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特表2023-542801管状反応器のための回転可能な保持装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(54)【発明の名称】管状反応器のための回転可能な保持装置
(51)【国際特許分類】
   B01J 8/02 20060101AFI20231004BHJP
   B01J 8/06 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
B01J8/02 C
B01J8/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507377
(86)(22)【出願日】2021-09-24
(85)【翻訳文提出日】2023-03-13
(86)【国際出願番号】 GB2021052490
(87)【国際公開番号】W WO2022064211
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】2015189.0
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518329767
【氏名又は名称】ジョンソン マッセイ デイヴィー テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー、ロバート マイルズ
(72)【発明者】
【氏名】クラクストン、ヘンリー アーサー
(72)【発明者】
【氏名】グラハム、サイモン
(72)【発明者】
【氏名】ショー、ディーン グラハム
【テーマコード(参考)】
4G070
【Fターム(参考)】
4G070AB05
4G070BB02
4G070CA15
4G070CB15
4G070DA15
(57)【要約】

管状反応器(1)のための反応器管(8)及び反応器管に関連付けられた保持装置(20)であって、反応器管(8)が、使用時に触媒(9)を受け入れるためのボア(11)を画定しかつボアから触媒(9)を排出するための出口(12)をボアの一端に有する細長い管を備え、保持装置(20)が、第1の位置と第2の位置との間で回転可能に構成されており、第1の位置において、保持装置(20)が、ボア内に触媒(9)を保持するために出口(12)を少なくとも部分的に閉塞し、第2の位置において、出口(12)が、出口(12)からの触媒(9)の排出を可能にするために十分に遮られていない、反応器管(8)及び保持装置(20)。
【選択図】図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状反応器のための反応器管及び前記反応器管に関連付けられた保持装置であって、
前記反応器管が、使用時に触媒を受け入れるためのボアを画定しかつ前記ボアから前記触媒を排出するための出口を前記ボアの一端に有する細長い管の形態であり、
前記保持装置が、第1の位置と第2の位置との間で回転可能に構成されており、
前記第1の位置において、前記保持装置が、前記ボア内に前記触媒を保持するために前記出口を少なくとも部分的に閉塞し、
前記第2の位置において、前記出口が、前記出口からの前記触媒の排出を可能にするために十分に遮られていない、反応器管及び保持装置。
【請求項2】
前記保持装置が、前記細長い管の長手方向軸に対して平行でかつ一致しない軸を中心に回転可能である、請求項1に記載の反応器管及び保持装置。
【請求項3】
前記保持装置が、前記第1の位置と前記第2の位置との間で回転可能である、回転可能な本体を備える、請求項1又は2に記載の反応器管及び保持装置。
【請求項4】
前記回転可能な本体が、回転可能なディスクを含む、請求項3に記載の反応器管及び保持装置。
【請求項5】
前記回転可能なディスクが、ディスク本体と、少なくとも1つの開口とを備え、
前記第1の位置において、前記ディスク本体が、前記ボア内に前記触媒を保持するために前記出口を少なくとも部分的に閉塞するように構成されており、前記第2の位置において、前記少なくとも1つの開口が、前記出口と位置合わせされるように構成されており、
任意選択的に、前記回転可能なディスクの切り欠きセグメント又は各切り欠きセグメントがレンズ状であり、前記ディスク本体が三日月状である、請求項4に記載の反応器管及び保持装置。
【請求項6】
前記回転可能な本体が、アーム又はローブを備え、
前記第1の位置において、前記アーム又はローブが、前記ボア内に前記触媒を保持するために前記出口を少なくとも部分的に閉塞するように構成されており、前記第2の位置において、前記アーム又はローブが、前記出口と位置合わせされないように構成されている、請求項3に記載の反応器管及び保持装置。
【請求項7】
前記ボアが、使用時に、前記触媒を収容しかつ前記ボア内に挿入可能な複数の触媒担体の形態の前記触媒を受け入れるように構成されており、
前記第1の位置において、前記保持装置が、前記複数の触媒担体を前記ボア内に保持するように、前記出口を少なくとも部分的に閉塞し、
前記第2の位置において、前記出口が、前記複数の触媒担体の前記出口からの排出を可能にするように十分に遮られていない、請求項1~6のいずれか一項に記載の反応器管及び保持装置。
【請求項8】
複数の反応器管及び複数の保持装置を含む管状反応器であって、
各反応器管が、使用時に触媒を受け入れるためのボアを画定しかつ前記ボアから前記触媒を排出するための出口を前記ボアの一端に有する細長い管を備え、
各保持装置が、1つ以上の反応器管に関連付けられかつ第1の位置と第2の位置との間で回転可能であるように構成されており、
前記第1の位置において、各保持装置が、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての前記ボア内に前記触媒を保持するために、前記1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての前記出口を少なくとも部分的に閉塞し、
前記第2の位置において、前記1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの少なくとも1つの前記出口が、前記出口からの前記触媒の排出を可能にするために十分に遮られない、管状反応器。
【請求項9】
各反応器管が、その出口に関連付けられた2つ、3つ、又は4つの保持装置を有する、請求項8に記載の管状反応器。
【請求項10】
前記複数の保持装置がそれぞれ互いに独立して回転可能であり、又は
前記複数の保持装置のうちの2つ以上は、同期して回転可能であるように相互連結されている、請求項8又は9に記載の管状反応器。
【請求項11】
各保持装置が、2つの反応器管の間、任意選択的に3つ又は4つの反応器管の間の隙間に位置合わせされている、請求項8~10のいずれか一項に記載の管状反応器。
【請求項12】
各保持装置が、前記細長い管の長手方向軸に対して平行でかつ一致しない軸を中心に回転可能である、請求項8~11のいずれか一項に記載の管状反応器。
【請求項13】
前記複数の反応器管を支持する管板を更に備え、
前記複数の保持装置が、前記管板に取り付けらており、
任意選択的に、前記複数の保持装置が、前記管板のスタッドボルトに取り付けられている、請求項8~12のいずれか一項に記載の管状反応器。
【請求項14】
前記保持装置の回転を選択的に防止するための複数のロッキング要素を更に備え、
任意選択的に、各ロッキング要素が、前記保持装置の回転を阻止するために1つ以上の保持装置に対して係合させられることができるロッキング本体を備える、請求項8~12のいずれか一項に記載の管状反応器。
【請求項15】
管状反応器の反応器管に触媒を装填しかつ前記反応器管から前記触媒を取り出す方法であって、前記反応器管が、触媒を受け入れるためのボアを画定し、かつ前記ボアから前記触媒を排出するための出口を前記ボアの一端に有する細長い管を備え、装填する方法が、
前記反応器管の前記出口に保持装置を関連付けることと、
前記保持装置を、前記出口を少なくとも部分的に閉塞する第1の位置に回転させることと、
前記触媒が前記保持装置によって保持及び支持されるように前記触媒を前記反応器管に装填することと、を含み、
取り出す方法が、
前記保持装置を、前記出口が十分に遮られない第2の位置に回転させることと、
前記出口から前記触媒を排出することとを含む、方法。
【請求項16】
2つ以上の保持装置が、前記反応器管の前記出口と関連付けられており、前記装填する方法が、
前記2つ以上の保持装置の各々を、前記出口を少なくとも部分的に閉塞する第1の位置に回転させることと、
前記触媒が前記保持装置によって保持及び支持されるように、前記触媒を前記反応器管内に装填することと、を含み、
前記取り出す方法が、
前記2つ以上の保持装置の各々を、前記出口が十分に遮られない第2の位置に回転させることと、
前記出口から前記触媒を排出することと、を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記管状反応器が、複数の反応器管及び複数の保持装置を備え、前記装填する方法が、
各保持装置を、少なくとも1つの反応器管の前記出口を少なくとも部分的に閉塞する第1の位置に回転させることと、
前記触媒が前記保持装置によって保持及び支持されるように、前記触媒を前記反応器管に装填することと、を含み、
前記取り出す方法が、
前記反応器管のうちの少なくとも1つの前記出口が十分に遮られないように、前記保持装置のうちの1つ以上を第2の位置に回転させることと、
1つ以上の前記出口から前記触媒を排出することと、を含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
一度に1つの反応器管のみの前記出口を十分に遮らないように前記保持装置を選択的に回転させることによって、一度に1つの前記反応器管が取り出される、又は
同時に2つ以上の反応器管の前記出口を十分に遮られないように前記保持装置を選択的に回転させることによって一度に2つ以上の前記反応器管が取り出される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
複数の触媒担体内に前記触媒を提供し、前記複数の触媒担体を各ボア内に装填することによって、前記触媒が各ボア内に装填される、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
