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特表2023-542773保護蓋、電池、電力消費装置及び保護蓋の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(54)【発明の名称】保護蓋、電池、電力消費装置及び保護蓋の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/588 20210101AFI20231004BHJP
   H01M 50/591 20210101ALI20231004BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20231004BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20231004BHJP
【FI】
H01M50/588 101
H01M50/591
H01M50/209
H01M50/296
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501780
(86)(22)【出願日】2021-08-27
(85)【翻訳文提出日】2023-01-12
(86)【国際出願番号】 CN2021115079
(87)【国際公開番号】W WO2023024088
(87)【国際公開日】2023-03-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】王洪奇
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼▲陽▼▲陽▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼博
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼建▲華▼
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA06
5H040AS07
5H040AS13
5H040AS14
5H040AS19
5H040AS26
5H040AT02
5H040AY03
5H040AY10
5H040CC01
5H040DD04
5H040NN01
5H043AA04
5H043BA01
5H043BA11
5H043CA04
5H043DA06
5H043GA23
5H043GA25
5H043HA03
5H043JA03
5H043JA29
5H043LA02
5H043LA23
(57)【要約】
本出願は、電池分野に関し、具体的には、保護蓋、電池、電力消費装置及び保護蓋の製造方法に関する。保護蓋は、電池のフレーム上に固定されるための第1の蓋であって、第1の蓋上に収容キャビティが設けられ、収容キャビティは、高圧引出部材を収容するためのものであり、収容キャビティは、開口を有し、開口は、高圧引出部材を露出させるためのものである第1の蓋と、第1の蓋上に回転可能に設置され、それぞれ第1の蓋に対して第1の回転方向と第2の回転方向へ回転する時、開口を開閉する第2の蓋と、第1の蓋と第2の蓋に接続され、第2の蓋が開かれ且つ第2の蓋を開く外力がなくなった後に、第2の蓋を第2の回転方向へ回転させる閉蓋機構とを含む。これに基づき、第2の蓋の閉め忘れによる安全リスクの発生を防止することができる。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護蓋(104)であって、
電池(10)のフレーム(102)上に固定されるための第1の蓋(1)であって、前記第1の蓋(1)上に収容キャビティ(14)が設けられ、前記収容キャビティ(14)は、高圧引出部材(105)を収容するためのものであり、前記収容キャビティ(14)は、開口(15)を有し、前記開口(15)は、前記高圧引出部材(105)を露出させるためのものである第1の蓋(1)と、
前記第1の蓋(1)上に回転可能に設置され、それぞれ前記第1の蓋(1)に対して第1の回転方向と第2の回転方向へ回転する時、前記開口(15)を開閉する第2の蓋(2)と、
前記第1の蓋(1)と前記第2の蓋(2)に接続され、前記第2の蓋(2)が開かれ且つ前記第2の蓋(2)を開く外力がなくなった後に、前記第2の蓋(2)を前記第2の回転方向へ回転させる閉蓋機構(3)とを含む、ことを特徴とする保護蓋(104)。
【請求項2】
前記閉蓋機構(3)は、弾性部材(3a)を含み、前記弾性部材(3a)は、前記第1の蓋(1)と前記第2の蓋(2)に接続され、且つ前記第2の蓋(2)を開く外力がなくなった後に、前記弾性部材(3a)の弾性回復力は、前記第2の蓋(2)を前記第2の回転方向へ回転するように駆動する、ことを特徴とする請求項1に記載の保護蓋(104)。
【請求項3】
前記弾性部材(3a)は、ばね(31)を含み、前記ばね(31)の第1の端(311)は、前記第1の蓋(1)に接続され、前記ばね(31)の第2の端(312)は、前記第2の蓋(2)に接続され、それによって前記第2の蓋(2)を開く外力がなくなった後に、前記第2の蓋(2)が前記ばね(31)の弾性回復力の駆動で前記第2の回転方向へ回転する、ことを特徴とする請求項2に記載の保護蓋(104)。
【請求項4】
前記ばね(31)の第1の端(311)は、前記第1の蓋(1)に係着され、及び/又は、前記ばね(31)の第2の端(312)は、前記第2の蓋(2)に係着される、ことを特徴とする請求項3に記載の保護蓋(104)。
【請求項5】
前記第1の蓋(1)上に第1のストッパーキャビティ(11b)が設けられ、前記ばね(31)は、前記第1のストッパーキャビティ(11b)に設置される、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の保護蓋(104)。
【請求項6】
前記第1の蓋(1)は、台座(11)と、第1のカバー(12)とを含み、前記台座(11)上に第1の溝(11g)が設けられ、前記第1のカバー(12)は、前記台座(11)に取り外し可能に接続され、前記第1の溝(11g)に被覆され、前記第1のストッパーキャビティ(11b)を形成する、ことを特徴とする請求項5に記載の保護蓋(104)。
【請求項7】
前記第1のカバー(12)は、前記台座(11)に係着される、ことを特徴とする請求項6に記載の保護蓋(104)。
【請求項8】
前記台座(11)上に溝(11e)が設けられ、前記第1のカバー(12)上に接続リブ(11f)が設けられ、前記接続リブ(11f)上に凸リブ(11h)が設けられ、前記接続リブ(11f)は、前記溝(11e)に係入され、前記凸リブ(11h)を介して前記溝(11e)と締まり嵌めされることで、前記接続リブ(11f)が前記溝(11e)から滑り出ることを防止する、ことを特徴とする請求項7に記載の保護蓋(104)。
【請求項9】
前記第2の蓋(2)は、回転軸(21)と、蓋体(22)とを含み、前記回転軸(21)は、前記第1の蓋(1)上に回転可能に設置され、前記蓋体(22)は、前記回転軸(21)に接続され、前記開口(15)を開閉し、前記ばね(31)の第2の端(312)は、前記回転軸(21)に接続される、ことを特徴とする請求項3~8のいずれか一項に記載の保護蓋(104)。
【請求項10】
前記弾性部材(3a)は、接続片(32)を含み、前記第2の蓋(2)は、前記接続片(32)を介して前記第1の蓋(1)に回転可能に接続され、それによって前記第2の蓋(2)を開く外力がなくなった後に、前記接続片(32)の弾性回復力が前記第2の蓋(2)を前記第2の回転方向へ回転するように駆動する、ことを特徴とする請求項2に記載の保護蓋(104)。
【請求項11】
前記接続片(32)は、
前記接続片(32)の厚さが0.7mm以下であることと、
前記接続片(32)の材料の引張強度が20~50MPaであることと、
前記接続片(32)の材料の破断伸び率が15%以下であることと、
前記接続片(32)の材料の曲げ強度が30~80MPaであることと、
前記接続片(32)の材料のシャルピーノッチ衝撃強度が35KJ/m以下であることと、
前記接続片(32)の幅が3mm以上であることと、のうちの少なくとも一つを満たす、ことを特徴とする請求項10に記載の保護蓋(104)。
【請求項12】
前記接続片(32)は、ナイロン材料で作製される、ことを特徴とする請求項10に記載の保護蓋(104)。
【請求項13】
前記接続片(32)は、PA6材料で作製される、ことを特徴とする請求項11に記載の保護蓋(104)。
【請求項14】
前記閉蓋機構(3)は、少なくとも二つの前記接続片(32)を含み、前記少なくとも二つの接続片(32)は、前記第2の蓋(2)の回転軸線の延在方向に沿って間隔をあけて配置される、ことを特徴とする請求項10~13のいずれか一項に記載の保護蓋(104)。
【請求項15】
前記保護蓋(104)は、減速部材(4)を含み、前記減速部材(4)は、前記第1の蓋(1)と前記第2の蓋(2)に接続され、前記閉蓋機構(3)が前記第2の蓋(2)を前記第2の回転方向へ回転させる時、前記第2の蓋(2)に対して前記第1の回転方向に向かう作用力を印加することで、前記第2の蓋(2)の閉め速度を遅くする、ことを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の保護蓋(104)。
【請求項16】
前記減速部材(4)は、前記第1の蓋(1)に係着され、及び/又は、前記減速部材(4)は、前記第2の蓋(2)に係着される、ことを特徴とする請求項15に記載の保護蓋(104)。
【請求項17】
前記減速部材(4)と前記閉蓋機構(3)のばね(31)とは、前記第2の蓋(2)の対向する両側に配置される、ことを特徴とする請求項15又は16に記載の保護蓋(104)。
【請求項18】
前記第1の蓋(1)上に第2のストッパーキャビティ(11c)が設けられ、前記減速部材(4)は、前記第2のストッパーキャビティ(11c)に設置される、ことを特徴とする請求項15~17のいずれか一項に記載の保護蓋(104)。
【請求項19】
前記第1の蓋(1)は、台座(11)と、第2のカバー(13)とを含み、前記台座(11)上に第2の溝(11k)が設けられ、前記第2のカバー(13)は、前記台座(11)に取り外し可能に接続され、前記第2の溝(11k)に被覆され、前記第2のストッパーキャビティ(11c)を形成する、ことを特徴とする請求項18に記載の保護蓋(104)。
【請求項20】
前記減速部材(4)は、ダンパ(41)を含む、ことを特徴とする請求項15~19のいずれか一項に記載の保護蓋(104)。
【請求項21】
前記第2の蓋(2)の自由端と前記第1の蓋(1)は、係合構造(6)又は磁気吸引構造(7)によって接続される、ことを特徴とする請求項1~20のいずれか一項に記載の保護蓋(104)。
【請求項22】
前記第1の蓋(1)は、ストッパー部(16)を有し、前記ストッパー部(16)は、前記第2の蓋(2)と接触することで、前記第2の蓋(2)の最大開き角度を制限する、ことを特徴とする請求項1~21のいずれか一項に記載の保護蓋(104)。
【請求項23】
前記ストッパー部(16)は、前記第2の蓋(2)の最大開き角度を180°以上に制限する、ことを特徴とする請求項22に記載の保護蓋(104)。
【請求項24】
前記第2の蓋(2)上にグリップ部(5)が設けられる、ことを特徴とする請求項1~23のいずれか一項に記載の保護蓋(104)。
【請求項25】
電池(10)であって、電池セル(101)と、フレーム(102)と、高圧引出部材(105)とを含み、前記電池セル(101)は、前記フレーム(102)に設置され、前記高圧引出部材(105)は、前記フレーム(102)上に設置され、前記電池セル(101)に電気的に接続され、前記電池(10)は、請求項1~24のいずれか一項に記載の保護蓋(104)をさらに含む、ことを特徴とする電池(10)。
【請求項26】
前記電池(10)は、外筐(107)を含み、前記外筐(107)は、筐体蓋(108)を含み、前記フレーム(102)は、前記外筐(107)内に設置され、前記筐体蓋(108)の内壁に回避溝(109)が設けられ、前記回避溝(109)は、前記第2の蓋(2)を回避することで、前記第2の蓋(2)が回転中に前記筐体蓋(108)と干渉することを防止する、ことを特徴とする請求項25に記載の電池(10)。
