(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(54)【発明の名称】細胞表面部分の発現又はクラスター化を検出するための方法
(51)【国際特許分類】
G01N 33/53 20060101AFI20231004BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20231004BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20231004BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231004BHJP
G01N 33/574 20060101ALI20231004BHJP
C12N 15/13 20060101ALN20231004BHJP
【FI】
G01N33/53 Y
A61K45/00
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61P35/00
G01N33/574 A
C12N15/13 ZNA
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519379
(86)(22)【出願日】2021-09-28
(85)【翻訳文提出日】2023-03-27
(86)【国際出願番号】 EP2021076688
(87)【国際公開番号】W WO2022064068
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510340757
【氏名又は名称】メルス ナムローゼ フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】セシリア・アンナ・ヴィルヘルミナ・ゲウイェン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
【Fターム(参考)】
4C084AA17
4C084NA14
4C084ZB26
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB01
4C085EE01
(57)【要約】
本開示は、患者試料中の少なくとも第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分の発現を検出及び/又は定量化するための方法、並びに試料中の第2の細胞表面部分との少なくとも第1の細胞表面部分のクラスター化を検出及び/又は定量化するための方法に関し、試料が、少なくとも第1及び第2の細胞表面部分に対する結合特異性を有する分子に曝露される。本開示は更に、そのような結合分子に対する対象の応答性を予測するための方法、そのような結合分子の有効性を決定するための方法、そのような結合分子の作用様式を確認するための方法、対象を治療するための方法、及び第2の細胞表面部分との第1の細胞表面部分のクラスター化を誘導する能力について1つ以上の試験薬剤をスクリーニングするための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料における、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分を含む、少なくとも2つの細胞表面部分のクラスター化の存在を検出するための方法であって、前記方法が、
前記第1及び第2の細胞表面部分が、少なくとも前記第1及び第2の細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤に曝露されている試料を、前記第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、及び前記第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子と接触させることであって、前記第1の結合分子及び前記第2の結合分子のうちの少なくとも1つが、前記第1及び第2の細胞表面部分が互いに近接していない限り、検出されない分子タグを含む、接触させることと、
前記分子タグの存在又は不在を検出して、前記試料における、前記第1の細胞表面部分及び前記第2の細胞表面部分のクラスター化の前記存在を検出することと、を含む、方法。
【請求項2】
試料における、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分を含む、少なくとも2つの細胞表面部分のクラスター化の存在を定量化するための方法であって、前記方法が、
前記第1及び第2の細胞表面部分が、少なくとも前記第1及び第2の細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤に曝露されている試料を、前記第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、及び前記第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子と接触させることであって、前記第1の結合分子及び前記第2の結合分子のうちの少なくとも1つが、前記第1及び第2の細胞表面部分が互いに近接していない限り、検出されない分子タグを含む、接触させることと、
前記分子タグの量を測定して、前記試料における、前記第1の細胞表面部分及び前記第2の細胞表面部分のクラスター化の前記存在を定量化することと、を含む、方法。
【請求項3】
前記方法が、
-a)前記試料を、前記第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、及び前記第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子と接触させることであって、
前記第1の結合分子が、切断可能なリンカーを介して前記第1の結合分子に結合した分子タグを含み、前記第2の結合分子が、切断誘導部分を含む、接触させること、又は
b)前記試料を、前記第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、及び前記第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子と接触させることであって、
前記第2の結合分子が、切断可能なリンカーを介して前記第2の結合分子に結合した分子タグを含み、前記第1の結合分子が、切断誘導部分を含む、接触させることと、
-前記分子タグの切断を誘導することと、
-放出された分子タグの前記存在若しくは不在を検出するか、又はその量を測定することにより、前記試料における前記第2の細胞表面部分との前記第1の細胞表面部分のクラスター化を検出又は定量化することと、を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、
-a)前記試料を、前記第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、前記第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子、及び第3の結合分子と接触させることであって、
前記第1の結合分子が、切断可能なリンカーを介して前記第1の結合分子に結合した分子タグを含み、前記第3の結合分子が、前記第2の結合分子に結合し、切断誘導部分を含む、接触させること、又は
b)前記試料を、前記第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、前記第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子、及び第3の結合分子と接触させることであって、
前記第2の結合分子が、切断可能なリンカーを介して前記第2の結合分子に結合した分子タグを含み、前記第3の結合分子が、前記第1の結合分子に結合し、切断誘導部分を含む、接触させること、又は
c)前記試料を、前記第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、前記第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子、及び第3の結合分子と接触させることであって、
前記第1の結合分子が、切断誘導部分を含み、前記第3の結合分子が、前記第2の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介して前記第3の結合分子に結合した分子タグを含む、接触させること、又は
d)前記試料を、前記第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、前記第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子、及び第3の結合分子と接触させることであって、
前記第2の結合分子が、切断誘導部分を含み、前記第3の結合分子が、前記第1の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介して前記第3の結合分子に結合した分子タグを含む、接触させることと、
-前記分子タグの切断を誘導することと、
-放出された分子タグの前記存在若しくは不在を検出するか、又はその量を測定することにより、前記試料における前記第2の細胞表面部分との前記第1の細胞表面部分のクラスター化を検出又は定量化することと、を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記方法が、
-a)前記試料を、前記第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、前記第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子、第3の結合分子、及び第4の結合分子と接触させることであって、
前記第3の結合分子が、前記第1の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介して前記第3の結合分子に結合した分子タグを含み、前記第4の結合分子が、前記第2の結合分子に結合し、切断誘導部分を含む、接触させること、又は
b)前記試料を、前記第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、前記第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子、第3の結合分子、及び第4の結合分子と接触させることであって、
前記第3の結合分子が、前記第1の結合分子に結合し、切断誘導部分を含み、前記第4の結合分子が、前記第2の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介して前記第4の結合分子に結合した分子タグを含む、接触させることと、
-前記分子タグの切断を誘導することと、
-放出された分子タグの不在の前記存在を検出するか、又はその量を測定することにより、前記試料における前記第2の細胞表面部分との前記第1の細胞表面部分のクラスター化を検出又は定量化することと、を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記試料が、好ましくは、対象又は患者由来の組織試料、血液試料、又は培養細胞である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記試料が、新鮮試料又は固定された試料である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記試料が、がんを有する対象由来の腫瘍生検試料である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
試料における、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分を含む、少なくとも2つの細胞表面部分の発現を検出するための方法であって、前記方法が、
がんを有する対象由来の腫瘍生検試料を、第1の細胞表面部分を検出する少なくとも1つの結合分子、及び第2の細胞表面部分を検出する少なくとも1つの結合分子と接触させることであって、
前記第1の細胞表面部分を検出する少なくとも1つの結合分子、及び前記第2の細胞表面部分を検出する少なくとも1つの結合分子が、分子タグを含む、接触させることと、
前記分子タグの存在又は不在を検出して、前記試料における前記第1の細胞表面部分及び前記第2の細胞表面部分の前記発現を検出することと、を含む、方法。
【請求項10】
試料における、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分を含む、少なくとも2つの細胞表面部分の発現を定量化するための方法であって、前記方法が、
がんを有する対象由来の腫瘍生検試料を、第1の細胞表面部分を検出する少なくとも1つの結合分子、及び第2の細胞表面部分を検出する少なくとも1つの結合分子と接触させることであって、
前記第1の細胞表面部分を検出する少なくとも1つの結合分子、及び前記第2の細胞表面部分を検出する少なくとも1つの結合分子が、分子タグを含む、接触させることと、
前記分子タグの量を測定して、前記試料における前記第1の細胞表面部分及び前記第2の細胞表面部分の前記発現を定量化することと、を含む、方法。
【請求項11】
前記第1及び第2の細胞表面部分が、同じ細胞又は同じ型の細胞によって発現される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1及び第2の細胞表面部分が、異なる細胞又は異なる型の細胞によって発現される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の細胞表面部分が、免疫エフェクター細胞、特に、NK細胞、T細胞、B細胞、単球、マクロファージ、樹状細胞又は好中性顆粒球によって発現され、前記第2の細胞表面部分が、腫瘍細胞又は免疫細胞によって発現される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの細胞表面部分が、CD137又は別の免疫エフェクター細胞共刺激部分である、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つの細胞表面部分が、PD-L1又は別の腫瘍関連部分若しくは免疫チェックポイント部分である、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの細胞表面部分が、CD137又は別の免疫エフェクター細胞共刺激部分であり、少なくとも1つの細胞表面部分が、PD-L1又は別の腫瘍関連部分若しくは免疫チェックポイント部分である、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記細胞表面部分に対する結合特異性を有する前記薬剤が、二重特異性又は三重特異性抗体などの多重特異性抗体である、請求項1~8及び11~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記多重特異性抗体が、CD137又は別の免疫エフェクター細胞共刺激分子、及びPD-L1又は別の腫瘍関連部分若しくは免疫チェックポイント部分に結合する二重特異性抗体である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
CD137に結合する前記二重特異性抗体の結合ドメインが、1、2、又は3個のアミノ酸置換、好ましくは、1個のアミノ酸置換を許容する、配列番号4、8、12、16、19、23、27、30、34、38、42、45、48、又は52のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR3(HCDR3)を有する重鎖可変領域を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
CD137に結合する前記二重特異性抗体の前記結合ドメインが、1、2、若しくは3個のアミノ酸置換、好ましくは、1個のアミノ酸置換を許容する、配列番号2、6、10、14、18、21、25、32、36、40、44、若しくは50のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR1(HCDR1)を含み、かつ/又は1、2、若しくは3個のアミノ酸置換、好ましくは、1個のアミノ酸置換を許容する、配列番号3、7、11、15、22、26、29、33、37、41、47、若しくは51のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR2(HCDR2)を含む、請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
CD137に結合する前記二重特異性抗体の前記結合ドメインが、配列番号1、5、9、13、17、20、24、28、31、35、39、43、46、若しくは49のうちのいずれか1つを有するか、又はそれらに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、99%の配列同一性を有し、特に、それらのフレームワーク領域に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、99%の配列同一性を有する重鎖可変領域を含む、請求項18~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
PD-L1に結合する前記二重特異性抗体の前記結合ドメインが、1、2、又は3個のアミノ酸置換、好ましくは、1個のアミノ酸置換を許容する、配列番号56、58、61、72、76、80、84、88、91、95、99、102、又は106のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR3(HCDR3)を有する重鎖可変領域を含む、請求項18~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
PD-L1に結合する前記二重特異性抗体の前記結合ドメインが、1、2、若しくは3個のアミノ酸置換、好ましくは、1個のアミノ酸置換を許容する、配列番号54、60、65、68、70、74、78、82、86、90、若しくは93のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR1(HCDR1)を含み、かつ/又は1、2、若しくは3個のアミノ酸置換、好ましくは、1個のアミノ酸置換を許容する、配列番号55、3、63、66、71、75、79、83、87、94、98、101、105、若しくは108のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR2(HCDR2)を含む、請求項18~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
PD-L1に結合する前記二重特異性抗体の前記結合ドメインが、配列番号53、57、59、62、64、67、69、73、77、81、85、89、92、96、97、100、103、104、若しくは107のうちのいずれか1つを有するか、又はそれらに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、99%の配列同一性を有し、特に、それらのフレームワーク領域に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、99%の配列同一性を有する重鎖可変領域を含む、請求項18~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分、特に、免疫エフェクター細胞上で発現された部分、及び腫瘍細胞又は免疫細胞上で発現された部分に結合する薬剤又は複数の薬剤に対する、対象、特に、がん患者の応答性を予測するための方法であって、前記方法が、
-対象由来の生体試料中の第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面メンバーの発現レベルを検出することと、
-前記対象の試料中の前記第1の細胞表面部分及び前記第2の細胞表面部分の前記発現レベルが、閾値レベルを上回っているか、又は下回っているかを決定することと、
-前記対象の試料中の前記第1の細胞表面部分及び前記第2の細胞表面部分の前記発現レベルが、前記閾値レベル以上である場合、前記対象が、前記第1の細胞表面部分及び前記第2の細胞表面部分に結合する薬剤又は複数の薬剤に応答する可能性が高いと予測することと、を含む、方法。
【請求項26】
第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面メンバーの前記発現レベルが、請求項9~16のいずれか一項に記載の方法を使用して測定される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
治療を必要とする対象、特に、がんを有する対象を治療するための方法であって、前記方法が、
-請求項25又は26に記載の方法を使用して、第1の細胞表面部分及び第2の細胞面部分に結合する薬剤又は複数の薬剤に対する対象の応答性を予測することと、
-前記第1の細胞表面部分及び前記第2の細胞表面に結合する薬剤又は複数の薬剤を、応答する可能性が高い対象に投与することと、を含む、方法。
【請求項28】
少なくとも1つの細胞表面部分が、CD137又は別の免疫エフェクター細胞共刺激部分である、請求項25~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
少なくとも1つの細胞表面部分が、PD-L1又は別の腫瘍関連部分若しくは免疫チェックポイント部分である、請求項25~28のいずれか一項に記載の方法
【請求項30】
少なくとも1つの細胞表面部分が、CD137であり、少なくとも1つの細胞表面部分が、PD-L1である、請求項25~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記細胞表面部分に結合する前記薬剤が、請求項17~24のいずれか一項に記載の、CD137若しくは別の免疫エフェクター細胞共刺激部分、及びPD-L1又は別の腫瘍関連部分若しくは免疫チェックポイント部分に特異的に結合する、二重特異性又は三重特異性抗体、特に、二重特異性抗体などの多重特異性抗体である、請求項25~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
薬剤の有効性を決定するための方法であって、前記薬剤が、第1の細胞表面部分に特異的に結合する結合ドメイン、及び第2の細胞表面部分に特異的に結合する結合ドメインを少なくとも含み、前記方法が、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法を使用することによって、前記薬剤で治療中の対象の生体試料中の第2の細胞表面部分との第1の細胞表面部分のクラスター化を検出することを含む、方法。
【請求項33】
薬剤の有効性を決定するための方法であって、前記薬剤が、第1の細胞表面部分に特異的に結合する結合ドメイン、及び第2の細胞表面部分に特異的に結合する結合ドメインを少なくとも含み、前記方法が、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法を使用することによって、前記薬剤で治療中の対象の生体試料中の第2の細胞表面部分との第1の細胞表面部分のクラスター化を定量化することを含む、方法。
【請求項34】
薬剤の作用様式を確認するための方法であって、前記薬剤が、第1の細胞表面部分に特異的に結合する結合ドメイン、及び第2の細胞表面部分に特異的に結合する結合ドメインを少なくとも含み、前記方法が、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法を使用することによって、前記薬剤で治療中の対象の生体試料中の第2の細胞表面部分との第1の細胞表面部分のクラスター化を検出することを含む、方法。
【請求項35】
