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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(54)【発明の名称】有機エレクトロルミネッセンス素子
(51)【国際特許分類】
   H10K 50/11 20230101AFI20231004BHJP
   H10K 50/12 20230101ALI20231004BHJP
   H10K 85/60 20230101ALI20231004BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20231004BHJP
   H10K 101/10 20230101ALN20231004BHJP
   H10K 101/20 20230101ALN20231004BHJP
   H10K 101/30 20230101ALN20231004BHJP
【FI】
H10K50/11
H10K50/12
H10K85/60
C09K11/06 690
H10K101:10
H10K101:20
H10K101:30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518002
(86)(22)【出願日】2021-09-17
(85)【翻訳文提出日】2023-04-18
(86)【国際出願番号】 EP2021075637
(87)【国際公開番号】W WO2022058512
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】20197076.1
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20197075.3
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20197074.6
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20197073.8
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20197072.0
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20197071.2
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20197589.3
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20197588.5
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20217041.1
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21170783.1
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21170775.7
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21170776.5
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21170779.9
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21184616.7
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21184619.1
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21185402.1
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21186615.7
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】シャリフィデサリ,ハメド
(72)【発明者】
【氏名】リアプティシス,ゲオルギオス
(72)【発明者】
【氏名】カルバージョ,ハイメ レガネス
(72)【発明者】
【氏名】ジョリー,ダミアン
【テーマコード(参考)】
3K107
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107DD51
3K107DD53
3K107DD58
3K107DD67
3K107DD68
3K107DD69
3K107DD70
3K107FF00
3K107FF12
3K107FF13
3K107FF14
3K107FF19
3K107FF20
(57)【要約】
【要約】
本発明は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含む有機エレクトロルミネッセンス素子に係り、発光層Bの前記1以上の副層は、全体的に少なくとも1つのホスト材料H、少なくとも1つの燐光材料P、少なくとも1つの小さなFWHMエミッタS、及び選択的に少なくとも1つのTADF材料Eを含み、ここで、Sは、0.25eV以下の半値幅(FWHM)を有する光を発光する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、前記1以上の副層は、互いに隣接し、全体的に下記を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子:
(i)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つのホスト材料H
(ii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの燐光材料P
(iii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有し、0.25eV以下の半値幅(FWHM)を有する光を発光する、少なくとも1つの小さな半値幅(FWHM)エミッタS、及び選択的に
(iv)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの熱活性化遅延蛍光(TADF)材料E
ここで、前記発光層Bの外側表面に位置する1以上の副層は、燐光材料P、小さな半値幅(FWHM)エミッタS及び熱活性化遅延蛍光(TADF)材料Eからなる群から選択された少なくとも1つの材料を含み、
ここで、選択的な少なくとも1つの熱活性化遅延蛍光(TADF)材料Eは、75μs以下の励起状態寿命τ(E)を示し、好ましくは、それぞれの熱活性化遅延蛍光(TADF)材料Eは、75μs以下の励起状態寿命τ(E)を示す。
【請求項2】
少なくとも1層の発光層B、好ましくは、それぞれの発光層Bの1以上の副層のうち少なくとも1層は、下記を含む、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子:
(iv)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの熱活性化遅延蛍光(TADF)材料E
【請求項3】
少なくとも1つのTADF材料Eは、50μs以下の励起状態寿命τ(E)を示し、好ましくは、それぞれのTADF材料Eは、50μs以下の励起状態寿命τ(E)を示す、請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
少なくとも1つのTADF材料Eは、10μs以下の励起状態寿命τ(E)を示し、好ましくは、それぞれのTADF材料Eは、10μs以下の励起状態寿命τ(E)を示す、請求項1から3のうちいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項5】
少なくとも1層の副層は、正確に1つのTADF材料E及び正確に1つの燐光材料Pを含む、請求項1から4のうちいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項6】
1層の副層は、正確に1つのTADF材料Eを含み、他のまたは同一な副層は、正確に1つの燐光材料P及び正確に1つの小さなFWHMエミッタSを含む、請求項1から5のうちいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項7】
下記式(1)及び(2)で表される関係が適用される、請求項1から6のうちいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子:
E(T1)>E(T1) (1)
E(T1)>E(S1) (2)。
【請求項8】
下記式(3)及び(4)で表される関係が適用される、請求項1から7のうちいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子:
E(T1)>E(T1) (3)
E(T1)>E(T1) (4)。
【請求項9】
それぞれのTADF材料Eは、
(i)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)と最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)とのエネルギー差に該当するΔEST値が0.4eV未満を示すことを特徴とし、
(ii)30%より大きいフォトルミネセンス量子収率(PLQY)を示す、請求項1から8のうちいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項10】
少なくとも1つの燐光材料Pは、50μs以下の励起状態寿命τ(P)を示し、好ましくは、それぞれの燐光材料Pは、50μs以下の励起状態寿命τ(P)を示す、請求項1から9のうちいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項11】
少なくとも1つの燐光材料Pは、10μs以下の励起状態寿命τ(P)を示し、好ましくは、それぞれの燐光材料Pは、10μs以下の励起状態寿命τ(P)を示す、請求項1から10のうちいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項12】
前記1以上の副層は、全体的に下記を含むか、あるいはそれからなる、請求項1から11のうちいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子:
(i)30~99.8重量%の1以上のホスト材料H
(ii)0.1~30重量%の1以上の燐光材料P
(iii)0.1~10重量%の1以上の小さなFWHMエミッタS、及び選択的に
(iv)0~69.8重量%の1以上のTADF材料E、及び選択的に
(v)0~69.8重量%の1以上の溶媒。
【請求項13】
少なくとも1層の発光層B、好ましくは、それぞれの発光層Bは、正確に1層の(副)層からなる、請求項1から12のうちいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項14】
下記ステップを含む、光発生方法:
(i)請求項1から13のうちいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、及び
(ii)前記有機エレクトロルミネッセンス素子に電流を印加すること。
【請求項15】
下記波長範囲のうち1つから選択される波長範囲の光を発生させる、請求項14に記載の光発生方法:
(i)510nmから550nm、または
(ii)440nmから470nm、または
(iii)610nmから665nm。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれが1以上の副層からなる1以上の発光層Bを含む有機エレクトロルミネッセンス素子に係り、それぞれの発光層Bの1以上の副層は、全体的に少なくとも1つのホスト材料H、少なくとも1つの燐光材料P、少なくとも1つの小さなFWHMエミッタS、及び選択的に少なくとも1つのTADF材料Eを含み、ここで、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのSは、0.25eV以下の半値幅(full width at half maximum: FWHM)を有する光を発光する。また、本発明は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子を利用した光発生方法に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
例えば、有機発光ダイオード(OLED)、発光電気化学電池(LEC)及び発光トランジスタのような有機物を基とする1層以上の発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子の重要性が増加しつつある。特に、OLEDは、スクリーン、ディスプレイ及び照明装置のような電子製品のための有望な素子である。実質的に無機物を基とするほとんどのエレクトロルミネッセンス素子とは対照的に、有機物を基とする有機エレクトロルミネッセンス素子は、多くの場合、柔軟性があり、特に薄膜で生産可能である。現在入手可能なOLEDを基にしたスクリーン及びディスプレイは、優秀な効率及び長い寿命、または優秀な色純度及び長い寿命を提供するが、優秀な効率、長い寿命及び優秀な色純度の三つの特性をすべて兼ね備えていない。
【0003】
OLEDの色純度または色点は、一般的にCIEx及びCIEy座標により提供される一方、次世代ディスプレイの色領域は、いわゆるBT-2020及びDCPI3値により提供される。一般的に、そのような色座標を得るためには、トップエミッション素子がキャビティを変更し、色座標を調整することが必要である。そのような色領域を目標としつつ、トップエミッション素子において高効率を達成するためには、ボトムエミッション素子において狭い発光スペクトルが必要である。
【0004】
最新燐光エミッタは、かなりブロードな発光を示し、これは、一般的に0.25eVより大きい発光スペクトルの半値幅(FWHM)を有する燐光を基とするOLED(PHOLED)のブロードな発光によって反映される。下部素子におけるPHOLEDのブロードな発光スペクトルは、BT-2020及びDCPI3色領域を目標とするトップエミッション素子構造に対し、アウトカップリング効率の高い損失をもたらす。
【0005】
また、燐光材料は、一般的に、遷移金属、例えば、イリジウムを基とし、これは、一般的に存在量が少ないため、OLEDスタック内で非常に高価な材料である。したがって、遷移金属を基とする材料は、OLEDのコスト削減の可能性が最も大きい。OLEDスタック内の遷移金属の含量を低くすることは、OLED適用製品の価格設定のための重要業績評価指標である。
【0006】
近年、かなり狭い発光スペクトルを示す一部の蛍光エミッタまたはTADF(thermally-activated-delayed-fluorescence)エミッタが開発されており、これは、一般的に0.25eV以下の発光スペクトルのFWHMを示し、したがって、BT-2020及びDCPI3色領域を達成するのに適している。しかし、そのような蛍光エミッタ及びTADFエミッタは、一般的に、例えば、励起子・ポーラロン消滅または励起子・励起子消滅により、寿命が短いだけでなく、さらに高い輝度で効率低下(すなわち、OLEDのロールオフ挙動)により、低い効率を経験する。
【0007】
そのような短所は、いわゆるハイパーアプローチを適用することで、ある程度克服することができる。後者は、前述のように、好ましくは、狭い発光スペクトルを示す蛍光エミッタにエネルギーを移動させるエネルギーポンプの使用に依存する。エネルギーポンプは、例えば、逆項間交差(reverse-intersystem crossing: RISC)を示すTADF材料、または効率的な項間交差(ISC)を示す遷移金属錯体でもある。しかし、そのようなアプローチは、前述の好ましい特徴、すなわち、優秀な効率、長い寿命及び優秀な色純度をいずれも有する有機エレクトロルミネッセンス素子を依然として提供することができない。
【0008】
光を発生させるための有機エレクトロルミネッセンス素子の主要な要素は、通常、正極と負極との間に位置した少なくとも1層の発光層である。有機エレクトロルミネッセンス素子に電圧(及び電流)を印加すれば、正極から正孔が注入され、負極から電子が注入される。
【0009】
通常、正孔輸送層は、(一般的に)発光層と正極との間に位置し、電子輸送層は、通常、発光層と負極との間に位置する。相異なる層が順次に配置される。高いエネルギーの励起子は、発光層において正孔と電子との再結合によって生成される。そのような励起状態(例えば、S1のような一重項状態及び/またはT1のような三重項状態)の底状態(S0)への減衰が、好ましくは、発光を引き起こす。
【課題を解決するための手段】
【0010】
驚くことに、燐光材料、小さな半値幅(FWHM)エミッタ、ホスト材料及び選択的にTADF材料を含む1以上の層からなる有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層が、長い寿命、高い量子収率を有し、BT-2020及びDCPI3色領域を達成するのに理想的に適している、狭い発光を示す有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを見出した。
【0011】
ここで、燐光材料及び/または選択的なTADF材料は、発光を示す小さな半値幅(FWHM)エミッタにエネルギーを移動させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含む有機エレクトロルミネッセンス素子に係わるものであり、前記1以上の副層は、互いに隣接し、全体的に下記を含む:
(i)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つのホスト材料H
(ii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの燐光材料P
(iii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有し、0.25eV以下の半値幅(FWHM)を有する光を発光する少なくとも1つの小さな半値幅(FWHM)エミッタS、及び選択的に
(iv)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの熱活性化遅延蛍光(TADF)材料E
ここで、発光層Bの外側表面に位置する1以上の副層は、燐光材料P、小さなFWHMエミッタS及びTADF材料Eからなる群から選択された少なくとも1つの(エミッタ)材料を含む。
【0013】
本発明の一態様は、1以上の副層を含む少なくとも1層の発光層Bを含む有機エレクトロルミネッセンス素子に係わるものであり、ここで、1以上の副層は、互いに隣接し、全体的に下記を含む:
(i)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有するホスト材料H
(ii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する燐光材料P
(iii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有し、0.25eV以下の半値幅(FWHM)を有する光を発光する小さな半値幅(FWHM)エミッタS、及び選択的に
(iv)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する熱活性化遅延蛍光(TADF)材料E
ここで、発光層Bの外側表面に位置する1以上の副層は、燐光材料P、小さなFWHMエミッタS及びTADF材料Eからなる群から選択された少なくとも1つの(エミッタ)材料を含む。
【0014】
本発明の一実施形態において、少なくとも1層の発光層Bの1以上の副層のうち少なくとも1層は、下記を含む:
(iv)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの熱活性化遅延蛍光(TADF)材料E
【0015】
本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、発光層Bの1以上の副層は、下記を含む:
(i)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つのホスト材料H
(ii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの燐光材料P
(iii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有し、0.25eV以下の半値幅(FWHM)を有する光を発光する少なくとも1つの小さな半値幅(FWHM)エミッタS、及び選択的に
(iv)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの熱活性化遅延蛍光(TADF)材料E
【0016】
本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、発光層Bの1以上の副層は、下記を含む:
(i)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有するホスト材料H
(ii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する燐光材料P
(iii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有し、0.25eV以下の半値幅(FWHM)を有する光を発光する小さな半値幅(FWHM)エミッタS、及び
(iv)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する熱活性化遅延蛍光(TADF)材料E
【0017】
本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、発光層Bの1以上の副層は、下記を含む:
(i)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つのホスト材料H
(ii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの燐光材料P
(iii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有し、0.25eV以下の半値幅(FWHM)を有する光を発光する少なくとも1つの小さな半値幅(FWHM)エミッタS、及び
(iv)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの熱活性化遅延蛍光(TADF)材料E
【0018】
本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、下記を含む少なくとも1層の発光層Bを含む:
(i)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つのホスト材料H
(ii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの燐光材料P
(iii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有し、0.25eV以下の半値幅(FWHM)を有する光を発光する少なくとも1つの小さな半値幅(FWHM)エミッタS、及び
(iv)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの熱活性化遅延蛍光(TADF)材料E
【0019】
本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、下記を含む正確に1層からなる発光層Bを含む:
(i)ホスト材料H
(ii)燐光材料P
(iii)小さな半値幅(FWHM)エミッタS、及び選択的に
(iv)TADF材料E
【0020】
好ましい実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、下記を含む正確に1層からなる発光層Bを含む:
(i)少なくとも1つのホスト材料H
(ii)少なくとも1つの燐光材料P
(iii)少なくとも1つの小さな半値幅(FWHM)エミッタS、及び
(iv)少なくとも1つの熱活性化遅延蛍光(TADF)材料E
【0021】
副層の組み合わせ
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、正確に1層の(副)層からなる少なくとも1層の発光層Bを含む。本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子に含まれたそれぞれの発光層Bは、正確に1層の(副)層からなる。本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、正確に1層の(副)層からなる正確に1層の発光層Bを含む。
【0022】
本発明の他の実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含む。本発明の他の実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子に含まれたそれぞれの発光層Bは、1以上の副層を含む。本発明の他の実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子に含まれたそれぞれの発光層Bは、1以上の副層からなる。
【0023】
本発明の他の実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる正確に1層の発光層Bを含む。本発明の他の実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、正確に2層の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含む。
【0024】
本発明の他の実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子に含まれたそれぞれの発光層Bは、正確に2層の副層からなる。本発明の他の実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、正確に2層の副層からなる正確に1層の発光層Bを含む。
【0025】
本発明の他の実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、2以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含む。本発明の他の実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子に含まれたそれぞれの発光層Bは、2以上の副層からなる。
【0026】
本発明の他の実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、2以上の副層からなる正確に1層の発光層Bを含む。
【0027】
本発明の一実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子のそれぞれの発光層Bは、正確に1層、正確に2層または正確に3層の副層を含む。
【0028】
発光層Bの相異なる副層は、必ずしも全て同一材料を含むわけではなく、さらに好ましくは同一割合の同一材料を含まないわけでもないものと理解される。
【0029】
発光層Bの相異なる副層は、互いに隣接するものと理解される。
【0030】
本発明の一実施形態において、少なくとも1層の副層は、正確に1つのTADF材料E及び正確に1つの燐光材料Pを含む。
【0031】
本発明の一実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層は、TADF材料E、燐光材料Pまたは小さなFWHMエミッタSを含まない。
【0032】
本発明の一実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層は、少なくとも1つのホスト材料H、正確に1つの燐光材料P及び正確に1つの小さなFWHMエミッタSを含む。
【0033】
本発明の一実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層は、少なくとも1つのホスト材料H、正確に1つのTADF材料E、正確に1つの燐光材料P及び正確に1つの小さなFWHMエミッタSを含む。
【0034】
本発明の一実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層は、正確に1つのホスト材料H、正確に1つのTADF材料E、正確に1つの燐光材料P及び正確に1つの小さなFWHMエミッタSを含む。
【0035】
本発明の一実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層は、正確に1つのホスト材料H、正確に1つの燐光材料P及び正確に1つの小さなFWHMエミッタSを含む。
【0036】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層は、正確に1つのホスト材料Hを含む。
【0037】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、1以上の副層は、正確に1つのTADF材料Eを含む。
【0038】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層は、正確に1つの燐光材料Pを含む。
【0039】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層は、正確に1つの小さなFWHMエミッタSを含む。
【0040】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層は、正確に1つのホスト材料H及び正確に1つのTADF材料Eを含む。
【0041】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層は、正確に1つのホスト材料H及び正確に1つの燐光材料Pを含む。
【0042】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層は、正確に1つのホスト材料H及び正確に1つの小さなFWHMエミッタSを含む。
【0043】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層は、正確に1つのTADF材料E及び正確に1つの小さなFWHMエミッタSを含む。
【0044】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層は、正確に1つのTADF材料E及び正確に1つの燐光材料Pを含む。
【0045】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層は、正確に1つの燐光材料P及び正確に1つの小さなFWHMエミッタSを含む。
【0046】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層は、正確に1つのホスト材料H、正確に1つのTADF材料E及び正確に1つの小さなFWHMエミッタSを含む。
【0047】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層は、正確に1つのホスト材料H、正確に1つのTADF材料E及び正確に1つの燐光材料Pを含む。
【0048】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層は、正確に1つのホスト材料H、正確に1つの燐光材料P及び正確に1つの小さなFWHMエミッタSを含む。
【0049】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層は、正確に1つの燐光材料P、正確に1つのTADF材料E及び正確に1つの小さなFWHMエミッタSを含む。
【0050】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層は、正確に1つのホスト材料H、正確に1つのTADF材料E、正確に1つの燐光材料P及び正確に1つの小さなFWHMエミッタSを含む。
【0051】
本発明の好ましい実施形態において、1層の副層は、正確に1つのTADF材料Eを含み、1層の副層(好ましくは、他の副層)は、正確に1つの燐光材料P及び正確に1つの小さなFWHMエミッタSを含む。
【0052】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、3以上の副層を含む(あるいは、それから構成される)少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、第1副層B1は、正確に1つのTADF材料Eを含み、第2副層B2は、正確に1つの燐光材料Pを含み、第3副層B3は、正確に1つの小さなFWHMエミッタSを含む。
【0053】
発光層Bの副層は、他の順序、例えば、B1-B2-B3、B1-B3-B2、B2-B1-B3、B2-B3-B1、B3-B2-B1、B3-B1-B2でも製作され、その間に1以上の他の副層を有することもできる。
【0054】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、2以上の副層を含む(あるいは、それから構成される)少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、第1副層B1は、正確に1つのTADF材料E及び正確に1つの燐光材料Pを含み、第2副層B2は、正確に1つの小さなFWHMエミッタSを含む。
【0055】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、2以上の副層を含む(あるいは、それから構成される)少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、第1副層B1は、正確に1つのTADF材料Eを含み、第2副層B2は、正確に1つの燐光材料P及び正確に1つの小さなFWHMエミッタSを含む。
【0056】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、2以上の副層を含む(あるいは、それから構成される)少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、第1副層B1は、正確に1つの燐光材料Pを含み、第2副層B2は、正確に1つのTADF材料E及び正確に1つの小さなFWHMエミッタSを含む。
【0057】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、2以上の副層を含む(あるいは、それから構成される)少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、第1副層B1は、正確に1つの小さなFWHMエミッタSを含み、第2副層B2は、正確に1つのTADF材料E及び正確に1つの燐光材料Pを含む。好ましい実施形態において、副層B1及びB2は、互いに(直接)隣接し、すなわち、互いに(直接)接触する。
【0058】
また、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子は、本発明の文脈における発光層Bに対して与えられた要件を満たさない1以上の発光層を選択的に含んでもよいものと理解される。すなわち、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子は、本願で定義されたような少なくとも1層の発光層Bを含み、発光層Bに対して本願で与えられた要件が必ずしも適用されるものではない1以上の更なる発光層を選択的に含んでもよい。本発明の他の実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子に含まれた、全部ではないが、少なくとも1層の発光層は、本発明の特定実施形態で定義されたような発光層Bである。
【0059】
本発明の好ましい実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子に含まれたそれぞれの発光層は、本発明の特定実施形態で定義されたような発光層Bである。
【0060】
発光層(EML)Bの組成
(少なくとも1つの)ホスト材料H、(少なくとも1つの)燐光材料P及び(少なくとも1つの)小さな半値幅エミッタSは、有機エレクトロルミネッセンス素子に任意の量及び任意の割合で含まれる。
【0061】
好ましい実施形態において、(少なくとも1つの)ホスト材料H、(少なくとも1つの)燐光材料P、(少なくとも1つの)熱活性化遅延蛍光(TADF)材料E及び(少なくとも1つの)小さなFWHMエミッタSは、有機エレクトロルミネッセンス素子に任意の量及び任意の割合で含まれる。
【0062】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層それぞれは、(少なくとも1つの)ホスト材料H(より具体的には、H及び/またはH及び/またはHBP)を(少なくとも1つの)小さなFWHMエミッタSより多く含む。
【0063】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層それぞれは、(少なくとも1つの)ホスト材料H(より具体的には、H及び/またはH及び/またはHBP)を(少なくとも1つの)燐光材料Pより多く含む。
【0064】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、少なくとも1層の副層それぞれは、(少なくとも1つの)ホスト材料H(より具体的には、H及び/またはH及び/またはHBP)を(少なくとも1つの)TADF材料Eより多く含む。
【0065】
本発明の好ましい実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも1層の発光層Bのそれぞれは、少なくとも1つのTADF材料Eを少なくとも1つの小さなFWHMエミッタSより多く含む。
【0066】
好ましい実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子において、(1層の(副)層からなるか、あるいは1以上の副層を含む)少なくとも1層の発光層Bは、全体として下記を含む(あるいは、それから構成される):
(i)30~99.8重量%の1以上のホスト材料H
(ii)0.1~30重量%の1以上の燐光材料P
(iii)0.1~10重量%の1以上の小さなFWHMエミッタS、及び選択的に
(v)0~69.8重量%の1以上の溶媒。
【0067】
好ましい実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子において、(1層の(副)層からなるか、あるいは1以上の副層を含む)少なくとも1層の発光層Bは、全体として下記を含む(あるいは、それから構成される):
(i)30~99.8重量%、好ましくは、60~99.8重量%の1以上のホスト材料H
(ii)0.1~50重量%、好ましくは、0.1~30重量%の1以上の燐光材料P
(iii)0.1~20重量%、好ましくは、0.1~10重量%の1以上の小さなFWHMエミッタS、及び選択的に
(v)0~3重量%の1以上の溶媒。
【0068】
好ましい実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子において、(1層の(副)層からなるか、あるいは1以上の副層を含む)少なくとも1層の発光層Bは、全体として下記を含む(あるいは、それから構成される):
(i)30~99.8重量%の1以上のホスト材料H
(ii)0.1~20重量%の1以上の燐光材料P
(iii)0.1~10重量%の1以上の小さなFWHMエミッタS、及び選択的に
(v)0~69.8重量%の1以上の溶媒。
【0069】
好ましい実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子において、(1層の(副)層からなるか、あるいは1以上の副層を含む)少なくとも1層の発光層Bは、全体として下記を含む(あるいは、それから構成される):
(i)30~99.8重量%、好ましくは、70~99.8重量%の1以上のホスト材料H
(ii)0.1~20重量%の1以上の燐光材料P
(iii)0.1~50重量%、好ましくは、0.1~10重量%の1以上の小さなFWHMエミッタS、及び選択的に
(v)0~3重量%の1以上の溶媒。
【0070】
が選択的である好ましい実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子において、(1層の(副)層からなるか、あるいは1以上の副層を含む)少なくとも1層の発光層Bは、全体として下記を含む(あるいは、それから構成される):
(i)30~99.8重量%の1以上のホスト材料H
(ii)0.1~30重量%の1以上の燐光材料P
(iii)0.1~10重量%の1以上の小さなFWHMエミッタS、及び選択的に
(iv)0~69.8重量%の1以上のTADF材料E、及び選択的に
(v)0~69.8重量%の1以上の溶媒。
【0071】
が選択的である好ましい実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子において、(1層の(副)層からなるか、あるいは1以上の副層を含む)少なくとも1層の発光層Bは、全体として下記を含む(あるいは、それから構成される):
(i)30~99.8重量%の1以上のホスト材料H
(ii)0.1~30重量%の1以上の燐光材料P
(iii)0.1~10重量%の1以上の小さなFWHMエミッタS、及び選択的に
(iv)0~69.8重量%の1以上のTADF材料E、及び選択的に
(v)0~3重量%の1以上の溶媒。
【0072】
が選択的である好ましい実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子において、(1層の(副)層からなるか、あるいは1以上の副層を含む)少なくとも1層の発光層Bは、全体として下記を含む(あるいは、それから構成される):
(i)30~99.8重量%の1以上のホスト材料H
(ii)0.1~20重量%の1以上の燐光材料P
(iii)0.1~10重量%の1以上の小さなFWHMエミッタS、及び選択的に
(iv)0~69.8重量%の1以上のTADF材料E、及び選択的に
(v)0~69.8重量%の1以上の溶媒。
【0073】
が選択的である好ましい実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子において、(1層の(副)層からなるか、あるいは1以上の副層を含む)少なくとも1層の発光層Bは、全体として下記を含む(あるいは、それから構成される):
(i)30~99.8重量%の1以上のホスト材料H
(ii)0.1~20重量%の1以上の燐光材料P
(iii)0.1~10重量%の1以上の小さなFWHMエミッタS、及び選択的に
(iv)0~69.8重量%の1以上のTADF材料E、及び選択的に
(v)0~3重量%の1以上の溶媒。
【0074】
が選択的であるより好ましい実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子において、(1層の(副)層からなるか、あるいは1以上の副層を含む)少なくとも1層の発光層Bは、全体として下記を含む(あるいは、それから構成される):
(i)30~87.8重量%の1以上のホスト材料H
(ii)0.1~30重量%の1以上の燐光材料P
(iii)0.1~10重量%の1以上の小さなFWHMエミッタS
(iv)12~40重量%の1以上のTADF材料E、及び選択的に
(v)0~57.8重量%の1以上の溶媒。
【0075】
が選択的であるより好ましい実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子において、(1層の(副)層からなるか、あるいは1以上の副層を含む)少なくとも1層の発光層Bは、全体として下記を含む(あるいは、それから構成される):
(i)30~87.8重量%の1以上のホスト材料H
(ii)0.1~30重量%の1以上の燐光材料P
(iii)0.1~10重量%の1以上の小さなFWHMエミッタS
(iv)12~40重量%の1以上のTADF材料E、及び選択的に
(v)0~3重量%の1以上の溶媒。
【0076】
が選択的であるより好ましい実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子において、(1層の(副)層からなるか、あるいは1以上の副層を含む)少なくとも1層の発光層Bは、全体として下記を含む(あるいは、それから構成される):
(i)30~87.8重量%の1以上のホスト材料H
(ii)0.1~20重量%の1以上の燐光材料P
(iii)0.1~10重量%の1以上の小さなFWHMエミッタS
(iv)12~40重量%の1以上のTADF材料E、及び選択的に
(v)0~57.8重量%の1以上の溶媒。
【0077】
が選択的である好ましい実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子において、(1層の(副)層からなるか、あるいは1以上の副層を含む)少なくとも1層の発光層Bは、全体として下記を含む(あるいは、それから構成される):
(i)30~87.8重量%の1以上のホスト材料H
(ii)0.1~20重量%の1以上の燐光材料P
(iii)0.1~10重量%の1以上の小さなFWHMエミッタS
(iv)12~40重量%の1以上のTADF材料E、及び選択的に
(v)0~3重量%の1以上の溶媒。
【0078】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bは、5重量%以下の1以上の燐光材料Pを含む。
【0079】
本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、下記を含む少なくとも1層の発光層Bを含む:
(i)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つのホスト材料H
(ii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの燐光材料P
(iii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有し、0.25eV以下の半値幅(FWHM)を有する光を発光する少なくとも1つの小さな半値幅(FWHM)エミッタS、及び
(iv)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの熱活性化遅延蛍光(TADF)材料E
ここで、下記式(1)及び(2)で表される関係が適用され、
E(T1)>E(T1) (1)
E(T1)>E(S1) (2)
ここで、(少なくとも1つ)、好ましくは、それぞれの発光層Bは、5重量%以下の1以上の燐光材料Pを含む。
【0080】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bは、下記を含むか、あるいはそれから構成される:
(i)30~96.8重量%の1以上のホスト材料H(また、ホスト化合物Hとも称する)、
(ii)0.1~5重量%の1以上の燐光材料P
(iii)0.1~10重量%の1以上の小さなFWHMエミッタS
(iv)3~69.8重量%の1以上のTADF材料E、及び選択的に
(v)0~66.8重量%の1以上の溶媒。
【0081】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bは、下記を含むか、あるいはそれから構成される:
(i)30~96.8重量%の1以上のホスト材料H(また、ホスト化合物Hとも称する)、
(ii)0.1~5重量%の1以上の燐光材料P
(iii)0.1~10重量%の1以上の小さなFWHMエミッタS
(iv)3~69.8重量%の1以上のTADF材料E、及び選択的に
(v)0~3重量%の1以上の溶媒。
【0082】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bは、下記を含むか、あるいはそれから構成される:
(i)30~89.8重量%の1以上のホスト材料H(また、ホスト化合物Hとも称する)、
(ii)0.1~5重量%の1以上の燐光材料P
(iii)0.1~10重量%の1以上の小さなFWHMエミッタS
(iv)10~40重量%の1以上のTADF材料E、及び選択的に
(v)0~59.8重量%の1以上の溶媒。
【0083】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bは、下記を含むか、あるいはそれから構成される:
(i)30~89.8重量%の1以上のホスト材料H(また、ホスト化合物Hとも称する)、
(ii)0.1~5重量%の1以上の燐光材料P
(iii)0.1~10重量%の1以上の小さなFWHMエミッタS
(iv)10~52重量%の1以上のTADF材料E、及び選択的に
(v)0~3重量%の1以上の溶媒。
【0084】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bは、下記を含むか、あるいはそれから構成される:
(i)30~96.8重量%の1以上のホスト材料H(また、ホスト化合物Hとも称する)、
(ii)0.1~5重量%の1以上の燐光材料P
(iii)0.1~5重量%の1以上の小さなFWHMエミッタS
(iv)3~69.8重量%の1以上のTADF材料E、及び選択的に
(v)0~66.8重量%の1以上の溶媒。
【0085】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bは、下記を含むか、あるいはそれから構成される:
(i)30~96.8重量%の1以上のホスト材料H(また、ホスト化合物Hとも称する)、
(ii)0.1~5重量%の1以上の燐光材料P
(iii)0.1~5重量%の1以上の小さなFWHMエミッタS
(iv)3~69.8重量%の1以上のTADF材料E、及び選択的に
(v)0~3重量%の1以上の溶媒。
【0086】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bは、下記を含むか、あるいはそれから構成される:
(i)30~87.8重量%の1以上のホスト材料H(また、ホスト化合物Hとも称する)、
(ii)0.1~5重量%の1以上の燐光材料P
(iii)0.1~5重量%の1以上の小さなFWHMエミッタS
(iv)12~40重量%の1以上のTADF材料E、及び選択的に
(v)0~57.8重量%の1以上の溶媒。
【0087】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bは、下記を含むか、あるいはそれから構成される:
(i)30~87.8重量%の1以上のホスト材料H(また、ホスト化合物Hとも称する)、
(ii)0.1~5重量%の1以上の燐光材料P
(iii)0.1~5重量%の1以上の小さなFWHMエミッタS
(iv)12~57重量%の1以上のTADF材料E、及び選択的に
(v)0~3重量%の1以上の溶媒。
【0088】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bは、3重量%以下の燐光材料Pを含む。
【0089】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bは、1重量%以下の燐光材料Pを含む。
【0090】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bは、10~40重量%の1以上のTADF材料Eを含む。
【0091】
本発明の一実施形態において、(少なくとも1つの)小さな半値幅(FWHM)エミッタSの(少なくとも1つの)燐光材料Pに対する質量比(S:P)は、≧1である。
【0092】
本発明の一実施形態において、少なくとも1層の発光層Bにおいて、(少なくとも1つの)小さな半値幅(FWHM)エミッタSの(少なくとも1つの)燐光材料Pに対する質量比(S:P)は、≧1である。本発明の一実施形態において、それぞれの発光層Bにおいて、(少なくとも1つの)小さな半値幅(FWHM)エミッタSの(少なくとも1つの)燐光材料Pに対する質量比(S:P)は、≧1である。
【0093】
本発明の一実施形態において、(少なくとも1つの)小さな半値幅(FWHM)エミッタSの(少なくとも1つの)燐光材料Pに対する質量比(S:P)は、<1である。
【0094】
本発明の一実施形態において、少なくとも1層の発光層Bにおいて、(少なくとも1つの)小さな半値幅(FWHM)エミッタSの(少なくとも1つの)燐光材料Pに対する質量比(S:P)は、<1である。本発明の一実施形態において、それぞれの発光層Bにおいて、(少なくとも1つの)小さな半値幅(FWHM)エミッタSの(少なくとも1つの)燐光材料Pに対する質量比(S:P)は、<1である。
【0095】
本発明の一実施形態において、質量比S:Pは、1:1から30:1の範囲、1.5:1から25:1の範囲、2:1から20:1の範囲、4:1から15:1の範囲、5:1から12:1の範囲、または10:1から11:1の範囲にある。例えば、質量比S:Pは、(約)20:1、15:1、12:1、10:1、8:1、5:1、4:1、2:1、1.5:1または1:1の範囲にある。
【0096】
本発明の一実施形態において、(少なくとも1つの)小さな半値幅(FWHM)エミッタSの(少なくとも1つの)燐光材料Pに対する質量比(S:P)は、<1である。
【0097】
本発明の一実施形態において、質量比P:Sは、1:1から30:1の範囲、1.5:1から25:1の範囲、2:1から20:1の範囲、4:1から15:1の範囲、5:1から12:1の範囲、または10:1から11:1の範囲にある。例えば、質量比P:Sは、(約)20:1、15:1、12:1、10:1、8:1、5:1、4:1、2:1、1.5:1または1:1の範囲にある。
【0098】
前述のように、発光層Bの相異なる副層は、必ずしも全て同一材料、またはさらに好ましくは、同一割合の同一材料を含まないものと理解される。
【0099】
S1-T1-エネルギー関係
本発明の一実施形態において、下記式(1)及び(2)で表される関係が適用される:
E(T1)>E(T1) (1)
E(T1)>E(S1) (2)
したがって、それぞれのホスト材料Hの最低励起三重項状態T1は、それぞれの燐光材料Pの最低励起三重項状態T1よりエネルギーが高く、それぞれの燐光材料Pの最低励起三重項状態T1は、それぞれの小さなFWHMエミッタSの最低励起一重項状態S1よりエネルギーが高い。
【0100】
一実施形態において、式(1)及び(2)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の同じ発光層Bに含まれた材料に適用される。
【0101】
少なくとも1層の発光層Bを含む有機エレクトロルミネッセンス素子は、下記を含み、
(i)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つのホスト材料H
(ii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの燐光材料P
(iii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有し、0.25eV以下の半値幅(FWHM)を有する光を発光する少なくとも1つの小さな半値幅(FWHM)エミッタS、及び
(iv)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの熱活性化遅延蛍光(TADF)材料E
ここで、下記式(1)及び(2)で表される関係が適用される:
E(T1)>E(T1) (1)
E(T1)>E(S1) (2)。
【0102】
一実施形態において、式(1)及び(2)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも1層の発光層Bのうちいずれか1つに含まれた材料に適用される。
【0103】
本発明の好ましい実施形態において、下記式(3)及び(4)で表される関係が適用される:
E(T1)>E(T1) (3)
E(T1)>E(T1) (4)
したがって、それぞれのホスト材料Hの最低励起三重項状態T1は、それぞれのTADF材料Eの最低励起三重項状態T1よりエネルギーが高く、それぞれのTADF材料Eの最低励起三重項状態T1は、それぞれの燐光材料Pの最低励起三重項状態T1よりエネルギーが高い。
【0104】
一実施形態において、式(3)及び(4)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも1層の発光層Bのうちいずれか1つに含まれた材料に適用される。一実施形態において、式(3)及び(4)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の同じ発光層Bに含まれた材料に適用される。
【0105】
本発明の代案的な実施形態において、下記式(5)及び(6)で表される関係が適用される:
E(T1)>E(T1) (5)
E(S1)>E(S1) (6)
したがって、それぞれの燐光材料Pの最低励起三重項状態T1は、それぞれのTADF材料Eの最低励起三重項状態T1よりエネルギーが高く、それぞれのTADF材料Eの最低励起三重項状態S1は、それぞれの小さなFWHMエミッタSの最低励起一重項状態S1よりエネルギーが高い。
【0106】
一実施形態において、式(5)及び(6)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも1層の発光層Bのうちいずれか1つに含まれた材料に適用される。一実施形態において、式(5)及び(6)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の同じ発光層Bに含まれた材料に適用される。
【0107】
本発明の好ましい実施形態において、下記式(1)から(4)で表される関係が適用される:
E(T1)>E(T1) (1)
E(T1)>E(S1) (2)
E(T1)>E(S1) (3)
E(T1)>E(T1) (4)。
【0108】
一実施形態において、式(1)から(4)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも1層の発光層Bのうちいずれか1つに含まれた材料に適用される。一実施形態において、式(1)から(4)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の同じ発光層Bに含まれた材料に適用される。
【0109】
本発明の一実施形態において、それぞれの燐光材料Pの最低励起三重項状態T1と、それぞれのTADF材料Eの最低励起三重項状態T1との(エネルギー)差は、0.3eVより小さい:それぞれ、E(T1)-E(T1)<0.3eV及びE(T1)-E(T1)<0.3eV。
【0110】
本発明の一実施形態において、1以上の発光層Bのうち少なくとも1層において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最低励起三重項状態T1と、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのTADF材料Eの最低励起三重項状態T1とのエネルギー差は、0.3eVより小さい:それぞれ、E(T1)-E(T1)<0.3eV及びE(T1)-E(T1)<0.3eV。
【0111】
本発明の一実施形態において、1以上の発光層Bのそれぞれにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最低励起三重項状態T1と、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのTADF材料Eの最低励起三重項状態T1とのエネルギー差は、0.3eVより小さい:それぞれ、E(T1)-E(T1)<0.3eV及びE(T1)-E(T1)<0.3eV。
【0112】
本発明の一実施形態において、下記式(4)で表される関係が適用される:
E(T1)>E(T1) (4)。
【0113】
一実施形態において、式(4)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも1層の発光層Bのうちいずれか1つに含まれた材料に適用される。一実施形態において、式(4)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の同じ発光層Bに含まれた材料に適用される。
【0114】
本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのTADF材料Eの最低励起三重項状態T1と、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最低励起三重項状態T1とのエネルギー差は、0.2eVより小さい:E(T1)-E(T1)<0.2eV。
【0115】
本発明の好ましい実施形態において、1以上の発光層Bのうち少なくとも1層において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのTADF材料Eの最低励起三重項状態T1と、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最低励起三重項状態T1とのエネルギー差は、0.2eVより小さい:E(T1)-E(T1)<0.2eV。
【0116】
本発明の好ましい実施形態において、1以上の発光層Bのそれぞれにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのTADF材料Eの最低励起三重項状態T1と、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最低励起三重項状態T1とのエネルギー差は、0.2eVより小さい:E(T1)-E(T1)<0.2eV。
【0117】
本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最低励起三重項状態T1と、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最低励起三重項状態S1(エネルギーレベルE(S1))とのエネルギー差は、0.3eVより小さい:E(T1)-E(S1)<0.3eV。
【0118】
本発明の好ましい実施形態において、1以上の発光層Bのうち少なくとも1層において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最低励起三重項状態T1と、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最低励起一重項状態S1とのエネルギー差は、0.3eVより小さい:E(T1)-E(S1)<0.3eV。
【0119】
本発明の好ましい実施形態において、1以上の発光層Bのそれぞれにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最低励起三重項状態T1と、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最低励起一重項状態S1とのエネルギー差は、0.3eVより小さい:E(T1)-E(S1)<0.3eV。
【0120】
本発明の好ましい実施形態において、それぞれの燐光材料Pの最低励起三重項状態T1と、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最低励起一重項状態S1(エネルギーレベルE(S1))とのエネルギー差は、0.2eVより小さい:E(T1)-E(S1)<0.2eV。
【0121】
本発明の好ましい実施形態において、1以上の発光層Bのうち少なくとも1層において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最低励起三重項状態T1と、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最低励起一重項状態S1とのエネルギー差は、0.2eVより小さい:E(T1)-E(S1)<0.2eV。
【0122】
本発明の好ましい実施形態において、1以上の発光層Bのそれぞれにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最低励起三重項状態T1と、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最低励起一重項状態S1とのエネルギー差は、0.2eVより小さい:E(T1)-E(S1)<0.2eV。
【0123】
HOMO-LUMOエネルギー
本発明の好ましい実施形態において、下記要件が満たされる:
(i)それぞれのホスト材料Hは、エネルギーEHOMO(H)を有する最高被占軌道HOMO(H)を有し、
(ii)それぞれの燐光材料Pは、エネルギーEHOMO(P)を有する最高被占軌道HOMO(P)を有し、
(iii)それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSは、エネルギーEHOMO(S)を有する最高被占軌道HOMO(S)を有し、
ここで、下記式(10)及び(11)で表される関係が適用される:
HOMO(P)>EHOMO(H) (10)
HOMO(P)>EHOMO(S) (11)。
【0124】
一実施形態において、式(10)及び(11)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも1層の発光層Bのうちいずれか1つに含まれた材料に適用される。一実施形態において、式(10)及び(11)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の同じ発光層Bに含まれた材料に適用される。
【0125】
本発明の一実施形態において、エネルギーEHOMO(S)を有するそれぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最高被占軌道HOMO(S)は、エネルギーEHOMO(H)を有するそれぞれのホスト材料Hの最高被占軌道HOMO(H)よりエネルギーがさらに高い:
HOMO(S)>EHOMO(H)。
【0126】
本発明の一実施形態において、1以上の発光層Bのうち少なくとも1層において、エネルギーEHOMO(S)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最高被占軌道HOMO(S)は、エネルギーEHOMO(H)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのホスト材料Hの最高被占軌道HOMO(H)よりエネルギーがさらに高い:
HOMO(S)>EHOMO(H)。
【0127】
本発明の一実施形態において、少なくとも1層の発光層Bのそれぞれにおいて、エネルギーEHOMO(S)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最高被占軌道HOMO(S)は、エネルギーEHOMO(H)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのホスト材料Hの最高被占軌道HOMO(H)よりエネルギーがさらに高い:
HOMO(S)>EHOMO(H)。
【0128】
本発明の一実施形態において、エネルギーEHOMO(S)を有するそれぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最高被占軌道HOMO(S)は、エネルギーEHOMO(E)を有するそれぞれのTADF材料Eの最高被占軌道HOMO(E)よりエネルギーがさらに高い:
HOMO(S)>EHOMO(E)。
【0129】
本発明の一実施形態において、1以上の発光層Bのうち少なくとも1層において、エネルギーEHOMO(S)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最高被占軌道HOMO(S)は、エネルギーEHOMO(E)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのTADF材料Eの最高被占軌道HOMO(E)よりエネルギーがさらに高い:
HOMO(S)>EHOMO(E)。
【0130】
本発明の一実施形態において、少なくとも1層の発光層Bのそれぞれにおいて、エネルギーEHOMO(S)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最高被占軌道HOMO(S)は、エネルギーEHOMO(E)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのTADF材料Eの最高被占軌道HOMO(E)よりエネルギーがさらに高い:
HOMO(S)>EHOMO(E)。
【0131】
本発明の一実施形態において、エネルギーEHOMO(P)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最高被占軌道HOMO(P)は、エネルギーEHOMO(E)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのTADF材料Eの最高被占軌道HOMO(E)よりエネルギーがさらに高い:
HOMO(P)>EHOMO(E)。
【0132】
