(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(54)【発明の名称】基板処理方法
(51)【国際特許分類】
C23C 16/455 20060101AFI20231004BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20231004BHJP
H01L 21/285 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
C23C16/455
H01L21/28 301R
H01L21/285 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505712
(86)(22)【出願日】2021-09-24
(85)【翻訳文提出日】2023-01-26
(86)【国際出願番号】 KR2021012999
(87)【国際公開番号】W WO2022071689
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】10-2020-0126824
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0125030
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504210651
【氏名又は名称】ジュスン エンジニアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジン セ ファン
(72)【発明者】
【氏名】ロゥ ジャエ サン
(72)【発明者】
【氏名】ソン チェオン
(72)【発明者】
【氏名】ユン ホン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ユン ホン ス
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ヤン ジュ
(72)【発明者】
【氏名】チョ ビャン ハ
(72)【発明者】
【氏名】チョ ジ ヒュン
【テーマコード(参考)】
4K030
4M104
【Fターム(参考)】
4K030BA10
4K030BA22
4K030BA35
4K030CA02
4K030CA04
4K030CA06
4K030CA12
4K030CA17
4K030EA03
4K030FA01
4K030GA06
4K030HA01
4K030LA15
4K030LA16
4K030LA18
4M104AA01
4M104AA10
4M104BB04
4M104BB13
4M104DD43
4M104DD44
4M104DD45
4M104DD63
4M104HH20
(57)【要約】
本発明は、第1処理領域と第2処理領域に分けられた処理空間で基板に対する処理工程を行う基板処理方法であって、支持部に支持された基板が前記第1処理領域に位置すると、前記第1処理領域内で基板に対して第1処理工程を行う工程、前記第1処理工程が完了すると、前記支持部を回転させて前記基板を前記第2処理領域に移動させる工程、および、前記支持部に支持された基板が前記第2処理領域に位置すると、前記第2処理領域で基板に対して第2処理工程を行う工程を含む基板処理方法に関するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1処理領域と第2処理領域に分けられた処理空間で基板に対する処理工程を行う基板処理方法であって、
支持部に支持された基板が前記第1処理領域に位置すると、前記第1処理領域で基板に対して第1処理工程を行う工程、
前記第1処理工程が完了すると、前記支持部を回転させて前記基板を前記第2処理領域に移動させる工程、および
前記支持部に支持された基板が前記第2処理領域に位置すると、前記第2処理領域で基板に対して第2処理工程を行う工程を含み、
前記第1処理工程を行う工程が、
前記第1処理領域に第1ソースガスを噴射する工程、および
前記第1処理領域に第2ソースガスを噴射する工程を含むことを特徴とする基板処理方法。
【請求項2】
前記第1処理工程を行う工程が、前記第1処理領域にパージガスを噴射する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記第1処理工程を行う工程が、前記第1処理領域に第3ソースガスを噴射する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記第1処理領域に第2ソースガスを噴射する工程が、前記第1ソースガスと異なる前記第2ソースガスを噴射することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記第1処理領域に第2ソースガスを噴射する工程が、前記第1ソースガスと同じ前記第2ソースガスを噴射することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記第1処理領域に第1ソースガスを噴射する工程が、第1ソース噴射時間の間、前記第1ソースガスを噴射し、
前記第1処理領域に第2ソースガスを噴射する工程は、前記第1ソース噴射時間と異なる第2ソース噴射時間の間、前記第2ソースガスを噴射することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項7】
前記第1処理領域に第1ソースガスを噴射する工程が、第1ソース噴射時間の間、前記第1ソースガスを噴射し、
前記第1処理領域に第2ソースガスを噴射する工程は、前記第1ソース噴射時間と同じ第2ソース噴射時間の間、前記第2ソースガスを噴射することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項8】
前記第2処理工程を行う工程が、前記第2処理領域に第1反応ガスを噴射する工程を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項9】
第1処理領域と第2処理領域に分けられた処理空間で基板に対する処理工程を行う基板処理方法であって、
支持部に支持された基板が前記第1処理領域に位置すると、前記第1処理領域で基板に対して第1処理工程を行う工程、
前記第1処理工程が完了すると、前記支持部を回転させて前記基板を第2処理領域に移動させる工程、および
前記支持部に支持された基板が前記第2処理領域に位置すると、前記第2処理領域で基板に対して第2処理工程を行う工程を含み、
前記第2処理工程を行う工程が、
前記第2処理領域に第1反応ガスを噴射する工程、および
前記第2処理領域に第2反応ガスを噴射する工程を含むことを特徴とする基板処理方法。
【請求項10】
前記第2処理工程を行う工程が、前記第2処理領域にパージガスを噴射する工程を含むことを特徴とする、請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項11】
前記第2処理領域に第2反応ガスを噴射する工程が、前記第1反応ガスと異なる第2反応ガスを噴射し、
前記第2処理工程を行う工程は、前記第2処理領域に前記第1反応ガス、前記第2反応ガスそれぞれと異なる第3反応ガスを噴射する工程を含むことを特徴とする、請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項12】
前記第2処理工程を行う工程が、前記第2処理領域にプラズマを生成する工程を含むことを特徴とする、請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項13】
