(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】ケーブル保護用内部区画を有するエネルギーガイドチェーン並びにそれのためのチェーンリンク及びフレームモジュール
(51)【国際特許分類】
F16G 13/16 20060101AFI20231005BHJP
F16L 3/16 20060101ALI20231005BHJP
H02G 3/04 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
F16G13/16
F16L3/16 D
H02G3/04 075
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023513965
(86)(22)【出願日】2021-08-27
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 EP2021073703
(87)【国際公開番号】W WO2022048995
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】202020105039.7
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507336499
【氏名又は名称】イグス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】チロ-アレクサンダー ジャイケル
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク バルテン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター マトネット
【テーマコード(参考)】
3H023
5G357
【Fターム(参考)】
3H023AA04
3H023AB07
3H023AC08
3H023AC33
3H023AC64
3H023AC71
5G357DD16
5G357DE08
(57)【要約】
本発明は、エネルギー伝達チェーン(1)のためのチェーンリンク(10)に関し、2本のクロス片(12)によって相互接続され、ケーブル(16)をガイドするための内部(14)を画定し、内部(14)に向く内面(15)を各々が有する2枚の相互に離間したサイドプレート(11)を備える。本発明によると、フレームモジュール(20;30;40;50;60)は、クロス片(12)間に設けられかつ取り付けられ、内部(14)の一部分を境界付け、内部区画化の目的のために少なくとも1つのガイドチャンバ(21;31;41;51;61)を画定する。フレームモジュール(20;30;40;50;60)は、2つの側方壁(22;32;42a、42b;52a、52b;62)及びそれに横断して延在する2つの横断領域(24;34;44a、44b;54a、54b;64)を有し、各横断領域(24;・・・64)はクロス片(12)の内面(15)の一部を覆い、ケーブル保護用支持面(240;340)を形成する。本発明は、フレームモジュール(20;30;40;50;60)自体にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に対して可動な2つの接続点間にライン(16)をガイドするエネルギーガイドチェーン(1)のためのチェーンリンク(10)であって、ライン保護用内部区画を有し、前記チェーンリンク(10)は、
2本のクロスバー(12)によって相互に接続され、ライン(16)をガイドするための長手方向(L)に開放された内部空間(14)を画定し、いずれも前記内部空間(14)に向く内面(15)を有する2枚の相互に離間したサイドプレート(11)を備え、
フレームモジュール(20;30;40;50;60)が前記2本のクロスバー(12)の間に取り付けられ、前記フレームモジュール(20;30;40;50;60)は前記内部空間(14)の小領域を実質的にフレーム構成し、内部区画化の目的のために少なくとも1つのガイド空間(21;31;41;51;61)を画定し、
前記フレームモジュール(20;30;40;50;60)は2つの側壁(22;32;42a;42b;52a;52b;62)及び該2つの側壁に横断して延在する2つの横断領域(24;34;44a;44b;54a;54b;64)を備え、各横断領域(24;・・・64)はいずれもクロスバー(12)の前記内面(15)の一部分を覆い、ライン保護用支持面(240;340)を形成する、チェーンリンク。
【請求項2】
エネルギーガイドチェーンのチェーンリンクのライン保護用内部区画化のためのフレームモジュール(20;30;40;50;60)であって、チェーンリンク(10)が、2枚の相互に離間したサイドプレート(11)であって、2本のクロスバー(12)によって相互に接続され、ライン(16)をガイドするための長手方向(L)に開放された内部空間(14)を画定し、いずれも前記内部空間(14)に向く内面(15)を有する2枚のサイドプレート(11)を有し、
前記フレームモジュール(20;30;40;50;60)は、前記内部空間(14)の小領域を実質的にフレーム構成するため、及び内部区画化の目的のために少なくとも1つのガイド空間(21;31;41;51;61)を画定するためにチェーンリンク(10)のクロスバー(12)間に取付け可能であり、前記フレームモジュール(20;30;40;50;60)は2つの側壁(22;32;42a;42b;52a;52b;62)及び該2つの側壁に横断して延在する2つの横断領域(24;34;44a;44b;54a;54b;64)を備え、各横断領域(24;・・・64)が、いずれもクロスバー(12)の前記内面(15)の一部分を覆うとともにライン(16)のためのライン保護用支持面(240;340)を形成するように形成された、フレームモジュール。
【請求項3】
