(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-11
(54)【発明の名称】スマートはしご
(51)【国際特許分類】
E06C 7/00 20060101AFI20231003BHJP
E06C 7/18 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
E06C7/00
E06C7/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537893
(86)(22)【出願日】2021-08-17
(85)【翻訳文提出日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 US2021071205
(87)【国際公開番号】W WO2022047454
(87)【国際公開日】2022-03-03
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523072463
【氏名又は名称】ユーエスエス ベテラン サービシズ カンパニー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョンズ,クリフォード,エル.
(72)【発明者】
【氏名】ブルーワー,ステファン,ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ディングマン,デイビッド
【テーマコード(参考)】
2E044
【Fターム(参考)】
2E044AA01
2E044BA01
2E044EE06
2E044EE11
(57)【要約】
はしごの動作状況をユーザに警告し、ユーザによるはしごの安全な操作を支援するための、センサ、コントローラ、及び出力信号を含む、はしご。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
最下段の横木を含む複数の横木によって相互接続された左側及び右側の直立部と、
ユーザが前記はしごの前記最下段の横木に立っているときを検知する下部横木センサと、前記はしご上に取り付けられ、前記下部横木センサと通信しているコントローラと、を備え、前記コントローラは、ユーザが前記最下段の横木上にいるか否かを示す前記はしごに搭載された出力信号を活性化する、はしご。
【請求項2】
前記下部横木センサは、前記直立部の一方に搭載されたフォトアイと、前記直立部の他方に搭載された送信器とを備え、前記フォトアイ及び送信器は短い距離だけ前記最下段の横木よりも上方に取り付けられている、請求項1に記載のはしご。
【請求項3】
前記複数の横木上に、前記コントローラと通信している複数の接触センサを更に備え、前記コントローラは、ユーザが前記接触センサとの3点接触を有するか否かを前記ユーザに知らせる出力信号を前記はしご上で発生する、請求項1に記載のはしご。
【請求項4】
前記左側及び右側の直立部における外側を向いた細長い溝と、前記外側を向いた溝に沿って延出すると共に前記外側を向いた溝内に密封された外側に光るライトストリップとを更に備え、前記外側に光るライトストリップは前記コントローラと通信している、請求項1に記載のはしご。
【請求項5】
前記左側及び右側の直立部は、前側で相互に広がると共に後ろ側で相互に狭くなるように傾いている、請求項1に記載のはしご。
【請求項6】
前記横木は、前記左側及び右側の直立部の前記後ろ側寄りにずれている、請求項5に記載のはしご。
【請求項7】
前記左側及び右側の直立部は、細長い方向を規定すると共に前記細長い方向に延出する複数の溝を規定し、前記溝のうち少なくとも1つは、配線を収容すると共に前記配線を水害から密封するように被覆され、更に、前記配線と通信している前記はしご上に取り付けられたコントローラを備える、請求項1に記載のはしご。
【請求項8】
前記配線と通信している前記はしご上に取り付けられた搭載バッテリを更に備える、請求項7に記載のはしご。
【請求項9】
前記搭載バッテリは、前記横木のうち1つによって規定された中空内部に取り付けられている、請求項8に記載のはしご。
【請求項10】
前記はしごの一端に取り付けられた、前記はしご上へのユーザの移動を検知するためのRFIDリーダを更に備える、請求項9に記載のはしご。
【請求項11】
前記はしごは伸縮式マストを含む、請求項8に記載のはしご。
【請求項12】
前記はしごは前記配線と通信しているガスモニタを含む、請求項8に記載のはしご。
【請求項13】
前記はしごは前記配線と通信しているブルートゥースリンク及びカメラを含む、請求項8に記載のはしご。
【請求項14】
前記はしごは、前記細長い溝のうち少なくとも1つに沿って上下に動く可動カーゴトレイを含む、請求項8に記載のはしご。
【請求項15】
前記はしごは前記配線と通信しているスピーカ及びマイクロホンを含む、請求項8に記載のはしご。
【請求項16】
前記はしごは前記配線と通信しているバイブレータを含む、請求項8に記載のはしご。
【請求項17】
前記はしごは前記配線と通信しているカメラを含む、請求項8に記載のはしご。
【請求項18】
複数の横木によって相互接続された左側及び右側の直立部を備え、前記左側及び右側の直立部は、前側で相互に広がると共に後ろ側で相互に狭くなるように傾き、前記横木は、前記左側及び右側の直立部の前記後ろ側寄りにずれている、はしご。
【請求項19】
前記左側及び右側の直立部は、細長い方向を規定すると共に前記細長い方向に延出する複数の溝を規定し、前記溝のうち少なくとも1つは、配線を収容すると共に前記配線を水害から密封するため被覆され、更に、前記配線と通信している前記はしご上に搭載されたコントローラを備える、請求項18に記載のはしご。
【請求項20】
前記配線と通信している前記はしご上に搭載された付属品、すなわち、ガスモニタ、カメラ、バッテリ、無線通信リンク、スピーカ、マイクロホン、及びRFIDリーダを更に備える、請求項19に記載のはしご。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年8月28日に出願された米国仮特許出願S/N63/071,437号の優先権を主張する。この出願は援用により本願に含まれる。
