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特表2023-543126湾曲した端面溝入れブレード及びそのための端面溝入れホルダ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】湾曲した端面溝入れブレード及びそのための端面溝入れホルダ
(51)【国際特許分類】
   B23B 27/04 20060101AFI20231005BHJP
   B23B 27/10 20060101ALI20231005BHJP
   B23B 29/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B23B27/04
B23B27/10
B23B29/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513361
(86)(22)【出願日】2021-09-19
(85)【翻訳文提出日】2023-02-24
(86)【国際出願番号】 IL2021051139
(87)【国際公開番号】W WO2022070181
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】17/038,560
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514105826
【氏名又は名称】イスカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120846
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 雅也
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(72)【発明者】
【氏名】ヘクト,ギル
(72)【発明者】
【氏名】ベン ハロウィッシュ,デイヴィッド
【テーマコード(参考)】
3C046
【Fターム(参考)】
3C046AA00
3C046BB07
3C046KK01
3C046KK11
(57)【要約】
端面溝入れブレード(10)は、環状溝を切削加工するための湾曲した溝入れ部分と、溝入れ部分に接続されたクランプ部分(138、144に接触する部分を参照)と、を有する。溝入れ部分は、下方向(F、DD;DE)を規定する、インサート(30)のためのインサートシートを有する。この基準系に基づいて、クランプ部分は、シートの下方に配置され、かつ、湾曲した溝入れ部分の曲率中心により近い側で下方向(F、DD;DE)から離間された下部くさび面(144に接触する10の部分を参照)を有する。端面溝入れホルダ(102)は、可撓性溝によってホルダの残りの部分から部分的に分離され、かつ、端面溝入れブレード(10)に接続する側の反対にある横方向側でのみホルダの残りの部分に物質的に接続された、弾性ヒンジのクランプ上側を有する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方向(DF)及び後方向(DR)を確立するブレード長手方向軸線(A1)を有する端面溝入れブレード(10)であって、前記端面溝入れブレード(10)は、
溝入れ部分(12)と、前記溝入れ部分に接続されたクランプ部分(14)と、を備え、前記溝入れ部分(12)は、
凹状内面(16)と、
前記凹状内面(16)に対して前記溝入れ部分(12)の反対側に配置された凸状外面(18)と、
前記凹状内面(16)から前記凸状外面(18)に向かって概して規定される外方向(DO)と、前記外方向(DO)の反対に概して規定される内方向(DI)と、
前記凹状内面(16)及び前記凸状外面(18)を接続する下面(20)と、
前記下面(20)に対して前記溝入れ部分(12)の反対側に配置され、かつ、前記凹状内面(16)及び前記凸状外面(18)を接続する上面(22)と、
前記凹状内面(16)及び前記凸状外面(18)を接続し、かつ、前記上面(22)及び前記下面(20)を接続する前端面(24)と、
前記前端面(24)に対して前記溝入れ部分(12)の反対側に配置され、かつ、前記凹状内面(16)、前記凸状外面(18)、前記上面(22)及び前記下面(20)を接続する後端面(26)と、
前記前端面(24)及び前記上面(22)の交線に形成され、かつ、上向きの第1インサートシート下面(42)と、前記第1インサートシート下面(42)から離間された第2インサートシート面(44)と、を備える第1インサートシート(28)と、
前記第1インサートシート下面(42)が面する方向として概して規定された上方向(DU)と、前記上方向(DU)の反対に概して規定された下方向(DD)と、
前記後端面(26)から前記前端面(24)に概して規定された前記前方向(DF)と、前記前方向(DF)とは反対に概して規定された前記後方向(DR)と、を備え、
前記クランプ部分(14)は、前記溝入れ部分(12)から前記外方向(DO)に延在し、かつ、前記溝入れ部分の前記前端面(24)から前記後方向に凹み、前記クランプ部分(14)は、
上部くさび面(52)と、
前記上部くさび面(52)に対して前記クランプ部分(14)の反対側に配置された下部くさび面(54)と、
前記上部くさび面(52)及び前記下部くさび面(54)の間に配置されたブレード当接面(56)と、
前記下部くさび面(54)及び前記上部くさび面(52)の間に配置され、かつ、前記後方向(DR)に面する後部ストッパ当接面(57)と、を備え、
前記下部くさび面(54)は、前記上部くさび面(52)に対して前記下方向(DD)及び前記内方向(DI)に配置される、端面溝入れブレード(10)。
【請求項2】
前記下部くさび面(54)又は前記ブレード当接面(56)のいずれかが、前記第1インサートシート(28)から直接前記下方向(DD)に配置される、請求項1に記載の端面溝入れブレード(10)。
【請求項3】
前記上部くさび面(52)又は前記ブレード当接面(56)のいずれかが、前記第1インサートシート(28)から前記外方向(DO)に直接配置される、請求項1又は2に記載の端面溝入れブレード(10)。
【請求項4】
前記ブレード当接面(56)は、平面であり、かつ、前記下部くさび面(54)に前記上部くさび面(52)を接続する、請求項1~3のいずれか1項に記載の端面溝入れブレード(10)。
【請求項5】
前記凹状内面(16)は連続的に湾曲している、請求項1~4のいずれか1項に記載の端面溝入れブレード(10)。
【請求項6】
前記凹状内面(16)は、
第1凹状サブ内面(16A)と、
第2凹状サブ内面(16B)と、
前記第1凹状サブ内面(16A)及び前記第2凹状サブ内面(16B)の交線に配置された隆起部(16C)であって、前記隆起部(16C)は、前記第1凹状サブ内面(16A)及び前記第2凹状サブ内面(16B)のうちの少なくとも一方よりも前記内方向(DI)にさらに突出する突出部分(70A)を備える、隆起部(16C)と、を備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の端面溝入れブレード(10)。
【請求項7】
前記隆起部(16C)は、前記第1凹状サブ内面(16A)及び前記第2凹状サブ内面(16B)のうちの少なくとも一方よりも前記外方向(DO)にさらに凹む凹部分(70B)をさらに備える、請求項6に記載の端面溝入れブレード(10)。