前記フレームモジュール(20;30;40;50;60)は、独立した構成要素として設計され、かつ/又は摺動最適化プラスチックを備え、特に摺動最適化プラスチックから製造された少なくとも1つのモジュール要素からなる、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記フレームモジュール(20;30;40;50;60)は、固定用デバイスを有し、前記クロスバー(12)の少なくとも1つに積極的ロック及び/又は強制ロックの態様で固定され、又は
前記フレームモジュール(20;30;40;50;60)は、いずれも前記クロスバー(12)の1つへの固定のための2つの固定用デバイスを有し、該2つの固定用デバイスは構造的に同一であり、前記フレームモジュール(20;30;40;50;60)は、特に、前記横断領域(24;・・・64)に平行にかつ前記側壁(22;・・・62)に横断して延在する平面に対して鏡像対称に設計され、前記固定用デバイスは、好ましくは横断領域(24;・・・64)の外面に設けられかつ/又は形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記固定用デバイスは、クロスバー(12)の狭面(13)と積極的ロック及び/又は強制ロックの態様で相互作用するために保持ブラケット(26、28;・・・66、68)として形成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
ライン(16)のための挿入開口(49;59)が、好ましくは側壁(42b;52b)と横断領域(44a;54a)の間に設けられ、前記側壁(42b;52b)は、好ましくは屈曲可能に設計されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記フレームモジュール(20;30;40;50)は単一部品で設計されている、又は
前記フレームモジュール(60)は多部品で設計され、少なくとも2つのモジュール要素(600a、600b)を備え、該少なくとも2つのモジュール要素は、いずれも単一片として設計され、いずれも2つの横断領域(64)及び少なくとも1つの側壁(62)を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
モジュール要素(600a、600b)の各々が、両クロスバー(12)に両側での固定のために形成された、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記横断領域(24;34;44a、44b;54a、54b;64)は、いずれも前記側壁(22;32;42a;52a;62)の少なくとも1つと一片で形成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記側壁(22;32;42a、42b;52a、52b)は相互に平行に延在し、前記横断領域(24;34;44a、44b;54a、54b)は前記側壁(22;32;42a、42b;52a、52b)に垂直に延在する、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記横断領域(34;54a、54b;64)の間において、前記フレームモジュール(30;50;60)は少なくとも1つの棚(33;53;63)を有し、該少なくとも1つの棚は前記フレームモジュール(30;50;60)の前記ガイド空間(31;51;61)を分割し、ライン(16)のための追加の支持面(340)を形成する、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
各横断領域(24;34;44a、44b;54a、54b;64)は、ガイドされる前記ライン(16)のためのエッジ保護を与える目的のため、前記支持面に丸みを帯びた端面を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記クロスバー(12)、前記サイドプレート(11)及び前記フレームモジュール(20;30;40;50;60)は、いずれも射出成形によって製造されている、又は射出成形によって製造された構成要素から組み立てられる、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
相互に対して可動な2つの接続点間にケーブル、ホースなどのようなライン(16)をガイドするエネルギーガイドチェーン(1)であって、
請求項1又は3から13のいずれか一項に記載のチェーンリンク(10)を備えるエネルギーガイドチェーン(1)。
【請求項15】
前記チェーンリンク(10)の少なくとも大部分が、請求項1又は請求項3から13のいずれか一項によって形成された、請求項14に記載のエネルギーガイドチェーン(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略として、ケーブル、ホースなどのようなラインを、保護されかつ動的な態様でガイドするためのエネルギーガイドチェーンの分野に関し、特に、エネルギーガイドチェーンに対するライン保護用内部区画化のための1以上のフレームモジュールを有するモジュール式キットに関する。本発明は、具体的には、ライン保護用内部区画を有するチェーンリンクにも関する。チェーンリンクは通常、2枚の相互に離間したサイドプレートを備え、その2枚のサイドプレートは2本のクロスバーによって相互に接続され、ラインをガイドするための内部空間を画定し、いずれも内部空間を向く内面を有する。
【0002】
本発明は、さらに、エネルギーガイドチェーンのチェーンリンクのライン保護用内部区画化のための独立した構成要素としてのフレームモジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
