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▶ ランドス バイオファーマ インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(54)【発明の名称】NLRX1リガンド
(51)【国際特許分類】
   C07D 413/14 20060101AFI20231004BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20231004BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20231004BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20231004BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20231004BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20231004BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231004BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20231004BHJP
   A61P 11/14 20060101ALI20231004BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20231004BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20231004BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20231004BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231004BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
C07D413/14 CSP
A61P37/06
A61P37/08
A61P25/00
A61P29/00
A61P11/00
A61P35/00
A61P31/00
A61P11/14
A61P25/28
A61P25/16
A61P1/04
A61P43/00 105
A61K31/517
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518124
(86)(22)【出願日】2021-09-20
(85)【翻訳文提出日】2023-04-11
(86)【国際出願番号】 US2021051068
(87)【国際公開番号】W WO2022061224
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】63/081,016
(32)【優先日】2020-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517145599
【氏名又は名称】ランドス バイオファーマ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100162422
【弁理士】
【氏名又は名称】志村 将
(72)【発明者】
【氏名】バッサガンヤ-リエラ ジョセップ
(72)【発明者】
【氏名】リーバー アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】トゥバウ-ジュニ ヌリア
(72)【発明者】
【氏名】ホンテシリャス ラケル
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA05
4C063BB03
4C063CC78
4C063DD11
4C063DD12
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC71
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA09
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA16
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA68
4C086ZB08
4C086ZB11
4C086ZB13
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZB32
(57)【要約】
ヌクレオチド結合オリゴマー化ドメイン、ロイシンリッチリピート含有X1(NLRX1)経路を標的とする化合物が提供される。化合物は、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、慢性及び/又は炎症性中枢神経系疾患、慢性及び/又は炎症性呼吸器疾患、がん、並びに感染性疾患などの状態を治療するために使用することができる。例示的な状態としては、多発性硬化症、喘息、アルツハイマー病、パーキンソン病、例えば、脳卒中、外傷性脳損傷、又は脊髄損傷に起因する神経炎症、慢性閉塞性肺疾患、特発性肺線維症、及び炎症性腸疾患が挙げられる。
【選択図】図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A環、B環、C環、D環、及びE環を有する式(I)の化合物、
【化1】
又はその塩若しくはエステルであって、式中、
1及びA5が、各々独立して、O、N(RA)、N(RALK)、C(RA2、C(RA)、又はNであり、
2、A3、及びA4が、各々独立して、O、N(RA)、N(RALK)、C(RA2、C(RA)、N、C(RA)(RO)、C(RO)、又はC(=O)であり、ただし、A4が任意に存在せず、
6及びA7が、各々独立して、C(RA)又はNであり、
8、A9、及びA10が、各々独立して、O、N(RA)、N(RALK)、C(RA2、C(RA)、又はNであり、
11、A12、A13、A14、及びA15が、各々独立して、O、N(RA)、N(RALK)、C(RA2、C(RA)、N、C(RA)(RO)、C(RO)、又はC(=O)であり、ただし、A14が任意に存在せず、
隣接する原子間の各---が、存在するか又は存在しない結合を表し、
Lが、O、N(RL)、又はC(RL2であり、
各事例におけるROが、独立して、ヒドロキシル又は任意に置換されたアルキルオキシであり、
各事例におけるRALKが、独立して、C1~C6アルキルであり、
各事例におけるRA、RB、及びRLが、独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、ヒドロキシル、カルボキシル、任意に置換されたアルキルオキシ、任意に置換されたアルケニルオキシ、任意に置換されたアルキニルオキシ、任意に置換されたシクロアルキルオキシ、任意に置換されたシクロアルケニルオキシ、メルカプト、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルケニルチオ、任意に置換されたアルキニルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルホニルオキシ、任意に置換されたシクロアルキルチオ、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニルオキシ、任意に置換されたシクロアルケニルチオ、任意に置換されたシクロアルケニルスルフィニル、任意に置換されたシクロアルケニルスルホニル、任意に置換されたシクロアルケニルスルホニルオキシ、任意に置換されたアミノ、アシル、任意に置換されたアルキルオキシカルボニル、任意に置換されたアルケニルオキシカルボニル、任意に置換されたアルキニルオキシカルボニル、任意に置換されたアリールオキシカルボニル、任意に置換されたカルバモイル、任意に置換されたスルファモイル、シアノ、ニトロ、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールオキシ、任意に置換されたアリールチオ、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニルオキシ、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロアリールオキシ、任意に置換されたヘテロアリールチオ、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニルオキシ、又は任意に置換された非芳香族複素環基である、
化合物、又はその塩若しくはエステル。
【請求項2】
2が、Nである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
3が、O、N(RA)、N(RALK)、N、C(RO)、又はC(=O)である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
4が、存在し、A1及びA5が、各々独立して、C(RA)若しくはNであり、A2、A3、及びA4が、各々独立して、C(RA)、N、若しくはC(RO)であるか、又は
4が、存在せず、A1、A2、A3、及びA5が、各々独立して、O、N(RA)、N(RALK)、C(RA)、若しくはNであるが、ただし、A1、A2、A3、及びA5のうちの正確に1つが、O、N(RA)、若しくはN(RALK)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
2が、Nである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
3が、C(RO)、O、N(RA)、又はN(RALK)である、請求項4又は5に記載の化合物。
【請求項7】
4が、存在し、A1及びA5が、各々独立して、C(RA)又はNであり、A2、A3、及びA4が、各々独立して、C(RA)、N、又はC(RO)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
2が、Nである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
3が、C(RO)である、請求項7又は8に記載の化合物。
【請求項10】
3のROが、ヒドロキシルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
1、A4、及びA5が、各々、C(RA)である、請求項7~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
4が、存在せず、A1、A2、A3、及びA5が、各々独立して、O、N(RA)、N(RALK)、C(RA)、又はNであるが、ただし、A1、A2、A3、及びA5のうちの正確に1つが、O、N(RA)、又はN(RALK)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
2が、Nである、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
3が、O、N(RA)、又はN(RALK)である、請求項12又は13に記載の化合物。
【請求項15】
1及びA5が、各々、C(RA)である、請求項12~14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
前記A環が、
【化2】
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
10が、O、N、又はNHである、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
前記D環が、
【化3】
である、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
15が、O、N(RA)、N(RALK)、又はNである、請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
12が、C(=O)である、請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
14が、存在する、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
14が、存在しない、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
前記E環が、
【化4】
である、請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
各事例におけるRA、RB、及びRLが、独立して、水素、ハロゲン、非置換C1~C6アルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、非置換シクロアルキル、非置換C1~C6アルキルオキシ、非置換アミノ、アシル、非置換アルキルオキシカルボニル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、又は非置換非芳香族複素環基である、請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項25】
各事例におけるRA、RB、及びRLが、水素又はハロゲンである、請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項26】
各事例におけるRA、RB、及びRLが、水素である、請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項27】
前記化合物が、NX-64-1、NX-64-2、NX-64-3、NX-64-4、NX-64-5、NX-64-6、NX-64-7、NX-64-8、NX-64-9、NX-64-10、NX-64-11、NX-64-12、NX-64-13、NX-64-14、NX-64-15、NX-64-16、NX-64-17、NX-64-18、NX-64-19、NX-64-20、NX-64-21、NX-64-22、NX-64-23、NX-64-24、NX-64-25、NX-64-26、NX-64-27、NX-64-28、NX-64-29、及びNX-64-30のうちのいずれか1つである、請求項1に記載の化合物、又はその塩若しくはエステル。
【請求項28】
前記化合物が、
【化5】
のうちのいずれか1つである、請求項1に記載の化合物、又はその塩若しくはエステル。
【請求項29】
請求項1~28のいずれか一項に記載される化合物で動物における状態を治療する方法であって、前記方法が、有効量の前記化合物を前記動物に投与することを含み、前記状態が、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、慢性及び/又は炎症性中枢神経系疾患、慢性及び/又は炎症性呼吸器疾患、がん、並びに感染性疾患からなる群から選択される、方法。
【請求項30】
前記状態が、多発性硬化症、喘息、アルツハイマー病、パーキンソン病、神経炎症、慢性閉塞性肺疾患、特発性肺線維症、又は炎症性腸疾患である、請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヌクレオチド結合オリゴマー化ドメインのリガンド、ロイシンリッチリピート含有X1(NLRX1)、並びにそれを用いて疾患及び障害を治療する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヌクレオチド結合オリゴマー化ドメイン、ロイシンリッチリピート含有X1(NLRX1)(「NOD様受容体X1」又は「NLRファミリーメンバーX1」又は「NOD9」とも称される)は、免疫細胞、胃腸管、及び皮膚、肺、筋肉、内分泌、及び生殖組織で発現するシグナル伝達経路タンパク質である(Davis et al.2014)。NLRX1分子は、3つの異なるドメインを有し、ミトコンドリアに局在化する(Arnoult et al.2009)。公開された結果は、炎症性腸疾患のモデル(Leber et al.2018、Lu et al.2015、Soares et al.2014)において、NLRX1の喪失が疾患重症度を悪化させ、免疫細胞代謝を改変すること(Leber et al.2017)を示す。NLRX1タンパク質はまた、ウイルス応答(Allen et al.2011、Feng et al.2017、Guo et al.2016、Jaworska et al.2014、Kim et al.2017、Ma et al.2017、Moore et al.2008、Qin et al.2017)、細菌感染症(Philipson et al.2015)、真菌感染症(Kale et al.2017)、がん(Coutermarsh-Ott et al.2016、Koblansky et al.2016、Lei et al.2016、Lei et al.2016、Singh et al.2015、Tattoli et al.2016)、脂肪肝(Kors et.2018、Wang et al.2013)、2型糖尿病(Costford et al.2018)、脳損傷(Theus et al.2017)、心筋虚血(Li et al.2016)、慢性閉塞性肺疾患(Kang et al.2015)、及び自己免疫性脳脊髄炎(Eitas et al.2014)のモデルにも関与している。
【0003】
NLRX1が関与する疾患の安全で効果的な治療に対する明確な臨床的ニーズが存在する。これらの疾患には、自己免疫疾患、炎症性及び変性中枢神経系(CNS)疾患、例えば、アルツハイマー病、がん、並びに感染性疾患が含まれる。ウイルス核酸(Hong et al.2012)及び食物脂質は、NLRX1の天然リガンドとして特定されている(Lu et al.2015)。治療を個々の疾患に合わせて特別に調整し、それらの有効性を潜在的に最大化できるようにするために、NLRX1経路の新規リガンドを開発する必要がある。
【0004】
本発明は、NLRX1タンパク質に結合し、ひいては、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、慢性及び/又は炎症性中枢神経系疾患、慢性及び/又は炎症性呼吸器疾患、がん、並びに感染性疾患、例えば、多発性硬化症、喘息、アルツハイマー病、パーキンソン病、神経炎症慢性閉塞性肺疾患、特発性肺線維症、及び炎症性腸疾患を含むがこれらに限定されない様々な疾患状態において有益な応答を誘発する化合物を提供する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、A環、B環、C環、D環、及びE環を有する式(I)の化合物、
【化1】
又はその塩若しくはエステルであって、式中、
1及びA5が、各々独立して、O、N(RA)、N(RALK)、C(RA2、C(RA)、又はNであり、
2、A3、及びA4が、各々独立して、O、N(RA)、N(RALK)、C(RA2、C(RA)、N、C(RA)(RO)、C(RO)、又はC(=O)であり、ただし、A4が任意に存在せず、
6及びA7が、各々独立して、C(RA)又はNであり、
8、A9、及びA10が、各々独立して、O、N(RA)、N(RALK)、C(RA2、C(RA)、又はNであり、
11、A12、A13、A14、及びA15が、各々独立して、O、N(RA)、N(RALK)、C(RA2、C(RA)、N、C(RA)(RO)、C(RO)、又はC(=O)であり、ただし、A14が任意に存在せず、
隣接する原子間の各---が、存在するか又は存在しない結合を表し、
Lが、O、N(RL)、又はC(RL2であり、
各事例におけるROが、独立して、ヒドロキシル又は任意に置換されたアルキルオキシであり、
各事例におけるRALKが、独立して、C1~C6アルキルであり、
各事例におけるRA、RB、及びRLが、独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、ヒドロキシル、カルボキシル、任意に置換されたアルキルオキシ、任意に置換されたアルケニルオキシ、任意に置換されたアルキニルオキシ、任意に置換されたシクロアルキルオキシ、任意に置換されたシクロアルケニルオキシ、メルカプト、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルケニルチオ、任意に置換されたアルキニルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルホニルオキシ、任意に置換されたシクロアルキルチオ、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニルオキシ、任意に置換されたシクロアルケニルチオ、任意に置換されたシクロアルケニルスルフィニル、任意に置換されたシクロアルケニルスルホニル、任意に置換されたシクロアルケニルスルホニルオキシ、任意に置換されたアミノ、アシル、任意に置換されたアルキルオキシカルボニル、任意に置換されたアルケニルオキシカルボニル、任意に置換されたアルキニルオキシカルボニル、任意に置換されたアリールオキシカルボニル、任意に置換されたカルバモイル、任意に置換されたスルファモイル、シアノ、ニトロ、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールオキシ、任意に置換されたアリールチオ、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニルオキシ、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロアリールオキシ、任意に置換されたヘテロアリールチオ、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニルオキシ、又は任意に置換された非芳香族複素環基である、化合物、又はその塩若しくはエステルを提供する。
【0006】
いくつかの変形例では、A1は、Oである。いくつかの変形例では、A1は、N(RA)である。いくつかの変形例では、A1は、N(RALK)である。いくつかの変形例では、A1は、C(RA2である。いくつかの変形例では、A1は、C(RA)である。いくつかの変形例では、A1は、Nである。いくつかの変形例では、A1の各RAは、水素又はハロゲンである。いくつかの変形例では、A1の各RAは、水素である。
