(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(54)【発明の名称】逆止弁を有した流体容器
(51)【国際特許分類】
B65D 81/05 20060101AFI20231004BHJP
B65D 30/16 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
B65D81/05 400
B65D30/16 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519279
(86)(22)【出願日】2021-09-24
(85)【翻訳文提出日】2023-04-17
(86)【国際出願番号】 US2021052091
(87)【国際公開番号】W WO2022067124
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523108360
【氏名又は名称】スティーブン マイケル スタック ジュニア
【氏名又は名称原語表記】Steven Michael STACK, Jr.
【住所又は居所原語表記】67 Carmel Hill Road Watertown, CT 06795 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100217412
【氏名又は名称】小林 亜子
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン マイケル スタック ジュニア
【テーマコード(参考)】
3E064
3E066
【Fターム(参考)】
3E064AB23
3E064BA26
3E064BA36
3E064BB03
3E064BC01
3E064EA09
3E064EA18
3E064FA01
3E064GA01
3E064HF10
3E064HG01
3E064HU03
3E066AA53
3E066CA01
3E066FA06
3E066KA01
3E066LA15
3E066MA09
3E066NA01
3E066NA21
3E066NA43
3E066NA52
3E066NA60
(57)【要約】
流体容器は、第1可撓性膜及び第2可撓性膜を有しており、少なくとも1つのチャンバと、加圧された不活性ガスを受け取るように構成されたチャネルと、それらの間に配置された1つ又は複数の逆止弁アセンブリと、が形成されている。1つ又は複数の逆止弁アセンブリは、頂点のところで折り返された連続的な第3可撓性膜から形成されているとともに、膨張時には、加圧流体の流れを、チャネルから少なくとも1つのチャンバへと、1つの向きで提供するように構成されており、かつ、逆向きの流れを制限するように構成されている。1つ又は複数の逆止弁アセンブリは、事前印刷も電子登録も必要としないことを特徴とするものであり、これにより、従来的な膨張式パッケージングシステムと比較して、少なくとも2倍の膨張流量を可能とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部の製品を保護するよう、圧縮された不活性ガスによって膨張可能とされた流体容器装置であって、
互いに重ね合わされた第1可撓性膜及び第2可撓性膜であり、前記可撓性膜のそれぞれは、
チャネル部分と、チャンバ部分と、前記チャネル部分と前記チャンバ部分との間に配置された弁部分と、を有した外面と、
チャネル部分と、チャンバ部分と、前記チャネル部分と前記チャンバ部分との間に配置された弁部分と、を有した内面と、を含み、
前記外面の前記部分のそれぞれは、前記内面の同様の部分に対して対応しており、前記第1可撓性膜の前記内面と、前記第2可撓性膜の前記内面と、のそれぞれは、互いに対して向き合うように配向されており、さらに、
前記第1可撓性膜及び前記第2可撓性膜は、圧縮された前記不活性ガスを受け取るように構成されたチャネル入口を有した周縁に沿ってシールされている、第1可撓性膜及び第2可撓性膜と、
第3可撓性膜であり、
頂面と、
上側弁部分と、下側弁部分と、前記上側弁部分と前記下側弁部分との間に配置された中間チャネル部分と、を有した底面であり、前記上側弁部分は、上側内周エッジを有しており、前記下側弁部分は、前記上側内周エッジとは反対側に配置された下側内周エッジを有している、底面と、を含み、
前記上側弁部分は、前記第1可撓性膜の前記弁部分に対して結合されており、前記第3可撓性膜が折り返されることにより、前記下側弁部分が、前記第2可撓性膜の前記弁部分に対して対向して結合するものとされ、前記第3可撓性膜の前記折り返しにより、前記チャネル部分を二等分する頂点が形成される、第3可撓性膜と、
前記第1可撓性膜の前記チャンバ部分と、前記第2可撓性膜の前記チャンバ部分と、前記第3可撓性膜の前記頂面と、によって形成された少なくとも1つのチャンバと、
前記第1可撓性膜の前記チャネル部分と、前記第2可撓性膜の前記チャネル部分と、前記第3可撓性膜の前記中間チャネル部分と、前記チャネル入口と、によって形成されたチャネルと、
前記第3可撓性膜の前記上側弁部分と前記第1可撓性膜の前記弁部分とによって形成された第1弁本体を含む少なくとも1つの第1逆止弁アセンブリであり、前記弁本体の少なくとも一部内に配置された複数の上側接着部分によってさらに特徴付けられている、少なくとも1つの第1逆止弁アセンブリと、
を含み、
前記第1逆止弁アセンブリは、前記流体容器装置が膨張している時には、圧縮された前記不活性ガスが前記チャネルから前記少なくとも1つのチャンバへと流れることを可能とするように構成されており、
前記第1逆止弁アセンブリは、前記流体容器装置が膨張した後には、圧縮された前記不活性ガスが前記少なくとも1つのチャンバから前記チャネルへと流れることを阻止する、流体容器装置。
【請求項2】
前記チャネルは、圧縮された前記不活性ガスをフォーム圧力で前記少なくとも1つの逆止弁に対して供給するように構成されている、請求項1に記載の流体容器装置。
【請求項3】
前記第1可撓性膜及び前記第2可撓性膜は、所定の側部で互いに接着されており、これにより、複数のチャンバを形成している、請求項1に記載の流体容器装置。
【請求項4】
前記複数のチャンバは、前記複数のチャンバどうしの間にわたっての流体連通を阻止するように構成された独立した複数のチャンバを形成している、請求項1~3のいずれか一項に記載の流体容器装置。
【請求項5】
