(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】逆転弁を使用した冷媒遮断
(51)【国際特許分類】
F25B 1/00 20060101AFI20231005BHJP
F25B 49/02 20060101ALI20231005BHJP
F25B 41/24 20210101ALI20231005BHJP
F24F 11/36 20180101ALI20231005BHJP
【FI】
F25B1/00 391
F25B49/02 520Z
F25B41/24
F24F11/36
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516591
(86)(22)【出願日】2021-09-07
(85)【翻訳文提出日】2023-05-11
(86)【国際出願番号】 US2021049260
(87)【国際公開番号】W WO2022055866
(87)【国際公開日】2022-03-17
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】511158339
【氏名又は名称】コープランド エルピー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェルチ,アンドリュー・エム
(72)【発明者】
【氏名】モーター,ウィンフィールド・エス
(72)【発明者】
【氏名】モーガン,スチュアート・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】バトラー,ブライアン・アール
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AA08
3L260AB02
3L260BA52
3L260CA17
3L260FB08
(57)【要約】
冷媒制御システムは、逆転弁を備え、逆転弁は、凝縮器から出力された冷媒を受け取るように構成された第1の入口と、建物の内側に位置する蒸発器の入口に冷媒を出力するように構成された第1の出口と、蒸発器から出力された冷媒を受け取るように構成された第2の入口と、凝縮器に冷媒を圧送する圧縮機の入口に冷媒を出力するように構成された第2の出口と、逆転モジュールであって、冷媒が第2の入口から第2の出口に直接流れ、冷媒が第1の入口から第1の出口に直接流れるように、逆転弁を第1の位置に選択的に作動させるように構成され、冷媒が第2の入口から第1の出口に直接流れ、冷媒が第1の入口から第2の出口に直接流れるように、逆転弁を第2の位置に選択的に作動させるように構成された逆転モジュールと、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒制御システムであって、
逆転弁を備え、前記逆転弁は、
凝縮器から出力された冷媒を受け取るように構成された第1の入口と、
建物の内側に位置する蒸発器の入口に冷媒を出力するように構成された第1の出口と、
前記蒸発器から出力された冷媒を受け取るように構成された第2の入口と、
前記凝縮器に冷媒を圧送する圧縮機の入口に冷媒を出力するように構成された第2の出口と、
逆転モジュールであって、
冷媒が前記第2の入口から前記第2の出口に直接流れ、
冷媒が前記第1の入口から前記第1の出口に直接流れるように、
前記逆転弁を第1の位置に選択的に作動させるように構成され、
冷媒が前記第2の入口から前記第1の出口に直接流れ、
冷媒が前記第1の入口から前記第2の出口に直接流れるように、前記逆転弁を第2の位置に選択的に作動させるように構成された逆転モジュールと、を備える、
冷媒制御システム。
【請求項2】
前記逆転モジュールは、冷媒漏れが検出された場合、前記逆転弁を前記第2の位置に作動させるように構成されている、請求項1に記載の冷媒制御システム。
【請求項3】
前記建物内の前記冷媒の量を決定するように構成された充填モジュールと、
前記量に基づいて前記冷媒漏れを検出するように構成された漏れモジュールと、をさらに備える、
請求項2に記載の冷媒制御システム。
【請求項4】
前記逆転モジュールは、冷媒漏れが検出されない場合、前記逆転弁を前記第1の位置に維持するように構成されている、請求項1に記載の冷媒制御システム。
【請求項5】
前記冷媒は、少なくとも1つの基準の下で可燃性であると分類される、請求項1に記載の冷媒制御システム。
【請求項6】
前記逆転弁と前記凝縮器との間に流体接続された弁をさらに備える、請求項1に記載の冷媒制御システム。
【請求項7】
冷媒漏れの検出に応答して前記弁を閉じるように構成された圧送モジュールをさらに備える、請求項6に記載の冷媒制御システム。
【請求項8】
前記弁の前記閉鎖後に、少なくとも所定の期間にわたって前記圧縮機をオンに維持するように構成された圧縮機モジュールをさらに備え、
前記逆転モジュールは、前記弁の前記閉鎖後に所定の期間にわたって前記逆転弁を前記第1の位置に維持するように構成されている、請求項7に記載の冷媒制御システム。
【請求項9】
前記弁は常開弁である、請求項6に記載の冷媒制御システム。
【請求項10】
前記逆転弁は、前記第1の位置に機械的に付勢されている、請求項1に記載の冷媒制御システム。
【請求項11】
前記逆転弁は前記建物の外側に位置し、前記逆転弁が前記第1の位置から前記第2の位置に移行するとき、前記建物内に存在する冷媒の量は所定量未満である、請求項1に記載の冷媒制御システム。
【請求項12】
冷媒制御システムであって、
逆転弁を備え、前記逆転弁は、
凝縮器から出力された冷媒を受け取るように構成された第1の入口と、
建物の内側に位置する蒸発器の入口に冷媒を出力するように構成された第1の出口であって、前記蒸発器は前記凝縮器に冷媒を圧送する圧縮機の入口に冷媒を出力するように構成された、第1の出口と、
前記逆転弁に冷媒が流入しないように遮断された第2の入口と、
前記逆転弁から冷媒が流出しないように遮断された第2の出口と、
逆転モジュールであって、
冷媒が前記第1の入口から前記第1の出口に直接流れるように、前記逆転弁を第1の位置に選択的に作動させるように構成され、
冷媒が前記第1の入口から前記第1の出口に流れることができないように、前記逆転弁を第2の位置に選択的に作動させるように構成されている、逆転モジュールと、を備える、冷媒制御システム。
【請求項13】
冷媒制御方法であって、
冷媒が逆転弁の第1の入口から前記逆転弁の第1の出口に直接流れるように、および
冷媒が前記逆転弁の第2の入口から前記逆転弁の第2の出口に直接流れるように、
前記逆転弁を第1の位置に選択的に作動させることであって、前記逆転弁は、
凝縮器から出力された冷媒を受け取るように構成された前記第1の入口と、
建物の内側に位置する蒸発器の入口に冷媒を出力するように構成された前記第1の出口と、
前記蒸発器から出力された冷媒を受け取るように構成された前記第2の入口と、
前記凝縮器に冷媒を圧送する圧縮機の入口に冷媒を出力するように構成された前記第2の出口と、を備え、
冷媒が前記第2の入口から前記第1の出口へと直接流れ、
冷媒が前記第1の入口から前記第2の出口に直接流れるように、
前記逆転弁を第2の位置に選択的に作動させることと、を含む、
冷媒制御方法。
【請求項14】
前記逆転弁を前記第2の位置に選択的に作動させることは、冷媒漏れが検出された場合に、前記逆転弁を前記第2の位置に作動させることを含む、請求項13に記載の冷媒制御方法。
【請求項15】
冷媒漏れが検出されない場合、前記逆転弁を前記第1の位置に維持することをさらに含む、請求項13に記載の冷媒制御方法。
【請求項16】
前記冷媒は、少なくとも1つの基準の下で可燃性であると分類される、請求項13に記載の冷媒制御方法。
【請求項17】
冷媒漏れの検出に応答して、前記逆転弁と前記凝縮器との間に流体接続された弁を閉じることをさらに含む、請求項13に記載の冷媒制御方法。
【請求項18】
前記弁の前記閉鎖後、少なくとも所定の期間にわたって前記圧縮機をオンに維持することと、前記弁の前記閉鎖後、所定の期間にわたって前記逆転弁を前記第1の位置に維持することとをさらに含む、請求項17に記載の冷媒制御方法。
【請求項19】
前記逆転弁は、前記第1の位置に機械的に付勢されている、請求項13に記載の冷媒制御方法。
【請求項20】
前記逆転弁は前記建物の外側に位置し、前記逆転弁が前記第1の位置から前記第2の位置に作動するとき、前記建物内に存在する冷媒の量は所定量未満である、請求項13に記載の冷媒制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年9月14日に出願された米国特許出願第17/019,946号の優先権を主張する。上記で参照された出願の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、冷却システムに関し、より詳細には、逆転弁制御システムおよび建物の外部の冷媒を遮断するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
本明細書で提供される背景技術の説明は、本開示の文脈を一般的に提示することを目的としている。本発明者らの研究は、この背景技術の項に記載されている限りにおいて、ならびに出願時に先行技術として認められない可能性がある説明の態様は、本開示に対する先行技術として明示的にも暗示的にも認められない。
【0004】
冷却および空調用途は、使用する冷媒の地球温暖化の潜在力を低減するために、規制圧力が高まっている。より低い地球温暖化の潜在力の冷媒を使用するために、冷媒の可燃性が増加する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
低い地球温暖化の潜在力の選択肢と考えられるいくつかの冷媒が開発されており、それらはASHRAE(米国暖房冷凍空調学会)のA2L分類を有し、軽度に可燃性であることを意味する。UL(アンダーライターズラボラトリーズ)60335-2-40規格および同様の規格は、A2L冷媒の所定の(M1)レベルを指定し、所定のレベルを下回るA2L冷媒充填レベルは漏れ検出および緩和を必要としないことを示す。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
特徴において、冷媒制御システムは逆転弁を備え、逆転弁は、凝縮器から出力された冷媒を受け取るように構成された第1の入口と、建物の内側に位置する蒸発器の入口に冷媒を出力するように構成された第1の出口と、蒸発器から出力された冷媒を受け取るように構成された第2の入口と、凝縮器に冷媒を圧送する圧縮機の入口に冷媒を出力するように構成された第2の出口と、逆転モジュールであって、冷媒が第2の入口から第2の出口に直接流れ、冷媒が第1の入口から第1の出口に直接流れるように、逆転弁を第1の位置に選択的に作動させるように構成され、冷媒が第2の入口から第1の出口に直接流れ、冷媒が第1の入口から第2の出口に直接流れるように、逆転弁を第2の位置に選択的に作動させるように構成された逆転モジュールと、を備える。
【0007】
さらなる特徴において、逆転モジュールは、冷媒漏れが検出された場合、逆転弁を第2の位置に作動させるように構成される。
【0008】
さらなる特徴において、充填モジュールは、建物内の冷媒の量を決定するように構成され、漏れモジュールは、この量に基づいて冷媒漏れを検出するように構成される。
【0009】
さらなる特徴において、逆転モジュールは、冷媒漏れが検出されない場合、逆転弁を第1の位置に維持するように構成される。
【0010】
さらなる特徴において、冷媒は、少なくとも1つの基準の下で可燃性であると分類される。
【0011】
さらなる特徴において、弁は、逆転弁と凝縮器との間に流体接続される。
さらなる特徴において、圧送モジュールは、冷媒漏れの検出に応答して弁を閉じるように構成される。
【0012】
さらなる特徴において、圧縮機モジュールは、弁の閉鎖後に少なくとも所定の期間にわたって圧縮機をオンに維持するように構成され、逆転モジュールは、弁の閉鎖後に所定の期間にわたって逆転弁を第1の位置に維持するように構成される。
【0013】
さらなる特徴において、弁は常開弁である。
さらなる特徴において、逆転弁は、第1の位置に機械的に付勢される。
【0014】
さらなる特徴において、逆転弁は建物の外側に位置し、逆転弁が第1の位置から第2の位置に移行するとき、建物内に存在する冷媒の量は所定量未満である。
【0015】
特徴において、冷媒制御システムは、逆転弁を備え、逆転弁は、凝縮器から出力された冷媒を受け取るように構成された第1の入口と、建物の内側に位置する蒸発器の入口に冷媒を出力するように構成された第1の出口であって、蒸発器は凝縮器に冷媒を圧送する圧縮機の入口に冷媒を出力するように構成された、第1の出口と、逆転弁に冷媒が流入しないように遮断された第2の入口と、逆転弁から冷媒が流出しないように遮断された第2の出口と、逆転モジュールであって、冷媒が第1の入口から第1の出口に直接流れるように、逆転弁を第1の位置に選択的に作動させるように構成され、冷媒が第1の入口から第1の出口に流れることができないように、逆転弁を第2の位置に選択的に作動させるように構成されている、逆転モジュールと、を備える。
