(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(54)【発明の名称】自己バイアスを有するラッチベースのレベルシフタ回路
(51)【国際特許分類】
H03K 19/0185 20060101AFI20231004BHJP
【FI】
H03K19/0185
H03K19/0185 210
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518488
(86)(22)【出願日】2021-07-07
(85)【翻訳文提出日】2023-03-22
(86)【国際出願番号】 US2021040600
(87)【国際公開番号】W WO2022066262
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591025439
【氏名又は名称】ザイリンクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】XILINX INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラジ,マヤンク
(72)【発明者】
【氏名】ウパディアヤ,パラグ
【テーマコード(参考)】
5J056
【Fターム(参考)】
5J056AA05
5J056CC04
5J056CC14
5J056CC21
5J056DD39
5J056DD51
5J056FF08
(57)【要約】
本明細書に記載される例は、概して、自己バイアスを有するラッチベースのレベルシフタ回路を含む集積回路に関する。一例では、集積回路は、第1及び第2のラッチと、出力段回路と、を含む。第1及び第2のラッチのそれぞれは、それぞれのラッチノードに電気的に接続され、信号入力ノードに電気的に結合されたそれぞれのラッチノードにおいてバイアス電圧を提供するように構成されたバイアス回路を含む。出力段回路は、第1及び第2のラッチの第1及び第2の出力ノードにそれぞれ電気的に接続された第1及び第2の入力ノードと、第3の出力ノードと、を有する。出力段回路は、第1及び第2の入力ノードのそれぞれの電圧に応答して、第3の出力ノードの電圧を応答的にプルアップ及びプルダウンするように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路であって、
第1のラッチノード及び第1の出力ノードを有する第1のラッチ回路であって、前記第1のラッチノードは信号入力ノードに電気的に結合され、前記第1のラッチ回路は、前記第1のラッチノードに電気的に接続され、前記第1のラッチノードにおいてバイアス電圧を提供するように構成された第1のバイアス回路を含む、第1のラッチ回路と、
第2のラッチノード及び第2の出力ノードを有する第2のラッチ回路であって、前記第2のラッチノードは前記信号入力ノードに電気的に結合され、前記第2のラッチ回路は、前記第2のラッチノードに電気的に接続され、前記第2のラッチノードにおいてバイアス電圧を提供するように構成された第2のバイアス回路を含む、第2のラッチ回路と、
第1の入力ノード、第2の入力ノード、及び第3の出力ノードを有する出力段回路であて、前記第1の入力ノードは前記第1の出力ノードに電気的に接続され、前記第2の入力ノードは前記第2の出力ノードに電気的に接続され、前記出力段回路は、前記第1の入力ノード及び前記第2の入力ノードのそれぞれの電圧に応答して前記第3の出力ノードの電圧を応答的にプルアップ及びプルダウンするように構成されている、出力段回路と、を備える、集積回路。
【請求項2】
前記第1のラッチ回路は、第1の電力ノード及び第2の電力ノードを有し、前記第1の電力ノードは、第1の供給ノードに電気的に接続され、前記第2の電力ノードは、第2の供給ノードに電気的に接続され、
前記第2のラッチ回路は、第3の電力ノード及び第4の電力ノードを有し、前記第3の電力ノードは、前記第2の供給ノードに電気的に接続され、前記第4の電力ノードは、第3の供給ノードに電気的に接続され、
前記出力段回路は、第5の電力ノード及び第6の電力ノードを有し、前記第5の電力ノードは、前記第1の供給ノードに電気的に接続され、前記第6の電力ノードは、前記第3の供給ノードに電気的に接続され、
前記第1の供給ノードは、第1の供給電圧を有するように構成され、前記第2の供給ノードは、第2の供給電圧を有するように構成され、前記第3の供給ノードは、第3の供給電圧を有するように構成され、前記第2の供給電圧は、前記第1の供給電圧よりも大きく、前記第3の供給電圧は、前記第2の供給電圧よりも大きい、請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記第1のバイアス回路は、いずれも前記第1のラッチノードに電気的に接続された入力ノード及び出力ノードを有する第1のインバータを含み、
前記第2のバイアス回路は、いずれも前記第2のラッチノードに電気的に接続された入力ノード及び出力ノードを有する第2のインバータを含む、請求項1に記載の集積回路。
【請求項4】
前記第1のラッチ回路は、
前記第1のラッチノードに電気的に接続された入力ノードを有し、前記第1の出力ノードに電気的に接続された出力ノードを有する第1のインバータと、
前記第1の出力ノードに電気的に接続された入力ノードを有し、前記第1のラッチノードに電気的に接続された出力ノードを有する第2のインバータと、
いずれも前記第1のラッチノードに電気的に接続された入力ノード及び出力ノードを有する第3のインバータと、を含み、前記第1のバイアス回路は前記第3のインバータを含み、
前記第2のラッチ回路は、
前記第2のラッチノードに電気的に接続された入力ノードを有し、前記第2の出力ノードに電気的に接続された出力ノードを有する第4のインバータと、
前記第2の出力ノードに電気的に接続された入力ノードを有し、前記第2のラッチノードに電気的に接続された出力ノードを有する第5のインバータと、
いずれも前記第2のラッチノードに電気的に接続された入力ノード及び出力ノードを有する第6のインバータと、を含み、前記第2のバイアス回路は前記第6のインバータを含む、請求項1に記載の集積回路。
【請求項5】
前記第1のインバータ、前記第2のインバータ、及び前記第3のインバータのそれぞれは、第1の供給ノードに電気的に接続されたそれぞれの第1の電力ノードを有し、第2の供給ノードに電気的に接続されたそれぞれの第2の電力ノードを有し、
前記第4のインバータ、前記第5のインバータ、及び前記第3のインバータは、前記第2の供給ノードに電気的に接続されたそれぞれの第1の電力ノードを有し、第3の供給ノードに電気的に接続されたそれぞれの第2の電力ノードを有し、
前記出力段回路は、
前記第3の出力ノードと前記第1の供給ノードとの間に電気的に接続されたプルダウン回路であって、前記プルダウン回路は前記第1の入力ノードを有する、プルダウン回路と、
前記第3の出力ノードと前記第3の供給ノードとの間に電気的に接続されたプルアップ回路であって、前記プルアップ回路は前記第2の入力ノードを有する、プルアップ回路と、を含み、
前記第1の供給ノードは、第1の供給電圧を有するように構成され、
前記第2の供給ノードは、前記第1の供給電圧よりも大きい第2の供給電圧を有するように構成され、
前記第3の供給ノードは、前記第2の供給電圧よりも大きい第3の供給電圧を有するように構成されている、請求項4に記載の集積回路。
【請求項6】
前記第2のインバータ及び前記第3のインバータは、同じ駆動能力を有し、
前記第5のインバータ及び前記第6のインバータは、同じ駆動能力を有する、請求項4に記載の集積回路。
【請求項7】
前記出力段回路は、
前記第3の出力ノードと第1の供給ノードとの間に電気的に接続されたプルダウン回路であって、前記プルダウン回路は前記第1の入力ノードを有し、前記第1の供給ノードは、第1の供給電圧を有するように構成されている、プルダウン回路と、