前記側部の少なくとも1つは、前記複数のチャンバの隣接したチャンバどうしの間にわたっての流体連通を可能とするように構成された経路をさらに含む、請求項1又は3に記載の流体容器装置。
【請求項6】
前記複数のチャンバの、少なくとも1つのチャンバは、第1距離のところに位置した側部を含み、前記複数のチャンバの、別のチャンバは、第2距離のところに位置した側部を含み、前記第1距離は、前記第2距離とは相違している、請求項1又は3に記載の流体容器装置。
【請求項7】
前記複数のチャンバの、少なくとも1つのチャンバは、中間関節ポイントをさらに含む、請求項1又は3に記載の流体容器装置。
【請求項8】
前記中間関節ポイントは、前記複数のチャンバの、前記少なくとも1つのチャンバの一部を横断して延びている、請求項1~7のいずれか一項に記載の流体容器装置。
【請求項9】
前記中間関節ポイントは、前記複数のチャンバの、前記少なくとも1つのチャンバの全体にわたって延びている、請求項1~8のいずれか一項に記載の流体容器装置。
【請求項10】
前記中間関節ポイントは、前記流体容器の前記外面に対して凸状の角度を形成している、請求項1~9のいずれか一項に記載の流体容器装置。
【請求項11】
前記中間関節ポイントは、前記流体容器の前記外面に対して凹状の角度を形成している、請求項1~10のいずれか一項に記載の流体容器装置。
【請求項12】
前記第3可撓性膜の前記下側弁部分と前記第2可撓性膜の前記弁部分とによって形成された第2弁本体を含む少なくとも1つの第2逆止弁アセンブリをさらに含み、前記第2逆止弁アセンブリは、前記第2弁本体の少なくとも一部内に配置された複数の下側接着部分によってさらに特徴付けられている、請求項1に記載の流体容器装置。
【請求項13】
前記下側弁部分の少なくとも一部と前記第2可撓性膜の前記弁部分との間に配置された連続的な接着シールをさらに含む、請求項1に記載の流体容器装置。
【請求項14】
前記下側弁部分と前記第2可撓性膜の前記弁部分とによって形成された第2弁本体を含む少なくとも1つの第2逆止弁アセンブリをさらに含む、請求項1に記載の流体容器装置。
【請求項15】
前記下側弁部分の少なくとも一部と前記第2半体の前記弁部分との間に配置された連続的な接着シールをさらに含む、請求項1に記載の流体容器装置。
【請求項16】
前記下側弁部分と前記第2半体の前記弁部分とによって形成された第2弁本体を含む少なくとも1つの第2逆止弁アセンブリをさらに含む、請求項1に記載の流体容器装置。
【請求項17】
ロールストックを製造するための方法であって、
第1可撓性膜及び第2可撓性膜を準備するステップであり、前記可撓性膜のそれぞれは、
チャネル部分と、チャンバ部分と、前記チャネル部分と前記チャンバ部分との間に配置された弁部分と、を有した外面と、
チャネル部分と、チャンバ部分と、前記チャネル部分と前記チャンバ部分との間に配置された弁部分と、を有した内面と、を含み、
前記外面の前記部分のそれぞれは、前記内面の同様の部分に対して対応しており、さらに、
前記第1可撓性膜の前記内側チャネル部分は、上側外周エッジを有しており、前記第2可撓性膜の前記内側チャネル部分は、下側外周エッジを有している、第1可撓性膜及び第2可撓性膜を準備するステップと、
第3可撓性膜を準備するステップであり、前記第3可撓性膜は、
頂面と、
上側弁部分と、下側弁部分と、前記上側弁部分と前記下側弁部分との間に配置された中間チャネル部分と、を有した底面であり、前記上側弁部分は、上側内周エッジを有しており、前記下側弁部分は、前記上側内周エッジとは反対側に配置された下側内周エッジを有している、底面と、を含む、第3可撓性膜を準備するステップと、
前記第1可撓性膜と前記第2可撓性膜と前記第3可撓性膜とを重ね合わせることにより、
前記第3可撓性膜の前記上側弁部分が前記第1可撓性膜の前記内側弁部分に対してオーバーラップしている第1オーバーラップ部分と、
前記第3可撓性膜の前記下側弁部分が前記第2可撓性膜の前記内側弁部分に対してオーバーラップしている第2オーバーラップ部分と、
前記第1可撓性膜の前記外面の前記チャネル部分が前記第2可撓性膜の前記内面の前記チャネル部分に対してオーバーラップしている中間オーバーラップ部分であり、前記第3可撓性膜の前記底面の前記中間チャネル部分は、前記第1可撓性膜の前記上側外周エッジと前記第2可撓性膜の前記下側外周エッジとの間の距離によって規定されている、中間オーバーラップ部分と、を形成するステップと、
前記第1オーバーラップ部分を、複数の上側接着位置のところで接着することにより、第1逆止弁アセンブリを形成するステップと、
前記第2オーバーラップ部分を、複数の下側接着位置のところで接着することにより、第2逆止弁アセンブリを形成するステップと、
前記頂面を折り返すことにより、前記上側内周エッジを前記下側内周エッジの上方へと重ね合わせることにより、前記第3可撓性膜の前記中間チャネル部分を二等分する頂点を形成するステップと、
圧縮された不活性ガスを受け取るように構成されたチャネル入口を有した周縁に沿って前記第1可撓性膜及び前記第2可撓性膜を接着することにより、
前記第1可撓性膜の前記チャンバ部分と、前記第2可撓性膜の前記チャンバ部分と、前記第3可撓性膜の前記頂面と、を含む少なくとも1つのチャンバと、
前記第1可撓性膜の前記チャネル部分と、前記第2可撓性膜の前記チャネル部分と、前記第3可撓性膜の前記中間チャネル部分と、前記チャネル入口と、を含むチャネルと、
を形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記第1可撓性膜及び前記第2可撓性膜を、所定の側部で接着することにより、複数のチャンバを形成するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
内部の製品を保護するよう、圧縮された不活性ガスによって膨張可能とされた流体容器装置であって、
互いに重ね合わされた第1半体及び第2半体を含む連続的な可撓性膜であり、前記半体のそれぞれは、
チャネル部分と、チャンバ部分と、前記チャネル部分と前記チャンバ部分との間に配置された弁部分と、を有した外面と、
チャネル部分と、チャンバ部分と、前記チャネル部分と前記チャンバ部分との間に配置された弁部分と、を有した内面と、を含み、
前記外面の前記部分のそれぞれは、前記内面の同様の部分に対して対応しており、前記第1半体の前記内面と、第2半体の前記内面と、のそれぞれは、互いに対して向き合うように配向されており、さらに、
