(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】横方向ゲート型トランジスタ、および一体化横方向フィールドプレート構造を有する横方向ショットキーダイオード
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20231005BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20231005BHJP
H01L 29/47 20060101ALI20231005BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20231005BHJP
H01L 29/872 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
H01L29/80 F
H01L29/44 Y
H01L29/48 F
H01L29/80 H
H01L29/06 301F
H01L29/86 301F
H01L29/86 301D
H01L29/86 301E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517308
(86)(22)【出願日】2021-08-09
(85)【翻訳文提出日】2023-05-09
(86)【国際出願番号】 US2021045170
(87)【国際公開番号】W WO2022060489
(87)【国際公開日】2022-03-24
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518081555
【氏名又は名称】テレディン サイエンティフィック アンド イメージング、 エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】TELEDYNE SCIENTIFIC & IMAGING, LLC
【住所又は居所原語表記】1049 Camino Dos Rios, Thousand Oaks, California 91360-2362, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠原 啓介
(72)【発明者】
【氏名】ケイシー キング
(72)【発明者】
【氏名】エリック レガン
(72)【発明者】
【氏名】ミゲル ウルテアガ
【テーマコード(参考)】
4M104
5F102
【Fターム(参考)】
4M104AA01
4M104AA04
4M104AA05
4M104AA07
4M104AA08
4M104CC03
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4M104FF06
4M104FF10
4M104FF11
4M104GG03
4M104HH20
5F102FA01
5F102GB01
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5F102GL04
5F102GL05
5F102GM04
5F102GQ01
5F102GR04
5F102GV05
5F102GV07
5F102GV08
(57)【要約】
横方向ゲート型トランジスタおよび横方向ショットキーダイオードが開示されている。FETは、基板と、ソース電極(304)およびドレイン電極(306)と、チャネルと、ゲート電極構造(307)と、誘電体層(312)とを備えている。ゲート電極構造は、チャネルに接触している電極(308)と、電極に隣接している横方向フィールドプレート(332)とを備えている。誘電体層は横方向フィールドプレートとチャネルとの間に配置されている。横方向フィールドプレートは、誘電体層と接触しており、ドレイン電極またはソース電極に近接しているゲート電極に近接している電界を変調する。横方向フィールドプレートがゲート電極に対して対称に配置されているゲート電極構造も開示されている。ゲート電極構造から離れて基板に埋め込まれた誘電体構造を有する基板も開示されている。アノード構造を有する横方向ショットキーダイオードは、アノード、カソード、およびアノードとカソードとの間に位置する横方向フィールドプレートを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上のソース電極およびドレイン電極と、
チャネル層と、
前記チャネル層と接触しているゲート電極、および前記ゲート電極に隣接している第1の横方向フィールドプレートを備えているゲート電極構造と、
第1の横方向フィールドプレートと前記チャネル層との間に配置された第1の誘電体層と、を備えており、
前記第1の横方向フィールドプレートは、前記第1の誘電体層と接触しており、前記ドレイン電極または前記ソース電極のうちの少なくとも一方または両方に近接している前記ゲート電極に近接している電界を変調するように構成されている、電界効果トランジスタ(FET)。
【請求項2】
前記ゲート電極および前記第1の横方向フィールドプレートは、前記基板の表面上に配置されている、請求項1に記載のFET。
【請求項3】
前記第1の誘電体層の厚さは、前記ゲート電極構造に近接しているフィールドプレート領域におけるピンチオフ電圧を決定する、請求項1に記載のFET。
【請求項4】
前記ゲート電極および前記第1の横方向フィールドプレートは、上部部分および底部部分を備えており、前記ゲート電極および前記第1の横方向フィールドプレートの前記底部部分は、前記チャネル層まで延びる深さまで前記基板に画定された開口部に埋め込まれ、前記ゲート電極および前記第1の横方向フィールドプレートの前記上部部分は、前記基板の表面より上に延びている、請求項1に記載のFET。
【請求項5】
前記開口部は側壁を画定し、前記ゲート電極が前記チャネルと横方向に接触するように前記ゲート電極の前記底部部分を受容するように構成された前記第1の誘電体層に配置された横方向のギャップを除いて、前記第1の誘電体層は前記側壁に配置されている、請求項4に記載のFET。
【請求項6】
前記開口部および前記ゲート電極構造は、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間で前記基板において非対称な構成で配置されている、請求項5に記載のFET。
【請求項7】
前記ゲート電極構造は、前記開口部内に非対称な構成で配置されている、請求項6に記載のFET。
【請求項8】
前記第1の横方向フィールドプレートは、前記ゲート電極から長手方向に延び、前記第1の横方向フィールドプレートの前記底部部分は、前記第1の誘電体層と横方向に接触している、請求項7に記載のFET。
【請求項9】
前記第1の誘電体層によって画定された側壁に配置されている第2の誘電体層と、
前記第1の横方向フィールドプレートに隣接して配置されている第2の横方向フィールドプレートと、をさらに備えており、
前記第1の横方向フィールドプレートは、前記第1の誘電体層と横方向に接触しており、前記第2の誘電体層と長手方向に接触しており、
前記第2の横方向フィールドプレートは、前記第2の誘電体層と横方向に接触しており、
前記第1の誘電体層および前記第2の誘電体層の厚さは、前記フィールドプレート領域におけるピンチオフ電圧を決定する、請求項7に記載のFET。
【請求項10】
前記第1の誘電体層は、前記基板の幅(W)に沿って横方向に前記ゲート電極の前記底部部分によって画定される側壁にさらに配置されており、前記第1の横方向フィールドプレートは、前記ゲート電極から前記第1の誘電体層の部分によって分離されている、請求項7に記載のFET。
【請求項11】
前記第1の誘電体層上に配置されている第2の誘電体層と、
前記第1の横方向フィールドプレートに隣接している第2の横方向フィールドプレートと、をさらに備えており、
前記第2の横方向フィールドプレートは、前記第2の誘電体層と横方向に接触しており、前記第1の横方向フィールドプレートから前記第2の誘電体層の部分によって分離されている、請求項10に記載のFET。
【請求項12】
基板と、
前記基板上のソース電極およびドレイン電極と、
チャネル層と、
ゲート電極構造であって、
前記チャネルと接触しているゲート電極と、
前記ゲート電極の1つの側面に隣接している第1の横方向フィールドプレートと、前記ゲート電極の反対側の側面に隣接している第2の横方向フィールドプレートを備えており、
前記第1の横方向フィールドプレートおよび前記第2の横方向フィールドプレートは、前記ゲート電極に対して対称な構成で配置されている、前記ゲート電極構造と、
前記第1の横方向フィールドプレートおよび前記第2の横方向フィールドプレートと前記チャネル層との間に配置されている第1の誘電体層と、を備えており、
前記第1の横方向フィールドプレートおよび前記第2の横方向フィールドプレートは、前記第1の誘電体層と接触しており、前記ドレイン電極または前記ソース電極のうちの少なくとも一方または両方に近接している前記ゲート電極に近接している電界を変調するように構成されている、電界効果トランジスタ(FET)。
【請求項13】
前記ゲート電極、ならびに前記第1の横方向フィールドプレートおよび前記第2の横方向フィールドプレートは、前記基板の表面上に配置されている、請求項12に記載のFET。
【請求項14】
前記第1の誘電体層の厚さは、前記ゲート電極構造に近接しているフィールドプレート領域におけるピンチオフ電圧を決定する、請求項12に記載のFET。
【請求項15】
前記ゲート電極、ならびに前記第1の横方向フィールドプレートおよび前記第2の横方向フィールドプレートは、上部部分および底部部分を備えており、前記ゲート電極、ならびに前記第1の横方向フィールドプレートおよび前記第2の横方向フィールドプレートの前記底部部分は、前記チャネル層まで延びる深さまで前記基板に画定された開口部に埋め込まれ、前記ゲート電極、ならびに前記第1の横方向フィールドプレートおよび前記第2の横方向フィールドプレートの前記上部部分は、前記基板の表面より上に延びる、請求項12に記載のFET。
【請求項16】
前記開口部は側壁を画定し、前記ゲート電極が前記チャネルと横方向に接触するように前記ゲート電極の前記底部部分を受容するように構成された前記第1の誘電体層に配置された横方向のギャップを除いて、前記第1の誘電体層は前記側壁に配置されている、請求項15に記載のFET。
【請求項17】
前記第1の誘電体層上に配置されている第2の誘電体層と、
前記第1の横方向フィールドプレートに隣接している第3の横方向フィールドプレートと、
前記第2の横方向フィールドプレートに隣接している第4の横方向フィールドプレートと、をさらに備えており、
前記第3の横方向フィールドプレートおよび前記第4の横方向フィールドプレートは、前記第2の誘電体層と横方向に接触している、請求項12に記載のFET。
【請求項18】
基板と、
前記基板上のソース電極およびドレイン電極と、
チャネル層と、
前記チャネル層と接触しているゲート電極、および前記ゲート電極に隣接している第1の横方向フィールドプレートを備えているゲート電極構造と、
前記第1の横方向フィールドプレートと前記チャネル層との間に配置された第1の誘電体層と、
前記ゲート電極構造から離れて前記基板に埋め込まれた誘電体構造と、を備えており、
前記第1の横方向フィールドプレートは、前記第1の誘電体層と接触しており、前記ドレイン電極または前記ソース電極のうちの少なくとも一方または両方に近接している前記ゲート電極に近接している電界を変調するように構成されている、電界効果トランジスタ(FET)。
【請求項19】
前記埋め込まれた誘電体構造は、前記ゲート電極構造に隣接している前記第1の誘電体層間に生じる等電位線を形成する、請求項18に記載のFET。
【請求項20】
前記ゲート電極および前記第1の横方向フィールドプレートは、上部部分および底部部分を備えており、前記ゲート電極および前記第1の横方向フィールドプレートの前記底部部分は、前記チャネル層まで延びる深さまで前記基板に画定された開口部に埋め込まれ、前記ゲート電極および前記第1の横方向フィールドプレートの前記上部部分は前記基板の表面より上に延びており、前記第1の横方向フィールドプレートは前記ゲート電極から長手方向に延び、前記第1の横方向フィールドプレートの前記底部部分は前記第1の誘電体層と横方向に接触している、請求項18に記載のFET。
【請求項21】
基板に配置された開口部に埋め込まれた複数の構造を備えている基板と、
アノードおよび横方向フィールドプレートを備えているアノード構造と、
前記基板の上面に位置するカソードと、を備えている横方向ショットキーダイオード。
【請求項22】
別のカソードをさらに備えており、前記アノードは前記カソード間に対称的に位置している、請求項21に記載の横方向ショットキーダイオード。
【請求項23】
前記第1の横方向フィールドプレートおよび前記第2の横方向フィールドプレートは、矩形状であり、対称構成で配置されている、請求項21に記載の横方向ショットキーダイオード。
【請求項24】
前記第1の横方向フィールドプレートは、前記アノードから前記基板の長さ(L)に沿って前記カソードに向かって長手方向に延びており、前記第2の横方向フィールドプレートは、前記アノードから前記基板の長さ(L)に沿って前記カソードに向かって長手方向に延びており、前記第1の横方向フィールドプレートおよび前記第2の横方向フィールドプレートは、前記基板の幅(W)に沿って横方向に延びている、請求項21に記載の横方向ショットキーダイオード。
【請求項25】
前記開口部の内側側壁に配置された誘電体層をさらに備えており、前記アノードの底部部分は前記基板に埋め込まれている、請求項21に記載の横方向ショットキーダイオード。
【請求項26】
前記横方向フィールドプレートは、前記アノードと前記カソードとの間に位置している、請求項21に記載の横方向ショットキーダイオード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
本発明はDARPAにより授与された契約FA8650-18-7807の下で連邦政府の支援を受けてなされた発明である。米国政府は本発明において一定の権利を有する。
【0002】
本開示は、概して、横方向フィールドプレートを有する電界効果トランジスタ(FET)に関する。より詳細には、本開示は、シングルチャネルトランジスタまたはマルチチャネルトランジスタにおける横方向ゲートのドレイン端付近の電界を変調するための横方向フィールドプレートを有する横方向ゲート型トランジスタに関する。
【背景技術】
【0003】
ほとんどの従来のFETにおいて、ゲート電極は半導体表面の上に配置され、垂直方向のゲート電界によってドレイン電流を変調する。これにより、ゲートのドレイン端に、高電圧動作中に電界強度が最も大きくなる領域が形成される。これは、従来のFETの問題の主因である。例えば、高電界領域付近での電子トラップによって引き起こされる電流コラプスは、高ドレイン電圧でバイアスされたときのFETの電力性能を低下させる。これは、大きな電圧スイングをもたらすようにFETが動作したときに、FETのRF電力性能(出力電力、効率、直線性、利得)を低下させる。強力な圧電性を持つGaN系高電子移動度トランジスタ(HEMT)では、ゲートのドレイン端における垂直方向の高電界が、上部バリア材料に引張応力を誘発することによって、エピタキシャル層にクラックを生じさせることがある(いわゆる「逆圧電効果」)。この効果は、GaN系HEMTの信頼性を制限する。従来のFETに関する他の問題としては、電界強度が材料の臨界電界を超えたときのデバイスの故障、およびゲートのドレイン端の高電界による欠陥形成によるデバイスの信頼性低下が挙げられる。横方向ゲート型トランジスタにも同様の問題が当てはまる。
【0004】
フィールドプレートを有する従来のトップゲート型HEMTでは、誘電体層がフィールドプレートとチャネルとの間に挿入されている。フィールドプレートは、ゲートコンタクトのドレイン側近傍の電界を緩和する。従来の横方向ゲート型トランジスタは、高出力RFおよび電力スイッチング用途のために、電力密度および電流処理を向上させ、トランジスタのオン抵抗を低減させるように複数のチャネルを含むことができる。横方向ゲートを採用した他のトランジスタとしては、Teledyne Scientific&Imaging,LLCのFIN FET、SLC FET、およびBRIDGE HEMTが挙げられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本開示は、基板と、基板上のソース電極およびドレイン電極と、チャネル層と、ゲート電極構造と、誘電体層とを備えている電界効果トランジスタ(FET)を提供する。ゲート電極構造は、ゲート電極と、ゲート電極に隣接している横方向フィールドプレートとを備えている。ゲート電極は、チャネル層と接触している。誘電体層は、横方向フィールドプレートとチャネル層との間に配置されている。横方向フィールドプレートは、誘電体層と接触しており、ドレイン電極またはソース電極のうちの少なくとも一方または両方に近接しているゲート電極に近接している電界を変調するように構成されている。