【0007】
いくつかの変形例では、A2は、Oである。いくつかの変形例では、A2は、N(RA)である。いくつかの変形例では、A2は、N(RALK)である。いくつかの変形例では、A2は、C(RA2である。いくつかの変形例では、A2は、C(RA)である。いくつかの変形例では、A2は、Nである。いくつかの変形例では、A2は、C(RA)(RO)である。いくつかの変形例では、A2は、C(RO)である。いくつかの変形例では、A2は、C(=O)である。いくつかの変形例では、A2の各RAは、水素又はハロゲンである。いくつかの変形例では、A2の各RAは、水素である。いくつかの変形例では、A2の各ROは、ヒドロキシルである。
【0008】
いくつかの変形例では、A3は、Oである。いくつかの変形例では、A3は、N(RA)である。いくつかの変形例では、A3は、N(RALK)である。いくつかの変形例では、A3は、C(RA2である。いくつかの変形例では、A3は、C(RA)である。いくつかの変形例では、A3は、Nである。いくつかの変形例では、A3は、C(RA)(RO)である。いくつかの変形例では、A3は、C(RO)である。いくつかの変形例では、A3は、C(=O)である。いくつかの変形例では、A3の各RAは、水素又はハロゲンである。いくつかの変形例では、A3の各RAは、水素である。いくつかの変形例では、A3の各ROは、ヒドロキシルである。
【0009】
いくつかの変形例では、A4は、Oである。いくつかの変形例では、A4は、N(RA)である。いくつかの変形例では、A4は、N(RALK)である。いくつかの変形例では、A4は、C(RA2である。いくつかの変形例では、A4は、C(RA)である。いくつかの変形例では、A4は、Nである。いくつかの変形例では、A4は、C(RA)(RO)である。いくつかの変形例では、A4は、C(RO)である。いくつかの変形例では、A4は、C(=O)である。いくつかの変形例では、A4の各RAは、水素又はハロゲンである。いくつかの変形例では、A4の各RAは、水素である。いくつかの変形例では、A4の各ROは、ヒドロキシルである。いくつかの変形例では、A4は、存在しない。
【0010】
いくつかの変形例では、A5は、Oである。いくつかの変形例では、A5は、N(RA)である。いくつかの変形例では、A5は、N(RALK)である。いくつかの変形例では、A5は、C(RA2である。いくつかの変形例では、A5は、C(RA)である。いくつかの変形例では、A5は、Nである。いくつかの変形例では、A5の各RAは、水素又はハロゲンである。いくつかの変形例では、A5の各RAは、水素である。
【0011】
いくつかの変形例では、A6は、C(RA)である。いくつかの変形例では、A6は、Nである。いくつかの変形例では、A7は、C(RA)である。いくつかの変形例では、A7は、Nである。いくつかの変形例では、A6及びA7のうちの1つは、C(RA)である。いくつかの変形例では、A6及びA7の一方は、Nである。いくつかの変形例では、A6及びA7の一方は、C(RA)であり、A6及びA7の他方は、Nである。いくつかの変形例では、A6及びA7の両方は、C(RA)である。いくつかの変形例では、A6の各RAは、水素又はハロゲンである。いくつかの変形例では、A6の各RAは、水素である。いくつかの変形例では、A7の各RAは、水素又はハロゲンである。いくつかの変形例では、A7の各RAは、水素である。
【0012】
いくつかの変形例では、A8は、Oである。いくつかの変形例では、A8は、N(RA)である。いくつかの変形例では、A8は、N(RALK)である。いくつかの変形例では、A8は、C(RA2である。いくつかの変形例では、A8は、C(RA)である。いくつかの変形例では、A8は、Nである。いくつかの変形例では、A8の各RAは、水素又はハロゲンである。いくつかの変形例では、A8の各RAは、水素である。
【0013】
いくつかの変形例では、A9は、Oである。いくつかの変形例では、A9は、N(RA)である。いくつかの変形例では、A9は、N(RALK)である。いくつかの変形例では、A9は、C(RA2である。いくつかの変形例では、A9は、C(RA)である。いくつかの変形例では、A9は、Nである。いくつかの変形例では、A9の各RAは、水素又はハロゲンである。いくつかの変形例では、A9の各RAは、水素である。
【0014】
いくつかの変形例では、A10は、Oである。いくつかの変形例では、A10は、N(RA)である。いくつかの変形例では、A10は、N(RALK)である。いくつかの変形例では、A10は、C(RA2である。いくつかの変形例では、A10は、C(RA)である。いくつかの変形例では、A10は、Nである。いくつかの変形例では、A10の各RAは、水素又はハロゲンである。いくつかの変形例では、A10の各RAは、水素である。
【0015】
いくつかの変形例では、A11は、Oである。いくつかの変形例では、A11は、N(RA)である。いくつかの変形例では、A11は、N(RALK)である。いくつかの変形例では、A11は、C(RA2である。いくつかの変形例では、A11は、C(RA)である。いくつかの変形例では、A11は、Nである。いくつかの変形例では、A11は、C(RA)(RO)である。いくつかの変形例では、A11は、C(RO)である。いくつかの変形例では、A11は、C(=O)である。いくつかの変形例では、A11の各RAは、水素又はハロゲンである。いくつかの変形例では、A11の各RAは、水素である。いくつかの変形例では、A11の各ROは、ヒドロキシルである。
【0016】
いくつかの変形例では、A12は、Oである。いくつかの変形例では、A12は、N(RA)である。いくつかの変形例では、A12は、N(RALK)である。いくつかの変形例では、A12は、C(RA2である。いくつかの変形例では、A12は、C(RA)である。いくつかの変形例では、A12は、Nである。いくつかの変形例では、A12は、C(RA)(RO)である。いくつかの変形例では、A12は、C(RO)である。いくつかの変形例では、A12は、C(=O)である。いくつかの変形例では、A12の各RAは、水素又はハロゲンである。いくつかの変形例では、A12の各RAは、水素である。いくつかの変形例では、A12の各ROは、ヒドロキシルである。
【0017】
いくつかの変形例では、A13は、Oである。いくつかの変形例では、A13は、N(RA)である。いくつかの変形例では、A13は、N(RALK)である。いくつかの変形例では、A13は、C(RA2である。いくつかの変形例では、A13は、C(RA)である。いくつかの変形例では、A13は、Nである。いくつかの変形例では、A13は、C(RA)(RO)である。いくつかの変形例では、A13は、C(RO)である。いくつかの変形例では、A13は、C(=O)である。いくつかの変形例では、A13の各RAは、水素又はハロゲンである。いくつかの変形例では、A13の各RAは、水素である。いくつかの変形例では、A13の各ROは、ヒドロキシルである。
【0018】
いくつかの変形例では、A14は、Oである。いくつかの変形例では、A14は、N(RA)である。いくつかの変形例では、A14は、N(RALK)である。いくつかの変形例では、A14は、C(RA2である。いくつかの変形例では、A14は、C(RA)である。いくつかの変形例では、A14は、Nである。いくつかの変形例では、A14は、C(RA)(RO)である。いくつかの変形例では、A14は、C(RO)である。いくつかの変形例では、A14は、C(=O)である。いくつかの変形例では、A14の各RAは、水素又はハロゲンである。いくつかの変形例では、A14の各RAは、水素である。いくつかの変形例では、A14の各ROは、ヒドロキシルである。いくつかの変形例では、A14は、存在しない。
【0019】
いくつかの変形例では、A15は、Oである。いくつかの変形例では、A15は、N(RA)である。いくつかの変形例では、A15は、N(RALK)である。いくつかの変形例では、A15は、C(RA2である。いくつかの変形例では、A15は、C(RA)である。いくつかの変形例では、A15は、Nである。いくつかの変形例では、A15は、C(RA)(RO)である。いくつかの変形例では、A15は、C(RO)である。いくつかの変形例では、A15は、C(=O)である。いくつかの変形例では、A15の各RAは、水素又はハロゲンである。いくつかの変形例では、A15の各RAは、水素である。いくつかの変形例では、A15の各ROは、ヒドロキシルである。
【0020】
いくつかの変形例では、Lは、Oである。いくつかの変形例では、Lは、N(RL)である。いくつかの変形例では、Lは、C(RL2である。いくつかの変形例では、A15の各RLは、水素又はハロゲンである。いくつかの変形例では、A15の各RLは、水素である。いくつかの変形例では、いくつかの変形例では、A15の少なくとも1つのRLは、アルキルである。いくつかの変形例では、A15の各RLは、アルキルである。
【0021】
いくつかの変形例では、各事例におけるRAは、独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されたC1~C6アルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたC1~C6アルキルオキシ、任意に置換されたアミノ、アシル、任意に置換されたアルキルオキシカルボニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、又は任意に置換された非芳香族複素環基である。いくつかの変形例では、各事例におけるRAは、独立して、水素、ハロゲン、非置換C1~C6アルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、非置換シクロアルキル、非置換C1~C6アルキルオキシ、非置換アミノ、アシル、非置換アルキルオキシカルボニル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、又は非置換非芳香族複素環基である。いくつかの変形例では、各事例におけるRAは、水素又はハロゲンである。いくつかの変形例では、各事例におけるRAは、水素である。
【0022】
いくつかの変形例では、各事例におけるRBは、独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されたC1~C6アルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたC1~C6アルキルオキシ、任意に置換されたアミノ、アシル、任意に置換されたアルキルオキシカルボニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、又は任意に置換された非芳香族複素環基である。いくつかの変形例では、各事例におけるRBは、独立して、水素、ハロゲン、非置換C1~C6アルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、非置換シクロアルキル、非置換C1~C6アルキルオキシ、非置換アミノ、アシル、非置換アルキルオキシカルボニル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、又は非置換非芳香族複素環基である。いくつかの変形例では、各事例におけるRBは、水素又はハロゲンである。いくつかの変形例では、各事例におけるRBは、水素である。
【0023】
いくつかの変形例では、各事例におけるRLは、独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されたC1~C6アルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたC1~C6アルキルオキシ、任意に置換されたアミノ、アシル、任意に置換されたアルキルオキシカルボニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、又は任意に置換された非芳香族複素環基である。いくつかの変形例では、各事例におけるRLは、独立して、水素、ハロゲン、非置換C1~C6アルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、非置換シクロアルキル、非置換C1~C6アルキルオキシ、非置換アミノ、アシル、非置換アルキルオキシカルボニル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、又は非置換非芳香族複素環基である。いくつかの変形例では、各事例におけるRLは、水素又はハロゲンである。いくつかの変形例では、各事例におけるRLは、水素である。
【0024】
いくつかの変形例では、環Aは、芳香族である。いくつかの変形例では、環Dは、芳香族である。いくつかの変形例では、環Eは、芳香族である。
【0025】
いくつかの変形例では、A14は、存在し、A11は、C(RA)である。いくつかの変形例では、A14は、存在し、A11、A13、及びA14は、各々、C(RA)である。
【0026】
いくつかの変形例では、
各任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルキルオキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルホニルオキシ、及び任意に置換されたアルキルオキシカルボニルは、置換されるとき、独立して、シクロアルキル、1つ又は2つのヘテロ原子を任意に含有するアルキレン、ヒドロキシ、オキソ、1~3つの位置において置換基Aで任意に置換されたアルキルオキシ、メルカプト、アルキルチオ、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルキルオキシカルボニル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたカルバモイル、アシル、1~3つの位置において置換基Bで任意に置換されたアリール、1~3つの位置において置換基Cで任意に置換されたヘテロアリール、1~3つの位置において置換基Cで任意に置換された任意に置換された非芳香族複素環基、1~3つの位置において置換基Bで任意に置換されたアリールオキシ、及びアルキルスルホニルからなる群から選択される1~3つの置換基で置換され、
各任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルケニルオキシ、任意に置換されたアルキニルオキシ、任意に置換されたアルケニルチオ、任意に置換されたアルキニルチオ、任意に置換されたアルケニルオキシカルボニル、任意に置換されたアルキニルオキシカルボニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたシクロアルキルオキシ、任意に置換されたシクロアルケニルオキシ、任意に置換されたシクロアルキルチオ、任意に置換されたシクロアルケニルチオ、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたシクロアルケニルスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたシクロアルケニルスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニルオキシ、任意に置換されたシクロアルケニルスルホニルオキシ、及び1つ又は2つのヘテロ原子を任意に含有する任意に置換されたアルキレンは、置換されるとき、独立して、1~3つの位置において置換基Dで任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、オキソ、1~3つの位置において置換基Aで任意に置換されたアルキルオキシ、メルカプト、アルキルチオ、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルキルオキシカルボニル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたカルバモイル、アシル、アシルオキシ、1~3つの位置において置換基Bで任意に置換されたアリール、1~3つの位置において置換基Cで任意に置換されたヘテロアリール、1~3つの位置において置換基Cで任意に置換された非芳香族複素環基、1~3つの位置において置換基Cで任意に置換されたアリールオキシ、及びアルキルスルホニルからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換され、
各任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールオキシ、任意に置換されたアリールオキシカルボニル、任意に置換されたアリールチオ、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニルオキシ、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロアリールオキシ、任意に置換されたヘテロアリールチオ、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニルオキシ、及び任意に置換された非芳香族複素基は、置換されるとき、各々独立して、1~3つの位置において置換基Dで任意に置換されたアルキル、オキソ、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、1~3つの位置において置換基Aで任意に置換されたアルキルオキシ、1~3つの位置において置換基Bで任意に置換されたアリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルキルオキシカルボニル、アシル、アルキルスルホニル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたカルバモイル、1~3つの位置において置換基Bで任意に置換されたアリール、1~3つの位置において置換基Cで任意に置換されたヘテロアリール、及び1~3つの位置において置換基Cで任意に置換された非芳香族複素環基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換され、
各任意に置換されたアミノ、任意に置換されたカルバモイル、及び任意に置換されたスルファモイルは、置換されるとき、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アルキルオキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、アリールスルホニル、及びヘテロアリールスルホニルからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で置換され、
各置換基Aは、独立して、ハロゲン原子、及び置換基Bから選択される1~3つの置換基で任意に置換されたフェニルからなる群から選択され、
各置換基Bは、独立して、ハロゲン原子、アルキル、アルキルオキシ、シアノ、及びニトロからなる群から選択され、
各置換基Cは、独立して、ハロゲン原子及びアルキルからなる群から選択され、
各置換基Dは、独立して、ハロゲン原子及びアルキルオキシからなる群から選択される。
【0027】
本明細書で提供される式Iの化合物は、NLRX1のリガンドである。
【0028】
例示的な化合物は、図1A~1F及び2A~2Eに示される。これらの例示的な化合物としては、NX-64-1、NX-64-2、NX-64-3、NX-64-4、NX-64-5、NX-64-6、NX-64-7、NX-64-8、NX-64-9、NX-64-10、NX-64-11、NX-64-12、NX-64-13、NX-64-14、NX-64-15、NX-64-16、NX-64-17、NX-64-18、NX-64-19、NX-64-20、NX-64-21、NX-64-22、NX-64-23、NX-64-24、NX-64-25、NX-64-26、NX-64-27、NX-64-28、NX-64-29、及びNX-64-30:
【化2-1】
【化2-2】
【化2-3】
が挙げられる。
【0029】
本発明はまた、本明細書に記載の化合物で動物における状態を治療する方法を提供する。この方法は、有効量の化合物を動物に投与することを含む。状態は、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、慢性及び/又は炎症性中枢神経系疾患、慢性及び/又は炎症性呼吸器疾患、がん、並びに感染性疾患からなる群から選択され得る。例示的な状態は、多発性硬化症、喘息、アルツハイマー病、パーキンソン病、神経炎症(例えば、脳卒中、外傷性脳損傷、又は脊髄損傷に起因する神経炎症)、慢性閉塞性肺疾患、特発性肺線維症、又は炎症性腸疾患を含む。
【0030】
本発明の目的及び利点は、添付の図面と併せてなされる本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより完全に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1A】選択された化合物のNLRX1への結合の計算による予測(kcal/mol)である。
図1B】選択された化合物のNLRX1への結合の計算による予測(kcal/mol)である。
図1C】選択された化合物のNLRX1への結合の計算による予測(kcal/mol)である。
図1D】選択された化合物のNLRX1への結合の計算による予測(kcal/mol)である。
図1E】選択された化合物のNLRX1への結合の計算による予測(kcal/mol)である。
図1F】選択された化合物のNLRX1への結合の計算による予測(kcal/mol)である。
図2A図2A~2E。本発明の例示的な化合物:NX-64-2(図2A)。
図2B】NX-64-3(図2B)。
図2C】NX-64-4(図2C)。
図2D】NX-64-5(図2D)。
図2E】NX-64-9(図2E)。
