(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(54)【発明の名称】輸送システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20231004BHJP
【FI】
B65G1/04 555A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518957
(86)(22)【出願日】2021-10-09
(85)【翻訳文提出日】2023-03-24
(86)【国際出願番号】 CN2021122835
(87)【国際公開番号】W WO2022078262
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】202011114612.5
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】320015083
【氏名又は名称】北京京東乾石科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING JINGDONG QIANSHI TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】ROOM A1905, 19TH FLOOR, NO. 2 BUILDING, NO. 18 KECHUANG 11 STREET, BEIJING ECONOMIC AND TECHNOLOGICAL DEVELOPMENT ZONE, BEIJING 100176, PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 旭
(72)【発明者】
【氏名】何 ▲偉▼全
(72)【発明者】
【氏名】宋 国▲庫▼
(72)【発明者】
【氏名】于 宗靖
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022EE05
3F022FF01
3F022JJ13
3F022JJ19
3F022MM11
(57)【要約】
輸送システム10は、輸送車100、多層トラック構造200及び層切替昇降構造300を含む。輸送車100は物品を輸送するために用いられる。多層トラック構造200における各層トラック構造200は横方向トラック210及び縦方向トラック220を含み、輸送車100は各層トラック構造200に沿って貯蔵領域内に移動して物品を輸送するように設けられる。層切替昇降構造300は各層トラック構造200の目標位置に設けられ、目標位置は横方向トラック210と縦方向トラック220との境界を含み、層切替昇降構造300は輸送車100を多層トラック構造200の相互間に移転するように設けられ、層切替昇降構造300はさらに輸送車100が横方向トラック210と縦方向トラック220との間にトラックを変更するキャリアとするように設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送車(100)と、多層トラック構造(200)と、層切替昇降構造(300)とを含み、
前記輸送車(100)は、物品を輸送するために用いられ、
前記多層トラック構造(200)における各層トラック構造(200)は、横方向トラック(210)及び縦方向トラック(220)を含み、
前記輸送車(100)は、前記各層トラック構造(200)に沿って貯蔵領域内に移動して物品を輸送するように設けられ、
前記層切替昇降構造(300)は、前記各層トラック構造(200)の目標位置に設けられ、前記目標位置が前記横方向トラック(210)と前記縦方向トラック(220)との境界を含み、
前記層切替昇降構造(300)は、前記輸送車(100)を前記多層トラック構造(200)の相互間に移転するように設けられ、前記層切替昇降構造(300)は、さらに、前記輸送車(100)が前記横方向トラック(210)と前記縦方向トラック(220)との間にトラックを変更するキャリアとするように設けられる、
輸送システム(10)。
【請求項2】
前記層切替昇降構造(300)は、
前記各層トラック構造(200)の前記目標位置に設けられるフレーム構造(310)と、
前記フレーム構造(310)に接続され、前記フレーム構造(310)に沿って前記多層トラック構造(200)の間に移動するように設けられる可動ステージ(320)と、を含む、
請求項1に記載の輸送システム(10)。
【請求項3】
