IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トランスフォーム インコーポレーテッドの特許一覧

特表2023-543162貫通ビア構造を有するIII族窒化物デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】貫通ビア構造を有するIII族窒化物デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20231005BHJP
   H01L 29/417 20060101ALI20231005BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20231005BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
H01L29/80 U
H01L29/50 J
H01L29/80 H
H01L29/80 E
H01L29/80 L
H01L25/04 C
H01L29/44 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516680
(86)(22)【出願日】2021-09-17
(85)【翻訳文提出日】2023-03-14
(86)【国際出願番号】 US2021050981
(87)【国際公開番号】W WO2022061181
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】63/081,268
(32)【優先日】2020-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510219556
【氏名又は名称】トランスフォーム テクノロジー,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グプタ,ギータク
(72)【発明者】
【氏名】ミシュラ,ウメシュ
(72)【発明者】
【氏名】ビシ,ダビデ
(72)【発明者】
【氏名】ローデス,デビッド マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ラル,ラケシュ ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】ニューフェルド,カール ジョセフ
【テーマコード(参考)】
4M104
5F102
【Fターム(参考)】
4M104AA04
4M104AA07
4M104BB02
4M104BB04
4M104BB05
4M104BB09
4M104BB14
4M104CC01
4M104DD08
4M104DD09
4M104DD11
4M104DD15
4M104DD33
4M104DD34
4M104DD37
4M104FF02
4M104GG12
5F102GA02
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD01
5F102GJ10
5F102GL04
5F102GM04
5F102GQ01
5F102GT01
5F102GT02
5F102GT03
5F102GV08
5F102HC01
5F102HC15
(57)【要約】
半導体デバイスは、絶縁性基板を有するIII-Nデバイスを備える。絶縁基板は、第1面と第2面とを有する。デバイスは、絶縁性基板の第1面上のIII-N材料構造体と、基板とは反対のIII-N材料構造体の面上のゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極とをさらに有する。前記III-N材料構造および前記絶縁性基板を貫通して、前記絶縁性基板の第2面上にバックメタル層およびビアホールが形成される。ビアホール内に形成された金属は、基板の第1面のドレイン電極と電気的に接続され、基板の第2面のバックメタル層と電気的に接続される。
【選択図】図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
絶縁性基板を備えたIII-Nデバイスであって、前記絶縁性基板は第1面および第2面を備える、III-Nデバイス;
前記絶縁性基板の前記第1面上のIII-N材料構造体、および、前記基板とは反対の前記III-N材料構造体の面上のゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極;
前記絶縁性基板の前記第2面上のバックメタル層;
前記III-N材料構造および前記絶縁性基板を貫通して形成されたビアホールであって、前記ビアホール内に形成された金属は前記基板の前記第1面の前記ドレイン電極に対して電気的に接続され、前記基板の前記第2面の前記バックメタル層に対して電気的に接続される、ビアホール;
を備える半導体デバイス。
【請求項2】
前記基板がサファイア基板である、請求項1記載のデバイス。
【請求項3】
前記III-N材料構造はIII-Nバリア層とIII-Nチャネル層とを備え、 前記III-Nバリア層と前記III-Nチャネル層との間の組成差は、横方向2DEGチャネルを前記III-Nチャネル層内に誘導させ、前記ドレインは前記2DEGに対して電気的に接続される、請求項1記載のデバイス。
【請求項4】
前記バックメタル層は、回路高電圧ノードに対して電気的に結合されるように構成される、請求項1記載のデバイス。
【請求項5】
前記デバイスはさらに、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に活性領域を備え、前記ビアホールは前記活性領域の外側に形成される、請求項3記載のデバイス。
【請求項6】
前記デバイスは、600Vより大きい降伏電圧と、15mΩより小さいオン抵抗とを有する、請求項1記載のデバイス。
【請求項7】
前記デバイスはさらに、前記III-N材料構造および前記絶縁性基板を貫通して形成された第2ビアホールを備え、 前記第2ビアホール内に形成された金属は、前記基板の前記第1面の前記ゲート電極に対して電気的に接続され、前記基板の前記第2面の第2バックメタル層に対して電気的に接続される、請求項1記載のデバイス。
【請求項8】
前記バックメタル層と前記第2バックメタル層との間の前記分離が10μmより大きい、請求項7記載のデバイス。
【請求項9】
前記デバイスはさらに、前記III-N材料構造および前記絶縁性基板を貫通して形成された第2ビアホールを備え、 前記第2ビアホール内に形成された金属は、前記基板の前記第1面の前記ソース電極に対して電気的に接続され、前記基板の前記第2面の第2バックメタル層に対して電気的に接続される、請求項1記載のデバイス。
【請求項10】
電子部品であって、
エンハンスメントモードトランジスタ;
絶縁性基板とバックメタル層とを備える空乏モードトランジスタ;
導電性構造パッケージベースを備えるパッケージであって、前記エンハンスメントモードトランジスタおよび前記空乏モードトランジスタの両方を収容するパッケージ;
を備え、
前記エンハンスメントモードトランジスタのゲート電極は、前記パッケージのゲート端子に対して電気的に接続され、前記エンハンスメントモードトランジスタのソース電極は、前記パッケージのソース端子に対して電気的に接続され、前記空乏モードトランジスタのゲート電極は、前記パッケージのソース端子に対して電気的に接続され、
前記空乏モードトランジスタのドレイン電極は、前記バックメタル層に対して直接接触して電気的に接続され、前記バックメタル層は、前記導電性構造パッケージベースに対して直接接触して電気的に接続され、前記導電性構造パッケージベースは、前記パッケージのドレイン端子に対して電気的に接続される、
電子部品。
【請求項11】
前記空乏モードトランジスタの前記ドレイン電極は、外部ドレインワイヤコネクタなしで前記パッケージの前記ドレイン端子に対して電気的に接続される、請求項10記載の電子部品。
【請求項12】
前記空乏モードトランジスタは、前記絶縁性基板上にIII-N材料構造を備える、請求項11記載の電子部品。
【請求項13】
前記空乏モードトランジスタの前記ドレイン電極は前記III-N材料構造体の前記絶縁性基板とは反対側にあり、 前記III-N材料構造体は前記絶縁性基板を貫通するビアを有し、 前記空乏モードトランジスタの前記ドレイン電極は、前記ビアを介して前記導電性基板に対して電気的に接続される、請求項12記載の電子部品。
【請求項14】
前記ビアは、前記空乏モードトランジスタの活性領域の外側にある、請求項13記載の電子部品。
【請求項15】
前記エンハンスメントモードトランジスタのドレイン電極は前記空乏モードトランジスタのソース電極に対して直接接触して電気的に接続され、前記エンハンスメントモードトランジスタは少なくとも部分的に前記空乏モードトランジスタの前記活性領域の上方にある、請求項14記載の電子部品。
【請求項16】
半導体デバイスであって、
絶縁性基板を備えるIII-Nデバイスであって、前記絶縁性基板は第1面および第2面を備える、III-Nデバイス;
前記絶縁性基板の第1面上のIII-N材料構造、前記基板とは反対の前記III-N材料構造の面上のゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極、前記III-N材料構造上の誘電体層;
前記絶縁性基板の前記第2面上のバックメタル層;
前記III-N材料構造および前記絶縁性基板を貫通して形成されたビアホールであって、前記ビアホール内に形成された金属は、前記基板の前記第1面の前記ソース電極に対して電気的に接続され、前記基板の前記第2面の前記バックメタル層に対して電気的に接続され、前記ソース電極は前記基板の前記第1面の前記誘電体層内に完全に封入されている、ビアホール、
を備える半導体デバイス。
【請求項17】
前記III-N材料構造はIII-Nバリア層とIII-Nチャネル層とを備え、 前記III-Nバリア層と前記III-Nチャネル層との間の組成差は横方向2DEGチャネルを前記III-Nチャネル層内に誘導させ、前記ドレインは前記2DEGに対して電気的に接続される、請求項16記載のデバイス。
【請求項18】
前記バックメタル層は、接地に対して電気的に結合されるように構成される、請求項17記載のデバイス。
【請求項19】
電子モジュールであって、
第1金属層と第2金属層との間に絶縁層を備えるベース基板であって、前記第1金属層は第1部分と第2部分を有し、前記第1金属層を貫通して形成されたトレンチが前記第1金属層の前記第1、第2、および第3部分を互いに電気的に絶縁する、ベース基板;
エンハンスメントモードトランジスタと空乏モードトランジスタとを備えるハイサイドスイッチであって、前記空乏モードトランジスタは絶縁性基板の第1面にIII-N材料構造を備え、前記第1面とは反対の第2面にバックメタル層を備える、ハイサイドスイッチ;
前記III-N材料構造および前記絶縁性基板を貫通して形成れたビアホール;
ローサイドスイッチ;
を備え、
前記エンハンスメントモードトランジスタのソース電極は前記第1金属層の前記第2部分に対して電気的に接続され、前記エンハンスメントモードトランジスタのドレイン電極は前記空乏モードトランジスタのソース電極に対して電気的に接続され、前記空乏モードトランジスタのゲート電極は前記第1金属層の前記第2部分に対して電気的に接続され、前記ビアホール内に形成された金属は前記空乏モードトランジスタの前記ドレイン電極に対して電気的に接続されるとともに前記バックメタル層に対して電気的に接続され、前記バックメタル層は前記第1金属層の前記第1部分に対して電気的に接続されるとともに物理的に取り付けられている、
電子モジュール。
【請求項20】
前記ローサイドスイッチは第2エンハンスメントモードトランジスタと第2空乏モードトランジスタとを備え、前記第2空乏モードトランジスタは第2絶縁性基板の第1面に第2III-N材料構造を備えるとともに、前記第1面と反対の第2面に第2バックメタル層を備え、
前記第2III-N材料構造および前記第2絶縁性基板を貫通して第2ビアホールが形成され、
前記第2空乏モードトランジスタのドレイン電極は、前記第1金属層の前記第2部分に対して電気的に接続され、
前記第2エンハンスメントモードトランジスタのソース電極は、前記第1金属層の第3部分に対して接続され、
前記第2エンハンスメントモードトランジスタのドレイン電極は、前記第2空乏モードトランジスタのソース電極に対して電気的に接続され、
前記第2空乏モードトランジスタのゲート電極は、前記第1金属層の前記第3部分に対して電気的に接続され、
前記第2ビアホール内に形成された金属は、前記第2空乏モードトランジスタの前記ドレイン電極に対して電気的に接続されるとともに、前記第2バックメタル層に対して電気的に接続され、前記第2バックメタル層は、前記第1金属層の前記第2部分に対して電気的に接続されるとともに物理的に取り付けられている、
請求項19記載の電子モジュール。
【請求項21】
前記ハイサイドスイッチおよび前記ローサイドスイッチは、ハーフブリッジ回路を形成する、請求項19記載の電子モジュール。
【請求項22】
前記空乏モードトランジスタは、前記ハイサイドスイッチがオフにバイアスされている間に少なくとも600Vを遮断し、前記ハイサイドスイッチがオンにバイアスされている間に30Aより大きい電流を導通することができるように構成されている、請求項19記載の電子モジュール。
【請求項23】
前記電子モジュールはさらにキャパシタを備え、前記キャパシタの第1端子は前記第1金属層の前記第1部分に対して電気的に接続され、前記キャパシタの第2端子は前記第1金属層の前記第3部分に対して電気的に接続される、請求項19記載の電子モジュール。
【請求項24】
前記電子モジュールはさらにパッケージを備え、前記ベース基板、前記ハイサイドスイッチ、および前記ローサイドスイッチは、前記パッケージ内に収容される、請求項19記載の電子モジュール。
【請求項25】
前記電子モジュールはさらに、前記ハイサイドスイッチに対して並列に接続された第2ハイサイドスイッチと、前記ローサイドスイッチに対して並列に接続された第2ローサイドスイッチとを備える、請求項19記載の電子モジュール。
【請求項26】
前記第1金属層の前記第2部分は、前記電子モジュールの出力ノードに対して接続される、請求項19記載の電子モジュール。
【請求項27】
前記モジュールは、動作中、前記第1金属層の前記第1部分がDC電圧源に対して接続され、前記第1金属層の前記第3部分がDC接地に対して接続されるように構成される、請求項26記載の電子モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、半導体電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、トランジスタ、ダイオード、パワーMOSFETおよび絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などのデバイスを含む典型的なパワー半導体デバイスは、シリコン(Si)半導体材料を用いて製造されている。より最近では、ワイドバンドギャップ材料(SiC、III-N、III-O、ダイヤモンド)はそれらの優れた特性に起因して、パワーデバイスとして検討されている。窒化ガリウム(GaN)デバイスなどのIII-窒化物またはIII-N半導体デバイスは現在、大電流を搬送し、高電圧をサポートし、高速スイッチング時間で非常に低いオン抵抗を提供するための、魅力的な候補として出現している。GaNパワーデバイスのコストを低減し、既存のシリコンパワーデバイスと競合するために、GaNパワーデバイスは通常、既存のシリコン製造設備と容易に互換性があるシリコン基板(すなわち、GaNオンシリコン)上に製造される。デバイスという用語は、区別する必要がない場合、一般に、任意のトランジスタ、スイッチ、またはダイオードを指すものとして使用される。
【0003】
従来技術の横型III-Nデバイス100の平面図を図1Aに示す。デバイス100は、デバイス活性領域31内に形成された、ソースコンタクト21、ドレインコンタクト22、ソースコンタクト21とドレインコンタクト22(すなわち、デバイス電極)との間のゲートコンタクト23、を有する。「x」方向のデバイス100の断面101が図1Bに示されている。図1Bに見られるように、デバイス100は、導電性または半導体基板10(例えば、シリコンまたは炭化ケイ素)の上に形成されたIII-N材料構造11を有する。III-N材料構造11は、III-Nバッファ層、III-Nチャネル層(例えば、GaN)、およびIII-Nバリア層(例えば、AlGaN)を有することができる。III-Nバリア層のバンドギャップは、III-Nチャネル層のバンドギャップよりも大きく、その結果、図1Bに破線で示される横方向2次元電子ガス(2DEG)チャネル19がIII-N材料構造11内に形成され、活性領域31内のデバイスチャネルとして機能する。ソースコンタクト21およびドレインコンタクト22は、2DEGチャネル19に対して電気的に接続されている。ソースコンタクト21、ドレインコンタクト22、およびゲートコンタクト23は、全て、III-N材料構造11の基板10とは反対側の面上に形成される。