遊離触媒粒子を各ボアに充填することによって、前記触媒が各ボアに装填される、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管状反応器における改善又は管状反応器に関する改善に関する。特に、本開示は、管状反応器の反応器管と共に使用するための保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のいわゆる固定床管型反応器は、複数の反応器管を含む反応器シェルを含み、これらの反応器管は、通常は円筒形であり、通常は触媒粒子で直接的に充填される。使用中、伝熱媒体は、これらの反応器管の外側の反応器のシェルを通って流れ、それによって、管壁を横切る熱交換によって反応器管内の触媒の温度を調節する。したがって、反応が発熱反応である場合、伝熱媒体は、熱が触媒から除去されることを可能にし、反応が吸熱反応である場合、伝熱媒体は、熱を触媒に提供する。
【0003】
いくつかの反応に関して、反応の熱効果は、それらが問題にならないか、又はそれらが容易に管理され得るかのいずれかであるように穏やかである。場合によっては、熱の影響は十分に小さいので、大径の反応器管が使用されてもよい。これは、反応器管内に大量の触媒が存在するという利点を有する。
【0004】
しかしながら、より多くの発熱反応又は吸熱反応のためには、管壁を介して熱伝達媒体への効率的な熱伝導があり、安定した動作温度を維持して有害な影響の発生を回避するために反応器内の条件を制御できるようにすることが必要である。発熱反応の場合、このような影響には、副反応の発生、触媒活性部位の焼結などによる触媒への損傷、最悪の場合には熱暴走が含まれ得る。吸熱反応に対する有害な影響には、反応のクエンチが含まれ得る。
【0005】
所望の効率を達成するために、単位長さ当たりの管壁の表面積は最大化されなければならない。これは、過去において、より多数のより小さい直径の反応器管を設置することによって達成されてきた。いくつかの反応において、サイズ制限は、反応器管が約15~40mmのオーダの内径しかないことを意味する。しかしながら、この多数の反応器管の使用は、反応器のコスト及び複雑さを増大させる。
【0006】
したがって、これらの問題を軽減する試みにおいて、特に、より発熱性又は吸熱性の反応のための代替的なアプローチが開発されており、このアプローチでは、触媒は、反応管に直接的に充填されず、代わりに、反応管内に位置するように構成された複数の触媒担体に収容される。
【0007】
このような触媒担体の第1のタイプは、国際公開第2011/048361号に記載されている。この配置は、より多くの発熱反応又は吸熱反応の場合であっても、より大きな管及びより大きな体積のより小さな触媒粒子を使用することができるように、管壁における熱伝導を最適化しようとするものである。国際公開第2011/048361号に記載された触媒担体は、使用時に触媒を保持するための環状容器を備える。容器は、管を画定する穿孔された内壁と、穿孔された外壁と、環状容器を閉じる上面と、環状容器を閉じる底面とを有する。管の底を閉じる面は、環状容器の内壁によって形成されている。スカートは、環状容器の穿孔された外壁から、容器の底面又はその近くの位置からシールの位置の下の位置まで上方に延びている。シールは、上面又はその近くに配置され、スカートの外面を越えて延びる距離だけ容器から延びている。
【0008】
このような触媒担体の第2のタイプは、国際公開第2012/136971号に記載されている。この配置において、触媒担体は、使用時にモノリス触媒を保持するための容器を含み、容器は、容器を閉じる底面と、容器の底面からシールの位置の下の位置まで上方に延び、そこから間隔を置いて配置されたスカートとを有し、スカートは、モノリス触媒の外面とスカートとの間に空間が存在するように配置され、シールは、モノリス触媒の上面に又はその近くに配置され、モノリス触媒からスカートの外面を越えて延びる距離だけ延びている。
【0009】
このような触媒担体の第3のタイプは、国際公開第2016/050520号に記載されている。この構成において、触媒担体は、使用時に触媒を保持するための容器を含む。容器は、容器を閉じる底面と、上面とを有する。担体外壁は、底面から上面まで延びており、シールは、担体外壁を越えて延びる距離だけ容器から延びている。担体外壁は、シールの下に配置された開口を有する。
【0010】
反応器管からの粒子状触媒の封じ込めの損失を防止するために、典型的には、下部管板に取り付けられた又はその下に配置された弾性手段又はフレームワークによって定位置に恒久的に保持され得るメッシュ又はグリルを含む様々な手段が提供されてきた。触媒担体については、支持グリッドが、反応器内で一緒にボルト締めされ、スタッド及びボルトを介して下部管板に固定される保持システムとして使用されてきた。
【0011】
固定床管状反応器及び触媒担体に含まれる触媒を受け入れるように構成されたものの両方で、反応器管の触媒を空にする必要があり得る。この必要性は、例えば、触媒が時間の経過とともに劣化し、交換を必要とするために生じ得る。劣化は、例えば、管の膨張及び収縮の繰り返しによって引き起こされる触媒の破損などのプロセスに起因する物理的なもの、又は例えば、触媒の被毒に起因する化学的なものであり得る。この必要性はまた、管状反応器に対して定期的な検査又は保守を実施する必要性から生じ得る。
【0012】
触媒の反応器管を空にすることは、労働集約的、危険かつ時間のかかるプロセスであり得る。管型反応器は、多数の反応器管を含み得る。各反応器管は、かなりの量の触媒又は多数の触媒担体を含み得る。管状反応器の停止時間は、失われた製造時間に関して著しいコストをもたらし得る。更に、粒子状触媒又は触媒担体の制御された排出は、公知の保持システムを使用して達成することが可能でないか、又は容易でない場合がある。
【0013】
これら全ての理由から、反応器管の触媒を空にするプロセスを改善する方法を提供することが望ましいであろう。特に、迅速かつ制御可能な方法で管ごとに反応器からの触媒の排出を容易にすることが望ましい。
【発明の概要】
【0014】
本開示の第1の態様では、管状反応器のための反応器管及び反応器管に関連付けられた保持装置であって、
反応器管が、使用時に触媒を受け入れるためのボアを画定しかつボアから触媒を排出するための出口をボアの一端に有する細長い管の形態であり、
保持装置が、第1の位置と第2の位置との間で回転可能に構成されており、
第1の位置において、保持装置が、ボア内に触媒を保持するために出口を少なくとも部分的に閉塞し、
第2の位置において、出口が、出口からの触媒の排出を可能にするために十分に遮られていない、反応器管及び保持装置が提供される。
【0015】
有利には、保持装置は、触媒の反応器管を空にするための改善された手段を提供してもよい。
【0016】
保持装置は、細長い管の長手方向軸に対して平行でかつ一致しない軸を中心に回転可能であってよい。
【0017】
保持装置は、第1の位置と第2の位置との間で回転可能である回転可能な本体を備えてよい。
【0018】
回転可能な本体は、回転可能な本体の異なる円周領域に配置された、少なくとも1つの閉塞部分及び少なくとも1つの非閉塞部分を備えてよく、
第1の位置において、少なくとも1つの閉塞部分が、出口を少なくとも部分的に閉塞するように構成されてもよく、第2の位置において、少なくとも1つの非閉塞部分は、出口と位置合わせされるように構成されてもよい。
【0019】
回転可能な本体は、回転可能な本体がそれを中心に回転するように構成された中心ピボットを備えてよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、回転可能な本体は、回転可能なディスクを備えてもよい。
【0021】
回転可能なディスクは、ディスク本体と、少なくとも1つの開口とを備えてよく、
第1の位置において、ディスク本体は、ボア内に触媒を保持するために出口を少なくとも部分的に閉塞するように構成されてもよく、第2の位置において、少なくとも1つの開口は、出口と位置合わせされるように構成されてもよい。
【0022】
少なくとも1つの開口は、回転可能なディスクの少なくとも1つの切り欠きセグメントを画定するようにディスク本体の周縁まで延びる少なくとも1つの開放開口であってもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、回転可能ディスクの切り欠きセグメント又は各切り欠きセグメントは、レンズ形状であってもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、ディスク本体は三日月形状であってもよい。
【0025】
回転可能な本体は、1つ、2つ、3つ、又は4つの開口を備えてもよい。これは、特に、保持装置が1つ、2つ、3つ、又は4つの出口からの触媒の排出を制御するように意図されている場合であり得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、回転可能なディスクは、アーム又はローブ又はローブを備えてよく、
第1の位置において、アーム又はローブ又はローブは、ボア内に触媒を保持するために出口を少なくとも部分的に閉塞するように構成されてもよく、第2の位置において、アーム又はローブ又はローブは、出口と位置合わせされないように構成されてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、回転可能な本体は、2つ、3つ、又は4つのアーム又はローブ又はローブを備えてもよい。これは特に、保持装置が2つ、3つ又は4つの出口からの触媒の排出を制御するように意図されている場合であり得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、ボアは、使用時に、触媒を収容しかつボア内に挿入可能な複数の触媒担体の形態の触媒を受け入れるように構成されてもよく、
第1の位置において、保持装置は、複数の触媒担体をボア内に保持するように、出口を少なくとも部分的に閉塞してもよく、
第2の位置において、出口は、複数の触媒担体の出口からの排出を可能にするように十分に遮られていなくてもよい。
【0029】
第1の位置において、保持装置は、複数の触媒担体のうちの最端のものを支持するように構成されてもよい。
【0030】
第1の位置において、保持装置は、
複数の触媒担体のうちの最端のものと接触することによって複数の触媒担体のうちの最端のものを直接的に支持してもよい、又は
複数の触媒担体のうちの最端のものをそれ自体が支持する支持装置に接触することによって、複数の触媒担体のうちの最端のものを間接的に支持してもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、ボアは、使用時に、ボア内に緩く充填される触媒粒子の形態の触媒を受け入れるように構成されてもよく、
第1の位置において、保持装置が、触媒粒子をボア内に保持するように、出口を少なくとも部分的に閉塞してもよく、
第2の位置において、出口が、触媒粒子の出口からの排出を可能にするように十分に遮られていなくてもよい。
