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特表2023-543164タイプIIポート選択コードブック用の角度遅延領域におけるCSI-RSビームフォーミングの方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】タイプIIポート選択コードブック用の角度遅延領域におけるCSI-RSビームフォーミングの方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/0456 20170101AFI20231005BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20231005BHJP
   H04W 72/20 20230101ALI20231005BHJP
【FI】
H04B7/0456 300
H04W16/28
H04W72/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517252
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2023-05-12
(86)【国際出願番号】 US2021050490
(87)【国際公開番号】W WO2022060855
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】63/078,725
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/145,779
(32)【優先日】2021-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100158528
【弁理士】
【氏名又は名称】守屋 芳隆
(74)【代理人】
【識別番号】100137903
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 亨
(72)【発明者】
【氏名】ルパシンハ ナディサンカ
(72)【発明者】
【氏名】パパドプロス ハララボス
(72)【発明者】
【氏名】松村 祐輝
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067KK02
5K067KK03
(57)【要約】
ビームフォーミングされた1つ以上のチャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)に関するビームフォーミング情報を受信する受信部であって、前記CSI-RSは、1つ以上の空間領域(SD:spatial domain)又は周波数領域(FD:frequency domain)に対応する、受信部を有する端末が開示される。端末は、前記1つ以上のCSI-RSのタイプを決定し、前記1つ以上のCSI-RSの前記タイプがタイプIIである場合には、前記SD領域及び前記FD領域において、前記1つ以上のCSI-RSのうちのビームフォーミングされた1つのCSI-RSを用いてタイプIIポート選択コードブックを実行する制御部も有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビームフォーミングされた1つ以上のチャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)に関するビームフォーミング情報を受信する受信部であって、前記CSI-RSは、1つ以上の空間領域(SD:spatial domain)又は周波数領域(FD:frequency domain)に対応する、受信部と、
前記ビームフォーミングされた1つ以上のCSI-RSのタイプを決定し、
前記ビームフォーミングされた1つ以上のCSI-RSの前記タイプがタイプIIである場合には、前記SD領域及び前記FD領域において、前記1つ以上のCSI-RSのうちのビームフォーミングされた1つのCSI-RSを用いてタイプIIポート選択コードブックを実行する制御部と、を有する端末。
【請求項2】
前記制御部は、さらに、
ビームフォーミングされた1つ以上のCSI-RSについてのSD-FDペアを設定し、
前記SD-FDペアを決定し、
前記端末は、前記SD-FDペアに関連付けられたLC係数のみを報告する送信部をさらに有する、請求項1記載の端末。
【請求項3】
前記制御部は、さらに、
前記ビームフォーミングされた1つ以上のCSI-RSについてSD-FDペアをジョイント選択し、
前記SD-FDペアを決定し、
前記SD-FDペアに関連付けられたLC係数を報告する送信部と接続されている、請求項1記載の端末。
【請求項4】
前記制御部は、さらに、
前記ビームフォーミングされた1つ以上のCSI-RSについてSD-FDペアをセパレート選択し、
前記SD-FDペアを決定し、
前記端末は、前記SD-FDペアに関連付けられたLC係数を報告する送信部をさらに有する、請求項1記載の端末。
【請求項5】
ビームフォーミングされた1つ以上のチャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)に関するビームフォーミング情報を受信する受信部であって、前記ビームフォーミングされた1つ以上のCSI-RSは、1つ以上の空間領域(SD:spatial domain)又は周波数領域(FD:frequency domain)に対応し、前記ビームフォーミング情報は、上位レイヤシグナリング又は下り制御情報(DCI:downlink control information)から取得される、受信部と、
SD領域におけるSDビームのポートの数を決定し、
FD領域におけるFDビームのポートの数を決定し、
前記SDビーム及び前記FDビームにおいて前記ビームフォーミングされた1つ以上のCSI-RSのうちのビームフォーミングされた1つのCSI-RSを用いてポート選択を実行する制御部と、を有する、端末。
【請求項6】
ビームフォーミングされた1つ以上のチャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)に関するビームフォーミング情報を受信する受信部であって、前記1つ以上のCSI-RSは、1つ以上の空間領域(SD:spatial domain)又は周波数領域(FD:frequency domain)に対応する、受信部と、
前記ビームフォーミングされた1つ以上のCSI-RSからビームフォーミングのために考慮されたSD領域におけるSDビームのポートの数を自由に選択し、
前記ビームフォーミングされた1つ以上のCSI-RSからビームフォーミングのために考慮されたFD領域におけるFDビームのポートの数を自由に選択し、
前記SDビーム及び前記FDビームにおける前記1つ以上のCSI-RSのうちのビームフォーミングされた1つのCSI-RSを用いてポート選択を実行する制御部と、を有する、端末。
【請求項7】
ビームフォーミングされた1つ以上のチャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)に関するビームフォーミング情報を受信する受信部であって、前記ビームフォーミングされた1つ以上のCSI-RSは、1つ以上の空間領域(SD:spatial domain)又は周波数領域(FD:frequency domain)に対応する、受信部と、
第1のサンプリングサイズのSD領域におけるSDビームのポートの数を決定し、
第2のサンプリングサイズのFD領域におけるFDビームのポートの数を決定し、
前記SDビーム及び前記FDビームにおいて前記ビームフォーミングされた1つ以上のCSI-RSのうちのビームフォーミングされた1つのCSI-RSを用いてポート選択を実行する制御部と、を有する、端末。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される1つ以上の実施形態は、角度遅延領域においてビームフォーミングを行うための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
NR(New Radio)では、ランク(rank)1及びランク2のタイプII(Type II)チャネル状態情報(CSI:channel state information)フィードバックがサポートされている(NRのRelease 15)。タイプII CSIフィードバックでは、振幅スケーリングモード(amplitude scaling mode)が設定される。
【0003】
