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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(54)【発明の名称】組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 3/3463 20060101AFI20231004BHJP
   A23L 3/3472 20060101ALI20231004BHJP
   A23L 3/3481 20060101ALI20231004BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20231004BHJP
   A61K 8/63 20060101ALI20231004BHJP
   A23K 10/30 20160101ALI20231004BHJP
【FI】
A23L3/3463
A23L3/3472
A23L3/3481
A61K8/9789
A61K8/63
A23K10/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517693
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2023-05-12
(86)【国際出願番号】 EP2021075315
(87)【国際公開番号】W WO2022058343
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】2014665.0
(32)【優先日】2020-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2014669.2
(32)【優先日】2020-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ビルティク,シモナ
(72)【発明者】
【氏名】ド エスピリト サント,アナ パウラ
(72)【発明者】
【氏名】ラグエレ,ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】ピエール,フランソワ-グザヴィエ ヘンリ
【テーマコード(参考)】
2B150
4B021
4C083
【Fターム(参考)】
2B150AA06
2B150AB03
2B150AB10
2B150DD32
2B150DD42
2B150DD44
2B150DD57
4B021LA41
4B021LW03
4B021LW04
4B021LW06
4B021LW07
4B021LW10
4B021MC01
4B021MC10
4B021MK02
4B021MK05
4B021MK17
4B021MP01
4C083AA111
4C083AD531
4C083EE01
4C083FF01
4C083FF04
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つのサポニンおよび少なくとも1つのフェノール性ジテルペンを含む、防腐および/または抗微生物組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む、組成物:
a)少なくとも1つのシソ科抽出物、および/または
b)少なくとも1つのサポニン。
【請求項2】
シソ科抽出物が、ローズマリー抽出物(例えばRosmarinus officinalis)、タイム抽出物、ミント抽出物、サルビア抽出物(例えばSalvia ApianaおよびSalvia officinalis)、Lepechinia抽出物、Oreganum抽出物、ヒソップ抽出物、およびそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
シソ科抽出物が、フェノール性ジテルペン、例えばカルノシン酸、カルノソール、メチルカルノサートなど、および他のフェノール性ジテルペン誘導体(ロスマノール、イソロスマノール、11,12-ジ-O-メチルイソロスマノール、12-O-メチルカルノシン酸、ロスマノール-9-エチルエーテル、キルシマリチン、カルノシン酸のメチル化一酸化生成物、ゲンクワニン、エピロスマノール、エピイソロスマノール、カルノシン酸誘導体、エピロスマノールエチルエーテル、クリプトタンシノン)、ならびにそれらの混合物を含むか、および/またはこれらが豊富である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
シソ科抽出物(例えばローズマリーおよび/またはサルビア抽出物)が、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99wt%の、1つ以上のフェノール性ジテルペンを含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
フェノール性ジテルペン(単数または複数)と少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)との間の比率が、約30:1~1:30、例えば15:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:4、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:15または約1:20、例えば約5:1~約1:5、例えば約1:1または1.5:1などである、請求項3または4に記載の組成物。
【請求項6】
以下を含む、請求項3または4に記載の組成物:
a)カルノシン酸を、最終組成物の重量(w/w)で約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%から、約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%または50%まで、例えば約20%~約80%w/w、好ましくは例えば約30%~約50%w/w、例えば約40%w/w;および/または
b)カルノソールを、最終組成物の重量(w/w)で約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%から、約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%または50%まで、例えば約1%~20%w/w、例えば約2%~10%w/w、好ましくは例えば約3%~約5%w/w、例えば約4%w/w。
【請求項7】
以下を含む、組成物:
a)少なくとも1つのサポニン、および/または
b)少なくとも1つのフェノール性ジテルペン。
【請求項8】
フェノール性ジテルペン(単数または複数)と少なくとも1つのサポニンとの間の比率が、約30:1~1:30、例えば15:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:4、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:15または約1:20、例えば約5:1~約1:5、例えば約1:1または1.5:1などである、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
フェノール性ジテルペンが、カルノソール、メチルカルノサート、および他のフェノール性ジテルペン誘導体(ロスマノール、イソロスマノール、11,12-ジ-O-メチルイソロスマノール、12-O-メチルカルノシン酸、ロスマノール-9-エチルエーテル、キルシマリチン、カルノシン酸のメチル化一酸化生成物、ゲンクワニン、エピロスマノール、エピイソロスマノール、カルノシン酸誘導体、エピロスマノールエチルエーテル、クリプトタンシノン)、ならびにそれらの混合物から選択される、請求項7または8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
フェノール性ジテルペンが、カルノシン酸および/またはカルノソールである、請求項7~9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
カルノシン酸および/またはカルノソールが、シソ科(例えばローズマリーおよび/またはサルビア)からである、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
以下を含む、請求項10または11に記載の組成物:
a)カルノシン酸を、最終組成物の重量(w/w)で約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%から、約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%または50%まで、例えば約20%~約80%w/w、好ましくは例えば約30%~約50%w/w、例えば約40%w/w;および/または
b)カルノソールを、最終組成物の重量(w/w)で約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%から、約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%または50%まで、例えば約1%~20%w/w、例えば約2%~10%w/w、好ましくは例えば約3%~約5%w/w、例えば約4%w/w。
【請求項13】
少なくとも1つのサポニンが、大豆、豆、エンドウ、オートムギ、ソラナム種およびアリウム種、トマト、アスパラガス、茶、ピーナッツ、ホウレンソウ、テンサイ、ヤムイモ、ブラックベリー、カンゾウの根、プリムラの根、セネガの根、キラヤ(例えばQuillaja saponaria)、ユッカ(例えばYucca schidigera)、および/またはカスミソウ属(Gyposphila)から得ることができるか、または取得可能である、請求項1~12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
サポニン(単数または複数)が、キラヤ(例えばQuillaja saponaria)および/またはユッカ(例えばYucca schidigera)のサポニン(単数または複数)である、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
少なくとも1つのサポニンが、(最終組成物の重量w/wで)少なくとも約0.001%、0.01%、0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%w/w、例えば少なくとも約4%、例えば少なくとも約10%である、請求項1~14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
請求項1~15のいずれかに記載の組成物を含む、ヒトまたは動物用の食品または飲料製品、栄養補助食品、ニュートラシューティカル製剤、食事、スポーツサプリメント、フレグランスまたはフレーバー剤、医薬または獣医学用製剤、ワイン醸造学または化粧品製剤。
【請求項17】
最終製品中のフェノール性ジテルペン(単数または複数)(例えばカルノシン酸、カルノソール、およびそれらの混合物)の濃度が、12ppm、15ppm、20ppm、30ppm、40ppm、50ppm、60ppm、70ppm、80ppm、90ppm、100ppmから、約40%、30%、20%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、4%、3%、2%、1%w/w(10000ppm)、9000ppm、8000ppm、7000ppm、6000ppm、5000ppm、4000ppm、3000ppm、2000ppm、1000ppm、800ppm、600ppm、500ppm、400ppm、300ppmおよび200ppmまで、例えば50ppm~10000ppmである、請求項16に記載の製品。
【請求項18】
最終製品中のサポニン(単数または複数)の濃度が、12ppm、15ppm、20ppm、30ppm、40ppm、50ppm、60ppm、70ppm、80ppm、90ppm、100ppmから、約40%、30%、20%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、4%、3%、2%、1%w/w(10000ppm)、9000ppm、8000ppm、7000ppm、6000ppm、5000ppm、4000ppm、3000ppm、2000ppm、1000ppm、800ppm、600ppm、500ppm、400ppm、300ppmおよび200ppmまで、例えば50ppm~10000ppmである、請求項16または17に記載の製品。
【請求項19】
少なくとも1つのサポニン、柑橘類ジュースまたは抽出物、および/またはヘスペリジンを含む、組成物。
【請求項20】
請求項19に記載の組成物を含む、ヒトまたは動物用の食品または飲料製品、栄養補助食品、ニュートラシューティカル製剤、食事、スポーツサプリメント、フレグランスまたはフレーバー剤、医薬または獣医学用製剤、ワイン醸造学または化粧品製剤。
【請求項21】
請求項1~15および19のいずれかに記載の組成物の、防腐剤および/または抗微生物剤としての、使用。
【請求項22】
抗微生物効果が、酸性乳酸菌、例えばLactobacillus属(Lactobacillis plantarumなど)、Leuconostoc属、またはLactococcus属;好熱好酸性細菌、例えばAlicyclobacillus属(Alicyclobacillus acidoterrestrisおよびAlicyclobacillus acidocaldariusなど);好乾性細菌および/または好酸性細菌、例えばGluconobacter属およびZymomonas属、またはその任意の組み合わせから選択される細菌に対するものである、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
抗微生物効果が、Candida属、Saccharomyces属(Saccharomices cerevisiae、Saccharomyces pombeなど)、Dekkera属(Dekkera anomalaなど)、Brettanomyces属、Zygosaccharomyces属(Zygosaccharomyces bailiiなど)、またはその組み合わせから選択される酵母に対するものである、請求項21に記載の使用。
【請求項24】
抗微生物効果が、Byssochlamys属(Byssochlamys niveaなど)、Penicillium属、Aspergillus属(Aspergillum nigerなど)、またはその組み合わせから選択されるカビに対するものである、請求項21に記載の使用。
【請求項25】
防腐および/または抗微生物効果が、食品および/または飲料の腐敗微生物に対するものである、請求項21に記載の使用。
【請求項26】
ヒトまたは動物用の食品または飲料製品、栄養補助食品、ニュートラシューティカル製剤、フレグランスまたはフレーバー剤、医薬または獣医学用製剤、ワイン醸造学または化粧品製剤を加工する方法であって、請求項1~15に記載の組成物、および/または請求項19に記載の組成物を、ヒトまたは動物用の食品または飲料製品、栄養補助食品、ニュートラシューティカル製剤、フレグランスまたはフレーバー剤、医薬または獣医学用製剤、ワイン醸造学または化粧品製剤に、適用することまたは組み込むことを含む、前記方法。
【請求項27】
製品へ適用することまたは組み込むことが、組成物を、乾燥粉末または液体の形態で製品に適用することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
製品が、肉、魚および鳥肉、飲料(例えばフルーツドリンク、茶、コーヒー、強化水)、および乳化状または非乳化状ソース類(例えばマヨネーズ、ケチャップ)から選択される食品である、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
方法が、製品における、色寿命を延ばし、および/または細菌、酵母および/またはカビの増殖を抑制、減少および/または制限する、請求項26~28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
増殖が抑制される、減少する、および/または制限される細菌が、酸性乳酸菌、例えばLactobacillus属(Lactobacillis plantarumなど)、Leuconostoc属、またはLactococcus属;好熱好酸性細菌、例えばAlicyclobacillus属(Alicyclobacillus acidoterrestrisおよびAlicyclobacillus acidocaldariusなど);好乾性細菌および/または好酸性細菌、例えばGluconobacter属およびZymomonas属、またはその組み合わせから選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
増殖が抑制される、減少する、および/または制限される酵母が、Candida属、Saccharomyces属(Saccharomices cerevisiae、Saccharomyces pombeなど)、Dekkera属(D. anomalaなど)、Brettanomyces属、Zygosaccharomyces属(Zygosaccharomyces bailiiなど)、またはその組み合わせから選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
増殖が抑制される、減少する、および/または制限されるカビが、Byssochlamys属(Byssochlamys niveaなど)、Penicillium属、Aspergillus属(Aspergillum nigerなど)、またはその組み合わせから選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
請求項26~32のいずれか一項に記載の方法に従って得られる、製品(例えば食品または飲料)。
【請求項34】
請求項16~18または請求項33に記載の製品を含む、包装された製品(例えば食品または飲料)であって、ここで食品が、20%以上の酸素を含む雰囲気または大気環境で包装される、前記製品。
【請求項35】
有効量のフェノール性ジテルペン(例えばカルノシン酸および/またはカルノソール)および有効量の少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)を含む、抗微生物組成物。
