(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(54)【発明の名称】電池及び電力消費装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20231004BHJP
H01M 50/298 20210101ALI20231004BHJP
【FI】
H01M50/204 401D
H01M50/298
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509571
(86)(22)【出願日】2021-07-16
(85)【翻訳文提出日】2023-02-09
(86)【国際出願番号】 CN2021106849
(87)【国際公開番号】W WO2023283945
(87)【国際公開日】2023-01-19
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522010668
【氏名又は名称】ジアンス・コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】王 冲
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 其▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】▲銭▼ 木
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ 占宇
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AS07
5H040AY08
5H040DD07
5H040DD26
(57)【要約】
本出願は、電池及び電力消費装置に関するものである。ここで、電池は、電池セルと、電池セルの温度を測定するための温度センサと、温度センサを取り付けるためのセンサ取付アセンブリと、温度センサと電気的に接続されて電池セルの温度信号を伝送するために用いられ、且つセンサ取付アセンブリに取り外し可能に接続されている信号伝送部材とを含む。温度センサの交換可能性及び互換性を向上させ、電池のメンテナンス及び故障した機器の交換を容易にし、電池のコストを低減させ、電池全体が廃棄される確率を低減させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
電池セルと、
前記電池セルの温度を測定するための温度センサと、
前記温度センサを取り付けるためのセンサ取付アセンブリと、
前記温度センサと電気的に接続されて前記電池セルの温度信号を伝送するために用いられ、前記センサ取付アセンブリに取り外し可能に接続されている信号伝送部材と、
を含む、電池。
【請求項2】
前記センサ取付アセンブリの一方側には接続ポートが設置され、前記センサ取付アセンブリは前記接続ポートにおいて前記信号伝送部材に取り外し可能に接続されている、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記センサ取付アセンブリは、
前記接続ポートに設置され、前記温度センサと前記信号伝送部材とを接続するための引出端子をさらに含む、請求項2に記載の電池。
【請求項4】
前記引出端子の一端は前記温度センサに接続され、前記引出端子の他端は弾性接続部を有し、前記信号伝送部材は、前記接続ポートに挿入され、前記弾性接続部に取り外し可能に接続されている、請求項3に記載の電池。
【請求項5】
前記引出端子の前記他端は折り曲げられて前記弾性接続部を形成する、請求項4に記載の電池。
【請求項6】
前記引出端子の前記他端は、前記引出端子の側面に向けて折り曲げられ、前記側面から所定距離を保つ、請求項5に記載の電池。
【請求項7】
前記センサ取付アセンブリは、互いに接続される第1のハウジングと、第2のハウジングと、を含み、前記温度センサは、前記第1のハウジングに設置され、前記引出端子と前記接続ポートは、前記第2のハウジングに設置されている、請求項3~6のいずれか一項に記載の電池。
【請求項8】
前記第1のハウジングと前記第2のハウジングとは取り外し可能に接続されている、請求項7に記載の電池。
【請求項9】
前記センサ取付アセンブリは、前記電池セルの温度を前記温度センサに伝達するための熱伝導部材をさらに含む、請求項7に記載の電池。
【請求項10】
前記第1のハウジング及び/又は前記第2のハウジングは、前記熱伝導部材に取り外し可能に接続されている、請求項9に記載の電池。
【請求項11】
前記センサ取付アセンブリは、少なくとも2つの前記引出端子を含み、前記センサ取付アセンブリは、隣り合う前記引出端子同士を隔離するための仕切部をさらに含む、請求項3~10のいずれか一項に記載の電池。
【請求項12】
前記信号伝送部材は、互いに接続された接触端と伝送端とを含み、
前記接触端は、前記引出端子と接触接続するためのものであり、
前記伝送端は、前記電池セルの温度信号を伝送するためのものである、請求項3~11のいずれか一項に記載の電池。
【請求項13】
前記センサ取付アセンブリは、前記電池セルに取り外し可能に設置されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の電池。
【請求項14】
前記センサ取付アセンブリと前記電池セルの一方には、係止部材が設置され、他方には、係止溝が設置され、前記係止部材と係止溝とが接続されて前記センサ取付アセンブリと前記電池セルとの取り外し可能な接続を実現する、請求項13に記載の電池。
【請求項15】
