(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】眼疾患を治療するための化合物および製剤
(51)【国際特許分類】
C07D 209/14 20060101AFI20231005BHJP
C07D 403/12 20060101ALI20231005BHJP
C07D 403/14 20060101ALI20231005BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20231005BHJP
C07D 491/048 20060101ALI20231005BHJP
A61K 31/4045 20060101ALI20231005BHJP
A61K 31/416 20060101ALI20231005BHJP
A61K 31/427 20060101ALI20231005BHJP
A61K 31/4709 20060101ALI20231005BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20231005BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20231005BHJP
A61K 31/454 20060101ALI20231005BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20231005BHJP
A61K 31/407 20060101ALI20231005BHJP
A61K 31/428 20060101ALI20231005BHJP
A61K 31/4184 20060101ALI20231005BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20231005BHJP
A61P 27/12 20060101ALI20231005BHJP
A61P 27/10 20060101ALI20231005BHJP
C07D 417/12 20060101ALI20231005BHJP
C07D 401/14 20060101ALI20231005BHJP
C07D 401/12 20060101ALI20231005BHJP
C07D 417/14 20060101ALI20231005BHJP
C07D 407/14 20060101ALI20231005BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
C07D209/14
C07D403/12 CSP
C07D403/14
C07D471/04 104Z
C07D491/048
C07D471/04 108A
A61K31/4045
A61K31/416
A61K31/427
A61K31/4709
A61K31/437
A61K31/4439
A61K31/454
A61K31/496
A61K31/407
A61K31/428
A61K31/4184
A61P27/02
A61P27/12
A61P27/10
C07D417/12
C07D401/14
C07D401/12
C07D417/14
C07D407/14
A61K31/5377
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514435
(86)(22)【出願日】2021-08-30
(85)【翻訳文提出日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 US2021048250
(87)【国際公開番号】W WO2022047315
(87)【国際公開日】2022-03-03
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518079057
【氏名又は名称】ビューポイント セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ロペス マイケル エス.
(72)【発明者】
【氏名】ドゥニャク ブライアン エム.
【テーマコード(参考)】
4C050
4C063
4C065
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB04
4C050CC16
4C050EE01
4C050FF01
4C050GG01
4C050HH04
4C063AA01
4C063BB03
4C063BB04
4C063BB07
4C063BB08
4C063BB09
4C063CC06
4C063CC10
4C063CC12
4C063CC14
4C063CC22
4C063CC26
4C063CC34
4C063CC62
4C063CC72
4C063DD02
4C063DD03
4C063DD06
4C063EE01
4C065AA01
4C065AA03
4C065AA04
4C065BB04
4C065BB06
4C065CC01
4C065DD02
4C065EE02
4C065HH01
4C065HH05
4C065JJ01
4C065KK01
4C065KK05
4C065LL01
4C065PP10
4C065QQ04
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC13
4C086BC17
4C086BC21
4C086BC28
4C086BC37
4C086BC39
4C086BC50
4C086BC73
4C086BC82
4C086BC84
4C086CB05
4C086CB22
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA10
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZA33
(57)【要約】
本開示は、白内障および老眼を含む眼症状の治療および予防における、化合物、組成物、製剤、およびそれらの使用方法に指向している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の構造によって表される化合物またはその薬学的に許容される塩:
式中、
R
Aは置換されていてもよい二環式ヘテロアリールであり、ここでR
A上の置換基は独立してR
aより選択され;
各R
aは独立して、
ハロゲン、=O、=S、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-OC(=O)R
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-OC(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)OR
12、-OC(=O)OR
12、-NR
12SO
2R
12、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、および-NO
2;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
10炭素環および3~10員のヘテロ環
より選択され;
R
Bは置換されていてもよい二環式ヘテロアリールであり、ここでR
B上の置換基は独立してR
bより選択され;
各R
bは独立して、
ハロゲン、=O、=S、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-OC(=O)R
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-OC(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)OR
12、-OC(=O)OR
12、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、-NR
12SO
2R
13、-NO
2;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
10炭素環および3~10員のヘテロ環
より選択され;
R
1は、水素;および、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニルより選択され;
R
2およびR
3は独立して、水素;ならびに、R
9より独立して選択される1つもしくは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択されるか;
または、R
1およびR
2はそれらが結合する介在原子と一緒になって、R
9より独立して選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよい5~8員のヘテロ環を形成するか;
または、R
2およびR
3はそれらが結合する介在原子と一緒になって、R
9より独立して選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよい4~10員のヘテロ環を形成し;
R
4、R
5、およびR
6は独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
11、-C(=O)N(R
10)
2、および-N(R
10)
2;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル
より選択され;
各R
9は独立して、ハロゲン、=O、=S、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-OC(=O)R
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-OC(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)OR
12、-OC(=O)OR
12、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、-NO
2、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
3~C
6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択され;
各R
10は独立して、水素;ならびに、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択され;
各R
11は独立して、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択され;
各R
12は独立して水素、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
1~C
6ハロアルキル、C
3~C
6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択され;かつ
各R
13は独立してC
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
1~C
6ハロアルキル、C
3~C
6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択される。
【請求項2】
R
Aが、置換されていてもよい9または10員の二環式ヘテロアリールであり、ここでR
A上の置換基が独立してR
aより選択される、請求項1記載の化合物または塩。
【請求項3】
R
Aが、置換されていてもよいインドリル、置換されていてもよいイソインドリル、置換されていてもよいインダゾリル、置換されていてもよいベンゾイミダゾリル、置換されていてもよいアザインドリル、置換されていてもよいピロロピリジニル、置換されていてもよいピラゾロピリミジニル、置換されていてもよいイミダゾロピリミジニル、置換されていてもよいベンズイソオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾイソオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾチアゾリル、置換されていてもよいベンゾオキサジアゾリル、置換されていてもよいベンゾチアジアゾリル、置換されていてもよいキノリニル、置換されていてもよいイソキノリニル、置換されていてもよいキノキサリニル、または置換されていてもよいキナゾリニルであり、ここでR
A上の置換基が独立してR
aより選択される、請求項1または請求項2記載の化合物または塩。
【請求項4】
R
Aが、置換されていてもよいインドリル、置換されていてもよいインダゾリル、置換されていてもよいアザインドリル、置換されていてもよいピロロピリジニル、置換されていてもよいピラゾロピリミジニル、置換されていてもよいキノリニル、または置換されていてもよいイミダゾロピリミジニルであり、ここでR
A上の置換基が独立してR
aより選択される、請求項3記載の化合物または塩。
【請求項5】
R
Aが、
であり;
X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5が独立してCR
8およびNより選択され、ここでX
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5のうちの0、1、または2個がNであり;
R
7が、
水素;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択され;かつ
各R
8が独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、および-NO
2;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択される、
請求項1~4のいずれか一項記載の化合物または塩。
【請求項6】
式(I)の化合物が、式(II)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩である、請求項5記載の化合物または塩:
式中、
X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5は独立してCR
8およびNより選択され、ここでX
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5のうちの0または1個はNであり;
R
7は、
水素;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル
より選択され;かつ
各R
8は独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)OR
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-SR
12、-SO
2R
13、および-SO
2N(R
12)
2;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC
1~C
6アルキル
より選択される。
【請求項7】
R
Bが、置換されていてもよい9または10員の二環式ヘテロアリールであり、ここでR
B上の置換基が独立してR
bより選択される、請求項1~6のいずれか一項記載の化合物または塩。
【請求項8】
R
Bが、置換されていてもよいインドリル、置換されていてもよいイソインドリル、置換されていてもよいインダゾリル、置換されていてもよいベンゾイミダゾリル、置換されていてもよいアザインドリル、置換されていてもよいピラゾロピリミジニル、置換されていてもよいイミダゾロピリミジニル、置換されていてもよいベンズイソオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾイソオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾチアゾリル、置換されていてもよいベンゾオキサジアゾリル、置換されていてもよいベンゾチアジアゾリル、置換されていてもよいキノリニル、置換されていてもよいイソキノリニル、置換されていてもよいキノキサリニル、または置換されていてもよいキナゾリニルであり、ここでR
B上の置換基が独立してR
bより選択される、請求項1~7のいずれか一項記載の化合物または塩。
【請求項9】
R
Bが、置換されていてもよいインドリル、置換されていてもよいベンゾイミダゾリル、置換されていてもよいベンゾチアゾリル、置換されていてもよいキノリニル、置換されていてもよいイソキノリニル、または置換されていてもよいインダゾリルであり、ここでR
B上の置換基が独立してR
bより選択される、請求項8記載の化合物または塩。
【請求項10】
R
Bが、
であり;
Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6が独立してCR
15およびNより選択され、ここでY
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6のうちの0、1、2、または3個がNであり;かつ、ここでY
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6のうちの1個が当該分子の残りの部分への結合点であり;
R
14が、
水素;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択され;かつ
各R
15が独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、および-NO
2;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択される、
請求項1~9のいずれか一項記載の化合物または塩。
【請求項11】
式(I)または式(II)の化合物が、式(III)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩である、請求項10記載の化合物または塩:
式中、
Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6は独立してCR
15およびNより選択され、ここでY
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6のうちの0または1個はNであり;かつ、ここでY
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6のうちの1個は当該分子の残りの部分への結合点であり;
R
14は、
水素;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル
より選択され;かつ
各R
15は独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)OR
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-SR
12、-SO
2R
13、および-SO
2N(R
12)
2;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC
1~C
6アルキル
より選択される。
【請求項12】
式(III)の化合物が、式(IIIa-3)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩である、請求項11記載の化合物または塩:
。
【請求項13】
式(III)の化合物が、式(IIIb-3)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩である、請求項11記載の化合物または塩:
式中、Y
1およびY
2のうちの0または1個はNである。
【請求項14】
式(III)の化合物が、式(IIIc-3)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩である、請求項11記載の化合物または塩:
。
【請求項15】
R
2およびR
3が独立して、水素;R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択される、請求項1~14のいずれか一項記載の化合物または塩。
【請求項16】
R
2およびR
3が独立して水素、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択される、請求項15記載の化合物または塩。
【請求項17】
R
2およびR
3が独立してC
1~C
6アルキルより選択される、請求項16記載の化合物または塩。
【請求項18】
R
2およびR
3が、それらが結合する介在原子と一緒になって、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい4~8員のヘテロ環を形成する、請求項1~14のいずれか一項記載の化合物または塩。
【請求項19】
R
2およびR
3が、それらが結合する介在原子と一緒になって、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい4~8員のヘテロシクロアルキルを形成する、請求項18記載の化合物または塩。
【請求項20】
R
2およびR
3が、それらが結合する介在原子と一緒になって、
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい、置換されていてもよいアゼチジニル、置換されていてもよいピロリジニル、置換されていてもよいピペリジニル、置換されていてもよいモルホリニル、または置換されていてもよいテトラヒドロフロピロリル
を形成する、請求項19記載の化合物または塩。
【請求項21】
R
1が、水素;および、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC
1~C
6アルキルより選択される、請求項1~20のいずれか一項記載の化合物または塩。
【請求項22】
R
1が水素;およびC
1~C
6アルキルより選択される、請求項21記載の化合物または塩。
【請求項23】
R
1が水素である、請求項22記載の化合物または塩。
【請求項24】
R
1およびR
2が、それらが結合する介在原子と一緒になって、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい5~8員のヘテロシクロアルキルを形成する、請求項1~14のいずれか一項記載の化合物または塩。
【請求項25】
式(III)の化合物が、式(IIId-3)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩である、請求項24記載の化合物または塩:
式中、
Y
1およびY
2のうちの0または1個はNであり;かつ
kは1、2、3、または4である。
【請求項26】
kが1または2である、請求項25記載の化合物または塩。
【請求項27】
R
4、R
5、およびR
6が独立して、
水素、-OR
11、および-N(R
10)
2;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC
1~C
6アルキル
より選択される、請求項1~26のいずれか一項記載の化合物または塩。
【請求項28】
R
4、R
5、およびR
6がそれぞれ水素である、請求項1~27のいずれか一項記載の化合物または塩。
【請求項29】
式(I)または式(II)の化合物が、式(IV)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1~6のいずれか一項記載の化合物または塩:
。
【請求項30】
式(IV)の化合物が、式(IVa)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩である、請求項29記載の化合物または塩:
式中、
Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、およびY
5は独立してCR
15およびNより選択され、ここでY
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6のうちの0、1、2、または3個はNであり;かつ、ここでY
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6のうちの1個は当該分子の残りの部分への結合点であり;
