(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(54)【発明の名称】励起素子
(51)【国際特許分類】
B06B 1/06 20060101AFI20231004BHJP
【FI】
B06B1/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519064
(86)(22)【出願日】2021-09-28
(85)【翻訳文提出日】2023-03-24
(86)【国際出願番号】 EP2021076615
(87)【国際公開番号】W WO2022064057
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516272869
【氏名又は名称】スペクトラ・シュヴィングングステヒニーク・ウント・アクスティーク・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ドレスデン
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】イヴァンツィク・マーティン
(72)【発明者】
【氏名】メンデ・ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
5D107
【Fターム(参考)】
5D107BB09
5D107CC01
(57)【要約】
【課題】励起器と被試験体用の収容部と励起データ又は測定データを伝達するための電気的インターフェースとを備えた、機械的運動を発生又は測定するための励起素子を提供する。該励起素子は1kHzより上、とりわけ40kHzより上、好ましくは100kHzより上から数十メガヘルツのオーダーまでの機械的な運動において高信頼的に動作し、DUTの「面外」運動及び回転が行えるものである。
【解決手段】
本発明は、励起器と、被試験体(DUT)用の収容部と、励起データ又は測定データを伝送するための電気的インターフェースとを備えた、機械的運動を発生又は測定するための励起素子、及び、そのような励起素子の製造方法に関するものであり、その課題は、100kHzより上から数メガヘルツまでにおける機械的運動を高い信頼性で測定すること又は励起すること、及び、DUTの「面外」及び「面内」の運動又は回転を可能にすることである。この課題は、それ自体が既知であるプレート状の圧電コンポジットであって、プレート厚方向に対して横方向に延びる第1面、プレート厚の分の間隔をあけて第1面と平行に延びる第2面、及び、第1面と第2面との間に延びる棒状の圧電素子を備えた圧電コンポジットを励起器として用いることにより解決される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起器及び被試験体用の収容部、ならびに励起データ又は測定データを伝送するための電気的インターフェースを備えた、機械的運動を発生させるための励起素子であって、以下のこと:
それ自体既知の圧電振動プレート(1a)、又は、プレート厚(d)の方向に対して横方向に延びる第1面(15)と、プレート厚の分の間隔をあけて第1面と平行に延びる第2面と、第1面と第2面との間の圧電素子とを有する圧電コンポジット(12)の形態の圧電振動器(1)が用いられること、
前記励起器は、その第1面(15)に第1接触面(17)を、その第2面(16)に第2接触面(18)を備えており、これら接触面(17;18)が制御可能であること、
前記励起器は、その第2面(16)上に被試験体(3)を収容できるよう構成されていること、
を特徴とする、励起素子。
【請求項2】
プレート厚(d)の方向に対して横方向に延びる第1面(15)、プレート厚(d)の分の間隔をあけて第1面(15)と平行に延びる第2面(16)、及び第1面(15)と第2面(16)との間に延びる棒状の圧電素子(13)を有する、それ自体既知のプレート状の圧電コンポジット(12)を励起器として使用し、該励起器は、別々に励起可能に構成された圧電素子(13)から成るセグメントに分割されていることを特徴とする、請求項1に記載の励起素子。
【請求項3】
前記励起器は、その第1面(15)上にセグメント化された第1接触面(17)を備え、その第2面(16)上にセグメント化された第2接触面(18)を備え、該接触面(17;18)は、インターフェースを介してセグメントごとに、また互いに別々に制御可能であることを特徴とする、請求項2に記載の励起素子。
【請求項4】
両方の接触面(17;18)が帯状にセグメント化されており、各帯状接触片(19;20)の幅が同じであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の励起素子。
【請求項5】
両方の接触面(17;18)の帯状接触片(19;20)が、水平方向、すなわちx方向又はy方向において同じ向きであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の励起素子。
【請求項6】
第1接触面(17)上の帯状接触片(19)は第1の水平方向、すなわちx方向の向きであり、第2接触面(18)上の帯状接触片(20)は、第1の方向に直交する第2の水平方向、すなわちy方向の向きであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の励起素子。
【請求項7】
前記励起器には、前記第2接触面(17)の上に、セグメント化された連結プレート(25)が設けられていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の励起素子。
【請求項8】