【発明の概要】
【0004】
本明細書では、横型III-Nデバイス(たとえば、GaN HEMTパワートランジスタ)のための集積設計が説明され、貫通ビア(TVとも呼ばれる)は、III-Nデバイスを部品パッケージまたは電子モジュールへ集積するために使用される。具体的には、III-Nデバイスは基板の第1面上に形成することができ、貫通ビアはIII-N材料構造および基板を貫通して延在することができ、これにより、III-N材料構造とは反対側の基板の面上にデバイス端子を形成することを可能にする。
【0005】
第1態様においては、半導体デバイスについて説明する。半導体デバイスは、絶縁性基板を有するIII-Nデバイスを備える。絶縁基板は、第1面と第2面とを有する。デバイスは、絶縁性基板の第1面上のIII-N材料構造体と、基板とは反対のIII-N材料構造体の面上のゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極とをさらに有する。前記III-N材料構造および前記絶縁性基板を貫通して、前記絶縁性基板の第2面上にバックメタル層およびビアホールが形成される。ビアホール内に形成された金属は、基板の第1面のドレイン電極に対して電気的に接続され、基板の第2面のバックメタル層に対して電気的に接続される。
【0006】
第2態様においては、電子部品について説明する。電子部品は、エンハンスメントモードトランジスタ、絶縁性基板およびバックメタル層を備える空乏モードトランジスタ、導電性構造パッケージベースを備えるパッケージ、を有する。パッケージは、エンハンスメントモードトランジスタと空乏モードトランジスタの両方を収容する。エンハンスメントモードトランジスタのゲート電極はパッケージのゲート端子に対して電気的に接続され、エンハンスメントモードトランジスタのソース電極はパッケージのソース端子に対して電気的に接続され、空乏モードトランジスタのゲート電極はパッケージのソース端子に対して電気的に接続される。空乏モードトランジスタのドレイン電極はバックメタル層に対して直接接触して電気的に接続され、バックメタル層は導電性構造パッケージベースに対して直接接触して電気的に接続され、導電性構造パッケージベースはパッケージのドレイン端子に対して電気的に接続される。
【0007】
第3態様においては、半導体デバイスについて説明する。半導体デバイスは、絶縁性基板を有するIII-Nデバイスを備え、絶縁性基板は第1面と第2面とを有する。デバイスはさらに、絶縁性基板の第1面上のIII-N材料構造、基板とは反対のIII-N材料構造の面上のゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極、III-N材料構造の上の誘電体層、絶縁性基板の第2面上のバックメタル層、III-N材料構造および絶縁性基板を貫通して形成されたビアホール、を有する。ビアホール内に形成された金属は基板の第1面上のソース電極に対して電気的に接続され、基板の第2面上のバックメタル層に対して電気的に接続され、ソース電極は基板の第1面上の誘電体層内に完全に封入される。
【0008】
第4態様においては、電子モジュールについて説明する。電子モジュールは、第1金属層と第2金属層との間に絶縁層を備えるベース基板を有する。第1金属層は、第1部分、第2部分、および第3部分を有し、第1金属層を貫通して形成されたトレンチは、第1金属層の第1部分、第2部分、および第3部分を互いに電気的に絶縁する。モジュールはさらに、エンハンスメントモードトランジスタと空乏モードトランジスタとを備えるハイサイドスイッチを有し、空乏モードトランジスタは、絶縁性基板の第1面上のIII-N材料構造体と、第1面の反対側の第2面上のバックメタル層とを備え、ビアホールはIII-N材料構造体と絶縁性基板とを貫通して形成される。モジュールはさらに、ローサイドスイッチを有する。エンハンスメントモードトランジスタのソース電極は第1金属層の第2部分に対して電気的に接続され、エンハンスメントモードトランジスタのドレイン電極は空乏モードトランジスタのソース電極に対して電気的に接続され、空乏モードトランジスタのゲート電極は第1金属層の第2部分に対して電気的に接続され、ビアホール内に形成された金属は空乏モードトランジスタのドレイン電極に対して電気的に接続されるとともにバックメタル層に対して電気的に接続され、バックメタル層は第1金属層の第1部分に対して電気的に接続されるとともに物理的に取り付けられる。
【0009】
本明細書で説明するデバイス、トランジスタ、およびモジュールの各々は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を有することができる。基板は、サファイア基板とすることができる。III-N材料構造は、デバイスの活性領域内に、III-Nバリア層、III-Nチャネル層、III-Nバッファ層、および横方向2DEGチャネルを有することができる。ドレインおよび/またはソース電極は、2DEGチャネルに対して電気的に接続される。ビアホールは、活性領域の外側または活性領域の内側に形成することができる。デバイスは、600Vを超える耐圧および15mohm未満のオン抵抗を有する高電圧デバイスとすることができる。バックメタル層は、回路高電圧ノード、出力ノード、または接地ノードに結合されるように、電気的に構成することができる。第1バックメタル層と第2バックメタル層との間の分離は、10μmより大きくてもよい。ドレイン電極、ソース電極、ゲート電極、またはそれらの任意の組み合わせを、複数のスルー基板ビアを用いてバックメタル層に接続することができる。トランジスタのドレイン電極は、外部配線コネクタを用いることなく、パッケージのドレイン端子に接続することができる。電子モジュールのハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチは、ハーフブリッジ回路を形成することができる。ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチは、単一の電子パッケージ内に収容することができる。
【0010】
本明細書で使用される場合、「ハイブリッドエンハンスメントモード電子デバイスもしくは部品」、または単に「ハイブリッドデバイスもしくは部品」は、空乏モードトランジスタおよびエンハンスメントモードトランジスタから形成される電子デバイスもしくは部品であり、空乏モードトランジスタはエンハンスメントモードトランジスタと比較してより高い動作および/または降伏電圧が可能であり、ハイブリッドデバイスまたは部品は、空乏モードトランジスタとほぼ同じ高さの降伏および/または動作電圧を有する単一のエンハンスメントモードトランジスタと同様に動作するように構成される。すなわち、ハイブリッドエンハンスメントモードデバイスまたは部品は、以下の特性を有する少なくとも3つのノードを含む。第1ノード(ソースノード)および第2ノード(ゲートノード)が同じ電圧に保持されるとき、ハイブリッドエンハンスメントモードデバイスまたは部品は、ソースノードに対して相対的に第3ノード(ドレインノード)へ印加される正の高電圧(すなわち、エンハンスメントモードトランジスタが阻止することができる最大電圧よりも大きい電圧)を阻止することができる。ゲートノードがソースノードに対して十分に正の電圧(すなわち、エンハンスメントモードトランジスタの閾値電圧よりも大きい)に保持されるとき、ソースノードに対して十分に正の電圧がドレインノードへ印加されると、電流は、ソースノードからドレインノードへ、またはドレインノードからソースノードへ流れる。エンハンスメントモードトランジスタが低電圧デバイスであり、空乏モードトランジスタが高電圧デバイスである場合、ハイブリッド部品は、単一の高電圧エンハンスメントモードトランジスタと同様に動作することができる。空乏モードトランジスタは、エンハンスメントモードトランジスタの少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または少なくとも20倍のブレークダウンおよび/または最大動作電圧を有することができる。
【0011】
本明細書で使用される場合、III族窒化物またはIII族N材料、層、デバイスなどの用語は、化学量論式BwAlxInyGazNによる化合物半導体材料から構成される材料または素子を指し、w+x+y+zは約1であり、0≦w≦1、0≦x≦1、0≦y≦1、および0≦z≦1である。III-N材料、層、またはデバイスは、適切な基板上に直接成長させること(例えば、有機金属化学蒸着によって)、または適切な基板上に成長させること、元の基板から剥離すること、および他の基板に接合することのいずれかによって、形成または調製することができる。
【0012】
本明細書で使用するとき、2つ以上の接点または他のアイテム、例えば導電性チャネルまたは部品は、接点または他のアイテムの各々における電位が同じであること、例えば、任意のバイアス条件下で常にほぼ同じであることが意図されることを確実にするのに十分に導電性である材料によって接続される場合、「電気的に接続される」と言われる。
【0013】
本明細書で使用するとき、「電圧を遮断する」とは、トランジスタ、デバイス、または部品の両端間に電圧が印加されるときに、正規の導通中に動作電流の0.001倍を超える電流などのような有意な電流が、トランジスタ、デバイス、または部品を通って流れることを防止する、トランジスタ、デバイス、または部品の能力を指す。言い換えれば、トランジスタ、デバイス、または部品が印加される電圧を遮断しているとき、トランジスタ、デバイス、または部品を通過する総電流は、通常導電時の動作電流の0.001倍を超えない。この値より大きいオフ電流を有するデバイスは高い損失および低い効率を示し、典型的には、多くの用途、特に電力スイッチング用途には適していない。
【0014】
本明細書で使用するとき、「高電圧デバイス」、例えば、高電圧スイッチングトランジスタ、HEMT、双方向スイッチ、または四象限スイッチ(FQS)は、高電圧用途に最適化された電子デバイスである。すなわち、デバイスがオフであるとき、約300V以上、約600V以上、または約1200V以上などの高電圧を遮断することが可能であり、デバイスがオンであるとき、デバイスが使用される用途のために十分に低いオン抵抗(RON)を有し、例えば、実質的な電流がデバイスを通過するときに十分に低い伝導損失を発揮する。高電圧デバイスは、少なくとも、それが使用される回路内の高電圧源または最大電圧に等しい電圧を遮断することが可能である。高電圧デバイスは、300V、600V、1200V、1700V、2500V、または用途によって必要とされる他の適切なブロック電圧を阻止することが可能である。言い換えると、高電圧装置は0Vと少なくともVmaxとの間の全ての電圧を遮断することができ、Vmaxは回路または電源によって供給され得る最高電圧であり、Vmaxは例えば、300V、600V、1200V、1700V、2500V、または用途によって必要とされる他の好適な遮断電圧である。双方向スイッチまたは4象限スイッチの場合、遮断された電圧は、スイッチがオフのとき、ある最大値より小さい任意の極性であり(±Vmax、例えば±300Vまたは±600V、±1200Vなど)、電流はスイッチがオンのとき、いずれかの方向である。
【0015】
本明細書で使用するとき、「III-Nデバイス」は、III-Nヘテロ構造に基づくデバイスである。III-Nデバイスは、デバイスの状態がゲート端子によって制御されるトランジスタまたはスイッチとして、または、1方向の電流を遮断しゲート端子なしで別の方向に導通する2つの端子デバイスとして、動作するように設計することができる。III-Nデバイスは、高電圧用途に適した高電圧デバイスとすることができる。そのような高電圧デバイスにおいては、デバイスがバイアスオフされるとき(たとえば、ソースに対するゲート上の電圧がデバイス閾値電圧未満であるとき)、デバイスはたとえば、100V、300V、600V、1200V、1700V、2500V、またはそれ以上の、デバイスが使用される用途における高電圧以下のすべてのソース-ドレイン電圧を少なくともサポートすることが可能である。高電圧デバイスがオンバイアスされる(例えば、ソースまたは関連する電源端子に対するゲート上の電圧がデバイス閾値電圧よりも大きい)とき、デバイスは、低いオン電圧(すなわち、ソース端子とドレイン端子との間または反対の電源端子間の、低い電圧)で実質的な電流を伝導することができる。最大許容オン電圧は、デバイスが使用される用途において維持され得る最大オン状態電圧である。
【0016】
本明細書で使用される「上方」、「下方」、「間」、および「上」という用語は、他の層に対する1つの層の相対位置を指す。したがって、例えば、別の層の上方または下方に配置された1つの層は、他の層と直接接触していてもよく、または1つ以上の介在層を有していてもよい。さらに、2つの層の間に配置された1つの層は、その2つの層と直接接触していてもよく、または1つ以上の介在層を有していてもよい。対照的に、第2層「上」にある第1層は、その第2層と接触している。加えて、基板の絶対配向を考慮せずに基板に対して動作が実行されると仮定して、他の層に対する1つの層の相対位置が提供される。
【0017】
高電圧スイッチングトランジスタが使用される典型的な電力スイッチング用途においては、トランジスタは、2つの状態のうちの1つにあることが大部分である。一般に「オン状態」と呼ばれる第1状態においては、ソース電極に対するゲート電極の電圧はトランジスタ閾値電圧よりも高く、実質的な電流がトランジスタを流れる。この状態においては、ソースとドレインとの間の電圧差が典型的には低く、通常、数ボルト以下、例えば約0.1~5ボルトである。一般に「オフ状態」と呼ばれる第2状態においては、ソース電極に対するゲート電極の電圧がトランジスタ閾値電圧よりも低く、オフ状態リーク電流を除いて、実質的な電流はトランジスタを通って流れない。この第2状態においては、ソースとドレインとの間の電圧は約0Vから回路高電圧源の値までの任意の範囲とすることができ、場合によっては100V、300V、600V、1200V、1700V、またはそれ以上の高さとすることができるが、トランジスタの降伏電圧未満とすることができる。いくつかの用途においては、回路内の誘導素子は、ソースとドレインとの間の電圧を回路高電圧源よりもさらに高くする。さらに、トランジスタが上述の2つの状態間の遷移モードにある間に、ゲートがオンまたはオフに切り換えられた直後の短い時間がある。トランジスタがオフ状態にあるとき、トランジスタは、ソースとドレインとの間の「電圧を遮断する」と言われる。本明細書で使用するとき、「電圧を遮断する」とは、トランジスタ、デバイス、または部品の両端間に電圧が印加されるときに、正規のオン状態導通中の平均動作電流の0.001倍を超える電流などの有意な電流がトランジスタ、デバイス、または部品を通って流れることを防止する、トランジスタ、デバイス、または部品の能力を指す。言い換えれば、トランジスタ、デバイス、または部品が印加される電圧を遮断しているとき、トランジスタ、デバイス、または部品を通過する総電流は、通常のオン状態導通中の平均動作電流の0.001倍を超えない。
【0018】
従来の高電圧Eモードトランジスタの代わりにハイブリッドエンハンスメントモードデバイスを用いる場合、ハイブリッドデバイスは以下のように動作する。ハイブリッドデバイスがオン状態にあるとき、電流はEモードトランジスタのチャネルおよびDモードトランジスタのチャネルの両方を通って流れ、2つのトランジスタの各々の両端間の電圧は小さく、典型的には数ボルト以下である。ハイブリッドデバイスがオフ状態にあるとき、ハイブリッドデバイスによってブロックされた電圧は、EモードトランジスタとDモードトランジスタとの間で分圧される。Eモードトランジスタは、およそ|Vth, D|と|Vbr, E|との間の電圧を遮断し、|Vth, D| はDモードトランジスタの閾値電圧の絶対値であり、Vbr, EはEモードトランジスタの耐圧である。ハイブリッドデバイスの両端間の電圧の残りは、高電圧Dモードトランジスタによって遮断される。
【0019】