薬剤の作用様式を確認するための方法であって、前記薬剤が、第1の細胞表面部分に特異的に結合する結合ドメイン、及び第2の細胞表面部分に特異的に結合する結合ドメインを少なくとも含み、前記方法が、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法を使用することによって、前記薬剤で治療中の対象の生体試料中の第2の細胞表面部分との第1の細胞表面部分のクラスター化を定量化することを含む、方法。
【請求項36】
前記作用様式が、前記第1及び第2の細胞表面部分への前記薬剤の同時結合である、請求項34又は35に記載の方法。
【請求項37】
前記作用様式が、2つ以上の細胞表面部分のクラスター化である、請求項34又は35に記載の方法。
【請求項38】
前記クラスター化が、免疫エフェクター細胞上で発現された2つ以上の細胞表面部分のもの、特に、2つ以上のCD137タンパク質の前記クラスター化である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
治療を必要とする対象、特に、がんを有する対象を治療するための方法であって、前記方法が、
-第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分に結合する薬剤で対象を治療すること、
-請求項32~38のいずれか一項に記載の方法を使用して、前記薬剤の前記有効性、又は前記薬剤の前記作用様式を分析すること、を含む、方法。
【請求項40】
前記分析又は確認の結果に基づいて、前記治療を継続又は適応させることを更に含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
第2の細胞表面部分との少なくとも第1の細胞表面部分のクラスター化を誘導する能力について、1つ以上の試験薬剤をスクリーニングするための方法であって、前記方法が、
-1つ以上の試験細胞培養物を、試験薬剤と接触させることであって、
前記試験細胞培養物が、第1の細胞表面部分を発現する細胞、及び第2の細胞表面部分を発現する細胞を含む、接触させることと、
-請求項1~24のいずれか一項に記載の方法を使用して、前記第1及び第2の細胞表面部分のクラスター化のレベルを検出又は定量化することと、
-クラスター化の前記レベルを、前記試験薬剤と接触していないか、又は参照薬剤と接触していない対照細胞培養物中で前記クラスター化について検出されたクラスター化の前記レベルと比較することと、を含み、
前記対照細胞培養物が、前記第1の細胞表面部分、及び前記第2の細胞表面部分を含む、方法。
【請求項42】
前記対照細胞培養物におけるクラスター化の前記レベルと等しいか、又はそれより高いクラスター化のレベルを誘導する試験薬剤を選択することを更に含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
少なくとも1つの細胞表面部分が、CD137又は別の免疫エフェクター共刺激部分である、請求項41又は42に記載の方法。
【請求項44】
少なくとも1つの細胞表面部分が、PD-L1又は別の腫瘍関連部分若しくは免疫チェックポイント分子である、請求項41~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
少なくとも1つの細胞表面部分が、CD137であり、少なくとも1つの細胞表面部分が、PD-L1である、請求項41~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記参照薬剤が、請求項17~24のいずれか一項に記載の、CD137若しくは別の免疫エフェクター共刺激部分、及びPD-L1又は別の腫瘍関連部分若しくは免疫チェックポイント部分に特異的に結合する多重特異性抗体である、請求項41~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
第1及び第2の細胞表面部分に特異的に結合する少なくとも2つの結合分子であって、任意選択で、前記結合分子のうちの一方が、切断可能なリンカーを介して前記一方に結合した分子タグを含み、他方の結合分子が、切断誘導部分を含む、少なくとも2つの結合分子と、患者試料を前記少なくとも2つの結合分子と接触させて、任意選択で、前記分子タグの切断を誘導し、前記患者試料を、前記少なくとも2つの結合分子と接触させることによって誘導されたシグナルの存在又は不在を検出するための説明書と、を含む、パーツのキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、好ましくは、患者の腫瘍試料における、少なくとも第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分の発現、又はクラスター化を検出及び/又は定量化するための方法に関する。ある特定の実施形態では、本開示の方法は、患者が、両方の細胞表面部分に結合する結合剤による治療から利益を得る可能性が高いかどうかを予測するために、又はそのような結合剤の作用様式を確認するために使用することができる。
【背景技術】
【0002】
がんの治療のための治療用抗体の開発は、ここ数年で急速に増加している。様々ながんの種類に関して、ある特定の患者が、特定の薬物による治療から利益を得るかどうかを評価するために診断アッセイが使用されており、その結果、それが安全及び/又は有効である可能性が高いと予測することができる。生物学的製剤又は大分子治療薬とともに使用されてきた診断アッセイの1つのカテゴリーは、患者の組織試料中の生物学的製剤によって標的化された抗原の発現レベルの試験を含む。例えば、組織生検は、患者の腫瘍から採取され、定量アッセイに供され得る。このような定量アッセイの例としては、免疫組織化学(IHC)、二重インサイツハイブリダイゼーションアッセイ、発色性インサイツハイブリダイゼーション(CISH)アッセイ、及び蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)アッセイが挙げられる。
【0003】
IHCは、例えば、乳がんにおける、例えば、HER2発現の評価のための標準的な試験方法であった。IHC試験は、細胞表面上のHER2タンパク質に結合する特定のモノクローナル又はポリクローナル抗体を利用する。レポーター機能を有する二次タグ付き抗体の付加、続いて酵素反応は、存在するHER2タンパク質の量に比例するシグナルをもたらす。しかしながら、IHC発現レベルのグレーディング及びスコアリングに関するガイドラインにもかかわらず、実験室間のばらつきを完全に防ぐことはできない。
【0004】
FISH、CISH、及び銀増強インサイツハイブリダイゼーションアッセイは、単一又は二重プローブ技術を使用して細胞当たりの遺伝子コピー数を定量化する。FISHは、例えば、HER2試験において広く受け入れられているプラットフォームになっている。しかしながら、FISHアッセイは、高価で、労働集約的であり、蛍光顕微鏡検査及び高度なトレーニングを必要とする。CISH及び銀増強インサイツハイブリダイゼーションなどの明視野インサイツハイブリダイゼーションアッセイは、蛍光顕微鏡検査を必要とせず、より安価である。
【0005】
別の開発は、例えば、乳がんにおける総HER2、HER2ホモ二量体、又はp95HER2発現を測定するための方法として検証されたアッセイであり、これは、タンパク質発現、二量体化、及びタンパク質間相互作用を定量化するように設計された近接ベースのアッセイである(Diagn Mol Pathol 2009;18:11-21;Shi et al.に詳細に記載されている)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
今まで、当該技術分野は、多重特異性薬剤の存在下でクラスター化する2つ以上の抗原の能力を実証するロバストな方法を欠いており、このような抗原は、通常、体細胞条件下で会合しない。ここで、本発明者らは、このようなアッセイ、及びその使用の例示的な用途を実証する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、T細胞上で発現された細胞表面部分であるCD137、及び腫瘍細胞上で発現された細胞表面部分であるPD-L1の発現レベルを検出及び定量化するためのアッセイを開発した。これにより、特定の患者が、これらの2つの細胞表面部分に結合する治療に応答し、それから利益を得る可能性が高いかどうかの予測が可能になる。ある特定の実施形態では、本明細書で使用されるアッセイのように、2つの細胞表面部分が、同じ試料中に存在するときに産生されるシグナルを測定することに基づく、他の適用可能な方法が使用され得る。この文脈において、シグナルは、シグナルの存在又は不在であり得る。ある特定の実施形態では、両方のそのような読み出しは、細胞表面部分の発現レベルに関する情報を提供する。また、この方法を使用して、例えば、二重特異性又は三重特異性抗体のような多重特異性薬剤などの特定の薬物によって結合され得る任意の2つ以上の細胞表面部分の発現レベルを検出及び/又は定量化することができる。
【0008】
本発明者らは、CD137、及びPD-L1とのCD137のクラスター化の検出及び定量化に使用されるアッセイを更に開発した。CD137及びPD-L1は、同種の受容体-リガンド対を形成せず、それらは、タンパク質間の直接的な相互作用を自然にクラスター化又は形成しない。しかしながら、例えば、二重特異性又は三重特異性抗体のような多重特異性薬剤などの細胞表面部分の両方に同時に結合する薬物によって標的化される場合、これらの2つの細胞表面部分は、互いに近接してもたらされ、それによって、検出され得るシグナルを産生する。同様に、例えば、単一特異性抗体のような単一特異性二価薬剤、又は二重特異性若しくは三重特異性抗体のような多重特異性薬剤などの同じ細胞表面部分のうちの少なくとも2つに結合する多価薬物によって標的化される場合、少なくとも2つの細胞表面部分が、互いに近接してもたらされ、それによって、検出され得るシグナルを産生する。
【0009】
ある特定の実施形態では、本開示は、腫瘍細胞及び/又は免疫系からの細胞の細胞表面上の2つ以上の標的抗原に同時に結合する、二重又は三重特異性抗体などの多重特異性薬剤の治療的使用に基づく。多重特異性薬剤は、それとともに、2つ以上の標的抗原のクラスター化を誘導する。したがって、2つ以上の抗原のクラスター化は、多重特異性薬剤の存在下でのみ生じるか、又は多重特異性薬剤が存在しない場合と比較して増加したレベルで生じる。
【0010】
ある特定の実施形態では、これは、患者が処置されている薬物が、実際に2つの細胞表面部分に同時に結合し、その予測される作用様式を示すかどうかの評価を可能にする。ある特定の実施形態では、本明細書で使用されるアッセイのように、2つの細胞表面部分が、近接しているときに産生されるシグナルを測定することに基づく、他の適用可能な方法を使用することができる。この文脈において、シグナルは、アッセイのレポーター又は特徴の存在又は不在であり得る。ある特定の実施形態では、両方のそのような読み出し(レポーターの存在又は喪失)は、細胞表面部分の近接に関する情報を提供する。また、この方法を使用して、二重特異性又は三重特異性抗体のような、例えば、多重特異性薬剤などの特定の薬物に同時に結合され得る任意の2つ以上の細胞表面部分のクラスター化を検出及び/又は定量化することができる。
【0011】
ある特定の実施形態では、本開示は、試料における、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分を含む、少なくとも2つの細胞表面部分のクラスター化の存在を検出及び/又は定量化するための方法であって、その方法が、
第1及び第2の細胞表面部分が、少なくとも第1及び第2の細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤に曝露されている試料を、第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、及び第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子と接触させることであって、第1及び第2の細胞表面部分が、互いに近接していない限り、第1の結合分子及び第2の結合分子のうちの少なくとも1つが、検出されない分子タグを含む、接触させること、並びに
分子タグの存在又は不在を検出して、試料における、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分のクラスター化の存在を検出すること、を含む、方法に関する。
【0012】
本開示はまた、試料における、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分を含む、少なくとも2つの細胞表面部分の発現を検出及び/又は定量化するための方法であって、その方法が、
がんを有する対象由来の腫瘍生検試料を、第1の細胞表面部分を検出する少なくとも1つの結合分子、及び第2の細胞表面部分を検出する少なくとも1つの結合分子と接触させることであって、
第1の細胞表面部分を検出する少なくとも1つの結合分子、及び第2の細胞表面部分を検出する少なくとも1つの結合分子が、分子タグを含む、接触させること、
並びに
分子タグの存在又は不在を検出及び/又は定量化して、試料における、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分の発現を検出すること、を含む、方法に関する。
【0013】
本開示は更に、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分、特に、免疫エフェクター細胞上で発現された部分、及び腫瘍細胞上で発現された部分に結合する薬剤又は複数の薬剤に対する、対象、特に、がん患者の応答性を予測するための方法であって、その方法が、
-対象由来の生体試料中の第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分の発現レベルを検出及び/又は定量すること、
-対象の試料中の第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分の発現レベルが、閾値レベルを上回っているか、又は下回っているかを決定すること、並びに
-対象の試料中の第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分の発現レベルが、閾値レベル以上である場合、対象が、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分に結合する薬剤又は複数の薬剤に応答する可能性が高いと予測すること、を含む、方法に関する。
【0014】
本開示は更に、がんを有する、治療を必要とする対象を治療するための方法であって、その方法が、
-本明細書に記載の第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分に結合する薬剤又は複数の薬剤に対する、対象、特に、がんを有する対象の応答性を予測すること、並びに
第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分に結合する薬剤又は複数の薬剤を、応答する可能性が高い対象に投与すること、を含む、方法に関する。
【0015】
本開示は更に、薬剤の有効性を決定するための方法であって、その薬剤が、第1の細胞表面部分に特異的に結合する結合ドメイン、及び第2の細胞表面部分に特異的に結合する結合ドメインを少なくとも含む結合分子を含み、その方法が、本明細書に記載されるように、薬剤で治療中の対象の生体試料中の第2の細胞表面部分との第1の細胞表面部分のクラスター化を検出及び/又は定量化することを含む、方法に関する。
【0016】
本開示は更に、薬剤の作用様式を確認するための方法であって、その薬剤が、第1の細胞表面部分に特異的に結合する結合ドメイン、及び第2の細胞表面部分に特異的に結合する結合ドメインを少なくとも含む結合分子を含み、その方法が、本明細書に記載されるように、薬剤で治療中の対象の生体試料中の第2の細胞表面部分との第1の細胞表面部分のクラスター化を検出及び/又は定量化することを含む、方法に関する。
【0017】
本開示は更に、治療を必要とする対象、特に、がんを有する対象を治療するための方法であって、その方法が、
-第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分に結合する薬剤で、治療を必要とする対象を治療すること、
-本明細書に記載されるように、薬剤の有効性又は薬剤の作用様式を分析すること、を含む、方法に関する。
【0018】
本開示は更に、第2の細胞表面部分との第1の細胞表面部分のクラスター化を誘導する能力について1つ以上の試験薬剤をスクリーニングするための方法であって、その方法が、
-1つ以上の試験細胞培養物を、試験薬剤と接触させることであって、
試験細胞培養物が、第1の細胞表面部分を発現する細胞、及び第2の細胞表面部分を発現する細胞を含む、接触させること、
本明細書に記載されるように、第1及び第2の細胞表面部分のクラスター化のレベルを検出すること、並びに
クラスター化のレベルを、試験薬剤と接触していないか、又は参照薬剤と接触していない対照細胞培養物中でクラスター化について検出されたクラスター化のレベルと比較すること、を含み、
対照細胞培養物が、第1の細胞表面部分、及び第2の細胞表面部分を含む、方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本開示のある特定の実施形態に従って使用されるVeraTag(登録商標)アッセイの概念の概略図である。この図におけるVeraTag(登録商標)アッセイ形式は、1つ又は2つの特定の抗原に結合する2つの一次抗体を利用し、一次抗体のうちの一方はタグを含み、他方は切断誘導部分(はさみの記号)を含む。光活性化により、抗体のうちの1つから切断誘導部分が放出すると、切断誘導部分が、他の抗体からのタグの切断を誘導する。タグによって産生されたシグナルは、その後、キャピラリー電気泳動(CE)によって測定される。 しかしながら、本明細書に示される開示は、この図に提示されるアッセイ形式に限定されない。
【
図2】一次抗体を使用したVeraTag(登録商標)アッセイの形式の例の概略図である。この図において、第1及び第2の細胞表面部分は、異なる細胞表面部分である。しかしながら、本開示はまた、第1及び第2の細胞表面部分が同じである実施形態も含む。 A)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、並びに細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子であり、第1の結合分子が、切断可能なリンカーを介して第1の結合分子に結合した第1の分子タグを含み、第2の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第3の結合分子が、切断可能なリンカーを介して第3の結合分子に結合した第2の分子タグを含み、第4の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含む。 B)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、並びに細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子であり、第2の結合分子が、切断可能なリンカーを介して第2の結合分子に結合した第1の分子タグを含み、第1の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第4の結合分子が、切断可能なリンカーを介して第4の結合分子に結合した第2の分子タグを含み、第3の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含む。 C)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、並びに細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子であり、第1の結合分子が、切断可能なリンカーを介して第1の結合分子に結合した第1の分子タグを含み、第2の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第4の結合分子が、切断可能なリンカーを介して第4の結合分子に結合した第2の分子タグを含み、第3の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含む。 D)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、並びに細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子であり、第2の結合分子が、切断可能なリンカーを介して第2の結合分子に結合した第1の分子タグを含み、第1の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第3の結合分子が、切断可能なリンカーを介して第3の結合分子に結合した第2の分子タグを含み、第4の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含む。
【
