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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】シャトルの永久磁石装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 41/03 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
H02K41/03 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023509775
(86)(22)【出願日】2021-01-28
(85)【翻訳文提出日】2023-02-10
(86)【国際出願番号】 EP2021051940
(87)【国際公開番号】W WO2022037806
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】A50700/2020
(32)【優先日】2020-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518184708
【氏名又は名称】ベーウントエル・インダストリアル・オートメイション・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ラインターラー・ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
5H641
【Fターム(参考)】
5H641BB06
5H641GG02
5H641GG04
5H641GG06
5H641HH03
5H641HH05
(57)【要約】
リニアモーター及び/又は平面モーター用のシャトル2の永久磁石装置1である。この永久磁石装置1は、少なくとも一つの磁石面に配置された多数の永久磁石3,3’を有する。これらの永久磁石3,3’は、この磁石面の中央領域に異なる極性の磁石ストリップの交番する配列を構成する。この磁石面の周縁7,7’には、中央領域と周縁7,7’の間に設けられた周縁面に、少なくとも一つの終端磁石物体13,13’が配置されており、この少なくとも一つの終端磁石物体13,13’が、永久磁石3,3’によって中央領域に形成される磁界の推移を周縁7,7’の長さに渡って変化する形で周縁7,7’に沿って変化させるか、或いは永久磁石3,3’によって中央領域に形成される磁界を周縁7,7’に沿って誘導する磁気短絡部材として実現されており、この変化する磁界によって、平行な周縁7,7”を有する、並んで配置された二つの同形式の永久磁石装置1の間の相互の引き合う力が低減される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニアモーター及び/又は平面モーター用のシャトル(2)の永久磁石装置(1)であって、
この永久磁石装置(1)が、少なくとも一つの磁石面(4)に配置された多数の永久磁石(3)を有し、
これらの永久磁石(3)が、この磁石面(4)の中央領域(10)に異なる極性の磁石ストリップ(5)の交番する配列を構成する永久磁石装置において、
この磁石面(4)の周縁(7)には、中央領域(10)と周縁(7)の間に設けられた周縁面(9)に、少なくとも一つの終端磁石物体(13)が配置されていることと、
この少なくとも一つの終端磁石物体(13)が、永久磁石(3)によって中央領域(10)に形成される磁界の推移を周縁(7)の長さに渡って変化する形で周縁(7)に沿って変化させるか、或いはこの少なくとも一つの終端磁石物体(13)が、永久磁石(3)によって中央領域(10)に形成される磁界を周縁(7)に沿って誘導する磁気短絡部材として実現されており、この変化する磁界又は磁気短絡部材によって、有利には、平行な周縁(7,7”)を有する、並んで配置された二つの永久磁石装置(1,1’)の間の相互の引き合う力又は反発し合う力が低減されることとを特徴とする永久磁石装置。
【請求項2】
請求項1に記載の永久磁石装置(1)において、
前記の相互の引き合う力が、前記の変化する磁界によって、50%以上、有利には70%以上、特に90%以上低減されることを特徴とする永久磁石装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の永久磁石装置(1)において、
前記の少なくとも一つの周縁(7)が、異なる極性の少なくとも二つの極性領域(8,8’)を有することを特徴とする永久磁石装置。
【請求項4】
請求項3に記載の永久磁石装置(1)において、
永久磁石装置(1)の前記の少なくとも一つの周縁(7)及び同形式の永久磁石装置(1’)のその周縁に対して平行に配置された別の周縁(7’)に沿って、引き合う磁石作用の極性領域と反発し合う磁石作用の極性領域が交番することを特徴とする永久磁石装置。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一つに記載の永久磁石装置(1)において、