本発明の一実施形態において、1以上の発光層Bのうち少なくとも1層において、エネルギーEHOMO(P)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最高被占軌道HOMO(P)は、エネルギーEHOMO(E)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのTADF材料Eの最高被占軌道HOMO(E)よりエネルギーがさらに高い:
HOMO(P)>EHOMO(E)。
【0133】
本発明の一実施形態において、少なくとも1層の発光層Bのそれぞれにおいて、エネルギーEHOMO(P)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最高被占軌道HOMO(P)は、エネルギーEHOMO(E)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのTADF材料Eの最高被占軌道HOMO(E)よりエネルギーがさらに高い:
HOMO(P)>EHOMO(E)。
【0134】
本発明の一実施形態において、エネルギーEHOMO(P)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最高被占軌道HOMO(P)は、エネルギーEHOMO(H)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのホスト材料Hの最高被占軌道HOMO(H)よりエネルギーがさらに高い:
HOMO(P)>EHOMO(H)。
【0135】
本発明の一実施形態において、1以上の発光層Bのうち少なくとも1層において、エネルギーEHOMO(P)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最高被占軌道HOMO(P)は、エネルギーEHOMO(H)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのホスト材料Hの最高被占軌道HOMO(H)よりエネルギーがさらに高い:
HOMO(P)>EHOMO(H)。
【0136】
本発明の一実施形態において、少なくとも1層の発光層Bのそれぞれにおいて、エネルギーEHOMO(P)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最高被占軌道HOMO(P)は、エネルギーEHOMO(H)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのホスト材料Hの最高被占軌道HOMO(H)よりエネルギーがさらに高い:
HOMO(P)>EHOMO(H)。
【0137】
本発明の一実施形態において、エネルギーEHOMO(P)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最高被占軌道HOMO(P)は、エネルギーEHOMO(S)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最高被占軌道HOMO(S)よりエネルギーがさらに高い:
HOMO(P)>EHOMO(S)。
【0138】
本発明の一実施形態において、1以上の発光層Bのうち少なくとも1層において、エネルギーEHOMO(P)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最高被占軌道HOMO(P)は、エネルギーEHOMO(S)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最高被占軌道HOMO(S)よりエネルギーがさらに高い:
HOMO(P)>EHOMO(S)。
【0139】
本発明の一実施形態において、少なくとも1層の発光層Bのそれぞれにおいて、エネルギーEHOMO(P)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最高被占軌道HOMO(P)は、エネルギーEHOMO(S)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最高被占軌道HOMO(S)よりエネルギーがさらに高い:
HOMO(P)>EHOMO(S)。
【0140】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのエネルギーEHOMO(P)を有する燐光材料Pの最高被占軌道HOMO(P)と、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのエネルギーEHOMO(S)を有する小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最高被占軌道HOMO(S)との(エネルギー)差は、0.3eVより小さい:
HOMO(P)-EHOMO(S)<0.3eV。
【0141】
本発明の一実施形態において、1以上の発光層Bのうち少なくとも1層において、エネルギーEHOMO(P)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最高被占軌道HOMO(P)と、エネルギーEHOMO(S)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最高被占軌道HOMO(S)とのエネルギー差は、0.3eVより小さい:
HOMO(P)-EHOMO(S)<0.3eV。
【0142】
本発明の一実施形態において、1以上の発光層Bのそれぞれにおいて、エネルギーEHOMO(P)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最高被占軌道HOMO(P)と、エネルギーEHOMO(S)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最高被占軌道HOMO(S)とのエネルギー差は、0.3eVより小さい:
HOMO(P)-EHOMO(S)<0.3eV。
【0143】
本発明の一実施形態において、エネルギーEHOMO(P)を有するそれぞれの燐光材料Pの最高被占軌道HOMO(P)と、エネルギーEHOMO(S)を有するそれぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最高被占軌道HOMO(S)との(エネルギー)差は、0.2eVより小さい:
HOMO(P)-EHOMO(S)<0.2eV。
【0144】
本発明の一実施形態において、1以上の発光層Bのうち少なくとも1層において、エネルギーEHOMO(P)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最高被占軌道HOMO(P)と、エネルギーEHOMO(S)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最高被占軌道HOMO(S)とのエネルギー差は、0.2eVより小さい:
HOMO(P)-EHOMO(S)<0.2eV。
【0145】
本発明の一実施形態において、1以上の発光層Bのそれぞれにおいて、エネルギーEHOMO(P)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最高被占軌道HOMO(P)と、エネルギーEHOMO(S)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最高被占軌道HOMO(S)とのエネルギー差は、0.2eVより小さい:
HOMO(P)-EHOMO(S)<0.2eV。
【0146】
本発明の好ましい実施形態において、エネルギーEHOMO(P)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最高被占軌道HOMO(P)と、エネルギーEHOMO(S)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最高被占軌道HOMO(S)との(エネルギー)差は、0.0eVより大きく、かつ0.3eVより小さい:
0.0eV<EHOMO(P)-EHOMO(S)<0.3eV。
【0147】
本発明の好ましい実施形態において、1以上の発光層Bのうち少なくとも1層において、エネルギーEHOMO(P)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最高被占軌道HOMO(P)と、エネルギーEHOMO(S)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最高被占軌道HOMO(S)とのエネルギー差は、0.0eVより大きく、かつ0.3eVより小さい:
0.0eV<EHOMO(P)-EHOMO(S)<0.3eV。
【0148】
本発明の好ましい実施形態において、1以上の発光層Bのそれぞれにおいて、エネルギーEHOMO(P)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最高被占軌道HOMO(P)と、エネルギーEHOMO(S)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最高被占軌道HOMO(S)とのエネルギー差は、0.0eVより大きく、かつ0.3eVより小さい:
0.0eV<EHOMO(P)-EHOMO(S)<0.3eV。
【0149】
本発明の好ましい実施形態において、エネルギーEHOMO(P)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最高被占軌道HOMO(P)と、エネルギーEHOMO(S)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最高被占軌道HOMO(S)との(エネルギー)差は、0.1eV以上、かつ0.8eV以下である:
0.1eV≦EHOMO(P)-EHOMO(S)≦0.8eV。
【0150】
本発明の好ましい実施形態において、1以上の発光層Bのうち少なくとも1層において、エネルギーEHOMO(P)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最高被占軌道HOMO(P)と、エネルギーEHOMO(S)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最高被占軌道HOMO(S)とのエネルギー差は、0.1eV以上、かつ0.8eV以下である:
0.1eV≦EHOMO(P)-EHOMO(S)≦0.8eV。
【0151】
本発明の好ましい実施形態において、1以上の発光層Bのそれぞれにおいて、エネルギーEHOMO(P)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pの最高被占軌道HOMO(P)と、エネルギーEHOMO(S)を有する少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最高被占軌道HOMO(S)とのエネルギー差は、0.1eV以上、かつ0.8eV以下である:
0.1eV≦EHOMO(P)-EHOMO(S)≦0.8eV。
【0152】
本発明の好ましい実施形態において、下記要件が満たされる:
(i)それぞれのホスト材料Hは、エネルギーELUMO(H)を有する最低空軌道LUMO(H)を有し、
(ii)それぞれの燐光材料Pは、エネルギーELUMO(P)を有する最低空軌道LUMO(P)を有し、
(iii)それぞれの小さな半値幅(FWHM)エミッタSは、エネルギーELUMO(S)を有する最低空軌道LUMO(S)を有し、
(iv)それぞれの熱活性化遅延蛍光(TADF)材料Eは、エネルギーELUMO(E)を有する最低空軌道LUMO(E)を有し、
ここで、下記式(12)及び(13)で表される関係が適用される:
LUMO(E)<ELUMO(H) (12)
LUMO(E)<ELUMO(P) (13)。
【0153】
一実施形態において、式(12)及び(13)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも1層の発光層Bのうちいずれか1つに含まれた材料に適用される。一実施形態において、式(12)及び(13)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の同じ発光層Bに含まれた材料に適用される。
【0154】
本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、発光層Bの1以上の副層は、下記を含む:
(i)エネルギーELUMO(H)を有する最低空軌道LUMO(H)を有するホスト材料H
(ii)エネルギーELUMO(P)を有する最低空軌道LUMO(P)を有する燐光材料P
(iii)エネルギーELUMO(S)を有する最低空軌道LUMO(S)を有する小さな半値幅(FWHM)エミッタS、及び
(iv)エネルギーELUMO(E)を有する最低空軌道LUMO(E)を有する熱活性化遅延蛍光(TADF)材料E
ここで、下記式(12)から(14)で表される関係が適用される:
LUMO(E)<ELUMO(H) (12)
LUMO(E)<ELUMO(P) (13)
LUMO(E)<ELUMO(S) (14)。
【0155】
一実施形態において、式(12)から(14)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも1層の発光層Bのうちいずれか1つに含まれた材料に適用される。一実施形態において、式(12)から(14)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の同じ発光層Bに含まれた材料に適用される。
【0156】
本発明の一実施形態において、下記式(10)から(13)で表される関係が適用される:
HOMO(P)>EHOMO(H) (10)
HOMO(P)>EHOMO(S) (11)
LUMO(E)<ELUMO(H) (12)
LUMO(E)<ELUMO(P) (13)。
【0157】
一実施形態において、式(10)から(13)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも1層の発光層Bのうちいずれか1つに含まれた材料に適用される。一実施形態において、式(10)から(13)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の同じ発光層Bに含まれた材料に適用される。
【0158】
本発明の一実施形態において、下記式(10)から(14)で表される関係が適用される:
HOMO(P)>EHOMO(H) (10)
HOMO(P)>EHOMO(S) (11)
LUMO(E)<ELUMO(H) (12)
LUMO(E)<ELUMO(P) (13)
LUMO(E)<ELUMO(S) (14)。
【0159】
一実施形態において、式(10)から(14)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも1層の発光層Bのうちいずれか1つに含まれた材料に適用される。一実施形態において、式(10)から(14)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の同じ発光層Bに含まれた材料に適用される。
【0160】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(S)を有する小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最低空軌道LUMO(S)は、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(E)を有するTADF材料Eの最低空軌道LUMO(E)よりエネルギーがさらに高い:
LUMO(S)>ELUMO(E)。
【0161】
本発明の一実施形態において、1以上の発光層Bのうち少なくとも1層において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(S)を有する小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最低空軌道LUMO(S)は、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(E)を有するTADF材料Eの最低空軌道LUMO(E)よりエネルギーがさらに高い:
LUMO(S)>ELUMO(E)。
【0162】
本発明の一実施形態において、少なくとも1層の発光層Bのそれぞれにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(S)を有する小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最低空軌道LUMO(S)は、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(E)を有するTADF材料Eの最低空軌道LUMO(E)よりエネルギーがさらに高い:
LUMO(S)>ELUMO(E)。
【0163】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(S)を有する小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最低空軌道LUMO(S)と、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(E)を有するTADF材料Eの最低空軌道LUMO(E)とのエネルギー差は、0.3eVより小さい:
LUMO(S)-ELUMO(E)<0.3eV。
【0164】
本発明の一実施形態において、1以上の発光層Bのうち少なくとも1層において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(S)を有する小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最低空軌道LUMO(S)と、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(E)を有するTADF材料Eの最低空軌道LUMO(E)とのエネルギー差は、0.3eVより小さい:
LUMO(S)-ELUMO(E)<0.3eV。
【0165】
本発明の一実施形態において、少なくとも1層の発光層Bのそれぞれにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(S)を有する小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最低空軌道LUMO(S)と、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(E)を有するTADF材料Eの最低空軌道LUMO(E)とのエネルギー差は、0.3eVより小さい:
LUMO(S)-ELUMO(E)<0.3eV。
【0166】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(S)を有する小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最低空軌道LUMO(S)と、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(E)を有するTADF材料Eの最低空軌道LUMO(E)との(エネルギー)差は、0.2eVより小さい:
LUMO(S)-ELUMO(E)<0.2eV。
【0167】
本発明の一実施形態において、1以上の発光層Bのうち少なくとも1層において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(S)を有する小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最低空軌道LUMO(S)と、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(E)を有するTADF材料Eの最低空軌道LUMO(E)とのエネルギー差は、0.2eVより小さい:
LUMO(S)-ELUMO(E)<0.2eV。
【0168】
本発明の一実施形態において、少なくとも1層の発光層Bのそれぞれにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(S)を有する小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最低空軌道LUMO(S)と、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(E)を有するTADF材料Eの最低空軌道LUMO(E)とのエネルギー差は、0.2eVより小さい:
LUMO(S)-ELUMO(E)<0.2eV。
【0169】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(S)を有する小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最低空軌道LUMO(S)と、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(E)を有するTADF材料Eの最低空軌道LUMO(E)とのエネルギー差は、0.0eVより大きく、かつ0.3eVより小さい:
0.0eV<ELUMO(S)-ELUMO(E)<0.3eV。
【0170】
本発明の一実施形態において、1以上の発光層Bのうち少なくとも1層において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(S)を有する小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最低空軌道LUMO(S)と、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(E)を有するTADF材料Eの最低空軌道LUMO(E)とのエネルギー差は、0.0eVより大きく、かつ0.3eVより小さい:
0.0eV<ELUMO(S)-ELUMO(E)<0.3eV。
【0171】
本発明の一実施形態において、少なくとも1層の発光層Bのそれぞれにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(S)を有する小さな半値幅(FWHM)エミッタSの最低空軌道LUMO(S)と、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(E)を有するTADF材料Eの最低空軌道LUMO(E)とのエネルギー差は、0.0eVより大きく、かつ0.3eVより小さい:
0.0eV<ELUMO(S)-ELUMO(E)<0.3eV。
【0172】
本発明の一実施形態において、それぞれのエネルギーELUMO(P)を有する燐光材料Pの最低空軌道LUMO(P)は、それぞれのエネルギーELUMO(E)を有するTADF材料Eの最低空軌道LUMO(E)よりエネルギーがさらに高い:
LUMO(P)>ELUMO(E)。
【0173】
本発明の一実施形態において、1以上の発光層Bのうち少なくとも1層において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(P)を有する燐光材料Pの最低空軌道LUMO(P)は、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(E)を有するTADF材料Eの最低空軌道LUMO(E)よりエネルギーがさらに高い:
LUMO(P)>ELUMO(E)。
【0174】
本発明の一実施形態において、少なくとも1層の発光層Bのそれぞれにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(P)を有する燐光材料Pの最低空軌道LUMO(P)は、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(E)を有するTADF材料Eの最低空軌道LUMO(E)よりエネルギーがさらに高い:
LUMO(P)>ELUMO(E)。
【0175】
本発明の一実施形態において、それぞれのエネルギーELUMO(H)を有するホスト材料Hの最低空軌道LUMO(H)は、それぞれのエネルギーELUMO(E)を有するTADF材料Eの最低空軌道LUMO(E)よりエネルギーがさらに高い:
LUMO(H)>ELUMO(E)。
【0176】
本発明の一実施形態において、1以上の発光層Bのうち少なくとも1層において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(H)を有するホスト材料Hの最低空軌道LUMO(H)は、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(E)を有するTADF材料Eの最低空軌道LUMO(E)よりエネルギーがさらに高い:
LUMO(H)>ELUMO(E)。
【0177】
本発明の一実施形態において、少なくとも1層の発光層Bのそれぞれにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(H)を有するホスト材料Hの最低空軌道LUMO(H)は、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、エネルギーELUMO(E)を有するTADF材料Eの最低空軌道LUMO(E)よりエネルギーがさらに高い:
LUMO(H)>ELUMO(E)。
【0178】
発光最大(emission maxima)の関係
本発明の一実施形態において、式(16)及び(17)で表される関係が適用される:
|Eλmax(P)-Eλmax(S)|<0.30eV (16)
|Eλmax(E)-Eλmax(S)|<0.30eV (17)。
【0179】
これは、以下を意味する:電子ボルト(eV)で与えられた本発明の文脈における燐光材料Pの発光最大のエネルギーEλmax(P)と、電子ボルト(eV)で与えられた本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSの発光最大のエネルギーEλmax(S)とのエネルギー差が0.30eV未満である。そして、電子ボルト(eV)で与えられた本発明の文脈におけるTADF材料Eの発光最大のエネルギーEλmax(E)と、電子ボルト(eV)で与えられた本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSの発光最大のエネルギーEλmax(S)とのエネルギー差が0.30eV未満である。
【0180】
一実施形態において、式(16)及び(17)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも1層の発光層Bのうちいずれか1つに含まれた材料に適用される。一実施形態において、式(16)及び(17)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の同じ発光層Bに含まれた材料に適用される。
【0181】
有機エレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、前記1以上の副層は、互いに隣接し、全体的に下記を含む:
(i)少なくとも1つのホスト材料H
(ii)エネルギーEλmax(P)を有する発光最大λmax(P)を有する少なくとも1つの燐光材料P
(iii)エネルギーEλmax(S)を有する発光最大λmax(S)を有し、0.25eV以下の半値幅(FWHM)を有する光を発光する少なくとも1つの小さな半値幅(FWHM)エミッタS、及び
(iv)エネルギーEλmax(E)を有する発光最大λmax(E)を有する少なくとも1つの熱活性化遅延蛍光(TADF)材料E
前記発光層Bの外側表面に位置する1以上の副層は、燐光材料P、小さなFWHMエミッタS及びTADF材料Eからなる群から選択された少なくとも1つの(エミッタ)材料を含み、下記式(16)及び(17)で表される関係が適用される:
|Eλmax(P)-Eλmax(S)|<0.30eV (16)
|Eλmax(E)-Eλmax(S)|<0.30eV (17)。
【0182】
本発明の好ましい実施形態において、式(18)及び(19)で表される関係が適用される:
|Eλmax(P)-Eλmax(S)|<0.20eV (18)
|Eλmax(E)-Eλmax(S)|<0.20eV (19)。
【0183】
これは、以下を意味する:電子ボルト(eV)で与えられた本発明の文脈における燐光材料Pの発光最大のエネルギーEλmax(P)と、電子ボルト(eV)で与えられた本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSの発光最大のエネルギーEλmax(S)とのエネルギー差が0.20eV未満である。そして、電子ボルト(eV)で与えられた本発明の文脈におけるTADF材料Eの発光最大のエネルギーEλmax(E)と、電子ボルト(eV)で与えられた本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSの発光最大のエネルギーEλmax(S)とのエネルギー差が0.20eV未満である。
【0184】
一実施形態において、式(18)及び(19)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも1層の発光層Bのうちいずれか1つに含まれた材料に適用される。一実施形態において、式(18)及び(19)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の同じ発光層Bに含まれた材料に適用される。
【0185】
本発明の一実施形態は、有機エレクトロルミネッセンス素子に係わるものであり、これは、
(ii)少なくとも1つの燐光材料Pは、エネルギーEλmax(P)を有する発光最大λmax(P)を有し、
(iii)少なくとも1つの小さな半値幅(FWHM)エミッタSは、エネルギーEλmax(S)を有する発光最大λmax(S)を有し、ここで、Sは、0.25eV以下の半値幅(FWHM)を有する光を発光し、
(iv)少なくとも1つの熱活性化遅延蛍光(TADF)材料Eは、エネルギーEλmax(E)を有する発光最大λmax(E)を有し、
ここで、式(18)及び(19)が適用される:
|Eλmax(P)-Eλmax(S)|<0.20eV (18)
|Eλmax(E)-Eλmax(S)|<0.20eV (19)。
【0186】
本発明のより好ましい実施形態において、式(20)及び(21)で表される関係が適用される:
|Eλmax(P)-Eλmax(S)|<0.1eV (20)
|Eλmax(E)-Eλmax(S)|<0.10eV (21)。
【0187】
これは、以下を意味する:電子ボルト(eV)で与えられた本発明の文脈における燐光材料Pの発光最大のエネルギーEλmax(P)と、電子ボルト(eV)で与えられた本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSの発光最大のエネルギーEλmax(S)とのエネルギー差が0.10eV未満である。そして、電子ボルト(eV)で与えられた本発明の文脈におけるTADF材料Eの発光最大のエネルギーEλmax(E)と、電子ボルト(eV)で与えられた本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSの発光最大のエネルギーEλmax(S)とのエネルギー差が0.10eV未満である。
【0188】
一実施形態において、式(20)及び(21)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも1層の発光層Bのうちいずれか1つに含まれた材料に適用される。一実施形態において、式(20)及び(21)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の同じ発光層Bに含まれた材料に適用される。
【0189】
本発明の一実施形態において、式(22)で表される関係が適用される:
λmax(P)>Eλmax(S) (22)。
【0190】
これは、電子ボルト(eV)で与えられた本発明の文脈における燐光材料Pの発光最大のエネルギーEλmax(P)が、電子ボルト(eV)で与えられた本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSの発光最大のエネルギーEλmax(S)より高いということを意味する。
【0191】
一実施形態において、式(22)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも1層の発光層Bのうちいずれか1つに含まれた材料に適用される。一実施形態において、式(22)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の同じ発光層Bに含まれた材料に適用される。
【0192】
本発明の一実施形態において、式(22-a)で表される関係が適用される:
λmax(E)>Eλmax(S) (22-a)。
【0193】
これは、電子ボルト(eV)で与えられた本発明の文脈におけるTADF材料Eの発光最大のエネルギーEλmax(E)が、電子ボルト(eV)で与えられた本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSの発光最大のエネルギーEλmax(S)より高いということを意味する。
【0194】
一実施形態において、式(22-a)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも1層の発光層Bのうちいずれか1つに含まれた材料に適用される。一実施形態において、式(22-a)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の同じ発光層Bに含まれた材料に適用される。
【0195】
素子色相及び性能
本発明の更なる実施形態は、明確な色点で発光するエレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)に係わるものである。本発明によれば、エレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)は、狭い発光バンド(小さい半値幅(FWHM))で発光する。好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)は、0.25eV未満、好ましくは、0.20eV未満、より好ましくは、0.15eV未満、またはさらに好ましくは、0.13eV未満の主発光ピークのFWHMで発光する。
【0196】
本発明の更なる実施形態は、1000cd/m(nit)において、10%超過、好ましくは、13%超過、より好ましくは、15%超過、より一層好ましくは、18%超過、またはさらに好ましくは、20%超過の外部量子効率を示し、500nmから560nmにおいて発光最大を示すエレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)に係わるものである。
【0197】
本発明の更なる実施形態は、1000cd/mにおいて、10%超過、好ましくは、13%超過、より好ましくは、15%超過、より一層好ましくは、18%超過、またはさらに好ましくは、20%超過の外部量子効率を示し、510nmから550nmにおいて発光最大を示すエレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)に係わるものである。
【0198】
本発明の更なる実施形態は、1000cd/mにおいて、10%超過、好ましくは、13%超過、より好ましくは、15%超過、より一層好ましくは、18%超過、またはさらに好ましくは、20%超過の外部量子効率を示し、515nmから540nmにおいて発光最大を示すエレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)に係わるものである。
【0199】
好ましい実施形態において、エレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)は、定電流密度J=15mA/cmにおいて、100時間超過、好ましくは、200時間超過、より好ましくは、300時間超過、より一層好ましくは、400時間超過、さらに好ましくは、750時間超過、またはさらに好ましくは、1000時間超過のLT95値を示す。
【0200】
本発明の更なる実施形態は、明確な色点で発光するエレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)に係わるものである。本発明によれば、エレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)は、狭い発光バンド(小さい半値幅(FWHM))を有する光を発光する。好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)は、0.25eV未満、好ましくは、0.20eV未満、より好ましくは、0.15eV未満、またはさらに好ましくは、0.13eV未満の主発光ピークのFWHMを有する光を発光する。
【0201】
本発明の更なる実施形態は、ITU-R Recommendation BT.2020(Rec.2020)によって定義されているような原色緑色(CIEx=0.170及びCIEy=0.797)のCIEx(=0.170)及びCIEy(=0.797)の色座標に近いCIEx及びCIEyの色座標を有する光を発光するエレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)に係わるものであり、これは、UHD(Ultra High Definition)ディスプレイ、例えば、UHD-TVに使用するのに適している。本段落において「近い」という用語は、本段落の末尾に提供されたCIEx及びCIEy座標の範囲を示す。商業的応用において、典型的にトップエミッション素子(上部電極が透明である)が使用される一方、本発明の全般にわたって使用されるテスト素子は、ボトムエミッション素子(下部電極及び基板が透明である)を示す。したがって、本発明の更なる態様は、発光が、0.15から0.45、好ましくは、0.15から0.35、より好ましくは、0.15から0.30、より一層好ましくは、0.15から0.25、またはさらに好ましくは、0.15から0.20のCIEx色座標、及び/または、0.60から0.92、好ましくは、0.65から0.90、より好ましくは、0.70から0.88、より一層好ましくは、0.75から0.86、またはさらに好ましくは、0.79から0.84のCIEy色座標を示すエレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)に係わるものである。
【0202】
本発明の更なる実施形態は、DCIP3に定義されているような原色緑色(CIEx=0.265及びCIEy=0.65)のCIEx(=0.265)及びCIEy(=0.65)の色座標に近いCIEx及びCIEyの色座標を有する光を発光するOLEDに係わるものである。本段落において「近い」という用語は、本段落の末尾に提供されたCIEx及びCIEy座標の範囲を示す。商業的応用において、典型的にトップエミッション素子(上部電極が透明である)が使用される一方、本発明の全般にわたって使用されるテスト素子は、ボトムエミッション素子(下部電極及び基板が透明である)を示す。本発明の更なる態様は、下部発光が、0.2から0.45、好ましくは、0.2から0.35、より好ましくは、0.2から0.30、より一層好ましくは、0.24から0.28、またはさらに好ましくは、0.25から0.27のCIEx色座標、及び/または、0.60から0.9、好ましくは、0.6から0.8、より好ましくは、0.60から0.70、より一層好ましくは、0.62から0.68、またはさらに好ましくは、0.64から0.66のCIEy色座標を示すOLEDに係わるものである。
【0203】
本発明の更なる実施形態は、1000cd/mにおいて、10%超過、好ましくは、13%超過、より好ましくは、15%超過、より一層好ましくは、18%超過、またはさらに好ましくは、20%超過の外部量子効率を示し、420nmから500nmにおいて発光最大を示すエレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)に係わるものである。
【0204】
本発明の更なる実施形態は、1000cd/mにおいて、10%超過、好ましくは、13%超過、より好ましくは、15%超過、より一層好ましくは、18%超過、またはさらに好ましくは、20%超過の外部量子効率を示し、440nmから480nmにおいて発光最大を示すエレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)に係わるものである。
【0205】
本発明の更なる実施形態は、1000cd/mにおいて、10%超過、好ましくは、13%超過、より好ましくは、15%超過、より一層好ましくは、18%超過、またはさらに好ましくは、20%超過の外部量子効率を示し、450nmから470nmにおいて発光最大を示すエレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)に係わるものである。
【0206】
本発明の更なる実施形態は、1000cd/mにおいて、10%超過、好ましくは、13%超過、より好ましくは、15%超過、より一層好ましくは、18%超過、またはさらに好ましくは、20%超過の外部量子効率を示し、420nmから500nm、好ましくは、430nmから490nm、より好ましくは、440nmから480nm、より一層好ましくは、450nmから470nmの発光最大を示し、及び/または、500cd/mにおいて、100h超過、好ましくは、200h超過、より好ましくは、400h超過、より一層好ましくは、750h超過、またはさらに好ましくは、1000h超過のLT80値を示すエレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)に係わるものである。
【0207】
本発明の更なる実施形態は、明確な色点で発光するエレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)に係わるものである。本発明によれば、エレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)は、狭い発光バンド(小さい半値幅(FWHM))を有する光を発光する。好ましい実施形態において、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)は、0.25eV未満、好ましくは、0.20eV未満、より好ましくは、0.15eV未満、またはさらに好ましくは、0.13eV未満の主発光ピークのFWHMを有する光を発光する。
【0208】
本発明の更なる実施形態は、ITU-R Recommendation BT.2020(Rec.2020)によって定義されているような原色青色(CIEx=0.131及びCIEy=0.046)のCIEx(=0.131)及びCIEy(=0.046)の色座標に近いCIEx及びCIEyの色座標を有する光を発光するエレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)に係わるものであり、これは、UHDディスプレイ、例えば、UHD-TVに使用するのに適している。本段落において「近い」という用語は、本段落の末尾に提供されたCIEx及びCIEy座標の範囲を示す。商業的応用において、典型的にトップエミッション素子(上部電極が透明である)が使用される一方、本発明の全般にわたって使用されるテスト素子は、ボトムエミッション素子(下部電極及び基板が透明である)を示す。青色素子のCIEy色座標は、ボトムエミッション素子からトップエミッション素子に変更するとき、最大2倍まで減少するが、CIExはほとんど変わらない(Okinaka et al., Society for Information Display International Symposium Digest of Technical Papers, 2015, 46(1): 312-313, DOI:10.1002/sdtp.10480)。したがって、本発明の更なる態様は、発光が、0.02から0.30、好ましくは、0.03から0.25、より好ましくは、0.05から0.20、より一層好ましくは、0.08から0.18、またはさらに好ましくは、0.10から0.15のCIEx色座標、及び/または、0.00から0.45、好ましくは、0.01から0.30、より好ましくは、0.02から0.20、より一層好ましくは、0.03から0.15、またはさらに好ましくは、0.04から0.10のCIEy色座標を示すOLEDに係わるものである。
【0209】
本発明の更なる実施形態は、1000cd/mにおいて、8%超過、好ましくは、10%超過、より好ましくは、13%超過、より一層好ましくは、15%超過、またはさらに好ましくは、20%超過の外部量子効率を示し、及び/または、590nmから690nm、好ましくは、610nmから665nm、より好ましくは、620nmから640nmの発光最大を示し、及び/または、500cd/mにおいて、100h超過、好ましくは、200h超過、より好ましくは、400h超過、より一層好ましくは、750h超過、またはさらに好ましくは、1000h超過のLT80値を示すエレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)に係わるものである。したがって、本発明の更なる態様は、発光が、0.25超過、好ましくは、0.27超過、より好ましくは、0.29超過、より一層好ましくは、0.30超過のCIEy色座標を示すOLEDに係わるものである。
【0210】
本発明の更なる実施形態は、ITU-R Recommendation BT.2020(Rec.2020)によって定義されているような原色青色(CIEx=0.708及びCIEy=0.292)のCIEx(=0.708)及びCIEy(=0.292)の色座標に近いCIEx及びCIEyの色座標を有する光を発光するエレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)に係わるものであり、これは、UHDディスプレイ、例えば、UHD-TVに使用するのに適している。本段落において「近い」という用語は、本段落の末尾に提供されたCIEx及びCIEy座標の範囲を示す。商業的応用において、典型的にトップエミッション素子(上部電極が透明である)が使用される一方、本発明の全般にわたって使用されるテスト素子は、ボトムエミッション素子(下部電極及び基板が透明である)を示す。したがって、本発明の更なる態様は、発光が、0.60から0.88、好ましくは、0.61から0.83、より好ましくは、0.63から0.78、より一層好ましくは、0.66から0.76、またはさらに好ましくは、0.68から0.73のCIEx色座標、及び/または、0.25から0.70、好ましくは、0.26から0.55、より好ましくは、0.27から0.45、より一層好ましくは、0.28から0.40、またはさらに好ましくは、0.29から0.35のCIEy色座標を示すOLEDに係わるものである。
【0211】
したがって、本発明の更なる態様は、14500cd/mにおいて、10%超過、好ましくは、13%超過、より好ましくは、15%超過、より一層好ましくは、17%超過、またはさらに好ましくは、20%超過の外部量子効率を示し、及び/または、590nmから690nm、好ましくは、610nmから665nm、より好ましくは、620nmから640nmにおいて発光最大を示すエレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)に係わるものである。
【0212】
有機エレクトロルミネッセンス素子の関心のある目的のうち1つは、光の発生でもある。したがって、本発明は、また、任意の本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子を提供するステップを含む、所望の波長範囲の光を発生させる方法に係わるものである。
【0213】
したがって、本発明の更なる態様は、下記ステップを含む、所望の波長範囲の光を発生させる方法に係わるものである:
(i)本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、及び
(ii)前記有機エレクトロルミネッセンス素子に電流を印加すること。
【0214】
本発明の更なる態様は、前述の要素を構成して有機エレクトロルミネッセンス素子を作製する方法に係わるものである。本発明は、また、特に前記有機エレクトロルミネッセンス素子を使用することにより、緑色光を発生させる方法に係わるものである。
【0215】
本発明の更なる態様は、下記式(23)から(25)で表される関係のうち、(少なくとも)1つ、好ましくは、正確に1つが同じ発光層Bに含まれた材料に適用される有機エレクトロルミネッセンス素子に係わるものである:
440nm<λmax(S)<470nm (23)
510nm<λmax(S)<550nm (24)
610nm<λmax(S)<665nm (25)
ここで、λmax(S)は、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さなFWHMエミッタSの発光最大であり、ナノメートル(nm)で与えられる。
【0216】
本発明の一実施形態において、下記式(23)から(25)で表される関係のうち少なくとも1つ、好ましくは、正確に1つが、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも1層の発光層Bのうちいずれか1つに含まれた材料に適用される。
【0217】
本発明の更なる態様は、下記ステップを含む光発生方法に係わるものである:
(i)本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、及び
(ii)前記有機エレクトロルミネッセンス素子に電流を印加すること。
【0218】
本発明の更なる態様は、下記ステップを含む光発生方法に係わるものである:
(i)本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、及び
(ii)前記有機エレクトロルミネッセンス素子に電流を印加すること、
ここで、前記方法は、下記波長範囲のうち1つから選択された波長範囲において光を発生させるためのものである:
(i)510nmから550nm、または
(ii)440nmから470nm、または
(iii)610nmから665nm。
【0219】
当業者は、少なくとも1つのTADF材料E及び少なくとも1つの燐光材料P(以下参照)を、有機エレクトロルミネッセンス素子においてエミッタとして使用可能であることを理解する。しかし、好ましくは、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子において、少なくとも1つのTADF材料E及び少なくとも1つの燐光材料Pの主要機能は、発光するものではない。好ましい実施形態において、電圧(及び電流)を印加するとき、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子が発光し、当該発光は、主に(すなわち、50%より多く、好ましくは、60%より多く、より好ましくは、70%より多く、より一層好ましくは、80%より多く、またはさらに好ましくは、90%より多く)少なくとも1つの小さなFWHMエミッタSによって発光された蛍光に起因する。結果として、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子は、好ましくは、0.25eV未満、より好ましくは、0.20eV未満、より一層好ましくは、0.15eV未満、またはさらに好ましくは、0.13eV未満の主発光ピークの小さいFWHMで表される狭い発光を示す。
【0220】
本発明の好ましい実施形態において、下記式(26)で表される関係が適用される:
ここで、
FWHMは、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の主発光ピークの電子ボルト(eV)単位の半値幅(FWHM)を意味し、
FWHMSBは、FWHMのFWHMを有する有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層(EML)に使用された1以上のホスト材料H内の1以上の小さなFWHMエミッタSのスピンコーティング膜のフォトルミネセンススペクトル(室温、すなわち、(約)20℃で測定された蛍光スペクトル)の電子ボルト(eV)でのFWHMを示す。すなわち、FWHMSBが決定されるスピンコーティング膜は、好ましくは、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層Bと同一な重量比で同じ小さなFWHMエミッタまたはエミッタSを含む。
【0221】
例えば、発光層Bがそれぞれ1重量%の濃度を有する2種の小さなFWHMエミッタSを含む場合、スピンコーティング膜は、好ましくは、それぞれ1重量%の2種の小さなFWHMエミッタSを含む。その例示的な場合、スピンコーティング膜のマトリックス材料は、スピンコーティング膜の98重量%に至るであろう。そのようなスピンコーティング膜のマトリックス材料は、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層Bに含まれたホスト材料Hの重量比を反映するように選択することができる。前述の例において、発光層Bが単一ホスト材料Hを含むならば、当該ホスト材料は、好ましくは、スピンコーティング膜の唯一のマトリックス材料でもある。しかし、前述の例において、発光層Bが2種のホスト材料Hを含む場合、1つは60重量%の含量を有し、他の1つは20重量%の含量(すなわち、3:1の割合)を有する場合、スピンコーティング膜(それぞれ1重量%の2種の小さなFWHMエミッタSを含む)の前述のマトリックス材料は、好ましくは、EMLに存在する2種のホスト材料Hの3:1混合物でもある。
【0222】
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子に1以上の発光層Bが含まれる場合、前記式(26)で表される関係は、好ましくは、素子に含まれる全ての発光層Bに適用される。
【0223】
一実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも1層の発光層Bに対し、前述のFWHM:FWHMSBの割合は、1.50以下、好ましくは、1.40以下、より好ましくは、1.30、より一層好ましくは、1.20、またはさらに好ましくは、1.10である。
【0224】
一実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子のそれぞれの発光層Bに対し、前述のFWHM:FWHMSBの割合は、1.50以下、好ましくは、1.40以下、より好ましくは、1.30、より一層好ましくは、1.20、またはさらに好ましくは、1.10である。
【0225】
本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSとして使用するための蛍光エミッタの選択のために、FWHM値が本文後の節に述べられたように決定されることに留意しなければならない(簡単に、好ましくは、1~5重量%、特に2重量%の濃度を有するポリ(メチルメタクリレート)PMMA内のそれぞれのエミッタのスピンコーティング膜から、または溶液から、以下参照)。すなわち、表1Sに示された例示的な小さなFWHMエミッタSのFWHM値は、式(26)及び本発明の関連した好ましい実施形態の文脈においてFWHMSB値と理解されない。
【0226】
実施例及び特許請求の範囲が本発明をさらに説明する。
【0227】
ホスト材料H
本発明によれば、任意の少なくとも1層の発光層Bに含まれた任意の1以上のホスト材料Hは、高い正孔移動度を示すp-ホストH、高い電子移動度を示すn-ホストH、または高い正孔移動度及び高い電子移動度の両方を示す両極性ホスト材料HBPでもある。
【0228】
本発明の文脈において、高い電子移動度を示すn-ホストHは、好ましくは、-2.50eV以下(ELUMO(H)≦-2.50eV)、より好ましくは、ELUMO(H)≦-2.60eV、より一層好ましくは、ELUMO(H)≦-2.65eV、さらに好ましくは、ELUMO(H)≦-2.70eVのLUMOエネルギーELUMO(H)を有する。LUMOは、最低空軌道である。LUMOのエネルギーは、本文後の節に述べられたように決定される。
【0229】
本発明の文脈において、高い正孔移動度を示すp-ホストHは、好ましくは、-6.30eV以上(EHOMO(H)≧-6.30eV)、より好ましくは、EHOMO(H)≧-5.90eV、より一層好ましくは、EHOMO(HP)≧-5.70eV、さらに好ましくは、EHOMO(H)≧-5.40eV、またはさらに好ましくは、EHOMO(H)≧-2.60eVのHOMOエネルギーEHOMO(H)を有する。HOMOは、最高被占軌道である。HOMOのエネルギーは、本文後の節に述べられたように決定される。
【0230】
本発明の一実施形態において、それぞれのホスト材料Hは、-6.30eV以上(EHOMO(H)≧-6.30eV)、好ましくは、EHOMO(H)≧-5.90eV、より好ましくは、EHOMO(H)≧-5.70eV、より一層好ましくは、EHOMO(H)≧-5.40eVのHOMOエネルギーEHOMO(H)を有するp-ホストHである。HOMOは、最高被占軌道である。HOMOのエネルギーは、本文後の節に述べられたように決定される。
【0231】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのp-ホストHは、-5.60eVより小さいHOMOエネルギーEHOMO(H)を有する。
【0232】
本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子が1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、前記1以上の副層は、互いに隣接し、全体的に下記を含む:
(i)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つのホスト材料H
(ii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの燐光材料P
(iii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有し、0.25eV以下の半値幅(FWHM)を有する光を発光する少なくとも1つの小さな半値幅(FWHM)エミッタS、及び選択的に
(iv)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの熱活性化遅延蛍光(TADF)材料E
ここで、前記発光層Bの外側表面に位置する1以上の副層は、燐光材料P、小さなFWHMエミッタS及びTADF材料Eからなる群から選択された少なくとも1つの(エミッタ)材料を含み、
ここで、少なくとも1つのホスト材料Hは、-5.60eVより小さいエネルギーEHOMO(H)を有する最高被占軌道HOMO(H)を有し、好ましくは、それぞれのホスト材料Hは、-5.60eVより小さいエネルギーEHOMO(H)を有する最高被占軌道HOMO(H)を有する。
【0233】
本発明の文脈において、高い電子移動度を示す両極性ホストは、好ましくは、-2.50eV以下(ELUMO(HBP)≦-2.50eV)のLUMOエネルギーELUMO(HBP)を有する。より好ましくは、ELUMO(HBP)≦-2.60eVであり、より一層好ましくは、ELUMO(HBP)≦-2.65eVであり、さらに好ましくは、ELUMO(HBP)≦-2.70eVである。LUMOは、最低空軌道である。LUMOのエネルギーは、本文後の節に述べられたように決定される。
【0234】
本発明の文脈において、高い正孔移動度を示す両極性ホストは、好ましくは、-6.30eV以上(EHOMO(HBP)≧-6.30eV)、より好ましくは、EHOMO(HBP)≧-5.90eVのHOMOエネルギーEHOMO(HBP)を有する。より一層好ましくは、EHOMO(HBP)≧-5.70eVであり、さらに好ましくは、EHOMO(HBP)≧-5.40eVである。HOMOは、最高被占軌道である。HOMOのエネルギーは、本文後の節に述べられたように決定される。
【0235】
本発明の一実施形態において、両極性ホスト材料HBP、好ましくは、それぞれの両極性ホスト材料HBPは、以下の要件をいずれも満たす:
(i)-2.50eV以下の(ELUMO(HBP)≦-2.50eV)LUMOエネルギーELUMO(HBP)を有する。好ましくは、ELUMO(HBP)≦-2.60eVであり、より好ましくは、ELUMO(HBP)≦-2.65eVであり、より一層好ましくは、ELUMO(HBP)≦-2.70eVである。LUMOは、最低空軌道である。LUMOのエネルギーは、本文後の節に述べられたように決定される。
【0236】
(ii)-6.30eV以上(EHOMO(HBP)≧-6.30eV)、好ましくは、EHOMO(HBP)≧-5.90eVのHOMOエネルギーEHOMO(HBP)を有する。より好ましくは、EHOMO(HBP)≧-5.70eVであり、より一層好ましくは、EHOMO(HBP)≧-5.40eVである。HOMOは、最高被占軌道である。HOMOのエネルギーは、本文後の節に述べられたように決定される。
【0237】
当業者は、いかなる材料が本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子に使用するのに適しているホスト材料であるかが分かっている。以下の例示を参照する:Y.Tao, C.Yang, J.Quin, Chemical Society Reviws 2011, 40, 2943, DOI: 10.1039/C0CS00160K; K.S.Yook, J.Y.Lee, The Chemical Record 2015, 16(1), 159, DOI: 10.1002/tcr.201500221; T.Chatterjee, K.-T.Wong, Advanced Optical Materials 2018, 7(1), 1800565, DOI: 10.1002/adom.201800565; Q.Wang, Q.-S.Tian, Y.-L.Zhang, X.Tang, L.-S.Liao, Journal of Materials Chemistry C2019, 7, 11329, DOI: 10.1039/C9TC03092A。
【0238】
また、例えば、US2006006365(A1)、US2006208221(A1)、US2005069729(A1)、EP1205527(A1)、US2009302752(A1)、US20090134784(A1)、US2009302742(A1)、US2010187977(A1)、US2010187977(A1)、US2012068170(A1)、US2012097899(A1)、US2006121308(A1)、US2006121308(A1)、US2009167166(A1)、US2007176147(A1)、US2015322091(A1)、US2011105778(A1)、US2011201778(A1)、US2011121274(A1)、US2009302742(A1)、US2010187977(A1)、US2010244009(A1)、US2009136779(A1)、EP2182040(A2)、US2012202997(A1)、US2019393424(A1)、US2019393425(A1)、US2020168819(A1)、US2020079762(A1)及びUS2012292576(A1)は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子に使用可能なホスト材料を開示する。これは、本発明が、引用された参照文献に開示されたホスト材料を含む有機エレクトロルミネッセンス素子に限定されるということを意味しないものと理解される。また、最新技術で使用される任意のホスト材料が、本発明の文脈において好適なホスト材料Hであることが理解される。
【0239】
本発明の一実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子のそれぞれの発光層Bは、1以上のp-ホストHを含む。本発明の一実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子のそれぞれの発光層Bは、単一ホスト材料のみを含み、当該ホスト材料はp-ホストHである。
【0240】
本発明の一実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子のそれぞれの発光層Bは、1以上のn-ホストHを含む。本発明の他の実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子のそれぞれの発光層Bは、単一ホスト材料のみを含み、当該ホスト材料はn-ホストHである。
【0241】
本発明の一実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子のそれぞれの発光層Bは、1以上の両極性ホストHBPを含む。本発明の一実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子のそれぞれの発光層Bは、単一ホスト材料のみを含み、当該ホスト材料は両極性ホストHBPである。
【0242】
本発明の他の実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも1層の発光層Bは、少なくとも2種の相異なるホスト2種を含む。この場合、それぞれの発光層Bに存在する1以上のホスト材料Hは、いずれもp-ホストHであるか、いずれもn-ホストHであるか、いずれも両極性ホストHBPであるが、それらの組み合わせでもある。
【0243】
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子が1以上の発光層Bを含む場合、それらのうちいずれか1つは、1以上の他の発光層Bと独立して、前述の定義が適用される1つのホスト材料Hまたは1以上のホスト材料Hを含むことが理解される。また、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子に含まれた相異なる発光層Bは、必ずしも全て同一材料を含むわけではなく、またはさらに好ましくは、同一濃度の同一材料を含まれているわけでもないと理解される。
【0244】
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層Bが1以上の副層から構成される場合、それらのうちいずれか1つは、1以上の他の副層と独立して、前述の定義が適用される1つのホスト材料Hまたは1以上のホスト材料Hを含むことが理解される。また、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子に含まれた発光層Bの相異なる副層は、必ずしも全て同一材料、またはさらに好ましくは、同一濃度の同一材料を含まれているとはかぎらないと理解される。
【0245】
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の同じ発光層Bに含まれる場合、 少なくとも1つのp-ホストH及び少なくとも1つのn-ホストHは、選択的にエキシプレックスを形成することができる。当業者は、エキシプレックスを形成するH及びHの対を選択する方法、並びにH及びHのHOMO-及び/またはLUMO-エネルギー準位要求事項を含む選択基準が分かっている。すなわち、エキシプレックス形成が要求される場合、p-ホスト材料Hの最高被占軌道(HOMO)は、n-ホスト材料HのHOMOよりエネルギーが少なくとも0.20eVより高く、p-ホスト材料Hの最低空軌道(LUMO)は、n-ホスト材料HのLUMOよりエネルギーが少なくとも0.20eVより高い。
【0246】
本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1つのホスト材料H(例えば、H、H及び/またはHBP)は、有機ホスト材料であり、これは、本発明の文脈においてそれがいかなる遷移金属も含まないということを意味する。本発明の好ましい実施形態において、本発明のエレクトロルミネッセンス素子の全てのホスト材料H(H、H及び/またはHBP)は、有機ホスト材料であり、これは、本発明の文脈においてそれらがいかなる遷移金属も含まないということを意味する。好ましくは、少なくとも1つのホスト材料H、より好ましくは、全てのホスト材料H(H、H及び/またはHBP)は、主に水素(H)、炭素(C)及び窒素(N)から構成されるが、例えば、酸素(O)、ボロン(B)、シリコン(Si)、フッ素(F)及び臭素(Br)を含んでもよい。
【0247】
本発明の一実施形態において、それぞれのホスト材料Hは、p-ホストHである。
【0248】
本発明の好ましい実施形態において、全体として(1層の(副)層からなるか、あるいは1以上の副層を含む)任意の少なくとも1層の発光層Bに選択的に含まれるp-ホストHは、下記を含むか、あるいはそれから構成される:
化学式H-I、H-II、H-III、H-IV、H-V、H-VI、H-VII、H-VIII、H-IX及びH-Xのうちいずれか1つによる構造を含むか、あるいはそれから構成される1つの第1化学的部分(moiety)、及び
【化1】