前記第3の出力ノードと第2の供給ノードとの間に電気的に接続されたプルアップ回路であって、前記プルアップ回路は前記第2の入力ノードを有し、前記第2の供給ノードは、前記第1の供給電圧よりも大きい第2の供給電圧を有するように構成されている、プルアップ回路と、を含む、請求項1に記載の集積回路。
【請求項8】
前記プルダウン回路は、前記第3の出力ノードと前記第1の供給ノードとの間に電気的に接続されたソースノード及びドレインノードを有するn型トランジスタを含み、前記n型トランジスタのゲートノードは、前記第1の入力ノードに電気的に接続され、
前記プルアップ回路は、前記第3の出力ノードと前記第2の供給ノードとの間に電気的に接続されたソースノード及びドレインノードを有するp型トランジスタを含み、前記p型トランジスタのゲートノードは、前記第2の入力ノードに電気的に接続される、請求項7に記載の集積回路。
【請求項9】
レベルシフタ回路を備える集積回路であって、前記レベルシフタ回路は、
第1のラッチノード及び第1の出力ノードを有する非レベルシフトラッチ回路であって、前記第1のラッチノードは、前記レベルシフタ回路の信号入力ノードに電気的に結合され、前記非レベルシフトラッチ回路は、前記第1のラッチノードにおいて第1のDCバイアス電圧を提供するように構成された第1のDCバイアス回路を含む、非レベルシフトラッチ回路と、
第2のラッチノード及び第2の出力ノードを有するレベルシフトラッチ回路であって、前記第2のラッチノードは、前記レベルシフタ回路の前記信号入力ノードに電気的に結合され、前記レベルシフトラッチ回路は、前記第2のラッチノードにおいて第2のDCバイアス電圧を提供するように構成された第2のDCバイアス回路を含む、レベルシフトラッチ回路と、を含む、集積回路。
【請求項10】
前記レベルシフタ回路は、
前記レベルシフタ回路の出力ノードに電気的に接続されたプルダウン回路であって、前記プルダウン回路は、前記第1の出力ノードの電圧に応答して前記レベルシフタ回路の前記出力ノードの電圧をプルダウンするように構成されている、プルダウン回路と、
前記レベルシフタ回路の前記出力ノードに電気的に接続されたプルアップ回路であって、前記プルアップ回路は、前記第2の出力ノードの電圧に応答して前記レベルシフタ回路の前記出力ノードの電圧をプルアップするように構成されている、プルアップ回路と、を更に含む、請求項9に記載の集積回路。
【請求項11】
前記第1のDCバイアス回路は、いずれも前記第1のラッチノードに電気的に接続された入力ノード及び出力ノードを有する第1のインバータを含み、
前記第2のDCバイアス回路は、いずれも前記第2のラッチノードに電気的に接続された入力ノード及び出力ノードを有する第2のインバータを含む、請求項9に記載の集積回路。
【請求項12】
前記非レベルシフトラッチ回路は、第1の供給ノード及び第2の供給ノードに電気的に接続されたそれぞれの電力ノードを有し、前記第1の供給ノードは、第1の供給電圧を有するように構成され、前記第2の供給ノードは、前記第1の供給電圧よりも大きい第2の供給電圧を有するように構成され、前記非レベルシフトラッチ回路は、前記第1の出力ノード上で、前記第1の供給電圧と前記第2の供給電圧との間の電圧振幅を有する信号を出力するように構成され、
前記レベルシフトラッチ回路は、前記第2の供給ノード及び第3の供給ノードに電気的に接続されたそれぞれの電力ノードを有し、前記第3の供給ノードは、前記第2の供給電圧よりも大きい第3の供給電圧を有するように構成され、前記レベルシフトラッチ回路は、前記第2の出力ノード上で、前記第2の供給電圧と前記第3の供給電圧との間の電圧振幅を有する信号を出力するように構成されている、請求項9に記載の集積回路。
【請求項13】
前記レベルシフタ回路は、出力段回路を更に含み、前記出力段回路は、
前記第1の供給ノードと前記レベルシフタ回路の出力ノードとの間に電気的に接続されたプルダウン回路と、
前記レベルシフタ回路の前記出力ノードと前記第3の供給ノードとの間に電気的に接続されたプルアップ回路と、を含み、前記出力段回路は、前記レベルシフタ回路の前記出力ノード上で、前記第1の供給電圧と前記第3の供給電圧との間の電圧振幅を有する出力信号を出力するように構成されている、請求項12に記載の集積回路。
【請求項14】
前記レベルシフタ回路は、前記信号入力ノードに電気的に接続された入力ノードを有し、前記第1のラッチノード及び前記第2のラッチノードに電気的に結合された出力ノードを有するバッファ回路を更に含む、請求項9に記載の集積回路。
【請求項15】
集積回路を動作させる方法であって、前記方法は、
入力ノードにおいて入力信号を受信することであって、前記入力ノードは、第1のラッチノード及び第2のラッチノードに電気的に結合され、非レベルシフトラッチ回路は、前記第1のラッチノードと、前記第1のラッチノードに電気的に接続された第1のDCバイアス回路と、を含み、レベルシフトラッチ回路は、前記第2のラッチノードと、前記第2のラッチノードに電気的に接続された第2のDCバイアス回路と、を含む、ことと、
前記第1のラッチノード上の信号に基づいて、前記非レベルシフトラッチ回路によって非レベルシフト信号を生成することと、
前記第2のラッチノード上の信号に基づいて、前記レベルシフトラッチ回路によってレベルシフト信号を生成することと、
出力段回路から出力信号を出力することであって、前記出力段回路は、前記非レベルシフト信号及び前記レベルシフト信号に応答して前記出力信号を生成する、ことと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(政府の権利)
本発明は、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency)によって授与された契約番号HR0011-19-3-0004の下で米国政府の支援を受けてなされた。米国政府は、本発明において一定の権利を有する。
【0002】
(発明の分野)
本開示の例は、概して、自己バイアスを有するラッチベースのレベルシフタ回路を含む集積回路に関する。
【背景技術】
【0003】
集積回路(integrated circuit、IC)は、信号のレベル又は電圧振幅を変更するためにレベルシフタ回路を実装することができる。例えば、レベルシフタ回路は、第1の供給電圧までであり得る信号のレベル又は電圧振幅を、第2の異なる供給電圧までであり得るレベル又は電圧振幅に変更することができる。レベルシフタ回路は、IC内の異なる電圧ドメイン間に実装され得る。レベルシフタ回路は、光駆動回路などの駆動回路に組み込まれ得るか、又は駆動回路として実装され得る。光駆動回路は、例えば、IC(例えば、信号を生成するために使用される)のより低い供給電圧までであり得る信号の電圧振幅を、光デバイスを駆動するのに十分であるより高い供給電圧までであり得る電圧振幅に変更することができる。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載される例は、概して、自己バイアスを有するラッチベースのレベルシフタ回路を含む集積回路に関する。ラッチノードにおいてバイアスを提供することによって、ラッチの出力ノード上に出力され、出力段回路に入力される信号のそれぞれの同相電圧は、高周波数及び/又は低減された供給電圧においてさえ、適切なレベルに留まり得る。加えて、いくつかの例では、出力段回路の出力ノード上に出力される出力信号は、論理「1」の長いシーケンス及び論理「0」の長いシーケンスをドループなしに保持することができる。
【0005】