【請求項8】
前記隆起部(16C)は、前記突出部分(70A)及び前記凹部分(70B)を接続する中間部分(70C)をさらに備える、請求項7に記載の端面溝入れブレード(10)。
【請求項9】
前記凹状内面(16)及び前記凸状外面(18)は前記第1インサートシート(28)からの距離が増大するにつれて収束する、請求項1~8のいずれか1項に記載の端面溝入れブレード(10)。
【請求項10】
前記端面溝入れ部分(12)は、前記下面(20)及び前記後端面(26)の交線に形成された第2インサートシート(44)をさらに備え、
前記クランプ部分(14)は、前記下部くさび面(54)及び前記上部くさび面(52)の間に配置され、かつ、前記前方向(DF)に面する前部ストッパ面(59)をさらに備える、請求項1~9のいずれか1項に記載の端面溝入れブレード(10)。
【請求項11】
前記端面溝入れ部分(12)は、前記内方向(DI)及び前記外方向(DO)に平行な対称軸線(S)を中心に180度の回転対称を有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の端面溝入れブレード(10)。
【請求項12】
クーラント構成(58)をさらに備え、前記クーラント構成(58)は、
前記ブレード当接面(56)に開口するブレードクーラント入口(60)と、
前記第1インサートシート(28)に向けられた少なくとも1つのクーラント出口(62、64)と、を備える、請求項1~11のいずれか1項に記載の端面溝入れブレード(10)。
【請求項13】
前記クーラント構成(58)は、前記第1インサートシート(28)に向けられた第2クーラント出口(66)をさらに備える、請求項12に記載の端面溝入れブレード(10)。
【請求項14】
前記少なくとも1つのクーラント出口(66)は前記前端面(24)に開口する、請求項12又は13に記載の端面溝入れブレード(10)。
【請求項15】
前記ブレード当接面(56)は、平面であり、かつ、条件:10°≦α≦42°を満たす、前記下方向(DD)に対して鋭角αを形成するブレード当接平面(P1)を規定する、請求項1~3のいずれか1項に記載の端面溝入れブレード(10)。
【請求項16】
前記鋭角αは、条件:19°≦α≦33°を満たす、請求項15に記載の端面溝入れブレード(10)。
【請求項17】
端面溝入れホルダ(102)であって、前記端面溝入れホルダ(102)は、
ホルダクランプ部分(106)に接続されたシャンク部分(104)を備え、
前記ホルダクランプ部分(106)は、
クランプ前方向(CF)及びクランプ後方向(CR)を確立するクランプ長手方向軸線(C1)と、
前記クランプ長手方向軸線(C1)に垂直で、かつ、前記クランプ上方向(CU)及び前記クランプ下方向(CD)を確立するクランプ垂直軸線(C2)と、
前記クランプ長手方向軸線(C1)及び前記クランプ垂直軸線(C2)の両方に垂直で、かつ、クランプ第1側方向(CS1)及びクランプ第2側方向(CS2)を確立するクランプ横方向軸線(C3)と、
前記クランプ長手方向軸線(C1)に沿って互いに離間されたクランプ前端(130)及びクランプ後端(132)と、
前記クランプ垂直軸線(C2)に沿って互いに離間されたクランプ上側(122)及びクランプ下側(124)と、
前記クランプ横方向軸線(C3)に沿って互いに離間された第1クランプ側(126)及び第2クランプ側(128)であって、前記第1クランプ側(126)は前記クランプ上側(122)及び前記クランプ下側(124)を接続する、第1クランプ側(126)及び第2クランプ側(128)と、
前記第2クランプ側(128)に沿って形成され、かつ、前記クランプ前端(130)に開口するブレードクランプシート(108)と、を備え、
前記ブレードクランプシート(108)は、
前記第2クランプ側(128)及び前記クランプ前端(130)の両方に開口する可撓性溝(136)と、
前記可撓性溝(136)の上方に配置された上部クランプくさび面(138)と、
前記上部クランプくさび面(138)の下方に配置されたホルダ当接面(140)と、
前記上部クランプくさび面(138)から前記ホルダ当接面(140)の反対側で前記可撓性溝(136)の下方に配置された下部クランプくさび面(144)と、
前記クランプ垂直軸線(C2)に沿って前記上部クランプくさび面(138)と前記下部クランプくさび面(144)との間に配置され、かつ、前記クランプ長手方向軸線(C1)に沿って前記ホルダ当接面(140)の後方に配置された、前方に面した背部ストッパ面(146)と、を備え、
前記端面溝入れホルダ(102)の前端視において、
前記下部クランプくさび面(144)は、前記クランプ垂直軸線(C2)に沿って前記上部クランプくさび面(138)の下方に配置され、かつ、前記クランプ横方向軸線(C3)に沿った前記第2側方向(CS2)で前記上部クランプくさび面(138)よりも遠くに配置される、端面溝入れホルダ(102)。
【請求項18】
前記ホルダ当接面(140)は、平面であり、かつ、条件:10°≦β≦42°の条件を満たす、前記クランプ下方向(CD)に対してクランプ鋭角βを形成するホルダ当接平面(P2)を規定する、請求項17に記載の端面溝入れホルダ(102)。
【請求項19】
クランプ鋭角βは条件:19°≦β≦33°を満たす、請求項18に記載の端面溝入れホルダ(102)。
【請求項20】
前記ホルダ当接面(140)はホルダ当接面面積AAを有し、かつ、前記ブレードクランプシート(108)はシート面積ASを有し、前記ホルダ当接面面積AA及び前記シート面積ASは、0.5AS≦AA≦ASを満たす、請求項17~19のいずれか1項に記載の端面溝入れホルダ(102)。
【請求項21】
0.7AS≦AA≦0.95ASの条件を満たす、請求項20に記載の端面溝入れホルダ(102)。
【請求項22】
端面溝入れホルダ(102)に取り付けられた、請求項1~16のいずれか1項に記載の端面溝入れブレード(10)を備える端面溝入れ工具(100)。
【請求項23】
前記端面溝入れホルダ(102)は、ホルダクランプ部分(106)に接続されたシャンク部分(104)を備え、前記ホルダクランプ部分(106)は、
クランプ前方向(CF)及びクランプ後方向(CR)を確立するクランプ長手方向軸線(C1)と、
前記クランプ長手方向軸線(C1)に垂直で、かつ、クランプ上方向(CU)及びクランプ下方向(CD)を確立するクランプ垂直軸線(C2)と、
前記クランプ長手方向軸線(C1)及び前記クランプ垂直軸線(C2)の両方に垂直で、かつ、クランプ第1側方向(CS1)及びクランプ第2側方向(CS2)を確立するクランプ横方向軸線(C3)と、
前記クランプ長手方向軸線(C1)に沿って互いに離間されたクランプ前端(130)及びクランプ後端(132)と、
前記クランプ垂直軸線(C2)に沿って互いに離間されたクランプ上側(122)及びクランプ下側(124)と、
前記クランプ横方向軸線(C3)に沿って互いに離間された第1クランプ側(126)及び第2クランプ側(128)であって、前記第1クランプ側(126)は前記クランプ上側(122)及び前記クランプ下側(124)を接続する、第1クランプ側(126)及び第2クランプ側(128)と、
前記第2クランプ側(128)に沿って形成され、かつ、前記クランプ前端(130)に開口するブレードクランプシート(108)と、を備え、前記ブレードクランプシート(108)は、