【0032】
反応器管及び保持装置が、ボア内に触媒粒子を支持する支持装置を更に備えてもよく、
第1の位置において、保持装置が、支持装置、ひいては触媒粒子をボア内に保持するように、出口を少なくとも部分的に閉塞してもよく、
第2の位置において、出口が、出口からの支持装置の排出、及びその後の触媒粒子の排出を可能にするように十分に遮られていなくてもよい。
【0033】
支持装置は、任意の適切な形態をとってもよい。例えば、支持装置は、粒子状触媒を支持するための上部メッシュを少なくとも有する中空体又は多孔質体を含んでもよい。代替的に、支持装置は、不活性支持材料を含んでもよい。不活性支持材料は、粒子状触媒よりも大きい直径を有する不活性ボール、例えばアルミナボールを含んでもよい。不活性ボールは、反応器管からの触媒の損失を回避するために、サイズがグレード付けされていてもよい。代替的に、支持装置は、バスケットのように粒子状触媒を保持するために反応器管壁に対して膨張する1つ以上のコイルばねを含んでもよい。
【0034】
本開示の第2の態様では、複数の反応器管及び複数の保持装置を含む管状反応器であって、
各反応器管が、使用時に触媒を受け入れるためのボアを画定しかつボアから触媒を排出するための出口をボアの一端に有する細長い管を備え、
各保持装置が、1つ以上の反応器管に関連付けられかつ第1の位置と第2の位置との間で回転可能であるように構成されており、
第1の位置において、各保持装置が、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全てのボア内に触媒を保持するために、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口を少なくとも部分的に閉塞し、
第2の位置において、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの少なくとも1つの出口が、出口からの触媒の排出を可能にするために十分に遮られない、管状反応器が提供される。
【0035】
第1の位置において、各保持装置が、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの全てのボア内に触媒を保持するために、1つ以上の関連付けられた反応器管の全ての出口を少なくとも部分的に塞いでよい。
【0036】
第2の位置において、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの少なくとも2つ又は全ての出口が、出口からの触媒の排出を可能にするために十分に閉塞されていなくてもよい。
【0037】
各反応器管が、その出口に関連付けられた2つ、3つ又は4つの保持装置を有してもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、複数の保持装置がそれぞれ、互いに独立して回転可能であってもよい。
【0039】
いくつかの他の実施形態では、複数の保持装置のうちの2つ以上が、同期して回転可能であるように相互連結されてもよい。
【0040】
2つ以上の保持装置が、リンク部材によって相互連結されてもよく、リンク部材が、2つ以上の保持装置を回転させるように作動可能であってもよい。
【0041】
複数の反応器管が、等間隔の規則的なパターンで配置されてもよく、反応器管の各対が、中心間の均一な距離Dだけ分離されており、
複数の保持装置がまた、等間隔の規則的なパターンで配置されてもよく、保持装置の各対が、中心間の均一な距離Dだけ分離されており、かつ
保持装置の等間隔の規則的なパターンが、反応器管の等間隔の規則的なパターンからずれていてもよい。
【0042】
各保持装置は、2つの、任意選択的には3つ又は4つの反応器管の間の隙間に位置合わせされていてよい。
【0043】
各保持装置は、細長い管の長手方向軸に対して平行でかつ一致しない軸を中心に回転可能であってよい。
【0044】
各保持装置は、第1の位置と第2の位置との間で回転可能である回転可能な本体を備えてもよい。
【0045】
各回転可能な本体は、回転可能な本体の異なる円周領域に配置された、少なくとも1つの閉塞部分及び少なくとも1つの非閉塞部分を備えてよく、
第1の位置において、少なくとも1つの閉塞部分が、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口を少なくとも部分的に閉塞するように構成されてもよく、第2の位置において、少なくとも1つの非閉塞部分が、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口と位置合わせされるように構成されてもよい。
【0046】
各回転可能な本体は、回転可能な本体がそれを中心に回転するように構成された中心ピボットを備えてよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、各回転可能な本体は、回転可能なディスクを備えてもよい。
【0048】
各回転可能なディスクが、ディスク本体及び少なくとも1つの開口を備えてもよく、
第1の位置において、ディスク本体が、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口を少なくとも部分的に閉塞するように構成されてもよく、第2の位置において、少なくとも1つの開口が、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口と位置合わせされるように構成されてもよい。
【0049】
少なくとも1つの開口は、回転可能なディスクの少なくとも1つの切り欠きセグメントを画定するようにディスク本体の周縁まで延びる少なくとも1つの開放開口であってもよい。
【0050】
回転可能なディスクの切り欠きセグメント又は各切り欠きセグメントは、レンズ形状であってもよい。
【0051】
各ディスク本体は、三日月形状であってもよい。
【0052】
各回転可能な本体は、1つ、2つ、3つ、又は4つの開口を備えてもよい。これは、特に、保持装置が1つ、2つ、3つ、又は4つの出口からの触媒の排出を制御するように意図されている場合であり得る。
【0053】
各回転可能な本体は、アーム又はローブ又はローブを備えてもよく、
第1の位置において、アーム又はローブ又はローブが、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口を少なくとも部分的に閉塞するように構成されてもよく、第2の位置において、アーム又はローブ又はローブが、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口と位置合わせされないように構成されてもよい。
【0054】
第1の位置において、アーム又はローブ又はローブが、2つ以上の関連付けられた反応器管にわたって延びていてもよい。
【0055】
アーム又はローブが、直線状又は曲線状であってもよい。
【0056】
各回転可能な本体は、2つ、3つ、又は4つのアーム又はローブを備えてもよい。これは特に、保持装置が2つ、3つ又は4つの出口からの触媒の排出を制御するように意図されている場合であり得る。
【0057】
管状反応器が、複数の反応器管を支持する管板を更に備えてもよく、複数の保持装置が管板に取り付けられてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、複数の保持装置が、管板のスタッドボルトに取り付けられてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、管板が、下部管板であってもよい。
【0060】
管状反応器が、保持装置の回転を選択的に防止するための複数のロッキング要素を更に備えてもよい。
【0061】
各ロッキング要素が、保持装置の回転を阻止するために1つ以上の保持デバイスに対して係合されることができるロッキング本体を備えてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、各ボアが、使用時に、触媒を収容しかつボア内に挿入可能な複数の触媒担体の形態の触媒を受け入れるように構成されてもよく、
第1の位置において、各保持装置が、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全てのボア内に複数の触媒担体を保持するように、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口を少なくとも部分的に閉塞してもよく、
第2の位置において、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの少なくとも1つの出口が、複数の触媒担体の出口からの排出を可能にするために十分に遮られていなくてもよい。
【0063】
第1の位置において、各保持装置が、複数の触媒担体のうちの最端のものを支持するように構成されてもよい。
【0064】
第1の位置において、各保持装置が、
複数の触媒担体のうちの最端のものと接触することによって複数の触媒担体のうちの最端のものを直接的に支持してもよい、又は
複数の触媒担体のうちの最端のものをそれ自体が支持する支持装置に接触することによって、複数の触媒担体のうちの最端のものを間接的に支持してもよい。
【0065】
支持装置が、最初に反応器管内に押し込まれるか又は配置され、続いて複数の触媒担体が配置されてもよい。
【0066】
いくつかの他の実施形態では、各ボアが、使用時に、ボア内に充填される触媒粒子の形態で触媒を受け入れるように構成されてもよく、
第1の位置において、各保持装置が、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全てのボア内に触媒粒子を保持するように、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口を少なくとも部分的に閉塞してもよく、
第2の位置において、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの少なくとも1つの出口が、触媒粒子の出口からの排出を可能にするように十分に遮られていなくてもよい。
【0067】
いくつかの他の実施形態では、管状反応器が、ボア内に触媒粒子を支持する複数の支持装置を更に備えてもよく、
第1の位置において、各保持装置が、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全てのボア内に支持装置、ひいては触媒粒子を保持するように、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口を少なくとも部分的に閉塞してもよく、