前記可撓性膜どうしは、圧縮された前記不活性ガスを受け取るように構成されたチャネル入口を有した周縁に沿ってシールされている、連続的な可撓性膜と、
第3可撓性膜であり、
頂面と、
上側弁部分と、下側弁部分と、前記上側弁部分と前記下側弁部分との間に配置された中間チャネル部分と、を有した底面であり、前記上側弁部分は、上側内周エッジを有しており、前記下側弁部分は、前記上側内周エッジとは反対側に配置された下側内周エッジを有している、底面と、を含み、
前記上側弁部分は、前記第1半体の前記弁部分に対して結合されており、前記第3可撓性膜が折り返されることにより、前記下側弁部分が、前記第2半体の前記弁部分に対して対向して結合するものとされ、前記第3可撓性膜の前記折り返しにより、前記チャネル部分を二等分する頂点が形成される、第3可撓性膜と、
前記第1半体の前記チャンバ部分と、前記第2半体の前記チャンバ部分と、前記第3可撓性膜の前記頂面と、によって形成された少なくとも1つのチャンバと、
前記第1半体の前記チャネル部分と、前記第2半体の前記チャネル部分と、前記第3可撓性膜の前記中間チャネル部分と、前記チャネル入口と、によって形成されたチャネルと、
前記第3可撓性膜の前記上側弁部分と前記第1半体の前記弁部分とによって形成された第1弁本体を含む少なくとも1つの第1逆止弁アセンブリであり、前記弁本体の少なくとも一部内に配置された複数の上側接着部分によってさらに特徴付けられている、少なくとも1つの第1逆止弁アセンブリと、
を含み、
前記第1逆止弁アセンブリは、前記流体容器装置が膨張している時には、圧縮された前記不活性ガスが前記チャネルから前記少なくとも1つのチャンバへと流れることを可能とするように構成されており、
前記第1逆止弁アセンブリは、前記流体容器装置が膨張した後には、圧縮された前記不活性ガスが前記少なくとも1つのチャンバから前記チャネルへと流れることを阻止する、流体容器装置。
【請求項20】
流体パッキング製品を製造するための方法であって、
請求項17に記載のロールストックを準備することと、
前記ロールストックを、前記チャンバ部分の一部に沿って、かつ、前記チャンバ部分に対して横方向に折り曲げることにより、内部に物品を収容するための受け取りチャンバを形成することと、
前記ロールストックの周縁の各部分を選択的に接着することと、
前記チャネル入口へと導入される流体を使用して、前記ロールストックを膨張させることと、
を含む、方法。
【請求項21】
ロールストックを製造するための方法であって、
互いに重ね合わされた第1半体及び第2半体を含む連続的な可撓性膜を準備するステップであり、前記半体のそれぞれは、
チャネル部分と、チャンバ部分と、前記チャネル部分と前記チャンバ部分との間に配置された弁部分と、を有した外面と、
チャネル部分と、チャンバ部分と、前記チャネル部分と前記チャンバ部分との間に配置された弁部分と、を有した内面と、を含み、
前記外面の前記部分のそれぞれは、前記内面の同様の部分に対して対応しており、前記第1半体の前記内面と、第2半体の前記内面と、のそれぞれは、互いに対して向き合うように配向されており、さらに、
前記可撓性膜どうしは、圧縮された前記不活性ガスを受け取るように構成されたチャネル入口を有した周縁に沿ってシールされている、連続的な可撓性膜を準備するステップと、
第3可撓性膜を準備するステップであり、前記第3可撓性膜は、
頂面と、
上側弁部分と、下側弁部分と、前記上側弁部分と前記下側弁部分との間に配置された中間チャネル部分と、を有した底面と、を含み、
前記上側弁部分は、前記第1半体の前記弁部分に対して結合されており、前記第3可撓性膜が折り返されることにより、前記下側弁部分が、前記第2半体の前記弁部分に対して対向して結合するものとされ、前記第3可撓性膜の前記折り返しにより、前記チャネル部分を二等分する頂点が形成される、第3可撓性膜を準備するステップと、
前記第1半体の前記チャンバ部分と、前記第2半体の前記チャンバ部分と、前記第3可撓性膜の前記頂面と、によって形成された少なくとも1つのチャンバを準備するステップと、
前記第1半体の前記チャネル部分と、前記第2半体の前記チャネル部分と、前記第3可撓性膜の前記中間チャネル部分と、前記チャネル入口と、によって形成されたチャネルを準備するステップと、
前記第3可撓性膜の前記上側弁部分と前記第1半体の前記弁部分とによって形成された第1弁本体を含む少なくとも1つの第1逆止弁アセンブリであり、前記弁本体の少なくとも一部内に配置された複数の上側接着部分によってさらに特徴付けられているとともに、
前記第1逆止弁アセンブリは、前記流体容器装置が膨張している時には、圧縮された前記不活性ガスが前記チャネルから前記少なくとも1つのチャンバへと流れることを可能とするように構成されており、さらに、
前記第1逆止弁アセンブリは、前記流体容器装置が膨張した後には、圧縮された前記不活性ガスが前記少なくとも1つのチャンバから前記チャネルへと流れることを阻止する、少なくとも1つの第1逆止弁アセンブリを準備するステップと、
前記第1半体と前記第2半体と前記第3可撓性膜とを重ね合わせることにより、
前記第3可撓性膜の前記上側弁部分が前記第1半体の前記内側弁部分に対してオーバーラップしている第1オーバーラップ部分と、
前記第3可撓性膜の前記下側弁部分が前記第2半体の前記内側弁部分に対してオーバーラップしている第2オーバーラップ部分と、
前記第1半体の前記外面の前記チャネル部分が前記第2半体の前記内面の前記チャネル部分に対してオーバーラップしている中間オーバーラップ部分であり、前記第3可撓性膜の前記底面の前記中間チャネル部分は、前記第1半体の前記上側外周エッジと前記第2半体の前記下側外周エッジとの間の距離によって規定されている、中間オーバーラップ部分と、を形成するステップと、
前記第1オーバーラップ部分を、複数の上側接着位置のところで接着することにより、第1逆止弁アセンブリを形成するステップと、
前記第2オーバーラップ部分を、複数の下側接着位置のところで接着することにより、第2逆止弁アセンブリを形成するステップと、
前記頂面を折り返すことにより、前記上側内周エッジを前記下側内周エッジの上方へと重ね合わせることにより、前記第3可撓性膜の前記中間チャネル部分を二等分する頂点を形成するステップと、
圧縮された不活性ガスを受け取るように構成されたチャネル入口を有した周縁に沿って前記第1半体及び前記第2半体を接着することにより、
前記第1可撓性膜の前記チャンバ部分と、前記第2可撓性膜の前記チャンバ部分と、前記第3可撓性膜の前記頂面と、を含む少なくとも1つのチャンバと、