図3A】CD4+T細胞におけるNX-64-2、NX-64-3、NX-64-4、NX-64-5、及びNX-64-9活性の免疫学的検証である。TNFα+(図3A)及びIFNγ+(図3B)CD4+T細胞のパーセンテージは、50ナノモルの濃度のNX化合物での細胞のインビトロ処理後、フローサイトメトリーによって測定した。統計的有意性(p<0.05)はアスタリスクでマークされている。
図3B】CD4+T細胞におけるNX-64-2、NX-64-3、NX-64-4、NX-64-5、及びNX-64-9活性の免疫学的検証である。TNFα+(図3A)及びIFNγ+(図3B)CD4+T細胞のパーセンテージは、50ナノモルの濃度のNX化合物での細胞のインビトロ処理後、フローサイトメトリーによって測定した。統計的有意性(p<0.05)はアスタリスクでマークされている。
図4A】大腸炎のDSSモデルにおけるNX-64-3有効性のインビボ検証である。7日のDSSチャレンジ後の結腸病変の肉眼的スコアリング(図4A)、及び強制経口投与によって毎日ビヒクル又はNX-64-3(20mg/kg)で処理されたマウスの7日目の結腸固有層内の好中球のフローサイトメトリー測定(図4B)。統計的有意性(p<0.05)はアスタリスクでマークされている。
図4B】大腸炎のDSSモデルにおけるNX-64-3有効性のインビボ検証である。7日のDSSチャレンジ後の結腸病変の肉眼的スコアリング(図4A)、及び強制経口投与によって毎日ビヒクル又はNX-64-3(20mg/kg)で処理されたマウスの7日目の結腸固有層内の好中球のフローサイトメトリー測定(図4B)。統計的有意性(p<0.05)はアスタリスクでマークされている。
図5】CNS炎症の実験的自己免疫性脳脊髄炎モデルにおけるNX-64-3有効性のインビボ検証である。MOG35-55誘発性EAEモデルにおけるビヒクル又はNX-64-3(20mg/kg)で処理されたマウスの疾患活性測定。統計的有意性(p<0.05)はアスタリスクでマークされている。
図6A】実験的自己免疫性脳脊髄炎モデルにおけるNX-64-3抗炎症効果のインビボ検証である。MOG35-55誘発性EAEモデルの18日目のマウスの脊髄におけるTNF(図6A)及びIl1b(図6B)のRNA発現は、ベータ-アクチンの発現に対して正規化された。統計的有意性(p<0.05)はアスタリスクでマークされている。
図6B】実験的自己免疫性脳脊髄炎モデルにおけるNX-64-3抗炎症効果のインビボ検証である。MOG35-55誘発性EAEモデルの18日目のマウスの脊髄におけるTNF(図6A)及びIl1b(図6B)のRNA発現は、ベータ-アクチンの発現に対して正規化された。統計的有意性(p<0.05)はアスタリスクでマークされている。
図7A】喘息のモデルにおけるNX-64-3有効性のインビボ検証である。強制経口投与によって毎日ビヒクル又はNX-64-3(20mg/kg)で処理されたマウスにおける実験的喘息のOVA誘導モデルの18日目の肺内の好中球(図7A)及びCD4+IL10+T細胞(図7B)のフローサイトメトリー測定。統計的有意性(p<0.05)はアスタリスクでマークされている。
図7B】喘息のモデルにおけるNX-64-3有効性のインビボ検証である。強制経口投与によって毎日ビヒクル又はNX-64-3(20mg/kg)で処理されたマウスにおける実験的喘息のOVA誘導モデルの18日目の肺内の好中球(図7A)及びCD4+IL10+T細胞(図7B)のフローサイトメトリー測定。統計的有意性(p<0.05)はアスタリスクでマークされている。
【発明を実施するための形態】
【0032】
「実質的に純粋」という用語は、少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、例えば、少なくとも98重量%、99重量%、又は約100重量%の純度を有することを指す。
【0033】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を指す。フッ素、塩素、及び臭素が好ましい。
【0034】
「ヘテロ原子」という用語は、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子を指す。
【0035】
「アルキル」という用語は、1~8個の炭素原子を有する一価の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を含む。例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルなどが挙げられる。C1~C6アルキルが好ましい。C1~C4アルキル又はC1~C3アルキルが更に好ましい。炭素数が指定される場合は、それはその炭素数の範囲内の「アルキル」を意味する。
【0036】
「アルケニル」という用語は、2~8個の炭素原子及び1つ以上の二重結合を有する一価の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を含む。例としては、ビニル、アリル、1-プロペニル、2-ブテニル、2-ペンテニル、2-ヘキセニル、2-ヘプテニル、2-オクテニルなどが挙げられる。C2~C6アルケニルが好ましい。C2~C4又はC2~C3アルケニルが更に好ましい。
【0037】
「アルキニル」という用語は、2~8個の炭素原子及び1つ以上の三重結合を有する一価の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を含む。例としては、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、2-ブチニル、2-ペンチニル、2-ヘキシニル、2-ヘプチニル、2-オクチニルなどが挙げられる。C2~C6アルキニルが好ましい。C2~C4又はC2~C3アルキニルが更に好ましい。
【0038】
「シクロアルキル」という用語は、3~8個の炭素原子を有するシクロアルキルを含む。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが挙げられる。C3~C6シクロアルキルが好ましい。
【0039】
「シクロアルケニル」という用語は、3~8個の炭素原子を有するシクロアルケニルを含む。例としては、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロセンチルなどが挙げられる。C3~C6シクロアルケニルが好ましい。
【0040】
「アルキルオキシ」という用語は、酸素原子が本明細書に記載の1つの「アルキル」で置換されている基を含む。例としては、メチルオキシ、エチルオキシ、n-プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n-ブチルオキシ、イソブチルオキシ、sec-ブチルオキシ、tert-ブチルオキシ、n-ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、2-ペンチルオキシ、3-ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシ、2-ヘキシルオキシ、3-ヘキシルオキシ、n-ヘプチルオキシ、n-オクチルオキシなどが挙げられる。C1~C6アルキルオキシが好ましい。C1~C4アルキルオキシ又はC1~C3アルキルオキシが更に好ましい。炭素数が指定される場合は、それはその炭素数の範囲内の「アルキルオキシ」を意味する。
【0041】
「アルケニルオキシ」という用語は、酸素原子が本明細書に記載の1つの「アルケニル」で置換されている基を含む。例としては、ビニルオキシ、アリルオキシ、1-プロペニルオキシ、2-ブテニルオキシ、2-ペンテニルオキシ、2-ヘキセニルオキシ、2-ヘプテニルオキシ、2-オクテニルオキシなどが挙げられる。C2~C6アルケニルオキシが好ましい。また、C2~C4又はC2~C3アルケニルオキシが更に好ましい。炭素数が指定される場合は、それはその炭素数の範囲内の「アルケニルオキシ」を意味する。
【0042】
「アルキニルオキシ」という用語は、酸素原子が本明細書に記載の1つの「アルキニル」で置換されている基を含む。例としては、エチニルオキシ、1-プロピニルオキシ、2-プロピニルオキシ、2-ブチニルオキシ、2-ペンチニルオキシ、2-ヘキシニルオキシ、2-ヘプチニルオキシ、2-オクチニルオキシなどが挙げられる。C2~C6アルキニルオキシが好ましい。C2~C4又はC2~C3アルキニルオキシが更に好ましい。炭素数が指定される場合は、それはその炭素数の範囲内の「アルキニルオキシ」を意味する。
【0043】
「シクロアルキルオキシ」という用語は、酸素原子が本明細書に記載の1つの「シクロアルキル」で置換されている基を含む。例としては、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、及びシクロオクチルオキシが挙げられる。C3~C6シクロアルキルオキシが好ましい。炭素数が指定される場合は、それはその炭素数の範囲内の「シクロアルキルオキシ」を意味する。
【0044】
「シクロアルケニルオキシ」という用語は、酸素原子が本明細書に記載の1つの「シクロアルケニル」で置換されている基を含む。例としては、シクロプロペニルオキシ、シクロブテニルオキシ、シクロペンテニルオキシ、シクロヘキセニルオキシ、シクロヘプテニルオキシ、及びシクロオクテニルオキシが挙げられる。C3~C6シクロアルケニルオキシが好ましい。炭素数が指定される場合は、それはその炭素数の範囲内の「シクロアルケニルオキシ」を意味する。
【0045】
「アルキルチオ」という用語は、硫黄原子が本明細書に記載の1つの「アルキル」で置換されている基を含む。例としては、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、n-ペンチルチオ、イソペンチルチオ、2-ペンチルチオ、3-ペンチルチオ、n-ヘキシルチオ、イソヘキシルチオ、2-ヘキシルチオ、3-ヘキシルチオ、n-ヘプチルチオ、n-オクチルチオなどが挙げられる。C1~C6アルキルチオが好ましい。C1~C4アルキルチオが更に好ましい。C1~C3、C1~C2、又はC1アルキルチオが更に好ましい。炭素数が指定される場合は、それはその炭素数の範囲内の「アルキルチオ」を意味する。
【0046】
「アルケニルチオ」という用語は、硫黄原子が本明細書に記載の1つの「アルケニル」で置換されている基を含む。例としては、ビニルチオ、アリルチオ、1-プロペニルチオ、2-ブテニルチオ、2-ペンテニルチオ、2-ヘキセニルチオ、2-ヘプテニルチオ、2-オクテニルチオなどが挙げられる。C2~C6アルキルチオが好ましい。C2~C4又はC2~C3アルキルチオが更に好ましい。炭素数が指定される場合は、それはその炭素数の範囲内の「アルケニルチオ」を意味する。
【0047】
「アルキニルチオ」という用語は、硫黄原子が本明細書に記載の1つの「アルキニル」で置換されている基を含む。例としては、エチニルチオ、1-プロピニルチオ、2-プロピニルチオ、2-ブチニルチオ、2-ペンチニルチオ、2-ヘキシニルチオ、2-ヘプチニルチオ、2-オクチニルチオなどが挙げられる。C2~C6アルキニルチオが好ましい。C2~C4又はC2~C3アルキニルチオが更に好ましい。炭素数が指定される場合は、それはその炭素数の範囲内の「アルキニルチオ」を意味する。
【0048】
「アルキルスルフィニル」という用語は、スルフィニルが本明細書に記載の1つの「アルキル」で置換されている基を含む。例としては、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n-プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、n-ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、sec-ブチルスルフィニル、tert-ブチルスルフィニル、n-ペンチルスルフィニル、イソペンチルスルフィニル、2-ペンチルスルフィニル、3-ペンチルスルフィニル、n-ヘキシルスルフィニル、イソヘキシルスルフィニル、2-ヘキシルスルフィニル、3-ヘキシルスルフィニル、n-ヘプチルスルフィニル、n-オクチルスルフィニルなどが挙げられる。C1~C6アルキルスルフィニルが好ましい。C1~C4又はC1~C3アルキルスルフィニルが更に好ましい。
【0049】
「アルキルスルホニル」という用語は、スルホニルが本明細書に記載の1つの「アルキル」で置換されている基を含む。例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n-プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n-ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、tert-ブチルスルホニル、n-ペンチルスルホニル、イソペンチルスルホニル、2-ペンチルスルホニル、3-ペンチルスルホニル、n-ヘキシルスルホニル、イソヘキシルスルホニル、2-ヘキシルスルホニル、3-ヘキシルスルホニル、n-ヘプチルスルホニル、n-オクチルスルホニルなどが挙げられる。C1~C6アルキルスルホニルが好ましい。C1~C4又はC1~C3アルキルスルホニルが更に好ましい。
【0050】
「アルキルスルホニルオキシ」という用語は、酸素原子が本明細書に記載の1つの「アルキルスルホニル」で置換されている基を含む。例としては、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ、n-プロピルスルホニルオキシ、イソプロピルスルホニルオキシ、n-ブチルスルホニルオキシ、イソブチルスルホニルオキシ、sec-ブチルスルホニルオキシ、tert-ブチルスルホニルオキシ、n-ペンチルスルホニルオキシ、イソペンチルスルホニルオキシ、2-ペンチルスルホニルオキシ、3-ペンチルスルホニルオキシ、n-ヘキシルスルホニルオキシ、イソヘキシルスルホニルオキシ、2-ヘキシルスルホニルオキシ、3-ヘキシルスルホニルオキシ、n-ヘプチルスルホニルオキシ、n-オクチルスルホニルオキシなどが挙げられる。C1~C6アルキルスルホニルが好ましい。C1~C4又はC1~C3アルキルスルホニルが更に好ましい。
【0051】
「シクロアルキルチオ」という用語は、硫黄原子が本明細書に記載の1つの「シクロアルキル」で置換されている基を含む。例としては、シクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ、シクロヘプチルチオ、シクロオクチルチオなどが挙げられる。C3~C6シクロアルキルチオが好ましい。炭素数が指定される場合は、それはその炭素数の範囲内の「シクロアルキルチオ」を意味する。
【0052】
「シクロアルキルスルフィニル」という用語は、スルフィニルが本明細書に記載の1つの「シクロアルキル」で置換されている基を含む。例としては、シクロプロピルスルフィニル、シクロブチルスルフィニル、シクロペンチルスルフィニル、シクロヘキシルスルフィニル、シクロヘプチルスルフィニル、及びシクロオクチルスルフィニルが挙げられる。好ましくは、C3~C6シクロアルキルスルフィニルである。
【0053】
「シクロアルキルスルホニル」という用語は、スルホニルが本明細書に記載の1つの「シクロアルキル」で置換されている基を含む。例としては、シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニル、シクロペンチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、シクロヘプチルスルホニル、及びシクロオクチルスルホニルが挙げられる。C3~C6シクロアルキルスルホニルが好ましい。
【0054】
「シクロアルキルスルホニルオキシ」という用語は、酸素原子が本明細書に記載の1つの「シクロアルキルスルホニル」で置換されている基を含む。例としては、シクロプロピルスルホニルオキシ、シクロブチルスルホニルオキシ、シクロペンチルスルホニルオキシ、シクロヘキシルスルホニルオキシ、シクロヘプチルスルホニルオキシ、及びシクロオクチルスルホニルオキシが挙げられる。C6~C3シクロアルキルスルホニルオキシが好ましい。
【0055】
「シクロアルケニルチオ」という用語は、硫黄原子が本明細書に記載の1つの「シクロアルケニル」で置換されている基を含む。例としては、シクロプロペニルチオ、シクロブテニルチオ、シクロペンテニルチオ、シクロヘキセニルチオ、シクロヘプテニルチオ、及びシクロオクテニルチオが挙げられる。C3~C6シクロアルケニルチオが好ましい。炭素数が指定される場合は、それはその炭素数の範囲内の「シクロアルケニルチオ」を意味する。
【0056】
「シクロアルケニルスルフィニル」という用語は、スルフィニルが本明細書に記載の1つの「シクロアルケニル」で置換されている基を含む。例としては、シクロプロペニルスルフィニル、シクロブテニルスルフィニル、シクロペンテニルスルフィニル、シクロヘキセニルスルフィニル、シクロヘプテニルスルフィニル、及びシクロオクテニルスルフィニルが挙げられる。C3~C6シクロアルケニルスルフィニルが好ましい。
【0057】
「シクロアルケニルスルホニル」という用語は、スルホニルが本明細書に記載の1つの「シクロアルケニル」で置換されている基を含む。例としては、シクロプロペニルスルホニル、シクロブテニルスルホニル、シクロペンテニルスルホニル、シクロヘキセニルスルホニル、シクロヘプテニルスルホニル、及びシクロオクテニルスルホニルが挙げられる。好ましくは、C3~C6シクロアルケニルスルホニルが好ましい。
【0058】
「シクロアルケニルスルホニルオキシ」という用語は、酸素原子が本明細書に記載の1つの「シクロアルケニルスルホニル」で置換されている基を含む。例としては、シクロプロペニルスルホニルオキシ、シクロブテニルスルホニルオキシ、シクロペンテニルスルホニルオキシ、シクロヘキセニルスルホニルオキシ、シクロヘプテニルスルホニルオキシ、及びシクロオクテニルスルホニルオキシが挙げられる。C3~C6シクロアルケニルスルホニルオキシが好ましい。
【0059】
「アルキルオキシカルボニル」という用語は、カルボニルが本明細書に記載の1つの「アルキルオキシ」で置換されている基を含む。例としては、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、n-プロピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、n-ブチルオキシカルボニル、tert-ブチルオキシカルボニル、及びn-ペンチルオキシカルボニルが挙げられる。C1~C6、C1~C4、又はC1~C3アルキルオキシカルボニルが好ましい。C1~C2アルキルオキシカルボニルが更に好ましい。
【0060】
「アルケニルオキシカルボニル」という用語は、カルボニルが本明細書に記載の1つの「アルケニルオキシ」で置換されている基を含む。例としては、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、1-プロペニルオキシカルボニル、2-ブテニルオキシカルボニル、及び2-ペンテニルオキシアルコキシが挙げられる。C2~C6、C2~C4、又はC2~C3アルキルオキシカルボニルが好ましい。
【0061】
「アルキニルオキシカルボニル」という用語は、カルボニルが本明細書に記載の1つの「アルキニルオキシ」で置換されている基を含む。例としては、エチニルオキシカルボニル、1-プロピニルオキシカルボニル、2-プロピニルオキシカルボニル、2-ブチニルオキシアルゴン、及び2-ペンチニルオキシカルボニルが挙げられる。C2~C6、C2~C4、又はC2~C3アルキニルオキシカルボニルが好ましい。
【0062】
「アシル」という用語は、アルキルの一部が本明細書に記載の「アルキル」であるアルキルカルボニル、アルケニルの一部が本明細書に記載の「アルケニル」であるアルケニルカルボニル、アルキニルの一部が本明細書に記載の「アルキニル」であるアルキニルカルボニル、シクロアルキルの一部が本明細書に記載の「シクロアルキル」であるシクロアルキルカルボニル、アリールの一部が本明細書に記載の「アリール」であるアリールカルボニル、ヘテロアリールの一部が本明細書に記載の「ヘテロアリール」であるヘテロアリールカルボニル、及び非芳香族複素環基の一部が本明細書に記載の「非芳香族複素環基」である非芳香族複素環式カルボニルを含む。「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「シクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」及び「非芳香族複素環式基」はそれぞれ、本明細書に記載の「任意に置換されたアルキル」、「任意に置換されたアルケニル」、「任意に置換されたアルキニル」、「任意に置換されたシクロアルキル」、「任意に置換されたアリール」、「任意に置換されたヘテロアリール」、及び「任意に置換された非芳香族複素環式基」」に例示される置換基で置換され得る。アシル基の例としては、アセチル、プロピオニル、ブチロイル、シクロヘキシルカルボニル、ベンゾイル、ピリジンカルボニルなどが挙げられる。
【0063】
「任意に置換されたアミノ」という用語は、1つ又は2つの本明細書に記載の「アルキル」、本明細書に記載の「アルケニル」、本明細書に記載の「アルキニル」、本明細書に記載の「シクロアルキル」、本明細書に記載の「シクロアルキニル」、本明細書に記載の「アリール」、本明細書に記載の「ヘテロアリール」、本明細書に記載の「アシル」、本明細書に記載の「アルキルオキシカルボニル」、本明細書に記載の「アルケニルオキシカルボニル」、本明細書に記載の「アルキニルオキシカルボニル」、本明細書に記載の「アルキルスルホニル」、「アルケニルスルホニル」、「アルキニルスルホニル」、「アリールスルホニル」及び/又は「ヘテロアリールスルホニル」で置換され得るアミノ基を含む。任意に置換されたアミノ基の例としては、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノ、ベンジルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、メチルオキシカルボニルアミノ、及びメタンスルホニルアミノが挙げられる。アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジエチルアミノ、アセチルアミノ、及びメタンスルホニルアミノが好ましい。
【0064】