前記の並んで配置された同形式の二つの永久磁石装置(1,1’)の間の磁力がほぼ相殺されることを特徴とする永久磁石装置。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一つに記載の永久磁石装置(1)において、
前記の磁石面(4)が、前記の磁石ストリップ(5)を横切る、シャトル(2)の優先方向又は移動方向を定義する主軸(6)を有し、前記の周縁(7)が、この主軸(6)を横切ることを特徴とする永久磁石装置。
【請求項7】
請求項6に記載の永久磁石装置(1)において、
前記の周縁面(9)に配置された終端磁石物体(13)の表面が、前記の主軸(6)に関して非対称に形成されており、有利には、ほぼ傾斜路状の形状を有することを特徴とする永久磁石装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の永久磁石装置(1)において、
前記の磁石ストリップ(5)が、それぞれ前記の磁石面(4)の主軸(6)を45°~90°の角度で横切る長手軸を有することを特徴とする永久磁石装置。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一つに記載の永久磁石装置(1)において、
少なくとも一つの終端磁石物体(13)が永久磁石材料を有することを特徴とする永久磁石装置。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか一つに記載の永久磁石装置(1)において、
少なくとも一つの終端磁石物体(13)が、例えば、フェライト又はネオジム鉄ボロンなどの磁化された、或いは磁化されていない磁化可能な材料から選定された材料を有することを特徴とする永久磁石装置。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか一つに記載の少なくとも一つの永久磁石装置(1)を備えた、リニアモーター及び/又は平面モーター用のシャトル(2)。
【請求項12】
少なくとも一つの固定子(14)と、そこに配置された請求項11に記載の少なくとも一つのシャトル(2)とを備えたリニアモーター(11)。
【請求項13】
少なくとも一つの固定子(14)と、そこに配置された請求項11に記載の少なくとも一つのシャトル(2)とを備えた平面モーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リニアモーター及び/又は平面モーター用のシャトルの永久磁石装置、シャトル、平面モーター及びリニアモーターに関する。
【背景技術】
【0002】
平面モーター及びリニアモーターのシャトルは、固定子に発生させた磁界によって、固定子面上で位置を保持されるとともに、磁界の制御された変化によって、その固定子面上を動かされる。それらの固定子は、多数のコイルを有し、シャトルは、磁石面に配置された複数の永久磁石を有する。それらの永久磁石は、異なる極性の磁気ストライプのパターンを有する。ここでは、シャトルの永久磁石の配置構成と極性パターンを永久磁石装置と称する。
【0003】
本開示との関連において、少なくとも一つの固定子と少なくとも一つのシャトルを有し、シャトルが、固定子を用いて、定義された直線に沿って移動可能である装置を「リニアモーター」と称する。一般的に、リニアモーターは、例えば、車輪又はスライド部材を備えたシャトルが嵌め込まれた、シャトルを予め規定された軌道に保持するガイド構造を有する。
【0004】
本開示との関連において、少なくとも一つの固定子と少なくとも一つのシャトルを有し、シャトルが、その固定子によって定義される少なくとも一つの平面内を固定子を用いて移動可能である装置を「平面モーター」と称する。一般的に、リニアモーターは、制御された磁界を用いて、固定子面の上方にシャトルを「浮上させて」保持することができ、平面に沿った動き以外に、それ以外の自由度における動きも実現可能であるとすることができる。
【0005】
二つのシャトルが互いに近くに配置された場合、シャトルの望ましくない相互の影響が生じる可能性がある。例えば、固定子コイルに電流が流れていない場合、異なるシャトルの永久磁石の引き合う作用又は反発し合う作用によって、走行路での制御されない動きが発生する可能性がある。その場合、例えば、シャトルが、制御されない形で互いに離れるように動くか、或いは互いに引き付け合う可能性がある。