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▶ スパイナル シンプリシティ エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】棘突起間インプラント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/44 20060101AFI20231005BHJP
   A61B 17/70 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
A61F2/44
A61B17/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512293
(86)(22)【出願日】2021-08-05
(85)【翻訳文提出日】2023-03-14
(86)【国際出願番号】 US2021044609
(87)【国際公開番号】W WO2022039935
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】16/998,171
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/389,418
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509301585
【氏名又は名称】スパイナル シンプリシティ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Spinal Simplicity LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】フロック, メリッサ
(72)【発明者】
【氏名】フロック, アダム
(72)【発明者】
【氏名】モーズリー, トッド
(72)【発明者】
【氏名】ロジャース, アダム
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA10
4C097BB01
4C097CC01
4C097DD10
4C160LL24
(57)【要約】
本体、近位アンカー、遠位アンカー、及び内部プランジャを有する脊椎インプラントを提供するためのシステム及び方法。近位アンカーは、内部ボアを有するナットを備える。遠位アンカーは、第1の閉鎖構成及び第2の開放構成を有する複数の翼を備える。内部プランジャは、本体の中央ボア内に収容されている。内部プランジャの遠位端は、第1の閉鎖構成と第2の開放構成との間、又はその逆で翼を選択的に移動させるために、第1の翼及び第2の翼に動作可能に連結されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊椎インプラントであって、
外面、近位端、遠位端、及びそれらの間に延在する長手方向軸を有する本体であって、前記本体が、前記本体内に中央ボアを含む、本体と、
近位側部と、遠位側部と、内部ボアと、を有するナットを備える近位アンカーと、
第1の閉鎖構成及び第2の開放構成を有する複数の翼を備える遠位アンカーであって、前記複数の翼が、第1の翼及び第2の翼を備える、遠位アンカーと、
近位端及び遠位端を有する内部プランジャであって、前記内部プランジャが、前記本体の前記中央ボア内に収容されており、前記内部プランジャの前記遠位端が、前記複数の翼を前記第1の閉鎖構成と前記第2の開放構成との間で選択的に移動させるために、前記第1の翼及び前記第2の翼に動作可能に連結されている、内部プランジャと、を備える、脊椎インプラント。
【請求項2】
前記第1の翼を前記内部プランジャに連結する第1のリンク機構であって、前記第1のリンク機構が、近位端及び遠位端を有する、第1のリンク機構と、
前記第2の翼を前記内部プランジャに連結する第2のリンク機構であって、前記第2のリンク機構が、近位端及び遠位端を有する、第2のリンク機構と、を更に備える、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項3】
前記内部プランジャの前記遠位端が、
第1のアーム、第2のアーム、及び前記第1のアームと前記第2のアームとの間の空間を備え、
前記第1のリンク機構の前記近位端及び前記第2のリンク機構の前記近位端が、前記内部プランジャの前記第1のアームと前記第2のアームとの間の前記空間内に装着されている、請求項2に記載の脊椎インプラント。
【請求項4】
前記第1のリンク機構及び前記第2のリンク機構が、装着ピンによって前記内部プランジャに回転可能に取り付けられている、請求項3に記載の脊椎インプラント。
【請求項5】
前記第1のリンク機構の前記遠位端が、前記第1の翼に連結されており、前記第2のリンク機構の前記遠位端が、前記第2の翼に連結されている、請求項3に記載の脊椎インプラント。
【請求項6】
前記第1の翼が、その中に前記第1のリンク機構を受容するための第1のスロットを含み、前記第2の翼が、その中に前記第2のリンク機構を受容するための第2のスロットを含む、請求項5に記載の脊椎インプラント。
【請求項7】
前記第1の翼の遠位端が、組織又は骨に係合するように適合された少なくとも1つの尖った突起を含む、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項8】
前記第2の翼の遠位端が、組織又は骨に係合するように適合された少なくとも1つの尖った突起を含む、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項9】
前記本体の前記外面の少なくとも一部分上にある雄ねじと、
前記ナットの前記内部ボア内の雌ねじと、を更に備え、
前記ナットの前記雌ねじが、前記本体の前記雄ねじと協働するように構成されている、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項10】
前記ナットの前記遠位側部が、組織又は骨に係合するように適合された少なくとも1つの屈曲アームを含む、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項11】
前記少なくとも1つの屈曲アームが、組織又は骨に係合するように適合された粗面又は歯を含む、請求項10に記載の脊椎インプラント。
【請求項12】
脊椎インプラントであって、
外面、近位端、遠位端、及びそれらの間に延在する長手方向軸を有する本体であって、前記本体が、前記本体内の中央ボア、及び前記外面の少なくとも一部分上の雄ねじを含む、本体と、
