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特表2023-542807電池、電気装置、電池の製造方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(54)【発明の名称】電池、電気装置、電池の製造方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/588 20210101AFI20231004BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20231004BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20231004BHJP
   H01M 50/526 20210101ALI20231004BHJP
   H01M 50/591 20210101ALI20231004BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20231004BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20231004BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20231004BHJP
【FI】
H01M50/588
H01M50/342 101
H01M50/505
H01M50/526
H01M50/591 101
H01M50/204 401F
H01M50/209
H01M50/213
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509570
(86)(22)【出願日】2020-10-19
(85)【翻訳文提出日】2023-02-09
(86)【国際出願番号】 CN2020122001
(87)【国際公開番号】W WO2022082398
(87)【国際公開日】2022-04-28
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522010668
【氏名又は名称】ジアンス・コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ ▲凱▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 小▲騰▼
(72)【発明者】
【氏名】汪 文礼
(72)【発明者】
【氏名】洪 家▲榮▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲海▼奇
(72)【発明者】
【氏名】胡 浪超
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H012AA01
5H012AA07
5H012FF08
5H012JJ06
5H012JJ10
5H040AA37
5H040AS07
5H040AT01
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY05
5H040AY08
5H040DD03
5H040NN01
5H043AA04
5H043AA13
5H043AA14
5H043BA19
5H043CA03
5H043CA04
5H043CA05
5H043FA04
5H043HA22F
5H043JA21F
5H043LA02F
(57)【要約】
本願は電池、電気装置、電池の製造方法および装置に関するものであり、電池は、電池セルの内圧または温度が閾値に達したときに作動して内圧を解放するための圧力解放機構を含む電池セルであって、母線部材によって電気接続されるように構成される複数の電池セルと、圧力解放機構の作動時に電池セルからの排出物が少なくとも一つの電池セルを短絡させることを防止するように、母線部材を被覆するための絶縁部材とを備える。絶縁部材で母線部材を被覆することにより、故障した一つまたは複数の電池セルから排出物が排出される場合、一部の排出物が母線部材などの導電物に飛散することを防止できるため、電池セルの短絡や高圧発火の発生確率を低減することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルの内圧または温度が閾値に達したときに作動して前記内圧を解放するための圧力解放機構を含む電池セルであって、母線部材によって電気接続されるように構成される複数の電池セルと、
前記圧力解放機構の作動時に前記電池セルからの排出物が少なくとも一つの前記電池セルを短絡させることを防止するように、前記母線部材を被覆するための絶縁部材と、
を備える電池。
【請求項2】
前記絶縁部材および前記母線母材はいずれも複数に設けられ、各前記絶縁部材は少なくとも一つの前記母線部材を被覆する請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記絶縁部材は、前記圧力解放機構側に位置する複数の母線部材を被覆するように設置される請求項2に記載の電池。
【請求項4】
複数の前記電池セルは、電池モジュールとして積層して形成し、
前記絶縁部材は、隣接する前記電池モジュールに位置する母線部材を被覆するように設置される請求項1~3のいずれか1項に記載の電池。
【請求項5】
前記絶縁部材の厚さは0.5~3mmである請求項1~4のいずれか1項に記載の電池。
【請求項6】
消防媒体を収容するための、前記圧力解放機構の作動時に前記電池セルに前記消防媒体を排出するように設置される消防配管をさらに備え、
前記絶縁部材は、前記圧力解放機構の作動時に前記消防媒体が少なくとも一つの前記電池セルを短絡させることを防止するために用いられる請求項1~5のいずれか1項に記載の電池。
【請求項7】
前記消防配管は、前記圧力解放機構に対応する第1の領域と前記第1の領域の外周に位置する第2の領域とを含み、前記第1の領域は、前記圧力解放機構の作動時に破壊されることにより、前記消防媒体を排出させるために用いられ、前記第2の領域は、前記圧力解放機構の作動時に完全性を維持することにより、前記消防媒体が前記第2の領域から前記第1の領域へ流れることを可能にするために用いられる請求項6に記載の電池。
【請求項8】
前記消防配管と前記電池セルとの間に設けられ、前記第2の領域を保護するための防護部材をさらに備える請求項7に記載の電池。
【請求項9】
前記防護部材は、第3の領域と第4の領域と含み、前記第3の領域は、前記圧力解放機構の作動時に前記消防配管の前記第2の領域を保護するために用いられ、前記第4の領域は、前記圧力解放機構の作動時に前記電池セルからの排出物が前記第4の領域によって前記第1の領域を破壊することを可能にするために用いられる請求項8に記載の電池。
【請求項10】
前記防護部材は、前記圧力解放機構の作動時に前記電池セル内に流入するための前記消防媒体を収集するための前記消防配管収容用第1の溝を形成するように設置される請求項9に記載の電池。
【請求項11】
前記第1の溝の底壁において、前記第1の領域に対応する領域には前記第4の領域が設けられている請求項10に記載の電池。
【請求項12】
前記母線部材を装着するための隔離部材をさらに備える請求項8~11のいずれか1項に記載の電池。
【請求項13】
前記隔離部材は、前記母線部材と前記電池セルとを電気接続するために、少なくとも一部の前記母線部材を露出するように設置される回避領域を有する請求項12に記載の電池。
【請求項14】
前記隔離部材には、前記防護部材が配置された第2の溝が設けられている請求項12または13に記載の電池。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の電池から提供される電力を受け取るように設置される電気装置。
【請求項16】
電池セルの内圧または温度が閾値に達したときに作動して前記内圧を解放するための圧力解放機構を含む電池セルを複数提供することと、
複数の前記電池セルを母線部材によって電気接続することと、