・・・化学式H-I
【化2】

・・・化学式H-II
【化3】

・・・化学式H-III
【化4】

・・・化学式H-IV
【化5】

・・・化学式H-V
【化6】

・・・化学式H-VI
【化7】

・・・化学式H-VII
【化8】

・・・化学式H-VIII
【化9】

・・・化学式H-IX
【化10】

・・・化学式H-X
【0249】
それぞれ化学式H-XI、H-XII、H-XIII、H-XIV、H-XV、H-XVI、H-XVII、H-XVIII及びH-XIXのうちいずれか1つによる構造を含むか、あるいはそれから構成される1以上の第2化学的部分、
【化11】

・・・化学式H-XI
【化12】

・・・化学式H-XII
【化13】

・・・化学式H-XIII
【化14】

・・・化学式H-XIV
【化15】

・・・化学式H-XV
【化16】

・・・化学式H-XVI
【化17】

・・・化学式H-XVII
【化18】

・・・化学式H-XVIII
【化19】

・・・化学式H-XIX
ここで、p-ホスト材料Hに存在する少なくとも1つの第2化学的部分それぞれは、前記化学式において点線で表される単結合を介して第1化学的部分に連結され、
ここで、
は、それぞれの場合に互いに独立して、直接結合、C(RII、C=C(RII、C=O、C=NRII、NRII、O、Si(RII、S、S(O)及びS(O)からなる群から選択され、
は、それぞれの場合に互いに独立して、第1化学的部分を第2化学的部分に連結する単結合の結合位置であるか、または下記からなる群から選択され、
水素、重水素、Me、Pr、Bu、及び
Me、Pr、Bu及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されるPh、
ここで、少なくとも1つのRは、第1化学的部分を第2化学的部分に連結する単結合の結合位置であり、
IIは、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、Me、Pr、Bu、及び
Me、Pr、Bu及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されるPh、
ここで、2以上の隣接した置換基RIIは、選択的に、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系を形成し、化学式H-XI、H-XII、H-XIII、H-XIV、H-XV、H-XVI、H-XVII、H-XVIII及びH-XIXのうちいずれか1つによる構造だけでなく、隣接した置換基RIIによって選択的に形成される追加の環から構成される縮合環系は、総12~60個の炭素原子、好ましくは、14~32個の炭素原子を含む。
【0250】
本発明のより好ましい実施形態において、Zは、それぞれの場合に直接結合であり、隣接した置換基RIIは結合して追加の環系を形成しない。
【0251】
本発明のより好ましい実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子に選択的に含まれるp-ホストHは、下記構造からなる群から選択される:
【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】
【0252】
本発明の好ましい実施形態において、全体として(1層の(副)層からなるか、あるいは1以上の副層を含む)任意の少なくとも1層の発光層Bに選択的に含まれるn-ホストHは、化学式H-I、H-II及びH-IIIのうちいずれか1つによる構造を含むか、あるいはそれから構成される:
【化26】

・・・化学式H-I
【化27】

・・・化学式H-II
【化28】

・・・化学式H-III
ここで、RIII及びRIVは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、Me、Pr、Bu、CN、CF
Me、Pr、Bu及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されるPh、及び
化学式H-IV、H-V、H-VI、H-VII、H-VIII、H-IX、H-X、H-XI、H-XII、H-XIII及びH-XIVのうちいずれか1つで表される構造、
【化29】

・・・化学式H-IV
【化30】

・・・化学式H-V
【化31】

・・・化学式H-VI
【化32】

・・・化学式H-VII
【化33】

・・・化学式H-VIII
【化34】

・・・化学式H-IX
【化35】

・・・化学式H-X
【化36】

・・・化学式H-XI
【化37】

・・・化学式H-XII
【化38】

・・・化学式H-XIII
【化39】

・・・化学式H-XIV
ここで、
点線は、化学式H-IV、H-V、H-VI、H-VII、H-VIII、H-IX、HN-X、H-XI、H-XII、H-XIII及びH-XIVのうちいずれか1つによる構造をH-I、H-II及びH-IIIのうちいずれか1つによる構造に連結する単結合の結合位置を示し、
は、酸素(O)、硫黄(S)またはC(Rであり、
は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、Me、Pr、Bu、及び
Me、Pr、Bu及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されるPh、
ここで、2以上の隣接した置換基Rは、選択的に、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系を形成し、化学式H-IV、H-V、H-VI、H-VII、H-VIII、H-IX、H-X、H-XI、H-XII、H-XIII及びH-XIVのうちいずれか1つによる構造だけでなく、隣接した置換基Rによって選択的に形成される追加の環から構成される縮合環系は、総8~60個の炭素原子、好ましくは、12~40個の炭素原子、より好ましくは、14~32個の炭素原子を含み、
ここで、化学式H-I及びH-IIにおいて、少なくとも1つの置換基RIIIはCNである。
【0253】
本発明のより好ましい実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子に選択的に含まれるn-ホストHは、下記構造からなる群から選択される:
【化40】

【化41】

【化42】
【0254】
本発明の一実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の任意の発光層Bに含まれたn-ホストHは、任意のフォスフィンオキシド基を含まず、特に、n-ホストHは、ビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテルオキシド(DPEPO)ではない。
【0255】
TADF材料E
本発明によれば、熱活性化遅延蛍光(TADF)材料Eは、0.4eV未満、好ましくは、0.3eV未満、より好ましくは、0.2eV未満、より一層好ましくは、0.1eV未満、またはさらに好ましくは、0.05eV未満の、最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)と最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)とのエネルギー差に該当するΔEST値を示すことを特徴とする。したがって、本発明によるTADF材料EのΔESTは、室温(RT、すなわち、(約)20℃)で最低励起三重項状態T1から最低励起一重項状態S1の熱再充填(thermal repopulation)(アップ項間交差または逆項間交差、RISCともいう)を許容するのに十分に小さい。
【0256】
好ましくは、本発明の文脈において、TADF材料は、電荷キャリア(正孔及び電子)の再結合によって発光性S1状態に達するときに即時蛍光、及びT1状態から熱活性化されたRISCを介して発光性S1状態に達するときに遅延蛍光の両方を示す。
【0257】
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層Bに含まれた小さなFWHMエミッタSは、選択的に0.4eV未満のΔEST値を有することができ、熱活性化遅延蛍光(TADF)を示すことが理解される。しかし、本発明の文脈において、任意の小さなFWHMエミッタSに対し、これは単に選択的な特徴だけである。
【0258】
本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1つのTADF材料Eの発光スペクトルと、少なくとも1つの小さなFWHMエミッタSの吸収スペクトルとの間にスペクトル重畳がある(両スペクトルが類似の条件下で測定されるとき)。この場合、少なくとも1つのTADF材料Eは、少なくとも1つの小さなFWHMエミッタSにエネルギーを移動させることができる。
【0259】
本発明によれば、TADF材料Eは、380nmから800nmの可視的な波長範囲において発光最大を有し、一般的に、室温(すなわち、(約)20℃)でポリ(メチルメタクリレート)PMMA内の10重量%のTADF材料Eで測定される。
【0260】
本発明の一実施形態において、それぞれのTADF材料Eは、380nmから470nm、好ましくは、400nmから470nmの深青色波長範囲において発光最大を有し、一般的に、室温(すなわち、(約)20℃)でポリ(メチルメタクリレート)PMMA内の10重量%のTADF材料Eで測定される。
【0261】
本発明の一実施形態において、それぞれのTADF材料Eは、480nmから560nm、好ましくは、500nmから560nmの緑色波長範囲において発光最大を有し、典型的に、室温(すなわち、(約)20℃)でポリ(メチルメタクリレート)PMMA内の10重量%のTADF材料Eで測定される。
【0262】
本発明の一実施形態において、それぞれのTADF材料Eは、600nmから665nm、好ましくは、610nmから665nmの赤色波長範囲において発光最大を有し、一般的に、室温(すなわち、(約)20℃)でポリ(メチルメタクリレート)PMMA内の10重量%のTADF材料Eで測定される。本発明の好ましい実施形態において、TADF材料Eの発光最大(ピーク発光)は、本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSの発光最大(ピーク発光)より短い波長にある。
【0263】
本発明の好ましい実施形態において、それぞれのTADF材料Eは、有機TADF材料であり、これは、本発明の文脈においていかなる遷移金属も含まないということを意味する。好ましくは、本発明によるそれぞれのTADF材料Eは、主に水素(H)、炭素(C)及び窒素(N)から構成されるが、例えば、酸素(O)、ボロン(B)、シリコン(Si)、フッ素(F)及び臭素(Br)を含んでもよい。
【0264】
本発明の好ましい実施形態において、それぞれのTADF材料Eは、800g/mol以下の分子量を有する。
【0265】
本発明の一実施形態において、TADFエミッタEは、30%以上のフォトルミネセンス量子収率(PLQY)を示し、一般的に、室温(すなわち、(約)20℃)でポリ(メチルメタクリレート)PMMA内の10重量%のTADF材料Eで測定される。
【0266】
本発明の一実施形態において、TADFエミッタEは、50%以上のフォトルミネセンス量子収率(PLQY)を示し、一般的に、室温(すなわち、(約)20℃)でポリ(メチルメタクリレート)PMMA内の10重量%のTADF材料Eで測定される。
【0267】
本発明の一実施形態において、TADFエミッタEは、70%以上のフォトルミネセンス量子収率(PLQY)を示し、一般的に、室温(すなわち、(約)20℃)でポリ(メチルメタクリレート)PMMA内の10重量%のTADF材料Eで測定される。
【0268】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのTADF材料Eは、
(i)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)と最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)とのエネルギー差に該当するΔEST値が0.4eV未満であることを特徴とし、
(ii)30%より大きいフォトルミネセンス量子収率(PLQY)を示す。
【0269】
本発明の一実施形態において、それぞれのTADF材料Eの最低空軌道LUMO(E)のエネルギーELUMO(E)は、-2.6eVより小さい。
【0270】
当業者は、本発明によるTADF分子Eを設計する方法、及び当該分子が一般的に示す構造的特徴が分かっている。簡単に、逆項間交差(RISC)を容易にするために、ΔESTは一般的に減少し、本発明の文脈において、ΔESTは、前述のように0.4eVより小さい。これは、頻繁にHOMO及びLUMOがそれぞれ(電子)ドナー基及び(電子)アクセプター基で空間的に大きく分離されるようにTADF分子Eを設計することによって達成される。当該基は、一般的に体積が大きいか、スピロ接合を介して連結されて捻じれており、HOMOとLUMOの空間的重畳が減少する。しかし、HOMOとLUMOの空間的重畳を最小化すれば、TADF材料のフォトルミネセンス量子収率(PLQY)も低くなる短所がある。したがって、実際にその2つの効果の両方を考慮して、ΔESTを減らし、高いPLQYを達成する。
【0271】
TADF材料設計のための1つの一般的なアプローチは、HOMOが分布された1以上の(電子)ドナー部分と、LUMOが分布された1以上の(電子)アクセプター部分とを、本願においてリンカー基と呼ばれる、同一なブリッジに共有結合することである。また、TADF材料Eは、例えば、同一なアクセプター部分に結合された2つまたは3つのリンカー基を含み、更なるドナー部分及びアクセプター部分がそれら2つまたは3つのリンカー基それぞれに結合されうる。
【0272】
また、1以上のドナー部分及び1以上のアクセプター部分は、(リンカー基の存在なしに)互いに直接結合されうる。
【0273】
典型的なドナー部分は、ジフェニルアミン、カルバゾール、アクリジン、フェノキサジン及び関連構造の誘導体である。
【0274】
ベンゼン、ビフェニル基及びある程度までターフェニル基の誘導体が一般的なリンカー基である。
【0275】
ニトリル基は、TADF分子において非常に一般的なアクセプター部分であり、その周知の例は、下記を含む:
(i)2CzPN(4,5-ジ(9H-カルバゾール-9-イル)フタロニトリル)、DCzIPN(4,6-ジ(9H-カルバゾール-9-イル)イソフタロニトリル)、4CzPN(3,4,5,6-テトラ(9H-カルバゾール-9-イル)フタロニトリル)、4CzIPN(2,4,5,6-テトラ(9H-カルバゾール-9-イル)イソフタロニトリル)、4CzTPN(2,4,5,6-テトラ(9H-カルバゾール-9-イル)テレフタロニトリル)及びその誘導体のようなカルバゾリルジシアノベンゼン化合物、
(ii)4CzCNPy(2,3,5,6-テトラ(9H-カルバゾール-9-イル)-4-シアノピリジン)及びその誘導体のようなカルバゾリルシアノピリジン化合物、
(iii)CNBPCz(4,4’,5,5’-テトラ(9H-カルバゾール-9-イル)-[1,1’-ビフェニル]-2,2’-ジカルボニトリル)、CzBPCN(4,4’,6,6’-テトラ(9H-カルバゾール-9-イル)-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジカルボニトリル)、DDCzIPN(3,3’,5,5’-テトラ(9H-カルバゾール-9-イル)-[1,1’-ビフェニル]-2,2’,6,6’-テトラカルボニトリル)及びその誘導体のようなカルバゾリルシアノビフェニル化合物、
ここで、それら材料において、1以上のニトリル基は、アクセプター部分として、フッ素(F)またはトリフルオロメチル(CF)にも代替される。
【0276】
また、トリアジン、ピリミジン、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ヘプタジン、1,4-ジアザトリフェニレン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、キノキサリン及びジアザフルオレン誘導体のような窒素ヘテロ環は、TADF分子構成に使用される周知のアクセプター部分である。例えば、トリアジンアクセプターを含むTADF分子の公知の例は、PIC-TRZ(7,7’-(6-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ビス(5-フェニル-5,7-ジヒドロインドロ[2,3-b]カルバゾール))、mBFCzTrz(5-(3-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル))フェニル)-5H-ベンゾフロ[3,2-c]カルバゾール)、及びDCzTrz(9,9’-(5-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-1,3-フェニレン)ビス(9H-カルバゾール))を含む。
【0277】
TADF材料の他の一群は、ドナー部分(主に、カルバゾリル置換基)が結合されたアクセプター部分として、ベンゾフェノンのようなジアリールケトン、または4-ベンゾイルピリジン、9,10アントラキノン、9H-キサンテン-9-オンのような(ヘテロアリール)アリールケトン及びその誘導体を含む。そのようなTADF分子の例は、BPBCz(ビス(4-(9’-フェニル-9H,9’H-[3,3’-ビカルバゾール]-9-イル)フェニル)メタノン)、mDCBP((3,5-ジ(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル)(ピリジン-4-イル)メタノン)、AQ-DTBu-Cz(2,6-ビス(4-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)フェニル)アントラセン-9,10-ジオン)及びMCz-XT(3-(1,3,6,8-テトラメチル-9H-カルバゾール-9-イル)-9H-キサンテン-9-オン)をそれぞれ含む。
【0278】
また、スルホキシド、特にジフェニルスルホキシドは、TADF材料の構成のためのアクセプター部分として一般的に使用され、周知の例は、4-PC-DPS(9-フェニル-3-(4-(フェニルスルホニル)フェニル)-9H-カルバゾール)、DitBu-DPS(9,9’-(スルホニルビス(4,1-フェニレン))ビス(9H-カルバゾール))及びTXO-PhCz(2-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-9H-チオキサンテン-9-オン10,10-ジオキシド)を含む。
【0279】
特定材料が前述の基本要求事項、すなわち、ΔEST値が0.4eVより小さいという点を満たすことを考慮すれば、例示的に、前述の全ての群のTADF分子は、本発明によって使用するのに適しているTADF材料Eを提供することができる。
【0280】
当業者は、前記命名された構造だけでなく、より多い材料が本発明の文脈において好適なTADF材料Eであることが分かっている。当業者は、そのような分子の設計原理に慣れ、特定の発光色相(例えば、青色、緑色または赤色発光)を有するそのような分子を設計する方法も分かっている。
【0281】
以下の例示を参照する:H.Tanaka, K.Shizu, H.Nakanotani, C.Adachi, Chemistry of Materials 2013, 25(18), 3766, DOI: 10.1021/cm402428a; J.Li, T.Nakagawa, J.MacDonald, Q.Zhang, H.Nomura, H.Miyazaki, C.Adachi, Advanced Materials 2013, 25(24), 3319, DOI: 10.1002/adma.201300575; K.Nasu, T.Nakagawa, H.Nomura, C.-J.Lin, C.-H.Cheng, M.-R.Tseng, T.Yasudaad, C.Adachi, Chemical Communications 2013, 49(88), 10385, DOI: 10.1039/c3cc44179b; Q.Zhang, B.Li1, S.Huang, H.Nomura, H.Tanaka, C.Adachi, Nature Photonics 2014, 8(4), 326, DOI: 10.1038/nphoton.2014.12; B.Wex, B.R.Kaafarani, Journal of Materials Chemistry C 2017, 5, 8622, DOI: 10.1039/c7tc02156a; Y.Im, M.Kim, Y.J.Cho, J.A.Seo, K.S.Yook, J.Y.Lee, Chemistry of Materials 2017, 29(5), 1946, DOI: 10.1021/acs.chemmater.6b05324; T.-T.Bui, F.Goubard, M.Ibrahim-Ouali, D.Gigmes, F.Dumur, Beilstein Journal of Organic Chemistry 2018, 14, 282, DOI: 10.3762/bjoc.14.18; X.Liang, Z.-L.Tu, Y.-X.Zheng, Chemistry-A European Journal 2019, 25(22), 5623, DOI: 10.1002/chem.201805952。
【0282】
また、例えば、US2015105564(A1)、US2015048338(A1)、US2015141642(A1)、US2014336379(A1)、US2014138670(A1)、US2012241732(A1)、EP3315581(A1)、EP3483156(A1)及びUS2018053901(A1)は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子に使用可能なTADF材料Eを開示する。これは、本発明が、引用された参考文献に開示されたTADF材料を含む有機エレクトロルミネッセンス素子に限定されるということを意味しないものと理解される。最新技術で使用される任意のTADF材料が、本発明の文脈において好適なTADF材料Eであることが理解される。
【0283】
本発明の一実施形態において、それぞれのTADF材料Eは、CN、CF及び選択的に置換された1,3,5-トリアジニル基からなる群から互いに独立して選択される1以上の化学的部分を含む。
【0284】
本発明の一実施形態において、それぞれのTADF材料Eは、CN及び選択的に置換された1,3,5-トリアジニル基からなる群から互いに独立して選択される1以上の化学的部分を含む。
【0285】
本発明の一実施形態において、それぞれのTADF材料Eは、1以上の選択的に置換された1,3,5-トリアジニル基を含む。
【0286】
本発明の一実施形態において、それぞれのTADF材料Eは、アミノ基、インドリル基、カルバゾリル基及びその誘導体から互いに独立して選択される1以上の化学的部分を含み、それらはいずれも選択的に置換され、ここで、それら基は、それぞれのTADF分子のコア構造と窒素(N)または炭素(C)原子を介して結合され、それら基に結合された置換基は、単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系を形成することができる。
【0287】
本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのTADF材料Eは、下記を含む:
アミノ基、インドリル基、カルバゾリル基及びそれらの誘導体から互いに独立して選択され、それらはいずれも選択的に置換され、ここで、それら基は、窒素(N)または炭素(C)原子を介してそれぞれのTADF分子のコア構造に結合され、それら基に結合された置換基は、単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系を形成することができる、1以上の第1化学的部分、及び
CN、CF、及び選択的に置換された1,3,5-トリアジニル基からなる群から互いに独立して選択された1以上の第2化学的部分。
【0288】
本発明のより好ましい実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのTADF材料Eは、下記を含む:
アミノ基、インドリル基、カルバゾリル基及びそれらの誘導体から互いに独立して選択され、それらはいずれも選択的に置換され、ここで、それら基は、窒素(N)または炭素(C)原子を介してそれぞれのTADF分子のコア構造に結合され、それら基に結合された置換基は、単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系を形成することができる、1以上の第1化学的部分、及び
CN、CF、及び選択的に置換された1,3,5-トリアジニル基からなる群から互いに独立して選択された1以上の第2化学的部分。
【0289】
本発明のより好ましい実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのTADF材料Eは、下記を含む:
アミノ基、インドリル基、カルバゾリル基及びそれらの誘導体から互いに独立して選択され、それらはいずれも選択的に置換され、ここで、それら基は、窒素(N)または炭素(C)原子を介してそれぞれのTADF分子のコア構造に結合され、それら基に結合された置換基は、単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系を形成することができる、1以上の第1化学的部分、及び
1以上の選択的に置換された1,3,5-トリアジニル基。
【0290】
当業者は、「その誘導体」という表現が、それぞれの親構造が任意に置換されるか、またはそれぞれの親構造内の任意の原子が、例えば、他の元素の原子に代替されることを意味するということを理解している。
【0291】
本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、下記を含む少なくとも1層の発光層Bを含む:
(i)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つのホスト材料H
(ii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの燐光材料P
(iii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有し、0.25eV以下の半値幅(FWHM)を有する光を発光する少なくとも1つの小さな半値幅(FWHM)エミッタS、及び
(iv)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの熱活性化遅延蛍光(TADF)材料E
ここで、下記式(1)及び(2)で表される関係が適用され、
E(T1)>E(T1) (1)
E(T1)>E(S1) (2)
それぞれのTADF材料Eは、下記を含む:
アミノ基、インドリル基、カルバゾリル基及びそれらの誘導体から互いに独立して選択され、それらはいずれも選択的に置換され、ここで、それら基は、窒素(N)または炭素(C)原子を介してそれぞれのTADF分子のコア構造に結合され、それら基に結合された置換基は、単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系を形成することができる、1以上の第1化学的部分、及び
CN、及び選択的に置換された1,3,5-トリアジニル基からなる群から互いに独立して選択された1以上の第2化学的部分。
【0292】
本発明の一実施形態において、それぞれのTADF材料Eは、下記を含む:
化学式D-Iによる構造をそれぞれ含むか、あるいはそれからなる1以上の第1化学的部分、
【化43】

・・・化学式D-I
選択的に、CN、CF、並びに化学式A-I、A-II、A-III及びA-IVのうちいずれか1つによる構造からそれぞれ互いに独立して選択される、1以上の第2化学的部分、及び
【化44】

・・・化学式A-I
【化45】

・・・化学式A-II
【化46】

・・・化学式A-III
【化47】

・・・化学式A-IV
化学式L-I、L-II、L-III、L-IV、LV、L-VI、L-VII及びL-VIIIのうちいずれか1つによる構造を含むか、あるいはそれから構成される1つの第3化学的部分、
【化48】

・・・化学式L-I
【化49】

・・・化学式L-II
【化50】

・・・化学式L-III
【化51】

・・・化学式L-IV
【化52】

・・・化学式L-V
【化53】

・・・化学式L-VI
【化54】

・・・化学式L-VII
【化55】

・・・化学式L-VIII
ここで、
1以上の第1化学的部分及び1以上の第2化学的部分は、単結合を介して第3化学的部分に共有結合され、
化学式D-Iにおいて、
#は、化学式D-Iによるそれぞれの第1化学的部分を第3化学的部分に連結する単結合の結合位置を示し、
は、それぞれの場合に互いに独立して、直接結合、CR、C=CR、C=O、C=NR、NR、O、SiR、S、S(O)及びS(O)からなる群から選択され、
、R、R、R及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(R、OR、Si(R、B(OR、OSO、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40アルコキシ、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40アルケニル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40アルキニル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、及び
-C60ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(R、OR、Si(R、B(OR、OSO、CF、CN、F、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40アルコキシ、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40アルケニル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40アルキニル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、及び
-C57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、選択的に、任意の置換基R、R、R、R、R、R及びRは、互いに独立して、R、R、R、R、R、R及びRから選択された1以上の隣接した置換基と共に、単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系及び/またはベンゾ縮合環系を形成し、選択的にこのように形成された環系は、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、OPh、CF、CN、F、
-Cアルキル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFによって置換され、
-Cアルコキシ、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFによって置換され、
-Cチオアルコキシ、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFによって置換され、
-Cアルケニル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFによって置換され、
-Cアルキニル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFによって置換され、
-C18アリール、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、C-Cアルキル、PhまたはCNによって置換され、
-C17ヘテロアリール、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、PhまたはC-Cアルキルによって置換され、
N(C-C18アリール)
N(C-C17ヘテロアリール)、及び
N(C-C17ヘテロアリール)(C-C18アリール)、
aは整数であり、0または1であり、
bは整数であり、それぞれの場合、0または1であり、ここで、両方のbは常に同一であり、
ここで、整数aが1であるとき、両方の整数bは0であり、両方の整数bが1であるとき、整数aは0であり、
化学式A-I、A-II、A-III及びA-IVにおいて、
点線は、化学式A-I、A-II、A-IIIまたはA-IVによるそれぞれの第2化学的部分を第3化学的部分に連結する単結合を示し、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)、CR及びCRから選択され、但し、化学式A-Iにおいて、2つの隣接した基Qは、両方とも窒素(N)ではなく、ここで、化学式A-Iの基Qのうち何も窒素(N)ではない場合、基Qのうち少なくとも1つはCRであり、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)及びCRから選択され、但し、化学式A-II及びA-IIIにおいて、少なくとも1つの基Qは窒素(N)であり、2つの隣接した基Qは、両方とも窒素(N)ではなく、
及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(R、OR、Si(R、B(OR、OSO、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40アルコキシ、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40アルケニル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40アルキニル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、及び
-C60ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(R10、OR10、Si(R10、B(OR10、OSO10、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基R10で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、R10C=CR10、C≡C、Si(R10、Ge(R10、Sn(R10、C=O、C=S、C=Se、C=NR10、P(=O)(R10)、SO、SO、NR10、O、SまたはCONR10で選択的に置換され、
-C40アルコキシ、
これは、1以上の置換基R10で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、R10C=CR10、C≡C、Si(R10、Ge(R10、Sn(R10、C=O、C=S、C=Se、C=NR10、P(=O)(R10)、SO、SO、NR10、O、SまたはCONR10で選択的に置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基R10で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、R10C=CR10、C≡C、Si(R10、Ge(R10、Sn(R10、C=O、C=S、C=Se、C=NR10、P(=O)(R10)、SO、SO、NR10、O、SまたはCONR10で選択的に置換され、
-C40アルケニル、
これは、1以上の置換基R10で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、R10C=CR10、C≡C、Si(R10、Ge(R10、Sn(R10、C=O、C=S、C=Se、C=NR10、P(=O)(R10)、SO、SO、NR10、O、SまたはCONR10で選択的に置換され、
-C40アルキニル、
これは、1以上の置換基R10で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、R10C=CR10、C≡C、Si(R10、Ge(R10、Sn(R10、C=O、C=S、C=Se、C=NR10、P(=O)(R10)、SO、SO、NR10、O、SまたはCONR10で選択的に置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基R10で選択的に置換され、及び
-C60ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基R10で選択的に置換され、
10は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、OPh、CF、CN、F、
-Cアルキル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFによって置換され、
-Cアルコキシ、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFによって置換され、
-Cチオアルコキシ、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFによって置換され、
-Cアルケニル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFによって置換され、
-Cアルキニル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFによって置換され、
-C18アリール、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、C-Cアルキル、PhまたはCNによって置換され、
-C17ヘテロアリール、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、PhまたはC-Cアルキルによって置換され、
N(C-C18アリール)
N(C-C17ヘテロアリール)、及び
N(C-C17ヘテロアリール)(C-C18アリール)、
は、それぞれの場合に互いに独立して、CN、CF及び化学式EWG-Iによる構造からなる群から選択される:
【化56】

・・・化学式EWG-I
【0293】
ここで、Rは、Rのように定義され、但し、化学式EWG-Iにおいて、少なくとも1つのR基は、CNまたはCFであり、
ここで、化学式A-IVにおいて、2つの隣接した基Rは、選択的に芳香族環を形成し、これは化学式A-IVの構造に縮合され、1以上の置換基R10で選択的に置換され、ここで、選択的にこのように形成された縮合環系は、総9から18個の環原子を含み、
化学式L-I、L-II、L-III、L-IV、L-V、L-VI、L-VII及びL-VIIIにおいて、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)及びCR12から選択され、但し、1以上のQは窒素(N)であり、
11は、それぞれの場合に互いに独立して、第1または第2化学的部分を第3化学的部分に連結する単結合の結合位置であるか、または互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、F、Cl、Br、I、
-Cアルキル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に重水素で置換され、
-C18アリール、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、C-Cアルキル基、C-C18アリール基、F、Cl、Br及びIによって置換され、
12は、Rのように定義され、
ここで、第3化学的部分に結合された第1及び第2化学的部分の最大個数は、第3化学的部分で利用可能な結合位置の数(すなわち、R11の個数)のみによって限定され、前述の規定により、それぞれのTADF材料Eは、少なくとも1つの第1化学的部分、少なくとも1つの第2化学的部分及び正確に1つの第3化学的部分を含む。
【0294】
本発明の好ましい実施形態において、
は、それぞれの場合に互いに独立して、直接結合、CR、C=CR、C=O、C=NR、NR、O、SiR、S、S(O)及びS(O)からなる群から選択され、
、R、R、R及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(R、OR、Si(R、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、及び
-C60ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(R、OR、Si(R、CF、CN、F、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、及び
-C57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、選択的に、置換基R、R、R、R、R、R及びRのうちいずれか1つは、 互いに独立して、R、R、R、R、R、R及びRから選択された1以上の隣接した置換基と共に、単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系及び/またはベンゾ縮合環系を形成し、ここで、選択的にこのように形成された環系は、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、CF、CN、F、
-Cアルキル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFによって置換され、
-C18アリール、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、C-Cアルキル、PhまたはCNによって置換され、
-C17ヘテロアリール、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、C-CアルキルまたはPhによって置換され、
N(C-C18アリール)
N(C-C17ヘテロアリール)、及び
N(C-C17ヘテロアリール)(C-C18アリール)、
aは整数であり、0または1であり、
bは整数であり、それぞれの場合、0または1であり、ここで、両方のbは常に同一であり、
ここで、整数aが1であるとき、両方の整数bは0であり、両方の整数bが1であるとき、整数aは0であり、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)、CR及びCRから選択され、但し、化学式A-Iにおいて、2つの隣接した基Qは、両方とも窒素(N)ではなく、ここで、化学式A-Iの基Qのうち何も窒素(N)ではない場合、基Qのうち少なくとも1つはCRであり、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)及びCRから選択され、但し、化学式A-II及びA-IIIにおいて、少なくとも1つの基Qは窒素(N)であり、2つの隣接した基Qは、両方とも窒素(N)ではなく、
及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(R、OR、Si(R、B(OR、OSO、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、及び
-C60ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(R10、OR10、Si(R10、B(OR10、OSO10、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基R10で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、R10C=CR10、C≡C、Si(R10、Ge(R10、Sn(R10、C=O、C=S、C=Se、C=NR10、P(=O)(R10)、SO、SO、NR10、O、SまたはCONR10で選択的に置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基R10で選択的に置換され、及び
-C60ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基R10で選択的に置換され、
10は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、OPh、CF、CN、F、
-Cアルキル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFによって置換され、
-C18アリール、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、C-Cアルキル、PhまたはCNによって置換され、
-C17ヘテロアリール、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、PhまたはC-Cアルキルによって置換され、
N(C-C18アリール)
N(C-C17ヘテロアリール)、及び
N(C-C17ヘテロアリール)(C-C18アリール)、
は、それぞれの場合に互いに独立して、CN、CF及び化学式EWG-Iによる構造からなる群から選択される:
【化57】

