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特表2023-542874エアロゾル発生装置のための電力選択
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置のための電力選択
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/60 20200101AFI20231004BHJP
【FI】
A24F40/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516706
(86)(22)【出願日】2021-10-05
(85)【翻訳文提出日】2023-03-14
(86)【国際出願番号】 IB2021059098
(87)【国際公開番号】W WO2022074543
(87)【国際公開日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】20200351.3
(32)【優先日】2020-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン グレゴリー アンドレ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC37
4B162AC46
4B162AD08
4B162AD12
4B162AD32
(57)【要約】
単一の電力ボタン(152)と、エアロゾル発生物品を使用してエアロゾルを発生するための発熱体(134)と、一つ以上のプロセッサを含み、単一の電力ボタンおよび発熱体に動作可能に連結されたコントローラ(128)とを備えるエアロゾル発生装置(102)。コントローラは、エアロゾル発生装置を使用してエアロゾルを発生するために、発熱体で使用する複数の異なる電力レベルを提供し、エアロゾル発生装置が、エアロゾルを発生するために、発熱体で使用するように現在構成されている複数の異なる電力レベルのうちの選択された電力レベルを提供し、ユーザーが単一の電力ボタンを押すのに応答して、選択された電力レベルを複数の異なる電力レベルのうちの異なる電力レベルに変更するように構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置で使用するための方法であって、
前記エアロゾル発生装置を使用してエアロゾルを発生するために、発熱体で使用される複数の異なる電力レベルを提供することと、
前記エアロゾル発生装置が、エアロゾルを発生するために、前記発熱体で使用するように現在構成されている前記複数の異なる電力レベルのうちの選択された電力レベルを提供することと、
ユーザーが単一の電力ボタンを押すのに応答して、前記選択された電力レベルを前記複数の異なる電力レベルのうちの異なる電力レベルに変更することと、を含む、方法。
【請求項2】
格納されたプログラムコードを有する非一時的コンピュータ可読媒体を備えるエアロゾル発生装置で使用するためのコンピュータプログラム製品であって、前記プログラムコードが、前記プログラム製品がコンピュータで実行された時に、
前記エアロゾル発生装置を使用してエアロゾルを発生するために、発熱体で使用される複数の異なる電力レベルを提供し、
前記エアロゾル発生装置が、エアロゾルを発生するために、前記発熱体で使用するように現在構成されている前記複数の異なる電力レベルのうちの選択された電力レベルを提供し、
ユーザーが単一の電力ボタンを押すのに応答して、前記選択された電力レベルを前記複数の異なる電力レベルのうちの異なる電力レベルに変更するように構成されている、コンピュータプログラム製品。
【請求項3】
エアロゾル発生装置であって、
単一の電力ボタンと、
エアロゾル発生物品を使用してエアロゾルを発生するための発熱体と、
一つ以上のプロセッサを含み、前記単一の電力ボタンおよび前記発熱体に動作可能に連結されたコントローラと、を備え、前記コントローラが、
前記エアロゾル発生装置を使用してエアロゾルを発生するために、発熱体で使用される複数の異なる電力レベルを提供し、
前記エアロゾル発生装置が、エアロゾルを発生するために、前記発熱体で使用するように現在構成されている前記複数の異なる電力レベルのうちの選択された電力レベルを提供し、
ユーザーが前記単一の電力ボタンを押すのに応答して、前記選択された電力レベルを前記複数の異なる電力レベルのうちの異なる電力レベルに変更するように構成されている、エアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記ユーザーが前記単一の電力ボタンを押すことが、前記ユーザーが、係合期間内に前記単一の電力ボタンを一定の回数押すことを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法、コンピュータプログラム製品、またはエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記ユーザーが前記単一の電力ボタンを押す前記係合期間内の前記回数が、3回である、請求項4に記載の方法、コンピュータプログラム製品、またはエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記係合期間が2秒である、請求項4または5のいずれか一項に記載の方法、コンピュータプログラム製品、またはエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記複数の異なる電力レベルが、第一の電力レベル、および前記第一の電力レベルとは異なる第二の電力レベルのみを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法、コンピュータプログラム製品、またはエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記第一の電力レベルが5.5ワットであり、前記第二の電力レベルが4.5ワットである、請求項7に記載の方法、コンピュータプログラム製品、またはエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記エアロゾル発生装置上の一つ以上のインジケータを使用して電池充電レベルを示すことと、
前記ユーザーが前記単一の電力ボタンを押すのに応答して、前記選択された電力レベルを前記複数の異なる電力レベルのうちの前記異なる電力レベルに前記変更した後に、前記エアロゾル発生装置上の前記一つ以上のインジケータを使用して変更期間の間電力レベルの変更を示すことと、
前記変更期間の終了後に、前記エアロゾル発生装置上の一つ以上のインジケータを使用して前記電池充電レベルを再示することと、を、前記方法がさらに含む、前記プログラムコードが実行するようにさらに構成されている、または、前記コントローラが実行するようにさらに構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法、コンピュータプログラム製品、またはエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記エアロゾル発生装置上の前記一つ以上のインジケータを使用して前記電力レベルの変更を示すことが、