前記圧力解放機構の作動時に前記電池セルからの排出物が少なくとも一つの前記電池セルを短絡させることを防止するように、前記母線部材を絶縁部材で被覆することと、
を含む電池の製造方法。
【請求項17】
電池セルの内圧または温度が閾値に達したときに作動して前記内圧を解放するための圧力解放機構を含む電池セルを複数提供するための第1の装置と、
複数の前記電池セルを母線部材によって電気接続するための第2の装置と、
前記圧力解放機構の作動時に前記電池セルからの排出物が少なくとも一つの前記電池セルを短絡させることを防止するように、前記母線部材を絶縁部材で被覆するための第3の装置と、
を含む電池の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池技術分野に関し、特に電池、電気装置、電池の製造方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、新エネルギー自動車の登場は、社会の発展や環境保護の促進に大きな役割を果たしており、新エネルギー自動車の分野では、電池が重要な新動力源として広く使用されている。
【0003】
現在、使用中の電池の熱暴走による自然発火は、新エネルギー自動車の安全事故を引き起こす大きな要因である。電池内のある電池セルが熱暴走になった際に、電池セルから高温排出物が噴射され、該高温排出物は周囲の電池セルに飛散して重大な安全事故を引き起こしてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、電池の熱暴走による安全事故を減少可能な電池、電気装置、電池の製造方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の第1の態様では、電池セルの内圧または温度が閾値に達したときに作動して前記内圧を解放するための圧力解放機構を含む電池セルであって、母線部材によって電気接続されるように構成される複数の電池セルと、
前記圧力解放機構の作動時に前記電池セルからの排出物が少なくとも一つの前記電池セルを短絡させることを防止するように、前記母線部材を被覆するための絶縁部材と、を備える電池を提供する。
【0006】
いくつかの実施例では、前記絶縁部材および前記母線母材はいずれも複数に設けられ、各前記絶縁部材は少なくとも一つの前記母線部材を被覆する。
【0007】
いくつかの実施例では、複数の前記電池セルは、電池モジュールとして積層して形成し、前記絶縁部材は、隣接する前記電池モジュールに位置する母線部材を被覆するように設置される。
【0008】
いくつかの実施例では、前記絶縁部材の厚さは0.5~3mmである。
【0009】
いくつかの実施例では、消防媒体を収容し、前記圧力解放機構の作動時に前記電池セルに前記消防媒体を排出するように設置される消防配管をさらに備え、前記絶縁部材は、前記圧力解放機構の作動時に前記消防媒体が少なくとも一つの前記電池セルを短絡させることを防止するために用いられる。
【0010】
いくつかの実施例では、前記消防配管は、前記圧力解放機構に対応する第1の領域と、前記第1の領域の外周に位置する第2の領域とを含み、前記の第1の領域は、前記圧力解放機構の作動時に破壊されることにより、前記消防媒体を排出させるために用いられ、前記第2の領域は、前記圧力解放機構の作動時に完全性を維持することにより、前記消防媒体が前記第2の領域から前記第1の領域へ流れることを可能にするために用いられる。
【0011】
いくつかの実施例では、前記消防配管と前記電池セルとの間に設けられ、前記第2の領域を保護するための防護部材をさらに備える。
【0012】
いくつかの実施例では、前記防護部材は、第3の領域と第4の領域とを含み、前記第3の領域は、前記圧力解放機構の作動時に前記消防配管の前記第2の領域を保護するために用いられ、前記第4の領域は、前記圧力解放機構の作動時に前記電池セルからの排出物が前記第4の領域によって前記第1の領域を破壊することを可能にするために用いられる。
【0013】
いくつかの実施例では、前記防護部材は、前記圧力解放機構の作動時に前記電池セル内に流入するための前記消防媒体を収集するための前記消防配管収容用第1の溝を形成するように設置される。
【0014】
いくつかの実施例では、前記第1の溝の底壁において、前記第1の領域に対応する領域には前記第4の領域が設けられている。
【0015】
いくつかの実施例では、前記母線部材を装着するための隔離部材をさらに備える。
【0016】
いくつかの実施例では、前記隔離部材は、前記母線部材と前記電池セルを電気接続するために、少なくとも一部の前記母線部材を露出するように設置される回避領域を有する。
【0017】
いくつかの実施例では、前記隔離部材には、前記防護部材が配置された第2の溝が設けられている。
【0018】
本願の第2の態様では、前記電池から提供される電力を受け取るように設置される電気装置を提供する。
【0019】
本願の第3の態様では、電池セルの内圧または温度が閾値に達したときに作動して前記内圧を解放するための圧力解放機構を含む電池セルを複数提供することと、
複数の前記電池セルを母線部材によって電気接続することと、
前記圧力解放機構の作動時に前記電池セルからの排出物が少なくとも一つの前記電池セルを短絡させることを防止するように、前記母線部材を絶縁部材で被覆することと、を含む電池の製造方法を提供する。
【0020】
本願の第4の態様では、電池セルの内圧または温度が閾値に達したときに作動して内圧を解放するための圧力解放機構を含む電池セルを複数提供するための第1の装置と、
複数の前記電池セルを母線部材によって電気接続するための第2の装置と、
前記圧力解放機構の作動時に前記電池セルからの排出物が少なくとも一つの前記電池セルを短絡させることを防止するように、前記母線部材を絶縁部材で被覆するための第3の装置と、を含む電池の製造装置を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本願の実施例に係る電池によれば、絶縁部材を設けて母線部材を被覆することにより、電池が熱暴走になった際に、電池セルから解放される排出物が母線部材や他の導電物に飛散することを防止できるため、電池セルの短絡や高圧発火の発生確率を低減し、電池使用時の安全性を高めることができる。
【0022】
本願の実施例または公知技術における発明をより明確に説明するために、以下は実施例または公知技術の説明にとって必要な図面を簡単に説明する。下記の図面は本願のいくつかの実施例であり、当業者であれば、創造的な努力をせずに、これらの図面に基づいてさらに他の図面を取得できることは明らかである。
【0023】
ここで説明される図面は本願をさらに理解するためのものであり、本願の一部を構成し、本願の例示的な実施例およびその説明は本願を解釈するためのものであり、本願を不当に制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1-A】本願の実施例の電気装置の構造概略図である。
図1-B】本願の実施例の電池の構造概略図である。
図1-C】本願の実施例の電池モジュールの構造概略図である。
図1-D】本願の実施例の電池セルの構造概略図である。
図2】本願の実施例の電池ケース内部の構造概略図である。
図3】本願の実施例の図2に示す構造の概略分解図である。
図4】本願の実施例の他の電池ケース内部の構造分解図である。
図5】本願の実施例の更なる電池ケース内部の構造概略図である。
図6】本願の実施例の図5に示す構造の概略分解図である。
図7】本願の実施例の図6に示す隔離部材および防護部材の構造概略図である。
図8】本願の実施例の図7におけるA箇所の部分拡大図である。
図9】本願の実施例の電池の製造方法のフロチャートである。
図10】本願の実施例の電池の製造装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本願の目的、発明および利点をより明確化するために、以下は図面および実施を参照し、本願をさらに詳しく説明する。ここで説明される具体的な実施例は本願を解釈するためのものに過ぎず、本願の好ましい実施例であり、これにより本願の保護範囲を制限するわけではないと理解すべきである。したがって、本願の構造、形状、原理に基づいて行われる等価な変形は、いずれも本願の範囲内である。
