(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(54)【発明の名称】デュアルエネルギーイメージングデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01T 1/20 20060101AFI20231004BHJP
G01T 1/17 20060101ALI20231004BHJP
G01N 23/04 20180101ALI20231004BHJP
G01N 23/087 20180101ALI20231004BHJP
【FI】
G01T1/20 L
G01T1/20 E
G01T1/17 H
G01N23/04
G01N23/087
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023515662
(86)(22)【出願日】2021-09-28
(85)【翻訳文提出日】2023-04-17
(86)【国際出願番号】 FI2021050636
(87)【国際公開番号】W WO2022069796
(87)【国際公開日】2022-04-07
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519260876
【氏名又は名称】ディテクション テクノロジー オイ
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】マティッカラ ミッコ
【テーマコード(参考)】
2G001
2G188
【Fターム(参考)】
2G001AA01
2G001AA02
2G001BA11
2G001CA01
2G001CA02
2G001DA01
2G001DA09
2G001EA06
2G001FA06
2G001FA08
2G001HA13
2G188AA27
2G188BB02
2G188BB04
2G188BB15
2G188CC22
2G188DD04
2G188DD05
2G188DD09
2G188EE01
2G188EE08
2G188EE12
2G188EE29
2G188FF02
(57)【要約】
x線および/またはガンマ線検出のためのデバイスおよび方法を提供することを目的とする。一実施形態によれば、デバイスは、複数のピクセルを備える検出器であって、複数のピクセルが、第1のエネルギー範囲における入射x線またはガンマ線放射を検出するように構成されたピクセルの第1のサブセット、および第2のエネルギー範囲における入射x線またはガンマ線放射を検出するように構成されたピクセルの第2のサブセットを含む、検出器と、複数のピクセルにおける各ピクセルから信号を得、各ピクセルの信号に基づいて複数のピクセルにおける各ピクセルについての放射強度値を得、ピクセルの第2のサブセットにおける少なくとも1つのピクセルについての第1のエネルギー範囲における放射強度推定値を計算するように構成された処理ユニットとを備える。デバイスおよび方法が提供される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のピクセル(201)を備える検出器(101)であって、前記複数のピクセルが、第1のエネルギー範囲における入射x線またはガンマ線放射を検出するように構成されたピクセルの第1のサブセット(202)、および第2のエネルギー範囲における入射x線またはガンマ線放射を検出するように構成されたピクセルの第2のサブセット(203)を含み、前記第2のエネルギー範囲が、前記第1のエネルギー範囲の部分範囲である、検出器(101)と、
前記検出器(101)に結合された処理ユニット(102)であって、
前記複数のピクセルにおける各ピクセルから信号を得、
各ピクセルの前記信号に基づいて前記複数のピクセルにおける各ピクセルについての放射強度値(404、501)を得、
ピクセルの前記第2のサブセットにおける少なくとも1つのピクセルの得られた放射強度値(404)、およびピクセルの前記第1のサブセットにおける少なくとも2つのピクセルの得られた前記放射強度値(501)を使用してピクセルの前記第2のサブセットにおける少なくとも1つのピクセルについて前記第1のエネルギー範囲における放射強度推定値(406)を計算するように構成された、処理ユニット(102)と
を備える、デバイス(100)。
【請求項2】
前記処理ユニット(102)は、
前記複数のピクセルにおける複数のピクセル対の各ピクセル対(301)についての減衰係数(401)の計算であって、前記複数のピクセル対の各ピクセル対が、ピクセルの前記第1のサブセットにおけるピクセル、およびピクセルの前記第2のサブセットにおけるピクセルを含む、計算と、
空間フィルタ(402)および前記複数のピクセル対の前記減衰係数(401)を使用したフィルタリングされた減衰係数(403)の計算と、
前記ピクセルの第2のサブセットにおける前記少なくとも1つのピクセルの得られた前記放射強度値(404)およびフィルタリングされた前記減衰係数(403)を使用した前記第1のエネルギー範囲における放射強度推定値(406)の計算と、
を実行することによって前記放射強度推定値を計算するようにさらに構成される、請求項1に記載のデバイス(100)。
【請求項3】
前記空間フィルタ(402)は、空間ローパスフィルタ、移動平均フィルタ、移動メジアンフィルタ、加重メジアンフィルタ、またはガウスフィルタを含む、請求項2に記載のデバイス(100)。
【請求項4】
前記処理ユニット(102)は、ピクセルの前記第1のサブセットにおける少なくとも1つのピクセルの得られた前記放射強度値(501)およびピクセルの前記第2のサブセットにおける少なくとも2つのピクセルの得られた前記放射強度値を使用して、ピクセルの前記第1のサブセット(202)における少なくとも1つのピクセルについて前記第2のエネルギー範囲における放射強度推定値(502)を計算するようにさらに構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス(100)。
