IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東友ファインケム株式会社の特許一覧

特表2023-543040アンテナパッケージ及びそれを含む画像表示装置
<>
  • 特表-アンテナパッケージ及びそれを含む画像表示装置 図1
  • 特表-アンテナパッケージ及びそれを含む画像表示装置 図2
  • 特表-アンテナパッケージ及びそれを含む画像表示装置 図3
  • 特表-アンテナパッケージ及びそれを含む画像表示装置 図4
  • 特表-アンテナパッケージ及びそれを含む画像表示装置 図5
  • 特表-アンテナパッケージ及びそれを含む画像表示装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(54)【発明の名称】アンテナパッケージ及びそれを含む画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/38 20060101AFI20231004BHJP
   H01Q 21/29 20060101ALI20231004BHJP
   H01Q 21/28 20060101ALN20231004BHJP
   H01Q 21/08 20060101ALN20231004BHJP
   H01Q 21/30 20060101ALN20231004BHJP
   H01Q 3/24 20060101ALN20231004BHJP
【FI】
H01Q1/38
H01Q21/29
H01Q21/28
H01Q21/08
H01Q21/30
H01Q3/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519307
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(85)【翻訳文提出日】2023-03-27
(86)【国際出願番号】 KR2021012452
(87)【国際公開番号】W WO2022071678
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】10-2020-0126493
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE-CHEM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】132, YAKCHON-RO, IKSAN-SI, JEOLLABUK-DO 54631, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】キム, ヨン ジュ
(72)【発明者】
【氏名】パク, ドン ピル
(72)【発明者】
【氏名】チェ, ビョン ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ナ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】リュ, ハン スブ
【テーマコード(参考)】
5J021
5J046
【Fターム(参考)】
5J021AA02
5J021AA05
5J021AA07
5J021AA11
5J021AB06
5J021CA03
5J021DB05
5J021GA02
5J021HA10
5J021JA03
5J021JA05
5J046AA09
5J046AA12
5J046AB03
5J046AB13
5J046PA07
5J046PA09
(57)【要約】
本発明は、アンテナパッケージ及びそれを含む画像表示装置に関する。本発明の例示的な実施形態によるアンテナパッケージは、ディスプレイパネルの上面上に配置され、第1アンテナユニットを含む第1アンテナ素子と、ディスプレイパネルの側面または下面上に配置され、第2アンテナユニットを含む第2アンテナ素子と、前記第1アンテナユニットとボンディングされる第1回路基板と、前記第2アンテナユニットとボンディングされる第2回路基板と、前記第1回路基板および前記第2回路基板と電気的に接続され、少なくとも1つのアンテナ駆動集積回路(IC)チップが実装された第3回路基板とを含む。複数のアンテナ素子間で発生する信号干渉および信号損失を防止し、高周波または超高周波通信の信頼性を向上させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1アンテナユニットを含む第1アンテナ素子と、
前記第1アンテナ素子とは異なるレベルに位置し、前記第1アンテナユニットとは異なる放射方向を有する第2アンテナユニットを含む第2アンテナ素子と、
前記第1アンテナユニットと電気的に接続される第1回路基板と、
前記第2アンテナユニットと電気的に接続される第2回路基板と、
前記第1回路基板および前記第2回路基板と電気的に独立して接続され、少なくとも1つのアンテナ駆動集積回路(IC)チップが実装された第3回路基板とを含む、アンテナパッケージ。
【請求項2】
前記第1アンテナユニットは、前記第3回路基板の上面に対して垂直方向に放射される第1放射体を含む、請求項1に記載のアンテナパッケージ。
【請求項3】
前記第2アンテナユニットは、前記第3回路基板の前記上面に対して水平方向に放射される第2放射体を含む、請求項2に記載のアンテナパッケージ。
【請求項4】
前記第2アンテナユニットは、前記第3回路基板の前記上面に対して垂直であり、前記第1放射体の放射方向に対して反対方向に放射される第2放射体を含む、請求項2に記載のアンテナパッケージ。
【請求項5】
前記アンテナ駆動ICチップは、前記第3回路基板上に分離されて配置され、それぞれ前記第1回路基板および前記第2回路基板と結合される第1アンテナ駆動ICチップおよび第2アンテナ駆動ICチップを含む、請求項1に記載のアンテナパッケージ。
【請求項6】
前記第1回路基板上に配置され、前記第1アンテナユニットと電気的に接続された第1コネクタと、
前記第2回路基板上に配置され、前記第2アンテナユニットと電気的に接続された第2コネクタとをさらに含む、請求項5に記載のアンテナパッケージ。
【請求項7】
前記第3回路基板上に配置され、前記第1コネクタと結合されて前記第1アンテナユニットおよび前記第1アンテナ駆動ICチップを互いに電気的に接続する第3コネクタと、
前記第3回路基板上に配置され、前記第2コネクタと結合されて前記第2アンテナユニットおよび前記第2アンテナ駆動ICチップを互いに電気的に接続する第4コネクタとをさらに含む、請求項6に記載のアンテナパッケージ。
【請求項8】
前記第1放射体はメッシュ構造を含み、前記第2放射体は中身が詰まった(solid)構造を有する、請求項3に記載のアンテナパッケージ。
【請求項9】
前記第1回路基板および前記第2回路基板は、フレキシブルプリント回路基板(Flexible Printed Circuit Base、FLCB)であり、前記第3回路基板は、リジッド(rigid)プリント回路基板である、請求項1に記載のアンテナパッケージ。