「任意に置換されたカルバモイル」という用語は、任意に置換されたアミノの一部が本明細書に記載される「任意に置換されたアミノ」であるアミノカルボニル基を含む。任意に置換されたカルバモイル基の例としては、カルバモイル、N-メチルカルバモイル、N,N-ジメチルカルバモイル、N-エチル-N-メチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N-フェニルカルバモイル、N-ベンジルカルバモイル、N-アセチルカルバモイル、及びN-メチルスルホニルカルバモイルが挙げられる。カルバモイル、N-メチルカルバモイル、N,N-ジメチルカルバモイル、及びN-メチルスルホニルカルバモイルなどが好ましい。
【0065】
「任意に置換されたスルファモイル」という用語は、任意に置換されたアミノの一部が本明細書に記載される「任意に置換されたアミノ」であるアミノスルホニル基を含む。任意に置換されたスルファモイル基の例としては、スルファモイル、N-メチルスルファモイル、N,N-ジメチルスルファモイル、N-エチル-N-メチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N-フェニルスルファモイル、N-ベンジルスルファモイル、N-アセチルスルファモイル、及びN-メチルスルホニルスルファモイルなどが挙げられる。スルファモイル、N-メチルスルファモイル、N,N-ジメチルスルファモイル、及びN-メチルスルホニルスルファモイルなどが好ましい。
【0066】
「アルキレン」という用語は、1~8個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を意味する。例としては、メチレン、エチレン、1-メチルエチレン、トリメチレン、1-メチルトリメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンなどが挙げられる。C1~C4又はC1~3アルキレンが好ましい。C1~C2又はC1アルキレンが更に好ましい。
【0067】
「アリール」という用語は、芳香族単環式又は芳香族縮合環式の炭化水素を含む。それは、本明細書に記載の「シクロアルキル」、本明細書に記載の「シクロアルケニル」、又は本明細書に記載の「非芳香族複素環基」と任意の可能な位置で縮合することができる。単環及び縮合環のいずれも、任意の位置で置換することができる。例としては、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、アントリル、テトラヒドロナフチル、1,3-ベンゾジオキソリル、1,4-ベンゾジオキサニルなどが挙げられる。フェニル、1-ナフチル、及び2-ナフチルが好ましい。フェニルが更に好ましい。
【0068】
「非芳香族複素環」という用語は、酸素、硫黄及び窒素原子から独立して選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、5~7員の非芳香族複素環、又はかかる環を2つ以上縮合させることによって形成される多環を含む。例としては、ピロリジニル(例えば1-ピロリジニル、2-ピロリジニル)、ピロリニル(例えば3-ピロリニル)、イミダゾリジニル(例えば2-イミダゾリジニル)、イミダゾリニル(例えばイミダゾリニル)、ピラゾリジニル(例えば1-ピラゾリジニル、2-ピラゾリジニル)、ピラゾリニル(例えばピラゾリニル)、ピペリジル(例えばピペリジノ、2-ピペリジル)、ピペラジニル(例えば1-ピペラジニル)、インドリニル(例えば1-インドリニル)、イソインドリニル(例えばイソインドリニル)、モルホリニル(例えばモルフォリノ、3-モルホリニル)などが挙げられる。
【0069】
「ヘテロアリール」という用語は、酸素、硫黄及び窒素原子から独立して選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する、5~6員の芳香環を含む。それは、本明細書に記載の「シクロアルキル」、本明細書に記載の「アリール」、本明細書に記載の「非芳香族複素環基」、又は他のヘテロアリールと、任意の可能な位置において縮合させることができる。ヘテロアリール基は、単環又は縮合環のいずれの場合も、任意の位置で置換させることができる。例としては、ピロリル(例えば1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル)、フリル(例えば2-フリル、3-フリル)、チエニル(例えば2-チエニル、3-チエニル)、イミダゾリル(例えば2-イミダゾリル、4-イミダゾリル)、ピラゾリル(例えば1-ピラゾリル、3-ピラゾリル)、イソチアゾリル(例えば3-イソチアゾリル)、イソキサゾリル(例えば3-イソキサゾリル)、オキサゾリル(例えば2-オキサゾリル)、チアゾリル(例えば2-チアゾリル)、ピリジル(例えば2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル)、ピラジニル(例えば2-ピラジニル)、ピリミジニル(例えば2-ピリミジニル、4-ピリミジニル)、ピリダジニル(例えば3-ピリダジニル)、テトラゾリル(例えば1H-テトラゾリル)、オキサジアゾリル(例えば1,3,4-オキサジアゾリル)、チアジアゾリル(例えば1,3,4-チアジアゾリル)、インドリジニル(例えば2-インドリジニル、6-インドリジニル)、イソインドリニル(例えば2-イソインドリニル)、インドリル(例えば1-インドリル、2-インドリル、3-インドリル)、インダゾリル(例えば3-インダゾリル)、プリニル(例えば8-プリニル)、キノリジニル(例えば、2-キノリジニル)、イソキノリル(例えば3-イソキノリル)、キノリル(例えば2-キノリル、5-キノリル)、フタラジニル(例えば1-フタラジニル)、ナフチリジニル(例えば2-ナフチリジニル)、キノラニル(例えば2-キノラニル)、キナゾリニル(例えば2-キナゾリニル)、シンノリニル(例えば3-シンノリニル)、プテリジニル(例えば2-プテリジニル)、カルバゾリル(例えば2-カルバゾリル、4-カルバゾリル)、フェナントリジニル(例えば2-フェナントリジニル、3-フェナントリジニル)、アクリジニル(例えば1-アクリジニル、2-アクリジニル)、ジベンゾフラニル(例えば1-ジベンゾフラニル、2-ジベンゾフラニル)、ベンゾイミダゾリル(例えば2-ベンゾイミダゾリル)、ベンゾイソキサゾリル(例えば3-ベンゾイソキサゾリル)、ベンゾオキサゾリル(例えば2-ベンゾオキサゾリル)、ベンゾオキサジアゾリル(例えば4-ベンゾオキサジアゾリル)、ベンゾイソチアゾリル(例えば3-ベンゾイソチアゾリル)、ベンゾチアゾリル(例えば2-ベンゾチアゾリル)、ベンゾフリル(例えば3-ベンゾフリル)、ベンゾチエニル(例えば2-ベンゾチエニル)、ジベンゾチエニル(例えば2-ジベンゾチエニル)、及びベンゾジオキソリル(例えば1,3-ベンゾジオキソリル)などが挙げられる。
【0070】
「アリールオキシ」という用語は、酸素原子が本明細書に記載の1つの「アリール」で置換されている基を含む。例としては、フェニルオキシ及びナフチルオキシなどが挙げられる。
【0071】
「アリールチオ」という用語は、硫黄原子が本明細書に記載される1つの「アリール」で置換されている基を含む。例としては、フェニルチオ及びナフチルチオなどが挙げられる。
【0072】
「アリールスルフィニル」という用語は、スルフィニルが本明細書に記載される1つの「アリール」で置換されている基を含む。例としては、フェニルスルフィニル及びナフチルスルフィニルなどが挙げられる。
【0073】
「アリールスルホニル」という用語は、スルホニルが本明細書に記載される1つの「アリール」で置換されている基を含む。例としては、フェニルスルホニル及びナフチルスルホイニルなどが挙げられる。
【0074】
「アリールスルホニルオキシ」の例としては、フェニルスルホニルオキシ及びナフチルスルホニルオキシなどが挙げられる。
【0075】
「アリールオキシカルボニル」という用語は、カルボニルが本明細書に記載の1つの「アリールオキシ」で置換されている基を含む。例としては、フェニルオキシカルボニル、1-ナフチルオキシカルボニル、2-ナフチルオキシカルボニルなどが挙げられる。
【0076】
「ヘテロアリールオキシ」という用語は、酸素原子が本明細書に記載の1つの「ヘテロアリール」で置換されている基を含む。例としては、ピロリルオキシ、フリルオキシ、チエニルオキシ、イミダゾリルオキシ、ピラゾリルオキシ、イソチアゾリルオキシ、イソキサゾリルオキシ、オキサゾリルオキシ、チアゾリルオキシ、ピリジルオキシ、ピラジニルオキシ、ピリミジニルオキシ、ピリダジニルオキシ、テトラゾリルオキシ、オキサジアゾリルオキシ、チアジアゾリルオキシ、インドリジニルオキシ、イソインドリニルオキシ、インドリルオキシ、インダゾリルオキシ、プリニルオキシ、キノリジニルオキシ、イソキノリルオキシ、キノリルオキシ、フタラジニルオキシ、ナフチリジニルオキシ、キノラニルオキシ、キナゾリニルオキシ、シンノリニルオキシ、プテリジニルオキシ、カルバゾリルオキシ、フェナントリジニルオキシ、アクリジニルオキシ、ジベンゾフラニルオキシ、ベンゾイミダゾリルオキシ、ベンゾイソキサゾリルオキシ、ベンゾオキサゾリルオキシ、ベンゾオキサジアゾリルオキシ、ベンゾイソチアゾリルオキシ、ベンゾチアゾリルオキシ、ベンゾフリルオキシ、ベンゾチエニルオキシ、ジベンゾチエニルオキシ、及びベンゾジオキソリルオキシが挙げられる。好ましくは、フリルオキシ、チエニルオキシ、イミダゾリルオキシ、ピラゾリルオキシ、イソチアゾリルオキシ、イソキサゾリルオキシ、オキサゾリルオキシ、チアゾリルオキシ、ピリジルオキシ、ピラジニルオキシ、ピリミジニルオキシ、及びピリダジニルオキシなどである。
【0077】
「ヘテロアリールチオ」という用語は、硫黄原子が本明細書に記載の1つの「ヘテロアリール」で置換されている基を含む。例としては、ピロリルチオ、フリルチオ、チエニルチオ、イミダゾリルチオ、ピラゾリルチオ、イソチアゾリルチオ、イソキサゾリルチオ、オキサゾリルチオ、チアゾリルチオ、ピリジルチオ、ピラジニルチオ、ピリミジニルチオ、ピリダジニルチオ、テトラゾリルチオ、オキサジアゾリルチオ、チアジアゾリルチオ、インドリジニルチオ、イソインドリニルチオ、インドリルチオ、インダゾリルチオ、プリニルチオ、キノリジニルチオ、イソキノリルチオ、キノリルチオ、フタラジニルチオ、ナフチリジニルチオ、キノラニルチオ、キナゾリニルチオ、シンノリニルチオ、プテリジニルチオ、カルバゾリルチオ、フェナントリジニルチオ、アクリジニルチオ、ジベンゾフラニルチオ、ベンゾイミダゾリルチオ、ベンゾイソキサゾリルチオ、ベンゾオキサゾリルチオ、ベンゾオキサジアゾリルチオ、ベンゾイソチアゾリルチオ、ベンゾチアゾリルチオ、ベンゾフリルチオ、ベンゾチエニルチオ、ジベンゾチエニルチオ、及びベンゾジオキソリルチオなどが挙げられる。好ましくは、フリルチオ、チエニルチオ、イミダゾリルチオ、ピラゾリルチオ、イソチアゾリルチオ、イソキサゾリルチオ、オキサゾリルチオ、チアゾリルチオ、ピリジルチオ、ピラジニルチオ、ピリミジニルチオ、及びピリダジニルチオなどである。
【0078】
「ヘテロアリールスルフィニル」という用語は、スルフィニルが本明細書に記載される1つの「ヘテロアリール」で置換されている基を含む。例としては、ピロリルスルフィニル、フリルスルフィニル、チエニルスルフィニル、イミダゾリルスルフィニル、ピラゾリルスルフィニル、イソチアゾリルスルフィニル、イソキサゾリルスルフィニル、オキサゾリルスルフィニル、チアゾリルスルフィニル、ピリジルスルフィニル、ピラジニルスルフィニル、ピリミジニルスルフィニル、ピリダジニルスルフィニル、テトラゾリルスルフィニル、オキサジアゾリルスルフィニル、チアジアゾリルスルフィニル、インドリジニルスルフィニル、イソインドリルスルフィニル、インドリルスルフィニル、インダゾリルスルフィニル、プリニルスルフィニル、キノリジニルスルフィニル、イソキノリルスルフィニル、キノリルスルフィニル、フタラジニルスルフィニル、ナフチリジニルスルフィニル、キノラニルスルフィニル、キナゾリニルスルフィニル、シンノリニルスルフィニル、プテリジニルスルフィニル、カルバゾリルスルフィニル、フェナントリジニルスルフィニル、アクリジニルスルフィニル、ジベンゾフラニルスルフィニル、ベンゾイミダゾリルスルフィニル、ベンゾイソキサゾリルスルフィニル、ベンゾオキサゾリルスルフィニル、ベンゾオキサジアゾリルスルフィニル、ベンゾイソチアゾリルスルフィニル、ベンゾチアゾリルスルフィニル、ベンゾフリルスルフィニル、ベンゾチエニルスルフィニル、ジベンゾチエニルスルフィニル、及びベンゾジオキソリルスルフィニルが挙げられる。フリルスルフィニル、チエニルスルフィニル、イミダゾリルスルフィニル、ピラゾリルスルフィニル、イソチアゾリルスルフィニル、イソキサゾリルスルフィニル、オキサゾリルスルフィニル、チアゾリルスルフィニル、ピリジルスルフィニル、ピラジニルスルフィニル、ピリミジニルスルフィニル、及びピリダジニルスルフィニルが好ましい。
【0079】
「ヘテロアリールスルホニル」という用語は、スルホニルが本明細書に記載される1つの「ヘテロアリール」で置換されている基を含む。例としては、ピロリルスルホニル、フリルスルホニル、チエニル、イミダゾリルスルホニル、ピラゾリルスルホニル、イソチアゾリルスルホニル、イソキサゾリルスルホニル、オキサゾリルスルホニル、チアゾリルスルホニル、ピリジル、ピラジニルスルホニル、ピリミジニルスルホニル、ピリダジニルスルホニル、テトラゾリルスルホニル、オキサジアゾリルスルホニル、チアジアゾリルスルホニル、インドリジニルスルホニル、イソインドリルスルホニル、インドリルスルホニル、インダゾリルスルホニル、プリニルスルホニル、キノリジニルスルホニル、イソキノリルスルホニル、キノリルスルホニル、フタラジニルスルホニル、ナフチリジニルスルホニル、キノラニルスルホニル、キナゾリニルスルホニル、シンノリニルスルホニル、プテリジニルスルホニル、カルバゾリルスルホニル、フェナントリジニルスルホニル、アクリジニルスルホニル、ジベンゾフラニルスルホニル、ベンゾイミダゾリルスルホニル、ベンゾイソキサゾリルスルホニル、ベンゾオキサゾリルスルホニル、ベンゾオキサジアゾリルスルホニル、ベンゾイソチアゾリルスルホニル、ベンゾチアゾリルスルホニル、ベンゾフリルスルホニル、ベンゾチエニルスルホニル、ジベンゾチエニルスルホニル、及びベンゾジオキソリルスルホニルなどが挙げられる。フリルスルホニル、チエニル、イミダゾリルスルホニル、ピラゾリルスルホニル、イソチアゾリルスルホニル、イソキサゾリルスルホニル、オキサゾリルスルホニル、チアゾリルスルホニル、ピリジルスルホニル、ピラジニルスルホニル、ピリミジニルスルホニル、及びピリダジニルスルホニルが好ましい。
【0080】
「ヘテロアリールスルホニルオキシ」という用語は、酸素原子が本明細書に記載の1つの「ヘテロアリールスルホニル」で置換されている基を含む。例としては、ピロリルスルホニルオキシ、フリルスルホニルオキシ、チエニルスルホニルオキシ、イミダゾリルスルホニルオキシ、ピラゾリルスルホニルオキシ、イソチアゾリルスルホニルオキシ、イソキサゾリルスルホニルオキシ、オキサゾリルスルホニルオキシ、チアゾリルスルホニルオキシ、ピリジルスルホニルオキシ、ピラジニルスルホニルオキシ、ピリミジニルスルホニルオキシ、ピリダジニルスルホニルオキシ、テトラゾリルスルホニルオキシ、オキサジアゾリルスルホニルオキシ、チアジアゾリルスルホニルオキシ、インドリジニルスルホニルオキシ、イソインドリルスルホニルオキシ、インドリルスルホニルオキシ、インダゾリルスルホニルオキシ、プリニルスルホニルオキシ、キノリジニルスルホニルオキシ、イソキノリルスルホニルオキシ、キノリルスルホニルオキシ、フタラジニルスルホニルオキシ、ナフチリジニルスルホニルオキシ、キノラニルスルホニルオキシ、キナゾリニルスルホニルオキシ、シンノリニルスルホニルオキシ、プテリジニルスルホニルオキシ、カルバゾリルスルホニルオキシ、フェナントリジニルスルホニルオキシ、アクリジニルスルホニルオキシ、ジベンゾフラニルスルホニルオキシ、ベンゾイミダゾリルスルホニルオキシ、ベンゾイソキサゾリルスルホニルオキシ、ベンゾオキサゾリルスルホニルオキシ、ベンゾオキサジアゾリルスルホニルオキシ、ベンゾイソチアゾリルスルホニルオキシ、ベンゾチアゾリルスルホニルオキシ、ベンゾフリルスルホニルオキシ、ベンゾチエニルスルホニルオキシ、ジベンゾチエニルスルホニルオキシ、及びベンゾジオキソリルスルホニルオキシなどが挙げられる。フリルスルホニルオキシ、チエニルスルホニルオキシ、イミダゾリルスルホニルオキシ、ピラゾリルスルホニルオキシ、イソチアゾリルスルホニルオキシ、イソキサゾリルスルホニルオキシ、オキサゾリルスルホニルオキシ、チアゾリルスルホニルオキシ、ピリジルスルホニルオキシ、ピラジニルスルホニルオキシ、ピリミジニルスルホニルオキシ、及びピリダジニルスルホニルオキシが好ましい。
【0081】
「芳香族炭素環」という用語は、芳香族単環式の、又は芳香族縮合環式の炭素環を含む。例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環などが挙げられる。ベンゼン環が好ましい。
【0082】
「芳香族複素環」という用語は、芳香族単環式の、又は芳香族縮合環式の複素環を含む。例としては、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、イソキサゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、テトラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、インドリジン環、イソインドール環、インドール環、インダゾール環、プリン環、キノリジン環、イソキノリン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノラン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、ジベンゾフラン環、ベンズイミダゾール環、ベンズイソキサゾール環、ベンゾキサゾール環、ベンゾキサジアゾール環、ベンズイソチアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、及びベンゾジオキソラン環が挙げられる。好ましくは、ピリジン環、フラン環、及びチオフェン環が例示される。
【0083】
「C1~C6アルキレン」という用語は、1~6個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を含む。例としては、-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH32-、-CH2CH2-、-CH(CH3)CH2-、-C(CH32CH2-、-CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2CH2-、及び-CH2CH2CH2CH2CH2CH2-が挙げられる。-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、及び-CH2CH2CH2CH2-が好ましい。
【0084】
「任意に1つ又は2つのヘテロ原子を含有する、任意に置換されたアルキレン」の「任意に1つ又は2つのヘテロ原子を含有するアルキレン」という用語には、本明細書に記載される「アルキル」で置換され得る1つ又は2つのヘテロ原子を任意に含有する、1~6個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基が含まれる。例としては、-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH32-、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2-、-CH2O-、-OCH2-、-CH2CH2O-、-OCH2CH2-、-CH2S-、-SCH2-、-CH2CH2S-、-SCH2CH2-、-CH2CH2OCH2CH2-、-OCH2CH2O-、-OCH2O-、-NHCH2-、-N(CH3)CH2-、-N+(CH32CH2-、-NHCH2CH2CH2-、及び-N(CH3)CH2CH2CH2-などが挙げられる。-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2-、-OCH2CH2O-、-OCH2O-、及び-N(CH3)CH2CH2CH2-が好ましい。
【0085】
「任意に1つ又は2つのヘテロ原子を含有する、任意に置換されたアルケニレン」の「任意に1つ又は2つのヘテロ原子を含有するアルケニレン」という用語には、本明細書に記載される「アルキル」で置換され得る1つ又は2つのヘテロ原子を任意に含有する、2~6個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状アルケニレン基が含まれる。例としては、-CH=CHCH=CH-、-CH=CHO-、-OCH=CH-、-CH=CHS-、-SCH=CH-、-CH=CHNH-、-NHCH=CH-、-CH=CH-CH=N-、及び-N=CH-CH=CH-が挙げられる。-CH=CHCH=CH-、-CH=CHCH=N-、及び-N=CHCH=CH-が好ましい。
【0086】
「任意に1つ又は2つのヘテロ原子を含有するアルキニレン」という用語には、本明細書に記載される「アルキル」で置換され得る1つ又は2つのヘテロ原子を任意に含有する、2~6個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状アルキニレン基が含まれる。例としては、-C≡CCH2-、-CH2C≡CCH2-、-CH2C≡CCH2O-、-OCH2C≡CH-、-CH2C≡CCH2S-、-SCH2C≡CH-、-CH2C≡CCH2NH-、-NHCH2C≡CH-、-CH2C≡CCH2N(CH3)-、及び-N(CH3)CH2C≡CH-が挙げられる。特に、-CH2C≡CCH2-及び-OCH2C≡CH-が好ましい。
【0087】
「3~8員の窒素含有非芳香族複素環」という用語は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,143,285号に記載される化学式のいずれかの環を含む。
【0088】
