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特表2023-543207単層カーボンナノチューブの連続製造システム及び製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】単層カーボンナノチューブの連続製造システム及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 32/164 20170101AFI20231005BHJP
   C01B 32/159 20170101ALI20231005BHJP
【FI】
C01B32/164
C01B32/159
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518542
(86)(22)【出願日】2021-05-27
(85)【翻訳文提出日】2023-03-22
(86)【国際出願番号】 CN2021096289
(87)【国際公開番号】W WO2022062446
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】202011003243.2
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521049469
【氏名又は名称】ジィァンシー コパー テクノロジー リサーチ インスティテュート カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】JIANGXI COPPER TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1129 Gaoxin Avenue Nanchang, Jiangxi 330096 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】チェン ミンハイ
(72)【発明者】
【氏名】リァン チェン
(72)【発明者】
【氏名】ユェン シンシン
【テーマコード(参考)】
4G146
【Fターム(参考)】
4G146AA12
4G146AB06
4G146AC16B
4G146BA11
4G146BA12
4G146BC17
4G146BC23
4G146BC25
4G146BC44
4G146DA17
4G146DA27
(57)【要約】
装置は、高温反応室と冷却ユニットが直列に接続されることにより構成され、真空、ガス流路、制御、冷却及び供給システム等により補助される。製造方法は、直流アーク炎で発生する高温を用い、対電極の金属触媒剤を蒸発させ、触媒剤微小粒子を形成し、高温熱分解した有機炭素源と結合し、単層カーボンナノチューブの生成を触媒し、冷却する。冷却後、気固分離器に入れ、磁界を利用し、得られた単層カーボンナノチューブを凝縮・分離し、最終的に、気固分離器を不活性ガスで吹き戻し、最終生成物を得る。当該方法によって、高温成長状態に触媒剤を超微粒子で存在させることができ、単層カーボンナノチューブの純度及び管径構造などを厳格に制御でき、高品質の単層カーボンナノチューブを連続製造できる。当該装置及び方法の生産効率が高く産業化に重要な価値を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単層カーボンナノチューブの連続製造システムであって、カーボンナノチューブの製造装置は、
直流アーク炎を発生させ、対電極としての金属触媒剤を蒸発させ、高温熱分解した有機炭素源と結合し、単層カーボンナノチューブの生成を触媒するための高温反応室と、
生成した単層カーボンナノチューブを冷却し、冷却された単層カーボンナノチューブを磁気分離法によって分離・濃縮し、気体の吹き戻しを利用し収集するための収集装置と、
前記高温反応室と収集装置を補助し、単層カーボンナノチューブの連続製造を完了させるための補助ユニットとを含んでおり、
前記高温反応室と前記収集装置が直列に接続されており、前記補助ユニットは、前記高温反応室と前記収集装置のそれぞれに接続されていることを特徴とする単層カーボンナノチューブの連続製造システム。
【請求項2】
単層カーボンナノチューブの連続製造システムであって、
前記補助ユニットは、真空ユニット、ガス流路ユニット、電源ユニット及び供給ユニットを含んでおり、
前記高温反応室の底部に底部電極が配置されており、前記底部電極に、触媒剤を入れるための坩堝が配置されており、斜めに挿し込まれた前記高温反応室の内部アークガンは、前記底部電極の鉛直上方に位置しており、
前記高温反応室の側壁に有機炭素源混合ガス接続口が設けられており、高温反応室の側壁に沿って接線方向に、前記高温反応室の内部にまで延在し、前記高温反応室の側壁に前記有機炭素源混合ガス接続口が位置する高さは、前記坩堝の高さより高くなく、
前記高温反応室の頂部において直上方向に向いた開口は、配管を介して前記収集装置に接続されており、前記底部電極の斜め上方に位置する、高温反応室の頂部の一側に、供給接続口が設けられており、
前記真空ユニットは、気固分離器の排出ガス出口に接続されており、前記ガス流路ユニットは、高温反応室の有機炭素源混合ガス接続口とキャリアガス入口のそれぞれに接続されており、
前記電源ユニットは、電力を供給し、
前記供給ユニットは、高温反応室の供給接続口に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の単層カーボンナノチューブの連続製造システム。
【請求項3】
前記収集装置の数は、1つ又は2つであり、
前記収集装置は、輸送管、冷却ユニット、気固分離器及び粉状材料収集タンクを含んでおり、
前記輸送管の一端は前記高温反応室の頂部に連通しており、他端は三方管を介して前記気固分離器及び粉状材料収集タンクにそれぞれ連通しており、前記気固分離器と粉状材料収集タンクとの間に、中間バルブが配置されており、前記冷却ユニットが前記輸送管に設置されていることによって、冷却ユニットが設置された輸送管の内部に冷却室が形成されており、
前記気固分離器に、排出ガス出口と吹き戻し入口が設けられており、前記吹き戻し入口は、前記ガス流路ユニットに接続されている、ことを特徴とする請求項2に記載の単層カーボンナノチューブの連続製造システム。
【請求項4】
前記高温反応室は、高温セラミックの内張り部及び高温断熱層を含む二重水冷ステンレス鋼筐体で構成され、前記内張り部は、鋼玉石又はムル石であり、前記高温断熱層は、多孔質セラミック、セラミック繊維フェルト、中空セラミックビーズ、グラファイト又はグラファイトフェルトである、ことを特徴とする請求項2に記載の単層カーボンナノチューブの連続製造システム。
【請求項5】