【0002】
本発明は、はしごに関する。
【発明の概要】
【0003】
本はしごは、はしごの勾配又は傾斜を最小限に抑えるため、はしごが所望の角度範囲内で傾いているか否かを判定する傾斜センサを組み込むことができ、このセンサによって、はしごはユーザに対して信号を発生できる。はしごを暗いエリア(閉鎖空間等)で見えるようにするため、並びに周囲エリアを明るくするため、ライトを含むことができる。ツール、ライト、又は他の機器に電力供給するため、はしごに電気コンセントを含むことができる。ツール及びハードウェアを保持するため、トレイを備えることができる。このトレイは、ねじ、くぎ、及びねじ回し等の物を保持するため、磁気帯を含む。センサは、ユーザがはしごの最下段の横木に到達したときを検知し、ユーザに対する信号をはしごに発生させて、ユーザが最下段の横木に到達する前にはしごから降りないように知らせることができる。
【0004】
OSHAの許可が必要な閉鎖空間に対する出入り、特に、そういった閉鎖空間へのマンウェイ(manway)を介した出入りを容易にするため、追加の特徴を提供することができる。OSHAの許可が必要な閉鎖空間では、その空間に入って内部で作業することが安全であると保障するために用いられる許認可手続きがある。そのような空間で必要な機器のいくつかは、限定ではないが、最大で4つのガス(酸素、一酸化炭素、六フッ化硫黄、及びメタン又は低爆発レベルガス)の大気サンプリング、仮設照明、カメラ、通信デバイス、内部で使用されるツール用の電力ケーブル、及び仮設の換気ダクトとホースを含む。これらの物品は、空間への入り口を塞ぐ。多くの場合、入口は出口でもある。これが塞がれると輻輳が生じ、通常の出入りに要する時間が長くなる。場合によっては、進入者(entrant)はマンウェイ内の様々なホース及びコードが絡まってしまって転んで負傷することがあり、また、火事、有毒ガス放出、エリア内での落雷、又は他の危険因子のような緊急事態の場合、遅延は重大な問題である。このはしごは、はしご自体に機器を組み込んで一体化することにより、散乱物の一部を取り除く。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】上述した特徴の多くを含むはしごの正面図である(上部トレイは明確さのため省略されている)。
【
図5】
図1のはしごの上部に取り付けられ得るトレイの側面図である。
【
図7】
図1のはしごの電源コンセントに接続され得るライトの側面図である。
【
図8】
図1のはしごの正面図であるが、はしごを登り降りする際にはしごに接触するユーザの足と手の位置を検知する圧電センサを含む。
【
図9】
図8のライン9-9に沿った概略分解断面図である。
【
図10】壁又は他の支持に対するはしごの推奨傾き角を示す概略図である。
【
図11】はしごの代替的な実施形態の平面図である。
【
図12】マンホールから突き出ている
図11のはしごの平面図である。
【
図13】閉鎖空間内へ下方に挿入するようにセットされた
図11のはしごの側面図である。
【
図14】閉鎖空間内へ上方に挿入するようにセットされた
図11のはしごの側面図である。
【
図15】
図11のはしごの直立部の外側を向いた側面図である。
【
図16】
図11のはしごの直立部の内側を向いた側面図である。
【
図17】ライン17-17に沿った
図11のはしごの横木の正面断面図である。
【
図20】
図11のはしご上で横木をつかんでいるユーザの腕と手を示す概略図である。
【
図22】横木の外形のみを示す、
図21のライン22-22に沿った分解図である。
【
図23】LED光源からの光線を伝送するライトパイプの概略正面図である。
【
図23A】
図11のはしご上のガスサンプリング機構の代替的な実施形態を示す直立部の分解側面図である。
【
図24】
図11のはしご上に取り付けられ得る可動カーゴトレイの側面図である。
【
図27】典型的に
図13及び
図14の閉鎖空間の内部に配置されるコンポーネントと、閉鎖空間の外に配置される随行者(attendant)ボックスを含むコンポーネントを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1から
図10は、はしご10を示す。はしご10は、左側及び右側の直立部12及び14(レール又はサイドレールとも呼ばれる)、並びに、直立部12、14の間に延出してこれらを接続する複数の水平横木16を含む。はしご10は好ましくは、繊維ガラスのような比較的軽量で非劣化性の電気絶縁材料から製造されるが、特定の例では、アルミニウム、スチール、又は他の材料を用いることができる。
【0007】
図4で最もよく理解されるように、各直立部12、14は、全長にわたって実質的に「C」字形の断面プロファイルを有し、第1及び第2の外側突出脚18、20が連結脚21によって接続されている。第1の脚18は第2の脚20よりも厚い。各第1の脚18は、実質的に直立部12、14の全長にわたって延出する縦方向空洞22を規定する。各縦方向空洞22内に、はしご10を見えやすくするLED(発光ダイオード)ライトストリップ24が収容されている(
図2も参照のこと)。ライトストリップ24は、はしご10を見えやすくするだけでなく、周囲照明を与える。空洞22の開口した外縁は、ポリカーボネートストリップ等のレンズ26で閉鎖されて、ライトストリップ24を保護すると共に空洞22から発する光を拡散させる。
【0008】
ライトストリップ24及び他の全ての電気コンポーネントは(特に明記しない限り)、バッテリで動作することができる。1又は複数のバッテリ146(
図17に示されている)は、水平横木のうち1つ以上の内部に又は直立部12、14の一方(もしくは双方)の内部に配置され得る。バッテリは充電式バッテリとすることができ、はしご10は、はしご10に電気コードが接続されると自動的に通電されるバッテリ充電ステーション(図示せず)を備え得る。これについては後に詳述する。また、これらの電気コンポーネントのいくつか又は全ては、直流(DC)又は交流(AC)とすることができる外部電源から直接動作され得る。バッテリ動作から外部電源による動作への移行は、所望のように手動によって又は自動的に達成され得る。