R
14は、
水素;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC
1~C
6アルキル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび3~6員のヘテロシクロアルキル
より選択され;かつ
各R
15は独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、および-NO
2;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択される。
【請求項31】
式(IVa)の化合物が、式(IVb)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩である、請求項30記載の化合物または塩:
。
【請求項32】
R
7が、
水素;および
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC
1~C
6アルキル
より選択される、請求項5~31のいずれか一項記載の化合物または塩。
【請求項33】
R
7が水素およびC
1~C
6アルキルより選択される、請求項32記載の化合物または塩。
【請求項34】
R
7が、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、およびヘキシルより選択される、請求項33記載の化合物または塩。
【請求項35】
R
7が水素およびメチルより選択される、請求項34記載の化合物または塩。
【請求項36】
各R
8が独立して、
水素、ハロゲン、-CN、および-OR
13;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC
1~C
6アルキル
より選択される、請求項5~35のいずれか一項記載の化合物または塩。
【請求項37】
各R
8が独立して水素、ハロゲン、-CN、-OR
13、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6フルオロアルキル、およびC
1~C
6ヒドロキシアルキルより選択される、請求項36記載の化合物または塩。
【請求項38】
各R
8が独立して水素、ハロゲン、-CN、-OR
13、およびC
1~C
6アルキルより選択される、請求項37記載の化合物または塩。
【請求項39】
各R
15が独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)OR
12、および-NR
12SO
2R
13;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC
1~C
6アルキル
より選択される、請求項10~38のいずれか一項記載の化合物または塩。
【請求項40】
各R
15が独立して水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、C
1~C
6アルキル、およびC
1~C
6フルオロアルキルより選択される、請求項39記載の化合物または塩。
【請求項41】
R
14が、
水素;および
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC
1~C
3アルキル
より選択される、請求項10~40のいずれか一項記載の化合物または塩。
【請求項42】
R
14が水素およびC
1~C
3アルキルより選択される、請求項41記載の化合物または塩。
【請求項43】
R
14が水素およびメチルより選択される、請求項42記載の化合物または塩。
【請求項44】
R
14が水素である、請求項43記載の化合物または塩。
【請求項45】
前記化合物が、
より選択されるか、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1記載の化合物または塩。
【請求項46】
前記化合物が、
より選択されるか、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1記載の化合物または塩。
【請求項47】
前記化合物が、
より選択されるか、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1記載の化合物または塩。
【請求項48】
前記化合物が、
より選択されるか、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1記載の化合物または塩。
【請求項49】
請求項1~48のいずれか一項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
【請求項50】
対象における眼疾患を治療するかまたは予防するための方法であって、
その必要がある対象の目に、請求項1~48のいずれか一項記載の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、または請求項49記載の薬学的組成物を投与する工程を含む、前記方法。
【請求項51】
前記眼疾患が近見視力障害である、請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記近見視力障害が白内障または老眼である、請求項51記載の方法。
【請求項53】
その必要がある対象においてα-クリスタリンタンパク質の凝集を少なくとも5%減少させる方法であって、
その必要がある対象に、有効量の、請求項1~48のいずれか一項記載の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、または請求項49記載の薬学的組成物を投与する工程を含む、前記方法。
【請求項54】
α-クリスタリンタンパク質の凝集が少なくとも10%減少する、請求項53記載の方法。
【請求項55】
α-クリスタリンタンパク質の凝集が少なくとも20%減少する、請求項54記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年8月31日に出願の米国仮特許出願第63/072,724号の恩典を主張し、前記出願はその全体において参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
白内障は40歳またはそれ以上のアメリカ人のうちの2400万人超に影響を及ぼし、75歳までにアメリカ人全体の半数が白内障を有する。白内障は、視力に影響を及ぼす、目の水晶体の混濁である。白内障に対する従来の治療は手術による人工眼内レンズとの交換である。しかしながら、手術による白内障の治療は費用が高く、人工水晶体は正常な水晶体と同様の全体的な光学的品質は有していない。
【0003】
約1億1200万人のアメリカ人が現在、老眼を患っていると推定されている。老眼は一般的には40~50歳の間に始まる加齢性の遠視であり、まずかすみ目、薄明かりでの見にくさ、および眼精疲労を引き起こす。健康な目では、水晶体は、光が水晶体の内部を通過し、像が形成される網膜に到達する様式を周囲の筋肉による水晶体形状のわずかな変化によって変化させる遠近調節と呼ばれるプロセスによって、様々な距離にある物体からの光を集束させることができる。遠近調節時には、水晶体の周囲の筋肉が収縮して水晶体の形状を変化させ、目の焦点調節能力が高まる。これが近くおよび遠くの距離でも焦点の調節およびはっきりとした視覚を可能にする。加齢とともに、水晶体は、その構造クリスタリンタンパク質が誤って折り畳まれるために硬くなる。この硬さが増加した水晶体が、近距離ではっきりとした視覚を必要とする読書または他の作業のために焦点調節する目の能力を制限することになる。手術という選択肢もあるが、老眼鏡、または遠近両用レンズを備えた眼鏡が老眼の最も一般的な矯正方法である。
【0004】
白内障および老眼は世界中で何十億人もの人々に影響を及ぼしているため、これらの疾患を治療および予防するための新規な方法に対する大きなニーズがある。
【発明の概要】
【0005】
式(I)の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、および前記化合物を含む薬学的組成物が本明細書において提供される。本対象の化合物および組成物は白内障および老眼などの眼疾患の治療に有用である。
【0006】
式(I)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩である化合物、および前記化合物を含む薬学的組成物が本明細書において提供され、
式中、
R
Aは置換されていてもよい二環式ヘテロアリールであり、ここでR
A上の置換基は独立してR
aより選択され;
各R
aは独立して、
ハロゲン、=O、=S、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-OC(=O)R
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-OC(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)OR
12、-OC(=O)OR
12、-NR
12SO
2R
12、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、および-NO
2;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
10炭素環および3~10員のヘテロ環
より選択され;
R
Bは置換されていてもよい二環式ヘテロアリールであり、ここでR
B上の置換基は独立してR
bより選択され;
各R
bは独立して、
ハロゲン、=O、=S、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-OC(=O)R
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-OC(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)OR
12、-OC(=O)OR
12、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、-NR
12SO
2R
13、-NO
2;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
10炭素環および3~10員のヘテロ環
より選択され;
R
1は、水素;および、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニルより選択され;
R
2およびR
3は独立して、水素;ならびに、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択されるか;
または、R
1およびR
2はそれらが結合する介在原子と一緒になって、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい5~8員のヘテロ環を形成するか;
または、R
2およびR
3はそれらが結合する介在原子と一緒になって、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい4~10員のヘテロ環を形成し;
R
4、R
5、およびR
6は独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
11、-C(=O)N(R
10)
2、および-N(R
10)
2;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル
より選択され;
各R
9は独立して、ハロゲン、=O、=S、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-OC(=O)R
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-OC(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)OR
12、-OC(=O)OR
12、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、-NO
2、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
3~C
6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択され;
各R
10は独立して、水素;ならびに、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択され;
各R
11は独立して、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択され;
各R
12は独立して、水素、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
1~C
6ハロアルキル、C
3~C
6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択され;かつ
各R
13は独立してC
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
1~C
6ハロアルキル、C
3~C
6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択される。
【0007】
いくつかの態様では、R
Aは置換されていてもよい9または10員の二環式ヘテロアリールであり、ここでR
A上の置換基は独立してR
aより選択される。いくつかの態様では、R
Aは、置換されていてもよいインドリル、置換されていてもよいイソインドリル、置換されていてもよいインダゾリル、置換されていてもよいベンゾイミダゾリル、置換されていてもよいアザインドリル、置換されていてもよいピロロピリジニル、置換されていてもよいピラゾロピリミジニル、置換されていてもよいイミダゾロピリミジニル、置換されていてもよいベンズイソオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾイソオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾチアゾリル、置換されていてもよいベンゾオキサジアゾリル、置換されていてもよいベンゾチアジアゾリル、置換されていてもよいキノリニル、置換されていてもよいイソキノリニル、置換されていてもよいキノキサリニル、または置換されていてもよいキナゾリニルであり、ここでR
A上の置換基は独立してR
aより選択される。いくつかの態様では、R
Aは、置換されていてもよいインドリル、置換されていてもよいインダゾリル、置換されていてもよいアザインドリル、置換されていてもよいピロロピリジニル、置換されていてもよいピラゾロピリミジニル、置換されていてもよいキノリニル、または置換されていてもよいイミダゾロピリミジニルであり、ここでR
A上の置換基は独立してR
aより選択される。いくつかの態様では、R
Aは、
であり;X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5は独立してCR
8およびNより選択され、ここでX
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5のうちの0、1、または2個はNであり;R
7は、水素;R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキルより選択され;かつ各R
8は独立して、水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、および-NO
2;R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびにR
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキルより選択される。
【0008】
いくつかの態様では、式(I)の化合物は、式(II)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5は独立してCR
8およびNより選択され、ここでX
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5のうちの0または1個はNであり;
R
7は、水素;ならびに、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニルより選択され;
各R
8は独立して、水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)OR
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-SR
12、-SO
2R
13、および-SO
2N(R
12)
2;ならびに、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC
1~C
6アルキルより選択される。
【0009】
いくつかの態様では、R
Bは置換されていてもよい9または10員の二環式ヘテロアリールであり、ここでR
B上の置換基は独立してR
bより選択される。いくつかの態様では、R
Bが、置換されていてもよいインドリル、置換されていてもよいイソインドリル、置換されていてもよいインダゾリル、置換されていてもよいベンゾイミダゾリル、置換されていてもよいアザインドリル、置換されていてもよいピラゾロピリミジニル、置換されていてもよいイミダゾロピリミジニル、置換されていてもよいベンズイソオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾイソオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾチアゾリル、置換されていてもよいベンゾオキサジアゾリル、置換されていてもよいベンゾチアジアゾリル、置換されていてもよいキノリニル、置換されていてもよいイソキノリニル、置換されていてもよいキノキサリニル、または置換されていてもよいキナゾリニルであり、ここでR
B上の置換基は独立してR
bより選択される。いくつかの態様では、R
Bは、置換されていてもよいインドリル、置換されていてもよいベンゾイミダゾリル、置換されていてもよいベンゾチアゾリル、置換されていてもよいキノリニル、置換されていてもよいイソキノリニル、または置換されていてもよいインダゾリルであり、ここでR
B上の置換基は独立してR
bより選択される。いくつかの態様では、R
Bは、
であり;Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6は独立してCR
15およびNより選択され、ここでY
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6のうちの0、1、2、または3個はNであり;かつ、ここでY
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6のうちの1個は当該分子の残りの部分への結合点であり;R
14は、水素;R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキルより選択され;かつ各R
15は独立して、水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、および-NO
2;R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキルより選択される。
【0010】
いくつかの態様では、式(I)または式(II)の化合物は、式(III)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6は独立してCR
15およびNより選択され、ここでY
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6のうちの0または1個はNであり;かつ、ここでY
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6のうちの1個は当該分子の残りの部分への結合点であり;
R
14は、
水素;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル
より選択され;かつ
各R
15は独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)OR
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-SR
12、-SO
2R
13、および-SO
2N(R
12)
2;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC
1~C
6アルキル
より選択される。
【0011】
いくつかの態様では、式(III)の化合物は、式(IIIa-3)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩である:
。
【0012】
いくつかの態様では、式(III)の化合物は、式(IIIb-3)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩であり、
式中、Y
1およびY
2のうちの0または1個はNである。
【0013】
いくつかの態様では、式(III)の化合物は、式(IIIc-3)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩である:
。
【0014】
いくつかの態様では、R2およびR3は独立して、水素;ならびに、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよいC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、R2およびR3は独立して水素;およびC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、R2およびR3は独立してC1~C6アルキルより選択される。
【0015】
いくつかの態様では、R2およびR3はそれらが結合する介在原子と一緒になって、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい4~8員のヘテロ環を形成する。いくつかの態様では、R2およびR3はそれらが結合する介在原子と一緒になって、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい4~8員のヘテロシクロアルキルを形成する。いくつかの態様では、R2およびR3はそれらが結合する介在原子と一緒になって、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい、置換されていてもよいアゼチジニル、置換されていてもよいピロリジニル、置換されていてもよいピペリジニル、置換されていてもよいモルホリニル、または置換されていてもよいテトラヒドロフロピロリルを形成する。
【0016】
いくつかの態様では、R1は、水素;および、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、R1は水素;およびC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、R1は水素である。
【0017】
いくつかの態様では、R1およびR2はそれらが結合する介在原子と一緒になって、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい5~8員のヘテロシクロアルキルを形成する。
【0018】
いくつかの態様では、式(III)の化合物は、式(IIId-3)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
Y
1およびY
2のうちの0または1個はNであり;かつ
kは1、2、3、または4である。
【0019】
いくつかの態様では、kは1または2である。
【0020】
