも一つを含む複合体であり得る。例えば、第1絶縁層172全体に対するセラミック、すなわち複合体および無機充填材の重量比は80wt%を超過し、第2絶縁層174全体に対するセラミック、すなわち無機充填材の重量比は60~80wt%であり得る。このように、第1絶縁層172に含まれる複合体および無機充填材の含量が第2絶縁層174に含まれる無機充填材の含量より高い場合、第1絶縁層172の硬度が第2絶縁層174の硬度より高いこともある。これに伴い、第1絶縁層172は高い耐電圧性能および高い熱伝導性能を同時に有することができ、第2絶縁層174は第1絶縁層172より高い弾性を有することができ、第2絶縁層174は第1絶縁層172と第1電極120の間の接着性能を高めることができる。この時、弾性は引張強度(tensile strength)で示すことができる。例えば、第2絶縁層174の引張強度は2~5MPa、好ましくは2.5~4.5MPa、さらに好ましくは3~4MPaであり得、第1絶縁層172の引張強度は10MPa~100Mpa、好ましくは15MPa~90MPa、さらに好ましくは20MPa~80MPaであり得る。
【0086】
この時、第2絶縁層174の厚さは第1絶縁層172の厚さの1倍超過3.5倍以下、好ましくは1.05倍以上2倍以下、さらに好ましくは1.1倍以上~1.5倍以下であり得る。例えば、第1絶縁層172の厚さは35μm以下であり、第2絶縁層174の厚さは35μm超過80μm以下、好ましくは35μm超過70μm以下、さらに好ましくは35μm超過50μm以下であり得る。
【0087】
第1絶縁層172の厚さおよび第2絶縁層174の厚さがそれぞれこのような数値範囲を満足させる場合、耐電圧性能、熱伝導性能、接合性能および熱衝撃緩和性能を同時に得ることが可能である。
【0088】
また、第1凹面R1の幅は第2凹面R2の幅より大きく配置され得る。したがって、電極を基板上に稠密に配置する構造が可能となり得るため、熱電素子の発電性能または温度調節性能を改善することができる。
【0089】
また、第2絶縁層174の熱膨張係数は第1絶縁層172の熱膨張係数に比べて高くてもよい。これによると、基板の曲げ現象を改善することができる。
【0090】
図6は本発明の一実施例に係る熱電モジュールの斜視図であり、
図7は
図6の熱電モジュールの分解斜視図であり、
図8は
図6の熱電モジュールの断面図であり、
図9は
図6の熱電モジュールに含まれた第1基板側の上面図の一例であり、
図10は
図6の熱電モジュールに含まれた第1基板側の上面図の他の例である。
【0091】
図6~
図9を参照すると、本発明の一実施例に係る熱電素子300は第1基板310、第1基板310上に配置された第1絶縁層320、第1絶縁層320上に配置された第1電極部330、複数の第1電極330上に配置された複数のP型熱電レッグ340および複数のN型熱電レッグ350、複数のP型熱電レッグ340および複数のN型熱電レッグ350上に配置された第2電極部360、第2電極部360上に配置された第2絶縁層370、第2絶縁層370上に配置された第2基板部380および第2基板部380上に配置されたヒートシンク390を含む。第1基板310、第1電極部330、P型熱電レッグ340、N型熱電レッグ350、第2電極部360および第2基板部380それぞれに対して、
図1~
図4の第1基板110、第1電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140、第2電極150および第2基板160に対する説明と同じ内容については重複した説明を省略する。また、第1絶縁層320および第2絶縁層370に対して、
図1~
図5の絶縁層170に対する説明と同じ内容については重複した説明を省略する。
図6~
図8に図示されてはいないが、第1基板310と第2基板部380の間にはシーリング部材がさらに配置されてもよい。
【0092】
本発明の実施例によると、第2基板部380は互いに離隔するように配置された複数の第2基板381、382、383、384を含むことができ、第1基板310および第2基板部380に含まれる各第2基板381、382、383、384には結合部材400が通過するための貫通ホールが形成され得る。
【0093】
第1基板310は板状に形成され得、図示されてはいないが第1基板は冷却部または発熱部上に配置され得る。冷却部または発熱部上に本発明の実施例に係る熱電モジュール300を固定するために、冷却部Cまたは発熱部には結合部材400が挿入され得る溝またはホールが形成され得る。
【0094】
第1基板310および第2基板部380に含まれる複数の第2基板381、382、383、384はアルミニウム、アルミニウム合金、銅および銅合金のうち少なくとも一つを含むことができる。この時、熱電モジュールに電圧を印加すると、第1基板310はペルティエ効果(Peltier effect)により熱を吸収して低温部として作用し、第2基板部380は熱を放出して高温部として作用することができる。一方、第1基板310および第2基板部380に互いに異なる温度を加えると、温度差によって高温領域の電子が低温領域に移動して熱起電力が発生する。これをゼーベック効果(Seebeck effect)といい、これによる熱起電力によって熱電素子の回路内に電気が発生し得る。
【0095】
第1基板310には複数の第1貫通ホール311が形成され得る。そして、複数の第2基板381、382、383、384それぞれには第2貫通ホール3811、3821、3831、3841が形成され得、複数の第1貫通ホール311は第2貫通ホール3811、3821、3831、3841に対応する位置に配置され得る。これに伴い、複数の結合部材400は複数の第1貫通ホール311と第2貫通ホール3811、3821、3831、3841を通過することができ、複数の結合部材400によって第1基板310と第2基板部380が固定され得る。
【0096】
一方、各第2基板381、382、383、384上に各ヒートシンク391、392、393、394が配置される場合、各ヒートシンク391、392、393、394には第3貫通ホール3911、3921、3931、3941が形成され得、複数の第1貫通ホール311は第2貫通ホール3811、3821、3831、3841および第3貫通ホール3911、3921、3931、3941に対応する位置に配置され得る。これに伴い、複数の結合部材400は複数の第1貫通ホール311、第2貫通ホール3811、3821、3831、3841および第3貫通ホール3911、3921、3931、3941を通過することができ、複数の結合部材400によって第1基板310、第2基板部380およびヒートシンク390が固定され得る。
【0097】
図6~
図8で図示された通り、第2基板部380が複数の第2基板381、382、383、384に分割された場合、第2基板部380が高温に頻繁な頻度で露出しても第2基板部380の熱膨張による熱変形が発生する問題を防止でき、大面積アプリケーションに適用することが容易である。
【0098】
この時、第1基板310の面積に対する各第2基板381、382、383、384の面積比は0.10~0.50、好ましくは0.15~0.45、さらに好ましくは0.2~0.40であり得る。
