(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-11
(54)【発明の名称】電気外科手術器具用関節調節式ナイフアクチュエーター
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20231003BHJP
A61B 17/3201 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B17/3201
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519601
(86)(22)【出願日】2021-10-05
(85)【翻訳文提出日】2023-03-29
(86)【国際出願番号】 US2021053546
(87)【国際公開番号】W WO2022076392
(87)【国際公開日】2022-04-14
(32)【優先日】2020-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザボ アーロン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ メイソン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160GG24
4C160KK04
4C160KK12
4C160MM33
(57)【要約】
シャフトおよびジョーの連続回転に関係なく、外科手術器具のジョーによって画定されるナイフブレード経路に沿ってナイフを前進および格納できるナイフ駆動アセンブリ。アセンブリには、長手方向軸に沿って延在し、ナイフ経路を画定する一対のジョーを支持するシャフトと、ハウジングに枢動可能に取り付けられ、ハウジング内に延在するレバーと、を有するハウジングを含む。ナイフアクチュエーターは、第一の端部でレバーと、第二の端部で軸受スリーブと連結される。駆動シャフトは、軸受スリーブに固定され、シャフト内に延在して、軸受スリーブの移動に応答してナイフをナイフ経路に沿って移動させる。結果として、主要シャフトおよび駆動シャフトは、ナイフを移動させることができるレバーの移動によって360度回転されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術器具であって、
長手方向軸に沿って延在し、ナイフ経路を画定する一対のジョーを支持するシャフトを有するハウジングと、
前記ハウジングに枢動可能に取り付けられ、かつ前記ハウジング内に延在するレバーと、
第一の端部で前記レバーに連結され、ハウジング内で第二の端部に長手方向に延在する、ナイフアクチュエーターと、
前記ナイフアクチュエーターの前記第二の端部に連結された軸受スリーブと、
前記ナイフ経路内に位置付けられ、かつ前記軸受スリーブに、前記レバーおよび前記ナイフアクチュエーターの移動に応答したそれとの移動のために連結されたナイフと、
を備える、外科手術器具。
【請求項2】
前記レバーが、前記レバーを前記ナイフアクチュエーターに機械的に連結する軸受カップを含む、請求項1に記載の外科手術器具。
【請求項3】
前記ナイフアクチュエーターの前記第二の端部が、前記軸受スリーブの周りに延在するフォークを備える、請求項2に記載の外科手術器具。
【請求項4】
前記軸受スリーブが、前記ナイフアクチュエーターの前記フォークの両側に位置付けられる一対の軸受部材を含む、請求項3に記載の外科手術器具。
【請求項5】
前記シャフトが360度回転可能である、請求項4に記載の外科手術器具。
【請求項6】
第一の位置と第二の位置との間の前記レバーの枢動移動が、前記ナイフアクチュエーターに、前記軸受スリーブを格納位置から伸張位置へと駆動させる、請求項5に記載の外科手術器具。
【請求項7】
前記軸受スリーブが前記第一の位置に向かって付勢される、請求項6に記載の外科手術器具。
【請求項8】
前記軸受カップが、タブおよび前記タブを通して形成される開口を含む、請求項7に記載の外科手術器具。
【請求項9】
前記ナイフアクチュエーターの前記第一の端部が、前記軸受カップの前記タブの前記開口と係合するポストを含む、請求項8に記載の外科手術器具。
【請求項10】
自由に連続回転できるジョー内で格納および伸張することができるナイフブレードを有する外科手術装置を作製する方法であって、
ハウジングに枢動可能に取り付けられ、その中に部分的に延在するレバーを提供することと、
前記レバーを、前記ハウジング内に長手方向に延在するナイフアクチュエーターの第一の端部に連結することと、