電力消費装置であって、請求項1~14のいずれか一項に記載の電池を含み、前記電池は、電気エネルギーを供給するためのものである、電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、特に電池及び電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電池は、重要な新動力源の一つとして、ますます重要視されている。過熱による爆発の可能性を予測するために、現在では、一般的には、電池に温度を取得するための感温構造を追加することにより、電池モジュールにおける電池ユニットの温度を測定する。
【0003】
しかしながら、従来の感温構造は、主にディスペンサ、溶接などの方式によって電池ユニットに固定されており、感温構造の汎用性が悪く、メンテナンス性がない。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、感温構造の汎用性及びメンテナンス性を高めることができる電池及び電力消費装置を提供する。
【0005】
本出願の第1の態様によれば、電池を提供する。該電池は、
電池セルと、
前記電池セルの温度を測定するための温度センサと、
前記温度センサを取り付けるためのセンサ取付アセンブリと、
前記温度センサと電気的に接続されて前記電池セルの温度信号を伝送するために用いられ、前記センサ取付アセンブリに取り外し可能に接続されている信号伝送部材とを含む。
【0006】
幾つかの実施例では、前記センサ取付アセンブリの一方側には接続ポートが設置され、前記センサ取付アセンブリは、前記接続ポートにおいて前記信号伝送部材に取り外し可能に接続されている。
【0007】
幾つかの実施例では、前記センサ取付アセンブリは、
前記接続ポートに設置され、前記温度センサと前記信号伝送部材とを接続するための引出端子をさらに含む。
【0008】
幾つかの実施例では、前記引出端子の一端は前記温度センサに接続され、前記引出端子の他端は弾性接続部を有し、前記信号伝送部材は、前記接続ポートに挿入され、前記弾性接続部との取り外し可能な接続を実現する。
【0009】
幾つかの実施例では、前記引出端子の前記他端は、折り曲げられて前記弾性接続部を形成する。
【0010】
幾つかの実施例では、前記引出端子の前記他端は、前記引出端子の側面に向けて折り曲げられ、前記側面から所定距離を保つ。
【0011】
幾つかの実施例では、前記センサ取付アセンブリは、互いに接続される第1のハウジングと第2のハウジングとを含み、前記温度センサは、前記第1のハウジングに設置され、前記引出端子と前記接続ポートは、前記第2のハウジングに設置されている。
【0012】
幾つかの実施例では、前記第1のハウジングと前記第2のハウジングとは取り外し可能に接続されている。
【0013】
幾つかの実施例では、前記センサ取付アセンブリは、前記電池セルの温度を前記温度センサに伝達するための熱伝導部材をさらに含む。
【0014】
幾つかの実施例では、前記第1のハウジング及び/又は前記第2のハウジングは、前記熱伝導部材に取り外し可能に接続されている。
【0015】
幾つかの実施例では、前記センサ取付アセンブリは、少なくとも2つの前記引出端子を含み、前記センサ取付アセンブリは、隣り合う前記引出端子同士を隔離するための仕切部をさらに含む。
【0016】
幾つかの実施例では、前記信号伝送部材は、互いに接続された接触端と伝送端とを含み、
前記接触端は、前記引出端子と接触接続するためのものであり、
前記伝送端は、前記電池セルの温度信号を伝送するためのものである。
【0017】
幾つかの実施例では、前記センサ取付アセンブリは、前記電池セルに取り外し可能に設置されている。
【0018】
幾つかの実施例では、前記センサ取付アセンブリと前記電池セルの一方には、係止部材が設置され、他方には、係止溝が設置され、前記係止部材と係止溝とが接続されて前記センサ取付アセンブリと前記電池セルとの取り外し可能な接続を実現する。
【0019】
本出願の第2の態様によれば、電力消費装置を提供する。該電力消費装置は、上記実施例の電池を含み、前記電池は、電気エネルギーを提供するためのものである。
【0020】
本出願の実施例による電池によれば、一方で、信号伝送部材とセンサ取付アセンブリとの取り外し可能な接続によって、信号伝送部材とセンサ取付アセンブリのそれぞれの独立した設計、加工、及びメンテナンス交換に有利である。他方では、センサ取付アセンブリと電池セルとの取り外し可能な接続によって、温度センサに故障が生じて検査又は交換を必要とする場合、センサ取付アセンブリを電池セルから直接取り外すことができるため、温度センサの交換可能性及び互換性を向上させ、電池のメンテナンス及び故障した機器の交換を容易にし、電池のコストを低減させ、電池全体が廃棄される確率を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本出願の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の記述に必要な図面を簡単に説明するが、明らかに、以下の記述における図面は、本出願の幾つかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を支払うことなく、これらの図面に基づいて他の図面を入手することもできる。
【0022】
ここで説明された図面は、本出願のさらなる理解を提供するためのものであり、本出願の一部を構成し、本出願の例示的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願の不適切な限定を構成しない。
【
図1-A】本出願の実施例による電力消費装置の構造概略図である。
【
図1-B】本出願の実施例による電池の構造概略図である。
【
図1-C】本出願の実施例による電池モジュールの構造概略図である。
【
図1-D】本出願の実施例による電池セルの構造概略図である。