・・・化学式EWG-I
ここで、Rは、Rのように定義され、但し、少なくとも1つのR基は、CNまたはCFであり、
ここで、化学式A-IVにおいて、2つの隣接した基Rは、選択的に芳香族環を形成し、これは化学式A-IVの構造に縮合され、1以上の置換基R10で選択的に置換され、ここで、選択的にこのように形成された縮合環系は、総9から18個の環原子を含み、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)及びCR12から選択され、但し、少なくとも1つのQは窒素(N)であり、
11は、それぞれの場合に互いに独立して、第1または第2化学的部分を第3化学的部分に連結する単結合の結合位置であるか、または互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、
-Cアルキル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に重水素で置換され、
-C18アリール、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、C-Cアルキル基及びC-C18アリール基によって置換され、
12は、Rのように定義され、
ここで、第3化学的部分に結合された第1及び第2化学的部分の最大個数は、第3化学的部分で利用可能な結合位置の個数(すなわち、置換基R11の数)のみによって限定される(好ましくは、前述の規定により、それぞれのTADF材料Eは、少なくとも1つの第1化学的部分、少なくとも1つの第2化学的部分及び正確に1つの第3化学的部分を含む)。
【0295】
本発明のより好ましい実施形態において、
は、それぞれの場合に互いに独立して、直接結合、CR、C=CR、C=O、C=NR、NR、O、SiR、S、S(O)及びS(O)からなる群から選択され、
、R、R、R及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(R、OR、Si(R、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
-C18アリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、及び
-C17ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(R、Si(R、CF、CN、F、
-Cアルキル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
-C18アリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、及び
-C17ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、選択的に、置換基R、R、R、R、R及びRのうちいずれか1つは、互いに独立して、R、R、R、R、R及びRから選択された1以上の隣接した置換基と共に、単環または多環、脂肪族または芳香族、炭素環系またはヘテロ環系及び/またはベンゾ縮合環系を形成し、ここで、選択的にこのように形成された環系は、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、CF、CN、F、Me、Pr、Bu、N(Ph)、及び
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換されたPh、
aは整数であり、0または1であり、
bは整数であり、それぞれの場合、0または1であり、ここで、両方のbは常に同一であり、
ここで、整数aが1であるとき、両方の整数bは0であり、両方の整数bが1であるとき、整数aは0であり、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)、CR及びCRから選択され、但し、化学式A-Iにおいて、2つの隣接した基Qは、両方とも窒素(N)ではなく、ここで、化学式A-Iの基Qのうち何も窒素(N)ではない場合、基Qのうち少なくとも1つはCRであり、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)及びCRから選択され、但し、化学式A-II及びA-IIIにおいて、少なくとも1つの基Qは窒素(N)であり、2つの隣接した基Qは、両方とも窒素(N)ではなく、
及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(R、OR、Si(R、CF、CN、F、
-Cアルキル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
-C18アリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、及び
-C17ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(R10、OR10、Si(R10、CF、CN、F、
-Cアルキル、
これは、1以上の置換基R10で選択的に置換され、
-C18アリール、
これは、1以上の置換基R10で選択的に置換され、及び
-C17ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基R10で選択的に置換され、
10は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、Me、Pr、Bu、CF、CN、F、N(Ph)、及び
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu、Ph、CN、CFまたはFによって置換されたPh、
は、それぞれの場合に互いに独立して、CN、CF及び化学式EWG-Iによる構造からなる群から選択される:
【化58】

・・・化学式EWG-I
ここで、Rは、Rのように定義され、但し、少なくとも1つのR基は、CNまたはCFであり、
ここで、化学式A-IVにおいて、2つの隣接した基Rは、選択的に芳香族環を形成し、これは化学式A-IVの構造に縮合され、1以上の置換基R10で選択的に置換され、ここで、選択的にこのように形成された縮合環系は、総9から18個の環原子を含み、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)及びCR12から選択され、但し、少なくとも1つのQは窒素(N)であり、
11は、それぞれの場合に互いに独立して、第1または第2化学的部分を第3化学的部分に連結する単結合の結合位置であるか、または互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、
-Cアルキル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に重水素で置換され、
-C18アリール、
これは、重水素、Me、Pr、Bu及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換され、
12は、Rのように定義され、
ここで、第3化学的部分に結合された第1及び第2化学的部分の最大個数は、第3化学的部分で利用可能な結合位置の個数(すなわち、置換基R11の個数)のみによって限定される(好ましくは、前述の規定により、それぞれのTADF材料Eは、少なくとも1つの第1化学的部分、少なくとも1つの第2化学的部分及び正確に1つの第3化学的部分を含む)。
【0296】
本発明のより好ましい実施形態において、
は、それぞれの場合に互いに独立して、直接結合、CR、C=O、NR、O、SiR、S、S(O)及びS(O)からなる群から選択され、
、R、R、R及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(R、OR、Si(R、CF、CN、
-Cアルキル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
-C18アリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、及び
-C17ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、CF、CN、F、Me、Pr、Bu、N(Ph)、及び
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換されたPh、
ここで、選択的に、任意の置換基R、R、R、R及びRは、互いに独立して、R、R、R、R及びRから選択された1以上の隣接した置換基と共に、単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系及び/またはベンゾ縮合環系を形成し、ここで、選択的にこのように形成された環系は、水素、重水素、Me、Pr、Bu、CF、CN、F、及び1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu、Ph、CN、CFまたはFによって置換されたPhからなる群から互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換され、
ここで、選択的にこのように形成された、化学式D-1による構造、及び隣接した置換基によって形成された結合された環から構成された縮合環系は、総13から40個の環原子、好ましくは、16から30個の環原子を含み、
aは整数であり、0または1であり、
bは整数であり、それぞれの場合、0または1であり、ここで、両方のbは常に同一であり、
ここで、整数aが1であるとき、両方の整数bは0であり、両方の整数bが1であるとき、整数aは0であり、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)、CR及びCRから選択され、但し、化学式A-Iにおいて、2つの隣接した基Qは、両方とも窒素(N)ではなく、ここで、化学式A-Iの基Qのうち何も窒素(N)ではない場合、基Qのうち少なくとも1つはCRであり、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)及びCRから選択され、但し、化学式A-II及びA-IIIにおいて、少なくとも1つの基Qは窒素(N)であり、2つの隣接した基Qは、両方とも窒素(N)ではなく、
及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(R、OR、Si(R、CF、CN、F、
-Cアルキル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
-C18アリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、及び
-C17ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、Me、Pr、Bu、CF、CN、F、N(Ph)、及び
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu、Ph、CN、CFまたはFによって置換されたPh、
は、それぞれの場合に互いに独立して、CN、CF及び化学式EWG-Iによる構造からなる群から選択される:
【化59】

・・・化学式EWG-I
ここで、Rは、Rのように定義され、但し、少なくとも1つのR基は、CNまたはCFであり、
ここで、化学式A-IVにおいて、2つの隣接した基Rは、選択的に芳香族環を形成し、これは化学式A-IVの構造に縮合され、水素、重水素、Me、Pr、Bu、CF、CN、F、及び1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu、Ph、CN、CFまたはFによって置換されたPhからなる群から互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換され、
ここで、選択的にこのように形成された縮合環系は、総9から18個の環原子を含み、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)及びCR12から選択され、但し、少なくとも1つのQは窒素(N)であり、
11は、それぞれの場合に互いに独立して、第1または第2化学的部分を第3化学的部分に連結する単結合の結合位置であるか、または互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、Me、Pr、Bu、及び
Me、Pr、Bu及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されるPh、
12は、Rのように定義され、
ここで、第3化学的部分に結合された第1及び第2化学的部分の最大個数は、第3化学的部分で利用可能な結合位置の個数(すなわち、置換基R11の個数)のみによって限定される(好ましくは、前述の規定により、それぞれのTADF材料Eは、少なくとも1つの第1化学的部分、少なくとも1つの第2化学的部分及び正確に1つの第3化学的部分を含む)。
【0297】
本発明のより好ましい実施形態において、
は、それぞれの場合に互いに独立して、直接結合、CR、C=O、NR、O、SiR、S、S(O)及びS(O)からなる群から選択され、
、R及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(R、OR、Si(R、CF、CN、Me、Pr、Bu、
Ph、ここで、1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換され、
カルバゾリル、ここで、1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換され、
トリアジニル、ここで、1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換され、
ピリミジニル、ここで、1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換され、
ピリジニル、ここで、1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換され、
及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(R、OR、Si(R、CF、CN、
-Cアルキル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
-C18アリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、及び
-C17ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、CF、CN、F、Me、Pr、Bu、及び
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換されたPh、
ここで、選択的に、任意の置換基R、R、R、R及びRは、互いに独立して、R、R、R、R及びRから選択された1以上の隣接した置換基と共に、単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系及び/またはベンゾ縮合環系を形成し、
ここで、選択的にこのように形成された環系は、水素、重水素、Me、Pr、Bu、CF、CN、F、及び1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu、Ph、CN、CFまたはFによって置換されたPhからなる群から互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換され、
ここで、選択的にこのように形成された、化学式D1による構造、及び隣接した置換基によって形成された結合された環から構成された縮合環系、総13から30個の環原子、好ましくは、16から30個の環原子を含み、
aは整数であり、0または1であり、
bは整数であり、それぞれの場合、0または1であり、ここで、両方のbは常に同一であり、
ここで、整数aが1であるとき、両方の整数bは0であり、両方の整数bが1であるとき、整数aは0であり、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)、CR及びCRから選択され、但し、化学式A-Iにおいて、2つの隣接した基Qは、両方とも窒素(N)ではなく、ここで、化学式A-Iの基Qのうち何も窒素(N)ではない場合、基Qのうち少なくとも1つはCRであり、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)及びCRから選択され、但し、化学式A-II及びA-IIIにおいて、少なくとも1つの基Qは窒素(N)であり、2つの隣接した基Qは、両方とも窒素(N)ではなく、
及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(R、OR、Si(R、CF、CN、F、
-Cアルキル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
-C18アリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、及び
-C17ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、Me、Pr、Bu、CF、CN、F、N(Ph)、及び
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu、Ph、CN、CFまたはFによって置換されたPh、
は、それぞれの場合に互いに独立して、CN、CF及び化学式EWG-Iによる構造からなる群から選択される:
【化60】

・・・化学式EWG-I
ここで、Rは、Rのように定義され、但し、少なくとも1つのR基は、CNまたはCFであり、
ここで、化学式A-IVにおいて、2つの隣接した基Rは、選択的に芳香族環を形成し、これは化学式A-IVの構造に縮合され、水素、重水素、Me、Pr、Bu、CF、CN、F、及び1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu、Ph、CN、CFまたはFによって置換されたPhからなる群から互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換され、
ここで、選択的にこのように形成された縮合環系は、総9から18個の環原子を含み、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)及びCR12から選択され、但し、少なくとも1つのQは窒素(N)であり、
11は、それぞれの場合に互いに独立して、第1または第2化学的部分を第3化学的部分に連結する単結合の結合位置であるか、または互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、Me、Pr、Bu、及び
Me、Pr、Bu及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されるPh、
12は、Rのように定義され、
ここで、第3化学的部分に結合された第1及び第2化学的部分の最大個数は、第3化学的部分で利用可能な結合位置の個数(すなわち、置換基R11の個数)のみによって限定される(好ましくは、前述の規定により、それぞれのTADF材料Eは、少なくとも1つの第1化学的部分、少なくとも1つの第2化学的部分及び正確に1つの第3化学的部分を含む)。
【0298】
本発明のより好ましい実施形態において、
は、それぞれの場合に互いに独立して、直接結合、CR、C=O、NR、O、SiR、S、S(O)及びS(O)からなる群から選択され、
、R及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(R、OR、Si(R、CF、CN、Me、Pr、Bu、
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換されたPh、及び
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換されたカルバゾリル、
及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、OR、Si(R
-Cアルキル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
-C18アリール、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、CF、CN、F、Me、Pr、Bu、及び
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換されたPh、
ここで、選択的に、任意の置換基R、R、R、R及びRは、互いに独立して、R、R、R、R及びRから選択された1以上の隣接した置換基と共に、単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系及び/またはベンゾ縮合環系を形成し、
ここで、選択的にこのように形成された環系は、水素、重水素、Me、Pr、Bu、CF、CN、F、及び1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu、Ph、CN、CFまたはFによって置換されたPhからなる群から互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換され、
ここで、選択的にこのように形成された、化学式D1による構造、及び隣接した置換基によって形成された結合された環から構成された縮合環系は、総13から30個の環原子、好ましくは、16から30個の環原子を含み、
aは整数であり、0または1であり、
bは整数であり、それぞれの場合、0または1であり、ここで、両方のbは常に同一であり、
ここで、整数aが1であるとき、両方の整数bは0であり、両方の整数bが1であるとき、整数aは0であり、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)、CR及びCRから選択され、但し、化学式A-Iにおいて、2つの隣接した基Qは、両方とも窒素(N)ではなく、ここで、化学式A-Iの基Qのうち何も窒素(N)ではない場合、基Qのうち少なくとも1つはCRであり、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)及びCRから選択され、但し、化学式A-II及びA-IIIにおいて、少なくとも1つの基Qは窒素(N)であり、2つの隣接した基Qは、両方とも窒素(N)ではなく、
及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、OPh、N(Ph)、Si(Me)、Si(Ph)、CF、CN、F、Me、Pr、Bu、
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換されたPh、及び
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換されたカルバゾリル、
は、それぞれの場合に互いに独立して、CN、CF及び化学式EWG-Iによる構造からなる群から選択される:
【化61】

・・・化学式EWG-I
ここで、Rは、Rのように定義され、但し、少なくとも1つのR基は、CNまたはCFであり、
ここで、化学式A-IVにおいて、2つの隣接した基Rは、選択的に芳香族環を形成し、これは化学式A-IVの構造に縮合され、水素、重水素、Me、Pr、Bu、CF、CN、F、及び1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu、Ph、CN、CFまたはFによって置換されたPhからなる群から互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換され、
ここで、選択的にこのように形成された縮合環系は、総9から18個の環原子を含み、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)及びCR12から選択され、但し、少なくとも1つのQは窒素(N)であり、
11は、それぞれの場合に互いに独立して、第1または第2化学的部分を第3化学的部分に連結する単結合の結合位置であるか、または互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、Me、Pr、Bu、
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換されるPh、
12は、Rのように定義され、
ここで、第3化学的部分に結合された第1及び第2化学的部分の最大個数は、第3化学的部分で利用可能な結合位置の個数(すなわち、置換基R11の個数)のみによって限定される(好ましくは、前述の規定により、それぞれのTADF材料Eは、少なくとも1つの第1化学的部分、少なくとも1つの第2化学的部分及び正確に1つの第3化学的部分を含む)。
【0299】
本発明のより好ましい実施形態において、
は、それぞれの場合に互いに独立して、直接結合、CR、C=O、NR、O、SiR、S、S(O)及びS(O)からなる群から選択され、
、R及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(Ph)、Si(Me)、Si(Ph)、CF、CN、Me、Pr、Bu、
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換されたPh、及び
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換されたカルバゾリル、
及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、Me、Pr、Bu、
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換されたPh、
ここで、選択的に、任意の置換基R、R、R、R及びRは、互いに独立して、R、R、R、R及びRから選択された1以上の隣接した置換基と共に、単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系及び/またはベンゾ縮合環系を形成し、
ここで、選択的にこのように形成された環系は、水素、重水素、Me、Pr、Bu、CF、CN、F、及び1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu、Ph、CN、CFまたはFによって置換されたPhからなる群から互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換され、
ここで、選択的にこのように形成された、化学式D1による構造、及び隣接した置換基によって形成された結合された環から構成された縮合環系は、総13から30個の環原子、好ましくは、16から30個の環原子を含み、
aは整数であり、0または1であり、
bは整数であり、それぞれの場合、0または1であり、ここで、両方のbは常に同一であり、
ここで、整数aが1であるとき、両方の整数bは0であり、両方の整数bが1であるとき、整数aは0であり、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)、CR及びCRから選択され、但し、化学式A-Iにおいて、2つの隣接した基Qは、両方とも窒素(N)ではなく、ここで、化学式A-Iの基Qのうち何も窒素(N)ではない場合、基Qのうち少なくとも1つはCRであり、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)及びCRから選択され、但し、化学式A-II及びA-IIIにおいて、少なくとも1つの基Qは窒素(N)であり、2つの隣接した基Qは、両方とも窒素(N)ではなく、
及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(Ph)、Si(Me)、Si(Ph)、Me、Pr、Bu、
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換されたPh、及び
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換されたカルバゾリル、
は、それぞれの場合に互いに独立して、CN、CF及び化学式EWG-Iによる構造からなる群から選択される:
【化62】

・・・化学式EWG-I
ここで、Rは、Rのように定義されるが、CNまたはCFであり、但し、少なくとも1つのR基は、CNまたはCFであり、
ここで、化学式A-IVにおいて、2つの隣接した基Rは、選択的に芳香族環を形成し、これは化学式A-IVの構造に縮合され、水素、重水素、Me、Pr、Bu、CF、CN、F、及び1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu、Ph、CN、CFまたはFによって置換されたPhからなる群から互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換され、
ここで、選択的にこのように形成された縮合環系は、総9から18個の環原子を含み、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)及びCR12から選択され、但し、少なくとも1つのQは窒素(N)であり、
11は、それぞれの場合に互いに独立して、第1または第2化学的部分を第3化学的部分に連結する単結合の結合位置であるか、または互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、Me、Pr、Bu、及び
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換されるPh、
12は、Rのように定義され、
ここで、第3化学的部分に結合した第1及び第2化学的部分の最大個数は、第3化学的部分で利用可能な結合位置の個数(すなわち、置換基R11の個数)のみによって限定される(好ましくは、前述の規定により、それぞれのTADF材料Eは、少なくとも1つの第1化学的部分、少なくとも1つの第2化学的部分及び正確に1つの第3化学的部分を含む)。
【0300】
本発明の特に好ましい実施形態において、
は、それぞれの場合に互いに独立して、直接結合、CR、C=O、NR、O、SiR、S、S(O)及びS(O)からなる群から選択され、
、R及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、CF、CN、Me、Pr、Bu、及び
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換されたPh、
及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、Me、Pr、Bu、及び
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換されたPh、
ここで、選択的に、任意の置換基R、R、R、R及びRは、互いに独立して、R、R、R、R及びRから選択された1以上の隣接した置換基と共に、単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系及び/またはベンゾ縮合環系を形成し、
ここで、選択的にこのように形成された環系は、水素、重水素、Me、Pr、Bu、CF、及び1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhによって置換されたPhからなる群から互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換され、
ここで、選択的にこのように形成された、化学式D1による構造、及び隣接した置換基によって形成し結合された環から構成された縮合環系は、総13から30個の環原子、好ましくは、16から30個の環原子を含み、
aは整数であり、0または1であり、
bは整数であり、それぞれの場合、0または1であり、ここで、両方のbは常に同一であり、
ここで、整数aが1であるとき、両方の整数bは0であり、両方の整数bが1であるとき、整数aは0であり、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)、CR及びCRから選択され、但し、化学式A-Iにおいて、2つの隣接した基Qは、両方とも窒素(N)ではなく、ここで、化学式A-Iの基Qのうち何も窒素(N)ではない場合、基Qのうち少なくとも1つはCRであり、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)及びCRから選択され、但し、化学式A-II及びA-IIIにおいて、少なくとも1つの基Qは窒素(N)であり、2つの隣接した基Qは、両方とも窒素(N)ではなく、
及びRは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(Ph)、Me、Pr、Bu、
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換されたPh、
カルバゾリル、ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換され、
は、それぞれの場合に互いに独立して、CN、CF及び化学式EWG-Iによる構造からなる群から選択される:
【化63】

・・・化学式EWG-I
ここで、Rは、Rのように定義されるが、CNまたはCFであり、但し、少なくとも1つのR基は、CNまたはCFであり、
ここで、化学式A-IVにおいて、2つの隣接した基Rは、選択的に芳香族環を形成し、これは化学式A-IVの構造に縮合され、水素、重水素、Me、Pr、Bu、CF、CN、F、及び1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu、Ph、CN、CFまたはFによって置換されたPhからなる群から互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換され、
ここで、選択的にこのように形成された縮合環系は、総9から18個の環原子を含み、
は、それぞれの場合に互いに独立して、窒素(N)及びCR12から選択され、但し、少なくとも1つのQは窒素(N)であり、
11は、それぞれの場合に互いに独立して、第1または第2化学的部分を第3化学的部分に連結する単結合の結合位置であるか、または互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、Me、Pr、Bu、及び
1以上の水素原子が選択的に互いに独立して重水素、Me、Pr、Bu及びPhで置換されるPh、
12は、Rのように定義され、
ここで、第3化学的部分に結合された第1及び第2化学的部分の最大個数は、第3化学的部分で利用可能な結合位置の個数(すなわち、置換基R11の個数)のみによって限定される(好ましくは、前述の規定により、それぞれのTADF材料Eは、少なくとも1つの第1化学的部分、少なくとも1つの第2化学的部分及び正確に1つの第3化学的部分を含む)。
【0301】
本発明の好ましい実施形態において、aは常に1であり、bは常に0である。
【0302】
本発明の好ましい実施形態において、Zは、それぞれの場合に直接結合である。
【0303】
本発明の好ましい実施形態において、Rは、それぞれの場合に水素である。
【0304】
本発明の好ましい実施形態において、R及びRは、それぞれの場合に水素である。
【0305】
本発明の好ましい実施形態において、Qは、それぞれの場合に窒素(N)である。
【0306】
本発明の一実施形態において、化学式EWG-Iにおいて、少なくとも1つの基RはCNである。
【0307】
本発明の好ましい実施形態において、化学式EWG-Iにおいて、正確に1つの基RはCNである。
【0308】
本発明の好ましい実施形態において、化学式EWG-Iにおいて、正確に1つのR基はCNであり、化学式EWG-Iにおいて、R基はCFではない。
【0309】
本発明による第1化学的部分の例を下記に示すが、これは、本発明がそれら例に限定されることを意味するものではない:
【化64】

【化65】

【化66】

【化67】

【化68】

【化69】

【化70】

【化71】

【化72】

【化73】

【化74】

【化75】

【化76】

【化77】

【化78】

【化79】

ここで、前述の定義が適用される。
【0310】
本発明による第2化学的部分の例を下記に示すが、これは、本発明がそれら例に限定されることを意味するものではない:
【化80】

【化81】

【化82】

【化83】

【化84】

【化85】

【化86】

【化87】

【化88】

【化89】

ここで、前述の定義が適用される。
【0311】
本発明の好ましい実施形態において、各TADF材料Eは、化学式E-I、E-II、E-III、E-IV、E-V、E-VI、E-VII、E-VIII、E-IX、E-X及びE-XIのうちいずれか1つで表される構造を有する:
【化90】

・・・化学式E-I
【化91】

・・・化学式E-II
【化92】

・・・化学式E-III
【化93】

・・・化学式E-IV
【化94】

・・・化学式E-V
【化95】

・・・化学式E-VI
【化96】

・・・化学式E-VII
【化97】

・・・化学式E-VIII
【化98】

・・・化学式E-IX
【化99】

・・・化学式E-X
【化100】

・・・化学式E-XI
ここで、
13は、R11のように定義され、但し、R13は、第1または第2化学的部分を第3化学的部分に連結する単結合の結合位置ではなく、
は、CN及びCFから選択されるか、またはRは、下記化学式BN-Iによる構造を含むか、あるいはそれから構成される:
【化101】

・・・化学式BN-I
これは、点線で表される単結合により、化学式E-I、E-II、E-III、E-IV、E-V、E-VI、E-VII、E-VIIIまたはE-IXの構造に結合され、ここで、正確に1つのRBN基はCNであり、他の2つのRBN基は、両方とも水素(H)であり、
その他には、前述の定義が適用される。
【0312】
本発明の好ましい実施形態において、R13は、それぞれの場合に水素である。
【0313】
本発明の一実施形態において、Rは、それぞれの場合にCNである。
【0314】
本発明の一実施形態において、Rは、それぞれの場合にCFである。
【0315】
本発明の一実施形態において、Rは、それぞれの場合に化学式BN-Iで表される構造である。
【0316】
本発明の好ましい実施形態において、Rは、それぞれの場合に互いに独立して、CN及び化学式BN-Iで表される構造から選択される。
【0317】
本発明の好ましい実施形態において、それぞれのTADF材料Eは、前述の定義が適用される化学式E-I、E-II、E-III、E-IV、E-V、E-VI、E-VII及びE-Xのうちいずれか1つで表される構造を有する。
【0318】
本発明の好ましい実施形態において、それぞれのTADF材料Eは、前述の定義が適用される化学式E-I、E-II、E-III、E-V及びE-Xのうちいずれか1つで表される構造を有する。
【0319】
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子に使用するためのTADF材料Eの例が下記に示されるが、これは、単に示された例のみが本発明の文脈において好適なTADF材料Eということを意味しない。
【0320】
化学式E-IによるTADF材料Eの非限定的な例が下記に示される:
【化102】

【化103】

【化104】

【化105】

【化106】

【化107】

【化108】

【化109】

【化110】
【0321】
化学式E-IIによるTADF材料Eの非限定的な例が下記に示される:
【化111】

【化112】

【化113】

【化114】

【化115】
【0322】
化学式E-IIIによるTADF材料Eの非限定的な例が下記に示される:
【化116】

【化117】

【化118】

【化119】
【0323】
化学式E-IVによるTADF材料Eの非限定的な例が下記に示される:
【化120】
【0324】
化学式E-VによるTADF材料Eの非限定的な例が下記に示される:
【化121】
【0325】
化学式E-VIによるTADF材料Eの非限定的な例が下記に示される:
【化122】
【0326】
化学式E-VIIによるTADF材料Eの非限定的な例が下記に示される:
【化123】
【0327】
化学式E-VIIIによるTADF材料Eの非限定的な例が下記に示される:
【化124】
【0328】
化学式E-IXによるTADF材料Eの非限定的な例が下記に示される:
【化125】

【化126】
【0329】
化学式E-XによるTADF材料Eの非限定的な例が下記に示される:
【化127】

【化128】
【0330】
化学式E-XIによるTADF材料Eの非限定的な例が下記に示される:
【化129】
【0331】
TADF材料Eの合成は、当業者に周知の標準反応及び反応条件を介して達成される。一般的に、第1ステップにおいて、カップリング反応、好ましくは、パラジウム触媒化されたカップリング反応が行われ、これを化学式E-III、E-IV及びE-Vのうちいずれか1つによるTADF材料Eの合成に対して下記に例示的に示した:
【化130】
【0332】
E1は、任意のボロン酸(R=H)または対応するボロン酸エステル(R=アルキルまたはアリール)であり、特に、2つのRは環を形成し、例えば、ボロン酸ピナコールエステルを提供することができる。第2反応物としてE2が使用され、ここで、Halはハロゲンを示し、I、BrまたはClでもあるが、好ましくは、Brである。そのようなパラジウム触媒化されたカップリング反応の反応条件は、例えば、WO2017/005699から当業者に公知されており、E1及びE2の反応基が反応収率を最適化するために下記に示したように交換可能であることが知られている:
【化131】
【0333】
第2ステップにおいて、親核性芳香族置換において窒素ヘテロ環と、アリールハライド、好ましくは、アリールフルオライドE3との反応を介してTADF分子を得る。典型的な条件は、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)のような非プロトン性極性溶媒において、例えば、リン酸三カリウムまたは水素化ナトリウムのような塩基の使用を含む。
【化132】
【0334】
特に、ドナー分子E4は、3,6-置換のカルバゾール(例えば、3,6-ジメチルカルバゾール、3,6-ジフェニルカルバゾール、3,6-ジ-tert-ブチルカルバゾール)、2,7-置換のカルバゾール(例えば、2,7-ジメチルカルバゾール、2,7-ジフェニルカルバゾール、2,7-ジ-tert-ブチルカルバゾール)、1,8-置換のカルバゾール(例えば、1,8-ジメチルカルバゾール、1,8-ジフェニルカルバゾール、1,8-ジ-tert-ブチルカルバゾール)、1-置換のカルバゾール(例えば、1-メチルカルバゾール、1-フェニルカルバゾール、1-tert-ブチルカルバゾール)、2-置換のカルバゾール(例えば、2-メチルカルバゾール、2-フェニルカルバゾール、2-tert-ブチルカルバゾール)、または3-置換のカルバゾール(例えば、3-メチルカルバゾール、3-フェニルカルバゾール、3-tert-ブチルカルバゾール)でもある。
【0335】
代案としては、ハロゲン置換のカルバゾール、特に3-ブロモカルバゾールがE4としても使用される。
【0336】
後続反応において、ボロン酸エステル作用基またはボロン酸作用基は、E4を介して導入された1以上のハロゲン置換基の位置に例示的に導入され、対応するカルバゾール-3-イル-ボロン酸エステルまたはカルバゾール-3-イル-ボロン酸を、例えば、(ピナコラート)ジボロン(CAS No.73183-34-3)との反応を介して生成することができる。次いで、相応するハロゲン化反応物、例えば、R-Hal、好ましくは、R-Cl及びR-Brとのカップリング反応を介して、ボロン酸エステル基またはボロン酸基の代わりに、1以上の置換基R、RまたはRを導入することができる。
【0337】
代案としては、置換基R[R-B(OH)]、R[R-B(OH)]またはR[R-B(OH)]のボロン酸または相応するボロン酸エステルとの反応を介して、D-Hを介して導入された1以上のハロゲン置換基の位置に1以上の置換基R、RまたはRを導入することができる。
【0338】
また、TADF材料Eを類似して得ることができる。また、TADF材料Eを当該目的に適している任意の代案的な合成経路によって得ることができる。
【0339】
代案的な合成経路は、窒素ヘテロ環を、銅またはパラジウム触媒によるカップリングを介して、アリールハライドまたはアリール擬ハライド、好ましくは、臭化アリール、ヨウ化アリール、アリールトリフラートまたはアリールトシレートに導入することを含むものでもある。
【0340】
燐光材料P
本発明の文脈において燐光材料Pは、三重項から発光を得るために、金属原子によって惹起される分子内スピン軌道相互作用(重原子効果)を利用する。
【0341】
一般的に、最新技術において有機エレクトロルミネッセンス素子に使用される全ての燐光錯体が本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子にも使用可能であることが理解される。
【0342】
有機エレクトロルミネッセンス素子に使用される燐光材料Pは、Ir、Pd、Pt、Au、Os、Eu、Ru、Re、Ag及びCuの、本発明の文脈において、好ましくは、Ir、Pt及びPdの、より好ましくは、Ir及びPtの錯体ということが当業者に常識である。当業者は、有機エレクトロルミネッセンス素子においていかなる材料が燐光材料として適しているか、及びそれらを合成する方法が分かっている。また、当業者は、有機エレクトロルミネッセンス素子に使用するための燐光錯体の設計原理に慣れ、構造的変化により錯体の発光を調整する方法が分かっている。
【0343】
以下の例示を参照する:C.-L.Ho, H.Li, W.-Y.Wong, Journal of Organometallic Chemistry 2014, 751, 261, DOI: 10.1016/j.jorganchem.2013.09.035; T.Fleetham, G.Li, J.Li, Advanced Science News 2017, 29, 1601861, DOI: 10.1002/adma.201601861; A.R.B.M.Yusoff, A.J.Huckaba, M.K.Nazeeruddin, Topics in Current Chemistry(Z) 2017, 375:39, 1, DOI: 10.1007/s41061-017-0126-7; T.-Y.Li, J.Wuc, Z.-G.Wua, Y.-X.Zheng, J.-L.Zuo, Y.Pan, Coordination Chemistry Reviews 2018, 374, 55, DOI: 10.1016/j.ccr.2018.06.014。
【0344】
例えば、US2020274081(A1)、US20010019782(A1)、US20020034656(A1)、US20030138657(A1)、US2005123791(A1)、US20060065890(A1)、US20060134462(A1)、US20070034863(A1)、US20070111026(A1)、US2007034863(A1)、US2007138437(A1)、US20080020237(A1)、US20080297033(A1)、US2008210930(A1)、US20090115322(A1)、US2009104472(A1)、US20100244004(A1)、US2010105902(A1)、US20110057559(A1)、US2011215710(A1)、US2012292601(A1)、US2013165653(A1)、US20140246656(A1)、US20030068526(A1)、US20050123788(A1)、US2005260449(A1)、US20060127696(A1)、US20060202194(A1)、US20070087321(A1)、US20070190359(A1)、US2007104979(A1)、US2007224450(A1)、US20080233410(A1)、US200805851(A1)、US20090039776(A1)、US20090179555(A1)、US20100090591(A1)、US20100295032(A1)、US20030072964(A1)、US20050244673(A1)、US20060008670(A1)、US20060134459(A1)、US20060251923(A1)、US20070103060(A1)、US20070231600(A1)、US2007104980(A1)、US2007278936(A1)、US20080261076(A1)、US2008161567(A1)、US20090108737(A1)、US2009085476(A1)、US20100148663(A1)、US2010102716(A1)、US2010270916(A1)、US20110204333(A1)、US2011285275(A1)、US2013033172(A1)、US2013334521(A1)、US2014103305(A1)、US2003068536(A1)、US2003085646(A1)、US2006228581(A1)、US2006197077(A1)、US2011114922(A1)、US2011114922(A1)、US2003054198(A1)及びEP2730583(A1)は、本発明の文脈において燐光材料Pに使用可能な燐光材料を開示する。これは、本発明が、命名された参照文献のうち1つに述べられた燐光材料を含む有機エレクトロルミネッセンス素子に限定されるということを意味しないものと理解される。
【0345】
US2020274081(A1)に示されたように、本発明のもののような有機エレクトロルミネッセンス素子に使用するための燐光錯体の例は、下記に示した錯体を含む。再び、本発明がそれら実施例に限定されないということが理解される。
【0346】
【化133】

【化134】


【化135】

【化136】

【化137】

【化138】

【化139】

【化140】

【化141】

【化142】
【0347】
前述のように、当業者は、最新技術において使用される任意の燐光錯体が本発明の文脈における燐光材料Pとして適していることを認識することができる。
【0348】
本発明の一実施形態において、それぞれの燐光材料Pは、イリジウム(Ir)を含む。
【0349】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つの燐光材料P、好ましくは、それぞれの燐光材料Pは、イリジウム(Ir)または白金(Pt)を含む有機金属錯体である。
【0350】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つの燐光材料P、好ましくは、それぞれの燐光材料Pは、イリジウム(Ir)を含む有機金属錯体である。
【0351】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つの燐光材料P、好ましくは、それぞれの燐光材料Pは、白金(Pt)を含む有機金属錯体である。
【0352】
また、燐光材料Pの非限定的な例は、下記一般化学式P-Iで表される化合物を含む:
【化143】

・・・化学式P-I
【0353】
化学式P-Iにおいて、Mは、Ir、Pt、Pd、Au、Eu、Ru、Re、Ag及びCuからなる群から選択され、
nは、1から3の整数であり、
及びYは、共にそれぞれの場合に互いに独立して、二座モノアニオン性リガンドを形成する。
【0354】
本発明の一実施形態において、それぞれの燐光材料Pは、下記化学式P-Iによる構造を含むか、あるいはそれから構成される:
【化144】

・・・化学式P-I
ここで、Mは、Ir、Pt、Pd、Au、Eu、Ru、Re、Ag及びCuからなる群から選択され、
nは、1から3の整数であり、
及びYは、共にそれぞれの場合に互いに独立して、二座モノアニオン性リガンドを形成する。
【0355】
化学式P-Iで表される化合物の例は、下記一般化学式P-IIまたは一般化学式P-IIIで表される化合物を含む:
【化145】

・・・化学式P-II
【化146】

・・・化学式P-III
化学式P-II及びP-IIIにおいて、X’は、Mに炭素(C)結合された芳香族環であり、Y’は、Mに窒素(N)配位されて環を形成する環である。
【0356】
X’とY’は結合され、X’とY’は、新たな環を形成することができる。化学式P-IIIにおいて、Zは、2つの酸素(O)を有する二座リガンドである。化学式P-II及びP-IIIにおいて、Mは、高効率及び長寿命の観点から、好ましくは、Irである。
【0357】
化学式P-II及びP-IIIにおいて、芳香族環X’は、例えば、C-C30アリール、好ましくは、C-C16アリール、より好ましくは、C-C12アリール、特に好ましくは、C-C10アリールであり、ここで、X’は、それぞれの場合に選択的に1以上の置換基Rで置換される。
【0358】
化学式P-II及びP-IIIにおいて、Y’は、例えば、C-C30ヘテロアリール、好ましくは、C-C25ヘテロアリール、より好ましくは、C-C20ヘテロアリール、より一層好ましくは、C-C15ヘテロアリール、特に好ましくは、C-C10ヘテロアリールであり、ここで、Y’は、それぞれの場合に選択的に1以上の置換基Rで置換される。また、Y’は、例えば、選択的に1以上の置換基Rで置換されるC-Cヘテロアリールでもある。
【0359】
化学式P-II及びP-IIIにおいて、2つの酸素(O)を有する二座リガンドZは、例えば、2つの酸素を有するC-C30二座リガンド、好ましくは、2つの酸素を有するC-C25二座リガンド、より好ましくは、2つの酸素を有するC-C20二座リガンド、より一層好ましくは、2つの酸素を有するC-C15二座リガンド、特に好ましくは、2つの酸素を有するC-C10二座リガンドであり、ここで、Zは、それぞれの場合に選択的に1以上の置換基Rで置換される。また、Zは、例えば、選択的に1以上の置換基Rで置換される2つの酸素を有するC-C二座リガンドでもある。
【0360】
は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択される:
水素、重水素、N(R5E、OR5E、SR5E、Si(R5E、CF、CN、ハロゲン、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基R5Eで選択的に置換され、ここで、1以上の隣接しないCH基は、R5EC=CR5E、C≡C、Si(R5E、Ge(R5E、Sn(R5E、C=O、C=S、C=Se、C=NR5E、P(=O)(R5E)、SO、SO、NR5E、O、SまたはCONR5Eで選択的に置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基R5Eで選択的に置換され、ここで、1以上の隣接しないCH基は、R5EC=CR5E、C≡C、Si(R5E、Ge(R5E、Sn(R5E、C=O、C=S、C=Se、C=NR5E、P(=O)(R5E)、SO、SO、NR5E、O、SまたはCONR5Eで選択的に置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基R5Eで選択的に置換され、及び
-C57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基R5Eで選択的に置換される。
【0361】
5Eは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択される:
水素、重水素、N(R6E、OR6E、SR6E、Si(R6E、CF、CN、F、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基R6Eで選択的に置換され、ここで、1以上の隣接しないCH基は、R6EC=CR6E、C≡C、Si(R6E、Ge(R6E、Sn(R6E、C=O、C=S、C=Se、C=NR6E、P(=O)(R6E)、SO、SO、NR6E、O、SまたはCONR6Eで選択的に置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基R6Eで選択的に置換され、及び
-C57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基R6Eで選択的に置換される。
【0362】
6Eは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択される:
水素、重水素、OPh、CF、CN、F、
-Cアルキル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFによって置換され、
-Cアルコキシ、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFによって置換され、
-Cチオアルコキシ、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFによって置換され、
-C18アリール、
これは、1以上のC-Cアルキル置換基で選択的に置換され、
-C17ヘテロアリール、
これは、1以上のC-Cアルキル置換基で選択的に置換され、
N(C-C18アリール)
N(C-C17ヘテロアリール)、及び
N(C-C17ヘテロアリール)(C-C18アリール)。
【0363】
置換基R、R5EまたはR6Eは、互いに独立して選択的に1以上の置換基R、R5E、R6E及び/またはX’、Y’及びZと共に、単環または多環、脂肪族環系、芳香族環系、ヘテロ芳香族環系及び/またはベンゾ縮合環系を形成することができる。
【0364】
化学式P-IIで表される化合物の例には、Ir(ppy)、Ir(ppy)(acac)、Ir(mppy)、Ir(PPy)(m-bppy)、BtpIr(acac)、Ir(btp)(acac)、Ir(2-phq)、Hex-Ir(phq)、Ir(fbi)(acac)、fac-トリス(2-(3-p-キシリル)フェニル)ピリジンイリジウム(III)、Eu(dbm)(Phen)、Ir(piq)、Ir(piq)(acac)、Ir(Fiq)(acac)、Ir(Flq)(acac)、Ru(dtb-bpy)・2(PF6)、Ir(2-phq)、Ir(BT)(acac)、Ir(DMP)、Ir(Mpq)、Ir(phq)tpy、fac-Ir(ppy)Pc、Ir(dp)PQ、Ir(Dpm)(Piq)、Hex-Ir(piq)(acac)、Hex-Ir(piq)、Ir(dmpq)、Ir(dmpq)(acac)、FPQIrpicなどがある。
【0365】
化学式P-IIで表される化合物の他の例は、下記化学式P-II-1からP-II-11で表される化合物を含む。構造式において、「Me」は、メチル基を示す。
【化147】

