(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(54)【発明の名称】滑らかではない輪郭を備えた湾曲縫合針
(51)【国際特許分類】
A61B 17/06 20060101AFI20231004BHJP
A61B 17/062 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
A61B17/06 510
A61B17/062
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516507
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(85)【翻訳文提出日】2023-05-08
(86)【国際出願番号】 US2021049795
(87)【国際公開番号】W WO2022056216
(87)【国際公開日】2022-03-17
(32)【優先日】2020-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523089003
【氏名又は名称】エルゴサージカル グループ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】アルモドバル ルイス ホセ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160BB18
4C160BB23
(57)【要約】
実質的に円形の断面と滑らかではない輪郭を備えた縫合針および回転針駆動装置を用いて針に縫合糸を付ける方法。針の輪郭は、針の長手方向長さに沿って突出隆起条を形成する複数の凹みを有するのがよい。これら突出隆起条は、針駆動装置のローラ内に設けられた溝に合致するのがよい。縫合針は、針に設けられた縫合糸移行部分の少なくとも一部分を覆うよう針の近位端から延びるテーパ付き移行部分をさらに有するのがよい。テーパ付き移行部分は、可撓性であり、このテーパ付き移行部分は、縫合糸直径から針直径への滑らかな移行を可能にし、その結果、ローラは、円滑な一動作で針に係合することができるようになっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
針であって、
遠位端のところに設けられていて組織を穿刺する針先端を備えた針先端部分と、
前記針先端部分の近位端に連結されている遠位端を備えた湾曲幹部分と、
前記幹部分の近位端に連結されていて縫合糸の連結を行うための糸取り付け部分とを有し、
前記針先端部分は、前記針先端から前記針先端部分の近位端まで次第に太くなるよう形成され、
前記湾曲幹部分は、滑らかではない輪郭を備えた異形断面を有するよう形成されている、針。
【請求項2】
前記滑らかではない輪郭は、前記湾曲幹部分の長さの一部分に沿って長手方向に延びる複数の等間隔を置いて配置された凹みを含む、請求項1記載の針。
【請求項3】
前記凹みは、前記幹部分全体よりも細い前記幹部分の一部分に沿って延びていることをとする請求項1または2記載の針。
【請求項4】
前記滑らかではない輪郭は、隆起条を形成する2個~約500個の等間隔を置いて配置された円周方向凹みを有する、請求項1~3のうちいずれか一に記載の針。
【請求項5】
前記円周方向凹みは、前記湾曲幹部分の長さ全体に沿って延びている、請求項4記載の針。
【請求項6】
前記円周方向凹みは、前記湾曲幹部分上に螺旋を形成するよう前記湾曲幹部分に角度をつけた状態で設けられている、請求項4記載の針。
【請求項7】
前記螺旋は、右巻きまたは左巻きである、請求項6記載の針。
【請求項8】
前記湾曲幹部分に対して互いに異なる角度をなす円周方向凹みの少なくとも2つの領域を有する、請求項4記載の針。
【請求項9】
前記隆起条は、平坦であり、尖っており、丸形であり、またはでこぼこであることを特徴する請求項4記載の針。
【請求項10】
前記針の表面は、隆起条付きであり、溝付きであり、粗面化され、滑らかであり、でこぼこであり、リブ付きであり、粘着性であり、または研磨されている、請求項1~9のうちいずれか一に記載の針。
【請求項11】
前記糸取り付け部分に連結された縫合糸をさらに有する、請求項1~10いずれか一に記載の針。
【請求項12】
前記縫合糸は、モノフィラメント状またはマルチフィラメント状である、請求項11記載の針。
【請求項13】
前記縫合糸は、生体吸収性である、請求項11記載の針。
【請求項14】
前記縫合糸は、組織保持構造の少なくとも1つの領域を有する、請求項11記載の針。
【請求項15】
前記組織保持構造は、刺である、請求項14記載の針。
【請求項16】
前記組織保持構造の少なくとも1つの領域は、前記糸取り付け領域から見て遠位側に位置している、請求項14記載の針。
【請求項17】
前記湾曲幹部分の前記近位端から前記糸取り付け部分および前記縫合糸の少なくとも一部分上に延びているテーパ付き移行部分をさらに有し、前記テーパ付き移行部分は、前記縫合糸の直径とほぼ同じ第1の直径から前記湾曲幹部分の前記直径にほぼ等しい第2の直径までゆるやかな移行を可能にするよう構成されている、請求項11記載の針。
【請求項18】
前記テーパ付き移行部分は、可撓性である、請求項17記載の針。
【請求項19】
前記テーパ付き移行部分は、生体適合性材料から成る、請求項17記載の針。
【請求項20】
前記生体適合性材料は、シアノアクリレートを含む、請求項19記載の針。
【請求項21】
前記湾曲幹部分の前記近位端から前記糸取り付け部分および前記縫合糸の少なくとも一部分上に延びるテーパ付き移行部分をさらに有し、前記テーパ付き移行部分は、前記縫合糸の前記直径にほぼ等しい第1の直径から前記湾曲幹部分の前記直径にほぼ等しい第2の直径まで急峻な移行を可能にするよう構成されている、請求項11記載の針。
【請求項22】
前記針先端部分および前記湾曲幹部分は、生体適合性材料から成る、請求項1~21のうちいずれか一に記載の針。
【請求項23】
前記生体適合性材料は、鋼線、マルテンサイト系ステンレス鋼、またはオーステナイト系ステンレス鋼を含む、請求項22記載の針。
【請求項24】
前記針先端部分および前記湾曲幹部分は、中空ではない、請求項1~23のうちいずれか一に記載の針。
【請求項25】
前記針先端部分または前記湾曲幹部分のうちの少なくとも一方は、中空である、請求項1~24のうちいずれか一に記載の針。
【請求項26】
前記湾曲幹部分は、円形、長円系、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、または多角形断面形状のうちの少なくとも1つを有するよう形成されている、請求項1~25のうちいずれか一に記載の針。
【請求項27】
前記針先端部分および前記湾曲幹部分のうちの少なくとも一方は、磁性または磁化可能である、請求項1~26のうちいずれか一に記載の針。
【請求項28】
方法であって、
(a)請求項1記載の前記湾曲縫合針をローラ式針駆動装置で把持して前記湾曲幹部分の前記滑らかではない輪郭が前記針駆動装置を複数のローラの溝内にしっかりと嵌まり込むようにするステップと、
(b)前記湾曲縫合針を縫合が行われている組織中に駆動するステップと、
(c)前記針を前記組織から外さないで前記湾曲縫合針を前記組織中に動かすステップと、
(d)前記組織から出ていて前記湾曲縫合針を挿通させた端部のところで前記湾曲縫合針を把持するステップと、
前記縫合プロセスの完了まで前記ステップ(a)~(d)を繰り返すステップとを含む、方法。
【請求項29】
前記湾曲縫合針は、前記針が前記複数のローラに対して垂直になるよう前記複数のローラ間で前記ローラ式針駆動装置によって把持される、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記湾曲縫合針は、前記針が前記複数のローラに対して平行になるよう前記複数のローラ相互間で前記ローラ式針駆動装置によって把持される、請求項28または29記載の方法。
【請求項31】
前記湾曲縫合針は、前記針が前記複数のローラに対して0°(平行)から90°(垂直)までの角度をなすよう前記複数のローラ相互間で前記ローラ式針駆動装置によって把持される、請求項28~30のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項32】
縫合針であって、
遠位端のところに設けられていて組織を穿刺する針先端を備えた針先端部分と、
前記針先端部分の近位端に連結されている遠位端を備えた針本体と、
糸取り付けコンポーネントによって前記針本体の近位端に取り付けられた縫合糸と、
前記針本体の前記近位端から延びるとともに前記糸取り付けコンポーネントおよび前記縫合糸の少なくとも一部分を覆うテーパ付きランプとを有する、縫合針。
【請求項33】
前記針本体の近位側に位置する前記テーパ付きランプの第1の端部は、前記針本体直径に等しい直径を有し、前記第1の端部と反対側に位置する前記テーパ付きランプの第2の端部は、縫合糸直径に等しい直径を有し、前記テーパ付きランプは、前記テーパ付きランプの前記第1の端部から前記第2の端部までの滑らかな移行部となっている、請求項32記載の縫合針。
【請求項34】
前記テーパ付きランプは、可撓性である、請求項32または33記載の針。
【請求項35】
前記テーパ付きランプは、シアノアクリレートで作られている、請求項32~34のうちいずれか一に記載の縫合針。
【請求項36】
前記針先端部分は、前記針先端から前記針先端部分の近位端まで次第に太くなるよう形成されている、請求項32~35のうちいずれか一に記載の縫合針。
【請求項37】
前記縫合糸は、モノフィラメント状またはマルチフィラメント状である、請求項32~36のうちいずれか一に記載の針。