【請求項27】
請求項25又は26に記載の電池(10)を含み、前記電池(10)は、電気エネルギーを提供するためのである、ことを特徴とする電力消費装置(100)。
【請求項28】
請求項1~24のいずれか一項に記載の保護蓋(104)の製造方法であって、
第1の蓋(1)を提供することであって、前記第1の蓋(1)は、電池(10)のフレーム(102)上に固定されるためのものであり、前記第1の蓋(1)上に収容キャビティ(14)が設けられ、前記収容キャビティ(14)は、高圧引出部材(105)を収容するためのものであり、前記収容キャビティ(14)は、開口(15)を有し、前記開口(15)は、前記高圧引出部材(105)を露出させるためのものであることと、
第2の蓋(2)を提供することであって、前記第2の蓋(2)は、前記第1の蓋(1)上に回転可能に設置され、それぞれ前記第1の蓋(1)に対して第1の回転方向と第2の回転方向へ回転する時、前記開口(15)を開閉することと、
閉蓋機構(3)を提供することであって、前記閉蓋機構(3)は、前記第1の蓋(1)と前記第2の蓋(2)に接続され、前記第2の蓋(2)が開かれ且つ前記第2の蓋(2)を開く外力がなくなった後に、前記第2の蓋(2)を前記第2の回転方向へ回転させることとを含む、ことを特徴とする保護蓋(104)の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池分野に関し、具体的には、保護蓋、電池、電力消費装置及び保護蓋の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネと排出削減は、自動車産業の持続可能な発展のカギである。このような場合、電動車両は、その省エネと環境保護の優位性のため、自動車産業の持続可能な発展の重要な構成部分となっている。電動車両にとって、電池技術は、その開発に関わる重要な要素である。
【0003】
電池技術の発展において、電池の性能の向上に加えて、安全性の問題も無視できない問題となっている。電池の安全性の問題は、電池の化学系に起因する熱暴走の点に関係するだけでなく、電池の高圧電気の関連する点にも関係する。
【発明の概要】
【0004】
上記問題に鑑みて、本出願は、電池の安全性を向上させるための保護蓋、電池、電力消費装置及び保護蓋の製造方法を提供する。
【0005】
上記目的を達成するために、本出願による保護蓋は、
電池のフレーム上に固定されるための第1の蓋であって、第1の蓋上に収容キャビティが設けられ、収容キャビティは、高圧引出部材を収容するためのものであり、収容キャビティは、開口を有し、開口は、高圧引出部材を露出させるためのものである第1の蓋と、
第1の蓋上に回転可能に設置され、それぞれ第1の蓋に対して第1の回転方向と第2の回転方向へ回転する時、開口を開閉する第2の蓋と、
第1の蓋と第2の蓋に接続され、第2の蓋が開かれ且つ第2の蓋を開く外力がなくなった後に、第2の蓋を第2の回転方向へ回転させる閉蓋機構とを含む。
【0006】
上記設置によれば、第2の蓋は、閉蓋機構の作用で閉め位置へ自動的に回転することもでき、このように、第2の蓋の閉め忘れのリスクを低減させることができ、第2の蓋の閉め忘れによる安全問題を防止することによって、使用の安全性の向上に有利である。
【0007】
いくつかの実施例では、閉蓋機構は、弾性部材を含み、弾性部材は、第1の蓋と第2の蓋に接続され、且つ第2の蓋を開く外力がなくなった後に、弾性部材の弾性回復力は、第2の蓋を第2の回転方向へ回転するように駆動する。
【0008】
設置された弾性部材は、第2の蓋を自動的に跳ね返るように駆動し、作業者が第2の蓋を閉め忘れることによる安全リスクの発生を防止することができる。
【0009】
いくつかの実施例では、弾性部材は、ばねを含み、ばねの第1の端は、第1の蓋に接続され、ばねの第2の端は、第2の蓋に接続され、それによって第2の蓋を開く外力がなくなった後に、第2の蓋がばねの弾性回復力の駆動で第2の回転方向へ回転する。
【0010】
ばねを設置することで、簡単な構造に基づき、完全に自動化する閉蓋過程、及び閉蓋完了後の閉め状態の自動維持を実現することができ、これは、使用の安全性をさらに向上させることに有利である。
【0011】
いくつかの実施例では、ばねの第1の端は、第1の蓋に係着され、及び/又は、ばねの第2の端は、第2の蓋に係着される。係着方式を用いることで、構造が簡単であり、組み立てが便利である。
【0012】
いくつかの実施例では、第1の蓋上に第1のストッパーキャビティが設けられ、ばねは、第1のストッパーキャビティに設置される。第1のストッパーキャビティがばねに対して一定のストッパーの役割を果たすことができるため、第1の蓋上でのばねの設置の信頼性を向上させることができ、これは、ばねが自動跳ね返り機能を十分かつ確実に実現することに有利である。
【0013】
いくつかの実施例では、第1の蓋は、台座と、第1のカバーとを含み、台座上に第1の溝が設けられ、第1のカバーは、台座に取り外し可能に接続され、第1の溝に被覆され、第1のストッパーキャビティを形成する。第1のストッパーキャビティは、台座と第1のカバーを係合することで形成され、ばねに対して効果的なストッパーを行うことができる。そして、第1のカバーは、台座に取り外し可能に接続され、ばねなどの、第1のストッパーキャビティ内に位置する部材に対する着脱を容易にする。
【0014】
いくつかの実施例では、第1のカバーは、台座に係着される。係着方式を用いることで、構造が簡単であり、組み立てが便利である。
【0015】
いくつかの実施例では、台座上に溝が設けられ、第1のカバー上に接続リブが設けられ、接続リブ上に凸リブが設けられ、接続リブは、溝に係入され、凸リブを介して溝と締まり嵌めされることで、接続リブが溝から滑り出ることを防止する。このように、第1のカバーと台座との接続が確実であり、外れにくく、第1のカバーが台座上に堅固に取り付けられることを実現することに有利であり、第1のカバーがばねなどに対して確実なストッパーを行うことを容易にする。
【0016】
いくつかの実施例では、第2の蓋は、回転軸と、蓋体とを含み、回転軸は、第1の蓋上に回転可能に設置され、蓋体は、回転軸に接続され、開口を開閉し、ばねの第2の端は、回転軸に接続される。これに基づき、ばねの第2の端が第2の蓋とともに回転することを容易にし、自動跳ね返り機能を順調に実現する。
【0017】
いくつかの実施例では、弾性部材は、接続片を含み、第2の蓋は、接続片を介して第1の蓋に回転可能に接続され、それによって第2の蓋を開く外力がなくなった後に、接続片の弾性回復力が第2の蓋を第2の回転方向へ回転するように駆動する。このように、接続片は、薄肉ヒンジ構造を構成し、それは、第1の蓋と第2の蓋の回転可能な接続を実現するために用いられるだけでなく、第2の蓋の自動跳ね返りを駆動するためにも用いられ、作業者が第2の蓋を閉め忘れて誤接触による感電のリスクを引き起こすことを回避する。
【0018】
いくつかの実施例では、接続片は、
接続片の厚さが0.7mm以下であることと、
接続片の材料の引張強度が20~50MPaであることと、
接続片の材料の破断伸び率が15%以下であることと、
接続片の材料の曲げ強度が30~80MPaであることと、
接続片の材料のシャルピーノッチ衝撃強度が35KJ/m以下であることと、
接続片の幅が3mm以上であることと、のうちの少なくとも一つを満たす。
【0019】
上記条件の少なくとも一つを満たす接続片は、良好な靱性を有し、良好な回復可能な変形を発生することができ、第2の蓋の自動跳ね返りを確実に駆動することに有利であり、且つ硬さが適切で、折り曲げやすく、脆くなりにくく、複数回の繰り返し開閉を実現することに有利である。
【0020】
いくつかの実施例では、接続片は、ナイロン材料で作製される。これによって、性能が良好である接続片を得て、自動跳ね返り機能を順調に実現することができる。
【0021】
いくつかの実施例では、接続片は、PA6材料で作製される。これによって、性能に優れている接続片を得て、自動跳ね返り機能を順調に実現することができる。
【0022】
いくつかの実施例では、閉蓋機構は、少なくとも二つの接続片を含み、少なくとも二つの接続片は、第2の蓋の回転軸線の延在方向に沿って間隔をあけて配置される。
【0023】
いくつかの実施例では、保護蓋は、減速部材を含み、減速部材は、第1の蓋と第2の蓋に接続され、閉蓋機構が第2の蓋を第2の回転方向へ回転させる時、第2の蓋に対して第1の回転方向に向かう作用力を印加することで、第2の蓋の閉め速度を遅くする。このように、高圧引出部材の着脱に十分な時間を取ることができる。
【0024】
いくつかの実施例では、減速部材は、第1の蓋に係着され、及び/又は、減速部材は、第2の蓋に係着される。係着方式を用いることで、構造が簡単であり、組み立てが便利である。
【0025】
いくつかの実施例では、減速部材と閉蓋機構のばねとは、第2の蓋の対向する両側に配置される。このように、減速部材とばねが、第2の蓋が回転する時、第2の蓋に対して方向が逆である回転作用力に印加することをより容易にし、且つレイアウトがより合理的で、全体的構造がより簡単かつコンパクトになる。
【0026】
いくつかの実施例では、第1の蓋上に第2のストッパーキャビティが設けられ、減速部材は、第2のストッパーキャビティに設置される。第2のストッパーキャビティが減速部材に対して一定のストッパーの役割を果たすことができるため、第1の蓋上での減速部材の設置の信頼性を向上させることができる。
【0027】
いくつかの実施例では、第1の蓋は、台座と、第2のカバーとを含み、台座上に第2の溝が設けられ、第2のカバーは、台座に取り外し可能に接続され、第2の溝に被覆され、第2のストッパーキャビティを形成する。この設置方式において、第2のストッパーキャビティは、台座と第2のカバーを係合することで形成され、減速部材に対して効果的なストッパーを行うことができる。そして、第2のカバーは、台座に取り外し可能に接続され、減速部材などの、第2のストッパーキャビティ内に位置する部材に対する着脱を容易にする。
【0028】
いくつかの実施例では、減速部材は、ダンパを含む。このように、第2の蓋の自動閉め速度を確実に遅くすることができる。
【0029】
いくつかの実施例では、第2の蓋の自由端と第1の蓋は、係合構造又は磁気吸引構造によって接続される。このように、第2の蓋の自由端と第1の蓋との接続がより堅固であり、第2の蓋が閉蓋機構の作用で閉め位置に戻った後、第2の蓋は、閉め位置により安定して維持し、高圧引出部材を十分に遮蔽し、感電のリスクを効果的に低下させることができる。
【0030】
いくつかの実施例では、第1の蓋は、ストッパー部を有し、ストッパー部は、第2の蓋と接触することで、第2の蓋の最大開き角度を制限する。これに基づき、ストッパー部の位置及び/又は構造を調整することで、第2の蓋の最大開き角度を調整することが容易である。
【0031】
いくつかの実施例では、ストッパー部は、第2の蓋の最大開き角度を180°以上に制限する。このように、高圧引出部材を十分に露出させ、作業者に対してより広い操作空間を提供し、作業者による操作を容易にすることができ、これは、作業者の着脱メンテナンス効率の向上に有利である。
【0032】
いくつかの実施例では、第2の蓋上にグリップ部が設けられ、作業者による第2の蓋の回転を容易にする。
【0033】
本出願は、また、電池をさらに提供し、該電池は、電池セルと、フレームと、高圧引出部材とを含み、電池セルは、フレームに設置され、高圧引出部材は、フレーム上に設置され、電池セルに電気的に接続され、そして、この電池は、本出願の実施例の保護蓋をさらに含む。保護蓋が自動的に閉じることができるため、電池の安全性能がより良好である。
【0034】
いくつかの実施例では、電池は、外筐を含み、外筐は、筐体蓋を含み、フレームは、外筐内に設置され、筐体蓋の内壁に回避溝が設けられ、回避溝は、第2の蓋を回避することで、第2の蓋が回転中に筐体蓋と干渉することを防止する。このように、第2の蓋のより順調な開閉の実現に有利である。
【0035】
本出願は、また、電力消費装置をさらに提供し、該電力消費装置は、本出願の実施例の電池を含み、電池は、電気エネルギーを提供するためのものである。保護蓋が自動的に閉じることができるため、電力消費装置の安全性能がより良好である。