【0006】
別の態様において、本開示は、基板と、基板上のソース電極およびドレイン電極と、チャネル層と、ゲート電極構造と、誘電体層とを備えている電界効果トランジスタ(FET)を提供する。ゲート電極構造は、ゲート電極と、ゲート電極の1つの側面に隣接している第1の横方向フィールドプレートと、ゲート電極の反対側の側面に隣接している第2の横方向フィールドプレートとを備えている。ゲート電極は、チャネルと接触している。誘電体層は、第1の横方向フィールドプレートおよび第2の横方向フィールドプレートとチャネル層との間に配置されている。第1の横方向フィールドプレートおよび第2の横方向フィールドプレートは、ゲート電極に対して対称的な配置で配置されている。第1の横方向フィールドプレートおよび第2の横方向フィールドプレートは、誘電体層と接触しており、ドレイン電極またはソース電極のうちの少なくとも一方または両方に近接しているゲート電極に近接している電界を変調するように構成されている。
【0007】
別の態様において、本開示は、基板と、基板上のソース電極およびドレイン電極と、チャネル層と、ゲート電極構造と、誘電体層と、ゲート電極構造から離して基板内に埋め込まれた誘電体構造とを備えている電界効果トランジスタ(FET)を提供する。ゲート電極構造は、ゲート電極と、ゲート電極に隣接している横方向フィールドプレートとを備えている。ゲート電極は、チャネル層と接触している。誘電体層は、横方向フィールドプレートとチャネル層との間に配置されている。横方向フィールドプレートは、誘電体層と接触しており、ドレイン電極またはソース電極のうちの少なくとも一方または両方に近接しているゲート電極に近接している電界を変調するように構成されている。
【0008】
様々な態様において、FETは、ゲート埋め込み型HEMT、FIN FET、またはSLC FETであってもよい。
【0009】
別の態様において、本開示は、基板に配置された開口部に埋め込まれた複数の構造を備えている基板と、アノード、および横方向フィールドプレートを備えているアノード構造と、基板の上面に位置するカソードとを備えている横方向ショットキーダイオードを提供する。
【0010】
上記は概要であるため、詳細の単純化、一般化、包含および/または省略を含んでいる場合があり、したがって、当業者は、この概要が例示にすぎず、いかなる意味でも限定的なものであることが意図されないことを理解するであろう。本明細書に記載されたデバイスおよび/またはプロセスおよび/または他の主題の他の態様、特徴、および利点は、本明細書に記載された教示において明らかになるであろう。
【0011】
1つまたは複数の様々な態様において、関連システムは、システム設計者の設計上の選択に応じて、本明細書で言及されるトランジスタに影響を与えるように事実上任意の組み合わせのハードウェアにおける回路機構を含むが、これらに限定されない。上記に加え、様々な他の態様は、本開示のテキスト(例えば、特許請求の範囲および/または詳細な説明)および/または図面等の教示に規定され、説明される。
【0012】
さらに、以下に記載する形態、形態の表現、例のいずれか1つまたは複数を、以下に記載する他の形態、形態の表現、および例のいずれか1つまたは複数と組み合わせることができることが理解される。
【0013】
上記概要は例示にすぎず、いかなる意味でも限定的なものであることが意図されない。上記の例示的な態様、実施形態および特徴に加え、さらなる態様、実施形態および特徴が、図面および以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
記載される形態の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に具体的に規定されている。しかしながら、組織および動作方法の両方に関して記載された形態は、以下の添付図面と併せて、以下の説明を参照することによって最もよく理解され得る。
【0015】
【
図1】横方向フィールドプレートのないゲート電極を有するトップゲート型HEMTの断面図である。
【
図2】横方向フィールドプレートのないゲート電極を有するゲート埋め込み型HEMTの斜視断面図である。
【
図3】本開示の少なくとも1つの態様による、ゲート電極と、単一の横方向フィールドプレートとを備えているゲート電極構造を有するトップゲート型HEMTの断面図である。
【
図4】本開示の少なくとも1つの態様による、ゲート電極と、非対称な構成で配置された単一の横方向フィールドプレートとを備えているゲート電極構造を有するゲート埋め込み型HEMTの斜視断面図である。
【
図5】本開示の少なくとも1つの態様による、
図4に示すようにゲート電極と、非対称な構成で配置された単一の横方向フィールドプレートとを備えているゲート電極構造を有するゲート埋め込み型HEMTの上面図である。
【
図6】本開示の少なくとも1つの態様による、ゲート電極と、非対称な構成で配置されたダブル横方向フィールドプレートとを備えているゲート電極構造を有するゲート埋め込み型HEMTの上面図である。
【
図7】本開示の少なくとも1つの態様による、ゲート電極と、非対称な構成で配置された単一の横方向フィールドプレートとを備えているゲート電極構造を有するゲート埋め込み型HEMTの上面図である。
【
図8】本開示の少なくとも1つの態様による、ゲート電極と、非対称な構成で配置されたダブル横方向フィールドプレートとを備えているゲート電極構造を有するゲート埋め込み型HEMTの上面図である。
【
図9】本開示の少なくとも1つの態様による、ゲート電極と、対称な構成で配置された横方向フィールドプレートとを備えているゲート電極構造を有するゲート埋め込み型HEMTの上面図である。
【
図10】本開示の少なくとも1つの態様による、ゲート電極と、対称な構成で配置されたダブル横方向フィールドプレートとを備えているゲート電極構造を有するゲート埋め込み型HEMTの上面図である。
【
図11】本開示の少なくとも1つの態様による、ゲート電極および単一の横方向フィールドプレートを備えているゲート電極構造と、ゲート電極構造とは離れて基板内に埋め込まれた誘電体構造とを有するゲート埋め込み型HEMTの斜視断面図である。
【
図12】本開示の少なくとも1つの態様による、
図11に示すゲート埋め込み型HEMTの上面図である。
【
図13】本開示の少なくとも1つの態様による、アノード(A)および横方向フィールドプレートを備えているアノード構造を有する横方向ショットキーダイオードの上面図である。
【
図14】本開示の少なくとも1つの態様による、アノード(A)および横方向フィールドプレートを備えているアノード構造を有する横方向ショットキーダイオードの上面図である。
【
図15】本開示の少なくとも1つの態様による、アノード(A)および横方向フィールドプレートを備えているアノード構造を有する横方向ショットキーダイオードの上面図である。
【
図16】本開示の少なくとも1つの態様による、アノード(A)および横方向フィールドプレートを備えているアノード構造を有する横方向ショットキーダイオードの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
電子デバイスの様々な形態について詳細に説明する前に、例示的な形態は、添付図面および説明で示される諸部品の構成および配置の詳細に応用または使用が制限されないことに留意すべきである。例示的な形態は、他の形態、変形および修正に導入または組み込まれてもよく、様々な方法で実践または実施されてもよい。さらに、特に指示がない限り、本明細書に利用される用語および表現は、読者の便宜上、例示的な形態を説明するために選択されており、本発明を制限するためではない。
【0017】
さらに、以下に記載する形態、形態の表現、例のいずれか1つまたは複数を、以下に記載する他の形態、形態の表現、および例のいずれか1つまたは複数と組み合わせることができることが理解される。
【0018】
ある一般的な態様では、本開示は、横方向フィールドプレートを備えているゲート電極を含むFETを提供する。一態様では、横方向フィールドプレートは、製造プロセス中にFETに組み込むことができる。本開示は、単一または複数の導電チャネルを含む任意のFETに適用可能である。
【0019】
一態様では、FETは、横方向ゲート型トランジスタであることができる。一態様では、横方向ゲート型トランジスタは、横方向フィールドプレートおよび誘電体層を含むトップゲート型HEMTであってもよい。誘電体層は、横方向フィールドプレートと、誘電体層の厚さがフィールドプレート領域におけるピンチオフ電圧を決定するフィールドプレート領域を画定する単一または複数の導電チャネルと、の間に配置される。誘電体層の厚さは、フィールドプレート領域におけるピンチオフ電圧を決定する。横方向フィールドプレートは、デバイスが高いドレイン電圧でバイアスされているときに、ゲート電極のドレイン電極端近傍の電界を緩和し、耐圧を高め、電流コラプスを抑制する。一態様では、トップゲート型HEMTは、基板および誘電体層と接触する一体型横方向フィールドプレート構造を備えている。誘電体層は、基板の上層に位置している。
【0020】
別の態様では、横方向ゲート型トランジスタは、横方向フィールドプレートを備えているゲート埋め込み型HEMTであることが可能である。ゲート埋め込み型HEMTの埋め込まれたゲート電極は、単一または複数の導電チャネルと横方向に接触し、ゲート電圧バイアスによってチャネル幅を横方向に変調する。横方向フィールドプレートは、横方向フィールドプレートと単一または複数の導電チャネルとの間の側壁に堆積された誘電体層とともに、ゲート電極に隣接している。横方向フィールドプレートは、ドレイン電極またはソース電極のうちの少なくとも1つに近接しているゲート電極に近接しているフィールドプレート領域に近接している電界を変調するように構成されている。側壁に堆積された誘電体層の厚さは、横方向フィールドプレートと単一または複数の導電チャネルとの間の距離が単一または複数のチャネルに対して均一であることを可能にするように、深さ方向において均一である。一態様では、横方向ゲート型トランジスタは、本開示による横方向フィールドプレートを備えているゲート埋め込み型HEMTであり得、RFおよび電力スイッチングの両方の用途において、トランジスタの電力密度および電流処理を増大させ、トランジスタのオン抵抗を減少させるために採用されてもよい。
【0021】
様々な横方向フィールドプレートの構成が用途に応じて採用され得る。以下の用途は限定的なものではない。RF電力増幅デバイスおよび電力スイッチングデバイスの場合、フィールドプレートは、電界がピークとなるゲート電極のドレイン電極側にのみ非対称に位置し得る。ゲート-ソース間電圧およびゲート-ドレイン間電圧が等しく印加されるRFスイッチデバイスの場合、対称的な横方向フィールドプレートが適用可能である。ここで、横方向フィールドプレートは、ドレイン電極またはソース電極のうちの少なくとも一方または両方に近接しているゲート電極に隣接している。
【0022】
一態様では、横方向ゲート型トランジスタは、ゲート電極に隣接している一体型横方向フィールドプレート構造を備えている。ゲート電極は、ゲート電極が基板に接触する箇所を除いて側壁全体に接触している誘電体層とともに、ドレイン電極またはソース電極のうちの少なくとも一方または両方に近接している。
【0023】
別の態様では、横方向ゲート型トランジスタは、ゲート電極に隣接している一体型横方向フィールドプレート構造を備えている。ゲート電極は、ゲートが基板に接触する箇所を除いて側壁全体に接触している誘電体層とともに、ドレイン電極またはソース電極のうちの少なくとも一方に近接している。誘電体層は、ドレイン電極またはソース電極のうちの少なくとも一方または両方に近接しているゲート電極の横方向の側面にも接触している。
【0024】
さらに別の態様では、本開示は、ドレイン電極またはソース電極のうちの少なくとも一方または両方に近接しているゲート電極に隣接している一体型フィールドプレート構造を備えている横方向ゲート型トランジスタを提供し、フィールドプレートはゲートのソース端でゲートに隣接している。誘電体層は、ゲート電極が基板に接触する箇所を除いて、側壁に接触している。
【0025】
別の態様では、本開示は、ドレイン電極またはソース電極のうちの少なくとも一方または両方に近接しているゲート電極に隣接している一体型フィールドプレート構造を備えている横方向ゲート型トランジスタを提供する。第2のフィールドプレートは、第1のフィールドプレートに隣接している。誘電体層は、ゲートが基板に接触する箇所を除いて、側壁に接触している。第2の誘電体層は第1の誘電体層に接触している。
【0026】
別の態様において、本開示は、ゲートのドレイン端でゲートに隣接した一体型フィールドプレート構造を備えている横方向ゲート型トランジスタを提供する。第2のフィールドプレートは、第1のフィールドプレートに隣接している。誘電体層は、ゲートが基板に接触する箇所を除いて、側壁全体に接触している。誘電体層は、ドレイン電極またはソース電極のうちの少なくとも一方または両方に近接しているゲート電極にも接触している。第2の誘電体層は第1の誘電体層に接触している。
【0027】
さらに別の態様では、本開示は、ドレイン電極またはソース電極のうちの少なくとも一方または両方に近接しているゲート電極に隣接している第1のフィールドプレート、および、ドレイン電極またはソース電極のうちの少なくとも一方または両方に近接しているゲート電極に隣接している第2のフィールドプレート、を備えている横方向ゲート型トランジスタを提供する。本開示は、ドレイン電極またはソース電極のうちの少なくとも一方または両方に近接しているゲート電極に隣接している第3のフィールドプレート、および、ドレイン電極またはソース電極のうちの少なくとも一方または両方に近接している第3のフィールドプレートに隣接している第4のフィールドプレート、を備えている横方向ゲート型トランジスタを提供する。誘電体層は、ゲート電極が基板に接触する箇所を除いて、側壁に接触している。第2の誘電体層は第1の誘電体層に接触している。
【0028】
別の態様では、本開示は、ゲート誘電体層を介してチャネルと横方向に接触している一体型フィールドプレート構造に加えて、横方向ゲート型トランジスタの基板に埋め込まれた埋め込み窒化物構造を提供する。埋め込み窒化物構造は、耐圧を高め、ゲート-ドレイン間容量を低減させる。
【0029】
横方向フィールドプレートは、1つまたは複数のチャネルにおいて、ドレイン電極またはソース電極のうちの少なくとも一方または両方に近接しているフィールドプレート領域における電界を同時に変調する。横方向フィールドプレートは、ドレイン電極またはソース電極のうちの少なくとも一方または両方に近接しているフィールドプレート領域における電界強度を緩和する。横方向フィールドプレートは、ゲート電極のドレイン電極端における電界強度の緩和により、耐圧の増大、オフ状態のゲート漏れ電流の低減、トランジスタの大信号動作時の電流コラプスおよびニーウォークアウト(knee walkout)の抑制、ならびにトランジスタの高電圧スイッチング動作中の動的なオン抵抗の増大の抑制を可能にする。
【0030】
本開示による一体型横方向フィールドプレート構造を備えている横方向ゲート型トランジスタは、InAIGaAs、InAIN、InGaSb、SiGe/Si、Ga2O3、またはAIGaOx等の任意のタイプの半導体材料から製造される任意のタイプの横方向ゲート型トランジスタに適用することが可能である。加えて、本開示による一体型横方向フィールドプレート構造を有する横方向ゲート型トランジスタは、電力増幅器、低雑音増幅器、低損失RFスイッチ、低損失で高ブロッキング電圧を有する電力変換器等の幅広いRF製品に適用可能であり得る。
【0031】
様々な態様では、本開示による一体型横方向フィールドプレート構造を備えている横方向ゲート型トランジスタは、SバンドからWバンドまでの広範囲の周波数で高い信頼性を有する高出力電力、高効率、高線形性の電力増幅器に用いられるRFトランジスタに適用され得る。様々な態様では、一体型横方向フィールドプレート構造を備えている横方向ゲート型トランジスタは、出力電力、効率および線形性の前例のない組み合わせを有する信頼性の高いRF電力増幅器に適用され得る。本開示による一体型横方向フィールドプレート構造を備えている横方向ゲート型トランジスタは、高い直線性を有するロバストな低雑音増幅器にも適用され得る。