前記第2クランプ側(128)及び前記クランプ前端(130)の両方に開口する可撓性溝(136)と、
前記可撓性溝(136)の上方に配置された上部クランプくさび面(138)と、
前記上部クランプくさび面(138)の下方に配置されたホルダ当接面(140)と、
前記上部クランプくさび面(138)から前記ホルダ当接面(140)の反対側で前記可撓性溝(136)の下方に配置された下部クランプくさび面(144)と、
前記クランプ垂直軸線(C2)に沿って前記上部クランプくさび面(138)と前記下部クランプくさび面(144)との間に配置され、かつ、前記クランプ長手方向軸線(C1)に沿って前記ホルダ当接面(140)の後方に配置された、前方に面した背部ストッパ面(146)と、を備え、
前記端面溝入れホルダ(102)の前端視において、
前記下部クランプくさび面(144)は、前記クランプ垂直軸線(C2)に沿って前記上部クランプくさび面(138)の下方に配置され、かつ、前記クランプ横方向軸線(C3)に沿った前記第2側方向(CS2)で前記上部クランプくさび面(138)よりも遠くに配置され、
前記ブレードの上部くさび面(52)は前記ホルダの上部クランプくさび面(138)に当接し、
前記ブレードの下部くさび面(54)は前記ホルダの下部クランプくさび面(144)に当接し、
前記ブレードのブレード当接面(56)は前記ホルダのホルダ当接面(140)に当接し、
前記ブレードの後部ストッパ当接面(57)は前記ホルダの背部ストッパ面(146)に当接する、請求項22に記載の端面溝入れ工具(100)。
【請求項24】
前記ホルダのブレードクランプシート(108)はシート面積ASを有し、
前記ブレード当接面(56)と前記シート面積ASとの間の表面接触面積PAは条件:PA>0.30ASを満たす、請求項23に記載の端面溝入れ工具(100)。
【請求項25】
前記表面接触面積PAは条件:PA>0.55ASを満たす、請求項24に記載の端面溝入れ工具(100)。
【請求項26】
前記表面接触面積PAは条件:PA>0.70ASを満たす、請求項25に記載の端面溝入れ工具(100)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001] 本発明の主題は、金属切削加工用途のために構成された端面溝入れブレード及びそのための端面溝入れホルダ(簡潔にするために「ブレード」及び「ホルダ」ともいう)に関する。より具体的には、前記ブレードは、湾曲した溝入れ部分と、溝入れ部分の凸状に湾曲した側に接続されたクランプ部分と、を備え、クランプ部分は、前記ホルダによって保持されるように構成される。
【背景技術】
【0002】
[002] 湾曲した端面溝入れ工具の例は、米国特許出願公開第2018085831号、米国特許出願公開第2016193661号及び米国特許第5156502号に開示されている。米国特許出願公開第2018085831号及び米国特許出願公開第2016193661号は、ホルダ内に取り外し可能に保持された湾曲した溝入れブレードを開示しており、ブレードはインサートシートを有している。米国特許第5156502号は、インサートシートを備えた湾曲した前方溝入れ部分を有する単一のワンピース構造を有するホルダを開示しており、取り外し可能なブレードを開示していない。
【0003】
[003] クランプされるクランプ部分を備えるブレードの例は、米国特許出願公開第2006257217号(湾曲した端面溝入れブレードではなく、突切り用に設計され、端面溝入れ用に設計されていない平面ブレードではあるが)及び独国特許第3204693号に開示されている。
【0004】
[004] 本願の目的は、新規で改良された湾曲した端面溝入れブレード及び端面溝入れホルダを提供することである。
【発明の概要】
【0005】
[005] 本発明の第1態様によれば、端面溝入れブレードが提供され、端面溝入れブレードは、溝入れ部分と、溝入れ部分に接続されたクランプ部分と、を備え;溝入れ部分は、前端面と上面との交線に形成された第1インサートシートを備え、第1インサートシートは、上向きの第1インサートシート下面と;第1インサートシート下面が面する方向として概して規定される上方向と、上方向の反対に概して規定される下方向と、を備え;クランプ部分の少なくとも一部は、溝入れ部分の残りの部分に対して下方向及び内方向に配置される。
【0006】
[006] 従来技術のクランプ部分は、上方向及び下方向に平行に延在することが以前から知られていることが理解される。本発明の少なくとも1つの利点は、(前述した従来技術の平行構成と比較して)クランプ部分の少なくとも一部がインサートシートの下方により近くなる場合である。これにより、切削インサート(及びその結果として上向きの第1インサートシート下面)に作用する下向きの切削加工力が、さらに強力にホルダに端面溝入れブレードを押し込み、これまで知られているよりも安定したクランプ構成を形成することを可能にする。
【0007】
[007] 本発明の第2態様に係るブレードのより詳細について説明すると、前方向及び後方向を確立するブレード長手方向軸線を有する端面溝入れブレードが提供され、端面溝入れブレードは、溝入れ部分と、溝入れ部分に接続されたクランプ部分と、を備え;溝入れ部分は、凹状内面と;凹状内面に対して溝入れ部分の反対側に配置された凸状外面と;凹状内面から凸状外面に向かって概して規定される外方向と、外方向の反対に概して規定される内方向と;凹状内面及び凸状外面を接続する下面と;下面に対して溝入れ部分の反対側に配置され、かつ、凹状内面及び凸状外面を接続する上面と;凹状内面及び凸状外面を接続し、かつ、上面及び下面を接続する前端面と;前端面に対して溝入れ部分の反対側に配置され、かつ、凹状内面、凸状外面、上面及び下面を接続する後端面と;前端面及び上面の交線に形成された第1インサートシートであって、第1インサートシートは、上向きの第1インサートシート下面と、第1インサートシート下面から離間された第2インサートシート面と;第1インサートシート下面が面する方向として概して規定された上方向と、上方向の反対に概して規定された下方向と、後端面から前端面に概して規定された前方向と、前方向とは反対に概して規定された後方向と、を備え;クランプ部分は、溝入れ部分から外方向に延在し、かつ、溝入れ部分の前端面から後方向に凹み、クランプ部分は、上部くさび面と;クランプ部分の上部くさび面とは反対側に配置された下部くさび面と;上部くさび面と下部くさび面との間に配置されたブレード当接面と、下部くさび面と上部くさび面との間に配置され、かつ、後方向に面する後部ストッパ当接面と、を備え、下部くさび面は、上部くさび面に対して下方向及び内方向に配置される。
【0008】
[008] 従来技術のブレードに対する利点は、ブレード当接面が、好ましくは、その側面に平坦な当接面がほとんど又は全くない湾曲した従来技術のブレードよりも良好な安定性を可能にする平坦な形状を有し得ることである。
【0009】
[009] 当技術分野で知られているように、第2インサートシート面は、本件図面に示すように下向き又は前向きのいずれかであり得る。それにもかかわらず、既知のすべてのインサートシートは、切削加工力の大部分を受けるインサートシート下面を有することが理解される。
【0010】