【請求項5】
前記検出器(101)は、前記第2のエネルギー範囲外の前記入射x線またはガンマ線放射のうちの少なくとも一部が第2の複数のピクセル(203)に入るのをブロックするように配置されたフィルタ(205)をさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のデバイス(100)。
【請求項6】
前記フィルタ(205)は、前記入射x線またはガンマ線放射が第1の複数のピクセル(202)に入ることを可能にするように配置された複数のアパーチャをさらに備える、請求項5に記載のデバイス(100)。
【請求項7】
ピクセルの前記第1のサブセットおよびピクセルの前記第2のサブセットは、交互パターンで空間的に配置される、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス(100)。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のデバイス(100)を備える、デュアルエネルギーx線またはガンマ線イメージング装置。
【請求項9】
複数のピクセルを備える検出器を使用してイメージングするための方法(1200)であって、前記複数のピクセルは、第1のエネルギー範囲における入射x線またはガンマ線放射を検出するように構成されたピクセルの第1のサブセットと、第2のエネルギー範囲における入射x線またはガンマ線放射を検出するように構成されたピクセルの第2のサブセットと、を含み、前記第2のエネルギー範囲は、前記第1のエネルギー範囲の部分範囲であり、前記方法は、
前記複数のピクセルの各ピクセルから信号を得るステップ(1201)と、
各ピクセルの前記信号に基づいて前記複数のピクセルの各ピクセルについて放射強度値を得るステップ(1202)と、
ピクセルの前記第2のサブセットにおける少なくとも1つのピクセルの得られた前記放射強度値、およびピクセルの前記第1のサブセットにおける少なくとも2つのピクセルの得られた前記放射強度値を使用して、ピクセルの前記第2のサブセットにおける前記少なくとも1つのピクセルについて前記第1のエネルギー範囲における放射強度推定値を計算するステップ(1203)と、
を含む、方法(1200)。
【請求項10】
前記放射強度推定値を計算するステップ(1203)は、
前記複数のピクセルにおける複数のピクセル対の各ピクセル対について減衰係数を計算するステップであって、前記複数のピクセル対の各ピクセル対が、ピクセルの前記第1のサブセットにおけるピクセル、およびピクセルの前記第2のサブセットにおけるピクセルを含む、ステップと、
空間フィルタおよび前記複数のピクセル対の前記減衰係数を使用してフィルタリングされた減衰係数を計算するステップと、
ピクセルの前記第2のサブセットにおける前記少なくとも1つのピクセルの得られた前記放射強度値およびフィルタリングされた前記減衰係数を使用して前記第1のエネルギー範囲における前記放射強度推定値を計算するステップと、
を含む、請求項9に記載の方法(1200)。
【請求項11】
前記空間フィルタは、空間ローパスフィルタ、移動平均フィルタ、移動メジアンフィルタ、加重メジアンフィルタ、またはガウスフィルタを含む、請求項10に記載の方法(1200)。
【請求項12】
ピクセルの前記第1のサブセットにおける前記少なくとも1つのピクセルの計算された強度値、およびピクセルの前記第2のサブセットにおける少なくとも2つのピクセルの得られた前記放射強度値を使用して、ピクセルの前記第1のサブセットにおける前記少なくとも1つのピクセルについて前記第2のエネルギー範囲における放射強度推定値を計算するステップをさらに含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法(1200)。
【請求項13】
コンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品が、コンピュータで実行される場合、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されたプログラムコードを含む、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フィールドx線(X線)およびガンマ線検出器、より具体的には、x線および/またはガンマ線検出のためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デュアルエネルギーイメージング(dual-energy imaging)において、2つのエネルギー範囲における物体のx線などの電磁放射線の減衰を得ることができる。次いでこの情報を使用して、単一のエネルギー範囲のみを使用した場合と比較して、物体のより詳細な画像を生成することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この概要は、以下の詳細な説明でさらに記載される概念の選択を簡略化された形態で導入するために提供される。この概要は、特許請求された主題の重要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求された主題の範囲を限定するために使用することを意図するものではない。
【0004】