【0016】
特徴において、冷媒制御方法は、冷媒が逆転弁の第1の入口から逆転弁の第1の出口に直接流れるように、および冷媒が逆転弁の第2の入口から逆転弁の第2の出口に直接流れるように、逆転弁を第1の位置に選択的に作動させることであって、逆転弁は、凝縮器から出力された冷媒を受け取るように構成された第1の入口と、建物の内側に位置する蒸発器の入口に冷媒を出力するように構成された第1の出口と、蒸発器から出力された冷媒を受け取るように構成された第2の入口と、凝縮器に冷媒を圧送する圧縮機の入口に冷媒を出力するように構成された第2の出口と、を備え、冷媒が第2の入口から第1の出口へと直接流れ、冷媒が第1の入口から第2の出口に直接流れるように、逆転弁を第2の位置に選択的に作動させることと、を含む。
【0017】
さらなる特徴において、逆転弁を第2の位置に選択的に作動させることは、冷媒漏れが検出された場合に逆転弁を第2の位置に作動させることを含む。
【0018】
さらなる特徴において、本方法は、冷媒漏れが検出されない場合、逆転弁を第1の位置に維持することをさらに含む。
【0019】
さらなる特徴において、冷媒は、少なくとも1つの基準の下で可燃性であると分類される。
【0020】
さらなる特徴において、本方法は、冷媒漏れの検出に応答して、逆転弁と凝縮器との間に流体接続された弁を閉じることをさらに含む。
【0021】
さらなる特徴において、本方法は、弁の閉鎖後、少なくとも所定の期間にわたって圧縮機をオンに維持することと、弁の閉鎖後、所定の期間にわたって逆転弁を第1の位置に維持することとをさらに含む。
【0022】
さらなる特徴において、逆転弁は、第1の位置に機械的に付勢される。
さらなる特徴において、逆転弁は建物の外側に位置し、逆転弁が第1の位置から第2の位置に作動するとき、建物内に存在する冷媒の量は所定量未満である。
【0023】
本開示のさらなる適用領域は、詳細な説明、特許請求の範囲および図面から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の例は、例示のみを目的とするものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【0024】
図面の簡単な説明
本開示は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図3】マイクロブースタ冷却システムの概略図である。
【
図4】HVACシステムの屋内ファンを制御する例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図5A】冷却システムまたはHVACシステムの遮断弁および圧縮機を制御する例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図5B】冷却システムまたはHVACシステムの遮断弁および圧縮機を制御する例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図6】遮断弁、圧力センサ、および温度センサを備える例示的な空調システムの機能ブロック図である。
【
図7】遮断弁、圧力センサ、および温度センサを備える例示的な空調システムの機能ブロック図である。
【
図8】遮断弁および漏れセンサを備える例示的な空調システムの機能ブロック図である。
【
図9】冷媒漏れ検出方法の一例を示すフローチャートである。
【
図10】遮断弁を備える例示的な冷却システムの機能ブロック図である。
【
図11】遮断弁を備える例示的な冷却システムの機能ブロック図である。
【
図12】圧力センサおよび温度センサを備える例示的な冷却システムの機能ブロック図である。
【
図13】温度センサまたは圧力センサを備える例示的な冷却システムの機能ブロック図である。
【
図14】冗長遮断弁および温度センサまたは圧力センサを備える例示的な冷却システムの機能ブロック図である。
【
図15】制御モジュールを備える例示的な制御システムの機能ブロック図である。
【
図16】例示的な冷却システムの機能ブロック図である。
【
図17】冷媒弁が第2の位置にあるときの冷媒弁を通る冷媒流れの一例を示す。
【
図18】冷媒弁が第1の位置にあるときの冷媒弁を通る冷媒流れの一例を示す。
【
図19】逆転弁が第2の位置にあるときの冷媒流路の一例を示す。
【
図20】逆転弁が第2の位置にあるときの冷媒流路の一例を示す。
【
図21】冷却システムの例示的な実施態様の機能ブロック図である。
【
図22】逆転弁を制御する例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図23】逆転弁を制御する例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図24】
図16の例示的な冷却システムの機能ブロック図である。
【
図25】冷媒弁が第2の位置にあるときの冷媒流れの一例を示す。
【
図26】冷媒弁が第1の位置にあるときの冷媒流れの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面では、類似および/または同一の要素を識別するために参照番号を再利用することができる。
【0027】
詳細な説明
図1A~
図1Cを参照すると、圧縮機12と、建物15の外側(すなわち、屋外)に配置され、ACシステム10を使用して冷却される凝縮器14とを備える分割空調(AC)システム10が示されている。ACシステム10は、膨張弁16と、建物15の内側(すなわち、屋内)に配置され、ACシステム10を用いて冷却される蒸発器18とを備える。
【0028】
第1の遮断弁20は、建物15の外側で、蒸発器18と圧縮機12との間に配置されている。第2の遮断弁22は、建物15の外側で、凝縮器14と膨張弁16との間に配置されている。冷媒ラインは、ACシステム10の構成要素間に接続される。例えば、圧縮機12と凝縮器14との間に冷媒ラインが接続され、凝縮器14と第2の遮断弁22との間に冷媒ラインが接続され、第2の遮断弁22と膨張弁16との間に冷媒ラインが接続され、膨張弁16と蒸発器18との間に冷媒ラインが接続され、蒸発器18と第1の遮断弁20との間に冷媒ラインが接続され、第1の遮断弁20と圧縮機12との間に冷媒ラインが接続されている。
【0029】
図1Aでは、ACシステム10は、圧縮機12がOFFであり、第1および第2の遮断弁20
c、22
cが閉じている「オフ」状態で示されている。
図1Bは、圧縮機が「オン」ならびに第1および第2の遮断弁20
o、22
oが開いている通常動作モードのACシステム10を示す。シャットダウン時に、
図1Cに示すように、制御モジュール(以下でさらに説明する)は、第2の遮断弁22
cを閉じ、第1の遮断弁20
oを開いたままにし、圧縮機12を所定の期間オンに維持することができる。これは、ACシステム10の屋内セクション内から冷媒を引き下げ、空調システム10の屋外セクション内に冷媒を閉じ込めることができる。所定の期間が満了した後、制御モジュールは、
図1Aに示すように、第1の遮断弁20
oを閉じ、圧縮機12をオフにすることができる。これにより、ACシステム10の屋内セクションIを屋外セクションOから遮断することができる。屋内セクションIから冷媒の屋外セクションOへの圧送の効果は、屋内セクションI内の冷媒の量(例えば、質量または重量)を所定量未満、好ましくはA2L冷媒のM1充填レベル未満の最小レベルまで減少させる。
【0030】
遮断弁20、22は、確実に密閉され、制御モジュールによって制御されてもよい。制御モジュールはまた、動作(例えば、オンまたはオフ)を制御し、圧縮機12の速度を制御することができる。制御モジュールは、配管(冷媒ライン)およびシステムの構成要素を備えるACシステム10をゾーンに選択的に分割するために、動作状態および要件に従って遮断弁20、22を選択的に制御する。様々な実施態様において、第1の遮断弁20は、例えば吐出逆止弁または吸込逆止弁として圧縮機12と一体化することができる。遮断弁20、22は、密閉ボール弁、電磁弁、電子膨張弁、逆止弁、ニードル弁、バタフライ弁、グローブ弁、垂直スライド弁、チョーク弁、ナイフ弁、ピンチ弁、プラグ弁、ゲート弁、ダイアフラム弁、または別の適切なタイプの作動弁であり得る。
【0031】
圧送動作中、冷媒は、圧縮機動作サイクルの終わりに、システムの遮断された屋外ゾーンに移動される。これにより、圧縮機が動作していないときに建物15内で漏れる可能性がある建物15内の冷媒の量が減少する。
【0032】
制御モジュールは、圧縮機12、1つまたは複数のファン、遮断弁20、22、および様々なセンサと無線または有線で通信することができ、直接または間接的に通信することができる。制御モジュールは、1つまたは複数のモジュールを含むことができ、制御ボード、炉板、サーモスタット、エアハンドラボード、接触器、または他の形態の制御システムまたは診断システムの一部として実装することができる。制御モジュールは、24ボルト(V)の交流(AC)、120V~240VのAC、5Vの直流(DC)電力などを使用して様々な構成要素に電力を供給するための電力調整回路を含むことができる。制御モジュールは、有線、無線、またはその両方であり得る双方向通信を含むことができ、それによってシステムデバッグ、プログラミング、更新、監視、パラメータ値/状態送信などを行うことができる。ACシステムは、より一般的には冷却システムと呼ぶことができる。本明細書で使用される冷却システムはまた、冷却ケース、ヒートポンプ、および他のタイプの冷却システムを指すことができる。
【0033】
図2を参照すると、複数の圧縮機32A~Cと、建物35内の屋外または換気された室内に配置された凝縮器34とを備える、建物35(例えば、スーパーマーケットなどの商業ビル)のラック冷却システム30が示されている。複数の電子膨張弁または熱膨張弁36A~D(以下、「膨張弁36A~D」)および複数の蒸発器38A~Dは、建物35の内側(すなわち、建物35の内側または屋内側I)に配置される。
【0034】
第1の遮断弁40は、建物35の屋外側O(すなわち、屋外)で、凝縮器34と複数の蒸発器38A~Dとの間に配置されている。複数の第2の遮断弁42A~Dは、冷却システム30の屋内セクションI内の凝縮器34と膨張弁36A~Dとの間に配置されてもよい。電子膨張弁36A~Dが使用され、適切に封止することができる場合、複数の第2の遮断弁42A~Dは省略されてもよく、膨張弁36A~Dが遮断弁42A~Dとして使用されてもよい。
【0035】
複数の第3の遮断弁44A~Dは、屋内セクションI内など、複数の蒸発器38A~Dと圧縮機32A~Cとの間にそれぞれ配置される。第4の遮断弁46は、建物35の外側かつ複数の圧縮機32A~Cの上流に配置することができる。3つの圧縮機の例が提供されているが、より多いまたはより少ない数の圧縮機が使用されてもよい。第5の遮断弁47は、複数の圧縮機32と凝縮器34との間に配置することができる。1つの凝縮器34の例を提供したが、複数の凝縮器を並列に接続してもよい。
【0036】
複数の漏れセンサ48A~Dは、複数の蒸発器38A~Dの各々に近接して、例えば蒸発器38A~Dのそれぞれの中間点に配置することができる。蒸発器38A~Dは、冷却システム30の最下点に(すなわち、冷却システム30の他の構成要素よりも低く)配置することができる。A2L冷媒は空気よりも重い可能性があるため、蒸発器38A~Dに近接して漏れセンサ48A~Dを配置することにより、屋内セクションIの漏れの存在を検出する可能性を高めることができる。
【0037】
漏れセンサ48A~Dは、例えば、赤外線漏れセンサ、光漏れセンサ、化学漏れセンサ、熱伝導漏れセンサ、音響漏れセンサ、超音波漏れセンサ、または別の適切なタイプの漏れセンサとすることができる。制御モジュール49は、遮断弁、圧縮機32A~C、および漏れセンサ48A~Dと通信するように設けられている。漏れが複数の蒸発器38A~Dのうちの1つで検出された場合、制御モジュール49は、蒸発器38A~Dのうちのその1つの関連する遮断弁42A~D、44A~D、または電子膨張弁36A~Dを閉じることができる。これにより、漏れを有する蒸発器38A~Dのうちの1つを遮断することができ、その結果、冷媒が冷却システムから逃げるのを防止しながら、冷却システムの残りの蒸発器38A~Dが破壊することなく機能し続けることができる。
【0038】
制御モジュール49は、冷却システムが停止しているときまたはメンテナンス中などに、追加の遮断弁40、46を閉じて、屋内冷却セクションを屋外冷却セクションから遮断することができる。
【0039】
複数の圧縮機32A~Cは、油分離器を備えることができ、液体レシーバは、凝縮器34の下流に設けることができる。蒸発器38A~Dの各々は、所定の低温(例えば、冷凍食品用)または所定の中温(例えば、冷蔵食品)の冷却室に関連付けることができる。
【0040】
