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特表2023-543051高温プロセスガスのシャフト供給を備えた高炉
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(54)【発明の名称】高温プロセスガスのシャフト供給を備えた高炉
(51)【国際特許分類】
   C21B 7/00 20060101AFI20231004BHJP
   C21B 7/16 20060101ALI20231004BHJP
   F27B 1/10 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
C21B7/00 307
C21B7/16
F27B1/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519408
(86)(22)【出願日】2021-09-27
(85)【翻訳文提出日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 EP2021076530
(87)【国際公開番号】W WO2022064046
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】LU102098
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500173376
【氏名又は名称】ポール ヴルス エス.エイ.
【氏名又は名称原語表記】PAUL WURTH S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(74)【代理人】
【識別番号】100099472
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 猛
(74)【代理人】
【識別番号】100150773
【弁理士】
【氏名又は名称】加治 信貴
(72)【発明者】
【氏名】マギオリ、ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】カス、ジル
(72)【発明者】
【氏名】キンゼル、クラウス ペーター
【テーマコード(参考)】
4K015
4K045
【Fターム(参考)】
4K015AC00
4K015FA00
4K045AA01
4K045BA02
4K045GB11
(57)【要約】
シャフト炉、とくに高炉は、金属製の外側殻(14)、シャフト炉に熱風を注入するために配置された複数の羽口(16);及びシャフトのスタックエリアにプロセスガスを注入するための手段を含む。前記注入装置は、少なくとも1つの注入孔(56)を備えた前部(54)からベース部材(60)に接続された反対側の後部(58)まで長手方向軸線に沿って延びる周壁(52)を備えたノズル本体(51)であって、ベース部材の吸入口(64)から前記注入孔(複数可)にプロセスガスを案内するための内側ガスチャネル(62)を含む、ノズル本体(51)を含む。ノズル本体(56)は、注入孔(複数可)を備えた前部領域(54)が金属製殻の内側に位置し、他方、前記後部(58)は金属製殻の外側の位置となるように、金属製殻(14)の開口(66)を介して取り付けられている。ベース部材(60)が、前記金属製殻の開口(66)を囲む取付ユニット(68)に気密状態で注入装置を接続するよう構成された周縁取付部(70)を含んでいる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
好ましくは冷却要素及び/又は耐火材料を備え、炉の外壁を規定する金属製殻(14);
シャフト炉に熱風を注入するために羽口レベルのところで金属製殻(14)の周囲に配置された複数の羽口(16);
プロセスガス、特に高温還元ガスを、前記羽口レベルより上の注入レベル(14.3)のところでシャフト炉に注入する手段;を含み、
高温プロセスガスを注入する前記手段は、少なくとも1つの注入装置(50)を含み、
前記注入装置は:
少なくとも1つの注入孔(56)を備えた前部(54)からベース部材(60)に接続された反対側の後部(58)まで長手方向軸線に沿って延びる周壁(52)を備え、プロセスガスをベース部材の吸入口(64)から前記注入孔(複数可)に案内するための内側ガスチャネル(62)を含むノズル本体(51)であって、
注入孔(複数可)を備えた前部領域(54)が前記金属製殻の内側に位置し、他方、前記後部(58)は前記金属製殻の外側の位置となるように、前記金属製殻(14)の開口(66)を介して取り付けられている前記ノズル本体(56);を含むこと、及び
前記ベース部材(60)が金属製殻の前記開口(66)を囲む取付ユニット(68)に気密状態で前記注入装置を接続するよう構成された周縁取付部(70)を含むこと、を特徴とするシャフト炉、とくに高炉。
【請求項2】