【0009】
図2及び
図3で示されているように、直立部12、14の各々は、はしご上の重量を検出するためロードセル28を収容している。これらのロードセル28は、ユーザ及びユーザが持ち運んでいる道具(ホース、ツール、機器、消耗品等)を含むはしご10上の全負荷を監視する。負荷は、好ましくははしご上に配置されたコントローラ(図示せず)に送信される。コントローラは、はしご10の最大重量定格を超えていないことを保証するため負荷を仕様と比較する。ロードセル28で検出された重量がはしご10の重量定格を超えている場合、コントローラは、ユーザに警告する出力信号を発生するようプログラムすることができる。出力信号は、はしごに取り付けられた可聴アラーム、はしごに取り付けられ、活性化されるとはしごを振動させるバイブレータ、点滅させることや色を変えること等が可能なライト(ライトストリップ24等)等を含み得る。また、出力信号は、中央ステーション又はスマートフォン等の外部受信器に無線で送信することを含み得る。また、後で更に詳しく検討するように、これらのアラーム出力のいずれかを用いて、はしご10が検出する他の状況をユーザに警告してもよいことに留意するべきである。
【0010】
出力信号は、ユーザに特定の安全上の懸念を警告するようカスタマイズされ得る。例えば、後で詳述するように、ライトが異なる間隔で点滅するか又は色を変化させることで、特定のアラームを指定できる。緑色等の色を用いて、ユーザがはしご10の下部の横木に到達したので安全に地面へ降りられると示すことができる。赤色等の別の色を用いて、はしご10の安全でない静止角(急すぎるか又は浅すぎる)を示し、従って、正しい角度α(
図10を参照のこと)に再配置されるまでユーザははしご10に登ってはならないと示すことができる。これに加えて又はこの代わりに、様々な音又は他の出力を用いて様々な状況を示し得る。例えば、高いピッチの音を用いて安全でない角度を示すこと、心地よい音楽的なトーンを用いて最下段の横木との接触を示すこと、異なるピッチの音を用いて異なる状況を示すこと等が可能である。
【0011】
また、ロードセル28は、はしご10の各直立部12、14上の重量を監視する。この場合も、この情報はコントローラに送信され、コントローラは各直立部12、14上の重量を比較し、直立部12、14の一方が他方に比べて総重量のうち過度に大きい割合を担っていると見られる場合、ユーザに警告する出力を活性化することができる。理想的には、直立部12、14の各々で重量が均等に分配されるべきである。ロードセル28が、直立部12、14間の重量分配における過度の不一致を検出した場合、これは、直立部12、14のうち一方の下にある土(又は床材)が充分に固まっておらず、へこみそうであることを示し得る。負荷の過度の不一致を示す出力信号を受信すると、ユーザははしご10を降りて離れ、双方の直立部12、14が適切に支持されていることを確かめた後、再びはしごに乗ることができる。
【0012】
直立部12、14のうち少なくとも一方は、連結部材21に開口30を規定する(
図3を参照のこと)。この開口30は、はしご10を運ぶためのハンドルとして使用するため、人の指を入れるのに充分な大きさである。開口30の位置は、開口30でユーザが持ち上げた場合にはしご10が実質的にバランスの取れた状態となることを保証するよう注意深く選択される。開口30の寸法は、ユーザが手袋をはめた手ではしごを持ち上げられるようなものである。
【0013】
各直立部12、14の上端は、傾斜面又はくさび形32を規定する(
図2、
図3、及び
図10を参照のこと)。これは、4:1の比(長さが高さの4倍である)に切断されているので、はしご10を正しい安全角αに立てた場合(注: 4:1の比では、角度αは約76度である)(
図10も参照のこと)、各直立部12、14の上面は実質的に水平となる。
【0014】
前述のように、はしご10と、床又は地面のような水平支持面との間の角度α(
図10を参照のこと)は、約76度であり、好ましくは70度~82度であるべきである。はしご10は傾斜センサ34を含み、これは典型的には低周波数応答又はDC応答加速度計34(
図3を参照のこと)であり、はしごの直線軸に位置合わせされて、はしごが使用される場合に水平に対するはしご10の角度αを監視し、その角度をコントローラに送信する。この角度が所望の範囲内にない場合、コントローラはユーザに警告する出力信号を発生する。前述のように、出力信号は、視覚によるもの(光の点滅及び/又は色の変化)、聴覚によるもの(ブザー又はビープ音)、及び/又は触覚で検知するもの(振動)とすることができ、これらの出力は、ユーザがはしごに登る前、はしごの使用中、及びはしごから降りる前に、様々なはしご状況をユーザに警告するため、連続的な周波数又は変動する周波数とすることができる。
【0015】
図8は、はしご10の正面図であり、横木16上に複数の接触センサ36が配置されていることを示す(最下段の横木は
図16Bと示されている)。この実施形態では、
図9にも示されているように、各接触センサ36は、横木16、16Bに取り付けられた1枚の圧電フィルム38であり、保護カバー40で覆われている。圧電センサは、圧電効果を用いて圧力変化を電気的変化に変換することによって圧力変化を測定するデバイスである。最下段の横木16B(
図1を参照のこと)上の接触センサ36は、ユーザが最下段の横木16Bに到達したときを検知する。直立部12、14(又は102、104)上に、最下段の横木16Bの上面よりも約1インチ上方に配置された光送信器及び受信器195(
図16を参照のこと)を用いて、ユーザが最下段の横木16Bに接触したときを検出することができる。センサ38及び/又は195が、ユーザが最下段の横木16Bに到達したことを検知した場合、ユーザがはしご10から地面へ降りることは安全である。接触センサ36又は光受信器195は、