【0036】
本出願は、また、各実施例の保護蓋の製造方法をさらに提供し、該方法は、
第1の蓋を提供することであって、第1の蓋は、電池のフレーム上に固定されるためのものであり、第1の蓋上に収容キャビティが設けられ、収容キャビティは、高圧引出部材を収容するためのものであり、収容キャビティは、開口を有し、開口は、高圧引出部材を露出させるためのものであることと、
第2の蓋の提供することであって、第2の蓋は、第1の蓋上に回転可能に設置され、それぞれ第1の蓋に対して第1の回転方向と第2の回転方向へ回転する時、開口を開閉することと、
閉蓋機構を提供することであって、閉蓋機構は、第1の蓋と第2の蓋に接続され、第2の蓋が開かれ且つ第2の蓋を開く外力がなくなった後に、第2の蓋を第2の回転方向へ回転させることとを含む。
【0037】
前記方法によって製造された保護蓋は、自動閉め機能を有し、電池と電力消費装置の安全性能を向上させることができる。
【0038】
上記の説明は、本出願の技術案の概要に過ぎず、本出願の技術的手段をより明確に理解し、明細書の内容に基づいて実施できるようにし、本出願の上記及び他の目的、特徴及び利点をより明らかで理解しやすいようにするために、以下、本出願の具体的な実施形態を挙げる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
以下の好ましい実施形態の詳細な記述を読むことによって、当業者にとって、様々な他の利点及び有益点が明らかになる。図面は、好ましい実施形態を示すためにのみ用いられ、本出願を制限するものとはみなされない。そして、図面全体において、同じ部品は、同じ図面記号で表されている。図面において、
図1】本出願の実施例における電力消費装置の構造概略図である。
図2】本出願の第1の実施例における電池の部分的構造概略図である。
図3】本出願の第1の実施例における外筐を省略した電池の斜視構造概略図である。
図4】本出願の第1の実施例における電池セルの斜視構造概略図である。
図5図3のIの局所拡大模式図である。
図6】本出願の第1の実施例における閉め状態にある保護蓋のベース上での取り付け概略図である。
図7】本出願の第1の実施例における開き状態にある保護蓋のベース上での取り付け概略図である。
図8図7の分解概略図である。
図9】本出願の第1の実施例における保護蓋が閉め状態にある時の斜視概略図である。
図10】本出願の第1の実施例における保護蓋が開き状態にある時の斜視概略図である。
図11】本出願の第1の実施例における閉め状態にある保護蓋の第1のカバーと第2のカバーを省略した時の斜視概略図である。
図12】本出願の第1の実施例における第1のカバーと第2のカバーを省略した保護蓋が最大角度に開かれる時の斜視概略図である。
図13図12のIIの局所拡大概略図である。
図14】本出願の第1の実施例におけるばねとダンパのベース上での取り付け概略図である。
図15】本出願の第1の実施例におけるばねとダンパと、第1のカバー、第2のカバー及び第2の蓋との組み合わせ構造概略図である。
図16】本出願の第1の実施例における第1の蓋の第1の斜視概略図である。
図17】本出願の第1の実施例における第1の蓋の第2の斜視概略図である。
図18】本出願の第1の実施例における台座の第1の斜視概略図である。
図19】本出願の第1の実施例における台座の第2の斜視概略図である。
図20】本出願の第1の実施例における第1のカバーの斜視概略図である。
図21】本出願の第1の実施例における第2のカバーの斜視概略図である。
図22図21のIIIの局所拡大概略図である。
図23】本出願の第1の実施例における第2のカバーの側面図である。
図24図23のIVの局所拡大概略図である。
図25】本出願の第1の実施例における第2の蓋の斜視概略図である。
図26】本出願の第1の実施例におけるばねの斜視概略図である。
図27】本出願の第1の実施例におけるダンパの斜視概略図である。
図28】本出願の第2の実施例における電池の局所構造概略図である。
図29】本出願の第2の実施例における開き状態にある保護蓋のベース上での取り付け概略図である。
図30】本出願の第2の実施例における保護蓋が閉め状態にある時の斜視概略図である。
図31】本出願の第3の実施例における保護蓋が閉め状態にある時の斜視概略図である。
図32】本出願の第4の実施例における保護蓋が閉め状態にある時の斜視概略図である。
図33】本出願の第5の実施例における保護蓋が閉め状態にある時の斜視概略図である。
図34】本出願の第5の実施例における第1の蓋上での第1の磁気吸引部材の取り付け概略図である。
図35】本出願の第5の実施例における第1の磁気吸引部材の斜視概略図である。
図36】本出願の第5の実施例における第2の磁気吸引部材の第2の蓋上での取り付け概略図である。
図37】本出願の実施例における保護蓋の製造方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を結び付けながら本出願の技術案の実施例を詳しく説明する。以下の実施例は、本出願の技術案をより明確に説明するためのものであり、例示に過ぎず、これによって本出願の保護範囲が制限されるものではない。
【0041】
特に定義がない限り、本文に使用されるすべての技術と科学用語は、当業者に一般的に理解される意味と同じである。本明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明するためにのみ用いられ、本出願を制限することを意図するものではない。本出願の明細書と請求の範囲及び上記の図面の説明における用語である「含む」、「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。
【0042】
本出願の実施例の説明では、用語「第1」、「第2」などは、異なる対象を区別する目的だけに用いられ、相対的な重要性を明示又は示唆する、又は指示された技術的特徴の数、特定の順序又は主副関係を暗黙的に示すと理解されない。本出願の実施例の説明では、特に具体的な限定が明確化されない限り、「複数」は2つ以上を意味する。
【0043】
本文において「実施例」と言及する場合、実施例と合わせて説明された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書における各箇所に記載されたこの語句は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本明細書に記載の実施例が他の実施例と組み合わせ得ることを明示的及び暗黙的に理解することができる。
【0044】
本出願の実施例の説明において、用語「及び/又は」は、関連対象の関連関係を説明するものに過ぎず、三つの関係が存在し得ることを表し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの三つのケースを表してもよい。また、本文における「/」といる文字は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0045】
本出願の実施例の説明において、「複数」という用語は、2つ以上(2つを含む)を指し、同様に、「複数のグループ」は、2つ以上のグループ(2つのグループを含む)を指し、「複数の片」は、2つ以上の片(2つの片を含む)を指す。
【0046】
本出願の実施例の説明において、技術用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語によって示された方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本出願の実施例の説明の便宜又は説明の簡略化を図るためのものであり、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造及び操作される必要があることを指示又は暗示するものではなく、本出願の実施例を限定するものと理解されるべきでない。
【0047】
本出願の実施例の説明において、特に明確に規定、限定されていない限り、技術用語「装着」、「繋がる」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続されていてもよいし、取り外し可能に接続されていてもよいし、又は一体化されてもよいし、機械的接続であってもよいし、電気的接続であっもよいし、直接的に接続されていてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されていてもよいし、両素子の内部の連通又は両素子の相互作用関係であってもよい。当業者は、具体的な状況に応じて、上記用語の本出願の実施例における具体的な意味を理解することができる。
【0048】
現在では、動力電池の応用は益々拡大している。動力電池は、水力、火力、風力、太陽光発電所などのエネルギー蓄積電源システムのみならず、電動自転車、電動バイク、電気自動車などの電動交通機関、軍事用機器、航空・宇宙飛行などの複数の分野で広く応用されている。動力電池の応用分野の拡大に伴い、その性能に対する要求も絶えず高まっている。
【0049】
ここで、安全性は、電池の重要な性能指標である。電池の使用中及び日常のメンテナンス中に、漏電又は不意の感電などの安全事故の発生を防止する必要がある。
【0050】
電池において、電池セルは、フレーム内に設けられ、フレーム上に高圧引出部材が設けられ、高圧引出部材は、電池セルに電気的に接続され、電圧出力を実現する。電池の安全性を向上させる手段の一つとして、電池は、一般的には保護蓋を含み、保護蓋は、電池の高圧引出部材の外部に被覆され、高圧引出部材を遮蔽して保護し、高圧引出部材の露出による感電の問題を防止する。高圧引出部材は、電気エネルギーの引出しを実現するためのものであり、電圧が高く、人の手が高電圧引出部材に直接的に触れると、感電により人体が怪我をする事故が発生するおそれがある。
【0051】
保護蓋の一つの構造形式として、保護蓋は、第1の蓋と、第2の蓋とを含み、第2の蓋は、第1の蓋に回転可能に接続され、保護蓋の開閉を実現し、さらに、高圧引出部材を露出させるか又は遮蔽する。一般的な状態では、保護蓋は、閉め状態にあり、高圧引出部材を遮蔽し、誤接触による感電を防止する。高圧引出部材に対して着脱を行う必要がある時、第2の蓋を回転させ、保護蓋を開かせ、高圧引出部材を露出させ、高圧引出部材の着脱を容易にする。
【0052】
上記保護蓋を設置することで、電池の安全性をある程度向上させることができるが、実践によれば、作業者は、高圧引出部材の脱着を完了した後に第2の蓋を回転させて閉めることを忘れる可能性があり、これにより、保護蓋の保護作用が失われ、高圧引出部材が広い面積で露出し、誤接触による感電のリスクが依然として存在することを発見した。
【0053】
上記発見によれば、電池の安全性をさらに向上させるために、本出願は、保護蓋、電池、電力消費装置及び保護蓋の製造方法を提供し、保護蓋の構造を改良することで、保護蓋を開く外力が取り消された後に、保護蓋が自動的に閉しることができ、保護蓋の閉め忘れのリスクを低減させ、保護蓋の閉め忘れによる安全事故の発生を回避する。
【0054】
図1~37は、本出願のいくつかの実施例における電力消費装置、電池及び保護蓋の構造及び保護蓋の製造方法の過程を示す。
【0055】
記述を容易にするために、まず、図3における座標系を利用して各方向を定義する。ここで、Z軸は、電池の高さ方向を表し、第1の方向Zとも呼ばれる。X軸は、Z軸に垂直であり、電池の長手方向を表し、第2の方向Xとも呼ばれる。Y軸はX軸とZ軸にいずれも垂直であり、電池の幅方向を表し、第3の方向Yとも呼ばれる。このように、第1の方向Z、第2の方向X及び第3の方向Yは、互いに垂直である。このような方位の定義によれば、第1の方向Zに対応する方向を上下方向とし、「上」、「下」、「頂」及び「底」などで示される方位又は位置関係の記述を定義し、ここで、ベースに対する保護蓋の方位を上とし、保護蓋に対するベースの方位を下とする。
【0056】
以下、図1~37を結び付けて本出願を説明する。
【0057】
図1は、本出願の電力消費装置の構造を例示的に示す。図1を参照すると、電力消費装置100は、電池10を電源として使用する装置であり、それは、電池10を含み、電池10は、電気エネルギーを提供するためのものである。