【化148】

【化149】
【0366】
化学式P-IIIで表される化合物の他の例は、下記化学式P-III-1からP-III-6で表される化合物を含む。構造式において、「Me」は、メチル基を示す。
【0367】
【化150】
【0368】
また、US2003017361(A1)、US2004262576(A1)、WO2010027583(A1)、US2019245153(A1)、US2013119354(A1)、US2019233451(A1)に記載されたイリジウム錯体を使用することができる。燐光材料の高効率観点から、Ir(ppy)とHex-Ir(ppy)が緑色発光によく使用される。
【0369】
小さなFWHMエミッタS
本発明による小さな半値幅(FWHM)エミッタSは、一般的に、室温(すなわち、(約)20℃)でポリ(メチルメタクリレート)PMMA中の1から5重量%、特に2重量%のエミッタを有するスピンコーティング膜から測定されたFWHWが0.25eV以下(≦0.25)を示す発光スペクトルを有する任意のエミッタでもある。代案としては、小さなFWHMエミッタSの発光スペクトルは、一般的に、室温(すなわち、(約)20℃)でジクロロメタンまたはトルエン中の0.001~0.2mg/mLのエミッタSがある溶液で測定されうる。
【0370】
本発明の好ましい実施形態において、小さなFWHMエミッタSは、室温でPMMA中の1から5重量%、特に2重量%のエミッタSを有するスピンコーティング膜から測定された≦0.24eV、より好ましくは、≦0.23eV、より一層好ましくは、≦0.22eV、≦0.21eV、または≦0.20eVのFWHMを示す発光スペクトルを有する任意のエミッタである。代案としては、小さなFWHMエミッタSの発光スペクトルは、一般的に、室温(すなわち、(約)20℃)でジクロロメタンまたはトルエン中の0.001~0.2mg/mLのエミッタSがある溶液で測定することができる。本発明の他の実施形態において、それぞれの小さなFWHMエミッタSは、≦0.19eV、≦0.18eV、≦0.17eV、≦0.16eV、≦0.15eV、≦0.14eV、≦0.13eV、≦0.12eV、または≦0.11eVのFWHMを示す。
【0371】
本発明の一実施形態において、それぞれの小さなFWHMエミッタSは、室温で(1から5重量%、特に2重量%のエミッタSの)PMMAで測定するとき、440nmから470nmの波長範囲に最大発光を有する光で発光する。
【0372】
本発明の一実施形態において、それぞれの小さなFWHMエミッタSは、室温で(1から5重量%、特に2重量%のエミッタSの)PMMAで測定するとき、500nmから560nmの波長範囲に最大発光を有する光で発光する。
【0373】
本発明の一実施形態において、それぞれの小さなFWHMエミッタSは、室温で(1から5重量%、特に2重量%のエミッタSの)PMMAで測定するとき、610nmから665nmの波長範囲に最大発光を有する光で発光する。
【0374】
本発明の一実施形態において、それぞれの小さなFWHMエミッタSは、室温(すなわち、(約)20℃)でジクロロメタンまたはトルエン中の0.001~0.2mg/mLのエミッタSで測定するとき、440nmから470nmの波長範囲の最大発光で発光する。
【0375】
本発明の一実施形態において、それぞれの小さなFWHMエミッタSは、室温(すなわち、(約)20℃)でジクロロメタンまたはトルエン中の0.001~0.2mg/mLのエミッタSで測定するとき、500nmから560nmの波長範囲に最大発光を有する光で発光する。
【0376】
本発明の一実施形態において、それぞれの小さなFWHMエミッタSは、室温(すなわち、(約)20℃)でジクロロメタンまたはトルエン中の0.001~0.2mg/mLのエミッタSで測定するとき、610nmから665nmの波長範囲の最大発光で発光する。
【0377】
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層Bに含まれたTADF材料Eは、選択的に0.25eV以下(≦0.25eV)のFWHMを示す発光スペクトルを有するエミッタでもある。選択的に、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層Bに含まれたTADF材料Eは、また、前述の波長範囲(すなわち、400nmから470nm、500nmから560nm、610nmから665nm)内で最大発光を示すことができる。
【0378】
本発明の一実施形態において、下記式(23)から(25)で表される関係のうち1つが適用される:
440nm<λmax(S)<470nm (23)
510nm<λmax(S)<550nm (24)
610nm<λmax(S)<665nm (25)
ここで、λmax(S)は、本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSの最大発光を示す。
【0379】
一実施形態において、式(23)から(25)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも1層の発光層Bのうちいずれか1つに含まれた材料に適用される。一実施形態において、式(23)から(25)で表される前述の関係は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の同じ発光層Bに含まれた材料に適用される。
【0380】
本発明の好ましい実施形態において、それぞれの小さなFWHMエミッタSは、有機エミッタであり、これは、本発明の文脈においていかなる遷移金属も含まないということを意味する。好ましくは、本発明による小さなFWHMエミッタSは、主に水素(H)、炭素(C)、窒素(N)及びボロン(B)から構成されるが、例えば、酸素(O)、シリコン(Si)、フッ素(F)及び臭素(Br)を含んでもよい。
【0381】
本発明の好ましい実施形態において、小さなFWHMエミッタSは、蛍光エミッタであり、これは、本発明の文脈において、(例えば、本発明による光電子素子において)電子励起時にエミッタが常温で発光することができ、ここで、発光励起状態は一重項状態であることを意味する。
【0382】
本発明の一実施形態において、小さなFWHMエミッタSは、室温で(1から5重量%、特に2重量%のエミッタSの)PMMAで測定するとき、50%以上のフォトルミネセンス量子収率(PLQY)を示す。
【0383】
本発明の好ましい実施形態において、小さなFWHMエミッタSは、室温で(1から5重量%、特に2重量%のエミッタSの)PMMAで測定するとき、60%以上のフォトルミネセンス量子収率(PLQY)を示す。
【0384】
本発明のより好ましい実施形態において、小さなFWHMエミッタSは、室温で(1から5重量%、特に2重量%のエミッタSの)PMMAで測定するとき、70%以上のフォトルミネセンス量子収率(PLQY)を示す。
【0385】
本発明のより一層好ましい実施形態において、小さなFWHMエミッタSは、室温で(1から5重量%、特に2重量%のエミッタSの)PMMAで測定するとき、80%以上のフォトルミネセンス量子収率(PLQY)を示す。
【0386】
本発明の特に好ましい実施形態において、小さなFWHMエミッタSは、室温で(1から5重量%、特に2重量%のエミッタSの)PMMAで測定するとき、90%以上のフォトルミネセンス量子収率(PLQY)を示す。
【0387】
本発明の一実施形態において、小さなFWHMエミッタSは、室温(すなわち、(約)20℃)でジクロロメタンまたはトルエン中の0.001~0.2mg/mLのエミッタSで測定するとき、50%以上のフォトルミネセンス量子収率(PLQY)を示す。
【0388】
本発明の好ましい実施形態において、小さなFWHMエミッタSは、室温(すなわち、(約)20℃)でジクロロメタンまたはトルエン中の0.001~0.2mg/mLのエミッタSで測定するとき、60%以上のフォトルミネセンス量子収率(PLQY)を示す。
【0389】
本発明のより好ましい実施形態において、小さなFWHMエミッタSは、室温(すなわち、(約)20℃)でジクロロメタンまたはトルエン中の0.001~0.2mg/mLのエミッタSで測定するとき、70%以上のフォトルミネセンス量子収率(PLQY)を示す。
【0390】
本発明のより一層好ましい実施形態において、小さなFWHMエミッタSは、室温(すなわち、(約)20℃)でジクロロメタンまたはトルエン中の0.001~0.2mg/mLのエミッタSで測定するとき、80%以上のフォトルミネセンス量子収率(PLQY)を示す。
【0391】
本発明の特に好ましい実施形態において、小さなFWHMエミッタSは、室温(すなわち、(約)20℃)でジクロロメタンまたはトルエン中の0.001~0.2mg/mLのエミッタSで測定するとき、90%以上のフォトルミネセンス量子収率(PLQY)を示す。
【0392】
当業者は、前述の要件または好ましい特徴を満たす小さなFWHMエミッタSを設計する方法が分かっている。
【0393】
本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSを提供するのに適している部類の分子は、周知の4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(BODIPY)系材料であり、有機エレクトロルミネッセンス素子におけるその構造的特徴及び応用が詳細に検討されており、当業者に一般的な知識である。また、最新技術は、そのような材料が合成される方法及び特定発光色相を有するエミッタに達する方法を示す。
【0394】
例えば、下記を参照する:J.Liao, Y.Wang, Y.Xu, H.Zhao, X.Xiao, X.Yang, Tetrahedron 2015, 71(31), 5078, DOI: 10.1016/j.tet.2015.05.054; B.MSqueo, M.Pasini, Supramolecular Chemistry 2020, 32(1), 56-70, DOI: 10.1080/10610278.2019.1691727; M.Poddar, R.Misra, Coordination Chemistry Reviews 2020, 421, 213462-213483; DOI: 10.1016/j.ccr.2020.213462。
【0395】
また、当業者は、下記に示したBODIPY基本構造が、
【化151】

例えば、分子間π-π相互作用及び関連した自己消光により、有機エレクトロルミネッセンス素子のエミッタとして理想的に適していないという事実に慣れている。
【0396】
前述のBODIPYコア構造に置換基として体積の大きい基を結合することにより、有機エレクトロルミネッセンス素子にさらに適しているエミッタ分子に達することができるということは当業者に常識である。そのような体積の大きい基は、例えば、(多くの他のもののうち)アリール、ヘテロアリール、アルキルまたはアルコキシ置換基または縮合された多環芳香族またはヘテロ芳香族でもあり、それらはいずれも選択的に置換される。BODIPYコアにおいて好適な置換基の選択は、当業者に明白であり、最新技術から容易に誘導されうる。そのような分子の合成及び後続変形のために確立されてきた多数の合成経路に対しても同様である。
【0397】
例えば、下記を参照する:BM Squeo, M.Pasini, Supramolecular Chemistry 2020, 32(1), 56-70, DOI: 10.1080/10610278.2019.1691727; M.Poddar, R.Misra, Coordination Chemistry Reviews 2020, 421, 213462-213483; DOI: 10.1016/j.ccr.2020.213462。
【0398】
本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSとして適しているBODIPY系エミッタの例を下記に示した:
【化152】

【化153】

【化154】

【化155】
【0399】
これは、前述のところと異なる構造的特徴を有するBODIPY誘導体が本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSとして適していないということを意味しないものと理解される。例えば、US2020251663(A1)、EP3671884(A1)、US20160230960(A1)、US20150303378(A1)に開示されたBODIPY由来構造またはその誘導体は、本発明による使用に適している小さなFWHMエミッタSでもある。
【0400】
また、BODIPYコア構造の中心ボロン原子に結合したフッ素置換基のうち1つまたは両方を、酸素原子を介して結合し、好ましくは、フッ素(F)またはトリフルオロメチル(CF)のような電子求引置換基で選択的に置換されるアルコキシ基またはアリールオキシ基に代替することにより、有機エレクトロルミネッセンス素子用エミッタに達することができるということが当業者に公知されている。そのような分子は、例えば、US2012037890(A1)に開示されており、当業者は、そのようなBODIPY関連化合物が本発明の文脈における好適な小さなFWHMエミッタSであることを理解する。そのようなエミッタ分子の例が下記に示されており、これは、下記に示された構造のみが本発明の文脈における好適な小さなFWHMエミッタSであるということを意味しない:
【化156】
【0401】
また、US20190288221(A1)に開示されたBODIPY関連ボロン含有エミッタは、本発明による使用に適している小さなFWHMエミッタSを提供することができる一群のエミッタを構成する。
【0402】
本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSを提供するのに適している他の部類の分子は、NRCT(near-range-charge-transfer)エミッタである。
【0403】
一般的なNRCTエミッタは、時間分解フォトルミネセンススペクトルで遅延された成分を示し、近距離HOMO-LUMO分離を示すものと文献に説明されている。以下の例示を参照する:T.Hatakeyama, K.Shiren, K.Nakajima, S.Nomura, S.Nakatsuka, K.Kinoshita, J.Ni, Y.Ono, and T.Ikuta, Advanced Materials 2016, 28(14), 2777, DOI: 10.1002/adma.201505491。
【0404】
一般的なNRCTエミッタは、発光スペクトルで1つの発光バンドのみを示し、一般的な蛍光エミッタは、振動進行(vibrational progression)により、複数の固有な発光バンドを示す。
【0405】
当業者は、本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSとして適しているNRCTエミッタを設計及び合成する方法が分かっている。例えば、EP3109253(A1)に開示されたエミッタは、本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSとしても使用される。
【0406】
また、例えば、US2014058099(A1)、US2009295275(A1)、US2012319052(A1)、EP2182040(A2)、US2018069182(A1)、US2019393419(A1)、US2020006671(A1)、US2020098991(A1)、US2020176684(A1)、US2020161552(A1)、US2020227639(A1)、US2020185635(A1)、EP3686206(A1)、EP3686206(A1)、WO2020217229(A1)、WO2020208051(A1)及びUS2020328351(A1)は、本発明による使用のための小さなFWHMエミッタSとして適しているエミッタ材料を開示する。
【0407】
本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSとして使用可能な一群のエミッタは、下記化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれから構成されるボロン(B)含有エミッタである:
【化157】

・・・化学式DABNA-I
ここで、
それぞれの環A’、環B’及び環C’は、互いに独立して、それぞれ5から24個の環原子を含む芳香族環またはヘテロ芳香族環を示し、そのうち、ヘテロ芳香族環の場合、1から3個の環原子は、互いに独立して、N、O、S及びSeから選択されるヘテロ原子であり、
ここで、
それぞれの芳香族環またはヘテロ芳香族環A’、B’及びC’において、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して置換基RDABNA-1によって置換され、これは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
重水素、N(RDABNA-2、ORDABNA-2、SRDABNA-2、Si(RDABNA-2、B(ORDABNA-2、OSODABNA-2、CF、CN、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、
-C40アルキル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-2で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、選択的にRDABNA-2C=CRDABNA-2、C≡C、Si(RDABNA-2、Ge(RDABNA-2、Sn(RDABNA-2、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-2、P(=O)(RDABNA-2)、SO、SO、NRDABNA-2、O、SまたはCONRDABNA-2で置換され、
-C40アルコキシ、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-2で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、選択的にRDABNA-2C=CRDABNA-2、C≡C、Si(RDABNA-2、Ge(RDABNA-2、Sn(RDABNA-2、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-2、P(=O)(RDABNA-2)、SO、SO、NRDABNA-2、O、SまたはCONRDABNA-2で置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-2で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、選択的にRDABNA-2C=CRDABNA-2、C≡C、Si(RDABNA-2、Ge(RDABNA-2、Sn(RDABNA-2、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-2、P(=O)(RDABNA-2)、SO、SO、NRDABNA-2、O、SまたはCONRDABNA-2で置換され、
-C40アルケニル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-2で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、選択的にRDABNA-2C=CRDABNA-2、C≡C、Si(RDABNA-2、Ge(RDABNA-2、Sn(RDABNA-2、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-2、P(=O)(RDABNA-2)、SO、SO、NRDABNA-2、O、SまたはCONRDABNA-2で置換され、
-C40アルキニル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-2で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、選択的にRDABNA-2C=CRDABNA-2、C≡C、Si(RDABNA-2、Ge(RDABNA-2、Sn(RDABNA-2、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-2、P(=O)(RDABNA-2)、SO、SO、NRDABNA-2、O、SまたはCONRDABNA-2で置換され、
-C60アリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-2で置換され、
-C57ヘテロアリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-2で置換され、及び
4から18個の炭素原子及び1から3個の窒素原子を含む脂肪族環状アミン、
DABNA-2は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RDABNA-6、ORDABNA-6、SRDABNA-6、Si(RDABNA-6、B(ORDABNA-6、OSODABNA-6、CF、CN、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、
-Cアルキル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、選択的にRDABNA-6C=CRDABNA-6、C≡C、Si(RDABNA-6、Ge(RDABNA-6、Sn(RDABNA-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-6、P(=O)(RDABNA-6)、SO、SO、NRDABNA-6、O、SまたはCONRDABNA-6で置換され、
-Cアルコキシ、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、選択的にRDABNA-6C=CRDABNA-6、C≡C、Si(RDABNA-6、Ge(RDABNA-6、Sn(RDABNA-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-6、P(=O)(RDABNA-6)、SO、SO、NRDABNA-6、O、SまたはCONRDABNA-6で置換され、
-Cチオアルコキシ、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、選択的にRDABNA-6C=CRDABNA-6、C≡C、Si(RDABNA-6、Ge(RDABNA-6、Sn(RDABNA-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-6、P(=O)(RDABNA-6)、SO、SO、NRDABNA-6、O、SまたはCONRDABNA-6で置換され、
-Cアルケニル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、選択的にRDABNA-6C=CRDABNA-6、C≡C、Si(RDABNA-6、Ge(RDABNA-6、Sn(RDABNA-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-6、P(=O)(RDABNA-6)、SO、SO、NRDABNA-6、O、SまたはCONRDABNA-6で置換され、
-Cアルキニル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、選択的にRDABNA-6C=CRDABNA-6、C≡C、Si(RDABNA-6、Ge(RDABNA-6、Sn(RDABNA-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-6、P(=O)(RDABNA-6)、SO、SO、NRDABNA-6、O、SまたはCONRDABNA-6で置換され、
-C18アリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、
-C17ヘテロアリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、及び
4から18個の炭素原子及び1から3個の窒素原子を含む脂肪族環状アミン、
ここで、RDABNA-1及びRDABNA-2から選択される2以上の隣接した置換基は、選択的に、隣接した環A’、B’またはC’に縮合された単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系を形成し、ここで、選択的にこのように形成された縮合環系(すなわち、それぞれの環A’、B’またはC’及びそれに選択的に縮合される追加の環)は、総8~30個の環原子を含み、
及びYは、互いに独立して、直接(単一)結合、NRDABNA-3、O、S、C(RDABNA-3、Si(RDABNA-3、BRDABNA-3及びSeから選択され、
DABNA-3は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RDABNA-4、ORDABNA-4、SRDABNA-4、Si(RDABNA-4、B(ORDABNA-4、OSODABNA-4、CF、CN、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、
-C40アルキル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-4で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RDABNA-4C=CRDABNA-4、C≡C、Si(RDABNA-4、Ge(RDABNA-4、Sn(RDABNA-4、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-4、P(=O)(RDABNA-4)、SO、SO、NRDABNA-4、O、SまたはCONRDABNA-4で置換され、
-C40アルコキシ、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-4で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RDABNA-4C=CRDABNA-4、C≡C、Si(RDABNA-4、Ge(RDABNA-4、Sn(RDABNA-4、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-4、P(=O)(RDABNA-4)、SO、SO、NRDABNA-4、O、SまたはCONRDABNA-4で置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-4で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RDABNA-4C=CRDABNA-4、C≡C、Si(RDABNA-4、Ge(RDABNA-4、Sn(RDABNA-4、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-4、P(=O)(RDABNA-4)、SO、SO、NRDABNA-4、O、SまたはCONRDABNA-4で置換され、
-C40アルケニル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-4で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RDABNA-4C=CRDABNA-4、C≡C、Si(RDABNA-4、Ge(RDABNA-4、Sn(RDABNA-4、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-4、P(=O)(RDABNA-4)、SO、SO、NRDABNA-4、O、SまたはCONRDABNA-4で置換され、
-C40アルキニル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-4で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RDABNA-4C=CRDABNA-4、C≡C、Si(RDABNA-4、Ge(RDABNA-4、Sn(RDABNA-4、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-4、P(=O)(RDABNA-4)、SO、SO、NRDABNA-4、O、SまたはCONRDABNA-4で置換され、
-C60アリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-4で置換され、
-C57ヘテロアリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-4で置換され、及び
4から18個の炭素原子及び1から3個の窒素原子を含む脂肪族環状アミン、
DABNA-4は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RDABNA-5、ORDABNA-5、SRDABNA-5、Si(RDABNA-5、B(ORDABNA-5、OSODABNA-5、CF、CN、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、
-C40アルキル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-5で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RDABNA-5C=CRDABNA-5、C≡C、Si(RDABNA-5、Ge(RDABNA-5、Sn(RDABNA-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-5、P(=O)(RDABNA-5)、O、SまたはCONRDABNA-5で置換され、
-C40アルコキシ、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-5で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RDABNA-5C=CRDABNA-5、C≡C、Si(RDABNA-5、Ge(RDABNA-5、Sn(RDABNA-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-5、P(=O)(RDABNA-5)、O、SまたはCONRDABNA-5で置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-5で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RDABNA-5C=CRDABNA-5、C≡C、Si(RDABNA-5、Ge(RDABNA-5、Sn(RDABNA-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-5、P(=O)(RDABNA-5)、O、SまたはCONRDABNA-5で置換され、
-C40アルケニル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-5で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RDABNA-5C=CRDABNA-5、C≡C、Si(RDABNA-5、Ge(RDABNA-5、Sn(RDABNA-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-5、P(=O)(RDABNA-5)、O、SまたはCONRDABNA-5で置換され、
-C40アルキニル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-5で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RDABNA-5C=CRDABNA-5、C≡C、Si(RDABNA-5、Ge(RDABNA-5、Sn(RDABNA-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-5、P(=O)(RDABNA-5)、O、SまたはCONRDABNA-5で置換され、
-C60アリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-5で置換され、
-C57ヘテロアリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-5で置換され、及び
4から18個の炭素原子及び1から3個の窒素原子を含む脂肪族環状アミン、
DABNA-5は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RDABNA-6、ORDABNA-6、SRDABNA-6、Si(RDABNA-6、B(ORDABNA-6、OSODABNA-6、CF、CN、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、
-Cアルキル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、選択的にRDABNA-6C=CRDABNA-6、C≡C、Si(RDABNA-6、Ge(RDABNA-6、Sn(RDABNA-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-6、P(=O)(RDABNA-6)、SO、SO、NRDABNA-6、O、SまたはCONRDABNA-6で置換され、
-Cアルコキシ、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、選択的にRDABNA-6C=CRDABNA-6、C≡C、Si(RDABNA-6、Ge(RDABNA-6、Sn(RDABNA-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-6、P(=O)(RDABNA-6)、SO、SO、NRDABNA-6、O、SまたはCONRDABNA-6で置換され、
-Cチオアルコキシ、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、選択的にRDABNA-6C=CRDABNA-6、C≡C、Si(RDABNA-6、Ge(RDABNA-6、Sn(RDABNA-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-6、P(=O)(RDABNA-6)、SO、SO、NRDABNA-6、O、SまたはCONRDABNA-6で置換され、
-Cアルケニル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、選択的にRDABNA-6C=CRDABNA-6、C≡C、Si(RDABNA-6、Ge(RDABNA-6、Sn(RDABNA-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-6、P(=O)(RDABNA-6)、SO、SO、NRDABNA-6、O、SまたはCONRDABNA-6で置換され、
-Cアルキニル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、選択的にRDABNA-6C=CRDABNA-6、C≡C、Si(RDABNA-6、Ge(RDABNA-6、Sn(RDABNA-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRDABNA-6、P(=O)(RDABNA-6)、SO、SO、NRDABNA-6、O、SまたはCONRDABNA-6で置換され、
-C18アリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、
-C17ヘテロアリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、及び
4から18個の炭素原子及び1から3個の窒素原子を含む脂肪族環状アミン、
ここで、RDABNA-3、RDABNA-4及びRDABNA-5から選択される2以上の隣接した置換基は、選択的に互いに単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系を形成し、ここで、選択的にこのように形成された縮合環系は、総8~30個の環原子を含み、
DABNA-6は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、OPh(Ph=フェニル)、SPh、CF、CN、F、Si(C-Cアルキル)、Si(Ph)
-Cアルキル、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、独立して、重水素、Ph、CN、CFまたはFで置換され、
-Cアルコキシ、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、独立して、重水素、CN、CFまたはFによって置換され、
-Cチオアルコキシ、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、独立して、重水素、CN、CFまたはFによって置換され、
-Cアルケニル、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、独立して、重水素、CN、CFまたはFによって置換され、
-Cアルキニル、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、独立して、重水素、CN、CFまたはFによって置換され、
-C18アリール、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、独立して、重水素、CN、CF、F、C-Cアルキル、SiMe、SiPhまたはC-C18アリール置換基によって置換され、
-C17ヘテロアリール、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、独立して、重水素、CN、CF、F、C-Cアルキル、SiMe、SiPhまたはC-C18アリール置換基によって置換され、
N(C-C18アリール)
N(C-C17ヘテロアリール)、及び
N(C-C17ヘテロアリール)(C-C18アリール)、
ここで、Y及びYのうち1つ、またはY及びYのうち両方がNRDABNA-3、C(RDABNA-3、Si(RDABNA-3またはBRDABNA-3である場合、前記1つまたは2つの置換基RDABNA-3は、選択的に互いに独立して、隣接した環A’及びB’(Y=NRDABNA-3、C(RDABNA-3、Si(RDABNA-3またはBRDABNA-3)、またはA’及びC’(Y=NRDABNA-3、C(RDABNA-3、Si(RDABNA-3またはBRDABNA-3)の1つまたは両方に直接(単一)結合、あるいはそれぞれの場合に独立して、NRDABNA-1、O、S、C(RDABNA-1、Si(RDABNA-1、BRDABNA-1及びSeから選択される連結原子または原子基を介して結合することができ、
ここで、選択的に2以上、好ましくは、2つの化学式DABNA-Iの構造が互いに接合され、好ましくは、少なくとも1つ、より好ましくは、正確に1つの結合を共有することによって互いに縮合され、
ここで、選択的に2以上、好ましくは、2つの化学式DABNA-Iの構造がエミッタ内に存在し、少なくとも1つ、好ましくは、正確に1つの芳香族環またはヘテロ芳香族環を共有し(すなわち、当該環は、化学式DABNA-Iの2つの構造の一部でもある)、当該環は、好ましくは、化学式DABNA-Iの環A’、B’及びC’のうちいずれか1つであるが、また、RDABNA-1、RDABNA-2、RDABNA-3、RDABNA-4、RDABNA-5及びRDABNA-6、特にRDABNA-3から選択される任意の芳香族置換基またはヘテロ芳香族置換基、あるいは前述の2以上の隣接した置換基によって形成された任意の芳香族環またはヘテロ芳香族環でもあり、ここで、共有環は、前記環を共有する化学式DABNA-Iの2以上の構造の同一のまたは相異なる部分を構成することができ(すなわち、共有環は、例えば、エミッタ内に選択的に含まれた化学式DABNA-Iの2つの構造の環C’でもあるか、共有環は、例えば、エミッタ内に選択的に含まれた化学式DABNA-Iの1つの構造の環B’及び他の構造の環C’でもある)、
ここで、選択的に少なくとも1つのRDABNA-1、RDABNA-2、RDABNA-3、RDABNA-4、RDABNA-5及びRDABNA-6が、化学式DABNA-Iの更なる化学的実体に対する結合に代替され、及び/または、選択的に少なくとも1つのRDABNA-1、RDABNA-2、RDABNA-3、RDABNA-4、RDABNA-5及びRDABNA-6の少なくとも1つの水素原子が、化学式DABNA-Iの更なる化学的実体に対する結合に代替される。
【0408】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、1以上の小さなFWHMエミッタSのうち少なくとも1つは、化学式DABNA-Iによる構造を含む。
【0409】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、それぞれの小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含む。
【0410】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、1以上の小さなFWHMエミッタSのうち少なくとも1つは、化学式DABNA-Iによる構造からなる。
【0411】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、それぞれの小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造からなる。
【0412】
本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれからなり、A’、B’及びC’が全てそれぞれ6個の環原子を有する芳香族環(すなわち、全てベンゼン環)である。
【0413】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、Y及びYは、互いに独立して、NRDABNA-3、O、S、C(RDABNA-3及びSi(RDABNA-3から選択される。
【0414】
本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、Y及びYは、互いに独立して、NRDABNA-3、O及びSから選択される。
【0415】
本発明のより好ましい実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれから構成され、ここで、Y及びYは、互いに独立して、NRDABNA-3及びOから選択される。
【0416】
本発明の特に好ましい実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、Y及びYは、両方ともNRDABNA-3である。
【0417】
本発明の特に好ましい実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれから構成され、ここで、Y及びYは、互いに独立して同一であり、両方ともNRDABNA-3である。
【0418】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれから構成され、
DABNA-1は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RDABNA-2、ORDABNA-2、SRDABNA-2、Si(RDABNA-2、CF、CN、F、
-Cアルキル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-2で置換され、
-Cアルコキシ、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-2で置換され、
-Cチオアルコキシ、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-2で置換され、
-C18アリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-2で置換され、
-C17ヘテロアリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-2で置換され、
DABNA-2は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RDABNA-6、ORDABNA-6、SRDABNA-6、Si(RDABNA-6、CF、CN、F、
-Cアルキル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、
-C18アリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、
-C17ヘテロアリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、
ここで、RDABNA-1及びRDABNA-2から選択される2以上の隣接した置換基は、選択的に、隣接した環A’、B’またはC’に縮合された単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系を形成し、ここで、選択的にこのように形成された縮合環系(すなわち、それぞれの環A’、B’またはC’及びそれに選択的に縮合される追加の環)は、総8~30個の環原子を含む。
【0419】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれから構成され、
DABNA-1は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RDABNA-2、ORDABNA-2、SRDABNA-2、Si(RDABNA-2
-Cアルキル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-2で置換され、
-C18アリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-2で置換され、
-C17ヘテロアリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-2で置換され、
DABNA-2は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RDABNA-6、ORDABNA-6、SRDABNA-6、Si(RDABNA-6、CF、CN、F、
-Cアルキル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、
-C18アリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、
-C17ヘテロアリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、
ここで、RDABNA-1及びRDABNA-2から選択される2以上の隣接した置換基は、選択的に、隣接した環A’、B’またはC’に縮合された単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系を形成し、ここで、選択的にこのように形成された縮合環系(すなわち、それぞれの環A’、B’またはC’及びそれに選択的に縮合される追加の環)は、総8~30個の環原子を含む。
【0420】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれからなり、
DABNA-1は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RDABNA-2、ORDABNA-2、SRDABNA-2
-Cアルキル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-2で置換され、
-C18アリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-2で置換され、
-C17ヘテロアリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-2で置換され、
DABNA-2は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(Ph)、OPh、CN、Me、Pr、Bu、Si(Me)
Ph、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、
-C17ヘテロアリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-6で置換され、
ここで、2以上の隣接したRDABNA-1は、隣接した環A’、B’またはC’に縮合された単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系を形成し、ここで、選択的にこのように形成された縮合環系(すなわち、それぞれの環A’、B’またはC’及びそれに選択的に縮合される追加の環)は、総8~30個の環原子を含む。
【0421】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれから構成され、
DABNA-1は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(Ph)、OPh、Me、Pr、Bu、Si(Me)
Ph、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、Me、Pr、Bu、PhまたはCNで置換され、
-C17ヘテロアリール、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、Me、Pr、Bu、PhまたはCNで置換され、
ここで、2以上の隣接した置換基RDABNA-1は、選択的に、隣接した環A’、B’またはC’に縮合された単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系を形成し、ここで、選択的にこのように形成された縮合環系(すなわち、それぞれの環A’、B’またはC’及びそれに選択的に縮合される追加の環)は、総8~30個の環原子を含む。
【0422】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれから構成され、
DABNA-1は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(Ph)、Me、Pr、Bu、
Ph、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、Me、Pr、Bu、PhまたはCNで置換され、
カルバゾリル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、Me、Pr、Bu、PhまたはCNで置換され、
トリアジニル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、Me、Pr、Bu、PhまたはCNで置換され、
ピリミジニル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、Me、Pr、Bu、PhまたはCNで置換され、
ピリジニル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、Me、Pr、Bu、PhまたはCNで置換され、
ここで、2以上の隣接した置換基RDABNA-1は、選択的に、隣接した環A’、B’またはC’に縮合された単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系を形成し、ここで、選択的にこのように形成された縮合環系(すなわち、それぞれの環A’、B’またはC’及びそれに選択的に縮合される追加の環)は、総8~30個の環原子を含む。
【0423】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれからなり、RDABNA-1及びRDABNA-2から選択された隣接した置換基は、隣接した環A’、B’またはC’に縮合された単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系を形成しない。
【0424】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれからなり、
DABNA-3は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、
-Cアルキル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-4で置換され、
-C18アリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-4で置換され、
-C17ヘテロアリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-4で置換され、
DABNA-4は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RDABNA-5、ORDABNA-5、SRDABNA-5、Si(C-Cアルキル)、CF、CN、F、
-Cアルキル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-5で置換され、
-C18アリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-5で置換され、
-C17ヘテロアリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-5で置換され、
DABNA-5は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(Ph)、OPh、Si(Me)、CF、CN、F、
-Cアルキル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素で置換され、
-C18アリール、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、Me、Pr、Bu、PhまたはCNによって置換され、
-C17ヘテロアリール、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、Me、Pr、Bu、PhまたはCNによって置換され、
ここで、RDABNA-3、RDABNA-4及びRDABNA-5から選択される2以上の隣接した置換基は、選択的に互いに単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系を形成し、ここで、選択的にこのように形成された縮合環系は、総8~30個の環原子を含む。
【0425】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれからなり、
DABNA-3は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、
-Cアルキル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-4で置換され、
-C18アリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-4で置換され、
-C17ヘテロアリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-4で置換され、
DABNA-4は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(Ph)、OPh、Si(Me)、CF、CN、F、
-Cアルキル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素で置換され、
-C18アリール、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、Me、Pr、Bu、PhまたはCNによって置換され、
-C17ヘテロアリール、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、Me、Pr、Bu、PhまたはCNによって置換され、
ここで、RDABNA-3及びRDABNA-4から選択される2以上の隣接した置換基は、互いに単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系を形成しない。
【0426】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれからなり、
DABNA-3は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、
-Cアルキル、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-4で置換され、
-C18アリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-4で置換され、
-C17ヘテロアリール、
これは、選択的に1以上の置換基RDABNA-4で置換され、
DABNA-4は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、CN、F、
-Cアルキル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素で置換され、
-C18アリール、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、Me、Pr、Bu、PhまたはCNによって置換され、
-C17ヘテロアリール、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、Me、Pr、Bu、PhまたはCNによって置換され、
ここで、RDABNA-3及びRDABNA-4から選択される2以上の隣接した置換基は、互いに単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系を形成しない。
【0427】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれからなり、
DABNA-3は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、Me、Pr、Bu、及び
-C18アリール、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、Me、Pr、Bu、PhまたはCNによって置換され、
ここで、RDABNA-3から選択された2以上の隣接した置換基は、互いに単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系を形成しない。
【0428】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれからなり、
DABNA-3は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、Me、Pr、Bu、及び
Ph、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、Me、Pr、Bu、PhまたはCNによって置換され、
ここで、RDABNA-3から選択された2以上の隣接した置換基は、互いに単環または多環、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族、炭素環系またはヘテロ環系を形成しない。
【0429】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれからなり、
DABNA-6は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択される:
水素、重水素、OPh(Ph=フェニル)、SPh、CF、CN、F、Si(C-Cアルキル)、Si(Ph)
-Cアルキル、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、独立して、重水素、Ph、CN、CFまたはFで置換され、
-C18アリール、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、独立して、重水素、CN、CF、F、C-Cアルキル、SiMe、SiPhまたはC-C18アリールで置換され、
-C17ヘテロアリール、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、独立して、重水素、CN、CF、F、C-Cアルキル、SiMe、SiPhまたはC-C18アリールで置換され、
N(C-C18アリール)
N(C-C17ヘテロアリール)、及び
N(C-C17ヘテロアリール)(C-C18アリール)。
【0430】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれからなり、
DABNA-6は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択される:
水素、重水素、N(Ph)、OPh(Ph=フェニル)、SPh、CF、CN、F、Si(Me)、Si(Ph)
-Cアルキル、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、独立して、重水素、Ph、CN、CFまたはFで置換され、
-C18アリール、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、独立して、重水素、CN、CF、F、Me、Pr、Bu、SiMe、SiPhまたはPhで置換され、
-C17ヘテロアリール、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、独立して、重水素、CN、CF、F、Me、Pr、Bu、SiMe、SiPhまたはPhで置換される。
【0431】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれからなり、
DABNA-6は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択される:
水素、重水素、N(Ph)、CN、F、Me、Pr、Bu、
Ph、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、独立して、重水素、CN、Me、Pr、BuまたはPhで置換され、
-C17ヘテロアリール、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、独立して、重水素、CN、Me、Pr、BuまたはPhで置換される。
【0432】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれからなり、
DABNA-6は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択される:
水素、重水素、Me、Pr、Bu、
Ph、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、独立して、重水素、Me、Pr、BuまたはPhによって置換される。
【0433】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれから構成され、
及び/またはYがNRDABNA-3、C(RDABNA-3、Si(RDABNA-3またはBRDABNA-3である場合、1つまたは2つの置換基RDABNA-3は、1つまたは2つの隣接した環A’及びB’(Y=NRDABNA-3、C(RDABNA-3、Si(RDABNA-3またはBRDABNA-3の場合)、またはA’及びC’(Y=NRDABNA-3、C(RDABNA-3、Si(RDABNA-3またはBRDABNA-3)と結合しない。
【0434】
一実施形態において、本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSは、選択的に、前述の化学式DABNA-Iの多量体(例えば、二量体)でもあり、これは、それらの構造が1以上のサブユニットを含み、それらそれぞれは化学式DABNA-Iによる構造を有するということを意味する。この場合、当業者は、化学式DABNA-Iによる2以上のサブユニットが、例えば、接合可能であり、好ましくは、互いに縮合していてもよいことを理解するであろう(すなわち、少なくとも1つの結合を共有し、ここで、その結合を形成する原子に結合したそれぞれの置換基がそれ以上存在しなくてもよい)。また、2以上のサブユニットは、少なくとも1つ、好ましくは、正確に1つの芳香族環またはヘテロ芳香族環を共有することができる。これは、例えば、小さなFWHMエミッタSがそれぞれ化学式DABNA-Iの構造を有する2以上のサブユニットを含むということを意味し、ここで、それら2つのサブユニットは、1つの芳香族環またはヘテロ芳香族環を共有する(すなわち、それぞれの環は、2つのサブユニットの一部である)。その結果、それぞれの多量体(例えば、二量体)エミッタSは、共有された環が一回のみ存在し、化学式DABNA-Iによる2つの全体サブユニットを含まない。それにもかかわらず、当業者は、本願において当該エミッタが依然として化学式DABNA-Iの多量体(例えば、化学式DABNA-Iの構造を有する2つのサブユニットが含まれる場合、二量体)と見なされることを理解するであろう。1以上の環を共有する多量体に対しても同様である。多量体は、それぞれ化学式DABNA-Iの構造を有する2つのサブユニットを含む二量体であることが好ましい。
【0435】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの小さなFWHMエミッタSは、前述のように、化学式DABNA-Iの二量体であり、これは、エミッタがそれぞれ化学式DABNA-Iによる構造を有する2つのサブユニットを含むことを意味する。
【0436】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、2以上、好ましくは、正確に2つの化学式DABNA-Iによる構造(すなわち、サブユニット)を含むか、あるいはそれからなり、
ここで、それらサブユニットは、少なくとも1つ、好ましくは、正確に1つの芳香族環またはヘテロ芳香族環を共有し(すなわち、当該環は、化学式DABNA-Iの2つの構造の一部でもある)、ここで、共有環は、化学式DABNA-Iの環A’、B’及びC’のうちいずれか1つでもあるが、RDABNA-1、RDABNA-2、RDABNA-3、RDABNA-4、RDABNA-5及びRDABNA-6、特にRDABNA-3から選択される任意の芳香族置換基またはヘテロ芳香族置換基、あるいは前述のような2以上の隣接した置換基によって形成された任意の芳香族環またはヘテロ芳香族環でもあり、ここで、共有環は、前記環を共有する化学式DABNA-Iの2以上の構造の同一のまたは相異なる部分を構成することができる(すなわち、共有環は、例えば、エミッタ内に選択的に含まれた化学式DABNA-Iの2つの構造の環C’でもあるか、共有環は、例えば、エミッタ内に選択的に含まれた化学式DABNA-Iの1つの構造の環B’及び他の構造の環C’でもある)。
【0437】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの発光層Bにおいて、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、2以上、好ましくは、正確に2つの化学式DABNA-Iによる構造(すなわち、サブユニット)を含むか、あるいはそれから構成され、
ここで、RDABNA-1、RDABNA-2、RDABNA-3、RDABNA-4、RDABNA-5及びRDABNA-6のうち少なくとも1つが、化学式DABNA-Iの更なる化学的実体に対する結合に代替され、及び/または、RDABNA-1、RDABNA-2、RDABNA-3、RDABNA-4、RDABNA-5及びRDABNA-6のうちいずれか1つの少なくとも1つの水素原子が、化学式DABNA-Iの更なる化学的実体に対する結合に代替される。
【0438】
本発明による小さなFWHMエミッタSとして使用可能な、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれから構成されるエミッタの非限定的な例が下記に示されている:
【化158】

【化159】

【化160】

【化161】

【化162】

【化163】

【化164】

【化165】

【化166】

【化167】

【化168】

【化169】

【化170】

【化171】

【化172】

【化173】

【化174】

【化175】

【化176】

【化177】

【化178】

【化179】

【化180】

【化181】

【化182】

【化183】

【化184】

【化185】

【化186】

【化187】

【化188】

【化189】

【化190】

【化191】

【化192】

【化193】

【化194】

【化195】

【化196】

【化197】

【化198】

【化199】

【化200】

【化201】

【化202】

【化203】

【化204】

本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSとして使用可能な一群のエミッタは、下記化学式BNE-1による構造またはその多量体を含むか、あるいはそれから構成されるエミッタである:
【化205】