図3を参照すると、複数の屋外圧縮機62A~Bを備える(例えば、中温)凝縮ユニット61と、建物65(例えば、スーパーマーケットまたは別のタイプの商業ビル)の外側に配置された凝縮器64とを備える冷却システム60(例えば、マイクロブースタ冷却システム)が示されている。建物65の内側(すなわち、屋内)には、複数の膨張弁66A~Bおよび複数の蒸発器68A~Bが配置されている。
【0041】
追加の圧縮機ユニット62Cは、蒸発器68Bと接続して建物65の内側に含まれてもよい。蒸発器68Bは、低温(冷凍食品)の冷却室に関連付けられてもよく、蒸発器68Aは、より高い(例えば、中間)温度(例えば、冷蔵食品)の冷却室に関連付けられてもよい。
【0042】
第1の遮断弁70は、凝縮器64と複数の蒸発器68A~Bとの間(例えば、建物65の屋外側O)に配置されている。複数の第2の遮断弁72A~Bは、冷却システム60の屋内セクションI内など、凝縮器64と膨張弁66A~Bとの間に配置されてもよい。封止するように実装および構成された電子膨張弁66A~Bの場合、複数の第2の遮断弁72A~Bは省略されてもよく、電子膨張弁66Aが遮断弁として機能してもよい。
【0043】
複数の第3の遮断弁74A~Bは、複数の蒸発器78A~Bの下流で、蒸発器78A~Bと圧縮機62A~Bとの間にそれぞれ配置される。第4の遮断弁76は、建物65の内側または外側など、複数の圧縮機62A~Bの上流に実装することができる。第5の遮断弁77は、低温圧縮機(複数可)62Cと圧縮機62A~Bとの間に配置することができる。
【0044】
複数の漏れセンサ78A~Bは、複数の蒸発器68A~Bのそれぞれの近くに配置することができる。蒸発器68A~Bは、冷却システム60の最下点に配置されてもよい。A2L冷媒は空気よりも重い可能性があるため、蒸発器68A~Bに近接して漏れセンサ78A~Bを配置することにより、屋内環境I内の漏れたA2L冷媒の存在を検出する可能性を高めることができる。
【0045】
漏れセンサ78A~Bは、赤外線漏れセンサ、光漏れセンサ、化学漏れセンサ、熱伝導漏れセンサ、音響漏れセンサ、超音波漏れセンサ、または別の適切なタイプの漏れセンサであってもよい。漏れが複数の蒸発器68A~Bのうちの1つで検出された場合、制御モジュールは、関連する遮断弁72A~B、74A~Bまたは電子膨張弁66A~Bを閉じて、漏れていると判定された蒸発器68A~Bのうちの1つを遮断することができる。これにより、残りの蒸発器(複数可)を破壊することなく機能させ続けることができる。
【0046】
複数の屋外圧縮機62A~Bは、油遮断器を含むことができ、凝縮器64の下流に受液器を含むことができる。蒸発器68Aは、(例えば、中温)冷却室と関連付けることができる。蒸発器68Bは、(例えば、低温)冷却室と関連付けることができる。
【0047】
制御モジュール90は、遮断弁、圧縮機、および漏れセンサと通信する。制御モジュール90は、屋内セクションIを冷却システム60の屋外セクションOから遮断するように、遮断弁70、76を制御することができる。遮断弁77が圧縮機62Cの下流にあるため、遮断弁74Bは省略されてもよい。
【0048】
制御モジュール90は、屋内および屋外セクションの各々に閉じ込められた冷媒の量に応じて、漏れの可能性を最小限に抑えるように遮断弁76および77を制御することができる。凝縮ユニット61からの冷媒漏れを検出するなどのために、追加の屋外漏れセンサ84を含めることができる。
【0049】
図5A~
図5Bは、遮断弁(複数可)および圧縮機動作を制御する例示的な方法を示すフローチャートである。本明細書で説明される制御は、制御モジュールまたは制御モジュールの1つまたは複数のサブモジュールによって実行されてもよい。
【0050】
S100で制御が開始され、S101に進み、そこで漏れが検出されたかどうかを制御が判定する。本明細書で説明するように、制御モジュールは、1つまたは複数の漏れセンサ、圧力センサ、および/または温度センサからの入力に基づいて漏れを検出することができる。例えば、制御モジュールは、システム内の冷媒の量を計算し、冷媒の量が少なくとも所定量より減少した場合に漏れが存在すると判定することができる。漏れが存在するかどうかを判定する他の方法が本明細書で論じられる。
【0051】
S101で漏れが検出されない場合、制御はS102に進み、そこで制御モジュールは圧送タイマをリセットする。アルゴリズムはS103に進み、そこで制御モジュールは緩和装置をオフにする。例えば、制御モジュールは、蒸発器(複数可)にわたって空気を吹き付ける送風機など、建物内の屋内ファン/送風機をオフにすることができる。ファン/送風機の例が提供されているが、漏れを緩和するように構成された1つまたは複数の他のデバイスは、追加的または代替的にオフにされてもよい。S101で漏れが検出された場合、制御は110に移行するが、これについては以下でさらに説明する。
【0052】
S104で、制御モジュールは、建物のサーモスタットなどから圧縮機動作の要求が受信されたかどうかを判定する。S104が真である場合、制御はS105に続く。S104が偽である場合、制御はS123に移行するが、これについては以下でさらに説明する。
【0053】
S105で、制御モジュールは、圧縮機がオンであるかどうかを判定する。S105で圧縮機がオンの場合、S100に戻る。S104で圧縮機がオフの場合、S106に続く。S106で、制御モジュールは、1つ、2つ以上、またはすべての遮断弁を開く。S107で、制御モジュールは、圧縮機が最後にオフにされてから所定の圧縮機電力遅延期間が経過したかどうかを判定する。制御モジュールは、圧縮機電力遅延カウンタが所定の値(所定の圧縮機遅延期間に対応する)よりも大きい場合に、所定の圧縮機電力遅延期間が経過したと判定することができる。カウンタの例が提供されているが、タイマが使用されてもよく、タイマの期間は所定の圧縮機電力遅延期間と比較されてもよい。S107で所定の圧縮機電力遅延が経過していない場合、制御モジュールは、S108で圧縮機電力遅延カウンタを(例えば、1)インクリメントし、制御はS101に戻る。S107で所定の圧縮機電力遅延が経過した場合、制御モジュールはS109で圧縮機をオンにし、制御はS100に戻る。
【0054】
上述したように、S101として漏れが検出された場合、制御はS110に続く。S110で、制御モジュールは、圧縮機電力遅延カウンタを(例えば、0に)リセットする。カウンタをインクリメントし、カウンタを0にリセットする例が提供されているが、制御モジュールは、代替的に、カウンタを(例えば、1)デクリメントし、カウンタを所定の値にリセットし、カウンタ値を0と比較することができる。S111で、制御モジュールは、緩和装置(複数可)をオンにする。例えば、制御モジュールは、建物内のファン/送風機をオンにすることができる。制御はS112に続く(
図5B)。
【0055】
S112で、制御モジュールは、漏れが存在するという1つまたは複数のインジケータを生成する。例えば、制御モジュールは、視覚的インジケータ(例えば、1つまたは複数のライトまたは別のタイプの発光デバイス)を起動し、ディスプレイなどにメッセージを表示することができる。ディスプレイは、例えば、制御モジュール上のディスプレイまたは別のデバイス(例えば、サーモスタット)であってもよい。追加的または代替的に、制御モジュールは、1つまたは複数のスピーカを介して可聴インジケータを出力することができる。
【0056】
S113で、制御モジュールは、冷却システムを圧送すべきかどうかを判定する。所定の圧送要件(例えば、所定の圧送期間)は、例えば、建物内の冷却システムの所定の容積に基づいて設定することができ、設置時に設定され、0より大きい。あるいは、所定の圧送要件は、例えば、本明細書で説明するような屋内充填計算に基づいて、制御モジュールによって決定することができる。S113で、圧送が必要でないと判定された場合、制御はS114に進み、そこで制御モジュールは遮断弁を閉じる。制御モジュールは、S115で圧縮機をオフにし、制御はS100に戻る。
【0057】
S113で、制御モジュールが冷却システムを圧送すると判定した場合、制御はS116に続く。S116で、制御モジュールは、冷却システムを圧送すると判定されてから所定の圧送期間が経過したかどうかを判定する。制御モジュールは、圧送タイマが所定の圧送期間よりも大きい場合に、所定の圧送期間が経過したと判定することができる。なお、タイマの例を示したが、カウンタを用いて、カウンタ値と所定の圧送期間に対応する所定値とを比較してもよい。S116で所定の圧縮機圧送時間が経過していない場合には、S117で制御を継続する。S116で所定の圧送期間が経過していた場合、制御はS121に移行するが、これについては以下でさらに説明する。
【0058】
S117で、制御モジュールは、吸込ライン(例えば、
図1A~
図1Cの20、
図2の44A~Cおよび/または46など)に実装された1つまたは複数の遮断弁を開く(または開いたままにする)。吸引ラインに実装された遮断弁は、1つまたは複数の凝縮器の出力と1つまたは複数の圧縮機の入力との間に配置される。S118で、制御モジュールは、液体ライン(例えば、
図1A~
図1Cの22、
図2の42A~Dおよび/または40など)に実装された1つまたは複数の遮断弁を閉じる(または閉じたままにする)。液体ラインに実装された遮断弁は、1つまたは複数の圧縮機の出力と1つまたは複数の蒸発器の入力との間に配置される。S119で、制御モジュールは圧縮機(複数可)をオンにする。次いで、圧縮機(複数可)は、冷却システムの屋内セクションから冷媒を引き出し、建物の外側の冷却システムの屋外セクションに冷媒を閉じ込める。制御モジュールは、S120で圧送タイマをインクリメントし、制御はS116に戻る。
【0059】
S121で、所定の圧送期間が経過したとき、制御モジュールは、遮断弁を閉じる(例えば、吸込ラインに実装されたものを含む)。S122で、制御モジュールは、圧縮機をオフにする。制御はS100に戻る。
【0060】
S104に戻り、圧縮機の動作の要求が受信されていないと制御モジュールが判定した場合、制御はS123に続く。S123で、制御モジュールは、圧縮機がオンであるかどうかを判定する。S123が真である場合、制御はS124に続く。S124で、制御モジュールは、(例えば、すべての)遮断弁を閉じるか、または閉じたままにする。S125で、制御モジュールは、圧縮機(複数可)をオフにするか、またはオフのままにする。S126で、制御モジュールは圧縮機遅延カウンタを(例えば、0に)リセットし、制御はS100に戻る。
【0061】
圧送動作により、潜在的に占有された空間(屋内、建物内)内の冷媒は、圧縮機が停止する前の液側遮断弁(複数可)の閉鎖および圧縮機(複数可)が停止したときの蒸気ライン遮断弁(複数可)の閉鎖と共に圧縮機圧送を使用することによって、圧縮機の非動作時間中に最小化される。判定プロセスは、より大きな漏れを防ぐための早期漏れインジケータの評価、または長いオフ期間の可能性を示すための動作の頻度を含むことができる。
【0062】
図6を参照すると、例示的な冷却システム10A(例えば、空調システム)の機能ブロック図が示されている。遮断弁ならびに圧力および温度センサが
図6に含まれている。
【0063】
システム10Aは、建物15の外側(すなわち、屋外)に配置された圧縮機12および凝縮器14を備えるように示されている。建物15の内側(すなわち、屋内)には、膨張弁16および蒸発器18が配置されている。
【0064】
第1の遮断弁20は、例えば建物15の外側に配置されており、蒸発器18と圧縮機12との間(吸込ライン内)に配置されている。第2の遮断弁22は、例えば建物15の外側に配置されており、凝縮器14と膨張弁16との間(液体ライン内)に配置されている。
【0065】
ファンまたは送風機100(緩和装置)が蒸発器18に隣接して設けられ、第1の制御モジュール102によって制御される。第2の制御モジュール104は、蒸発器18と圧縮機12との間に配置された第1の温度センサ106および第1の圧力センサ108と、凝縮器14と膨張弁16との間に配置された第2の温度センサ110および第2の圧力センサ112とからの計測値に基づいて、屋内および屋外の冷媒充填量を算出する。屋内および屋外の充填量は、HVACシステムがオンの間、より具体的には圧縮機12がオンの時に算出されてもよい。屋内および屋外の冷媒充填量は、それぞれ冷却システムの屋内および屋外における冷媒の量(例えば、質量または重量)である。第2の制御モジュール104は、例えば、温度および圧力センサからの測定値を屋内充填量に関連付ける1つまたは複数の方程式またはルックアップテーブルを使用して、屋内充填量を計算してもよい。第2の制御モジュール104は、例えば、温度および圧力センサからの測定値を屋外充填量に関連付ける1つまたは複数の方程式またはルックアップテーブルを使用して、屋外充填量を計算してもよい。
【0066】