【請求項36】
組成物が、Candida属、Saccharomyces属(Saccharomices cerevisiae、Saccharomyces pombeなど)、Dekkera属(D. anomalaなど)、Brettanomyces属、Zygosaccharomyces属(Zygosaccharomyces bailiiなど)からなる群から選択される酵母に対して有効であり、および/または酸性乳酸菌、例えばLactobacillus属(Lactobacillis plantarumなど)、Leuconostoc属、またはLactococcus属;好熱好酸性細菌、例えばAlicyclobacillus属(Alicyclobacillus acidoterrestris、Alicyclobacillus acidocaldarius);好乾性細菌、好酸性細菌(例えばGluconobacter属およびZymomonas属)から選択される細菌に対して有効であり、および/またはByssochlamys属(Byssochlamys niveaなど)、Penicillium属、Aspergillus属(Aspergillum nigerなど)およびその組み合わせから選択されるカビに対して有効である、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
有効量のフェノール性ジテルペン(例えばカルノシン酸および/またはカルノソール)および/または有効量の少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)を含む、抗菌、抗真菌および/または抗カビ組成物。
【請求項38】
以下を含む、キット:
a)一緒にまたは別々に配合された、少なくとも1つのフェノール性ジテルペン(例えばカルノシン酸および/またはカルノソール)および少なくとも1つのサポニン、
b)一緒にまたは別々に配合された、少なくとも1つのシソ科抽出物および少なくとも1つのサポニン、
および/または
c)一緒にまたは別々に配合された、少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)、柑橘類ジュース(例えばレモンジュース)および/またはたヘスペリジン、
および任意に、前記成分の使用方法の説明書。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、防腐および/または抗微生物(antimicrobial)組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
今日の食品産業においては、食品および飲料の微生物による腐敗が懸念されている。食品および飲料マトリックスは、マトリックスの内因性因子、例えばpH、栄養素含量(例えばジュース、ビタミン、または微量栄養素含量;例えばソース脂肪(sauces fats)、タンパク質含量、糖値)、炭酸化レベル、Brix、乾燥物質レベル、水質(例えばアルカリ度および/または硬度)、および防腐剤などに応じて、微生物学的腐敗に対する様々な程度の感受性を有する。腐敗現象は、微生物が食品飲料の内因性因子を克服して増殖可能な場合に発生する。これらのハードルを克服する微生物の能力は、とりわけ、最初の汚染レベル、温度、および炭酸損失に対する飲料パッケージの完全性(すなわち炭酸ソフトドリンクの場合)によって影響を受ける可能性がある。
【0003】
微生物学的腐敗は、1つ以上の酵母、細菌、および/またはカビの微生物に起因し得る。例えば酵母および細菌は、乳化状および非乳化状ソース類、例えばマヨネーズ、ケチャップ、ビネグレットソース、レンジ(range)など、炭酸および非炭酸飲料、例えばフルーツドリンク、茶、コーヒー、強化水などを腐敗させ得る。酵母や特定の細菌の嫌気的増殖能力は、炭酸飲料におけるそれらの増殖を可能にするが、一方カビは、好気的代謝に制限されているため増殖しない。The Microbiological Safety & Quality of Food (eds. B. M. Lund, T. C. Baird-Parker, and G. W. Gould, Aspen Publishers 2000)のStratford, M. et al., Fruit Juices, Fruit Drinks, and Soft Drinksを参照されたい。典型的には、酵母による腐敗は、ガスやエタノールの生成を伴う発酵、ならびに沈降、異臭および臭気、濁りおよびエマルション安定性の喪失として現れる。細菌は、沈降に伴って異臭および臭気を発生する傾向がある。一方でカビは生き残り得るが、一般に低酸素環境では増殖できず、したがって炭酸化が減少する場合を除いて、炭酸飲料を腐敗させることはない。しかし、非炭酸飲料のカビによる腐敗は起こり得て、カビ菌糸の成長後に浮遊小球、塊、または表面ペリクルによって明らかとなる得る。
Saccharomyces、Zygosaccharomyces、Candida、Dekkera spp.などの酵母は多くの場合、一般的な飲料の腐敗事象の原因となり、Lactobacillus、Leuconostoc、Gluconobacter、およびZymomonas spp.などの好酸性細菌、ならびにPenicillium およびAspergillus spp.などのカビも、冷たい飲料を腐敗させ得る。Alicyclobacillus spp.などの好酸性、好熱性細菌の芽胞ならびにByssochlamysおよびNeosartorya spp.などの耐熱性カビ芽胞は、低温殺菌に耐えることができ、スポーツドリンクやお茶などの非炭酸の高温充填製品を腐敗させ得る。パッケージ化された水もまた、カビの増殖を受けやすい。
【0004】
微生物学的腐敗に対する飲料の保護は、化学防腐剤および/または加工加工技術を用いて、例えば高温充填、トンネル低温殺菌、超高温処理(UHT)または低温殺菌とそれに続く無菌包装、および/または低温殺菌とそれに続く飲料の冷却を用いることにより、達成可能である。一般にpH<4.6の飲料は、化学的に保存し、熱加工し、製品が再汚染されないようパッケージに充填することができる。例えば、化学防腐剤による低温充填または低温殺菌とその後の低温充填などの加工技術を使用して、この種類の飲料を保存することができる。同様に、この同じ飲料は、非保存技術を使用して加工されることもあり得、例えば、高温充填、トンネル低温殺菌、低温殺菌とその後の無菌充填、または飲料の冷却を必要とすること、すなわち低温殺菌ステップ後に冷蔵することもあり得る。pH≧4.6の飲料は、超高温を使用して芽胞を破壊した後、パッケージに無菌充填するか、製品の密閉パッケージをレトルト加工しなければならない。
【0005】
しかし、かかる方法の使用は、食品または飲料の食感、色、味に影響を与える。過酷な処理を避け、食品または飲料を微生物による腐敗から守る必要がある。これは、防腐成分を使用することで達成し得る。
酸性で、常温保存可能な炭酸および非炭酸ソフトドリンク、または乳化状および非乳化状ソース類のための現在の防腐系は、化学的に合成された防腐剤(例:安息香酸および/またはソルビン酸)に依存する。安息香酸およびソルビン酸(およびこれらの塩)は、いくつかの例外を除いて、酵母、細菌、およびカビを効果的に抑制する。食品および飲料中の安息香酸およびソルビン酸は、酸の解離定数(pKa)および飲料のpHに依存して、その解離型と非解離型の間の平衡状態で存在する。安息香酸のpKaは4.19であり、ソルビン酸のpKaは4.76である。特定の酸のpKa未満の、食品または飲料のpHは、平衡を非解離型に押し上げる。非解離型は微生物に対してより効果的であるため、弱酸性の防腐剤は、低pH範囲で最も効果的であり得る。
しかし、現在業界は、安息香酸またはソルビン酸などの化学的に製造された抗微生物剤の使用を控えたいと考えている。
【0006】
さらに、弱酸防腐系には限界がある。微生物による遺伝的適応とその後の耐性は、最大の懸念事項の1つである。(Piper, P. et al., Weak Acid Adaptation: The Stress Response that Confers Yeasts with Resistance to Organic Acid Food Preservatives, 147 Microbiol. 2635-2642 (2001))。Z. bailii、Z. bisporus、C. krusei、およびS. cerevisiaeなどの特定の酵母は、弱酸防腐剤の存在にもかかわらず、およびEDTAまたはSHMPとの共在に関係なく、該酵母を弱酸防腐剤に抵抗して増殖可能にする、特定の遺伝子を有する。Gluconobacter spp.などのいくつかの細菌もまた、防腐剤耐性であると考えられている。この耐性を克服するために必要な弱酸のレベルは、使用レベルの規制限界をはるかに超えることが示されている。保存されたソース類、茶、ジュース含有飲料、および炭酸飲料の腐敗は、一般に防腐剤耐性酵母によるものである。
弱酸は、高レベルで使用すると喉または口のひりひり感を引き起こすことも知られている。常温保存可能な特定の食品および飲料でこれが許容されるものも存在するが、多くの場合、この感覚的知覚は否定的と見なされる。さらに、非政府組織および一部の国際政府機関も、弱酸防腐剤を飲料および食品に使用することについて懸念を表明している。
【0007】
さらに、低酸性の食品および飲料(すなわち、pH≧4.6)のための他の加工技術には限界がある。かかる低酸性食品および飲料は、熱処理をして、Clostridium botulinum(ボツリヌス菌)およびBacillus cereus(セレウス菌)の芽胞を十分に破壊する必要がある。かかる加工の例には、UHTおよびレトルトが含まれる。かかる加工の後にも、製品は、加工後の汚染を防ぐ方法で取り扱う必要がある。しかし研究により、これらの異なる加工技術を生き残ることができる芽胞形成微生物の様々な株が、まだ存在し得ることが示唆されている。そのため、これらの加工技術は腐敗の可能性を排除し得ない場合がある。さらにかかる技術は、食品の味、食感、および色を枯渇させ、最初の新鮮さおよび魅力を無効にする。
食品および飲料、または化粧品を保存する能力を有する天然の防腐剤が、消費者にとって望ましい場合がある。天然とラベル付けできる防腐剤は、保存処置されていない常温保存可能な防腐剤非含有の食品、飲料、および化粧品の、ホットフィル要件を排除することもできる。したがって、当技術分野における上述の制限の少なくとも1つを解決するために、微生物の増殖を抑制する天然の防腐剤および/または防腐剤系を提供することが望ましいであろう。
【0008】
サポニンは天然に存在する化合物であり、様々な植物に見出すことができる。例えば、ピーナッツには1.3%~1.6%、ホウレンソウの根には約4.7%、セイヨウトチノキには約3%~6%、グァーには約10%、アスパラガスには約1.5%のサポニンが含まれている。(Price et al., The Chemistry and Biological Significance of Saponins in Foods and Feeding Stuffs, 26 CRC Crit. Rev. Food Sci. Nutr. 27-135 (1987))。ヒトの食物として使用される、多くの植物中のこれら天然に存在するサポニンにもかかわらず、食品添加物として承認されている植物源は2つのみである。それら2つは、Quillaja saponaria(トリテルペンサポニン)およびYucca schidigera(ステロイドサポニン)である。これらのサポニン含有抽出物は、現在、一般に安全な(GRAS)製品として認められると見なされており、英国、米国およびその他の地域で、食品および飲料における使用が許可されている。さらに、ユッカ抽出物は一般に約10%の乾燥重量のサポニンを含む。(Oleszek, Wieslaw, et al., Steriodal Saponins of Yucca schidigera Roezel, 49 J. Agric. Food Chem. 4392 (2001))。
【0009】
サポニン含有抽出物は、特定の有益な特性および用途を有することが知られており、例えば、米国特許第4,986,994号で使用の発泡剤、米国特許第5,503,766号および第6,214,349号で使用の界面活性剤、米国特許第5,804,239号で使用の食品香味料、米国特許第6,734,157号で使用のサニタリーワイプ中の薬剤、および米国公開第2004/0096527号で使用の治療薬などである。さらに、特開2003-009832は、有効成分としてムクロジ、セイヨウトチノキおよびアスパラガスから選択されるサポニン植物からの抽出物を含有する、特に細菌胞子の発芽増殖を抑制することを目的とした日持ち向上剤を教示する。研究によると、サポニンは一般に消化管で吸収されないため、重篤な毒物学的問題を引き起こすことはなく、サポニンの経口毒性は低いと推定される。(Price et al., Chemistry and Biological Significance of Saponins in Foods and Feedingstuffs, 26 CRC CHt. Rev. Food Sci. Nutr. 27-135 (1987))。
サポニン含有抽出物は様々な性能で利用されてきたが、驚くべきことに本発明者らは、サポニン(単数または複数)をシソ科抽出物と組み合わせて、従来の防腐剤系の代わりに防腐剤として使用できること、および/または、既知の防腐剤と組み合わせて使用して、微生物の安定性、微生物の減少、または向上された安定性もしくは減少を維持でき、さらには微安定性の向上できること、および、従来の防腐剤系のレベルを下げるために使用し得ることを発見した。
【発明の開示】
【0010】
発明の概要
第1の側面において、本発明は、a)少なくとも1つのシソ科抽出物および/またはb)少なくとも1つのサポニンを含む、組成物(または本発明の第1の組成物)を提供する。
第2の側面において、本発明は、a)少なくとも1つのサポニンおよび/またはb)少なくとも1つのフェノール性ジテルペンを含む、組成物(または本発明の第2の組成物)を提供する。
第3の側面において、本発明は、本発明の第1の組成物、本発明の第2の組成物および/または本発明の第3の組成物を含む、ヒトまたは動物用の食品または飲料製品、栄養補助食品、ニュートラシューティカル製剤、食事、スポーツサプリメント、フレグランスまたはフレーバー剤、医薬または獣医学用製剤、ワイン醸造学または化粧品製剤を提供する。
【0011】
さらなる側面において、本発明は、本発明の第1の組成物および/または本発明の第2の組成物の、防腐剤および/または抗微生物剤としての使用を提供する。
さらなる側面において、本発明は、防腐剤および/または抗微生物剤として使用するための、少なくとも1つのサポニンを提供する。
さらなる側面において、本発明は、ヒトまたは動物用の食品または飲料製品、栄養補助食品、ニュートラシューティカル製剤、フレグランスまたはフレーバー剤、医薬または獣医学用製剤、ワイン醸造学または化粧品製剤を加工する方法であって、ヒトまたは動物用の食品または飲料製品、栄養補助食品、ニュートラシューティカル製剤、フレグランスまたはフレーバー剤、医薬または獣医学用製剤、ワイン醸造学または化粧品製剤に、本発明の第1の組成物および/または本発明の第2の組成物を適用することまたは組み込むことを含む、前記方法を提供する。
【0012】
さらなる側面において、本発明は、有効量のフェノール性ジテルペン(例えばカルノシン酸および/またはカルノソール)および/または少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)を含む、抗微生物組成物に関する。
さらなる側面において、本発明は、有効量のフェノール性ジテルペン(例えばカルノシン酸および/またはカルノソール)および/または少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)を含む、抗菌(antibacterial)、抗真菌、および/または抗カビ組成物に関する。
本発明の記載された側面のいずれか1つまたは複数に関して提供される詳細、例、および選好事項は、本明細書でさらに説明され、本発明のすべての側面に等しく適用される。以下の本明細書に記載の態様、例、および選好事項の任意の組み合わせのあらゆる可能なバリエーションは、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、本発明に包含される。
【0013】
発明の詳細な説明
前述の一般的な記載および以下の詳細な記載の両方が、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求される態様を限定するものではないことを理解されたい。本明細書において、単数形の使用は、特に別段の記載がない限り複数形を含む。本明細書で使用される場合、「または」の使用は、別段の記載がない限り「および/または」を意味する。さらに、用語「含むこと(including)」ならびに「含む」および「含まれる」などの他の形態の使用は、限定的ではない。
「食品」、「食品製品」および「食料」は、人または動物が食べる製品、例えば、当技術分野で知られている固体、半固体、または液体(飲料など)の食料製品を意味する。
本明細書で使用される用語「飲料」または「飲料組成物」は、ヒトまたは動物の消費に適した液体飲料を指す。限定はされないが、次のような飲料を挙げることができる:例えば、エナジードリンク、フレーバー水、フルーツスムージー、スポーツドリンク、フルーツジュース(例:ジュースドリンクおよびストレートのフルーツジュース)、炭酸ソーダ/ジュース、シェイク、プロテインドリンク(例:乳製品、大豆、米またはその他)、食事代替品、飲む乳製品ヨーグルト、飲む大豆ヨーグルト、茶、コーヒー、コーラドリンク、強化水、21 C.F.R §113で定義されている低酸性飲料、21 C.F.R §114で定義されている酸性飲料、シロップ、コーディアル、スカッシュ等の希釈剤、健康飲料、機能性飲料(例:栄養補助食品)、ネクター、強壮剤、オルチャータ(すなわち、野菜および/または米の成分を飲料にしたもの)、冷凍炭酸飲料、冷凍非炭酸飲料など。
【0014】