「3~8個の窒素含有芳香族複素環」という用語は、1つ以上の窒素原子、更に任意に酸素原子及び/又は硫黄原子を含む、3~8員の芳香族複素環を含む。例としては、ピロリル(例えば1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル)、イミダゾリル(例えば2-イミダゾリル、4-イミダゾリル)、ピラゾリル(例えば1-ピラゾリル、3-ピラゾリル)、イソチアゾリル(例えば3-イソチアゾリル)、イソキサゾリル(例えば3-イソキサゾリル)、オキサゾリル(例えば2-オキサゾリル)、チアゾリル(例えば2-チアゾリル)、ピリジル(例えば2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル)、ピラジニル(例えば2-ピラジニル)、ピリミジニル(例えば2-ピリミジニル、4-ピリミジニル)、ピリダジニル(例えば3-ピリダジニル)、テトラゾリル(例えば1H-テトラゾリル)、オキサジアゾリル(例えば1,3,4-オキサジアゾリル)、及びチアジアゾリル(例えば1,3,4-チアジアゾリル)が挙げられる。
【0089】
「1つ又は2つの窒素原子を含む4~8員の窒素含有複素環」という用語は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,143,285号に記載される式のいずれかの環を意味する。
【0090】
「オキソ」という用語は、=O基を指す。
【0091】
「任意に置換された」は、本明細書では「置換又は非置換」と互換的に使用される。
【0092】
本明細書において、「任意に置換されたアルキル」、「任意に置換されたアルキルオキシ」、「任意に置換されたアルキルチオ」、「任意に置換されたアルキルスルフィニル」、「任意に置換されたアルキルスルホニル」、「任意に置換されたアルキルスルホニルオキシ」、及び「the」における置換基の例としては、シクロアルキル、1つ又は2つのヘテロ原子を任意に含有するアルキレン、ヒドロキシル、オキソ、1~3つの位置において置換基Aで任意に置換されたアルキルオキシ、チオール、アルキルチオ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシル、スルフィノ(-SO2H)、アルキルオキシカルボニル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたカルバモイル、アシル、1~3つの位置において置換基Bで任意に置換されたアリール(例えば、フェニル)、1~3つの位置において置換基Cで任意に置換されたヘテロアリール(例えば、ピリジル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル)、1~3つの位置において置換基Cで置換され得る任意に置換された非芳香族複素環基(例えば、モルホリニル、ピロリジニル、ピペラジニル)、1~3つの位置において置換基Bで任意に置換されたアリールオキシ(例えば、フェニルオキシ)、アルキルスルホニルなどが挙げられる。上記の「任意に置換された」部分は、任意の可能な位置で、1~3つの上記の置換基で置換することができる。
【0093】
本明細書において、「任意に置換されたアルケニル」、「任意に置換されたアルキニル」、「任意に置換されたアルケニルオキシ」、「任意に置換されたアルキニルオキシ」、「任意に置換されたアルケニルチオ」、「任意に置換されたアルキニルチオ」、「任意に置換されたアルケニルオキシカルボニル」、「任意に置換されたアルキニルオキシカルボニル」、「任意に置換されたシクロアルキル」、「任意に置換されたシクロアルケニル」、「任意に置換されたシクロアルキルオキシ」、「任意に置換されたシクロアルケニルオキシ」、「任意に置換されたシクロアルキルチオ」、「任意に置換されたシクロアルケニルチオ」、「任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル」、「任意に置換されたシクロアルケニルスルフィニル」、「任意に置換されたシクロアルキルスルホニル」、「任意に置換されたシクロアルケニルスルホニル」、「任意に置換されたシクロアルキルスルホニルオキシ」、「任意に置換されたシクロアルケニルスルホニルオキシ」、「任意に置換されたアルケニルオキシカルボニル」、「任意に置換されたアルキレン」、「任意に置換されたC1~C6アルキレン」、「1つ又は2つのヘテロ原子を任意に含有する任意に置換されたアルキレン」、「任意に置換されたアルケニレン」、「1つ又は2つのヘテロ原子を任意に含有する任意に置換されたアルケニレン」、「任意に置換されたアルキニレン」、及び「1つ又は2つのヘテロ原子を任意に含有する任意に置換されたアルキニレン」における置換基の例としては、1~3つの位置において置換基Dで任意に置換されたアルキル(ジアルキルなど)、シクロアルキル、ヒドロキシル、オキソ、1~3つの位置において置換基Aで任意に置換されたアルキルオキシ、チオール、アルキルチオ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシル、スルフィノ、アルキルオキシカルボニル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたカルバモイル、アシル、アシルオキシ、1~3つの位置において置換基Bで任意に置換されたアリール(例えば、フェニル)、1~3つの位置において置換基Cで任意に置換されたヘテロアリール(例えば、ピリジル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル)、1~3つの位置において置換基Cで任意に置換された非芳香族複素環基(例えば、モルホリニル、ピロリジニル、ピペラジニル)、1~3つの位置において置換基Cで任意に置換されたアリールオキシ(例えば、フェニルオキシ)、アルキルスルホニルなどが挙げられる。上記の「任意に置換された」部分は、任意の可能な位置で、1つ以上の上記の置換基で置換することができる。
【0094】
本明細書において、「任意に置換されたアリール」、「任意に置換されたフェノキシ」、「任意に置換されたアリールオキシ」、「任意に置換されたフェニルチオ」、「任意に置換されたアリールチオ」、「任意に置換されたアリールスルフィニル」、「任意に置換されたアリールスルホニル」、「任意に置換されたアリールスルホニルオキシ」、「任意に置換されたヘテロアリール」、「任意に置換されたヘテロアリールオキシ」、「任意に置換されたヘテロアリールチオ」、「任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル」、「任意に置換されたヘテロアリールスルホニル」、「任意に置換されたヘテロアリールスルホニルオキシ」、「任意に置換された非芳香族複素基」、「任意に置換されたC6アレン-1,4-ジアミン-N1,N4-ジイル」、及び「置換されたC6アレン-1,4-ジアミン-N1,N4-ジイル」における置換基の例としては、1~3つの位置において置換基Dで任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、1~3つの位置において置換基Aで任意に置換されたアルキルオキシ、1~3つの位置において置換基Bで任意に置換されたアリールオキシ(例えば、フェノキシ)、チオール、アルキルチオ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシル、スルフィノ、アルキルオキシカルボニル、アシル、アルキルスルホニル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたカルバモイル、1~3つの位置において置換基Bで任意に置換されたアリール(例えば、フェニル)、1~3つの位置において置換基Cで任意に置換されたヘテロアリール(例えば、ピリジル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル)、1~3つの位置において置換基Cで任意に置換された非芳香族複素環基(例えば、モルホリニル、ピロリジニル、ピペラジニル)などが挙げられる。上記の「任意に置換された」部分は、任意の可能な位置で、1つ以上の上記の置換基で置換することができる。
【0095】
置換基Aは、ハロゲン、及び置換基Bから選択される1~3つの置換基で任意に置換されたフェニルで構成される。
【0096】
置換基Bは、ハロゲン、アルキル、アルキルオキシ、シアノ、及びニトロで構成される。
【0097】
置換基Cは、ハロゲン及びアルキルで構成される。
【0098】
置換基Dは、ハロゲン及びアルキルオキシで構成される。
【0099】
隣接する原子間の「---」は、所与の指定された構造的文脈における隣接する原子の価数に応じて存在するか又は存在しない結合を示す。結合は、所与の指定された構造的文脈に応じて、隣接する原子間の局所化電子又は非局所化電子を含み得る。
【0100】
「任意に存在しない」は、本明細書では「存在するか又は存在しない」と互換的に使用される。
【0101】
環Aは、3つ以下の構成環ヘテロ原子を含むことが好ましい。いくつかの変形例では、環Aは、2つ以下の構成環ヘテロ原子を含む。いくつかの変形例では、環Aは、1つ以下の構成環ヘテロ原子を含む。
【0102】
環Dは、3つ以下の構成環ヘテロ原子を含むことが好ましい。いくつかの変形例では、環Dは、2つ以下の構成環ヘテロ原子を含む。いくつかの変形例では、環Dは、1つ以下の構成環ヘテロ原子を含む。
【0103】
環Eは、3つ以下の構成環ヘテロ原子を含むことが好ましい。いくつかの変形例では、環Eは、2つ以下の構成環ヘテロ原子を含む。いくつかの変形例では、環Eは、1つ以下の構成環ヘテロ原子を含む。
【0104】
いくつかの変形例では、環A、D、及びEの構成環原子の置換基の任意の対における少なくとも1つの置換基は、別途明示的に指定されない限り、非環状部分である。いくつかの変形例では、環A、D、及びEの構成環原子の置換基の任意の対における少なくとも1つの置換基は、別途明示的に指定されない限り、独立して、水素、ハロゲン、又は任意に置換されたC1~C6アルキルである。いくつかの変形例では、環A、D、及びEの構成環原子の置換基の任意の対における少なくとも1つの置換基は、別途明示的に指定されない限り、独立して、水素又はハロゲンである。いくつかの変形例では、環A、D、及びEの構成環原子の置換基の任意の対における少なくとも1つの置換基は、別途明示的に指定されない限り、水素である。この文脈における「ビシナル」とは、隣接する構成環原子に結合した任意の2つの置換基を指す。
【0105】
本発明の方法の経過では、治療有効量の本発明の化合物は、多くの方法で、哺乳動物及びヒトを含む、動物に投与することができる。好ましい実施形態では、本発明の化合物は経口的、非経口的又は局所的に投与されるが、医療用化合物又はエアロゾルなどによる他の投与形態も企図される。
【0106】
経口投与の場合、化合物の有効量を、例えば、固体、半固体、液体、又は気体の状態で投与してもよい。特定の例としては、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、溶液、懸濁液、シロップ、及びエリキシル剤が挙げられる。しかしながら、化合物はこれらの形態に限定されない。
【0107】
本発明の化合物を錠剤、カプセル、粉末、顆粒、溶液、又は懸濁液に製剤化するために、化合物は、好ましくは、結合剤、崩壊剤及び/又は潤滑剤と混合される。必要に応じて、得られた組成物を、既知の方法を使用して、希釈剤、緩衝剤、浸潤剤、保存剤及び/又は香料と混合してもよい。結合剤の例としては、結晶セルロース、セルロース誘導体、コーンスターチ、シクロデキストリン、及びゼラチンが挙げられる。崩壊剤の例としては、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。滑沢剤の例としては、タルク、ステアリン酸マグネシウムが挙げられる。更に、乳糖、マンニトールなどの従来から使用されている添加剤も使用してもよい。
【0108】
非経口投与の場合、本発明の化合物を注射により直腸投与してもよい。直腸投与には、坐剤を使用してもよい。坐剤は、本発明の化合物を、体温で融解するが、室温で固体のままである薬学的に好適な賦形剤と混合することによって調製してもよい。例としては、カカオバター、カーボンワックス、及びポリエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。得られた組成物は、当該分野で公知の方法を使用して、任意の所望の形態に成形されてもよい。
【0109】
注射による投与の場合、本発明の化合物を、皮下、皮内、静脈内、又は筋肉内に注射してもよい。そのような注射用の医薬品を、例えば植物油、合成樹脂酸のグリセリド、高級脂肪酸のエステル、又は既知の方法によるプロピレングリコールなどの水性又は非水性溶媒に本発明の化合物を、溶解、懸濁又は乳化することにより調製してもよい。また、必要に応じて、従来から使用されている可溶化剤、浸透圧調整剤、乳化剤、安定剤、防腐剤などの添加剤をまた、添加してもよい。必須ではないが、組成物は無菌又は滅菌されていることが好ましい。
【0110】
本発明の化合物を懸濁液、シロップ、又はエリキシルに製剤化するために、薬学的に好適な溶媒を使用してもよい。これらの中に含まれているのは水の非限定的な例である。
【0111】
局所投与の場合、局所製剤は、ゲル、クリーム、ローション、液体、エマルジョン、軟膏、スプレー、溶液、懸濁液、及びパッチの形態とすることができる。例えば局所製剤中の不活性成分としては、例えばラウリルラクテート(皮膚軟化剤/浸透促進剤)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(皮膚軟化剤/浸透促進剤)、DMSO(溶解性増強剤)、シリコーンエラストマー(レオロジー/テクスチャー修飾剤)、カプリリック/カプリックトリグリセリド、(エモリエント)、オクチサレート、(エモリエント/UVフィルター)、シリコーン液(エモリエント/希釈剤)、スクアレン(エモリエント)、ヒマワリオイル(エモリエント)、及び二酸化ケイ素(増粘剤)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
本発明の化合物はまた、医薬品を調製するために、他の薬学的に好適な活性を有する追加の化合物と一緒に使用されてもよい。本発明の化合物を独立型化合物として又は組成物の一部として含む薬物を、それを必要とする対象の治療に使用してもよい。
【0113】
本発明の化合物を、化合物を液体又は微粉末の形態で、気体又は液体の噴霧剤及び、必要に応じて、膨張剤などの既知の補助剤と一緒に、エアロゾル容器又はネブライザーなどの非加圧容器に装填することにより調製されるエアロゾル又は吸入剤の形態で投与してもよい。例えば、ジクロロフルオロメタン、プロパン又は窒素の加圧ガスを、噴霧剤として使用してもよい。
【0114】
本発明の化合物は、錠剤、カプセル、溶液、又はエマルジョンなどの、医薬組成物として投与され得る。本発明に記載される化合物の、そのエステル、その薬学的に好適な塩、その代謝産物、その構造的に関連する化合物、その類似体、及びそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない他の形態の、単回用量又は複数回用量での投与もまた、本発明によって企図される。
【0115】
本発明の化合物はまた、食品又はニュートラシューティカルサプリメントのいずれかとして、栄養添加物として投与され得る。
【0116】
本明細書で使用される「予防する」、「治療する」、又は「改善する」という用語及び同様の用語には、予防及び完全な又は部分的な治療が含まれる。この用語には、症状の軽減、症状の改善、症状の重症度の軽減、疾患の発生率の低下、又は治療結果を改善する患者の状態のいずれかの他の変化も含まれる。
【0117】
本発明に記載される化合物は、好ましくは、組成物の形態で使用及び/又は投与される。好適な組成物は、好ましくは、医薬組成物、食材、又は栄養補助食品である。これらの組成物は、化合物を送達するための便利な形態を提供する。本発明の組成物は、酸化又は溶解度に関する化合物の安定性を増加させるのに有効な量の抗酸化剤を含んでもよい。
【0118】
本発明の方法で投与される、又は本発明の使用において投与するための化合物の量は、任意の好適な量である。例としては、1日当たり、1ng/kg体重~20g/kg体重、例えば、1μg/kg体重~1g/kg体重、又は1mg/kg体重~100mg/kg体重の化合物が挙げられる。好適な組成物は、適宜、製剤化され得る。生物学的に活性な薬剤の投与の分野の当業者は、既知の十分に理解されているパラメータに基づいて、様々な対象のために特定の投与レジメンを開発することができるであろう。
【0119】
本発明による好ましい組成物は、錠剤、丸剤、カプセル、カプレット、多粒子(顆粒、ビーズ、ペレット及びマイクロカプセル化粒子を含む)、粉末、エリキシル、シロップ、懸濁液、及び溶液の形態などの医薬組成物である。医薬組成物は、典型的には、薬学的に許容される希釈剤又は担体を含むであろう。医薬組成物は、好ましくは、非経口的又は経口的投与に適合される。経口投与可能な組成物は、固体又は液体の形態であってもよく、とりわけ、錠剤、粉末、懸濁液、及びシロップの形態をとってもよい。任意に、組成物は、1つ以上の香味剤及び/又は着色剤を含む。一般に、治療及び栄養組成物は、対象に対する化合物の作用を著しく妨害しない任意の物質を含んでもよい。
【0120】
そのような組成物における使用に好適な薬学的に許容される担体は、製薬業界でよく知られている。本発明の組成物は、0.01~99重量%の本発明の化合物を含んでもよい。本発明の組成物は、一般に、単位剤形で調製される。本発明の化合物の単位投与量の例としては、0.1mg~2000mg、例えば、50mg~1000mgが挙げられる。これらの組成物の調製に使用される賦形剤は、当技術分野で知られている賦形剤である。
【0121】
組成物の製品形態の更なる例は、ゼラチン、デンプン、加工デンプン、デンプン誘導体、例えばグルコース、スクロース、乳糖、果糖からなる群から選択された封入材料を含む軟らかいゲル又は硬いカプセルの形態などの栄養補助食品である。封入材料は、架橋剤又は重合剤、安定剤、抗酸化剤、感光性フィルを保護するための光吸収剤、防腐剤などを任意に含んでもよい。
【0122】
一般に、「担体」という用語は、薬学的担体、食品、栄養サプリメント、又はダイエット補助である場合、記載された化合物がともに混合され得る組成物を表す。上記の材料は、本発明の目的のための担体とみなされてもよい。本発明の特定の実施形態では、担体は、本発明の化合物に対して生物学的活性を殆ど又は全く有さない。
【0123】
用量:本発明の方法は、治療有効量の化合物を、それを必要とする動物に投与することを含むことができる。化合物の有効量は、投与される化合物の形態、投与期間、投与経路(例えば、経口又は非経口)、動物の年齢、並びに哺乳動物及びヒトを含む動物の状態に依存する。例示的な量は、1ng/kg/日~20g/kg/日、例えば、50μg/kg/日~5g/kg/日又は1~100mg/kg/日の範囲である。化合物の有効量は、約1~1000日以上、例えば、7~300日又は30~90日の範囲の期間にわたって投与されるとき、状態を治療又は予防するのに最も効果的である。慢性疾患において有益な応答を維持するために、これらの期間を超えて有効量の化合物を継続することができる。
【0124】
有効量の本発明の化合物が栄養用、治療用、医療用、又は獣医用組成物で投与されるとき、例示的な用量は、食品又はニュートラシューティカル製品に対して約0.001~10.0%重量/重量の範囲である。
【0125】
実施されるとき、本発明の方法は、上記のように、任意の許容される形態を使用して、任意の許容される投与経路を介して対象に化合物を投与し、対象の体が自然なプロセスを通して化合物を標的組織及び細胞に分配することを可能にすることにより得る。上記のように、投与は、同様に、標的細胞(すなわち、処理される細胞)を含む部位(例えば、臓器、組織)への直接注射によるものであり得る。
【0126】
投与される量は、対象、疾患又は障害の段階、対象の年齢、対象の一般的な健康状態、及び医学分野の当業者によって既知でありかつ日常的に考慮されている他の様々なパラメータに応じて変化するであろう。一般的な事項として、全身又は体内の任意の特定の組織若しくは部位における炎症の量に検出可能な変化をもたらすために、十分な量の化合物が投与されるであろう。炎症の低減は、対象によって経験される痛みの量、血中のインスリン、抗核抗原抗体、TNFα、若しくはC反応性タンパク質レベル、血中の調節性T細胞のパーセント、又は糞便中のカルプロテクチンの濃度に関し得る。
【0127】
本発明の方法は、免疫細胞の代謝に影響を与えることによって炎症を低減するための治療を提供することができる。この方法は、全身的に(すなわち、対象の体全体で)又は局所的に(例えば、細胞及びマクロファージを含むがこれらに限定されない、投与の部位又は炎症細胞の部位で)炎症を軽減し得る。免疫代謝による炎症の治療又は予防の際に、観察される可能性のある1つの影響は、グルコースの代謝における変化である。特に、この変化は、ピルビン酸による乳酸塩の産生から、免疫炎症作用に関連するトリカルボン酸回路への入口に向かう可能性がある。より具体的には、代謝におけるこのシフトは、IL17+Th17又はIFNγ+Th1エフェクター細胞などのエフェクターCD4+T細胞に対する、CD4+CD25+FOXP3+又は他の調節性CD4+T細胞の割合の増加と関連付けることができる。別の観察された効果は、嫌気性代謝の減少及び免疫チェックポイント経路の増加の組み合わせからもたらされる細胞増殖の減少であってもよい。治療的に誘発された代謝の変化の別の影響は、脂肪酸の処理及び貯蔵の変化からもたらされるMCP-1、IL-8、又はCXCL9などの炎症性ケモカインの発現の低下である可能性がある。したがって、方法はまた、治療が施される対象の免疫応答に影響を与え又は変化させ、それによって炎症、疾患及び病理を遮断する方法とみなし得る。
【0128】
本発明の方法は、炎症を低減する方法を提供することができる。この方法は、全身的に(すなわち、対象の体全体で)又は局所的に(例えば、細胞及びマクロファージを含むがこれらに限定されない、投与の部位又は炎症細胞の部位で)炎症を軽減し得る。本発明の方法による炎症の治療又は予防において、見られ得る1つの効果は、所与の組織に浸潤する血液単球又はマクロファージ及びリンパ球の数の減少である。もう1つは、CD4+CD25+FoxP3+調節性T細胞などの、調節性免疫細胞集団の増加、又はリンパ球若しくはマクロファージの調節特性の増加(例えば、インターロイキン4(IL-4)若しくはIL-10の増加又はTNF-α及びIL-6の減少)であり得る。もう1つは、炎症性遺伝子及び/又は接着分子の存在の減少であってもよい。したがって、方法はまた、治療が施される対象の免疫応答に影響を与える又はそれを変化させる方法とみなし得る。対象は、T細胞の免疫調節又は細胞接着分子の下方調節が望ましい結果である任意の状態を有し得る。