【0032】
一態様では、本開示による一体型横方向フィールドプレート構造を備えている横方向ゲート型トランジスタは、低挿入損失および高絶縁のRFスイッチに使用されるRFトランジスタに適用され得る。別の態様では、本開示による一体型横方向フィールドプレート構造を備えている横方向ゲート型トランジスタは、低い動的オン抵抗および耐圧を有する電力スイッチに適用され得る。さらに別の態様では、本開示による一体型横方向フィールドプレートを備えている横方向ゲート型トランジスタは、高絶縁および高い電力処理能を有する低挿入損失RFスイッチに適用され得る。本開示による一体型横方向フィールドプレート構造を備えている横方向ゲート型トランジスタは、例えば600Vを超える高電圧で高い電力変換効率を有する電力スイッチを製造することができる。
【0033】
一態様では、本開示による一体型横方向フィールドプレート構造を備えている横方向ゲート型トランジスタは、低直列抵抗および高耐圧のダイオードに使用されるRFトランジスタに適用され得る。
【0034】
様々な態様では、本開示による一体型横方向フィールドプレート構造を備えている横方向ゲート型トランジスタは、FinFETもしくは他のタイプの非プレーな型トランジスタ、または「3D」トランジスタ、超格子キャステレーション(SLC)FET、およびゲート埋め込み型HEMTに適用され得る。
【0035】
ここで図面を参照し、
図1は、横方向フィールドプレートのないゲート電極108を有するトップゲート型HEMT100の斜視断面図であり、
図2は、横方向フィールドプレートのないゲート埋め込み型HEMT200の斜視断面図である。
図1に示す従来のプレーナ型HEMTでは、バッファ層122、チャネル110、および上部バリア層120が基板102上に成長されている。ソース電極104およびドレイン電極106は、ゲート電極108とともに、基板102の上面にある。本明細書で使用する場合、基板102の「上面」とは、基板102上に成長させた最も上のエピタキシャル層の表面を意味する。動作時、ON状態において、ゲート電極108に印加される電圧は、チャネル110の空乏に影響を与える垂直電界を形成し、それによってソース電極104とドレイン電極106との間の電流の流れを制御する。ドレイン電流は、電子密度変調によって制御され、電子はゲート電極108の下を流れる。この従来設計の欠点は、OFF状態において、ソース-ドレイン間電圧が高い場合、ソース-ドレイン間のパンチスルーにより、漏れ電流があり得ることである。
【0036】
誘電体層112は基板102の上面に位置している。誘電体層112は、基板102、ソース電極104、およびドレイン電極106と接触している。半導体基板102の上部に配置されたゲート電極108は、垂直ゲート電界によりドレイン電流を変調する。これにより、ゲート電極108のドレイン電極106端に、高電圧動作中に電界強度が最も大きくなる領域114が形成される。この領域114の電界強度が大きいと、半導体表面での電子トラップによる電流コラプスが生じ、トップゲート型HEMT100が高ドレイン電圧でバイアスされたときの電力性能を低下させる。
【0037】
図2は、横方向フィールドプレートのない埋め込まれたゲート電極208を有するゲート埋め込み型HEMT200の斜視断面図である。この図示される例では、FETは、ドレイン電流がチャネル210内の2DEG平面を介して運ばれるゲート埋め込み型HEMTである。図示されるように、チャネル210は、複数の導電チャネルを備えている。ゲート埋め込み型HEMT200は、基板202、エピタキシャルバッファ層222、エピタキシャルチャネル210内の2DEG平面、エピタキシャル上部バリア層220、ならびに基板202の上面におけるソース電極204およびドレイン電極206を備えている。しかしながら、
図1に示す基板102の表面上のゲート電極108の代わりに、ここでは、ゲート電極は、その上部が基板202の最上面より上に延び、その底部がチャネル210の側壁に配置された誘電体層212の間でチャネル210の2DEG平面の底部と少なくとも等しい深さまで埋め込まれた複数の埋め込まれたゲート電極208を含む。さらに、埋め込まれたゲート電極208は、上記の、基板の上面と接触していないヘッド部分(図示せず)も備えており、基板の上面は埋め込まれたゲート電極208すべてに接触して相互接続する。したがって、埋め込まれたゲート電極208は、側面からのみチャネル210の2DEG平面に接触している。このように配置すると、FETのドレイン電流は、埋め込まれたゲート電極208によるチャネル210の2DEG平面の横方向ゲートによるチャネル幅変調によって制御される。ON状態のドレイン電流はチャネル幅変調によって制御され、埋め込まれたゲート電極208がチャネル210の2DEG平面下の空乏領域を横方向に拡張するため、デバイスは、OFF状態では優れた静電絶縁を示す。
【0038】
図2に描かれた例では、ゲート電極208は矩形状である。誘電体層212は、基板202に画定された開口部236の内側側壁に配置されており、ゲート電極208の底部が基板202に埋め込まれている。ゲート電極208の底部の横方向の側面は、開口部236の長手方向側面間に誘電体層212に画定されたギャップ234を通して開口部236に受容される。誘電体層212は、ギャップ234が画定されている箇所を除いて、ゲート電極208が入る開口部236の縁部を取り囲む。
【0039】
電子は、基板202の幅(W)に沿って埋め込まれたゲート電極208の間で測定したチャネルの幅(Wch)が、埋め込まれたゲート電極208の底部の横方向の側面によって誘導される空乏、および隣接している埋め込まれたゲート電極208間のピッチ(「Pg-g」)によって制御されている状態で埋め込まれたゲート電極208の間を流れる。好ましくはナノメートルスケールの平行なチャネルは、熱源を空間的に分散させることによって、大信号動作中の自己加熱を低減する。幅(W)は、基板202の長さLに対して横向きである。埋め込まれたゲート電極208は、幅(W)に沿ってゲート電極208の間に画定されたチャネルと横方向に接触し、ゲートバイアスでチャネル幅Wchを横方向に変調させる。
【0040】
FETが
図2に示すHEMT200である場合、チャネル210は、2DEG平面を備えている。チャネルの長さは、デバイスの長さLに沿って測定される。このタイプのFETの場合、埋め込まれたゲート電極208の底部は、少なくともチャネル210の2DEG平面の底部まで埋め込まれるべきである。2DEG平面はチャネル層の上部のみを占めるため、埋め込まれたゲート電極208の底部は、チャネル210内、またはさらにはバッファ層222内にあることができる。
【0041】
埋め込まれたゲート電極208を埋め込むべき深さは、デバイスの種類に依存する。上述のように、
図2に示すHEMT200の場合、埋め込まれたゲート電極208の底部は、チャネル210内の通電2DEG平面の底部と少なくとも等しい深さまで埋め込まれるべきである。デバイスがMESFETである場合、埋め込まれたゲート電極208は、チャネル210の底部と少なくとも等しい深さまで埋め込むことができるであろう。一般に、FETのドレイン電流が埋め込まれたゲート電極208による通電層の横方向ゲートによるチャネル幅変調によって制御されるように、埋め込まれたゲート電極208は、それらがチャネル210の通電部分にその側面からのみ接触するように十分に深く埋め込まれなければならない。
【0042】
上述のように、本明細書に記載の埋め込まれたゲート電極208を採用したFETは、チャネル210を横方向にゲートすることによって、チャネル幅変調を介してドレイン電流を制御する。チャネル210の下の横方向に拡張された空乏領域は、静電絶縁を強化し、OFF状態での漏れ電流およびドレイン誘起バリア低下(DIBL)を低減し、さらに、ON状態での出力コンダクタンスを低減し、それによりトランジスタの利得を改善する。ソース-ドレインコンタクト幅が有効チャネル幅よりも広いため、有効なソース抵抗およびドレイン抵抗が非常に小さく(プレーナ型HEMTの約1/5)、したがってニー電圧が小さくなる。加えて、基板202の上部とヘッド部分(図示せず)とが接触していないことにより、大信号動作中の電子トラップ効果を抑制し、逆圧電効果をなくす。
【0043】
埋め込まれたゲート電極208は、いくつかの形状のうちのいずれかを有することができる。例えば、構造は、円筒形であってもよい。構造はまた、例えば、矩形、または任意の他の適切な形状であってもよい。
【0044】
図2に示すように、複数の埋め込まれたゲート電極208は、ソース電極204およびドレイン電極206に平行で、かつソース電極204とドレイン電極206との間にある線に沿っていてもよいが、これは必須ではない。この例では、埋め込まれたゲート電極208は、前記線に沿って等間隔に配置されている(すなわち、埋め込みゲートは一定のピッチを有する)。閾値電圧等のFET特性はピッチによって変化するため、一定のピッチは、所望の性能特性を達成するために必要に応じて選択することができる。
【0045】
誘電体層212は、チャネル210の側壁と接触しており、埋め込まれたゲート電極208の底部がチャネル210に埋め込まれている。誘電体層212は、基板202の上面にも接触している。埋め込まれたゲート電極208は、垂直ゲート電界によってドレイン電流を変調する。これにより、埋め込まれたゲート電極208のドレイン電極206端において、高電圧動作中に電界強度が最大となる領域214が形成される。この領域214の電界強度が大きいと、半導体表面での電子トラップによる電流コラプスが生じ、トップゲート型HEMT200が高ドレイン電圧でバイアスされたときの電力性能を低下させる。
【0046】
以下に記載するように、
図1および
図2に示すように領域114、214における高い電界強度を緩和するために、横方向フィールドプレート構造はゲート電極構造108、208と一体化され、誘電体層112、212が横方向フィールドプレート構造とチャネル110、210との間に挿入される。誘電体層112、212の厚さは、フィールドプレート構造領域114、214におけるピンチオフ電圧を決定する。フィールドプレートは、デバイスが高いドレイン電圧でバイアスされているときに、ゲート電極構造108、208のドレイン電極106、206端近傍の領域114、214における電界を緩和し、耐圧を高め、電流コラプスを抑制する。
【0047】
例えば
図2に示す複数のチャネル210を有する横方向ゲート型トランジスタは、RFスイッチング用途および電力スイッチング用途の両方において、トランジスタの電力密度および電流処理を向上させ、トランジスタのON抵抗を減少させる。横方向ゲート型トランジスタでは、横方向フィールドプレート構造は、ゲート誘電体層112、212(SiN、SiO2、SiON、AlN、Al2O3、AlON、HfO2、HfN、HfON等)を介してチャネル110、210と横方向に接触している。側壁に堆積されたゲート誘電体層212の厚さは深さ方向で同じにされ、横方向フィールドプレート構造とチャネル210との間の距離を複数のチャネルに対して同じにすることが可能である。
【0048】
トップゲート型HEMTデバイスおよびゲート埋め込み型HEMTデバイスのさらなる説明は、共同所有されている公報の米国特許出願第2019/0013386号A1に提供されており、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。HEMTが図示される例で描かれているが、本明細書に記載の横方向フィールドプレート構造は、とりわけ、MESFETおよび金属絶縁体半導体FET(MISFET)、FIN FETS、SLG FETS等を含む他のFETタイプに適用することができる。様々な構成の横方向フィールド構造を備えている様々なFETトランジスタが、
図3~
図12に関連して本明細書に記載される。
【0049】
図3は、本開示の少なくとも1つの態様による、ゲート電極308および横方向フィールドプレート332を備えているゲート電極構造307を有するトップゲート型HEMT300の断面図である。図示される例では、
図1に示すトップゲートHEMT300では、バッファ層322、チャネル層320、および上部バリア層310が基板302上に成長されている。ソース電極304およびドレイン電極306は、ゲート電極308および横方向フィールドプレート332を備えているゲート電極構造307とともに、基板302の上面にある。本明細書で使用する場合、基板302の「上面」とは、基板302上に成長させた最も上のエピタキシャル層の表面を意味する。動作時、ON状態において、ゲート電極308に印加される電圧は、チャネル320の空乏に影響を与える垂直電界を形成し、それによってソース電極304とドレイン電極306との間の電流の流れを制御する。ドレイン電流は、電子密度変調によって制御され、電子はゲート電極308の下を流れる。この従来設計の欠点は、OFF状態において、ソース-ドレイン間電圧が高い場合、ソース-ドレイン間のパンチスルーにより、漏れ電流が生じ得ることである。
【0050】
誘電体層312は基板302の上面に位置している。誘電体層312は、基板302、ソース電極304、およびドレイン電極306と接触している。半導体基板302の上部に配置されたゲート電極308は、垂直ゲート電界によりドレイン電流を変調する。誘電体層312は、横方向フィールドプレート332とチャネル層320との間に挿入される。誘電体層312の厚さは、横方向フィールドプレート332領域314におけるピンチオフ電圧を決定する。横方向フィールドプレート332は、トップゲート型HEMT300が高いドレイン電圧でバイアスされているときに、ゲート電極308のドレイン電極306端近傍の電界を緩和し、高電圧動作中に電界強度が最も大きくなるときの耐圧を高め、電流コラプスを抑制する。横方向フィールドプレート332近傍の緩和電界領域314は、トップゲート型HEMT300が高ドレイン電圧でバイアスされたときに電流コラプスを防止し、トップゲート型HEMT300の電力性能を向上させる。
【0051】
図4は、ゲート電極408、および対称な構成で配置された単一の横方向フィールドプレート432を備えているゲート電極構造407を有するゲート埋め込み型HEMT400の斜視断面図であり、
図5は、本開示の少なくとも1つの態様による、
図4に示すゲート埋め込み型HEMT400の上面図である。
図4および
図5に示される例では、FETは、ドレイン電流がチャネル410内の2DEG平面を介して運ばれるゲート埋め込み型HEMTである。図示されるように、チャネル410は、複数の導電チャネルを備えている。ゲート埋め込み型HEMT400は、基板402、エピタキシャルバッファ層422、エピタキシャルチャネル410内の2DEG平面、エピタキシャル上部バリア層420、ならびに基板402の上面におけるソース電極404およびドレイン電極406を備えている。基板402の表面上のゲート電極構造407は、複数の埋め込まれたゲート電極408および横方向フィールドプレート432を備えており、それらの上部が基板402の上面より上に延び、それらの底部がチャネル410の側壁に配置された誘電体層412の間でチャネル410の2DEG平面の底部と少なくとも等しい深さまで基板402に配置された開口部436に埋め込まれている。さらに、埋め込まれたゲート電極構造407は、上記の、基板の上面と接触していないヘッド部分(図示せず)も含み、基板の上面は埋め込まれたゲート電極408すべてに接触して相互接続する。したがって、埋め込まれたゲート電極408は、側面からのみチャネル410の2DEG平面に接触している。このように配置すると、FETのドレイン電流は、埋め込みゲート電流408によるチャネル410の2DEG平面の横方向ゲートによるチャネル幅変調によって制御される。ON状態のドレイン電流はチャネル幅変調によって制御され、埋め込まれたゲート電極408がチャネル410の2DEG平面下の空乏領域を横方向に拡張するため、デバイスは、OFF状態では優れた静電絶縁を示す。図示された例では、ゲート電極構造407は、基板402のソース電極404端寄りに非対称に位置している。複数のチャネル410は、ゲート電極構造407間で、ソース電極404とドレイン電極406との間に画定されている。
【0052】
図4および