前記ベース部材(60)は、前記注入装置本体(51)を支持するように構成され、かつ前記周縁取付部(70)は、その後部(58)の一部にわたって前記ノズル本体(51)を囲う、請求項1に記載されたシャフト炉。
【請求項3】
前記取付ユニット(68)は、前記開口(66)を囲み、金属製殻に密封して固定されたスリーブ(68.1)を含み、スリーブ(68.1)は、前記ベース部材(60)の前記周縁取付部(70)に第2の環状フランジ(70.1)と協働する第1の環状フランジ(68.2)を備えている、請求項2に記載されたシャフト炉。
【請求項4】
前記ベース部材(60)が、側壁(72.2)で囲まれた底壁(72.1)を備えたカップ状の外側要素(72)であって、前記第2の環状フランジ(70.1)を含む前記外側要素(72)、及び外側要素(72)の内部で受容された内側要素(74)であって、前記外側部材(72)の第2の環状シール面(72.3)と協働する第1の環状シール面(74.5)を有する前記内側要素(74)、を含む、請求項3に記載されたシャフト炉。
【請求項5】
前記内側要素(74)はリング状でかつ前記長手方向軸線に沿って延び、プロセスガス用の前記吸入口(64)を形成する中央流路(74.1)を規定する、請求項4に記載されたシャフト炉。
【請求項6】
前記内側要素(74)は、前記第1のシール面(74.5)を含む外周面(72.1)を有し、前記側壁(72.2)は、前記第2のシール面(72.3)を含む内周面を有する、請求項4または5に記載されたシャフト炉。
【請求項7】
第2のシール面(72.3)は、外側要素の前記底壁(72.1)に向かって先細になっている円錐形表面であり、第1のシール面(74.5)は、協働する円錐面である、請求項6に記載されたシャフト炉。
【請求項8】
前記ノズル本体(51)は、ベース部材から先端に向かって軸方向に延びる内側管(80)を含み、前記内側管は、軸方向に連続した前記中央流路(74.1)中で、前記吸入口(64)から前記注入孔(56)にプロセスガスを案内するように構成されている、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載されたシャフト炉。
【請求項9】
前記内側管(80)と周壁(52)との間に閉じた環状隙間(82)が形成されており、かつ前記ベース部材(60)は、好ましくは、環状隙間に冷却材流体を供給するように配置された冷却材吸入チャネル及びそこから冷却材流体を引き出す冷却材引出チャネルをそれぞれ含む、請求項8に記載されたシャフト炉。
【請求項10】
前記冷却材吸入チャネルは、前記外側要素の前記側壁における吸入案内チャネル(88)と、第1のシール面から前記内側要素の前面側の開口に通じ、前記環状隙間(82)に連通する曲がった流路(90)とを備え、かつ前記冷却材引出チャネルは、前記外側要素の前記側壁の引出案内チャネル(92)と、第1のシール面から前記内側要素の前記前面側の開口に至る前記環状隙間(82)に連通する曲がった流路(94)とを含む、請求項9に記載されたシャフト炉。
【請求項11】
第1の冷却管(96)は冷却材吸入チャネルに密封して取り付けられ、第2の冷却管(98)は冷却材引出チャネルに密封して取り付けられ、前記第1および第2の各々の冷却管は、それぞれの冷却材供給および回収ダクトに接続するためのカプラを有する、請求項10に記載されたシャフト炉。
【請求項12】
前記ノズル本体(51)は、さらに、開口(66’)を通して冷却要素または隣接する冷却要素またはセラミック/耐火ライニングに挿入され、それによって、前部は、冷却要素の高温側から、冷却要素の前側を覆うセラミック層から、または前記セラミック/耐火ライニングから、所定の長さだけ突出する、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載されたシャフト炉。
【請求項13】
突出カバー(100)は、注入装置の上方に配置され、炉内に突出するノズル本体前部を下降する重荷材料から保護するように構成されている、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載されたシャフト炉。
【請求項14】
前記注入孔(56)は、概して長手方向軸線に沿っておよび/またはそれに対して横方向にプロセスガスを注入できるように構成されている、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載されたシャフト炉。
【請求項15】
少なくとも一部の注入孔(56)は、炉内の下流にまたは接線方向にガスを注入するために、前部(54)に横方向に配置されている、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載されたシャフト炉。
【請求項16】
前記注入装置(50)は、その長手方向軸線が概して前記炉の中心に向けられるか、または接線方向に向けられるように、前記金属製殻(14)を通して配置されている、請求項1から請求項15のいずれか1項に記載されたシャフト炉。
【請求項17】
