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特表2023-542829電極アセンブリ、電池セル、電池および電力消費装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(54)【発明の名称】電極アセンブリ、電池セル、電池および電力消費装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20231004BHJP
   H01M 50/449 20210101ALI20231004BHJP
   H01M 50/457 20210101ALI20231004BHJP
   H01M 50/489 20210101ALI20231004BHJP
   H01M 50/491 20210101ALI20231004BHJP
   H01M 50/494 20210101ALI20231004BHJP
   H01M 50/42 20210101ALI20231004BHJP
   H01M 50/426 20210101ALI20231004BHJP
   H01M 50/417 20210101ALI20231004BHJP
   H01M 50/44 20210101ALI20231004BHJP
   H01M 50/423 20210101ALI20231004BHJP
   H01M 50/414 20210101ALI20231004BHJP
   H01M 4/02 20060101ALI20231004BHJP
   H01M 4/13 20100101ALI20231004BHJP
   H01M 10/052 20100101ALN20231004BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALN20231004BHJP
   H01M 10/0566 20100101ALN20231004BHJP
【FI】
H01M10/04 W
H01M10/04 Z
H01M50/449
H01M50/457
H01M50/489
H01M50/491
H01M50/494
H01M50/42
H01M50/426
H01M50/417
H01M50/44
H01M50/423
H01M50/414
H01M4/02 Z
H01M4/13
H01M10/052
H01M10/0587
H01M10/0566
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514103
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(85)【翻訳文提出日】2023-02-28
(86)【国際出願番号】 CN2021108058
(87)【国際公開番号】W WO2023000290
(87)【国際公開日】2023-01-26
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522010668
【氏名又は名称】ジアンス・コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】▲曾▼ 毓群
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 盛武
(72)【発明者】
【氏名】唐 ▲鳴▼浩
(72)【発明者】
【氏名】林 文法
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 会会
(72)【発明者】
【氏名】叶 杰
【テーマコード(参考)】
5H021
5H028
5H029
5H050
【Fターム(参考)】
5H021CC04
5H021EE03
5H021EE04
5H021EE06
5H021EE07
5H021EE10
5H021HH00
5H021HH02
5H021HH03
5H021HH10
5H028AA05
5H028CC07
5H028CC08
5H028EE06
5H029AJ05
5H029AJ06
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL07
5H029AL11
5H029BJ14
5H029CJ22
5H029DJ04
5H029DJ14
5H029EJ11
5H029EJ12
5H029EJ14
5H029HJ12
5H050AA07
5H050BA13
5H050BA14
5H050BA17
5H050CA01
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB08
5H050CB11
5H050DA09
5H050DA19
5H050EA21
5H050EA23
5H050FA15
5H050FA16
5H050FA18
5H050GA09
5H050HA04
5H050HA09
5H050HA12
5H050HA15
(57)【要約】
電極アセンブリ、電池セル、電池および電力消費装置である。該電極アセンブリは、陰極板と、陽極板と、陰極板と陽極板を隔離するためのセパレータと、陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも1つの表面に沿って配置するように構成される電解液吸着層であって、電解液吸着層に、前記電解液吸着層の厚さ方向に沿って設置される貫通孔であるイオン交換通路が設けられる電解液吸着層とを含む。陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも1つの表面に電解液吸着層を配置することで、電解液を吸着し保持することができ、電解液の貯蔵、放出及びイオンの伝導と拡散に有利であり、電池のサイクル性能と耐用年数を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極アセンブリであって、
陰極板と、陽極板と、前記陰極板と前記陽極板を隔離するためのセパレータと、
前記陰極板、前記陽極板と前記セパレータの少なくとも1つの表面に沿って配置するように構成される電解液吸着層であって、前記電解液吸着層に、前記電解液吸着層の厚さ方向に沿って設置される貫通孔であるイオン交換通路が設けられる電解液吸着層とを含む、電極アセンブリ。
【請求項2】
前記陰極板の1つの表面又は2つの表面に前記電解液吸着層が付着され、及び/又は、
前記陽極板の1つの表面又は2つの表面に前記電解液吸着層が付着され、及び/又は、
前記セパレータの1つの表面又は2つの表面に前記電解液吸着層が付着される、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項3】
前記陰極板、前記セパレータと前記陽極板は捲回によって折り曲げ領域を形成し、前記電解液吸着層の少なくとも一部は前記折り曲げ領域内の前記陰極板、前記陽極板と前記セパレータの少なくとも1つの表面に設置される、請求項2に記載の電極アセンブリ。
【請求項4】
前記電解液吸着層の少なくとも一部は折り曲げ領域内の前記陰極板の1回目の折り曲げ部位及び/又は2回目の折り曲げ部位に設置され、及び/又は、前記電解液吸着層の少なくとも一部は前記陽極板の1回目の折り曲げ部位及び/又は2回目の折り曲げ部位に設置され、及び/又は、前記電解液吸着層の少なくとも一部は前記陰極板の1回目の折り曲げ部位に隣接する前記セパレータの折り曲げ部位及び/又は2回目の折り曲げ部位に隣接する前記セパレータの折り曲げ部位に設置され、及び/又は、前記電解液吸着層の少なくとも一部は前記陽極板の1回目の折り曲げ部位に隣接する前記セパレータの折り曲げ部位及び/又は2回目の折り曲げ部位に隣接する前記セパレータの折り曲げ部位に設置される、請求項3に記載の電極アセンブリ。
【請求項5】
前記折り曲げ領域は、折り曲げ領域の中心線を覆う第1の折り曲げ区画と、前記第1の折り曲げ区画の少なくとも一側に位置する第2の折り曲げ区画とを含み、前記折り曲げ領域の中心線は前記電極アセンブリの捲回軸線と平行し、
前記電解液吸着層の前記第1の折り曲げ区画内に位置する部分の空隙率は、前記電解液吸着層の前記第2の折り曲げ区画内に位置する部分の空隙率と異なり、電解液吸着層の空隙率は、イオン交換通路の面積と電解液吸着層の面積との比である、請求項4に記載の電極アセンブリ。
【請求項6】
前記折り曲げ領域において、前記電極アセンブリの捲回軸線と平行する方向に沿って、前記イオン交換通路は、前記電解液吸着層上で折れ線又は曲線を呈して分布する、請求項4に記載の電極アセンブリ。
【請求項7】
前記電解液吸着層は吸着基層を含み、前記吸着基層に前記イオン交換通路が設けられる、請求項1~6のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項8】
前記吸着基層の材料は、アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アクリル酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、アクリル酸グラフトポリプロピレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体ゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合体ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリセリルエ―テル型エポキシ樹脂、グリセリンエステル型エポキシ樹脂、シリコーン型樹脂、ポリウレタン、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体及び以上の物質の改質物のうちの1種を含む、請求項7に記載の電極アセンブリ。
【請求項9】
前記電解液吸着層は吸着基層と支持層を含み、前記吸着基層の一方側は、対応する陰極板、陽極板又はセパレータに付着され、前記支持層は、前記吸着基層の他方側に付着され、前記イオン交換通路は、前記厚さ方向に沿って前記支持層と前記吸着基層を貫通する、請求項1~6のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項10】
前記吸着基層の材料は、アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アクリル酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、アクリル酸グラフトポリプロピレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体ゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合体ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリセリルエ―テル型エポキシ樹脂、グリセリンエステル型エポキシ樹脂、シリコーン型樹脂、ポリウレタン、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体及び以上の物質の改質物のうちの1種を含む、請求項9に記載の電極アセンブリ。
【請求項11】
前記支持層の材料は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン-フッ化ビニリデン共重合体、テトラフルオロプロピレン-フッ化ビニリデン共重合体、トリフルオロクロロプロピレン-フッ化ビニリデン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン又はその共重合体、ポリアリレート、繊維、ナイロン、不織布及び以上の物質の改質物のうちの1種を含む、請求項9又は10に記載の電極アセンブリ。
【請求項12】
前記支持層の厚さ≦50um、0<支持層の空隙率≦50%、及び/又は前記支持層の引張モジュラス≦100Mpaであり、ここで、前記支持層の空隙率は、イオン交換通路の総面積と支持層の面積との比である、請求項9~11のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項13】
電池セルであって、ケース、電解液、カバープレート及び少なくとも1つの請求項1~12のいずれか一項に記載の電極アセンブリを含み、
前記ケースは収容室と開口を有し、前記電極アセンブリと前記電解液は前記収容室に収容され、
前記カバープレートは、前記ケースの開口を閉塞するために用いられる、電池セル。
【請求項14】
電池であって、筐体と、少なくとも1つの請求項13に記載の電池セルとを含み、前記電池セルは前記筐体内に収容される、電池。
【請求項15】
電力消費装置であって、請求項14に記載の電池から供給される電力を受けるように構成される、電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池分野に関し、特に電極アセンブリ、電池セル、電池および電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0002】
再充電可能な電池は、二次電池と呼ばれてもよく、電池が放電された後に充電の方式によって活物質を活性化して使用し続けることができる電池である。再充電可能な電池は、電子機器、例えば、携帯電話、ノートパソコン、バッテリ車、電機自動車、電気飛行機、電気汽船、電動自動車玩具、電動汽船玩具、電動飛行機玩具及び電動ツールなどに広く用いられている。
【0003】
充電電池は、ニッケルカドミウム電池、水素ニッケル電池、リチウムイオン電池及び二次アルカリ亜鉛マンガン電池などを含んでもよい。
【0004】
現在、自動車に多く使用される電池は、一般的に、リチウムイオン電池であり、リチウムイオン電池は充電電池として、体積が小さく、エネルギー密度が高く、パワー密度が高く、サイクル使用の回数が多く、保管時間が長いなどの利点を備える。
【0005】
充電電池は電極アセンブリと電解液を含み、電極アセンブリは、陰極板、陽極板、及び陰極板と陽極板との間に位置するセパレータを含む。陰極板はいずれも陰極活物質層を有し、例えば、陰極活物質層の陰極活物質は、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム又はニッケルコバルトマンガン酸リチウムであってもよく、陽極板の表面はいずれも陽極活物質層を有し、例えば、陽極活物質層の陽極活物質は、黒鉛又はシリコンであってもよい。
【0006】
電極アセンブリに対し、サイクル過程において電解液が絶えず消耗され、陽極板間の電解液が消耗された後、ケース内に遊離している電解液をタイムリーに補充することができず、長期間に充放電使用した後、電解液の不足により、電池セル及び電池のサイクル寿命が低減するという問題を引き起こす。
【0007】
そのため、如何にして電池のサイクル寿命を向上させるかが、業界の難題となっている。
【発明の概要】
【0008】
本出願の複数の態様は、上記問題を克服するか又は上記問題を少なくとも部分的に解決する電極アセンブリ、電池セル、電池および電力消費装置を提供する。
【0009】
本出願の第1の態様によれば、電極アセンブリを提供する。該電極アセンブリは、陰極板、陽極板、セパレータと電解液吸着層を含む。セパレータは、陰極板と陽極板を隔離するために用いられ、電解液吸着層は、陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも1つの表面に沿って配置するように構成され、電解液吸着層に、電解液吸着層の厚さ方向に沿って設置される貫通孔であるイオン交換通路が設けられる。
【0010】
陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも1つの表面に電解液吸着層を配置することにより、電解液吸着層は、電解液を保持しゆっくりと放出することによって、サイクル過程で消耗された電解液を補充するために用いることができ、イオンの伝導と拡散に有利であり、さらに電池セルの性能を向上させる。電解液吸着層にイオン交換通路が設けられ、イオン交換通路は、前記電解液吸着層の厚さ方向に沿って設置される貫通孔であり、電解液の放出及びイオンの伝導と拡散に有利であり、電池のサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。
【0011】
いくつかの実施例において、陰極板の1つの表面又は2つの表面に電解液吸着層が付着され、及び/又は、陽極板の1つの表面又は2つの表面に電解液吸着層が付着され、及び/又は、セパレータの1つの表面又は2つの表面に電解液吸着層が付着される。
【0012】
該実施例において、陰極板、陽極板又はセパレータの1つの表面又は2つの表面に電解液吸着層を付着することで、陰極板、陽極板又はセパレータの一方側又は両側の位置における電解液の貯蔵性能と保持性能を改善することができ、それによってサイクル過程で消耗された電解液を補充し、イオンの伝導と拡散に有利であり、さらに電池セルの性能を向上させる。
【0013】
いくつかの実施例において、陰極板、セパレータと陽極板は捲回によって折り曲げ領域を形成し、電解液吸着層の少なくとも一部は折り曲げ領域内の陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも1つの表面に設置される。
【0014】
該実施例において、陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも1つの表面の折り曲げ領域内に電解液吸着層の少なくとも一部を配置することで、電解液が吸着される電解液吸着層は、折り曲げ領域内の陰極板と陽極板との間の隙間を充填することができ、折り曲げ領域において電解液を保持しゆっくりと放出することによって、サイクル過程で消耗された電解液を補充することができ、イオンの伝導と拡散に有利であり、さらに電池セルの性能を向上させる。なお、陰極板及び/又は陽極板の表面の折り曲げ領域に電解液吸着層を配置することで、電解液吸着層は、陰極板上の陰極活物質層及び/又は陽極板上の陽極活物質層を補強し、陰極板上の陰極活物質層及び/又は陽極板上の陽極活物質層が折り曲げにより断裂する状況の発生を低減させ、さらに電池セルの性能を向上させることができる。
【0015】
いくつかの実施例において、電解液吸着層の少なくとも一部は折り曲げ領域内の陰極板の1回目の折り曲げ部位及び/又は2回目の折り曲げ部位に設置され、及び/又は、電解液吸着層の少なくとも一部は陽極板の1回目の折り曲げ部位及び/又は2回目の折り曲げ部位に設置され、及び/又は、電解液吸着層の少なくとも一部は陰極板の1回目の折り曲げ部位に隣接するセパレータの折り曲げ部位及び/又は2回目の折り曲げ部位に隣接するセパレータの折り曲げ部位に設置され、及び/又は、電解液吸着層の少なくとも一部は陽極板の1回目の折り曲げ部位に隣接するセパレータの折り曲げ部位及び/又は2回目の折り曲げ部位に隣接するセパレータの折り曲げ部位に設置される。
【0016】
該実施例において、陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも一方の1回目の折り曲げ部位と2回目の折り曲げ部位に電解液吸着層の少なくとも一部を設置することで、陰極板と陽極板との間の、隙間が大きい1回目と2回目の折り曲げ部位に対して、1回目と2回目の折り曲げ部位の電解液の均一性を向上させることができ、電池セルのエネルギー密度に対する影響を軽減するとともに、電池セルの性能を向上させる。なお、陰極板及び/又は陽極板の表面の折り曲げ領域の1回目と2回目の折り曲げ部位に電解液吸着層を配置することで、電解液吸着層は、陰極板の1回目と2回目の折り曲げ部位上の陰極活物質層及び/又は陽極板の1回目と2回目の折り曲げ部位上の陽極活物質層を補強し、活物質層が折り曲げにより断裂する状況の発生を低減させ、さらに電池セルの性能を向上させることができる。
【0017】
いくつかの実施例において、折り曲げ領域は、折り曲げ領域の中心線を覆う第1の折り曲げ区画と、第1の折り曲げ区画の少なくとも一側に位置する第2の折り曲げ区画とを含み、折り曲げ領域の中心線は電極アセンブリの捲回軸線と平行し、ここで、電解液吸着層の第1の折り曲げ区画内に位置する部分の空隙率は、電解液吸着層の第2の折り曲げ区画内に位置する部分の空隙率と異なり、ここで、電解液吸着層の空隙率は、イオン交換通路の面積と電解液吸着層の面積との比である。
【0018】
該実施例において、第1の折り曲げ区画と第2の折り曲げ区画に位置する支持層表面の空隙率を調整することにより、第1の折り曲げ区画と第2の折り曲げ区画の電解液の放出及びイオン伝導と拡散の性能調節を実現し、電池のサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。
【0019】
いくつかの実施例では、折り曲げ領域において、電極アセンブリの捲回軸線と平行する方向に沿って、イオン交換通路は、電解液吸着層上で折れ線又は曲線を呈して分布する。
【0020】
該実施例において、イオン交換通路を電解液吸着層上で折れ線又は曲線に配置することによって、イオン交換通路が電解液吸着層の様々な幅と高さの位置に分布するようになり、電解液吸着層が様々な高さと幅の位置においていずれも電解液の放出及びイオンの伝導と拡散を実現することができ、電池のサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。
【0021】
いくつかの実施例において、電解液吸着層は吸着基層を含み、吸着基層の一方側は、対応する陰極板、陽極板又はセパレータに付着され、吸着基層にイオン交換通路が設けられる。
【0022】
該実施例において、吸着基層は、陰極板、陽極板又はセパレータの表面において電解液を貯蔵し保持することによって、サイクル過程で消耗された電解液を補充するために用いられ、イオンの伝導と拡散に有利であり、さらに電池セルの性能を向上させる。吸着基層に自体の厚さ方向に沿って設置されるイオン交換通路が設けられ、電解液の放出及びイオンの伝導と拡散に有利であり、電池のサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。
【0023】
該実施例において、吸着基層の材料は、アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アクリル酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、アクリル酸グラフトポリプロピレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体ゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合体ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリセリルエ―テル型エポキシ樹脂、グリセリンエステル型エポキシ樹脂、シリコーン型樹脂、ポリウレタン、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体及び以上の物質の改質物のうちの1種を含む。
【0024】
いくつかの実施例において、電解液吸着層は吸着基層と支持層を含み、吸着基層の一方側は、対応する陰極板、陽極板又はセパレータに付着され、支持層は吸着基層の他方側に付着され、イオン交換通路は、厚さ方向に沿って支持層と吸着基層を貫通する。
【0025】
該実施例において、電解液吸着層は吸着基層と支持層を含み、吸着基層は一定の流動性を有し、陰極板、陽極板又はセパレータの表面において移動し変形しやすく、さらに電解液吸着層の分布の均一性に影響を与え、吸着基層の、陰極板、陽極板又はセパレータに付着される側の反対側に支持層を設置し、支持層は、イオンを流動させるとともに、吸着基層の流動と変形を抑制することができ、吸着基層を陰極板、陽極板又はセパレータの表面に均一に保持し、さらに電解液を陰極板、陽極板又はセパレータの表面に長期的に安定して保持することで、電池のサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。イオン交換通路は支持層と吸着基層を貫通し、イオン交換通路を介して支持層と吸着基層を貫くことが可能になり、電解液の放出及びイオンの伝導と拡散に有利であり、電池のサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。
【0026】
いくつかの実施例において、吸着基層の材料は、アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アクリル酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、アクリル酸グラフトポリプロピレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体ゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合体ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリセリルエ―テル型エポキシ樹脂、グリセリンエステル型エポキシ樹脂、シリコーン型樹脂、ポリウレタン、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体及び以上の物質の改質物のうちの1種を含む。
【0027】
いくつかの実施例において、支持層の材料は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン-フッ化ビニリデン共重合体、テトラフルオロプロピレン-フッ化ビニリデン共重合体、トリフルオロクロロプロピレン-フッ化ビニリデン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン又はその共重合体、ポリアリレート、繊維、ナイロン、不織布及び以上の物質の改質物のうちの1種を含む。
【0028】
いくつかの実施例において、支持層の厚さ≦50um、0<支持層の空隙率≦50%、及び/又は支持層の引張モジュラス≦100Mpaであり、ここで、支持層の空隙率は、イオン交換通路の総面積と支持層の面積との比である。
【0029】
該実施例において、支持層の厚さを≦50umに設定することで、陰極板と陽極板との間の隙間を合理的な範囲内に制御することができ、イオンの伝送に有利である。支持層の空隙率を0<支持層の空隙率≦50%に設定することで、イオンをよりよく流動させるとともに、吸着基層の流動と変形を抑制することができ、吸着基層を陰極板、陽極板又はセパレータの表面に均一に保持し、さらに電解液を陰極板、陽極板又はセパレータの表面に長期的に安定して保持することで、電池のサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。支持層の引張モジュラスは≦100Mpaであり、それによって支持層は吸着基層に対して良好な保持性能を具備する。
【0030】
本出願の第2の態様によれば、電池セルを提供する。該電池セルは、ケース、電解液、カバープレート及び少なくとも1つの上記実施例の電極アセンブリを含み、ここで、ケースは収容室と開口を有し、電極アセンブリと電解液は収容室に収容され、カバープレートは、ケースの開口を閉塞するために用いられる。
【0031】
本出願の第3の態様によれば、電池を提供する。該電池は、筐体と、少なくとも1つの上記実施例の電池セルとを含み、電池セルは筐体内に収容される。
【0032】
本出願の第4の態様によれば、電力消費装置を提供する。電力消費装置は、上記実施例の電池から供給される電力を受けるように構成される。
【0033】
以上の説明は、本出願の実施例の技術案の概略に過ぎず、本出願の実施例の技術的手段をより明確に理解するために、明細書の内容に基づいて実施することができ、且つ本出願の実施例の上述及び他の目的、特徴及び利点を更に明らかで分かりやすくするために、以下は、本出願の具体的な実施の形態を列挙する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本出願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下は、実施例の記載に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下の記載における図面は本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働を払わない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
図1】本出願の一実施例による電極アセンブリの斜視構造概略図である。
図2図1の電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図3】本出願の別の実施例による、扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図4】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図5】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図6】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図7】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図8】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図9】本出願の別の実施例による陽極板の構造概略図である。