本明細書に記載される一例は、集積回路である。この集積回路は、第1のラッチ回路、第2のラッチ回路、及び出力段回路を含む。第1のラッチ回路は、第1のラッチノード及び第1の出力ノードを有する。第1のラッチノードは、信号入力ノードに電気的に結合される。第1のラッチ回路は、第1のラッチノードに電気的に接続され、第1のラッチノードにおいてバイアス電圧を提供するように構成された第1のバイアス回路を含む。第2のラッチ回路は、第2のラッチノード及び第2の出力ノードを有する。第2のラッチノードは、信号入力ノードに電気的に結合される。第2のラッチ回路は、第2のラッチノードに電気的に接続され、第2のラッチノードにおいてバイアス電圧を提供するように構成された第2のバイアス回路を含む。出力段回路は、第1の入力ノード、第2の入力ノード、及び第3の出力ノードを有する。第1の入力ノードは、第1の出力ノードに電気的に接続される。第2の入力ノードは、第2の出力ノードに電気的に接続される。出力段回路は、第1の入力ノード及び第2の入力ノードのそれぞれの電圧に応答して、第3の出力ノードの電圧を応答的にプルアップ及びプルダウンするように構成される。
【0006】
本明細書に記載される別の例は、集積回路である。この集積回路は、レベルシフタ回路を含む。レベルシフタ回路は、非レベルシフトラッチ回路及びレベルシフトラッチ回路を含む。非レベルシフトラッチ回路は、第1のラッチノード及び第1の出力ノードを有する。第1のラッチノードは、レベルシフタ回路の信号入力ノードに電気的に結合される。非レベルシフトラッチ回路は、第1のラッチノードにおいて第1のDCバイアス電圧を提供するように構成された第1のDCバイアス回路を含む。レベルシフトラッチ回路は、第2のラッチノード及び第2の出力ノードを有する。第2のラッチノードは、レベルシフタ回路の信号入力ノードに電気的に結合される。レベルシフトラッチ回路は、第2のラッチノードにおいて第2のDCバイアス電圧を提供するように構成された第2のDCバイアス回路を含む。
【0007】
本明細書に記載される別の例は、集積回路を動作させる方法である。入力信号が入力ノードで受信される。入力ノードは、第1のラッチノード及び第2のラッチノードに電気的に結合される。非レベルシフトラッチ回路は、第1のラッチノードと、第1のラッチノードに電気的に接続された第1のDCバイアス回路と、を含む。レベルシフトラッチ回路は、第2のラッチノードと、第2のラッチノードに電気的に接続された第2のDCバイアス回路と、を含む。非レベルシフト信号は、第1のラッチノード上の信号に基づいて非レベルシフトラッチ回路によって生成される。レベルシフト信号は、第2のラッチノード上の信号に基づいてレベルシフトラッチ回路によって生成される。出力信号が出力段回路から出力される。出力段回路は、非レベルシフト信号及びレベルシフト信号に応答して出力信号を生成する。
【0008】
これら及び他の態様は、以下の「発明を実施するための形態」を参照して理解され得る。
【0009】
上記の特徴が詳細に理解され得るように、上記で簡潔に要約されたより具体的な説明が、例示的な実装形態を参照することによって行われ得、それらの実装形態のうちのいくつかが添付の図面に示される。しかしながら、添付の図面は、典型的な例示の実装形態のみを示しており、したがって、その範囲を限定するものと見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】いくつかの例による、例示的なレベルシフタ回路を示す。
【
図2】いくつかの例による、レベルシフタ回路を含む集積回路を動作させるための方法のフロー図である。
【0011】
理解を容易にするために、可能な場合には、図面に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が使用されている。一例の要素は、他の例に有益に組み込まれ得ることが企図される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に記載される例は、概して、自己バイアスを有するラッチベースのレベルシフタ回路を含む集積回路に関する。本明細書に記載される例の態様は、概して、レベルシフタ回路に関するが、特定の例は光駆動回路との関連で記載されている。概して、本明細書に記載される例では、レベルシフタ回路は、異なる供給電圧にあるように構成された供給ノードの異なる対の間に電気的に接続されたラッチを含む。それぞれのラッチは、バイアスされるラッチノードを有する。いくつかの例では、ラッチノードは、相補型デバイス(例えば、相補型金属酸化膜半導体(complementary metal-oxide-semiconductor、CMOS)インバータなどのインバータの入力ノード及び出力ノードに電気的に接続されることによってバイアスされる。ラッチのそれぞれの出力ノードは、出力段回路の入力ノードに電気的に接続され、出力段回路は、それに応答して、出力段回路の出力ノード上の電圧をプルアップ及びプルダウンするように構成される。ラッチノードにおいてバイアスを提供することによって、ラッチの出力ノード上に出力され、出力段回路に入力される信号のそれぞれの同相電圧は、高周波数及び/又は低減された供給電圧においてさえ、適切なレベルに留まり得る。加えて、いくつかの例では、例えば、バイアスインバータの駆動能力をそれぞれのラッチのフィードバックインバータの駆動能力と整合させることによって、出力段回路の出力ノード上に出力される出力信号は、論理「1」の長いシーケンス及び論理「0」の長いシーケンスをドループなしに保持することができる。
【0013】
様々な特徴が、図面を参照して以下に記載される。図面は縮尺どおりに描かれている場合もあるし、描かれていない場合もあり、同様の構造又は機能の要素は図面全体を通して同様の参照番号によって表されていることに留意されたい。図面は、特徴の説明を容易にすることのみを意図していることに留意されたい。それらは、「特許請求の範囲」に記載された発明の網羅的な説明として又は「特許請求の範囲」に記載された発明の範囲を限定するものとして意図されていない。加えて、図示された例は、示されたすべての態様又は利点を有する必要はない。特定の例に関連して記載される態様又は利点は、必ずしもその例に限定されず、そのように図示されていなくても、又はそのように明示的に記載されていなくても、任意の他の例において実施され得る。更に、本明細書に記載される方法は、特定の動作順序で記載される場合があるが、他の例による他の方法は、より多くの動作又はより少ない動作によって様々な他の順序(例えば、様々な動作の異なる直列又は並列実行を含む)で実施され得る。
【0014】
以下の説明では、様々な信号(例えば、電圧及び/又は電流)が、様々な回路の動作との関連で記載されている。記載された信号は、信号が印加又は伝搬される対応するノードを示し、更に、通信可能に結合及び/又は電気的に接続されるノードを示す。例えば、第1の回路から出力され、第2の回路に入力される信号の説明は、(第1の回路から信号が出力される)第1の回路の出力ノードが、(第2の回路に信号が入力される)第2の回路の入力ノードに通信可能に結合及び/又は電気的に接続されることを示す。そのようなノードの明示的な説明は、以下の説明において省略される場合があるが、当業者であれば、ノードの存在を容易に理解するであろう。
【0015】
図1は、いくつかの例による、例示的なレベルシフタ回路を示す。図示の例では、レベルシフタ回路は光駆動回路100でもある。レベルシフタ回路、この例では光駆動回路100は、比較的低い電圧振幅を有し得る入力信号D
inを受信し、比較的高い電圧振幅を有し得る出力信号D
outを生成するように構成されている。本明細書での説明のために、入力信号D
inは、第1の供給電圧VDD
1と接地電位との間で比較的低い電圧振幅を有し得、出力信号D
outは、第2の供給電圧VDD
2と接地電位との間で比較的高い電圧振幅を有し得、第2の供給電圧VDD
2は、第1の供給電圧VDD
1よりも大きい。いくつかの態様では、第1の供給電圧VDD
1は約0.9ボルトに等しくてもよく、第2の供給電圧VDD
2は約1.8ボルトに等しくてもよい。他の例では、第1の供給電圧VDD
1及び第2の供給電圧VDD
2は、他の好適な電圧であってもよい。
【0016】
図1の例は、接地ノード、第1の供給ノードVDD
1、及び第2の供給ノードVDD