いくつかの態様では、R4、R5、およびR6は独立して、水素、-OR11、および-N(R10)2;ならびに、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、R4、R5、およびR6はそれぞれ水素である。
【0021】
いくつかの態様では、式(I)または式(II)の化合物は、式(IV)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩である:
。
【0022】
いくつかの態様では、式(IV)の化合物は、式(IVa)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、およびY
5は独立してCR
15およびNより選択され、ここでY
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6のうちの0、1、2、または3個はNであり;かつ、ここでY
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6のうちの1個は当該分子の残りの部分への結合点であり;
R
14は、
水素;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC
1~C
6アルキル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび3~6員のヘテロシクロアルキル
より選択され;かつ
各R
15は独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、および-NO
2;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択される。
【0023】
いくつかの態様では、式(IVa)の化合物は、式(IVb)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩である:
。
【0024】
いくつかの態様では、R7は、水素;および、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、R7は水素およびC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、R7は水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、およびヘキシルより選択される。いくつかの態様では、R7は水素およびメチルより選択される。
【0025】
いくつかの態様では、各R8は独立して、水素、ハロゲン、-CN、および-OR13;ならびに、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、各R8は独立して水素、ハロゲン、-CN、-OR13、C1~C6アルキル、C1~C6フルオロアルキル、およびC1~C6ヒドロキシアルキルより選択される。いくつかの態様では、各R8は独立して水素、ハロゲン、-CN、-OR13、およびC1~C6アルキルより選択される。
【0026】
いくつかの態様では、各R15は独立して、水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR13、-N(R12)2、-C(=O)OR12、および-NR12SO2R13;ならびに、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、各R15は独立して水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR13、-N(R12)2、C1~C6アルキル、およびC1~C6フルオロアルキルより選択される。
【0027】
いくつかの態様では、R14は、水素;および、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C3アルキルより選択される。いくつかの態様では、R14は水素およびC1~C3アルキルより選択される。いくつかの態様では、R14は水素およびメチルより選択される。いくつかの態様では、R14は水素である。
【0028】
様々な可変記号については上または下に記載される基の任意の組み合わせが本明細書において企図されている。明細書全体を通じて、基およびそれらの置換基は安定な部分および化合物をもたらすように当業者によって選択される。
【0029】
本明細書において記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは立体異性体と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物も本明細書において開示される。
【0030】
その必要がある対象の目に本明細書において開示される化合物または組成物を投与する工程を含む、眼疾患を治療するための方法も本明細書において開示される。いくつかの態様では、化合物または組成物は硝子体内注射または前房内注射によって局所的に投与される。いくつかの態様では、眼疾患は白内障である。いくつかの態様では、眼疾患は老眼である。
【0031】
その必要がある対象の目に本明細書において開示される化合物または組成物を投与する工程を含む、その必要がある対象においてα-クリスタリンタンパク質の凝集を少なくとも5%減少させる方法も本明細書において開示される。いくつかの態様では、α-クリスタリンタンパク質の凝集は少なくとも10%減少する。いくつかの態様では、α-クリスタリンタンパク質の凝集は少なくとも20%減少する。
【0032】
参照による援用
本明細書において言及されたすべての刊行物、特許、および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み入れられることが具体的かつ個別に示されたのと同程度に参照により本明細書に組み入れられる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
発明の詳細な説明
定義
特に定義した場合を除いて、本明細書において用いられるすべての技術的および科学的用語は本発明が属する技術分野における当業者によって通常は解釈されるものと同じ意味を有する。本明細書において引用されるすべての特許および出版物は参照により組み入れられる。
【0034】
明細書および請求項において用いられるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は文脈上明らかに別の意味である場合を除き複数形の指示対象を含む。
【0035】
「アルキル」とは、炭素および水素原子のみからなり、不飽和結合を含有せず、好ましくは炭素原子を1~15個有する、直鎖または分枝鎖炭化水素鎖ラジカル(すなわち、C1~C15アルキル)を指す。特定の態様では、アルキルは炭素原子を1~13個含む(すなわち、C1~C13アルキル)。特定の態様では、アルキルは炭素原子を1~8個含む(すなわち、C1~C8アルキル)。別の態様では、アルキルは炭素原子を1~5個含む(すなわち、C1~C5アルキル)。別の態様では、アルキルは炭素原子を1~4個含む(すなわち、C1~C4アルキル)。別の態様では、アルキルは炭素原子を1~3個含む(すなわち、C1~C3アルキル)。別の態様では、アルキルは炭素原子を1~2個含む(すなわち、C1~C2アルキル)。別の態様では、アルキルは炭素原子を1個含む(すなわち、C1アルキル)。別の態様では、アルキルは炭素原子を5~15個含む(すなわち、C5~C15アルキル)。別の態様では、アルキルは炭素原子を5~8個含む(すなわち、C5~C8アルキル)。別の態様では、アルキルは炭素原子を2~5個含む(すなわち、C2~C5アルキル)。別の態様では、アルキルは炭素原子を3~5個含む(すなわち、C3~C5アルキル)。特定の態様では、アルキル基はメチル、エチル、1-プロピル(n-プロピル)、1-メチルエチル(イソ-プロピル)、1-ブチル(n-ブチル)、1-メチルプロピル(sec-ブチル)、2-メチルプロピル(イソブチル)、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチル)、1-ペンチル(n-ペンチル)より選択される。アルキルは単結合により当該分子の残りの部分に結合する。明細書において特に記載のない限り、アルキル基は本明細書において記載されるものなどの1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0036】
「アルケニル」とは、炭素および水素原子のみからなり、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有し、好ましくは炭素原子を2~12個有する(すなわち、C2~C12アルケニル)、直鎖または分枝鎖炭化水素鎖ラジカル基を指す。特定の態様では、アルケニルは炭素原子を2~10個含む(すなわち、C2~C10アルケニル)。特定の態様では、アルケニルは炭素原子を2~8個含む(すなわち、C2~C8アルケニル)。別の態様では、アルケニルは炭素原子を2~6個含む(すなわち、C2~C6アルケニル)。アルケニルは、例えば、エテニル(すなわち、ビニル)、プロプ-1-エニル(すなわち、アリル)、ブタ-1-エニル、ペンタ-1-エニル、ペンタ-1,4-ジエニルなど、単結合によって当該分子の残りの部分に結合し得る。明細書において特に記載のない限り、アルケニル基は本明細書において記載されるものなどの1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0037】
「アルキニル」とは、炭素および水素原子のみからなり、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含有し、好ましくは炭素原子を2~12個有する(すなわち、C2~C12アルキニル)、直鎖または分枝鎖炭化水素鎖ラジカル基を指す。特定の態様では、アルキニルは炭素原子を2~8個含む(すなわち、C2~C8アルキニル)。別の態様では、アルキニルは炭素原子を2~6個含む(すなわち、C2~C6アルキニル)。別の態様では、アルキニルは炭素原子を2~4個含む(すなわち、C2~C4アルキニル)。アルキニルは、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなど、単結合によって当該分子の残りの部分に結合し得る。明細書において特に記載のない限り、アルキニル基は本明細書において記載される置換基などの1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0038】
「アルキレン」または「アルキレン鎖」とは、炭素および水素原子のみからなり、不飽和結合を含有せず、好ましくは炭素原子を1~12個有するものなどの、当該分子の残りの部分をラジカル基に結合させる直鎖または分岐鎖二価炭化水素鎖、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレンなどを指す。アルキレン鎖は単結合を介して当該分子の残りの部分および単結合を介してラジカル基に結合する。当該分子の残りの部分およびラジカル基へのアルキレン鎖の結合点は鎖内の任意の2つの炭素を介したものであり得る。特定の態様では、アルキレンは炭素原子を1~10個含む(すなわち、C1~C8アルキレン)。特定の態様では、アルキレンは炭素原子を1~8個含む(すなわち、C1~C8アルキレン)。別の態様では、アルキレンは炭素原子を1~5個含む(すなわち、C1~C5アルキレン)。別の態様では、アルキレンは炭素原子を1~4個含む(すなわち、C1~C4アルキレン)。別の態様では、アルキレンは炭素原子を1~3個含む(すなわち、C1~C3アルキレン)。別の態様では、アルキレンは炭素原子を1~2個含む(すなわち、C1~C2アルキレン)。別の態様では、アルキレンは炭素原子を1個含む(すなわち、C1アルキレン)。別の態様では、アルキレンは炭素原子を5~8個含む(すなわち、C5~C8アルキレン)。別の態様では、アルキレンは炭素原子を2~5個含む(すなわち、C2~C5アルキレン)。別の態様では、アルキレンは炭素原子を3~5個含む(すなわち、C3~C5アルキレン)。明細書において特に記載のない限り、アルキレン鎖は本明細書において記載されるものなどの1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0039】
「アルケニレン」または「アルケニレン鎖」とは、炭素および水素のみからなり、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有し、好ましくは炭素原子を2~12個有する、当該分子の残りの部分をラジカル基に結合させる直鎖または分枝鎖二価炭化水素鎖を指す。アルケニレン鎖は単結合を介して当該分子の残りの部分および単結合を介してラジカル基に結合する。当該分子の残りの部分およびラジカル基へのアルケニレン鎖の結合点は鎖内の任意の2つの炭素を介したものであり得る。特定の態様では、アルケニレンは炭素原子を2~10個含む(すなわち、C2~C10アルケニレン)。特定の態様では、アルケニレンは炭素原子を2~8個含む(すなわち、C2~C8アルケニレン)。別の態様では、アルケニレンは炭素原子を2~5個含む(すなわち、C2~C5アルケニレン)。別の態様では、アルケニレンは炭素原子を2~4個含む(すなわち、C2~C4アルケニレン)。別の態様では、アルケニレンは炭素原子を2~3個含む(すなわち、C2~C3アルケニレン)。別の態様では、アルケニレンは炭素原子を2個含む(すなわち、C2アルケニレン)。別の態様では、アルケニレンは炭素原子を5~8個含む(すなわち、C5~C8アルケニレン)。別の態様では、アルケニレンは炭素原子を3~5個含む(すなわち、C3~C5アルケニレン)。明細書において特に記載のない限り、アルケニレン鎖は本明細書において記載されるものなどの1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0040】
「アルキニレン」または「アルキニレン鎖」とは、炭素および水素のみからなり、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含有し、好ましくは炭素原子を2~12個有する、当該分子の残りの部分をラジカル基に結合させる直鎖または分枝鎖二価炭化水素鎖を指す。アルキニレン鎖は単結合を介して当該分子の残りの部分および単結合を介してラジカル基に結合する。当該分子の残りの部分およびラジカル基へのアルキニレン鎖の結合点は鎖内の任意の2つの炭素を介したものであり得る。特定の態様では、アルキニレンは炭素原子を2~10個含む(すなわち、C2~C10アルキニレン)。特定の態様では、アルキニレンは炭素原子を2~8個含む(すなわち、C2~C8アルキニレン)。別の態様では、アルキニレンは炭素原子を2~5個含む(すなわち、C2~C5アルキニレン)。別の態様では、アルキニレンは炭素原子を2~4個含む(すなわち、C2~C4アルキニレン)。別の態様では、アルキニレンは炭素原子を2~3個含む(すなわち、C2~C3アルキニレン)。別の態様では、アルキニレンは炭素原子を2個含む(すなわち、C2アルキニレン)。別の態様では、アルキニレンは炭素原子を5~8個含む(すなわち、C5~C8アルキニレン)。別の態様では、アルキニレンは炭素原子を3~5個含む(すなわち、C3~C5アルキニレン)。明細書において特に記載のない限り、アルキニレン鎖は本明細書において記載される置換基などの1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0041】
「アリール」とは芳香族単環式または芳香族多環式炭化水素環系を指す。芳香族単環式または芳香族多環式炭化水素環系は水素および、5~18個の炭素原子に由来する炭素のみを含有し、ここで環系内の環のうちの少なくとも1つは芳香性である、すなわち、ヒュッケル理論に従って環状の非局在化(4n+2)π電子系を含有する。アリール基が由来する環系はベンゼン、フルオレン、インダン、インデン、テトラリンおよびナフタレンなどの基を非限定的に含む。明細書において特に記載のない限り、「アリール」という用語または「ar-」という接頭辞(例えば、「アラルキル」における)は、本明細書において記載されるものなどの1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいアリールラジカルを含むことを意味している。
【0042】
「アラルキル」とは式-Rc-アリールのラジカルを指し、ここでRcは上で定義したアルキレン鎖、例えば、メチレン、エチレンなどである。アラルキルラジカルのアルキレン鎖部分はアルキレン鎖について上に記載したように置換されていてもよい。アラルキルラジカルのアリール部分はアリール基について上に記載したように置換されていてもよい。
【0043】
「アラルケニル」とは式-Rd-アリールのラジカルを指し、ここでRdは上で定義したアルケニレン鎖である。アラルケニルラジカルのアリール部分はアリール基について上に記載したように置換されていてもよい。アラルケニルラジカルのアルケニレン鎖部分はアルケニレン基について上に記載したように置換されていてもよい。
【0044】
「アラルキニル」とは式-Re-アリールのラジカルを指し、ここでReは上で定義したアルキニレン鎖である。アラルキニルラジカルのアリール部分はアリール基について上に記載したように置換されていてもよい。アラルキニルラジカルのアルキニレン鎖部分はアルキニレン鎖について上に記載したように置換されていてもよい。
【0045】
「Cx~y」または「Cx~Cy」という用語は、アルキル、アルケニル、またはアルキニルなどの化学部分と共に用いられた場合、鎖中に炭素をxからy個含有する基を含むことを意味している。例えば、「Cx~yアルキル」という用語は、鎖中に炭素をxからy個含有する直鎖アルキルおよび分枝鎖アルキル基を含む、置換または非置換飽和炭化水素基を指す。「Cx~yアルケニル」および「Cx~yアルキニル」という用語は、長さが類似しており、かつ上に記載されるアルキルに置換があり得るが、それぞれ二重または三重結合を少なくとも1つ含有する置換または非置換不飽和脂肪族基を指す。
【0046】
「炭素環」とは環の各原子が炭素である飽和、不飽和または芳香環を指す。炭素環は単環式または多環式であり得、3~10員の単環、6~12員の二環、6~12員の架橋環を含み得る。二環式炭素環の各環は飽和、不飽和、および芳香環より選択され得る。いくつかの態様では、炭素環はアリールである。いくつかの態様では、炭素環はシクロアルキルである。いくつかの態様では、炭素環はシクロアルケニルである。例示的な態様では、芳香環、例えば、フェニルは、飽和または不飽和環、例えば、シクロヘキサン、シクロペンタン、またはシクロヘキセンに縮合し得る。原子価が許容する限り、飽和、不飽和および芳香族二環式環の任意の組み合わせが炭素環の定義に含まれる。例示的な炭素環はシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、アダマンチル、フェニル、インダニル、およびナフチルを含む。明細書において特に記載のない限り、炭素環は本明細書において記載されるものなどの1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0047】
「シクロアルキル」とは環の各原子が炭素である飽和環を指す。シクロアルキルは3~10員の単環式環、6~12員の二環式環、および6~12員の架橋環などの単環式および多環式環を含み得る。特定の態様では、シクロアルキルは炭素原子を3~10個含む。別の態様では、シクロアルキルは炭素原子を5~7個含む。シクロアルキルは単結合によって当該分子の残りの部分に結合し得る。単環式シクロアルキルの例は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルを含む。多環式シクロアルキルラジカルは、例えば、アダマンチル、ノルボルニル(すなわち、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)、ノルボルネニル、デカリニル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどを含む。明細書において特に記載のない場合は、「シクロアルキル」という用語は本明細書において記載されるものなどの1つまたは複数の置換基によって置換されていてもよいシクロアルキルラジカルを含むことを意味している。
【0048】
「シクロアルケニル」とは、環の各原子が炭素であり、2個の環炭素の間に少なくとも1つの二重結合がある飽和環を指す。シクロアルケニルは3~10員の単環式環、6~12員の二環式環、および6~12員の架橋環などの単環式および多環式環を含み得る。別の態様では、シクロアルケニルは炭素原子を5~7個含む。シクロアルケニルは単結合によって当該分子の残りの部分に結合し得る。単環式シクロアルケニルの例は、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニルを含む。明細書において特に記載のない限り、「シクロアルケニル」という用語は本明細書において記載されるものなどの1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいシクロアルケニルラジカルを含むことを意味している。
【0049】
「ハロ」または代替的には「ハロゲン」もしくは「ハライド」はフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。いくつかの態様では、ハロはフルオロ、クロロ、またはブロモである。
【0050】
「ハロアルキル」とは1つまたは複数のハロラジカルによって置換された上で定義したアルキルラジカル、例えば、トリフルオロメチル、ジクロロメチル、ブロモメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1-クロロメチル-2-フルオロエチルなどを指す。いくつかの態様では、ハロアルキルラジカルのアルキル部分は本明細書において記載されるように置換されていてもよい。
【0051】
「ヒドロキシアルキル」とは1つまたは複数のヒドロキシラジカルによって置換された上で定義したアルキルラジカル、例えば、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピルなどを指す。いくつかの態様では、ヒドロキシアルキルラジカルのアルキル部分は本明細書において記載されるように置換されていてもよい。
【0052】
「ヘテロ環」とは炭素原子と1つまたは複数のヘテロ原子とを含む飽和、不飽和または芳香環を指す。例示的なヘテロ原子はN、O、Si、P、B、およびS原子を含む。ヘテロ環は単環式または多環式であり得、3~10員の単環式環、6~12員の二環式環、および6~12員の架橋環を含み得る。二環式ヘテロ環の各環は飽和、不飽和、および芳香環より選択され得る。いくつかの態様では、ヘテロ環はヘテロアリールである。いくつかの態様では、ヘテロ環はヘテロシクロアルキルである。例示的な態様では、ヘテロ環、例えば、ピリジルは、飽和または不飽和環、例えば、シクロヘキサン、シクロペンタン、またはシクロヘキセンに縮合し得る。
【0053】
「ヘテロシクロアルキル」とは炭素原子と少なくとも1つのヘテロ原子とを含む飽和環を指す。例示的なヘテロ原子はN、O、Si、P、B、およびS原子を含む。ヘテロシクロアルキルは3~10員の単環式環、6~12員の二環式環、および6~12員の架橋環などの単環式および多環式環を含み得る。ヘテロシクロアルキルラジカル中のヘテロ原子は酸化されていてもよい。1つまたは複数の窒素原子は、存在している場合、四級化されていてもよい。ヘテロシクロアルキルは、原子価が許す限り、ヘテロシクロアルキルの任意の原子、例えば、ヘテロシクロアルキルの任意の炭素または窒素原子、を介して当該分子の残りの部分に結合している。ヘテロシクロアルキルラジカルの例はジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニル、および1,1-ジオキソ-チオモルホリニルを非限定的に含む。明細書において特に記載のない限り、「ヘテロシクロアルキル」という用語は本明細書において記載されるものなどの1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい上に定義されたヘテロシクロアルキルラジカルを含むことを意味している。
【0054】