x線および/またはガンマ線検出のためのデバイスおよび方法を提供することを目的とする。前述および他の目的は、独立請求項の特徴によって達成される。さらなる実施態様の形態は、従属請求項、説明および図面から明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、デバイスは、複数のピクセルを備える検出器であって、複数のピクセルが、第1のエネルギー範囲における入射x線またはガンマ線放射を検出するように構成されたピクセルの第1のサブセット(subset)、および第2のエネルギー範囲における入射x線またはガンマ線放射を検出するように構成されたピクセルの第2のサブセットを含み、第2のエネルギー範囲が、第1のエネルギー範囲の部分範囲(subrange)である、検出器と、検出器に結合された処理ユニットであって、複数のピクセルにおける各ピクセルから信号を得、各ピクセルの信号に基づいて複数のピクセルにおける各ピクセルについての放射強度値(radiation intensity value)を計算し、ピクセルの第2のサブセットにおける少なくとも1つのピクセルの得られた放射強度値、およびピクセルの第1のサブセットにおける少なくとも2つのピクセルの得られた放射強度値を使用してピクセルの第2のサブセットにおける少なくとも1つのピクセルについて第1のエネルギー範囲における放射強度推定値を計算するように構成された、処理ユニットとを備える。このデバイスは、例えば、第1のエネルギー範囲における失った情報(missing information)を推定することによってイメージング解像度(imaging resolution)を増加させることができる。
【0006】
第1の態様の実施態様の形態では、処理ユニットは、複数のピクセルにおける複数のピクセル対の各ピクセル対についての減衰係数の計算であって、複数のピクセル対の各ピクセル対(pixel pair)が、ピクセルの第1のサブセットにおけるピクセル、およびピクセルの第2のサブセットにおけるピクセルを含む、計算、空間フィルタおよび複数のピクセル対の減衰係数を使用したフィルタリングされた減衰係数の計算、ならびにピクセルの第2のサブセットにおける少なくとも1つのピクセルの得られた放射強度値およびフィルタリングされた減衰係数を使用した第1のエネルギー範囲における放射強度推定値の計算を実行することによって放射強度推定値を計算するようにさらに構成される。このデバイスは、例えば、他のピクセルの減衰係数を使用することによって推定値を効果的に計算することができる。
【0007】
第1の態様のさらなる実施態様の形態では、空間フィルタは、空間ローパスフィルタ、移動平均フィルタ、移動メジアンフィルタ(a moving median filter)、加重メジアンフィルタ(a weighted median filter)、またはガウスフィルタ(ガウシアンフィルタ、a gaussian filter)を含む。このデバイスは、例えば、フィルタリングされた減衰係数を効果的に計算することができる。
【0008】
第1の態様のさらなる実施態様の形態では、処理ユニットは、ピクセルの第1のサブセットにおける少なくとも1つのピクセルの得られた放射強度値およびピクセルの第2のサブセットにおける少なくとも2つのピクセルの得られた放射強度値を使用してピクセルの第1のサブセットにおける少なくとも1つのピクセルについて第2のエネルギー範囲における放射強度推定値を計算するようにさらに構成される。このデバイスは、例えば、第2のエネルギー範囲における失った情報を推定することによってイメージング解像度をさらに増加させることができる。
【0009】
第1の態様のさらなる実施態様の形態では、検出器は、第2のエネルギー範囲外の入射x線またはガンマ線放射のうちの少なくとも一部が第2の複数のピクセルに入るのをブロックするように配置されたフィルタをさらに備える。このデバイスは、例えば、第2のエネルギー範囲外の入射線放射(incident ray radiation)が第2の複数のピクセルに入るのを効果的に阻止することができる。したがって、第2の複数のピクセルをデュアルエネルギーイメージングのために使用することができる。
【0010】
第1の態様のさらなる実施態様の形態では、フィルタは、入射x線またはガンマ線放射が第1の複数のピクセルに入ることを可能にするように配置された複数のアパーチャ(開口部、aperture)をさらに備える。このデバイスは、例えば、第2のエネルギー範囲外の入射線放射が第2の複数のピクセルに入るのを阻止しながら、放射線が第1の複数のピクセルに入ることを可能にすることができる。したがって、第1および第2の複数のピクセルをデュアルエネルギーイメージングのために使用することができる。
【0011】
第1の態様のさらなる実施態様の形態では、ピクセルの第1のサブセットおよびピクセルの第2のサブセットは、交互パターンで空間的に配置される。このデバイスは、例えば、1つおきのピクセルを使用して第1のエネルギー範囲における入射放射線を測定し、1つおきのピクセルを使用して第2のエネルギー範囲における入射放射線を測定することができる。
【0012】
第2の態様によれば、デュアルエネルギーx線またはガンマ線イメージング装置(imaging apparatus)は、第1の態様によるデバイスを備える。
【0013】
第3の態様によれば、複数のピクセルを備える検出器を使用してイメージングするための方法が提供され、複数のピクセルが、第1のエネルギー範囲における入射x線またはガンマ線放射を検出するように構成されたピクセルの第1のサブセット、および第2のエネルギー範囲における入射x線またはガンマ線放射を検出するように構成されたピクセルの第2のサブセットを含み、第2のエネルギー範囲が、第1のエネルギー範囲の部分範囲であり、この方法が、複数のピクセルの各ピクセルから信号を得るステップ、各ピクセルの信号に基づいて複数のピクセルの各ピクセルについて放射強度値を計算するステップ、ピクセルの第2のサブセットにおける少なくとも1つのピクセルの得られた放射強度値、およびピクセルの第1のサブセットにおける少なくとも2つのピクセルの得られた放射強度値を使用してピクセルの第2のサブセットにおける少なくとも1つのピクセルについて第1のエネルギー範囲における放射強度推定値を計算するステップを含む。この方法は、例えば、第1のエネルギー範囲における失った情報を推定することによってイメージング解像度を増加させることができる。