・・・化学式BNE-1
ここで、
c及びdは、両方とも整数であり、互いに独立して0及び1から選択され、
e及びfは、両方とも整数であり、0及び1から選択され、ここで、e及びfは(常に)同一であり(すなわち、両方とも0であるか、または両方とも1である)、
g及びhは、両方とも整数であり、0及び1から選択され、ここで、g及びhは(常に)同一であり(すなわち、両方とも0であるか、または両方とも1である)、
dが0であれば、e及びfは、両方とも1であり、dが1であれば、e及びfは、両方とも0であり、
cが0であれば、g及びhは、両方とも1であり、cが1であれば、g及びhは、両方とも0であり、
は、窒素(N)及びCRBNE-Vから選択され、
は、窒素(N)及びCRBNE-Iから選択され、
は、直接結合、CRBNE-3BNE-4、C=CRBNE-3BNE-4、C=O、C=NRBNE-3、NRBNE-3、O、SiRBNE-3BNE-4、S、S(O)及びS(O)からなる群から選択され、
は、直接結合、CRBNE-3’BNE-4’、C=CRBNE-3’BNE-4’、C=O、C=NRBNE-3’、NRBNE-3’、O、SiRBNE-3’BNE-4’、S、S(O)及びS(O)からなる群から選択され、
BNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV及びRBNE-Vは、それぞれ互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RBNE-5、ORBNE-5、Si(RBNE-5、B(ORBNE-5、B(RBNE-5、OSOBNE-5、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40アルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40アルケニル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40アルキニル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、及び
-C57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
BNE-d、RBNE-d’及びRBNE-eは、互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RBNE-5、ORBNE-5、Si(RBNE-5、B(ORBNE-5、B(RBNE-5、OSOBNE-5、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40アルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40アルケニル、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40アルキニル、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、及び
-C57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、
BNE-aは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RBNE-5、ORBNE-5、Si(RBNE-5、B(ORBNE-5、B(RBNE-5、OSOBNE-5、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40アルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40アルケニル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40アルキニル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、及び
-C57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
BNE-5は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RBNE-6、ORBNE-6、Si(RBNE-6、B(ORBNE-6、B(RBNE-6、OSOBNE-6、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基RBNE-6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-6C=CRBNE-6、C≡C、Si(RBNE-6、Ge(RBNE-6、Sn(RBNE-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-6、P(=O)(RBNE-6)、SO、SO、NRBNE-6、O、SまたはCONRBNE-6で置換され、
-C40アルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-6C=CRBNE-6、C≡C、Si(RBNE-6、Ge(RBNE-6、Sn(RBNE-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-6、P(=O)(RBNE-6)、SO、SO、NRBNE-6、O、SまたはCONRBNE-6で置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-6C=CRBNE-6、C≡C、Si(RBNE-6、Ge(RBNE-6、Sn(RBNE-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-6、P(=O)(RBNE-6)、SO、SO、NRBNE-6、O、SまたはCONRBNE-6で置換され、
-C40アルケニル、
これは、1以上の置換基RBNE-6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-6C=CRBNE-6、C≡C、Si(RBNE-6、Ge(RBNE-6、Sn(RBNE-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-6、P(=O)(RBNE-6)、SO、SO、NRBNE-6、O、SまたはCONRBNE-6で置換され、
-C40アルキニル、
これは、1以上の置換基RBNE-6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-6C=CRBNE-6、C≡C、Si(RBNE-6、Ge(RBNE-6、Sn(RBNE-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-6、P(=O)(RBNE-6)、SO、SO、NRBNE-6、O、SまたはCONRBNE-6で置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基RBNE-6で選択的に置換され、及び
-C57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基RBNE-6で選択的に置換され、
BNE-6は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、OPh、CF、CN、F、
-Cアルキル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CF、PhまたはFで置換され、
-Cアルコキシ、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-Cチオアルコキシ、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-Cアルケニル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-Cアルキニル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-C18アリール、
これは、1以上のC-Cアルキル置換基で選択的に置換され、
-C17ヘテロアリール、
これは、1以上のC-Cアルキル置換基で選択的に置換され、
N(C-C18アリール)
N(C-C17ヘテロアリール)、及び
N(C-C17ヘテロアリール)(C-C18アリール)、
ここで、RBNE-III及びRBNE-eは、選択的に結合して直接単結合を形成し、
ここで、置換基RBNE-a、RBNE-d、RBNE-d’、RBNE-e、RBNE-3’、RBNE-4’及びRBNE-5のうち2以上は、選択的に互いに単環または多環、脂肪族または芳香族、炭素環系またはヘテロ環系及び/またはベンゾ縮合環系を形成し、
ここで、置換基RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-5、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV及びRBNE-Vのうち2以上は、選択的に互いに単環または多環、脂肪族または芳香族、炭素環系またはヘテロ環系及び/またはベンゾ縮合環系を形成し、
ここで、選択的に2以上、好ましくは、2つの化学式BNE-1の構造は、互いに接合され、好ましくは、少なくとも1つ、より好ましくは、正確に1つの結合を共有することによって互いに縮合され、
ここで、選択的に2以上、好ましくは、2つの化学式BNE-1の構造がエミッタに存在し、少なくとも1つ、好ましくは、正確に1つの芳香族環またはヘテロ芳香族環を共有し(すなわち、当該環は、化学式BNE-1の2つの構造の一部でもある)、これは、好ましくは、化学式BNE-1の環a、b及びc’のうちいずれか1つであるが、RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-5、RBNE-6、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV、RBNE-V、RBNE-a、RBNE-e、RBNE-d及びRBNE-d’から選択される任意の芳香族置換基またはヘテロ芳香族置換基、あるいは前述のような2以上の置換基によって形成された任意の芳香族環またはヘテロ芳香族環でもあり、ここで、共有する環は、前記環を共有する化学式BNE-1の2以上の構造の同一のまたは相異なる部分を構成することができ(すなわち、共有する環は、例えば、選択的にエミッタ内に含まれた化学式BNE-1の2つの構造の環c’でもあるか、共有する環は、例えば、選択的にエミッタ内に含まれた化学式BNE-1の1つの構造の環b及び他の構造の環c’でもある)、
ここで、選択的に、RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-5、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-6、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV、RBNE-V、RBNE-a、RBNE-e、RBNE-dまたはRBNE-d’のうち少なくとも1つが、化学式BNE-1の更なる化学的実体に対する結合に代替され、及び/または、RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-5、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-6、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV、RBNE-V、RBNE-a、RBNE-e、RBNE-dまたはRBNE-d’のうちいずれか1つの少なくとも1つの水素原子が、化学式BNE-1の更なる化学的実体に対する結合に代替される。
【0439】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造を含む。
【0440】
本発明の一実施形態において、それぞれの小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造を含む。
【0441】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造からなる。
【0442】
本発明の一実施形態において、それぞれの小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造からなる。
【0443】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれから構成され、ここで、VはCRBNE-Vであり、VはCRBNE-Iである。
【0444】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、V及びVは、両方とも窒素(N)である。
【0445】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれから構成され、ここで、Vは窒素(N)であり、VはCRBNE-Iである。
【0446】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれから構成され、ここで、VはCRBNE-Vであり、Vは窒素(N)である。
【0447】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれから構成され、ここで、c及びdは、両方とも0である。
【0448】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれから構成され、ここで、cは0であり、dは1である。
【0449】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれから構成され、ここで、cは1であり、dは0である。
【0450】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれから構成され、ここで、c及びdは、両方とも1である。
【0451】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれから構成され、
ここで、Xは、直接結合、CRBNE-3BNE-4、C=O、NRBNE-3、O、S、SiRBNE-3BNE-4からなる群から選択され、
は、直接結合、CRBNE-3’BNE-4’、C=O、NRBNE-3’、O、S、SiRBNE-3’BNE-4’からなる群から選択される。
【0452】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれから構成され、
ここで、Xは、直接結合、CRBNE-3BNE-4、NRBNE-3、O、S、SiRBNE-3BNE-4からなる群から選択され、
は、直接結合、CRBNE-3’BNE-4’、NRBNE-3’、O、S、SiRBNE-3’BNE-4’からなる群から選択される。
【0453】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれから構成され、
ここで、Xは、直接結合、CRBNE-3BNE-4、NRBNE-3、O、S、SiRBNE-3BNE-4からなる群から選択され、
は、直接結合である。
【0454】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれから構成され、
ここで、Xは、直接結合またはNRBNE-3であり、
は、直接結合である。
【0455】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれからなり、
ここで、Xは、NRBNE-3であり、
は、直接結合である。
【0456】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれからなり、
BNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV及びRBNE-Vは、それぞれ互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RBNE-5、ORBNE-5、Si(RBNE-5、B(ORBNE-5、B(RBNE-5、OSOBNE-5、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で選択的に置換され、
-C40アルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で選択的に置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で選択的に置換され、
-C40アルケニル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で選択的に置換され、
-C40アルキニル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で選択的に置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、及び
-C57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
BNE-d、RBNE-d’及びRBNE-eは、互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で選択的に置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、及び
-C57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、
BNE-aは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RBNE-5、ORBNE-5、Si(RBNE-5、B(ORBNE-5、B(RBNE-5、OSOBNE-5、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で選択的に置換され、
-C40アルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で選択的に置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で選択的に置換され、
-C40アルケニル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で選択的に置換され、
-C40アルキニル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で選択的に置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、及び
-C57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
BNE-5は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RBNE-6、ORBNE-6、Si(RBNE-6、B(ORBNE-6、B(RBNE-6、OSOBNE-6、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基RBNE-6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-6C=CRBNE-6、C≡C、Si(RBNE-6、Ge(RBNE-6、Sn(RBNE-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-6、P(=O)(RBNE-6)、SO、SO、NRBNE-6、O、SまたはCONRBNE-6で選択的に置換され、
-C40アルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-6C=CRBNE-6、C≡C、Si(RBNE-6、Ge(RBNE-6、Sn(RBNE-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-6、P(=O)(RBNE-6)、SO、SO、NRBNE-6、O、SまたはCONRBNE-6で選択的に置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-6C=CRBNE-6、C≡C、Si(RBNE-6、Ge(RBNE-6、Sn(RBNE-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-6、P(=O)(RBNE-6)、SO、SO、NRBNE-6、O、SまたはCONRBNE-6で選択的に置換され、
-C40アルケニル、
これは、1以上の置換基RBNE-6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-6C=CRBNE-6、C≡C、Si(RBNE-6、Ge(RBNE-6、Sn(RBNE-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-6、P(=O)(RBNE-6)、SO、SO、NRBNE-6、O、SまたはCONRBNE-6で選択的に置換され、
-C40アルキニル、
これは、1以上の置換基RBNE-6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-6C=CRBNE-6、C≡C、Si(RBNE-6、Ge(RBNE-6、Sn(RBNE-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-6、P(=O)(RBNE-6)、SO、SO、NRBNE-6、O、SまたはCONRBNE-6で選択的に置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基RBNE-6で選択的に置換され、及び
-C57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基RBNE-6で選択的に置換され、
BNE-6は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、OPh、CF、CN、F、
-Cアルキル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CF、PhまたはFで置換され、
-Cアルコキシ、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-Cチオアルコキシ、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-Cアルケニル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-Cアルキニル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-C18アリール、
これは、1以上のC-Cアルキル置換基で選択的に置換され、
-C17ヘテロアリール、
これは、1以上のC-Cアルキル置換基で選択的に置換され、
N(C-C18アリール)
N(C-C17ヘテロアリール)、及び
N(C-C17ヘテロアリール)(C-C18アリール)、
ここで、RBNE-III及びRBNE-eは、選択的に結合して直接単結合を形成し、
ここで、置換基RBNE-a、RBNE-d、RBNE-d’、RBNE-e、RBNE-3’、RBNE-4’及びRBNE-5のうち2以上は、選択的に互いに単環または多環、脂肪族または芳香族、炭素環系またはヘテロ環系及び/またはベンゾ縮合環系を形成し、
ここで、置換基RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-5、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV及びRBNE-Vのうち2以上は、選択的に互いに単環または多環、脂肪族または芳香族、炭素環系またはヘテロ環系及び/またはベンゾ縮合環系を形成し、
ここで、選択的に2以上、好ましくは、2つの化学式BNE-1の構造は、互いに接合され、好ましくは、少なくとも1つ、より好ましくは、正確に1つの結合を共有することによって互いに縮合され、
ここで、選択的に2以上、好ましくは、2つの化学式BNE-1の構造がエミッタ内に存在し、少なくとも1つ、好ましくは、正確に1つの芳香族環またはヘテロ芳香族環を共有し(すなわち、当該環は、化学式BNE-1の2つの構造の一部でもある)、これは、好ましくは、化学式BNE-1の環a、b及びc’のうちいずれか1つであるが、RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-5、RBNE-6、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV、RBNE-V、RBNE-a、RBNE-e、RBNE-d及びRBNE-d’から選択される任意の芳香族置換基またはヘテロ芳香族置換基、あるいは前述のような2以上の置換基によって形成された任意の芳香族環またはヘテロ芳香族環でもあり、ここで、共有環は、前記環を共有する化学式BNE-1の2以上の構造の同一のまたは相異なる部分を構成することができ(すなわち、共有環は、例えば、選択的にエミッタに含まれた化学式BNE-1の2つの構造の環c’でもあるか、共有環は、例えば、選択的にエミッタに含まれた化学式BNE-1の1つの構造の環b及び他の構造の環c’でもある)、
ここで、選択的に、RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-5、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-6、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV、RBNE-V、RBNE-a、RBNE-e、RBNE-dまたはRBNE-d’のうち少なくとも1つが、化学式BNE-1の更なる化学的実体に対する結合に代替され、及び/または、選択的に、RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-5、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-6、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV、RBNE-V、RBNE-a、RBNE-e、RBNE-dまたはRBNE-d’のうちいずれか1つの少なくとも1つの水素原子が、化学式BNE-1の更なる化学的実体に対する結合に代替される。
【0457】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれからなり、
BNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV及びRBNE-Vは、それぞれ互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RBNE-5、ORBNE-5、Si(RBNE-5、B(RBNE-5、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C18アルキル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で選択的に置換され、
-C30アリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、及び
-C29ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
BNE-d、RBNE-d’及びRBNE-eは、互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C18アルキル、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で選択的に置換され、
-C30アリール、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、及び
-C29ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、
BNE-aは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RBNE-5、ORBNE-5、Si(RBNE-5、B(RBNE-5、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C18アルキル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で選択的に置換され、
-C30アリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、及び
-C29ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
BNE-5は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、OPh、CF、CN、F、
-Cアルキル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-Cアルコキシ、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-Cチオアルコキシ、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-Cアルケニル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-Cアルキニル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-C18アリール、
これは、1以上のC-Cアルキル置換基で選択的に置換され、
-C17ヘテロアリール、
これは、1以上のC-Cアルキル置換基で選択的に置換され、
N(C-C18アリール)
N(C-C17ヘテロアリール)、及び
N(C-C17ヘテロアリール)(C-C18アリール)、
ここで、RBNE-III及びRBNE-eは、選択的に結合して直接単結合を形成し、
ここで、置換基RBNE-a、RBNE-d、RBNE-d’、RBNE-e、RBNE-3’、RBNE-4’及びRBNE-5のうち2以上は、選択的に互いに単環または多環、脂肪族または芳香族、炭素環系またはヘテロ環系及び/またはベンゾ縮合環系を形成し、
ここで、置換基RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-5、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV及びRBNE-Vのうち2以上は、選択的に互いに単環または多環、脂肪族または芳香族、炭素環系またはヘテロ環系及び/またはベンゾ縮合環系を形成し、
ここで、選択的に2以上、好ましくは、2つの化学式BNE-1の構造は、互いに接合され、好ましくは、少なくとも1つ、より好ましくは、正確に1つの結合を共有することによって互いに縮合され、
ここで、選択的に2以上、好ましくは、2つの化学式BNE-1の構造がエミッタに存在し、少なくとも1つ、好ましくは、正確に1つの芳香族環またはヘテロ芳香族環を共有し(すなわち、当該環は、化学式BNE-1の2つの構造の一部でもある)、これは、好ましくは、化学式BNE-1の環a、b及びc’のうちいずれか1つであるが、RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-5、RBNE-6、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV、RBNE-V、RBNE-a、RBNE-e、RBNE-d及びRBNE-d’から選択される任意の芳香族置換基またはヘテロ芳香族置換基、あるいは前述のような2以上の置換基によって形成された任意の芳香族環またはヘテロ芳香族環でもあり、ここで、共有する環は、前記環を共有する化学式BNE-1の2以上の構造の同一のまたは相異なる部分を構成することができ(すなわち、共有する環は、例えば、選択的にエミッタに含まれた化学式BNE-1の2つの構造の環c’でもあるか、共有する環は、例えば、選択的にエミッタに含まれた化学式BNE-1の1つの構造の環b及び他の構造の環c’でもある)、
ここで、選択的に、RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-5、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-6、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV、RBNE-V、RBNE-a、RBNE-e、RBNE-dまたはRBNE-d’のうち少なくとも1つが、化学式BNE-1の更なる化学的実体に対する結合に代替され、及び/または、選択的に、RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-5、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-6、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV、RBNE-V、RBNE-a、RBNE-e、RBNE-dまたはRBNE-d’のうちいずれか1つの少なくとも1つの水素原子が、化学式BNE-1の更なる化学的実体に対する結合に代替される。
【0458】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれから構成され、
BNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV及びRBNE-Vは、それぞれ互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RBNE-5、ORBNE-5、Si(RBNE-5、B(RBNE-5、CF、CN、F、
-Cアルキル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
-C18アリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、及び
-C17ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
BNE-d、RBNE-d’及びRBNE-eは、互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、CF、CN、F、
-Cアルキル、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、
-C18アリール、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、及び
-C17ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、
BNE-aは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RBNE-5、ORBNE-5、Si(RBNE-5、B(RBNE-5、CF、CN、F、
-Cアルキル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
-C18アリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、及び
-C17ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
BNE-5は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、OPh、CF、CN、F、
-Cアルキル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-Cアルコキシ、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-C18アリール、
これは、1以上のC-Cアルキル置換基で選択的に置換され、
-C17ヘテロアリール、
これは、1以上のC-Cアルキル置換基で選択的に置換され、
N(C-C18アリール)
N(C-C17ヘテロアリール)、及び
N(C-C17ヘテロアリール)(C-C18アリール)、
ここで、RBNE-III及びRBNE-eは、選択的に結合して直接単結合を形成し、
ここで、置換基RBNE-a、RBNE-d、RBNE-d’、RBNE-e、RBNE-3’、RBNE-4’及びRBNE-5のうち2以上は、選択的に互いに単環または多環、脂肪族または芳香族、炭素環系またはヘテロ環系及び/またはベンゾ縮合環系を形成し、
ここで、置換基RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-5、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV及びRBNE-Vのうち2以上は、選択的に互いに単環または多環、脂肪族または芳香族、炭素環系またはヘテロ環系及び/またはベンゾ縮合環系を形成し、
ここで、選択的に2以上、好ましくは、2つの化学式BNE-1の構造は、互いに接合され、好ましくは、少なくとも1つ、より好ましくは、正確に1つの結合を共有することによって互いに縮合され、
ここで、選択的に2以上、好ましくは、2つの化学式BNE-1の構造がエミッタに存在し、少なくとも1つ、好ましくは、正確に1つの芳香族環またはヘテロ芳香族環を共有し(すなわち、当該環は、化学式BNE-1の2つの構造の一部でもある)、これは、好ましくは、化学式BNE-1の環a、b及びc’のうちいずれか1つであるが、RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-5、RBNE-6、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV、RBNE-V、RBNE-a、RBNE-e、RBNE-d及びRBNE-d’から選択される任意の芳香族置換基またはヘテロ芳香族置換基、あるいは前述のような2以上の置換基によって形成された任意の芳香族環またはヘテロ芳香族環でもあり、ここで、共有する環は、前記環を共有する化学式BNE-1の2以上の構造の同一のまたは相異なる部分を構成することができ(すなわち、共有する環は、例えば、選択的にエミッタに含まれた化学式BNE-1の2つの構造の環c’でもあるか、共有する環は、例えば、選択的にエミッタに含まれた化学式BNE-1の1つの構造の環b及び他の構造の環c’でもある)、
ここで、選択的に、RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-5、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-6、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV、RBNE-V、RBNE-a、RBNE-e、RBNE-dまたはRBNE-d’のうち少なくとも1つが、化学式BNE-1の更なる化学的実体に対する結合に代替され、及び/または、選択的に、RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-5、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-6、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV、RBNE-V、RBNE-a、RBNE-e、RBNE-dまたはRBNE-d’のうちいずれか1つの少なくとも1つの水素原子が、化学式BNE-1の更なる化学的実体に対する結合に代替される。
【0459】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれから構成され、
BNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV及びRBNE-Vは、それぞれ互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RBNE-5、ORBNE-5、Si(RBNE-5、B(RBNE-5、CF、CN、F、
-Cアルキル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
-C18アリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、及び
-C17ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
BNE-d、RBNE-d’及びRBNE-eは、互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、
-Cアルキル、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、
-C18アリール、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、及び
-C17ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、
BNE-aは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RBNE-5、ORBNE-5、Si(RBNE-5、B(RBNE-5、CF、CN、F、
-Cアルキル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
-C18アリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、及び
-C17ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
BNE-5は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、OPh、CF、CN、F、
-Cアルキル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-C18アリール、
これは、1以上のC-Cアルキル置換基で選択的に置換され、
-C17ヘテロアリール、
これは、1以上のC-Cアルキル置換基で選択的に置換され、
N(C-C18アリール)
N(C-C17ヘテロアリール)、及び
N(C-C17ヘテロアリール)(C-C18アリール)、
ここで、RBNE-III及びRBNE-eは、選択的に結合して直接単結合を形成し、
ここで、置換基RBNE-a、RBNE-d、RBNE-d’、RBNE-e、RBNE-3’、RBNE-4’及びRBNE-5のうち2以上は、選択的に互いに単環または多環、脂肪族または芳香族、炭素環系またはヘテロ環系及び/またはベンゾ縮合環系を形成し、
ここで、置換基RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-5、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV及びRBNE-Vのうち2以上は、選択的に互いに単環または多環、脂肪族または芳香族、炭素環系またはヘテロ環系及び/またはベンゾ縮合環系を形成し、
ここで、選択的に2以上、好ましくは、2つの化学式BNE-1の構造は、互いに接合され、好ましくは、少なくとも1つ、より好ましくは、正確に1つの結合を共有することによって互いに縮合され、
ここで、選択的に2以上、好ましくは、2つの化学式BNE-1の構造がエミッタに存在し、少なくとも1つ、好ましくは、正確に1つの芳香族環またはヘテロ芳香族環を共有し(すなわち、当該環は、化学式BNE-1の2つの構造の一部でもある)、これは、好ましくは、化学式BNE-1の環a、b及びc’のうちいずれか1つであるが、RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-5、RBNE-6、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV、RBNE-V、RBNE-a、RBNE-e、RBNE-d及びRBNE-d’から選択される任意の芳香族置換基またはヘテロ芳香族置換基、あるいは前述のような2以上の置換基によって形成された任意の芳香族環またはヘテロ芳香族環でもあり、ここで、共有する環は、前記環を共有する化学式BNE-1の2以上の構造の同一のまたは相異する部分を構成することができ(すなわち、共有する環は、例えば、選択的にエミッタに含まれた化学式BNE-1の2つの構造の環c’でもあるか、共有する環は、例えば、選択的にエミッタに含まれた化学式BNE-1の1つの構造の環b及び他の構造の環c’でもある)、
ここで、選択的に、RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-5、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-6、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV、RBNE-V、RBNE-a、RBNE-e、RBNE-dまたはRBNE-d’のうち少なくとも1つが、化学式BNE-1の更なる化学的実体に対する結合に代替され、及び/または、選択的に、RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-5、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-6、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV、RBNE-V、RBNE-a、RBNE-e、RBNE-dまたはRBNE-d’のうちいずれか1つの少なくとも1つの水素原子が、化学式BNE-1の更なる化学的実体に対する結合に代替される。
【0460】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれから構成され、ここで、RBNE-III及びRBNE-eは結合して直接単結合を形成する。
【0461】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、RBNE-III及びRBNE-eは結合して直接単結合を形成しない。
【0462】
一実施形態において、本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSとして適している蛍光エミッタは、選択的に、前述の化学式BNE-1の多量体(例えば、二量体)でもあり、これは、それらの構造が1以上のサブユニットを含み、それらそれぞれは化学式BNE-1による構造を有するということを意味する。この場合、当業者は、化学式BNE-1による2以上のサブユニットが、例えば、互いに共役し、好ましくは、互いに縮合していてもよいことを理解するであろう(すなわち、少なくとも1つの結合を共有し、ここで、その結合を形成する原子に結合されたそれぞれの置換基がそれ以上存在しない)。また、2以上のサブユニットは、少なくとも1つ、好ましくは、正確に1つの芳香族環またはヘテロ芳香族環を共有することができる。これは、例えば、小さなFWHMエミッタSがそれぞれ化学式BNE-1の構造を有する2以上のサブユニットを含むということを意味し、ここで、それら2つのサブユニットは、1つの芳香族環またはヘテロ芳香族環を共有する(すなわち、それぞれの環は、2つのサブユニットの一部である)。その結果、それぞれの多量体(例えば、二量体)エミッタSは、共有環が一回のみ存在し、化学式BNE-1による2つの全体サブユニットを含まない。それにもかかわらず、当業者は、本願において当該エミッタが依然として化学式BNE-1の多量体(例えば、化学式BNE-1の構造を有する2つのサブユニットが含まれる場合、二量体)と見なされることを理解するであろう。1以上の環を共有する多量体に対しても同様である。多量体は、それぞれ化学式BNE-1の構造を有する2つのサブユニットを含む二量体であることが好ましい。
【0463】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つの小さなFWHMエミッタS、好ましくは、それぞれの小さなFWHMエミッタSは、前述のように、化学式BNE-1の二量体であり、これは、エミッタがそれぞれ化学式BNE-1による構造を有する2つのサブユニットを含むということを意味する。
【0464】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、2以上、好ましくは、正確に2つの、化学式BNE-1による構造(すなわち、サブユニット)を含むか、あるいはそれからなり、
ここで、それら2つのサブユニットは、共役し、好ましくは、少なくとも1つ、より好ましくは、正確に1つの結合を共有することによって互いに縮合される。
【0465】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、2以上、好ましくは、正確に2つの、化学式BNE-1による構造(すなわち、サブユニット)を含むか、あるいはそれからなり、
ここで、それら2つのサブユニットは、少なくとも1つ、好ましくは、正確に1つの芳香族環またはヘテロ芳香族環(すなわち、当該環は、化学式BNE-1の2つの構造の一部である)を共有し、好ましくは、化学式BNE-1の環a、b及びc’のうちいずれか1つであるが、RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-5、RBNE-6、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV、RBNE-V、RBNE-a、RBNE-e、RBNE-d及びRBNE-d’から選択される任意の芳香族置換基またはヘテロ芳香族置換基、あるいは前述のような2以上の置換基によって形成された任意の芳香族環またはヘテロ芳香族環でもあり、ここで、共有環は、前記環を共有する化学式BNE-1の2以上の構造の同一のまたは相異なる部分を構成することができる(すなわち、共有環は、例えば、選択的にエミッタに含まれた化学式BNE-1の2つの構造の環c’でもあるか、共有環は、例えば、選択的にエミッタに含まれた化学式BNE-1の1つの構造の環b及び他の構造の環c’でもある)。
【0466】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、1以上の小さなFWHMエミッタSは、2以上、好ましくは、正確に2つの、化学式BNE-1による構造(すなわち、サブユニット)を含むか、あるいはそれからなり、
ここで、RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-5、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-6、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV、RBNE-V、RBNE-a、RBNE-e、RBNE-dまたはRBNE-d’のうち少なくとも1つが、化学式BNE-1の更なる化学的実体に対する結合に代替され、及び/または、選択的に、RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-5、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-6、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV、RBNE-V、RBNE-a、RBNE-e、RBNE-dまたはRBNE-d’のうちいずれか1つの少なくとも1つの水素原子が、化学式BNE-1の更なる化学的実体に対する結合に代替される。
【0467】
本発明の文脈における小さなFWHMエミッタとして使用可能な、前述の化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれからなる蛍光エミッタの非限定的な例が下記に示されている:
【化206】

【化207】

【化208】

【化209】

【化210】

【化211】

【化212】

【化213】

【化214】

【化215】

【化216】

【化217】

【化218】

【化219】

【化220】

【化221】

【化222】

【化223】

【化224】

【化225】

【化226】

【化227】

【化228】

【化229】

【化230】

【化231】

【化232】

【化233】

【化234】

【化235】

【化236】

【化237】

【化238】

【化239】

【化240】

【化241】

【化242】

【化243】

【化244】

【化245】

【化246】

【化247】

【化248】

【化249】

【化250】

【化251】

【化252】

【化253】

【化254】

【化255】

【化256】

【化257】

【化258】

【化259】

【化260】

【化261】

【化262】

【化263】

【化264】

【化265】

【化266】

【化267】

【化268】

【化269】

【化270】

【化271】

【化272】

【化273】

【化274】

【化275】

【化276】

【化277】

【化278】

【化279】

【化280】

【化281】

【化282】

【化283】

【化284】

【化285】

【化286】

【化287】

【化288】

【化289】

【化290】

【化291】

【化292】

【化293】

【化294】

【化295】

【化296】

【化297】

【化298】


【化299】

【化300】

【化301】

【化302】

【化303】

【化304】

【化305】

【化306】
【0468】
化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれから構成される小さなFWHMエミッタSの合成は、当業者に公知された標準反応及び反応条件によって達成することができる。
【0469】
典型的に、合成は、遷移金属触媒を用いたクロスカップリング反応及びホウ素化反応を含み、それらは当業者に公知されている。
【0470】
例えば、WO2020135953(A1)は、化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれから構成される小さなFWHMエミッタSを合成する方法を開示する。また、US2018047912(A1)は、特に、c及びdが0である化学式BNE-1による構造を含むか、あるいはそれから構成される小さなFWHMエミッタSを合成する方法を開示する。
【0471】
また、US2018047912(A1)及びWO2020135953(A1)に開示されたエミッタは、本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSとして使用可能であるということが理解される。
【0472】
蛍光エミッタを設計する1つのアプローチは、蛍光の多環の芳香族またはヘテロ芳香族コア構造の使用に依存する。後者は、本発明の文脈において、1以上の芳香族環またはヘテロ芳香族環、好ましくは、2以上の当該環を含む任意の構造であり、これは、より好ましくは、互いに縮合されるか、あるいは1以上の直接結合または連結原子を介して連結されている。すなわち、蛍光コア構造は、少なくとも1つ、好ましくは、単に1つの剛直なπ共役(rigid conjugated)系を含む。
【0473】
当業者は、例えば、US2017077418(A1)から、蛍光エミッタのためのコア構造を選択する方法が分かっている。蛍光エミッタの一般的なコア構造の例は、下記に示されており、ここで、これは、そのようなコアのみが本発明による使用に好適な小さなFWHMエミッタSを提供することができることを意味しない:
【化307】

【化308】

【化309】

【化310】

【化311】

【化312】

【化313】

【化314】

【化315】
【0474】
当該文脈において、蛍光コア構造という用語は、前記コアを含む全ての分子が潜在的に蛍光エミッタとして使用可能であることを示す。当業者は、そのような蛍光エミッタのコア構造が選択的に置換され、ある置換基がそれと係わって適しているか、例えば、下記例示から分かる:US2017077418(A1), M.Zhu.C.Yang, Chemical Society Reviews 2013, 42, 4963, DOI: 10.1039/c3cs35440g; S.Kima, B.Kimb, J.Leea, H.Shina, Y.-Il Parkb, J.Park, Materials Science and Engineering R: Reports 2016, 99, 1, DOI: 10.1016/j.mser.2015.11.001; K.R.J.Thomas, N.Kapoor, M.N.K.P.Bolisetty, J.-H.Jou, Y.-L.Chen, Y.-C.Jou, The Journal of Organic Chemistry 2012, 77(8), 3921, DOI: 10.1021/jo300285v; M.Vanga, R.A.Lalancette, F.Jakle, Chemistry-A European Journal 2019, 25(43), 10133, DOI: 10.1002/chem.201901231。
【0475】
本発明による用途のための小さなFWHMエミッタSは、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子それぞれの層において蛍光コア及び隣接した分子間の接触を妨害する、立体的に嵩高い置換基をコアに結合させることにより、前述の蛍光コア構造から得られる。
【0476】
本発明の文脈において、化合物、例えば、蛍光エミッタは、後に定義される遮蔽パラメータ(shielding parameter)が本文後の節で定義される特定の限定以下であるとき、立体的に遮蔽されるものと見なされる。
【0477】
蛍光エミッタを立体的に遮蔽するのに使用される置換基は、体積が大きいだけでなく(すなわち、立体的に嵩高い)、電子的に不活性であることが好ましく、これは、本発明の文脈においてそのような置換基が本文後の節で定義される活性原子を含まないということを意味する。これは、電子的に不活性(すなわち、非活性)置換基のみが前述のような蛍光コア構造に結合することを意味しないものと理解される。また、活性置換基がコア構造にも結合し、蛍光コア構造の光物理的特性を調整するために意図的に導入されうる。この場合、1以上の置換基を介して導入された活性原子が電子的に不活性(すなわち、非活性)置換基によって再び遮蔽されることが好ましい。
【0478】
最新技術からの前述の情報及び一般知識に基づいて、当業者は、蛍光コア構造の立体的遮蔽を誘導することができ、前述のように電子的に不活性な、蛍光コア構造に対する置換基を選択する方法を理解する。特に、US2017077418(A1)は、電子的に不活性(すなわち、非活性)遮蔽置換基として適している置換基を開示する。そのような置換基の例は、3から40個の炭素原子、好ましくは、3から20個の炭素原子、より好ましくは、4から10個の炭素原子を有する線状、分枝状または環状のアルキル基を含み、ここで、1以上の水素原子は、置換基、好ましくは、重水素またはフッ素にも代替される。他の例は、3から40個の炭素原子、好ましくは、3から20個の炭素原子、より好ましくは、4から10個の炭素原子を有するアルコキシ基を含み、ここで、1以上の水素原子は、置換基、好ましくは、重水素またはフッ素にも代替される。それらのアルキル及びアルコキシ置換基は、重水素及びフッ素以外の置換基、例えば、アリール基によっても置換されるものと理解される。このとき、置換基としてのアリール基は、6から30個の芳香族環原子、より好ましくは、6から8個の芳香族環原子、最も好ましくは、6個の芳香族環原子を含み、アントラセン、ピレンなどの縮合芳香族系ではないことが好ましい。他の例は、6から30個の芳香族環原子、より好ましくは、6から24個の芳香族環原子を有するアリール基を含む。それらのアリール置換基において、1以上の水素原子は置換され、好ましい置換基は、例えば、6から30個の炭素原子を有するアリール基、及び1から20個の炭素原子を有する線状、分枝状または環状のアルキル基である。全ての置換基は、さらに置換可能である。US2017077418(A1)に開示された、全ての立体的に嵩高く、好ましくは、電子的に不活性(すなわち、非活性)な置換基は、(前述のような)蛍光コアを立体的に遮蔽し、本発明による用途のための小さなFWHMエミッタSに好適な立体的に遮蔽された蛍光エミッタを提供することができることが理解される。
【0479】
本発明の文脈において(US2017077418(A1)に開示された)、立体的に嵩高く(すなわち、遮蔽し)、電子的に不活性な(すなわち、非活性な)置換基として使用可能な置換基の非限定的な例が下記に示される:
【化316】

【化317】

ここで、それぞれの点線は、それぞれの置換基をコア構造、好ましくは、蛍光コア構造に連結する単結合を示す。当業者に周知のように、トリアルキルシルリル基は、立体的に要求され、電子的に不活性な置換基として使用するのに適している。
【0480】
また、蛍光コアは、そのような立体的遮蔽置換基を保有するだけでなく、本発明の文脈において活性基であるか、あるいはそうでない追加の非遮蔽置換基にも置換されることを理解しなければならない(定義は、以下参照)。
【0481】
本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSとして使用可能な、US2017077418(A1)からの立体的に遮蔽された蛍光エミッタの例が下記に示されている。これは、本発明が下記に示されたエミッタを含む有機エレクトロルミネッセンス素子に限定されることを意味するものではない:
【化318】

【化319】
【0482】
また、最新技術から(例えば、US2017077418(A1)から)、当業者は、本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSとして適している、立体的に遮蔽された蛍光分子を合成する方法が分かっている。
【0483】
立体的に遮蔽された置換基(前述のように電子的に不活性であるか、あるいはそうでない)は、任意の蛍光分子、例えば、前述の多環の芳香族またはヘテロ芳香族蛍光コア、本願に示したBODIPY由来の構造及びNRCTエミッタ、並びに化学式BNE-1の構造を含むエミッタに結合することが理解される。これは、本発明による小さなFWHMエミッタSとして適している、立体的に遮蔽された蛍光エミッタを生成することができる。
【0484】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、小さなFWHMエミッタSは、以下の要件のうち少なくとも1つを満たす:
(i)ボロン(B)含有エミッタであり、これは、それぞれの小さなFWHMエミッタS内の少なくとも1つの原子がボロン(B)であることを意味し、
(ii)多環の芳香族またはヘテロ芳香族コア構造を含み、ここで、少なくとも2つの芳香族環が共に縮合される(例えば、アントラセン、ピレンまたはそのアザ誘導体)。
【0485】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、小さなFWHMエミッタSは、以下の要件のうち少なくとも1つを満たす:
(i)ボロン(B)含有エミッタであり、これは、(それぞれの)小さなFWHMエミッタS内の少なくとも1つの原子がボロン(B)であることを意味し、
(ii)多環の芳香族またはヘテロ芳香族コア構造を含み、ここで、少なくとも2つの芳香族環が共に縮合される(例えば、アントラセン、ピレンまたはそのアザ誘導体)。
【0486】
本発明の一実施形態において、それぞれの小さなFWHMエミッタSは、ボロン(B)含有エミッタであり、これは、それぞれの小さなFWHMエミッタS内の少なくとも1つの原子がボロン(B)であることを意味する。
【0487】
本発明の一実施形態において、それぞれの小さなFWHMエミッタSは、多環の芳香族またはヘテロ芳香族コア構造を含み、ここで、少なくとも2つの芳香族環が共に縮合される(例えば、アントラセン、ピレンまたはそのアザ誘導体)。
【0488】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、小さなFWHMエミッタSは、以下の要件のうち少なくとも1つ(または、両方)を満たす:
(i)ボロン(B)含有エミッタであり、これは、それぞれの小さなFWHMエミッタS内の少なくとも1つの原子がボロン(B)であることを意味し、
(ii)ピレンコア構造を含む。
【0489】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの、小さなFWHMエミッタSは、以下の要件のうち少なくとも1つ(または、両方)を満たす:
(i)ボロン(B)含有エミッタであり、これは、(それぞれの)小さなFWHMエミッタS内の少なくとも1つの原子がボロン(B)であることを意味し、
(ii)ピレンコア構造を含む。
【0490】
本発明の一実施形態において、それぞれの小さなFWHMエミッタSは、ピレンコア構造を含む。
【0491】
本発明の一実施形態において、それぞれの小さなFWHMエミッタSは、ボロン(B)及び窒素(N)含有エミッタであり、これは、小さなFWHMエミッタS内の少なくとも1つの原子がボロン(B)であり、小さなFWHMエミッタS内の少なくとも1つの原子が窒素(N)であることを意味する。
【0492】
立体遮蔽
遮蔽パラメータAの決定
分子の遮蔽パラメータAは、前述のような(蛍光)エミッタに対し、以下に例示的に説明されたように決定されうる。遮蔽パラメータAは、一般的に、単位オングストローム(Å2)を指称するということを理解するであろう。これは、そのような化合物が本発明の文脈において立体的に遮蔽されるか、あるいは遮蔽パラメータがそのような化合物に対して決定されることを意味するものではない。
【0493】
1.分子軌道のエネルギーレベル決定
分子軌道のエネルギーレベルは、量子化学計算を介して決定されうる。このために、現在、Turbomoleソフトウェアパッケージ(Turbomole GmbH)バージョン7.2を使用することができる。まず、密度関数理論(DFT)を使用し、def2-SV(P)基本セット及びBP-86関数を採用し、分子の底状態の構造最適化を行うことができる。次いで、最適化された構造に基づいて、B3-LYP関数を採用し、電子底状態に対する単一地点エネルギー計算を行うことができる。エネルギー計算から、最高被占軌道(HOMO)は、例えば、2つの電子によって占有された最高エネルギー軌道として得られ、最低空軌道(LUMO)は、最低エネルギー非占有軌道として得られる。HOMO-1,HOMO-2,…,LUMO+1,LUMO+2のような他の分子軌道に対しても、類似した方式でエネルギーレベルが得られる。
【0494】
本願に説明された方法は、使用されたソフトウェアパッケージと関係ない。そのような目的によく使用される他のプログラムの例は、「Gaussian09」(Gaussian Inc.)及びQ-Chem 4.1(Q-Chem, Inc.)でもある。
【0495】
2.(蛍光)化合物の電荷交換分子軌道
(蛍光)化合物の電荷交換分子軌道は、HOMO及びLUMO、並びにHOMOまたはLUMOから75meV以下のエネルギーで分離可能な全ての分子軌道と見なされる。
【0496】
3.分子軌道の活性原子の決定
それぞれの電荷交換分子軌道に対し、いかなる原子が活性化されるかに係わる決定が行われる。すなわち、それぞれの分子軌道に対し、一般的に異なる活性原子セットが発見される。HOMOの活性原子が決定される方法に係わる説明が続く。他の全ての電荷交換分子軌道(例えば、HOMO-1、LUMO、LUMO+1など)に対し、活性原子が類似して決定することができる。
【0497】
HOMOは、前述のように計算することができる。活性原子を決定するために、軌道の絶対値が0.035である表面(「カットオフが0.035である等表面」)を検査する。このために、現在、Jmolソフトウェア(http://jmol.sourceforge.net/)バージョン14.6.4が使用される。カットオフ値以上の値を有する軌道葉(lobe)が周辺に局所化される原子が活性と見なされる。カットオフ値以上の値を有する軌道葉が周辺に位置することができない原子は、非活性と見なされる。
【0498】
4.(蛍光)化合物の活性原子の決定
1つの原子が少なくとも1つの電荷交換分子軌道で活性である場合、(蛍光)化合物に対して活性であるものと見なされる。全ての電荷交換分子軌道で非活性(不活性)な原子のみが(蛍光)化合物と係わって非活性でもある。
【0499】
5.遮蔽パラメータAの決定
第1ステップにおいて、B.Lee, F.M.Richards, Journal of Molecular Biology 1971, 55(3), 379, DOI: 10.1016/0022-2836(71)90324-Xに述べられた方法により、全ての活性原子に対して溶媒接近可能表面積(solvent accessible surface area: SASA)を決定することができる。当該目的のために、1つの分子の原子のファンデルワールス表面は浸透することができないものとも見なされる。その後、全体分子のSASAは、半径r(いわゆる、探針半径)を有する堅い球(探針ともいう)の中心によって追跡される表面の領域とも定義され、このとき、球の表面が分子のファンデルワールス表面と直接接触可能な空間内の全ての接近可能な地点を球が転がりうる。また、SASA値は、1つの分子の原子の下位集合に対しても決定される。その場合、探針の表面が下位集合の一部でもある原子のファンデルワールス表面と接触可能な地点において、探針の中心によって追跡される表面のみが考慮される。当該目的のために、SASAを決定するのに使用されるLee-Richardsアルゴリズムは、プログラムパッケージFree SASA(S.Mitternacht, Free SASA: An open source C library for solvent accessible surface area calculations. F1000Res. 2016; 5:189. Published 2016 Feb 18. doi: 10.12688/f1000research.7931.1)の一部でもある。関連要素のファンデルワールス半径rVDWは、以下の参照に示されている:M.Mantina, A.C.Chamberlin, R.Valero, C.J.Cramer, D.G.Truhlar, The Journal of Physical Chemistry A 2009, 113(19), 5806, DOI: 10.1021/jp8111556。探針半径rは、当該目的のための全てのSASA決定に対し、4Å(r=4Å)にも設定される。
【0500】
本発明の文脈において、遮蔽パラメータAは、活性原子の下位集合の溶媒接近可能表面積(全体分子のSASAと区別するために、Sで表される)を活性原子の数nで割ることによって得られる。
【0501】
【数1】