エネルギーガイドチェーンは通常、チェーンリンクから関節状に構成され、そのチェーンリンクは長手方向に相互に旋回可能に接続され、長手方向に横断して相互に離間した2枚のサイドプレートを有する。これらは、少なくともチェーンリンクの一部について、少なくとも1本のクロスバー、多くの場合には2本のクロスバーによって安定して相互に接続され、ガイドされるラインのために長手方向に開放した内部空間、すなわち、ガイド通路を画定する。クロスバーは、サイドプレートに固定的に接続されてもよいし、取外し可能であってもよいし、又はスイングアウト可能とされてもよい。本件では、取外し可能な又はスイングアウトするクロスバー、すなわち、それによってチェーンリンクを開放することができるもの(いわゆる開放クロスバー)も、一般にクロスバーというものとする。
【0004】
エネルギーガイドチェーンは通常、相互に対して可動でありかついずれも接続点に接続された2つの端部を有し、一方の接続点から他方の接続点まで供給ラインをガイドする。ここで、通常のエネルギーガイドチェーンは、接続点間を往復移動し、2本のストランド及びそのストランド間の偏向屈曲部を形成する。偏向屈曲部では、それぞれのストランドの方向が反転される。
【0005】
内部区画化のために、セパレータ及び/又は棚を用いてチェーンリンクの内部空間を区画化すると、その結果、ラインは整然とした態様でガイド可能となり、絡まらなくなることが知られている。ここで、セパレータは通常は垂直であり、棚は通常は水平である。
【0006】
サイドプレート、クロスバー、セパレータ及び棚など、チェーンリンクの構成要素は、いずれも一般にプレート状に設計され、通常は非常に高い硬度の繊維強化プラスチックから又は金属薄板から製造される。エネルギーガイドチェーンの作動時に、特に偏向屈曲部の領域において、不可避な相対動作によって、サイドプレート、クロスバー、セパレータ及び棚に対する、ガイドされるラインの摩擦がもたらされる。構成要素の表面との接触は、特に、通常は軟質なプラスチックで構成された外側シースを有する電気的ラインの場合に、ラインの摩耗の原因となり得る。横断方向に配される、チェーンリンクのプレート状構成要素は、通常は、自由空間によって長手方向に離間されている。したがって、チェーンリンクのプレート状構成要素のエッジとの接触は、例えば、ガイドされるラインの摩耗及び摩損をもたらすことにもなる。
【0007】
この背景に対して、ライン保護用内部区画を有するチェーンリンクが、既に特許文献1に提案されている。内部空間又はガイド通路に向く特許文献1に係るサイドプレート、クロスバー、セパレータ及び棚の各表面は、特殊な摩擦軽減コーティングで裏打ちされている。この周知の解決手段では、コーティングされたセパレータ及び棚が後からでも設置可能な、特殊コーティングされたサイドプレート及びクロスバーで構成されたチェーンリンクが必要となる。摩耗を低減する目的のために適切に既存のエネルギーガイドチェーンを装備するためには、チェーンリンクのサイドプレートの内面及びクロスバーの内面もコーティングされていなければならない。これは、プロセス技術の観点で非常に複雑であり、製造に高い費用がかかる。アップグレードは、ほとんど不可能である。したがって、この周知の解決手段は、製造時に多大な費用がかかり、アップグレード又はメンテナンスにはほとんど適さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【0009】
したがって、本発明の課題は、チェーンリンクの特に容易でかつ短時間の製造及び取付け並びに容易なアップグレード及び簡素化されたメンテナンスを可能とするライン保護用内部区画を有するチェーンリンクを提案することである。
【0010】
これは、フレームモジュールがチェーンリンクの2本のクロスバーの間に嵌合されるとともに内部空間の小領域を実質的にフレーム構成する点において、請求項1の前段部に係る包括的なチェーンリンクの場合において既に達成されている。本件では、用語「フレームモジュール」とは、モジュールとして設置可能な1以上の設置フレームのことをいう。内部区画化の目的のため、フレームモジュールは、少なくとも1本のラインに対して少なくとも1つのガイド空間を、すなわち、長手方向周りを周方向に、すなわち、長手方向に垂直な断面において画定する。
【0011】
ここで、フレームモジュールは、2つの側壁及びその側壁を横断するように延在する2つの横断領域を備え得る。横断領域の各々は、いずれも、クロスバーの内面の一部分を覆い、少なくとも1本のラインに対して、フレームモジュールのガイド空間に向くライン保護用支持面を形成する。
【0012】
本発明はさらに、エネルギーガイドチェーンのチェーンリンクのライン保護用内部区画化の目的のための、そのフレームモジュール自体に関する。フレームモジュールは、独立した単一部品又は多部品ユニットとして設計され、それにより、チェーンリンクの内部空間への嵌合又は挿入に適し、任意選択的に、例えば、交換のために、又はメンテナンス時にラインへのアクセスが必要な場合に、再度取外し可能ともなる。
【0013】
本発明によると、請求項2の前段部に係るフレームモジュールは、内部空間の小領域を実質的にフレーム構成するため、及び内部区画化の目的で少なくとも1本のラインに対して少なくとも1つのガイド空間を画定するために、チェーンリンクのクロスバーの間に嵌合可能である。ここで、フレームモジュールは、2つの側壁及びその側壁に横断して延在する2つの横断領域を備え得る。各横断領域は、いずれも、クロスバーの内面の一部分を覆い、1本以上のラインに対してライン保護用支持面を形成するように形成される。ここで、用語「覆う」とは、主にフレームモジュール内に配置されたラインがクロスバーに接触することを横断領域が防止することを意味するものとして広義に解釈されるべきである。連続的に覆う又は重なる表面は、この目的のために有利であるが、厳密には必要ではない。完全な重なりも、場合によっては必要ではない。
【0014】