【請求項38】
前記縫合糸は、生体吸収性である、請求項32~37のうちいずれか一に記載の針。
【請求項39】
前記縫合糸は、組織保持構造の少なくとも1つの領域を有する、請求項32~38のうちいずれか一に記載の針。
【請求項40】
前記組織保持構造は、刺である、請求項39記載の針。
【請求項41】
前記組織保持構造の少なくとも1つの領域は、テーパ付きランプから見て遠位側に位置している、請求項39記載の針。
【請求項42】
前記針本体は真っ直ぐである、請求項32~41のうちいずれか一に記載の針。
【請求項43】
前記針本体は、湾曲している、請求項32~42のうちいずれか一に記載の針。
【請求項44】
前記針本体は、滑らかではない輪郭を備えた実質的に円形の断面を有するよう形成されている、請求項32~43のうちいずれか一に記載の針。
【請求項45】
前記滑らかではない輪郭は、前記湾曲針本体に長手方向に延びるように設けられた複数の等間隔を置いて配置された円周方向凹みを含む、請求項42記載の針。
【請求項46】
前記滑らかではない輪郭は、凸形状を備えた隆起条を形成する4~16個の等間隔を置いて配置された円周方向凹みを含む、請求項45記載の針。
【請求項47】
前記円周方向凹みは、前記湾曲針本体の長さ全体に沿って延びている、請求項45記載の針。
【請求項48】
前記円周方向凹みは、前記湾曲針本体上に螺旋を形成するよう前記湾曲針本体に角度をつけた状態で設けられている、請求項47記載の針。
【請求項49】
前記螺旋は、右巻きまたは左巻きである、請求項48記載の針。
【請求項50】
前記湾曲針本体に対して互いに異なる角度をなす円周方向凹みの少なくとも2つの領域を有する、請求項48記載の針。
【請求項51】
ローラ式針駆動装置を用いて組織を縫合する方法であって、前記方法は、
(a)縫合針であって、遠位端のところに設けられていて組織を穿刺する針先端を備えた針先端部分と、前記針先端部分の近位端に連結されている遠位端を備えた針本体と、糸取り付けコンポーネントによって前記針本体の近位端に取り付けられた縫合糸と、前記針本体の前記近位端から延びるとともに前記糸取り付けコンポーネントおよび前記縫合糸の少なくとも一部分を覆うテーパ付きランプとを有する縫合針を用意するステップと、
(b)前記針本体から見て遠位側に位置する前記縫合糸または前記テーパ付きランプを前記ローラ式針駆動装置のローラ相互間で把持するステップと、
(c)前記針を装填し、前記ローラを開放することなく前記ローラが前記針本体上に位置決めされるようにするステップと、
(d)前記針を縫合が行われている組織中に駆動するステップと、
(e)前記針を前記組織から外すことなく前記針を前記組織中に動かすステップと、
(f)前記組織から出ていて前記湾曲縫合針を挿通させた端部のところで前記湾曲縫合針を把持するステップと、
前記縫合プロセスの完了まで前記ステップ(d)~(f)を繰り返すステップとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示(本発明)は、一般に、湾曲縫合針およびテーパ付き移行部分を備えた縫合針に関する。
【0002】
〔関連出願の相互参照〕
本願は、2020年9月10日に出願された米国特許仮出願第63/076,925号および2020年9月10日に出願された米国特許仮出願第63/076,920号の権益主張出願であり、これら米国特許仮出願の各々を参照により引用し、全ての目的についてその記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
創傷または切開創を閉じるために用いられる縫合手技は、外科的処置の際に相当な長さの時間を消費する。一般に、縫合手技で用いられる器具は、縫合材、縫合針、および縫合駆動装置である。時間を短縮すると共に手技の安全性を高めるためになされる労力は、主として、針駆動装置の改造に集中している。
【0004】
針を駆動する伝統的な手法は、針を針駆動装置の2つの平べったい先端部相互間でクランプすることである。それにより、針と針駆動装置との間に静的関係が生じ、と言うのは、針は平べったい先端部相互間でいったんクランプされると、駆動装置に対して動くことができないからである。さらに、針駆動装置は、一般に、右利きのユーザに合うように設計されている。かくして、左利きユーザは、縫合手技を行う上で難しさがある。かかる装置が右利き用であることにより、左利き外科医が駆動装置のロック機構体をロックしたりアンロックしたりする能力に一層の悪影響が生じる。これにより、不適当な針駆動装置操作に起因して患者にとってマイナスの結果が生じる恐れが増大する。
【0005】
近年における針駆動装置の技術的進歩は、少なくとも針のこの静的関係および先行技術の駆動装置の利き手設定を含むこれらの欠点に取り組んでいる。
【0006】
現行の湾曲縫合針は、この作業向きには設計されておらず、したがって、この作業を最適に実行することができない。と言うのは、かかる湾曲縫合針が新型ローラ式針駆動装置向きに設計されていないからである。
【0007】
加うるに、標準の圧着またはかしめ型針をこれら新型人間工学的回転作用針駆動装置で駆動しようとする際、ローラは、一般に、針の圧着端部上で動くよう開放される必要がある。すなわち、圧着部は、針上の段部またはリップとなっており、かかる段部またはリップは、ローラによって損傷を受ける場合があり、あるいは逆に、ローラを損傷させる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、新型針駆動装置による針駆動を可能にする新規の針設計が望ましく、かかる針設計の提供が、本発明の目的である。
【0009】
加うるに、これら新型針駆動装置による圧着型針の円滑な装填を可能にする新規な針設計が望ましく、かかる新規な針設計の提供が、本発明の目的である。
【0010】
本明細書において引用される任意の特許または特許出願を含む全ての技術文献を参照によりこれらの記載内容を本明細書の一部とする。技術文献のどれもが先行技術を構成するという承認は行っていない。技術文献についての説明は、これら文献の著者が何を主張しているかを述べており、本出願人は、引用した技術文献の正確さおよび妥当性に疑問を呈する権利を保有する。明らかに理解されるように、本明細書において多くの先行技術の刊行物を引用するが、引用するからといって、このことがこれら特許文献のどれもが当該技術分野における通常の知識の一部となしているという承認を意味するわけではない。
【0011】
原文明細書における“comprise”(訳文では「~を有する」としている場合が多い)という用語は、様々な管轄権下において、排他的意味か包括的意味かのいずれかを意味する場合があることが認められる。原文明細書の目的上、別段の指定がなければ、“comprise”という用語は、包括的な意味を有するものとし、すなわち、この用語が直接参照している列挙されたコンポーネントだけでなく、指定されていないコンポーネントまたは要素をも含むことを意味すると解される。この理論的根拠はまた、“comprised”または“comprising”が方法又はプロセスにおける1つ以上のステップと関連して用いる場合にも用いられる。
【0012】
本発明は、縫合針であって、この縫合針が遠位先端部のところに設けられていて組織を穿刺する針先端を備えた針先端部分と、針先端部分の近位端に連結されている遠位端を備えた湾曲した幹部分と、糸取り付け部分とを有し、糸取り付け部分が縫合針の一部としてまたは縫合針に結合され、幹部分の近位端に結合されていて縫合糸を連結する別個のコンポーネントとして形成されるのがよく、針先端部分が針先端から針先端部分の近位端まで次第に太くなるよう形成され、湾曲幹部分が滑らかではない輪郭を備えた実質的に円形の断面を有するよう形成されていることを特徴とする縫合針を提供する。1つ以上の実施形態では、縫合針は、円形、卵形、楕円形、長円形、半円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形または11個以上の辺のある断面を有する多角形のうちの少なくとも1つを有する。1つ以上の実施形態では、縫合針は、上述の断面の任意の組み合わせを含む多数の様々な断面を有する。
【0013】
本発明はまた、縫合針であって、遠位端のところに設けられていて組織を穿刺する針先端を備えた針先端部分と、針先端部分の近位端に連携されている遠位端を備えた針本体と、糸取り付けコンポーネントによって針本端の近位端に取り付けられた縫合糸と、針本体の近位端から延びると共に糸取り付けコンポーネントおよび縫合糸の少なくとも一部分を覆う例えばランプ(ramp)の形態をしたテーパ付き移行部分とを有することを特徴とする縫合針を提供する。
【0014】
ある特定の実施形態によれば、針本体の近位端に位置するテーパ付き移行部分の第1の端部は、針本体直径とほぼ等しいまたはこれよりわずかに大きい直径を有し、第1の端部と反対側のテーパ付き移行部分の第2の端部は、縫合糸直径に等しくまたはこれよりわずかに大きい直径を有し、テーパ付き移行部分は、その第1の端部からその第2の端部まで滑らかな移行部となっている。テーパ付き移行部分は、可撓性であるのがよい。テーパ付き移行部分は、シアノアクリレートまたは任意他の適当な生体適合性材料で作られるのがよい。
【0015】
ある特定の実施形態によれば、針本体は、湾曲していてもよく、直線であってもよい。さらに、針先端部分は、針先端から針先端部分の近位端部まで次第に太くなるよう形成される。針先端は、尖っていてもよく、尖っていなくてもよい。
【0016】
ある特定の実施形態によれば、針先端部分および湾曲幹部分は、鋼線、マルテンサイト系ステンレス鋼、もしくはオーステナイト系ステンレス鋼、または任意他の適当な生体適合性材料で作られる。
