(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】充放電装置及び電池充電方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20231005BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20231005BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
H02J7/00 B
H01M10/44 P
H01M10/48 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576103
(86)(22)【出願日】2021-07-29
(85)【翻訳文提出日】2021-12-20
(86)【国際出願番号】 CN2021109121
(87)【国際公開番号】W WO2023004659
(87)【国際公開日】2023-02-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】左 希▲陽▼
(72)【発明者】
【氏名】▲顔▼ ▲ユ▼
(72)【発明者】
【氏名】高 ▲錦▼▲鳳▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 帝平
(72)【発明者】
【氏名】李 占良
(72)【発明者】
【氏名】侯 ▲貽▼真
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503DA04
5G503GB03
5G503GD04
5H030AA06
5H030AS08
5H030BB01
5H030BB21
5H030FF43
(57)【要約】
本願の実施例は、電池の安全性能を確保することができる充放電装置及び電池充電方法を提供する。該装置は双方向DC/DCコンバータ及び制御ユニットを備え、前記制御ユニットは、前記電池の電池管理システムBMSにより送信された第1の充電電流を受信し、前記第1の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御してエネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させることと、前記BMSにより送信された第1の放電電流を受信し、前記第1の放電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させることと、前記BMSにより送信された第2の充電電流を受信し、前記第2の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させることと、に用いられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充放電装置であって、双方向DC/DCコンバータ及び制御ユニットを備え、
前記制御ユニットは、
電池の電池管理システムBMSにより送信された第1の充電電流を受信し、前記第1の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御してエネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させることと、
前記BMSにより送信された第1の放電電流を受信し、前記第1の放電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させることであって、前記第1の放電電流は、前記電池の第1の累積充電量が第1の累積充電量閾値以上であり、且つ前記電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合、前記BMSにより送信された放電電流である、ことと、
前記BMSにより送信された第2の充電電流を受信し、前記第2の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させることであって、前記第2の充電電流は、前記電池の第1の累積放電量が第1の累積放電量閾値以上である場合、前記BMSにより送信された充電電流である、ことと、に用いられることを特徴とする充放電装置。
【請求項2】
前記制御ユニットはさらに、
前記BMSにより送信された第2の放電電流を受信し、前記第2の放電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させることであって、前記第2の放電電流は、前記電池の第2の累積充電量が第2の累積充電量閾値以上であり、且つ前記電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合、前記BMSにより送信された放電電流である、ことに用いられることを特徴とする請求項1請に記載の充放電装置。
【請求項3】
前記制御ユニットはさらに、
前記第1の放電電流に基づいて、前記電池の放電要求パワーが放電パワー閾値よりも小さいことを決定することと、
前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させることと、に用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載の充放電装置。
【請求項4】
前記制御ユニットはさらに、
前記第1の放電電流に基づいて、前記電池の放電要求パワーが放電パワー閾値以上であることを決定することと、
前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池に第1の放電要求パワーの電気量を放出させ、且つ前記双方向DC/DCコンバータを制御して、第2の充放電装置を介して送電網に第2の放電要求パワーの電気量を放出させることであって、前記第1の放電要求パワーと前記第2の放電要求パワーの合計は前記放電要求パワーに等しい、ことと、に用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載の充放電装置。
【請求項5】
前記制御ユニットはさらに、
前記エネルギー貯蔵電池の荷電状態値SOCを取得することと、
前記SOCが荷電状態閾値以上であることを決定し、且つ前記第1の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御してエネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させることと、に用いられることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の充放電装置。
【請求項6】
前記制御ユニットはさらに、
前記エネルギー貯蔵電池の荷電状態値SOCを取得することに用いられ、
前記制御ユニットは具体的には、
前記SOCが荷電状態閾値よりも小さいことを決定することと、
前記第2の充放電装置が前記送電網を介して前記エネルギー貯蔵電池を充電するよう、前記第2の充放電装置に充電要求メッセージを送信することと、
前記SOCが前記荷電状態閾値以上であることを決定し、且つ前記第1の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させることと、に用いられることを特徴とする請求項4に記載の充放電装置。
【請求項7】
前記制御ユニットはさらに、
前記BMSにより送信された充電停止コマンドを受信して、前記電池への充電を停止することであって、前記充電停止コマンドは、前記電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超える場合、前記BMSにより送信されたコマンドである、ことに用いられることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の充放電装置。
【請求項8】
前記第1の充電電流及び/又は前記第2の充電電流の充電率の範囲は2C~10Cの間であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の充放電装置。
【請求項9】
前記第1の放電電流の放電率の範囲は0.1C~1Cの間であることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の充放電装置。
【請求項10】
前記第1の累積放電量閾値と前記第1の累積充電量閾値との比は10%以下であることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の充放電装置。
【請求項11】
前記第1の充電電流、前記第1の放電電流及び前記第2の充電電流のうちの少なくとも1つは、前記BMSが電池の状態パラメータに基づいて決定されたものであり、
前記電池の状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池電流、電池荷電状態及び電池健康状態のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の充放電装置。
【請求項12】
前記制御ユニットは具体的には、
前記BMSにより送信された前記第1の充電電流を定期的に受信すること、及び/又は、
前記BMSにより送信された第1の放電電流を定期的に受信すること、及び/又は、
前記BMSにより送信された第2の充電電流を定期的に受信すること、に用いられることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の充放電装置。
【請求項13】
前記制御ユニットはさらに、
前記BMSにより送信された第1の充電電圧を受信することであって、前記第1の充電電圧と前記第1の充電電流は第1の電池充電要求メッセージに運ばれる、こと、及び/又は、
前記BMSにより送信された第1の放電電圧を受信することであって、前記第1の放電電圧と前記第1の放電電流は第2の電池充電要求メッセージに運ばれる、こと、及び/又は、
前記BMSにより送信された第2の充電電圧を受信することであって、前記第2の充電電圧と前記第2の充電電流は第3の電池充電要求メッセージに運ばれる、ことに用いられる、ことを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の充放電装置。
【請求項14】
電池充電方法であって、充放電装置に適用され、前記方法は、
前記充放電装置は、前記電池の電池管理システムBMSにより送信された第1の充電電流を受信し、前記第1の充電電流に基づいて、前記充放電装置における双方向DC/DCコンバータを制御してエネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させるステップと、
前記充放電装置は、前記BMSにより送信された第1の放電電流を受信し、前記第1の放電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させるステップであって、前記第1の放電電流は、前記電池の第1の累積充電量が第1の累積充電量閾値以上であり、且つ前記電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合、前記BMSにより送信された放電電流であるステップと、
前記充放電装置は、前記BMSにより送信された第2の充電電流を受信し、前記第2の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させるステップであって、前記第2の充電電流は、前記電池の第1の累積放電量が第1の累積放電量閾値以上である場合、前記BMSにより送信された充電電流であるステップとを含むことを特徴とする電池充電方法。
【請求項15】
前記方法は、
前記充放電装置は、前記BMSにより送信された第2の放電電流を受信し、前記第2の放電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させるステップであって、前記第2の放電電流は、前記電池の第2の累積充電量が第2の累積充電量閾値以上であり、且つ前記電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合、前記BMSにより送信された放電電流であるステップをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記充放電装置は、前記BMSにより送信された第1の放電電流を受信し、前記第1の放電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させるステップは、
前記充放電装置は前記第1の放電電流に基づいて、前記電池の放電要求パワーが放電パワー閾値よりも小さいことを決定するステップと、
前記充放電装置は前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させるステップとを含むことを特徴とする請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記充放電装置は、前記BMSにより送信された第1の放電電流を受信し、前記第1の放電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前 記エネルギー貯蔵電池に放出させるステップは、
前記充放電装置は前記第1の放電電流に基づいて、前記電池の放電要求パワーが放電パワー閾値以上であることを決定するステップと、
前記充放電装置は、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池に第1の放電要求パワーの電気量を放出させ、且つ第2の充放電装置を介して送電網に第2の放電要求パワーの電気量を放出させるステップであって、前記第1の放電要求パワーと前記第2の放電要求パワーの合計は前記放電要求パワーに等しいステップと、を含むことを特徴とする請求項14又は15に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、
前記充放電装置は前記エネルギー貯蔵電池の荷電状態値SOCを取得するステップをさらに含み、
前記第1の充電電流に基づいて、前記充放電装置における双方向DC/DCコンバータを制御してエネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させる前記ステップは、
前記充放電装置は、前記SOCが荷電状態閾値以上であることを決定し、且つ前記第1の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させるステップを含むことを特徴とする請求項14~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、
前記充放電装置は前記エネルギー貯蔵電池の荷電状態値SOCを取得するステップをさらに含み、
前記第1の充電電流に基づいて、前記充放電装置における双方向DC/DCコンバータを制御してエネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させる前記ステップは、
前記充放電装置は前記SOCが荷電状態閾値よりも小さいことを決定するステップと、
前記充放電装置は、前記第2の充放電装置が前記送電網を介して前記エネルギー貯蔵電池を充電するよう、前記第2の充放電装置に充電要求メッセージを送信するステップと、
前記充放電装置は、前記SOCが前記荷電状態閾値以上であることを決定し、且つ前記第1の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させるステップと、を含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、
前記充放電装置は、前記BMSにより送信された充電停止コマンドを受信して、前記電池への充電を停止するステップであって、前記充電停止コマンドは、前記電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超える場合、前記BMSにより送信されたコマンドであるステップをさらに含むことを特徴とする請求項14~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の充電電流及び/又は前記第2の充電電流の充電率の範囲は2C~10Cの間であることを特徴とする請求項14~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の放電電流の放電率の範囲は0.1C~1Cの間であることを特徴とする請求項14~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の累積放電量閾値と前記第1の累積充電量閾値との比は10%以下であることを特徴とする請求項14~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の充電電流、前記第1の放電電流及び前記第2の充電電流のうちの少なくとも1つは、前記BMSが電池の状態パラメータに基づいて決定されたものであり、