【0099】
第2基板部380が互いに離隔するように配置された複数の第2基板381、382、383、384を含む場合、第1基板310上に配置される第1電極部330は複数の第2基板381、382、383、384に対して対応するように配置され得る。
【0100】
すなわち、
図8に図示された通り、第1電極部330は互いに離隔するように配置された複数の電極グループを含み、第2電極部360は互いに離隔するように配置された複数の電極グループを含み、第1電極部330の各電極グループは第2電極部360の各電極グループと第1領域A1を形成するように第1基板310から前記第2基板部380に向かう方向に互いに重なり、第1電極部330の各電極グループは第2電極部360の各電極グループと第2領域A2を形成するように第1基板310から前記第2基板部380に向かう方向に互いに重なり得、第1領域A1と第2領域A2の間には離隔領域が形成され得る。
【0101】
さらに具体的には、
図9を参照すると、第1電極部330は互いに離隔するように配置された複数の電極グループ331、332、333、334を含むことができ、各電極グループ331、332、333、334は互いに離隔するように配置された複数の電極330Eを含むことができる。
図8で図示されてはいないが、第2電極部360は第1電極部330の複数の電極グループ331、332、333、334とそれぞれ第1基板310に対して垂直な方向に重なる複数の電極グループを含むことができる。
【0102】
第1電極部330は複数の電極グループ331、332、333、334のうち一つに連結される第1ターミナル電極330T1および複数の電極グループ331、332、333、334のうち他の一つに連結される第2ターミナル電極330T2を含むことができる。第1ターミナル電極330T1および第2ターミナル電極330T2それぞれにはコネクタ(図示されず)が配置され得、これを通じて外部電源と連結され得る。一方、第1電極部330は複数の電極グループ331、332、333、334のうち少なくとも一部を連結する連結電極部330Cをさらに含むことができる。連結電極部330Cは例えば、第1-1電極グループ331および第1-2電極グループ332の間に配置された第1連結電極330C1、第1-1電極グループ331および第2-1電極グループ333の間に配置された第2連結電極330C2、第2-1電極グループ333および第2-2電極グループ334の間に配置された第3連結電極330C3および第1-2電極グループ332および第2-2電極グループ334を連結する第4連結電極のうち少なくとも一つを含むことができる。複数の電極グループ331、332、333、334は連結電極部330Cを通じて直接または間接で他の電極グループと連結され得、第1ターミナル電極330T1および第2ターミナル電極330T2を通じて電気的経路を形成することができる。
【0103】
各電極グループ331、332、333、334はホール配置領域310Hを空けておいて配置され得る。図示されてはいないが、第2電極部360もホール配置領域310Hに対応するホール配置領域を空けておいて配置され得る。ここで、ホール配置領域310Hはホール311に最も隣接するように配置された電極330Eのホール311に最も隣接するように配置された縁を連結した仮想の線からなる領域を意味し得る。ホール配置領域の面積は電極330Eの面積の4倍以上、好ましくは6倍以上、さらに好ましくは8倍以上であり得る。これによると、熱電モジュール300の耐電圧性能がAC 1kV以上に維持され得る。
【0104】
この時、複数の電極グループ331、332、333、334間の離隔領域は複数の第2基板381、382、383、384間の離隔領域に対応することができ、複数の電極グループ331、332、333、334間の離隔距離は各電極グループ331、332、333、334内の複数の電極330E間の離隔距離より大きくてもよい。
【0105】
例えば、第1電極部330が第1-1電極グループ331、第1-1電極グループ331から第1方向に離隔するように配置された第1-2電極グループ332、第1-1電極グループ331から第1方向に垂直な第2方向に離隔するように配置された第2-1電極グループ333および第2-1電極グループ333から第1方向に離隔し、第1-2電極グループ332から第2方向に離隔するように配置された第2-2電極グループ334を含む場合、第1-1電極グループ331および第2-1電極グループ333は第1-2電極グループ332および第2-2電極グループ334と第1方向に離隔し、第1-1電極グループ331および第1-2電極グループ332は第2-1電極グループ333および第2-2電極グループ334と第2方向に離隔され得る。
【0106】
これによると、製造工程上第1電極部330が搭載された第1基板310が高温に露出される場合、第1基板310は各電極グループの離隔領域を中心に第1方向だけでなく第2方向にW字状に曲がり得る。このようなW字状の曲げ現象は熱電モジュール300と冷却部C間の接合力を低下させ、熱電モジュール300の長期的な信頼性、耐久性および発電性能を低下させ得る。
【0107】
本発明の実施例によると、第1基板310の曲げ現象を改善するために、電極グループ間の離隔領域にダミー部をさらに配置しようとする。
【0108】
図10を参照すると、ダミー部900が第1領域A1および第2領域A2の間の離隔領域の少なくとも一部で第1基板310上にさらに配置され得る。例えば、ダミー部900は複数の電極グループ(331、332、333、334間の離隔領域の少なくとも一部で複数の電極グループ331、332、333、334の側面に配置され得る。このように、ダミー部900が配置されると、第1基板310全体に対して均一に応力が加えられ得るため、W字状曲げ現象を防止できる。
【0109】
例えば、第1ダミー部910は第1-1電極グループ331および第1-2電極グループ332の間に配置され得る。そして、第2ダミー部920は第2-1電極グループ333および第2-2電極グループ334の間に配置され得る。そして、第3ダミー部930は第1-1電極グループ331および第1-2電極グループ332と第2-1電極グループ333および第2-2電極グループ334の間に配置され得る。この時、第1ダミー部910および第2ダミー部920は第3ダミー部930によって離隔され得る。または第1ダミー部910と第3ダミー部930の間には第1-1電極グループ331と第1-2電極グループ332の間に配置された第1連結電極330C1が配置され、第2ダミー部920と第3ダミー部930の間には第2-1電極グループ333と第2-2電極グループ334の間に配置された第3連結電極330C3が配置され得る。
【0110】
これによると、第1基板310が高温に露出される場合、第1基板310に全体的に均一に応力が加えられるので、第1基板310のW字状曲げ現象を最小化することができる。
【0111】
この時、第1ダミー部910、第2ダミー部920および第3ダミー部930のうち少なくとも一つは各電極グループに含まれた各電極330Eと同一の形状および大きさを有し、互いに離隔するように配置された複数のダミー構造物を含むことができる。