【0017】
ある特定の実施形態では、滑らかではない輪郭は、湾曲幹部分上に長手方向に延びる状態でかつこれに平行に設けられた複数の等間隔を置いて配置された凹みを含む。滑らかではない表面は、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、約25個、約30個、約35個、約40個、約45個、約50個、約60個、約70個、約80個、約90個、約100個、約150個、約200個、約250個、約300個、約350個、約400個、約450個、または約500個の等間隔を置いて配置された、隆起条を形成する円周方向凹みを有するのがよい。1つ以上の実施形態では、滑らかではない表面は、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、約25個、約30個、約35個、約40個、約45個、約50個、約60個、約70個、約80個、約90個、約100個、約150個、約200個、約250個、約300個、約350個、約400個、約450個、もしくは約500個のまたはこれら数相互間の任意の数の等しくない間隔を置いて配置された、隆起条を形成する凹みを有してもよい。1つ以上の実施形態では、滑らかではない表面は、ミリ級の凹み、ミクロ級の凹み、またはナノ級の凹みを有することができる。1つ以上の実施形態では、隆起条は、凸形状を有する。1つ以上の実施形態では、隆起条は、平べったい山部、尖った山部、丸形の山部、またはでこぼこな山部を有する。1つ以上の実施形態では、山部は、滑らかであり、粗く、模様付きであり、リブ付きであり、粘着性であり、または研磨済みである。
【0018】
ある特定の実施形態によれば、円周方向凹みは、湾曲幹部分の長さ全体に沿って延びている。
【0019】
ある特定の実施形態によれば、円周方向凹みは、針本体上に螺旋を形成するよう針本体上に角度をなして設けられるのがよい。螺旋は、右巻きであってもよく、左巻きであってもよい。さらに、針本体は湾曲針本体に対して互いに異なる角度をなす円周方向凹みの少なくとも2つの領域を有するのがよい。
【0020】
ある特定の実施形態によれば、縫合針は、糸取り付け部分に連結された縫合糸を有するのがよい。
【0021】
ある特定の実施形態によれば、縫合糸は、モノフィラメント状であってもよく、マルチフィラメント状であってもよい。縫合糸は、非生体吸収性であってもよく、生体吸収性であってもよい。縫合糸は、組織保持構造、例えば、刺の少なくとも1つの領域を有するのがよい。ある特定の実施形態では、組織保持構造の少なくとも1つの領域は、糸取り付け領域から見て遠位側に位置するのがよい。
【0022】
ある特定の実施形態によれば、縫合針は、湾曲幹部分の近位端から糸取り付け部分および縫合糸の少なくとも一部分上に延びているテーパ付き移行部分をさらに有し、テーパ付き移行部分は、縫合糸の直径から湾曲幹部分の直径までゆるやかな移行を可能にするよう構成されている。テーパ付き移行部分は、可撓性であるのがよい。テーパ付き移行部分は、シアノアクリレートまたは任意他の適当な生体適合性材料で作られるのがよい。
【0023】
本発明はさらに、ローラ式針駆動装置を用いて組織を縫合する方法であって、この方法は、(a)縫合針であって、遠位端のところに設けられていて組織を穿刺する針先端を備えた針先端部分と、針先端部分の近位端に連結されている遠位端を備えた針本体と、糸取り付けコンポーネントによって針本体の近位端に取り付けられた縫合糸と、針本体の近位端から延びるとともに糸取り付けコンポーネントおよび縫合糸の少なくとも一部分を覆うテーパ付き移行部分とを有する縫合針を用意するステップと、(b)針本体から見て遠位側に位置する縫合糸またはテーパ付き移行部分をローラ式針駆動装置のローラ相互間で把持するステップと、(c)針を装填し、ローラを開放することなくローラが針本体上に位置決めされるようにするステップと、(d)針を縫合が行われている組織中に刺入するステップと、(e)針を組織から外すことなく針を組織中に動かすステップと、(f)湾曲縫合針をステップ(b)で把持した端部と反対側の端部のところで把持するステップと、(g)縫合プロセスの完了までステップ(d)~(f)を繰り返すステップとを含むことを特徴とする方法を提供する。
【0024】
本発明はさらに、(a)請求項1記載の湾曲縫合針をローラ式針駆動装置で把持して湾曲幹部分の滑らかではない輪郭が針駆動装置の複数のローラの溝内にしっかりと嵌まり込むようにするステップと、(b)湾曲縫合針を縫合が行われている組織中に駆動するステップと、(c)針を組織から外さないで湾曲縫合針を組織中に動かすステップと、(d)組織から出ていて湾曲縫合針を挿通させた端部のところで湾曲縫合針を把持するステップと、縫合プロセスの完了までステップ(a)~(d)を繰り返すステップとを含むことを特徴とする方法を提供する。
【0025】
ある特定の実施形態では、湾曲縫合針は、複数のローラ相互間でローラ式針駆動装置によって把持されるのがよく、その結果、針は、ローラに対して垂直であり、ローラに対して平行であり、または任意の向きから見て、ローラに対して0°(平行)から90°(垂直)までの角°(約0°、約5°、約10°、約15°、約20°、約25°、約30°、約35°、約40°、約45°、約50°、約55°、約60°、約65°、約70°、約75°、約80°、約85°、約90°、約100°、約105°、約110°、約115°、約120°、約125°、約130°、約135°、約140°、約145°、約150°、約155°、約160°、約165°、約170°、約175°、約180°、約185°、約190°、約195°、約200°、約205°、約210°、約215°、約220°、約225°、約230°、約235°、約240°、約245°、約250°、約255°、約260°、約265°、約270°、約275°、約280°、約285°、約290°、約295°、約300°、約305°、約310°、約315°、約320°、約325°、約330°、約335°、約340°、約345°、約350°、約355°、約360°、またはこれら角度相互間の任意の角度を含む)をなすようになっている。これは、固定された位置で差し向けられているローラ式針駆動装置に対する針の位置と比較した場合に0°~360°に等しい。
【0026】
本明細書において説明するシステムは、その形態とその動作モードの両方に関して、添付図面と関連して行われる好ましい実施形態についての以下の説明によってもっともよく理解され、また、かかる説明によってこのシステムの追加の目的および追加の利点が明らかになろう。
【0027】
本明細書において「発明(「一発明」の意)」という用語が用いられている場合、この「発明」という用語は、諸々の「発明」を含み、すなわち、複数の「発明」を含む。1つの「発明」を説明することによって本出願人は、本願が2つ以上の特許可能でありかつ非自明に別個の発明を含まないということを何ら承認するわけでなく、本出願人は、本願が2つ以上の特許可能でありかつ非自明に別個の発明を含む場合があるということを主張する。本出願はそれにより、本願の開示が2つ以上の発明を含む場合があり、しかも2つ以上の発明が存在する場合にはこれらの発明が他の発明に対して特許可能でありかつ非自明な発明である場合があるということを主張する。
【0028】
さらに、添付の要約書の目的は、米国特許商標庁および公衆一般、特に特許用語もしくは法律用語または言い回しに精通していない技術分野における科学者、技術者、および医師が大雑把な検討であっても本願の技術的開示内容の性質および本質を素早く判定することができるようにすることにある。要約書は、特許請求の範囲の記載によって定められる本願の保護範囲全体を定めるものではなく、本発明の範囲に関して何ら限定となるものでもない。
【0029】
図の全ては、好ましい実施形態を示しているが、他の実施形態が想定されており、したがって、本発明は、図示の実施形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1A】本発明のある特定の実施形態に従って滑らかではない表面を備えた湾曲縫合針の略図である。
【
図1B】本発明のある特定の実施形態において
図1Aに示された湾曲縫合針の2‐2線矢視断面図である。
【
図2A】本発明のある特定の実施形態に従って滑らかではない表面およびテーパ付き移行部分を備えた湾曲縫合針の略図である。
【
図2B】本発明のある特定の実施形態に従ってテーパ付き移行部分を備えた縫合針の略図である。
【
図3A】本発明のある特定の実施形態としての湾曲縫合針の別の断面の略図である。
【
図3B】本発明のある特定の実施形態としての湾曲縫合針の別の断面の略図である。
【
図3C】本発明のある特定の実施形態としての湾曲縫合針の別の断面の略図である。
【
図4】本発明のある特定の実施形態による滑らかではない表面の別の配置状態を示す図である。
【
図5A】回転針駆動装置内に保持された本発明のある特定の実施形態としての部分断面で示されている湾曲縫合針の略図であって、針が通常の垂直の向きで駆動装置のローラの後ろを通っている状態を示す図である。
【
図5B】回転針駆動装置内に保持された本発明のある特定の実施形態としての部分断面で示されている湾曲縫合針の略図であって、針が通常の垂直の向きで駆動装置のローラの前を通っている状態を示す図である。
【
図6A】回転針駆動装置内に保持された本発明のある特定の実施形態としての部分断面で示されている湾曲縫合針の略図であって、針が平行な向きで駆動装置のローラの前を通っている状態を示す図である。
【