【0058】
ここで、電力消費装置100は、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、電動玩具、電動工具、バッテリ車、電気自動車、汽船、宇宙航空機などの様々な電力消費機器であってもよい。ここで、電動玩具は、固定型又は移動型電動玩具、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電気汽船玩具及び電気飛行機玩具などを含んでもよい。宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船などを含んでもよい。
【0059】
電力消費装置100は、動力源を含み、動力源は、電池10を含み、電池10は、電力消費装置100に駆動力を提供する。いくつかの実施例では、電力消費装置100の駆動力は全て電気エネルギーであり、この時、動力源は、電池10のみを含む。別のいくつかの実施例では、電力消費装置100の駆動力は電気エネルギーと他のエネルギー(例えば、機械的エネルギー)を含み、この時、動力源は、電池10とエンジンなどの他の機器を含む。
【0060】
電力消費装置100が車両200である場合を例とする。図1を参照すると、いくつかの実施例では、電力消費装置100は、純電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車などの新エネルギー車であり、それは、電池10、コントローラ201及びモータ203などの動力機器202を含み、電池10は、コントローラ201を介してモータ203などの動力機器202に電気的に接続され、それによって電池10がコントローラ201による制御で、モータ203などの動力機器202に給電することができる。
【0061】
これから分かるように、電池10は、電力消費装置100の重要な構成部分である。
【0062】
図2~8は、本出願の電池10の構造を例示的に示す。
【0063】
図2~8を参照すると、電池10は、フレーム102と、電池セル101と、高圧引出部材105と、保護蓋104とを含む。
【0064】
フレーム102は、電池セル101を保管し、高圧引出部材105と保護蓋104などの電池10の他の部材に対して取り付け基礎を提供するためのものである。図3を参照すると、いくつかの実施例では、フレーム102は、二つのエンドキャップ10aと、二つの端板10cと、二つの側板10bとを含む。二つのエンドキャップ10aは、第1の方向Zに沿って対向して配置される。二つの端板10cは、第2の方向Xに沿って対向して配置され、二つのエンドキャップ10aに接続される。二つの側板10bは、第3の方向Yに沿って対向して配置され、二つのエンドキャップ10aと二つの端板10cにいずれも接続される。このように、二つのエンドキャップ10a、二つの端板10c及び二つの側板10bが、内部に収容空間を有するフレーム102を共同で囲んで形成することで、電池セル101を保管し、高圧引出部材105と保護蓋104などの電池10の他の部材の取り付けを容易にする。
【0065】
電池セル101は、電気エネルギーを提供するための最小電池ユニットであり、フレーム102に設置され、電池10のコア構成部分に属する。図4は、電池セル101の構造を例示的に示す。図4において、電池セル101は、立方体形状を呈する二次電池であるが、変形例として、電池セル101は、円柱体又は扁平体等の他の形状を呈する二次電池であってもよく、又は、電池セル101は一次電池であってもよい。
【0066】
図示されていないが、理解すべきこととして、フレーム102における電池セル101の設置方式は多様であってもよい。いくつかの実施例では、フレーム102に複数の電池セル101が設けられる。これらの電池セル101は、フレーム102に並列に配置され、直列接続、並列接続又は直並列接続の方式で電気的に接続されることで、大きい容量又はパワーを実現する。
【0067】
高圧引出部材105は、フレーム102上に設置され、電池セル101に電気的に接続され、フレーム102内の電池セル101の電気エネルギー出力を実現するためのものである。フレーム102における電池セル101は、高圧引出部材105によって電気エネルギー出力を実現する。図3図5を参照すると、いくつかの実施例では、高圧引出部材105は、フレーム102の端板10c上に設置される。具体的には、図5に示すように、いくつかの実施例では、端板10c上にベース103が設けられ、高圧引出部材105がベース103に接続されることによって、高圧引出部材105の端板10c上での取り付けを実現する。より具体的には、いくつかの実施例では、高圧引出部材105は、締め具106(例えば、ボルト)を介してベース103に接続される。
【0068】
保護蓋104は、高圧引出部材105の外部に被覆されることで、高圧引出部材105を遮蔽して保護し、人の手が誤って高圧引出部材105に触れて不意の感電事故を起こすことを防止する。図5を参照すると、いくつかの実施例では、保護蓋104は、ベース103上に設置される。図6~8は、保護蓋104のベース103上での取り付け概略図を例示的に示す。図6~8に示すように、いくつかの実施例では、保護蓋104は、接続軸117を介してベース103に回転可能に接続され、この時、保護蓋104は、ベース103上に取り外し可能に接続され、保護蓋104の着脱を容易にする。無論、保護蓋104のベース103上での取り外し可能な接続を実現するために、保護蓋104とベース103との間に他の接続方式、例えば、係合による嵌め合い、孔ピンによる嵌め合い、及び係合による嵌め合いと回転軸による嵌め合い及び孔ピンによる嵌め合いとの組み合わせ嵌め合いを採用してもよい。
【0069】
記述を容易にするために、フレーム102、フレーム102の内部に位置する電池セル101、及びフレーム102上に位置するベース103、高圧引出部材105と保護蓋104などの部材を単体アセンブリと総称する。
【0070】
また、図2に戻って、いくつかの実施例では、電池10は、単体アセンブリを含むだけでなく、外筐107をさらに含む。外筐107は、一般的には、筐体(図示されていない)と筐体蓋108を含み、筐体蓋108は、筐体の端部開口に被せられることで、単体アセンブリを収容するための封止空間を形成する。単体アセンブリは、外筐107内に設置される。いくつかの実施例では、外筐107内に少なくとも二つの単体アセンブリが設けられ、異なる単体アセンブリの間は、高圧引出部材105と接続バスバー部材(図示されていない)によって電気的な接続を実現し、具体的には、一つの単体アセンブリの高圧引出部材105は、接続バスバー部材を介して別の単体アセンブリの高圧引出部材105に電気的に接続され、このように、外筐107内の異なる単体アセンブリの間の電気的な接続を実現し、電気エネルギーを引き出すことを容易にする。ここで、例として、高圧引出部材105と接続バスバー部材は、締め具106によって接続され、締め具106は、一方では、高圧引出部材105、接続バスバー部材及びベース103を締め付け、他方では、高圧引出件105と接続バスバー部材との電気的な接続を実現する。
【0071】
以下、保護蓋104の構造を説明する。
【0072】
図9~36は、本出願の保護蓋104の構造を例示的に示す。
【0073】
図9~36を参照すると、本出願の実施例では、保護蓋104は、第1の蓋1と、第2の蓋2と、閉蓋機構3とを含む。第1の蓋1は、電池10のフレーム102上に固定されるためのものである。第1の蓋1上に収容キャビティ14が設けられ、収容キャビティ14は、高圧引出部材105を収容するためのものである。収容キャビティ14は、開口15を有し、開口15は、高圧引出部材105を露出させるためのものである。第2の蓋2は、第1の蓋1上に回転可能に設置され、それぞれ第1の蓋1に対して第1の回転方向と第2の回転方向へ回転する時、開口15を開閉する。閉蓋機構3は、第1の蓋1と第2の蓋2に接続され、第2の蓋2が開かれ且つ第2の蓋2を開く外力がなくなった後に、第2の蓋2を第2の回転方向へ回転させる。
【0074】
第1の回転方向は、第2の蓋2の開き方向であり、第2の蓋2が第1の回転方向へ回転する時、開口15を次第に開き、高圧引出部材105を露出させ、高圧引出部材105の着脱を容易にする。図9において、第1の回転方向は、具体的には、反時計回り方向である。第2の回転方向は、第2の蓋2の閉め方向であり、第2の蓋2が第2の回転方向へ回転する時、開口15を次第に閉め、高圧引出部材105を遮蔽し、誤って高圧引出部材105に触れて感電事故を引き起こすリスクを低減させる。図9において、第2の回転方向は、具体的には、時計回り方向である。
【0075】
上記設置によれば、保護蓋104は、自動閉蓋機能を有する。第2の蓋2を開く外力が取り消された後、第2の蓋2は、閉蓋機構3の作用で、開口15を閉める第2の回転方向へ自動的に回転することができ、それによって作業者が第2の蓋2を開いて高圧引出部材105の着脱を完了した後に、第2の蓋2を閉め位置まで再回転させることを忘れる場合にも、第2の蓋2は、閉蓋機構3の作用で閉め位置へ自動的に回転することができる。このように、第2の蓋2の閉め忘れのリスクを低減させることができ、第2の蓋2の閉め忘れによる安全問題を防止することによって、使用の安全性の向上に有利である。
【0076】
閉蓋機構3の例として、図11図29を参照し、閉蓋機構3は、弾性部材3aを含み、弾性部材3aは、第1の蓋1と第2の蓋2に接続され、且つ第2の蓋2を開く外力がなくなった後に、弾性部材3aの弾性回復力は、第2の蓋2を第2の回転方向へ回転するように駆動する。
【0077】
上記設置方式において、弾性部材3aが第1の蓋1と第2の蓋2に接続されるため、作業者が外力を印加し、第2の蓋2を第1の蓋1に対して第1の回転方向へ回転させる時、弾性部材3aに弾性変形を生じ、弾性力を蓄積する。作業者が第2の蓋2を開く外力を取り消した後、弾性部材3aによって蓄積された弾性力が解放され、解放された弾性力は、第2の蓋2を第2の回転方向へ回転するように駆動し、第2の蓋2を自動的に跳ね返すことができる。
【0078】
これから分かるように、設置された弾性部材3aは、第2の蓋を自動的に跳ね返るように駆動し、作業者が第2の蓋2を閉め忘れることによる安全リスクの発生を防止することができる。
【0079】
そして、弾性部材3aを利用して閉蓋機構3の自動閉蓋機能を実現し、自動閉蓋機能を実現するための他の機械的構造のように複雑な伝達構造に設置される必要がないため、構造が簡単であり、コストが低い。保護蓋104自体の寸法が小さく、且つ保護蓋104の取り付け空間が限られているため、構造が簡単である弾性部材3aを利用して第2の蓋2の自動閉めを駆動することは、特に適切である。
【0080】
弾性部材3aは、弾性を有する部材であり、その具体的な構造形式は、多様であってもよい。例として、弾性部材3aは、ばね31又は接続片32を含む。図9~27と図28~36はそれぞれ、弾性部材3aがばね31を含む場合と弾性部材3aが接続片32を含む場合の保護蓋104の構造を例示的に示す。以下、別々に説明する。
【0081】
まず、図9~27を結び付けて、弾性部材3aがばね31を含む場合の保護蓋104を説明する。
【0082】
図9~27を参照すると、いくつかの実施例では、弾性部材3aは、ばね31を含み、ばね31の第1の端311は、第1の蓋1に接続され、ばね31の第2の端312は、第2の蓋2に接続され、それによって第2の蓋2を開く外力がなくなった後に、第2の蓋2がばね31の弾性回復力の駆動で第2の回転方向へ回転する。
【0083】
上記設置によれば、ばね31は、二つの端部を含み、ばね31の第1の端311は、第1の蓋1に対して固定されていてもよく、ばね31の第2の端は、第2の蓋2とともに第1の蓋1に対して回転してもよい。第2の蓋2が第1の蓋1に対して第1の回転方向へ回転する時、ばね31は、ねじれを生じ、蓄力を発生させるとともに弾性回復力を有することができる。後続で第2の蓋2を開く外力が取り消されると、ばね31の弾性回復力が解放され、第2の蓋2を第2の回転方向へ回転するように駆動することができ、それによって第2の蓋2を自動的に跳ね返し、自動閉蓋機能を実現することができる。そして、第2の蓋2の回転の駆動に必要な駆動力に応じて、ばね31の弾性係数、長さなどを設定してもよい。