前記輸送車(100)は、前記可動ステージ(320)上まで走行し、前記可動ステージ(320)を介して前記多層トラック構造(200)の相互間に移転するように設けられる、
請求項2に記載の輸送システム(10)。
【請求項4】
前記層切替昇降構造(300)は、少なくとも第1の層切替昇降構造(300A)及び第2の層切替昇降構造(300B)を含み、
前記各層トラック構造(200)は、少なくとも1つの横方向トラック(210)及び2つの縦方向トラック(220)を含み、前記2つの縦方向トラック(220)は、第1の縦方向トラック(221)及び第2の縦方向トラック(222)を含み、
各層トラック構造(200)については、前記輸送車(100)は、前記第1の層切替昇降構造(300A)、該層トラック構造(200)における横方向トラック(210)、前記第2の層切替昇降構造(300B)を介して、該層トラック構造(200)における第1の縦方向トラック(221)から該層トラック構造(200)における第2の縦方向トラック(222)まで移動するように設けられる、
請求項1に記載の輸送システム(10)。
【請求項5】
前記第1の層切替昇降構造(300A)は、第1のフレーム構造(310A)及び第1の可動ステージ(320A)を含み、前記第1のフレーム構造(310A)は、前記各層トラック構造(200)の前記目標位置に設けられ、前記第1の可動ステージ(320A)は、前記第1のフレーム構造(310A)に接続され、
前記第2の層切替昇降構造(300B)は、第2のフレーム構造(310B)及び第2の可動ステージ(320B)を含み、前記第2のフレーム構造(310B)は、前記各層トラック構造(200)の前記目標位置に設けられ、前記第2の可動ステージ(320B)は、前記第2のフレーム構造(310B)に接続される、
請求項4に記載の輸送システム(10)。
【請求項6】
各層トラック構造(200)については、
前記輸送車(100)が該層トラック構造(200)における第1の縦方向トラック(221)から前記第1の可動ステージ(320A)まで移動し、前記第1の可動ステージ(320A)上で第1の方向に沿って所定角度回転した後に該層トラック構造(200)における横方向トラック(210)まで走行し、
前記輸送車(100)が該層トラック構造(200)における横方向トラック(210)から前記第2の可動ステージ(320B)まで移動し、前記第2の可動ステージ(320B)上で第2の方向に沿って所定角度回転した後に該層トラック構造(200)における第2の縦方向トラック(222)まで走行する、
請求項5に記載の輸送システム(10)。
【請求項7】
棚構造(400)をさらに含み、前記棚構造(400)は、横方向レーン(410)及び縦方向レーン(420)を形成し、
前記横方向トラック(210)は、前記横方向レーン(410)に設けられかつ前記棚構造(400)に接続され、前記縦方向トラック(220)は、前記縦方向レーン(420)に設けられかつ前記棚構造(400)に接続される、
請求項1に記載の輸送システム(10)。
【請求項8】
輸送ライン(500)及びピッキングステーション(600)をさらに含み、
前記輸送ライン(500)は、第1の端(510)及び第2の端(520)を含み、前記第1の端(510)が前記棚構造(400)に接続され、前記輸送ライン(500)は、前記輸送車(100)からの物品を輸送し、又は物品を前記輸送車(100)に輸送するために用いられ、
前記ピッキングステーション(600)は、前記輸送ライン(500)の第2の端(520)に接続される、
請求項7に記載の輸送システム(10)。
【請求項9】
前記多層トラック構造(200)は、少なくとも第1の層トラック構造(200A)及び第2の層トラック構造(200B)を含み、
前記輸送車(100)は、第1の方式に基づいて移動するように設けられ、前記第1の方式は、前記第1の層トラック構造(200A)上で前記第1の層切替昇降構造(300A)を介して前記第2の層切替昇降構造(300B)に移動し、前記第2の層切替昇降構造(300B)を介して前記第2の層トラック構造(200B)まで移転することを含み、
前記輸送車(100)は、第2の方式に基づいて移動するように設けられ、前記第2の方式は、前記第1の層切替昇降構造(300A)を介して前記第1の層トラック構造(200A)から前記第2の層トラック構造(200B)まで移転し、前記第2の層トラック構造(200B)上で前記第1の層切替昇降構造(300A)を介して前記第2の層切替昇降構造(300B)に移動することを含む、
請求項5に記載の輸送システム(10)。
【請求項10】