図5に描かれた例では、ゲート電極408および横方向フィールドプレート432は、矩形状であり、非対称構成で配置されている。埋め込まれたゲート電極408および横方向フィールドプレート432は、描かれた例での形状に限定されるものではない。各ゲート電極構造407は、ゲート電極408と、ゲート電極408から基板402の長さ(L)に沿ってドレイン電極406端に向かって長手方向に延びる横方向フィールドプレート432とを備えている。横方向フィールドプレート432の長さ(L)に沿った長手方向の延びの量は非限定的であり、所定の用途に応じて選択され得る。誘電体層412は、開口部436の内側側壁に配置されており、ゲート電極408の底部が基板402に埋め込まれている。ゲート電極408の底部の横方向の側面は、開口部436の長手方向側面に沿って配置された誘電体層412に画定されたギャップ434を介して開口部436に受容される。誘電体層412は、ギャップ434が画定されている箇所を除いて、ゲート電極構造407が入る開口部436の側壁を取り囲む。埋め込まれたゲート電極408は、幅(W)に沿ってチャネル410と横方向に接触し、ゲート電圧バイアスでチャネル幅を横方向に変調させる。横方向フィールドプレート432は、横方向フィールドプレート432とチャネル410との間に誘電体層412を挟んでトランジスタのゲート電極408に隣接して位置している。
【0053】
横方向フィールドプレート432は、基板402に埋め込まれた複数のゲート電極408のうちの少なくとも1つに隣接している。横方向フィールドプレート432は、縁部に沿ってゲート電極408のドレイン電極406端と接触しており、横方向の幅(W)方向において誘電体層412側壁と接触している。横方向フィールドプレート432は、基板402に埋め込まれた複数のゲート電極構造407のうちの少なくとも1つのドレイン電極406端に近接しているゲート電極408に近接しているフィールドプレート領域414の電界を変調するように構成されている。この記載を通じて、「横方向」という用語は、基板402の幅(W)に沿った方向として定義され、「長手方向」は、基板402の長さ(L)に沿った方向として定義される。
【0054】
複数のチャネル410は、ゲート電極構造407間で、ソース電極404とドレイン電極406との間に位置している。横方向フィールドプレート432は、横方向フィールドプレート領域414に緩和電界を形成する。横方向フィールドプレート432は、ゲート誘電体層412を介して複数のチャネル410の横方向部分と電気的に接触している。横方向フィールドプレート領域414における緩和電界は、ゲート電極構造407のドレイン電極406端近傍にあり、デバイスが十分に高いドレイン電圧でバイアスされているときに生じ、耐圧を高め、電流コラプスを抑制する。横方向フィールドプレート領域414における緩和電界は、横方向フィールドプレートなしで生じる電界よりも小さい。
【0055】
電子は、基板402の幅(W)に沿って埋め込まれたゲート電極407の間で測定したチャネルの幅(Wch)が、埋め込まれたゲート電極構造407の底部の横方向の側面によって誘導される空乏、および隣接している埋め込まれたゲート電極構造407間のピッチ(「Pg-g」)によって制御されている状態で埋め込まれたゲート電極構造407の間を流れる。好ましくはナノメートルスケールの平行なチャネルは、熱源を空間的に分散させることによって、大信号動作中の自己加熱を低減する。幅(W)は、基板402の長さLに対して横向きである。埋め込まれたゲート電極408は、幅(W)に沿ってゲート電極構造407の間に画定されたチャネルと横方向に接触し、ゲートバイアスでチャネル幅Wchを横方向に変調させる。
【0056】
図4に示すゲート埋め込み型HEMT400のチャネル410は、2DEG平面を備えている。このタイプのFETの場合、埋め込まれたゲート電極構造407の底部は、少なくともチャネル410の2DEG平面の底部まで埋め込まれるべきである。2DEG平面はチャネル層の上部のみを占めるため、埋め込まれたゲート電極構造407の底部は、チャネル410内、またはさらにはバッファ層422内にあることができる。
【0057】
埋め込まれたゲート電極構造407を埋め込むべき深さは、デバイスの種類に依存する。埋め込まれたゲート電極構造407の底部は、チャネル410内の通電2DEG平面の底部と少なくとも等しい深さまで埋め込まれるべきである。デバイスがMESFETである場合、埋め込まれたゲート電極構造407は、チャネル410の底部と少なくとも等しい深さまで埋め込むことができるであろう。一般に、FETのドレイン電流が埋め込まれたゲート電極構造407による通電層の横方向ゲートによるチャネル幅変調によって制御されるように、埋め込まれたゲート電極構造407は、それらがチャネル410の通電部分にその側面からのみ接触するように十分に深く埋め込まれなければならない。
【0058】
本明細書に記載の埋め込まれたゲート電極構造407を採用したFETは、チャネル410を横方向にゲートすることによって、チャネル幅変調を介してドレイン電流を制御する。チャネル410の下の横方向に拡張された空乏領域は、静電絶縁を強化し、OFF状態での漏れ電流およびドレイン誘起バリア低下(DIBL)を低減し、さらに、ON状態での出力コンダクタンスを低減し、それによりトランジスタの利得を改善する。ソース-ドレインコンタクト幅が有効チャネル幅よりも広いため、有効なソース抵抗およびドレイン抵抗が非常に小さく(プレーナ型HEMTの約1/5)、したがってニー電圧が小さくなる。加えて、基板402の上面とヘッド部分(図示せず)とが接触していないことにより、大信号動作中の電子トラップ効果を抑制し、逆圧電効果をなくす。
【0059】
埋め込まれたゲート電極構造407は、いくつかの形状のうちのいずれかを有することができる。例えば、構造は、円筒形であってもよい。構造はまた、例えば、矩形、または任意の他の適切な形状であってもよい。
【0060】
図4に示すように、複数の埋め込まれたゲート電極構造407は、ソース電極404およびドレイン電極406に平行で、かつソース電極404とドレイン電極406との間にある線に沿っていてもよいが、これは必須ではない。この例では、埋め込まれたゲート電極構造407は、前記線に沿って等間隔に配置されている(すなわち、埋め込みゲートは一定のピッチを有する)。閾値電圧等のFET特性はピッチによって変化するため、一定のピッチは、所望の性能特性を達成するために必要に応じて選択することができる。
【0061】
誘電体層412は、チャネル410の側壁と接触しており、埋め込まれたゲート電極構造407の底部がチャネル410内へと基板402に埋め込まれている。誘電体層412は、基板402の上面にも接触している。埋め込まれたゲート電極構造407は、垂直ゲート電界によってドレイン電流を変調する。これにより、埋め込まれたゲート電極構造407のドレイン電極406端において、高電圧動作中に電界強度が緩和される横方向フィールドプレート領域414が形成される。この横方向フィールドプレート領域414の高電界強度の緩和により、半導体表面での電子トラップによる電流コラプスが防止され、ゲート埋め込み型HEMT400が高ドレイン電圧でバイアスされたときの電力性能を向上させる。
【0062】
領域414の高電界強度を緩和するために、横方向フィールドプレート432はゲート電極構造407と一体化され、誘電体層412は横方向フィールドプレート432とチャネル410との間に挿入される。誘電体層412の厚さは、横方向フィールドプレート領域414におけるピンチオフ電圧を決定する。横方向フィールドプレート432は、ゲート埋め込み型HEMT400が高いドレイン電圧でバイアスされているときに、ゲート電極構造407のドレイン電極406端近傍の領域414における電界を緩和し、耐圧を高め、電流コラプスを抑制する。
【0063】
例えば
図4および
図5に示す複数のチャネル410を有する横方向ゲート型トランジスタは、RFスイッチング用途および電力スイッチング用途の両方において、トランジスタの電力密度および電流処理を向上させ、トランジスタのON抵抗を減少させる。横方向ゲート型トランジスタでは、横方向フィールドプレート432は、例えばSiN、SiO2、SiON、AlN、Al2O3、AlON、HfO2、HfN、またはHfONから作成されたゲート誘電体層412を介してチャネル410と横方向に接触している。側壁に堆積されたゲート誘電体層412の厚さは深さ方向で同じにされ、横方向フィールドプレート432とチャネル410との間の距離を複数のチャネルに対して同じにすることが可能である。
【0064】
図6は、本開示の少なくとも1つの態様による、ゲート電極508と、非対称な構成で配置されたダブル横方向フィールドプレート532、533とを備えているゲート電極構造507を有するゲート埋め込み型HEMT500の上面図である。ゲート埋め込み型HEMT500は、基板502、ソース電極504、およびドレイン電極506を備えている。ソース電極504およびドレイン電極506は、基板502の上面に位置している。基板502は、例えば
図2および
図4に示す、基板202、402に配置されており、チャネル210、410内に延びている開口部236、436に類似の、基板502に配置された開口部536に埋め込まれた複数のゲート電極構造507を備えている。図示された例では、ゲート電極構造507は、基板502のソース電極504端寄りに非対称に位置している。ソース電極504とドレイン電極506との間で基板502の長さ(L)に沿って延びる複数のチャネルは、ゲート電極構造507間に配置される。
【0065】
図6に描かれた例では、埋め込まれたゲート電極508、ならびに第1の横方向フィールドプレート532および第2の横方向フィールドプレート533は、矩形状であり、非対称構成で配置されている。埋め込まれたゲート電極508、ならびに第1の横方向フィールドプレート532および第2の横方向フィールドプレート533は、描かれた例での形状に限定されるものではない。第1の横方向フィールドプレート532および第2の横方向フィールドプレート533は、ゲート電極508から基板502の長さ(L)に沿ってドレイン電極506に向かって長手方向に延びている。第1の横方向フィールドプレート532および第2の横方向フィールドプレート533は、基板502の幅(W)方向に沿って横方向に延びている。
【0066】
第1の誘電体層512は、開口部536の内側側壁に配置されており、ゲート電極構造507の底部がチャネル内へと基板502に埋め込まれている。第2の誘電体層550は第1の誘電体層512の側壁に配置されているゲート電極508の底部の横方向の側面は、開口部536の長手方向側面に沿って誘電体層512、550に画定されたギャップ534を介して開口部536内に受容される。誘電体層512、550は、ギャップ534が開口部536に画定されている箇所を除いて、ゲート電極508が入る開口部536の側壁を取り囲む。
【0067】
埋め込まれたゲート電極508は、基板502の幅(W)方向にチャネルと横方向に接触し、ゲート電圧バイアスでチャネルの幅を幅(W)方向に変調させる。第1の横方向フィールドプレート532は、トランジスタのゲート電極508に隣接して位置しており、第2の横方向フィールドプレート533は、第1の横方向フィールドプレート532に隣接して位置しており、基板502の長さ(L)方向に沿ってドレイン電極506に向かって長手方向に延びている。第1の誘電体層512は、開口部536の側壁に配置されており、第2の誘電体層550は、第1の誘電体層512の内側側壁に配置されている。
【0068】
ドレイン電極506に近接している領域の高電界強度を緩和するために、2つの横方向フィールドプレート532、533はゲート電極508それぞれと一体化されている。第1の誘電体層512は、第1の横方向フィールドプレート532とチャネルとの間に挿入され、第1の誘電体層512および第2の誘電体層550は、第2の横方向フィールドプレート533とチャネルとの間に挿入されている。ゲート電極構造507のうちの少なくとも1つについて、第1の横方向フィールドプレート532は、第1の誘電体層512と横方向に接触しており、第2の誘電体層550と長手方向に接触している。第2の横方向フィールドプレート533は、第2の誘電体層550と横方向に接触している。第1の横方向フィールドプレート532および第2の横方向フィールドプレート533は、基板502に埋め込まれた複数のゲート電極構造507のうちの少なくとも1つのドレイン電極506端に近接しているゲート電極508に近接しているフィールドプレート領域に近接している電界を変調するように構成されている。誘電体層512、550の厚さは、横方向フィールドプレート領域におけるピンチオフ電圧を決定する。横方向フィールドプレート532、533は、ゲート埋め込み型HEMT500が高いドレイン電圧でバイアスされたときに、ゲート電極508のドレイン電極506端近傍の横方向フィールドプレート領域における電界を緩和し、耐圧を高め、電流コラプスを抑制する。
【0069】
図7は、本開示の少なくとも1つの態様による、ゲート電極608と、非対称な構成で配置された単一の横方向フィールドプレート632とを備えているゲート電極構造607を有するゲート埋め込み型HEMT600の上面図である。ゲート埋め込み型HEMT600は、基板602、ソース電極604、およびドレイン電極606を備えている。ソース電極604およびドレイン電極606は、基板602の上面に位置している。基板602は、例えば
図2および
図4に示す、基板202、402に配置されており、チャネル210、410内に延びている開口部236、436に類似の、基板602に配置された開口部636に埋め込まれた複数のゲート電極構造607を備えている。図示された例では、ゲート電極構造607は、基板602のソース電極604端寄りに非対称に位置している。ソース電極604とドレイン電極606との間で基板602の長さ(L)に沿って延びる複数のチャネルは、ゲート電極構造607間に配置される。
【0070】
図7に描かれた例では、埋め込まれたゲート電極608および単一の横方向フィールドプレート632は矩形状であり、非対称構成で配置されている。埋め込まれたゲート電極608およびシングル横方向フィールドプレート632は、描かれた例での形状に限定されるものではない。単一の横方向フィールドプレート632は、ゲート電極608から基板602の長さ(L)に沿ってドレイン電極に向かって長手方向に延びている。単一の横方向フィールドプレート632は、基板602の幅(W)方向に沿って横方向に延びている。
【0071】
誘電体層612は、開口部636の内側側壁に配置されており、ゲート電極構造607の底部がチャネル内へと基板602に埋め込まれている。ゲート電極608の底部の横方向の側面は、開口部636の長手方向側面に沿って誘電体層612に画定されたギャップ634を介して開口部636内に受容される。誘電体層612は、ギャップ634が開口部636に画定されている箇所を除いて、基板602の幅(W)に沿って横方向にゲート電極608の側壁部分を含む開口部636の側壁を取り囲む。
【0072】
埋め込まれたゲート電極608は、基板602の幅(W)方向にチャネルと横方向に接触し、ゲート電圧バイアスでチャネル幅を幅(W)方向に沿って変調させる。単一の横方向フィールドプレート632は、トランジスタのゲート電極608に隣接して位置しており、基板602の長さ(L)方向に沿ってドレイン電極606に向かって長手方向に延びている。誘電体層612は、開口部636の側壁で、基板602の幅(W)に沿って横方向にゲート電極608の側壁に沿って配置されている。単一の横方向フィールドプレート632は、ゲート電極608から誘電体層612の部分613によって分離されている。
【0073】
ドレイン電極606に近接している領域の高電界強度を緩和するために、単一の横方向フィールドプレート632は各ゲート電極608と一体化され、誘電体層612は、単一の横方向フィールドプレート632とチャネルとの間に挿入される。ゲート電極構造607のうちの少なくとも1つについて、横方向フィールドプレート632は、誘電体層612と横方向に接触しており、誘電体層612の、ゲート電極608と横方向フィールドプレート632との間の部分613と長手方向に接触している。単一の横方向フィールドプレート632は、基板602に埋め込まれた複数のゲート電極構造607のうちの少なくとも1つのドレイン電極606端に近接しているゲート電極608に近接しているフィールドプレート領域に近接している電界を変調するように構成されている。誘電体層612の厚さは、横方向フィールドプレート領域におけるピンチオフ電圧を決定する。単一の横方向フィールドプレート632は、ゲート埋め込み型HEMT600が高いドレイン電圧でバイアスされたときに、ゲート電極608のドレイン電極606端近傍の横方向フィールドプレート領域における電界を緩和し、耐圧を高め、電流コラプスを抑制する。
