(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】オキソブタノールでエステル化されたポリグリセロールエステルを製造する方法
(51)【国際特許分類】
C07C 67/08 20060101AFI20231005BHJP
C07C 69/67 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
C07C67/08
C07C69/67
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023501809
(86)(22)【出願日】2020-09-07
(85)【翻訳文提出日】2023-03-01
(86)【国際出願番号】 EP2020074892
(87)【国際公開番号】W WO2022012767
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2020/069712
(32)【優先日】2020-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】323005511
【氏名又は名称】ケトリピックス セラポーティクス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100069073
【氏名又は名称】大貫 和保
(72)【発明者】
【氏名】ロッホマン、ディルク
(72)【発明者】
【氏名】ライアー、セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】シュテーア、ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AA02
4H006AC48
4H006BA10
4H006BA49
4H006BD33
4H006KA06
4H006KC12
(57)【要約】
【課題】 3-ヒドロキシブタン酸又はその塩の生理学的に好適又は生理学的に適合する前駆体及び/又は代謝物を製造するための効率的な方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステルを製造するための方法において、一般式(I)
CH3-CH(OH)-CH2-C(O)OR1 (I)
の少なくとも1つのオキソブタノール反応すること、これによって、反応生成物(IV)として、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステルが得られることにある。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルを製造するための方法において、
(i)ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示す一般式(I)
CH
3-CH(OH)-CH
2-C(O)OR
1 (I)
の少なくとも1つのオキソブタノール、特に3-ヒドロキシブタン酸塩、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノール、
(ii) 少なくとも1つのポリカルボン酸(II)、特に少なくとも2つのカルボキシ基を有する少なくとも1つのポリカルボン酸、
(iii) 少なくとも1つのポリグリセロール(III)が、反応すること及び/又はお互いに反応させられること、
これによって、反応生成物(IV)として、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記方法が、1段階において、特に1ポット合成として、又は、数段階において、特に2段階において、好ましくは数段階において、特に2段階において、より好ましくは2段階において実行されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、数段階において、特に2段階において実行されること、
(a)第1の方法段階(a)において、ラジカルR
1がC
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示す一般式(I)
CH
3-CH(OH)-CH
2-C(O)OR
1 (I)
の少なくとも1つのオキソブタノール、特に3-ヒドロキシブタン酸塩、好ましくは4-オキソ-2-ブタノール、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールが、
少なくとも1つのポリカルボン酸(II)と、特に少なくとも2つのカルボキシ基を有する少なくとも1つのポリカルボン酸と、特にエステル化反応において及び/又はエステル化条件下において、反応すること及び/又は反応させられること、
特に、これによって、該方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、オキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸塩の1つ以上のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、より好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステルが、得られること;及び
(b) それに続いて、第2の方法段階(b)において、方法段階(a)において取得された反応中間生成物(IV’)が、少なくとも1つのポリグリセロール(III)と、エステル化反応において及び/又はエステル化条件下において、反応すること及び/又は反応させられることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルを製造するための方法、特に請求項1~3のいずれ1つに記載の方法において、
(a) 第1の方法段階(a)において、ラジカルR
1がC
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示す一般式(I)
CH
3-CH(OH)-CH
2-C(O)OR
1 (I)
の少なくとも1つのオキソブタノール、特に3-ヒドロキシブタン酸塩、好ましくは4-オキソ-2-ブタノール、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールが、
少なくとも1つのポリカルボン酸(II)と、特に少なくとも2つのカルボキシ基を有する少なくとも1つのポリカルボン酸と、特にエステル化反応においておよび/又はエステル化条件下で、反応すること及び/又は反応させられること;
特にこれによって、前記方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、オキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸塩の1つ以上のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、より好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステルが得られること;及び
(bz) それに続いて、第2の方法段階(b)において、方法段階(a)において得られる反応中間生成物(IV’)が、少なくとも1つのポリグリセロール(III)と、特にエステル化反応において及び/又はエステル化条件下において、反応すること及び/又は反応させられること;
これによって、反応生成物(IV)として、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られることを特徴とする方法。
【請求項5】
前記一般式(I)の化合物は、ラセミ形態において又は(R)-エナンチオマーの形態において使用されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記一般式(I)において、ラジカルR
1がエチルを示すこと;及び/又は、
一般式(I)の化合物として、式CH
3-CH(OH)-CH
2-C(O)OC
2H
5の3-ヒドロキシブタン酸エチル(3-ヒドロキシブタン酸エチルエステル又は4-エトキシ-4-オキソ-2-ブタノール)が使用されることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項7】
前記ポリカルボン酸(II)が、遊離ポリカルボン酸エステルの形態において、ポリカルボン酸の塩の形態において、ポリカルボン酸エステルの形態において又はポリカルボン酸無水物の形態において、特に、遊離ポリカルボン酸エステルの形態において又はポリカルボン酸無水物の形態において、好ましくは、ポリカルボン酸無水物の形態において、より好ましくは管状ポリカルボン酸無水物の形態において使用されることを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記ポリカルボン酸(II)が一般式(IIa)
HOOC-X-COOH (IIa)に対応すること、
一般式(IIa)において、Xは、飽和または不飽和原子、任意に一置換または多置換、特に1個以上のヒドロキシルラジカル及び/又はカルボキシルラジカルで置換された、1~10個、特に2~6個の炭素を有する有機ラジカルを表わすこと;
特に、少なくとも1つのカルボキシ基(COOH-基)、好ましくは両方のカルボキシ基(COOH-基)が、末端であること及び/又は第1級カルボキシ基(COOH-基)であることを特徴とする請求項1~7記載の方法。
【請求項9】
一般式(IIa)において、Xは、飽和または不飽和の任意に一置換または多置換、特に1以上のヒドロキシルラジカル及び/又はカルボキシルラジカルで置換された、2~6個の炭素原子を含む有機ラジカルを示すこと;
特に、少なくとも1つのカルボキシ基(COOH-基)、好ましくは両方のカルボキシ基(COOH-基)が、末端であること及び/又は第1級カルボキシ基(COOH-基)であることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記ポリカルボン酸(II)が、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸およびそれらの無水物ならびにそれらの組み合わせまたは混合物からなる群から選択され、特にコハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸およびそれらの無水物ならびにそれらの組み合わせまたは混合物からなる群から選択され、好ましくはコハク酸、アジピン酸およびそれらの無水物ならびにそれらの組み合わせまたは混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1~9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記ポリカルボン酸(II)が、天然に存在するカルボン酸またはその無水物もしくは誘導体、特に反応生成物、特にヒトおよび/または動物の代謝で生じるカルボン酸またはその無水物もしくは誘導体、特に反応生成物であることを特徴とする請求項1~10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
前記ポリカルボン酸(II)は、食品法で認可された成分、特に添加物であることを特徴とする請求項1~11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
前記ポリグリセロールが、一般式(IIIa)
HO-CH
2-CH(OH)-CH
2-[O-CH2-CH(OH)-CH
2]p-OH (IIIa)
に対応すること、
ここで、一般式(IIIa)において、変数pが、1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すことを特徴とする請求項1~12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
ポリグリセロール(III)が一般式(IIIb)
HO-CH
2-CH(OH)-CH
2-O-CH
2-CH(OH)-CH
2-OH (IIIb)
のジグリセロールであることを特徴とする請求項1~13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
ポリグリセロール(III)が、プロパン-1,2,3-トリオール(グリセロール)ではないことを特徴とする請求項1~14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルを製造する方法、特に請求項1~15のいずれか1つに記載の方法において、
(a) 第1の方法段階(a)において、ラジカルR
1がC
1-C
5-アルキル又はC
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示す一般式(I)
CH
3-CH(OH)-CH
2-C(O)OR
1 (I)
の少なくとも1つのオキソブタノール、特に3-ヒドロキシブタン酸塩、好ましくは4-オキソ-2-ブタノール、より好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールが、
少なくとも1つのポリカルボン酸(II)と、特に少なくとも2つのカルボキシ基を有する少なくとも1つのポリカルボン酸と、特にエステル化反応において及び/又はエステル化条件下において、反応すること及び/又は反応させること;
特にこれによって、方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、オキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸塩の1つ以上のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、より好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステルが、得られること;及び
(b) それに続いて、第2の方法段階(b)において、第1の方法段階(a)で取得された反応中間生成物(IV’)が、変数pが1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数である一般式(IIIa)
HO-CH
2-CH(OH)-CH
2-[O-CH
2-CH(OH)-CH
2]p-OH (IIIa)
の少なくとも1つのポリグリセロールと、特にエステル化反応において反応すること及び/又は反応されること、及び/又は、エステル化条件下で反応すること及び/又は反応されること、
これによって、反応生成物(IV)として、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリ黒セロールエステルが得られることを特徴とする方法。
【請求項17】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルを製造する方法、特に請求項1~16のいずれか1つに記載の方法において、
(a)第1の方法段階(a)において、ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまあ多はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルである一般式(I)
CH
3-CH(OH)-CH
2-C(O)OR
1 (I)
の少なくとも1つのオキソブタノール、特に3-ヒドロキシブタン酸塩、好ましくは4-オキソ-2-ブタノール、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールが、
特にエステル化反応において及び/又はエステル化条件下において、
コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸およびマレイン酸ならびにこれらの無水物ならびにこれらの組み合わせまたは混合物からなる群から選択され、特に、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸およびそれらの無水物、ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択され、好ましくは、コハク酸およびアジピン酸およびその無水物、ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択される少なくとも1つのポリカルボン酸(II)と反応すること及び/又は反応されること、
特にこれによって、該第1の方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、オキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸塩の1つ以上のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、より好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでの1つ以上のポリカルボン酸エステルが得られること;及び
(b) それに続いて、第2の方法段階(b)において、第1の方法段階(a)において得られた反応中間生成物(IV’)が、特にエステル化反応において及び/又はエステル化条件下において、変数pが1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数である一般式(IIIa)
HO-CH
2-CH(OH)-CH
2-[O-CH
2-CH(OH)-CH
2]p-OH (IIIa)
の少なくとも1つのポリグリセロールと反応すること及び/又は反応されること、
これによって、反応生成物(IV)として、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の1価又は多価のポリグリセロールエステルが得られることを特徴とする方法。
【請求項18】
ここで、本方法は、溶媒の非存在下及び/又は溶媒なしに実施される;及び/又は、第1の方法段階(a)および/または第2の方法段階(b)、特に第1の方法段階(a)及び第2の方法段階(b)は、溶媒の非存在下および/または溶媒なしで実施されることを特徴とする請求項1~17のいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
前記方法が、単一段階で実施されること;及び/又は
前記方法が、触媒の非存在下及び/又は触媒なしで実施されること、さもなければ、前記方法は、触媒、特に酵素および/または金属含有および/または金属ベースの、酸性または塩基性触媒の存在下で実施されること、特に前記触媒が反応後にリサイクルされることを特徴とする請求項1~18のいずれか1つに記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、触媒の非存在下及び/又は触媒なしで実施されること;
前記反応は、触媒の非存在下及び/又は無触媒で、20℃~160℃の範囲内、特に50℃~150℃の範囲内、好ましくは70℃~140℃の範囲内、より好ましくは80℃~135℃の範囲内、さらに好ましくは100℃~130℃の範囲内の温度で実施されること;及び/又は、
前記反応は、触媒の非存在下及び/又は触媒なしで、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バール~5バールの範囲内、好ましくは0.01バール~2バールの範囲内、より好ましくは0.05バール~1バールの範囲内の圧力で、さらに好ましくは約1バールの圧力で実施されること;及び/又は、
前記反応は、触媒の非存在下及び/又は触媒なしにおいて、不活性ガスの存在下で、特にヘリウム、アルゴン、窒素の存在下、好ましくは窒素の存在下で実施されることを特徴とする請求項1~19のいずれか1つに記載の方法。
【請求項21】
前記方法は、触媒としての酵素の存在下で実施されること;
特に、前記酵素は、シンテターゼ(リガーゼ)、カタラーゼ、エステラーゼ、リパーゼおよびそれらの組み合わせから選択されること;及び/
又は、
特に、酵素は、カンディダ・アンタークティカ、ムコル・ミエヘイ(リゾムコル・ミエヘイ)、テルモミセス・ラヌギノーサ、カンジダ・ルゴサ、アスペルギルス・オリゼ(ニホンコウジカビ)、シュードモナス・セパシア、シュードモナス・フルオレッセンス、リゾパス・デレマール及びシュードモナス種及びそれらの組み合わせ、好ましくはカンディダ・アンタークティカ、ムコル・ミエヘイ(リゾムコル・ミエヘイ)及びテルモミセス・ラヌギノーサに由来すること:及び/又は、
特に、前記酵素は、固定化形態、特に担体、優先的にはポリマー担体、好ましくは疎水性を有するポリマー有機担体、より好ましくはポリ(メタ)アクリル樹脂系担体に固定化されて使用されること;及び/又は、
前記酵素は、反応後にリサイクルされること;及び/又は、
前記方法は、触媒としての酵素の存在下で、10℃~80℃の範囲内、特に20℃~80℃の範囲内、好ましくは25℃~75℃の範囲内、より好ましくは45℃~75℃の範囲内、さらに好ましくは50℃~70℃の範囲内の温度で実施されること;及び/又は、
前記酵素は、出発化合物(I)及び(II)の総量を基準として、0.001重量%~20重量%の範囲内、特に0.01重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.1重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.5重量%~10重量%の範囲内で使用されること;及び/又は、
前記反応は、触媒としての酵素の存在下で、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バール~5バール範囲内、好ましくは0.01バール~2バールの範囲内、より好ましくは0.05バール~1バールの範囲内、さらに好ましくは約0.5バールの圧力で実施されること;及び/又は、
前記反応は、酵素の存在下で、不活性ガス、特にヘリウム、アルゴン又は窒素の存在下、好ましくは窒素の存在下で行われることを特徴とする請求項1~19のいずれか1つに記載の方法。
【請求項22】
前記反応は、例えば、金属含有及び/又は金属ベースの、酸性又は塩基性触媒の存在下で実施されること;
特に、前記触媒は、(i)塩基性触媒、特にアルカリ又はアルカリ土類水酸化物及びアルカリ又はアルカリ土類アルコール塩、たとえばNaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)
2、NaOMe、KOMe及びNa(OBu-tert.)、(ii)酸性触媒、特に鉱酸、及び有機酸、例えば硫酸エステル酸、リン酸、硝酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸及びカルボン酸、(iii)ルイス酸、特にチタン、錫、亜鉛及びアルミニウム化合物をベースとするルイス酸、たとえば、チタンテトラブチレート、スズ酸、酢酸亜鉛、三塩化アルミニウム、アルミニウムトリイソプロピル、及び(iv)不均一系触媒、特に鉱物ケイ酸エステル、ゲルマン酸エステル、炭酸エステル及びアルミニウム酸化物に基づくもの、例えばゼオライト、モンモリロナイト、モルデナイト、ヒドロタルサイト及びアルミナ及びそれらの組み合わせ、から選択されること;及び/又は、
チタン、スズ、亜鉛、アルミニウム化合物に基づくルイス酸、例えば、チタンテトラブチレート、スズ酸、酢酸亜鉛、三塩化アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウムが、触媒として使用されること;及び/又は、
特に、前記触媒は、前記方法後にリサイクルされること;及び/又は、
特に前記反応は、金属含有及び/又は金属系、酸性又は塩基性触媒の存在下において、20℃~160℃の範囲内、特に50℃~150℃の範囲内、好ましくは70℃~140℃の範囲内、より好ましくは80℃~135℃の範囲内、さらに好ましくは100℃~130℃の範囲内の温度で行われること;及び/又は、
前記触媒は、出発化合物(I)、(II)及び(III)の総量を基準にして、0.01重量%~30重量%の範囲内、特に0.05重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.1重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.2重量%~10重量%の範囲内の量で使用されること;及び/又は、
前記反応は、金属含有及び/又は金属系、酸性又は塩基性触媒の存在下で、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バール~5バールの範囲内、好ましくは0.01バール~2バールの範囲内、より好ましくは0.05バール~1バールの範囲内の圧力で、さらに好ましくは約1バールの圧力で実施されること;及び/又は、
特に前記反応は、金属含有及び/又は金属ベースの、酸性又は塩基性触媒の存在下において、不活性ガスの存在下で、特にヘリウム、アルゴン又は窒素の存在下で、好ましくは窒素の存在下で実施されることを特徴とする請求項1~19のいずれか1つに記載の方法。
【請求項23】
前記第1の方法段階(a)は、触媒の不存在において及び/又は触媒なしに実施されること、又は、第1の方法段階(a)は、触媒、特に酵素及び/又は金属含有及び/又は金属ベースの、酸性又は塩基性触媒の存在下において実施されること、特に触媒は、反応後にリサイクルされることを特徴とする請求項1~22のいずれか1つに記載の方法。
【請求項24】
前記第1の方法段階(a)は、触媒の不存在及び/又は触媒なしに、実施されること;
特に、第1の方法段階(a)は、触媒の不存在及び/又は触媒なしに、20℃~160℃の範囲内、特に50℃~150℃の範囲内、好ましくは70℃~140℃の範囲内、より好ましくは80℃~135℃の範囲内、さらに好ましくは100℃~130℃の範囲内の温度で実施されること;及び/又は、
特に、第1の方法段階(a)は、触媒の非存在下および/または触媒なしで、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バール~5バールの範囲内、好ましくは0.01バール~2バールの範囲内、より好ましくは0.05バール~1バールの範囲内の圧力で、さらに好ましくは約1バールの圧力で実施されること;及び/又は、
第1の方法段階(a)は、不活性ガス、特にヘリウム、アルゴンまたは窒素の存在下、好ましくは窒素の存在下で、触媒の非存在下および/または触媒なしに実施されることを特徴とする請求項1~20又は23のいずれか1つに記載の方法。
【請求項25】
前記第1の方法段階(a)は、触媒としての酵素の存在下で実施されること;
特に、前記酵素は、シンテターゼ(リガーゼ)、カタラーゼ、エステラーゼ、リパーゼ及びそれらの組み合わせから選択されること;及び/又は、
特に、前記酵素は、カンディダ・アンタークティカ、ムコル・ミエヘイ(リゾムコル・ミエヘイ)、テルモミセス・ラヌギノーサ、カンジダ・ルゴサ、アスペルギルス・オリゼ(ニホンコウジカビ)、シュードモナス・セパシア、シュードモナス・フルオレッセンス、リゾパス・デレマール及びシュードモナス種及びそれらの組み合わせ、好ましくはカンディダ・アンタークティカ、ムコル・ミエヘイ(リゾムコル・ミエヘイ)及びテルモミセス・ラヌギノーサに由来すること;及び/又は、
前記酵素は、固定化形態、特に担体、優先的にはポリマー担体、好ましくは疎水性を有するポリマー有機担体、より好ましくはポリ(メタ)アクリル樹脂系担体に固定化されて使用されること;及び/又は、
特に、前記酵素は、第1の方法段階(a)の後、リサイクルされること;及び/又は、
第1の方法段階(a)が、触媒としての酵素の存在下において、10℃~80℃の範囲内、特に20℃~80℃の範囲内、好ましくは25℃~75℃の範囲内、より好ましくは45℃~75℃の範囲内、さらに好ましくは50℃~70℃の範囲内の温度で行われること;及び/又は、
前記酵素は、出発化合物(I)及び(II)の総量を基準として、0.001重量%~20重量%の範囲内、特に0.01重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.1重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.5重量%~10重量%の範囲内で使用されること;及び/又は、
特に、前記第1の方法段階(a)が、触媒としての酵素の存在下で、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バール~5バールの範囲内、好ましくは0.01バール~2バールの範囲内、より好ましくは0.05バール~1バールの範囲内の圧力で、さらに好ましくは約0.5バールの圧力で実施されること;及び/又は、
特に、前記第1の方法段階(a)が、酵素の存在下において、不活性ガスの存在下で、特にヘリウム、アルゴンまたは窒素の存在下で、好ましくは窒素の存在下で実施されることを特徴とする請求項1~19、21又は23のいずれか1つに記載の方法。
【請求項26】
前記反応は、金属含有及び/又は金属ベースの、酸性又は塩基性触媒の存在下で、実施されること;
特に前記触媒は、(i)塩基性触媒、特にアルカリ又はアルカリ土類水酸化物及びアルカリ又はアルカリ土類アルコール塩、たとえばNaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)
2、NaOMe、KOMe及びNa(OBu-tert.)、(ii)酸性触媒、特に鉱酸、及び有機酸、例えば硫酸エステル酸、リン酸、硝酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸及びカルボン酸、(iii)ルイス酸、特にチタン、錫、亜鉛及びアルミニウム化合物をベースとするルイス酸、たとえば、チタンテトラブチレート、スズ酸、酢酸亜鉛、三塩化アルミニウム、アルミニウムトリイソプロピル、及び(iv)不均一系触媒、特に鉱物ケイ酸エステル、ゲルマン酸エステル、炭酸エステル及びアルミニウム酸化物に基づくもの、例えばゼオライト、モンモリロナイト、モルデナイト、ヒドロタルサイト及びアルミナ及びそれらの組み合わせ、から選択されること;及び/又は、
チタン、スズ、亜鉛、アルミニウム化合物に基づくルイス酸、例えば、チタンテトラブチレート、スズ酸、酢酸亜鉛、三塩化アルミニウム、アルミニウムトリイソプロピルが、触媒として使用されること;及び/又は、
特に、前記触媒は、第1の方法段階(a)の後でリサイクルされること;及び/又は、
特に、第1の方法段階(a)は、金属含有および/または金属ベース、酸性または塩基性触媒の存在下で、20℃~160℃の範囲内、特に50℃~150℃の範囲内、好ましくは70℃~140℃の範囲内、より好ましくは80℃~135℃の範囲内、さらに好ましくは100℃~130℃の範囲内の温度で実施されること;及び/又は、
前記触媒は、出発化合物(I)および(II)の総量を基準にして、0.01重量%~30重量%の範囲内、特に0.05重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.1重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.2重量%~10重量%の範囲内において使用すること;及び/又は、
第1の方法段階(a)は、金属含有および/または金属ベースの、酸性または塩基性触媒の存在下で、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バール~5バールの範囲内、好ましくは0.01バール~2バールの範囲内、より優先的には0.05バール~1バールの範囲内の圧力で、さらにより好ましくは約1バールの圧力で実施されること;及び/又は、
前記反応が、不活性ガスの存在下で、特にヘリウム、アルゴンまたは窒素の存在下で、好ましくは窒素の存在下で実施されることを特徴とする請求項1~19、22又は23のいずれか1つに記載の方法。
【請求項27】
前記第2の方法段階(b)は、触媒の非存在下および/または触媒なしで実施されること、又は、第2の方法段階(b)は、触媒、特に酵素および/または金属含有および/または金属ベースの、酸性または塩基性触媒の存在下で実施されること、特に前記触媒は、反応後にリサイクルされることを特徴とする請求項1~26のいずれか1つに記載の方法。
【請求項28】
第2の方法段階(b)は、触媒の非存在下および/または触媒なしに実施されること;
第2の方法段階(b)が、20℃~160℃の範囲内、特に50℃~150℃の範囲内、好ましくは70℃~140℃の範囲内、より好ましくは80℃~135℃の範囲内、さらに好ましくは100℃~130℃の範囲の温度で、触媒の非存在下および/または触媒なしで実施されること;及び/又は、
第2の方法段階(b)は、触媒の非存在下および/または触媒なしで、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バール~5バールの範囲内、好ましくは0.01バール~2バールの範囲内、より好ましくは0.05バール~1バールの範囲内の圧力で、さらに好ましくは約1バールの圧力で実施されること;及び/又は、
第2の方法段階(b)が、不活性ガスの存在下で、特にヘリウム、アルゴンまたは窒素の存在下で、好ましくは窒素の存在下で実施されることを特徴とする請求項1~20又は23~27のいずれか1つに記載の方法。
【請求項29】
第2の方法段階(b)が触媒としての酵素の存在下で実施されること;
特に、前記酵素は、シンテターゼ(リガーゼ)、カタラーゼ、エステラーゼ、リパーゼおよびそれらの組み合わせから選択されること;及び/又は、
特に、前記酵素は、カンディダ・アンタークティカ、ムコル・ミエヘイ(リゾムコル・ミエヘイ)、テルモミセス・ラヌギノーサ、カンジダ・ルゴサ、アスペルギルス・オリゼ(ニホンコウジカビ)、シュードモナス・セパシア、シュードモナス・フルオレッセンス、リゾパス・デレマール及びシュードモナス種及びそれらの組み合わせ、好ましくはカンディダ・アンタークティカ、ムコル・ミエヘイ(リゾムコル・ミエヘイ)及びテルモミセス・ラヌギノーサに由来すること;及び/又は、
前記酵素は、固定化形態で、特に担体に、好ましくは高分子担体に、より好ましくは疎水性を有する高分子有機担体に、さらに好ましくはポリ(メタ)アクリル樹脂系担体に固定化されて使用されること;及び/又は、
前記酵素は、第2の方法段階(b)の後、リサイクルされること;及び/又は、
特に、第2の方法段階(b)が、触媒としての酵素の存在下で、10℃~80℃範囲内、特に20℃~80℃の範囲内、好ましくは25℃~75℃の範囲内、より好ましくは45℃~75℃の範囲内、さらに好ましくは50℃~70℃の範囲内の温度で実施されること;及び/又は、
前記酵素は、出発化合物(IV’)及び(III)の総量を基準として、0.001重量%~20重量%の範囲内、特に0.01重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.1重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.5重量%~10重量%の範囲で使用されること;及び/又は、
第2の方法段階(b)は、触媒としての酵素の存在下において、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バールから5バールの範囲内、好ましくは0.01バール~5バールの範囲内、より好ましくは0.05バール~1バールの範囲内の圧力で、更に好ましくは約0.5バールの圧力で実施されること;及び/又は、
第2の方法段階(b)が、酵素の存在下において、不活性ガスの存在下で、特にヘリウム、アルゴンまたは窒素の存在下で、好ましくは窒素の存在下で、実施されることを特徴とする請求項1~19、21又は23~27のいずれか1つに記載の方法。
【請求項30】
第2の方法段階(b)は、金属含有および/または金属ベースの、酸性触媒または塩基性触媒の存在下で実施されること;
前記触媒は、(i)塩基性触媒、特にアルカリ又はアルカリ土類水酸化物及びアルカリ又はアルカリ土類アルコール塩、たとえばNaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)
2、NaOMe、KOMe及びNa(OBu-tert.)、(ii)酸性触媒、特に鉱酸、及び有機酸、例えば硫酸エステル酸、リン酸、硝酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸及びカルボン酸、(iii)ルイス酸、特にチタン、錫、亜鉛及びアルミニウム化合物をベースとするルイス酸、たとえば、チタンテトラブチレート、スズ酸、酢酸亜鉛、三塩化アルミニウム、アルミニウムトリイソプロピル、及び(iv)不均一系触媒、特に鉱物ケイ酸エステル、ゲルマン酸エステル、炭酸エステル及びアルミニウム酸化物に基づくもの、例えばゼオライト、モンモリロナイト、モルデナイト、ヒドロタルサイト及びアルミナ及びそれらの組み合わせから選択されること;及び/又は、
特に、テトラブタン酸チタン、スズ酸、酢酸亜鉛、三塩化アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウムのようなチタン、スズ、亜鉛、アルミニウム化合物をベースとしたルイス酸が、触媒として使用されること;
前記触媒は、第2の方法段階(b)後に、リサイクルされること;及び/又は、
第2の方法段階(b)は、金属含有および/または金属ベース、酸性または塩基性触媒の存在下において、20℃~160℃の範囲内、特に50℃~150℃の範囲内、好ましくは70℃~140℃の範囲内、より好ましくは80℃~135℃の範囲内、さらに好ましくは100℃~130℃の範囲内の温度で実施されること;及び/又は、
前記触媒は、出発化合物(IV’)および(III)の総量を基準にして、0.01重量%~30重量%の範囲内、特に0.05重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.1重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.2重量%~10重量%の範囲で使用されること;及び/又は、
第2の方法段階(b)は、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バール~5バールの範囲内、好ましくは0.01バール~2バールの範囲内、より好ましくは0.305バール~1バールの範囲内の圧力で、さらに好ましくは約1バールの圧力で、金属含有および/または金属ベース、酸性または塩基性触媒の存在下において実施されること;及び/又は、
第2の方法段階(b)が、不活性ガスの存在下で、特にヘリウム、アルゴンまたは窒素の存在下で、好ましくは窒素の存在下で実施されること請求項1~19、22又は23~27のいずれか1つに記載の方法。