本明細書に記載される主題の1つまたは複数の開示される実装形態の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載される。追加の特徴および変形も、実装形態に含まれ得る。他の特徴、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A図1A図1Bは、従来技術のIII-N素子の平面図および断面図である。
図1B図1A図1Bは、従来技術のIII-N素子の平面図および断面図である。
【0021】
図2A図2A図2Dは、ドレインが基板ビアを介して接続されたIII-Nデバイスの実施形態の平面図および断面図である。
図2B図2A図2Dは、ドレインが基板ビアを介して接続されたIII-Nデバイスの実施形態の平面図および断面図である。
図2C図2A図2Dは、ドレインが基板ビアを介して接続されたIII-Nデバイスの実施形態の平面図および断面図である。
図2D図2A図2Dは、ドレインが基板ビアを介して接続されたIII-Nデバイスの実施形態の平面図および断面図である。
【0022】
図3A図3A~3Dは、ゲートが基板ビアを介して接続されたIII-Nデバイスの実施形態の平面図および断面図である。
図3B図3A~3Dは、ゲートが基板ビアを介して接続されたIII-Nデバイスの実施形態の平面図および断面図である。
図3C図3A~3Dは、ゲートが基板ビアを介して接続されたIII-Nデバイスの実施形態の平面図および断面図である。
図3D図3A~3Dは、ゲートが基板ビアを介して接続されたIII-Nデバイスの実施形態の平面図および断面図である。
【0023】
図4A図4A~4Gは、ソースが基板ビアを介して接続されたIII-Nデバイスの実施形態の平面図および断面図である。
図4B図4A~4Gは、ソースが基板ビアを介して接続されたIII-Nデバイスの実施形態の平面図および断面図である。
図4C図4A~4Gは、ソースが基板ビアを介して接続されたIII-Nデバイスの実施形態の平面図および断面図である。
図4D図4A~4Gは、ソースが基板ビアを介して接続されたIII-Nデバイスの実施形態の平面図および断面図である。
図4E図4A~4Gは、ソースが基板ビアを介して接続されたIII-Nデバイスの実施形態の平面図および断面図である。
図4F図4A~4Gは、ソースが基板ビアを介して接続されたIII-Nデバイスの実施形態の平面図および断面図である。
図4G図4A~4Gは、ソースが基板ビアを介して接続されたIII-Nデバイスの実施形態の平面図および断面図である。
【0024】
図4H】ソースがスルーエピビアに接続されたIII-Nデバイスの断面図である。
【0025】
図5A】カスコード構成で配置されたハイブリッドノーマリオフデバイスの概略図である。
【0026】
図5B図5Aのハイブリッドデバイスのパッケージ構成の平面図である。
【0027】
図6A図6A、6B、および6Cは、それぞれ、ドレインが基板ビアを介して接続されたハイブリッドIII-Nデバイスのためのパッケージ構成の断面図および平面図である。
図6B図6A、6B、および6Cは、それぞれ、ドレインが基板ビアを介して接続されたハイブリッドIII-Nデバイスのためのパッケージ構成の断面図および平面図である。
図6C図6A、6B、および6Cは、それぞれ、ドレインが基板ビアを介して接続されたハイブリッドIII-Nデバイスのためのパッケージ構成の断面図および平面図である。
【0028】
図6D】ドレインが基板ビアを介して接続されたエンハンスメントモードIII-Nデバイスのパッケージ構成の平面図である。
【0029】
図6E図6E、6F、および6Gは、それぞれ、基板ビアを介して接続されたゲートを有するハイブリッドIII-Nデバイスのためのパッケージ構成の断面図および平面図である。
図6F図6E、6F、および6Gは、それぞれ、基板ビアを介して接続されたゲートを有するハイブリッドIII-Nデバイスのためのパッケージ構成の断面図および平面図である。
図6G図6E、6F、および6Gは、それぞれ、基板ビアを介して接続されたゲートを有するハイブリッドIII-Nデバイスのためのパッケージ構成の断面図および平面図である。
【0030】
図7A図7A~7Eは、複数の接続されたスルー基板ビアを有するハイブリッドIII-Nデバイスのためのパッケージ構成の断面図および平面図である。
図7B図7A~7Eは、複数の接続されたスルー基板ビアを有するハイブリッドIII-Nデバイスのためのパッケージ構成の断面図および平面図である。
図7C図7A~7Eは、複数の接続されたスルー基板ビアを有するハイブリッドIII-Nデバイスのためのパッケージ構成の断面図および平面図である。
図7D図7A~7Eは、複数の接続されたスルー基板ビアを有するハイブリッドIII-Nデバイスのためのパッケージ構成の断面図および平面図である。
図7E図7A~7Eは、複数の接続されたスルー基板ビアを有するハイブリッドIII-Nデバイスのためのパッケージ構成の断面図および平面図である。
【0031】
図8A図8A~8Dは、複数の接続されたスルー基板ビアを有するエンハンスメントモードIII-Nデバイスのためのパッケージ構成の平面図である。
図8B図8A~8Dは、複数の接続されたスルー基板ビアを有するエンハンスメントモードIII-Nデバイスのためのパッケージ構成の平面図である。
図8C図8A~8Dは、複数の接続されたスルー基板ビアを有するエンハンスメントモードIII-Nデバイスのためのパッケージ構成の平面図である。
図8D図8A~8Dは、複数の接続されたスルー基板ビアを有するエンハンスメントモードIII-Nデバイスのためのパッケージ構成の平面図である。
【0032】
図9A図9Aおよび9Bは、ソースがスルーエピビアに接続されたエンハンスメントモードIII-Nデバイスのためのパッケージ構成の平面図である。
図9B図9Aおよび9Bは、ソースがスルーエピビアに接続されたエンハンスメントモードIII-Nデバイスのためのパッケージ構成の平面図である。
【0033】
図10】ハーフブリッジ回路の回路図である。
【0034】
図11A】ハーフブリッジを備えた電子モジュールの平面図である。
【0035】
図11B図11Aの電子モジュールの一部に沿った断面図である。
【0036】
図11C図11Cおよび11Dは、ハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図である。
図11D図11Cおよび11Dは、ハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図である。
【0037】
図12A図12Aおよび12Bは、ハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図である。
図12B図12Aおよび12Bは、ハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図である。
【0038】
図12C図12Bの電子モジュールの一部に沿った断面図である。
【0039】
図13A図13Aおよび13Bは、ハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図である。
図13B図13Aおよび13Bは、ハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図である。
【0040】
図14A図14Aおよび14Bは、ハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図である。
図14B図14Aおよび14Bは、ハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図である。
【0041】
図15A】並列に接続された複数のIII-Nデバイスを有するハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図である。
【0042】
図15B】3相ブリッジ回路を特徴とする電子モジュールの平面図である。
【0043】
図16】スルーサブステートビアを有するIII-Nデバイスを製造する方法のフロー図である。
【0044】
図17A図17A~17Gは、共通基板上の集積III-Nデバイスの断面図である。
図17B図17A~17Gは、共通基板上の集積III-Nデバイスの断面図である。
図17C図17A~17Gは、共通基板上の集積III-Nデバイスの断面図である。
図17D図17A~17Gは、共通基板上の集積III-Nデバイスの断面図である。
図17E図17A~17Gは、共通基板上の集積III-Nデバイスの断面図である。
図17F図17A~17Gは、共通基板上の集積III-Nデバイスの断面図である。
図17G図17A~17Gは、共通基板上の集積III-Nデバイスの断面図である。
【0045】
図18A図18A~18Eは、共通基板上に集積III-Nデバイスを有するハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図である。
図18B図18A~18Eは、共通基板上に集積III-Nデバイスを有するハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図である。
図18C図18A~18Eは、共通基板上に集積III-Nデバイスを有するハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図である。
図18D図18A~18Eは、共通基板上に集積III-Nデバイスを有するハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図である。
図18E図18A~18Eは、共通基板上に集積III-Nデバイスを有するハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図である。
【0046】
図19】ドレインが導電性基板上のスルーエピビアに接続されたIII-Nデバイスの断面図である。
【0047】
種々の図面における同じ参照記号は同じ要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
シリコン基板の低コストおよびシリコンと互換性のある広く利用可能な処理装置に起因して、現在の産業商業化の努力は、シリコン基板上にIII-Nデバイスを形成することに主に集中している。シリコン上のIII-Nデバイスのための貫通ビアの使用は、デバイス性能の著しい改善を可能にすると同時に、パッケージングの複雑さを低減することができる。また、LED照明市場の最近の成功により、サファイア基板などの絶縁性基板の価格が最近低下している。絶縁性基板上にIII-Nデバイスを形成することは、シリコンの固有の半導体特性に起因してシリコン上では不可能である追加の設計およびレイアウトを考慮することを可能にする。これは、III族窒化物デバイスおよびトランジスタのパッケージングの複雑さを同時に低減しながら、デバイス性能をさらに改善する機会を提供する。
【0049】
本明細書では、III-Nデバイスを電子部品パッケージに統合するためにスルービア(本明細書ではTVと呼ばれる)が使用される、横型III-Nデバイスのための統合設計について説明する。TVの使用はデバイス性能の改善を可能にすると同時に、III族窒化物デバイスおよびトランジスタのパッケージングの複雑さを低減する。シリコンなどの導電性基板上に形成されたIII-Nデバイスの場合、スルービアはスルーエピビア(TEVと呼ばれる)とすることができ、ビアはIII-N材料構造を通って延在し、基板で終端する。サファイアなどの絶縁性基板上に形成されたIII-Nデバイスの場合、貫通ビアは基板貫通ビア(TSVと呼ばれる)とすることができ、ビアはIII-N材料構造を貫通し、基板を貫通する。これらのTVは、III-N材料構造とは反対側の基板の側にデバイス電極を形成することを可能にする。LED照明市場の最近の成功により、サファイアなどの絶縁性基板の価格が低下している。絶縁性基板上に横型III-Nデバイスを形成することは、シリコンの固有の半導体特性に起因してシリコン上では不可能である追加の設計およびレイアウトを考慮することを可能にする。これは、III族窒化物デバイスおよびトランジスタのデバイス性能およびパッケージングの複雑さをさらに改善する機会を提供する。本明細書で使用される場合、「スルービア」または「ビアホール」はTEVまたはTSVを指す場合があり、TEVはIII-N材料構造を貫通して延在するが基板を貫通して延在しない凹部(またはトレンチ)を形成し、TSVはIII-N材料構造を貫通して延在しまた基板を貫通して延在する凹部(またはトレンチ)を形成する。ビアホールを使用して、ドレインビア、ソースビア、またはゲートビアを形成することができる。
【0050】
導電性基板(例えば、シリコン)または半導体基板(例えば、炭化ケイ素)上に作製されたIII-Nデバイスは、裏面メタライゼーション層を用いて形成することができ、裏面メタライゼーション層は、III-Nデバイスを部品パッケージに対して物理的に取り付け(例えば、はんだまたはエポキシ樹脂で)、電気的に接続するために使用することができる。裏面メタライゼーションは、スルーエピビア、またはTEVの実装を通して、ソース電極またはゲート電極(低電圧電極である)に対して電気的に接続することができる。TEVはIII-N材料構造を貫通して形成することができ、さらに、所望のデバイス電極の金属がビアホール内に形成されて導電性基板を通して裏面メタライゼーションに対して電気的に接続されるように、導電性基板に対して接続することができる。
【0051】
エンハンスメントモードGaNオンシリコンIII-Nデバイスの場合、TEVを使用して、導電性基板を、典型的には0Vに保持されるソース電極に対して接続することができる。カスコードダイオンダイ構成の空乏モードGaNオンシリコンIII-Nデバイスの場合、TEVを使用して、導電性基板をゲート電極に対して接続することができる(これは、図5Aに関してより詳細に説明するように、典型的には0Vに保持され、カスコードソースに対して接続される)。空乏モードデバイスの場合、III-Nデバイスの電流搬送端子(すなわち、ソース端子およびドレイン端子)は両方とも、チップの前面(ゲート端子とは反対側)にある。そのような端子を可能にするために必要とされる金属配線アーキテクチャは、高い金属抵抗に悩まされ、非常に低いオン抵抗を有するデバイスの設計を制限する。エンハンスメントモードGaNオンシリコンデバイスにおいては、ソース電極を導電性基板に対して接続するソース接続TEVを使用することによって、そのような制約を克服することができ、したがって、ソース電極がデバイスのドレイン電極とは反対側にあることを可能にする。そのようなアーキテクチャは、金属抵抗を低減し、非常に低いオン抵抗を有するデバイスの設計を可能にすることができる。この統合エンハンスメントモードアーキテクチャは、その本来の短絡処理能力により、デバイスのロバスト性を改善することができる。さらに、ディスクリートデバイス、IC、ならびにハーフブリッジおよびフルブリッジモジュールなどの部品パッケージ内に導電性基板を有する横型III-Nデバイスのための集積設計について、以下でさらに詳細に説明する。
【0052】
絶縁基板(例えば、サファイア)上に作製されたIII-Nデバイスは、裏面メタライゼーションを用いて形成することができ、裏面メタライゼーションは、III-Nデバイスを部品パッケージに対して物理的に取り付け(例えば、はんだまたはエポキシ樹脂で)、電気的に接続するために使用することができる。裏面メタライゼーションは、絶縁性基板と一体化された基板貫通ビア(本明細書ではTSVと呼ぶ)の実装によって、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、またはそれらの任意の組み合わせに対して電気的に接続することができる。TSVはIII-N材料構造体を貫通して形成することができるとともに、絶縁性基板を貫通して形成することができ、その結果、TSV内に金属層を堆積させて、所望のデバイス電極(基板の反対側のIII-N材料構造体の側に形成される)を裏面メタライゼーションに対して電気的に接続することができる。
【0053】