【0074】
図8は、本開示の少なくとも1つの態様による、ゲート電極708と、非対称な構成で配置されたダブル横方向フィールドプレート732、733とを備えているゲート電極構造707を有するゲート埋め込み型HEMT700の上面図である。ゲート埋め込み型HEMT700は、基板702、ソース電極704、およびドレイン電極706を備えている。ソース電極704およびドレイン電極706は、基板702の上面に位置している。基板702は、例えば
図2および
図4に示す、基板202、402に配置されており、チャネル210、410内に延びている開口部236、436に類似の、基板702に配置された開口部736に埋め込まれた複数のゲート電極構造707を備えている。図示された例では、ゲート電極構造707は、基板702のソース電極704端寄りに非対称に位置している。ソース電極704とドレイン電極706との間で基板702の長さ(L)に沿って延びる複数のチャネルは、ゲート電極構造707間に配置される。
【0075】
図8に描かれた例では、埋め込まれたゲート電極708、ならびに第1の横方向フィールドプレート732および第2の横方向フィールドプレート733は、矩形状であり、非対称構成で配置されている。埋め込まれたゲート電極708、ならびに第1の横方向フィールドプレート732および第2の横方向フィールドプレート733は、描かれた例での形状に限定されるものではない。第1の横方向フィールドプレート732および第2の横方向フィールドプレート733は、ゲート電極708から基板702の長さ(L)に沿ってドレイン電極706端に向かって長手方向に延びている。第1の横方向フィールドプレート732および第2の横方向フィールドプレート733は、基板702の幅(W)に沿って横方向に延びている。
【0076】
第1の誘電体層712は、開口部736の内側側壁に配置されており、ゲート電極構造707の底部がチャネル内へと基板702に埋め込まれている。第2の誘電体層750は第1の誘電体層712の内側側壁に配置されている。ゲート電極708の底部の横方向の側面は、開口部736の長手方向側面に沿った第1の誘電体層712に画定されたギャップ734を介して開口部736内に受容される。第1の誘電体層712は、ギャップ734が画定されている箇所を除いて、幅(W)方向に沿ってゲート電極708の側壁を含む開口部736の側壁を取り囲む。基板702のソース電極704側に近接している第2の誘電体層750は、第1の誘電体層712の側壁を取り囲む。基板702のドレイン電極706側に近接している第2の誘電体層750は、開口部736の側壁に沿って、第2の横方向フィールドプレート733の側壁の周囲で、第1の横方向フィールドプレート732の側壁と第2の横方向フィールドプレート733の側壁との間に配置されている。
【0077】
埋め込まれたゲート電極708は、基板702の幅(W)方向にチャネルと横方向に接触し、ゲートバイアス電圧でチャネルの幅を幅(W)方向に変調させる。第1の横方向フィールドプレート732は、トランジスタのゲート電極708に隣接して位置しており、ドレイン電極706に近接している第1の誘電体層712の部分713によって分離されている。第1の横方向フィールドプレート732は、3つの側面で第1の誘電体層712に接触しており、ドレイン電極706に近接している側面で第2の誘電体層750に接触している。第2の横方向フィールドプレート733は、第1の横方向フィールドゲート732に隣接して位置しており、第1の横方向フィールドプレート732からドレイン電極706に向かって長手方向に配置され、4つの側面すべてで第2の誘電体層750に接触している。第2の横方向フィールドプレート733は、第1の誘電体層712に接触していない。
【0078】
ドレイン電極706に近接している領域の高電界強度を緩和するために、2つの横方向フィールドプレート732、733はゲート電極708それぞれと一体化されている。第1の誘電体層712は、第1の横方向フィールドプレート732とチャネルとの間に挿入され、第2の誘電体層750は、第2の横方向フィールドプレート733とチャネルと第1の誘電体層712との間、かつ第1の横方向フィールドプレート732と第2の横方向フィールドプレート733との間に挿入されている。ゲート電極構造707のうちの少なくとも1つについて、第1の横方向フィールドプレート732は、第1の誘電体層712と横方向に接触しており、第2の横方向フィールドプレート733は、第2の誘電体層750と横方向に接触している。第1の横方向フィールドプレート732および第2の横方向フィールドプレート733は、基板702に埋め込まれた複数のゲート電極構造707のうちの少なくとも1つのドレイン電極706端に近接しているゲート電極708に近接しているフィールドプレート領域に近接している電界を、変調するように構成されている。誘電体層712、750の厚さは、横方向フィールドプレート領域におけるピンチオフ電圧を決定する。横方向フィールドプレート732、733は、ゲート埋め込み型HEMT700が高いドレイン電圧でバイアスされたときに、ゲート電極708のドレイン電極706端近傍の横方向フィールドプレート領域における電界を緩和し、耐圧を高め、電流コラプスを抑制する。
【0079】
図9は、本開示の少なくとも1つの態様による、ゲート電極808と、対称な構成で配置された横方向フィールドプレート832、833とを備えているゲート電極構造807を有するゲート埋め込み型HEMT800の上面図である。ゲート埋め込み型HEMT800は、基板802、ソース電極804、およびドレイン電極806を備えている。ソース電極804およびドレイン電極806は、基板802の上面に位置している。基板802は、例えば
図2および
図4に示す、基板202、402に配置されており、チャネル210、410内に延びている開口部236、436に類似の、基板802に配置された開口部836に埋め込まれた複数のゲート電極構造807を備えている。図示された例では、ゲート電極構造807は、ソース電極804とドレイン電極806との間に対称に位置している。ソース電極804とドレイン電極806との間で基板802の長さ(L)に沿って延びる複数のチャネルは、ゲート電極構造807間に配置される。
【0080】
図9に描かれた例では、埋め込まれたゲート電極808、ならびに第1の横方向フィールドプレート832および第2の横方向フィールドプレート833は、矩形状であり、対称構成で配置されている。埋め込まれたゲート電極808、ならびに第1の横方向フィールドプレート832および第2の横方向フィールドプレート833は、描かれた例での形状に限定されるものではない。第1の横方向フィールドプレート832は、ゲート電極808から基板802の長さ(L)に沿ってソース電極804に向かって長手方向に延びており、第2の横方向フィールドプレート833は、ゲート電極808から基板802の長さ(L)に沿ってドレイン電極806に向かって長手方向に延びている。第1の横方向フィールドプレート832および第2の横方向フィールドプレート833は、基板802の幅(W)方向に沿って横方向に延びている。
【0081】
誘電体層812は、開口部836の内側側壁に配置されており、ゲート電極構造807の底部がチャネル内へと基板802に埋め込まれている。ゲート電極808の底部の横方向の側面は、開口部836の長手方向側面に沿って誘電体層812に画定されたギャップ834を介して開口部836内に受容される。誘電体層812は、ギャップ834が開口部836に画定されている箇所を除いて、ゲート電極808が入る開口部836の側壁を取り囲む。
【0082】
埋め込まれたゲート電極808は、基板802の幅(W)方向にチャネルと横方向に接触し、ゲート電圧バイアスでチャネルの幅を幅(W)方向に変調させる。第1の横方向フィールドプレート832は、ソース電極804に近接してトランジスタのゲート電極808に隣接して位置しており、基板802の長さ(L)方向に沿ってソース電極804に向かって長手方向に延びている。第2の横方向フィールドプレート833は、ドレイン電極806に近接しているゲート電極808に隣接して位置しており、基板802の長さ(L)方向に沿ってドレイン電極806に向かって長手方向に延びている。誘電体層812は開口部836の側壁に配置されている。
【0083】
ソース電極804およびドレイン電極806に近接している領域の高電界強度を緩和するために、2つの横方向フィールドプレート832、833はゲート電極808それぞれと対称的に一体化されている。誘電体層812は、第1の横方向フィールドプレート832とチャネルとの間に挿入される。ゲート電極構造807のうちの少なくとも1つについて、第1の横方向フィールドプレート832および第2の横方向フィールドプレート833は、誘電体層812と横方向に接触している。第1の横方向フィールドプレート832および第2の横方向フィールドプレート833は、基板802に埋め込まれた複数のゲート電極構造807のうちの少なくとも1つのソース電極804端およびドレイン電極806端に近接しているゲート電極808に近接しているフィールドプレート領域に近接している電界を、変調するように構成されている。誘電体層812の厚さは、横方向フィールドプレート領域におけるピンチオフ電圧を決定する。横方向フィールドプレート832、833は、ゲート埋め込み型HEMT800が高いドレイン電圧でバイアスされたときに、ゲート電極808のソース電極804端およびドレイン電極806端近傍の横方向フィールドプレート領域における電界を緩和し、耐圧を高め、電流コラプスを抑制する。
【0084】
図10は、本開示の少なくとも1つの態様による、ゲート電極908と、対称な構成で配置されたダブル横方向フィールドプレート932、933および938、939とを備えているゲート電極構造907を有するゲート埋め込み型HEMT900の上面図である。ゲート埋め込み型HEMT900は、基板902、ソース電極904、およびドレイン電極906を備えている。ソース電極904およびドレイン電極906は、基板902の上面に位置している。基板902は、例えば
図2および
図4に示す、基板202、402に配置されており、チャネル210、410内に延びている開口部236、436に類似の、基板902に配置された開口部(図示せず)に埋め込まれた複数のゲート電極構造907を備えている。図示された例では、ゲート電極構造907は、ソース電極904とドレイン電極906との間に対称に位置している。ソース電極904とドレイン電極906との間で基板902の長さ(L)に沿って延びる複数のチャネルは、ゲート電極構造907間に配置される。
【0085】
図10に描かれた例では、埋め込まれたゲート電極907および4つの横方向フィールドプレート932、933、938、939は、矩形状であり、対称構成で配置されている。埋め込まれたゲート電極908および4つの横方向フィールドプレート932、933、938、939は、描かれた例での形状に限定されるものではない。第1の横方向フィールドプレート932および第2の横方向フィールドプレート933は、ゲート電極908から基板902の長さ(L)に沿ってドレイン電極906に向かって長手方向に延びており、第3の横方向フィールドプレート938および第4の横方向フィールドプレート939は、ゲート電極908から基板902の長さ(L)に沿ってソース電極904に向かって長手方向に延びている。4つの横方向フィールドプレート932、933、938、939は、基板902の幅(W)方向に沿って横方向に延びている。
【0086】
第1の誘電体層912は、開口部の内側側壁に配置されており、ゲート電極構造907の底部がチャネル内へと基板902に埋め込まれている。ゲート電極908の底部の横方向の側面は、開口部の長手方向側面に沿って第1の誘電体層912に画定されたギャップ934を介して開口部内に受容される。第1の誘電体層912は、ギャップ934が画定されている箇所を除いて、ゲート電極構造907が入る開口部の側壁を取り囲む。第2の誘電体層950は第1の誘電体層912の内側側壁に配置されている。
【0087】
埋め込まれたゲート電極908は、基板902の幅(W)方向にチャネルと横方向に接触し、ゲート電圧バイアスでチャネルの幅を幅(W)方向に変調させる。第1の横方向フィールドプレート932は、ドレイン電極906に近接してトランジスタのゲート電極908に隣接して位置しており、基板902の長さ(L)方向に沿ってドレイン電極906に向かって長手方向に延びている。第2の横方向フィールドプレート938は、第1の横方向フィールドプレート932に隣接して位置しており、基板902の長さ(L)方向に沿ってドレイン電極906に向かって長手方向に延びている。第3の横方向フィールドプレート938は、ソース電極904に近接してゲート電極908に隣接して位置しており、基板902の長さ(L)方向に沿ってソース電極904に向かって長手方向に延びている。第4の横方向フィールドプレート939は、第3の横方向フィールドプレート938に隣接して位置しており、基板902の長さ(L)方向に沿ってソース電極904に向かって長手方向に延びている。誘電体層912は開口部の側壁に配置されている。
【0088】
ソース電極904およびドレイン電極906に近接している領域の高電界強度を緩和するために、4つの横方向フィールドプレート932、933、938、939はゲート電極908それぞれと対称的に一体化されている。第1の誘電体層912は、第1の横方向フィールドプレート932とチャネルとの間、および第3の横方向フィールドプレート938とチャネルとの間に挿入される。ゲート電極構造907のうちの少なくとも1つについて、第1の横方向フィールドプレート932および第3の横方向フィールドプレート938は、第1の誘電体層912と横方向に接触しており、第2の誘電体層950と長手方向に接触している。第2の横方向フィールドプレート933および第4の横方向フィールドプレート939は、第2の誘電体層950と横方向および長手方向に接触している。4つの横方向フィールドプレート932、933、938、939は、基板902に埋め込まれた複数のゲート電極構造908のうちの少なくとも1つのソース電極904端およびドレイン電極906端に近接しているゲート電極908に近接しているフィールドプレート領域に近接している電界を、変調するように構成されている。誘電体層912、950の厚さは、横方向フィールドプレート領域におけるピンチオフ電圧を決定する。横方向フィールドプレート932、933、938、939は、ゲート埋め込み型HEMT900が高いドレイン電圧でバイアスされたときに、ゲート電極908のソース電極904端およびドレイン電極906端近傍の横方向フィールドプレート領域における電界を緩和し、耐圧を高め、電流コラプスを抑制する。
【0089】
図11は、本開示の少なくとも1つの態様による、ゲート電極1008および単一の横方向フィールドプレート1032を備えているゲート電極構造1007と、ゲート電極構造1007とは離れて基板1002内に埋め込まれた誘電体構造1040とを有するゲート埋め込み型HEMT1000の斜視断面図である。
図12は、本開示の少なくとも1つの態様による、
図11に示すゲート埋め込み型HEMT1000の上面図である。ここで
図11および
図12を参照すると、ドレイン電流がチャネル1010内の2DEG平面を介して運ばれるゲート埋め込み型HEMT1000が開示されている。図示されるように、チャネル1010は、複数の導電チャネルを備えている。ゲート埋め込み型HEMT1000は、基板1002、エピタキシャルバッファ層1022、エピタキシャルチャネル1010内の2DEG平面、エピタキシャル上部バリア層1020、ならびに基板1002の上面におけるソース電極1004およびドレイン電極1006を備えている。基板1002の表面上のゲート電極構造は、複数の埋め込まれたゲート電極構造1007を含み、それらの上部が基板1002の上面より上に延び、それらの底部がチャネル1010の側壁に配置された誘電体層1012の間でチャネル1010の2DEG平面の底部と少なくとも等しい深さまで基板1002に配置された開口部1036に埋め込まれている。さらに、埋め込まれたゲート電極構造1007は、上記の、基板の上面と接触していないヘッド部分(図示せず)も含み、基板の上面は埋め込まれたゲート電極構造1007すべてに接触して相互接続する。したがって、埋め込まれたゲート電極1008は、側面からのみチャネル1010の2DEG平面に接触している。このように配置すると、FETのドレイン電流は、埋め込みゲート電流1008によるチャネル1010の2DEG平面の横方向ゲートによるチャネル幅変調によって制御される。ON状態のドレイン電流はチャネル幅変調によって制御され、埋め込まれたゲート電極1008がチャネル1010の2DEG平面下の空乏領域を横方向に拡張するため、デバイスは、OFF状態では優れた静電絶縁を示す。図示された例では、ゲート電極構造1007は、基板1002のソース電極1004端寄りに非対称に位置している。複数のチャネル1010は、ゲート電極構造1007間で、ソース電極1004とドレイン電極1006との間に画定されている。