本発明の文脈において、遮蔽パラメータAが2Å未満の値(A<2.0Å)を有する場合、化合物は、立体的によく遮蔽されたものとも定義される。
【0502】
本発明の文脈において、遮蔽パラメータAが1.0から5.0Å(1.0Å≦A≦5.0Å)、好ましくは、2.0Åから5.0Å(2.0Å≦A≦5.0Å)の値を有する場合、化合物は、立体的に遮蔽されたものとも定義される。
【0503】
例示的な(蛍光)エミッタが前述のように決定された遮蔽パラメータAと共に、下記に示されている。これは、本発明が下記に示されたエミッタのうち1つを含む有機エレクトロルミネッセンス素子に限定されるものではないということを理解するであろう。下記に示されたエミッタ化合物は、ただ本発明の選択的な実施形態を示す非限定的な例だけである:
【化320】
【0504】
本発明の一実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子に含まれたそれぞれの小さなFWHMエミッタSは、5.0Å以下の遮蔽パラメータAを示す。
【0505】
本発明の好ましい実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子に含まれたそれぞれの小さなFWHMエミッタSは、2.0Å以下の遮蔽パラメータAを示す。
【0506】
当業者は、本発明による小さなFWHMエミッタSのような蛍光エミッタのみが遮蔽置換基を結合することにより、立体的に遮蔽されるものではないことを理解する。例えば、本発明の文脈におけるTADF材料E及び本発明の文脈における燐光材料Pも遮蔽されることが理解される。
【0507】
TADF材料E と燐光材料P との距離
ここで、TADF材料Eと燐光材料Pとの平均分子間距離dは、以下のように計算される:
【数2】

【数3】

【数4】
【0508】
本発明の一実施形態において、TADF材料Eと燐光材料Pとの平均分子間距離dは、以下の要件を満たす:0.5nm≦d≦5.0nm。
【0509】
本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、下記を含む少なくとも1層の発光層Bを含む:
(i)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つのホスト材料H
(ii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの燐光材料P
(iii)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有し、0.25eV以下の半値幅(FWHM)を有する光を発光する少なくとも1つの小さな半値幅(FWHM)エミッタS、及び
(iv)最低励起一重項状態エネルギーレベルE(S1)及び最低励起三重項状態エネルギーレベルE(T1)を有する少なくとも1つの熱活性化遅延蛍光(TADF)材料E
ここで、下記式(1)及び(2)で表される関係が適用される:
E(T1)>E(T1) (1)
E(T1)>E(S1) (2)
ここで、TADF材料Eと燐光材料Pとの平均分子間距離dは、以下の要件を満たす:0.5nm≦d≦5.0nm。
【0510】
本発明の一実施形態において、TADF材料Eと燐光材料Pとの平均分子間距離dは、以下の要件を満たす:1.0nm≦d≦5.0nm。
【0511】
本発明の好ましい実施形態において、TADF材料Eと燐光材料Pとの平均分子間距離dは、以下の要件を満たす:1.0nm≦d≦4.0nm。
【0512】
本発明の好ましい実施形態において、TADF材料Eと燐光材料Pとの平均分子間距離dは、以下の要件を満たす:0.7nm≦d≦4.0nm。
【0513】
本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、1以上の副層からなる少なくとも1層の発光層Bを含み、ここで、1層の(副)層内で、または少なくとも1層の副層内で、TADF材料Eと燐光材料Pとの平均分子間距離dは、以下の要件を満たす:0.5nm≦d≦5.0nm。
【0514】
励起状態寿命
励起状態寿命を測定する方法に係わる詳細な説明が本文後の節で提供される。
【0515】
本発明の一実施形態において、本発明の文脈におけるTADF材料Eは、110μs以下、好ましくは、100μs以下の励起状態寿命τ(E)を示す。本発明の一実施形態において、本発明の文脈におけるそれぞれのTADF材料Eは、110μs以下、好ましくは、100μs以下の励起状態寿命τ(E)を示す。
【0516】
本発明の一実施形態において、本発明の文脈におけるTADF材料Eは、75μs以下の励起状態寿命τ(E)を示す。本発明の一実施形態において、本発明の文脈におけるそれぞれのTADF材料Eは、75μs以下の励起状態寿命τ(E)を示す。
【0517】
本発明の一実施形態において、本発明の文脈におけるTADF材料Eは、50μs以下の励起状態寿命τ(E)を示す。本発明の一実施形態において、本発明の文脈において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのTADF材料Eは、50μs以下の励起状態寿命τ(E)を示す。
【0518】
本発明の好ましい実施形態において、本発明の文脈におけるTADF材料Eは、10μs以下の励起状態寿命τ(E)を示す。本発明の一実施形態において、本発明の文脈において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのTADF材料Eは、10μs以下の励起状態寿命τ(E)を示す。
【0519】
本発明のより好ましい実施形態において、本発明の文脈におけるTADF材料Eは、5μs以下の励起状態寿命τ(E)を示す。本発明の一実施形態において、本発明の文脈において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのTADF材料Eは、5μs以下の励起状態寿命τ(E)を示す。
【0520】
本発明の一実施形態において、本発明の文脈における燐光材料Pは、50μs以下の励起状態寿命τ(P)を示す。本発明の一実施形態において、本発明の文脈において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pは、50μs以下の励起状態寿命τ(P)を示す。
【0521】
本発明の一実施形態において、本発明の文脈における燐光材料Pは、10μs以下の励起状態寿命τ(P)を示す。本発明の一実施形態において、本発明の文脈において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pは、10μs以下の励起状態寿命τ(P)を示す。
【0522】
本発明の一実施形態において、本発明の文脈における燐光材料Pは、5μs以下の励起状態寿命τ(P)を示す。本発明の一実施形態において、本発明の文脈において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光材料Pは、5μs以下の励起状態寿命τ(P)を示す。
【0523】
本発明の一実施形態において、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子において、少なくとも1つのホスト材料H、少なくとも1つの燐光材料P、及び少なくとも1つの小さなFWHMエミッタSを含む、1以上の発光層Bの1以上の副層への1以上のTADF材料Eの添加は、有機エレクトロルミネッセンス素子の励起状態寿命低下をもたらす。本発明の好ましい実施形態において、前述の本発明によるTADF材料Eの添加は、有機エレクトロルミネッセンス素子の励起状態寿命を少なくとも50%低下させる。
【0524】
素子構造
当業者は、少なくとも1層の発光層Bが通常的に本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子に含まれることが分かるであろう。好ましくは、当該有機エレクトロルミネッセンス素子は、少なくとも下記層を含む:少なくとも1層の発光層B、少なくとも1層のアノード層A及び少なくとも1層のカソード層C。
【0525】
好ましくは、少なくとも1層の発光層Bは、アノード層Aとカソード層Cとの間に位置する。したがって、一般的な設定は、好ましくは、A-B-Cである。それはもちろん1以上の選択的な追加の層の存在を排除しない。それらは、A、B及び/またはCのそれぞれの側に存在しうる。
【0526】
好ましくは、アノード層Aは、基板の表面に位置する。基板は、任意の材料、または該材料の組成物によっても形成される。ほとんど、ガラススライドが基板として使用される。または、薄い金属層(例えば、銅、金、銀またはアルミニウムフィルム)、またはプラスチックフィルムやプラスチックスライドが使用されうる。それは、さらに高レベルの柔軟性を許容することができる。二電極のうち少なくとも1つは、エレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)から光を発光するように(本質的に)透明ではなければならない。通常、アノード層Aは、ほとんど(本質的に)透明なフィルムを得ることができる材料によって構成される。好ましくは、アノード層Aは、透明導電性酸化物(TCO)を多量含むか、あるいはそれから構成される。
【0527】
そのようなアノード層Aは、例えば、インジウムスズ酸化物、アルミニウム亜鉛酸化物、フッ素スズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、PbO、SnO、ジルコニウム酸化物、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、タングステン酸化物、黒鉛、ドーピングされたSi、ドーピングされたGe、ドーピングされたGaAs、ドーピングされたポリアニリン、ドーピングされたポリピロール及び/またはドーピングされたポリチオフェン、及びそれらのうち2以上の混合物を含むものでもある。
【0528】
特に好ましくは、アノード層Aは、(本質的に)インジウムスズ酸化物(ITO)(例えば、(InO0.9(SnO0.1)で構成される。透明導電性酸化物(TCO)によるアノード層Aの粗さは、正孔注入層(HIL)を使用することによっても緩和される。また、該HILは、TCOから正孔輸送層(HTL)への類似電荷キャリア(すなわち、正孔)の輸送が促進されるという点において、類似電荷キャリアの注入が容易となる。正孔注入層(HIL)は、ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、MoO、V、CuPCまたはCuI、特に、PEDOT及びPSSの混合物を含むものでもある。正孔注入層(HIL)は、また、アノード層Aから正孔輸送層(HTL)に金属が拡散することを防止することができる。例えば、該HILは、ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)、ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、4,4’,4”-トリス[フェニル(m-トリル)アミノ]トリフェニルアミン(mMTDATA)、2,2’,7,7’-テトラキス(n,n-ジフェニルアミノ)-9,9’-スピロビフルオレン(Spiro-TAD)、N1,N1’-(ビフェニル-4,4’-ジイル)ビス(N1-フェニル-N4,N4-ジ-m-トリルベンゼン-1,4-ジアミン(DNTPD)、N,N’-ニス-(1-ナフタレニル)-N,N’-ビス-フェニル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン(NPB)、N,N’-ジフェニル-N,N’-ジ-[4-(N,N-ジフェニルアミノ)フェニル]ベンジジン(NPNPB)、N,N,N’,N’-テトラキス(4-メトキシフェニル)ベンジジン(MeO-TPD)、1,4,5,8,9,11-ヘキサアザトリフェニレン-ヘキサカルボニトリル(HAT-CN)及び/またはN,N’-ジフェニル-N,N’-ビス-(1-ナフチル)-9,9’-スピロビフルオレン-2,7-ジアミン(Spiro-NPD)によっても構成される。
【0529】
アノード層Aまたは正孔注入層(HIL)に隣接し、一般的に、正孔輸送層(HTL)が位置する。ここで、任意の正孔輸送化合物が使用されうる。例えば、トリアリールアミン及び/またはカルバゾールのような、電子が豊富なヘテロ芳香族化合物が、正孔輸送化合物としても使用される。該HTLは、アノード層Aと発光層B(発光層(EML)の役割を行う)との間のエネルギー障壁を低減させることができる。該正孔輸送層(HTL)は、また、電子遮断層(EBL)でもある。好ましくは、該正孔輸送化合物は、比較的高いエネルギー準位の三重項状態T1を有する。例えば、正孔輸送層(HTL)は、トリス(4-カルバゾリル-9-イルフェニル)アミン(TCTA)、ポリ(4-ブチルフェニル-ジフェニルアミン)(poly-TPD)、ポリ(4-ブチルフェニル-ジフェニルアミン)(α-NPD)、4,4’-シクロヘキシリデン-ビス[N,N-ビス(4-メチルフェニル)ベンゼンアミン](TAPC)、4,4’,4”-トリス[2-ナフチル(フェニル)-アミノ]トリフェニルアミン(2-TNATA)、Spiro-TAD、DNTPD、NPB、NPNPB、MeO-TPD、HAT-CN及び/または9,9’-ジフェニル-6-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-9H,9’H-3,3’-ビカルバゾール(TrisPcz)のような星状のヘテロ環を含むものでもある。また、該HTLは、有機正孔輸送マトリックス内の無機または有機ドーパントによっても構成されるp-ドーピングされた層を含むものでもある。該無機ドーパントとしては、例えば、バナジウム酸化物、モリブデン酸化物またはタングステン酸化物のような遷移金属酸化物が使用することができる。該有機ドーパントとしては、例えば、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F-TCNQ)、銅-ペンタフルオロ安息香酸(Cu(I)pFBz)または遷移金属錯体が使用されてもよい。
【0530】
EBLは、例えば、1,3-ビス(カルバゾール-9-イル)ベンゼン(mCP)、TCTA、2-TNATA、3,3-ジ(9H-カルバゾール-9-イル)ビフェニル(mCBP)、9-[3-(ジベンゾフラン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3-(ジベンゾフラン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3-(ジベンゾチオフェン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3,5-ビス(2-ジベンゾフラニル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3,5-ビス(2-ジベンゾチオフェニル)フェニル]-9H-カルバゾール、tris-Pcz、9-(4-tert-ブチルフェニル)-3,6-ビス(トリフェニルシリル)-9H-カルバゾール(CzSi)及び/またはN,N’-ジカルバゾリル-1,4-ジメチルベンゼン(DCB)を含むものでもある。
【0531】
少なくとも1層の発光層Bの組成が前述された。本発明による任意の1以上の発光層Bは、好ましくは、1mm以下、より好ましくは、0.1mm以下、より一層好ましくは、10μm以下、さらに好ましくは、1μm以下、特に好ましくは、0.1μm以下の厚みを有する。
【0532】
電子輸送層(ETL)には、任意の電子輸送体を使用することができる。例えば、ベンズイミダゾール、ピリジン、トリアゾール、オキサジアゾール(例えば、1,3,4-オキサジアゾール)、ホスフィンオキシド及びスルホンのような電子不足化合物が使用することができる。例えば、電子輸送体ETMは、また、1,3,5-トリ(1-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)フェニル(TPBi)のような星状のヘテロ環でもある。ETMは、例えば、2,9-ビス(ナフタレン-2-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(NBphen)、アルミニウム-トリス(8-ヒドロキシキノリン)(Alq)、ジフェニル-4-トリフェニルシリルフェニル-ホスフィンオキシド(TSPO1)、2,7-ジ(2,2’-ビピリジン-5-イル)トリフェニル(BPyTP2)、ジベンゾ[b,d]チオフェン-2-イルトリフェニルシラン(Sif87)、ジベンゾ[b,d]チオフェン-2-イル)ジフェニルシラン(Sif88)、1,3-ビス[3,5-ジ(ピリジン-3-イル)フェニル]ベンゼン(BmPyPhB)及び/または4,4’-ビス-[2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジニル)]-1,1’-ビフェニル(BTB)を含むものでもある。選択的に、電子輸送層は、8-ヒドロキシキノリノラトリチウム(Liq)のような材料によってもドーピングされる。選択的に、第2電子輸送層が電子輸送層とカソード層Cとの間に位置してもよい。電子輸送層(ETL)も、正孔を遮断することができる。または、正孔遮断層(HBL)が導入される。
【0533】
【0534】
電子輸送層(ETL)に隣接し、カソード層Cが位置してもよい。該カソード層Cは、例えば、金属(例えば、Al、Au、Ag、Pt、Cu、Zn、Ni、Fe、Pb、LiF、Ca、Ba、Mg、In、WまたはPd)または金属合金を含むか、あるいはそれから構成される。実用的な理由により、該カソード層Cは、Mg、CaまたはAlのような(本質的に)不透明な金属によっても構成される。代案として、あるいはさらには、該カソード層Cは、また、黒鉛及び/または炭素ナノチューブ(CNT)を含むものでもある。代案としては、カソード層Cは、また、ナノスケール銀ワイヤによっても構成される。
【0535】
好ましい実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、少なくとも下記層を含む:
A)インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、PbO、SnO、黒鉛、ドーピングされたシリコン、ドーピングされたゲルマニウム、ドーピングされたGaAs、ドーピングされたポリアニリン、ドーピングされたポリピロール、ドーピングされたポリチオフェン及びそれら2以上の混合物からなる群から選択された少なくとも1つの成分を含むアノード層A、
B)本願に述べられたような本発明による発光層B、及び
C)Al、Au、Ag、Pt、Cu、Zn、Ni、Fe、Pb、In、W、Pd、LiF、Ca、Ba、Mg及びそれら2以上の混合物または合金からなる群から選択された少なくとも1つの成分を含むカソード層C、
ここで、発光層Bは、アノード層Aとカソード層Cとの間に位置する。
【0536】
一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子がOLEDであるとき、それは、選択的に、下記層構造を含む:
A)例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)を含むアノード層A、
HTL)正孔輸送層HTL、
B)本願に述べられたような本発明による発光層B、
ETL)電子輸送層ETL、及び
C)例えば、Al、Ca及び/またはMgを含むカソード層C。
【0537】
好ましくは、本願において、前記層の順序は、A-HTL-B-ETL-Cである。
【0538】
また、有機エレクトロルミネッセンス素子は、例えば、水分、蒸気及び/またはガスを含む環境内の有害物質に対する露出による損傷から、素子を保護する1以上の保護層を選択的に含むものでもある。
【0539】
エレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)は、選択的に、電子輸送層(ETL)Dとカソード層Cとの間に保護層(電子注入層(EIL)とも指称される)をさらに含む。該層は、フッ化リチウム、フッ化セシウム、銀、8-ヒドロキシキノリノラトリチウム(Liq)、LiO、BaF、MgO及び/またはNaFを含むものでもある。
【0540】
他に明示されない限り、多様な実施形態の任意の副層を含む任意の層は、任意の適切な方法によって蒸着される。少なくとも1層の発光層B(単一(副)層からなるか、あるいは1以上の副層を含む)及び/またはその1以上の副層を含む、本発明の文脈において層は、選択的に、液体処理(「フィルム処理」、「流体処理」、「溶液処理」または「溶媒処理」ともいう)を介して作製されてもよい。これは、各層に含まれた成分が液体状態で素子の一部の表面に適用されることを意味する。
【0541】
好ましくは、少なくとも1層の発光層B及び/またはその1以上の副層を含む、本発明の文脈において層は、スピンコーティングによっても作製することができる。当業者に周知の当該方法により、薄くて(本質的に)均一な層及び/または副層を得ることができる。
【0542】
代案としては、少なくとも1層の発光層B及び/またはその1以上の副層を含む、本発明の文脈において層は、例えば、キャスティング(例えば、ドロップキャスティング)、ローリング方法及び印刷方法(例えば、インクジェット印刷、グラビア印刷、ブレードコーティング)のような液体処理に基づいた他の方法によっても作製することができる。これは、選択的に、不活性雰囲気(例えば、窒素雰囲気)で遂行される。
【0543】
他の好ましい実施形態において、少なくとも1層の発光層B及び/またはその1以上の副層を含む、本発明の文脈において層は、例えば、熱(共)蒸着、有機気相蒸着(OVPD)及び有機気相ジェットプリンティング(OVJP)による蒸着のように、当業者に周知の真空処理方法を含むが、それに限定されない、当技術分野で周知の任意の他の方法によっても作製することができる。
【0544】
選択的にその1以上の副層を含む層を液体処理によって製造するとき、(副)層の成分(すなわち、本発明の発光層Bに対し、少なくとも1つのホスト材料H、少なくとも1つの燐光材料P、少なくとも1つの小さなFWHMエミッタS、及び選択的に(すなわち、少なくとも1つの)TADF材料E)を含む溶液は、揮発性有機溶媒をさらに含んでもよい。そのような揮発性有機溶媒は、選択的に、テトラヒドロフラン、ジオキサン、クロロベンゼン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、γ-ブチロラクトン、N-メチルピロリジノン、エトキシエタノール、キシレン、トルエン、アニソール、フェネトール、アセトニトリル、テトラヒドロチオフェン、ベンゾニトリル、ピリジン、トリヒドロフラン、トリアリールアミン、シクロヘキサノン、アセトン、プロピレンカーボネート、エチルアセテート、ベンゼン及びプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGMEA)からなる群から選択される1つでもある。また、2以上の溶媒の組み合わせが使用することができる。液体状態で塗布された後、次いで、前記層は、例えば、大気条件、増加した温度(例えば、約50℃または約60℃)、または減少した圧力において、当技術分野の任意の手段によって乾燥及び/または硬化される。
【0545】
有機エレクトロルミネッセンス素子は、全体として、5mm以下、2mm以下、1mm以下、0.5mm以下、0.25mm以下、100μmまたは10μm以下の薄膜を形成することができる。
【0546】
有機エレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)は、小型(例えば、5mm以下、またはさらに好ましくは、1mm以下の表面を有する)、中型(例えば、0.5cmから20cm範囲の表面を有する)、または大型(例えば、20cmより大きい表面を有する)でもある。本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)は、選択的に、大面積照明装置であり、発光壁紙、発光ウィンドウフレームまたはガラス、発光ラベル、発光ポーザー、またはフレキシブルスクリーンまたはディスプレイとしてスクリーンを生成するために使用することができる。一般的な用途の次に、有機エレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLED)は、例えば、発光フィルム、「スマートパッケージング」ラベルまたは革新的なデザイン要素としても使用される。また、細胞検出及び検査(例えば、バイオラべリング)に使用することができる。
【0547】
追加定義及び情報
全体的に使用されているように、本発明の文脈において、「層」という用語は、好ましくは、広範囲に平面である幾何学的構造を有する本体を称する。層が構成することができるあらゆる「副層」に対しても同様である。
【0548】
本願において使用されているように、有機エレクトロルミネッセンス素子及び光電子発光素子という用語は、最も広い意味において、それぞれ全体的に少なくとも1つのホスト材料H、少なくとも1つの燐光材料P、少なくとも1つの小さなFWHMエミッタS、及び選択的に1以上のTADF材料Eを含む1以上の発光層Bを含む任意の素子としても理解され、それらに対して前述の定義が適用される。
【0549】
有機エレクトロルミネッセンス素子は、最も広い意味において、可視光線または近紫外線(UV)の範囲、すなわち、380から800nmの波長範囲において光を発光するのに適している有機材料を基盤とする任意の素子としても理解される。好ましくは、有機エレクトロルミネッセンス素子は、可視光線範囲、すなわち、400から800nmにおいて発光することができる。
【0550】
好ましくは、有機エレクトロルミネッセンス素子は、可視光線範囲、すなわち、380から800nm、より好ましくは、400から800nmにおいて主発光ピークを有する。
【0551】
本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、500から560nmの緑色光を発光する。本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、500から560nm範囲の主発光ピークを有する。
【0552】
本発明の好ましい実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、510から550nmの緑色光を発光する。本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、510から550nm範囲の主発光ピークを有する。
【0553】
本発明のより好ましい実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、515から540nmの緑色光を発光する。本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、515から540nm範囲の主発光ピークを有する。
【0554】
本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、420から500nmの青色光を発光する。本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、420から500nm範囲の主発光ピークを有する。
【0555】
本発明の好ましい実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、440から480nmの青色光を発光する。本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、440から480nm範囲の主発光ピークを有する。
【0556】
本発明のより好ましい実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、450から470nmの青色光を発光する。本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、450から470nm範囲の主発光ピークを有する。
【0557】
本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、590から690nmの赤色光またはオレンジ色光を発光する。本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、590から690nm範囲の主発光ピークを有する。
【0558】
本発明の好ましい実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、610から665nmの赤色光またはオレンジ色光を発光する。本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、610から665nm範囲の主発光ピークを有する。
【0559】
本発明のより好ましい実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、620から640nmの赤色光を発光する。本発明の一実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、620から640nm範囲の主発光ピークを有する。
【0560】
本発明の好ましい実施形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、有機発光ダイオード(OLED)、発光電気化学電池(LEC)及び発光トランジスタからなる群から選択された素子である。
【0561】
特に好ましくは、有機エレクトロルミネッセンス素子は、有機発光ダイオード(OLED)である。選択的に、有機エレクトロルミネッセンス素子は、全体的に不透明(非透明)、半透明または(本質的に)透明である。
【0562】
本明細書の全体にわたって使用されているように、用語「環状基」は、最も広い意味において、任意の単環式部分、二環式部分または多環式部分としても理解される。
【0563】
本明細書の全体にわたって使用されているように、用語「環」及び「環系」は、最も広い意味において、任意の単環式部分、二環式部分または多環式部分としても理解される。
【0564】
用語「環原子」は、環または環構造の環状コアの一部であり、それに選択的に結合した置換基の一部ではない、任意の原子を称する。
【0565】
本明細書の全体にわたって使用されているように、用語「炭素環」は、最も広い意味において、環状コア構造が水素はいうまでもなく、または本発明の特定の実施形態において定義された任意の他の置換基で置換可能な炭素原子のみを含む任意の環状基としても理解される。用語「炭素環の」は、形容詞であり、環状コア構造が水素はいうまでもなく、または本発明の特定実施形態において定義された任意の他の置換基で置換可能な炭素原子のみを含む環状基を称するものとも理解される。
【0566】
本明細書の全体にわたって使用されているように、用語「ヘテロ環」は、最も広い意味において、環状コア構造が炭素原子だけでなく、少なくとも1つのヘテロ原子を含む任意の環状基としても理解される。用語「ヘテロ環の」は、形容詞であり、環状コア構造が炭素原子だけでなく、少なくとも1つのヘテロ原子を含む環状基を称するものとも理解される。該ヘテロ原子は、特定実施形態において他に言及されない限り、それぞれの場合、同一でもあり、あるいは異なってもおり、N、O、S及びSeからなる群から個別的に選択されうる。本発明の文脈においてヘテロ環に含まれた全ての炭素原子またはヘテロ原子はいうまでもなく、水素または本発明の特定の実施形態において定義された任意の他の置換基で置換可能である。
【0567】
本明細書の全体にわたって使用されているように、用語「芳香族環系」は、最も広い意味において、任意の二環式芳香族部分または多環式芳香族部分としても理解される。
【0568】
本明細書の全体にわたって使用されているように、用語「ヘテロ芳香族環系」は、最も広い意味において、任意の二環式ヘテロ芳香族部分または多環式ヘテロ芳香族部分としても理解される。
【0569】
本明細書の全体にわたって使用されているように、芳香族環系またはヘテロ芳香族環系を言及するとき、「縮合された」という用語は、「縮合された」芳香族環またはヘテロ芳香族環が両方の環系の一部である少なくとも1つの結合を共有することを意味する。例えば、ナフタレン(または、置換基として言及されるとき、ナフチル)またはベンゾチオフェン(または、置換基として言及されるとき、ベンゾチオフェニル)は、本発明の文脈において縮合芳香族環系と見なされ、ここで、2つのベンゼン環(ナフタレンの場合)またはチオフェン及びベンゼン(ベンゾチオフェンの場合)は、1つの結合を共有する。また、そのような文脈において結合を共有することは、それぞれの結合を構成する2つの原子を共有することを含むものとも理解され、縮合芳香族環系またはヘテロ芳香族環系は、1つの芳香族系またはヘテロ芳香族系とも理解される。また、縮合芳香族環系またはヘテロ芳香族環系(例えば、ピレンで)を構成する芳香族環またはヘテロ芳香族環によって1以上の結合が共有されるものとも理解される。また、脂肪族環系も縮合され、これは、縮合脂肪族環系が芳香族ではないという点を除いては、芳香族環系またはヘテロ芳香族環系と同一な意味を有するものとも理解されるであろう。
【0570】
本明細書の全体にわたって使用されているように、用語「アリール」及び「芳香族」は、最も広い意味において、任意の単環式芳香族部分、二環式芳香族部分または多環式芳香族部分としても理解される。従って、アリール基は、6から60個の芳香族環原子を含み、ヘテロアリール基は、5から60個の芳香族環原子を含み、そのうち少なくとも1つはヘテロ原子である。それにもかかわらず、本明細書の全体にわたり、芳香族環原子数は、特定置換基の定義において、下付き文字数字で与えられうる。特に、ヘテロ芳香族環は、1から3個のヘテロ原子を含む。さらに、用語「ヘテロアリール」及び「ヘテロ芳香族」は、最も広い意味において、少なくとも1つのヘテロ原子を含む任意の単環式ヘテロ芳香族部分、二環式ヘテロ芳香族部分または多環式ヘテロ芳香族部分としても理解される。該ヘテロ原子は、それぞれの場合、同一でもあり、あるいは異なってもおり、N、O、S及びSeからなる群から個別的に選択されうる。従って、用語「アリーレン」は、他の分子構造に対し、2つの結合部位を保有し、リンカー構造の役割を行う二価置換基を意味する。例示的な実施形態において、基が、ここで与えられた定義と異なるように定義される場合、例えば、芳香族環原子数またはヘテロ原子数が与えられた定義と異なる場合、例示的な実施形態における定義が適用される。本発明によれば、縮合(環状)された、芳香族多環またはヘテロ芳香族多環は、縮合反応を介して多環を形成する、2つ以上の単一芳香族環またはヘテロ芳香族環から構成される。
【0571】
特に、本明細書の全体にわたって使用されているように、用語「アリール基」または「ヘテロアリール基」は、ベンゼン、ナフタリン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ジヒドロピレン、クリセン、ペリレン、フルオランテン、ベンズアントラセン、ベンズフェナントレン、テトラセン、ペンタセン、ベンツピレン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン;セレノフェン、ベンゾセレノフェン、イソベンゾセレノフェン、ジベンゾセレノフェン;ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ-5,6-キノリン、ベンゾ-6,7-キノリン、ベンゾ-7,8-キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリドイミダゾール、ピラジノイミダゾール、キノキサリノイミダゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、1,2-チアゾール、1,3-チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、1,3,5-トリアジン、キノキサリン、ピラジン、フェナジン、ナフチリジン、カルボリン、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,2,3,4-テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジン及びベンゾチアジアゾール、あるいは前述の基の組み合わせから誘導された芳香族基またはヘテロ芳香族基の任意の位置を介して結合可能な基を含む。
【0572】
本発明の特定実施形態において、芳香族環またはヘテロ芳香族環に結合された隣接した置換基は、前記置換基が結合された芳香族環またはヘテロ芳香族環に縮合された、更なる脂肪族または芳香族、炭素環系またはヘテロ環系を形成することができる。選択的にそのように形成された縮合環系は、隣接した置換基が結合された芳香族環またはヘテロ芳香族環よりさらに大きい(さらに多い環原子を含むことを意味する)ものとも理解される。その場合、縮合環系に含まれた環原子の「総」数は、隣接した置換基が結合された芳香族環またはヘテロ芳香族環に含まれた環原子と、隣接した置換基によって形成された追加の環系の環原子との和と理解され、ここで、縮合環系によって共有される炭素原子は、二回ではなく一回に計算される。例えば、ベンゼン環は、ナフタレンコアが形成されるように、さらに他のベンゼン環を形成する2つの隣接した置換基を有することができる。当該ナフタレンコアは、2つの炭素原子が2つのベンゼン環によって共有され、二回ではなく、一回のみ計算されるので、10個の環原子を含むことになる。そのような文脈において「隣接した置換基」という用語は、(例えば、環系の)同一のまたは隣接する環原子に結合された置換基を意味する。
【0573】
本明細書の全体にわたって使用されているように、用語「脂肪族」は、環系を言及するとき、最も広い意味としても理解され、環系を構成する環のうち何も芳香族環またはヘテロ芳香族環ではないことを意味する。そのような脂肪族環系は、1以上の芳香族環またはヘテロ芳香族環に縮合され、脂肪族環系のコア構造に含まれた一部(全部ではない)の炭素原子またはヘテロ原子が結合された芳香族環またはヘテロ芳香族環の一部となるものと理解される。
【0574】
本明細書の全体にわたって使用されているように、用語「アルキル基」は、最も広い意味において、任意の線状、分枝状または環状のアルキル置換基としても理解される。特に、用語「アルキル」は、置換基である、メチル(Me)、エチル(Et)、n-プロピル(Pr)、i-プロピル(Pr)、シクロプロピル、n-ブチル(Bu)、i-ブチル(Bu)、s-ブチル(Bu)、t-ブチル(Bu)、シクロブチル、2-メチルブチル、n-ペンチル、s-ペンチル、t-ペンチル、2-ペンチル、ネオ-ペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、s-ヘキシル、t-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、ネオ-ヘキシル、シクロヘキシル、1-メチルシクロペンチル、2-メチルペンチル、n-へプチル、2-へプチル、3-へプチル、4-へプチル、シクロへプチル、1-メチルシクロヘキシル、n-オクチル、2-エチルヘキシル、シクロオクチル、1-ビシクロ[2,2,2]オクチル、2-ビシクロ[2,2,2]オクチル、2-(2,6-ジメチル)オクチル、3-(3,7-ジメチル)オクチル、アダマンチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,1-ジメチル-n-ヘキス-1-イル、1,1-ジメチル-n-ヘプト-1-イル、1,1-ジメチル-n-オクト-1-イル、1,1-ジメチル-n-デス-1-イル、1,1-ジメチル-n-ドデス-1-イル、1,1-ジメチル-n-テトラデス-1-イル、1,1-ジメチル-n-ヘキサデス-1-イル、1,1-ジメチル-n-オクタデス-1-イル、1,1-ジエチル-n-ヘキス-1-イル、1,1-ジエチル-n-ヘプト-1-イル、1,1-ジエチル-n-オクト-1-イル、1,1-ジエチル-n-デス-1-イル、1,1-ジエチル-n-ドデス-1-イル、1,1-ジエチル-n-テトラデス-1-イル、1,1-ジエチル-n-ヘキサデス-1-イル、1,1-ジエチル-n-オクタデス-1-イル、1-(n-プロピル)-シクロヘキス-1-イル、1-(n-ブチル)-シクロヘキス-1-イル、1-(n-ヘキシル)-シクロヘキス-1-イル、1-(n-オクチル)-シクロヘキス-1-イル及び1-(n-デシル)-シクロヘキス-1-イルを含む。
【0575】
本明細書の全体にわたって使用されているように、用語「アルケニル」は、線状、分枝状及び環状のアルケニル置換基を含む。用語「アルケニル基」は、例えば、置換基である、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニルまたはシクロオクタジエニルを含む。
【0576】
本明細書の全体にわたって使用されているように、用語「アルキニル」は、線状、分枝状及び環状のアルキニル置換基を含む。用語「アルキニル基」は、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニルまたはオクチニルを含む。
【0577】
本明細書の全体にわたって使用されているように、用語「アルコキシ」は、線状、分枝状及び環状のアルコキシ置換基を含む。用語「アルコキシ基」は、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ及び2-メチルブトキシを含む。
【0578】
本明細書の全体にわたって使用されている用語「チオアルコキシ」は、線状、分枝状及び環状のチオアルコキシ置換基を含み、ここで、例示的なアルコキシ基のOは、Sに代替される。
【0579】
本明細書の全体にわたって使用されている用語「ハロゲン」及び「ハロ」は、最も広い意味において、好ましくは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素であるとも理解される。
【0580】
本願に言及された任意の構造に含まれた全ての水素原子(H)は、それぞれの場合に互いに独立して、具体的に述べられない限り、重水素(D)にも代替される。水素を重水素に代替することは、一般慣行であり、それを合成的に達成する方法も当業者には明白である。
【0581】
分子フラグメントが、置換基や、他の部分に結合していると記述されるとき、その名称は、まさしくそれがフラグメント(例えば、ナフチル、ジベンゾフリル)であるように、あるいは全体分子(例えば、ナフタレン、ジベンゾフラン)であるようにも記述される。本明細書に使用されているように、置換基、または結合フラグメントを記述する前記方式は、同等であると見なされる。
【0582】
濃度または組成を言及するとき、他に明示されない限り、百分率は、重量百分率を称し、これは、重量による百分率、または重量による%((重量/重量)、(w/w)、重量%)と同一な意味を有する。
【0583】
軌道エネルギー及び励起状態エネルギーは、実験方法や量子化学方法、特に、密度関数理論計算を利用する計算方法を介して決定することができる。ここで、最高被占軌道エネルギーEHOMOは、当業者に公知の方法によって、サイクリックボルタンメトリー測定から0.1eVの精度で決定される。
【0584】
最低空軌道エネルギーELUMOは、当業者に公知の方法によって、サイクリックボルタンメトリー測定から0.1eVの精度で決定される。代案としては、ここで好ましくは、ELUMOは、EHOMO+Egapによって計算され、ここで、第1励起一重項状態S1(以下参照)のエネルギーが、ホスト材料H、TADF材料E及び小さなFWHMエミッタSに対し、他に言及されない限り、Egapとして使用される。すなわち、ホスト材料H、TADF材料E及び小さなFWHMエミッタSの場合、Egapは、室温(すなわち、約20℃)で発光スペクトルの開始(onset)から決定される(定常状態スペクトル;TADF材料Eの場合、ポリ(メチルメタクリレート)PMMA内の10重量%のEの膜が一般的に使用され、小さなFWHMエミッタSの場合、PMMA内の1~5重量%、好ましくは、2重量%のSの膜が一般的に使用され、ホスト材料Hの場合、各ホスト材料Hの他に添加物のない膜(neat film)が一般的に 使用される)。燐光材料Pの場合、Egapは、室温(すなわち、約20℃)で発光スペクトルの開始から決定される(定常状態スペクトル、一般的にPMMA内の10重量%のPの膜から測定される)。
【0585】
吸収スペクトルは、室温(すなわち、約20℃)で記録される。TADF材料Eの場合、吸収スペクトルは、一般的に、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)内の10重量%のEのスピンコーティング膜から測定される。小さなFWHMエミッタSの場合、吸収スペクトルは、一般的に、PMMA内の1~5重量%、好ましくは、2重量%のSのスピンコーティング膜から測定される。ホスト材料Hの場合、吸収スペクトルは、一般的に、ホスト材料Hの他に添加物のない膜から測定される。燐光材料Pの場合、吸収スペクトルは、一般的に、PMMA内の10重量%のPのスピンコーティング膜から測定される。代案としては、吸収スペクトルは、また、例えば、ジクロロメタンまたはトルエン内の各分子の溶液から記録され、ここで、溶液の濃度は、一般的に、最大吸光度が好ましくは0.1から0.5範囲になるように選択される。
【0586】
吸収スペクトルの開始は、吸収スペクトルに対する接線と、x軸との交差点とを計算して決定される。該吸収スペクトルに対する接線は、吸収バンドの低エネルギー側と、吸収スペクトルの最大強度の最大半分地点とにおいて設定される。
【0587】
他に明示されない限り、第一励起三重項状態T1のエネルギーは、77Kにおいて、燐光スペクトルの開始から決定される(定常状態スペクトル;TADF材料Eの場合、PMMA内の10重量%のEの膜が一般的に使用され、小さなFWHMエミッタSの場合、PMMA内の1~5重量%、好ましくは、2重量%のSの膜が一般的に使用され、ホスト材料Hの場合、各ホスト材料Hの他に添加物のない膜が一般的に使用され、測定は、一般的に室温(すなわち、約20℃)で行われる)。例えば、EP2690681A1に開示されたように、小さいΔEST値を有するTADF材料Eの場合、項間交差及び逆項間交差の両方が低温でも発生することが認められる。結果として、77Kでの発光スペクトルは、S1及びT1状態の両方からの発光を含む。しかし、EP2690681A1にも述べられたように、三重項エネルギーの寄与度/価値が一般的に優勢であるものと見なされる。
【0588】
他に明示されない限り、第一励起一重項状態S1のエネルギーは、室温(すなわち、約20℃)で蛍光スペクトルの開始から決定される(定常状態スペクトル;TADF材料Eの場合、PMMA内の10重量%のEの膜が一般的に使用され、小さなFWHMエミッタSの場合、PMMA内の1~5重量%、好ましくは、2重量%のSの膜が一般的に使用され、ホスト材料Hの場合、各ホスト材料Hの他に添加物のない膜が一般的に使用される)。しかし、効率的な項間交差を示す燐光材料Pの場合、室温発光は、蛍光ではなく、(ほとんど)燐光でもある。この場合、室温(すなわち、約20℃)で発光スペクトルの開始は、前述のように第一励起三重項状態T1のエネルギーを決定するのに使用される。
【0589】
発光スペクトルの開始は、発光スペクトルに対する接線と、x軸との交差点とを計算して決定される。該発光スペクトルに対する接線は、発光バンドの高エネルギー側と、発光スペクトルの最大強度の最大半分地点とにおいて設定される。
【0590】
第一励起一重項状態(S1)と第一励起三重項状態(T1)とのエネルギー差に該当するΔEST値は、前述のように決定された、第一励起一重項状態エネルギー及び第一励起三重項状態エネルギーに基づいて決定される。
【0591】
当業者に周知のように、エミッタ(例えば、小さなFWHMエミッタS)の半値幅(FWHM)は、それぞれの発光スペクトル(蛍光エミッタ用蛍光スペクトル及び燐光エミッタ用燐光スペクトル)から容易に決定される。小さなFWHMエミッタSの場合、一般的に、蛍光スペクトルが使用される。報告された全てのFWHM値は、一般的に、主発光ピーク(すなわち、強度が最も高いピーク)を示す。FWHM(本願において、好ましくは、電子ボルトeVで報告される)を決定する手段は、当業者の一般的な知識の一部である。 例えば、発光スペクトルの主発光ピークが、発光スペクトルからナノメートル(nm)で得られた2つの波長λ及びλにおいて最大発光の半分(すなわち、最大発光強度の50%)に達する場合、電子ボルト(eV)のFWHMは、一般的に、(本明細書において)以下の方程式を使用して決定される:
【数5】
【0592】
本明細書に使用されているように、特定文脈において、さらに具体的に定義されない場合、発光及び/または吸収された光の色相指定は、下記の通りである:
紫色:>380~420nmの波長範囲
濃青色 >420~475nmの波長範囲
空色:>475~500nmの波長範囲
緑色:>500~560nmの波長範囲
黄色:>560~580nmの波長範囲
オレンジ色:>580~620nmの波長範囲
赤色:>620~800nmの波長範囲。
【0593】
本発明は、下記実施例及び特許請求の範囲によって説明される。
【0594】
実施例
サイクリックボルタンメトリー
サイクリックボルタモグラムは、ジクロロメタン、または適する溶媒、及び適する支持電解質(例:0.1mol/Lのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート)において、有機分子の濃度が10-3mol/Lである溶液で測定される。該測定は、3電極アセンブリ(作用電極及び相対電極:Ptワイヤ、基準電極:Ptワイヤ)を使用し、窒素雰囲気において、室温(すなわち、(約)20℃)で行い、内部標準として、FeCp/FeCp を使用して補正する。HOMOデータ及びLUMOデータは、飽和カロメル電極(SCE)に係わる内部標準として、フェロセンを使用して修正された。
【0595】
密度関数理論計算
分子構造は、BP86関数及びRI(Resolution of Identity)アプローチを使用して最適化された。励起エネルギーは、(BP86)最適化された構造を使用して、TD-DFT(Time-Dependent DFT)方法でもって計算される。軌道エネルギー及び励起状態エネルギーは、B3LYP関数により計算される。しかし、本願において、軌道エネルギー及び励起状態エネルギーは、前述のように実験的に決定されることが好ましい。
【0596】
本願に報告された全ての軌道エネルギー及び励起状態エネルギー(実験結果参照)は、実験的に決定された。数値積分のために、Def2-SVP基本セット及びm4-gridが使用される。Turbomoleプログラムパッケージは、全ての計算に使用される。
【0597】
光物理的測定
サンプル前処理:真空蒸着
【0598】
前述のように、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層Bに含まれる個々の化合物(例えば、有機分子または遷移金属錯体)の光物理的測定(例えば、ホスト材料H、TADF材料E、燐光材料Pまたは小さなFWHMエミッタS)は、一般的に、他に添加物のない膜(ホスト材料Hの場合)、またはポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)内の各材料の膜(TADF材料E、燐光材料P及び小さなFWHMエミッタSの場合)を使用して行われた。当該膜は、スピンコーティングされた膜であり、特定の測定に対して他に言及しない限り、PMMA膜の材料濃度は、TADF材料E及び燐光材料Pの場合に10重量%、または小さなFWHMエミッタSの場合に1~5重量%、好ましくは、2重量%であった。代案としては(優先的ではなく)、前述のように、一部の光物理的測定は、また、例えば、ジクロロメタンまたはトルエン内の各分子の溶液から行われ、ここで、溶液の濃度は、一般的に、最大吸光度が好ましくは0.1から0.5範囲になるように選択される。
【0599】
(本発明または比較例による)有機エレクトロルミネッセンス素子のEMLに存在する特定の材料の組成をさらに研究するために、光物理的測定のためのサンプルを、素子作製に使用された同一な材料から、石英基板上の50nmのそれぞれの発光層Bを真空蒸着して作製した。該サンプルの光物理的評価は、窒素雰囲気下で行われる。
【0600】
吸収測定
Thermo Scientific Evolution 201紫外可視光分光光度計は、270nm以上の波長領域においてサンプルの最大吸収波長を決定するのに使用される。当該波長は、フォトルミネセンススペクトル及び量子収率の測定のための励起波長として使用される。
【0601】
フォトルミネセンススペクトル
定常状態発光スペクトルは、150Wキセノンアークランプ、励起及び発光単色計が装着されたModel FluoroMax-4(Horiba Scientific)を使用して記録される。サンプルをキュベットに入れて測定する間に、窒素で置換する。
【0602】
フォトルミネセンス量子収率測定
フォトルミネセンス量子収率(PLQY)測定のために、Absolute PL量子収率測定C9920-03Gシステム(浜松ホトニクス)が使用されている。サンプルは、測定する間に窒素雰囲気下で維持される。量子収率は、ソフトウェアU6039-05を使用して決定され、%で表される。収率は、次の方程式を使用して計算される。
【0603】
【数6】