前記輸送車(100)、前記第1の層切替昇降構造(300A)、前記第2の層切替昇降構造(300B)に電気的に接続されるコントローラをさらに含み、前記コントローラは、前記第1の層切替昇降構造(300A)及び前記第2の層切替昇降構造(300B)の動作状態を取得し、前記動作状態に基づいて前記輸送車(100)が前記第1の方式又は前記第2の方式に基づいて移動するように制御するために用いられる、
請求項9に記載の輸送システム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、倉庫貯蔵物流分野に関し、より具体的には、輸送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の倉庫貯蔵システムにおいて、一般的に立体倉庫により物品を貯蔵している。立体倉庫は、多層貯蔵領域を含む。従来技術は、輸送車により多層貯蔵領域内で動作して物品を輸送する。しかしながら、関連技術では、輸送車により物品を輸送する場合、輸送コストが高く、柔軟性が低いという問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに鑑みて、本開示は、最適化された輸送システムを提供している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一態様は、輸送車と、多層トラック構造と、層切替昇降構造とを含む輸送システムを提供している。ここで、輸送車は、物品を輸送するために用いられる。前記多層トラック構造における各層トラック構造は、横方向トラック及び縦方向トラックを含み、前記輸送車は、前記各層トラック構造に沿って貯蔵領域内に移動して物品を輸送するように設けられる。層切替昇降構造は、前記各層トラック構造の目標位置に設けられ、前記目標位置は、前記横方向トラックと前記縦方向トラックとの境界を含み、ここで、前記層切替昇降構造は、前記輸送車を前記多層トラック構造の相互間に移転するように設けられ、前記層切替昇降構造は、さらに前記輸送車が前記横方向トラックと前記縦方向トラックとの間にトラックを変更するキャリアとするように設けられる。
【0005】
本開示の実施例によれば、上記層切替昇降構造は、フレーム構造と、可動ステージとを含む。フレーム構造は、前記各層トラック構造の前記目標位置に設けられる。可動ステージは、前記フレーム構造に接続され、前記可動ステージは、前記フレーム構造に沿って前記多層トラック構造の間に移動するように設けられる。
【0006】
本開示の実施例によれば、上記輸送車は、前記可動ステージ上まで走行し、前記可動ステージを介して前記多層トラック構造の相互間に移転するように設けられる。
【0007】
本開示の実施例によれば、上記層切替昇降構造は、少なくとも第1の層切替昇降構造及び第2の層切替昇降構造を含み、前記各層トラック構造は、少なくとも1つの横方向トラック及び2つの縦方向トラックを含み、前記2つの縦方向トラックは、第1の縦方向トラック及び第2の縦方向トラックを含む。各層トラック構造については、前記輸送車は、前記第1の層切替昇降構造、該層トラック構造における横方向トラック、前記第2の層切替昇降構造を介して、該層トラック構造における第1の縦方向トラックから該層トラック構造における第2の縦方向トラックまで移動するように設けられる。
【0008】
本開示の実施例によれば、上記第1の層切替昇降構造は、第1のフレーム構造及び第1の可動ステージを含み、前記第1のフレーム構造は、前記各層トラック構造の前記目標位置に設けられ、前記第1の可動ステージは、前記第1のフレーム構造に接続される。前記第2の層切替昇降構造は、第2のフレーム構造及び第2の可動ステージを含み、前記第2のフレーム構造は、前記各層トラック構造の前記目標位置に設けられ、前記第2の可動ステージは、前記第2のフレーム構造に接続される。
【0009】
本開示の実施例によれば、各層トラック構造については、前記輸送車は、該層トラック構造における第1の縦方向トラックから前記第1の可動ステージに移動し、前記第1の可動ステージ上で第1の方向に沿って所定角度回転した後に該層トラック構造における横方向トラックまで走行する。前記輸送車は、該層トラック構造における横方向トラックから前記第2の可動ステージに移動し、前記第2の可動ステージ上で第2の方向に沿って所定角度回転した後に該層トラック構造における第2の縦方向トラックまで走行する。
【0010】
本開示の実施例によれば、上記輸送システムは、棚構造をさらに含み、前記棚構造は、横方向レーン及び縦方向レーンを形成する。ここで、前記横方向トラックは、前記横方向レーンに設けられかつ前記棚構造に接続され、前記縦方向トラックは、前記縦方向レーンに設けられかつ前記棚構造に接続される。