【0026】
特に定義しない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語および科学用語は、本願に係る当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本明細書で用いられる用語は、具体的な実施例を説明するためだけであり、本願を限定することを意図するものではない。本願の明細書、特許請求の範囲および図面の簡単な説明における「含む」や「有する」という用語、並びにそれらのいかなる変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図するものである。
【0027】
本明細書で言う「実施例」は、実施例に記載の特定の特徴、構造または特性を組み合わせたものが本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の各箇所に現れるこの「実施例」という用語は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と互いに排他的で独立または代替の実施例を意味するものでもない。当業者は、本明細書に記載された実施例が他の実施例と組み合わされてもよいことを明示的にも暗黙的にも理解できる。
【0028】
本願の「および/または」という用語は、関連する対象の関連関係を説明するものに過ぎず、3つの関係があり得ることを意味する。「Aおよび/またはB」を例にすると、単にA、AとBの両方、単にBという3つの場合があり得る。また、本文中の「/」は、一般的に前後の関連対象が「または」という関係を有すると示す。
【0029】
また、本願の明細書や特許請求の範囲または前記図面における「第1」「第2」などの用語は、特定の順序を記述するためではなく、異なる対象を区別するために用いられ、1つまたはそれ以上の該特徴が含まれていると明示的または暗黙的に示してもよい。
【0030】
本願の説明において、特に定義しない限り、「複数」という用語は2つ以上(2つを含む)を意味し、同様に、「複数組」は2組以上(2組を含む)を意味する。
【0031】
なお、本願の説明において、特に明確な規定や制限がない限り、「装着」、「つながる」、「接続」などの用語は、広義に理解されるべきである。例えば、機械構造の「つながる」、「接続」は物理的接続であってもよい。物理的接続は、ねじ、ボルトまたは他の固定部材による固定接続でも、インターロック式またはスナップフィット式のような取り外し可能な接続でも、溶接、接着または一体成形による一体化型接続でもよい。回路構造の「つながる」、「接続」は、物理的接続のほか、電気接続または信号接続であってもよい。例えば、直接つながり、つまり物理的接続でも、少なくとも一つの素子を介した間接つながってもよく、回路の連通を実現すればよく、さらに両素子の内部的な連通であってもよい。信号接続は、電気回路を介して信号接続するほかに、無線電波のようなメディア媒体を介した信号接続を指すこともできる。当業者からすれば、具体的な状況に応じて本願の実施例におけるこれらの用語の具体的な意味を理解できる。
【0032】
以下の実施例において各方位を明確に説明するために、いくつかの方位用語を使用することができる。例えば、図1-Dの座標系は、電池の各方位の方向を定義している。x方向は電池セル400の長さ方向を示し、水平面内でx方向に垂直なy方向は、電池セル400の幅方向を示し、xおよびy方向に垂直なz方向は、電池の高さ方向を示す。また、本実施例の電池の各部材の動作や構造を示す方向を説明するために用いた前記x方向、y方向、z方向という表現は、絶対的なものではなく相対的なものであり、かつ電池の各部材が図面に示す位置にある場合にこれらの表示は適切であるが、これらの位置が変化した場合に、前記変化に対応するために、これらの方向も異なって解釈されるべきである。
【0033】
方位に対する同じ理解に基づき、本願の説明では、「中央」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「逆時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語が示す方位または位置関係は、図面に示された方位または位置関係に基づくものであり、本願の説明を容易にして簡略化することのみを意図しており、示された装置または素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成され、動作しなければならないことを示すまたは暗示するものではないため、本願を限定するものと理解してはならない。
【0034】
充電できる電池は、二次電池またはパワー電池とも呼ばれる。現在、広く使用されている充電できる電池はリチウム電池であり、例えば、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池またはマグネシウムイオン電池などがあるが、これらに限定されるものではない。説明の便宜上、本明細書には充電できる電池を「電池」と総称することができる。
【0035】
電池の安全性は、電池を評価するための重要な性能であり、使用時または充電時に可能な限り電池の安全性を確保する必要がある。
【0036】
電池は一般に複数の電池セルを接続して構成されており、電池セルが外部短絡、過充電、ピンプリック、プレートインパクトなどを受けると熱暴走を起こしやすい。電池セルが熱暴走した場合、該電池セル内部では高温ヒューム(ひどい場合は裸火)や揮発性の高温電解液などの物質が含まれる排出物を形成するが、これらの排出物は排出時に熱拡散を起こし、他の電池セルの熱暴走ひいては爆発などの事故につながる可能性がある。本願で高めた電池セル由来の排出物には、電解液、溶融または分裂された正負電極シート、隔離膜の破片、反応による高温高圧ガス、火炎などが含まれるが、これらに限定されないことが理解できる。
【0037】
出願人らは、1つの電池セルが熱暴走すると、周囲の電池セルの短絡または高圧発火などの問題を引き起こすことを見出した。
【0038】
この問題に対し、本発明者らは研究したところ、電池セルの熱暴走による短絡や高圧発火などの問題は、電池内部から排出される排出物と母線部材との接触に起因していることを見出した。
【0039】
これに鑑み、本願は、電池セルの熱暴走時に、該電池セルから排出される高温排出物が母線部材に飛散することを防止し、電池セルの短絡や高圧発火問題の発生を低減できる電池を提供することを目的とする。したがって、本願の電池は、電池セルの熱暴走状況をタイムリーに制御し、それ以上の発熱や高温排出物を防止できるだけでなく、前記高温排出物が母線部材に飛散することを防止し、電池セルの短絡や高圧発火の発生を減少することも可能である。
【0040】
本願の実施例に係る電池は、電気エネルギーをパワー源として供給可能な様々な電気装置に適用できる。ここでの電気装置は、電気自動車、電気列車、電動自転車、ゴルフカート、ドローンまたは船舶などであってもよいが、これらに限定されるものではない。さらに、電気装置は、電池のみをパワーとして使用する装置であってもよいし、ハイブリッド型装置であってもよい。電池は電気装置に電気エネルギーを供給し、モータによって電動装置の走行を駆動させる。
【0041】
例えば、本願の一実施例の電気装置の構造概略図である図1-Aに示すように、電気装置はガソリン自動車、天然ガス自動車または新エネルギー自動車などの自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車またはレンジエクステンダー電気自動車などであってもよい。自動車は、電池200、コントローラ210およびモータ220を備える。電池200は、自動車コントローラ210およびモータ220に電力を供給するために用いられ、自動車の動作電源および駆動電源として、例えば、電池200は、自動車の始動時、ナビゲーション時、走行時の作業用電力のニーズに使用する。例えば、電池200はコントローラ210に電力を供給し、コントローラ210は電池200からモータ220への給電を制御し、モータ220は電池200からの電力を車両の駆動力源として受けて使用し、ガソリンや天然ガスの代替又は部分的な代替として、自動車に駆動力を提供する。