位置検出用の位置位置決めトラックとして永久磁石装置を使用する場合、永久磁石の引き合う作用又は反発し合う作用以外に、隣り合うシャトルの永久磁石装置の磁界が相互に影響し合う可能性があり、そのことは、位置の検出を困難にするか、或いは悪化させる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許登録第6,791,214号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の課題は、前記の効果の発生を少なくとも低減することができる装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一の観点において、この課題及び別の課題は、リニアモーター及び/又は平面モーター用のシャトルの永久磁石装置であって、この永久磁石装置が、少なくとも一つの磁石面に配置された多数の永久磁石を有し、これらの永久磁石が、この磁石面の中央領域に異なる極性の磁石ストリップの交番する配列を構成し、この磁石面の周縁における中央領域と周縁の間に設けられた周縁面には、少なくとも一つの終端磁石物体が配置され、この少なくとも一つの終端磁石物体が、永久磁石によって中央領域に形成される磁界の推移を周縁の長さに渡って変化する形で周縁に沿って変化させるか、或いはこの少なくとも一つの終端磁石物体が、永久磁石によって中央領域に形成される磁界を終端に沿って誘導する磁気短絡部材として実現され、この変化する磁界によって、有利には、平行な周縁を有する、並んで配置された二つの永久磁石装置の間の相互の引き合う力又は反発し合う力が低減される永久磁石装置によって達成される。特に、磁気短絡部材を使用した場合、隣り合うシャトルの永久磁石装置の磁界が、不利な影響を受けることもないことを同時に達成することができ、このことは、特に、位置検出のために永久磁石装置を使用する場合に有利である。それによって、動作時にそれぞれ一つの対応する永久磁石装置を備えた二つのシャトルの間に許容される最小間隔を低減することが可能である。この永久磁石装置は、二つの同形式の永久磁石装置が互いに並んで配置された場合に有効であるだけでなく、むしろこの特別な実現形態は、一般的に、本発明による永久磁石装置と従来又は別形式の永久磁石装置の間の引き合う力又は反発し合う力の低減をも引き起こす。二つの永久磁石装置がその他の点に関して同一に構成されているのか否かに関係なく、周縁が同様に構成されている第二の永久磁石装置を第一の永久磁石装置に対して「同形式である」と呼ぶことができる。
【0009】
有利には、この変化する磁界によって、相互に引き合う力を50%以上、有利には、70%以上、特に、90%以上低減することができる。それによって、永久磁石装置をそれぞれ所要の条件に適合させることができる。
【0010】
別の有利な実施構成では、この少なくとも一つの周縁が、異なる極性の少なくとも二つの極性領域を有することができる。それによって、相互に引き合う力の低減を最大化することができる。
【0011】
有利には、この永久磁石装置の少なくとも一つの周縁と同形式の永久磁石装置のその周縁に対して平行に配置された別の周縁に沿って、引き合う磁石作用の極性領域と反発し合う磁石作用の極性領域を交番させることができる。このことは、シャトルの間の磁気的に引き合う力をほぼゼロに低減することを可能にする。その上、これらの極性領域の適合した配置構成によって、二つの対向する周縁が互いに僅かにずれて配置されている場合にも、磁力の最小化を達成することができる。
【0012】
別の有利な実施構成では、隣り合って配置された同形式の二つの永久磁石装置の間の磁力をほぼ相殺することができる。境界を接する二つの永久磁石装置の間の望ましくない相互作用をそのように防止することができる。この場合、「ほぼ相殺する」との用語は、この磁力が固定子に対するシャトルの最大推進力に関して実質的に無視できる値を有するものと理解される。これは、特に、この磁力が最大限に達成可能な推進力の10%以内、特に、5%以内である値を有する場合である。
【0013】
有利には、この磁石面は、磁石ストリップを横切る、シャトルの優先方向又は移動方向を定義する主軸を有することができ、周縁が、この主軸を横切る。このことは、特に、リニアモーターの場合に、永久磁石装置における永久磁石の有利な配置構成を可能にし、この主軸は、移動方向に対して平行に配置される。平面モーターの場合、この主軸は、優先方向を定義することができる。
【0014】
別の有利な実施構成では、周縁面に配置された終端磁石物体の表面は、主軸に関して非対称に構成して、有利には、ほぼ傾斜路状の形状を有することができる。このことは、磁石面において利用可能な面を有効活用することを可能にする。有利には、この終端磁石物体の形状(及び/又は磁石面への終端磁石物体の投影)が、主軸から間隔を開けた所に重心を有する。
【0015】
有利には、これらの磁石ストリップが、それぞれ磁石面の主軸を45°~90°の角度で横切る長手軸を有することができる。それによって、極感度(コギング)を最小化することができる。
【0016】