【0084】
ばね31の両端をそれぞれ第1の蓋1と第2の蓋2に接続すれば、相応な自動閉蓋機能を実現することができるため、構造が簡単である。
【0085】
そして、ばね31の弾性回復力が強いため、第2の蓋2を閉め位置まで完全に戻して高圧引出部材105に対して十分な遮蔽と保護を行うように駆動することができる。そのため、ばね31を閉蓋機構3として採用する時、第2の蓋2の完全な自動閉め過程を実現することができ、閉め過程全体に手動による介入を必要としないため、時間と手間がさらに省ける。
【0086】
それとともに、ばね31を利用して自動閉蓋機能を実現する場合、第2の蓋2がばね31の作用で閉め位置に戻る時、ばね31は依然として一定の跳ね返り力を提供し、第2の蓋2を閉め位置に安定して維持することができ、第2の蓋2の自由端と第1の蓋1を固定するために、専用の接続構造を別途設置する必要がない。つまり、設置されたばね31は、簡単な構造に基づいて、第2の蓋2を閉め位置に安定して維持し、不意の開きリスクを低減させることができる。理解できるように、第2の蓋2の自由端は、開き状態で第2の蓋2の、第1の蓋1に接続されない一端を指す。
【0087】
これから分かるように、ばね31を設置することで、簡単な構造に基づき、完全に自動化閉蓋過程、及び閉蓋完了後の閉め状態の自動維持を実現することができ、これは、使用の安全性をさらに向上させることに有利である。
【0088】
ここで、ばね31の両端と、第1の蓋1と第2の蓋2との接続方式は、多様であってもよい。
【0089】
例として、ばね31の第1の端311は、第1の蓋1に係着される。例えば、図15を参照すると、いくつかの実施例では、第1の蓋1に挿入口11aが設けられ、ばね31の第1の端311は、挿入口11aに挿入されて、ばね31の第1の端311と第1の蓋1との係着を実現する。ばね31の第1の端311と第1の蓋1とが係着方式で接続される時、構造が簡単であり、組み立てが容易であり、且つばね31の第1の端311と第1の蓋1は、第2の蓋2に伴って回転することなく、相対的に静止することを維持することができ、それによってばね31の第2の312との相対的な回転を発生しやすくし、ばね31は、第2の蓋2が第1の回転方向へ回転する時、ねじれ変形を生じ、弾性力を蓄積することができる。
【0090】
例として、ばね31の第2の端312は、第2の蓋2に係着される。例えば、図11を参照すると、いくつかの実施例では、第2の蓋2上に第1の係合溝214が設けられ、ばね31の第2の端312は、第1の係合溝214に係入されて、ばね31の第2の端312と第2の蓋2との係着を実現する。ばね31の第2の端312と第2の蓋2とが係着方式で接続される時、構造が簡単であり、組み立てが容易であり、且つばね31の第2の端312が第2の蓋2に伴って回転することができ、それによってばね31の第2の端312にばね31の第1の端311との相対的な回転を生じることを容易にし、ばね31は、第2の蓋2が第1の回転方向へ回転する時、ねじれ変形を生じ、弾性力を蓄積することができる。
【0091】
また、ばね31のより確実な取り付けを実現するために、図10を参照し、図11を結び付けて、いくつかの実施例では、第1の蓋1上に第1のストッパーキャビティ11bが設けられ、ばね31は、第1のストッパーキャビティ11bに設置される。これに基づき、第1のストッパーキャビティ11bがばね31に対して一定のストッパーの役割を果たすことができるため、第1の蓋1上でのばね31の設置の信頼性を向上させることができ、これは、ばね31が自動跳ね返り機能を十分かつ確実に実現することに有利である。
【0092】
第1のストッパーキャビティ11bの一実現形態として、図10を参照し、図11を結び付けて、いくつかの実施例では、第1の蓋1は、台座11と、第1のカバー12とを含み、台座11上に第1の溝11gが設けられ、第1のカバー12は、台座11に取り外し可能に接続され、第1の溝11gに被覆され、第1のストッパーキャビティ11bを形成する。
【0093】
上記設置方式において、第1のストッパーキャビティ11bは、台座11と第1のカバー12を係合することで形成され、ばね31に対して効果的なストッパーを行うことができる。そして、第1のカバー12は、台座11に取り外し可能に接続され、ばね31などの、第1のストッパーキャビティ11b内に位置する部材に対する着脱を容易にする。ばね31などの、第1のストッパーキャビティ11b内に位置する部材を着脱する必要がある時、第1のカバー12を台座11から取り外し、第1の溝11gの上方の空間を遮らないように開放してもよく、この時、ばね31などの、第1のストッパーキャビティ11b内に位置する部材を容易に取り付けるか又は取り外すことができ、効率がより高い。着脱が完了した後、第1のカバー12を台座11上に取り付け、ストッパーを再び行うことができる。
【0094】
台座11上での第1のカバー12の取り外し可能な接続を実現するために、図16~24を参照すると、いくつかの実施例では、第1のカバー12は、台座11に係着される。具体的には、図16~24に示すように、いくつかの実施例では、台座11上に溝11eが設けられ、第1のカバー12上に接続リブ11fが設けられ、接続リブ11f上に凸リブ11hが設けられ、接続リブ11fは、溝11eに係入され、凸リブ11hを介して溝11eと締まり嵌めされることで、接続リブ11fが溝11eから滑り出ることを防止する。
【0095】
上記設置方式において、接続リブ11f及び凸リブ11hと溝11eとの嵌め合いに基づき、一方では、第1のカバー12が台座11に係着され、第1のカバー12と台座11との取り外し可能な接続を容易に実現することができ、さらに、ばね31などの、第1のストッパーキャビティ11b内に位置する部材に対する着脱を容易にし、他方では、接続リブ11fと凸リブ11hが溝11eに係入された後、凸リブ11hと溝11eが締まり嵌めされているため、接続が確実であり、外れにくく、第1のカバー12が台座11上に堅固に取り付けられることを実現することに有利であり、第1のカバー12がばね31などに対して確実なストッパーを行うことを容易にする。
【0096】
第2の蓋2の一つの構造形式として、図25を参照し、図10を結び付けて、いくつかの実施例では、第2の蓋2は、回転軸21と、蓋体22とを含み、回転軸21は、第1の蓋1上に回転可能に設置され、蓋体22は、回転軸21に接続され、開口15を開閉するためのものであり、ばね31の第2の端312は、回転軸21に接続されてもよい。このような設置は、ばね31の第2の端312と第2の蓋2との接続を実現することができ、第2の蓋2が回転する時、ばね31の第2の端312が第2の蓋2に伴って回転することを容易にする。
【0097】
例として、図25を参照し、図11を結び付けて、回転軸21は、第1の軸体211と、第2の軸体212とを含む。第1の軸体211は、蓋体22に接続され、第2の軸体212は、第1の軸体211の軸方向の第1の端に接続され、ばね31は、第2の軸体212上に嵌設され、且つばね31の第2の端312は、第1の軸体211に接続される。この場合には、ばね31の第2の端312は、第1の軸体211に接続されることで、回転軸21との接続を実現し、さらに、第2の蓋2との接続を実現し、ばね31の第2端312が第2の蓋2に伴って回転することができる。それとともに、第2の軸体212がばね31を支持するため、ばね31の構造の安定性がより良好であり、第2の蓋2に伴ってより確実に回転することができ、ばね31が第2の蓋2に対する自動跳ね返り機能をより十分に発揮することに有利である。
【0098】
以下、図28~36を結び付けて、弾性部材3aが接続片32を含む場合の保護蓋104を説明する。
【0099】
図28~36を参照すると、いくつかの実施例では、弾性部材3aは、接続片32を含み、第2の蓋2は、接続片32を介して第1の蓋1に回転可能に接続され、第2の蓋2を開く外力がなくなった後に、接続片32の弾性回復力が第2の蓋2を第2の回転方向へ回転するように駆動する。
【0100】
上記設置方式において、接続片32は、薄肉ヒンジ構造を構成する。接続片32は、第1の蓋1及び/又は第2の蓋2と一体に成形されてもよく、具体的には、第1の蓋1と第2の蓋2との間の接続部位の材料の一部を切り取ってもよく、さらに、接続部の厚さを薄くし、互いに間隔をあけた一つ又は複数の接続片32の構造を形成してもよい。接続片32は、第1の蓋1と第2の蓋2との間に固定された接続部材構造であってもよく、その材料は、第1の蓋1及び/又は第2の蓋2の材料と同じであってもよく、異なっていてもよい。接続片32は、第1の蓋1と第2の蓋2の回転可能な接続を実現するために用いられるだけでなく、第2の蓋2の自動跳ね返りを駆動するためにも用いられ、作業者が第2の蓋2を閉め忘れて誤接触による感電のリスクを引き起こすことを回避する。
【0101】
ここで、例として、接続片32が接続、跳ね返りなどの機能を実現するために、その性能は、
接続片32の厚さが0.7mm以下であることと、
接続片32の材料の引張強度が20~50MPaであることと、
接続片32の材料の破断伸び率が15%以下であることと、
接続片32の材料の曲げ強度が30~80MPaであることと、
接続片32の材料のシャルピーノッチ衝撃強度が35KJ/m以下であることと、
接続片32の幅が3mm以上であることと、のうちの少なくとも一つを満たす必要がある。
【0102】
上記条件の少なくとも一つを満たす接続片32は、良好な靱性を有し、良好な回復可能な変形を発生することができ、第2の蓋2の自動跳ね返りを確実に駆動することに有利であり、且つ硬さが適切で、折り曲げやすく、脆くなりにくく、複数回の繰り返し開閉を実現することに有利である。ここで、接続片32の厚さは、接続片32の開口15に向かう表面と開口15から離反する表面(即ち、接続片32の内面と外面)との間の距離寸法を指す。接続片32の幅は、第3の方向Zに沿う接続片32の寸法を指す。
【0103】
接続片32の材料に上記の材料に対する全ての要件を満たさせるために、いくつかの実施例では、接続片32は、PA6材料などのナイロン材料で作製される。PA6(Polyamide 6)は、ナイロン6とも呼ばれ、ナイロン材料の一つであり、高分子化合物に属する。PA6の引張強度は、45MPa以上であり、且つ50MPa以下であり、破断伸び率は、3%以上であり、且つ15%以下であり、曲げ強度は、65MPa以上であり、且つ80MPa以下であり、シャルピーノッチ衝撃強度は、5KJ/m以上であり、且つ35KJ/m以下である。PA6で作製された接続片32は、引張強度、曲げ強度、破断伸び率及び衝撃強度がいずれも適当であり、柔らかくなりすぎず、また硬くなりすぎず、接続片32は繰り返し折り返すことができ、脆くなりにくい。
【0104】
閉蓋機構3において、接続片32の数は、一つ、二つ又は複数であってもよい。図28~33を参照すると、いくつかの実施例では、閉蓋機構3は、少なくとも二つの接続片32を含み、これらの少なくとも二つの接続片32は、第2の蓋2の回転軸線の延在方向に沿って間隔をあけて配置される。このように、一方では、第2の蓋2と第1の蓋1との接続はより堅固かつ確実であり、他方では、各接続片32はいずれも第2の蓋2に対して跳ね返り力を印加することができ、第2の蓋2の自動閉めをより確実に駆動することに有利である。
【0105】
前記各実施例の更なる改良として、図11を参照すると、いくつかの実施例では、保護蓋104は、減速部材4を含み、減速部材4は、第1の蓋1と第2の蓋2に接続され、閉蓋機構3が第2の蓋2を第2の回転方向へ回転させる時、第2の蓋2に対して第1の回転方向に向かう作用力を印加することで、第2の蓋2の閉め速度を遅くする。
【0106】