【
図2】本出願の実施例による電池におけるセンサ取付アセンブリと信号伝送部材の組立概略図である。
【
図4】
図2におけるセンサ取付アセンブリと信号伝送部材の取り外し可能概略図である。
【
図6】本出願の実施例による電池におけるセンサ取付アセンブリと信号伝送部材の別の組立概略図である。
【
図7】
図6におけるセンサ取付アセンブリと信号伝送部材の取り外し可能概略図である。
【
図9】本出願の実施例による電池におけるセンサ取付アセンブリと信号伝送部材の別の組立概略図である。
【
図10】本出願の実施例による電池におけるセンサ取付アセンブリと信号伝送部材の分解図である。
【
図11】本出願の実施例によるセンサ取付アセンブリと信号伝送部材が設置された電池の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本出願の目的、技術的解決手段及び利点をより明瞭にするために、以下、図面及び実施例を結び付けながら、本出願をさらに詳細に説明する。理解すべきこととして、ここで記述された具体的な実施例は、本出願を解釈するためのものに過ぎず、本出願の好ましい実施例であり、本出願の保護範囲を制限することを意図するものではなく、従って、本出願の構造、形状、原理に基づいて行われた全ての等価変更は、本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
【0024】
特に定義がない限り、本文に使用されるすべての技術と科学用語は、当業者に一般的に理解される意味と同じである。本文における出願の明細書に使用される用語は、具体的な実施例を説明することを目的とするのみであり、本出願を制限することを意図しない。本出願の明細書と特許請求の範囲及び図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。
【0025】
本文において「実施例」と言及する場合、実施例と合わせて説明された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書における各箇所に記載された該語句「実施例」は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本明細書に記載の実施例が他の実施例と組み合わせ得ることを明示的及び暗黙的に理解することができる。
【0026】
本文における「及び/又は」という用語は、単に関連対象を説明する関連関係に過ぎず、3つの関係が存在できることを示し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの三つのケースを表してもよい。また、本文における「/」といる文字は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0027】
なお、本出願の明細書及び特許請求の範囲又は上記図面における「第1」、「第2」などの用語は、異なる対象を区別するために用いられ、特定の順序を説明するためのものではなく、1つ又は複数の該特徴を明示的に又は黙示的に含んでもよい。
【0028】
本出願の記述では、特に説明されていない限り、「複数」の意味は、二つ以上(二つを含む)を指し、同様に、「複数組」は、二組以上(二組を含む)を指す。
【0029】
本出願の記述では、説明すべきこととして、特に明確に規定及び限定されていない限り、「取り付け」、「繋がり」、「接続」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、機械構造の「繋がり」又は「接続」は、物理的接続を指してもよく、例えば、物理的接続は、固定接続、例えば、固定部材を介した固定接続、例えば、ネジ、ボルト又は他の固定部材を介した固定接続であってもよく、物理的接続は、取り外し可能な接続、例えば、相互係着又は係合可能な接続であってもよく、物理的接続は、一体に接続すること、例えば、溶接、接着又は一体成形して接続することであってもよい。回路構造の「繋がり」又は「接続」は、物理的接続を指してもよく、電気的接続又は信号接続を指してもよく、例えば、直接的繋がり、即ち、物理的接続であってもよく、少なくとも一つの中間素子を介した間接的繋がりであってもよく(回路が通じればよい)、二つの素子の内部の連通であってもよく、信号接続は、回路を介した信号接続であってもよく、媒体を介した信号接続、例えば、電波であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて、本出願の実施例における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0030】
以下の実施例で各方位を明確に記述するために、いくつかの方位用語を使用してもよく、例えば、
図1-Dにおける座標系は、電池の各方位方向を定義したが、x方向は、電池セル400の長さ方向を表し、y方向は、水平面でx方向に垂直であり、電池セル400の幅方向を表し、z方向は、x方向及びy方向に垂直であり、電池の高さ方向を表す。なお、上記記述されたx方向、y方向及びz方向などは、本実施例の電池の各部材の操作と構成の指示方向の表現が絶対的ではなく、相対的であることを説明するためのものであり、且つ電池の各部材が図に示す位置にある時、これらの指示は適切であるが、これらの位置が変化する時、変化に対応するために、これらの方向は、異なる解釈を有すべきである。
【0031】
方位の同じ理解を踏まえて、本出願の記述では、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語によって指示された方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本出願の記述の便宜又は記述の簡略化を図るためのものであり、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作される必要があることを指示又は暗示するものではないため、本出願を制限するものと理解されるべきでない。