前記第1処理工程を行う工程が、前記第1処理領域に第1ソースガスを噴射する工程を含むことを特徴とする、請求項9~12のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項14】
第1処理領域と第2処理領域に分けられた処理空間で基板に対する処理工程を行う基板処理方法であって、
支持部に支持された基板が前記第1処理領域に位置すると、前記第1処理領域で基板に対して第1処理工程を行う工程、
前記第1処理工程が完了すると、前記支持部を回転させて前記基板を前記第2処理領域に移動させる工程、および
前記支持部に支持された基板が前記第2処理領域に位置すると、前記第2処理領域で基板に対して第2処理工程を行う工程を含み、
前記第1処理工程を行う工程が、前記第1処理領域に2種類以上のソースガスを混合した混合ガスを噴射し、
前記第2処理工程を行う工程は、前記第2処理領域に2種類以上の反応ガスを混合した混合ガスを噴射することを特徴とする、基板処理方法。
【請求項15】
第1処理領域と第2処理領域に分けられ処理空間で基板に対する処理工程を行う基板処理方法であって、
支持部に支持された基板が前記第1処理領域に位置すると、前記第1処理領域に第1ソースガスを噴射して前記第1ソースガスを用いた第1処理工程を行う工程、
前記第1ソースガスを用いた前記第1処理工程が完了すると、前記支持部を回転させて前記基板を前記第2処理領域に移動させる工程、
前記第1ソースガスを用いた第1処理工程が行われた基板が前記第2処理領域に位置すると、前記第2処理領域に第1反応ガスを噴射して前記第1反応ガスを用いた第2処理工程を行う工程、
前記第1反応ガスを用いた第2処理工程が完了すると、前記支持部を回転させて前記基板を前記第1処理領域に移動させる工程、
前記第1反応ガスを用いた第2処理工程が行われた基板が前記第1処理領域に位置すると、前記第1処理領域に前記第1ソースガスと異なる第2ソースガスを噴射して前記第2ソースガスを用いて第1処理工程を行う工程、
前記第2ソースガスを用いた第1処理工程が完了すると、前記支持部を回転させて前記基板を前記第1処理領域に移動させる工程、および
前記第2ソースガスを用いた第1処理工程が行われた基板が前記第2処理領域に位置すると、前記第2処理領域に前記第1反応ガスと異なる第2反応ガスを噴射して前記第2反応ガスを用いた第2処理工程を行う工程を含む、基板処理方法。
【請求項16】
第1処理領域と第2処理領域に分けられ処理空間で基板に対する処理工程を行う基板処理方法であって、
支持部に支持された基板が前記第1処理領域に位置すると、前記第1処理領域で基板に対して第1処理工程を行う工程、
前記第1処理工程が完了すると、前記支持部を回転させて前記基板を前記第2処理領域に移動させる工程、および
前記支持部に支持された基板が前記第2処理領域に位置すると、前記第2処理領域で基板に対して第2処理工程を行う工程を含み、
前記第2処理工程を行う工程が、
前記第2処理領域に第1反応ガスを噴射する工程、および
前記第2処理領域にプラズマを生成する工程を含むことを特徴とする、基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に対する蒸着工程、エッチング工程などの処理工程を行う基板処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、太陽電池(Solar Cell)、半導体素子、フラットパネルディスプレイなどを製造するためには、基板上に所定の薄膜層、薄膜回路パターン、または光学パターンを形成しなければならない。このため、基板に特定物質の薄膜を蒸着する蒸着工程、感光性物質を用いて薄膜を選択的に露出させるフォト工程、選択的に露出した部分の薄膜を除去してパターンを形成するエッチング工程などの基板に対する処理工程が行われる。
【0003】
このような基板に対する処理工程は、基板処理装置により行われる。基板処理装置は、処理空間を提供するチャンバー、基板を支持する支持部、および支持部に向かってガスを噴射するガス噴射部を含む。基板処理装置は、前記ガス噴射部が噴射したソースガスと反応ガスを用いて基板に対する処理工程を行う。
【0004】
近年、多重薄膜構造を有する素子、ドーピング素子などのような様々な特性を有する素子に対する需要が高まっているが、従来は、前記ガス噴射部が常に一定にガスを噴射するとともに、前記支持部が所定の回転速度で停止することなしに連続的に回転しながら処理工程を行うように具現された。そのため、従来は、多重薄膜構造を有する素子、ドーピング素子などのような様々な特性を有する素子を製造するための処理工程を行うことが難しいという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述したような問題点を解決するために案出されたものであり、多重薄膜構造を有する素子、ドーピング素子等のような様々な特性を有する素子を製造するための処理工程を行うことができる基板処理方法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を含むことができる。
【0007】
本発明による基板処理方法は、第1処理領域と第2処理領域とに分けられた処理空間で基板に対する処理工程を行う基板処理方法であって、支持部に支持された基板が前記第1処理領域に位置すると、前記第1処理領域で基板に対して第1処理工程を行う工程、前記第1処理工程が完了すると、前記支持部を回転させて前記基板を前記第2処理領域に移動させる工程、および前記支持部に支持された基板が前記第2処理領域に位置すると、前記第2処理領域で基板に対して第2処理工程を行う工程を含むことができる。
【0008】
本発明による基板処理方法において、前記第1処理工程を行う工程は、前記第1処理領域に第1ソースガスを噴射する工程、および、前記第1処理領域に第2ソースガスを噴射する工程を含むことができる。
【0009】
本発明による基板処理方法において、前記第2処理工程を行う工程は、前記第2処理領域に第1反応ガスを噴射する工程、および、前記第2処理領域に第2反応ガスを噴射する工程を含むことができる。
【0010】
本発明による基板処理方法において、前記第2処理工程を行う工程は、前記第2処理領域に第1反応ガスを噴射する工程、および、前記第2処理領域にプラズマを生成する工程を含むことができる。
【0011】
本発明による基板処理方法において、前記第1処理工程を行う工程は、前記第1処理領域に2種類以上のソースガスを混合した混合ガスを噴射することができる。前記第2処理工程を行う工程は、前記第2処理領域に2種類以上の反応ガスを混合した混合ガスを噴射することができる。
【0012】