【0011】
本開示の実施例によれば、上記輸送システムは、輸送ラインおよびピッキングステーションをさらに含む。前記輸送ラインは、第1の端及び第2の端を含み、前記第1の端は、前記棚構造に接続され、前記輸送ラインは、前記輸送車からの物品を輸送し、又は物品を前記輸送車に輸送するために用いられる。ピッキングステーションは、前記輸送ラインの第2の端に接続される。
【0012】
本開示の実施例によれば、上記多層トラック構造は、少なくとも第1の層トラック構造及び第2の層トラック構造を含む。前記輸送車は、第1の方式に基づいて移動するように設けられ、ここで、前記第1の方式は、前記第1の層トラック構造で前記第1の層切替昇降構造を介して前記第2の層切替昇降構造に移動して、前記第2の層切替昇降構造を介して前記第2の層トラック構造に移転することを含む。前記輸送車は、第2の方式に基づいて移動するように設けられ、ここで、前記第2の方式は、前記第1の層切替昇降構造を介して前記第1の層トラック構造から前記第2の層トラック構造に移転して、前記第2の層トラック構造で前記第1の層切替昇降構造を介して前記第2の層切替昇降構造に移動することを含む。
【0013】
本開示の実施例によれば、上記輸送システムは、前記輸送車、前記第1の層切替昇降構造、前記第2の層切替昇降構造に電気的に接続されるコントローラであって、前記第1の層切替昇降構造及び前記第2の層切替昇降構造の動作状態を取得し、前記動作状態に基づいて前記輸送車が前記第1の方式又は前記第2の方式に基づいて移動するように制御するためのコントローラをさらに含む。
【0014】
本開示の実施例によれば、上記輸送システムを用いることによって、関連技術が輸送車により物品を輸送する場合に存在した、輸送コストが高く、柔軟性が低いという問題を少なくとも部分的に解決することができ、それによって倉庫貯蔵システムの輸送機能を最適化させ、輸送のコストを低減させ、輸送の柔軟性を向上させるという技術効果を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下、図面を参照しながら本開示の実施例を説明することによって、本開示の上記及び他の目的、特徴及び利点は、より明らかになるであろう。
【
図1】
図1は、本開示の実施例に係る輸送システムの斜視構成図を概略的に示す。
【
図2】
図2は、本開示の別の実施例に係る輸送システムの斜視構成図を概略的に示す。
【
図3】
図3は、本開示の実施例に係る輸送システムの平面構成図を概略的に示す。
【
図4】
図4は、本開示の実施例に係る輸送システムによって作業が実行される模式図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例を説明する。ただし、これらの説明は、例示的なものに過ぎず、本開示の範囲を限定するものではないと理解されるべきである。以下の詳細な説明において、説明しやすくするために、多くの具体的な詳細を説明して本開示の実施例に対する全面的な理解に供する。しかしながら、明らかに、一つ又は複数の実施例は、これらの具体的な詳細がない場合にも実施され得る。また、以下の説明において、公知の構造及び技術に対する説明を省略することにより、本開示の概念を不必要に混同することを回避する。
【0017】
ここで使用される用語は、具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではない。ここで使用される用語「含む」、「含まれる」などは、前記特徴、ステップ、操作及び/又は部材の存在を示すが、一つ又は複数の他の特徴、ステップ、操作又は部材の存在または追加を排除するものではない。
【0018】
ここで使用される全ての用語(技術及び科学用語を含む)は、特別に定義されない限り、当業者に一般的に理解される意味を有する。なお、ここで使用された用語は、本明細書のコンテキストと一致する意味を有すると解釈されるべきであり、理想化又は硬すぎる方式で解釈されるべきではない。
【0019】
「A、B及びCなどのうちの少なくとも一つ」に類似したような記述を使用する場合、一般的には、当業者が一般的にこの記述を理解する意味で解釈すべきである(例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも一つを有するシステム」は、Aを単独で有し、Bを単独で有し、Cを単独で有し、A及びBを有し、A及びCを有し、B及びCを有し、及び/又はA、B、Cを有するシステムなどを含むがこれらに限定されない)。