【0042】
使用ニーズを満たすように電池が高いレベルの機能に達するように、電池200は互いに接続される複数の電池モジュール300を含んでもよい。図1-Bに示すように、電池200は第1の筐体201、第2の筐体202および複数の電池モジュール300を備える。第1の筐体201と第2の筐体202が互いに嵌合されており、複数の電池モジュール300は、第1の筐体201と第2の筐体202によって囲まれた空間に配列されている。
【0043】
図1-Cに示すように、電池モジュール300は、直列接続、並列接続、あるいは直列接続と並列接続との組み合わせを意味する直並列方式で接続され、大きい電流または電圧を可能にする複数の電池セル400を含む。引き続き図1-Cを参照すると、電池セル400を縦置きにしてもよく、電池セル400の高さ方向はz方向に一致し、電池セル400の長さ方向はx方向に一致し、複数の電池セル400はその幅方向に沿ってy方向に並んで設けられ、あるいは、電池セルを横置きにしてもよく、電池セル400の幅方向はz方向に一致し、電池セル400の長さ方向はx方向に一致し、複数の電池セル400はz方向沿って少なくとも一つの層を積層し、各層はx方向に沿って間隔をおいて設けられた複数の電池セル400を含む。
【0044】
本願の改善点を当業者に明確に理解させるために、まず、電池セル400の全体構造について説明する。
【0045】
図1-Dに示すように、電池セル400は、ケース40、電極アセンブリ30およびエンドキャップアセンブリ10を備え、エンドキャップアセンブリ10は、ケース40に接続(例えば、溶接)されて電池セル400の外殻を形成するエンドキャッププレート10'を含み、電極アセンブル30は、電解液が充填されたケース40内に設けられている。電池セル400は、立方体、直方体、または円筒形であってもよい。
【0046】
実際の使用ニーズに応じて、電極アセンブル30を一つまたは複数設けてもよい。図1-Dに示すように、電池内には、少なくとも2つの独立して巻回された電極アセンブリ30が設けられてもよい。電極アセンブル30は、第1電極シート、第2電極シート、及び隣接する第1の電極シートと第2の電極シートとの間に位置する絶縁体であるセパレータを一同に巻回するかまたは積層することによって、本体部を形成することができる。本体部は、対向する2つの端面を有する。本実施例では、例示的に第1の電極シートを正極シートとし、第2の電極シートを負極シートとして説明する。正極活物質は正極シートの塗布領域に塗布され、負極活物質は負極シートの塗布領域に塗布される。本体部の塗布領域から延出する複数の未塗布領域はタブとして積層されている。電極アセンブリは、2つのタブ301、すなわち正極タブと負極タブとを含む。正極タブは正極シートの塗布領域から、負極タブは負極シートの塗布領域から延出している。
【0047】
エンドキャップアセンブリ10は、電極アセンブリ30の頂部に設けられる。図1-Dに示すように、エンドキャップアセンブリ10は、エンドキャッププレート10’および二つの電極端子5を含み、二つの電極端子5はそれぞれ正極端子と負極端子であり、各電極端子5には、エンドキャップ10’と電極アセンブリ30の間に位置する一つの接続部材20が対応して設けられている。
【0048】
例えば、図1-Dにおける電極アセンブリ30のタブ301は頂部に位置し、正極タブは一つの接続部材20を介して正極端子に接続され、負極タブはもう一つの接続部材20を介して負極端子に接続される。選択的には、電池セル400は、ケース40の両端にそれぞれ設けられたエンドキャップアセンブリ10を二つ含んでもよく、各エンドキャップアセンブリ10には一つの端子5が設けられている。
【0049】
エンドキャッププレート10’には、電池セル400内のガスが多すぎる場合、電池セル400内のガスをタイムリーに放出し、爆発を回避するための防爆部材がさらに設けられてもよい。
【0050】
エンドキャッププレート10’には、排気孔が設けられており、排気孔はエンドキャップ10’の長さ方向上の中間位置に設けられてもよい。防爆部材は、排気孔に設けられた圧力解放機構6を含む。通常状態では、圧力解放機構6は、排気孔に密封して装着されており、電池が膨張して外殻内の気圧が所定値以上に上昇する場合、圧力解放機構6が作動して始動し、ガスは圧力解放機構6から外部へ放出される。
【0051】
圧力解放機構6とは、電池セル400の内圧または温度が所定の閾値に達したときに作動して内圧および/または内部物質を解放するための素子や部材を指す。圧力解放機構6は、具体的には、例えば防爆弁、ガス弁、圧力解放弁または安全弁などの形を採用してもよく、具体的には感圧性や感温性の素子または構造を採用可能である。つまり、電池セル400の内圧または温度が所定の閾値に達したときに、圧力解放機構6が作動しまたは圧力解放機構6に設けられている弱い構造が破壊され、内圧を解放するための開口または通路を形成する。本願で言う閾値は、圧力閾値又は温度閾値でもよく、該閾値の設計は、設計ニーズによって異なる。例えば、危険や制御不能のリスクがあると考えられる電池セル400の内圧または内部温度値に基づいて閾値を設計または決定することができる。また、該閾値は、電池セル400内の正極シート、負極シート、電解液およびセパレータのうちの1つまたは複数の使用材料によって決められてもよい。
【0052】
本願で言う「作動」とは、圧力解放機構6が動作を行い、または一定の状態まで活性化されて電池セル400の内圧や温度が解放させることを意味する。圧力解放機構6による動作は、圧力解放機構6の少なくとも一部が破損、粉砕、破断、開放されたなどの場合を含み得るが、これらに限定されない。圧力解放機構6が作動する場合、電池セル400の内部の高温高圧物質は、排出物として作動した箇所から外部に排出される。このように、制御可能な圧力または温度で、電池セル400の圧力を解放することにより、潜在しているより重大な事故を回避することができる。本願で言及された電池セル400からの排出物は、電解液、溶解または分解された正極・負極シート、セパレータの破片、反応による高温高圧ガス、火炎などが含まれるが、これらに限定されない。高温高圧の排出物は、電池セル400の圧力解放機構6が設けられている方向、より具体的には圧力解放機構6が作動している領域の方向に向けて排出されるため、そのような排出物は、その方向上の蓋体など一つまたは複数の構造を突破して安全性問題を引き起こすほど強力で破壊的である可能性がある。
【0053】
いくつかの実施例では、図1-Dに示すように、エンドキャッププレート10’には、電池セル400に電解液を注入するための貫通孔が設けられており、貫通孔は、丸孔、楕円孔、多角孔または他の形状の孔で、エンドキャッププレート10’の高さ方向に沿って延在してもよい。エンドキャッププレート10’には、貫通孔を密閉するための液体注入部材2が設けられている。
【0054】
図2および図3に示すように、本願の実施例に係る電池200は、複数の電池セル400と、母線部材500と、絶縁部材600とを備える。複数の電池セル400は、母線部材によって電気接続されるように構成され、電池セル400は、電池セル400の内圧または温度が閾値に達したときに作動して内圧を解放するための圧力解放機構6をさらに含み、絶縁部材600は、圧力解放機構6の作動時に電池セル400からの排出物が少なくとも一つの電池セル400を短絡させることを防止するように、母線部材500を被覆することに用いられる。
【0055】
実際の応用では、母線部材500は、溶接またはボルト接続によって複数の電池セル400に電気接続されてもよい。本願の実施例では、複数の電池セル400は、電池セル400で発生した電流を伝送するための母線部材500によって電気接続されるように構成され、これにより複数の電池単体400間の直列接続および/または並列接続を可能にする。