前記連結プレート(25)は帯状の第1連結プレートセグメント(26)にセグメント化されており、そこでは、その幅及び向きは第2接触面(18)の帯状接触片(20)に対応しており、該第1連結プレートセグメントはy方向に向いており、垂直のz方向においては第2接触面(18)の帯状接触片(20)の上に位置することを特徴とする、請求項7に記載の励起素子。
【請求項9】
前記連結プレート(25)が追加的に、x方向に延びる帯状片にセグメント化されて正方形の第2連結プレートセグメント(28)が形成され、該正方形の第2連結プレートセグメント(28)は、第1接触面及び第2の接触面(17;18)の帯状接触片(19;20)が互いに直交している場合には、垂直のz方向において、垂直のz方向における投影において見た、第1接触面及び第2接触面(17;18)の帯状接触片(19;20)の交差面の上に位置していることを特徴とする、請求項8に記載の励起素子。
【請求項10】
前記第1連結プレートセグメント(26)又は第2連結プレートセグメント(28)はそれぞれ、互いに隣接する状態で接続手段によって機械的に接続され、そこでは、該接続手段の弾性係数は、連結プレートセグメント(26;28)の弾性係数より小さいことを特徴とする、請求項7から9のいずれか一項に記載の励起素子。
【請求項11】
前記接続手段は、エポキシ樹脂、シリコーン又は他のプラスチックから成ることを特徴とする、請求項10に記載の励起素子。
【請求項12】
前記励起器は、その第1面(15)においてカウンターウェイト(6)に接続されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の励起素子。
【請求項13】
前記カウンターウェイト(6;27)がカウンターウェイトプレート(29)として形成されており、該カウンターウェイトプレート(29)は、前記連結プレート(25)に対応して、カウンターウェイトセグメント(30)に構造化されていることを特徴とする、請求項12に記載の励起素子。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の励起素子であって、該励起素子は第2の励振器(0.1)に取付けられていることを特徴とする励起素子。
【請求項15】
請求項1から16のいずれか一項に記載の励起素子の製造方法であって、連結プレート(25)には、連結プレートセグメント(26;28)の距離及び向きに対応する距離及び向きで、その第2面(16)又は第1面(15)から切込みが入れられ、しかしながら該切込みは、それぞれのもう一方の第2面(16)又は第1面(15)に達するものではなく、向かい側にある第1面(15)又は第2面(16)に向かってある距離までのみ達するものであり、また、該切込みは接続手段により満たされ、連結プレート(25)は、それぞれ向かい側にある第1面(15)又は第2面(16)において切込みに達するまで除去されることを特徴とする、製造方法。
【請求項16】
前記連結プレート(25)は、一つの連結プレートセグメント(26;28)に複数の励起素子(13)が面するように、励起器に接続されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
励起器がカウンタ―ウェイトプレート(29)に接続されおり、カウンタ-ウェイトプレート(29)は連結プレート(25)の態様で構造化されていることを特徴とする、請求項17から18のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的運動を発生させるための励起素子に関するものであり、励起器と、被試験体用の収容部と、励起データ又は測定データを伝送するための電気的インターフェースとを備えている。
【0002】
また、本発明は、このような励起素子の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
センサ、とりわけ振動センサの機能試験、特性評価、又は校正のために、励振器を介して、センサを、制御され、決められた振動状態にすることが知られている。そこで検査対象又は被試験体(Device Under Test(DUT))としてのセンサの反応を測定し、そこから機能性に関する記述を得ること、又は、センサ校正のための値を導き出すことができる。
【0004】
校正とは、DUTの測定量を国家規格に照らしてDUTの測定量を比較測定することと定義される。その際、DUTの測定量と、測定量の正しい値との偏差が求められ、記録される。
【0005】
機能試験又はテストとは、校正の範囲を超えて測定量に関するDUTの挙動を調査するために、製品の様々なフェーズ(開発、検証、運用)において実施される測定と理解される。
【0006】
特性評価とは、DUTをその測定量で励起する測定だけでなく、DUTのライフサイクル中に発生する可能性のある干渉に対するDUTの挙動を体系的に調べる測定であると定義される。
【0007】
センサの校正用として、本出願人のSE-09という名称の励振器が知られており、これは、20kHzまでの周波数領域において校正用のきれいな並進振動を発生させることができる。そこでは、振動の励起は純粋に電気力学的な励振器を介して行われ、該励振器はハウジング内に配置された電気力学的システムを介して励起される。振動システムのカウンターウェイトにはベースプレートが用いられる。DUTは励振器に固定される。ここで短所として挙げられるのは、振動周波数が20kHzまでに制限されることである。DUTの機能試験や特性評価には、この励振器は50kHzまで使用することができる。
【0008】
出願人自身が提供するSE-16という名称の励振器が知られている。これは
図0.1に図示されている。ここで振動の励起は純粋に電気力学的な励振器0.1を介して行われ、この励振器0.1は、ハウジング0.2内に配置された電気力学的システムを介して励起される。ベースプレート0.3は、振動システムのカウンターウェイトである。DUTは励振器0.1に固定されている。ここで短所としては、振動周波数が原理的に100kHzまでに制限されることが挙げられる。また、きれいな並進振動を発生させることはできない。