絶縁基板は、シリコンまたは炭化ケイ素などの半導体または導電性基板上では不可能な、新しい部品パッケージング溶液を可能にする。通常、GaNオンシリコンデバイスの場合、基板は導電性であるので、ソース電極またはゲート電極(低電圧電極~0V)に対して接続することができる。しかし、ドレイン端子をシリコンなどの導電性基板に対して接続することは、デバイスの性能、安定性、および長期信頼性を損なう可能性があるバックゲーティング効果があるので、不可能である。サファイアなどの絶縁性基板は、性能または信頼性に悪影響を及ぼすことなく、デバイスの裏面上のドレイン端子接続を可能にする。また、シリコンまたはSiCなどの半導体または導電性基板が使用される場合、1つの端子のみが基板に対して接続され得る。しかしながら、サファイアなどの絶縁性基板は、基板の裏面に形成された複数のデバイス端子をサポートすることができる。これは、以下で説明するように、チップサイズのスケーリングに関連するGaNオンシリコンカスコードデバイスの制約を排除し、動作電圧を増加させる。さらに、ディスクリートデバイス、IC、ハーフブリッジモジュール、および3相フルブリッジモジュールなどの部品パッケージ内に絶縁性基板を有する横型III-Nデバイスのための統合設計について、以下でさらに詳細に説明する。
【0054】
デバイスとトランジスタ
側面III-Nデバイス200の平面図を図2Aに示す。デバイス200は、デバイス活性領域31に形成された、ソースコンタクト21、ドレインコンタクト22、ソースコンタクト21とドレインコンタクト22(デバイス電極)との間のゲートコンタクト23、を有する。デバイス200の断面201が図2Bに示されており、これはデバイス200の「x」方向に取られている。図2Bに見られるように、デバイス200はまた、絶縁基板12(例えば、サファイア基板)の第1面上に形成されたIII-N材料構造13を有する。サファイア基板は、ミスカットされたサファイア基板であり得る。III-N材料構造13は、III-Nバッファ層、III-Nチャネル層、およびIII-Nバリア層を有することができる。III-Nバッファ層は、絶縁基板12の上面に直接形成することができる。III-Nバリア層のバンドギャップは、III-Nチャネル層のバンドギャップよりも大きく、その結果、図2Bに破線で示される横方向2次元電子ガス(2DEG)チャネル19がIII-N材料構造13内に形成され、活性領域31内のデバイスチャネルとして機能する。III-N材料構造体はGa極性配向で形成することができ、またはIII-N材料構造体はN極性配向で形成することができ、またはIII-N材料構造体は、r面サファイア上に成長するA面GaNとすることができる。III-N材料構造は、MOCVDチャンバ内で成長させたエピタキシャル膜(すなわち、エピ)とすることができる。ソースコンタクト21、ドレインコンタクト22、およびゲートコンタクト23は、全て、III-N材料構造13の絶縁基板12とは反対側の面上に形成される。ドレインバックメタル25は、III-N材料構造15とは反対側の絶縁基板12の第2面に形成される。III-N材料構造13の上面上に絶縁体層20(すなわち、SiNなどの誘電体層)を形成することができる。図2Bに見られるように、ドレインコンタクトは、デバイスの上面上の誘電体層によって完全に封入することができ、ソースコンタクトおよびゲートコンタクトは、外部ワイヤコネクタを可能にするために、デバイスの上面上に露出領域を有することができる。図2Aおよび2Bはデバイス200の単位セルを示し、多くの単位セルを組み合わせてデバイス200を形成することができる。単位セルは、活性領域31の外側、または絶縁体層20の上方に形成された金属配線構造と組み合わせて電気的に接続することができる。
【0055】
デバイス200は、III-N材料構造13および絶縁基板12を貫通して形成されたドレインビアホール15(すなわち、基板貫通ビア)を有する。金属層24は、ドレインコンタクト22をドレインバックメタル25に対して電気的に接続するドレインビア15内に、少なくとも部分的に形成される。図2Bに見られるように、ドレインビア15は、デバイス31の活性領域内に形成することができる。各ユニットセルは、デバイス200にわたる複数のTSVがドレイン22をドレインバックメタル25に対して接続することができるように、TSVを有することができる。
【0056】
あるいは、ドレインビア15はデバイス活性領域31の外側の領域に形成することができる。図2Cおよび図2Dはそれぞれ、デバイス210の平面図および断面図を示し、これは、ドレインビア15が活性領域31の外側に形成されることを除いて、デバイス200と同様である。図2Dは、デバイス210を横切って「y」方向に取られた断面202を示す。ここで、活性領域の2DEGチャネル19には、ドレインビア15は形成されていない。金属層24は、活性領域31の外側に形成され、ドレインバイア15内に少なくとも部分的に形成されることによって、ドレイン22をドレインバックメタル25に対して電気的に接続することができる。
【0057】
前述のように、ドレイン電極をSiまたはSiCなどの半導体または導電性基板に対して接続することは、デバイス性能、安定性、および長期信頼性を損なう可能性があるバックゲーティング効果があるので、不可能である。サファイアなどの絶縁性基板は、性能または信頼性に悪影響を及ぼすことなく、デバイス基板の裏面上のドレイン電極接続を可能にする。これは、いくつかの利点を提供することができる。例えば、デバイス200/210がカスコード構成で配置された空乏モードデバイスである場合、より大きなソースコンタクト21パッドを形成するために使用することができるデバイスの上面上において、より多くの領域が利用可能である。これは、直接実装されソースコンタクトパッドに対して電気的に接続される低電圧エンハンスメントモードトランジスタのサイズ、例えば、表面積の増加を可能にし、オン抵抗を低減する(図6A~6Cでさらに詳細に説明する)。
【0058】
加えて、超高電圧デバイス(例えば、1200Vを超える)の実装の場合、3つのデバイス電極全てがデバイス(デバイス100など)の同じ側にあるとき、高電圧電極(すなわち、ドレイン)と低電圧電極(すなわち、ソースおよび/またはゲート)との間のアークを防止するために、非常に大きな電極間隔が必要とされ、これにより、そのような電圧をサポートするために必要とされるであろうサイズを超えてデバイスサイズを増加させる。したがって、基板の一方の側に高電圧電極(すなわち、ドレインコンタクト)を有し、基板の高電圧電極とは反対側に低電圧電極(すなわち、ソースコンタクトおよびゲートコンタクト)を有することが有利である。ドレインコンタクト22をバックメタル25に対して接続することにより、チップサイズを小さくして高電圧動作を可能にし、同時に、高い電流搬送要件に起因する信頼性の問題を起こしやすい外部ドレインワイヤボンドの必要性をなくすことができる。
【0059】
さらに、非常に低抵抗のデバイス(例えば、15mOhm未満)の実装の場合、両方の通電端子がデバイスの同じ側(すなわち、ソース端子およびドレイン端子)にあるとき、結果として生じる金属ルーティングアーキテクチャは、デバイスの全オン抵抗を支配する可能性があり非効率的な設計をもたらす可能性がある著しい金属抵抗を追加することになる。電流搬送端子がデバイスの両側にあるアーキテクチャ(例えば、背面ドレイン)は非常に低い金属配線抵抗を可能にし、したがって、デバイスの非常に低いオン抵抗へのスケーリングを可能にすることができる。
【0060】
III-Nデバイスを絶縁性基板と一体化することにより、基板の裏面に複数のデバイス電極を形成することも可能になる。横型III-Nデバイス300の平面図を図3Aに示す。図3Bは、装置300を横切って「y」方向に取られた断面301を示す。デバイス300は、ドレインビア15である第1ビアホールと、ゲートビア16である第2ビアホールとを有することを除いて、デバイス200と同様である。第1および第2ビアホールは、III-N材料構造13および絶縁基板12を貫通して形成された基板貫通ビアである。金属層24は、ドレインビア15内に少なくとも部分的に形成され、ドレインコンタクト22をドレインバックメタル25に対して電気的に接続する。金属層26は、ゲートビア16内に少なくとも部分的に形成され、ゲートコンタクト23をゲートバックメタル27に対して電気的に接続する。ドレイン側メタル25とゲートバックメタル27とは、トレンチ32によって電気的に絶縁されている。単一の裏面メタライゼーションが基板上に形成され、その後、パターン化され、エッチングされて、バックメタルの一部分を除去し、トレンチ32を形成して、ドレインバックメタル25およびゲートバックメタル27を分離することができる。ドレインバックメタル25とゲートバックメタル27との間の分離は、10μmより大きくすることができる。図3Aおよび図3Bに見られるように、ドレインビア15およびゲートビア16は、デバイスの活性領域31の外側の領域に形成される。
【0061】
あるいは、ドレインビア15はデバイス(デバイス200など)の活性領域31内に形成することができ、ゲートビア16は図3Cのデバイス310の平面図に示すように、活性領域31の外側に形成することができる。活性領域の内側にドレインビア15を形成し、活性領域の外側にゲートビア16を形成することにより、代替の部品パッケージングレイアウトを可能にすることができ、これについては、後でより詳細に説明する(図7A~7C)。複数の基板貫通ビアを使用することができる。
【0062】
代替的に、図3Dのデバイス320の平面図に示されるように、ドレインビア15を省くことができ、ゲートビア16を活性領域31の外側に形成することができる。ここで、ゲートバックメタル27は、デバイス320の基板12の裏面全体にわたって形成することができる。バックメタル27がゲート23と接続されるようにゲートビア16を形成することは、カスコードスイッチにおいて使用するとき有益である代替の部品パッケージングレイアウトを可能にすることができ、これは図5に関してより詳細に後述される。
【0063】
横型III-Nデバイス400の平面図を図4Aに示す。図4Bは、装置400を横切る「x」方向に取られた断面401を示す。デバイス400は、ドレインビア15である第1ビアホールと、ソースビア17である第3ビアホールとを有することを除いて、デバイス200と同様である。第1および第3ビアホールは、III-N材料構造13および絶縁基板12を貫通して形成された基板貫通ビアである。金属層24は、ドレインビア15内に少なくとも部分的に形成され、ドレインコンタクト22をドレインバックメタル25に対して電気的に接続する。金属層28は、ソースビア17内に少なくとも部分的に形成され、ソースコンタクト21をソースバックメタル29に対して電気的に接続する。ドレインバックメタル25とソースバックメタル29とは、トレンチ32によって互いに電気的に絶縁されている。単一の裏面メタライゼーションが基板上に形成され、その後、バックメタルの一部を除去するためにパターニングおよびエッチングされて、トレンチ32を形成し、ドレインバックメタル25およびソースバックメタル29を分離することができる。図4Aおよび図4Bに示すように、デバイスの活性領域31内の領域にドレインビア15およびソースビア17を形成する。ドレインコンタクトおよびソースコンタクトは、III-Nデバイスの上面上の絶縁体層20内に完全に封入することができる。
【0064】
側面III-Nデバイス410の平面図を図4Cに示す。図4Dは、デバイス410を横切って「y」方向に取られた断面402を示す。デバイス410は、ドレインビア15およびソースビア17がデバイス活性領域31の外側に形成されることを除いて、デバイス400と同様である。
【0065】
あるいは、ドレインビア15はデバイス(デバイス200など)の活性領域31内に形成することができ、ソースビア17は図4Eのデバイス420の平面図に示すように活性領域31の外側に形成することができる。活性領域の内側にドレインビア15を形成し、活性領域の外側にソースビア17を形成することにより、代替の部品パッケージングレイアウトを可能にすることができ、これについては、後でより詳細に説明する(図8C)。
【0066】
横型III-Nデバイス430の平面図を図4Fに示す。図4Gは、装置430を横切って「x」方向に取られた断面403を示す。デバイス430は、ソースビア17のみが形成されドレインビア15が省略されることにより、基板の裏面全体がソースバックメタル29に対して接続され、ドレインコンタクト22がデバイス430の上面からアクセス可能であることを除いて、デバイス400と同様である。デバイス430は活性領域31内に形成されたソースビア17を示すが、ソースビア17は図4Dのデバイス420に示されるように活性領域の外側に形成することもできる。
【0067】
あるいは、裏面接続ソース電極の例においては、基板はシリコンなどの導電性基板とすることができる。デバイス440の断面図を図4Hに示す。ここで、ソースビア17は、III-N材料構造13を貫通して形成され、導電性基板10で終端する、スルーエピビア(またはTEV)である。金属28は、ソースコンタクト21が導電性基板10を介してソースバックメタル29に対して電気的に接続されるように、ソースビア17内に形成される。ソースコンタクト21は、III-Nデバイスの上面上の絶縁体層20によって完全に封入することができる。
【0068】
デバイス200、210、300、310、320、400、410、420、430、および440は、空乏モードデバイスであってもよく、エンハンスメントモードデバイスであってもよい。ほとんどの従来のIII-N高電子移動度トランジスタ(HEMT)および関連するトランジスタデバイスは、ノーマリオン(すなわち、負の閾値電圧を有する)であり、このことは、それらがゼロゲート電圧で電流を伝導できることを意味する。負の閾値電圧を有するこれらのデバイスは、空乏モード(Dモード)デバイスとして知られている。パワーエレクトロニクスにおいては、デバイスの偶発的なターンオンを防止することによって、デバイスまたは他の回路部品への損傷を回避するために、ゼロゲート電圧で実質的な電流を伝導しない、ノーマリーオフデバイス(すなわち、正の閾値電圧を有するデバイス)を有することが好ましい。ノーマリオフデバイスは、エンハンスメントモード(Eモード)デバイスと一般に呼ばれる。III-N材料構造の厚さおよび組成は、デバイスの閾値電圧に影響を及ぼす可能性がある。1例において、空乏モードデバイスの負の閾値電圧を達成するために、ゲートコンタクト23とIII-N材料構造13の上面との間に絶縁体層20を形成することができる。あるいは、III-N材料構造内の凹部をゲートコンタクト23の下に形成することができ、ゲートを凹部内に形成して、エンハンスメントモードデバイスの正の閾値電圧を達成することができる。
【0069】
ディスクリート電子部品パッケージ
単一の高電圧Eモードトランジスタの1つの代替は、図5Aの概略図に示されるカスコード回路構成において、高電圧DモードIII-Nトランジスタを低電圧Eモードトランジスタ、例えば低電圧シリコンFETと組み合わせて、本明細書ではカスコードスイッチ500と呼ばれる単一のハイブリッドIII-Nデバイスを形成することであり、これは、単一の高電圧EモードIII-Nトランジスタと同じ方法で動作することができ、多くの場合、単一の高電圧EモードIII-Nトランジスタと同じまたは同様の出力特性を達成する。図5Aのカスコードスイッチ500は、高電圧DモードIII-Nトランジスタ51と、低電圧Eモードトランジスタ52とを含み、これらは両方とも単一の電子部品パッケージ501内に収容することができる。カスコードスイッチは、ソース端子59と、ゲート端子58と、ドレイン端子57とを含み、これらは、部品パッケージの外側に延在し、スイッチの外部接続を可能にすることができる。低電圧Eモードトランジスタ52のソースコンタクト56および高電圧DモードIII-Nトランジスタ51のゲートコンタクト23は、コネクタ53によって、ソース端子59に対して電気的に接続される。低電圧Eモードトランジスタ52のゲートコンタクト55は、カスコードスイッチ500のゲート端子58に対して電気的に接続される。高電圧DモードIII-Nトランジスタ51のドレインコンタクト22は、カスコードスイッチ500のドレイン端子57に対して電気的に接続されている。高電圧DモードIII-Nトランジスタ51のソースコンタクト21は、低電圧Eモードトランジスタ52のドレインコンタクト54に対して電気的に接続されている。
【0070】