前記注入装置は、前記内側部材(74)の背面に一端で接続され、前記中央流路(74.1)を囲むプロセスガス供給分岐(65)を含み、前記供給分岐は、前記外部材底壁(72.1)の開口(72.4)を通って延び、かつ、その他端部にカプラを含む、請求項1から請求項16のいずれか1項に記載されたシャフト炉。
【請求項18】
前記プロセスガスを注入する手段は、金属製殻(1)を囲む周縁管(36)を含み、各注入装置は、各注入装置供給分岐のカプラに接続された個々の供給管(38)によって前記周縁ダクトに接続されている、請求項17に記載されたシャフト炉。
【請求項19】
前記周壁(52)は、外側の熱保護層(84)で被覆され、および/または、前記内側管(80)には、内側の熱保護層(86)が設けられている、請求項1から請求項18のいずれか1項に記載されたシャフト炉。
【請求項20】
前記周壁(52)は、溶接、耐摩耗性材料のような耐摩耗性保護で覆われている、請求項1から請求項19のいずれか1項に記載されたシャフト炉。
【請求項21】
前記注入装置(50)は、1つ以上の熱電対および/または摩耗検出器を含む、請求項1から請求項20のいずれか1項に記載されたシャフト炉。
【請求項22】
前記ノズル本体(51)の上面は、特に上向きの周縁リブを有する平坦化された上面を経由して、下降材料の停滞を促進する形状である、請求項1から請求項21のいずれか1項に記載されたシャフト炉。
【請求項23】
前記注入装置(50)は、前記周壁の前面、上部領域の開口に材料を充填するための供給チャネルを含む、請求項1から請求項22のいずれか1項に記載されたシャフト炉。
【請求項24】
前記ノズル本体(51)および前記内側部材(72)の外形寸法は、炉内に押し込むことができるように、設計上前記金属製殻(14)の前記開口(66)の断面より小さい、請求項1から請求項23のいずれか1項に記載されたシャフト炉。
【請求項25】
前記取付ユニット(68)または取付部(70)は、前記周壁(52)を囲む環状空間にグラウト材料、絶縁材料または類似材料を注入するための充填ニップル(68.3)を含む、請求項1から請求項24のいずれか1項に記載されたシャフト炉。
【請求項26】
請求項1から請求項25のいずれか1項に記載されたシャフト炉用プロセスガス注入装置。
【請求項27】
少なくとも1つの注入孔を備えた前部からベース部材に接続された反対側の後部まで、長手方向軸線に沿って延びる周壁を備えたノズル本体を含むシャフト炉用プロセスガス注入装置であって、
ノズル本体は、ベース部材の吸入口から前記注入孔にプロセスガスを案内するための内側ガスチャネルを含み、
ノズル本体は、シャフト炉の金属製殻の開口を介して取り付けられるように構成され、前部領域が金属製殻の内側に位置する注入孔を備え、一方後部は金属製殻の外側に留まるように構成され、かつ
ベース部材は、前記注入装置を金属製殻の開口を囲む取付ユニットに気密に接続するように構成されている周縁取付部を含む、シャフト炉用プロセスガス注入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、冶金学の分野、より具体的には、高温還元ガスが炉シャフト、特にスタック(stack)エリアに供給されるシャフト炉、即ち高炉の運転に関する。
【背景技術】
【0002】
パリ協定及び排出量に対する行動の必要性に関するほぼ世界的なコンセンサスにより、各工業部門では、エネルギー効率の改善とCO排出の減少に向けた解決策の開発がどのようになっているか検討することが不可欠である。
【0003】
これに関連して、鉄冶金の分野の関係者は、高炉の製鉄ルート(iron making route)における環境破壊を減らすための新しい手法を開発した。実際、スクラップの溶解や電気アーク炉内での直接還元などの代替方法があるが、それにも拘わらず高炉(BF)は今日でも鉄鋼生産に最も広く使用されるプロセスを代表している。
【0004】
高炉のCO排出量を削減するために開発された手法中で、高温還元ガス、典型的には(主にCO及びHからなる)合成ガス(syngas)を高炉のシャフトに直接導入することが提案されている。これは「シャフト供給(shaft feeding)」としても知られており、熱風(hot blast)(羽口)レベルより上の、即ち朝顔部(bosh)より上で好ましくは凝集区域(cohesive zone)より上の酸化第一鉄のガス固体還元区域内に高温還元ガス(合成ガス)を、炉の外壁を通して導入/供給することを意味している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、高炉のシャフトへの高温還元ガスの供給を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本注入は、シャフト供給(即ち、高炉シャフトへの高温プロセス/還元ガスの導入)の概念が多くの出版物又は特許で引用されているが、商業用高炉での工業的利用はまだ実施されていないという見解に基づく。いくつかの出版物では、高炉のシャフトへのガス注入の理論的又は実験的研究が記載されている。コークス及び焼結/ペレットの多孔質層状構造が高炉の上部に存在するとき、そこでのガスの侵徹(penetration)と分配(distribution)に対する様々なパラメータの影響を調べるために、一般にCFDシミュレーション又は小規模モデルでの実験試験が用いられる。一般にこれらの研究の結論では、侵徹深さは寧ろ限定されており、ガスは高炉の壁の近くにとどまっているということである。