【0032】
充電可能な電池は、二次電池又は動力電池と呼ばれてもよく、現在、広く使用されている充電可能な電池は、リチウム電池、例えば、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池であるが、これらに限らない。記述の便宜上、本明細書で充電可能な電池を電池と通称してもよい。
【0033】
電池の安全特性は、電池を評価する重要な特性であり、使用又は充電時に電池の安全性をできるだけ保証する必要がある。
【0034】
電池は、一般的に複数の電池セルを接続して組み合わせることにより構成されており、電池セルに外部短絡、過充電、釘刺し、平板衝突などの状況が発生した時、電池セルが過熱により熱暴走しやすくなる。熱暴走した時、該電池セルの内部に排出物が発生し、該排出物は、高温煙道ガス(深刻な場合は直火が発生する)と揮発性の高温電解液などの物質を含み、これらの排出物が排出中に熱拡散することにより、他の電池セルが熱暴走し、さらに電池の爆発などの事故につながる。
【0035】
過熱による爆発の発生の可能性を予測し、電池セルが熱暴走することを回避するために、感温構造を設置して電池セルの温度をリアルタイムで監視し、電池セルの温度が高すぎる場合又は閾値に達した場合にタイムリーに警告して注意喚起し、電池セルの過熱が発生する確率を減らすことが現在の有効な解決策である。
【0036】
感温構造は、一般的には感温チップが設置され、感温チップは、通常、ディスペンサ、溶接、構造固定などの方式によって直接バスバー、電圧収集装置、又は熱管理ダクトなどの部位に統合されている。上記接続方式は、一回限りの接続方式であり、交換可能性がなく、汎用性が悪く、品質信頼性が低い。感温チップは、ライフサイクル内で故障すると、電池セル、ひいては電池全体の廃棄を招きやすく、さらには安全上の問題も引き起こし得る。また、感温構造と信号伝送機器も一体設計であり、ある機器が壊れると、他の機器、ひいては電池も廃棄し易い。
【0037】
これに鑑みて、本出願は、感温チップの電池セル上の接続方式及び感温チップと信号伝送機器との接続方式を変更することにより、感温チップの交換可能性及び感温チップに接続される信号伝送機器の交換可能性及び互換性を向上させ、電池のメンテナンス及び故障した機器の交換を容易にし、電池のコストを低減させ、電池全体が廃棄される確率を低減させる電池を提供する。
【0038】
本出願の実施例における電池は、電気エネルギーで動力源を供給できる様々な電力消費装置に用いることができる。ここでの電力消費装置は、電気自動車、電車、電動自転車、ゴルフカート、ドローン又は汽船などであってもよいが、これらに限らない。且つ、電力消費装置は、電池のみで動力を供給する装置であってもよく、ハイブリッド装置であってもよい。電池は、電力消費装置に電気エネルギーを供給し、且つモータによって電気装置を駆動する。
【0039】
例えば、
図1-Aでは、本出願の一実施例による電力消費装置の構造概略図が示されている。電力消費装置は、自動車であってもよく、自動車は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車やレンジエクステンダー自動車などであってもよい。自動車は電池200、コントローラ210及びモータ220を含む。電池200は、自動車の操作電源及び駆動電源として、コントローラ210とモータ220に電力を供給するためのものであり、例えば、電池200は、自動車の起動、ナビゲーション及び走行時の作動電力需要を満たすためのものである。例えば、電池200は、コントローラ210に電力を供給し、コントローラ210は、モータ220に電力を供給するように電池200を制御し、モータ220は、電池200の電力を受け取って自動車の駆動電源として使用し、燃料油又は天然ガスに代わって又は部分的に代わって自動車に駆動動力を提供する。
【0040】
電池に高い機能を達成させて使用需要を満たすために、電池200は、相互に電気的に接続された複数の電池モジュールを含んでもよく、
図1-Bに示すように、電池200は、第1のケース201、第2のケース202及び複数の電池モジュール300を含み、ここで、第1のケース201と第2のケース202は相互に係合し、複数の電池モジュール300は、第1のケース201と第2のケース202によって取り囲まれた空間内に配列される。幾つかの実施例では、第1のケース201と第2のケース202は、シール接続される。
【0041】
図1-Cに示すように、電池モジュール300は、複数の電池セル400を含み、複数の電池セル400は、大きい電流又は電圧を実現するために、直列接続、並列接続又は直並列接続の方式で電気的に接続されてもよく、ここで、直並列接続は、直列接続と並列接続の組み合わせを指す。例えば、
図1-Cに示すように、電池セル400が直立に配置されてもよく、電池セル400の高さ方向は、z方向と一致し、電池セル400の長さ方向は、x方向と一致し、複数の電池セル400は、その幅方向に沿ってy方向に並設され、又は、電池セル400が水平に配置されてもよく、電池セル400の幅方向は、z方向と一致し、電池セル400の長さ方向は、x方向と一致し、複数の電池セル400は、z方向に沿って少なくとも一層積層されてもよく、各層は、x方向に沿って間隔を置いて設置された複数の電池セル400を含む。
【0042】
当業者が本出願の改善点を明確に理解するために、まず、電池セル400の全体的な構造を説明する。
【0043】