【請求項31】
第1の方法段階(a)において、出発化合物(I)および(II)は、(I)/(II)のモル比約1:1で使用されること;及び/又は、
第2の方法段階(b)において、出発化合物(III)及び反応中間生成物(IV’)は、(III)/(IV’)モル比が(1/n):1~1:1の範囲で使用することが有利である。ここでnはポリグリセロール(III)の水酸基の数を示し、4~9の範囲内にあることを特徴とする請求項1~30のいずれか1つに記載の方法。
【請求項32】
ポリカルボン酸(II)が遊離酸の形態で使用される場合、水が反応中に同時に形成されること、特に、水が反応から回収され、特に連続的に、特に蒸留または吸着除去の手段によって回収されること;及び/又は、
ポリカルボン酸(II)が無水物の形態で使用される場合、対応する遊離ポリカルボン酸(II)及び水が形成され、特に、得られた遊離ポリカルボン酸(II)がさらに反応されること、又は、反応が行われた後、除去されて任意にリサイクルされること、特に使用される出発化合物(I)、(II)及び(III)の量及び/又は割合に依存して、及び/又は、特に水が反応から、特に連続的に、特に蒸留又は吸着除去の手段で回収されること;及び/又は、
ポリカルボン酸(II)がエステルの形態で使用される場合、対応するエステルアルコールおよび水が形成されること、特に、得られたエステルアルコールおよび水が、反応から、特に連続的に、特に蒸留または吸着除去の手段によって回収されることを特徴とする請求項1~31のいずれか1つに記載の方法。
【請求項33】
反応生成物の組成、特にオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の種々のポリグリセロールエステルの存在、及び混合物の場合のそれらの割合は、反応条件によって、特に反応温度(変換温度)を選択すること及び/又は反応圧力(変換圧力)を選択すること及び/又は触媒の不在によって又は触媒を提供すること及びその種類及び/又は量に関して触媒を選択することによって及び/又は出発化合物(反応物)の量を選択することによって及び/又は任意に形成される副生成物の除去を提供することによって、制御され調節されることを特徴とする請求項1~32のいずれか1つに記載の方法。
【請求項34】
得られた反応生成物は、反応が実施された後に分別され、特に蒸留によって分別されることを特徴とする請求項1~33のいずれか1つに記載の方法。
【請求項35】
未反応の出発化合物、特に未反応の出発化合物(I)及び/又は(II)及び/又は(III)は、反応生成物から分離され、その後リサイクルされることを特徴とする請求項1~34のいずれか1つに記載の方法。
【請求項36】
前記反応が行われた後に反応生成物中に依然として存在するヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、官能化され、特にエステル化されること;及び/又は、
前記反応は、まだ存在するヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基の部分的、特に完全な官能化、特にエステル化が後に続くことを特徴とする請求項1~35のいずれか1つに記載の方法。
【請求項37】
第1の方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、オキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸塩の1つ以上のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、より好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステルが得られること及び/又は取得可能であることを特徴とする請求項1~36のいずれか1つに記載の方法。
【請求項38】
第1の方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、
一般式(IVa’)
R
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-COOH (IVa’)
のオキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸塩の1つ以上のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステルが取得されること又は取得可能であること、
ここで、一般式(IVa’)において、
・R
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと;
・Xが、飽和または不飽和で且つ任意に一置換または多置換された、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH
2-CH(OH)-CH
3及び/又はカルボキシルラジカルおよび/または上述されたラジカルR
1で置換されたラジカル-C(O)-O-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1で置換された、1~10個、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すこと;
特に、ラジカル-COOHが、末端および/または第1級ラジカルであることを特徴とする請求項1~37のいずれか1つに記載の方法。
【請求項39】
第1の方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、
一般式(IVa’)
R
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-COOH (IVa’)
のオキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸塩の1つ以上のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステルが取得されること又は取得可能であること、
ここで、一般式(IVa’)において、
・R
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと;
・Xが、飽和または不飽和で且つ任意に一置換または多置換された、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH
2-CH(OH)-CH
3及び/又はカルボキシルラジカルおよび/または上述されたラジカルR
1で置換されたラジカル-C(O)-O-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1で置換された、2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すこと;
特に、ラジカル-COOHが、末端および/または第1級ラジカルであることを特徴とする請求項1~38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項40】
第1の方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、
一般式(IVa’)
R
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-COOH (IVa’)
のオキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸塩の1つ以上のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステルが取得されること又は取得可能であること、
ここで、一般式(IVa’)において、
・R
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと;
・Xが、飽和または不飽和で且つ任意に一置換または多置換された、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はカルボキシルラジカルで置換された、2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すこと;
特に、ラジカル-COOHが、末端および/または第1級ラジカルであることを特徴とする請求項1~37のいずれか1つに記載の方法。
【請求項41】
第1の方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、
一般式(IVb’)
CH
3-CH(OR
2)-CH
2-C(O)OR
1 (IVb’)
のオキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸塩の1つ以上のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステルが取得されること又は取得可能であること、
ここで、一般式(IVb’)において、
・R
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、及び、
・R
2が、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸およびマレイン酸ならびにそれらの組み合わせまたは混合物からなる群から選択され、特に、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸およびフマル酸ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択され、好ましくは、コハク酸およびアジピン酸およびその無水物ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択されるはポリカルボン酸に由来すること;
特に、クエン酸の場合、さらなるカルボキシ基が、上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1でエステル化されていることを特徴とする請求項1~40のいずれか1つに記載の方法。
【請求項42】
第1の方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、
一般式(IVb’)
CH
3-CH(OR
2)-CH
2-C(O)OR
1 (IVb’)
のオキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸塩の1つ以上のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステルが取得されること又は取得可能であること、
ここで、一般式(IVb’)において、
・R
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、及び、
・R
2が、1つ以上の下記するラジカルを示すこと;
【化15】
上記ラジカルにおいて、ラジカルR
3は、水素又は上記に定義されるようなラジカルR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1を示すことを特徴とする請求項1~41のいずれか1つに記載の方法。
【請求項43】
第1の方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、オキソブタノールの少なくとも2つの異なるポリカルボン酸エステルの、特に3-ヒドロキシブタン酸塩のポリカルボン酸エステルの、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールのポリカルボン酸エステルの、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールまたは4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールのポリカルボン酸エステルの混合物が得られるおよび/または取得可能であることを特徴とする請求項1~42のいずれか1つに記載の方法。
【請求項44】
反応生成物(IV)として、一般式(IVa)
R
4O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2]p-OR
4 (IVa)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であること、
ここで、一般式(IVa)において、
・水素;
・ラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-、ここで、ラジカルR
1は、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、及び、Xは、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH
2-CH(OH)-CH
3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R
1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカル;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・ラジカルHOOC-X-C(O)-、ここでXは、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH
2-CH(OH)-CH
3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R
1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカル;
を示すものであること、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
4、特に少なくとも2つのラジカルR
4が、上記に定義するようなラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すこと;
一般式(IVa)において、変数pが、1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すことを特徴とする請求項1~44のいずれか1つに記載の方法。
【請求項45】
反応生成物(IV)として、一般式(IVa)
R
4O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2]p-OR
4 (IVa)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であることが好ましく、
ここで、一般式(IVa)において、ラジカルR
4は、お互いに独立して、
・水素;
・ラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-、ここでラジカルR
1は、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、及び、Xは、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH
2-CH(OH)-CH
3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R
1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカル;
を示すこと;
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
4、特に少なくとも2つのラジカルR
4は、上述したようなラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すものであること;及び
一般式(IVa)において、変数pは、1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すことを特徴とする請求項1~44のいずれか1つに記載の方法。
【請求項46】
反応生成物(IV)として、一般式(IVa)
R
4O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2]p-OR
4 (IVa)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であることが好ましいこと、
ここで、一般式(IVa)において、ラジカルR
4は、お互いに独立して、
・水素;
・ラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-、ここでラジカルR
1は、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、及び、Xは、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH
2-CH(OH)-CH
3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R
1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカル;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
4、特に少なくとも2つのラジカルR
4は、上述したようなラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すものであること;及び
一般式(IVa)において、変数pは、1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の方法、より好ましくは1の整数を示すことを特徴とする請求項1~45のいずれか1つに記載の方法。
【請求項47】
反応生成物(IV)として、一般式(IVb)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2]p-OR
5 (IVb)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であることが好ましいこと、
ここで、一般式(IVb)において、ラジカルR
5は、お互いに独立して、
・水素;
・ラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-、ここで、ラジカR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、ここで、Yが、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸およびマレイン酸ならびにそれらの組み合わせまたは混合物からなる群から選択され、特に、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸およびフマル酸、ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択され、好ましくは、コハク酸およびアジピン酸およびその無水物、ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択されるポリカルボン酸に由来すること、特にクエン酸の場合、存在するさらなるカルボキシ基が、上記に定義されるR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1でエステル化されること、
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカル-Y-OH;
を示すものであること;
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5、少なくとも2つのラジカルR
5が、上記に定義されるR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-を示すこと;及び
ここで、一般式(IVb)において、変数pは、1~6,特に1~4、好ましくは1又は2、より好ましくは1の整数を示すことを特徴とする請求項1~46のいずれか1つに記載の方法。
【請求項48】
反応生成物(IV)として、一般式(IVb)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2]p-OR
5 (IVb)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であることが好ましいこと、
ここで、一般式(IVb)において、ラジカルR
5は、お互いに独立して、
・水素;
・ラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-、ここで、ラジカR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、及び
Yが下記するラジカルの1つを示すこと:
【化16】
上記ラジカルにおいて、ラジカルR
3が、水素又は上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1を示すこと;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカルY-OH;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5、特に少なくとも2つのラジカルR
5が、それぞれ上記に定義されるようなR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-;及び
一般式(IVb)において、変数pが1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すことを特徴とする請求項1~47のいずれか1つに記載の方法。
【請求項49】
反応生成物(IV)として、一般式(IVb)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2]p-OR
5 (IVb)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であることが好ましいこと、
ここで、一般式(IVb)において、ラジカルR
5は、お互いに独立して、
・水素;
・ラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-、ここで、ラジカR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、及び
Yが下記するラジカルの1つを示すこと:
【化17】
上記ラジカルにおいて、ラジカルR
3が、水素又は上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1を示すこと;
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5、特に少なくとも2つのラジカルR
5が、それぞれ上記に定義されるようなR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-;及び
一般式(IVb)において、変数pが1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すことを特徴とする請求項1~48のいずれか1つに記載の方法。
【請求項50】
反応生成物(IV)として、一般式(IVc)
R
4O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-OR
4 (IVc)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であることが好ましいこと、
ここで、一般式(IVc)において、ラジカルR
4は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Xが飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH
2-CH(OH)-CH
3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R
1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-;;
を示すものであることが好ましいこと。
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
4、特に少なくとも2つのラジカルR
4が、上記に定義されるようなラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すことを特徴とする請求項1~49のいずれか1つに記載の方法。
【請求項51】
反応生成物(IV)として、一般式(IVc)
R
4O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-O-CH2-CH(OR
4)-CH
2-OR
4 (IVc)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であることが好ましく、
ここで、一般式(IVc)において、ラジカルR
4は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Xが、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH
2-CH(OH)-CH
3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R
1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-;
を示すものであることが好ましい。
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
4、特に少なくとも2つのラジカルR
4は、上記に定義されるようなラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すことを特徴とする請求項1~49のいずれか1つに記載の方法。
【請求項52】
反応生成物(IV)として、一般式(IVc)
R
4O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-OR
4 (IVc)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であること、
ここで、一般式(IVc)において、ラジカルR
4は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Xが、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はカルボキシルラジカルで置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-;
を示すものであること、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
4、特に少なくとも2つのラジカルR
4は、上記に定義されるようなラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すことを特徴とする請求項1~51のいずれか1つに記載の方法。
【請求項53】
反応生成物(IV)として、一般式(IVd)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-OR
5 (IVd)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であることが好ましいこと、
ここで、一般式(IVd)において、ラジカルR
5は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-、ここで、ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Yが、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸およびマレイン酸、ならびにそれらの組み合わせまたは混合物からなる群から選択され、特に、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸およびフマル酸、ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択され、好ましくは、コハク酸およびアジピン酸およびその無水物、ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択されるポリカルボン酸に由来すること、特に、クエン酸の場合、存在するさらなるカルボキシ基が、上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1によりエステル化されること;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカルY-OH;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5、少なくとも2つのラジカルR
5が、上記に定義されるようなR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-を示すことを特徴とする請求項1~52のいずれか1つに記載の方法。
【請求項54】
反応生成物(IV)として、一般式(IVd)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-OR
5 (IVd)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であることが好ましいこと、
ここで、一般式(IVd)において、ラジカルR
5はお互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-、ここで、ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Yが、下記するラジカルの1つを示すこと;
【化18】
ここで、上記ラジカルにおいて、ラジカルR
3が、水素又は上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1を示すこと;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカルY-OH;
を示すことが好ましいこと;
ただし、少なくとも1つのラジカルR
5、少なくとも2つのラジカルR
5が、上記に定義されるようなR
1及びYを有するR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-を示すことを特徴とする請求項1~53のいずれか1つに記載の方法。
【請求項55】
反応生成物(IV)として、一般式(IVd)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-OR
5 (IVd)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であることが好ましいこと、
ここで、一般式(IVd)において、ラジカルR
5は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-、ここで、ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Yが、下記するラジカルの1つを示すこと;
【化19】
ここで、上記ラジカルにおいて、ラジカルR
3が、水素又は上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1を示すこと;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5、特に少なくとも2つのラジカルR
5が、上記に定義するようなR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-を示すことを特徴とする請求項1~54のいずれか1つに記載の方法。
【請求項56】
反応生成物(IV)として、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の少なくとも2つの異なるポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでまたは4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の一価または多価のポリグリセロールエステルの混合物が得られることおよび/または取得可能であることを特徴とする請求項1~55のいずれか1つに記載の方法。
【請求項57】
請求項1~56のいずれか1つに記載の方法によって取得可能な、特に請求項1~56のいずれか1つに記載の方法の第1の方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として取得可能な反応中間生成物又はオキソブタノールのポリカルボン酸エステル、3-ヒドロキシブタン酸塩のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールのポリカルボン酸エステル、より好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールのポリカルボン酸エステル。
【請求項58】
請求項57によるオキソブタノールの少なくとも2つの異なるポリカルボン酸エステルを有する混合物。
【請求項59】
請求項1~56のいずれか1つに記載の方法によって取得可能な反応生成物又はオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステル。
【請求項60】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVa)
R
4O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2]p-OR
4 (IVa)
に対応すること、
ここで、一般式(IVa)において、ラジカルR
4が、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Xが、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH
2-CH(OH)-CH
3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R
1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・ラジカルHOOC-X-C(O)-、ここで、Xが、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH
2-CH(OH)-CH
3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R
1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すこと;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
4、特に少なくとも2つのラジカルR
4が、上記に定義されるようなラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すこと;及び、
一般式(IVa)において、変数pは、1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すことを特徴とする請求項59記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項61】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVa)
R
4O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2]p-OR
4 (IVa)
に対応すること、
ここで、一般式(IVa)において、ラジカルR
4が、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Xが、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH
2-CH(OH)-CH
3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R
1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-;
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
4、特に少なくとも2つのラジカルR
4が、上記に定義されるようなラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すこと;及び、
一般式(IVa)において、変数pは、1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すことを特徴とする請求項59又は60記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項62】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVa)
R
4O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2]p-OR
4 (IVa)
に対応すること、
ここで、一般式(IVa)において、ラジカルR
4が、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Xが、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はカルボキシルラジカルで置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-;
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
4、特に少なくとも2つのラジカルR
4が、上記に定義されるようなラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すこと;及び、