図10】本出願の別の実施例による陰極板の構造概略図である。
図11図10におけるA-A方向の断面構造概略図である。
図12図10におけるB-B方向の断面構造概略図である。
図13】本出願の別の実施例における図10のB-B方向の断面構造概略図である。
図14】本出願の別の実施例における図10のB-B方向の断面構造概略図である。
図15】本出願の別の実施例における図10のB-B方向の断面構造概略図である。
図16】本出願の一実施例による電極アセンブリの折り曲げ領域の局所構造概略図である。
図17】本出願の別の実施例による、扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図18】本出願の別の実施例による陰極板の構造概略図である。
図19】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図20】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図21】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図22】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図23】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図24】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図25】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図26】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図27】本出願の別の実施例による陰極板の構造概略図である。
図28】本出願の別の実施例による陰極板の構造概略図である。
図29】本出願の別の実施例による陰極板の構造概略図である。
図30】本出願の別の実施例による電池セルの構造概略図である。
図31】本出願の別の実施例による電池モジュールの構造概略図である。
図32】本出願の別の実施例による電池の構造概略図である。
図33】本出願の別の実施例による電力消費装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本出願の実施例の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下は、本出願の実施例の図面を参照しながら、本出願の実施例における技術案を明確、完全に説明する。説明される実施例は、本出願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労働をすることなく得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0036】
特に定義がない限り、本文に使用されるすべての技術と科学用語は、当業者に一般的に理解される意味と同じである。本文における出願の明細書に使用される用語は、具体的な実施例を説明することを目的とするのみであり、本出願を制限することを意図しない。本出願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」をカバーすることを意図している。
【0037】
本文において「実施例」と言及する場合、実施例と合わせて説明された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書における各箇所に記載された該語句は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本明細書に記載の実施例が他の実施例と組み合わせ得ることを明示的及び暗黙的に理解することができる。
【0038】
本文における「及び/又は」という用語は、単に関連対象を説明する関連関係に過ぎず、3つの関係が存在できることを示し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの3つのケースを表してもよい。また、本文における「/」といる文字は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0039】
本出願の説明において、理解すべきことは、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語によって指示された方位又は位置関係は、図面によって示された方位又は位置関係であり、単に本出願の説明の便宜上及び説明の簡略化のためのものであり、指した装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成して操作しなければならないことを指示又は示唆するものではなく、そのため、本出願に対する制限として理解してはいけない。なお、本出願の明細書及び特許請求の範囲又は上記図面における「第1」、「第2」などの用語は、異なる対象を区別するために用いられ、特定の順序を説明するためのものではなく、1つ又は複数の該特徴を明示的に又は黙示的に含んでもよい。本出願の説明において、特に断りのない限り、「複数」は2つ以上を意味する。
【0040】
本出願の説明において、説明すべきこととして、特に明確の規定及び限定がない限り、「取り付け」、「繋がり」、「接続」という用語は、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続であってもよく、又は一体的な接続であってもよく、機械的接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接に接続してもよく、中間媒体を介して間接に接続してもよく、2つの素子の内部を連通させてもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0041】
リチウムイオン電池の体積をより小さく、エネルギー密度をより高くするために、リチウムイオン電池の電極アセンブリにおける陰極板、陽極板及びセパレータを捲回してから押し固めることができる。例えば、図1に示すように、図1は、電極アセンブリの斜視構造概略図であり、該電極アセンブリは、陽極板、陰極板及びセパレータを含み、ここで、陽極板、陰極板及びセパレータを積層してから捲回軸線K周りに捲回して捲回構造を形成し、セパレータは絶縁膜であり、陽極板と陰極板を隔離し、陽極板と陰極板の短絡を防止するために用いられ、該電極アセンブリの捲回構造は扁平体形状であり、該電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図は、図2に示すとおりである。
【0042】
図1図2を参照すると、該電極アセンブリは、ストレート領域Pと、該ストレート領域Pの両端に位置する折り曲げ領域Cとを含む。ストレート領域Pとは、該捲回構造において平行構造を有する領域を指し、即ち、該ストレート領域P内の陽極板101、陰極板102及びセパレータ103は互いにほぼ平行であり、即ち、電極アセンブリのストレート領域Pにおける各層の陽極板101、陰極板102及びセパレータ103の表面はいずれも平面である。折り曲げ領域Cとは、該捲回構造において折り曲げ構造を有する領域を指し、即ち、該折り曲げ領域C内の陽極板101、陰極板102及びセパレータ103はいずれも折り曲げられており、即ち、電極アセンブリの折り曲げ領域Cにおける各層の陽極板101、陰極板102及びセパレータ103の表面はいずれも曲面であり、該折り曲げ領域Cは捲回方向Lを有し、該捲回方向Lは、折り曲げ領域Cの電極アセンブリの表面に沿ってストレート領域に向かう方向として理解されてもよく、例えば、該捲回方向Lは、該折り曲げ領域Cにおいて該捲回構造の捲回方向に沿う。
【0043】
陽極板101の表面は陽極活物質からなる陽極活物質層を有し、陰極板102の表面は陰極活物質からなる陰極活物質層を有し、例えば、陰極活物質は、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム又はニッケル・コバルト・マンガン酸リチウムであってもよく、陽極活物質は黒鉛又はシリコンであってもよい。
【0044】
発明者は研究過程において以下のことを発見した。電極アセンブリのサイクル過程において電解液が絶えず消耗され、陰陽極板間の電解液が消耗された後、ケース内に遊離している電解液をタイムリーに補充することができず、長期間に充放電使用した後、電解液の不足により、電池セル及び電池パックの寿命の低減が早くなるという問題を引き起こす。
【0045】
これに鑑みて、本出願は電極アセンブリを提供する。該電極アセンブリは、陰極板と、陽極板と、セパレータとを含み、セパレータは陰極板と陽極板を隔離するために用いられ、ここで、陽極板、陰極板及びセパレータを積層してから捲回軸線周りに捲回構造、例えば扁平体の捲回構造を形成してもよく、陽極板、陰極板及びセパレータを積層してからZ字状のように連続して折り畳んでもよい。電極アセンブリは、捲回によって形成されてもよく、Z字状のように連続して折り畳んで形成されてもよい。電極アセンブリは、陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも1つの表面に沿って配置するように構成される電解液吸着層をさらに含み、電解液吸着層に、前記電解液吸着層の厚さ方向に沿って設置される貫通孔であるイオン交換通路が設けられる。
【0046】
陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも1つの表面に電解液吸着層を配置することにより、電解液吸着層は、陰極板と陽極板との間の隙間を充填して電解液を保持しゆっくりと放出することによって、サイクル過程で消耗された電解液を補充することができ、イオンの伝導と拡散に有利であり、さらに電池セルの性能を向上させる。電解液吸着層に自体の厚さ方向に沿って設置されるイオン交換通路が設けられ、電解液の放出及びイオンの伝導と拡散に有利であり、電池セルのサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。イオン交換通路は、電解液吸着層の厚さ方向に設けられる貫通孔であってもよく、貫通孔は、電解液吸着層の表面において均一に分布するか、又は非均一に分布してもよく、貫通孔は、同じ又は異なる断面積及び/又は孔深さを有してもよく、貫通孔は1つ又は複数であってもよい。イオン交換通路内に電解液が収容され、イオンは、イオン交換通路を介して電解液吸着層を貫くことができる。
【0047】
セパレータ103は電子絶縁性を有し、隣接する陰極板102と陽極板101を隔離し、隣接する陰極板102と陽極板101の短絡を防止するために用いられる。セパレータ103は貫通する多数の微細孔を有し、電解液とイオンを自由に通過させることができ、リチウムイオンに対して非常に高い透過性を有するため、セパレータ103は、基本的にリチウムイオンの通過を阻止することができない。例えば、セパレータ103は、セパレータ基層と、セパレータ基層の表面に位置する機能層とを含み、セパレータ基層は、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリブチレンテレフタレートなどの少なくとも1種を含み、機能層は、セラミックス酸化物と接着剤の混合物層であってもよい。
【0048】
本出願の実施例による電極アセンブリは、陰極板1の1つの表面又は2つの表面に電解液吸着層が付着され、及び/又は、陽極板2の1つの表面又は2つの表面に電解液吸着層4が付着され、及び/又は、セパレータ3の1つの表面又は2つの表面に電解液吸着層4が付着される。
【0049】
図3に示すように、本出願の別の実施例において、陰極板1の内面に電解液吸着層4が付着されている。
【0050】
図4に示すように、本出願の別の実施例において、陰極板1の外面に電解液吸着層4が付着されている。
【0051】
図5に示すように、本出願の別の実施例において、陰極板1の内面と外面に、いずれも電解液吸着層4が付着されている。
【0052】
図示されていないいくつかの実施例において、陽極板2の内面及び/又外面に電解液吸着層を付着してもよく、その設置方式は、図3図5における、陰極板1の表面に電解液吸着層を設置する方式を参照してもよい。
【0053】
図6に示すように、本出願の別の実施例において、陰極板1の内面と外面、及び陽極板2の内面と外面に、電解液吸着層4が付着されている。
【0054】
ここで、電解液吸着層4は、陰極板1の1つの表面又は2つの表面に付着され、及び/又は、陽極板2の1つの表面又は2つの表面に付着され、電解液吸着層4は、陰極板1及び/又は陽極板2の任意の表面に付着されてもよく、及び/又は、セパレータ3の1つの表面又は2つの表面に付着されてもよい。ここで、付着とは、付着又は塗布又は吹き付けを指し、付着によって、電解液吸着層4の電池セルの使用過程における位置移動を減少することができる。
【0055】
図7に示すように、本出願の別の実施例において、セパレータ3の内面に電解液吸着層4が付着されてもよい。
【0056】
図8に示すように、本出願の別の実施例において、セパレータ3の外面に電解液吸着層4が付着されてもよい。
【0057】
図示されていないいくつかの実施例において、セパレータ3の内面と外面にいずれも電解液吸着層4が付着されてもよい。セパレータ3に電解液吸着層4を付着する方式については、図3図6における、陰極板1及び/又は陽極板2の表面に電解液吸着層4を設置する方式を参照してもよい。
【0058】
セパレータ3の表面に電解液吸着層4を設置することで、同様に陰極板と陽極板との間の隙間を充填して電解液を保持し貯蔵することによって、サイクル過程で消耗された電解液を補充することができ、イオンの伝導と拡散に有利であり、さらに電池セルのサイクル性能と寿命を向上させる。電解液吸着層4に電解液吸着層の厚さ方向に沿って設置されるイオン交換通路が設けられ、電解液の放出及びイオンの伝導と拡散に有利であり、電池セルのサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。
【0059】
陽極板2の構造は図9に示すとおりであってもよく、これは本出願の別の実施例による陽極板の構造概略図であり、陽極板2は、陽極本体部21と、陽極本体部21から捲回軸線Kに沿って外へ延伸する陽極タブ部22とを含み、陽極本体部21の表面上の捲回軸線Kに沿う少なくとも一部の領域は陽極活物質層211であり、陽極活物質層211は陽極活物質を塗布するために用いられ、陽極活物質は黒鉛又はシリコンであってもよい。
【0060】
本出願の別の実施例において、陽極本体部21の表面の一部の領域に陽極活物質層211が設けられるだけではなく、陽極タブ部22の表面且つ陽極本体部21に近い根元領域にも陽極活物質層211が設けられ、即ち陽極タブ部22の一部の領域は陽極活物質層211である。
【0061】
本出願の別の実施例において、図9に示すように、陽極活物質層211は陽極本体部21の捲回軸線Kに沿う表面全体を覆う。
【0062】
本出願の別の実施例において、陰極活物質は陰極板1の表面全体を覆っていない可能性があり、例えば、図10に示すように、図10は、本出願の別の実施例における陰極板の構造概略図である。
【0063】
陰極板1は、陰極本体部11と、捲回軸線Kに沿って陰極本体部11の外部へ延伸する少なくとも1つの陰極タブ部12とを含み、陰極本体部11の表面の少なくとも一部の領域は陰極活物質層111であり、該陰極活物質層111に陰極活物質を塗布することができ、例えば、陰極活物質は三元材料、マンガン酸リチウム又はリン酸鉄リチウムであってもよい。
【0064】
本出願の別の実施例において、陰極本体部11の表面は、陰極活物質層111に隣接する第1の絶縁層塗布領域112をさらに含み、第1の絶縁層塗布領域112は、陰極活物質層111の陰極タブ部12に近い側に位置し、第1の絶縁層塗布領域112は、絶縁物質を塗布するために用いられ、陰極活物質層111と陰極タブ部12を絶縁して隔離するために用いられ、例えば、図11に示すように、図11は、図10におけるA-A方向の断面構造概略図であり、陰極板1の集電体の2つの表面は陰極活物質層111を有し、陰極タブ部12は陰極板1の集電体の一部であり、ここで、集電体の材質はアルミニウムであってもよい。
【0065】
例えば、陰極活物質層111と第1の絶縁層塗布領域112は、陰極本体部11の表面において陰極本体部11の幅方向(即ち捲回軸線K)に沿って両端に分布しており、且つ陰極タブ部12と第1の絶縁層塗布領域112は、陰極本体部11の同一端に属する。
【0066】
本出願の別の実施例において、陰極活物質層111と第1の絶縁層塗布領域112は、陰極本体部11の表面においてほぼ平行する2つの領域であり、且つ捲回軸線Kに沿って陰極本体部11の表面において二層を呈して分布する。
【0067】
本出願の別の実施例において、第1の絶縁層塗布領域112は、陰極本体部11と陰極タブ部12が互いに接続する部分に位置してもよく、例えば、第1の絶縁層塗布領域112は、陰極本体部11の表面にあり且つ陰極タブ部12と互いに接続する部分に位置し、陰極タブ部12の表面と陰極活物質層111を隔離するために用いられる。本出願の別の実施例において、陰極本体部11の表面に第1の絶縁層塗布領域112が設けられるだけではなく、陰極タブ部12の陰極本体部11に近い根元領域にも第2の絶縁層塗布領域が設けられ、第2の絶縁層塗布領域は絶縁物質を塗布するために用いられる。
【0068】
本出願の別の実施例において、第1の絶縁層塗布領域112の表面に絶縁物質が塗布され、絶縁物質は無機充填材と接着剤を含む。無機充填材は、ベーマイト、アルミナ、酸化マグネシウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、シリカ、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウムのうちの1種又は複数種を含む。接着剤は、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸-アクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル-アクリル酸、ポリアクリロニトリル-アクリル酸エステルのうちの1種又は複数種を含む。
【0069】
本出願の別の実施例において、各陰極板1は、1つ又は2つ以上の陰極タブ部12を含んでもよく、陰極板1が2つ以上の陰極タブ部12を含む場合、全ての陰極タブ部12はいずれも陰極板1の捲回軸線Kに沿う同一側に位置する。
【0070】
図9図10を参照すると、陰極板1と陽極板2が互いに積層される時、陽極板2の陽極活物質層211の捲回軸線Kに沿う両端はいずれも隣接する陰極板1の陰極活物質層111の対応する端を超え、このように、電極アセンブリに良好なエネルギー密度を持たせることができる。例えば、陽極活物質層211の捲回軸線Kに沿う両端はそれぞれ第1の端23と第2の端24であり、陰極活物質層111の捲回軸線Kに沿う両端はそれぞれ第3の端13と第4の端14であり、ここで、陽極活物質層211の第1の端23と陰極活物質層111の第3の端13は、捲回軸線Kに沿って電極アセンブリの同一側に位置し、且つ陽極活物質層211の第1の端23は、捲回軸線Kに沿って陰極活物質層111の第3の端13を超え、陽極活物質層211の第2の端24と陰極活物質層111の第4の端14は、捲回軸線Kに沿って電極アセンブリの他方側に位置し、陽極活物質層211の第2の端24は、捲回軸線Kに沿って陰極活物質層111の第4の端14を超える。
【0071】
陽極活物質層211の捲回軸線Kに沿う両端が陰極活物質層111の対応する端を超えるサイズは同じであってもよく、異なっていてもよく、例えば、超えたサイズの範囲は0.2mm~5mmである。
【0072】
図12に示すように、図12は、図10におけるB-B方向の断面構造概略図であり、図10を参照すると、電解液吸着層4は、陰極活物質層111の表面上、即ち陰極活物質層の表面に付着される。陰極板1、陽極板2とセパレータ3の少なくとも1つの表面に電解液吸着層4を配置することにより、電解液が吸着される電解液吸着層4は、陰極板1と陽極板2との間の隙間を充填して電解液を保持しゆっくりと放出することによって、サイクル過程で消耗された電解液を補充することができ、イオンの伝導と拡散に有利であり、さらに電池セルのサイクル性能と耐用年数を向上させる。電解液吸着層4に電解液吸着層の厚さ方向に沿って設置されるイオン交換通路40が設けられ、電解液の放出及びイオンの伝導と拡散に有利であり、電池セルのサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。
【0073】
いくつかの実施例において、電解液吸着層4は、電解液の吸着と保持に適し、且つ電解液の腐食に耐えるいかなる材料を採用してもよい。
【0074】
図12に示すように、いくつかの実施例において、電解液吸着層4は吸着基層41を含むことができ、吸着基層41の一方側は、対応する陰極板又は陽極板に付着され、吸着基層41にイオン交換通路40が設けられる。
【0075】
吸着基層41の材料は、アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アクリル酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、アクリル酸グラフトポリプロピレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体ゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合体ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリセリルエーテル型エポキシ樹脂、グリセリンエステル型エポキシ樹脂、シリコーン型樹脂、ポリウレタン、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体及び以上の物質の改質物の少なくとも1種を含む。
【0076】
図10図12を参照すると、イオン交換通路40は吸着基層41において1つ又は複数配置されてもよく、例えば、イオン交換通路40は、吸着基層41においてアレイ状に配列されてもよく、各イオン交換通路40は同じ直径を有する。イオン交換通路40は、吸着基層41の厚さ方向に沿って吸着基層41に設置されてもよく、イオン交換通路40は、貫通孔又はブラインドホールであってもよく、イオン交換通路内の空間により多くの電解液を貯蔵し、吸着基層41の電解液の放出性能及びイオン伝導と拡散の性能を向上させることができる。これに限定されず、イオン交換通路40は、吸着基層41において非均一に配列されてもよく、及び/又は、イオン交換通路40は、異なる直径及び/又は深さを有してもよい。イオン交換通路40は吸着基層41を貫通し、且つ陰極活物質層又は陽極活物質層と直接接触することができ、イオンがイオン交換通路40内の電解液を介して陰極活物質層から脱出すること、及び陽極活物質層に嵌入することに有利であり、イオンの通過性を改善し、なお、イオン交換通路40内に多くの電解液を貯蔵して電解液の放出性能及びイオン伝導と拡散の性能を向上させることもでき、イオン交換通路40の配列方式と直径を調整することによって、吸着基層41の放出性能及びイオン伝導と拡散の性能を調節することができる。
【0077】
良好な電解液貯蔵性能と保持性能を提供するとともに、コストを節約するために、電解液吸着層4は、捲回方向L(即ち捲回軸線K)に沿って第5の端(上端)と第6の端(下端)を含み、電解液吸着層4の第5の端は陰極板1の陰極活物質層を超え、及び/又は、電解液吸着層4の第6の端は陰極活物質層を超え、即ち電解液吸着層4の第5の端は、捲回軸線Kに沿って陰極活物質層111の第3の端(上端)を超え、及び/又は、電解液吸着層4の第6の端は、捲回軸線Kに沿って陰極活物質層111の第4の端(下端)を超え、例えば、超えたサイズの範囲は0.2mm~5mmである。このように、可能な限り多くの電解液を陰極活物質層に保持し、電解液を陰極活物質層の表面においてゆっくりと放出し、電池セルのサイクル性能と寿命を増加させることができる。
【0078】
いくつかの実施例において、電解液吸着層4が吸着基層41からなる時、電解液吸着層4の空隙率は吸着基層41の空隙率であり、吸着基層の空隙率は、0<吸着基層の空隙率≦50%であり、例えば吸着基層の空隙率は、0.05%、0.08%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、30%、40%などの数値であってもよい。吸着基層の空隙率を調節することによって、吸着基層41の放出性能及びイオン伝導と拡散の性能を調節することができる。
【0079】
本出願の別の実施例において、図13に示すように、図10におけるB-B方向の断面構造概略図である。図13の実施例と図12に示される実施例との相違点は、陰極板1の2つの表面の陰極活物質層111の表面に、いずれも電解液吸着層4が設置されることである。電解液吸着層4の具体的な構造、付着方式及び位置は、図12に示すとおりである。図示されていないいくつかの実施例において、陽極板2又はセパレータ3の1つ又は2つの表面に電解液吸着層4を付着してもよく、電解液吸着層4の具体的な構造、付着方式と位置は、その陰極板1における付着方式と同じであり、具体的には図12又は13の構造を参照してもよい。
【0080】
図14に示すように、図14は、本出願の別の実施例における陰極板の構造概略図である。
【0081】
本実施例において、陰極板1の構造は図13における構造と同じである。本実施例の電解液吸着層4は吸着基層41と支持層42を含み、支持層42は吸着基層41の他方側に付着され、該他方側は、吸着基層41の極板に付着される側の反対側であり、図14に示すように、吸着基層41の他方側は陰極板1に付着され、イオン交換通路は厚さ方向に沿って支持層と吸着基層を貫通することができる。
【0082】
いくつかの実施例において、イオン交換通路40は支持層42と吸着基層41を貫通し、図14に示すとおりである。具体的には、吸着基層41に第1のイオン交換通路401が設けられ、支持層に第2のイオン交換通路402が設けられ、第1のイオン交換通路401と第2のイオン交換通路402は連通してイオン交換通路40を構成する。吸着基層41が一定の流動性を有し、極板の表面において移動し変形しやすく、さらに吸着基層41の分布の均一性に影響を与え、吸着基層41の、陰極板1、陽極板2又はセパレータ3に付着される側の反対側に支持層42を設置し、支持層42は、イオンを流動させるとともに、吸着基層41の流動と変形を抑制することができ、吸着基層41を極板の表面に均一に保持し、さらに電解液を均一に分布させる。イオン交換通路40は支持層と吸着基層を貫通し、イオン交換通路40を介して支持層42と吸着基層41を貫くことが可能になり、電解液の放出及びイオンの伝導と拡散に有利であり、電池のサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。
【0083】
いくつかの実施例において、第2のイオン交換通路402は支持層42において1つ又は複数配置されてもよく、例えば、第2のイオン交換通路402は、支持層42においてアレイ状に配列されてもよく、各第2のイオン交換通路402は同じ直径を有する。第2のイオン交換通路402は、支持層42の厚さ方向に沿って支持層42に設置されてもよく、第2のイオン交換通路402は貫通孔であり、第2のイオン交換通路402内の空間に多くの電解液を貯蔵し電解液の放出性能を向上させ、支持層42の電解液の放出及びイオン伝導と拡散の性能を向上させることができる。これに限定されず、第2のイオン交換通路402は、支持層42において非均一に配列されてもよく、及び/又は、第2のイオン交換通路402は、異なる直径を有してもよい。
【0084】
いくつかの実施例において、第1のイオン交換通路401は吸着基層41において1つ又は複数配置されてもよく、例えば、第1のイオン交換通路401は、吸着基層41においてアレイ状に配列されてもよく、各第1のイオン交換通路401は同じ直径を有する。第1のイオン交換通路401は、吸着基層41の厚さ方向に沿って吸着基層41に設置されてもよく、イオン交換通路40は、貫通孔又はブラインドホールであってもよく、第1のイオン交換通路401内の空間により多くの電解液を貯蔵し、吸着基層41の電解液の放出及びイオン伝導と拡散の性能を向上させることができる。任意選択的に、第1のイオン交換通路401の形状及び設置位置は、第2のイオン交換通路402の形状及び設置位置と対応し、第2のイオン交換通路402は、第1のイオン交換通路401と連通する。
【0085】