図1-Dに示すように、電池セル400は、ハウジング40、電極アセンブリ30及びエンドキャップアセンブリ10を含み、エンドキャップアセンブリ10は、エンドキャッププレート10’を含み、エンドキャッププレート10’は、ハウジング40に接続(例えば、溶接)されて電池セル400の外筐を形成し、電極アセンブリ30は、ハウジング40内に設置され、且つハウジング40内に電解液が充填される。電池セル400は、立方体状、直方体状又は円柱体状であってもよい。
【0044】
実際の使用需要に応じて、電極アセンブリ30が一つ又は複数設置されてもよい。
図1-Dに示すように、電池内に少なくとも二つの独立して捲回された電極アセンブリ30を設置してもよい。電極アセンブリ30は、第1の極板、第2の極板及び隣接する第1の極板と第2の極板との間に位置するセパレータを一緒に捲回又は積層することにより本体部を形成してもよく、ここで、セパレータは、隣接する第1の極板と第2の極板との間にある絶縁体である。本実施例では、例示的に、第1の極板を正極板、第2の極板を負極板として説明を行う。正極活物質は、正極板の塗布領域上に塗布されるが、負極活物質は、負極板の塗布領域上に塗布される。本体部の塗布領域から延出した複数の未塗布領域は、タブ301として積層される。電極アセンブリ30は、二つのタブ301、即ち、正極タブと負極タブを含む。正極タブは、正極板の塗布領域から延出するが、負極タブは、負極板の塗布領域から延出する。
【0045】
エンドキャップアセンブリ10は、電極アセンブリ30の頂部に設置され、
図1-Dに示すように、エンドキャップアセンブリ10は、エンドキャッププレート10’と二つの電極端子5を含み、二つの電極端子5は、それぞれ正極端子と負極端子であり、各電極端子5に一つの接続部材20が対応して設置され、接続部材20は、エンドキャップ10’と電極アセンブリ30との間に位置する。
【0046】
例えば、
図1-Dにおける電極アセンブリ30のタブ301は、頂部に位置し、正極タブは、一方の接続部材20によって正極端子に接続され、負極タブは、他方の接続部材20によって負極端子に接続される。任意選択的に、電池セル400は、ハウジング40の両端にそれぞれ設置された二つのエンドキャップアセンブリ10を含んでもよく、各エンドキャップアセンブリ10上に一つの電極端子5が設置される。
【0047】
エンドキャッププレート10’上には、電池セル400内のガスが多すぎる時に電池セル400内のガスをタイムリーに放出して爆発を回避する防爆部材がさらに設置されてもよい。
【0048】
エンドキャッププレート10’上に排気孔が設けられ、排気孔は、エンドキャップ10’の長さ方向に沿った中間位置に設置されてもよい。防爆部材は、放圧機構6を含み、放圧機構6は、排気孔上に設置され、通常の状態では、放圧機構6は、排気孔にシールして取り付けられるが、電池セル400の膨張により外筐内の気圧が所定値を超えて上昇すると、放圧機構6は作動して起動し、ガスは、放圧機構6によって外に放出される。
【0049】
幾つかの実施例では、
図1-Dに示すように、エンドキャッププレート10’上に電池セル400内に電解液を注入するための貫通孔が設けられ、貫通孔は、円孔、楕円孔、多辺形孔又は他の形状の孔であってもよく、且つエンドキャッププレート10’の高さ方向zに沿って延びてもよい。エンドキャッププレート10’上に貫通孔を密閉するための液体注入部材2が設けられる。
【0050】
本出願の実施例は、電池を提供し、その基本構造レイアウトは、上記電池200に記載の通りであり、電池セル400を含む。ここで、電池セル400の設置数は、実際の状況に応じて変化してもよいが、本出願の実施例では、それを特別に限定しない。
【0051】
本出願の実施例において、電池は、温度センサ、センサ取付アセンブリ及び信号伝送部材をさらに含む点が異なる。ここで、温度センサは、電池セルの温度を測定するためのものであり、センサ取付アセンブリは、温度センサを取り付けるためのものであり、信号伝送部材は、温度センサと電気的に接続されて電池セルの温度信号を伝送するために用いられ、且つセンサ取付アセンブリに取り外し可能に接続されている。
【0052】
図2及び
図3を参照して、温度センサ500、センサ取付アセンブリ600及び信号伝送部材700の構造及び位置関係概略図が示されている。本出願の実施例において、温度センサ500は、センサ取付アセンブリ600に取り付けられ、且つ該温度センサ500は信号伝送部材700と電気的に接続され、信号伝送部材700は、温度センサ500が測定した電池セル400の温度信号を伝送するためのものである。また、
図4に示すように、信号伝送部材700は、センサ取付アセンブリ600に取り外し可能に接続されている。
【0053】
本出願の実施例において、信号伝送部材700とセンサ取付アセンブリ600との取り外し可能な接続によって、信号伝送部材700とセンサ取付アセンブリ600のそれぞれの独立した設計、加工、及びメンテナンス交換に有利である。例えば、信号伝送部材700が壊れた場合には、信号伝送部材700のみを交換し、センサ取付アセンブリ600が壊れた場合には、センサ取付アセンブリ600のみを交換する。また、信号伝送部材700とセンサ取付アセンブリ600との接続方式を汎用方式に設置してもよい。このように、一つの信号伝送部材700は、複数種類のセンサ取付アセンブリ600にマッチングすることができ、同様に、一つのセンサ取付アセンブリ600は、複数種類の信号伝送部材700にマッチングすることができる。これにより、電池における機器の選択の柔軟性が向上し、電池における使用可能な機器の種類を増やすことができる。
【0054】