本発明による基板処理方法は、第1処理領域と第2処理領域とに分けられた処理空間で基板に対する処理工程を行う基板処理方法であって、支持部に支持された基板が前記第1処理領域に位置すると、前記第1処理領域に第1ソースガスを噴射して、前記第1ソースガスを用いた第1処理工程を行う工程、前記第1ソースガスを用いた第1処理工程が完了すると、前記支持部を回転させて前記基板を前記第2処理領域に移動させる工程、前記第1ソースガスを用いた第1処理工程が行われた基板が前記第2処理領域に位置すると、前記第2処理領域に第1反応ガスを噴射して前記第1反応ガスを用いた第2処理工程を行う工程、前記第1反応ガスを用いた第2処理工程が完了すると、前記支持部を回転させて前記基板を前記第1処理領域に移動させる工程、前記第1反応ガスを用いた第2処理工程が行われた基板が前記第1処理領域に位置すると、前記第1処理領域に前記第1ソースガスと異なる第2ソースガスを噴射して前記第2ソースガスを用いた第1処理工程を行う工程、前記第2ソースガスを用いた第1処理工程が完了すると、前記支持部を回転させて前記基板を第1処理領域に移動させる工程、および前記第2ソースガスを用いた第1処理工程が行われた基板が前記第2処理領域に位置すると、前記第2処理領域に前記第1反応ガスと異なる第2反応ガスを噴射して前記第2反応ガスを用いた第2処理工程を行う工程を含むことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
【0014】
本発明は、ソースガスを用いた処理工程と反応ガスを用いた処理工程のそれぞれが行われる時間を調節できるように具現することにより、ソースガスを用いた処理工程と反応ガスを用いた処理工程それぞれで、薄膜成長に必要な製膜遅れ時間(Incubation Time)を調整することができる。したがって、本発明は、多重薄膜構造を有する素子、ドーピング素子などのような様々な特性を有する素子を製造するための処理工程を行うことができる。
【0015】
本発明は、ソースガスを用いた処理工程と反応ガスを用いた処理工程のそれぞれが行われる処理領域が、空間的に分離されるように具現することができる。したがって、本発明は、チャンバーの内部に対する洗浄周期を伸ばすことができるので、洗浄費用を低減できるだけでなく、稼働率増大を通じて処理工程が完了した基板の生産性を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明による基板処理方法を行うための基板処理装置の一例を示す概略分解斜視図である。
【
図2】
図1のI-I線を基準とする基板処理装置の概略側面断面図である。
【
図3】
図1の基板処理装置における支持部の概略平面図である。
【
図4】本発明による基板処理方法の概略フローチャートである。
【
図5】本発明による基板処理方法における第1処理工程の概略フローチャートである。
【
図6】本発明による基板処理方法における第1処理工程の実施例におけるガスの噴射区間を示すタイミング図である。
【
図7】本発明による基板処理方法における第2処理工程の概略フローチャートである。
【
図8】本発明による基板処理方法における第2処理工程の実施例におけるガスの噴射区間を示すタイミング図である。
【
図9】本発明の変形された実施例による基板処理方法におけるガスの噴射区間と基板の移動区間を示すタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1及び
図2を参照すると、本発明による基板処理方法は、基板(S)に対する処理工程を行うものである。前記基板(S)は、シリコン基板、ガラス基板、メタル基板などであり得る。本発明による基板処理方法は、前記基板(S)に薄膜を蒸着する蒸着工程、前記基板(S)に蒸着した薄膜の一部を除去するエッチング工程等を行うことができる。以下では、本発明による基板処理方法が前記蒸着工程を行う実施例を基準に説明するが、このことから本発明による基板処理方法が、前記エッチング工程等と共に他の処理工程を行う実施例を導出することは、本発明が属する技術分野に属する当業者には自明であろう。
【0018】
本発明による基板処理方法は、基板処理装置1によって行うことができる。本発明による基板処理方法の実施例を説明する前に、前記基板処理装置1について具体的に見てみると次の通りである。
【0019】
図1~
図3を参照すると、前記基板処理装置1は、チャンバー2、支持部3、ガス噴射部4、ガス供給部5を含むことができる。
【0020】
図1~
図3を参照すると、前記チャンバー2は、処理空間100を提供するものである。前記処理空間100では、前記基板(S)に対する蒸着工程、エッチング工程などの処理工程を行うことができる。前記処理空間100は、前記チャンバー2の内部で第1処理領域110と第2処理領域120に分けることができる。前記第1処理領域110と前記第2処理領域120の間には、第3処理領域130が位置することもできる。前記チャンバー2には、前記支持部3と前記ガス噴射部4を設置することができる。前記チャンバー2には、第1排気口21と第2排気口22を結合することができる。前記第1排気口21は、前記第1処理領域110に連結することができる。これにより、前記第1処理領域110に位置したガスを、前記第1排気口21を介して前記チャンバー2の外部に排気することができる。前記第1排気口21は、前記第2処理領域120に連結することができる。これにより、前記第2処理領域120に位置したガスを、前記第2排気口22を介して前記チャンバー2の外部に排気することができる。
【0021】
図1~
図3を参照すると、前記支持部3は、前記チャンバー2の内部に設置することができる。前記支持部3は、1つの前記基板(S)を支持することもでき、複数の前記基板(S1、S2、S3、S4)(
図3に示す)を支持することもできる。前記処理空間100が、前記第1処理領域110、前記第2処理領域120、及び前記第3処理領域130を含む場合、前記支持部3の一部は、前記第1処理領域110に位置し、前記支持部3の他の一部が、前記第2処理領域120に位置し、前記支持部3のまた他の一部が、前記第3処理領域130に位置することができる。前記支持部3に複数の前記基板(S1、S2、S3、S4)が支持された場合、前記複数の前記基板(S1、S2、S3、S4)の中の一部は、前記第1処理領域110に位置し、他の一部は、前記第2処理領域120に位置するように前記支持部3によって支持することができる。
【0022】
前記支持部3は、前記チャンバー2内で前記支持部3の支持軸30(
図3に示す)を中心に回転することができる。前記支持部3の回転によって前記支持部3に支持された前記基板(S)は、前記チャンバー2内で各々異なる処理領域に移動することができる。前記支持部3が回転する際、前記複数の前記基板(S1、S2、S3、S4)の中の一部の基板は、前記第1処理領域110から前記第3処理領域130を経て前記第2処理領域120に移動し、前記第2処理領域120から前記第3処理領域130を経て再び前記第1処理領域110に移動することができる。前記支持部3の回転は、停止と回転を繰り返し行うことができる。これにより、前記支持部3に支持された前記基板(S)は、停止と移動を繰り返しながら、前記各々異なる処理領域の間を移動することができる。前記支持部3は、回転部6によって前記支持軸30を中心に回転することができる。前記回転部6によって前記支持部3に対する回転と停止を繰り返し行うことができる。
【0023】
図1~
図3を参照すると、前記ガス噴射部4は、前記支持部3に向かってガスを噴射するものである。前記ガス噴射部4は、ガス供給部5に連結することができる。これにより、前記ガス噴射部4は、前記ガス供給部5から供給されたガスを前記支持部3に向けて噴射することができる。前記ガス噴射部4は、前記支持部3と対向するように配置することができる。前記ガス噴射部4と前記支持部3の間には、前記処理空間100を配置することができる。前記ガス噴射部4は、チャンバーリッド20に結合することもできる。前記チャンバーリッド20は、前記チャンバー2の上部を覆うように前記チャンバー2に結合することができる。
【0024】
前記ガス噴射部4は、第1噴射ユニット41および第2噴射ユニット42を含むことができる。