前記第1半体の前記チャネル部分と、前記第2半体の前記チャネル部分と、前記第3可撓性膜の前記中間チャネル部分と、前記チャネル入口と、を含むチャネルと、
を形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項22】
流体パッキング製品を製造するための方法であって、
請求項21に記載のロールストックを準備することと、
前記ロールストックを、前記チャンバ部分の一部に沿って、かつ、前記チャンバ部分に対して横方向に折り曲げることにより、内部に物品を収容するための受け取りチャンバを形成することと、
前記ロールストックの周縁の各部分を選択的に接着することと、
前記チャネル入口へと導入される流体を使用して、前記ロールストックを膨張させることと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体が充填された膨張可能部材を使用することによって内容物を機械的損傷から保護するように格別に構成された、容器、パッケージング部材、及びパッケージ、に関する。
【背景技術】
【0002】
輸送プロセス時に物品が損傷することを緩和して保護するための方法として、今日では、多くの産業で、膨張式パッケージングシステムが使用されている。このようなパッケージングシステムは、典型的には、熱可塑性物質からなる平坦なシートから形成され、それらシートを層状として互いに接合することで、ロールストックが形成される。それらシートは、典型的には、互いに上下に配置され、その後、周縁に沿って熱シールすることによって、及び周縁内の様々な場所で熱シールすることによって、接合され、そこにデザイン上の特徴点が形成される。形成後には、ロールストックは、パッケージングシステムを膨張させて輸送準備が整った時点で、パッケージングシステムが特定の物品のサイズ及び形状に対して適切に適合するように、さらに改変されてもよい。このアプローチにより、従来的なパッケージングシステムを、家電製品、ガラス製品、プリンタカートリッジ、並びに、輸送時に壊れやすい又は損傷を受けやすい他の製品、などの様々な商品に関して、サイズ及び形状の要件を満たすものとすることができる。
【0003】
従来的な膨張式パッケージングシステムは、同様の構造的特徴点を示している。特に、従来的な設計は、円筒形状の膨張可能チャンバからなる直線状アレイと、各チャンバの開口のところに配置された1つ又は複数の逆止弁と、によって特徴付けられる。膨張可能チャンバは、隣接したチャンバどうしの間の流体連通を可能とする開口を含んでもよく、あるいは代替的には、チャンバは、互いに独立的に流体を保持するように形成されてもよい。逆止弁は、各膨張可能チャンバの開口を、共通の膨張可能チャネルから、物理的に分離する。パッケージングシステムを膨張させる際には、共通の膨張可能チャネルが、チャネルの一端部のところで、加圧流体を受け取るとともに、その加圧流体を、逆止弁を通して各チャンバに対して均一に分配する。逆止弁は、一般に、流体の流れを1つの向きに制限することを目的としたものであり、流体は、各空気チャンバ内へと効果的に流入し得るものの、各空気チャンバから流出することはできない。様々な逆止弁の構成が、当該技術分野において知られており、これらの逆止弁は、典型的には、プラスチック製の、チャネルから各チャンバへと流体が流れるための経路を形成する追加的な層によって形成されるとともに、逆止弁を通しての流体の流れを誘導したり制限したり又は他の態様で制御したりするためにその空気経路内へと導入された局所的特徴物によって、さらに形成されている。局所的特徴物は、典型的には、熱を印加する前にプラスチックシートの所定位置に耐熱塗料を塗布することを含めて事前に印刷されたものであるため、特定の領域では熱接着が起こり、他の領域では熱接着が起こらない。このような構造的特徴点は、他の特徴点と同様に、ロールストックを得るための製造プロセス時に、形成される。
【0004】
図1は、従来技術を代表する従来的な膨張式パッケージングシステム10の平面図を提供しており、この膨張式パッケージングシステム10は、膨張チャネル11と、逆止弁本体12と、複数の直線状アレイ型流体チャンバ13と、を有している。パッケージングシステム10は、第1層18と第2層19とから形成されている。流体チャンバ13は、側部14によって区分されている。逆止弁本体12は、逆止弁本体12を通しての流体の流れを1つの向きに制限する局所的特徴物15a、15b、15c、及び15dを含む。各流体チャンバ13は、さらに、頂部16a及び底部16bによって特徴付けられる。加えて、従来的な膨張式パッケージングシステム10は、頂部16aを1つ又は複数の層18、19に対して接続する連続的なシール16を含む。
【0005】
従来的な膨張式パッケージングシステムで使用されている逆止弁には、いくつかの問題点が存在する。第一に、逆止弁を形成する事前印刷された局所的特徴物を、電子的に見当合わせすることで、それら局所的特徴物を、各膨張チャンバに対して、及び関連部材に対して、正確に位置合わせしなければならないことである。ロールストックの製造時には、いくつかの要因で、位置ズレが発生してしまうことがあり、例えば、熱シールは、塑性変形を引き起こしたり、それに関連してシートを膨張させたり収縮させたりする。そのため、従来的な設計では、不適切な位置合わせが行われやすく、位置ズレした逆止弁は、機能しなくなってしまう。第二に、事前印刷を行うには、本来は必要ないはずの特殊な成形設備が必要となる。第三に、従来的な逆止弁の設計では、逆止弁を通しての流体の流れが著しく制限されてしまうことであり、流体の流れは、特に逆止弁の入口で制限される、すなわち、膨張チャネルと逆止弁と空気チャンバとの間にわたっての接続を適切に形成するために熱シール部材が必要とされる逆止弁の入口で制限される。このように流れが制限されてしまうと、膨張式パッケージングシステムを充填するために必要な時間が、長くなってしまう。
【発明の概要】
【0006】
従来的な膨張式パッケージングシステムに関連した従来技術における欠点は、本発明による、装置、システム、及び方法によって解決される。
【0007】
本発明の目的は、従来的なロールストックの製造に際して使用される逆止弁特徴物を事前印刷する必要性を除去することであり、これにより、より単純な製造プロセスを提供するとともに、位置ズレした逆止弁特徴物に関連した故障及び動作不全を起こしにくい膨張式パッケージングシステムを提供することである。
【0008】