「ヘテロシクロアルケニル」とは炭素原子と少なくとも1つのヘテロ原子とを有する不飽和環を指し、2個の環炭素の間に少なくとも1つの二重結合がある。ヘテロシクロアルケニルはヘテロアリール環を含まない。例示的なヘテロ原子はN、O、Si、P、B、およびS原子を含む。ヘテロシクロアルケニルは3~10員の単環式環、6~12員の二環式環、および6~12員の架橋環などの単環式および多環式環を含み得る。別の態様では、ヘテロシクロアルケニルは環原子を5~7個含む。ヘテロシクロアルケニルは単結合によって当該分子の残りの部分に結合し得る。単環式シクロアルケニルの例は、例えば、ピロリン(ジヒドロピロール)、ピラゾリン(ジヒドロピラゾール)、イミダゾリン(ジヒドロイミダゾール)、トリアゾリン(ジヒドロトリアゾール)、ジヒドロフラン、ジヒドロチオフェン、オキサゾリン(ジヒドロオキサゾール)、イソキサゾリン(ジヒドロイソキサゾール)、チアゾリン(ジヒドロチアゾール)、イソチアゾリン(ジヒドロイソチアゾール)、オキサジアゾリン(ジヒドロオキサジアゾール)、チアジアゾリン(ジヒドロチアジアゾール)、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピラン、ジヒドロピラン、チオピラン、ジヒドロチオピラン、ジオキシン、ジヒドロジオキシン、オキサジン、ジヒドロオキサジン、チアジン、およびジヒドロチアジンを含む。明細書において特に記載のない限り、「ヘテロシクロアルケニル」という用語は本明細書において記載されるものなどの1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいヘテロシクロアルケニルラジカルを含むことを意味している。
【0055】
「ヘテロアリール」とは炭素原子と1つまたは複数のヘテロ原子とを含む芳香環を指す。例示的なヘテロ原子はN、O、Si、P、B、およびS原子を含む。本明細書において用いられるように、ヘテロアリール環は単環式または二環式の縮合または架橋環系環より選択され得、ここで環系内の環のうちの少なくとも1つは芳香性である、すなわち、ヒュッケル理論に従って環状の非局在化(4n+2)π電子系を含有する。ヘテロアリールラジカル中のヘテロ原子は酸化されていてもよい。1つまたは複数の窒素原子は、存在する場合、四級化されていてもよい。ヘテロアリールは、原子価が許す限り、ヘテロアリールの任意の原子、例えば、ヘテロアリールの炭素または窒素原子を介して当該分子の残りの部分に結合し得る。ヘテロアリールの例はアゼピニル、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾインドリル、1,3-ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾ[d]チアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、1,4-ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾチエノ[3,2-d]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、シクロペンタ[d]ピリミジニル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]シンノリニル、6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2-c]ピリダジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、フロ[3,2-c]ピリジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリミジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリダジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリジニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、5,8-メタノ-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、ナフチリジニル、1,6-ナフチリジノニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、5,6,6a,7,8,9,10,10a-オクタヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、1-フェニル-1H-ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジニル、ピリジニル、ピリド[3,2-d]ピリミジニル、ピリド[3,4-d]ピリミジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、5,6,7,8-テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4,5-c]ピリダジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、チエノ[2,3-d]ピリミジニル、チエノ[3,2-d]ピリミジニル、チエノ[2,3-c]プリジニル、およびチオフェニル(すなわち、チエニル)を非限定に含む。明細書において特に記載のない限り、「ヘテロアリール」という用語は本明細書において記載されるものなどの1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい上に定義されたヘテロアリールラジカルを含むことを意味している。
【0056】
本明細書において開示される化合物は、いくつかの態様では、1つまたは複数の不斉中心を含むので、エナンチオマー、ジアステレオマー、および絶対立体化学の点から(R)-または(S)-として規定される他の立体異性体を生じる。特に記載しない限り、本明細書において開示される化合物のすべての立体異性体形態が本開示によって企図されることが意図されている。本明細書において記載される化合物がアルケン二重結合を含む場合、特に記載しない限り、本開示はEおよびZ幾何異性体(例えば、シスまたはトランス)を両方含むことが意図されている。同様に、すべての可能な異性体や、それらのラセミおよび光学的に純粋な形態、ならびにすべての互変異性形態が含まれることも意図されている。「幾何異性体」という用語はアルケン二重結合のEまたはZ幾何異性体(例えば、シスまたはトランス)を指す。「位置異性体」という用語は中心環の周りの構造異性体、例えば、フェニル環の周りのオルト、メタ、およびパラ異性体を指す。
【0057】
「互変異性体」とは分子のうちのある原子から同じ分子のうちの別の原子へのプロトンシフトが可能である分子を指す。本明細書において提示される化合物は、特定の態様では、互変異性体として存在する。互変異性が可能な状況では互変異性体の化学平衡が存在すると考えられる。特に記載されない限り、本明細書において図示された化学構造は、図示された構造のうちの異なる互変異性体である構造を含むことを意図している。例えば、エノール部分により図示された化学構造はエノール部分のケト互変異性体形態も含む。互変異性体の正確な比率は物理的状態、温度、溶媒、およびpHを含むいくつかの要因に応じて異なる。互変異性平衡のいくつかの例は、
を含む。
【0058】
本明細書において開示される化合物は、いくつかの態様では、異なる濃縮同位体形態、例えば、2H、3H、11C、13Cおよび/または14Cの含有量が高められた形態で用いられる。1つの具体的な態様では、化合物は少なくとも1つの位置で重水素化されている。そのような重水素化形態は米国特許第5,846,514号および第6,334,997号に記載の手順によって作製することができる。米国特許第5,846,514号および第6,334,997号に記載されているように、重水素化は代謝安定性および/または有効性を向上させることによって、薬物の作用の持続時間を増加させ得る。
【0059】
特に記載しない限り、本明細書において図示される構造は1つまたは複数の同位体濃縮原子の存在のみが異なる化合物を含むことを意図している。例えば、重水素またはトリチウムによる水素の置換または13Cもしくは14C濃縮炭素による炭素の置換を除いては本構造を有する化合物は本開示の範囲内である。
【0060】
本開示の化合物は、かかる化合物を構成する1つまたは複数の原子の箇所に、天然には存在しない割合の原子同位体を含有し得る。例えば、化合物は重水素(2H)、トリチウム(3H)、ヨウ素125(125I)または炭素14(14C)などの同位体で標識し得る。2H、11C、13C、14C、15C、12N、13N、15N、16N、16O、17O、14F、15F、16F、17F、18F、33S、34S、35S、36S、35Cl、37Cl、79Br、81Br、125Iによる同位体置換がすべて企図される。放射性であるかどうかにかかわらず、本発明の化合物のすべての同位体バリエーションが本発明の範囲内に包含される。
【0061】
特定の態様では、本明細書において開示される化合物は1H原子の一部または全部が2H原子で置換されている。重水素含有化合物の合成方法は当技術分野では公知であり、単なる非限定例として、以下の合成方法を含む。
【0062】
重水素置換化合物は、Dean, Dennis C.; Editor. Recent Advances in the Synthesis and Applications of Radiolabeled Compounds for Drug Discovery and Development. [In: Curr., Pharm. Des., 2000; 6(10)] 2000, 110 pp; George W.; Varma, Rajender S. The Synthesis of Radiolabeled Compounds via Organometallic Intermediates, Tetrahedron, 1989, 45(21), 6601-21;およびEvans, E. Anthony. Synthesis of radiolabeled compounds, J. Radioanal. Chem., 1981, 64(1-2), 9-32などに記載されているような様々な方法を用いて合成される。
【0063】
重水素化された出発物質は容易に入手可能であり、本明細書において記載される合成方法に供されて重水素含有化合物の合成をもたらす。多数の重水素含有試薬および成分がAldrich Chemical Co.などの化学品販売業者から市販されている。
【0064】
求核置換反応における使用に適したヨードメタン-d
3(CD
3I)などの重水素移動試薬は容易に入手可能であり、求核置換反応条件下で重水素置換炭素原子を反応基質に移動させるために利用し得る。CD
3Iの使用を、単なる例として、以下の反応スキームに示す。
【0065】
重水素化リチウムアルミニウム(LiAlD
4)などの重水素移動試薬を利用して還元条件下で重水素を反応基質に移動させる。LiAlD
4の使用を、単なる例として、以下の反応スキームに示す。
【0066】
単なる例として以下の反応スキームに示されるように、重水素ガスおよびパラジウム触媒を利用して不飽和炭素-炭素結合を還元しかつアリール炭素-ハロゲン結合の還元的置換を実施する。
【0067】
「塩」または「薬学的に許容される塩」という用語は当技術分野で周知のさまざまな有機および無機対イオンに由来する塩を指す。薬学的に許容される酸付加塩は無機酸および有機酸で形成することができる。塩を誘導することができる無機酸は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む。塩を誘導することができる有機酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などを含む。薬学的に許容される塩基付加塩は無機および有機塩基で形成することができる。塩を誘導できる無機塩基は、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどを含む。塩を誘導することができる有機塩基は、例えば、第一級、第二級、および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂など、具体的にはイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミンなどを含む。いくつかの態様では、薬学的に許容される塩基付加塩はアンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウム塩より選択される。
【0068】
「薬学的に許容される」という表現は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴うことなくヒトおよび動物の組織と接触する使用に好適であり、妥当なベネフィット・リスク比で釣り合いのとれた化合物、物質、組成物、および/または投与形態を指すように本明細書において利用される。
【0069】
本明細書において用いられる「薬学的に許容される賦形剤」または「薬学的に許容される担体」という表現は、液体もしくは固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル化材料などの薬学的に許容される材料、組成物またはベヒクルを意味する。各担体は製剤の他の成分と相溶性がありかつ患者に有害ではないという意味で「許容される」。薬学的に許容される担体として働くことができる材料のいくつかの例は(1)ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖;(2)トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;(3)カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;(4)粉末トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)ココアバターおよび座薬ワックスなどの賦形剤;(9)ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油などの油;(10)プロピレングリコールなどのグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなどのポリオール;(12)オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)発熱物質不含水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;および(21)薬学的製剤中で利用される他の非毒性で相溶性の物質を含む。
【0070】
特定の態様では、疾患または障害に関連した「予防する」または「予防すること」という用語は、統計的試料において、未処理の対照試料と比較して処理試料における障害もしくは状態の発生を減少させるか、または、未処理の対照試料と比較して障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状の発症を遅らせるかもしくはその重症度を減少させる化合物を指し得る。
【0071】
「置換された」という用語は構造のうちの1つまたは複数の炭素またはヘテロ原子上の水素を置き換える置換基を有する部分を指す。「置換」または「~で置換された」とは、かかる置換が置換された原子および置換基の許容される原子価に従うものであること、および置換が、例えば、転位、環化、脱離などによる変換が自発的に起こらない、安定な化合物をもたらすものであることという条件を黙示的に含んでいると理解される。本明細書において用いられるように、「置換された」という用語は有機化合物のすべての許容可能な置換基を含むことを企図している。広い局面では、許容可能な置換基とは、有機化合物の非環式および環式、分枝および非分枝、炭素環式およびヘテロ環式、芳香族および非芳香族置換基を含む。許容可能な置換基は適切な有機化合物ごとに1つまたは複数、かつ同一または異なり得る。本開示の目的のために、窒素などのヘテロ原子は水素置換基、および/またはヘテロ原子の原子価を満たす本明細書において記載される有機化合物の任意の許容可能な置換基を有し得る。
【0072】
置換基は本明細書において記載される任意の置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、またはアシルなど)、チオカルボニル(チオエステル、チオアセテート、またはチオホルメートなど)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、サルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、炭素環、ヘテロ環、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、芳香族およびヘテロ芳香族部分を含み得る。いくつかの態様では、置換基は本明細書において記載される任意の置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、シアノ(-CN)、ニトロ(-NO2)、イミノ(=N-H)、オキシモ(=N-OH)、ヒドラジノ(=N-NH2)、-Rb-ORa、-Rb-OC(O)-Ra、-Rb-OC(O)-ORa、-Rb-OC(O)-N(Ra)2、-Rb-N(Ra)2、-Rb-C(O)Ra、-Rb-C(O)ORa、-Rb-C(O)N(Ra)2、-Rb-O-Rc-C(O)N(Ra)2、-Rb-N(Ra)C(O)ORa、-Rb-N(Ra)C(O)Ra、-Rb-N(Ra)S(O)tRa(ここでtは1または2である)、-Rb-S(O)tRa(ここでtは1または2である)、-Rb-S(O)tORa(ここでtは1または2である)、および-Rb-S(O)tN(Ra)2(ここでtは1または2である);ならびにアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキルを含み得、これらのいずれもアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、シアノ(-CN)、ニトロ(-NO2)、イミノ(=N-H)、オキシモ(=N-OH)、ヒドラジン(=N-NH2)、-Rb-ORa、-Rb-OC(O)-Ra、-Rb-OC(O)-ORa、-Rb-OC(O)-N(Ra)2、-Rb-N(Ra)2、-Rb-C(O)Ra、-Rb-C(O)ORa、-Rb-C(O)N(Ra)2、-Rb-O-Rc-C(O)N(Ra)2、-Rb-N(Ra)C(O)ORa、-Rb-N(Ra)C(O)Ra、-Rb-N(Ra)S(O)tRa(tは1または2である)、-Rb-S(O)tRa(ここでtは1または2である)、-Rb-S(O)tORa(ここでtは1または2である)、および-Rb-S(O)tN(Ra)2(ここでtは1または2である)で置換され得;ここで各Raは独立して水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルより選択され、ここで各Raは、原子価が許す限り、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、シアノ(-CN)、ニトロ(-NO2)、イミノ(=N-H)、オキシモ(=N-OH)、ヒドラジン(=N-NH2)、-Rb-ORa、-Rb-OC(O)-Ra、-Rb-OC(O)-ORa、-Rb-OC(O)-N(Ra)2、-Rb-N(Ra)2、-Rb-C(O)Ra、-Rb-C(O)ORa、-Rb-C(O)N(Ra)2、-Rb-O-Rc-C(O)N(Ra)2、-Rb-N(Ra)C(O)ORa、-Rb-N(Ra)C(O)Ra、-Rb-N(Ra)S(O)tRa(ここでtは1または2である)、-Rb-S(O)tRa(ここでtは1または2である)、-Rb-S(O)tORa(ここでtは1または2である)、および-Rb-S(O)tN(Ra)2(ここでtは1または2である)で置換されていてもよく;ここで各Rbは独立して直接結合または直鎖もしくは分岐アルキレン、アルケニレン、もしくはアルキニレン鎖より選択され、各Rcは直鎖もしくは分岐アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン鎖である。
【0073】
明細書において用いられるように、「治療する」、「治療すること」、または「治療」という語は、疾患または状態の症状を緩和するか、寛解するかまたは軽減すること、さらなる症状を防止すること、症状の根本原因を軽減するかまたは防止すること、疾患または状態を阻害すること、例えば、疾患または状態の発生を停止させること、疾患または状態を和らげること、疾患または状態の退行を引き起こすこと、疾患または状態によって引き起こされる状態を和らげること、あるいは予防的におよび/または治療的にかのいずれかで疾患または状態の症状を止めることを含み得る。
【0074】
本発明の化合物はそれらの化合物の結晶および非晶質形態、薬学的に許容される塩、ならびに同じタイプの活性を有するこれらの化合物の活性代謝産物も含み、例えば、化合物の多形、疑似多形、溶媒和物、水和物、非溶媒和多形(無水物を含む)、配座多形、および非晶質形態、ならびにそれらの混合物を含む。
【0075】
序論
α-クリスタリンは目の中に見られる主要な構造タンパク質であり、水晶体の屈折率および透明度を維持し得る。α-クリスタリンは、保存クリスタリンドメインを含有する低分子ヒートショックタンパク質(sHSP)のファミリーに属する2つの相同サブユニットであるαA-クリスタリン(cryAA)およびαB-クリスタリン(cryAB)で構成されている。αAはアミノ酸173個分の長さがあり、αBはアミノ酸175個分の長さがある。2つのα-クリスタリン遺伝子であるαAおよびαBは57%の配列同一性を共有するタンパク質をコードする。ほとんどの脊椎動物水晶体におけるαAとαBの比は3:1であり得るが、この比率は種および年齢によって異なり得る。αA-クリスタリンタンパク質は主に水晶体に見られ得、他の組織ではほとんど見られないが、αB-クリスタリンタンパク質は遍在して発現され得、脳、心臓、および筋肉などの他の組織で見られ得る。
【0076】
これらのα-クリスタリンサブユニットは分子シャペロンとして作用して、様々なストレス条件下でのクライアントタンパク質の細胞凝集および不活性化を防止する。しかしながら、これらのα-クリスタリンサブユニットのシャペロン活性は、加齢または特定の遺伝的もしくは環境的要因によって喪失または低下し得、これはα-クリスタリンの凝集および析出を引き起こしかつ白内障をもたらし得る。
【0077】
特定の態様では、本開示は水晶体におけるα-クリスタリンタンパク質の凝集に伴う視覚障害を治療するための化合物、製剤および方法を提供する。特に、本開示は白内障および老眼を治療するための化合物、製剤および方法を提供する。
【0078】
本開示の化合物
本開示は眼疾患の治療における使用のための化合物および塩ならびにそれらの製剤を提供する。本開示の化合物および塩は、例えば、近見障害などの視覚障害の治療または予防のために用い得る。特定の態様では、本開示の化合物は目の水晶体におけるα-クリスタリンタンパク質の凝集を減少させる。本開示の化合物および塩は本明細書において記載される製剤、方法および併用療法で用い得る。特定の態様では、本開示の化合物および塩は白内障または老眼の治療または予防に用いられる。
【0079】
1つの局面では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩が本明細書において提供され、
式中、
R
Aは置換されていてもよい二環式ヘテロアリールであり、ここでR
A上の置換基は独立してR
aより選択され;
各R
aは独立して、
ハロゲン、=O、=S、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-OC(=O)R
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-OC(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)OR