本出願の実施例では、センサ取付アセンブリ600と電池セル400とを取り外し可能に接続してもよい。これにより、温度センサ500に故障が生じて検査又は交換を必要とする場合、センサ取付アセンブリ600を電池セル400から直接取り外すことができるため、温度センサ500の交換可能性を向上させることができる。交換可能とした上で、汎用的な温度センサ500のセンサ取付アセンブリ600への取付方式を設置することができる。それにより、使用可能な温度センサ500の種類を増やすことができ、それによって電池における温度センサ500の汎用性を高めることができる。
【0055】
幾つかの実施例では、センサ取付アセンブリ600と電池セル400の一方に係止部材を設置し、他方に係止溝を設置し、係止部材と係止溝とが接続されることにより、センサ取付アセンブリ600と電池セル400との取り外し可能な接続を実現する。具体的には、係止部材と係止溝の構造形式は、実際の状況に応じて決定してもよいが、本出願の実施例では、それを特別に限定しない。
【0056】
本出願の実施例において、信号伝送部材700とセンサ取付アセンブリ600との取り外し可能な接続を実現するために、
図4に示すように、センサ取付アセンブリ600の一方側に接続ポート610を設置してもよい。センサ取付アセンブリ600と信号伝送部材700とは、接続ポート610において取り外し可能な接続を実現することができる。
【0057】
幾つかの実施例では、温度センサ500と信号伝送部材700との電気的接続を実現するために、センサ取付アセンブリ600は、温度センサ500と信号伝送部材700とを接続するための引出端子620を含む必要もある。
【0058】
本出願の実施例では、構造を簡略化し、構造全体のコンパクト性を高めるために、引出端子620を接続ポート610に設置してもよい。温度センサ500が引出端子620に接続され、且つ信号伝送部材700が引出端子620に接続されることで、温度センサ500と信号伝送部材700との電気的接続を実現して温度信号の伝送を行うことができる。
【0059】
幾つかの実施例では、温度センサ500と引出端子620との取り外し可能な接続という方式を採用して、センサ取付アセンブリ600と信号伝送部材700との接続ポート610における取り外し可能な接続を実現することができ、又は、信号伝送部材700と引出端子620との取り外し可能な接続という方式を採用して、センサ取付アセンブリ600と信号伝送部材700との接続ポート610における取り外し可能な接続を実現することができ、又は、温度センサ500と引出端子620との取り外し可能な接続、及び信号伝送部材700と引出端子620との取り外し可能な接続という方式を同時に採用して、センサ取付アセンブリ600と信号伝送部材700との接続ポート610における取り外し可能な接続を実現することができる。
【0060】
本出願の実施例は、信号伝送部材700と引出端子620との取り外し可能な接続という方式を例にして、センサ取付アセンブリ600と信号伝送部材700との接続ポート610における取り外し可能な接続を説明する。
【0061】
具体的には、
図5を参照して、該引出端子620の一端622は、温度センサ500のピン501に接続される必要があり、例えば、引出端子620の一端622は、ディスペンサ、溶接、圧着、接着、又は構造固定などの方式によって温度センサ500のピン501に固定接続されてもよいし、係着接続などの方式によって取り外し可能な接続を実現してもよく、さらに、引出端子620と温度センサ500とを一体成形してもよい。本出願の実施例は、引出端子620の一端622と温度センサ500のピン501との接続方式を特別に限定しない。
【0062】
本出願の実施例において、引出端子620の他端と信号伝送部材700との接続ポート610における取り外し可能な接続を実現するために、該引出端子620の他端には、弾性接続部621を有してもよく、該弾性接続部621は、接続ポート610に設置されてもよい。信号伝送部材700は、接続ポート610に挿入されることにより、弾性接続部621との取り外し可能な接続を実現する。
【0063】
幾つかの実施例では、信号伝送部材700と弾性接続部621との取り外し可能な接続方式は、様々なもの、例えば、係着接続などがある。
【0064】
本出願の実施例において、弾性接続部621は、引出端子620の他端を折り曲げることにより形成される。
図3に示すように、該弾性接続部621の具体的な形成過程において、引出端子620の他端が引出端子620の一方側面に向けて折り曲げられ、且つ該側面から所定距離を保つことで、引出端子620の他端に一定の弾力性のある移動空間を持たせることにより、信号伝送部材700と弾性接続部621との取り外し可能な接続を実現することができる。ここで、所定距離の大きさは、引出端子620のサイズや材質によって決定されてもよく、ここでは特別に限定しない。
【0065】
幾つかの実施例では、弾性接続部621は、
図3に示すように、引出端子620の他端が引出端子620の一方側面に向かって一度折り曲げられて得られるものであってもよいし、
図10に示すように、弾性接続部621は、引出端子620の他端が引出端子620の一方側面に向かって複数回折り曲げられて得られるものであってもよい。本出願の実施例は、折り曲げの回数を特別に限定しない。
【0066】
幾つかの実施例では、該引出端子620は、弾性接続部621が一定の空間内で弾性的に移動できるように、金属フレークなどにより製造された一定の弾性を有する構造であってもよい。
図3に示すように、引出端子620と信号伝達部材700がともに接続ポート610に挿入されると、一定の弾性を有する弾性接続部621は、信号伝送部材700を接続ポート610に押し付ける。また、信号伝送部材700を取り外す必要がある場合には、信号伝送部材700を接続ポート610から直接引き出せばよく、弾性接続部621は、受ける力に応じて変形する。本出願の実施例は、引出端子620のサイズや材質を具体的に限定しない。