第2の位置において、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口が、1つ以上の出口からの支持装置の排出及びその後の触媒粒子の排出を可能にするように十分に遮られていなくてもよい。
【0068】
本開示の第3の態様では、管状反応器の反応器管に触媒を装填しかつ反応器管から触媒を取り出す方法であって、反応器管が、触媒を受け入れるためのボアを画定しかつボアから触媒を排出するための出口をボアの一端に有する細長い管を備え、装填する方法が、
反応器管の出口に保持装置を関連付けることと、
保持装置を、出口を少なくとも部分的に閉塞する第1の位置に回転させることと、
触媒が保持装置によって保持及び支持されるように触媒を反応器管に装填することと、を含み、
取り出す方法が、
出口が十分に遮られない第2の位置に保持装置を回転させることと、
出口から触媒を排出することと、を含む、方法が提供される。
【0069】
2つ以上の保持装置が、反応器管の出口と関連付けられてもよく、装填する方法が、
2つ以上の保持装置の各々を、出口を少なくとも部分的に閉塞する第1の位置に回転させることと、
触媒が保持装置によって保持及び支持されるように、触媒を反応器管内に装填することと、を含んでよく、
取り出す方法が、
2つ以上の保持装置の各々を、出口が十分に遮られない第2の位置に回転させることと、
出口から触媒を排出することと、を含んでよい。
【0070】
管状反応器が、複数の反応器管及び複数の保持装置を備えてもよく、装填する方法が、
各保持装置を、少なくとも1つの反応器管の出口を少なくとも部分的に閉塞する第1の位置に回転させることと、
触媒が保持装置によって保持及び支持されるように、触媒を反応器管に装填することと、を含んでよく、
取り出す方法が、
反応器管のうちの少なくとも1つの出口が十分に遮られないように、保持装置のうちの1つ以上を第2の位置に回転させることと、
1つ以上の出口から触媒を排出することと、を含んでよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、一度に1つの反応器管のみの出口を十分に塞がないように保持装置を選択的に回転させることによって、反応器管が一度に1つずつ取り出されてよい。
【0072】
いくつかの他の実施形態では、2つ以上の反応器管の出口を同時に十分に塞がないように保持装置を選択的に回転させることによって、反応器管が一度に2つ以上取り出されてよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、触媒が、複数の触媒担体内に触媒を提供しかつ複数の触媒担体を各ボア内に装填することによって、各ボア内に装填されてもよい。
【0074】
いくつかの他の実施形態では、触媒が、遊離触媒粒子を各ボアに充填することによって、各ボアに装填されてもよい。
【0075】
本明細書に開示される管状反応器、反応器管及び保持装置は、広範囲のプロセスに使用され得る。適切なプロセスの例は、発熱反応、例えば、メタノールの製造のための反応、アンモニアの製造のための反応、メタン化反応、水性ガスシフト反応、酸化反応、例えば、ホルムアルデヒド、無水マレイン酸及びエチレンオキシドの形成、フィッシャー・トロプシュ反応などの反応器を含む。吸熱反応、例えば、予備改質、水蒸気改質、脱水素化などが、本開示の触媒担体を含む反応器内で行われてもよい。
【0076】
本開示の管状反応器、反応器管及び保持装置は、有利には、触媒が中程度から高度の発熱反応又は吸熱反応において使用されることを可能にし得る。
【0077】
本開示の触媒は、例えば、遊離触媒粒子として、又は触媒モノリス若しくは触媒担体内に含有される触媒粒子若しくはモノリスとして提供されてもよい。触媒は、単一の触媒床又は複数の触媒床として提供されてもよい。触媒担体は、触媒を通る軸方向及び/又は半径方向の流れを促進するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、触媒担体は、触媒を通る半径方向流を優先的に促進するように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
次に、添付の図面を参照して本開示の実施形態を例としてのみ説明する。
図1】管状反応器の概略図である。
図2】触媒担体を含む反応器管の一部の概略図である。
図3】触媒を含む別の反応器管の一部の概略図である。
図4】触媒及び支持装置を含む別の反応器管の一部の概略図である。
図5】管状反応器の一部の概略図である。
図6】反応器管と、第1の位置にある3つの保持装置との概略端面図である。
図7】保持装置が第2の位置にある図6の構成を示す。
図8】複数の反応器管及び保持装置の概略端面図である。
図9】複数の反応器管及び異なるタイプの複数の保持装置の概略端面図である。
図10】触媒担体の断面図である。
図11図10の触媒担体の分解斜視図である。
図12図10の触媒担体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0079】
以下では、本開示の態様及び実施形態が、上部管板と下部管板との間に延びる複数の垂直反応器管を有する垂直に配向された管状反応器を参照して、単なる例として説明される。しかしながら、本開示は、他の配向を採用し得る管状反応器の他の構成にも適用され得ることが理解されるであろう。
【0080】
更に、本明細書において、配向に対するあらゆる言及、例えば、上部、底部、上側、下側、上方、下方などの用語は、参照されている図面に示されている部品の向きに関して使用されているが、実際の使用におけるそのような部品の潜在的な向きを制限するものと見なされるべきではない。例えば、垂直に配向されたものとして説明されている部分は、水平に配向されてもよい。
【0081】
図1は、本開示の管状反応器1の典型的なレイアウトを示す。管状反応器1は、ハウジング2を含む。ハウジングの内部は、2つの管板、すなわち上部管板6及び下部管板7によって、ヘッドスペース3と、熱交換ゾーン4と、フッタスペース5とに分割されていてよい。上部管板6は、ヘッドスペース3を熱交換ゾーン4から分離している。下部管板7は、フッタスペース5を熱交換ゾーン4から分離している。
【0082】
複数の反応器管8が上部管板6と下部管板7との間に延びている。各反応器管8は、ボア11を画定する細長い管を含み、ボア11の一端に出口12を有する。出口12は、反応器管8の下端にあってもよい。反応器管8の入口13は、反応器管8の反対側の端部、例えば上端に設けられてもよい。
【0083】
多数の反応器管8が設けられてもよく、例えば、20~80,000本の反応器管8が存在してもよい。各反応器管8のボア11は、例えば、20~150mmの内径を有してよい。いくつかの実施形態では、内径は約85mmであってもよい。
【0084】
各反応器管8は、使用時にそのボア11内に触媒9を受け入れるように意図されている。触媒9はばらであってもよいし、様々な形態でパッケージ化されていてもよい。
【0085】
第1の例では、図2に示すように、触媒9は、複数の触媒担体10にパッケージ化されてもよい。触媒担体10は、各反応器管8のボア11内に触媒担体10の積層配置で配置されてもよい。1つ以上の支持装置10aが、積層配置の底部に設けられてもよい。支持装置10aは、触媒9を含まなくてもよく、図5に示すように、触媒9が下部管板7のレベルで管状反応器1内に保持されるのを回避する働きをしてもよい。換言すれば、支持装置10aは、触媒9の全てが管状反応器1の熱交換ゾーン4内に位置決めされることを確実にするのに役立ち得る。
【0086】
触媒担体10は、様々な異なる形態をとることができる。適切な例としては、国際公開第2011/048361号、国際公開第2012/136971号及び国際公開第2016/050520号に記載されているものが挙げられる。適切な触媒担体10の別の例が図10図12に示されており、以下で更に説明される。
【0087】
各支持装置10aは、任意の適切な形態をとることができる。一例において、支持装置10aは、触媒担体10と同一又は類似の形態をとってもよいが、触媒9で充填されていなくてもよい。
【0088】
第2の例では、図3及び図4に示すように、触媒9は、各反応器管8のボア11に緩く充填された触媒粒子であってもよい。図4に示すように、粒子状触媒9の床の底部に1つ以上の支持装置10bを設けてもよい。上記のように、支持装置10bは、図5に示すように、触媒9が下部管板7のレベルで管状反応器1内に保持されるのを防止する働きをしてもよい。支持装置10bは、結果として、触媒9の全てが管状反応器1の熱交換ゾーン4内に位置決めされることを確実にするのに役立ち得る。
【0089】
各支持装置10bは、任意の適切な形態をとることができる。一例において、支持装置10bは、粒子状触媒9を支持するための上部メッシュを少なくとも有する中空体又は多孔質体を有してもよい。別の例では、支持装置10bは、粒子状触媒よりも大きい直径を有するアルミナボールなどの不活性支持材料を含んでもよい。アルミナボールは、反応器管8からの触媒の損失を回避するために、サイズがグレード付けされていてもよい。例えば、3mmの粒径を有する粒子状触媒の場合、アルミナボールは、25mmのボールの層の上に13mmのボールの層を、更にその上に6mmのボールの層を含んでよい。別の例では、支持装置10bは、反応器管壁に対して膨張し、バスケットのように粒子状触媒を保持する1つ以上のコイルばねを含んでもよい。
【0090】
典型的には、触媒9又は触媒担体10は、上部管板6と下部管板7との間の反応器管8の長さの全て又は実質的に全てを覆う、すなわち、熱交換ゾーン4の長さの全て又は実質的に全てを覆うことが望ましい。
【0091】
典型的には、ばらの触媒9又は触媒担体10は、反応器管8を充填するときに反応器管8の上端の入口13に装填され、反応器管8を空にするときに反応器管8の下端の出口12から排出される。
【0092】
ヘッドスペース3は、反応器管8内への触媒9又は触媒担体10の装填を可能にするために、反応器管8の上端へのアクセスを提供してもよい。フッタスペース5は、触媒9又は触媒担体10を反応器管8から取り出すことを可能にするために、反応器管8の下端へのアクセスを提供してもよい。
【0093】
本開示によれば、例として図2図5に示されるように、各反応器管8は、それに関連付けられた1つ以上の保持装置20を有する。例えば、単一の保持装置20が、各反応器管8からの触媒9の排出を制御してもよい。代替的に、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の保持装置20が、各反応器管8の出口12と関連付けられてもよい。
【0094】