有利には、少なくとも一つの終端磁石物体が永久磁石材料を有することができる。場合によっては、少なくとも一つの終端磁石物体が、例えば、フェライト又はネオジム鉄ボロンなどの磁化された、或いは磁化されていない磁化可能な材料から選定された材料を有することができる。この場合、この材料が、永久磁石が発生する磁界を所望の形態で変化させるのに適していることが重要である。
【0017】
別の観点では、本開示は、ここで開示した実施構成に基づく少なくとも一つの永久磁石装置を備えたリニアモーター及び/又は平面モーター用のシャトルに関する。
【0018】
別の観点では、本開示は、少なくとも一つの固定子と、そこに配置されたここで開示した実施構成に基づく少なくとも一つのシャトルとを備えたリニアモーターに関する。
【0019】
更に別の観点では、本開示は、少なくとも一つの固定子と、そこに配置されたここで開示した実施構成に基づく少なくとも一つのシャトルとを備えた平面モーターに関する。
【0020】
以下において、本発明の有利な実施形態の例を模式的に図示した、本発明を限定するものではない図1~9を参照して、本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】従来技術によるシャトルを備えたリニアモーターの模式的な見取図
図2】永久磁石装置を備えたシャトルの平面図
図3図2のIII-III線に沿ったシャトルの断面図
図4】本開示によるシャトルを備えたリニアモーターの模式的な見取図
図5】永久磁石装置の互いに対向して配置された二つの周縁の模式図
図6】四角形の終端磁石物体を備えた永久磁石装置の代替実施形態の模式図
図7】極性領域の数を増やした、四角形の終端磁石物体を備えた永久磁石装置の代替実施形態の別の模式図
図8】極性領域の数を増やした、複数の三角形の終端磁石物体を備えた永久磁石装置の代替実施形態の別の模式図
図9】永久磁石装置に磁気短絡部材の形の終端磁石物体を使用した形態の図
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、従来技術による複数のコイル15が配備された固定子14を備えたリニアモーター11の模式図を図示している。この固定子14のコイル15は、それぞれz軸(図1に図示された向き)に対して平行に縦長に構成されており、コイル15の長手軸は、それぞれ互いに平行に配置されている。電流が流れる方向に応じて、各コイル15により、所望の極性の電磁界を発生させることができる。コイル15への電流の流れは、強度及び/又は極性が変化する磁界を(図示されたケースでは、yz面に対して平行に延びる)固定子表面12に発生させることができるように制御される。
【0023】
固定子表面12の上方には、それぞれ固定子14の磁界との相互作用を奏する永久磁石装置1を備えた二つのシャトル2,2’が配置されている。この永久磁石装置1は、前方と後方の磁石面4を形成する一定数の平行な永久磁石3を有する。このシャトル2の永久磁石装置1の磁石面4は、固定子表面12に対してほぼ平行に配置されており、固定子表面12と固定子の方を向いた磁石面4の間には、通常シャトル2と固定子14の間の摩擦を防止するために、空隙が設けられている。この磁石面4を両側に配置することによって、シャトル2の片側にのみ、或いは両側に固定子14を配置することができる。それによって、例えば、最大加速度を向上させた転轍機又は区画を実現することができる。別のシステムは、固定子に対して永久磁石装置を片側にのみ配置できる磁石面4を形成するシャトルを有する。リニアモーター及び平面モーターにおけるそのようなシャトルと固定子の実施構成の例は、当業者に周知であり、従って、ここでは、詳しく説明する必要はない。
【0024】
互いに平行に置かれた永久磁石3は、それぞれ交番する極性を有し、その結果、磁石面4には、極性が交番する(N,S,N,S,...)磁石ストリップ5のパターンが得られる。コイル15の切換制御によって、シャトル2を移動方向(即ち、y軸に平行)に動かすことができる。リニアモーター11の場合、シャトル2は、通常前進方向を定義する、シャトル2と固定子の間の空隙を保証する(図示されていない)ガイド構造を誘導される。
【0025】
永久磁石装置1の上述した実施形態では、二つのシャトル2,2’が近付いた場合に望ましくない効果が生じる。二つの平行な周縁7,7’が接近すると、二つのシャトル2,2’の互いに境界を接する永久磁石3,3’によって、(図1に図示されている通り、異なる極性を有する場合)互いに引き合う力が発生するか、或いは(同じ極性の場合)反発し合う。従って、これらのシャトルが互いに十分な間隔を開けることを常に保証しなければならず、このことは、例えば、構造的に、例えば、周縁7,7’が本来の磁石面4から僅かに突き出て、それによって、二つの周縁7,7’が互いに接近した時に二つの永久磁石装置1の間の「安全間隔」を強制することによって解決できる。しかし、これは、磁石面4の考え得る大きさを制限し、その場合、磁石面がそのために周縁にまで延びることができない。
【0026】