図5Bを参照すると、例示的なパッケージ502の平面図が示されており、低電圧Eモードトランジスタ52は高電圧Dモードトランジスタ51のソースコンタクト21に対して直接取り付けられ、Eモードトランジスタ52のドレインコンタクト54はDモードトランジスタ51のソースコンタクト21に対して直接接合および電気的に接続されている。Eモードトランジスタ52は例えば、シリコンFETであってもよく、Dモードトランジスタは例えば、シリコンなどの半導体または導電性基板で製造されたデバイス100などの高電圧III-N HEMTであってもよい。ここで、3つのデバイス電極(すなわち、ソース、ゲート、およびドレインコンタクト)はすべて、DモードIII-Nデバイス51の同じ側に形成される。Dモードトランジスタは、導電性パッケージベース60に対して取り付けられる。Eモードトランジスタ52のソースコンタクト56は、コネクタ53を介してDモードトランジスタ51のゲートコンタクト23に対して電気的に接続されている。カスコードスイッチ500は単一の高電圧EモードIII-Nトランジスタと同じ方法で動作することができ、多くの場合、単一の高電圧EモードIII-Nトランジスタと同じまたは同様の出力特性を達成する。Dモードトランジスタ51はEモードトランジスタ52よりも大きい(例えば、少なくとも3倍大きい)降伏電圧を有する。オフ状態でバイアスされている間にカスコードスイッチ500によって阻止され得る最大電圧は、Dモードトランジスタ51の最大阻止または破壊電圧と少なくとも同じ大きさである。
【0071】
図5Bに見られるように、ソースコンタクト21およびドレインコンタクト22は、ソースコンタクトとドレインコンタクトとの間の偶発的なアーク放電および短絡を防止するのに十分な最小距離33だけ離される。したがって、カスコードスイッチ500は高電圧動作において制限されるか、または、Eモードトランジスタ52は高電圧動作を可能にするのに十分なだけ分離33を増加させるように十分に小さく保たれなければならない。しかしながら、絶縁性基板の集積化および基板貫通ビアの使用により、ドレイン電極接続は、デバイスの上面から除去され、Dモードデバイス51の裏面上に形成することができる。これは、分離33の制限を排除し、より大きなソース接触面積を可能にする。対応するEモードトランジスタ52は、低減されたオン抵抗で、サイズを増大させることができ、例えば、表面積を増大させることができる。加えて、電流搬送端子がチップの反対側にあるアーキテクチャ(例えば、裏面ドレイン)は非常に低い金属配線抵抗を可能にし、したがって、非常に低いオン抵抗へのデバイスのスケーリングを可能にすることができる。
【0072】
図6Aはカスコードスイッチ600の断面図を示す。カスコードスイッチ600は、III-N空乏モードトランジスタ51が図2A~2Dのデバイス200(またはデバイス210)を使用して実装されることを除いて、カスコードスイッチ500と同様である。図6Aに見られるように、Dモードトランジスタ200は基板12を通って延びるドレインビア15を含み、ドレインビア15内に金属24が形成されて、ドレイン22をドレインバックメタル25に対して電気的に接続する。ドレインバックメタル層25は、はんだ、エポキシ樹脂、または別の適切な材料を介して、パッケージベース60に対して電気的に接続され物理的に取り付けられる。パッケージベース60は、カスコードスイッチ600のドレイン端子57に対して接続されている。Eモードトランジスタ52は、半導体ボディ層63を有する。トランジスタ52はさらに、半導体ボディ層63の第1側上のソースコンタクト56およびゲートコンタクト55と、ソースコンタクト59とは反対の半導体ボディ層63の第2側上のドレインコンタクト54とを含む。ソースコンタクト56はカスコードスイッチ600のソース端子59に対して接続され、ゲートコンタクト55はカスコードスイッチ600のゲート端子58に対して接続される。Eモードトランジスタ52のドレインコンタクト54は、はんだ、エポキシ樹脂、または別の適切な材料を介して、Dモードトランジスタ200のソースコンタクト21に対して電気的に接続され物理的に取り付けられる。Dモードトランジスタのゲートコンタクト23は、コネクタ53によってソース端子59(または任意選択的にソースコンタクト56)に対して接続される。
【0073】
図6Bは、単一の個別の電子部品パッケージ601に実装されたカスコードスイッチ600の正面側の平面図である。図6Cはスイッチ600のDモードデバイス200の裏面平面図であり、ドレイン接続されたバックメタル層25であるバックメタライゼーションを示す。図6A-6Cに見られるように、ドレインコンタクト22は外部ワイヤボンドコネクタを使用することなく導電性パッケージベース60に対して電気的に接続され、これは高い電流搬送要件に起因する長期信頼性の問題を起こしやすい。
【0074】
図6Dは、スイッチ610およびパッケージ602の前面平面図である。III-Nトランジスタ200が空乏モードトランジスタの代わりにエンハンスメントモードトランジスタであるときにパッケージ602が実装されることを除いて、カスコードスイッチ600と同様である。ここでは、低電圧Eモードトランジスタ52が除去され、トランジスタ200のソースコンタクト21がソース端子59に対して直接接続され、ゲートコンタクト23がゲート端子58に対して直接接続され、導電性パッケージベース60がスイッチ610のドレイン端子57に対して直接接続される。トランジスタ310のドレインコンタクト22は、外部ワイヤボンドコネクタを使用せずにドレインビア15を介して導電性パッケージベース60に対して接続され、これは高い電流搬送要件に起因する長期信頼性の問題を起こしやすい。さらに、カスコード構成を必要とすることなく、大面積ソースコンタクトパッド21は、デバイスのオン抵抗をさらに低減し、信頼性を改善することができる、より大きな直径のソースワイヤボンドまたは金属クリップの使用を可能にすることができる。
【0075】
図6Eはカスコードスイッチ620の断面図を示している。カスコードスイッチ620は、III-N空乏モードトランジスタが図3Dのデバイス320を使用して実装されることを除いて、カスコードスイッチ600と同様である。図6Eに見られるように、Dモードトランジスタ320は基板12を通って延びるゲートビア16を有し、ゲートビア16内に金属26が形成されて、ゲート23をゲートバックメタル層27に対して電気的に接続する。ゲートバックメタル層27は、はんだ、エポキシ樹脂、または別の適切な材料を介して、パッケージベース60に対して電気的に接続され物理的に取り付けられる。パッケージベース60は、カスコードスイッチ620のソース端子59に対して接続されている。ソースコンタクト56は、コネクタ53によってパッケージベース60に対して接続されている。Eモードトランジスタ52のゲートコンタクト55は、カスコードスイッチ620のゲート端子58に対して接続される。Dモードトランジスタ320のドレインコンタクト22は、カスコードスイッチ620のドレイン端子57に対して接続されている。
【0076】
図6Fは、単一の個別の電子部品パッケージ603に実装されたカスコードスイッチ620の前面平面図である。図6Gは、ゲート接続されたバックメタル27である裏面メタライゼーションを示す、スイッチ620のDモードデバイス320の裏面平面図である。図6E-6Gに見られるように、ゲートコンタクト23は外部ワイヤボンドコネクタを使用することなく導電性パッケージベース60に対して電気的に接続され、スイッチングインダクタンスを低減し、パッケージの複雑さを低減することができる。
【0077】
図7Aは、カスコードスイッチ700の断面図を示す。カスコードスイッチ700は、III-N空乏モードトランジスタが、図3Aおよび3Bのデバイス300(またはデバイス310)を使用して実装されることを除いて、図5Aのカスコードスイッチ500と同様である。図7Bに示すように、カスコードスイッチ700は、ディスクリート電子部品パッケージ701に実装される。図7Aに見られるように、カスコードスイッチ700のDモードトランジスタ300は、基板12を通って延びるドレインビア15を有し、ドレインビア15内に金属24が形成されて、ドレイン22をドレインバックメタル25に対して電気的に接続する。カスコードスイッチ700は、基板12を貫通するゲートビア16をさらに有し、ゲートビア16内に金属26が形成されて、ゲート23をゲートバックメタル27に対して電気的に接続する。カスコードスイッチ700は、絶縁性基板71の上面に形成された第1金属層、例えばAlNシムと、絶縁性基板71の裏面に形成された第2金属層72とを含む直接接合銅基板70(すなわちDBC基板)などのような、パターン化シムを有することができる。第1金属層は少なくとも、ドレインバックメタル25に対して電気的に接続された第1部分73と、ゲートバックメタル27に対して電気的に接続された第2部分74とを有する。第1金属層は、第1金属層の第1部分73と第2部分74との間にトレンチ76を形成するために、所望の領域においてパターン化され除去される、連続金属層であってもよい。第2金属層72は、導電性パッケージベース60に対して直接取り付けることができる。ドレインおよびゲートバックメタル層25および27は、はんだ、エポキシ樹脂、または別の適切な材料を介して、それぞれDBC70の第1部分73および第2部分74に対して電気的に接続され物理的に取り付けられる。
【0078】
図7Bは、ディスクリート電子パッケージ701に実装されたカスコードスイッチ700の前面平面図である。カスコードスイッチ700のドレイン端子57は、DBC70の第1部分73に対して接続される。カスコードスイッチ700のソース端子59は、DBC70の第2部分74に対して接続される。カスコードスイッチ700のゲート端子58は、低電圧Eモードトランジスタ52のゲートコンタクト55に対して接続される。図7Cは、ドレインバックメタル25およびゲートバックメタル層27である裏面メタライゼーションを示す、パッケージ701で使用されるDモードデバイス300の裏面平面図である。図7A~7Cに見られるように、ドレインコンタクト22はDBC70の第1部分73に対して電気的に接続され、Dモードデバイス51のゲートコンタクト23は外部ワイヤコネクタを使用せずにDBC70の第2部分74に対して電気的に接続される。
【0079】
図7Dはカスコードスイッチ710の正面側の平面図であり、カスコードスイッチ700と同様であるが、III-N空乏モードトランジスタが、図3Cのデバイス310を使用してディスクリートコンポーネントパッケージ702に実装されている点が異なる。図3Cのデバイス310で説明したように、ドレインビア15はアクティブ領域31の内側にあるデバイスの領域に形成され、ゲートビア16はアクティブ領域31の外側にあるデバイスの領域に形成される。この構成は図7Eに示されるように、ドレインバックメタル25がデバイス310の中央に形成され、ゲートバックメタル27がデバイス310の縁部に形成されることを可能にする。図7Dに見られるように、DBC70のトレンチ76は、DBC70の第1部分73がデバイス310の中央でドレインバックメタル層25に対して接続されることを可能にするように構成され、ゲートバックメタル27はデバイス310の縁部付近でDBC70の第2部分74に対して接触することができる。
【0080】
DBC基板70を利用することによって、デバイス700および710は図6A図6Cのデバイス600(導電性パッケージベース60に直接実装される)と比較して複雑さを増したが、他の利点が存在する。例えば、III-N材料構造12とは反対側の基板12の側に、ゲートコンタクト23およびドレインコンタクト22の両方のためのゲート端子接続およびドレイン端子接続を形成することによって、DモードIII-Nトランジスタ300/310の上面全体を利用して、ゲートおよび/またはドレインワイヤボンドのための任意の領域を割り振る必要なしに、ソースコンタクト21のサイズを最大化することができる。より大きな面積のソースコンタクト21を有することは、低電圧Eモードトランジスタ52のサイズの増大を可能にし、ひいてはカスコードスイッチ600と比較してカスコードスイッチ700および710の全オン抵抗を低減する。
【0081】
図8Aは、図4A~4DのIII-Nデバイス400(または410)を用いてパッケージ801が実装されることを除いてカスコードスイッチ700に類似する、スイッチ800およびパッケージ801の前面平面図である。ここで、デバイス400(または410)は、空乏モードトランジスタの代わりにエンハンスメントモードトランジスタである。エンハンスメントモードトランジスタがパッケージ801に対して導入されるとき、ソースビア17は図8Bに見られるように、デバイス400のソースコンタクト21をソースバックメタル29に対して接続するために使用される。ソースバックメタル29は、図8AのDBC70の部分75に対して接続される。ソース端子59は、DBC70の部分75に対して接続される。ドレイン端子57は、DBC70の部分73に対して接続される。ゲート端子58は、デバイス410のゲートコンタクト23に対して接続される。
【0082】
図8Cは、カスコードスイッチ810の正面側の平面図である。カスコードスイッチ810は、図4Dのデバイス420を使用してエンハンスメントモードIII-Nトランジスタがディスクリートコンポーネントパッケージ802に実装されることを除いて、スイッチ800と同様である。図4Dのデバイス420で説明したように、ドレインビア15はアクティブ領域31内にあるデバイスの領域に形成され、ソースビア17はアクティブ領域31の外側にあるデバイスの領域に形成される。この構成は、図8Dの裏面平面図に示されるように、ドレインバックメタル25がデバイス420の中央に形成され、ソースバックメタル29がデバイス420の縁部に形成されることを可能にする。図8Cに見られるように、DBC70のトレンチ76は、DBC70の第1部分73がデバイス420の中央のドレインバックメタル層25に対して接続されるように構成され、ソースバックメタル29はデバイス420のエッジ付近のDBC70の部分75に対して接触することができる。
【0083】
図9Aは、図4Eまたは図4GのエンハンスメントモードIII-Nデバイス430(またはデバイス440)を使用してディスクリートコンポーネントパッケージ901に実装されたスイッチ900の前面平面図である。図4Eのデバイス430で説明したように、ソースビア17は図9Bのデバイス430/440の裏面平面図に示すように、ソースコンタクト21をソースバックメタル層29に接続するために使用される。デバイス440が使用されるとき、導電性基板は、ソースコンタクト21をバックメタル層29に接続するために使用される。トランジスタ430/440のソースコンタクト21は、外部ワイヤボンドを使用することなく、ソースビア17を介して導電性パッケージベース60に対して電気的に接続される。ディスクリートパッケージのソース端子59は、導電性パッケージベース60に対して接続される。デバイス430/440のドレインコンタクト22はドレイン端子57に対して接続され、デバイス430/440のゲートコンタクト23はゲート端子58に対して接続される。さらに、ノーマリーオフ動作を達成するカスコード構成を必要とせずに、大面積ドレインコンタクトパッド22は、デバイスのオン抵抗をさらに低減し信頼性を改善することができる大径ドレインワイヤボンドまたは金属クリップの使用を、可能にすることができる。
【0084】
ディスクリート電子部品パッケージ601、602、603、701、702、801、802、および901は、TO-220またはTO-247などの3端子パッケージとすることができる。しかしながら、クワッドフラット無鉛(QFN)、表面実装デバイス(SMD)、またはロスフリーパッケージ(LFPAK)などのような、リードレスパッケージを有する代替の実施形態を使用することができる。さらに、パッケージの部品は、設計者およびパッケージタイプのニーズに最も適した方法で配向または配置されてもよい。
【0085】
電子モジュール
III-N高電子移動度トランジスタ(HEMT)で有望な利点を示す回路トポロジーの1つのタイプは、ハーフブリッジおよびフルブリッジ回路トポロジーである。図10は、ハイサイドスイッチングトランジスタ102とローサイドスイッチングトランジスタ103とを有するハーフブリッジ回路図1000を示す。ハーフブリッジ回路は、高電圧ノード104(VHIGH)と、低電圧またはグランドノード106(GND)とを有する。ハイサイドトランジスタ102のソースとローサイドトランジスタ103のドレインとの間にあるハーフブリッジのアウトプットノード107(VOUT)は、負荷モータ(誘導部品108)に対して接続されるように構成される。図10の回路の適切な動作を保証するために、DC高電圧ノード104は、AC接地として維持されなければならない。すなわちノード104は、コンデンサ109の一方の端子を高電圧ノード104に接続し、コンデンサの他方の端子を接地106に接続することによって、DC接地106に容量結合することができる。図10のハーフブリッジ回路1000は、前述のIII-Nトランジスタ200、210、300、310、400、410、420、430、および440をハイサイドトランジスタ102および/またはローサイドトランジスタ103として使用して形成することができる。
