(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(54)【発明の名称】2点接地を有するエンドシールド端子
(51)【国際特許分類】
H01R 4/64 20060101AFI20231004BHJP
【FI】
H01R4/64 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507965
(86)(22)【出願日】2021-09-24
(85)【翻訳文提出日】2023-02-03
(86)【国際出願番号】 CN2021120158
(87)【国際公開番号】W WO2023029128
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202111036914.X
(32)【優先日】2021-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523039329
【氏名又は名称】中國南方電網有限責任公司超高壓輸電公司貴陽局
【氏名又は名称原語表記】GUIYANG BUREAU OF CHINA SOUTHERN POWER GRID CO., LTD. EHV TRANSMISSION COMPANY
【住所又は居所原語表記】137 Guanshan West Road, Guanshanhu District Guiyang, Guizhou 550081 China
(74)【代理人】
【識別番号】110003915
【氏名又は名称】弁理士法人岡田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呂 剛
(72)【発明者】
【氏名】呂 金壯
(72)【発明者】
【氏名】唐 ▲華▼▲東▼
(57)【要約】
本発明は、2点接地を有するエンドシールド端子を開示する。当該エンドシールド端子は、頂部が開口状態である接地カバーを備え、接地カバーの内部には、上部口径が下部口径よりも大きい逆階段溝が形成され、接地カバーの内底部には、接地ばねが設けられ、接地ばねの上には、逆凸字形柱状構造である、底端が接地ばね内に挿入された接地スペーサーブロックが設けられ、接地スペーサーブロックの上方の接地カバー内には、接地アセンブリが設けられる。本発明は、接地カバーによって接地し、接地カバー内の接地アセンブリによって2点接地を実現し、接地カバーの接地に問題が生じた場合に、接地カバー内の接地アセンブリの接地押し蓋によって接地し、エンドシールド端子及び高圧ブッシングの安全で安定した運転を確保することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頂部が開口状態である接地カバー(1)を備え、
前記接地カバー(1)の内部には、上部口径が下部口径よりも大きい逆階段溝が形成され、接地カバー(1)の内底部には、接地ばね(2)が設けられ、前記接地ばね(2)の上には、逆凸字形柱状構造である、底端が接地ばね(2)内に挿入された接地スペーサーブロック(3)が設けられ、前記接地スペーサーブロック(3)の上方の接地カバー(1)内には、接地アセンブリが設けられ、前記接地アセンブリは、中空の逆凸字形構造のリード線柱(4)と、絶縁柱(5)と、端子台(6)と、頂部が開口状態である筒型構造の接地押し蓋(7)とを含み、前記リード線柱(4)は前記絶縁柱(5)を貫通し、前記端子台(6)は絶縁柱(5)の上部柱体に外嵌され、絶縁柱(5)の下方に位置するリード線柱(4)には、絶縁柱(5)の底部を支持し且つ当該絶縁柱(5)の底部に当接するための支持アセンブリが外嵌され、前記リード線柱(4)は、接地押し蓋(7)の底部の切り欠きを貫通し、支持アセンブリは、端子台(6)の内底面に当接し、絶縁柱(5)の底端は接地押し蓋(7)の内部に挿入され、接地押し蓋(7)の頂端は端子台(6)の底端に当接し、接地押し蓋(7)の下方に位置するリード線柱(4)にも、接地押し蓋(7)の底端を支持し且つ当該接地押し蓋(7)の底端に当接するための支持アセンブリが設けられ、接地スペーサーブロック(3)の頂端には沈み溝が設けられ、リード線柱(4)の底端は接地スペーサーブロック(3)の頂端の沈み溝内に挿入され、前記接地カバー(1)は、端子台(6)の頂端の下方の柱体にねじ接続され、接地カバー(1)の頂端は端子台(6)の頂端の底部に当接する、
ことを特徴とする2点接地を有するエンドシールド端子。
【請求項2】