【0112】
これによると、第1基板310が高温に露出される場合、第1基板310に全体的に均一に応力が加えられるので、第1基板310のW字状曲げ現象を最小化することができ、製造工程上ダミー部900の設計および配置が容易である。
【0113】
この時、各ダミー構造物は金属層であり得る。例えば、金属層は電極330Eと同じ材料、形状および大きさを有するものの、金属層上に熱電レッグが配置されず、金属層が他の電極330Eと電気的に連結されなくてもよい。これによると、製造工程上ダミー部900の設計および配置が容易である。
【0114】
または各ダミー構造物は樹脂層であってもよい。例えば、樹脂層はエポキシ樹脂およびポリイミド樹脂のうち少なくとも一つを含むことができる。このような樹脂層は耐熱性能を有するので、各電極グループ間の熱伝導を防止でき、各電極グループ内の電極と第1基板間の熱伝導効率を高めることができる。また、このような樹脂層は絶縁性能を有するので、第1基板310側の耐電圧性能を高めることができる。
【0115】
一方、本発明の実施例によると、第1基板310上に配置された第1電極部330が第1ターミナル電極330T1および第2ターミナル電極330T2を含む場合、第1基板310側の耐電圧性能のために別途の構成が必要となり得る。
【0116】
これに伴い、本発明の実施例によると、第1基板310上に配置された第1絶縁層320は複数の絶縁層であり得る。例えば、第1-1絶縁層321は第1基板310上に配置され、第1-2絶縁層322は第1-1絶縁層321上に配置され、第1-2絶縁層322上に第1電極部330およびダミー部900が配置され得る。図示された通り、第1-1絶縁層321は第1基板310の前面上に配置され、第1-2絶縁層322は第1電極部330が配置された領域にのみ配置されてもよい。第1-1絶縁層321および第1-2絶縁層322それぞれに関する内容は
図5を参照して説明した第1絶縁層172および第2絶縁層174それぞれに関する内容と同一に適用され得る。
【0117】
図11は本発明の他の実施例に係る熱電モジュールの斜視図であり、
図12は
図11の熱電モジュールの断面図である。
図1~
図10を参照して説明した内容と同じ内容については重複した説明を省略する。
【0118】
図11~
図12を参照すると、複数の第2基板381、382、383、384間の離隔領域に絶縁体1000がさらに配置され得る。これによると、絶縁体1000は複数の第2基板381、382、383、384の間を接合することができ、これに伴い、複数の第2基板381、382、383、384間の離隔領域はシーリングされ得る。
【0119】
この時、絶縁体1000は複数の第2基板381、382、383、384間の離隔領域からダミー部900の上面まで延びるように配置され得る。または絶縁体1000とダミー部900は一体に形成されてもよい。これによると、第1電極部330と第2電極部360の間のP型熱電レッグ340およびN型熱電レッグ350に外部の異物または湿気が浸透する問題を防止でき、第1基板310および第2基板部380間の絶縁、シーリングおよび断熱が維持され得る。
【0120】
図13は、本発明の一実施例に係る熱電モジュールでヒートシンクと第2基板間の接合構造を示す。
【0121】
図13を参照すると、熱電素子300は複数の結合部材400によって締結され得る。例えば、第2基板380にヒートシンク390が配置された場合、複数の結合部材400はヒートシンク390と第2基板380を締結するか、ヒートシンク390、第2基板380と第1基板(図示されず)を締結するか、ヒートシンク390、第2基板380、第1基板(図示されず)と冷却部(図示されず)を締結するか、第2基板380、第1基板(図示されず)と冷却部(図示されず)を締結するか、第2基板380と第1基板(図示されず)を締結することができる。または第1基板(図示されず)と冷却部(図示されず)は第1基板(図示されず)上の有効領域の外側で他の締結部材を通じて連結されてもよい。
【0122】
このために、ヒートシンク390、第2基板380、第1基板(図示されず)、冷却部(図示されず)には結合部材400が貫通する貫通ホールSが形成され得る。ここで、貫通ホールSと結合部材400の間には別途の絶縁挿入部材410がさらに配置され得る。別途の絶縁挿入部材410は結合部材400の外周面を囲む絶縁挿入部材または貫通ホールSの壁面を囲む絶縁挿入部材であり得る。これによると、熱電素子の絶縁距離を広げることが可能である。
【0123】
一方、絶縁挿入部材410の形状は
図13(a)および
図13(b)に例示された通りであり得る。
【0124】
図13(a)を参照すると、第2基板280の第2電極と接する第1面の貫通ホールSの直径d2’は第1基板の第1電極と接する第1面の貫通ホールの直径と同一であり得る。この時、絶縁挿入部材410の形状により、第2基板380の第1面に形成された貫通ホールSの直径d2’は第1面の反対面である第2面に形成された貫通ホールSの直径d2と異なり得る。図示されてはいないが、貫通ホールS領域に段差を形成せずに第2基板380の上面の一部にのみ絶縁挿入部材410が配置されるか、第2基板380の上面から貫通ホールSの壁面の一部又は全部まで絶縁挿入部材410が延びるように配置される場合、第2基板380の第1面に形成された貫通ホールSの直径d2’は第1面の反対面である第2面に形成された貫通ホールSの直径d2と同一であってもよい。
【0125】
図13(b)を参照すると、絶縁挿入部材410の形状によって、第2基板380の第2電極と接する第1面の貫通ホールSの直径d2’は第1基板の第1電極と接する第1面の貫通ホールの直径より大きくてもよい。この時、第2基板380の第1面の貫通ホールSの直径d2’は第1基板の第1面の貫通ホールの直径の1.1~2.0倍であり得る。第2基板380の第1面の貫通ホールSの直径d2’が第1基板の第1面の貫通ホールの直径の1.1倍未満であると、絶縁挿入部材410の絶縁効果が微小であるので熱電素子の絶縁破壊が引き起こされ得、第2基板380の第1面の貫通ホールSの直径d2’が第1基板の第1面の貫通ホールの直径の2.0倍を超過すると、貫通ホールSが占める領域の大きさが相対的に増加することになって第2基板380の有効面積が減少することになり、熱電素子の効率が低下し得る。
【0126】
そして、絶縁挿入部材410の形状によって、第2基板380の第1面に形成された貫通ホールSの直径d2’は第1面の反対面である第2面に形成された貫通ホールSの直径d2と異なり得る。前述した通り、第2基板380の貫通ホールS領域に段差が形成されない場合、第2基板380の第1面に形成された貫通ホールSの直径d2’は第1面の反対面である第2面に形成された貫通ホールSの直径d2と同一であり得る。
【0127】
以下、本発明の実施例に係る熱電素子内の第1基板の曲げの改善効果を実験した結果を説明する。
【0128】
図14aは比較例に係る熱電素子の基板および電極部の上面図であり、
図14bは実施例1に係る熱電素子の基板および電極部の上面図であり、
図14cは実施例2に係る熱電素子の基板および電極部の上面図であり、