【0009】
図0.2に示すように、本出願人の振動制御システムとして、中に圧電型の励振器を備えるVCS401-Piezoという名称のものが知られている。この振動制御システムには
図1に示すように圧電振動器1が使用されている。圧電振動器1は、連結体0.4とカウンターウェイト0.5との間に配置されている。振動器0.4には、被検体0.6(センサ)を収容するためのDUT収容部が設けられている。DUT収容部は連結体内に含まれており、ここでは2つのM6メスネジで構成されている。
【0010】
DUT収容部は連結体の中に含まれており、ここでは2つのM6メスネジで構成されている。しかし、これはあくまで実施形態の1つのバリエーションにすぎない。つまり、圧電振動器はピエゾ駆動装置と振動する2つの質量とで構成され、それにより自由な二重振動器を形成している。質量の一方はカウンターウェイト(0.5)の機能のみを持ち、もう一方の質量(0.4)は連結体の機能を持ち、ここにDUTを取付けることができる。
【0011】
この圧電振動器1は、例えばpiezosystems Jena社の圧電シェーカ(100kHz、5μm、100N)(https://www.piezosystem.com/products/piezocomposite/products/shaker/参照)など、市販の圧電振動器と同様に、正方形、長方形又は円形(図示)の底面及び厚さdを持つ個々の圧電振動プレート1aのスタックから成る。このような圧電振動プレート1aのスタックでは良好な並進運動が得られ、面内モードの発生はわずかである。しかしながら、この振動器でも100kHzを超える振動周波数は発生できず、データシートには上限が40kHzと記載されている。ここでも40kHzより上の振動を発生させることができる。しかしながらそれはもはや純粋に並進的ではないため、完全に制御可能であるわけではない。
【0012】
小型化された設計により、特に微小システムにおけるいわゆるMEMS(Micro Electromechanical System=微小電気機械システム)において可能になった多くの応用分野で、センサやアクチュエータの使用が増加しており、今ではMEMSセンサの試験、特性評価、及び/又は校正が必要となっている。しかし、MEMSアクチュエータ、つまり能動的に運動を発生させる構成部品にもまた、試験、特性評価、校正が必要である。
【0013】
一方、既知の励振器では、物理的な限界を可能な限り利用したとしても周波数領域が制限されるため、例えば100kHzから3MHzといった高い周波数でのMEMSの測定が不可能であるという短所がある。さらに、DUT3の運動は、面外方向5においてのみ可能である。面内方向10における運動、すなわち図においてx、y、zの矢印で示すように運動軸11が水平x-y方向に延びている運動、及びこの運動軸まわりの回転運動は不可能である。対応を明確にするために、「面外」の表記はZ方向を、「面内」はx-y方向を意味するものとする。図には座標軸が記載されている。
【0014】
公称周波数が2MHz以上であるピエゾプレートが市販されている。このような圧電振動器は、例えばPI Ceramic GmbH社(10 Lindenstrasse, 07589 Lederhose)から提供されている。ここで一つの問題として、全周波数領域で面内モードが発生し、それにより制御不能な面外運動が発生することが挙げられる。
【0015】
図1に示すような個々の圧電振動プレート1aの短所として、縦励起dzの際に強い横励起dxyも起こり、プレートの運動が制御できなくなることが挙げられる。既に述べたように、圧電振動プレート1aのスタックでは良好な並進運動が得られ、面内モードはわずかに発生するだけである。しかしながら、この振動器でも、数kHzを超えて数メガヘルツまでの振動周波数は発生させることはできない。「面外」方向5における均一な並進が可能であるのは、選ばれた周波数領域においてのみであり、「面内」運動は上述したように発生するが、面外運動の副次効果又は連結効果としてのみ発生するため、制御された状態で励起することはできない。圧電振動器に取付けたDUTの回転、又はDUTの回転は全く不可能である。
【0016】
音響学、とりわけ音響測定技術から、圧電コンポジット12という形の音響信号発生器が知られており、例えば
図3から
図5に図示されている。これも
図1について説明したようにプレート状であるが、n個の圧電素子13に分割されている。圧電素子13はマトリクス14によって互いに接続されている。圧電振動器1に見られるような標準的なピエゾプレートに対する利点としては、顕著な横励起dxyが明らかに少ないことである。しかし、音響的な音源を圧電振動器1として測定又は校正装置2に適用することは知られていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】piezosystems Jena(100kHz,5μm, 100N),https://www.piezosystem.com/products/piezocomposite/products/shaker/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の課題は、励起器と被試験体用の収容部と励起データ又は測定データを伝達するための電気的インターフェースとを備えた、機械的運動を発生又は測定するための励起素子を提供することであり、該励起素子は1kHzより上、とりわけ40kHzより上、好ましくは100kHzより上から数十メガヘルツのオーダーまでの機械的な運動において高信頼的に動作し、DUTの「面外」運動及び回転が行えるものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この課題は、装置側においては、既知の圧電振動プレート又は圧電コンポジットの形の圧電振動器であって、プレート厚方向に対して横方向に延びる第1の面と、プレート厚の分の間隔をおいて第1の面と平行に延びる第2の面と、第1面と第2面との間に延在する棒状の圧電素子とを有するものを、励起器として用いることにより解決される。該励起器は、その第1面に第1の接触面を、その第2面に第2の接触面を備えており、これらの接触面は制御可能である。該励起器は、その第2面上に被試験体を収容するよう形成されている。
