(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(54)【発明の名称】二次電池用パウチフィルムおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/105 20210101AFI20231004BHJP
H01M 50/121 20210101ALI20231004BHJP
H01M 50/129 20210101ALI20231004BHJP
【FI】
H01M50/105
H01M50/121
H01M50/129
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518522
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(85)【翻訳文提出日】2023-03-22
(86)【国際出願番号】 KR2021017108
(87)【国際公開番号】W WO2022114687
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0160452
(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・キム
【テーマコード(参考)】
5H011
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011BB03
5H011CC02
5H011CC10
5H011KK01
(57)【要約】
本発明は、二次電池用パウチフィルムおよびその製造方法に関し、延伸率が異なる複数の層が接着された多層構造の延伸補助層を含んでおり、パウチの成形時、各層の界面での応力を緩和し、パウチの成形性を向上させ、パウチの製造工程において、パウチの破断危険を顕著に減少させ、不良率を減らして製造費用を節減することができる二次電池用パウチフィルムおよびその製造方法に関する。
本発明に係る二次電池用パウチフィルムは、パウチ型電池ケースを製造する二次電池用パウチフィルムであって、最内層に形成されるシーラント層と、最外層に形成される表面保護層と、前記シーラント層と前記表面保護層との間に積層されるガスバリア層と、前記ガスバリア層と前記表面保護層との間に積層され、延伸率が異なる複数の層が接着されて形成された延伸補助層と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パウチ型電池ケースを製造する二次電池用パウチフィルムであって、
最内層に形成されるシーラント層と、
最外層に形成される表面保護層と、
前記シーラント層と前記表面保護層との間に積層されるガスバリア層と、
前記ガスバリア層と前記表面保護層との間に積層され、延伸率が異なる複数の層が接着されて形成された延伸補助層と、
を含む、二次電池用パウチフィルム。
【請求項2】
前記延伸補助層は、
前記表面保護層に隣接するほど延伸率が大きいことを特徴とする、請求項1に記載の二次電池用パウチフィルム。
【請求項3】
前記延伸補助層は、
複数の層の延伸率がそれぞれ20%~130%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の二次電池用パウチフィルム。
【請求項4】
前記延伸補助層は、
第1変形PET層と、
前記第1変形PET層の上部に接着される第2変形PET層とから構成され、
前記第2変形PET層は、前記第1変形PET層よりも延伸率が大きいことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の二次電池用パウチフィルム。
【請求項5】
前記延伸補助層は、
前記第2変形PET層の上部に接着される第3変形PET層をさらに含み、
前記第3変形PET層は、前記第2変形PET層よりも延伸率が大きいことを特徴とする、請求項4に記載の二次電池用パウチフィルム。
【請求項6】
前記第1変形PET層の延伸率は45%~55%であり、
前記第2変形PET層の延伸率は65%~75%であり、
前記第3変形PET層の延伸率は85%~95%であることを特徴とする、請求項5に記載の二次電池用パウチフィルム。
【請求項7】
シーラント層の上部にガスバリア層を積層するステップと、
前記ガスバリア層の上部に延伸率が異なる複数の層を接着して形成した延伸補助層を積層するステップと、
前記延伸補助層の上部に表面保護層を積層するステップと、
を含む、二次電池用パウチフィルムの製造方法。
【請求項8】
前記延伸補助層を積層するステップは、
前記表面保護層に隣接するほど延伸率が大きくなるように形成された延伸補助層を積層することを特徴とする、請求項7に記載の二次電池用パウチフィルムの製造方法。
【請求項9】
前記延伸補助層を積層するステップは、
複数の層の延伸率がそれぞれ20%~130%の延伸補助層を積層することを特徴とする、請求項7または8に記載の二次電池用パウチフィルムの製造方法。
【請求項10】
前記延伸補助層を積層するステップは、
第1変形PET層の上部に第2変形PET層を接着し、前記第2変形PET層の上部に第3変形PET層を接着し、
前記第3変形PET層は、前記第2変形PET層よりも延伸率が大きく、前記第2変形PET層は、前記第1変形PET層よりも延伸率が大きくなるように形成された延伸補助層を積層することを特徴とする、請求項7~9のいずれか一項に記載の二次電池用パウチフィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年11月25日付けの韓国特許出願第10-2020-0160452号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、二次電池用パウチフィルムおよびその製造方法に関し、延伸率が異なる複数の層が接着された多層構造の延伸補助層を含んでおり、パウチの成形時、各層の界面での応力を緩和し、パウチの成形性を向上させ、パウチの製造工程において、パウチの破断危険を顕著に減少させ、不良率を減らして製造費用を節減することができる二次電池用パウチフィルムおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