【0086】
本明細書では、低レベルのEMIを維持し、それによって、より高い回路安定性および改善された性能を可能にするのに適した集積電子モジュールについて説明する。本明細書のモジュールの設計は、モジュールにおいて使用されるスイッチの設計と組み合わせて、インダクタンスの低減ならびに他の回路寄生の低減をもたらすことができ、それによって、上述の性能および信頼性の改善をもたらす。電子モジュールはまた、従来のモジュールよりも小型化され、組み立てが容易であり、それによって、より低い製造コストを可能にすることができる。
【0087】
図11Aおよび図11Bは、それぞれ、電子モジュール1100の平面図および断面図を示す。モジュール1100は、図10に示されるハーフブリッジ構成で接続されたカスコードスイッチ600aおよび600bを有する。スイッチ600aおよび600bの各々に使用できるカスコードスイッチ600の平面図および断面図は、図6A~6Cに記載され示されている(カスコードスイッチ600の代わりに他のカスコード構成が使用され得る)。モジュール1100は、直接接合銅(DBC)基板220(図11Bに最もよく見られる)を有し、これは、モジュールのためのベース基板である。DBC基板は、AlNやAl23などのセラミックス絶縁体に、高温溶融・拡散過程で純銅を直接接合することにより形成される。DBC基板220は絶縁(例えば、セラミックまたはAlN)基板226を有し、その上に上部金属層(例えば、銅またはニッケル)が、少なくとも、高電圧プレートとして機能する第1部分221と、出力プレートとして機能する第2部分222と、接地プレートとして機能する第3部分223とにパターニングされる。部分221、222、および223はそれぞれ、上部金属層を貫通して形成されたトレンチ225によって互いに電気的に絶縁されている。
【0088】
図11Bに見られるように、DBC基板は絶縁性基板226の上部金属層(221/222/223)とは反対側にバックメタル層227(例えば、銅またはニッケル)を有することができる。接地プレート223は、絶縁性基板226(図示せず)を貫通して金属ビアホールを形成することによって、バックメタル層227に対して任意選択で電気的に接続することができる。ハイサイドスイッチ600aは高電圧プレート221上に直接取り付けられ、ローサイドスイッチ600bは出力プレート222上に直接取り付けられる。
【0089】
再び図11Aを参照すると、ハイサイドスイッチ600a上で、Dモードトランジスタ200aのドレインコンタクト22は、ドレインバックメタル25に対して接続されたドレインビア15によって高電圧プレート221に対して電気的に接続される。Dモードトランジスタ200aのゲートコンタクト23aおよびEモードトランジスタ52aのソースコンタクト56aは、それぞれワイヤコネクタ44aおよび42aを介して出力プレート222に対して電気的に接続されている。ローサイドカスコードスイッチ600bの場合、Dモードトランジスタ200bのドレインコンタクト22は、ドレインバックメタル25に対して接続されたドレインビア15によって出力プレート222に対して電気的に接続される。Dモードトランジスタ200bのゲートコンタクト23bおよびEモードトランジスタ52bのソースコンタクト56bは、それぞれ、ワイヤコネクタ44bおよび42bを介して接地板223に対して電気的に接続されている。
【0090】
電子モジュール1100は任意選択で、電子部品が収容されるパッケージを有することができ、パッケージは、ハイサイドゲート入力リード231(VGH)、ローサイドゲート入力リード233(VGL)、高電圧リード230、グランドリード234、および出力リード232を有する。ハイサイドゲート入力リード231はハイサイドスイッチ600aのEモードトランジスタ52aのゲートコンタクト55aに対して接続され、ローサイドゲート入力リード233はローサイドスイッチ600bのEモードトランジスタ52bのゲートコンタクト55bに対して接続され、高電圧リード230は高電圧プレート221に対して接続され、接地リード234は接地プレート223に対して接続され、出力リード232は出力プレート222に対して接続される。
【0091】
図11Aおよび図11Bの電子モジュール110によって形成されるハーフブリッジ回路の適切な動作を保証するために、高電圧ノード230は、AC接地として維持されるべきである。簡単のために図11Aには示されていないが、ノード230は、コンデンサの第1端子を高電圧プレート221に接続し、コンデンサの第2端子を接地プレート223(コンデンサ75として図15Bに示す)に接続することによって、接地リード234に対して容量結合することができる。コンデンサは、トレンチ225の上方を横方向に延在することができる。コンデンサは、抵抗部品および容量部品を有するハイブリッドコンデンサとすることができる。抵抗成分は0.1Ωより大きくすることができ、容量成分は0.1nFより大きくすることができる。
【0092】
スイッチおよび関連するモジュールの設計は、様々な動作モード中にハイサイドスイッチ102および/またはローサイドスイッチ103の性能を決定するための重要な要因となり得る。カスコードスイッチ600bをローサイドデバイス103としてハーフブリッジモジュール1000に実装し、それによって、カスコードスイッチ600bのDモードトランジスタ200bとモジュール1000の出力プレート222との間の外部ドレインワイヤ接続の必要性を排除することにより(Dモードトランジスタ200aドレインがドレインビア15を介して出力プレート222に接続されるので)、ハーフブリッジモジュールにおける寄生インダクタンスが低減される。これは、スイッチング動作中にカスコードスイッチ600bが受けるリンギングを減少させる。
【0093】
さらに、ハイサイドスイッチ600aは、特定のスイッチングシーケンス中に逆導通モードで動作させることができる。ここで、カスコードスイッチ600aのDモードIII-Nトランジスタ200aと高電圧板221との間のドレイン接続は、ビアホール15を介して接続されており、電子モジュールにおける寄生インダクタンスがさらに低減されている。これは、逆導通モードに切り替わるときにカスコードスイッチ600aが受ける電圧スパイクおよびリンギングをさらに低減する。
【0094】
集積電子モジュール1110の上面図が図11Cに示されており、これは図11Aの電子モジュール1100と同様である。しかしながら、モジュール1110においてはハイサイドスイッチ200aおよびローサイドスイッチ200bがEモードIII-Nトランジスタであり、その結果、カスコードスイッチ(スイッチ600など)はノーマリオフ動作のために必要とされない。スイッチ200aおよび200bの各々に使用することができる200の平面図および断面図は、図2Aおよび2Bに記載され示されている。ハイサイドスイッチ200aがEモードIII-Nトランジスタである場合、Eモードトランジスタ200aのドレインコンタクト22は、ドレインバックメタル25に対して接続されたドレインビア15によって高電圧プレート221に対して電気的に接続される。Eモードトランジスタ200aのゲートコンタクト23aはハイサイドゲート入力リード231に対して接続され、Eモードトランジスタ200aのソースコンタクト21aはワイヤコネクタ42aを介して出力プレート222に対して電気的に接続される。ローサイドスイッチ200bがエンハンスメントモードIII-Nトランジスタである場合、トランジスタ200bのドレインコンタクト22は、ドレインバックメタル25に対して接続されたドレインビア15によって出力プレート222に対して電気的に接続される。トランジスタ200bのゲートコンタクト23bはローサイドゲート入力リード233に対して接続され、トランジスタ200bのソースコンタクト21bはワイヤコネクタ42bを介して接地プレート223に対して電気的に接続される。
【0095】
集積電子モジュール1120の上面図を図11Dに示し、これは図11Aの電子モジュール1100と同様である。しかしながら、モジュール1120においては、図4Fまたは4Gのエンハンスメントモードデバイス430または440がそれぞれ、ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチとして使用される。簡単にするために、図11Dは、図4Gのトランジスタ440と同様のハイサイドスイッチ440aおよびローサイドスイッチ440bを用いて示されている。DBC226は、DBCに形成されたトレンチ225によって互いに電気的に絶縁された、高電圧プレート221、出力プレート222、接地プレート223、を有する。ハイサイドスイッチ440aとしてEモードスイッチ440を用いる場合、ドレインコンタクト22aは、コネクタ41aによって高電圧プレート221に対して接続される。スイッチ440aのソースコンタクトは、ソースバックメタル29に対して電気的に接続されるソースビア17によって出力プレート222に対して電気的に接続される。ゲートコンタクト23aは、ハイサイドゲート入力リード231に対して接続されている。Eモードスイッチ440がローサイドスイッチ440bとして使用される場合、ドレインコンタクト22bは、コネクタ41bによって出力プレート222に対して接続される。スイッチ440bのソースコンタクトは、ソースバックメタル29に対して電気的に接続されるソースビア17によって接地プレート223に対して電気的に接続される。ゲートコンタクト23bは、ローサイドゲート入力リード233に対して接続されている。
【0096】
集積電子モジュール1200の上面図が図12Aに示されており、これは図11Aの電子モジュール1100と同様である。しかしながら、モジュール1200は、図12Aに示されるハーフブリッジ構成で接続されるカスコードスイッチ700aおよび700bを有する。スイッチ700aおよび700bの各々に使用することができるカスコードスイッチ700の平面図および断面図は、図7Aおよび7Bに記載され示されている。モジュール1200は直接接合銅(DBC)基板320を有し、これは、モジュールのためのベース基板とすることができる。ハイサイドスイッチ700aの場合、Dモードトランジスタ300aのドレインコンタクト22は、ドレインバックメタル25に対して接続されたドレインビア15によって高電圧プレート221に対して電気的に接続される。Dモードトランジスタ300aのゲートコンタクト23は、ゲートバックメタル27に対して接続されたゲートビア16によって出力プレート222に対して電気的に接続される。Eモードトランジスタ52aのソースコンタクト56aは、ワイヤコネクタ42aを介して出力プレート222に対して電気的に接続されている。ローサイドカスコードスイッチ700bの場合、Dモードトランジスタ300bのドレインコンタクト22は、ドレインバックメタル25に対して接続されたドレインビア15によって出力プレート222に対して電気的に接続される。Dモードトランジスタ300bのゲートコンタクト23は、ゲートバックメタル27に対して接続されたゲートビア16によって接地プレート223に対して電気的に接続される。Eモードトランジスタ52bのソースコンタクト56bは、ワイヤコネクタ42bを介して接地プレート223に対して電気的に接続される。図12Aのハーフブリッジモジュール1200は、それぞれハイサイドスイッチ600aおよびローサイドスイッチ600bからゲートワイヤコネクタ44aおよび44bを排除することによって、図11Aのハーフブリッジモジュール1100よりも有利であり、これは回路スイッチングインダクタンスおよびパッケージングの複雑さをさらに低減する。
【0097】
集積電子モジュール1210の上面図および断面図がそれぞれ図12Bおよび図12Cに示されており、図12Aの電子モジュール1200と同様である。しかしながら、モジュール1210においては、ハイサイドスイッチ410aおよびローサイドスイッチ410bはエンハンスメントモードIII-Nトランジスタであり、その結果、カスコードスイッチ(スイッチ700など)はノーマリオフ動作に必要とされない。スイッチ410aおよび/または410bの各々に使用することができるデバイス400または410の平面図および断面図は、図4Aおよび4Dに記載され示されている。ハイサイドスイッチ410aがエンハンスメントモードIII-Nトランジスタである場合、トランジスタ410aのドレインコンタクト22はドレインバックメタル25aに対して接続されたドレインビア15によって高電圧プレート221に対して電気的に接続され、トランジスタ410aのソースコンタクト21はソースバックメタル28aに対して接続されたソースビア17によって出力プレート222に対して電気的に接続される(図12Cに最もよく見られる)。トランジスタ410aのゲートコンタクト23aは、ハイサイドゲート入力リード231に対して接続されている。ローサイドスイッチ410bがエンハンスメントモードIII-Nトランジスタである場合、トランジスタ410bのドレインコンタクト22は、ドレインバックメタル25bに対して接続されたドレインビア15によって出力プレート222に対して電気的に接続され、トランジスタ410bのソースコンタクト21は、ソースバックメタル28bに対して接続されたソースビア17によって接地プレート223に対して電気的に接続される。トランジスタ410bのゲートコンタクト23bは、ローサイドゲート入力リード233に対して接続される。図12Bおよび12Cに見られるように、ハイサイドスイッチ410aおよびローサイドスイッチ410bがエンハンスメントモードIII-Nトランジスタであるとき、モジュール1210は、ハイサイドスイッチ410aまたはローサイドスイッチ410bから高電圧プレート221、出力プレート222、または接地プレート223に構成される任意の外部ワイヤコネクタを使用することなく実装できる。これは、モジュールのオン抵抗、スイッチングインダクタンス、およびパッケージングの複雑さを大幅に低減することができ、パッケージングコストの低減とともに性能の改善につながる。
【0098】
集積電子モジュール1300の上面図を図13Aに示し、これは図11Aの電子モジュール1100と同様である。しかしながら、モジュール1300は、図13Aに示されるハーフブリッジ構成で接続されるカスコードスイッチ710aおよび710bを有する。スイッチ710aおよび710bの各々に使用することができるカスコードスイッチ710の平面図は、図7Dおよび7Eに関して説明し示している。モジュール1300は直接接合銅(DBC)基板420を有し、これは、モジュール1300のためのベース基板とすることができる。ハイサイドカスコードスイッチ710aおよびローサイドカスコードスイッチ710bは、DBC基板420を有するモジュール1300へ統合される。ハイサイドスイッチ710aの場合、Dモードトランジスタ310aのドレインコンタクト22は、ドレインバックメタル25に対して接続されたドレインビア15によって高電圧プレート221に対して電気的に接続される。Dモードトランジスタ310aのゲートコンタクト23は、ゲートバックメタル27に対して接続されたゲートビア16によって出力プレート222aに対して電気的に接続され、ゲートバックメタル層27はトランジスタ310のエッジ上に構成され、ドレインバックメタル25は図7Eに示されるようにトランジスタ310の中央に構成される。スイッチ710aのEモードトランジスタ52aのソースコンタクト56aは、ワイヤコネクタ42aを介して出力プレート222aに対して電気的に接続されている。ローサイドカスコードスイッチ700bの場合、Dモードトランジスタ310bのドレインコンタクト22は、ドレインバックメタル25に対して接続されたドレインビア15によって出力プレート222bに対して電気的に接続される。Dモードトランジスタ310bのゲートコンタクト23は、ゲートバックメタル27に対して接続されたゲートビア16によって接地プレート223に対して電気的に接続され、バックメタル25および27はトランジスタ310aと同様に構成される。スイッチ710bのEモードトランジスタ52bのソースコンタクト56bは、ワイヤコネクタ42bを介して接地プレート223に対して電気的に接続される。出力プレート222aと出力プレート222bは、電線コネクタ45によって互いに電気的に接続されている。図示されていないが、DBC420は、出力プレート222aおよび22bがDBC420上の金属層の同じ部分から形成され、ワイヤコネクタ45が必要とされないように、構成することができる。