[0010] 上記態様のいずれかによれば、いくつかの好ましい特徴は以下のとおりである。
【0011】
[0011] 好ましくは、下部くさび面又はブレード当接面のいずれかが、第1インサートシートから直接下方向に配置される。より好ましくは、上部くさび面又はブレード当接面のいずれかが、第1インサートシートから直接外方向に配置される。
【0012】
[0012] インサートシートに対する下向きの切削加工力は、支持された当接部分(特に、ブレード当接面及びさらには下部くさび面)が第1インサートシートの真下にある場合に、ブレードを安定させるのにより有益であることが理解される。しかしながら、これは特定の端面溝入れ加工に必要な曲率に依存し(各ブレードは特定の曲率で設計されている)、常に最適な配置が可能であるとは限らないので、最も好ましい例は、下部くさび面が第1インサートシートの真下にある場合である。それにもかかわらず、すべての場合において、これは、クランプ部分が上方向及び下方向に対して平行に(傾斜せずに)延在する従来技術の構成よりも好ましい。
【0013】
[0013] 好ましくは、ブレード当接面は下部くさび面に上部くさび面を接続する。
【0014】
[0014] ブレード当接面の表面積が大きくなるにつれて、ブレードに対する安定性を向上させることが理解される。その側面にホルダとの比較的小さな当接面しか有していない比較例の従来技術の湾曲した端面溝入れブレードよりもはるかに高い安定性が確実に得られる。最も好ましい例では、上部くさび面と下部くさび面との間に延在する表面の一部のみが平面である(及びしたがって、信頼性が高く安定した当接のために構成される)ことが可能であるが、2つのくさびを接続する表面全体が平坦である。
【0015】
[0015] 好ましくは、凹状内面は連続的に湾曲している。
【0016】
[0016] 示される図面では、凹状内面は連続的に湾曲していないが、(隆起部によって分離された)2つの異なるサブ表面がある。2つの異なるサブ表面ではなく、単一の連続的な湾曲した表面があることが好ましい。このような単一の表面は、溝入れ加工が切り込み深さに制限されないようにすることが可能である。しかしながら、以下の開示から理解されるように、特定の限定された範囲の曲率についてのみ、そのような最適な設計が達成可能であることが判明した。
【0017】
[0017] それにもかかわらず、ある好ましい実施形態によれば、凹状内面は:第1凹状内側サブ表面;第2凹状内側サブ表面と;第1凹状内側サブ表面及び第2凹状内側サブ表面の交線に配置された隆起部と、を備え、隆起部は、第1凹状内側サブ表面及び第2凹状内側サブ表面のうちの少なくとも一方よりも内方向にさらに突出する突出部分を備える。
【0018】
[0018] この利点は、割り出し可能なブレード、すなわち、溝入れ部分の反対側の端部に第2インサートシートを備えるブレードにとって特に有益であることが理解される。その一例が図面に示されている。図示のインサートシートは、溝入れ部分の正反対の隅部にあるが、共通の上面又は下面の反対側に配置されることも可能である。
【0019】
[0019] 前記突出部分は、ブレードの切り込み深さを制限するが、単一の連続的に硬化された凹状内面を許容しない曲率に対して、第2インサートシートの利点を有する割り出し可能なブレードを可能にする。
【0020】
[0020] 好ましくは、突出部分は、ブレードの長手方向に対して垂直に延在し得る。より具体的には、延在は外方向であり得る。
【0021】
[0021] 好ましくは、隆起部は、第1凹状内側サブ表面及び第2凹状内側サブ表面のうちの少なくとも一方よりも外方向にさらに凹んだ凹部分をさらに備え得る。好ましくは、凹部分は、ブレードの長手方向に対して垂直に延在し得る。
【0022】
[0022] 好ましくは、隆起部は、突出部分及び凹部分を接続する中間部分をさらに備える。
【0023】
[0023] 好ましくは、中間部分は、ブレードの長手方向に平行に延在する(図面において、これは前方向及び後方向に平行である)。好ましくは、中間部分は、凹状内面の中心に配置され得る。好ましくは、中間部分は、ブレードの凹状内面と面一であり得る。
【0024】
[0024] 好ましくは、凹状内面及び凸状外面は、第1インサートシートからの距離が増大するにつれて収束する。これは、端面溝入れに逃げを提供するための好ましい構成である。
【0025】
[0025] 好ましくは、端面溝入れ部分は第2インサートシートをさらに備える。より好ましくは、第2インサートシートは、下面及び後端面の交線に形成される。ブレードは簡単に180度ごとに割り出し可能であるので、これにより複雑さが軽減されることが理解される。2つのインサートシートが両方とも共通の隣接する上縁又は下縁に沿って配置されて同じ加工を達成する場合、使用されるべきインサートシートの1つについてホルダがタレットに逆さまにクランプされる又は左右の切削加工方向のうちの反対の方向などで使用される必要がある場合がある。このような場合、クランプ部分は、下部くさび面及び上部くさび面の間に配置され、かつ、前方向に面する前部ストッパ面をさらに備える。
【0026】
[0026] したがって、好ましくは、端面溝入れ部分は、ブレード当接シートに垂直な対称軸線Sを中心に180度の回転対称を有する。
【0027】
[0027] 好ましくは、端面溝入れブレードはクーラント構成をさらに備える。クーラント構成は:ブレード当接面に開口するブレードクーラント入口と;第1インサートシートに向けられた少なくとも1つのクーラント出口と、を備え得る。より好ましくは、クーラント構成は、第1インサートシートに向けられた第2クーラント出口をさらに備える。そして最も好ましくは、少なくとも1つのクーラント出口が前端面に開口する。
【0028】
[0028] 内部クーラントチャネル、特に溝入れ部分の比較的薄くて湾曲した部分のインサートシートの下方に延在する(及びしたがって、前端面に開口する)チャネルの製造に従来使用されている技術に起因して、湾曲したブレードのためのクーラント構成は、平坦なブレードの場合よりも複雑であることに留意されたい。
【0029】
[0029] 当業者には明らかであるように、上記特徴は全体的に方向を規定する。しかしながら、インサートシート下面に対する方向のより正確な幾何学的規定は以下のとおりである。第1点は、第1インサートシートの真下、かつ、より正確にはインサートシート下面の下方の凹状内面上に規定され得る。第2点は、第1点に隣接して、かつ、第1インサートシートの真下、かつ、より正確にはインサートシート下面の下方の凸状外面上に規定され得る。
【0030】
[0030] したがって、これらの点に関して、外方向は、第1点から第2点に向かって延在する仮想線Lに平行として正確に規定され得る。内方向は、第2点から第1点まで延在する仮想線に平行としてより正確に規定され得る。上方向は、仮想線に垂直で、かつ、第1点からインサートシート下面に向かって延在する方向としてより正確に規定され得る。下方向は、仮想線に垂直で、かつ、インサートシート下面から第1点に向かって延在する方向としてより正確に規定され得る。後方向は、仮想線並びに上方向及び下方向の両方に垂直で、かつ、第1点から後端面に向かって延在する方向としてより正確に規定され得る。前方向は、仮想線並びに上方向及び下方向の両方に垂直で、かつ、後端面から第1点に向かって延在する方向としてより正確に規定され得る。