前記変更期間の間に、第一の組の前記一つ以上のインジケータの輝度が急速に増大した後で減少することが、前記複数の異なる電力レベルのうちの第一の電力レベルへの前記電力レベルの変更を示すことと、
前記変更期間の間に、第二の組の前記一つ以上のインジケータの輝度が急速に増大した後に減少することが、前記複数の異なる電力レベルのうちの第二の電力レベルへの前記電力レベルの変更を示すことと、を含む、請求項9に記載の方法、コンピュータプログラム製品、またはエアロゾル発生装置。
【請求項11】
変更期間が3秒である、請求項9または10のいずれか一項に記載の方法、コンピュータプログラム製品、またはエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生基体からエアロゾルを発生するのに使用される電力を調整するための装置、方法、およびコンピュータプログラム製品に関する。電力調整は、エアロゾル発生装置上の単一のボタンの使用を通してユーザーによって開始されてもよく、エアロゾル発生装置上に位置する一つ以上のインジケータを使用して示され得る。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生基体からエアロゾルを発生するのに使用される電力出力レベルなどの電力設定の調整は、煩雑であり、時間がかかることが多い。例えば、ユーザーは、エアロゾル発生装置の電力設定を調整するために、エアロゾル発生装置以外の追加的な装置を利用する必要がある場合がある。一例では、ユーザーは、電力設定を調整するために、携帯電話などのユーザーインターフェース装置上のソフトウェアアプリケーションまたはアプリを利用する必要がある場合があり、ユーザーインターフェース装置は、有線または無線接続を介してエアロゾル発生装置を同期および構成する必要があり、これには多くの工程が伴い得、各工程は、問題または非効率の可能性をもたらす。別の例では、ユーザーは、電力設定を調整するために、エアロゾル発生装置のためのドッキングステーションまたは充電器を利用する場合があり、これらもエアロゾル発生装置を同期および構成するために、エアロゾル発生装置に動作可能に連結される必要があり得る。さらに、ユーザーが自身のエアロゾル発生装置を使用する場合に、ユーザーが電力出力レベルなどの一つ以上の電力設定の変更を希望する時に、こうした追加的な装置が存在しない場合がある(例えば、ユーザーが自身のユーザーインターフェース装置またはドッキングステーションへのアクセスを有しない場合がある)。なおさらに、エアロゾル発生装置の電力設定を調整するために必要な追加的な装置の使用は、さらなる電力を消費し得る(例えば、追加的な装置との間の有線または無線のデータ転送を提供するために)。
【0003】
ユーザーは、従来のエアロゾル発生装置を使用して、電力設定などの様々な設定に対して偶発的に、または不注意により調整を行う場合がある。例えば、こうした従来のエアロゾル発生装置は、偶発的な、または不注意による調整を回避するための保護または技術を提供しない。一例では、従来のエアロゾル発生装置上の位置決め可能なスイッチ、または回転スイッチが、温度設定を選択するのに使用され得るが、これらは、偶発的に、または不注意により選択され(例えば、ユーザーのポケット内で)、それによって望ましくない電力出力または温度の設定の変更が行われる場合がある。
【0004】
さらに、一部の従来のエアロゾル発生装置では、ユーザーが、電力出力レベルなどの電力設定を変更することができず、これにより、ユーザーは、電池消費を最適化することができず、エアロゾル発生量(例えば、吸入または吸煙毎の「クラウド」サイズ)を調整することもできない。
【0005】
なおさらに、エアロゾル発生に使用されるエアロゾル発生装置は、ユーザーによって容易に運ばれ得るように、比較的小さい場合がある。小さいサイズのエアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置が限られた量のディスプレイ装置および入力装置を含むことを余儀なくする場合があり、また電池のサイズを制限する可能性がある。したがって、小さいサイズのエアロゾル発生装置は、ユーザーが、電力出力レベルなどの電力設定を調整することを困難にし得る。さらに、より大きいディスプレイ装置またはより多くのディスプレイ装置は、より多くの電力を必要とする場合があり、これは、特に電池のサイズが制限されている時に、エアロゾル発生装置のための充電と充電との間の使用量を制限する可能性がある。
【0006】
より具体的には、エアロゾル発生装置を物理的に非常に小さくする必要があり得る。例えば、エアロゾル発生装置は、従来の可燃性紙巻たばこの喫煙者に幅広く受け入れられるように従来の紙巻たばこに類似した感覚を与えるために、従来の紙巻たばこの一部分のみとサイズが類似している場合がある。さらに、例えば、単にエアロゾル発生装置を携行するユーザーの利便性のために、エアロゾル発生装置は、より小さいサイズであってもよい。従って、ソフトウェアを埋め込むことができるハードウェアは非常にコンパクトである必要があり、かつこれはユーザーインターフェース装置またはディスプレイ装置のために非常に限られたスペースを提供する。通常、一つ以上のユーザー選択可能ボタン(例えば、押圧可能ボタン、接触スイッチまたは静電容量スイッチなどの非押圧可能ボタンなど)および一つ以上のインジケータ(例えば、発光ダイオード(LED)などのライト、液晶表示など)以外のさらなるユーザーインターフェース機能のためのスペースはない。
【0007】
したがって、従来のエアロゾル発生装置は、電力設定の調整を提供しない場合があり、電力設定の調整を提供しないこれらの従来のエアロゾル発生装置は、時間がかかり、煩雑で、電力を消費し、事故が多発しやすくなる可能性がある。
【0008】
米国特許第10,398,173号は、事前設定された高電圧または事前設定された低電圧を交互に出力するように構成され、キースイッチを使用する、ブースト(昇圧)ユニット、バック(降圧)ユニットまたはバックブーストユニットを含む、電力管理モジュールが制御回路基板に提供されていることを特徴とする、デュアル電圧電子たばこ制御組立品を記載する。キースイッチは、キーを押す時間に応じて、二つの異なる安定した電圧を交互に出力することができる、ワンキースイッチを含み得る。
【0009】
米国特許第8,781,307号は、発熱体に供給される出力電圧の増分調整を可能にするために、異なる抵抗を有する固定された抵抗器の切替可能なバンクに連結された回転スイッチまたはスライドスイッチを記載する。
【0010】
米国特許出願公開第2016/0262459A1号は、(マウスピースを取り外すことによって明らかになる)「温度設定ボタン」を押すことによって、ファームウェア内の温度設定がサイクルし、新たな設定がLEDに反射されることを記載する。
【0011】
米国特許出願公開第2015/0128967A1号は、二つの設定、電力オフ設定および電力オン設定を有する電力スイッチを含み、また別の実施形態では、電力スイッチが、気化器の温度を制御するために、電力オフ設定、低電力設定、および高温設定などのいくつかの設定を含み得る、気化器を記載する。
【0012】
煩雑であったり電力を消費したりすることなく、エアロゾル発生装置に対して単純で安全な電力設定の調整を提供することが望ましい。本発明は、エアロゾル発生装置に対する単純で安全な電力設定の調整を提供するものとして記載され得る。