近位側部と、遠位側部と、雌ねじを有する内部ボアと、を有するナットを備える近位アンカーと、
選択的に開閉されるように構成された第1の翼及び第2の翼を備える遠位アンカーと、
前記第1の翼及び前記第2の翼を前記本体に連結するリンク機構アセンブリと、を備える、脊椎インプラント。
【請求項13】
前記リンク機構アセンブリが、
前記本体の前記中央ボア内に装着された内部プランジャ、第1のリンク機構、及び第2のリンク機構を備える、請求項12に記載の脊椎インプラント。
【請求項14】
前記第1のリンク機構が、近位端及び遠位端を有し、前記第2のリンク機構が、近位端及び遠位端を有し、
前記第1のリンク機構が、前記第1の翼を前記内部プランジャに連結し、前記第2のリンク機構が、前記第2の翼を前記内部プランジャに連結する、請求項13に記載の脊椎インプラント。
【請求項15】
前記内部プランジャの遠位端が、第1のアーム、第2のアーム、及び前記第1のアームと前記第2のアームとの間の空間を備え、
前記第1のリンク機構の前記近位端及び前記第2のリンク機構の前記近位端が、前記内部プランジャの前記第1のアームと前記第2のアームとの間の前記空間内に装着されている、請求項14に記載の脊椎インプラント。
【請求項16】
前記第1のリンク機構及び前記第2のリンク機構が、装着ピンによって前記内部プランジャに回転可能に取り付けられている、請求項15に記載の脊椎インプラント。
【請求項17】
脊椎インプラントを治療部位に配置する方法であって、
第1の閉鎖構成で脊椎インプラントを提供することであって、前記脊椎インプラントが、
外面、近位端、遠位端、及びそれらの間に延在する長手方向軸を有する本体であって、前記本体が、前記本体内に中央ボアを含む、本体と、
近位側部と、遠位側部と、内部ボアと、を有するナットを備える近位アンカーと、
前記第1の閉鎖構成及び第2の開放構成を有する複数の翼を備える遠位アンカーであって、前記複数の翼が、第1の翼及び第2の翼を備える、遠位アンカーと、
近位端及び遠位端を有する内部プランジャであって、前記内部プランジャが、前記本体の前記中央ボア内に収容されており、前記内部プランジャの前記遠位端が、前記複数の翼を前記第1の閉鎖構成と前記第2の開放構成との間で選択的に移動させるために、前記第1の翼及び前記第2の翼に動作可能に連結されている、内部プランジャと、を備える、提供することと、
前記脊椎インプラントを患者内の所望の治療部位に配置することと、
前記内部プランジャを前記長手方向軸に沿って遠位方向にスライドさせて、前記複数の翼を前記第2の開放構成に移動させることと、を含む、方法。
【請求項18】
前記内部プランジャを前記長手方向軸に沿って近位方向にスライドさせて、前記複数の翼を前記第1の閉鎖構成に向けて移動させ、前記治療部位で前記複数の翼を骨又は組織と係合させることを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ナットを前記本体に沿って遠位方向に移動させて、前記ナットの前記遠位側部を組織又は骨と係合させることを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記内部プランジャを前記長手方向軸に沿って近位方向にスライドさせて、前記複数の翼を前記第1の閉鎖構成に移動させ、前記脊椎インプラントを前記患者から引き抜くことを更に含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.技術分野
本発明の実施形態は、脊椎インプラントに関する。より具体的には、本発明の実施形態は、経皮的又は後部に導入された棘突起インプラント及び融合デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
2.背景技術
脊椎は、頭蓋骨から腰まで延在する24個の椎骨の柱からなる。軟組織である椎間板が、隣接する椎骨の間に配置されている。加えて、脊椎は脊髄を囲み、保護し、脊柱管と呼ばれる脊髄の周りの骨のチャネルを画定する。通常、脊髄と脊柱管の縁との間に空間があり、それにより脊髄及びそれと関連する神経が挟まれない。
【0003】
時が経つにつれて、脊柱管を取り囲む靭帯及び骨が厚くなり硬化する場合があり、脊柱管の狭窄及び脊髄又は神経根の圧迫をもたらす。この状態は脊椎管狭窄と呼ばれ、背中及び脚の痛み及びしびれ、脱力、及び/又はバランスの喪失を引き起こす。これらの症状は、多くは歩いた、又はしばらく立った後に増加する。
【0004】
脊椎管狭窄のためのいくつかの非外科的治療がある。これらには、腫れ及び痛みを軽減するための非ステロイド性抗炎症薬、並びに腫れを軽減し激痛を治療するためのコルチコステロイド注射が含まれる。一部の患者は、そのような治療で脊椎管狭窄の症状からの解放を経験する場合があるが、多くはそうではなく、したがって外科的治療に変わる。脊椎管狭窄を治療するための最も一般的な外科手術は、椎骨の一部の除去を伴う減圧椎弓切除術である。手術の目的は、脊柱管のエリアを増やすことによって脊髄及び神経への圧力を和らげることである。
【0005】
棘突起間減圧術(IPD)は、脊椎管狭窄を治療するための侵襲性の低い外科手術である。IPD手術では、骨又は軟組織の除去はない。代わりに、インプラント又はスペーサデバイスが、脊髄又は神経の背後にかつ腰背部の椎骨から突出する棘突起間中に位置決めされる。
【0006】
特に有用な棘突起間インプラント及び融合デバイスの例が、同一出願人による米国特許第9,861,399号、米国特許第8,945,184号、米国特許第9,314,276号、米国特許第9,907,581号、及び米国特許第9,757,164号に開示されており、それらの開示は全て、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0007】
本発明は、従来のデバイスよりも長さが実質的に短いインプラントを構築することによって、従来の棘間インプラントデバイスを超える改善をもたらす。これにより、有利には、デバイスの全体的なサイズ及びプロファイルが縮小され、それによって、埋め込みをより安全かつ容易にする。
【0008】
本発明の一実施形態によるインプラントの構造はまた、必要に応じて、埋め込み後にデバイスをより容易に除去することを可能にする。外科医がデバイスの翼を選択的に開閉できることが、従来のデバイスに勝る別の利点である。翼は埋め込み後に閉じることができるため、本発明のインプラントは、翼が最初に挿入されたのと同じ小さな側方切開によって除去することができる。従来のデバイスの除去は、一般に、デバイスが取り出され得る前に手動で翼を閉じるための追加の後方切開が必要である。