前記支持アセンブリは、リード線柱(4)上に上方から下方へ設けられた、平座金(8)と、弾性座金(9)と、ナット(10)とを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の2点接地を有するエンドシールド端子。
【請求項3】
接地押し蓋(7)の下方のリード線柱(4)には、リミットシールリング(11)が更に設けられ、前記リミットシールリング(11)の底部は接地カバー(1)内の段差面に当接し、リミットシールリング(11)の頂部は接地押し蓋(7)に当接し、支持アセンブリの頂部はリミットシールリング(11)の内孔内まで延伸する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の2点接地を有するエンドシールド端子。
【請求項4】
前記端子台(6)の頂部には、絶縁柱(5)の頂端が挿入する沈み溝が形成され、端子台(6)の頂端は、絶縁柱(5)の頂端と面一になっており、且つ絶縁柱(5)の頂端の外周にはリング溝が設けられ、前記リング溝内には第1のシールリング(12)が設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の2点接地を有するエンドシールド端子。
【請求項5】
前記絶縁柱(5)の頂端の中央部は、上方に延伸してボスを形成し、ボスの頂端には、リード線柱(4)が挿入する貫通孔を取り囲んで、リード線柱(4)の頂端が挿入する沈み溝が設けられ、沈み溝内には第2のシールリング(13)が設けられる、
ことを特徴とする請求項4に記載の2点接地を有するエンドシールド端子。
【請求項6】
前記端子台(6)の頂端の下方の柱体の端子台(6)の頂端寄りには、収容リング溝が設けられ、収容リング溝に対応する接地カバー(1)の頂端の開口内側には、環状傾斜面構造が形成され、環状傾斜面構造と収容リング溝から形成された収容空間には、第3のシールリング(14)が設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の2点接地を有するエンドシールド端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2点接地を有するエンドシールド端子に関し、電気素子の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
通常の高圧ブッシング用のエンドシールド接地端子は、すべてエンドシールド接地カバーによって接地し、エンドシールド接地カバーが所定の位置に取り付けられていない場合、又は、エンドシールド接地カバーの内部の接地部品が欠落してエンドシールド接地カバーとフランジとが適切に接続されていないか、又はエンドシールド接地カバーとエンドシールドリード線柱とが適切に接続されていない場合、エンドシールド放電破壊事故を引き起こしやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術の不足を解決するために、本発明は、接地カバー及び接地カバー内の接地アセンブリによって2点接地を実現し、エンドシールド端子及び高圧ブッシングの安全で安定した運転を確保する2点接地を有するエンドシールド端子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明が採用する技術的解決手段は、以下のとおりである。
【0005】
2点接地を有するエンドシールド端子であって、頂部が開口状態である接地カバーを備え、接地カバーの内部には、上部口径が下部口径よりも大きい逆階段溝が形成され、接地カバーの内底部には、接地ばねが設けられ、接地ばねの上には、逆凸字形柱状構造である、底端が接地ばね内に挿入された接地スペーサーブロックが設けられ、接地スペーサーブロックの上方の接地カバー内には、接地アセンブリが設けられ、接地アセンブリは、中空の逆凸字形構造のリード線柱と、絶縁柱と、端子台と、頂部が開口状態である筒型構造の接地押し蓋とを含み、リード線柱は絶縁柱を貫通し、端子台は絶縁柱の上部柱体に外嵌され、絶縁柱の下方に位置するリード線柱には、絶縁柱の底部を支持し且つ当該絶縁柱の底部に当接するための支持アセンブリが外嵌され、リード線柱は、接地押し蓋の底部の切り欠きを貫通し、支持アセンブリは、端子台の内底面に当接し、絶縁柱の底端は接地押し蓋の内部に挿入され、接地押し蓋の頂端は端子台の底端に当接し、接地押し蓋の下方に位置するリード線柱にも、接地押し蓋の底端を支持し且つ当該接地押し蓋の底端に当接するための支持アセンブリが設けられ、接地スペーサーブロックの頂端には沈み溝が設けられ、リード線柱の底端は接地スペーサーブロックの頂端の沈み溝内に挿入され、接地カバーは端子台の頂端の下方の柱体にねじ接続され、接地カバーの頂端は端子台の頂端の底部に当接する。