第2の制御モジュール104は、屋内および屋外の冷媒充填量に基づいて、全体の(または総)冷媒充填量を決定してもよい。第2の制御モジュール104は、例えば、屋内および屋外の充填量を全体の充填量に関連付ける1つまたは複数の方程式またはルックアップテーブルを用いて、全体の充填量を計算してもよい。例えば、第2の制御モジュール104は、屋内充填量+屋外充填量に基づいて、またはそれに等しい全体充填量を設定してもよい。
【0067】
全体充填量が所定の(例えば、初期)量の冷媒から少なくとも所定量だけ減少する場合、第2の制御モジュール104は、漏れが存在すると判定してもよい。第2の制御モジュール104は、全体の充填量が少なくとも所定量減少していない場合、漏れがないと判定してもよい。所定量は、較正されてもよく、0より大きくてもよい。
【0068】
漏れが検出された場合、第2の制御モジュール104は、圧送ルーチンを実行する。第2の制御モジュール104は、第2の遮断弁22を閉じ、第1の遮断弁20を開き、圧縮機12をオンにしてシステム10の屋内側Iから屋外側Oに冷媒を圧送する。第2の制御モジュール104は後に、例えば所定の圧送期間が経過したときに、システムの屋外セクションOをシステムの屋内セクションIから遮断するために、第1の遮断弁20を閉じ、圧縮機をオフにする。第2の制御モジュール104は、漏れが検出された場合にファン100をオンにするように第1の制御モジュール102を促す。第2の制御モジュール104はまた、漏れが検出された場合、第1の制御モジュール102またはそれ自体に、1つまたは複数の他の緩和装置をオンにするように促してもよい。これは、漏れた冷媒を放散または低減するのに役立ち得る。
【0069】
第2の制御モジュール104は、例えば、冷却システムの屋外セクションおよび屋内セクションの少なくとも一方の圧力低下を検出することにより、漏れの有無を判定してもよい。遮断弁20、22、圧縮機12、または膨張弁16が、潜在的に占有されている空間内の屋内セクション内の冷媒充填を制御するために使用される場合、第2の制御モジュール104は、漏れが検出された場合に冷媒漏れを希釈するためにファン100を作動させることができる。
【0070】
図4を参照すると、建物内の1つまたは複数の蒸発器にわたって空気を吹き付けるファン(例えば、ファン100)を制御する例示的な方法を示すフローチャートが提供される。(例えば、
図6に示すような)屋内ファン100は、ファーネスファンなどの家庭用ファンであってもよいし、浴室ファン、フードベントファンなどの軽減ファンであってもよい。制御はS1で開始する。S2で、制御モジュールは、関連する冷却システム(その圧縮機)が直近の所定の期間(例えば、直近の24時間)内にオンにされたかどうかを判定する。過去の所定の期間に冷却システムがオンに(運転)されていれば、S3の制御が継続される。そうでない場合、制御はS6に移行するが、これについては以下でさらに説明する。
【0071】
S3で、制御モジュールは、建物内の温度を設定点温度に向けて調整するために冷却システムをオンにする(例えば、遮断弁を開き、圧縮機をオンにする)。設定点温度は、建物内のサーモスタットを介して選択することができる。S4で、制御モジュールは、温度が設定点温度にあるかどうかを判定する。S4が真である場合、制御モジュールは、S5で冷却システムをオフにし(例えば、圧縮機をオフにし、遮断弁を閉じる)、制御はS1に戻る。S4が偽である場合、制御はS3に戻り、冷却システムの運転を継続する。
【0072】
S6(最後の所定の期間内に冷却システムが作動しなかった場合)で、制御モジュールは、屋内ファンを所定の期間、例えば3分または別の適切な所定の期間オンにする。S7で、制御モジュールは、冷却システムを所定の期間(例えば、3分)オンにする(例えば、遮断弁を開き、圧縮機をオンにする)。
【0073】
S8で、制御モジュールは、屋内および屋外の冷媒充填量を決定する。制御モジュールは、(例えば、
図6、
図7、および
図12で説明したような)温度および/または圧力センサを使用して、温度および/または圧力に基づいて、屋内および屋外の冷媒充填量を決定することができる。これは、本明細書でさらに説明するように、制御モジュールが、熱交換器(蒸発器(複数可)および凝縮器(複数可))内の液体、蒸気、および2相冷媒が占める密度および体積を(例えば、リアルタイムで)決定して、所定の体積の冷却システムならびに測定された温度および圧力を使用して、屋内および屋外セクション内の冷媒量を(例えば、リアルタイムで)計算することを含むことができる。
【0074】
S9で、制御モジュールは、所定の(例えば、以前に記憶されている)充填量に対する屋内および屋外の冷媒充填量に基づいて、冷却システムに漏れが存在するかどうかを判定する。例えば、制御モジュールは、屋内冷媒充填量が所定の屋内充填量未満および屋外冷媒充填量が所定の屋外充填量未満の少なくとも1つである場合に、漏れがあると判定してもよい。S9で漏れが検出されない場合、制御はS4に移行することができる。S9で漏れが検出された場合、制御はS10に進み、そこで制御モジュールは圧縮機をオフにする。制御はS11に進み、制御モジュールは、建物の内側に漏れた冷媒を放散させるなどのために、屋内ファンをオンに維持する。S12で、制御モジュールは、圧縮機電力遅延カウンタを(例えば、0に)リセットし、制御はS1に戻る。
【0075】
制御モジュールは、蒸発器および凝縮器の体積、設計中の蒸発器および凝縮器の対数平均温度差、空気側の温度分割、蒸発器および/または凝縮器にわたる冷媒エンタルピー変化、ならびに蒸発器および凝縮器の2つの相、蒸気、および液体の間の全体的な熱伝達係数の比のうちの少なくとも1つなどの物理的および性能特性に基づいて、屋内および屋外の充填を計算することができ、これらはシステムの物理的設計から提供されるか、または設置および初期動作で観察される。これらの特性は、屋内および屋外の充填を決定するために使用される方程式および/またはルックアップテーブルへの入力であってもよく、あるいは方程式および/またはルックアップテーブルの較正中に考慮されてもよい。制御モジュールは、冷却システムがオンである間に屋内および屋外の充填を計算することができる。測定値は、冷却システムの温度センサおよび圧力センサによって検出される液体ライン温度、吸込ライン温度、屋外周囲温度、蒸発器温度、吸込圧力、凝縮器温度液圧、凝縮器圧力、および吐出圧力のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0076】
制御モジュールは、例えば、蒸発器の充填量および液体ラインの充填量の計算に基づいて、冷却システムの屋内充填量を決定することができる。制御モジュールは、例えば上述のような圧送動作を実行することによって、屋内の総容積および液体ライン容積を決定することができる。屋内充填を計算することにより、制御モジュールは、屋内充填量を能動的に制御し、屋内充填量を所定量(M1)未満に維持することができる。
【0077】
屋内充填の計算は、システム容量に応じてシステム効率のための冷媒充填バランスの最適化を可能にする。これは、圧縮機(複数可)の容量を制御する制御モジュールをさらに含むことができる。システムの総充填を計算することにより、冷媒漏れの検出および定量化が可能になり、警報、屋内空間の遮断、および漏れの緩和が可能になる。システムの総充填の計算はまた、総冷媒排出の計算を可能にする。
【0078】
充填計算は、凝縮ユニット製造業者データを含む固定データを含む様々なデータに基づくことができ、以下のように実行することができる。
【0079】
V displacement●圧縮機変位量(例えば、立方インチ/分);
Vcondensing unit●相手先商標製造会社(OEM)モデル形状からの遮断弁間の凝縮ユニットの内部容積;
ΔTlog mean,evap 2Φ,design/(hevap sat-hevap inlet)design●設計に基づく蒸発器2相セクションのlog平均温度差およびエンタルピー変化の標準比;
ΔTlog mean、evap vap,design/(hevap outlet-hevap sat)design●設計に基づく蒸発器蒸気セクションのlog平均温度差およびエンタルピー変化の標準比;および
Uratio=Uevap 2Φ/Uevap vap●蒸気セクションの全体的な熱伝達係数を有する2相セクション比の全体的な熱伝達係数の標準値。
【0080】
充填計算は、以下のように可変測定データにさらに基づくことができる。
Tsuction●蒸気供給弁と蒸気遮断弁との間(またはライン内に1つの弁のみの場合は蒸気供給弁と蒸発器との間)の冷媒の温度;
Tliquid●凝縮器と液体遮断弁(または遮断弁がない場合は液体供給弁)との間の冷媒の温度;
Psuction●蒸気供給弁と蒸気遮断弁との間(またはライン内に1つの弁のみが実装されている場合は蒸気供給弁と蒸発器との間)の冷媒の圧力;および
Pliquid●凝縮器と液体遮断弁(または遮断弁がない場合は液体供給弁)との間の冷媒の圧力。
【0081】
充填計算データは、以下を含む第1のデータサブセットを含んでもよい。
Vindoor●ポンプダウン中(または設置時など遮断のないときに入った)の圧力低下率によって計算することができる液体遮断弁と蒸発器、液体ライン、および吸引ラインを含む圧縮機との間の内部容積;
Tdischarge●測定された吸入条件、測定された液圧、および圧縮プロセスの所定の等エントロピー効率(例えば、60~75%の範囲内)を使用して、冷媒特性データの回帰モデルから推定されるような、冷媒の吐出温度;
Tliquid、vliquid、hliquid●液温を用いた冷媒特性データの回帰モデルから推定されるような、凝縮ユニットを出る液体冷媒の温度、比容積、エンタルピー;
Tevap inlet、vevap inlet、hevap inlet●液温と吸入圧力を用いた冷媒特性データの回帰モデルから推定されるような、蒸発器に入る冷媒の温度、比容積、エンタルピー;
Tevap sat、vevap sat、hevap sat●吸入圧力を使用した冷媒特性データの回帰モデルから推定されるような、蒸発器(複数可)内の飽和蒸気冷媒の温度、比容積、およびエンタルピー;および
Tevap outlet、vevap outlet、hevap outlet、ρevap outlet●吸引温度および圧力を使用した冷媒特性データの回帰モデルから推定されるような、蒸発器(複数可)から出る冷媒の温度、比容積、エンタルピー、および密度。
【0082】
充填計算データは、以下を含む第2のデータサブセットを含んでもよい。
vdischarge、hdischarge●吐出温度および液圧を用いた回帰モデルから推定されるような、凝縮ユニットに入る冷媒蒸気の比容積およびエンタルピー;
Tcond sat vap、vcond sat vap、hcond sat vap●液圧を用いた回帰モデルから推定されるような、凝縮器(複数可)内の飽和蒸気冷媒の温度、比容積、およびエンタルピー;
Tcond sat liq、vcond sat liq、hcond sat liq●液圧を用いた回帰モデルから推定されるような、凝縮器内の飽和蒸気冷媒の温度比体積およびエンタルピー;
Uevap vap●2相セクションとの比でのみ使用されるなど、蒸発器の蒸気のみのセクションにおける全体的な熱伝達係数;
Uevap 2Φ●蒸気のみのセクションとの比でのみ使用されるなど、蒸発器の2相セクションにおける全体的な熱伝達係数;
Vliquid●遮断弁と膨張弁との間の液体ラインの内部容積;および
Vevaporator●蒸発器および吸引ラインの内部容積。
【0083】
圧送コミッショニング計算は、例えば、圧送中に除去された冷媒の総量、ならびに液体冷媒が除去された後のポンプダウン中の圧力および密度の変化率に基づいて、屋内システムの総容積および液体ラインの容積を計算する制御モジュールを含む。圧力および密度の変化の蒸気ポンプダウン速度の使用は、総容積を推定するために制御モジュールによって使用され得る。これは、以下の式によって説明することができる。
【0084】
総圧送充填質量=Σ(ρevap outlet・V displacement・Δt measurement)、
圧送の全期間中に;
Vindoor=Σ[(V displacement・ρevap outlet・Δt measurement)/(ρevap outlet、以前の測定-ρevap outlet)];吸引圧力の(例えば、鋭い)変化によって観察されるように、すべての液体が除去された後の時間内;および
総圧送充填質量=
Vliquid/vliquid+2・%A 2Φ・V evaporator/(vevap,in+vevap,sat)+2%A vapV evaporator(vevap,sat+vevap outlet)
圧送の前の冷却システムの運転サイクルの終わりからのデータを使用して上記の3つの方程式のバランスをとることは、第1および第2の方程式からのポンプ出力計算を用いて第3の結合方程式をポピュレートするために使用され得る。上記の3つの式により、VliquidおよびV evaporatorは、制御モジュールによって解くことができる。作動している遮断弁がない場合、VliquidおよびV evaporatorは、設置業者によって推定され、記憶されてもよい。