従って、本開示では、周縁7,7’が互いに境界を接する二つのシャトルの間の引き合う力を低減して、間隔が小さくなった場合でも相互の引き合い又は反発し合いが最早問題とならないように、永久磁石装置1が周縁7に沿って発生させる磁界の推移を目的通りに変化させることを提案する。この磁界の推移を変化させるために、磁石面4の周縁7の近くに配置された終端磁石物体13が使用される。この終端磁石物体13の有利な配置構成に関して、多くの手法が在り、以下において、その中の幾つかを複数の例に基づき説明する。
【0027】
図2は、永久磁石装置1の例を平面図で図示している。図3は、ここでは、永久磁石装置1の主軸6とも呼ばれる、図2に表示されたIII-III線に沿った、この永久磁石装置1の断面図を図示している。この主軸6に対して平行に延びる、例えば、周縁とエッジの方向の意味するものは、本開示との関連において限定するものではなく、「縦に」と呼ばれる。主軸6に対して交差する方向の意味するものは「横に」と呼ばれる。
【0028】
この永久磁石装置1の磁石面4の菱形形状の中央領域10には、多数の永久磁石3が極性を交番させて互いに平行に配置されており、これらの永久磁石3によって形成される磁石ストリップ5は、中央領域10の面を出来る限り活用するために、同じく菱形の形状である。
【0029】
本開示との関連において、磁石面4への永久磁石3の投影を磁石ストリップ5と称する。この場合、隣り合って配置された同じ極性の二つの永久磁石の磁石ストリップは、場合によっては、単一の磁石ストリップと見做すことができる。
【0030】
永久磁石1の長手軸の向きは、例えば、約10°~20°だけ、主軸6に対する垂線と異なる。この傾斜姿勢が、固定子14に対する極感度(コギング)を改善する。この場合、最適な傾斜姿勢角度は、磁石ストリップ5の幅と長さ、永久磁石3の数及び固定子14の構成に依存する。そのような永久磁石3の傾斜姿勢は、従来技術において、例えば、特許文献1により周知である。
【0031】
この永久磁石装置1の主軸6に対して交差して延びる周縁7,7’は、主軸6に対して直角を成し、その結果、中央領域10の最も外側の磁石ストリップ5の長手方向の周縁とこれらの周縁7,7’の間に、それぞれ周縁面9,9’が形成され、この面は、図2に図示されたケースでは、ほぼ三角形であり、長手側に向かって尖って延びる形状を有する。各周縁面9,9’には、同じくほぼ三角形又は傾斜路状の形状を有する終端磁石物体13が配備されている。この場合、終端磁石物体13は、周縁7の一部に沿ってのみ延びており、そのため、また尖って延びる形状のために、中央領域10の永久磁石3が発生する磁界を周縁7の推移に沿って変わるように変化させる作用を奏する。
【0032】
本開示との関連において、周縁7の異なる位置において異なる形態で変わるように磁界を変化させることを「磁界を周縁7の推移に沿って変わるように変化させる」と称する。
【0033】
この関連において、これらの永久磁石3も、これらの終端磁石物体13も本来の意味の永久磁石であるとすることができることを指摘しておきたい。この場合、永久磁石と終端磁石物体に関して使用される材料は、同じであるとすることができ、有利には、これらの二種類の磁石は、それらの位置及び/又は形状に関してのみ異なるとすることができる。これらの永久磁石は、固定子との所要の相互作用のために、自ずから磁性であるとしなければならない一方、しかし、終端磁石物体に関しては、それ自体磁性ではないが、本発明による効果を達成するために、永久磁石が発生する磁界の特性に十分に大きな影響を及ぼす材料から構成されれば、それで十分であるとすることができる。例えば、終端磁石物体が、例えば、フェライト又はネオジム鉄ボロンなどの強磁性材料を有することができる。当業者は、ここに開示された教示を知れば、自ずから磁界に十分に大きな影響を与えることができる、終端磁石物体に適した材料を選定することが可能である。
【0034】
図4は、図の左側に配置された第一のシャトル2の右側の周縁7と右側のシャトル2’の左側の周縁7’が狭い間隔で互いに平行に配置された二つのシャトル2,2’を図示している。これらの二つの周縁7,7’に沿った磁力の推移は、複数の極性領域8,8’,8”に分けることができ、これらの領域では、永久磁石3又は終端磁石物体13の周縁がそれぞれ異なる極性の組合せで互いに対向している。(図4の図面に関して)上から下に向かって見て、先ずは第一の極性領域8が延びており、この領域では、それぞれ同じ極性(S-S)を有する永久磁石3’と終端磁石物体13が境界を接している。このことは、この極性領域8において、二つのシャトル2,2’の間に反発し合う作用を発生させる。それに続く(中間の)極性領域8’では、異なる極性(S-N)の二つの終端磁石物体13,13’が互いに境界を接している。この極性領域8’では、磁界が二つのシャトル2,2’の間の引き合いを引き起こす。その下には、反発し合う磁力を引き起こす、永久磁石3と終端磁石物体13’の間の又もや同じ極性(N-N)の第三の極性領域8”が続いている。