図3に示されているコントローラ42へ信号を送信するので、コントローラ42はユーザが最下段の横木16Bに乗っているか否かを知る。コントローラは、ユーザが最下段の横木16Bに乗っているか否かを示す出力信号をユーザに対して発生するので、ユーザは、はしごから降りるのが安全であるときが分かる。出力は、短いビープ音又は他の音、ユーザが最下段の横木に接触していることを示すユーザの目の高さの緑色ライト、又は、ユーザが最下段の横木に接触していないことを示す赤色ライト、又は、他の何らかの望ましい出力信号とすればよい。この信号は、特に音である場合、比較的短い持続時間となるように時間調整することで、ユーザが意図的に長い時間にわたって最下段の横木16B上に立っている場合、ユーザを不快にさせないようにすればよい。
【0016】
この実施形態では、コントローラ42は傾斜センサと同じエリア内に配置されている。バッテリ、バッテリ充電器、及び、バッテリ電力から外部電力へ自動的に切り換えるための電子機器も、この同じエリア内に配置することができる。
【0017】
他の横木16のうち全てではないがいくつかに配置された追加の接触センサ36は、ユーザが安全にはしごを用いる方法を学習するのに役立つ訓練補助器具として使用され得る。ユーザは、はしごに登る場合、はしご上で3点接触を維持しなければならない(手で2つ及び足で1つ、又は足で2つ及び手で2つ)。接触センサ36がコントローラに信号を送信することで、コントローラは常にユーザによる3点接触の存在を監視できる。また、コントローラは、3点接触データを時刻/日付データと共に記録及び送信し、これを出力デバイス(はしごの近く又ははしごから遠くにある)にグラフで表示して、訓練のための練習及び定期的な使用中のユーザの進捗と、はしごを昇降する際に3点接触の目標をどのように達成したかを表示することができる。コントローラ42は、ユーザがはしごと3点接触しているか否かに関してユーザに警告するため、1又は複数の出力信号を活性化することができる。信号は短い持続時間とすることで、ユーザが故意にはしごの横木に立っている場合及びはしごの昇降以外の何らかの動作を行うため両手を使っている場合に、ユーザを不快にさせないようにすればよい。
【0018】
図4に戻ると、2つの直立部12、14のうち1つ(この実施形態では右側の直立部14)は、はしご10に沿って長さ方向に延出する電気延長コード44を収容している。直立部14の下部にオス電源コードプラグレセプタクル46(
図3を参照のこと)が配置され、直立部14の上部にメス電源コードプラグGFCIレセプタクル48が配置されている。(あるいは、電源コードを逆の向きにして、下部での電力の入力と上部での出力を可能としてもよく、また、他の所望の位置で出力を可能とする追加の電源コードをはしご内に設けてもよい。)延長コード44は、オスプラグ46を介して外部電源に差し込むことができる。メスプラグ48には、電力ツール、ライト、及びバッテリ充電器のような任意の電気的付属品を差し込むことができる。前述のように、延長コード44が一度AC電源に差し込まれたら、はしご10上の電気/電子デバイスはバッテリ電力からAC電力に切り換わることができる。この切り換えは手動で又は自動的に実行され得る。
【0019】
延長コード44を収容している直立部とは反対側の直立部(この場合は左側の直立部12)の上端に、伸縮式マスト50(
図2、
図4、及び
図10を参照のこと)が収容されている。マスト50は、
図2では想像線で収納位置が示され、
図10では想像線で伸長位置が示されている。ユーザは、マスト50をはしご10の上端よりも上方へスライドさせて、例えば、はしご10の端部よりも上方の屋根又はプラットフォームへ上がる際にハンドル/サポートとして用いて身体を安定させることができる。マスト50は、多くの手段のうちいずれかによって伸長位置にロックされ得る。例えば、マスト50のスライド機構に対して固定されるまで、マスト50を縦方向軸に沿って単にねじればよい。
【0020】
図5及び
図6を参照すると、はしご10の上に、くさび32の上に載せてトレイ52を取り付けることができる。トレイ52は、ボルト、クランプ、磁石、又は工業用強度の面ファスナ(図示せず)を含むいずれかの既知の手段によって固定され得る。トレイ52は、ねじ回し及びレンチ等のツール(図示せず)を受容する複数の貫通孔54、56を規定する。トレイ表面は、壁ガイド60間から持ち上げられ得る容易に着脱可能な壁58によって分割されている。磁気帯62は、ねじ回し等のツールを一時的に保持するための追加の場所を与える。トレイ52の下方の複数のフック64は、ペンキ缶等の吊り下げ物品を保持するために使用され得る。
【0021】
図7は、市販のプラグインサーベル照明器具66を示す。このサーベル照明66は明るいLED部68を特徴とし、ゴム引きハンドル70が、把持端部にオスプラグ72を含む滑り止め把持部を提供し、これをメス電気プラグ48(
図3を参照のこと)に差し込むことで、はしごの電気コンセントに接続されている間に搭載バッテリを充電すること又は周囲環境を照らすことを可能とする。これは、はしごのコンセントに差し込まれ得るツールの一例に過ぎない。はしご10でこの機構を利用するため、他の任意のコード付き又はコードレスのツールを接続することができる。
【0022】
加速度計34(
図3を参照のこと)のようなはしご10上のセンサが、はしごが移動していることを検出した場合、コントローラは、はしご10上のライトストリップ44を点灯させる。これは、はしご10が移動しているエリアを照明するため、及び、はしご10自体を照明してはしご10が移動しているエリアの周りの人員に見えやすくするための安全機構である。好適な実施形態では、はしご10は、「噴霧(spray-down)」及び「洗い流し(wash-down)」に対して充分に防水性とするため密封される。
【0023】
特に明記しない限り、はしご10のこの実施形態に関して開示される全ての特徴は、本明細書で後述される代替的な実施形態にも適用されるか又は適用される可能性があることに留意するべきである。
【0024】
図11から
図29は、代替的なスマートはしご100を示す。
図11から
図13を参照すると、はしご100は、左側と右側の直立部102、104、及び、直立部102、104の間に延出してこれらに接続された複数の横木106を含む。直立部102、104のフレーム内に収容された物品が相互に実質的に異なる可能性が高い場合であっても、これらのフレームは好ましくは相互に鏡像である。これについては以下で詳述する。
【0025】