【0007】
本発明は、請求項1に記載されたシャフト炉を提案する。
本発明によれば、シャフト炉、特に高炉は、
好ましくは冷却要素及び/又は耐火材料を備え、炉の外壁を規定する金属製殻(metal shell);
シャフト炉に熱風(hot blast)を注入するために羽口レベルのところで外壁の周囲に配置された複数の羽口;
プロセスガス、特に高温還元ガスを、羽口レベルより上の注入レベルのところでシャフト炉に注入する手段;を含み、
プロセスガスを注入する手段は、少なくとも1つの注入孔を備えた前部からベース部材に接続された反対側の後部まで長手方向軸線に沿って延びる周壁を備え、
ガスをベース部材の吸入口(inlet port)から注入孔(複数可)に案内するための内側ガスチャネルを含むノズル本体であって、
注入孔(複数可)を備えた前部領域が前記金属製殻の内側に位置し、他方、後部は金属製殻の外側の位置となるように、金属製殻の開口(aperture)を介して取り付けられているノズル本体;及び
注入装置(injector)を金属製殻の開口を囲む取付ユニット(取付ユニットは本質的に殻外側に位置する)に密封して(気密状態で)接続するよう構成された周縁取付部(peripheral mounting portion)を含むベース部材、
を含む少なくとも1つの注入装置を含んでいる。
【0008】
本発明によれば、炉内に突出する注入装置を設けることで、注入されたプロセスガスの侵徹深さの増大及び調整が可能となる。プロセスガスは、典型的には、高温還元ガス、例えばCO及びHを主成分とする合成ガスである。注入装置は、好ましくは高炉のスタックエリアに高温還元ガスを注入するように設けられる。注入装置は、実際には、適切な配管を介して高炉の外側で高温還元ガス(例えば合成ガス(CO;H)供給源に接続される。
【0009】
注入装置には、ノズル本体の前部、例えば横方向及び/又は注入装置の先端に配置された高温ガスの引出し(outlet)のための1以上の注入孔(又はノズル)が設けられている。単一の注入装置に注入孔(複数)を設けることで、ガス注入の方向に関して重要な適応性が得られる。注入装置(injector device)は単一の注入箇所に限定されていないため、ガス分配を増大することができる。
【0010】
加えて、注入装置自体は炉の中心又は接線方向(殻内円周に向かって)のいずれかに向けることができる。接線方向の向きは、高炉内の旋回流を生成するのに役立ち、これによりガスの分配及び羽口レベルから上昇するガスとの混合を増大することができる。
各注入装置における注入孔の数、大きさ、位置及び角度と、注入装置の数および角度の異なる組み合わせにより、注入装置の設計を特定のプロセス条件又は特定の高炉(小型/大型高炉)に適合させる上で大きな適応性が得られる。
【0011】
本発明の別の利点は、既存の高炉に容易に後付できる注入装置の能力によって得ることができる。注入装置のサイズは、有利にも、2つの隣接する冷却要素の外側冷却チャネルの中間にコア穿孔する(core drilling)ことにより、2つの冷却要素(ステーブクーラー-鋳鉄又は銅、など)間に配置できるように選択される。代替的には、調整した冷却チャネルを備えた1つのステーブ(stave)内にそれを設置することもできる。現代の利用可能な迅速なステーブ交換技術を利用することで、この種の介入(intervention)は短時間の高炉停止で実現することもできる。
【0012】
実施形態では、金属製殻内の開口(aperture)は、ベース部材の取付部と協働するのに適する密封された取付ユニットに囲まれている。
実施形態では、ベース部材は注入装置本体を支持するように構成され、即ちノズル本体は、その後部でベース部材に固定される。取付部はノズル本体を囲み、かつ密封して取付ユニットに結合される。これにより、注入装置を金属製殻に気密に取付ることができる。想定される利用におけるプロセスガスにはCOとHが含まれており、これらは外部に漏れると自然に燃え上がり、空気と混合すると爆発性雰囲気を形成するため、適切な気密取付及び注入装置の設計が特に望ましい。
【0013】
取付ユニットは、開口を囲みかつ金属製殻に密封して固定されたスリーブを含み得る。スリーブは、ベース部材取付部に第2の環状フランジと協働する第1の環状フランジを備えている。
【0014】