【0009】
加えて、本発明のデバイスは、取り外し可能なエンドピースを必要としない。これにより、埋め込みプロセスのステップ数を減らすことで、手術の安全性及び容易性が向上する。また、インプラントの分離可能な部品が少なくなることにより、コストが削減され、かつ製造が簡素化される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の実施形態は、最小侵襲性脊椎融合のためのシステム及び方法を提供することによって、上記の問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の実施形態は、本体、近位アンカー、遠位アンカー、及び内部プランジャを備える、脊椎インプラントを対象とする。本体は、外面、本体内の中央ボア、近位端、遠位端、及びそれらの間に延在する長手方向軸を有する。近位アンカーは、近位側部と、遠位側部と、内部ボアと、を有するナットを備える。遠位アンカーは、第1の閉鎖構成及び第2の開放構成を有する複数の翼を備え、複数の翼は、第1の翼及び第2の翼を備える。内部プランジャは、近位端、遠位端を有し、本体の中央ボア内に収容されている。内部プランジャの遠位端は、複数の翼を第1の閉鎖構成と第2の開放構成との間で選択的に移動させるために、第1の翼及び第2の翼に動作可能に連結されている。
【0012】
本発明の更なる実施形態は、本体、近位アンカー、遠位アンカー、及びリンク機構アセンブリを備える、脊椎インプラントを対象とする。本体は、外面、本体内の中央ボア、近位端、遠位端、及びそれらの間に延在する長手方向軸を有する。本体は、外面の少なくとも一部分上に雄ねじを含む。近位アンカーは、近位側部と、遠位側部と、雌ねじを有する内部ボアと、を有するナットを備える。遠位アンカーは、選択的に開閉されるように構成された第1の翼及び第2の翼を備える。リンク機構アセンブリは、第1の翼及び第2の翼を本体に連結する。
【0013】
本発明の別の実施形態は、脊椎インプラントを治療部位に配置する方法であって、第1の閉鎖構成で脊椎インプラントを提供することと、脊椎インプラントを患者内の所望の治療部位に配置することと、内部プランジャを長手方向軸に沿って遠位方向にスライドさせて、複数の翼を第2の開放構成に移動させることと、を含む、方法を対象とする。方法は、内部プランジャを長手方向軸に沿って近位方向にスライドさせて、複数の翼を第1の閉鎖構成に向けて移動させ、患者から脊椎インプラントを引き抜くことを更に含み得る。
【0014】
この発明の概要は、以下の発明を実施するための形態で更に説明される、簡素化された形式の概念の抜粋を導入するために提供される。この発明の概要は、特許請求される主題の主要な特徴又は本質的な特徴を識別することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を限定することを意図するものでもない。本発明の他の態様及び利点は、実施形態の以下の発明を実施するための形態及び添付の図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して以下で詳細に説明する。
【0016】
図1】開放構成における本発明のインプラントの第1の実施形態の斜視図である。
図2】開放構成における本発明のインプラントの第1の実施形態の断面図である。
図3】本発明の本体の一実施形態の斜視図である。
図4】閉鎖構成における本発明のインプラントの第1の実施形態の斜視図である。
図5】本発明のプランジャの一実施形態の斜視図である。
図6A】本発明の第1のリンク機構の一実施形態の斜視図である。
図6B】本発明の第2のリンク機構の一実施形態の斜視図である。
図7】開放構成における本発明のインプラントの第1の実施形態の別の斜視図である。
図8】開放構成における本発明のインプラントの第1の実施形態の断面図である。
図9A】本発明の第1の翼の第1の実施形態の側面斜視図である。
図9B】本発明の第1の翼の第1の実施形態の底面斜視図である。
図9C】本発明の第1の翼の第1の実施形態の上面図である。
図10A】本発明の第2の翼の第1の実施形態の側面斜視図である。
図10B】本発明の第2の翼の第1の実施形態の底面斜視図である。
図10C】本発明の第2の翼の第1の実施形態の上面図である。
図11】本発明のボルトの斜視図である。
図12】本発明のボルト用の取り外し可能なヘッドの斜視図である。
図13】本発明のナットの一実施形態の斜視図である。
図14】閉鎖構成における本発明のインプラントの第1の実施形態の断面図である。
図15】閉鎖構成における本発明のインプラントの第1の実施形態の別の断面図である。
図16】患者の脊椎に埋め込まれた本発明のインプラントの第1の実施形態の図である。
【0017】
図面は、本発明を本明細書に開示及び記載される特定の実施形態に限定するものではない。図面は必ずしも縮尺通りではなく、代わりに本発明の原理を明確に示すことに重点を置いている。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の発明を実施するための形態は、本発明を実施することができる特定の実施形態を示す添付の図面を参照する。実施形態は、当業者が本発明を実施することを可能にするために、本発明の態様を十分に詳細に説明することが意図されている。他の実施形態を利用することができ、本発明の範囲から逸脱することなく変更を行うことができる。したがって、以下の発明を実施するための形態は、限定的な意味で解釈されるべきではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲、及びそのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲によってのみ定義される。
【0019】
この説明において、「一実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」、又は「実施形態(embodiments)」への言及は、言及されている1つの特徴又は複数の特徴が、本技術の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書における「一実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」、又は「実施形態(embodiments)」への別個の言及は、必ずしも同じ実施形態を指すものではなく、またそのように述べられていない限り、かつ/又は本明細書から当業者に容易に明らかとなる場合を除き、相互に排他的ではない。例えば、一実施形態で説明される特徴、構造、行為などは、他の実施形態にも含まれ得るが、必ずしも含まれない。このように、本技術は、本明細書に記載される実施形態の様々な組み合わせ及び/又は統合を含むことができる。