フレームモジュールは、長手方向に横断する断面においてフレームの形状である。断面は、特に、好ましくは内部に丸みを帯びた角部及び面縁部を有する矩形又は略箱形状であり得る。ただし、フレームモジュールのフレームは、周方向に完全に閉じていなくてもよく、すなわち、全周にわたるものでなくてもよい。
【0015】
したがって、フレームモジュールは、とりわけ、ガイドされるラインの絡まりを防止するように、内部区画化の場合にエネルギーガイドチェーンのためのそれ自体周知のセパレータの機能を同時に実行することができ、本発明によると、クロスバー及びサイドプレートのライン保護用被覆をさらに提供することができる。
【0016】
ガイド面、すなわち、ラインをガイドするためのガイド通路を画定するとともに、ガイドされるラインと意図したように接触し得るチェーンリンクの表面の一部分が、結果としてライン保護用のフレームモジュールによって提供可能となる。フレームモジュールは、内部空間を部分的に分割し得る。
【0017】
特に好ましくは、内部空間における全てのラインに対する全てのガイド面は1以上のフレームモジュールによって与えられ、その結果、いずれのラインもチェーンリンクの実際の構造的構成要素、特にサイドプレート及びクロスバーと接触しなくなる。
【0018】
ここでの目的は、全てのラインを、チェーンリンクの構造的構成要素との接触から、関連するフレームモジュールによって保護することによって、ガイド作動関連の摩耗を可能な限り低く維持することである。したがって、ガイド作動関連の摩損が最小化され得る。
【0019】
これは電気的絶縁をもたらすこともでき、これは、例えば、金属で構成されたチェーンリンクの場合に有利となる。
【0020】
内部区画は、ガイドされるラインを独立したガイド空間に簡素な態様で配置し、同時に、ラインの絡まり並びにクロスバー及びサイドプレートに対するその摩擦の結果として生じ得る摩損を低減する。
【0021】
ここで、本発明に係る内部区画は、摩損に対する保護の強化を実現し、結果としてラインを保護する。
【0022】
さらに、本発明に係る内部区画は、特に、チェーンリンクに対するラインの外側シースの摩擦によって引き起こされる摩耗を低減することによって摩耗を低減するにあたり、特に効果的である。したがって、本発明は、作動時にラインから放出される粒子を減少させることによって、クリーンルーム用途、又は摩耗が重大な問題となる同様の用途に特に有利である。
【0023】
フレームモジュールは、好ましくは、独立した構成要素として設計された少なくとも1つのモジュール要素からなる。既存のエネルギーガイドチェーンも、フレームモジュールのモジュール要素をクロスバー間のチェーンリンクに挿入することで、フレームモジュールを用いてアップグレードされ得る。
【0024】
フレームモジュールは、2以上の同一の又は異なるモジュール要素からなっていてもよい。異なるモジュール要素は、特に、幅、すなわち、横断方向におけるそれらの寸法において異なっていてもよく、深さ方向又は長手方向において並びに長手及び横断方向を横断する高さ方向において同一であってもよい。異なるモジュール要素が、クロスバーに沿って、すなわち、横断方向に、相互に対して、特に相互に対して直接当接して並べられ得る。したがって、所望の内部区画及びチェーンリンクの寸法取りに応じたフレームモジュールの選択的構成のために、多数の異なるモジュール要素から、キットシステムが提供可能となる。
【0025】
特に、チェーンリンクのクロスバーの内面全体が一方のサイドプレートから他方のサイドプレートまでモジュール要素で被覆可能となり、その結果、チェーンリンクの内部空間はラインをガイドするために有利に利用可能となる。
【0026】
フレームモジュールは、好ましくは、そして少なくともラインに向く内面において、減摩性プラスチック、すなわち、柔軟な電気的ラインの外側シースに対する通常のプラスチックとともに、摩耗低減に関して、チェーンリンクの構造的構成要素の通常のプラスチックに関連して摩耗を低減する材料ペアリングを形成するプラスチックを備える。ここで、フレームモジュールは、好ましくは摺動最適化プラスチックを備え、特に、摺動最適化プラスチックから製造され、又は特に摺動最適化プラスチックからなる。そのプラスチックは、摺動最適化熱可塑性物、特に、摺動最適化ポリエチレン(PE)、摺動最適化HD-PE(高密度ポリエチレン)及び/又は摺動最適化UHMW-PE(超高分子量ポリエチレン)であり得る。フレームモジュールのプラスチックは、クロスバー又はサイドプレートの材料に関して摩擦低減作用を有していてもよく、有利にはそれを有すべきであり、特に自己潤滑的であってもよい。フレームモジュールのプラスチックは、特に、この摩擦係数が同じ条件下で、とりわけ同じ対象に対して摺動する場合、クロスバー又はサイドプレートの材料よりも低い静摩擦係数及び/又は動摩擦係数を有し得る。
【0027】
フレームモジュールは、少なくとも1つの固定用デバイスを有し、それによって積極的ロック及び/又は摩擦ロックの態様でクロスバーの少なくとも1つに固定され得る。
【0028】
フレームモジュールは、いずれもクロスバーの1つへの固定のための2つの固定用デバイスを有し得る。
【0029】
この2つの固定用デバイスは、構造的に同一であり得る。
【0030】
フレームモジュールは、特に、横断領域に平行にかつ側壁に横断して延在する平面に対して鏡像対称に設計され得る。この簡素な実施形態の有利な効果は、とりわけ、フレームモジュールが誤った配向で設置され得ないため、アセンブリの簡素化である。
【0031】
それぞれの固定用デバイスは、好ましくは、それぞれの横断領域の外面に設けられかつ/又は形成されてもよく、好ましくは横断領域との単一片として設計されてもよい。
【0032】