「新鮮な肉、魚および鳥肉」とは、肉、魚および鳥肉、全枝肉、それらのカット部分、およびそれらのすりつぶした部分を意味する。新鮮な肉、魚および鳥肉には、加工されていない肉、魚および鳥肉のほか、肉、魚、または鳥肉に組み込まれたポリリン酸塩、塩、水、フレーバー、ブロス、添加タンパク質、砂糖、デンプンなどの添加物を含んでいる肉、魚および鳥肉が含まれる。これらの成分を含有し得る新鮮な肉、魚、または鳥肉と、同じ成分を含有し得るが1つ以上の次の成分:エリソルビン酸塩、エリソルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸、亜硝酸塩、硝酸塩または培養物、もまた含有する塩漬(cured)肉、魚、鳥肉を含む、「加工された(processed)」肉、魚および鳥肉とを、区別することが重要である。新鮮な肉、魚および鳥肉は、加工された肉、魚および鳥肉として知られる塩漬肉、魚、または鳥肉とは区別されるべきであり、それらとは対照的であり、それらを含まない。
本書で使用されているセクションの見出しは、構成のみを目的としており、記載されている主題を限定するものと解釈されるべきではない。限定はされないが特許、特許出願、記事、書籍などを含む、本出願で引用されるすべての文書または文書の一部は、本明細書で論じられる文書の一部およびそれらの全体について、参照により明示的に本明細書に組み込まれる。
【0015】
本発明の組成物
本発明者らは、驚くべきことに、シソ科抽出物と少なくとも1つのサポニン(例えばユッカからおよび/またはキラヤサポニン(単数または複数)からのサポニン)との組み合わせが、異なる細菌、酵母およびカビに対して抗微生物効果を有することを見出した。これは例1~6で観察することができる。本発明の組成物は、例5および6で実証されているように、Dekkera anomalaなどの、食品および飲料腐敗微生物の非常に耐性のある種に対してさえ、相乗的な抗微生物効果を有する。さらに抗微生物効果は、様々な成分の幅広い濃度範囲で実証されている(例えば1%、0.5%、0.25%、0.125%、0.061%、0.031%w/w)。
本発明によれば、i)少なくとも1つのシソ科抽出物および/またはii)少なくとも1つのサポニンを含む、組成物または本発明の第1の組成物が提供される。
【0016】
本明細書で使用される場合、「シソ科抽出物(Lamiaceae extract)」という用語は、シソ科の植物(シソ科材料)、例えばローズマリー、セージ、オレガノ、タイム、ミント、および以下の属:Salvia(例えばSalvia ApianaおよびSalvia officinalis)、Rosmarinus(例えばRosmarinus officinalis)、Lepechinia、Oreganum、Thymus(例えばThymus vulgaris)、Hyssopusからの抽出物、およびそれらの混合物を指し得る。
シソ科抽出物を抽出するために使用するシソ科材料は、葉、根など植物の任意の部分であることができる。
シソ科材料は、抽出前に加工することができ、例えば、洗浄、乾燥、粉砕(milled)またはすりつぶす(grounded)などを行うことができる。
抽出プロセスで使用し得る特定の溶媒には、水、アルコール(例えばメタノール、エタノール)、アセトン、酢酸エチル、ヘキサン、ジクロロメタン、およびそれらの任意の混合物、例えばアルコール/水混合物(メタノールと水の混合物など)が含まれる。例えば、抽出溶媒は、水、水-アルコール混合物(水中約1%~約99%のアルコール。例えば、水中約30%~約75%のアルコール、または約30%~約50%のアルコール、例えば水中約35%から、または約40%からのアルコール)であり得る。挙げることができる特定のアルコールには、エタノール(EtOH)およびメタノール(MeOH)が含まれる。
【0017】
特定の態様において、抽出溶媒は、メタノール-水混合物、例えば水中約30%~約90%のメタノール、または水中約30%~約50%のメタノールであり得る。例えば、水中約50%から、または約80%からのエタノールである。好ましい態様において、抽出溶媒は、約75%のメタノールと約25%の水を有するエタノール-水混合物である。
本明細書で使用される用語「アセトン抽出物」とは、植物(特に葉)からの抽出が、アセトンを唯一の溶媒として用いて行われた場合に、シソ科(ローズマリー、サルビアなど)の任意のメンバーから得られる抽出物を指す。
本明細書において使用される用語「アルコール抽出物」とは、植物(特に葉)からの抽出が、アルコールを唯一の溶媒として用いて行われた場合に、シソ科から得られる抽出物を指す。例えば、100%メタノールおよび/または100%エタノールである。本明細書で使用される用語「水アルコール抽出物」とは、植物からの抽出が水とアルコールの混合物を使用して行われた場合に、シソ科(ローズマリー、サルビアなど)から得られる抽出物を指す。例えば、水中、約1%~約99%のアルコール(例:エタノール、メタノール)であり、かかる抽出物は、水エタノール抽出物と呼ばれる。
【0018】
ローズマリー抽出物を調製するための詳細な手順は、米国特許第5,859,293号(PCT WO96/34534)に記載されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
例えば、本発明の抽出物の抽出および単離のためのプロセスは、以下のステップを含む(または本質的にそれらからなる/それらからなる):
(i)適切な溶媒(例えばアセトンまたはエタノール)による、シソ科の葉(例えばローズマリーおよび/またはサルビア、これはすりつぶしてもよい)の抽出;
(ii)溶媒の蒸発;および、必要に応じて
(iii)抽出物の精製(例:クロマトグラフィーによる)。
ある態様において、抽出温度は、約20℃~約100℃の範囲である。特定の態様において、抽出温度は、約50℃~約70℃の範囲である。典型的には、抽出プロセスで使用される植物材料と溶媒混合物の比率は、グラム対ミリリットルベースで約1:1~約1:10まで、例えば約1:3~約1:8まで変化する。インキュベーション時間(すなわち、植物材料が溶媒と接触している時間)は、典型的には約2時間~約24時間である。
【0019】
機械的エネルギーを、抽出プロセス中に適用することができる。機械的エネルギーの適用は、混合物を均質化し、出発生物材料の物理的構造を変化させ、フェノール性ジテルペンの抽出収率を増加させる。この方法で適用される機械的エネルギーの量は、適用されるステップ、シソ科の材料の種類、混合物に使用する出発材料の量、混合物のpH、および混合物の温度によって異なる。機械的エネルギーの量も、抽出を完了するのに必要な時間に影響を与える可能性がある。
例えば、シソ科材料(ローズマリーおよび/またはサルビアなど)および抽出溶液(アセトンまたはエタノールなど)を、当技術分野で知られている技術を使用して、例えば撹拌、浸軟、浸出または注入、例えば磁気撹拌または機械撹拌などを使用して混合することができる。
撹拌は、任意の適切な毎分回転数(rpm)で行うことができ、例えば撹拌は、約1rpmまたは約10rpmまたは約50rpmから、約500rpmまでで行うことができる。機械的撹拌の場合、これは典型的には、約1rpm~500rpmで、例えば約10rpm~約200rpmで行うことができる。
機械的エネルギーを適用するための装置は、ポンプ、リファイナー、ホモジナイザー、押出機、ローブポンプ(lobe pump)、および/または遠心ポンプであり得る。混合物は、圧力容器(加熱溶媒混合物を含有することができる)、還流容器、シェルアンドチューブ熱交換器などの熱交換器、および加熱混合物を再循環させて容器に戻すためのポンプを含む、閉ループシステムで循環させることができて、システム内のポンプを複数回通過することが可能である。
【0020】
シソ科材料(例えばローズマリーおよび/またはサルビアの葉)と溶媒をインキュベートした後、溶媒を残りのシソ科材料から、当技術分野で知られている任意の適切な分離技術(例えば濾過など)により分離する。
さらなる濾過ステップを使用することができる。溶媒は、当技術分野で既知の任意の方法により、例えば遠心分離、Rota vap、および、溶媒蒸発または溶媒置換の液体-液体方法を可能にする任意の装置などにより、部分的または完全に除去され得る。
さらなる濾過ステップを使用することができる。例えば、好ましい態様において、炭酸ナトリウム水溶液(NaHCCh)を添加して、カルノシン酸および他の有機酸を溶解し、一方塩基不溶性物質を沈殿させることができる。溶液を濾過して固体から分離し、濾液を減圧下でさらに濃縮することができる。さらなるステップにおいて、最終濃縮が達成された後、リン酸(H3PO4)を添加し、酸不溶性物質(カルノシン酸、カルノソール、およびカルノシン誘導体を含む)を濃縮溶液から沈殿させる。さらに、結果を濾過し、続いて固体沈殿物を液体から分離し、水ですすいで不純物を除去することができる。
滅菌方法は、抽出のいずれのステップにおいても適用可能である。
【0021】
ある態様において、本発明の第1の組成物は、サルビア抽出物(例えばSalvia ApianaおよびSalvia officinalis)を含む(またはそれらから本質的になる/からなる)。好ましい態様において、サルビア抽出物は、フェノール性ジテルペンが豊富である。
ある態様において、本発明の第1の組成物は、ローズマリー抽出物(例えばRosemary officinalis)を含む(またはそれらから本質的になる/からなる)。好ましい態様において、ローズマリー抽出物は、フェノール性ジテルペンが豊富である。
ある態様において、シソ科抽出物は、フェノール性ジテルペンが豊富である。
本明細書で使用する用語「フェノール性ジテルペン」は、カルノシン酸、カルノソール、メチルカルノサート、および他のフェノール性ジテルペン誘導体(ロスマノール、イソロスマノール、11,12-ジ-O-メチルイソロスマノール、12-O-メチルカルノシン酸、ロスマノール-9-エチルエーテル、キルシマリチン、カルノシン酸のメチル化一酸化生成物、ゲンクワニン、エピロスマノール、エピイソロスマノール、カルノシン酸誘導体、エピロスマノールエチルエーテル、クリプトタンシノン)、ならびにそれらの混合物を指し得る。
【0022】
例えば、本発明の組成物は、
i)少なくとも1つのシソ科抽出物(例えばローズマリーおよび/またはサルビア抽出物)
およびii)少なくとも1つのサポニン
を含み(またはそれらから本質的になり/からなり)、ここでシソ科抽出物は、フェノール性ジテルペン、例えばカルノシン酸、カルノソール、メチルカルノサート、他のフェノール性ジテルペン誘導体(ロスマノール、イソロスマノール、11,12-ジ-O-メチルイソロスマノール、12-O-メチルカルノシン酸、ロスマノール-9-エチルエーテル、キルシマリチン、カルノシン酸のメチル化一酸化生成物、ゲンクワニン、エピロスマノール、エピイソロスマノール、カルノシン酸誘導体、エピロスマノールエチルエーテル、クリプトタンシノン)、ならびにそれらの混合物が豊富である。
【0023】
一態様において、本発明の第1の組成物は、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99wt%の、例えば前述のものなどの1つ以上のフェノール性ジテルペンを含む、少なくとも1つのシソ科抽出物(例えばローズマリーおよび/またはサルビア抽出物)を含む。好ましい態様において、本発明の組成物のシソ科抽出物は、カルノシン酸および/またはカルノソールを含む。
好ましい態様において、本発明の第1の組成物は、少なくとも約35wt%のフェノール性ジテルペン(カルノシン酸および/またはカルノソールなど)を含む少なくとも1つのシソ科抽出物(例えばローズマリーおよび/またはサルビア抽出物)を含む。
ある態様において、シソ科抽出物(例えばローズマリーおよび/またはサルビア抽出物)は、次のフェノール性ジテルペン:カルノシン酸および/またはカルノソール、を含む(またはそれらから本質的になる/からなる)ことができ、およびカルノシン酸とカルノソールとの間の比率は40:1~1:40、例えば30:1、20:1、10:1、5:1、または1:1である。
【0024】
ある態様において、第1の組成物は、以下を含む(またはそれらから本質的になる/からなる)ことができる:
a)カルノシン酸を、最終組成物の重量(w/w)で約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%から、約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%または50%まで、例えば約20%~約80%w/w、好ましくは例えば約30%~約50%w/w、例えば約40%w/w;および/または
b)カルノソールを、最終組成物の重量(w/w)で約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%から、約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%または50%まで、例えば約1%~20%w/w、例えば約2%~10%w/w、好ましくは例えば約3%~約5%w/w、例えば約4%w/w。
例えば、本発明の第1の組成物は、i)少なくとも1つのシソ科抽出物(例えばローズマリーおよび/またはサルビア抽出物)、
およびii)少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)、を含み(またはそれらから本質的になり/からなり)、ここでシソ科抽出物は、カルノシン酸および/またはカルノソールを含み(またはそれらから本質的になり/からなり)、およびカルノシン酸とカルノソールとの間の比率は40:1から5:1、例えば30:1、20:1、10:1または5:1である。
【0025】
例えば、本発明の第1の組成物は、
i)少なくとも1つのシソ科抽出物(例えばローズマリーおよび/またはサルビア抽出物)、および
ii)少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)、
を含み(またはそれらから本質的になり/からなり)、ここで、最終組成物中の以下のフェノール性ジテルペンの濃度は:
a)カルノシン酸は、最終組成物の重量(w/w)で約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%から、約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%または50%まで、例えば約20%~約80%w/w、好ましくは例えば約30%~約50%w/w、例えば約40%w/wであり;および/または
b)カルノソールは、最終組成物の重量(w/w)で約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%から、約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%または50%まで、例えば約1%~20%w/w、例えば約2%~10%w/w、好ましくは例えば約3%~約5%w/w、例えば約4%w/wである。
【0026】
特定の態様において、シソ科抽出物(例えばローズマリーおよび/またはサルビア抽出物)は、以下であってよい:
他の植物材料を実質的に含まない(例えば、植物セルロースを含まない);
植物細胞を実質的に含まない;および/または
植物細胞物質を実質的に含まない;
有毒成分、例えば殺虫剤、キントゼン、アフラトキシン、オクラトキシンA、カドミウム、ヒ素、鉛、または水銀などを実質的に含まない;
溶剤を実質的に含まない;
揮発性油成分を実質的に含まない。
【0027】
特定の態様において、シソ科抽出物は、大部分の揮発性油成分が除去された抽出物である。
本明細書で使用する「揮発性油成分」という用語は、精油などの化合物を指し得て、例えば:(-)-ボルネオール、(-)-酢酸ボルニル、(-)-樟脳、1,8-シネオール(ユーカリプトール)、およびベルベノンなどである。
ある態様において、フェノール性ジテルペン(例えばカルノシン酸およびカルノソール)の合計%と/揮発性油成分(例えば(-)-ボルネオール、(-)-酢酸ボルニル、(-)-樟脳、1,8-シネオール(ユーカリプトール)およびベルベノン)の合計%との間の比率は、15以上である。
本明細書で使用される場合、別の材料を「実質的に含まない」材料への言及は、1重量%未満(例えば重量で、0.1%未満、例えば0.01%未満または0.001%未満)のその他の材料からなる材料を指し得る。
【0028】
サポニンは、主に植物界に見出される、天然に存在する配糖体のグループである。それらは、糖鎖ユニットに結合した非炭水化物アグリコンを含む。サポニンは、ステロイドサポニンとトリテルペンサポニンの2つのグループに分けられる。これまでに100を超えるステロイドサポニンおよびさらに多くのトリテルペンサポニンが特定されている。(K. Hostettmann, & A. Marston, Saponins (Cambridge University Press 1995))。本発明のサポニンは、天然起源または合成起源であることができる。これは、同一起源または異なる起源からの1つ以上のサポニンであってよい。
例えば、サポニンは、大豆、豆(beans)、エンドウ(peas)、オートムギ、ソラナム種およびアリウム種、トマト、アスパラガス、茶、ピーナッツ、ホウレンソウ、テンサイ、ヤムイモ、ブラックベリー、カンゾウの根、プリムラの根、セネガの根、キラヤ(例えばQuillaja saponaria)、ユッカ(例えばYucca schidigera)、および/またはカスミソウ属(Gyposphila)から得ることができるか、または取得可能である。
【0029】
本明細書で使用される用語「キラヤサポニン(単数または複数)」、「ユッカサポニン(単数または複数)」、「オートムギサポニン(単数または複数)」などは、キラヤ科、またはユッカ科、または前述のものなどのサポニン含有植物のいずれかのメンバーから得ることができるか、または取得可能である、1つ以上のサポニンを意味する。キラヤサポニンまたはキラヤサポニンの混合物(またはユッカサポニンもしくはユッカサポニンの混合物)は、合成または天然起源のものであることができる。
当業者に理解されるように、本明細書で使用される用語「から取得可能(obtainable from)」とは、サポニンを植物から得ることができるか、植物から単離することができるか、または代替供給源から得ることができること、例えば、化学合成または酵素生産により得ることができることを意味する。一方、本明細書で使用される「得られる(obtained)」という用語は、サポニンが直接的に植物に由来することを意味する。例えばある態様において、サポニンは、サポニンを含む天然抽出物であり得る。
【0030】
少なくとも1つのサポニンは、天然起源または合成起源であり得る。