各保持装置20は、第1の位置と第2の位置との間で回転可能であるように構成されている。第1の位置において、保持装置20は、ボア11内に触媒9を保持するように、反応器管8の出口12を少なくとも部分的に閉塞する。第2の位置では、出口12は、出口12からの触媒9の排出を可能にするのに十分に遮られない。
【0095】
保持装置20は、それが関連付けられる細長い管8の長手方向軸に対して平行でかつ一致しない軸を中心に回転可能であってもよい。
【0096】
保持装置20は、反応器管8の出口12に又はその近くに位置決めされてよい。例えば、図2図5に示すように、保持装置20は、その第1の位置において、反応器管8の出口12を部分的に又は完全に横切って延びていてもよい。
【0097】
保持装置20は、反応器管8及び/又は下部管板7に直接的又は間接的に取り付けられてもよい。例えば、保持装置20は、下部管板7のスタッドボルトに取り付けられてもよい。
【0098】
各保持装置20は、2つの、任意選択的には3つ又は4つの反応器管8の間の隙間に位置合わせされていてよい。
【0099】
保持装置20は、任意の適切な材料から形成され得る。このような材料は、一般に、反応器の動作条件に耐えるように選択される。一般に、保持装置20は、炭素鋼、アルミニウム、ステンレス鋼、他の合金、又は反応条件に耐えることができる任意の材料から製造される。
【0100】
保持装置20は、第1の位置と第2の位置との間で回転可能である回転可能な本体を備えてよい。回転可能な本体は、回転可能な本体がそれを中心に回転するように構成された中心ピボットを備えてよい。
【0101】
回転可能な本体は、回転可能な本体の異なる円周領域に配置された少なくとも1つの閉塞部分及び少なくとも1つの非閉塞部分を備え得る。
【0102】
第1の位置において、少なくとも1つの閉塞部分は、出口12を少なくとも部分的に閉塞するように構成されてもよく、第2の位置において、少なくとも1つの非閉塞部分は、出口12と位置合わせされるように構成されてもよい。
【0103】
触媒担体10及び/又は支持装置10a、10bの好ましくは剛性の形態は、出口12の開口を狭くすることによってボア11内に効果的に保持することができるので、触媒9が触媒担体10内にパッケージ化される場合、又は支持装置10a、10bが触媒担体10又は粒子状触媒9の床を支持するために使用される場合、回転可能な本体の第1の位置における出口12の部分的な閉塞を利用することができる。
【0104】
回転可能な本体の一例は、例えば図6及び図7に示されるような回転可能なディスクを備える場合である。図6は、単一の反応器管8と、反応器管8の出口12に関連付けられた3つの保持装置20との端面図を示す。
【0105】
3つの保持装置20は、反応器管8の周囲に分配されていてもよい。保持装置20は、任意選択的に、等間隔分布で配置されてもよい。図示の例では、3つの保持装置20は、互いに約120°離れている。
【0106】
回転可能なディスクは、例えば閉塞部分を形成するディスク本体21と、例えば1つ以上の非閉塞部分を形成する少なくとも1つの開口22とを備えてもよい。ディスク本体21は平面状であってもよい。ディスク本体21は、例えば、シート材料から形成されてよい。ディスク本体21は、5~25mmの厚さを有してもよい。
【0107】
ディスク本体21は、ディスク本体21の中心に配置され得るピボット23を中心に回転可能であってよい。ディスク本体21は、三日月形状であってもよく、すなわち、2つの円弧によって境界付けられた凹凸領域の一般的な形態を有してもよい。
【0108】
図6及び図7の示された例では、各保持装置20に1つの開口22が存在してもよい。開口22は、回転可能なディスクの切り欠きセグメントを画定するように、ディスク本体21の周縁まで延びていてもよい。切り欠きセグメントは、レンズ形状であってもよく、すなわち、それらの端点で互いに接合された2つの円弧によって境界付けられた凸状領域の一般的な形態を有してもよい。
【0109】
ディスク本体21には、その周縁部に1つ以上の切り込み24が設けられていてもよい。切り込み24は、ディスク本体21を第1の位置から第2の位置に回転させるのを助けるために工具に係合するためのアンカーポイントを提供してもよい。
【0110】
図6は、第1の位置にある3つの保持装置20の全てを示す。第1の位置において、各ディスク本体21は、出口12を少なくとも部分的に閉塞するように構成され得る。これにより、例えば、ボア11内に触媒担体10を保持することができる。特に、ピボット23の位置及びディスク本体21の直径は、第1の位置において、ディスク本体21の少なくとも一部が出口12を部分的に横切って延び、特に、保持装置20のレベルを越えて触媒担体10の通過を防止するのに十分に延びるように構成されてもよい。
【0111】
図7は、3つ全ての保持装置20が第2の位置に回転させられた状態を示す。第2の位置において、各保持装置20の開口22は、出口12と位置合わせされ得る。特に、この位置合わせは、保持装置20のレベルを越えて触媒担体10が通過して反応器管8から出ることを可能にするのに十分な大きさの窓を保持装置20間に形成するようなものである。
【0112】
実際には、管状反応器1は多数の反応器管8を含む。反応器管8は、典型的には、上部管板6と下部管板7との間に規則的な配列で配置されている。端から見たとき、例えば下から下部管板7を見たとき、反応器管8は規則的なパターンで配置されていてもよい。隣接する反応器管8の間の間隙は一定でかつ等しくてもよい。反応器管8は、四辺形ベースのパターンで、例えば正方形ピッチで配置されてもよく、この場合、反応器管8は行及び列を形成し、各反応器管8は最大8つの隣接する反応器管8を有する。代替的に、別の例では、反応器管8は三角形ピッチで配置されてもよく、この場合、反応器管8は3つの反応器管8の三角形サブユニットで形成され、各反応器管8は最大6つの隣接する反応器管8を有する。他の構成も可能であることが理解されよう。
【0113】
図8は、複数の反応器管8が三角形ピッチで配置されている管状反応器8の一部の端面図を示す。図8は、各保持装置20が2つ以上の反応器管8とどのように関連付けられ得るかを示す。各保持装置20は、3つの反応器管8の間の隙間に位置合わせされている。
【0114】
反応器管8は、各対の反応器管8が中心間の均一な距離Dだけ分離された等間隔の規則的なパターンで配置されてもよく、保持装置20も、各対の保持装置20が中心間の均一な距離Dだけ分離された等間隔の規則的なパターンで配置されてもよい。しかしながら、例として図8に示されるように、保持装置20の等間隔の規則的なパターンは、反応器管8の等間隔の規則的なパターンからずれていることに留意されたい。
【0115】
例えば、示されるように、反応器管8aは、それに関連付けられた3つの保持装置20a、20b及び20cを有する。反応器管8bはまた、それに関連付けられた3つの保持装置20c、20d及び20eを有する。保持装置20cは、反応器管8a及び8bの両方に関連付けられていることに留意されたい。
【0116】
図8に示されるように、保持装置20a、20b及び20cが全て反応器管8aに対して第2の位置にあるので、すなわちそれらの開口が反応器管8aの出口12と位置合わせされているので、反応器管8aは触媒担体10を自由に排出することができる。同時に、保持装置20cは、そのディスク本体22cが反応器管8bの出口12を部分的に閉塞しているので、反応器管8bに対して第1の位置にある。
【0117】
したがって、保持装置20を選択的に回転させることによって、所望の反応器管8からの触媒の排出を制御するように、保持装置20が選択的に動作させられ得ることが分かる。
【0118】
保持装置20は、各々が互いに独立して回転可能であるように構成されてもよい。例えば、各保持装置20は、例えばハンドツールを特定の保持装置20の切り込み24に係合させることによって、オペレータによって手動で回転させられてもよい。
【0119】
代替的に、2つ以上の保持装置20が、同期して回転可能であるように相互連結されてもよい。例えば、2つ以上の保持装置20がリンク部材によって相互連結されてもよい。単一のリンク部材が一群の保持装置20を回転させてもよく、例えば、単一の行又は列における若しくは単一の三角形サブユニットにおけるいくつか又は全ての保持装置20が、単一のリンク部材の動作によって回転させられてもよい。
【0120】
管状反応器1には、保持装置20の回転を選択的に防止するための複数のロッキング要素30が更に設けられていてよい。図8に示す例では、各ロッキング要素30は、保持装置20の回転を阻止するために1つ以上の保持装置20に係合させられることができるロッキング本体を備えることができる。各ロッキング要素30は、保持装置20のうちの1つ以上と相互係合及び/又は相互ロックするように成形及びサイズ決めされていてもよい。例えば、ロッキング要素30の形状は、1つ以上の保持装置20のディスク本体21と相互ロックするように成形されていてもよい。図8に示すように、ロッキング要素30は、1つ、2つ、又は3つの隣接する保持装置20のディスク本体21と、すなわち開口22の空隙を占有することによって、相互ロックすることができる円形ディスクであってもよい。
【0121】
ロッキング要素30は、ロック位置とロック解除位置との間で移動可能であってもよい。移動は、保持装置20の平面に対して垂直な方向であってもよい。例えば、ロッキング要素30をロック解除位置に移動させることは、ディスク本体21の平面からロッキング要素30を上昇又は下降させることを含んでもよい。
【0122】
ロッキング要素30は、同期して移動するように相互連結されてもよい。
【0123】
ロッキング要素30は、等間隔の規則的なパターンで配置されてもよい。
【0124】
回転可能な本体の別の例は、例えば、図9に示されるように、少なくとも1つのアーム又はローブを備える場合である。図9は、反応器管が三角形ピッチで配置されている管状反応器8の一部の端面図を示す。図9は、各保持装置20が2つ以上の反応器管8とどのように関連付けられ得るかを示す。
【0125】
3つの保持装置20は、各反応器管8の周囲に分配されていてもよい。保持装置20は、任意選択的に、等間隔分布で配置されてもよい。図示された例において、3つの保持装置20は、互いに約120°離れている。
【0126】
図示されるように、各回転可能な本体は、3つのアーム又はローブ41を備える。3つのアーム又はローブ41は、互いに約120°離れていてもよい。回転可能な本体は、回転可能な本体の中心に配置され得るピボット42を中心に回転可能であり得る。
【0127】
他の例では、各回転可能な本体は、1つ、2つ、4つ、又はそれ以上のアーム又はローブ41を備えてもよい。任意選択的に、アーム又はローブ41の数は、回転可能な本体が関連付けられる隣接する反応器管8の数に等しくてもよく、すなわち、3つの反応器管8の間の隙間に位置する回転可能な本体8は、3つのアーム又はローブ41を有してもよい。