図6B】回転針駆動装置内に保持された本発明のある特定の実施形態としての部分断面で示されている湾曲縫合針の略図であって、針がローラに対して角度をなして駆動装置のローラの前を通っている状態を示す図である。
【
図7A】本発明のある特定の実施形態に従ってテーパ付き移行部分を備えた湾曲縫合針の略図であり、回転駆動装置のローラがテーパ付き移行部分に係合している状態を示す図である。
【
図7B】本発明のある特定の実施形態に従ってテーパ付き移行部分を備えた湾曲縫合針を示す図であり、ローラがテーパ付き移行部分から縫合糸連結部分上に滑らかに移行している状態を示す図である。
【
図7C】本発明のある特定の実施形態に従ってテーパ付き移行部分を備えた湾曲縫合針を示す図であり、ローラが湾曲針上に位置決めされている状態を示す図である。
【
図8】本発明のある特定の実施形態による滑らかではない表面の別の配置状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の全体的理解をもたらすため、今、ある特定の例示の実施形態および実施例について説明する。しかしながら、当業者であれば理解されるように、同一または等価な機能および順序は、これまた本発明の精神および範囲に含まれることが意図されている異なる実施形態によって達成できる。本明細書において説明する組成物、装置、システムおよび/または方法を、取り組まれている用途にとって妥当であるように改造したり設計変更することができ、しかも、本明細書において説明する組成物、装置、システムおよび/または方法を他の適当な用途で用いることができ、かかる他の追加例および改造例は、本発明の範囲から逸脱しない。
【0032】
原文明細書および原文特許請求の範囲に用いられている単数形“a”、“an”および“the”は、別段の明示の指定がなければ複数形を含む。例えば、「材料(一材料の意)」は、別段の明示の指定がなければ、複数の材料を含む場合がある。原文明細書および原文特許請求の範囲に用いられていて参照される単数形の名称または形式は、別段の明示の指定がなければ、当該名称群に属する変形例を含む。
【0033】
ある特定の用語法が、便宜のためにのみ以下の説明で用いられており、これらは、本発明を限定するものではない。「下」、「上」、「底」、「頂」、「前」、「後」、「左」、「右」および「側部」という用語は、参照する図面における方向を指示しているが、針の種々の部分またはこれら種々の部分の任意の組立体を使用することができる向きに関して限定をもたらすわけではない。
【0034】
圧着型縫合糸は、代表的には、針本体の端部への縫合糸の取り付け部を有する。これら針は、標準型針駆動装置に用いられるよう設計されており、この標準型針駆動装置は、針を2つの平坦な先端相互間でクランプし、そしてこの針を静止位置に保持する。
【0035】
複数のローラ、例えば、2つ、3つ、または4つのローラの協調回転によって針を組織中に動かす新世代型装置は、針がローラ相互間にクランプされている場合であっても、針と針駆動装置との動的関係をもたらす。この動的関係の大きな利点のうちの1つは、針を多数の回転平面内、例えば先端部が上または下に向いた状態で駆動装置の長軸に垂直に(標準)、先端部が装置の背部に向かって真っ直ぐ後方にまたは装置から遠ざかって真っ直ぐ前方に向いた状態で駆動装置の長軸と平行に(非標準)、およびこれら相互間の多くの角度をなした状態で駆動することができるということにある。この動的関係は、外科医にとって望ましく、と言うのは、かかる動的関係による伝統的ではない角度での針の配置が可能になり、困難な解剖学的領域または状況、例えば狭い、深部の、しかも接近性の低い場所の縫合が可能であるからである。
【0036】
ある特定の実施形態によれば、針であって、遠位端のところに設けられていて組織を穿刺する針先端を備えた針先端部分と、針先端部分の近位端に連結されている遠位端を備えた真っ直ぐなまたは湾曲している幹部分と、幹部分の近位端に連結されていて縫合糸の連結を行うための糸取り付け部分とを有し、針先端部分は、針先端から針先端部分の近位端まで次第に太くなるよう形成され、湾曲幹部分は、滑らかではない輪郭を備えた実質的に円形の断面を有するよう形成されていることを特徴とする針が提供される。ある特定の実施形態では、針は、滑らかな輪郭を有するのがよい。1つ以上の実施形態では、針は、円形、卵形、楕円形、長円形、半円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形または11個以上の辺のある断面を有する多角形のうちの少なくとも1つを有する。1つ以上の実施形態では、縫合針は、上述の断面の任意の組み合わせを含む多数の種々の断面を有する。
【0037】
これら縫合針のうちの幾つかを医療目的(例えば、縫合)に使用することができる。例えば、これら縫合針のうちの幾つかを経カテーテル縫合、経カテーテル心内(または任意の身体の器官)縫合、および他の可撓性プラットフォーム用途(例えば、内視鏡縫合、結腸内視鏡縫合)に使用することができる。例えば、腹腔鏡手術、ビデオ支援胸腔鏡手術(VATS)およびロボット手術に一般的に用いられる硬性シャフト実施形態は、縫合糸利用組織接近/繋留を労力のいるタスクから速やかな半自動または完全自動作業に基本的に変換するために使用できる。例えば、これら縫合針のうちの幾つかは、オープン手術、低侵襲手術、腹腔鏡手術またはエンドエフェクタロボット手術に使用できる。したがって、これら縫合針のうちの幾つかは、用手手術または自動手術に利用できる。これら縫合針のうちの幾つかを使用できる手術の幾つかの例としては、数あるヒト(例えば、新生児から120歳まで、男性、女性)または動物(例えば、哺乳動物、鳥類、魚、陸上動物)用途のうち、腹腔鏡手術、ロボット手術、ビデオ支援または非支援型胸腔鏡手術、関節鏡視下手術、生まれつき備わった口の手術、内視鏡手術、婦人科手術、心手術、結腸直腸手術、肺手術、胃バイパス手術、子宮摘出手術、歯科手術、泌尿器手術、脳手術、または肥満手術が挙げられる。
【0038】
対象が動物であるにせよそうではないにせよ、これら縫合糸のうちの幾つかを医療または非医療セッティングで使用できることに注目されたい。例えば、生物である場合の対象としては、組織、器官、身体部分、ヒトであれ動物であれいずれにせよその他が挙げられる。例えば、組織は、筋組織であってもよく、骨組織であってもよく、神経組織であってもよく、臓器組織その他であってもよい。例えば、生物でない場合の対象としては、医療器具、プロテーゼ、植え込み型器具、機械、外科用器具その他が挙げられる。例えば、非医療セッティングの幾つかは、衣服製造の織物ステッチング、結び方、種まき、靴製造その他が挙げられる。
【0039】
一般に卵の輪郭をした現行の湾曲縫合針は、これら新型ローラ式針駆動装置への使用が可能であるようには設計されていない。したがって、かかる湾曲縫合針の操作は、これらの器具では最適に至らない状態になりがちである。例えば、標準型湾曲針をかかる装置上に駆動しようとする場合、針は、多くの場合、針の形が卵であることに起因して初期の選択された回転平面から外れる場合がある。さらに、これら針を非標準角度に確実に位置決めすることは可能ではない。したがって、本発明の目的は、ローラ式針駆動装置で最適に働くことができ、しかも多平面針駆動を可能にする特徴を備えるのがよい縫合針を提供することにある。
【0040】
回転針駆動装置は、一般に、直線および回転運動システムを備えたアクチュエータ部分および縫合針と相互作用するよう構成された相互作用部分を有する。各相互作用部分は、第1の長い部材および第2の長い部材を有し、これら長い部材は、開かれていてもよく、閉じられていてもよい一膳の箸に近似している。各長い部材は、溝、例えば
図5Aに示すような第1のローラ600Aおよび第2のローラ600Bの各々に設けられている溝602を備えた主要針把持部分を有する。本発明の縫合針は、ローラのこれらの溝602と嵌合する隆起条を有するよう設計されており、その結果、針とローラとの確実な連結を達成することができるようになっている。1つ以上の実施形態では、主要針把持部分には溝が設けられていない。1つ以上の実施形態では、主要針把持部分は、各々がほぼ同じ深さのところで等間隔を置いて配置された溝を有する。1つ以上の実施形態では、主要針把持部分は、凹みを有する。1つ以上の実施形態では、主要針把持部分は、針の形状と実質的に協働関係をなす異形溝を有する。1つ以上の実施形態では、針把持部分は、異形溝を備えた第1の部分および実質的に扁平である第2の部分を含む。1つ以上の実施形態では、針把持部分は、第1の異形溝を備えた第1の部分および第2の異形溝を備えた第2の部分を含む。
【0041】
図5Aおよび
図5Bに示すように、針をローラ相互間で把持して針を
図5Aの場合のように駆動装置のローラの後ろに通しまたは
図5Bの場合のようにローラの前に通してローラに垂直に位置決めするよう針をローラ相互間で把持するのがよい。さらに、隆起条を縫合針に独特の状態で例えば
図6Aに示すようにローラと平行にもしくは場合によっては
図6Bに示すようにローラに対して斜めに、あるいは隆起条とローラとの多くの角度のうちの任意の角度をなして配置することにより、非標準角度での複数のローラ相互間における縫合針の把持が可能である。
【0042】
現行の圧着型縫合針は、一般に、縫合糸から糸取り付けコネクタまでの移行部にリップまたは段部、および糸取り付けコンポーネントから針本体までの移行部にもう1つのリップまたは段部を有する。これら移行部は、単独または組み合わせ状態で、回転針駆動装置のローラについて問題を提起しており、と言うのは、縫合糸は、ローラによって損傷を受けるからであり、あるいは、これとは逆に、移行部は針駆動装置のローラに損傷を及ぼす場合がある。例えば、ローラは、針の糸取り付けコンポーネントを越えて転動する場合があり、そしてその領域を押さえつけて縫合糸に損傷を及ぼしあるいは縫合糸を切断する場合がある。本発明は、縫合糸から針本体までの滑らかな移行をもたらす新規なテーパ付き移行部分を備えることによってこれらの欠点を回避する。