2を用いて図示及び記載されている(これらには、接地電位、第1の供給電圧VDD
1、及び第2の供給電圧VDD
2が供給される)。他の例では、異なる供給電圧又は電位が実装され得る。より一般的には、接地ノード及び接地電位は、それぞれ第1の供給ノード及び第1の供給電圧と考えることができ、第1の供給ノードVDD
1及び第1の供給電圧VDD
1は、それぞれ第2の供給ノード及び第2の供給電圧と考えることができ、第2の供給ノードVDD
2及び第2の供給電圧VDD
2は、それぞれ第3の供給ノード及び第3の供給電圧と考えることができる。この包括的な説明では、第2の供給電圧は第1の供給電圧よりも大きく、第3の供給電圧は第2の供給電圧よりも大きい。
【0017】
光駆動回路100は、バッファ回路110と、非レベルシフトラッチ回路120と、レベルシフトラッチ回路130と、プルダウン回路140と、プルアップ回路150と、誘導性回路160と、を含む。図示の例では、バッファ回路110は、入力ノード102上で入力信号Dinを受信するように構成され、プルダウン回路140、プルアップ回路150、及び誘導性回路160は、光駆動回路100の出力ノード104上で出力信号Doutを送信機(TX)バンプ170に提供する光駆動回路100の出力段回路を形成する。TXバンプ170は、例えば、電界吸収型変調器(electro-absorption modulator、EAM)、リング変調器(ring modulator、RM)、又は任意の他の好適な電気光学変換器などの電気光学変換器180に結合され得る。
【0018】
光駆動回路100として記載されているが、バッファ回路110、非レベルシフトラッチ回路120、レベルシフトラッチ回路130、プルダウン回路140、及びプルアップ回路150は、任意の適切な用途のためのラッチベースのレベルシフタ回路として実装され得る。当業者は、そのような用途を容易に理解するであろう。
【0019】
バッファ回路110は、入力ノード102であるか又は入力ノード102に電気的に接続され、入力信号Dinを受信するように構成された入力ノードを有する。バッファ回路110は、入力ノード102と第1のノードN1との間に電気的に直列に接続されたインバータ111及びインバータ112を含む。インバータ111の入力ノードは、バッファ回路110の入力ノード102に電気的に接続される。インバータ111の出力ノードは、インバータ112の入力ノードに電気的に接続される。インバータ112の出力ノードは、バッファ回路110の出力ノードであり、第1のノードN1に電気的に接続される。インバータ111及びインバータ112は、第1の供給ノードVDD1及び接地ノードに電気的に接続された電力ノードを含む。第1の供給ノードVDD1は、動作時に第1の供給電圧VDD1となるように構成され、接地ノードは、動作時に接地電位となるように構成される。インバータ111及びインバータ112は、接地電位(例えば、0ボルト)と第1の供給電圧VDD1との間のレールツーレール電圧振幅を有するように入力信号Dinをバッファリング及び駆動するために使用され得る。いくつかの例では、インバータ111及びインバータ112はそれぞれ、相補型デバイス(例えば、CMOS)インバータであり得る。
【0020】
バッファ回路110の出力ノード(例えば、第1のノードN1に電気的に接続される)は、非レベルシフトラッチ回路120の入力ノード及びレベルシフトラッチ回路130の入力ノードに電気的に接続される。非レベルシフトラッチ回路120は、コンデンサ121及びインバータ122、123、124を含む。コンデンサ121の第1の端子は、非レベルシフトラッチ回路120の入力ノードであり、バッファ回路110の出力ノードに電気的に接続される。コンデンサ121の第2の端子(コンデンサ121の第1の端子の反対側)、インバータ122の入力ノード、インバータ123の出力ノード、並びにインバータ124の入力ノード及び出力ノードは、互いに電気的に接続され、ラッチノードN1Aを形成する。インバータ122の出力ノード及びインバータ123の入力ノードは互いに電気的に接続され、非レベルシフトラッチ回路120の出力ノードN2を形成する。非レベルシフトラッチ回路120の出力ノードN2は、プルダウン回路140の入力ノードに電気的に接続される。インバータ122、123、124はそれぞれ、第1の供給ノードVDD1及び接地ノードに電気的に接続された電力ノードを含む。いくつかの例では、インバータ122、123、124はそれぞれ、相補型デバイス(例えば、CMOS)インバータであり得る。
【0021】
コンデンサ121は、入力信号DinのDC成分を遮断し得る。インバータ122、123は、入力信号Dinの論理補数値を出力ノードN2において記憶するように構成された反転ラッチを形成する。電気的に接続されたインバータ124は、DCバイアス回路であり、非レベルシフトラッチ回路120に自己バイアス電圧を提供する。インバータ124によって提供される自己バイアス(例えば、DCバイアス電圧)は、動作時の第1の供給電圧VDD1が公称値を下回るときのように、ラッチノードN1Aにおける遷移強度が小さいときなどであっても、インバータ122、123によって形成されるラッチが適切なバイアスを維持することを可能にする。これは更に、出力ノードN2に記憶された論理補数値が適切な同相電圧を維持することを可能にする。コンデンサ121がDC成分を遮断することにより、インバータ122、123によって形成されるラッチは、入力信号Dinのエッジにおいて論理状態間を遷移し得る。
【0022】
レベルシフトラッチ回路130は、コンデンサ131及びインバータ132、133、134を含む。コンデンサ131の第1の端子は、レベルシフトラッチ回路130の入力ノードであり、バッファ回路110の出力ノードに電気的に接続される。コンデンサ131の第2の端子(コンデンサ131の第1の端子の反対側)、インバータ132の入力ノード、インバータ133の出力ノード、並びにインバータ134の入力ノード及び出力ノードは、互いに電気的に接続され、ラッチノードN1Bを形成する。インバータ132の出力ノードとインバータ133の入力ノードとは互いに電気的に接続され、レベルシフトラッチ回路130の出力ノードN3を形成する。レベルシフトラッチ回路130の出力ノードN3は、プルアップ回路150の入力ノードに電気的に接続される。インバータ132、133、134はそれぞれ、第2の供給ノードVDD2及び第1の供給ノードVDD1に電気的に接続された電力ノードを含む。第2の供給ノードVDD2は、動作時に第2の供給電圧VDD2であるように構成されている。いくつかの例では、インバータ132、133、134はそれぞれ、相補型デバイス(例えば、CMOS)インバータであり得る。
【0023】
コンデンサ131は、入力信号DinのDC成分を遮断し得る。インバータ132、133は、入力信号Dinの論理補数値を出力ノードN3において記憶するように構成された反転ラッチを形成する。更に、インバータ132、133の電力ノードは、それぞれ第2の供給電圧VDD2及び第1の供給電圧VDD1が提供される第2の供給ノードVDD2と第1の供給ノードVDD1との間に電気的に接続されるため、レベルシフトラッチ回路130はまた、入力信号Dinをレベルシフトして、入力信号Dinの論理補数値であり、ほぼ第2の供給電圧VDD2と第1の供給電圧VDD1との間の電圧振幅を有するレベルシフト信号Dhighを生成し得る。電気的に接続されたインバータ134は、DCバイアス回路であり、レベルシフトラッチ回路130に自己バイアス電圧を提供する。インバータ134によって提供される自己バイアス(例えば、DCバイアス電圧)は、動作時の第2の供給電圧VDD2が公称値を下回るときのように、ラッチノードN1Bにおける遷移強度が小さいときなどであっても、インバータ132、133によって形成されるラッチが適切なバイアスを維持することを可能にする。これは更に、出力ノードN3に記憶された論理補数値が適切な同相電圧を維持することを可能にする。コンデンサ131がDC成分を遮断することにより、インバータ132、133によって形成されるラッチは、入力信号Dinのエッジにおいて論理状態間を遷移し得る。