図3】各標的についての2つの一次抗体及び二次抗体を使用するVeraTag(登録商標)アッセイの形式の例の概略図である。この図において、第1及び第2の細胞表面部分は、異なる細胞表面部分である。しかしながら、本開示はまた、第1及び第2の細胞表面部分が同じである実施形態も含む。 A)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子であり、 第1及び第3の結合分子が、それぞれ、切断可能なリンカーを介してそれらに結合した第1及び第2の分子タグを含み、第5の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第6の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含む。 B)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子であり、 第2及び第4の結合分子が、それぞれ、切断可能なリンカーを介してそれらに結合した第1及び第2の分子タグを含み、第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含む。 C)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子であり、 第1及び第3の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第5の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介して第5の結合分子に結合した第1の分子タグを含み、第6の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介して第6の結合分子に結合した第2の分子タグを含む。 D)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子であり、 第2及び第4の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介して第5の結合分子に結合した第1の分子タグを含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介して第6の結合分子に結合した第2の分子タグを含む。 E)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子であり、 第1の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第4の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、第5の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含む。 F)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子であり、 第1の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第3の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第5の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第6の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含む。 G)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子であり、 第1の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第4の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第5の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含む。 H)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子であり、 第2の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第3の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第6の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含む。 I)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子であり、 第2の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第3の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第6の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含む。 J)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子であり、 第2の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第4の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含む。 K)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子であり、 第1の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第3の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、第5の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第6の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含む。 L)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子であり、 第1の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第4の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、第5の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含む。 M)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子であり、 第1の結合分子及び第4の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第5の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含む。 N)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子であり、 第2の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第3の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第6の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含む。 O)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子であり、 第2の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第4の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含む。 P)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子であり、 第2及び第3の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第6の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含む。
【
図4】各標的についての2つの一次抗体及び2つの二次抗体を使用するVeraTag(登録商標)アッセイの形式の例の概略図である。この図において、第1及び第2の細胞表面部分は、異なる細胞表面部分である。しかしながら、本開示はまた、第1及び第2の細胞表面部分が同じである実施形態も含む。 A)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、第6の結合分子、第7の結合分子、並びに第8の結合分子であり、 第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第7の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、第8の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含む。 B)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、第6の結合分子、第7の結合分子、並びに第8の結合分子であり、 第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第7の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第8の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含む。 C)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、第6の結合分子、第7の結合分子、並びに第8の結合分子であり、 第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第7の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第8の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含む。 D)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、第6の結合分子、第7の結合分子、並びに第8の結合分子であり、 第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第7の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、第8の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含む。
【
図5】各標的についての1つの一次抗体及び一次抗体のうちの1つに対する1つの二次抗体を使用するVeraTag(登録商標)アッセイの形式の例の概略図である。この形式は、DTTを媒介した分子タグの放出を使用する。この図において、第1及び第2の細胞表面部分は、異なる細胞表面部分である。しかしながら、本開示はまた、第1及び第2の細胞表面部分が同じである実施形態も含む。 A)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第2の結合分子、及び第1の結合分子に結合する第3の結合分子であり、 第2の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第3の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含む。 B)細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第2の結合分子、及び第2の結合分子に結合する第3の結合分子であり、 第1の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第3の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含む。
【
図6】標的のクラスター化を検出及び/又は定量化するための、各標的についての1つの一次抗体を使用するVeraTag(登録商標)アッセイの形式の例の概略図である。この図において、第1及び第2の細胞表面部分は、異なる細胞上で発現された異なる細胞表面部分である。しかしながら、本開示は、第1及び第2の細胞表面部分が、同じ細胞上に存在する実施形態も含む。また、この図において、第1及び第2の細胞表面部分に対する結合特異性を有する分子は、二価二重特異性抗体である。しかしながら、本開示はまた、細胞表面部分に対する結合特異性を有する分子が、多価二重特異性抗体又は多重特異性抗体、例えば、三重特異性抗体又は四重特異性抗体である状況を包含する。 A)第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分に結合し、それによって、第1及び第2の細胞表面部分が互いに近接する二重特異性抗体(100)、第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、並びに第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子であり、 第1の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した分子タグを含み、第2の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含む。 B)第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分に結合し、それによって、第1及び第2の細胞表面部分が互いに近接する二重特異性抗体(100)、第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、並びに第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子であり、 第2の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した分子タグを含み、第1の結合分子が、切断誘導部分を含む。
【
図7】標的のクラスター化を検出及び/又は定量化するための、各標的についての1つの一次抗体及び一次抗体のうちの1つに対する二次抗体を使用するVeraTag(登録商標)アッセイの形式の例の概略図である。この図において、第1及び第2の細胞表面部分は、異なる細胞上で発現された異なる細胞表面部分である。しかしながら、本開示は、第1及び第2の細胞表面部分が、同じ細胞上に存在する実施形態も含む。また、この図において、第1及び第2の細胞表面部分に対する結合特異性を有する分子は、二価二重特異性抗体である。しかしながら、本開示はまた、細胞表面部分に対する結合特異性を有する分子が、多価二重特異性抗体又は多重特異性抗体、例えば、三重特異性抗体又は四重特異性抗体である状況を包含する。 A)第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分に結合し、それによって、第1及び第2の細胞表面部分が互いに近接する二重特異性抗体(100)、第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子、並びに第3の結合分子であり、第1の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した分子タグを含み、第3の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含む。 B)第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分に結合し、それによって、第1及び第2の細胞表面部分が互いに近接する二重特異性抗体(100)、第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子、並びに第3の結合分子であり、第2の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した分子タグを含み、第3の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含む。 C)第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分に結合し、それによって、第1及び第2の細胞表面部分が互いに近接する二重特異性抗体(100)、第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子、並びに第3の結合分子であり、第1の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第3の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した分子タグを含む。 D)第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分に結合し、それによって、第1及び第2の細胞表面部分が互いに近接する二重特異性抗体(100)、第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子、並びに第3の結合分子であり、第2の結合分子が、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第3の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した分子タグを含む。
【
図8】標的のクラスター化を検出及び/又は定量化するための、各標的についての1つの一次抗体及び一次抗体に対する2つの二次抗体を使用するVeraTag(登録商標)アッセイの形式の概略図である。この図において、第1及び第2の細胞表面部分は、異なる細胞上で発現された異なる細胞表面部分である。しかしながら、本開示は、第1及び第2の細胞表面部分が、同じ細胞上に存在する場所にも及ぶ。また、この図において、第1及び第2の細胞表面部分に対する結合特異性を有する分子は、二価二重特異性抗体である。しかしながら、本開示はまた、細胞表面部分に対する結合特異性を有する分子が、多価二重特異性抗体又は多重特異性抗体、例えば、三重特異性抗体又は四重特異性抗体である状況を包含する。 A)第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分に結合し、それによって、第1及び第2の細胞表面部分が互いに近接する二重特異性抗体(100)、第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子、第3の結合分子、並びに第4の結合分子であり、第3の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した分子タグを含み、第4の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含む。 B)第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分に結合し、それによって、第1及び第2の細胞表面部分が互いに近接する二重特異性抗体(100)、第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子、第3の結合分子、並びに第4の結合分子であり、第3の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断誘導部分(はさみの記号)を含み、第4の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した分子タグを含む。
【
図9】VeraTag(登録商標)アッセイを使用して測定した、相対ピーク面積(RPA)におけるPD-L1発現レベルを示す図である。試料A:抗CD137陽性対照抗体とのインキュベーションによって調製された細胞ペレット、試料B:CD137及びPD-L1に結合する二重特異性抗体とのインキュベーションによって調製された細胞ペレット、試料C:RSVに結合する陰性対照抗体とのインキュベーションによって調製された細胞ペレット。
【
図10】VeraTag(登録商標)アッセイを使用して測定した、相対ピーク面積(RPA)におけるCD137発現レベルを示す図である。左:抗CD137アッセイ抗体BBK2とのインキュベーション、右:抗CD137アッセイ抗体M127とのインキュベーション。試料A:抗CD137陽性対照抗体とのインキュベーションによって調製された細胞ペレット、試料B:CD137及びPD-L1に結合する二重特異性抗体とのインキュベーションによって調製された細胞ペレット、試料C:RSVに結合する陰性対照抗体とのインキュベーションによって調製された細胞ペレット。
【
図11】VeraTag(登録商標)アッセイを使用して測定した、相対ピーク面積(RPA)におけるCD137クラスター化を示すグラフである。左:抗CD137アッセイ抗体BBK2とのインキュベーション、右:抗CD137アッセイ抗体M127とのインキュベーション。試料A:RSVに結合する陰性対照抗体とのインキュベーションによって調製された細胞ペレット、試料B:CD137及びPD-L1に結合する二重特異性抗体とのインキュベーションによって調製された細胞ペレット、試料C:抗CD137陽性対照抗体とのインキュベーションによって調製された細胞ペレット。
【
図12】VeraTag(登録商標)アッセイを使用して測定した、相対ピーク面積(RPA)におけるPD-L1-CD137クラスター化を示す図である。左:抗CD137アッセイ抗体BBK2とのインキュベーション、右:抗CD137アッセイ抗体M127とのインキュベーション。試料A:RSVに結合する陰性対照抗体とのインキュベーションによって調製された細胞ペレット、試料B:CD137及びPD-L1に結合する二重特異性抗体とのインキュベーションによって調製された細胞ペレット、試料C:抗CD137陽性対照抗体とのインキュベーションによって調製された細胞ペレット。このアッセイにおけるクラスター化のレベルを、アイソタイプ対照実験(ITC)で測定したレベルと比較する。
【
図13】A-細胞膜上に存在する受容体(抗原1)の発現を検出するための本明細書に記載のアッセイ、B-同じ細胞上の受容体(抗原1)のクラスター化を検出するための本明細書に記載の近接アッセイ、及びC-別の細胞上に受容体(抗原2)を有する1つの細胞上の受容体(抗原1)のクラスター化を検出し、それによって、免疫学的シナプスを形成するための本明細書に記載の近接アッセイ。
【発明を実施するための形態】
【0020】
一態様では、本開示は、試料中の少なくとも第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分の発現を検出及び/又は定量化するための方法であって、その方法が、第1及び第2の細胞表面部分が、同じ試料中で発現されるときに産生されるシグナルを検出することを含む、方法を提供する。ある特定の実施形態では、好ましくは、各細胞表面部分の発現を定量化することが可能であるように、2つの異なるシグナルが産生される。あるいは、ある特定の実施形態では、シグナル産生部分は、組み合わされたシグナルが、各細胞表面部分の発現レベルに関する情報を提供するように選択される。
【0021】
シグナルは、限定されないが、第1及び第2の細胞表面部分に、好ましくは、異なる蛍光分子タグを提供すること、第1及び第2の細胞表面部分に、好ましくは、異なる発色性分子タグを提供すること、第1及び第2の細胞表面部分に、好ましくは、異なる放射性分子タグを提供すること、並びに第1及び第2の細胞表面部分に、好ましくは、異なる同位体的に純粋な金属キレート剤分子タグを提供することを含む、様々な方法で産生することができる。クエンチングは、使用できる別の方法である。ある特定の実施形態では、好ましくは、第2のクエンチャーとの相互作用によって引き起こされるシグナル放出剤からの1つのフルオロフォア又はシグナルの蛍光の強度の減少の測定を可能にするために、各細胞表面部分に対して異なるフルオロフォアが使用される。
【0022】
本開示による方法は、異なる形式で実行することができる。1つの形式において、本開示は、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分を含む、少なくとも2つの細胞表面部分の試料中の発現を検出及び/又は定量化するための方法であって、その方法が、
a)試料を、第1の細胞表面部分を検出する少なくとも1つの結合分子、及び第2の細胞表面部分を検出する少なくとも1つの結合分子と接触させることであって、
第1の細胞表面部分を検出する少なくとも1つの結合分子、及び第2の細胞表面部分を検出する少なくとも1つの結合分子が、分子タグを含み、任意選択で、第1の細胞表面部分を検出する結合分子に結合した分子タグが、第2の細胞表面部分を検出する結合分子に結合した分子タグとは異なる、接触させること、並びに
b)分子タグの存在若しくは不在を検出するか、又はその量を測定して、試料中の第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分の発現を検出及び/又は定量化すること、を含む、方法が提供される。
【0023】
別の形式において、本開示は、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分を含む、少なくとも2つの細胞表面部分の試料中の発現を検出及び/又は定量化するための方法であって、その方法が、
a)試料を、第1の細胞表面部分を検出する少なくとも2つの結合分子、及び第2の細胞表面部分を検出する少なくとも2つの結合分子と接触させることであって、
第1の細胞表面部分を検出する結合分子の1つ、及び第2の細胞表面部分を検出する結合分子の1つが、好ましくは、切断可能なリンカーを介してそれに結合した分子タグを含み、任意選択で、第1の細胞表面部分を検出する結合分子の別のもの、及び第2の細胞表面部分を検出する結合分子の別のものが、切断誘導部分を含む、接触させること、
b)任意選択で、分子タグの切断を誘導すること、並びに
c)分子タグの存在若しくは不在を検出するか、又はその量を測定して、試料中の第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分の発現を検出及び/又は定量化すること、を含む、方法が提供される。
【0024】
ある特定の実施形態では、本開示による方法は、単一の試料、好ましくは、患者試料中の少なくとも2つの異なる細胞表面部分の共発現を測定するために使用され得る。したがって、これは、少なくとも2つの異なる細胞表面部分に結合する薬剤又は複数の薬剤による治療に対する、患者、好ましくは、がん患者の応答を予測するために特に有用である。そのような薬剤の例は、例えば、多重特異性抗体である。
【0025】
ある特定の実施形態では、本開示で使用される方法は、VeraTag(登録商標)アッセイを含む。VeraTag(登録商標)アッセイは、当該技術分野で周知であり、例えば、WO2017/161030及びその中で引用される参考文献に記載されており、それらは、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0026】