いくつかの実施例において、吸着基層41の材料は、アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アクリル酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、アクリル酸グラフトポリプロピレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体ゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合体ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリセリルエーテル型エポキシ樹脂、グリセリンエステル型エポキシ樹脂、シリコーン型樹脂、ポリウレタン、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体及び以上の物質の改質物の少なくとも1種を含む。
【0086】
いくつかの実施例において、支持層42の成分は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン-フッ化ビニリデン共重合体、テトラフルオロプロピレン-フッ化ビニリデン共重合体、トリフルオロクロロプロピレン-フッ化ビニリデン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン又はその共重合体、ポリアリレート、繊維、ナイロン、不織布及び以上の物質の改質物の少なくとも1種を含む。
【0087】
いくつかの実施例において、支持層42の厚さ≦50um、0<支持層42の空隙率≦50%、及び/又は支持層42の引張モジュラス≦100Mpaであり、ここで、支持層42の空隙率は、イオン交換通路40の総面積と支持層の面積との比である。ここで、イオン交換通路40の総面積は、1つ又は複数のイオン交換通路の面積の総和である。
【0088】
該実施例において、支持層42の厚さを≦50umに設定することで、陰極板1と陽極板2との間の隙間を合理的な範囲内に制御することができ、イオンの伝送に有利である。支持層42の空隙率を、0<支持層42の空隙率≦50%に設定し、例えば支持層42の空隙率は、0.05%、0.08%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、30%、40%などの数値であってもよい。電解液吸着層4が吸着基層41と支持層42からなる時、支持層42の空隙率は、電解液吸着層の空隙率とほぼ同等であってもよい。支持層42の空隙率を制御することによって、イオンをよりよく流動させるとともに、吸着基層41の流動と変形を抑制することができ、吸着基層41を陰極板1、陽極板2又はセパレータ3の表面に均一に保持し、さらに電解液を陰極板1、陽極板2又はセパレータ3の表面に長期的に安定して保持することで、電池のサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。支持層42の引張モジュラスは≦100Mpaであり、それによって支持層42は吸着基層41に対して良好な保持性能を具備する。
【0089】
図15では、本出願の別の実施例における陰極板の構造概略図が示されている。本実施例において、陰極板1の構造は図11と同じである。図15の実施例と図14の実施例との相違点は、陰極板1の両側にいずれも吸着基層41と支持層42が設けられることである。吸着基層41の一方側は、陰極板1の両側の陰極活物質層111の表面上、即ち陰極活物質層の表面に付着され、支持層42は、吸着基層41の他方側に付着される。
【0090】
図示されていないいくつかの実施例において、陽極板2又はセパレータ3の1つ又は2つの表面に吸着基層41と支持層42を付着してもよく、吸着基層41と支持層42の具体的な構造、及び陽極板2又はセパレータ3における付着方式と位置は、その陰極板における付着方式と同じであり、図図10図15の実施例の構造を参照してもよい。
【0091】
上記実施例は、電解液吸着層と、陰極板、陽極板、セパレータのそれぞれとの位置関係、及び電解液吸着層の構造的特徴を概略的に記述したものに過ぎず、電解液吸着層と、陰極板、陽極板、セパレータのそれぞれとの位置関係、及び電解液吸着層の構造的特徴をより明瞭にするために、以下は、捲回構造を有するいくつかの電極アセンブリについてそれぞれ詳細に説明する。
【0092】
図16に示すように、本出願の別の実施例において、電極アセンブリは、捲回で形成されても、Z字状のように連続して折り畳んで形成されても、該電極アセンブリはいずれもストレート領域と、該ストレート領域の両端を接続する折り曲げ領域とを含み、説明を簡潔にするために、本実施例の電極アセンブリについては、扁平体の捲回構造を例として説明し、例えば、該扁平体捲回構造のそのうち1つの折り曲げ領域Cとストレート領域Pの構造は図16に示すとおりであってもよく、それは本出願の一実施例による電極アセンブリの折り曲げ領域の局所構造概略図であり、電極アセンブリは、その折り曲げ領域Cにおいて、陰極板1、陽極板2、及び陰極板1と陽極板2を隔離するためのセパレータ3を含み、ここで、セパレータ3は、隣接する陰極板1と陽極板2との間に独立して位置してもよく、陰極板1又は陽極板2の表面に塗布されてもよい。本出願の別の実施例において、1枚のセパレータ3、1枚の陰極板1、もう1枚のセパレータ3及び1枚の陽極板2を積層してから捲回するか又は折り畳んでもよく、少なくとも1枚(例えば、2枚以上)の陰極板1、少なくとも1枚(例えば、2枚以上)の陽極板2及び少なくとも2枚のセパレータ(例えば4枚以上、セパレータの数は陰極板又は陽極板の枚数の2倍である)を積層してから捲回するか又は折り畳んで、折り曲げ領域Cを形成してもよく、電極アセンブリが折り曲げ領域Cにおいて多層の陰極板1、多層の陽極板2及び多層のセパレータ3を有する場合、折り曲げ領域Cは、陰極板1、セパレータ3及び陽極板2と交互に分布する構造を含み、電解液吸着層4は、陰極板1の1つの表面又は2つの表面に付着され、及び/又は、陽極板2の1つの表面又は2つの表面に付着され、及び/又はセパレータ3の1つの表面又は2つの表面に付着される。このように設置することによって、少なくとも一層の隣接する陰極板1と陽極板2との間は、電解液吸着層4を含む。折り曲げ領域Cに隣接する陰極板1と陽極板2とは、該折り曲げ領域C内において、一層の陰極板1と一層の陽極板2とが隣接し、且つそれらの間にはもう一層の陰極板1又はもう一層の陽極板2を含まないものを指す。
【0093】
電極アセンブリが捲回構造を有する場合、陰極板1及び陽極板2の幅方向は捲回軸線Kに平行するとともに、陰極板1及び陽極板2の幅方向は捲回方向Lに垂直な方向と平行する。電極アセンブリが捲回構造を有しない場合、陰極板1及び陽極板2の幅方向は捲回方向Lに垂直な方向と平行し、以下、説明を簡略にするために、本実施例では、陰極板1及び陽極板2の幅方向、捲回方向Lに垂直な方向及び捲回軸線Kを捲回軸線Kと総称する。
【0094】
図16に示すように、いくつかの実施例において、陰極板1、セパレータ3と陽極板2は捲回によって折り曲げ領域Cを形成し、電解液吸着層4は、陰極板1、陽極板2とセパレータ3の少なくとも1つの表面の折り曲げ領域Cに沿って配置するように構成される。即ち、電解液吸着層4は、陰極板1、陽極板及び/又はセパレータの一部の表面に付着されてもよい。
【0095】
該実施例では、折り曲げ領域Cにおいて、陰極板1と陽極板2との間は大きな隙間を有し、折り曲げ領域Cに電解液吸着層4を設置することで、より良好な電解液貯蔵と緩慢放出の効果を実現することができる。該実施例において、陰極板1、陽極板2とセパレータ3の少なくとも1つの表面の折り曲げ領域C内に電解液吸着層4の少なくとも一部を配置することで、電解液が吸着される電解液吸着層4は、折り曲げ領域C内の陰極板1と陽極板2との間の隙間を充填し、折り曲げ領域Cにおいて電解液を保持しゆっくりと放出することによって、サイクル過程で消耗された電解液を補充することができ、イオンの伝導と拡散に有利であり、さらに電池セルの性能を向上させる。電解液吸着層に厚さ方向に沿って設置されるイオン交換通路が設けられ、電解液の放出及びイオンの伝導と拡散に有利であり、電池セルのサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。陰極板1、陽極板2とセパレータ3の少なくとも1つの表面の折り曲げ領域C内に電解液吸着層4の少なくとも一部を配置することは、具体的には、電解液吸着層4の全体が陰極板1、陽極板2とセパレータ3の少なくとも1つの表面の折り曲げ領域C内に位置するか、又は電解液吸着層4の一部が陰極板1、陽極板2とセパレータ3の少なくとも1つの表面の折り曲げ領域C内に位置し、一部が該領域外のストレート領域Pに位置することを指す。なお、陰極板1及び/又は陽極板2の表面の折り曲げ領域Cに電解液吸着層を配置することで、電解液吸着層4は、陰極板1上の陰極活物質層及び/又は陽極板2上の陽極活物質層を補強し、陰極板1上の陰極活物質層及び/又は陽極板2上の陽極活物質層が折り曲げにより断裂する状況の発生を低減させ、さらに電池セルの性能を向上させることができる。
【0096】
本出願の別の実施例において、電解液吸着層4の捲回方向Lに沿って延伸する両端はいずれも折り曲げ領域Cに位置し、即ち電解液吸着層4全体が折り曲げ領域Cに位置する。本実施例において、電極アセンブリは折り曲げ領域Cに接続されるストレート領域Pをさらに含み、捲回方向Lとは、折り曲げ領域Cの曲面に沿って且つストレート領域Pに向かう方向を指し、捲回方向Lに垂直な方向とは、捲回方向Lに垂直である方向を指す。
【0097】
本出願の別の実施例において、電解液吸着層4の捲回方向Lに沿って延伸する一端はストレート領域Pに位置し、他端は折り曲げ領域Cに位置する。
【0098】
本出願の別の実施例において、折り曲げ領域Cの電解液貯蔵と保持性能を改善するために、電解液吸着層4は、折り曲げ領域Cにおいて可能な限り大きな面積を有し、例えば、電解液吸着層4の捲回方向Lに沿って延伸する両端はいずれもストレート領域Pに位置し、即ち電解液吸着層4は、折り曲げ領域Cのほかに、ストレート領域Pにまで延伸する。
【0099】
本出願の別の実施例において、電解液吸着層4の捲回方向Lに沿って延伸する両端はいずれも折り曲げ領域Cとストレート領域Pとの境界に位置するか、又は電解液吸着層4の捲回方向Lに沿って延伸する両端はいずれも折り曲げ領域Cとストレート領域Pとの境界に近接する。
【0100】
図17に示すように、図17は、本出願の別の実施例による、扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。電極アセンブリは、陽極板91、陰極板92、セパレータ93、第1の電解液吸着層94、第2の電解液吸着層95及び第3の電解液吸着層96を含み、ここで、セパレータ93は、陽極板91と陰極板92との間に位置し、セパレータ93は2枚であり、図17の電極アセンブリの断面図において捲回する2本の破線によって表われ、陽極板91、陰極板92とセパレータ93を重ねてから、捲回軸線周りに捲回して扁平体形状の捲回構造を形成する。図18に示すにように、図18は、図17における陰極板92の展開後の構造概略図であり、第2の電解液吸着層95の陰極板92における付着位置が示されている。
【0101】
本実施例の陽極板91、陰極板92、セパレータ93及び電解液吸着層94~96の関連する技術的特徴については、前述した図1図15に対応する実施例の説明を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0102】
本実施例において、電極アセンブリの捲回構造は、ストレート領域9Aと、ストレート領域9Aの両側に位置する第1の折り曲げ領域9B1と第2の折り曲げ領域9B2とを含み、ここで、ストレート領域9Aと、第1の折り曲げ領域9B1及び第2の折り曲げ領域9B2の各々との区分は、それぞれ直線と破線によって区分される。
【0103】
電極アセンブリの第1の折り曲げ領域9B1と第2の折り曲げ領域9B2に含まれる陽極板91と陰極板92は順次交互に積層され、隣接する陽極板91と陰極板92との間はセパレータ93を有し、ここで、第1の折り曲げ領域9B1と第2の折り曲げ領域9B2の最内側の極板はいずれも陽極板91であり、第1の折り曲げ領域9B1と第2の折り曲げ領域9B2の少なくとも最内側の陰極板92の内側表面に電解液吸着層が設けられ(例えば、付着され)、例えば、第1の折り曲げ領域9B1と第2の折り曲げ領域9B2の各層の陰極板92の内側表面に電解液吸着層が設けられる(例えば、付着される)。本実施例において、陰極板92の内側表面とは、陰極板92の捲回軸線に向かう表面、又は捲回構造の内部に向かう表面を指す。
【0104】
例えば、第1の折り曲げ領域9B1は複数層の極板、例えば3層の極板を有し、第1の折り曲げ領域9B1の最内層(第1層と呼ばれてもよい)と最外層(第3層と呼ばれてもよい)の極板はいずれも陽極板91であり、最内層極板と最外層極板との間の極板(第2層の極板と呼ばれてもよい)は陰極板92であり、該陰極板92は第1の折り曲げ領域9B1の最内側の陰極板であり、第1の電解液吸着層94は第1の折り曲げ領域9B1の陰極板92の内側表面に付着される。
【0105】
第2の折り曲げ領域9B2は複数層の極板、例えば5層の極板を有し、捲回構造の内から外に向かう方向に沿って、第2の折り曲げ領域9B2の陽極板91と陰極板92は順次交互に積層され、第2の折り曲げ領域9B2の最内層の極板は陽極板91であり、第2の折り曲げ領域9B2の各層の陰極板92の内側表面に電解液吸着層が付着される。
【0106】
例えば、捲回構造の内から外に向かう方向に沿って、第2の折り曲げ領域9B2は順次第1層、第2層、第3層、第4層と第5層の極板を含み、第1層、第3層と第5層の極板は陽極板91であり、第2層と第4層の極板は陰極板92であり、第2の折り曲げ領域9B2の各層の陰極板92の内側表面にいずれも電解液吸着層が付着される。例えば、第2の電解液吸着層95は、第2の折り曲げ領域9B2の第2層の極板(それは陰極板92である)の内側表面に付着される。第3の電解液吸着層96は、第2の折り曲げ領域9B2の第4層の極板(それは陰極板92である)の内側表面に付着される。
【0107】
本実施例において、第1の電解液吸着層94、第2の電解液吸着層95及び第3の電解液吸着層96の捲回方向Lに沿う両端は、それぞれ折り曲げ領域とストレート領域との境界に位置し、例えば、第1の電解液吸着層94の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第1の折り曲げ領域9B1とストレート領域9Aとの境界に位置し、第2の電解液吸着層95及び第3の電解液吸着層96の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第2の折り曲げ領域9B2とストレート領域9Aとの境界に位置する。
【0108】
本実施例において、第1の電解液吸着層94、第2の電解液吸着層95及び第3の電解液吸着層96の機能、構造と分布方式などの関連内容については、いずれも前述した図1図15の実施例に説明された電解液吸着層の関連内容を参照してよく、ここでは説明を省略する。
【0109】
図19に示すように、図19は、本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。電極アセンブリは、陽極板1001、陰極板1002、セパレータ1003、第1の電解液吸着層1004、第2の電解液吸着層1005及び第3の電解液吸着層1006を含み、ここで、セパレータ1003は、陽極板1001と陰極板1002との間に位置し、陽極板1001、陰極板1002とセパレータ1003を重ねてから、捲回軸線周りに捲回して扁平体形状の捲回構造を形成する。
【0110】
本実施例の陽極板1001、陰極板1002及びセパレータ1003の関連する技術的特徴については、前述した図1図15に対応する実施例の説明を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0111】
本実施例において、電極アセンブリの捲回構造は、ストレート領域10Aと、ストレート領域10Aの両側に位置する第1の折り曲げ領域10B1と第2の折り曲げ領域10B2とを含む。
【0112】
本実施例の電極アセンブリは、図17図18に対応する実施例に説明された電極アセンブリとほぼ類似しており、その相違点として以下のとおりであってもよい。
【0113】
第1の折り曲げ領域10B1と第2の折り曲げ領域10B2の少なくとも最内側の陰極板1002の外側表面に電解液吸着層が設けられ(例えば、付着され)、例えば、第1の折り曲げ領域10B1と第2の折り曲げ領域10B2の各層の陰極板1002の外側表面にいずれも電解液吸着層が設けられる(例えば、付着される)。本実施例において、陰極板1002の外側表面とは、陰極板1002の捲回軸線に背向する表面、又は捲回構造の内部に背向する表面を指す。
【0114】
例えば、第1の電解液吸着層1004は、第1の折り曲げ領域10B1の陰極板1002の外側表面に付着される。
【0115】
例えば、第2の電解液吸着層1005は、第2の折り曲げ領域10B2の第2層の極板(それは陰極板1002である)の外側表面に付着される。第3の電解液吸着層1006は、第2の折り曲げ領域10B2の第4層の極板(それは陰極板1002である)の外側表面に付着される。
【0116】
本実施例において、第1の電解液吸着層1004の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第1の折り曲げ領域10B1とストレート領域10Aとの境界に位置し、第2の電解液吸着層1005及び第3の電解液吸着層1006の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第2の折り曲げ領域10B2とストレート領域10Aとの境界に位置する。
【0117】
本実施例において、第1の電解液吸着層1004、第2の電解液吸着層1005及び第3の電解液吸着層1006の機能、構造と分布方式などの関連内容については、前述した図1図15の実施例に説明された電解液吸着層の関連内容を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0118】
図20に示すように、図20は、本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。電極アセンブリは、陽極板1101、陰極板1102、セパレータ1103、第1の電解液吸着層1104、第2の電解液吸着層1105、第3の電解液吸着層1106、第4の電解液吸着層1107及び第5の電解液吸着層1108を含み、ここで、セパレータ1103は、陽極板1101と陰極板1102との間に位置し、陽極板1101、陰極板1102とセパレータ1103を重ねてから、捲回軸線周りに捲回して扁平体形状の捲回構造を形成する。
【0119】
本実施例の陽極板1101、陰極板1102及びセパレータ1103の関連する技術的特徴については、前述した図1図15に対応する実施例の説明を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0120】
本実施例において、電極アセンブリの捲回構造は、ストレート領域11Aと、ストレート領域11Aの両側に位置する第1の折り曲げ領域11B1と第2の折り曲げ領域11B2とを含む。
【0121】
本実施例の電極アセンブリは、図17図18に対応する実施例に説明された電極アセンブリとほぼ類似しており、その相違点として以下のとおりであってもよい。
【0122】
第1の折り曲げ領域11B1と第2の折り曲げ領域11B2の少なくとも最内側の陽極板1101の内側表面に電解液吸着層が設けられ(例えば、付着され)、例えば、第1の折り曲げ領域11B1と第2の折り曲げ領域11B2の各層の陽極板1101の内側表面にいずれも電解液吸着層が設けられる。本実施例において、陽極板1101の内側表面とは、陽極板1101の捲回軸線に向かう表面、又は捲回構造の内部に向かう表面を指す。
【0123】
例えば、第1の電解液吸着層1104は、第1の折り曲げ領域11B1の最内層の極板(それは陽極板1101である)の内側表面に付着され、第2の電解液吸着層1105は、最外層の極板(それは陽極板1101である)の内側表面に付着される。
【0124】
例えば、第3の電解液吸着層1106は、第2の折り曲げ領域11B2の第1層の極板(それは陽極板1101である)の内側表面に付着される。第4の電解液吸着層1107は、第2の折り曲げ領域11B2の第3層の極板(それは陽極板1101である)の内側表面に付着される。第5の電解液吸着層1108は、第2の折り曲げ領域11B2の第5層の極板(それは陽極板1101である)の内側表面に付着される。
【0125】
本実施例において、第1の電解液吸着層1104と第2の電解液吸着層1105の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第1の折り曲げ領域11B1とストレート領域11Aとの境界に位置し、第3の電解液吸着層1106、第4の電解液吸着層1107及び第5の電解液吸着層1108の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第2の折り曲げ領域11B2とストレート領域11Aとの境界に位置する。
【0126】
本実施例において、第1の電解液吸着層1104、第2の電解液吸着層1105、第3の電解液吸着層1106、第4の電解液吸着層1107及び第5の電解液吸着層1108の機能、構造と分布方式などの関連内容については、いずれも前述した図1図15の実施例に説明された電解液吸着層の関連内容を参照してよく、ここでは説明を省略する。
【0127】
図21に示すように、図21は、本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。電極アセンブリは、陽極板1201、陰極板1202、セパレータ1203、第1の電解液吸着層1204、第2の電解液吸着層1205、第3の電解液吸着層1206、第4の電解液吸着層1207及び第5の電解液吸着層1208を含み、ここで、セパレータ1203は、陽極板1201と陰極板1202との間に位置し、陽極板1201、陰極板1202とセパレータ1203を重ねてから、捲回軸線周りに捲回して扁平体形状の捲回構造を形成する。
【0128】
本実施例の陽極板1201、陰極板1202及びセパレータ1203の関連する技術的特徴については、前述した図1図15に対応する実施例の説明を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0129】
本実施例において、電極アセンブリの捲回構造は、ストレート領域12Aと、ストレート領域12Aの両側に位置する第1の折り曲げ領域12B1と第2の折り曲げ領域12B2とを含む。
【0130】
本実施例の電極アセンブリは、図17図18に対応する実施例に説明された電極アセンブリとほぼ類似しており、その相違点として以下のとおりであってもよい。
【0131】
第1の折り曲げ領域12B1と第2の折り曲げ領域12B2の少なくとも最内側の陽極板1201の外側表面に電解液吸着層が設けられ(例えば、付着され)、例えば、第1の折り曲げ領域12B1と第2の折り曲げ領域12B2の各層の陽極板1201の外側表面にいずれも電解液吸着層が設けられる。本実施例において、陽極板1201の外側表面とは、陽極板1201の捲回軸線に背向する表面、又は捲回構造の内部に背向する表面を指す。
【0132】
例えば、第1の電解液吸着層1204は、第1の折り曲げ領域12B1の最内層の極板(それは陽極板1201である)の外側表面に付着され、第2の電解液吸着層1205は、最外層の極板(それは陽極板1201である)の外側表面に付着される。
【0133】
例えば、第3の電解液吸着層1206は、第2の折り曲げ領域12B2の第1層の極板(それは陽極板1201である)の外側表面に付着される。第4の電解液吸着層1207は、第2の折り曲げ領域12B2の第3層の極板(それは陽極板1201である)の外側表面に付着される。第5の電解液吸着層1208は、第2の折り曲げ領域12B2の第5層の極板(それは陽極板1201である)の外側表面に付着される。
【0134】
本実施例において、第1の電解液吸着層1204と第2の電解液吸着層1205の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第1の折り曲げ領域12B1とストレート領域12Aとの境界に位置し、第3の電解液吸着層1206、第4の電解液吸着層1207及び第5の電解液吸着層1208の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第2の折り曲げ領域12B2とストレート領域12Aとの境界に位置する。
【0135】
本実施例において、第1の電解液吸着層1204、第2の電解液吸着層1205、第3の電解液吸着層1206、第4の電解液吸着層1207及び第5の電解液吸着層1208の機能、構造と分布方式などの関連内容については、いずれも前述した図1図15の実施例に説明された電解液吸着層の関連内容を参照してよく、ここでは説明を省略する。
【0136】
図22に示すように、図22は、本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。電極アセンブリは、陽極板1301、陰極板1302、セパレータ1303及び複数の電解液吸着層1304を含み、ここで、セパレータ1303は、陽極板1301と陰極板1302との間に位置し、陽極板1301、陰極板1302とセパレータ1303を重ねてから、捲回軸線周りに捲回して扁平体形状の捲回構造を形成する。
【0137】
本実施例の陽極板1301、陰極板1302及びセパレータ1303の関連する技術的特徴については、前述した図1図15に対応する実施例の説明を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0138】
本実施例において、電極アセンブリの捲回構造は、ストレート領域13Aと、ストレート領域13Aの両側に位置する第1の折り曲げ領域13B1と第2の折り曲げ領域13B2とを含む。
【0139】
本実施例の電極アセンブリは、図17図18に対応する実施例に説明された電極アセンブリとほぼ類似しており、その相違点として以下のとおりであってもよい。
【0140】
第1の折り曲げ領域13B1と第2の折り曲げ領域13B2の少なくとも最内側のセパレータ1303の内側表面に電解液吸着層1304が付着され、例えば、第1の折り曲げ領域13B1と第2の折り曲げ領域13B2の各層のセパレータ1303の内側表面に電解液吸着層1304が付着される。本実施例において、セパレータ1303の内側表面とは、セパレータ1303の捲回軸線に向かう表面、又は捲回構造の内部に向かう表面を指す。
【0141】
本実施例において、第1の折り曲げ領域13B1の各電解液吸着層1304の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第1の折り曲げ領域13B1とストレート領域13Aとの境界に位置し、第2の折り曲げ領域13B2の各電解液吸着層1304の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第2の折り曲げ領域12B2とストレート領域12Aとの境界に位置する。
【0142】
本実施例において、第1の折り曲げ領域13B1と第2の折り曲げ領域13B2の、陰極板1302又は陽極板1301に隣接するセパレータ1303の内側表面に電解液吸着層1304が付着され、それによって電解液吸着層は、隣接する陰極板1302又は陽極板1301のために電解液を補充することができる。
【0143】
本実施例において、各電解液吸着層1304の機能、構造と分布方式などの関連内容については、いずれも前述した図1図15の実施例に説明された電解液吸着層の関連内容を参照してよく、ここでは説明を省略する。
【0144】
図23に示すように、図23は、本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。電極アセンブリは、陽極板1401、陰極板1402、セパレータ1403及び複数の電解液吸着層1404を含み、ここで、セパレータ1403は、陽極板1401と陰極板1402との間に位置し、陽極板1401、陰極板1402とセパレータ1403を重ねてから、捲回軸線周りに捲回して扁平体形状の捲回構造を形成する。
【0145】
本実施例の陽極板1401、陰極板1402及びセパレータ1403の関連する技術的特徴については、前述した図1図15に対応する実施例の説明を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0146】
本実施例において、電極アセンブリの捲回構造は、ストレート領域14Aと、ストレート領域14Aの両側に位置する第1の折り曲げ領域14B1と第2の折り曲げ領域14B2とを含む。
【0147】
本実施例の電極アセンブリは、図17に対応する実施例に説明された電極アセンブリとほぼ類似しており、その相違点として以下のとおりであってもよい。
【0148】
第1の折り曲げ領域14B1と第2の折り曲げ領域14B2の少なくとも最内側のセパレータ1403の外側表面に電解液吸着層1404が付着され、例えば、第1の折り曲げ領域14B1と第2の折り曲げ領域14B2の各層のセパレータ1403の外側表面に電解液吸着層1404が付着される。本実施例において、セパレータ1403の外側表面とは、セパレータ1403の捲回軸線に背向する表面、又は捲回構造の内部に背向する表面を指す。
【0149】