【0024】
動作中、インバータ124は、ラッチノードN1Aにおいて、接地電位が0Vであると仮定した場合、図示される例においてVDD1/2であり得るバイアス電圧を提供し、インバータ134は、ラッチノードN1Bにおいて、図示される例において(VDD2+VDD1)/2であり得るバイアス電圧を提供する。入力信号Dinがハイ論理状態に駆動されるとき、第1のノードN1上の信号は、バッファ回路110によってハイ論理状態(例えば、第1の供給電圧VDD1)に駆動され、それにより、ラッチノードN1A、N1B上のそれぞれの信号がハイ論理状態(例えば、第1の供給電圧VDD1)に駆動される。
【0025】
ラッチノードN1A上のハイ論理状態に応答して、インバータ122は、出力ノードN2をロー論理状態(例えば、接地電位)に駆動し、出力ノードN2上のロー論理状態に応答して、インバータ123は、ラッチノードN1Aを第1の供給電圧VDD1に向けてハイに駆動しようとする。インバータ124は、ラッチノードN1Aをバイアス電圧(例えば、VDD1/2)に向けて駆動しようとする。いくつかの例では、インバータ123、124の駆動能力は等しい。より具体的には、インバータ123のそれぞれのn型トランジスタは、インバータ124のそれぞれのn型トランジスタと同じチャネル幅及びチャネル長を有することができ(逆もまた同様)、インバータ123のそれぞれのn型トランジスタは、インバータ124のそれぞれのp型トランジスタと同じチャネル幅及びチャネル長を有することができる(逆もまた同様)。インバータ123は、集積回路内のインバータ124と同じ物理的レイアウトであり得る。インバータ123、124の駆動能力が同じであると仮定すると、ラッチノードN1Aは、インバータ122が出力ノードN2をロー論理状態に駆動し続けるようにするインバータ122のスイッチングしきい値よりも大きい、(3/4)VDD1に向けて駆動される。
【0026】
ラッチノードN1B上のハイ論理状態に応答して、インバータ132は、出力ノードN3をロー論理状態(例えば、第1の供給電圧VDD1)に駆動し、出力ノードN3上のロー論理状態に応答して、インバータ133は、ラッチノードN1Bを第2の供給電圧VDD2に向けてハイに駆動しようとする。インバータ134は、ラッチノードN1Bをバイアス電圧(例えば、(VDD2+VDD1)/2)に向けて駆動しようとする。いくつかの例では、インバータ133、134の駆動能力は等しい。より具体的には、インバータ133のそれぞれのn型トランジスタは、インバータ134のそれぞれのn型トランジスタと同じチャネル幅及びチャネル長を有することができ(逆もまた同様)、インバータ133のそれぞれのn型トランジスタは、インバータ134のそれぞれのp型トランジスタと同じチャネル幅及びチャネル長を有することができる(逆もまた同様)。インバータ133は、集積回路内のインバータ134と同じ物理的レイアウトであり得る。インバータ133、134の駆動能力が同じであると仮定すると、ラッチノードN1Bは、インバータ132が出力ノードN3をロー論理状態に駆動し続けるようにするインバータ132のスイッチングしきい値よりも大きい、[(3/4)VDD2+(1/4)VDD1]に向けて駆動される。
【0027】
入力信号Dinがロー論理状態に駆動されるとき、第1のノードN1上の信号は、バッファ回路110によってロー論理状態(例えば、接地電位)に駆動され、それにより、ラッチノードN1A、N1B上のそれぞれの信号がロー論理状態(例えば、接地電位)に駆動される。
【0028】
ラッチノードN1A上のロー論理状態に応答して、インバータ122は、出力ノードN2をハイ論理状態(例えば、第1の供給電圧VDD1)に駆動し、出力ノードN2上のロー論理状態に応答して、インバータ123は、ラッチノードN1Aを接地電位に向けてローに駆動しようとする。インバータ124は、ラッチノードN1Aをバイアス電圧(例えば、VDD1/2)に向けて駆動しようとする。上述したように、インバータ123、124の駆動能力が同じであると仮定すると、ラッチノードN1Aは、インバータ122が出力ノードN2をハイ論理状態に駆動し続けるようにするインバータ122のスイッチングしきい値よりも小さい、(1/4)VDD1に向けて駆動される。
【0029】
ラッチノードN1B上のロー論理状態に応答して、インバータ132は、出力ノードN3をハイ論理状態(例えば、第2の供給電圧VDD2)に駆動し、出力ノードN3上のハイ論理状態に応答して、インバータ133は、ラッチノードN1Bを第1の供給電圧VDD1に向けてローに駆動しようとする。インバータ134は、ラッチノードN1Bをバイアス電圧(例えば、(VDD2+VDD1)/2)に向けて駆動しようとする。上述したように、インバータ133、134の駆動能力が同じであると仮定すると、ラッチノードN1Bは、インバータ132が出力ノードN3をハイ論理状態に駆動し続けるようにするインバータ132のスイッチングしきい値よりも小さい、[(1/4)VDD2+(3/4)VDD1]に向けて駆動される。
【0030】
インバータ122、123、124の電力ノードは、第1の供給ノードVDD1及び接地ノードに電気的に接続されるので、入力信号Dinは、インバータ122、123によってレベルシフトされなくてもよい。非レベルシフトラッチ回路120は、出力ノードN2を介して、入力信号Dinの論理補数である非レベルシフト信号Dlowをプルダウン回路140に提供し得る。レベルシフトラッチ回路130は、入力信号Dinの電圧振幅を、比較的低い電圧範囲(0ボルトと第1の供給電圧VDD1との間)から比較的高い電圧範囲(第1の供給電圧VDD1と第2の供給電圧VDD2との間)にレベルシフトさせ得る。入力信号Dinの論理補数である、結果として生じるレベルシフト信号Dhighは、出力ノードN3を介してプルアップ回路150に提供され得る。
【0031】
プルダウン回路140は、第1のn型トランジスタ141(例えば、n型電界効果トランジスタ(field effect transistor、FET))と、第2のn型トランジスタ142と、第3のn型トランジスタ143と、を含む。第1のn型トランジスタ141のゲートノードは、非レベルシフトラッチ回路120の出力ノードN2に電気的に接続されて、プルダウン回路140に非レベルシフト信号Dlowを提供するプルダウン回路140の入力ノードである。第1のn型トランジスタ141は、第2のn型トランジスタ142のソースノードに電気的に接続されたドレインノードを有する。第2のn型トランジスタ142は、バイアスノードNbiasに電気的に接続されたゲートノードを有し、光駆動回路100の出力ノード104に誘導結合された出力ノードNNに電気的に接続されたドレインノードを有する。バイアスノードNbiasは、図示の例では、第1の供給ノードVDD1に電気的に接続される。第1のn型トランジスタ141は、第3のn型トランジスタ143のドレインノードに電気的に接続されたソースノードを有する。第3のn型トランジスタ143は、第1の制御ノードCTR_1に電気的に接続されたゲートノードを有し、接地ノードに電気的に接続されたソースノードを有する。
【0032】
プルアップ回路150は、第1のp型トランジスタ151(例えば、p型FET)と、第2のp型トランジスタ152と、第3のp型トランジスタ153と、を含む。第1のp型トランジスタ151のゲートノードは、レベルシフトラッチ回路130の出力ノードN3に電気的に接続されて、レベルシフト信号Dhighをプルアップ回路150に提供するプルアップ回路150の入力ノードである。第1のp型トランジスタ151は、第2のp型トランジスタ152のソースノードに電気的に接続されたドレインノードを有する。第2のp型トランジスタ152は、バイアスノードNbiasに電気的に接続されたゲートノードを有し、光駆動回路100の出力ノード104に誘導結合された出力ノードNpに電気的に接続されたドレインノードを有する。第1のp型トランジスタ151は、第3のp型トランジスタ153のドレインノードに電気的に接続されたソースノードを有する。第3のp型トランジスタ153は、第2の制御ノードCTR_2に電気的に接続されたゲートノードを有し、第2の供給ノードVDD2に電気的に接続されたソースノードを有する。