【0020】
本発明の実施形態は、骨融合が起こるのを待っている間の胸部、腰部、及び仙骨の一時的な固定のための最小侵襲性棘間-椎弓間融合デバイスを対象とする。インプラントが棘突起で後部非頸椎に取り付けられて、脊椎分節の固定化及び安定化を提供することができる。インプラントのねじ山付き本体は、制御された伸延を提供する。
【0021】
本発明の一実施形態が図1に示されており、これは、開放構成における棘突起間インプラント100を示している。インプラント100は、遠位端114及び近位端116を有する、本体112を含み得る。インプラント100は、本体112の近位端116上にナット200、及び本体112の遠位端114上に伸縮可能な第1及び第2の翼300a、300bを更に含む。図2の断面図で見ることができるように、インプラント100は、本明細書で説明されるように、第1及び第2の翼300a、300bを本体112に動作可能に連結するための、プランジャ400並びに第1及び第2のリンク機構500a、500bを更に含む。
【0022】
図3は、本体112の一実施形態を示している。遠位端114は、丸みを帯びた最遠位端を有する円錐形遠位先端118を含む。いくつかの実施形態では、円錐形遠位先端は、先鋭な最遠位端を有する。いくつかの実施形態では、本体112は、その外部面上にらせん状ねじ山120を含む。いくつかの実施形態では、本体112は、代替的に又は追加的に、切断ねじ山又はボックスねじ山を含み得る。らせん状ねじ山120は、本体112の外部面全体に沿って、又は本体112の外部面の一部分のみに沿って設けられ得る。いくつかの実施形態では、ねじ山は、約0.5~約3.0mmの深さ、約45°~約100°の角度、及び約1.0mm~約4.0mmの間隔を有し得る。いくつかの実施形態では、ねじ山は、約1.0mmの深さ、約60°の角度、及び約1.75mmの間隔を有し得る。いくつかの実施形態では、遠位先端118は、その上にいかなるねじ山もない滑らかな外部面を有する。いくつかの実施形態では、遠位先端118は、インプラント100の挿入中に強度を提供するための頑丈な先端である。
【0023】
本体112は、中空ボア124を有する、近位端116から延在する近位部分122を更に含む。中空ボア124の大部分は、実質的に円筒形であり得る。中空ボア124の近位端は、その中に挿入ツール(図示せず)を受容するように構成された六角形の周囲などの特定の形状を有し得る。中空ボア124の近位端はまた、その中に挿入ツール(図示せず)の遠位端を受容し、ロックするように適合された戻り止め125を含み得る。
【0024】
本体112はまた、実質的に矩形の窓128を有する、遠位端114から延在する遠位部分126を含む。窓128は、第1の横側部130から第2の横側部132、頂部の平らな内壁134、及び底部の平らな内壁136まで延在する。窓128の遠位端において、頂部壁134は、頂部壁134を通る開口部138aを含み、底部壁136は、底部壁136を通る開口部138bを含む。開口部138a、138bは、図4に見られるように、翼300a、300bを装着するためのボルト700を受容するように構成されている。
【0025】
図4及び図15は、閉鎖構成における翼300a、300bを有するインプラント100を示している。本体112の窓128は、閉鎖構成にあるときに、プランジャ400の遠位部分、第1及び第2のリンク機構500a、500b、並びに第1及び第2の翼300a、300bを収容するように構成されている。
【0026】
図5は、プランジャ400の一実施形態を示している。プランジャ400は、遠位端402及び近位端404を有する。図2に見られるように、近位端404は、本体112のボア124内に位置するように構成されており、遠位端402は、本体112の窓128内に位置するように構成されている。プランジャ400は、以下で更に説明されるように、ボア124及び窓128内で長手方向に移動されて、翼300a、300bを開閉することができる。
【0027】
図5に関して、プランジャ400の近位端は、その中に挿入デバイス(図示せず)を受容するための中央ボア406を有する。いくつかの実施形態では、プランジャ400の中央ボア406は、挿入デバイス上のねじ切りと協働するようにねじ切られ得る。プランジャ400は、第1のアーム408a、及び頑丈な中央部分410から延在する第2のアーム408bを有する、実質的にY字形の構造を有する。第1のアーム408a及び第2のアーム408bは、その間に空間409を有する。中央部分410は、図5に見ることができるように、外側に2つの対向する湾曲したくぼみ412a、412bを有する。第1のアーム408a及び第2のアーム408bは各々、第1のアーム408a及び第2のアーム408bを通って延在し、その中に装着ピン600を受容するための穴414a、414bを有する。翼300a、300bをプランジャ400に連結するために、リンク機構500a、500bが、アーム408a、408bの間の空間409内に装着されている。
【0028】
代替の実施形態では、プランジャは、翼300a、300bの下側の嵌合林に乗る、T字形又はダブテール特徴を有する2つのヘッドを有し得る。更なる代替の実施形態では、プランジャは、翼300a、300bの下側の溝内に乗るリンク機構を有する傘状の特徴によって連結され得る。
【0029】
図6A及び図6Bは、それぞれ、第1及び第2のリンク機構500a、500bの一実施形態を示している。第1のリンク機構500aは、第1の端部502a及び第2の端部504aを有する。いくつかの実施形態では、第1のリンク機構500aは、第1の端部502aが丸みを帯びた縁506aを有し、第2の端部504aが丸みを帯びた縁508aを有するように形作られている、実質的に楕円形である。第1のリンク機構500aは、真っ直ぐな頂縁510a及びくぼんで湾曲した底縁512aを更に含む。第1の端部502aは、第1の端部502aを通って延在する穴514aを含み、第2の端部504aは、第2の端部504aを通って延在する穴516aを含む。穴514a及び516aは各々、その中に装着ピン600を受容するように構成されている。第1のリンク機構500aは、実質的に平坦な頂面518a、及び実質的に平坦な底面520aを含む。