【0035】
纏めると、異なる極性領域8,8’,8”によって、二つのシャトル2,2’の間の間隔が最小になる場合でも、二つのシャトル2,2’の間に作用する磁力がほぼ相殺される。
【0036】
図4に図示されたシャトル2,2’の永久磁石装置1が発生する三次元の磁界の形状は、実際には非常に複雑であるので、上述した交番する極性領域の効果も、実際にはここで示した効果よりも複雑である。特に、密に隣接し合う周縁7,7’は、二つのシャトル2,2’の間に、z軸とx軸に沿って作用する可能性がある力も発生させて、全ての軸の周りのモーメントも発生する可能性がある。しかし、本発明者は、これらの別の力とモーメントが一方においてy軸に沿った(即ち、主軸6に沿った)引き合う力と反発し合う力よりも邪魔にならず、他方においてここに開示した教示に基づく装置を用いて、全ての軸における互いに同調され、最小化された力とモーメントの状況を見い出して設定できることを発見した。
【0037】
図4では、隣り合って配置された二つのシャトル2,2’が、それらの境界を接する周縁7,7’にそれぞれ異なる極性の終端磁石物体13,13’を有する。しかし、このことは、対向する終端磁石物体13,13’が同じ極性を有する場合にも、異なる極性領域の有利な配列が得られるので、必要な前提条件ではない。図5は、そのような実施構成の例を図示している。
【0038】
図5は、並んで配置された二つのシャトル2,2’の模式的な平面図を図示しており、これらのシャトル2,2’の二つの対向する周縁7,7’は、互いに平行に配置されている。第一のシャトルの右側の終端磁石物体13は、第二のシャトル2’の左側の終端磁石物体13’と同じ極性(N)を有し、これらの二つの終端磁石物体13,13’は、中間の極性領域8’でのみ境界を接し、そこでは、反発し合う磁力を発生させる。(図5で上方に図示された)第一の極性領域8では、左側のシャトル2の中央領域10における永久磁石3の最も右側の領域(極性S)が、右側のシャトル2’の左側の終端磁石物体13’の上方の領域(極性N)と境界を接して、引き合う磁力を発生させている。下方の第三の極性領域8”では、左側のシャトル2の右側の終端磁石物体13が、右側のシャトル2’の中央領域10における最も左側に配置された永久磁石3と境界を接して、同じく引き合う磁力を発生させている。そのため、主軸6に対して平行な磁力が、ここでもほぼ相殺される。
【0039】
図2~5を参照して上述したケースにおける本発明による作用は、異なる「終端極性」の際に機能するので、異なる長さの永久磁石装置1と偶数個又は奇数個の磁石ストリップ5を備えたシャトルを同じリニアモーターに並んで配置することができ、境界を接する周縁7の任意の配置構成において、本発明による効果が得られる。
【0040】
図6は、四角形の配置構成の中央領域10を有する永久磁石装置1の別の変化形態を模式的に図示しており、この中央領域には、永久磁石3が、周縁7に対して平行に、或いは主軸6に対して直角に配置されている。中央領域10内の永久磁石3は、図1に図示されている通り、ほぼ従来技術による配備構成と一致する。しかし、中央領域の両側には、各周縁7と中央領域10の最後の永久磁石3の間に、それぞれ終端磁石物体13が配置されており、この物体は、又もや四角形の形状を有する。しかし、この終端磁石物体13は、永久磁石装置1の周縁7によって定義される幅全体に渡って延びるのではなく、片側から周縁の半分より幾らか長い部分に渡って、例えば、周縁の3分の2に渡ってしか延びていない。この終端磁石物体13の最適な長さは、例えば、永久磁石3の幅及び実施形態と永久磁石3と異なるようにすることができる終端磁石物体13の幅及び実施形態などの別のパラメータにも依存する。この実施構成は、異なる、或いは同じ極性の終端磁石物体でも機能し、この永久磁石装置1は、「逆転させる」こともでき、その結果、両側で使用することができる。
【0041】
図7は、代替実施構成を図示しており、各周縁面9に、複数の終端磁石物体13が配置されている。この周縁面9は、周縁7に関して、その周縁7に渡って規則的に、或いは不規則に分布する複数の区画に(図7では、同じ幅の二つの区画に)分割されており、その区画には、それぞれ一つの終端磁石物体13が配置されており、その周縁は、当該区画の一部に渡って延びているが、別の部分は開放されている。これは、凡そ図6に図示された実施構成と同じであるが、極性領域8がより小さく分割されている。これは、例えば、二つの境界を接するシャトル2,2’が、図7bに模式的に図示されている通り、互いに僅かにずれて配置されている場合に有利であるとすることができる。そして、この引き合う極性領域と反発し合う極性領域の配列の作用は、確かに互いに整列した配置構成(図7a)よりも小さいが、依然として十分な程度で得られる。これは、リニアモーターと組み合わせると有利であるだけでなく、例えば、平面モーターと組み合わせても有利であるとすることができ、その理由は、その場合には、シャトル2が互いにずれて配置されることが、より頻繁に起こる可能性があるからである。