【0020】
本開示の実施例は、輸送システムを提供し、該輸送システムは、輸送車、多層トラック構造及び層切替昇降構造を含む。ここで、輸送車は、物品を輸送するために用いられる。多層トラック構造における各層トラック構造は、横方向トラック及び縦方向トラックを含み、輸送車は、各層トラック構造に沿って貯蔵領域内に移動して物品を輸送するように設けられる。層切替昇降構造は、各層トラック構造の目標位置に設けられ、目標位置は、横方向トラックと縦方向トラックとの境界を含み、ここで、層切替昇降構造は、輸送車を多層トラック構造の相互間に移転するように設けられ、層切替昇降構造は、さらに、輸送車が横方向トラックと縦方向トラックとの間にトラックを変更するキャリアとするように設けられる。
【0021】
図1は、本開示の実施例に係る輸送システムの斜視構成図を概略的に示す。
【0022】
図1に示すように、本開示の実施例の輸送システム10は、例えば輸送車100、多層トラック構造200及び層切替昇降構造300を含む。
【0023】
本開示の実施例において、輸送車100は、シャトル車であってもよく、物品20を輸送するために用いることができる。ここで、該輸送車100は、倉庫内に移動することにより、倉庫内の対応する貯蔵領域に到達して物品20を輸送することができる。
【0024】
本開示の実施例において、多層トラック構造200は、例えば垂直方向Aに沿って分布し、各層トラック構造200は、例えば水平面にある。多層トラック構造200における各層トラック構造200は、横方向トラック210及び縦方向トラック220を含み、横方向トラック210は、例えば縦方向トラック220に垂直する。ここで、輸送車100は、各層トラック構造200に沿って貯蔵領域内に移動して物品20を輸送することができる。
【0025】
例えば、倉庫には、多層貯蔵領域を含み、各層貯蔵領域には、一層トラック構造200が設けられる。各層トラック構造200については、該層トラック構造200は、該層貯蔵領域に設けられ、輸送車100は、該層トラック構造200を介して該層貯蔵領域の各所に移動して物品20を輸送することができる。
【0026】
本開示の実施例によれば、層切替昇降構造300は、例えば各層トラック構造200の目標位置に設けられ、目標位置は、横方向トラック210と縦方向トラック220との境界を含むとする。
【0027】
一例において、層切替昇降構造300は、輸送車100を多層トラック構造200の相互間に移転するように設けられる。例えば、輸送車100は、層切替昇降構造300に移動して、層切替昇降構造300によって垂直方向Aに昇降移動することにより、輸送車100を多層トラック構造200の間に移転することを実現することができる。例えば、輸送車100がある層トラック構造200に位置する場合、該輸送車100は、層切替昇降構造300まで走行して、層切替昇降構造300によって垂直方向Aに沿って昇降運動を行うことにより、輸送車100を別層トラック構造200に移転することができる。
【0028】
別の例において、層切替昇降構造300は、さらに、輸送車100が横方向トラック210と縦方向トラック220との間にトラックを変更するキャリアとするように設けられる。例えば、各層トラック構造200については、該層トラック構造200が横方向トラック210及び縦方向トラック220を含み、輸送車100が該層トラック構造200における横方向トラック210と縦方向トラック220との間に移動するときに、層切替昇降構造300により移動方向を変更するようにしてもよい。
【0029】
例えば、輸送車100が横方向トラック210から縦方向トラック220に移動する必要がある場合、該輸送車100が横方向トラック210から層切替昇降構造300に移動して、層切替昇降構造300で輸送車100の車体中心を中心として回転し(例えば90度回転する)、回転後の輸送車100が層切替昇降構造300から縦方向トラック220に移動するようにしてもよい。又は、輸送車100が縦方向トラック220から横方向トラック210に移動する必要がある場合、該輸送車100が縦方向トラック220から層切替昇降構造300に移動して、層切替昇降構造300で輸送車100の車体中心を中心として回転し(例えば90度回転する)、回転後の輸送車100が層切替昇降構造300から横方向トラック210に移動するようにしてもよい。
【0030】