【0085】
屋内充填の動作計算は、以下のような蒸気熱伝達を遮断する標準方程式を使用することができる。
【0086】
Qevap vap=mevap outlet(hevap outlet-hevap sat);および
Qevap 2Φ=mevap outlet(hevap sat-hevap inlet)。
【0087】
圧縮機質量流量の方程式は以下の通りである。
mevap outlet=V displacement・ρevap outlet。
【0088】
本開示は、OEMからの設計条件データを使用して、制御モジュールによって2相熱伝達および蒸気を過熱するために使用される蒸発器の熱伝達面積の割合(%A)を計算することを可能にする。上記の式は、いくつかの比率が毎日の動作とOEM設計条件との間で一貫しているという仮定を用いた熱力学的物理計算に基づくことができる。
【0089】
領域による熱伝達は、以下のように計算することができる。
Qevap vap=Uevap vap・%Avap・Atot・ΔTlog mean,vap;
Qevap 2Φ=Uevap 2Φ・%Aevap 2Φ・Atot・ΔTlog mean,evap 2Φ;
蒸気および2相の面積パーセントは、以下のように計算することができる。
【0090】
%Avap=mevap outlet(hevap outlet-hevap sat)/(Uevap vap・Atot・ΔTlog mean,vap);
%Aevap 2Φ=mevap outlet(hevap sat-hevap inlet)/(Uevap 2Φ・Atot・ΔTlog mean,evap 2Φ);
蒸気および2相の面積パーセントの比は、以下のように計算することができる。
【0091】
%Avap/%Aevap 2Φ=(hevap outlet-hevap sat)・Uevap 2Φ・ΔTlog mean,evap 2Φ/[(hevap sat-hevap inlet)・Uevap vap・ΔTlog mean,vap];
%Avap+%Aevap 2Φ=1。
【0092】
各領域の対数平均温度差は、以下のように計算することができる。
ΔTlog mean,evap 2Φ=[ΔTlog mean,evap 2Φ,design/(hevap sat-hevap inlet)design]・(hevap sat-hevap inlet);および
ΔTlog mean、evap vap=[ΔTlog mean、evap vap,design/(hevap outlet-hevap sat)design]・(hevap outlet-hevap sat)。
【0093】
本明細書に記載の計算は、制御モジュールによって計算することができる。屋内の総充填の計算は、冷媒の比容積の特性を使用して完了することができる。比容積は、各相領域内のエンタルピーにほぼ線形に関連してもよく、相領域の入口および出口が相領域の信頼できる平均比容積を計算することを可能にする。これを、2相熱伝達および蒸気過熱に使用される蒸発器の熱伝達面積の割合の計算と組み合わせることによって、蒸発器冷媒質量が制御モジュールによって計算される。膨張装置の上流の既知の液体密度および液体ライン容積を用いて、液体ライン冷媒質量は、以下の式に従って、屋内冷媒充填量(例えば、質量)を推定するために組み合わせ用制御モジュールによって計算することができる。
【0094】
屋内冷媒充填質量=液体ライン冷媒質量+蒸発器冷媒質量;
ここで、
液体ライン冷媒質量=Vliquid/vliquid;および
蒸発器冷媒質量=2・%A 2Φ・V evaporator/(vevap,in+vevap,sat)+2・%A vap・V evaporator(vevap,sat+vevap outlet)。
【0095】
総質量(Mindoor+Moutdoor)の変化を観察するために、凝縮器または屋外側(Moutdoor)の量(例えば、質量m)を決定するために、制御モジュールによって同様の計算を実行することができる。制御モジュールは、総質量の変化に基づいて漏れが存在するかどうかを判定することができる。追加的または代替的に、屋外側の量は、システムに漏れがあるときを判定するために制御モジュールによって使用されてもよい。アキュムレータまたはレシーバのような充填リザーバがない場合、計算において4オンス未満の充填除去が観察され得る。
【0096】
計算された屋内充填は、実行中に、屋内充填量が冷媒濃度限界(RCP)によって決定される所定の(M1)量未満に維持されていることを検証するために制御モジュールによって使用されてもよい。RCP限界は、A2L冷媒および他の可燃性冷媒の可燃限界下限の25%であってもよい。オンサイクル終了時の(例えば、総)充填量は、充填遮断弁を用いてオフサイクルを通して一定に保持される。
【0097】
要約すると、制御モジュールは、占有された建物内で(例えば、屋内)充填量を所定量(M1)未満に維持するように遮断弁を制御することができる。システム内の冷媒の量を決定するための他の方法、例えば、システムの設置、試運転、連続試運転、サービス契約監視、およびサービスに基づく方法を使用することができる。屋内充填量Mindoor(すなわち質量)は、所定量(M1)あるいは1つまたは複数の規制に従って許容される別の適切な量を下回ることを確認することができる。
【0098】
蒸気圧縮システムの冷媒は、R-410A、R-32、R-454B、R-444A、R-404A、R-454A、R-454C、R-448A、R-449A、R-134a、R-1234yf、R-1234ze、R-1233zd、または他のタイプの冷媒などの冷媒とすることができる。占有された密度および容積を決定するために使用される冷媒の特性は、測定値および冷媒の特性に基づいて制御モジュールによって計算することができる。
【0099】
蒸発器および凝縮器(熱交換器)は、フィン付き管、同心、ろう付けプレート、プレートおよびフレーム、マイクロチャネル、または(例えば、一定の)内部容積を有する他の熱交換器を含むことができる。上述したように、単一の蒸発器および凝縮器、または複数の並列蒸発器または凝縮器が存在してもよい。冷媒の流れは、毛細管、サーモスタット膨張弁、電気膨張弁、または他の方法を介して制御することができる。
【0100】
図4に関して上述したように、冷媒の量は、
図6に示すような圧力センサおよび温度センサからの測定値に基づいて制御モジュールによって決定することができる。
図6は、計算された冷媒充填量に基づいて、冷却システムの屋外構成要素内の冷媒充填を遮断するように遮断弁を制御する方法を提供する。ある種の遮断制御は、専用の遮断弁、ポジティブシート圧縮機、吸引チェック弁、およびポジティブシート電子膨張弁のうちの少なくとも1つを含む液体および吸引ラインの両方に存在してもよい。遮断弁制御は、自動的に、またはシステム動作状態の変化および漏れの識別における制御に応答して反応することができる。
【0101】
遮断弁20、22は、屋内充填量が所定量(M1)を超えないことを確実にするなどのために、動作サイクルの終わり(例えば、冷却システムの電源が切られたとき)に制御モジュールによって作動する(例えば、閉じられる)ことができる。遮断弁20、22は、冷却システムの始動時に制御モジュールによって開かれる。これにより、制御モジュールによる圧縮機12の始動が可能になる。冷却システムが停止している間、屋内および屋外セクション間の冷媒充填バランスは、例えば補助熱または冷却を制御することによって制御モジュールによって制御することができる。これにより、動作サイクルの開始時(例えば、冷却システムがオンにされる)に、より短い期間の不安定性および低い(圧縮機)容量を可能にすることができる。これにより、冷却システムの動作(オン/オフ)サイクルによって生じるエネルギー損失を低減することができる。可燃性冷媒の屋内充填は、制御モジュールによって所定量(M1)未満に維持される。
【0102】
図6の例では、制御モジュールは、漏れが検出された場合に遮断弁20、22を閉じて建物の外部の冷媒充填を遮断し、建物内の冷媒の継続的な漏れを防止する。圧縮機が作動しているとき、液体側遮断弁22は、漏れの検出時に吸込側遮断弁が開いたままである間、制御モジュールによって閉じられてもよい。これにより、冷媒を建物の外部に圧送して遮断することができる。制御モジュールは、圧縮機(複数可)を動作させ、例えば、所定の吸込圧力および/または所定の蒸発器温度に達するまで、吸込側遮断弁(複数可)を開いたままにすることができる。これは、所定量(M1)が屋内で達成されたことを示すことができる。制御モジュールは、圧縮機(複数可)をオフに切り替え、すべての遮断弁を閉じることができる。遮断弁20、22は、サイクルの終了に合わせて弁の閉鎖を可能にするために、運転サイクルの終了に先立って順次閉じられる。遮断弁の手動または自動作動は、サービスまたは試運転のためのシステムの遮断を可能にする。様々な実施形態では、遮断弁は、(電子)自動化アクチュエータを後付けした凝縮ユニット弁であってもよい。
【0103】
例えば、容積を確立し、遮断弁20、22の屋内セクションの屋内充填または液体ライン容積を動作させるために、試運転中に制御モジュールによって圧送を実行することができる。容積データは、充填計算式で使用するためなど、将来の参照のために記憶することができる。
【0104】
例えば、実際の試験中に15ポンド(Lbs)8オンス(oz)の冷媒を充填した住宅用HVACシステムに本明細書に記載の圧送技術を使用し、圧送なしのHVACシステムの動作後、HVACシステムの屋内セクションから3ポンド4オンスの冷媒をHVACシステムの屋外セクションにポンプダウンした。15ポンド8オンスの冷媒を充填したHVACシステムにおいて、15秒の圧送でシステムを作動させた後、1ポンド6.2オンスの冷媒がHVACシステムの屋内セクションから圧送された(回収された)。最後に、15ポンド8オンスの冷媒を充填したHVACシステムにおいて、圧送なしでシステムを運転した後、7.2オンスの冷媒のみがHVACシステムの屋内セクションから回収された。
【0105】
図7を参照すると、遮断弁ならびに圧力センサおよび温度センサを備える例示的な冷却システム10Bの機能ブロック図が示されている。
図7に示すように、冷却システムは、圧縮機12と、建物15の外側(すなわち、屋外)に配置された凝縮器14とを備える。建物15の内側(すなわち、屋内)には、膨張弁16および蒸発器18が配置されている。
【0106】
第1の遮断弁20は、例えば、建物の外側で、蒸発器18と圧縮機12との間に配置されている。第2の遮断弁22は、例えば、建物の外側で、凝縮器14と膨張弁16との間に配置されている。
【0107】
ファン100は、蒸発器18に隣接して設けられ、オン時に蒸発器18を横切って空気を吹き付ける。第1の制御モジュール102はファン100の動作を制御する。第2の制御モジュール104は、例えば、蒸発器18と圧縮機12との間に配置された第1の温度センサ106および第1の圧力センサ108と、凝縮器14と膨張弁16との間に配置された第2の温度センサ110とからの測定値に基づいて、屋内および屋外の充填量を算出する。制御モジュールは、冷却システムがオンである間に屋内および屋外の充填量を決定することができる。システム全体の充填量が減少した場合、制御モジュールは、漏れが存在すると判定することができる。制御モジュールは、例えば、屋内および屋外の充填量の合計に基づいて、またはそれに等しい、全体的な(または総)システム充填量を決定することができる。
【0108】
漏れが検出された場合、第2の制御モジュール104は圧送を開始してもよい。これは、第2の制御モジュール104が第2の遮断弁22を閉じて圧縮機12を作動させることを含んでもよい。これにより、冷却システムの屋内側Iから屋外側Oへ冷媒を圧送することができる。第2の制御モジュール104は、圧送が完了したときにシステムの屋外セクションOをシステムの屋内セクションIから遮断するために、第1の遮断弁20を閉じ、圧縮機をオフにしてもよい。第2の制御モジュール104は、第1の制御モジュール102に、建物内の漏れた冷媒を放散/希釈するなどのために、ファン100および/または1つまたは複数の他の緩和装置をオンにするように促すことができる。圧力センサ108は、システム10Bの屋内側からの圧力減衰を検出することによって漏れを検出するために使用することができる。
【0109】
図8を参照すると、冷却システム10Cの例示的な実施態様の機能ブロック図が示されている。冷却システムは、建物15の外側(すなわち、屋外)に圧縮機12および凝縮器14を備えることができる。建物15の内側(すなわち、屋内)には、膨張弁16および蒸発器18が配置されている。
【0110】
第1の遮断弁20は、例えば、建物の内側で、蒸発器18と圧縮機12との間に配置されている。第2の遮断弁22は、例えば、建物の外側で、凝縮器14と膨張弁16との間に配置されている。
【0111】
ファン100は、蒸発器18に隣接して設けられ、第1の制御モジュール102によって制御される。第2の制御モジュール104は、例えば第1の制御モジュール102からの信号に応答して、圧縮機12および遮断弁20、22を制御してもよい。