「精製サポニン(単数または複数)」とは、前述の1つ以上のサポニン(例えばキラヤサポニンおよび/またはユッカサポニン)の少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%の濃度を有する、天然または合成起源の1つ以上のサポニンを意味する。
「サポニン(単数または複数)含有抽出物」とは、例えば、限定することなく、大豆、豆、エンドウ、オートムギ、ソラナム種およびアリウム種、トマト、アスパラガス、茶、ピーナッツ、ホウレンソウ、テンサイ、ヤムイモ、ブラックベリー、カンゾウの根、プリムラの根、セネガの根、キラヤ(例えばQuillaja saponaria)、ユッカ(例えばYucca schidigera)、および/またはカスミソウ属(Gyposphila)に由来してよい前述のサポニンの少なくとも1種を含む、任意の天然の抽出物を意味する。ある態様において、サポニンはローズマリーサポニンではない。
【0031】
本発明によれば、少なくとも1つのサポニンは、単一の供給源または複数の供給源に由来し得る。本発明によれば、少なくとも1つのサポニン含有抽出物は、単一の供給源または複数の供給源に由来し得る。
ユッカの例としては、限定はされないが、以下が挙げられる:Yucca aloifolia、Yucca angustissima、Yucca arkansana、Yucca baccata、Yucca baileyi、Yucca brevifolia、Yucca campestris、Yucca capensis、Yucca carnerosana、Yucca cernua、Yucca coahuilensis、Yucca constricta、Yucca decipiens、Yucca declinata、Yucca de-smetiana、Yucca data、Yucca endlichiana、Yucca faxoniana、Yucca filamentosa、Yucca filifera、Yucca flaccida、Yucca gigantean、Yucca glauca、Yucca gloriosa、Yucca grandiflora、Yucca harrimaniae、Yucca intermedia、Yucca jaliscensis、Yucca lacandonica、Yucca linearifolia、Yucca luminosa、Yucca madrensis、Yucca mixtecana、Yucca necopina、Yucca neomexicana、Yucca pallida、Yucca periculosa、Yucca potosina、Yucca queretaroensis、Yucca reverchonii、Yucca rostrata、Yucca rupicola、Yucca schidigera、Yucca schottii、Yucca sterilis、Yucca tenuistyla、Yucca thompsoniana、Yucca treculeana、Yucca utahensis、またはYucca valida。ある好ましい態様において、ユッカはYucca schidigeraである。
【0032】
最も豊富なY. schidigeraの幹/樹皮のサポニンは、ステロイドサポニン類である。それらはアグリコンの構造が異なり、それに応じてスピロスタン型またはフロスタン型誘導体に分類される。主なサポニンは、サポゲニンの3つのC-25エピマー対であるサルサポゲニンとスミラゲニン、マルコゲニンとサモゲニン、ギトゲニンとネオゴトゲニンの、グリコシドである。スピロスタンおよびフロスタン誘導体の両方において、C-3炭水化物鎖は典型的には、ペンタピラノシルおよび/またはヘキソピラノシル単位を有する分岐オリゴ糖である。フロスタンビデスモシドに関する限り、C-26結合炭水化物は通常、ヘキソピラノースに対応する。他のサポゲニンの誘導体は、Y. schidigeraの幹/樹皮内の少量の化合物として発生することに注意する必要がある。
ステロイドサポニンの測定に現在使用されている古典的な方法には、分光光度測定、泡の高さ測定、または重量測定法が含まれる。HPLC/ELSD技法は、適切な反復性と再現性の結果をもたらす正確かつ信頼性の高い方法である。
【0033】
キラヤの例としては、限定はされないが、Quillaja brasiliensis、Quillaja lanceolata、Quillaja lancifolia、Quillaja molinae、Quillaja petiolaris、Quillaja poeppigii、Quillaja saponaria、Quillaja sellowiana、またはQuillaja smegmadermosが挙げられる。ある好ましい態様において、キラヤはQuillaja saponariaである。
当業者は、本明細書で使用される場合、植物名が植物全体を、または植物の任意の部分、例えば根、茎または幹、樹皮、葉、花、花の茎、または種子、またはそれらの組み合わせなどを指し得ることを理解するであろう。これらの植物の部分は、生のまま、または乾燥させて使用することができ、丸ごと、微粉化(pulverized)、マッシュ、細分化(comminuted)、またはすりつぶ(ground up)されてもよい。植物の任意の一部分または複数部分からの抽出物も企図される。
サポニン含有抽出物には、ジュース、濃縮ジュース、乾燥ジュース、および前述のもの等の溶媒を使用して得られる抽出物が含まれる。
【0034】
サポニン抽出物は、シソ科抽出物について前述したのと同様の抽出方法を使用して得ることができる。好ましい態様において、溶媒はメタノール/水(例えば70:30v/v)であり、インキュベーション時間は周囲温度で24時間である。別の抽出溶媒は水のみであることができる。特定の態様において、キラヤ含有材料は、50~100℃(例えば50~60℃、または100℃)の温度で水と共にインキュベートされる。抽出は、ソックスレー抽出器を使用して、または浸軟および濾過によって行うことができる。インキュベーション時間は、数時間(10時間など)から24時間以上になり得る。
ある態様において、ユッカ(例えばY. schidigera)サポニン含有生成物または抽出物は、ジュース、濃縮ジュース、乾燥ジュースまたは水抽出物から選択される。
サポニン含有抽出物は、天然に存在するグリコ成分、ポリフェノール、塩および糖などの、サポニンではない他の化合物を含んでよい。
【0035】
ある態様において、精製サポニン(単数または複数)または「サポニン(単数または複数)含有天然抽出物」は、Yucca schidigeraおよび/またはQuillaja saponariaからである。さらに、少なくとも1つのサポニンまたはサポニン含有抽出物は、ステロイドサポニンおよびトリテルペンサポニン、およびそれらの混合物から選択することができる。
好ましい態様において、少なくとも1つのサポニン(例えば精製サポニンまたはサポニン抽出物)は、キラヤ(例えばQ. saponaria)から得られるかまたは取得可能である。
別の好ましい態様において、少なくとも1つのサポニン(例えば精製サポニンまたはサポニン抽出物)は、ユッカ(例えばYucca schidigera)から得られるかまたは取得可能である。
別の好ましい態様において、少なくとも1つのサポニン(例えば精製サポニンまたはサポニン抽出物)は、キラヤ(例えばQ. saponaria)からおよびユッカ(例えばYucca schidigera)から得られるかまたは取得可能である。
本出願は、サポニン、より正確にはユッカもしくはキラヤのサポニン構造に対応するサポニンを含む、ユッカまたはキラヤ属の抽出物、ジュース、または任意の他の生成物に関する。Y. schidigeraまたはQ. saponaria抽出物、または転化糖の存在下で噴霧乾燥した抽出物、または当技術分野でよく知られている任意の他の乾燥支持体を、本出願において使用することができる。
【0036】
本発明の第1の組成物のある態様において、サポニン(単数または複数)は、少なくとも約0.01%、少なくとも約0.1%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%で、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99w/w%の前記定義された1つ以上のサポニン(例えばトリテルペンサポニンおよびステロイドサポニン)を含む(またはそれらから本質的になる/からなる)、サポニン(例えばYucca schidigeraおよび/またはQuillaja saponariaからのもの)を含む、天然の抽出物である。
ある態様において、本発明の第1の組成物は、(最終組成物の重量w/wで)少なくとも約0.001%、0.01%、0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または少なくとも約99%w/wのサポニン(単数または複数)、例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン(単数または複数)を含む。
【0037】
例えば、本発明の第1の組成物は、i)カルノソールおよび/またはカルノシン酸を含む少なくとも1つのシソ科抽出物(例えばローズマリーおよび/またはサルビア抽出物)、
およびii)少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)、を含み(またはそれらから本質的になり/からなり)、
ここで少なくとも1つのサポニンの濃度は、(最終組成物の重量w/wで)少なくとも約0.001%、0.01%、0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%w/w、例えば少なくとも約4%、例えば少なくとも約10%であり、
およびここでカルノシン酸濃度は、最終組成物の重量(w/w)で約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%から、約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%または50%までのカルノシン酸、例えば約20%~約80%w/w、好ましくは例えば約30%~約50%w/w、例えば約40%w/wであり;および/または
ここで、カルノソール濃度は、(最終組成物の重量(w/w)で)約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%から、約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%または50%まで、例えば約1%~20%w/w、例えば約2%~10%w/w、好ましくは例えば約3%~約5%w/w、例えば約4%w/wである。
【0038】
ある態様において、少なくとも1つのシソ科抽出物(例えばローズマリーおよび/またはサルビア抽出物)と少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)との間の比率は、約30:1~1:30、例えば15:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:4、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:15または約1:20である。好ましい態様において、比率は約5:1~約1:5、例えば約1:1または1.5:1である。
ある態様において、少なくとも1つのシソ科抽出物(例えばローズマリーおよび/またはサルビア抽出物)は、フェノール性ジテルペンを含み、前記フェノール性ジテルペンと少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)との間の比率は、約30:1~1:30、例えば15:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:4、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:15または約1:20である。好ましい態様において、比率は約5:1~約1:5、例えば約1:1または1.5:1である。
【0039】
別の態様において、シソ科抽出物は、フェノール性ジテルペンであるカルノシン酸および/またはカルノソールを含む(またはそれらから本質的になる/からなる)。別の態様において、カルノシン酸とカルノソールとの間の比率は、約40:1~約1:40、例えば30:1、20:1、10:1、5:1または1:1である。
ある態様において、少なくとも1つのサポニンは、キラヤサポニンおよびユッカサポニンを含む(またはそれらから本質的になる/からなる)。好ましい態様において、キラヤサポニンとユッカサポニンとの間の比率は、約20:1~1:20、例えば、15:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:4、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:15または約1:20である。好ましい態様において、比率は約3:1である。
【0040】
さらなる側面において、本発明は、i)少なくとも1つのフェノール性ジテルペン(例えばカルノシン酸および/またはカルノゾル)および/またはii)少なくとも1つのサポニンを含む、組成物(または本発明の第2の組成物)に関する。
フェノール性ジテルペンおよびサポニンは、以前に記載されている。フェノール性ジテルペンおよびサポニンに関連する第1の組成物の記載された側面のいずれか1つ以上に関して提供される詳細、例および選好事項は、本発明の第2の組成物のすべての側面に等しく適用され得る。
本発明の第2の組成物の態様において、フェノール性ジテルペン(単数または複数)(例えばカルノシン酸またはカルノソール)は、天然から抽出されたかまたは合成された化合物である。
本発明の第2の組成物の態様おいて、カルノシン酸は「純粋なカルノシン酸抽出物」である。これは、少なくとも80%、例えば95%のカルノシン酸濃度を有する、カルノシン酸抽出物を意味する。
【0041】
本発明の第2の組成物の態様において、カルノソールは「純粋なカルノソール抽出物」である。これは、少なくとも80%、例えば95%のカルノソール濃度を有する、カルノソール抽出物を意味する。
好ましい態様において、フェノール性ジテルペン(例えばカルノシン酸またはカルノソール)は、天然由来(例えば、ローズマリーおよび/またはサルビアからのシソ科抽出物など)である。
ある態様において、最終組成物中のフェノール性ジテルペン(単数または複数)の濃度は:
最終組成物の重量(w/w)で約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%から、約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%または50%まで、例えば約20%~約80%w/w、好ましくは例えば約30%~約70%w/w、例えば約50%などである。
【0042】
好ましい態様において、フェノール性ジテルペン(単数または複数)は、カルノシン酸および/またはカルノソールである。ある態様において、カルノシン酸とカルノソールとの間の比率は、40:1~5:1、例えば30:1、20:1、10:1または5:1などである。
本発明の第2の組成物の別の態様において、最終組成物中の以下のフェノール性ジテルペンの濃度は:
a)カルノシン酸は、最終組成物の重量(w/w)で約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%から、約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%または50%まで、例えば約20%~約80%w/w、好ましくは例えば約30%~約50%w/w、例えば約40%であり;および/または
b)カルノソールは、最終組成物の重量(w/w)で約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%から、約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%または50%まで、例えば約1%~約20%w/w、例えば約2%~約10%w/w、好ましくは例えば約3%~約5%w/w、例えば約4%である。
【0043】
サポニン(単数または複数)は以前に記載されており、本発明の第1の組成物のサポニンに関して以前に開示および例示されたすべての態様は、本発明の第2の組成物にも適用することができる。
例えば、本発明の第2の組成物のサポニンは、天然起源または合成起源のものであり得る。
例えば、少なくとも1つのサポニン(例えば精製サポニン(単数または複数)またはサポニン抽出物)は、キラヤ(例えばQ. saponaria)およびユッカ(例えばYucca schidigera)から得られるかまたは取得可能である。
【0044】
例えば、本発明の第2の組成物は、
i)少なくとも1つのフェノール性ジテルペン(例えばカルノシン酸および/またはカルノソール)、
および/またはii)少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)、
を含み(またはそれらから本質的になり/からなり)、
ここで少なくとも1つのサポニンの濃度は、(最終組成物の重量w/wで)少なくとも約0.001%、0.01%、0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%w/w、例えば少なくとも約4%、例えば少なくとも約10%であり、
およびここでカルノシン酸濃度は、最終組成物の重量(w/w)で約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%から、約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%または50%までのカルノシン酸、例えば約20%~約80%w/w、好ましくは例えば約30%~約50%w/w、例えば約40%w/wであり;および/または
カルノソール濃度は、(最終組成物の重量(w/w)で)約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%から、約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%または50%まで、例えば約1%~20%w/w、例えば約2%~10%w/w、好ましくは例えば約3%~約5%w/w、例えば約4%w/wである。