本発明の目的は、事前印刷された逆止弁特徴物を電子的に登録するために必要な特殊な設備を不要とすることであり、これにより、より単純な製造プロセスを提供するとともに、製造設備に必要な資本コストを低減することである。
【0009】
本発明の目的は、従来的な同等品と比較してより大きな流量を許容する逆止弁設計に基づき、従来的なパッケージングシステムと比較して、少なくとも2倍速く(又は、最大で、半分の時間で)膨張するような、膨張式パッケージングデバイスを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の非限定的なかつ非網羅的な実施形態について、以下の図面を参照して説明する。図面では、同様の参照符号は、特段に指定しない限り、様々な図面にわたって同様の部材を指す。
【0011】
本発明をより良好に理解するために、以下の発明を実施するための形態が参照されることとなり、発明の詳細な説明は、添付図面に関連して読むべきものであり、添付図面は、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成するものであるとともに、本明細書で開示する主題に関する特定の態様を図示するものであり、さらに、説明と一緒に、開示する実装に関連したいくつかの原理を説明することを補助するものである。
【0012】
【
図1】
図1は、従来技術による従来的な膨張式パッケージングシステムの平面図を示している。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による、可撓性膜どうしを重ね合わせた構成を提供する概略的な斜視図を示している。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態による、複数の接着部分の配置を提供する概略的な斜視図を示している。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態による、第3可撓性膜が折り曲げられる向きを図示した概略的な斜視図を示している。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態による、製造されたロールストックの概略的な斜視図を示している。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態による逆止弁製品を有した膨張式流体容器を示している。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態による、可撓性膜どうしを重ね合わせた構成を提供する概略的な斜視図を示している。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態による、複数の接着部分の配置を提供する概略的な斜視図を示している。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態による、チャネルに沿って凹所付き端部が設けられた連続的な外側膜を有して部分的に形成されたロールストックに関する概略的な斜視図を示している。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態による、第3可撓性膜が折り曲げられる向きを図示した概略的な斜視図を示している。
【
図11】
図11は、本発明の一実施形態による、第3可撓性膜が折り曲げられる向きを図示した概略的な斜視図を示している。
【
図12】
図12は、本発明の一実施形態による、製造されたロールストックの概略的な斜視図を示している。
【
図13】
図13は、本発明の一実施形態による逆止弁製品を有した膨張式流体容器を示している。
【
図14】
図14は、代替可能な一実施形態に基づき、本発明の一実施形態による、第3可撓性膜が折り曲げられる向きを図示した概略的な斜視図を示している。
【
図15】
図15は、第1可撓性膜及び第2可撓性膜が互いに重ね合わされている場合の、概略的な図を示している。
【
図16】
図16は、逆止弁製品を有した膨張式流体容器を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の非限定的な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明するものとし、添付図面においては、同様の参照符号は、全図面にわたって同様の部材を表している。本発明について、その好ましい実施形態に関して詳細に説明するけれども、その説明を読んで理解した時には、好ましい実施形態に対する特定の変形が明らかとなるであろうこと、また、それらの変形が、それでもなお、本発明の精神及び範囲内にあることは、理解されよう。
【0014】
本明細書で使用した際には、「1つの(a)」又は「1つの(an)」という用語は、1つのものとして、あるいは、2つ以上のものとして、定義される。本明細書で使用した際には、「複数」という用語は、2つのものとして、あるいは、3つ以上のものとして、定義される。本明細書で使用した際には、「別の」という用語は、少なくとも2つ目のものとして、あるいは、3つ目以降のものとして、定義される。本明細書で使用した際には、「含む」及び/又は「有する」という用語は、含む(すなわち、オープンな言語)として、定義される。本明細書で使用した際には、「結合する」という用語は、必ずしも直接的ではないけれども、また必ずしも機械的ではないけれども、結合されているものとして、定義される。
【0015】
本明細書を通して、「いくつかの実施形態」、「ある実施形態」、「特定の実施形態」、及び「一実施形態」、あるいは同様の用語、に対する言及は、実施形態に関連して説明する特定の特徴点又は構造又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを、意味している。よって、本明細書を通して、このようなフレーズの出現は、又は様々な箇所での出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態に対して言及しているわけではない。さらに、特定の特徴点又は構造又は特性は、限定されることなく、1つ又は複数の実施形態において、任意の適切な態様で組み合わされてもよい。
【0016】