一般式(IVa)において、変数pは、1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すことを特徴とする請求項59~61のいずれか1つに記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項63】
オキソブタノールでエステル化されるポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されるポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVb)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2]p-OR
5 (IVb)
に対応すること、
ここで、一般式(IVb)において、ラジカルR
5が、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示示し、且つ、Yが、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸およびマレイン酸ならびにそれらの組み合わせまたは混合物からなる群から選択され、特にコハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸およびフマル酸ならびにそれらの組み合わせまたは混合物からなる群から選択され、好ましくはコハク酸およびアジピン酸およびその無水物ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択されるポリカルボン酸に由来し、特にクエン酸の場合、存在するさらなるカルボキシ基が、上述されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1でエステル化されるラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカル-Y-OH;
を示すこと;
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
4、特に少なくとも2つのラジカルR
4が、上記に定義されるようなR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-を示すこと;及び
ここで、一般式(IVb)において、変数pが1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すことを特徴とする請求項59~62のいずれか1つに記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項64】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでまたは4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価または多価のポリグリセロールエステルは、一般式(IVb)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2]p-OR
5 (IVb)
に対応すること、
ここで、一般式(IVb)において、ラジカルR
5が、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1がC
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示示し、且つ、Yが、ラジカルR
3が水素又は上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1である下記
【化20】
のラジカルの1つを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカルY-OH;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5、特に少なくとも2つのラジカルR
5が、上記に定義されるようなR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-を示すこと;及び
一般式(IVb)において、変数pが、1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すことを特徴とする請求項59~63のいずれか1つに記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項65】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVb)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2]p-OR
5 (IVb)
に対応すること、
ここで、一般式(IVb)において、ラジカルR
5が、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示示し、且つ、Yが、ラジカルR
3が、水素又は上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1を示す下記
【化21】
のラジカルの1つを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5、特に少なくとも2つのラジカルR
5が、上記に定義されるようなR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-を示すこと;及び
一般式(IVb)において、変数pが、1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すことを特徴とする請求項59~64のいずれか1つに記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項66】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVc)
R
4O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-OR
4 (IVc)
に対応すること、
ここで、一般式(IVc)において、ラジカルR
4が、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Xが飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH
2-CH(OH)-CH
3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R
1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・ラジカルHOOC-X-C(O)-、ここで、Xが、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH
2-CH(OH)-CH
3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R
1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1で置換された、1~10個の炭素原子を有し、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すこと;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
4、特に少なくとも2つのラジカルR
4が、上記に定義されるようなラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すことを特徴とする請求項59~65のいずれか1つに記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項67】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVc)
R
4O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-OR
4 (IVc)
に対応すること、
ここで、一般式(IVc)において、ラジカルR
4が、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Xが飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH
2-CH(OH)-CH
3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R
1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1で置換された、1~10個、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・ラジカルHOOC-X-C(O)-、ここで、Xが、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH
2-CH(OH)-CH
3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R
1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すこと;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
4、特に少なくとも2つのラジカルR
4が、上記に定義されるようなラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すことを特徴とする請求項59~66のいずれか1つに記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項68】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVc)
R
4O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-OR
4 (IVc)
に対応すること、
ここで、一般式(IVc)において、ラジカルR
4が、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Xが飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はカルボキシルラジカルで置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
4、特に少なくとも2つのラジカルR
4が、上記に定義されるようなラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すことを特徴とする請求項59~67のいずれか1つに記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項69】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVd)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-OR
5 (IVd)
に対応すること、
ここで、一般式(IVd)において、ラジカルR
5は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示し、且つ、Yが、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸およびマレイン酸ならびにそれらの組み合わせまたは混合物からなる群から選択され、特に、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸およびフマル酸ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択され、好ましくは、コハク酸およびアジピン酸およびその無水物ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択されるポリカルボン酸に由来し、特にクエン酸の場合、存在するさらなるカルボキシ基が、上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1でエステル化されるラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカルY-OH;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5、特に少なくとも2つのラジカルR
5が、それぞれ上記に定義されるようなR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-を示すことを特徴とする請求項59~68のいずれか1つに記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項70】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVd)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-OR
5 (IVd)
に対応すること、
ここで、一般式(IVd)において、ラジカルR
5は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示し、且つ、Yが、ラジカルR
3が、水素又は上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1を示す下記するラジカル
【化22】
の1つを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカルY-OH;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5、特に少なくとも2つのラジカルR
5が、上記に定義されるようなR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-を示すことを特徴とする請求項59~69のいずれか1つに記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項71】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVd)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-OR
5 (IVd)
に対応することが好ましい。
ここで、一般式(IVd)において、ラジカルR
5は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示し、且つ、Yは、ラジカルR
3が水素又は上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1を示す下記するラジカル
【化23】
の1つを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカルY-OH;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5、特に少なくとも2つのラジカルR
5が、上記に定義されるようなR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-を示すことを特徴とする請求項59~70のいずれか1つに記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項72】
特に上記に定義されたような、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の少なくとも2つの異なるポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリゴリセロールエステルを有する混合物。
【請求項73】
請求項59~71のいずれか1つに記載の反応生成物又はオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル及び/又は請求項72記載の混合物を有する医薬品組成物、特に薬物又は医薬品。
【請求項74】
人体または動物体の疾患、特に、エネルギー代謝の異常を伴う疾患、特にケト体代謝、特に頭蓋脳外傷、脳卒中、低酸素症、心筋梗塞などの循環器疾患、再食症、食欲不振、てんかん、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、グルコーストランスポーター欠損(GLUT1欠損)、VL-FAODなどの脂肪代謝性疾患、や、ミトコンドリアチオラーゼ欠損症、ハンチントン病などのミトコンドリア病、T細胞リンパ腫、星細胞腫、グリオブラストーマなどの癌、HIV、関節リウマチ、関節炎などのリウマチ性疾患、慢性炎症性腸疾患などの消化器系疾患、特に潰瘍性大腸炎やクローン病、スフィンゴ糖脂質症などのリゾーム貯蔵病、特にニーマン・ピック病、糖尿病、化学療法の影響または副作用の予防および/または治療処置のための、予防および/または治療処置に使用するための請求項73に記載の医薬組成物。
【請求項75】
人体または動物体の疾患、特に、エネルギー代謝の異常を伴う疾患、特にケト体代謝、特に頭蓋脳外傷、脳卒中、低酸素症、心筋梗塞などの循環器疾患、再食症、食欲不振、てんかん、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、グルコーストランスポーター欠損(GLUT1欠損)、VL-FAODなどの脂肪代謝性疾患、や、ミトコンドリアチオラーゼ欠損症、ハンチントン病などのミトコンドリア病、T細胞リンパ腫、星細胞腫、グリオブラストーマなどの癌、HIV、関節リウマチ、関節炎などのリウマチ性疾患、慢性炎症性腸疾患などの消化器系疾患、特に潰瘍性大腸炎やクローン病、スフィンゴ糖脂質症などのリゾーム貯蔵病、特にニーマン・ピック病、糖尿病、化学療法の影響または副作用の予防および/または治療処置のための、予防および/または治療処置に使用するための請求項59~71のいずれか1つに記載の、反応生成物又はオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル及び/又は請求項72記載の混合物。
【請求項76】
人体または動物体の疾患、特に、エネルギー代謝の異常を伴う疾患、特にケト体代謝、特に頭蓋脳外傷、脳卒中、低酸素症、心筋梗塞などの循環器疾患、再食症、食欲不振、てんかん、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、グルコーストランスポーター欠損(GLUT1欠損)、VL-FAODなどの脂肪代謝性疾患、や、ミトコンドリアチオラーゼ欠損症、ハンチントン病などのミトコンドリア病、T細胞リンパ腫、星細胞腫、グリオブラストーマなどの癌、HIV、関節リウマチ、関節炎などのリウマチ性疾患、慢性炎症性腸疾患などの消化器系疾患、特に潰瘍性大腸炎やクローン病、スフィンゴ糖脂質症などのリゾーム貯蔵病、特にニーマン・ピック病、糖尿病、化学療法の影響または副作用の予防および/または治療処置のための又は予防および/または治療処置の医薬品を製造するための請求項59~71のいずれか1つに記載の、反応生成物又はオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル及び/又は請求項72記載の混合物の使用。
【請求項77】
予防的および/または治療的処置のための、又は、空腹、ダイエットまたは低炭水化物栄養のような異化代謝状態への適用のための医薬品の製造のための請求項59~71のいずれか1つに記載の、反応生成物又はオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル及び/又は請求項72記載の混合物の使用。
【請求項78】
請求項59~71のいずれか1つに記載の、反応生成物又はオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル及び/又は請求項72記載の混合物を有する食品及び/又は食品生成物。
【請求項79】
食品及び/又は食品生成物が、栄養補助食品、機能性食品、新規食品、食品添加物、食品サプリメント、ダイエット食品、パワースナック、食欲抑制剤又は筋力及び/又は持久力スポーツ補助剤であることを特徴とする請求項78に記載の食品及び/又は食品生成物。
【請求項80】
食品及び/又は食品生成物における請求項59~71のいずれか1つに記載の、反応生成物又はオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル及び/又は請求項72記載の混合物の使用。
【請求項81】
食品及び/又は食品生成物が、栄養補助食品、機能性食品、新規食品、食品添加物、食品サプリメント、ダイエット食品、パワースナック、食欲抑制剤、又は筋力及び/又は持久力スポーツサプリメントであることを特徴とする請求項80記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケト体及び関連する代謝の分野及び関連する疾患の治療に関する。
【0002】
特に、本発明は、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステルの製造方法、ならびにこのようにして得られる又はこのようにして調製される反応生成物(すなわちオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル)及びそれらの使用、特に薬剤又は医薬などの医薬組成物に、又は食品及び/もしくは食品に、ならびにそれらのさらなる用途又は使用に関するものである。
【0003】
さらに、本発明は、本発明方法に従って得られる又は製造される反応生成物(すなわち、オキソブタノールでエステル化したポリカルボン酸のポリグリセロールエステル)を含む医薬組成物、特に薬剤又は医薬品、及びそれらの用途又は使用に関する。
【0004】
最後に、本発明は、本発明方法に従って得られる又は製造される反応生成物(すなわち、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル)からなる食品及び/又は食品生成物、特に食品サプリメント、機能性食品、新規食品、食品添加物、食品サプリメント、ダイエット食品、パワースナック、食欲抑制剤及び筋力及び/又は持久力スポーツサプリメント並びにそれらの用途又は使用に関するものである。
【背景技術】
【0005】
人間のエネルギー代謝において、グルコースは短期的に利用可能なエネルギーキャリアであり、ミトコンドリア内で水と二酸化炭素を放出することでエネルギーに代謝される。肝臓のグリコーゲン貯蔵量は、夜間の睡眠時間中にすでに空っぽになっている。しかし、特に人間の中枢神経系(CNS)と心臓は永続的なエネルギー供給を必要とする。
【0006】
ブドウ糖に代わる生理的な物質で、主に中枢神経系で利用されるのが、いわゆるケト体(同義語的にケトン体とも呼ばれる)である。
【0007】
ケト体という用語は、特に、主に異化代謝状態(例えば空腹時、減量食、低炭水化物食)において形成され、ケトーシスに至る可能性のある3つの化合物の総称である。ケト体という用語は、特に、アセト酢酸(同義語的にアセトアセテートともいう)及びアセトン並びに3-ヒドロキシブタン酸(以下、同義語的にβ-ヒドロキシブタン酸又はBHB又は3-BHBとして参照される)又はその塩(すなわち3-ヒドロキシブタン酸塩又はβ-ヒドロキシブタン酸塩)が含まれるものであり、後者は前述の3つの化合物の中で最も重要なものである。3-ヒドロキシブタン酸又はその塩は、生理的には(R)-エナンチオマー、すなわち(R)3-ヒドロキシブタン酸(同義語的に、3位のキラリティー中心を強調するために(3R)-3-ヒドロキシブタン酸とも呼ばれる)又はその塩として存在する。
【0008】
このケト体は、生理的にも、空腹時や飢餓時に脂肪分解によって体内に蓄積された脂質から大量に供給され、エネルギー源のグルコースにほぼ完全に置き換わる。
【0009】
ケト体は、肝臓でβ酸化に由来するアセチルコエンザイムA(=アセチルCoA)から生成され、ヒトの体内でアセチルコエンザイムAの運搬可能な形態となるものである。しかし、ケト体を利用するためには、まず脳と筋肉が、ケト体をアセチルコエンザイムAに戻すために必要な酵素を発現して適応しなければならない。特に空腹時には、ケト体はエネルギー生産に相当貢献する。例えば、脳は、しばらくすると1日の3分の1の量のブドウ糖だけでやっていけるようになる。
【0010】
生理学的には、前記ケト体は、2分子の活性化酢酸から、脂肪酸分解の通常の中間産物であるアセチルコエンザイムAの形態において合成され、さらに、アセチルコエンザイムAユニットと酵素HMG-CoA-シンターゼを使用して、中間生成物3-ヒドロキシ-3-メチルーグルタリルーCoA(HMG-CoA)に拡張されるもので、最後にHMG-CoAリラーゼがアセト酢酸を切り離すというものである。この3つの段階は、肝臓のミトコンドリアでのみ行われ(リネンサイクル)、3-ヒドロキシブタン酸は最終的に細胞質でD-β-ヒドロキシブタン酸脱水素酵素によって生成される。また、HMG-CoAは、アミノ酸のロイシンの分解の最終産物であり、アセト酢酸はアミノ酸のフェニルアラニンやチロシンの分解の際に生成される。
【0011】
自然脱炭酸によりアセト酢酸はアセトンに変化し、糖尿病患者やダイエット中の人の呼気から感知されることがある。これは体内でそれ以上利用されることはない。しかし、ケト体に含まれるアセトンの割合は少ない。
【0012】
このように、アセト酢酸は、3-ヒドロキシブタン酸又は3-ヒドロキシブタン酸塩の生理学的に関連する形態に還元的に変換されるが、二酸化炭素の放出とともに生理学的に使用できないアセトンに分解することもでき、これは、重度のケトーシス、ケトアシドーシス(例えば、インスリンが補充されていない1型糖尿病の患者)において、尿及び呼気中で検出可能であり嗅ぎ分けることが可能である。
【0013】
3-ヒドロキシブタン酸は、現在、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩として、ウェイトトレーニング分野で使用及び販売されている。
【0014】
しかしながら、植物が3-ヒドロキシブタン酸を生成せず且つ動物生命体内の3-ヒドロキシブタン酸が、単にケトーシスの痩せた動物の死体にしか発生しないため、3-ヒドロキシブタン酸が、経口投与すると吐き気を催すために、3-ヒドロキシブタン酸が、知られていないか、進化論的な観点でいえばヒトに対してごく少量においてしか知られていない。遊離酸とその塩の形の3-ヒドロキシブタン酸も、非常に苦い味がして、激しい嘔吐と吐き気を催す。
【0015】
さらに、これらの化合物は腎臓を損傷する作用があるため、患者、特に新生児だけでなく、成人でさえ、3-ヒドロキシブタン酸の塩を大量に許容されることがない。
【0016】
また、3-ヒドロキシブタン酸及びその塩の血漿中半減期は非常に短く、数グラム摂取してもケトーシスは3~4時間程度しか持続しないため、3-ヒドロキシブタン酸及びその塩による治療が、特に夜間は継続的に有効であるとは言えない。代謝性疾患の場合は、生命を脅かす事態につながることもある。
【0017】
したがって、このような代謝性疾患の治療の場合、現在、いわゆる中鎖トリグリセリド、いわゆるMCTは、ケトジェニック療法のために使用され、すなわち対応するトリグリセリドからのカプロン酸、カプリル酸及びカプリン酸(すなわち飽和直鎖C6-、C8-及びC10-脂肪酸)の代謝的変換が意図される。
【0018】
しかし、基本的には、医薬・臨床的観点から、3-ヒドロキシブタン酸は、より有効な医薬・薬理学的標的分子であり、先行技術によれば、原理的には多数の疾患の治療に使用できるが、生理的適合性がないため使用できない(例えば、エネルギー代謝、特にケト体代謝の不調に関連する疾患、あるいは認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病等の神経変性疾患、脂肪代謝疾患等)。
【0019】
以下の表は、純粋に例示であり、決して限定するものではありませんが、有効成分である3-ヒドロキシブタン酸の潜在的な治療オプション又は可能な適応症を示している。
【0020】
【0021】
したがって、特に人体又は動物の生理的代謝において、生理的に3-ヒドロキシブタン酸又はその塩に直接又は間接的にアクセスできる有効な前駆体又は代謝物を見出すことができることは、医薬及び臨床の観点から望ましい。
【0022】
その結果、先行技術では、3-ヒドロキシブタン酸又はその塩の生理学的に適した前駆体又は代謝物を見出す試みが欠落していない。しかしながら、これまでのところ、先行技術において効率的な化合物は見つかっていない。また、このような化合物へのアクセスは、従来技術によれば不可能であり、容易に可能なものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
したがって、本発明の根底にある課題は、3-ヒドロキシブタン酸(すなわち、β-ヒドロキシブタン酸又はBHB又は3-BHB)又はその塩の生理学的に好適又は生理学的に適合する前駆体及び/又は代謝物を製造するための効率的方法の提供である。
【0024】
このような方法は、特に、それぞれのBHB前駆体及び/又はBHB代謝物を効率的に、特に大量に、かつ有毒な副産物を大量に発生させることなく利用できるようにすることが望ましい。
【0025】
全く驚くべき方法で、本出願人は、オキソブタノールでエステル化したポリカルボン酸のポリグリセロールエステルが、ケト体3-ヒドロキシブタン酸又はその塩の効率的かつ生理的に有効な又は生理的に適合する前駆体及び/又は代謝物を表すことを見出し、この文脈において、これらの化合物に直接的かつ効果的に、特に経済的に、また工業的に実行可能なアクセスを可能とする、これらの化合物を製造する効率的な方法を発見又は開発することができたのである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
したがって、上記の問題を解決するために、本発明は、本発明の第1の態様によれば、請求項1に記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステルの製造方法を提案する;さらに、本発明方法の特に特別及び/又は有利な実施態様は、関連した従属請求項の主題となるものである。
【0027】
さらに、本発明は、本発明の第2の態様によれば、各請求項(請求項57)による本発明の方法によって得られる反応中間生成物又はオキソブタノールのポリカルボン酸に関し、又は、各請求項(請求項58)によるオキソブタノールの少なくとも2つの異なるポリカルボン酸エステルのそれぞれの混合物に関し、さらに各請求項(請求項59~71)による本発明の方法によって取得可能なオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の反応生成物又はポリグリセロールエステルに関し、又は、各請求項(請求項72)によるオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の少なくとも2つのポリグリセロールエステルの混合物に関するものであり;さらに、さらに、本発明のこの態様の特に特別な及び/又は有利な実施形態は、関連する従属請求項の主題である。
【0028】
同様に、本発明は、本発明の第3の態様によれば、各独立請求項(請求項73)による医薬組成物、特に薬剤又は医薬品に関するものであり、さらに、本発明のこの態様の特に特別及び/又は有利な実施形態は、関連する従属請求項の主題となるものである。
【0029】
さらに、本発明は、本発明の第4の態様によれば、各独立請求項(請求項75)によるヒト又は動物の身体の疾患の予防的及び/又は治療的処置又はそれに用いるためのオキソブタノールでエステル化したポリカルボン酸の本発明反応生成物又は少なくとも2つのポリグリセロールエステルの本発明の混合物に関するものである。
【0030】
さらに 本発明は、本発明の第5の態様によれば、関連する独立請求項(請求項76)によるヒト又は動物の身体の疾患の予防及び/又は治療的処置のための、又は医薬品の製造のための、本発明の反応生成物又はオキソブタノールでエステル化したポリカルボン酸の本発明のポリグリセロールエステル又はオキソブタノールでエステル化した少なくとも2つのポリカルボン酸の本発明の混合物の使用に関するものである。
【0031】
さらに、本発明は、本発明の第6の態様によれば、関連する独立請求項(請求項77)によるオキソブタノールでエステル化したポリカルボン酸の本発明の反応生成物又は本発明のポリグリセロールエステル又はオキソブタノールでエステル化したポリカルボン酸の少なくとも2つのポリグリセロールエステルに関する発明の混合物の使用に関するものである。
【0032】
さらに、本発明は、本発明の第7の態様によれば、関連する独立請求項(請求項78)による食品および/又は食品生成物に関し、さらに、本発明による食品および/又は食品生成物の特に特別なおよび/又は有利な実施形態は、関連する従属請求項の主題である。
【0033】
最後に、本発明は、本発明の第8の態様によれば、関連する独立請求項(請求項80)による食品及び/又は食品生成物における、オキソブタノールでエステル化したポリカルボン酸の本発明の反応生成物又は本発明のポリグリセロールエステル又はオキソブタノールでエステル化したポリカルボン酸の少なくとも二つのポリグリセロールエステルの本発明の混合物の使用に関するものである。さらに、本発明による使用の特に特別なおよび/又は有利な実施形態は、関連する使用に関する従属請求項の主題である。
【0034】
以下、繰り返しを避ける目的で本発明の一態様に関してのみ記載する以下の特徴、実施形態、利点等は、当然、本発明の他の態様にも適宜適用され、これには別途言及する必要がないことは言うまでもない。
【0035】
さらに、本発明の個々の側面及び実施形態は、本発明の他の側面及び実施形態との任意の組み合わせにおいても開示されているとみなされ、特に、すべての特許請求の範囲の後方参照から生じる特徴及び実施形態の任意の組み合わせも、結果として生じるすべての組み合わせ可能性に関して広範に開示されているとみなされることは言うまでもない。
【0036】
以下に提供される全ての相対的又は百分率の重量ベースのデータ、特に相対的な量又は重量データに関して、本発明の範囲内で、これらは、特に以下に定義するように、全ての成分又は成分を含む、それぞれ100重量%又は100重量%に常に加算するように当業者によって選択されるべきであることに更に留意すべきである;しかしながら、これは当業者にとって自明なことである。
【0037】
また、当業者は、必要に応じて、本発明の範囲を逸脱することなく、以下の範囲の仕様を設定することができる。
【0038】
さらに、以下に規定するすべての値又はパラメータ等は、原則として、標準化された又は明示的に規定された測定方法、あるいは、当業者に周知の決定又は測定方法により決定又は特定できることが適用される。
【0039】
このように述べた上で、以下、本発明をより詳細に説明する:
【0040】
したがって、本発明の主題は、本発明の第1の態様によれば、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のモノ-又は多価のポリグリセロールエステルを製造する方法において、
(i) ラジカルR1が、C1-C5-アルキル又はヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示す一般式(I)
CH3-CH(OH)-CH2-C(O)OR1 (I)
の少なくとも1つのオキソブタノール、特に3-ヒドロキシブタン酸塩、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノール、
(ii) 少なくとも1つのポリカルボン酸(II)、特に少なくとも2つのカルボキシ基を有する少なくとも1つのポリカルボン酸;及び
(iii) 少なくとも1つのポリ宇グレセロール(III)が、反応し及び/又はお互いに反応させられ、
これによって、反応生成物(IV)として、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の1価又は多価ポリグリセロールエステルが得られるものである。
【0041】
これによって、本発明によれば、特に、3-ヒドロキシブタン酸塩でエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステルのための製造方法を提供する。3-ヒドロキシブタン酸塩は、3-ヒドロキシ酪酸エステルとして又は4-オキソ-2-ブタノールと参照されることが好ましい。
【0042】
厳密に言えば、一般式(I)のオキソブタノール又は3-ヒドロキシブタン酸塩は、(C1-C5-アルキル)-3-ヒドロキシブタン酸塩(=3-ヒドロキシブタン酸(C1-C5-アルキル)エステル)、即ち同義語的に4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールとして参照される3ヒドロキシブタン酸のC1-C5-アルキルエステル、又は、(ヒドロキシ-C3-C5-アルキル)-3-ヒドロキシブタン酸塩(=3-ヒドロキシブタン酸(ヒドロキシ-C3-C5-アルキル)エステル)、即ち同義語的に4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールとして参照される3-ヒドロキシブタン酸のヒドロキシ-C3-C5-アルキルエステルのいずれかである。
【0043】
これに関して、3-ヒドロキシブタン酸塩は、対応するアルコール(例えば、エタノール等のようなモノアルコール又はジオール)による遊離3-ヒドロキシブタン酸のエステル化によって調製することができる。3-ヒドロキシブタン酸ヒドロキシブチル(すなわち、R1=ヒドロキシブチルを有する一般式(I)の3-ヒドロキシブタン酸)の合成は、以下に模式的に示される。
【0044】
【0045】
さらに、3-ヒドロキシブタン酸ヒドロキシペンチル(即ちR1=ヒドロキシペンチルである一般式(I)の3-ヒドロキシブタン酸)の合成が、以下に模式的に示される。
【0046】
【0047】
さらなる3-ヒドロキシブタン酸塩の製造又は合成が、類似の方法で行われる。
【0048】
本発明の方法においては、一般式(I)の出発物質又は3-ヒドロキシブタン酸化合物は、3位にあるヒドロキシ基を介してエステル化アルコールとして作用し且つポリカルボン酸(II)のカルボキシ基と反応し、これによって反応中間生成物(IV’)として、3-ヒドロキシブタン酸塩の対応するポリカルボン酸エステル、即ち4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールの対応するポリカルボン酸エステルが、形成される。