【0030】
図6Bにおいて見ることができるように、第2のリンク機構500bは、第1のリンク機構500aと実質的に同一である。第2のリンク機構500bは、第1の端部502b及び第2の端部504bを有する。いくつかの実施形態では、第2のリンク機構500bは、第1の端部502bが丸みを帯びた縁506bを有し、第2の端部504bが丸みを帯びた縁508bを有するように形作られている、実質的に楕円形である。第2のリンク機構500bは、真っ直ぐな頂縁510b及びくぼんで湾曲した底縁512bを更に含む。第1の端部502bは、第1の端部502bを通って延在する穴514bを含み、第2の端部504bは、第2の端部504bを通って延在する穴516bを含む。穴514b及び516bは各々、その中に装着ピン600を受容するように構成されている。第2のリンク機構500bは、実質的に平坦な頂面518b及び実質的に平坦な底面520bを含む。
【0031】
図7は、翼300aが前方に示されている、開放構成におけるインプラント100の斜視図を示している。図7に見ることができるように、第1のリンク機構500a及び第2のリンク機構500bは、プランジャ400のアーム408a、408bの間の空間409内に装着されている。
【0032】
図8は、開放構成におけるインプラント100の断面図を示している。図8に見ることができるように、第1のリンク機構500aの第2の端部504aは、第2のリンク機構500bの第1の端部502bに連結されている。第1のリンク機構500aの平坦な底面520aは、第2のリンク機構500bの平坦な頂面518bと接触するように配置されている。図2及び図8に見ることができるように、装着ピン600は、第1のリンク機構500aの第2の端部504aの穴516a、第2のリンク機構500bの第1の端部502bの穴514b、プランジャ400の第1のアーム408aの穴414a、及びプランジャ400の第2のアーム408bの穴414bに通して挿入されて、その周りのリンク機構500a、500bの回転を可能にする。リンク機構500a、500bの反対側の端部は、以下で更に説明されるように、翼300a、300bに連結されて、翼300a、300bの回転を可能にする。
【0033】
図9A図9B、及び図9Cは、第1の翼300aの一実施形態の斜視図を示している。翼300aは、遠位端302a、近位端304a、第1の横側部306a、及び第2の横側部308aを有する。いくつかの実施形態では、遠位端302aは、骨及び/又は組織に係合するように適合された、遠位端302aから延在する少なくとも1つの牙を含む。他の実施形態では、翼300aの底面は、骨及び/又は組織の把持を達成するために平らな粗面を含み得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、遠位端302aは、その間に間隙312aを有する第1及び第2の牙310a、311aを含む。いくつかの実施形態では、間隙312aの寸法は、約1.5mm~約6mmであり得る。いくつかの実施形態では、間隙312aは約3mmであり得る。いくつかの実施形態では、第1の牙310aは、先鋭な先端314aを有し、第2の牙311aは、先鋭な先端313aを有する。第1の牙310aは、第1の横側部306a上に設けられており、第1の延在部316aに連結されている。第2の牙311aは、第2の横側部308a上に設けられており、第2の延在部318aに連結されている。第1の延在部316aは、d1の幅を有し、第2の延在部318aは、d2の幅を有する。いくつかの実施形態では、幅d2は、幅d1よりも大きい。いくつかの実施形態では、幅d1は、約1.0mm~約4.0mmの範囲である。いくつかの実施形態では、幅d2は、約1.5mm~約6.0mmの範囲である。図1図2、及び図7に見ることができるように、実質的に矩形のスロット320aが、第1のリンク機構500aの第1の端部502aをスロット320a内に受容するために、第1の延在部316aと第2の延在部318aとの間に設けられている。第1の延在部316aは、ピン600をその中に受容するために、第1の延在部316aの内壁に穴322aを含む。いくつかの実施形態では、穴322aは、第1の延在部316aの壁を完全に通っては延在しない。第2の延在部318aは、第1の延在部316aの穴322aに対向して位置する、第2の延在部318aを通って延在する穴324aを含む。装着ピン600は、第1の延在部316aの穴322a、第1のリンク機構500aの穴514a、及び第2の延在部318aの穴324aに挿入されて、その周りの翼300aの回転を可能にする。
【0035】
翼300aは、図9Cに見ることができるように、実質的に平坦な頂面330aを含む。翼300aは、頂面330aに隣接する実質的に矩形の開口部332aを含む。矩形の開口部332aは、翼300aの閉鎖構成において、開口部332a内に第1のリンク機構500aの第1の端部502aを受容するように適合されている。翼300aの近位端304aは、翼300aを本体112に動作可能に連結するための追加の穴328aを有する近位コネクタ部分326aを更に含む。穴328aは、その中にボルト700を受容するように構成されている。
【0036】
図10A図10B、及び図10Cは、第2の翼300bの一実施形態の斜視図を示している。第2の翼300bは、第1の翼300aと実質的に同一である。翼300bは、遠位端302b、近位端304b、第1の横側部306b、及び第2の横側部308bを有する。いくつかの実施形態では、遠位端302bは、骨及び/又は組織に係合するように適合された少なくとも1つの牙を含む。他の実施形態では、翼300bの底面は、骨及び/又は組織の把持を達成するために平らな粗面を含み得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、遠位端302bは、それらの間に間隙312bを有する第1及び第2の牙310b、311bを含む。いくつかの実施形態では、間隙312bの寸法は、約1.5mm~約6mmであり得る。いくつかの実施形態では、間隙312bは、約3mmであり得る。いくつかの実施形態では、第1の牙310bは、先鋭な先端314bを有し、第2の牙311bは、先鋭な先端313bを有する。第1の牙310bは、第1の横側部306b上に設けられており、第1の延在部316bに連結されている。第2の牙311bは、第2の横側部308b上に設けられており、第2の延在部318bに連結されている。第1の延在部316bは、d1の幅を有し、第2の延在部318bは、d2の幅を有する。いくつかの実施形態では、幅d2は、幅d1よりも大きい。図2に見ることができるように、実質的に矩形のスロット320bが、第2のリンク機構500bの第2の端部504bをスロット320b内に受容するために、第1の延在部316bと第2の延在部318bとの間に設けられている。第1の延在部316bは、ピン600をその中に受容するために、第1の延在部316bの内壁に穴322bを含む。第2の延在部318bは、第1の延在部316bの穴322bに対向して位置する、第2の延在部318bを通って延在する穴324bを含む。図2に見ることができるように、装着ピン600は、第1の延在部316bの穴322b、第2のリンク機構500bの穴516b、及び第2の延在部318bの穴324bに通して挿入されて、その周りの翼300bの回転を可能にする。