前記電池の状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池電流、電池荷電状態及び電池健康状態のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項14~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記充放電装置はBMSにより送信された第1の充電電流を受信するステップは、
前記充放電装置は前記BMSにより送信された前記第1の充電電流を定期的に受信するステップを含み、及び/又は、
前記充放電装置は前記BMSにより送信された第1の放電電流を受信するステップは、
前記充放電装置は前記BMSにより送信された第1の放電電流を定期的に受信するステップを含み、及び/又は、
前記充放電装置は前記BMSにより送信された第2の充電電流を受信するステップは、
前記充放電装置は前記BMSにより送信された第2の充電電流を定期的に受信するステップを含むことを特徴とする請求項14~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、前記充放電装置が前記BMSにより送信された第1の充電電圧を受信するステップであって、前記第1の充電電圧と前記第1の充電電流は第1の電池充電要求メッセージに運ばれるステップをさらに含み、及び/又は、
前記方法は、前記充放電装置が前記BMSにより送信された第1の放電電圧を受信するステップであって、前記第1の放電電圧と前記第1の放電電流は第2の電池充電要求メッセージに運ばれるステップをさらに含み、及び/又は、
前記方法は、前記充放電装置が前記BMSにより送信された第2の充電電圧を受信するステップであって、前記第2の充電電圧と前記第2の充電電流は第3の電池充電要求メッセージに運ばれるステップをさらに含むことを特徴とする請求項14~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
充放電装置であって、プロセッサ及びメモリを備え、前記メモリはコンピュータプログラムを記憶することに用いられ、前記プロセッサは前記コンピュータプログラムを呼び出して、請求項14~26のいずれか1項に記載の電池充電方法を実行することに用いられることを特徴とする充放電装置。
【請求項28】
充放電システムであって、電池の電池管理システムBMS、及び、請求項1~13のいずれか1項に記載の充放電装置を備えることを特徴とする充放電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は電池の分野に関し、特に充放電装置及び電池充電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
時代の発展に連れて、電気自動車は、高い環境保護性、低ノイズ、低い使用コスト等の利点により、高い市場の将来性を有し、且つ省エネ及び排出削減を効果的に促進することができ、社会の発展及び進歩に寄与する。
【0003】
電気自動車及びその関連分野にとって、電池技術はその発展に関連する重要な要素であり、特に電池の安全性能は、電池関連製品の発展及び応用に影響を及ぼし、且つ電気自動車に対する大衆の受容性に影響を及ぼす。従って、電池の安全性能をどのように確保するかは、解決すべき技術的課題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、電池の安全性能を確保することができる充放電装置及び電池充電方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様では、充放電装置を提供し、該装置は双方向DC/DCコンバータ及び制御ユニットを備え、前記制御ユニットは、前記電池の電池管理システムBMSにより送信された第1の充電電流を受信し、前記第1の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御してエネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させることと、前記BMSにより送信された第1の放電電流を受信し、前記第1の放電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させることであって、前記第1の放電電流は、前記電池の第1の累積充電量が第1の累積充電量閾値以上であり、且つ前記電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合、前記BMSにより送信された放電電流である、ことと、前記BMSにより送信された第2の充電電流を受信し、前記第2の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させることと、前記第2の充電電流は、前記電池の第1の累積放電量が第1の累積放電量閾値以上である場合、前記BMSにより送信された充電電流であることと、に用いられる。
【0006】
本願の実施例の技術案によれば、充放電装置とBMSとの間に実現できる充電方法を提供し、電池を充電する過程において、充放電装置は、BMSにより送信された第1の充電電流及び第1の放電電流に基づいて電池への充放電を実現することができ、それにより、電池の連続充電による発熱やリチウムイオンの蓄積等の問題を回避し、さらに、発熱やリチウムイオンの蓄積等の問題による電池の安全面における問題、例えば、電池の燃焼又は爆発等を回避し、電池の安全性能を確保し、また、エネルギー貯蔵電池を介して電池を充放電することで、異なる場合での電池の急速充電要求を満たすことができる。
【0007】
いくつかの実施例では、前記制御ユニットはさらに、前記BMSにより送信された第2の放電電流を受信し、前記第2の放電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させることに用いられ、前記第2の放電電流は、前記電池の第2の累積充電量が第2の累積充電量閾値以上であり、且つ前記電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合、前記BMSにより送信された放電電流である。
【0008】
該実施態様の技術案によれば、BMSと充放電との間の情報交換によって、電池への充電、放電及び再充電を完了した後、電池をさらに再放電することができる。該方式に基づいて、本願の実施例は、複数回繰り返される充放電方法をさらに提供することができ、充電及び放電過程が順に繰り返され、電池の性能を確保した上で、電池を徐々に充電することを実現する。
【0009】
いくつかの実施例では、前記制御ユニットはさらに、前記第1の放電電流に基づいて、前記電池の放電要求パワーが放電パワー閾値よりも小さいことを決定することと、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させることと、に用いられる。
【0010】
電池の電気量をカスケード利用電池に放出することにより、一方で、電池への充電過程に放電過程を増加して、リチウムイオン蓄積を排除し、充電率を向上させることができ、他方で、カスケード利用電池を充電することができ、エネルギーの浪費を回避する。
【0011】
いくつかの実施例では、前記制御ユニットはさらに、前記第1の放電電流に基づいて、前記電池の放電要求パワーが放電パワー閾値以上であることを決定することと、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池に第1の放電要求パワーの電気量を放出し、且つ前記双方向DC/DCコンバータを制御して第2の充放電装置を介して送電網に第2の放電要求パワーの電気量を放出させることであって、前記第1の放電要求パワーと前記第2の放電要求パワーの合計は前記放電要求パワーに等しい、ことと、に用いられる。
【0012】
本願の実施例では、電池の放電パワーがカスケード利用電池の放電パワー閾値を超える場合、充放電装置は電気量の一部を送電網に放出することができ、それにより、充電過程中の放電を実現するとともに、カスケード利用電池の安全性を確保する。
いくつかの実施例では、前記制御ユニットはさらに、前記エネルギー貯蔵電池の荷電状態値SOCを取得することと、前記SOCが荷電状態閾値以上であることを決定し、且つ前記第1の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御してエネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させることと、に用いられる。
【0013】
本願の実施例における充放電装置は、電池を充電する前に、先ずエネルギー貯蔵電池の荷電状態を判断し、且つエネルギー貯蔵電池の電気量が十分である場合のみにエネルギー貯蔵電池を利用して電池を充電する。
【0014】
いくつかの実施例では、前記制御ユニットはさらに、前記エネルギー貯蔵電池の荷電状態値SOCを取得することに用いられ、前記制御ユニットは具体的には、前記SOCが荷電状態閾値よりも小さいことを決定することと、前記第2の充放電装置が前記送電網を介して前記エネルギー貯蔵電池を充電するよう、前記第2の充放電装置に充電要求メッセージを送信することと、前記SOCが前記荷電状態閾値以上であることを決定し、且つ前記第1の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させることと、に用いられる。
【0015】
エネルギー貯蔵電池の電気量が不十分である場合決定した場合、本願の実施例における充放電装置は、送電網がカスケード利用電池を充電できるよう、充電要求メッセージを送信することができ、且つカスケード利用電池の電気量が十分である場合に、カスケード利用電池を再び利用して電池を充電し、それにより充電効率を向上させることができる。
いくつかの実施例では、前記制御ユニットはさらに、前記BMSにより送信された充電停止コマンドを受信して、前記電池への充電を停止することであって、前記充電停止コマンドは、前記電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超える場合、前記BMSにより送信されたコマンドである、ことに用いられる。
【0016】
本願の実施例における充放電装置は、BMSのリアルタイムな需要に従って、電池への充電過程と放電過程の切り替えを適時に調整し、且つ電池を充電し続けるか否かを決定することができ、それにより充電効率を向上させることができる。
【0017】
いくつかの実施例では、前記第1の充電電流及び/又は前記第2の充電電流の充電率の範囲は2C~10Cの間である。
【0018】
該実施態様の技術案によれば、電池の安全性能を確保した上で、第1の充電電流及び/又は第2の充電電流の充電率の範囲を2C~10Cの間にすることで、大電流急速充電を実現することができ、それにより、一回の充電過程の電池への充電量を高め、急速充電の目的を実現する。
【0019】
また、連続的な充電過程にリチウムイオンが陰極に蓄積することに制限されるため、充電電流も制限され、従って、連続的な大電流を利用して電池の急速充電を実現することができず、本願の実施例の技術案は、大電流を利用して電池を充電し、且つ大電流で一回充電した後に電池を放電し、充電過程に電池の陰極に蓄積されたリチウムイオンを放出し、さらに、その後に大電流を再び利用して電池を充電することができ、電池の急速充電を実現する。
【0020】
いくつかの実施例では、前記第1の放電電流の放電率の範囲は0.1C~1Cの間である。
【0021】
該実施態様の技術案によれば、第1の放電電流の放電率の範囲は0.1C~1Cの間であり、それにより小電流放電を実現し、電池に充電された電気量の過度損失をもたらすことなく、電池の小電流の放電により、電池の陰極に蓄積されたリチウムイオンを放出することを目的とする。
【0022】
いくつかの実施例では、前記第1の累積放電量閾値と前記第1の累積充電量閾値との比は10%以下である。
【0023】
該実施態様の技術案によれば、放電過程における累積放電量閾値と充電過程における累積充電閾値との比を設定することで、充電過程における電池への充電量と放電過程における電池の放電量をより良好に制御することができ、放電量が小さくなり、電池に充電された電気量の過度損失を引き起こさない。
【0024】
いくつかの実施例では、前記第1の充電電流、前記第1の放電電流及び前記第2の充電電流のうちの少なくとも1つは、前記BMSが電池の状態パラメータに基づいて決定されたものであり、前記電池の状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池電流、電池荷電状態及び電池健康状態のうちの少なくとも1つを含む。
【0025】
該実施態様の技術案によれば、第1の充電電流、第2の充電電流及び第1の放電電流のうちの少なくとも1つが電池の状態パラメータに基づいて決定された電流である場合、電池の現在の状態パラメータにより良く適応することができ、電池の充電効率及び/又は放電効率を向上させることができ、且つ電池に損傷を与えることがない。
【0026】
いくつかの実施例では、前記制御ユニットは具体的には、前記BMSにより送信された前記第1の充電電流を定期的に受信すること、及び/又は、前記BMSにより送信された第1の放電電流を定期的に受信すること、及び/又は、前記BMSにより送信された第2の充電電流を定期的に受信すること、に用いられる。
【0027】
該実施態様では、充放電装置が電池を一回で充電及び/又は一回で放電する過程において、充電電流及び/又は放電電流はBMSにより定期的に送信されるものであり、一方で、該実施形態により、充電電流及び/又は放電電流を定期的に調整し、充放電効率を向上させることができ、他方で、該定期的に送信された充電電流及び/又は放電電流により、BMSと電池の状態が正常であることを示し、充放電装置が電池を充電し続けるか、又は電池を制御して放電することを容易にし、電池の安全性能を確保することができる。
【0028】
いくつかの実施例では、前記制御ユニットはさらに、前記BMSにより送信された第1の充電電圧を受信することであって、前記第1の充電電圧と前記第1の充電電流は第1の電池充電要求メッセージに運ばれる、こと、及び/又は、前記BMSにより送信された第1の放電電圧を受信することであって、前記第1の放電電圧と前記第1の放電電流は第2の電池充電要求メッセージに運ばれる、こと、及び/又は、前記BMSにより送信された第2の充電電圧を受信すること、前記第2の充電電圧と前記第2の充電電流が第3の電池充電要求メッセージに運ばれる、こと、に用いられる。
【0029】
該実施態様では、BMSと充放電装置との間の通信は、既存の充電パイルとBMSとの間の通信プロトコルを両立でき、従って、BMSと充放電装置との間の通信は実現しやすく、且つ将来の応用可能性が高い。
【0030】
第2態様では、電池充電方法を提供し、該方法は充放電装置に適用され、該方法は、前記充放電装置は、前記電池の電池管理システムBMSにより送信された第1の充電電流を受信し、前記第1の充電電流に基づいて、前記充放電装置における双方向DC/DCコンバータを制御してエネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させるステップと、前記充放電装置は、前記BMSにより送信された第1の放電電流を受信し、前記第1の放電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させるステップであって、前記第1の放電電流は、前記電池の第1の累積充電量が第1の累積充電量閾値以上であり、且つ前記電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合、前記BMSにより送信された放電電流である、ステップと、前記充放電装置は、前記BMSにより送信された第2の充電電流を受信し、前記第2の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させるステップであって、前記第2の充電電流は、前記電池の第1の累積放電量が第1の累積放電量閾値以上である場合、前記BMSにより送信された充電電流である、ステップとを含む。
【0031】
第3態様では、電池管理システムBMSを提供し、第1の充電電流を取得するための取得ユニットと、充放電装置が第1の充電電流に基づいて電池を充電するよう、第1の充電電流を充放電装置に送信するための送信ユニットと、電池の第1の累積充電量が第1の累積充電量閾値以上であり、且つ電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合決定する場合、取得ユニットをさらに第1の放電電流の取得に用いるための処理ユニットと、を備え、送信ユニットはさらに、充放電装置が第1の放電電流に基づいて電池を制御して放電させるよう、第1の放電電流を充放電装置に送信することに用いられ、処理ユニットはさらに、電池の第1の累積放電量が第1の累積放電量閾値以上である場合決定する場合、取得ユニットをさらに第2の充電電流の取得に用いることに用いられ、送信ユニットはさらに、充放電装置が第2の充電電流に基づいて電池を充電するよう、第2の充電電流を充放電装置に送信することに用いられる。