【0033】
概して、第1の制御ノードCTR_1上に印加される第1の制御信号CTR_1は、出力ノード104上の出力信号Doutの立ち下がりエッジ遷移を制御又は調整するために使用され得、第2の制御ノードCTR_2上に印加される第2の制御信号CTR_2は、出力信号Doutの立ち上がりエッジ遷移を制御又は調整するために使用され得る。より具体的に、プルダウン回路140は、第1の制御信号CTR_1に基づいて出力信号Doutの立ち下がりエッジ遷移を調整するように構成され得、プルアップ回路150は、第2の制御信号CTR_2に基づいて出力信号Doutの立ち上がりエッジ遷移を調整するように構成され得る。いくつかの態様では、プルアップ回路150及びプルダウン回路140は、互いに独立して、出力信号Doutの立ち上りエッジ遷移及び立ち下りエッジ遷移をそれぞれ制御又は調整し得る。
【0034】
誘導性回路160は、プルアップ回路150とプルダウン回路140との間に電気的に接続された第1のインダクタ161及び第2のインダクタ162を含む。
図1に示すように、第1のインダクタ161は、第2のp型トランジスタ152のドレインノード(例えば、出力ノードN
P)と出力ノード104との間に電気的に接続され、第2のインダクタ162は、第2のn型トランジスタ142のドレインノード(例えば、出力ノードN
N)と出力ノード104との間に電気的に接続される。いくつかの実装形態では、インダクタ161、162はそれぞれ、同じサイズ及び形状であってもよく、光駆動回路100が配設される集積回路チップ内で互いの上に積み重ねられてもよい。このようにして、インダクタ161、162は、互いに電磁的に結合されてもよく、それによって、誘導性回路160の全体的なインダクタンスを増加させ得るインダクタ161、162間の相互インダクタンスをもたらす。
【0035】
上述したように、入力信号Dinがハイ論理状態(例えば、第1の供給電圧VDD1又はその付近)に駆動されると、インバータ122は、出力ノードN2をロー論理状態(例えば、接地電位)に駆動し、インバータ132は、出力ノードN3をロー論理状態(例えば、第1の供給電圧VDD1)に駆動する。したがって、そのような状況では、非レベルシフト信号Dlowはロー論理状態(例えば、接地電位)であり、レベルシフト信号Dhighはロー論理状態(例えば、第1の供給電圧VDD1)である。
【0036】
非レベルシフト信号Dlowがロー(例えば、接地電位)であることによって、第1のn型トランジスタ141が非導電状態又は開状態に維持され、それによって出力ノード104が接地電位から分離される。レベルシフト信号Dhighがロー(例えば、第1の供給電圧VDD1)であることによって、第1のp型トランジスタ151がオンにされて導電状態又は閉状態にされ得、第2の制御信号CTR_2から生じる第3のp型トランジスタ153の状態による影響を受け得る。加えて、第1の供給電圧VDD1は、第2のp型トランジスタ152のゲートノードに印加され、したがって、第2のp型トランジスタ152もオンにされ得、第3のp型トランジスタ153の状態による影響を受け得る。結果として、第1のp型トランジスタ151及び第2のp型トランジスタ152は、両方とも導電状態にあり得、第1のインダクタ161を通して出力ノード104を第2の供給電圧VDD2に向かって引き上げ得る。
【0037】
入力信号Dinがロー論理状態(例えば、接地電位又はその付近)に駆動されると、インバータ122は、出力ノードN2をハイ論理状態(例えば、第1の供給電圧VDD1)に駆動し、インバータ132は、出力ノードN3をハイ論理状態(例えば、第2の供給電圧VDD2)に駆動する。したがって、非レベルシフト信号Dlowは、ハイ論理状態(例えば、第1の供給電圧VDD1)であり、レベルシフト信号Dhighは、ハイ論理状態(例えば、第2の供給電圧VDD2)である。
【0038】
非レベルシフト信号Dlowがハイ(例えば、第1の供給電圧VDD1)であることによって、第1のn型トランジスタ141がオンにされて導電状態又は閉状態にされ得、第1の制御信号CTR_1から生じる第3のn型トランジスタ143の状態による影響を受け得る。加えて、第1の供給電圧VDD1は、第2のn型トランジスタ142のゲートノードに印加され、したがって、第2のn型トランジスタ142もオンにされ得、第3のn型トランジスタ143の状態による影響を受け得る。結果として、第1のn型トランジスタ141及び第2のn型トランジスタ142は、両方とも導電状態にあり得、第2のインダクタ162を介して出力ノード104を接地電位に向かって引き下げ得る。レベルシフト信号Dhighがハイ(例えば、第2の供給電圧VDD2)であることによって、第1のp型トランジスタ151が非導電状態又は開状態に維持され、それによって、出力ノード104が第2の供給電圧VDD2から分離される。
【0039】
光駆動回路100は、電気信号の電圧振幅を、例えば、光信号により適したレベルまで増加させるように構成されている。より具体的には、入力信号Dinは、接地電位と第1の供給電圧VDD1との間(例えば、0V~0.9V)の電圧振幅を有するが、光駆動回路100によって生成される出力信号Doutは、接地電位と第2の供給電圧VDD2との間(例えば、0V~1.8V)の電圧振幅を有する。
【0040】
誘導性回路160は、プルダウン回路140及びプルアップ回路150内の寄生容量を低減又は分離し得、それによって、光駆動回路100の全体的な負荷容量を低減することによって、出力信号D
outにおけるより速いエッジ遷移を可能にする。より具体的には、第1のインダクタ161は、出力信号D
outの立ち上がりエッジ遷移中にプルアップ回路150内の寄生容量を低減又は分離し得、第2のインダクタ162は、出力信号D
outの立ち下がりエッジ遷移中にプルダウン回路140内の寄生容量を低減又は分離し得る。したがって、大きなデータレートでは、
図1の光駆動回路100は、出力信号D
outを接地電位と第2の供給電圧VDD
2との間(例えば、それぞれ論理ロー状態と論理ハイ状態との間)を十分な速度で遷移させることが可能であり得る。誘導性回路160は、例えば、TXバンプ170(いくつかの実装形態では70~90fFであり得る)及び/又は電気光学変換器180に関連付けられた比較的大きい出力負荷容量に適応し得る。
【0041】
加えて、電気光学変換器180の1つ以上の構成要素に起因する非線形歪みは、電気光学変換器180が、出力信号Doutの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジに対して非対称応答を有する原因となり得、変換された光信号が非対称の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを有する望ましくない原因となり得る。光駆動回路100はまた、例えば、出力信号の立ち上がりエッジ遷移及び立ち下がりエッジ遷移を独立して調整することによって、電気光学変換器180によって引き起こされる非線形歪みを補償し得る。このようにして、本明細書で開示される光駆動回路は、光駆動回路によって生成される出力信号の立ち上がり及び立ち上がりエッジ遷移に対する電気光学変換器の非対称応答を補償し得る。
【0042】