図11を参照すると、共通の用語を確立するため、はしごの前側又は入口側は「F」で示され、はしごの後ろ側は「R」で示され、各直立部102、104の外側に向いた側は「OF」で示され、各直立部102、104の内側に向いた側は「IF」で示されている。後で明確になるように、このはしご100は前側のみを使用側とするように設計され、OSHAの許可が必要な閉鎖空間に対する出入りには特に有用である。この閉鎖空間は例えば、
図13の閉鎖空間108(マンホール110を介して下方の閉鎖空間108内へ行くためはしご100が用いられることを示す)、又は、
図14の閉鎖空間112(マンホール114を介して上方の閉鎖空間112内へ行くためはしご100が用いられることを示す)である。
【0026】
図12は、
図13に示されている機構の平面図であり、はしご100は、マンホール110の円形開口を介して下方の閉鎖空間108内へ行くため用いられる。このはしご100は、第1の実施形態10とはいくつかの点で異なる。第1に、直立部102、104は、相互に前側で広がると共に後ろ側で狭くなるように傾いている。(横木106と平行に延出する仮想線116と各直立部102、104の前縁から後縁へ延出する仮想線118との間の角度βは90度未満である。)これによってユーザは、前側ではしごに対する最大限のアクセスが与えられ、マンホール開口110の支持壁にできる限り近い位置を保つ。この傾いた構成は、はしご100の前側「F」において、後ろ側「R」よりも開いた開口部を生成する。これによりユーザは、前側Fから容易に足を横木16に載せることができる。また、これは、ユーザがはしご100を昇降する前に、ユーザの足を横木106と良好に位置合わせした状態に誘導する。傾きは、標準的なはしごで可能であるよりも、マンウェイ110を通るユーザに広い空間を生成し、ユーザの胴部を支持壁に近付けてはしご100にぴったり嵌めることを可能とする。これによって、はしご100の周りの空間を限定するマンウェイ110又は他の障害物をユーザが通り抜けるのを助ける。
【0027】
第2の違いは、横木106が直立部102、104の中央に延出せず、直立部102、104に対して後ろ方向寄りにずれていることである。すなわち、横木106は、はしご100の入口側又は前側よりもはしご100の非入口側又は後ろ側「R」に近い。横木106をずらすことで、ユーザは、はしご100の縦方向中心に近付くことができ、これによりユーザとマンウェイ又は他の障害物との間の間隔を増大して、ユーザがいっそう容易に素早く通過することを可能とする。落雷又は付近の有害蒸気放出のような状況が存在する場合、閉塞空間から迅速に脱出できることが重要であり、このはしご100の傾き及びずれの特徴は、人員が閉塞エリア又は他の作業エリアから迅速かつ容易に脱出することに役立つ。
【0028】
図11は、直立部102、104のプロファイルを太い線で示す。左側の直立部102を見ると(右側の直立部104は左側の直立部102の鏡像であるプロファイルを有する)、プロファイルは、第1の空洞120、第2の空洞122、及び第3の空洞124を規定する。プロファイルの空洞120、122、124は、各直立部の長さにわたって延出するので、直立部102、104の長さに沿った溝を形成する。第1及び第2の空洞120、122は内側に開口している。第3の空洞124は外側に開口している。第1の空洞120を用いて、
図24から
図26で示されている移動式カーゴトレイ128のための軸受セット126を収容、指示、及び誘導することができる。第1の空洞120の前部にある湾曲リップ130は、第1の空洞120を部分的に閉じており、手袋をはめている場合であっても、はしご100を持ち上げるためのハンドルとして使用され得る。これと同じ湾曲リップ130(
図20も参照のこと)を、前腕112に対する留め部として用いることによって、はしご上の第5の接触点を提供することができる。これについては後で詳述する。これは、内側に向いた「IF」空洞120である。すなわちこれは、はしご100の内面に開口している。
【0029】
第2の空洞122は、必要に応じて、また、後で詳述するように、電気配線を収容するため及び/又ガスモニタ用の圧縮空気もしくはサンプリング空気の導管を収容するために使用され得る。これも内側に向いた「IF」空洞である。すなわちこれは、はしご100の内側に開口している。この空洞122は、空洞122の長さに延出するバリアストリップ132で閉じられている。空洞122は、防水空洞122を作製するため空洞122を完全に取り囲んで密封するように被覆する(pot)ことができる。
【0030】
第3の空洞124は、外側に向いた「OF」空洞であり、後述するように、コントローラによって制御される回路基板136上に取り付けられたLEDライトストリップ134を収容するため用いられる。この第3の空洞124は、空洞124の長さに沿って延出するバリアストリップ138で閉じられ、防水空洞124であることを保証するため空洞124を完全に取り囲んで密封するようにシリコーンで被覆される。バリアストリップ138及び被覆材料は半透明であり、LEDストリップ134からの光が周囲照明を与えることを可能とする。これらのLEDライト134は、後述するように、コントローラによって、色、オン/オフ周波数、及び強度に関して選択的に活性化されて、閉鎖空間108内又ははしご100上にいる人員のための信号又はアラームとして機能することができる。バリアストリップ138は、バリアストリップ138を損傷又は引っかき傷から保護するように、プロファイルの外面OFからくぼんでいることに留意するべきである。
【0031】
最後に、直立部102のプロファイルは、第4の内側に向いた開口140及び内側に湾曲したリップ142で終端する。リップ142は、手袋をはめている場合であっても、はしご100を持ち上げるためのハンドルとして使用され得る。
【0032】
ここで
図17から
図22を参照すると、各横木106は、直立部102、104間の距離にわたって延出し、好ましくはリベット144によって直立部102、104に固定されている(
図15を参照のこと)。
図18は、
図17のライン18-18に沿った横木106の断面図である。(
図17は
図16の正面断面図であるが、