【0020】
このような装置により初めて、1kHzより上、とりわけ40kHzより上、好ましくは100kHzより上から数十メガヘルツのオーダーまでの周波数領域において、機械的運動を高信頼的に発生させることが基本的に可能となる。
【0021】
本発明の一実施形態においては、それ自体が既知のプレート状の圧電コンポジットであって、プレート厚方向に対して横方向に延びる第1面と、プレート厚の分の間隔をあけて第1の面に平行に延びる第2面と、第1面と第2面との間に延在する棒状の圧電素子とを有するものが励起器として用いられ、該励起器は、別々に励起可能であるよう構成された、圧電素子から成るセグメントに分割されている。
【0022】
横励起dxyが明らかに少ないことに加え、とりわけ、顧客ごとのパーティション構成が可能である。
【0023】
個々のパーティションの励起、個々のパーティションに的を絞った制御、プレートモードの抑制、及び/又は、パーティション間の位相シフトによる回転励起のために、励起器は、その第1面にセグメント化された第1接触面を、その第2面にセグメント化された第2接触面を備えており、これら接触面はインターフェースを介してセグメントごとに、また互いに別々に制御可能である。励起器は、その第2面に被試験体を収容するように構成されている。
【0024】
パーティションを生成するために両方の接触面は帯状にセグメント化されており、各帯状接触片の幅は同じである。
【0025】
帯状のパーティションを実現する場合、両方の接触面の帯状接触片は水平方向、すなわちx又はy方向において同じ向きとすることができる。
【0026】
しかし、島状のパーティションを作ることも可能であり、その場合は第1接触面の帯状接触片は水平な第1方向、すなわちx方向にある方向を、第2接触面の帯状接触片は第1方向に直交する水平な第2の方向、すなわちy方向にある方向を向く。このとき、第1接触面及び第2接触面の帯状接触片の交差面を垂直のz方向に投影して見ると、島状のパーティションとなっている。
【0027】
励起器の第2面上に被試験体を収容できるという構成のために好ましくは、励起器の第2接触面の上にはセグメント化された連結プレートが設けられている。連結プレートのセグメント化は、励起器のパーティションに対応するものであり、すなわち、そのセグメント化は、垂直のz方向への投影で見た、第1接触面及び第2接触面の帯状接触片の交差面が形成するパーティションが、セグメントと一致するように行われ、それによりセグメントの運動又はパーティションの運動がそれぞれ伝達される。
【0028】
励起素子の一実施形態においては、連結プレートは、帯状の第1の連結プレートセグメントにセグメント化され、このときその幅及び向きは第2接触面の帯状接触片に対応しており、また、第1連結プレートセグメントはy方向を向いており、垂直のz方向においては、第2接触面の帯状接触片の上にある。このようにして帯状のパーティションが生成される。これらは、Z投影において互いに向き合うそれぞれの帯状接触片に電圧を印加することにより個別に励起できる。そのため、個々のパーティションのZ方向の全ての並進運動は、それぞれ個別に可能である。これにより、励起素子全体の並進及び波状運動などを実現することができる。また、互いに隣接するパーティション又は互いに隣接するパーティション群を180°位相シフトして制御することにより、x-y方向に延びる平面上に延びる回転軸まわりのDUTの回転を実現することが初めて可能となる。
【0029】
本発明による励起素子の更なる実施形態においては、連結プレートを、x方向に延びる帯状片に追加的にセグメント化して、正方形の第2連結プレートセグメントを形成することができ、これら正方形の第2連結プレートセグメントは、第1接触面及び第2接触面の帯状接触片が互いに直交しているとき、垂直のz方向において、垂直のz方向に見た、第1接触面及び第2の接触面の帯状接触片の交差面の上に位置している。このようにして島状のパーティションが実現される。投影内において互いに交差する帯状接触片は個別に接触させることができる。この場合、電圧が印加されると、それぞれの帯状接触片の交差領域にある圧電素子が励起される。しかし先述のように全体の帯状片又はグループを励起することも可能である。
【0030】
好ましい実施形態においては、第1又は第2の連結プレートセグメントがそれぞれ、接続手段によって互いに隣接した状態で機械的に接続されている。該接続手段は、以下のものとして実施することができる。
-その領域の構造の弱まり及びそれに伴う剛性の低下
-弾性係数が連結プレートセグメントより低い充填材。
【0031】
これにより、少なくとも本書で取り上げる周波数領域においては、連結プレートセグメントは互いに独立して運動することができる。
【0032】
接続手段は、エポキシ樹脂、シリコーン、又は、その他のプラスチック製とすることができる。これらは、周波数領域にある、連結プレートセグメントの機械的なデカップリングを実現する材料である。
【0033】
課題の一つが、機械的なデカップリングである。もう一つの課題は、製造中に連結プレートのセグメント同士を十分に強固に保持しておくことである。
【0034】