【0112】
冷媒漏れセンサ120は、屋内ユニットに設けられ、蒸発器18に隣接することができる。冷媒漏れセンサ120は、冷媒漏れの有無を示してもよい。
図8のシステムでは、第1の制御モジュール102は、漏れセンサ120から信号を受信し、漏れが検出された場合、第2の制御モジュール104と通信する。漏れが検出されると、第2の制御モジュール104は圧送シーケンスを開始する。これは、第2の遮断弁22を閉じ、圧縮機12を作動させて建物の内側から建物の外側に冷媒を圧送することを含んでもよい。第2の制御モジュール104は、システムの屋外セクションOをシステムの屋内セクションIから遮断するために圧送が完了すると、第1の遮断弁20を閉じ、圧縮機12をオフにする。
【0113】
第2の制御モジュール104も、漏れた冷媒を放散させる、または任意の発火源の動作を防止/ロックアウトするなどのために、ファン100および/または1つまたは複数の他の緩和装置をオンにするなどのために、第1の制御モジュール102と通信する。遮断弁20、22、圧縮機12、または膨張装置16は、圧縮機の動作時間および圧縮機の非動作時間の両方の間、充填量を所定量(M1)未満に最小化または維持するように、総冷媒充填量を制御する。
【0114】
図9は、漏れセンサ120による冷媒漏れ検出方法の一例を示すフローチャートである。制御はS200から始まる。S202で、制御モジュールは、漏れセンサの測定値が所定値よりも大きいかどうかを判定する。例えば、漏れセンサは、漏れセンサにおける空気中の冷媒の濃度を測定してもよい。濃度(例えば、百万分率または十億分率)が所定の濃度または量以下である場合、制御はS204に続く。様々な実施態様において、較正された量は、所定の値(または設定点、SP)から減算されてもよい。S204で、制御モジュールはカウンタ値を0に設定し、制御はS200に戻る。制御モジュールが、センサからの測定値が所定値よりも大きいかどうかを判定した場合、制御はS206に続く。
【0115】
S206で、制御モジュールはカウンタ値を(例えば、1)インクリメントし、制御はS208に続く。S208で、制御モジュールは、カウンタ値が所定値より大きいかどうかを判定する。S208が真である場合、制御モジュールは、S210で漏れが存在すると判定して示し、制御はS200に戻る。S208が偽である場合、制御モジュールは、s個の漏れが存在しないと判定することができ、制御はS200に戻る。所定値は0より大きく、1より大きくてもよい。カウンタ値を1よりも大きくすることを要求することによって、制御は、複数の連続するセンサ読み取り値について測定値が所定の値よりも大きいことを要求することによって、実際の漏れが存在することを保証する。これにより、漏れに関する迷惑な警告/ロックアウトを回避することができる。
【0116】
図10は、例示的な冷却(例えば、空調)システム10Dの機能ブロック図である。システム10Dは、建物15の外側(すなわち、屋外)に配置された圧縮機12および凝縮器14を含み、建物15の内側(すなわち、屋内)に配置された膨張弁16および蒸発器18を備える。
【0117】
第1の遮断弁20は、例えば、建物15の外側で、蒸発器18と圧縮機12との間に配置されている。第2の遮断弁22は、例えば、建物15の外側で、凝縮器14と膨張弁16との間に配置されている。
【0118】
ファン100は、蒸発器18に隣接して設けられ、第1の制御モジュール102によって制御されてもよい。オンの時、ファン100は、蒸発器1を横切って空気を吹き付ける。第2の制御モジュール104は、圧縮機12および遮断弁20、22を制御することができる。
【0119】
図10の例では、第1の制御モジュール102は、冷却が要求されているかどうかを示すために第2の制御モジュール104と通信する。例えば、第1の制御モジュール102は、冷却が要求される場合に信号を第1の状態に設定し、冷却が要求されない場合に信号を第2の状態に設定してもよい。別個の制御モジュール(第1および第2の制御モジュール)の例が本明細書に記載されているが、様々な実施態様では、複数の制御モジュールは単一の制御モジュール内に統合されてもよい。
【0120】
第2の制御モジュール104は、漏れが検出されたとき、または冷却需要が停止したときなどに、圧送を選択的に実行してもよい。圧送は、第2の制御モジュール104が第2の遮断弁22を閉じ、圧縮機12を所定の期間オンのままにすることを含んでもよい。所定の期間が経過した後、第2の制御モジュール104は、第1の遮断弁20を閉じ、圧縮機12をオフにしてもよい。これにより、システムの屋外セクションO内の冷媒を遮断し、屋内セクションIから冷媒を分離することができる。これにより、圧縮機12のオフ時における屋内セクションIの冷媒量を所定量(M1)未満とすることができる。
【0121】
図11は、例示的な冷却(例えば、空調)システム10Eの機能ブロック図を備える。システム10Eは、建物15の外側(すなわち、屋外)に配置された圧縮機12および凝縮器14を含み、建物15の内側(すなわち、屋内)に配置された膨張弁16および蒸発器18を備えるように示されている。
【0122】
第1の遮断弁20は、例えば、建物15の外側で、蒸発器18と圧縮機12との間に配置されている。第2の遮断弁22は、例えば、建物15の外側で、凝縮器14と膨張弁16との間に配置されている。
【0123】
ファン100は、蒸発器18に隣接して設けられ、第1の制御モジュール102によって制御されてもよい。オンの時、ファン100は、建物15内の空気を冷却するなどのために、蒸発器18を横切って空気を吹き付ける。第2の制御モジュール104は、圧縮機12および遮断弁20、22を制御することができる。
【0124】
第1の制御モジュール102は第2の制御モジュール104と通信し、上述のように冷却が要求されているかどうかを示す。第2の制御モジュール104は、冷却の要求が停止したときなどに、圧送を選択的に実行することができる。これは、第2の制御モジュール104が、第2の遮断弁22を閉じ、冷却の要求が終了した後の所定の期間、圧縮機12をオンのままにすることを含んでもよい。所定の期間が経過すると、第2の制御モジュール104は、圧縮機12をオフにし、第1の遮断弁20を閉じてもよい。これにより、圧縮機12がオフの間、屋内セクションI内の冷媒量が所定量(M1)未満になるように、システムの屋外セクションO内の冷媒を遮断することができる。
【0125】
圧力センサ108は、蒸発器18と第1の遮断弁20との間に配置することができる。追加的または代替的に、圧力センサ(または圧力センサ108)を膨張弁16と遮断弁22との間に配置することができる。
【0126】
圧力センサ108は、システムがオフであるとき(例えば、遮断弁は閉じており、圧縮機12はオフである)、圧力の減衰などのために、屋内セクションIの圧力を測定する。第2の制御モジュール104は、圧力センサ108によって測定された圧力(または圧力の絶対値)が減衰する場合(例えば、少なくとも所定量だけ減少する)、冷媒漏れが存在すると判定して表示してもよい。漏れが検出されると、第2の制御モジュール104は、ファン100をオンにするように第1の制御モジュール102に促してもよい。制御モジュールはまた、建物内の冷媒を放散/希釈するために、1つまたは複数の他の緩和装置をオンにしてもよい。
【0127】
図12は、例示的な冷却(例えば、空調)システム10Fの機能ブロック図である。システム10Fは、建物15の外側(すなわち、屋外)に配置された圧縮機12および凝縮器14を含み、建物15の内側(すなわち、屋内)に配置された膨張弁16および蒸発器18を備えるように示されている。
【0128】
ファン100は、蒸発器18に隣接して設けられ、第1の制御モジュール102によって制御されてもよい。オンの場合、ファン100は、上述のように、蒸発器18を横切って空気を吹き付ける。第2の制御モジュール104は、圧縮機12を制御することができる。第2の制御モジュール104は、蒸発器18と圧縮機12との間に配置された第1の温度センサ106および第1の圧力センサ108からの測定値と、凝縮器14と膨張弁16との間に配置された第2の温度センサ110および第2の圧力センサ112からの測定値とに基づいて、屋内および屋外の充填量を計算してもよい。屋内および屋外の充填レベルの量は、HVACシステムがオンである間(例えば、圧縮機がオンあり、遮断弁(複数可)は開いている)に、圧力センサ108、112および温度センサ106、110の測定値に基づいて計算することができる。第2の制御モジュール104は、例えば、測定された圧力および温度を屋内充填量に関連付ける方程式またはルックアップテーブルを使用して、屋内充填量を決定してもよい。第2の制御モジュール104は、例えば、測定された圧力および温度を屋外充填量に関連付ける方程式またはルックアップテーブルを使用して、屋外充填量を決定してもよい。
【0129】
第2の制御モジュール104は、屋内および屋外の充填量に基づいて総(全体)システム充填量を決定してもよい。第2の制御モジュール104は、例えば、屋内および屋外の充填量を総充填量に関連付ける方程式またはルックアップテーブルを使用して、総充填量を決定してもよい。例えば、第2の制御モジュール104は、屋内充填量+屋外充填量に基づいて、またはそれに等しい総充填量を設定してもよい。
【0130】
総充填量が減少する場合、第2の制御モジュール104は、漏れが存在すると判定して表示してもよい。漏れが検出された場合、第2の制御モジュール104は、圧縮機12をオフにしてもよい。第2の制御モジュール104は、ファン100をオンにするように第1の制御モジュール102に促してもよい。制御モジュールはまた、漏れた冷媒を希釈/放散するために1つまたは複数の他の緩和装置をオンにすることができる。
【0131】
図13は、例示的な冷却(例えば、空調)システム10Gの機能ブロック図である。システム10Gは、建物15の外側(すなわち、屋外)に配置された圧縮機12および凝縮器14を含み、建物15の内側(屋内)に配置された膨張弁16および蒸発器18を備えるように示されている。
【0132】
蒸発器18と圧縮機12との間には、第1の遮断弁20が配置されている。第2の遮断弁22は、例えば、建物の外側で、凝縮器14と膨張弁16との間に配置されている。制御モジュール102は、圧縮機12および遮断弁20、22を制御する。
【0133】
制御モジュール102は、膨張弁16を横切って(すなわち、両端で)測定を行う一対の圧力センサおよび/または一対の温度センサ130A、130Bから信号を受信する。制御モジュール102は、遮断弁20、22および膨張弁16が閉じている間、温度および/または圧力センサ130A、130Bからの測定値を監視して、膨張弁を介した漏れが存在するかどうかを判定する。例えば、制御モジュール102は、(例えば、膨張弁16を横切る)温度および/または圧力が少なくとも所定量変化したときに、膨張弁を通る漏れが存在するかどうかを判定することができる。遮断弁20、22および膨張弁16は閉じられるべきであるため、膨張弁16を通じた漏れは、遮断弁20、22、および16が閉じられている間に、膨張弁にわたる温度差および/またはセンサ130A、130Bによって測定される膨張弁にわたる圧力差が少なくとも所定量だけ変化するときに存在し得る。
【0134】
膨張弁16から漏れた冷媒は、膨張弁16の下流で冷却される。漏れが検出されると、制御モジュール102は、蒸発器18および/または1つもしくは複数の他の緩和装置を横切って空気を吹き付けるファン(例えば、ファン100)をオンにすることができる。制御モジュール102は、任意の発火源をさらにオフまたはロックアウトすることができる。
【0135】
図13の例では、ポジティブシール遮断弁20、22が使用される。漏れが膨張弁16を通っており、遮断弁を通っていないことを検証するために、制御モジュール102は、遮断弁20、22が漏れを有していないことを検証するために、1つまたは複数の診断を実行することができる。圧力センサまたは温度センサ130A、130Bは、非動作期間中に周囲温度または圧力に対する遮断された冷媒の飽和温度または圧力を観察するために設置される。
【0136】
図14を参照すると、例示的な冷却(例えば、空調)システム10Hの機能ブロック図が示されている。システム10Hは、建物15の外側(すなわち、屋外)に配置された圧縮機12および凝縮器14を含み、建物15の内側(すなわち、屋内)に配置された膨張弁16および蒸発器18を備えるように示されている。
【0137】
第1の対の遮断弁20A、20Bは、蒸発器18と圧縮機12との間に配置され、一方は屋外側の遮断弁20Aであり、もう一方は屋内側の遮断弁20Bである。第2の対の冗長遮断弁22A、22Bは、凝縮器14と膨張弁16との間に配置され、一方は屋外側の遮断弁22Aであり、もう一方は屋内側の遮断弁22Bである。
【0138】