【0025】
前記第1噴射ユニット41は、前記第1処理領域110にガスを噴射するものである。前記第1処理領域110は、前記処理空間100の一部に該当し得る。前記第1噴射ユニット41は、前記支持部3から上側に離隔して配置することができる。この場合、前記第1処理領域110は、前記第1噴射ユニット41と前記支持部3との間の領域であり得る。前記第1噴射ユニット41は、前記第1処理領域110に少なくとも1種類のソースガスを噴射することができる。前記第1噴射ユニット41は、前記第1処理領域110にパージガスを噴射することもできる。パージガスは、アルゴン(Ar)などの不活性ガスであり得る。
【0026】
前記第2噴射ユニット42は、前記第2処理領域120にガスを噴射するものである。前記第2処理領域120は、前記処理空間100の一部に該当し得る。前記第2噴射ユニット42は、前記支持部3から上側に離隔して配置することができる。この場合、前記第2処理領域120は、前記第2噴射ユニット42と前記支持部3の間の領域であり得る。前記第2噴射ユニット42は、前記第2処理領域120に少なくとも1種類の反応ガスを噴射することができる。前記第2噴射ユニット42は、前記第2処理領域120にパージガスを噴射することもできる。
【0027】
前記ガス噴射部4は、第3噴射ユニット43をさらに含むこともできる。
【0028】
前記第3噴射ユニット43は、前記第3処理領域130にガスを噴射するものである。前記第3処理領域130は、前記処理空間100の一部に該当し得る。前記第3処理領域130は、前記第1処理領域110と前記第2処理領域120の間の領域であり得る。前記第3噴射ユニット43は、前記支持部3から上側に離隔して配置することができる。前記第3噴射ユニット43は、前記第1噴射ユニット41と前記第2噴射ユニット42の間に配置することができる。前記第3噴射ユニット43は、前記第3処理領域130に区画ガスを噴射することができる。区画ガスは、アルゴン(Ar)などの不活性ガスであり得る。前記第3噴射ユニット43が、前記第3処理領域130に区画ガスを噴射することにより、前記第1処理領域110と前記第2処理領域120は、互いの間でガスが混合しないように空間的に分離することができる。
【0029】
図1~
図3を参照すると、前記ガス供給部5は、前記ガス噴射部4にガスを供給するものである。前記ガス供給部5は、前記第1噴射ユニット41および前記第2噴射ユニット42のそれぞれにガスを供給することができる。前記ガス供給部5は、前記第3噴射ユニット43にもガスを供給することもできる。前記ガス供給部5は、前記チャンバー2の内部または前記チャンバー2の外部に設置することができる。
【0030】
前記ガス供給部5は、第1供給ユニット51よび第2供給ユニット52を含むことができる。
【0031】
前記第1供給ユニット51は、前記第1噴射ユニット41に少なくとも1種類のソースガスを供給することができる。前記第1供給ユニット51は、前記第1噴射ユニット41にパージガスを供給することもできる。この場合、前記第1供給ユニット51は、予め設定された工程順によって、少なくとも1種類のソースガスとパージガスを前記第1噴射ユニット41に供給することができる。
【0032】
前記第2供給ユニット52は、前記第2噴射ユニット42に少なくとも1種類の反応ガスを供給することができる。前記第2供給ユニット52は、前記第2噴射ユニット42にパージガスを供給することもできる。この場合、前記第2供給部52は、予め設定された工程順によって、少なくとも1種類の反応ガスとパージガスを前記第2噴射部42に供給することができる。
【0033】
前記ガス供給部5は、第3供給ユニット53をさらに含むこともできる。
【0034】
前記第3供給ユニット53は、前記第3噴射ユニット43に区画ガスを供給することができる。前記第3供給ユニット53は、前記基板(S)に対する処理工程が行われている間に間欠的にまたは連続的に、前記第3噴射ユニット43に区画ガスを供給することができる。
【0035】
このような基板処理装置1を用いて本発明による基板処理方法を行うことができるが、これに限定されず、本発明による基板処理方法は、別の方法で具現された基板処理装置を用いて行うこともできる。
【0036】
以下では、本発明による基板処理装置の実施例を添付の図を参照して詳細に説明する。
【0037】
図1~
図4を参照すると、本発明による基板処理方法は、以下の工程を含むことができる。
【0038】
まず、第1処理領域で第1処理工程を行う(S10)。このような第1処理工程を行う工程(S10)は、前記支持部3に支持された基板(S)が、前記第1処理領域110に位置して前記支持部3の回転が停止した状態で行うことができる。前記支持部3に支持された基板(S)が、前記第1処理領域110に位置すると、前記第1処理工程を行う工程(S10)は、前記第1噴射ユニット41が前記第1処理領域110にガスを噴射することによって行うことができる。この場合、前記第1噴射ユニット41は、少なくとも1種類のソースガスを前記第1処理領域110に噴射することができる。前記第1処理領域110にソースガスを噴射することにより、前記第1処理領域110では、前記基板(S)上にソース物質が吸着する吸着工程を行うことができる。前記第1噴射ユニット41は、前記第1処理領域110にソースガスを噴射した後、前記第1処理領域110にパージガスを噴射することもできる。
【0039】
次に、第1処理領域から第2処理領域に基板を移動させる(S20)。このような第1処理領域から第2処理領域に基板を移動させる工程(S20)は、前記第1処理工程を行う工程(S10)を介して、前記第1処理工程が完了した後に行うことができる。前記第1処理工程が完了すると、前記第1処理領域から第2処理領域に基板を移動させる工程(S20)は、前記回転部6が前記支持部3を前記支持軸30を中心に回転させることによって行うことができる。前記第1処理領域110に位置した基板(S)が前記第2処理領域120に位置すると、前記回転部6は前記支持部3の回転を停止することができる。前記第1処理領域から第2処理領域に基板を移動させる工程(S20)は、前記第1処理領域110に位置した基板(S)が、前記第3処理領域130を経て前記第2処理領域120に移動するように前記支持部3を回転させることによって行うことができる。前記基板(S)が前記第3処理領域130を通過するとき、前記基板(S)には前記第3噴射ユニット43によってパージガスを噴射することができる。
【0040】
次に、第2処理領域で第2処理工程を行う(S30)。このような第2処理工程を行う工程(S30)は、前記支持部3に支持された基板(S)が、前記第2処理領域120に位置して前記支持部3の回転が停止した状態で行うことができる。前記支持部3に支持された基板(S)が前記第2処理領域120に位置すると、前記第2処理工程を行う工程(S30)は、前記第2噴射ユニット42が前記第2処理領域120にガスを噴射することによって行うことができる。この場合、前記第2噴射ユニット42は、少なくとも1種類の反応ガスを前記第2処理領域120に噴射することができる。前記第2処理領域120に反応ガスが噴射することにより、前記第2処理領域120では、前記基板(S)上に吸着したソース物質と反応ガスの反応を通じて薄膜が蒸着する蒸着工程を行うことができる。前記第2噴射ユニット42は、前記第2処理領域120に反応ガスを噴射した後、前記第2処理領域120にパージガスを噴射することもできる。
【0041】