本実施例において、第1の折り曲げ領域14B1の各電解液吸着層1404の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第1の折り曲げ領域14B1とストレート領域14Aとの境界に位置し、第2の折り曲げ領域14B2の各電解液吸着層1404の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第2の折り曲げ領域14B2とストレート領域14Aとの境界に位置する。
【0150】
本実施例において、第1の折り曲げ領域14B1と第2の折り曲げ領域14B2の、陰極板1402又は陽極板1401に隣接するセパレータ1403の外側表面に電解液吸着層1404が付着され、それによって電解液吸着層は、隣接する陰極板1402又は陽極板1401のために電解液を補充することができる。
【0151】
本実施例において、各電解液吸着層1404の機能、構造と分布方式などの関連内容については、いずれも前述した図1図15の実施例に説明された電解液吸着層の関連内容を参照してよく、ここでは説明を省略する。
【0152】
図示されていないいくつかの実施例において、第1の折り曲げ領域と第2の折り曲げ領域の、陰極板又は陽極板に隣接するセパレータの内側表面及び外側表面に、いずれも電解液吸着層の少なくとも一部を付着してもよく、それによって電解液吸着層は、隣接する陰極板又は陽極板のために電解液を補充することができる。
【0153】
上記実施例において、第1の折り曲げ領域と第2の折り曲げ領域の、陰極板又は陽極板に隣接するセパレータとは、具体的には、第1の折り曲げ領域と第2の折り曲げ領域において、陽極板の内側及び/又は外側に位置するセパレータ、又は陰極板の内側及び/又は外側に位置するセパレータを指す。
【0154】
図示されていないいくつかの実施例において、陰極板の1回目の折り曲げ部位及び2回目の折り曲げ部位に隣接するセパレータの折り曲げ部位と、陽極板の1回目の折り曲げ部位及び2回目の折り曲げ部位に隣接するセパレータの折り曲げ部位の少なくとも一方の内側表面及び/又は外側表面に、いずれも電解液吸着層の少なくとも一部が付着される。具体的には、陰極板の1回目の折り曲げ部位の内側及び/又は外側のセパレータ、及び陰極板の2回目の折り曲げ部位の内側及び/又は外側のセパレータに、電解液吸着層の少なくとも一部を設置してもよく、電解液吸着層は、セパレータの内側表面及び/又は外側表面に設置されてもよい。又は、陽極板の1回目の折り曲げ部位の内側及び/又は外側のセパレータ、及び2回目の折り曲げ部位の内側及び/又は外側のセパレータに、電解液吸着層の少なくとも一部を設置してもよく、電解液吸着層は、セパレータの内側表面及び/又は外側表面に設置されてもよい。
【0155】
第1の折り曲げ領域及び第2の折り曲げ領域のセパレータに電解液吸着層の少なくとも一部を設置することで、陰極板と陽極板との間の、隙間が大きい1回目と2回目の折り曲げ部位に対して、1回目と2回目の折り曲げ部位の電解液の均一性を向上させることができ、電池セルのエネルギー密度に対する影響を軽減するとともに、電池セルの性能を向上させる。図24に示すように、図24は、本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。電極アセンブリは、陽極板1501、陰極板1502、セパレータ1503及び複数の電解液吸着層1504を含み、ここで、セパレータ1503は、陽極板1501と陰極板1502との間に位置し、陽極板1501、陰極板1502とセパレータ1503を重ねてから、捲回軸線周りに捲回して扁平体形状の捲回構造を形成する。
【0156】
本実施例の陽極板1501、陰極板1502及びセパレータ1503の関連する技術的特徴については、前述した図1図15に対応する実施例の説明を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0157】
本実施例において、電極アセンブリの捲回構造は、ストレート領域15Aと、ストレート領域15Aの両側に位置する第1の折り曲げ領域15B1と第2の折り曲げ領域15B2とを含む。
【0158】
本実施例の電極アセンブリは、図17図18に対応する実施例に説明された電極アセンブリとほぼ類似しており、その相違点として以下のとおりであってもよい。
【0159】
電極アセンブリの第1の折り曲げ領域15B1と第2の折り曲げ領域15B2に含まれる陽極板1501と陰極板1502は順次交互に積層され、第1の折り曲げ領域15B1と第2の折り曲げ領域15B2の、任意の隣接する陽極板1501と陰極板1502との間は、セパレータ1503を有し、ここで、第1の折り曲げ領域15B1と第2の折り曲げ領域15B2の最内側の極板はいずれも陽極板1501であり、第1の折り曲げ領域15B1と第2の折り曲げ領域15B2の少なくとも最内側の陰極板1502の内側表面と外側表面に、いずれも電解液吸着層1504が設けられ、例えば、第1の折り曲げ領域15B1と第2の折り曲げ領域15B2の各層の陰極板1502の内側表面と外側表面に、いずれも電解液吸着層1504が設けられる。本実施例において、陰極板1502の内側表面とは、陰極板1502の捲回軸線に向かう表面、又は捲回構造の内部に向かう表面を指し、陰極板1502の外側表面とは、陰極板1502の捲回軸線に背向する表面、又は捲回構造の内部に背向する表面を指す。
【0160】
例えば、第1の折り曲げ領域15B1は複数層の極板、例えば3層の極板を有し、第1の折り曲げ領域15B1の最内層(第1層と呼ばれてもよい)と最外層(第3層と呼ばれてもよい)の極板はいずれも陽極板1501であり、第1の折り曲げ領域15B1の最内層極板と最外層極板との間の極板(第2層の極板と呼ばれてもよい)は陰極板1502であり、第1の折り曲げ領域15B1の陰極板1502の内側表面と外側表面に、いずれも電解液吸着層1504が設けられる(例えば、付着される)。
【0161】
第2の折り曲げ領域15B2は複数層の極板、例えば5層の極板を有し、捲回構造の内から外に向かう方向に沿って、第2の折り曲げ領域15B2の陽極板1501と陰極板1502は順次交互に積層され、第2の折り曲げ領域15B2の最内層の極板は陽極板1501であり、第2の折り曲げ領域15B2の各層の陰極板1502の内側表面と外側表面に、いずれも電解液吸着層1504が設けられる(例えば、付着される)。
【0162】
例えば、捲回構造の内から外に向かう方向に沿って、第2の折り曲げ領域15B2は順次第1層、第2層、第3層、第4層と第5層の極板を含み、第1層、第3層と第5層の極板は陽極板1501であり、第2層と第4層の極板は陰極板1502であり、第2の折り曲げ領域15B2の第2層と第4層の極板の内側表面及び外側表面に、いずれも電解液吸着層1504が設けられる。
【0163】
本実施例において、各電解液吸着層1504の捲回方向Lに沿う両端は、ぞれぞれ折り曲げ領域とストレート領域との境界に位置し、例えば、第1の折り曲げ領域15B1の各電解液吸着層1504の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第1の折り曲げ領域15B1とストレート領域15Aとの境界に位置し、第2の折り曲げ領域15B2の各電解液吸着層1504の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第2の折り曲げ領域15B2とストレート領域15Aとの境界に位置する。
【0164】
本実施例において、各電解液吸着層1504の機能、構造と分布方式などの関連内容については、いずれも前述した図1図15の実施例に説明された電解液吸着層の関連内容を参照してよく、ここでは説明を省略する。
【0165】
図25では、本出願の別の実施例による、扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図が示されている。電極アセンブリは、陽極板1601、陰極板1602、セパレータ1603、第1の電解液吸着層1604、第2の電解液吸着層1605及び第3の電解液吸着層1606を含み、ここで、セパレータ1603は、陽極板1601と陰極板1602との間に位置し、陽極板1601、陰極板1602とセパレータ1603を重ねてから、捲回軸線周りに捲回して扁平体形状の捲回構造を形成する。
【0166】
本実施例の陽極板1601、陰極板1602及びセパレータ1603の関連する技術的特徴については、前述した図1図15に対応する実施例の説明を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0167】
本実施例の電極アセンブリは、図17図18に対応する実施例に説明された電極アセンブリとほぼ類似しており、その相違点として以下のとおりであってもよい。
【0168】
本実施例において、電極アセンブリの捲回構造は、第1のストレート領域16A1、第2のストレート領域16A2、第1の折り曲げ領域16B1及び第2の折り曲げ領域16B2を含み、第1のストレート領域16A1と第2のストレート領域16A2は対向して設置され、第1の折り曲げ領域16B1と第2の折り曲げ領域16B2は対向して設置され、第1の折り曲げ領域16B1の両端は、それぞれ第1のストレート領域16A1と第2のストレート領域16A2の同一側の端部に接続され、第2の折り曲げ領域16B2の両端は、それぞれ第1のストレート領域16A1と第2のストレート領域16A2の同一の他方側の端部に接続される。
【0169】
電極アセンブリの第1の折り曲げ領域16B1と第2の折り曲げ領域16B2に含まれる陽極板1601と陰極板1602は順次交互に積層され、隣接する陽極板1601と陰極板1602との間はセパレータ1603を有し、ここで、第1の折り曲げ領域16B1と第2の折り曲げ領域16B2の最内側の極板はいずれも陽極板1601であり、第1の折り曲げ領域16B1と第2の折り曲げ領域16B2の少なくとも最内側の陰極板1602の内側表面に電解液吸着層が設けられ(例えば、付着され)、例えば、第1の折り曲げ領域16B1と第2の折り曲げ領域16B2の各層の陰極板1602の内側表面に電解液吸着層が設けられる(例えば、付着される)。本実施例において、陰極板1602の内側表面とは、陰極板1602の捲回軸線に向かう表面、又は捲回構造の内部に向かう表面を指す。
【0170】
例えば、第1の折り曲げ領域16B1は複数層の極板、例えば3層の極板を有し、第1の折り曲げ領域16B1の最内層(第1層と呼ばれてもよい)と最外層(第3層と呼ばれてもよい)の極板はいずれも陽極板1601であり、最内層極板と最外層極板との間の極板(第2層の極板と呼ばれてもよい)は陰極板1602であり、第1の電解液吸着層1604は第1の折り曲げ領域16B1の陰極板1602の内側表面に付着される。
【0171】
例えば、第2の折り曲げ領域16B2は複数層の極板、例えば5層の極板を有し、捲回構造の内から外に向かう方向に沿って、第2の折り曲げ領域16B2の陽極板1601と陰極板1602は順次交互に積層され、第2の折り曲げ領域16B2の最内層の極板は陽極板1601であり、第2の折り曲げ領域16B2の各層の陰極板1602の内側表面に電解液吸着層が付着される。
【0172】
例えば、捲回構造の内から外に向かう方向に沿って、第2の折り曲げ領域16B2は順次第1層、第2層、第3層、第4層と第5層の極板を含み、第1層、第3層と第5層の極板は陽極板1601であり、第2層と第4層の極板は陰極板1602であり、第2の電解液吸着層1605は、第2の折り曲げ領域16B2の最内側の隣接する陽極板1601と陰極板1602のうち陰極板1602の内側表面に付着され、即ち第2の電解液吸着層1605は、第2の折り曲げ領域16B2の第2層の極板(それは陰極板1602である)の内側表面に付着される。第3の電解液吸着層1606は、第2の折り曲げ領域16B2の第4層の極板(それは陰極板1602である)の内側表面に付着される。
【0173】
本実施例において、第1の電解液吸着層1604は、捲回方向Lに沿って第1の端と第2の端を含み、第1の電解液吸着層1604の第1の端は第1の折り曲げ領域16B1に位置し、第1の電解液吸着層1604の第2の端は第1のストレート領域16A1に位置する。第2の電解液吸着層1605は、捲回方向Lに沿って第1の端と第2の端を含み、第2の電解液吸着層1605の第1の端は第2の折り曲げ領域16B2に位置し、第2の電解液吸着層1605の第2の端は第2のストレート領域16A2に位置する。第3の電解液吸着層1606は、捲回方向Lに沿って第1の端と第2の端を含み、第3の電解液吸着層1606の第1の端は第2の折り曲げ領域16B2に位置し、第3の電解液吸着層1606の第2の端は第2のストレート領域16A2に位置する。本出願の別の実施例において、第3の電解液吸着層1606の第1の端は第2の折り曲げ領域16B2に位置し、第3の電解液吸着層1606の第2の端は第1のストレート領域16A1に位置してもよい。
【0174】
本実施例において、第1の電解液吸着層1604、第2の電解液吸着層1605及び第3の電解液吸着層1606の機能、構造と分布方式などの関連内容については、いずれも前述した図1図15の実施例に説明された電解液吸着層の関連内容を参照してよく、ここでは説明を省略する。
【0175】
図26に示すように、図26は、本出願の別の実施例による、扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。電極アセンブリは、陽極板1701、陰極板1702、セパレータ1703、第1の電解液吸着層1704、第2の電解液吸着層1705及び第3の電解液吸着層1706を含み、ここで、セパレータ1703は、陽極板1701と陰極板1702との間に位置し、陽極板1701、陰極板1702とセパレータ1703を重ねてから、捲回軸線周りに捲回して扁平体形状の捲回構造を形成する。
【0176】
本実施例の陽極板1701、陰極板1702及びセパレータ1703の関連する技術的特徴については、前述した図1図15に対応する実施例の説明を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0177】
本実施例の電極アセンブリは、図17図18に対応する実施例に説明された電極アセンブリとほぼ類似しており、その相違点として以下のとおりであってもよい。
【0178】
本実施例において、電極アセンブリの捲回構造は、第1のストレート領域17A1、第2のストレート領域17A2、第1の折り曲げ領域17B1及び第2の折り曲げ領域17B2を含み、第1のストレート領域17A1と第2のストレート領域17A2は対向して設置され、第1の折り曲げ領域17B1と第2の折り曲げ領域17B2は対向して設置され、第1の折り曲げ領域17B1の両端は、それぞれ第1のストレート領域17A1と第2のストレート領域17A2の同一側の端部に接続され、第2の折り曲げ領域17B2の両端は、それぞれ第1のストレート領域17A1と第2のストレート領域17A2の同一の他方側の端部に接続される。
【0179】
電極アセンブリの第1の折り曲げ領域17B1と第2の折り曲げ領域17B2に含まれる陽極板1701と陰極板1702は順次交互に積層され、隣接する陽極板1701と陰極板1702との間はセパレータ1703を有し、ここで、第1の折り曲げ領域17B1と第2の折り曲げ領域17B2の最内側の極板はいずれも陽極板1701であり、第1の折り曲げ領域17B1と第2の折り曲げ領域17B2の少なくとも最内側の陰極板1702の内側表面に電解液吸着層が設けられ(例えば、付着され)、例えば、第1の折り曲げ領域17B1と第2の折り曲げ領域17B2の各層の陰極板1702の内側表面に電解液吸着層が設けられる(例えば、付着される)。本実施例において、陰極板1702の内側表面とは、陰極板1702の捲回軸線に向かう表面、又は捲回構造の内部に向かう表面を指す。
【0180】
例えば、第1の折り曲げ領域17B1は複数層の極板、例えば3層の極板を有し、第1の折り曲げ領域17B1の最内層(第1層と呼ばれてもよい)と最外層(第3層と呼ばれてもよい)の極板はいずれも陽極板1701であり、最内層極板と最外層極板との間の極板(第2層の極板と呼ばれてもよい)は陰極板1702であり、第1の電解液吸着層1704は第1の折り曲げ領域17B1の陰極板1702の内側表面に付着される。
【0181】
第2の折り曲げ領域17B2は複数層の極板、例えば5層の極板を有し、捲回構造の内から外に向かう方向に沿って、第2の折り曲げ領域17B2の陽極板1701と陰極板1702は順次交互に積層され、第2の折り曲げ領域17B2の最内層の極板は陽極板1701であり、第2の折り曲げ領域17B2の各層の陰極板1702の内側表面に電解液吸着層が付着される。
【0182】
例えば、捲回構造の内から外に向かう方向に沿って、第2の折り曲げ領域17B2は順次第1層、第2層、第3層、第4層と第5層の極板を含み、第1層、第3層と第5層の極板は陽極板1701であり、第2層と第4層の極板は陰極板1702であり、第2の電解液吸着層1705は、第2の折り曲げ領域17B2の最内側の隣接する陽極板1701と陰極板1702のうちの陰極板1702の内側表面に付着され、即ち第2の電解液吸着層1705は、第2の折り曲げ領域17B2の第2層の極板(それは陰極板1702である)の内側表面に付着される。第3の電解液吸着層1706は、第2の折り曲げ領域17B2の第4層の極板(それは陰極板1702である)の内側表面に付着される。
【0183】
本実施例において、第1の電解液吸着層1704は、捲回方向Lに沿って第1の端と第2の端を含み、第1の電解液吸着層1704の第1の端と第2の端は、いずれも第1の折り曲げ領域17B1に位置する。第2の電解液吸着層1705は、捲回方向Lに沿って第1の端と第2の端を含み、第2の電解液吸着層1705の第1の端は、第2の折り曲げ領域17B2と第1のストレート領域17A1との境界に位置し、第2の電解液吸着層1705の第2の端は、第2の折り曲げ領域17B2と第2のストレート領域17A2との境界に位置する。第3の電解液吸着層1706は、捲回方向Lに沿って第1の端と第2の端を含み、第3の電解液吸着層1706の第1の端と第2の端は、いずれも第2の折り曲げ領域17B2に位置する。
【0184】
本実施例では、第2の折り曲げ領域17B2において、捲回軸線Kに垂直で且つ電極アセンブリの内から外に向かう方向に沿って、各層の極板の曲率は順次減少し、即ち折り曲げ程度が次第に低下し、このように、捲回軸線Kに垂直で且つ電極アセンブリの内から外に向かう方向に沿って、各電解液吸着層が第2の折り曲げ領域17B2において捲回方向に沿って覆う円周角度は順次減少することができ、例えば、第3の電解液吸着層1706が第2の折り曲げ領域17B2において捲回方向に沿って覆う円周角度は、第2の電解液吸着層1705が第2の折り曲げ領域17B2において覆う円周角度よりも小さく、例えば、第3の電解液吸着層1706が第2の折り曲げ領域17B2において捲回方向に沿って覆う円周角度は90°であり、第2の電解液吸着層1705が第2の折り曲げ領域17B2において捲回方向に沿って覆う円周角度は180°である。
【0185】
本実施例において、第1の電解液吸着層1704、第2の電解液吸着層1705及び第3の電解液吸着層1706の機能、構造と分布方式などの関連内容については、いずれも前述した図1図15の実施例に説明された電解液吸着層の関連内容を参照してよく、ここでは説明を省略する。
【0186】
なお、図17図26の実施例において、電解液吸着層4は、第1の折り曲げ領域と第2の折り曲げ領域内の陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも一方の、所定回数の折り曲げに対応する折り曲げ部位に設置されてもよい。いくつかの実施例において、電解液吸着層の少なくとも一部は折り曲げ領域内の陰極板の1回目の折り曲げ部位及び/又は2回目の折り曲げ部位に設置され、及び/又は、電解液吸着層の少なくとも一部は陽極板の1回目の折り曲げ部位及び/又は2回目の折り曲げ部位に設置され、及び/又は、電解液吸着層の少なくとも一部は陰極板の1回目の折り曲げ部位に隣接するセパレータの折り曲げ部位及び/又は2回目の折り曲げ部位に隣接するセパレータの折り曲げ部位に設置され、及び/又は、電解液吸着層の少なくとも一部は陽極板の1回目の折り曲げ部位に隣接するセパレータの折り曲げ部位及び/又は2回目の折り曲げ部位に隣接するセパレータの折り曲げ部位に設置される。本実施例で言及した所定回数の折り曲げとは、陰極板、セパレータと陽極板を内から外へ捲回して電機アセンブリを形成する過程において、折り曲げの前後の順に従って並べられた回数を指す。図17の実施例を例にし、陰極板92に対して、第2の電解液吸着層95のある位置は陰極板92の1回目の折り曲げであり、第1の電解液吸着層94のある位置は陰極板92の2回目の折り曲げであり、第3の電解液吸着層96のある位置は陰極板92の3回目の折り曲げであり、このように類推する。なお、図20の実施例を例にし、第3の電解液吸着層1106のある位置は陽極板1101の1回目の折り曲げであり、第1の電解液吸着層1104のある位置は陽極板1101の2回目の折り曲げであり、第4の電解液吸着層1107のある位置は陽極板1101の3回目の折り曲げであり、このように類推する。陰極板、陽極板の所定回数の折り曲げは1回目、2回目に限定されず、必要に応じて任意回数の折り曲げ範囲を選択してもよく、例えば、電解液吸着層4を、折り曲げ領域内の陰極板の1~4回目又は1~6回目又は1~8回目、又は3~4回目又は3~6回目又は3~8回目又は他の回数範囲折り曲げられた折り曲げ部位に設置してもよく、及び/又は、電解液吸着層4を、折り曲げ領域内の陽極板の1~4回目又は1~6回目又は1~8回目、又は3~4回目又は3~6回目又は3~8回目又は他の回数範囲折り曲げられた折り曲げ部位に設置してもよく、及び/又は、電解液吸着層4を、折り曲げ領域内の陰極板の1~4回目又は1~6回目又は1~8回目、又は3~4回目又は3~6回目又は3~8回目又は他の回数折り曲げられた折り曲げ部位と隣接するセパレータの折り曲げ部位、又は陽極板の1~4回目又は1~6回目又は1~8回目、又は3~4回目又は3~6回目又は3~8回目又は他の回数折り曲げられた折り曲げ部位と隣接するセパレータの折り曲げ部位に設置してもよい。上記実施例において、第1の折り曲げ領域と第2の折り曲げ領域の、陰極板又は陽極板に隣接するセパレータとは、具体的には、第1の折り曲げ領域と第2の折り曲げ領域において、陽極板の内側及び/又は外側に位置するセパレータ、又は陰極板の内側及び/又は外側に位置するセパレータを指す。
【0187】
該実施例において、陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも一方の所定回数折り曲げられた折り曲げ部位に電解液吸着層を設置することで、陰極板1と陽極板2との間の、隙間が大きい所定回数の折り曲げ部位に対して、例えば所定回数の折り曲げが1回目の折り曲げと2回目の折り曲げを含み、1回目と2回目の折り曲げ部位の電解液のみに対して制御を行い、陰極板1又は陽極板2の1回目と2回目の折り曲げ部位の電解液貯蔵と保持性能を向上させ、イオン伝導と拡散の性能を向上させ、電池セルのサイクル性能と耐用年数を向上させることができる。なお、陰極板及び/又は陽極板の表面の折り曲げ領域の1回目と2回目の折り曲げ部位に電解液吸着層を配置することで、電解液吸着層は、陰極板の1回目と2回目の折り曲げ部位上の陰極活物質層及び/又は陽極板の1回目と2回目の折り曲げ部位上の陽極活物質層を補強し、活物質層が折り曲げにより断裂する状況の発生を低減させ、さらに電池セルの性能を向上させることができる。
【0188】
図27に示すように、図27は、本出願の別の実施例による陰極板1702の展開後の概略図であり、具体的には、図27における陰極板1702の、第2の電解液吸着層1705が貼り付けられる位置の展開後の概略図であり、ここで、第1の折り曲げ領域17B1と第2の折り曲げ領域17B2は中心線Mを有し、中心線Mは電極アセンブリの捲回軸線と平行し、且つ電極アセンブリの図26における長さの方向に沿って延伸し、中心線Mは、電極アセンブリの幅方向に沿って第1の折り曲げ領域17B1と第2の折り曲げ領域17B2をそれぞれ上下2つの部分に分ける。
【0189】
第2の電解液吸着層1705に対して、それは第1の折り曲げ区画1708に位置する中間吸着層43と、第2の折り曲げ区画1709に位置する側吸着層44とを含み、ここで、第1の折り曲げ区画1708は折り曲げ領域の中心線Mを覆い、即ち第1の折り曲げ区画1708全体が折り曲げ領域の中央部に位置する。第2の折り曲げ区画1709は、第1の折り曲げ区画1708の少なくとも一側に位置し、図27に示すように、任意選択的に、第1の折り曲げ区画の両側にそれぞれ1つの第2の折り曲げ区画1709が設けられる。図27に示すように、ここで、中間吸着層43の空隙率は側吸着層44の空隙率よりも大きい。異なる折り曲げ区画の電解液吸着層の空隙率は、1つの区画内の電解液吸着層上の全てのイオン交換通路40の面積の総和と、該領域内の電解液吸着層の面積との比である。電解液吸着層の空隙率は、電解液吸着層上のイオン交換通路40の直径と単位面積内のイオン交換通路の数を変えることによって調節することができる。例えば、中間吸着層43に位置するイオン交換通路40の直径及び/又は単位面積内のイオン交換通路の数は、側吸着層44におけるイオン交換通路40の直径及び/又は単位面積内のイオン交換通路の数より大きくなってもよい。本実施例の第2の電解液吸着層1705の構造は、陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも一方の所定回数折り曲げられた折り曲げ部位の1つの表面又は2つの表面に配置されてもよい。いくつかの実施例において、0<中間吸着層43の空隙率≦50%である。中間吸着層43の空隙率は、0.05%、0.08%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、30%、40%など又は他の値であってもよい。いくつかの実施例において、側吸着層44の空隙率は0であってもよく、即ち側吸着層44にイオン交換通路40を設置せず、0<側吸着層44の空隙率≦50%であってもよい。側吸着層44の空隙率は、0、0.05%、0.08%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、30%、40%などの数値、又は他の値であってもよい。
【0190】
図28に示すように、中間吸着層43の空隙率は、側吸着層44の空隙率より小さくなってもよい。例えば、中間吸着層43に位置するイオン交換通路40の直径及び/又は単位面積内のイオン交換通路の数は、側吸着層44におけるイオン交換通路40の直径及び/又は単位面積内のイオン交換通路の数より小さくなってもよい。本実施例の第2の電解液吸着層1705の構造は、陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも一方の所定回数折り曲げられた折り曲げ部位の1つの表面又は2つの表面に配置されてもよい。いくつかの実施例において、0<側吸着層44の空隙率≦50%である。側吸着層44の空隙率の空隙率は、0.05%、0.08%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、30%、40%などの数値、又は他の値であってもよい。いくつかの実施例において、中間吸着層43の空隙率は0であってもよく、即ち中間吸着層43にイオン交換通路40を設置せず、0<中間吸着層43の空隙率≦50%であってもよい。中間吸着層43の空隙率は、0、0.05%、0.08%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、30%、40%などの数値又は他の値であってもよい。
【0191】
図29に示すように、図29は、本出願の別の実施例による陰極板1702の展開後の概略図であり、具体的には、図26における陰極板1702の、第2の電解液吸着層1705が貼り付けられる位置の展開後の概略図であり、折り曲げ領域において、電極アセンブリの捲回軸線Kと平行する方向に沿って、イオン交換通路40は、第2の電解液吸着層1705上で折れ線又は曲線を呈して分布する。イオン交換通路40を第2の電解液吸着層1705上で折れ線又は曲線に配置することによって、イオン交換通路40が第2の電解液吸着層1705の様々な幅と高さの位置に分布するようになり、第2の電解液吸着層1705が様々な高さと幅の位置においていずれも電解液の放出及びイオンの伝導と拡散を実現することができるようになり、電池のサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。該実施例において、0<第2の電解液吸着層1705の空隙率≦50%である。第2の電解液吸着層1705の空隙率は、0.05%、0.08%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、30%、40%などの数値又は他の値であってもよい。
【0192】
図27図29の実施例は、電解液吸着層と陰極板とのそれぞれの位置関係及び電解液吸着層の構造的特徴を概略的に記述したものに過ぎず、図27図29の電解液吸着層は、陰極板の1回目と2回目の折り曲げ部位に設置することに限定されず、陰極板の他の部位、及び陽極板とセパレータに設置されてもよい。図27図29の実施例の電解液吸着層の構造は、図3図8図11図26のいずれか一実施例の電解液吸着層構造に応用することができる。
【0193】