前記ナイフアクチュエーターの第二の端部を、前記外科手術装置の回転可能なシャフトの周りに延在する軸受スリーブに連結することと、
前記ナイフブレードを前記軸受スリーブに固定して、それにより前記レバーの第一の位置から第二の位置への移動が、前記ハウジング内の前記ナイフアクチュエーターを遠位に前進させ、前記シャフトに沿って前記軸受スリーブを駆動して、前記ナイフブレードを格納位置から前記ジョー内の伸張位置へと移動させるようにすることと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記レバーが、前記レバーを前記ナイフアクチュエーターに機械的に連結するために使用される軸受カップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ナイフアクチュエーターの前記第二の端部が、前記軸受スリーブの周りに延在するフォークによって前記軸受スリーブに連結される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記軸受スリーブが、前記ナイフアクチュエーターの前記フォークの両側に位置付けられる一対の軸受部材を含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年10月5日に出願された米国仮特許出願第63/087,530号の優先権を主張するものであり、これは、その全体がこれにより参照により組み込まれる。
【0002】
1. 発明の分野
本発明は、外科手術器具に関し、より具体的には、ナイフを血管シーラーのジョーに前進させるための関節調節式ナイフアクチュエーターを有する血管シーラーに関する。
【背景技術】
【0003】
2. 関連技術の説明
電気外科手術用血管シーラーは、外科的手技中の血管の閉塞および出血の停止のために使用される外科手術器具である。血管シーラーの電極は、一対の対向するジョーによって保持され、当該一対の対向するジョーは、細長いシャフトの端部に取り付けられ、かつ電極に高周波(RF)エネルギーを選択的に供給することができる電気外科手術用ジェネレーターに相互接続される。ユーザーは、ハンドルアセンブリと関連付けられたレバーを絞ることによってシールされる血管の周りのジョーを閉じてもよい。次いで、血管は、RFエネルギーをクランプされた血管に供給することによってシールされてもよく、血管は、ジョー内に形成されたトラックに沿ってナイフブレードを伸長することによって切断され得る。ナイフブレードを駆動する従来的なアプローチでは、シャフトの連続回転はできない。したがって、器具のシャフトが360度回転することを可能にし得る一方で、シャフトが所望の位置に配置された後でもユーザーがナイフブレードを操作することをなおも可能にする、アプローチが必要である。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、シャフトおよびジョーの連続回転に関係なく、外科手術器具のジョーによって画定されるナイフブレード経路に沿ってナイフを前進および格納できるナイフ駆動アセンブリである。第一の実施形態では、本発明による外科手術器具は、長手方向軸に沿って延在し、ナイフ経路を画定する一対のジョーを支持するシャフトを有するハウジングと、ハウジングに枢動可能に取り付けられ、ハウジング内に延在するレバーと、を備える。ナイフアクチュエーターは、第一の端部でレバーに連結され、ハウジング内で第二の端部に長手方向に延在する。軸受スリーブは、ナイフアクチュエーターの第二の端部に連結される。駆動シャフトは、軸受スリーブの移動に応答してナイフをナイフ経路に沿って移動させるために、軸受スリーブに固定される。レバーは、レバーをナイフアクチュエーターに機械的に連結する軸受カップを含んでもよい。ナイフアクチュエーターの第二の端部は、軸受スリーブの周りに延在するフォークを備えてもよい。軸受スリーブは、ナイフアクチュエーターのフォークの両側に位置付けられる一対の軸受部材を含んでもよい。シャフトおよび駆動シャフトは、360度回転可能であってもよい。第一の位置と第二の位置との間のレベルの枢動移動は、ナイフアクチュエーターに、軸受スリーブを格納位置から伸張位置へと駆動させる。軸受スリーブは、使用後にナイフブレードを格納するために第一の位置に向かって付勢されてもよい。
【0005】