【0128】
上述したように、保持装置20は、下部管板7に直接的又は間接的に取り付けられてよい。図示のように、保持装置20は、一例として、下部管板7に結合された支持フレームワークの一部を構成するスタッドボルトに取り付けられている。
【0129】
各保持装置20は、第1の位置と第2の位置との間で回転可能であるように構成されている。第1の位置において、アーム又はローブ41又はそのそれぞれは、ボア11内に触媒9を保持するために、反応器管8の出口12を少なくとも部分的に閉塞するように構成されてもよい。第2の位置において、アーム又はローブ41又はそのそれぞれは、出口12と位置合わせされないように構成されてもよい。
【0130】
第1の位置において、アーム又はローブ41又はそのそれぞれは、1つ、2つ、又はそれ以上の関連付けられた反応器管8にわたって延びていてもよい。アーム又はローブ41又はそのそれぞれは、直線状又は曲線状であってもよい。
【0131】
図9は、第1の位置にある保持装置20iを示す。第1の位置において、各アーム又はローブ41は、隣接する反応器管8の出口12を少なくとも部分的に閉塞するように構成されてもよい。これにより、ボア11内に触媒9、触媒担体10、又は支持体10a又は10bを保持することができる。特に、ピボット42の位置及びアーム又はローブ41の長さは、第1の位置において、アーム又はローブ41の少なくとも遠位部分が出口12を部分的に横切って延び、特に、保持装置20のレベルを越える触媒担体10又は支持体10a若しくは10bの通過を防止するのに十分に延びるように構成されてもよい。したがって、第1の位置において、アーム又はローブ41は、複数の触媒担体10のうちの最端のものを支持するように構成されてもよい。支持体は、複数の触媒担体10のうちの最端の触媒担体10に接触することによって複数の触媒担体10のうちの最端の触媒担体10を直接的に支持するものであってもよいし、又はそれ自体が複数の触媒担体10のうちの最端の触媒担体10を支持する支持装置10aに接触することによって複数の触媒担体10のうちの最端の触媒担体10を間接的に支持するものであってもよい。
【0132】
図9は、第2の位置にある保持装置20jを示す。第2の位置では、アーム又はローブ41は、出口12と位置が合わないように回転させられており、これにより、保持装置20のレベルを越えて触媒9又は触媒担体10が通過して反応器管8から出ることを可能にする。
【0133】
したがって、先の例と同様に、保持装置20を選択的に回転させることによって、所望の反応器管8からの触媒9の排出を制御するように、保持装置20が選択的に動作させられ得ることが分かる。
【0134】
前述のように、保持装置20は、各々が互いに独立して回転可能であるように構成されてもよい。例えば、各保持装置20は、オペレータによって手動で回転させられてもよい。代替的に、2つ以上の保持装置20が、同期して回転可能であるように相互連結されてもよい。例えば、2つ以上の保持装置20がリンク部材によって相互連結されてもよい。単一のリンク部材が一群の保持装置20を回転させてもよく、例えば、単一の行又は列における若しくは単一の三角形サブユニットにおけるいくつか又は全ての保持装置20が、単一のリンク部材の動作によって回転させられてもよい。
【0135】
使用時には、触媒9(ばらばらであるか、又は例えば触媒担体10にパッケージ化されている)は、その反応器管8に関連付けられた少なくとも1つの保持装置20を、出口12を少なくとも部分的に閉塞する第1の位置に回転させることによって、管状反応器1の各反応器管8に装填されてもよい。次いで、触媒9は、保持装置20によって保持されかつ任意選択的に支持されるように、反応器管8内に装填されてもよい。反応器管8を取り出すために、保持装置20は、触媒9が出口12から排出されるように出口12が十分に遮られない第2の位置に回転させられてもよい。
【0136】
2つ以上の保持装置20が単一の反応器管8と関連付けられる場合、関連付けられた保持装置20のうちの1つ以上又は全ては、触媒9を装填する前に第1の位置に移動させられてもよい。
【0137】
反応器管8の取り出しは、保持装置20を選択的に回転させて、一度に1つの反応器管8のみの出口12を十分に塞がないようにすることによって、一度に1つずつ行われてよい。代替的に、保持装置20を選択的に回転させて2つ以上の反応器管8の出口12を同時に十分に塞がないようにすることによって、反応器管8が一度に2つ以上取り出されてもよい。
【0138】
上述したように、触媒9は、触媒担体10内にパッケージ化されてもよい。適切な触媒担体10の例が、例として図10図12に示されている。しかしながら、既に上述したように、本開示によれば、触媒担体10は様々な形態をとり得ることが理解されるであろう。例えば、本明細書に記載される実施例と同様に、触媒担体10は、国際公開第2011/048361号、国際公開第2012/136971号、及び国際公開第2016/050520号に開示されるものを含むがこれらに限定されない他の形態をとってもよく、これらの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0139】
触媒担体10は、概して、使用時に配置される反応器管8の内部寸法よりも小さい寸法であるようにサイズ決めされた容器を含んでよい。典型的には、触媒担体10が反応器管8内の所定の位置にあるときに反応器管8の内壁と相互作用するようにサイズ決めされたシールが提供される。担体の長さ及び直径などのパラメータは、反応器管8の異なる反応及び構成に対応するように選択されてよい。
【0140】
図10図12に示すように、触媒担体10は、使用時に触媒を保持するための容器100を備えてもよい。容器100は、一般に、容器100の下端を閉じる底面101と、容器100の上端にある上面102とを有してよい。担体外壁103は、底面101から上面102まで延びていてもよい。シール104は、担体外壁103を超えて延びる距離だけ容器100から延びていてよい。担体外壁103は、シール104の下に位置する開口105を有してもよい。
【0141】
図10に示すように、少なくともいくつかの実施形態では、触媒担体10は、より具体的には、使用時に触媒を保持するための環状容器110を備えてもよい。環状容器110は、内部チャネル112を画定する穿孔された内側容器壁111と、穿孔された内側容器壁111の周りに同心円状に配置され得る穿孔された外側容器壁113とを備えてよい。環状上面114は、環状容器110の上端を閉じていてよく、環状底面115は、環状容器110の下端を閉じていてよい。内部チャネル112の下端は、内部チャネル112の下端に設けられてよい1つ以上の排出開口(図示せず)を除いて、チャネル端面116によって閉鎖されていてよい。チャネル端面116は、内側容器壁111と一体的に又は別個に形成されてもよい。
【0142】
図11の分解図に示されるように、触媒担体10は、例えば溶接を含む任意の適切な手段によって一緒に組み立てられ得るいくつかの個々の構成要素から形成されていてよい。いくつかの実施形態では、そのような構成要素は、穿孔内側管120、穿孔中間管121、外側管122、底部キャップ123、環状上部リング124、上部キャップ125、及び環状シールリング126を含んでよい。
【0143】
触媒担体10は、任意の適切な材料から形成されてよい。このような材料は、一般に、反応器の動作条件に耐えるように選択される。一般に、触媒担体は、炭素鋼、アルミニウム、ステンレス鋼、他の合金、又は反応条件に耐えることができる任意の材料から製造される。
【0144】
構成要素の適切な厚さは、約0.1mm~約1.0mmのオーダ、好ましくは約0.3mm~約1.0mmのオーダである。
【0145】
穿孔内側管120は、穿孔された内側容器壁111を備えてもよい。穿孔中間管121は、穿孔された外側容器壁113を備えてもよい。外側管122は、担体外壁103を備えてよく、開口105を画定してもよい。底部キャップ123は、底部表面101及び/又は環状底部表面115を備えてもよい。底部キャップ123はまた、チャネル端面116を含むように、穿孔内側管120を横切って延びていてもよい。環状上部リング124及び上部キャップ125は、環状上部表面114を含んでよく、上部表面102の少なくとも一部を含んでよい。環状シールリング126は、シール104を含んでよい。
【0146】
穿孔内側管120及び穿孔中間管121における孔のサイズは、触媒を環状容器110内に維持しながら、触媒を通る反応物及び生成物の均一な流れを可能にするように選択される。したがって、それらのサイズは、使用される触媒粒子のサイズに依存することが理解されるであろう。代替的な構成では、孔は、より大きいが、触媒が環状容器110内に維持されることを確実にするために孔を覆うフィルタメッシュを有するようなサイズであってもよい。
【0147】
孔は、任意の適切な構成であってもよいことが理解されるであろう。実際に、壁又は管が穿孔されていると記載されている場合、必要なことは、反応物及び生成物が壁又は管を通過することを可能にする手段があることだけである。
【0148】
底面101、例えば底部キャップ123は、別の触媒担体10の上端と係合するように成形されてもよい。例えば、底面101は、穿孔内側管120の周りに環状凹部130を備えてもよい。上部キャップ125は、別の触媒担体10の環状凹部130に係合するように成形されてもよい。例えば、上部キャップ125は、環状プラグ本体132から直立する環状リング131を備えてもよい。環状リング131は、環状凹部130内に受け入れるような形状及びサイズであってもよい。
【0149】
底面101、例えば、底部キャップ123及び/又はチャネル端面116は、1つ以上の排出孔を含んでもよい。1つ以上の排出孔が存在する場合、それらはフィルタメッシュによって覆われていてもよい。
【0150】
環状上部リング124は、外側管122の上端部に係合するような形状及びサイズであってよい。上部キャップ125の環状プラグ本体132は、環状上部リング124の中央開口と係合するように構成された外径を有してよい。上部キャップ125と環状上部リング124との係合は、環状シールリング126を挟んで定位置に保持するように機能してよい。
【0151】
上部キャップ125は、液体及び気体が内部チャネル112の上端に入ることを可能にするために、環状プラグ本体132内に中央入口134を備えてもよい。環状リング131は、液体及び気体が中央入口134に到達することを可能にする側方開口133を備えてもよい。
【0152】
担体外壁103は、平滑であってもよく、又は成形されていてもよい。適切な形状としては、プリーツ、波形などが挙げられる。