【0038】
図10Cに見ることができるように、翼300bは、実質的に平坦な頂面330bを含む。翼300bは、頂面330bに隣接する実質的に矩形の開口部332bを含む。矩形の開口部332bは、翼300bの閉鎖構成において、開口部332b内に第2のリンク機構500bの第2の端部504bを受容するように適合されている。翼300bの近位端304bは、翼300bを本体112に動作可能に連結するための追加の穴328bを有する近位コネクタ部分326bを更に含む。穴328bは、その中にボルト700を受容するように構成されている。
【0039】
いくつかの実施形態では、開放位置において、翼300a、300bは、翼300a、300bのリーチRと称され得る、本体112から約2mm~約15mmの距離で円周方向に延在する。いくつかの実施形態では、牙310a、311a間の間隙312aの間隔は、牙310b、311b間の間隙312bの間隔と同じであり得る。他の実施形態では、牙310a、311a間の間隙312aの間隔は、牙310b、311b間の間隙312bの間隔とは異なり得る。牙310a、311a、310b、311bは、棘突起に対するストレスを最小限に抑え、その骨折を防止するように最適に配置されている。牙310a、311a、310b、311bのうちのいずれかの長さは、約0.5mm~約5mmであり得る。いくつかの実施形態では、各牙は、所望により異なる長さを有し得る。
【0040】
翼300a、300bの設計は、外面が本体112に対して止め具として機能して、最小及び最大の移動を抑制し、それによって、本体112内部においてそれら自体に迫ることを防止し、また、過剰展開を防止するようになっている。
【0041】
図11は、ボルト700の一実施形態を示しており、図12は、ボルト700への連結のための取り外し可能なヘッド718の一実施形態を示している。ボルト700は、近位端704及び遠位端706を有する、シャフト702を含む。近位端704は、丸みを帯びた遠位端710、側部円周縁712、及び平らな底面714を有する、単一のヘッド708を含む。遠位端706は、縮小された直径の円筒形部分716を含む。シャフト702は、翼300aの穴328a、翼300bの穴328bに通し、かつ本体112の開口部138a、138bに通して挿入することができる。それによって、翼300aの近位コネクタ部分326aは、ボルト700により翼300bの近位コネクタ部分326bに隣接して連結される。シャフト702は、貫通穴328a、328bにフィットしかつ翼300a、300bがその周りを自由に回転することを可能にするように構成された、直径を有する。ボルト700が本体112及び翼300a、300bに通して挿入されると、取り外し可能なヘッド718は、ボルト700を所定の位置にしっかりと保持するために円筒形部分716に連結され得る。ヘッド718は、任意の機械的締結手段によって連結され得る。図12に示すように、取り外し可能なヘッド718の一実施形態は、単一のヘッド708と同様に形作られており、丸みを帯びた遠位端720、側部円周縁722、及び平らな底面724を有する。図4に見られるように、ヘッド718及びヘッド708は、遠位端710、720が引っ込み、らせん状ねじ山120を越えて円周方向に延在しないように、開口部138a、138b内に設定される。
【0042】
図13は、ナット200の一実施形態を示している。ナット200は、本体112の近位端116上に設けることができる。ナット200は、近位側部202、遠位側部204、及びナット200を通る内部ボア206を有する。いくつかの実施形態では、内部ボア206は、本体112の外部面上のらせん状ねじ山120と協働するための内側らせん状ねじ山208を有する。動作中、ナット200は、遠位側部204が組織及び/又は骨に係合するように、本体112のシャフトに沿ってナットを長手方向に移動させるように回転させることができる。いくつかの実施形態では、近位側部202は、平らな側部212を有する六角形の延在部210を有する。いくつかの実施形態では、遠位側部204は、複数の屈曲アーム214を有する把持プレートを形成する。一実施形態では、把持プレートは、4つの屈曲アーム214を含む。他の実施形態では、把持プレートは、2つの屈曲アーム、3つの屈曲アーム、又は5つ以上の屈曲アームを含み得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、各屈曲アーム214は、滑らかな頂面218を有する固定部分216、及びテクスチャ加工された頂面222を有する可動部分220を有し得る。可動部分220は、その下に空間226を有し得る。テクスチャ加工された頂面222は、インプラントが体内に配置されて、インプラント100を所定の位置にアンカーするのを助けるとき、骨又は組織に係合するように構成されている。可動部分220は、インプラント100が組織及び/又は骨と係合したとき、開放空間226内に屈曲するように構成されている。いくつかの実施形態では、可動部分220は、約1度~約50度の量で近位方向に屈曲し得る。いくつかの実施形態では、可動部分220は、約1度~約10度の量で近位方向に屈曲し得る。いくつかの実施形態では、テクスチャ加工された頂面222は、歯、スパイク、又は任意の他のタイプの機械的把持面を含み得る。一実施形態では、テクスチャ加工された頂面222は、3つの実質的に三角形の歯224を含み得る。他の実施形態では、遠位側部204は、あらゆる屈曲アームなしの、単一の円周の粗面又はテクスチャ加工された面を有する。ナット200は、本体112から約2mm~約15mmの距離で円周方向に延在する。いくつかの実施形態では、ナット200は、約2mm~約8mmの距離で円周方向に延在する。このリーチは、インプラント100が標準的な組織拡張スリーブ/チューブに通して容易に挿入され得ることを確実にしながら、十分な骨固定を可能にする。