VeraTag(登録商標)アッセイは、異なる形式で行うことができる。1つの形式は、各標的部分についての2つの一次結合分子を使用する近接アッセイであり、各標的部分への一次結合分子の一方は、分子タグを含み、他方は、切断誘導部分を含む。
【0027】
したがって、一実施形態では、本開示は、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分を含む、少なくとも2つの細胞表面部分の試料中の発現を検出及び/又は定量化するための方法であって、その方法が、
a1)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、並びに細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子と接触させることであって、
第1の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第2の結合分子が、切断誘導部分を含み、第3の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、第4の結合分子が、切断誘導部分を含む、接触させること、又は
a2)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、並びに細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子と接触させることであって、
第2の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第1の結合分子が、切断誘導部分を含み、第4の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、第3の結合分子が、切断誘導部分を含む、接触させること、又は
a3)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、並びに細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子と接触させることであって、
第1の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第2の結合分子が、切断誘導部分を含み、第4の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、第3の結合分子が、切断誘導部分を含む、接触させること、又は
a4)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、並びに細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子と接触させることであって、
第2の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第1の結合分子が、切断誘導部分を含み、第3の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、第4の結合分子が、切断誘導部分を含み、
第1の細胞表面部分を検出する結合分子に結合した分子タグが、第2の細胞表面部分を検出する結合分子に結合した分子タグとは異なる、接触させること、
b)第1及び第2の分子タグの切断を誘導すること、並びに
c)放出された第1及び第2の分子タグの存在又は不在を検出して、試料中の第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分の発現を検出及び/又は定量化すること、を含む、方法が提供される。
【0028】
別の形式は、各標的部分についての2つの一次結合分子、及び一次結合分子のうちの1つに対する二次結合分子を使用する近接アッセイである。
【0029】
したがって、一実施形態では、本開示は、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分を含む、少なくとも2つの細胞表面部分の試料中の発現を検出及び/又は定量化するための方法であって、その方法が、
a1)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子と接触させることであって、
第1及び第3の結合分子が、それぞれ、切断可能なリンカーを介してそれらに結合した第1及び第2の分子タグを含み、第5の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断誘導部分を含み、第6の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断誘導部分を含む、接触させること、又は
a2)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子と接触させることであって、
第2及び第4の結合分子が、それぞれ、切断可能なリンカーを介してそれらに結合した第1及び第2の分子タグを含み、第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断誘導部分を含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断誘導部分を含む、接触させること、又は
a3)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子と接触させることであって、
第1及び第3の結合分子が、切断誘導部分を含み、第5の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第6の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含む、接触させること、又は
a4)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子と接触させることであって、
第2及び第4の結合分子が、切断誘導部分を含み、第5の結合分子が、第1の結合分子、及び切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグに結合し、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含む、接触させること、又は
a5)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子と接触させることであって、
第1の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第4の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、第5の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断誘導部分を含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断誘導部分を含む、接触させること、又は
a6)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子と接触させることであって、
第1の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第3の結合分子が、切断誘導部分を含み、第5の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断誘導部分を含み、第6の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含む、接触させること、又は
a7)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子と接触させることであって、
第1の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第4の結合分子が、切断誘導部分を含み、第5の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断誘導部分を含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含む、接触させること、又は
a8)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子と接触させることであって、
第2の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第3の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断誘導部分を含み、第6の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断誘導部分を含む、接触させること、又は
a9)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子と接触させることであって、
第2の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第3の結合分子が、切断誘導部分を含み、第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断誘導部分を含み、第6の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含む、接触させること、又は
a10)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子と接触させることであって、
第2の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第4の結合分子が、切断誘導部分を含み、第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断誘導部分を含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含む、接触させること、又は
a11)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子と接触させることであって、
第1の結合分子が、切断誘導部分を含み、第3の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、第5の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第6の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断誘導部分を含む、接触させること、又は
a12)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子と接触させることであって、
第1の結合分子が、切断誘導部分を含み、第4の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、第5の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断誘導部分を含む、接触させること、又は
a13)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子と接触させることであって、
第1の結合分子及び第4の結合分子が、切断誘導部分を含み、第5の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含む、接触させること、又は
a14)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子と接触させることであって、
第2の結合分子が、切断誘導部分を含み、第3の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第6の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断誘導部分を含む、接触させること、又は
a15)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子と接触させることであって、
第2の結合分子が、切断誘導部分を含み、第4の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断誘導部分を含む、接触させること、又は
a16)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、並びに第6の結合分子と接触させることであって、
第2及び第3の結合分子が、切断誘導部分を含み、第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第6の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、
第1の細胞表面部分を検出する結合分子に結合した分子タグが、第2の細胞表面部分を検出する結合分子に結合した分子タグとは異なる、接触させること、
b)第1及び第2の分子タグの切断を誘導すること、並びに
c)放出された第1及び第2の分子タグの存在又は不在を検出して、試料中の第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分の発現を検出及び/又は定量化すること、を含む、方法が提供される。
【0030】
別の形式は、各標的部分についての2つの一次結合分子、及び一次結合分子の各々に対する二次結合分子を使用する近接アッセイであり、各標的部分についての二次結合分子のうちの一方は、分子タグを含み、他方は、切断誘導部分を含む。
【0031】
したがって、一実施形態では、本開示は、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分を含む、少なくとも2つの細胞表面部分の試料中の発現を検出及び/又は定量化するための方法であって、その方法が、
a1)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、第6の結合分子、第7の結合分子、並びに第8の結合分子と接触させることであって、
第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第7の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断誘導部分を含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、第8の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断誘導部分を含む、接触させること、又は
a2)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、第6の結合分子、第7の結合分子、並びに第8の結合分子と接触させることであって、
第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断誘導部分を含み、第7の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断誘導部分を含み、第8の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含む、接触させること、又は
a3)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、第6の結合分子、第7の結合分子、並びに第8の結合分子と接触させることであって、
第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第7の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断誘導部分を含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断誘導部分を含み、第8の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含む、接触させること、又は
a4)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1及び第2の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第3及び第4の結合分子、第5の結合分子、第6の結合分子、第7の結合分子、並びに第8の結合分子と接触させることであって、
第5の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断誘導部分を含み、第7の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、第6の結合分子が、第3の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、第8の結合分子が、第4の結合分子に結合し、切断誘導部分を含み、
第1の細胞表面部分を検出する結合分子に結合した分子タグが、第2の細胞表面部分を検出する結合分子に結合した分子タグとは異なる、接触させること、
b)第1及び第2の分子タグの切断を誘導すること、並びに
c)放出された第1及び第2の分子タグの存在又は不在を検出して、試料中の第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分の発現を検出及び/又は定量化すること、を含む、方法が提供される。
【0032】
別の形式は、DTT媒介性放出であり、試料中の少なくとも第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分の発現を検出及び/又は定量化するための方法が、
a)試料を、第1の細胞表面部分を検出する少なくとも1つの結合分子、及び第2の細胞表面部分を検出する少なくとも1つの結合分子と接触させることであって、
第1の細胞表面部分を検出する少なくとも1つの結合分子、及び第2の細胞表面部分を検出する少なくとも1つの結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した分子タグを含み、
第1の細胞表面部分を検出する結合分子に結合した分子タグが、第2の細胞表面部分を検出する結合分子に結合した分子タグとは異なる、接触させること、
b)分子タグの切断を誘導すること、並びに
c)放出された分子タグの存在又は不在を検出して、試料中の第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分の発現を検出及び/又は定量化すること、を含む。
【0033】
1つの形式において、DTT媒介性放出アッセイは、分子タグを含む各標的部分についての一次結合分子を使用する。
【0034】
したがって、一実施形態では、本開示は、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分を含む、少なくとも2つの細胞表面部分の試料中の発現を検出及び/又は定量化するための方法であって、その方法が、
a)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1の結合分子、及び細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第2の結合分子と接触させることであって、
第1の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、
第2の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、
第1の細胞表面部分を検出する結合分子に結合した分子タグが、第2の細胞表面部分を検出する結合分子に結合した分子タグとは異なる、接触させること、
b)第1及び第2の分子タグの切断を誘導すること、並びに
c)放出された分子タグの存在又は不在を検出して、試料中の第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分の発現を検出及び/又は定量化すること、を含む、方法を提供する。
【0035】
別の形式は、各標的部分についての一次結合分子及び二次結合分子を使用するDTT媒介性放出アッセイであり、二次結合分子は、分子タグを含む。
【0036】
したがって、一実施形態では、本開示は、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分を含む、少なくとも2つの細胞表面部分の試料中の発現を検出及び/又は定量化するための方法であって、その方法が、
a)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第2の結合分子、第1の結合分子に特異的に結合する第3の結合分子、及び第2の結合分子に特異的に結合する第4の結合分子と接触させることであって、
第3の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、
第4の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、
第1の細胞表面部分を検出する結合分子に結合した分子タグが、第2の細胞表面部分を検出する結合分子に結合した分子タグとは異なる、接触させること、
b)第1及び第2の分子タグの切断を誘導すること、並びに
c)放出された分子タグの存在又は不在を検出して、試料中の第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分の発現を検出及び/又は定量化すること、を含む、方法を提供する。
【0037】
別の形式は、各標的部分についての一次結合分子、及び一次結合分子のうちの1つに結合し、分子タグを含む二次結合分子を使用するDTT媒介性放出アッセイである。
【0038】
したがって、一実施形態では、本開示は、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分を含む、少なくとも2つの細胞表面部分の試料中の発現を検出及び/又は定量化するための方法であって、その方法が、
a1)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第2の結合分子、及び第1の結合分子に特異的に結合する第3の結合分子と接触させることであって、
第2の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、
第3の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含む、接触させること、又は
a2)試料を、細胞表面上で発現された第1の部分に特異的に結合する第1の結合分子、細胞表面上で発現された第2の部分に特異的に結合する第2の結合分子、及び第2の結合分子に特異的に結合する第3の結合分子と接触させることであって、
第1の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第1の分子タグを含み、
第3の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した第2の分子タグを含み、
第1の細胞表面部分を検出する結合分子に結合した分子タグが、第2の細胞表面部分を検出する結合分子に結合した分子タグとは異なる、接触させること、
b)第1及び第2の分子タグの切断を誘導すること、並びに
c)放出された分子タグの存在又は不在を検出して、試料中の第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分の発現を検出及び/又は定量化すること、を含む、方法を提供する。
【0039】
一次結合分子及び二次結合分子が使用される上記の例示された形式の各々において、1つ以上の結合分子が、一次結合分子と二次結合分子との間に存在し得る。
【0040】
本開示による方法は、近接アッセイ及びDTT媒介性放出アッセイの組み合わせを含んでもよく、近接アッセイを使用して第1の細胞表面部分を検出し、DTT媒介性放出アッセイを使用して第2の細胞表面部分を検出する。