【0090】
図11および
図12に描かれた例では、ゲート電極1008および横方向フィールドプレート1032は矩形状であり、非対称構成で配置されている。埋め込まれたゲート電極1008および横方向フィールドプレート1032は、描かれた例での形状に限定されるものではない。各ゲート電極1008は、ゲート電極1008から基板1002の長さ(L)に沿ってドレイン電極1006端に向かって長手方向に延びる横方向フィールドプレート1032を備えている。横方向フィールドプレート1032の長さ(L)に沿った長手方向の延びの量は非限定的であり、所定の用途に応じて選択され得る。誘電体層1012は、開口部1036の内側側壁に配置されており、ゲート電極構造1007の底部が基板1002に埋め込まれている。ゲート電極1008の底部の横方向の側面は、開口部1036の細長い側面に沿って配置された誘電体層1012に画定されたギャップ1034を介して開口部1036に受容される。誘電体層1012は、ギャップ1034が画定されている箇所を除いて、ゲート電極構造1007が入る開口部1036の側壁を取り囲む。埋め込まれたゲート電極1008は、幅(W)に沿ってチャネル1010と横方向に接触し、ゲート電圧バイアスでチャネル幅を横方向に変調させる。横方向フィールドプレート1032は、横方向フィールドプレート1032とチャネル1010との間に誘電体層1012を挟んでトランジスタのゲート電極1008に隣接して位置している。
【0091】
横方向フィールドプレート1032は、基板1002に埋め込まれた複数のゲート電極1008のうちの少なくとも1つに隣接している。横方向フィールドプレート1032は、縁部に沿ってゲート電極構造1007のドレイン電極1006端と接触しており、横方向の幅(W)方向において誘電体1012側壁と接触している。横方向フィールドプレート1032は、基板1002に埋め込まれた複数のゲート電極構造1007のうちの少なくとも1つのドレイン電極1006端に近接しているゲート電極1008に近接しているフィールドプレート領域に近接している電界を変調するように構成されている。この記載を通じて、「横方向」という用語は、基板1002の幅(W)に沿った方向として定義され、「長手方向」は、基板1002の長さ(L)に沿った方向として定義される。
【0092】
複数のチャネル1010は、ゲート電極構造1007間で、ソース電極1004とドレイン電極1006との間に位置している。横方向フィールドプレート1032は、横方向フィールドプレート領域に緩和電界を形成する。横方向フィールドプレート1032は、ゲート誘電体層1012を介して複数のチャネル1010の横方向部分と電気的に接触している。横方向フィールドプレート領域における緩和電界は、ゲート電極構造1007のドレイン電極1006端近傍にあり、デバイスが十分に高いドレイン電圧でバイアスされているときに生じ、耐圧を高め、電流コラプスを抑制する。横方向フィールドプレート領域における緩和電界は、横方向フィールドプレートなしで生成される電界よりも小さい。
【0093】
電子は、基板1002の幅(W)に沿って埋め込まれたゲート電極構造1007の間で測定したチャネルの幅(Wch)が、埋め込まれたゲート電極構造1007の底部の横方向の側面によって誘導される空乏、および隣接している埋め込まれたゲート電極構造1007間のピッチ(「Pg-g」)によって制御されている状態で埋め込まれたゲート電極構造1007の間を流れる。好ましくはナノメートルスケールの平行なチャネルは、熱源を空間的に分散させることによって、大信号動作中の自己加熱を低減する。幅(W)は、基板1002の長さLに対して横向きである。埋め込まれたゲート電極1008は、幅(W)に沿ってゲート電極構造1007の間に画定されたチャネルと横方向に接触し、ゲートバイアスでチャネル幅Wchを横方向に変調させる。
【0094】
図11に示すゲート埋め込み型HEMT1000のチャネル1010は、2DEG平面を備えている。このタイプのFETの場合、埋め込まれたゲート電極構造1007の底部は、少なくともチャネル1010の2DEG平面の底部まで埋め込まれるべきである。2DEG平面はチャネル層の上部のみを占めるため、埋め込まれたゲート電極構造1007の底部は、チャネル1010内、またはさらにはバッファ層1022内にあることができる。
【0095】
埋め込まれたゲート電極構造1007を埋め込むべき深さは、デバイスの種類に依存する。埋め込まれたゲート電極構造1007の底部は、チャネル1010内の通電2DEG平面の底部と少なくとも等しい深さまで埋め込まれるべきである。デバイスがMESFETである場合、埋め込まれたゲート電極構造1007は、チャネル1010の底部と少なくとも等しい深さまで埋め込むことができるであろう。一般に、FETのドレイン電流が埋め込まれたゲート電極構造1007による通電層の横方向ゲートによるチャネル幅変調によって制御されるように、埋め込まれたゲート電極構造1007は、それらがチャネル1010の通電部分にその側面からのみ接触するように十分に深く埋め込まれなければならない。
【0096】
本明細書に記載の埋め込まれたゲート電極構造1007を採用したFETは、チャネル1010を横方向にゲートすることによって、チャネル幅変調を介してドレイン電流を制御する。チャネル1010の下の横方向に拡張された空乏領域は、静電絶縁を強化し、OFF状態での漏れ電流およびドレイン誘起バリア低下(DIBL)を低減し、さらに、ON状態での出力コンダクタンスを低減し、それによりトランジスタの利得を改善する。ソース-ドレインコンタクト幅が有効チャネル幅よりも広いため、有効なソースおよびドレイン抵抗が非常に小さく(プレーナ型HEMTの約1/5)、したがってニー電圧が小さくなる。加えて、基板1002の上面とヘッド部分(図示せず)とが接触していないことにより、大信号動作中の電子トラップ効果を抑制し、逆圧電効果をなくす。
【0097】
埋め込まれたゲート電極構造1007は、いくつかの形状のうちのいずれかを有することができる。例えば、構造は、円筒形であってもよい。構造はまた、例えば、矩形、または任意の他の適切な形状であってもよい。
【0098】
図11に示すように、複数の埋め込まれたゲート電極構造1007は、ソース電極1004およびドレイン電極1006に平行で、かつソース電極1004とドレイン電極1006との間にある線に沿っていてもよいが、これは必須ではない。この例では、埋め込まれたゲート電極構造1007は、前記線に沿って等間隔に配置されている(すなわち、埋め込みゲートは一定のピッチを有する)。閾値電圧等のFET特性はピッチによって変化するため、一定のピッチは、所望の性能特性を達成するために必要に応じて選択することができる。
【0099】
誘電体層1012は、チャネル1010の側壁と接触しており、埋め込まれたゲート電極構造1007の底部がチャネル1010内へと基板1002に埋め込まれている。誘電体層1012は、基板1002の上面にも接触している。埋め込まれたゲート電極構造1007は、垂直ゲート電界によってドレイン電流を変調する。これにより、埋め込まれたゲート電極構造1007のドレイン電極1006端において、高電圧動作中に電界強度が緩和される横方向フィールドプレート領域が形成される。この横方向フィールドプレート領域1014の高電界強度の緩和により、半導体表面での電子トラップによる電流コラプスが防止され、ゲート埋め込み型HEMT1000が高ドレイン電圧でバイアスされたときの電力性能を向上させる。
【0100】
領域の高電界強度を緩和するために、横方向フィールドプレート1032はゲート電極1008と一体化され、誘電体層1012は横方向フィールドプレート1032とチャネル1010との間に挿入される。誘電体層1012の厚さは、横方向フィールドプレート領域におけるピンチオフ電圧を決定する。横方向フィールドプレート1032は、ゲート埋め込み型HEMT1000が高いドレイン電圧でバイアスされているときに、ゲート電極1008のドレイン電極1006端近傍の領域1014における電界を緩和し、耐圧を高め、電流コラプスを抑制する。さらに、基板1002は、ゲート電極構造1007から離れて位置している埋め込まれた誘電体構造1040を備えており、耐圧を高め、ゲート-ドレイン間のキャパシタンスを低減する。埋め込まれた誘電体構造1040は、隣接しているゲート電極1008の誘電体層1012間に生じる等電位線1042を形成し、耐圧を高め、電流コラプスを抑制する。一態様では、埋め込まれた誘電体構造1040は、窒化物から形成されている。
【0101】
例えば
図11および
図12に示す複数のチャネル1010を有する横方向ゲート型トランジスタは、RFスイッチング用途および電力スイッチング用途の両方において、トランジスタの電力密度および電流処理を向上させ、トランジスタのON抵抗を減少させる。横方向ゲート型トランジスタでは、横方向フィールドプレート1032は、例えばSiN、SiO2、SiON、AlN、Al2O3、AlON、HfO2、HfN、またはHfONから作成されたゲート誘電体層1012を介してチャネル1010と横方向に接触している。側壁に堆積されたゲート誘電体層1012の厚さは深さ方向で同じにされ、横方向フィールドプレート1032とチャネル1010との間の距離を複数のチャネルに対して同じにすることが可能である。
【0102】
対応する横方向フィールドプレート432、532、533、632、732、733、832、833、932、933、1032の構成に隣接しているゲート電極408、508、608、708、808、908、1008を備えているゲート電極構造407、507、607、707、807、907、1007のいずれも、
図3に関連して記載したトップゲートFET構成に実装されてもよいことが理解できるだろう。これらの実装では、誘電体層312は、横方向フィールドプレート432、532、533、632、732、733、832、833、932、933、1032とチャネル層320との間に挿入される。トップゲート実装では、ゲート電極構造407、507、607、707、807、907、1007は、基板に対して対称または非対称の構成で配置されてもよい。
【0103】
前述の説明を考慮すると、様々な態様において、誘電体層材料112、212、312、412、512、612、712、812、912、1012は、SiN、SiO2、SiON、AlN、Al2O3、AlON、HfO2、HfN、またはHfONの材料のいずれか1つとして選択されてよい。
【0104】
前述の説明を考慮すると、様々な態様において、半導体基板材料は、SiC、GaN、AlN、GaAs、InP、Ga2O3、Siの半導体材料のいずれか1つから選択されてもよい。
【0105】
前述の説明を考慮すると、様々な態様において、バッファ層材料は、GaN、AlGaN、AlN、InGaN、InAlN、GaAs、InGaAs、InAlAs、InP、AlGaAs、InGaOx、Ga2O3、AlGaOx、Si、SiGeの材料のいずれか1つから選択されてもよい。
【0106】
前述の説明を考慮すると、様々な態様において、チャネル層材料は、GaN、AlGaN、InGaN、InAlN、GaAs、InGaAs、InAlAs、InP、AlGaAs、InGaOx、Ga2O3、AlGaOx、Si、SiGeの材料のいずれか1つから選択されてもよい。
【0107】
前述の説明を考慮すると、様々な態様において、バリア層材料は、GaN、AlGaN、InGaN、InAlN、GaAs、InGaAs、InAlAs、InP、AlGaAs、Ga2O3、AlGaOx、Si、SiGeの材料のいずれか1つから選択されてもよい。
【0108】
上述したように、本発明のFET構造は、例えば、HEMTまたはMESFETを形成するために使用されてもよい。本明細書に記載のデバイス構造を採用し得るHEMTは、基板材料およびエピタキシャル層材料の様々な組み合わせから構成され得る。いくつかの可能な材料の組み合わせを以下に示すが、他の組み合わせも可能である。
【0109】
1.SiC、Si、GaN、AlN、サファイア、またはダイヤモンド基板上にAlGaNバリア/GaNチャネル/GaNまたはAlGaNバッファ、
【0110】
2.GaAs基板上にAlGaAsバリア/InGaAsチャネル/GaAsまたはAlGaAsバッファ、
【0111】
3.InP基板上にInAlAsバリア/InGaAsチャネル/InPまたはInAlAsバッファ、および
【0112】
4.Ga2O3基板上に(AlGa)2O3バリア/Ga2O3チャネル/Ga2O3バッファ。
【0113】
他の態様において、本開示は、横方向コンタクトを備えているショットキーダイオードに関する。一態様では、ショットキーダイオードは、アノード金属と、単一または複数の2DEGチャネル層との間の横方向コンタクトを備えている。横方向フィールドプレートは、アノードとカソードとの間に追加され、複数の2DEGチャネルを同時に横方向にピンチオフし、耐圧の上昇をもたらす。単一または複数の横方向フィールドプレートを使用して、アノードとカソードとの間に電界を確立することができる。
【0114】
次に図面を参照すると、
図13は、本開示の少なくとも1つの態様による、アノード(A)1162および横方向フィールドプレート1132、1133を備えているアノード構造を有する横方向ショットキーダイオード1100の上面図である。横方向ショットキーダイオード1100は、基板1102と、カソード(C)1160、1166とを備えている。誘電体層1160、1166は基板1102の上面に位置している。基板1102は、基板1102に配置された開口部1136に埋め込まれた複数の構造を備えている。アノード1162は、カソード1160とカソード1166との間に対称的に位置している。
【0115】
図13に描かれた例では、第1の横方向フィールドプレート1132および第2の横方向フィールドプレート1133は、矩形状であり、対称構成で配置されている。第1の横方向フィールドプレート1132および第2の横方向フィールドプレート1133は、描かれた例での形状に限定されるものではない。第1の横方向フィールドプレート1132は、アノード1162から基板1102の長さ(L)に沿ってカソード1160に向かって長手方向に延びている。第2の横方向フィールドプレート1133は、アノード1162から基板1102の長さ(L)に沿ってカソード1166に向かって長手方向に延びている。第1の横方向フィールドプレート1132および第2の横方向フィールドプレート1133は、基板1102の幅(W)方向に沿って横方向に延びている。
【0116】
誘電体層1112は、開口部1136の内側側壁に配置されており、アノード構造の底部がチャネル内へと基板1102に埋め込まれている。アノード1162の底部の横方向の側面は、開口部1136の長手方向の側面に沿って誘電体層1112に画定されたギャップ1134を介して開口部1136に受容される。誘電体層1112は、ギャップ1134が開口部1136に画定されている箇所を除いて、アノード1162が入る開口部1136の側壁を取り囲む。
【0117】
第1の横方向フィールドプレート1132は、カソード1160に近接してアノード1162に隣接して位置しており、基板1102の長さ(L)方向に沿ってカソードに向かって長手方向に延びている。第2の横方向フィールドプレート1133は、カソード1166に近接してアノード1162に隣接して位置しており、基板1102の長さ(L)方向に沿ってカソード1166に向かって長手方向に延びている。誘電体層1112は開口部1136の側壁に配置されている。
【0118】