【0044】
インプラント100は、特定の患者の所望の空間内に正確にフィットするように、異なる選択されたサイズで提供され得る。インプラント本体直径は、約6~20mmの棘突起空間の伸延の範囲を提供し得る。いくつかの実施形態では、本体112の直径は、約8mm、約10mm、約12mm、約14mm、又は約16mmであり得る。インプラントのサイズは色分けされて、外科医が容易に、インプラントのサイズを識別し、かつ類似のサイズが色分けされ得る正確なサイズの挿入ツール(図示せず)とインプラントとを一致させることを可能にし得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、インプラントの全て又は一部は、チタン又はチタン合金で構成され得る。他の実施形態では、インプラントの全て又は一部は、ステンレス鋼で構成され得る。いくつかの実施形態では、インプラントの全て又は一部は、ポリマー又は生体吸収性材料で構成され得る。いくつかの実施形態では、インプラントは、積層造形プロセスによって製造され得る。いくつかの実施形態では、インプラントは、機械加工又は成形によって製造され得る。いくつかの実施形態では、インプラントの全て又は一部は、その少なくとも1つの面上にコーティングを含み得る。いくつかの実施形態では、インプラントの少なくとも1つの外面は、ヒドロキシアパタイト(HA)でコーティングされ得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、インプラントは、約30mm~45mmの全長を有し得る。いくつかの実施形態では、インプラントは、約32mm~約34mmの全長を有し得る。いくつかの実施形態では、インプラントは、約33mmの全長を有し得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、本体112は、その中に骨移植材料を含有するように適合され得る。骨移植材料は、翼300aを開放したままにし、翼300bを閉鎖したままにし、かつ骨移植材料を本体112に注入することによって(又はその逆)、インプラント100に添加され得る。骨移植材料はまた、インプラント100を体内に挿入する前に、外部らせん状ねじ山120の周りに適用されてもよい。いくつかの実施形態では、骨移植材料は、翼300a、300bの正確な機能に対するあらゆる干渉を回避するために粘性であり得る。骨移植材料の体積は、インプラント100のサイズに応じて、約0.5cc~約3.0cc、又は約1.2cc~約2.5ccの範囲であり得る。
【0048】
図4図14、及び図15に示すように、インプラント100は、閉鎖構成で患者の体内に挿入デバイス(図示せず)を使用して挿入され得る。図14及び図15に関して、プランジャ400は、第1及び第2のリンク機構500a、500bがそれらの間に第1の角度Aを形成して、翼300a、300bが閉鎖構成になるように、近位位置にある。インプラント100が患者の体内の所望の場所に挿入されると、図1図2図7、及び図8に示すように、翼300a、300bを開放構成に移動させることができる。図8に示すように、プランジャ400は、それぞれ、リンク機構500a、500bの端部502a、504bがそれらの間に第2の角度Bを形成するように、遠位方向に移動され得る。角度Bは、角度Aよりも大きい。いくつかの実施形態では、角度Aは、約35°であり、角度Bは、約85°である。リンク機構500a、500bが分離するにつれて、翼300a、300bは、ピン600及びボルト700の周りを回転して開放構成になる。
【0049】
次いで、図16に見ることができるように、インプラントが近位方向に移動されて、翼300a、300bをインプラント部位の骨及び/又は組織と係合し得る。次いで、ナット200は、骨及び/又は組織に係合するために、並びに近位アンカーを形成するために、回転などによって、近位方向に移動され得る。具体的には、ナット200は、第1の棘突起800の第1の側面801及び第2の棘突起802の第2の側面804に係合する。いくつかの実施形態では、屈曲アーム214は、ナット200がインプラント部位で骨及び/又は組織と密接に係合するときに近位方向に屈曲され得る。加えて、翼300a、300bは、第1の棘突起800の第3の対向面803、及び第2の棘突起802の第4の対向面806に係合する。具体的には、翼300a、300bの牙310a、311a、310b、311bは、遠位アンカーを形成するインプラント部位の骨及び/又は組織と係合し得る。いくつかの実施形態では、図16に見られるように、インプラント100が所定の位置にあるとき、翼300a、300b、及びナット200は、脊椎突起の向かい側に係合し得る。
【0050】
上に記載された特徴、及び以下に特許請求される特徴は、本明細書の範囲から逸脱することなく、様々な方式で組み合わされ得る。以下の例は、いくつかの可能であり非限定的な組み合わせを示す。
【0051】
(A1)本体、近位アンカー、遠位アンカー、及び内部プランジャを備える、脊椎インプラント。本体は、外面、本体内の中央ボア、近位端、遠位端、及びそれらの間に延在する長手方向軸を有する。近位アンカーは、近位側部と、遠位側部と、内部ボアと、を有するナットを備える。遠位アンカーは、第1の閉鎖構成及び第2の開放構成を有する複数の翼を備え、複数の翼は、第1の翼及び第2の翼を備える。内部プランジャは、近位端、遠位端を有し、本体の中央ボア内に収容されている。内部プランジャの遠位端は、複数の翼を第1の閉鎖構成と第2の開放構成との間で選択的に移動させるために、第1の翼及び第2の翼に動作可能に連結されている。
【0052】
(A2)(A1)として示される脊椎インプラントについて、第1の翼を内部プランジャに連結する第1のリンク機構であって、第1のリンク機構が、近位端及び遠位端を有する、第1のリンク機構と、第2の翼を内部プランジャに連結する第2のリンク機構であって、第2のリンク機構が、近位端及び遠位端を有する、第2のリンク機構と、を更に備える。
【0053】
(A3)(A2)として示される脊椎インプラントについて、内部プランジャの遠位端が、第1のアーム、第2のアーム、及び第1のアームと第2のアームとの間の空間を備え、第1のリンク機構の近位端及び第2のリンク機構の近位端が、内部プランジャの第1のアームと第2のアームとの間の空間内に装着されている。