図30に示すように、図30は、本出願の別の実施例による電池セルの構造概略図である。電池セルは、外枠181及び外枠181内に収納される1つ又は複数の電極アセンブリ182を含み、外枠181はケース1811とカバープレート1812を含み、ケース1811は収容室を有し、且つケース1811は開口を有し、即ち、電極アセンブリ182がケース1811の収容室に収容することができるように、該平面はケース壁を有さず、ケース1811の内外を連通させ、カバープレート1812とケース1811はケース1811の開口において結合されて中空室を形成し、電極アセンブリ182を外枠181内に収容した後、外枠181に電解液を充填して封止する。
【0194】
ケース1811は、1つ又は複数の電極アセンブリ182が組み合わせられた後の形状によって決定され、例えば、ケース1811は中空直方体又は中空立方体又は中空円柱体であってもよい。例えば、ケース1811が中空直方体又は立方体である時、ケース1811のそのうち1つの平面が開口面であり、即ち該平面はケース壁を有さず、ケース1811の内外を連通させ、ケース1811が中空円柱体である時、ケース1811のそのうちの1つの円形側面は開口面であり、即ち該円形側面はケース壁を有さず、ケース1811の内外を連通させる。
【0195】
本出願の別の実施例において、ケース1811は、導電性金属材料又はプラスチックから製造されてもよく、任意選択的に、ケース1811は、アルミニウム又はアルミニウム合金から製造される。
【0196】
電極アセンブリ182の構造は、前述した図1~27の実施例に説明された電極アセンブリの関連内容を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0197】
図31に示すように、図31は、本出願の別の実施例による電池モジュールの構造概略図である。電池モジュール19は互いに接続される複数の電池セル191を含み、ここで、複数の電池セル191の間は直列又は並列又は直並列に接続されてもよく、直並列とは、接続には直列接続と並列接続が同時に含まれることを指し、電池セル191の構造は、図30に対応する実施例に説明された電池セルを参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0198】
図32は、本出願の別の実施例による電池の構造概略図であり、電池は筐体を含み、筐体には複数の電池セルが収容される。電池セルの構造は、図30に示す電池セルの構造を参照してもよい。筐体に複数の電池セルを収容する具体的な方式は、電池セルを筐体内に直接に取り付け、又は複数の電池セルを電池モジュールとして組み合わせてから、電池モジュールを電池内に取り付けることを含む。
【0199】
図32に示すように、いくつかの実施例において、電池は複数の電池モジュール19と筐体を含み、筐体は下筐体20と上筐体30を含み、複数の電池モジュール19の間は直列又は並列又は直並列に接続されてもよく、下筐体20は収容室を有し、且つ下筐体20は、接続された複数の電池モジュール19が下筐体20の収容室内に収容できるように、開口を有し、上筐体30と下筐体20は下筐体20の開口において結合されて中空室を形成し、上筐体30と下筐体20を結合した後に封止する。
【0200】
本出願の別の実施例において、電池は電力消費装置に単独で給電することができ、該電池は電池パックと呼ばれてもよく、例えば、自動車の給電に用いられる。
【0201】
本出願の別の実施例において、電力消費装置の電力消費の需要に応じて、複数の電池は互いに接続された後組電池に組み合わせられ、電力消費装置に給電するために用いられる。本出願の別の実施例において、該組電池は1つの筐体に収容されて、封入してもよい。
【0202】
説明を簡略化させるために、以下の実施例は、電力消費装置は電池を含むことを例として説明する。
【0203】
本出願の一実施例は電力消費装置をさらに提供し、例えば、電力消費装置は自動車、例えば、新エネルギー車であってもよく、電力消費装置は前述した実施例に説明される電池を含み、ここで、電力消費装置に使用される電池は図31に対応する実施例に説明される電池のとおりであってもよく、ここでは説明を省略する。
【0204】
例えば、図33では、本出願の別実施例による電力消費装置の構造概略図が示されている。電力消費装置は自動車であってもよく、自動車は燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純電気自動車、ハイブリッド自動車やレンジエクステンダー自動車などであってもよい。自動車は電池2101、コントローラ2102及びモータ2103を含む。電池2101は、自動車の操作電源及び駆動電源として、コントローラ2102とモータ2103に電力を供給するためのものであり、例えば、電池2101は、自動車の起動、ナビゲーション及び走行時の作動電力需要を満たすためのものである。例えば、電池2101は、コントローラ2102に電力を供給し、コントローラ2102は、モータ2103に電力を供給するように電池2101を制御し、モータ2103は、電池2101の電力を受け取って自動車の駆動電源として使用し、燃料油又は天然ガスに代わって又は部分的に代わって自動車に駆動動力を提供する。
【0205】
当業者であれば理解できるように、ここでのいくつかの実施例は、他の特徴ではなく、他の実施例に含まれるいくつかの特徴を含むが、異なる実施例の特徴の組み合わせは、本出願の範囲に属し且つ異なる実施例を形成することを意味する。例えば、特許請求の範囲において、保護しようとする実施例のいずれか1つは、いずれも任意の組み合わせの方式で使用されることができる。
【0206】
上述の実施例は、本出願の技術案を説明するためのみに用いられ、それを制限するものではない。前述した各実施例を参照して本出願を詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、それは依然として前述した各実施例に記載の技術案を修正し、又はそのうち一部の技術的特徴に対して等価置換を行うことができ、これらの修正又は置換は、相応する技術案の本質が本出願の各実施例の技術案の精神と範囲を逸脱するようにすることはない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
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図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
【手続補正書】
【提出日】2023-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池分野に関し、特に電極アセンブリ、電池セル、電池および電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0002】
再充電可能な電池は、二次電池と呼ばれてもよく、電池が放電された後に充電の方式によって活物質を活性化して使用し続けることができる電池である。再充電可能な電池は、電子機器、例えば、携帯電話、ノートパソコン、バッテリ車、電機自動車、電気飛行機、電気汽船、電動自動車玩具、電動汽船玩具、電動飛行機玩具及び電動ツールなどに広く用いられている。
【0003】
充電電池は、ニッケルカドミウム電池、水素ニッケル電池、リチウムイオン電池及び二次アルカリ亜鉛マンガン電池などを含んでもよい。
【0004】
現在、自動車に多く使用される電池は、一般的に、リチウムイオン電池であり、リチウムイオン電池は充電電池として、体積が小さく、エネルギー密度が高く、パワー密度が高く、サイクル使用の回数が多く、保管時間が長いなどの利点を備える。
【0005】
充電電池は電極アセンブリと電解液を含み、電極アセンブリは、陰極板、陽極板、及び陰極板と陽極板との間に位置するセパレータを含む。陰極板はいずれも陰極活物質層を有し、例えば、陰極活物質層の陰極活物質は、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム又はニッケルコバルトマンガン酸リチウムであってもよく、陽極板の表面はいずれも陽極活物質層を有し、例えば、陽極活物質層の陽極活物質は、黒鉛又はシリコンであってもよい。
【0006】
電極アセンブリに対し、サイクル過程において電解液が絶えず消耗され、陽極板間の電解液が消耗された後、ケース内に遊離している電解液をタイムリーに補充することができず、長期間に充放電使用した後、電解液の不足により、電池セル及び電池のサイクル寿命が低減するという問題を引き起こす。
【0007】
そのため、如何にして電池のサイクル寿命を向上させるかが、業界の難題となっている。
【発明の概要】
【0008】
本出願の複数の態様は、上記問題を克服するか又は上記問題を少なくとも部分的に解決する電極アセンブリ、電池セル、電池および電力消費装置を提供する。
【0009】
本出願の第1の態様によれば、電極アセンブリを提供する。該電極アセンブリは、陰極板、陽極板、セパレータと電解液吸着層を含む。セパレータは、陰極板と陽極板を隔離するために用いられ、電解液吸着層は、陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも1つの表面に沿って配置するように構成され、電解液吸着層に、電解液吸着層の厚さ方向に沿って設置される貫通孔であるイオン交換通路が設けられる。
【0010】
陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも1つの表面に電解液吸着層を配置することにより、電解液吸着層は、電解液を保持しゆっくりと放出することによって、サイクル過程で消耗された電解液を補充するために用いることができ、イオンの伝導と拡散に有利であり、さらに電池セルの性能を向上させる。電解液吸着層にイオン交換通路が設けられ、イオン交換通路は、前記電解液吸着層の厚さ方向に沿って設置される貫通孔であり、電解液の放出及びイオンの伝導と拡散に有利であり、電池のサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。
【0011】
いくつかの実施例において、陰極板の1つの表面又は2つの表面に電解液吸着層が付着され、及び/又は、陽極板の1つの表面又は2つの表面に電解液吸着層が付着され、及び/又は、セパレータの1つの表面又は2つの表面に電解液吸着層が付着される。
【0012】
該実施例において、陰極板、陽極板又はセパレータの1つの表面又は2つの表面に電解液吸着層を付着することで、陰極板、陽極板又はセパレータの一方側又は両側の位置における電解液の貯蔵性能と保持性能を改善することができ、それによってサイクル過程で消耗された電解液を補充し、イオンの伝導と拡散に有利であり、さらに電池セルの性能を向上させる。
【0013】
いくつかの実施例において、陰極板、セパレータと陽極板は捲回によって折り曲げ領域を形成し、電解液吸着層の少なくとも一部は折り曲げ領域内の陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも1つの表面に設置される。
【0014】
該実施例において、陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも1つの表面の折り曲げ領域内に電解液吸着層の少なくとも一部を配置することで、電解液が吸着される電解液吸着層は、折り曲げ領域内の陰極板と陽極板との間の隙間を充填することができ、折り曲げ領域において電解液を保持しゆっくりと放出することによって、サイクル過程で消耗された電解液を補充することができ、イオンの伝導と拡散に有利であり、さらに電池セルの性能を向上させる。なお、陰極板及び/又は陽極板の表面の折り曲げ領域に電解液吸着層を配置することで、電解液吸着層は、陰極板上の陰極活物質層及び/又は陽極板上の陽極活物質層を補強し、陰極板上の陰極活物質層及び/又は陽極板上の陽極活物質層が折り曲げにより断裂する状況の発生を低減させ、さらに電池セルの性能を向上させることができる。
【0015】
いくつかの実施例において、電解液吸着層の少なくとも一部は折り曲げ領域内の陰極板の1回目の折り曲げ部位及び/又は2回目の折り曲げ部位に設置され、及び/又は、電解液吸着層の少なくとも一部は陽極板の1回目の折り曲げ部位及び/又は2回目の折り曲げ部位に設置され、及び/又は、電解液吸着層の少なくとも一部は陰極板の1回目の折り曲げ部位に隣接するセパレータの折り曲げ部位及び/又は2回目の折り曲げ部位に隣接するセパレータの折り曲げ部位に設置され、及び/又は、電解液吸着層の少なくとも一部は陽極板の1回目の折り曲げ部位に隣接するセパレータの折り曲げ部位及び/又は2回目の折り曲げ部位に隣接するセパレータの折り曲げ部位に設置される。
【0016】
該実施例において、陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも一方の1回目の折り曲げ部位と2回目の折り曲げ部位に電解液吸着層の少なくとも一部を設置することで、陰極板と陽極板との間の、隙間が大きい1回目と2回目の折り曲げ部位に対して、1回目と2回目の折り曲げ部位の電解液の均一性を向上させることができ、電池セルのエネルギー密度に対する影響を軽減するとともに、電池セルの性能を向上させる。なお、陰極板及び/又は陽極板の表面の折り曲げ領域の1回目と2回目の折り曲げ部位に電解液吸着層を配置することで、電解液吸着層は、陰極板の1回目と2回目の折り曲げ部位上の陰極活物質層及び/又は陽極板の1回目と2回目の折り曲げ部位上の陽極活物質層を補強し、活物質層が折り曲げにより断裂する状況の発生を低減させ、さらに電池セルの性能を向上させることができる。
【0017】
いくつかの実施例において、折り曲げ領域は、折り曲げ領域の中心線を覆う第1の折り曲げ区画と、第1の折り曲げ区画の少なくとも一側に位置する第2の折り曲げ区画とを含み、折り曲げ領域の中心線は電極アセンブリの捲回軸線と平行し、ここで、電解液吸着層の第1の折り曲げ区画内に位置する部分の空隙率は、電解液吸着層の第2の折り曲げ区画内に位置する部分の空隙率と異なり、ここで、電解液吸着層の空隙率は、イオン交換通路の面積と電解液吸着層の面積との比である。
【0018】
該実施例において、第1の折り曲げ区画と第2の折り曲げ区画に位置する支持層表面の空隙率を調整することにより、第1の折り曲げ区画と第2の折り曲げ区画の電解液の放出及びイオン伝導と拡散の性能調節を実現し、電池のサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。
【0019】
いくつかの実施例では、折り曲げ領域において、電極アセンブリの捲回軸線と平行する方向に沿って、イオン交換通路は、電解液吸着層上で折れ線又は曲線を呈して分布する。
【0020】
該実施例において、イオン交換通路を電解液吸着層上で折れ線又は曲線に配置することによって、イオン交換通路が電解液吸着層の様々な幅と高さの位置に分布するようになり、電解液吸着層が様々な高さと幅の位置においていずれも電解液の放出及びイオンの伝導と拡散を実現することができ、電池のサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。
【0021】
いくつかの実施例において、電解液吸着層は吸着基層を含み、吸着基層の一方側は、対応する陰極板、陽極板又はセパレータに付着され、吸着基層にイオン交換通路が設けられる。
【0022】
該実施例において、吸着基層は、陰極板、陽極板又はセパレータの表面において電解液を貯蔵し保持することによって、サイクル過程で消耗された電解液を補充するために用いられ、イオンの伝導と拡散に有利であり、さらに電池セルの性能を向上させる。吸着基層に自体の厚さ方向に沿って設置されるイオン交換通路が設けられ、電解液の放出及びイオンの伝導と拡散に有利であり、電池のサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。
【0023】
該実施例において、吸着基層の材料は、アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アクリル酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、アクリル酸グラフトポリプロピレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体ゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合体ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリセリルエ―テル型エポキシ樹脂、グリセリンエステル型エポキシ樹脂、シリコーン型樹脂、ポリウレタン、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体及び以上の物質の改質物のうちの1種を含む。
【0024】
いくつかの実施例において、電解液吸着層は吸着基層と支持層を含み、吸着基層の一方側は、対応する陰極板、陽極板又はセパレータに付着され、支持層は吸着基層の他方側に付着され、イオン交換通路は、厚さ方向に沿って支持層と吸着基層を貫通する。
【0025】
該実施例において、電解液吸着層は吸着基層と支持層を含み、吸着基層は一定の流動性を有し、陰極板、陽極板又はセパレータの表面において移動し変形しやすく、さらに電解液吸着層の分布の均一性に影響を与え、吸着基層の、陰極板、陽極板又はセパレータに付着される側の反対側に支持層を設置し、支持層は、イオンを流動させるとともに、吸着基層の流動と変形を抑制することができ、吸着基層を陰極板、陽極板又はセパレータの表面に均一に保持し、さらに電解液を陰極板、陽極板又はセパレータの表面に長期的に安定して保持することで、電池のサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。イオン交換通路は支持層と吸着基層を貫通し、イオン交換通路を介して支持層と吸着基層を貫くことが可能になり、電解液の放出及びイオンの伝導と拡散に有利であり、電池のサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。
【0026】
いくつかの実施例において、吸着基層の材料は、アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アクリル酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、アクリル酸グラフトポリプロピレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体ゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合体ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリセリルエ―テル型エポキシ樹脂、グリセリンエステル型エポキシ樹脂、シリコーン型樹脂、ポリウレタン、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体及び以上の物質の改質物のうちの1種を含む。
【0027】
いくつかの実施例において、支持層の材料は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン-フッ化ビニリデン共重合体、テトラフルオロプロピレン-フッ化ビニリデン共重合体、トリフルオロクロロプロピレン-フッ化ビニリデン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン又はその共重合体、ポリアリレート、繊維、ナイロン、不織布及び以上の物質の改質物のうちの1種を含む。
【0028】
いくつかの実施例において、支持層の厚さ≦50um、0<支持層の空隙率≦50%、及び/又は支持層の引張モジュラス≦100Mpaであり、ここで、支持層の空隙率は、イオン交換通路の総面積と支持層の面積との比である。
【0029】
該実施例において、支持層の厚さを≦50umに設定することで、陰極板と陽極板との間の隙間を合理的な範囲内に制御することができ、イオンの伝送に有利である。支持層の空隙率を0<支持層の空隙率≦50%に設定することで、イオンをよりよく流動させるとともに、吸着基層の流動と変形を抑制することができ、吸着基層を陰極板、陽極板又はセパレータの表面に均一に保持し、さらに電解液を陰極板、陽極板又はセパレータの表面に長期的に安定して保持することで、電池のサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。支持層の引張モジュラスは≦100Mpaであり、それによって支持層は吸着基層に対して良好な保持性能を具備する。
【0030】
本出願の第2の態様によれば、電池セルを提供する。該電池セルは、ケース、電解液、カバープレート及び少なくとも1つの上記実施例の電極アセンブリを含み、ここで、ケースは収容室と開口を有し、電極アセンブリと電解液は収容室に収容され、カバープレートは、ケースの開口を閉塞するために用いられる。
【0031】
本出願の第3の態様によれば、電池を提供する。該電池は、筐体と、少なくとも1つの上記実施例の電池セルとを含み、電池セルは筐体内に収容される。
【0032】
本出願の第4の態様によれば、電力消費装置を提供する。電力消費装置は、上記実施例の電池から供給される電力を受けるように構成される。
【0033】
以上の説明は、本出願の実施例の技術案の概略に過ぎず、本出願の実施例の技術的手段をより明確に理解するために、明細書の内容に基づいて実施することができ、且つ本出願の実施例の上述及び他の目的、特徴及び利点を更に明らかで分かりやすくするために、以下は、本出願の具体的な実施の形態を列挙する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本出願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下は、実施例の記載に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下の記載における図面は本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働を払わない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
図1】本出願の一実施例による電極アセンブリの斜視構造概略図である。
図2図1の電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図3】本出願の別の実施例による、扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図4】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図5】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図6】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図7】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図8】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図9】本出願の別の実施例による陽極板の構造概略図である。
図10】本出願の別の実施例による陰極板の構造概略図である。
図11図10におけるA-A方向の断面構造概略図である。
図12図10におけるB-B方向の断面構造概略図である。
図13】本出願の別の実施例における図10のB-B方向の断面構造概略図である。
図14】本出願の別の実施例における図10のB-B方向の断面構造概略図である。
図15】本出願の別の実施例における図10のB-B方向の断面構造概略図である。
図16】本出願の一実施例による電極アセンブリの折り曲げ領域の局所構造概略図である。
図17】本出願の別の実施例による、扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図18】本出願の別の実施例による陰極板の構造概略図である。
図19】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図20】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図21】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図22】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図23】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図24】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図25】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図26】本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。
図27】本出願の別の実施例による陰極板の構造概略図である。
図28】本出願の別の実施例による陰極板の構造概略図である。
図29】本出願の別の実施例による陰極板の構造概略図である。
図30】本出願の別の実施例による電池セルの構造概略図である。
図31】本出願の別の実施例による電池モジュールの構造概略図である。
図32】本出願の別の実施例による電池の構造概略図である。
図33】本出願の別の実施例による電力消費装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本出願の実施例の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下は、本出願の実施例の図面を参照しながら、本出願の実施例における技術案を明確、完全に説明する。説明される実施例は、本出願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労働をすることなく得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0036】
特に定義がない限り、本文に使用されるすべての技術と科学用語は、当業者に一般的に理解される意味と同じである。本文における出願の明細書に使用される用語は、具体的な実施例を説明することを目的とするのみであり、本出願を制限することを意図しない。本出願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」をカバーすることを意図している。
【0037】
本文において「実施例」と言及する場合、実施例と合わせて説明された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書における各箇所に記載された該語句は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本明細書に記載の実施例が他の実施例と組み合わせ得ることを明示的及び暗黙的に理解することができる。
【0038】
本文における「及び/又は」という用語は、単に関連対象を説明する関連関係に過ぎず、3つの関係が存在できることを示し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの3つのケースを表してもよい。また、本文における「/」といる文字は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0039】
本出願の説明において、理解すべきことは、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語によって指示された方位又は位置関係は、図面によって示された方位又は位置関係であり、単に本出願の説明の便宜上及び説明の簡略化のためのものであり、指した装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成して操作しなければならないことを指示又は示唆するものではなく、そのため、本出願に対する制限として理解してはいけない。なお、本出願の明細書及び特許請求の範囲又は上記図面における「第1」、「第2」などの用語は、異なる対象を区別するために用いられ、特定の順序を説明するためのものではなく、1つ又は複数の該特徴を明示的に又は黙示的に含んでもよい。本出願の説明において、特に断りのない限り、「複数」は2つ以上を意味する。
【0040】
本出願の説明において、説明すべきこととして、特に明確の規定及び限定がない限り、「取り付け」、「繋がり」、「接続」という用語は、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続であってもよく、又は一体的な接続であってもよく、機械的接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接に接続してもよく、中間媒体を介して間接に接続してもよく、2つの素子の内部を連通させてもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0041】