設置された減速部材4が第2の蓋2の閉め速度を遅くすることができるため、閉蓋機構3と減速部材4との協働により、作業者が第2の蓋2を回転させて開き、外力を取り消した後に、第2の蓋2は、ゆっくりと回転して閉じることができる。このように、高圧引出部材105の着脱に十分な時間を取ることができ、作業者が高圧引出部材105を着脱すると同時に、第2の蓋2を開く外力を取り消すことを容易にし、第2の蓋2が高圧引出部材105を着脱すると同時に、一定の速度でゆっくりと回転して閉じる。このような場合には、第2の蓋2の自動閉蓋過程は、高圧引出部材105の着脱過程と同期して行われてもよく、時間を別途占有する必要がないため、着脱メンテナンス効率の向上に有利である。それとともに、第2の蓋2の閉めが速すぎることがなく、着脱メンテナンスを行っている作業者を挟んで傷付けにくいため、安全性がさらに向上する。そして、作業者が第2の蓋2を開いた後に第2の蓋2に対する作用力を取り消すことができ、第2の蓋2を手で支える必要がない。そのため、作業者の、第2の蓋2を回転させるための手は解放され、高圧引出部材105の着脱作業に直接的に使用することができるため、着脱メンテナンス過程全体に必要な作業者の数の減少に有利であり、一人で着脱メンテナンス過程全体を完了することを容易にする。
【0107】
これから分かるように、閉蓋機構3を基礎として、減速部材4をさらに増設することで、電池10の安全性能をさらに向上させ、電池10の着脱メンテナンス効率を向上させることに有利である。
【0108】
接続片32に比べて、ばね31は、一般的には、第2の蓋2の迅速な閉めを引き起こしやすいため、減速部材4は、特に、閉蓋機構3がばね31を含む実施例に適用される。図11を参照すると、閉蓋機構3がばね31を含み、且つ保護蓋104が減速部材4を含む実施例において、例として、減速部材4と閉蓋機構3のばね31は第2の蓋2の対向する両側に配置され、このように、減速部材4とばね31が、第2の蓋2が回転する時、第2の蓋2に対して方向が逆である回転作用力に印加することをより容易にし、且つレイアウトがより合理的で、全体的構造がより簡単かつコンパクトになる。
【0109】
減速部材4の一実現形態として、図11を参照し、図27を結び付けて、減速部材4は、ダンパ41を含む。具体的には、図27に示すように、ダンパ41は、回転ダンパであり、これは、内部ダンパ411と、外部ダンパ412とを含み、外部ダンパ412は、内部ダンパ411の外部に嵌設され、両者の間に、ダンパ効果を実現して回転速度を遅くするように、粘性流体が設けられる。この場合に、ダンパ41が内部ダンパ411を介して第2の蓋2に接続されてもよく、第2の蓋2が閉蓋機構3による駆動で自動的に回転して閉じる時、内部ダンパ411がこれに伴って回転し、外部ダンパ412に対する回転を発生することができ、内部ダンパ411が外部ダンパ412に対して回転する時、内部ダンパ411と外部ダンパ412との間に位置する粘性流体が内部ダンパ411に対して抵抗力を印加できるため、第2の蓋2の回転速度を遅くし、第2の蓋2をゆっくりと閉めるように制御することができる。
【0110】
上記各実施例では、減速部材4と、第1の蓋1と第2の蓋2との接続方式は、多様であってもよい。
【0111】
例として、減速部材4が第1の蓋1に係着され、構造がより簡単であり、組み立てがより便利である。例えば、図14を参照し、図19図27を結び付けて、いくつかの実施例では、減速部材4上にボス414が設けられ、第1の蓋1上にバヨネット11dが設けられ、ボス414がバヨネット11dに係合され、減速部材4と第1の蓋1との係着を実現する。具体的には、減速部材4がダンパ41を含む時、ボス414がダンパ41の外部ダンパ412上に設けられ、このように、外部ダンパ412が第1の蓋1に係着され、さらに、ダンパ41と第1の蓋1との係着を実現し、第2の蓋2が第1の蓋1に対して回転する時、外部ダンパ412と第1の蓋1が、第2の蓋2に伴って回転することなく、相対的に固定されることによって、内部ダンパ411との相対的な回転を発生し、ダンパ41のダンパ効果の実現を容易にし、第2の蓋2の閉め速度を遅くする。
【0112】
例として、減速部材4が第2の蓋2に係着され、構造がより簡単であり、組み立てがより便利である。例えば、図11を参照し、図25図27を結び付けて、いくつかの実施例では、減速部材4上に係合ブロック413が設けられ、第2の蓋2上に第2の係合溝215が設けられ、係合ブロック413が第2の係合溝215に係合され、減速部材4と第2の蓋2との係着を実現する。具体的には、減速部材4がダンパ41を含む時、係合ブロック413がダンパ41の内部ダンパ411上に設けられ、このように、内部ダンパ411が第2の蓋2に係着され、さらに、ダンパ41と第2の蓋2との係着を実現し、第2の蓋2が第1の蓋1に対して回転する時、内部ダンパ411が第2の蓋2に伴って回転することができ、それによって、外部ダンパ412に対する回転を発生し、ダンパ41のダンパ効果の実現を容易にし、第2の蓋2の閉め速度を遅くする。
【0113】
また、減速部材4のより確実な取り付けを実現するために、図10を参照し、図11を結び付けて、いくつかの実施例では、第1の蓋1上に第2のストッパーキャビティ11cが設けられ、減速部材4は、第2のストッパーキャビティ11cに設置される。これに基づき、第2のストッパーキャビティ11cが減速部材4に対して一定のストッパーの役割を果たすことができるため、第1の蓋1上での減速部材4の設置の信頼性を向上させることができ、これは、減速部材4が減速機能を十分かつ確実に実現することに有利である。
【0114】
第2のストッパーキャビティ11cの一実現形態として、図10を参照し、図11を結び付けて、いくつかの実施例では、第1の蓋1は、台座11と、第2のカバー13とを含み、台座11上に第2の溝11kが設けられ、第2のカバー13は、台座11に取り外し可能に接続され、第2の溝11kに被覆され、第2のストッパーキャビティ11cを形成する。
【0115】
上記設置方式において、第2のストッパーキャビティ11cは、台座11と第2のカバー13を係合することで形成され、減速部材4に対して効果的なストッパーを行うことができる。そして、第2のカバー13は、台座11に取り外し可能に接続され、減速部材4などの、第2のストッパーキャビティ11c内に位置する部材に対する着脱を容易にする。減速部材4などの、第2のストッパーキャビティ11c内に位置する部材を着脱する必要がある時、第2のカバー13を台座11から取り外し、第2の溝11kの上方の空間を遮らないように開放してもよく、この時、減速部材4などの、第2のストッパーキャビティ11c内に位置する部材を容易に取り付けるか又は取り外すことができ、効率がより高い。着脱が完了した後、第2のカバー13を台座11上に取り付け、ストッパーを再び行うことができる。
【0116】
台座11上での第2のカバー13の取り外し可能な接続を実現するために、図16~24を参照すると、いくつかの実施例では、第2のカバー13は、台座11に係着される。具体的には、図16~24に示すように、いくつかの実施例では、台座11上に溝11eが設けられ、第2のカバー13上に接続リブ11fが設けられ、接続リブ11f上に凸リブ11hが設けられ、接続リブ11fは、溝11eに係入され、凸リブ11hを介して溝11eと締まり嵌めされることで、接続リブ11fが溝11eから滑り出ることを防止する。
【0117】
上記設置方式において、接続リブ11f及び凸リブ11hと溝11eとの嵌め合いに基づき、一方では、第2のカバー13が台座11に係着され、第2のカバー13と台座11との取り外し可能な接続を容易に実現することができ、さらに、減速部材4などの第2のストッパーキャビティ11c内に位置する部材に対する着脱を容易にし、他方では、接続リブ11fと凸リブ11hが溝11eに係入された後、凸リブ11hと溝11eが締まり嵌めされているため、接続が確実であり、外れにくく、第2のカバー13が台座11上に堅固に取り付けられることを実現することに有利であり、第2のカバー13が減速部材4などに対して確実なストッパーを行うことを容易にする。
【0118】
前記各実施例では、第2の蓋2の自由端と第1の蓋1は、係合構造6又は磁気吸引構造7によって接続されてもよい。このように、第2の蓋2の自由端と第1の蓋1との接続がより堅固であり、第2の蓋2が閉蓋機構3の作用で閉め位置に戻った後、第2の蓋2は、閉め位置により安定して維持し、高圧引出部材105を十分に遮蔽し、感電のリスクを効果的に低下させることができる。
【0119】
上記設置方式は、特に、閉蓋機構3が前記接続片32を含む場合に適用される。ばね31に比べて、連結シート32が印加できる跳ね返り力が相対的に小さく、連結シート32自体によって、第2の蓋2を完全に自動的に閉めることができず、又は、第2の蓋2を閉め位置に安定して維持することができないという問題が存在する可能性があり、該当する問題は、第2の蓋2の複数回の開閉に伴って、より一層発生しやすい。そのため、閉蓋機構3が前記接続片32を含む場合、係合構造6又は磁気吸引構造7をさらに設置し、第2の蓋2の自由端をさらに拘束することで、相応な問題を効果的に解決することができ、第2の蓋2が完全に閉め、閉め位置に安定して維持することができる。第2の蓋2が完全に開放されている場合に比べて、第2の蓋2が部分的に閉じても、高圧引出部材105に対して一定の遮蔽の役割を果たすことができ、それによって感電リスクを低減させ、使用の安全性を向上させることができるが、係合構造6と磁気吸引構造7を設置して第2の蓋2の自由端をさらに拘束することで、感電リスクをより効果的に低減させ、使用の安全性を向上させることができる。
【0120】
また、図12図13を参照すると、前記各実施例では、第1の蓋1は、ストッパー部16を有してもよく、ストッパー部16は、第2の蓋2と接触することで、第2の蓋2の最大開き角度を制限する。このように、一方では、第2の蓋2の開き角度が大きすぎることを防止することができ、それによって第2の蓋2の開き角度が大きすぎて他の部材と干渉することを回避する。他方では、作業者の開き操作を容易にすることができ、作業者は、第2の蓋2とストッパー部16が当接して第2の蓋2が回転できなくなるまで、第1の回転方向へ第2の蓋2を回転させ続ければよい。さらに一方では、ストッパー部16の位置及び/又は構造を調整することで、第2の蓋2の最大開き角度を調整し、第2の蓋2の最大開き角度のカスタマイズ可能な調整を実現し、異なる使用需要に柔軟に適応することが容易である。例として、図12を参照すると、ストッパー部16は、第2の蓋2の最大開き角度を180°以上に制限し、この時、第2の蓋2の最大開き角度が大きく、高圧引出部材105を十分に露出させ、作業者に対してより広い操作空間を提供し、作業者による操作を容易にすることができ、これは、作業者の着脱メンテナンス効率の向上に有利である。
【0121】
図2に戻って、いくつかの実施例では、電池10の筐体蓋108の内壁に回避溝109が設けられ、回避溝109は第2の蓋2を回避することで、第2の蓋2が回転中に筐体蓋108と干渉することを防止し、このように、第2の蓋2の開閉の順調さをさらに確保することができる。例として、図2に示すように、回避溝109は、弧状であり、それは、上へ凹む。第2の蓋2が90°に回転する時、第2の蓋2の最高点が回避溝109よりも低く、筐体蓋108と干渉しない。
【0122】
前記各実施例の更なる改良として、図30を参照すると、第2の蓋2上にグリップ部5が設けられる。このように、作業者が第2の蓋2を開閉する時、グリップ部5をグリップして第2の蓋2を回転させることができ、作業者による力の印加を容易にする。
【0123】
以下、図2~36の各実施例をさらに説明する。
【0124】
まず、図2~27に示す第1の実施例をさらに説明する。
【0125】
図2~8に示すように、この実施例では、保護蓋104は、絶縁部材であり、それは、高圧引出部材105の外部に被覆され、ベース103に取り外し可能に接続される。ここで、図5に示すように、ベース103は、フレーム102の端板10c上に設置され、ボルトなどの締め具106を介して高圧引出部材105に接続される。そして、図6に示すように、保護蓋104は、接続軸117を介してベース103に回転可能に接続され、必要とする時、接続軸117をベース103の軸穴に挿入し、保護蓋104のベース103上での取り付けを実現し、必要としない時、接続軸117をベース103の軸穴から取り出し、保護蓋104の取り外しを実現する。図8に示すように、高圧引出部材105は、略Z字状である。高圧引出部材105の一部は、保護蓋104の収容キャビティ14に位置し、締め具106によってベース103上に締め付けられ、締め具106によって接続バスバー部材(図示されていない)に締め付けられ、接続バスバー部材を介して別の単体アセンブリの高圧引出部材105に電気的に接続される。それとともに、高圧引出部材105の別の一部は、第2の方向Xに沿って収容キャビティ14から延出し、自体に対応する単体アセンブリの電池セル101(図4に示されている)に電気的に接続される。