【0056】
本願の実施例では、各電池セル400はいずれも、電池セル400の内圧または温度が閾値に達したときに作動して内圧を解放するための圧力解放機構6を含む。圧力解放機構6の設置位置および構造形態は前述の実施例で詳しく説明した。
【0057】
上述のように、圧力解放機構6はエンドキャッププレート10’の排気孔に設けられている。通常状態では、圧力解放機構6は、排気孔に密封して装着されており、電池セル400が膨張して外殻内の圧力または温度が閾値以上に上昇する場合、圧力解放機構6が作動して始動し、電池セル400内のガスなどの高温排出物は圧力解放機構6から外部へ放出され、これにより電池セル400内の圧力を解放し、爆発などの危険な事故の発生を回避することができる。
【0058】
本願の実施例では、母線部材500を被覆するための絶縁部材600を設けることにより、母線部材500に対して隔離や被覆する役割を果たすことができるため、電池セル400の一つまたは複数が故障して圧力解放機構6から外へ排出物を排出する際に、一部の排出物が母線部材500に飛散することで一部の電池セル400の正・負極が直接接触して短絡することを防止し、電池200の短絡や高圧発火の発生を減少する。
【0059】
図1-B、1-Cおよび1-Dに示すように、電池200内部の電池モジュール300は複数の電池セル400を含み、各電池セル400には、電極アセンブリ30の正極タブに接続される正極端子と、電極アセンブリ30的負極タブに接続される負極端子という二つの電極端子5が設けられている。
【0060】
図3に示すように、電池200では、母線部材500の役割は、隣接する電池セル400の電極端子5を接続することにより、複数の電池セル400の直列接続または並列接続を可能にすることである。
【0061】
引き続き図3を参照すると、一つの母線部材500は、隣接する2つの電池セル400の電極端子5を接続する。接続された前記2つの電池セル400上の電極端子5が両方とも正極端子または両方とも負極端子である場合、母線部材500は2つの電池セル400の並列接続を実現する。接続された前記2つの電池セル400上の電極端子5が、一方が正極端子、他方が負極端子である場合、母線部材500は2つの電池セル400の直列接続を実現する。
【0062】
実際の応用において、二つの電極端子5は、電池セル400の同じ側に位置してもよく、電池セル400の両側に位置してもよい。したがって、母線部材500は、電池セル400の同じ側に位置する可能性があり、電池セル400の両側に位置する可能性もある。
【0063】
本願では、圧力解放機構6を有する電池セル400の側に電極端子5が設けられているため、本願の実施例に係る絶縁部材600からすれば、主に圧力解放機構6側に位置する母線部材500を被覆するために用いられ、圧力解放機構6から解放される排出物が圧力解放機構6付近の母線部材500に直接飛散することを防止する。
【0064】
無論、実際の応用では、圧力解放機構6を有しない側に電極端子5を設けてもよい。この場合、電池セル400の短絡や高圧発火の発生確率をさらに低減するために、絶縁部材600は圧力解放機構6を有しない側の母線部材500を被覆してもよく、排出物が電池セル400から前記母線部材500への流れを防止し、母線部材500全体を被覆するという目的を果たす。
【0065】
一つの電池モジュール300の場合、通常複数の電池セル400を含むため、前記複数の電池セル400に接続される母線部材500も複数ある。図3に示すように、そのうちの一つの電池セル400における電極端子5と、隣接する電池セル400における一つの電極端子5とは、一つの母線部材500によって接続されており、つまり一つの電池200には、複数の母線部材500が含まれている。
【0066】
本願の実施例では、絶縁部材600も複数設けられており、各絶縁部材600は少なくとも一つの母線部材500を被覆している。
【0067】
選択的に、本願の実施例では、図3に示すように、絶縁部材600は、長尺状で、1つの絶縁部材600がy方向に沿って一列に配置された複数の電池単体400上の複数の母線部材500を被覆するように設置されてもよい。同様に、絶縁部材600は、複数列の母線部材500を被覆可能な形状であるように設置されてもよい。つまり、絶縁部材600の長さは、同一列の複数の電池セル400を組み合わせた長さと同じであってもよく、絶縁部材600の幅は、1つの母線部材500の幅であっても、1つの電池セル400の幅であってもよく、母線部材500を被覆し、圧力開放機構6から解放される排出物による電池セルの短絡を防止する機能さえ実現できればよい。本願の実施例では、絶縁部材600の長さや幅に対する具体的な限定がない。
【0068】
選択的に、本願の実施例では、図4に示すように、絶縁部材600は、複数の電池セル400上の全ての母線部材500を被覆するように、一体式構造として設置されてもよい。複数の電池セル400は、一つの電池モジュール300の中のものでもよく、複数の電池モジュール300の中のものでもよく、本願の実施例ではそれに対する特別な限定がない。
【0069】
実際の応用では、絶縁部材600によって圧力開放機構6が遮断され、圧力開放機構が作動しなくなることを避けるために、絶縁部材600は、圧力開放機構6が正常に作動できるように、電池セル400上の圧力開放機構6を回避する必要がある。例えば、絶縁部材600が長尺状である場合、隣接する絶縁部材の間隔は、電池セル400における圧力開放機構6を回避するのに十分な間隔でなければならない。
【0070】
しかし、絶縁部材600の幅が圧力解放機構6を遮断するほど大きい場合、または絶縁部材600が一体式構造として設置される場合、圧力解放機構6を回避するための第1の回避孔610を絶縁部材600に設ける必要があり、これにより圧力解放機構6から排出される排出物は第1の回避孔610から排出できる。
【0071】
実際の応用では、第1の回避孔610の数は、圧力解放機構6の数と同じである必要があり、第1の回避孔610の位置は圧力解放機構6の位置と対向し、第1の回避孔610の形状は、圧力解放機構6の形状と同じか、または圧力解放機構6の形状より少し大きくてもよく、圧力解放機構6から排出される排出物が遮断されないことを確保する。
【0072】
実際の応用では、複数の電池セル400は電池モジュール300として積層して形成し、絶縁部材600は、隣接する電池モジュール300に位置する母線部材500を被覆するように設置される。図3に示すように、隣接する電池モジュール300上の二つの電極端子5を接続する母線部材500は、他の母線部材500の配置方向に垂直し、該母線部材500を二つの絶縁部材600で被覆することができる。該母線部材500を比較的に幅広い絶縁部材600で被覆することもできるが、本願の実施例ではそれに対する特別な限定がない。
【0073】
実際の応用では、電池200は、母線部材500を装着するための隔離部材700をさらに備えてもよい。図3に示すように、隔離部材700は、電池セル400に設けられており、母線部材500は、隔離部材700の電池セル400から離れた側に設けられており、かつ隔離部材700は回避領域720をさらに有している。図4に示すように、回避領域720は、少なくとも一部の母線部材500を露出するように設置され、つまり回避領域720は貫通孔であり、これにより母線部材500と電池セル400とを電気接続させ、より適切的には母線部材500と電池セル400の電極端子5とを接続させる。
【0074】
本願の実施例では、回避領域720は、電極端子5の形状に合わせた貫通孔であり、電極端子5は貫通孔を介して母線部材500に接続されてもよく、電池200内部の空間の節約に資するとともに、隔離部材700と電池セル400との接続がより緊密化させ、電池200全体の構造を一層コンパクト化させる。
【0075】
本願の実施例では、隔離部材700によって圧力解放機構6が遮断されることを防止するために、隔離部材700には圧力解放機構6を回避するための第2の回避孔710が設けられており、圧力解放機構6から排出される排出物が第2の回避孔710および第1の回避孔610から排出できるようにしている。