リチウムイオン電池の体積をより小さく、エネルギー密度をより高くするために、リチウムイオン電池の電極アセンブリにおける陰極板、陽極板及びセパレータを捲回してから押し固めることができる。例えば、図1に示すように、図1は、電極アセンブリの斜視構造概略図であり、該電極アセンブリは、陽極板、陰極板及びセパレータを含み、ここで、陽極板、陰極板及びセパレータを積層してから捲回軸線K周りに捲回して捲回構造を形成し、セパレータは絶縁膜であり、陽極板と陰極板を隔離し、陽極板と陰極板の短絡を防止するために用いられ、該電極アセンブリの捲回構造は扁平体形状であり、該電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図は、図2に示すとおりである。
【0042】
図1図2を参照すると、該電極アセンブリは、ストレート領域Pと、該ストレート領域Pの両端に位置する折り曲げ領域Cとを含む。ストレート領域Pとは、該捲回構造において平行構造を有する領域を指し、即ち、該ストレート領域P内の陽極板101、陰極板102及びセパレータ103は互いにほぼ平行であり、即ち、電極アセンブリのストレート領域Pにおける各層の陽極板101、陰極板102及びセパレータ103の表面はいずれも平面である。折り曲げ領域Cとは、該捲回構造において折り曲げ構造を有する領域を指し、即ち、該折り曲げ領域C内の陽極板101、陰極板102及びセパレータ103はいずれも折り曲げられており、即ち、電極アセンブリの折り曲げ領域Cにおける各層の陽極板101、陰極板102及びセパレータ103の表面はいずれも曲面であり、該折り曲げ領域Cは捲回方向Lを有し、該捲回方向Lは、折り曲げ領域Cの電極アセンブリの表面に沿ってストレート領域に向かう方向として理解されてもよく、例えば、該捲回方向Lは、該折り曲げ領域Cにおいて該捲回構造の捲回方向に沿う。
【0043】
陽極板101の表面は陽極活物質からなる陽極活物質層を有し、陰極板102の表面は陰極活物質からなる陰極活物質層を有し、例えば、陰極活物質は、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム又はニッケル・コバルト・マンガン酸リチウムであってもよく、陽極活物質は黒鉛又はシリコンであってもよい。
【0044】
発明者は研究過程において以下のことを発見した。電極アセンブリのサイクル過程において電解液が絶えず消耗され、陰陽極板間の電解液が消耗された後、ケース内に遊離している電解液をタイムリーに補充することができず、長期間に充放電使用した後、電解液の不足により、電池セル及び電池パックの寿命の低減が早くなるという問題を引き起こす。
【0045】
これに鑑みて、本出願は電極アセンブリを提供する。該電極アセンブリは、陰極板と、陽極板と、セパレータとを含み、セパレータは陰極板と陽極板を隔離するために用いられ、ここで、陽極板、陰極板及びセパレータを積層してから捲回軸線周りに捲回構造、例えば扁平体の捲回構造を形成してもよく、陽極板、陰極板及びセパレータを積層してからZ字状のように連続して折り畳んでもよい。電極アセンブリは、捲回によって形成されてもよく、Z字状のように連続して折り畳んで形成されてもよい。電極アセンブリは、陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも1つの表面に沿って配置するように構成される電解液吸着層をさらに含み、電解液吸着層に、前記電解液吸着層の厚さ方向に沿って設置される貫通孔であるイオン交換通路が設けられる。
【0046】
陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも1つの表面に電解液吸着層を配置することにより、電解液吸着層は、陰極板と陽極板との間の隙間を充填して電解液を保持しゆっくりと放出することによって、サイクル過程で消耗された電解液を補充することができ、イオンの伝導と拡散に有利であり、さらに電池セルの性能を向上させる。電解液吸着層に自体の厚さ方向に沿って設置されるイオン交換通路が設けられ、電解液の放出及びイオンの伝導と拡散に有利であり、電池セルのサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。イオン交換通路は、電解液吸着層の厚さ方向に設けられる貫通孔であってもよく、貫通孔は、電解液吸着層の表面において均一に分布するか、又は非均一に分布してもよく、貫通孔は、同じ又は異なる断面積及び/又は孔深さを有してもよく、貫通孔は1つ又は複数であってもよい。イオン交換通路内に電解液が収容され、イオンは、イオン交換通路を介して電解液吸着層を貫くことができる。
【0047】
セパレータ103は電子絶縁性を有し、隣接する陰極板102と陽極板101を隔離し、隣接する陰極板102と陽極板101の短絡を防止するために用いられる。セパレータ103は貫通する多数の微細孔を有し、電解液とイオンを自由に通過させることができ、リチウムイオンに対して非常に高い透過性を有するため、セパレータ103は、基本的にリチウムイオンの通過を阻止することができない。例えば、セパレータ103は、セパレータ基層と、セパレータ基層の表面に位置する機能層とを含み、セパレータ基層は、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリブチレンテレフタレートなどの少なくとも1種を含み、機能層は、セラミックス酸化物と接着剤の混合物層であってもよい。
【0048】
本出願の実施例による電極アセンブリは、陰極板1の1つの表面又は2つの表面に電解液吸着層が付着され、及び/又は、陽極板2の1つの表面又は2つの表面に電解液吸着層4が付着され、及び/又は、セパレータ3の1つの表面又は2つの表面に電解液吸着層4が付着される。
【0049】
図3に示すように、本出願の別の実施例において、陰極板1の内面に電解液吸着層4が付着されている。
【0050】
図4に示すように、本出願の別の実施例において、陰極板1の外面に電解液吸着層4が付着されている。
【0051】
図5に示すように、本出願の別の実施例において、陰極板1の内面と外面に、いずれも電解液吸着層4が付着されている。
【0052】
図示されていないいくつかの実施例において、陽極板2の内面及び/又外面に電解液吸着層を付着してもよく、その設置方式は、図3図5における、陰極板1の表面に電解液吸着層を設置する方式を参照してもよい。
【0053】
図6に示すように、本出願の別の実施例において、陰極板1の内面と外面、及び陽極板2の内面と外面に、電解液吸着層4が付着されている。
【0054】
ここで、電解液吸着層4は、陰極板1の1つの表面又は2つの表面に付着され、及び/又は、陽極板2の1つの表面又は2つの表面に付着され、電解液吸着層4は、陰極板1及び/又は陽極板2の任意の表面に付着されてもよく、及び/又は、セパレータ3の1つの表面又は2つの表面に付着されてもよい。ここで、付着とは、付着又は塗布又は吹き付けを指し、付着によって、電解液吸着層4の電池セルの使用過程における位置移動を減少することができる。
【0055】
図7に示すように、本出願の別の実施例において、セパレータ3の内面に電解液吸着層4が付着されてもよい。
【0056】
図8に示すように、本出願の別の実施例において、セパレータ3の外面に電解液吸着層4が付着されてもよい。
【0057】
図示されていないいくつかの実施例において、セパレータ3の内面と外面にいずれも電解液吸着層4が付着されてもよい。セパレータ3に電解液吸着層4を付着する方式については、図3図6における、陰極板1及び/又は陽極板2の表面に電解液吸着層4を設置する方式を参照してもよい。
【0058】
セパレータ3の表面に電解液吸着層4を設置することで、同様に陰極板と陽極板との間の隙間を充填して電解液を保持し貯蔵することによって、サイクル過程で消耗された電解液を補充することができ、イオンの伝導と拡散に有利であり、さらに電池セルのサイクル性能と寿命を向上させる。電解液吸着層4に電解液吸着層の厚さ方向に沿って設置されるイオン交換通路が設けられ、電解液の放出及びイオンの伝導と拡散に有利であり、電池セルのサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。
【0059】
陽極板2の構造は図9に示すとおりであってもよく、これは本出願の別の実施例による陽極板の構造概略図であり、陽極板2は、陽極本体部21と、陽極本体部21から捲回軸線Kに沿って外へ延伸する陽極タブ部22とを含み、陽極本体部21の表面上の捲回軸線Kに沿う少なくとも一部の領域は陽極活物質層211であり、陽極活物質層211は陽極活物質を塗布するために用いられ、陽極活物質は黒鉛又はシリコンであってもよい。
【0060】
本出願の別の実施例において、陽極本体部21の表面の一部の領域に陽極活物質層211が設けられるだけではなく、陽極タブ部22の表面且つ陽極本体部21に近い根元領域にも陽極活物質層211が設けられ、即ち陽極タブ部22の一部の領域は陽極活物質層211である。
【0061】
本出願の別の実施例において、図9に示すように、陽極活物質層211は陽極本体部21の捲回軸線Kに沿う表面全体を覆う。
【0062】
本出願の別の実施例において、陰極活物質は陰極板1の表面全体を覆っていない可能性があり、例えば、図10に示すように、図10は、本出願の別の実施例における陰極板の構造概略図である。
【0063】
陰極板1は、陰極本体部11と、捲回軸線Kに沿って陰極本体部11の外部へ延伸する少なくとも1つの陰極タブ部12とを含み、陰極本体部11の表面の少なくとも一部の領域は陰極活物質層111であり、該陰極活物質層111に陰極活物質を塗布することができ、例えば、陰極活物質は三元材料、マンガン酸リチウム又はリン酸鉄リチウムであってもよい。
【0064】
本出願の別の実施例において、陰極本体部11の表面は、陰極活物質層111に隣接する第1の絶縁層塗布領域112をさらに含み、第1の絶縁層塗布領域112は、陰極活物質層111の陰極タブ部12に近い側に位置し、第1の絶縁層塗布領域112は、絶縁物質を塗布するために用いられ、陰極活物質層111と陰極タブ部12を絶縁して隔離するために用いられ、例えば、図11に示すように、図11は、図10におけるA-A方向の断面構造概略図であり、陰極板1の集電体の2つの表面は陰極活物質層111を有し、陰極タブ部12は陰極板1の集電体の一部であり、ここで、集電体の材質はアルミニウムであってもよい。
【0065】
例えば、陰極活物質層111と第1の絶縁層塗布領域112は、陰極本体部11の表面において陰極本体部11の幅方向(即ち捲回軸線K)に沿って両端に分布しており、且つ陰極タブ部12と第1の絶縁層塗布領域112は、陰極本体部11の同一端に属する。
【0066】
本出願の別の実施例において、陰極活物質層111と第1の絶縁層塗布領域112は、陰極本体部11の表面においてほぼ平行する2つの領域であり、且つ捲回軸線Kに沿って陰極本体部11の表面において二層を呈して分布する。
【0067】
本出願の別の実施例において、第1の絶縁層塗布領域112は、陰極本体部11と陰極タブ部12が互いに接続する部分に位置してもよく、例えば、第1の絶縁層塗布領域112は、陰極本体部11の表面にあり且つ陰極タブ部12と互いに接続する部分に位置し、陰極タブ部12の表面と陰極活物質層111を隔離するために用いられる。本出願の別の実施例において、陰極本体部11の表面に第1の絶縁層塗布領域112が設けられるだけではなく、陰極タブ部12の陰極本体部11に近い根元領域にも第2の絶縁層塗布領域が設けられ、第2の絶縁層塗布領域は絶縁物質を塗布するために用いられる。
【0068】
本出願の別の実施例において、第1の絶縁層塗布領域112の表面に絶縁物質が塗布され、絶縁物質は無機充填材と接着剤を含む。無機充填材は、ベーマイト、アルミナ、酸化マグネシウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、シリカ、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウムのうちの1種又は複数種を含む。接着剤は、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸-アクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル-アクリル酸、ポリアクリロニトリル-アクリル酸エステルのうちの1種又は複数種を含む。
【0069】
本出願の別の実施例において、各陰極板1は、1つ又は2つ以上の陰極タブ部12を含んでもよく、陰極板1が2つ以上の陰極タブ部12を含む場合、全ての陰極タブ部12はいずれも陰極板1の捲回軸線Kに沿う同一側に位置する。
【0070】
図9図10を参照すると、陰極板1と陽極板2が互いに積層される時、陽極板2の陽極活物質層211の捲回軸線Kに沿う両端はいずれも隣接する陰極板1の陰極活物質層111の対応する端を超え、このように、電極アセンブリに良好なエネルギー密度を持たせることができる。例えば、陽極活物質層211の捲回軸線Kに沿う両端はそれぞれ第1の端23と第2の端24であり、陰極活物質層111の捲回軸線Kに沿う両端はそれぞれ第3の端13と第4の端14であり、ここで、陽極活物質層211の第1の端23と陰極活物質層111の第3の端13は、捲回軸線Kに沿って電極アセンブリの同一側に位置し、且つ陽極活物質層211の第1の端23は、捲回軸線Kに沿って陰極活物質層111の第3の端13を超え、陽極活物質層211の第2の端24と陰極活物質層111の第4の端14は、捲回軸線Kに沿って電極アセンブリの他方側に位置し、陽極活物質層211の第2の端24は、捲回軸線Kに沿って陰極活物質層111の第4の端14を超える。
【0071】
陽極活物質層211の捲回軸線Kに沿う両端が陰極活物質層111の対応する端を超えるサイズは同じであってもよく、異なっていてもよく、例えば、超えたサイズの範囲は0.2mm~5mmである。
【0072】
図12に示すように、図12は、図10におけるB-B方向の断面構造概略図であり、図10を参照すると、電解液吸着層4は、陰極活物質層111の表面上、即ち陰極活物質層の表面に付着される。陰極板1、陽極板2とセパレータ3の少なくとも1つの表面に電解液吸着層4を配置することにより、電解液が吸着される電解液吸着層4は、陰極板1と陽極板2との間の隙間を充填して電解液を保持しゆっくりと放出することによって、サイクル過程で消耗された電解液を補充することができ、イオンの伝導と拡散に有利であり、さらに電池セルのサイクル性能と耐用年数を向上させる。電解液吸着層4に電解液吸着層の厚さ方向に沿って設置されるイオン交換通路40が設けられ、電解液の放出及びイオンの伝導と拡散に有利であり、電池セルのサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。
【0073】
いくつかの実施例において、電解液吸着層4は、電解液の吸着と保持に適し、且つ電解液の腐食に耐えるいかなる材料を採用してもよい。
【0074】
図12に示すように、いくつかの実施例において、電解液吸着層4は吸着基層41を含むことができ、吸着基層41の一方側は、対応する陰極板又は陽極板に付着され、吸着基層41にイオン交換通路40が設けられる。
【0075】
吸着基層41の材料は、アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アクリル酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、アクリル酸グラフトポリプロピレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体ゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合体ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリセリルエーテル型エポキシ樹脂、グリセリンエステル型エポキシ樹脂、シリコーン型樹脂、ポリウレタン、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体及び以上の物質の改質物の少なくとも1種を含む。
【0076】
図10図12を参照すると、イオン交換通路40は吸着基層41において1つ又は複数配置されてもよく、例えば、イオン交換通路40は、吸着基層41においてアレイ状に配列されてもよく、各イオン交換通路40は同じ直径を有する。イオン交換通路40は、吸着基層41の厚さ方向に沿って吸着基層41に設置されてもよく、イオン交換通路40は、貫通孔又はブラインドホールであってもよく、イオン交換通路内の空間により多くの電解液を貯蔵し、吸着基層41の電解液の放出性能及びイオン伝導と拡散の性能を向上させることができる。これに限定されず、イオン交換通路40は、吸着基層41において非均一に配列されてもよく、及び/又は、イオン交換通路40は、異なる直径及び/又は深さを有してもよい。イオン交換通路40は吸着基層41を貫通し、且つ陰極活物質層又は陽極活物質層と直接接触することができ、イオンがイオン交換通路40内の電解液を介して陰極活物質層から脱出すること、及び陽極活物質層に嵌入することに有利であり、イオンの通過性を改善し、なお、イオン交換通路40内に多くの電解液を貯蔵して電解液の放出性能及びイオン伝導と拡散の性能を向上させることもでき、イオン交換通路40の配列方式と直径を調整することによって、吸着基層41の放出性能及びイオン伝導と拡散の性能を調節することができる。
【0077】
良好な電解液貯蔵性能と保持性能を提供するとともに、コストを節約するために、電解液吸着層4は、捲回方向L(即ち捲回軸線K)に沿って第5の端(上端)と第6の端(下端)を含み、電解液吸着層4の第5の端は陰極板1の陰極活物質層を超え、及び/又は、電解液吸着層4の第6の端は陰極活物質層を超え、即ち電解液吸着層4の第5の端は、捲回軸線Kに沿って陰極活物質層111の第3の端(上端)を超え、及び/又は、電解液吸着層4の第6の端は、捲回軸線Kに沿って陰極活物質層111の第4の端(下端)を超え、例えば、超えたサイズの範囲は0.2mm~5mmである。このように、可能な限り多くの電解液を陰極活物質層に保持し、電解液を陰極活物質層の表面においてゆっくりと放出し、電池セルのサイクル性能と寿命を増加させることができる。
【0078】
いくつかの実施例において、電解液吸着層4が吸着基層41からなる時、電解液吸着層4の空隙率は吸着基層41の空隙率であり、吸着基層の空隙率は、0<吸着基層の空隙率≦50%であり、例えば吸着基層の空隙率は、0.05%、0.08%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、30%、40%などの数値であってもよい。吸着基層の空隙率を調節することによって、吸着基層41の放出性能及びイオン伝導と拡散の性能を調節することができる。
【0079】
本出願の別の実施例において、図13に示すように、図10におけるB-B方向の断面構造概略図である。図13の実施例と図12に示される実施例との相違点は、陰極板1の2つの表面の陰極活物質層111の表面に、いずれも電解液吸着層4が設置されることである。電解液吸着層4の具体的な構造、付着方式及び位置は、図12に示すとおりである。図示されていないいくつかの実施例において、陽極板2又はセパレータ3の1つ又は2つの表面に電解液吸着層4を付着してもよく、陽極板2又はセパレータ3における電解液吸着層4の具体的な構造は、陰極板1における電解液吸着層4の具体的な構造と同じであり、且つ電解液吸着層4の陽極板2又はセパレータ3における付着方式、位置は、電解液吸着層4の陰極板1における付着方式、位置と同じであり、具体的には図12又は13の構造を参照してもよい。
【0080】
図14に示すように、図14は、本出願の別の実施例における陰極板の構造概略図である。
【0081】
本実施例において、陰極板1の構造は図13における構造と同じである。本実施例の電解液吸着層4は吸着基層41と支持層42を含み、支持層42は吸着基層41の他方側に付着され、該他方側は、吸着基層41の極板に付着される側の反対側であり、図14に示すように、吸着基層41の他方側は陰極板1に付着され、イオン交換通路は厚さ方向に沿って支持層と吸着基層を貫通することができる。
【0082】
いくつかの実施例において、イオン交換通路40は支持層42と吸着基層41を貫通し、図14に示すとおりである。具体的には、吸着基層41に第1のイオン交換通路401が設けられ、支持層に第2のイオン交換通路402が設けられ、第1のイオン交換通路401と第2のイオン交換通路402は連通してイオン交換通路40を構成する。吸着基層41が一定の流動性を有し、極板の表面において移動し変形しやすく、さらに吸着基層41の分布の均一性に影響を与え、吸着基層41の、陰極板1、陽極板2又はセパレータ3に付着される側の反対側に支持層42を設置し、支持層42は、イオンを流動させるとともに、吸着基層41の流動と変形を抑制することができ、吸着基層41を極板の表面に均一に保持し、さらに電解液を均一に分布させる。イオン交換通路40は支持層と吸着基層を貫通し、イオン交換通路40を介して支持層42と吸着基層41を貫くことが可能になり、電解液の放出及びイオンの伝導と拡散に有利であり、電池のサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。
【0083】
いくつかの実施例において、第2のイオン交換通路402は支持層42において1つ又は複数配置されてもよく、例えば、第2のイオン交換通路402は、支持層42においてアレイ状に配列されてもよく、各第2のイオン交換通路402は同じ直径を有する。第2のイオン交換通路402は、支持層42の厚さ方向に沿って支持層42に設置されてもよく、第2のイオン交換通路402は貫通孔であり、第2のイオン交換通路402内の空間に多くの電解液を貯蔵し電解液の放出性能を向上させ、支持層42の電解液の放出及びイオン伝導と拡散の性能を向上させることができる。これに限定されず、第2のイオン交換通路402は、支持層42において非均一に配列されてもよく、及び/又は、第2のイオン交換通路402は、異なる直径を有してもよい。
【0084】
いくつかの実施例において、第1のイオン交換通路401は吸着基層41において1つ又は複数配置されてもよく、例えば、第1のイオン交換通路401は、吸着基層41においてアレイ状に配列されてもよく、各第1のイオン交換通路401は同じ直径を有する。第1のイオン交換通路401は、吸着基層41の厚さ方向に沿って吸着基層41に設置されてもよく、イオン交換通路40は、貫通孔又はブラインドホールであってもよく、第1のイオン交換通路401内の空間により多くの電解液を貯蔵し、吸着基層41の電解液の放出及びイオン伝導と拡散の性能を向上させることができる。任意選択的に、第1のイオン交換通路401の形状及び設置位置は、第2のイオン交換通路402の形状及び設置位置と対応し、第2のイオン交換通路402は、第1のイオン交換通路401と連通する。
【0085】
いくつかの実施例において、吸着基層41の材料は、アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アクリル酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、アクリル酸グラフトポリプロピレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体ゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合体ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリセリルエーテル型エポキシ樹脂、グリセリンエステル型エポキシ樹脂、シリコーン型樹脂、ポリウレタン、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体及び以上の物質の改質物の少なくとも1種を含む。
【0086】
いくつかの実施例において、支持層42の成分は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン-フッ化ビニリデン共重合体、テトラフルオロプロピレン-フッ化ビニリデン共重合体、トリフルオロクロロプロピレン-フッ化ビニリデン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン又はその共重合体、ポリアリレート、繊維、ナイロン、不織布及び以上の物質の改質物の少なくとも1種を含む。
【0087】
いくつかの実施例において、支持層42の厚さ≦50um、0<支持層42の空隙率≦50%、及び/又は支持層42の引張モジュラス≦100Mpaであり、ここで、支持層42の空隙率は、イオン交換通路40の総面積と支持層の面積との比である。ここで、イオン交換通路40の総面積は、1つ又は複数のイオン交換通路の面積の総和である。
【0088】
該実施例において、支持層42の厚さを≦50umに設定することで、陰極板1と陽極板2との間の隙間を合理的な範囲内に制御することができ、イオンの伝送に有利である。支持層42の空隙率を、0<支持層42の空隙率≦50%に設定し、例えば支持層42の空隙率は、0.05%、0.08%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、30%、40%などの数値であってもよい。電解液吸着層4が吸着基層41と支持層42からなる時、支持層42の空隙率は、電解液吸着層の空隙率とほぼ同等であってもよい。支持層42の空隙率を制御することによって、イオンをよりよく流動させるとともに、吸着基層41の流動と変形を抑制することができ、吸着基層41を陰極板1、陽極板2又はセパレータ3の表面に均一に保持し、さらに電解液を陰極板1、陽極板2又はセパレータ3の表面に長期的に安定して保持することで、電池のサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。支持層42の引張モジュラスは≦100Mpaであり、それによって支持層42は吸着基層41に対して良好な保持性能を具備する。
【0089】
図15では、本出願の別の実施例における陰極板の構造概略図が示されている。本実施例において、陰極板1の構造は図11と同じである。図15の実施例と図14の実施例との相違点は、陰極板1の両側にいずれも吸着基層41と支持層42が設けられることである。吸着基層41の一方側は、陰極板1の両側の陰極活物質層111の表面上、即ち陰極活物質層の表面に付着され、支持層42は、吸着基層41の他方側に付着される。
【0090】
図示されていないいくつかの実施例において、陽極板2又はセパレータ3の1つ又は2つの表面に吸着基層41と支持層42を付着してもよく、陽極板2又はセパレータ3における吸着基層41と支持層42の具体的な構造は、陰極板1における吸着基層41と支持層42の具体的な構造と同じであり、且つ吸着基層41と支持層42の陽極板2又はセパレータ3における付着方式、位置は、吸着基層41と支持層42の陰極板1における付着方式、位置と同じであり、図10~図15の実施例の構造を参照してもよい。
【0091】
上記実施例は、電解液吸着層と、陰極板、陽極板、セパレータのそれぞれとの位置関係、及び電解液吸着層の構造的特徴を概略的に記述したものに過ぎず、電解液吸着層と、陰極板、陽極板、セパレータのそれぞれとの位置関係、及び電解液吸着層の構造的特徴をより明瞭にするために、以下は、捲回構造を有するいくつかの電極アセンブリについてそれぞれ詳細に説明する。
【0092】
図16に示すように、本出願の別の実施例において、電極アセンブリは、捲回で形成されても、Z字状のように連続して折り畳んで形成されても、該電極アセンブリはいずれもストレート領域と、該ストレート領域の両端を接続する折り曲げ領域とを含み、説明を簡潔にするために、本実施例の電極アセンブリについては、扁平体の捲回構造を例として説明し、例えば、該扁平体捲回構造のそのうち1つの折り曲げ領域Cとストレート領域Pの構造は図16に示すとおりであってもよく、それは本出願の一実施例による電極アセンブリの折り曲げ領域の局所構造概略図であり、電極アセンブリは、その折り曲げ領域Cにおいて、陰極板1、陽極板2、及び陰極板1と陽極板2を隔離するためのセパレータ3を含み、ここで、セパレータ3は、隣接する陰極板1と陽極板2との間に独立して位置してもよく、陰極板1又は陽極板2の表面に塗布されてもよい。本出願の別の実施例において、1枚のセパレータ3、1枚の陰極板1、もう1枚のセパレータ3及び1枚の陽極板2を積層してから捲回するか又は折り畳んでもよく、少なくとも1枚(例えば、2枚以上)の陰極板1、少なくとも1枚(例えば、2枚以上)の陽極板2及び少なくとも2枚のセパレータ(例えば4枚以上、セパレータの数は陰極板又は陽極板の枚数の2倍である)を積層してから捲回するか又は折り畳んで、折り曲げ領域Cを形成してもよく、電極アセンブリが折り曲げ領域Cにおいて多層の陰極板1、多層の陽極板2及び多層のセパレータ3を有する場合、折り曲げ領域Cは、陰極板1、セパレータ3及び陽極板2と交互に分布する構造を含み、電解液吸着層4は、陰極板1の1つの表面又は2つの表面に付着され、及び/又は、陽極板2の1つの表面又は2つの表面に付着され、及び/又はセパレータ3の1つの表面又は2つの表面に付着される。このように設置することによって、少なくとも一層の隣接する陰極板1と陽極板2との間は、電解液吸着層4を含む。折り曲げ領域Cに隣接する陰極板1と陽極板2とは、該折り曲げ領域C内において、一層の陰極板1と一層の陽極板2とが隣接し、且つそれらの間にはもう一層の陰極板1又はもう一層の陽極板2を含まないものを指す。