アノード1162とカソード1160との間に配置された横方向フィールドプレート1132、およびアノード1162とカソード1166との間に配置された横方向フィールドプレート1133は、複数の2DEGチャネルを同時に横方向にピンチオフし、耐圧の上昇をもたらす。単一または複数のフィールドプレートを使用して、アノード1162とカソード1160、1166との間に電界を確立することができる。そうするためには、2つの横方向フィールドプレート1132、1133がアノード1162と対称的に一体化される。誘電体層1112は、第1の横方向フィールドプレート1132とチャネル層との間に配置されている。アノード構造のうちの少なくとも1つについて、第1の横方向フィールドプレート1132および第2の横方向フィールドプレート1133は、アノード1162とカソード1160、1166との間に電界を確立するように構成されている。誘電体層1112の厚さは、横方向フィールドプレート領域におけるピンチオフ電圧を決定する。横方向フィールドプレート1132、1133は、カソード1160、1166近傍の横方向フィールドプレート領域に電界を確立する。アノード1162に沿ってショットキーコンタクト1164がある。
【0119】
図14は、本開示の少なくとも1つの態様による、アノード(A)1262および横方向フィールドプレート1232、1233を備えているアノード構造を有する横方向ショットキーダイオード1200の上面図である。横方向ショットキーダイオード1200は、基板1202と、カソード(C)1260、1266とを備えている。カソード1260、1266は基板1202の上面に位置している。基板1202は、基板1202に配置された開口部1236に埋め込まれた複数の構造を備えている。アノード1262は、カソード1260とカソード1266との間に対称的に位置している。
【0120】
図14に描かれた例では、第1の横方向フィールドプレート1232および第2の横方向フィールドプレート1233は、矩形状であり、対称構成で配置されている。第1の横方向フィールドプレート1232および第2の横方向フィールドプレート1233は、描かれた例での形状に限定されるものではない。第1の横方向フィールドプレート1232は、誘電体層1212によってアノード1262から分離されており、基板1202の長さ(L)に沿ってカソード1260に向かって長手方向に延びている。第2の横方向フィールドプレート1233は、誘電体層1212によってアノード1262から分離されており、基板1202の長さ(L)に沿ってカソード1266に向かって長手方向に延びている。第1の横方向フィールドプレート1232および第2の横方向フィールドプレート1233は、基板1202の幅(W)方向に沿って横方向に延びている。
【0121】
誘電体層1212は、開口部1236の内側側壁に配置されており、アノード構造の底部がチャネル内へと基板1202に埋め込まれている。アノード1262の底部の横方向の側面は、開口部1236の長手方向の側面に沿って誘電体層1212に画定されたギャップ1234を介して開口部1236に受容される。誘電体層1212は、ギャップ1234が開口部1236に画定されている箇所を除いて、基板1202の幅(W)に沿って横方向にアノード1262の側壁部分を含む開口部1236の側壁を取り囲む。
【0122】
第1の横方向フィールドプレート1232は、誘電体層1212によってアノード1262から分離されており、基板1202の長さ(L)方向に沿ってカソード1260に向かって長手方向に延びている。第2の横方向フィールドプレート1233は、誘電体層1212によってアノード1262から分離されており、基板1202の長さ(L)方向に沿ってカソード1266に向かって長手方向に延びている。誘電体層1212は開口部1236の側壁に配置されている。
【0123】
アノード1262とカソード1260、1266との間に配置された横方向フィールドプレートは、複数の2DEGチャネルを同時に横方向にピンチオフし、耐圧の上昇をもたらす。単一または複数のフィールドプレートを使用して、アノード1262とカソード1260、1266との間に電界を確立することができる。そうするためには、2つの横方向フィールドプレート1232、1233がアノード1262の両側で対称的に一体化されている。誘電体層1212は、第1の横方向フィールドプレート1232とチャネル層との間に配置されている。アノード構造のうちの少なくとも1つについて、第1の横方向フィールドプレート1232および第2の横方向フィールドプレート1233は、アノード1262とカソード1260、1266との間に電界を確立するように構成されている。誘電体層1212の厚さは、横方向フィールドプレート領域におけるピンチオフ電圧を決定する。横方向フィールドプレート1232、1233は、カソード1260近傍の横方向フィールドプレート領域に電界を確立する。アノード1262に沿ってショットキーコンタクト1264がある。
【0124】
図15は、本開示の少なくとも1つの態様による、アノード(A)1362および横方向フィールドプレート1332、1333、1338、1339を備えているアノード構造を有する横方向ショットキーダイオード1300の上面図である。横方向ショットキーダイオード1300は、基板1302と、カソード(C)1360、1366とを備えている。カソード1360、1366は基板1302の上面に位置している。基板1302は、基板1302に配置された開口部1336に埋め込まれた複数の構造を備えている。アノード1362は、カソード1360とカソード1366との間に対称的に位置している。
【0125】
図15に描かれた例では、4つの横方向フィールドプレート1332、1333、1338、1339は、矩形状であり、対称構成で配置されている。4つの横方向フィールドプレート1332、1333、1338、1339は、描かれた例での形状に限定されるものではない。第1の横方向フィールドプレート1332および第2の横方向フィールドプレート1333は、アノード1362から基板1302の長さ(L)に沿ってカソード1366に向かって長手方向に延びている。第3の横方向フィールドプレート1338および第4の横方向フィールドプレート1339は、アノード1362から基板1302の長さ(L)に沿ってカソード1360に向かって長手方向に延びている。4つの横方向フィールドプレート1332、1333、1338、1339は、基板1302の幅(W)方向に沿って横方向に延びている。
【0126】
第1の誘電体層1312は、開口部1336の内側側壁に配置されており、アノード構造の底部がチャネル内へと基板1302に埋め込まれている。アノード1362の底部の横方向の側面は、開口部1336の長手方向の側面に沿って第1の誘電体層1312に画定されたギャップ1334を介して開口部1336に受容される。第1の誘電体層1312は、ギャップ1334が開口部1336に画定されている箇所を除いて、アノード1362が入る開口部1336の側壁を取り囲む。第2の誘電体層1350は第1の誘電体層1312の内側側壁に配置されている。
【0127】
第1の横方向フィールドプレート1332は、カソード1366に近接してアノード1362に隣接して位置しており、基板1302の長さ(L)方向に沿ってカソードに向かって長手方向に延びている。第2の横方向フィールドプレート1333は、カソード1366に近接して第1の横方向フィールドプレート1332に隣接して位置しており、基板1302の長さ(L)方向に沿ってカソード1366に向かって長手方向に延びている。第3の横方向フィールドプレート1338は、カソード1360に近接してアノード1362に隣接して位置しており、基板1302の長さ(L)方向に沿ってカソード1360に向かって長手方向に延びている。第4の横方向フィールドプレート1339は、カソード1360に近接して第3の横方向フィールドプレート1338に隣接して位置しており、基板1302の長さ(L)方向に沿ってカソード1360に向かって長手方向に延びている。誘電体層1312は開口部1336の側壁に配置されている。
【0128】
アノード1362とカソード1360、1366との間に配置された横方向フィールドプレートは、複数の2DEGチャネルを同時に横方向にピンチオフし、耐圧の上昇をもたらす。単一または複数のフィールドプレートを使用して、アノードとカソードとの間に電界を確立することができる。そうするためには、4つの横方向フィールドプレート1332、1333、1338、1339がアノード1362と対称的に一体化されている。第1の誘電体層1312は、第1の横方向フィールドプレート1332とチャネル層との間、および第3の横方向フィールドプレート1338とチャネル層との間に配置されている。第1の横方向フィールドプレート1332および第3の横方向フィールドプレート1338は、第1の誘電体層1312と横方向に接触しており、第2の誘電体層1350と長手方向に接触している。第2の横方向フィールドプレート1333および第4の横方向フィールドプレート1339は、第2の誘電体層1350と横方向および長手方向に接触している。アノード構造のうちの少なくとも1つについて、4つの横方向フィールドプレート1332、1333、1338、1339は、アノード1362とカソード1360、1366との間に電界を確立するように構成されている。誘電体層1312、1350の厚さは、横方向フィールドプレート領域におけるピンチオフ電圧を決定する。横方向フィールドプレート1332、1333、1338、1339は、カソード1360、1366近傍の横方向フィールドプレート領域に電界を確立する。アノード1362に沿ってショットキーコンタクト1364がある。
【0129】
図16は、本開示の少なくとも1つの態様による、アノード(A)1462および横方向フィールドプレート1432、1433、1438、1439を備えているアノード構造を有する横方向ショットキーダイオード1400の上面図である。横方向ショットキーダイオード1400は、基板1402と、カソード(C)1460、1466とを備えている。カソード1460、1466は基板1402の上面に位置している。基板1402は、基板1402に配置された開口部1436に埋め込まれた複数の構造を備えている。アノード1462は、カソード1460とカソード1466との間に対称的に位置している。
【0130】
図16に描かれた例では、4つの横方向フィールドプレート1432、1433、1438、1439は、矩形状であり、対称構成で配置されている。4つの横方向フィールドプレート1432、1433、1438、1439は、描かれた例での形状に限定されるものではない。第1の横方向フィールドプレート1432および第2の横方向フィールドプレート1433は、アノード1462から基板1402の長さ(L)に沿ってカソード1466に向かって長手方向に延びている。第3の横方向フィールドプレート1438および第4の横方向フィールドプレート1439は、アノード1462から基板1402の長さ(L)に沿ってカソード1460に向かって長手方向に延びている。4つの横方向フィールドプレート1432、1433、1438、1439は、基板1402の幅(W)方向に沿って横方向に延びている。
【0131】
第1の誘電体層1412は、開口部1436の内側側壁に配置されており、アノード構造の底部がチャネル内へと基板1402に埋め込まれている。第2の誘電体層1450は第1の誘電体層1412の内側側壁に配置されている。アノード1462の底部の横方向の側面は、開口部1436の長手方向の側面に沿って誘電体層1412に画定されたギャップ1434を介して開口部1436に受容される。第1の誘電体層1412は、ギャップ1434が開口部1436に画定されている箇所を除いて、幅(W)方向に沿ってアノード1462の側面を含む開口部1436の側壁を取り囲む。第2の誘電体層1450は、開口部1436の側壁に沿って、第2の横方向フィールドプレート1433および第4の横方向フィールドプレート1439の側壁の周囲の、第1の横方向フィールドプレート1432の側壁と第2の横方向フィールドプレート1433の側壁との間、および第3の横方向フィールドプレート1438の側壁と第2の横方向フィールドプレート1439の側壁との間に配置されている。
【0132】
第1の横方向フィールドプレート1432は、カソード1466に近接して、第1の誘電体層1412の部分によって分離されたアノード1462に隣接して位置しており、基板1402の長さ(L)方向に沿ってカソード1466に向かって長手方向に延びている。第1の横方向フィールドプレート1432は、3つの側面で第1の誘電体層1412に接触しており、カソード1466に近接している側面で第2の誘電体層1450に接触している。第2の横方向フィールドプレート1433は、カソード1466に近接して第1の横方向フィールドプレート1432に隣接して位置しており、基板1402の長さ(L)方向に沿ってカソード1466に向かって長手方向に延びており、第2の誘電体層1450と4つの側面すべてで接触している。第2の横方向フィールドプレート1432は、第1の誘電体層1412に接触していない。第3の横方向フィールドプレート1438は、カソード1460に近接して、第1の誘電体層1412の部分によって分離されたアノード1462に隣接して位置しており、基板1402の長さ(L)方向に沿ってカソード1460に向かって長手方向に延びている。第3の横方向フィールドプレート1438は、3つの側面で第1の誘電体層1412に接触しており、カソード1460に近接している側面で第2の誘電体層1450に接触している。第4の横方向フィールドプレート1439は、カソード1460に近接して第3の横方向フィールドプレート1438に隣接して位置しており、基板1402の長さ(L)方向に沿ってカソード1460に向かって長手方向に延びており、第2の誘電体層1450と4つの側面すべてで接触している。第4の横方向フィールドプレート1439は、第1の誘電体層1412に接触していない。誘電体層1412は開口部1436の側壁に配置されている。
【0133】
アノード1462とカソード1460、1466との間に配置された横方向フィールドプレートは、複数の2DEGチャネルを同時に横方向にピンチオフし、耐圧の上昇をもたらす。単一または複数のフィールドプレートを使用して、アノードとカソードとの間に電界を確立することができる。そうするためには、4つの横方向フィールドプレート1432、1433、1438、1439がアノード1462と対称的に一体化される。第1の誘電体層1412は、第1の横方向フィールドプレート1432および第3の横方向フィールドプレート1438とチャネルとの間に挿入され、第2の誘電体層1450は、第2の横方向フィールドプレート1433と第1の誘電体層1412との間、かつ第1の横方向フィールドプレート1432と第2の横方向フィールドプレート1433との間に挿入されており、第2の誘電体層は第4の横方向フィールドプレート1439と第1の誘電体層1412との間、かつ第3の横方向フィールドプレート1438と第4の横方向フィールドプレート1439との間に挿入される。アノード構造のうちの少なくとも1つについて、第1の横方向フィールドプレート1432は第1の誘電体層1412と横方向に接触し、第2の横方向フィールドプレート1433は第2の誘電体層1450と横方向に接触し、第3の横方向フィールドプレート1438は第1の誘電体層1412と横方向に接触し、第4の横方向フィールドプレート1439は第2の誘電体層1450と横方向に接触している。誘電体層1412、1450の厚さは、横方向フィールドプレート領域におけるピンチオフ電圧を決定する。横方向フィールドプレート1432、1433、1438、1439は、カソード1460、1466近傍の横方向フィールドプレート領域に電界を確立する。アノード1462に沿ってショットキーコンタクト1464がある。
【実施例】
【0134】
本開示のエンドエフェクタおよび外科用器具の様々な態様の例が、以下に提供される。エンドエフェクタまたは外科用器具の態様は、以下に記載される実施例のうちのいずれか1つまたは複数、および任意の組み合わせを含んでもよい。
【0135】
実施例1;基板と、基板上のソース電極およびドレイン電極と、チャネル層と、チャネル層と接触しているゲート電極、およびゲート電極に隣接している第1の横方向フィールドプレートを備えているゲート電極構造と、第1の横方向フィールドプレートとチャネル層との間に配置された第1の誘電体層とを備えており、第1の横方向フィールドプレートは、第1の誘電体層と接触しており、ドレイン電極またはソース電極のうちの少なくとも一方または両方に近接しているゲート電極に近接している電界を変調するように構成されている、電界効果トランジスタ(FET)。
【0136】
実施例2;ゲート電極および第1の横方向フィールドプレートは、基板の表面上に配置されている、実施例1に記載のFET。
【0137】
実施例3;第1の誘電体層の厚さは、ゲート電極構造に近接しているフィールドプレート領域におけるピンチオフ電圧を決定する、実施例1または2に記載のFET。
【0138】