【請求項10】
前記第1アンテナ素子は、前記第1アンテナユニットが形成された第1誘電層をさらに含み、前記第2アンテナ素子は、前記第2アンテナユニットが形成された第2誘電層をさらに含む、請求項1に記載のアンテナパッケージ。
【請求項11】
前記第1回路基板は前記第1誘電層と一体化され、前記第2回路基板は前記第2誘電層と一体化される、請求項10に記載のアンテナパッケージ。
【請求項12】
前記第3回路基板上に実装された回路素子または制御素子をさらに含む、請求項1に記載のアンテナパッケージ。
【請求項13】
ディスプレイパネルと、
前記ディスプレイパネルと結合された請求項1に記載のアンテナパッケージとを含む、画像表示装置。
【請求項14】
前記第1アンテナユニットは、前記ディスプレイパネルの上面の上に放射される第1放射体を含み、
前記第2アンテナユニットは、前記ディスプレイパネルの側面方向に、または底面の下に放射される第2放射体を含む、請求項13に記載の画像表示装置。
【請求項15】
前記第3回路基板は、前記ディスプレイパネルの下に配置され、
前記第1回路基板は、前記ディスプレイパネルの前記上面から前記側面および前記底面に沿って屈曲して延長して前記第3回路基板と電気的に接続される、請求項14に記載の画像表示装置。
【請求項16】
前記第2回路基板は、前記ディスプレイパネルの前記側面から前記底面に屈曲して延長して前記第3回路基板と電気的に接続される、請求項14に記載の画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナパッケージ及びそれを含む画像表示装置に関する。より詳細には、アンテナ素子および仲介構造物を含むアンテナパッケージ、並びにそれを含む画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化社会が進展するにつれて、ワイファイ(Wi-Fi)、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)などの無線通信技術が画像表示装置と結合され、例えばスマートフォンの形で実現されている。この場合には、アンテナが前記画像表示装置に結合され、通信機能を実行することができる。
【0003】
最近では、移動通信技術が進化するにつれて、例えば3G、4Gまたは5Gに相当する高周波または超高周波帯域の通信を行うためのアンテナを前記画像表示装置に結合する必要がある。
【0004】
しかしながら、アンテナの駆動周波数が増加する場合には、信号干渉および信号損失が大きくなることがあり、アンテナ放射性能を向上させるために複数のアンテナ素子を採用する場合には、複数のアンテナ素子間の信号干渉および信号損失がより大きくなることがある。
【0005】
そこで、複数のアンテナ素子によって高周波または超高周波の放射特性を実現しながらも、信号干渉および信号損失を防止できるアンテナパッケージの設計が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、向上した放射特性および信号効率を有するアンテナパッケージを提供することである。
【0007】
本発明の課題は、向上した放射特性および信号効率を有するアンテナパッケージを含む画像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1.第1アンテナユニットを含む第1アンテナ素子と、前記第1アンテナ素子とは異なるレベルに位置し、前記第1アンテナユニットとは異なる放射方向を有する第2アンテナユニットを含む第2アンテナ素子と、前記第1アンテナユニットと電気的に接続される第1回路基板と、前記第2アンテナユニットと電気的に接続される第2回路基板と、前記第1回路基板および前記第2回路基板と電気的に独立して接続され、少なくとも1つのアンテナ駆動集積回路(IC)チップが実装された第3回路基板とを含む、アンテナパッケージ。
【0009】
2.前記項目1において、前記第1アンテナユニットは、前記第3回路基板の上面に対して垂直方向に放射される第1放射体を含む、アンテナパッケージ。
【0010】
3.前記項目2において、前記第2アンテナユニットは、前記第3回路基板の前記上面に対して水平方向に放射される第2放射体を含む、アンテナパッケージ。
【0011】
4.前記項目2において、前記第2アンテナユニットは、前記第3回路基板の前記上面に対して垂直であり、前記第1放射体の放射方向に対して反対方向に放射される第2放射体を含む、アンテナパッケージ。
【0012】
5.前記項目1において、前記アンテナ駆動ICチップは、前記第3回路基板上に分離されて配置され、それぞれ前記第1回路基板および前記第2回路基板と結合される第1アンテナ駆動ICチップおよび第2アンテナ駆動ICチップを含む、アンテナパッケージ。
【0013】
6.前記項目5において、前記第1回路基板上に配置され、前記第1アンテナユニットと電気的に接続された第1コネクタと、前記第2回路基板上に配置され、前記第2アンテナユニットと電気的に接続された第2コネクタとをさらに含む、アンテナパッケージ。
【0014】
7.前記項目6において、前記第3回路基板上に配置され、前記第1コネクタと結合されて前記第1アンテナユニットおよび前記第1アンテナ駆動ICチップを互いに電気的に接続する第3コネクタと、前記第3回路基板上に配置され、前記第2コネクタと結合されて前記第2アンテナユニットおよび前記第2アンテナ駆動ICチップを互いに電気的に接続する第4コネクタとをさらに含む、アンテナパッケージ。
【0015】
8.前記項目1において、前記第1放射体はメッシュ構造を含み、前記第2放射体は中身が詰まった(solid)構造を有する、アンテナパッケージ。
【0016】
9.前記項目1において、前記第1回路基板および前記第2回路基板はフレキシブルプリント回路基板(Flexible Printed Circuit Base、FPCB)であり、前記第3回路基板はリジッド(rigid)プリント回路基板である、アンテナパッケージ。
【0017】
10.前記項目1において、前記第1アンテナ素子は、前記第1アンテナユニットが形成された第1誘電層をさらに含み、前記第2アンテナ素子は、前記第2アンテナユニットが形成された第2誘電層をさらに含む、アンテナパッケージ。
【0018】
11.前記項目10において、前記第1回路基板は前記第1誘電層と一体化され、前記第2回路基板は前記第2誘電層と一体化される、アンテナパッケージ。
【0019】
12.前記項目1において、前記第3回路基板上に実装された回路素子または制御素子をさらに含む、アンテナパッケージ。
【0020】
13.ディスプレイパネルと、前記ディスプレイパネルと結合された前記項目1に記載のアンテナパッケージとを含む、画像表示装置。
【0021】
14.前記項目13において、前記第1アンテナユニットは、前記ディスプレイパネルの上面の上に放射される第1放射体を含み、前記第2アンテナユニットは、前記ディスプレイパネルの側面方向に、または底面の下に放射される第2放射体を含む、画像表示装置。