図1を参照すると、本発明の縫合針200は、テーパ付き移行部分210を有するのがよい。この保護先導セグメントは、幹部分204の遠位端にすぐ続き、例えば、針の糸取り付け部分またはコンポーネント206を覆い、そして縫合糸208の近位部分上に延びる。ある特定の実施形態では、針の幹部分204と糸取り付け部分206との間には移行部がなくまたは最小限に抑えられている。かかる実施形態では、移行部分210は、幹部分204から糸取り付け部分206を越えるところまでテーパをもたらす。ある特定の実施形態では、テーパ付き移行部分210は、幹部分204と針先端の方向にオーバーラップする近位側部を有すると共にテーパを形成するよう縫合糸とオーバーラップした箇所まで延びる遠位側部を有する。ある特定の実施形態では、テーパは、なだらかである。ある特定の実施形態では、テーパは、急峻である。ある特定の実施形態では、圧着部がテーパしている。ある特定の実施形態では、圧着部は、テーパしていない。
【0043】
縫合手順が始まると、複数のローラの溝と相互作用するよう構成された滑らかではない表面を備えた縫合針を所望の角度で把持する。外科医は、アクチュエータを針駆動装置に押しつけるのがよく、このアクチュエータは、ローラを互いに近づけてローラが針を把持することができるようになっており、そして外科医は、ローラを、動かないよう維持するのに必要な力を及ぼす位置にローラをロックするのがよい。針をいったん締め付けるとアクチュエータは、例えば
図7Aに示すローラの回転運動を生じさせるのがよく、ローラは、互いに逆の方向に回転してこれら2つの方向のうちのいずれかの方向における針の運動に影響を及ぼす。かくして、外科医は、ローラが回転しているときに針を組織中に刺入するのがよい。所望の回転が完了すると、外科医は、ロック機構体を解除する。この方法を針によって既に穴あけされている組織に接合されるべき他方の組織について繰り返し、そして各ステップをステッチが実施されなければならない回数と同じ回数繰り返す。
【0044】
ローラ式針駆動装置の設計により、手首の回旋運動を必要としないで湾曲縫合針の回転が可能である。したがって、手首の回旋させることができないような位置で器具を保持しても、その機能を発揮させることができる。幾つかの状況では、縫合されるべき構造は極めて深部に位置している。極めて肥満した患者の脊柱に対して手術を行うのは、かかる1つの状況である。例えば、硬膜(脊髄を保護すると共に覆っている膜)を切断した場合、硬膜は、縫合される必要がある。硬膜は、深部の狭いスペース内に存在している。極めて肥満体の患者では、脂肪組織(脂肪状組織)の追加の厚さにより、硬膜は、表面からかなり深いところに存在している。外科医は、患者に向かって自分の体を傾けて針駆動装置を支えている腕を回さないといけない場合がある。こうするためには、外科医の前腕を垂直位置に動かす必要があり、すると外科医は、器具を適切に操作することができる。本明細書において開示する縫合針と併用される針駆動装置は、かかる位置での作動が可能である。
【0045】
図1Aおよび
図1Bを参照すると、本発明の縫合針200が示されている。縫合針200は、一般に、組織を穿刺する針先端202を有する。かくして、針先端202は、針先端部分203の遠位端のところに位置決めされ、針先端部分は、針先端から針先端部分の近位端まで次第に太くなっている。針先端部分は、テーパ付き先端部であるのがよく、針先端部分は、丸くなっていて一点に向かって滑らかにテーパしている。変形例として、針先端部分は、
図1Aに示すように三角形であってもよく、この針先端部分は、内部または外部に尖った切れ刃を有するのがよく、または「トロカール箇所」または「テーパカット」を有するのがよく、それにより、針本体は丸形であってかつテーパしているが、小さな三角形切断点で終端する。変形例として、針先端部は、例えば脆い組織を縫合するための尖っていない先であってもよく、あるいは、「側部切断」または「スパチュラ箇所」を含む針先端部分を有してもよく、それにより、針は、頂部および底部が平坦であり、一方の側までフロントに沿って切れ刃を備えている(これらは、代表的には、眼手術に用いられる)。
【0046】
針先端部分203の近位端と連続して幹部分204が位置し、この幹部分は、その遠位端のところに位置決めされた糸取り付け部分206を有する。針本体204は、幾つかの形状、例えば、湾曲形状またはスキー板形状の半部、四分の一円、八分の三円、例えば図示の二分の一円、八分の五円、および複合曲線のうちの任意のものを含むことができる曲線を有するよう図示されている。変形例として、針本体または幹部分は、真っ直ぐであってもよく、その結果、本発明は、真っ直ぐな針を含むことができるようになっている。
【0047】
縫合針を構成する材料は、制約を受けず、かかる材料は、金属または金属合金、例えば生体適合性金属または金属合金を含むことができる。ある特定の実施形態では、縫合針は、鋼線、マルテンサイト系ステンレス鋼、またはオーステナイト系ステンレス鋼のうちの任意のものから成る。ある特定の実施形態では、縫合針は、磁性または磁化可能な材料で構成される。針は、鋼線またはマルテンサイト系ステンレス鋼で作られた場合、熱処理によって硬化されるのがよい。針を形成しまたは仕上げる際の他のプロセスは、プロセスのうちでとりわけシリコン処理、任意の数の生体適合性コーティング材料もしくはこれらの組み合わせによるコーティング、または任意の数の生体適合性潤滑剤もしくはこれらの組み合わせによる潤滑であるのがよい。
【0048】
1つ以上の実施形態では、例えば、
図9に示すように、縫合針は、針の長さに沿って回転する卵形断面を有するのがよく、その結果、同じ視点から見て、針先端部分203の近位端の近くに位置した縫合針の断面は、上から下までよりも左から右の方が広幅であり、幹部分204の中間部に位置する縫合針の断面は、左から右までの場合よりも上から下までの方が広幅である。
【0049】
ある特定の実施形態によれば、縫合糸208は、糸取り付け部分206によって針200に圧着されるのがよい。したがって、針は、一般に、圧着により一端のところが取り付けられた縫合材または縫合糸を有する無傷性針すなわちアイレス針であり、それにより、縫合材を針の尖っていない端部のところでチャネル中に例えば、糸取り付け部分206中に挿入され、次に、かかる糸取り付け部分を縫合糸と針を互いに保持する最終形状に変形させる。針は、永続的に縫合材に圧着されてもよく、または鋭く真っ直ぐに引っ張ると縫合材から外れるように設計されてもよい。これら「ポップオフ」は、各縫合糸を1回だけ通過させてから結ぶ中断縫合に常用されている。
【0050】
縫合材料または縫合糸は、モノフィラメント状であってもよく、すなわち、単一のフィラメントで形成されてもよく、あるいは、マルチフィラメント状であってもよく、すなわち、2本以上のフィラメントの組み合わせ、例えば、編組状に配列された3本のフィラメントで形成されてもよい。縫合糸は、長さを有し、この長さは、代表的には、少なくとも5インチ(12.7cm)、少なくとも10インチ(25.4cm)、少なくとも15インチ(38.1cm)、または少なくとも20インチ(50.8cm)である。縫合糸は、代表的には2つの端部を有し、これら2つの端部は、配備端部および/または後続端部と記載される場合がある。かかる場合、縫合糸の配備端部は、最初に針に隣接したところで組織に入り、例えば、糸取り付け部分により針の幹部分の遠位端部に連結される。変形例として、縫合材料は、ループ状であってもよく、2つの自由端部の各々は、糸取り付け部分によって針に連結されるようになっている。
【0051】
糸112は、縫合糸であるのがよく、縫合糸は、種々のゲージの非吸収性であってもよく、吸収性であってもよい。糸112の材料としては、シルク、綿、布、ナイロン、ポリエステル、銀、銅、ダクロン(Dacron)、ゴム、シリコン、プレーン腸線またはクロミック腸線、ポリグリコリド、ポリジオキサノン、MONOCRYL(登録商標)、ポリプロピレン、トリクロサン、カプラクトン、ポリマー、グリコリド、l‐ラクチド、p‐ジオキサノン、トリメチレンカーボネート、ε‐カプラクトン、ステンレス鋼、セラミック、ガラス、皮革、または他の天然材料もしくは人工材料が挙げられる。糸112は、中実であってもよいが、穴が設けられているのがよい。糸112は、内部が高密度であってもよいが、中空であるのがよい。糸112は、剛性であってもよく、半剛性であってもよく、弾力性であってもよく、弾性であってもよく、または可撓性であってもよい。例えば、糸112は、約90゜以下(例えば、約90゜~約10゜(両端の値を含む)または約90゜、約80゜、約70゜、約60゜、約50゜、約40゜、約30゜、約20゜、または約10゜)または約90゜以上(例えば、約90゜~約180゜(両端の値を含む)または約100゜、約110゜、約120゜、約130゜、約140゜、約150゜、約160゜、約170゜、または約180゜)曲がることができる。糸112は、対称であれ非対称であれいずれにせよ、閉じられた形状(例えば、O字形、D字形、0字形、正方形、長方形、三角形、多角形)の断面を有してもよく、開かれた形状(例えば、U字形、C字形、V字形)の断面を有してもよい。
【0052】