次に、第2処理領域から第1処理領域に基板を移動させる(S40)。このような第2処理領域から第1処理領域に基板を移動させる工程(S40)は、前記第2処理工程を行う工程(S30)を通じて前記第2処理工程が完了した後に行うことができる。前記第2処理工程が完了すると、前記第2処理領域から第1処理領域に基板を移動させる工程(S40)は、前記回転部6が前記支持部3を前記支持軸30を中心に回転させることによって行うことができる。前記第2処理領域120に位置した基板(S)が前記第1処理領域110に位置すると、前記回転部6は、前記支持部3の回転を停止することができる。前記第2処理領域から第1処理領域に基板を移動させる工程(S40)は、前記第2処理領域120に位置した基板(S)が、前記第3処理領域130を経て前記第1処理領域110に移動するように前記支持部3を回転させることによって行うことができる。前記基板(S)が前記第3処理領域130を通過するとき、前記基板(S)には前記第3噴射ユニット43によってパージガスを噴射することができる。
【0042】
このように、本発明による基板処理方法は、前記支持部3に支持された基板が停止した状態で、前記第1処理工程と前記第2処理工程を行うことができるように具現される。これにより、本発明による基板処理方法は、前記第1処理工程と前記第2処理工程のそれぞれが行われる時間を調節することができるので、前記第1処理工程と前記第2処理工程のそれぞれにおいて、薄膜成長に必要な製膜遅れ時間(Incubation Time)を調整することができる。したがって、本発明による基板処理方法は、多重薄膜構造を有する素子、ドーピング素子などのような様々な特性を有する素子を製造するための処理工程を行うことができる。また、本発明による基板処理方法は、前記第1処理工程が行われる第1処理領域110と前記第2処理工程が行われる第2処理領域120を区画ガスにより空間的に分離することができるので、ソースガスと反応ガスの反応によって前記チャンバー2の内部が汚染されることを防止することができる。したがって、本発明による基板処理方法は、前記チャンバー2の内部に対する洗浄周期を伸ばすことができるので、洗浄費用を低減できるだけでなく、稼働率増大を通じて処理工程が完了した基板の生産性を増大させることができる。
【0043】
ここで、本発明による基板処理方法は、前記第1処理工程を行う工程(S10)について様々な実施例を含むことができる。前記第1処理工程を行う工程(S10)の実施例について、
図1~
図6を参照して詳細に説明する。
図6において、横軸は時間を意味する。
【0044】
前記第1処理工程を行う工程(S10)の第1実施例は、第1ソースガスを噴射する工程(S11)、および第2ソースガスを噴射する工程(S12)を含むことができる。
【0045】
前記第1ソースガスを噴射する工程(S11)は、前記第1処理領域110に第1ソースガスを噴射することによって行うことができる。前記第1ソースガスを噴射する工程(S11)は、前記第1噴射ユニット41によって行うことができる。前記第1ソースガスを噴射する工程(S11)は、前記支持部3の回転が停止した状態で行うことができる。
【0046】
前記第2ソースガスを噴射する工程(S12)は、前記第1処理領域110に第2ソースガスを噴射することによって行うことができる。前記第2ソースガスを噴射する工程(S12)は、前記第1ソースガスを噴射する工程(S12)を行った後に行うことができる。前記第2ソースガスを噴射する工程(S12)は、前記第1噴射ユニット41によって行うことができる。前記第2ソースガスを噴射する工程(S12)は、前記支持部3の回転が停止した状態で行うことができる。
【0047】
前記第2ソースガスを噴射する工程(S12)は、前記第1ソースガスとは異なる前記第2ソースガスを噴射することによって行うことができる。この場合、前記基板(S)には互いに異なる種類のソースガスを用いた吸着工程を順次行うことで、ドーピングによる複合膜を形成することができる。したがって、本発明による基板処理方法は、ドーピング素子などのような様々な特性を有する素子を製造するための処理工程を行うように具現することができる。このように、前記第1処理工程を行う工程(S10)の第1実施例は、互いに異なるソースガスを噴射するように具現することによって、膜中に多重の金属成分が含まれるようにすることができる。例えば、前記第1処理工程を行う工程(S10)の第1実施例は、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、マグネシウム(Mg)の中の1つ以上の金属を含む金属膜を形成することができる。
【0048】
前記第2ソースガスを噴射する工程(S12)は、前記第1ソースガスと同じ前記第2ソースガスを噴射することによって行うこともできる。この場合、前記基板(S)には、互いに同じ種類のソースガスを用いた吸着工程を繰り返し行うことで、緻密な構造を有する薄膜を形成することができる。
【0049】
前記第1処理工程を行う工程(S10)は、パージガスを噴射する工程(S13)を含むことができる。前記パージガスを噴射する工程(S13)は、前記第1処理領域110にパージガスを噴射することによって行うことができる。前記パージガスを噴射する工程(S13)は、前記第1噴射ユニット41によって行うことができる。前記パージガスを噴射する工程(S13)は、前記支持部3の回転が停止した状態で行うことができる。
【0050】
前記パージガスを噴射する工程(S13)は、前記第1ソースガスを噴射する工程(S11)を行った後であり、前記第2ソースガスを噴射する工程(S12)を行う前に行うことができる。すなわち、前記パージガスを噴射する工程(S13)は、前記第1ソースガスを噴射する工程(S11)と前記第2ソースガスを噴射する工程(S12)の間に行うことができる。したがって、本発明による基板処理方法は、前記パージガスを用いて前記基板(S)上に吸着しなかった第1ガスをパージした後に、前記第2ガスを噴射することにより、前記第1処理工程が完了した基板の品質を向上させることができる。この場合、前記第1処理工程を行う工程(S10)の第1実施例は、前記第1ソースガスと前記第2ソースガスが互いに同一のソースガスからなり得、これによって同一空間内で同一のソースガスを連続噴射するように具現することができる。ソースガスが、下部シード(Seed)膜の蒸着のためのシード(Seed)としての役割をするので、前記第1処理工程を行う工程(S10)の第1実施例は、ソースガスの噴射によるソース物質の吸着と、パージガスの噴射によるパージが、連続的に行われるように具現することにより、ソース物質の吸着が良好になるようにして金属シード(Seed)の密度を高めることができる。
【0051】
このような前記第1処理工程を行う工程(S10)の第1実施例では、前記第1ソースガスを噴射する工程(S11)は、第1ソース噴射時間中に前記第1ソースガスを噴射することによって行うことができる。前記第2ソースガスを噴射する工程(S12)は、第2ソース噴射時間中に前記第2ソースガスを噴射することによって行うことができる。この場合、前記第1ソース噴射時間と前記第2ソース噴射時間は、互いに同じように具現することができる。したがって、本発明による基板処理方法は、前記第1ソースガスを用いた吸着工程と前記第2ソースガスを用いた吸着工程を、互いに同じ時間の間、行うように具現することができる。
【0052】