【0049】
本発明に関して、使用されるポリカルボン酸(II)は、有機ポリカルボン酸である;即ちポリカルボン酸(II)は、結果として、酸性の性質を有する複数のカルボキシ基(-COOH)を有する有機化合物である。
【0050】
本発明によって得られるポリグリセロールエステルは、ポリグリセロール(ジグリセロールなど)のエステルであり、正確にはポリエステル化グリセロールではない(即ち、特にモノ-、ジ-及びトリグリセリド、即ちグリセロールと1,2,3-プロパントリオールのそれぞれの1価、2価及び3価エステルでない)。
【0051】
したがって、本発明において、1価および多価とは、ポリグリセロールのエステル化基(即ちオキソブタノールのポリカルボン酸エステルでエステル化された基)の数を示すものである。
【0052】
驚くべきことに、本出願人は、生理的にだけでなく有機的に適合する形態で、3-ヒドロキシブタン酸又はその誘導体を提供することができ、3-ヒドロキシブタン酸が依然として、特に動物又は人体によって容易に放出することができる効率的かつ有効な方法を見出した。
【0053】
さらに、本出願人は、遅延効果が存在する方法において3-ヒドロキシブタン酸の有機的に且つ生理的に低合する形態を提供することに成功した;即ち3-ヒドロキシブタン酸が、動物又は人体によって連続的に長期間にわたって容易に放出することができる。
【0054】
また、その他の分解・開裂生成物(即ち3-ヒドロキシブタン酸に加えて放出される開裂生成物)は、体内で利用することができ、少なくとも体内で処理することができる。特に、クエン酸サイクルの反応物、生成物、中間体、又はクエン酸サイクルの反応物、生成物、中間体の酸化によって形成される誘導体や塩である開裂生成物が放出される。したがって、3-ヒドロキシ酪酸の放出時に形成されるさらなる分解物又は開裂生成物も、動物又は人体によってエネルギー源として使用することができる。これらの開裂生成物は、典型的には、ポリカルボン酸(II)である。また、ポリグリセロールは、体内から容易に排泄される無毒で生理的に適合したキャリアである。
【0055】
ヒドロキシ基の数が多いポリグリセロールを用いることによって、有効成分、特に3-ヒドロキシブタン酸塩又は3-BHB又は対応する誘導体を高密度に有する分子を提供することが可能である。さらに、これに関して、ポリカルボン酸を高密度で提供することも可能であり、これは、前述のように、動物及び/又はヒトの体によってさらなるエネルギー源として使用することができる。
【0056】
上記のように、本出願人は、極めて驚くべきことに、医薬又は臨床用途でより大量に使用することが可能である3-ヒドロキシブタン酸又はその塩の生理的に適合し、かつ有機的に適合する前駆体および/又は代謝物であることから、このようにして製造されたオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価もしくは多価のポリグリセロールエステルが、効率的であることを発見した。
【0057】
本発明による製造方法によって初めて効率的に入手することができるようになったオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の上記ポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の一価又は多価ポリグリセロールエステルは、遊離3-ヒドロキシブタン酸又はその塩の生理学的および薬理学的な代替物であり、さらに有機的に適合するものである。
【0058】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化された一価又は多価ポリグリセロールエステルの従来の有機合成による製造は、3-ヒドロキシブタン酸およびその塩やエステルは、重合やその他の好ましくない副反応(脱水、分解など)を起こす傾向が強くなるため、複雑でコストがかかる。本発明の範囲内で、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化された一価又は多価ポリグリセロールエステルが、望ましくない副反応なしに製造されることを有する効率的に働く製造方法を初めて提供することが可能となった。
【0059】
したがって、本発明の方法は、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の非毒性ポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の一価又は多価ポリグリセロールエステルを、公知の商業的に入手可能な且つ上記の生理学的に無害な成分又はエダクト(出発化合物)から、初めて提供することを可能としたものである。結果として生じたオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化された一価又は多価ポリグリセロールエステルが、生理的、特に胃や腸で分解され、有効成分や有効成分として標的分子「3-ヒドロキシブタン酸」又はその塩やエステルを放出又は生成することができる。
【0060】
さらに、上述されたオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化された一価又は多価ポリグリセロールエステルは、また、長期間にわたって大量に経口投与する場合(例えば、1日量50g以上の投与)でも適合性を確保するために、許容される味を有している。
【0061】
同様に、本発明による製造方法は、有害な不純物を含まないオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化された一価又は多価ポリグリセロールエステルを提供することを可能にする。
【0062】
さらに、適切な出発物質を用いれば、本方法はエナンチオ選択的に実施することも可能である。例えば、本発明によれば、製造方法は、生物学的に関連する形態、即ちBHBの(R)-エナンチオマーを、例えば、酵素触媒作用又は出発材料(反応物)の標的選択によって、経口投与した場合(すなわち腎臓を介して排泄)に患者の腎系に負担をかけないように濃縮することが可能である。しかし、原理的には、特定の条件下で使用されることによってBHBの(S)-エナンチオマーを濃縮することも可能である。
【0063】
さらに、任意のさらなる処理又は精製工程を含む本発明の製造方法は、経済的に運用することができ、大規模に実施することも可能である。
【0064】
特に、本発明の製造方法は、市販の出発化合物や、大規模に実施可能な簡便な方法で合成できる出発化合物を使用し、さらに大規模に実施する場合でも、比較的簡便なプロセス管理が可能である。
【0065】
従来の先行技術の製造方法とは対照的に、本発明による製造方法は、複雑な出発物質を使用せず、保護基も使用しない。それにもかかわらず、本発明に従って優れた収率が達成され、そこで副生成物の形成が最小限に抑えられるか、又は回避される。
【0066】
さらに、本発明方法は、簡単で経済的である。特に、本発明による方法は、通常、溶媒の非存在下および/又は溶媒なしで実施され(すなわち、質量での反応又は物質での反応又はいわゆるバルク反応として)、その結果、得られた反応生成物は溶媒で汚染されず、方法又は反応が実施された後に、コストおよびエネルギー集約型の方法で、除去および廃棄又はリサイクルする必要のない溶媒が存在しない。さらに、有害な副生成物も生成しない。
【0067】
本発明による製造方法は、結果として異なるオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化された一価又は多価ポリグリセロールエステルの混合物、即ち少なくとも2つの異なるオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化された一価又は多価ポリグリセロールエステルの混合物を生じる。得られた生の反応生成物または生の混合物は、公知の方法、特に残存する出発化合物及び/又は存在する副生成物を除去することによって精製することができ、さらに-所望により-公知の方法、特に蒸留及び/又はクロマトグラフィーによって分離することができる(例えばオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の個々のポリグリセロールエステル、すなわち例えばそれぞれのモノエステル、ジエステル等への分別、または別の方法では個体等の濃縮部分と枯渇部分を備えた画分への分別)。
【0068】
これによって、上述されたように、第1の態様に寄れば、本発明は、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化された一価又は多価ポリグリセロールエステルを示すものであり、ここで、
(i) ラジカルR1がC1-C5-アルキル又はヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示す一般式(I)
CH3-CH(OH)-CH2-C(O)OR1 (I)
の少なくとも1つのオキソブタノール、特に3-ヒドロキシブタン酸塩、好ましくは4-オキソ-2-ブタノール、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノール;
(ii)少なくとも1つのポリカルボン酸(II)、特に少なくとも2つのカルボキシ基を有する少なくとも1つのポリカルボン酸、及び
(iii)少なくとも1つのポリグリセロール(III)
が、反応し及び/又はお互いに反応し、
それによって、反応生成物(IV)として、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化された一価又は多価ポリグリセロールエステルが得られるものである。
【0069】
特に、前記方法は、1段階において、特にワンポット合成として、又は、数段階において、特に2段階において、好ましくは数段階において、特に2段階において、より好ましくは2段階において実施されることが好ましい。
【0070】
本発明の好ましい実施形態によれば、本方法は、数段階、特に2段階において実施されるものである。
ここで、
(a) 第1の方法段階(a)において、ラジカルR1がC1-C5-アルキル又はヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示す一般式(I)
CH3-CH(OH)-CH2-C(O)OR1 (I)
の少なくとも1つのオキソブタノール、特に3-ヒドロキシブタン酸塩、好ましくは4-オキソ-2-ブタノール、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールが、少なくとも1つのポリカルボン酸(II)と、特に少なくとも2つのカルボキシ基を有する少なくとも1つのポリカルボン酸と、特にエステル化反応において及び/又はエステル化条件下で反応し、
特に、前記方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、オキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸の1つ以上のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、より好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールの又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステルが得られること;及び
(b) それに続いて、第2の方法段階において、方法段階(a)において取得された反応中間生成物(IV’)は、少なくとも1つのポリグリセロール(III)と、特にエステル化反応において及び/又はエステル化条件下で反応すること及び/又は反応させること。
【0071】
特定の実施形態によれば、本発明はまた、本発明のこの態様によって、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールによってまたは4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールによってエステル化されたポリカルボン酸の1価または多価ポリグリセロールエステルの製造するための方法であって、特に上記に記載された方法に関するものである。
ここで、
(a) 第1の方法段階(a)において、ラジカルR1がC1-C5-アルキル又はヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示す一般式(I)
CH3-CH(OH)-CH2-C(O)OR1 (I)
の少なくとも1つのオキソブタノール、特に3-ヒドロキシブタン酸塩、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールが、
少なくとも1つのポリカルボン酸(II)と、特に少なくとも2つのカルボキシ基を有する少なくとも1つのポリカルボン酸と、エステル化反応において及び/又はエステル化条件下で、反応し及び/又は反応させること、
特に、これによって、方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、オキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸の1つ以上のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、より好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールの又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステルが得られること;及び
(b) それに続いて、第2の方法段階(b)において、方法段階(a)において取得された反応中間生成物(IV’)が、少なくとも1つのポリグリセロール(III)と、特にエステル化反応において及び/又はエステル化条件下において、反応する及び/又は反応させること、
それによって、反応生成物(IV)として、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ状の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること。
【0072】
本発明の特定の実施形態によれば、一般式(I)の化合物は、ラセミ体または(R)-エナンチオマーの形態で使用することができる。(R)-配位は、一般式(I)の化合物の3位の不斉炭素原子を示す。
【0073】
本発明によれば、一般式(I)において、ラジカルR1がエチルを示す場合が好ましい。
【0074】
すなわち、本発明によれば、一般式(I)の化合物として、式CH3-CH(OH)-CH2-C(O)OC2H5の3-ヒドロキシブタン酸エチル(3-ヒドロキシブタン酸エチルエステルまたは4-エトキシ-4-オキソ-2-ブタノール)が使用されることが好ましい。
【0075】
これにより、特に効率的なプロセス制御と、副生成物の生成を最小化または抑制した高収率化が可能となる。さらに、3-ヒドロキシブタン酸エチルエステルまたは4-エトキシ-4-オキソ-2-ブタノールも大量に市販されており、特に大規模に(例えば、酢酸エチルのクライゼン縮合により)容易に得ることができる。
【0076】
本発明の特定の実施形態によれば、ポリカルボン酸(II)は、遊離ポリカルボン酸の形態で、ポリカルボン酸の塩の形態で、ポリカルボン酸エステルの形態で、又はポリカルボン酸無水物の形態で、特に遊離のポリカルボン酸の形態でまたはポリカルボン酸無水物の形態で、好ましくはポリカルボン酸無水物の形態で、より好ましくは環状ポリカルボン酸無水物の形態で、使用されることが好ましい。
【0077】
ポリカルボン酸の無水物は、特に反応性が高く、エステル化反応に特に適している。環状無水物が使用される場合、エネルギー集約的な除去が必要とされるエステル化反応の過程において開裂生成物が形成されることがない。
【0078】
本発明の別の特別な例によれば、前記ポリカルボン酸(II)が、一般式(IIa)
HOOC-X-COOH (IIa)
に対応することが好ましい。
ここで、一般式(IIa)において、Xは、飽和または不飽和原子及び任意に一置換または多置換され、特に1個以上のヒドロキシルラジカル及び/又はカルボキシルラジカルで置換された1~10個、特に2~6個の炭素を有する有機ラジカルを示すこと;
特に、特に、少なくとも1つのカルボキシ基(COOH-基)、好ましくは両方のカルボキシ基(COOH-基)が、末端であり及び/又は一級カルボキシ基(COOH-基)であること。
【0079】
これに関連して、一般式(IIa)において、Xが、飽和または不飽和の任意に一置換または多置換された、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はカルボキシルラジカルで置換された、2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示す場合が特に好ましい及び;
特に、少なくとも1つのカルボキシ基(COOH-基)、特に両方のカルボキシル基(COOH-基)は、末端であり及び/又は第1級カルボキシ基(COOH-基)である。
【0080】
特に、少なくとも1つ、好ましくは2つの末端または第1級カルボキシ基を有する、上記に定義されたカルボン酸を使用することによって、ポリカルボン酸(II)と一般式(I)のオキソブタノールとのエステル化反応は、極端な反応条件を必要としない副生成物の生成を最小限に抑えながら、特に効果的に進めることができる(例えば、非常に高い温度、非常に低い圧力など)。さらに、有効成分密度(即ち、特に3-ヒドロキシブタン酸塩密度)は、存在するカルボキシ基の数によって影響を受けることができる。
【0081】
本発明による方法では、ポリカルボン酸(II)が、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸およびマレイン酸ならびにそれらの無水物ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択される場合、特にコハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸およびフマル酸ならびにそれらの無水物ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択される場合、好ましくはコハク酸およびアジピン酸ならびにそれらの無水物ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択される場合が好ましい。
【0082】
先に述べたカルボン酸は、3-ヒドロキシブタン酸との反応に特に適しており、また、市販されているものである。
【0083】
特に、本発明による方法では、ポリカルボン酸(II)が、ヒト及び/又は動物の代謝で生じる天然由来のカルボン酸又はその無水物若しくは誘導体、特に反応生成物であることが好ましい。
【0084】
特に、これに関して、クエン酸サイクルで生じる、クエン酸サイクルから生じる、またはクエン酸サイクルに関連するカルボン酸又はそれらの無水物もしくは誘導体が使用されることが有利である。これに関して、前記誘導体は、例えば、(例えば、クエン酸サイクルからの)代謝生成物の酸化によって得られる塩またはエステルを示すことができる。ヒト及び/又は動物の代謝の一部またはヒト及び/又は動物の代謝の反応物または生成物または中間体を示すカルボン酸または無水物またはその誘導体を使用することによって、本発明による反応生成物を使用する場合、ヒト及び/又は動物の身体にさらなるエネルギー源(ケト体3-ヒドロキシブタン酸または3-ヒドロキシブタン酸に加えて)を供給することができる。本発明反応生成物は、特に、医薬品、薬剤または食品および食品生成物への使用またはそれらに適したものである。
【0085】
さらに、ポリカルボン酸(II)が、食品法で認可された成分、特に添加物である場合も本発明による方法において好ましい。
【0086】
食品法で認可された成分や添加物は、一定量の食品への使用が許可されており、健康へのリスクはない。食品添加物のリストはEU全域で管理されており、各食品添加物には独自のラベル(いわゆるE番号)が付与される。例えば、コハク酸(E363)、酒石酸(E334)、クエン酸(E330)、リンゴ酸(E296)、アジピン酸(E355)、フマル酸(E297)のようなカルボン酸は食品添加物に含まれる。これらの酸はすべてクエン酸サイクルの一部であるか、クエン酸サイクルの代謝産物の酸化によって得ることができる。クエン酸サイクルは、生物の好気性細胞の代謝に重要な役割を果たす生化学反応のサイクルで、主にエネルギー生産と生合成のための中間体の提供を目的とした有機物の酸化分解に利用されている。このように、本発明方法から得られる反応生成物(IV)を使用する際に分解して生成する酸は、別の代替エネルギー源として生体内で利用することができる。
【0087】
本発明による方法の特定の実施形態によれば、ポリグリセロールは、一般式(IIIa)
HO-CH2-CH(OH)-CH2-[O-CH2-CH(OH)-CH2]p-OH (IIIa)
に対応することが好ましい。
ここで、一般式(IIIa)において、変数pは1~6、特に1~4、好ましくは1又は2、より好ましくは1の整数を示すものである。
【0088】
本発明方法のさらなる特定の実施形態によれば、ポリグリセリン(III)は、式(IIIb)
HO-CH2-CH(OH)-CH2-O-CH2-CH(OH)-CH2-OH (IIIb)
のジグリセロールであることが好ましい。
特に、ポリグリセリン(III)は、プロパン-1,2,3-トリオール(グリセロール)ではない。
【0089】
特別な例によれば、本発明は、本発明のこの態様によれば、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価または多価ポリグリセロールエステルを生産する方法、特に上記に記載されるような方法に関するものである。
ここで:
(a) 第1の方法段階(a)において、
ラジカルR1が、C1-C5-アルキル又はヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルである一般式(I)
CH3-CH(OH)-CH2-C(O)OR1 (I)
の少なくとも1つのオキソブタノール、特に3-ヒドロキシブタン酸塩、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールが、
少なくとも1つのポリカルボン酸(II)と、特に少なくとも2つのカルボキシ基を有する少なくとも1つのカルボン酸と、特にエステル化反応において及び/又はエステル化条件下で、反応すること及び/又は反応させること、
特にこれによって、方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、オキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸塩の1つ以上のカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、より好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールの又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステルが取得されること;及び
(b) それに続いて、第2の方法段階(b)において、方法段階(a)で取得された反応中間生成物(IV’)が、特にエステル化反応において及び/又はエステル化条件下で、一般式(IIIa)
HO-CH2-CH(OH)-CH2-[O-CH2-CH(OH)-CH2]p-OH (IIIa)
の少なくとも1つのポリグリセロールと反応すること及び/又は反応させること。
ここで、一般的(IIIa)において、変数pは、1~6、特に1~4、好ましくは1又は2、より好ましくは1の整数を示すこと、
これによって、反応生成物(IV)として、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること。
【0090】
さらなる好ましい実施形態によれば、本発明のこの態様に係る発明は、また、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールまたは4-オキソ-4-(ヒドロキシC3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールを用いてエステル化されたポリカルボン酸の1価または多価ポリグリセロールエステルを製造する方法、特に上記に記載されるような方法を示すものである。
ここで:
(a) 第1の方法段階(a)において、ラジカルR1が、C1-C5-アルキル又はヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルである一般式(I)
CH3-CH(OH)-CH2-C(O)OR1 (I)
の少なくとも1つのオキソブタノール、特に3-ヒドロキシブタン酸塩、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールが、特にエステル下反応において及び/又はエステル化条件下で、
コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸およびマレイン酸ならびにこれらの無水物ならびにこれらの組み合わせまたは混合物の群から選択され、特にコハク酸、酒石酸 クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸およびフマル酸ならびにそれらの無水物ならびにそれらの組み合わせまたは混合物から選択され、好ましくは、コハク酸およびアジピン酸ならびにそれらの無水物ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択される少なくとも1つのポリカルボン酸(II)と反応する及び/又は反応させること、
特に、これによって、方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、オキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸塩の1つ以上のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、より好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールの又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステルが、取得されること;及び
(b)それに続いて、第2の方法段階(b)において、方法段階(a)において得られた反応中間生成物(IV’)は、エステル化反応において及び/又はエステル化条件下で、一般式(IIIa)
HO-CH2-CH(OH)-CH2-[O-CH2-CH(OH)-CH2]p-OH (IIIa)
の少なくとも1つのポリグリセロールと反応する及び/又は反応させること、
ここで、一般式(IIIa)において、変数pは、1~6、特に1~4、好ましくは1又は2、より好ましくは1の整数を示すこと、
これによって、反応生成物(IV)として、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の1価又は多価のポリグリセロールエステルが得られること。
【0091】
本発明の特定の実施形態によれば、本方法は、溶媒の非存在下及び/又は無溶媒で実施されることが好ましい。
【0092】
本発明のさらなる特定の実施形態によれば、特に第1の方法段階(a)及び/又は第2の方法段階(b)、特に第1の方法段階(a)及び第2の方法段階(b)は、溶媒の非存在下及び/又は無溶媒で実施されることが可能である。
【0093】
即ち、前記方法又は第1の方法段階(a)及び/又は第2の方法段階(b)は、このようにバルクでの反応として、または物質中での反応として、またはいわゆるバルク反応として実施される。これは、得られた反応生成物が溶媒で汚染されることがなく、前記方法又は前記反応が実施された後に、コストとエネルギーを要する方法で溶媒を除去して廃棄または再利用する必要がないという利点を有する。驚くべきことに、この方法または反応は、それにもかかわらず、高い変換率および収率で、少なくとも本質的に有意な副生成物の生成なしに進行する。
【0094】
本発明の特定の実施形態によれば、本方法は単一工程で実施することができる。
【0095】
特定の実施形態によれば、前記方法は、触媒の非存在下及び/又は触媒なしで実施されることが可能であり、さもなければ本方法が触媒、特に酵素及び/又は金属含有及び/又は金属ベースの、酸性または塩基性触媒の存在下で実施されることが可能である(特に触媒が反応後にリサイクルされる)。
【0096】
前述のように、本発明製造方法の特定の実施形態によれば、前記方法は、触媒の非存在下及び/又は無触媒で実施することができる。
【0097】
触媒の非存在下及び/又は無触媒で実施されることを条件として、前記反応が20℃~160℃の範囲内、特に50℃~150℃の範囲内、好ましくは70℃~140℃の範囲内、より好ましくは80℃~135℃の範囲内、さらに好ましくは100℃~130℃の範囲内の温度で実施されることが好ましい。
【0098】
触媒を用いない変換の場合、適用圧力範囲は広い範囲で変化することができる。特に、前記反応は、触媒の非存在下及び/又は触媒なしで、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バール~5バールの範囲内、好ましくは0.01バール~2バールの範囲内、より好ましくは0.05バール~1バールの範囲内の圧力で、さらに好ましくは約1バールの圧力で実施されることが好ましい。
【0099】
触媒の非存在下で反応させる場合、前記反応は、不活性ガスの存在下、特にヘリウム、アルゴン、窒素の存在下、好ましくは窒素の存在下で実施されることが好ましい。特に、酸化や加水分解による好ましくない副反応を防止することができる。
【0100】
しかし、この特定の実施形態に代えて、触媒として酵素の存在下で反応を行うことも可能である。
【0101】
特に、酵素は、シンテターゼ(リガーゼ)、カタラーゼ、エステラーゼ、リパーゼおよびそれらの組み合わせから選択されることが好ましい。本発明によれば、シンテターゼ(同義語的にリガーゼ)は、特にリガーゼのクラスからの酵素であり、リガーゼは、共有結合によって2つ以上の分子の連結を触媒する酵素である。本発明の意味でのカタラーゼは、特に、過酸化水素を酸素と水に変換する能力を有する酵素である。エステラーゼという用語は、特にエステルをアルコールと酸に加水分解(ケン化)する能力を持つ酵素を示し、したがってこれらは特にヒドロラーゼであり、脂肪分解エステラーゼはリパーゼとも呼ばれる。本発明の意味でのリパーゼは、特にグリセリドなどの脂質から遊離脂肪酸を分解する(脂肪分解)能力を有する酵素をいう。
【0102】
これに関して、触媒として使用される酵素は、カンディダ・アンタークティカ、ムコル・ミエヘイ(リゾムコル・ミエヘイ)、テルモミセス・ラヌギノーサ、カンジダ・ルゴサ、アスペルギルス・オリゼ(ニホンコウジカビ)、シュードモナス・セパシア、シュードモナス・フルオレッセンス、リゾパス・デレマール及びシュードモナス種及びそれらの組み合わせ、好ましくはカンディダ・アンタークティカ、ムコル・ミエヘイ(リゾムコル・ミエヘイ)及びテルモミセス・ラヌギノーサに由来する。
【0103】
特定の実施形態によれば、前記酵素は、固定化形態、特に担体、優先的にはポリマー担体、好ましくは疎水性を有するポリマー有機担体、より好ましくはポリ(メタ)アクリル樹脂系担体に固定化されて使用されることができる。
【0104】
本発明においては、酵素を触媒として使用する場合、反応後に酵素をリサイクルすることが好ましい。
【0105】
本発明製造方法の範囲内で、触媒としての酵素の存在下で反応を行う場合、前記反応は、10℃~80℃の範囲内、特に20℃~80℃の範囲内、好ましくは25℃~75℃の範囲内、より好ましくは45℃~75℃の範囲内、さらに好ましくは50℃~70℃の範囲内の温度で行われることが好ましい。
【0106】
酵素を触媒として使用する場合、使用する酵素の量は広い範囲で変化させることができる。特に、前記酵素は、出発化合物(I)及び(II)の総量を基準として、0.001重量%~20重量%の範囲内、特に0.01重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.1重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.5重量%~10重量%の範囲内で使用されることが可能である。それにもかかわらず、それぞれの場合又は特定の用途について、本発明の範囲を離れることなく、上記の量から逸脱する場合もある。
【0107】
本発明の特定の実施形態によれば、反応が触媒としての酵素の存在下で行われる場合、加えられる圧力の範囲も広い範囲内で変動することが可能である。典型的には、酵素の存在下での反応は、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バール~5バール範囲内、好ましくは0.01バール~2バールの範囲内、より好ましくは0.05バール~1バールの範囲内、さらに好ましくは約0.5バールの圧力で実施されることが可能である。
【0108】
前記反応が触媒としての酵素の存在下で行われる本発明の特定の実施形態によれば、前記反応は、酵素の存在下で、不活性ガス、特にヘリウム、アルゴン又は窒素の存在下、好ましくは窒素の存在下で行われる場合が好ましい。触媒非存在下での反応に関連しては先に述べたように、望ましくない副反応、特に酸化又は加水分解による副反応を、不活性ガスの存在下での反応により防止することができる。
【0109】
本発明の別の代替的な実施形態によれば、この反応は、例えば、金属含有及び/又は金属ベースの、酸性又は塩基性触媒の存在下で実施される。
【0110】
前記反応が金属含有及び/又は金属ベースの、酸性又は塩基性触媒の存在下で行われる本発明のこの代替実施形態によれば、前記触媒は、特に、(i)塩基性触媒、特にアルカリ又はアルカリ土類水酸化物及びアルカリ又はアルカリ土類アルコール塩、たとえばNaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)2、NaOMe、KOMe及びNa(OBu-tert.)、(ii)酸性触媒、特に鉱酸、及び有機酸、例えば硫酸エステル酸、リン酸、硝酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸及びカルボン酸、(iii)ルイス酸、特にチタン、錫、亜鉛及びアルミニウム化合物をベースとするルイス酸、たとえば、チタンテトラブチレート、スズ酸、酢酸亜鉛、三塩化アルミニウム、アルミニウムトリイソプロピル、及び(iv)不均一系触媒、特に鉱物ケイ酸エステル、ゲルマン酸エステル、炭酸エステル及びアルミニウム酸化物に基づくもの、例えばゼオライト、モンモリロナイト、モルデナイト、ヒドロタルサイト及びアルミナ及びそれらの組み合わせ、から選択されるものである。
【0111】
本実施形態では、チタン、スズ、亜鉛、アルミニウム化合物に基づくルイス酸、例えば、チタンテトラブチレート、スズ酸、酢酸亜鉛、三塩化アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウムが、触媒として使用されることが好ましい。
【0112】
特に、この実施形態によれば、また、金属含有及び/又は金属ベースの、酸性又は塩基性触媒が、反応後にリサイクルされる場合が好ましい。
【0113】
本発明の特定の実施態様によれば、前記反応が、金属含有及び/又は金属系、酸性又は塩基性触媒の存在下で実施される場合、温度を広い範囲内で変化させることが可能である。特に、前記反応は、金属含有及び/又は金属系、酸性又は塩基性触媒の存在下において、20℃~160℃の範囲内、特に50℃~150℃の範囲内、好ましくは70℃~140℃の範囲内、より好ましくは80℃~135℃の範囲内、さらに好ましくは100℃~130℃の範囲内の温度で行われるものである。
【0114】
さらにまた、この実施形態によれば、触媒(すなわち、金属含有及び/又は金属ベース、酸性又は塩基性触媒の存在下)は、広い量的範囲内で変化させることができる。したがって、前記触媒は、出発化合物(I)、(II)及び(III)の総量を基準にして、0.01重量%~30重量%の範囲内、特に0.05重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.1重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.2重量%~10重量%の範囲内の量で使用されるものである。しかしながら、特定の用途やそれぞれ事例については、本発明の範囲を逸脱することなく、上記の量から離れることも可能である。
【0115】
本発明のこの特定の実施形態によれば、前記反応が、金属含有及び/又は金属ベースの、酸性又は塩基性触媒の存在下で実施される場合、圧力範囲は広い範囲内で同様に変化することが可能である。特に、前記反応は、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バール~5バールの範囲内、好ましくは0.01バール~2バールの範囲内、より好ましくは0.05バール~1バールの範囲内の圧力で、さらに好ましくは約1バールの圧力で、金属含有及び/又は金属系、酸性又は塩基性触媒の存在下で、実施されるものである。
【0116】
さらにまた、本発明のこの特定の実施形態によれば、前記反応は、金属含有及び/又は金属ベースの、酸性又は塩基性触媒の存在下で実施されるが、前記反応は、不活性ガス、特にヘリウム、アルゴン又は窒素の存在下、好ましくは窒素の存在下で実施されるものである。前述のように、不活性ガスの存在下で反応させることで、特に酸化や加水分解による好ましくない副反応を防ぐことができる。
【0117】
特定の実施形態によれば、多段階、特に2段階の手順において、第1の方法段階(a)は、触媒の非存在下及び/又は触媒なしで、又は、触媒、特に酵素及び/又は金属含有及び/又は金属系、酸性または塩基性触媒の存在下で実施されることが好ましく、特に触媒が反応の後にリサイクルされるものである。
【0118】
先に述べたように、本発明による製造方法の特定の実施形態によれば、多段階、特に2段階の手順において、第1の方法段階(a)はまた、触媒の非存在下及び/又は触媒を用いずに実施されることができる。
【0119】
第1の方法段階(a)が触媒の非存在下および/または触媒なしで実施される限りにおいて、第1の方法段階(a)は、20℃~160℃の範囲内、特に50℃~150℃の範囲内、好ましくは70℃~140℃の範囲内、より好ましくは80℃~135℃の範囲内、さらに好ましくは100℃~130℃の範囲内の温度で実施されるものである。