前記気固分離器で用いる分離方法は、電子制御磁気分離法であり、前記気固分離器の磁界豊富領域は、電磁コイルが巻き付けられた複数本の石英管が集束して構成される、ことを特徴とする請求項3に記載の単層カーボンナノチューブの連続製造システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の単層カーボンナノチューブの連続製造システムによって単層カーボンナノチューブを製造する方法であって、前記方法は、直流アーク炎で発生する高温を利用し、対電極としての金属触媒剤を蒸発させ、触媒剤の微小粒子を形成し、高温熱分解した有機炭素源と結合し、単層カーボンナノチューブの生成を触媒し、冷却し、冷却後、磁気分離法によって、得られた単層カーボンナノチューブ粉体を濃縮分離し、最終的に、気固分離器を気体で吹き戻し、高純度で、高収率で、均一な構造の単層カーボンナノチューブを得ることを特徴とする単層カーボンナノチューブの製造方法。
【請求項7】
S1)システム内の空気を全て排出し、高温反応室に保護ガスを注入し、直流アークガンをオンにし、底部電極と共に安定したアークを形成し、直流アークガンを徐々に持ち上げ、指定長さのアーク炎を得ることと、
S2)触媒剤を底部電極の坩堝に供給し、アーク炎の作用によって触媒剤が蒸発し、これと同時に、混合ガス入口から有機炭素源混合ガスを入れ、有機炭素源混合ガスが螺旋状の上昇気流を形成し、蒸発によって形成された触媒剤微小粒子と結合し、カーボンナノチューブの成長が始まることと、
S3)磁気分離技術を用いて、冷却されたカーボンナノチューブを収集装置の内壁に凝縮させることと、
S4)反応終了後、高温反応室の排出口を閉じ、収集バルブを開き、磁界を取り除き、不活性ガスの吹き戻しを利用し、凝縮されたカーボンナノチューブ生成物を粉状材料収集タンクに吹き込み、最終生成物を得ることとを含む、ことを特徴とする請求項5に記載の単層カーボンナノチューブの連続製造システム。
【請求項8】
前記S1)における保護ガスは、窒素ガス、アルゴンガス及びヘリウムガスのいずれか一種、又は、これらの混合ガスであり、
前記直流アークガンのアークスタートガスは、アルゴンガス又はヘリウムガスであり、
前記直流アークガンの電力が10kWより大きく、電流が50~600Aであり、アークの炎の長さが2~50cmである、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記S2)における触媒剤は金属触媒剤であり、
前記金属触媒剤は、鉄、コバルト、及びニッケルのいずれか一種であり、又は、鉄、コバルト、若しくはニッケルを含むほかの合金元素を含み、
前記S2)における有機炭素源混合ガスの流量は1~50L/分間であり、
前記有機炭素源気体混合ガスは、有機炭素源ガス、不活性キャリアガス及び水素ガスを含み、
前記有機炭素源ガスの体積%が5~40%であり、水素ガスの体積%が0.1~40%であり、残りは不活性キャリアガスであり、
前記有機炭素源ガスは、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロピレン、プロパン、エタノール、及びメタノールのうちの一種又は複数種であり、
前記不活性キャリアガスは、窒素ガス、アルゴンガス及びヘリウムガスのいずれか一種である、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記S3)において、冷却室で生成物を300℃より低い温度まで冷却し、前記S4)における不活性ガスは、窒素ガス、アルゴンガス及びヘリウムガスのいずれか一種又は混合ガスである、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新材料の技術分野に属し、ナノカーボン材料に関し、特に単層カーボンナノチューブの連続製造システム及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブの領域では、欠陥の量をどのように減らし、その構造の完全性を向上させるかに力を入れており、細いチューブ径、低欠陥や高グラファイト化の方向へ発展している。高性能電子デバイスの発展によって、半導体性質カーボン材料の発展をさらに促進し、構造を制御可能な単層カーボンナノチューブがその最終的目標となる。カーボンナノチューブの成長過程における触媒剤のサイズを制御するため、効率を犠牲にしなければいけない。触媒剤の粒子サイズが小さくなるように、触媒剤をかなり低い濃度にし、そして高温条件における凝集成長を避けるように、成長温度を制御する。しかしながら、単層カーボンナノチューブのチューブ径が細く、表面曲率が大きいため、安定したC-C共有結合構造を構築するのに、さらに大きな活性化エネルギーが必要であり、高度な結晶化も高温条件に依存する。したがって、高品質の単層カーボンナノチューブの製造技術における要点は、さらに高い製造反応温度が必要で、これと同時に、持続的に安定した原子状態の高活性触媒剤を得て、高効率の連続製造を実現することである。
【0003】
現在、単層カーボンナノチューブの製造方法は、主に、化学気相成長法、アークアブレーション法、レーザー法、プラズマ法などである。化学気相成長法はよく用いられる方法であり、固有の反応温度が低いため、カーボンナノチューブの結晶性が低いという欠点があることにより、化学気相成長法で製造された単層カーボンナノチューブは欠陥含有量が高い。Li Qingwen等(Li Qingwen, Yan Hao, Cheng Yan, Zhang Jin, Liu Zhongfan, A scalable CVD synthesis of high-purity single-walled carbon nanotubes with porous MgO as support material, J. Mater. Chem., 2002, 12, 1179-1183)には、酸化マグネシウムを担体とし、鉄を触媒剤とする化学気相成長法で単層カーボンナノチューブを製造する方法が開示されている。浮遊化学気相成長法では、担体がない気態反応過程を採用し、単層カーボンナノチューブ生成物の純度及び品質が明らかに改善された。H.M. Cheng等H.M. Cheng, F. Li, X. Sun, S.D.M. Brown, M.A. Pimenta, A. Marucci, G. Dresselhaus, M.S. Dresselhaus, Bulk morphology and diameter distribution of single-walledcarbon nanotubes synthesized by catalytic decomposition ofhydrocarbons,Chemical Physics Letters 289, 1998. 602-610には、フェロセンとチオフェンを触媒剤とし、エタノールを炭素源とする浮遊化学気相成長方法が開示されている。管状炉の尾端(後端)からエアロゲル状の単層カーボンナノチューブ生成物を連続的に吹き出すことができ、後続の研究において、反応温度を高くし、助触媒剤を調整することで、単層カーボンナノチューブの品質が明らかに改善された。中国の特許202010326890.0には、改善された浮遊化学気相成長法による単層カーボンナノチューブを製造する設備及び工程が開示されている。縦型構造及び下から上への気体供給反応モデルが採用され、気流が上昇する自然傾向を利用し、上端での連続収集を実現できる。中国の特許201010234322.4には、直径を制御可能な単層カーボンナノチューブの製造方法が開示されている。高温アークアブレーション法を利用し、炭素粉末と金属触媒剤とを炭素電極に充填し、アークにより直接アブレーションして単層カーボンナノチューブを製造する。