図18は、
図17に示されている横木の一部だけでなく横木全体を通した図であることは理解されよう。)
図17及び
図18で示されているように、横木106の内部に1つ以上のバッテリ146を収容することができる。これらのバッテリ146は、好ましくは充電式バッテリであり、はしご100が外部電源に接続されると自動的に再充電される。横木106は、下方及び後方に開口した縦方向の空洞148を規定し、これは横木106の全長にわたって延出し、横木106の下方及び後方のエリアを照明するLEDストリップ150を収容している。はしご100内の類似の空洞と同様、この空洞148は、LEDストリップ150を環境から密封するため、この場合は半透明ストリップ152であるバリアストリップ152で閉鎖されている。この空洞148を半透明材料で被覆して、空洞148を防水性にすることができる。
【0033】
図19は、
図17のライン19-19に沿った横木106の断面図である。(
図18と同様、これは、
図17に示されている横木の一部だけでなく横木106全体を通した図である。)
図17及び
図19は、横木106が少なくとも1つの開口154を規定することを示し、この開口154は、光が横木106から前方に、はしごを登っている人物の方へ、ライトパイプ156の端部から照らすためのものである。ライトパイプは、光源の均一性を増大するため又は光を誘導するために通常用いられる光学コンポーネントである。この例では(
図23を参照のこと)、ライトパイプ156は、直立部102、104のうち一方に配置されたLED光源158から光を取り込み、これを横木106の前方を向いた開口154へ誘導する。LED光源158は、後述されるコントローラによって制御される回路基板上に取り付けられるので、はしご100上のユーザに通知又は警告するため用いることができる。横木106の開口154は、ユーザが地面又ははしごの横木に立っている場合のユーザの目の高さに配置されているので、ユーザは、はしご100を昇降する際に信号160(
図23を参照のこと)を容易に見ることができる。
【0034】
図18から
図22を参照すると、横木106は、後縁のノーズ部(nose)162及び前縁のテール部(tail)164を有する。ノーズ部162とテール部164との間に延出しているのは、横木106に対する足又は手の把持を改善するため複数のリブ166を規定する弓形上面である。テール部164は第1の浅い凹面168を規定し、これは親指接触エリアとして機能する。ノーズ部162は、第1の浅い接触面168の反対側に第2の深い凹面170を規定する。ユーザは、テール部164の第1の浅い凹面168に親指306を置いて横木106をつかむ(
図20を参照のこと)。ユーザの手の残り部分は、上面のリブ166の上に重ねて、指308をノーズ部162の第2の凹面170内へ入れる。ユーザの手のひらは把持増強リブ166の上に置く。これによって、昇降中、特にマンウェイを通過するとき又は他の障害物の周りを通るとき、横木106を自然に把持することができる。
【0035】
ユーザは、昇降する場合、最良の支持のため3つの接触点を持たなければならない。この種の使用には練習と訓練が必要である。従来技術のはしごを昇降する場合、ユーザの腕は肘と手首で曲がる。従来の横木又は平坦な段では、もしもユーザが滑り、足による接触を失って、手首と肘の双方が曲がった状態で片手又は両手のみの接触になった場合、ユーザが握っていることで転落が妨げられると、負傷する可能性がある。はしご100のこの実施形態で記載された構成では、ユーザの把持によって手首は前腕172(
図20を参照のこと)と一直線になった状態を保つので、足の接触が失われた場合、手首に対するストレスは小さくなる。
【0036】
2つの脚と2つの手を用いて従来技術のはしごを昇降するためには、4つの接触点のうち少なくとも1つが移動しなければならない。移動を続けるには、手と足の各々が高度に協調的な方法で移動しなければならないが、これはほとんどのユーザにとって習得が難しい。本発明は、負傷及び転落を防止することではしごの安全性を大幅に改善するため、オペレータが一時的な第5の接触点174(
図20を参照のこと)を生成することを可能とする。
【0037】
横木106の設計によって、ユーザは、手首と前腕172を一直線にすると共に、前腕172をポイント174ではしご100の入口側「F」の丸いリップ130に接触させるよう促される。これは、ユーザが以下のようにはしごとの5つの接触点を生成するための手段を提供する。すなわち、横木106を把持し、前腕172を接触点174で直立部102の丸い前側内縁130内へ押しつつ、反対側の足を押し出す。これによって、1つの足、1つの手、及びはしご100の丸い縁174内へ押された1つの前腕によって3つの接触点を確立し、他方の足及び他方の手は自由に動けるので、ユーザには可動度が追加されながら良好な支持が与えられる。
【0038】
図15は、直立部102の外側を向いた「OF」側を示す。LEDライトストリップ134及び横木106を固定しているリベット144が図示されている。また、直立部102の上部及び下部に電気コンセント176が示されている。これらのコンセント176は、必要に応じて、電気延長コードを含む電気機器に通電するため使用され得る。コンセント176は、第1の実施形態に関して記載したように、はしご100の内部のバッテリによって及び/又は外部電源によって電力供給され得る。はしご100の上部のハンドル178は、はしご100を持ち上げて所定の位置に配置するために用いられる。
【0039】
図16は、直立部102の内側を向いた「IF」側を示す。この直立部はいくつかの付属品を含み、それらの多くは双方の直立部102、104に存在する場合があり、以下で説明される。これらの付属品の多くは、閉鎖空間の外部にある受信器と通信を行う。これについては後述する。付属品は以下のようなものである。
【0040】
RFIDリーダ180:はしごは、同時に多くの入口を含むいくつかの空間で用いられる。作業期間中、同一の進入者が何度も空間に出入りすることがある。作業空間が、