接続手段により連結プレートの平滑な表面が実現され、この表面の上にDUTを載置、好ましくはDUTを接着できる。ここではDUTに残留せず、また、損傷を与えることなく除去できる、とりわけ容易に可逆的である接着剤を使用することができ、それによりDUT及び励起器を継続して使用することができる。
【0035】
ここで強調したいのは、本書で説明した励起素子は、圧電コンポジットの実際の使用目的に対応する、DUTと励起素子との間の機械的連結に関係するものであり、音響的連結には関係しないことである。
【0036】
DUTと連結プレートとのより良い接続を確実にするだけでなく、自由な二重振動子の形で振動システムを実現するために、励起器はその第1接触面でカウンターウェイトに接続されている。この場合、一方の面にある連結プレート要素は振動システムの一つの質量として、もう一方の面にあるカウンターウェイトは振動システムの第2の質量として作用する。
【0037】
さらなる実施形態のため、及び、個々の二重振動子を二重振動子アレイに実現するために、カウンターウェイトをカウンターウェイトプレートとして構成し、このカウンターウェイトプレートを、連結プレートに対応して構造化されたカウンターウェイトセグメントにすることができ、この時カウンターウェイトプレートの厚さは連結プレートの厚さとは異なることが可能である。また、第1面上にDUTも固定することも考えられる。
【0038】
さらなる実施形態では、励起素子が第2の励振器に固定される。この第2励振器は、例えば、先行技術から知られているような電気力学的励振器、例えば、本出願人のSE-16とすることができる。それにより、第2の励振器が動作可能な低い周波数領域をこれでカバーし、第2励振器の確実な動作領域より上の高い周波数を、本発明による励起素子でカバーすることが可能となる。
【0039】
また、本発明による課題は、励起素子の製造方法によっても解決される。そこでは連結プレートには、連結プレートのセグメントの距離及び方向に対応する距離及び方向で、第2面又は第1面から切込みが入れられる。しかしながらこのとき、切込みは、それぞれのもう一方の第2面又は第1面に達するのではなく、その向かい合う第1面又は第2面に向かうある距離までのみ達している。次にその切込みに接続手段が充填される。連結プレート要素を分離するには、それぞれ向かい側にある第1面又は第2面にある連結プレートが、切込みに達するまで除去される。
【0040】
連結プレートは、接着などにより励起器に接続することができる。この場合、一つの連結プレートセグメントに複数の励起素子、特に1つ又は複数のピエゾセグメントが向き合うように接続される。それにより、これら複数の励起素子は、その連結プレート要素の領域におけるDUTの励起、又は、それぞれの連結プレート要素の領域におけるDUTの動作の検出を担当する。
【0041】
振動システムを生成するために、励起器がカウンターウェイトプレートに接続されており、また、カウンターウェイトプレートは連結プレートのように構成されている。これにより、パーティションの大きさの個々の小さな二重振動子ができ、これらは本発明により個々に制御可能であるため、並進運動及び/又は回転運動、とりわけ傾斜運動及び/又は波状運動など、DUTの様々な運動形態を生成することができる。
【0042】
とりわけ、例えば隣接するパーティションを逆方向に制御する場合など、面内方向に延びる回転軸まわりの回転運動も生成することができる。
【0043】
以下、本発明を実施形態の一例を参照しながらより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図0.1】本出願人の励振器SE-16の図である。
【
図0.2】本出願人の振動制御システム(VCS401-piezo vibration control system)の一部である、ピエゾ式励振器の図である。
【
図1】様々な形態の標準的な圧電振動器及びその振動挙動の図である。
【
図2】本発明による測定装置又は校正装置の原理的な構造の図である。
【
図3】圧電コンポジットの斜視図及び断面図である。
【
図4】圧電コンポジットの斜視図の部分拡大図である。
【
図5】帯状接触片を備える圧電コンポジットの図である。
【
図6】DUTが上に配置された圧電コンポジットの斜視図である。
【
図7】DUTが上に配置され、並進励起のための電圧を印加した状態での
図6の圧電コンポジットの断面図である。
【
図8】DUTが上に配置され、回転励起のための電圧が印加された状態での
図6の圧電コンポジットの断面図である。
【
図9】帯状の連結プレートを備え、また、第2面にDUTが配置された圧電コンポジットの斜視図である。
【
図10】第2面上にy方向に帯状接触片が設けられた圧電コンポジットの側面図である。
【
図11】第2面上にx方向に帯状接触片が設けられた圧電コンポジットの上面図である。
【
図12】第1面上にy方向に帯状接触片が設けられた圧電コンポジットの上面図である。
【
図13】第1面上にy方向に帯状接触片及び構造化されたカウンターウェイトプレートを備える圧電コンポジットの上面図である。
【
図14】第2面上にx方向に帯状接触片及び構造化されたウェイトプレートを備える圧電コンポジットの上面図である。
【
図15】第2面にDUTを設けた励起素子の上面図である。
【
図16】構造化されたウェイトプレート、構造化されたカウンターウェイトプレート、及びDUTを備える圧電コンポジットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図2は、測定及び校正装置2上のDUT3の原理的な配置を示したものである。試験対象となるのは被試験体(DUT=Device Under Test)3であり、これは振動器4上に配置され、DUTはこの振動器4により垂直方向又は「面外」方向5に機械的に運動する。振動器4はカウンターウェイト6に接続されており、このカウンターウェイト6はベースウェイト7に弾性的に又は強固に接続することができる。