実施形態において、ベース部材は、側壁で囲まれた底壁を備えたカップ状の外側要素であって、前記第2の環状フランジを含む外側要素、及び外側要素の内側に受容された内側要素を含む。内側要素は、前記外側部材の第2の環状シール面と協働する第1の環状シール面を有する。実施形態では、内側要素はリング状であり、前記長手方向軸線に沿って延びる中央流路(central passage)を規定し、中央流路はプロセスガス用の吸入口を形成する。
【0015】
実施形態では、内側要素は第1のシール面を含む外周面を有し、かつ側壁は第2のシール面を含む内周面を有する。第2のシール面は、外側要素の底壁に向かって先細になっている円錐形表面であってもよく、かつ、第1のシール面は協働する円錐面である。好ましくは、第1及び第2の環状表面は、一致した/同じコーン角(cone angles)を有する。
【0016】
内側コーンと外側コーンを使用することで、機械的又は熱的変形、又は盛り上がり(build-up)又は棚吊り(scaffolds)によりプローブ(probe)が炉内側で詰まっても、簡単に取り外すことができる、内側及び外側部材の気密接続を可能にする安全機能が得られる。炉内雰囲気と接触していない外側部材は外部に取り外すことができ、かつノズル本体と一体化した内側部は別途取り外すことができ、或いは注入装置が完全に変形しているか又は付着物が付着して外部に取り外し出来ない場合には、炉内部に力で押し込むことになる。注入ノズルを備えた内側部材は、スペア部品と交換される。したがって、この設計により、注入装置を取り外し、保守しかつ交換するための安全で信頼性の高い方法が得られる。この目的のために、ノズル本体及び内側部材の外形寸法は、炉内に押し込み得るように、設計上、金属製殻内の開口の断面より小さくなっている。
【0017】
この易解体装置(easy dismantling device)は、高炉の保守停止中に行う炉内の注入エリアの定期検査にも有利である。注入装置を取り外すことで、検査や、吸入口の周りの清掃/棚吊りの取り外しのためのアクセスが容易になる。
【0018】
高炉では、注入装置は、通常その前部が金属製殻の開口だけでなく、金属製殻の内面(又は場合によっては外表面)を覆う冷却要素(複数可)及び/又は耐火材料の開口にも、係合した状態で配置されている。
この発明に係るノズルはあらゆる種類の冷却技術、例えば、冷却パネル/ステーブ又は冷却ボックス及びスプレーと両立し得る。一般に、注入装置は、ノズル本体前部の一定の長さが炉の内部に突出するように、即ち、金属製殻及び/又は冷却要素(複数可)前面側に対して、及び/又は冷却パネル前面側又は金属製殻に形成されたセラミック層に対して、突出するように設置される。突出長さは、注入孔の利用の仕方や構成に応じて調整し得る。一部の利用の仕方、例えば、軸方向に突出した孔(複数可)を備えている場合では、注入装置の先端は、冷却要素の前面/セラミック層からほんの僅か突出するか又は面一になるように配置できる。このことは、侵徹深さが主要な選択基準ではなく、注入装置の寿命と保守の削減に重点が置かれる利用の仕方では望ましい。
【0019】
実施形態によっては、突出カバーが、注入装置(複数可)の上方に配置されかつ炉内に突出するノズル本体前部を下降する重荷材料(burden material)から保護するように構成されている。注入装置ノズル本体の、そのような下降する重荷材料(焼結/ペレット及びコークス)による摩耗に対する保護は、例えば、必要に応じて水冷された鋼製の殻(平滑又は波形);セラミック又は耐火物のライニング;又は耐研磨材料で作られた肉盛り溶接(build-up welding)によって行われる。代替的には、ノズル本体の上面は下降材料の停滞を促進するように成形することができる。注入装置は、例えば、下降材料を保持するための上向きの周縁リブを備えた平坦な上面を有し得る。
【0020】
さらに、注入装置の突出部を保護するさらなる可能性は、保護用の塊(protective mass)を形成するために注入装置の上に充填材料を注入することである。これは、ベース部材の領域から延び、周壁の前面上部領域に開くように配置された供給チャネルによって、つまり注入装置を炉殻に取り付けた後にそれを通して充填材料を注入することによって行うことができる。したがって、充填材料は注入装置が炉壁に装備されると導入され、保護用の塊として注入装置の上に蓄積する。
【0021】
一般に、注入装置には、熱的、機械的及び/又はプロセス監視を可能にする器具類が備わっていてもよい。例えば、注入装置は、ガス流の温度を監視するための1つ以上の熱電対を含み得る。それは、さらに摩耗検出センサを含んでもよい。
【0022】
便利なことに、注入装置の部品は、製造及び設置を容易にするために、概して軸対称の形状である。ノズル本体及びベース部材は、典型的には、円形断面を有し得る。実施形態(複数)では、特にノズル本体前部について、長楕円形又は長方形の断面が想定され得るが、ノズル本体とベース部材との間の界面の領域は軸対称のままであることが望ましい。
上記及び他の実施形態は、添付の従属請求項2から25に列挙されている。
【0023】
本発明はまた、本明細書に開示され、請求項1から25のいずれか1項に記載されたシャフト炉用のプロセスガス注入装置に関する。