図13の空間108のようなOSHAの許可が必要な閉鎖空間である場合、閉鎖空間108の外に位置する随行者は、進入者、進入者の名前、閉鎖空間に入った時刻、閉鎖空間から出た時刻、及びエリア内の滞在時間を記録する必要がある。また、随行者は、進入者がそのような閉鎖空間108に入るために必要なID及び全ての証明書を有することをダブルチェックする任務を負うことがある。これは面倒で時間のかかるプロセスである。この実施形態では、進入前に、この情報のほとんどを含む一意の無線周波数識別カード(RFID)を各進入者に発行する。進入者は、空間に対する出入りのとき、RFIDリーダ180にRFIDカードをスキャンしてステータスを記録する。はしご100に接続された遠隔デバイス(
図28のプリンタ280等)が、進入者の名前、必要に応じた出入り、出入りの時刻及び日付を記録及び印刷する。一方の直立部102上の1つのRFIDリーダ180を空間内へ入る際に使用し、反対側の直立部104上に配置された第2のRFIDリーダ180を空間から出る際に使用する。これにより、閉鎖空間に対する作業者の出入りの記録を自動化すると共に迅速化する。
【0041】
体調不良者(Man Down)プラグ182:随行者又は進入者は、直立部102からプラグ182を引っ張って、体調不良者が存在すると示すことができる。これにより、緊急対応要員による対応を開始するため、閉鎖空間の内部及び外部の双方でアラームを活性化するようコントローラに信号を送る。
【0042】
4つのガスモニタ184:4ガスモニタ184をはしご100に組み込んで、マンウェイ110にサンプルホースを通す必要性をなくす。実際、人員又は機器が空間108から出入りする際にマンウェイ110を通過する時点で、サンプルホースは挟まれることが多い。この間、制御された空間内の雰囲気を監視することができない。このガスモニタ184は、現場のガスを監視し、サンプルホースを排除することによって、サンプルホースが挟まれる問題を解消する。
【0043】
図23Aは、4ガスモニタ184によって雰囲気を監視するための機構の代替的な実施形態を示す。この機構では、マニホルド186が直立部102の長さに延出し、複数の3方弁188をコントローラによって順次開放する一方で残りの3方弁は閉じたままとして、はしご100の高さに沿った複数の高度ではしご100の周りの雰囲気のサンプルを採取する。4ガスモニタ184は、マニホルド186と流体連通し、従って3方弁188と流体連通した状態で、はしご100上の任意の好都合な場所に配置すればよい。好適な実施形態では、4ガスモニタ184は、較正のため取り出せるように容易にアクセス可能かつ除去可能である。4ガスモニタ184の示度数はコントローラに送信され、コントローラは、閉鎖空間の内部と外部の双方のアラーム出力を発生して、モニタ184によって安全でない状況が検知された場合に閉鎖空間の排気を促すことができる。
【0044】
スピーカ/バイブレータ190:再び
図16を参照すると、閉鎖空間108の内部と外部にいる人々の間で音声による通信を行うため、1つ以上のスピーカ/マイクロホン190が含まれている。また、第1の実施形態に関して記載され、本実施形態でも存在する接触センサ36によって、はしご100と進入者が接触していることが検知された場合、バイブレータ(これも190)を用いて進入者に警告することができる。
【0045】
カメラ192:ビデオカメラ192によって、随行者やその他の人が進入者と視覚による通信を行い、彼らの安全、必要性、及び進捗を保証することができる。好適な実施形態では、ビデオカメラ192はIR(赤外線)周波数で記録を行うことができるので、夜間又は閉鎖空間108内の視界が例えば煙のために極めて悪い場合であっても、イベント及び人員を記録できる。この例では、LEDライト134のうち少なくともいくつかはIR周波数の光を発することができる。これらのカメラ192は、作業空間エリアの大部分を捉える広角カメラとすればよい。
【0046】
プラグレシーバ194:はしご100の上端の近くに搭載されたプラグレシーバ194は、はしご100に電力供給するため及びバッテリ146を充電するためのカスタム形状プラグにぴったり合うように設計されている。(また、所望の場合、はしごの下端の近くにもプラグレシーバ194を設けてもよい。)
【0047】
回路基板196:ガスケットカバー198を備えたカスタム回路基板196を用いて、以下を含む様々なコンポーネントと通信を行う。
様々なセンサ、トランスデューサ、LED、バッテリ充電、RFID、遠隔データ入力/出力デバイスに対する監視及び報告を制御及び管理するためのコンピュータ。
カメラ192からのビデオデータを処理し、空間108の外へ送信するためのビデオ入力/出力。
傾斜角αを測定するためのDC応答加速度計。この傾斜角αは、コンピュータにより用いられ、スピーカ、バイブレータ、及び/又はフラッシュ光によって、はしご100が適正な傾斜角でないことをユーザに警告する。
周囲照明及び最下段の横木の真下の位置の照明を与えるためのLEDライト。人がはしご100を登る前の足の場所、及び、はしごを降りる際に足が最初に床又は他の表面に接触する場所で、LEDは内側に向けられる。
はしご100と、ラップトップコンピュータ又は他の通信デバイスのような別のデバイスとの間の通信リンクを提供するための、ブルートゥース又は他の無線リンク。
【0048】
概要:
図27は、破線200で示された閉鎖空間内に配置されるコンポーネントを示し、また、随行者ボックスを含めて、破線202で示された閉鎖空間外に配置されるコンポーネントを示す概略図である。破線200、202内に配置されていないいくつかのコンポーネントを、閉鎖空間の内部又は外部のいずれかに配置してもよい。
【0049】
図13及び
図14で示したように、はしご100は大抵は閉鎖空間108内に配置される。
図16に関して説明したように、はしご上には、外部電力をはしご100に接続するためのコネクタ194がある。