【0099】
集積電子モジュール1310の上面図を図13Bに示し、これは図13Aの電子モジュール1300と同様である。しかしながら、モジュール1310においては、ハイサイドスイッチ420aおよびローサイドスイッチ420bはエンハンスメントモードIII-Nトランジスタであり、その結果、カスコードスイッチ(スイッチ710など)はノーマリオフ動作に必要とされない。モジュール1310内のスイッチ420aおよび/または420bの各々に使用されるトランジスタ420の平面図は、図4Dに示されている。ハイサイドスイッチ420aがEモードIII-Nトランジスタである場合、トランジスタ420aのドレインコンタクト22は、ドレインバックメタル25に対して接続されたドレインビア15によって高電圧プレート221に対して電気的に接続される。トランジスタ420aのソースコンタクト21は、ソースバックメタル28に対して接続されたソースビア17によって出力プレート222aに対して電気的に接続され、ソースバックメタル層28は図8Dに示されるように、トランジスタ420のエッジ上に構成され、ドレインバックメタル25はトランジスタ420の中央に構成される。トランジスタ420aのゲートコンタクト23aは、ハイサイドゲート入力リード231に対して接続されている。ローサイドスイッチ420bがEモードIII-Nトランジスタである場合、トランジスタ420bのドレインコンタクト22は、ドレインバックメタル25に対して接続されたドレインビア15によって出力プレート222bに対して電気的に接続される。トランジスタ420bのソースコンタクト21は、ソースバックメタル28に対して接続されたソースビア17によって接地プレート223に対して電気的に接続され、バックメタル25および28はトランジスタ420aと同様に構成される。トランジスタ420bのゲートコンタクト23bは、ローサイドゲート入力リード233に対して接続される。出力プレート222aと出力プレート222bは、電線コネクタ45によって互いに電気的に接続されている。図示されていないが、DBC420は、出力プレート222aおよび22bがDBC420上の金属層の同じ部分から形成され、ワイヤコネクタ45が必要とされないように、構成することができる。図13Bに見られるように、ハイサイドスイッチ420aおよびローサイドスイッチ420bがエンハンスメントモードIII-Nトランジスタであるとき、モジュール1310は、ハイサイドスイッチ410aまたはローサイドスイッチ410bから高電圧プレート221、出力プレート222、または接地プレート223に構成される任意の外部ワイヤコネクタを使用することなく実装できる。これは、回路スイッチングインダクタンスおよびパッケージングの複雑さをさらに低減することができる。
【0100】
集積電子モジュール1400の上面図を図14Aに示し、これは図11Aの電子モジュール1100と同様である。しかしながら、モジュール1400は、図14Aに示されるハーフブリッジ構成で接続されるハイサイドカスコードスイッチ600aおよびローサイドカスコードスイッチ620bを有する。ハイサイドスイッチ600aとして使用することができるカスコードスイッチ600の平面図および断面図は、図6A図6Cに関して説明され示されている。ローサイドスイッチ620bとして使用することができるカスコードスイッチ620の平面図および断面図は、図6E~6Gに関して説明され示されている。モジュール1400は直接接合銅(DBC)基板520を有し、これは、モジュールのためのベース基板とすることができる。ハイサイドスイッチ600aの場合、Dモードトランジスタ200aのドレインコンタクト22は、ドレインバックメタル25に対して接続されたドレインビア15によって高電圧プレート221に対して電気的に接続される。Dモードトランジスタ300aのゲートコンタクト23およびEモードトランジスタ52aのソースコンタクト56aは、それぞれコネクタ44aおよび42aによって出力プレート222に対して電気的に接続される。ローサイドカスコードスイッチ620bの場合、Dモードトランジスタ320bのゲートコンタクト23は、ゲートバックメタル27に対して接続されたゲートビア16によって接地プレート223に対して電気的に接続される。Eモードトランジスタ52bのソースコンタクト56bは、ワイヤコネクタ42bを介して接地プレート223に対して電気的に接続される。Dモードトランジスタ320bのドレインコンタクト22bは、ワイヤコネクタ46bを介して出力プレート222に対して接続されている。図14Aのハーフブリッジモジュール1400は、外部ワイヤを使用せずに高電圧端子230にハイサイドスイッチ600aのドレインを構成し、外部ワイヤコネクタを使用することなくDモードトランジスタ320bのゲートをローサイドスイッチ620bの接地端子234に構成することによって、図11Aのハーフブリッジモジュール1100よりも有利となる。
【0101】
集積電子モジュール1410の上面図および断面図が図14Bに示されており、これは図14Aの電子モジュール1400と同様である。しかしながら、モジュール1410においてはハイサイドスイッチ200aおよびローサイドスイッチ430bはエンハンスメントモードIII-Nトランジスタであり、その結果、カスコードスイッチ(スイッチ600aおよび620bなど)はノーマリオフ動作のために必要とされない。ハイサイドスイッチ200aとして使用可能なトランジスタ200または210の平面図および断面図は、図2A図2Dに関して説明され示されている。ローサイドスイッチ430bとして使用可能なトランジスタ430(またはトランジスタ440)の平面図および断面図は、図4Eおよび図4Fに関して説明され示されている。ハイサイドスイッチ200aがエンハンスメントモードIII-Nトランジスタである場合、トランジスタ200aのドレインコンタクト22は、ドレインバックメタル25aに対して接続されたドレインビア15によって高電圧プレート221に対して電気的に接続される。トランジスタ200aのソースコンタクト21aは、ワイヤコネクタ42aを介して電気的に接続されている。トランジスタ200aのゲートコンタクト23aは、ハイサイドゲート入力リード231に対して接続されている。ローサイドスイッチ430bがエンハンスメントモードIII-Nトランジスタであるとき、トランジスタ430bのソースコンタクト21は、ソースバックメタル28に対して接続されたソースビア17によって接地プレート223に対して電気的に接続される。トランジスタ430bのドレインコンタクト22bは、ワイヤコネクタ46bを介して出力プレート223に対して電気的に接続されている。トランジスタ430bのゲートコンタクト23bは、ローサイドゲート入力リード233に対して接続される。図14Bに見られるように、ハイサイドスイッチ200aaおよびローサイドスイッチ430bがエンハンスメントモードIII-Nトランジスタである場合、ハイサイドスイッチのドレインを高電圧端子230に対して接続することができ、ローサイドスイッチのソースを外部ワイヤコネクタを使用することなく接地端子234に対して接続することができる。これは、モジュールオン抵抗、スイッチングインダクタンス、およびパッケージングの複雑さを低減することができ、パッケージングコストの低減とともに性能の改善につながる。
【0102】
電子モジュール1100~1410は、単一のハイサイドスイッチおよび単一のロースイッチを有するハーフブリッジ回路を示すが、代替的に、電子モジュール1100~1410のいずれも、同じ電子モジュール内に並列に接続された2つ以上のハーフブリッジ回路を有するように構成することができる。たとえば、図15Aは、並列に接続されたハイサイドエンハンスメントモードIII-Nデバイス200aおよびハイサイドエンハンスメントモードIII-Nデバイス200a’(図2Aの同じIII-Nデバイス200とすることができる)と、並列に接続されたローサイドエンハンスメントモードIII-Nデバイス200bおよびローサイドエンハンスメントモードIII-Nデバイス200b’(図2Aの同じIII-Nデバイス200とすることができる)とを有する電子モジュール1500(図11Cのモジュール1110と同様である)を示す。あるいは、本明細書で前述した他のデバイスを並列に接続することもできる。ハイサイドゲート入力端子231は、デバイス200aのゲートコンタクト23aおよびデバイス200a’のゲートコンタクト23a’に対して接続される。ローサイドゲート入力端子233は、デバイス200bのゲートコンタクト23bおよびデバイス200b’のゲートコンタクト23b’に対して接続される。ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチは、DBC620に対して並列に構成される。デバイス200a’のソースコンタクト21a’はコネクタ42aを介して出力プレート222に対して接続され、デバイス200b’のソースコンタクト21b’はコネクタ42b’を介して接地プレート223に対して接続される。2つのハーフブリッジ回路を並列に接続することにより、モジュールのオン抵抗を低減することができ、単一のハーフブリッジ回路のみでは不可能なより大きな最大動作電力を提供することができる。並列ハーフブリッジ回路がモジュール1500などの同じ電子モジュールへ構成されるとき、インダクタンスは低減され、スイッチング同期は理想的に整合される。モジュール1500は並列に接続された2つのハイサイドスイッチおよび2つのローサイドスイッチを示すが、オン抵抗をさらに低減するために、3つ以上のスイッチを並列に接続することができる。
【0103】
代替的に、ハーフブリッジ回路を示す電子モジュール1100~1410のいずれも、3相フルブリッジ回路を有するように構成することができる。例えば、図15Bは、単一のパッケージ内に統合された3相フルブリッジを含む電子モジュール1510の上面図である。第1相ハーフブリッジ回路は、ハイサイドスイッチ82とローサイドスイッチ83とを有する。第2相ハーフブリッジ回路は、ハイサイドスイッチ82’とローサイドスイッチ83’とを有する。第3相ハーフブリッジ回路は、ハイサイドスイッチ82’’とローサイドスイッチ83’’とを有する。モジュール1510の全てのハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチは例えば、それぞれ、図4Fおよび図4GのEモードスイッチ430または440を用いて実装することができる。モジュール1510はDBC層1520を有し、DBC1510の上部金属層は、DBC1510の上部金属層を貫通して形成されたトレンチ225によって分離された少なくとも5つの部分にパターニングされる。第1部分は、高電圧リード91を介して直流高電圧入力に対して接続される高電圧プレート221として機能する。第2部分は、第1相92の出力ノードに対して接続される出力プレート227として機能する。第3部分は、第2相92’の出力ノードに対して接続される出力プレート228として機能する。第4部分は、第3相92’’の出力ノードに対して接続される出力プレート229’’として機能する。第5部分は、接地リード93を介してDC接地に対して接続されるように構成された接地プレート223として機能する。
【0104】
ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチが図4Gのデバイス440と同様に構成されるとき、ハイサイドスイッチ82、82’、および82’’の基板はそれぞれ、出力プレート227、228、および229に対して接触するとともに電気的に接続される。ローサイドスイッチ83、83’、および83’’の基板は、接地プレート223に対して接触するとともに電気的に接続され、これにより、すべてのローサイドスイッチはDBC1520の同じ金属部分に対して接触し電気的に接続される。ハイサイドスイッチ82,82’,82’’の基板はそれぞれ互いに電気的に絶縁されている。ハイサイドスイッチ82のドレインコンタクト21はコネクタ41によって高電圧プレート221に対して接続され、ハイサイドスイッチ82’のドレインコンタクト21’はコネクタ41’によって高電圧プレート221に対して接続され、ハイサイドスイッチ82’’のドレインコンタクト21’’はコネクタ41’’によって高電圧プレート221に対して接続されている。ローサイドスイッチ83のドレインコンタクト21はコネクタ43によって第1相出力プレート227に対して接続され、ローサイドスイッチ83’のドレインコンタクト21’はコネクタ43’によって第2相出力プレート228に対して接続され、ローサイドスイッチ83’’のドレインコンタクト21’’はコネクタ43’’によって第3位相出力プレート229に対して接続される。任意選択的に、コンデンサ75の第1端子はDC高電圧プレート221に対して接続することができ、コンデンサ75の第2端子は、DC高電圧プレート221がAC接地に対して接続されるように、接地プレート223に対して接続することができる。
【0105】
ゲートドライバは、ハイサイドスイッチを動作させるための3つの独立したゲート信号と、ローサイドスイッチを動作させるための3つの独立したゲート信号とを使用して、モジュール1500を動作させる。ゲートドライバからのそれぞれ独立したハイサイドゲート信号は、ゲート入力ノード94、94’および94’’に対して接続することができ、一方、ゲートドライバからのそれぞれ独立したローサイドゲート信号は、ゲート入力ノード95、95’および95’’に接対して続することができる。3相フルブリッジ回路を単一の集積電子デバイスモジュール1520に統合することは、スイッチング効率を大幅に改善すると同時に、回路の複雑さを低減することができる。
【0106】
製造方法
図16は、図2図4のIII-Nデバイスを製造する例示的な方法1600の流れ図である。説明のために、本方法は、図3Aおよび図3Bの例示的なデバイス300を参照して説明される。III-N材料構造は、絶縁基板の前面に形成される(1610)。絶縁基板は例えば、500um~1mmの初期厚さを有するサファイア基板とすることができる。サファイア基板はMOCVD反応器などの反応器内に配置することができ、III-N材料構造を反応器内に堆積させることができる。III-N材料構造は、III-Nバッファ層、III-Nチャネル層、およびIII-Nバリア層を有することができる。III-Nバリア層のバンドギャップは、III-Nチャネル層のバンドギャップよりも大きく、その結果、横方向2次元電子ガス(2DEG)チャネルがIII-N材料構造内に形成され、デバイスチャネルとして機能する。III-N材料構造体はGa極性配向で形成することができ、またはIII-N材料構造体はN極性配向で形成することができ、またはIII-N材料構造体は、r面上に成長するA面GaNとすることができる。
【0107】
III-N材料構造体を形成した後、デバイス端子(すなわち、ソースコンタクト、ゲートコンタクト、およびドレインコンタクト)が、基板とは反対側のIII-N材料構造体の面上に形成される(1620)。ソースコンタクトおよび/またはドレインコンタクトは、2DEGチャネルに対して電気的に接続することができる。いくつかの実施形態ではドレインが2DEGチャネルに電対して気的に接続され、ソースコンタクトは2DEGチャネルから電気的に絶縁される。ゲートコンタクトは、デバイスチャネル内の電流を変調するために使用することができる。ソースコンタクト、ドレインコンタクト、およびゲートコンタクトは、Ti、Al、Ni、Au、または他の適切な材料からなる金属層で形成することができる。
【0108】
複数のビア(すなわち、TSV)が、III-N材料構造を貫通して、部分的に絶縁基板内にエッチングされる(1630)。フォトレジスト層またはハードマスク層などの保護層は、所望のビア位置を露出するために、ウェハにわたって選択的にパターニングすることができる。TSVは、トレンチ(または凹部)を形成するドライエッチングプロセスまたはウェットエッチングプロセスまたはその両方の組み合わせによってエッチングすることができる。例えば、III-N材料構造を通って延びるTSVの部分をドライエッチングすることができ、基板内に延びるTSVの部分をウェットエッチングすることができる。あるいはまたはそれと組み合わせて、TSVはレーザアブレーションなどの他の技術を使用して実現することができる。典型的には、サファイア基板は所望の最終厚さよりも大きい初期厚さを有する。初期の厚さは、例えば、従来のCMOSタイプの設備で動作するときにウエハの破損を最小限に抑えるために、500umよりも大きくすることができる。しかしながら、III-Nデバイスの熱的および電気的要件に起因して、サファイア基板の最終的な所望の厚さは、500um未満、例えば、200um未満であり得る。TSVは、基板の所望の最終厚さよりも大きく、初期基板厚さよりも小さい深さまで、基板内に対してエッチングされるべきである。例えば、初期基板厚さが700μmであり、基板の所望の最終厚さが200μmである場合、TSVは、200μm~700μmの深さまで基板にエッチングすることができる。TSVエッチングプロセスによって形成されるトレンチ深さは、初期基板厚さの10%を超えることができる。TSVエッチングプロセスによって形成されるトレンチ深さは、最終的な所望の基板厚さよりも10%大きくすることができる。