図14dは実施例3に係る熱電素子の基板および電極部の上面図である。
【0129】
図14aに図示された通り、複数の電極グループ間の離隔領域にダミー部を配置していない場合、第1基板の横方向および縦方向のいずれにもW字状の曲げが発生し、特に、横方向の曲げ幅は135μmで、縦方向の曲げ幅は207μmであることが分かった。ここで、曲げ幅は第1基板の平面方向に対して垂直な方向で最低点および最高点間の高さの差を意味する。
【0130】
これに反し、
図14bに図示された通り、複数の電極グループのうち第1-1電極グループ331および第1-2電極グループ332間の離隔領域に第1ダミー部910を配置し、第2-1電極グループ333および第2-2電極グループ334間の離隔領域に第2ダミー部920を配置した場合、第1基板の横方向にU字状の曲げが発生したし、横方向の曲げ幅も100μmに減少した。そして、第1基板の縦方向にW字状の曲げが発生したが、縦方向の曲げ幅が138μmと比較例に比べて顕著に改善したことが分かる。
【0131】
また、
図14cに図示された通り、複数の電極グループのうち第1-1電極グループ331および第1-2電極グループ332と第2-1電極グループ333および第2-2電極グループ334の間に第3ダミー部930を配置した場合、第1基板の横方向にU字状の曲げが発生したし、横方向の曲げ幅も83μmと顕著に減少した。そして、第1基板の縦方向にW字状の曲げが発生したが、縦方向の曲げ幅が182μmと比較例に比べて改善したことが分かる。
【0132】
また、
図14dに図示された通り、複数の電極グループ間の離隔領域に第1ダミー部910、第2ダミー部920および第3ダミー部930をすべて配置した場合、第1基板の横方向および縦方向のいずれにもU字状の曲げが発生したことが分かる。また、第1基板の横方向の幅が73μmで、縦方向の幅が100μmであり、横方向および縦方向すべてが比較例に比べて曲げ幅が大きく改善したことが分かる。
【0133】
このように、第1基板の曲げの形状および曲げ幅が改善する場合、熱電素子と冷却部間の接合力が高くなり得、これに伴い、長期的な信頼性、耐久性および発電性能が優秀な熱電素子を得ることができる。
【0134】
以上で、第2基板部が4個に分割された例を中心に説明しているが、これに制限されるものではなく、2個以上に分割されてもよい。
【0135】
以下、第2基板部の多様な分割方式およびそれによる電極配置構造を説明しようとする。
【0136】
図15は本発明の一実施例に係る熱電素子の斜視図であり、
図16は
図15の実施例で第1基板、絶縁層および複数の第1電極の上面図であり、
図17は本発明の他の実施例に係る熱電素子の斜視図であり、
図18は
図17の実施例で第1基板、絶縁層および複数の第1電極の上面図であり、
図19は本発明のさらに他の実施例に係る熱電素子の斜視図であり、
図20は
図19の実施例で第1基板、絶縁層および複数の第1電極の上面図である。説明の便宜のために、
図1~
図14を参照して説明した内容と同じ内容については重複した説明を省略する。
【0137】
図15~
図20を参照すると、本発明の実施例に係る熱電素子は第1基板310、絶縁層320、第1電極部330、半導体構造物340、350、第2電極部360、絶縁層370および第2基板部380を含み、第2基板部380は複数の第2基板に分割され、各第2基板上にはヒートシンク390が配置され得る。熱電素子300に電圧を印加すると、第1基板310はペルティエ効果(Peltier effect)により熱を吸収して低温部として作用し、第2基板部380は熱を放出して高温部として作用することができる。または第1基板310および第2基板部3800に互いに異なる温度を加えると、温度差によって高温領域の電子が低温領域に移動して熱起電力が発生する。これをゼーベック効果(Seebeck effect)といい、これによる熱起電力によって熱電素子の回路内に電気が発生し得る。第1基板310には複数の第1貫通ホール311が形成され得る。これと同様に、第2基板部380およびヒートシンク390には複数の第2貫通ホール3901が形成され得、複数の第1貫通ホール311は複数の第2貫通ホール3901に対応する位置に配置され得る。これに伴い、複数の結合部材(図示されず)は複数の第1貫通ホール311と複数の第2貫通ホール3901を通過することができ、複数の結合部材(図示されず)によって第1基板310と第2基板部3901が固定され得る。
【0138】
便宜のために、
図15、
図17および
図19で絶縁層320、第1電極部330、半導体構造物340、350および第2電極部380に関する細部構成を省略して図示する。
【0139】
一般的に、銅基板の熱膨張係数(CTE)は約18*10-6/mKであり、半導体構造物である熱電レッグの熱膨張係数(CTE)は約17.5*10-6/mKであり、第1絶縁層321および第2絶縁層322の熱膨張係数は銅基板および熱電レッグの熱膨張係数より大きく、第2絶縁層322の熱膨張係数は第1絶縁層321の熱膨張係数より大きくてもよい。例えば、第2絶縁層322の接合性能および第1絶縁層321の耐電圧性能をすべて満足させるために、第2絶縁層322の熱膨張係数は第1絶縁層321の熱膨張係数の2倍以上となり得る。
【0140】
図16、
図18および
図20に図示された通り、第2絶縁層322の面積は第1絶縁層321の面積より小さくてもよい。すなわち、第2絶縁層322は第1絶縁層321の前面ではなく一部上に配置され得る。これによると、第1絶縁層321と第2絶縁層322間の熱膨張係数の差による第1基板310の曲げ現象を改善し、熱応力を緩和することができる。これに伴い、第1電極330または半導体構造物340、350が脱落したり、電気的に開放される問題を防止でき、熱伝達効果を改善することができ、最終的には熱電素子の発電量または冷却特性を改善することができる。
【0141】
さらに具体的には、第2絶縁層322は第1電極部330、複数の半導体構造物340、350および第2電極部380が垂直に重なる領域P1を含むことができる。以下、本明細書で、垂直方向は第1基板310から第2基板部380に向かう方向(第3方向)を意味し得る。
【0142】
そして、第2絶縁層322は第1電極部330、複数の半導体構造物340、350および第2電極部380が垂直に重なる領域P1から第1基板310の第1外側S1に向かって突出した突出パターンP2、P3をさらに含むことができる。ここで、第1外側S1は第1基板310をなす第1~第4外側S1~S4のうち一つであり、ターミナル電極330T1、330T2が突出した方向であり得る。本明細書で、ターミナル電極330T1、330T2は電線を連結するための電極であり、第2絶縁層322上で第1電極部321と同一平面上に配置され得る。ターミナル電極330T1、330T2それぞれの面積は第1電極部330に含まれた各電極の面積より大きくてもよく、これに伴い、各ターミナル電極330T1、330T2上には電線連結のためのコネクタが配置され得る。ターミナル電極330T1、330T2が第1電極部330から第1外側S1に向かって突出する場合、第1基板310の第1外側S1から第1外側S1に対向する第2外側S2に向かう距離、すなわち第2方向距離は第1基板310の第3外側S3から第3外側S3に対向する第4外側S4に向かう距離、すなわち第1方向距離より大きくてもよい。