【0045】
本発明の第2の組成物のある態様において、フェノール性ジテルペン(例えばカルノシン酸および/またはカルノソール)と少なくとも1つのサポニンとの間の比率は、30:1~1:30、例えば15:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:4、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:15または約1:20である。好ましい態様において、比率は、約5:1~約1:5、例えば約1:1または約1.5:1である。
好ましい態様において、少なくとも1つのフェノール性ジテルペンは、カルノシン酸、カルノソール、またはそれらの混合物から選択される。ある態様において、カルノシン酸とカルノソールとの間の比率は、40:1~5:1、例えば30:1、20:1、10:1または5:1である。
ある態様において、少なくとも1つのサポニンは、キラヤサポニンおよびユッカサポニンを含む(またはそれらから本質的になる/からなる)。好ましい態様において、キラヤサポニンとユッカサポニンとの間の比率は、約20:1から~1:20、例えば15:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:4、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:15、または約1:20である。好ましい態様において、比率は約3:1である。
【0046】
本発明はまた、少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)および柑橘類ジュース(例えばレモンジュース)および/またはヘスペリジンを含む、組成物(または本発明の第3の組成物)に関する。
柑橘類ジュース(例えばレモン、オレンジ、ビターオレンジ、マンダリンジュース)は、真空乾燥によって製造され得る。例えば、1kgの製品は、約21.5kgの新鮮な果実から得られる8°Brixのストレートジュース約12.4kgから作ることができる。柑橘類ジュース粉末は、果実の固形物および固化防止剤(二酸化ケイ素など)を含有する。
ヘスペリジンは、主にオレンジ、グレープフルーツ、レモン、タンジェリンなどの柑橘類に見いだされる、バイオフラボノイドである。
【0047】
ヘスペリジンは、当技術分野で知られている任意の方法によって抽出することができる。例えば、乾燥させた未熟果実(citrus aurantium L.)を蒸気に暴露して、水で抽出する前にペクチンを除去する。続いて水酸化ナトリウムおよび水酸化カルシウムを溶液に添加して、pH値を安定させてもよい。濾過ステップも使用することができる。濾過ステップの後に、濾液の酸性化は、例えば強酸または弱酸を使用することにより(例えば、HClを使用して)行うことができる。このステップではヘスペリジンが沈殿し、液体溶液が除去され、沈殿物が乾燥される。
「ヘスペリジン」とは、天然から抽出または合成された化合物を意味する。
「ヘスペリジン」は、HPLCで測定して、少なくとも50%、例えば60%、例えば少なくとも70%、80%、85%、90%または少なくとも99%のヘスペリジン、好ましくは95%を超えるヘスペリジンを含有する。
【0048】
ある態様において、ヘスペリジンは「純粋なヘスペリジン抽出物」である。
「純粋なヘスペリジン抽出物」とは、少なくとも80%のヘスペリジン濃度を有するヘスペリジン抽出物を意味する。
一態様において、サポニンは約9%のサポニンを含むユッカ抽出物であり、柑橘類ジュースは乾燥レモンジュースであり、ヘスペリジンはCitrus aurantium(少なくとも80%ヘスペリジン)から抽出され、および、サポニン/柑橘類ジュースとヘスペリジンの比率は、約1.5:2:1.5、または約1:1:1、または約1:1:2、または約2:2:1、または約2:1:2、または約1:2:1である。
本発明の第3の組成物のある態様において、サポニンとヘスペリジンの比率は、約0.1:1~1:1、例えば、0.3:1、0.5:1、または0.6:1である。
【0049】
本発明の第1、第2または第3の組成物は、任意に植物油および/または野菜油を含んでもよい。例えば、本発明の組成物(単数または複数)は、以下からなる群から選択される植物油および/または野菜油を含み得る:ココナッツ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油(落花生油)、菜種油、これにはキャノーラ油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油が含まれ、およびそれらの混合物。
本発明の組成物(単数または複数)は、固体または液体の形態、好ましくは粉末などの固体形態で提供され得る。固体形態には、化合物が非晶質固体として、または結晶性もしくは部分結晶性固体として提供され得ることが含まれる。
本発明はまた、本発明の第1の組成物、第2の組成物および/または第3の組成物を含む、ヒトまたは動物用の食品または飲料製品、栄養補助食品、ニュートラシューティカル製剤、フレグランスまたはフレーバー剤、医薬または獣医学用製剤、ワイン醸造学または化粧品製剤(以下、「製品」と呼ぶ)にも関する。
ある態様において、食品製品は、炭酸飲料および非炭酸飲料(例えばフルーツドリンク、茶、コーヒー、強化水)などの飲料および乳化状または非乳化状ソース類(例えばマヨネーズ、ケチャップなど)から選択される。
【0050】
食品には、食品医薬品局(FDA)によって定義されている、次の一般的な食品カテゴリーが含まれる:オーブンで焼いた食品およびベーキングミックス類、これは、すべてのすぐ食べられる製品およびすぐ焼ける製品、小麦粉、およびサービング前に準備が必要なミックスを含む;アルコール飲料類、これは麦芽飲料、ワイン、蒸留酒、およびカクテルミックスを含む;ノンアルコールの飲料および飲料ベース類、これは次のもののみを含む:スペシャルティーまたはスパイスティー、ソフトドリンク、コーヒー代替品、ならびにフルーツおよび野菜フレーバーのゼラチンドリンク;朝食用シリアル類、これはすぐ食べられる、ならびにインスタントおよび通常のホットシリアルを含む;チーズ類、これはカードおよびホエーチーズ、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、おろしチーズ、プロセスチーズ、チーズスプレッド、チーズディップ、その他のチーズを含む;すべての形態を含むチューインガム;コーヒーおよび茶、これはレギュラー、カフェイン抜き、インスタントタイプを含む;調味料および薬味類(relishes)、これはプレーンな味付け用ソースおよびスプレッド、オリーブ、ピクルス、および薬味類を含むが、スパイスまたはハーブは含まない;菓子およびフロスティング、これはキャンディーおよびフレーバー付きフロスティング、マシュマロ、ベーキングチョコレート、黒砂糖、角砂糖、氷砂糖、メープルシュガー、粉砂糖、粗糖を含む;乳製品類似物、これは非乳製品ミルク、冷凍または液体クリーマー、コーヒーホワイトナー、トッピング、およびその他の非乳製品を含む;卵製品、これは液体卵、冷凍卵、または乾燥卵、およびこれらから作られた卵料理、すなわち春巻、芙蓉蛋、卵サラダ、および冷凍の卵コース料理を含むが、新鮮な卵は含まない;油脂、これはマーガリン、サラダ用ドレッシング、バター、サラダ油、ショートニング、および食用油を含む;
【0051】
魚製品、これは、全ての調理済みメインディッシュ、サラダ、前菜、冷凍コース料理、並びに魚、甲殻類、およびその他の水生動物を含有するスプレッドを含むが、鮮魚は含まない;新鮮な卵、これは調理済み卵、および新鮮な殻付き卵のみで作られた卵料理を含む;鮮魚、これは新鮮なおよび冷凍された魚、甲殻類、およびその他の水生動物のみを含む;新鮮な果実およびフルーツジュース、これは生の果実、柑橘類、メロン、ベリー類、およびそれらから作られた家庭で調理された「エードジュース」およびパンチのみを含む;新鮮な肉、これは新鮮なまたは家庭で冷凍された牛肉または仔牛肉、豚肉、子羊肉または羊肉、およびそれらから作られた、家庭で調理された新鮮な肉を含有する料理、サラダ、前菜、またはサンドイッチスプレッドのみを含む;新鮮な鳥肉、これは新鮮なまたは家庭で冷凍された鳥肉および猟鳥、およびそれらから作られた、家庭で調理された新鮮な鳥肉を含有する料理、サラダ、前菜、またはサンドイッチスプレッドのみを含む;新鮮な野菜、トマト、およびジャガイモ、これは新鮮な家庭で調理された野菜のみを含む;冷凍乳製品デザートおよびミックス類、これはアイスクリーム、アイスミルク、シャーベット、およびその他の冷凍乳製品デザートおよび特殊品を含む;果実アイスおよび水氷類、これはすべての冷凍果実および水氷を含む;ゼラチン、プリン、およびフィリング類、これはフレーバーゼラチンデザート、プリン、カスタード、パフェ、パイのフィリング、およびゼラチンベースのサラダを含む;穀物製品およびパスタ類、これは肉や野菜なしのマカロニおよび麺製品、米料理、冷凍コース料理を含む;
【0052】
グレイビーソースおよびソース類、これはすべてのミートソースおよびグレイビーソース、ならびにトマトソース、ミルクソース、バターソース、および特製ソースを含む;ハードキャンディーおよび咳止めドロップ、これはすべてのハードタイプキャンディーを含む;ハーブ、種子、香辛料、調味料、ブレンド、抽出物、およびフレーバー剤、これはすべての天然および人工の香辛料、ブレンド、フレーバーを含む;家庭で調理されたジャムおよびゼリー類、これは家庭で調理されたジャム、ゼリー、フルーツバター、プリザーブ、およびスイートスプレッドのみを含む;商業用ジャムおよびゼリー類、これは商業的に加工されたジャム、ゼリー、フルーツバター、プリザーブ、およびスイートスプレッドのみを含む;肉製品、これはすべての肉および肉を含有する料理、サラダ、前菜、冷凍のコース肉料理、および、商業的に加工されたかまたは商業的に加工された肉を用いて自家調理した、サンドイッチの材料を含む;全乳および脱脂乳類、これは全乳、低脂肪乳、液体脱脂乳のみを含む;乳製品、これはフレーバーミルクおよびミルクドリンク、ドライミルク、トッピング、スナックディップ、スプレッド、体重管理乳飲料、その他の乳由来製品を含む;ナッツおよびナッツ製品、これは丸ごとまたは殻付き木の実、ピーナッツ、ココナッツ、ならびにナッツおよびピーナッツのスプレッドを含む;
【0053】
植物性タンパク質製品、これは全米科学アカデミー/全米研究評議会の「再構成植物性タンパク質」カテゴリー、および植物性タンパク質から作られた肉、鳥肉、および魚の代替品、類似物、および増量製品(extender product)を含む;鳥肉製品、これはすべての鳥肉および鳥肉を含有する料理、サラダ、前菜、冷凍のコース鳥肉料理、および、商業的に加工されたか、または商業的に加工された鳥肉を用いて自家調理したサンドイッチの材料を含む;加工された果実およびフルーツジュース類、これは商業的に加工されたすべての果実、柑橘類、ベリー類、および混合物を含む;サラダ、ジュースおよびジュースパンチ、濃縮物、希釈物、「エード」、およびそれらから作られた飲料代用品;加工野菜および野菜ジュース類、これはすべての商業的に加工された野菜、野菜料理、冷凍のコース野菜料理、ならびに野菜ジュースおよびブレンドを含む;スナック食品類、これはチップス、プレッツェル、およびその他の新しいスナックを含む;ソフトキャンディー類、これはキャンディーバー、チョコレート、ファッジ、ミント、およびその他の歯ごたえのあるまたはヌガーキャンディーを含む;家庭で調理されたスープ類、これは家庭で調理された肉、魚、鳥肉、野菜、および混合スープを含む;スープおよびスープミックス類、これは商業的に調理された肉、魚、鳥肉、野菜、および混合スープおよびスープミックスを含む;白砂糖、グラニュー糖、これは白グラニュー糖のみを含む;砂糖代用品、これはグラニュー糖、液糖、およびテーブルシュガーの代用品を含む;および、甘いソース、トッピング、およびシロップ類、これはチョコレート、ベリー、フルーツ、コーンシロップ、メープルの甘いソースおよびトッピングを含む。
【0054】
ヒトまたは動物用の食品または飲料製品、栄養補助食品、ニュートラシューティカル製剤、フレグランスまたはフレーバー剤、医薬または獣医学用製剤、ワイン醸造学または化粧品製剤は、約0.0001%、約0.001%、約0.01%、約0.1、約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5または5.5から、約20%、約10、約9、8、7、または約6%w/wまでの本発明の第1の組成物、第2の組成物および/または第3の組成物を含む。
ある態様において、本発明の第1の組成物を含む、ヒトまたは動物用の食品または飲料製品、栄養補助食品、ニュートラシューティカル製剤、フレグランスまたはフレーバー剤、医薬または獣医学用製剤、ワイン醸造学または化粧品製剤においては、最終製品中の少なくとも1つのシソ科抽出物(例えばローズマリーおよび/またはサルビア抽出物)の濃度は、約0.0001%、約0.001%、約0.01%、約0.1%、約1%、1.5%、2%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%または5%から、約20%、約10%、約9%、8%、7%、または約6%w/wまでである。
【0055】
ある態様において、シソ科抽出物(単数または複数)(例えばローズマリーおよび/またはサルビア抽出物)は、少なくとも1つのフェノール性ジテルペン(例えばカルノシン酸および/またはカルノソール)を含む(またはそれらから本質的になる/からなる)。本発明の第1の組成物を含む製品(食品または飲料など)のある態様において、最終製品中のカルノシン酸の濃度は、約12ppm、15ppm、20ppm、30、40、50、60、70、80、90、100ppmから、約6%、5%、4%、4%、3%、2%、1%(10000ppm)、9000ppm、8000ppm、7000ppm、6000ppm、5000ppm、4000ppm、3000ppm、2000ppm、1000ppm、800ppm、600ppm、500ppm、400ppm、300ppmおよび200ppmw/wまで、例えば50ppm~1000ppmであり;および/または、最終製品中のカルノソールの濃度は、約5ppm、10ppm、15ppm、20ppm、30、40、50、60、70、80、90、100ppmから、約6%、5%、4%、4%、3%、2%、1%(10000ppm)、9000ppm、8000ppm、7000ppm、6000ppm、5000ppm、4000ppm、3000ppm、2000ppm、1000ppm、800ppm、600ppm、500ppm、400ppm、300ppmおよび200ppmまで、例えば5ppm~100ppmである。ある態様において、カルノシン酸とカルノソールの比率は40:1~5:1、例えば30:1、20:1、10:1または5:1である。
【0056】
ある態様において、本発明の第2の組成物を含む、ヒトまたは動物用の食品または飲料製品、栄養補助食品、ニュートラシューティカル製剤、フレグランスまたはフレーバー剤、医薬または獣医学用製剤、ワイン醸造学または化粧品製剤は、最終生成物中の少なくとも1つのフェノール性ジテルペン(例えばカルノシン酸および/またはカルノソール)の濃度として、約12ppm、15ppm、20ppm、30、40、50、60、70、80、90、100ppmから、約40%、30%、20%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、4%、3%、2%、1%w/w(または10000ppm)、9000ppm、8000ppm、7000ppm、6000ppm、5000ppm、4000ppm、3000ppm、2000ppm、1000ppm、800ppm、600ppm、500ppm、400ppm、300ppmおよび200ppmまで、例えば50ppm~1000ppmを有する。
【0057】
本発明の第2の組成物を含む製品(食品または飲料など)のある態様において、最終製品中のカルノシン酸の濃度は、約12ppm、15ppm、20ppm、30、40、50、60、70、80、90、100ppmから、約6%、5%、4%、4%、3%、2%、1%w/w(または10000ppm)、9000ppm、8000ppm、7000ppm、6000ppm、5000ppm、4000ppm、3000ppm、2000ppm、1000ppm、800ppm、600ppm、500ppm、400ppm、300ppmおよび200ppmw/wまで、例えば50ppm~1000ppmであり;および/または、最終製品中のカルノソールの濃度は、約5ppm、10ppm、15ppm、20ppm、30、40、50、60、70、80、90、100ppmから、約6%、5%、4%、4%、3%、2%、1%w/w(または10000ppm)、9000ppm、8000ppm、7000ppm、6000ppm、5000ppm、4000ppm、3000ppm、2000ppm、1000ppm、800ppm、600ppm、500ppm、400ppm、3000ppmから20ppmw/wまで、例えば5ppm~100ppmである。
ある態様において、カルノシン酸とカルノソールの比率は40:1~5:1、例えば30:1、20:1、10:1または5:1である。
【0058】
ある態様において、本発明の第1の組成物、第2の組成物および/または第3の組成物を含む製品(ヒトまたは動物用の食品または飲料製品、栄養補助食品、ニュートラシューティカル製剤、フレグランスまたはフレーバー剤、医薬または獣医学用製剤、ワイン醸造学または化粧品製剤)は、サポニン(単数または複数)(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン(単数または複数))の濃度として、約12ppm、15ppm、20ppm、30、40、50、60、70、80、90、100ppmから、約40%、30%、20%、10%、6%、5%、4%、4%、3%、2%、1%w/w(または10000ppm)、9000ppm、8000ppm、7000ppm、6000ppm、5000ppm、4000ppm、3000ppm、2000ppm、1000ppm、800ppm、600ppm、500ppm、400ppm、300ppmおよび200ppmw/wまで、例えば約50ppm~約2%w/w(または20000ppm)を有する。好ましい態様において、サポニンはキラヤおよびユッカサポニン(単数または複数)であり、キラヤとユッカサポニンとの比率は約20:1~1:20、例えば15:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:4、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:15または約1:20である。好ましい態様において、比率は約3:1である。