【0004】
しかし、単層カーボンナノチューブの巨大な表面積の特性により、非常に凝集しやすく、膜状物が形成される。従来のサイクロン分離又は濾過の方法では、濾過装置が短時間で目詰まりしやすく、連続運転ができない。高温反応に影響を与えない状況で安定して連続収集することが、依然として難しい課題である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の主な目的は、従来技術における不足を克服し、単層カーボンナノチューブの連続製造装置及び方法を提供することである。
【0006】
上記の発明目的を実現するために、本発明の技術的解決手段は以下の通りである。単層カーボンナノチューブの連続製造システムであり、カーボンナノチューブの製造装置は、
直流アーク炎を発生させ、対電極としての金属触媒剤を蒸発させ、高温熱分解した有機炭素源と結合し、単層カーボンナノチューブの生成を触媒するための高温反応室と、
生成した単層カーボンナノチューブを冷却し、冷却された単層カーボンナノチューブを磁気分離法によって分離・濃縮し、気体の吹き戻し(ブローバック)を利用し収集するための収集装置と、
前記高温反応室と収集装置を補助し、単層カーボンナノチューブの連続製造を完了させるための補助ユニットとを含んでいる。
【0007】
前記高温反応室と前記収集装置が直列に接続されている。前記補助ユニットは、前記高温反応室と前記収集装置のそれぞれに接続されている。
【0008】
さらに、前記補助ユニットは、真空ユニット、ガス流路ユニット、電源ユニット及び供給ユニットを含んでいる。
【0009】
前記高温反応室の底部に底部電極が配置されている。前記底部電極に、触媒剤を入れるための坩堝が配置されており、斜めに挿し込まれた前記高温反応室の内部アークガンは、前記底部電極の鉛直上方に位置している。
【0010】
前記高温反応室の側壁に有機炭素源混合ガス接続口が設けられており、高温反応室の側壁に沿って接線方向に、前記高温反応室の内部にまで延在する。前記高温反応室の側壁に、前記有機炭素源混合ガス接続口が位置する高さは、前記坩堝の高さより高くない。
前記高温反応室の頂部において直上方向を向いた開口は、配管を介して前記収集装置に接続されている。前記底部電極の斜め上方に位置する、高温反応器の頂部の一側に、供給接続口が設けられている。
【0011】
前記真空ユニットは、気固分離器の排出ガス出口に接続されている。前記ガス流路ユニットは、高温反応室の有機炭素源混合ガス接続口とキャリアガス入口にそれぞれ接続されている。
【0012】
前記電源ユニットは、電力を供給する。
【0013】
前記供給ユニットは、高温反応室の供給接続口に接続されている。
【0014】
さらに、前記収集装置の数は、1つ又は2つである。
【0015】
前記収集装置は、輸送管、冷却ユニット、気固分離器及び粉状材料収集タンクを含んでいる。
【0016】
前記輸送管の一端は前記高温反応室の頂部に連通しており、他端は三方管を介して前記気固分離器及び粉状材料収集タンクにそれぞれ連通している。前記気固分離器と粉状材料収集タンクとの間に、中間バルブが配置されている。前記冷却ユニットが前記輸送管に設置されていることによって、冷却ユニットが設置されている輸送管の内部に冷却室が形成されている。
【0017】
前記気固分離器に、排出ガス出口と吹き戻し入口が設けられており、前記吹き戻し入口は、前記ガス流路ユニットに接続されている。
【0018】
さらに、前記高温反応室は、高温セラミックの内張り部及び高温断熱層を含む二重水冷ステンレス鋼筐体で構成されている。前記内張り部は、鋼玉石又はムル石である。前記高温断熱層は、多孔質セラミック、セラミック繊維フェルト、中空セラミックビーズ、グラファイト又はグラファイトフェルトである。
【0019】
さらに、前記気固分離器で用いられる分離方法は、電子制御の磁気分離法である。前記気固分離器の磁界豊富領域は、電磁コイルが巻き付けられた複数本の石英管が集束して構成される。
【0020】
本発明のもう1つの目的は、上述の単層カーボンナノチューブの連続製造システムを利用して、単層カーボンナノチューブを製造する方法を提供することである。前記方法は、直流アーク炎で発生する高温を利用し、対電極としての金属触媒剤を蒸発させ、触媒剤微小粒子を形成し、これが高温熱分解した有機炭素源と結合し、単層カーボンナノチューブの生成を触媒し、冷却する。冷却後、磁気分離法によって、得られた単層カーボンナノチューブ粉体を濃縮・分離し、最終的に、気固分離器を気体で吹き戻し(ガスブローバックし)、高純度で、高生産率で、均一な構造の単層カーボンナノチューブを得る。
【0021】
さらに、具体的に、以下の工程を含む。
S1)システム内の空気を全て排出し、高温反応室に保護ガスを注入する。直流アークガンをオンにし、底部電極と共に安定したアークを形成し、直流アークガンを徐々に持ち上げ、指定長さのアーク炎を得る。
S2)触媒剤を底部電極の坩堝内に供給し、アーク炎の作用によって触媒剤が蒸発し、これと同時に、混合ガス入口から有機炭素源混合ガスを入れる。有機炭素源混合ガスが螺旋状の上昇気流を形成し、蒸発によって形成された触媒剤微小粒子に結合し、カーボンナノチューブの成長が始まる。
S3)磁気分離技術を用いて、冷却されたカーボンナノチューブを収集装置の内壁上に濃縮させる。
S4)反応終了後、高温反応室の排出口を閉じ、収集バルブを開き、磁界を取り除く。不活性ガスの吹き戻し(ブローバック)を利用し、濃縮されたカーボンナノチューブ生成物を粉状材料収集タンクに吹き込み、最終生成物を得る。
【0022】
さらに、前記S1)における保護ガスは、窒素ガス、アルゴンガス及びヘリウムガスのいずれか一種又はこれらの混合ガスである。
【0023】
前記直流アークガンのアークスタートガスは、アルゴンガス又はヘリウムガスである。
【0024】
前記直流アークガンの電力は10kWより大きく、電流は50~600Aであり、アークの炎の長さは2~50cmである。
【0025】
さらに、前記S2)における触媒剤は金属触媒剤である。
【0026】
前記金属触媒剤は、鉄、コバルト、及びニッケルのいずれか一種である、又は、鉄、コバルト、若しくはニッケルを含むほかの合金元素を含む。
【0027】
さらに、前記S2)における有機炭素源混合ガスの流量は1~50L/分間である。
【0028】
前記有機炭素源気体混合ガスは、有機炭素源ガス、不活性キャリアガス及び水素ガスを含む。
【0029】
前記有機炭素源ガスの体積%が5~40%であり、水素ガスの体積%が0.1~40%であり、残りは不活性キャリアガスである。
【0030】
前記有機炭素源ガスは、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロピレン、プロパン、エタノール及びメタノールのうちの一種又は複数種である。