有利な実施形態では、固定用デバイスは、クロスバーの狭面と交差するための保持ブラケットとして形成される。保持ブラケットは、特にディテント(detent)コネクタ又はクリップコネクタとして設計され得る。ここで、フレームモジュールの横断領域は、ライン保護用支持面から外向きに、クロスバーの狭面に対する積極的ロック及び/又は摩擦ロック固定のためのガイド空間に対して突出し又は張り出す2つのエッジ領域を有し得る。保持ブラケットは、例えば、長手方向に横断する断面においてL形状又はC形状であり得る。クロスバーは、例えば、セパレータの固定のための、特に歯列及び/又は保持溝を備える固定用ストリップなどのそれ自体は周知の固定用ストリップをその狭面に有していてもよく、フレームモジュールの横断領域のエッジ領域はクロスバーの従来の固定用ストリップとの相互作用のために形成され得る。実施形態では、挿入開口、特に、狭くかつ拡大可能な挿入ギャップが、横断方向において少なくとも1本のラインの挿入のために設けられてもよい。ここで、側壁は、好ましくは、挿入ギャップを拡大して、少なくとも1本のラインの横断方向での挿入又は除去のためにフレームモジュールのガイド空間にアクセスすることを可能とするために、柔軟に設計され、又は屈曲されて開放され得る。これにより、ラインが軸方向に引き抜かれる必要がなくなるので、ラインのメンテナンスが簡素化される。
【0033】
挿入開口は、例えば、フレームモジュールの側壁の中央に又は好ましくは側壁と横断領域の間に設けられ得る。したがって、フレームモジュールの側壁は、一方の横断領域にのみ接続され得る。挿入ギャップはフレームモジュールの他方の横断領域とこの側壁との間に又は片側に設けられてもよく、その結果、側壁が自由エッジを有して挿入ギャップが一時的に拡大可能となる。
【0034】
側壁をフレームモジュールの横断領域に接続するジョイント、例えば、ヒンジ又は一体化ヒンジなどが、代替的又は追加的に設けられてもよく、側壁は、ジョイントの反対側に自由端を有し、挿入開口に隣接する。
【0035】
フレームモジュールは、特に単一部品で設計され、1つのモジュール要素のみからなり得る。
【0036】
あるいは、フレームモジュールは、多部品で設計され、少なくとも2つのモジュール要素を備えていてもよく、2つのモジュール要素はいずれも単一片として設計され、いずれも2つの横断領域及び少なくとも1つの側壁を有する。これにより、特に区画幅に関して、モジュールとして組合せ可能な、少ない個別部品で構成された内部区画が可能となる。フレームモジュールを構成するモジュール要素は、相互に不可避的に固定される必要はなく、それらは単にクロスバー上で相互に隣接して固定され、好ましくは相互に隣接して直接固定されて、分割可能でもある長手方向周りの周回フレームを形成すればよい。
【0037】
モジュール要素の各々は、好ましくは、両クロスバーに対する両側での固定のために形成される。したがって、各モジュール要素は、意図した設置状態で、両クロスバーに同時に接続可能である。
【0038】
横断領域は、好ましくは、いずれも側壁の少なくとも1つとの単一片として設計される。
【0039】
モジュール要素は、例えば、1つの側壁及び2つの横断領域、又は2つの側壁及び2つの横断領域を有し得る。
【0040】
単純な実施形態では、側壁は相互に平行に延在してもよく、横断領域は側壁に対して垂直に延在してもよい。この実施形態は、特に省スペースであり、チェーンリンク内部空間の最適な利用を可能とする。
【0041】
フレームモジュール又はモジュール要素は、横断領域間に、フレームモジュールのガイド空間を分割する少なくとも1つの棚を有し得る。少なくとも1つの棚は、いずれも、側壁の少なくとも1つとの単一片として設計され得る。
【0042】
少なくとも1つの棚は、プレート状に設計され、横断領域に平行にかつ少なくとも1つの側壁に垂直に延在し得る。
【0043】
各横断領域は、好ましくは、ガイドされるラインのためのエッジ保護を与える目的のために、支持面に丸みを帯びた端面を有し得る。この実施形態では、チェーンリンクを長手方向に出入するラインは、クロスバーの長手エッジに対する摩擦に対して保護され得る。
【0044】
クロスバー、サイドプレート及びフレームモジュールは、好ましくは、いずれも射出成形によって製造され、又は射出成形によって製造された構成要素から組み立てられる。
【0045】
本発明は、さらに、相互に対して可動な2つの接続点間で保護された態様でケーブル、ホースなどのようなラインをガイドするためのエネルギーガイドチェーンに関し、そのエネルギーガイドチェーンは上記実施形態のうちの1つに係るチェーンリンクを備える。
【0046】
エネルギーガイドチェーンのチェーンリンクの少なくとも大部分は、上記実施形態のうちの1つによって構成され得る。エネルギーガイドチェーンは、好ましくは、実質的にそのようなチェーンリンクからなる。
【0047】
本発明は、それ自体が既に摩耗を軽減するように設計されているクリーンルーム適合エネルギーガイドチェーンと組み合わせられ又はそこで使用されるのに特に適する。そのようなエネルギーガイドチェーンは、特に、例えば、国際公開第02/086349号又は国際公開第2012/131033号において本出願人によって提案されるような、チェーンリンクを接続するための柔軟なジョイント要素を有し得る。
【0048】
本発明の更なる詳細、特徴及び有利な効果が、以下の、添付図面に基づく好適な実施形態例のより詳細な説明に見いだされることになる。単なる例示として、以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1A】単なる例示としてライン及び内部区画が装着されたエネルギーガイドチェーンのチェーンリンクの実施形態例の正面図である。
【
図1B】単なる例示としてライン及び内部区画が装着されたエネルギーガイドチェーンのチェーンリンクの実施形態例の斜視図である。
【
図2】フレームモジュールの第1の実施形態例の斜視図である。
【
図3】フレームモジュールの第2の実施形態例の斜視図である。
【
図4】フレームモジュールの第3の実施形態例の斜視図である。
【
図5】フレームモジュールの第4の実施形態例の斜視図である。
【