【0126】
保護蓋104の構造は、図9~27にさらに示される。
【0127】
図9~15に示すように、この実施例では、保護蓋104は、第1の蓋1と、第2の蓋2と、閉蓋機構3として使用されるばね31と、減速部材4として使用されるダンパ41とを含む。
【0128】
ここで、第1の蓋1は、ベース103に接続され、第2の蓋2、閉蓋機構3及び減速部材4に対して取り付け基礎を提供する。図16~24は、この実施例における第1の蓋1の構造を示す。
【0129】
図16~24に示すように、この実施例では、第1の蓋1は、台座11と、第1のカバー12と、第2のカバー13とを含む。ここで、第1のカバー12と第2のカバー13は、いずれも台座11上に接続され、それぞれ台座11とともにばね31とダンパ41をそれぞれ収容するための第1のストッパーキャビティ11bと第2のストッパーキャビティ11cを囲んで形成する。
【0130】
具体的には、図16~19に示すように、台座11は、収容部111と、支持部112とを含む。高圧引出件部材105を収容するための収容キャビティ14は、収容部111と支持部112との間に位置する。図16図17を結び付けて分かるように、収容部111は、支持部112を介してベース103に接続される。第1のカバー12と第2のカバー13は、収容部111に接続され、それぞれ収容部111とともに第1のストッパーキャビティ11bと第2のストッパーキャビティ11cを囲んで形成する。
【0131】
ここで、図16~19から分かるように、支持部112は、第1の支持体113と第2の支持体114とを含み、第1の支持体113と第2の支持体114は、第3の方向Yに沿って間隔をあけて配置される。前記接続軸117は、第1の支持体113上に設置され、第1の蓋1が第1の支持体113を介してベース103に回転可能に接続される。接続軸117と第1の支持体113は、一体型構造を構成し、このように、保護蓋104を着脱する時、接続軸117を単独に着脱する必要がないため、操作が簡単である。
【0132】
図16~19に示すように、収容部111は、第1の支持体113と第2の支持体114上に接続され、具体的には、第2の方向Xに沿う第1の支持体113と第2の支持体114の一端の頂部に接続される。このように、第1の支持体113、第2の支持体114及び収容部111の間の空間は、収容キャビティ14を形成する。収容キャビティ14の頂部が開放され、開口15を形成する。開口15は、略Z字状である。それとともに、図18~19から分かるように、この実施例では、収容部111は、略半円筒状であり、その軸線が第3の方向Yに沿って延在し、且つその内部に第3の方向Yに沿って順次連通する第1の溝11g、第3の溝11m及び第2の溝11kが設けられる。そして、収容部111の、第1の溝11gと第2の溝11kに対応する外壁上に、いずれも溝11eが設けられる。この溝11eの長手方向は、第3の方向Yに沿う。この溝11eの第2の方向Xに沿って外向きである一端は開放され、且つ第3の方向Yに沿って第3の溝11mに近接する一端も開放される。
【0133】
図16~17及び図20に示すように、第1のカバー12は、略半円筒状であり、それは、第1の溝11gの上方に係合され、ばね31を収容するための第1のストッパーキャビティ11bを形成する。ここで、図20から分かるように、第1のカバー12上に接続リブ11fが設けられ、且つ接続リブ11f上に凸リブ11hが設けられる。そして、図22~24を結び付けて分かるように、接続リブ11fは、略L字状であり、凸リブ11hは、略三角錐形状である。接続リブ11fと凸リブ11hは、 前記第1の溝11gの外壁上の溝11eに嵌め合いされ、第1のカバー12と収容部111との係着を実現する。第1のカバー12を収容部111上に組み立てる時、図17~19を参照すると、接続リブ11fと凸リブ11hが溝11eの第3の溝11mに向かって開放された一端から、溝11eに滑り込み、接続リブ11fのL字状の表面と溝11eの側壁を係合させ、且つ凸リブ11hと溝11eの溝壁を締まり嵌めさせ、このように、第1のカバー12の各方向における変位を効果的に制限し、第1のカバー12が第1の蓋1に堅固に取り付けられることを実現することができるとともに、第1のカバー12が第1の蓋1から取り外されやすく、第1のストッパーキャビティ11bにおけるばね31の着脱と交換を容易にする。また、図18~20に示すように、この実施例では、第1のカバー12の内壁上及び第1の溝11gの内壁上にいずれも弧状リブ119が設けられる。具体的には、第1の溝11gの内壁上に少なくとも二つの弧状リブ119が設けられ、これらの少なくとも二つの弧状リブ119が第3の方向Y(第2の蓋2の回転軸線方向とばね31の中心軸線方向でもある)に沿って間隔をあけて配置されることで、第1のストッパーキャビティ11bの内壁上に、ばね31の中心軸線に沿って間隔をあけて配置される弧状リブ119が設けられる。弧状リブ119の内径は、ばね31の外径に適合する。弧状リブ119を設置する利点は、ばね31に対するストッパーを容易にすることである。図14~15を参照すると、第1のストッパーキャビティ11bに取り付けられた後、ばね31が弧状リブ119上に位置することによって、ばね31は、ばね31のズレを防止するように、弧状リブ119によって支持されてストッパーされることができ、これは、第2の蓋2の回転中にばね31がより良好なねじれ変形を生じることに有利である。それとともに、第1のストッパーキャビティ11bの壁厚さ全体を、内径がばね31の外径に適合するように直接的に厚くする方式に比べて、弧状リブ119を設置することで、全体の重量の増加が少なく、つまり、弧状リブ119を設置することで、重量を増大させ過ぎることなく、ばね31に対する有効なストッパーを実現することができる。
【0134】
図16~17及び図21~24に示すように、第2のカバー13は、略半円筒状であり、それは、第2の溝11kの上方に係合され、ダンパ41を収容するための第2のストッパーキャビティ11cを形成する。ここで、図21~24から分かるように、第2のカバー13上に接続リブ11fが設けられ、且つ接続リブ11f上に凸リブ11hが設けられる。そして、接続リブ11fは、略L字状であり、凸リブ11hは、略三角錐形状である。接続リブ11fと凸リブ11hは、前記第2の溝11kの外壁上の溝11eに嵌め合いされることで、第2のカバー13と収容部111との係着を実現する。第2のカバー13を収容部111上に組み立てる時、図17を参照すると、接続リブ11fと凸リブ11hが溝11eの第3の溝11mに向かって開放された一端から、溝11eに滑り込み、接続リブ11fのL字状の表面と溝11eの側壁を係合させ、且つ凸リブ11hと溝11eの溝壁を締まり嵌めさせ、このように、第2のカバー13の、各方向における変位を効果的に制限し、第2のカバー13が第1の蓋1に堅固に取り付けられることを実現することができるとともに、第2のカバー13が第1の蓋1から取り外されやすく、第2のストッパーキャビティ11cにおけるダンパ41の着脱と交換を容易にする。
【0135】
第2の蓋2は、第1の蓋1上に回転可能に設置され、開口15の閉めと開きを行い、高圧引出部材105が露出するかどうかを制御するためのものである。図25は、この実施例における第2の蓋2の構造を示す。図25に示すように、この実施例では、第2の蓋2は、回転軸21と、蓋体22とを含む。蓋体22は、回転軸21を介して第1の蓋1に回転可能に接続され、開口15を開閉するためのものである。ここで、回転軸21は、第1の軸体211と、第2の軸体212と、第3の軸体213とを含む。第2の軸体212と第3の軸体213はそれぞれ第1の軸体211の軸方向の第1の端と軸方向の第2の端に接続され、且つ第2の軸体212と第3の軸体213の直径はいずれも第1の軸体211の直径よりも小さい。蓋体22は、第1の軸体211に固定接続され、第1の蓋体221と、第2の蓋体222と、第3の蓋体223とを含む。第1の蓋体221は、第1の軸体211に接続される。第2の蓋体222は、第1の蓋体221と第3の蓋体223との間に接続され、第1の蓋体221と第3の蓋体223に対していずれも折り曲げられ、蓋体22全体が略Z字状となり、開口15の形状と一致する。
【0136】
図11図10を結び付けて分かるように、第2の蓋2が第1の蓋1上に取り付けられる時、第1の軸体211は、第3の溝11mに回転可能に位置し、第2の軸体212は、第1のストッパーキャビティ11bに延在し、ばね31に挿入され、第3の軸体213は、第2のストッパーキャビティ11cに延在し、ダンパ41に挿入されるとともに、蓋体22は、開口15に適合し、それぞれ第1の回転方向と第2の回転方向へ回転する時、開口15の開閉を実現する。
【0137】
そして、図12~13に示すように、この実施例では、開口15から離れる第3の溝11mの頂部境界線は、ストッパー部16を構成し、第2の蓋2の最大開き角度を制限するためのものである。第2の蓋2が最大角度に開かれる時、ストッパー部16は、第2の蓋2が回転し続けることを阻止するために、蓋体22と当接する。図12から分かるように、この実施例では、第2の蓋2の最大開き角度は、180°よりも大きく、約190°である。
【0138】
ばね31は、第2の蓋2を、外力が取り消された後に自動的に跳ね返るように駆動するためのものである。図26に示すように、ばね31は、第1の端311と、第2の端312とを有する。図10~15に示すように、図25から分かるように、ばね31は、第1のストッパーキャビティ11bに位置し、第2の軸体212上に嵌設され、それによってばね31が第1のストッパーキャビティ11bと第2の軸体212によって共同でストッパーされることができる。そして、ばね31の第1の端311と第2の端312はそれぞれ第1のストッパーキャビティ11bの側壁と第1の軸体211に係着される。ここで、図11図25を結び付けて分かるように、第1の軸体211の軸方向の第1の端に第1の係合溝214が設けられ、ばね31の第2の端312は、第1の係合溝214に係入されて、ばね31の第2の端312と回転軸21との係着を実現する。それとともに、図15に示すように、第1のカバー12の内壁上に挿入口11aが設けられ、ばね31の第1の端311は、挿入口11aに挿入されて、ばね31の第1の端311と第1のストッパーキャビティ11bの側壁との係着を実現する。これに基づき、ばね31の第2の端312が第2の蓋2に伴って第1の蓋1に対して回転することができるとともに、ばね31の第1の端311と第1の蓋1が相対的に静止を維持するため、第2の蓋2が回転する時、ばね31の第2端312がばね31の第1の端311に対して回転することができ、このように、作業者が第1の回転方向へ第2の蓋2を回転させて第2の蓋2を開く中に、ばね31にねじれを生じ、弾性力を蓄積するが、作業者が第2の蓋2に印加された第1の回転方向に向かう回転作用力を取り消した後に、ばね31は、蓄積した弾性力を解放し、第2蓋2が自動的に跳ね返って第2の回転方向へ回転するように駆動し、初期閉め位置に戻った時、開口15を閉めることができる。第2の蓋2がばね31の作用で自動的に跳ね返り、高圧引出部材105を遮蔽することができるため、第2の蓋2の閉め忘れによる安全リスクを避けることができ、使用の安全性を効果的に向上させることができる。ここで、ばね31の1巻の横断面直径は約7mm、巻回数は2~5巻きであり、このように、自動跳ね返り速度が速すぎることを防止することに有利であり、高圧引出部材105の着脱に対して一定の時間を提供することができる。
【0139】