【0067】
幾つかの実施例では、温度センサ500を取り付けるためのセンサ取付アセンブリ600の構造形式は、様々なものがある。センサ取付アセンブリ600の加工メンテナンスの利便性を向上させるために、本出願の実施例において、
図3に示すように、センサ取付アセンブリ600は、互いに接続される第1のハウジング630と第2のハウジング640とを含み、ここで、第1のハウジング630は、温度センサ500を設置するために用いられ、第2のハウジング640は、接続ポート610を設置するために用いられ、引出端子620は、接続ポート610に設置される。
【0068】
幾つかの実施例では、実際の需要に応じて第1のハウジング630と第2のハウジング640との接続方式を設置してもよい。
図10に示すように、第1のハウジング630と第2のハウジング640は、一体成形構造であってもよく、例えば、一体射出成形により形成されてもよい。また、第1のハウジング630内には、温度センサ500を収容する収容室が設置され、温度センサ500は、固定金型631によって収容室内に固定されてもよいし、接着剤充填によって収容室内に固定されてもよく、温度センサ500のピン501は、第2のハウジング640の接続ポート610に向けて設置されている。該接続ポート610において、引出端子620の一端622と温度センサ500のピン501との接続が実現される。ここで、固定金型631の内部形状は温度センサ500とマッチングし、固定金型631の外部形状は収容室とマッチングし、且つ、固定金型631は締り嵌めなどの方式により第1のハウジング630との固定接続を実現してもよい。本出願の実施例は、これを特別に限定しない。
【0069】
本出願の実施例において、
図3~
図8に示すように、センサ取付アセンブリ600の交換可能性を向上させるために、第1のハウジング630と第2のハウジング640との間に取り外し可能な接続という方式を採用してもよく、第1のハウジング630又はその内部素子が壊れた場合、第1のハウジング630のみを交換し、第2のハウジング640又はその内部素子が摩耗した場合、第2のハウジング640のみを交換することができ、これにより、メンテナンスコストを低減させることができる。
【0070】
幾つかの実施例では、第1のハウジング630と第2のハウジング640との間の取り外し可能な接続方式は、様々な方式、例えば、様々な係着接続などの方式がある。本出願の実施例では、
図3に示すように、熱伝導部材650をさらに含んでもよく、該熱伝導部材650は、主に電池セル400の温度を温度センサ500に伝達することに用いられ、それにより、熱伝導性能を高め、温度センサ500が電池セル400の温度を収集することを容易にする。
【0071】
本出願の実施例では、熱伝導部材650は、熱伝導性能を高める他、第1のハウジング630と第2のハウジング640とを接続するためにも用いられてもよい。具体的には、第1のハウジング630と熱伝導部材650とが取り外し可能に接続されてもよいし、第2のハウジング640と熱伝導部材650とが取り外し可能に接続されてもよく、又は、第1のハウジング630と第2のハウジング640が同時に熱伝導部材650に取り外し可能に接続されてもよい。
【0072】
幾つかの実施例では、第1のハウジング630、第2のハウジング640と熱伝導部材650との取り外し可能な接続の方式は、様々なものがある。
図3と
図5に示すように、熱伝導部材650には複数の係止孔651を設置してもよく、第1のハウジング630と第2のハウジング640には係止孔651に係入できる係止部材652を設置してもよい。これにより、第1のハウジング630、第2のハウジング640と熱伝導部材650との取り外し可能な接続を実現することができる。接着などの方式によって第1のハウジング630、第2のハウジング640と熱伝導部材650との接続を実現してもよい。
【0073】
又は、
図6~
図8に示すように、熱伝導部材650を、収容溝を有する構造として設置し、第1のハウジング630と第2のハウジング640を直接収容溝に係止させてもよい。これにより、第1のハウジング630、第2のハウジング640と熱伝導部材650との取り外し可能な接続を実現することができる。第2のハウジング640上の引出端子620と外部との接続を容易にするために、さらに、熱伝導部材650の一方側に開口を設ける必要があり、これにより、信号伝送部材700と引出端子620との接続を容易にする。
【0074】
開口を有する熱伝導部材650に設置された第1のハウジング630と第2のハウジング640を位置決めするために、熱伝導部材650に位置決めエッジを設置するか、又は
図8に示すように、熱伝導部材650に係止溝653を設置し、第2のハウジング640に係止溝653内に係入できるストッパ654を設置してもよい。ストッパ654と係止溝653との係合により、第1のハウジング630と第2のハウジング640が熱伝導部材650から滑り出すことを防止できる。
【0075】
説明すべきこととして、実際の使用中では、熱伝導部材650を使用する他、
図9に示すように、第2のハウジング640のみを残して、温度センサ500を直接電池セル400に固定して、温度センサ500と信号伝送部材700との取り外し可能な接続を実現してもよい。これにより、構造全体のサイズを減少させ、電池の保留するスペースの大きさを満たすことができる。無論、
図9に示す温度センサ500は、電池セル400に一つ又は複数のスナップフィットなどの構造を設置して電池セル400に直接係止することで、温度センサ500の取り外し可能な接続を実現してもよい。スナップフィットの構造は様々な形式があるが、ここではスナップフィットの形状を特別に限定しない。