繰り返し充電および放電が可能な二次電池(secondary battery)は、その構造または製造方法に応じて、円筒型二次電池、角型二次電池、パウチ型二次電池などに区分することができる。既存の二次電池用外装材としては金属缶を用いた円筒型電池や角型電池が主をなしていたが、このような構造の電池は形態が固定されるため、それを電源として用いる電子製品のデザインを制約するという短所があり、体積を減らすのに困難があった。そこで、パウチ型二次電池に対する開発が活発に行われている。
【0004】
パウチ型二次電池は、シート状のパウチ外装材内に電極とセパレータが交互に配置された構造を有する電極組立体が収容された構造を有するのが一般的な形態であり、詳細には、収容部が形成された下部とそれを覆う上部に大きく区分され、収容部に内蔵される電極組立体は、正極および負極とセパレーターが積層されてなる。また、各電極からは電極タブが引き出され、電極タブにはシール部と重なる部分にテープが付着される。
【0005】
このような構造のパウチ型二次電池は、円筒型電池とは異なり、形状の変形が相対的に容易であり、より小さい体積および質量で同じ容量の二次電池を実現できるという長所があるが、軟質のパウチを容器として用いるため、機械的強度が弱いという問題がある。
【0006】
パウチは、パウチフィルムをパンチなどでドロー(Drawing)成形して収容部を備えるように作製されるが、この過程で必然的に延伸が発生し、過度な延伸が発生する場合、微細なクラックまたは破断の危険にさらされることになる。このように外装材の役割をするパウチにクラックまたは破断が発生する場合、電解液が漏れるかまたは酸素と反応することになるため、電池の性能が低下し、安全性を保障できなくなるという問題がある。
【0007】
アルミニウム(AL)パウチを例に挙げると、
図1に示されたように、アルミ箔の両面にポリマーがラミネートされたものであって、最内層にはポリプロピレン(PP)が、最外層にはナイロン(Nylon)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が順にラミネートされるのが一般的である。ここで、ナイロン層は、パウチの成形性を向上させるためのものであり、ポリエチレンテレフタレートとアルミニウムの中間程度の延性を有するため、その間に積層され、上下部層が容易に破断しないように応力を緩和させる役割をする。
【0008】
しかしながら、ナイロンの場合、単価が高く、パッケージングステップにおいて、Heat Sealing工程を行う際にナイロン層の剥離が発生しやすいという問題がある。したがって、ナイロン層のようにパウチの成形性を補完できる層を備えるが、この際、原価をさらに節減できる代替素材もしくは構造が必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、本発明の課題は、延伸率が異なる複数の層が接着された多層構造の延伸補助層を含んでおり、パウチの成形時、各層の界面での応力を緩和し、パウチの成形性を向上させ、パウチの製造工程において、パウチの破断危険を顕著に減少させ、不良率を減らして製造費用を節減することができる二次電池用パウチフィルムおよびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る二次電池用パウチフィルムおよびその製造方法は、パウチ型電池ケースを製造する二次電池用パウチフィルムであって、最内層に形成されるシーラント層と、最外層に形成される表面保護層と、シーラント層と表面保護層との間に積層されるガスバリア層と、ガスバリア層と表面保護層との間に積層され、延伸率が異なる複数の層が接着されて形成された延伸補助層と、を含む。
【0011】
延伸補助層は、表面保護層に隣接するほど延伸率が大きくてもよい。
延伸補助層は、複数の層の延伸率がそれぞれ20%~130%であってもよい。
【0012】
延伸補助層は、第1変形PET層と、第1変形PET層の上部に接着される第2変形PET層とから構成され、第2変形PET層は、第1変形PET層よりも延伸率が大きくてもよい。
【0013】
延伸補助層は、第2変形PET層の上部に接着される第3変形PET層をさらに含み、第3変形PET層は、第2変形PET層よりも延伸率が大きくてもよい。
【0014】
第1変形PET層の延伸率は45%~55%であり、第2変形PET層の延伸率は65%~75%であり、第3変形PET層の延伸率は85%~95%であってもよい。
【0015】
シーラント層の上部にガスバリア層を積層するステップと、前記ガスバリア層の上部に延伸率が異なる複数の層を接着して形成した延伸補助層を積層するステップと、延伸補助層の上部に表面保護層を積層するステップと、を含む。
【0016】
延伸補助層を積層するステップは、表面保護層に隣接するほど延伸率が大きくなるように形成された延伸補助層を積層してもよい。
延伸補助層を積層するステップは、複数の層の延伸率がそれぞれ20%~130%の延伸補助層を積層してもよい。
【0017】