【発明の概要】
【0013】
本発明の一態様によると、エアロゾル発生装置を使用してエアロゾルを発生するために、発熱体で使用される複数の異なる電力レベルを提供することを含む、エアロゾル発生装置で使用するための方法が提供されている。方法はさらに、エアロゾル発生装置が、エアロゾルを発生するために、発熱体で使用するように現在構成されている複数の異なる電力レベルのうちの選択された電力レベルを提供することと、ユーザーが単一の電力ボタンを押すのに応答して、選択された電力レベルを複数の異なる電力レベルのうちの異なる電力レベルに変更することとを含む。さらに、ユーザーが単一の電力ボタンを押すことは、ユーザーが、係合期間内に単一の電力ボタンを一定の回数押すことであるか、またはこれを含む。
【0014】
本発明の一態様によると、格納されたプログラムコードを有する非一時的コンピュータ可読媒体を備えるエアロゾル発生装置で使用するためのコンピュータプログラム製品が提供されており、プログラムコードは、当該プログラム製品がコンピュータで実行された時に、エアロゾルを発生するために、発熱体で使用される複数の異なる電力レベルを提供するように構成されている。プログラム製品はさらに、エアロゾル発生装置が、エアロゾルを発生するために、発熱体で使用するように現在構成されている複数の異なる電力レベルのうちの選択された電力レベルを提供し、ユーザーが単一の電力ボタンを押すのに応答して、選択された電力レベルを複数の異なる電力レベルのうちの異なる電力レベルに変更する。さらに、ユーザーが単一の電力ボタンを押すことは、ユーザーが、係合期間内に単一の電力ボタンを一定の回数押すことであるか、またはこれを含む。
【0015】
本発明の別の一態様によると、単一の電力ボタンと、エアロゾル発生物品を使用してエアロゾルを発生するための発熱体と、単一の電力ボタンおよび発熱体に動作可能に連結された一つ以上のプロセッサを含むコントローラとを備えるエアロゾル発生装置が提供されている。コントローラは、エアロゾルを発生するために、発熱体で使用される複数の異なる電力レベルを提供し、エアロゾル発生装置が、エアロゾルを発生するために、発熱体で使用するように現在構成されている複数の異なる電力レベルのうちの選択された電力レベルを提供し、ユーザーが単一の電力ボタンを押すのに応答して、選択された電力レベルを複数の異なる電力レベルのうちの異なる電力レベルに変更するように構成されている。さらに、ユーザーが単一の電力ボタンを押すことは、ユーザーが、係合期間内に単一の電力ボタンを一定の回数押すことであるか、またはこれを含む。
【0016】
本明細書に記載の態様を含む本発明は、従来の装置と比較して、単一の電力ボタンが利用され、それによって、電力設定の調整が、煩雑さが少なく、時宜を得た調整であり、製造費用が安く、複雑さが少なく、事故が多発しにくくなる、という点で利点を提供し得る。単一の電力ボタンを使用することにより、電力設定の調整が単純かつ高速化する。さらに、単一の電力ボタンを単回押すことは、電力設定の変更(例えば、電力レベルの変更)をもたらさず、それによって、不注意による、または偶発的な作動(例えば、エアロゾル発生装置がユーザーのポケット内にある時)が回避される。さらに、電力設定の調整はエアロゾル発生装置上に位置する単一の電力ボタンによって完了し得るため、ユーザーは、エアロゾル発生装置を同期または構成するために追加的な装置を考慮に入れる、または使用する必要はない。
【0017】
さらに、本明細書に記載される態様を含む本発明は、ユーザーが電池消費を最適化することを可能にし、ユーザーがエアロゾル発生量(例えば、吸入または吸煙毎の「クラウド」サイズ)を調整することを可能にする。電池消費の最適化により、ユーザーはより長期間、充電器具から離して自身のエアロゾル発生装置を使用することが可能になる。さらに、エアロゾル発生量の調整により、ユーザーは、自身の体験をその所望に応じてカスタマイズすることが可能になる。
【0018】
したがって、言い換えれば、エアロゾル発生装置(例えば、電子たばこ)のユーザーが、エアロゾル発生装置の出力電力レベルを変更して電池消費を最適化するか、またはエアロゾル発生装置によって生成されるクラウドサイズを変更するのに有利であり得る。さらに、エアロゾル発生装置のみを使用して電力レベルを変更する能力は、ユーザーインターフェース装置または他の装置上のアプリを使用することなく、かつ有線または無線接続(例えば、USB接続またはBluetooth(登録商標)接続)を使用することなく、エアロゾル発生装置の出力電力を変更する能力をユーザーに提供する、「オンデバイス」電力設定として説明され得る。
【0019】
係合期間は、ユーザーが単一の電力ボタンを選択して、電力レベルの変更を開始、または作動させ得る時間窓を提供する。係合期間は、ユーザーが、単一の電力ボタンを必要回数選択して、電力レベルの変更を開始、または作動させるのに十分な長さを画定する。一態様では、係合期間は2秒である。他の態様では、係合期間は、例えば、1.5秒または1秒など、2秒未満である。他の態様では、係合期間は、例えば、2.5秒、3秒、または5秒など、2秒よりも長い。さらに、係合期間は2秒以上であると説明され得る。
【0020】
係合期間の使用、および係合期間内に単一の電力ボタンを押す必要がある必要回数は、従来の装置と比較して、偶発的な、または不注意による単一の電力ボタンの選択(例えば、押下)から電力設定の変更を保護するという点において、利点を提供する。係合期間にある時に、単一のボタンを押して電力レベルの変更を開始する回数は、こうした偶発的な、または不注意による単一の電力ボタン、ボタンの選択(例えば、押下)を回避するように、プログラムされるか、または事前設定される。一態様では、電力設定の変更をもたらすために係合期間内に単一のボタンを押す必要がある必要回数は、3回である。別の態様では、係合期間にある時に単一のボタンが押される回数は、2回である。言い換えれば、エアロゾル発生装置は、「三段ボタン押下」の電力レベルの変更を含む。他の態様では、係合期間にある時に単一のボタンが押される回数は、4回または5回など、3回よりも多い。
【0021】
本明細書に記載されるように、各々、利用時に(同じ期間にわたって)異なるエアロゾル発生量を提供するように異なる電力レベルを提供する、複数の異なる電力レベルが提供される(例えば、二つ以上の異なるレベルが提供される)。エアロゾル発生装置は、デフォルト電力レベル(例えば、製造時にエアロゾル発生装置に対して選択された)で構成されるか、または事前構成されてもよい。エアロゾル発生装置の電力レベルが選択されたと記載される場合、こうした選択された電力レベルは、エアロゾル発生装置が、エアロゾル発生基体からエアロゾルを発生するために、発熱体に送達するように現時点または現在構成されている現時点または現在の電力レベルであることが理解される。また、電力レベルはエアロゾル発生基体からエアロゾルを発生するために発熱体またはヒーターに出力される電力量であるため、電力レベルは、例えば、エアロゾル発生装置の電力出力レベルとしても説明され得る。
【0022】