振幅スケーリングモードでは、ユーザ装置(UE:user equipment)が、広帯域(WB:wideband)の振幅をサブバンド(SB:subband)の振幅及びSBの位相情報と共に報告するように設定されてもよい。従来の方式では、全体のオーバーヘッドのかなりの割合が、SBの振幅及び位相の報告についてのオーバーヘッドよって占められる場合がある。以下の式は、シングルレイヤ送信についての、NRのRelease 15のタイプII CSIにおけるSBプリコーダ生成を示す。
W=Wspacecoeff (1)
【0004】
ここで、行列W(N×NSB)には、NSB個のサブバンドのプリコーディングベクトルが取り込まれる。Nは、利用可能なTXRUポートの数を表す。Wspace(N×2L)は、2L個の広帯域空間2D-離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)ビームから成る。行列には、Wcoeffによって(1)において表されているようなSB組み合わせ係数が取り込まれる。報告する必要があるSBの振幅及び位相情報が、Wcoeffによって取り込まれる。
【0005】
さらに、NRでは、物理下りリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)における下りリンク送信をプリコーディングするためにタイプII CSI報告がサポートされている。この点に関し、タイプIIの解決手段では、マルチユーザ(Multi-User)多入力多出力(MIMO:Multiple-Input Multiple-Output)を目的として、詳細なCSIを提供することに焦点が当てられている。NRのRelease 15では、これらの解決手段によって、UE(以下では、端末又は装置とも記す)毎に最大で2つレイヤに対応する、最大で2つのランクがサポートされている。NRのRelease 15では、2×2のMIMOにより、同一のチャネル又は周波数においてデータを無線により送受信する2つの空間ストリーム(spatial stream)が提供される。これを実施するために、以前のReleaseよりもセル毎のレイヤの最大数が多くなっており、これによって、複数のUEが共通のリソースブロック(Resource Block)割り当てを共有しながら、同時に2×2のMIMOを使用することができる。タイプII報告は、各レイヤでの送信に対してビームの重み付けされた組み合わせを生成するために、ビームのセットの選択と、それに続く、相対的な振幅及び位相の指定と、に基づいている。そのため、タイプIIのポート選択(Port Selection)の解決手段は、CSI参照信号(RS:Reference Signal)送信のビームフォーミングを行えるようにするために、基地局(BS:Base Station)がある程度の事前情報(advance information)を有することに依存している。この事前情報は、チャネルレシプロシティ(channel reciprocity)が利用可能であれば、上りリンクの測定から得ることができる。それ以外の場合には、ビーム管理(Beam Management)報告から得ることができるか、又は異なるプリコーディング行列インジケータ(PMI:Precoding Matrix Indicator)報告の解決手段に基づく広帯域報告を使用することができる(すなわち、PMI報告の解決手段の組み合わせが用いられる場合には、ハイブリッドな解決手段である)。
【0006】
NRでは、PMI報告に関連付けられたパラメータの大部分は、CodebookConfigパラメータ構造を用いて設定される。このパラメータ構造は、codebookType及びsubtypeの組み合わせを用いて、関連するPMI報告のいずれかの解決手段を特定する。各PMI報告の解決手段及び対応する関連パラメータセットは、タイプIIポート選択の解決手段に関する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】3GPP RP 193133, “New WID: Further enhancements on MIMO for NR”、2019年12月
【非特許文献2】3GPP TS 38.214, “NR; Physical layer procedures for data (Release 16)”
【発明の概要】
【0008】
一般的に、一態様では、本明細書に開示される実施形態は、ビームフォーミングされた1つ以上のチャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)に関するビームフォーミング情報を受信する受信部であって、前記CSI-RSは、1つ以上の空間領域(SD:spatial domain)又は周波数領域(FD:frequency domain)に対応する、受信部を有する、端末に関する。端末は、前記1つ以上のCSI-RSのタイプを決定し、前記1つ以上のCSI-RSの前記タイプがタイプIIである場合には、前記SD領域及び前記FD領域において、前記1つ以上のCSI-RSのうちのビームフォーミングされた1つのCSI-RSを用いてタイプIIポート選択コードブックを実行する制御部も有する。
【0009】
一般的に、一態様では、本明細書に開示される実施形態は、ビームフォーミングされた1つ以上のチャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)に関するビームフォーミング情報を受信する受信部であって、前記ビームフォーミングされた1つ以上のCSI-RSは、1つ以上の空間領域(SD:spatial domain)又は周波数領域(FD:frequency domain)に対応し、前記ビームフォーミング情報は、上位レイヤシグナリング又は下り制御情報(DCI:downlink control information)から取得される、受信部を有する、端末に関する。端末は、SD領域におけるSDビームのポートの数を決定し、FD領域におけるFDビームのポートの数を決定し、前記SDビーム及び前記FDビームにおいて前記ビームフォーミングされた1つ以上のCSI-RSのうちのビームフォーミングされた1つのCSI-RSを用いてポート選択を実行する制御部も有する。
【0010】
一般的に、一態様では、本明細書に開示される実施形態は、ビームフォーミングされた1つ以上のチャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)に関するビームフォーミング情報を受信する受信部であって、前記1つ以上のCSI-RSは、1つ以上の空間領域(SD:spatial domain)又は周波数領域(FD:frequency domain)に対応する、受信部を有する、端末に関する。端末は、前記ビームフォーミングされた1つ以上のCSI-RSからビームフォーミングのために考慮されたSD領域におけるSDビームのポートの数を自由に選択し、前記ビームフォーミングされた1つ以上のCSI-RSからビームフォーミングのために考慮されたFD領域におけるFDビームのポートの数を自由に選択し、前記SDビーム及び前記FDビームにおける前記1つ以上のCSI-RSのうちのビームフォーミングされた1つのCSI-RSを用いてポート選択を実行する制御部も有する。
【0011】
一般的に、一態様では、本明細書に開示される実施形態は、ビームフォーミングされた1つ以上のチャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)に関するビームフォーミング情報を受信する受信部であって、前記ビームフォーミングされた1つ以上のCSI-RSは、1つ以上の空間領域(SD:spatial domain)又は周波数領域(FD:frequency domain)に対応する、受信部を有する、端末に関する。端末は、第1のサンプリングサイズのSD領域におけるSDビームのポートの数を決定し、第2のサンプリングサイズのFD領域におけるFDビームのポートの数を決定し、前記SDビーム及び前記FDビームにおいて前記ビームフォーミングされた1つ以上のCSI-RSのうちのビームフォーミングされた1つのCSI-RSを用いてポート選択を実行する制御部も有する。
【0012】
一般的に、一態様では、本明細書に開示される実施形態は、角度遅延領域においてビームフォーミングを行うための方法に関する。この方法は、1つ以上のCSI-RSに関するビームフォーミング情報を取得するステップであって、CSI-RSビームフォーミングは、SD領域及びFD領域に対応する、ステップを含む。この方法は、前記1つ以上のCSI-RSのタイプを決定するステップを含む。この方法は、前記1つ以上のCSI-RSの前記タイプがタイプIIである場合には、前記SD領域及び前記FD領域において、前記ビームフォーミングされた1つのCSI-RSを用いてタイプIIポート選択コードブックを実行するステップを含む。