【0129】
本発明は、炎症性又は免疫媒介性疾患を治療する方法を提供する。炎症性又は免疫媒介性疾患は、とりわけ、Dattatreya et al.2011及びShurin et al.2007に記載される任意の疾患を含むことができる。
【0130】
本発明は、本明細書に記載される化合物を用いて、炎症性自己免疫疾患などの自己免疫疾患を治療する方法を提供する。自己免疫疾患の非限定的な例としては、とりわけ、炎症性腸疾患(IBD)(例えば、クローン病及び潰瘍性大腸炎)、過敏性腸症候群(IBS)、狼瘡、全身性エリテマトーデス、リウマチ性関節炎、シェーグレン症候群、全身性硬化症、1型糖尿病、乾癬、自己免疫性脳炎、多発性硬化症、サルコイドーシス、ギラン・バレー症候群、グレイブ病、抗リン脂質症候群、及びがん免疫療法誘発性自己免疫疾患が挙げられる。がん免疫療法によって誘発される自己免疫疾患の非限定的な例としては、がん免疫療法によって誘発されるリウマチ性疾患が挙げられる。多発性硬化症の非限定的な例としては、再発寛解型多発性硬化症、二次性進行型多発性硬化症、及び原発性進行型多発性硬化症が挙げられる。本発明はまた、自己免疫疾患に関連する炎症を治療する方法を提供する。
【0131】
本発明の化合物は、1型糖尿病又は他の自己免疫疾患から生じる合併症を治療又は改善するために使用することができる。自己免疫疾患からの合併症の非限定的な例としては、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、慢性疼痛、神経障害、深部静脈血栓症、又はアテローム性動脈硬化症が挙げられる。
【0132】
本発明は、本明細書に記載される化合物を用いて、慢性炎症性疾患を治療する方法を提供する。慢性炎症性疾患の非限定的な例としては、メタボリックシンドローム、肥満、前糖尿病、心血管疾患、2型糖尿病、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、肝硬変、喘息、アレルギー、慢性肉芽腫性疾患、移植片対宿主病、及び腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群、筋肉消耗、例えば、筋萎縮性側索硬化症、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、脊柱側弯症、及び進行性筋萎縮症などが挙げられる。
【0133】
本発明は、本明細書に記載される化合物を用いて、急性結腸憩室炎及び胃腸管の放射線誘発性炎症などの他の炎症性疾患を治療する方法を提供する。消化管の放射線誘発性炎症の非限定的な例としては、放射線直腸炎、放射線腸炎、及び放射線直腸S状結腸炎が挙げられる。
【0134】
本発明は、アレルギー性疾患を治療する方法を提供する。アレルギー性疾患の例としては、花粉症(季節性アレルギー)、副鼻腔炎、喘息、湿疹、蕁麻疹、アナフィラキシーが挙げられる。
【0135】
本発明は、慢性及び/又は炎症性中枢神経疾患を治療する方法を提供する。慢性及び/又は炎症性中枢神経疾患の非限定的な例としては、アルツハイマー病、パーキンソン病、脳卒中に起因する神経炎症、外傷性脳損傷、又は脊髄損傷が挙げられる。
【0136】
本発明は、慢性及び/又は炎症性呼吸器疾患を治療する方法を提供する。慢性及び/又は炎症性呼吸器疾患の非限定的な例としては、慢性閉塞性肺疾患及び特発性肺線維症が挙げられる。
【0137】
本発明は、胃腸管の関連構成要素が、胃、小腸、大腸、及び直腸を含むことができる、胃腸管における炎症を阻害する方法を提供する。
【0138】
本発明は、本明細書に記載される化合物を用いて感染性疾患を治療する方法を提供する。そのような感染性疾患の非限定的な例としては、ウイルス感染症、細菌感染症、及び真菌感染症が挙げられる。
【0139】
ウイルス感染症の非限定的な例としては、とりわけ、アデノウイルス科におけるウイルス、例えば、アデノウイルス;ヘルペスウイルス科におけるウイルス、例えば、単純ヘルペス、1型、単純ヘルペス、2型、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタインバーウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヒトヘルペスウイルス、及び8型;パピローマウイルス科におけるウイルス、例えば、ヒトパピローマウイルス;ポリオマウイルス科におけるウイルス、例えば、BKウイルス及びJCウイルス;ポックスウイルス科におけるウイルス、例えば、天然痘;ヘパドナウイルス科におけるウイルス、例えば、B型肝炎ウイルス;パルボウイルス科におけるウイルス、例えば、ヒトボカウイルス及びパルボウイルスB19;アストロウイルス科におけるウイルス、例えば、ヒトアストロウイルス;カリシウイルス科におけるウイルス、例えば、ノルウォークウイルス;ピコルナウイルス科におけるウイルス、例えば、コクサッキーウイルス、A型肝炎ウイルス、ポリオウイルス、及びライノウイルス;コロナウイルス科におけるウイルス、例えば、急性呼吸器症候群ウイルス;フラビウイルス科におけるウイルス、例えば、C型肝炎ウイルス、黄熱ウイルス、デングウイルス、及び西ナイルス;トガウイルス科におけるウイルス、例えば、風疹ウイルス;ヘペウイルス科におけるウイルス、例えば、E型肝炎ウイルス;レトロウイルス科におけるウイルス、例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV);オルトミクソウイルス科におけるウイルス、例えば、インフルエンザウイルス;アレナウイルス科におけるウイルス、例えば、グアナリトウイルス、ジュニンウイルス、ラッサウイルス、マチュポウイルス、及びサビアウイルス;ブニャウイルス科におけるウイルス、例えば、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス;フィロウイルス科におけるウイルス、例えば、エボラウイルス及びマールブルグウイルス;コロナウイルス(COVID-19);パラミクソウイルス科におけるウイルス、例えば、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、パラインフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヘンドラウイルス、及びニパウイルス;ラブドウイルス科におけるウイルス、例えば、狂犬病ウイルス;未割当ウイルス、例えば、D型肝炎ウイルス;並びにレオウイルス科におけるウイルス、例えば、ロタウイルス、オルビウイルス、コルチウイルス、及びバンナウイルスからの感染症が挙げられる。
【0140】
細菌感染症の非限定的な例としては、炭疽菌、セレウス菌、百日咳菌、ボレリアブルグドルフェリ、ブルセラアボルトス、ブルセラカニス、ブルセラメリテンシス、ブルセラスイスカンピロバクタージェジュニクラミジアニューモニア、クラミジアトラコマチス、クラミジアシッタシ、ボツリヌス菌、クロストリジウムディフィシル、ウエルシュ菌、破傷風菌、ジフテリア菌、エンテロコッカスフェカーリス、エンテロコッカスフェシウム、大腸菌、野兎病菌、インフルエンザ菌、ヘリコバクターピロリ菌、レジオネラニューモフィラ、レプトスピラインタロガンス、リステリアモノサイトゲネス、らい菌、結核菌、マイコバクテリウムウルセランス、マイコプラズマニューモニエ、淋菌、髄膜炎菌、緑膿菌、リケッチアリケッチイ、チフス菌、ネズミチフス菌、ソンネ菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、腐性ブドウ球菌、ストレプトコッカス・アガラクチア、肺炎球菌、化膿性連鎖球菌、梅毒トレポネーマ、コレラ菌、ペスト菌、エンテロコリチカ菌、仮性結核菌、及び上記の生物の属からの他の種に加えて、上記の細菌による感染症が挙げられる。
【0141】
真菌感染症の非限定的な例としては、アスペルギルス症を引き起こす、Aspergillus fumigatusなどのAspergillus属の真菌、ブラストミセス症を引き起こすBlastomyces dermatitidisなどのBlastomyces属の真菌、カンジダ症を引き起こすCandida albicansなどのCandida属の真菌、コクシジオイデス症(渓谷熱)を引き起こすCoccidioides属の真菌、クリプトコッカス症を引き起こすCryptococcus neoformans及びCryptococcus gattiiなどのCryptococcus属の真菌、白癬を引き起こす皮膚糸状菌の真菌、Fusarium種、Aspergillus種、Candida種などの真菌性角膜炎を引き起こす真菌、ヒストプラズマ症を引き起こすHistoplasma capsulatumなどのHistoplasma属の真菌、ムコール菌症を引き起こすMucoralesの真菌、Saccharomyces cerevisiaeなどのSaccharomyces属の真菌、ニューモシスチス肺炎を引き起こすPneumocystis jiroveciiなどのPneumocystis属の真菌、スポロトリクム症を引き起こすSporothrix schenckiiなどのSporothrix属の真菌による感染症が挙げられる。
【0142】
本発明はまた、本明細書に記載される化合物を用いて、過剰増殖性障害を治療する方法を提供する。過剰増殖性障害には、がんなどの制御されない細胞の増殖を伴う状態、又は腫瘍、腺腫、若しくはポリープの増殖を伴う状態が含まれる。過剰増殖性障害の非限定的な例としては、大腸がん、家族性大腸腺腫症(PAP)、喉がん、甲状腺がん、胃がん、消化管がん、膵臓がん、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病、肝細胞がん、消化管間質腫瘍、急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄増殖性疾患、好酸球増加症候群、肥満細胞症などが挙げられる。
【0143】
本明細書で提供される任意の部分又は化合物の記載又は定義は、文脈が別途明確に指示しない限り、部分又は化合物の任意の互変異性体を包含する。
【0144】
本明細書で提供される任意の部分又は化合物の記載又は定義は、文脈が別途明確に指示しない限り、部分又は化合物の任意の塩を包含する。
【0145】
本明細書に記載される要素、実施形態、変形例、及び方法ステップは、明示的に記載されているか否かにかかわらず、任意の互換性のある組み合わせで使用することができる。
【0146】
本明細書で使用される方法のステップの全ての組み合わせは、言及された組み合わせが行われる文脈によって別段に指定されていないか、又はそうではないことが明確に暗示されていない限り、任意の順序で実行することができる。
【0147】
本明細書で使用されているように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容が明確に他のことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【0148】
本明細書で使用される数値範囲は、具体的に開示されているか否かにかかわらず、その範囲内に含まれる全ての数及び数のサブセットを含むことが意図されている。更に、これらの数値範囲は、その範囲内の任意の数又は数のサブセットに向けられた請求項のサポートを提供するものとして解釈されるべきである。例えば、1から10までの開示は、2から8まで、3から7まで、5から6まで、1から9まで、3.6から4.6まで、3.5から9.9までなどの範囲をサポートすると解釈されるべきである。
【0149】
本明細書に引用されている全ての特許、特許公開、及び査読済みの出版物(すなわち、「参考文献」)は、あたかも各個別の参考文献が参照により組み込まれていると具体的かつ個別に示されているのと同じ程度に、参照により明示的に組み込まれている。本開示と組み込まれた参考文献との間に矛盾がある場合、本開示が支配する。
【0150】
本発明は、本明細書で図示しかつ説明している部品の特定の構造及び配置に限定されず、特許請求の範囲内にあるそのような変更形態を包含することが理解される。
【実施例
【0151】
分子モデリング
実施例1.NLRX1リガンドの分子モデリング
ウイルスRNA及び食物脂質(プニカ酸及びドコサヘキサエン酸)を含む、NLRX1の前述のリガンドを使用して、我々は、NLRX1タンパク質上の2つの潜在性の高い結合部位の存在を決定した(Lu et al.2015)。重要な結合残基を確立するために、NLRX1のC末端について公開された構造にこれらのリガンドをドッキングした。
【0152】
方法
バーチャルスクリーニング。予備的な足場への追加の洞察を提供するために、AutoDock Vinaを使用してリガンドデータベースをNLRX1にドッキングし、2つの部位の各々で(58×40×40オングストローム)のサイズの直方体検索グリッドを使用してリガンドの予測される結合親和性及びコンフォメーションを提供した。結合親和性は、リガンドの分子量に対して正規化された。結合ポーズを更に調べるために、上位のリガンドを選択した。
【0153】
化合物の生成。特定された残基及び予測された生化学的相互作用から、高親和性NLRX1リガンドの構造を生成した。構造を生成し、化学的に最適化した。構造ファイルは.pdb形式で生成され、Gasteiger法による電荷の計算によって.pdbqt形式に変換された。AutoDock Vinaを使用して構造をドッキングし、結合親和性を確認した。
【0154】
分析。化合物を、総分子間エネルギー、総内部エネルギー、及びねじれ自由エネルギーの最小化を通して、最も好ましい結合ポーズを表す分子量に対して正規化された最も低い予測された結合親和性によって事前にランク付けした。次いで、NLRX1上の重要な結合残基までの好ましい距離に基づいて化合物に優先順位を付けた。
【0155】
結果
新規化学物質(NCE)の仮想スクリーニング及び最適化から、最高親和性NLRX1結合NCEは、主に中心キナゾリノン環系を有する化合物で構成された。一般に、結合親和性は、E環中に水素結合能基を含有した化合物において増加することが観察された(E環の特定については、式Iを参照されたい)。選択されたファミリーメンバーの結合親和性は、図1A、1B、1C、1D、1E、及び1Fに提供されている。それぞれの最も低いエネルギー結合構成における予測される結合親和性は、-8.7kcal/mol~-10.5kcal/molの範囲であった。このクラスのNCEの中で最も高い結合化合物は、NX-64-1と称される、2-((3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-6-(1,2-イソオキサゾール-3-イル)キナゾリン-4(1H)-オンであることが観察された。高い親和性を有する他の化合物は、同様の骨格を使用したが、改変したA及びE環を含んだ。これらには、NX-64-3(2-((3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-6-(6-ヒドロキシピリジン-3-イル)キナゾリン-4(1H)-オン)及びNX-64-13(2-((3-(4-フルオロ-1H-ピラゾール-3-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-6-(6-ヒドロキシピリジン-3-イル)キナゾリン-4(1H)-オン)が含まれた。NX-64-25(2-((3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)tert-ブチル)-6-(6-ヒドロキシピリジン-3-イル)キナゾリン-4(1H)-オン)におけるような、リンカー基への改変も、高い結合をもたらした。結合結果及び予測された物理化学的特性に基づいて、合成のためにこのクラスから化合物を選択した。
【0156】
医薬品化学
実施例2.NX-64-2
2-((3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-6-(1,2-イソオキサゾール-4-イル)キナゾリン-4(1H)-オン(NX-64-2、図2A)の合成は、以下に詳述されるように5ステッププロセスであった。
【0157】
NH2OH・HCl及びNa2CO3をエタノール中の5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボニトリルの撹拌溶液に加え、82℃で2時間撹拌させた。反応の完了後、反応混合物をセライトに通して濾過し、セライト床を2回洗浄した。合わせた有機濾液を減圧下で蒸発させ、得られた固体、(E)-N’-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-カルボキシミダミドを直接次のステップに移した。
【0158】
ピリジンをジクロロメタン(DCM)中の2-アミノ-5-ブロモベンズアミドの撹拌溶液に加えた。反応混合物を室温で20分間撹拌させた。3-クロロ-3-オキソプロピオン酸エチルを冷却中に少量ずつ加えた。反応混合物を室温で5時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、回転蒸発器を使用して濃縮した。得られた粗製物を精製して、2-((5-ブロモベンズアミド)アミノ)-3-オキソプロパン酸エチルを得た。
【0159】
水酸化カリウムをエタノール中の2-((5-ブロモベンズアミド)アミノ)-3-オキソプロパン酸エチルの撹拌溶液に加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応の完了後、溶媒を蒸発させ、得られた残留物を抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させ、4(1H)-キナゾリノン、6-ブロモ-2-イル-酢酸エチルを含有する、得られた固体を直接次のステップに移した。
【0160】
4(1H)-キナゾリノン、6-ブロモ-2-イル-酢酸エチル及び(E)-N’-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-カルボキシミダミドをトルエン中で撹拌した。反応混合物をマイクロ波によって12時間照射した。反応の完了後、溶媒を蒸発させ、得られた残留物を抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。得られた粗製物を精製して、2-((3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-6-ブロモキナゾリン-4(1H)-オンを得た。
【0161】
炭酸セシウムを、1,4-ジオキサン及び水(8:2)中の2-((3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-6-ブロモキナゾリン-4(1H)-オン及び4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソキサゾールの撹拌溶液に加えた。反応混合物を窒素で15分間パージした。DCM中のPd(dppf)Cl2を加え、反応混合物を再び窒素で10分間パージした。反応混合物を90℃で12時間撹拌した。反応混合物をセライトに通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、回転蒸発器を使用して濃縮した。粗製物を精製して、2-((3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-6-(1,2-イソキサゾール-4-イル)キナゾリン-4(1H)-オンをNX-64-2として得た。1H NMR(401MHz,DMSO)δ 12.63(s,1H),11.89(s,1H),11.32(s,1H),11.01(s,1H),9.59(m,J=18.0Hz,1H),9.30(m,J=15.4Hz,1H),8.42(s,1H),8.22(m,J=2.2Hz,1H),8.14(d,1H),8.00(d,1H),7.62(m,J=8.8Hz,1H),7.23(d,1H),5.96(m,J=36.0Hz,1H),5.02(m,J=13.6Hz,1H),4.45(s,1H),4.12(m,J=5.0Hz,2H),2.24(m,J=8.2Hz,2H),1.86(m,J=5.5Hz,2H),1.24(s,1H)。
【0162】
実施例3.NX-64-3
2-((3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-6-(6-ヒドロキシピリジン-3-イル)キナゾリン-4(1H)-オン(NX-64-3、図2B)の合成は、以下に詳述されるような6ステッププロセスであった。
【0163】
NH2OH・HCl及びNa2CO3をエタノール中の5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボニトリルの撹拌溶液に加え、82℃で2時間撹拌させた。反応の完了後、反応混合物をセライトに通して濾過し、セライト床を2回洗浄した。合わせた有機濾液を減圧下で蒸発させ、得られた固体、(E)-N’-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-カルボキシミダミドを直接次のステップに移した。
【0164】
炭酸セシウムを1,2-ジメチキシエタン(1,2-DME)及び水(8:2)中の2-アミノ-5-ブロモベンズアミド及び2-メトキシ-5-ピリジンボロン酸の撹拌溶液に加えた。反応混合物を窒素で15分間パージした。DCM中のPd(dppf)Cl2を加え、反応混合物を再び窒素で10分間パージした。反応混合物を80℃で16時間撹拌した。反応混合物をセライトに通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、残った生成物を回転蒸発器を使用して濃縮した。粗製物を精製して、2-アミノ-5-(6-メトキシピリジン-3-イル)ベンズアミドを白色の固体として得た。