一態様では、複数の異なる電力レベルは、第一の電力レベル、および第一の電力レベルとは異なる第二の電力レベルのみを含むか、またはこれらを備える。言い換えれば、この態様では、複数の異なる電力レベルは、高電力レベルおよび低電力レベルを含み、低電力レベルは、高電力レベルよりも低い。結果として、高電力レベルは、利用時に、同じ期間にわたって低電力レベルよりも多くのエアロゾルを発生する。さらに、低電力レベルは、利用時に、同じ期間にわたって高電力レベルよりも電力消費(または電池寿命)が少ない。他の態様では、例えば、三つの異なる電力レベル、五つの異なる電力レベルなど、三つ以上の異なる電力レベルが提供される。
【0023】
各電力レベルは、ワット数またはワットの観点から定義され得る。一態様では、二つの異なる電力レベルのみを含み、第一の、または高電力レベルは5.5ワットであり、第二の、または低電力レベルは4.5ワットである。他の態様では、複数の異なる電力レベルは、1ワット、2ワット、2.5ワット、3ワット、3.5ワット、4ワット、5ワット、および6ワットのうちの一つ以上を含み得る。
【0024】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置のハウジングに、またはハウジングの一部に位置付けられた一つ以上の、または複数のインジケータを含む。インジケータは、本明細書に記載するように、エアロゾル発生装置の電池の充電レベル、およびエアロゾル発生装置が現在構成されている選択された電力レベルなどの電力情報をユーザーに表示するように構成されている。一つ以上のインジケータは、複数の、または二つ以上の、例えば、発光ダイオード(LED)などのライトを含むことが好ましい。一つ以上のインジケータは、一つ以上の選択された特性に従って光を放射して電力情報を提供するように構成されている。例えば、一つ以上の選択された特性は、オンまたはオフ、光の色、光の点滅、光のパターン、およびそれらの組み合わせを含み得る。したがって、エアロゾル発生装置の一つ以上のインジケータは、一つ以上の選択された特性を使用して、電力情報をユーザーに表示する(および伝達する)ように構成されている。
【0025】
一態様では、一つ以上のインジケータは、エアロゾル発生装置の電池の現在の電池レベル、または充電レベルを示すか、または提供する。例えば、エアロゾル発生装置は、四つのインジケータを含んでもよく、四つのインジケータが点灯(例えば、光を放射)する場合、完全に充電された電池を表し得る。四つのインジケータのうちの三つが点灯する場合、電池は3/4の充電状態にあり、四つのインジケータのうちの二つが点灯する場合、電池は1/2の充電状態にあり、四つのインジケータのうちの一つが点灯する場合、電池は1/4の充電状態にある。
【0026】
電池の現在の充電レベルを示すために、インジケータは、動作に応答して、絶えず(例えば、常に)、または断続的(例えば、一部の時間)に点灯(または発光)してもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、ユーザーがエアロゾル発生装置を移動させた時を検出するモーションセンサーなどのセンサーを含んでもよく、こうした移動に応答して、電池の現在の充電レベルを示すインジケータが一時的に点灯してもよい。さらに、例えば、ユーザーは、インジケータを使用した電池充電レベルの表示を開始するために、単一の電力ボタンを単回または一回選択(例えば、タッチ、押圧、インデント、移動、作動など)してもよい。インジケータは電力をそれほど引き出さないため、不注意による、または偶発的な電池充電レベルの表示の開始は、電力をあまり無駄にしない。
【0027】
別の態様では、一つ以上のインジケータは、エアロゾル発生装置が、エアロゾルを発生するために、エアロゾル発生基体を加熱するように構成されている現在の電力レベルを示す、または提供する。例えば、エアロゾル発生装置は、四つのインジケータを含んでもよく、四つのインジケータが点灯(例えば、光を放射)する場合、現在の電力レベルは高電力レベルであり得る。さらに、四つのインジケータのうちの二つが点灯する場合、現在の電力レベルは低電力レベルであり得る。
【0028】
エアロゾル発生装置の現在の電力レベルを示すために、インジケータは、動作に応答して、絶えず(例えば、常に)、または断続的(例えば、一部の時間)に点灯(または発光)してもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、ユーザーがエアロゾル発生装置を移動させた時を検出するモーションセンサーなどのセンサーを含んでもよく、こうした移動に応答して、エアロゾル発生装置の現在の電力レベルを示すインジケータが点灯してもよい。さらに、例えば、ユーザーは、インジケータを使用した電力レベルの表示を開始するために、単一の電力ボタンを一回以上選択(例えば、タッチ、押圧、インデント、移動、作動など)してもよい。インジケータは電力をそれほど引き出さないため、不注意による、または偶発的なエアロゾル発生装置の電力レベルの表示の開始は、電力をあまり無駄にしない。
【0029】
別の態様では、現在の電力レベルおよび電力レベルの変更(ユーザーが開始した電力レベルの変更に応答した)は、一つ以上のインジケータによって示されてもよい。より具体的には、一つ以上のインジケータは、現在の、または選択された電力レベルが変更されたこと、およびエアロゾル発生装置において現在構成されている現在の、または選択されている電力レベルをユーザーに伝達する情報を表示し得る。例えば、電力レベルの変更(本明細書に記載するように、係合期間内に単一の電力ボタンを必要回数選択することによって実行され得る)に応答して、一つ以上のインジケータが、規定のパターンを使用して光を放射または表示して、電力レベルの変更が生じたことを示してもよい。一態様では、四つのインジケータのうちの二つが点灯(例えば、光を放射)し、かつ「呼吸」様式で急速にパルスすることは、電力レベルが低電力レベルに変更されたことを示し、四つのインジケータのすべてが点灯(例えば、光を放射)し、かつ「呼吸」様式で急速にパルスすることは、電力レベルが高電力レベルに変更されたことを示す。
【0030】
一態様では、インジケータを使用した現在の電力レベルおよび電力レベルの変更の表示は、変更期間にわたって生じるか、または実行され得る。変更期間が終了すると、インジケータを使用した現在の電力レベルおよび電力レベルの変更はそれ以上表示されなくなる。さらに、一態様では、電池充電レベルは、変更期間の終了後に再表示または再示される。変更期間は、2秒~10秒であってもよい。一態様では、変更期間は3秒である。一態様では、変更期間中に、第一の組のインジケータの輝度が急速に増大した後で減少すること(例えば、「呼吸」)は、複数の異なる電力レベルのうちの第一の電力レベルへの電力変更を示し、変更期間中に、第二の組のインジケータの輝度が急速に増大した後で減少すること(例えば、「呼吸」)は、複数の異なる電力レベルのうちの第二の電力レベルへの電力変更を示す。
【0031】
本明細書に記載するように、同じインジケータを使用してエアロゾル発生装置の複数の異なる電力レベルのうちの電力レベル、電力レベルの変更、および電池充電レベルを表示することは、エアロゾル発生装置の複雑さ、製造コストの低減、および美観のために有利である。したがって、本発明は、これまでは電池充電レベル(または他の情報)を示すためにのみ使用された既存のインジケータまたはディスプレイ(例えば、LED)を利用するが、エアロゾル発生装置の現在の電力レベルおよび電力レベルの変更に関連する情報を迅速かつ正確に伝達し得る、改善であるとして説明され得る。