【0031】
[0031] 開発後、ブレード当接面が、平面であり、かつ、下方向に対して鋭角αを形成するブレード当接平面P1を規定し、条件:10°≦α≦42°、より好ましくは19°≦α≦33°を満たすことが、安定した取り付けに好ましいことが判明した。
【0032】
[0032] 本発明の第3態様によれば、端面溝入れホルダが提供され、端面溝入れホルダは:シャンク部分と;ホルダクランプ部分と、を備え、ホルダクランプ部分は:クランプ上側と;ホルダクランプ部分のクランプ上側とは反対側に配置されたクランプ下側と;クランプ上側及びクランプ下側を接続する第1クランプ側と;ホルダクランプ部分の第1クランプ側とは反対側に配置された第2クランプ側と;クランプ前端と;クランプ後端と;第2クランプ側に沿って形成され、かつ、クランプ前端に開口するブレードクランプシートと;クランプ後端からクランプ前端に向かって概して規定されるクランプ前方向と、クランプ前方向とは反対に概して規定されるクランプ後方向と;クランプ下側からクランプ上側に向かって概して規定されるクランプ上方向と、クランプ上方向とは概して反対に規定されるクランプ下方向と;第2クランプ側から第1クランプ側に向かって概して規定されるクランプの第1側方向と、クランプ第1側方向とは反対に概して規定されるクランプ第2側方向と;を備え、ブレードクランプシートは、第2クランプ側及びクランプ前端に開口する可撓性溝と;可撓性溝の上方に配置された上部クランプくさび面と;上部クランプくさび面の下方に配置された平面ホルダ当接面と;可撓性溝の下方に配置され、かつ、上部クランプくさび面に対して平面ホルダ当接面の反対側に配置された下部クランプくさび面と;上部クランプくさび面及び下部クランプくさび面との間、かつ、平面ホルダ当接面の後方に配置された前方に向いた背部ストッパ面と、を備え、下部クランプくさび面は、上部クランプくさび面に対してクランプ下方向及びクランプ第2側方向に配置される。
【0033】
[0033] 本発明の第4態様によれば、ホルダクランプ部分に接続されたシャンク部分を備える端面溝入れホルダが提供され、ホルダクランプ部分は:クランプ前方向及びクランプ後方向を確立するクランプ長手方向軸線と;クランプ長手方向軸線に垂直で、かつ、クランプ上方向及びクランプ下方向を確立するクランプ垂直軸線と;クランプ長手方向軸線及びクランプ垂直軸線の両方に垂直であり、かつ、クランプ第1側方向及びクランプ第2側方向を確立するクランプ横方向軸線と;クランプ長手方向軸線に沿って互いに離間されたクランプ前端及びクランプ後端と;クランプ垂直軸線に沿って互いに離間されたクランプ上側及びクランプ下側と;クランプ横方向軸線に沿って互いに離間された第1クランプ側及び第2クランプ側であって、第1クランプ側はクランプ上側及びクランプ下側を接続する、第1クランプ側及び第2クランプ側と;第2クランプ側に沿って形成され、かつ、クランプ前端に開口するブレードクランプシートと;を備え、ブレードクランプシートは:第2クランプ側及びクランプ前端の両方に開口する可撓性溝と;可撓性溝の上方に配置された上部クランプくさび面と;上部クランプくさび面の下方に配置されたホルダ当接面と;上部クランプくさび面からホルダ当接面の反対側で可撓性溝の下方に配置された下部クランプくさび面と;クランプ垂直軸線に沿って上部クランプくさび面及び下部クランプくさび面の間に配置され、かつ、クランプ長手方向軸線に沿ってホルダ当接面の後方に配置された、前方に面した背部ストッパ面と、を備え、端面溝入れホルダの前端視において、下部クランプくさび面は、クランプ垂直軸線に沿って上部クランプくさび面の下方に配置され、かつ、クランプ横方向軸線に沿った第2側方向で上部クランプくさび面よりも遠くに配置される。
【0034】
[0034] 本発明の第3態様及び第4態様は、同じ安定したクランプを容易にしつつ端面溝入れブレードを補完する。
【0035】
[0035] さらに、背部ストッパ面は、端面溝入れブレードの正確な位置決めとブレードの容易な取り付けとを可能にする。ブレードの突き出し量を可変に調整できないので、このような背部ストッパ面は、通常、対向するくさびを有するスライド可能なブレードには不利であると考えられるが、下部クランプくさび面は、切削加工力がブレードを安定させることを可能にするように有利に配置されているので、ブレードは、比較的長い突き出しを有するように事前に設計され、可変突き出しのオプションを有しないシステムの不利点を上回ることができる。
【0036】
[0036] 好ましくは、孔が、クランプ上側に開口し、かつ、下向きに延在し、可撓性溝を横断する。
【0037】
[0037] ブレードと同様の有益な理由から、好ましくは、ホルダ当接面は、平面であり、かつ、クランプ下方向に対して鋭角のクランプ角度βを形成するホルダ当接平面を規定し、条件:10°≦β≦42°、より好ましくは19°≦β≦33°を満たす。
【0038】
[0038] ホルダの比較的大きな当接面がどのように設けられるかを説明すると、従来技術の例と比較して、好ましくは、ホルダ当接面はホルダ当接面面積AAを有し、かつ、ブレードクランプシートはシート面積ASを有し、ホルダ当接面面積AA及びシート面積ASは、0.5AS≦AA≦AS、より好ましくは、0.7AS≦AA≦0.95ASの条件を満たす。
【0039】
[0039] シート面積ASは、長方形状のブレードクランプシートの場合、条件:AS=H2・L2で規定され得る(ただし、面積の計算は、さまざまな形状によって異なることが理解される)。
【0040】
[0040] 同様に、ブレード当接面はブレード面積ABを有し得る。
【0041】
[0041] ブレード面積ABは、長方形状のブレードクランプシートの場合、条件:AB=LI・H1で規定され得る(ただし、面積の計算は、さまざまな形状によって異なることが理解される)。
【0042】
[0042] 好ましくは、ブレード当接面がホルダ当接面に当接する場合、ブレード当接面がシート面積ASに当接する面積の割合は、シート面積ASの30%超(AB≧0.30AS)、より好ましくは、シート面積ASの55%超(AB≧0.55AS)、最も好ましくは70%超(AB≧0.70AS)である。言い換えると、ブレード当接面とシート面積ASとの間の表面接触面積PAは、条件PA>0.30AS、より好ましくはPA>0.55AS、最も好ましくはPA>0.70ASを満たす。
【0043】
[0043] 本発明の第5態様によれば、第3態様に係る端面溝入れホルダと;端面溝入れホルダに取り付けられた、第1態様又は第2態様に係る端面溝入れブレードと、を備える端面溝入れ工具が提供され、取り付け位置では、上部くさび面は上部クランプくさび面に当接し;下部くさび面は下部クランプくさび面に当接し;ブレード当接面はホルダ当接面に当接し;後部ストッパ当接面は背部ストッパ面に当接する。
【0044】
[0044] 好ましくは、上述の当接は、端面溝入れホルダと端面溝入れブレードとの当接の領域のみであり得る。
【0045】
[0045] 本発明の第6態様によれば、前述の態様のいずれかに係る端面溝入れホルダに取り付けられた、前述の態様のいずれかに係る端面溝入れブレードを備える端面溝入れ工具が提供される。
【0046】