【0143】
本発明の実施例によると、突出パターンP2、P3は互いに離隔するように配置された第1突出パターンP2および第2突出パターンP3を含み、第1突出パターンP2上に第1ターミナル電極330T1が配置され、第2突出パターンP3上に第2ターミナル電極330T2が配置され得る。これによると、第1基板310の一部には第2絶縁層322が配置されないことができるので、熱膨張係数が大きい第2絶縁層322によって第1基板310が曲がる問題を最小化することができる。
【0144】
さらに具体的には、本発明の実施例によると、突出パターンP2、P3の幅L1+L2は複数の第1電極330、複数の半導体構造物340、350および複数の第2電極360が垂直に重なる領域P1の幅Lより小さくてもよく、突出パターンP2、P3と第1基板310の第1外側S1は互いに離隔され得る。本明細書で、幅は第1方向の距離と定義され、長さは第2方向の距離と定義され得る。これによると、第1電極部330、複数の半導体構造物340、350および第2電極部360が垂直に重なる領域P1と第1基板310の第1外側S1間の一部に第2絶縁層322が配置されないので、第1基板310の第2方向への曲げを減らすことができる。
【0145】
この時、第1突出パターンP2および第2突出パターンP3間の離隔距離d1は第1基板310の第3外側S3と第1突出パターンP2間の距離d2および第1基板310の第4外側S4と第2突出パターンP3間の距離d3それぞれの0.9~2倍、好ましくは0.95~1.5倍、さらに好ましくは0.97~1.2倍であり得る。これによると、第1基板310の第3外側S3および第4外側S4の間で第2絶縁層322が配置されていない領域および第1突出パターンP2と第2突出パターンP3の間で第2絶縁層322が配置されていない領域が第2絶縁層322の突出パターンP2、P3の熱膨張に対する緩衝作用をするので、第1基板310の第1方向に対する曲げを減少させることができ、第1基板310の第1方向に対する曲げは第1基板310の第1方向の中心に対して対称であり得る。
【0146】
一方、前述した通り、突出パターンP2、P3と第1基板310の第1外側S1は互いに離隔され得る。これによると、突出パターンP2、P3と第1基板310の第1外側S1の間で第2絶縁層322が配置されていない領域は第2絶縁層322の突出パターンP2、P3の熱膨張に対する緩衝作用をするので、第1基板310の第2方向に対する曲げを減らすことができる。
【0147】
この時、シーリング部材(図示されず)は第1外側S1で第1絶縁層321と接触するように配置され、第2外側S2で第2絶縁層322と接触するように配置され得る。すなわち、第2絶縁層322は第1基板310の第1外側S1に配置されないので、ターミナル電極T1、T2によって第1基板310の第2方向の長さが長くなっても、第1基板310の第2方向の曲げを減らすことができる。この時、突出パターンP2、P3の突出の長さは突出パターンP2、P3から第1基板310の第1外側S1までの長さより大きくてもよい。これによると、第1基板310のY方向の長さが必要以上に長くないので、第1基板310の第2方向に対する曲げを減らすことができる。
【0148】
一方、本発明の実施例によると、第1絶縁層321は第1基板310の縁、すなわち第1基板310の第1~第4外側S1~S4の少なくとも一部から離隔するように配置され得る。第1絶縁層321が第1基板310の縁の少なくとも一部から離隔するように配置される場合、第1基板310の縁は第1絶縁層321の熱膨張による緩衝の役割をすることができるので、第1基板310の曲げを減らすことができる。また、例示的に、第1絶縁層321の熱膨張係数は第1基板310の熱膨張係数と異なり得、第1基板310の熱膨張係数より大きくてもよい。
【0149】
これと同様に、第2絶縁層322は第1絶縁層321の縁の少なくとも一部から離隔するように配置され得る。第2絶縁層322が第1絶縁層321の縁の少なくとも一部から離隔するように配置される場合、第1絶縁層321の縁は第2絶縁層322の熱膨張による緩衝の役割をすることができるので、第1基板310の曲げを減らすことができる。また、例示的に、第2絶縁層322の熱膨張係数は第1絶縁層321の熱膨張係数より大きくてもよい。
【0150】
一方、第2基板部380は第2絶縁層322の突出パターンP2、P3と垂直に重ならなくてもよい。第2絶縁層322の突出パターンP2、P3上にはターミナル電極330T1、330T2が配置され、ターミナル電極330T1、330T2上には電線連結のためのコネクタが配置されるので、第2基板部380は第2絶縁層322の突出パターンP2、P3と垂直に重ならない場合、コネクタを通じての電線連結が容易である。
【0151】
前述した通り、第2絶縁層322の第2凹面R2は第1電極部330に含まれた各電極周辺に配置され得る。各電極は第1方向の長さと第2方向の長さが互いに異なる形状を有することができる。したがって、第2絶縁層322の第2凹面R2も第2方向の長さが互いに異なるか第1方向の長さが互いに異なる複数の形状を有することができる。第1電極部330および第2電極部360が垂直に重なる領域内で、第2絶縁層324の第2凹面R2が電極と電極の間に位置する構造を有することができ、第2絶縁層324の突出パターンP2、P3には凹部ではなく平坦部が位置することができる。したがって、第1基板310で第2絶縁層322に印加される応力を第1方向および第2方向に緩和して基板の曲げ現象を防止でき、第1絶縁層321および第2絶縁層322のクラックや剥離現象を防止できる。ただし、これに限定されず、ターミナル電極330T1と第1電極330の間の距離が第1電極部330内の隣り合う電極間の距離に比べて大きいので、第2絶縁層322の突出パターンP2、P2では第2絶縁層322の第2凹面R2が平坦部で示され得、第1電極部330内の隣り合う電極間に配置された第2絶縁層322の第2凹面R2より第1方向の幅および第2方向の長さが大きい凹面が配置されてもよい。第2絶縁層322の第2凹面R2が第1電極部330および第2電極部360が垂直に重なる領域P1で互いに異なる幅を有し、突出パターンP2、P3で有する幅も互いに異なる構造を有することができるので、基板の曲げを抑制する効果を有することができ、第2絶縁層322のクラックや剥離を防止するのに効果的であり得る。
【0152】
前述した実施例では第1絶縁層321と第2絶縁層322を別途に配置した構成について開示したが、これに限定せず、第1絶縁層321と第2絶縁層322は単一層で配置され得る。単一層で配置される場合にも、前述した熱伝導特性と耐電圧特性を確保するために無機物充填材を含む樹脂物質が適用され得るが、これに限定しない。また、単一層で配置される場合にも第2絶縁層322のパターンは同一の形態を有することができる。
【0153】
一方、本発明の実施例によると、基板の曲げを減らすために、一つの第1基板310に対して第2基板部380は分割された複数の基板で構成され得る。
【0154】
第2基板部380は、