【0022】
15.前記項目14において、前記第3回路基板は前記ディスプレイパネルの下に配置され、前記第1回路基板は、前記ディスプレイパネルの前記上面から前記側面および前記底面に沿って屈曲して延長して前記第3回路基板と電気的に接続される、画像表示装置。
【0023】
16.前記項目14において、前記第2回路基板は、前記ディスプレイパネルの前記側面から前記底面に屈曲して延長して前記第3回路基板と電気的に接続される、画像表示装置。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施形態によると、第1アンテナ素子および第2アンテナ素子を1つのアンテナパッケージに含めることができ、第1アンテナ素子は第1回路基板を介して、第2アンテナ素子は第2回路基板を介して、アンテナ駆動集積回路チップが実装されている第3回路基板に電気的に接続することができる。これにより、例えば、1つのアンテナパッケージにおいて多軸方向の信号送受信を実現することができるので、高周波または超高周波、および広帯域信号に対する二重放射を実現することができる。
【0025】
いくつかの実施形態によると、第1アンテナ素子はディスプレイパネルの上面上に配置することができ、第2アンテナ素子はディスプレイパネルの側面または底面上に配置することができる。これにより、1つのアンテナパッケージにおける信号干渉および信号損失を最小限に抑え、異なる方向への二重放射を実現することができる。また、複数のアンテナ素子を空間分離して配置することにより、例えば信号干渉の少ない帯域の共振周波数を取捨選択するか、または複数の共振周波数を合成して送受信することができる。
【0026】
いくつかの実施形態によると、第1回路基板と第2回路基板は、コネクタを介して第3回路基板に電気的に独立して接続することができる。これにより、ボンディング工程、接合工程を省略し、安定した回路基板の接続を容易に実現することができる。
【0027】
前記アンテナパッケージは、3G、4G、5Gまたはそれ以上の高周波または超高周波帯域の信号送受信が可能な移動通信機器を含むディスプレイ装置に適用し、放射特性および透過度のような光学特性を共に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、例示的な実施形態によるアンテナパッケージを示す概略平面図である。
図2図2は、例示的な実施形態によるアンテナパッケージを示す概略平面図である。
図3図3は、例示的な実施形態によるアンテナパッケージ及びそれを含む画像表示装置を示す概略断面図である。
図4図4は、例示的な実施形態によるアンテナパッケージ及びそれを含む画像表示装置を示す概略断面図である。
図5図5は、例示的な実施形態によるアンテナパッケージ及びそれを含む画像表示装置を示す概略断面図である。
図6図6は、例示的な実施形態による画像表示装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施形態は、複数のアンテナ素子、および前記アンテナ素子が電気的に接続されたアンテナ駆動集積回路(IC)チップを含む回路基板を含むアンテナパッケージを提供する。また、前記アンテナパッケージを含む画像表示装置を提供する。
【0030】
前記アンテナ素子は、例えば、透明フィルムの形態で作製されるマイクロストリップパッチアンテナ(microstrip patch antenna)、モノポール(monopole)アンテナ、またはダイポール(dipole)アンテナであってもよい。前記アンテナ素子は、例えば、高周波または超高周波(例えば、3G、4G、5Gまたはそれ以上)の通信のための通信機器に適用できる。しかし、前記アンテナ素子の用途はディスプレイ装置のみに限定されるものではなく、前記アンテナ素子は車両、家電機器、建築物などの様々な構造物にも適用できる。
【0031】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態をより具体的に説明する。ただし、本明細書に添付される図面は、本発明の好適な実施形態を例示するものであって、発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想をさらに理解する一助となる役割を果たすものであるため、本発明は図面に記載された事項のみに限定されて解釈されるものではない。
【0032】
本出願で使用される用語「上面」、「側面」、「底面」、「前面」、「背面」などの用語は、絶対位置を指定するのではなく、構成間の相対位置を区別するために使用される。
【0033】
図1及び図2は、例示的な実施形態によるアンテナパッケージを示す概略平面図である。
【0034】
図1及び図2を参照すると、前記アンテナパッケージは、第1アンテナ素子100と、前記第1アンテナ素子100とは異なるレベルに位置し、第1アンテナユニットとは異なる放射方向を有する第2アンテナ素子200と、前記第1アンテナ素子100と電気的に接続される第1回路基板150と、前記第2アンテナ素子200と電気的に接続される第2回路基板250と、前記第1回路基板150および前記第2回路基板250と電気的に独立して接続される第3回路基板300とを含むことができる。
【0035】
第1アンテナ素子100および第2アンテナ素子200は、それぞれ第1アンテナ誘電層110上に配置された第1アンテナユニット120、および第2アンテナ誘電層210上に配置された第2アンテナユニット220を含むことができる。
【0036】
アンテナ誘電層110,210は、所定の誘電率を有する絶縁物質を含むことができる。例えば、折り曲げできる柔軟性を有する透明樹脂物質を含むことができる。例えば、アンテナ誘電層110,210は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体などのスチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系またはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン-プロピレン共重合体などのポリオレフィン系樹脂;塩化ビニル系樹脂;ナイロン、芳香族ポリアミドなどのアミド系樹脂;イミド系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;スルホン系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン系樹脂;硫化ポリフェニレン系樹脂;ビニルアルコール系樹脂;塩化ビニリデン系樹脂;ビニルブチラル系樹脂;アリレート系樹脂;ポリオキシメチレン系樹脂;エポキシ系樹脂;ウレタン系またはアクリルウレタン系樹脂;シリコン系樹脂などを含むことができる。これらは、単独でまたは2以上を組み合わせて用いることができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、また、光学透明粘着剤(Optically clear Adhesive:OCA)、光学透明樹脂(Optically Clear Resin:OCR)などの粘接着フィルムをアンテナ誘電層110,210に含めることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、アンテナ誘電層110,210は、ガラス、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの無機絶縁物質を含むこともできる。