【0076】
実際の応用では、第2の回避孔710の位置は第1の回避孔610の位置、圧力解放機構6の位置に対向しており、第2の回避孔710の数は圧力解放機構6の数と同じで、第1の回避孔610の形状は圧力解放機構6の形状と同じか、または圧力解放機構6の形状より少し大きくてもよく、圧力解放機構6から排出される排出物が遮断されないことを確保する。また、加工や取り付け位置決めを容易にするために、第2の回避孔710の形状は、第1の回避孔610の形状と同じであってもよい。
【0077】
本願の実施例では、隔離部材700は、ホットプレス工程によって母線部材500と一体式構造として形成可能なハーネス隔離板アセンブリであってもよく、かつ隔離部材700は、電池モジュール300における電池セル400を全て電気接続するように、電池モジュール300の寸法に近い一体式構造であってもよい。
【0078】
本願の実施例では、図3および図4に示すように、母線部材500は隔離部材700に取り付けられており、一方では電極端子5に接続するための回避領域720を母線部材500に提供でき、他方では母線部材500と電池セル400における他の部材との接触を防止し、電流伝送時の干渉を回避することができる。
【0079】
さらに、圧力解放機構6から排出される排出物が回避領域720から電池セル400へ流れ、少なくとも一つの電池セル400を短絡させることを防止するために、本願の実施例では、絶縁部材600はさらに回避領域720を遮断し、つまり母線部材500を遮断するとともに、回避領域720を遮断する必要がある。
【0080】
実際の応用では、母線部材500および回避領域720を遮断することは、母線部材500および回避領域720を被覆することを指す。また、絶縁部材600で母線部材500および回避領域720を被覆すると同時に、圧力解放機構6から解放される排出物が順調に噴出できるように、第2の回避孔710を回避する必要がある。
【0081】
選択的に、実際の応用では、母線部材500を被覆するために、絶縁部材600は、回避領域720の外側の隔離部材700に直接接続されてもよく、かつ接続方式は、接着、溶接、めっき、塗装またはスプレータイプのうちの1つまたは複数であってもよい。
【0082】
選択的に、本願の実施例では、絶縁部材600は、エポキシ樹脂フィルム、マイカ紙、電気泳動フィルム、アスベスト層、セラミック層、酸化ケイ素膜、窒化ケイ素膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜、ポリイミド膜、ポリエチレン膜、ポリフッ化ビニリデン膜およびポリテトラフルオロエチレン膜のうちの少なくとも1種であってもよい。
【0083】
実際の応用では、絶縁部材600の厚さは実際の状況に応じて設けてもよい。例えば、絶縁部材600の厚さは0.5~3mmなどであってもよい。絶縁部材600の厚さに対して、十分な耐食性、すなわち、高温高圧の排出物によって腐食されることなく、電池200内部の空間を節約し、電池のエネルギー密度を高めるために十分に薄いことが求められるが、本願の実施例では、絶縁部材600の具体的な厚さに対する特別な限定がない。
【0084】
実際の応用では、電池セル400から排出される高温高圧の排出物は、主に圧力解放機構6の方向に向けて排出され、より具体的には圧力解放機構6が作動している領域の方向に向けて排出される。このような排出物は、その方向上の一つまたは複数の構造を突破して安全性問題を引き起こすほど強力で破壊的である可能性がある。また、電池セル400内部で熱暴走が生じた後、電池セル400内部の高圧や高熱が発生し続け、持続的な安全上の懸念を招く可能性がある。
【0085】
上記問題に対し、本願の実施例では、図6に示すように、電池200の筐体には消防システムが設けられてもよく、消防システムの消防配管800は、電池セル400の圧力解放機構を有する側の上方に設けられている。消防管道800は、消防媒体を収容し、圧力解放機構6の作動時に電池セル400に向けて消防媒体を排出するように設置され、圧力解放機構6から排出される排出物に対して降温を行って排出物の危険性を低減することができる。消防媒体は、作動した後の圧力解放機構6を介して電池セルの内部400にさらに流入できるので、電池セル400に対して更なる降温を行い、電池200の安全性を向上させる。また、圧力解放機構6の作動時に電池セル400から排出される排出物を利用して該消防配管800を破壊し、消防配管800内の消防媒体を排出させることができる。
【0086】
本願の実施例では、絶縁部材600は、圧力解放機構6の作動時に消防管道800から流出される消防媒体による少なくとも一つの電池セル400の短絡を防止するためにさらに用いられる。言い換えれば、本願の実施例に係る絶縁部材600は、圧力解放機構6から排出される排出物による電池セル400短絡を防止できるだけではなく、消防管道800から排出される消防媒体による電池セル400の短絡も防止できる。
【0087】
実際の応用では、消防管道800から排出される消防媒体が圧力解放機構6から電池セル400内部へ直接流入しやくするために、消防管道800は圧力解放機構6に対向する位置に設けられている。本願の実施例では、圧力解放機構6の上部に隔離部材700が設けられているため、圧力解放機構6から排放される排出物は、隔離部材700の第2の回避孔710から排出できる。したがって、消防管道800と圧力解放機構6との対向を実現するように、消防管道800は、隔離部材700上部において第2の回避孔710に対向する位置に設けられる。
【0088】
本願の実施例では、消防管道800は、圧力解放機構6に対応する第1の領域と第1の領域の外周に位置する第2の領域とを含み、第1の領域は圧力解放機構6の作動時に破壊されて消防媒体を排出するために用いられ、第2の領域は圧力解放機構6の作動時に完全性を維持することにより、消防媒体が第2の領域から第1の領域へ流れることを可能にするために用いられる。
【0089】
本願の実施例では、消防管道800は、圧力解放機構6の作動時に電池セル400からの排出物によって第1の領域が破壊され、消防媒体が第1の領域から排出されて圧力解放機構6を介して電池セル400内部に進入するように設置されている。つまり、電池に故障が生じ、電池内部の気圧が所定値以上に上昇することにより、電池セル400内部の高温高圧物質が排出物として圧力解放機構6の作動箇所から排出される場合、前記高温高圧排出物が消防管道800の第1の領域を破る可能性がある結果、消防媒体は消防管道800から流出し、圧力解放機構6を介して電池セル400内部に流入することで、電池セル400内部に対して消防を施す。
【0090】
本願の実施例では、電池セル400内部から噴出される高温高圧排出物を利用して消防管道800の第1の領域を破り、故障した電池セル400に対する的確な消防を実現する。故障した電池セル400に対向している消防管道800の第1の領域だけが破られ、第2の領域が完全性を維持しているため、消防媒体を第1の領域に向かって集中的に流出させ、より良い消防効果を実現できる。
【0091】
実際の応用では、消防管道800から排出される消防媒体は、圧力解放機構6から電池セル400内部に進入できるため、本願の実施例に記載の的確な消防方式は、消防媒体の利用率を高め、より良い消防効果を実現できる。
【0092】
本願の実施例では、消防管道800の第1の領域が容易に破れるように、第1の領域は、圧力解放機構6の作動時に排出物によって破壊される第1の弱点領域であってもよく、これにより消防媒体は該第1の弱点領域から排出しやすくなり、消防の目的を果たす。
【0093】
本願の実施例では、消防管道800に第1の弱点領域を設けることにより、電池セル400内部から噴出される高温高圧排出物がより速く消防管道800を破り、消防の適時性に有利である。
【0094】