【0014】
第3の態様の実施態様の形態では、放射強度推定値を計算するステップは、複数のピクセルにおける複数のピクセル対の各ピクセル対について減衰係数を計算するステップであって、複数のピクセル対の各ピクセル対が、ピクセルの第1のサブセットにおけるピクセル、およびピクセルの第2のサブセットにおけるピクセルを含む、ステップ、空間フィルタおよび複数のピクセル対の減衰係数を使用してフィルタリングされた減衰係数を計算するステップ、ピクセルの第2のサブセットにおける少なくとも1つのピクセルの得られた放射強度値およびフィルタリングされた減衰係数を使用して第1のエネルギー範囲における放射強度推定値を計算するステップを含む。この方法は、例えば、他のピクセルの減衰係数を使用することによって推定値を効果的に計算することができる。
【0015】
第3の態様のさらなる実施態様の形態では、空間フィルタは、空間ローパスフィルタ、移動平均フィルタ、移動メジアンフィルタ、加重メジアンフィルタ、またはガウスフィルタを含む。この方法は、例えば、フィルタリングされた減衰係数を効果的に計算することができる。
【0016】
第3の態様のさらなる実施態様の形態では、この方法は、ピクセルの放射線の第1のサブセットにおける少なくとも1つのピクセルの得られた放射強度値、およびピクセルの第2のサブセットにおける少なくとも2つのピクセルの得られた放射強度値を使用してピクセルの第1のサブセットにおける少なくとも1つのピクセルについて第2のエネルギー範囲における放射強度推定値を計算するステップをさらに含む。この方法は、例えば、第2のエネルギー範囲における失った情報を推定することによってイメージング解像度を増加させることができる。
【0017】
第4の態様によれば、コンピュータプログラム製品は、このコンピュータプログラム製品が、コンピュータで実行される場合、第3の態様による方法を実行するように構成されたプログラムコードを含む。
【0018】
付随する特徴の多くは、添付の図面に関連して考慮される以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるので、より容易に認識されるであろう。
【0019】
以下において、例示的な実施形態が、添付の図面を参照してより詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図4】一実施形態に係る放射強度値の推定の概略図を示す。
【
図5】一実施形態に係るTEおよびHEカウントならびに減衰係数のプロット図を示す。
【
図6】別の実施形態に係るTEおよびHEカウントならびに減衰係数のプロット図を示す。
【
図7】一実施形態に係るグレースケール画像としての暗補正された生データの概略図を示す。
【
図8】一実施形態に係るグレースケール画像としての減衰係数の概略図を示す。
【
図9】一実施形態に係るグレースケール画像としてのフィルタリングされた減衰係数の概略図を示す。
【
図10】一実施形態に係るグレースケール画像としての復元されたTE出力の概略図を示す。
【
図11】一実施形態に係るグレースケール画像としての復元されたHE出力の概略図を示す。
【
図12】一実施形態に係る方法のフローチャート図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下において、同一の参照符号は、類似または少なくとも機能的に等価の特徴を指す。
【0022】
以下の説明では、本開示の一部を形成し、本開示が配置され得る特定の態様が例示として示されている添付の図面を参照する。本開示の範囲から逸脱することなく、他の態様を利用することができ、構造的または論理的な変更を行うことができることが理解される。したがって、以下の詳細な説明は、本開示の範囲が添付の特許請求の範囲によって定義されるため、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0023】
例えば、説明した方法に関連する開示は、その方法を実行するように構成された対応するデバイスまたはシステムにも当てはめることができ、その逆も成り立つことが理解される。例えば、特定の方法ステップが説明されている場合、対応するデバイスは、説明された方法ステップを実行するためのユニットを、そのようなユニットが図面に明確に説明され、または示されていなくても含むことができる。他方で、例えば、特定の装置が機能ユニットに基づいて説明されている場合、対応する方法は、説明された機能を実行するステップを、そのようなステップが、図面に明確に説明され、または示されていなくても含むことができる。さらに、特に断りのない限り、本明細書に説明された様々な例示的態様の特徴を互いに組み合わせることができることを理解されたい。
【0024】
図1は、一実施形態に係るデバイス100の概略図を示す。
【0025】
一実施形態によれば、デバイス100は、複数のピクセルを含む検出器101を備える。複数のピクセルは、第1のエネルギー範囲において入射x線またはガンマ線放射を検出するように構成されたピクセルの第1のサブセット、および第2のエネルギー範囲において入射x線またはガンマ線放射を検出するように構成されたピクセルの第2のサブセットを含むことができる。第2のエネルギー範囲は、第1のエネルギー範囲の部分範囲であり得る。
【0026】
複数のピクセルは、例えば、一次元の行または二次元のアレイもしくはマトリックスに空間的に配置され得る。
【0027】
第1のエネルギー範囲は、例えば、デュアルエネルギーx線イメージングにおけるいわゆる総エネルギー(TE、total energy)に対応し得る。