ここで、n光子は、光子数を示し、Intは、強度を示す。品質保証のために、(既知濃度の)エタノール内のアントラセンを基準に使用する。
【0604】
時間相関単一光子計数(TCSPC)
励起状態分布力学は、発光単色計、検出器ユニットとして温度安定化された光電子増倍管、及び励起ソースとしてパルス型LED(310nm中央波長、910psパルス幅)が装着されたEdinburgh Instruments FS5分光蛍光計を使用して決定される。サンプルをキュベットに入れて測定する間に、窒素で置換する。
【0605】
全体減衰力学
時間及び信号強度で複数の次数(order)の大きさにわたった全体励起状態分布減衰力学は、4個の時間領域(200ns、1μs、20μs及び>80μsのさらに長い測定期間)でTCSPC測定を行って達成される。測定された時間曲線は、その後、次のような方式によって処理される。
【0606】
-励起及び差し引き(subtracting)前の平均信号レベルを決定し、バックグラウンド補正が適用される。
【0607】
-主信号の初期上昇を基準として取り、時間軸が整列される。
【0608】
-重畳された測定時間領域を使用し、曲線が互いに対してスケーリングされる。
【0609】
-処理された曲線が1つの曲線に併合される。
【0610】
データ分析
即時蛍光(PF)及び遅延蛍光(DF)減衰の単一指数フィットまたは二重指数フィットを個別的に使用してデータ分析が行われる。遅延蛍光と即時蛍光との割合(n値)が、それぞれのフォトルミネセンス減衰を経時的に積分して計算される:
【数7】

平均励起状態寿命は、PF及びDFのそれぞれの寄与度で加重された即時蛍光及び遅延蛍光の減衰時間の平均を取って計算される。
【0611】
有機エレクトロルミネッセンス素子の作製及び特性化
本発明による有機分子を含むOLED素子は、真空蒸着方法によっても作製される。層が1以上の化合物を含む場合、1以上の化合物の重量百分率は、%で示される。総重量百分率値は100%であるので、値が指定されていない場合、該化合物の分率は、指定された値と、100%との差と同じである。
【0612】
完全に最適化されていないOLEDは、標準的な方法を使用してエレクトロルミネセンススペクトルを測定し、光ダイオードによって検出された光を使用して計算された、強度及び電流に依存する外部量子効率(%)を測定して特徴付けられる。素子のFWHMが、フォトルミネセンススペクトル(蛍光または燐光)に対し、前述のようにエレクトロルミネッセンススペクトルから決定される。報告されたFWHMは、主発光ピーク(すなわち、最も高い発光強度を有するピーク)を示す。OLED素子の寿命は、一定電流密度で動作する間、輝度の変化から抽出される。LT50値は、測定輝度が、初期輝度の50%に低減した時間に相当し、同様に、LT80は、測定輝度が、初期輝度の80%に低減した時点に相当し、LT97は、測定輝度が、初期輝度の97%に低減した時点に該当する。
【0613】
加速寿命測定が行われる(例:増大した電流密度適用)。例えば、500cd/mにおいて、LT80値は、次の方程式を使用して決定される。
【0614】
【数8】

ここで、Lは、印加された電流密度における初期輝度を示す。値は、複数のピクセル(一般的に、2~8個)の平均に該当する。
【0615】
実験結果
スタック材料
【化321】

HBM1(正孔遮断材料) EBM1(電子遮断材料)

HTL1(正孔輸送材料) ETL1(電子輸送材料)
【化322】

ETL2(電子輸送材料) ETL3(電子輸送材料)
【化323】

NDP-9(正孔注入材料) EBM2(電子遮断材料)
【0616】
ホスト材料H
【化324】

mCBP=H-1 PYD2=H-2 H-3
【化325】

-4 H-5
【化326】

-6 H-7
【化327】

-8 H-9
【化328】

-10 H-11
【化329】

-12 H-13
【化330】

-14 H-15
【化331】

-16
【0617】
【表1】
【0618】
TADF材料E
【化332】

-1 E-2
【化333】

-3 E-4
【化334】

-5 E-6
【化335】

-7 E-8
【化336】

-9 E-10
【化337】

-11 E-12 E-13
【化338】

-14 E-15 E-16
【化339】

-17 E-18 E-19
【化340】

-20 E-21
【化341】

-22 E-23
【化342】

-24
【0619】
【表2】
【0620】
燐光材料P
【化343】

Ir(ppy)-2
【化344】

-3 P-4
【0621】
【表3】

ここで、LUMOCVは、サイクリックボルタンメトリーによって決定された最低空軌道のエネルギーである。発光スペクトルがクロロホルム内のIr(ppy)の溶液から記録された。発光スペクトルがジクロロメタン内のP-2の0.001mg/mL溶液から記録された。発光スペクトルがトルエン内のP-3の0.001mg/mL溶液から記録された。
【0622】
小さなFWHMエミッタS
【化345】

-1 S-2
【化346】

-3 S-4
【化347】

-5 S-6
【化348】

-7 S-8
【化349】

-9 S-10
【化350】

-11 S-12
【化351】

-13 S-14
【化352】

-15
【0623】
【表4】

*DCMで測定される(0.01mg/mL;そのような溶液が光物理的測定に使用される)。
【0624】
【表5】

本発明の結果を評価するために、発光層(6)の組成のみを変化させた比較実験を遂行した。また、比較実験では、EとSとの割合を一定に維持した。
【0625】
結果I:発光層(発光層、6)において燐光材料Pの含量変化
素子D1からD4の発光層Bの組成(百分率は、重量百分率を示す):
【表6】

表2の構成1が使用され、ここで、H-4がホスト材料H(p-ホストH;電子遮断層5用材料としても使用される)として使用され、E-10がTADF材料Eとして使用され、Ir(ppy)が燐光材料Pとして使用され、S-1が小さなFWHMエミッタSとして使用された。0%の重量百分率は、発光層Bに材料がないことを意味する。
【0626】
【表7】
【0627】
素子結果、D1及びD2を比較すれば、類似した光学的特性(FWHM、λmax、CIEx及びCIEy)及び効率(EQE)を観察することができる一方、D2の場合、D1に比べて147%の相対寿命の延長(1.00から2.47へ)を観察することができる。D3の場合、D1に比べて相対寿命が21%(1.00から1.21へ)延長した一方、D4の相対寿命は、D1に比べて1%(1.00から0.99へ)減少した。
【0628】
結果II:成分組成の変化
素子D5からD13の発光層Bの組成(百分率は、重量百分率を示す):
【表8】

【表9】

表2の構成1が使用され、ここで、H-4がホスト材料H(p-ホストH;電子遮断層5用材料としても使用される)として使用され、H-5がホスト材料Hとして使用され、E-11がTADF材料Eとして使用され、Ir(ppy)が燐光材料Pとして使用され、S-1が小さなFWHMエミッタSとして使用された。0%の重量百分率は、発光層Bに材料がないことを意味する。
【0629】
素子D5及びD6は、混合ホストシステム、すなわち、H及びH、燐光エミッタを含む典型的な燐光素子である。
【0630】
素子D7及びD8は、混合ホストシステム、すなわち、H及びH、燐光材料及び小さなFWHMエミッタSを含む素子である。
【0631】
素子D9は、ホストH、TADF材料E及び小さなFWHMエミッタSを含む素子である。
【0632】
素子D10は、ホストH、TADF材料E、燐光材料P及び小さなFWHMエミッタSを含む素子である。
【0633】
【表10】
【0634】
素子D5及びD6の発光層の組成をD7及びD8と比較すれば、D7及びD8は、D5及びD6には存在しない小さなFWHMエミッタSをさらに含む。D7及びD8に対し、さらに長い寿命、類似した効率及びさらに小さい発光FWHMが観察されうる。
【0635】
本発明による素子D10は、燐光材料P(ここで、例示的にIr(ppy))がないD9より優秀な総合的な性能を示す。
【0636】
素子D14からD21の発光層Bの組成(百分率は、重量百分率を示す):
【表11】

表2の構成1が使用され、ここで、H-4がホスト材料H(p-ホストH;電子遮断層5用材料としても使用される)として使用され、H-5がホスト材料Hとして使用され、E-10がTADF材料Eとして使用され、P-2が燐光材料Pとして使用され、S-1が小さなFWHMエミッタSとして使用された。0%の重量百分率は、発光層Bに材料がないことを意味する。
【0637】
【表12】
【0638】
素子結果IIIから結論付けられるように、小さなFWHMエミッタS(ここで、S-1)がなければ、全ての場合、0.25eVより非常に大きいFWHM値によって反映される、好ましくないブロードな発光が発生する(素子D14、D15及びD18参照)。D15の場合、22.7%の非常に高いEQEが非常に減少した寿命と共に提供される。TADF材料E(ここで、例示的にE-10)または燐光材料P(ここで、例示的にP-2)と共に小さなFWHMエミッタS(ここで、例示的にS-1)を使用するとき、狭い発光が達成され、これは、その後、0.25eVより非常に小さなFWHM値によって反映される(素子D16及びD17参照)。同時に、それらの素子は、それぞれ20.4%及び22.4%の高いEQE値を示す。しかし、寿命の観点から、それらの素子は、本発明によって作製された素子D19によって明白に圧倒される。また、D19は、非常に優秀な効率(20.4%のEQE)及び狭い発光(0.17eVのFWHM)を示す。要約すれば、当業者は、(本発明による)D19が最も優秀な総合的な素子性能を明確に示すということを認めるであろう。D19のEMLは、1%の燐光材料Pを含む。この値を(D20において)4%、またはさらに好ましくは、(D21において)7%に増やせば、FWHMが0.20eVと若干増加し、EQEが16.3%または13.6%とそれぞれ減少し、素子寿命が短縮され、素子性能が多少低下する結果をもたらす。それにもかかわらず、D20及びD21は、特に素子寿命と係わって依然として優秀な総合的な性能を示す。
【0639】
TADF材料E-10がない場合、EML内の電子移動度を増加させるために、n-ホスト(ここで、例示的にH-5)を一般的に使用した。
【0640】
素子D22からD29の発光層Bの組成(百分率は、重量百分率を示す):
【表13】

表2の構成1が使用され、ここで、H-4がホスト材料H(p-ホストH;電子遮断層5用材料としても使用される)として使用され、H-5がホスト材料Hとして使用され、E-11がTADF材料Eとして使用され、Ir(ppy)が燐光材料Pとして使用され、S-1が小さなFWHMエミッタSとして使用された。0%の重量百分率は、発光層Bに材料がないことを意味する。
【0641】
【表14】
【0642】
素子結果IVから結論付けられるように、小さなFWHMエミッタSなしに、メインエミッタとしてTADF材料E(ここで、例示的にE-11)または燐光材料P(ここで、例示的にIr(ppy))を使用すれば、0.25eV(ここで、それぞれ0.41及び0.31eV、D22及びD23参照)より明確に大きい主発光ピークのFWHM値によって反映される有機エレクトロルミネッセンス素子の相対的にブロードな発光が発生する。D22及びD23の両方は、高い効率(それぞれ22.5%及び19.5%のEQE)を示す。例えば、燐光OLED D23に小さなFWHMエミッタS(ここで、S-1)を追加すれば、主発光ピークのFWHMが大きく減少(0.17eV)する一方、EQE及び寿命は若干向上する(D24参照)。しかし、OLED D22及びD23だけでなく、素子D24は、本発明によって製造された素子D25によって強力に圧倒される。D22、D23及びD24と比べるとき、素子D25は、劇的に延長した寿命を示し、かつ依然として同一に高い効率及び狭いFWHMを示す。当業者は、本発明による素子D25の総合的な性能がD22、D23及びD24の性能より明白に優秀であるということを認めるであろう。小さなFWHMエミッタS(ここで、S-1)の含量を(D25のEMLにおいて)1%から(D26のEMLにおいて)0.5%に減らすことにより、総合的な素子性能をさらに向上させることができる。再び、本発明の条件を満たさない比較例D27(例えば、燐光材料Pが欠けている)は、急激に減少した寿命及び多少減少した効率(EQE)を示した。本発明による素子D25及びD26内の燐光材料P(ここで、例示的にIr(ppy))の含量1%から、(本発明による素子D28及びD29内の)4%に増加させれば、素子寿命及び効率の低下をもたらす。しかし、それらの素子(D28及びD29)は、本発明によらず、最新技術によって製造された、前述の比較素子より依然として明白に優秀である。TADF材料E-11がない場合、EML内の電子移動度を増加させるために、n-ホスト(ここで、例示的にH-5)が一般的に使用された。
【0643】
【表15】
【0644】
素子D30からD32の発光層Bの組成(百分率は、重量百分率を示す):
【表16】

表3の構成2が使用され、ここで、H-1(mCBP)がホスト材料H(p-ホストH;電子遮断層5用材料としても使用される)として使用され、E-14がTADF材料Eとして使用され、P-3が燐光材料Pとして使用され、S-14が小さなFWHMエミッタSとして使用された。
【0645】
【表17】

有機エレクトロルミネッセンス素子D30~D32のうち、本発明によるD32が狭い発光(小さいFWHM)、高いEQE、相対的な寿命を考慮するときに最も優秀な総合的な性能を示す。
【0646】
素子D33からD35の発光層Bの組成(百分率は、重量百分率を示す):
【表18】

表3の構成2が使用され、ここで、H-14がホスト材料H(p-ホストH;電子遮断層5用材料としても使用される)として使用され、E-14がTADF材料Eとして使用され、P-3が燐光材料Pとして使用され、S-14が小さなFWHMエミッタSとして使用された。
【0647】
【表19】

有機エレクトロルミネッセンス素子D33~D36のうち、本発明によるD35が狭い発光(小さいFWHM)、高いEQE、相対的な寿命を考慮するときに最も優秀な総合的な性能を示す。
【0648】
前述のように、本発明による各発光層Bは、単一層であってもよく、2以上の副層からなってもよい。2以上の副層を含む発光層Bを有する例示的な有機エレクトロルミネッセンス素子が下記に示されている(素子結果VII及びVIII参照)。
【0649】
【表20】
【0650】
素子D36からD38の発光層Bの組成(百分率は、重量百分率を示す):
【表21】

表4の構成3が使用され、ここで、H-4がホスト材料H(p-ホストH;電子遮断層5用材料としても使用される)として使用され、H-5がホスト材料Hとして使用され、E-10がTADF材料Eとして使用され、Ir(ppy)が燐光材料Pとして使用され、S-1が小さなFWHMエミッタSとして使用された。
【0651】
【表22】
【0652】
素子結果VIIから結論付けられるように、本発明によるD38は、D36及びD37に比べて顕著に延長した寿命を示す。これは、多少減少するが、依然として高い効率(EQE)と共に提供される。3つの素子の全ての場合、0.25eV未満のFWHM値で表される狭い発光を示す。D38は、狭い発光、依然として高いEQE及び非常に長い寿命を考慮するときに最も優秀な総合的な素子性能を示す。
【0653】
【表23】
【0654】
素子D39の発光層Bの組成(百分率は、重量百分率を示す):
【表24】

表5の構成4が使用され、ここで、H-4がホスト材料H(p-ホストH;電子遮断層5用材料としても使用される)として使用され、H-5がホスト材料Hとして使用され、E-10がTADF材料Eとして使用され、Ir(ppy)が燐光材料Pとして使用され、S-1が小さなFWHMエミッタSとして使用された。
【0655】
【表25】

*寿命は、D38を基準として与えられる。
【0656】
素子結果VIIIから結論付けられるように、ほぼ類似したスタック構造を使用しつつ、H:E:P-副層の厚みを8nm(D38)から5nm(D39)に減少すれば、素子性能が向上しない。それにもかかわらず、D39は、依然として狭い発光、高いEQE及び優秀な寿命を示す。
【0657】
素子D40及びD41の発光層Bの組成(百分率は、重量百分率を示す):
【表26】

表2の構成1が使用され、ここで、H-15がホスト材料H(p-ホストH;電子遮断層5用材料としても使用される)として使用され、E-10がTADF材料Eとして使用され、Ir(ppy)が燐光材料Pとして使用され、S-1が小さなFWHMエミッタSとして使用された。0%の重量百分率は、発光層Bに材料がないことを意味する。
【0658】
【表27】
【0659】
素子結果IXから結論付けられるように、本発明による素子D41は、狭い発光(FWHM)、効率(EQE)及び最も多く素子寿命(LT95)を考慮するとき、TADF材料E(ここで、例示的にE-10)が欠けている素子D40に比べて優秀な総合的な性能を示す。
【0660】
【表28】
【0661】
素子D42からD44の発光層Bの組成(百分率は、重量百分率を示す):
【表29】

表6の構成5が使用され、ここで、H-15がホスト材料H(p-ホストH;電子遮断層5用材料としても使用される)として使用され、H-5がホスト材料Hとして使用され、E-10がTADF材料Eとして使用され、P-2が燐光材料Pとして使用され、S-1が小さなFWHMエミッタSとして使用された。0%の重量百分率は、発光層Bに材料がないことを意味する。
【0662】
【表30】
【0663】
素子結果Xから結論付けられるように、本発明による素子D44は、狭い発光(FWHM)、効率(EQE)及び素子寿命(LT95)を考慮するとき、TADF材料E(ここで、例示的にE-10)が欠けている素子D43、及び燐光材料P(ここで、例示的にP-2)が欠けている素子D42に比べて優秀な総合的な性能を示す。TADF材料E-10がない場合、n-ホスト(ここで、例示的にH-5)を使用してEML内の電子移動度を増加させた。
【0664】
素子D45からD49の発光層Bの組成(百分率は、重量百分率を示す):
【表31】

表2の構成1が使用され、ここで、H-4がホスト材料H(p-ホストH;電子遮断層5用材料としても使用される)として使用され、H-5がホスト材料Hとして使用され、E-10がTADF材料Eとして使用され、P-4が燐光材料Pとして使用され、S-1が小さなFWHMエミッタSとして使用された。0%の重量百分率は、発光層Bに材料がないことを意味する。
【0665】
【表32】
【0666】
素子結果Xから結論付けられるように、本発明による素子D49は、狭い発光(FWHM)、効率(EQE)及び素子寿命(LT95)を考慮するとき、TADF材料E(ここで、例示的にE-10)が欠けている素子D48、燐光材料P(ここで、例示的にP-4)が欠けている素子D47、S-1の代わりにエミッタ材料としてP-4を採用した素子D46、及びS-1の代わりにエミッタ材料としてE-10を採用した素子D45に比べて、優秀な総合的な性能を示す。TADF材料E-10がない場合、n-ホスト(ここで、例示的にH-5)を使用してEML内の電子移動度を増加させた。
【0667】
素子D50からD64の発光層Bの組成(百分率は、重量百分率を示す):
【表33】

表6の構成5が使用され、ここで、H-15がホスト材料H(p-ホストH;電子遮断層5用材料としても使用される)として使用され、H-5がホスト材料Hとして使用され、E-11がTADF材料Eとして使用され、Ir(ppy)が燐光材料Pとして使用され、S-1が小さなFWHMエミッタSとして使用された。0%の重量百分率は、発光層Bに材料がないことを意味する。
【0668】
【表34】
【0669】
素子結果XIIから結論付けられるように、本発明による素子D54は、狭い発光(FWHM)、効率(EQE)及び素子寿命(LT95)を考慮するとき、TADF材料E(ここで、例示的にE-11)が欠けている素子D53、燐光材料P(ここで、例示的にIr(ppy))が欠けている素子D52、S-1の代わりにエミッタ材料としてIr(ppy)を採用した素子D51、及びS-1の代わりにエミッタ材料としてE-11を採用した素子D50に比べて、優秀な総合的な性能を示す。素子D55からD58の性能を比較するとき、EML内の小さなFWHMエミッタ(ここで、例示的にS-1)の濃度を1%から0.5%に減少すれば、素子寿命を延長させることができるという結論が出る。また、素子D59からD61が本発明によって作製され、特に、本発明によるD55と比べて、TADF材料E(ここで、例示的にE-11)の濃度を20%から30%に、またはさらに好ましくは、40%に増加させれば、総合的な素子性能を向上させることができる。素子D55からD58の比較、並びにD60及びD61の比較は、対照的に低い濃度の燐光材料P(ここで、例示的にIr(ppy))が素子性能に有利であることを示す。TADF材料E-11がない場合、EML内の電子移動度を増加させるために、n-ホスト(ここで、例示的にH-5)を使用した。
【0670】
素子D62からD71の発光層Bの組成(百分率は、重量百分率を示す):
【表35】

表6の構成5が使用され、ここで、H-15がホスト材料H(p-ホストH;電子遮断層5用材料としても使用される)として使用され、H-5がホスト材料Hとして使用され、E-11がTADF材料Eとして使用され、P-2が燐光材料Pとして使用され、S-1が小さなFWHMエミッタSとして使用された。0%の重量百分率は、発光層Bに材料がないことを意味する。
【0671】
【表36】
【0672】
素子結果XIIIから結論付けられるように、本発明による素子D67は、狭い発光(FWHM)、効率(EQE)及び素子寿命(LT95)を考慮するとき、小さなFWHM材料S(ここで、例示的にS-1)が欠けている素子D66、TADF材料E(ここで、例示的にE-11)が欠けている素子D65、燐光材料P(ここで、例示的にP-2)が欠けている素子D64、S-1の代わりにエミッタ材料としてP-2を採用した素子D63、及びS-1の代わりにエミッタ材料としてE-11を採用した素子D62に比べて優秀な総合的な性能を示す。素子D67からD71の性能を比較するとき、与えられた材料セットに対し、30%のE-11、2.5%のP-2及び0.5%のS-1濃度が最も優秀な性能の素子(D69)を提供するという結論を出すことができる。
【0673】
素子D72からD79の発光層Bの組成(百分率は、重量百分率を示す):
【表37】

表6の構成5が使用され、ここで、H-15がホスト材料H(p-ホストH;電子遮断層5用材料としても使用される)として使用され、H-5がホスト材料Hとして使用され、E-11がTADF材料Eとして使用され、P-4が燐光材料Pとして使用され、S-1が小さなFWHMエミッタSとして使用された。0%の重量百分率は、発光層Bに材料がないことを意味する。
【0674】
【表38】
【0675】
素子結果XIVから結論付けられるように、本発明による素子D76は、狭い発光(FWHM)、効率(EQE)及び素子寿命(LT95)を考慮するとき、TADF材料E(ここで、例示的にE-11)が欠けている素子D75、燐光材料P(ここで、例示的にP-4)が欠けている素子D74、S-1の代わりにエミッタ材料としてP-4を採用した素子D73、及びS-1の代わりにエミッタ材料としてE-11を採用した素子D72に比べて優秀な総合的な性能を示す。素子D76からD79の性能を比較するとき、小さなFWHMエミッタS(ここで、例示的にS-1)の濃度を1%から0.5%に減少すれば、総合的な素子性能を向上させることができるという結論を出すことができる。
【0676】
素子D80からD85の発光層Bの組成(百分率は、重量百分率を示す):
【表39】

表6の構成5が使用され、ここで、H-15がホスト材料H(p-ホストH;電子遮断層5用材料としても使用される)として使用され、E-15がTADF材料Eとして使用され、Ir(ppy)が燐光材料Pとして使用され、S-1が小さなFWHMエミッタSとして使用された。0%の重量百分率は、発光層Bに材料がないことを意味する。
【0677】
【表40】
【0678】
素子結果XVから結論付けられるように、本発明による素子D84は、燐光材料P(ここで、例示的にIr(ppy))が欠けている素子D81と比べて優秀な総合的な性能を示す。また、本発明によるD85は、狭い発光(FWHM)、効率(EQE)及び素子寿命(LT95)を考慮するとき、小さなFWHMエミッタS(ここで、S-1)が欠けている素子D83、燐光材料P(ここで、P-4)が欠けている素子D81、及びS-1の代わりにエミッタE-15を使用するD80に比べて優秀な総合的な性能を示す。
【0679】
素子D86からD90の発光層Bの組成(百分率は、重量百分率を示す):
【表41】

表6の構成5が使用され、ここで、H-15がホスト材料H(p-ホストH;電子遮断層5用材料としても使用される)として使用され、E-15がTADF材料Eとして使用され、P-2が燐光材料Pとして使用され、S-1が小さなFWHMエミッタSとして使用された。0%の重量百分率は、発光層Bに材料がないことを意味する。
【0680】
【表42】
【0681】
素子結果XVIから結論付けられるように、本発明による素子D89及びD90は、狭い発光(FWHM)、効率(EQE)及び素子寿命(LT95)を考慮するとき、燐光材料P(ここで、例示的にP-2)が欠けている素子D87及びD88、並びにS-1の代わりにエミッタ材料としてE-15を採用した素子に比べて優秀な総合的な性能を示す。
【0682】
素子D91からD94の発光層Bの組成(百分率は、重量百分率を示す):
【表43】

表6の構成5が使用され、ここで、H-15がホスト材料H(p-ホストH;電子遮断層5用材料としても使用される)として使用され、E-16がTADF材料Eとして使用され、Ir(ppy)が燐光材料Pとして使用され、S-1が小さなFWHMエミッタSとして使用された。0%の重量百分率は、発光層Bに材料がないことを意味する。
【0683】
【表44】
【0684】
素子結果XVIIから結論付けられるように、本発明による素子D94は、狭い発光(FWHM)、効率(EQE)及び素子寿命(LT95)を考慮するとき、小さなFWHMエミッタS(ここで、S-1)が欠けている素子D93、燐光材料P(ここで、例示的にIr(ppy))が欠けている素子D92、及びS-1の代わりにエミッタ材料としてE-16を採用した素子D91に比べて優秀な総合的な性能を示す。
【0685】
素子D91からD94の発光層Bの組成(百分率は、重量百分率を示す):
【表45】

表6の構成5が使用され、ここで、H-15がホスト材料H(p-ホストH;電子遮断層5用材料としても使用される)として使用され、E-17がTADF材料Eとして使用され、Ir(ppy)が燐光材料Pとして使用され、S-1が小さなFWHMエミッタSとして使用された。0%の重量百分率は、発光層Bに材料がないことを意味する。
【0686】
【表46】

素子結果XVIIIから結論付けられるように、本発明による素子D97は、狭い発光(FWHM)、効率(EQE)及び素子寿命(LT95)を考慮するとき、小さなFWHMエミッタS(ここで、S-1)が欠けている素子D96、及び燐光材料P(ここで、例示的にIr(ppy))が欠けている素子D95に比べて優秀な総合的な性能を示す。
【0687】
素子D98からD101の発光層Bの組成(百分率は、重量百分率を示す):
【表47】

表6の構成5が使用され、ここで、H-15がホスト材料H(p-ホストH;電子遮断層5用材料としても使用される)として使用され、E-18がTADF材料Eとして使用され、Ir(ppy)が燐光材料Pとして使用され、S-1が小さなFWHMエミッタSとして使用された。0%の重量百分率は、発光層Bに材料がないことを意味する。
【0688】
【表48】
【0689】
素子結果XIXから結論付けられるように、本発明による素子D101は、狭い発光(FWHM)、効率(EQE)及び素子寿命(LT95)を考慮するとき、小さなFWHMエミッタS(ここで、S-1)が欠けている素子D100、燐光材料P(ここで、例示的にIr(ppy))が欠けている素子D99、及びS-1の代わりにエミッタ材料としてE-18を採用した素子D91に比べて優秀な総合的な性能を示す。
【0690】
素子D102からD105の発光層Bの組成(百分率は、重量百分率を示す):
【表49】

表6の構成5が使用され、ここで、H-15がホスト材料H(p-ホストH;電子遮断層5用材料としても使用される)として使用され、E-19がTADF材料Eとして使用され、Ir(ppy)が燐光材料Pとして使用され、S-1が小さなFWHMエミッタSとして使用された。0%の重量百分率は、発光層Bに材料がないことを意味する。
【0691】
【表50】
【0692】
素子結果XXから結論付けられるように、本発明による素子D104は、狭い発光(FWHM)、効率(EQE)及び素子寿命(LT95)を考慮するとき、小さなFWHMエミッタS(ここで、S-1)が欠けている素子D103、及び燐光材料P(ここで、例示的にIr(ppy))が欠けている素子D102に比べて優秀な総合的な性能を示す。
【0693】
素子D106からD108の発光層Bの組成(百分率は、重量百分率を示す):
【表51】

表6の構成5が使用され、ここで、H-15がホスト材料H(p-ホストH;電子遮断層5用材料としても使用される)として使用され、E-21がTADF材料Eとして使用され、Ir(ppy)が燐光材料Pとして使用され、S-1が小さなFWHMエミッタSとして使用された。0%の重量百分率は、発光層Bに材料がないことを意味する。
【0694】
【表52】
【0695】
素子結果XXIから結論付けられるように、本発明による素子D108は、狭い発光(FWHM)、効率(EQE)及び素子寿命(LT95)を考慮するとき、燐光材料P(ここで、例示的にIr(ppy))が欠けている素子D107、及びS-1の代わりにエミッタ材料としてE-21を採用した素子D106に比べて優秀な総合的な性能を示す。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0438
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0438】
本発明による小さなFWHMエミッタSとして使用可能な、化学式DABNA-Iによる構造を含むか、あるいはそれから構成されるエミッタの非限定的な例が下記に示されている:
【化158】

【化159】

【化160】

【化161】

【化162】

【化163】

【化164】

【化165】

【化166】

【化167】

【化168】

【化169】

【化170】

【化171】

【化172】

【化173】

【化174】

【化175】

【化176】

【化177】

【化178】

【化179】

【化180】

【化181】

【化182】

【化183】

【化184】


【化185】

【化186】

【化187】

【化188】

【化189】

【化190】

【化191】

【化192】

【化193】

【化194】

【化195】

【化196】

【化197】

【化198】

【化199】

【化200】

【化201】

【化202】

【化203】

【化204】

本発明の文脈における小さなFWHMエミッタSとして使用可能な一群のエミッタは、下記化学式BNE-1による構造またはその多量体を含むか、あるいはそれから構成されるエミッタである:
【化205】

・・・化学式BNE-1
ここで、
c及びdは、両方とも整数であり、互いに独立して0及び1から選択され、
e及びfは、両方とも整数であり、0及び1から選択され、ここで、e及びfは(常に)同一であり(すなわち、両方とも0であるか、または両方とも1である)、
g及びhは、両方とも整数であり、0及び1から選択され、ここで、g及びhは(常に)同一であり(すなわち、両方とも0であるか、または両方とも1である)、
dが0であれば、e及びfは、両方とも1であり、dが1であれば、e及びfは、両方とも0であり、
cが0であれば、g及びhは、両方とも1であり、cが1であれば、g及びhは、両方とも0であり、
は、窒素(N)及びCRBNE-Vから選択され、
は、窒素(N)及びCRBNE-Iから選択され、
は、直接結合、CRBNE-3BNE-4、C=CRBNE-3BNE-4、C=O、C=NRBNE-3、NRBNE-3、O、SiRBNE-3BNE-4、S、S(O)及びS(O)からなる群から選択され、
は、直接結合、CRBNE-3’BNE-4’、C=CRBNE-3’BNE-4’、C=O、C=NRBNE-3’、NRBNE-3’、O、SiRBNE-3’BNE-4’、S、S(O)及びS(O)からなる群から選択され、
BNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV及びRBNE-Vは、それぞれ互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RBNE-5、ORBNE-5、Si(RBNE-5、B(ORBNE-5、B(RBNE-5、OSOBNE-5、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40アルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40アルケニル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40アルキニル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、及び
-C57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
BNE-d、RBNE-d’及びRBNE-eは、互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RBNE-5、ORBNE-5、Si(RBNE-5、B(ORBNE-5、B(RBNE-5、OSOBNE-5、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40アルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40アルケニル、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40アルキニル、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、及び
-C57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基RBNE-aで選択的に置換され、
BNE-aは、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RBNE-5、ORBNE-5、Si(RBNE-5、B(ORBNE-5、B(RBNE-5、OSOBNE-5、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40アルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40アルケニル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C40アルキニル、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-5C=CRBNE-5、C≡C、Si(RBNE-5、Ge(RBNE-5、Sn(RBNE-5、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-5、P(=O)(RBNE-5)、SO、SO、NRBNE-5、O、SまたはCONRBNE-5で置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、及び
-C57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基RBNE-5で選択的に置換され、
BNE-5は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(RBNE-6、ORBNE-6、Si(RBNE-6、B(ORBNE-6、B(RBNE-6、OSOBNE-6、CF、CN、F、Cl、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基RBNE-6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-6C=CRBNE-6、C≡C、Si(RBNE-6、Ge(RBNE-6、Sn(RBNE-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-6、P(=O)(RBNE-6)、SO、SO、NRBNE-6、O、SまたはCONRBNE-6で置換され、
-C40アルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-6C=CRBNE-6、C≡C、Si(RBNE-6、Ge(RBNE-6、Sn(RBNE-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-6、P(=O)(RBNE-6)、SO、SO、NRBNE-6、O、SまたはCONRBNE-6で置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基RBNE-6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-6C=CRBNE-6、C≡C、Si(RBNE-6、Ge(RBNE-6、Sn(RBNE-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-6、P(=O)(RBNE-6)、SO、SO、NRBNE-6、O、SまたはCONRBNE-6で置換され、
-C40アルケニル、
これは、1以上の置換基RBNE-6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-6C=CRBNE-6、C≡C、Si(RBNE-6、Ge(RBNE-6、Sn(RBNE-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-6、P(=O)(RBNE-6)、SO、SO、NRBNE-6、O、SまたはCONRBNE-6で置換され、
-C40アルキニル、
これは、1以上の置換基RBNE-6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RBNE-6C=CRBNE-6、C≡C、Si(RBNE-6、Ge(RBNE-6、Sn(RBNE-6、C=O、C=S、C=Se、C=NRBNE-6、P(=O)(RBNE-6)、SO、SO、NRBNE-6、O、SまたはCONRBNE-6で置換され、
-C60アリール、
これは、1以上の置換基RBNE-6で選択的に置換され、及び
-C57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基RBNE-6で選択的に置換され、
BNE-6は、それぞれの場合に互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、OPh、CF、CN、F、
-Cアルキル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CF、PhまたはFで置換され、
-Cアルコキシ、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-Cチオアルコキシ、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-Cアルケニル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-Cアルキニル、
ここで、1以上の水素原子は、選択的に互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-C18アリール、
これは、1以上のC-Cアルキル置換基で選択的に置換され、
-C17ヘテロアリール、
これは、1以上のC-Cアルキル置換基で選択的に置換され、
N(C-C18アリール)
N(C-C17ヘテロアリール)、及び
N(C-C17ヘテロアリール)(C-C18アリール)、
ここで、RBNE-III及びRBNE-eは、選択的に結合して直接単結合を形成し、
ここで、置換基RBNE-a、RBNE-d、RBNE-d’、RBNE-e、RBNE-3’、RBNE-4’及びRBNE-5のうち2以上は、選択的に互いに単環または多環、脂肪族または芳香族、炭素環系またはヘテロ環系及び/またはベンゾ縮合環系を形成し、
ここで、置換基RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-5、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV及びRBNE-Vのうち2以上は、選択的に互いに単環または多環、脂肪族または芳香族、炭素環系またはヘテロ環系及び/またはベンゾ縮合環系を形成し、
ここで、選択的に2以上、好ましくは、2つの化学式BNE-1の構造は、互いに接合され、好ましくは、少なくとも1つ、より好ましくは、正確に1つの結合を共有することによって互いに縮合され、
ここで、選択的に2以上、好ましくは、2つの化学式BNE-1の構造がエミッタに存在し、少なくとも1つ、好ましくは、正確に1つの芳香族環またはヘテロ芳香族環を共有し(すなわち、当該環は、化学式BNE-1の2つの構造の一部でもある)、これは、好ましくは、化学式BNE-1の環a、b及びc’のうちいずれか1つであるが、RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-5、RBNE-6、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV、RBNE-V、RBNE-a、RBNE-e、RBNE-d及びRBNE-d’から選択される任意の芳香族置換基またはヘテロ芳香族置換基、あるいは前述のような2以上の置換基によって形成された任意の芳香族環またはヘテロ芳香族環でもあり、ここで、共有する環は、前記環を共有する化学式BNE-1の2以上の構造の同一のまたは相異なる部分を構成することができ(すなわち、共有する環は、例えば、選択的にエミッタ内に含まれた化学式BNE-1の2つの構造の環c’でもあるか、共有する環は、例えば、選択的にエミッタ内に含まれた化学式BNE-1の1つの構造の環b及び他の構造の環c’でもある)、
ここで、選択的に、RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-5、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-6、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV、RBNE-V、RBNE-a、RBNE-e、RBNE-dまたはRBNE-d’のうち少なくとも1つが、化学式BNE-1の更なる化学的実体に対する結合に代替され、及び/または、RBNE-1、RBNE-2、RBNE-1’、RBNE-2’、RBNE-3、RBNE-4、RBNE-5、RBNE-3’、RBNE-4’、RBNE-6、RBNE-I、RBNE-II、RBNE-III、RBNE-IV、RBNE-V、RBNE-a、RBNE-e、RBNE-dまたはRBNE-d’のうちいずれか1つの少なくとも1つの水素原子が、化学式BNE-1の更なる化学的実体に対する結合に代替される。
【国際調査報告】