注入装置は、少なくとも1つの注入孔を備えた前部からベース部材に接続された反対側の後部まで長手方向軸線に沿って延びる周壁を備えたノズル本体を含み、ここで、ノズル本体は、ベース部材の吸入口から前記注入孔(複数可)にプロセスガスを案内するための内側ガスチャネルを含む。ノズル本体自体は、注入孔(複数可)を備えた前部領域が金属製殻の内側に位置し、一方、後部は金属製殻の外側に留まるような仕方で、シャフト炉の金属製殻の開口を通して取り付けられるように構成されている。ベース部材は、前記注入装置を金属製殻の開口(66)を囲む取付ユニットに気密に接続するように構成された周縁取付部を含む。
【0024】
本発明は、シャフト供給の技術への重要な追加を行うものであり、例えば炭化水素含有ガス(コークス炉ガス、天然ガス)の改質に基づく合成ガスの製造のための現在開発されている方法、又は高炉で加熱した後に再適用されるガス流中のCO及びHを濃縮することを可能にするガス分離プロセスにおける応用を見出すものである。本発明は大量の高温還元ガスを注入することを可能にし、その結果コークス消費量及びCO排出量の大幅な削減をもたらす。この点について、シャフト供給は、生産性をさらに向上させ、運転コストを削減し、高炉プロセスにおけるコークス消費量とCO排出量を削減するための重要な技術である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
ここで本発明を、例示により添付図面を参照して説明する。
図1】高温還元ガスのシャフト注入用に装備された高炉の原理図である。
図2】高炉に取り付けられた本注入装置の主要な断面図である。
図3】高温還元ガスを注入するためのシステムを示す略図である。
図4】注入装置用の保護カバーの主要図であり、図4a)は側面図、及びb)正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、炉床(hearth)12と、炉床12上で垂直に延びるシャフト形成鋼製殻14とを従来どおりに含む高炉10を模式的に示す。炉床壁の上部区域12.1は、炉に熱風(hot blast)を導入するために使用される、羽口16の開口(複数)を含んでいる。この羽口帯(tuyere band)12.1において、羽口16が炉の周囲で周方向に分布し、周縁/環状のバッスル管(bustle pipe)18から熱風が供給される。殻14は、従来どおりに朝顔部14.1、炉腹部(belly)14.2、スタック14.3の3つの区域に分割されている。高炉の炉口(throat)20は、取出部(offtakes)24及びトップリング26を備えたトップコーン22によって閉じている。なお、図示しないが、トップコーン22の上には頂部投入設備(top charging installation)が配置され、高炉原料を炉内に分配する機能を果たす。頂部投入設備は、BELL LESS TOP(登録商標)タイプのものが好ましく、その分配シュート(distribution chute)28は図1に示されている。
【0027】
鋼製殻14は炉外壁を構成している。その内面(即ち炉内部を向いた)は、図3でより明らかなように、概して冷却パネル30(又はステーブ)で覆われている。このような冷却パネルは、典型的には、鋼又は銅(合金)でできたスラブ状の本体を有し、冷却材(水)が通って循環する内部冷却材チャネルを備える。冷却パネル30の前面側(即ち、炉内部に面した側)もまた、概して鋼製ブレードインサート又は耐火材料(図示せず)の保護層で覆われている。
【0028】
図1の参照符号32は、高温還元ガスを高炉のシャフト、即ち羽口レベル12.1より上で導入するように構成されたシャフト注入システムを示す。高温還元ガスは、典型的には、CO及びHを含む合成ガスである。図3を参照すると、ここでのシャフト注入システム32は、合成ガス/プロセスガスを搬送する第1の周縁ダクト36(バッスル管18と同様)に接続された複数の注入装置50(以下に詳細に説明)を含む。実際には、周縁ダクトは、したがってプロセスガスの供給源(図示せず)に接続されている。各注入装置50は、個々の接続配管38を介してダクト36に接続されている。注入装置50は、好ましくは水冷式である。参照符号40は注入装置用の新鮮な冷却水を搬送する第2の周縁ダクトを示し、一方、注入装置から排出する冷却水は第3の周縁ダクト42を介して回収される。
【0029】
燃料注入装置の実施形態について、図2を参照して詳細に説明する。注入装置50は、例えば二つの注入孔56を備えた前部54からベース部材60に接続された反対側の後部58まで、長手方向軸線Lに沿って延びる周壁52を備えたノズル本体51を含む。ノズル本体51は、ベース部材60内の吸入口64から注入孔56にガスを案内するための内側ガスチャネル62を含んでいる。
【0030】
ノズル本体51は、注入孔(複数可)を備えた前部領域54が炉の内側に位置し、一方、ベース部56は外壁14の外側に在るように、炉殻14の開口66を通して取り付けられている。ベース部材60は外壁14に密封して接続されている。