【0041】
本開示による方法を使用して、単一試料中の少なくとも2つの異なる細胞表面部分の共発現を測定することができる。それから得られた知識を使用して、2つの異なる細胞表面部分に結合する薬剤又は複数の薬剤に対する、患者、特に、がん患者の応答性を予測することができる。
【0042】
したがって、本開示は、少なくとも第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分、特に、免疫エフェクター細胞上で発現された部分、及び腫瘍細胞上で発現された部分に結合する薬剤又は複数の薬剤に対する、患者、特に、がん患者の応答性を予測するための方法であって、その方法が、
a)本開示による方法を使用して、対象由来、特に、対象の腫瘍由来の生体試料中の第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面メンバーの発現レベルを検出すること、
b)対象の試料中の第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分の発現レベルが、閾値レベルを上回っているか、又は下回っているかを決定すること、並びに
c)対象の試料中の第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分の発現レベルが、閾値レベル以上である場合、対象が、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分に結合する薬剤又は複数の薬剤に応答する可能性が高いと予測すること、を含む、方法を提供する。薬剤又は複数の薬剤は、本明細書で更に定義される薬剤を含む。この方法は、本明細書において「予測方法」とも称される。
【0043】
本開示はまた、治療を必要とする対象、特に、がんを有する対象を治療するための方法であって、その方法が、
a)上記の予測方法を使用して、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分に結合する薬剤又は複数の薬剤に対する対象の応答性を予測すること、並びに
b)第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面に結合する薬剤又は複数の薬剤を、予測に従って応答する可能性が高い対象に投与すること、を含む、方法を提供する。薬剤又は複数の薬剤は、本明細書で更に定義される薬剤を含む。
【0044】
本開示は、対象、特に、がんを有する対象の治療のための、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分に結合する薬剤又は複数の薬剤であって、治療が、
a)上記の予測方法を使用して、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分に結合する薬剤又は複数の薬剤に対する対象の応答性を予測すること、並びに
b)第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面に結合する薬剤又は複数の薬剤を、予測に従って応答する可能性が高い対象に投与すること、を含む、薬剤又は複数の薬剤を更に提供する。薬剤又は複数の薬剤は、本明細書で更に定義される薬剤を含む。
【0045】
本開示は、試料における、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分を含む、少なくとも2つの細胞表面部分のクラスター化の存在を検出及び/又は定量化するための方法であって、その方法が、シグナルの存在又は不在を検出することを含み、そのシグナルは、第1及び第2の細胞表面部分が、少なくとも第1及び第2の細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤に曝露されている試料中で、第1及び第2の細胞表面部分が互いに近接していない限り、検出されない、方法を更に提供する。この方法を使用して、2つ以上の細胞表面部分が互いに近接しているかどうかを示すことができる。2つ以上の細胞表面部分が互いに近接している場合、それらは、本明細書に記載のシグナルを生成する場合、クラスター化すると考えられる。少なくとも2つの細胞表面部分の近接性は、例えば、多重特異性抗体などの、少なくとも2つの細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤によって引き起こされるか、又は誘導される。したがって、ある特定の実施形態では、この方法はまた、第1及び第2の細胞表面部分が、少なくとも2つの細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤によって同時に結合されたときに産生されたシグナルを検出することを含むと定義することもできる。
【0046】
本開示による方法は、近接アッセイの異なる形式を含む、異なる手段で実施することができる。この方法を実施する1つの手段は、細胞表面部分のうちの1つを検出する結合分子に結合したフルオロフォアからのシグナルのクエンチを伴い、クエンチは、細胞表面部分のうちの別の部分を検出する結合分子に結合したクエンチャーによって引き起こされる。この方法を実施する別の手段は、細胞表面部分のうちの1つを、細胞表面部分のうちの別の部分を検出する結合分子に結合した別の異なるフルオロフォアとともに検出する、結合分子に結合したフルオロフォアの干渉によって産生されたシグナルを伴う。
【0047】
近接アッセイの1つの形式において、2つの一次結合分子が使用され、1つは各標的部分についてであり、一次結合分子のうちの一方は、分子タグを含み、他方の一次結合分子は、切断誘導部分を含む。
【0048】
したがって、一実施形態では、本開示は、試料における、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分を含む、少なくとも2つの細胞表面部分のクラスター化の存在を検出及び/又は定量化するための方法であって、その方法が、
a1)第1及び第2の細胞表面部分が、少なくとも第1及び第2の細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤に曝露されている試料を、第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、及び第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子と接触させることであって、
第1の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した分子タグを含み、第2の結合分子が、切断誘導部分を含む、接触させること、又は
a2)第1及び第2の細胞表面部分が、少なくとも第1及び第2の細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤に曝露されている試料を、第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、及び第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子と接触させることであって、
第2の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した分子タグを含み、第1の結合分子が、切断誘導部分を含む、接触させること、並びに
b)分子タグの切断を誘導すること、並びに
c)放出された分子タグの存在又は不在を検出して、試料中の第2の細胞表面部分との第1の細胞表面部分のクラスター化を検出及び/又は定量化すること、を含む、方法を提供する。
【0049】
別の形式において、一次結合分子は、各標的部分に対して使用され、二次結合分子は、一次結合分子のうちの1つに対して使用され、二次結合分子によって結合されていない一次結合分子は、分子タグを含み、二次結合分子は、切断誘導部分を含むか、又は二次結合分子によって結合されていない一次結合分子は、切断誘導部分を含み、二次結合分子は、分子タグを含む。
【0050】
したがって、一実施形態では、本開示は、試料における、第2の細胞表面部分とともに第1の細胞表面部分を含む、少なくとも2つの細胞表面部分のクラスター化の存在を検出及び/又は定量化するための方法であって、その方法が、
a1)第1及び第2の細胞表面部分が、少なくとも第1及び第2の細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤に曝露されている試料を、第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子、及び第3の結合分子と接触させることであって、
第1の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した分子タグを含み、第3の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断誘導部分を含む、接触させること、又は
a2)第1及び第2の細胞表面部分が、少なくとも第1及び第2の細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤に曝露されている試料を、第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子、及び第3の結合分子と接触させることであって、
第2の結合分子が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した分子タグを含み、第3の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断誘導部分を含む、接触させること、又は
a3)第1及び第2の細胞表面部分が、少なくとも第1及び第2の細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤に曝露されている試料を、第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子、及び第3の結合分子と接触させることであって、
第1の結合分子が、切断誘導部分を含み、第3の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した分子タグを含む、接触させること、又は
a4)第1及び第2の細胞表面部分が、少なくとも第1及び第2の細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤に曝露されている試料を、第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子、及び第3の結合分子と接触させることであって、
第2の結合分子が、切断誘導部分を含み、第3の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した分子タグを含む、接触させること、
b)分子タグの切断を誘導すること、並びに
c)放出された分子タグの存在又は不在を検出して、試料中の第2の細胞表面部分との第1の細胞表面部分のクラスター化を検出及び/又は定量化すること、を含む、方法を提供する。
【0051】
別の形式において、一次結合分子は、各標的部分に対して使用され、二次結合分子は、一次結合分子の両方に対して使用され、二次結合分子の一方は、分子タグを含み、他方は、切断誘導部分を含む。
【0052】
したがって、一実施形態では、本開示は、試料における、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分を含む、少なくとも2つの細胞表面部分のクラスター化の存在を検出及び/又は定量化するための方法であって、その方法が、
a1)第1及び第2の細胞表面部分が、少なくとも第1及び第2の細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤に曝露されている試料を、第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子、第3の結合分子、及び第4の結合分子と接触させることであって、
第3の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した分子タグを含み、第4の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断誘導部分を含む、接触させること、又は
a2)第1及び第2の細胞表面部分が、少なくとも第1及び第2の細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤に曝露されている試料を、第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子、第3の結合分子、及び第4の結合分子と接触させることであって、
第3の結合分子が、第1の結合分子に結合し、切断誘導部分を含み、第4の結合分子が、第2の結合分子に結合し、切断可能なリンカーを介してそれに結合した分子タグを含む、接触させること、
b)分子タグの切断を誘導すること、並びに
c)放出された分子タグを検出して、試料中の第2の細胞表面部分との第1の細胞表面部分のクラスター化を検出及び/又は定量化すること、を含む、方法を提供する。
【0053】
一次結合分子及び二次結合分子が使用される上記の例示された形式の各々において、1つ以上の結合分子が、一次結合分子と二次結合分子との間に存在し得る。
【0054】
本開示は、試料における、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分を含む、少なくとも2つの細胞表面部分のクラスター化の存在を検出及び/又は定量化するための方法であって、その方法が、
第1及び第3の細胞表面部分が、少なくとも第1及び第3の細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤に曝露されている試料を、第1の細胞表面部分に特異的に結合する第1の結合分子、第2の細胞表面部分に特異的に結合する第2の結合分子と接触させることであって、第1の結合分子及び第2の結合分子のうちの少なくとも1つが、第1及び第2の細胞表面部分が互いに近接していない限り、検出されない分子タグを含む、接触させること、並びに
分子タグの存在又は不在を検出して、試料における、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分のクラスター化の存在を検出すること、を含む、方法を更に提供する。
【0055】
この文脈において、少なくとも第1及び第3の細胞表面部分は、好ましくは、異なる細胞表面部分である。ある特定の実施形態では、第1の細胞表面部分は、CD137又は別の共刺激分子であり、第3の細胞表面部分は、腫瘍関連部分又は免疫チェックポイント部分、好ましくは、PD-L1などの別の細胞上の部分である。第1及び第2の細胞表面部分は、好ましくは、同じ細胞表面部分である。ある特定の実施形態では、第1及び第2の細胞表面部分は、CD137である。
【0056】
本開示による方法は、単一の試料中の2つ以上の異なる細胞表面部分のクラスター化を測定するために使用することができ、特に、クラスター化が、2つ以上の異なる細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤によって誘導される場合、本開示に従って使用することができる。ある特定の実施形態では、それから得られた知識を使用して、2つ以上の異なる細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤による治療が有効であるか否かを判定することができ、この判定は、それらの部分への2つの異なる細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤の同時結合の確認に基づく。
【0057】
薬剤は、少なくとも2つの細胞表面部分に同時に結合することができる任意の単一部分であり得る。ある特定の実施形態では、薬剤は、第1の細胞表面部分に特異的に結合する結合ドメイン、及び第2の細胞表面部分に特異的に結合する結合ドメインを少なくとも含む。例えば、好適な薬剤には、例えば、二重特異性及び三重特異性抗体などの多重特異性抗体、抗体断片、抗体由来ドメインを含む分子、及び融合タンパク質を含む、抗体などの結合分子が含まれる。薬剤は、薬物とも称され得る。
【0058】
したがって、本開示は、薬剤の有効性を決定するための方法であって、その薬剤が、第1の細胞表面部分に特異的に結合する結合ドメイン、及び第2の細胞表面部分に特異的に結合する結合ドメインを少なくとも含み、その方法が、本開示による方法を使用することによって、薬剤で治療中の対象の生体試料中の第2の細胞表面部分との第1の細胞表面部分のクラスター化を検出及び/又は定量化することを含む、方法を提供する。薬剤は、本明細書で更に定義される薬剤である。この方法は、本明細書において「モニタリング方法」とも称される。
【0059】
本開示はまた、薬剤の作用様式を確認するための方法であって、その薬剤が、少なくとも第1の細胞表面部分に特異的に結合する結合ドメイン、及び第2の細胞表面部分に特異的に結合する結合ドメインを少なくとも含み、その方法が、本開示による方法を使用することによって、薬剤で治療中の対象の生体試料中の第2の細胞表面部分との第1の細胞表面部分のクラスター化を検出及び/又は定量化することを含む、方法を提供する。薬剤は、本明細書で更に定義される薬剤である。作用様式は、例えば、第1及び第2の細胞表面部分への薬剤の同時結合である。この文脈において、第1及び第2の細胞表面部分は、好ましくは、異なる細胞表面部分であり、薬剤は、多重特異性抗体である。別の作用様式は、例えば、2つ以上の細胞表面部分のクラスター化である。この文脈において、一実施形態では、少なくとも第1及び第2の細胞表面部分は、同じであり、薬剤は、単一特異性抗体であり、別の実施形態では、少なくとも第1及び第2の細胞表面部分は、異なる細胞表面部分であり、薬剤は、多重特異性抗体である。この方法は、本明細書において「確認方法」とも称される。例えば、それは、薬剤、好ましくは、免疫エフェクター細胞、好ましくは、CD137又は任意の他の免疫エフェクター細胞共刺激部分上で発現された細胞表面部分、及び腫瘍細胞、好ましくは、PD-L1又は任意の他の腫瘍関連部分若しくは免疫チェックポイント上で発現された細胞表面部分に対する特異性を有する多重特異性抗体が、免疫エフェクター細胞、好ましくは、1つ以上のCD137、又は任意の他の免疫エフェクター細胞共刺激タンパク質上で発現された細胞表面部分のうちの2つ以上のクラスター化を誘導するかどうかを決定することができる。
【0060】
本開示は、治療を必要とする対象、特に、がんを有する対象を治療するための方法であって、その方法が、
a)第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分に結合する薬剤で対象を治療すること、
b)本明細書に記載のモニタリング方法を使用して薬剤の有効性を分析すること、又は本明細書に記載の確認方法を使用して薬剤の作用様式を確認すること、を含む、方法を更に提供する。薬剤は、本明細書で更に定義される薬剤である。ある特定の実施形態では、この方法は、分析又は確認の結果に基づいて治療を継続又は適応させることを更に含み得、適応させることは、用量を増加若しくは減少させること、及び/又は薬剤の投与頻度を増加若しくは減少させること、又は治療を終了することを含むが、これらに限定されない。
【0061】
本開示は、対象、特に、がんを有する対象の治療に使用するための、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分に結合する薬剤であって、その治療が、
a)第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分に結合する薬剤で対象を治療すること、
b)本明細書に記載のモニタリング方法を使用して薬剤の有効性を分析すること、又は本明細書に記載の確認方法を使用して薬剤の作用様式を確認すること、を含む、薬剤を更に提供する。薬剤は、本明細書で更に定義される薬剤である。ある特定の実施形態では、治療は、分析又は確認の結果に基づいて治療を継続又は適応させることを更に含み得、適応させることは、用量を増加若しくは減少させること、及び/又は薬剤の投与頻度を増加若しくは減少させること、又は治療を終了することを含むが、これらに限定されない。
【0062】
本開示による方法を更に使用して、第2の細胞表面部分との少なくとも第1の細胞表面部分のクラスター化を誘導する能力について1つ以上の試験薬剤をスクリーニングすることができる。
【0063】
したがって、本開示は、第2の細胞表面部分との少なくとも第1の細胞表面部分のクラスター化を誘導する能力について1つ以上の試験薬剤をスクリーニングするための方法であって、その方法が、
a)1つ以上の試験細胞培養物を、試験薬剤と接触させることであって、
試験細胞培養物が、少なくとも第1の細胞表面部分を発現する細胞、及び第2の細胞表面部分を発現する第2の細胞を含む、接触させること、
b)本開示による方法を使用して、第1及び第2の細胞表面部分のクラスター化のレベルを検出すること、並びに
c)ステップb)で検出されたクラスター化のレベルを、試験薬剤と接触していないか、又は参照薬剤と接触していない対照細胞培養物中でクラスター化について検出されたクラスター化のレベルと比較すること、を含み、
対照細胞培養物が、第1の細胞表面部分、及び第2の細胞表面部分を含む、方法を更に提供する。ある特定の実施形態では、この方法は、対照細胞培養物中のクラスター化のレベルと等しいか、又はそれより高いクラスター化のレベルを誘導する試験薬剤を選択することを更に含み得る。
【0064】
この方法を使用して、既知のものに加えて、2つ以上の異なる細胞表面部分に対する結合特異性を有する、新規の更なる、又は代替の結合分子を同定することができる。例えば、この方法を使用して、CD137、又は任意の他の免疫エフェクター細胞共刺激部分、及びPD-L1、又は任意の他の腫瘍関連部分若しくは免疫チェックポイント部分に対する結合特異性を有する更なる又は代替の結合分子を同定することができる。
【0065】
本開示は、パーツのキットを更に提供する。ある特定の実施形態では、キットは、本明細書に記載される方法に従って、少なくとも第1及び第2の細胞表面部分に特異的に結合する結合分子を含む。一実施形態では、パーツのキットは、第1及び第2の細胞表面部分に特異的に結合する少なくとも2つの結合分子であって、任意選択で、結合分子のうちの一方が、切断可能なリンカーを介してそれに結合した分子タグを含み、他方の結合分子が、切断誘導部分を含む、結合分子と、患者試料を少なくとも2つの結合分子と接触させて、任意選択で、分子タグの切断を誘導し、患者試料を、少なくとも2つの結合分子と接触させることによって誘導されたシグナルを測定するための説明書と、を含む。
【0066】
以下は、本明細書に記載の方法の特徴の更なる説明である。明確化及び簡潔な説明のために、特徴は、同じ又は別個の実施形態の一部として本明細書に記載されるが、本開示の範囲は、記載される特徴の全て又は一部の組み合わせを有する実施形態を含み得ることは理解されるであろう。
【0067】
本開示による方法を使用して、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分の発現を検出することができる。本開示は、2つの細胞表面部分が、互いに近接しているかどうかを示すために使用することができる方法を更に提供する。使用される検出方法である、細胞表面部分(のうちの1つ)に結合した結合分子からの分子タグの放出は、第1及び第2の細胞表面部分(の複合体)の発現の定量化も可能にする。
【0068】
ある特定の実施形態では、本開示による方法は、単一の試料中の第1及び第2の細胞表面部分の検出及び/又は定量化を可能にする。このため、第1の細胞表面部分に結合する抗体に結合した分子タグは、第2の細胞表面部分に結合する抗体に結合した分子タグとは異なる。ある特定の実施形態では、この方法を使用して、第1及び第2の細胞部分が、ある特定の試料中で共発現されるかどうかを決定することができる。
【0069】