【0032】
第4態様では、電池充電方法を提供し、電池管理システムBMSは第1の充電電流を取得し、充放電装置が第1の充電電流に基づいて電池を充電するよう、第1の充電電流を充放電装置に送信するステップと、電池の第1の累積充電量が第1の累積充電量閾値以上であり、且つ電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合、BMSは、第1の放電電流を取得し、且つ充放電装置が第1の放電電流に基づいて電池を制御して放電させるよう、第1の放電電流を充放電装置に送信するステップと、電池の第1の累積放電量が第1の累積放電量閾値以上である場合、BMSは、第2の充電電流を取得し、且つ、充放電装置が第2の充電電流に基づいて電池を充電するよう、第2の充電電流を充放電装置に送信するステップとを含む。
【0033】
第5態様では、充放電装置を提供し、プロセッサ及びメモリを備え、該メモリはコンピュータプログラムを記憶することに用いられ、該プロセッサは該コンピュータプログラムを呼び出して、上記第2態様及び第2態様のいずれかの可能な実施態様における方法を実行することに用いられる。
【0034】
第6態様では、電池管理システムBMSを提供し、プロセッサ及びメモリを備え、該メモリはコンピュータプログラムを記憶することに用いられ、該プロセッサは該コンピュータプログラムを呼び出して、上記第4態様及び第4態様のいずれかの可能な実施態様における方法を実行することに用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本願の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下、本願の実施例に必要な図面を簡単に説明し、明らかなように、以下に説明された図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働をしないで、図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【
図1】本願の一実施例の適用可能な充電システムの構造図である。
【
図2】本願の実施例に係る電池充電方法の模式的なフローチャートである。
【
図3】本願の実施例に使用される別の充電システムの構造図である。
【
図4】本願の実施例に係る別の電池充電方法の模式的なフローチャートである。
【
図5】本願の実施例に係る別の電池充電方法の模式的なフローチャートである。
【
図6】本願の実施例に係る電池の充電電流及び放電電流の模式的な波形図であるである。
【
図7】本願の実施例に係る別の電池充電方法の模式的なフローチャートである。
【
図8】本願の実施例に係る別の電池充電方法の模式的なフローチャートである。
【
図9】本願の実施例に係る別の電池充電方法の模式的なフローチャートである。
【
図10】本願の実施例に係る別の電池充電方法の模式的なフローチャートである。
【
図11】本願の実施例に係る別の電池充電方法の模式的なフローチャートである。
【
図12】本願の実施例に係る別の電池充電方法の模式的なフローチャートである。
【
図13】本願の実施例に係る別の電池充電方法の模式的なフローチャートである。
【
図14】本願の実施例に係る別の電池充電方法の模式的なフローチャートである。
【
図15】本願の実施例に係る電池充電プロセスの模式図である。
【
図16】本願の実施例に係る充放電装置の模式的な構造ブロック図である。
【
図17】本願の実施例に係る電池管理システムBMSの模式的な構造ブロック図である。
【
図18】本願の一実施例の電子装置の模式的な構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面及び実施例を参照しながら本願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明及び図面は本願の原理を例示的に説明するためのものであるが、本願の範囲を制限するものではなく、すなわち、本願は説明されている実施例に限定されない。
【0037】
なお、本願の説明では、別途説明しない限り、「複数」の意味は2つ以上であり、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」等の用語が示す方位又は位置関係は、本願の説明を容易にし、説明を簡素化するためのものに過ぎず、装置又は素子が特定の方位にあり、特定の方位で構造され、操作される必要があることを明示又は暗示することではなく、従って、本願に対する制限と理解されてはならない。また、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、説明ためのものに過ぎず、相対的な重要性を明示又は暗示するものと理解されてはならない。
【0038】
新エネルギーの分野では、電力電池は電力消費装置(例えば、車両、船舶又は宇宙船等)の主な動力源として使用することができ、エネルギー貯蔵電池は電力消費装置の充電源として使用することができ、両者の重要性は自明である。限定ではなく例として、いくつかの適用シーンにおいて、電力電池を電力消費装置の電池とし、エネルギー貯蔵電池を充電装置の電池として使用することができる。説明を容易にするために、以下、電力電池及びエネルギー貯蔵電池の両方は電池と総称されてもよい。
【0039】
現在、市販されている電池はほとんど充電可能な蓄電池であり、最も一般的なものはリチウム電池、例えば、リチウムイオン電池又はリチウムイオンポリマー電池等である。充電過程において、一般的に連続的に充電する方式で電池を充電するが、電池を連続的に充電すると電池のリチウム析出や発熱等の現象の発生を引き起こし、リチウム析出や発熱等の現象は電池の性能を低下させ、サイクル寿命を大幅に短縮するだけでなく、電池の急速充電容量を制限し、燃焼や爆発等の壊滅的な結果を引き起こし、深刻な安全上の問題をもたらす恐れがある。
【0040】
電池の安全性能を確保するために、本願は新たな電池充電方法及び充電システムを提案する。
【0041】
図1は本願の実施例に適用する充電システムの構造図を示す。
図1に示すように、該充電システム100は、充放電装置110及び電池システム120を備え、任意選択的に、該電池システム120は電気自動車(純粋な電気自動車及びプラグインハイブリッド電気自動車を含む)の電池システム又は他の適用シーンでの電池システムであってもよい。
【0042】
任意選択的に、電池システム120には少なくとも1つの電池パック(battery pack)が設けられてもよく、該少なくとも1つの電池パックの全体は電池121と総称されてもよい。電池のタイプについて、該電池121は任意のタイプの電池であってもよく、リチウムイオン電池、リチウム金属電池、リチウム硫黄電池、鉛酸電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、又はリチウム空気電池等を含むがこれらに限定されない。電池の規模について、本願の実施例における電池121は電気コア/電池セル(cell)であってもよく、又は電池モジュール又は電池パックであってもよく、電池モジュール又は電池パックはいずれも複数の電池で直列接続及び並列接続して形成されてもよく、本願の実施例では、電池121の具体的なタイプ及び規模はいずれも具体的に限定されていない。
【0043】
また、該電池121をインテリジェントに管理及びメンテナンスし、電池の過充電及び過放電を防止し、電池の耐用年数を延ばすために、電池システム120には、一般的に電池管理システム(battery management system、BMS)122が設けられ、電池121の状態を監視することに用いられる。任意選択的に、該BMS 122は電池121と同じ機器/装置に統合して設けられてもよく、又は、該BMS 122は独立した機器/装置として電池121外に設けられてもよい。
【0044】
具体的には、充放電装置110は電池システム120における電池121に電気エネルギーを供給し及び/又は電池121を制御して放電させる装置である。
任意選択的に、本願の実施例における充放電装置110は通常の充電パイル、スーパー充電パイル、ビークルツーグリッド(vehicle to grid、V2G)モードをサポートする充電パイル、又は電池を充電及び/又は放電することができる充放電装置/機器等であってもよい。本願の実施例は充放電装置110の具体的なタイプ及び具体的な適用シーンを限定しない。
【0045】
任意選択的に、
図1に示すように、充放電装置110は、ワイヤー150を介して電池121に接続され、且つ通信線140を介してBMS 122に接続されてもよく、通信線140は充放電装置110とBMSとの間の情報交換を実現することに用いられる。
一例として、該通信線140は、制御エリアネットワーク(control area network、CAN)通信バス又はデイジーチェーン(daisy chain)通信バスを含むがこれらに限定されない。
【0046】
任意選択的に、充放電装置110は通信線140を介してBMS 122と通信できることに加えて、無線ネットワークを介してBMS 122と通信することができる。本願の実施例は、充放電装置とBMS 122との有線通信タイプ又は無線通信タイプを具体的に限定しない。
【0047】
図2は本願の実施例の応用可能な電池充電方法200の模式的なフローチャートを示す。任意選択的に、本願の実施例の方法200は上記の
図1に示される充放電装置110及び電池システム120に適用することができる。
【0048】
図2に示すように、該電池充電方法200は以下のステップを含んでもよい。
【0049】
ステップ210、電池管理システムBMSは第1の充電電流を取得する。
【0050】
ステップ220、BMSは充放電装置に第1の充電電流を送信する。
【0051】
ステップ230、充放電装置は第1の充電電流を受信し、第1の充電電流に基づいて電池を充電する。
【0052】
ステップ240、電池の第1の累積充電量が第1の累積充電量閾値以上であり、且つ電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合、BMSは第1の放電電流を取得する。
【0053】
ステップ250、BMSは充放電装置に第1の放電電流を送信する。
【0054】
ステップ260、充放電装置は第1の放電電流を受信し、第1の放電電流に基づいて電池を制御して放電させる。
【0055】
本願の実施例では、充放電装置とBMSとの間に実現できる充電方法を提供し、電池を充電する過程において、充放電装置は、BMSにより送信された第1の充電電流及び第1の放電電流に基づいて電池の充電及び放電を実現し、電池の連続充電を回避することができ、それにより、電池の連続充電による発熱やリチウムイオンの蓄積等の問題を回避する。発熱により電池温度が上昇し、リチウムイオンの蓄積により生成された結晶物が電池を貫通し、電解液の漏れを引き起こし、電池を短絡させ、そのため、電池温度の上昇及び電池の短絡等はいずれも電池の安全上の問題、例えば、電池の燃焼又は爆発等をもたらす恐れがある。従って、本願の実施例の技術案によれば、充放電装置はBMSにより送信された第1の充電電流及び第1の放電電流実現に基づいて電池の充電及び放電を実現するため、電池の安全性能を確保することができる。また、連続的に充電する過程において、リチウムイオンの連続的な蓄積もリチウム析出の問題を引き起こし、電池の耐用年数及び充電能力に影響を及ぼし、従って、本願の実施例の技術案によれば、電池の耐用年数及び充電容量を確保することもできる。
【0056】
具体的には、ステップ210~ステップ230において、BMSは最初に充電モードに入って充放電装置を制御して電池を充電させることができ、先ず、BMSは第1の充電電流を取得し、BMSが充放電装置に第1の充電電流を送信した後、充放電装置は受信された第1の充電電流に基づいて電池を充電する。
【0057】
任意選択的に、BMSはその自体の機能ユニット(例えば、貯蔵ユニット又は処理ユニット)から第1の充電電流を取得することができ、又は、BMSは他の装置から第1の充電電流を取得してもよい。いくつかの実施形態では、該第1の充電電流は予め設定された電流であってもよく、該予め設定された電流は固定値であってもよく、又は時間に従って予め設定された方式で変化するものであってもよい。又は、別のいくつかの実施形態では、該第1の充電電流は電池の状態パラメータに基づいて決定された電流であってもよく、該第1の充電電流は電池の状態パラメータの変化に従って変化する。
【0058】
任意選択的に、充放電装置は電源に接続されてもよく、該電源は交流電源及び/又は直流電源であってもよく、充放電装置は第1の充電電流の情報を受信した後、第1の充電電流に基づき、交流電源及び/又は直流電源を介して電池を充電する。
【0059】
さらに、充放電装置が第1の充電電流に基づいて電池を充電する過程において、BMSは、電池の第1の累積充電量を取得し、該第1の累積充電量が第1の累積充電量閾値以上であるか否かを判断することができ、電池の第1の累積充電量が第1の累積充電量閾値以上であり、且つ電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合、BMSは第1の放電電流を取得する。
【0060】
具体的には、上記の
図1における電池に対する説明から分かるように、電池は1つ又は複数の電池セルを備えてもよく、BMSは電池の1つ又は複数の電池セルの電圧を監視することにより、該電池が満充電状態に達したか否かを監視することができる。任意選択的に、電池が複数の電池セルを備えると、複数の電池セルの電圧が異なる可能性があり、この場合に、電池セルの最大電圧が電池セルの満充電電圧を超えるか否かを判断することにより、電池が満充電状態に達したか否かを判断することができる。又は、他の形態では、電池セルの最大電圧に加えて、電池の電池セルの他の電圧を利用して、電池が満充電状態に達したか否かを判断することができる。
【0061】
電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えず、すなわち電池が満充電状態に達していない前提で、電池の第1の累積充電量が第1の累積充電量閾値以上である場合、BMSは第1の放電電流を取得し、すなわち、電池は、充電モードから放電モードに移行する。
【0062】
任意選択的に、上記第1の累積充電量は第1の累積充電容量であってもよく、又は第1の累積充電電気量であってもよい。対応して、第1の累積充電量が第1の累積充電容量である場合、第1の累積充電量閾値は第1の累積充電容量閾値であり、第1の累積充電量が第1の累積充電電気量である場合、第1の累積充電量閾値は第1の累積充電電気量閾値である。
【0063】
いくつかの実施形態では、上記第1の累積充電量閾値は予め設定された閾値であってもよく、該予め設定された閾値は固定閾値であってもよく、又は時間に従って予め設定された方式で変化するものであってもよい。
【0064】
別のいくつかの実施形態では、該第1の累積充電量閾値は電池の状態パラメータに基づいて決定されてもよく、すなわち電池の状態パラメータが変化すると、該第1の累積充電量閾値も変化し、該実施形態によれば、第1の累積充電量閾値は電池の現在の状態パラメータにより良好に適応することができ、それにより、現在の充電過程をより良好に制御して、電池の充電効率を向上させることができ、且つ電池に損傷を与えることがない。
【0065】
さらに、ステップ240~ステップ260において、BMSは第1の放電電流を取得し、該第1の放電電流を充放電装置に送信し、充放電装置は受信された第1の放電電流に基づいて電池を制御して放電させる。
【0066】
任意選択的に、BMSはその自体の機能ユニット(例えば、貯蔵ユニット又は処理ユニット)から第1の放電電流を取得することができ、又は、BMSは他の装置から第1の放電電流を取得してもよい。いくつかの実施形態では、該第1の放電電流は予め設定された電流であってもよく、該予め設定された電流は固定値であってもよく、又は時間に従って予め設定された方式で変化するものであってもよい。又は、別のいくつかの実施形態では、該第1の放電電流は電池の状態パラメータに基づいて決定された電流であってもよく、該第1の放電電流は電池の状態パラメータの変化に従って変化する。いくつかの実施形態では、放電モード又は放電段階で、電池の電気をエネルギー貯蔵装置及び/又は送電網に伝達することができ、電気エネルギーの再利用に寄与する。該エネルギー貯蔵装置は、電池の放電電流を受信することができるよう、充放電装置内に設けられてもよく、又は充放電装置外に設けられてもよく、本願の実施例はエネルギー貯蔵装置の具体的な設置を限定しない。任意選択的に、放電モードで、電池の電気量を他の方式で消耗することもでき、本願の実施例は電気エネルギーの消耗の具体的な方式を限定しない。
【0067】
さらに、充放電装置が電池を制御して放電させる過程において、BMSは電池の放電過程における第1の累積放電量を取得し、該第1の累積放電量が第1の累積放電量閾値以上であるか否かを判断することができる。