【0031】
殻14は内部が冷却パネル30で覆われているため、冷却パネル(又は隣接する冷却パネル)には、第1の開口66の軸方向に連続して第2の開口66’が形成されている。したがって、注入装置は炉内の前部で適切に配置することができる。ノズル本体は、殻14及び冷却パネル30内の開口を通って延び、炉内の冷却パネルから突出している。
【0032】
第2の開口66’は、単一の冷却パネル内で、又は本体部分に内部冷却材チャネルが存在しない2つの冷却パネルの間の接合部で実現可能である。
設置及び密封を容易にするために、案内スリーブ67(鋼、セラミック材料又は適切な金属合金から作られている)を、2つの開口66、66’内に延在するよう配置することができる。案内スリーブ67は、2つの開口66,66’の直径に対応する外径と、冷却板前面側から殻14外側までの距離に対応する長さを有する。案内スリーブ67の内径は、ノズル本体51の外径と一致している。
【0033】
外壁14の開口66は、ベース部材60の取付部70と協働するように適合された密封された取付ユニット68によって囲まれている。取付ユニット68は、開口66を囲み殻14の外表面に密封して溶接されているスリーブ68.1(配管部)を含む。スリーブ68.1は、概して軸Lに沿って殻14から離れるように延び、かつベース部材取付部70の第2の環状フランジ70.1との協働を目的とする、その吸入口を囲む第1の環状フランジ68.2を有している。本文において、「密封された」又は「密封して」という用語は、気密接合/組立(assembly)を意味する。
【0034】
ベース部材60は、底壁72.1が側壁72.2で囲まれたカップ状の外側要素72を含み、かつ内側要素74が外側要素72の内側に受容されている。外側要素72は、内側要素74を収容する凹部が注入装置本体51に向かい合うように配向されている。取付部70は、側壁72.2から取付ユニット68に向かって軸方向に連続して配置されている。それは一端が外側要素に溶接され、他端には第2の環状フランジ70.1が設けられたスリーブ部70.2を含む。
【0035】
内側要素74はリング状であり、かつ長手方向軸線Lに沿って延びる中央流路74.1を規定し、前記中央流路はプロセスガス用の前記吸入口64を形成する。リング状の内側要素74は、内面74.1と反対側の外側の周面74.2、並びに、半径方向に延びるとともに、それぞれ注入装置本体51及び外側要素底壁72.1の方を向いた前・後面74.3、74.4を備えた、略円錐状の断面を有している。
【0036】
内側要素の周面74.2は、側壁72.2の内側の対向する第2の環状シール面72.3と協働する第1の環状シール面74.5を含む。この実施形態では、第1及び第2のシール面74.5、72.3は、金属対金属気密シールを提供する協働する円錐面として設計されている。追加のシールは、Oリングシールタイプ又は他の金属シールで行うことができる。第2のシール面72.3は底壁72.1に向かって先細りになっており、そのため内側部材74を外側部材72の内側に押し込むと、シール面における接触圧が上昇する。好ましくは、第1の環状表面74.5の円錐角は、第2の環状表面72.3のそれと同じである。
【0037】
内側部材74は、外側部材72の底壁72.1に係合されたネジ76によって外側部材72に固定されている。
ノズル本体51は、さらに、中央流路74.1の軸方向に連続して、ベース部材60から前部領域に向かって軸方向に延びる内側管(inner tube)80を含む。内側管80は、プロセスガスを吸入口64から注入孔に案内するように構成されている。
【0038】
図2に示すように、吸入口64は、内側部材の裏面74.4に固定され、流路74.1を囲む接続ダクト65を含んでいる。接続ダクト65は、底壁72.1を通して開口72.4内に延びており、かつ高温還元ガスを供給する周縁管36と連通する供給分岐管(feed branch)38の対応するフランジ38.1に結合するためのカプラ、例えば環状フランジ65.1を含んでいる。なお、図示しないが、接続ダクト65及び供給分岐管38は耐火ライニングを備え得る。
【0039】
ノズル本体51及びベース部材60の構成要素は、概して、鋼又は鋼合金又は金属合金で作り得る。実施形態では、外壁52及び内側管80は銅又は銅合金から作り得る。
図から明らかなように、周壁52及び内側管80は、いずれも内側部材74で支持された状態で、前部(注入孔を除く)が閉じ、後部が開口した管状部材として構成されている。ここで「支持された」という用語は、管52及び80の後端が例えば溶接によって内側部材74に固定されることを意味する。内側管80の吸入口が中央流路74.1を囲み、かつ周壁52が内側管80を囲んでいるので、両管間に閉じた環状の隙間82が形成される。
【0040】
この二重壁構成により、図2に示すように、内側管80から周壁まで延びる小さな管部分57により注入孔56が形成されている。