前記第1処理工程を行う工程(S10)の第2実施例は、上述した前記第1処理工程を行う工程(S10)の第1実施例と対比して、前記第1ソース噴射時間と前記第2ソース噴射時間が互いに異なるように具現される点で差がある。前記第1処理工程を行う工程(S10)の第2実施例は、前記第1ソース噴射時間が前記第2ソース噴射時間よりも短く具現することができる。これによって、本発明による基板処理方法は、前記第1ソースガスを用いた吸着工程を、前記第2ソースガスを用いた吸着工程に比べて、より短い時間の間、行うように具現することができる。
【0053】
前記第1処理工程を行う工程(S10)の第3実施例は、上述した前記第1処理工程を行う工程(S10)の第1実施例と対比して、前記第1ソース噴射時間と前記第2ソース噴射時間が互いに異なるように具現される点で差がある。前記第1処理工程を行う工程(S10)の第3実施例は、前記第1ソース噴射時間が前記第2ソース噴射時間よりも長く具現することができる。これによって、本発明による基板処理方法は、前記第1ソースガスを用いた吸着工程を、前記第2ソースガスを用いた吸着工程に比べて、より長い時間の間、行うように具現することができる。
【0054】
一方、前記第1処理工程を行う工程(S10)の第2実施例と第3実施例において、前記第1ソースガスと前記第2ソースガスは、互いに同じソースガスからなり得る。これによって、前記第1処理工程を行う工程(S10)の第2実施例と第3実施例は、同じ空間で同じソースガスを連続的に噴射するように具現することができる。したがって、前記第1処理工程を行う工程(S10)の第2実施例及び第3実施例は、ソースガスの噴射によるソース物質の吸着とパージガスの噴射によるパージを連続的に行うように具現されることにより、ソース物質の吸着が良好になされるようにして、金属シードの密度を高めることができる。
【0055】
一方、前記第1処理工程を行う工程(S10)の第2実施例と第3実施例において、前記第1ソースガスと前記第2ソースガスは、互いに異なるソースガスからなり得る。これによって、前記第1処理工程を行う工程(S10)の第2実施例と第3実施例は、膜内に多重の金属成分が含まれるようにすることができる。例えば、前記第1処理工程を行う工程(S10)の第2実施例と第3実施例は、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、マグネシウム(Mg)の中の1つ以上の金属を含む金属膜を形成することができる。
【0056】
また、前記第1処理工程を行う工程(S10)の第2実施例と第3実施例は、互いに異なるソースガスからなる前記第1ソースガスと前記第2ソースガスを互いに異なる前記第1ソース噴射時間と前記第2ソース噴射時間の間、噴射するように具現することもできる。これにより、前記第1処理工程を行う工程(S10)の第2実施例と第3実施例は、膜内に所望の金属の割合を高めることができ、膜内に含まれる金属の割合に対する調整の精度を向上させることができる。
【0057】
前記第1処理工程を行う工程(S10)の第4実施例は、上述した前記第1処理工程を行う工程(S10)の第1実施例~第3実施例と対比して、第3ソースガスを噴射する工程(S14)をさらに含むことができる。
【0058】
前記第3ソースガスを噴射する工程(S14)は、前記第1処理領域110に第3ソースガスを噴射することによって行うことができる。前記第3ソースガスを噴射する工程(S14)は、前記第2ソースガスを噴射する工程(S12)を行った後に行うことができる。前記第3ソースガスを噴射する工程(S14)は、前記第1噴射ユニット41によって行うことができる。前記第3ソースガスを噴射する工程(S14)は、前記支持部3の回転が停止した状態で行うことができる。
【0059】
前記第3ソースガスを噴射する工程(S14)は、前記第1ソースガスと前記第2ソースガスが異なる前記第3ソースガスを噴射することによって行うことができる。この場合、前記基板(S)には、互いに異なる種類のソースガスを用いた吸着工程を順次行うことで、ドーピングによる複合膜を形成することができる。したがって、本発明による基板処理方法は、より多様な特性を有する素子を製造するための処理工程を行うように具現することができる。
【0060】
前記第3ソースガスを噴射する工程(S14)は、前記第1ソースガスと前記第2ソースガスの中の少なくとも1つと同じ前記第3ソースガスを噴射することによって行うこともできる。この場合、前記基板(S)には、互いに同じ種類のソースガスを用いた吸着工程を繰り返し行うことで、緻密な構造を有する薄膜を形成することができる。
【0061】
前記第1処理工程を行う工程(S10)の第4実施例は、前記第2ソースガスを噴射する工程(S12)と前記第3ソースガスを噴射する工程(S14)の間に、前記パージガスを噴射する工程(S13')をさらに行うことができる。
【0062】
一方、前記第1処理工程を行う工程(S10)の第4実施例は、前記第1ソースガス、前記第2ソースガス、および前記第3ソースガスが、互いに同一のソースガスからなり得る。これにより、同じ空間で同じソースガスを連続的に噴射するように具現することができる。したがって、前記第1処理工程を行う工程(S10)の第4実施例は、ソースガスの噴射によるソース物質の吸着とパージガスの噴射によるパージを連続的に行うように具現することにより、ソース物質の吸着が良好に行われるようにして金属シードの密度を高めることができる。
【0063】
一方、前記第1処理工程を行う工程(S10)の第4実施例は、前記第1ソースガス、前記第2ソースガス、及び前記第3ソースガスが互いに異なるソースガスからなり得る。これによって、前記第1処理工程を行う工程(S10)の第4実施例は、膜内に多重の金属成分が含まれるようにすることができる。例えば、前記第1処理工程を行う工程(S10)の第4実施例は、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、マグネシウム(Mg)の中の1つ以上の金属を含む金属膜を形成することができる。
【0064】
図に示していないが、前記第1処理工程を行う工程(S10)は、ソースガスを噴射する工程を4回以上含む実施例で具現することもできる。この場合、ソースガスを噴射する工程の間に、前記パージガスを噴射する工程(S13)を行うことができる。
【0065】
前記第1処理工程を行う工程(S10)の第5実施例は、前記第1ソースガスを噴射する工程(S11)のみを含むことができる。この場合、前記第1ソースガスを噴射する工程(S11)は、2種類以上のソースガスを混合した混合ガスを前記第1ソースガスとして前記第1処理領域110に噴射することにより、行うことができる。
【0066】
ここで、本発明による基板処理方法は、前記第2処理工程を行う工程(S30)について様々な実施例を含むことができる。前記第2処理工程を行う工程(S30)の実施例について、
図1~
図8を参照して詳細に説明する。
図8において、横軸は時間を意味する。
【0067】
前記第2処理工程を行う工程(S30)の第1実施例は、第1反応ガスを噴射する工程(S31)、および第2反応ガスを噴射する工程(S32)を含むことができる。
【0068】
前記第1反応ガスを噴射する工程(S31)は、前記第2処理領域120に第1反応ガスを噴射することによって行うことができる。前記第1反応ガスを噴射する工程(S31)は、前記第2噴射ユニット42によって行うことができる。前記第1反応ガスを噴射する工程(S31)は、前記支持部3の回転が停止した状態で行うことができる。
【0069】