【0054】
(A4)(A2)~(A3)のうちのいずれかとして示される脊椎インプラントについて、第1のリンク機構及び第2のリンク機構が、装着ピンによって内部プランジャに回転可能に取り付けられている。
【0055】
(A5)(A2)~(A4)のうちのいずれかとして示される脊椎インプラントについて、第1のリンク機構の遠位端が、第1の翼に連結されており、第2のリンク機構の遠位端が、第2の翼に連結されている。
【0056】
(A6)(A2)~(A5)のうちのいずれかとして示される脊椎インプラントについて、第1の翼が、その中に第1のリンク機構を受容するための第1のスロットを含み、第2の翼が、その中に第2のリンク機構を受容するための第2のスロットを含む。
【0057】
(A7)(A1)~(A6)のうちのいずれかとして示される脊椎インプラントについて、第1の翼の遠位端が、組織又は骨に係合するように適合された少なくとも1つの尖った突起を含む。
【0058】
(A8)(A1)~(A7)のうちのいずれかとして示される脊椎インプラントについて、第2の翼の遠位端が、組織又は骨に係合するように適合された少なくとも1つの尖った突起を含む。
【0059】
(A9)(A1)~(A8)のうちのいずれかとして示される脊椎インプラントについて、本体の外面の少なくとも一部分上にある雄ねじ、及び該ナットの該内部ボア内の雌ねじ、ナットの雌ねじが、本体の雄ねじと協働するように構成されている。
【0060】
(A10)(A1)~(A9)のうちのいずれかとして示される脊椎インプラントについて、ナットの遠位側部が、組織又は骨に係合するように適合された少なくとも1つの屈曲アームを含む。
【0061】
(A11)(A1)~(A10)のうちのいずれかとして示される脊椎インプラントについて、少なくとも1つの屈曲アームが、組織又は骨に係合するように適合された粗面又は歯を含む。
【0062】
(A12)(A1)~(A11)のうちのいずれかとして示される脊椎インプラントについて、ナットの近位側部が、六角形の延在部を備える。
【0063】
(B1)本体、近位アンカー、遠位アンカー、及びリンク機構アセンブリを備える、脊椎インプラント。本体は、外面、本体内の中央ボア、近位端、遠位端、及びそれらの間に延在する長手方向軸を有する。本体は、外面の少なくとも一部分上に雄ねじを含む。近位アンカーは、近位側部と、遠位側部と、雌ねじを有する内部ボアと、を有するナットを備える。遠位アンカーは、選択的に開閉されるように構成された第1の翼及び第2の翼を備える。リンク機構アセンブリは、第1の翼及び第2の翼を本体に連結する。
【0064】
(B2)(B1)として示される脊椎インプラントについて、リンク機構アセンブリが、本体の中央ボア内に装着された内部プランジャ、第1のリンク機構、及び第2のリンク機構を備える。
【0065】
(B3)(B2)として示される脊椎インプラントについて、第1のリンク機構が、近位端及び遠位端を有し、第2のリンク機構が、近位端及び遠位端を有し、第1のリンク機構が、第1の翼を内部プランジャに連結し、第2のリンク機構が、第2の翼を内部プランジャに連結する。
【0066】
(B4)(B2)又は(B3)として示される脊椎インプラントについて、内部プランジャの遠位端が、第1のアーム、第2のアーム、及び第1のアームと第2のアームとの間の空間を備え、第1のリンク機構の近位端及び第2のリンク機構の近位端が、内部プランジャの第1のアームと第2のアームとの間の空間内に装着されている。
【0067】
(B5)(B2)~(B4)のうちのいずれかとして示される脊椎インプラントについて、第1のリンク機構及び第2のリンク機構が、装着ピンによって内部プランジャに回転可能に取り付けられている。
【0068】
(B6)(B1)~(B5)のうちのいずれかとして示される脊椎インプラントについて、ナットの近位側部が、六角形の延在部を備える。
【0069】
(C1)脊椎インプラントを治療部位に配置する方法であって、第1の閉鎖構成で脊椎インプラントを提供することと、脊椎インプラントを患者内の所望の治療部位に配置することと、内部プランジャを長手方向軸に沿って遠位方向にスライドさせて、複数の翼を第2の開放構成に移動させることと、を含む、方法。方法は、内部プランジャを長手方向軸に沿って近位方向にスライドさせて、複数の翼を第1の閉鎖構成に向けて移動させ、患者から脊椎インプラントを引き抜くことを更に含み得る。脊椎インプラントは、本体、近位アンカー、遠位アンカー、及び内部プランジャを備える。本体は、外面、本体内の中央ボア、近位端、遠位端、及びそれらの間に延在する長手方向軸を有する。近位アンカーは、近位側部と、遠位側部と、内部ボアと、を有するナットを備える。遠位アンカーは、第1の閉鎖構成及び第2の開放構成を有する複数の翼を備え、複数の翼は、第1の翼及び第2の翼を備える。内部プランジャは、近位端及び遠位端を有し、該内部プランジャが、本体の中央ボア内に収容されており、内部プランジャの該遠位端が、複数の翼を第1の閉鎖構成と第2の開放構成との間で選択的に移動させるために、第1の翼及び第2の翼に動作可能に連結されている。
【0070】
(C2)(C1)として示される方法について、内部プランジャを長手方向軸に沿って近位方向にスライドさせて、複数の翼を第1の閉鎖構成に向けて移動させ、治療部位で複数の翼を骨又は組織と係合させることを更に含む。
【0071】
(C3)(C1)又は(C2)として示される方法について、ナットを本体に沿って遠位方向に移動させて、ナットの遠位側部を組織又は骨と係合させることを更に含む。
【0072】
(C4)(C1)~(C3)のうちのいずれかとして示される方法について、内部プランジャを長手方向軸に沿って近位方向にスライドさせて、複数の翼を第1の閉鎖構成に移動させ、脊椎インプラントを患者から引き抜く。
【0073】
(C5)(C1)~(C4)のうちのいずれかとして示される方法について、ナットの近位側部が、六角形の延在部を更に備える。
【0074】
本発明は、添付の図面に例示される実施形態を参照して説明されてきたが、特許請求の範囲に列挙される本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書において均等物が採用され、置換が行われ得ることに留意されたい。
【0075】
したがって、本発明の様々な実施形態を説明してきたが、新規であり、特許証によって保護されることが所望されるものとして特許請求されるものは、以下を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】