延伸補助層を積層するステップは、第1変形PET層の上部に第2変形PET層を接着し、第2変形PET層の上部に第3変形PET層を接着し、第3変形PET層は、前記第2変形PET層よりも延伸率が大きく、第2変形PET層は、第1変形PET層よりも延伸率が大きくなるように形成された延伸補助層を積層してもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る二次電池用パウチフィルムおよびその製造方法は、パウチ型電池ケースを製造する二次電池用パウチフィルムであって、最内層に形成されるシーラント層と、最外層に形成される表面保護層と、シーラント層と表面保護層との間に積層されるガスバリア層と、ガスバリア層と表面保護層との間に積層され、延伸率が異なる複数の層が接着されて形成された延伸補助層と、を含むことにより、パウチの成形時、各層の界面での応力を緩和し、パウチの成形性を向上させ、パウチの製造工程において、パウチの破断危険を顕著に減少させ、不良率を減らして製造費用を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】従来の二次電池用パウチフィルムを示す断面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る二次電池用パウチフィルムを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、本発明の好ましい実施形態について詳しく説明する。ただし、本発明は、種々の異なる形態で実現されてもよく、以下の実施形態により制限または限定されるものではない。
【0021】
本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分または本発明の要旨を不要に濁す恐れのある関連の公知技術に関する詳細な説明は省略し、本明細書において、各図面の構成要素に参照符号を付する際に、明細書の全体をわたって同一または類似の構成要素に対しては、同一または類似の参照符号を付するようにする。
【0022】
また、本明細書および特許請求の範囲で用いられている用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者らは、自分の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念で解釈すべきである。
【0023】
第1実施形態
図1は、従来の二次電池用パウチフィルムを示す断面図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係る二次電池用パウチフィルムを示す断面図である。
【0024】
図2を参照すると、本発明の第1実施形態に係る二次電池用パウチフィルム100は、シールラント層110、表面保護層130、ガスバリア層120、および延伸補助層140を含む。
【0025】
シーラント層(Sealant Layer)110は、パウチフィルム100の最内層に形成され、電極組立体と直接的に接触し、電解液に対する耐薬品性および熱接着性をもってシール材の役割をする層であり、主にポリオレフィン(Polyolefine)系の樹脂からなるが、好ましくは、ポリプロピレン(Polypropylene、PP)からなってもよい。
【0026】
表面保護層(Surface Protection Layer)130は、パウチフィルム100の最外層に形成される層であり、外部衝撃から電池を保護する役割をし、ハードウェアと直接的に接触するため、絶縁性、耐熱性が求められる。表面保護層130の材質は、ポリエチレン(Polyethylene、PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET、Polyethylene terephthalate)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)の中から選択された1種の単一層または2種以上の複合層を含んでもよく、好ましくは、ポリエチレンテレフタレートからなってもよい。
【0027】
ガスバリア層(Gas Barrier Layer)120は、シールラント層110と表面保護層130との間に積層される層であり、パウチフィルム100の機械的強度を維持し、水分と酸素のバリアの役割をする層に該当する。ガスバリア層120は、鉄(Fe)、炭素(C)、クロム(Cr)、およびマンガン(Mn)の合金、鉄(Fe)、炭素(C)、クロム(Cr)、およびニッケル(Ni)の合金などからなってもよく、好ましくは、アルミニウム(Al)からなってもよい。アルミニウムの場合、一定レベル以上の機械的強度を確保することができながらも、重さが軽く、電極組立体および電解液に対する耐薬品性および放熱性を確保することができる。
【0028】
延伸補助層140は、ガスバリア層120と表面保護層130との間に積層され、ガスバリア層120と表面保護層130の中間程度の延性を有するものであり、このような延伸補助層140を備えることで、パウチフィルム100の成形過程でパウチフィルム100の延伸が起こる場合、容易に破断しないようにパウチフィルム100の延伸を補助することになる。
【0029】
本発明の第1実施形態に係る延伸補助層140は、延伸率が異なる複数の層が接着されて形成される。すなわち、単一層ではなく、延伸率が異なる複数の層が接着されて形成されることで、パウチフィルム100の積層位置に応じて延伸率を多様に構成することができ、ガスバリア層120と表面保護層130の層間界面での応力を緩和させ、パウチフィルム100の成形性を向上させることができる。
【0030】
パウチフィルム100は、パウチの収容部の成形過程と完成品であるパウチ型二次電池の使用過程で必然的に延伸が発生するが、この場合、パウチフィルム100の内部から外部に向かって圧力が加えられる形態で延伸が発生することになる。したがって、パウチフィルム100は、最内層から最外層に行くほど延伸率の大きい層が積層されるのが一般的な構造である。
【0031】