【0028】
第2のエネルギー範囲は、例えば、デュアルエネルギーx線イメージングにおけるいわゆる高エネルギー(HE、high energy)に対応し得る。HEエネルギー範囲は、TEエネルギー範囲の部分範囲であるため、デバイス100は、TEイベントからHEイベントを減算することによって、いわゆる低エネルギー(LE、low energy)情報を得ることができる。このように、デバイス100は、LE信号およびHE信号を使用することによってデュアルエネルギーイメージングを実行することができる。
【0029】
デバイス100は、検出器101に結合された処理ユニット102をさらに備えてもよい。処理ユニット102は、複数のピクセルの各ピクセルから信号を取得するように構成されてもよい。
【0030】
処理ユニット102は、複数のピクセルから得られた信号に基づいて前処理を実行することができる。次いで、処理ユニット102は、連続動作のために前処理された信号を使用することができる。例えば、処理ユニット102は、ノイズ除去および/またはダークフレーム減算を実行することができる。
【0031】
各ピクセルからの信号は、入射放射線の強度に比例し得る。例えば、各信号は、入射放射線によってピクセル内で発生したイベントの数に比例し得る。
【0032】
処理ユニット102は、各ピクセルの信号に基づいて、複数のピクセルの各ピクセルについての放射強度値を得るようにさらに構成され得る。
【0033】
処理ユニット102は、例えば、信号に対してアナログ・デジタル変換を実行し、変換の結果を適切にスケーリングすることによって放射強度値を得ることができる。あるいはまたはさらに、処理ユニット102は、放射強度値を得るために他の操作および/または計算を実行することができる。
【0034】
放射強度値は、ピクセルの位置における入射放射線の強度に対応することができる。放射強度値は、イベントカウントなどと呼ばれることもある。得られた放射強度値は、測定放射強度値(measured radiation intensity values)、検出放射強度値(detected radiation intensity values)などと呼ばれることもある。
【0035】
処理ユニット102は、信号処理ユニット、計算ユニットなどと呼ばれることもある。
【0036】
処理ユニット102は、ピクセルの第2のサブセットにおける少なくとも1つのピクセルの得られた放射強度値、およびピクセルの第1のサブセットにおける少なくとも2つのピクセルの得られた放射強度値を使用して、ピクセルの第2のサブセットにおける少なくとも1つのピクセルについて、第1のエネルギー範囲における放射強度推定値を計算するようにさらに構成され得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、処理ユニット102は、ピクセルの第2のサブセットにおける各ピクセルの得られた放射強度値、およびピクセルの第1のサブセットにおける少なくとも2つのピクセルの得られた放射強度値を使用して、ピクセルの第2のサブセットにおける各ピクセルの第1のエネルギー範囲における放射強度推定値を計算するようにさらに構成され得る。
【0038】
ピクセルの第2のサブセットは、第2のエネルギー範囲における入射放射線のみを検出することができるので、第2のサブセットにおけるピクセルの位置における第1のエネルギー範囲における入射放射線の強度に関する情報が失われる場合がある。したがって、イメージング解像度が低下する場合がある。デバイス100は、上記で開示したように、他のピクセルからのイメージング情報を使用することによって失われた情報を近似することができる。したがって、デバイス100は、画質を改善することができる。
【0039】
複数のピクセルの各ピクセルは、例えば、ピクセルの近くで入射x線および/またはガンマ線放射を検出するように構成され得る。
【0040】
処理ユニット102は、例えば、複数のピクセルの各ピクセルに電気的に結合され得る。いくつかの実施形態では、処理ユニット102は、特定用途向け集積回路(ASIC)として実装され得る。いくつかのさらなる実施形態では、ASICは、検出器101と一体化して単一のユニットにすることができる。他の実施形態では、処理ユニット102は、検出器101とは別個のデバイスで具現化され得る。
【0041】
処理ユニット102は、少なくとも1つのプロセッサを備えることができる。少なくとも1つのプロセッサは、例えば、コプロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、付属のDSPを伴う若しくは伴わない処理回路などの様々な処理デバイス、または例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、マイクロコントローラユニット(MCU)、ハードウェアアクセラレータ、専用コンピュータチップなどの集積回路を含む様々な他の処理デバイスのうちの1つ以上を備えることができる。
【0042】
処理ユニット102は、メモリをさらに備えることができる。メモリは、例えば、コンピュータプログラムなどを格納するように構成され得る。メモリは、1つ以上の揮発性メモリデバイス、1つ以上の不揮発性メモリデバイス、および/または1つ以上の揮発性メモリデバイスと不揮発性メモリデバイスの組み合わせを備えることができる。例えば、メモリは、磁気記憶デバイス(ハードディスクドライブ、フロッピーディスク、磁気テープなど)、光磁気記憶デバイス、および半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(プログラマブルROM)、EPROM(消去可能なPROM)、フラッシュROM、RAM(ランダムアクセスメモリ)など)として具現化することができる。
【0043】