12、-OC(=O)OR
12、-NR
12SO
2R
12、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、および-NO
2;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
10炭素環および3~10員のヘテロ環
より選択され;
R
Bは置換されていてもよい二環式ヘテロアリールであり、ここでR
B上の置換基は独立してR
bより選択され;
各R
bは独立して、
ハロゲン、=O、=S、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-OC(=O)R
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-OC(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)OR
12、-OC(=O)OR
12、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、-NR
12SO
2R
13、-NO
2;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
10炭素環および3~10員のヘテロ環
より選択され;
R
1は、水素;および、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニルより選択され;
R
2およびR
3は独立して、水素;ならびに、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択されるか;
または、R
1およびR
2はそれらが結合する介在原子と一緒になって、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい5~8員のヘテロ環を形成するか;
または、R
2およびR
3はそれらが結合する介在原子と一緒になって、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい4~10員のヘテロ環を形成し;
R
4、R
5、およびR
6は独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
11、-C(=O)N(R
10)
2、および-N(R
10)
2;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル
より選択され;
各R
9は独立して、ハロゲン、=O、=S、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-OC(=O)R
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-OC(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)OR
12、-OC(=O)OR
12、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、-NO
2、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
3~C
6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択され;
各R
10は独立して、水素;ならびに、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択され;
各R
11は独立して、R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択され;
各R
12は独立して水素、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
1~C
6ハロアルキル、C
3~C
6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択され;かつ
各R
13は独立してC
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
1~C
6ハロアルキル、C
3~C
6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択される。
【0080】
様々な可変記号に関して、上に記載した基の任意の組み合わせが本明細書において企図されている。本明細書全体を通じて、基およびそれらの置換基は安定な部分および化合物を提供するように当業者によって選択される。例えば、いくつかの態様では、RAは置換されていてもよい9または10員の二環式ヘテロアリールであり、ここでRA上の置換基は独立してRaより選択される。
【0081】
いくつかの態様では、RAは置換されていてもよいインドリル、置換されていてもよいイソインドリル、置換されていてもよいインダゾリル、置換されていてもよいベンゾイミダゾリル、置換されていてもよいアザインドリル、置換されていてもよいピロロピリジニル、置換されていてもよいピラゾロピリミジニル、置換されていてもよいイミダゾロピリミジニル、置換されていてもよいベンズイソオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾイソオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾチアゾリル、置換されていてもよいベンゾオキサジアゾリル、置換されていてもよいベンゾチアジアゾリル、置換されていてもよいキノリニル、置換されていてもよいイソキノリニル、置換されていてもよいキノキサリニル、または置換されていてもよいキナゾリニルであり、ここでRA上の置換基は独立してRaより選択される。いくつかの態様では、RAは置換されていてもよいインドリル、置換されていてもよいインダゾリル、置換されていてもよいアザインドリル、置換されていてもよいピロロピリジニル、置換されていてもよいピラゾロピリミジニル、置換されていてもよいキノリニル、または置換されていてもよいイミダゾロピリミジニルであり、ここでRA上の置換基は独立してRaより選択される。いくつかの態様では、RAは置換されていてもよいインドリル、置換されていてもよいベンゾイミダゾリル、または置換されていてもよいインダゾリルであり、ここでRA上の置換基は独立してRaより選択される。いくつかの態様では、RAは置換されていてもよいインドリルであり、ここでRA上の置換基は独立してRaより選択される。いくつかの態様では、RAは置換されていてもよいN置換インドールであり、ここでRA上の置換基は独立してRaより選択される。いくつかの態様では、RAは置換されていてもよいN-アルキルインドールであり、ここでRA上の置換基は独立してRaより選択される。いくつかの態様では、RAは置換されていてもよいN-メチルインドールであり、ここでRA上の置換基は独立してRaより選択される。
【0082】
いくつかの態様では、R
Aは、
であり、
ここで、
X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5は独立してCR
8およびNより選択され、ここでX
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5のうちの0、1、または2個はNであり;
R
7は、
水素;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択され;かつ
各R
8は独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、および-NO
2;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択される。
【0083】
いくつかの態様では、式(I)の化合物は、式(II)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5は独立してCR
8およびNより選択され、ここでX
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5のうちの0、1、または2個はNであり;
R
7は、
水素;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択され;かつ
各R
8は独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、および-NO
2;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員ヘテロシクロアルキル
より選択される。
【0084】
いくつかの態様では、
R7は、
水素;ならびに
R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、およびC2~C6アルキニル
より選択され;かつ
各R8は独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR13、-N(R12)2、-C(=O)OR12、-C(=O)N(R12)2、-NR12C(=O)R12、-NR12C(=O)N(R12)2、-SR12、-SO2R13、および-SO2N(R12)2;ならびに
R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C6アルキル
より選択される。
【0085】
いくつかの態様では、X1、X2、X3、X4、およびX5のうちの0または1個はNである。
【0086】
いくつかの態様では、X1はCR8であり;かつX2、X3、X4、およびX5は独立してCR8およびNより選択され、ここでX2、X3、X4、およびX5のうちの0、1、または2個はNである。いくつかの態様では、X1はCR8であり;かつX2、X3、X4、およびX5は独立してCR8およびNより選択され、ここでX2、X3、X4、およびX5のうちの0または1個はNである。
【0087】
いくつかの態様では、X1はCR8であり;X2はCR8であり;X3はCR8であり;X4はCR8であり;かつX5はCR8である。
【0088】
いくつかの態様では、X1はNであり;X2はCR8であり;X3はCR8であり;X4はCR8であり;かつX5はCR8である。
【0089】
いくつかの態様では、X1はCR8であり;X2はNであり;X3はCR8であり;X4はCR8であり;かつX5はCR8である。
【0090】
いくつかの態様では、X1はCR8であり;X2はCR8であり;X3はNであり;X4はCR8であり;かつX5はCR8である。
【0091】
いくつかの態様では、X1はCR8であり;X2はCR8であり;X3はCR8であり;X4はNであり;かつX5はCR8である。
【0092】
いくつかの態様では、X1はCR8であり;X2はCR8であり;X3はCR8であり;X4はCR8であり;かつX5はNである。
【0093】
いくつかの態様では、RBは置換されていてもよい9または10員の二環式ヘテロアリールであり、ここでRB上の置換基は独立してRbより選択される。
【0094】
いくつかの態様では、RBは置換されていてもよいインドリル、置換されていてもよいイソインドリル、置換されていてもよいインダゾリル、置換されていてもよいベンゾイミダゾリル、置換されていてもよいアザインドリル、置換されていてもよいピロロピリジニル、置換されていてもよいピラゾロピリミジニル、置換されていてもよいイミダゾロピリミジニル、置換されていてもよいベンズイソオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾイソオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾチアゾリル、置換されていてもよいベンゾオキサジアゾリル、置換されていてもよいベンゾチアジアゾリル、置換されていてもよいキノリニル、置換されていてもよいイソキノリニル、置換されていてもよいキノキサリニル、または置換されていてもよいキナゾリニルであり、ここでRB上の置換基は独立してRbより選択される。いくつかの態様では、RBは置換されていてもよいインドリル、置換されていてもよいイソインドリル、置換されていてもよいインダゾリル、置換されていてもよいベンゾイミダゾリル、置換されていてもよいアザインドリル、置換されていてもよいピラゾロピリミジニル、置換されていてもよいイミダゾロピリミジニル、置換されていてもよいベンズイソオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾイソオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾチアゾリル、置換されていてもよいベンゾオキサジアゾリル、置換されていてもよいベンゾチアジアゾリル、置換されていてもよいキノリニル、置換されていてもよいイソキノリニル、置換されていてもよいキノキサリニル、または置換されていてもよいキナゾリニルであり、ここでRB上の置換基は独立してRbより選択される。いくつかの態様では、RBは置換されていてもよいインドリル、置換されていてもよいベンゾイミダゾリル、置換されていてもよいベンゾチアゾリル、置換されていてもよいキノリニル、置換されていてもよいイソキノリニル、または置換されていてもよいインダゾリルであり、ここでRB上の置換基は独立してRbより選択される。いくつかの態様では、RBは置換されていてもよいインドリル、置換されていてもよいベンゾイミダゾリル、または置換されていてもよいインダゾリルであり、ここでRB上の置換基は独立してRbより選択される。いくつかの態様では、RBは置換されていてもよいインドリルであり、ここでRB上の置換基はRbより独立して選択される。
【0095】
いくつかの態様では、R
Bは、
であり、
ここで、
Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6が独立してCR
15およびNより選択され、ここでY
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6のうちの0、1、2、または3個はNであり;かつ、ここでY
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6のうちの1個は当該分子の残りの部分への結合点であり;
R
14は、
水素;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択され;かつ
各R
8は独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、および-NO
2;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択される。
【0096】
いくつかの態様では、式(I)または式(II)の化合物は、式(III)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6は独立してCR
15およびNより選択され、ここでY
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6のうちの0、1、2、または3個はNであり;かつ、ここでY
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6のうちの1個は当該分子の残りの部分への結合点であり;
R
14は、
水素;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択され;かつ
各R
8は独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、および-NO
2;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択される。
【0097】
いくつかの態様では、
R14は、
水素;ならびに
R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、およびC2~C6アルキニル
より選択され;かつ
各R15は独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR13、-N(R12)2、-C(=O)OR12、-C(=O)N(R12)2、-NR12C(=O)R12、-NR12C(=O)N(R12)2、-SR12、-SO2R13、および-SO2N(R12)2;ならびに
R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C6アルキル
より選択される。
【0098】
いくつかの態様では、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、およびY6は独立してCR15およびNより選択され、ここでY1、Y2、Y3、Y4、Y5、およびY6のうちの0または1個はNであり;かつ、ここでY1、Y2、Y3、Y4、Y5、およびY6のうちの1個は当該分子の残りの部分への結合点である。
【0099】
いくつかの態様では、Y1はCR15であり;かつY2、Y3、Y4、Y5、およびY6は独立してCR15およびNより選択され、ここでY2、Y3、Y4、Y5、およびY6のうちの0、1、または2個はNであり;かつ、ここでY2、Y3、Y4、Y5、およびY6のうちの1個は当該分子の残りの部分への結合点である。いくつかの態様では、Y1はCR15であり;かつY2、Y3、Y4、Y5、およびY6は独立してCR15およびNより選択され、ここでY2、Y3、Y4、Y5、およびY6のうちの0または1個はNであり;かつ、ここでY1、Y2、Y3、Y4、Y5、およびY6のうちの1個は当該分子の残りの部分への結合点である。いくつかの態様では、Y1はCR15であり;かつY2、Y3、Y4、Y5、およびY6は独立してCR15およびNより選択され、ここでY2、Y3、Y4、Y5、およびY6のうちの0または1個はNであり;かつ、ここでY3、Y4、Y5、およびY6のうちの1個は当該分子の残りの部分への結合点である。
【0100】
いくつかの態様では、Y1はCR15であり;Y2はCR15であり;Y3はCR15であり;Y4はCR15であり;Y5はCR15であり;かつY6はCR15であり;ここでY3、Y4、Y5、およびY6のうちの1つは当該分子の残りの部分への結合点である。
【0101】
いくつかの態様では、Y1はNであり;Y2はCR15であり;Y3はCR15であり;Y4はCR15であり;Y5はCR15であり;かつY6はCR15であり;ここでY3、Y4、Y5、およびY6のうちの1つは当該分子の残りの部分への結合点である。
【0102】
いくつかの態様では、Y1はCR15であり;Y2はNであり;Y3はCR15であり;Y4はCR15であり;Y5はCR15であり;かつY6はCR15であり;ここでY3、Y4、Y5、およびY6のうちの1つは当該分子の残りの部分への結合点である。
【0103】
いくつかの態様では、Y1はCR15であり;Y2はCR15であり;Y3はNであり;Y4はCR15であり;Y5はCR15であり;かつY6はCR15であり;ここでY4、Y5、およびY6のうちの1つは当該分子の残りの部分への結合点である。
【0104】
いくつかの態様では、Y1はCR15であり;Y2はCR15であり;Y3はCR15であり;Y4はNであり;Y5はCR15であり;かつY6はCR15であり;ここでY3、Y5、およびY6のうちの1つは当該分子の残りの部分への結合点である。
【0105】
いくつかの態様では、Y1はCR15であり;Y2はCR15であり;Y3はCR15であり;Y4はCR15であり;Y5はNであり;かつY6はCR15であり;ここでY3、Y4、およびY6のうちの1つは当該分子の残りの部分への結合点である。
【0106】
いくつかの態様では、Y1はCR15であり;Y2はCR15であり;Y3はCR15であり;Y4はCR15であり;Y5はCR15であり;かつY6はNであり;ここでY3、Y4、およびY5のうちの1つは当該分子の残りの部分への結合点である。
【0107】
いくつかの態様では、式(III)の化合物は、式(IIIa-1)、(IIIa-2)、(IIIa-3)、もしくは(IIIa-4)によって表されるか、またはその薬学的に許容される塩である:
。
【0108】
いくつかの態様では、式(III)の化合物は式(IIIa-1)によって表される。いくつかの態様では、式(III)の化合物は式(IIIa-2)によって表される。いくつかの態様では、式(III)の化合物は式(IIIa-3)によって表される。いくつかの態様では、式(III)の化合物は式(IIIa-4)によって表される。
【0109】
いくつかの態様では、式(III)の化合物は、式(IIIb-1)、(IIIb-2)、(IIIb-3)、もしくは(IIIb-4)によって表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、Y
1およびY
2の0または1個はNである。
【0110】
いくつかの態様では、式(III)の化合物は式(IIIb-1)によって表される。いくつかの態様では、式(III)の化合物は式(IIIb-2)によって表される。いくつかの態様では、式(III)の化合物は式(IIIb-3)によって表される。いくつかの態様では、式(III)の化合物は式(IIIb-4)によって表される。
【0111】
いくつかの態様では、Y1はCR15であり;かつY2はCR15である。いくつかの態様では、Y1はNであり;かつY2はCR15である。いくつかの態様では、Y1はCR15であり;かつY2はNである。
【0112】
いくつかの態様では、式(III)の化合物は、式(IIIc-1)、(IIIc-2)、(IIIc-3)、もしくは(IIIc-4)によって表されるか、またはその薬学的に許容される塩である:
。
【0113】
いくつかの態様では、式(III)の化合物は式(IIIc-1)によって表される。いくつかの態様では、式(III)の化合物は式(IIIc-2)によって表される。いくつかの態様では、式(III)の化合物は式(IIIc-3)によって表される。いくつかの態様では、式(III)の化合物は式(IIIc-4)によって表される。
【0114】
いくつかの態様では、X1、X2、X3、X4、およびX5のうちの0または1個はNである。
【0115】
いくつかの態様では、X1はCR8であり;かつX2、X3、X4、およびX5は独立してCR8およびNより選択され、ここでX2、X3、X4、およびX5のうちの0、1、または2個はNである。いくつかの態様では、X1はCR8であり;かつX2、X3、X4、およびX5は独立してCR8およびNより選択され、ここでX2、X3、X4、およびX5のうちの0または1個はNである。
【0116】
いくつかの態様では、X1はCR8であり;X2はCR8であり;X3はCR8であり;X4はCR8であり;かつX5はCR8である。
【0117】
いくつかの態様では、X1はNであり;X2はCR8であり;X3はCR8であり;X4はCR8であり;かつX5はCR8である。
【0118】
いくつかの態様では、X1はCR8であり;X2はNであり;X3はCR8であり;X4はCR8であり;かつX5はCR8である。
【0119】
いくつかの態様では、X1はCR8であり;X2はCR8であり;X3はNであり;X4はCR8であり;かつX5はCR8である。
【0120】
いくつかの態様では、X1はCR8であり;X2はCR8であり;X3はCR8であり;X4はNであり;かつX5はCR8である。
【0121】
いくつかの態様では、X1はCR8であり;X2はCR8であり;X3はCR8であり;X4はCR8であり;かつX5はNである。
【0122】