本発明の第1実施形態に係る二次電池用パウチフィルム100は、これに対応するように、延伸補助層140を構成する複数の層が表面保護層130に隣接するほど延伸率が大きく形成されてもよく、これにより、パウチフィルム100全体の延伸率がパウチフィルム100の最内層から最外層に行くほど大きくなるようにして高い成形性を有することができるようにする。このように高い成形性を有するパウチフィルム100は、成形過程だけでなく、成形以後にもクラックまたは破断発生の危険が低く、これはまさにパウチ不良率の減少につながり、製造費用の節減効果をもたらすことになる。
【0032】
複数の層は、それぞれ延伸率が20%~130%の変形PET層からなってもよい。ここで、変形PET層とは、PETに物理化学的変化を与え、延伸率が変形したPETを意味する。PETは従来の延伸補助層140として主に活用されるナイロンに比べて原価が安いため、PETの延伸率を変形してナイロンの代替材として使用時、パウチフィルム100の費用を節減することができる。
【0033】
変形PET層で構成された延伸補助層140について詳しく説明すると、延伸補助層140は、第1変形PET層141と、前記第1変形PET層141の上部に接着される第2変形PET層142とから構成されてもよい。この際、第2変形PET層142は、第1変形PET層141よりも延伸率が大きくなるように形成されてもよい。
【0034】
また、延伸補助層140は、第2変形PET層142の上部に接着される第3変形PET層143をさらに含んでもよく、第3変形PET層143は、第2変形PET層142よりも延伸率が大きくなるように形成されてもよい。各変形PET層の間には接着層(Adhesive layer)Aが形成され、各変形PET層の間を接着してもよく、接着層Aは、延伸補助層140とガスバリア層120、および延伸補助層140と表面保護層130との間にも形成され、各層を接着させてもよい。
【0035】
このように延伸補助層140が変形PET層からなる場合、パウチの用途に応じてPETの変形程度を異にして多様に適用してもよく、変形PET層が積層される層数を多様にして破断危険が低い良品のパウチを作製することができる。この他に、従来の延伸補助層140として用いられるナイロンとの比較時、高温で相対的に剥離がよく起こらないため、高い温度でHeat sealingを行うことができ、その結果、工程効率が向上するという効果がある。
【0036】
延伸補助層140を形成する複数の層は、前述したようにそれぞれ延伸率が20%~130%であってもよく、例えば、第1変形PET層141の延伸率は45%~55%であり、第2変形PET層142の延伸率は65%~75%であり、第3変形PET層143の延伸率は85%~95%であってもよい。このように各変形PET層が20%~130%の延伸率で形成されるが、この際、変形PET層の間に一定大きさ以上の延伸率差を有し、ガスバリア層120に隣接する第1変形PET層141から、表面保護層130に隣接した第3変形PET層143に行くほど、延伸率が増加するように構成されることで、パウチフィルム100全体の成形性を均一に確保することができる。
【0037】
第2実施形態
図2は、本発明の第1実施形態に係る二次電池用パウチフィルムを示す断面図である。本発明の第2実施形態は、第1実施形態のパウチフィルムを製造する方法に関する発明であるという点で、第1実施形態とは差がある。
【0038】
第1実施形態と共通した内容はできるだけ省略し、相違点を中心に第2実施形態について説明することにする。すなわち、第2実施形態において説明していない内容が必要な場合には、第1実施形態の内容とみなすことができることは明らかである。
【0039】
図2を参照すると、本発明の第2実施形態に係る二次電池用パウチフィルムの製造方法は、ガスバリア層120を積層するステップと、延伸補助層140を積層するステップと、表面保護層130を積層するステップと、を含む。
【0040】
先ず、シーラント層の上部には、ガスバリア層120を積層し、ガスバリア層120の上部には、延伸率が異なる複数の層を接着して形成した延伸補助層140を積層する。この際、延伸補助層140は、複数の層の延伸率がそれぞれ20%~130%であってもよく、表面保護層130に隣接するほど延伸率が大きくなるように形成し、ガスバリア層120の上部に接着してもよい。
【0041】
延伸補助層140の積層ステップを詳細に説明すると、第1変形PET層141の上部に第2変形PET層142を接着し、第2変形PET層142の上部に第3変形PET層143を接着してもよい。この際、第3変形PET層143は、第2変形PET層142よりも延伸率が大きく、第2変形PET層142は、第1変形PET層141よりも延伸率が大きくなるように形成された延伸補助層140を積層してもよい。
【0042】
このように延伸率が異なる複数の層が接着された多層構造の延伸補助層140を含んでパウチフィルム100を製造する場合、パウチの成形時、各層の界面での応力を緩和し、パウチの成形性を向上させ、パウチの製造工程において、パウチの破断危険を顕著に減少させ、不良率を減らして製造費用を節減できるようになる。
【0043】
以上、限定された実施形態および図面により本発明を説明したが、本発明は、これにより限定されるものではなく、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者により、本発明の技術思想および後述の特許請求の範囲と均等な範囲内で多様な実施が可能である。
【符号の説明】
【0044】
100:パウチフィルム
110:シーラント層
120:ガスバリア層
130:表面保護層
140:延伸補助層
141:第1変形PET層
142:第2変形PET層
143:第3変形PET層
A:接着層
【国際調査報告】