図27は、はしご上のコネクタ194がキー溝204を備えた特別なコネクタであることを示し、これは、コネクタ194のキー溝204に接続する嵌合キー208を有するプラグ210に接続することによって電力を受信する。これにより、典型的に24VDC電力を用いてはしごに通電する。次いで、第1の実施形態に関して記載したはしごの内部のコード44が、LEDライト、バッテリ充電器、ガスモニタ、カメラ、傾斜計、回路基板、コンピュータ、ブルートゥースリンク、RFID、ロードセル、及びスピーカ等の付属品に電力供給する。これらの付属品は、内部でコード44に接続するか、又はコード44に接続されているはしごのコンセント176に差し込むことができる。プラグ210は、はしご100の配置に応じて、閉鎖空間108の内部又は外部に接続され得る。
【0050】
閉鎖空間外には、破線202で示されているように、100~240VAC電源216、安定化24VDCユニバーサル電源218、及び随行者ボックス220がある。随行者ボックス220は例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット、仮想タッチパッドデバイス、又は従来の制御パネルとして実施され得る。随行者ボックス220は、ブルートゥース通信用のアンテナ222を含み、遠隔有線通信用のケーブル又は他のコネクタ224を含み得る。これらのブルートゥース通信及び有線通信は、閉鎖空間内のはしご100と、又は閉鎖空間外のデバイスとの通信とすることができる。また、随行者ボックス220は、メニュースクリーンをスクロールすることなく必要な場合に押される緊急ボタンのような何らかのハードウェアを含むことが予想される。
【0051】
随行者ボックス:
図28は、以下を含む随行者ボックス220の一例を示す。
【0052】
進入者アラートボタン226:このボタンを押すと、例えば口頭指示のために進入者をマンウェイへ向かわせる目的で、進入者と通信する緊急の必要性があることを示す1又は複数の信号を進入者に提供する。
【0053】
直ちに退去ボタン228:このボタンを押すと、閉鎖空間内でアラームが発生する。例えば、はしご100上のLEDが赤色に点灯したり、スピーカ又はブザーが鳴ったり、「直ちに退去」というメッセージが再生されたりする。
【0054】
体調不良者ボタン230:このボタンを押すと、閉鎖空間内で体調不良者がいることを緊急対応要員に警告する。
【0055】
緊急拡声器ボタン232:このボタンを押すと拡声器234が鳴る。
【0056】
時刻クロック236:現地時刻を示す
【0057】
進入禁止ライト237:赤色光、直ちに退去
【0058】
許容有効残り時間クロック238:閉鎖進入許可が有効である残り時間を示すカウントダウンタイマを表示する。
【0059】
進入OKライト239:緑色の光は閉鎖空間の進入準備ができたことを示す
【0060】
随行者を示すカメラ240:このカメラは随行者に向けられ、随行者が存在することを確認するためビデオを他の位置に送信する。
【0061】
4ガスモニタのライト:
ハイレベルアラームライト242:赤色 直ちに退去を開始する
フローなしライト244:黄色 4ガスモニタエアポンプはフローを検出していない。ビープ音を活性化する
雰囲気ライトOK246:緑色
4ガスレベルモニタディスプレイ248:監視されている全てのガスの値を表示する
進入者数250:閉鎖空間内の合計人数を表示する
進入者データディスプレイ及びビデオモニタ252:進入者の名前を示し、各進入者の閉鎖空間内の滞在時間を示す。
注:このモニタは、はしご100上のカメラ192からのビデオ画像を示すビデオモニタに切り換えることができる。
【0062】
センサ警報ライトは以下を含む。
内部ノイズレベル254
内部ダストレベル256
内部応力レベル258
AC電源切断260
はしごライン電力供給262:緑色
はしご上バッテリ264:黄色
はしごバッテリ電力ロー266:赤色
【0063】
デジタル表示は以下を含む。
内部温度268
内部湿度270
内部熱応力272
外部温度274
外部湿度276
外部熱応力278
【0064】
他の外部接続は以下を含む。
プリンタへの接続280
マイクロホンへの接続282
ヘッドホンへの接続284
アンテナへの接続286
データケーブル用の接続288
24V DC入力用の接続290
【0065】
コントローラとの間で送信されるデータは全て、アンテナ286を介して随行者ボックス220に送信することができる。随行者ボックス220は送信器も含み、これによって随行者ボックス220は、はしごに取り付けられたコントローラにデータ又はコマンドを送信できる。例えば、直ちに退去ボタン228が押された場合、随行者ボックス220は信号を発生し、これがコントローラに送信されて、閉鎖空間内の人々に直ちに退去しなければならないことを知らせるはしごからの信号を発生する。
【0066】
図24から
図26は可動カーゴトレイ128を示す。これは、はしご100上の人を必要とすることなく積荷を持ち上げたり下ろしたりするため、はしご100上に取り付けることができる。トレイ128は、
図11で示されているような左側及び右側の直立部102、104の空洞120に沿って進む軸受126上に載っている。ここで図示されているように、トレイ128の各側に1対の上下軸受126があり、各直立部102、104にそれぞれ1対の上下軸受126が受容されている。
図25で最もよく見られるように、トレイ128は、中間引き締めねじ294を有する左側及び右側の棒292によって左側及び右側の軸受126に接続されている。中間引き締めねじ294は、はしご100の静止角α(
図10を参照のこと)に関係なくトレイ128が実質的に水平方向であることを保証するように調整できる。
【0067】
図26で示されているように、トレイ128は、空洞120の壁に対してトレイ128をロックして空洞120に沿って進むのを防止するよう設計されたカムロック296を含む。カムロック296は、
図11に示されているエリア内の壁298に対して押し付けられる。むろん、カムロック296の代わりに又はこれに加えて、他の制動/ロック機構を用いてもよい。また、トレイ128は、トレイ128を上げたり下げたりするため、トレイ128の上方の高い位置からトレイ128にロープ302又はポールを固定できるように、アンカーポイント300を含む。トレイ128は、トレイ128上の物品が落下するのを防止するため隆起側面304を有し得る。
【0068】
特許請求される本発明の範囲から逸脱することなく上述した実施形態を変更してもよいことは、当業者には明らかであろう。
【国際調査報告】