本開示のある特定の実施形態による方法における試料は、限定されないが、組織試料、血液試料、又は培養細胞であり得る。好ましくは、試料は、対象又は患者由来の組織試料、血液試料又は培養細胞である。対象又は患者由来の組織試料は、新鮮試料若しくはホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)試料、又はその他の固定された試料であってもよい。この方法は、がんを有する対象由来の腫瘍生検試料中の第1及び第2の細胞表面部分(のクラスター)の検出及び/又は定量化に特に有用である。
【0070】
ある特定の実施形態では、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分は、好ましくは、異なる部分であり、例えば、腫瘍細胞若しくは免疫細胞などの同じ細胞型上、同じ細胞上、又は異なる細胞上で発現され得る。ある特定の実施形態では、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分は、好ましくは、異なる細胞型上に発現される。
【0071】
ある特定の実施形態では、本開示の方法は、2つ以上の細胞表面部分の共発現を測定することが目的である場合、及び/又は同じ若しくは別個の細胞上の2つ以上の細胞表面部分のクラスター化の決定が目的である場合の任意の用途に有用である。
【0072】
ある特定の実施形態では、少なくとも2つの細胞表面部分のうちの1つは、好ましくは、免疫エフェクター細胞、特に、NK細胞、T細胞、B細胞、単球、マクロファージ、樹状細胞又は好中性顆粒球、好ましくは、T細胞上で発現される。
【0073】
ある特定の実施形態では、少なくとも2つの細胞表面部分のうちの1つは、例えば、限定されないが、腫瘍細胞、B細胞、骨髄細胞、樹状細胞、又は好中球などの腫瘍由来又は免疫細胞起源由来であり得る細胞上で発現される。
【0074】
ある特定の実施形態では、少なくとも2つの細胞表面部分のうちの一方は、免疫エフェクター細胞、特に、NK細胞、T細胞、B細胞、単球、マクロファージ、樹状細胞又は好中性顆粒球、好ましくは、T細胞上で発現され、少なくとも2つの細胞表面部分のうちの他方は、例えば、限定されないが、腫瘍細胞、B細胞、骨髄細胞、樹状細胞、又は好中球などの腫瘍由来又は免疫細胞起源由来であり得る細胞上で発現される。
【0075】
ある特定の実施形態では、免疫エフェクター細胞は、NK細胞、T細胞、B細胞、単球、マクロファージ、樹状細胞、又は好中性顆粒球、好ましくは、T細胞であり得る。
【0076】
ある特定の実施形態では、免疫エフェクター細胞共刺激部分は、CD137、OX40、GITR、CD27、CD28、ICOS、CD40L、又はLIGHT、好ましくは、CD137であり得る。
【0077】
ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント部分又は腫瘍関連部分は、限定されないが、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、TIM3、CD47又はCD70、好ましくは、PD-L1から選択することができる。
【0078】
第1及び第2の細胞表面部分は、両方の細胞表面部分を互いに近接させる薬剤に応答してクラスター化する任意の細胞表面部分であり得る。ある特定の実施形態では、第1及び第2の細胞表面部分は、同じであり得、この方法を使用して、薬剤に応答する、これらの細胞表面部分のクラスター化、例えば、二量体化又は三量体化を検出及び/又は定量化する。これは、例えば、少なくとも2つのCD137分子のクラスター化のために本明細書に例示される。
【0079】
ある特定の実施形態では、第1の細胞表面部分は、CD137であり、第2の細胞表面部分は、PD-L1である。
【0080】
HER2ホモ二量体、並びにHER1/HER2ヘテロ二量体、HER2/HER3ヘテロ二量体、HGF-c-Met複合体、HER3-PI3K複合体、PD-1-PD-L1複合体を測定するための方法は、本開示の一部ではない。
【0081】
したがって、本開示は、第1及び第2の細胞表面部分が、HER2、HER1及びHER2、HER2及びHER3、HGF及びc-Met、HER3及びPI3K、又はPD-1及びPD-L1ではないように、本明細書に記載されるように、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分を含む、少なくとも2つの細胞表面部分の試料中の発現を検出及び/又は定量化するための方法を提供する。
【0082】
本開示はまた、第1及び第2の細胞表面部分が、HER2、HER1及びHER2、HER2及びHER3、HGF及びc-Met、HER3及びPI3K、又はPD-1及びPD-L1ではないように、本明細書に記載されるように、試料における、第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分を含む、少なくとも2つの細胞表面部分のクラスター化の存在を検出及び/又は定量化して検出するための方法を提供する。
【0083】
本開示の方法のある特定の実施形態では、試料は、第1及び第2の細胞表面部分に結合する結合分子と接触する。これらは、アッセイ結合分子とも称される。
【0084】
本開示による方法のある特定の形式において、2つの結合分子が、各部分に対して使用される。本開示は、第1の結合分子及び第2の結合分子として第1の細胞表面部分に結合する2つの結合分子を指す。第2の細胞表面部分に結合する2つの結合分子は、本明細書において、第3の結合分子及び第4の結合分子と称される。これらの結合分子を参照する際に使用される番号は、結合分子が、結合特異性に関して、及び/又は有用なアッセイ形式の例の可視化を容易にするために、互いに異なることを示す。番号は、結合分子のうちの1つ以上の任意の特定の順序又は必要な存在を指すものではない。また、一次結合分子及び1つ以上の二次結合分子を使用する形式において、他の結合分子が、一次結合分子、すなわち、細胞表面部分に直接結合する結合分子と、二次結合分子、すなわち、分子タグ又は切断誘導部分を含む結合分子との間に存在してもよい。
【0085】
本開示による方法のある特定の形式において、第1の細胞表面部分に結合する2つの結合分子は、異なるエピトープに結合する結合分子であり、それらが、第1の細胞表面部分への互いの結合を妨げないように選択される。同様に、第2の細胞表面部分に結合する2つの結合分子は、異なるエピトープに結合する結合分子であり、それらが、第2の細胞表面部分への互いの結合を妨げないように選択される。第1、第2、第3、及び/又は第4の結合分子は、細胞表面部分の細胞外ドメインに結合することができるが、細胞表面部分の細胞内ドメインに結合することも可能である。これらの組み合わせも可能である。例えば、第1の細胞表面部分に結合する2つの結合分子は、その細胞外ドメインに向けられてもよく、一方、第2の細胞表面部分に結合する2つの結合分子は、その細胞内ドメインに結合してもよいか、又は第1の細胞表面部分に結合する結合分子の一方は、細胞外ドメインに結合してもよく、他方は、その細胞内ドメインに結合してもよく、第2の細胞表面部分に対して同じであるか、又は第1の細胞表面部分に結合する結合分子の一方は、細胞外ドメインに結合してもよく、他方は、その細胞内ドメインに結合してもよく、一方、第2の細胞表面部分に結合する両方の結合分子は、その細胞外若しくは細胞内ドメインに結合してもよいか、又はその逆であってもよい。
【0086】
ある特定の実施形態では、1つの一次結合分子が、各部分に対して使用される。本開示は、第1の結合分子及び第2の結合分子として第1の細胞表面部分及び第2の細胞表面部分に結合する2つの一次結合分子を指す。これらの結合分子を参照する際に使用される番号は、結合分子が、結合特異性に関して、及び/又は有用なアッセイ形式の例の可視化を容易にするために、互いに異なることを示す。番号は、結合分子のうちの1つ以上の任意の特定の順序又は必要な存在を指すものではない。また、これらは、本開示の他の実施形態に関して言及される第1及び第2の結合分子と同じであることを示すものではない。また、一次結合分子及び1つ以上の二次結合分子を使用する形式において、他の結合分子が、一次結合分子、すなわち、細胞表面部分に直接結合する結合分子と、二次結合分子、すなわち、分子タグ又は切断誘導部分を含む結合分子との間に存在してもよい。
【0087】
ある特定の実施形態では、第1及び第2の細胞表面部分に結合する2つの結合分子は、異なる細胞表面部分に結合する結合分子である。第1及び第2の結合分子は、細胞表面部分の細胞外ドメインに結合することができるが、細胞表面部分の細胞内ドメインに結合することも可能である。これらの組み合わせも可能である。例えば、第1の細胞表面部分に結合する結合分子は、その細胞外ドメインに結合してもよく、一方、第2の細胞表面部分に結合する結合分子は、その細胞内ドメインに結合してもよく、又はその逆であってもよい。
【0088】
本開示による方法のある特定の実施形態で使用される結合分子は、好ましくは、抗体、又はその抗原結合断片である。この文脈において、第1及び第2の細胞表面部分は、抗原とみなすことができる。抗原に特異的に結合する抗体、又はその抗原結合断片は、当該技術分野で公知であり、多数の異なる抗原に対して利用可能である。それらは市販されているか、又は容易に製造することができる。このような抗体、又はその抗原結合断片は、通常、抗原に結合するが、そうでなければ、例えば、抗原とそのリガンドとの間の相互作用を遮断するか、又は細胞殺傷活性を誘導するなどの生物学的機能を示さない。
【0089】
本開示による方法のある特定の形式において、各細胞表面部分に対する一次結合分子のうちの1つは、分子タグ又は切断誘導部分を含む。本開示の方法のある特定の形式において、一次結合分子のうちの一方は、分子タグを含み、他方は、切断誘導部分を含む。そのような分子タグ又は切断誘導部分は、当該技術分野の標準的な技法を使用して、一次結合分子、特に、抗体に結合させることができる。いくつかの場合、分子タグ又は切断誘導部分を、ある特定の結合分子に結合させることは困難であり得る。その場合、分子タグ又は切断誘導部分が結合する、二次結合分子、通常、抗体を使用することができる。分子タグ又は切断誘導部分を含む、このような二次結合分子は、典型的には、一次結合分子のFc領域に向けられ、一般に、市販されている。
【0090】
分子タグは、検出され得る、任意の分子部分、例えば、分子であり得る。ある特定の事例において、放出時に、分子部分は、測定可能なシグナルを提供する。分子タグは、それを他の部分と区別するその特性のうちの1つ以上に基づいて選択されてもよく、その特性は、電気泳動移動度、分子量、形状、溶解度、pKa、疎水性、電荷、電荷/質量比、及び極性を含むが、これらに限定されない。これらの特性のうちの少なくとも1つにおける差異は、単一の試料中で複数の細胞表面部分を測定するアッセイにおける分子タグの分離を可能にする。ある特定の実施形態では、分子タグは、検出部分、例えば、限定されないが、蛍光標識、発色標識、放射性標識、又は電気化学標識などを含む。例示的な蛍光色素には、以下の参考文献に開示されるように、水溶性ローダミン色素、フルオレセイン、4,7-ジクロロフルオレセイン、ベンゾキサンテン色素、及びエネルギー移動色素が含まれる:Handbook of Molecular Probes and Research Reagents,8th ed.(2002),Molecular Probes,Eugene,Oreg.、WO 2001/32783、米国特許出願公開第2002-0081616号、同第2002-0086985号、及びLee et al.,1997,Nucleic Acids Research 25:2816-2822。好適な分子タグの例には、VeraTag(登録商標)レポーター分子が含まれるが、これに限定されない。VeraTag(登録商標)レポーター分子は、当該技術分野において周知である。好ましい分子タグは、例えば、VeraTag(登録商標)レポーター分子Pro11及びPro125である。Pro11は、光放出可能タグの一例であり、Pro125は、DTT放出可能タグの一例である。他のVeraTag(登録商標)分子は、例えば、米国特許出願公開第2004-0166529号、同第2004-0126818号、同第2003-0013126号、同第2005-0079565号、及び同第2011-0180408号に記載されており、これらの各々及びそれらに引用される参考文献は、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0091】
切断誘導部分は、切断可能なリンカーを介して分子タグが結合している結合分子から分子タグの切断を直接的又は間接的に誘導することができる任意の部分であり得る。ある特定の実施形態では、切断誘導部分は、例えば、切断可能なリンカーを切断することができる活性種を産生する部分である。例示的な活性種には、一重項酸素、過酸化水素、NADH、及びヒドロキシルラジカル、フェノキシラジカル、スーパーオキシドなどが含まれる。酸化を引き起こす活性種の例示的なクエンチャーには、ポリエン、カロテノイド、ビタミンE、ビタミンC、チロシン、ヒスチジン及びグルタチオンのアミノ酸ピロールN-コンジュゲートが含まれる。例えば、Beutner et al.,2000,Meth.Enzymol.319:226-241を参照されたい。一例は、結合分子にコンジュゲートされたビオチンを、ストレプトアビジンコンジュゲートメチレンブルーと接触させ、光に曝露し、切断可能なリンカーを切断することができる一重項酸素の放出をもたらすものである。
【0092】
ある特定のアッセイ形式において、分子タグは、切断可能なリンカーを介して結合分子に結合される。切断可能なリンカーは、一重項酸素若しくは過酸化水素、又はDTTによって切断され得るリンカーを含むが、これらに限定されない、任意の切断可能なリンカーであり得る。DTTによって切断することができるリンカーは、SSリンカーである。切断可能な結合はまた、塩基不安定性結合、光切断可能な結合、還元により切断可能な結合、酸化により切断された結合、酸不安定性結合、及び特定のプロテアーゼにより切断可能なペプチド結合などの、反応混合物全体で作用する薬剤に対して不安定である結合を含み得る。多くのこのような結合を説明している参考文献には、Greene and Wuts,1991,Protective Groups in Organic Synthesis,Second Edition,John Wiley & Sons,New York、Hennanson,1996,Bioconjugate Techniques,Academic Press,New York、及び米国特許出願公開第2003-0119059が含まれる。
【0093】
結合分子からの分子タグの切断は、光誘導及びDTT媒介性放出の使用を含むが、これらに限定されない、当該技術分野で公知の方法によって誘導され得る。光誘導は、光によって活性化されるときに分子酸素を一重項酸素に変換する光吸収分子の活性化を誘導する。DTTを使用することによって切断を誘導することは、還元によって切断可能であり、分子タグを結合分子に連結するジスルフィドリンカーのDTT誘導切断を伴う。
【0094】
ある特定の実施形態では、本開示の方法で測定されるシグナルは、放出される分子タグの量である。本開示の方法のある特定の形式において、少なくとも2つの異なる分子タグが使用される。ある特定の実施形態では、これらは、分子量、形状、溶解度、pKa、疎水性、電荷、電荷/質量比、及び極性の差に基づく電気泳動又は方法を含むが、これらに限定されない、当該技術分野で公知の方法によって、検出前に分離され得る。検出方法は、分子タグに依存する。
【0095】
本開示の文脈において、「近接性」とは、結合した分子タグを含む結合分子、及び切断誘導部分を含む結合分子が、切断誘導部分によって誘導される分子タグの切断を可能にする距離内にあることを意味する。VeraTag(登録商標)アッセイでは、これは、約1000nmであり、好ましくは、互いの約20~200nm又は30~100nm以内である。近接性のための他の範囲は、使用される分子タグの性質に応じて適用され、当業者によって容易に決定することができ、市販のタグ、クエンチャー及びレポーター部分の供給者によって提供される情報である。本開示で特定の近接アッセイを適用するために当業者に必要な情報は、当該技術分野で入手可能である。例えば、Nathan P.2020,Assay Guidance Manual,Compound-Mediated Assay Interferences in Homogenous Proximity Assays(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、とりわけ、FRETアッセイにおいて使用され得るドナーフルオロフォア及びアクセプターフルオロフォアに関する情報を提供し、これには、ドナーフルオロフォアとアクセプターフルオロフォアとの間の最適な距離の説明が含まれる(例えば、表2及び3を参照されたい)。
【0096】
本開示による方法を使用して、単一試料中の2つの異なる細胞表面部分の共発現を測定することができる。それから得られた知識を使用して、患者の治療計画を決定することができる。例えば、2つの細胞表面部分が、患者の組織又は血液試料中で共発現される場合、これらの2つの細胞表面部分を標的とする薬剤又は複数の薬剤で患者を治療することを決定することができる。そのような状況の一例は、がん患者の腫瘍生検試料が、腫瘍細胞上で2つの腫瘍関連抗原の共発現を示す場合である。次いで、患者は、これらの腫瘍関連抗原に結合し、腫瘍関連抗原のシグナル伝達経路を妨げ、かつ/又はT細胞媒介性腫瘍細胞殺傷を誘導する1つ以上の薬剤で首尾よく治療され得る。患者の腫瘍試料が、そのような腫瘍関連抗原の共発現を示さない場合、患者がそのような治療から利益を得る可能性は低いと治療医師によって判断され得る。別の状況は、例えば、腫瘍生検が、腫瘍細胞上の腫瘍関連抗原、及び免疫エフェクター細胞上で発現された抗原の共発現を示す場合である。これは、例えば、T細胞及び/又はNK細胞などの免疫エフェクター細胞が、腫瘍微小環境中に存在することを示す。このような患者は、腫瘍細胞に近接して免疫細胞をもたらす、かつ/又は腫瘍細胞が、選択的に殺傷されるように免疫エフェクター細胞を活性化する薬剤による治療から利益を得ることができる。したがって、ある特定の実施形態では、本開示の方法は、2つの異なる細胞表面部分に結合する薬剤又は複数の薬剤による治療に対する、患者、好ましくは、がん患者の応答を予測するために使用され得る。
【0097】
2つの異なる細胞表面部分に結合する薬剤の例は、例えば、多重特異性抗体である。このような多重特異性抗体は、両方の細胞表面部分に同時に結合する、二重特異性若しくは三重特異性抗体、又はその抗原結合断片であり得る。このような多重特異性抗体は、多重特異性抗体が、各細胞表面部分について単一の抗原結合断片を含むように、両方の細胞表面部分に対して一価の結合を示すことができる。細胞表面部分は、本明細書に開示されるような第1及び第2の細胞表面部分のいずれかであり得る。
【0098】
2つの異なる細胞表面部分に結合し、本開示の方法が有用であることに関連する多重特異性抗体の具体例は、腫瘍細胞上のPD-L1及びT細胞上のCD137に結合する多重特異性抗体である。このような多重特異性抗体は、配列番号4、8、12、16、19、23、27、30、34、38、42、45、48、又は52のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR3(HCDR3)を含むCD137結合ドメインを含み得、それらの中で1、2、又は3個のアミノ酸置換が許容され得る。ある特定の実施形態では、CD137結合ドメインは、配列番号4、8、12、16、19、23、27、30、34、38、42、45、48、又は52のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR3(HCDR3)を含む。CD137結合ドメインは、配列番号2、6、10、14、18、21、25、32、36、40、44、若しくは50のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR1(HCDR1)を更に含んでもよく、それらの中で1、2、若しくは3個のアミノ酸置換を可能にし、かつ/又は配列番号3、7、11、15、22、26、29、33、37、41、47、若しくは51のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR2(HCDR2)を更に含んでもよく、それらの中で1、2、若しくは3個のアミノ酸置換を可能にする。ある特定の実施形態では、CD137結合ドメインは、配列番号2、6、10、14、18、21、25、32、36、40、44、若しくは50のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR1(HCDR1)、及び/又は配列番号3、7、11、15、22、26、29、33、37、41、47、若しくは51のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR2(HCDR2)を含んでもよい。HCDR1、HCDR2、及びHCDR3の任意の組み合わせが可能である。好ましいCD137結合ドメインは、配列番号2、配列番号3、及び配列番号4;配列番号6、配列番号7、及び配列番号8;配列番号10、配列番号11、及び配列番号12;配列番号14、配列番号15、及び配列番号16;配列番号18、配列番号3、及び配列番号19;配列番号21、配列番号22、及び配列番号23;配列番号25、配列番号26、及び配列番号27;配列番号10、配列番号29、及び配列番号30;配列番号32、配列番号33、及び配列番号34;配列番号36、配列番号37、及び配列番号38;配列番号40、配列番号41、及び配列番号42;配列番号44、配列番号41、及び配列番号45;配列番号2、配列番号47、及び配列番号48;又は配列番号50、配列番号52、及び配列番号52のHCDR1、HCDR2、及びHCDR3の組み合わせを含む。このような多重特異性抗体のCD137結合ドメインは、配列番号1、5、9、13、17、20、24、28、31、35、39、43、46、若しくは49のうちのいずれか1つを有するか、又はそれらのフレームワーク領域に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、若しくは99%、好ましくは、95%の配列同一性を有する重鎖可変領域を含み得る。ある特定の実施形態では、このような多重特異性抗体のCD137結合ドメインは、CH1ドメインも含む。任意のCH1ドメインを使用してもよい。好適なCH1ドメインの例は、配列番号116として提供されるアミノ酸配列によって提供される。
【0099】