【0013】
一般的に、一態様では、本明細書に開示される実施形態は、角度遅延領域においてビームフォーミングを行うための方法に関する。この方法は、1つ以上のCSI-RSに関するビームフォーミング情報を取得するステッであって、前記CSI-RSは、SD領域及びFD領域に対応し、前記ビームフォーミング情報は、上位レイヤシグナリング又はDCIから取得されるステップを含む。この方法は、SD領域におけるSDビームのポート数を決定するステップを含む。この方法は、FD領域におけるFDビームのポート数を決定するステップを含む。前記SDビーム及び前記FDビームにおいて前記1つ以上のCSI-RSのうちのビームフォーミングされた1つのCSI-RSを用いてポート選択を実行するステップを含む。
【0014】
一般的に、一態様では、本明細書に開示される実施形態は、角度遅延領域においてビームフォーミングを行うための方法に関する。この方法は、1つ以上のCSI-RSに関するビームフォーミング情報を取得するステップであって、前記CSI-RSは、SD領域及びFD領域に対応する、ステップを含む。この方法は、前記1つ以上のCSI-RSからCSI-RSをビームフォーミングするために考慮されたSD領域におけるSDビームのポートの数を自由に選択するステップを含む。この方法は、前記1つ以上のCSI-RSからCSI-RSをビームフォーミングするために考慮されたFD領域におけるFDビームのポートの数を自由に選択するステップを含む。この方法は、前記SDビーム及び前記FDビームにおける前記1つ以上のCSI-RSのうちのビームフォーミングされた1つのCSI-RSを用いてポート選択を実行するステップを含む。
【0015】
一般的に、一態様では、本明細書に開示される実施形態は、角度遅延領域においてビームフォーミングを行うための方法に関する。この方法は、1つ以上のCSI-RSに関するビームフォーミング情報を取得するステップであって、前記CSI-RSは、SD領域及びFD領域に対応する、ステップを含む。この方法は、第1のサンプリングサイズのSD領域におけるSDビームのポートの数を決定するステップを含む。この方法は、第2のサンプリングサイズのFD領域におけるFDビームのポートの数を決定するステップを含む。この方法は、前記SDビーム及び前記FDビームにおける前記1つ以上のCSI-RSのうちのビームフォーミングされた1つのCSI-RSを用いてポート選択を実行するステップを含む。
【0016】
有利なことに、CSIの測定及び報告についての拡張が、NRのRelease 17の展開において議論されている。そのような拡張の1つとして、周波数レンジ1(FR1)(すなわち、410MHz~7,125MHz、サブ6GHz)及び周波数レンジ2(FR2)(すなわち、24,250MHz~52,600Mhz、ミリ波)の両方を対象とした、ノンコヒーレントジョイント送信(NCJT:non-coherent joint transmission)のためのより動的なチャネル/干渉前提を可能にするために、下りリンク(DL)マルチ送信受信ポイント(TRP:Transmission Reception Point)及び/又はマルチパネル送信に関するCSI報告の評価、また必要に応じての仕様化が挙げられる。別の拡張としては、角度及び遅延のDL/ULレシプロシティ(reciprocity)を利用することによって、角度及び遅延に関連する情報がサウンディング参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)に基づいてgNBにおいて推定される、(Release 15/16のタイプIIポート選択に基づいた)タイプIIポート選択コードブックの拡張の評価、また必要に応じての仕様化が挙げられる。残りのDL CSIは、UEの複雑さ、性能及び報告オーバーヘッド間でより良いトレードオフを達成するために、主に周波数分割多重(FDD:Frequency Division Duplex)FR1を対象として、UEによって報告される。
【0017】
上述の拡張に関して、本発明では、伝播チャネルの固有の角度遅延レシプロシティを考慮することによって、タイプIIポート選択コードブックをどのように更に拡張できるかについて説明する。
【0018】
本開示の別の態様は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の1つ以上の実施形態に係る、無線通信システムの構成を示す図である。
図2】1つ以上の実施形態に係る一例を示す。
図3A】1つ以上の実施形態に係る一例を示す。
図3B】1つ以上の実施形態に係る一例を示す。
図4】1つ以上の実施形態に係る一例を示す。
図5】1つ以上の実施形態に係る、式(4)の一例を示す。
図6】1つ以上の実施形態に係る、式(5)の一例を示す。
図7】1つ以上の実施形態に係る、周波数応答グラフの一例を示す。
図8】1つ以上の実施形態に係る、式(6)の一例を示す。
図9】1つ以上の実施形態に係る、式(7)の一例を示す。
図10】1つ以上の実施形態に係る、プリコーディングの選択の一例を示す。
図11】1つ以上の実施形態に係る、セットの一例を示す。
図12】1つ以上の実施形態に係る、角度及び遅延を表すグラフの一例を示す。
図13】1つ以上の実施形態に係る、例示のセットを示す。
図14】1つ以上の実施形態に係る装置のブロック図を示す。
図15】1つ以上の実施形態に係る装置のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、添付の図を参照しながら本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。異なる図面における同様の要素には、一貫性を維持するために同様の参照符号を付している。
【0021】
本発明の実施形態の以下の詳細な説明では、本発明のより完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細を記載する。しかしながら、当業者であれば、それらの具体的な詳細がなくとも、本発明を実施できることは明らかである。他の例では、本開示が不必要に複雑になることを回避するために、公知の特徴については詳細には説明しない。
【0022】
明細書全体を通して、序数(例えば、第1、第2、第3など)は、ある要素(すなわち、明細書における任意の名詞)のための形容詞として使用されてもよい。序数の使用は、例えば「前の」、「後の」、「単一の」及び他のそのような用語の使用によって明示的に開示されない限り、要素の特定の順序を暗示したり、もたらしたりするものではなく、また要素を単一の要素に限定するものでもない。むしろ、序数の使用は、要素を区別するためのものである。一例として、第1の要素は、第2の要素とは異なり、また第1の要素は、2以上の要素を包含してよく、要素の順序において第2の要素に続く(又は先行する)ことがあり得る。
【0023】
以下では、図1を参照しながら、本発明の1つ以上の実施形態に係る無線通信システム100を説明する。
【0024】
図1に示すように、無線通信システム100は、ユーザ装置(UE:User Equipment)10と、基地局(BS:Base Station)20と、コアネットワーク30と、を含む。無線通信システム100は、NR(New Radio)システムであってもよいし、LTE(Long Term Evolution)/LTE-A(LTE-Advanced)システムであってもよい。
【0025】
BS20は、MIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)技術を用いて、複数のアンテナポートを介してUE10と通信を行う。BS20は、gNB(gNodeB)であってもよいし、eNB(Evolved NodeB)であってもよい。BS20は、アクセスゲートウェイ装置を介してコアネットワーク30上で接続されている上位ノード又はサーバのようなネットワーク機器から下りリンクパケットを受信し、その下りリンクパケットを、複数のアンテナポートを介してUE10に送信する。BS20は、UE10から上りリンクパケットを受信し、その上りリンクパケットを複数のアンテナポートを介してネットワーク機器に送信する。
【0026】