【0068】
任意選択的に、上記第1の累積放電量は第1の累積放電容量であってもよく、又は第1の累積放電電気量であってもよい。対応して、第1の累積放電量が第1の累積放電容量である場合、第1の累積放電量閾値は第1の累積放電容量の閾値であり、第1の累積放電量が第1の累積放電電気量である場合、第1の累積放電量閾値は第1の累積放電電気量閾値である。
【0069】
いくつかの実施形態では、上記第1の累積放電量閾値は予め設定された閾値であってもよく、該予め設定された閾値は固定閾値であってもよく、又は時間に従って予め設定された方式で変化するものであってもよい。
【0070】
別のいくつかの実施形態では、該第1の累積放電量閾値は電池の状態パラメータに基づいて決定されてもよく、すなわち電池の状態パラメータが変化すると、該第1の累積放電量閾値も変化し、該実施形態によれば、第1の累積放電量閾値は電池の現在の状態パラメータにより良好に適応することができ、それにより、現在の放電過程をより良好に制御し、電池の放電効率を向上させることができ、且つ電池に損傷を与えることがない。
【0071】
第1の累積放電量が第1の累積放電量閾値以上である場合、充放電装置は電池を制御して放電を停止させる。
【0072】
上記過程により、充放電装置はBMSにより送信された第1の充電電流及び第1の放電電流実現に基づいて電池の充電及び放電を実現し、それにより、電池の連続充電による発熱やリチウムイオンの蓄積等の問題を回避し、さらに、発熱やリチウムイオンの蓄積等の問題による電池の安全面における問題、例えば、電池の燃焼又は爆発等を回避し、電池の安全性能を確保する。また、第1の充電電流に基づいて電池を第1の累積充電量まで充電した後に第1の放電電流に基づいて電池の電気量を第1の累積放電量まで放出することで、充電過程に電池の陰極に蓄積されたリチウムイオンを放出し、連続的な充電に発生したリチウム析出の問題を防止することができ、それにより、電池の耐用年数を延ばし、充電能力を向上させる。
【0073】
電池の充電について、一回で充電し及び一回で放電した後、続いて電池を第2回充電し、電池を充電し続けることができる。
【0074】
任意選択的に、
図2に示すように、本願の実施例における電池充電方法200は以下のステップをさらに含んでもよい。
【0075】
ステップ270、電池の第1の累積放電量が第1の累積放電量閾値以上である場合、BMSは第2の充電電流を取得する。
【0076】
ステップ280、BMSは充放電装置に第2の充電電流を送信する。
【0077】
ステップ290、充放電装置は第2の充電電流を受信し、第2の充電電流に基づいて電池を充電する。
【0078】
具体的には、上記ステップ270~ステップ290において、BMSは電池の第1の累積放電量が第1の累積放電量閾値以上であると判断した場合、BMSは第2の充電電流を取得して、該第2の充電電流を充放電装置に送信し、充放電装置は受信された第2の充電電流に基づいて電池を充電し続け、すなわち、電池は、放電モードから充電モードに再び移行する。任意選択的に、該ステップ270~ステップ290の他の関連する技術案は、上記のステップ210~ステップ230の関連する説明を参照すればよい。ここで詳細な説明は省略される。
【0079】
理解できるように、上記本願の実施例では、電池への充放電は、上記充放電に必要な電流情報に加えて、充放電に必要な電圧情報も必要であり、例えば、ステップ210~230において、BMSは第1の充電電流及び第1の充電電圧を取得して、充放電装置に該第1の充電電流及び第1の充電電圧を送信し、該充放電装置は、該第1の充電電流及び第1の充電電圧に基づいて電池を充電することに用いられ、ステップ240~260において、BMSは第1の放電電流及び第1の放電電圧を取得して、充放電装置に該第1の放電電流及び第1の放電電圧を送信し、該充放電装置は、該第1の放電電流及び該第1の放電電圧に基づいて電池を放電することに用いられる。後続の充放電過程は上記充放電過程と同様であってもよく、詳細な説明は省略される。
【0080】
一般的に、充放電装置は送電網を利用して電気自動車を充電することができるが、大きな駐車場等の特殊な環境において、
図1に基づいてエネルギー貯蔵電池をさらに追加することができ、エネルギー貯蔵電池を利用して電力電池を充電することで、特殊なシーンでの電気自動車の急速充電の需要を満たす。
【0081】
図3は本願の実施例の適用可能な別の充電システム30の構造模式図を示す。
図3に示すように、該充電システム30は、充放電装置310と、電池システム320と、エネルギー貯蔵電池330とを備えてもよい。
【0082】
電池システム320に関する説明は上記
図1の電池システム120に関する説明を参照すればよい。
【0083】
任意選択的に、本願の実施例におけるエネルギー貯蔵電池330はカスケード利用電池であってもよく、又は、エネルギー貯蔵電池330はエネルギー貯蔵ステーションの形式で存在してもよく、カスケード利用電池又はエネルギー貯蔵ステーションは送電網を介して充電されてもよく、又は、太陽光発電電源等の直流電流を介して充電されてもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0084】
図3に示すように、該充放電装置310は、双方向DC/DCコンバータ311及び制御ユニット312を備えてもよい。この場合、該充放電装置310は直流充電パイルであってもよく、調整可能な直流電流を出力することができるため、電力電池321、例えば、電気自動車の電力電池等を充電することができる。具体的には、該充放電装置310における双方向DC/DCコンバータ311は、エネルギー貯蔵電池330により出力されたパワーのタイプを電力電池321に必要なパワーのタイプに変換することにより、電力電池321への充電を実現することができる。制御ユニット312は、コントローラ及び/又はプロセッサを備えてもよく、双方向DC/DCコンバータ311のエネルギー貯蔵電池330を介した電力電池321の充放電過程、及び充放電装置310における他の電気部品の動作を制御することに用いられる。
【0085】
図4は本願の実施例の別の電池充電方法400の模式的なフローチャートを示し、該方法400は
図3における充電システム30によって実現されてもよい。
【0086】
図4に示すように、該電池充電方法400はステップ410~ステップ490を含む。
図1における充電システム10に対して、本願の実施例における応用可能な充電システム30はエネルギー貯蔵電池330を有し、且つ充放電装置310は双方向DC/DCコンバータ311及び制御ユニット312を備えてもよく、そのため、2種の充電システムの対応する方法、すなわち、
図2と
図4における充電方法は異なり、以下、2つの実施例の異なるステップを説明し、他のステップが同様であるため、本願の実施例では詳細な説明は省略される。
【0087】
ステップ410~420は
図2のステップ210~220と同様である。
【0088】
ステップ430、充放電装置は第1の充電電流を受信し、第1の充電電流に基づいて、双方向DC/DCコンバータを制御してエネルギー貯蔵電池を介して電池を充電させる。
【0089】
ステップ440~ステップ450は
図2のステップ240~250と同様である。
【0090】
ステップ460、充放電装置は第1の放電電流を受信し、第1の放電電流に基づいて、双方向DC/DCコンバータを制御して電池の電気量をエネルギー貯蔵電池に放出させる。
【0091】
ステップ470~480は
図2におけるステップ270~280と同様である。
【0092】
ステップ490、充放電装置は第2の充電電流を受信し、第2の充電電流に基づいて、双方向DC/DCコンバータを制御してエネルギー貯蔵電池を介して電池を充電させる。
【0093】
エネルギー貯蔵電池の電流が直流電流であるため、充放電装置はその双方向DC/DCコンバータを介して、電池を充放電することができる。
【0094】
本願の実施例の電池充電方法400により、電池を充電する過程において、充放電装置は、BMSにより送信された第1の充電電流及び第1の放電電流に基づいて電池の充電及び放電を実現し、電池の連続充電を回避することができ、それにより、電池の連続充電による発熱やリチウムイオンの蓄積等の問題を回避する。且つ、本願の実施例における電池充電方法は、充放電装置における双方向DC/DCコンバータを介して、エネルギー貯蔵電池を利用して電池を充放電することができ、それにより、大きな駐車場等のシーンでの電力電池の急速充電の需要を満たすことができる。
【0095】
図5は本願の実施例に係る別の電池充電方法500の模式的なフローチャートを示す。
図5に示すように、該電池充電方法500は上記ステップ410~ステップ490に加えて、さらに以下のステップを含んでもよい。
【0096】
ステップ510、電池の第2の累積充電量が第2の累積充電量閾値以上であり、且つ電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合、BMSは第2の放電電流を取得する。
【0097】
ステップ520、BMSは充放電装置に第2の放電電流を送信する。
ステップ530、充放電装置は、第2の放電電流を受信し、第2の放電電流に基づいて双方向DC/DCコンバータを制御し、前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出する。
【0098】
本願の実施例では、BMSと充放電との間の情報交換により、電池への充電、放電及び再充電、再放電を完了する。該態様によれば、本願の実施例は、複数回繰り返される充放電方法をさらに提供することができ、充電及び放電過程が順に繰り返され、電池の安全性能を確保した上で、電池を徐々に充電することを実現する。
【0099】
具体的には、ステップ510において、充放電装置が第2の充電電流に基づいて、エネルギー貯蔵電池を利用して電池を充電する過程において、BMSは電池の第2の累積充電量を取得して、該第2の累積充電量が第2の累積充電量閾値以上であるか否かを判断することができる。
【0100】
任意選択的に、該第2の累積充電量は、充放電装置の第2の充電電流による電池への充電量のみであってもよく、又は、該第2の累積充電量は電池の現在の総充電量であってもよく、一例として、該電池の現在の総充電量=第1の充電電流による充電量+第2の充電電流による充電量-第1の放電電流による放電量である。対応して、第2の累積充電量閾値も一回の充電による充電量の閾値であってもよく、又は、第2の累積充電量閾値は総充電量による充電量の閾値であってもよい。
【0101】
上記説明された第1の累積充電量及び第1の累積充電量閾値と同様に、本願の実施例では、第2の累積充電量は第2の累積充電容量であってもよく、又は第2の累積充電電気量であってもよい。対応して、第2の累積充電量が第2の累積充電容量である場合、第1の累積充電量閾値は第2の累積充電容量閾値であり、第2の累積充電量が第2の累積充電電気量である場合、第2の累積充電量閾値は第2の累積充電電気量閾値である。
【0102】
任意選択的に、いくつかの実施形態では、上記第2の累積充電量閾値は予め設定された閾値であってもよく、該予め設定された閾値は固定閾値であってもよく、又は時間に従って予め設定された方式で変化するものであってもよい。
【0103】
別のいくつかの実施形態では、該第2の累積充電量閾値は電池の状態パラメータに基づいて決定されてもよく、すなわち、電池の状態パラメータが変化すると、該第2の累積充電量閾値も変化する。
【0104】
さらに、ステップ510において、第2の累積充電量が第2の累積充電量閾値以上であり、且つ電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合、BMSは第2の放電電流を取得する。且つステップ520~ステップ530において、BMSは該第2の放電電流を充放電装置に送信し、且つ充放電装置は、受信された第2の放電電流に基づいて双方向DC/DCコンバータを制御し、電気量をエネルギー貯蔵電池に放出する。
【0105】
具体的には、上記ステップにおける他の関連する技術案は、上記ステップ240~ステップ260の関連する説明を参照すればよい。ここで詳細な説明は省略される。
【0106】
一例として、
図6は本願の実施例に係る電池の充電電流及び放電電流の模式的な波形図を示す。
【0107】
図6に示すように、t1~t2の期間に、充放電装置は第1の充電電流に基づいて電池を充電し、第1の累積充電量が第1の累積充電量閾値以上であり、且つ該電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えなくなるまで該電池を充電し、t2~t3の期間に、充放電装置は第1の放電電流に基づいて電池を制御して放電させ、該電池の第1の累積放電量が第1の累積放電量閾値以上になるまで放電し、任意選択的に、第1の放電電流の持続時間は第1の充電電流の持続時間よりも短くてもよい。t3~t4の期間に、充放電装置は第2の充電電流に基づいて電池を充電し続け、該電池の第2の累積充電量が第2の累積充電量閾値以上になり、且つ該電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えなくなるまで充電し、t4~t5の期間に、充放電装置は第2の放電電流に基づいて電池を制御して放電させ、該電池の第2の累積放電量が第2の累積放電量閾値以上になるまで放電し、任意選択的に、第2の充電電流の持続時間は第1の充電電流の持続時間よりも短くてもよい。理解できるように、上記充放電過程は、該電池が完全に充電されるまで連続的に行われる。
【0108】
なお、
図6は第1の充電電流、第2の充電電流、第1の放電電流及び第2の放電電流の波形図を模式的に示しており、t1~t2において、第1の充電電流は
図6に示される定電流であってもよく、又は時間に従って変化する変化電流であってもよく、同様に、第2の充電電流、第1の放電電流及び第2の放電電流は、
図6に示される定電流であってもよく、又は時間に従って変化する変化電流であってもよい。また、
図6に模式的に示される第1の充電電流と第2の充電電流の大きさは同じであり、第1の放電電流と第2の放電電流の大きさは同じであり、また、第1の充電電流と第2の充電電流の大きさは異なってもよく、第1の放電電流と第2の放電電流の大きさは異なってもよく、本願の実施例はこれを具体的に限定しない。
【0109】
図4及び
図5の充電方法において、充放電装置は第1の放電電流に基づいて双方向DC/DCコンバータを制御して電池の電気量を放出させ、任意選択的に、充放電装置は、放出する必要がある全ての電気量をエネルギー貯蔵電池に放出することができ、又は、その一部をエネルギー貯蔵電池に放出し、別の部分を送電網に放出することもよい。
具体的には、一実施態様として、
図7は本願の実施例に係る別の電池充放電過程の模式図を示す。
【0110】
図7に示すように、該充放電プロセス700はステップ410~ステップ490を含み、ステップ410~450及び470~490は前述したステップと同様である。ステップ461と462は前述したステップ460に対応してもよい。
【0111】
ステップ761、充放電装置は第1の放電電流に基づいて、電池の放電要求パワーが放電パワー閾値よりも小さいことを決定する。
【0112】
ステップ762、充放電装置は双方向DC/DCコンバータを制御して電池の電気量をエネルギー貯蔵電池に放出させる。
【0113】
理解すべきなのは、本願の実施例における放電パワー閾値はエネルギー貯蔵電池の放電パワー閾値であり、電力電池の放電要求パワーがエネルギー貯蔵電池の閾値よりも小さいと決定される場合、電力電池の電気量をエネルギー貯蔵電池に放出することができ、一方で、充電過程に電力電池を放電し、リチウムイオン蓄積の現象を適時に解消することができ、他方で、電力電池から放出された電気量は、エネルギー貯蔵電池が受入れ可能な範囲内にあることを確保し、それにより、エネルギー貯蔵電池の正常な使用を確保し、且つ、電力電池から放出された電気量はエネルギー貯蔵電池を充電することができ、エネルギーの浪費を回避する。
【0114】
理解すべきなのは、電池の放電要求パワー閾値は電池の放電電流及び放電電圧に基づき算出することができる。
【0115】
任意選択的に、本願の実施例における充放電システム30は第2の充放電装置360及び送電網370をさらに備えてもよく、第2の充放電装置360は双方向AC/DCコンバータを備える。任意選択的に、第2の充放電装置360は高圧線350を介してそれぞれエネルギー貯蔵電池330及び送電網370に接続されてもよい。
【0116】
任意選択的に、第2の充放電装置360は制御ユニットを備えてもよく、該制御ユニットは通信線340を介して充放電装置と情報交換を行うことができる。
【0117】
別の実施態様として、
図8は本願の実施例に係る別の電池充放電過程の模式図を示す。
図8に示すように、該電池放電プロセス800はステップ410~ステップ490を含み、ステップ410~450及び470~490は前述したステップと同様である。以下、その異なるステップのみを説明する。
【0118】