当業者が理解できるように、処理ユニット102が、一部の機能性を実装するように構成される場合、少なくとも1つのプロセッサおよび/またはメモリなどの、一部のコンポーネントおよび/または処理ユニット102のコンポーネントは、この機能性を実装するように構成され得る。さらに、少なくとも1つのプロセッサが、一部の機能性を実装するように構成される場合、この機能性は、例えば、メモリに含まれるプログラムコードを使用して実装され得る。
【0044】
デバイス100は、例えば、デュアルエネルギーx線またはガンマ線イメージング装置で具現化することができる。
【0045】
図2は、一実施形態による検出器101の概略図を示す。
【0046】
一実施形態によれば、検出器101は、第2のエネルギー範囲外の入射x線またはガンマ線放射206のうちの少なくとも一部が第2の複数のピクセル203に入るのをブロックするように配置されたフィルタ205をさらに備える。
【0047】
一実施形態によれば、フィルタ205は、入射x線またはガンマ線放射206が第1の複数のピクセル202に入ることを可能にするように配置された複数のアパーチャをさらに備える。
【0048】
例えば、
図2の実施形態では、複数のピクセル201は、ピクセルの第1のサブセット202および第2のサブセット203を含む。ピクセルの第2のサブセット203におけるピクセルは各々、フィルタ205によってカバーされる。したがって、フィルタ205は、第1の複数のピクセル202のためのアパーチャを備える。
【0049】
図2の実施形態では、検出器は、シンチレータ層204をさらに備える。シンチレータ層204は、入射放射線206を低エネルギー電磁放射線に変換することができる。次いで、低エネルギー電磁放射線は、例えば、複数のピクセル201に対応するフォトダイオードによって検出することができる。
【0050】
フィルタ205は、例えば、銅を含むことができる。フィルタ205の厚さは、例えば、1.5mmなどの、0.1~10ミリメートル(mm)の範囲内であり得る。
【0051】
フィルタ205は、高エネルギーフィルタ、x線フィルタなどと呼ばれることもある。
【0052】
デバイス100は、ピクセルの第1のサブセット202が、フィルタ205によってカバーされず、ピクセルの第2のサブセット203が、フィルタ205によってカバーされるため、1つのタイプのシンチレータ204を使用して入射放射線206を測定することによって、入射放射線206に関するデュアルエネルギー情報を得ることができる。
【0053】
ピクセルの第1のサブセット202は、フィルタ205によってカバーされないので、ピクセルは総エネルギー(TE)信号を得ることができる。他方で、ピクセルの第2のサブセット203は、フィルタ205によってカバーされるので、ピクセルは、例えば、高エネルギー(HE)信号を得ることができる。
【0054】
TE/HE信号は、例えば、処理ユニット102によって、TE信号からHE信号を減算することによって低エネルギー(LE)信号に変換することができる。次いで、LEおよびHE信号は、例えば、デュアルエネルギー(DE、dual-energy)イメージングアルゴリズムで使用することができる。あるいは、デュアルエネルギーアルゴリズムを修正して、TE信号およびHE信号を使用することもできる。
【0055】
図3は、別の実施形態による検出器101の概略図を示す。
【0056】
一実施形態によれば、ピクセルの第1のサブセット202およびピクセルの第2のサブセット203は、交互パターンに空間的に配置される。
【0057】
例えば、
図3の実施形態では、1つおきのピクセルが、ピクセルの第1のサブセット202にあり、1つおきのピクセルが、ピクセルの第2のサブセット203にある。
【0058】
いくつかの実施形態では、複数のピクセル201を一次元の行に配置することができる。次に、対象物の二次元画像を得るために、複数のピクセル201に対して、例えばコンベヤベルトによって、画像化される対象物を移動させることができる。これはラインスキャニング(line scanning)と呼ばれることがあり、低コストのイメージングソリューション(imaging solutions)に使用できる。
【0059】
いくつかの実施形態では、第1のサブセット202および第2のサブセット203におけるピクセルは、単一のASICに結合され得る。処理ユニット102は、ASICを備えることができる。しかしながら、第1のサブセット202と第2のサブセット203との間の信号レベルの差は大きい場合がある。したがって、ASICで使用できるゲイン設定が1つだけの場合、信号対ノイズ比を両方のサブセットについて両方とも最適化することはできない。したがって、いくつかの実施形態では、ピクセルの第1のサブセット202を第1のASICに結合することができ、ピクセルの第2のサブセット203を第2のASICに結合することができる。これにより、エネルギー範囲ごとのASICゲイン調整が可能になる。しかしながら、これには、ピクセルあたり2分の1のセンサフィルファクタ(sensor fill-factor)が必要になる場合があり、全体的な信号レベルが低下する場合がある。
【0060】
図4は、一実施形態による放射強度値推定の概略図を示す。
【0061】
一実施形態によれば、処理ユニット102は、以下の操作を実行することによって放射強度推定値を計算するようにさらに構成される。
【0062】
処理ユニット102は、複数のピクセルにおける複数のピクセル対の各ピクセル対301について減衰係数R401を計算することができる。複数のピクセル対の各ピクセル対301は、第1のサブセット202におけるピクセル、および第2のサブセット203におけるピクセルを含むことができる。
【0063】
処理ユニット102が、減衰係数R401を計算するピクセル対301の数は変化し得る。例えば、複数のピクセル対におけるピクセル対301の数は、5、6、7、または9など、3より多くてもよい。