ある態様において、本発明の第3の組成物を含む製品(ヒトまたは動物用の食品または飲料製品、栄養補助食品、ニュートラシューティカル製剤、フレグランスまたはフレーバー剤、医薬または獣医学用製剤、ワイン醸造学または化粧品製剤)は、最終製品中のヘスペリジン(例えば純粋なシトラスヘスペリジン)の濃度として、約12ppm、15ppm、20ppm、30、40、50、60、70、80、90、100ppmから、約40%、30%、20%、10%、6%、5%、4%、4%、3%、2%、1%w/w(または10000ppm)、9000ppm、8000ppm、7000ppm、6000ppm、5000ppm、4000ppm、3000ppm、2000ppm、1000ppm、800ppm、600ppm、500ppm、400ppm、300ppmおよび200ppmw/wまで、例えば約50ppm~約2%w/w(または20000ppm)を有する。
【0059】
抗微生物剤および防腐剤の使用
例2および例3ならびに表17、18および表20に示されるように、サポニン(単数または複数)(キラヤおよびユッカサポニンなど)は、様々な腐敗細菌の増殖を抑制することができる。したがって本発明はまた、抗微生物剤および/または食品防腐剤としての、少なくとも1つのサポニンの使用にも関する。
例1~6に示されるように、サポニン(単数または複数)をフェノール性ジテルペンが豊富なシソ科抽出物と組み合わせたものは、相乗効果を有し、様々な腐敗細菌、酵母、およびカビの高スペクトルの増殖を抑制することができる。前記相乗効果は、例えば例2で観察することができる。表9では、高濃度でのみ使用したキラヤ抽出物を単独で適用した場合、Saccharomyces pombeの増殖を抑制する効果があったことが観察できる。0.28%のカルノシン酸を提供するローズマリー抽出物の非常に高濃度のみが、酵母の増殖を抑制できた。驚くべきことに、ローズマリーとキラヤ抽出物を組み合わせて使用すると、非常に低い濃度のカルノシン酸(0.014%)とキラヤ(0.0085%)でさえも、Saccharomyces pombeを完全に抑制した。これは相乗効果である。
【0060】
したがって、本発明はまた、本発明の第1の組成物および/または第2の組成物の、抗微生物剤および/または食品防腐剤としての使用にも関する。
本発明はまた、少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン(単数または複数))、柑橘類ジュース(例えばレモンジュース)および/またはヘスペリジンを含む組成物(本発明の第3の組成物)の、食品防腐剤および/または抗微生物剤としての使用にも関する。
本発明によれば、本発明の第1の組成物または第2の組成物の抗微生物特性は、本発明の第1の組成物または第2の組成物の有効量を用いることにより、飲料および食品、化粧品配合物などの組成物における防腐剤として利用され、ここで防腐剤は、前記飲料、食品または化粧品配合物中において、カビ、酵母および細菌から選択される少なくとも1つの微生物の微生物安定性を達成する。
【0061】
本明細書で使用される用語「抗微生物剤」は、微生物を死滅させるか、またはそれらの増殖を止める(抑制する)物質(例えば本発明の第1、第2、または第3の組成物)を指し得る。微生物は、細菌、真菌、酵母、またはそれらの混合物である。本出願の実施例に記載の方法などの、抗微生物剤としての化合物の活性を評価する方法は、当業者に周知である。
本明細書で使用される用語「防腐剤」は、食品製品、飲料、医薬品、塗料、生物学的試料、化粧品、および他の多くの製品などの製品に添加されて、微生物の増殖または望ましくない化学変化による分解を防ぐ、物質または化学物質(例えば本発明の第1または第2の組成物)を指し得る。
ある態様において、防腐および/または抗微生物効果は、腐敗微生物(例えば食品および/または飲料の腐敗微生物)に対するものである。
【0062】
本明細書で使用される用語「腐敗」とは、ヒトまたは動物用の食品または飲料製品、栄養補助食品、ニュートラシューティカル製剤、食事、スポーツサプリメント、フレグランスまたはフレーバー剤、医薬または獣医学用製剤、ワイン醸造学または化粧品製剤などの製品における、微生物(細菌、酵母および/またはカビ)の増殖の結果を指す。製品成分(例えば食品、飲料、または化粧品配合物成分)は、微生物(例えば細菌、酵母、および/またはカビ)により増殖基質として利用され、膨大な数の代謝最終産物に変換される。このようにして、製品(例えば食品、飲料、化粧品配合物など)の食品の化学的、物理的、および感覚的特性が変化する。微生物による腐敗は、製品に応じて様々な形で消費者に明らかとなる:食品腐敗の兆候には、新鮮形態の食品とは異なる外観、例えば色の変化、質感の変化、不快な臭い、または望ましくない味などが含まれ得る。品物は通常より柔らかくなり得る。カビが発生すると、多くの場合、品物の外部から明らかになる。
本明細書で使用される場合、用語「食品および飲料の腐敗微生物」(例えば食品および飲料の腐敗細菌、食品および飲料の腐敗酵母、および食品および飲料の腐敗カビ)とは、前記食品または飲料製品内で増殖し、および/または前記腐敗した製品から分離することができ、食品または飲料の化学的、物理的、および/または感覚的特性を変化させる微生物を指し、これは例えば色の変化、食感の変化、不快な臭い、および/または望ましくない味などである。腐敗微生物は、毒素および、消費者にとって危険なその他の物質を生成することもある。
【0063】
ある態様において、防腐および/または抗微生物効果は、細菌、より正確には食品および飲料の腐敗細菌に対するものである。ある態様において、抗菌効果は、栄養細胞に対するものである。ある態様において、抗菌効果は、細菌の芽胞に対するものである。
抗菌効果は、酸性乳酸菌、好熱好酸性細菌、好乾性細菌および/または好酸性細菌に対するものであり得る。
本明細書で使用する場合、「酸性乳酸菌」という用語は、グラム陽性、低GC、耐酸性、一般に非芽胞形成、非呼吸性で、桿状(桿菌)または球状(球菌)ののいずれかであって、一般的な代謝および生理学的特徴を共有する細菌目を指す。これらの細菌は、炭水化物発酵の主要な代謝最終産物として、乳酸を生成する。酸性乳酸菌の例は、Lactobacillus属(Lactobacillis plantarumなど)、Leuconostoc属またはLactococcus属である。
【0064】
本明細書で使用する場合、用語「好熱好酸性」は、好熱性および好酸性の両方である好極限性微生物を指す;すなわち、これは高温および低pH条件下で増殖することができる。好熱好酸性細菌の例は、Alicyclobacillus属に由来する細菌、例えばAlicyclobacillus acidoterrestrisおよびAlicyclobacillus acidocaldariusである。これらの種類の細菌は酸性条件で増殖することができるが、一方芽胞は典型的な低温殺菌手順を生き残ることができる。
本明細書で使用される用語「好乾性細菌」は、高浸透圧に耐性のある細菌を指す。
本明細書で使用される用語「好酸性細菌」は、酸性および高酸性条件下で増殖する細菌を指す。例としては、Alicyclobacillus属(例えばAlicyclobacillus acidoterrestrisまたはAlicyclobacillus acidocaldarius)、Gluconobacter属およびZymomonas属である。
抗微生物効果(細菌増殖の抑制、減少および/または制限)は、前述の属および/または種に属する細菌またはそれらの組み合わせに対するものであり得る。
【0065】
別の態様において、防腐および/または抗微生物効果は、酵母、より正確には食品および飲料の腐敗酵母に対するものである。典型的には、酵母による腐敗は、ガスおよびエタノールの生成を伴う発酵、ならびに沈降、異臭および臭気、濁りまたはエマルション安定性の喪失として現れる。酵母による腐敗の例としては、ソフトドリンクの「膨らんだ缶」、濁った再発酵ワイン、冷蔵した肉から滴るピンク色または赤色スライム、食品上の白い酵母コロニー、および腐ったフルーツジュースなどがある。
酵母は、真菌界のメンバーとして分類される真核生物の単細胞微生物である。ある態様において、酵母は、酸素の存在下であってもグルコースまたはフルクトースをエタノールに分解することができ(クラブツリー効果)(Saccharomyces cerevisiaeまたはDekkera anomalaなど)、高浸透圧(好乾性)に耐性であり(Schizosaccharomyces pombeなど)、および/または高エタノール濃度に耐性である(Dekkera anomalaなど)。
【0066】
酵母の一般的な複数の属(または単数の属)としては、以下が挙げられる:Candida Spp、Saccharomyces Spp(例えばSaccharomices cerevisiaeおよび/またはSaccharomyces pombe)、Dekkera Spp.(例えばD. anomala)、Brettanmyces Spp.および/またはZygosaccharomyces Spp(例えばZygosaccharomyces bailii)。
抗酵母効果(酵母増殖の抑制、減少および/または制限)は、前述の属および/または種に属する酵母またはそれらの組み合わせに対するものであり得る。
別の態様において、防腐および/または抗微生物効果は、カビに対する効果である。本明細書で使用する場合、「カビ(mold)」または「カビ(mould)」という用語は、菌糸と呼ばれる多細胞フィラメントの形態で増殖する真菌を指す。カビは、菌糸の成長が、特に食品に対して変色およびけばだったような外観をもたらす、分類学的に多様な多数の真菌種である。カビは微生物と見なされ、特定の分類学的または系統学的群を形成しないが、接合菌門および子嚢菌門に見出すことができる。カビの一般的な属には次のものが挙げられる:
【0067】
Acremonium(アクレモニウム属)、Alternaria(アルテルナリア属)、Aspergillus(アスペルギルス属)、Byssochlamys(バイソクラミス属)、Cladosporium(クラドスポリウム属)、Fusarium(フザリウム属)、Mucor(ケカビ属)、Penicillium(アオカビ属)、Rhizopus(クモノスカビ属)、Stachybotrys(スタキボトリス属)、Trichoderma(トリコデルマ属)、およびTrichophyton(白癬菌属)。より正確には、食品および飲料の腐敗カビは、以下から選択されるカビである:Byssochlamys属(Byssochlamys nivea)、Penicillium属およびAspergillus属(Aspergillum niger)。Aspergillum nigerは、無性芽胞形成構造を持つ分生子性真菌であり、耐熱性が高く、UV放射に適応し、低aw食品製品(aw>0.80で増殖)および広範囲のpH(2~8)で増殖可能である。これはマイコトキシンの生産者でもあるため、食品および飲料の危険な腐敗者(spoiler)である。
抗カビ効果(カビの増殖の抑制、減少および/または制限)は、前述の属および/または種に属するカビまたはそれらの組み合わせに対するものであり得る。
本発明はまた、少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)を、食品防腐剤および/または抗微生物剤として含む組成物の使用にも関する。表16、17、18および20に示されるように、サポニンは、様々な微生物の増殖を抑制することができる。
ある態様において、サポニンはユッカからであり、微生物は、細菌、酵母および/またはカビから選択される。好ましい態様において、微生物は、Lactobacillus属(Lactobacillus plantarumなど)、Alicyclobacillus属(Alicyclobacillus acidoterrestrisなど)、Saccharomyces属(Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces pombeなど)および/またはZygosaccharomyces(Zygosaccharomyces bailiiなど)から選択される。
【0068】
本発明はまた、食品防腐効果および/または抗微生物効果を有するために、少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)を含む組成物を、食品に適用または組み込むことを含む、食品を加工する方法にも関する。
本発明はまた、食品防腐効果および/または抗微生物効果を有するために、本発明の第1、第2および/または第3の組成物を食品に適用または組み込むことを含む、食品を加工する方法にも関する。
本発明の発明者らはまた、驚くべきことに、少なくとも1つのシソ科抽出物と少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)との組み合わせが、抗微生物相乗効果(相乗的な抗酵母、抗カビおよび/または抗菌効果)を有することを見出した。
【0069】
これは、例1~6で確認することができる。
本発明者らはまた、キラヤおよびユッカサポニンとシソ科抽出物との組み合わせが、Dekkera anomalaなどの非常に耐性のある酵母株に対してさえ、相乗的な抗微生物効果を示すことを示した(例5および6)。
本発明はまた、有効量の本発明の第1の組成物、有効量の本発明の第2の組成物、および/または有効量の本発明の第3の組成物を含む、防腐および/または抗微生物組成物(例えば抗菌、抗酵母または抗カビ)にも関する。
【0070】
「有効量」とは、当業者が通常の実験を通して容易に決定できるものに従って、特定の効果を達成するために必要な量である。例えば、本開示に関して、シソ科抽出物と少なくとも1つのサポニンとを含む組成物の有効量であって、食品製品または食料、例えば肉、魚および鳥肉(新鮮/未加工および加工の両方)または飲料に適用して、食品の寿命を延ばす、例えば新鮮な肉、魚および鳥肉の赤色を延ばすための前記有効量は、既知のパラメータ(これは限定することなく以下を含む:サポニンおよびシソ科抽出物の濃度、肉、魚および鳥肉の体積および/または表面積、ならびに肉、魚および鳥肉の大気環境条件)に基づいて赤色の長寿命を提供するために決定される量である。同様に、フェノール性ジテルペンおよび少なくとも1つのサポニンの、肉、魚、鳥肉の赤色の長寿命を延ばすための有効量は、同様の方法で決定される。
【0071】
サポニン(単数または複数)(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン(単数または複数)含有抽出物)の有効量は、食品製品または飲料の性質に依存し得る。例えば、サポニン(単数または複数)(キラヤおよび/またはユッカからのサポニン(単数または複数)含有抽出物など)は、飲料製品などの食品製品中に、約50ppm~約20,000ppmの範囲の量で存在し得、例えば、高栄養食品(例:ジュース、ビタミン、窒素などの飲料)では約250ppm~約5000ppm、または例えば低栄養食品(例:ビタミンなしの飲料、低レベル窒素等の飲料、および約<3%のジュース飲料)では約100ppm~約10000ppm、およびさらに例えば、低酸性食品(例えば低酸性飲料)では約250ppm~約1000ppm、例えば250ppm~750ppmである。
【0072】
カルノシン酸、カルノソール、およびそれらの混合物から選択されるフェノール性ジテルペン(単数または複数)は、飲料製品などの食品中に、約50ppm~約20,000ppmの範囲の量で存在し得、例えば、高栄養食品(例:ジュース、ビタミン、窒素などの飲料)では例えば約250ppm~約5000ppm、または例えば低栄養食品(例:ビタミンなしの飲料、低レベル窒素等の飲料、および約<3%のジュース飲料)では約100ppm~約10000ppm、およびさらに例えば、低酸性食品(例えば低酸性飲料)では約250ppm~約1000ppm、例えば250ppm~750ppmである。
本発明はまた、本発明の第1の組成物および/または本発明の第2の組成物の、ヒトまたは動物用の食品または飲料製品、栄養補助食品、ニュートラシューティカル製剤、フレグランスまたはフレーバー剤、医薬または獣医学用製剤、ワイン醸造学または化粧品製剤における抗微生物剤および/または防腐剤としての使用にも関する。
【0073】
本発明はまた、ヒトまたは動物用の食品または飲料製品、栄養補助食品、ニュートラシューティカル製剤、フレグランスまたはフレーバー剤、医薬または獣医学用製剤、ワイン醸造学または化粧品製剤を製造するためのプロセスであって、ヒトまたは動物用の食品または飲料製品、栄養補助食品、ニュートラシューティカル製剤、フレグランスまたはフレーバー剤、医薬または獣医学用製剤、ワイン醸造学または化粧品製剤に、本発明の第1、第2および/または第3の組成物を補足する(または追加する)ことを含む、前記プロセスを提供する。
ヒトまたは動物用の食品または飲料製品、栄養補助食品、ニュートラシューティカル製剤、フレグランスまたはフレーバー剤、医薬または獣医学用製剤、ワイン醸造学または化粧品製剤の抗微生物剤および/または防腐剤として使用する場合、本発明の第1および/または第2の組成物の有効量が、前記食品または飲料製品などの製造プロセスにおける任意の適切なステップで添加され得て、所望の効果(すなわち、抗微生物および/または防腐)を達成する。
【0074】
本発明はまた、食品防腐および/または抗微生物効果を有するために、上述の製品(食品または飲料など)を加工または調製する方法であって、前記製品(食品または飲料など)に、本発明の第1、第2および/または第3の組成物を適用または組み込むことを含む、前記方法にも関する。
本発明はまた、上述の製品(食品または飲料など)を加工または調製する方法であって、前記製品(食品または飲料など)に、少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)および少なくとも1つのシソ科抽出物、例えばローズマリー抽出物および/またはサルビア抽出物を含む本発明の第1の組成物を、適用または組み込むことを含む、前記方法にも関する。ある態様において、シソ科抽出物は、カルノシン酸、カルノソール、およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つのフェノール性ジテルペンを含む。