BS20は、UE10との間で無線信号を送信するMIMO用のアンテナ、隣接するBS20と通信するための通信インターフェース(例えば、X2インターフェース)、コアネットワークと通信する通信インターフェース(例えば、S1インターフェース)、UE10との間で送受信される信号を処理するプロセッサ又は回路のようなCPU(Central Processing Unit)を含む。以下において説明するBS20の機能及び処理は、メモリに格納されたデータ及びプログラムをプロセッサが処理又は実行することによって実現されてもよい。しかしながら、BS20は、上記に規定されたハードウェア構成に限定されるものではなく、任意の適切なハードウェア構成を含んでもよい。一般的に、複数のBS20が、無線通信システム1のより広範なサービスエリアをカバーするように配置されてもよい。
【0027】
UE10は、MIMO技術を用いてBS20と通信する。UE10は、BS20とUE10との間で、データ信号及び制御信号のような無線信号を送受信する。UE10は、移動局、スマートフォン、携帯電話、タブレット、無線端末、モバイルルータ、又はウェアラブルデバイスのような無線通信機能を有する情報処理装置であってもよい。
【0028】
UE10は、CPU、例えばプロセッサ、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、及びBS20とUE10との間で無線信号を送受信するための無線通信装置を含む。例えば、以下において説明するUE10の機能及び処理は、メモリに格納されたデータ及びプログラムをCPUが処理又は実行することによって実現されてもよい。しかしながら、UE10は、上記に規定されたハードウェア構成に限定されるものではなく、例えば以下に説明する処理を実現するための回路を備えた構成であってもよい。
【0029】
無線通信システム100は、タイプII CSIフィードバックをサポートする。図1に示したように、ステップS1では、BS20が、CSI参照信号(RS:Reference Signal)を送信する。UE10がBS20からCSI-RSを受信すると、UE10は、受信したCSI-RSの測定を行う。続いて、ステップS2では、UE10が、CSIフィードバックとしてCSIをBS20に通知するCSI報告を行う。例えば、CSIは、ランクインジケータ(RI:rank indicator)、プリコーディング行列インジケータ(PMI:precoding matrix indicator)、チャネル品質情報(CQI:channel quality information)、CSI-RSリソースインジケータ(CRI:CSI-RS resource indicator)、広帯域(WB)の振幅、及びサブバンド(SB)の振幅のうちの少なくとも1つを含む。本発明の1つ以上の実施形態では、SBの振幅を報告するCSI報告は、SB振幅報告と表されてもよい。例えば、CSI報告が行われる度にSB振幅を報告するのではなく、BS20からの上位レイヤシグナリングを用いて、SB振幅を報告する周期が動的に調整されてもよい。SB振幅の報告は、K個の主係数(leading coefficient)について行われてもよい。例えば、Kが小さければ、SB振幅を報告する係数の数は小さい。
【0030】
SB振幅が、最も強い係数(strongest coefficient)の振幅に比べて著しく小さい場合、SB振幅報告により達成可能な利得(gain)は僅かなものになり得る。このことは、例えば、散乱が非常に少ない環境においてユーザチャネルが非常に疎である場合に起こり得る。
【0031】
さらに、1つ以上の実施形態では、スキームを変更することによって、タイプII CSIフィードバックでは、1及び2のRIを有するレイヤまでのレイヤ処理を実現することができるが、タイプII CSIフィードバックは、2より大きいランクにおいて実施されてもよい。つまり、2より大きいランクにタイプII CSIフィードバックのスキームを拡張することによって、スペクトル効率をさらに向上させることができる。タイプII CSIフィードバックのスキームを2より大きいランクに拡張することで、このスキームに一般的に関連するオーバーヘッドを低減することができる。
【0032】
ここで、また上述したように、RI=ν、レイヤl∈{1,2,...ν}送信を考慮したN個のプリコーディング行列インジケータ(PMI:precoding matrix indicator)サブバンドについてのタイプII CSIプリコーディングベクトル生成が評価されてもよい。例えば、
(N×N)=W1,lcoeff,l (2)
【0033】
上記の式において、W1,l(N×2L)は、レイヤlについてのL個のSD 2D-DFT基底から成る行列であり、Lは、ビーム番号であり、Nは、ポート数であり、Wcoeff,l(2L×N)は、レイヤlについてのSB複素組み合わせ係数行列である。
【0034】
上記の式において、SD 2D-DFT基底の部分集合は、{bl,1,...bl,L}として与えられてもよく、ここで、bl,iは、l番目のレイヤに対応するi番目(∈{1,...L})の2D DFT基底ベクトルである。
【0035】
1つ以上の実施形態では、周波数領域圧縮をWcoeff,l内の情報として考慮する必要があり、この情報を圧縮することができる。つまり、対応するオーバーヘッドをさらに低減することができる。例えば、周波数領域(FD)圧縮を考慮したN個のSBについてのレイヤlのタイプII CSIプリコーディングベクトルを、規則(2)のWcoeff,lを拡張することによって与えることができる。
【数1】
【0036】
上記の式において、Wfreq,l(N×M)は、レイヤlについてのM個のFD DFT基底ベクトルから成る行列であり、
【数2】
は、レイヤlについての複素組み合わせ係数から成る行列である。さらに、周波数領域DFT基底の部分集合は、{fl,1,…fl,M}として与えられてもよく、ここで、fl,iは、l番目のレイヤに対応するi番目(∈{1,…,M})のDFT基底ベクトルである。また、Mは、
【数3】
として計算され、ここで、R∈{1,2}である。L及びpが与えられれば、レイヤlについてのSD基底の部分集合及びFD基底の部分集合の数を特定することができる。
【0037】
1つ以上の実施形態では、性能とオーバーヘッドとの適切なバランスを達成するために、レイヤにわたるSD基底及びFD基底を適切に識別することが重要である。
【0038】
以下では、図2を参照しながら、本発明の1つ以上の実施形態に係る無線通信システム200を説明する。
【0039】
図2に示すように、無線通信システム200は、MIMO技術を用いて、複数のアンテナポートを介してUE10と通信するBS20を含む。タイプIIポート選択コードブックは、通常のタイプIIコードブックのように2D-DFT基底を考慮して空間領域(SD)ビームを導出することをUEに10に要求しない。この場合、BS20は、SDビームの実現可能なセットとして、ビームフォーミング(BF)されたCSI-RSポートの数Kを送信するgNBであってよい。UE10は、最良のCSI-RSポート(すなわち、ビーム)の数L(≦K)を特定し、W内でそれらの対応するインデックスを報告する必要がある。
【0040】
上記の(2)及び(3)をさらに修正することによって、レイヤl∈{1,2,3,4}のためのNRのRelease 16のタイプIIポート選択コードブックによるSB毎のプリコーディングベクトルの生成は、以下のように与えられてもよい:
【数4】
【0041】
この場合、Q(N×K)は、CSI-RSビームフォーミングに用いられるSD個のビームの数Kを表してもよく、W(K×2L)は、ブロック対角行列(block diagonal matrix)を表してもよく、
【数5】
は、線形結合(LC:linear combination)係数行列を表してもよく、Wf,l(N×M)は、DFT基底ベクトル(すなわちFD基底)に用いられてもよい。
【0042】
CSI-RSポートの数PCSI-RSは、上位レイヤシグナリングによって設定されているBF CSI-RSポートの数Kを含んでもよい。この場合、PCSI-RS∈{4,8,12,16,24,32}である。Wは、単位行列の列ベクトルから成る。このように、そのようなベクトルはそれぞれ、選択されたビームを表す。ここで、ポートの数は、選択されており、それらのポートは、上位レイヤシグナリングによって設定されている数Lを含んでもよい。この場合、PCSI-RS>4では、L∈{2,3,4}である。
【0043】