いくつかの態様では、R2およびR3は独立して、水素;ならびに、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C3~C6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択される。いくつかの態様では、R2およびR3は独立して、水素;置換されていてもよいC1~C6アルキル;ならびに、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、置換されていてもよいC3~C6シクロアルキルおよび置換されていてもよい3~6員のヘテロシクロアルキルより選択される。いくつかの態様では、R2およびR3は独立して、水素;置換されていてもよいC1~C6アルキル;ならびに、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、置換されていてもよいフェニルおよび置換されていてもよい5または6員のヘテロアリールより選択される。いくつかの態様では、R2およびR3は独立して、水素;置換されていてもよいC1~C6アルキル;ならびに、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、置換されていてもよいフェニルおよび置換されていてもよいピリジニルより選択される。いくつかの態様では、R2およびR3は独立して、水素;および、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、置換されていてもよいC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、R2およびR3は独立して、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、置換されていてもよいC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、R2およびR3は独立して、水素;およびC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、R2およびR3は独立してC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、R2およびR3は独立して、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、およびヘキシルより選択される。いくつかの態様では、R2およびR3は独立して、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、およびヘキシルより選択される。いくつかの態様では、R2およびR3はそれぞれメチルである。
【0123】
いくつかの態様では、R2は水素であり;かつR3は、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、置換されていてもよいC1~C6アルキル、置換されていてもよいC3~C6シクロアルキル、および置換されていてもよい3~6員のヘテロシクロアルキルより選択される。
【0124】
いくつかの態様では、R2およびR3はそれぞれ水素である。
【0125】
いくつかの態様では、R2およびR3はそれらが結合する介在原子と一緒になって、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい4~8員のヘテロシクロアルキルを形成する。いくつかの態様では、R2およびR3はそれらが結合する介在原子と一緒になって、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい、置換されていてもよいアゼチジニル、置換されていてもよいピロリジニル、置換されていてもよいピペリジニル、置換されていてもよいモルホリニル、または置換されていてもよいテトラヒドロフロピロリルを形成する。いくつかの態様では、R2およびR3はそれらが結合する介在原子と一緒になって、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいアゼチジニルを形成する。いくつかの態様では、R2およびR3はそれらが結合する介在原子と一緒になって、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいピロリジニルを形成する。いくつかの態様では、R2およびR3はそれらが結合する介在原子と一緒になって、ハロゲン、-CN、-OH、-OR13、-N(R12)2、C1~C6アルキル、およびC1~C6ハロアルキルより独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい、置換されていてもよいアゼチジニルまたは置換されていてもよいピロリジニルを形成する。いくつかの態様では、R2およびR3はそれらが結合する介在原子と一緒になって、-F、-Cl、-Br、-CN、-OH、-OCH3、-OCH2CH3、-OCH(CH3)2、-OCF3、-NH2、-NHCH3、-N(CH3)2、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH2CH2CH2CH3、-CH2CH(CH3)2、-CH(CH3)CH2CH3、-C(CH3)3、-CH2F、-CHF2、および-CF3より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい、置換されていてもよいアゼチジニルまたは置換されていてもよいピロリジニルを形成する。いくつかの態様では、R2およびR3はそれらが結合する介在原子と一緒になって、-F、-OH、-OCH3、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH2CH2CH2CH3、-CH2CH(CH3)2、-CH(CH3)CH2CH3、および-CF3より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい、置換されていてもよいアゼチジニルまたは置換されていてもよいピロリジニルを形成する。
【0126】
いくつかの態様では、R1は、水素;および、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、R1は水素;およびC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、R1は水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、およびヘキシルより選択される。いくつかの態様では、R1は水素またはメチルである。いくつかの態様では、R1は水素である。いくつかの態様では、R1はメチルである。
【0127】
いくつかの態様では、R1は、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、R1はC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、R1は、R9より独立して選択される1、2、または3つの置換基で置換されたC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、R1は、R9より独立して選択される1、2、または3つの置換基で置換されたC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、R1は、ハロゲン、-CN、-OH、-OR13、-N(R12)2、-C(=O)R12、-C(=O)OR12、-OC(=O)R12、-C(=O)N(R12)2、-NR12C(=O)R12、-NR12C(=O)N(R12)2、-OC(=O)N(R12)2、-NR12C(=O)OR12、-OC(=O)OR12、-SR12、-S(=O)R13、-SO2R13、-SO2N(R12)2、-NO2、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6ヒドロキシアルキル、C1~C6アミノアルキル、C3~C6炭素環、および3~6員のヘテロ環より独立して選択される1、2、または3つの置換基で置換されたC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、R1は、ハロゲン、-CN、-OH、-OR13、-N(R12)2、C2~C6アルキニル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6ヒドロキシアルキル、C1~C6アミノアルキル、C3~C6シクロアルキル、および3~6員のヘテロシクロアルキルより独立して選択される1、2、または3つの置換基で置換されたC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、R1は、ハロゲン、-CN、-OH、-OR13、-N(R12)2、C2~C4アルキニル、およびC1~C4ハロアルキルより独立して選択される1または2つの置換基で置換されたC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、R1は、-F、-Cl、-Br、-CN、-OH、-OCH3、-OCH2CH3、-OCH(CH3)2、-OCF3、-NH2、-NHCH3、-N(CH3)2、-C≡CH、-C≡CCH3、-C≡CCH2CH3、-C≡CCH(CH3)2、-CH2F、-CHF2、および-CF3より独立して選択される1または2つの置換基で置換されたC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、R1は、-F、-CN、-OH、-OCH3、-OCH2CH3、-OCH(CH3)2、-OCF3、-NH2、-NHCH3、-N(CH3)2、-C≡CH、および-CF3より独立して選択される1または2つの置換基で置換されたC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、R1は、-F、-CN、-OCH3、-OCH2CH3、-C≡CH、および-CF3より選択される1つの置換基で置換されたC1~C6アルキルである。
【0128】
いくつかの態様では、R1およびR2はそれらが結合する介在原子と一緒になって、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい5~8員のヘテロシクロアルキルを形成する。いくつかの態様では、R1およびR2はそれらが結合する介在原子と一緒になって、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい、置換されていてもよい5~6員のヘテロシクロアルキルを形成する。
【0129】
いくつかの態様では、式(III)の化合物は、式(IIId-1)、(IIId-2)、(IIId-3)、もしくは(IIId-4)によって表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
Y
1およびY
2のうちの0または1個はNであり;かつ
kは1、2、3、または4である。
【0130】
いくつかの態様では、式(III)の化合物は式(IIId-1)によって表される。いくつかの態様では、式(III)の化合物は式(IIId-2)によって表される。いくつかの態様では、式(III)の化合物は式(IIId-3)によって表される。いくつかの態様では、式(III)の化合物は式(IIId-4)によって表される。
【0131】
いくつかの態様では、Y1はCR15であり;かつY2はCR15である。いくつかの態様では、Y1はNであり;かつY2はCR15である。いくつかの態様では、Y1はCR15であり;かつY2はNである。
【0132】
いくつかの態様では、kは1、2、または3である。いくつかの態様では、kは1または2である。いくつかの態様では、kは1である。いくつかの態様では、kは2である。いくつかの態様では、kは3である。いくつかの態様では、kは4である。
【0133】
いくつかの態様では、R4、R5、およびR6はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR11、および-N(R10)2;ならびに、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、R4、R5、およびR6は独立して、水素、ハロゲン、-OR11、および-N(R10)2;ならびに、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、R4、R5、およびR6は独立して、水素、-OR11、および-N(R10)2;ならびに、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、R4、R5、およびR6は独立して水素、-OR11、および-N(R10)2;ならびにC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、R4、R5、およびR6はそれぞれ水素である。
【0134】
いくつかの態様では、式(I)または式(II)の化合物は、式(IV)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
R
7は、
水素;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択され;かつ
各R
8は独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、および-NO
2;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択される。
【0135】
いくつかの態様では、式(IV)の化合物は、式(IVa)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
R
7は、
水素;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択され;
各R
8は独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、および-NO
2;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択され;
Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、およびY
5は独立してCR
15およびNより選択され、ここでY
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6のうちの0、1、2、または3個はNであり;かつ、ここでY
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、およびY
6のうちの1個は当該分子の残りの部分への結合点であり;
R
14は、
水素;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC
1~C
6アルキル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび3~6員のヘテロシクロアルキル
より選択され;かつ
各R
15は独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、および-NO
2;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択される。
【0136】
いくつかの態様では、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、およびY6は独立してCR15およびNより選択され、ここでY1、Y2、Y3、Y4、Y5、およびY6のうちの0または1個はNであり;かつ、ここでY1、Y2、Y3、Y4、Y5、およびY6のうちの1個は当該分子の残りの部分への結合点である。
【0137】
いくつかの態様では、Y1はCR15であり;かつY2、Y3、Y4、Y5、およびY6は独立してCR15およびNより選択され、ここでY2、Y3、Y4、Y5、およびY6のうちの0、1、または2個はNであり;かつ、ここでY2、Y3、Y4、Y5、およびY6のうちの1個は当該分子の残りの部分への結合点である。いくつかの態様では、Y1はCR15であり;かつY2、Y3、Y4、Y5、およびY6は独立してCR15およびNより選択され、ここでY2、Y3、Y4、Y5、およびY6のうちの0または1個はNであり;かつ、ここでY1、Y2、Y3、Y4、Y5、およびY6のうちの1個は当該分子の残りの部分への結合点である。いくつかの態様では、Y1はCR15であり;かつY2、Y3、Y4、Y5、およびY6は独立してCR15およびNより選択され、ここでY2、Y3、Y4、Y5、およびY6のうちの0または1個はNであり;かつ、ここでY3、Y4、Y5、およびY6のうちの1個は当該分子の残りの部分への結合点である。
【0138】
いくつかの態様では、Y1はCR15であり;Y2はCR15であり;Y3はCR15であり;Y4はCR15であり;Y5はCR15であり;かつY6はCR15であり;ここでY3、Y4、Y5、およびY6のうちの1つは当該分子の残りの部分への結合点である。
【0139】
いくつかの態様では、式(IV)の化合物は、式(IVb)によって表されるかまたはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
R
7は、
水素;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択され;
各R
8は独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、および-NO
2;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択され;
R
14は、
水素;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC
1~C
6アルキル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび3~6員のヘテロシクロアルキル
より選択され;かつ
各R
15は独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
13、-N(R
12)
2、-C(=O)R
12、-C(=O)OR
12、-C(=O)N(R
12)
2、-NR
12C(=O)R
12、-NR
12C(=O)N(R
12)
2、-SR
12、-S(=O)R
13、-SO
2R
13、-SO
2N(R
12)
2、および-NO
2;
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、およびC
2~C
6アルキニル;ならびに
R
9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C
3~C
6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択される。
【0140】
いくつかの態様では、
R7は、
水素;ならびに
R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、およびC2~C6アルキニル
より選択され;かつ
各R8は独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR13、-N(R12)2、-C(=O)OR12、-C(=O)N(R12)2、-NR12C(=O)R12、-NR12C(=O)N(R12)2、-SR12、-SO2R13、および-SO2N(R12)2;ならびに
R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C6アルキル
より選択される。
【0141】
いくつかの態様では、
R14は、
水素;ならびに
R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、およびC2~C6アルキニル
より選択され;かつ
各R15は独立して、
水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR13、-N(R12)2、-C(=O)OR12、-C(=O)N(R12)2、-NR12C(=O)R12、-NR12C(=O)N(R12)2、-SR12、-SO2R13、および-SO2N(R12)2;ならびに
R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C6アルキル
より選択される。
【0142】
いくつかの態様では、R7は、水素;および、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、R7は水素およびC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、R7は水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、およびヘキシルより選択される。いくつかの態様では、R7は水素およびメチルより選択される。いくつかの態様では、R7は水素である。いくつかの態様では、R7はメチルである。
【0143】
いくつかの態様では、少なくとも1つのR8は、
ハロゲン、-CN、-OH、-OR13、-N(R12)2、-C(=O)R12、-C(=O)OR12、-C(=O)N(R12)2、-NR12C(=O)R12、-NR12C(=O)N(R12)2、-SR12、-S(=O)R13、-SO2R13、-SO2N(R12)2、および-NO2;
R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、およびC2~C6アルキニル;ならびに
R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C3~C6シクロアルキルおよび4~6員のヘテロシクロアルキル
より選択される。
【0144】
いくつかの態様では、各R8は独立して、水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR13、-N(R12)2、および-C(=O)OR12;R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C6アルキル;ならびに、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい3~10員のヘテロ環より選択される。いくつかの態様では、各R8は独立して、水素、ハロゲン、-CN、および-OR13;ならびに、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、各R8は独立して水素、ハロゲン、-CN、-OR13、C1~C6アルキル、C1~C6フルオロアルキル、およびC1~C6ヒドロキシアルキルより選択される。いくつかの態様では、各R8は独立して水素、ハロゲン、-CN、-OR13、およびC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、各R8は独立して水素、F、Cl、Br、-CN、-OMe、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、およびヘキシル、-CF3、-CHF2、および-CH2Fより選択される。いくつかの態様では、各R8は独立して水素、F、Cl、Br、-CN、-OMe、メチル、エチル、イソプロピル、および-CF3より選択される。
【0145】
いくつかの態様では、各R15は独立して、水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR13、-N(R12)2、-C(=O)OR12、および-NR18SO2R17;R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C6アルキル;ならびに、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい3~10員のヘテロ環より選択される。いくつかの態様では、各R15は独立して、水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR13、-N(R12)2、-C(=O)OR12、および-NR18SO2R17;ならびに、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、各R15は独立して水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR13、-N(R12)2、C1~C6アルキル、およびC1~C6フルオロアルキルより選択される。いくつかの態様では、各R15は独立して水素、F、Cl、Br、-CN、-OH、-OMe、-NH2、-NHMe、-NMe2、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、およびヘキシル、-CF3、-CHF2、および-CH2Fより選択される。いくつかの態様では、各R15は独立して水素、F、Cl、Br、-CN、-OMe、メチル、エチル、イソプロピル、および-CF3より選択される。