【0039】
いくつかの実施形態では、アンテナ誘電層110,210の誘電率は約1.5~12の範囲に調整することができる。前記誘電率が約12を超えると、伝送線路の信号損失が大きくなりすぎて、高周波または超高周波帯域の通信時の信号感度および信号効率が低下することがある。
【0040】
第1アンテナユニット120および第2アンテナユニット220は、それぞれ第1アンテナ誘電層110および第2アンテナ誘電層210の上面上に形成することができる。
【0041】
例えば、複数の第1アンテナユニット120が、第1アンテナ誘電層110または前記第1アンテナ素子100の幅方向に沿ってアレイ(array)状に配列され、第1アンテナユニット120の行を形成することができる。
【0042】
例えば、複数の第2アンテナユニット220が、第2アンテナ誘電層210または前記第2アンテナ素子200の幅方向に沿ってアレイ状に配列され、第2アンテナユニット220の行を形成することができる。
【0043】
第1アンテナ素子100の第1アンテナユニット120は、第1放射体122と第1伝送線路124とを含むことができる。第2アンテナ素子200の第2アンテナユニット220は、第2放射体222と第2伝送線路224とを含むことができる。放射体122,222は、例えば多角形のプレート状を有し、第1伝送線路124および第2伝送線路224は、それぞれ第1放射体122および第2放射体222の一辺から延長することができる。伝送線路124,224は、放射体122,222と実質的に一体の単一部材として形成することができる。
【0044】
例示的な実施形態によると、放射体122,222は、高周波または超高周波(例えば、3G、4G、5Gまたはそれ以上)の帯域での信号送受信を提供することができる。非限定的な例として、アンテナユニット120,220の共振周波数は、約24~29.5GHz、及び/又は約37~45GHzであってもよい。
【0045】
例示的な実施形態では、放射体122,222は、それぞれの放射体の面積を調整することにより、駆動可能な共振周波数を調整することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、第1アンテナ素子100の第1アンテナユニット120と、第2アンテナ素子200の第2アンテナユニット220とは、異なる共振周波数を有することができる。この場合、例えば1つのアンテナパッケージにおいて2種類の異なる信号送受信を実現することができ、これにより、高周波または超高周波および広帯域の信号送受信を同時に実現することができる。
【0047】
第1アンテナユニット120および第2アンテナユニット220は、それぞれ第1信号パッド126および第2信号パッド226をさらに含むことができる。第1信号パッド126および第2信号パッド226は、それぞれ第1伝送線路124および第2伝送線路224の一端部に接続することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、第1信号パッド126および第2信号パッド226は、それぞれ第1伝送線路124および第2伝送線路224と一体の部材で提供され、第1伝送線路124および第2伝送線路224の末端部を、それぞれ第1信号パッド126および第2信号パッド226で提供することもできる。
【0049】
いくつかの実施形態によると、第1信号パッド126および第2信号パッド226の周辺には、それぞれ第1グランドパッド128および第2グランドパッド228を配置することができる。例えば、一対の第1グランドパッド128は、第1信号パッド126を挟んで互いに対向して配置することができる。また、一対の第2グランドパッド228は、第2信号パッド226を挟んで互いに対向して配置することができる。第1グランドパッド128は、第1伝送線路124および第1信号パッド126とは電気的・物理的に分離することができる。第2グランドパッド228は、第2伝送線路224および第2信号パッド226とは電気的・物理的に分離することができる。これにより、信号パッド126,226を介した放射信号の送受信時に発生するノイズを効率よくフィルタリングまたは低減することができる。
【0050】
この場合、第1グランドパッド128および第2グランドパッド228は、それぞれ第1放射体122および第2放射体222に対するグランド層としても提供することができ、放射体122,222によって垂直放射を実現することもできる。
【0051】
いくつかの実施形態では、放射体122,222の下部に別のグランド層を形成することもでき、前記アンテナ素子が実装されるディスプレイ装置の導電性部材を放射体122,222に対する前記グランド層として提供することもできる。
【0052】
前記導電性部材は、例えば、ディスプレイパネルに含まれる薄膜トランジスタ(TFT)のゲート電極、スキャンラインまたはデータラインなどの各種配線、または画素電極、共通電極のような各種電極などを含むことができる。
【0053】
一実施形態では、例えば、前記ディスプレイパネルの下に配置された導電性物質を含む各種構造物を前記グランド層として提供してもよい。例えば、金属プレート(例えば、SUSプレートのようなステンレス鋼プレート)、圧力センサ、指紋センサ、電磁波遮蔽層、放熱シート、デジタイザ(digitizer)などを第2電極層として提供することができる。
【0054】
前記アンテナユニットは、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)またはこれらの少なくとも1つを含有する合金を含むことができる。これらは単独でまたは2以上を組み合わせて用いることができる。
【0055】
例えば、アンテナユニット120,220は、低抵抗の実現のために銀(Ag)または銀合金を含むことができ、例えば、銀-パラジウム-銅(APC)合金を含むことができる。いくつかの実施形態では、前記アンテナユニット120,220は、低抵抗および微細線幅パターニングを考慮して、銅(Cu)または銅合金(例えば、銅-カルシウム(CuCa)合金)を含むことができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、アンテナユニット120,220は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウム亜鉛スズ酸化物(ITZO)、亜鉛酸化物(ZnOx)のような透明導電性酸化物を含むこともできる。