【0046】
このようなDUT3は、センサ又はアクチュエータとして構成できるMEMSの形での1つ又は複数の運動素子8、及び、キャリア9(プリント回路基板(PCB)又はチップの形態)上に配置された制御電子機器から構成される。センサは、例えば、慣性センサ(加速度センサ、回転センサ)とすることができ、また、アクチュエータは、例えば、光学アクチュエータ(例えばミラーアクチュエータ)、流体アクチュエータ(例えばバルブ又はポンプ)又は音響アクチュエータ(例えば音響発生器)とすることができる。
【0047】
この微小システムは、MEMSの形の運動素子8とPCBの形のキャリア9とから構成され、励起素子4上に配置されている。従来技術によると励起素子はDUTとしてのマイクロシステム3を並進振動させることが可能な振動器として形成され、それによりその振動に対するDUT3の反応が測定される。DUT3の動作の測定、すなわちDUT3が運動素子8としてアクチュエータを含む場合、このような構成を用いた測定は知られていない。
【0048】
本発明の基本的な考え方は、機械的な運動を生成又は測定するための
図2の励起素子4において、励起器として
図3及び
図4に図示されたそれ自体が既知の圧電コンポジット12を用いることであり、該圧電コンポジット12は、第1面15、第1面15から厚さdだけ離間した第2面16、及び、第1面15と第2面16との間に延びる棒状の圧電素子13とを備える。
【0049】
図5に示すように、圧電コンポジット12は、その第1面15上にセグメント化された第1接触面17を、その第2面16上にセグメント化された第2接触面18を備えており、接触面17及び18は、
図10から
図12に示すように、接点31によって形成されるインターフェースを介してセグメントごとに互いに別々に制御可能である。
【0050】
両方の接触面17、18はそれぞれ、第1接触面17の帯状接触片19に、また、第2接触面18の帯状接触片20に帯状にセグメント化されており、帯状接触片19、20の幅はそれぞれ同じであるのが好ましいが、必ずしもそうでなくてもよい。
【0051】
ここで、帯状接触片19、20の向きには2つの可能性がある。
【0052】
図6に示すように、接触面17、18を備える圧電素子13は、DUT3好ましくはMEMSを備えるPCBを備えることができる。本実施例では、DUT3は、PCB22上に配置された4つのMEMS21を含んでいる。
【0053】
両方の接触面17、18の帯状接触片19、20は、水平方向すなわちx方向又はy方向において同じ向きにすることができる。
【0054】
図7では、第1接触面17に同じ電圧を印加し、第2接触面18には異なる極性の電圧を印加することで、並進運動23が発生できることが示されている。
【0055】
図8では、第1接触面17に異なる電圧を印加し、第2接触面18には極性も異なる、異なる電圧を印加することにより、回転運動24が発生できることが示されている。
【0056】
図9に示すように圧電コンポジット12は、励起器の実施形態として、第2接触面18の上にセグメント化された連結プレート25を備えている。
【0057】
このセグメント化された連結プレート25は、DUT3のための収容部となる。
【0058】
連結プレート25は、帯状の第1連結プレートセグメント26にセグメント化され、このとき、その幅及び向きは第2接触面18の帯状接触片のものに対応しており、第1連結プレートセグメント26はy方向を向いており、また、垂直のz方向において第2接触面18の帯状接触片の上にある。
【0059】
圧電コンポジット12の第1面はカウンターウェイト27に接続されている。
【0060】
図10から
図12に示すように別の実施形態では、帯状接触片は、第1接触面17上では水平な第1の方向、すなわちx方向を、第2接触面18上では第1の方向と直交する水平な第2の方向、すなわちy方向を向くことができる。図中では、接点31は図式的に示すのみである。通常、全ての帯状接触片19、20に接点31が設けられている。図示されてはいないが、帯状接触片は斜めの実施形態、又はリング状又は他の形態も可能である。
【0061】
したがって、
図7及び
図8における電圧印加と同様、電圧を印加することにより圧電素子13は、帯状接触片19及び20が交差する領域においてそれぞれ的を絞って励起すること又は測定することができる。
【0062】
追加的に、連結プレート25をx方向に延びる帯状片にセグメント化して、正方形の第2連結プレートセグメント28を形成することができ、この正方形の第2連結プレートセグメント28は、第1及接触面17及び第2接触面18の帯状接触片19及び20が互いに直交する向きにあるとき、垂直のz方向において、垂直のz方向における投影において見て、第1接触面17及び第2接触面18の帯状接触片19及び20が交差する面の上に位置している。
【0063】
第1連結プレートセグメント26又は第2連結プレートセグメント28はそれぞれ互いに隣接した状態で接続手段によって機械的に接続されており、接続手段の弾性係数は、連結プレートセグメントの弾性係数よりも小さい。接続手段は、エポキシやシリコーン製とすることができる。さらに、例えば
図9において符号26で示すような細いウェブといった適切な形状とすることにより、デカップリングも行うことができる。
【0064】
図13及び
図17に示すように、カウンターウェイト27はセグメント化されたカウンターウェイトプレート29として形成されており、これは、連結プレート25に対応して構造化されたカウンターウェイトセグメント30となっている。
【0065】