【0032】
したがって、例示的なエアロゾル発生装置は、二つの異なる電力レベルを有し、電力レベルが5.5ワットである時に単一の電力ボタンを三回押すことにより、電力レベルが4.5ワットに変更され、反対に、電力レベルが4.5ワットである間に単一の電力ボタンを三回押すことにより、電力レベルが5.5ワットに変更されるものとして説明され得る。さらに、新たな電力レベルが5.5ワットに設定される場合、四つのインジケータ(例えば、LED)が3秒間の急速な呼吸を開始し、3秒終了時に、インジケータは電池レベルの表示に戻り、新たな電力レベルが4.5ワットに設定される場合、下部の二つのインジケータが3秒間の急速な呼吸を開始し、3秒終了時に、インジケータは電池レベルの表示に戻る。
【0033】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品を受容するための空洞を画定してもよく、またエアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体を加熱してエアロゾルを発生するように構成されたヒーターを含んでもよい。ヒーターは、エアロゾル発生物品の中に挿入されて、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体に熱を送達するように構成されているブレードを含んでもよい。エアロゾル発生装置は、ヒーターに少なくとも電力を供給する電源を含んでもよく、またホスト装置にインターフェースするように、またはホスト装置に動作可能に連結されるように構成されてもよい。ホスト装置は、エアロゾル発生装置にインターフェースし、またはエアロゾル発生装置に動作可能に連結されて、エアロゾル発生装置の電源を少なくとも充電するインターフェースを含んでもよい。
【0034】
燃焼することなく加熱されるたばこ基体を含む物品から発生するエアロゾルは、従来の紙巻たばこにおけるたばこの燃焼および熱分解から生成される煙またはエアロゾルよりも少ない量または濃度のある特定の煙成分を含有する。エアロゾル発生装置の一つの公知のタイプにおいて、エアロゾルは熱源から、物理的に分離されたエアロゾル発生物品(例えば、たばこ含有基体を含む)への熱伝達によって発生する。装置は、熱源が基体を燃焼しないように構成されている。使用中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル発生基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に混入される。放出された化合物が冷えるにつれて、これらは凝縮してユーザーによって吸入されるエアロゾルを形成する。
【0035】
エアロゾル発生装置は、一つ以上のプロセッサを含むコントローラ、およびユーザーインターフェース装置などの他の装置との間でデータを送受信するための通信インターフェースを含み得る。例えば、Bluetooth(登録商標)ワイヤレスプロトコルインターフェースなどの無線通信インターフェースが、エアロゾル発生装置と他の装置との間で使用されてもよい。コントローラは、処理プログラムまたはルーチンおよび例示的な方法を実行するために使用してもよい一つ以上のタイプのデータにアクセスするために、関連付けられたデータストレージまたはメモリとともに動作してもよい一つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)を含んでもよい。例えば、データストレージ内に格納された処理プログラムまたはルーチンとしては、電池の現在の充電レベルをチェックまたは判定する、インジケータを使用して電池の現在の充電レベルを示す、ヒーターを使用してエアロゾルを発生するのに使用される選択された電力レベルを維持または提供する、ユーザー動作に応答して選択された電力レベルを変更する、インジケータを使用して電力レベルの変更を表示または示す、ヒーターを使用してエアロゾルを発生するのに使用される現在の選択された電力レベルを表示または示す、自己診断、統計、行列計算、圧縮アルゴリズム(例えば、データ圧縮アルゴリズム)、標準化アルゴリズム、比較アルゴリズム、または本明細書に記載の一つ以上の例示的な方法およびプロセスを実装するのに使用される任意の他の処理を実施するためのプログラムまたはルーチンが挙げられ得る。
【0036】
一つ以上の実施形態において、エアロゾル発生装置は、処理能力(例えば、マイクロコントローラ、プログラマブル論理装置など)、データストレージ(例えば、揮発性もしくは不揮発性メモリ、および/または記憶素子)、入力装置、および出力装置を含む一つ以上のプログラム可能なプロセッサ上で実行される一つ以上のコンピュータプログラムを使用して実施されるものとして説明され得る。本明細書に記載のプログラムコードおよび/または論理は、入力データに適用されて、本明細書に記載の機能を遂行し、かつ所望の出力情報を生成してもよい。出力情報は、本明細書に記載の通りの一つ以上の他の装置および/または処理への入力として、または周知の方法で適用される通りに適用されてもよい。
【0037】
本明細書に記載のプロセスを実施するために使用されるコンピュータプログラム製品は、任意のプログラム可能な言語、例えばコンピュータシステムとの通信に適した、高レベル手続き型言語および/またはオブジェクト指向型プログラム言語を使用して提供されてもよい。任意のこうしたプログラム製品は、例えば任意の適切な装置、例えば汎用または特定用途プログラムによって読み出し可能な記憶媒体、本明細書に記載の手順を遂行するために適切な装置が読み出された時にコンピュータを構成および動作させるためのコントローラ装置上に保存されてもよい。言い換えれば、少なくとも一つの実施形態では、ユーザーインターフェース装置は、コンピュータプログラムで構成された非一時的コンピュータ可読記憶媒体を使用して実装することができ、そのように構成された記憶媒体は、本明細書に記載される機能を実施するために、コンピュータを特有および所定の方法で動作させる。
【0038】
エアロゾル発生装置のコントローラの正確な構成は限定されるものではなく、本質的に、本明細書に記載の例示の方法を実施するのに適切な計算能力および制御能力を提供することができる任意の装置が使用されうる。上記を考慮すると、本発明による一つ以上の実施形態で説明される通りの機能が、当業者には周知であろう任意の様式で実施されてもよいことは容易に明らかであろう。そのため、コンピュータ言語、コントローラ、または本明細書に記載のプロセスを実施するために使用される任意のその他のソフトウェア/ハードウェアは、本明細書に記載のシステム、プロセス、またはプログラム(例えば、こうしたプロセスまたはプログラムによって提供される機能)の範囲に限定されるべきではない。本開示に説明される方法およびプロセス(装置に帰属する方法およびプロセスを含む)、または様々な構成要素は、少なくとも部分的に、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせで実装されてもよい。例えば、技法の様々な態様は、一つ以上のマイクロプロセッサ、DSP、ASIC、FPGA、CPLD、マイクロコントローラ、または任意の他の均等な集積回路もしくは個別論理回路だけでなく、こうした構成要素の任意の組み合わせを含む、一つ以上のプロセッサ内で実装されてもよい。ソフトウェア内に実装される場合、本開示で説明されるシステム、装置、および方法に属する機能は、RAM、ROM、NVRAM、EEPROM、FLASHメモリ、磁気データ記憶媒体、光データ記憶媒体、またはこれに類するものなどのコンピュータ可読媒体上の命令として具体化されてもよい。命令は、一つ以上のプロセッサによって実行されて、本開示で説明される機能の一つ以上の態様を支援する場合がある。