図6A】第5の実施形態例に係るフレームモジュールのためのモジュール要素の斜視図である。
【
図6B】第5の実施形態例に係るフレームモジュールのためのモジュール要素の斜視図である。
【
図7A】フレームモジュールの更なる実施形態例の正面図である。
【
図7B】フレームモジュールの更なる実施形態例の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1Aは、エネルギーガイドチェーン1のチェーンリンク10の長手方向Lに沿う正面図において、例えば、ケーブル及びホースなどのライン16を能動的にガイドする目的のためのエネルギーガイドチェーン1の例示の内部構造又は内部区画を示す。エネルギーガイドチェーン1は、
図1Aの紙面に垂直な長手方向Lにおいて、相互に旋回可能に接続された複数のチェーンリンク10から組み立てられる。ここで、チェーンリンク10は個別の部品から同様に構成され、少なくとも2枚のサイドプレート11を有し、2枚のサイドプレート11は2本の平行で同一のクロスバー12によって固定的に接続されて安定したフレームワークを構成し、エネルギーガイドチェーン1の横断方向Qに相互に平行に離間して保持される。この目的のため、クロスバー12は、終端固定用領域によって、例えば、サイドプレート11のホーン(不図示)におけるクランプ用レセプタクルによって、サイドプレート11に取外し可能に固定される。サイドプレート11及びクロスバー12は、ライン16をガイドするための内部空間14を画定する。エネルギーガイドチェーン1の構成は周知であり、例えば、サイドプレート11としてクランク状サイドプレート又は交互の内側及び外側リンクプレートによって所望の通りとすることができる。特に、2部品チェーンリンクも考えられ、その場合、2枚のサイドプレート及び一方のクロスバーが一片で製造され、すなわち、単一部品で製造され、他方のクロスバーのみが取外し可能となる(不図示)。
【0051】
単に例示として図示される実施形態例では、チェーンリンク10は、5個の異なる構成とされたフレームモジュール20、30、40、50及び60を備える。フレームモジュール20~60の各々は、高さ方向Hに関してクロスバー12間に、及び横断方向Qに関してサイドプレート11間に独立したユニットとして固定的に挿入され、2本のクロスバー12の狭面13上に保持される。サイドプレート11及びクロスバー12は、繊維強化プラスチック、例えば、繊維強化ポリアミドから射出成形によって製造される。ここで、フレームモジュール20、30及び40、50は、いずれも摺動最適化HD-PEから射出成形によって単一部品として製造される。これに対して、本例では、フレームモジュール60は、4個の個別のモジュール要素600a、600bから組み立てられる。モジュール要素600a、600bは、いずれも摺動最適化HD-PEから射出成形によって単一部品として製造される。
【0052】
フレームモジュール20~50は、
図2~
図5において斜視図で示され、単一部品であり、すなわち、いずれも1つのモジュール要素のみからなる。
【0053】
図2は、ガイド空間21をフレーム構成する単一部品矩形フレームとして設計されたフレームモジュール20の特に簡素な実施形態例を示す。本例では、ガイド空間21は、ライン16のリードスルーのために長手方向Lに沿ってのみアクセス可能である。フレームは、2つの同一の側壁22、及びその側壁22に垂直に延在する2つの同一の横断領域24を有する。本例では、各側壁22は、両横断領域24に直接接続され、又はそれとともに単一部品として製造される。横断領域24は、いずれも外面に保持ブラケット26、28を有する。
図2においてそれぞれ上部及び底部に示される保持ブラケット26及び28は、同一に設計され、それぞれの横断領域24の外面25において、いずれも2つのL形状エッジ領域27を有し、それらはいずれもフレームモジュール20をクロスバー12に積極的ロック及び/又は摩擦ロックの態様で固定するためにクロスバー12の狭面13における溝(不図示)に係合可能である。
図1Aに示すように、フレームモジュール20がチェーンリンク10の内部空間14に嵌合された場合、保持ブラケット26、28はそれぞれのクロスバー12のエッジ19を掴み、それぞれの横断領域24の平坦部がそれぞれのクロスバー12の内面15を覆う。したがって、ガイド空間21内にガイドされるライン16は、サイドプレート11又はクロスバー12の材料とは接触しない。横断領域24は、いずれも、フレームモジュール20のガイド空間21に向く面において、ライン16に対するライン保護用支持面240を形成する。それぞれの支持面240からそれぞれのエッジ領域27への移行部は、ライン16を保護するために丸みを帯びている。
【0054】
図3は、更なる実施形態例のフレームモジュール30を示す。フレームモジュール30は、横断領域34に平行にかつ側壁32に垂直に延在し、かつ2つの側壁32に直接接続され又は2つの側壁32との単一片として製造される棚33をさらに備える点でのみフレームモジュール20と異なる。棚33は、フレームモジュール30のガイド空間をいずれも1本のライン16に対する2つの独立かつ同一のガイド空間31a、31bに分割し、更なる支持面340を形成する。棚33の狭面は、丸みを帯びている。
【0055】
図4は、第3の実施形態例のフレームモジュール40を示す。フレームモジュール40は、長手方向L周りに閉じたフレームを形成しないが、一方の側壁42bと一方の横断領域44aとの間に挿入ギャップ、すなわち、挿入開口49を有する点でのみフレームモジュール20と異なる。挿入開口49は、挿入開口49を可逆的に拡大するために側壁42bを側方に屈曲又は旋回することによってライン16を挿入及び除去するために使用可能である。側壁42bは、好ましくは柔軟であり、例えば、弾力伸縮性があり、横断領域44bとの単一片として製造され、その結果、ジョイントが不要となる。ジョイント、例えば、側壁42bをスイングアウトするための一体化ヒンジも、本発明の範囲内に入る。側壁42aは、2つの横断領域44a及び44bとの単一片として製造される。