これを作るには、連結プレート25及び/又はカウンターウェイトプレート29を、連結プレートセグメント26もしくはカウンターウェイト要素30の間隔及び向きにそれぞれ対応する間隔及び向きにおいて、その第1面又は第2面から切込みを入れ、その際該切込みはそれぞれもう一方の第2面又は第1面まで達するのではなく、切込みが達するのは、向かい側にある第1面又は第2面に向かってある一定の距離までのみであり、そしてその切込みを接続手段により充填し、それぞれ向かい側にある第1面又は第2面において連結プレート25もしくはカウンターウェイトプレート29を、切込みに達するまで除去することにより行われる。
【符号の説明】
【0066】
0.1 励振器
0.2 ハウジング
0.3 ベースプレート
0.4 振動器
0.5 カウンターウェイト
0.6 DUT収容部
1 圧電振動器
1a 圧電振動プレート
2 測定又は校正装置
3 マイクロシステム、DUT
4 励起素子、振動器
5 「面外」方向
6 カウンターウェイト
7 ベースウェイト
8 運動素子、MEMS
9 キャリア、PCB
10 「面内」運動
11 運動軸
12 圧電コンポジット
13 圧電素子
14 マトリックス
15 第1面
16 第2面
17 第1面上のセグメント化された第1接触面
18 第2面上のセグメント化された第2接触面
19 第1接触面の帯状接触片
20 第2接触面の帯状接触片
21
22 PCB
23 並進運動
24 回転運動
25 セグメント化された連結プレート
26 帯状の第1連結プレートセグメント
27 カウンターウェイト
28 正方形の第2連結プレートセグメント
29 セグメント化されたカウンターウェイトプレート
30 カウンターウェイトセグメント
31 接点
【手続補正書】
【提出日】2023-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起器及び被試験体用の収容部、ならびに励起データ又は測定データを伝送するための電気的インターフェースを備えた、機械的運動を発生させるための励起素子であって、以下のこと:
それ自体既知の圧電振動プレート(1a)、又は、プレート厚(d)の方向に対して横方向に延びる第1面(15)と、プレート厚の分の間隔をあけて第1面と平行に延びる第2面と、第1面と第2面との間の圧電素子とを有する圧電コンポジット(12)の形態の圧電振動器(1)が用いられること、
前記励起器は、その第1面(15)に第1接触面(17)を、その第2面(16)に第2接触面(18)を備えており、これら接触面(17;18)が制御可能であること、
前記励起器は、その第2面(16)上に被試験体(3)を収容できるよう構成されていること、
を特徴とする、励起素子。
【請求項2】
プレート厚(d)の方向に対して横方向に延びる第1面(15)、プレート厚(d)の分の間隔をあけて第1面(15)と平行に延びる第2面(16)、及び第1面(15)と第2面(16)との間に延びる棒状の圧電素子(13)を有する、それ自体既知のプレート状の圧電コンポジット(12)を励起器として使用し、該励起器は、別々に励起可能に構成された圧電素子(13)から成るセグメントに分割されていることを特徴とする、請求項1に記載の励起素子。
【請求項3】
前記励起器は、その第1面(15)上にセグメント化された第1接触面(17)を備え、その第2面(16)上にセグメント化された第2接触面(18)を備え、該接触面(17;18)は、インターフェースを介してセグメントごとに、また互いに別々に制御可能であることを特徴とする、請求項2に記載の励起素子。
【請求項4】
両方の接触面(17;18)が帯状にセグメント化されており、各帯状接触片(19;20)の幅が同じであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の励起素子。
【請求項5】
両方の接触面(17;18)の帯状接触片(19;20)が、水平方向、すなわちx方向又はy方向において同じ向きであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の励起素子。
【請求項6】
第1接触面(17)上の帯状接触片(19)は第1の水平方向、すなわちx方向の向きであり、第2接触面(18)上の帯状接触片(20)は、第1の方向に直交する第2の水平方向、すなわちy方向の向きであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の励起素子。
【請求項7】
前記励起器には、前記第2接触面(17)の上に、セグメント化された連結プレート(25)が設けられていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の励起素子。
【請求項8】
前記連結プレート(25)は帯状の第1連結プレートセグメント(26)にセグメント化されており、そこでは、その幅及び向きは第2接触面(18)の帯状接触片(20)に対応しており、該第1連結プレートセグメントはy方向に向いており、垂直のz方向においては第2接触面(18)の帯状接触片(20)の上に位置することを特徴とする、請求項7に記載の励起素子。
【請求項9】
前記連結プレート(25)が追加的に、x方向に延びる帯状片にセグメント化されて正方形の第2連結プレートセグメント(28)が形成され、該正方形の第2連結プレートセグメント(28)は、第1接触面及び第2の接触面(17;18)の帯状接触片(19;20)が互いに直交している場合には、垂直のz方向において、垂直のz方向における投影において見た、第1接触面及び第2接触面(17;18)の帯状接触片(19;20)の交差面の上に位置していることを特徴とする、請求項8に記載の励起素子。
【請求項10】
前記第1連結プレートセグメント(26)又は第2連結プレートセグメント(28)はそれぞれ、互いに隣接する状態で接続手段によって機械的に接続され、そこでは、該接続手段の弾性係数は、連結プレートセグメント(26;28)の弾性係数より小さいことを特徴とする、請求項7から9のいずれか一項に記載の励起素子。