この変形例では、注入孔56は前方に傾斜し、したがって、シャフトの中心に向かって傾斜している。一般に、注入孔は、プロセスガスを、軸方向(注入装置本体先端の開口)又は横方向に、図示のように前方又は下向き(軸Lに垂直に)のいずれかに、又は旋回効果を生成するために、さらに接線方向(即ち、内殻円周に沿って)であっても、注入するよう構成することができる。
【0041】
参照符号77は、内側リングの前面側74.3に固着された芯出しリング(centering ring)を示す。その寸法(直径/厚さ)は、基本的に案内スリーブ67の寸法に対応する。したがって、芯出しリング77の厚さは、外壁とスリーブ70.2との間の環状空間に対応する。
【0042】
燃料注入装置50は、炉内のかなりの熱に曝される。したがって、例えばセラミック材料又は鋼-合金又は硬化肉盛でできた熱保護層84が周壁52の外表面に形成されている。好ましくはセラミック又は耐火物の絶縁層86は、内側管80の内面を保護する。管80と絶縁層86との間に金属又は絶縁材料の中間層を配置することができる。好ましくは、銅の部分(管52及び80)及び鋼の層(中間層及び外層84)は、拡散層(diffusion layer)を介して冶金学的に結合される。
【0043】
好ましくは、ノズル本体51に形成された環状隙間82で水を循環することができる。隙間82が停滞区域の生成を回避しかつ十分に高い水速を保証する案内要素を備え、注入装置を一方では高炉の熱から、他方では高温合成ガスから効率的に保護することが予見できる。
したがって、冷却材吸入チャネル(inlet channel)がベース部材60に形成され、それは、外側要素72の側壁72.2の吸入案内流路88(冷却管96よりも大きい)と、ネジ溝付吸入部を備え、第1のシール面74.5から環状隙間82と連通する内側要素74の前面74.3の開口に至る曲がった流路(bent passage)90とを含んでいる。
【0044】
冷却材引出チャネル(outlet channel)は、吸入部88から間隔を空けた/反対側の外側要素72の側壁72.2の引出案内チャネル92と、ネジ溝付吸入部を備え、第1のシール面74.5から環状隙間82と連通する内側要素74の前面74.3の開口に至る曲がった流路94とを含む。
【0045】
追加の密封要素は、外壁72.2と共に吸入チャネル及び引出チャネルの外表面に配置することができる。第1の送水管96は吸入案内流路88に嵌合され、さらに曲がった流路90に延び、そこで吸入部に密封してねじ込まれる。第1の送水管96は、反対側の端部に、周縁ダクト40に直接的又は間接的に接続するためのカプラ(図示せず)を含んでいる。第2の送水管98は吸入部92に嵌合され、かつさらに曲がった流路94内に延び、そこで吸入口部に密封してねじ込まれる。第2の送水管98は、反対側の端部に、周縁ダクト42に直接的又は間接的に接続するためのカプラ(図示せず)を含んでいる。案内流路88,92は、冷却材用管96,98の外径よりもわずかに大きい断面を有する。
【0046】
参照符号68.3は充填ニップル(nipple)を示しており、これを介してグラウト材、絶縁材又は類似の材料をノズル本体51とスリーブ68.1との間の空隙79(炉外側)に注入することができ、それにより漏出リスク及び/又は粉塵等による詰まりを低減することができる。
【0047】
実施形態においては、突出カバーを、注入装置(複数可)の上方に配置しかつ炉の内部に突出するノズル本体前部を下降する重荷材料から保護するように構成することができる。注入装置ノズル本体のそのような下降する重荷材料(焼結/ペレット及びコークス)による摩耗に対する保護は、例えば、平滑又は波形の鋼製の殻によって行うことができる。この突出カバー100の原理は図4に示されており、注入装置の長手方向Lに延びる一種のキャップを形成している。それは注入装置の突出長さ(破線で示す)を覆う。図から明らかなように、カバー100は、湾曲した鋼横断面であり、より詳細には、丸みを帯びた逆V字型を有する。
【0048】
Vの頂点100.1は注入装置50の上方にあり、2つの分岐100.2は注入装置50の両側、任意で、さらに注入装置の下方にまでも延びている。カバー100は、直接的又は間接的に液冷可能である。冷却材チャネルは、例えば殻の下側に配置することができる。
【0049】
なお、接続配管38は、後部に保守点検口38.2を設けた肘部38.1を含むことができ、その長手方向中心軸は注入装置の長手方向軸線Lに対応している。カバー、観察用ガラス(view glass)及び/又はカメラは、検査口38.2に取り外し可能に取り付けられている。カメラと観察用ガラスは、例えば適切に配置されたビームスプリッタを使用することによって同時に使用することができる。羽口レベルとは対照的に、シャフトレベルのところでは高炉の内部は暗いので、カメラは好ましくはサーマル及び/又は赤外線カメラであり、及び/又は追加の光源を設けることができる。
図1
図2
図3
図4a)】
図4b)】
【国際調査報告】