【0006】
好ましくは、支持アセンブリは、リード線柱上に上方から下方へ設けられた、平座金と、弾性座金と、ナットとを含む。
【0007】
更に好ましくは、接地押し蓋の下方のリード線柱には、リミットシールリングが更に設けられ、リミットシールリングの底部は接地カバー内の段差面に当接し、リミットシールリングの頂部は接地押し蓋に当接し、支持アセンブリの頂部は、リミットシールリングの内孔内まで延伸する。
【0008】
更に好ましくは、端子台の頂部には、絶縁柱の頂端が挿入する沈み溝が形成され、端子台の頂端は、絶縁柱の頂端と面一になっており、絶縁柱の頂端の外周にはリング溝が設けられ、リング溝内には第1のシールリングが設けられる。
【0009】
更に好ましくは、絶縁柱の頂端中央部は、上方に延伸してボスを形成し、ボスの頂端には、リード線柱が挿入する貫通孔を取り囲んで、リード線柱の頂端が挿入する沈み溝が設けられ、沈み溝内には第2のシールリングが設けられる。
【0010】
更に好ましくは、端子台の頂端の下方の柱体の端子台の頂端寄りには、収容リング溝が設けられ、収容リング溝に対応する接地カバーの頂端の開口内側には、環状傾斜面構造が形成され、環状傾斜面構造と収容リング溝から形成された収容空間には、第3のシールリングが設けられる。
【0011】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
【0012】
2点接地のエンドシールド端子は、エンドシールドの信頼的な接地を保証することができ、いずれかの接地点に異常が発生した場合、他の接地点がエンドシールドの信頼的な接地を保証して、エンドシールドの接地の信頼性を向上させることができる。エンドシールドの接地の信頼性によって、さらに、変圧器上のブッシングの運転の信頼性を保証して、変圧器のブッシングの全体的な信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面及び実施例を参照して本発明を具体的に説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施例は、2点接地を有するエンドシールド(end-shield)端子であって、頂部が開口状態である接地カバー1を備え、接地カバー1の内部には、上部口径が下部口径よりも大きい逆階段溝が形成され、接地カバー1の内底部には、接地ばね2が設けられ、接地ばね2の上には、逆凸字形柱状構造である、底端が接地ばね2内に挿入された接地スペーサーブロック3が設けられ、接地スペーサーブロック3の上方の接地カバー1内には、接地アセンブリが設けられ、接地アセンブリは、中空の逆凸字形構造のリード線柱4と、絶縁柱5と、端子台6と、頂部が開口状態である筒型構造の接地押し蓋7とを含み、リード線柱4は絶縁柱5を貫通し、端子台6は、絶縁柱5の上部柱体に外嵌される。実際に使用する際に、端子台6の上には、ブッシングフランジに接続されるための雌ねじ切り欠きが設けられる。絶縁柱5の下方に位置するリード線柱4には、絶縁柱5の底部を支持し且つ当該絶縁柱5の底部に当接するための支持アセンブリが外嵌され、リード線柱4は、接地押し蓋7の底部の切り欠きを貫通し、支持アセンブリは、端子台6の内底面に当接し、絶縁柱5の底端は接地押し蓋7の内部に挿入され、接地押し蓋7の頂端は端子台6の底端に当接し、接地押し蓋7の下方に位置するリード線柱4にも、接地押し蓋7の底端を支持し且つ当該接地押し蓋7の底端に当接するための支持アセンブリが設けられ、接地スペーサーブロック3の頂端には沈み溝が設けられ、リード線柱4の底端は接地スペーサーブロック3の頂端の沈み溝内に挿入され、接地カバー1は、端子台6の頂端の下方の柱体にねじ接続され、接地カバー1の頂端は端子台6の頂端の底部に当接する。
【0016】
図1を参照すると、支持アセンブリは、リード線柱4上に上方から下方へ設けられた、平座金8と、弾性座金9と、ナット10とを含む。
【0017】
図1を参照すると、接地押し蓋7の下方のリード線柱4には、リミットシールリング11が更に設けられ、リミットシールリング11の底部は接地カバー1内の段差面に当接し、リミットシールリング11の頂部は接地押し蓋7に当接し、支持アセンブリの頂部はリミットシールリング11の内孔内まで延伸する。