縫合材料または縫合糸は、生体吸収性であるのがよく、したがって、組織中への導入後、この縫合材料は、分解されて体に吸収されるようになる。典型的には、分解プロセスは、生物学系によって少なくとも部分的に媒介され、または生物学系内で実施される。したがって、生体吸収性という用語は、ポリマー鎖を種々の機構によって切断する鎖切断プロセスを意味し、種々の機構によってとは、例えば、化学反応(例えば、加水分解、酸化/還元、酵素機構またはこれらの組み合わせ)により、または熱プロセスもしくは光分解プロセスによってが挙げられる。生体吸収性縫合材料としては、ポリマー、例えば、ポリグリコール酸、グリコリドおよびラクチドのコポリマー、トリメチレンカーボネートおよびグリコリドとジエチレングリコールとのコポリマー(例えば、MAXON(商標)、タイコ・ヘルスケア・グループ(Tyco Healthcare Group)製)、グリコリド、トリメチレンカーボネートおよびジオキサノンで構成されたターポリマー(例えば、BIOSYN(商標)[グリコリド(60%)、トリメチレンカーボネート(26%)、およびジオキサノン(14%)]、タイコ・ヘルスケア・グループ製)、グリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、およびラクチドのコポリマー(例えば、CAPROSYN(商標)、タイコ・ヘルスケア・グループ製)が挙げられる。ある特定の実施形態では、生体吸収性の縫合材料は、現存し、または将来開発される可能性のある縫合用途に有用な任意他のポリマーから成り、またはこれを含む場合がある。
【0053】
変形例として、縫合材料または縫合糸は、非分解性であってもよく、したがって、化学プロセス、熱プロセス、または光分解プロセスでは分解しない。非分解性縫合材料としては、ポリアミド(ナイロン、例えば、ナイロン6やナイロン6.6とも呼ばれている)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリテトラフルオロエチレン(例えば、発泡ポリテトラフルオロエチレン)、ポリエーテル‐エステル、例えばポリブテステル(polybutester)(ブチレンテレフタレートおよびポリテトラメチレンエーテルグリコールのブロックコポリマー)、ポリウレタン、金属合金、金属(例えば、ステンレス鋼線)、ポリプロピレン、ポリエテレン(polyethelene)、シルク、および綿が挙げられる。非分解性の縫合材料で作られた縫合糸は、縫合糸が永続性のままであることを意味し、または体から物理的に取り出されることを意味する用途に特に適している。ある特定の実施形態では、非分解性縫合材料は、現存し、または将来開発される可能性のある縫合用途に有用な任意他のポリマーから成り、またはこれを含む場合がある。
【0054】
縫合材料または縫合糸は、その表面に塗布されて創傷治癒に影響を及ぼす場合のあるコーティングまたは作用物質、例えばコーティング材料、創傷治癒剤、抗微生物剤、抗細菌剤、成長因子、接着剤、シーラント、血液製剤、血液成分、防腐剤、粘着防止剤、タンパク、多糖類、ペプチド、遺伝物質、ウイルスベクター、核酸、ヌクレオチド、プラスミド、リンフォカイン、放射性医薬品、金属、合金、塩、成長因子、成長因子拮抗薬、細胞、疎水性物質、親水性物質、免疫物質、抗定着物質、およびこれらの組み合わせを含むのがよい。縫合材料または縫合糸は、その表面に塗布されて外科医が正確に縫合を行う能力を高めることができるコーティングまたは作用物質、例えば、着色剤、染料、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、フォトクロミック剤、診断用薬、画像化剤、放射線不透過剤、またはこれらの組み合わせを含むのがよい。
【0055】
縫合材料または縫合糸は、断面寸法によって指示された直径を有するのがよい(
図1Bのa参照)。この直径は、縫合糸に沿って位置していて、刺が設けられていないか、設けられている刺が縫合糸本体に押し付けられて刺が縫合糸本体の表面と面一をなすようになっている場所で測定されるのがよい。縫合糸は、刺を備えなくてもよく、あるいは縫合糸長さ全体に沿ってまたはほんの一部分に沿って刺を有してもよい。ある特定の実施形態によれば、縫合糸は、糸取り付け部分から見て遠位側に位置決めされた少なくとも1つの刺付き領域を有するのがよい。かかる位置決めにより、現時点において開示した縫合針を縫合部位から後戻り(やり直し)させることができるようになり、それと言うのも、針に隣接して位置する圧着縫合材料には刺がないので、縫合針が組織を通って容易に滑って戻ることができるからである。幾つかの実施形態では、テーパ付き移行部分は、縫合糸の刺を覆い、それにより縫合針を縫合部位から引き戻して出すことができる。より遠位側に位置する刺付き縫合糸は、いったん組織中に配置されると、定位置に位置したままでいることができる。
【0056】
縫合糸は、全体的に円形の断面形状を有してもよく、あるいは円ではない形状、例えば、多角形、例えば、3辺(三角形)、4辺、5辺、6辺(六角形)を有してもよい。縫合針本体の断面は、円形、卵形、楕円形、長円形、半円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、または11個以上の辺のある断面または外観を有する多角形のものであるのがよい。
【0057】
縫合糸サイズ決定は、直径に基づいている。縫合糸サイズの米国薬局方(“USP”)表示は、大範囲では0~7があり、小範囲では、1‐0~11‐0があり、小範囲では、ハイフン付きのゼロの前に位置する値が大きければ大きいほど、縫合糸直径がそれだけいっそう小さくなる。USP命名法下において、縫合糸の実際の直径は、縫合糸材料で決まり、したがって、一例を挙げると、サイズが5‐0でありコラーゲンで作られた縫合糸の直径は、0.15mmであり、他方、同一のUSPサイズ表示を有するが合成吸収性材料または非吸収性材料で作られた縫合糸の直径は各々、0.1mmでなる。特定の目的に合った縫合糸サイズの選択は、例えば、縫合されるべき組織の性状および美容的関心度の重要性のような要因で決まり、細い縫合糸は、狭い手術部位で容易に操作可能でありしかもこれに伴って生じる瘢痕が小さいが、所与の材料で作られた縫合糸の引張強度は、サイズの減少につれて減少する傾向がある。理解されるべきこととして、本明細書において開示する縫合針用の縫合材料としては、7、6、5、4、3、2、1、0、1‐0、2‐0、3‐0、4‐0、5‐0、6‐0、7‐0、8‐0、9‐0、10‐0および11‐0が挙げられるがこれらには限定されない。理解されるべきこととして、種々の縫合糸長さを本明細書において説明している縫合針に用いることができる。
【0058】
針本体は、当該技術分野において知られている任意の輪郭、例えば、円形、卵形、三角形などを有するのがよい。針本体は、滑らかな表面を有してもよく、その結果、鋭利なエッジが存在しない。ある特定の実施形態によれば、針本体は、滑らかではないまたは円ではない/卵形ではない輪郭を有することができる。例えば、回転針駆動装置を用いて針を組織中に刺入しようとする場合、針本体の円形または卵形輪郭の針本体の滑らかな表面により、針は、初期の選択された回転平面から外れてしまう可能性がある。
【0059】
図1Bを参照すると、
図1Aの線2‐2に沿って取った湾曲幹部分の断面図は、この領域が滑らかではない輪郭を備えた円形の形をしていることを示している。この滑らかではない輪郭を達成するには、凹み222を幹部分の外側円周方向周囲に形成するのがよい。図示のように、これらの凹みは、等間隔を置いて配置されるのがよく、これら凹みは、突起220、例えば
図1Bに示す滑らかな凸状突起を形成することができる。
【0060】
これら凹み222および/または突起220には、幹部分204の長さに沿って長手方向隆起条を形成しており、これらは、独特の設計になっていて、回転針駆動装置のローラの溝内に嵌まり込むよう形作られているのがよい。すなわち、これら隆起条は、針駆動装置のローラの溝内に嵌まり込んでレールのように働いて溝内における針の向きを固定する一方で、針がローラの回転によって駆動されるようにするのがよい。針200がその丸い断面周りに等間隔を置いて配置された隆起条を有しているので、針をローラ上に多数の角度のうちの任意の角度をなして配置することができる。例えば、
図5A~
図7Bに示すローラ(600A、600B)を参照されたい。これらローラは、幹部分204に沿って針を把持しており、この場合、隆起条(凹み222および突起220)は、針の向きとは独立して複数のローラの溝602に合致する。ある特定の実施形態では、隆起条は、一様ではない間隔を置いて配置されている。ある特定の実施形態では、隆起条は、互いに異なる高さを有する。ある特定の実施形態では、隆起条は、互いに異なる向きを有する。
【0061】
図1Bを参照すると、凹み222の深さ(幹部分204の直径aおよび直径bの差)、および幹部分の周囲に沿うこれらの間隔は、隆起条を規定する。これら寸法は、隆起条が回転針駆動装置(例えば、
図5A~
図7Bに示す)のローラの溝の深さおよび間隔に合致するよう選択されるのがよい。
図1Bに示す特定の設計例は、例示に過ぎず、というのは、例えば、
図3A~
図3Cに示される異なる数の凹みおよびかくして異なる数の凸状突起(隆起条)を有する多くの他の設計および構成が可能である。さらに、突起または隆起条220は、鋭利な角度が何らなく(すなわち、尖ったエッジのない)全体として凸形状を有するよう示されているが、他の構成、例えば尖った隆起条、平たい隆起条、または段付き隆起条が可能であって、本発明の範囲に含まれる。凹み222もまた、種々の形状を有することができ、例えば、切り欠き付きの形状、平坦な形状、丸形の形状、湾曲した形状、V字形の形状、U字形の形状、または段付きの形状を有することができる。
【0062】
縫合針上に形成された隆起条は、一般に、