【0093】
電極アセンブリが捲回構造を有する場合、陰極板1及び陽極板2の幅方向は捲回軸線Kに平行するとともに、陰極板1及び陽極板2の幅方向は捲回方向Lに垂直な方向と平行する。電極アセンブリが捲回構造を有しない場合、陰極板1及び陽極板2の幅方向は捲回方向Lに垂直な方向と平行し、以下、説明を簡略にするために、本実施例では、陰極板1及び陽極板2の幅方向、捲回方向Lに垂直な方向及び捲回軸線Kを捲回軸線Kと総称する。
【0094】
図16に示すように、いくつかの実施例において、陰極板1、セパレータ3と陽極板2は捲回によって折り曲げ領域Cを形成し、電解液吸着層4は、陰極板1、陽極板2とセパレータ3の少なくとも1つの表面の折り曲げ領域Cに沿って配置するように構成される。即ち、電解液吸着層4は、陰極板1、陽極板及び/又はセパレータの一部の表面に付着されてもよい。
【0095】
該実施例では、折り曲げ領域Cにおいて、陰極板1と陽極板2との間は大きな隙間を有し、折り曲げ領域Cに電解液吸着層4を設置することで、より良好な電解液貯蔵と緩慢放出の効果を実現することができる。該実施例において、陰極板1、陽極板2とセパレータ3の少なくとも1つの表面の折り曲げ領域C内に電解液吸着層4の少なくとも一部を配置することで、電解液が吸着される電解液吸着層4は、折り曲げ領域C内の陰極板1と陽極板2との間の隙間を充填し、折り曲げ領域Cにおいて電解液を保持しゆっくりと放出することによって、サイクル過程で消耗された電解液を補充することができ、イオンの伝導と拡散に有利であり、さらに電池セルの性能を向上させる。電解液吸着層に厚さ方向に沿って設置されるイオン交換通路が設けられ、電解液の放出及びイオンの伝導と拡散に有利であり、電池セルのサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。陰極板1、陽極板2とセパレータ3の少なくとも1つの表面の折り曲げ領域C内に電解液吸着層4の少なくとも一部を配置することは、具体的には、電解液吸着層4の全体が陰極板1、陽極板2とセパレータ3の少なくとも1つの表面の折り曲げ領域C内に位置するか、又は電解液吸着層4の一部が陰極板1、陽極板2とセパレータ3の少なくとも1つの表面の折り曲げ領域C内に位置し、一部が該領域外のストレート領域Pに位置することを指す。なお、陰極板1及び/又は陽極板2の表面の折り曲げ領域Cに電解液吸着層を配置することで、電解液吸着層4は、陰極板1上の陰極活物質層及び/又は陽極板2上の陽極活物質層を補強し、陰極板1上の陰極活物質層及び/又は陽極板2上の陽極活物質層が折り曲げにより断裂する状況の発生を低減させ、さらに電池セルの性能を向上させることができる。
【0096】
本出願の別の実施例において、電解液吸着層4の捲回方向Lに沿って延伸する両端はいずれも折り曲げ領域Cに位置し、即ち電解液吸着層4全体が折り曲げ領域Cに位置する。本実施例において、電極アセンブリは折り曲げ領域Cに接続されるストレート領域Pをさらに含み、捲回方向Lとは、折り曲げ領域Cの曲面に沿って且つストレート領域Pに向かう方向を指し、捲回方向Lに垂直な方向とは、捲回方向Lに垂直である方向を指す。
【0097】
本出願の別の実施例において、電解液吸着層4の捲回方向Lに沿って延伸する一端はストレート領域Pに位置し、他端は折り曲げ領域Cに位置する。
【0098】
本出願の別の実施例において、折り曲げ領域Cの電解液貯蔵と保持性能を改善するために、電解液吸着層4は、折り曲げ領域Cにおいて可能な限り大きな面積を有し、例えば、電解液吸着層4の捲回方向Lに沿って延伸する両端はいずれもストレート領域Pに位置し、即ち電解液吸着層4は、折り曲げ領域Cのほかに、ストレート領域Pにまで延伸する。
【0099】
本出願の別の実施例において、電解液吸着層4の捲回方向Lに沿って延伸する両端はいずれも折り曲げ領域Cとストレート領域Pとの境界に位置するか、又は電解液吸着層4の捲回方向Lに沿って延伸する両端はいずれも折り曲げ領域Cとストレート領域Pとの境界に近接する。
【0100】
図17に示すように、図17は、本出願の別の実施例による、扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。電極アセンブリは、陽極板91、陰極板92、セパレータ93、第1の電解液吸着層94、第2の電解液吸着層95及び第3の電解液吸着層96を含み、ここで、セパレータ93は、陽極板91と陰極板92との間に位置し、セパレータ93は2枚であり、図17の電極アセンブリの断面図において捲回する2本の破線によって表われ、陽極板91、陰極板92とセパレータ93を重ねてから、捲回軸線周りに捲回して扁平体形状の捲回構造を形成する。図18に示すにように、図18は、図17における陰極板92の展開後の構造概略図であり、第2の電解液吸着層95の陰極板92における付着位置が示されている。
【0101】
本実施例の陽極板91、陰極板92、セパレータ93及び電解液吸着層94~96の関連する技術的特徴については、前述した図1図15に対応する実施例の説明を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0102】
本実施例において、電極アセンブリの捲回構造は、ストレート領域9Aと、ストレート領域9Aの両側に位置する第1の折り曲げ領域9B1と第2の折り曲げ領域9B2とを含み、ここで、ストレート領域9Aと、第1の折り曲げ領域9B1及び第2の折り曲げ領域9B2の各々との区分は、それぞれ直線と破線によって区分される。
【0103】
電極アセンブリの第1の折り曲げ領域9B1と第2の折り曲げ領域9B2に含まれる陽極板91と陰極板92は順次交互に積層され、隣接する陽極板91と陰極板92との間はセパレータ93を有し、ここで、第1の折り曲げ領域9B1と第2の折り曲げ領域9B2の最内側の極板はいずれも陽極板91であり、第1の折り曲げ領域9B1と第2の折り曲げ領域9B2の少なくとも最内側の陰極板92の内側表面に電解液吸着層が設けられ(例えば、付着され)、例えば、第1の折り曲げ領域9B1と第2の折り曲げ領域9B2の各層の陰極板92の内側表面に電解液吸着層が設けられる(例えば、付着される)。本実施例において、陰極板92の内側表面とは、陰極板92の捲回軸線に向かう表面、又は捲回構造の内部に向かう表面を指す。
【0104】
例えば、第1の折り曲げ領域9B1は複数層の極板、例えば3層の極板を有し、第1の折り曲げ領域9B1の最内層(第1層と呼ばれてもよい)と最外層(第3層と呼ばれてもよい)の極板はいずれも陽極板91であり、最内層極板と最外層極板との間の極板(第2層の極板と呼ばれてもよい)は陰極板92であり、該陰極板92は第1の折り曲げ領域9B1の最内側の陰極板であり、第1の電解液吸着層94は第1の折り曲げ領域9B1の陰極板92の内側表面に付着される。
【0105】
第2の折り曲げ領域9B2は複数層の極板、例えば5層の極板を有し、捲回構造の内から外に向かう方向に沿って、第2の折り曲げ領域9B2の陽極板91と陰極板92は順次交互に積層され、第2の折り曲げ領域9B2の最内層の極板は陽極板91であり、第2の折り曲げ領域9B2の各層の陰極板92の内側表面に電解液吸着層が付着される。
【0106】
例えば、捲回構造の内から外に向かう方向に沿って、第2の折り曲げ領域9B2は順次第1層、第2層、第3層、第4層と第5層の極板を含み、第1層、第3層と第5層の極板は陽極板91であり、第2層と第4層の極板は陰極板92であり、第2の折り曲げ領域9B2の各層の陰極板92の内側表面にいずれも電解液吸着層が付着される。例えば、第2の電解液吸着層95は、第2の折り曲げ領域9B2の第2層の極板(それは陰極板92である)の内側表面に付着される。第3の電解液吸着層96は、第2の折り曲げ領域9B2の第4層の極板(それは陰極板92である)の内側表面に付着される。
【0107】
本実施例において、第1の電解液吸着層94、第2の電解液吸着層95及び第3の電解液吸着層96の捲回方向Lに沿う両端は、それぞれ折り曲げ領域とストレート領域との境界に位置し、例えば、第1の電解液吸着層94の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第1の折り曲げ領域9B1とストレート領域9Aとの境界に位置し、第2の電解液吸着層95及び第3の電解液吸着層96の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第2の折り曲げ領域9B2とストレート領域9Aとの境界に位置する。
【0108】
本実施例において、第1の電解液吸着層94、第2の電解液吸着層95及び第3の電解液吸着層96の機能、構造と分布方式などの関連内容については、いずれも前述した図1図15の実施例に説明された電解液吸着層の関連内容を参照してよく、ここでは説明を省略する。
【0109】
図19に示すように、図19は、本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。電極アセンブリは、陽極板1001、陰極板1002、セパレータ1003、第1の電解液吸着層1004、第2の電解液吸着層1005及び第3の電解液吸着層1006を含み、ここで、セパレータ1003は、陽極板1001と陰極板1002との間に位置し、陽極板1001、陰極板1002とセパレータ1003を重ねてから、捲回軸線周りに捲回して扁平体形状の捲回構造を形成する。
【0110】
本実施例の陽極板1001、陰極板1002及びセパレータ1003の関連する技術的特徴については、前述した図1図15に対応する実施例の説明を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0111】
本実施例において、電極アセンブリの捲回構造は、ストレート領域10Aと、ストレート領域10Aの両側に位置する第1の折り曲げ領域10B1と第2の折り曲げ領域10B2とを含む。
【0112】
本実施例の電極アセンブリは、図17図18に対応する実施例に説明された電極アセンブリとほぼ類似しており、その相違点として以下のとおりであってもよい。
【0113】
第1の折り曲げ領域10B1と第2の折り曲げ領域10B2の少なくとも最内側の陰極板1002の外側表面に電解液吸着層が設けられ(例えば、付着され)、例えば、第1の折り曲げ領域10B1と第2の折り曲げ領域10B2の各層の陰極板1002の外側表面にいずれも電解液吸着層が設けられる(例えば、付着される)。本実施例において、陰極板1002の外側表面とは、陰極板1002の捲回軸線に背向する表面、又は捲回構造の内部に背向する表面を指す。
【0114】
例えば、第1の電解液吸着層1004は、第1の折り曲げ領域10B1の陰極板1002の外側表面に付着される。
【0115】
例えば、第2の電解液吸着層1005は、第2の折り曲げ領域10B2の第2層の極板(それは陰極板1002である)の外側表面に付着される。第3の電解液吸着層1006は、第2の折り曲げ領域10B2の第4層の極板(それは陰極板1002である)の外側表面に付着される。
【0116】
本実施例において、第1の電解液吸着層1004の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第1の折り曲げ領域10B1とストレート領域10Aとの境界に位置し、第2の電解液吸着層1005及び第3の電解液吸着層1006の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第2の折り曲げ領域10B2とストレート領域10Aとの境界に位置する。
【0117】
本実施例において、第1の電解液吸着層1004、第2の電解液吸着層1005及び第3の電解液吸着層1006の機能、構造と分布方式などの関連内容については、前述した図1図15の実施例に説明された電解液吸着層の関連内容を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0118】
図20に示すように、図20は、本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。電極アセンブリは、陽極板1101、陰極板1102、セパレータ1103、第1の電解液吸着層1104、第2の電解液吸着層1105、第3の電解液吸着層1106、第4の電解液吸着層1107及び第5の電解液吸着層1108を含み、ここで、セパレータ1103は、陽極板1101と陰極板1102との間に位置し、陽極板1101、陰極板1102とセパレータ1103を重ねてから、捲回軸線周りに捲回して扁平体形状の捲回構造を形成する。
【0119】
本実施例の陽極板1101、陰極板1102及びセパレータ1103の関連する技術的特徴については、前述した図1図15に対応する実施例の説明を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0120】
本実施例において、電極アセンブリの捲回構造は、ストレート領域11Aと、ストレート領域11Aの両側に位置する第1の折り曲げ領域11B1と第2の折り曲げ領域11B2とを含む。
【0121】
本実施例の電極アセンブリは、図17図18に対応する実施例に説明された電極アセンブリとほぼ類似しており、その相違点として以下のとおりであってもよい。
【0122】
第1の折り曲げ領域11B1と第2の折り曲げ領域11B2の少なくとも最内側の陽極板1101の内側表面に電解液吸着層が設けられ(例えば、付着され)、例えば、第1の折り曲げ領域11B1と第2の折り曲げ領域11B2の各層の陽極板1101の内側表面にいずれも電解液吸着層が設けられる。本実施例において、陽極板1101の内側表面とは、陽極板1101の捲回軸線に向かう表面、又は捲回構造の内部に向かう表面を指す。
【0123】
例えば、第1の電解液吸着層1104は、第1の折り曲げ領域11B1の最内層の極板(それは陽極板1101である)の内側表面に付着され、第2の電解液吸着層1105は、最外層の極板(それは陽極板1101である)の内側表面に付着される。
【0124】
例えば、第3の電解液吸着層1106は、第2の折り曲げ領域11B2の第1層の極板(それは陽極板1101である)の内側表面に付着される。第4の電解液吸着層1107は、第2の折り曲げ領域11B2の第3層の極板(それは陽極板1101である)の内側表面に付着される。第5の電解液吸着層1108は、第2の折り曲げ領域11B2の第5層の極板(それは陽極板1101である)の内側表面に付着される。
【0125】
本実施例において、第1の電解液吸着層1104と第2の電解液吸着層1105の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第1の折り曲げ領域11B1とストレート領域11Aとの境界に位置し、第3の電解液吸着層1106、第4の電解液吸着層1107及び第5の電解液吸着層1108の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第2の折り曲げ領域11B2とストレート領域11Aとの境界に位置する。
【0126】
本実施例において、第1の電解液吸着層1104、第2の電解液吸着層1105、第3の電解液吸着層1106、第4の電解液吸着層1107及び第5の電解液吸着層1108の機能、構造と分布方式などの関連内容については、いずれも前述した図1図15の実施例に説明された電解液吸着層の関連内容を参照してよく、ここでは説明を省略する。
【0127】
図21に示すように、図21は、本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。電極アセンブリは、陽極板1201、陰極板1202、セパレータ1203、第1の電解液吸着層1204、第2の電解液吸着層1205、第3の電解液吸着層1206、第4の電解液吸着層1207及び第5の電解液吸着層1208を含み、ここで、セパレータ1203は、陽極板1201と陰極板1202との間に位置し、陽極板1201、陰極板1202とセパレータ1203を重ねてから、捲回軸線周りに捲回して扁平体形状の捲回構造を形成する。
【0128】
本実施例の陽極板1201、陰極板1202及びセパレータ1203の関連する技術的特徴については、前述した図1図15に対応する実施例の説明を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0129】
本実施例において、電極アセンブリの捲回構造は、ストレート領域12Aと、ストレート領域12Aの両側に位置する第1の折り曲げ領域12B1と第2の折り曲げ領域12B2とを含む。
【0130】
本実施例の電極アセンブリは、図17図18に対応する実施例に説明された電極アセンブリとほぼ類似しており、その相違点として以下のとおりであってもよい。
【0131】
第1の折り曲げ領域12B1と第2の折り曲げ領域12B2の少なくとも最内側の陽極板1201の外側表面に電解液吸着層が設けられ(例えば、付着され)、例えば、第1の折り曲げ領域12B1と第2の折り曲げ領域12B2の各層の陽極板1201の外側表面にいずれも電解液吸着層が設けられる。本実施例において、陽極板1201の外側表面とは、陽極板1201の捲回軸線に背向する表面、又は捲回構造の内部に背向する表面を指す。
【0132】
例えば、第1の電解液吸着層1204は、第1の折り曲げ領域12B1の最内層の極板(それは陽極板1201である)の外側表面に付着され、第2の電解液吸着層1205は、最外層の極板(それは陽極板1201である)の外側表面に付着される。
【0133】
例えば、第3の電解液吸着層1206は、第2の折り曲げ領域12B2の第1層の極板(それは陽極板1201である)の外側表面に付着される。第4の電解液吸着層1207は、第2の折り曲げ領域12B2の第3層の極板(それは陽極板1201である)の外側表面に付着される。第5の電解液吸着層1208は、第2の折り曲げ領域12B2の第5層の極板(それは陽極板1201である)の外側表面に付着される。
【0134】
本実施例において、第1の電解液吸着層1204と第2の電解液吸着層1205の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第1の折り曲げ領域12B1とストレート領域12Aとの境界に位置し、第3の電解液吸着層1206、第4の電解液吸着層1207及び第5の電解液吸着層1208の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第2の折り曲げ領域12B2とストレート領域12Aとの境界に位置する。
【0135】
本実施例において、第1の電解液吸着層1204、第2の電解液吸着層1205、第3の電解液吸着層1206、第4の電解液吸着層1207及び第5の電解液吸着層1208の機能、構造と分布方式などの関連内容については、いずれも前述した図1図15の実施例に説明された電解液吸着層の関連内容を参照してよく、ここでは説明を省略する。
【0136】
図22に示すように、図22は、本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。電極アセンブリは、陽極板1301、陰極板1302、セパレータ1303及び複数の電解液吸着層1304を含み、ここで、セパレータ1303は、陽極板1301と陰極板1302との間に位置し、陽極板1301、陰極板1302とセパレータ1303を重ねてから、捲回軸線周りに捲回して扁平体形状の捲回構造を形成する。
【0137】
本実施例の陽極板1301、陰極板1302及びセパレータ1303の関連する技術的特徴については、前述した図1図15に対応する実施例の説明を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0138】
本実施例において、電極アセンブリの捲回構造は、ストレート領域13Aと、ストレート領域13Aの両側に位置する第1の折り曲げ領域13B1と第2の折り曲げ領域13B2とを含む。
【0139】
本実施例の電極アセンブリは、図17図18に対応する実施例に説明された電極アセンブリとほぼ類似しており、その相違点として以下のとおりであってもよい。
【0140】
第1の折り曲げ領域13B1と第2の折り曲げ領域13B2の少なくとも最内側のセパレータ1303の内側表面に電解液吸着層1304が付着され、例えば、第1の折り曲げ領域13B1と第2の折り曲げ領域13B2の各層のセパレータ1303の内側表面に電解液吸着層1304が付着される。本実施例において、セパレータ1303の内側表面とは、セパレータ1303の捲回軸線に向かう表面、又は捲回構造の内部に向かう表面を指す。
【0141】
本実施例において、第1の折り曲げ領域13B1の各電解液吸着層1304の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第1の折り曲げ領域13B1とストレート領域13Aとの境界に位置し、第2の折り曲げ領域13B2の各電解液吸着層1304の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第2の折り曲げ領域13B2とストレート領域13Aとの境界に位置する。
【0142】
本実施例において、第1の折り曲げ領域13B1と第2の折り曲げ領域13B2の、陰極板1302又は陽極板1301に隣接するセパレータ1303の内側表面に電解液吸着層1304が付着され、それによって電解液吸着層は、隣接する陰極板1302又は陽極板1301のために電解液を補充することができる。
【0143】
本実施例において、各電解液吸着層1304の機能、構造と分布方式などの関連内容については、いずれも前述した図1図15の実施例に説明された電解液吸着層の関連内容を参照してよく、ここでは説明を省略する。
【0144】
図23に示すように、図23は、本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。電極アセンブリは、陽極板1401、陰極板1402、セパレータ1403及び複数の電解液吸着層1404を含み、ここで、セパレータ1403は、陽極板1401と陰極板1402との間に位置し、陽極板1401、陰極板1402とセパレータ1403を重ねてから、捲回軸線周りに捲回して扁平体形状の捲回構造を形成する。
【0145】
本実施例の陽極板1401、陰極板1402及びセパレータ1403の関連する技術的特徴については、前述した図1図15に対応する実施例の説明を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0146】
本実施例において、電極アセンブリの捲回構造は、ストレート領域14Aと、ストレート領域14Aの両側に位置する第1の折り曲げ領域14B1と第2の折り曲げ領域14B2とを含む。
【0147】
本実施例の電極アセンブリは、図17に対応する実施例に説明された電極アセンブリとほぼ類似しており、その相違点として以下のとおりであってもよい。
【0148】
第1の折り曲げ領域14B1と第2の折り曲げ領域14B2の少なくとも最内側のセパレータ1403の外側表面に電解液吸着層1404が付着され、例えば、第1の折り曲げ領域14B1と第2の折り曲げ領域14B2の各層のセパレータ1403の外側表面に電解液吸着層1404が付着される。本実施例において、セパレータ1403の外側表面とは、セパレータ1403の捲回軸線に背向する表面、又は捲回構造の内部に背向する表面を指す。
【0149】
本実施例において、第1の折り曲げ領域14B1の各電解液吸着層1404の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第1の折り曲げ領域14B1とストレート領域14Aとの境界に位置し、第2の折り曲げ領域14B2の各電解液吸着層1404の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第2の折り曲げ領域14B2とストレート領域14Aとの境界に位置する。
【0150】
本実施例において、第1の折り曲げ領域14B1と第2の折り曲げ領域14B2の、陰極板1402又は陽極板1401に隣接するセパレータ1403の外側表面に電解液吸着層1404が付着され、それによって電解液吸着層は、隣接する陰極板1402又は陽極板1401のために電解液を補充することができる。
【0151】
本実施例において、各電解液吸着層1404の機能、構造と分布方式などの関連内容については、いずれも前述した図1図15の実施例に説明された電解液吸着層の関連内容を参照してよく、ここでは説明を省略する。
【0152】
図示されていないいくつかの実施例において、第1の折り曲げ領域と第2の折り曲げ領域の、陰極板又は陽極板に隣接するセパレータの内側表面及び外側表面に、いずれも電解液吸着層の少なくとも一部を付着してもよく、それによって電解液吸着層は、隣接する陰極板又は陽極板のために電解液を補充することができる。
【0153】
上記実施例において、第1の折り曲げ領域と第2の折り曲げ領域の、陰極板又は陽極板に隣接するセパレータとは、具体的には、第1の折り曲げ領域と第2の折り曲げ領域において、陽極板の内側及び/又は外側に位置するセパレータ、又は陰極板の内側及び/又は外側に位置するセパレータを指す。
【0154】
図示されていないいくつかの実施例において、陰極板の1回目の折り曲げ部位及び2回目の折り曲げ部位に隣接するセパレータの折り曲げ部位と、陽極板の1回目の折り曲げ部位及び2回目の折り曲げ部位に隣接するセパレータの折り曲げ部位の少なくとも一方の内側表面及び/又は外側表面に、いずれも電解液吸着層の少なくとも一部が付着される。具体的には、陰極板の1回目の折り曲げ部位の内側及び/又は外側のセパレータ、及び陰極板の2回目の折り曲げ部位の内側及び/又は外側のセパレータに、電解液吸着層の少なくとも一部を設置してもよく、電解液吸着層は、セパレータの内側表面及び/又は外側表面に設置されてもよい。又は、陽極板の1回目の折り曲げ部位の内側及び/又は外側のセパレータ、及び2回目の折り曲げ部位の内側及び/又は外側のセパレータに、電解液吸着層の少なくとも一部を設置してもよく、電解液吸着層は、セパレータの内側表面及び/又は外側表面に設置されてもよい。
【0155】
第1の折り曲げ領域及び第2の折り曲げ領域のセパレータに電解液吸着層の少なくとも一部を設置することで、陰極板と陽極板との間の、隙間が大きい1回目と2回目の折り曲げ部位に対して、1回目と2回目の折り曲げ部位の電解液の均一性を向上させることができ、電池セルのエネルギー密度に対する影響を軽減するとともに、電池セルの性能を向上させる。図24に示すように、図24は、本出願の別の実施例による、別の扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。電極アセンブリは、陽極板1501、陰極板1502、セパレータ1503及び複数の電解液吸着層1504を含み、ここで、セパレータ1503は、陽極板1501と陰極板1502との間に位置し、陽極板1501、陰極板1502とセパレータ1503を重ねてから、捲回軸線周りに捲回して扁平体形状の捲回構造を形成する。
【0156】
本実施例の陽極板1501、陰極板1502及びセパレータ1503の関連する技術的特徴については、前述した図1図15に対応する実施例の説明を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0157】
本実施例において、電極アセンブリの捲回構造は、ストレート領域15Aと、ストレート領域15Aの両側に位置する第1の折り曲げ領域15B1と第2の折り曲げ領域15B2とを含む。
【0158】
本実施例の電極アセンブリは、図17図18に対応する実施例に説明された電極アセンブリとほぼ類似しており、その相違点として以下のとおりであってもよい。
【0159】
電極アセンブリの第1の折り曲げ領域15B1と第2の折り曲げ領域15B2に含まれる陽極板1501と陰極板1502は順次交互に積層され、第1の折り曲げ領域15B1と第2の折り曲げ領域15B2の、任意の隣接する陽極板1501と陰極板1502との間は、セパレータ1503を有し、ここで、第1の折り曲げ領域15B1と第2の折り曲げ領域15B2の最内側の極板はいずれも陽極板1501であり、第1の折り曲げ領域15B1と第2の折り曲げ領域15B2の少なくとも最内側の陰極板1502の内側表面と外側表面に、いずれも電解液吸着層1504が設けられ、例えば、第1の折り曲げ領域15B1と第2の折り曲げ領域15B2の各層の陰極板1502の内側表面と外側表面に、いずれも電解液吸着層1504が設けられる。本実施例において、陰極板1502の内側表面とは、陰極板1502の捲回軸線に向かう表面、又は捲回構造の内部に向かう表面を指し、陰極板1502の外側表面とは、陰極板1502の捲回軸線に背向する表面、又は捲回構造の内部に背向する表面を指す。
【0160】
例えば、第1の折り曲げ領域15B1は複数層の極板、例えば3層の極板を有し、第1の折り曲げ領域15B1の最内層(第1層と呼ばれてもよい)と最外層(第3層と呼ばれてもよい)の極板はいずれも陽極板1501であり、第1の折り曲げ領域15B1の最内層極板と最外層極板との間の極板(第2層の極板と呼ばれてもよい)は陰極板1502であり、第1の折り曲げ領域15B1の陰極板1502の内側表面と外側表面に、いずれも電解液吸着層1504が設けられる(例えば、付着される)。
【0161】