【0018】
図1を参照すると、端子台6の頂部には、絶縁柱5の頂端が挿入する沈み溝が形成され、端子台6の頂端は、絶縁柱5の頂端と面一になっており、且つ絶縁柱5の頂端の外周にはリング溝が設けられ、リング溝内には第1のシールリング12が設けられる。
【0019】
図1を参照すると、絶縁柱5の頂端の中央部は、上方に延伸してボスを形成し、且つボスの頂端には、リード線柱4が挿入する貫通孔を取り囲んで、リード線柱4の頂端が挿入する沈み溝が設けられ、沈み溝内には第2のシールリング13が設けられる。
【0020】
図1を参照すると、端子台6の頂端の下方の柱体の端子台6の頂端寄りには、収容リング溝が設けられ、収容リング溝に対応する接地カバー1の頂端の開口内側には、環状傾斜面構造が形成され、環状傾斜面構造と収容リング溝から形成された収容空間には、第3のシールリング14が設けられる。
【0021】
実際に取り付ける際に、まず、第2のシールリング13をリード線柱4に外嵌し、次に、リード線柱4を絶縁柱5に貫通させ、リード線柱4と絶縁柱5との間に締まり嵌めを形成し、第2のシールリング13によってリード線柱の頂端と絶縁柱5の頂端とを密封する。次に、平座金8、弾性座金9及びナット10を使用して、リード線柱4を絶縁柱5に固定させる。次に、絶縁柱5を端子台6上に取り付け、絶縁柱5と端子台6との間も締まり嵌めを採用する。次に、接地押し蓋7を取り付け、接地押し蓋7はリード線柱2を貫通して端子台6の底部に取り付けられる。次に、平座金8及び弾性座金9をリード線柱4に外嵌し、ナット10でリード線柱4に締め付けることによって、接地押し蓋7がリード線柱4に固定され、端子台6の底端に信頼的に接触する。続いて、接地カバー1の内底部に接地ばね2、接地スペーサーブロック3、及びリミットシールリング11を取り付ける。次に、端子台6の頂部のリング溝内に第1のシールリング12を取り付け、収容リング溝内に第3のシールリング14を取り付ける。次に、端子台6をブッシングのフランジ上に取り付け、ブッシングのエンドシールドリード線をリード線柱4に溶接する。最後に、接地カバー1を端子台6の柱体に締め付ければよい。
【0022】
以上の説明は、本発明の特許の好ましい実施形態に過ぎず、当業者であれば、本発明の特許の原理から逸脱することなく、いくつかの改良や添削を行うことができ、これらの改良や添削も本発明の特許請求の範囲と見なすべきであることに留意されたい。
【符号の説明】
【0023】
1 接地カバー;2 接地ばね;3 接地スペーサーブロック;4 リード線柱;5 絶縁柱;6 端子台;7 接地押し蓋;8 平座金;9 弾性座金;10 ナット;11 リミットシールリング;12 第1のシールリング;13 第2のシールリング;14 第3のシールリング。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
【
図1】本発明の
2点接地を有するエンドシールド端子の構成の模式図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
実際に取り付ける際に、まず、第2のシールリング13をリード線柱4に外嵌し、次に、リード線柱4を絶縁柱5に貫通させ、リード線柱4と絶縁柱5との間に締まり嵌めを形成し、第2のシールリング13によってリード線柱の頂端と絶縁柱5の頂端とを密封する。次に、平座金8、弾性座金9及びナット10を使用して、リード線柱4を絶縁柱5に固定させる。次に、絶縁柱5を端子台6上に取り付け、絶縁柱5と端子台6との間も締まり嵌めを採用する。次に、接地押し蓋7を取り付け、接地押し蓋7はリード線柱2を貫通して端子台6の底部に取り付けられる。次に、平座金8及び弾性座金9をリード線柱4に外嵌し、ナット10でリード線柱4に締め付けることによって、接地押し蓋7がリード線柱4に固定され、端子台6の底端に信頼的に接触する。続いて、接地カバー1の内底部に接地ばね2、接地スペーサーブロック3、及びリミットシールリング11を取り付ける。次に、絶縁柱5の頂部のリング溝内に第1のシールリング12を取り付け、端子台6の収容リング溝内に第3のシールリング14を取り付ける。次に、端子台6をブッシングのフランジ上に取り付け、ブッシングのエンドシールドリード線をリード線柱4に溶接する。最後に、接地カバー1を端子台6の柱体に締め付ければよい。
【国際調査報告】