本明細書で使用した際には、「又は」という用語は、任意の1つのもの又は任意の組合せを包含するものとして、あるいは、任意の1つのもの又は任意の組合せを意味するものとして、解釈されるべきである。したがって、「A、B、又はC」とは、「A、B、C、A及びB、A及びC、B及びC、A及びB及びC」のいずれかを意味している。この定義の例外は、部材、機能、ステップ、又は行為に関する組合せが、何らかの態様で本質的に相互に排他的である場合にのみ、発生することとなる。
【0017】
図面内に表されている図は、本発明のいくつかの実施形態を例示する目的で提供されており、本発明を限定するものとして考慮されるべきではない。動作の現在分詞に先行する「手段」という用語は、所望の機能を達成するために、1つ又は複数の実施形態が、すなわち、1つ若しくは複数の方法又はデバイス又は装置が、存在していることを提示するものであり、当業者は、本明細書の開示を考慮することにより、これらの中から又はそれらの同等物の中から選択することができ、「手段」という用語の使用は、制限を意図したものではない。
【0018】
「接着する」という用語は、熱シール、溶接、接着剤、レーザー溶接、又はこれらの任意の組合せ、を適用することにより、2つ以上の可撓性膜の局所的な部分のところで、不透過性の流体分離を形成するために、2つ以上の可撓性膜を接続することを指す。
【0019】
「可撓性膜」という用語は、最も一般的にはプラスチックを指し、特に、ポリエチレンの共ラミネート、ポリエチレンとナイロンとの共ラミネート、などの熱可塑性物質を指すけれども、不透過性バリアを形成し得る任意の膜をも含む。
【0020】
「事前印刷」という用語は、熱可塑性シートの面の所定部分に対して、高耐熱性を有した流動性材料を塗布することを指し、これにより、熱シールの実行後には、隣接した熱可塑性シートどうしの間に、局所的な分離ポイントが形成される。
【0021】
「見当合わせする」という用語は、熱可塑性シートの前処理済み面を、流体チャンバの両側を形成する2つの接着部分に対して、正確に位置決めすることを指し、これにより、逆止弁及び関連部材は、設計意図に一致した態様で動作することとなる。
【0022】
図2~
図17に示すように、流体容器に関する、装置、システム、及び方法は、全体的に、部材100として示されている。流体容器100は、
図5及び
図12に表すようなロールストックの形態、あるいは、
図17に表すような、出荷対象をなす物品を内部に挿入するための矩形流体容器製品190として具現化された、改変されたロールストックの形態、のいずれかとされてもよい。
図6を参照すると、流体容器100は、1つ又は複数のチャンバ140と、チャネル160と、第1逆止弁アセンブリ130と、第2逆止弁アセンブリ131と、を含んでもよい。
図13を参照すると、流体容器100は、代替的に、連続的な可撓性膜171を含んでもよい。流体容器100は、
図1~
図4から理解され得るように、第1可撓性膜101と、第2可撓性膜102と、第3可撓性膜103と、をさらに含んでもよい。代替可能な実施形態では、流体容器100は、
図9及び
図10から理解され得るように、連続的な可撓性膜170と、第3可撓性膜103と、を含んでもよい。その上、第3可撓性膜103は、限定するものではないが別個のシートから形成されて互いに接着されることを含めて、製造を容易とするように代替的に改変されてもよい。当業者であれば理解されるように、流体容器100は、炭化水素に由来した可撓性膜材料を含んでもよい、あるいは、例えば再生可能な生物由来物質などの代替材料を含んでもよい。同じ意味で、当業者であれば、流体容器100が、空気を含めた任意の不活性ガスを使用して膨張され得ることを、認識されよう。
【0023】
ここで、
図2~
図6を参照すると、流体容器100は、事前製造された可撓性膜からなる平坦シートから形成されてもよい、すなわち、第1可撓性膜101と第2可撓性膜102と第3可撓性膜103とからなる平坦シートから形成されてもよい。最初に、平坦シートは、矢印Mで示す製造フロー方向に供給されつつ、サイズへと切断され得るとともに、
図2に示す態様で重ね合わされ得る。一方の面上では、第1可撓性膜101は、第1内側チャンバ面101aと、第1内側逆止弁面101cと、第1内側チャネル面101eと、を含んでもよい。反対側の面上では、第1可撓性膜101は、第1外側チャンバ面101bと、第1外側逆止弁面101dと、第1外側チャネル面101fと、を含んでもよい。上側外周エッジ105が、第1可撓性膜101の端部に配置されてもよい。同様に、第2可撓性膜102の一方の面は、第2内側チャンバ面102aと、第2内側逆止弁面102cと、第2内側チャネル面102eと、を含んでもよい。反対側の面上では、第2可撓性膜102は、第2外側チャンバ面102bと、第2外側逆止弁面102dと、第2外側チャネル面102fと、を含んでもよい。さらに、下側外周エッジが、第2可撓性膜102の端部に配置されてもよい。同様に、第3可撓性膜103の一方の面は、第3上側チャンバ面103aと、第3下側チャンバ面103cと、第3中間チャンバ面103eと、を含んでもよい。反対側の面上では、第3可撓性膜103は、第3上側逆止弁面103bと、第3下側逆止弁面103dと、第3中間チャネル面103fと、を含んでもよい。追加的に、第3可撓性膜103は、一端部に上側内周エッジ104を含んでもよく、反対側の端部に形成された下側内周エッジ106を含んでもよい。
【0024】
重要なことは、第1可撓性膜101と、第2可撓性膜102と、第3可撓性膜103と、に関する上記の面が、各膜の向きによって、及び、互いに対しての重ね合わせによって、規定されることである。これらの規定された面は、特定の用途に依存して、及び所望の最終結果に依存して、面積並びに直線寸法が変化してもよい。例えば、第1オーバーラップ部分110は、上側内周エッジ104と下側外周エッジ107との間に規定された直線寸法に依存する。同様に、第2オーバーラップ部分111は、上側外周エッジ105と下側内周エッジ106との間に規定された直線寸法に依存する。そしてさらに、中間オーバーラップ部分112は、上側外周エッジ105と下側外周エッジ107との間に規定された直線寸法に依存する。
【0025】
ここで、