【0120】
触媒の非存在下で第1の方法段階(a)を実施する場合、適用圧力範囲は広い範囲内で変動することができる。特に、第1の方法段階(a)は、触媒の非存在下および/または触媒なしで、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バール~5バールの範囲内、好ましくは0.01バール~2バールの範囲内、より好ましくは0.05バール~1バールの範囲内の圧力で、さらに好ましくは約1バールの圧力で実施されることができる。
【0121】
触媒の非存在下で第1の方法段階(a)を実施する場合、第1の方法段階(a)は、不活性ガス、特にヘリウム、アルゴンまたは窒素の存在下、好ましくは窒素の存在下で、触媒の非存在下および/または触媒を使用せず実施されることが好ましい。
【0122】
上記のように、この特定の実施形態の代替として、触媒としての酵素の存在下で、多段階、特に2段階の手順で第1の方法段階(a)を実施することも可能である。
【0123】
酵素は特に、シンテターゼ(リガーゼ)、カタラーゼ、エステラーゼ、リパーゼ及びそれらの組み合わせから選択される。本発明によれば、シンテターゼ(同義語的にリガーゼ)は、特にリガーゼのクラスからの酵素であり、リガーゼは、共有結合によって2つ以上の分子を連結することを触媒する酵素である。本発明でいうカタラーゼとは、特に過酸化水素を酸素と水に変換する能力を有する酵素のことである。エステラーゼという用語は、特にエステルをアルコールと酸に加水分解(ケン化)する能力を持つ酵素を指し、したがってこれらは特にヒドロラーゼであり、脂肪分解エステラーゼはリパーゼとも呼ばれる。本発明の意味でのリパーゼは、特にグリセリドなどの脂質から遊離脂肪酸を分解する(脂肪分解)能力を有する酵素である。
【0124】
これに関して、触媒として使用される酵素は、カンディダ・アンタークティカ、ムコル・ミエヘイ(リゾムコル・ミエヘイ)、テルモミセス・ラヌギノーサ、カンジダ・ルゴサ、アスペルギルス・オリゼ(ニホンコウジカビ)、シュードモナス・セパシア、シュードモナス・フルオレッセンス、リゾパス・デレマール及びシュードモナス種及びそれらの組み合わせ、好ましくはカンディダ・アンタークティカ、ムコル・ミエヘイ(リゾムコル・ミエヘイ)及びテルモミセス・ラヌギノーサに由来する。
【0125】
特定の実施形態によれば、前記酵素は、固定化形態、特に担体、優先的にはポリマー担体、好ましくは疎水性を有するポリマー有機担体、より好ましくはポリ(メタ)アクリル樹脂系担体に固定化されて使用されることができる。
【0126】
本発明においては、酵素を触媒として使用する場合、反応後に酵素をリサイクルすることが好ましい。
【0127】
多段階、特に2段階の手順において、本発明製造方法における第1の方法段階(a)が、触媒としての酵素の存在下で行われる限り、第1の方法段階(a)が、10℃~80℃の範囲内、特に20℃~80℃の範囲内、好ましくは25℃~75℃の範囲内、より好ましくは45℃~75℃の範囲内、さらに好ましくは50℃~70℃の範囲内の温度で行われることが好ましい。
【0128】
酵素を触媒として使用する場合、使用する酵素の量は広い範囲で変化させることができる。特に、前記酵素は、出発化合物(I)及び(II)の総量を基準として、0.001重量%~20重量%の範囲内、特に0.01重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.1重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.5重量%~10重量%の範囲内で使用されることが可能である。それにもかかわらず、それぞれの場合又は特定の用途について、本発明の範囲を離れることなく、上記の量から逸脱する場合もある。
【0129】
本発明のこの特定の実施形態によれば、第1の方法段階(a)が、触媒としての酵素の存在下で実施される場合、印加圧力範囲も広い範囲内で変化させることができる。典型的には、第1の方法段階(a)は、触媒としての酵素の存在下で、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バール~5バールの範囲内、好ましくは0.01バール~2バールの範囲内、より好ましくは0.05バール~1バールの範囲内の圧力で、さらに好ましくは約0.5バールの圧力で実施されることが可能である。
【0130】
本発明のこの特定の実施形態によれば、多段階、特に2段階の手順において、第1の方法段階(a)が触媒としての酵素の存在下で実施される場合、第1の方法段階(a)が、不活性ガスの存在下で、特にヘリウム、アルゴンまたは窒素の存在下で、好ましくは窒素の存在下で実施されることが好ましい。触媒の非存在下での反応に関連しては、先に述べたように、望ましくない副反応、特に酸化または加水分解による副反応が、不活性ガスの存在下での反応によって防止されるものである。
【0131】
本発明のさらなる代替的な実施形態によれば、多段階、特に2段階の手順において、第1の方法段階(a)は、金属含有および/または金属ベースの、酸性または塩基性触媒の存在下で実施されることができる。
【0132】
前記反応が金属含有及び/又は金属ベースの、酸性又は塩基性触媒の存在下で行われる本発明のこの代替実施形態によれば、前記触媒は、特に、(i)塩基性触媒、特にアルカリ又はアルカリ土類水酸化物及びアルカリ又はアルカリ土類アルコール塩、たとえばNaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)2、NaOMe、KOMe及びNa(OBu-tert.)、(ii)酸性触媒、特に鉱酸、及び有機酸、例えば硫酸エステル酸、リン酸、硝酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸及びカルボン酸、(iii)ルイス酸、特にチタン、錫、亜鉛及びアルミニウム化合物をベースとするルイス酸、たとえば、チタンテトラブチレート、スズ酸、酢酸亜鉛、三塩化アルミニウム、アルミニウムトリイソプロピル、及び(iv)不均一系触媒、特に鉱物ケイ酸エステル、ゲルマン酸エステル、炭酸エステル及びアルミニウム酸化物に基づくもの、例えばゼオライト、モンモリロナイト、モルデナイト、ヒドロタルサイト及びアルミナ及びそれらの組み合わせ、から選択されるものである。
【0133】
本実施形態では、チタン、スズ、亜鉛、アルミニウム化合物に基づくルイス酸、例えば、チタンテトラブチレート、スズ酸、酢酸亜鉛、三塩化アルミニウム、アルミニウムトリイソプロピルが、触媒として使用されることが好ましい。
【0134】
特に、本実施形態では、金属含有触媒及び/又は金属系酸性触媒又は塩基性触媒が、反応後にリサイクルされる場合も好ましい。
【0135】
また、本発明の特定の実施形態によれば、多段階、特に2段階の手順において、第1の方法段階(a)が、金属含有および/または金属ベースの、酸性または塩基性触媒の存在下で実施されるが、温度は広い範囲内で変化させることができる。特に、第1の方法段階(a)は、金属含有および/または金属ベース、酸性または塩基性触媒の存在下で、20℃~160℃の範囲内、特に50℃~150℃の範囲内、好ましくは70℃~140℃の範囲内、より好ましくは80℃~135℃の範囲内、さらに好ましくは100℃~130℃の範囲内の温度で実施されることができる。
【0136】
さらに、本実施形態においても、触媒(すなわち、金属含有触媒および/または金属系触媒、酸性触媒または塩基性触媒)は、広い質量範囲内で変化させることが可能である。したがって、触媒は、出発化合物(I)および(II)の総量を基準にして、0.01重量%~30重量%の範囲内、特に0.05重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.1重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.2重量%~10重量%の範囲内において使用することが可能である。それにもかかわらず、個々の場合または特定の用途のために、本発明の範囲を離れることなく、上記の量から逸脱することが可能である。
【0137】
さらに、本発明のこの特定の実施形態によれば、多段階、特に2段階の手順において、第1の方法工程(a)は、金属含有および/または金属ベースの、酸性または塩基性触媒の存在下で実施され、圧力範囲は広い範囲内で同様に変化し得る。特に、第1の方法段階(a)は、金属含有および/または金属ベースの、酸性または塩基性触媒の存在下で、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バール~5バールの範囲内、好ましくは0.01バール~2バールの範囲内、より優先的には0.05バール~1バールの範囲内の圧力で、さらにより好ましくは約1バールの圧力で実施されることが可能である。
【0138】
さらにまた、本発明のこの特定の実施形態によれば、多段階、特に2段階の手順において、第1の方法段階(a)が、金属含有および/または金属ベースの、酸性または塩基性触媒の存在下で実施される場合、前記反応が不活性ガスの存在下で、特にヘリウム、アルゴンまたは窒素の存在下で、好ましくは窒素の存在下で実施されることが好ましい。先に述べたように、不活性ガスの存在下での反応は、望ましくない副反応、特に酸化または加水分解による副反応を防止する。
【0139】
さらに、本発明の別の特定の実施形態によれば、多段階、特に2段階手順において、第2の方法段階(b)は、触媒の非存在下および/または触媒なしで実施されてもよく、さもなければ触媒、特に酵素および/または金属含有および/または金属系、酸性または塩基性触媒の存在下で実施されてもよい(特に触媒は反応の後にリサイクルされる)。
【0140】
先に述べたように、本発明による製造方法の特定の実施形態によれば、多段階、特に2段階の手順における第2の方法段階(b)は、触媒の非存在下および/または触媒なしで実施することも可能である。
【0141】
多段階、特に2段階の手順において、第2の方法段階(b)が触媒の非存在下および/または触媒なしで実施される限り、第2の方法段階(b)が、20℃~160℃の範囲内、特に50℃~150℃の範囲内、好ましくは70℃~140℃の範囲内、より好ましくは80℃~135℃の範囲内、さらに好ましくは100℃~130℃の範囲の温度で、触媒の非存在下および/または触媒なしで実施されることがより好ましい。
【0142】
触媒の非存在下で第2の方法段階(b)を実施する場合、適用される圧力範囲は広い範囲内で変化させることができる。特に、第2の方法段階(b)は、触媒の非存在下および/または触媒なしで、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バール~5バールの範囲内、好ましくは0.01バール~2バールの範囲内、より好ましくは0.05バール~1バールの範囲内の圧力で、さらに好ましくは約1バールの圧力で実施されることが可能である。
【0143】
触媒の非存在下で第2の方法段階(b)を実施する場合、第2の方法段階(b))が、不活性ガスの存在下で、特にヘリウム、アルゴンまたは窒素の存在下で、好ましくは窒素の存在下で実施されることが好ましい。
【0144】
これによって、特に、望ましくない副反応、特に酸化または加水分解に起因する副反応が、防止される。しかしながら、この特定の実施形態に代えて、触媒としての酵素の存在下で、多段階、特に2段階の手順で第2の方法ステップ(b)を実施することも可能である。
【0145】
特に、酵素は、シンテターゼ(リガーゼ)、カタラーゼ、エステラーゼ、リパーゼおよびそれらの組み合わせから選択される。本発明によれば、シンテターゼ(同義語的にリガーゼ)は、特にリガーゼのクラスの酵素であり、リガーゼは、共有結合によって2つ以上の分子を連結することを触媒する酵素である。本発明でいうカタラーゼとは、特に過酸化水素を酸素と水に変換する能力を有する酵素のことである。エステラーゼという用語は、特にエステルをアルコールと酸に加水分解(ケン化)する能力を持つ酵素を指し、したがってこれらは特にヒドロラーゼであり、脂肪分解エステラーゼはリパーゼとも呼ばれる。本発明の意味でのリパーゼは、特にグリセリドなどの脂質から遊離脂肪酸を分解する(脂肪分解)能力を有する酵素をいう。
【0146】
これに関して、触媒として使用される酵素は、カンディダ・アンタークティカ、ムコル・ミエヘイ(リゾムコル・ミエヘイ)、テルモミセス・ラヌギノーサ、カンジダ・ルゴサ、アスペルギルス・オリゼ(ニホンコウジカビ)、シュードモナス・セパシア、シュードモナス・フルオレッセンス、リゾパス・デレマール及びシュードモナス種及びそれらの組み合わせ、好ましくはカンディダ・アンタークティカ、ムコル・ミエヘイ(リゾムコル・ミエヘイ)及びテルモミセス・ラヌギノーサに由来する。
【0147】
特定の実施形態によれば、前記酵素は、固定化形態で、特に担体に、好ましくは高分子担体に、より好ましくは疎水性を有する高分子有機担体に、さらに好ましくはポリ(メタ)アクリル樹脂系担体に固定化されて使用されることが好ましい。
【0148】
本発明においては、酵素を触媒として用いる場合、反応後に酵素をリサイクルすることが好ましい。
【0149】
多段階、特に2段階の手順において、本発明による製造方法における第2の方法段階(b)が、触媒としての酵素の存在下で実施される限り、第2の方法段階(b)が、触媒としての酵素の存在下で、10℃~80℃範囲内、特に20℃~80℃の範囲内、好ましくは25℃~75℃の範囲内、より好ましくは45℃~75℃の範囲内、さらに好ましくは50℃~70℃の範囲内の温度で実施されることが好ましい。
【0150】
酵素を触媒として使用する場合、使用する酵素の量は広い範囲で変化させることができる。特に、酵素は、出発化合物(IV’)及び(III)の総量を基準として、0.001重量%~20重量%の範囲内、特に0.01重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.1重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.5重量%~10重量%の範囲で使用されることができる。それにもかかわらず、それぞれの場合または特定の用途のために、本発明の範囲を離れることなく、上記の量から逸脱することが必要であり得る。
【0151】
本発明の特定の実施形態によれば、多段階、特に2段階の手順において、第2の方法段階(b)が、触媒としての酵素の存在下で実施される場合、適用される圧力範囲も広い範囲内で変動することができる。典型的には、第2の方法段階(b)は、触媒としての酵素の存在下において、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バールから5バールの範囲内、好ましくは0.01バール~5バールの範囲内、より好ましくは0.05バール~1バールの範囲内の圧力で、更に好ましくは約0.5バールの圧力で実施されることが可能である。
【0152】
第2の方法段階(b)が、触媒としての酵素の存在下で実施される本発明の特定の実施形態によれば、第2の方法段階(b)が、酵素の存在下において、不活性ガスの存在下で、特にヘリウム、アルゴンまたは窒素の存在下で、好ましくは窒素の存在下で、実施されることが好ましい。触媒非存在下での反応に関連して先に述べたように、特に酸化または加水分解による望ましくない副反応は、不活性ガスの存在下での反応によって防止することができる。
【0153】
本発明のさらなる代替的な実施形態によれば、多段階、特に2段階の手順において、第2の方法段階(b)は、金属含有および/または金属ベースの、酸性触媒または塩基性触媒の存在下で実施されることができる。
【0154】
前記反応が金属含有及び/又は金属ベースの、酸性又は塩基性触媒の存在下で行われる本発明のこの代替実施形態によれば、前記触媒は、特に、(i)塩基性触媒、特にアルカリ又はアルカリ土類水酸化物及びアルカリ又はアルカリ土類アルコール塩、たとえばNaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)2、NaOMe、KOMe及びNa(OBu-tert.)、(ii)酸性触媒、特に鉱酸、及び有機酸、例えば硫酸エステル酸、リン酸、硝酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸及びカルボン酸、(iii)ルイス酸、特にチタン、錫、亜鉛及びアルミニウム化合物をベースとするルイス酸、たとえば、チタンテトラブチレート、スズ酸、酢酸亜鉛、三塩化アルミニウム、アルミニウムトリイソプロピル、及び(iv)不均一系触媒、特に鉱物ケイ酸エステル、ゲルマン酸エステル、炭酸エステル及びアルミニウム酸化物に基づくもの、例えばゼオライト、モンモリロナイト、モルデナイト、ヒドロタルサイト及びアルミナ及びそれらの組み合わせ、から選択されるものである。
【0155】
本実施形態では、触媒として、テトラブタン酸チタン、スズ酸、酢酸亜鉛、三塩化アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウムのようなチタン、スズ、亜鉛、アルミニウム化合物をベースとしたルイス酸を用いてもよい。
【0156】
特に、本実施形態では、金属含有触媒及び/又は金属系酸性触媒又は塩基性触媒は、反応後にリサイクルされることも好ましい。
【0157】
また、本発明の特定の実施形態によれば、多段階、特に2段階の手順において、第2の方法段階(b)が、金属含有および/または金属ベース、酸性または塩基性触媒の存在下で実施されるが、温度は広い範囲内で変化させることができる。特に、第2の方法段階(b)は、金属含有および/または金属ベース、酸性または塩基性触媒の存在下において、20℃~160℃の範囲内、特に50℃~150℃の範囲内、好ましくは70℃~140℃の範囲内、より好ましくは80℃~135℃の範囲内、さらに好ましくは100℃~130℃の範囲内の温度で実施されることができる。
【0158】
さらに、この実施形態においても、触媒(即ち、金属含有および/または金属ベース、酸性または塩基性触媒)は、広い量範囲内で変化させることが可能である。したがって、前記触媒は、出発化合物(IV’)および(III)の総量を基準にして、0.01重量%~30重量%の範囲内、特に0.05重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.1重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.2重量%~10重量%の範囲で使用されることが可能である。それにもかかわらず、それぞれの場合または特定の用途のために、本発明の範囲を離れることなく、上記の量から逸脱することが可能である。
【0159】
さらに、本発明のこの特定の実施形態によれば、多段階、特に2段階の手順において、第2の方法段階(b)は、金属含有および/または金属ベース、酸性または塩基性触媒の存在下で実施され、圧力範囲は広い範囲内で等しく変化することができる。特に、第2の方法段階(b)は、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バール~5バールの範囲内、好ましくは0.01バール~2バールの範囲内、より好ましくは0.305バール~1バールの範囲内の圧力で、さらに好ましくは約1バールの圧力で、金属含有および/または金属ベース、酸性または塩基性触媒の存在下において実施されることが可能である。
【0160】
さらにまた、本発明のこの特定の実施形態によれば、多段階、特に2段階の手順において、第2の方法段階(b)は、金属含有および/または金属ベースの、酸性または塩基性触媒の存在下で実施されるが、第2の方法段階(b)が、不活性ガスの存在下で、特にヘリウム、アルゴンまたは窒素の存在下で、好ましくは窒素の存在下で実施されることがより好ましい。先に述べたように、不活性ガスの存在下での反応は、望ましくない副反応、特に酸化または加水分解による副反応を防止する。
【0161】
反応物や出発化合物全体の量としては、広い範囲で変化させることが可能である。
【0162】
プロセスの経済性およびプロセスシーケンスの最適化、特に副生成物の最小化を考慮すると、第1の方法段階(a)において、出発化合物(I)および(II)は、(I)/(II)のモル比約1:1で使用されることが有利である。
【0163】
同様にプロセス経済性及びプロセス順序の最適化、特に副生成物の最小化に関して考慮すると、第2の方法段階(b)において、出発化合物(III)及び反応中間生成物(IV’)は、(III)/(IV’)モル比が(1/n):1~1:1の範囲で使用することが有利である。ここでnはポリグリセロール(III)の水酸基の数を示し、4~9の範囲内にあることが好ましい。
【0164】
典型的には、本発明による方法において、ポリカルボン酸(II)を遊離酸の形態で使用する場合、反応中に同時に水が形成される。特に、水が反応から、特に連続的に、優先的に蒸留または吸着除去の手段で、回収されることが好ましい。
【0165】
通常、ポリカルボン酸(II)を無水物の形態で使用する場合、本発明方法では、対応する遊離のポリカルボン酸(II)と水が生成される。特に、得られた遊離ポリカルボン酸(II)がさらに反応されるか、または反応が起こった後、特に使用される出発化合物(I)、(II)および(III)の量および/または割合に応じて、水が反応から回収され、特に連続して、特に蒸留または吸着除去の手段で除去されることが好ましい。
【0166】
しかし、内部無水物や環状無水物(無水コハク酸や無水マレイン酸など)を用いると、開環して開裂生成物ができないため、反応生成物は末端の遊離酸を持つことになる。以下、この方法をエステル化アルコールとして無水マレイン酸と3-ヒドロキシブタン酸エチルの反応を例に挙げて説明する。
【0167】
【0168】
しかし、これに代えて、ポリカルボン酸(II)をエステルの形態で使用することも可能である。通常、ポリカルボン酸(II)をエステルの形態で使用する場合、本発明方法においては、対応するエステルアルコールと水が生成される。特に、得られたエステルアルコールと水が反応から回収され、特に連続的に回収され、特に蒸留または吸着除去の手段で回収されることが好ましい。
【0169】
副生成物(水やエステルアルコールなど)を連続的に除去することで化学平衡が変化し、収率や生成物が増加し、副生成物が最小化される。
【0170】
本発明による製造方法の範囲内で、反応生成物の組成、特にオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の種々のポリグリセロールエステルの存在、及び混合物の場合におけるそれらの割合は、反応条件によって制御及び/又は調節することが可能である。特に、反応温度(変換温度)の選択および/または反応圧力(変換圧力)の選択および/または非存在、あるいは触媒の提供およびその触媒の種類および/または量に関する選択および/または出発化合物(反応物)の量の選択および/または任意に生成する副産物の除去の提供によって、制御および/または調節することができる。
【0171】
したがって、用途に応じて生成物または生成混合物の組成を調整することが可能であり、特に、例えば、1分子あたりのケト体(すなわち、オキソブタノールまたは3-ヒドロキシブタン酸)の密度を目標通りに調整することが可能である。
【0172】
反応後、得られた反応生成物は、さらに従来または既知の精製またはワークアップ段階に付すことができる。
【0173】
これに関して、得られた反応生成物は、例えば、反応を行った後に分別することができ、特に蒸留により分別することができる。
【0174】
また、未反応の出発化合物、特に未反応の出発化合物(I)および/または(II)および/または(III)は、反応生成物から分離され、その後リサイクルされることが可能である。
【0175】
本発明による製造方法の特定の実施形態によれば、反応が行われた後に反応生成物中に依然として存在するヒドロキシ基および/またはカルボキシ基が少なくとも部分的に、優先的には完全に、官能化され、特にエステル化されるように、特に進行させることが可能である。
【0176】
即ち、反応の後に、まだ存在するヒドロキシ基および/またはカルボキシ基が、部分的に、特に完全に官能基化、特にエステル化することができる。
【0177】
本発明による方法のこの特定の実施形態では、特に依然として存在するヒドロキシ基および/またはカルボキシ基の官能化、特にエステル化は、例えばC2-C30-カルボン酸の無水カルボン酸との又はC2-C30-脂肪酸との又はC2-C30-脂肪族アルコールとの反応によって実施されることが可能である。これらは、直鎖状または分岐状の、飽和またはモノ-もしくはポリ不飽和のC2-C30-カルボン酸無水物またはC2-C30-脂肪酸またはC2-C30-脂肪族アルコールであり得る。この場合、まだ残っているヒドロキシ基は、特にカルボン酸無水物または脂肪酸と反応させることができ、まだ残っているカルボキシ基は特に脂肪アルコールと反応させることができる。
【0178】
本発明による方法が特定の実施形態にしたがって2段階で実施される場合、方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、オキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸塩の1つ以上のポリカルボン酸エステル。好ましくは4-オキソ-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、より好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールのまたは4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステルが得られること及び/又は取得可能であることが好ましい。
【0179】
特に、方法が2つの段階で実施される本発明による方法の特定の実施形態によれば、第1の方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、一般式(IVa’)
R1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-COOH (IVa’)
のオキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸塩の1つ以上のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、より好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールの又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステルが得られること及び/又は取得可能であることが好ましい。
ここで、一般式(IVa’)において、
・R1は、C1-C5-アルキル又はヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと;
・Xは、飽和または不飽和で且つ任意に一置換または多置換された、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH2-CH(OH)-CH3及び/又はカルボキシルラジカルおよび/または上述されたラジカルR1で置換されたラジカル-C(O)-O-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1で置換された、1~10個、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すこと。
【0180】
特に、ラジカル-COOHが、末端および/または第1級ラジカルであることが好ましい。
【0181】
前記方法が2段階で実施される本発明による方法の特定の実施形態によれば、第1の方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、一般式(IVa’)
R1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-COOH (IVa’)
のオキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸塩の1つ以上のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、より好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールのまたは4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステルが取得されること及び/又は取得可能であることが好ましい。
ここで、一般式(IVa’)において、
・R1は、C1-C5-アルキル又はヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと;
・Xは、飽和または不飽和で且つ任意に一置換または多置換された、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH2-CH(OH)-CH3及び/又はカルボキシルラジカルおよび/または上述されたラジカルR1で置換されたラジカル-C(O)-O-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1で置換された、2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すこと;
特に、ラジカル-COOHが、末端および/または第1級ラジカルであること。
【0182】
前記方法が2段階で実施される本発明による方法の特定の実施形態によれば、方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、一般式(IVa’)
R1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-COOH (IVa’)
のオキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸塩の1つ以上のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、より好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールのまたは4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステルが取得されること及び/又は取得可能であることが好ましい。
ここで、一般式(IVa’)において、
・R1は、C1-C5-アルキル又はヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと;
・Xは、飽和または不飽和で且つ任意に一置換または多置換された、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はカルボキシルラジカルで置換された、2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すこと;
特に、ラジカル-COOHが、末端および/または第1級ラジカルであること。
【0183】
前記方法が2段階で実施される本発明による方法の特定の実施形態によれば、方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、一般式(IVb’)
CH3-CH(OR2)-CH2-C(O)OR1 (IVb’)
のオキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸塩の1つ以上のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、より好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールのまたは4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステルが取得されること及び/又は取得可能であることが好ましいこと、
ここで、一般式 (IVb’)において、
・ラジカルR1は、C1-C5-アルキル又はヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、及び
・ラジカルR2が、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸およびマレイン酸ならびにこれらの組み合わせまたは混合物の群から選択され、特に、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸およびフマル酸ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択され、好ましくは、コハク酸およびアジピン酸およびその無水物ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択されるポリカルボン酸に由来するものであること;
特に、クエン酸の場合、さらなるカルボキシ基が、上記に定義されるR1を有するラジカル-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1でエステル化されること。
【0184】
これに関連して、「由来する」とは、ラジカルR2が言及されたカルボン酸から形成されることを意味する;特に、カルボキシルの水素がエステル化によってエステル化される;すなわち、それぞれの場合に、対応する酸のカルボン酸ラジカルが、ラジカルR2として存在することを意味するものである(すなわち、ラジカルR2が、コハク酸の場合にはコハク酸ラジカル、酒石酸の場合には酒石酸ラジカル、クエン酸の場合にはクエン酸ラジカル、リンゴ酸の場合にはリンゴ酸ラジカル、アジピン酸の場合にはアジピン酸ラジカル、フマル酸の場合にはフマル酸ラジカル、マレイン酸の場合にはマレイン酸ラジカルである)。
【0185】
前記方法が2段階で実施される本発明による方法の特定の実施形態によれば、方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、一般式(IVb’)
CH
3-CH(OR
2)-CH
2-C(O)OR
1 (IVb’)
のオキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸塩の1つ以上のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、より好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールのまたは4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステルが取得されること及び/又は取得可能であることが好ましく、
ここで、一般式 (IVb’)において、
・ラジカルR
1は、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、及び
・ラジカルR
2は、1つ以上の下記するラジカルを示すこと;
【化4】
ここで、上記ラジカルにおいて、ラジカルR
3は、水素又は上述したR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1-CH
2-C(O)OR
1を示すこと。
【0186】
前記方法が2段階で実施される本発明による方法の特定の実施形態によれば、第1の方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、特に上記に定義されるようなオキソブタノールの少なくとも2つの異なるポリカルボン酸エステルの、特に3-ヒドロキシブタン酸塩のポリカルボン酸エステルの、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールのポリカルボン酸エステルの、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールまたは4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールのポリカルボン酸エステルの混合物が得られるおよび/または取得可能であることが好ましい。
【0187】
本発明の方法によれば、反応生成物(IV)として、一般式(IVa)
R4O-CH2-CH(OR4)-CH2-[O-CH2-CH(OR4)-CH2]p-OR4 (IVa)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であることが好ましいこと、
ここで、一般式(IVa)において、ラジカルR4は、お互いに独立して、
・水素;
・ラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-、ここで、ラジカルR1は、C1-C5-アルキルまたはヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、及び、Xは、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH2-CH(OH)-CH3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカル;
・ラジカルH3C-CH(OH)-CH2-C(O)-;
・ラジカルHOOC-X-C(O)-、ここでXは、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH2-CH(OH)-CH3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカル;
を示すものであること、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR4、特に少なくとも2つのラジカルR4が、上記に定義するようなラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すこと;
一般式(IVa)において、変数pが、1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すこと。
【0188】
本発明の方法によれば、反応生成物(IV)として、一般式(IVa)
R4O-CH2-CH(OR4)-CH2-[O-CH2-CH(OR4)-CH2]p-OR4 (IVa)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であることが好ましく、
ここで、一般式(IVa)において、ラジカルR4は、お互いに独立して、
・水素;
・ラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-、ここでラジカルR1は、C1-C5-アルキルまたはヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、及び、Xは、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH2-CH(OH)-CH3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカル;
を示すこと;
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR4、特に少なくとも2つのラジカルR4は、上述したようなラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すものであること;及び
一般式(IVa)において、変数pは、1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すこと。
【0189】
本発明の方法によれば、反応生成物(IV)として、一般式(IVa)
R4O-CH2-CH(OR4)-CH2-[O-CH2-CH(OR4)-CH2]p-OR4 (IVa)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であることが好ましいこと、
ここで、一般式(IVa)において、ラジカルR4は、お互いに独立して、
・水素;
・ラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-、ここでラジカルR1は、C1-C5-アルキルまたはヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、及び、Xは、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH2-CH(OH)-CH3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカル;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR4、特に少なくとも2つのラジカルR4は、上述したようなラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すものであること;及び
一般式(IVa)において、変数pは、1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すこと。
【0190】
本発明の方法によれば、反応生成物(IV)として、一般式(IVb)
R5O-CH2-CH(OR5)-CH2-[O-CH2-CH(OR5)-CH2]p-OR5 (IVb)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であることが好ましいこと、
ここで、一般式(IVb)において、ラジカルR5は、お互いに独立して、
・水素;
・ラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-Y-、ここで、ラジカR1が、C1-C5-アルキルまたはヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、ここで、Yが、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸およびマレイン酸ならびにそれらの組み合わせまたは混合物からなる群から選択され、特に、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸およびフマル酸、ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択され、好ましくは、コハク酸およびアジピン酸およびその無水物、ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択されるポリカルボン酸に由来すること、特にクエン酸の場合、存在するさらなるカルボキシ基が、上記に定義されるR1を有するラジカル-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1でエステル化されること、
・ラジカルH3C-CH(OH)-CH2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカル-Y-OH;
を示すものであること;
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR5、少なくとも2つのラジカルR5が、上記に定義されるR1及びYを有するラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-Y-を示すこと;及び
ここで、一般式(IVb)において、変数pは、1~6,特に1~4、好ましくは1又は2、より好ましくは1の整数を示すこと。
【0191】
これに関して、「由来する」とは、Yが言及されたカルボン酸から形成されることを意味する;特に、カルボキシルの水素がエステル化によってエステル化される;即ち、それぞれの場合において、対応する酸のカルボン酸ラジカルがYとして存在することを意味する(即ち、Yは、コハク酸の場合はコハク酸ラジカル、酒石酸の場合は酒石酸ラジカル、クエン酸の場合はクエン酸ラジカル、リンゴ酸の場合はリンゴ酸ラジカル、アジピン酸の場合はアジピン酸ラジカル、フマル酸の場合はフマル酸ラジカル、そしてマレイン酸の場合はマレイン酸ラジカルである)。
【0192】
これに関して、「エステル化された」とは、クエン酸の場合、さらなる、特に第3のカルボキシ基において、水素がラジカル-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1によって置き換えられていることを意味する。
【0193】
本発明による方法の別の特定の実施形態によれば、反応生成物(IV)として、一般式(IVb)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2]p-OR
5 (IVb)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であることが好ましいこと、
ここで、一般式(IVb)において、ラジカルR
5は、お互いに独立して、
・水素;
・ラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-、ここで、ラジカR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、及び
Yが下記するラジカルの1つを示すこと:
【化5】
上記ラジカルにおいて、ラジカルR
3が、水素又は上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1を示すこと;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカルY-OH;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5、特に少なくとも2つのラジカルR
5が、それぞれ上記に定義されるようなR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-;及び
一般式(IVb)において、変数pが1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すこと。
【0194】
さらに、本発明による方法の特定の実施形態によれば、反応生成物(IV)として、一般式(IVb)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2]p-OR
5 (IVb)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であることが好ましいこと、
ここで、一般式(IVb)において、ラジカルR
5は、お互いに独立して、
・水素;
・ラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-、ここで、ラジカR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、及び
Yが下記するラジカルの1つを示すこと:
【化6】
上記ラジカルにおいて、ラジカルR
3が、水素又は上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1を示すこと;
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5、特に少なくとも2つのラジカルR
5が、それぞれ上記に定義されるようなR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-;及び
一般式(IVb)において、変数pが1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すこと。
【0195】
さらに、本発明による方法の特定の実施形態によれば、反応生成物(IV)として、一般式(IVc)
R4O-CH2-CH(OR4)-CH2-O-CH2-CH(OR4)-CH2-OR4 (IVc)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であることが好ましいこと、
ここで、一般式(IVc)において、ラジカルR4は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR1が、C1-C5-アルキルまたはヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Xが飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH2-CH(OH)-CH3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-;;
を示すものであることが好ましいこと。
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR4、特に少なくとも2つのラジカルR4が、上記に定義されるようなラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すこと。
【0196】
さらに、本発明による方法の特定の実施形態によれば、反応生成物(IV)として、一般式(IVc)
R4O-CH2-CH(OR4)-CH2-O-CH2-CH(OR4)-CH2-OR4 (IVc)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であること、
ここで、一般式(IVc)において、ラジカルR4は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR1が、C1-C5-アルキル又はヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Xが、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH2-CH(OH)-CH3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-;
を示すものであることが好ましい。
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR4、特に少なくとも2つのラジカルR4は、上記に定義されるようなラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すこと。
【0197】
さらに、本発明による方法の特定の実施形態によれば、反応生成物(IV)として、一般式(IVc)
R4O-CH2-CH(OR4)-CH2-O-CH2-CH(OR4)-CH2-OR4 (IVc)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であること、
ここで、一般式(IVc)において、ラジカルR4は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR1が、C1-C5-アルキル又はヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Xが、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はカルボキシルラジカルで置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-;
を示すものであること、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR4、特に少なくとも2つのラジカルR4は、上記に定義されるようなラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すこと。
【0198】
さらに、本発明による方法の特定の実施形態によれば、反応生成物(IV)として、一般式(IVd)
R5O-CH2-CH(OR5)-CH2-O-CH2-CH(OR5)-CH2-OR5 (IVd)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であることが好ましいこと、
ここで、一般式(IVd)において、ラジカルR5は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-Y-、ここで、ラジカルR1が、C1-C5-アルキルまたはヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Yが、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸およびマレイン酸、ならびにそれらの組み合わせまたは混合物からなる群から選択され、特に、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸およびフマル酸、ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択され、好ましくは、コハク酸およびアジピン酸およびその無水物、ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択されるポリカルボン酸に由来すること、特に、クエン酸の場合、存在するさらなるカルボキシ基が、上記に定義されるようなR1を有するラジカル-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1によりエステル化されること;
・ラジカルH3C-CH(OH)-CH2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカルY-OH;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR5、少なくとも2つのラジカルR5が、上記に定義されるようなR1及びYを有するラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-Y-を示すこと。
【0199】
これに関連して、「由来する」とは、Yが、言及されたカルボン酸から形成されることを意味する;特に、カルボキシルの水素が、エステル化によってエステル化される;即ち、それぞれの場合において、対応する酸のカルボン酸ラジカルがYとして存在することを意味する(即ち、Yは、コハク酸の場合はコハク酸ラジカル、酒石酸の場合は酒石酸ラジカル、クエン酸の場合はクエン酸ラジカル、リンゴ酸の場合はリンゴ酸ラジカル、アジピン酸の場合はアジピン酸ラジカル、フマル酸の場合はフマル酸ラジカル、そしてマレイン酸の場合はマレイン酸ラジカルである)。
【0200】
これに関連して、「エステル化された」とは、クエン酸の場合、さらなる、特に第3のカルボキシ基の水素が、ラジカル-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1によって置換されることを意味する。
【0201】
さらに、本発明による方法の特定の実施形態によれば、反応生成物(IV)として、一般式(IVd)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-OR
5 (IVd)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であることが好ましいこと、
ここで、一般式(IVd)において、ラジカルR
5はお互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-、ここで、ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Yが、下記するラジカルの1つを示すこと;
【化7】
ここで、上記ラジカルにおいて、ラジカルR
3が、水素又は上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1を示すこと;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカルY-OH;
を示すことが好ましいこと;
ただし、少なくとも1つのラジカルR
5、少なくとも2つのラジカルR
5が、上記に定義されるようなR
1及びYを有するR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-を示すこと。
【0202】
さらに、本発明による方法の特定の実施形態によれば、反応生成物(IV)として、一般式(IVd)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-OR
5 (IVd)
のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られること及び/又は取得可能であることが好ましいこと、
ここで、一般式(IVd)において、ラジカルR
5は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-、ここで、ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Yが、下記するラジカルの1つを示すこと;
【化8】
ここで、上記ラジカルにおいて、ラジカルR
3が、水素又は上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1を示すこと;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5、特に少なくとも2つのラジカルR
5が、上記に定義するようなR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-を示すこと。
【0203】
本発明による方法の別の特定の実施形態によれば、反応生成物(IV)として、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の少なくとも2つの異なるポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでまたは4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の一価または多価のポリグリセロールエステルの混合物が得られることが好ましいおよび/または取得可能であることが好ましい。
【0204】
本発明の第2の態様によれば、本発明のさらなる主題は、反応中間生成物、又は、上記に記載された方法によって取得可能な、特に上記に定義されるような方法の第1の方法段階(a)の反応中間生成物反応中間として取得可能なオキソブタノールのポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸塩のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールのポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールまたは4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールのポリカルボン酸エステルである。
【0205】
特定の実施形態によれば、反応中間生成物は、特に、上記に定義されたように、オキソブタノールの少なくとも2つの異なるポリカルボン酸エステルを有する混合物からなることができる。
【0206】
しかしながら、本発明のこの態様による本発明の目的は、反応生成物、又は、上記に定義されるような方法によって取得可能なオキソブタノールでエステル化されるポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されるポリカルボン酸ポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルを提供することである。
【0207】
特別な例によれば、本発明によって又は本発明の方法によって取得可能な、オキソブタノールでエステル化されるポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されるポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVa)
R4O-CH2-CH(OR4)-CH2-[O-CH2-CH(OR4)-CH2]p-OR4 (IVa)
に対応することが好ましい。
ここで、一般式(IVa)において、ラジカルR4が、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR1が、C1-C5-アルキル又はヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Xが、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH2-CH(OH)-CH3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR4、特に少なくとも2つのラジカルR4が、上記に定義されるようなラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すこと;及び
ここで、一般式(IVa)において、変数pが1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すこと。
【0208】
別の特定の実施形態によれば、本発明によって又は本発明の方法によって取得可能な、オキソブタノールでエステル化されるポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されるポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVa)
R4O-CH2-CH(OR4)-CH2-[O-CH2-CH(OR4)-CH2]p-OR4 (IVa)
に対応することが好ましい。
ここで、一般式(IVa)において、ラジカルR4が、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR1が、C1-C5-アルキル又はヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Xが、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH2-CH(OH)-CH3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR4、特に少なくとも2つのラジカルR4が、上記に定義されるようなラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すこと;及び
ここで、一般式(IVa)において、変数pが1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すこと。
【0209】
別の特定の実施形態によれば、本発明によって又は本発明の方法によって取得可能な、オキソブタノールでエステル化されるポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されるポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVa)
R4O-CH2-CH(OR4)-CH2-[O-CH2-CH(OR4)-CH2]p-OR4 (IVa)
に対応することが好ましい。
ここで、一般式(IVa)において、ラジカルR4が、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR1が、C1-C5-アルキル又はヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Xが、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH2-CH(OH)-CH3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR4、特に少なくとも2つのラジカルR4が、上記に定義されるようなラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すこと;及び
ここで、一般式(IVa)において、変数pが1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すこと。
【0210】
別の特定の実施形態によれば、本発明によって又は本発明の方法によって取得可能な、オキソブタノールでエステル化されるポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されるポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVb)
R5O-CH2-CH(OR5)-CH2-[O-CH2-CH(OR5)-CH2]p-OR5 (IVb)
に対応することが好ましい。
ここで、一般式(IVb)において、ラジカルR5が、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR1が、C1-C5-アルキル又はヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示示し、且つ、Yが、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸およびマレイン酸ならびにそれらの組み合わせまたは混合物からなる群から選択され、特にコハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸およびフマル酸ならびにそれらの組み合わせまたは混合物からなる群から選択され、好ましくはコハク酸およびアジピン酸およびその無水物ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択されるポリカルボン酸に由来し、特にクエン酸の場合、存在するさらなるカルボキシ基が、上述されるようなR1を有するラジカル-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1でエステル化されるラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-Y-;
・ラジカルH3C-CH(OH)-CH2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカル-Y-OH;
を示すこと;
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR4、特に少なくとも2つのラジカルR4が、上記に定義されるようなR1及びYを有するラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-Y-を示すこと;及び
ここで、一般式(IVb)において、変数pが1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すこと。
【0211】
これに関して、「由来する」とは、Yが、言及されたカルボン酸から形成されることを意味し;特に、カルボキシルの水素がエステル化によりエステル化される;即ち、それぞれの場合において、対応する酸のカルボン酸ラジカルがYとして存在する(即ち、Yは、コハク酸の場合にはコハク酸ラジカル、酒石酸の場合には酒石酸ラジカル、クエン酸の場合にはクエン酸ラジカル、リンゴ酸の場合にはリンゴ酸ラジカル、アジピン酸の場合にはアジピン酸ラジカル、フマル酸の場合にはフマル酸ラジカルおよびマレイン酸の場合にはマレイン酸ラジカルである)。
【0212】
これに関して、「エステル化された」とは、クエン酸の場合、さらなる、特に第3のカルボキシ基において、水素がラジカル-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1によって置き換えられていることを意味する。
【0213】
本発明の好ましい実施形態によれば、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでまたは4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価または多価のポリグリセロールエステルは、一般式(IVb)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2]p-OR
5 (IVb)
に対応することが好ましい。
ここで、一般式(IVb)において、ラジカルR
5が、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1がC
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示示し、且つ、Yが、ラジカルR
3が水素又は上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1である下記
【化9】
のラジカルの1つを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカルY-OH;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5、特に少なくとも2つのラジカルR
5が、上記に定義されるようなR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-を示すこと;及び
一般式(IVb)において、変数pが、1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すこと。
【0214】
本発明のさらに好ましい実施例によれば、本発明による又は本発明の方法によって取得可能な、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVb)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2]p-OR
5 (IVb)
に対応することが好ましい。
ここで、一般式(IVb)において、ラジカルR
5が、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示示し、且つ、Yが、ラジカルR
3が、水素又は上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1を示す下記
【化10】
のラジカルの1つを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5、特に少なくとも2つのラジカルR
5が、上記に定義されるようなR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-を示すこと;及び
一般式(IVb)において、変数pが、1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すこと。
【0215】
さらに、本発明のこの態様の特別な実施例によれば、本発明による又は本発明の方法によって取得可能な、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVc)
R4O-CH2-CH(OR4)-CH2-O-CH2-CH(OR4)-CH2-OR4 (IVc)
に対応することが好ましい。
ここで、一般式(IVc)において、ラジカルR4が、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR1が、C1-C5-アルキルまたはヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Xが飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH2-CH(OH)-CH3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-;
・ラジカルH3C-CH(OH)-CH2-C(O)-;
・ラジカルHOOC-X-C(O)-、ここで、Xが、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH2-CH(OH)-CH3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すこと;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR4、特に少なくとも2つのラジカルR4が、上記に定義されるようなラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すこと。
【0216】
さらに、本発明のこの態様のさらに特別な実施例によれば、本発明による又は本発明の方法によって取得可能な、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVc)
R4O-CH2-CH(OR4)-CH2-O-CH2-CH(OR4)-CH2-OR4 (IVc)
に対応することが好ましい。
ここで、一般式(IVc)において、ラジカルR4が、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR1が、C1-C5-アルキルまたはヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Xが飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH2-CH(OH)-CH3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR4、特に少なくとも2つのラジカルR4が、上記に定義されるようなラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すこと。
【0217】
また、本発明のこの態様のさらに特別な実施例によれば、本発明による又は本発明の方法によって取得可能な、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVc)
R4O-CH2-CH(OR4)-CH2-O-CH2-CH(OR4)-CH2-OR4 (IVc)
に対応することが好ましい。
ここで、一般式(IVc)において、ラジカルR4が、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR1が、C1-C5-アルキルまたはヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Xが飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はカルボキシルラジカルで置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR4、特に少なくとも2つのラジカルR4が、上記に定義されるようなラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すこと。
【0218】
さらに、本発明のこの態様のさらに特別な実施例によれば、本発明による又は本発明の方法によって取得可能な、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVd)
R5O-CH2-CH(OR5)-CH2-O-CH2-CH(OR5)-CH2-OR5 (IVd)
に対応すること、
ここで、一般式(IVd)において、ラジカルR5は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR1が、C1-C5-アルキル又はヒドロキシ-C3-C5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示し、且つ、Yが、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸およびマレイン酸ならびにそれらの組み合わせまたは混合物からなる群から選択され、特に、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸およびフマル酸ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択され、好ましくは、コハク酸およびアジピン酸およびその無水物ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択されるポリカルボン酸に由来し、特にクエン酸の場合、存在するさらなるカルボキシ基が、上記に定義されるようなR1を有するラジカル-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1でエステル化されるラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-Y-;
・ラジカルH3C-CH(OH)-CH2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカルY-OH;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR5、特に少なくとも2つのラジカルR5が、それぞれ上記に定義されるようなR1及びYを有するラジカルR1-O-C(O)-CH2-CH(CH3)-O-Y-を示すこと。