別の実施形態では、本発明は、自由に連続回転するできるジョー内で格納および伸張することができるナイフブレードを有する外科手術装置を作製する方法である。方法は、ハウジングに枢動可能に取り付けられ、その中に部分的に延在するレバーを提供することを含む。レバーは、ハウジング内に長手方向に延在するナイフアクチュエーターの第一の端部に連結される。ナイフアクチュエーターの第二の端部は、外科手術装置の回転可能なシャフトの周りに延在する軸受スリーブに連結される。ナイフブレードは、第一の位置から第二の位置へのレバーの移動が、ハウジング内でナイフアクチュエーターを遠位に前進させ、シャフトに沿って軸受スリーブを駆動して、ナイフブレードを格納位置からジョー内の伸張位置へと移動させるように、軸受スリーブに固定される。
【0006】
本発明は、添付図面と併せて以下の発明を実施するための形態を読むことによって、より完全に理解され、かつ認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本発明によるナイフ作動アセンブリを有する電気外科手術器具を有する電気外科手術システムの斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明によるナイフ作動アセンブリによって駆動されるナイフを支持できる電気外科手術器具のジョーの斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明による、ナイフ作動アセンブリの移動に応答した、格納位置から伸張位置へのナイフブレードの移動を示す、下部ジョーの概略図である。
【
図4】
図4は、本発明によるナイフ作動アセンブリの斜視図である。
【
図5】
図5は、レバーの手動での移動に応答した、第一の位置から第二の位置への本発明によるナイフ作動アセンブリの移動を示す、概略図である。
【
図6】
図6は、本発明によるレバーおよびナイフアクチュエーターの斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明によるレバーとナイフアクチュエーターの連結の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図を参照すると、同様の数値が全体を通して同様の部分を指し、
図1には、ジョー14の間に閉じ込められた血管の乾燥のためにジョー14の電極にRFエネルギーを供給することができる電気外科手術用ジェネレーター16に相互接続された一対の導電性対向ジョー14を有する血管シーラー12を含む、電気外科手術システム10が見られる。当技術分野で知られているように、ジョー14は、血管シーラー12から延在するレバー18をユーザーが操作することに応答した開位置と閉位置の間の移動のために、血管シーラー12の長手方向に延在するシャフト15に枢動可能に取り付けられる。
【0009】
図2を参照すると、ジョー14は二つの対向するジョー部材20および22から成る。ジョー部材20および22は、内側導電性面24および26を支持し、当該内側導電性面24および26は、ジョー14の残りおよびシーラー12から電気的に分離され、ならびに電気外科手術用ジェネレーター16に相互接続される。内側導電性面24および26は、それぞれ、それを通して形成されるトラック28および30を有し、それにより、ジョー部材20および22が閉じられる時に、トラック28および30が整列してジョー部材20および22の領域を交差するナイフ経路を画定し、ここで組織は、通電された時にジョー14の間で乾燥される。
【0010】
図3を参照すると、ナイフブレード34は、トラック28および30によって画定されるナイフ経路と整列し、および当該ナイフ経路内に位置付けられるのであり、例えばユーザーがシーラー12のハウジング42に枢動可能に取り付けられたレバー40を操作することによって、選択的にナイフ経路を通して伸張されおよびナイフ経路から引き込まれて、ジョー14に閉じ込められた任意の組織を切断されてもよい。本明細書に記載されるように、ナイフブレード34は、ジョーの配向に関係なく、格納位置と伸張位置との間で移動されうる。例えば、血管シーラー12のユーザーは、ナイフブレード34が伸張位置に駆動されてジョー14に捕捉された任意の組織を切断する能力を損なうことなく、シャフト15を360度回転させて、ある手技のためにジョー14を特定の配向に位置付けることができる。
【0011】