制御モジュール102は、圧縮機12および遮断弁20A、20B、22A、22Bを制御する。制御モジュール102は、温度センサ130A、130B、130Cから測定値を受信する。温度センサ130Aは、蒸発器18と遮断弁20Bとの間で、遮断弁20A、20Bの上流に配置(計測)される。温度センサ130Bは、遮断弁20A、20Bの間に配置(および計測)される。温度センサ130Cは、遮断弁20Aと圧縮機12との間で、遮断弁20A、20Bの下流側に配置(計測)される。制御モジュール102も、温度および/または圧力センサ132A、132B、132Cから測定値を受信する。センサ132Aは、凝縮器14と遮断弁22Aとの間で、遮断弁22A、22Bの上流に配置(および測定)される。センサ132Bは、遮断弁22A、22Bの間に配置(および測定)される。センサ132Cは、遮断弁22A、22Bの下流で、遮断弁22Aと蒸発器18との間に配置(測定)される。
【0139】
制御モジュール102は、センサ130A、130B、130C、132A、132B、132Cからの測定値を監視し、遮断弁20、22および膨張弁16はすべて閉じられ、漏れが存在するかどうかを判定する。制御モジュール102は、1つまたは複数の測定値または2つ以上の測定値間の差が少なくとも所定の値だけ変化する場合に、漏れが存在すると判定することができる。そうである場合、制御モジュール102は、漏れが存在すると判定することができる。
【0140】
漏れが検出されると、制御モジュール102は、ファン(例えば、ファン100)および/または1つもしくは複数の他の緩和装置をオンにすることができる。これにより、漏れた冷媒を放散または希釈することができる。冗長遮断弁20Bおよび22Bは、建物の外部の冷媒を遮断するための追加の保護を提供するために使用することができる。
【0141】
本開示の追加の方法によれば、圧送(除去)手順は、冷房シーズンの終わり(例えば、北半球の10月1日などの所定の日時に)に実行することができる。これにより、充填遮断を伴うHVACシステムの屋内コイルに戻る、遮断弁を通る低レベルの漏れが可能になり得る。追加的または代替的に、圧送手順は、冷却システムが所定の日数(例えば、14日間または別の適切な日数)にわたって継続的にオフにされたときに実行することができる。閉鎖時の遮断弁の標準最大漏れ率は、所定の値であってもよい。制御モジュールは、システムが連続的にオフになっている間の最後の圧送からの期間を追跡し、標準最大漏れ率に基づいて、屋内充填量が所定量(M1)を超えないように別の圧送を実行することができる。
【0142】
図15は、上述の制御モジュールのうちの1つまたは複数などの制御モジュール500を含む例示的な制御システムの機能ブロック図である。充填モジュール504は、上述したように、屋内充填量、屋外充填量、および/または総充填量を決定する。充填モジュール504は、上述したように、1つまたは複数のセンサ508からの測定値に基づいて量を決定する。
【0143】
漏れモジュール512は、上述のように、漏れが存在するかどうかを診断する。漏れモジュール512は、上述したように、漏れが存在するかどうかを、1つまたは複数のセンサ508からの測定値、屋内充填量、屋外充填量、および/または総充填量に基づいて判定することができる。警告モジュール516は、漏れが存在する場合に、1つまたは複数のインジケータを生成する。例えば、警告モジュール516は、インジケータを1つまたは複数の外部装置520に送信し、1つまたは複数の視覚インジケータ524(例えば、1つまたは複数のライトをオンにする、1つまたは複数のディスプレイに情報を表示するなど)を生成し、1つまたは複数のスピーカ528などを介して1つまたは複数の可聴インジケータを生成してもよい。
【0144】
遮断モジュール532は、上述したように、冷却システムの遮断弁(複数可)536の開閉を制御する。圧縮機モジュール504は、上述したように、1つまたは複数の圧縮機544の動作(例えば、オン/オフ)を制御する。圧縮機モジュール504はまた、圧縮機544のうちの1つまたは複数の速度、容量などを制御することができる。圧送モジュール548は、上述のような圧送を選択的に実行する。膨張モジュール552は、上述のように、1つまたは複数の膨張弁556の開閉を制御することができる。モジュールは、上述したそれぞれの動作を実行するために通信および協働することができる。例えば、遮断モジュール532、膨張モジュール552、および圧縮機モジュール540は、上述したように遮断弁(複数可)、膨張弁(複数可)、および圧縮機(複数可)を制御して、圧送などの漏れが存在するかどうかを判定することができる。様々な実施態様において、制御モジュール500は、後述する逆転弁などの逆転弁の位置を制御するように構成された逆転モジュール560を備えることができる。
【0145】
本開示はさらに、圧縮機12、膨張装置16、フロー装置、または蒸気圧縮システムの他の構成要素を含むがこれらに限定されない要素の動作を、遮断弁20、22の動作、および漏れを表す充填計算に基づいてサーモスタットまたは他の制御方法を無効にすることができる(すなわち、システムのシャットダウン)冷媒充填の計算に基づいて制御する方法を提供する。
【0146】
本開示はまた、遮断弁シーケンス、圧縮機12、膨張装置16、フロー装置、または蒸気圧縮システムの他の構成要素を含むがこれらに限定されない要素の動作を制御し、センサ入力を処理してシステム冷媒充填量を計算する処理ユニットを提供する。処理ユニットは、ロギング、診断、監視、プログラミング、デバッグ、データベースサービスまたは他のデバイスと通信(送受信)する能力を有する。処理は、凝縮ユニットに対してローカルに、炉ユニットに対してローカルに、HVAC/冷却システム内の他のプロセッサに対してリモートに、および/または他のリモートプロセッサに対して実行することができる。
【0147】
図16は、例示的な冷却システムの機能ブロック図である。冷却システムは、冷却システムによって供給される建物の外側の冷媒を遮断するために使用することができる逆転弁1604を備える。冷媒の流れの方向を変えるために、ヒートポンプシステムに逆転弁を使用することができる。なお、逆転弁1604は、冷媒の流れ方向を変更するためのものではない。代わりに、逆転弁1604を使用して、建物の外部(すなわち、冷却システムの屋外セクション)の冷媒を遮断することができる。
【0148】
上述したように、圧縮機12は、冷媒を凝縮器14に圧送する。ファン1608は、凝縮器14を横切って空気を吹き付ける。凝縮器14の出力は、逆転弁1604の第1の(入力)ポート1612に流体接続されている。また、逆転弁1604は、第2の(出力)ポート1616と、第3の(入力)ポート1620と、第4の(出力)ポート1624とを備える。したがって、逆転弁1604は、2つの入力ポート1616および1620と、2つの出力ポート1616および1624とを備える。逆転弁1604は、建物の外側(すなわち、屋外)に配置されてもよい。逆転弁1604は、電磁弁または別の適切なタイプの弁であってもよい。様々な実施態様では、逆転弁1604は、圧力(例えば、圧縮機12によって出力される冷媒)を加えることなどによって油圧で第2の位置に作動される。
【0149】
(後述するように第1のポート1612または第3のポート1620のいずれかから)受け取った冷媒は、第2のポート1616から膨張弁16に流れる。膨張弁16から蒸発器18に冷媒が流れる。送風機1628は、蒸発器18を横切って空気を吹き付ける。冷媒は、蒸発器18から第3のポート1620へ流れる。(後述するように第1のポート1612または第3のポート1620のいずれかから)受け取った冷媒は、第4のポート1624から圧縮機12に戻るように流れる。
【0150】
制御モジュール500(逆転モジュール560)は、逆転弁1604を作動させる。
図17および
図18は、逆転弁1604の例示的な概略図を含む。
図18は、逆転弁1604が第1の位置にあるときの逆転弁1604を通る冷媒流れの一例を示す。逆転弁1604は、制御モジュール500が逆転弁1604に力を印加していないとき、通常(例えば、機械的に)第1の位置に付勢されてもよい。制御モジュール500は、漏れが存在しない場合、逆転弁1604を第1の位置に維持してもよい。逆転弁1604が第1の位置にあるとき、凝縮器14から出力された冷媒は、逆転弁1604を介して第1のポート1612から第2のポート1616へ流れ、逆転弁1604を介して第3のポート1620から第4のポート1624へ流れる。蒸発器18による冷却は、逆転弁1604が第1の位置にあるときに行われる。
【0151】
図17は、逆転弁1604が第2の位置にあるときの逆転弁1604を通る冷媒流れの一例を示す。逆転弁1604は、逆転弁1604に力を印加することによって、制御モジュール500によって第2の位置に作動させることができる。冷媒漏れが存在する場合(例えば、漏れモジュール512によって診断される)、制御モジュール500は、逆転弁1604を第2の位置に作動させ、逆転弁1604を第2の位置に維持することができる。逆転弁1604が第2の位置にあるとき、凝縮器14から出力された冷媒は、逆転弁1604を介して第1のポート1612から第4のポート1624へ流れ、逆転弁1604を介して第3のポート1620から第2のポート1616へ流れる。したがって、逆転弁1604が第2の位置にあるとき、逆転弁1604は、圧縮機12から蒸発器18への追加の冷媒流れを防止し、建物の外部の冷媒を遮断する。
図16の例は、例えば、制御モジュール500が建物内の冷媒の量を所定量(M1)未満に維持する場合に使用されてもよい。
【0152】
図19は、逆転弁1604が第2の位置にあるときの冷媒流路の一例を示す。図示するように、圧縮機12から出力された冷媒は、建物内および蒸発器18を流れることなく、逆転弁1604を介して圧縮機12に戻る。これにより、建物の外側の冷媒が遮断される。また、逆転弁1604は、建物内の冷媒ループを閉じて密閉する。逆転弁1604が第2の位置にあるときに形成される2つの異なる冷媒ループを示すために、異なる線種が使用される。
【0153】
図20は、逆転弁1604が第1の位置にあるときの冷媒流路の一例を示す。図示のように、冷媒は通常、建物内の冷却を可能にするように流れる。
【0154】
様々な実施形態では、冷却システムはまた、
図21の例に示すような電磁弁2104を備えることができる。
図21は、冷却システムの例示的な実施態様の機能ブロック図である。制御モジュール500(例えば、圧送モジュール548)は、電磁弁2104を作動させる。電磁弁2104は、常開であってもよい。
【0155】
制御モジュール500は、漏れが検出されたときおよび/または1つもしくは複数の他の状況下で、電磁弁2104を閉じる(例えば、電磁弁2104を全閉位置に作動させる)ことができる。制御モジュール500は、逆転弁1604を第1の位置から第2の位置へ作動させる前に漏れが存在する場合に電磁弁2104を閉じることができる。電磁弁2104が閉じられ、逆転弁1604が第1の位置にあり、圧縮機12がオンになっている場合、圧縮機12は、冷媒を建物内から外側に圧送する。電磁弁2104を閉じた後の所定の期間、制御モジュール500は、逆転弁1604を閉じてもよい。制御モジュール500は、逆転弁1604を閉じた後に圧縮機12をオフにすることができる。電磁弁の例が提供されているが、別の適切なタイプの弁が使用されてもよい。
【0156】
一方、
図16~
図21の例では、上述の温度または圧力センサを示しておらず、1つまたは複数の温度センサ、1つまたは複数の圧力センサ、または温度センサと圧力センサとの組み合わせを上述のように実装することができる。また、上述したように、1つまたは複数の遮断弁を使用することができる。さらに、本出願は、複数の圧縮機および凝縮器、ならびに複数の蒸発器にも適用可能である。逆転弁(および電磁弁)は、蒸発器ごとに1つ設けられてもよい。屋内セクション(蒸発器を含む)から漏れが検出された場合、制御モジュール500は、その屋内セクションへの冷媒の流れを防止するために、その逆転弁を第2の位置に作動させることができる。しかしながら、他の逆転弁は、それらの屋内セクション(および蒸発器)を介した冷却を可能にするために第1の位置に残されてもよい。
【0157】
図22は、
図16の例のような、逆転弁1604を制御する例示的な方法を示すフローチャートである。制御モジュール500は、建物内の冷媒の量を所定量(M1)未満に維持することができる。制御は2204から始まり、漏れモジュール512が冷媒漏れが存在するかどうかを判定する。2204が真である場合、制御は2208に続く。2204が偽である場合、制御は2212に続く。2212で、逆転モジュール560は、逆転弁1604を第1の位置に維持する。逆転弁1604が第1の位置にあるとき、冷媒は、建物内を冷却するために圧縮機12から蒸発器18に流れることができる。
【0158】