【請求項11】
前記接続手段は、エポキシ樹脂、シリコーン又は他のプラスチックから成ることを特徴とする、請求項10に記載の励起素子。
【請求項12】
前記励起器は、その第1面(15)においてカウンターウェイト(6)に接続されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の励起素子。
【請求項13】
前記カウンターウェイト(6;27)がカウンターウェイトプレート(29)として形成されており、該カウンターウェイトプレート(29)は、前記連結プレート(25)に対応して、カウンターウェイトセグメント(30)に構造化されていることを特徴とする、請求項12に記載の励起素子。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の励起素子であって、該励起素子は第2の励振器(0.1)に取付けられていることを特徴とする励起素子。
【請求項15】
請求項1から1
4のいずれか一項に記載の励起素子の製造方法であって、連結プレート(25)には、連結プレートセグメント(26;28)の距離及び向きに対応する距離及び向きで、その第2面(16)又は第1面(15)から切込みが入れられ、しかしながら該切込みは、それぞれのもう一方の第2面(16)又は第1面(15)に達するものではなく、向かい側にある第1面(15)又は第2面(16)に向かってある距離までのみ達するものであり、また、該切込みは接続手段により満たされ、連結プレート(25)は、それぞれ向かい側にある第1面(15)又は第2面(16)において切込みに達するまで除去されることを特徴とする、製造方法。
【請求項16】
前記連結プレート(25)は、一つの連結プレートセグメント(26;28)に複数の励起素子(13)が面するように、励起器に接続されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
励起器がカウンタ―ウェイトプレート(29)に接続されおり、カウンタ-ウェイトプレート(29)は連結プレート(25)の態様で構造化されていることを特徴とする、請求項1
5から1
6のいずれか一項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
しかし、これはあくまで実施形態の1つのバリエーションにすぎない。つまり、圧電振動器はピエゾ駆動装置と振動する2つの質量とで構成され、それにより自由な二重振動器を形成している。質量の一方はカウンターウェイト(0.5)の機能のみを持ち、もう一方の質量(0.4)は連結体の機能を持ち、ここにDUTを取付けることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
【
図0.1】本出願人の励振器SE-16の図である。
【
図0.2】本出願人の振動制御システム(VCS401-piezo vibration control system)の一部である、ピエゾ式励振器の図である。
【
図1】様々な形態の標準的な圧電振動器及びその振動挙動の図である。
【
図2】本発明による測定装置又は校正装置の原理的な構造の図である。
【
図3】圧電コンポジットの斜視図及び断面図である。
【
図4】圧電コンポジットの斜視図の部分拡大図である。
【
図5】帯状接触片を備える圧電コンポジットの図である。
【
図6】DUTが上に配置された圧電コンポジットの斜視図である。
【
図7】DUTが上に配置され、並進励起のための電圧を印加した状態での
図6の圧電コンポジットの断面図である。
【
図8】DUTが上に配置され、回転励起のための電圧が印加された状態での
図6の圧電コンポジットの断面図である。
【
図9】帯状の連結プレートを備え、また、第2面にDUTが配置された圧電コンポジットの斜視図である。
【
図10】
第1面上にy方向に帯状接触片が設けられ、かつ第2面上にy方向に帯状接触片が設けられた圧電コンポジットの側面図である。
【
図11】第2面上にx方向に帯状接触片が設けられた圧電コンポジットの上面図である。
【
図12】第1面上にy方向に帯状接触片が設けられた圧電コンポジットの上面図である。
【
図13】第1面上にy方向に帯状接触片及び構造化されたカウンターウェイトプレートを備える圧電コンポジットの上面図である。
【
図14】第2面上にx方向に帯状接触片及び構造化されたウェイトプレートを備える圧電コンポジットの上面図である。
【
図15】第2面にDUTを設けた励起素子の上面図である。
【
図16】構造化されたウェイトプレート、構造化されたカウンターウェイトプレート、及びDUTを備える圧電コンポジットの断面図である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
0.1 励振器
0.2 ハウジング
0.3 ベースプレート
0.4 振動器
0.5 カウンターウェイト
0.6 DUT収容部
1 圧電振動器
1a 圧電振動プレート
2 測定又は校正装置
3 マイクロシステム、DUT
4 励起素子、振動器
5 「面外」方向
6 カウンターウェイト
7 ベースウェイト
8 運動素子、MEMS
9 キャリア、PCB
10 「面内」運動
11 運動軸
12 圧電コンポジット
13 圧電素子
14 マトリックス
15 第1面
16 第2面
17 第1面上のセグメント化された第1接触面
18 第2面上のセグメント化された第2接触面
19 第1接触面の帯状接触片
20 第2接触面の帯状接触片
21 MEMS
22 PCB
23 並進運動
24 回転運動
25 セグメント化された連結プレート
26 帯状の第1連結プレートセグメント
27 カウンターウェイト
28 正方形の第2連結プレートセグメント
29 セグメント化されたカウンターウェイトプレート
30 カウンターウェイトセグメント
31 接点
【国際調査報告】