【0031】
前記不活性キャリアガスは、窒素ガス、アルゴンガスおよびヘリウムガスのいずれか一種である。
【0032】
さらに、前記S3)において、冷却室において生成物を300℃より低い温度になるまで冷却する。前記S4)における不活性ガスは、窒素ガス、アルゴンガス若しくはヘリウムガスのいずれか一種、又は、これらのいずれかの混合ガスである。
【0033】
本発明の有益な効果
上記の技術的解決手段を用いることによって、本発明の方法の特徴は以下の通りである。
【0034】
(1)アーク高温で金属触媒剤を蒸発させることによって、非常に細かい触媒剤粒子を得ることができ、その場で熱分解炭素源に迅速に結合する。従来の化学気相成長プロセスおいて加熱中および輸送中に触媒剤粒子が凝集・成長することを回避でき、非常に細かい粒子サイズと高活性触媒剤を維持する効果的な手段である。これによって、高純度で、高収率で、均一な構造の単層カーボンナノチューブを製造する。
(2)触媒剤の蒸発及び化学反応の熱源として、高温アークを用いる。アークの炎の中心部分の温度は、理論上20000℃に達するので単層カーボンナノチューブが大きなポテンシャルバリアを超えて成長しやすくなり、高品質の単層カーボンナノチューブを製造できる。平均ラマンIG/IDは、従来の化学気相成長法と比べてかなり高い。
(3)電磁気の原理を利用し、気体と固体粒子の分離を制御する。単層カーボンナノチューブ生成物における触媒剤の磁性の特性を利用し、石英管壁に吸着させ、濃縮・分離を達成する。単層カーボンナノチューブの付着しやすく凝集しやすい特性に対して、従来の粒子濾過式分離方法によってもたらされる目詰まりの問題を回避することができ、さらに、気体の吹き戻しの方法(ガスブローバック)によって循環運転を実現できる。
(4)磁性気固分離装置の二重システムを交互に使用することによって、システム全体の連続製造及び収集を実現することができる。高効率であり、操作しやすく、システムの信頼性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、本発明における単一収集システムを用いたカーボンナノチューブの連続製造装置の概略図である。
図2図2は、本発明における、底部供給及び単一収集システムを用いたカーボンナノチューブの連続製造装置の概略図である。
図3図3は、本発明における二重収集システムを用いたカーボンナノチューブの連続製造装置の概略図である。
図4図4は、実施形態1において製造された単層カーボンナノチューブの走査型電子顕微鏡写真である。
図5図5は、実施形態1において製造された単層カーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真である。
図6図6は、実施形態1において製造された単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル分布を示す図である。
図7図7は、実施形態2において製造された単層カーボンナノチューブの走査型電子顕微鏡写真である。
図8図8は、実施形態2において製造された単層カーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真である。
図9図9は、実施形態2において製造された単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル曲線図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面及び具体的な実施形態と併せて、本発明の技術的解決手段をさらに説明する。
【0037】
図1に示すように、本発明の単層カーボンナノチューブの連続製造システムにおいて、前記カーボンナノチューブの製造装置は、直流アーク炎を発生させ、対電極としての金属触媒剤を蒸発させ、高温熱分解した有機炭素源と結合し、単層カーボンナノチューブの生成を触媒するための前記高温反応室3と、生成した単層カーボンナノチューブを冷却し、冷却された単層カーボンナノチューブを磁気分離法によって分離・濃縮し、気体の吹き戻し(ブローバック)を利用し収集するための前記収集装置と、前記高温反応室と収集装置を補助し、単層カーボンナノチューブの連続製造を完了させるための前記補助ユニット(図示せず)とを含んでいる。
【0038】
前記高温反応室3と前記収集装置が直列に接続されている。前記補助ユニットは、前記高温反応室3と前記収集装置にそれぞれ接続されている。
【0039】
前記補助ユニットは、真空ユニット、ガス流路ユニット、電源ユニット及び供給ユニットを含んでいる。
【0040】
前記高温反応室3の底部に底部電極が配置されている。前記底部電極に、触媒剤を入れるための坩堝が配置されており、斜めに挿し込まれた前記高温反応室3の内部直流アークガン4は、前記底部電極の鉛直上方に位置している。
【0041】
前記高温反応室3の側壁に有機炭素源混合ガス接続口1が設けられており、高温反応室3の側壁に沿って接線方向に、前記高温反応室3の内部にまで延在する。前記高温反応室3の側壁に、前記有機炭素源混合ガス接続口1が位置する高さは、前記坩堝の高さより高くない。
前記高温反応室3の頂部において直上方向に向かった開口は、配管を介して前記収集装置に接続されている。前記底部電極の斜め上方に位置する、高温反応室3の頂部の一側に、供給接続口5が設けられている。
【0042】
前記真空ユニットは、気固分離器9の排出ガス出口7に接続されている。前記ガス流路ユニットは、高温反応室3の有機炭素源混合ガス接続口1とキャリアガス入口にそれぞれ接続されている。
【0043】
前記電源ユニットは、電力を供給する。
【0044】
前記供給ユニットは、高温反応室の供給接続口に接続されている。
【0045】
前記収集装置の数は、1つ又は2つである。
【0046】
前記収集装置は、輸送管6、冷却ユニット、気固分離器9及び粉状材料収集タンク11を含んでいる。
【0047】
前記輸送管6の一端は前記高温反応室の頂部に連通しており、他端は三方管を介して前記気固分離器9及び粉状材料収集タンク11にそれぞれ連通している。前記気固分離器9と粉状材料収集タンク11との間に、中間バルブ10が配置されている。前記冷却ユニット13が前記輸送管6に設置されていることによって、冷却ユニットが設置されている輸送管6の内部に冷却室が形成される。
【0048】
前記気固分離器9に、排出ガス出口7と吹き戻し(ブローバック)入口8が設けられており、前記吹き戻し(ブローバック)入口は、前記ガス流路ユニットに接続されている。
【0049】
前記高温反応室3は、高温セラミックの内張り部及び高温断熱層を含む二重水冷ステンレス鋼筐体で構成されている。前記内張り部は、鋼玉石又はムル石である。前記高温断熱層は、多孔質セラミック、セラミック繊維フェルト、中空セラミックビーズ、グラファイト又はグラファイトフェルトである。
【0050】
前記気固分離器9で用いられる分離方法は、電気制御磁気分離方法である。前記気固分離器の磁界豊富領域は、電磁コイルが巻き付けられた複数本の石英管が集束して構成される。
【0051】