2208で、逆転モジュール560は、逆転弁1604を第2の位置に作動させる。これにより、漏れが存在する場合に建物の外部の冷媒が遮断される。逆転モジュール560は、漏れが是正されるまで、および/または1つもしくは複数の他の条件が満たされるまでなどの所定の期間、逆転弁1604を第2の位置に維持することができる。圧縮機モジュール540は、逆転弁1604が第2の位置にあるとき、圧縮機をオフにするか、または圧縮機をオンのままにすることができる。上述したように、漏れが存在する場合、1つまたは複数の是正措置を実行することができる。
【0159】
図23は、
図21の例のような、逆転弁1604を制御する例示的な方法を示すフローチャートである。制御モジュール500は、建物内の冷媒の量を所定量(M1)未満に維持することができる。制御は2304から始まり、漏れモジュール512が冷媒漏れが存在するかどうかを判定する。2304が真である場合、制御は2312に続く。2304が偽である場合、制御は2308に続く。2308で、逆転モジュール560は、逆転弁1604を第1の位置に維持し、制御は2304に戻る。逆転弁1604が第1の位置にあるとき、冷媒は、建物内を冷却するために圧縮機12から蒸発器18に流れることができる。
【0160】
2312において、圧送モジュール548は電磁弁2104を閉じ、逆転モジュール560は逆転弁1604を第1の位置に維持し、圧縮機モジュール540は圧縮機12をオンに維持する。これにより、圧縮機12は、建物内から建物外へ冷媒を圧送することができる。2316で、逆転モジュール560および圧縮機モジュール540は、2312の最初のインスタンスから所定の圧送期間が経過したかどうかを判定する。2316が真である場合、制御は2320に続く。2316が偽である場合、制御は2312に戻る。これにより、所定の圧送期間、建物内から冷媒が圧送される。
【0161】
2320において、圧送モジュール548は、電磁弁2104を閉じたままにし、逆転モジュール560は、逆転弁1604を第2の位置に作動させる。これにより、建物の外側の冷媒が遮断される。2324で、圧縮機モジュール540は、圧縮機12をオフにすることができる。上述したように、漏れが存在する場合、1つまたは複数の是正措置を実行することができる。
【0162】
図24は、例示的な冷却システムの機能ブロック図である。
図24の例では、第3の(入力)ポート1620および第4の(出力)ポート1624は、キャップまたはプラグ2404を使用するなどして閉じられている。キャップ2404は、例えば、第3のポート1620および第4のポート1624にはんだ付けされる銅キャップであってもよい。
【0163】
図25および
図26は、逆転弁1604の例示的な概略図を含む。
図26は、逆転弁1604が第1の位置にあるときの逆転弁1604を通る冷媒流れの一例を示す。逆転弁1604は、制御モジュール500が逆転弁1604に力を印加していないとき、通常(例えば、機械的に)第1の位置に付勢されてもよい。制御モジュール500は、漏れが存在しない場合、逆転弁1604を第1の位置に維持してもよい。逆転弁1604が第1の位置にあるとき、凝縮器14から出力された冷媒は、逆転弁1604を介して第1のポート1612から第2のポート1616へ流れ、逆転弁1604を介して第3のポート1620から第4のポート1624へ流れる。蒸発器18による冷却は、逆転弁1604が第1の位置にあるときに行われる。
【0164】
図25は、逆転弁1604が第2の位置にあるときの冷媒流れを示している。図示のように、逆転弁1604は、第1のポート1612から第2のポート1616への冷媒の流れを遮断し、冷媒が逆転弁1604を通って蒸発器18に流れないようにする。逆転弁1604は、逆転弁1604に力を印加することによって、制御モジュール500によって第2の位置に作動させることができる。冷媒漏れが存在する場合(例えば、漏れモジュール512によって診断される)、制御モジュール500は、逆転弁1604を第2の位置に作動させ、逆転弁1604を第2の位置に維持することができる。
【0165】
前述の説明は、本質的に単なる例示であり、決して本開示、その用途、または使用法を限定することを意図するものではない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施することができる。したがって、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、および添付の特許請求の範囲を検討すると他の修正が明らかになるので、本開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。本開示の原理を変更することなく、方法内の1つまたは複数のステップを異なる順序で(または同時に)実行することができることを理解されたい。さらに、各実施形態は特定の特徴を有するものとして上述されているが、本開示の任意の実施形態に関して説明されたそれらの特徴のうちの任意の1つまたは複数は、その組み合わせが明示的に説明されていなくても、他の実施形態のいずれかの特徴に実装および/またはそれらと組み合わせることができる。言い換えれば、記載された実施形態は相互に排他的ではなく、1つまたは複数の実施形態の互いの置換は、本開示の範囲内に留まる。
【0166】
要素間(例えば、モジュール間、回路要素間、半導体層間等)の空間的および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接する」、「隣に」、「上に」、「上方に」、「下方に」、および「配置された」を含む様々な用語を使用して説明される。「直接的」であると明示的に記載されていない限り、第1の要素と第2の要素との間の関係が上記開示に記載されている場合、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係とすることができるが、第1の要素と第2の要素との間に(空間的または機能的に)1つまたは複数の介在要素が存在する間接的な関係とすることもできる。本明細書で使用される場合、A、B、およびCのうちの少なくとも1つという語句は、非排他的論理ORを使用して論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0167】
図では、矢印によって示される矢印の方向は、一般に、図が対象とする情報(データまたは命令など)の流れを示している。例えば、要素Aおよび要素Bが様々な情報を交換するが、要素Aから要素Bに送信された情報が図に関連する場合、矢印は要素Aから要素Bを指すことができる。この一方向の矢印は、他の情報が要素Bから要素Aに送信されないことを意味しない。さらに、要素Aから要素Bに送信される情報について、要素Bは、要素Aに情報の要求または受信確認を送信することができる。
【0168】
以下の定義を含む本出願では、「モジュール」という用語または「制御装置」という用語は、「回路」という用語と置き換えることができる。「モジュール」という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル、アナログ、またはアナログ/デジタル混合ディスクリート回路、デジタル、アナログ、またはアナログ/デジタル混合集積回路、組み合わせ論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コードを実行するプロセッサ回路(共有、専用、またはグループ)、プロセッサ回路によって実行されるコードを記憶するメモリ回路(共有、専用、またはグループ)、記載された機能を提供する他の適切なハードウェア構成要素、または上記の一部または全部の組み合わせ、例えばシステムオンチップを指すか、その一部であるか、または含むことができる。
【0169】
モジュールは、1つまたは複数のインターフェース回路を含むことができる。いくつかの例では、インターフェース回路は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、またはそれらの組み合わせに接続された有線または無線インターフェースを含むことができる。本開示の任意の所与のモジュールの機能は、インターフェース回路を介して接続された複数のモジュール間で分散されてもよい。例えば、複数のモジュールは、負荷分散を可能にし得る。さらなる例では、サーバ(遠隔またはクラウドとしても知られている)モジュールは、クライアントモジュールに代わっていくつかの機能を達成することができる。
【0170】
コードという用語は、上記で使用されるように、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはマイクロコードを含むことができ、プログラム、ルーチン、機能、クラス、データ構造、および/またはオブジェクトを指すことができる。共有プロセッサ回路という用語は、複数のモジュールからのいくつかまたはすべてのコードを実行する単一のプロセッサ回路を包含する。グループプロセッサ回路という用語は、追加のプロセッサ回路と組み合わせて、1つまたは複数のモジュールからのいくつかまたはすべてのコードを実行するプロセッサ回路を包含する。複数のプロセッサ回路への言及は、個別のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のプロセッサ回路の複数のコア、単一のプロセッサ回路の複数のスレッド、または上記の組み合わせを包含する。共有メモリ回路という用語は、複数のモジュールからのいくつかまたはすべてのコードを記憶する単一のメモリ回路を包含する。グループメモリ回路という用語は、追加のメモリと組み合わせて、1つまたは複数のモジュールからのいくつかまたはすべてのコードを記憶するメモリ回路を包含する。
【0171】
メモリ回路という用語は、コンピュータ可読媒体という用語のサブセットである。本明細書で使用されるコンピュータ可読媒体という用語は、媒体を通って(搬送波上などで)伝播する一時的な電気信号または電磁信号を包含しない。したがって、コンピュータ可読媒体という用語は、有形かつ非一時的であると考えることができる。非一時的有形コンピュータ可読媒体の非限定的な例は、不揮発性メモリ回路(フラッシュメモリ回路、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ回路、またはマスク読み出し専用メモリ回路など)、揮発性メモリ回路(スタティックランダムアクセスメモリ回路またはダイナミックランダムアクセスメモリ回路など)、磁気記憶媒体(アナログまたはデジタル磁気テープまたはハードディスクドライブなど)、および光記憶媒体(CD、DVD、ブルーレイディスク等)である。
【0172】
本出願に記載された装置および方法は、コンピュータプログラムで具現化された1つまたは複数の特定の機能を実行するように汎用コンピュータを構成することによって作成された専用コンピュータによって部分的または完全に実装されてもよい。上述した機能ブロック、フローチャート構成要素、および他の要素は、ソフトウェア仕様として機能し、これは、熟練した技術者またはプログラマの日常業務によってコンピュータプログラムに変換することができる。
【0173】
コンピュータプログラムは、少なくとも1つの非一時的な有形のコンピュータ可読媒体に記憶されたプロセッサ実行可能命令を含む。コンピュータプログラムはまた、記憶されたデータを含むか、またはそれに依存することができる。コンピュータプログラムは、専用コンピュータのハードウェアと対話する基本入出力システム(BIOS)、専用コンピュータの特定のデバイスと対話するデバイスドライバ、1つまたは複数のオペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーションなどを含むことができる。
【0174】
コンピュータプログラムは、(i)HTML(ハイパーテキストマークアップ言語)、XML(拡張可能マークアップ言語)、またはJSON(JavaScript Object Notation)などの解析される記述テキスト、(ii)アセンブリコード、(iii)コンパイラによってソースコードから生成されるオブジェクトコード、(iv)インタプリタによる実行のためのソースコード、(v)ジャストインタイムコンパイラによるコンパイルおよび実行のためのソースコードなどを含むことができる。単なる例として、ソースコードは、C、C++、C#、Objective-C、Swift、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java(登録商標)、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、Javascript(登録商標)、HTML5(ハイパーテキストマークアップ言語バージョン5)、Ada、ASP(アクティブサーバページ)、PHP(PHP:ハイパーテキストプリプロセッサ)、Scala、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash(登録商標)、VisualBasic(登録商標)、Lua、MATLAB(登録商標)、SIMULINK(登録商標)、およびPython(登録商標)を含む言語からの構文を使用して書かれてもよい。
【国際調査報告】