ステップ861、充放電装置は第1の放電電流に基づいて、電池の放電要求パワーが放電パワー閾値以上であることを決定する。
【0119】
ステップ862、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池に第1の放電要求パワーの電気量を放出させる。
【0120】
ステップ863、前記双方向DC/DCコンバータを制御して第2の充放電装置を介して送電網に第2の放電要求パワーの電気量を放出させる。前記第1の放電要求パワーと前記第2の放電要求パワーの合計は前記放電要求パワーに等しい。
【0121】
本願の実施例における電力電池の放電要求パワーがエネルギー貯蔵電池の放電パワー閾値よりも大きい場合、充放電装置は、電力電池の電気量の一部をエネルギー貯蔵電池に放出し、電力電池の残りの電気量を送電網、例えば
図3に示される送電網370等に放出するように制御することができる。具体的には、例えば、上記電力電池の放電要求パワーはWsumであり、エネルギー貯蔵電池の放電パワー閾値はWDischglmtであり、上記第1の放電要求パワーの電気量は、放電要求パワーWsumと放電パワー閾値WDischglmtとの差分に等しい電気量、すなわちWsum-WDischgLmtであってもよく、第2の放電要求パワーは放電パワー閾値と同じ電気量、すなわちWDischgLmtであってもよく、このようにして、電力電池が充電過程に、放電過程を実現することができる。
【0122】
理解すべきなのは、本願の実施例における充放電装置は双方向DC/DCコンバータを備える装置である場合、それは直流充電装置であり、すなわち、直流電流をパワーの異なる直流電流のみに変換することができ、交流電流に変換することができず、従って、電力電池の電気量を送電網に放出することを実現するために、本願の実施例における充放電装置はさらに、双方向DC/DCコンバータを制御して第2の充放電装置を介して放電させることができ、ここで、任意選択的に、第2の充放電装置は双方向AC/DCコンバータを備えてもよい。具体的には、例えば、充放電装置は双方向DC/DCコンバータ及び第2の充放電装置における双方向AC/DCコンバータを介して、電力電池の電気量を送電網に放出することができる。
【0123】
本願の実施例における充電システムはエネルギー貯蔵電池を利用して電池を充放電し、エネルギー貯蔵電池は電気量が不十分な場合に電池に充電することができないため、一実施態様として、
図9は本願の実施例の別の電池充電方法のプロセスの模式図を示す。
図9に示すように、該電池充放電のプロセス900はステップ410~ステップ490を含み、以下、その異なるステップのみを説明する。
【0124】
ステップ931、充放電装置は、前記エネルギー貯蔵電池の荷電状態値SOCを取得する。
【0125】
ステップ932、充放電装置は、前記SOCが荷電状態閾値以上であることを決定し、且つ前記第1の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御してエネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させる。
【0126】
理解すべきなのは、本願の実施例におけるエネルギー貯蔵電池は、自体の電気量が特定の閾値以上である場合のみに電力電池を充電し、自体の電気量が閾値よりも小さい場合、先ず自体の電力を補充した後、電力電池を充電する。
【0127】
図9に対応して、別の実施態様として、
図10は本願の実施例の別の電池充電方法のプロセスの模式図を提供する。
【0128】
図10に示すように、該電池充放電プロセス1000はステップ410~ステップ490を含み、以下、その異なるステップのみを説明する。
【0129】
ステップ1031、前記エネルギー貯蔵電池の荷電状態値SOCを取得する。
【0130】
ステップ1032、前記SOCが荷電状態閾値よりも小さいことを決定する。
【0131】
ステップ1033、前記第2の充放電装置が前記送電網を介して前記エネルギー貯蔵電池を充電するよう、前記第2の充放電装置に充電要求メッセージを送信する。
【0132】
ステップ1034、前記SOCが前記荷電状態閾値以上であることを決定し、且つ前記第1の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させる。
【0133】
理解すべきなのは、本願におけるエネルギー貯蔵電池は電力が不十分な場合、交流電源を介して充電することができる。任意選択的に、例えば、制御ユニットは通信線を介して第2の充放電装置に充電要求メッセージを送信して、第2の充放電装置が送電網を介してエネルギー貯蔵電池を充電するように要求することができ、この場合、第2の充放電装置はAC/DCコンバータを備えてもよい。又は、任意選択的に、本願の実施例におけるエネルギー貯蔵電池は直流電源を介して充電することもでき、この場合、エネルギー貯蔵電池は第2の充放電装置のDC/DCコンバータを利用して、太陽光発電電源等の直流電源を介して充電することができ、本願はエネルギー貯蔵電池の充電方式を限定しない。
【0134】
任意選択的に、本願の実施例における電力電池は送電網を介して直接的に充電することもでき、例えば、送電網は第2の充放電装置(例えば、その双方向AC/DCコンバータ)及び本願における充放電装置(例えば、その双方向DC/DCコンバータ)を介して電力電池を直接的に充電することができる。
【0135】
図11は本願の実施例に係る別の電池充電方法1100の模式的なフローチャートを示す。
図11に示すように、該電池充電方法1100は、上記ステップ410~ステップ490に加えて、さらに以下のステップを含んでもよい。
【0136】
ステップ1110、電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超える場合、BMSは充放電装置に充電停止コマンドを送信する。
【0137】
ステップ1120、充放電装置は電池への充電を停止する。
【0138】
具体的には、上記したように、BMSは電池における1つ又は複数の電池セルの電圧を監視することにより、該電池が満充電状態に達したか否かを監視することができる。任意選択的に、いくつかの実施形態では、電池セルの最大電圧が電池セルの満充電電圧を超えるか否かを判断することにより、電池が満充電状態に達したか否かを判断することができる。電池セルの最大電圧が電池セルの満充電電圧を超える場合、電池が満充電状態に達したことを示し、この時、BMSは充放電装置に充電停止コマンドを送信し、該充電停止コマンドは電池への充電を停止するよう充放電装置に指示することに用いられ、それにより、充放電装置に電池への充電を停止させる。
【0139】
任意選択的に、該ステップ1110とステップ1120は電池の充電段階で実行されてもよく、換言すれば、BMSが充電モードに入り、且つ充放電装置がBMSにより送信された充電電流を受信した後、電池を充電する過程において、BMSは電池の電池セルの電圧を取得して、電池が満充電状態に達したか否かを判断することができ、電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えると、BMSは充放電装置に充電停止コマンドを送信して、充放電装置に電池への充電を停止させる。
【0140】
従って、
図11はステップ1110及びステップ1120がステップ490の後に実行され、すなわち第2回の充電過程に実行されることのみを模式的に示し、該ステップ1110及びステップ1120はさらに、複数回の充放電の任意の一回の充電過程に実行されてもよいことを理解できる。
【0141】
任意選択的に、上記方法の実施例では、充放電装置を利用して電池を充電、放電及び再充電するため、連続充電による電池の安全上の問題を防止することができ、さらに、上記方法における充電電流は大電流であってもよく、一回の充電過程の電池の充電量を高め、急速充電の目的を実現する。
【0142】
また、連続充電過程にリチウムイオンが陰極に蓄積されるため、充電電流も制限され、従って、連続的な大電流を利用して電池の急速充電を実現することができず、本願の実施例の技術案は、大電流を利用して電池を充電し、且つ大電流で一回充電した後に電池を放電し、充電過程に電池の陰極に蓄積されたリチウムイオンを放出し、さらに、その後に大電流を利用して電池を再充電することができ、電池の急速充電を実現する。
【0143】
具体的には、上記方法において、第1の充電電流及び/又は第2の充電電流は大電流であってもよく、また、充放電装置が第2の充電電流に基づいて電池を充電した後、その後の充電過程の充電電流も大電流であってもよい。
【0144】
任意選択的に、大電流急速充電を実現するために、第1の充電電流及び/又は第2の充電電流の充電率の範囲は2C~10Cの間である。
【0145】
さらに、本願の実施例における放電電流は小電流であり、電池に充電された電気量の過度損失をもたらすことがなく、電池の小電流の放電により、電池の陰極に蓄積されたリチウムイオンを放出することを目的とする。
【0146】
具体的には、上記方法における第1の放電電流及び/又は第2の放電電流は小電流であってもよく、また、充放電装置が第2の放電電流に基づいて電池を制御して放電させた後、その後の放電過程の放電電流も小電流であってもよい。
【0147】
任意選択的に、小電流放電を実現するために、第1の放電電流及び/又は第2の放電電流の充電率の範囲は0.1C~1Cの間である。
【0148】
任意選択的に、上記方法において、充電過程における電池の充電量と放電過程における電池の放電量をより良好に制御するために、放電過程における累積放電量閾値と充電過程における累積充電閾値との比を設定することができ、放電量が小さくなり、電池に充電された電気量の過度損失をもたらすことがない。
【0149】
一例として、上記方法において、第1の累積放電量閾値と第1の累積充電量閾値との比は10%以下であり、及び/又は、第2の累積放電量閾値と第2の累積充電量閾値との比は10%以下である。
【0150】
また、充放電装置が第2の充電電流及び第2の放電電流に基づいて電池を充電し及び電池を制御して放電させた後、その後の充放電過程における累積放電量閾値と累積充電量閾値との比も10%以下であってもよい。
【0151】
なお、上記比例10%は、適用シーン及び応用の需要の変化に従って調整されてもよく、本願は該比例の具体的な数値を限定しない。
【0152】
任意選択的に、上記方法の実施例では、BMSが取得した第1の充電電流と第2の充電電流は同じであってもよく、又は異なってもよい。該第1の充電電流及び/又は第2の充電電流は予め設定された電流であってもよく、又は、該第1の充電電流及び/又は第2の充電電流は電池の状態パラメータに基づいて決定された電流であってもよく、電池の状態パラメータが変化すると、第1の充電電流及び/又は第2の充電電流は異なる状態パラメータで対応する異なる電流であってもよい。ここで、電池の状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池電流、電池荷電状態(state of charge、SOC)及び電池健康状態(state of health、SOH)等の少なくとも1つを含む。
【0153】
同様に、BMSが取得した第1の放電電流と第2の放電電流は同じであってもよく、又は異なってもよい。該第1の放電電流及び/又は第2の放電電流は予め設定された電流であってもよく、又は、該第1の放電電流及び/又は第2の放電電流は電池の状態パラメータに基づいて決定された電流であってもよい。
【0154】
第1の充電電流、第2の充電電流、第1の放電電流及び第2の放電電流のうちの少なくとも1つは電池の状態パラメータに基づいて決定された電流である場合、電池の現在の状態パラメータにより良く適応することができ、電池の充電効率及び/又は放電効率を向上させることができ、且つ電池に損傷を与えることがない。
【0155】
また、充放電装置が第2の充電電流及び第2の放電電流に基づいて電池を充電し及び電池を制御して放電させた後、その後の充放電過程における充電電流及び/又は放電電流は、同様に予め設定された電流であってもよく、又は、電池の状態パラメータに基づいて決定された電流であってもよい。
【0156】
図12は本願の実施例に係る別の電池充電方法1200の模式的なフローチャートを示す。
【0157】
上記の
図4に示される方法400によれば、
図12に示すように、上記ステップ410は、BMSが電池の状態パラメータを取得し、状態パラメータに基づいて第1の充電電流を決定するステップ1210を含んでもよい。
【0158】
上記ステップ240は、電池の第1の累積充電量が第1の累積充電量閾値以上であり、且つ電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合、BMSは電池の状態パラメータを取得し、状態パラメータに基づいて第1の放電電流を決定するステップ1240を含む。
【0159】
上記ステップ470は、電池の第1の累積放電量が第1の累積放電量閾値以上である場合、BMSは電池の状態パラメータを取得し、状態パラメータに基づいて第2の充電電流を決定するステップ1270を含んでもよい。
【0160】
また、本願の実施例における方法1200の他のステップは上記の
図4に示される実施例の関連する説明を参照すればよく、ここで詳細な説明は省略される。
【0161】
具体的には、本願の実施例では、第1の充電電流、第1の放電電流及び第2の充電電流はいずれも電池の状態パラメータに基づいて決定された電流である。異なる期間で、BMSは電池の異なる状態パラメータを取得して、該状態パラメータに基づいて現在の充電電流及び放電電流を決定することができる。
【0162】
任意選択的に、電池の状態パラメータに基づいて充電電流及び放電電流を決定することは様々な実施態様があり、一例として、電池の状態パラメータと充電電流、放電電流とのマッピング関係を取得し、該マッピング関係に基づき、電池の状態パラメータによって具体的な充電電流及び放電電流を決定し、該マッピング関係は、大量の実験データをフィッティングして得られるマッピング関係であってもよく、信頼性及び精度が高く、該マッピング関係は、具体的には、マッピングテーブル、マッピング図、又はマッピング式等であってもよい。また、他の例では、大量の実験データに基づいて専用のニューラルネットワークモデルを訓練してもよく、該ニューラルネットワークモデルは入力された電池の状態パラメータに基づき、充電電流及び放電電流を出力することができる。
【0163】
任意選択的に、充電電流及び放電電流に加えて、上記方法の実施例では、第1の累積充電量閾値と第2の累積充電量閾値は同じであってもよく、又は異なってもよい。第1の累積放電量閾値と第2の累積放電量閾値は同じであってもよく、又は異なってもよい。該第1の累積充電量閾値、第2の累積充電量閾値、第1の累積放電量閾値及び第2の累積放電量閾値のうちの少なくとも1つは予め設定された閾値であってもよい。又は、該第1の累積充電量閾値、第2の累積充電量閾値、第1の累積放電量閾値及び第2の累積放電量閾値のうちの少なくとも1つは電池の状態パラメータに基づいて決定された閾値であってもよい。
また、充放電装置が第2の充電電流及び第2の放電電流に基づいて電池を充電し及び電池を制御して放電させた後、その後の充放電過程における累積放電量閾値と累積充電量閾値は予め設定された閾値であってもよく、又は電池の状態パラメータに基づいて決定された閾値であってもよい。
【0164】
上記の本願の実施例によれば、第1の累積充電量閾値、第2の累積充電量閾値、第1の累積放電量閾値及び第2の累積放電量閾値のうちの少なくとも1つが電池の状態パラメータに基づいて決定された閾値である場合、電池の現在の状態パラメータにより良好に適することができ、それにより、現在の充電過程及び/又は放電過程をより良好に制御して、充電量と放電量を確保し、電池の効率的な充電を実現する。
【0165】
任意選択的に、上記方法の実施例では、第1の充電電流、第2の充電電流、第1の放電電流及び第2の放電電流のうちの少なくとも1つは、BMSにより定期的又は不定期に取得された電流であってもよく、一例として、第1の充電電流、第2の充電電流、第1の放電電流及び第2の放電電流のうちの少なくとも1つは、BMSにより定期的又は不定期に電池の状態パラメータに基づいて決定された電流であってもよく、該電流は電池の状態パラメータの変化に従って変化し、具体的には、BMSは電池の状態パラメータを定期的に取得して、第1の充電電流、第2の充電電流、第1の放電電流及び第2の放電電流のうちの少なくとも1つを決定することができ、又は、BMSは電池の状態パラメータをリアルタイムに取得し、状態パラメータが不定期に変化すると、BMSは不定期に変化する状態パラメータに基づいて第1の充電電流、第2の充電電流、第1の放電電流及び第2の放電電流のうちの少なくとも1つを決定する。
【0166】
さらに、これに基づき、BMSは、該第1の充電電流、第2の充電電流、第1の放電電流及び第2の放電電流のうちの少なくとも1つを充放電装置に定期的又は不定期に送信し、それにより、充放電装置は定期的に送信された電流に基づいて電池を充電し又は電池を制御して放電させる。
【0167】