Q内でのSDビームの選択は、UE10にはトランスペアレント(transparent)である。具体的には、SDビームは、サウンディング参照信号(SRS:sounding reference signal)又はUL復調用参照信号(DMRS:Demodulation Reference Signal)の送信に基づいて決定されてもよい。この場合、ULの主要サブスペース(dominant sub-space)がDLの主要サブスペースと同じでなくても、DLにおけるポート選択によって、UE10は、DL主要サブスペースをカバーするポートをほぼ選択することができる。
【0044】
図3A及び図3Bは、選択されたビームに基づくWの報告を示す。いくつかの実施形態では、BS20によって設定されてもよいパラメータdが、2つのグループのサンプリング粒度を決定する。この場合、NRにおけるCSI報告は、2つの粒度(例えばカテゴリ)で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、dは、d∈{1,2,3,4}且つd≦Lとして設定されてもよい。この場合、UE10は、以下に従いL個のビームを選択するためのPMIの一部としてi1,1を報告する:
【数6】
【0045】
例えば、図3A及び図3Bに示すように、(5)は、偏波(polarization)用の複数のビームからの選択に利用可能なポートペアを決定するために用いられてもよい。図3Aにおいて、K=8且つL=2とすると、計算の結果、d=2の第1のケースでは、i1,1={0,1}が得られてもよい。この点に関して、選択に利用可能なポートペアは、{B0,B1}及び{B2,B3}であってもよい。図3Bにおいて、K=8且つL=2とすると、計算の結果、d=1の第2のケースでは、i1,1={0,1,2,3}が得られてもよい。この点に関して、選択に利用可能なポートペアは、{B0,B1}、{B1,B2}、{B2,B3}及び{B3,B0}であってもよい。
【0046】
図3A及び図3Bにおいて、Wは以下のようにセットされている:
【数7】
この場合、
【数8】
であり、ここで、
【数9】
は、l番目の位置における1を除き、全て0であるベクトルを表す。
【0047】
上述の計算に鑑み、(4)のWf,lにおいて、SDビーム及び周波数領域(FD)基底ベクトルの両方のポート選択を考慮することによって、タイプIIポート選択コードブックをさらに拡張することができる。このように、いくつかの実施形態では、ポート選択コードブックのためのSB毎のプリコーダ生成についての一般的な構造は、以下のように与えられてもよい:
【数10】
【0048】
この場合、Q(N×K)は、i番目のSD基底ベクトルのbがi∈{1,2,...K}であるようなSDビーム選択用のビームフォーミングされたCSI-RSポートの数Kを表してもよく、S(N×K’)は、j番目のFD基底ベクトルのfがj∈{1,2,...K’}であるようなFDビーム選択用のビームフォーミングされたCSI-RSポートの数K’を表してもよく、W(K×2L)は、各行列ブロックが(K×K)の単位行列のL個の列から成る、ブロック対角行列を表してもよい。Wf,l(K’×M)は、(K’×K’)の単位行列の列から成る行列を表してもよく、
【数11】
は、線形結合(LC)係数行列を表してもよい。さらに、この場合、Q及びSは、例えば、Q=[b...b]及びS=[f...f]であってもよい。
【0049】
(2’)では、ビームフォーミングがSD及びFDの両方において行われ、遅延レシプロシティを考慮して、ビームフォーミング用のFD基底が決定されてもよい。BS20は、(K×K’)個のビームフォーミングされたCSI-RSポートを送信する。K個のSDビーム及びK’個のFD基底の選択は、UE10にトランスペアレントである。この場合、UEは、SDビームの数2L及びFD基底の数Mを選択し、PMIの一部として、BS20にそれらを報告する。ここで、W及びWf,lは、選択されたSD基底及びFD基底を取り込んでもよい。さらに、UE10によって、LC係数と共に、
【数12】
が報告される。
【0050】
いくつかの実施形態では、各SDビームが、K=L、K’=M、且つK=K’となるように、単一のFD基底とペアリングされてもよい。ポート選択が行われないこと、従って(2’)のWにおける対角ブロックは、(K×K)の単位行列である。さらに、(2’)のWf,lも、(K×K)の単位行列の2つの対角ブロックを有するブロック対角行列となる。これは、
【数13】
として与えられてもよく、ここで、I:K×Kは、単一行列である。そのため、(2’)の
【数14】
は、(2K×2K)の対角行列である。
【0051】
以上のことから、UE10では、プリコーディング行列インジケータ(PMI:Precoding Matrix Indicator)の一部として、行列の対角要素である2K個のLC係数を
【数15】
において報告する。同様に、BS20では、CSI-RSポートの数Kが、SD-FDペアによりそれぞれビームフォーミングされて送信される。CSI-RSビームフォーミングのためのSD-FD基底のペアリングの一例は、{b,f},{b,f},…{b,f}として与えられてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、各SDビームが、K≧L、K’≧M、K=K’、且つL=Mとなるように、単一のFD基底とペアリングされてもよい。ここで、UE10は、ビームフォーミングされたCSI-RSポートの数Kから、SD-FDペアの数Lを選択してもよい。これに関して、(2’)のWにおける対角ブロックは、(K×L)の行列であり、ここで各行列ブロックは、(K×K)の単位行列の(選択されたポートに対応する)数L個の列から成る。さらに、各SDビームは単一のFD基底に関連付けられているので、Wに基づいて、(2’)のWf,lが決定されてもよい。ここで、Wf,lも、各行列ブロックがL個の列から成るブロック対角行列であり、(2’)の
【数16】
は(2L×2L)の対角行列である。
【0053】
以上のことから、UE10は、所定の判定基準に基づいて、数K(ビームフォーミングされたCSI-RSポート)からポートの数Lを特定し、PMIの一部としてBS20に報告する。これらのL個のポートは、WのL個の列に対応し、
【数17】
におけるLC係数の数2Lは、UEによって報告される行列の対角要素である。同様に、BS20では、CSI-RSポートの数Kが、SD-FDペアによりそれぞれビームフォーミングされて送信される。CSI-RSビームフォーミングのためのSD-FD基底のペアリングの一例は、{b,f},{b,f},…{b,f}として与えられてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、NW側での最終的なプリコーダ生成を表す式(2’)におけるポート選択コードブックの一般的な構造がさらに単純化されてもよく、またUEによって
【数18】
において報告されたポート選択行列W1,l及びLC係数を考慮して、以下のように与えられてもよい。
【0055】
改めて式(2’)を記載する:
【数19】
【0056】
各SDは単一のFDに関連付けられてもよいので、SDビームが選択されると、関連付けられたFDも選択される。従って、W=Wf,lである。
【0057】
結果として、以下が考慮される:
【数20】
【0058】
ここで、ビームフォーミングのために考慮されたSD-FDペアは、{b,f},{b,f},…{b,f}であり、選択されたSD基底及びFD基底のインデックスは、s(1),s(2)…s(L)であると仮定することを言及しておく。
【0059】
偏波共通ポート選択に関しては、以下を考慮する:
【数21】
また式(3)は以下のようになる:
【数22】
【0060】
式(4)の一例を示す図5を参照すると、
【数23】
が、以下のように、その対角において報告される2L個のLC係数から成ると考えられる:
【数24】
【0061】
式(3)に
【数25】
を代入し、いくつかの操作を行うと、gNBにおいて生成される各偏波のSB毎のプリコーダは、図5における式(4)によって示されるように与えられてもよい。同様に、式(2’)から出発して、偏波固有のSB毎のプリコーダ生成が導出されてもよい。ポート選択が行われないいくつかの実施形態では、2つの偏波のためのプリコーダは、式(4)のように与えられてもよい。特に、全てのSD-FDペアを取り込むためには、1からKまでの総和が取られるべきである。
【0062】
図6を参照すると、UEの観点からのプリコーダは、図6における式(5)の一例によって示されるように与えられてもよいと考えられる。式(5)において、
【数26】
は、(K×K)の単位行列からの列ベクトルである。特に、このベクトルは、インデックスs(i)を有するSD基底及びFD基底を選択する。UEの観点からの、ポートci,i∈{1,…L}毎に報告されるLC係数は1つになるので、これは広帯域(WB)CSI報告である。