【0042】
周縁7をより小さい寸法の複数の区画に分割することは、主軸6に対して傾斜した方向に向けられた永久磁石3と組み合わせても可能であり、図8に例示して図示されている。この異なる極性の永久磁石3の交番する配列は、又もや中央領域10に配置されており、周縁7と中央領域の最後の(ここでは、極性Nの)永久磁石3の間には、ほぼ三角形又は傾斜路状に形成された周縁面9が構成されている。この周縁面9は、主軸6の一方の側のより狭い方の三角形の区画と、ほぼ直角台形の形状を有する他方の側のより広い方の区画とに分割することができる。より狭い方の第一の区画には、傾斜路状に形成された表面を有し、(図2~5を参照して別に上述した実施構成と同様に)周縁7に沿って、この区画の部分領域に渡ってしか延びない第一の終端磁石物体13’(極性S)が配置されている。台形形状の第二の区画には、中央領域10の最後の永久磁石3に対して平行に境界を接して、先ずは菱形形状の第二の終端磁石物体13’(極性S)が配置されており、その形状は、ほぼ中央領域10の永久磁石3と一致するが、主軸6の一方の側にのみ、この区画のほぼ幅全体に渡って延びている。この第二の終端磁石物体13’は、場合によっては、その幅に関して中央領域10の永久磁石3と異なるようにすることができる。第二の終端磁石物体13’と周縁7の間の台形形状の区画には、又もや傾斜路状の第三の終端磁石物体13”(極性N)が配置されており、この物体は、周縁7に沿って、この区画の部分領域に渡ってしか延びていない。
【0043】
この永久磁石装置1に対して平行に同様に構成された永久磁石装置1’が配置されている場合、引き合う磁力と反発し合う磁力を交互に発生させる、又もや複数の極性領域8~8’’’’が構成される。図8に例示して図示された実施構成は、特に、大きな幅の広い永久磁石装置1に適している。図5と比べて極性領域の数を増やすことによって、永久磁石装置1が互いにずれて配置された場合でも、終端磁石物体13の作用を少なくとも部分的に維持することができ、その結果、相互の磁気的な引き合い又は反発し合いが低減される。
【0044】
三角形の周縁面9に配置する終端磁石物体13の数を増やして、それらのぞれぞれの面積を小さくすることによって、更に別の極性領域を実現することもできる。例えば、それぞれ三角形の終端磁石物体13が配置された3、4又はそれ以上の区画への周縁面9の分割を実施することができ、その下に在る、台形形状の終端磁石物体13を有する周縁面9の残る部分は、上述した方式により補正される。
【0045】
本発明による永久磁石装置の別の実施構成が、リニアモーター11のシャトル2を示す図9に図示されている。この実施例では、二つの永久磁石装置1,1’がシャトル2に配置されている。この永久磁石装置1は、図2~8を参照して上述した通り実現することができるが、例えば、図1に図示されている通り、終端磁石物体13が無い形でも実現することができる。この場合、永久磁石装置1は、シャトル2を移動及び駆動するためにリニアモーター11のコイル15と相互作用する駆動磁石を有する。この実施形態では、永久磁石装置1’は、固定子14に対するシャトル2の位置を検知できるようにするために、位置磁石3’を有し、その磁界は、固定子14に沿って配置された位置センサー(例えば、磁気歪センサー、磁気抵抗センサー、ホールセンサー)によって検出される。このシャトル2には、永久磁石装置1’だけを配備することもでき、この装置が、又もや同時に位置検出のためにも使用できる駆動磁石を構成できることを補足しておきたい。
【0046】
この永久磁石装置1’は、又もや固定子表面12に対してほぼ平行に配置された磁石面4’を形成する一定数の平行な永久磁石3’を有し、固定子表面12と固定子の方を向いた磁石面4’の間には、通常空隙が設けられている。この互いに平行に置かれた永久磁石3’は、それぞれ交番する極性を有し、その結果、磁石面4’の中央領域10’において、交番する極性(N,S、N,S,...)の磁石ストリップのパターンが磁石面4’に得られる。中央領域10’と磁石面4’の周縁7の間の周縁面9には(例えば、図9では、二つの周縁7に)、終端磁石物体13’’’が配置されている。二つの永久磁石装置1,1’の周縁7は必ずしも同じである必要はなく、当然のことながら、磁石面4,4’の異なる周縁面9が同様に得られることを補足しておきたい。
【0047】
図9の永久磁石装置1’の終端磁石物体13’’’は、磁気短絡部材として実現されており、例えば、フェライト又はネオジム鉄ボロン材料などの強磁性材料を有する形状である。この磁気短絡部材は、周縁面9の領域内の永久磁石装置1’の磁界を終端磁石物体13’’’に渡って誘導し、そのために、有利には、空気よりも大きな(有利には、明らかに大きな)透磁性を有する。当業者は、磁界を所望の通り誘導するために、終端磁石物体13’’’に関して、それに対応する磁気材料を選定することができる。終端磁石物体13’’’に渡って永久磁石装置1’の磁界を誘導することによって、固定子14に隣接する二つのシャトル2の永久磁石装置1’が影響し合うことがなくなる。