図15に図示した通り第2方向に沿って分割されるか、
図17に図示された通り第1方向に沿って分割されるか、
図19に図示された通り第1方向および第2方向に沿って分割され得る。ここで、第2方向に沿って分割されることは、第1基板310の第3外側S3および第4外側S4の間で第3外側S3および第4外側S4と平行な方向に分割されることを意味し、第1方向に沿って分割されることは、第1基板310の第1外側S1および第2外側S2の間で第1外側S1および第2外側S2と平行な方向に分割されることを意味し得る。
【0155】
本発明の実施例によると、第2基板部380の分割方向または分割位置により一つの第1基板310上に第1電極部330を配置することができる。これによると、第2基板部380が互いに離隔して配置される複数の第2基板を含んでも、第1電極部330、半導体構造物340、350および第2電極部360は一対のターミナル電極330T1、330T2を利用して電気的に連結され得、単位面積当たり最大個数の半導体構造物340、350を収容できるので、高い熱電性能を有することができる。
【0156】
図16、
図18および
図20を参照すると、絶縁層320上に第1電極部330が配置され、第1電極部330は複数の電極グループを含み、各電極グループは複数の第1電極を含むことができる。
【0157】
例えば、
図15~
図16に図示された通り、第2基板部380が第2方向に沿って互いに離隔するように配置された第2-1基板380-1および第2-2基板380-2を含む場合、第1電極グループG1は第2-1基板380-1と垂直に重なるように配置され、第2電極グループG2は第2-2基板380-2と垂直に重なるように配置され得る。これによると、第1電極グループG1および第2電極グループG2は第1基板310の第3外側S3および第4外側S4の間で分割され得る。
【0158】
第1ターミナル電極330T1は第1電極グループG1側に配置され、第2ターミナル電極330T2は第2電極グループG2側に配置され、第1電極グループG1と第2電極グループG2は連結電極CE1によって連結され得る。第1電極グループG1と第2電極グループG2はそれぞれ複数の第1電極E1、E2を含むことができ、連結電極CE1は第1電極グループG1と第2電極グループG2内の複数の第1電極E1、E2のうち第1ターミナル電極330T1および第2ターミナル電極330T2に最も近い行に配置され得る。連結電極CE1の長辺は各第1電極E1、E2の長辺より長く、連結電極CE1の少なくとも一部は第2-1基板380-1および第2-2基板380-2と垂直に重ならなくてもよい。すなわち、連結電極CE1の少なくとも一部は第2-1基板380-1および第2-2基板380-2の間の離隔領域内に配置され、第1電極グループG1と第2電極グループG2を連結することができる。
【0159】
図17~
図18に図示された通り、第2基板部380が第1方向に沿って互いに離隔するように配置された第2-3基板380-3および第2-4基板380-4を含む場合、第3電極グループG3は第2-3基板380-3と垂直に重なるように配置され、第4電極グループG4は第2-4基板380-4と垂直に重なるように配置され得る。これによると、第3電極グループG3および第4電極グループG4は第1基板310の第1外側S1および第2外側S2の間で分割され得る。
【0160】
ここで、第1ターミナル電極330T1および第2ターミナル電極330T2はすべて第3電極グループG3側に配置され得、互いに隣接して配置される二つの連結電極CE2、CE3は第3電極グループG3および第4電極グループG4を連結することができる。二つの連結電極CE2、CE3は連結電極CE2および連結電極CE2と隣接して互いに並んで配置される連結電極CE3であり得る。本明細書で二つの連結電極が隣接して互いに並んで配置されることは、二つの連結電極のうち一つの長辺と他の一つの長辺が隣接して対向するように配置されることを意味し得る。すなわち、二つの連結電極が長辺方向に互いに平行するように配置されることを意味し得る。図示されてはいないが、二つの連結電極CE2、CE3の少なくとも一部は第2-3基板380-3および第2-4基板380-4と垂直に重ならず、第2-3基板380-3および第2-4基板380-4の間の離隔領域に配置され得る。
【0161】
この時、二つの連結電極CE2、CE3は第3電極グループG3および第4電極グループG4内の複数の第1電極E3、E4のうち最外側列に最も隣接した二つの列に配置され得る。
【0162】
図18で、二つの連結電極CE2、CE3が第3電極グループG3および第4電極グループG4内の複数の第1電極E3、E4の左側で最外側列に最も隣接した二つの列に配置されるものとして図示されているが、これに制限されるものではない。第1基板310の第1外側S1および第2外側S2の間で分割される二つの電極グループを連結する二つの連結電極は、二つの電極グループ内の複数の第1電極の右側で最外側列に最も隣接した二つの列に隣接して互いに並んで配置されてもよい。
【0163】
図19~
図20を参照すると、第2基板部380が第1方向および第2方向に沿って互いに離隔するように配置された第2-11基板380-11、第2-12基板380-12、第2-21基板380-21および第2-22基板380-22を含む場合、第11電極グループG11は第2-11基板380-11と垂直に重なるように配置され、第12電極グループG12は第2-12基板380-12と垂直に重なるように配置され、第21電極グループG21は第2-21基板380-21と垂直に重なるように配置され、第22電極グループG22は第2-22基板380-22と垂直に重なるように配置され得る。これによると、第11電極グループG11および第12電極グループG12は第21電極グループG21および第22電極グループG22と第1基板310の第1外側S1および第2外側S2の間で分割され、第11電極グループG11および第21電極グループG21は第12電極グループG12および第22電極グループG22は第1基板310の第3外側S3および第4外側S4の間で分割され得る。
【0164】
ここで、第1ターミナル電極330T1は第11電極グループG11側に配置され、第2ターミナル電極330T2は第12電極グループG12側に配置され、第11電極グループG11と第12電極グループG12は連結電極CE1によって連結され得る。第11電極グループG11と第12電極グループG12はそれぞれ複数の第1電極E11、E12を含むことができ、連結電極CE1は第11電極グループG11と第12電極グループG12内の複数の第1電極E11、E12のうち第1ターミナル電極330T1および第2ターミナル電極330T2に最も近い行に配置され得る。図示されてはいないが、連結電極CE1の少なくとも一部は第2-11基板380-11および第2-12基板380-12の間の離隔領域と垂直に重なるように配置され得る。
【0165】
そして、互いに隣接して並んで配置される二つの連結電極CE2、CE3は第11電極グループG11および第21電極グループG21を連結することができる。図示されてはいないが、二つの連結電極CE2、CE3の少なくとも一部は第2-11基板380-11および第2-21基板380-21と垂直に重ならず、第2-11基板380-11および第2-21基板380-21の間の離隔領域と垂直に重なるように配置され得る。