【0165】
炭酸カリウムをジメチルホルムアミド(DMF)中の2-アミノ-5-(6-メトキシピリジン-3-イル)ベンズアミドの撹拌溶液に加えた。反応混合物を室温で20分間撹拌させた。3-クロロ-3-オキソプロピオン酸エチルを冷却中に少量ずつ加えた。反応混合物を室温で8時間撹拌した。反応混合物をクエンチし、沈殿した固体を濾過した。3-((2-カルバモイル-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)フェニル)アミノ)-3-オキソプロパン酸)エチルを含有する、得られた固体を直接次のステップに移した。
【0166】
水酸化カリウムをエタノール中の3-((2-カルバモイル-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)フェニル)アミノ)-3-オキソプロパン酸)エチルの撹拌溶液に加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応の完了後、溶媒を蒸発させ、得られた残留物を抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。2-(6-(6-メトキシピリジン-3-イル)-4-オキソ-1,4-ジヒドロキナゾリン-2-イル)酢酸エチルを含有する、得られた固体を直接次のステップに移した。
【0167】
2-(6-(6-メトキシピリジン-3-イル)-4-オキソ-1,4-ジヒドロキナゾリン-2-イル)酢酸エチル及び(E)-N’-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-カルボキシミダミドをトルエン中で撹拌した。炭酸カリウムを反応混合物に加えた。反応混合物をマイクロ波によって2時間照射した。反応の完了後、溶媒を蒸発させ、得られた残留物を抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。得られた粗製物を精製して、2-((3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-6-(6-メトキシピリジン-3-イル)キナゾリン-4(1H)-オンを黄色の固体として得た。
【0168】
2-((3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-6-(6-メトキシピリジン-3-イル)キナゾリン-4(1H)-オンをDMF中で得た。LiCl及びp-トルエンスルソン酸(PTSA)を反応混合物に加えた。反応混合物を130℃で5時間加熱した。反応の完了後、反応混合物をクエンチし、沈殿した固体を濾過し、乾燥させた。得られた生成物を精製して、2-((3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-6-(6-ヒドロキシピリジン-3-イル)キナゾリン-4(1H)-オンをNX-64-3として得た。1H NMR(401MHz,DMSO)δ 12.57(s,1H),11.91(s,1H),8.19(d,J=1.9Hz,1H),7.90(m,J=6.6Hz,1H),7.56(q,J=11.7Hz,4H),6.45(m,J=4.3Hz,1H),5.88(q,J=4.8Hz,1H),5.01(d,J=17.3Hz,1H),4.44(s,2H),4.12(t,J=4.9Hz,2H),2.21(m,J=7.0Hz,2H),1.86(q,J=5.4Hz,2H)。
【0169】
実施例4.NX-64-4
2-((3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)キナゾリン-4(1H)-オン(NX-64-4、図2C)の合成は、以下に詳述されるような5ステッププロセスであった。
【0170】
NH2OH・HCl及びNa2CO3をエタノール中の5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボニトリルの撹拌溶液に加え、82℃で2時間撹拌させた。反応の完了後、反応混合物をセライトに通して濾過し、セライト床を2回洗浄した。合わせた有機濾液を減圧下で蒸発させ、得られた固体、(E)-N’-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-カルボキシミダミドを直接次のステップに移した。
【0171】
2CO3を、1,4-ジオキサン及び水(8:2)中の2-アミノ-5-ブロモベンズアミド及び1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールの撹拌溶液に加えた。反応混合物を窒素で15分間パージした。Pd(dppf)Cl2を加え、反応混合物を再び窒素で10分間パージした。反応混合物を80℃で16時間撹拌した。反応混合物をセライトに通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、得られた生成物を回転蒸発器を使用して濃縮した。粗製物を精製して、2-アミノ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ベンズアミドを白色の固体として得た。
【0172】
ピリジンをDCM中の2-アミノ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ベンズアミドの撹拌溶液に加えた。反応混合物を室温で20分間撹拌させた。3-クロロ-3-オキソプロピオン酸エチルを冷却中に少量ずつ加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、生成物を回転蒸発器を使用して濃縮した。得られた粗製物を精製して、3-((2-カルバモイル-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)アミノ)-3-オキソプロパン酸エチルを白色の固体として得た。
【0173】
水酸化カリウムをエタノール中の3-((2-カルバモイル-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)アミノ)-3-オキソプロパン酸エチルの撹拌溶液に加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌させた。反応の完了後、溶媒を蒸発させ、得られた残留物を抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。2-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-オキソ-1,4-ジヒドロキナゾリン-2-イル)酢酸エチルを含有する、得られた固体を直接次のステップに進めた。
【0174】
2-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-オキソ-1,4-ジヒドロキナゾリン-2-イル)酢酸エチル及び(E)-N’-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-カルボキシミドアミドをDMF中で撹拌した。炭酸カリウムを反応混合物に加えた。反応混合物をマイクロ波によって2時間照射した。反応の完了後、溶媒を蒸発させ、得られた残留物を抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。得られた粗製物を精製して、2-((3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)キナゾリン-4(1H)-オンをNX-64-4として得た。1H NMR(401MHz,DMSO)δ 11.71(s,1H),8.00(m,J=22.0Hz,4H),7.54(d,J=8.4Hz,1H),5.86(s,1H),4.38(s,1.3H),4.11(t,J=5.0Hz,2H),3.87(s,3H),2.25(t,J=25.3Hz,2H),1.86(t,J=5.2Hz,2H)。
【0175】
実施例5.NX-64-5
2-((3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-6-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(1H)-オン(NX-64-5、図2D)の合成は、以下に詳述されるような5ステッププロセスであった。
【0176】
NH2OH・HCl及びNa2CO3をエタノール中の5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボニトリルの撹拌溶液に加え、82℃で2時間撹拌させた。反応の完了後、反応混合物をセライトに通して濾過し、セライト床を2回洗浄した。合わせた有機濾液を減圧下で蒸発させた。得られた固体、(E)-N’-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-カルボキシミドアミドを直接次のステップに移した。
【0177】
ピリジンをDCM中の2-アミノ-5-ブロモベンズアミドの撹拌溶液に加えた。反応混合物を室温で20分間撹拌させた。3-クロロ-3-オキソプロピオン酸エチルを冷却中に少量ずつ加えた。反応混合物を室温で5時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、回転蒸発器を使用して濃縮した。得られた粗製物を精製して、2-((5-ブロモベンズアミド)アミノ)-3-オキソプロパン酸エチルを得た。
【0178】
水酸化カリウムをエタノール中の2-((5-ブロモベンズアミド)アミノ)-3-オキソプロパン酸エチルの撹拌溶液に加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応の完了後、溶媒を蒸発させ、得られた残留物を抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。4(1H)-キナゾリノン、6-ブロモ-2-イル-酢酸エチルを含有する、得られた固体を、直接次のステップに移した。
【0179】
4(1H)-キナゾリノン、6-ブロモ-2-イル-酢酸エチル、及び(E)-N’-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-カルボキシミドアミドをトルエン中で撹拌した。反応混合物をマイクロ波によって12時間照射した。反応の完了後、溶媒を蒸発させ、得られた残留物を抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。得られた粗製物を精製して、2-((3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-6-ブロモキナゾリン-4(1H)-オンを得た。
【0180】
3-(トリブチルスタニル)ピリジンを2-((3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-6-ブロモキナゾリン-4(1H)-オンの撹拌溶液に加えた。反応混合物を窒素で15分間パージした。反応混合物をマイクロ波によって2時間照射した。反応混合物をセライトに通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。生成物を、回転蒸発器を使用して濃縮した。粗製物を精製して、2-((3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-6-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(1H)-オンをNX-64-5として得た。1H NMR(401MHz,DMSO)δ 12.64(s,1H),11.80(m,1H),11.39(s,1H),11.08(s,1H),8.83(s,1H),8.67(m,J=11.0Hz,2H),8.46(m,J=17.4Hz,1H),8.06(m,J=11.3Hz,1H),7.93(m,J=8.0Hz,1H),7.64(m,J=13.5Hz,1H),7.36(m,J=6.5Hz,1H),6.23(s,1H),5.90(s,1H),5.05(d,J=18.8,1H),4.47(s,1H),4.12(s,1H),2.24(m,J=19.8Hz,2H),1.87(m,J=5.0Hz,2H),1.24(s,2H)。
【0181】
実施例6.NX-64-9
2-((3-(4-オキソ-1H-ピリジン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)キナゾリン-4(1H)-オン(NX-64-9、図2E)の合成は、以下に詳述されるような5ステッププロセスであった。
【0182】
NH2OH・HCl及びNa2CO3をエタノール中の4-ヒドロキシピコリノニトリルの撹拌溶液に加え、80℃で2時間撹拌させた。反応の完了後、反応混合物をセライトに通して濾過し、セライト床を2回洗浄した。合わせた有機濾液を減圧下で蒸発させた。得られた固体、N’-ヒドロキシ-4-オキソ-1H-ピリジン-2-カルボキシミドアミドを直接次のステップに移した。
【0183】
2CO3を、1,4-ジオキサン及び水(8:2)中の2-アミノ-5-ブロモベンズアミド及び1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールの撹拌溶液に加えた。反応混合物を窒素で15分間パージした。Pd(dppf)Cl2を加え、反応混合物を再び窒素で10分間パージした。反応混合物を80℃で16時間撹拌した。反応混合物をセライトに通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、生成物を回転蒸発器を使用して濃縮した。粗製物を精製して、2-アミノ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ベンズアミドを白色の固体として得た。
【0184】
ピリジンをDCM中の2-アミノ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ベンズアミドの撹拌溶液に加えた。反応混合物を室温で20分間撹拌させた。3-クロロ-3-オキソプロピオン酸エチルを冷却中に少量ずつ加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、生成物を回転蒸発器を使用して濃縮した。得られた粗製物を精製して、3-((2-カルバモイル-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)アミノ)-3-オキソプロパン酸エチルを白色の固体として得た。
【0185】
水酸化カリウムをエタノール中の3-((2-カルバモイル-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)アミノ)-3-オキソプロパン酸エチルの撹拌溶液に加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌させた。反応の完了後、溶媒を蒸発させ、得られた残留物を抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。2-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-オキソ-1,4-ジヒドロキナゾリン-2-イル)酢酸エチルを含有する、得られた固体を直接次のステップに進めた。
【0186】
2-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-オキソ-1,4-ジヒドロキナゾリン-2-イル)酢酸エチル及びN’-ヒドロキシ-4-オキソ-1H-ピリジン-2-カルボキシミダミドをトルエン中で撹拌した。炭酸カリウムを反応混合物に加えた。反応混合物をマイクロ波によって3時間照射した。反応の完了後、溶媒を蒸発させ、得られた残留物を抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。得られた粗製物を精製して、2-((3-(4-オキソ-1H-ピリジン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)キナゾリン-4(1H)-オンをNX-64-9として得た。1H NMR(401MHz,DMSO)δ 11.55(s,1H),8.40(s,1H),8.25(m,J=25.7Hz,2H),7.89(m,J=20.6Hz,2H),7.48(m,J=17.9Hz,1H),7.18(m,J=6.4Hz,1H),6.87(s,1H),4.99(m,J=89.4Hz,1H),4.53(s,1H),3.87(s,3H),1.23(s,2H)。
【0187】
実験的研究
実施例7.CD4+T細胞におけるインビトロでの免疫学的スクリーニング
序論
CD4+T細胞は、多くの自己免疫疾患の病因及び臓器損傷に寄与し得る炎症性応答の増幅の中心である。そのようなものとして、これらの細胞の輸送及び分化は、自己免疫疾患における症状の改善及び再発の予防のための効果的な選択肢である。NLRX1の喪失では、CD4+T細胞は、より多くの量のIFNγ及びTNFαを産生し、Th17及びTh1などの、炎症性サブセットに分化するより高い可能性を有する。
【0188】
方法
細胞培養。C57BL/6マウスから脾臓を切除した。脾臓を顕微鏡スライドのつや消し端の間で押しつぶし、濾過して細胞懸濁液を得た。赤血球を低張溶解によって溶解した。残りの細胞を洗浄し、濾過した。CD4+T細胞は、磁気選別ベースのネガティブセレクションを使用して懸濁液内で濃縮した。細胞を収集し、抗CD3/CD28でコーティングされた96ウェルプレート内に播種し、0又は50ナノモルのNX-64-2、NX-64-3、NX-64-4、NX-64-5、又はNX-64-9の存在下で24時間培養した。培養の最後の6時間の間に、細胞をホルボール12-ミリステート-13-アセテート(PMA)及びイオノマイシンで刺激した。
【0189】
免疫学的分析。細胞を96ウェルプレートから採取し、フローサイトメトリーによる免疫表現型検査のために抗体のカクテルで染色した。培養上清を採取し、サイトメトリービーズアレイによってサイトカイン濃度についてアッセイした。BD FACS Celestaでデータをキャプチャし、FACSDivaを使用して分析した。
【0190】
結果
5つの試験されたNLRX1リガンドは全て、CD4+T細胞培養におけるTNFα(図3A)及びIFNγ(図3B)の産生を減少させた。NX-64-3、NX-64-4、及びNX-64-9は、TNF+CD4+T細胞において最も大きな応答規模を有することが観察され、50ナノモルで有意な低減を提供した。全ての試験された化合物は、ビヒクル対照に対して最も大きな応答の規模を提供するNX-64-3では、IFNγ+CD4+T細胞において50%超の低減を提供することが観察された。我々は、NX-64-1、NX-64-2、NX-64-5、NX-64-6、NX-64-7、NX-64-8、NX-64-10、NX-64-11、NX-64-12、NX-64-13、NX-64-14、NX-64-15、NX-64-16、NX-64-17、NX-64-18、NX-64-19、NX-64-20、NX-64-21、NX-64-22、NX-64-23、NX-64-24、NX-64-25、NX-64-26、NX-64-27、NX-64-28、NX-64-29、及びNX-64-30を含む、本明細書で定義される他の化合物で同様の結果を予測する。
【0191】
実施例8.IBDの急性モデルにおけるNX-64-3の使用
序論
炎症性腸疾患は、上皮バリアの作用又は機能不全によって開始される多くの疾患プロセスを伴う多因子性疾患である(Abreu et al.2010)。この疾患の代表的な受け入れられている動物モデルは、マウスの飲料水にデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を投与することによって誘発される。DSSの摂取は、遠位消化管、特に結腸の上皮バリアを破壊及び破損するように作用する。上皮バリアの破壊は、結腸粘膜へのマイクロバイオームの浸潤と、それに続く免疫細胞の動員及び活性化を可能にする。CD4+T細胞は、IBDの治療薬の開発の主要な焦点であるが、IBD患者の腸固有層における好中球の動員は、組織学的治療応答の最も予測的なマーカーの1つである。NLRX1の喪失は、組織病理スコアを悪化させ、好中球及び固有層Th17細胞の浸潤を増加させる。
【0192】
方法
DSSモデル。上皮層の破壊を誘発するために、マウスに飲料水中のDSSを7日間与えた。プロジェクト開始時、マウスは、8週齢であり、DSSを与えてから24時間後に投与を開始した。毎日マウスの体重を測定し、疾患の症状(下痢、直腸出血、直腸炎症、全体的な行動)についてスコア化した。NX-64-3は、0.5%メチルセルロース(12~15cP)溶液内で調製した。使用した投与量は20mg/kgであり、1日1回投与した。投与量は、各性別の平均体重に基づいて計算した。経口投与量は、体積0.2mLの投与量の経口胃管栄養法によって送達された。
【0193】
フローサイトメトリー。結腸は、消化のためにコラゲナーゼ(300U/mL)及びDNase(50U/mL)を含むRPMI/FBS緩衝液中に採取した。組織を37℃で撹拌下で60分間消化した。得られた細胞懸濁液を100μm濾過器に通して濾過し、遠心分離(300×g、8分)し、新鮮なRPMIで洗浄した。得られた単一細胞懸濁液を濾過した後、70%パーコール溶液に重層した細胞を含む40%パーコールのパーコール勾配により免疫細胞を精製した。遠心分離後、界面相を採取して洗浄し、濃縮された結腸固有層細胞画分を得た。細胞は、96ウェルプレートでの連続生体染色において、細胞外(CD45、CD3、CD4、CD8、CD19、NK1.1、F4/80、CD11b、Gr1)抗体の混合物で標識した。データは、FACSDivaソフトウェアを備えたFACS Celestaフローサイトメーターを使用して取得した。
【0194】
結果