【0146】
いくつかの態様では、R14は、水素;および、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、R14は水素およびC1~C6アルキルより選択される。いくつかの態様では、R14は、水素;および、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいC1~C3アルキルより選択される。いくつかの態様では、R14は水素およびC1~C3アルキルより選択される。いくつかの態様では、R14は水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、およびヘキシルより選択される。いくつかの態様では、R14は水素、メチル、エチル、n-プロピル、およびイソプロピルより選択される。いくつかの態様では、R14は水素およびメチルより選択される。いくつかの態様では、R14は水素である。いくつかの態様では、R14はメチルである。
【0147】
いくつかの態様では、各R9は独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-OR13、-N(R12)2、-C(=O)R12、-C(=O)OR12、-OC(=O)R12、-C(=O)N(R12)2、-NR12C(=O)R12、-NR12C(=O)N(R12)2、-OC(=O)N(R12)2、-NR12C(=O)OR12、-OC(=O)OR12、-SR12、-S(=O)R13、-SO2R13、-SO2N(R12)2、-NO2、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6ヒドロキシアルキル、C1~C6アミノアルキル、C3~C6炭素環、および3~6員のヘテロ環より選択される。いくつかの態様では、各R9は独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-OR13、-N(R12)2、-C(=O)OR12、-OC(=O)R12、-C(=O)N(R12)2、-NR12C(=O)R12、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6ヒドロキシアルキル、C1~C6アミノアルキル、C3~C6シクロアルキル、および3~6員のヘテロシクロアルキルより選択される。いくつかの態様では、各R9は独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-OR13、-N(R12)2、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6ヒドロキシアルキル、C1~C6アミノアルキル、C3~C6シクロアルキル、および3~6員のヘテロシクロアルキルより選択される。いくつかの態様では、各R9は独立してハロゲン、-CN、-OH、-OR13、-N(R12)2、C1~C6アルキル、およびC1~C6ハロアルキルより選択される。いくつかの態様では、各R9は独立して、-F、-Cl、-Br、-CN、-OH、-OCH3、-OCH2CH3、-OCH(CH3)2、-OCF3、-NH2、-NHCH3、-N(CH3)2、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH2CH2CH2CH3、-CH2CH(CH3)2、-CH(CH3)CH2CH3、-C(CH3)3、-CH2F、-CHF2、および-CF3より選択される。
【0148】
いくつかの態様では、各R10は独立して、水素;ならびに、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、3~6員のヘテロシクロアルキル、フェニル、および単環式ヘテロアリールより選択される。いくつかの態様では、各R10は独立して、水素;ならびに、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、および3~6員のヘテロシクロアルキルより選択される。いくつかの態様では、各R10は独立して水素、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル、3~6員のヘテロシクロアルキル、フェニル、および単環式ヘテロアリールより選択される。いくつかの態様では、各R10は独立して水素、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル、および3~6員のヘテロシクロアルキルより選択される。いくつかの態様では、各R10は独立して水素、C1~C6アルキル、およびC1~C6ハロアルキルより選択される。いくつかの態様では、各R10は独立して水素、-F、-Cl、-Br、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH2CH2CH2CH3、-CH2CH(CH3)2、-CH(CH3)CH2CH3、-C(CH3)3、-CH2F、-CHF2、および-CF3より選択される。
【0149】
いくつかの態様では、各R11は独立して、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、3~6員のヘテロシクロアルキル、フェニル、および単環式ヘテロアリールより選択される。いくつかの態様では、各R11は独立して、R9より独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、および3~6員のヘテロシクロアルキルより選択される。いくつかの態様では、各R11は独立してC1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル、3~6員のヘテロシクロアルキル、フェニル、および単環式ヘテロアリールより選択される。いくつかの態様では、各R11は独立してC1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル、および3~6員のヘテロシクロアルキルより選択される。いくつかの態様では、各R11は独立してC1~C6アルキルおよびC1~C6ハロアルキルより選択される。いくつかの態様では、各R11は独立して-F、-Cl、-Br、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH2CH2CH2CH3、-CH2CH(CH3)2、-CH(CH3)CH2CH3、-C(CH3)3、-CH2F、-CHF2、および-CF3より選択される。
【0150】
いくつかの態様では、各R12は独立して水素、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル、3~6員のヘテロシクロアルキル、フェニル、および単環式ヘテロアリールより選択される。いくつかの態様では、各R12は独立して水素、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル、および3~6員のヘテロシクロアルキルより選択される。いくつかの態様では、各R12は独立して水素、C1~C6アルキル、およびC1~C6ハロアルキルより選択される。いくつかの態様では、各R12は独立して水素、-F、-Cl、-Br、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH2CH2CH2CH3、-CH2CH(CH3)2、-CH(CH3)CH2CH3、-C(CH3)3、-CH2F、-CHF2、および-CF3より選択される。
【0151】
いくつかの態様では、各R13は独立してC1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル、3~6員のヘテロシクロアルキル、フェニル、および単環式ヘテロアリールより選択される。いくつかの態様では、各R13は独立してC1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル、および3~6員のヘテロシクロアルキルより選択される。いくつかの態様では、各R13は独立してC1~C6アルキルおよびC1~C6ハロアルキルより選択される。いくつかの態様では、各R13は独立して-F、-Cl、-Br、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH2CH2CH2CH3、-CH2CH(CH3)2、-CH(CH3)CH2CH3、-C(CH3)3、-CH2F、-CHF2、および-CF3より選択される。
【0152】
様々な可変記号に関して、上に記載した基の任意の組み合わせが本明細書において企図されている。本明細書全体を通じて、基およびそれらの置換基は安定な部分および化合物を提供するように当業者によって選択される。
【0153】
いくつかの態様では、本明細書において記載される化合物または塩は表1に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0154】
【0155】
化合物のさらなる形態
本発明は本明細書において記載される化合物のうちのいずれか1つの塩を提供する。薬学的に許容される塩は、例えば、酸付加塩および塩基付加塩を含む。酸付加塩を形成するために化合物に加えられる酸は有機酸または無機酸であり得る。塩基付加塩を形成するために化合物に加えられる塩基は有機塩基または無機塩基であり得る。いくつかの態様では、薬学的に許容される塩は金属塩である。
【0156】
金属塩は本発明の化合物への無機塩基の付加から生じ得る。無機塩基は、例えば、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、またはリン酸塩などの塩基性対イオンと対になった金属カチオンからなる。金属はアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、または典型金属であり得る。いくつかの態様では、金属はリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、セリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、カルシウム、ストロンチウム、コバルト、チタン、アルミニウム、銅、カドミウム、または亜鉛である。
【0157】
いくつかの態様では、金属塩はリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、セリウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、鉄塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、コバルト塩、チタン塩、アルミニウム塩、銅塩、カドミウム塩、または亜鉛塩である。
【0158】
アンモニウム塩は本発明の化合物へのアンモニアまたは有機アミンの付加から生じ得る。いくつかの態様では、有機アミンはトリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N-メチルモルホリン、ピペリジン、N-メチルピペリジン、N-エチルピペリジン、ジベンジルアミン、ピペラジン、ピリジン、ピラゾール、ピピラゾール、イミダゾール、ピラジン、またはピピラジンである。
【0159】
いくつかの態様では、アンモニウム塩はトリエチルアミン塩、ジイソプロピルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩、N-メチルモルホリン塩、ピペリジン塩、N-メチルピペリジン塩、N-エチルピペリジン塩、ジベンジルアミン塩、ピペラジン塩、ピリジン塩、ピラゾール塩、イミダゾール塩、またはピラジン塩である。
【0160】
酸付加塩は本発明の化合物への酸の付加から生じ得る。いくつかの態様では、酸は有機である。いくつかの態様では、酸は無機である。いくつかの態様では、酸は塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、イソニコチン酸、乳酸、サリチル酸、酒石酸、アスコルビン酸、ゲンチシン酸、グルコン酸、グルカロン酸、サッカリン酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、パントテン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、フマル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、シュウ酸、またはマレイン酸である。
【0161】
いくつかの態様では、塩は塩酸塩、臭化水素塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、ゲンチシン酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、パントテン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸(メシル酸)塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、またはマレイン酸塩である。
【0162】
本明細書において記載される化合物は場合によってはジアステレオマー、エナンチオマー、または他の立体異性体として存在し得る。本明細書において提示される化合物および塩はすべてのジアステレオマー、エナンチオマーおよびエピマー形態やそれらの適切な混合物を含む。立体異性体の分離はクロマトグラフィーによってか、またはジアステレオマーを形成し、再結晶もしくはクロマトグラフィーもしくはそれらの任意の組み合わせによって分離することによって実施し得る。(Jean Jacques, Andre Collet, Samuel H. Wilen, “Enantiomers, Racemates and Resolutions”, John Wiley And Sons, Inc., 1981、本開示のために参照により本明細書に組み入れられる)。立体異性体は立体選択的合成によっても取得し得る。
【0163】
本明細書において記載される方法、組成物、および製剤は非結晶形態および結晶形態(多形としても公知である)の使用を含む。同じタイプの活性を有する本明細書において記載される化合物または塩の活性代謝物は本開示の範囲に含まれる。さらに、本明細書において記載される化合物は非溶媒和形態、および水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒との溶媒和形態で存在し得る。本明細書において提示される化合物および塩の溶媒和形態も本明細書において開示されているとみなされる。
【0164】
別の態様によれば、本開示は上で定義した化合物を製造する方法を提供する。化合物は従来の技術を用いて合成し得る。有利には、これらの化合物は容易に入手可能な出発物質から簡便に合成される。本明細書において記載される化合物を合成する際に有用な合成化学変換および方法論は当技術分野では公知であり、例えば、R. Larock, Comprehensive Organic Transformations (1989); T. W. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 2d. Ed. (1991); L. Fieser and M. Fieser, Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis (1994);およびL. Paquette, ed., Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis (1995)に記載されるものを含む。
【0165】
いくつかの態様では、本明細書において記載される化合物はαB-クリスタリン(cryAB)のコンフォメーションを調節する。特定の態様では、cryABのコンフォメーションを調節する本明細書において記載される化合物または塩は実施例A-1およびA-2に記載されるアッセイ方法で同定し得る。いくつかの態様では、化合物の存在下と非存在下の間の融解温度(Tm)の差(ΔTm)が陰性対照(化合物を含まずDMSOベヒクルのみを含むタンパク質)の標準偏差の2または3倍を超える場合、化合物は活性であると見なされる。いくつかの態様では、融解温度の変化(ΔTm)が陰性対照の標準偏差の2倍を超えない場合、化合物は不活性であるとみなされる。
【0166】
薬学的製剤
特定の態様では、治療有効量の本明細書において記載される任意の化合物または塩(本明細書においては「薬剤」とも呼ばれる)を含む組成物が本明細書において提供される。特定の態様では、組成物は治療有効量の本明細書において記載される任意の化合物または塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む。特定の態様では、薬学的製剤は本明細書において記載される方法のいずれでも用い得る。
【0167】
特定の態様では、本明細書において記載される化合物は白内障または老眼などの眼障害の治療のために用いられる。目に投与される製剤は注射によって、例えば、硝子体内または前房内注射によって投与し得る。目に投与される製剤は局所的に、例えば、軟膏、クリーム、または点眼薬で投与し得る。
【0168】
本開示の方法
本開示はα-クリスタリンタンパク質の凝集を低減するかまたは防止する際の使用のための化合物および製剤を提供する。α-クリスタリンの凝集は、本明細書において記載される化合物および製剤を用いて治療または予防し得る様々な疾患に関連付けられてきた。そのような疾患は、例えば、白内障、核硬化症、老眼、神経疾患、アレキサンダー病、クロイツフェルト・ヤコブ病、アルツハイマー病、およびパーキンソン病を含む。
【0169】
特定の態様では、本明細書において提供される方法は、α-クリスタリンの凝集の可能性を低減させるかまたはそれを反転させることが有益となると考えられる疾患または状態を治療するために用い得る。本明細書において開示される化合物または塩はα-クリスタリンの薬理学的シャペロンとして用い得る。
【0170】
本明細書において提供される方法は、例えば、白内障、加齢性白内障、糖尿病性白内障、手術に伴う白内障、放射線に起因する白内障、遺伝病に起因する白内障、感染症に起因する白内障、薬に起因する白内障、または早期に発症する遺伝型の白内障などの視覚障害を治療するために用い得る。
【0171】
本明細書において検討されるように、視覚障害とは眼の水晶体におけるクリスタリンタンパク質の異常な凝集に関連し得る病的な視覚を指す。クリスタリンタンパク質の異常な凝集は視覚障害をもたらす主要な要因となり得るか、または視覚障害をもたらす複数の機序のうちの1つとなり得る。本開示の視覚障害は核白内障、皮質白内障、後嚢白内障、先天性白内障、早発性遺伝性白内障、代謝性(糖尿病性)白内障、後発性白内障、鈍的外傷性白内障、貫通性外傷性白内障、硝子体切除後白内障、放射線誘発性白内障などの白内障;初期老眼、機能性老眼、絶対老眼、早期老眼、または夜間老眼などの老眼を非限定的に含む。
【0172】
本発明の方法はαAまたはαB-クリスタリン変異によって引き起こされる疾患を治療するためにも用い得る。αAまたはαB-クリスタリンにおける変異は遺伝性白内障をもたらし得る。αA-クリスタリン変異の例はW9X、R12C、R21L、R21W、R49C、R54C、F71L、G98R、D105H、R116C、およびR116Hを非限定的に含む。αB-クリスタリン変異の例は150delA(αB184)、R11H、P20S、R56W、R69C、D109H、R120G、D140N、およびA171Tを非限定的に含む。いくつかの場合では、αB-クリスタリン変異はD109HまたはR120Gである。
【0173】
特定の態様では、本明細書において開示される化合物および製剤は白内障または老眼などの視覚障害を有する対象を治療するために用いられる。特定の態様では、本明細書において開示される化合物および製剤は核白内障、皮質白内障、後嚢白内障、先天性白内障、後発性白内障、外傷性白内障、放射線白内障などの、対象の白内障を治療するために用い得る。特定の態様では、対象は曇った視界、かすみ目、不鮮明な視界、夜間の見にくさ、光および眩しさに対する感受性、読書および他の活動のためにより明るい光を必要とすること、光の周りに「光輪」が見えること、眼鏡またはコンタクトレンズの度数の頻繁な変更、色の薄れおよび黄化、ならびに片目で二重に見えるなどの白内障の1つまたは複数の症状を有する。
【0174】
特定の態様では、本明細書において開示される化合物および製剤は、初期老眼、機能性老眼、絶対老眼、早期老眼、または夜間老眼などの対象の老眼を治療するために用い得る。特定の態様では、対象は、近くの物体に焦点を合わせる能力の低下、眼精疲労、細かい文字を読むのが難しい、明るい画面を読むかまたは見る際の疲労、近くをはっきりと見るのが難しい、活字を読むときのコントラストの低下、読むためにより明るくかつより直接的な光を必要とすること、読物をはっきりと見るために読物をより遠ざけて持つ必要があること、または頭痛、特に近見視力を用いたときの頭痛などの老眼の1つまたは複数の症状を有する。いくつかの態様では、対象は老眼を患う目には白内障を有していない。
【0175】
特定の態様では、対象は片目に視覚障害を有している。特定の態様では、対象は両目に視覚障害を有している。
【0176】
本開示の対象は任意の脊椎動物であり得る。いくつかの好ましい態様では、対象はヒトである。対象は任意の年齢であり得る。いくつかの態様では対象は25~100歳、または40~100歳、または50~100歳であり得る。対象は1歳超、2歳超、5歳超、10歳超、18歳超、20歳超、25歳超、30歳超、35歳超、40歳超、45歳超、50歳超、60歳超、70歳超、80歳超または90歳超であり得る。対象は25歳またはそれ以上であり得る。
【0177】
本明細書において提供される方法は、本明細書において記載される化合物または製剤のうちの少なくとも1つを有効量で投与することによって、α-クリスタリンの凝集の可能性を低下させるかまたはそれを逆行させることが有益となると考えられる疾患または状態を治療するために用い得る。有効量はα-クリスタリンの凝集を減少させるかまたは阻害する量であり得る。特定の態様では、本開示の化合物および製剤は目におけるα-クリスタリン凝集を、α-クリスタリンの凝集についての治療前の値に対して、約1%~約100%、約1%~約90%、約1%~約80%、約1%~約70%、約10%~約50%、約20%~約40%、約50%~約90%、または60%~約95%減少させる。
【0178】
特定の態様では、本開示の化合物または塩はα-クリスタリンに結合する薬理学的シャペロンであり、例えば、薬理学的シャペロンはα-クリスタリンの逆平行β鎖二量体界面部位近くの凹状ポケットに結合し得る。α-クリスタリンの凹状ポケットはαB-クリスタリンまたはαA-クリスタリンのセリン66、ロイシン79、アスパラギン酸80、バリン81、リジン82、ヒスチジン83、フェニルアラニン84、バリン97、イソロイシン114、セリン115、アルギニン116、アスパラギン酸117、フェニルアラニン118、ヒスチジン119、アルギニン120、リジン121およびチロシン122を含み得る。特定の態様では、薬理学的シャペロンは、例えば、低分子またはステロールまたはステロール模倣物であり得る。
【0179】
本明細書において開示される化合物および製剤は、治療前のレベル、または前記化合物が投与されなかった生物学的に対応する対照となる対象もしくは検体において観察されるレベルと比較した場合に、α-クリスタリンの凝集を少なくとも約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約100%阻害するように用い得る。本明細書において開示される化合物および製剤は、治療前のレベル、または前記化合物が投与されなかった生物学的に対応する対照となる対象もしくは検体において観察されるレベルと比較した場合に、α-クリスタリンの凝集を1%~100%、5%~90%、10%~80%、20%~50%、50%~95%、60%~99%または40%~70%阻害し得る。