【0064】
減衰係数R401は、ピクセルの第1のサブセット202と比較して、ピクセルの第2のサブセット203において放射強度がどの程度減衰したかを定量化することができる。減衰係数R401は、例えば、R=NHE/NTEとして計算することができ、式中、NTEは、ピクセル対301のピクセルの第1のサブセット202におけるピクセルの得られた放射強度値であり、NHEは、ピクセル対301のピクセルの第2のサブセット203におけるピクセルの得られた放射強度値である。
【0065】
NTEは、得られた/測定されたTEカウントと呼ばれることもあり、NHEは、得られた/測定されたHEカウントと呼ばれることもある。本明細書では、TEカウントは、入射放射線206による第1のエネルギー範囲におけるイベントの数を指す場合があり、HEカウントは、入射放射線206による第2のエネルギー範囲におけるイベントの数を指す場合がある。
【0066】
処理ユニット102は、空間フィルタ402および複数のピクセル対301の減衰係数R401を使用して、フィルタリングされた減衰係数Rf403を計算することができる。
【0067】
処理ユニット102は、ピクセルの第2のサブセットにおける少なくとも1つのピクセルの得られた放射強度値NHE404およびフィルタリングされた減衰係数Rf403を使用して、第1のエネルギー範囲NTE,e406における放射強度推定値を計算することができる。例えば、処理ユニット102は、NTE,e=NHE/Rfを使用して放射強度推定値406を計算することができる。
【0068】
一実施形態によれば、空間フィルタ402は、空間ローパスフィルタ、移動平均フィルタ、移動メジアンフィルタ、加重メジアンフィルタ、またはガウスフィルタを含む。適切な空間フィルタのタイプおよび空間フィルタに関連するパラメータは、イメージング用途に応じて異なり得る。
【0069】
空間フィルタ402は、例えば、一次元または二次元であり得る。例えば、複数のピクセル201が一次元アレイに空間的に配置される場合、空間フィルタ402は一次元であり得る。他方で、複数のピクセル201が二次元アレイに空間的に配置される場合、空間フィルタ402は二次元であり得る。
【0070】
フィルタ402は、フィルタリングされた減衰係数RF403を計算するときに重み付けを適用することができる。例えば、フィルタ402は、放射強度推定値406が計算されるピクセルにより近いピクセル対301のより多くの減衰係数R401を重み付けすることができる。
【0071】
処理ユニット102は、例えば、空間フィルタ402と減衰係数R401との間の畳み込み演算(convolution operation)を実行することによって、フィルタリングされた減衰係数Rf403を計算することができる。あるいは、処理ユニット102は、例えば、非線形空間フィルタの場合、他の何らかの計算演算を実行することができる。
【0072】
他の実施形態では、処理ユニット102は、他の方法で放射強度推定値を計算することができる。例えば、処理ユニット102は、ピクセルの第1のサブセット202および/または第2のサブセット203から得られた放射強度値をフィルタリングし、フィルタリングされた強度値に基づいてフィルタリングされた減衰係数Rf403を計算することができる。
【0073】
一実施形態によれば、処理ユニット102は、ピクセルの第1のサブセット202における少なくとも1つのピクセルの得られた放射強度値、およびピクセルの第2のサブセットにおける少なくとも2つのピクセルの得られた放射強度値を使用して、ピクセルの第1のサブセット202における少なくとも1つのピクセルについて、第2のエネルギー範囲における放射強度推定値を計算するようにさらに構成される。したがって、処理ユニット102は、例えば、ピクセルの第1のサブセット202におけるピクセルについてのHEカウント推定値を計算することができる。例えば、処理ユニット102は、本明細書に開示されるように、フィルタリングされた減衰係数Rfを計算し、次いで、HEカウント推定値を、NHE,e=Rf×NTEとして計算することができる。
【0074】
図5は、一実施形態によるTEおよびHEカウントならびに減衰係数のプロット表示(plot representation)の図を示す。
【0075】
図5の実施形態では、測定されたTEカウント501および推定されたTEカウント406、ならびに測定されたHEカウント404および推定されたHEカウント502が示されている。測定されたカウントは塗りつぶされた丸で示され、推定されたカウントは塗りつぶされていない丸で示される。
【0076】
減衰係数401は、
図5の実施形態において白丸で示されている。各減衰係数は、各ピクセル対についてR=N
HE/N
TEとして計算されている。フィルタリングされた減衰係数R
f403は線で示されている。フィルタリングされた減衰係数R
f403は、長さ7の移動メジアンフィルタを使用して減衰係数401から計算されている。
【0077】
図5の実施形態に示される推定されたHEカウント502は、上記に開示されるように、フィルタリングされた減衰係数R
f403および測定されたTEカウント501を使用して計算されている。同様に、推定されたTEカウント406は、上記に開示されるように、フィルタリングされた減衰係数R
f403および測定されたHEカウント404を使用して計算されている。
【0078】
図6は、別の実施形態によるTEおよびHEカウントならびに減衰係数のプロット表示の図を示す。
【0079】
図6の実施形態に示されるプロットは、
図5の実施形態に示されるプロットのサブセクションを表す。
【0080】
図7は、一実施形態によるグレースケール画像としての暗補正(dark-corrected)された生データ700の概略図を示す。生データ700は、測定されたTEおよびHEカウントに対応する。