【0153】
担体外壁103の開口105は、任意の構成であってもよい。いくつかの実施形態では、開口105は穴又はスロットであってもよい。
【0154】
シール104は、任意の適切な方法で形成されてよい。しかしながら、それは一般に、反応器管8の最小直径に対応するように十分に圧縮可能である。シール104は一般に、可撓性の摺動シールである。いくつかの実施形態では、シール104は、担体外壁103又は触媒担体10の上面102から延びる変形可能なフランジ140を含んでよい。フランジ140は、触媒担体10が反応器管8に挿入されるときに、反応器管8の内側に嵌合して反応器管8と相互作用するように変形されるように、反応器管8の内径よりも大きいサイズであってもよい。
【0155】
図10に示す例では、変形可能なフランジ140は、環状シールリング126の外側部分を含む。環状シールリング126の内側部分141は、上部キャップ125と環状上部リング124との間に挟まれかつ保持されるクランプ面を画定してよい。変形可能なフランジ140は、内側部分141に対して傾斜していてもよい。変形可能なフランジ140は、触媒担体10の上端に向かって傾斜していてもよい。
【0156】
担体外壁103は、シール104の上方に続いていてもよい。したがって、シール104は、触媒担体10の上部に、任意選択的に上面102の一部として配置されてもよいか、又は、担体外壁103の開口105の上に配置されるならば、担体外壁103上の適切な点に配置されてもよい。
【0157】
反応器管8への挿入中、触媒担体10のシール104は、反応器管8の内面と密封係合してもよい。特に、反応器管8に対するシール104の係合は、シール104の変形を引き起こしてもよい。
【0158】
シール104の変形は、設置後に反応器管8内の触媒担体10の軸方向位置を維持するのに役立ち得る抵抗力を生成してもよい。加えて、シール104の変形は、触媒担体10の上端と反応器管8の内面との間の液密及び/又は気密シールを促進するために使用されてもよい。
【0159】
反応器管8内に設置されると、触媒担体10は、それらの長手方向軸が位置合わせされて一致した状態で一方が他方の上に積み重ねられた配置を形成してよい。上述したように、触媒担体10のスタックは、第1の位置にあるとき、保持装置20によって直接的又は間接的に支持されてもよい。
【0160】
ダウンフローのある管状反応器1において使用する場合、反応物は反応器管8を通って下向きに流れ、したがって最初に、積み重ねられた構成における最も上の触媒担体10の上面102に接触する。シール104は、触媒担体10の側面の周りの反応物の通過を妨害する。したがって、上面102は、反応物を、側方開口133を通って、穿孔内側管120によって画定された内側容器壁111内の内部チャネル112の上端にある中央入口134へと内向きに方向付ける。
【0161】
次いで、反応物は、穿孔内側管120を通って環状容器110に入り、次いで、穿孔中間管121によって画定された外側容器壁113に向かって触媒床を半径方向に通過する。この通過の間に、反応物は触媒と接触し、反応が起こって生成物を形成する。
【0162】
次いで、未反応の反応物及び生成物は、穿孔中間管121を通って環状容器110から流出する。次いで、外側管122によって画定された担体外壁103は、担体外壁103における開口105に到達するまで、担体外壁103の内面と穿孔中間管121との間で反応物及び生成物を上向きに方向付ける。次いで、反応物及び生成物は、開口105を通って方向付けられ、担体外壁103の外面と反応器管8の内面との間を下向きに流れ、そこで熱伝導が生じる。
【0163】
次に、未反応の反応物及び生成物は、積み重ねられた構成において下にある触媒担体10の上面102と接触してもよく、上述のプロセスが繰り返されてもよい。このパターンは、反応物及び生成物が、反応器管8の下端から収集されるまで、積み重ねられた構成を下行する際に繰り返されてよい。
【0164】
生成物の一部、特に液体生成物は、チャネル端面116に設けられた排出孔を通って内部チャネル112から下にある触媒担体10の内部チャネル112内へ排出されてよい。次いで、このような生成物は、触媒担体10の積み重ねられた構成から排出され続け、反応器管8の下端の出口12から収集されてよい。
【0165】
本開示の更なる態様及び実施形態を以下の節に記載する。
条項1. 管状反応器のための反応器管及び反応器管に関連付けられた保持装置であって、
反応器管は、使用時に触媒を受け入れるためのボアを画定しかつボアから触媒を排出するための出口をボアの一端に有する細長い管の形態であり、
保持装置は、第1の位置と第2の位置との間で回転可能に構成されており、
第1の位置において、保持装置は、ボア内に触媒を保持するために出口を少なくとも部分的に閉塞し、
第2の位置において、出口は、出口からの触媒の排出を可能にするために十分に遮られていない、反応器管及び保持装置。
条項2. 保持装置が、細長い管の長手方向軸に対して平行でかつ一致しない軸を中心に回転可能である、条項1に記載の反応器管及び保持装置。
条項3. 保持装置が、第1の位置と第2の位置との間で回転可能である、回転可能な本体を備える、条項1又は2に記載の反応器管及び保持装置。
条項4. 回転可能な本体が、回転可能な本体の異なる円周領域に配置された少なくとも1つの閉塞部分及び少なくとも1つの非閉塞部分を備え、
第1の位置において、少なくとも1つの閉塞部分は、出口を少なくとも部分的に閉塞するように構成されており、第2の位置において、少なくとも1つの非閉塞部分は、出口と位置合わせされるように構成されている、条項3に記載の反応器管及び保持装置。
条項5. 回転可能な本体が、回転可能な本体がそれを中心に回転するように構成される中心ピボットを備える、条項3又は4に記載の反応器管及び保持装置。
条項6. 回転可能な本体が、回転可能なディスクを含む、条項3~5のいずれか1つに記載の反応器管及び保持装置。
条項7. 回転可能なディスクが、ディスク本体と、少なくとも1つの開口とを備えてよく、
第1の位置において、ディスク本体が、ボア内に触媒を保持するために出口を少なくとも部分的に閉塞するように構成されており、第2の位置において、少なくとも1つの開口が、出口と位置合わせされるように構成されている、条項6に記載の反応器管及び保持装置。
条項8. 少なくとも1つの開口が、回転可能なディスクの少なくとも1つの切り欠きセグメントを画定するようにディスク本体の周縁まで延びる少なくとも1つの開放開口である、条項7に記載の反応器管及び保持装置。
条項9. 回転可能なディスクの切り欠きセグメント又は各切り欠きセグメントが、レンズ形状である、条項8に記載の反応器管及び保持装置。
条項10. ディスク本体が三日月形状である、条項7~9のいずれか1つに記載の反応器管及び保持装置。
条項11. 回転可能な本体が、1つ、2つ、3つ、又は4つの開口を備える、条項7~10のいずれか1つに記載の反応器管及び保持装置。
条項12. 回転可能な本体が、アーム又はローブを備え、
第1の位置において、アーム又はローブが、ボア内に触媒を保持するために出口を少なくとも部分的に閉塞するように構成されており、第2の位置において、アーム又はローブが、出口と位置合わせされないように構成されている、条項3~11のいずれか1つに記載の反応器管及び保持装置。
条項13. 回転可能な本体が、2つ、3つ、又は4つのアーム又はローブを備える、条項12に記載の反応器管及び保持装置。
条項14. ボアが、使用時に、触媒を収容しかつボア内に挿入可能な複数の触媒担体の形態の触媒を受け入れるように構成されており、
第1の位置において、保持装置が、複数の触媒担体をボア内に保持するように、出口を少なくとも部分的に閉塞し、
第2の位置において、出口が、複数の触媒担体の出口からの排出を可能にするように十分に遮られていない、条項1~13のいずれか1つに記載の反応器管及び保持装置。
条項15. 第1の位置において、保持装置が、複数の触媒担体のうちの最端のものを支持するように構成されている、条項14に記載の反応器管及び保持装置。
条項16. 第1の位置において、保持装置が、
複数の触媒担体のうちの最端のものと接触することによって複数の触媒担体のうちの最端のものを直接的に支持するか、又は
複数の触媒担体のうちの最端のものをそれ自体が支持する支持装置に接触することによって、複数の触媒担体のうちの最端のものを間接的に支持する、条項15に記載の反応器管及び保持装置。
条項17. ボアが、使用時に、ボア内に緩く充填された触媒粒子の形態の触媒を受け入れるように構成されており、
第1の位置において、保持装置が、触媒粒子をボア内に保持するように、出口を少なくとも部分的に閉塞し、
第2の位置において、出口が、触媒粒子の出口からの排出を可能にするように十分に遮られていない、条項1~13のいずれか1つに記載の反応器管及び保持装置。
条項18. ボア内に触媒粒子を支持する支持装置を更に備え、
第1の位置において、保持装置が、支持装置、ひいては触媒粒子をボア内に保持するように、出口を少なくとも部分的に閉塞し、
第2の位置において、出口が、出口からの支持装置の排出、及びその後の触媒粒子の排出を可能にするように十分に遮られていない、条項17に記載の反応器管及び保持装置。
条項19. 複数の反応器管及び複数の保持装置を含む管状反応器であって、
各反応器管が、使用時に触媒を受け入れるためのボアを画定しかつボアから触媒を排出するための出口をボアの一端に有する細長い管を備え、
各保持装置が、1つ以上の反応器管に関連付けられかつ第1の位置と第2の位置との間で回転可能であるように構成されており、
第1の位置において、各保持装置が、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全てのボア内に触媒を保持するために、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口を少なくとも部分的に閉塞し、
第2の位置において、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの少なくとも1つの出口が、出口からの触媒の排出を可能にするために十分に遮られない、管状反応器。
条項20. 第1の位置において、各保持装置が、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの全てのボア内に触媒を保持するために、1つ以上の関連付けられた反応器管の全ての出口を少なくとも部分的に閉塞する、条項19に記載の管状反応器。
条項21. 第2の位置において、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの少なくとも2つ又は全ての出口が、出口からの触媒の排出を可能にするために十分に閉塞されていない、条項19又は20に記載の管状反応器。