【0063】
ここで、図7を参照して、SD-FDペアベースのCSI-RSビームフォーミングが考慮される場合には、WB CSI報告が十分であり得る理由を検討する。SD-FDペアベースのCSI-RSビームフォーミングの物理的意味を考える。例えば、K個のポートのCSI-RS送信を想定する。この場合、n番目のポートに関連付けられたUEにおいて観測されるチャネルの周波数応答が、図7におけるグラフによって示されるように表されると考えられる。
【0064】
図8を参照して、タイプIIポート選択コードブック構造について検討する。性能をさらに改善するために、UEは、(図7に取り込まれている)n番目のポートの遅延事前補償チャネルについての追加のMν個のFD基底を報告するように設定されてもよい。その場合のUEの観点からのプリコーダは、図8における式(6)によって示されているように与えられてもよい。
【0065】
式(6)において、
【数27】
は、(K×K)の単位行列からの列ベクトルである。特に、このベクトルは、インデックスs(i)を有するSD基底及びFD基底を選択する。さらに、式(6)において、
【数28】
は、(N×N)のDFT行列からの列ベクトルであり、s(j)は、選択されたj番目のDFTベクトルのインデックスを表す。
【0066】
ここで、
【数29】
は、DFT行列から選択された追加のFD基底である。追加のMν個のFD基底を特定するために、1つの考えられるアプローチは、[2]のようなRelease 16の仕様書におけるFD圧縮のためのDFT基底の識別に従ってもよい。UEは、能力(capability)報告の一部として、追加のFD基底の選択及び報告をサポートできるか否かを報告してもよいことを言及しておく。
【0067】
図9を参照して、タイプIIポート選択コードブック構造について検討する。選択されたDFTは、ポート固有であってもよいと考えられる。従って、式(6)は、図9の式(7)によって示されているように更新されてもよい。式(7)において、
【数30】
は、(K×K)の単位行列からの列ベクトルである。特に、このベクトルは、インデックスs(i)を有するSD基底及びFD基底を選択する。さらに、式(7)において、
【数31】
は、(N×N)のDFT行列からの列ベクトルであり、s(j)は、i番目のポートの選択されたj番目のDFTベクトルのインデックスを表す。
【0068】
図10を参照して、タイプIIポート選択コードブック構造について検討する。いくつかの実施形態において説明したように、SB報告(すなわち、式(6)又は式(7)におけるプリコーダのようなプリコーダ)又はWB報告(すなわち、式(5)におけるプリコーダのようなプリコーダ)が十分であり得ることを考慮して、上位レイヤシグナリング又はDCIを用いて、UEには、追加のDFTを報告するか否かが設定されてもよいと考えられる。例えば、追加のDFT報告の決定を説明する、図10における決定木を参照する。そのような報告は、暗黙的又は明示的にシグナリングされてもよいことを言及しておく。
【0069】
いくつかの実施形態では、追加のFD基底(DFT)を選択するために、以下のうちの1つ以上が考えられる。いくつかの実施形態では、上位レイヤシグナリング又はDCIを用いて、NWは「DFTのセット」を指示/設定し、またUEはそのセットからMν個のDFTを選択し、それらを報告する。いくつかの実施形態では、NWは、追加のFD基底を選択するために考慮するDFT基底を明示的に指示してもよく、例えば、NWは、複数のDFT
【数32】
を指示し、Mν=2の場合には、UEはそれらから
【数33】
を選択する。いくつかの実施形態では、NWは、DFT基底グループの開始位置及び長さMを設定する。続いて、UEは、そのグループからMν個のDFTを選択し、例えば、NWは、M=4を設定し、また開始位置をfDFT基底として設定する。
【0070】
図11は、1つ以上の実施形態に係る、セットの一例を示す。図11の例では、上位レイヤシグナリングによって設定されるグループが複数存在してもよく、DCI又はMAC-CEを用いて、それらから1つのグループが図示されているように選択されてもよい。さらには、この場合、UEは設定されたそれらのDFT基底グループから、Mν=2の場合には、
【数34】
を選択してもよい。選択されたDFT基底を報告するために、UEは、
【数35】
のような組み合わせシグナリングを用いてもよい。いくつかの実施形態では、UEが、NWによって設定された全てのDFTを追加のFD基底として用いるように設定されてもよいことも考えられる。従って、UEがDFTを報告する必要はない。
【0071】
いくつかの実施形態では、UEは、Mν個のDFTを自由に選択して、それらを報告してもよい。1つ以上の実施形態との相違は、いくつかの実施形態では、「DFTのセット」が追加のDFT選択のためにNWによって設定されないことであることを言及しておく。
【0072】
DFTの自由な選択の重要性を検討する。FDDの場合、2つの帯域において実効アンテナ間隔(effective antenna-spacing)が異なり得るので(つまり、物理的な間隔は同じであっても波長が異なる)、フェーズドアレイ(phased array)によって複数の角度がサンプリングされる場合、ULにおいてサンプリングされた角度のセットがDLにおいてサンプリングされた角度とは異なる。図12に示すような一例が与えられてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、選択されたDFT基底を報告するために、UEは、
【数36】
でもって、組み合わせシグナリングを用いてもよい。いくつかの実施形態では、選択されたDFT基底を報告するために、UEは、図13に示すように、DFT基底からサイズ
【数37】
のウィンドウを最初に特定してもよい。ここで、サイズ
【数38】
は、(1つ以上の)仕様書において予め定義されていてもよく、設定された別のパラメータから、例えばMνなどに基づいて導出されてもよいし、上位レイヤシグナリング又はDCIを用いて設定されてもよい。さらに、UEが明示的にこの値を報告すること同様に可能である。また、開始位置Minitが、(1つ以上の)仕様書において予め定義されていてもよく、設定された別のパラメータから、例えば、Mνなどに基づいて導出されてもよいし、上位レイヤシグナリング又はDCIを用いて設定されてもよいと考えられる。さらに、UEが明示的にこの値を報告すること同様に可能である。続いて、特定されたウィンドウから選択されたDFT基底を報告するために、UEは、
【数39】
のような、組み合わせシグナリングを用いてもよい。1つ以上の実施形態では、CSI報告は、L1レイヤにおけるUCI報告又はL2レイヤにおけるMAC CEであってもよいことを言及しておく。
【0074】
いくつかの実施形態では、上位レイヤシグナリング又はDCIを用いて、UEは、Mνの値が設定されてもよい。つまり、いくつかの実施形態では、RRCシグナリングを用いて設定された値のセットが存在してもよく、それらから1つの値がDCIを用いて明示的又は暗黙的に指示される。例えば、RRCシグナリングによって値のセット{1,2,3,4}が設定され、DCIの2ビットを用いて、それらから1つの値がMνについて選択される。また、追加のDCIビットを用いることなく、DCIがMνの設定された値をUEに暗黙的に指示することも考えられる。いくつかの実施形態では、Mνについての値のセットが、(1つ以上の)仕様書において予め設定されており、上位レイヤシグナリング又はDCIを用いて、それらから1つの値が設定される。いくつかの実施形態では、Mνの値は、(1つ以上の)仕様書において、例えば、Mν=2に予め設定される。Mνの値として、1、2、3が考えられる。当業者であれば、他の値が排除されるわけではないことを理解するであろう。
【0075】
より高いランクの送信に関するいくつかの実施形態では、1つ以上の実施形態の選択された追加のMν個のFD基底は、選択された/特定されたランクの全てのレイヤに共通であってもよい。いくつかの実施形態では、追加のMν個のFD基底はレイヤ固有であり、従ってレイヤ毎に選択される。いくつかの実施形態では、追加のMν個のFD基底はレイヤのセットに対して共通であり、従ってレイヤグループ毎に選択される。
【0076】