上記の単層カーボンナノチューブの連続製造システムを利用して、単層カーボンナノチューブを製造する方法であって、前記方法は、直流アーク炎で発生する高温を利用し、対電極としての金属触媒剤を蒸発させ、触媒剤微小粒子を形成し、高温熱分解した有機炭素源と結合し、単層カーボンナノチューブの生成を触媒し、冷却する。冷却後、磁気分離法によって、得られた単層カーボンナノチューブ粉体を濃縮分離し、最終的に、気固分離器を気体で吹き戻し(ブローバックし)、高純度で、高収率で、均一な構造の単層カーボンナノチューブを得る。
【0052】
前記方法は、具体的に、以下の工程を含む。
【0053】
S1)システム内の空気を全て排出し、高温反応室に保護ガスを注入する。直流アークガンをオンにし、底部電極と共に安定したアークを形成し、直流アークガンを徐々に持ち上げ、指定長さのアーク炎を得る。
S2)触媒剤を底部電極の坩堝内に供給し、アーク炎の作用によって触媒剤が蒸発し、これと同時に、混合ガス入口から有機炭素源混合ガスを入れる。有機炭素源混合ガスが螺旋状の上昇気流を形成し、蒸発によって形成された触媒剤微小粒子に結合し、カーボンナノチューブの成長が始まる。
S3)磁気分離技術を用いて、冷却されたカーボンナノチューブを収集装置の内壁上に凝縮させる。
S4)反応終了後、高温反応室の排出口を閉じ、収集バルブを開き、磁界を取り除く。不活性ガスの吹き戻し(ブローバック)を利用し、凝縮されたカーボンナノチューブ生成物を粉状材料収集タンクに吹き込み、最終生成物を得る。
【0054】
さらに、前記S1)における保護ガスは、窒素ガス、アルゴンガス及びヘリウムガスのいずれか一種又はこれらの混合ガスである。
【0055】
前記直流アークガンのアークスタートガスは、アルゴンガス又はヘリウムガスである。
【0056】
前記直流アークガンの電力は10kWより大きく、電流は50~600Aであり、アークの炎の長さは2~50cmである。
【0057】
さらに、前記S2)における触媒剤は金属触媒剤である。
【0058】
前記金属触媒剤は、鉄、コバルト、及びニッケルのいずれか一種である、又は、鉄、コバルト、若しくはニッケルを含むほかの合金元素を含む。
【0059】
前記S2)における有機炭素源混合ガスの流量は1~50L/分間である。
【0060】
前記有機炭素源気体混合ガスは、有機炭素源ガス、不活性キャリアガス及び水素ガスを含む。
【0061】
前記有機炭素源ガスの体積%が5~40%であり、水素ガスの体積%が0.1~40%であり、残りは不活性キャリアガスである。
【0062】
前記有機炭素源ガスは、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロピレン、プロパン、エタノール、および、メタノールのうちの一種又は複数種である。
【0063】
前記不活性キャリアガスは、窒素ガス、アルゴンガスおよびヘリウムガスのいずれか一種である。
【0064】
前記S3)において、冷却室で生成物を300℃より低い温度まで冷却する。前記S4)における不活性ガスは、窒素ガス、アルゴンガス及びヘリウムガスのいずれか一種、又は、これらのいずれかの混合ガスである。
【0065】
前記有機炭素源混合ガス接続口は、前記高温反応室の底部に配置されてもよい。前記有機炭素源混合ガス接続口は、図2に示すように、前記底部電極及び坩堝2の一側に位置する。
【0066】
前記坩堝の材質はグラファイトである。
【0067】
前記冷却ユニットは水冷機である。
【0068】
<実施形態1>
単一収集システムを利用した単層カーボンナノチューブの連続製造システムは、概略図である図1に示すように、高温反応室3、冷却室及び気固分離器9が直列に接続されることによって構成されており、バルブによって制御される。さらに、補助システムは、真空、ガス流路、制御、冷却及び供給システムなどを含んでいる。高温反応室の外層は、内張り部であるグラファイト及び高温断熱層を含む二重水冷ステンレス鋼筐体で構成され、内壁はコランダム(鋼玉石)からなる。高温反応室の底部に底部電極が配置されており、触媒剤を入れるための、グラファイト製の坩堝を備えている。高温反応室に斜めに挿し込まれたアークガンは、底部電極に対して正対している。高温反応室の側壁に有機炭素源混合ガス接続口1が設けられていることによって、有機炭素源混合ガスが螺旋状の上昇気流を形成し、蒸発することにより形成された触媒剤の微粒子に確実に結合する。高温反応器には、斜め上方の位置に、供給接続口5が設けられていることにより、上端から供給された触媒剤が底部電極上に、確実に、直接落下する。気固分離器9は、2つの部分に分かれている。1つは磁界豊富領域であり、もう1つは粉状材料収集タンク11であり、これらは中間バルブ10によって接続されている。磁界豊富領域に、排出ガス出口7と吹き戻し(ブローバック)入口8が設けられている。
【0069】
製造工程S1)真空システムをオンにし、システム全体の空気を全て排出し、アルゴン保護ガスを注入する。その後、10kWの電力の直流アークガンをオンにし、底部電極と共に安定したアークを形成し、電流200A、電圧50Vで、電極を徐々に持ち上げ、長さ30センチのアーク炎を得る。S2)供給システムによって鉄である触媒剤を底部電極のグラファイト坩堝内に供給し、これと同時に、混合ガス入口から有機炭素源ガスを入れる。ここで、有機炭素源混合ガスは、45%のメタン、50%のヘリウムガス、及び5%の水素ガスである。カーボンナノチューブの成長が始まる。S3)磁気分離器の電磁界をオンにし、磁気分離技術を用いて、冷却室で冷却されたカーボンナノチューブを石英管の内壁に濃縮させる。S4)反応終了後、高温反応室の排出口を閉じ、収集バルブを開き、磁界を取り除く。不活性ガスであるアルゴンガスを用いて石英管内を吹き戻しし(ブローバックし)、濃縮されたカーボンナノチューブ生成物を収集タンクに吹き込み、最終生成物を得る。
【0070】
生成物の表徴得られた生成物の走査型電子顕微鏡写真である図4に示すように、生成物は純粋で、管束が細長く真っ直ぐである。透過型電子顕微鏡写真を示す図5に示すように、遊離した単一のカーボンナノチューブから、生成物は単層カーボンナノチューブであることがわかる。ラマンスペクトル曲線図を示す図6に示すように、励起波長は532nmであり、生成物は、明らかなRBMピーク(radial breathing mode peak)を有しており、且つ比較的高いG/D比の値を有し、IG/ID=52である。
【0071】
<実施形態2>