【0166】
この時、二つの連結電極CE2、CE3は第11電極グループG11および第21電極グループG21内の複数の第1電極E11、E21のうち最外側列に最も隣接した二つの列に互いに並んで配置され得る。
【0167】
図20で、二つの連結電極CE2、CE3が第11電極グループG11および第21電極グループG21内の複数の第1電極E11、E21の左側で最外側列に最も隣接した二つの列に配置されるものとして図示されているが、これに制限されるものではない。第1基板310の第1外側S1および第2外側S2の間で分割される二つの電極グループを連結する二つの連結電極は、二つの電極グループ内の複数の第1電極の右側で最外側列に最も隣接した二つの列に互いに並んで配置されてもよい。
【0168】
そして、互いに隣接して並んで配置される二つの連結電極CE5、CE6は第11電極グループG11および第12電極グループG12を連結することができる。前述した通り、連結電極CE1が第11電極グループG11と第12電極グループG12内の複数の第1電極E11、E12のうち第1ターミナル電極330T1および第2ターミナル電極330T2に最も近い行に配置されるので、二つの連結電極CE5、CE6は第11電極グループG11と第12電極グループG12内の複数の第1電極E11、E12のうち第1ターミナル電極330T1および第2ターミナル電極330T2に最も遠く配置された最外側行およびこれに最も隣接した行に互いに並んで配置され得る。
【0169】
これと同様に、互いに隣接して並んで配置される二つの連結電極CE7、CE8は第21電極グループG21および第22電極グループG22を連結することができ、二つの連結電極CE7、CE8は第21電極グループG21と第22電極グループG22内の複数の第1電極E21、E22のうち最外側行およびこれに最も隣接した行に並んで配置され得る。
【0170】
図15~
図20の実施例で、複数の電極グループ間の離隔領域には
図10~
図12を参照して説明したダミー部がさらに配置されてもよい。ダミー部は各電極グループに含まれた電極と同一の形状および大きさを有し、互いに離隔するように配置された複数のダミー構造物を含むことができる。これによると、第1基板310が高温に露出される場合、第1基板310に全体的に均一に応力が加えられるので、第1基板310の曲げの形状を最小化することができる。
【0171】
以上、第2基板部380が第1方向に沿って2個に分割されるか第2方向に沿って2個に分割される実施例を説明したが、これは第2基板部380が第1方向に沿って2個以上に分割されたり第2方向に沿って2個以上で分割される実施例にも適用され得る。
【0172】
本発明の実施例によると、第1行電極グループ、第2行電極グループおよび第3行電極グループが順次配置される時、第1行電極グループと第2行電極グループは隣接して互いに並んで配置される二つの連結電極によって連結され、第2行電極グループと第3行電極グループは隣接して互いに並んで配置される他の二つの連結電極によって連結され得る。この時、二つの連結電極および他の二つの連結電極は第1電極部の最外側列で最も隣接した二つの列に配置され得る。例えば、第1行電極グループと第2行電極グループを連結する二つの連結電極が第1電極部のうち左側最外側列で最も隣接した二つの列に配置される場合、第2行電極グループと第3行電極グループを連結する他の二つの連結電極は第1電極部のうち右側最外側列で最も隣接した二つの列に配置され得る。これとは反対に、第1行電極グループと第2行電極グループを連結する二つの連結電極が第1電極部のうち右側最外側列で最も隣接した二つの列に配置される場合、第2行電極グループと第3行電極グループを連結する他の二つの連結電極は第1電極部のうち左側最外側列で最も隣接した二つの列に配置され得る。
【0173】
本発明の実施例によると、第1列電極グループ、第2列電極グループおよび第3列電極グループが順次配置される時、第1列電極グループ、第2列電極グループおよび第3列電極グループは少なくとも一つの連結電極によって連結され得る。この時、少なくとも一つの連結電極は第1列電極グループ、第2列電極グループおよび第3列電極グループ内の最外側行に配置され得る。
【0174】
図21~
図24は、本発明の実施例に係る熱電素子に含まれる電極配置の概略図である。説明の便宜のために、細部的な電極の配置は図示しておらず、電極の連結方向のみを概略的に図示する。
【0175】
図21を参照すると、第11電極グループG11および第12電極グループG12は第21電極グループG21および第22電極グループG22と第1基板310の第1外側S1および第2外側S2の間で分割され、第21電極グループG21および第22電極グループG22は第31電極グループG31および第32電極グループG32と第1基板110の第1外側S1および第2外側S2の間で分割され得る。
【0176】
そして、第11電極グループG11、第21電極グループG21および第31電極グループG31は第12電極グループG12、第22電極グループG22および第32電極グループG32と第1基板110の第3外側S3および第4外側S4の間で分割され得る。
【0177】
図22を参照すると、第11電極グループG11および第12電極グループG12は第21電極グループG21および第22電極グループG22と第1基板310の第1外側S1および第2外側S2の間で分割され、第21電極グループG21および第22電極グループG22は第31電極グループG31および第32電極グループG32と第1基板310の第1外側S1および第2外側S2の間で分割され、第31電極グループG31および第32電極グループG32は第41電極グループG41および第42電極グループG42と第1基板310の第1外側S1および第2外側S2の間で分割され得る。
【0178】
そして、第11電極グループG11、第21電極グループG21、第31電極グループG31および第41電極グループG41は、第12電極グループG12、第22電極グループG22、第32電極グループG32および第42電極グループG42と第1基板310の第3外側S3および第4外側S4の間で分割され得る。
【0179】
ここで、第1ターミナル電極330T1および第2ターミナル電極330T2は互いに異なる電極グループ、例えば第11電極グループG11側および第12電極グループG12側にそれぞれ配置され、第11電極グループG11と第12電極グループG12は連結電極CE1によって連結され得る。この時、連結電極EC1は第1ターミナル電極330T1および第2ターミナル電極330T2に最も近い行に配置され得る。
【0180】
図23を参照すると、第11電極グループG11、第12電極グループG12および第13電極グループG13は第21電極グループG21、第22電極グループG22および第23電極グループG23と第1基板310の第1外側S1および第2外側S2の間で分割され得る。
【0181】