図1Aに示すように幹部分204の長手方向長さ全体に沿って延びている。ある特定の実施形態では、凹み222は、三木部分の周囲に沿って角度をなして形成されるのがよく、かくして、針200の幹部分204の外周周りに螺旋を描くのがよい隆起条(すなわち、突起220)が形成される。角度は、隆起条が右回りまたは左回り螺旋を有するよう選択されるのがよい。さらに、
図4に示すように、隆起条の角度は、幹部分504の長さに沿って1回以上変更されるのがよい。例えば、隆起条は、右回り角度(504a)、角度なし(504b)、または左回りの角度(504c)を有することができる。角度付き領域の特定の角度、サイズ、およびその配置状態は、縫合手技の要件に基づいて選択されるのがよい。
【0063】
ある特定の実施形態では、例えば、
図8に示すように、縫合針100は、縫合針本体周りに沿ってぐるりと円周方向に延びる凹みおよび/または隆起条110を有し、その結果、凹みおよび/または隆起条は、縫合針を高密度でコンパクトであり、または硬質の材料に通して動かすよう針駆動装置のローラのトラクションを向上させることができる。ある特定の実施形態では、円周方向隆起条110は、互いに密の間隔を置いて配置されるのがよい。ある特定の実施形態では、円周方向隆起条110は、互いに間隔を置いて配置されるのがよい。ある特定の実施形態では、円周方向隆起条110相互間の距離は、一定である。ある特定の実施形態では、円周方向隆起条110相互間の距離は、隆起条によって様々である。ある特定の実施形態では、円周方向隆起条110相互間の距離は、所定のパターン、方式、またはアルゴリズムに従って様々である。ある特定の実施形態では、針駆動装置のローラのうちの1つ以上は、ローラの溝のうちの1つ以上の近位端から遠位端までのびる凹みまたは隆起条を有する。実施形態のうちのある特定のものでは、ローラの溝の凹みまたは隆起条は、縫合針の円周方向隆起条110または凹みと嵌合しまたは交互に位置する。これは、縫合針を高密度でコンパクトであり、または硬質の材料中に動かすために針駆動装置のローラの向上したトラクションを提供する。
【0064】
ある特定の実施形態では、縫合針は、針幹の一部分のみに沿って延びる隆起条を有する。ある特定の実施形態では、縫合針は、針幹の第1の部分で始まって第2の部分で終端する隆起条を有する。ある特定の実施形態では、縫合針は、隆起条のない領域を介在させた隆起条を有する多くの不連続領域を有する。ある特定の実施形態では、縫合針は、隆起条、溝付き表面、粗面、滑らかな表面、でこぼこの表面、リブ付き表面、粘着性の表面、または研磨表面のうちの少なくとも1つを備えたある特定の領域を有する。ある特定の実施形態では、縫合針は、隆起条付き表面、溝付き表面、粗面、滑らかな表面、でこぼこの表面、リブ付き表面、粘着性の表面、または研磨表面のうちの少なくとも1つを備えたある特定の領域、および少なくとも1つの異なる表面を備えた他の領域を有する。ある特定の実施形態では、隆起条が設けられまたは隆起条が設けられていない区分、またはこれらの任意の組み合わせは、各々、任意特定の長さ、幅、順序、または向きのものであってよい。ある特定の実施形態では、隆起条付き表面、溝付き表面、粗面、滑らかな表面、でこぼこの表面、リブ付きの表面、粘着性の表面、または研磨表面区分、またはこれらの任意の組み合わせは、各々、任意の特定の長さ、幅、順序、または向きのものであってよい。ある特定の実施形態では、2種類以上の隆起条が設けられていない表面、例えば、隆起条が設けられた表面、溝付きの面、粗面、滑らかな表面、でこぼこの表面、リブ付きの表面、粘着性の表面、または研磨表面が設けられてもよい。例えば、任意形式の用途向きの同一の針幹に組み合わされた隆起条付きの区分、滑らかな区分、およびこれらとは違った隆起条なしの模様付きの区分が設けられてもよい。
【0065】
ある特定の実施形態では、縫合針は、滑らかな先端区分、隆起条付き本体、および圧着端部近くに位置する模様付きで隆起条が設けられていない部分を有するのがよく、この模様付きで隆起条が設けられていない部分は、針を組織から引き出したときに外科医に手ごたえを感じやすくするようロボット針駆動装置によって捕捉される幾分かのわずかな振動を引き起こすことができ、それにより、特に組織の視認性または操作性が極めて限られ、あるいは針が組織から早すぎる引き抜きの場合に組織が極めて裂けやすくなる領域において、組織外傷を最小限に抑えることができる。
【0066】
図1Aを参照すると、ローラは、例えば上述した回転針駆動装置に用いられた場合、針200の糸取り付け部分206を越えたところで回転する場合があり、そして、その領域を締め付けて縫合糸に損傷しまたは切断する場合がある。かくして、ある特定の実施形態によれば、本発明の滑らかではない表面付きの縫合針は、例えば
図2Aに示すテーパ付き移行部分310を有するのがよい。これは、テーパ付き移行部分310を備えた
図2Bの滑らかな表面付きの縫合針について同様に示されている。この保護先導セグメントは、幹部分204の遠位端にすぐ続き、例えば、針の糸取り付け部分を覆い、そして縫合材の近位部分上に延びる。ある特定の実施形態では、針の幹部分204と糸取り付け部分206との間には移行部がなくまたは最小限に抑えられている。かかる実施形態では、移行部分210は、幹部分204から糸取り付け部分206を越えるところまでテーパをもたらす。ある特定の実施形態では、テーパ付き移行部分310は、幹部分204と針先端の方向にオーバーラップする近位側部を有すると共にテーパを形成するよう縫合糸とオーバーラップした箇所まで延びる遠位側部を有する。ある特定の実施形態では、テーパは、なだらかである。ある特定の実施形態では、テーパは、急峻である。ある特定の実施形態では、圧着部がテーパしている。ある特定の実施形態では、圧着部は、テーパしていない。
【0067】
テーパ付き移行部分310は、縫合材料上でこれに沿い、針の幹部分204の端からある距離にわたって、例えば、約0.1cmから最大約10cmまで、例えば、約0.1cm、約0.2cm、約0.3cm、約0.4cm、約0.5cm、約0. 6cm、約0.7cm、約0.8cm、約0.9cm、約1cm、約2cm、約3cm、約4cm、約5cm、約6cm、約7cm、約8cm、約9cm、約10cm、約15cm、約20cmにわたり、またはこれらの間相互間の任意の距離にわたり、あるいはそれどころかこれらの長さ以上にわたって、例えば最大約20cmまでの距離にわたって延びるのがよい。さらに、テーパ付き移行部分310は、針を針駆動装置上に装填するのを助けることができる可撓性材料で作られるのがよいが、例えば、糸結びの際に縫合糸管理を助けるために縫合材料よりも高い剛性を有するのがよい。テーパ付き移行部分310の長さは、例えば、腹腔鏡ポートを通って針を手術部位に挿入しまたは針を手術部位から抜去する際に「ランプ」によって針を掴むために外科医によって必要とされる最小長さと、テーパ付けを可能にするとともに組織外傷を生じさせないで針経路に続き組織を通るのに足るほどの可撓性を容易に実現可能にする最大長さとの間の最適バランスによって決定されるのが良い。
【0068】
テーパ付き移行部分310は、シアノアクリレートまたは、別の適当なコーティング(またはフィラメント)材料、例えば、別の生体適合性材料であるのがよく、このテーパ付き移行部分は、縫合材料208の直径から針200′の幹部分204の直径まで増径されるのがよい。テーパ付き移行部分310は、収縮包装方式によって形成されるのがよく、この場合、テーパ付き領域のプレフォームを縫合針および圧着部上に位置決めして針の幹部分の端に当接するようにし、そして熱を加えてプレフォームを針上に幾分かの圧縮作用で形成してランプから縫合糸まで滑らかな移行部を生じさせ、かくして、テーパ付き移行部分310が形成される。したがって、この保護セグメントまたはテーパ付き移行部分310は、針の尖っていない圧着端部に当たることなく針200′の幹部分204に達するまでローラをテーパ付き移行部分310から連続転動動作で転動させて「ランプを上る」ことができるようにする「円錐形ランプ」として形成されるのがよく、かくして、針、ローラおよび/または縫合材料への潜在的な損傷が回避される。ある特定の実施形態では、テーパ付き移行部分は、磁性材料または磁化可能材料から成るのがよい。ある特定の実施形態では、縫合材料は、磁性材料または磁化可能な材料を含むのがよい。
【0069】
これは、手技上の利点および効率を生じさせ、その手段として、
図7Aおよび
図7Bに示すように針を針駆動装置上に1回のステップで全てを縫合することが可能な位置まで装填する。ローラ600A,600Bは、縫合材料208上で閉鎖されるのがよく、これらローラは、互いに逆方向に(それぞれ、X1,X2)に回転して、
図7Aの針位置から
図7Cの針位置までの移行方向として示された前方に針を送り進めることができる。針が針駆動装置のローラ相互間で前進しているとき、ローラは、針を縫合材料からテーパ状移行部分310(
図7A)までスムーズに前進させる。ローラを開放することなく、ローラは、引き続き回転してテーパ付き移行部分310に沿って糸取り付けコンポーネント206上でこれに沿って針を前進させることができる(
図7A)。
【0070】
テーパ付き移行部分310が設けられていないとすれば、このことは、ローラによって損傷を受ける場合があり、またはこれとは逆にローラを損傷させる場合のある針上の段部またはリップが生じるということになる。したがって、テーパ付き移行部分310が設けられていない場合、臨床医は、把持器を用いて針を保持/安定化しなければならず、次に針駆動装置を開放して臨床医が針挿入中に掴んでいた縫合糸を放し、次に、縫合の準備のために針本体上にいったん位置決めされた針を針駆動装置で掴む。腹腔鏡セッティングでは、これらステップの各々は、時間、労力、協調を必要とする場合があり、しかも、奥行知覚(たいていの場合、2D可視化システムが用いられる)不足であり、器用さが落ち、ポートの支点効果が減少していることなどのために繰り返しを行わなければならないことさえある。最後に、