【0056】
図5は、第4の実施形態例のフレームモジュール50を示す。フレームモジュール50は、棚53をさらに備える点でのみフレームモジュール40と異なり、棚53は、横断領域54に平行にかつ側壁52a、52bに垂直に延在し、フレームモジュール50のガイド空間をいずれも1本のライン16について2つの独立した、本例では同一の、ガイド空間51a、51bに分割する。棚53は、一方の側壁52aにのみ片持ち態様で直接接続され、又はそれとの単一片として製造される。
【0057】
図7A~7Bにおける代替例では、フレームモジュール70a、70bの旋回可能な側壁72bが横断領域74bの一方にヒンジ77によって接続され、これにより、1本以上のライン16をガイド空間71又は71a、71bに挿入するために、挿入開口79を拡大することが可能となる。その他については、フレームモジュール70aは
図4のフレームモジュール40と同一に設計され、フレームモジュール70bは
図5のフレームモジュール50と同一に設計される。
【0058】
図1におけるフレームモジュール60は、複数の、本例では4個の、モジュールとして組み立てられるいずれも単一部品のモジュール要素:3個のモジュール要素600a及び1個のモジュール要素600bからなる。モジュール要素は、いずれも1個の側壁62及び2個の横断領域64を有する。モジュール要素600bは、さらに棚63を有する。モジュール要素600a、600bは、それらがラインに対して4個の独立したガイド空間61a、61b、61c及び61dを有するフレームモジュール60を形成するように、クロスバー12に相互に対して隣接して固定される。横断領域64はいずれもクロスバー12の内面15の一部分を覆い、その結果、その部分はガイド空間61a、61b、61c、61d内にガイドされるライン16と接触可能ではなくなる。
図6A、6Bは、モジュール要素600a、600bを詳細に示す。各モジュール要素は、いずれも、横断領域64のガイド空間から離れる方向を向く外面上の保持ブラケット66、68を有する。それぞれの保持ブラケット66、68は、クロスバー12の狭面13への積極的ロック及び/又は摩擦ロック固定のための2つのL形状エッジ領域67を備える。2以上のモジュール要素600a、600bは、それらがクロスバー12に相互に対して隣接して固定される場合にチェーンリンク10の内部空間14の小領域の周囲に閉フレームを形成し得る。その結果、隣接するモジュール要素600a、600bは、相互に直接接触することになる。
【符号の説明】
【0059】
1 エネルギーガイドチェーン
10 チェーンリンク
11 サイドプレート
12 クロスバー
13 クロスバーの狭面
14 チェーンリンクの内部空間
15 クロスバーの内面
16 ライン
19 クロスバーのエッジ
20、30、40、50、60 フレームモジュール
21、31、31a、31b、41、51、61 フレームモジュールのガイド空間
H 高さ方向
L 長手方向
Q 横断方向
22、32 側壁
33 棚
24、34 横断領域
25、35 横断領域の外面
27 エッジ領域
26、28、36、38 保持ブラケット
240;340 ライン保護用支持面
40、50 フレームモジュール
41、51a、51b フレームモジュールのガイド空間
42a、42b、52a、52b 側壁
53 棚
44a、44b、54a、54b 横断領域
46、48、56、58 保持ブラケット
49、59 挿入開口
600a、600b モジュール要素
62 側壁
63 棚
64 横断領域
66、68 保持ブラケット
67 エッジ領域
70a、70b フレームモジュール
71、71a、71b ガイド空間
72a、72b 側壁
74a、74b 横断領域
77 ヒンジ
79 挿入開口
【手続補正書】
【提出日】2022-12-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に対して可動な2つの接続点間にライン(16)をガイドするエネルギーガイドチェーン(1)のためのチェーンリンク(10)であって、ライン保護用内部区画を有し、前記チェーンリンク(10)は、
2本のクロスバー(12)によって相互に接続され、ライン(16)をガイドするための長手方向(L)に開放された内部空間(14)を画定し、いずれも前記内部空間(14)に向く内面(15)を有する2枚の相互に離間したサイドプレート(11)を備え、
フレームモジュール(20;30;40;50;60)が前記2本のクロスバー(12)の間に取り付けられ、前記フレームモジュール(20;30;40;50;60)は前記内部空間(14)の小領域を実質的にフレーム構成し、内部区画化の目的のために
前記長手方向(L)に垂直な断面において少なくとも1つのガイド空間(21;31;41;51;61)を画定し、
前記フレームモジュール(20;30;40;50;60)は2つの側壁(22;32;42a;42b;52a;52b;62)及び該2つの側壁に横断して延在する2つの横断領域(24;34;44a;44b;54a;54b;64)を備え、各横断領域(24;・・・64)はいずれもクロスバー(12)の前記内面(15)の一部分を覆い、
ライン保護用内部区画化の目的のためにライン保護用支持面(240;340)を形成
し、前記横断領域(24;34;44a、44b;54a、54b;64)はいずれも前記側壁(22;32;42a;52a;62)の少なくとも1つと一片で形成されている、チェーンリンク。
【請求項2】
エネルギーガイドチェーンのチェーンリンクのライン保護用内部区画化のためのフレームモジュール(20;30;40;50;60)であって、チェーンリンク(10)が、2枚の相互に離間したサイドプレート(11)であって、2本のクロスバー(12)によって相互に接続され、ライン(16)をガイドするための長手方向(L)に開放された内部空間(14)を画定し、いずれも前記内部空間(14)に向く内面(15)を有する2枚のサイドプレート(11)を有し、