本願の実施例では、第1の弱点領域は構造的に弱くてもよく、例えば、第1の弱点領域の厚さが消防管道800の他の部分の厚さよりも薄く、または第1の弱点領域は材質的に弱くてもよく、例えば、第1の弱点領域の材質は電池セル400内部からから噴出される高温高圧排出物によって破壊されやすい材質であってもよく、または第1の弱点領域の強度が消防管道800の他の部分の強度よりも低くてもよい。本願の実施例ではそれに対する特別な限定がない。
【0095】
実際の応用では、消防媒体は流体であってもよく、該流体は液体または気体であってもよい。圧力解放機構6が該消防配管800を破壊していない場合、該消防配管800に何らかの物質が含まれていなくてもよいが、圧力解放機構6が作動した場合、消防配管800に消防媒体を収容させるようにし、例えば、消防配管800への消防媒体の移動をスイッチ弁によって制御してもよい。あるいは、圧力解放機構6が破壊されていない場合、該消防配管800に消防媒体が終始含まれていることも可能であり、該消防媒体は電池セル400の温度調節にも使用できる。温度調節は複数の電池セル400を加熱または冷却することを指す。電池セル400に対して冷却または降温を行う場合、該消防配管800は複数の電池セル400の温度を下げるための冷却流体を収容することに用いられる。この場合、消防配管800は冷却部材、冷却システムまたは冷却管などとも呼ばれ、その収容される消防媒体は、冷却媒体または冷却流体とも呼ばれ、より具体的には、冷却液または冷却ガスとも呼ばれる。選択的には、より良い温度調節効果に達成するために、前記消防媒体は循環流動するものでもよい。選択的には、消防媒体は、水、水とエチレングリコールの混合液、空気などであってもよい。
【0096】
本願の実施例では、消防管道800は長尺状の配管であってもよく、消防管道800の断面は方形、円形、半円形など様々な形状であってもよく、本願の実施例ではそれに対する特別な限定がない。消防管道800の寸法は実際の電池の尺寸に応じて確定でき、本願の実施例ではそれに対する特別な限定がない。
【0097】
実際の応用では、通常、電池200の内部には、複数の電池セル400を設ける必要があり、かつ複数の電池セル400は、並列接続、直列接続または直並列接続で接続して電池モジュール300を形成することができる。
【0098】
本願の実施例では、複数の電池セル400は、少なくとも一つの電池モジュール300として設置され、各電池モジュール300は少なくとも一つの電池セル400を含み、各電池モジュール300における電池セル400の圧力解放機構6はいずれも一つの消防管道800に対向して設けられる。
【0099】
一つの電池モジュール300は、一つの消防管道800に対応し、この電池モジュール300内部の電池セル400の圧力解放機構はいずれもこの一つの消防管道800に対向しているので、同じ消防管道800によって同じ電池モジュール300内の複数の電池セル400に対して消防を施すことができ、これにより消防管道800の数量を節約し、コストを削減することができる。
【0100】
図7に示すように、本願の実施例に係る電池200は、防護部材900をさらに備える。防護部材900は、第2の領域を保護し、圧力解放機構6から排出される排出物による第2の領域への破壊を回避止し、さらに消防管路800内の消防媒体が第2の領域を通じて電池セル400外へ流れて良好な消防効果を実現できないことを回避するように、消防管道800と電池セル400の間に設けられている。
【0101】
本願の実施例では、防護部材900は、第3の領域910と第4の領域920とを含み、第3の領域910は、圧力解放機構6の作動時に消防管道800の第2の領域を保護するために用いられ、第3の領域920は、圧力解放機構6の作動時に電池セル400からの排出物が第4の領域920によって第1の領域を破壊することを可能にするために用いられる。
【0102】
実際の応用では、第3の領域910は保護領域であり、第4の領域920は第2の弱点領域であり、第2の弱点領域は、電池セル400内部から噴出される高温高圧排出物がより速く防護部材900を破り、さらに消防管道800を破ることに有利であるため、消防の適時性を高める。保護領域と弱点領域の同時設置は、消防管道800内の消防媒体を電池セル400の圧力解放機構6に向けて指向的に排出することを実現でき、熱暴走した電池コアの安全性問題の効率的な解決、急速降温、電池使用時の安全性の向上に有利である。
【0103】
本願の実施例では、第2の弱点領域は構造的に弱くてもよく、例えば、第2の弱点領域の厚さが第3の領域910の厚さよりも薄く、または第2の弱点領域は材質的に弱くてもよく、例えば、第2の弱点領域の材質は電池セル400内部からから噴出される高温高圧排出物によって破壊されやすい材質であってもよく、または第2の弱点領域の強度が第3領域910の強度よりも低くてもよく、または、第2の弱点領域は防護部材900を貫通する貫通孔であってもよい。本願の実施例ではそれに対する特別な限定がない。
【0104】
本願の実施例では、図8に示すように、防護部材900は、圧力解放機構6の作動時に電池セル400内に流入するための消防媒体を収集するための消防管道800収容用第1の溝930を形成するように設置される。第4の領域は第1の溝930の底壁における第1の領域に対応する領域に設けられている。
【0105】
なお、実際の応用では、消防管道800から消防媒体を噴出することは、通常圧力解放機構6から排出物を排出すると同時に行われるため、消防管道800から噴出される消防媒体は飛散する可能性が高く、圧力解放機構6の外側から流出し、無駄が発生する。本願の実施例は、第1の溝930を設け、第1の溝930によって消防管道800から噴出される消防媒体を収集することにより、圧力解放機構6から電池セル400内部へ流入していない消防媒体を第1の溝930内に一時保存し、条件が整ったときに第1の溝930から圧力解放機構6に流入することを可能にする。例えば、前記条件とは、圧力解放機構6から排出物が排出されていない場合、または排出速度が低下した場合などを指すが、本願の実施例ではそれに対する特別な限定がない。
【0106】
本願の実施例に係る電池200では、防護部材900上に第1の溝930を設けることにより、消防管道800から排出される消防媒体をより多く圧力解放機構6から電池セル400内部に流入させ、さらに消防媒体の利用率を高め、より良い消防効果を実現することができる。
【0107】
実際の応用では、防護部材900は隔離部材700に取り付けられている。また、異なる方式で防護部材900を隔離部材700上に固定してもよい。例えば、防護部材900は、締結具によって隔離部材700に係着されてもよく、接着又は溶接によって隔離部材700に固定されてもよく、あるいは一体成形の方法で隔離部材700と一体成形されてもよいが、本願の実施例ではそれに対する特別な限定がない。
【0108】
防護部材900を隔離部材700に取り付ける場合、隔離部材700に第2の溝を設け、防護部材900を第2の溝内に設けてもよく、第2の溝の位置及び大きさは、防護部材900の実際の状況に応じて設けてもよく、本願の実施例ではではそれに対する特別な限定がない。
【0109】
以下は電池モジュール300における複数の電池セル400の配列方向に基づき、消防管道800および防護部材900の配列方向に対して説明する。
【0110】
図6に示すように、消防管道800は防護部材900に設けられ、隣接する二つの絶縁部材600の間に位置する。本願の実施例では、一つの電池モジュール300は所定方向に沿って配列される複数の電池セル400を含み、消防管道800の長さ方向は複数の電池セル400の配列方向と一致しており、これにより各電池セル400の圧力解放機構6と該消防管道800とを対向させ、つまり一つの消防管道800は一つの電池モジュール300における複数の電池セル400に消防サービスを提供する。
【0111】
前記実施例では、消防管道800の長さ方向は複数の電池セル400の配列と一致しており、防護部材900の長さ方向も複数の電池セル400の配列方向と一致している。また、消防管道800における第1の領域は複数であり、防護部材900における第4の領域920も複数であり、かつ第1の領域、第4の領域920の数は圧力解放機構6の数と同じである。
【0112】