実施例4;ゲート電極および第1の横方向フィールドプレートは、上部部分および底部部分を備えており、ゲート電極および第1の横方向フィールドプレートの底部部分は、チャネル層まで延びる深さまで基板に画定された開口部に埋め込まれ、ゲート電極および第1の横方向フィールドプレートの上部部分は、基板の表面より上に延びる、実施例1~3のいずれか1つに記載のFET。
【0139】
実施例5;開口部が側壁を画定し、ゲート電極がチャネルと横方向に接触するようにゲート電極の底部部分を受容するように構成された第1の誘電体層に配置された横方向のギャップを除いて、第1の誘電体層は側壁に配置されている、実施例4に記載のFET。
【0140】
実施例6;開口部およびゲート電極構造は、ソース電極とドレイン電極との間で基板において非対称な構成で配置されている、実施例5に記載のFET。
【0141】
実施例7;ゲート電極構造は、開口部内に非対称な構成で配置されている、実施例6に記載のFET。
【0142】
実施例8;第1の横方向フィールドプレートは、ゲート電極から長手方向に延び、第1の横方向フィールドプレートの底部部分は、第1の誘電体層と横方向に接触している、実施例7に記載のFET。
【0143】
実施例9;第1の誘電体層によって画定された側壁に配置されている第2の誘電体層と、第1の横方向フィールドプレートに隣接して配置されている第2の横方向フィールドプレートとをさらに備えており、第1の横方向フィールドプレートは、第1の誘電体層と横方向に接触しており、第2の誘電体層と長手方向に接触しており、第2の横方向フィールドプレートは、第2の誘電体層と横方向に接触しており、第1の誘電体層および第2の誘電体層の厚さは、フィールドプレート領域におけるピンチオフ電圧を決定する、実施例7または8に記載のFET。
【0144】
実施例10;第1の誘電体層は、基板の幅(W)に沿って横方向にゲート電極の底部部分によって画定される側壁にさらに配置されており、第1の横方向フィールドプレートは、ゲート電極から第1の誘電体層の部分によって分離されている、実施例7~9のいずれか1つに記載のFET。
【0145】
実施例11;第1の誘電体層上に配置されている第2の誘電体層と、第1の横方向フィールドプレートに隣接している第2の横方向フィールドプレートと、をさらに備えており、第2の横方向フィールドプレートは、第2の誘電体層と横方向に接触しており、第1の横方向フィールドプレートから第2の誘電体層の部分によって分離されている、実施例10に記載のFET。
【0146】
実施例12;基板と、基板上のソース電極およびドレイン電極と、チャネル層と、ゲート電極構造であって、チャネルと接触しているゲート電極、ゲート電極の1つの側面に隣接している第1の横方向フィールドプレート、およびゲート電極の反対側の側面に隣接している第2の横方向フィールドプレートを備えており、第1の横方向フィールドプレートおよび第2の横方向フィールドプレートは、ゲート電極に対して対称な構成で配置されている、ゲート電極構造と、第1の横方向フィールドプレートおよび第2の横方向フィールドプレートとチャネル層との間に配置されている第1の誘電体層と、を備えており、第1の横方向フィールドプレートおよび第2の横方向フィールドプレートは、第1の誘電体層と接触しており、ドレイン電極またはソース電極のうちの少なくとも一方または両方に近接しているゲート電極に近接している電界を変調するように構成されている、電界効果トランジスタ(FET)。
【0147】
実施例13;ゲート電極、ならびに第1の横方向フィールドプレートおよび第2の横方向フィールドプレートは、基板の表面上に配置されている、実施例12に記載のFET。
【0148】
実施例14;第1の誘電体層の厚さは、ゲート電極構造に近接しているフィールドプレート領域におけるピンチオフ電圧を決定する、実施例12または13に記載のFET。
【0149】
実施例15;ゲート電極、ならびに第1の横方向フィールドプレートおよび第2の横方向フィールドプレートは、上部部分および底部部分を備えており、ゲート電極、ならびに第1の横方向フィールドプレートおよび第2の横方向フィールドプレートの底部部分は、チャネル層まで延びる深さまで基板に画定された開口部に埋め込まれ、ゲート電極、ならびに第1の横方向フィールドプレートおよび第2の横方向フィールドプレートの上部部分は、基板の表面より上に延びる、実施例12~14のいずれか1つに記載のFET。
【0150】
実施例16;開口部が側壁を画定し、ゲート電極がチャネルと横方向に接触するようにゲート電極の底部部分を受容するように構成された第1の誘電体層に配置された横方向のギャップを除いて、第1の誘電体層は側壁に配置されている、実施例15に記載のFET。
【0151】
実施例17;第1の誘電体層上に配置されている第2の誘電体層と、第1の横方向フィールドプレートに隣接している第3の横方向フィールドプレートと、第2の横方向フィールドプレートに隣接している第4の横方向フィールドプレートと、をさらに備えており、第3の横方向フィールドプレートおよび第4の横方向フィールドプレートは、第2の誘電体層と横方向に接触している、実施例12~16のいずれか1つに記載のFET。
【0152】
実施例18;基板と、基板上のソース電極およびドレイン電極と、チャネル層と、チャネル層と接触しているゲート電極、およびゲート電極に隣接している第1の横方向フィールドプレートを備えているゲート電極構造と、第1の横方向フィールドプレートとチャネル層との間に配置された第1の誘電体層と、ゲート電極構造から離れて基板に埋め込まれた誘電体構造と、を備えており、第1の横方向フィールドプレートは、第1の誘電体層と接触しており、ドレイン電極またはソース電極のうちの少なくとも一方または両方に近接しているゲート電極に近接している電界を変調するように構成されている、電界効果トランジスタ(FET)。
【0153】
実施例19;埋め込まれた誘電体構造は、ゲート電極構造に隣接している第1の誘電体層間に生じる等電位線を形成する、実施例18に記載のFET。
【0154】
実施例20;ゲート電極および第1の横方向フィールドプレートは、上部部分および底部部分を備えており、ゲート電極および第1の横方向フィールドプレートの底部部分は、チャネル層まで延びる深さまで基板に画定された開口部に埋め込まれ、ゲート電極および第1の横方向フィールドプレートの上部部分は基板の表面より上に延びており、第1の横方向フィールドプレートがゲート電極から長手方向に延び、第1の横方向フィールドプレートの底部部分が第1の誘電体層と横方向に接触している、実施例18または19に記載のFET。
【0155】
実施例21;基板に配置された開口部に埋め込まれた複数の構造を備えている基板と、アノードおよび横方向フィールドプレートを備えているアノード構造と、基板の上面に位置するカソードと、を備えている横方向ショットキーダイオード。
【0156】
実施例22;別のカソードをさらに備えており、アノードがカソード間に対称的に位置している、実施例21に記載の横方向ショットキーダイオード。
【0157】
実施例23;第1の横方向フィールドプレートおよび第2の横方向フィールドプレートは、矩形状であり、対称構成で配置されている、実施例21または実施例22に記載の横方向ショットキーダイオード。
【0158】
実施例24;第1の横方向フィールドプレートは、アノードから基板の長さ(L)に沿ってカソードに向かって長手方向に延びており、第2の横方向フィールドプレートは、アノードから基板の長さ(L)に沿ってカソードに向かって長手方向に延びており、第1の横方向フィールドプレートおよび第2の横方向フィールドプレートは、基板の幅(W)に沿って横方向に延びている、実施例21~23のいずれか1つに記載の横方向ショットキーダイオード。
【0159】
実施例25;開口部の内側側壁に配置された誘電体層をさらに備えており、アノードの底部部分が基板に埋め込まれている、実施例21~24のいずれか1つに記載の横方向ショットキーダイオード。
【0160】
実施例26;横方向フィールドプレートは、アノードとカソードとの間に位置している、実施例21~25のいずれか1つに記載の横方向ショットキーダイオード。
【0161】
いくつかの形態が図示され、説明されているが、添付の請求項の範囲をそのような詳細に制限または限定することは、本出願人の意図ではない。それらの形態に対する多数の修正、変形、変更、置換、組み合わせ、および等価物が実施されてもよく、本開示の範囲から逸脱することなく、当業者であれば思いつくであろう。さらに、説明された形態に関連する各要素の構造は、代替的に、その要素によって予め規定された機能を提供するための手段として記載することができる。また、特定の構成要素について材料が開示されたが、他の材料を使用してもよい。したがって、前述の記載および添付の請求項は、開示される形態の範囲内に入るようなすべての修正、組み合わせおよび変形を包含することを意図していると理解されたい。添付の請求項は、そのような変形をすべて包含することを意図している。
【0162】
1つまたは複数の構成要素は、本明細書において、「~ように構成されている」、「~ように構成可能な」、「~ように動作可能な/動作する」、「~ように適合された/適合可能な」、「~できる」、「~に適合した/一緒に配置された(condisposed to)」もの等として言及されてもよい。当業者は、文脈上別段の解釈が必要でない限り、「~ように構成されている」は、一般に、活動状態の構成要素ならびに/または非活動状態の構成要素および/もしくは待機状態の構成要素を包含できることを認識するだろう。
【0163】
用語「近位」および「遠位」は、本明細書において、外科用器具のハンドル部分を操作中の臨床医に関して使用される。用語「近位」とは、臨床医に最も近い部分を意味し、用語「遠位」とは、臨床医から離れて位置する部分を意味する。利便性および明瞭さのため、本明細書では「垂直」、「水平」、「上」および「下」等の空間用語は図面に関して使用されてもよいことがさらに理解されるであろう。しかしながら、外科用器具は、多くの向きおよび位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的および/または絶対的であることを意図したものではない。
【0164】
当業者は、一般に、本明細書、特に添付の請求項(例えば、添付の請求項のボディ)において使用される用語は、一般に「オープン」用語として意図されることを認識するであろう(例えば、用語「含む」は、「含むが限定されない」と解釈すべきであり、用語「有する」は、「少なくとも有する」と解釈すべきであり、用語「含む」は、「含むが限定されない」と解釈すべきである、等)。特定の数の前置きされた請求項の記載が意図される場合、そのような意図は請求項において明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、理解を助けるために、以下の添付の請求項には、請求項の記載に前置きするための前置きフレーズ「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」の使用を含んでもよい。しかしながら、そのようなフレーズの使用は、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の前置きが、たとえ同じ請求項が前置きフレーズ「1つまたは複数」または「少なくとも1つ」および「a」もしくは「an」等の不定冠詞を含む場合でも、このように前置きした請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、このような記載を1つのみ含む請求項に制限することを意味するのものと解釈してはならない(例えば、「a」および/または「an」は、典型的には、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味すると解釈されるべきである)。請求項の記載に前置きするために使用される定冠詞の使用についても同じことが当てはまる。
【0165】
さらに、たとえ特定の数の前置きされた請求項が明示的に記載されている場合でも、当業者であれば、そのような記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味すると解釈すべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語を伴わない「2つの記載」という記載そのものは、典型的には、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ、等」に類似する慣例が使用される場合、一般に、そのような構成は、当業者が慣例を理解するであろう意味で意図される(例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびB、AおよびC、BおよびC、ならびに/またはA、B、およびCを有するシステムを含むが、これに限定されない、等)。「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ、または複数」に類似する慣例が使用される場合、一般に、そのような構成は、当業者が慣例を理解するであろう意味で意図される(例えば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびB、AおよびC、BおよびC、ならびに/またはA、B、およびCを有するシステムを含むが、これに限定されない、等)。当業者にはさらに、明細書、請求項、または図面のいずれにおいても、典型的には、2つ以上の代替用語を提示する離接的な単語および/またはフレーズは、文脈により別途指示されない限り、用語の1つ、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を想定していると理解されるべきであることが理解されるであろう。例えば、フレーズ「AまたはB」は、典型的には、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0166】
添付の請求項に関して、当業者は、そこに記載された任意の操作が、一般に任意の順序で予め規定されてもよいことを理解するであろう。また、様々な操作フローチャートがシーケンスで示されているが、様々な操作は、図示されている順序とは別の順序で予め規定されてもよく、または並行して規定されてもよいことを理解すべきである。そのような代替的な順序の例は、文脈により別途指示されない限り、重複、差し込み、中断、再順序付け、増分、準備、補足、同時、逆、または他の変形順序を含んでもよい。さらに、「~に応じた」、「~に関連する」、または他の過去時制の形容詞のような用語は、文脈により別途指示されない限り、一般に、このような変形を除外することを意図していない。
【0167】
「一態様」、「態様」、「実例」、「一実例」等への任意の言及は、その態様に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの態様に含まれることを意味することに留意する価値がある。本明細書を通して様々な箇所における「一態様では」、「態様では」、「実例では」、「一実例では」というフレーズの出現は、必ずしもすべて同一の態様を指しているわけではない。さらに、特定の機能、構造または特徴は、1つまたは複数の態様で任意の適切な方法で組み合わせてよい。
【0168】
本明細書で言及された、および/または任意の出願データシートに記載されたいかなる特許出願、特許、非特許文献、またはその他の開示資料も、組み込まれた資料が本明細書と矛盾しない範囲において、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に明確に説明された開示は、このように、必要な程度まで、本明細書に参照により組み込まれたいかなる矛盾する資料にも優先する。本明細書に参照により組み込むと述べたが、ただし、本明細書に記載した既存の定義、記述、または他の開示資料と矛盾する、あらゆる資料またはその一部は、組み込まれる資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込むものとする。
【0169】
要約すると、本明細書に記載された概念を採用することによって生じる多数の利点が記載されている。1つまたは複数の形態に関する前述の説明は、例示および説明の目的で示されている。これは包括的であることも、開示された正確な形態に限定することも意図するものではない。上記教示を考慮すれば、修正または変形が可能である。1つまたは複数の形態は、原理および実用的応用を説明するために選択され、説明され、それによって、当業者が、想定される特定の使用に適した様々な修正を伴って、様々な形態を利用することを可能にする。本明細書とともに提出された請求項は、範囲全体を定義することを意図している。
【国際調査報告】