【0039】
「コントローラ」および「プロセッサ」という用語は、例えばマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、等価の個別論理回路もしくは集積論理回路、またはこれらの任意の組み合わせなどの適切な演算能力および制御能力を提供する能力と、読み出し可能および/または書き込み可能であってもよいデジタルビット(例えば、二進または三進などでコードされた)を含有する任意の媒体(例えば、揮発性または不揮発性メモリ、CD-ROM、ディスクまたはテープなどの磁気記録可能媒体など)を含む適切なデータストレージ能力を提供する能力と、を有する、任意の装置または器具を指す。
【0040】
「通信インターフェース」という用語は、エアロゾル発生装置とホスト装置とユーザーインターフェース装置(例えば、物理的データカップリング(例えば、エアロゾル発生装置がホスト装置によって受容されている時に、各々は、データの通信のための相互に接続されていてもよい少なくとも一つのデータインターフェースポートを含んでもよい)、様々なテレメトリ回路、およびアンテナなどの)との間の適切なデータ通信能力を提供する能力を有する任意の装置または器具を指し、また一つ以上の有線または無線(例えば、無線周波数)データ伝送プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、極超短波(UHF)帯の任意のプロトコル、センチメートル波(SHF)帯の任意のプロトコル、低周波、またはそれらの組み合わせなど)を使用してもよい。
【0041】
本明細書に記載されるように、例示的なエアロゾル発生装置は、単一の電力ボタンなどの一つ以上のユーザー選択可能ボタンを含む。一つ以上のユーザー選択可能ボタンは、エアロゾル発生装置の一つ以上の動作を実施する、または開始するためにユーザーによって選択されるように構成されるものとして説明され得る。本明細書で使用される通り、ユーザーは、例えば指などの身体部分でユーザー選択可能スイッチにタッチする、クリックする、タップする、またはスワイプすることによって、ユーザー選択可能ボタンを選択してもよい。一つ以上のユーザー選択可能ボタンはまた、多目的であってもよい。例えば、一つ以上のユーザー選択可能ボタンは、ユーザーによって選択された時に、様々な動作(例えば、装置に電力を供給する、現在の電池充電レベルを表示するなど)を実施してもよく、また選択されたパターンは、ユーザーによって使用されて、電力レベル表示または選択された電力レベルの変更などのボタンの主たる動作とは別に、別の動作を開始するために使用されてもよい。より具体的には、ユーザーは、選択されたパターンに従って単一のユーザー選択可能ボタンの選択を実施してもよく、これにより、選択された電力レベルの変更が開始またはトリガーされ、一つ以上のインジケータを使用して、電力レベルの変更および新たに選択された電力レベルが表示され得る。選択されたパターンは、エアロゾル発生装置の典型的な使用中に通常はトリガーされないであろうパターンであってもよい。さらに、選択されたパターンは、エアロゾル発生器具がユーザーのポケットの中に携行されている時に偶発的にトリガーされる可能性がないであろうパターンであってもよい。一実施例において、選択されたパターンは、選択された係合期間内の単一のユーザー選択可能ボタンの一連の急速な選択(例えば、かつ好ましくは2秒以内の三回の選択など)を含んでもよい。
【0042】
「エアロゾル発生装置」という用語は、ユーザーによって吸入されうるエアロゾルを形成するために揮発性化合物を放出するエアロゾル発生物品を使用または利用するように構成された装置を指す。「エアロゾル発生物品」という用語は、加熱に伴い、エアロゾルを形成しうる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を含む物品を指す。本発明によるエアロゾル発生物品から発生したエアロゾルは、可視または不可視であってもよく、またベイパー(蒸気)(例えば、室温では通常、液体または固体である物質の、気体状態にある物質の微粒子)ならびに気体および凝縮されたベイパーの液滴を含んでもよい。「加熱タイプのエアロゾル発生物品」は、エアロゾル発生基体を含み、かつエアロゾル発生基体を加熱するが燃焼しないように構成されているエアロゾル発生装置で使用するように構成されている、エアロゾル発生物品である。加熱タイプのエアロゾル発生物品の一実施例は、IQOSで使用するIQOSヒートスティック(Phillip Morris International製のMARLBORO HEATSTICKSとしても知られる)、加熱非燃焼式エアロゾル発生装置(これもPhillip Morris International製)である。
【0043】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供する。これらの実施例の特徴のうちの任意の一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0044】
実施例1:
エアロゾル発生装置で使用するための方法であって、エアロゾル発生装置を使用してエアロゾルを発生するために、発熱体で使用される複数の異なる電力レベルを提供することと、エアロゾル発生装置が、エアロゾルを発生するために、発熱体で使用するように現在構成されている複数の異なる電力レベルのうちの選択された電力レベルを提供することと、ユーザーが単一の電力ボタンを押すのに応答して、選択された電力レベルを複数の異なる電力レベルのうちの異なる電力レベルに変更することとを含む、方法。
実施例2:
格納されたプログラムコードを有する非一時的コンピュータ可読媒体を備えるエアロゾル発生装置で使用するためのコンピュータプログラム製品であって、プログラムコードは、当該プログラム製品がコンピュータで実行された時に、エアロゾル発生装置を使用してエアロゾルを発生するために、発熱体で使用される複数の異なる電力レベルを提供し、エアロゾル発生装置が、エアロゾルを発生するために、発熱体で使用するように現在構成されている複数の異なる電力レベルのうちの選択された電力レベルを提供し、ユーザーが単一の電力ボタンを押すのに応答して、選択された電力レベルを複数の異なる電力レベルのうちの異なる電力レベルに変更するように構成されている、コンピュータプログラム製品。
実施例3:
単一の電力ボタンと、エアロゾル発生物品を使用してエアロゾルを発生するための発熱体と、一つ以上のプロセッサを含み、単一の電力ボタンおよび発熱体に動作可能に連結されたコントローラとを備え、コントローラは、エアロゾル発生装置を使用してエアロゾルを発生するために、発熱体で使用される複数の異なる電力レベルを提供し、エアロゾル発生装置が、エアロゾルを発生するために、発熱体で使用するように現在構成されている複数の異なる電力レベルのうちの選択された電力レベルを提供し、ユーザーが単一の電力ボタンを押すのに応答して、選択された電力レベルを複数の異なる電力レベルのうちの異なる電力レベルに変更するように構成されている、エアロゾル発生装置。