【0057】
いくつかの実施形態では、アンテナユニット120,220は、透明導電性酸化物層と金属層との積層構造を含むことができ、例えば、透明導電性酸化物層-金属層の2層構造、または透明導電性酸化物層-金属層-透明導電性酸化物層の3層構造を有することもできる。この場合、前記金属層によってフレキシブル特性が向上しつつ、抵抗を下げて信号伝送速度を向上させることができ、前記透明導電性酸化物層によって耐食性、透明性を向上させることができる。
【0058】
アンテナユニット120,220のそれぞれは、黒化処理部を含むことができる。これにより、アンテナユニット120,220の表面での反射率を減少させ、光反射によるパターンの視認を低減することができる。
【0059】
一実施形態では、アンテナユニット120,220に含まれる金属層の表面を金属酸化物または金属硫化物に変換して黒化層を形成することができる。一実施形態では、アンテナユニット120,220または前記金属層上に黒色材料コーティング層、またはメッキ層のような黒化層を形成することができる。前記黒色材料またはめっき層は、ケイ素、炭素、銅、モリブデン、スズ、クロム、モリブデン、ニッケル、コバルトまたはこれらの少なくとも1つを含有する酸化物、硫化物、合金などを含むことができる。
【0060】
例えば、黒化層の組成および厚さは、反射率の低減効果、アンテナの放射特性を考慮して調整することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、第1放射体122および第1伝送線路124は、透過率を向上させるためにメッシュパターン構造を含むことができる。この場合、第1放射体122および第1伝送線路124の周辺にはダミーメッシュ電極(図示せず)を形成することもできる。
【0062】
第1信号パッド126および第1グランドパッド128は、給電抵抗の低減、ノイズ吸収効率及び水平放射特性の向上等を考慮して、前述した金属又は合金で形成された中身が詰まった(solid)パターンであってもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、第1放射体122はメッシュパターン構造を有し、第1伝送線路124、第1信号パッド126および第1グランドパッド128は、中身が詰まった(solid)金属パターンで形成することができる。
【0064】
この場合、第1放射体122は画像表示装置の表示領域内に配置され、第1伝送線路124、第1信号パッド126および第1グランドパッド128は、画像表示装置の非表示領域またはベゼル領域内に配置することができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、後述するように、ディスプレイパネルの側面または底面に配置される第2放射体222、第2伝送線路224、第2信号パッド226および第2グランドパッド228は、放射性能の改善、給電抵抗の低減、ノイズ吸収効率および水平放射特性の向上などを考慮して、前述の金属または合金で形成された中身が詰まった(solid)構造を含むことができる。
【0066】
例示的な実施形態では、第1回路基板150は、第1コア層160と、第1コア層160の表面上に形成された第1信号配線170とを含むことができる。第2回路基板250は、第2コア層260と、第2コア層260の表面上に形成された第2信号配線270とを含むことができる。例えば、第1回路基板150および第2回路基板250は、フレキシブルプリント回路基板(Flexible Printed Circuit Base、FLCB)であってもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、第1アンテナ誘電層110を第1回路基板150で提供することができる。この場合、第1回路基板150(例えば、第1回路基板150の第1コア層160)は、第1アンテナ誘電層110と実質的に一体の部材として提供することができる。また、後述する第1信号配線170は、第1伝送線路124と直接接続され、第1信号パッド126および第1グランドパッド128を省略してもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、第2アンテナ誘電層210を第2回路基板250で提供することができる。この場合、第2回路基板250(例えば、第1回路基板250の第2コア層260)は、第2アンテナ誘電層210と実質的に一体の部材として提供することができる。また、後述する第2信号配線270は、第2伝送線路224と直接接続され、第2信号パッド226および第2グランドパッド228を省略してもよい。
【0069】
第1コア層160および第2コア層260は、例えば、ポリイミド樹脂、MPI(Modified Polyimide)、エポキシ樹脂、ポリエステル、シクロオレフィンポリマー(COP)、液晶ポリマー(LCP)のような柔軟性樹脂を含むことができる。第1コア層160および第2コア層260は、それぞれ第1回路基板150および第2回路基板250に含まれる内部絶縁層を含むことができる。
【0070】
第1及び第2信号配線170,270は、例えば給電線路で提供することができる。例えば、第1信号配線170および第2信号配線270は、それぞれ第1コア層160および第2コア層260の一方の面(例えば、アンテナユニット120,220と対向する表面)上に配列することができる。
【0071】
例えば、第1回路基板150は、第1コア層160の前記一方の面上に形成され、前記第1信号配線170を覆う第1カバーレイフィルムをさらに含むことができる。例えば、第2回路基板250は、第2コア層260の前記一方の面上に形成され、前記第2信号配線270を覆う第2カバーレイフィルムをさらに含むことができる。
【0072】
第1信号配線170および第2信号配線270は、それぞれ第1アンテナユニット120の第1信号パッド126および第2アンテナユニット220の第2信号パッド226と接続またはボンディングすることができる。例えば、第1回路基板150および第2回路基板250の前記第1カバーレイフィルムおよび第2カバーレイフィルムを一部除去して、第1信号配線170および第2信号配線270の一端部を露出させることができる。露出した第1信号配線170および第2信号配線270の前記一端部を、それぞれ第1信号パッド126および第2信号パッド226上に接合することができる。
【0073】
例えば、異方性導電フィルム(ACF)のような導電性接合構造物をそれぞれ第1信号パッド126および第2信号パッド226上に貼り付けた後、第1アンテナ信号配線170および第2アンテナ信号配線270の前記一端部が位置する第1回路基板150および第2回路基板250のボンディング領域BRを前記導電性接合構造物上にそれぞれ配置することができる。その後、熱処理/加圧工程により、第1回路基板150および第2回路基板250のボンディング領域BRをそれぞれ第1アンテナ素子100および第2アンテナ素子200に貼り付けることができ、第1信号配線170および第2信号配線270をそれぞれ第1信号パッド126および第2信号パッド226に電気的に接続することができる。