二重収集システムを利用した単層カーボンナノチューブの連続製造システムは、概略図である図2に示すように、高温反応室3と収集装置が直列接続されることにより構成され、高温バルブ12によって制御される。さらに、補助システムは、真空、ガス流路、制御、冷却及び供給システムなどを含んでいる。高温反応室3の外層は、内張り部であるグラファイト及び高温断熱層を含む二重水冷ステンレス鋼筐体で構成され、内壁はムル石からなる。高温反応室の底部に底部電極が配置され、触媒剤を入れるための、グラファイト製の坩堝を備えている。高温反応室に斜めに挿し込まれたアークガンは、底部電極及び坩堝2に対して正対している。高温反応室3の底部に有機炭素源混合ガス接続口1が設けられていることによって、反応ガスが底部から高温反応室に確実に進入する。高温反応室には、斜め上部に、供給接続口5が設けられており、上端から供給される触媒剤が、確実に、底部電極に直接落下する。輸送管6と高温反応室3に、2つの高温バルブ12がそれぞれ配置されている。2つの気固分離器9は、2つの部分に分けられている。1つが磁界豊富領域であり、もう1つが粉状材料収集タンク11であり、2つの中間バルブ10によってそれぞれ接続されている。各磁界豊富領域に、排出ガス出口7と吹き戻し(ブローバック)入口8が設けられている。
【0072】
製造工程S1)真空システムをオンにし、システム全体の空気を全て排出し、アルゴン保護ガスを注入する。その後、100kWの電力の直流アークガンをオンにし、底部電極と共に安定したアークを形成し、電流500A、電圧200Vで、電極を徐々に持ち上げ、長さ50センチのアーク炎を得る。S2)供給システムによって鉄触媒剤を底部電極のグラファイト坩堝内に供給し、これと同時に、混合ガス入口から有機炭素源混合ガスを供給する。ここで、有機炭素源混合ガスは、5%のエチレン、85%のアルゴンガス、及び10%の水素ガスである。カーボンナノチューブの成長が始まる。S3)磁界気固分離器9の電磁界をオンにし、磁気分離技術を用いて、冷却室で冷却されたカーボンナノチューブを石英管の内壁に凝縮させる。S4)一定の時間反応させた後、高温バルブ12を閉じ、中間バルブ10を開き、これと同時に、磁界気固分離器9の電磁界をオンにし、継続して生成物を収集する。S5)排出ガス出口7を閉じ、中間バルブ10を開き、気固分離器9の電磁界を取り除く。吹き戻し(ブローバック)入口8からアルゴンガスを供給し、生成物を粉状材料収集タンク11に吹き込み、最終生成物を得る。S6)2つの気固分離器9を循環して繰り返し利用し、収集する。そして、供給システムを利用し、供給接続口5から触媒剤を高温反応室に補充し、連続的なノンストップ生産を実現する。
【0073】
生成物の表徴得られた生成物の走査型電子顕微鏡写真である図6に示すように、生成物が純粋で、管束が細長く真っ直ぐである。透過型電子顕微鏡写真である図7に示すように、遊離した単一のカーボンナノチューブから、生成物は単層カーボンナノチューブであることがわかる。ラマンスペクトル曲線図である図8に示すように、励起波長は532nmであり、生成物は、明らかなRBMピーク(radial breathing mode peak)を有しており、且つ比較的高いG/D比の値を有し、IG/ID=61である。
【0074】
<実施形態3>
単一収集システムを利用した単層カーボンナノチューブの連続製造システムは、概略図である図1に示すように、高温反応室3及び気固分離器9が直列に接続されることによって形成されており、バルブによって制御される。さらに、補助システムは、真空、ガス流路、制御、冷却及び供給システムなどを含んでいる。高温反応室の外層は、内張り部であるグラファイト及び高温断熱層を含む二重水冷ステンレス鋼筐体で構成され、内壁はコランダム(鋼玉石)からなる。高温反応室の底部に底部電極が配置されており、触媒剤を入れるための、グラファイト製の坩堝を備えている。高温反応室に斜めに挿し込まれたアークガンは、底部電極に対して正対している。高温反応室の底部に有機炭素源混合ガス接続口1が設けられていることによって、反応ガスが側壁から高温反応室に確実に進入する。高温反応器には、斜め上部に、供給接続口5が設けられており、上端から供給される触媒剤が底部電極に確実に直接落下する。気固分離器9は、2つの部分に分けられている。1つが磁界豊富領域であり、もう1つが粉状材料収集タンク11であり、これらは中間バルブ10によって接続されている。磁界豊富領域に、排出ガス出口7と吹き戻し(ブローバック)入口8が設けられている。
【0075】
製造工程S1)真空システムをオンにし、システム全体の空気を全て排出し、アルゴン保護ガスを注入する。その後、電力17.5kWの直流アークガンをオンにし、底部電極と共に安定したアークを形成させ、電流250A、電圧70Vで、電極を徐々に持ち上げ、長さ35センチのアーク炎を得る。S2)供給システムによって鉄の触媒を底部電極のグラファイト坩堝内に供給し、これと同時に、混合ガス入口から有機炭素源混合ガスを供給する。ここで、有機炭素源混合ガスは、30%のアセチレン、55%のアルゴンガス、及び15%の水素ガスである。カーボンナノチューブの成長が始まる。S3)磁気分離器の電磁界をオンにし、磁気分離技術を用いて、冷却室で冷却されたカーボンナノチューブを石英管の内壁に濃縮させる。S4)反応終了後、高温反応室の排出口を閉じ、収集バルブを開き、磁界を取り除く。不活性ガスであるアルゴンガスを用いて石英管内を吹き戻しし(ブローバックし)、濃縮されたカーボンナノチューブ生成物を収集タンクに吹き込み、最終生成物を得る。
【0076】
<実施形態4>
二重収集システムを利用した単層カーボンナノチューブの連続製造システムは、概略図である図3に示すように、高温反応室3と2組の収集装置が直列に接続されることにより構成され、バルブによって制御される。さらに、補助システムは、真空、ガス流路、制御、冷却及び供給システムなどを含んでいる。高温反応室の外層は、内張り部であるグラファイト及び高温断熱層を含む二重水冷ステンレス鋼筐体から構成され、内壁はムル石からなる。高温反応室の底部に底部電極及び坩堝2が配置されており、底部電極は触媒剤を入れるためのグラファイト製の坩堝を備えている。高温反応室に斜めに挿し込まれたアークガンは、底部電極及び坩堝2に対して正対している。高温反応室3の側壁に有機炭素源混合ガス接続口1が設けられていることによって、反応ガスが側壁から高温反応室3に確実に進入する。高温反応器3の斜め上部に、供給接続口5が設けられており、上端から供給される触媒剤が確実に底部電極に直接落下する。2つの輸送管6が高温反応室3に接続されており、2つの輸送管6に高温バルブ12がそれぞれ配置されている。2つの気固分離器9は、それぞれ、磁界豊富領域と粉状材料収集タンク11とを含み、磁界豊富領域と粉状材料収集タンク11が中間バルブ10によって接続されている。磁界豊富領域に、排出ガス出口7と吹き返し入口8が設けられている。
【0077】
製造工程S1)真空システムをオンにし、システム全体の空気を全て排出し、アルゴン保護ガスを注入する。その後、120kWの電力の直流アークガンをオンにし、底部電極と共に安定したアークを形成させ、電流600A、電圧200Vで電極を徐々に持ち上げ、長さ47センチのアーク炎を得る。S2)供給システムによって鉄の触媒剤を底部電極のグラファイト坩堝に供給し、これと同時に、混合ガス入口から有機炭素源混合ガスを入れる。ここで、有機炭素源混合ガスは、10%のエタノール、75%のヘリウムガス、及び15%の水素ガスである。カーボンナノチューブの成長が始まる。S3)磁界気固分離器9の電磁界をオンにし、磁気分離技術を用いて、冷却室で冷却されたカーボンナノチューブを石英管の内壁に凝縮させる。S4)一定の時間反応させた後、高温バルブ12を閉じ、中間バルブ10を開き、これと同時に、磁界気固分離器9の電磁界をオンにし、継続して生成物を収集する。S5)排出ガス出口7を閉め、吹き戻し(ブローバック)バルブを開き、気固分離器9の電磁界を取り除く。吹き戻し(ブローバック)入口8からアルゴンガスを入れ、生成物を粉状材料収集タンク11に吹き込み、最終生成物を得る。S6)気固分離器9を循環して繰り返し利用し、収集する。そして、供給システムを利用し、供給接続口5から触媒剤を高温反応室に補充し、連続的なノンストップ生産を実現する。