これにより分かるように、本開示の実施例は、横方向トラックと縦方向トラックとの境界に層切替昇降構造を設けることにより、層切替昇降構造が倉庫の追加空間を占用する必要がなく、倉庫の敷地面積を節約し、倉庫の貯蔵密度を増加させ、空間利用率を向上させて、輸送効率を向上させることができる。また、層切替昇降構造は、輸送車が横方向トラックと縦方向トラックとの間にトラック変更を行うキャリアとすることができ、これによって、各層トラック構造に専用のトラック変更構造を設ける必要がなく、例えば各層トラック構造に専用のトラック変更トラックを設ける必要がなく、輸送システムのコストを大幅に節約し、空間利用率を向上させる。
【0031】
本開示の別の例において、層切替昇降構造300は、例えばフレーム構造310及び可動ステージ320を含む。
【0032】
ここで、フレーム構造310は、例えば各層トラック構造200の目標位置に設けられ、該目標位置は、横方向トラック210と縦方向トラック220との境界である。フレーム構造310は、例えば垂直方向Aに沿って設けられる立柱構造を複数含むことができる。
【0033】
可動ステージ320は、例えばフレーム構造310に接続され、可動ステージ320は、フレーム構造310に沿って多層トラック構造200の間に移動するように設けられる。すなわち、該可動ステージ320は、複数の立柱構造に沿って垂直方向Aに昇降運動を行うことができる。
【0034】
本開示の実施例において、輸送車100は、可動ステージ320上まで走行し、可動ステージ320を介して多層トラック構造200の間に移転することができる。例えば、輸送車100は、可動ステージ320まで走行し、可動ステージ320の昇降運動により輸送車100をある層トラック構造200から別層トラック構造200に移転することができる。
【0035】
また、輸送車100が可動ステージ320に移動した後、該輸送車100は、可動ステージ320上で輸送車100の車体を中心として回転し(例えば90度回転する)、回転後の輸送車100は、可動ステージ320からトラック構造200に移動することにより、輸送車100が可動ステージ320により横方向トラック210と縦方向トラック220との間にトラックを変更することを実現することができる。
【0036】
図2は、本開示の別の実施例に係る輸送システムの斜視構成図を概略的に示す。
【0037】
図2に示すように、層切替昇降構造300は、例えば複数の層切替昇降構造300を含むことができる。一例において、層切替昇降構造300は、例えば第1の層切替昇降構造300A及び第2の層切替昇降構造300Bを含む。
【0038】
本開示の実施例において、各層トラック構造200は、少なくとも1つの横方向トラック210及び2つの縦方向トラック220を含み、2つの縦方向トラック220は、例えば第1の縦方向トラック221及び第2の縦方向トラック222を含む。ここで、第1の縦方向トラック221と第2の縦方向トラック222は、例えば互いに平行であり、横方向トラック210は、例えば第1の縦方向トラック221に垂直し、横方向トラック210は、例えば第2の縦方向トラック222に垂直する。
【0039】
本開示の実施例において、第1の層切替昇降構造300Aは、例えば第1のフレーム構造310A及び第1の可動ステージ320Aを含む。ここで、第1のフレーム構造310Aは、各層トラック構造200の目標位置に設けられ、第1の可動ステージ320Aは、第1のフレーム構造310Aに接続される。
【0040】
本開示の実施例において、第2の層切替昇降構造300Bは、例えば第2のフレーム構造310B及び第2の可動ステージ320Bを含む。ここで、第2のフレーム構造310Bは、各層トラック構造200の目標位置に設けられ、第2の可動ステージ320Bは、第2のフレーム構造310Bに接続される。
【0041】
図3は、本開示の実施例に係る輸送システムの平面構成図を概略的に示す。
【0042】
図3に示すように、各層トラック構造200については、輸送車100は、例えば、第1の層切替昇降構造300A、該層トラック構造200における横方向トラック210、第2の層切替昇降構造300Bを介して、該層トラック構造200における第1の縦方向トラック221から該層トラック構造200における第2の縦方向トラック222に移動することができる。
【0043】
本開示の実施例において、各層トラック構造200については、輸送車100は、該層トラック構造200における第1の縦方向トラック221から第1の可動ステージ320Aに移動し、第1の可動ステージ320Aで第1の方向に沿って所定角度回転した後に該層トラック構造200における横方向トラック210まで走行する。そして、輸送車100は、該層トラック構造200における横方向トラック210から第2の可動ステージ320Bに移動し、第2の可動ステージ320Bで第2の方向に沿って所定角度回転した後に該層トラック構造200における第2の縦方向トラック222まで走行する。一例において、第1の方向は、時計回り方向又は反時計回り方向であってもよく、第2の方向は、時計回り方向又は反時計回り方向であってもよく、所定角度は、90度であってもよい。