いくつかの実施形態では、各SDビームが、K≧L且つK’≧Mとなるように、複数のFD基底とペアリングされてもよい。ここで、UE10は、SDビームの数L及びSDビーム毎のFD基底の数Mを選択してもよい。これに関して、(数Kからの)各SDビームは、ビームフォーミングされたCSI-RSのためのFD基底の全ての数K’とペアリングされる。従って、CSI-RSポートの総数はKK’であってもよい。選択された基底の数Mは、「ビーム共通」又は「ビーム固有」であってもよい。「ビーム共通」とは、全てのSDビームに対して、FD基底の数Mの同一のセットが選択される場合である。「ビーム固有」とは、FD基底の数MがSDビーム固有である場合である。(6)のWにおける対角ブロックは(K×L)の行列であり、ここで、各行列ブロックは(K×K)の単位行列の(選択されたポートに対応する)L個の列から成る。
【0077】
「ビーム共通」のFD基底の選択では、(6)のWf,lは(K’×M)の行列であり、(選択されたFD基底に対応する)列の数Mは(K’×K’)の単位行列に由来する。さらに、(6)の
【数40】
は、LC係数の数2LMからなる(2L×M)の行列である。
【0078】
「ビーム固有」のFD基底の選択では、(6)のWf,lは(K’×2LM)の行列であり、ここで、(選択されたFD基底に対応する)列の数2LMは(K’×K’)の単位行列に由来する。さらに、Wf,lは、Wf,l=[E…E2L]として示されてもよく、ここで、E(K’×M)の行列は、i∈{1,2,…2L}によって定義され、列は(K’×K’)の単位行列に由来する。このように、Eには、i番目のSDビームの選択されたM個のFD基底が取り込まれる。さらに、(6)の
【数41】
は(2L×2LM)のブロック対角行列であり、これは
【数42】
のように表されてもよく、ここで、C(1×M) は、l番目のSDビームのLC係数を有する、l∈{1,2,…2L}によって定義される行ベクトルである。
【0079】
以上のことから、UE10は、1つ以上の判定基準に基づいて、SDビームの数Kからポートの数Lを特定し、PMIの一部としてBS20に報告する。それらのL個のポートは、WのL個の列に対応する。「ビーム共通」のFD基底の選択では、UE10は、いくつかの判定基準に基づいて、全てのSDビームに共通するFD基底の数K’からポートの数Mを特定し、PMIの一部としてBS20に報告する。それらのM個のポートは、Wf,lのM個の列に対応する。「ビーム固有」のFD基底の選択では、UE10は、いくつかの判定基準に基づいて、各SDビームのためのFD基底の数K’からポートの数Mをセパレートに(separately)特定し、PMIの一部としてBS20に報告する。この場合、i番目のSDビームについて選択されたM個のポートは、Wf,l=[E…E2L]のEにおけるM個の列に対応する。この場合、Wf,lは、Wf,l=[E…E2L]としてi∈{1,2,…2L}によって定義されるように全てのEを収集する。さらに、
【数43】
における2LM個のLC係数もUE10によって報告される。この場合、BS20は、CSI-RSポートの数KK’を送信し、ここで、数Kからの各SDビームは、ビームフォーミングされたCSI-RSのための全てのK’個のFD基底とペアリングされている。CSI-RSビームフォーミングのためのSD-FD基底のペアリングの例は、{b,f}として与えられてもよく、ここで、i∈{1,2,…K}且つj∈{1,2,…K’}である。
【0080】
以上のことから、例えば、UE10が3GPP標準のポート選択コードブックのRelease 17で動作するために、UE10は、typeII-PortSelection-r17にセットされた上位レイヤパラメータcodebookTypeが設定されてもよい。
【0081】
以上のことから、例えば、CSI-RSポートの数は、上位レイヤパラメータnrofPortsを用いて設定されてもよく、ここで値は、例えば4、8、12、16、24、32、64のうちの1つであってよい。他の値が排除されるわけではない。
【0082】
以上のことから、例えば、SDビームのために選択されるべきCSI-RSポートの数L、及びFD基底のために選択されるべきポートの数Mは、上位レイヤシグナリング又はDCIを用いて設定される。
【0083】
Lについての第1の考えられる値は、仕様によって定義されており、NWは、上位レイヤシグナリング又はDCIのxビット(1ビット以上)を用いて、それらから1つを選択する。例えば、L∈{2,4,6,8,10,12}とすると、DCIの3ビットを用いて、NWは数Lの値を選択する。Mについての考えられる値は、仕様によって定義されており、NWは、上位レイヤシグナリング又はDCIのxビット(1ビット以上)を用いて、それらから1つを選択する。例えば、M∈{2,4,6,8,10,12}とすると、DCIの3ビットを用いて、NWは数Mの値を選択する。
【0084】
第2の考えられる値は、L=Mを用いて、またL又はMのいずれかを設定することによって定義される。ここで、L又はMは、上記のように設定されてもよい。
【0085】
第3の考えられる値は、Mが設定されない場合、SD-FDペアのみを用いて定義され、「ジョイント(joint)」選択を行うことが必要になる。Lのみが設定されれば十分である。
【0086】
1つ以上の実施形態では、UE10は、数KからSDビームのセット及び、数K’からFD基底のセットを自由に選択する。いくつかの実施形態では、UE10は、選択されたSDビームを報告するためにビットマップを用いる。この例では、K=11個のSDビームから1番目、2番目、4番目及び5番目のビームを選択するために、UEは、ビットマップ:11011000000を用いることになる。いくつかの実施形態では、UE10は、選択されたFD基底を報告するためにビットマップを用いる。この例では、K’=8個のFD基底から1番目、2番目及び5番目のFD基底を選択するために、UE10は、ビットマップ:11001000を用いることになる。いくつかの実施形態では、UE10は、選択されたSD-FDペアを報告するために2Dビットマップを用いる。図4に示すように、例えば、K=10個のSDビームから1番目、2番目、4番目及び5番目のビームと、K’=8個のFD基底から関連付けられたFD基底、つまり2番目、3番目、5番目及び6番目のFD基底と、を選択するために、2Dビットマップが考慮されてもよい。所定のSDビームに対して複数のFDを報告することも同様に可能である。UE10は、2Dビットマップのサイズをさらに低減するために、組み合わせシグナリング又はハフマン符号化のような圧縮方式を考慮してもよい。
【0087】
1つ以上の実施形態では、UE10は、選択されたSDビームをビットマップで報告してもよい。関連付けられたFD基底は、ビットマップを用いずに直接的に報告されてもよい。この場合、NWが、報告されたFDが適切なSDにどのようにマッピングされるかを理解していてもよい。例えば、UE10は、K=11個のSDビームから1番目、2番目、4番目及び5番目のビームを選択し、それらをビットマップ:11011000000で報告する。関連付けられたFD基底は、f,f,f,fとして報告され、NWは、fが1番目のSDビームに、fが2番目のSDビームに、fが4番目のSDビームに、最後にfが6番目のSDビームに関連付けられていることを知る。
【0088】
1つ以上の実施形態では、UE10は、選択されたSDビームの数
【数44】
を報告し、選択されたSDビームを報告するために、
【数45】
のような組み合わせシグナリングを用いる。
【0089】
1つ以上の実施形態では、UE10は、選択されたFD基底の数
【数46】
を報告し、選択されたFD基底を報告するために、
【数47】
のような組み合わせシグナリングを用いる。
【0090】
1つ以上の実施形態では、SDビーム選択用ポート選択サンプリングサイズd及びFD基底選択用ポート選択サンプリングサイズd’は、上位レイヤシグナリング又はDCIを用いて設定される。dについての考えられる値は、予め定義されており、NWは、上位レイヤシグナリング又はDCIのxビット(1ビット以上)を用いて、それらから1つを選択する。例えば、d≦Lによって定義されるように、d∈{2,4,6,8,10,12}である。この場合、NWは、DCIの3ビットを用いてd値を選択してもよい。d’についての考えられる値は、予め定義されており、NWは、上位レイヤシグナリング又はDCIのxビット(1ビット以上)を用いて、それらから1つを選択する。例えば、d’≦Mによって定義されるように、d’∈{2,4,6,8,10,12}である。この場合、NWは、DCIの3ビットを用いてd’値を選択してもよい。
【0091】