図7cに示すように、ローラの回転により、針が送り進められ、その結果、針は、ローラ相互間で位置決めされて、ローラを開放しなくても縫合のために適切に装填されるようになっている。これらの動作を逆に行って、針を外し、それにより例えば、針を縫合部位から(例えば、腹部からまたは腹腔鏡手術部位から)抜去することができる。
【0071】
ある特定の例示の実施形態に関して説明した特徴または機能を種々の他の例示の実施形態内でのコンビネーションおよびサブコンビネーションを行うことができるとともに/あるいは種々の他の例示の実施形態とのコンビネーションおよびサブコンビネーションを行うことができる。また、本明細書において開示した例示の実施形態の異なる特徴および/または要素のコンビネーションおよびサブコンビネーションもまた同様な仕方で行うことができる。さらに、個別的にかつ/あるいはまとめて、幾つかの例示の実施形態は、大きなシステムのコンポーネントであってよく、この場合、他の手順は、本発明の用途にわたって他の用途と比較して優先するのがよくかつ/あるいは違ったやり方でこれらの用途を変更するのがよい。加うるに、多くのステップが本明細書において開示しているように、例示の実施形態の前に、後に、かつ/あるいはこれと同時に必要となる場合がある。少なくとも本明細書において開示している任意のかつ/あるいは全ての方法および/またはプロセスを少なくとも1つの企業または行為者により任意の仕方で少なくとも部分的に実施できることに注目されたい。
【0072】
本明細書で用いられる「約」または「実質的に」という用語は、公称の値/用語から±10%のばらつきを指している。かかるばらつきに具体的に言及しているにせよそうでないにせよいずれにせよ、こうしたばらつきは、本明細書において提供される任意所与の値/用語に含まれるのが常である。
【0073】
特に、縫合針200は、オープン手術、低侵襲手術、腹腔鏡手術、またはエンドエフェクタロボット手術に使用できる。したがって、縫合針200は、用手手術または自動手術に使用できる。縫合針200を採用することができる手術の幾つかの例としては、数あるヒト(例えば、新生児から120歳まで、男性、女性)または動物(例えば、哺乳動物、鳥類、魚、陸上動物)用途のうち、腹腔鏡手術、ロボット手術、ビデオ支援または非支援型胸腔鏡手術、関節鏡視下手術、生まれつき備わった口の手術、内視鏡手術、婦人科手術、心手術、結腸直腸手術、肺手術、胃バイパス手術、子宮摘出手術、歯科手術、泌尿器手術、脳手術、または肥満手術が挙げられる。しかしながら、縫合針200を非医療用途、例えば衣服製造の織物ステッチング、結び方、種まき、靴製造その他にも利用することができることに注意されたい。
【0074】
本明細書において説明する任意のコンポーネントは、医療用に適した材料を含むのがよい。材料は、可撓性、弾力性、または弾性であるのがよい。材料は、消毒され、滅菌され、または衛生化されるのに適しているのがよい、かかる手法は、ホットスチーム、オートクレーブその他とともに実施されるのがよい。例えば、材料としては、プラスチック、金属、ゴム、形状記憶合金、布、フォーム、その他が挙げられる。
【0075】
ある特定の図面および種々の実施形態を特に参照して本発明の装置およびシステムについて説明したが、かかる装置およびシステムは、多くの異なる形態で実施できるので、必ずしも本明細書において開示した実施形態にのみ限定されるものと解されてはならない。これとは異なり、これら実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、しかも本発明の種々の技術的思想を当業者に完全に伝えるよう提供されている。
【0076】
本明細書で用いられる種々の用語は、直接的または間接的、全体的または部分的、一時的または永続的な作用または不作用を含蓄する場合があることに注目されたい。例えば、要素が別の要素に対して「上」、「連結され」、または「結合され」と記載されている場合、この要素は、他の要素上に直接、連結されまたは結合される場合があり、あるいは介在する要素(間接的なまたは直接的な変形手段を含む介在する要素)が存在している場合がある。これとは対照的に、要素が別の要素に「直接連結され」または「直接結合され」と記載されている場合、介在する要素は存在していない。
【0077】
同様に、本明細書で用いられる「または」という用語は、排他的な「または」ではなく包括的な「または」を意味するようになっている。すなわち、別段の指定がなければ、または文脈上明らかな場合、「XはAまたはBを採用する」という表現は、自然な包括的並び替えのうちの任意のものを意味するようになっている。すなわち、XがAを採用し、XがBを採用し、またはXはAとBの両方を採用し、「XがAまたはBを採用し」という表現は、上述の場合のうちの任意において満たされる。
【0078】
同様に、原文明細書で用いられる種々の単数形“a”、“an”、および“the”は、別段の明示の指定がなければ、種々の複数形をも含むようになっている。例えば、“a”または“an”という用語は、「1つ以上」という語句もまた本明細書において用いられている場合であっても、「1つ以上」を意味するものとする。
【0079】
さらに、原文明細書で用いられている“comprises”(訳文では「~を有する」としている場合が多い)、“includes”(「~を含む」)または“comprising”、“including”は、記載した特徴、整数、ステップ、操作、要素、またはコンポーネントの存在を規定しているが、1つ以上の他の特徴、1つ以上の他の整数、1つ以上の他のステップ、1つ以上の他の操作、1つ以上の他の要素、1つ以上の他のコンポーネント、またはこれらのグループの存在および/または追加を排除するわけではない。さらに、本開示があるものが他のあるものに「基づいている」と記載している場合、かかる記載は、1つ以上の他のものにも基づいている場合があるという基礎を意味している。換言すると、別段の明示の指定がなければ、本明細書で用いられている「~に基づく」という表現は、「少なくとも一部が~に基づく」または「少なくとも部分的に~に基づく」を包括的に意味している。
【0080】
加うるに、第1、第2、その他の用語が種々の要素、種々のコンポーネント、種々の領域、種々の層、または種々の区分を説明するために本明細書において用いられている場合があるが、これらの要素、コンポーネント、領域、層、または区分は、必ずしもかかる用語によって限定されるべきではない。これとは異なり、これらの用語は、一要素、一コンポーネント、一領域、一層、または一区分を別の要素、別のコンポーネント、別の領域、別の層、または別の区分から区別するために用いられている。したがって、本明細書に記載した第1の要素、第1のコンポーネント、第1の領域、第1の層、または第1の区分は、第2の要素、第2のコンポーネント、第2の領域、第2の層、または第2の区分と称されてもよく、これは本発明の範囲から逸脱しない。
【0081】
また、別段の指定がなければ、本明細書で用いられている全ての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、本発明に係る当業者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。したがって、例えば、通常用いられている辞書に定義されている用語は、関連技術の文脈におけるこれらの意味と一致した意味を有するものと解されるべきであり、しかも本明細書においてこのように明示的に定義されていない場合であっても、理想化されまたは過剰に公式な意味で解釈されるべきではない。
【0082】
加うるに、ある特定の例示の実施形態に関して説明した特徴を任意の並び替えまたは組合せで、他の種々の例示の実施形態中に組み合わせることができ、またはかかる種々の他の例示の実施形態と組み合わせることができる。本明細書で開示している例示の実施形態の異なる特徴または要素を同様な仕方で組み合わせることができる。本明細書で用いられる「コンビネーション(組み合わせ)」、「結合」、または「これらの組み合わせ」という表現は、当該用語の前に位置する列記されたアイテムの全ての並び替えおよび組み合わせを意味している。例えば、「A、B、C、またはこれらの組み合わせ」は、A、B、C、AB、AC、BC、またはABCのうちの少なくとも1つを含むものであり、順序が特定の文脈で重要な場合、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、またはCABもまた含む。この実施例に続き、1つ以上のアイテムまたは用語の繰り返し、例えば、BB、AAA、AB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなどを含むコンビネーションが明示的に含まれる。当業者であれば理解されるように、代表的には、文脈上明らかでない場合、任意のコンビネーションにおけるアイテムまたは用語の数について限定はない。
【0083】
好ましい実施形態について図示するとともに詳細に説明したが、当業者であれば知っているように、本発明の精神から逸脱することなく、種々の改造、追加、置換などを行うことができる。したがって、これらは、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれるものである。
【国際調査報告】