いくつかの例では、第1の制御信号CTR_1及び第2の制御信号CTR_2は、出力信号Doutの立ち上がりエッジ遷移及び立ち下がりエッジ遷移に対する電気光学変換器180の非対称応答を示す情報に少なくとも部分的に基づき得る。このようにして、出力信号Doutの立ち上がりエッジ遷移の速度及び/又は出力信号Doutの立ち下がりエッジ遷移の速度は、それぞれ第1の制御信号CTR_1及び第2の制御信号CTR_2によって調整されて、出力信号Doutにプリエンファシスを提供し、電気光学変換器180固有の非線形性を補償し得る。
【0043】
第1の制御信号CTR_1は、第3のn型トランジスタ143のゲートノードに印加される電圧を選択的に調整することによって、プルダウン回路140が出力信号Doutの立ち下がりエッジ遷移中に出力ノード104を接地電位に向かって引き下げる速度を独立して制御又は調整し得る。例えば、第1の制御信号CTR_1の電圧は、第3のn型トランジスタ143を通る電流フローを増加させ、それによって出力信号Doutの立ち下りエッジ遷移の速度を増加させるために、(より高い正の電圧などに)増加され得、第1の制御信号CTR_1の電圧は、第3のn型トランジスタ143を通る電流フローを減少させ、それによって出力信号Doutの立ち下りエッジ遷移の速度を減少させるために、(より低い正の電圧などに)減少され得る。同様に、第2の制御信号CTR_2は、第3のp型トランジスタ153のゲートノードに印加される電圧を選択的に調整することによって、プルアップ回路150が出力信号Doutの立ち上がりエッジ遷移中に出力ノード104を第2の供給電圧VDD2に向かって引き上げる速度を独立して制御又は調整し得る。例えば、第2の制御信号CTR_2の電圧は、第3のp型トランジスタ153を通る電流フローを増加させ、それによって出力信号Doutの立ち上がりエッジ遷移の速度を増加させるために(より正でない電圧などに)減少され得、第2の制御信号CTR_2の電圧は、第3のp型トランジスタ153を通る電流フローを減少させ、それによって出力信号Doutの立ち上がりエッジ遷移の速度を減少させるために(より正の電圧などに)増加され得る。このようにして、光駆動回路100は、出力信号Doutの立ち上がりエッジ遷移及び立ち下がりエッジ遷移が、電気光学変換器180の非対称応答を補償する非対称性を呈するようにさせ得る。
【0044】
第1の制御信号CTR_1及び第2の制御信号CTR_2は、光駆動回路100内に設けられた、又は光駆動回路100に結合された任意の好適な回路によって生成され得る。
図1に示される例では、光駆動回路100は、第1の制御信号CTR_1及び第2の制御信号CTR_2を提供又は生成するように構成されたメモリ190を含むように示されている。メモリ190は、第1の制御信号CTR_1及び第2の制御信号CTR_2の電圧レベル又は電圧レベルを示す値を記憶し得る任意の好適なメモリ回路又は記憶デバイス(不揮発性メモリなど)であり得る。いくつかの例では、メモリ190は、第1の制御信号CTR_1及び第2の制御信号CTR_2のそれぞれについての複数の電圧又は値を記憶し得る。いくつかの例では、メモリ190は、第1の制御ノードCTR_1及び第2の制御ノードCTR_2に電気的に結合された1つ以上のデジタルアナログ変換器(digital-to-analog converter、DAC)に結合され得る。第1の制御信号CTR_1及び第2の制御信号CTR_2のためにメモリ190に記憶される電圧又は値は、電気光学変換器180の非対称応答挙動に基づき得る。いくつかの態様では、電気光学変換器180の非対称応答挙動は、例えば、アイダイアグラムを使用して決定され得る。他の態様では、電気光学変換器180は、出力信号D
outの立ち上がりエッジ遷移及び立ち下がりエッジ遷移に対するその非対称応答を示すフィードバック信号を提供することができ、フィードバック信号は、メモリ190に記憶された第1の制御信号CTR_1及び第2の制御信号CTR_2のそれぞれの電圧又は値を選択及び/又は更新するために使用され得る。
【0045】
メモリ190は、光駆動回路100の製造業者によって、光駆動回路100のテスターによって、光駆動回路100のユーザによって、又はそれらの任意の組合せによってプログラムされ得る。いくつかの態様では、メモリ190は、現場で(手動プログラミング又は無線(over the air、OTA)更新などによって)第1の制御信号CTR_1及び第2の制御信号CTR_2に好適な値でプログラムされてもよい。加えて、又は代替として、メモリ190に記憶された、第1の制御信号CTR_1及び第2の制御信号CTR_2に対する値は、現場で動的に更新されてもよい。
【0046】
他の実施形態において、メモリ190は、例えば、選択信号に応答して、選択され得る第1の制御信号CTR_1及び第2の制御信号CTR_2のそれぞれに対する複数の電圧又は値を記憶するためのルックアップテーブル(look-up table、LUT)であってもよく又はそれを含んでもよい。選択信号は、電気光学変換器180の非対称応答を補償する所望のエッジ遷移設定に基づいてもよく、又はそれを示してもよい。このようにして、光駆動回路100は、出力信号Doutにあるレベルのプリエンファシスを提供して、電気光学変換器180における非線形性を補償し得る。
【0047】
いくつかの例では、インダクタ161、162及び/又はトランジスタ143、153(及び対応するメモリ190)は省略され得る。例えば、レベルシフタ回路は、非線形性のための予歪が懸念されない場合、トランジスタ143、153及びメモリ190を省略することができる。そのような例では、第1のn型トランジスタ141のソースノードは、接地ノードに電気的に接続され得、第1のp型トランジスタ151のソースノードは、第2の供給ノードVDD2に電気的に接続され得る。更に、レベルシフタ回路は、負荷容量及び/又は速度が懸念されない場合、インダクタ161、162を省略することができる。そのような例では、第2のn型トランジスタ142のドレインノードは、出力ノード104に電気的に接続され得、第2のp型トランジスタ152のドレインノードは、出力ノード104に電気的に接続され得る。レベルシフタ回路は、例えば、同じ集積回路チップ上の異なるパワードメイン間、それぞれの異なる集積回路チップ上の異なるパワードメイン間、又は他の用途において実装され得る。
【0048】
光駆動回路100を一般的に参照すると、非レベルシフトラッチ回路120及びレベルシフトラッチ回路130においてそれぞれ自己バイアスを提供するインバータ124、134は、非レベルシフト信号Dlow及びレベルシフト信号Dhigh(それぞれ非レベルシフトラッチ回路120及びレベルシフトラッチ回路130から出力される)に適切な同相電圧を維持させることができる。インバータ124、134なしでは、高周波数(例えば、26.5GHz以上)において、供給電圧が低減されたとき、非レベルシフト信号Dlow及びレベルシフト信号Dhighの同相電圧が減少し、これにより、これらの信号は、プルアップ回路150及び/又はプルダウン回路140に出力ノード104の電圧をそれぞれプルアップ及び/又はプルダウンさせるのに不十分になることが観察された。したがって、低減された供給電圧を有する高周波数において、インバータ124、134なしでは、光駆動回路は、出力ノードにおいて出力信号Doutを適切に駆動することができないことが観察された。インバータ124、134を用いると、非レベルシフト信号Dlow及びレベルシフト信号Dhighの同相電圧は、プルアップ回路150及びプルダウン回路140に出力ノード104の電圧をそれぞれプルアップ及びプルダウンさせることができる適切なレベルに維持され得る。したがって、低減された供給電圧を有する高周波数において、インバータ124、134を用いると、光駆動回路100は、出力ノード104における出力信号Doutを適切に駆動することができる。
【0049】