図3を参照すると、複数の上側接着部分134aが、第1オーバーラップ部分110上に形成されてもよく、複数の下側接着部分134bが、第2オーバーラップ部分112上に形成されてもよい。これらの接着部分134a、134bは、詳細に後述するように、各セグメントの広範な部分が流体の流れ方向を向くように配向された直線状セグメントとして、示されている。接着部分134a、134bは、任意の形状のものであってもよく、また、流体の流れ方向に対して任意の向きで配向されてもよく、さらに、第1オーバーラップ部分110及び第2オーバーラップ部分112上において任意の配置で配列されてもよい。接着部分134a、134bは、局所的部分で膜どうしを結合するためにそれぞれ対応する膜どうしの間に形成されてもよく、これにより、局所的部分を横断して流体が流れることを阻止するように動作する不透過性バリアを形成することができる。
【0026】
ここで、
図4を参照すると、第3可撓性膜103は、上側内周エッジ104が下側内周エッジ106に対して実質的に重なるようにして折り返されて図示されており、これにより、第3中間チャンバ面103eの一部に沿って頂点164が形成されている。その結果、第1可撓性膜101は、上側外周エッジ105が下側外周エッジ107に対して隣接して配置され得るようにして、第2可撓性膜102に対して実質的に重なり合っている。
【0027】
ここで、
図5及び
図6を参照すると、第1可撓性膜101及び第2可撓性膜102は、チャネル入口161を含み得る周縁108に沿って、接着されている。第1可撓性膜101及び第2可撓性膜102は、少なくとも1つのチャンバ140と、チャネル160と、をさらに形成してもよい。
図5が、ロールストックの1つのバージョンを示していることに、また、このバージョンが、製造プロセスを通して、1つ又は複数の側部142と、1つ又は複数の経路143と、1つ又は複数の中間関節ポイント144と、1つ又は複数の側部関節ポイント145と、を含むようにさらに改変されてもよいことに、さらに、ロールストックが、これらの特徴点を含んでも含まなくてもよいことに、留意されたい。代替可能な実施形態では、1つ又は複数の中間関節ポイント144は、チャンバ140の幅全体にわたって延びてもよく、これにより、流体がチャンバの一部内へと流入することを防止することができる。側部142は、そこに存在するすべての膜を通しての連続的な接着を形成してもよく、側部は、側部142が頂点164に対して交差することによって規定される一端部のところで終端している。別の実施形態では、側部142は、限定するものではないが、円弧形状、楕円形状、及び流体容器100に対して全体的に非直交的に配置された形状、を形成する接着を含めた、非直線的な接着を形成する。一実施形態では、複数のチャンバ140は、均等に離間されたそれぞれ対応する側部142を含んでもよく、これにより、各チャンバ140のそれぞれ対応する容積を、ほぼ同じとすることができる。
図5に示す代替可能な実施形態では、幅の広いチャンバ148が形成されてもよく、この幅の広いチャンバ148は、狭いチャンバ149を形成する側部と異なる寸法で離間された側部142を有している。当業者であれば、側部142が、意図された用途に適した、及び流体容器100の内部に収容されるべき物品に適した、任意の態様で形成され得ることは、理解されよう。
【0028】
図6を参照すると、流体容器100が示されている。流体容器100は、内部への流れ矢印によって表されているように、チャネル入口161から圧縮流体を受け取るように構成されてもよい。チャネル160は、第3中間チャネル面103fと第1内側チャネル面101eと第2内側チャネル面102eとのところに形成された隔壁162を含む。一実施形態では、上側外周エッジ105と下側外周エッジ107とは、互いに接着されることで、端部163を形成しており、代替可能な実施形態では、
図9に示すように、チャネル160は、連続的な可撓性膜170によって形成された事前接続済みチャネル172とされ、この場合、端部163は、単一のシートから、第1折り目173と第2折り目174と第3折り目175によって、形成されている。後者の実施形態では、チャンバ140などの関連部材も、また、連続的な可撓性膜170を使用して形成される。
図6は、また、第1逆止弁アセンブリ130及び第2逆止弁アセンブリ131を示しており、これらは、それぞれ対応する第1弁本体132及び第2弁本体133を含んでもよい。第1弁本体130は、第3上側逆止弁面103bと第1内側逆止弁面101cとによって形成され得るとともに、複数の上側接着部分134aを含んでもよい。第2弁本体131は、第3下側逆止弁面103dと第2内側逆止弁面102cとによって形成され得るとともに、複数の下側接着部分134bを含んでもよい。代替可能な実施形態では、
図13に示すように、複数の接着部分134aを含めた弁本体は、流体容器100の一方の面上に形成されており、その場合、流体容器100の他方の面は、この面を通して流体が流れることを制限する連続的な接着シール171を含んでもよい。1つ又は複数のチャンバ140は、同様に、第1内側チャンバ面101aと、第3上側チャンバ面103aと、第3中間チャンバ面103eと、第3下側チャンバ面103cと、第2内側チャンバ面102aと、によって形成されてもよい。さらに、1つ又は複数のチャンバは、閉塞した底部141に沿って、終端している。
【0029】
図6を再び参照すると、圧縮流体が流体容器100内へと流入する際には、チャネル160が、膨張を開始する。圧縮流体が流体容器100内へと流入し続けた際には、流体は、第1弁本体132及び第2弁本体133を透過し、その後、1つ又は複数のチャンバ140によって規定された空間内へと流入し、これにより、1つ又は複数のチャンバ140を、膨張させて加圧する。1つ又は複数のチャンバ140が充分に充填された後には、チャンバ140の加圧が、弁本体を付勢することにより、流体経路に沿って弁本体を閉塞させ、これにより、第1逆止弁アセンブリ及び第2逆止弁アセンブリを通しての流体流出を禁止することによって、流体の流れを制限する。一般的に言えば、
図6及び
図13に示す方向矢印は、流体容器100が膨張する際に流体容器100を透過する流体の流線を表している。重要なことに、流体容器100の設計は、
図1の従来技術に示すような連続的なシール17の必要性を除去するものであり、これにより、空気流量(例えば、1分間あたりの立方フィート、又はCFM)を少なくとも2倍とする能力を有するような、及びこれに伴って、必要な膨張時間を、従来的な膨張式パッキングが必要とする時間と比較して、最大で半分へと低減する能力を有するような、逆止弁アセンブリ130、131を提供する。流体容器100は、本発明の方法によって製造し得る製造物品又は製品である。有利には、流体容器に関する、装置、システム、及び方法100は、層及び構造を排除するものであり、これにより、材料コスト、廃棄物、及び製造における追加的ステップ、を低減する。