本明細書で説明するいくつかの実施形態では、dのみが設定されればよい。dについての考えられる値は、仕様において定義されており、NWは、上位レイヤシグナリング又はDCIのxビット(1ビット以上)を用いて、それらから1つを選択する。例えば、d≦Lによって定義されるように、d∈{1,2,3,4,5,6}であり、BS20は、DCIの3ビットを用いてd値を選択してもよい。
【0092】
1つ以上の実施形態では、UE10は、設定された上位レイヤパラメータtypeII-PortSelectionRI-Restriction-r17に従ってランクインジケータ(RI)値νを報告してもよい。UEは、この段階において、ν>4を報告しなくてもよい。
【0093】
以下では、図14を参照しながら、本発明の1つ以上の実施形態に係るBS20を説明する。
【0094】
図14に示すように、BS20は、3D MIMO用のアンテナ201、アンプ部202、送信部/受信部回路203(以下では、CSI-RSスケジューラを含むものとして参照する)、ベースバンド信号処理部204(以下では、CS-RS生成部を含むものとして参照する)、呼処理部205、及び伝送路インターフェース206を含んでもよい。送信部/受信部203は、送信部及び受信部を含む。
【0095】
アンテナ201は、2Dアンテナ(平面アンテナ)、若しくは円筒状に配置されたアンテナ又は立方体に配置されたアンテナのような3Dアンテナなどの複数のアンテナ素子を含む多次元アンテナから構成されてもよい。アンテナ201は、1つ以上のアンテナ素子を有するアンテナポートを含む。UE10との3D MIMO通信を行うために、各アンテナポートから送信されるビームが制御される。
【0096】
アンテナ201は、リニアアレイアンテナに比べて、アンテナ素子の数を容易に増やすことができる。多数のアンテナ素子を用いるMIMO送信により、システム性能の更なる向上が期待される。例えば、3Dビームフォーミングでもって、アンテナ数の増加に伴い、高いビームフォーミング利得も期待される。さらに、MIMO送信は、例えばビームのヌル点(null point)制御による干渉低減の観点からも有利であり、マルチユーザMIMOのユーザ間の干渉除去などの効果も期待できる。
【0097】
アンプ部202は、アンテナ201への入力信号を生成し、アンテナ201からの出力信号の受信処理を行う。
【0098】
送信部/受信部回路203に含まれる送信部は、アンテナ201を介してデータ信号(例えば、参照信号及びプリコーディングされたデータ信号)をUE10に送信する。送信部は、決定されたCSI-RSリソースの状態を示すCSI-RSリソース情報(例えば、サブフレーム設定ID及びマッピング情報)を、上位レイヤシグナリング又は下位レイヤシグナリングによってUE20に送信する。送信部は、決定されたCSI-RSリソースに割り当てられたCSI-RSをUE10に送信する。
【0099】
送信部/受信部回路203に含まれる受信部は、データ信号(すなわち、参照信号及びCSIフィードバック情報)を、アンテナ201を介してUE10から受信する。
【0100】
CSI-RSスケジューラ203は、CSI-RSに割り当てられるCSI-RSリソースを決定する。例えば、CSI-RSスケジューラ203は、サブフレームにCSI-RSを含むCSI-RSサブフレームを決定する。CSI-RSスケジューラ203は、少なくとも、CSI-RSがマッピングされるREを決定する。
【0101】
CSI-RS生成部204は、下りリンクチャネル状態を推定するためのCSI-RSを生成する。CSI-RS生成部204は、CSI-RSの他に、LTE規格によって定義された参照信号、個別参照信号(DRS:Dedicated Reference Signal)及びセル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、プライマリ同期信号(PSS:Primary synchronization signal)及びセカンダリ同期信号(SSS:Secondary synchronization signal)などの同期信号、また新たに定義された信号を生成してもよい。
【0102】
呼処理部205は、下りリンクデータ信号及び下りリンク参照信号に適用されるプリコーダを決定する。このプリコーダは、プリコーディングベクトルと呼ばれ、より一般的にはプリコーディング行列と呼ばれる。呼処理部205は、推定された下りチャネル状態を示すCSIと、入力されて復号されたCSIフィードバック情報とに基づいて、下りリンクのプリコーディングベクトル(プリコーディング行列)を決定する。
【0103】
伝送路インターフェース206は、CSI-RSスケジューラ203によって決定されたCSI-RSリソースに基づいて、REにCSI-RSを多重する。
【0104】
送信される参照信号は、セル固有又はUE固有であってもよい。例えば、参照信号は、PDSCHなどの信号に多重されてもよく、また参照信号はプリコーディングされてもよい。ここで、参照信号の送信ランクをUE10に通知することによって、チャネル状態の推定を、チャネル状態に応じた適切なランクで実現することができる。
【0105】
1つ以上の実施形態では、BS20は、ユーザ装置と基地局との間のビットマップ報告に関連付けられたフィードバックオーバーヘッドを低減するように構成されたハードウェアをさらに含む。例えば、BS20は、UE10と通信する際のフィードバックオーバーヘッドを低減するための上述した能力を含んでもよい。
【0106】
以下では、図15を参照しながら、本発明の1つ以上の実施形態に係るUE10を説明する。
【0107】
図15に示すように、UE10は、BS20との通信に用いられるUEアンテナ101と、アンプ部102と、送信部/受信部回路103と、制御部104と、を含んでもよく、制御部は、CSIフィードバック制御部、コードワード生成部、及びCSI-RS制御部を含む。送信部/受信部回路103は、送信部及び受信部1031を含む。
【0108】
送信部/受信部回路103に含まれる送信部は、UEアンテナ101を介して、データ信号(例えば、参照信号及びCSIフィードバック情報)をBS20に送信する。
【0109】
送信部/受信部回路103に含まれる受信部は、UEアンテナ101を介して、データ信号(例えば、CSI-RSのような参照信号)をBS20から受信する。
【0110】
アンプ部102は、PDCCH信号を、BS20から受信した信号から分離する。
【0111】
制御部104は、BS20から送信されたCSI-RSに基づいて下りリンクチャネル状態を推定し、CSIフィードバック制御部に出力する。
【0112】
CSIフィードバック制御部は、下りリンクチャネル状態を推定するための参照信号を用いて推定された下りリンクチャネル状態に基づいて、CSIフィードバック情報を生成する。CSIフィードバック制御部は、生成されたCSIフィードバック情報を送信部に出力し、送信部は、CSIフィードバック情報をBS20に送信する。CSIフィードバック情報は、ランクインジケータ(RI:Rank Indicator)、PMI、CQI、BIなどのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0113】
CSI-RS制御部は、CSI-RSがBS20から送信されると、CSI-RSリソース情報に基づいて、特定のユーザ装置がそのユーザ装置自体であるか否かを判断する。CSI-RS制御部16が、特定のユーザ装置はそのユーザ装置自体であると判断した場合には、送信部は、CSI-RSに基づいたCSIフィードバックをBS20に送信する。
【0114】
1つ以上の実施形態では、UE10は、ユーザ装置と基地局との間のビットマップ報告に関連付けられたフィードバックオーバーヘッドを低減するように構成されたハードウェアをさらに含む。例えば、UE10は、BS20と通信する際のフィードバックオーバーヘッドを低減するための上述した能力を有していてもよい。
【0115】
上記の実施例及び修正実施例は、相互に組み合わされてもよく、またそれらの実施例の様々な特徴は、様々な組み合わせで相互に組み合わされてもよい。本発明は、本開示における特定の組み合わせに限定されるものではない。
【0116】
本開示を、限られた数の実施形態のみに関して説明したが、本開示の恩恵を受ける当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な他の実施形態に想到し得ることは明らかであろう。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。

図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】