【0076】
幾つかの実施例では、温度センサ500は、水滴ヘッド型温度センサ、チップ型温度センサなどの様々な構造形式であってもよい。温度センサ500の具体的な形状に応じて、第1のハウジング630に温度センサ500を取り付ける又は係止する構造を設置してもよく、又は、接着剤シール又はガラスシールなどの方式によって温度センサ500を第1のハウジング630に直接固定してもよい。本出願の実施例は、温度センサ500の構造形式、及び第1のハウジング630との接続方式を特別に限定しない。
【0077】
本出願の実施例において、第2のハウジング640は主に接続ポート610を設置するために用いられる。第2のハウジング640内に、貫通した接続ポート610を直接刻設すればよく、ここでは具体的な刻設工程についてこれ以上説明しない。
【0078】
幾つかの実施例では、接続ポート610の設置数は、引出端子620の数によって決定されてもよく、引出端子620が一つある場合、接続ポート610を一つのみ設ければよい。引出端子620が複数ある場合、それに応じて、複数の接続ポート610を設けてもよく、且つ間隔を置いて複数の接続ポート610を設けてもよい。例えば、センサ取付アセンブリ600に仕切部を設けてもよく、具体的には、仕切部を接続ポート610に設けてもよい。これにより、隣り合う引出端子620を隔離する目的を達成する。第2のハウジング640内に間隔を置いて設置される複数の接続ポート610を直接刻設してもよく、同様に、隣り合う引出端子620を隔離する目的を達成することができる。
【0079】
幾つかの実施例では、信号伝送部材700の構造も様々な形式がある。本出願の実施例において、
図4及び
図7に示すように、信号伝送部材700は、互いに接続された接触端701と伝送端702とを含む。ここで、接触端701は、引出端子620と接触接続するためのものである。伝送端702は、電池セル400の温度信号を伝送するためのものである。
【0080】
幾つかの実施例では、接触端701は、接続ポート610に挿入されると、引出端子620との接続を実現することができる。接触端701の構造形式は、引出端子620の数に応じて決定されてもよく、接触端701の引出端子620に接続される端を一体構造として設置してもよいし、接触端701の引出端子620に接続される端を分岐構造として設置し、各分岐が一つの引出端子620に対応するようにしてもよい。それにより、接触端701と引出端子620との接続を相対的に隔離して、互いに干渉することを回避する。接触端701は、信号伝送機能を有する金属で製造される必要があり、伝送端702は、導線、FFC(Flexible Flat Cable、フレキシブルフラットケーブル)、FPC(FlexiblePrinted Circuit、フレキシブル回路基板)又はPCB(Printed Circuit Board、プリント基板)などのいずれか一つ又はその任意の組み合わせであってもよい。
【0081】
幾つかの実施例では、接触端701と伝送端702との接続方式は、様々なものがあり、例えば、圧着、溶接、接着などの方式があり、取り外しと交換を容易にするために、接触端701と伝送端702とを係着接続してもよいが、本出願の実施例では、接触端701と伝送端702との接続方式を特別に限定しない。
【0082】
図11を参照して、上述したセンサ取付アセンブリ600が設置された電池セル400の構造概略図が示されており、ここで、センサ取付アセンブリ600は電池セル400の頂部に固定され、信号伝送部材700の接触端701はセンサ取付アセンブリ600内の温度センサ500に接続され、信号伝送部材700の伝送端702は回路基板800に接続され、回路基板800により収集された温度信号を他の通信信号に変換して外部機器に伝送する。
【0083】
別の態様によれば、本出願は、電力消費装置をさらに提供する。電力消費装置は、上記の電池200を含み、電池200は、電気エネルギーを供給するためのものである。ここで、電池200の具体的な構造形式及び作動原理は、上記実施例で詳細に説明されたため、本実施例では、これ以上説明しない。
【0084】
以上の通り、本出願の実施例による電力消費装置は、上記の電池を設置することにより、一方で、信号伝送部材とセンサ取付アセンブリとの取り外し可能な接続によって、信号伝送部材とセンサ取付アセンブリのそれぞれの独立した設計、加工、及びメンテナンス交換に有利である。他方では、センサ取付アセンブリと電池セルとの取り外し可能な接続によって、温度センサに故障が生じて検査又は交換を必要とする場合、センサ取付アセンブリを電池セルから直接取り外すことができるため、温度センサの交換可能性及び互換性を向上させ、電池のメンテナンス及び故障した機器の交換を容易にし、電池のコストを低減させ、電池全体が廃棄される確率を低減させることができる。
【0085】
本出願の上記各保護テーマ及び各実施例における特徴は、相互に参照でき、構造が許せば、当業者は、異なる実施例における技術的特徴を柔軟に組み合わせて、より多くの実施例を形成することもできる。
【0086】
以上では、本出願による電池及び電力消費装置を詳細に説明した。本明細書で具体的な実施例を用いて本出願の原理及び実施形態を記述したが、以上の実施例の説明は、本出願の方法及びそのコアアイデアを理解するのを助けるためのものに過ぎない。指摘すべきこととして、当業者であれば、本出願の原理から逸脱しない限り、本出願に若干の改善及び修飾を行うことができ、これらの改善及び修飾も本出願の特許請求の範囲の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0087】
200 電池
400 電池セル
500 温度センサ
600 センサ取付アセンブリ
700 信号伝送部材
【国際調査報告】