【0074】
図1及び図2に示すように、第1信号配線170は、それぞれ独立して、第1アンテナユニット120の第1信号パッド126のそれぞれと接続またはボンディングすることができる。第2信号配線270は、それぞれ独立して、第2アンテナユニット220の第2信号パッド226のそれぞれと接続またはボンディングすることができる。この場合、第1アンテナ駆動集積回路(IC)チップ310および第2アンテナ駆動ICチップ320からそれぞれ第1アンテナユニット120および第2アンテナユニット220へ独立して給電及び制御信号の供給を行うことができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、第1信号配線170を介して所定の数の第1アンテナユニット120をカップリングすることができ、第2信号配線270を介して所定の数の第2アンテナユニット220をカップリングすることもできる。
【0076】
いくつかの実施形態では、第1回路基板150は第1誘電層110と一体化することができ、第2回路基板250は第2誘電層210と一体化することができる。例えば、第1コア層160は第1誘電層110と実質的に同一の部材で、一体に形成することができ、第2コア層260は第2誘電層210と実質的に同一の部材で、一体に形成することができる。これにより、別途のボンディングまたは接着などの加熱、加圧工程が不要となり、加熱、加圧工程で発生し得るアンテナ素子100,200における信号損失および機械的損傷を防止することができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、第1回路基板150または第1コア層160は、互いに異なる幅を有する第1部分163および第2部分165を含むことができ、第2部分165は、第1部分163よりも減少した幅を有することができる。第2回路基板250または第2コア層260は、互いに異なる幅を有する第3部分263および第4部分265を含むことができ、第4部分265は、第3部分263よりも減少した幅を有することができる。
【0078】
第1部分163および第3部分263は、例えば、それぞれ第1回路基板150および第2回路基板250のメイン基材部として提供することができる。第1部分163および第3部分263の一端部は、それぞれボンディング領域BRを含む。例えば、第1信号配線170は、ボンディング領域BRから第1部分163上で第2部分165に向かって延長することができる。例えば、第2信号配線270は、ボンディング領域BRから第3部分263上で第4部分265に向かって延長することができる。
【0079】
第1信号配線170は、第1部分163上に、点線の丸で囲まれているような折れ部を含むことができ、第2信号配線270は第3部分263上に折れ部を含むことができる。これにより、相対的に幅が狭い第2部分165上において、第1信号配線170は、第1部分163よりも小さい間隔または高い配線密度をもって延長することができ、相対的に幅が狭い第4部分265上において、第2信号配線270は、第3部分263よりも小さい間隔または高い配線密度をもって延長することができる。
【0080】
前述の第1回路基板150および第2回路基板250は、第3回路基板300と電気的に接続することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、第1アンテナ素子100の前記第2部分165は、コネクタ接続部で提供することができる。例えば、第2部分165は、画像表示装置の背面部側に折り曲げられて、第3回路基板300と電気的に接続され得る。これにより、幅が減少した第2部分165を利用して、容易に第1信号配線170の回路接続を実現することができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、第2アンテナ素子200の前記第4部分265は、コネクタ接続部で提供することができる。例えば、第4部分265は、画像表示装置の背面部側に折り曲げられるか、または背面部から延びて第3回路基板300と電気的に接続され得る。これにより、幅が減少した第4部分265を利用して、容易に第2信号配線270の回路接続を実現することができる。
【0083】
また、幅の大きい第1部分163および第3部分263により、それぞれ第1アンテナ素子100および第2アンテナ素子200とのボンディング安定性を向上させることができる。アンテナ素子100,200のアンテナユニット120,220がアレイ状に配列される場合、第1部分163および第3部分263によって十分な信号配線170,270の分布空間を提供することができる。
【0084】
例示的な実施形態によると、第1回路基板150と第3回路基板300は、第1-第3回路基板接続コネクタ180を介して互いに電気的に接続することができる。第2回路基板250と第3回路基板300は、第2-第3回路基板接続コネクタ280を介して互いに電気的に接続することができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、第1-第3回路基板接続コネクタ180および第2-第3回路基板接続コネクタ280は、ボードツーボード(Board to Board、B2B)コネクタとして提供される。第1-第3回路基板接続コネクタ180は、第1コネクタ183および第3コネクタ185を含むことができ、第2-第3回路基板接続コネクタ280は、第2コネクタ283および第4コネクタ285を含むことができる。
【0086】
例えば、第1-第3回路基板接続コネクタ180は、第1回路基板150の第2部分165上に、第1信号配線170の末端部と電気的に接続されるように、表面実装技術(SMT)によって実装することができる。例えば、第2-第3回路基板接続コネクタ280は、第2回路基板250の第4部分265上に、第2信号配線270の末端部と電気的に接続されるように、表面実装技術(SMT)によって実装することができる。
【0087】
例示的な実施形態では、第3回路基板300は画像表示装置のメインボードであってもよく、リジッド(Rigid)プリント回路基板であってもよい。例えば、第3回路基板300は、ガラス繊維のようなプリプレグ(prepreg)のように無機物質が含浸された樹脂(例えば、エポキシ樹脂)層をベース絶縁層として含むことができ、前記ベース絶縁層の表面及び内部に分布する回路配線を含むことができる。
【0088】