前記フレームモジュール(20;30;40;50;60)は、
取り付けられた状態で、前記内部空間(14)の小領域を実質的にフレーム構成するため、及び内部区画化の目的のために
前記長手方向(L)に垂直な断面において少なくとも1つのガイド空間(21;31;41;51;61)を画定するためにチェーンリンク(10)のクロスバー(12)間に取付け可能であり、前記フレームモジュール(20;30;40;50;60)は2つの側壁(22;32;42a;42b;52a;52b;62)及び該2つの側壁に横断して延在する2つの横断領域(24;34;44a;44b;54a;54b;64)を備え、各横断領域(24;・・・64)が、いずれもクロスバー(12)の前記内面(15)の一部分を覆うとともに
ライン保護用内部区画化の目的のためにライン(16)のためのライン保護用支持面(240;340)を形成するように形成され
、前記横断領域(24;34;44a、44b;54a、54b;64)はいずれも前記側壁(22;32;42a;52a;62)の少なくとも1つと一片で形成されている、フレームモジュール。
【請求項3】
前記フレームモジュール(20;30;40;50;60)は、独立した構成要素として設計され、かつ/又は
減摩性若しくは摺動最適化プラスチックを備え、特に摺動最適化プラスチックから製造された少なくとも1つのモジュール要素からなる、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記フレームモジュール(20;30;40;50;60)は、固定用デバイスを有し、前記クロスバー(12)の少なくとも1つに積極的ロック及び/又は強制ロックの態様で固定され、又は
前記フレームモジュール(20;30;40;50;60)は、いずれも前記クロスバー(12)の1つへの固定のための2つの固定用デバイスを有し、該2つの固定用デバイスは構造的に同一であり、前記フレームモジュール(20;30;40;50;60)は、特に、前記横断領域(24;・・・64)に平行にかつ前記側壁(22;・・・62)に横断して延在する平面に対して鏡像対称に設計され、前記固定用デバイスは、好ましくは横断領域(24;・・・64)の外面に設けられかつ/又は形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記固定用デバイスは、クロスバー(12)の狭面(13)と積極的ロック及び/又は強制ロックの態様で相互作用するために保持ブラケット(26、28;・・・66、68)として形成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
ライン(16)のための挿入開口(49;59)が、好ましくは側壁(42b;52b)と横断領域(44a;54a)の間に設けられ、前記側壁(42b;52b)は、好ましくは屈曲可能に設計されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記フレームモジュール(20;30;40;50)は単一部品で設計されている、又は
前記フレームモジュール(60)は多部品で設計され、少なくとも2つのモジュール要素(600a、600b)を備え、該少なくとも2つのモジュール要素は、いずれも単一片として設計され、いずれも2つの横断領域(64)及び少なくとも1つの側壁(62)を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
モジュール要素(600a、600b)の各々が、両クロスバー(12)に両側での固定のために形成された、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記側壁(22;32;42a、42b;52a、52b)は相互に平行に延在し、前記横断領域(24;34;44a、44b;54a、54b)は前記側壁(22;32;42a、42b;52a、52b)に垂直に延在する、請求項1から
8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記横断領域(34;54a、54b;64)の間において、前記フレームモジュール(30;50;60)は少なくとも1つの棚(33;53;63)を有し、該少なくとも1つの棚は前記フレームモジュール(30;50;60)の前記ガイド空間(31;51;61)を分割し、ライン(16)のための追加の支持面(340)を形成する、請求項1から
9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
各横断領域(24;34;44a、44b;54a、54b;64)は、ガイドされる前記ライン(16)のためのエッジ保護を与える目的のため、前記支持面に丸みを帯びた端面を有する、請求項1から
10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記クロスバー(12)、前記サイドプレート(11)及び前記フレームモジュール(20;30;40;50;60)は、いずれも射出成形によって製造され、又は射出成形によって製造された構成要素から組み立てられる、請求項1から
11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
相互に対して可動な2つの接続点間にケーブル、ホースなどのようなライン(16)をガイドするエネルギーガイドチェーン(1)であって、
請求項1又は3から
12のいずれか一項に記載のチェーンリンク(10)を備えるエネルギーガイドチェーン(1)。
【請求項14】
前記チェーンリンク(10)の少なくとも大部分が、請求項1又は請求項3から
12のいずれか一項によって形成された、請求項
13に記載のエネルギーガイドチェーン(1)。
【国際調査報告】