【0219】
これに関して、「由来する」とは、Yが、言及されたカルボン酸から形成されることを意味する;特に、カルボキシルの水素がエステル化によってエステル化される;即ち、それぞれの場合において、対応する酸のカルボン酸ラジカルがYとして存在することを意味する(即ち、Yは、コハク酸の場合はコハク酸ラジカル、酒石酸の場合は酒石酸ラジカル、クエン酸の場合はクエン酸ラジカル、リンゴ酸の場合はリンゴ酸ラジカル、アジピン酸の場合はアジピン酸ラジカル、フマル酸の場合はフマル酸ラジカル、そしてマレイン酸の場合はマレイン酸ラジカルである)。
【0220】
これに関連して、「エステル化された」とは、さらなる、特に第3のカルボキシル基におけるクエン酸の場合、水素が、ラジカル-CH(CH3)-CH2-C(O)OR1によって置換されることを意味する。
【0221】
さらに、本発明のこの態様のさらに特別な実施例によれば、本発明による又は本発明の方法によって取得可能な、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVd)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-OR
5 (IVd)
に対応すること、
ここで、一般式(IVd)において、ラジカルR
5は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示し、且つ、Yが、ラジカルR
3が、水素又は上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1を示す下記するラジカル
【化11】
の1つを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカルY-OH;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5、特に少なくとも2つのラジカルR
5が、上記に定義されるようなR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-を示すこと。
【0222】
さらに、本発明のこの態様のさらに特別な実施例によれば、本発明による又は本発明の方法によって取得可能な、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVd)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-OR
5 (IVd)
に対応することが好ましい。
ここで、一般式(IVd)において、ラジカルR
5は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示し、且つ、Yは、ラジカルR
3が水素又は上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1を示す下記するラジカル
【化12】
の1つを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカルY-OH;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5、特に少なくとも2つのラジカルR
5が、上記に定義されるようなR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-を示すこと。
【0223】
さらに、本発明のこの態様の特定の実施形態によれば、本発明のさらなる目的は、特に上記に定義されるような、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の少なくとも2つの異なるポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでまたは4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のモノ-または多価ポリグリセロールエスチルを有する本発明の混合物である。
【0224】
それぞれ本発明の方法によって取得可能な反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能なオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、又は、それぞれ上記に定義されるようなオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の本発明のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能な混合物、又は、上記に定義されるような本発明の混合物が、従来技術に比べ多くの利点と特別な機能を備えている。
【0225】
出願人は、驚くべきことに、一方では、生理的に、特に胃腸管内で3-ヒドロキシブタン酸またはその塩に変換され、他方では、特に非毒性および許容できる有機食品特性に関して、良好な生理的適合性または許容性を同時に構成することから、それぞれ本発明の方法によって取得可能な反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能なオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、又は、それぞれ上記に定義されるようなオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の本発明のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能な混合物、又は、上記に定義されるような本発明の混合物が、3-ヒドロキシブタン酸又はその塩の前駆体又は代謝物として適切であることを見出した。
【0226】
それぞれ本発明の方法によって取得可能な反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能なオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、又は、それぞれ上記に定義されるようなオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の本発明のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能な混合物、又は、上記に定義されるような本発明の混合物が、合成ベースで商業規模であっても、かつ、必要な医薬または薬理学的品質で容易に入手可能である。
【0227】
さらに、それぞれ本発明の方法によって取得可能な反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能なオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、又は、それぞれ上記に定義されるようなオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の本発明のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能な混合物、又は、上記に定義されるような本発明の混合物は、必要に応じて、エナンチオマー的に純粋なまたはエナンチオマー的に濃縮された形態で提供されることができる。
【0228】
さらに、それぞれ本発明の方法によって取得可能な反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能なオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、又は、それぞれ上記に定義されるようなオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の本発明のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能な混合物、又は、上記に定義されるような本発明の混合物は、これによって、ヒトや動物の体のケト体治療において、効率的な薬理学的ターゲットを示すものである。
【0229】
以下では、本発明の残りの態様をより詳細に説明する。
【0230】
本発明のさらなる主題は、本発明の第3の態様によれば、それぞれ本発明の方法によって取得可能な反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能なオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、又は、それぞれ上記に定義されるようなオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の本発明のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能な混合物、又は、上記に定義されるような本発明の混合物を有する医薬組成物、特に薬物または医薬品である。
【0231】
特に、本発明のこの態様によれば、本発明は、ヒトまたは動物の身体の疾患の予防的及び/又は治療的処置に用いるための医薬組成物、またはそのための医薬組成物に関する。これは、特にエネルギー代謝、特にケト体代謝の障害に関連する疾患、例えば、特に頭蓋脳外傷、脳卒中、低酸素症、心筋梗塞などの循環器疾患などが考えられる。リフィーディング症候群、食欲不振、てんかん、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、グルコーストランスポーター欠損(GLUT1欠損)などの脂肪代謝性疾患など、VL-FAOD、ミトコンドリアチオラーゼ欠損などのミトコンドリア病、ハンチントン病、T細胞リンパ腫、星細胞腫、グリオブラストーマなどの癌、HIV、関節リウマチ、ウリカ関節炎などのリュウマチ性疾患など、慢性炎症性腸疾患、特に潰瘍性大腸炎やクローン病などの消化管疾患、スフィンゴ糖脂質症などのリオソーム貯蔵病、特にニーマン・ピック病、糖尿病、化学療法の影響や副作用などに関する。
【0232】
さらに、本発明のさらなる主題は、本発明の第4の態様によれば、予防的及び/又は治療的処置のための、又は、特にエネルギー代謝、特にケト体代謝の障害に関連する疾患、例えば、特に頭蓋脳外傷、脳卒中、低酸素症、心筋梗塞などの循環器疾患などが考えられる。リフィーディング症候群、食欲不振、てんかん、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、グルコーストランスポーター欠損(GLUT1欠損)などの脂肪代謝性疾患など、VL-FAOD、ミトコンドリアチオラーゼ欠損などのミトコンドリア病、ハンチントン病、T細胞リンパ腫、星細胞腫、グリオブラストーマなどの癌、HIV、関節リウマチ、ウリカ関節炎などのリュウマチ性疾患など、慢性炎症性腸疾患、特に潰瘍性大腸炎やクローン病などの消化管疾患、スフィンゴ糖脂質症などのリオソーム貯蔵病、特にニーマン・ピック病、糖尿病、化学療法の影響や副作用などの予防的及び/又は治療的処置における使用のための、それぞれ本発明の方法によって取得可能な反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能なオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、又は、それぞれ上記に定義されるようなオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の本発明のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能な混合物、又は、上記に定義されるような本発明の混合物である。
【0233】
さらに、本発明のさらなる主題は、本発明の第5の態様によれば、予防的及び/又は治療的処置のための、又は、特にエネルギー代謝、特にケト体代謝の障害に関連する疾患、例えば、特に頭蓋脳外傷、脳卒中、低酸素症、心筋梗塞などの循環器疾患などが考えられる。リフィーディング症候群、食欲不振、てんかん、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、グルコーストランスポーター欠損(GLUT1欠損)などの脂肪代謝性疾患など、VL-FAOD、ミトコンドリアチオラーゼ欠損などのミトコンドリア病、ハンチントン病、T細胞リンパ腫、星細胞腫、グリオブラストーマなどの癌、HIV、関節リウマチ、ウリカ関節炎などのリュウマチ性疾患など、慢性炎症性腸疾患、特に潰瘍性大腸炎やクローン病などの消化管疾患、スフィンゴ糖脂質症などのリオソーム貯蔵病、特にニーマン・ピック病、糖尿病、化学療法の影響や副作用などの予防的及び/又は治療的処置における使用のための、それぞれ本発明の方法によって取得可能な反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能なオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、又は、それぞれ上記に定義されるようなオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の本発明のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能な混合物、又は、上記に定義されるような本発明の混合物の使用である。
【0234】
本発明のさらなる主題は、本発明の第6の態様によれば、予防的および/または治療的処置のための、または空腹、ダイエットまたは低炭水化物栄養のような異化代謝状態への適用のための医薬品の製造のための、それぞれ本発明の方法によって取得可能な反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能なオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、又は、それぞれ上記に定義されるようなオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の本発明のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能な混合物、又は、上記に定義されるような本発明の混合物の使用である。
【0235】
同様に、本発明のさらなる主題は、本発明の第7の態様によれば、それぞれ本発明の方法によって取得可能な反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能なオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、又は、それぞれ上記に定義されるようなオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の本発明のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能な混合物、又は、上記に定義されるような本発明の混合物を有する食品及び/又は食品生成物である。
【0236】
特定の実施形態によれば、食品及び/又は食品生成物は、本質的に、栄養補助食品、機能性食品、新規食品、食品添加物、食品サプリメント、ダイエット食品、パワースナック、食欲抑制剤、又は筋力及び/又は耐久スポーツサプリメントであることが好ましい。
【0237】
最後に、本発明の別の主題は、本発明の第8の態様によれば、食品及び/又は食品生成物における、それぞれ本発明の方法によって取得可能な反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能なオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、又は、それぞれ上記に定義されるようなオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の本発明のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、4-オキソ-4-(C1-C5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C3-C5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得可能な混合物、又は、上記に定義されるような本発明の混合物の使用である。
【0238】
本発明のこの態様によれば、食品及び/又は食品生成物は、特に、栄養補助食品、機能性食品、新規食品、食品添加物、食品サプリメント、ダイエット食品、パワースナック、食欲抑制剤、又は筋力及び/又は耐久スポーツ補助食品であることが好ましい。
【0239】
本発明のさらなる実施形態、修正および変形は、本発明の範囲を離れることなく、明細書を読んだ当業者によって容易に認識または実現可能なものである。
【発明を実施するための形態】
【0240】
本発明は、以下の実施例によって説明されるが、これらは本発明を何ら限定するものではなく、本発明の例示的かつ非限定的な実施および構成を説明するためのものに過ぎない。
【実施例】
【0241】
使用した略語
・3-BHB-EE=BHB-EE 3-ヒドロキシブタン酸エチルエステル(=3ヒドロキシブタン酸エチル又は4-エトキシ-4-オキソブタン-2-オール)
・3-BHB=BHB 3-ヒドロキシブタン酸
・BS-(BHB-EE)モノエステル 3-ヒドロキシブタン酸エチルのコハク酸モノエステル
・BS-(BHB-EE)モノエステル 3-ヒドロキシブタン酸エチルのコハク酸ジエステル
・PG(2)-(BS(BHB-EE))モノエステル 3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたコハク酸のジグリセロールモノエステル
・PG(2)-(BS(BHB-EE))ジエステル 3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたコハク酸のジグリセロールジエステル
・PG(2)-(BS(BHB-EE))ポリエステル 3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたコハク酸のジグリセロールポリエステル
【0242】
I. 触媒を使用しないワンポット合成としての本発明による方法の特定の実施態様の製造例
I.1.無水コハク酸を用いた3-ヒドロキシブタン酸エチルによるコハク酸ジグリセリルエステルの製造法
デフレグメーター(部分凝縮器)および蒸留ブリッジを備えた500mL-マルチネックフラスコに、132gの(R)/(S)-3-ヒドロキシブタン酸エチルエステル(3-BHB-EE=3-ヒドロキシブタン酸エチルまたは4-エトキシ-4-オキソブタン-2-オール)(ラセミ)、100gの無水コハク酸および40gのジグリセロールが供給される。反応混合物を120℃で且つN2下で7時間攪拌しながら反応させ、得られた反応水を蒸留により連続的に回収する。その後、過剰の3-ヒドロキシブタン酸エチルおよび過剰の3-ヒドロキシブタン酸エチルのコハク酸エステルは、真空下で蒸留により回収される。その後、所望の反応生成混合物が残渣として得られる。得られた残渣は、必要に応じて、真空中で2~4時間水蒸気処理される。
【0243】
3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたコハク酸の1価、2価、3価および4価のジグリセロールエステル(即ち、ジグリセロールモノエステル、ジグリセロールジエステル、ジグリセロールトリエステル及びジグリセロールテトラエステル)の混合物が得られる(以下の反応スキームも参照)。
【0244】
形成された副産物は、ごく微量の3-ヒドロキシブタン酸のジグリセロールエステルやコハク酸のジグリセロールエステルを含む。
【0245】
また、3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたコハク酸のジグリセロールモノエステルは、1-[3-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)-2-ヒドロキシプロピル]4-(4-エトキシ-4-オキソブタン-2-イル)-ブタンジオアートとして同義語的に参照される。
【0246】
また、3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたコハク酸のジグリセロールジエステルは、1-(4-エトキシ-4-オキソブタン-2-イル)4-{3-[3-({4-[(4-エトキシ-4-オキソブタン-2-イル)オキシ]-4-オキソブタノイル}オキシ]-2-ヒドロキシプロポキシ}ブタンジオアートとして同義語的に参照することができる。
【0247】
また、3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたコハク酸のジグリセロールトリエステルは、1-{3-[2,3-ビス({4-[(4-エトキシ-4-オキソブタン-2-イル)オキシ]-4-オキソブタノイル}オキシ)プロポキシ]-2-ヒドロキシプロピル}-4-(4-エトキシ-4-オキソブタン-2-イル)ブタンジオアートとして同義語に参照することができる。
【0248】
また、3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたコハク酸のジグリセロールテトラエステルは、1-{1-[2,3-ビス({4-[(4-エトキシ-4-オキソブタン-2-イル)オキシ]-4-オキソブタノイル}オキシ)プロポキシ]-3-({4-[(4-エトキシ-4-オキソブタン-2-イル)オキシ]-4-オキソブタノイル}オキシ)プロパン-2-イル}-4-(4-エトキシ-4-オキソブタン-2-イル)-ブタンジオアートを同義語的に参照することができる。
【0249】
特性評価は、質量分析(MS)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、プロトン共鳴分光法(1H-NMR)で行われる。
【0250】
以下では、反応の経過を模式的に示す。副生成物の場合、遊離ヒドロキシ基は任意に、ラジカル-C(O)-CH2-CH(OH)-CH3によって(3-ヒドロキシブタン酸エチルとのエステル化)又はラジカル-C(O)-CH2-CH2-COOHによって(無水コハク酸とのエステル化)、(完全に又は部分的に)エステル化されることが好ましい。
【0251】
【0252】
I.2.遊離コハク酸を用いた3-ヒドロキシブタン酸エチルによるコハク酸ジグリセロールエステルの生産
デフレグメーター(部分凝縮器)および蒸留ブリッジを備えた500mL-マルチネックフラスコに、132gの(R)/(S)-3-ヒドロキシブタン酸エチルエステル(3-BHB-EE=3ヒドロキシブタン酸エチルまたは4-エトキシ-4-オキソブタン-2-オール)(ラセミ)、118gのコハク酸および40gのジグリセロールが提供される。反応混合物を120℃且つN2下で7時間攪拌しながら反応させ、得られた反応水を蒸留により連続的に回収する。その後、過剰の3-ヒドロキシブタン酸エチルエステルおよび過剰の3-ヒドロキシブタン酸エチルのコハク酸エステルが、真空下で蒸留により回収される。得られた残渣は、必要に応じて真空中で2~4時間水蒸気処理される。
【0253】
3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたコハク酸の1価、2価、3価および4価のジグリセロールエステル(即ち、ジグリセロールモノエステル、ジグリセロールジエステル、ジグリセロールトリエステル及びジグリセロールテトラエステル)の混合物が得られる。
【0254】
形成された副産物は、ごく微量の3-ヒドロキシブタン酸のジグリセロールエステルやコハク酸のジグリセロールエステルを含む。
【0255】
特性評価は、質量分析(MS)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、プロトン共鳴分光法(1H-NMR)で行われる。
【0256】
I.3.コハク酸ジエチルエステルを用いた3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたジグリセロールエステルの製造
デフレグメーター(部分凝縮器)および蒸留ブリッジを備えた500mL-マルチネックフラスコに、132gの(R)/(S)-3-ヒドロキシブタン酸エチルエステル(3-BHB-EE=3-ヒドロキシブタン酸エチル又は4-エトキシ-4-オキソブタン-2-オール)(ラセミ)、174gのコハク酸ジエチルエステルおよび40gのジグリセロールが提供される。反応混合物を120℃且つN2下で、7時間攪拌しながら反応させ、得られた反応水は、蒸留により連続的に回収される。その後、過剰の3-ヒドロキシブタン酸エチルエステルおよび過剰の3-ヒドロキシブタン酸エチルのコハク酸エステルは、真空下で蒸留により回収される。得られた残渣は、必要に応じて真空中で2~4時間水蒸気処理される。
【0257】
3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたコハク酸の1価、2価、3価および4価のジグリセロールエステル(即ち、ジグリセロールモノエステル、ジグリセロールジエステル、ジグリセロールトリエステル及びジグリセロールテトラエステル)の混合物が得られる。
【0258】
形成された副産物は、ごく微量の3-ヒドロキシブタン酸のジグリセロールエステルやコハク酸のジグリセロールエステルを含む。
【0259】
特性評価は、質量分析(MS)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、プロトン共鳴分光法(1H-NMR)で行われる。
【0260】
I.4. 3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたポリカルボン酸のさらなるジグリセロールエステルの製造
前記項目I.1.、I.2.,およびI.3.によって先に行った合成例は、しかしながら、以下のポリカルボン酸(遊離酸として各場合に第1の方法の代替)およびそのそれぞれの無水物(第2の方法の代替)ならびにそれらのそれぞれのエチルエステル(第3の方法の代替)を用いて再び行われる:酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸、およびマレイン酸、それぞれのケースで同等の結果が得られている。
【0261】
II.触媒を使用しない2段階の合成として、本発明による方法の特定の実施形態の製造例
II.1. 無水コハク酸を用いた3-ヒドロキシブタン酸エチルによるコハク酸のジグリセロ-ルエステルの製造法
デフレグメーター(部分凝縮器)と蒸留ブリッジを備えた500mL-マルチネックフラスコに、132gの(R)/(S)-3-ヒドロキシブタン酸エチルエステル(3-BHB-EE=3-ヒドロキシブタン酸エチルまたは4-エトキシ-4-オキソブタン-2-オール)(ラセミ)および11gのコハク酸無水物が供給される。反応混合物は、120℃で且つN2下で7時間撹拌しながら反応し、反応時間終了後、分析のためにサンプルを採取する。次に、ジグリセロール40gを加え、反応混合物は、120℃で且つN2下でさらに7時間撹拌しながら反応し、得られた反応水が蒸留により連続的に回収される。反応時間経過後、再度試料を採取し、分析を行う。
【0262】
その後、過剰の3-ヒドロキシブタン酸エチルエステルおよび過剰の3-ヒドロキシブタン酸エチルのコハク酸エステルは、真空下で蒸留により回収される。得られた残渣は、必要に応じて真空中で2~4時間水蒸気処理される。
【0263】
1段階合成の場合と同様に、3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたコハク酸の1価、2価、3価及び4価のジグリセロールエステル(=ジグリセロールのエステル)(即ち、ジグリセロールモノエステル、ジグリセロールジエステル、ジグリセロールトリエステル、ジグリセロールテトラエステル)の混合物を得られる。副生成物として、3-ヒドロキシブタン酸のジグリセロールエステル、コハク酸のジグリセロールエステルがごく微量に生成される。
【0264】
特性評価は、質量分析(MS)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、プロトン共鳴分光法(1H-NMR)で行われる。
【0265】
第1反応段階と第2反応段階の終了時に採取された試料が、GC(ガスクロマトグラフィー)で分析され、GC面積分析が、下記表2にまとめられている。
【0266】
【表2】
* コハク酸モノエチル、BHBダイマー、BHBジグリセロールエステル、3-ヒドロキシブタン酸のジグリセロールエステル及びコハク酸のジグリセロールエステルを含むもの
【0267】
以下、反応の経過を模式的に示す(副生成物の場合、遊離水酸基は任意に、ラジカル-C(O)-CH2-CH(OH)-CH3(3-ヒドロキシブタン酸エチルによるエステル化)又はラジカル-C(O)-CH2-CH2-COOH(無水コハク酸によるエステル化)によって完全または部分的にエステル化されてもよい)。
【0268】
【0269】
II.2. 遊離コハク酸を用いた3-ヒドロキシブタン酸エチルによるコハク酸ジグリセロールエステルの生産
デフレグメーター(部分凝縮器)および蒸留ブリッジを備えた500mL-マルチネックフラスコに、132gの(R)/(S)-3-ヒドロキシブタン酸エチルエステル(#-BHB-EE=3-ヒドロキシブタン酸エチルまたは4-エトキシ-4-オキソブタン-2-オール)(ラセミ)および118gのコハク酸が提供される。この反応混合物は、120℃で且つN2下で、7時間攪拌しながら反応し、得られた反応水は、蒸留により連続的に回収される。次に、ジグリセロール40gを添加し、反応混合物を120℃で且つN2下で、さらに7時間撹拌しながら反応させ、得られた反応水は蒸留により連続的に回収される。
【0270】
その後、過剰の3-ヒドロキシブタン酸エチルエステルおよび過剰の3-ヒドロキシブタン酸エチルのコハク酸エステルは、真空下で蒸留により回収される。得られた残渣は、必要に応じて真空中で2~4時間水蒸気処理される。
【0271】
3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたコハク酸の1価、2価、3価及び4価のジグリセロールエステル(すなわち、ジグリセロールモノエステル、ジグリセロールジエステル、ジグリセロールトリエステル、ジグリセロールテトラエステル)の混合物を得ることができる。
【0272】
副生成物として、ごく微量の3-ヒドロキシブタン酸のジグリセロールエステルやコハク酸のジグリセロールエステルが生成される。
【0273】
特性評価は、質量分析(MS)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、プロトン共鳴分光法(1H-NMR)で行われる。
【0274】
II.2. コハク酸ジエチルエステルを使用する3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたジグリセロールエステルの製造
デフレグメーター(部分凝縮器)および蒸留ブリッジを備えた500mL-マルチネックフラスコに、132gの(R)/(S)-3-ヒドロキシブタン酸エチルエステル(3-BHB-EE=3-ヒドロキシブタン酸エチルまたは4-エトキシ-4-オキソブタン-2-オール)(ラセミ)および174gのコハク酸ジエチル・ステルを提供する。この反応混合物は、120℃で且つN2下で、7時間攪拌しながら反応し、得られたエタノールは、蒸留により連続的に回収される。次に、40gのジグリセロールを加え、反応混合物は、120℃で且つN2下でさらに7時間攪拌しながら反応し、得られたエタノールは、蒸留により連続的に回収される。
【0275】
その後、過剰の3-ヒドロキシブタン酸エチルエステルおよび過剰の3-ヒドロキシブタン酸エチルのコハク酸エステルは、真空下で蒸留により回収される。得られた残渣は、必要に応じて真空中で2~4時間水蒸気処理される。
【0276】
3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化したコハク酸の1価、2価、3価及び4価のジグリセロールエステル(即ち、ジグリセロールモノエステル、ジグリセロールジエステル、ジグリセロールトリエステル、ジグリセロールテトラエステル)の混合物を得ることができる。
【0277】
副生成物として、ごく微量の3-ヒドロキシブタン酸のジグリセロールエステルやコハク酸のジグリセロールエステルが生成される。
【0278】
特性評価は、質量分析(MS)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、プロトン共鳴分光法(1H-NMR)で行われる。
【0279】
II.4. 3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたポリカルボン酸のさらなるジグリセロールエステルの製造
前記II.1.,II.2,II.3.による先に実施された合成例は、しかしながら、以下のポリカルボン酸およびその各無水物ならびにエチルエステル:酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸およびマレイン酸を使用して実施される。同等の結果が得られる。
【0280】
III. 金属触媒を使用する本発明による方法の代替的な特定の実施形態の製造例
I.項目及びII.項目において既に記載されたすべての化学合成例は、しかし、触媒(チタン(IV)-触媒)として、テトラブタン酸チタンを加えて再び実施される。チタン(IV)-触媒は、他の反応物とともにフラスコ内に供給される。その後、反応方法は、上述した実施例に準ずる。同等の結果が得られる。触媒は、反応終了時に分離され、リサイクルされる。
【0281】
IV. 酵素触媒を使用する本発明による方法の更なる代替的な特定の実施形態の製造例
I.項目及びII.項目において既に記載されたすべての化学合成例は、しかし、触媒として固定化酵素(カンジダ・アンタルクティカ、例えばシグマ-アルドリッヒ又はメルク社製のNovozym(登録商標)435又はストレム化学社製のLipozym(登録商標)435由来のポリマー支持体上のCALBリパーゼ)を加え、真空下で70℃で再び実施される。同等の結果が得られる。酵素は、反応終了後に分離してリサイクルされる。
【0282】
V. 生理学的応用試験:試験管内での消化試験
V.I. 本発明による3-ヒドロキシブタン酸のカルボン酸エステルの消化実験(分割または開裂実験)
開裂実験により、本発明に従って調製した3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化したポリカルボン酸のポリグリセロールエステルまたはその混合物(参照:先に述べたI、II、III及びIVによる実験)は、反応生成物を含めてヒト胃腸管で開裂できることが示された。
【0283】
それぞれの場合において、本発明による方法によって得られた精製された反応生成物を出発混合物として使用する。
・3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化された酒石酸のジグリセロールエステル混合物:
・3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたクエン酸のジグリセロールエステル混合物、
・3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたリンゴ酸のジグリセロールエステル混合物、
・3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたアジピン酸のジグリセロールエステル混合物、
・3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたフマル酸のジグリセロールエステル混合物、および
・3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたマレイン酸のジグリセロールエステル混合物。
【0284】
ニアボディ条件下での切断実験では、2つの媒体が検討された。
・ 胃を模擬したFaSSGF
・ 腸管を模擬したFaSSIF
【0285】
どちらの培地もイギリスのBiorelevant(登録商標)社のものである。また,実験によってはブタの膵臓を添加する(Panzytrat(登録商標)40,000、Fa.アラガン社製)。
【0286】
FaSSGF又はFaSSIF培地での切断実験(いずれも35℃、24時間)の結果、Panzytrat(登録商標)の有無のFaSGF条件下で、サンプルが加水分解すること;これは主に培地の低いpH値(pH=1.6)によるものであることがわかった。FaSSIF条件下では、Panzytrat(登録商標)を使用するより低い変換が行われる。
【0287】
すべての開裂実験において、開裂はカスケード状に進行することがわかる(即ち、ジグリセロールテトラエステルがジグリセロールトリエステルに、ジグリセロールトリエステルがジグリセロールジエステルになる等)。さらに、3-ヒドロキシブタン酸エチルがポリカルボン酸から開裂し、その後遊離ブタン酸とエタノールに分割される。全体として、体内で利用可能なポリカルボン酸と遊離酪酸が放出され、さらに、無毒で生理的に適合したキャリアであるジグリセロールが放出され、体外に排泄されるのである。
【0288】
したがって、全体として遅延効果(即ち、3-ヒドロキシブタン酸とポリカルボン酸の放出が、それぞれ遅延し、より長い期間にわたって継続すること)が存在する。
【0289】
V.2. 本発明による3-ヒドロキシブタン酸のカルボン酸の更なる消化実験(開裂実験)。
パンクレアチンを用いた開裂実験
2gの上記のようにして調製した3-ヒドロキシブタン酸エチルでエステル化されたポリカルボン酸のジグリセロールエステルまたはその混合物(3-ヒドロキシブタン酸でエステル化されたポリカルボン酸の対応するジグリセロールモノ、ジグリセロールジ、ジグリセロールトリおよび/またはジグリセロールテトラステルの混合物)が、50gの水に溶解され、05g(1重量%)のパンクレアチンが添加される。パンクレアチンは、アラガン社から市販されているPanzytrat(登録商標)40,000の形で使用される。混合物全体が、50℃のホットプレート上で攪拌さる;反応の経過は、酸価を経時的に連続記録することで測定される。観察期間中に酸価が上昇する(3-ヒドロキシブタン酸塩でエステル化されたポリカルボン酸のジグリセロールエステルの開裂)。時間経過に伴う酸価の増加を含む、本発明による3-ヒドロキシブタン酸塩でエステル化されたポリカルボン酸のジグリセロールエステルのパンクレアチンによる水性開裂の変換/時間経過は、反応物混合物の遊離ポリカルボン酸及び遊離3-ヒドロキシブタン酸への所望の分解を証明するものである。これは、対応する分析によって確認される。この実験は、本発明による出発混合物が、対応するケト体療法のための3-ヒドロキシブタン酸またはそのエステル(3-ヒドロキシブタン酸塩)の適切な生理学的前駆体であることを証明する。