[0046] より正確には、端面溝入れホルダは、ホルダクランプ部分に接続されたシャンク部分を備え、ホルダクランプ部分は:クランプ前方向及びクランプ後方向を確立するクランプ長手方向軸線と;クランプ長手方向軸線に垂直で、かつ、クランプ上方向及びクランプ下方向を確立するクランプ垂直軸線と;クランプ長手方向軸線及びクランプ垂直軸線の両方に垂直であり、かつ、クランプ第1側方向及びクランプ第2側方向を確立するクランプ横方向軸と;クランプ長手方向軸線に沿って互いに離間されたクランプ前端及びクランプ後端と;クランプ垂直軸線に沿って互いに離間されたクランプ上側及びクランプ下側と;クランプ横方向軸線に沿って互いに離間された第1クランプ側及び第2クランプ側であって、第1クランプ側はクランプ上側及びクランプ下側を接続する、第1クランプ側及び第2クランプ側と;第2クランプ側に沿って形成され、かつ、クランプ前端に開口するブレードクランプシートであって、ブレードクランプシートは:第2クランプ側及びクランプ前端の両方に開口した可撓性溝と;可撓性溝の上方に配置された上部クランプくさび面と;上部クランプくさび面の下方に配置されたホルダ当接面と;上部クランプくさび面からホルダ当接面の反対側で可撓性溝の下方に配置された下部クランプくさび面と;クランプ垂直軸線に沿って上部クランプくさび面及び下部クランプくさび面の間で、かつ、クランプ長手方向軸線に沿ってホルダ当接面の後方に配置された、前方に面した背部ストッパ面と、を備える、ブレードクランプシートと、を備え、端面溝入れホルダの前端視において:下部クランプくさび面が、クランピング垂直軸に沿って上部クランプくさび面の下方に、かつ、クランプ横方向軸線に沿って第2側方向において上部クランプくさび面より遠くに配置され;ブレードの上部くさび面はホルダの上部クランプくさび面に当接し;ブレードの下部くさび面はホルダの下部くさびクランプ面に当接し;ブレードのブレード当接面はホルダのホルダ当接面に当接し;ブレードの後部ストッパ当接面がホルダの背部ストッパ面に当接する。
【0047】
[0047] 本願の主題をよりよく理解するため、かつ、本願の主題が実際にどのように実施され得るかを示すため、ここで添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】本発明に係る端面溝入れブレードの斜視図である。
図2図1の端面溝入れブレードの正面図である。
図3図1の端面溝入れブレードの第1側面図(内面図ともいう)である。
図4図1の端面溝入れブレードの平面図である。
図5図1の端面溝入れブレードの、第1側面図とは反対方向から見た第2側面図(外面図ともいう)である。
図6】本発明に係る、図1の端面溝入れブレードを備える端面溝入れ工具の斜視図である。
図7図6の端面溝入れホルダの斜視図である。
図8図7の端面溝入れホルダの背面図である。
図9図7の端面溝入れホルダの前部分の平面図である。
図10図6の端面溝入れホルダの正面図である。
図11図6の端面溝入れ工具の正面図である。
図12図6の端面溝入れ工具の平面図であり、端面溝入れホルダの一部のみが示されている。
図13】本発明に係る別の端面溝入れブレードの斜視図である。
図14図13の端面溝入れブレードの正面図である。
図15図13の端面溝入れブレードの第1側面図である。
図16図13の端面溝入れブレードの平面図である。
図17】第1側面図とは反対方向から見た、図13の端面溝入れブレードの第2側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
[0048] 最初に、湾曲した端面溝入れブレード10の第1例が示されている図1図5に着目する。
【0050】
[0049] ブレード10は、ブレード前方向DF及びブレード後方向DRを確立するブレード長手方向軸線A1を有し、かつ、クランプ部分14に接続された溝入れ部分12を備える。
【0051】
[0050] 溝入れ部分12は、凹状内面16、凸状外面18、下面20、上面22、前端面24及び後端面26を備える。クランプ部分14は、前端面24から凹み、及びしたがって、ブレード長手方向軸線A1に沿って溝入れ部分12に部分的にのみ重なっている。
【0052】
[0051] 図4に最もよく示されているように、端面溝入れブレード10、より正確にはその溝入れ部分12は、下面20及び上面22の延長部分と同じ基本方向に(又は、別の言い方をすれば、ブレード長手方向軸線A1に沿って長手方向に、かつ、ブレード前方向DF及びブレード後方向DRに平行に)細長い。
【0053】
[0052] 要素の相対的な参照のため、方向、すなわち、外方向DO、内方向DI、上方向DU、下方向DD、前述の前方向DF及び前述の後方向DRが提供される。
【0054】
[0053] 図2に示すように、凹状内面16及び凸状外面18は、少なくとも部分的に下方向DDに収束する。溝入れ部分12が湾曲しているので、前記収束は正確な下方向DDではなく、基本的に近くの第1インサートシート28に対して下向きを意味するほぼ下方向DDであることが理解される(図2では、第1インサートシート28に取り付けられた第1切削インサート30によってその表示が見えにくくなっている)。
【0055】
[0054] 別の言い方をすれば、前端面24は、インサートシート28からの距離が増大するにつれて先細になる。これは端面溝入れ加工中に逃げを提供する。
【0056】
[0055] 図1に簡単に着目すると、第1切削インサート30は、すくい面34(その上を機械加工された切り屑が流れるためのものである)と逃げ面36との間に配置された切れ刃32を備える。
【0057】
[0056] 第1インサートシート28は前端面24と上面22との交線に形成される。
【0058】
[0057] 溝入れ部分14の両端が同じ形状である実施形態では、端面溝入れブレード10は、少なくとも溝入れ部分12の中心を通過する対称軸線Sを中心に180度回転対称であってもよい。したがって、追加の同一の第2インサートシート38及びそこに取り付けられた第2切削インサート40などの対称の特徴については説明しない。図2に見られるように、上方向DU及び下方向DDは、第1インサートシート28が面するおおよその方向に基づいている。また、図3の側面図は、対称軸線Sに平行でないDI-DO方向(DU-DD方向に垂直である)に沿った図である。したがって、図3に見られる対称軸線Sはページに対して垂直ではない。
【0059】
[0058] 第1インサートシート28は、上向きの第1インサートシート下面42(すくい面34の反対側に配置される)と、前向きの第2インサートシート面44と、を備える。
【0060】
[0059] 図2に示すように、第1インサートシート下面42はくさび(又はテーパ)形状を有するが、他のインサートシートタイプではそうではない場合がある。本開示におけるすべての意図及び目的のため、第1インサートシート面は、上方向DUに面する平坦面又は平面表面とみなされ得る。
【0061】
[0060] 方向の代替のより正確な定義は、凹状内面16上で、かつ、第1インサートシート下面42の真下に隣接して配置された第1点46を使用してなされ得る。この文脈における「隣接して」という単語は、溝入れ部分12が特に湾曲する前を意味する。さらに、第2点48が、第1点46に直接隣接し、凸状外面18上にあり、かつ、第1インサートシート下面42の真下に隣接している。
【0062】