実施例4:
ユーザーが単一の電力ボタンを押すことは、ユーザーが、係合期間内に単一の電力ボタンを一定の回数押すことを含む、実施例1~3のいずれか一つに記載の方法、コンピュータプログラム製品、またはエアロゾル発生装置。
実施例5:
ユーザーが単一の電力ボタンを押す係合期間内の回数は3、である、実施例4に記載の方法、コンピュータプログラム製品、またはエアロゾル発生装置。
実施例6:
係合期間は2秒である、実施例4または5のいずれか一つに記載の方法、コンピュータプログラム製品、またはエアロゾル発生装置。
実施例7:
複数の異なる電力レベルは、第一の電力レベル、および第一の電力レベルとは異なる第二の電力レベルのみを含む、実施例1~6のいずれか一つに記載の方法、コンピュータプログラム製品、またはエアロゾル発生装置。
実施例8:
第一の電力レベルは5.5ワットであり、第二の電力レベルは4.5ワットである、実施例7に記載の方法、コンピュータプログラム製品、またはエアロゾル発生装置。
実施例9:
エアロゾル発生装置上の一つ以上のインジケータを使用して電池充電レベルを示すことと、ユーザーが単一の電力ボタンを押すのに応答して、選択された電力レベルを複数の異なる電力レベルのうちの異なる電力レベルに変更した後に、エアロゾル発生装置上の一つ以上のインジケータを使用して変更期間の間電力レベルの変更を示すことと、変更期間の終了後に、エアロゾル発生装置上の一つ以上のインジケータを使用して電池充電レベルを再示することと、を、方法がさらに含む、プログラムコードが実行するようにさらに構成されている、またはコントローラが実行するようにさらに構成されている、実施例1~8のいずれか一つに記載の方法、コンピュータプログラム製品、またはエアロゾル発生装置。
実施例10:
エアロゾル発生装置上の一つ以上のインジケータを使用して電力レベルの変更を示すことは、変更期間の間に、第一の組の一つ以上のインジケータの輝度が急速に増大した後で減少することが、複数の異なる電力レベルのうちの第一の電力レベルへの電力レベルの変更を示すことと、変更期間の間に、第二の組の一つ以上のインジケータの輝度が急速に増大した後に減少することが、複数の異なる電力レベルのうちの第二の電力レベルへの電力レベルの変更を示すことと、を含む、実施例9に記載の方法、コンピュータプログラム製品、またはエアロゾル発生装置。
実施例11:
変更期間は3秒である、実施例9または10のいずれか一つに記載の方法、コンピュータプログラム製品、またはエアロゾル発生装置。
【図面の簡単な説明】
【0045】
ここで、本開示に記載の一つ以上の態様を描写する図面を参照する。しかし当然のことながら、図面に図示されていない他の態様は、本開示の範囲および趣旨の中に収まる。図内で使用されている類似の番号は、類似の構成要素、工程、およびこれに類するものを指す。しかし当然のことながら、所与の図内で一つの構成要素を指すために一つの番号を使用することは、別の図内で同一の番号が付けられた構成要素を制限することを意図しない。加えて、異なる図において構成要素を指すための異なる番号の使用は、異なる番号付きの構成要素が他の番号付きの構成要素と同じまたは同様であることはできないと示すことを意図しない。概略図は必ずしも実寸に比例していなく、また図示の目的で提示されていて、限定するものではない。図面は本開示に記載の一つ以上の態様を図示する。しかし当然のことながら、図面に図示されていない他の態様は、本開示の範囲および趣旨の中に収まる。
【0046】
図1図1は、エアロゾル発生装置102を含む例示的なエアロゾル発生器具100の概略断面図である。
図2図2は、電力レベルの変更通知および現在選択されている電力レベルを提供するのに使用される、図1の例示的なエアロゾル発生装置102のインジケータ162の図である。
図3図3は、エアロゾル発生装置102の選択された電力レベルを変更する例示的な方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
例示的なエアロゾル発生器具100が図1に描写されている。好ましくは、エアロゾル発生器具100は、ヒートスティック104などのエアロゾル発生物品を受容するための空洞132、およびヒートスティック104に熱源を提供し、それによって吸入可能なエアロゾルを生成するように構成されたヒーター134を備えるエアロゾル発生装置102を含む。エアロゾル発生装置102は、一つ以上のプロセッサおよび関連付けられたメモリを備えるコントローラ128をさらに含む。コントローラ128は、とりわけ、エアロゾル発生物品を加熱する時にエアロゾルを発生するようにヒーター134の電力レベルを構成するように、ヒーター134と関連付けられ得る。コントローラ128は、選択された電力レベルまたは現在の電力レベルを含むか、または提供し、これらはメモリに格納され得る。さらに、コントローラ128は、係合期間、電力レベルの変更を開始するために係合期間で選択する必要があるユーザー開始ボタンの回数、および変更期間などの電力レベルの変更に関連する他の変数を含むか、または提供する。コントローラ128は、例えばホスト装置またはユーザーインターフェース装置などの他の装置と通信するための、例えば無線通信インターフェースなどの通信インターフェースをさらに含んでもよい。コントローラ128の通信インターフェースは、Bluetooth(登録商標)インターフェースを含み得ることが好ましい。エアロゾル発生装置102は、電源126と、電力およびデータインターフェースポート130とをさらに備える。
【0048】
示されるように、エアロゾル発生装置102は、単一のユーザー選択可能電力ボタン152および複数のインジケータ162-1、162-2、162-3、162-4を含む。単一のユーザー選択可能電力ボタン152は、破線の矢印で示されている通り、ユーザーによって選択可能(例えば、押圧可能)であってもよい。本明細書に記載されるように、ユーザー選択可能ボタンは、とりわけ、エアロゾル発生装置102の電力レベルの変更を開始するように選択可能であり得る。例えば、ユーザーが、5秒の係合期間内に単一の電力ボタン152を3回押圧する場合、エアロゾル発生装置102は、選択された、または現在の電力レベルを、複数の異なる電力レベルのうちの異なる電力レベルに変更する。エアロゾル発生装置102が二つの電力レベル、低電力レベルおよび高電力レベルを有する実施例では、単一の電力ボタン153を使用した電力レベルの変更の開始または実行により、選択された、または現在の電力レベルが、電力レベル変更前に選択されていた電力レベルに応じて、低電力レベルから高電力レベルに、または高電力レベルから低電力レベルに切り替わり得る。図1に示すエアロゾル発生装置102は、単一の電力ボタン152を含むが、当然のことながら、エアロゾル発生装置102は、複数のユーザー選択可能ボタンを含んでもよい。それにもかかわらず、エアロゾル発生装置102が複数のユーザー選択可能ボタンを含む実施例では、ユーザー選択可能ボタンのうちの一つのみが、電力レベルの変更および電力レベル表示を開始または実行するためにユーザーが使用可能な電力ボタンとして指定されてもよい。なおさらに、図1に示すようにエアロゾル発生装置102が単一のボタン152を含む一態様では、単一のボタン152は、例えば、エアロゾル発生装置102の電力「オン」または「オフ」などの、電力レベルの変更および電力レベル通知を超えた一つ以上の機能または使用を有する(例えば、エアロゾル発生装置102は、ボタン152を「長く」選択するかまたは押すことによって電力「オン」または「オフ」され得る)。