【0044】
一例において、第1の方向と第2の方向は、異なってもよい。
図3に示すように、輸送車100が第1の縦方向トラック221の位置P
1から第2の縦方向トラック222の位置P
2まで移動する必要がある場合、輸送車100が第1の可動ステージ320Aまで走行し、第1の可動ステージ320Aで第1の方向(例えば反時計回り方向)に沿って所定角度(例えば90度)回転した後に横方向トラック210まで走行し、次に、輸送車100が横方向トラック210から第2の可動ステージ320Bまで移動し、第2の可動ステージ320Bで第2の方向(例えば時計回り方向)に沿って所定角度(例えば90度)回転した後に第2の縦方向トラック222の位置P
2まで走行する。このときに第1の方向は、反時計回り方向であり、第2の方向は、時計回り方向であり、第1の方向と第2の方向は異なる。
【0045】
別の例において、第1の方向と第2の方向は、同じであってもよい。
図3に示すように、輸送車100が第1の縦方向トラック221の位置P
1から第2の縦方向トラック222の位置P
3まで移動する必要がある場合、輸送車100が第1の可動ステージ320Aまで走行し、第1の可動ステージ320A上で第1の方向(例えば反時計回り方向)に沿って所定角度(例えば90度)回転した後に横方向トラック210まで走行し、次に、輸送車100が横方向トラック210から第2の可動ステージ320Bまで移動し、第2の可動ステージ320B上で第2の方向(例えば反時計回り方向)に沿って所定角度(例えば90度)回転した後に第2の縦方向トラック222の位置P
3まで走行する。このときに第1の方向と第2の方向は、いずれも反時計回り方向であり、すなわち、第1の方向と第2の方向は同じである。
【0046】
図3に示すように、本開示の実施例の輸送システム10は、棚構造400をさらに含むことができる。ここで、該棚構造400は、例えば横方向レーン410及び縦方向レーン420を形成する。
【0047】
本開示の実施例において、横方向トラック210は、例えば、横方向レーン410に設けられかつ棚構造400に接続され、縦方向トラック220は、例えば、縦方向レーン420に設けられかつ棚構造400に接続される。
【0048】
例えば、各横方向トラック210は、横方向レーン410の両側に設けられ、各縦方向トラック220は、縦方向レーン420の両側に設けられる。
【0049】
図2及び
図3に示すように、本開示の実施例の輸送システム10は、輸送ライン500及びピッキングステーション600をさらに含むことができる。
【0050】
本開示の実施例において、輸送ライン500は、輸送車100からの物品20を輸送し、又は倉庫内の貯蔵領域の物品20を輸送車100に輸送するために用いられる。例えば、物品20を出庫するとき、輸送車100により物品20を輸送ライン500に輸送することができる。物品20を入庫するとき、輸送車100は、輸送ライン500に位置する物品20を倉庫の貯蔵領域に輸送して貯蔵することができる。
【0051】
一例において、輸送ライン500は、複数含んでもよく、各輸送ライン500は、例えば第1の端510及び第2の端520を含み、第1の端510は、例えば棚構造400に接続され、第2の端520は、例えばピッキングステーション600に接続される。
【0052】
別の例において、輸送ライン500は、例えば上層輸送ライン及び下層輸送ラインを含み、ピッキングステーション600は、例えば上層ピッキングポジション610及び下層ピッキングポジション620を含む。ここで、上層輸送ラインは、例えば物品20を輸送して物品20の出庫及び入庫を実現するために用いられ、上層輸送ラインの第1の端510が棚構造400に接続され、上層輸送ラインの第2の端520が上層ピッキングポジション610に接続される。下層輸送ラインは、物品20をピッキングして得られたオーダーボックスを下層ピッキングポジション620に輸送するために用いられ、オーダーボックスを梱包台に輸送して梱包することに便利である。
【0053】
図4は、本開示の実施例に係る輸送システムによって作業が実行される模式図を概略的に示す。
【0054】
図4に示すように、本開示の実施例の多層トラック構造200は、例えば少なくとも第1の層トラック構造200Aおよび第2の層トラック構造200Bを含む。