【0075】
本発明はまた、上述の製品(食品または飲料など)を加工または調製する方法であって、前記製品(食品または飲料など)に、少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)ならびにカルノシン酸、カルノソール、およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つのフェノール性ジテルペンを含む本発明の第2の組成物を、適用または組み込むことを含む、前記方法にも関する。
ある態様において、食品は、肉、鳥肉、魚;乳製品(牛乳、バター、チーズ);飲料製品;ベーカリー製品;缶詰;果実および菓子製品;および乳化状または非乳化状ソース類(マヨネーズ、ケチャップ等)から選択される。
【0076】
好ましい態様において、この方法は、前記製品(食品または飲料など)における色寿命を延ばし、微生物の増殖(例えば細菌、酵母および/またはカビの増殖)を抑制、減少および/または制限する。抗菌効果は、酸性乳酸菌、好熱好酸性細菌(例えばLactobacillus属(Lactobacillis plantarumなど)、Leuconostoc属および/またはLactococcus属)、好乾性細菌(例えばAlicyclobacillus acidoterrestrisまたはAlicyclobacillus acidocal-dariusなどのAlicyclobacillus属)、および/または好酸性細菌(例えばAlicyclobacillus属(Alicyclobacillus acidoterrestrisまたはAlicyclobacillus acidocaldariusなど)、Gluconobacter属および/またはZymomonas属など)、またはそれらの組み合わせに対するものであり得る。
ある態様において、防腐および/または抗微生物効果は、酵母、より正確には食品および飲料の腐敗酵母に対するものである。ある態様において、酵母は、Candida Spp、Saccharomyces Spp.(例えばSaccharomices cerevisiaeおよび/またはSaccharomyces pombe)、Dekkera Spp.(例えばD. anomala)、Brettanomyces spp.および/またはZygosaccharomyces Spp(例えばZygosaccharomyces bailii)から選択される。抗酵母効果は、1つ以上の酵母、例えば前述の属および/または種に属する酵母またはそれらの組み合わせなどに対するものであり得る。
【0077】
ある態様において、防腐および/または抗微生物効果は、カビ類、例えばAcremonium、Alternaria、Aspergillus、Byssochlamys、Cladosporium、Fusarium、Mucor、Penicillium、Rhizopus、Stachybotrys、TrichodermaおよびTrichophytonなどに対するものである。より正確には、食品および飲料の腐敗カビ、例えばByssochlamys属(Byssochlamys niveaなど)、Penicillium属、およびAspergillus属、例えばAspergillum nigerなどから選択されるカビなど。抗カビ効果は、前述の属および/または種に属するカビまたはそれらの組み合わせなどの、1つ以上のカビに対するものであり得る。
抗微生物効果は、前述の細菌、酵母、およびカビの1つ以上に対するものであり得る。
ある態様において、この方法は、色の変化、食感の変化、不快な臭いおよび/または望ましくない味を防止する。
【0078】
前述の使用または方法のある態様において、本発明の第1の組成物は、サルビア抽出物(例えばSalvia apianaおよびSalvia officinalis)を含む(またはそれらから本質的になる/からなる)。好ましい態様において、サルビア抽出物は、フェノール性ジテルペンが豊富である。ある態様において、組成物がサルビアからの抽出物からなる場合、抗微生物効果は以下の微生物に対するものであり得る:Lactobacillus属(Lactobacillus plantarumなど)、Alicyclobacillus属(Alicyclobacillus acidoterrestrisなど)、Saccharomyces属(Saccharomyces cerevisiaeまたはSaccharomyces pombeなど)、Dekkera属(Dekkera anomalaなど)、およびそれらの組み合わせ。
様々なサポニンおよびフェノール性ジテルペンが以前に記載された。
【0079】
ある態様において、本発明の第1、第2または第3の組成物に存在するサポニンはキラヤサポニンであり、微生物は1つ以上の細菌、酵母および/またはカビから選択される。細菌は、酸性乳酸菌、好熱好酸性細菌、好乾性細菌および/または好酸性細菌から選択され得る。好ましい態様において、細菌は、Lactobacilus属(Lactobacilus plantarumなど)、Alicyclobacillus属(Alicylobacilus acidoterrestrisなど)またはそれらの組み合わせから選択される。別の態様において、酵母は、以下から選択される:酸素の存在下であってもグルコースまたはフルクトースをエタノールに分解することができる(クラブツリー効果)酵母(例えばSaccharomyces cerevisiaeまたはDekkera anomala)、高浸透圧に耐性のある酵母(好乾性)(例えばSchizosaccharomyces pombe)および/または高エタノール濃度に耐性のある酵母(例えばDekkera anomala)、またはそれらの組み合わせ。別の態様において、酵母は、Saccharomyces属(例えばSaccharomyces pombeおよび/またはSaccaromyces cerevisae)、Dekkera属(例えばDekkera anomala)またはそれらの組み合わせから選択される。
【0080】
ある態様において、本発明の第1、第2または第3の組成物に存在するサポニンはユッカサポニンであり、微生物は、細菌、酵母および/またはカビまたはそれらの組み合わせから選択される。細菌は、酸性乳酸菌、好熱好酸性細菌、好乾性細菌および/または好酸性細菌から選択され得る。好ましい態様において、細菌は、Lactobacilus属(例えばLactobacilus plantarum)、Alicylobacilus属(例えばAlicylobacilus acidoterrestris)から選択される。別の態様において、微生物は、以下などの1つ以上の酵母から選択される:酸素の存在下であってもグルコースまたはフルクトースをエタノールに分解できる(クラブツリー効果)酵母(例えばSaccharomyces cerevisiaeまたはDekkera anomala)、高浸透圧に耐性のある酵母(好乾性)(例えばSchizosaccharomyces pombe)、および/または高エタノール濃度に耐性のある酵母(例えばDekkera anomala)、またはそれらの組み合わせ。別の態様において、酵母は、Saccharomyces属(例えばSaccharomyces pombeおよび/またはSaccaromyces cerevisae)、Dekkera属(例えばDekkera anomala)またはそれらの組み合わせから選択される。カビは、Byssochlamys属(例えばByssochlamys nivea)から選択することができる。
【0081】
好ましい一態様において、本発明の第1、第2または第3の組成物に存在するサポニンはユッカサポニンであり、微生物は、Lactobacilus属(例えばLactobacilus plantarum)、Alicylobacilus属(例えばAlicylobacilus acidoterrestris)の細菌から、Saccharomyces属(例えばSaccharomyces pombeおよび/またはSaccaromyces cerevisae)、Zygosaccharomyces属(例えばZygosaccharo-myces bailii)、Dekkera属(例えばDekkera anomala)の酵母から、Byssochlamys属(例えばByssochlamys nivea)のカビから、またはそれらの組み合わせから、選択される。
ある態様において、本発明の第1、第2または第3の組成物に存在するサポニンは、ユッカおよびキラヤからであり、微生物は、Dekkera属(例えばDekkera anomala)からの1つ以上の酵母である。
【0082】
本発明はまた、加工のために上述の方法によって得られる製品(ヒトまたは動物用の食品または飲料製品、栄養補助食品、ニュートラシューティカル製剤、フレグランスまたはフレーバー剤、医薬または獣医学用製剤、ワイン醸造学または化粧品製剤)にも関する。好ましい態様において、製品は食品または飲料である。
一態様において、上記の方法によって得られた製品(食品または飲料など)は、最終製品中約0.0001%、約0.001%、約0.01%、約0.1%、約1%、1.5%、2%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%または5%から、約20%、約10%、約9%、8%、7%、または約6%w/wまでの、例えば50ppm~2%のサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)を有する。
【0083】
ある態様において、製品(食品または飲料など)および本発明の第1の組成物を含む、上記の方法によって得られる製品(食品または飲料など)は、最終製品中約0.0001%、約0.001%、約0.01%、約0.1%、約1%、1.5%、2%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%または5%から、約20%、約10%、約9%、7%、または約6%w/wまでの、少なくとも1つのシソ科抽出物(例えばローズマリーおよび/またはサルビア抽出物)を有する。
ある態様において、製品(食品または飲料など)および本発明の第1の組成物を含む、上記の方法によって得られる製品(食品または飲料など)は、最終製品中約0.0001%、約0.001%、約0.01%、約0.1%、約1%、1.5%、2%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%または5%から、約20%、約10%、約9%、8%、7%、または約6%w/wまでまたはそれ以上の、カルノシン酸、カルノソール、およびそれらの混合物から選択されるシソ科フェノール性ジテルペン、および、最終製品中0.0001%、約0.001%、約0.01%、約0.1%、約1%、1.5%、2%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%または5%から、約20%、約10%、約9%、8%、7%、または約6%w/wまでの、例えば50ppm~2%のサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)を有する。
【0084】
ある態様において、製品(食品または飲料など)および本発明の第1または第2の組成物を含む、上記の方法によって得られる製品(食品または飲料など)は、最終製品中約12ppm、15ppm、20ppm、30、40、50、60、70、80、90、100ppmから、約6%、5%、4%、4%、3%、2%、1%(または10000ppm)、9000ppm、8000ppm、7000ppm、6000ppm、5000ppm、4000ppm、3000ppm、2000ppm、1000ppm、800ppm、600ppm、500ppm、400ppm、300ppmおよび200ppmw/wまでの、例えば50ppm~1000ppmのカルノシン酸;および/または、最終製品中約5ppm、10ppm、15ppm、20ppm、30、40、50、60、70、80、90、100ppmから、約6%、5%、4%、4%、3%、2%、1%(または10000ppm)、9000ppm、8000ppm、7000ppm、6000ppm、5000ppm、4000ppm、3000ppm、2000ppm、1000ppm、800ppm、600ppm、500ppm、400ppm、300ppmから200ppmw/wまでの、例えば5ppm~100ppmのカルノソールを有する。ある態様において、カルノシン酸とカルノソールの比率は40:1~5:1、例えば30:1、20:1、10:1または5:1などである。
【0085】
一態様において、製品(食品または飲料など)ならびに本発明の第1および/または第2の組成物を含む、上記の方法によって得られる製品(食品または飲料など)は、最終製品中約12ppm、15ppm、20ppm、30、40、50、60、70、80、90、100ppmから、約6%、5%、4%、4%、3%、2%、1%w/w(または10000ppm)、9000ppm、8000ppm、7000ppm、6000ppm、5000ppm、4000ppm、3000ppm、2000ppm、1000ppm、800ppm、600ppm、500ppm、400ppm、300ppmおよび200ppmまでの、例えば50ppm~1000ppmのカルノシン酸;および/または、最終製品中約5ppm、10ppm、15ppm、20ppm、30、40、50、60、70、80、90、100ppmから、約6%、5%、4%、4%、3%、2%、1%w/w(または10000ppm)、9000ppm、8000ppm、7000ppm、6000ppm、5000ppm、4000ppm、3000ppm、2000ppm、1000ppm、800ppm、600ppm、500ppm、400ppm、300ppmおよび200ppmまでの、例えば5ppm~100ppmのカルノソールを有する。ある態様において、カルノシン酸とカルノソールの比率は40:1~5:1、例えば30:1、20:1、10:1、または5:1またはそれ以上である。
【0086】
前述の使用、方法および食品製品の一態様において、第1または第2の組成物は、以下からなる群から選択される担体を追加で含有する組成物の形態であってよい:アラビアゴム、デキストロース、塩、脂肪酸のモノおよびジグリセリド、MPG、ポリソルベート80、デキストロース、植物油、グルコースシロップ、グリセリン、モノオレイン酸デカグリセロール、脂肪酸エステル、ベンジルアルコール、エチルアルコール、プロピレン、グリコール、ポリソルベート、ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、デキストロースおよびそれらの組み合わせ。
好ましい態様において、組成物は乾燥形態である。別の態様において、組成物は液体形態であってもよい。
前述の使用、方法、および製品(例えば食品または飲料)の一態様において、シソ科抽出物は、天然精油を本質的に含まない。前述の使用、方法、および食品の一態様において、大部分の揮発性油成分は、シソ科抽出物から除去されている。
【0087】
前述の使用、方法および製品(例えば食品または飲料)の一態様において、少なくとも1つのシソ科抽出物(例えばローズマリーおよび/またはサルビア抽出物)と少なくとも1つのサポニン(キラヤおよび/またはユッカサポニン)との間の比率は、約30:1~1:30、例えば15:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:4、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:15または約1:20である。好ましい態様において、比率は約5:1~約1:5、例えば約1:1、1.5:1である。
前述の使用、方法および製品(例えば食品または飲料)の一態様において、フェノール性ジテルペン(単数または複数)と少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)との間の比率は、約30:1~1:30、例えば15:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:4、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:15または約1:20である。好ましい態様において、比率は約5:1~約1:5、例えば約1:1、1.5:1である。
【0088】
ある態様において、前記製品(例えば食品または飲料)へ適用することまたは組み込むことは、第1、第2および/または第3の組成物を乾燥粉末または液体の形態で、食品に適用することを含む。
別の態様において、前記製品(例えば食品または飲料)へ適用することまたは組み込むことは、第1、第2および/または第3の組成物の成分a)およびb)を一緒に(「すぐに使用できる」組成物として)、または別々に:例えば、初めに成分a)で次に成分b)を、または初めに成分b)で次に成分a)を、適用することを含む。このようにして、成分a)およびb)は、製品の製造中の異なる時点で添加することができる(2ステップのキットの組成物のように)。
【0089】
本発明は、本発明の第1、第2および/または第3の組成物の異なる要素を含む、キットにも関する。ある態様において、キットは、すでに混合されておりすぐに使用できる(例えば、ブレンドとして)要素、任意に、前記成分の使用方法の説明書を含む。
ある態様において、キットは、異なる要素を別々に含み、および任意に前記成分の使用方法の説明書を含む。例えばキットは、i)少なくとも1つのシソ科抽出物、およびii)少なくとも1つのサポニン、および任意に前記成分の使用方法の説明書を含むことができる。
ある態様において、キットは、i)少なくとも1つのフェノール性ジテルペン(例えばカルノシン酸および/またはカルノソール)および/またはii)少なくとも1つのサポニンのブレンド、および任意に前記成分の使用方法の説明書を含む。
ある態様において、キットは、別々にi)少なくとも1つのフェノール性ジテルペン(例えばカルノシン酸および/またはカルノソール)および/またはii)少なくとも1つのサポニンを、および任意に前記成分の使用方法の説明書を含む。
【0090】
ある態様において、キットは、少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)、柑橘類ジュース(例えばレモンジュース)および/またはヘスペリジンのブレンド、および任意に前記成分の使用方法の説明書を含む。