多重特異性抗体は、配列番号56、58、61、72、76、80、84、88、91、95、99、102、又は106のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR3(HCDR3)を含むPD-L1結合ドメインを更に含んでもよく、それらの中で1、2、又は3個のアミノ酸置換を可能にする。ある特定の実施形態では、PD-L1結合ドメインは、配列番号56、58、61、72、76、80、84、88、91、95、99、102、又は106のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR3(HCDR3)を含む。PD-L1結合ドメインは、配列番号54、60、65、68、70、74、78、82、86、90、若しくは93のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR1(HCDR1)を更に含んでもよく、それらの中で1、2、若しくは3個のアミノ酸置換を可能にし、かつ/又は配列番号55、3、63、66、71、75、79、83、87、94、98、101、105、若しくは108のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR2(HCDR2)を更に含んでもよく、それらの中で1、2、若しくは3個のアミノ酸置換を可能にする。ある特定の実施形態では、PD-L1結合ドメインは、配列番号54、60、65、68、70、74、78、82、86、90、若しくは93のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR1(HCDR1)、及び/又は配列番号55、3、63、66、71、75、79、83、87、94、98、101、105、若しくは108のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR2(HCDR2)を含む。HCDR1、HCDR2、及びHCDR3の任意の組み合わせが可能である。好ましいPD-L1結合ドメインは、配列番号54、配列番号55、及び配列番号56;配列番号54、配列番号55、及び配列番号58;配列番号60、配列番号3、及び配列番号61;配列番号60、配列番号63、及び配列番号56;配列番号65、配列番号66、及び配列番号56;配列番号68、配列番号55、及び配列番号56;配列番号70、配列番号71、及び配列番号72;配列番号74、配列番号75、及び配列番号76;配列番号78、配列番号79、及び配列番号80;配列番号82、配列番号83、及び配列番号84;配列番号86、配列番号87、及び配列番号88;配列番号90、配列番号79、及び配列番号91;配列番号93、配列番号94、及び配列番号95;配列番号68、配列番号55、及び配列番号56;配列番号70、配列番号98、及び配列番号99;配列番号93、配列番号101、及び配列番号102;配列番号74、配列番号105、及び配列番号106;又は配列番号86、配列番号108、及び配列番号88のHCDR1、HCDR2、及びHCDR3の組み合わせを含む。このような多重特異性抗体のPD-L1結合ドメインは、配列番号53、57、59、62、64、67、69、73、77、81、85、89、92、96、97、100、103、104、若しくは107のうちのいずれか1つを有するか、又はそれらのフレームワーク領域に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、好ましくは、95%の配列同一性を有する重鎖可変領域を含み得る。ある特定の実施形態では、このような多重特異性抗体のPD-L1結合ドメインは、CH1ドメインも含む。任意のCH1ドメインを使用してもよい。好適なCH1ドメインの例は、配列番号116として提供されるアミノ酸配列によって提供される。
【0100】
ある特定の実施形態では、多重特異性抗体は、本明細書に開示されるCD137及びPD-L1結合ドメインの任意の組み合わせを含んでもよく、例えば、表1を参照されたい。このような多重特異性抗体の1つは、MCLA-145である。
【0101】
ある特定の実施形態では、多重特異性抗体は、任意の軽鎖を更に含んでもよい。好適な軽鎖の例は、配列番号113に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3(LCDR3)を含み、それらの中で1、2、又は3個のアミノ酸置換を可能にする軽鎖可変領域を含む。特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号113に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3(LCDR3)を含む。軽鎖可変領域は、配列番号111に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1(LCDR1)を更に含んでもよく、それらの中で1、2、若しくは3個のアミノ酸置換を可能にし、かつ/又は配列番号112に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2(LCDR2)を更に含んでもよく、それらの中で1、2、若しくは3個のアミノ酸置換を可能にする。特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号111に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1(LCDR1)、及び/又は配列番号112に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2(LCDR2)を含む。多重特異性抗体の軽鎖可変領域は、配列番号110を有するか、又はそのフレームワーク領域に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、99%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含み得る。ある特定の実施形態では、このような多重特異性抗体の軽鎖は、CLドメインも含む。任意のCLドメインを使用してもよい。好適なCLドメインの例は、配列番号115として提供されるアミノ酸配列によって提供される。
【0102】
ある特定の実施形態では、多重特異性抗体は、Fc領域又はその一部を更に含んでもよい。このようなFc領域は、例えば、限定されないが、Fcエフェクター機能を除去若しくは低減させるための修飾、及び/又は異なるCH3ドメインのヘテロ二量体化を促進する修飾などの、当該技術分野で公知の任意の修飾を含み得る。任意のFc領域を使用してもよい。好適なFc領域の例は、配列番号116~120として提供されるアミノ酸配列によって提供される。
【0103】
本開示による方法は、単一の試料中の少なくとも2つの異なる細胞表面部分のクラスター化を検出するために使用することができ、特に、クラスター化が、少なくとも2つの異なる細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤によって誘導される場合、本開示に従って使用することができる。それから得られた知識を使用して、患者が、2つの異なる細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤による治療から利益を得ているかどうか、したがって、治療を継続するか、適応させるか、又は終了するかどうかを決定することができる。例えば、治療剤が投与されるが、クラスター化が観察されない場合、又はある特定の閾値レベル未満である場合、治療を終了すると決定することができる。又はいくつかのクラスター化が観察されるが、所望のレベルではない場合、治療用量及び/若しくは治療間隔を増加させることを決定することができる。したがって、ある特定の実施形態では、本開示による方法は、特定の治療に対する患者の応答をモニタリングする方法とみなすことができる。
【0104】
2つの異なる細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤の例は、例えば、多重特異性抗体である。このような多重特異性抗体は、両方の細胞表面部分に同時に結合する、二重特異性若しくは三重特異性抗体、又はその抗原結合断片であり得る。このような多重特異性抗体は、多重特異性抗体が、各細胞表面部分について単一の抗原結合断片を含むように、両方の細胞表面部分に対して一価の結合を示すことができる。本開示の方法は、2つ以上の細胞表面部分が、それらの2つ以上の細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤によってクラスター化される任意の状況で使用することができる。したがって、2つの異なる細胞表面部分に対する結合特異性を有する薬剤は、本明細書に開示されるものなどの任意の細胞表面部分に結合することができるが、これらに限定されない。
【0105】
2つの異なる細胞表面部分に結合し、本開示の方法が有用であることに関連する多重特異性抗体の具体例は、腫瘍細胞上のPD-L1及びT細胞上のCD137に結合する多重特異性抗体である。このような多重特異性抗体は、配列番号4、8、12、16、19、23、27、30、34、38、42、45、48、又は52のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR3(HCDR3)を含むCD137結合ドメインを含んでもよく、それらの中で1、2、又は3個のアミノ酸置換を可能にする。ある特定の実施形態では、CD137結合ドメインは、配列番号4、8、12、16、19、23、27、30、34、38、42、45、48、又は52のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR3(HCDR3)を含む。CD137結合ドメインは、配列番号2、6、10、14、18、21、25、32、36、40、44、若しくは50のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR1(HCDR1)を更に含んでもよく、それらの中で1、2、若しくは3個のアミノ酸置換を可能にし、かつ/又は配列番号3、7、11、15、22、26、29、33、37、41、47、若しくは51のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR2(HCDR2)を更に含んでもよく、それらの中で1、2、若しくは3個のアミノ酸置換を可能にする。ある特定の実施形態では、CD137結合ドメインは、配列番号2、6、10、14、18、21、25、32、36、40、44、若しくは50のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR1(HCDR1)、及び/又は配列番号3、7、11、15、22、26、29、33、37、41、47、若しくは51のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR2(HCDR2)を含む。HCDR1、HCDR2、及びHCDR3の任意の組み合わせが可能である。好ましいCD137結合ドメインは、配列番号2、配列番号3、及び配列番号4;配列番号6、配列番号7、及び配列番号8;配列番号10、配列番号11、及び配列番号12;配列番号14、配列番号15、及び配列番号16;配列番号18、配列番号3、及び配列番号19;配列番号21、配列番号22、及び配列番号23;配列番号25、配列番号26、及び配列番号27;配列番号10、配列番号29、及び配列番号30;配列番号32、配列番号33、及び配列番号34;配列番号36、配列番号37、及び配列番号38;配列番号40、配列番号41、及び配列番号42;配列番号44、配列番号41、及び配列番号45;配列番号2、配列番号47、及び配列番号48;又は配列番号50、配列番号52、及び配列番号52のHCDR1、HCDR2、及びHCDR3の組み合わせを含む。このような多重特異性抗体のCD137結合ドメインは、配列番号1、5、9、13、17、20、24、28、31、35、39、43、46、若しくは49のうちのいずれか1つを有するか、又はそれらのフレームワーク領域に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、若しくは99%、好ましくは、95%の配列同一性を有する重鎖可変領域を含み得る。ある特定の実施形態では、このような多重特異性抗体のCD137結合ドメインは、CH1ドメインも含む。任意のCH1ドメインを使用してもよい。好適なCH1ドメインの例は、配列番号116として提供されるアミノ酸配列によって提供される。
【0106】
多重特異性抗体は、配列番号56、58、61、72、76、80、84、88、91、95、99、102、又は106のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR3(HCDR3)を含むPD-L1結合ドメインを更に含んでもよく、それらの中で1、2、又は3個のアミノ酸置換を可能にする。ある特定の実施形態では、PD-L1結合ドメインは、配列番号56、58、61、72、76、80、84、88、91、95、99、102、又は106のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR3(HCDR3)を含む。PD-L1結合ドメインは、配列番号54、60、65、68、70、74、78、82、86、90、若しくは93のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR1(HCDR1)を更に含んでもよく、それらの中で1、2、若しくは3個のアミノ酸置換を可能にし、かつ/又は配列番号55、3、63、66、71、75、79、83、87、94、98、101、105、若しくは108のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR2(HCDR2)を更に含んでもよく、それらの中で1、2、若しくは3個のアミノ酸置換を可能にする。ある特定の実施形態では、PD-L1結合ドメインは、配列番号54、60、65、68、70、74、78、82、86、90、若しくは93のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR1(HCDR1)、及び/又は配列番号55、3、63、66、71、75、79、83、87、94、98、101、105、若しくは108のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR2(HCDR2)を含む。HCDR1、HCDR2、及びHCDR3の任意の組み合わせが可能である。好ましいPD-L1結合ドメインは、配列番号54、配列番号55、及び配列番号56;配列番号54、配列番号55、及び配列番号58;配列番号60、配列番号3、及び配列番号61;配列番号60、配列番号63、及び配列番号56;配列番号65、配列番号66、及び配列番号56;配列番号68、配列番号55、及び配列番号56;配列番号70、配列番号71、及び配列番号72;配列番号74、配列番号75、及び配列番号76;配列番号78、配列番号79、及び配列番号80;配列番号82、配列番号83、及び配列番号84;配列番号86、配列番号87、及び配列番号88;配列番号90、配列番号79、及び配列番号91;配列番号93、配列番号94、及び配列番号95;配列番号68、配列番号55、及び配列番号56;配列番号70、配列番号98、及び配列番号99;配列番号93、配列番号101、及び配列番号102;配列番号74、配列番号105、及び配列番号106;又は配列番号86、配列番号108、及び配列番号88のHCDR1、HCDR2、及びHCDR3の組み合わせを含む。このような多重特異性抗体のPD-L1結合ドメインは、配列番号53、57、59、62、64、67、69、73、77、81、85、89、92、96、97、100、103、104、若しくは107のうちのいずれか1つを有するか、又はそれらのフレームワーク領域に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、好ましくは、95%の配列同一性を有する重鎖可変領域を含み得る。ある特定の実施形態では、このような多重特異性抗体のPD-L1結合ドメインは、CH1ドメインも含む。任意のCH1ドメインを使用してもよい。好適なCH1ドメインの例は、配列番号116として提供されるアミノ酸配列によって提供される。
【0107】
ある特定の実施形態では、多重特異性抗体は、本明細書に開示されるCD137及びPD-L1結合ドメインの任意の組み合わせを含んでもよく、例えば、表1を参照されたい。このような多重特異性抗体の1つは、MCLA-145である。
【0108】
ある特定の実施形態では、多重特異性抗体は、任意の軽鎖を更に含んでもよい。好適な軽鎖の例は、配列番号113に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3(LCDR3)を含み、それらの中で1、2、又は3個のアミノ酸置換を可能にする軽鎖可変領域を含む。特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号113に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3(LCDR3)を含む。軽鎖可変領域は、配列番号111に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1(LCDR1)を更に含んでもよく、それらの中で1、2、若しくは3個のアミノ酸置換を可能にし、かつ/又は配列番号112に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2(LCDR2)を更に含んでもよく、それらの中で1、2、若しくは3個のアミノ酸置換を可能にする。特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号111に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1(LCDR1)、及び/又は配列番号112に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2(LCDR2)を含む。多重特異性抗体の軽鎖可変領域は、配列番号110を有するか、又はそのフレームワーク領域に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、99%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含み得る。ある特定の実施形態では、このような多重特異性抗体の軽鎖は、CLドメインも含む。任意のCLドメインを使用してもよい。好適なCLドメインの例は、配列番号115として提供されるアミノ酸配列によって提供される。
【0109】
ある特定の実施形態では、多重特異性抗体は、Fc領域、又はその一部を更に含んでもよい。このようなFc領域は、例えば、限定されないが、Fcエフェクター機能を除去若しくは低減させるための修飾、及び/又は異なるCH3ドメインのヘテロ二量体化を促進する修飾などの、当該技術分野で公知の任意の修飾を含み得る。任意のFc領域を使用してもよい。好適なFc領域の例は、配列番号116~120として提供されるアミノ酸配列によって提供される。
【表1-1】
【表1-2】
【0110】
本明細書で使用される場合、「含む」及びその活用は、その単語の前の項目が含まれることを意味するようにその非限定的な意味で使用されるが、具体的に言及されていない項目は除外されない。
【0111】
冠詞「a」及び「an」は、冠詞の文法的対象の1つ又は1つより多く(すなわち、少なくとも1つ)を指すために本明細書で使用される。例として、「要素」は、1つの要素又は1つより多い要素を意味する。
【0112】
本明細書における特許文献又は他の事項への言及は、その文献若しくは事項が知られていたこと、又はそれに含まれる情報が、請求項のいずれかの優先日における共通の一般的な知識の一部であったことを認めるものとはみなされない。
【0113】
本明細書で引用される全ての特許及び文献の参照は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0114】
本開示は、以下の実施例に例示される。これらの実施例は、本開示の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0115】
実施例1-VeraTag(登録商標)アッセイのための細胞ペレットの調製
T75フラスコを、PBS中の2μg/mLの抗CD3(クローンOKT3、eBioscience、カタログ番号16-0037-85)で一晩コーティングした。次に、CD137を発現するJurkat T細胞(Jurkat_CD137K)を、50mLの培地(9%のFBS-HI RPMI 1640、2mMのL-グルタミン)中に1.8×106細胞/mLの濃度で添加し、37℃で4時間インキュベートした。次いで、Jurkat細胞を、50mLの培地中で0.45×106細胞/mLの濃度でPD-L1を発現するCHO-K1細胞(CHO-PD-L1)と共培養した(JurkatからCHO)。細胞を4時間相互作用させ、次いでCD137及びPD-L1に結合する二重特異性抗体、抗CD137陽性対照抗体、又はRSVに結合する陰性対照抗体(10μg/mL)を、更に2時間添加した。次いで、細胞を、再懸濁及び擦り取ることによってフラスコから収集し、以下のように固定した:1,200rpm(125×g)、4℃で10分間遠心分離した後、培地を注ぎ出し、細胞ペレットをほぐし、氷冷PBS中に再懸濁した。遠心分離を2回繰り返し、これによりPBSを注ぎ出し、細胞ペレットをボルテックスによってほぐした。2回目の洗浄後、ペレットを、30mLの10%中性緩衝ホルマリン(10%のNBF、カタログ番号5701、Thermo Fisher Scientific)中に再懸濁し、4℃で一晩穏やかに回転させた。1,500rpm、4℃で10分間遠心分離した後、ホルマリンを除去し、細胞ペレットを、25×106細胞/mLで80%エタノール中に再懸濁し、4℃で保存した後、前述のように処理した(Shi et al、2009)。
【0116】
CD137及びPD-L1に結合する好適な二重特異性抗体は、例えば、本明細書に具体的に開示されているものである。
【0117】
実施例2-PD-L1発現VeraTag(登録商標)アッセイ
実施例1で調製した細胞ペレットを、このアッセイに使用した。4.5×105個の細胞を、正荷電スライドガラス(FisherScientific)上に置き、以下に簡潔に記載されるようにVeraTag(登録商標)技術を使用して分析した。
【0118】
抗原回復を、圧力鍋(Biocare Medical)を使用して加熱により行った。抗原回復後、抗体対を添加し、DTT媒介性の放出された蛍光VeraTagsを、キャピラリー電気泳動によって検出した。放出されたVeraTagsを、試料緩衝体積に正規化して、4.5×105個の細胞当たりの相対蛍光の単位を得た。
【0119】
使用した抗体は、ジスルフィド結合を介して蛍光VeraTag(登録商標)レポーターで標識した、抗PD-L1ウサギmAb E1L3N(Cell Signaling Technology cat#13684)及びヤギ抗ウサギIgG(H+L)(Southern Biotech cat#4052-01)のペプシン消化物であった。アイソタイプ対照実験において、PD-L1抗体は、ウサギIgG(Cell Signaling Technology cat#3900)に置き換えられる。
【0120】
結果を
図9に示す。VeraTag(登録商標)アッセイは、PD-L1の発現レベルを検出するための好適な手段のようである。PD-L1の同様の量を、3つ全ての試料中で測定した。
【0121】
実施例3-CD137発現VeraTag(登録商標)アッセイ
実施例1で調製した細胞ペレットを、このアッセイに使用した。4.5×105個の細胞を、正荷電スライドガラス(FisherScientific)上に置き、以下に簡潔に記載されるようにVeraTag(登録商標)技術を使用して分析した。
【0122】
抗原回復を、圧力鍋(Biocare Medical)を使用して加熱により行った。抗原回復後、抗体対を添加し、DTT媒介性の放出された蛍光VeraTagsを、キャピラリー電気泳動によって検出した。放出されたVeraTagsを、試料緩衝体積に正規化して、4.5×105個の細胞当たりの相対蛍光の単位を得た。
【0123】
2つの異なる一次抗体を評価した:抗CD137マウスmAb M127(BD Pharmingen cat#552532)及び抗CD137マウスmAb BBK2(ThermoFisher cat#MS-621)。VeraTagにコンジュゲートしたヤギ抗マウスIgG二次抗体(Jackson Immuno Research cat#115-005-146)を、一次抗体と対合した。アイソタイプ対照実験において、CD137抗体は、マウスIgG(BD Pharmingen cat#554121)によって置き換えられる。
【0124】
結果を
図10に示す。VeraTag(登録商標)アッセイは、CD137の発現レベルを検出するための好適な手段のようである。同様の量のCD137を、両方の一次アッセイ抗体について、3つ全ての試料中で測定した。
【0125】
実施例4-CD137クラスター化VeraTag(登録商標)アッセイ
実施例1で調製した細胞ペレットを、このアッセイに使用した。4.5×105個の細胞を、正荷電スライドガラス(FisherScientific)上に置き、以下に簡潔に記載されるようにVeraTag(登録商標)技術を使用して分析した。
【0126】