[0061] 第1点46から第2点48に向かって延びる直線仮想線Lは、上で詳述した正確な方向をさらに規定する。
【0063】
[0062] クランプ部分14は、上部取り付け面52、下部取り付け面54、ブレード当接平面P1を規定するブレード当接面56、後部ストッパ当接面57(図4)、及びこの割り出し可能なブレードの例では、前部ストッパ当接面59と、を備える。ブレード当接面56は、平面であってもよく、及びしたがって、平面ブレード当接面56とみなされてもよい。図2に見られるように、対称軸線Sはブレード当接面56の当接平面P1に対して垂直である一方で、ブレード長手方向軸線A1はブレード当接平面P1に対して平行である。対称軸線Sはブレード長手方向軸線A1に交差してもよい。上部取り付け面52及び下部取り付け面54は、くさび形であり、及びしたがって、上部くさび面52及び下部くさび面54とみなされてもよい。上部くさび面52及び下部くさび面54は凸状であり、より具体的には、傾斜面55A及び傾斜面55B(図4)が中心頂点から等しく延在していることによって各々がV字形を有するが、(ホルダ設計に対応する変更によって)代替として凹状であり得る。しかしながら、図示の上部くさび面52及び下部くさび面54は、製造を容易にするための最も好ましい設計である。
【0064】
[0063] 図示するように、ブレード当接面56は、上部くさび面52及び下部くさび面54を接続し(すなわち、上部くさび面52及び下部くさび面54までずっと延在し)、そのことが、依然として実行可能でより小さい面積を有する実施形態より、当接により大きな面積を提供し、及びしたがって、高い安定性を提供する。
【0065】
[0064] より具体的には、ブレード当接面56はブレード面積ABを有し、ブレード面積ABは、矩形面のこの例では、長さL1(図4)及び高さH1(図2)から計算される。
【0066】
[0065] 特に図2に着目すると、クランプ部分14、又はより具体的には、ブレード当接面56は、上部くさび面52から下部くさび面54まで下方向DD及び内方向DIに延在する。
【0067】
[0066] 別の言い方をすれば、下部くさび面54は、好ましくは、第1インサートシート28から直接下方向DDに配置される、又は図示するように、第1インサートシート28に対して下方かつ内方に配置される。
【0068】
[0067] ブレード当接は、平面であり得、かつ、下方向DDに対して鋭角αを形成する平面P1を規定し得る。
【0069】
[0068] ブレード10は内部クーラント構成58を備える。
【0070】
[0069] クーラント構成58は、ブレードクーラント入口60(図5)と、少なくとも1つのブレードクーラント出口(この例では、少なくとも1つのブレードクーラント出口は、単一の上部クーラント出口62(図1)によって構成される)への少なくとも1つの内部通路(図示せず)と、を備える。
【0071】
[0070] 図13で議論される同様の実施形態では、上部クーラント出口64と、前端面68に開口する第2クーラント出口66と、の両方が存在し得ることが示されている。
【0072】
[0071] 図1に戻ると、すべてのクーラント出口は、任意選択的ではあるが、基本的にはインサートシート28に向けられることが好ましく、及びより正確には、インサートの切れ刃32及びワークピース(図示せず)が噛み合うように意図された場所にほぼ配置された切削領域に向けられることが理解される。
【0073】
[0072] ブレード10が、単一のインサートシート又は複数のインサートシートを有していても、回転対称ではないことは依然として実現可能であることが理解される。
【0074】
[0073] 凹状内面16が連続的に湾曲している(すなわち、突出部分又は段差がない、図示せず)ことが望ましいが、突出部分は、ブレードが切削加工することができる深さを制限する可能性があるので、特定の範囲の曲率及びブレード10(すなわち、両頭湾曲ブレード)の各端部におけるインサートシートでは、非連続の凹状内面16が必要であることが判明した。
【0075】
[0074] 特に図1及び図2を参照して詳述すると、本例では、凹状内面16は、第1凹状内面16A及び第2凹状内面16Bと、それらの交線に配置された隆起部16Cと、を備える。
【0076】
[0075] 隆起部16Cは、第1インサートシート28に対して、内方向DIに突出する突出部分70Aと、外方向DOに凹む凹部分70Bと、突出部分70A及び凹部分70Bを接続する中間部分70Cと、を備える。第2インサートシート38の視点から見ると、突出部分及び凹部分が入れ替えられていることが理解される。
【0077】
[0076] 図2の前端図では、突出部分70Aのみが見えている。したがって、突出部分70Aは、ワークピース(図示せず)内へと相対的に前方向DFに移動する場合、ブレード10の切削加工の深さを制限することが理解され得る。
【0078】
[0077] 符号38で示される追加のインサートシートに対して、いわゆる凹部分70Bは実際には突出部分であり、いわゆる突出部分70Aは実際には凹部分であることが理解される。
【0079】
[0078] したがって、各作動位置において、突出部分は、インサートシートに関連付けられた長手方向縁部に隣接する。説明すると、図示の例では、突出部分70Aは、(これも遠位にある下面20とは対照的である)第1インサートシート28も近接している同じ長手方向面(すなわち、上面22)に隣接している。
【0080】
[0079] 特に、これは、比較的湾曲した経路(すなわち、比較的小さい半径を有する溝入れ部分)の端面溝入れ用に構成されたブレード10のための構成である。
【0081】
[0080] 対照的に、図13図17を参照すると、符号72で示される別のブレードは、比較的直線的な経路の端面溝入れ(ただし、いくらか湾曲している;すなわち、比較的大きな径を有する溝入れ部分)用に構成される。
【0082】
[0081] 特に、第1インサートシート74に対して、突出部分76Aの位置は、第1インサートシート74と同じ長手方向面78に隣接しないが、遠位長手方向面80に隣接する。同じ反転が凹部分76Bにも当てはまる(中間部分76Cの位置は変化しないが、長手方向に相対的に短くなることに留意されたい)。
【0083】
[0082] 図2及び図14の前端図から最もよく理解されるように、この位置の反転は、クランプ部分14に対する溝入れ部分12の所望の鏡像又は曲率を維持するためのものである。
【0084】
[0083] 図示されていないが、凹状内面16が連続的に湾曲している中間領域もあることが理解される。中間領域は、切り込み深さが凹状内面からの突出によって制限されないという点で有利である。
【0085】
[0084] ここで図6を参照すると、上述したブレードのいずれかを保持するように構成された例示的な端面溝入れホルダ102を備える端面溝入れ工具100が示されており、ブレード10(及びそれに取り付けられた切削インサート30)が例示されている。
【0086】
[0085] また、図7図10も参照すると、端面溝入れホルダ102は、シャンク部分104とホルダクランプ部分106とを備える。
【0087】
[0086] 多くのホルダのタイプが可能であり、ここでの本質的な特徴は、シャンクのタイプ又は位置ではなく、むしろ本発明に係るブレードを保持するように構成されたブレードクランプシート108であることが理解される。
【0088】