該実施態様では、充放電装置が電池を一回で充電及び/又は一回で放電する過程において、充電電流及び/又は放電電流はBMSにより定期的又は不定期に送信されたものであり、一方で、該実施形態により、充電電流及び/又は放電電流を定期的又は不定期に調整し、充放電効率を向上させることができ、他方で、さらに該定期的又は不定期に送信された充電電流及び/又は放電電流により、BMSと電池の状態が正常であることを示すことができ、充放電装置は電池を充電し続けるか、又は電池を制御して放電させることができる。従って、該実施形態では、充放電装置がBMSにより定期的又は不定期に送信された充電電流及び/又は放電電流を受信していない場合、充放電装置は、電池への充電を停止し及び/又は電池を制御して放電させることを停止し、電池の安全性能を確保することができる。
【0168】
図13は本願の実施例に係る別の電池充電方法1300の模式的なフローチャートを示す。上記の
図4に示される方法400に基づき、
図13に示すように、上記ステップ410は、BMSが第1の充電電流を定期的に取得するステップ1310を含んでもよい。
【0169】
上記ステップ220は、BMSが充放電装置に第1の充電電流を定期的に送信するステップ1320を含んでもよい。
【0170】
上記ステップ240は、電池の第1の累積充電量が第1の累積充電量閾値以上であり、且つ電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合、第1の放電電流を定期的に取得するステップ1340を含んでもよい。
【0171】
上記ステップ250は、BMSが充放電装置に第1の放電電流を定期的に送信するステップ1350を含んでもよい。
【0172】
上記ステップ270は、電池の第1の累積放電量が第1の累積放電量閾値以上である場合、第2の充電電流を定期的に取得するステップ1370を含んでもよい。
【0173】
上記ステップ280は、BMSが充放電装置に第2の充電電流を定期的に送信するステップ1380を含んでもよい。
【0174】
また、本願の実施例における方法1300の他のステップは上記の
図4に示される実施例の関連する説明を参照すればよく、ここで詳細な説明は省略される。
【0175】
本願の実施例では、BMSは、第1の充電電流、第1の放電電流及び第2の充電電流を定期的に取得することができる。対応して、BMSは、第1の充電電流、第1の放電電流及び第2の充電電流を充放電装置に定期的に送信することができる。
【0176】
上記実施例では、電池を充放電することは、上記充放電に必要な電流情報に加えて、充放電に必要な電圧情報も必要であり、充放電に必要な電圧の取得方式は本発明の実施例にいかなる限定をもたらすことがないことを理解できる。
【0177】
任意選択的に、上記方法の実施例では、BMSと充放電装置との間の通信は、既存の充電器とBMSとの間の通信プロトコルを両立でき、従って、BMSと充放電装置との間の通信は実現しやすく、且つ将来の応用可能性が高い。
【0178】
具体的には、上記方法の実施例に基づき、BMSはさらに、第1の充電電圧、第2の充電電圧、第1の放電電圧及び第2の放電電圧のうちの少なくとも1つを取得し、該第1の充電電圧、第2の充電電圧、第1の放電電圧及び第2の放電電圧のうちの少なくとも1つを充放電装置に送信することができ、該第1の充電電流、第1の充電電圧が第1の電池充電要求(BCL)メッセージに運ばれ、及び/又は、第1の放電電流、第1の放電電圧が第2のBCLメッセージに運ばれ、及び/又は、第2の充電電流、第2の充電電圧が第3のBCLメッセージに運ばれ、及び/又は、第2の放電電流、第2の放電電圧が第4のBCLメッセージに運ばれる。
【0179】
また、充放電装置が第2の充電電流及び第2の放電電流に基づいて電池を充電し及び電池を制御して放電させた後、その後の充放電過程における充電電流、充電電圧、放電電流及び放電電圧もBCLメッセージに運ばれ、BMSを介して充放電装置に送信されてもよい。
【0180】
図14は本願の実施例に係る別の電池充電方法1400の模式的なフローチャートを示す。
図14に示すように、該電池充電方法1400は以下のステップを含んでもよい。
ステップ1410、BMSは第1の充電電流及び第1の充電電圧を取得する。
ステップ1420、BMSは充放電装置に第1のBCLメッセージを送信し、該第1のBCLメッセージは第1の充電電流及び第1の充電電圧を運ぶ。
ステップ1430、充放電装置は第1の充電電流及び第1の充電電圧に基づいて電池を充電する。
【0181】
ステップ1440、電池の第1の累積充電量が第1の累積充電量閾値以上であり、且つ電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合、BMSは第1の放電電流及び第1の放電電圧を取得する。
【0182】
ステップ1450、BMSは充放電装置に第2のBCLメッセージを送信し、該第2のBCLメッセージは第1の放電電流及び第2の放電電圧を運ぶ。
【0183】
ステップ1460、充放電装置は第1の放電電流及び第2の放電電圧に基づいて電池を制御して放電させる。
【0184】
ステップ1470、電池の第1の累積放電量が第1の累積放電量閾値以上である場合、BMSは、第2の充電電流及び第2の充電電圧を取得する。
【0185】
ステップ1480、BMSは充放電装置に第3のBCLメッセージを送信し、該第3のBCLメッセージは第2の充電電流及び第2の充電電圧を運ぶ。
【0186】
ステップ1490、充放電装置は第2の充電電流及び第2の充電電圧に基づいて電池を充電する。
【0187】
本願の実施例では、既存の充電器とBMSとの間の通信プロトコルにおける電池充電要求BCLメッセージを利用して、BMSは充放電装置に充電電流及び放電電流を送信し、且つ充放電装置は、受信された充電電流及び放電電流に基づいて電池を充電し又は電池を制御して放電させる。
【0188】
任意選択的に、BCLメッセージにおいて、充電電圧(上記第1の充電電圧及び第2の充電電圧を含む)と放電電圧(上記第1の放電電圧及び第2の放電電圧を含む)の範囲は異なり、且つ充電電流(上記第1の充電電流及び第2の充電電流を含む)と放電電流(上記第1の放電電流及び第2の放電電流を含む)の範囲は異なり、充放電装置が受信したBCLメッセージにおいて、それに運ばれる電圧及び電流の大きさによって、それが充電電圧及び充電電流であるか、又は放電電圧及び放電電流であるかを判断することができる。
【0189】
任意選択的に、BMSは、電池の状態パラメータに基づいて充電電圧及び放電電圧を決定することができ、又は、該充電電圧と放電電圧はデフォルト値であってもよい。
【0190】
任意選択的に、いくつかの実施形態では、BMSは充電電流及び充電電圧を定期的に取得し、且つ該充電電流及び充電電圧が運ばれるBCLメッセージを充放電装置に定期的に送信することができ、同様に、BMSは放電電流及び放電電圧を定期的に取得し、且つ該放電電流及び放電電圧が運ばれるBCLメッセージを充放電装置に定期的に送信することもできる。該実施形態では、BCLメッセージの定期的な送信方式は既存の標準のBCLメッセージの定期的な送信方式と同じであってもよい。
【0191】
上記実施例は、充放電電流及び/又は電圧の情報交換メッセージを例として説明されるが、理解できるのは、電池の充放電を実現するために、充放電段階での処理に加えて、充放電前の車両と充電器とのハンドシェイク交換、充放電のパラメータ設定交換等を含み、本発明の実施例はこれを具体的に限定しない。
【0192】
任意選択的に、充電器とBMSとの間の通信プロトコルは、ビークルツーグリッド(vehicle to grid、V2G)モード及びグリッドツービークル(grid to vehicle、G2V)モードでの通信プロトコルを含む。
【0193】
本願の実施例における充放電過程をさらに説明するために、以下、
図15に示される本願の実施例の1つの充放電プロセスの模式図を例として説明し、充放電装置及びBMSは
図4における充放電システム30の関連する説明を参照すればよい。
図15に示すように、該充放電プロセスは以下を含む。
【0194】
S1501a、ユーザーが充電ガンを挿入した後、BMSは直流充電の制御プロセスに従って充電状態に入る。
【0195】
同時に、充放電装置は充電ガン挿入状態を感知することができ、ステップS1501bに進み、ユーザーが充電ガンを挿入した後、充放電装置は直流充電の制御プロセスに従って充電プロセス状態に入り、より具体的には、充放電装置における制御ユニット、例えば、
図2における制御ユニットは充放電装置を制御して充電プロセス状態に入るようにする。
【0196】
理解を容易にするために、本願における電池は電気自動車の電力電池を例として説明されるが、本願の実施例はこれに限定されない。
【0197】
選択可能な電気的接続方式として、エネルギー貯蔵電池に第1の充電ガンヘッドが設けられ、エネルギー貯蔵電池から伝達された電気エネルギーを受入れるために、充放電装置には該第1の充電ガンヘッドに対応する第1の充電ソケットが設けられてもよい。また、充放電装置には第2の充電ガンヘッドも設けられ、該第2の充電ガンヘッドは、電気自動車に設けられた第2の充電ソケットに電気的に接続されて、充放電装置が電気自動車の電池へ電気エネルギーを伝達することを実現することに用いられる。
【0198】
既存の充放電装置と電気自動車の電池システムとの間の電気的接続に適合するために、任意選択的に、充放電装置の第2の充電ガンヘッドの具体的なタイプ及び構造は、エネルギー貯蔵電池の第1の充電ガンヘッドの具体的なタイプ及び構造と同じであってもよく、対応して、充放電装置の第1の充電ソケットの具体的なタイプ及び構造は電気自動車の第2の充電ソケットの具体的なタイプ及び構造と同じであってもよい。もちろん、上記第2の充電ガンヘッドと第1の充電ガンヘッド、及び第1の充電ソケットと第2の充電ソケットは異なってもよく、本願の実施例はこれを具体的に限定せず、充電ガンヘッドとその対応する充電ソケットとの電気的接続を実現することを目的とする。
【0199】
S1502、BMSは電池パックの状態パラメータに基づいて電池累積充電容量閾値QChgLmtを取得し、充電モードに進む。
【0200】
任意選択的に、本願の実施例における状態パラメータは、電気コア単体の電圧、電気コアの温度、SOH等を含み、BMSは上記電池状態パラメータに基づき、検針の方式で充電から放電へ切り替える累積充電容量閾値を取得することができる。
【0201】
S1503、BMSは、電池パックの状態パラメータに基づいて電池の充電要求電流ReqChg_I及び充電要求電圧を取得する。
【0202】
理解すべきなのは、BMSにより取得された充電要求電流は、電池の現在の状態で、電池の最大許容充電電流であってもよく、該充電要求電流及び充電要求電圧もBMSが検針の方式で取得したものであってもよく、具体的には、BMSが監視された電池の状態パラメータに基づいて検針して取得したものである。
【0203】
理解すべきなのは、BMSは電池の状態パラメータをリアルタイムに監視して、監視されたデータに基づいて検針してリアルタイムな充電要求電流及び電圧を取得することができ、例えば、BMSは特定の時間周期でリアルタイムな充電要求電流及び電圧を取得することができる。
【0204】
S1504、BMSは上記取得された充電要求電流及び充電要求電圧を充放電装置に送信する。
【0205】
理解すべきなのは、BMSは、充電要求電流及び充電要求電圧が運ばれるメッセージにおいて、他の関連する情報、例えば充電要求パワー等を運んでもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0206】
任意選択的に、BMSは、国家標準充電規格により、CAN通信方式で、上記充電要求電流及び充電要求電圧の情報を充放電装置に送信してもよい。
【0207】
充放電装置がステップS1501bに進み、充電状態に入った後、エネルギー貯蔵電池、例えばカスケード利用電池等の現在の電気量状況を取得することができ、すなわちS1505、カスケード利用電池のSOC値を取得する。
【0208】
理解すべきなのは、SOCは荷電状態(State of Charge、SOC)を指し、SOC値は電池内の残りの電荷量の利用可能な状態を反映することができる。
【0209】
S1506、充放電装置は、BMSにより送信された充電要求情報、すなわち上記BMSにより送信された充電要求電圧及び充電要求電流を含む情報を受信したか否かを確認する。
【0210】
任意選択的に、上記充放電装置がカスケード利用電池のSOC値を取得するステップと、BMSの充電要求を受信したか否かを決定するステップは同時に行われてもよく、又は、充放電装置は、先ず充電要求を受信することを決定し、次にカスケード利用電池のSOC値を取得することもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0211】
S1507、充放電装置はカスケード利用電池のSOC値を取得した後、先ずカスケード利用電池のSOC値がカスケード利用電池のSOC閾値(SOCuplimit)よりも大きいか否かを判断することができる。
【0212】
カスケード利用電池のSOCと閾値との関係を判断することにより、カスケード利用電池の電気量が十分である場合に電池を充電することを確保することができる。
【0213】
S1508、SOC値がSOCuplimitよりも大きい場合、充放電装置は双方向DC/DCコンバータを制御して放電を開始させることができ、出力パワーがWSUMであり、具体的には、双方向DC/DCコンバータを介して、カスケード利用電池により出力された電圧を変換して、電池を充電することができる。
【0214】
S1509、又は、充放電装置はSOC値がSOCuplimit以下であると決定した場合、充放電装置は、AC/DCコンバータを介して、送電網から電力を取得し、カスケード利用電池のSOC値がSOCuplimitよりも大きくなるまで、カスケード利用電池を充電することができる。
【0215】
任意選択的に、上記の説明に基づき、本願の実施例における充放電装置が双方向DC/DCコンバータのみを備える場合、送電網から電力を取得してカスケード利用電池を充電する目的を実現するために、充放電装置は、AC/DCコンバータを備えた他の充放電装置に充電要求メッセージを送信して、送電網を介してカスケード利用電池を充電するよう他の充放電装置に要求することができる。又は、任意選択的に、充放電装置が双方向DC/DCコンバータを備えるだけでなく、AC/DCコンバータも備える場合、充放電装置はAC/DCコンバータを直接的に制御して、送電網から電力を取得し、カスケード利用電池を充電することができる。
【0216】
S1510、充放電装置はカスケード利用電池の直流電流を電池に必要な直流電流に変換する。
【0217】
S1511、充放電装置はBMSの要求に応じて、電池に直流電流を出力して、電池を充電する。
【0218】
S1512、BMSは電池バスの電流を利用することにより、充電過程における累積充電容量Qchg(Qchg=I*t)をリアルタイムに計算し、ここで、Iは充電過程における充電電流である。
【0219】
任意選択的に、上記バスは
図2における高圧線250であってもよい。
【0220】
S1513、BMSは電池の最大充電電圧に基づいて電池が現在満充電状態に達したか否か、すなわちUcell_max>Ucell_FullChgであるか否かを決定し、Ucell_maxは電池の最大許容充電電圧であり、Ucell_FullChgは電池が満充電状態に達した電圧値である。
【0221】
S1514、BMSは電池が満充電状態に達したと決定した場合、充電終了を決定する。
【0222】
S1515、BMSは充電終了を決定した後、充放電装置に充電停止要求コマンドを送信する。
【0223】
S1516、充放電装置は充電停止要求コマンドを受信したか否かを決定する。
【0224】
S1517、充放電装置が充電停止要求コマンドを受信したと確認する場合、正常の給電プロセスを行い、充電を終了する。
【0225】
S1518、BMSが電池の最大許容充電電圧が電池の満充電電圧値よりも小さいと決定した場合、累積充電容量Qchgが充電容量の閾値Qchglmt以上であるか否かをさらに決定する。
【0226】
BMSは累積充電容量Qchgが充電容量の閾値Qchglmtよりも小さいと決定した場合、BMSは再びステップ1503に進み、且つ最新に取得された充電電流に基づき、充放電装置が電池を充電し続けるようにする。
【0227】
又は、S1519、BMSは累積充電容量が充電容量閾値以上であると決定した場合、電池の状態パラメータに基づいて、検針して累積放電容量閾値を取得し、電池を制御して放電モードに入ることができる。
【0228】
S1520、BMSはさらに電池の状態パラメータに基づいて、検針して放電要求電流ReqDischg_Iを取得する。
【0229】
任意選択的に、放電要求電流は最大許容放電電流であってもよく、該電流は、異なる温度で、電池の状態パラメータを取得して、検針することにより取得されてもよい。
【0230】
S1521、BMSは、放電要求電流及び放電要求電圧を含むメッセージを充放電装置に送信し、放電要求パワーはWsum_dischgである。