図4を参照すると、レバー40は、ハウジング42に枢動可能に取り付けられ、ハウジング42内に延在して軸受カップ44内で終了する。軸受カップ44は、カップ44と係合し、ハウジング42の内側に沿って第二の端部へと長手方向に延在するナイフアクチュエーター46の第一の端部36に機械的接続を提供して、軸受スリーブ50の周りに延在し、機械的に連結される2つのアームを有するフォーク48を形成する。軸受スリーブ50は、ナイフアクチュエーター46の移動が軸受スリーブ50を長手方向に駆動できるように、フォーク48の周りで長手方向に位置付けられる対向する軸受部材52および54を含む。軸受スリーブ50は、それとの回転のためにシャフト15に固定される。例えば、軸受スリーブ50は、シャフト15の外形形状に一致した内部形状を有してもよい。軸受スリーブ50は、血管シーラー12のシャフト15内に位置付けられ、かつその内部に延在する駆動シャフト56に固定され、それに対して長手方向に移動可能である。例えば、
図5に見られるように、シャフト15は、長手方向スロット38を含み、軸受スリーブ50が駆動シャフト56に固定されることを可能にし、一方で、軸受スリーブ50がシャフト15に沿って長手方向に並進することを可能にする。駆動シャフト56は、シャフト15に沿った軸受スリーブ50の長手方向の移動が駆動シャフト56を長手方向に押し、それによってジョー14のナイフ経路に沿ってナイフ34を移動するように、ナイフブレード34に固定される。シャフト15は、その周りでの長手方向の連続回転のためにハウジング42に取り付けられ、ジョー14はシャフトに対して固定され、それによって、ユーザーは、シャフト15を回転することによってジョー14を所望の位置に配置することができる。軸受スリーブ50は、シャフト15に沿った軸受スリーブ50の回転位置決めに関係なく、駆動シャフト56を長手方向に移動することができる。
【0012】
図5を参照すると、レバー40の露出した端部がハウジング42に向かって近位に枢動移動すると、ナイフアクチュエーター46が軸受スリーブ50を遠位に押すようにナイフアクチュエーター46が駆動され、それによってシャフト56が、ジョー14のナイフ経路に沿って長手方向に、シャフトに連結されたナイフブレードを駆動させて、そこに閉じ込められた任意の組織を切断する。従って、レバー40は、第一の位置から第二の位置に移動可能であり、ナイフアクチュエーター46にシャフト15に沿って軸受スリーブ50を遠位に駆動させ、これがナイフブレードを格納位置から伸張位置に移動し、ジョー14に閉じ込められた組織を切断する。当技術分野で知られているように、軸受スリーブ50は、レバー40にユーザーの力が加えられない場合は格納位置に戻るように付勢されてもよく、それによって、ナイフをナイフ経路の伸張位置から格納位置へと引き込めてもよい。別の方法として、ユーザーは、レバー40を第一の位置に手動で戻すように移動し、ナイフ34をナイフ経路から格納することができる。
【0013】
図6を参照すると、フォーク48の各アームは、それぞれ軸受部材52および54と係合するように近位および遠位に延在する軸受表面60および62を有する。軸受表面60および62は、スリーブ50の回転位置決めに関係なく、軸受スリーブ50への力の伝達および軸受スリーブ50からの力の伝達を可能にする。軸受表面60および62はまた、レバー40とナイフアクチュエーター46との間の連結により軸受カップ44への機械的連結に起因してナイフアクチュエーター46のある程度の枢動が生じうるため、ナイフアクチュエーター46がレバー40によって駆動される時、軸受スリーブ50への力の伝達および軸受スリーブ50からの力の伝達を行うためのものである。レバー40、ナイフアクチュエーター46、および軸受スリーブ50の組み合わせは、レバー40の枢動がナイフアクチュエーター46の、およびしたがって軸受スリーブの、長手方向の動きへと変わることを可能にする。さらに、フォーク48と軸受スリーブ50との間の連結は、ナイフアクチュエーター46の長手方向の移動を可能にし、軸受スリーブ50を駆動してナイフを作動させると同時に、ナイフを操作する能力を失うことなく、シャフト15を360度回転させることを可能にする。
【0014】
図7を参照すると、軸受カップ44は、それを通して形成される開口72を有するタブ70を支持する。ナイフアクチュエーター46の第一の端部36は分割され、開口72と係合するために、ナイフアクチュエーター46の長手方向軸に対して横方向に延在するポスト74を含む。カップ44のタブ70およびナイフアクチュエーター46のポスト74は、レバー40の枢動を可能にして、血管シーラー12のハウジング42内にナイフアクチュエーター46を長手方向に駆動し、それによってナイフ34を操作する回転関節を形成する。
【国際調査報告】