前記第2反応ガスを噴射する工程(S32)は、前記第2処理領域120に第2反応ガスを噴射することによって行うことができる。前記第2反応ガスを噴射する工程(S32)は、前記第1反応ガスを噴射する工程(S12)を行った後に行うことができる。前記第2反応ガスを噴射する工程(S32)は、前記第2噴射ユニット42によって行うことができる。前記第2反応ガスを噴射する工程(S32)は、前記支持部3の回転が停止した状態で行うことができる。
【0070】
前記第2反応ガスを噴射する工程(S32)は、前記第1反応ガスとは異なる第2反応ガスを噴射することによって行うことができる。この場合、前記基板(S)には、互いに異なる種類の反応ガスを用いた蒸着工程を順次行うことで、ドーピングによる複合膜を形成することができる。したがって、本発明による基板処理方法は、ドーピング素子などのような様々な特性を有する素子を製造するための処理工程を行うように具現することができる。
【0071】
前記第2反応ガスを噴射する工程(S32)は、前記第1反応ガスと同じ前記第2反応ガスを噴射することによって行うこともできる。この場合、前記基板(S)には、互いに同じ種類の反応ガスを用いた蒸着工程が繰り返し行われることで、緻密な構造を有する薄膜を形成することができる。
【0072】
このように、前記第2処理工程を行う工程(S30)の第1実施例は、前記第1反応ガスと前記第2反応ガスの噴射を通じて、反応ガスを複数回噴射するように具現することにより、膜質を向上させることができる。
【0073】
前記第2処理工程を行う工程(S30)は、パージガスを噴射する工程(S33)を含むことができる。前記パージガスを噴射する工程(S33)は、前記第2処理領域120にパージガスを噴射することによって行うことができる。前記パージガスを噴射する工程(S33)は、前記第2噴射ユニット42によって行うことができる。前記パージガスを噴射する工程(S33)は、前記支持部3の回転が停止した状態で行うことができる。
【0074】
前記パージガスを噴射する工程(S33)は、前記第1反応ガスを噴射する工程(S31)を行った後であり、前記第2反応ガスを噴射する工程(S32)を行う前に行うことができる。すなわち、前記パージガスを噴射する工程(S33)は、前記第1反応ガスを噴射する工程(S31)と前記第2反応ガスを噴射する工程(S32)の間に行うことができる。これによって、本発明による基板処理方法は、前記パージガスを用いて前記基板(S)上に蒸着しなかった第1反応ガスをパージした後に、前記第2反応ガスを噴射することにより、前記第2処理工程が完了した基板の品質を向上させることができる。
【0075】
このような第2処理工程を行う工程(S30)の第1実施例において、前記第1反応ガスを噴射する工程(S31)は、第1反応噴射時間の間、前記第1反応ガスを噴射することによって行うことができる。前記第2反応ガスを噴射する工程(S32)は、第2反応噴射時間の間、前記第2反応ガスを噴射することによって行うことができる。この場合、前記第1反応噴射時間と前記第2反応噴射時間は、互いに同じように具現することができる。したがって、本発明による基板処理方法は、前記第1反応ガスを用いた蒸着工程と前記第2反応ガスを用いた蒸着工程を、互いに同じ時間の間、行うように具現することができる。図に示していないが、前記第1反応噴射時間と前記第2反応噴射時間は、互いに異なるように具現することもできる。この場合、前記第1反応ガスを用いた蒸着工程と前記第2反応ガスを用いた蒸着工程を、互いに異なる時間の間、行うように具現することができる。
【0076】
前記第2処理工程を行う工程(S30)の第2実施例は、上述した前記第2処理工程を行う工程(S30)の第1実施例と対比して、前記第2反応ガスを噴射する工程(S32)の代わりにプラズマを生成する工程(S34)を行う点で差がある。前記プラズマを生成する工程(S34)は、前記第2処理領域120にプラズマを生成することによって行うことができる。前記プラズマを生成する工程(S34)は、前記第2噴射ユニット42によって行うことができる。図に示していないが、前記第2噴射ユニット42は、プラズマ電極と接地電極を用いて、前記第2処理領域120にプラズマを生成することができる。この場合、前記第2噴射ユニット42は、プラズマを生成するための生成ガスを、前記第2処理領域120に噴射することができる。前記第2処理工程を行う工程(S30)の第2実施例は、前記プラズマを生成する工程(S34)を行うことにより、前記第1反応ガスを用いた蒸着工程により形成された薄膜のデンス(Dense)を高めることができ、ステップカバレッジ(Step Coverage)を向上させることができる。また、前記第2処理工程を行う工程(S30)の第2実施例は、膜形成直後に前記プラズマを用いた処理を行うことができるので、金属膜に含まれていた不純物を除去することができるだけでなく、膜の密度を高めることができる。
【0077】
前記第2処理工程を行う工程(S30)の第3実施例は、上述した前記第2処理工程を行う工程(S30)の第1実施例と対比して、第3反応ガスを噴射する工程(S35)をさらに含むことができる。
【0078】
前記第3反応ガスを噴射する工程(S35)は、前記第2処理領域120に第3反応ガスを噴射することによって行うことができる。前記第3反応ガスを噴射する工程(S35)は、前記第2反応ガスを噴射する工程(S32)を行った後に行うことができる。前記第3反応ガスを噴射する工程(S35)は、前記第2噴射ユニット42によって行うことができる。前記第3反応ガスを噴射する工程(S35)は、前記支持部3の回転が停止した状態で行うことができる。
【0079】
前記第3反応ガスを噴射する工程(S35)は、前記第1反応ガスと前記第2反応ガスのそれぞれと異なる前記第3反応ガスを噴射することによって行うことができる。この場合、前記基板(S)には、互いに異なる種類の反応ガスを用いた蒸着工程を順次行うことで、ドーピングによる複合膜を形成することができる。したがって、本発明による基板処理方法は、より多様な特性を有する素子を製造するための処理工程を行うように具現することができる。
【0080】
前記第3反応ガスを噴射する工程(S35)は、前記第1反応ガスと前記第2反応ガスの中で少なくとも1つと同じ前記第3反応ガスを噴射することによって行うこともできる。この場合、前記基板(S)には、互いに同じ種類の反応ガスを用いた蒸着工程を繰り返し行うことで、緻密な構造を有する薄膜を形成することができる。
【0081】
このように、前記第2処理工程を行う工程(S30)の第3実施例は、前記第1反応ガス、前記第2反応ガス、及び前記第3反応ガスの噴射を通じて反応ガスを複数回噴射するように具現することにより、膜質を向上させることができる。
【0082】
前記第2処理工程を行う工程(S30)の第3実施例は、前記第2反応ガスを噴射する工程(S32)と前記第3反応ガスを噴射する工程(S35)の間に前記パージガスを噴射する工程(S33')をさらに行うことができる。
【0083】
図に示していないが、前記第2処理工程を行う工程(S30)は、反応ガスを噴射する工程を4回以上含む実施例で具現することもできる。この場合、反応ガスを噴射する工程の間に、前記パージガスを噴射する工程(S33)を行うことができる。
【0084】
前記第2処理工程を行う工程(S30)の第4実施例は、前記第1反応ガスを噴射する工程(S31)のみを含むことができる。この場合、前記第1反応ガスを噴射する工程(S31)は、2種類以上の反応ガスを混合した混合ガスを前記第1反応ガスとして前記第2処理領域120に噴射することによって行うことができる。