【0290】
V.3. 結論
上記の開裂実験は、3-ヒドロキシブタン酸でエステル化されたポリカルボン酸のジグリセロールエステルが、特にその意図する効果に関して、生理的に許容できる、または生理的に適合する形態で存在する遊離ヒドロキシブタン酸またはそのエステル(ここでは:エチルエステル)の効率良い前駆体または代謝産物であることを示している。同様に、自然の代謝(例えばクエン酸サイクル)で生じる代謝的に利用可能または変換可能なポリカルボン酸またはその誘導体、特に塩が形成される(例えば、クエン酸またはクエン酸塩、リンゴ酸またはリンゴ酸塩、酒石酸または酒石酸塩など)。ジグリセロールは、多数の有効成分分子(=3-ヒドロキシブタン酸でエステル化されたポリカルボン酸)の結合のための生理学的に適合した無毒のキャリア分子として機能し、それ自体は容易に排泄される;これは、一方で高い有効成分密度を生じ、他方で望ましい制御され、特に持続された放出を生じるものである。
【0291】
VI. さらなる試験(有機食品、毒性試験)
本発明による3-ヒドロキシブタン酸でエステル化されたポリカルボン酸のジグリセロールエステルの有機的性質および毒性に関して、さらなる実験および試験シリーズが実施される。これらは、本発明による3-ヒドロキシブタン酸でエステル化されたポリカルボン酸のジグリセロールエステルは、有機的に許容され、適合性があり、特に純粋な3-ヒドロキシブタン酸ならびにその塩およびエステルと比較して著しく改善された有機的性質を示し、さらに本願に反する毒性を示さないことを示す。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロール、特に4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルにおいて、
(i) ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチルを示す一般式(I)
CH
3-CH(OH)-CH
2-C(O)OR
1 (I)
の少なくとも1つのオキソブタノール、特に3-ヒドロキシブタン酸塩、好ましくは4-オキソ-2-ブタノール、より好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノール、
(ii)少なくとも1つのポリカルボン酸(II)、特に少なくともカルボキシ基を有する少なくともポリカルボン酸、ここで、前記ポリカルボン酸(II)が、遊離ポリカルボン酸の形態で、ポリカルボン酸の塩の形態で、ポリカルボン酸エステルの形態で又はポリカルボン酸無水物の形態で使用されること、及び、
(iii)少なくとも1つのポリグリセロール、
が反応すること及び/又はお互いに反応すること、
前記方法が、1段階において又は数段階において実施されること、及び、
前記方法が、溶媒の非存在下において及び/又は溶媒なしに実施されること、及び、
前記ポリカルボン酸(II)が遊離酸の形態において使用される場合に、反応の間に水が同時に形成されること、水が反応から連続的に回収されること;及び/又は、
ポリカルボン酸(II)が無水物の形態で使用される場合、対応する遊離ポリカルボン酸(II)及び水が形成されること、結果として生じる遊離ポリカルボン酸(II)がさらに反応すること又は反応が実施された後、除去され且つ任意に回収されること、及び、水が反応から連続して回収されること;及び/又は、
ポリカルボン酸(II)がエステルの形態で使用される場合、対応するエステルアルコール及び水が形成されること、結果として生じるエステルアルコール及び水が反応から連続して回収されること、
これによって、反応生成物(IV)として、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、得られることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記方法が、数段階において、特に2段階において実施されること、
(a) 第1の方法段階(a)において、ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチルを示す一般式(I)
CH
3-CH(OH)-CH
2-C(O)OR
1 (I)
の少なくとも1つのオキソブタノール、特に3-ヒドロキシブタン酸塩、好ましくは4-オキソ-2-ブタノール、より好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールが、
少なくとも1つのポリカルボン酸(II)と、特に少なくとも2つのカルボキシ基を有する少なくとも1つのポリカルボン酸と、特にエステル化反応において及び/又はエステル化条件下において、反応すること及び/又は反応させるようにしたこと、
特にこれによって、前記第1の方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、オキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸塩の1つ以上のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールの1つ以上のポルカルボン酸エステル、より好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステルが、得られること;及び
(b) それに続いて、第2の方法段階(b)において、第1の方法段階(a)において得られた反応中間生成物(IV’)が、少なくとも1つのポリグリセロールと、特にエステル化反応において及び/又はエステル化条件下において、反応すること及び/又は反応させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ポリカルボン酸(II)が、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸およびそれらの無水物ならびにそれらの組み合わせまたは混合物からなる群から選択され、特にコハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸およびそれらの無水物ならびにそれらの組み合わせまたは混合物からなる群から選択され、好ましくはコハク酸、アジピン酸およびそれらの無水物ならびにそれらの組み合わせまたは混合物からなる群から選択されること;及び/又は、
前記ポリカルボン酸(II)が、天然に存在するカルボン酸またはその無水物もしくは誘導体、特に反応生成物、特にヒトおよび/または動物の代謝で生じるカルボン酸またはその無水物もしくは誘導体、特に反応生成物であること;及び/又は、
前記ポリカルボン酸(II)は、食品法で認可された成分、特に添加物であることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記ポリグリセロールが、一般式(IIIa)
HO-CH
2-CH(OH)-CH
2-[O-CH
2-CH(OH)-CH
2]p-OH (IIIa)
に対応すること、
ここで、一般式(IIIa)において、変数pが、1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すこと;及び/又は、
ポリグリセロール(III)が、一般式(IIIb)
HO-CH
2-CH(OH)-CH
2-O-CH
2-CH(OH)-CH
2-OH (IIIb)
のジグリセロールであること;及び/又は、
ポリグリセロール(III)が、プロパン-1,2,3-トリオール(グリセロール)ではないことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記反応が実行された後、また反応生成物に存在するヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、官能化され、特にエステル化されること;及び/又は、
前記反応は、まだ存在するヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基の部分的、特に完全な官能化、特にエステル化が後に続くことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1つに記載の方法によって取得可能な、特に請求項1~5のいずれか1つに記載の方法の第1の方法段階(a)の反応中間生成物として取得可能な、オキソブタノールのポリカルボン酸エステル、特に3-ヒドロキシブタン酸塩のポリカルボン酸エステル、好ましくは4-オキソ-2-ブタノールのポリカルボン酸エステル、より好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールの又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールのポリカルボン酸エステルの形態の反応中間生成物。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1つに記載の方法によって取得可能な、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルの形態の反応生成物。
【請求項8】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVa)
R
4O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2]p-OR
4 (IVa)
に対応すること、
ここで、一般式(IVa)において、ラジカルR
4は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Xが飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH
2-CH(OH)-CH
3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R
1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・Xが、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH
2-CH(OH)-CH
3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R
1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルHOOC-X-C(O)-;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
4、特に少なくとも2つのラジカルR
4が、上記に定義されるようなラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すこと;及び
一般式(IVa)において、変数pが、1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すことを特徴とするオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項9】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVa)
R
4O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
4)-CH2]p-OR
4 (IVa)
に対応すること、
ここで、一般式(IVa)において、ラジカルR
4は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Xが飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH
2-CH(OH)-CH
3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R
1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-;
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
4、特に少なくとも2つのラジカルR
4が、上記に定義されるようなラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すこと;及び
一般式(IVa)において、変数pが、1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すことを特徴とする請求項7又は8記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項10】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVa)
R
4O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
4)-CH2]p-OR
4 (IVa)
に対応すること、
ここで、一般式(IVa)において、ラジカルR
4は、お互いに独立して、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、及び、Xは、飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はカルボキシルラジカルで置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-;
を示すこと;
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
4、特に少なくとも2つのラジカルR
4は、上述したようなラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すものであること;及び
一般式(IVa)において、変数pは、1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すことを特徴とする請求項7~9のいずれか1つに記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項11】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVb)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2]p-OR
5 (IVb)
に対応すること、
ここで、一般式(IVb)において、ラジカルR
5は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、ここで、Yが、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸およびマレイン酸ならびにそれらの組み合わせまたは混合物からなる群から選択され、特に、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸およびフマル酸、ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択され、好ましくは、コハク酸およびアジピン酸およびその無水物、ならびにそれらの組み合わせまたは混合物の群から選択されるポリカルボン酸に由来すること、特にクエン酸の場合、存在するさらなるカルボキシ基が、上記に定義されるR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1でエステル化されるラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカル-Y-OH;
を示すものであること;
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5、少なくとも2つのラジカルR
5が、上記に定義されるR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-を示すこと;及び
ここで、一般式(IVb)において、変数pは、1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すことを特徴とする請求項7~10のいずれか1つに記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項12】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上の一価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVb)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2]p-OR
5 (IVb)
に対応すること、
ここで、一般式(IVb)において、ラジカルR
5は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-、及び
Yが下記するラジカルの1つを示すこと:
【化1】
上記ラジカルにおいて、ラジカルR
3が、水素又は上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1を示すこと;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカルY-OH;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5、特に少なくとも2つのラジカルR
5が、それぞれ上記に定義されるようなR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-;及び
一般式(IVb)において、変数pが1~6の整数、特に1~4の整数、好ましくは1又は2の整数、より好ましくは1の整数を示すことを特徴とする請求項7~11のいずれか1つに記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項13】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVc)
R
4O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-OR
4 (IVc)
に対応すること、
ここで、一般式(IVc)において、ラジカルR
4が、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチルまたはヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Xが飽和または不飽和且つ任意で一置換または多置換され、特に1つ以上のヒドロキシルラジカル及び/又はラジカル-O-C(O)-CH
2-CH(OH)-CH
3及び/又はカルボキシルラジカル及び/又は上記R
1を有するラジカル-C(O)-O-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1で置換された、1~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する有機ラジカルを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
4、特に少なくとも2つのラジカルR
4が、上記に定義されるようなラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すことを特徴とする請求項7~12のいずれか1つに記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項14】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステルが、一般式(IVd)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-OR
5 (IVd)
に対応すること、
ここで、一般式(IVd)において、ラジカルR
5は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと、且つ、Yが、ラジカルR
3が水素又は上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1を示す下記するラジカル
【化2】
の1つを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカルY-OH;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5、特に少なくとも2つのラジカルR
5が、上記に定義されるようなR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-を示すことを特徴とする請求項7~13のいずれか1つに記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項15】
上記に定義するような、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の少なくとも2つの異なるポリグリセロールエステルの、特に43-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステルの、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の一価又は多価のポリグリセロールエステルを有することを特徴とする混合物。
【請求項16】
反応生成物、又は、請求項7~14のいずれか1つに記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1価又は多価のポリグリセロールエステル及び/又は請求項15に記載の混合物を有する医薬組成物、特に薬物又は医薬品。
【請求項17】
人体または動物体の疾患、特に、エネルギー代謝の異常を伴う疾患、特にケト体代謝、特に頭蓋脳外傷、脳卒中、低酸素症、心筋梗塞などの循環器疾患、再食症、食欲不振、てんかん、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、グルコーストランスポーター欠損(GLUT1欠損)、VL-FAODなどの脂肪代謝性疾患、や、ミトコンドリアチオラーゼ欠損症、ハンチントン病などのミトコンドリア病、T細胞リンパ腫、星細胞腫、グリオブラストーマなどの癌、HIV、関節リウマチ、関節炎などのリウマチ性疾患、慢性炎症性腸疾患などの消化器系疾患、特に潰瘍性大腸炎やクローン病、スフィンゴ糖脂質症などのリゾーム貯蔵病、特にニーマン・ピック病、糖尿病、化学療法の影響または副作用の予防および/または治療処置のための、予防および/または治療処置に使用するための請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
人体または動物体の疾患、特に、エネルギー代謝の異常を伴う疾患、特にケト体代謝、特に頭蓋脳外傷、脳卒中、低酸素症、心筋梗塞などの循環器疾患、再食症、食欲不振、てんかん、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、グルコーストランスポーター欠損(GLUT1欠損)、VL-FAODなどの脂肪代謝性疾患、や、ミトコンドリアチオラーゼ欠損症、ハンチントン病などのミトコンドリア病、T細胞リンパ腫、星細胞腫、グリオブラストーマなどの癌、HIV、関節リウマチ、関節炎などのリウマチ性疾患、慢性炎症性腸疾患などの消化器系疾患、特に潰瘍性大腸炎やクローン病、スフィンゴ糖脂質症などのリゾーム貯蔵病、特にニーマン・ピック病、糖尿病、化学療法の影響または副作用の予防および/または治療処置のための、予防および/または治療処置に使用するための請求項7~14のいずれか1つに記載の、反応生成物又はオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル及び/又は請求項15記載の混合物。
【請求項19】
請求項7~14のいずれか1つに記載の、反応生成物又はオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、特に4-オキソ-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル、好ましくは4-オキソ-4-(C
1-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールで又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C
3-C
5-アルコキシ)-2-ブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル及び/又は請求項15記載の混合物を有する食品及び/又は食品生成物。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステルを製造する方法において、
下記する反応物(i)、(ii)及び(iii)がお互いに反応すること:
(i) ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキル及びヒドロキシ-C
3-C
5-アルキルから選択される一般式(I)
CH
3-CH(OH)-CH
2-C(O)OR
1 (I)
の少なくとも1つのオキソブタノール、
(ii) 遊離の形態及びその塩、エステル及び無水物の形態のポリカルボン酸(II)から選択される少なくとも1つのポリカルボン酸(II)、
(iii)少なくとも1つのポリグリセロール(II);
ここで、前記方法が、1段階方法及び数段階を有する方法の1つとして実施されること、及び
前記方法が、溶媒なしに実施されること;
前記ポリカルボン酸(II)が遊離酸の形態において使用される場合、水が反応の間に同時に形成されること、前記水が、反応から連続的に回収されること;
前記ポリカルボン酸(II)が無水物の形態において使用される場合、対応する遊離カルボン酸(II)及び水が形成されること、結果として生じる遊離カルボン酸(II)がさらに反応し、反応が行われた後、除去されてリサイクルされること、水は反応から連続的に回収されること;
ポリカルボン酸(II)が、エステルの形態で使用される場合、対応するエステルアルコールと水が生成され、結果として得られたエステルアルコールと水は、反応後、連続的に回収されること;
これによって、反応生成物(IV)として、オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステルが得られることを特徴とする方法。
【請求項2】
方法が、少なくとも2段階において実施されること;
(a) 第1の方法段階(a)において、前記一般式(I)の少なくとも1つのオキソブタノールエステルが、少なくとも1つのポリカルボン酸と、エステル化反応において反応すること、
これによって、第1の方法段階(a)の反応中間生成物(IV’)として、オキソブタノールの1つ以上のポリカルボン酸エステルが得られること、
(b) それに続いて、第2の方法段階(b)において、第1の方法段階(a)において得られた反応中間生成物(IV’)が、少なくとも1つのポリグリセロールと、エステル化反応において反応することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ポリカルボン酸(II)が、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸およびマレイン酸からなる群から選択されること;及び、
前記ポリグリセロールが、一般式(IIIa)
HO-CH
2-CH(OH)-CH
2-[O-CH
2-CH(OH)-CH
2]
p-OH (IIIa)
に対応すること、
ここで、一般式(IIIa)において、変数pが、1~6の整数を示すことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
反応が実施された後に、反応生成物においてまだ存在するヒドロキシ基及びカルボキシ基が、少なくとも部分的に官能化されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールが、一般式(IVa)
R
4O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2]
p-OH (IVa)
に対応すること、
ここで、一般式(IVa)において、ラジカルR
4は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1がC
1-C
5-アルキル及びヒドロキシ-C
3-C
5-アルキルから選択されること、且つ、Xが、1~10個の炭素原子を有し、ヒドロキシル、カルボキシル、-O-C(O)-CH
2-CH(OH)-CH
3及び上記に定義されるようなR
1を有する-C(O)-O-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1の1つ以上のラジカルで一置換又は多置換された飽和又は不飽和有機ラジカルを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義されるようなXを有するHOOC-X-C(O)-;
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
4が、上記に定義されるようなラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すこと;及び
一般式(IVa)において、変数pが1~6の整数を示すことを特徴とするオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステル。
【請求項6】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステルが、一般式(IVb)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2]p-OR
5 (IVb)
に対応すること、
ここで、一般式(IVb)において、ラジカルR
5は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキルを示すこと、且つ、Yが、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸およびマレイン酸ならびにそれらの組み合わせまたは混合物からなる群から選択されるポリカルボン酸に由来すること、特にクエン酸の場合、存在するさらなるカルボキシ基が、上記に定義されるR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1でエステル化されるラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカル-Y-OH;
を示すものであること;
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5が、上記に定義されるR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-を示すこと;及び
ここで、一般式(IVb)において、変数pは、1~6の整数を示すことを特徴とする請求項5記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項7】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の1つ以上のポリグリセロールエステルが、一般式(IVb)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-[O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2]p-OR
5 (IVb)
に対応すること、
ここで、一般式(IVb)において、ラジカルR
5は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキルを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-、及び
Yが下記するラジカルの1つを示すこと:
【化1】
上記ラジカルにおいて、ラジカルR
3が、水素又は上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1を示すこと;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカルY-OH;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5、特に少なくとも2つのラジカルR
5が、それぞれ上記に定義されるようなR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-;及び
一般式(IVb)において、変数pが1~6の整数を示すことを特徴とする請求項5記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項8】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステルが、一般式(IVc)
R
4O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-O-CH
2-CH(OR
4)-CH
2-OR
4 (IVc)
に対応すること、
ここで、一般式(IVc)において、ラジカルR
4が、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキルまたはヒドロキシ-C
3-C
5-アルキルから選択されること、且つ、Xが、1~10個の炭素原子を有し、ヒドロキシ、カルボキシ、-O-C(O)-CH
2-CH(OH)-CH
3及び上記に定義するようなR
1を有する-C(O)-O-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1の1つ以上のラジカルで一置換又は多置換された飽和又は不飽和有機ラジカルを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義するようなXを有するラジカルHOOC-X-C(O)-;
を示すものであること、
ただし、条件として、少なくともラジカルR
4が、上記に定義するようなラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-(O)C-X-C(O)-を示すことを特徴とする請求項5記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項9】
オキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステルが、一般式(IVd)
R
5O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-O-CH
2-CH(OR
5)-CH
2-OR
5 (IVd)
に対応すること、
ここで、一般式(IVd)において、ラジカルR
5は、お互いに独立した、
・水素;
・ラジカルR
1が、C
1-C
5-アルキル又はヒドロキシ-C
3-C
5-アルキルから選択されること、且つ、Yが、ラジカルR
3が水素又は上記に定義されるようなR
1を有するラジカル-CH(CH
3)-CH
2-C(O)OR
1を示す下記するラジカル
【化2】
の1つを示すラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-;
・ラジカルH
3C-CH(OH)-CH
2-C(O)-;
・上記に定義されるようなYを有するラジカルY-OH;
を示すこと、
ただし、条件として、少なくとも1つのラジカルR
5が、上記に定義されるようなR
1及びYを有するラジカルR
1-O-C(O)-CH
2-CH(CH
3)-O-Y-を示すことを特徴とする請求項5記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸のポリグリセロールエステル。
【請求項10】
請求項5~9のいずれか1つに記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の少なくとも2つの異なるポリグリセロールエステルを有する混合物。
【請求項11】
請求項5~9のいずれか1つに記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の少なくとも2つの異なるポリグリセロールエステルを有する医薬組成物。
【請求項12】
前記医薬組成物が、薬物及び医薬品の1つであることを特徴とする請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
ヒトまたは動物の身体の疾患であって、該疾患が、ヒトまたは動物のエネルギー代謝の障害に関連する疾患の中から選択されることを特徴とする請求項11記載の医薬組成物。
【請求項14】
人又は動物の身体の疾患であって、頭蓋脳外傷、脳卒中、低酸素症、心血管疾患、心筋梗塞、再食症候群、食欲不振、てんかん、神経変性疾患、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、脂肪代謝疾患、グルコース輸送体欠陥、GLUT1欠損、超長鎖アシル-CoAデヒドロゲナーゼ欠損症、ミトコンドリア病、ミトコンドリアチオラーゼ欠損症、ハンチントン病、癌、T細胞リンパ腫、星細胞腫、グリオブラストーマ、HIV、リウマチ性疾患、リウマチ様関節炎、尿道炎。消化管疾患、慢性炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、リゾーム貯蔵病、スフィンゴ糖脂質症、ニーマン・ピック病、糖尿病、化学療法による副作用から選択される疾患を治療するための請求項11記載の医薬組成物。
【請求項15】
請求項5~9のいずれか1つに記載のオキソブタノールでエステル化されたポリカルボン酸の少なくとも1つのポリグリセロールエステルを有する食品生成物。
【請求項16】
前記食品生成物が、食品、栄養補助食品、機能性食品、新規食品、食品添加物、食品サプリメント、ダイエット食品、パワースナック、食欲抑制剤および筋力スポーツ補助食品および持久力スポーツ補助食品からなる群より選択されることを特徴とする請求項15記載の食品生成物。
【国際調査報告】