【0078】
<実施形態5>
単一収集システムを利用した単層カーボンナノチューブの連続製造システムは、概略図である図2に示すように、高温反応室3、冷却室及び気固分離器9が直列に接続されることによって構成されており、バルブによって制御される。さらに、補助システムは、真空、ガス流路、制御、冷却及び供給システムなどを含んでいる。高温反応室の外層は、内張り部であるグラファイト及び高温断熱層を含む二重水冷ステンレス鋼筐体で構成され、内壁はコランダム(鋼玉石)からなる。高温反応室の底部に底部電極が配置されており、触媒剤を入れるための、グラファイト製の坩堝を備えている。高温反応室に斜めに挿し込まれたアークガンは、底部電極に対して正対している。高温反応室の底部に有機炭素源混合ガス接続口1が設けられていることによって、反応ガスが底部から高温反応室に確実に進入する。高温反応器において、斜め上部に、供給接続口5が設けられており、上端から送り込まれる触媒剤が確実に底部電極に直接落下する。気固分離器9は、2つの部分に分かれている。1つが磁界豊富領域であり、もう1つが粉状材料収集タンク11であり、これらは中間バルブ10によって接続されている。磁界豊富領域に、排出ガス出口7と吹き戻し(ブローバック)入口8が設けられている。
【0079】
製造工程S1)真空システムをオンにし、システム全体の空気を全て排出し、アルゴン保護ガスを注入する。その後、48kWの電力の直流アークガンをオンにし、底部電極と共に安定したアークを形成させ、電流400A、電圧120Vで、電極を徐々に持ち上げ、長さ40センチのアーク炎を得る。S2)供給システムによって鉄の触媒剤を底部電極のグラファイト坩堝に供給し、これと同時に、混合ガス入口から有機炭素源混合ガスを入れる。ここで、有機炭素源混合ガスは、38%のメタン、2%のエチレン、40%のアルゴンガス、及び20%の水素ガスからなる。カーボンナノチューブの成長が始まる。S3)磁気分離器の電磁界をオンにし、磁気分離技術を用いて、冷却室で冷却されたカーボンナノチューブを石英管の内壁に濃縮させる。S4)反応終了後、高温反応室の排出口を閉じ、収集バルブを開き、磁界を取り除く。不活性ガスであるアルゴンガスを用いて石英管内を吹き戻しし(ブローバックし)、濃縮されたカーボンナノチューブ生成物を収集タンクに吹き込み、最終生成物を得る。
【0080】
<実施形態6>
二重収集システムを利用した単層カーボンナノチューブの連続製造システムは、概略図である図3に示すように、高温反応室3と2つの収集装置が直列に接続されることにより構成され、バルブによって制御される。さらに、補助システムは、真空、ガス流路、制御、冷却及び供給システムなどを含んでいる。高温反応室の外層は、内張り部であるグラファイト及び高温断熱層を含む二重水冷ステンレス鋼筐体から構成され、内壁はムル石からなる。高温反応室の底部に底部電極及び坩堝2が配置されており、触媒剤を入れるための、グラファイト製の坩堝を備えている。高温反応室に斜めに挿し込まれたアークガンは、底部電極及び坩堝2に対して正対している。高温反応室の側壁に有機炭素源混合ガス接続口1が設けられていることによって、反応ガスが底部から高温反応室に確実に進入する。高温反応器において、斜め上部に、供給接続口5が設けられており、上端から送り込まれる触媒剤が確実に底部電極に直接落下する。2つの輸送管6が高温反応室3に接続されており、2つの輸送管6にそれぞれ高温バルブ12が配置されている。2つの気固分離器9はいずれも磁界豊富領域を有し、1つの部分が粉状材料収集タンク11であり、それぞれが中間バルブ10によって接続されている。磁界豊富領域に、排出ガス出口7と吹き戻し(ブローバック)入口8が設けられている。
【0081】
製造工程S1)真空システムをオンにし、システム全体の空気を全て排出し、アルゴン保護ガスを注入する。その後、90kWの電力の直流アークガンをオンにし、底部電極と共に安定したアークを形成し、電流500A、電圧180Vで、電極を徐々に持ち上げ、長さ46センチのアーク炎を得る。S2)供給システムによって鉄の触媒を底部電極のグラファイト坩堝に供給し、これと同時に、混合ガス入口から有機炭素源混合ガスを供給する。ここで、有機炭素源混合ガスは、25%のプロパン、55%のヘリウムガス、及び20%の水素ガスである。カーボンナノチューブの成長が始まる。S3)磁界気固分離器9の電磁界をオンにし、磁気分離技術を用いて、冷却室で冷却されたカーボンナノチューブを石英管の内壁に凝縮させる。S4)一定の時間反応させた後、高温バルブ12を閉じ、中間バルブ10を開き、これと同時に、磁界気固分離器9の電磁界をオンにし、継続して生成物を収集する。S5)排出ガス出口7を閉め、吹き戻し(ブローバック)バルブを開き、気固分離器9の電磁界を取り除く。吹き戻し(ブローバック)入口8からアルゴンガスを入れ、生成物を粉状材料収集タンク11に吹き込み、最終生成物を得る。S6)気固分離器9を循環して繰り返し利用し、収集する。そして、供給システムを利用し、供給接続口5から触媒剤を高温反応室に補充し、連続的なノンストップ生産を実現する。
【0082】
<実施形態7>
単一収集システムを利用した単層カーボンナノチューブの連続製造システムは、概略図である図1に示すように、高温反応室3及び収集装置が直列に接続されることによって構成され、バルブによって制御される。さらに、補助システムは、真空、ガス流路、制御、冷却及び供給システムなどを含んでいる。高温反応室の外層は、内張り部であるグラファイト及び高温断熱層を含む二重水冷ステンレス鋼筐体で構成され、内壁はコランダム(鋼玉石)からなる。高温反応室の底部に底部電極及び坩堝2が配置されている。坩堝は、触媒剤を入れるのに用いられ、グラファイト製である。高温反応室に斜めに挿し込まれたアークガンは、底部電極に対して正対している。高温反応室の底部に有機炭素源混合ガス接続口1が設けられていることによって、反応ガスが底部から高温反応室に確実に進入する。高温反応器の斜め上方に、供給接続口5が設けられており、上端から供給される触媒剤が確実に底部電極に直接落下する。気固分離器9は、2つの部分に分かれている。1つが磁界豊富領域であり、もう1つが粉状材料収集タンク11であり、これらは中間バルブ10によって接続されている。磁界豊富領域に、排出ガス出口7と吹き戻し(ブローバック)入口8が設けられている。
【0083】