例示的な実施形態では、第3回路基板300上には、少なくとも1つのアンテナ駆動ICチップを実装することができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、第3回路基板300上には、2つ以上のアンテナ駆動ICチップを実装することができる。この場合、1つのアンテナパッケージに2つ以上のアンテナ素子が含まれ、アンテナ駆動ICチップと電気的に接続され得る。これにより、二重放射が可能となり、後述のように各アンテナ素子をディスプレイパネルの上面の他に側面または底面上にも配置することができ、高周波または超高周波帯域での信号干渉および信号損失を低減することができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、前記アンテナ駆動ICチップは、第3回路基板300上に分離されて配置され、それぞれ第1回路基板150および第2回路基板250と結合される第1アンテナ駆動ICチップ310および第2アンテナ駆動ICチップ320を含むことができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、第3コネクタ185は、第3回路基板300に含まれた第1接続配線315を介して第1アンテナ駆動ICチップ310と電気的に接続することができ、第4コネクタ285は、第3回路基板300に含まれた第2接続配線325を介して第2アンテナ駆動ICチップ320と電気的に接続することができる。
【0092】
図1及び図2に矢印で示すように、第1回路基板150上に実装された第1コネクタ183と、第3回路基板300上に実装された第3コネクタ185とを互いに結合することができ、第2回路基板250上に実装された第2コネクタ283と、第3回路基板300上に実装された第4コネクタ285とを互いに結合することができる。例えば、第1コネクタ183および第2コネクタ283は、プラグ(plug)コネクタとして提供され、第3コネクタ185および第4コネクタ285は、レセプタクル(receptacle)コネクタとして提供され得る。
【0093】
これにより、第1-第3回路基板接続コネクタ180を介して第1回路基板150と第3回路基板300の接続を実現することができ、第1アンテナ駆動ICチップ310と第1アンテナユニット120の電気的接続を実現することができる。また、第2-第3回路基板接続コネクタ280を介して第2回路基板250と第3回路基板300の接続を実現することができ、第2アンテナ駆動ICチップ320と第2アンテナユニット220の電気的接続を実現することができる。
【0094】
したがって、第1アンテナ駆動ICチップ310および第2アンテナ駆動ICチップ320から、それぞれ第1アンテナユニット120および第2アンテナユニット220への給電/制御信号(例えば、位相、ビーム・チルティング信号など)を印加することができる。
【0095】
また、第1回路基板150、第1-第3回路基板接続コネクタ180、及び第3回路基板300が電気的に接続される仲介構造物を形成することができ、第2回路基板250、第2-第3回路基板接続コネクタ280、および第3回路基板300が電気的に接続される仲介構造物を形成することができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、前述のように、コネクタ180,280を用いて、第1回路基板150と第3回路基板を互いに電気的に結合することができ、第2回路基板250と第3回路基板300を互いに電気的に結合することができる。これにより、追加の接合工程、ボンディング工程などの加熱、加圧工程がなくても、コネクタ180,280を用いて容易に第1及び第2回路基板150,250と第3回路基板300とを互いに結合させることができる。
【0097】
これにより、前記加熱、加圧工程で発生し得る基板の熱損傷による誘電損失、配線損傷による抵抗増加などを抑制し、アンテナユニット120,220における信号損失を抑制することができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、第1回路基板150と第3回路基板300との接続、および第2回路基板250と第3回路基板300との接続は、接合工程、ボンディング工程などの加熱、加圧工程によって実現してもよい。
【0099】
この場合、例えば、第3回路基板300上に配置された第1接続配線315を介して、第1アンテナ駆動ICチップ310と第1信号配線170を電気的に接続し、第1アンテナ素子100の給電および駆動制御を行うことができる。また、例えば、第3回路基板300上に配置された第2接続配線325を介して、第2アンテナ駆動ICチップ320と第2信号配線270を電気的に接続し、第2アンテナ素子200の給電および駆動制御を行うことができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、第3回路基板300上には、アンテナ駆動ICチップ310,320に加えて、回路素子330および制御素子340を実装することもできる。回路素子330は、例えば、積層セラミックコンデンサ(MLCC)のようなコンデンサ、インダクタ、レジスターなどを含むことができる。制御素子340は、例えば、タッチセンサ駆動ICチップ、AP(application processor)チップなどを含むことができる。
【0101】
例示的な実施形態では、第2アンテナ素子200は、第1アンテナ素子100とは異なるレベルに位置し、第1アンテナユニット120とは異なる放射方向を有する第2アンテナユニット220を含むことができる。この場合、異なる方向への二重放射を実現することができ、これにより、1つのアンテナパッケージに複数のアンテナ素子を配置しながらも、アンテナユニット間の信号干渉および信号損失を低減してアンテナ放射性能を改善することができる。また、複数のアンテナ素子を空間分離して配置することにより、例えば信号干渉の少ない帯域の共振周波数を取捨選択するか、または複数の共振周波数を合成して送受信することができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、第1アンテナユニット120の第1放射体122は、第3回路基板300の上面に対して垂直方向に放射することができる。
【0103】
図1に示すように、いくつかの実施形態では、第2アンテナユニット220の第2放射体222は、第3回路基板300の上面に対して水平方向に放射することができる。この場合、後述する画像表示装置の上面および側面へ二重放射を実現することができ、アンテナ素子100,200が位置するレベルおよび放射方向が約90°の角度だけ異なるため、信号干渉および信号損失を低減することができる。
【0104】
図2に示すように、いくつかの実施形態では、第2アンテナユニット220の第2放射体222は、第3回路基板300の上面に対して垂直であり、第1放射体122の放射方向に対して反対方向に放射することができる。この場合、後述する画像表示装置の上面および底面へ二重放射を実現することができ、アンテナ素子100,200が位置するレベルおよび放射方向が約180°の角度だけ異なるため、信号干渉および信号損失を大幅に低減することができる。