【0055】
ここで、輸送車100は、第1の方式又は第2の方式に基づいて移動することができる。
【0056】
一例において、第1の方式は、第1の層トラック構造200A上で第1の層切替昇降構造300Aを介して第2の層切替昇降構造300Bに移動し、第2の層切替昇降構造300Bを介して第2の層トラック構造200Bまで移転することを含む。第1の層切替昇降構造300Aと第2の層切替昇降構造300Bが異なるレーンにあるため、該第1の方式は、先にレーンを跨ってから層を切り替える移動方式である。
【0057】
例えば、輸送車100が第1の層トラック構造200Aの位置P4から第2の層トラック構造200Bの位置P7まで移動する必要がある場合、輸送車100は、第1の層トラック構造200A上で第1の層切替昇降構造300Aにより第2の層切替昇降構造300Bの位置P5まで走行し、第2の層切替昇降構造300Bの昇降運動により輸送車100を第2の層トラック構造200Bの位置P7に移転することができる。輸送車100が第1の方式に基づいて移動する経路L1は、図に示すとおりである。
【0058】
別の例において、第2の方式は、第1の層切替昇降構造300Aを介して第1の層トラック構造200Aから第2の層トラック構造200Bに移転し、第2の層トラック構造200B上で第1の層切替昇降構造300Aを介して第2の層切替昇降構造300Bに移動することを含む。第1の層切替昇降構造300Aと第2の層切替昇降構造300Bが異なるレーンにあるため、該第1の方式は、先に層を切り替えてからレーンを跨ぐ移動方式である。
【0059】
例えば、輸送車100が第1の層トラック構造200Aの位置P4から第2の層トラック構造200Bの位置P7まで移動する必要がある場合、輸送車100は、第1の層切替昇降構造300Aの昇降運動により第2の層トラック構造200Bの位置P6まで移転し、次に第2の層トラック構造200B上で第1の層切替昇降構造300Aの位置P6を経由して第2の層切替昇降構造300Bの位置P7まで移動することができる。輸送車100が第2の方式に基づいて移動する経路L2は、図に示すとおりである。
【0060】
本開示の実施例において、輸送システム10は、コントローラを含むことができ、該コントローラは、例えば輸送車100、第1の層切替昇降構造300A、第2の層切替昇降構造300Bに電気的に接続される。
【0061】
ここで、該コントローラは、第1の層切替昇降構造300A及び第2の層切替昇降構造300Bの動作状態を取得し、かつ動作状態に基づいて輸送車100が第1の方式又は第2の方式に基づいて移動するように制御するために用いられてもよい。
【0062】
例えば、輸送車100が第1の層トラック構造200Aの位置P4から第2の層トラック構造200Bの位置P7まで移動する必要がある場合、第1の層切替昇降構造300Aが、現在、ビジー状態にあると、第1の方式を採用して作業を実行することができ、すなわち、先にレーンを跨ってから層を切り替え、第1の層切替昇降構造300Aを待つことに時間がかかることが回避される。
【0063】
これから分かるように、本開示の実施例は、層切替昇降構造の動作状態に基づいて第1の方式又は第2の方式を選択して作業を行い、層切替昇降構造のアイドル状態又はビジー状態に基づいて作業方式を決定することを実現することにより、作業のスケジューリングがより柔軟になり、効率がより高くなる。
【0064】
当業者であれば理解されるように、本開示の各実施例及び/又は特許請求の範囲に記載の特徴は、様々な組み合わせ及び/又は結合を行うことができ、このような組み合わせ又は結合が本開示に明確に記載されていなくてもよい。特に、本開示の精神及び教示から逸脱することなく、本開示の各実施例及び/又は請求項に記載の特徴は、様々な組み合わせ及び/又は結合を行うことができる。これらの組み合わせ及び/又は結合は、いずれも本開示の範囲に属するものである。
【0065】
以上、本開示の実施例について説明した。しかし、これらの実施例は、単に説明のためのものに過ぎず、本開示の範囲を限定するためのものではない。以上に各実施例をそれぞれ説明したが、各実施例における手段を有利に組み合わせて使用することができないことを意味しない。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物によって限定される。本開示の範囲から逸脱することなく、当業者は様々な代替及び修正を行うことができ、これらの代替及び修正はいずれも本開示の範囲内にあるべきである。
【国際調査報告】