第2の折り曲げ領域15B2は複数層の極板、例えば5層の極板を有し、捲回構造の内から外に向かう方向に沿って、第2の折り曲げ領域15B2の陽極板1501と陰極板1502は順次交互に積層され、第2の折り曲げ領域15B2の最内層の極板は陽極板1501であり、第2の折り曲げ領域15B2の各層の陰極板1502の内側表面と外側表面に、いずれも電解液吸着層1504が設けられる(例えば、付着される)。
【0162】
例えば、捲回構造の内から外に向かう方向に沿って、第2の折り曲げ領域15B2は順次第1層、第2層、第3層、第4層と第5層の極板を含み、第1層、第3層と第5層の極板は陽極板1501であり、第2層と第4層の極板は陰極板1502であり、第2の折り曲げ領域15B2の第2層と第4層の極板の内側表面及び外側表面に、いずれも電解液吸着層1504が設けられる。
【0163】
本実施例において、各電解液吸着層1504の捲回方向Lに沿う両端は、ぞれぞれ折り曲げ領域とストレート領域との境界に位置し、例えば、第1の折り曲げ領域15B1の各電解液吸着層1504の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第1の折り曲げ領域15B1とストレート領域15Aとの境界に位置し、第2の折り曲げ領域15B2の各電解液吸着層1504の捲回方向に沿う両端は、それぞれ第2の折り曲げ領域15B2とストレート領域15Aとの境界に位置する。
【0164】
本実施例において、各電解液吸着層1504の機能、構造と分布方式などの関連内容については、いずれも前述した図1図15の実施例に説明された電解液吸着層の関連内容を参照してよく、ここでは説明を省略する。
【0165】
図25では、本出願の別の実施例による、扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図が示されている。電極アセンブリは、陽極板1601、陰極板1602、セパレータ1603、第1の電解液吸着層1604、第2の電解液吸着層1605及び第3の電解液吸着層1606を含み、ここで、セパレータ1603は、陽極板1601と陰極板1602との間に位置し、陽極板1601、陰極板1602とセパレータ1603を重ねてから、捲回軸線周りに捲回して扁平体形状の捲回構造を形成する。
【0166】
本実施例の陽極板1601、陰極板1602及びセパレータ1603の関連する技術的特徴については、前述した図1図15に対応する実施例の説明を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0167】
本実施例の電極アセンブリは、図17図18に対応する実施例に説明された電極アセンブリとほぼ類似しており、その相違点として以下のとおりであってもよい。
【0168】
本実施例において、電極アセンブリの捲回構造は、第1のストレート領域16A1、第2のストレート領域16A2、第1の折り曲げ領域16B1及び第2の折り曲げ領域16B2を含み、第1のストレート領域16A1と第2のストレート領域16A2は対向して設置され、第1の折り曲げ領域16B1と第2の折り曲げ領域16B2は対向して設置され、第1の折り曲げ領域16B1の両端は、それぞれ第1のストレート領域16A1と第2のストレート領域16A2の同一側の端部に接続され、第2の折り曲げ領域16B2の両端は、それぞれ第1のストレート領域16A1と第2のストレート領域16A2の同一の他方側の端部に接続される。
【0169】
電極アセンブリの第1の折り曲げ領域16B1と第2の折り曲げ領域16B2に含まれる陽極板1601と陰極板1602は順次交互に積層され、隣接する陽極板1601と陰極板1602との間はセパレータ1603を有し、ここで、第1の折り曲げ領域16B1と第2の折り曲げ領域16B2の最内側の極板はいずれも陽極板1601であり、第1の折り曲げ領域16B1と第2の折り曲げ領域16B2の少なくとも最内側の陰極板1602の内側表面に電解液吸着層が設けられ(例えば、付着され)、例えば、第1の折り曲げ領域16B1と第2の折り曲げ領域16B2の各層の陰極板1602の内側表面に電解液吸着層が設けられる(例えば、付着される)。本実施例において、陰極板1602の内側表面とは、陰極板1602の捲回軸線に向かう表面、又は捲回構造の内部に向かう表面を指す。
【0170】
例えば、第1の折り曲げ領域16B1は複数層の極板、例えば3層の極板を有し、第1の折り曲げ領域16B1の最内層(第1層と呼ばれてもよい)と最外層(第3層と呼ばれてもよい)の極板はいずれも陽極板1601であり、最内層極板と最外層極板との間の極板(第2層の極板と呼ばれてもよい)は陰極板1602であり、第1の電解液吸着層1604は第1の折り曲げ領域16B1の陰極板1602の内側表面に付着される。
【0171】
例えば、第2の折り曲げ領域16B2は複数層の極板、例えば5層の極板を有し、捲回構造の内から外に向かう方向に沿って、第2の折り曲げ領域16B2の陽極板1601と陰極板1602は順次交互に積層され、第2の折り曲げ領域16B2の最内層の極板は陽極板1601であり、第2の折り曲げ領域16B2の各層の陰極板1602の内側表面に電解液吸着層が付着される。
【0172】
例えば、捲回構造の内から外に向かう方向に沿って、第2の折り曲げ領域16B2は順次第1層、第2層、第3層、第4層と第5層の極板を含み、第1層、第3層と第5層の極板は陽極板1601であり、第2層と第4層の極板は陰極板1602であり、第2の電解液吸着層1605は、第2の折り曲げ領域16B2の最内側の隣接する陽極板1601と陰極板1602のうち陰極板1602の内側表面に付着され、即ち第2の電解液吸着層1605は、第2の折り曲げ領域16B2の第2層の極板(それは陰極板1602である)の内側表面に付着される。第3の電解液吸着層1606は、第2の折り曲げ領域16B2の第4層の極板(それは陰極板1602である)の内側表面に付着される。
【0173】
本実施例において、第1の電解液吸着層1604は、捲回方向Lに沿って第1の端と第2の端を含み、第1の電解液吸着層1604の第1の端は第1の折り曲げ領域16B1に位置し、第1の電解液吸着層1604の第2の端は第1のストレート領域16A1に位置する。第2の電解液吸着層1605は、捲回方向Lに沿って第1の端と第2の端を含み、第2の電解液吸着層1605の第1の端は第2の折り曲げ領域16B2に位置し、第2の電解液吸着層1605の第2の端は第2のストレート領域16A2に位置する。第3の電解液吸着層1606は、捲回方向Lに沿って第1の端と第2の端を含み、第3の電解液吸着層1606の第1の端は第2の折り曲げ領域16B2に位置し、第3の電解液吸着層1606の第2の端は第2のストレート領域16A2に位置する。本出願の別の実施例において、第3の電解液吸着層1606の第1の端は第2の折り曲げ領域16B2に位置し、第3の電解液吸着層1606の第2の端は第1のストレート領域16A1に位置してもよい。
【0174】
本実施例において、第1の電解液吸着層1604、第2の電解液吸着層1605及び第3の電解液吸着層1606の機能、構造と分布方式などの関連内容については、いずれも前述した図1図15の実施例に説明された電解液吸着層の関連内容を参照してよく、ここでは説明を省略する。
【0175】
図26に示すように、図26は、本出願の別の実施例による、扁平体形状である電極アセンブリの捲回軸線Kに垂直な横断面の構造概略図である。電極アセンブリは、陽極板1701、陰極板1702、セパレータ1703、第1の電解液吸着層1704、第2の電解液吸着層1705及び第3の電解液吸着層1706を含み、ここで、セパレータ1703は、陽極板1701と陰極板1702との間に位置し、陽極板1701、陰極板1702とセパレータ1703を重ねてから、捲回軸線周りに捲回して扁平体形状の捲回構造を形成する。
【0176】
本実施例の陽極板1701、陰極板1702及びセパレータ1703の関連する技術的特徴については、前述した図1図15に対応する実施例の説明を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0177】
本実施例の電極アセンブリは、図17図18に対応する実施例に説明された電極アセンブリとほぼ類似しており、その相違点として以下のとおりであってもよい。
【0178】
本実施例において、電極アセンブリの捲回構造は、第1のストレート領域17A1、第2のストレート領域17A2、第1の折り曲げ領域17B1及び第2の折り曲げ領域17B2を含み、第1のストレート領域17A1と第2のストレート領域17A2は対向して設置され、第1の折り曲げ領域17B1と第2の折り曲げ領域17B2は対向して設置され、第1の折り曲げ領域17B1の両端は、それぞれ第1のストレート領域17A1と第2のストレート領域17A2の同一側の端部に接続され、第2の折り曲げ領域17B2の両端は、それぞれ第1のストレート領域17A1と第2のストレート領域17A2の同一の他方側の端部に接続される。
【0179】
電極アセンブリの第1の折り曲げ領域17B1と第2の折り曲げ領域17B2に含まれる陽極板1701と陰極板1702は順次交互に積層され、隣接する陽極板1701と陰極板1702との間はセパレータ1703を有し、ここで、第1の折り曲げ領域17B1と第2の折り曲げ領域17B2の最内側の極板はいずれも陽極板1701であり、第1の折り曲げ領域17B1と第2の折り曲げ領域17B2の少なくとも最内側の陰極板1702の内側表面に電解液吸着層が設けられ(例えば、付着され)、例えば、第1の折り曲げ領域17B1と第2の折り曲げ領域17B2の各層の陰極板1702の内側表面に電解液吸着層が設けられる(例えば、付着される)。本実施例において、陰極板1702の内側表面とは、陰極板1702の捲回軸線に向かう表面、又は捲回構造の内部に向かう表面を指す。
【0180】
例えば、第1の折り曲げ領域17B1は複数層の極板、例えば3層の極板を有し、第1の折り曲げ領域17B1の最内層(第1層と呼ばれてもよい)と最外層(第3層と呼ばれてもよい)の極板はいずれも陽極板1701であり、最内層極板と最外層極板との間の極板(第2層の極板と呼ばれてもよい)は陰極板1702であり、第1の電解液吸着層1704は第1の折り曲げ領域17B1の陰極板1702の内側表面に付着される。
【0181】
第2の折り曲げ領域17B2は複数層の極板、例えば5層の極板を有し、捲回構造の内から外に向かう方向に沿って、第2の折り曲げ領域17B2の陽極板1701と陰極板1702は順次交互に積層され、第2の折り曲げ領域17B2の最内層の極板は陽極板1701であり、第2の折り曲げ領域17B2の各層の陰極板1702の内側表面に電解液吸着層が付着される。
【0182】
例えば、捲回構造の内から外に向かう方向に沿って、第2の折り曲げ領域17B2は順次第1層、第2層、第3層、第4層と第5層の極板を含み、第1層、第3層と第5層の極板は陽極板1701であり、第2層と第4層の極板は陰極板1702であり、第2の電解液吸着層1705は、第2の折り曲げ領域17B2の最内側の隣接する陽極板1701と陰極板1702のうちの陰極板1702の内側表面に付着され、即ち第2の電解液吸着層1705は、第2の折り曲げ領域17B2の第2層の極板(それは陰極板1702である)の内側表面に付着される。第3の電解液吸着層1706は、第2の折り曲げ領域17B2の第4層の極板(それは陰極板1702である)の内側表面に付着される。
【0183】
本実施例において、第1の電解液吸着層1704は、捲回方向Lに沿って第1の端と第2の端を含み、第1の電解液吸着層1704の第1の端と第2の端は、いずれも第1の折り曲げ領域17B1に位置する。第2の電解液吸着層1705は、捲回方向Lに沿って第1の端と第2の端を含み、第2の電解液吸着層1705の第1の端は、第2の折り曲げ領域17B2と第1のストレート領域17A1との境界に位置し、第2の電解液吸着層1705の第2の端は、第2の折り曲げ領域17B2と第2のストレート領域17A2との境界に位置する。第3の電解液吸着層1706は、捲回方向Lに沿って第1の端と第2の端を含み、第3の電解液吸着層1706の第1の端と第2の端は、いずれも第2の折り曲げ領域17B2に位置する。
【0184】
本実施例では、第2の折り曲げ領域17B2において、捲回軸線Kに垂直で且つ電極アセンブリの内から外に向かう方向に沿って、各層の極板の曲率は順次減少し、即ち折り曲げ程度が次第に低下し、このように、捲回軸線Kに垂直で且つ電極アセンブリの内から外に向かう方向に沿って、各電解液吸着層が第2の折り曲げ領域17B2において捲回方向に沿って覆う円周角度は順次減少することができ、例えば、第3の電解液吸着層1706が第2の折り曲げ領域17B2において捲回方向に沿って覆う円周角度は、第2の電解液吸着層1705が第2の折り曲げ領域17B2において覆う円周角度よりも小さく、例えば、第3の電解液吸着層1706が第2の折り曲げ領域17B2において捲回方向に沿って覆う円周角度は90°であり、第2の電解液吸着層1705が第2の折り曲げ領域17B2において捲回方向に沿って覆う円周角度は180°である。
【0185】
本実施例において、第1の電解液吸着層1704、第2の電解液吸着層1705及び第3の電解液吸着層1706の機能、構造と分布方式などの関連内容については、いずれも前述した図1図15の実施例に説明された電解液吸着層の関連内容を参照してよく、ここでは説明を省略する。
【0186】
なお、図17図26の実施例において、電解液吸着層4は、第1の折り曲げ領域と第2の折り曲げ領域内の陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも一方の、所定回数の折り曲げに対応する折り曲げ部位に設置されてもよい。いくつかの実施例において、電解液吸着層の少なくとも一部は折り曲げ領域内の陰極板の1回目の折り曲げ部位及び/又は2回目の折り曲げ部位に設置され、及び/又は、電解液吸着層の少なくとも一部は陽極板の1回目の折り曲げ部位及び/又は2回目の折り曲げ部位に設置され、及び/又は、電解液吸着層の少なくとも一部は陰極板の1回目の折り曲げ部位に隣接するセパレータの折り曲げ部位及び/又は2回目の折り曲げ部位に隣接するセパレータの折り曲げ部位に設置され、及び/又は、電解液吸着層の少なくとも一部は陽極板の1回目の折り曲げ部位に隣接するセパレータの折り曲げ部位及び/又は2回目の折り曲げ部位に隣接するセパレータの折り曲げ部位に設置される。本実施例で言及した所定回数の折り曲げとは、陰極板、セパレータと陽極板を内から外へ捲回して電アセンブリを形成する過程において、折り曲げの前後の順に従って並べられた回数を指す。図17の実施例を例にし、陰極板92に対して、第2の電解液吸着層95のある位置は陰極板92の1回目の折り曲げであり、第1の電解液吸着層94のある位置は陰極板92の2回目の折り曲げであり、第3の電解液吸着層96のある位置は陰極板92の3回目の折り曲げであり、このように類推する。なお、図20の実施例を例にし、第3の電解液吸着層1106のある位置は陽極板1101の1回目の折り曲げであり、第1の電解液吸着層1104のある位置は陽極板1101の2回目の折り曲げであり、第4の電解液吸着層1107のある位置は陽極板1101の3回目の折り曲げであり、このように類推する。陰極板、陽極板の所定回数の折り曲げは1回目、2回目に限定されず、必要に応じて任意回数の折り曲げ範囲を選択してもよく、例えば、電解液吸着層4を、折り曲げ領域内の陰極板の1~4回目又は1~6回目又は1~8回目、又は3~4回目又は3~6回目又は3~8回目又は他の回数範囲折り曲げられた折り曲げ部位に設置してもよく、及び/又は、電解液吸着層4を、折り曲げ領域内の陽極板の1~4回目又は1~6回目又は1~8回目、又は3~4回目又は3~6回目又は3~8回目又は他の回数範囲折り曲げられた折り曲げ部位に設置してもよく、及び/又は、電解液吸着層4を、折り曲げ領域内の陰極板の1~4回目又は1~6回目又は1~8回目、又は3~4回目又は3~6回目又は3~8回目又は他の回数折り曲げられた折り曲げ部位と隣接するセパレータの折り曲げ部位、又は陽極板の1~4回目又は1~6回目又は1~8回目、又は3~4回目又は3~6回目又は3~8回目又は他の回数折り曲げられた折り曲げ部位と隣接するセパレータの折り曲げ部位に設置してもよい。上記実施例において、第1の折り曲げ領域と第2の折り曲げ領域の、陰極板又は陽極板に隣接するセパレータとは、具体的には、第1の折り曲げ領域と第2の折り曲げ領域において、陽極板の内側及び/又は外側に位置するセパレータ、又は陰極板の内側及び/又は外側に位置するセパレータを指す。
【0187】
該実施例において、陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも一方の所定回数折り曲げられた折り曲げ部位に電解液吸着層を設置することで、陰極板1と陽極板2との間の、隙間が大きい所定回数の折り曲げ部位に対して、例えば所定回数の折り曲げが1回目の折り曲げと2回目の折り曲げを含み、1回目と2回目の折り曲げ部位の電解液のみに対して制御を行い、陰極板1又は陽極板2の1回目と2回目の折り曲げ部位の電解液貯蔵と保持性能を向上させ、イオン伝導と拡散の性能を向上させ、電池セルのサイクル性能と耐用年数を向上させることができる。なお、陰極板及び/又は陽極板の表面の折り曲げ領域の1回目と2回目の折り曲げ部位に電解液吸着層を配置することで、電解液吸着層は、陰極板の1回目と2回目の折り曲げ部位上の陰極活物質層及び/又は陽極板の1回目と2回目の折り曲げ部位上の陽極活物質層を補強し、活物質層が折り曲げにより断裂する状況の発生を低減させ、さらに電池セルの性能を向上させることができる。
【0188】
図27に示すように、図27は、本出願の別の実施例による陰極板1702の展開後の概略図であり、具体的には、図27における陰極板1702の、第2の電解液吸着層1705が貼り付けられる位置の展開後の概略図であり、ここで、第1の折り曲げ領域17B1と第2の折り曲げ領域17B2は中心線Mを有し、中心線Mは電極アセンブリの捲回軸線と平行し、且つ電極アセンブリの図26における長さの方向に沿って延伸し、中心線Mは、電極アセンブリの幅方向に沿って第1の折り曲げ領域17B1と第2の折り曲げ領域17B2をそれぞれ上下2つの部分に分ける。
【0189】
第2の電解液吸着層1705に対して、それは第1の折り曲げ区画1708に位置する中間吸着層43と、第2の折り曲げ区画1709に位置する側吸着層44とを含み、ここで、第1の折り曲げ区画1708は折り曲げ領域の中心線Mを覆い、即ち第1の折り曲げ区画1708全体が折り曲げ領域の中央部に位置する。第2の折り曲げ区画1709は、第1の折り曲げ区画1708の少なくとも一側に位置し、図27に示すように、任意選択的に、第1の折り曲げ区画の両側にそれぞれ1つの第2の折り曲げ区画1709が設けられる。図27に示すように、ここで、中間吸着層43の空隙率は側吸着層44の空隙率よりも大きい。異なる折り曲げ区画の電解液吸着層の空隙率は、1つの区画内の電解液吸着層上の全てのイオン交換通路40の面積の総和と、該領域内の電解液吸着層の面積との比である。電解液吸着層の空隙率は、電解液吸着層上のイオン交換通路40の直径と単位面積内のイオン交換通路の数を変えることによって調節することができる。例えば、中間吸着層43に位置するイオン交換通路40の直径及び/又は単位面積内のイオン交換通路の数は、側吸着層44におけるイオン交換通路40の直径及び/又は単位面積内のイオン交換通路の数より大きくなってもよい。本実施例の第2の電解液吸着層1705の構造は、陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも一方の所定回数折り曲げられた折り曲げ部位の1つの表面又は2つの表面に配置されてもよい。いくつかの実施例において、0<中間吸着層43の空隙率≦50%である。中間吸着層43の空隙率は、0.05%、0.08%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、30%、40%など又は他の値であってもよい。いくつかの実施例において、側吸着層44の空隙率は0であってもよく、即ち側吸着層44にイオン交換通路40を設置せず、0<側吸着層44の空隙率≦50%であってもよい。側吸着層44の空隙率は、0、0.05%、0.08%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、30%、40%などの数値、又は他の値であってもよい。
【0190】
図28に示すように、中間吸着層43の空隙率は、側吸着層44の空隙率より小さくなってもよい。例えば、中間吸着層43に位置するイオン交換通路40の直径及び/又は単位面積内のイオン交換通路の数は、側吸着層44におけるイオン交換通路40の直径及び/又は単位面積内のイオン交換通路の数より小さくなってもよい。本実施例の第2の電解液吸着層1705の構造は、陰極板、陽極板とセパレータの少なくとも一方の所定回数折り曲げられた折り曲げ部位の1つの表面又は2つの表面に配置されてもよい。いくつかの実施例において、0<側吸着層44の空隙率≦50%である。側吸着層44の空隙率は、0.05%、0.08%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、30%、40%などの数値、又は他の値であってもよい。いくつかの実施例において、中間吸着層43の空隙率は0であってもよく、即ち中間吸着層43にイオン交換通路40を設置せず、0<中間吸着層43の空隙率≦50%であってもよい。中間吸着層43の空隙率は、0、0.05%、0.08%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、30%、40%などの数値又は他の値であってもよい。
【0191】
図29に示すように、図29は、本出願の別の実施例による陰極板1702の展開後の概略図であり、具体的には、図26における陰極板1702の、第2の電解液吸着層1705が貼り付けられる位置の展開後の概略図であり、折り曲げ領域において、電極アセンブリの捲回軸線Kと平行する方向に沿って、イオン交換通路40は、第2の電解液吸着層1705上で折れ線又は曲線を呈して分布する。イオン交換通路40を第2の電解液吸着層1705上で折れ線又は曲線に配置することによって、イオン交換通路40が第2の電解液吸着層1705の様々な幅と高さの位置に分布するようになり、第2の電解液吸着層1705が様々な高さと幅の位置においていずれも電解液の放出及びイオンの伝導と拡散を実現することができるようになり、電池のサイクル性能と耐用年数の向上に有利である。該実施例において、0<第2の電解液吸着層1705の空隙率≦50%である。第2の電解液吸着層1705の空隙率は、0.05%、0.08%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、30%、40%などの数値又は他の値であってもよい。
【0192】
図27図29の実施例は、電解液吸着層と陰極板とのそれぞれの位置関係及び電解液吸着層の構造的特徴を概略的に記述したものに過ぎず、図27図29の電解液吸着層は、陰極板の1回目と2回目の折り曲げ部位に設置することに限定されず、陰極板の他の部位、及び陽極板とセパレータに設置されてもよい。図27図29の実施例の電解液吸着層の構造は、図3図8図11図26のいずれか一実施例の電解液吸着層構造に応用することができる。
【0193】
図30に示すように、図30は、本出願の別の実施例による電池セルの構造概略図である。電池セルは、外枠181及び外枠181内に収納される1つ又は複数の電極アセンブリ182を含み、外枠181はケース1811とカバープレート1812を含み、ケース1811は収容室を有し、且つケース1811は開口を有し、即ち、電極アセンブリ182がケース1811の収容室に収容することができるように、該平面はケース壁を有さず、ケース1811の内外を連通させ、カバープレート1812とケース1811はケース1811の開口において結合されて中空室を形成し、電極アセンブリ182を外枠181内に収容した後、外枠181に電解液を充填して封止する。
【0194】
ケース1811は、1つ又は複数の電極アセンブリ182が組み合わせられた後の形状によって決定され、例えば、ケース1811は中空直方体又は中空立方体又は中空円柱体であってもよい。例えば、ケース1811が中空直方体又は立方体である時、ケース1811のそのうち1つの平面が開口面であり、即ち該平面はケース壁を有さず、ケース1811の内外を連通させ、ケース1811が中空円柱体である時、ケース1811のそのうちの1つの円形側面は開口面であり、即ち該円形側面はケース壁を有さず、ケース1811の内外を連通させる。
【0195】
本出願の別の実施例において、ケース1811は、導電性金属材料又はプラスチックから製造されてもよく、任意選択的に、ケース1811は、アルミニウム又はアルミニウム合金から製造される。
【0196】
電極アセンブリ182の構造は、前述した図1~27の実施例に説明された電極アセンブリの関連内容を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0197】
図31に示すように、図31は、本出願の別の実施例による電池モジュールの構造概略図である。電池モジュール19は互いに接続される複数の電池セル191を含み、ここで、複数の電池セル191の間は直列又は並列又は直並列に接続されてもよく、直並列とは、接続には直列接続と並列接続が同時に含まれることを指し、電池セル191の構造は、図30に対応する実施例に説明された電池セルを参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0198】
図32は、本出願の別の実施例による電池の構造概略図であり、電池は筐体を含み、筐体には複数の電池セルが収容される。電池セルの構造は、図30に示す電池セルの構造を参照してもよい。筐体に複数の電池セルを収容する具体的な方式は、電池セルを筐体内に直接に取り付け、又は複数の電池セルを電池モジュールとして組み合わせてから、電池モジュールを電池内に取り付けることを含む。
【0199】
図32に示すように、いくつかの実施例において、電池は複数の電池モジュール19と筐体を含み、筐体は下筐体20と上筐体30を含み、複数の電池モジュール19の間は直列又は並列又は直並列に接続されてもよく、下筐体20は収容室を有し、且つ下筐体20は、接続された複数の電池モジュール19が下筐体20の収容室内に収容できるように、開口を有し、上筐体30と下筐体20は下筐体20の開口において結合されて中空室を形成し、上筐体30と下筐体20を結合した後に封止する。
【0200】
本出願の別の実施例において、電池は電力消費装置に単独で給電することができ、該電池は電池パックと呼ばれてもよく、例えば、自動車の給電に用いられる。
【0201】
本出願の別の実施例において、電力消費装置の電力消費の需要に応じて、複数の電池は互いに接続された後組電池に組み合わせられ、電力消費装置に給電するために用いられる。本出願の別の実施例において、該組電池は1つの筐体に収容されて、封入してもよい。
【0202】
説明を簡略化させるために、以下の実施例は、電力消費装置は電池を含むことを例として説明する。
【0203】
本出願の一実施例は電力消費装置をさらに提供し、例えば、電力消費装置は自動車、例えば、新エネルギー車であってもよく、電力消費装置は前述した実施例に説明される電池を含み、ここで、電力消費装置に使用される電池は図31に対応する実施例に説明される電池のとおりであってもよく、ここでは説明を省略する。
【0204】
例えば、図33では、本出願の別実施例による電力消費装置の構造概略図が示されている。電力消費装置は自動車であってもよく、自動車は燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純電気自動車、ハイブリッド自動車やレンジエクステンダー自動車などであってもよい。自動車は電池2101、コントローラ2102及びモータ2103を含む。電池2101は、自動車の操作電源及び駆動電源として、コントローラ2102とモータ2103に電力を供給するためのものであり、例えば、電池2101は、自動車の起動、ナビゲーション及び走行時の作動電力需要を満たすためのものである。例えば、電池2101は、コントローラ2102に電力を供給し、コントローラ2102は、モータ2103に電力を供給するように電池2101を制御し、モータ2103は、電池2101の電力を受け取って自動車の駆動電源として使用し、燃料油又は天然ガスに代わって又は部分的に代わって自動車に駆動動力を提供する。
【0205】
当業者であれば理解できるように、ここでのいくつかの実施例は、他の特徴ではなく、他の実施例に含まれるいくつかの特徴を含むが、異なる実施例の特徴の組み合わせは、本出願の範囲に属し且つ異なる実施例を形成することを意味する。例えば、特許請求の範囲において、保護しようとする実施例のいずれか1つは、いずれも任意の組み合わせの方式で使用されることができる。
【0206】
上述の実施例は、本出願の技術案を説明するためのみに用いられ、それを制限するものではない。前述した各実施例を参照して本出願を詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、それは依然として前述した各実施例に記載の技術案を修正し、又はそのうち一部の技術的特徴に対して等価置換を行うことができ、これらの修正又は置換は、相応する技術案の本質が本出願の各実施例の技術案の精神と範囲を逸脱するようにすることはない。
【国際調査報告】