経口NX-64-3処理は、DSSでチャレンジされたマウスの肉眼的病変の重症度を減少させた(図4A)。肉眼的スコアリングは、結腸の脆弱性、腸壁の厚さ、血液の存在、便稠度、及び結腸長さに基づいている。免疫学的に、NX-64-3は、結腸固有層における好中球の存在を減少させた(図4B)。我々は、NX-64-1、NX-64-2、NX-64-4、NX-64-5、NX-64-6、NX-64-7、NX-64-8、NX-64-9、NX-64-10、NX-64-11、NX-64-12、NX-64-13、NX-64-14、NX-64-15、NX-64-16、NX-64-17、NX-64-18、NX-64-19、NX-64-20、NX-64-21、NX-64-22、NX-64-23、NX-64-24、NX-64-25、NX-64-26、NX-64-27、NX-64-28、NX-64-29、及びNX-64-30を含む、本明細書で定義される他の化合物で同様の結果を予測する。
【0195】
実施例9.実験的自己免疫性脳髄炎のモデルにおけるNX-64-3の使用
多発性硬化症(MS)は、米国で70万人超、世界で220万人超を苦しめている。この広範囲にわたる衰弱性疾患は、生活の質の低下をもたらし、110万を超えるDALY、及び米国において年間280億ドルを超える、顕著な医療関連費用を伴う(National Multiple Sclerosis Society)。MSの世界的な治療薬市場は現在、1年当たり205億ドルであり、1年当たり2.5%で成長している。MS患者は、労働力におけるより高い不参加率を有し、患者の60%近くが失業しており、患者の25%が障害のために在宅ケアを必要とするまで進行している。進歩及び新規治療薬にもかかわらず、疾患活動性が認められない状態(NEDA)は30~40%であり、MSの年間再発率は依然として30%であり、疾患の進行及び障害になるまでの時間に対する影響は最小限のみである。MSの病因は、NLRX1の不在下で増加する、病原性Th17細胞を伴うと考えられる。
【0196】
方法
マウスモデル。C57BL6マウスを、6~8週齢で、MOG免疫化でチャレンジした。完全フロイントアジュバント(CFA)は、不完全フロイントアジュバント中での10mg/mLの加熱死Mycobacterium tuberculosis(H37RA)の懸濁によって調製した。MOG35-55を、無菌ナノピュア水中で2mg/mLの濃度に再懸濁した。CFA及びMOG35-55溶液を、ガラスシリンジ及びほぼ閉鎖された三方弁を使用して1:1の比で10分間乳化した。エマルジョンを免疫化の前に30分間放置して、安定であることを確認した。百日咳毒素をPBS中で2μg/mLの濃度に再懸濁した。MOGエマルジョンを各マウスに部位当たり100μLで左右脇腹に投与した。百日咳毒素を、各マウスに、試験の0日目及び2日目に腹腔内注射(200μL)によって投与した。マウスを20mg/kgのNX-64-3で毎日処理した。処理は、強制経口投与によって行った。マウスは、計量し、疾患活性(協調、歩行、麻痺)について毎日スコア(0~4)を付けた。組織収集のための剖検は、18日に行われた。
【0197】
遺伝子発現。脊髄からのトータルRNAは、Qiagen RNeasyミニキットを使用して生成された。cDNAは、BioRad iScript cDNA合成キットを使用して生成された。標準曲線は、Taq DNAポリメラーゼを用いた標準PCR反応からの精製産物の連続希釈と、それに続くQiagen MinElute PCR精製キットを使用した精製によって生成された。発現レベルは、BioRad CFX96サーマルサイクラーでSybrGreen Supermixを用いた定量的リアルタイムPCRの後、βアクチンの発現に対して正規化することにより得られた。炎症性サイトカイン、IL-1β、及びTNFについて遺伝子発現を測定した。
【0198】
結果
経口NX-64-3は、MOGエマルジョンでチャレンジされたマウスの疾患活動性指数を低減し、神経学的欠損からの回復を加速させた(図5)。脊髄では、経口NX-64-3は、Tnf(図6A)及びIl1b(図6B)の発現を低減し、中枢神経系における炎症を低減する能力を示す。我々は、NX-64-1、NX-64-2、NX-64-4、NX-64-5、NX-64-6、NX-64-7、NX-64-8、NX-64-9、NX-64-10、NX-64-11、NX-64-12、NX-64-13、NX-64-14、NX-64-15、NX-64-16、NX-64-17、NX-64-18、NX-64-19、NX-64-20、NX-64-21、NX-64-22、NX-64-23、NX-64-24、NX-64-25、NX-64-26、NX-64-27、NX-64-28、NX-64-29、及びNX-64-30を含む、本明細書で定義される他の化合物で同様の結果を予測する。
【0199】
実施例10.喘息のモデルにおけるNX-64-3の使用
喘息は、現在の医薬品に応答しない患者の割合が高い、人口の10%近くに影響を及ぼす一般的な疾患である。特に、非2型喘息は、現在の治療に対してより低い応答性を有する。気道上皮細胞における欠損、好中球動員の増加、及び根底にある肺線維症は、アレルギー性喘息に対して多くの難治性患者においてより複雑な病因を生み出す。以前に、NLRX1の喪失は、気道上皮細胞における代謝を破壊し、細胞死を引き起こし、様々な炎症状態における好中球動員を増加させることが特定されている。
【0200】
方法
OVA誘導モデル。C57BL6マウスを、実験の0日目及び7日目に、腹腔内注射によって、水酸化アルミニウムゲル中の10μgのオボアルブミン(OVA)で免疫化した。マウスを次いで、14日目~17日目に毎日25分間エアロゾル化によってOVA(8%w/v)に曝露した。NX-64-3(20mg/kg)又はビヒクル対照での処理は、強制経口投与によって14日目~17日目に毎日行った。投与量は、平均体重に基づいて計算した。
【0201】
免疫学的分析。18日目に肺を収集した。肺組織を粉砕し、300U/mLのコラゲナーゼ及び50U/mLのDNaseを含有するFBS、HEPES、及び塩化カルシウムで補足されたRPMI中で37℃で45分間消化した。濾過後、赤血球を溶解した。フローサイトメトリーのための調製において、96ウェルプレート中での連続生体染色における細胞外(CD45、CD3、CD4、CD8、MHCII、CD11b、CD11c、SiglecF、Ly6C)及び細胞内(IL10)抗体の混合物で細胞を標識した。BD FACS Celestaでデータをキャプチャし、FACSDivaを使用して分析した。
【0202】
結果
経口NX-64-3は、18日目に肺内の好酸球のパーセンテージを低減し(図7A)、18日目に肺内のIL10+CD4+T細胞のパーセンテージを増加させ(図7B)、NLRX1リガンドが肺炎症を減少させる可能性を示した。我々は、NX-64-1、NX-64-2、NX-64-4、NX-64-5、NX-64-6、NX-64-7、NX-64-8、NX-64-9、NX-64-10、NX-64-11、NX-64-12、NX-64-13、NX-64-14、NX-64-15、NX-64-16、NX-64-17、NX-64-18、NX-64-19、NX-64-20、NX-64-21、NX-64-22、NX-64-23、NX-64-24、NX-64-25、NX-64-26、NX-64-27、NX-64-28、NX-64-29、及びNX-64-30を含む、本明細書で定義される他の化合物で同様の結果を予測する。
【0203】
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【0204】
本発明の例示的な実施形態
実施形態1.A環、B環、C環、D環、及びE環を有する式(I)の化合物、
【化3】
又はその塩若しくはエステルであって、式中、
1及びA5が、各々独立して、O、N(RA)、N(RALK)、C(RA2、C(RA)、又はNであり、
2、A3、及びA4が、各々独立して、O、N(RA)、N(RALK)、C(RA2、C(RA)、N、C(RA)(RO)、C(RO)、又はC(=O)であり、ただし、A4が任意に存在せず、
6及びA7が、各々独立して、C(RA)又はNであり、
8、A9、及びA10が、各々独立して、O、N(RA)、N(RALK)、C(RA2、C(RA)、又はNであり、
11、A12、A13、A14、及びA15が、各々独立して、O、N(RA)、N(RALK)、C(RA2、C(RA)、N、C(RA)(RO)、C(RO)、又はC(=O)であり、ただし、A14が任意に存在せず、
隣接する原子間の各---が、存在するか又は存在しない結合を表し、
Lが、O、N(RL)、又はC(RL2であり、
各事例におけるROが、独立して、ヒドロキシル又は任意に置換されたアルキルオキシであり、
各事例におけるRALKが、独立して、C1~C6アルキルであり、
各事例におけるRA、RB、及びRLが、独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、ヒドロキシル、カルボキシル、任意に置換されたアルキルオキシ、任意に置換されたアルケニルオキシ、任意に置換されたアルキニルオキシ、任意に置換されたシクロアルキルオキシ、任意に置換されたシクロアルケニルオキシ、メルカプト、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルケニルチオ、任意に置換されたアルキニルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルホニルオキシ、任意に置換されたシクロアルキルチオ、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニルオキシ、任意に置換されたシクロアルケニルチオ、任意に置換されたシクロアルケニルスルフィニル、任意に置換されたシクロアルケニルスルホニル、任意に置換されたシクロアルケニルスルホニルオキシ、任意に置換されたアミノ、アシル、任意に置換されたアルキルオキシカルボニル、任意に置換されたアルケニルオキシカルボニル、任意に置換されたアルキニルオキシカルボニル、任意に置換されたアリールオキシカルボニル、任意に置換されたカルバモイル、任意に置換されたスルファモイル、シアノ、ニトロ、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールオキシ、任意に置換されたアリールチオ、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニルオキシ、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロアリールオキシ、任意に置換されたヘテロアリールチオ、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニルオキシ、又は任意に置換された非芳香族複素環基である、化合物、又はその塩若しくはエステル。
実施形態2.A1、A2、A3、A4、及びA5のうちの少なくとも1つが、O、N(RA)、N(RALK)、又はNである、実施形態1に記載の化合物。
実施形態3.A1、A2、及びA3のうちの少なくとも1つが、O、N(RA)、N(RALK)、又はNである、実施形態1に記載の化合物。
実施形態4.A1、A2、及びA3のうちの少なくとも1つが、Nである、実施形態1に記載の化合物。
実施形態5.A2が、O、N(RA)、N(RALK)、又はNである、実施形態1に記載の化合物。
実施形態6.A2が、Nである、実施形態1に記載の化合物。
実施形態7.A3が、O、N(RA)、N(RALK)、N、C(RO)、又はC(=O)である、実施形態1及び6のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態8.A4が、存在し、A1及びA5が、各々独立して、C(RA)若しくはNであり、A2、A3、及びA4が、各々独立して、C(RA)、N、若しくはC(RO)であるか、又は
4が、存在せず、A1、A2、A3、及びA5が、各々独立して、O、N(RA)、N(RALK)、C(RA)、若しくはNであるが、ただし、A1、A2、A3、及びA5のうちの正確に1つが、O、N(RA)、若しくはN(RALK)である、実施形態1に記載の化合物。
実施形態9.A2が、Nである、実施形態8に記載の化合物。
実施形態10.A3が、C(RO)、O、N(RA)、又はN(RALK)である、実施形態8又は9に記載の化合物。
実施形態11.A3が、C(RO)又はN(RALK)である、実施形態8~10のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態12.A4が、存在し、A1及びA5が、各々独立して、C(RA)又はNであり、A2、A3、及びA4が、各々独立して、C(RA)、N、又はC(RO)である、実施形態1に記載の化合物。
実施形態13.A2が、Nである、実施形態12に記載の化合物。
実施形態14.A3が、C(RO)である、実施形態12又は13に記載の化合物。
実施形態15.A3のROが、ヒドロキシルである、実施形態14に記載の化合物。
実施形態16.A1、A4、及びA5が、各々、C(RA)である、実施形態12~15のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態17.A4が、存在せず、A1、A2、A3、及びA5が、各々独立して、O、N(RA)、N(RALK)、C(RA)、又はNであるが、ただし、A1、A2、A3、及びA5のうちの正確に1つが、O、N(RA)、又はN(RALK)である、実施形態1に記載の化合物。
実施形態18.A2が、Nである、実施形態17に記載の化合物。
実施形態19.A3が、O、N(RA)、又はN(RALK)である、実施形態17又は18に記載の化合物。
実施形態20.A3が、N(RA)又はN(RALK)である、実施形態17~19のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態21.A1及びA5が、各々、C(RA)である、実施形態17~20のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態22.A1、A2、A3、A4、及びA5の各々の各RAが、存在する場合、各事例において、独立して、水素又はハロゲンである、実施形態1~21のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態23.A環が、
【化4】
である、実施形態1に記載の化合物。
実施形態24.A6及びA7の一方又は両方が、C(RA)である、実施形態1~23のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態25.RB並びにA6及びA7のRAが、存在する場合、各事例において、独立して、水素又はハロゲンである、実施形態1~24のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態26.B環及びC環が、一緒に、
【化5】
である、実施形態1~23のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態27.Lが、C(RL2である、実施形態1~26のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態28.各RLが、独立して、水素、ハロゲン、又は非置換C1~C6アルキルである、実施形態27に記載の化合物。
実施形態29.A10が、O、N、又はNHである、実施形態1~28のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態30.A8、A9、及びA10の各RAが、存在する場合、各事例において、独立して、水素又はハロゲンである、実施形態1~29のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態31.D環が、
【化6】
である、実施形態1~28のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態32.A15が、O、N(RA)、N(RALK)、又はNである、実施形態1~31のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態33.A12が、C(=O)である、実施形態1~32のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態34.A14が、存在する、実施形態1~32のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態35.A11、A12、A13、及びA14が、各々独立して、C(RA2又はC(RA)である、実施形態34に記載の化合物。
実施形態36.A12が、C(=O)である、実施形態34に記載の化合物。
実施形態37.A11、A13、及びA14が、各々独立して、C(RA2又はC(RA)である、実施形態36に記載の化合物。
実施形態38.A14が、存在しない、実施形態1~32のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態39.A15が、O、N(RA)、又はN(RALK)である、実施形態38に記載の化合物。
実施形態40.A11、A12、及びA13のうちの少なくとも1つが、C(RA2又はC(RA)である、実施形態38又は39に記載の化合物。
実施形態41.A11、A12、A13、A14、及びA15の各々の各RAが、存在する場合、各事例において、独立して、水素又はハロゲンである、実施形態1~40のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態42.E環が、
【化7】
である、実施形態1~31のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態43.各事例におけるRA、RB、及びRLが、独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されたC1~C6アルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたC1~C6アルキルオキシ、任意に置換されたアミノ、アシル、任意に置換されたアルキルオキシカルボニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、又は任意に置換された非芳香族複素環基である、実施形態1~42のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態44.各事例におけるRA、RB、及びRLが、独立して、水素、ハロゲン、非置換C1~C6アルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、非置換シクロアルキル、非置換C1~C6アルキルオキシ、非置換アミノ、アシル、非置換アルキルオキシカルボニル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、又は非置換非芳香族複素環基である、実施形態1~42のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態45.各事例におけるRA、RB、及びRLが、水素又はハロゲンである、実施形態1~42のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態46.各事例におけるRA、RB、及びRLが、水素である、実施形態1~42のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態47.化合物が、NX-64-1、NX-64-2、NX-64-3、NX-64-4、NX-64-5、NX-64-6、NX-64-7、NX-64-8、NX-64-9、NX-64-10、NX-64-11、NX-64-12、NX-64-13、NX-64-14、NX-64-15、NX-64-16、NX-64-17、NX-64-18、NX-64-19、NX-64-20、NX-64-21、NX-64-22、NX-64-23、NX-64-24、NX-64-25、NX-64-26、NX-64-27、NX-64-28、NX-64-29、及びNX-64-30のうちのいずれか1つ、又はその塩若しくはエステルである、実施形態1に記載の化合物。
実施形態48.実施形態1~47のいずれか1つに列挙される化合物で動物における状態を治療する方法であって、方法が、有効量の化合物を動物に投与することを含み、状態が、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、慢性及び/又は炎症性中枢神経系疾患、慢性及び/又は炎症性呼吸器疾患、がん、並びに感染性疾患からなる群から選択される、方法。
実施形態49.状態が、自己免疫疾患であり、自己免疫疾患が、多発性硬化症を含む、実施形態48に記載の方法。
実施形態50.多発性硬化症が、多発性硬化症の再発寛解型を含む、実施形態49に記載の方法。
実施形態51.多発性硬化症が、多発性硬化症の二次性進行型を含む、実施形態49に記載の方法。
実施形態52.多発性硬化症が、多発性硬化症の原発性進行型を含む、実施形態49に記載の方法。
実施形態53.状態が、アレルギー性疾患であり、アレルギー性疾患が、喘息を含む、実施形態48に記載の方法。
実施形態54.状態が、慢性及び/又は炎症性中枢神経系疾患であり、慢性及び/又は炎症性中枢神経系疾患が、アルツハイマー病を含む、実施形態48に記載の方法。
実施形態55.状態が、慢性及び/又は炎症性中枢神経系疾患であり、慢性及び/又は炎症性中枢神経系疾患が、パーキンソン病を含む、実施形態48に記載の方法。
実施形態56.状態が、慢性及び/又は炎症性中枢神経系疾患であり、慢性及び/又は炎症性中枢神経系疾患が、脳卒中、外傷性脳損傷、又は脊髄損傷に起因する神経炎症を含む、実施形態48に記載の方法。
実施形態57.状態が、慢性及び/又は炎症性呼吸器疾患であり、慢性及び/又は炎症性呼吸器疾患が、慢性閉塞性肺疾患を含む、実施形態48に記載の方法。
実施形態58.状態が、慢性及び/又は炎症性呼吸器疾患であり、慢性及び/又は炎症性呼吸器疾患が、特発性肺線維症を含む、実施形態48に記載の方法。
実施形態59.状態が、自己免疫疾患であり、自己免疫疾患が、炎症性腸疾患を含む、実施形態48に記載の方法。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
【国際調査報告】