抗原回復を、圧力鍋(Biocare Medical)を使用して加熱により行った。抗原回復後、抗体対を添加し、放出された蛍光VeraTagsを、キャピラリー電気泳動によって検出した。放出されたVeraTagsを、試料緩衝体積に正規化して、4.5×105個の細胞当たりの相対蛍光の単位を得た。
【0127】
2つの異なる一次抗体を評価した:抗CD137マウスmAb M127(BD Pharmingen cat#552532)及び抗CD137マウスmAb BBK2(ThermoFisher cat#MS-621)。等濃度の抗CD137抗体を、蛍光VeraTagレポーター又はビオチンのいずれかで標識した。
【0128】
結果を
図11に示す。VeraTag(登録商標)アッセイは、CD137のクラスター化を検出するための好適な手段のようである。VeraTag(登録商標)シグナルは、BBK抗体を一次アッセイ抗体として使用する場合、M127抗体と比較してより強力に現れる。
【0129】
実施例5-CD137-PD-L1近接VeraTag(登録商標)アッセイ
実施例1で調製した細胞ペレットを、このアッセイに使用した。4.5×105個の細胞を、正荷電スライドガラス(FisherScientific)上に置き、以下に簡潔に記載されるようにVeraTag(登録商標)技術を使用して分析した。
【0130】
抗原回復を、圧力鍋(Biocare Medical)を使用して加熱により行った。抗原回復後、抗体対を添加し、放出された蛍光VeraTagsを、キャピラリー電気泳動によって検出した。放出されたVeraTagsを、試料緩衝体積に正規化して、4.5×105個の細胞当たりの相対蛍光の単位を得た。
【0131】
CD137-PD-L1近接性は、抗CD137マウスmAb M127(BD Pharmingen cat#552532、外部ドメイン)、又は抗PD-L1ウサギmAb E1L3N(Cell Signaling Technology cat#13684、c末端)及びビオチン化ヤギ抗ウサギIgG二次抗体(Rockland Immunochemicals cat#611-101-122)と対合したマウスmAb BBK2(ThermoFisher cat#MS-621、外部ドメイン)からのVeraTagレポーターの近接性依存的放出によって測定した。アイソタイプ対照実験において、PD-L1抗体を、ウサギIgG(Cell Signaling Technology cat#3900)に置き換えた。結果を
図12に示す。VeraTag(登録商標)アッセイは、CD137-PD-L1複合体を検出するための好適な手段のようである。試料Bは、両方の一次アッセイ抗体について最も強いVeraTagシグナルを示す。これは、CD137×PD-L1二重特異性抗体が、CD137及びPD-L1に同時に結合し、これらの抗原、したがって、これらの抗原を発現する細胞をクラスター化することを示す。
【0132】
配列
配列番号1:重鎖可変領域
QVQLVQSGSELKKPGASVKVSCKASGYTFTNFAMNWVRRAPGQGLEWMGWINTNTGNPTYAQGFTGRFVFSLDTSVNTAYLQISSLKAEDTAVYYCARDWGVIGGHYMDVWGKGTTVTVSS
配列番号:2:配列番号1からのKABATによるHCDR1
NFAMN
配列番号3:配列番号1からのKABATによるHCDR2
WINTNTGNPTYAQGFTG
配列番号4:配列番号1からのKABATによるHCDR3
DWGVIGGHYMDV
配列番号5:重鎖可変領域
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYGISWVRQAPGQGLEWMGWISAYNGNTNYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARDSDGYGPKAFDYWGQGTLVTVSS
配列番号6:配列番号5からのKABATによるHCDR1
SYGIS
配列番号7:配列番号5からのKABATによるHCDR2
WISAYNGNTNYAQKLQG
配列番号8:配列番号5からのKABATによるHCDR3
DSDGYGPKAFDY
配列番号9:重鎖可変領域
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPDDSDTRYSPSFQGQVTISADKSSSTAYLQWSSLKASDTAMYYCASFYTGIVGATGAFDVWGQGTTVTVSS
配列番号10:配列番号9からのKABATによるHCDR1
SYWIG
配列番号11:配列番号9からのKABATによるHCDR2
IIYPDDSDTRYSPSFQG
配列番号12:配列番号9からのKABATによるHCDR3
FYTGIVGATGAFDV
配列番号13:重鎖可変領域
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSDAISWVRQAPGQGLEWMGGMIPILGTANYAQKFQGRVTITADRSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCVRGATYYYGSGTYYSINWFDPWGQGTLVTVSS
配列番号14:配列番号13からのKABATによるHCDR1
SDAIS
配列番号15:配列番号13からのKABATによるHCDR2
GMIPILGTANYAQKFQG
配列番号16:配列番号13からのKABATによるHCDR3
GATYYYGSGTYYSINWFDP
配列番号17:重鎖可変領域
QVQLVQSGSELKKPGASVKVSCRASGYTFTNFAMTWVRQAPGQGPEYMGWINTNTGNPTYAQGFTGRFVFSLDTSVNTAYLQISSLKAEDTAVYYCARDWASVMVRGDLDYWGQGTLVTVSS
配列番号18:配列番号17からのKABATによるHCDR1
NFAMT
配列番号19:配列番号17からのKABATによるHCDR3
DWASVMVRGDLDY
配列番号20:重鎖可変領域
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKVSGYTLSELSIHWVRQAPGKGVEWMGGFYPEDVEPIYARKFQGRVTMTEDTSTDTAYMELNSLRSEDTAVYYCAAEGFDNYGSGIRGNWFDPWGQGTLVTVSS
配列番号21:配列番号20からのKABATによるHCDR1
ELSIH
配列番号22:配列番号20からのKABATによるHCDR2
GFYPEDVEPIYARKFQG
配列番号23:配列番号20からのKABATによるHCDR3
EGFDNYGSGIRGNWFDP
配列番号24:重鎖可変領域
EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKVSGYTLTELSMHWVRQSPGKGLEWMGSFYPEDGETIYAQKFQGRITMTEDTSADTAYMELSSLRSEDTAVYYCATEGVGVIRGNWFDPWGQGTLVTVSS
配列番号25:配列番号24からのKABATによるHCDR1
ELSMH
配列番号26:配列番号24からのKABATによるHCDR2
SFYPEDGETIYAQKFQG
配列番号27:配列番号24からのKABATによるHCDR3
EGVGVIRGNWFDP
配列番号:28:重鎖可変領域
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGIIFPDDSDTRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKPSDTAMYYCVRLGGYSGYAEDFVDFWGQGTLVTVSS
配列番号29:配列番号28からのKABATによるHCDR2
IIFPDDSDTRYSPSFQG
配列番号30:配列番号28からのKABATによるHCDR3
LGGYSGYAEDFVDF
配列番号31:重鎖可変領域
EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKVSGYTLTKLSMHWVRQAPGKGLEWMGGFEPEDGETINAQKFQGRVTMTEDTSTDTAYMELSSLRSEDTAVYYCATDLRLGASYYYSYMDVWGRGTMVTVSS
配列番号32:配列番号31からのKABATによるHCDR1
KLSMH
配列番号33:配列番号31からのKABATによるHCDR2
GFEPEDGETINAQKFQG
配列番号34:配列番号31からのKABATによるHCDR3
DLRLGASYYYSYMDV
配列番号35:重鎖可変領域
QITLKESGPTLVKPTQTLTLSCTFSGFSLSTSGMSVGWIRQPPGKALEWLALIYWNDDKYFSPSLKSRLTITKDTSKNQVVLTLTNMDPVDTATYYCAHTLWGSDDVFDVWGQGTMVTVSS
配列番号36:配列番号35からのKABATによるHCDR1
TSGMSVG
配列番号37:配列番号35からのKABATによるHCDR2
LIYWNDDKYFSPSLKS
配列番号38:配列番号35からのKABATによるHCDR3
TLWGSDDVFDV
配列番号39:重鎖可変領域
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKVSGYSFTNYWIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGDSDTRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWHTLKASDTAMYYCARHQGYSFSGSHIDDYWGQGTLVTVSS
配列番号40:配列番号39からのKABATによるHCDR1
NYWIG
配列番号41:配列番号39からのKABATによるHCDR2
IIYPGDSDTRYSPSFQG
配列番号42:配列番号39からのKABATによるHCDR3
HQGYSFSGSHIDDY
配列番号43:重鎖可変領域
EVQLVQSGAEVRKPGESLKISCKGSGYSFTTYWIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGDSDTRYSPSFQGQVTISADKSISTVYLQWSSLKASDTAMYYCARHAGFIITSQNIDDYWGQGTLVTVSS
配列番号44:配列番号43からのKABATによるHCDR1
TYWIG
配列番号45:配列番号43からのKABATによるHCDR3
HAGFIITSQNIDDY
配列番号46:重鎖可変領域
EVQLVQSGSELKKPGASVKVSCKASGYTFTNFAMNWVRQAPGQGLEWMGWINTNTGNPTYAQDFTGRFVFSLDTSGNTAYLQISSLKAEDTAVYYCARDWGLVAIGYFDYWGQGTLVTVSS
配列番号47:配列番号46からのKABATによるHCDR2
WINTNTGNPTYAQDFTG
配列番号48:配列番号46からのKABATによるHCDR3
DWGLVAIGYFDY
配列番号49:重鎖可変領域
QITLKESGPTLVKPTQTLTLTCTFSGFSLSTTGVGVNWIRQPPGEALEWLALIYWNDDTYYSPSLKSRLTITKDTSKNQVVLTMTNMDPVDTATYYCAHEGIIGFLGGNWFDPWGQGTLVTVSS
配列番号50:配列番号49からのKABATによるHCDR1
TTGVGVN
配列番号51:配列番号49からのKABATによるHCDR2
LIYWNDDTYYSPSLKS
配列番号52:配列番号49からのKABATによるHCDR3
EGIIGFLGGNWFDP
配列番号53:重鎖可変領域
QVQLVQSGSELKKPGASVKVSCKASGYTFTSHAMNWVRQAPGQGLEWMGWINPNTGNPTYAQGFTGRFVFSLDTSVSTAYLQISSLKAEDTAVYYCARDRKYVTNWVFAEDFQHWGQGTLVTVSS
配列番号54:配列番号53からのKABATによるHCDR1
SHAMN
配列番号55:配列番号53からのKABATによるHCDR2
WINPNTGNPTYAQGFTG
配列番号56:配列番号53からのKABATによるHCDR3
DRKYVTNWVFAEDFQH
配列番号57:重鎖可変領域
QVQLVQSGSELKKPGASVKVSCKASGYTFTSHAMNWVRQAPGQGLEWMGWINPNTGNPTYAQGFTGRFVFSLDTSVSTAYLQISSLKAEDTAVYYCAIDRGYMSNWVFAEYFPHWGQGTLVTVSS
配列番号58:配列番号57からのKABATによるHCDR3
DRGYMSNWVFAEYFPH
配列番号59:重鎖可変領域
QVQLVQSGSELKKPGASVKVSCKASGYTFTSYAMNWVRQAPGQGLEWMGWINTNTGNPTYAQGFTGRFVFSLDTSVSTAYLQISSLKAEDTAVYYCATDRGYISSWVFAEDFQHWGQGTLVTVSS
配列番号60:配列番号59からのKABATによるHCDR1
SYAMN
配列番号61:配列番号59からのKABATによるHCDR3
DRGYISSWVFAEDFQH
配列番号62:重鎖可変領域
QVQLVQSGSELKKPGASVKVSCTASGYTFTSYAMNWVRQAPGQRLEWMACVNPNTGSPTYAQGSTGRFVVSLDTSVSTAYLQISSLKAEDTAVYYCARDRKYVTNWVFAEDFQHWGHGTLVTVSS
配列番号:63:配列番号62からのKABATによるHCDR2
CVNPNTGSPTYAQGSTG
配列番号64:重鎖可変領域
QVQLVQSGSELKKPGASVKVSCKASGYTFTNYAMNWVRQAPGQGLEWMGWMNPNTGNPTYAQGSTGRFVVSLDTSVSTAYLQISSLKAEDTAVYYCARDRKYVTNWVFAEDFQHWGRGTLVTVSS
配列番号65:配列番号64からのKABATによるHCDR1
NYAMN
配列番号66:配列番号64からのKABATによるHCDR2
WMNPNTGNPTYAQGSTG
配列番号67:重鎖可変領域
QVQLVQSGSELKKPGASVKVSCKASGYTFTNYAINWVRQAPGQGLEWMGWINPNTGNPTYAQGFTGRFVFSLDTSVSTAYLQISSLKAEDTAVYYCARDRKYVTNWVFAEDFQHWGRGTLVTVSS
配列番号68:配列番号67からのKABATによるHCDR1
NYAIN
配列番号69:重鎖可変領域
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGDTFNTYSITWVRQAPGQGLEWMGSIVPIFGTINNAQKFQGRVTITADKSANTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDNTMVRGVDYYYMDVWGKGTMVTVSS
配列番号70:配列番号69からのKABATによるHCDR1
TYSIT
配列番号71:配列番号69からのKABATによるHCDR2
SIVPIFGTINNAQKFQG
配列番号72:配列番号69からのKABATによるHCDR3
DNTMVRGVDYYYMDV
配列番号73:重鎖可変領域
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGIFSTYAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFDTPNYAQKFQGRVTITADKSTSTAYMDLSSLRSEDTAVYYCAKNVRGYSAYDLDYWGQGTLVTVSS
配列番号74:配列番号73からのKABATによるHCDR1
TYAIS
配列番号75:配列番号73からのKABATによるHCDR2
GIIPIFDTPNYAQKFQG
配列番号76:配列番号73からのKABATによるHCDR3
NVRGYSAYDLDY
配列番号77:重鎖可変領域
EVQLVQSGAEVKNPGSSVKVSCKATGGTFNTYGTNWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGTANYAQKFQGRVTITADKSTTTAYMEVSSLRSEDTAVYYCARGGADMGTLDYWGQGTLVTVSS
配列番号78:配列番号77からのKABATによるHCDR1
TYGTN
配列番号79:配列番号77からのKABATによるHCDR2
GIIPIFGTANYAQKFQG
配列番号80:配列番号77からのKABATによるHCDR3
GGADMGTLDY
配列番号81:重鎖可変領域
EVQLVQSGAEVMRPGSSVKVSCKASGGIFNTYTIIWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFDTPNFAQKFQGRLTITADKSTNTAYMELTSLRSEDTAVYYCAREGCNHGVCYPYWGQGTLVTVSS
配列番号82:配列番号81からのKABATによるHCDR1
TYTII
配列番号83:配列番号81からのKABATによるHCDR2
GIIPIFDTPNFAQKFQG
配列番号84:配列番号81からのKABATによるHCDR3
EGCNHGVCYPY
配列番号85:重鎖可変領域
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGDTFRSYGITWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGTTNYAQKFQGRVTITADKSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARRRGYSNPHWLDPWGQGTLVTVSS
配列番号86:配列番号85からのKABATによるHCDR1
SYGIT
配列番号87:配列番号85からのKABATによるHCDR2
GIIPIFGTTNYAQKFQG
配列番号88:配列番号85からのKABATによるHCDR3
RRGYSNPHWLDP
配列番号89:重鎖可変領域
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSTYGILWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGTANYAQKFQGRVTITADISTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGGGNYYEFVYWGQGTLVTVSS
配列番号90:配列番号89からのKABATによるHCDR1
TYGIL
配列番号91:配列番号89からのKABATによるHCDR3
GGGNYYEFVY
配列番号92:重鎖可変領域
EVQLVQSGAEVKKPGSSVRVSCKASGGTFNTYAINWVRQAPGQGLEWVGRIIPIFDTANYAQKFQGRVTISADKSTTTAYMELSSLRSEDTAVFYCAKDETGYSSSNFQHWGQGTLVTVSS
配列番号93:配列番号92からのKABATによるHCDR1
TYAIN
配列番号94:配列番号92からのKABATによるHCDR2
RIIPIFDTANYAQKFQG
配列番号95:配列番号92からのKABATによるHCDR3
DETGYSSSNFQH
配列番号96:重鎖可変領域
QVQLVQSGSELKKPGASVKVSCKASGYTFTNYAINWVRQAPGQGLEWMGWINPNTGNPTYAQGFTGRFVFSLDTSVSTAYLQISSLKAEDTAVYYCARDRKYVTNWVFAEDFQHWGQGTLVTVSS
配列番号97:重鎖可変領域
QVQLVQSGAEVKRPGSSVKVSCKASGGTFNTYSITWVRQAPGQGLEWMGGIIPVFGTSKYAQKFQDRVTITADKSTNTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDPSFSSSSGWFDPWGQGTLVTVSS
配列番号98:配列番号97からのKABATによるHCDR2
GIIPVFGTSKYAQKFQD
配列番号99:配列番号97からのKABATによるHCDR3
DPSFSSSSGWFDP
配列番号100:重鎖可変領域
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFNTYAINWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFDTANYAQRFQGRVTITADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYFCAKDQTGYSSTLFDYWGQGTLVTVSS
配列番号101:配列番号100からのKABATによるHCDR2
GIIPIFDTANYAQRFQG
配列番号102:配列番号100からのKABATによるHCDR3
DQTGYSSTLFDY
配列番号103:重鎖可変領域
QVQLVQSGSELKKPGASVKVSCKASGYTFTSHAMNWVRQAPGQGLEWMGWINPNTGNPTYAQGFTGRFVFSLDTSVSTAYLQISSLKAEDTAVYYCAIDRGYMSNWVFAEYFPHWGQGTLVTVSS
配列番号104:重鎖可変領域
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSTYAISWVRQAPGQGLEWMGWIIPIFDTGNYAQKIQGRVTITADKSTSTAYMELTSLRSEDTAVYYCARHDYTNTVDAFDIWGQGTMVTVSS
配列番号105:配列番号104からのKABATによるHCDR2
WIIPIFDTGNYAQKIQG
配列番号106:配列番号104からのKABATによるHCDR3
HDYTNTVDAFDI
配列番号107:重鎖可変領域
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGDTFRSYGITWVRQAPGQGLEWMGGIIPVFGTTNYAQKFQGRVTITADKSTSTVFMELNSLRSEDTAVYYCARRRGYSNPHWLDPWGQGTLVTVSS
配列番号108:配列番号107からのKABATによるHCDR2
GIIPVFGTTNYAQKFQG
配列番号109:ヒト共通軽鎖IGKV1-39/jk1のアミノ酸配列
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPPTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号110:共通軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPPTFGQGTKVEIK
配列番号111:配列番号110からのKABATによるLCDR1
RASQSISSYLN
配列番号112:配列番号110からのKABATによるLCDR2
AASSLQS
配列番号113:配列番号110からのKABATによるLCDR3
QQSYSTPPT
配列番号114:共通軽鎖定常ドメインのアミノ酸配列
RTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号115:軽鎖定常ドメインのアミノ酸配列
RTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号116:CH1のアミノ酸配列
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRV
配列番号117:ヒンジのアミノ酸配列
EPKSCDKTHTCPPCP
配列番号118:CH2のアミノ酸配列
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAK
配列番号119:KK変異を有するCH3のアミノ酸配列
GQPREPQVYTKPPSREEMTKNQVSLKCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号120:DE変異を有するCH3のアミノ酸配列
GQPREPQVYTDPPSREEMTKNQVSLTCEVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【配列表】
【国際調査報告】