条項22. 各反応器管が、その出口に関連付けられた2つ、3つ、又は4つの保持装置を有する、条項19~21のいずれか1つに記載の管状反応器。
条項23. 複数の保持装置がそれぞれ、互いに独立して回転可能である、条項19~22のいずれか1つに記載の管状反応器。
条項24. 複数の保持装置のうちの2つ以上が、同期して回転可能であるように相互連結されている、条項19~22のいずれか1つに記載の管状反応器。
条項25. 2つ以上の保持装置がリンク部材によって相互連結されており、リンク部材が2つ以上の保持装置を回転させるように作動可能である、条項24に記載の管状反応器。
条項26. 複数の反応器管が、等間隔の規則的なパターンで配置されており、反応器管の各対は、中心間の均一な距離Dだけ分離されており、
複数の保持装置がまた、等間隔の規則的なパターンで配置されており、保持装置の各対は、中心間の均一な距離Dだけ分離されており、かつ
保持装置の等間隔の規則的なパターンが、反応器管の等間隔の規則的なパターンからずれている、条項19~25のいずれか1つに記載の管状反応器。
条項27. 各保持装置が、2つの反応器管の間、任意選択的に3つ又は4つの反応器管の間の隙間に位置合わせされている、条項19~26のいずれか1つに記載の管状反応器。
条項28. 各保持装置が、細長い管の長手方向軸に対して平行でかつ一致しない軸を中心に回転可能である、条項19~27のいずれか1つに記載の管状反応器。
条項29. 各保持装置が、第1の位置と第2の位置との間で回転可能である、回転可能な本体を備える、条項19~28のいずれか1つに記載の管状反応器。
条項30. 各回転可能な本体が、回転可能な本体の異なる円周領域に配置された、少なくとも1つの閉塞部分及び少なくとも1つの非閉塞部分を備え、
第1の位置において、少なくとも1つの閉塞部分は、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口を少なくとも部分的に閉塞するように構成されており、第2の位置において、少なくとも1つの非閉塞部分は、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口と位置合わせされるように構成されている、条項29に記載の管状反応器。
条項31. 各回転可能な本体が、回転可能な本体がそれを中心に回転するように構成される中心ピボットを備える、条項29又は30に記載の管状反応器。
条項32. 各回転可能な本体が、回転可能なディスクを含む、条項29~31のいずれか1つに記載の管状反応器。
条項33. 回転可能なディスクが、ディスク本体及び少なくとも1つの開口を備え、
第1の位置において、ディスク本体は、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口を少なくとも部分的に閉塞するように構成されており、第2の位置において、少なくとも1つの開口は、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口と位置合わせされるように構成されている、条項32に記載の管状反応器。
条項34. 少なくとも1つの開口が、回転可能なディスクの少なくとも1つの切り欠きセグメントを画定するようにディスク本体の周縁まで延びる少なくとも1つの開放開口である、条項33に記載の管状反応器。
条項35. 回転可能なディスクの切り欠きセグメント又は各切り欠きセグメントが、レンズ形状である、条項34に記載の管状反応器。
条項36. 各ディスク本体が三日月形状である、条項33~35のいずれか1つに記載の管状反応器。
条項37. 各回転可能な本体が、1つ、2つ、3つ、又は4つの開口を備える、条項29~36のいずれか1つに記載の管状反応器。
条項38. 各回転可能な本体が、アーム又はローブを備え、
第1の位置において、アーム又はローブが、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口を少なくとも部分的に閉塞するように構成されており、第2の位置において、アーム又はローブが、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口と位置合わせされないように構成されている、条項29~37のいずれか1つに記載の管状反応器。
条項39. 第1の位置において、アーム又はローブが、2つ以上の関連付けられた反応器管にわたって延びている、条項38に記載の管状反応器。
条項40. アーム又はローブが直線状又は曲線状である、条項38又は39に記載の管状反応器。
条項41. 各回転可能な本体が、2つ、3つ、又は4つのアーム又はローブを備える、条項38~40のいずれか1つに記載の管状反応器。
条項42. 複数の反応器管を支持する管板を更に備え、
複数の保持装置が管板に取り付けられている、条項19~41のいずれか1つに記載の管状反応器。
条項43. 複数の保持装置が、管板のスタッドボルトに取り付けられている、条項42に記載の管状反応器。
条項44. 保持装置の回転を選択的に防止するための複数のロッキング要素を更に備える、条項19~43のいずれか1つに記載の管状反応器。
条項45. 各ロッキング要素が、保持装置の回転を阻止するために1つ以上の保持装置に係合させられることができるロッキング本体を備える、条項44に記載の管状反応器。
条項46. 各ボアが、使用時に、触媒を収容しかつボア内に挿入可能な複数の触媒担体の形態の触媒を受け入れるように構成されており、
第1の位置において、各保持装置が、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全てのボア内に複数の触媒担体を保持するように、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口を少なくとも部分的に閉塞し、
第2の位置において、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの少なくとも1つの出口が、複数の触媒担体の出口からの排出を可能にするために十分に遮られていない、条項19~45のいずれか1つに記載の管状反応器。
条項47. 第1の位置において、各保持装置が、複数の触媒担体のうちの最端のものを支持するように構成されている、条項46に記載の管状反応器。
条項48. 第1の位置において、各保持装置が、
複数の触媒担体のうちの最端のものと接触することによって複数の触媒担体のうちの最端のものを直接的に支持するか、又は
複数の触媒担体のうちの最端のものをそれ自体が支持する支持装置に接触することによって、複数の触媒担体のうちの最端のものを間接的に支持する、条項47に記載の管状反応器。
条項49. 各ボアが、使用時に、ボア内に充填される触媒粒子の形態の触媒を受け入れるように構成されており、
第1の位置において、各保持装置が、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全てのボア内に触媒粒子を保持するように、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口を少なくとも部分的に閉塞し、
第2の位置において、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの少なくとも1つの出口が、触媒粒子の出口からの排出を可能にするように十分に遮られていない、条項19~45のいずれか1つに記載の管状反応器。
条項50. ボア内に触媒粒子を支持する複数の支持装置を更に備え、
第1の位置において、各保持装置が、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全てのボア内に支持装置、ひいては触媒粒子を保持するように、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口を少なくとも部分的に閉塞し、
第2の位置において、1つ以上の関連付けられた反応器管のうちの1つ、いくつか、又は全ての出口が、1つ以上の出口からの支持装置の排出及びその後の触媒粒子の排出を可能にするように十分に遮られていない、条項49に記載の管状反応器。
条項51. 管状反応器の反応器管に触媒を装填しかつ反応器管から触媒を取り出す方法であって、反応器管が、触媒を受け入れるためのボアを画定しかつボアから触媒を排出するための出口をボアの一端に有する細長い管を備え、装填する方法が、
反応器管の出口に保持装置を関連付けることと、
保持装置を、出口を少なくとも部分的に閉塞する第1の位置に回転させることと、
触媒が保持装置によって保持及び支持されるように触媒を反応器管に装填することと、を含み、
取り出す方法が、
保持装置を、出口が十分に遮られない第2の位置に回転させることと、
出口から触媒を排出することとを含む、方法。
条項52. 2つ以上の保持装置が、反応器管の出口と関連付けられており、装填する方法が、
2つ以上の保持装置の各々を、出口を少なくとも部分的に閉塞する第1の位置に回転させることと、
触媒が保持装置によって保持及び支持されるように、触媒を反応器管内に装填することと、を含み、
取り出す方法が、
2つ以上の保持装置の各々を、出口が十分に遮られない第2の位置に回転させることと、
出口から触媒を排出することと、を含む、条項51に記載の方法。
条項53. 管状反応器が、複数の反応器管及び複数の保持装置を備え、装填する方法が、
各保持装置を、少なくとも1つの反応器管の出口を少なくとも部分的に閉塞する第1の位置に回転させることと、
触媒が保持装置によって保持及び支持されるように、触媒を反応器管に装填することと、を含み、
取り出す方法が、
反応器管のうちの少なくとも1つの出口が十分に遮られないように、保持装置のうちの1つ以上を第2の位置に回転させることと、
1つ以上の出口から触媒を排出することと、を含む、条項51又は52に記載の方法。
条項54. 一度に1つの反応器管のみの出口を十分に塞がないように保持装置を選択的に回転させることによって、反応器管が一度に1つずつ取り出される、条項53に記載の方法。
条項55. 2つ以上の反応器管の出口を同時に十分に塞がないように保持装置を選択的に回転させることによって、反応器管が一度に2つ以上取り出される、条項53に記載の方法。
条項56. 複数の触媒担体内に触媒を提供し、複数の触媒担体を各ボア内に装填することによって、触媒が各ボア内に装填される、条項51~55のいずれか1つに記載の方法。
条項57. 遊離触媒粒子を各ボアに充填することによって、触媒が各ボアに装填される、条項51~55のいずれか1つに記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】