【0109】
図4Fのデバイス440などの導電性基板の場合、III-N材料構造の厚さ全体を貫通するビアホールを形成し、導電性基板の上面でビアホールを終端することによって、貫通エピビア(またはTEV)を使用することができる。
【0110】
TSV内に金属層が形成され、所望のデバイス端子に対して接続される(1640)。複数の端子接続の場合、例えば、図3Aのデバイス300において、連続金属層(金属24、26)が例えば、金属スパッタリングによってウェハの前面上に形成され、次いで、パターニングおよびエッチングされて、ゲートコンタクト23をゲートビア16内の金属16に接続するとともに、ドレインコンタクト22をドレインビア15内の金属24に接続する。TSVに形成される金属層(24,26)は、チタン、ニッケル、アルミニウム、金、銅、または任意の他の適切な材料とすることができる。
【0111】
次に、絶縁性基板の裏側(III-N材料構造とは反対側の基板の側)を、典型的には物理的研削によって薄くして、TSV内の金属層(24,26)を露出させる(1650)。基板は、デバイスの所望の最終基板厚さまで薄化される。バックメタル層は、絶縁性基板の裏面上に形成され、デバイス端子をバックメタルに接続する(1660)。絶縁性基板の裏面に形成されるバックメタル層は、チタン、ニッケル、アルミニウム、金、銅、または任意の他の適切な材料である。複数の裏面端子が必要な場合、バックメタルがパターン化される(1670)。裏面メタライゼーションは、スパッタリング、蒸着、PVD、または任意の他の適切な方法によって堆積することができる。デバイス300または図3Aの例においては、バックメタルをパターニングして、ゲートコンタクト23に対して電気的に接続されたゲートバックメタル27と、ドレインコンタクト22に対して電気的に接続されたドレインバックメタル25とを形成することができる。図3Bに示されるように、ゲートバックメタル27およびドレインバックメタル25は、トレンチ32によって分離される。
【0112】
集積回路
図12A~14Bの電子モジュールは、ハーフブリッジ回路を形成するように構成された2つの別個のIII-Nデバイスを示すが、サファイア基板などの絶縁性基板の実装は、共通の絶縁性基板上に複数のデバイスから形成された集積回路(すなわち、IC)を可能にする。
【0113】
図17Aは、単一の共通絶縁基板12と一体化されたハーフブリッジ回路(図10の回路1000など)を形成するように構成されたカスコードハイサイドスイッチ(スイッチ700など)およびカスコードローサイドスイッチ(スイッチ700など)を有するデバイス1700の断面図を示す。イオン注入によって、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチとの間のIII-N材料構造13内に分離領域750が形成される。あるいは、領域750内のIII-N材料は例えばドライエッチングによって物理的に除去することができる。ハイサイドスイッチを形成するために使用されるIII-N材料は、ローサイドスイッチを形成するために使用されるIII-N材料と比較して非常に異なる電圧となり得る。従来のモジュール(図11Aのモジュール1100など)においては、ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチは物理的に2つの別個のチップ(すなわち、デバイス)に分離される。この物理的分離は、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチとの間の電気的相互作用を排除するために使用される。分離領域750は、集積ICについて、漏れ電流または電界などのデバイス性能およびスイッチング特性に影響を及ぼし得るハイサイドスイッチとローサイドスイッチとの間の任意の電気的相互作用が排除されることを確実にする。III-N材料構造13の厚さ全体にわたって延在する分離領域750が示されているが、十分な電気的絶縁のために必要とされるイオン注入の実際の深さは変化し得る。例えば、イオン注入の深さはIII-N材料構造内の2DEGチャネルを越えて延在することができるが、必ずしもIII-Nバッファ層の厚さ全体にわたって延在する必要はない。
【0114】
図17Bは、単純化されたレイアウトを有することを除いて、図17Aのデバイス1700に類似するデバイス1710の断面図を示す。ここで、ハイサイドスイッチのゲートバックメタル27aは、ローサイドスイッチのドレインバックメタル25bと一体化して、単一のバックメタル層(25b/27a)にすることができる。この単一のバックメタル層25b/27aは、ハーフブリッジの出力端子232に対して接続されるように構成することができる。
【0115】
図17C図7Aのデバイス1700と同様に、単一の共通絶縁基板12と一体化されたハーフブリッジ回路(図10の回路1000など)を形成するように構成されたエンハンスメントモードハイサイドスイッチ(スイッチ410など)およびエンハンスメントモードローサイドスイッチ(スイッチ410など)を有するデバイス1720の断面図を示す。ここで、ハイサイドスイッチのソースバックメタル29aは、ローサイドスイッチのドレインバックメタル25bと一体化して、単一のバックメタル層(29b/27a)にすることができる。この単一のバックメタル層29b/27aは、ハーフブリッジの出力端子232に対して接続されるように構成することができる。
【0116】
図17D図7Aのデバイス1700と同様に、単一の共通絶縁基板12と一体化されたハーフブリッジ回路(図10の回路1000など)を形成するように構成されたエンハンスメントモードハイサイドスイッチ(スイッチ200など)およびエンハンスメントモードローサイドスイッチ(スイッチ430など)を有するデバイス1730の断面図を示す。ここで、ハイサイドスイッチのソース・コンタクト21aは、ローサイドスイッチのドレインコンタクト22bと一体化されて、基板とは反対側のデバイス1730の側の単一のコンタクト層(22b/21a)にすることができる。この単一のコンタクト層22b/21aは、ハーフブリッジの出力端子232に対して接続されるように構成することができる。
【0117】
図17E図7Aのデバイス1700と同様に、単一の共通絶縁基板12と一体化されたハーフブリッジ回路(図10の回路1000など)を形成するように構成されたカスコードハイサイドスイッチ(スイッチ600など)およびカスコードローサイドスイッチ(スイッチ620など)を有するデバイス1740の断面図を示す。ここで、ハイサイドスイッチのゲートコンタクト23aは、ローサイドスイッチのドレインコンタクト22bと一体化されて、基板とは反対側のデバイス1740の側の単一のコンタクト層(22b/23a)とすることができる。この単一のコンタクト層22b/23aは、ハーフブリッジの出力端子232に対して接続されるように構成することができる。
【0118】
図17F図17Aのデバイス1700と同様に、単一の共通絶縁基板12と一体化されたハーフブリッジ回路(図10の回路1000など)を形成するように構成されたカスコードハイサイドスイッチ(スイッチ502など)およびカスコードローサイドスイッチ(スイッチ502など)を有するデバイス1750の断面図を示す。ここで、ハイサイドスイッチのゲートコンタクト23aは、ローサイドスイッチのドレインコンタクト22bと一体化されて、基板とは反対側のデバイス1750の側の単一のコンタクト層(22b/23a)とすることができる。この単一のコンタクト層22b/23aは、ハーフブリッジの出力端子232に対して接続されるように構成することができる。図17Fに見られるように、デバイス1750の集積回路はTVを使用せずに形成され、その結果、デバイス端子のすべてが、基板とは反対側の同じ側のIII-N材料構造13上に形成される。
【0119】
図17G図17Aのデバイス1700と同様に、単一の共通絶縁基板12と一体化されたハーフブリッジ回路(図10の回路1000など)を形成するように構成された、Eモードハイサイドスイッチ(従来技術のスイッチ100など)およびEモードローサイドスイッチ(従来技術のスイッチ100など)を有するデバイス1760の断面図を示す。ここで、ハイサイドスイッチのソースコンタクト21aは、ローサイドスイッチのドレインコンタクト22bと一体化されて、基板とは反対側のデバイス1760の側の単一のコンタクト層(22b/21a)とすることができる。この単一のコンタクト層22b/21aは、ハーフブリッジの出力端子232に対して接続されるように構成することができる。図17Gに見られるように、デバイス1760の集積回路はTSVを使用せずに形成され、その結果、デバイス端子のすべては基板とは反対側のIII-N材料構造13上に形成される。
【0120】
図17A図17Fに示されるICデバイス1700~1760は、電子モジュールなどの電子部品パッケージングに統合することができる。図18Aは、DBC720上に統合された図17Bのデバイス1710を含む電子モジュール1800の平面図を示す。モジュール1800内のデバイス1710の構成は、図12Aのモジュール1200に記載されている構成と同様とすることができる。しかしながら、単一の共通基板上のデバイス1710のハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの統合構成により、モジュール1800の全体サイズは、モジュール1200と比較して大幅に低減され得る。これにより、スイッチングインダクタンスを低減し、回路性能を向上させることができる。
【0121】
図18Bは、DBC720上に統合された図17Cのデバイス1720を含む電子モジュール1810の平面図を示す。モジュール1810内のデバイス1720の構成は、図12Bのモジュール1210に記載されている構成と同様とすることができる。しかしながら、単一の共通基板上のデバイス1720のハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの統合構成により、モジュール1810の全体サイズは、モジュール1210と比較して大幅に低減され得る。これにより、スイッチングインダクタンスを低減し、回路性能を向上させることができる。
【0122】
図18Cは、DBC820上に統合された図17Dのデバイス1730を含む電子モジュール1820の平面図を示す。モジュール1820におけるデバイス1730の構成は、モジュール140の出力プレート222がモジュール1820において省略され得ることを除いて、図14Bのモジュール1410において説明される構成と同様であり得る。代わりに、デバイス1730の単一のコンタクト層22b/21aは、ワイヤボンド、銅クリップ、または他の適切な方法で出力端子232に対して接続するように構成することができる。単一の共通基板上のデバイス1730のハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの統合構成により、モジュール1820の全体サイズは、モジュール1410と比較して大幅に低減され得る。これにより、スイッチングインダクタンスを低減し、回路性能を向上させることができる。
【0123】
図18Dは、DBC920上に統合された図17Cのエンハンスメントモードデバイス1720を含む電子モジュール1830の平面図を示す。モジュール1830内のデバイス1720の構成は、モジュール1830のDBC920がモジュール1810と比較してよりコンパクトなレイアウトのために構成されることを除いて、図18Bのモジュール1810に統合されたデバイス1720と同様である。図18Dに見られるように、高電圧プレート221および接地プレート223はモジュール1830の第1サイドにあるように構成され、出力プレート222はモジュールの第2サイドにあるように構成される。接続および同様の番号付けされた特徴は、前述したものと同様の方法で構成することができる。モジュール1830のDBC920レイアウトは、図18Bのモジュール1810と比較して大幅に低減される全体的なモジュールサイズをもたらすことができる。これにより、スイッチングインダクタンスを低減し、回路性能を向上させることができる。
【0124】
図18Eは、DBC920上に統合された図17Bのカスコードデバイス1710を含む電子モジュール1840の平面図を示す。モジュール1840内のデバイス1710の構成は、モジュール1840のDBC920がモジュール1800と比較してよりコンパクトなレイアウトのために構成されることを除いて、図18Aのモジュール1800に統合されたデバイス171と同様である。図18Eに見られるように、高電圧プレート221および接地プレート223はモジュール1830の第1サイドにあるように構成され、出力プレート222はモジュールの第2サイドにあるように構成される。接続および同様の番号付けされた特徴は、前述したものと同様の方法で構成することができる。モジュール1830のDBC920レイアウトは、図18Aのモジュール1800と比較して大幅に低減される全体的なモジュールサイズをもたらすことができる。これにより、スイッチングインダクタンスを低減し、回路性能を向上させることができる。
【0125】
本明細書で前述したデバイスおよび構成の多くは、サファイアなどの絶縁性基板上に作製されており、横型III-Nデバイス上の裏面デバイス端子(例えば、III-N材料構造体とは反対側の基板の側のドレイン端子)の作製を可能にし、デバイス電極のすべて(すなわち、ソースコンタクト、ドレインコンタクト、およびゲートコンタクト)がIII-N材料構造体の同じ側(基板とは反対側)に形成される。しかしながら、裏面デバイス端子が形成されるデバイスの部分において基板が物理的に除去されるかまたはエッチング除去される場合、シリコンまたは炭化ケイ素などの導電性または半導体基板を使用することができる。図19は、デバイス1900がシリコン基板10上に製造されることを除いて、図2のデバイス200に類似するデバイス1900を示す。デバイス1900は、上述のモジュールまたは集積回路のいずれかにおいて、デバイス200の代わりに使用され得る。基板10は、少なくともドレインコンタクト22の下にある領域34において除去され、任意選択的に活性領域31内に除去される。裏面絶縁体37は、基板の裏面およびエッチングされた側壁、ならびに領域34において基板10が除去されたIII-N材料構造13の裏面上に、コンフォーマルに形成される。次いで、ドレインバックメタル25が、背面絶縁体37の上にコンフォーマルに堆積される。図19に見られるように、ドレインビア15の内部に形成され、ドレインコンタクト22に対して電気的に接続された金属24は、ドレインバックメタル25に対して接続される。裏面絶縁体37がシリコン基板10を不動態化し、ドレインバックメタル25を基板から電気的に絶縁する。裏面絶縁体37は例えば、SiNとすることができ、または絶縁体37は、SiN、SiON、またはポリイミド樹脂などの材料の組み合わせとすることができる。図19は基板10が除去されて活性領域31内にある領域34を示しているが、領域34は活性領域31の外側に形成することもできる。図19はバックメタル25に接続されたドレインコンタクト22を示すが、他のデバイス電極(ソースコンタクト21またはゲートコンタクト23など)は図19に示されるのと同様の方法で、バックサイドメタライゼーションに接続されるように構成され得る。
【0126】
いくつかの実施態様を説明してきた。それにもかかわらず、本明細書に記載される技術およびデバイスの趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正がなされ得ることが理解されよう。従って、他の実施態様は添付の特許請求の範囲内にある。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図17F
図17G
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図19
【国際調査報告】