ダンパ41は、第2の蓋2の自動跳ね返り速度を制御するためのものである。図27は、ダンパ41の構造を示す。図27に示すように、この実施例では、ダンパ41は、内外嵌設される内部ダンパ411と外部ダンパ412を含む。外部ダンパ412の内輪と内部ダンパ411の外輪との間に粘性流体が設けられ、内部ダンパ411が外部ダンパ412に対して回転する時、内部ダンパ411の回転を阻止することで、ダンパ効果を実現し、減速の目的を達成する。内部ダンパ411上に二つの係合ブロック413が設けられ、二つの係合ブロック413は、内部ダンパ411の中心に対して対称に配置される。外部ダンパ412の外壁上にボス414が設けられる。図10~15は、第1の蓋1と第2の蓋2上でのダンパ41の取り付け方式を示す。図10~15を参照すると、図25を結び付けて分かるように、ダンパ41は、第2のストッパーキャビティ11cに設置され、第3の軸体213上に嵌設されることで、ダンパ41とばね31が第1の軸体211の対向する両側に位置し、且つダンパ41が第2のストッパーキャビティ11cと第3の軸体213によって共同でストッパーされることができる。それとともに、ダンパ41の内部ダンパ411と外部ダンパ412はそれぞれ第2の蓋2と第1の蓋1に係着される。具体的には、図11図25を結び付けて分かるように、第1の軸体211の軸方向の第2の端に二つの係合溝215が設けられ、これら二つの第2係合溝215は、回転軸21の中心軸線に対して対称に配置され、内部ダンパ411上の二つの係合ブロック413に一対一で対応し、二つの係合ブロック413は、それぞれ二つの係合溝215に係入され、内部ダンパ411と回転軸21の係着を実現し、さらに、内部ダンパ411と第2の蓋2との係着を実現する。それとともに、図11図19及び図25を結び付けて分かるように、第2の溝11kの溝壁上にバヨネット11dが設けられ、バヨネット11dは、外部ダンパ412上のボス414に適合し、ボス414は、バヨネット11dに係入され、外部ダンパ412と台座11との係着を実現し、さらに、外部ダンパ412と第1の蓋1との係着を実現する。これに基づき、外部ダンパ412と第1の蓋1が相対的な静止を維持し、内部ダンパ411が第2の蓋2に伴って回転することができるため、第2の蓋2がばね31による駆動で自動的に跳ね返る時、内部ダンパ411に外部ダンパ412に対する相対的な回転を生じることができ、それによって内外ダンパの間に位置する粘性流体は、内部ダンパ411の回転を阻止することで、第2の蓋2の閉め速度を遅くし、高圧引出部材105と締め具106の着脱に対して十分な時間を提供することができる。
【0140】
上記設置によれば、作業者は、この実施例の保護蓋104を開いた後に外力を取り消し、高圧引出部材105に対して着脱を行うことができ、高圧引出部材105を着脱するとともに、第2の蓋2は、ばね31とダンパ41の総合的な作用で、定速度でゆっくりと閉じることができ、それによって作業者が保護蓋104を閉め忘れることによって安全問題を引き起こすことを回避することができる。
【0141】
この実施例では、第2の蓋2は、少なくとも50回の開閉を実現することができ、開閉回数が多く、耐用年数が長い。
【0142】
次に、図28~36に示す各実施例をさらに説明する。
【0143】
まず、図28~30に示す第2の実施例をさらに説明する。
【0144】
図28~30に示すように、この実施例では、保護蓋104の閉蓋機構3は、ばね31を含まず、複数の接続片32を含む。これら複数の接続片32は、第3の方向Yに沿って順に間隔をあけて配置され、いずれも保護蓋104の第1の蓋1と第2の蓋2に接続され、第2の蓋2が第1の蓋1に対して回転することができる。そして、各接続片32はいずれもPA6材料で作製され、且つ各接続片32の厚さは、0.7mm以下であり(例えば、0.4mmである)、幅は、3mm以上である。このように、接続片32は、性能に優れた薄肉ヒンジを構成し、第2の蓋2が回転中に繰り返して折り返すことができ、且つ第2の蓋2を開く外力がなくなった後に、第2の蓋2を第2の回転方向へ回転するように駆動し、第2の蓋の2の自動跳ね返りを実現し、作業者が保護蓋104を閉め忘れることによって安全問題を引き起こすことを回避することができる。ここで、接続片32の外面は平面であり、且つ接続片32は、第2の方向Xに沿う第1の蓋1の一端に接続される。接続片32の外面は、接続片32の開口15から離反する表面である。
【0145】
そして、図30に示すように、この実施例では、第2の蓋2の自由端と第1の蓋1は、係合構造6によって接続される。具体的には、係合構造6は、ストッパー61とストッパー溝62とを含み、ストッパー61は、第2の蓋2の自由端に設置され、ストッパー溝62は、第1の蓋1に設置され、ストッパー61は、ストッパー溝62に係着される。ここで、第1の蓋1上に基台115とバンプ116が設けられ、基台115とバンプ116は、第1の方向Zに間隔をあけて配置され、両者の間の間隔は、ストッパー溝62を形成し、つまり、ストッパー溝62は、基台115とバンプ116との間に位置する。基台115とバンプ116は具体的には第1の蓋1の支持部112上に設置される。
【0146】
また、図30に示すように、この実施例では、第2の蓋2上にグリップ部5が設けられ、作業者がここを利用して第2の蓋2を開閉することを容易にする。
【0147】
上記設置によれば、作業者は、この実施例の保護蓋104を開いた後に外力を取り消し、高圧引出部材105に対して着脱を行うことができ、高圧引出部材105を着脱するとともに、第2の蓋2は、接続片32の作用で、第2の回転方向へ一定の角度だけ回転し、その後、作業者がストッパー61をストッパー溝62に手動で係入し、第2の蓋2を完全に閉めることによって、作業者が保護蓋104を閉め忘れることによって安全問題を引き起こすことを回避する。
【0148】
図31図36は、図28~30に示す実施例のいくつかの変形例である。そのため、以下、説明を簡単にするために、これらの変形例と図28~30に示す実施例との相違点のみを中心に説明する。
【0149】
ここで、図31は、図28~30に示す実施例の第1の変形例である。この第1の変形例において、接続片32の外面は、平面ではなく、曲面である。
【0150】
図32は、図28~30に示す実施例の第2の変形例である。この第2の変形例において、接続片32の接続位置が変わっており、接続片32は、第1の蓋1の第2の方向Xに沿う一端に接続されず、第1の蓋1の第3の方向Yに沿う一端に接続される。
【0151】
図33~36は、図28~30に示す実施例の第3の変形例である。この第3の変形例において、第2の蓋2の自由端と第1の蓋1は、係合構造6によって接続されず、磁気吸引構造7によって接続される。図33に示すように、磁気吸引構造7は、第1の磁気吸引部材71と第2の磁気吸引部材72とを含み、第1の磁気吸引部材71は、第1の蓋1に設置され、第2の磁気吸引部材72は、第2の蓋2の自由端に設置され、第1の磁気吸引部材71と第2の磁気吸引部材72は、磁気的に吸着される。ここで、第1の磁気吸引部材71は、磁石であり、それは、第1の蓋1に係着される。図34~35に示すように、第1の蓋1の基台115上に取り付け溝11nが設けられ、第1の磁気吸引部材71は、取り付け溝11nに位置し、且つ取り付け溝11nの内壁上にフランジ118が設けられ、これに応じて、第1の磁気吸引部材71上にシンク溝711が設けられ、フランジ118は、シンク溝711に嵌め込まれ、第1の磁気吸引部材71と第1の蓋1との係着を実現する。第2の磁気吸引部材72は、金属部材(例えば、ステンレス鋼部材)であり、それは、第2の蓋2に係着される。図36に示すように、第2の蓋2に挿入溝224が設けられ、第2の磁気吸引部材72は、挿入溝224に係入され、第2の磁気吸引部材72と第2の蓋2との係着を実現する。このように、第2の蓋2が接続片32の作用で一定の角度に自動的に跳ね返る時、第2の蓋2上の第2の磁気吸引部材72が第1の蓋1の第1の磁気吸引部材71によって吸引され、第2の蓋2が磁気吸引構造7の作用で、第2の回転方向へ回転し続け、閉め位置に戻って完全に閉じるまで継続し、自動係合の効果を達成することによって、作業者による手動操作を必要とせず、第2の蓋2が自動的に閉じることができる。
【0152】
これから分かるように、本出願の各実施例による保護蓋104は、自動閉め機能を有し、作業者が保護蓋104を閉め忘れることによって、高圧引出部材105が大きく露出して誤接触による感電の問題を引き起こすことを効果的に防止することができ、電池10及び電力消費装置100の安全性能を効果的に向上させることができる。
【0153】
本出願の各実施例の保護蓋104によれば、本出願は、保護蓋104の製造方法をさらに提供する。図37に示すように、この製造方法は、
第1の蓋1を提供することであって、第1の蓋1は、電池10のフレーム102上に固定されるためのものであり、第1の蓋1上に収容キャビティ14が設けられ、収容キャビティ14は、高圧引出部材105を収容するためのものであり、収容キャビティ14は、開口15を有し、開口15は、高圧引出部材105を露出させるためのものであるステップS100と、
第2の蓋2の提供することであって、第2の蓋2は、第1の蓋1上に回転可能に設置され、それぞれ第1の蓋1に対して第1の回転方向と第2の回転方向へ回転する時、開口15を開閉するステップS200と、
閉蓋機構3を提供することであって、閉蓋機構3は、第1の蓋1と第2の蓋2に接続され、第2の蓋2が開かれ且つ第2の蓋2を開く外力がなくなった後に、第2の蓋2を第2の回転方向へ回転させるステップS300とを含む。
【0154】
上記方法によって製造された保護蓋104は、自動閉め機能を有し、電池10と電力消費装置100の安全性能を向上させることができる。
【0155】
ここで、ステップS100、S200及びS300の順序が限定されず、柔軟に調整されてもよい。
【0156】
最後に説明すべきこととして、上述の各実施例は、本出願の技術案を説明するためのみに用いられ、それを制限するものではなく、前述した各実施例を参照して本出願を詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、前述した各実施例に記載の技術案を依然として変更し、又はそのうちの一部又は全部の技術的特徴を同等に置換することが可能であり、これらの変更又は置換は、対応する技術案の本質を本出願の各実施例の技術案の範囲から逸脱させないものであり、本出願の請求の範囲及び明細書の範囲に包含されるべきである。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例で言及される各技術的特徴はいずれも、任意の方法で組み合わせることができる。本出願は、本明細書に開示される特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に含まれるすべての技術的解決手段を含む。
【0157】
ここでは、
100、電力消費装置、200、車両、201、コントローラ、202、動力機器、203、モータ、
10、電池、101、電池セル、102、フレーム、103、ベース、104、保護蓋、105、高圧引出部材、106、締め具、107、外筐、108、筐体蓋、109、回避溝、10a、エンドキャップ、10b、側板、10c、端板、
1、第1の蓋、11、台座、111、収容部、112、支持部、113、第1の支持体、114、第2の支持体、115、基台、116、バンプ、117、接続軸、118、フランジ、119、弧状リブ、12、第1のカバー、13、第2のカバー、14、収容キャビティ、15、開口、16、ストッパー部、11a、挿入口、11b、第1のストッパーキャビティ、11c、第2のストッパーキャビティ、11d、バヨネット、11e、溝、11f、接続リブ、11g、第1の溝、11h、凸リブ、11k、第2の溝、11m、第3の溝、11n、取り付け溝、
2、第2の蓋、21、回転軸、211、第1の軸体、212、第2の軸体、213、第3の軸体、214、第1の係合溝、215、第2の係合溝、22、蓋体、221、第1の蓋体、222、第2の蓋体、223、第3の蓋体、224、挿入溝、
3、 閉蓋機構、3a、弾性部材、31、ばね、311、第1の端、312、第2の端、32、接続片、
4、減速部材、41、ダンパ、411、内部ダンパ、412、外部ダンパ、413、係合ブロック、414、ボス、
5、グリップ部、
6、係合構造、61、ストッパー、62、ストッパー溝、
7、磁気吸引構造、71、第1の磁気吸引部材、711、シンク溝、72、第2の磁気吸引部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
【国際調査報告】