【0231】
S1522、ステップS1516で充放電装置が充電停止要求コマンドを受信していないと決定した後、又は充放電装置が、BMSにより送信された上記放電要求電流及び放電要求電圧を受信した後、充放電装置は、放電要求メッセージ、すなわち放電要求電流及び放電要求電圧を含む上記情報を受信したか否かを決定することができる。
【0232】
充放電装置が放電要求メッセージを受信していない場合、再びステップS1505に戻る。
【0233】
S1523、充放電装置が放電要求メッセージを受信した場合、放電要求パワーWsum_dischgが放電パワー閾値WDischgLmt以上であるか否かを判断し、該放電パワー閾値はカスケード利用電池の閾値である。
【0234】
S1524、Wsum_dischgがWDischgLm以上である場合、充放電装置は、カスケード利用電池に第1の放電要求パワーの電気量を放出し、且つ送電網に第2の放電要求パワーの電気量を放出し、第1の放電要求パワーはWsum_dischg-WDischgLmtであり、第2の放電要求パワーはWDischgLmtである。
理解すべきなのは、上記内容に基づき、電池内の直流電流を送電網に放出すると、直流電流を交流電流に変換する必要があり、本願の実施例における充放電装置は、充放電装置における双方向DC/DCコンバータ及び他の充放電装置における双方向AC/DCコンバータを介して電池の電気量を送電網に放出することができ、又は、充放電装置が双方向AC/DCコンバータを備える場合、充放電装置は双方向DC/DCコンバータ及び双方向AC/DCコンバータを直接的に制御して電池の電気量を送電網に放出することができる。
【0235】
S1525、又は、Wsum_dischgがWDischgLmよりも小さい場合、充放電装置は双方向DC/DCコンバータを介して電池の電気量を全てカスケード利用電池に放出することができ、放電パワーはWsum_dischgである。
【0236】
S1526、充放電装置はBMSの要求に応じて、電池を放電する。
【0237】
S1527、充放電装置はBMSの要求に応じて、直流電流を出力する。
【0238】
S1528、BMSは電池バスの電流を利用することにより、累積放電容量QDischg(QDischg=I*t)をリアルタイムに計算し、ここで、Iは放電要求電流である。
【0239】
S1529、BMSはQDischgが累積放電容量閾値QDischgLmt以上であるか否かを決定する。
【0240】
QDischgがQDischgLmtよりも小さい場合、BMSはステップS1520に戻し、充放電装置が電池を放電し続けるようにする。
【0241】
S1529、QDischgがQDischgLmt以上である場合、BMSは、累積充電容量Qchg及びQDischgをリセットし、Qchg及びQDischgを再計算し、且つステップS1502に戻し、充放電プロセスの切り替えを実行し続ける。
【0242】
本願の実施例における充放電過程により、一方で、電池を大電流で連続的に急速充電する過程において、短時間の小電流の放電ステップを追加することを実現でき、電池の陰極リチウムイオンの蓄積を適時に除去することができるとともに、電気コアのリチウム析出のリスクを排除し、電池充電の安全性を確保しつつ、電池寿命の減衰を効果的に遅延させる。また、充電の効率を大幅に向上させ、全体的に充電時間を短縮することができる。さらに、低温でも、電池は、充電と放電が相互に繰り返し実行されるモードで、従来の単方向充電の場合、充電電流を徐々に大きくするのに、先ず加熱して電池パックの温度が予め設定された程度に達する必要があるという問題を回避する。
【0243】
他方で、充放電装置はカスケード利用電池のみを介して電池を充放電することができ、又はさらに単方向又は双方向AC/DCと組み合わせて、送電網を介して充放電することもよく、配置が柔軟的で、システムの移行性が高い。
【0244】
以上、
図2~
図15を参照しながら本願に係る電池充電方法の具体的な実施例を説明しており、以下、
図16~
図17を参照しながら本願に係る関連する装置の具体的な実施例を説明し、下記各装置の実施例における関連する説明は前述した各方法の実施例を参照すればよく、簡潔にするために、詳細な説明は省略されることを理解できる。
【0245】
図16は本願の実施例に係る充放電装置の模式的な構造ブロック図を示す。
図16に示すように、充放電装置1600は、双方向DC/DCコンバータ1610及び制御ユニット1620を備えてもよい。
【0246】
任意選択的に、前記制御ユニットは、前記電池の電池管理システムBMSにより送信された第1の充電電流を受信し、前記第1の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御してエネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させることと、前記BMSにより送信された第1の放電電流を受信し、前記第1の放電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させることであって、前記第1の放電電流は、前記電池の第1の累積充電量が第1の累積充電量閾値以上であり、且つ前記電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合、前記BMSにより送信された放電電流である、ことと、前記BMSにより送信された第2の充電電流を受信し、前記第2の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させることであって、前記第2の充電電流は、前記電池の第1の累積放電量が第1の累積放電量閾値以上である場合、前記BMSにより送信された充電電流である、ことと、に用いられる。
【0247】
任意選択的に、前記制御ユニットはさらに、前記BMSにより送信された第2の放電電流を受信し、前記第2の放電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させることであって、前記第2の放電電流は、前記電池の第2の累積充電量が第2の累積充電量閾値以上であり、且つ前記電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合、前記BMSにより送信された放電電流である、ことに用いられる。
【0248】
任意選択的に、前記制御ユニットはさらに、前記第1の放電電流に基づいて、前記電池の放電要求パワーが放電パワー閾値よりも小さいことを決定することと、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させることと、に用いられる。
【0249】
任意選択的に、前記制御ユニットはさらに、前記第1の放電電流に基づいて、前記電池の放電要求パワーが放電パワー閾値以上であることを決定することと、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池に第1の放電要求パワーの電気量を放出させ、且つ前記双方向DC/DCコンバータを制御して第2の充放電装置を介して送電網に第2の放電要求パワーの電気量を放出させることであって、前記第1の放電要求パワーと前記第2の放電要求パワーの合計は前記放電要求パワーに等しい、ことと、に用いられる。
【0250】
任意選択的に、前記制御ユニットはさらに、前記エネルギー貯蔵電池の荷電状態値SOCを取得することと、前記SOCが荷電状態閾値以上であることを決定し、且つ前記第1の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御してエネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させることと、に用いられる。
【0251】
任意選択的に、前記制御ユニットはさらに、前記エネルギー貯蔵電池の荷電状態値SOCを取得することに用いられ、前記制御ユニットは具体的には、前記SOCが荷電状態閾値よりも小さいことを決定することと、前記第2の充放電装置が前記送電網を介して前記エネルギー貯蔵電池を充電するよう、前記第2の充放電装置に充電要求メッセージを送信することと、前記SOCが前記荷電状態閾値以上であることを決定し、且つ前記第1の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させることと、に用いられる。
【0252】
任意選択的に、前記制御ユニットはさらに、前記BMSにより送信された充電停止コマンドを受信して、前記電池への充電を停止することであって、前記充電停止コマンドは、前記電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超える場合、前記BMSにより送信されたコマンドである、ことに用いられる。
【0253】
任意選択的に、前記第1の充電電流及び/又は前記第2の充電電流の充電率の範囲は2C~10Cの間である。
【0254】
任意選択的に、前記第1の放電電流の放電率の範囲は0.1C~1Cの間である。
【0255】
任意選択的に、前記第1の累積放電量閾値と前記第1の累積充電量閾値との比は10%以下である。
【0256】
任意選択的に、前記第1の充電電流、前記第1の放電電流及び前記第2の充電電流のうちの少なくとも1つは、前記BMSが電池の状態パラメータに基づいて決定されたものであり、前記電池の状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池電流、電池荷電状態及び電池健康状態のうちの少なくとも1つを含む。
【0257】
任意選択的に、前記制御ユニットは具体的には、前記BMSにより送信された前記第1の充電電流を定期的に受信すること、及び/又は、前記BMSにより送信された第1の放電電流を定期的に受信すること、及び/又は、前記BMSにより送信された第2の充電電流を定期的に受信すること、に用いられる。
【0258】
任意選択的に、前記制御ユニットはさらに、前記BMSにより送信された第1の充電電圧を受信することであって、前記第1の充電電圧と前記第1の充電電流は第1の電池充電要求BCLメッセージに運ばれる、こと、及び/又は、前記BMSにより送信された第1の放電電圧を受信することであって、前記第1の放電電圧と前記第1の放電電流は第2のBCLメッセージに運ばれる、こと、及び/又は、前記BMSにより送信された第2の充電電圧を受信することであって、前記第2の充電電圧と前記第2の充電電流は第3のBCLメッセージに運ばれる、こと、に用いられる。
【0259】
図17は、本願の一実施例の電池管理システムBMS 1700の模式的な構造ブロック図を示す。
図17に示すように、該BMS 1700は、取得ユニット1710と、送信ユニット1720と、処理ユニット1630とを備える。
【0260】
本願の一実施例では、取得ユニットは、第1の充電電流を取得することに用いられ、送信ユニットは、充放電装置が第1の充電電流に基づいて電池を充電するよう、第1の充電電流を充放電装置に送信することに用いられ、処理ユニットは、電池の第1の累積充電量が第1の累積充電量閾値以上であり、且つ電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えないと決定した場合、取得ユニットをさらに第1の放電電流の取得に用いることに用いられ、送信ユニットはさらに、充放電装置が第1の放電電流に基づいて電池を制御して放電させるよう、第1の放電電流を充放電装置に送信することに用いられ、任意選択的に、処理ユニットはさらに電池の第1の累積放電量が第1の累積放電量閾値以上であると決定した場合、取得ユニットをさらに第2の充電電流の取得に用いることに用いられ、送信ユニットはさらに、充放電装置が第2の充電電流に基づいて電池を充電するよう、第2の充電電流を充放電装置に送信することに用いられる。
【0261】
任意選択的に、処理ユニットはさらに、電池の第2の累積充電量が第2の累積充電量閾値以上であり、且つ電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えないと決定した場合、取得ユニットをさらに第2の放電電流の取得に用いることに用いられ、送信ユニットはさらに、充放電装置が第2の放電電流に基づいて電池を制御して放電させるよう、第2の放電電流を充放電装置に送信することに用いられる。
【0262】
任意選択的に、処理ユニットはさらに、電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えると決定した場合、送信ユニットをさらに充放電装置に充電停止コマンドを送信することに用いることに用いられ、充電停止コマンドは電池への充電を停止するよう充放電装置に指示することに用いられる。
【0263】
任意選択的に、第1の充電電流及び/又は第2の充電電流の充電率の範囲は2C~10Cの間である。
【0264】
任意選択的に、第1の放電電流及び/又は第2の放電電流の放電率の範囲は0.1C~1Cの間である。
【0265】
任意選択的に、第1の累積放電量閾値と第1の累積充電量閾値との比は10%以下であり、及び/又は、第2の累積放電量閾値と第2の累積充電量閾値との比は10%以下である。
【0266】
任意選択的に、取得ユニットは、電池の状態パラメータを取得し、状態パラメータに基づいて第1の充電電流を決定することに用いられ、及び/又は、取得ユニットは、電池の状態パラメータを取得し、状態パラメータに基づいて第1の放電電流を決定することに用いられ、及び/又は、取得ユニットは、電池の状態パラメータを取得し、状態パラメータに基づいて第1の放電電流を決定することに用いられ、電池の状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池電流、電池荷電状態及び電池健康状態のうちの少なくとも1つを含む。
【0267】
任意選択的に、取得ユニットは、第1の充電電流を定期的に取得することに用いられ、送信ユニットは、第1の充電電流を充放電装置に定期的に送信することに用いられ、及び/又は、取得ユニットは、第1の放電電流を定期的に取得することに用いられ、送信ユニットは、第1の放電電流を充放電装置に定期的に送信することに用いられ、及び/又は、取得ユニットは、第2の充電電流を定期的に取得することに用いられ、送信ユニットは、第2の充電電流を充放電装置に定期的に送信することに用いられる。
【0268】
任意選択的に、取得ユニットはさらに第1の充電電圧を取得することに用いられ、送信ユニットはさらに、第1の充電電圧を充放電装置に送信することであって、第1の充電電流と第1の充電電圧は第1の電池充電要求BCLメッセージに運ばれる、ことに用いられ、及び/又は、取得ユニットはさらに第1の放電電圧を取得することに用いられ、送信ユニットはさらに、第1の放電電圧を充放電装置に送信することであって、第1の放電電流と第1の放電電圧は第2のBCLメッセージに運ばれる、こと、及び/又は、送信ユニットはさらに第2の充電電圧を取得することに用いられ、送信ユニットはさらに第2の充電電圧を充放電装置に送信することであって、第2の充電電流と第2の充電電圧は第3のBCLメッセージに運ばれる、ことに用いられ、及び/又は、取得ユニットはさらに第2の放電電圧を取得することに用いられ、送信ユニットはさらに、第2の放電電圧を充放電装置に送信することであって、第2の放電電流と第2の放電電圧は第4のBCLメッセージに運ばれる、ことに用いられる。
【0269】
図18は、本願の一実施例の電子装置1800の模式的な構造ブロック図を示す。
図18に示すように、電子装置1800は、メモリ1810及びプロセッサ1820を備え、メモリ1810はコンピュータプログラムを記憶することに用いられ、プロセッサ1820は前記コンピュータプログラムを読み取り、前記コンピュータプログラムに基づいて前述した本願の各実施例の方法を実行することに用いられる。
【0270】
任意選択的に、該電子装置1800は、BMSと充放電装置のいずれか1種又は複数種に適用できる。本願の実施例では、充放電装置におけるプロセッサは対応するコンピュータプログラムを読み取り、該コンピュータプログラムに基づいて前述した各実施例における充放電装置の対応する充電方法を実行し、それ以外、BMSにおけるプロセッサも対応するコンピュータプログラムを読み取り、該コンピュータプログラムに基づいて前述した各実施例中のBMSの対応する充電方法を実行することができる。
【0271】
また、本願の実施例は、コンピュータプログラムを記憶するための読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータプログラムは、前述した本願の各実施例の方法を実行することに用いられる。任意選択的に、該コンピュータプログラムは上記充放電装置及び/又はBMSにおけるコンピュータプログラムであってもよい。
【0272】
本明細書の具体的な例は、当業者が本願の実施例をより良好に理解するためのものに過ぎず、本願の実施例の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。
【0273】