【0085】
ここで、本発明による基板処理方法は、前記第1処理工程を行う工程(S10)の第1実施例~第5実施例の中のいずれか一つ、及び前記第2処理工程を行う工程(S30)の第1実施例~第4実施例の中のいずれか一つを組み合わせることで具現することができる。一方、本発明による基板処理方法において、前記第1処理工程を行う工程(S10)の第1実施例~第5実施例の中のいずれか一つを行う場合、前記第2処理工程を行う工程(S30)は、前記第1反応ガスを噴射する工程(S31)のみを含み、1種類の反応ガスを前記第2処理領域120に噴射するように具現することもできる。一方、本発明による基板処理方法において、前記第2処理工程を行う工程(S30)の第1実施例~第4実施例の中のいずれか一つを行う場合、前記第1処理工程を行う工程(S10)は、前記第1ソースガスを噴射する工程(S11)のみを含み、1種類のソースガスを前記第1処理領域110に噴射するように具現することもできる。
【0086】
図1~
図3および
図9を含むと、本発明の変形実施例による基板処理方法は、以下の工程を含むことができる。
図9において、横軸は時間を意味する。
【0087】
まず、第1ソースガスを用いた第1処理工程を行う。このような工程は、前記支持部3に支持された基板(S)が前記第1処理領域110に位置すると、前記第1処理領域110に第1ソースガスを噴射して前記第1ソースガスを用いた第1処理工程を行うことによってなすことができる。前記第1ソースガスは、前記第1噴射ユニット41によって前記第1処理領域110に噴射することができる。前記第1ソースガスを用いた第1処理工程が行われる間、前記支持部3は静止した状態に維持することができる。
【0088】
次に、前記第1ソースガスを用いた第1処理工程が完了すると、前記基板を前記第2処理領域120に移動させる。このような工程は、前記第1ソースガスを用いた第1処理工程が完了すると、前記支持部3を回転させて前記基板(S)を前記第1処理領域110から前記第2処理領域120へ移動させことによって行うことができる。前記基板(S)が前記第2処理領域120に位置すると、前記支持部3の回転を停止することができる。前記基板(S)が、前記第1処理領域110から前記第2処理領域120に移動する過程で、前記基板(S)は、前記第3処理領域130を通過することができる。
【0089】
次に、第1反応ガスを用いた第2処理工程を行う。このような工程は、前記支持部3に支持された基板(S)が前記第2処理領域120に位置すると、前記第2処理領域120に第1反応ガスを噴射して前記第1反応ガスを用いた第2処理工程を行うことによってなすことができる。前記第1反応ガスは、前記第2噴射ユニット42によって、前記第2処理領域120に噴射することができる。前記第1反応ガスを用いた第2処理工程を行う工程が行われる間、前記支持部3は静止した状態に維持することができる。
【0090】
次に、前記第1反応ガスを用いた第2処理工程が完了すると、前記基板を前記第1処理領域110に移動させる。このような工程は、前記第1反応ガスを用いた第2処理工程が完了すると、前記支持部3を回転させて前記基板(S)を前記第2処理領域120から前記第1処理領域110へ移動させることによって行うことができる。前記基板(S)が前記第1処理領域110に位置すると、前記支持部3の回転を停止することができる。前記基板(S)が前記第2処理領域120から前記第1処理領域110に移動する過程で、前記基板(S)は、前記第3処理領域130を通過することができる。
【0091】
次に、第2ソースガスを用いた第1処理工程を行う。このような工程は、前記支持部3に支持された基板(S)が前記第1処理領域110に位置すると、前記第1処理領域110に第2ソースガスを噴射して前記第2ソースガスを用いた第1処理工程を行うことによってなすことができる。前記第2ソースガスと前記第1ソースガスは、互いに異なる種類のソースガスであり得る。前記第2ソースガスは、前記第1噴射ユニット41によって前記第1処理領域110に噴射することができる。前記第2ソースガスを用いた第1処理工程を行う工程が行われる間、前記支持部3は静止した状態に維持することができる。
【0092】
次に、前記第2ソースガスを用いた第1処理工程が完了すると、前記基板を前記第2処理領域120に移動させる。このような工程は、前記第2ソースガスを用いた第1処理工程が完了すると、前記支持部3を回転させて前記基板(S)を前記第1処理領域110から前記第2処理領域120へ移動させることによって行うことができる。
【0093】
次に、第2反応ガスを用いた第2処理工程を行う。このような工程は、前記支持部3に支持された基板(S)が前記第2処理領域120に位置すると、前記第2処理領域120に第2反応ガスを噴射して前記第2反応ガスを用いた第2処理工程を行うことによってなすことができる。前記第2反応ガスと前記第1反応ガスは、互いに異なる種類の反応ガスであり得る。前記第2反応ガスは、前記第2噴射ユニット42によって前記第2処理領域120に噴射することができる。前記第2反応ガスを用いた第2処理工程を行う工程が行われる間、前記支持部3は静止した状態に維持することができる。
【0094】
このように本発明の変形した実施例による基板処理方法は、前記第1ソースガスを用いた第1処理工程、前記第1反応ガスを用いた第2処理工程、前記第2ソースガスを用いた第2処理工程、および、前記第2反応ガスを用いた第2処理工程を順次行うことができるように具現される。これによって、本発明の変形実施例による基板処理方法は、前記第1ソースガスと前記第1反応ガスを用いた第1薄膜、および前記第2ソースガスと前記第2反応ガスを用いた第2薄膜を形成するように具現することができる。したがって、本発明の変形実施例による基板処理方法は、多重薄膜構造を有する素子など、多様な特性を有する素子を製造するための処理工程を行うことができる。また、本発明の変形実施例による基板処理方法は、前記支持部3に支持された基板が停止した状態で、前記第1ソースガスを用いた第1処理工程、前記第1反応ガスを用いた第2処理工程、前記第2ソースガスを用いた第2処理工程、および前記第2反応ガスを用いた第2処理工程を順次行うことができるように具現される。したがって、本発明の変形実施例による基板処理方法は、前記第1処理工程と前記第2処理工程のそれぞれにおいて、薄膜成長に必要な製膜遅れ時間(Incubation Time)を調節することができる。
【0095】
前記第2反応ガスを用いた第2処理工程が完了すると、本発明の変形実施例による基板処理方法は、前記基板を前記第1処理領域110に移動させることができる。このような工程は、前記第2反応ガスを用いた第2処理工程が完了すると、前記支持部3を回転させて前記基板(S)を前記第2処理領域120から前記第1処理領域110へ移動させることによって行うことができる。前記基板(S)が前記第1処理領域110に位置すると、前記第1ソースガスを用いた第1処理工程を行う工程から再び行うことができる。これによって、上述した工程を繰り返し行うことにより、本発明の変形実施例による基板処理方法は、前記基板(S)に対する処理工程を行うことができる。
【0096】
以上説明した本発明は、上述した実施例及び添付の図に限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で種々の置換、変形及び変更が可能であることが、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
【国際調査報告】