【0081】
図7の実施形態では、水平方向に1つおきの列が、測定されたTEカウントに対応し、1つおきの列が、測定されたHEカウントに対応する。したがって、各エネルギー範囲についての水平解像度(horizontal resolution)は、生データ700の合計水平解像度の半分である。
【0082】
図8は、一実施形態によるグレースケール画像としての減衰係数401の概略図を示す。
【0083】
図8の実施形態では、減衰係数401は、本明細書で開示されるように、
図7の実施形態の各水平ピクセル対について計算されている。
【0084】
図9は、一実施形態によるグレースケール画像としてのフィルタリングされた減衰係数403の概略図を示す。
【0085】
図9の実施形態では、フィルタリングされた減衰係数403は、水平方向にフィルタリングすることによって、
図8の実施形態の減衰係数から得られている。
【0086】
図10は、一実施形態によるグレースケール画像としての復元されたTE出力1000の概略図を示す。
【0087】
復元されたTE出力1000は、生データ700からの測定されたTE列を使用することによって、ならびに本明細書で開示されるように、生データ700からの測定されたHEカウントおよびフィルタリングされた減衰係数403を使用して他の列についての推定されたTEカウントを計算することによって得ることができる。
【0088】
図11は、一実施形態によるグレースケール画像としての復元されたHE出力の概略図を示す。
【0089】
復元されたHE出力1100は、生データ700からの測定されたHE列を使用することによって、ならびに本明細書で開示されるように、生データ700からの測定されたTEカウントおよびフィルタリングされた減衰係数403を使用して他の列についての推定されたHEカウントを計算することによって得ることができる。
【0090】
図12は、一実施形態による方法1200のフローチャート図を示す。
【0091】
一実施形態によれば、複数のピクセルを備える検出器を使用してイメージングするための方法1200であって、複数のピクセルが、第1のエネルギー範囲における入射x線またはガンマ線放射を検出するように構成されたピクセルの第1のサブセット、ならびに第2のエネルギー範囲における入射x線またはガンマ線放射を検出するように構成されたピクセルの第2のサブセットを含み、第2のエネルギー範囲が、第1のエネルギー範囲の部分範囲であり、複数のピクセルにおける各ピクセルから信号を得るステップ1201を含む。
【0092】
方法1200は、各ピクセルの信号に基づいて複数のピクセルにおける各ピクセルについての放射強度値を計算するステップ1202をさらに含むことができる。
【0093】
方法1200は、ピクセルの第2のサブセットにおける少なくとも1つのピクセルの得られた放射強度値、およびピクセルの第1のサブセットにおける少なくとも2つのピクセルの得られた放射強度値を使用して、ピクセルの第2のサブセットにおける少なくとも1つのピクセルについて第1のエネルギー範囲における放射強度推定値を計算するステップ1203をさらに含むことができる。
【0094】
方法1200は、例えば、処理ユニット102によって実行され得る。
【0095】
本明細書で与えられる任意の範囲またはデバイスの値は、求められる効果を失うことなく拡張または変更することができる。また、明示的に否定しない限り、任意の実施形態を別の実施形態と組み合わせることができる。
【0096】
主題は、構造的特徴および/または作用に特有の言語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲で定義される主題は、上記の特定の特徴または作用に必ずしも限定されないことが理解されるべきである。むしろ、上記の特定の特徴および作用は、特許請求の範囲を実装する例として開示されており、他の同等の特徴および作用は、特許請求の範囲内にあることを意図している。
【0097】
上記の利益および利点は、一実施形態に関連し得るか、またはいくつかの実施形態に関連し得ることが理解されるであろう。実施形態は、記載された問題のいずれかもしくは全てを解決するもの、または記載された利益および利点のいずれかもしくは全てを有するものに限定されない。「ある(an)」項目への言及は、それらの項目の1つまたは複数を指すことができることがさらに理解されるであろう。
【0098】
本明細書に記載される方法のステップは、任意の適切な順序で、または必要に応じて同時に実行することができる。さらに、個々のブロックは、本明細書に記載された主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、いずれの方法からも削除することができる。上記の実施形態のいずれかの態様を、記載されている他の実施形態のいずれかの態様と組み合わせて、求められる効果を失うことなくさらなる実施形態を形成することができる。
【0099】
「含む」という用語は、特定された方法、ブロックまたは要素を含むことを意味するために本明細書で使用されるが、そのようなブロックまたは要素は排他的なリストを含まず、方法または装置は、追加のブロックまたは要素を含むことができる。
【0100】
上記の説明は単なる例として与えられたものであり、当業者によって様々な変更がなされてもよいことが理解されるであろう。上記の仕様、例、およびデータは、例示的な実施形態の構造および使用の完全な説明を提供する。様々な実施形態が、ある程度の詳細度で、または1つ以上の個々の実施形態を参照して上記に説明されてきたが、当業者は、本明細書の趣旨または範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に対して多数の変更を行うことができる。
【国際調査報告】