【0049】
複数のインジケータ162-1、162-2、162-3、162-4は、電池の充電レベル、選択された電力レベル、および電力レベルの変更通知または表示を表すか、または示す光のパターンを図示し得る。例えば、インジケータ162-1、162-2、162-3、162-4の一部は、選択された色を発光してもよく、インジケータ162-1、162-2、162-3、162-4の一部は、発光せずに(暗いままで)電池の充電レベルを示してもよい。さらに、インジケータ162-1、162-2、162-3、162-4の一部は、選択された色を発光し、インジケータ162-1、162-2、162-3、162-4の一部が発光せずに(暗いままで)ある間にその輝度を変化させて、電力レベルの変更および新たに選択された電力レベルを示してもよい。
【0050】
電力情報を提供する図1の例示的なエアロゾル発生装置102のインジケータ162のパターン例180、181、182、183を、図2に示す。これらの図において凡例179が提供されており、これは示される通り、インジケータ162-1、162-2、162-3、162-4の各々が点灯、消灯、および「呼吸」灯を提供または表示することができることを示す。
【0051】
実施例180に示されるように、インジケータ162-1、162-2、162-3は、電池充電レベルが現時点で電池容量の約75%であることを示す光を表示または放射している。実施例180に示されるこの状態で、ユーザーは、エアロゾル発生装置102の電力レベルを変更することを望む場合があり、したがって、係合期間でボタン152を必要回数選択して、電力レベルの変更を開始してもよい。ユーザーが電力レベルの変更を開始または実行した後、実施例181に示すように、インジケータ162-1、162-2、162-3、162-4の各々は、光を表示または放射する一方で、その輝度を急速に増大した後に減少して、電力レベルが高電力レベルに変更されたことを示し得る。インジケータ162-1、162-2、162-3、162-4は、実施例182に示されるように、再び電池充電レベルを表示または示すことに戻る前に、5秒などの変更期間の間高電力レベルを示し得る。ユーザーが後続(実施例181に示す電力レベルの変更後)の電力レベルの変更を開始または実行すると、実施例183に示すように、インジケータ162-1、162-2は、光を表示または放射する一方で、その輝度を急速に増大した後に減少し、インジケータ162-3、162-4は、発光せず(暗いまま)であって、電力レベルが低電力レベルに変更されたことを示し得る。
【0052】
エアロゾル発生装置102の選択された電力レベルを変更する例示的な方法200を図3に示す。方法200は、202でエアロゾルを発生するために発熱体で使用される複数の異なる電力レベルを提供すること、および204で複数の異なる電力レベルのうちの選択された電力レベルを提供することを含む。選択された電力レベルは、エアロゾル発生装置が、エアロゾルを発生する時に利用するように現時点または現在構成されている電力レベルである。
【0053】
205で単一の電力ボタン152が選択されるのに応答して、方法200は、206で係合期間を開始または始めてもよく、この期間は、電力レベルの変更を作動または開始するために、ユーザーが単一の電力ボタン152を選択し得る期間を画定する。208でユーザーが係合期間内に単一の電力ボタン152を必要回数n回選択した場合、方法200は、210で選択された電力レベルを変更し得る。反対に、208でユーザーが係合期間内に単一の電力ボタン152を必要回数n回選択しなかった場合、方法200は212で、選択された電力レベルを変更しない。選択された電力レベルを変更した後、電力レベルを変更しなかった後、いずれの場合も、方法200は、205で単一の電力ボタンの初期選択を待機することに戻り得る。
【0054】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的のために、別段の表示がない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数は、すべての事例において、用語「約」によって修飾されるものとして理解される。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。従って、この文脈において、数字AはA±1%として理解される。この文脈内で、数字Aは、数字Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数Aは、添付の特許請求の範囲で使用されるような一部の事例において、それによってAが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を与えないという条件で、上記に列挙される割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
【0055】
本明細書で使用されている全ての科学的用語および技術的用語は、別途指定のない限り、当該技術分野で一般的に使用されている意味を有する。本明細書で提供されている定義は、本明細書において頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするためのものである。本明細書で使用される単数形(「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」)は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。本明細書で使用される「または」は概して、「および/または」を含む意味で採用されているが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。「および/または」という用語は、列挙された要素の一つもしくは全て、または列挙された要素のうちの任意の二つ以上の組み合わせを意味する。本明細書で使用される「有する、持つ(have)」、「有している、持っている(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは、その制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る」、「から成る」、およびこれに類するものは、「含む、備える」およびこれに類するものに包摂される。「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同じ状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つまたは複数の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外することを意図しない。
図1
図2
図3
【国際調査報告】