そして、第11電極グループG11および第21電極グループG21は第12電極グループG12および第22電極グループG22と第1基板310の第3外側S3および第4外側S4の間で分割され、第12電極グループG12および第22電極グループG22は第13電極グループG13および第23電極グループG23と第1基板110の第3外側S3および第4外側S4の間で分割され得る。
【0182】
ここで、第1ターミナル電極330T1および第2ターミナル電極330T2は互いに異なる電極グループ、例えば第11電極グループG11側および第13電極グループG13側にそれぞれ配置され、第11電極グループG11と第12電極グループG12は連結電極CE11によって連結され、第12電極グループG12と第13電極グループG13は連結電極CE12によって連結され得る。
【0183】
この時、連結電極CE11、CE12は第1ターミナル電極330T1および第2ターミナル電極330T2に最も近い行に配置され得る。
【0184】
これと同様に、
図24を参照すると、第11電極グループG11、第12電極グループG12、第13電極グループG13および第14電極グループG14は、第21電極グループG21、第22電極グループG22、第23電極グループG23および第24電極グループG24と第1基板310の第1外側S1および第2外側S2の間で分割され得る。
【0185】
そして、第11電極グループG11および第21電極グループG21は第12電極グループG12および第22電極グループG22と第1基板110の第3外側S3および第4外側S4の間で分割され、第12電極グループG12および第22電極グループG22は第13電極グループG13および第23電極グループG23と第1基板110の第3外側S3および第4外側S4の間で分割され、第13電極グループG13および第23電極グループG23は第14電極グループG14および第24電極グループG24と第1基板310の第3外側S3および第4外側S4の間で分割され得る。
【0186】
ここで、第1ターミナル電極330T1および第2ターミナル電極330T2は互いに異なる電極グループ、例えば第11電極グループG11側および第14電極グループG14側にそれぞれ配置され、第11電極グループG11と第12電極グループG12は連結電極CE11によって連結され、第12電極グループG12と第13電極グループG13は連結電極CE12によって連結され、第13電極グループG13と第14電極グループG14は連結電極CE13によって連結され得る。
【0187】
この時、連結電極CE11、CE12、CE13は第1ターミナル電極330T1および第2ターミナル電極330T2に最も近い行に配置され得る。
【0188】
図21~
図22を参照すると、第1行電極グループG11、G12のうち一つは第2行電極グループG21、G22のうち一つと互いに隣接して並んで配置される二つの連結電極CE21、CE22によって連結され、第2行電極グループG21、G22のうち一つは第3行電極グループG31、G32のうち一つと互いに隣接して並んで配置される他の二つの連結電極CE31、CE32によって連結され得る。
【0189】
この時、二つの連結電極CE21、CE22が第1基板310の第3外側S3側に配置された第11電極グループG11および第21電極グループG21を連結すれば、他の二つの連結電極CE31、CE32は第1基板310の第4外側S4側に配置された第22電極グループG22および第32電極グループG32を連結することができる。この時、二つの連結電極CE21、CE22は第11電極グループG11および第21電極グループG21の左側最外側列に最も隣接した二つの列に並んで配置され、他の二つの連結電極CE31、CE32は第22電極グループG22および第32電極グループG32の右側最外側列に最も隣接した二つの列に並んで配置され得る。
【0190】
または二つの連結電極CE21、CE22が第1基板310の第4外側S4側に配置された第12電極グループG12および第22電極グループG22を連結すれば、他の二つの連結電極CE31、CE32は第1基板310の第3外側S3側に配置された第21電極グループG21および第31電極グループG31を連結することができる。この時、二つの連結電極CE21、CE22は第12電極グループG12および第22電極グループG22の右側最外側列に最も隣接した二つの列に配置され、他の二つの連結電極CE31、CE32は第21電極グループG21および第31電極グループG31の左側最外側列に最も隣接した二つの列に配置され得る。
【0191】
図21~
図24を参照すると、第1列電極グループG11、G21、G31、G41は第2列電極グループG12、G22、G32、G42と互いに隣接して並んで配置される二つの連結電極CE41、CE42によって連結され得る。これと同様に、第2列電極グループG12、G13は第3列電極グループG13、G23と互いに隣接して並んで配置される他の二つの連結電極CE51、CE52によって連結され得る。
【0192】
この時、二つの連結電極CE41、CE42は第1列電極グループG11、G21、G31、G41の最外側行に配置され、他の二つの連結電極CE51、CE52は第2列電極グループG12、G13の最外側行に配置され得る。
【0193】
このような電極配置構造によると、第2基板部380が複数に分割された場合にも単位面積当たり最大個数の熱電レッグが収容され得るので高い熱電効率を有することができ、一対のターミナル電極を利用して第1電極部、半導体構造物および第2電極部が電気的に連結され得る。
【0194】
図示されてはいないが、本発明の実施例に係る熱電素子がゼーベック効果を利用する発電装置に適用される場合、熱電素子は第1流体流動部および第2流体流動部と結合することができる。第1流体流動部は熱電素子の第1基板および第2基板のうち一つに配置され、第2流体流動部は熱電素子の第1基板および第2基板のうち他の一つに配置され得る。第1流体流動部および第2流体流動部のうち少なくとも一つには第1流体および第2流体のうち少なくとも一つが流動するように流路が形成され得、場合により第1流体流動部および第2流体流動部のうち少なくとも一つが省略され、第1流体および第2流体のうち少なくとも一つが熱電素子の基板に直接的に流動してもよい。例えば、第1基板および第2基板のうち一つと隣接して第1流体が流動し、他の一つと隣接して第2流体が流動することができる。この時、第2流体の温度は第1流体の温度よりさらに高くてもよい。これに伴い、第1流体流動部は冷却部と指称されてもよい。他の実施例として、第1流体の温度は第2流体の温度よりさらに高くてもよい。これに伴い、第2流体流動部は冷却部と指称され得る。ヒートシンク390は第1流体流動部および第2流体流動部のうちさらに高い温度の流体が流れる側の基板に連結され得る。第1流体と第2流体間の温度差の絶対値は40℃以上、好ましくは70℃以上、さらに好ましくは95℃~185℃であり得る。
【0195】
前記では本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者は下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更できることが理解できるであろう。
【国際調査報告】