なお更に、非レベルシフト信号Dlow及びレベルシフト信号Dhighの同相電圧は、広い周波数範囲にわたって異なる供給電圧で維持され得る。この場合も、インバータ124、134なしでは、第1の供給電圧VDD1が公称電圧(例えば、VDD1=0.9)にあるとき、信号Dlow、Dhighの同相電圧は、約29.4GHz以上の周波数において不適当なレベルに低下することが観察された。インバータ124、134なしでは、第1の供給電圧VDD1がプロセス電圧温度(process-voltage-temperature、PVT)変動などに起因して低減されると、信号Dlow、Dhighの同相電圧は、VDD1=0.88Vに対して約29.4GHz以上、VDD1=0.86Vに対して約22.8GHz以上など、より低い周波数において不適当なレベルに低下することになる。インバータ124、134を用いると、信号Dlow、Dhighの同相電圧は、最大40GHzなど、観察された周波数を通して適切なレベルに維持され得る。
【0050】
上述したように、いくつかの例では、インバータ123、124は同じ駆動能力を有し、インバータ133、134は同じ駆動能力を有する。これにより、非レベルシフトラッチ回路120及びレベルシフトラッチ回路130のラッチノードN1A、N1Bが、高周波数においてハイ論理状態とロー論理状態との間で遷移することが可能になり得、出力信号Doutが、ロー論理状態の長いシーケンス(例えば、論理「0」の長いシーケンス)及びハイ論理状態の長いシーケンス(例えば、論理「1」の長いシーケンス)が、それぞれ入力信号Dinとして入力されるとき、ドループなしにロー論理状態及びハイ論理状態のそれぞれの電圧を維持することが可能になり得る。ロー論理状態及びハイ論理状態の長いシーケンスが入力されたときに、ドループなしにロー論理状態及びハイ論理状態のそれぞれの電圧を維持する能力は、光駆動回路100が低周波数で動作し得ることを示し、これは、帯域幅(例えば、より低い周波数における)が悪影響を受けないことを示す。他の例では、インバータ123、124は異なる駆動能力を有し得、インバータ133、134は異なる駆動能力を有し得ることに留意されたい。目標同相電圧を達成するのに十分に大きい駆動能力を有することと、それぞれのラッチ回路がハイ状態とロー状態との間で遷移することを可能にするのに十分に小さい駆動能力を有することとのバランスを取ることによって、異なる駆動能力を有するインバータによる同じ又は類似の効果が達成され得る。
【0051】
図2は、いくつかの例による、レベルシフタ回路を含む集積回路を動作させるための方法200のフロー図である。方法200は、
図1の光駆動回路100との関連で記載されている。光駆動回路100との関連による方法200の以下の説明では、第1の制御信号CTR_1及び第2の制御信号CTR_2が適切な値に設定されると仮定する。当業者は、方法200の説明の他のレベルシフタ回路への適用可能性を容易に理解するであろう。
【0052】
ブロック202において、入力信号がレベルシフタ回路の入力ノードで受信される。例えば、入力信号Dinは入力ノード102で受信される。いくつかの例では、入力信号Dinは、接地電位と第1の供給電圧VDD1との間の電圧振幅を有する。
【0053】
ブロック204において、入力信号がバッファ回路を介してバッファリングされる。例えば、入力信号Dinはバッファ回路110に入力され、バッファリングされた信号は第1のノードN1で出力される。いくつかの例では、バッファリングされた信号は、接地電位と第1の供給電圧VDD1との間の電圧振幅を有する。
【0054】
ブロック206において、バッファリングされた信号は、非レベルシフトラッチ回路及びレベルシフトラッチ回路に入力される。例えば、第1のノードN1上の信号は、非レベルシフトラッチ回路120及びレベルシフトラッチ回路130に入力される。非レベルシフト用ラッチ回路120はラッチノードN1Aを含み、レベルシフトラッチ回路130はラッチノードN1Bを含む。ラッチノードN1A、N1Bは、それぞれのコンデンサ121、131を介して第1のノードN1に電気的に結合され、更に、バッファ回路110を介して入力ノード102に電気的に結合される。非レベルシフトラッチ回路120は、ラッチノードN1Aに電気的に接続され、ラッチノードN1Aにバイアス電圧を提供するように構成されたDCバイアス回路(例えば、インバータ124)を有する。レベルシフトラッチ回路130は、ラッチノードN1Bに電気的に接続され、ラッチノードN1Bにバイアス電圧を提供するように構成されたDCバイアス回路(例えば、インバータ134)を有する。非レベルシフトラッチ回路120は、接地電位及び第1の供給電圧VDD1を非レベルシフトラッチ回路120にそれぞれ提供する接地ノード及び第1の供給ノードVDD1に電気的に接続された電力ノードを有する。レベルシフトラッチ回路130は、第1の供給電圧VDD1及び第2の供給電圧VDD2をそれぞれレベルシフトラッチ回路130に提供する第1の供給ノードVDD1及び第2の供給ノードVDD2に電気的に接続された電力ノードを有する。第2の供給電圧VDD2は、第1の供給電圧VDD1よりも大きい。
【0055】
ブロック208において、非レベルシフト信号が、非レベルシフトラッチ回路のラッチノード上の信号に基づいて非レベルシフトラッチ回路によって生成される。例えば、非レベルシフトラッチ回路120は、ラッチノードN1A上の信号に基づいて、非レベルシフト信号Dlowを生成する。非レベルシフト信号Dlowは、例えば、インバータ122から生じるラッチノードN1A上の信号の論理補数である。いくつかの例では、非レベルシフト信号Dlowは、接地電位と第1の供給電圧VDD1との間の電圧振幅を有する。
【0056】
ブロック210において、レベルシフト信号が、レベルシフトラッチ回路のラッチノード上の信号に基づいてレベルシフトラッチ回路によって生成される。例えば、レベルシフトラッチ回路130は、ラッチノードN1B上の信号に基づいて、レベルシフト信号Dhighを生成する。レベルシフト信号Dhighは、例えば、インバータ132から生じるラッチノードN1B上の信号の論理補数である。いくつかの例では、レベルシフト信号Dhighは、第1の供給電圧VDD1と第2の供給電圧VDD2との間の電圧振幅を有する。
【0057】
ブロック212において、出力信号が出力段回路から出力され、出力信号は、非レベルシフト信号及びレベルシフト信号に応答して生成される。例えば、出力段回路は、プルダウン回路140及びプルアップ回路150を含む。プルダウン回路140は、接地ノードと出力ノード104との間に電気的に接続され、プルアップ回路150は、出力ノード104と第2の供給ノードVDD2との間に電気的に接続される。プルダウン回路140は、非レベルシフト信号Dlowに基づいて、出力ノード104の電圧を応答的にプルダウンし、出力ノード104を接地ノードから電気的に分離する。非レベルシフト信号Dlowが論理的にハイであるとき、プルダウン回路140は、出力ノード104の電圧を接地電位に向かってプルダウンし、非レベルシフト信号Dlowが論理的にローであるとき、プルダウン回路140は、出力ノード104を接地ノードから電気的に分離する。プルアップ回路150は、レベルシフト信号Dhighに基づいて、出力ノード104の電圧を応答的にプルアップし、出力ノード104を第2の供給ノードVDD2から電気的に分離する。レベルシフト信号Dhighが論理的にローであるとき、プルアップ回路150は、出力ノード104の電圧を第2の供給電圧VDD2に向かってプルアップし、非レベルシフト信号Dlowが論理的にハイであるとき、プルアップ回路150は、出力ノード104を第2の供給ノードVDD2から電気的に分離する。出力ノード104上の電圧は、出力信号Doutを形成する。いくつかの例では、出力信号Doutは、接地電位と第2の供給電圧VDD2との間の電圧振幅を有する。
【0058】
上記は特定の例を対象とするが、他の例及び更なる例が、その基本的な範囲から逸脱することなく考案され得、その範囲は、以下の「特許請求の範囲」によって決定される。
【国際調査報告】