【0048】
図9を参照して説明した通りの磁気短絡部材の形の終端磁石物体13’’’は、位置検出するための永久磁石装置にも、シャトル2を駆動するための永久磁石装置にも使用することができる。
【0049】
個々の実施形態及び例で述べた個々の特徴及び変化形態は、(例えば、所々に別途詳述されていない限り)それ以外の例及び実施形態と自由に組み合わせて、特に、請求項において本発明を特徴付けるために、各実施形態又は各例の別の細部の助けを必ずしも借りること無く使用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a.)】
図6b.)】
図6c.)】
図7a.)】
図7b.)】
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-09-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニアモーター及び/又は平面モーター用のシャトル(2)の永久磁石装置(1)であって、
この永久磁石装置(1)が、少なくとも一つの磁石面(4)に配置された多数の永久磁石(3)を有し、
これらの永久磁石(3)が、この磁石面(4)の中央領域(10)に異なる極性の磁石ストリップ(5)の交番する配列を構成し、
この磁石面(4)が、この磁石ストリップ(5)を横切る、シャトル(2)の優先方向又は移動方向を定義する主軸(6)を有し、この磁石面(4)の周縁(7)が、この主軸(6)を横切り、
この磁石面(4)の周縁(7)には、中央領域(10)と周縁(7)の間に設けられた周縁面(9)に、少なくとも一つの終端磁石物体(13)が配置されており、この少なくとも一つの終端磁石物体(13)が、永久磁石(3)によって中央領域(10)に形成される磁界の推移を周縁(7)の長さに渡って変化する形で周縁(7)に沿って変化させる永久磁石装置において、
この少なくとも一つの周縁(7)が、異なる極性の少なくとも二つの極性領域(8,8’)を有し、この変化する磁界又は磁気短絡部材によって、有利には、平行な周縁(7,7”)を有する、並んで配置された二つの永久磁石装置(1,1’)の間の相互の引き合う力又は反発し合う力が低減されるこを特徴とする永久磁石装置。
【請求項2】
請求項1に記載の永久磁石装置(1)において、
前記の相互の引き合う力が、前記の変化する磁界によって、50%以上、有利には70%以上、特に90%以上低減されることを特徴とする永久磁石装置。
【請求項3】
請求項に記載の永久磁石装置(1)において、
永久磁石装置(1)の前記の少なくとも一つの周縁(7)及び同形式の永久磁石装置(1’)のその周縁に対して平行に配置された別の周縁(7’)に沿って、引き合う磁石作用の極性領域と反発し合う磁石作用の極性領域が交番することを特徴とする永久磁石装置。
【請求項4】
請求項1からまでのいずれか一つに記載の永久磁石装置(1)において、
前記の並んで配置された同形式の二つの永久磁石装置(1,1’)の間の磁力がほぼ相殺されることを特徴とする永久磁石装置。
【請求項5】
請求項に記載の永久磁石装置(1)において、
前記の周縁面(9)に配置された終端磁石物体(13)の表面が、前記の主軸(6)に関して非対称に形成されており、有利には、ほぼ傾斜路状の形状を有することを特徴とする永久磁石装置。
【請求項6】
請求項又はに記載の永久磁石装置(1)において、
前記の磁石ストリップ(5)が、それぞれ前記の磁石面(4)の主軸(6)を45°~90°の角度で横切る長手軸を有することを特徴とする永久磁石装置。
【請求項7】
請求項1からまでのいずれか一つに記載の永久磁石装置(1)において、
少なくとも一つの終端磁石物体(13)が永久磁石材料を有することを特徴とする永久磁石装置。
【請求項8】
請求項1からまでのいずれか一つに記載の永久磁石装置(1)において、
少なくとも一つの終端磁石物体(13)が、例えば、フェライト又はネオジム鉄ボロンなどの磁化された、或いは磁化されていない磁化可能な材料から選定された材料を有することを特徴とする永久磁石装置。
【請求項9】
請求項1からまでのいずれか一つに記載の少なくとも一つの永久磁石装置(1)を備えた、リニアモーター及び/又は平面モーター用のシャトル(2)。
【請求項10】
少なくとも一つの固定子(14)と、そこに配置された請求項に記載の少なくとも一つのシャトル(2)とを備えたリニアモーター(11)。
【請求項11】
少なくとも一つの固定子(14)と、そこに配置された請求項に記載の少なくとも一つのシャトル(2)とを備えた平面モーター。
【国際調査報告】