製造工程S1)真空システムをオンにし、システム全体の空気を全て排出し、アルゴン保護ガスを注入する。その後、80kWの電力の直流アークガンをオンにし、底部電極と共に安定したアークを形成し、電流450A、電圧150Vで、電極を徐々に持ち上げ、長さ43センチのアーク炎を得る。S2)供給システムによって鉄の触媒剤を底部電極のグラファイト坩堝に供給し、これと同時に、混合ガス入口から有機炭素源混合ガスを入れる。ここで、有機炭素源混合ガスは、20%のエタン、5%のプロピレン、50%のヘリウムガス、及び25%の水素ガスである。カーボンナノチューブの成長が始まる。S3)磁気分離器の電磁界をオンにし、磁気分離技術を用いて、冷却室で冷却されたカーボンナノチューブを石英管の内壁に濃縮させる。S4)反応終了後、高温反応室の排出口を閉じ、収集バルブを開き、磁界を取り除く。不活性ガスであるアルゴンガスを用いて石英管内を吹き戻しし(ブローバックし)、濃縮されたカーボンナノチューブ生成物を収集タンクに吹き込み、最終生成物を得る。
【0084】
<実施形態8>
二重収集システムを利用した単層カーボンナノチューブの連続製造システムは、概略図である図3に示すように、高温反応室3と2つの収集装置が直列に接続されることにより構成され、高温バルブ12によって制御される。さらに、補助システムは、真空、ガス流路、制御、冷却及び供給システムなどを含んでいる。高温反応室3の外層は、内張り部であるグラファイト及び高温断熱層を含む二重水冷ステンレス鋼筐体で構成され、内壁はムル石からなる。高温反応室3の底部に底部電極及び坩堝2が配置されており、グラファイト製の坩堝に触媒剤が入れられている。高温反応室に斜めに挿し込まれたアークガンは、底部電極及び坩堝2に対して正対している。高温反応室の側壁に有機炭素源混合ガス接続口1が設けられていることによって、反応ガスが側壁から高温反応室3に螺旋状に確実に進入する。高温反応器の斜め上方に、供給接続口5が設けられており、上端から供給される触媒剤が確実に底部電極に直接落下する。2つの輸送管6が高温反応室3に接続されており、2つの輸送管6にそれぞれ高温バルブ12が配置されている。気固分離器9は、磁界富加領域に分けられ、1つの部分が粉状材料収集タンク11であり、中間バルブ10によって接続されている。磁界豊富領域に、排出ガス出口7と吹き戻し(ブローバック)入口8が設けられている。
【0085】
製造工程S1)真空システムをオンにし、システム全体の空気を全て排出し、アルゴン保護ガスを注入する。その後、50kWの電力の直流アークガンをオンにし、底部電極と共に安定したアークを形成し、電流400A、電圧120Vで、電極を徐々に持ち上げ、長さ38センチのアーク炎を得る。S2)供給システムによって鉄の触媒を底部電極のグラファイト坩堝内に供給し、これと同時に、混合ガス入口から有機炭素源混合ガスを供給する。ここで、有機炭素源混合ガスは、30%のアセチレン、55%のアルゴンガス、及び15%の水素ガスである。カーボンナノチューブの成長が始まる。S3)磁界気固分離器9の電磁界をオンにし、磁気分離技術を用いて、冷却室で冷却されたカーボンナノチューブを石英管の内壁に凝縮させる。S4)一定の時間反応させた後、高温バルブ12を閉め、中間バルブ10を開き、これと同時に、磁界気固分離器9の電磁界をオンにし、継続して生成物を収集する。S5)排出ガス出口7を閉め、吹き戻し(ブローバック)バルブを開き、気固分離器9の電磁界を取り除く。吹き戻し(ブローバック)入口8からアルゴンガスを入れ、生成物を粉状材料収集タンク11に吹き込み、最終生成物を得る。S6)気固分離器9を循環して繰り返し利用し、収集する。そして、供給システムを利用し、供給接続口5から触媒剤を高温反応室に補充し、連続的なノンストップ生産を実現する。
【0086】
<実施形態9>
二重収集システムを利用した単層カーボンナノチューブの連続製造システムは、概略図である図3に示すように、高温反応室3と収集装置が直列に接続されることにより形成され、バルブによって制御される。さらに、補助システムは、真空、ガス流路、制御、冷却及び供給システムなどを含んでいる。高温反応室の外層は、内張り部であるグラファイト及び高温断熱層を含む二重水冷ステンレス鋼筐体から構成され、内壁はムル石からなる。高温反応室の側壁に底部電極及び坩堝2が配置されており、グラファイト製の坩堝に触媒剤が入れられている。高温反応室3に斜めに挿し込まれたアークガンは、底部電極及び坩堝2に対して正対している。高温反応室の側壁に有機炭素源混合ガス接続口1が設けられていることによって、反応ガスが底部から高温反応室に確実に進入する。高温反応器において斜め上部に、供給接続口5が設けられており、上端から送り込まれる触媒剤が底部電極に直接落下することを保証する。輸送管6と高温反応室3に、高温バルブ12がそれぞれ配置されている。気固分離器は、2つの部分に分けられている。1つが磁界豊富領域であり、もう1つが粉状材料収集タンク11であり、中間バルブ10によって接続されている。磁界豊富領域に、排出ガス出口7と吹き戻し(ブローバック)入口8が設けられている。
【0087】
製造工程S1)真空システムをオンにし、システム全体の空気を全て排出し、アルゴン保護ガスを注入する。その後、100kWの電力の直流アークガンをオンにし、底部電極と共に安定したアークを形成し、電流500A、電圧200Vで、電極を徐々に持ち上げ、長さ50センチのアーク炎を得る。S2)供給システムによって鉄の触媒剤を底部電極のグラファイト坩堝に供給し、これと同時に、混合ガス入口から有機炭素源混合ガスを入れる。ここで、有機炭素源混合ガスは、40%のメタン、2%のエチレン、3%のエタノール、40%のアルゴンガス、及び15%の水素ガスからなる。カーボンナノチューブの成長が始まる。S3)磁界気固分離器9の電磁界をオンにし、磁気分離技術を用いて、冷却室で冷却されたカーボンナノチューブを石英管の内壁に凝縮させる。S4)一定の時間反応させた後、高温バルブ12を閉じ、左の高温バルブ12を開き、これと同時に、磁界気固分離器9の電磁界をオンにし、継続して生成物を収集する。S5)排出ガス出口7を閉め、中間バルブ10を開き、気固分離器9の電磁界を取り除く。吹き戻し(ブローバック)入口8からアルゴンガスを入れ、生成物を粉状材料収集タンク11に吹き込み、最終生成物を得る。S6)気固分離器9を循環して繰り返し利用し、収集する。そして、供給システムを利用し、供給接続口15から触媒剤を高温反応室に補充し、連続的なノンストップ生産を実現する。
【0088】
以上の内容は、本発明の技術的思想を説明するためのものであって、これによって本発明の保護範囲を限定することができない。本発明の技術的思想に基づいて、技術的解決手段をもとになし得た変更は、いずれも本発明の特許請求の範囲の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0089】
1:有機炭素源混合ガス入口
2:底部電極及び坩堝
3:高温反応室
4:直流アークガン
5:供給接続口
6:輸送管
7:排出ガス出口
8:吹き戻し(ブローバック)入口
9:気固分離器
10:中間バルブ
11:粉状材料収集タンク
12:高温バルブ
13:冷却ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】