一方、本願は、前記の電池から提供される電力を受け取るように設置される電気装置をさらに提供する。電池200の具体的な構造形態および作業原理は上述した実施例で詳しく説明したため、本実施例ではそれを省略する。
【0113】
上述のように、本願の実施例に係る電気装置は、絶縁部材を設けて母線部材を被覆するような前記電池を配置することにより、一つ又は複数の故障した電池セルから排出物が放出される場合、一部の排出物が母線部材などの導電物に飛散することを防止できるため、電池セルの短絡や高圧発火の発生確率を低減できる。
【0114】
一方、本願は電池の製造方法をさらに提供する。図9を参照すると、本願に基づく電池の製造方法を示しており、該電池の製造方法は以下のスッテプを含んでもよい。
【0115】
ステップS910:電池セルの内圧または温度が閾値に達したときに作動して内圧を解放するための圧力解放機構を含む電池セルを複数提供する。
【0116】
ステップS920:複数の電池セルを母線部材によって電気接続する。
【0117】
ステップS930:圧力解放機構の作動時に電池セルからの排出物が少なくとも一つの電池セルを短絡させることを防止するように、母線部材を絶縁部材で被覆する。
【0118】
電池部分の実施例を参照して分かるように、電池セル400に圧力解放機構6を製造し、且つ母線部材500を製造して複数の電池セル400の電極端子5を電気接続する必要がある。
【0119】
本願の実施例では、絶縁部材600をさらに製造し、母線部材500を絶縁部材600で被覆する必要があり、具体的には、接着、溶接、めっき、塗装またはスプレータイプのうちの1つまたは複数によって母線部材500を絶縁部材600で被覆する。
【0120】
電池200部分の実施例を参照して分かるように、電池200は他の部材をさらに備える。所望の電池200を最終的に得るために、対応する方法でこれらの部材を製造してもよい。実際の応用では、関連部材を製造・接続可能な方法はいずれも本願の実施例の保護範囲内にあり、本願の実施例はそれを省略する。
【0121】
一方、本願は電池の製造装置をさらに提供する。図10を参照すると、本願の実施例に係る電池の製造装置のブロック図を示している。図10に示すように、該電池の製造装置1000は、第1の装置1010、第2の装置1020および第3の装置1030を含んでもよい。
【0122】
第1の装置1010は、電池セルの内圧または温度が閾値に達したときに作動して内圧を解放するための圧力解放機構を含む電池セルを複数提供することに用いられる。
【0123】
第2の装置1020は、複数の電池セルを母線部材によって電気接続することに用いられる。
【0124】
第3の装置1030は、圧力解放機構の作動時に電池セルからの排出物が少なくとも一つの電池セルを短絡させることを防止するように、母線部材を絶縁部材で被覆することに用いられる。
【0125】
上述した各電池の製造装置の具体的な部分は、対応する電池の実施例において詳しく説明したため、ここでは省略する。
【0126】
本願の上述した各保護主題および各実施例における特徴同士は互いに引き合わせることができ、異なる実施形態における技術的特徴は、構造が許す限り、当業者によって適当に組み合わされて、さらなる実施例を形成することも可能である。
【0127】
以上、本願に係る電池および電気装置を詳しく説明した。本明細書には、具体的な実施例により、本願の原理および実施形態を説明したが、上述の実施例の説明は本願の方法やその中心的な思想の理解に資するためのものに過ぎない。当業者にとって、本願の原理から逸脱しない前提で、本願に対して若干の改良や修正をさらに行ってもよく、これらの改良や修正も本願の請求項の保護範囲に含まれると理解できる。
図1-A】
図1-B】
図1-C】
図1-D】
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルの内圧または温度が閾値に達したときに作動して前記内圧を解放するための圧力解放機構を含む電池セルであって、母線部材によって電気接続されるように構成される複数の電池セルと、
前記圧力解放機構の作動時に前記電池セルからの排出物が少なくとも一つの前記電池セルを短絡させることを防止するように、前記母線部材を被覆するための絶縁部材と、
を備える電池。
【請求項2】
前記絶縁部材および前記母線母材はいずれも複数に設けられ、各前記絶縁部材は少なくとも一つの前記母線部材を被覆し、または
前記絶縁部材は、前記圧力解放機構側に位置する複数の母線部材を被覆するように設置され、または
複数の前記電池セルは、電池モジュールとして積層して形成し、
前記絶縁部材は、隣接する前記電池モジュールに位置する母線部材を被覆するように設置される請求項に記載の電池。
【請求項3】
前記絶縁部材の厚さは0.5~3mmである請求項1または2に記載の電池。
【請求項4】
消防媒体を収容するための、前記圧力解放機構の作動時に前記電池セルに前記消防媒体を排出するように設置される消防配管をさらに備え、
前記絶縁部材は、前記圧力解放機構の作動時に前記消防媒体が少なくとも一つの前記電池セルを短絡させることを防止するために用いられる請求項1~3のいずれか1項に記載の電池。
【請求項5】
前記消防配管は、前記圧力解放機構に対応する第1の領域と前記第1の領域の外周に位置する第2の領域とを含み、前記第1の領域は、前記圧力解放機構の作動時に破壊されることにより、前記消防媒体を排出させるために用いられ、前記第2の領域は、前記圧力解放機構の作動時に完全性を維持することにより、前記消防媒体が前記第2の領域から前記第1の領域へ流れることを可能にするために用いられる請求項に記載の電池。
【請求項6】
前記消防配管と前記電池セルとの間に設けられ、前記第2の領域を保護するための防護部材をさらに備える請求項に記載の電池。
【請求項7】
前記防護部材は、第3の領域と第4の領域と含み、前記第3の領域は、前記圧力解放機構の作動時に前記消防配管の前記第2の領域を保護するために用いられ、前記第4の領域は、前記圧力解放機構の作動時に前記電池セルからの排出物が前記第4の領域によって前記第1の領域を破壊することを可能にするために用いられる請求項に記載の電池。
【請求項8】
前記防護部材は、前記圧力解放機構の作動時に前記電池セル内に流入するための前記消防媒体を収集するための前記消防配管収容用第1の溝を形成するように設置される請求項に記載の電池。
【請求項9】
前記第1の溝の底壁において、前記第1の領域に対応する領域には前記第4の領域が設けられている請求項に記載の電池。
【請求項10】
前記母線部材を装着するための隔離部材をさらに備える請求項6~9のいずれか1項に記載の電池。
【請求項11】
前記隔離部材は、前記母線部材と前記電池セルとを電気接続するために、少なくとも一部の前記母線部材を露出するように設置される回避領域を有する請求項10に記載の電池。
【請求項12】
前記隔離部材には、前記防護部材が配置された第2の溝が設けられている請求項10または11に記載の電池。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の電池から提供される電力を受け取るように設置される電気装置。
【請求項14】
電池セルの内圧または温度が閾値に達したときに作動して前記内圧を解放するための圧力解放機構を含む電池セルを複数提供することと、
複数の前記電池セルを母線部材によって電気接続することと、
前記圧力解放機構の作動時に前記電池セルからの排出物が少なくとも一つの前記電池セルを短絡させることを防止するように、前記母線部材を絶縁部材で被覆することと、
を含む電池の製造方法。
【請求項15】
電池セルの内圧または温度が閾値に達したときに作動して前記内圧を解放するための圧力解放機構を含む電池セルを複数提供するための第1の装置と、
複数の前記電池セルを母線部材によって電気接続するための第2の装置と、
前記圧力解放機構の作動時に前記電池セルからの排出物が少なくとも一つの前記電池セルを短絡させることを防止するように、前記母線部材を絶縁部材で被覆するための第3の装置と、
を含む電池の製造装置。
【国際調査報告】