ある態様において、キットは別々に、少なくとも1つのサポニン(例えばキラヤおよび/またはユッカサポニン)、柑橘類ジュース(例えばレモンジュース)および/またはヘスペリジンを、および任意に前記成分の使用方法の説明書を含む。
疑義を避けるために、本発明の所与の側面、特徴またはパラメータについて示された選好事項、選択肢、特定の特徴などは、文脈が別を示さない限り、本発明の同一または他の側面、特徴、およびパラメータについて示される任意のすべての他の選好事項、選択肢、特定の特徴などとも組み合わせて開示されたものと、見なされるべきである。
【0091】
「含むこと/含有」または「含む」という用語を使用する場合、記載されている抽出物または組成物は列挙された成分を含有しなければならないが、任意で追加の成分を含有してもよいことを意味する。「から本質的になること」または「から本質的になる」という用語を使用する場合、記載されている抽出物または組成物は列挙された成分を含有しなければならず、さらに少量(例えば最大5重量%、または最大1重量%または0.1重量%)の他の成分も、追加の任意の成分が抽出物または組成物の本質的な特性に影響を与えないことを条件として、含有し得ることを意味する。「からなること」または「からなる」という用語を使用する場合、記載されている抽出物または組成物が、列挙された成分のみを含有しなければならないことを意味する。本明細書で使用される用語「約」とは、例えば、測定可能な値(例えば反応混合物中の特定の成分の量または重量)に言及する場合、指定された量の±20%、±10%、±5%、±1%、±0.5%、または特に±0.1%の変動を指す。
【実施例
【0092】
ローズマリー抽出物を得るための詳細な手順
ローズマリー抽出物の組成物を調製するための詳細な手順は、米国特許第5,859,293号(PCT WO96/34534)に記載されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。手順は次のように簡潔に要約される:ローズマリーの葉を、アセトンを用いて室温で抽出した。抽出完了後、アセトン抽出物を濾過して溶液をローズマリーの葉から分離し、減圧下で濃縮して濃縮天然抽出物を製造した。この時点で濃縮抽出物は、真空オーブン内で中火で直接乾燥させて粉末抽出物を作ることができ、これは、約15%~30%のカルノシン酸および1%~3%のカルノソールを含む組成物である。あるいは、濃縮天然抽出物に水性炭酸ナトリウム(NaHCCh)を加えて、カルノシン酸および他の有機酸を溶解し、塩基不溶性物質を沈殿させた。溶液を濾過して固体から分離し、濾液をさらに減圧濃縮した。最終濃度に達すると、リン酸(H3PO4)を添加し、酸不溶性物質(カルノシン酸、カルノソール、およびカルノシン誘導体を含む)を濃縮溶液から沈殿させた。続いて、濾過により沈殿した固体を液体から分離し、水ですすいで不純物を除去した。最後に、固体を真空オーブンで乾燥させ、次いで粉砕して粉末にした;これは、約40~85%のカルノシン酸、2~10%のカルノソール、および2~10%の12-O-メチルカルノシン酸を含有する組成物である。
【0093】
サルビア抽出物
Salvia officinalisまたはSalvia apianaの葉を、アセトンを用いて還流下(56.4℃)で機械的に撹拌しながら2時間抽出した。抽出完了後、アセトン抽出物を濾過して植物残渣を除去した。得られたアセトン抽出物を減圧下で濃縮乾固した。乾燥抽出物は、約10~20%のカルノシン酸および1%~2%のカルノソールを含有する。
【0094】
キラヤの樹皮または樹木からのサポニン抽出
メタノール/水による抽出
樹皮の場合、1.2%~2.2%の乾燥重量でサポニンを抽出でき、抽出は、2gの乾燥樹皮および5017mLのMeOH:H2O(7/3、v/v)を使用して、室温で24時間実施する。
水による抽出
一般的な水抽出法を用い、50~60℃で3時間、キラヤサポニンは8.6~15.8%の抽出(水を用いソックスレー抽出器で10時間、温度100℃の場合)、および、6.5~8.5%の抽出(水を用いて室温で24時間浸軟させた場合)である。上記のすべてのサポニン含量は、同等のHPLC法を使用して決定した。
【0095】
キラヤの枝からのサポニン抽出
サポニンは、上記の方法および当技術分野の任意の他の方法を使用して、キラヤの枝から抽出することができる。
ユッカサポニン抽出物
濃縮された38°Brixのユッカジュース濃縮物を、酸性条件で、ここではリン酸の存在下で、担体としてシリカおよびマルトデキストリンを使用して乾燥させた。当技術分野で知られている任意の他の乾燥剤または担体を使用することができる。
ここでは、使用したユッカサポニンが豊富な生成物は、9%のサポニンを含んでいた。
【0096】
ヘスペリジン
乾燥した未熟果実(Citrus aurantium L.)を、水での抽出前に蒸気に暴露してペクチンを除去する。続いて、水酸化ナトリウムと水酸化カルシウムを溶液に添加してpH値を安定させる。濾過ステップを使用する。濾過ステップに続いて、HClを用いた濾液の酸性化を行う。このステップでヘスペリジンが沈殿し、液体溶液が除去され、沈殿物が乾燥される。最終生成物(純粋なヘスペリジン)は、HPLCの測定により、90%~99%のヘスペリジン、好ましくは95%を超えるヘスペリジンを含有する。
レモンジュース
レモン(Citrus limon L.)ジュース粉末を、真空乾燥によって生成した。1kgの生成物は、約21.5kgの新鮮な果実から得られる8°Brixの約12.4kgのストレートジュースから作られる。レモンジュース粉末は、果実固形物および固結防止剤として二酸化ケイ素を含有する。
【0097】
微生物
多数の腐敗微生物を、in vitroスクリーニングの実施のために選択した(表1)。実験中、微生物を異なる濃度の成分の存在下で培養し、増殖の抑制を測定した。微生物は、TNOのデータベースから取得したか、または注文したものである。各菌株は、スクリーニング前に特定条件の培地および温度で培養した。
【0098】
表1.腐敗微生物の詳細およびその増殖条件。これらは準備段階で最適化してスクリーニング段階に適用した。
【表1】
【0099】
インキュベーション
実験中、微生物は異なる濃度の試験成分の存在下で培養し、それらの増殖抑制をqPCRにより測定した。
スクリーニングは、96ディープウェルプレートで実施した。各成分は、6つの濃度:1%、0.5%、0.25%、0.125%、0.061%、および0.031%以下で試験した。DMSOを使用しているにも関わらず、いくつかの成分は溶けにくかった。これらの成分については、濃度範囲をわずかに調整して、試験した最高濃度でも成分が確実に溶解するようにした。
次の複数の表は様々な例を説明しており、抽出物濃度および各成分についての試験した%と範囲に関する情報が含まれる。例えば、表3の「抽出物濃度(%)」は、キラヤ抽出物またはローズマリー抽出物の最終混合物中の%を指す。「カルノシン酸(%)」は、カルノシン酸(カルノシン酸の源はローズマリー抽出物である)の最終混合物中の%を指し、「キラヤサポニン(%)」は、キラヤサポニン(キラヤ抽出物のキラヤサポニンの源である)の最終混合物中の%を指す。
【0100】
表2.抽出物の組成
【表2】

Salvia officinalisまたはSalvia apiana抽出物は、5~45%のフェノール性ジテルペン、特にカルノシン酸を含む。
【0101】
例1.キラヤ、ローズマリー、およびキラヤ+ローズマリーの細菌に対する抗微生物効果
表3.キラヤ、ローズマリー、およびキラヤ+ローズマリーのLactobacillus plantarumに対する抗微生物効果。
【表3】
【0102】
単独で適用した場合、ローズマリーまたはキラヤ抽出物はLactobacillus plantarumの増殖を抑制できなかった。0.22%のカルノシン酸を提供可能である非常に高濃度のローズマリー抽出物のみが、細菌の増殖を83%抑制できた。キラヤ抽出物は、高濃度で使用した場合でも、細菌の増殖を抑制できなかった。驚くべきことには組み合わせて一緒に使用すると、ローズマリー+キラヤ抽出物は、比較的低濃度で適用した場合、すなわち、0.034%の抽出物濃度から(これは0.007%のカルノシン酸と0.004%のキラヤサポニンに相当する)、0.275%の抽出物濃度まで(0.056%のカルノシン酸と0.035%のキラヤサポニンに相当する)の場合に、Lactobacillus plantarumの増殖を部分的に(14%から)完全に(105%の増殖抑制)まで抑制した。
【0103】
表4.サルビアのLactobacillus plantarumに対する抗微生物効果。
【表4】
【0104】
表5.キラヤ、ローズマリー、およびキラヤ+ローズマリーのAlicyclobacillus acidoterrestrisに対する抗微生物効果。
【表5】
【0105】
キラヤ抽出物を単独で適用した場合、高濃度で使用した場合でも抑制に失敗し、Alicyclobacillus acidoterrestrisの増殖を抑制できなかった。0.007~0.22%のカルノシン酸を提供できる高濃度のローズマリー抽出物のみが、細菌の増殖を抑制できた。
驚くべきことに、ローズマリーとキラヤ抽出物を組み合わせて一緒に使用すると、非常に低い濃度のカルノシン酸(0.00025%)とキラヤ(0.000125%)でさえも、Alicyclobacillus acidoterrestrisを完全に抑制した。
【0106】
表6.サルビアのAlicyclobacillus acidoterrestrisに対する抗微生物効果。
【表6】
【0107】
例2.キラヤ、ローズマリー、およびキラヤ+ローズマリーの酵母に対する抗微生物効果
表7.キラヤのSaccharomyces cerevisiaeに対する抗微生物効果。
【表7】

ここで試験したキラヤ抽出物のすべての濃度は、完全に、少なくとも100%、Saccharomyces cerevisiaeの増殖を抑制した。
【0108】
表8:サルビアのSaccharomyces cerevisiaeに対する抗微生物効果。
【表8】
【0109】
表9:キラヤ、ローズマリー、およびキラヤ+ローズマリーのSaccharomyces pombeに対する抗微生物効果。
【表9】
【0110】
キラヤ抽出物を単独で適用した場合、高濃度で使用した時のみ、測定されたSaccharomyces pombe増殖を抑制する効果があった。約0.28%のカルノシン酸を提供できる非常に高濃度のローズマリー抽出物のみが、酵母の増殖を抑制できた。
驚くべきことに、ローズマリーとキラヤ抽出物を組み合わせて一緒に使用すると、非常に低い濃度のカルノシン酸(0.014%)とキラヤ(0.0085%)でさえも、Saccharomyces pombeを完全に抑制した。これは相乗効果である。
【0111】
表10.サルビアのSaccharomyces pombeに対する抗微生物効果。
【表10】
【0112】
表11.キラヤ、ローズマリー、およびキラヤ+ローズマリーのDekkera anomalaに対する抗微生物効果。
【表11】
【0113】
単独で適用した場合、キラヤ抽出物またはローズマリー抽出物は、酵母Dekkera anomalaの増殖を抑制できなかった。
驚くべきことに、ローズマリーとキラヤ抽出物を組み合わせて一緒に使用すると、非常に低い濃度のカルノシン酸(0.003%)とキラヤ(0.002%)でさえも、Dekkera anomalaを完全に抑制した。これは相乗効果である。
【0114】
表12.サルビアのDekkera anomalaに対する抗微生物効果。
【表12】

Salvia officinalisまたはSalvia apianaの抽出物は、フェノール性ジテルペン、特にカルノシン酸を5~45%含む。
【0115】
例3.ユッカ、ローズマリー、およびユッカ+ローズマリーの細菌に対する抗微生物効果
インキュベーション
実験中、微生物は異なる濃度の試験成分の存在下で培養し、それらの増殖抑制はqPCRによって測定した。
スクリーニングは、96ディープウェルプレートで実施した。各成分は、6つの濃度:(例えば1%、0.5%、0.25%、0.125%、0.061%、および0.031%以下の濃度)で試験した。DMSOを使用しているにも関わらず、いくつかの成分は溶けにくかった。これらの成分については、濃度範囲をわずかに調整して、試験した最高濃度でも成分が確実に溶解するようにした。
【0116】
表13.抽出物の組成
【表13】
【0117】
表14.ユッカ、ローズマリー、およびユッカ+ローズマリーのLactobacillus plantarumに対する抗微生物効果。
【表14】
【0118】
単独で適用した場合、ローズマリーまたはユッカ抽出物はLactobacillus plantarumの増殖を抑制できなかった。0.22%のカルノシン酸を提供できる非常に高濃度のローズマリー抽出物のみが、細菌の増殖を83%抑制できた。ユッカ抽出物は、高濃度で使用した場合でも、細菌の増殖を抑制できなかった。驚くべきことに組み合わせて一緒に使用すると、ローズマリー+ユッカ抽出物は、比較的低濃度で適用した場合:0.275%の抽出物濃度から(これは0.056%のカルノシン酸および0.023%ユッカサポニンに相当する)、0.55%の抽出濃度まで(0.113%カルノシン酸および0.045%ユッカサポニンに相当する)の場合、Lactobacillus plantarumの増殖を部分的に(25%から)強力に(81%の増殖抑制)抑制した。これは相乗効果である。
【0119】
表15.サルビアのLactobacillus plantarumに対する抗微生物効果。
【表15】
【0120】
表16.ユッカ、ローズマリー、およびユッカ+ローズマリーのAlicyclobacillus acidoterrestrisに対する抗微生物効果。
【表16-1】
【0121】
単独で適用した場合、ローズマリーまたはユッカ抽出物は、高濃度でのみ、Alicyclobacillus acidoterrestrisの増殖を抑制できた。驚くべきことに組み合わせて一緒に使用すると、ローズマリー+ユッカ抽出物は、比較的低濃度(例えば、0.0005%のカルノシン酸と0.00025%のユッカサポニン)での適用で、Alicyclobacillus acidoterrestrisの増殖を抑制した。これは相乗効果である。
【0122】
表16.サルビアのAlicyclobacillus acidoterrestrisに対する抗微生物効果。
【表16-2】
【0123】
例4:ユッカ、ローズマリー、サルビアおよびユッカおよびローズマリーの酵母に対する抗微生物効果
表17.ユッカのZygosaccharomyces bailiiに対する抗微生物効果。
【表17】

ここで試験したすべての濃度のユッカ抽出物は、完全に、少なくとも92%で、Zygosaccharomyces bailiiの増殖を抑制した。
【0124】
表18.ユッカのSaccharomyces cerevisiaeに対する抗微生物効果。
【表18】

ここで試験したすべての濃度のユッカ抽出物は、完全に、少なくとも99%、Saccharomyces cerevisiaeの増殖を抑制した。
【0125】
表19.サルビアのSaccharomyces cerevisiaeに対する抗微生物効果。
【表19】
【0126】
表20:ユッカおよびローズマリーのSaccharomyces pombeに対する抗微生物効果。
【表20】

ここで試験したすべての濃度のユッカ抽出物は、Saccharomyces pombeの増殖を抑制した。
【0127】
表21.サルビアのSaccharomyces pombeに対する抗微生物効果。
【表21】
【0128】
例5.ユッカ、ローズマリー、サルビア、およびユッカ+ローズマリーのDekkera anomalaに対する抗微生物効果
表22.ユッカ、ローズマリー、およびユッカ+ローズマリーのDekkera anomalaに対する抗微生物効果。
【表22】
【0129】
単独で適用した場合、ユッカ抽出物はDekkera anomalaの増殖を抑制できなかった。ローズマリー抽出物は、非常に高濃度でのみ抑制を示した。驚くべきことに組み合わせて一緒に使用すると、ローズマリー+ユッカ抽出物はDekkera anomalaの増殖を抑制した。
表23.サルビアのDekkera anomalaに対する抗微生物効果。
【表23】
【0130】
例6.キラヤ、ローズマリー、ユッカ、キラヤ+ローズマリー、ユッカ+ローズマリー、およびユッカ+ローズマリー+キラヤの酵母に対する抗微生物効果
表24:ユッカ、ローズマリー、サルビア、キラヤ、ユッカ+ローズマリー、キラヤ+ローズマリー、およびユッカ+キラヤ+ローズマリーのDekkera anomalaに対する抗微生物効果。
【表24】
【0131】
単独で適用した場合、ユッカ抽出物またはキラヤ抽出物はDekkera anomalaの増殖を抑制できなかった。ローズマリー抽出物は、非常に高濃度でのみ抑制を示した。驚くべきことに組み合わせて一緒に使用すると、ローズマリー、ユッカ、およびキリヤの抽出物は、非常に低い濃度でもDekkera anomalaの増殖を抑制した。
キラヤ/ユッカ/ローズマリーの3成分組み合わせの、キラヤ/ローズマリーおよびユッカ/ローズマリーに対する予想外の改善:非常に低濃度(0.008%のキラヤサポニン、0.004%のユッカサポニン、および0.014%のカルノシン酸から)での完全な抑制(>100%)。
【0132】
例7.ユッカのカビに対する抗微生物効果
表25.ユッカのByssochlamys niveaに対する効果。
【表25】
【0133】
例8.本発明の組成物の食品マトリックスにおける抗微生物効果
魚類マトリックスは、防腐剤なしで魚と水(50/50)でできている。マトリックスはブレードミキサーグラインダーで均質化し、その後、試験前に121℃で20分間滅菌した。
方法
混合物を0.5%でマトリックスに添加した。防腐剤なしのマトリックス(0.5%の0.9%NaCl)および従来の化学防腐剤を含むマトリックス(0.3%の乳酸ナトリウムまたは亜硝酸カリウムを別々に)を、それぞれ陰性対照および陽性対照として使用した。
各マトリックス種類を滅菌フラスコに分け、3Log CFU/gの異なる微生物を別々に接種した。各フラスコは、所与の分析日における1試料に対応する。
接種したマトリックスを25℃でインキュベートした。
微生物の計数は、特定の寒天培地において決定した。
【0134】
表26.魚モデルにおける微生物計数結果;2回の測定の平均としてLog CFU/gで表す。
【表26】
【国際調査報告】