【0105】
いくつかの実施形態では、各アンテナ素子100,200のアンテナユニット120,220は、異なる共振周波数を有することができる。これにより、各アンテナ素子間の信号干渉および信号損失を最小限に抑えながら、高周波または超高周波帯域で複数の共振周波数を送受信することができる。
【0106】
以下では、図3図5を参照して、例示的な実施形態によるアンテナパッケージを含む画像表示装置について説明する。
【0107】
図3図5は、それぞれ例示的な実施形態によるアンテナパッケージ及びそれを含む画像表示装置を示す概略断面図である。
【0108】
図3を参照すると、いくつかの実施形態による第1アンテナ素子100は、後述する画像表示装置のディスプレイパネル405の上面上に配置され、第1アンテナユニット120の第1放射体122は、ディスプレイパネル405の上面の上に放射され得る。図3では、説明の都合上、第2アンテナ素子200、第2回路基板250および第2-第3回路基板接続コネクタ280などを省略している。
【0109】
いくつかの実施形態では、第1アンテナ素子100と電気的に接続された第1回路基板150は、ディスプレイパネル405の上面から側面および底面に沿って屈曲して延長することができる。
【0110】
この場合、いくつかの実施形態では、第1回路基板150の相対的に幅が狭い第2部分165を折り曲げて、第1コネクタ183を第3回路基板300上に実装されている第3コネクタ185に締結することができる。これにより、ディスプレイパネル405の下に配置されている第3回路基板300との電気的接続を容易に実現することができる。
【0111】
図4を参照すると、いくつかの実施形態による第2アンテナ素子200は、後述する画像表示装置のディスプレイパネル405の側面上に配置され、第2アンテナユニット220の第2放射体222は、ディスプレイパネル405の側面方向に放射され得る。図4では、説明の都合上、第1アンテナ素子100、第1回路基板150、第1-第3回路基板接続コネクタ180などを省略している。
【0112】
いくつかの実施形態では、第2アンテナ素子200と電気的に接続された第2回路基板250は、ディスプレイパネル405の側面から底面に沿って屈曲して延長することができる。
【0113】
この場合、いくつかの実施形態では、第2回路基板250の相対的に幅が狭い第4部分265を折り曲げて、第2コネクタ283を第3回路基板300上に実装されている第4コネクタ285に締結することができる。これにより、ディスプレイパネル405の下に配置されている第3回路基板300との電気的接続を容易に実現することができる。
【0114】
図5を参照すると、いくつかの実施形態による第2アンテナ素子200は、後述する画像表示装置のディスプレイパネル405の底面上に配置され、第2アンテナユニット220の第2放射体222は、ディスプレイパネル405の底面の下に放射され得る。
【0115】
いくつかの実施形態では、第2アンテナ素子200と電気的に接続された第2回路基板250は、ディスプレイパネル405の底面上で延長することができる。
【0116】
この場合、いくつかの実施形態では、第2回路基板250の相対的に幅が狭い第4部分265に実装された第2コネクタ283を、第3回路基板300上に実装された第4コネクタ285に締結することができる。これにより、第2回路基板250と第3回路基板300との電気的接続を容易に実現することができる。
【0117】
図6は、例示的な実施形態による画像表示装置を示す平面図である。図6において、第2アンテナ素子200は、画像表示装置400の側面部または背面部に位置できるが、説明の都合上、省略している。
【0118】
図6を参照すると、画像表示装置400は、例えばスマートフォンの形態で実現することができ、図6は画像表示装置400の前面部またはウインドウ面を示している。画像表示装置400の前面部は、表示領域410および周辺領域420を含むことができる。周辺領域420は、例えば、画像表示装置の遮光部またはベゼル部に相当し得る。
【0119】
前述のアンテナパッケージに含まれた第1アンテナ素子100は、画像表示装置400の前面部に向かって配置することができ、例えばディスプレイパネル405の上面上に配置することができる。いくつかの実施形態では、第1放射体122は表示領域410と少なくとも部分的に重畳してもよい。
【0120】
この場合、第1放射体122はメッシュパターン構造を含むことができ、第1放射体122による透過率の低下を防止することができる。第1アンテナユニット120に含まれた第1信号パッド126および第1グランドパッド128は、中身が詰まった金属パターンで形成され、画質の低下を防止するために周辺領域420に配置することができる。
【0121】
前述のアンテナパッケージに含まれた第2アンテナ素子200は、画像表示装置400の側面部または背面部に向かって配置することができ、例えばディスプレイパネル405の側面または底面上に配置することができる。
【0122】
この場合、第2放射体222は中身が詰まった構造を含むことができ、優れた放射性能およびノイズ吸収、信号損失抑制を実現することができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、第1回路基板150は、例えば第2部分165を通じて屈曲して画像表示装置400の背面部に配置され、第1アンテナ駆動ICチップ310が実装されている第3回路基板300(例えば、メインボード)に向かって延長することができる。
【0124】
いくつかの実施形態では、第2回路基板250は、例えば画像表示装置400の側面部から第4部分265を通じて屈曲するか、または画像表示装置400の背面部から延長し、画像表示装置400の背面部に配置されて、第2アンテナ駆動ICチップ320が実装されている第3回路基板300(例えば、メインボード)に向かって延長することができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、第1回路基板150および第3回路基板300は、第1-第3回路基板接続コネクタ180を介して相互接続され、第1アンテナ駆動ICチップ310による第1アンテナ素子100への給電およびアンテナ駆動制御を実現することができる。
【0126】
いくつかの実施形態では、第2回路基板250および第3回路基板300は、第2-第3回路基板接続コネクタ280を介して相互接続され、第2アンテナ駆動ICチップ320による第2アンテナ素子200への給電およびアンテナ駆動制御を実現することができる。
【0127】
前述のように、1つのアンテナパッケージに複数のアンテナ素子を、空間を分離して含むことができる。これにより、高周波または超高周波帯域における多軸放射を実現しながらも、信号干渉および信号損失を最小限に抑えるアンテナパッケージを実現することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】