また、本願の各実施例では、各過程の番号の大きさは実行順序の前後を意味するものではなく、各過程の実行順序は、その機能及び内部論理によって決定されるべきであり、本願の実施例の実施過程にいかある限定をもたらすことがないことを理解すべきである。
【0274】
さらに、本明細書に説明された各実施形態は、単独で実施されてもよく、又は組み合わせて実施されてもよく、本願の実施例はこれを限定しないことを理解すべきである。
【0275】
好ましい実施例を参照しながら本願を説明したが、本願の範囲を逸脱することなく、様々な改良を行うことができ、且つその部材を同等物で置き換えることができる。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例で言及された各技術的特徴はすべて任意に組み合わせることができる。本願は明細書に開示されている特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲に属するすべての技術案を含む。
【符号の説明】
【0276】
100 充電システム
110 充放電装置
120 電池システム
140 通信線
150 ワイヤー
310 充放電装置
320 電池システム
330 エネルギー貯蔵電池
340 通信線
350 高圧線
360 第2の充放電装置
370 送電網
【手続補正書】
【提出日】2021-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充放電装置であって、双方向DC/DCコンバータ及び制御ユニットを備え、
前記制御ユニットは、
前記電池の電池管理システムBMSにより送信された第1の充電電流を受信し、前記第1の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御してエネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させることと、
前記BMSにより送信された第1の放電電流を受信し、前記第1の放電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させることであって、前記第1の放電電流は、前記電池の第1の累積充電量が第1の累積充電量閾値以上であり、且つ前記電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合、前記BMSにより送信された放電電流である、ことと、
前記BMSにより送信された第2の充電電流を受信し、前記第2の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させることであって、前記第2の充電電流は、前記電池の第1の累積放電量が第1の累積放電量閾値以上である場合、前記BMSにより送信された充電電流である、ことと、に用いられ
る充放電装置。
【請求項2】
前記制御ユニットはさらに、
前記BMSにより送信された第2の放電電流を受信し、前記第2の放電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させることであって、前記第2の放電電流は、前記電池の第2の累積充電量が第2の累積充電量閾値以上であり、且つ前記電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合、前記BMSにより送信された放電電流である、ことに用いられ
る請求項1請に記載の充放電装置。
【請求項3】
前記制御ユニットはさらに、
前記第1の放電電流に基づいて、前記電池の放電要求パワーが放電パワー閾値よりも小さいことを決定することと、
前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させることと、に用いられ
る請求項1又は2に記載の充放電装置。
【請求項4】
前記制御ユニットはさらに、
前記第1の放電電流に基づいて、前記電池の放電要求パワーが放電パワー閾値以上であることを決定することと、
前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池に第1の放電要求パワーの電気量を放出させ、且つ前記双方向DC/DCコンバータを制御して、第2の充放電装置を介して送電網に第2の放電要求パワーの電気量を放出させることであって、前記第1の放電要求パワーと前記第2の放電要求パワーの合計は前記放電要求パワーに等しい、ことと、に用いられ
る請求項1又は2に記載の充放電装置。
【請求項5】
前記制御ユニットはさらに、
前記エネルギー貯蔵電池の荷電状態値SOCを取得することと、
前記SOCが荷電状態閾値以上であることを決定し、且つ前記第1の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御してエネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させることと、に用いられ
る請求項1~4のいずれか1項に記載の充放電装置。
【請求項6】
前記制御ユニットはさらに、
前記エネルギー貯蔵電池の荷電状態値SOCを取得することに用いられ、
前記制御ユニットは具体的には、
前記SOCが荷電状態閾値よりも小さいことを決定することと、
前記第2の充放電装置が前記送電網を介して前記エネルギー貯蔵電池を充電するよう、前記第2の充放電装置に充電要求メッセージを送信することと、
前記SOCが前記荷電状態閾値以上であることを決定し、且つ前記第1の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させることと、に用いられ
る請求項4に記載の充放電装置。
【請求項7】
前記制御ユニットはさらに、
前記BMSにより送信された充電停止コマンドを受信して、前記電池への充電を停止することであって、前記充電停止コマンドは、前記電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超える場合、前記BMSにより送信されたコマンドである、ことに用いられ
る請求項1~6のいずれか1項に記載の充放電装置。
【請求項8】
前記第1の充電電流及び/又は前記第2の充電電流の充電率の範囲は2C~10Cの間であ
る請求項1~7のいずれか1項に記載の充放電装置。
【請求項9】
前記第1の放電電流の放電率の範囲は0.1C~1Cの間であ
る請求項1~8のいずれか1項に記載の充放電装置。
【請求項10】
前記第1の累積放電量閾値と前記第1の累積充電量閾値との比は10%以下である請求項1~9のいずれか1項に記載の充放電装置。
【請求項11】
前記第1の充電電流、前記第1の放電電流及び前記第2の充電電流のうちの少なくとも1つは、前記BMSが電池の状態パラメータに基づいて決定されたものであり、
前記電池の状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池電流、電池荷電状態及び電池健康状態のうちの少なくとも1つを含
む請求項1~10のいずれか1項に記載の充放電装置。
【請求項12】
前記制御ユニットは具体的には、
前記BMSにより送信された前記第1の充電電流を定期的に受信すること、及び/又は、
前記BMSにより送信された第1の放電電流を定期的に受信すること、及び/又は、
前記BMSにより送信された第2の充電電流を定期的に受信すること、に用いられ
る請求項1~11のいずれか1項に記載の充放電装置。
【請求項13】
前記制御ユニットはさらに、
前記BMSにより送信された第1の充電電圧を受信することであって、前記第1の充電電圧と前記第1の充電電流は第1の電池充電要求メッセージに運ばれる、こと、及び/又は、
前記BMSにより送信された第1の放電電圧を受信することであって、前記第1の放電電圧と前記第1の放電電流は第2の電池充電要求メッセージに運ばれる、こと、及び/又は、
前記BMSにより送信された第2の充電電圧を受信することであって、前記第2の充電電圧と前記第2の充電電流は第3の電池充電要求メッセージに運ばれる、ことに用いられ
る、請求項1~12のいずれか1項に記載の充放電装置。
【請求項14】
電池充電方法であって、充放電装置に適用され、前記方法は、
前記充放電装置は、前記電池の電池管理システムBMSにより送信された第1の充電電流を受信し、前記第1の充電電流に基づいて、前記充放電装置における双方向DC/DCコンバータを制御してエネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させるステップと、
前記充放電装置は、前記BMSにより送信された第1の放電電流を受信し、前記第1の放電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させるステップであって、前記第1の放電電流は、前記電池の第1の累積充電量が第1の累積充電量閾値以上であり、且つ前記電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合、前記BMSにより送信された放電電流であるステップと、
前記充放電装置は、前記BMSにより送信された第2の充電電流を受信し、前記第2の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させるステップであって、前記第2の充電電流は、前記電池の第1の累積放電量が第1の累積放電量閾値以上である場合、前記BMSにより送信された充電電流であるステップとを含
む電池充電方法。
【請求項15】
前記方法は、
前記充放電装置は、前記BMSにより送信された第2の放電電流を受信し、前記第2の放電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させるステップであって、前記第2の放電電流は、前記電池の第2の累積充電量が第2の累積充電量閾値以上であり、且つ前記電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超えない場合、前記BMSにより送信された放電電流であるステップをさらに含
む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記充放電装置は、前記BMSにより送信された第1の放電電流を受信し、前記第1の放電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させるステップは、
前記充放電装置は前記第1の放電電流に基づいて、前記電池の放電要求パワーが放電パワー閾値よりも小さいことを決定するステップと、
前記充放電装置は前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前記エネルギー貯蔵電池に放出させるステップとを含
む請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記充放電装置は、前記BMSにより送信された第1の放電電流を受信し、前記第1の放電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記電池の電気量を前 記エネルギー貯蔵電池に放出させるステップは、
前記充放電装置は前記第1の放電電流に基づいて、前記電池の放電要求パワーが放電パワー閾値以上であることを決定するステップと、
前記充放電装置は、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池に第1の放電要求パワーの電気量を放出させ、且つ第2の充放電装置を介して送電網に第2の放電要求パワーの電気量を放出させるステップであって、前記第1の放電要求パワーと前記第2の放電要求パワーの合計は前記放電要求パワーに等しいステップと、を含
む請求項14又は15に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、
前記充放電装置は前記エネルギー貯蔵電池の荷電状態値SOCを取得するステップをさらに含み、
前記第1の充電電流に基づいて、前記充放電装置における双方向DC/DCコンバータを制御してエネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させる前記ステップは、
前記充放電装置は、前記SOCが荷電状態閾値以上であることを決定し、且つ前記第1の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させるステップを含
む請求項14~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、
前記充放電装置は前記エネルギー貯蔵電池の荷電状態値SOCを取得するステップをさらに含み、
前記第1の充電電流に基づいて、前記充放電装置における双方向DC/DCコンバータを制御してエネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させる前記ステップは、
前記充放電装置は前記SOCが荷電状態閾値よりも小さいことを決定するステップと、
前記充放電装置は、前記第2の充放電装置が前記送電網を介して前記エネルギー貯蔵電池を充電するよう、前記第2の充放電装置に充電要求メッセージを送信するステップと、
前記充放電装置は、前記SOCが前記荷電状態閾値以上であることを決定し、且つ前記第1の充電電流に基づいて、前記双方向DC/DCコンバータを制御して前記エネルギー貯蔵電池を介して前記電池を充電させるステップと、を含
む請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、
前記充放電装置は、前記BMSにより送信された充電停止コマンドを受信して、前記電池への充電を停止するステップであって、前記充電停止コマンドは、前記電池の電池セルの電圧が電池セルの満充電電圧を超える場合、前記BMSにより送信されたコマンドであるステップをさらに含
む請求項14~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の充電電流及び/又は前記第2の充電電流の充電率の範囲は2C~10Cの間であ
る請求項14~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の放電電流の放電率の範囲は0.1C~1Cの間であ
る請求項14~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の累積放電量閾値と前記第1の累積充電量閾値との比は10%以下であ
る請求項14~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の充電電流、前記第1の放電電流及び前記第2の充電電流のうちの少なくとも1つは、前記BMSが電池の状態パラメータに基づいて決定されたものであり、
前記電池の状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池電流、電池荷電状態及び電池健康状態のうちの少なくとも1つを含
む請求項14~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記充放電装置はBMSにより送信された第1の充電電流を受信するステップは、
前記充放電装置は前記BMSにより送信された前記第1の充電電流を定期的に受信するステップを含み、及び/又は、
前記充放電装置は前記BMSにより送信された第1の放電電流を受信するステップは、
前記充放電装置は前記BMSにより送信された第1の放電電流を定期的に受信するステップを含み、及び/又は、
前記充放電装置は前記BMSにより送信された第2の充電電流を受信するステップは、
前記充放電装置は前記BMSにより送信された第2の充電電流を定期的に受信するステップを含
む請求項14~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、前記充放電装置が前記BMSにより送信された第1の充電電圧を受信するステップであって、前記第1の充電電圧と前記第1の充電電流は第1の電池充電要求メッセージに運ばれるステップをさらに含み、及び/又は、
前記方法は、前記充放電装置が前記BMSにより送信された第1の放電電圧を受信するステップであって、前記第1の放電電圧と前記第1の放電電流は第2の電池充電要求メッセージに運ばれるステップをさらに含み、及び/又は、
前記方法は、前記充放電装置が前記BMSにより送信された第2の充電電圧を受信するステップであって、前記第2の充電電圧と前記第2の充電電流は第3の電池充電要求メッセージに運ばれるステップをさらに含む請求項14~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
充放電装置であって、プロセッサ及びメモリを備え、前記メモリはコンピュータプログラムを記憶することに用いられ、前記プロセッサは前記コンピュータプログラムを呼び出して、請求項14~26のいずれか1項に記載の電池充電方法を実行することに用いられ
る充放電装置。
【請求項28】
充放電システムであって、電池の電池管理システムBMS、及び、請求項1~13のいずれか1項に記載の充放電装置を備え
る充放電システム。
【国際調査報告】