[0087] この特定の好ましい例では、シャンク部分104は、正方形の断面で細長く、かつ、ホルダクランプ部分106に対してクランプ後方向CRに延在する。代替的に、シャンク部分(図示せず)は、ブレードクランプシートに対してホルダクランプ部分の反対側に配置され得る。別の実現可能な代替例(図示せず)は、シャンク部分が丸い断面を有することなどである。
【0089】
[0088] シャンク部分104は、細長いシャンク上面110と、シャンク部分104の反対側に配置された細長いシャンク下面112と、ホルダクランプ部分106に対してシャンク部分104の反対側に配置されたシャンク背面114と、反対側の第1側面116及び第2側面118と、を備える。
【0090】
[0089] シャンク背面114には、ホルダクーラント入口120が形成される(図8;シャンク部分104又はホルダクランプ部分106の異なる又は追加の位置にあってもよい)。
【0091】
[0090] ホルダクランプ部分106は、クランプ前方向CF及びクランプ後方向CRを確立するクランプ長手方向軸線C1、クランプ上方向CU及びクランプ下方向CDを確立するクランプ垂直方向軸線C2、並びに、クランプ第1側方向CS1及びクランプ第2側方向CS2を確立するクランプ横方向軸線C3と、を有する。さまざまなクランプ軸線C1、C2、C3は相互に垂直である。
【0092】
[0091] ホルダクランプ部分106は、シャンク部分104に接続され、かつ、シャンク部分104に対してクランプ前方向CFに延在する。
【0093】
[0092] ホルダクランプ部分106は、クランプ上側122、クランプ下側124、第1クランプ側126、第2クランプ側128、クランプ前端130、クランプ後端132及び前述のブレードクランプシート108を備える。
【0094】
[0093] クランプ前方向CFはクランプ後方向CRとは反対である。
【0095】
[0094] さらに、クランプ下側124からクランプ上側122に向かうクランプ上方向CUと、クランプ上方向CUとはほぼ反対に規定されるクランプ下方向CDと、がある。
【0096】
[0095] クランプ第1側方向CS1は、概して、第2クランプ側128から第1クランプ側126に向かって規定され、かつ、クランプ第2側方向CS2は、概して、その反対に規定される。
【0097】
[0096] 上記方向は、シャンク部分104からより正確に参照され得、シャンク部分104は、少なくともこのタイプのホルダでは(湾曲したシャンクタイプとは対照的に)正確に位置決めされた表面を有する。
【0098】
[0097] ホルダクランプ部分106は、クランプ上側122に開口し、かつ、クランプ下側124に向かって延在するねじ孔134をさらに備える。
【0099】
[0098] ブレードクランプシート108は、可撓性(弾性)溝136、上部クランプくさび面138、ホルダ当接平面P2を規定するホルダ当接面140、シートクーラント出口142(ブレードクーラント入口60にクーラントを供給するように位置決めされる)、下部クランプくさび面144、及び、前方に面する後部ストッパ面146を有するように形成される。ホルダ当接面140は、平面であってもよく、及びしたがって、平面ホルダ当接面140とみなされてもよい。
【0100】
[0099] 図示された一体型構成に代えて、図示されていない実行可能な代替オプションは、上部クランプ部分が下部ベース部分から完全に分離されていることであることが理解されるが、図示された一体型オプションが好ましい。
【0101】
[00100] ブレードクランプシート108は、長さL2(図9)及び高さH2(図10)を有する。したがって、ブレードクランプシート108はシート面積AS=L2×H2を有する。
【0102】
[00101] ホルダ当接面140は、長さL3(図9)及び高さH3(図1)を有する。したがって、ホルダ当接面140は、ホルダ当接面面積AA=L3×H3を有する。
【0103】
[00102] 特に、長さL2と長さL3とは等しいが、高さH2は高さH3よりわずかに大きい。したがって、シート面積ASは、ホルダ当接面面積AAよりわずかに大きい。
【0104】
[00103] 上部クランプくさび面138及び下部クランプくさび面144は、2つの傾斜面を有することに代えて、ブレード10の対応のくさび面に嵌合するように構成された1つの傾斜面しか各々有していない。
【0105】
[00104] ホルダ当接平面P2は、クランプ下方向CDと鋭角のクランプ角度βを形成する。
【0106】
[00105] 単一のねじ148が、ホルダクランプ部分106の単一のねじ孔134に取り付けられて示されている。ある実施形態では、複数のねじ孔及びねじがあってもよいことが理解される。ねじ孔の別の代替例は、通常は閉ざされている弾性ホルダクランプ面(図示せず)である。
【0107】
[00106] また図11及び図12を参照して、組み立てられた端面溝入れ工具100について説明する。
【0108】
[00107] 端面溝入れホルダ102にブレード10を取り付けるため、端面溝入れブレード10のクランプ部分14は、最初に後方にブレードクランプシート108内にスライドさせられる。
【0109】
[00108] 詳述すると、スライド中、ブレードの下部くさび面54がホルダの下部クランプくさび面144に当接し、かつ、ブレードのブレード当接面56がホルダのホルダ当接面140に当接する。前記スライドは、ブレードの後部ストッパ当接面57がホルダの背部ストッパ面146に当接することによって止まる。
【0110】
[00109] 続いて、ねじ148が締められて、上部クランプくさび面138をブレードの上部くさび面52に係合させ、それによってブレード10をクランプする。
【0111】
[00110] その後、端面溝入れブレード10は、端面溝入れホルダ102内に強固でかつ反復可能な方法で保持され、切削加工中に生じる切削加工力が、上述した4つの当接領域間に分配される。
【0112】
[00111] 図11に着目すると、切削加工力Fは、切削インサート30上で下方向DDに概略的に示されている。
【0113】
[00112] 図11に見られるように、切削加工力Fの下方向の延長線DEは、ブレードのブレード当接面56とホルダのホルダ当接面140との間の当接界面に交差する。したがって、上部クランプくさび面138及び下部クランプくさび面144は、切削加工力Fの下方向の延長線DEの反対側にある。さらに、クランプ部分14、又はより詳細には、下部クランプくさび面144との下部くさび面54の当接によって構成された当接領域は、切削インサート30の下方で、かつ、上部クランプくさび面138に対して切削加工力Fの下方向の延長線DEの反対側(遠い側)まで延在する。その結果、切削加工力Fは、ブレードの下部くさび面54をホルダの下部クランプくさび面144に対して付勢することによってクランプを補助し、それによって、ブレード10の側面のみに配置されたクランプ部分(図示せず)の場合よりもブレード10のより強力なクランプを提供する。
【0114】
[00113] さらに、従来技術の工具では、クランプ部分の側方位置は、実際には、望ましくない傾斜又は回転効果を提供し、これは本発明によって緩和又は排除さえされる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】