【0030】
ここで、
図14~
図16を参照すると、代替可能な実施形態では、流体容器100は、それぞれ101、102、及び103によって表示された、第1膜と第2膜と第3膜とを含んでもよい。さらに、
図14~
図16を参照すると、流体容器100は、第3膜103が中間に配置された、連続的なシートを含んでもよい。
図14に示すように、製造プロセスの一部として、第1膜101と第2膜102と第3膜103とは、互いに上下に重ね合わされてもよい。第1膜101は、再び製造プロセスの一部として、角度を付けて配置されてもよく、すなわち、膜101の一部は、エッジ105に対して角度を付けたものとされ、これにより、連続的な可撓性膜171などに対しての、下側内周エッジ106の近傍内で生じる接着を引き起こすための加熱及び他の製造プロセスを適用するために、第2膜102及び第3膜103に対しての露出を提供する。重要なことに、
図14に示す製造ステップの前に、第1膜101及び第2膜102は、接着部分134aが形成され得るように、例えば、
図8に示す配置に対して一致した態様で構成されてもよい。この場合にも、この実施形態では、配置は、第1膜101及び第2膜102に対して、連続的なシートの形態を取ってもよい。
【0031】
図14~
図16に反映された代替可能な実施形態は、第3可撓性膜103が、本開示の代替可能な実施形態によって特徴付けられ得るような「U」断面プロファイルではなく、「S」断面プロファイルを形成することによって、特徴付けられてもよい。このようにして、下側内周エッジ106は、
図14に示す態様で、第2膜102に対して適合してもよく、他方、上側内周エッジ104は、代替的な方向に適合してもよく、すなわち、
図16に示すように、組み立てられた構成において、及び/又は膨張した構成において、「S」断面プロファイルを形成してもよい。さらに、第3可撓性膜103の一部は、第2可撓性膜102に対して結合された部分上に、連続的な接着シール171を含んでもよく、他方、複数の上側接着部分134aは、第1可撓性膜101上に形成されてもよい。代替的には、この配置は、交換されてもよい。さらに、この配置は、複数の上側接着部分134aが第3可撓性膜103の両方の結合部分上に形成され得るという点で、2つの逆止弁アセンブリを含んでもよい。「S」又は「U」を形成するような、あるいは他の断面プロファイルを形成するような、任意の組合せが想定されており、本開示の範囲内であると考えられる。
【0032】
図17を参照すると、矩形流体容器製品190が、膨張した構成で示されており、この場合、複数のチャンバ140は、完全に膨張している。矩形流体容器製品190は、例えば1つ又は複数の側部142と1つ又は複数の中間関節ポイント144とを有した
図5を参照して上述したロールストックに対しての、改変を含んでもよい。複数の接着部分134と、第3可撓性膜103と、関連部材とは、実質的に図示されたように配置され得るけれども、矩形流体容器製品190の異なる部分に沿って配置されてもよい。物品は、チャネル160の近傍に形成された開口(図示せず)を介して、チャンバ140によって囲まれた内部空間内に、収容されてもよい。
【0033】
本明細書で説明するような流体パッケージング製品は、様々な製品に関する様々な産業にわたって使用されてもよい。例えば、本明細書で説明するような可撓性パッケージは、限定するものではないが、クリーニング製品、消毒剤、食器洗い組成物、洗濯洗剤、衣類用仕上げ剤、布地染料、表面保護剤、化粧品、スキンケア製品、ヘアトリートメント製品、石鹸、ボディスクラブ、角質除去剤、収斂剤、スクラブローション、脱毛剤、制汗組成物、消臭剤、シェービング製品、プレシェービング製品、アフターシェービング製品、歯磨きペースト、洗口剤、パーソナルケア製品、ベビーケア製品、フェミニンケア製品、防虫剤、食品、飲料、電子機器、医療デバイス及び医療物品、医薬品、サプリメント、玩具、事務用品、家庭用品、自動車用品、航空用品、農業用品、衣類、靴、宝石、工業製品、並びに、郵便又は他の小包サービスを通して発送することが望ましいものであり得る任意の他の物品、等の製品を含めて、消費者製品産業にわたって、出荷のために使用されてもよい。
【0034】
本明細書で開示する可撓性パッケージは、全体形状を有するように構成することができる。非拡張状態では、全体形状は、多角形(一般に、角度を付けて接続された複数の直線状部分から構成された形状)、曲線形状(円、楕円、及び不規則な曲線形状、を含む)、及びこれらの組合せ、を含めた、任意の公知である2次元形状に対応してもよい。拡張状態では、全体形状は、任意の種類の多面体、任意の種類の擬角柱、及び任意の種類の角柱(直角柱及び均一な角柱を含む)、を含めた、任意の他の公知である3次元形状に対応してもよい。
【0035】
本発明の別の態様では、パッケージ対象物として、例えば、卵、豆腐、野菜、果物、又は牛乳、などの断熱材を必要とする飲食物や、衣服又は家具などの日用品や、あるいは、電子部品、精密機器、又は半導体、などの壊れやすい物品、を収容するために使用される、パッケージング材料、パッケージングバッグ、パッケージング物品、並びにパッケージング方法に関し、より具体的には、本発明は、パッケージング材料自体に緩衝機能を追加することにより、パッケージ対象物に関する煩雑なパッケージング及び煩雑な開梱を容易とするとともに、使用後の廃棄を単純化するもの、に関する。従来から、このようなパッケージングは、コールドチェーン輸送と称されることがあり、放射熱伝達を低減又は排除することによって、更なる断熱特性を提供する。この緩衝材は、本明細書で説明するあらゆる層のあらゆる部分に関する1つ又は複数の面に対して適用される反射層であってもよい。
【0036】
本発明の基本構造を提示する目的で、構造に関する特定の構成について例示したけれども、当業者であれば、なおも添付の特許請求の範囲に属することとなる他の変形が可能であることは、理解されよう。追加的な利点及び追加的な改変について、当業者であれば容易に想起されよう。したがって、広義の態様における本発明は、本明細書で図示して説明した特定の詳細及び代表的な実施形態へと、限定されるものではない。よって、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって規定される全体的発明概念に関する精神又は範囲から逸脱することなく、様々な改変が行われてもよい。
【国際調査報告】