【0180】
特定の態様では、アミロイド形成タンパク質はHsp27、αA-クリスタリン、αB-クリスタリン、βB2-クリスタリン βBl-クリスタリン、γD-クリスタリン、Hsp22、Hsp20、HSPB2、HSPB3、HSPB7、HSPB9、HSPB10、タウ、αシヌクレイン、IAPP、β-アミロイド、PrP、ハンチントン、カルシトニン、心房性ナトリウム利尿因子、アポリポ蛋白質AI、血清アミロイドA、メディン、プロラクチン、トランスサイレチン、リゾチーム、β2ミクログロブリン、ゲルゾリン、ケラトエピテリン、シスタチン、イムノグロブリン軽鎖AL、ミオシリン、およびSIBMからなる群より選択され得る。
【0181】
水晶体におけるα-クリスタリン凝集は、例えば、インビボ動的光散乱、光散乱アッセイ、電子顕微鏡法、遠心分離タンパク質溶解度アッセイ、フィルタートラップタンパク質溶解度アッセイ、チオフラビンT蛍光アッセイ、高速液体クロマトグラフィー、ゲル浸透クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、抗アミロイド抗体アッセイで測定し得る。特定の態様では、水晶体におけるα-クリスタリン凝集を測定するための本開示の例示的な方法はK. Dierks et al, SPIE Vol. 2330 Lasers in Ophthalmology 11, 112-121 (1994); R. Ansari, Journal of Biomedical Optics Jan/Feb, Vol.9, No.1, 22-37 (2004);およびX. Pei et al, Br J Ophthalmol 92, 1471-1475 (2008)に記載されており、これらのそれぞれの内容は参照により本明細書に組み入れられる。
【0182】
本明細書において開示される化合物は、前記化合物が投与されなかった生物学的に対応する対照となる対象または検体において観察されるレベルと比較した場合に、白内障形成を少なくとも約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約100%阻害し得る。
【0183】
特定の態様では、治療前に、対象は近見視力の喪失を経験したことがある。対象は対象が25歳以上のときにはじめて起きた近見視力の喪失を経験した可能性がある。対象が近見視力の喪失を経験した際には対象は約25~50歳、例えば、約25~40歳、例えば、約25~35歳であった可能性がある。対象は、近見視力の喪失を患うと診断、例えば、医療従事者によって診断された可能性があるか、または近見視力の喪失を患うと自己認識していてもよい。
【0184】
特定の態様では、対象は近見視力の低下をまだ経験していない。対象は老眼の発症に関する1つまたは複数の危険因子を有し得る。危険因子とは40歳超の年齢、遠視、近見視力が要求される職業、性別、眼疾患または外傷、全身疾患、薬物曝露(処方および非処方)、医原性要因、赤道への近さ、高レベル紫外線への曝露、栄養不良、減圧症、および高周囲温度への暴露を非限定的に含む。
【0185】
対象は遠視の1つまたは複数の症状を示し得る。遠視のいくつかの症状はかすみ目、物体を近くで見ることが難しい、子供の目の交差(内斜視)を含む。対象は近見視力の喪失を経験し得る。近見視力の喪失は遠視でもよく、遠視でなくてもよい。いくつかの態様では、近見視力の喪失は網膜後方での光線の焦点には関係しない。いくつかの態様では、対象は遠視の1つまたは複数の症状を示さなくてもよい。
【0186】
近見視力の喪失は、当分野で一般的に用いられる眼科検診などの、眼科検診方法によって同定し得る。近見視力の喪失は近見視力、眼鏡(habitual)遠見視力、矯正近見視力、屈折異常、屈折力、イェーガースコア、LogMARスコア、ETDRSスケール、読む速度、水晶体の調節幅、または当技術分野で公知の任意の他の方法のうちの1つまたは複数を評価することによって決定し得る。対象は、上の方法のうちの以下の1つまたは複数によって決定されるように、加齢性の近見視力の喪失を示し得る。両眼視力を評価するかまたはそれぞれの目を個別に評価するために視力検査を用い得る。
【0187】
視力(vision acuity)または視力(visual acuity)は、一般的には、所定の距離を置いて見られる検査表上の異なる大きさのオプトタイプを対象に識別させて測定される。オプトタイプは図案化された文字または記号であり得る。視距離とは、通常、目の水晶体が近見または遠見のいずれかに調節されることをいう。近見視力を測定するためには、通常は1とされる所定の読み取り距離を置いて検査表が見られると考えられる。多数の検査表が当分野では公知であり、一般的に用いられる検査表はスネレン視標 LogMar視標およびETDRS視標を含む。文盲の対象に用い得る視力検査表のいくつかの例はタンブリングE視標、ランドルトC視標、LEAテストを非限定的に含む。「正常な」視力を有する人が判別できると考えられるオプトタイプの大きさに基づいた参照値を用いて視力スコアを割り当てる。例えば、遠見視力検査では、「正常な」視力を有する対象が読むことができる距離がオプトタイプの各行に書かれている。次いで、対象は20フィート(または6メートル)から検査表を見て、最も大きいオプトタイプから最も小さいオプトタイプまでを読み、間違わずに、または間違いが1つ以下、または間違いが2つ以下で読むことができる最も小さい行で止める。対象が読み得る最も小さいオプトタイプが40フィートと書かれている場合、対象の視力は20/40となり、これは「正常な」視力を有する対象が40フィート離れて読むことができるものを20フィート離れて読むことができるということを意味する。視力を説明する効率的な方法は分数を10進数にすることによるものであり、したがって視力が20/40の対象は小数での遠見視力が0.5になると考えられる。
【0188】
近見視力は同じ様式で測定し得るが、見る距離が短くなる。例示的な近見視力検査では、対象は片方の目を覆い、もう一方の目を用いて16インチの距離から視力検査表を見るように指示される。試験者は対象が1文字以下の間違いで読むことができる最も小さい文字の大きさを決定し、その文字の大きさを「正常な」視力を有する対象が読み取ることができる距離と関連付ける。分数を小数に変換して小数の視力値にしてもよい。
【0189】
本開示の方法の対象は0.9またはそれ未満の近見視力によって決定される視力障害を有し得る。本開示の方法の対象は0.8またはそれ未満の近見視力によって決定される視力障害を有し得る。本開示の方法の対象は0.6またはそれ未満の近見視力によって決定される視力障害を有し得る。本開示の方法の対象は0.4またはそれ未満の近見視力によって決定される視力障害を有し得る。
【0190】
眼鏡遠見視力とは矯正に伴う対象の視力である。場合によっては矯正はなく、場合によってはこれは眼鏡またはコンタクトレンズであり得る。眼鏡遠見視力が眼鏡またはコンタクトレンズを含む場合、矯正は対象の現状でのニーズに最適ではないことがある。
【0191】
特定の態様では、対象は読むことに難かしさを経験し得る。対象は以前であれば問題なく読めた小さな活字を読むことまたは活字を読むことに問題を有し得る。対象は低下した読む速度を有し得る。対象は長時間読んだ後に眼精疲労を訴え得る。
【0192】
特定の態様では、対象は、約+.5Dもしくはそれ以上、約+1Dもしくはそれ以上、または約+2Dもしくはそれ以上の度数を有する眼鏡またはコンタクトレンズで矯正し得る近見視力障害を有する。いくつかの態様では、本開示の対象は近見視力障害を矯正するために眼鏡またはコンタクトレンズを時折または習慣的に用いる人として特定され得る。本開示の対象は時折または習慣的に老眼鏡を用いる人であり得る。
【0193】
近見視力障害は目の水晶体の屈折力(optical power)を測定することによって決定し得る。屈折力(ジオプトリックパワー、屈折力(refractive power)、焦点力、または収束力ともいう)とは水晶体が光を収束させる度合いである。屈折力はメートルでの焦点距離の逆数に等しく、ジオプトリーで表される。例えば、平行光線を1/3メートルの焦点に合わせることができる水晶体の屈折力は3ジオプトリーである。近くの物体に焦点を合わせる能力は生涯を通じて低下していき、60歳で0.5~1ジオプトリーで横ばいになる。
【0194】
屈折力が大きすぎるかまたは小さすぎて光を網膜に収束できない目は屈折異常を有し得る。屈折異常は以下のうちの1つまたは複数を用いて評価し得る:網膜鏡、自動屈折器、シャック・ハルトマン波面センサーまたはピンホール遮蔽板。
【0195】
対象の水晶体は、本明細書において記載される化合物による治療前は、15ジオプトリー未満の屈折力を有し得る。対象の水晶体は、本明細書において記載される化合物による治療前は、20ジオプトリー未満の屈折力を有し得る。
【0196】
近見視力障害はイェーガーテストスケールによって決定し得る。イェーガー検査表は近見視力を検査する際に用いられる視力検査表の一種である。これは複数行の文字段落が大きさを拡大して印刷されたカードである。イェーガーチャートにはいくつかのバリエーションが存在する。このカードは対象によって目から一定の距離で保持されることになる。対象が読むことができる最も小さい文字によって視力およびイェーガースコア(J1~J11またはそれ以上)が決まる。例えば、イェーガーチャートの4行目および4行目超を読むことができる対象は視力がJ4になる。
【0197】
近見視力障害はイェーガーテストのイェーガースケールでJ2またはそれ以上のスコアによって決定し得る。近見視力障害はイェーガーテストのイェーガースケールでJ3またはそれ以上のスコアによって決定し得る。近見視力障害はイェーガーテストのイェーガースケールでJ4またはそれ以上のスコアによって決定し得る。近見視力障害はイェーガーテストのイェーガースケールでJ5またはそれ以上のスコアによって決定し得る。近見視力障害はイェーガーテストのイェーガースケールでJ6またはそれ以上のスコアによって決定し得る。近見視力障害はイェーガーテストのイェーガースケールでJ8またはそれ以上のスコアによって決定し得る。
【0198】
近見視力障害はLogMARチャートによって決定し得る。LogMARチャートを用いる場合、視力は最小分離閾角度の対数を参照して採点される。わずか1分の視角の詳細を識別できる対象はLogMARスコアが0(10を底とする1の対数は0);わずか2分の視角の詳細を識別できる対象(すなわち、低下した視力)はLogMARスコアが(10を底とする2の対数は0.3);など。LogMARスコアは対象が正しく特定した文字の数に基づいて算出される(各行は0.1のLogMAR単位に相当する)。
【0199】
近見視力障害は0.3またはそれ以上のLogMARスコアによって決定し得る。近見視力障害は0.4またはそれ以上のLogMARスコアによって決定し得る。近見視力障害は0.5またはそれ以上のLogMARスコアによって決定し得る。近見視力障害は0.6またはそれ以上のLogMARスコアによって決定し得る。
【0200】
本開示の方法の使用は老眼を治療または予防し得る。老眼の症状をまだ経験したことがない対象による本開示の方法の使用は老眼の発症を防止するかまたは遅延し得る。
【0201】
老眼を有する対象による本開示の方法の使用は老眼の進行を防止するかまたは遅延し得る。いくつかの態様では、対象は本明細書において記載される化合物が投与されている期間にわたって近見視力の低下を経験しない。
【0202】
老眼を有する対象による本開示の方法の使用は老眼を治療して、近見視力の改善をもたらし得る。対象の近見視力の改善は視力、屈折力、水晶体の調節幅、イェーガースケールスコア、LogMARスケールスコア、ETDRSスケール、読む速度、または屈折異常のうちの1つまたは複数の改善を含み得る。
【0203】
特定の態様では、対象の近見視力の改善は治療前の近見視力値と比較した近見視力の改善を含み得る。特定の態様では、本開示の方法は約+.5Dもしくはそれ以上、約+1Dもしくはそれ以上、または約+2Dもしくはそれ以上の度数を有する眼鏡またはコンタクトレンズにほぼ相当する程度まで近見視力障害を改善する。特定の態様では、本開示の方法は眼鏡またはコンタクトレンズまたは外科的処置による治療に置き換え得る。
【0204】
特定の態様では、本開示の方法は対象の近見視力の改善をもたらす。本開示の方法は対象の水晶体の屈折力を増加させ得る。特定の態様では、水晶体の屈折力は、水晶体の治療前の屈折力と比較して、少なくとも0.1ジオプトリー改善し得る。特定の態様では、水晶体の屈折力は、水晶体の治療前の屈折力と比較して、少なくとも1ジオプトリー改善し得る。特定の態様では、水晶体の屈折力は、水晶体の治療前の屈折力と比較して、少なくとも5ジオプトリー改善し得る。特定の態様では、水晶体の屈折力は、水晶体の治療前の屈折力と比較して、0.1~20ジオプトリー改善し得る。特定の態様では、水晶体の屈折力は、水晶体の治療前の屈折力と比較して、0.1~10ジオプトリー改善し得る。特定の態様では、水晶体の屈折力は、水晶体の治療前の屈折力と比較して、1~10ジオプトリー改善し得る。特定の態様では、水晶体の屈折力は、水晶体の治療前の屈折力と比較して、1~5ジオプトリー改善し得る。
【0205】
特定の態様では、治療は、治療前の測定値と比較して、例えば、イェーガーテストスケールによって測定されるように、対象の近見視力を、例えば、1、2、3、4、または5イェーガー行改善する。治療は、治療前の測定値と比較して、対象の近見視力を1~7イェーガー行、または1~5イェーガー行、または1~3イェーガー行改善し得る。特定の態様では、治療は対象の近見視力を、例えば、0.02、0.04、0.06、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、または0.5LogMAR単位を超えて補正する。治療は対象の近見視力を0.02~0.9LogMAR単位、または0.1~0.8LogMAR単位、または0.2~0.5LogMAR単位補正し得る。
【0206】
ウサギにおける本発明の化合物の投与時の様々な眼症状の重症度を決定するためにマクドナルド・シャダック採点システムを用い得る。採点システムは、数値が大きいほど眼状態の重症度が高いことを示す、0~6の範囲のスケールを用い得る。例えば、角膜混濁、角膜血管新生、結膜浮腫および腫脹、結膜分泌、ならびに角膜着色を評価するためにマクドナルド・シャダック採点システムを用い得る。
【0207】
結膜分泌の等級付けをするためにマクドナルド・シャダック採点システムを用い得る。白っぽいかまたは灰色の析出物である分泌物を説明するために結膜分泌を用い得る。ウサギの内眼角において見られる透明であるか、濃厚であるか、凝固したか、または粘液状の分泌物は結膜分泌尺度の一部としては採点されない。
【0208】
房水フレアは目の前房におけるチンダル現象の存在によって測定し得る。コロイド中の粒子または微細懸濁液中の粒子による光散乱を説明するためにチンダル現象を用い得る。チンダル現象の強さは、細隙灯ビームが水晶体を通過するときに観察される通常のチンダル効果と、前房を通過する細隙灯ビームの通過を比較することによって採点し得る。房水フレアの存在は血液房水関門の崩壊を示し得る。
【0209】
虹彩浸潤はマクドナルド-シャダック採点システムを用いて測定し得る。虹彩浸潤について主観的な眼球スコアを決定するための補助として虹彩の一次、二次、および三次血管を用い得る。虹彩浸潤の強度は血管の充血が多い場合に増加し得、二次および三次血管の浸潤がより大きい。
【実施例】
【0210】
I:化学合成
以下の実施例は本明細書において記載される化合物を作製する様々な方法を例示している。当業者であれば同様の方法によって、または当業者には公知である他の方法を組み合わせることによって、これらの化合物を作製できる場合があることが理解される。当業者であれば、適切な出発物質を用いかつ必要に応じて合成経路を修正することによって、下に記載するのと同様の様式で作製できることも理解される。概して、出発物質および試薬は業者から入手するか、または当業者には公知である情報源に従って合成するか、または本明細書において記載されるように調製し得る。
【0211】
特に記載しない限り、試薬および溶媒は業者から入手したものをそのまま用いた。水分および/または酸素に感受性のある合成変換には無水溶媒およびオーブン乾燥させたガラス器具を用いた。収率の最適化は行わなかった。反応時間は概算であり、最適化を行わなかった。特に記載のない限り、カラムクロマトグラフィーおよび薄層クロマトグラフィー(TLC)はシリカゲル上で実施した。スペクトルはppm(δ)で与えられ、カップリング定数(J)はヘルツで報告される。プロトンスペクトルには溶媒ピークを参照ピークとして用いた。
【0212】
実施例1:N-(2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-6-スルホンアミド(化合物5)の調製
【0213】
工程1(中間体1-2):DMF(150mL)中の1-1(20.0g、137.8mmol、1.0当量)の溶液にNaH(6.1g、鉱油中60%、151.6mmol、1.1当量)を0℃で少しずつ加えた。混合物を0℃で30分間撹拌し、続いてヨードメタン(10.3mL、165.4mmol、1.2当量)を0℃で加えた。混合物を25℃まで温め1時間撹拌した後、水(750mL)でクエンチした。析出物をろ過し、水(100mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、化合物1-2(20.1g、収率91%)を褐色の固体として得た。
【0214】
工程2(中間体1-3):H
2O(30mL)およびジオキサン(30mL)中の1-2(3.0g、18.8mmol、1.0当量)の溶液にNaHSO
3(2.93g、28.2mmol、1.5当量)を25℃で加えた。混合物を25℃で15分間撹拌した。続いて、ピロリジン(2.4mL、28.2mmol、1.5当量)を混合物に加え、これをさらに35分間撹拌した。NaCNを加え、25℃で3時間撹拌した。固体をろ過し、水(50mL)ですすぎ、真空下で乾燥させた。化合物1~3(3.5g、収率78%)を白色の固体として得た。
【0215】
工程3(中間体1-4):化合物1-3(3.5g、14.6mmol、1.0当量)をEtOAc(75mL)およびMeOH(150mL)に溶解した。次いで、Pd/C(2.4g、10%Pd炭素、2.3mmol、0.15当量)およびHCl(2.6mL、水中12mol/L、31.2mmol、2.1当量)を25℃で加えた。フラスコにH
2のバルーンを取り付けた。混合物を25℃で72時間撹拌した後、セライトでろ過した。ろ液を濃縮して褐色の残渣を得、これを分取HPLC(MeCN/H
2O=10:90、添加剤として0.1%HCl)で精製して1-4(0.53g、収率11%)を白色の固体として得た。
【0216】
工程4(中間体1-5):THF(30mL)中の6-ブロモ-1H-インドール(2.4g、12.2mmol、1.0当量)の溶液にNaH(0.49g、鉱油中60%、12.2mmol、1.0当量)を0℃で加えた。15分間撹拌後、混合物を-78℃で冷却し、tBuLi(23.5mL、ヘキサン中1.3mol/L、30.5mmol、2.5当量)を滴下した。混合物を-78℃で45分間撹拌した。次いで、SO
2(10.5mL、THF中2.9mol/L、30.5mmol、2.5当量)を-78℃で加えた。混合物を25℃まで温め、16時間撹拌した。石油エーテル(30mL)およびAcOH(0.77mL、13.4mmol、1.1当量)を加えた。混合物を15分間撹拌し、ろ別した。ろ過ケーキを石油エーテル(10mL)ですすいだ。固体をDCM(35mL)に懸濁させ、次いでNCS(1.63g、12.2mmol、1.0当量)を加えた。混合物を25℃で30分間撹拌し、ろ過した。ろ液を取り出して乾燥させて褐色の固体を得、これをシリカゲルカラム(石油エーテル/EtOAc=20:1、次いで5:1)で精製して化合物1-5(1.1g、収率42%)を黄色の固体として得た。
【0217】
工程5(化合物5):DCM(5mL)中の化合物1-4(0.300g、0.79mmol、1.0当量)およびNEt
3(0.47mL、2.77mmol、3.5当量)の溶液に化合物1-5(0.226g、0.87mmol、1.1当量)を25℃で加えた。混合物を25℃で1時間撹拌し、次いでDCM(30mL)で希釈し、水(2*10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(DCM/MeOH=20:1)で精製するか、または分取HPLC(MeCN/H
2O=30:70、添加剤として0.1%HCl)で精製して、化合物5(0.18g、収率53%)を白色の固体として得た。
【0218】
実施例2:(S)-N-(2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-6-スルホンアミド(化合物24)および(R)-N-(2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-6-スルホンアミド(化合物25)の調製
【0219】
化合物24および25は、以下のキラル分取SFC法を用いて化合物5(180mg)のキラル分割によって調製した。
【0220】
化合物24:85mg(収率47%、>99.9%ee)
【0221】
【0222】
以下の化合物は適切な出発物質および試薬を用いて実施例1~2と同様の手順を用いて合成した。
a[M-(CH
3)
2N]
+;
b[M+e
-]
-1
【0223】
II:バイオアッセイ
実施例A-1:組換えcryAB(R120)の動力学的濁度凝集アッセイ
組換えcryAB(R120G)タンパク質をアッセイ緩衝液(50mM Tris、100mM NaCl、5mM DTT、0.01%Triton X-100、0.05%PEG-8000)中で100μMまで希釈した。化合物を10mMでDMSOに溶解し、次いで典型的にはDMSO中で2.5mMまで希釈し、必要に応じて連続的に2倍希釈した。384ウェル黒色マイクロプレートへの81μLのアッセイ緩衝液に続く15μLのタンパク質溶液および4μLの化合物の添加を4回実施して、4%DMSO中で15μM cryAB(R120G)タンパク質の最終濃度を得た。アッセイプレートをプレートリーダーにて42℃でインキュベートし、読み取り間に軌道振とうを行いながら550nmでの吸光度を3.5分ごとに4時間読み取った。様々な濃度の化合物でのタンパク質凝集の阻害%を測定した。N.D.は未検定である。
【0224】
様々な濃度での選択された化合物の結果を以下の表に示す。
【0225】
選択された化合物のIC
50値を以下の表に示す。
aA ≦ 10.0 μM < B ≦ 50.0 μM < C ≦ 100 μM
【0226】
実施例A-2:CryAB結合アッセイ
親和性は直接結合アッセイを用いてマイクロスケール熱泳動によって決定した。簡単に説明すると、E117C変異を含むαBクリスタリンのα-クリスタリンドメインをCy5色素でアルキル化し、0.1%PEG-8000、0.05%Tween-20、および5%DMSOを含むpH8のTris緩衝液中で100nMタンパク質での結合をモニタリングした。結合アッセイは色素標識タンパク質の混合物に対してリガンドを滴定し、結合を示す蛍光変化をモニタリングすることによって実施した。各化合物の滴定ごとの観察された蛍光測定値に基づいて、質量作用の法則式を用いてKDを算出した。
【0227】
選択された化合物の結果を以下の表に示す。
aA ≦ 10.0 μM < B ≦ 50.0 μM < C ≦ 100 μM
【0228】
実施例A-3:老眼の治療
5人の老眼患者群がLogMARテストにおける近見視力障害に基づいて特定される。患者は本明細書において記載される化合物の組成物で毎週治療される。毎月各患者の近見視力がLogMARテストで測定される。治療後の各患者の近見視力を治療前の視力と比較する。
【0229】
実施例A-4:近見視力の喪失の治療
40歳を超えかつ老眼の臨床的兆候のない5人の患者群がLogMARテストの成績に基づいて特定される。患者は本明細書において記載される化合物の組成物を含む点眼薬で毎日治療される。6か月ごとに各患者の近見視力がLogMARテストで測定される。各患者の近見視力は治療前の視力と比較される。
【国際調査報告】