(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】新型コロナウイルス感染症に関連付けられたMIS-Cを評価する方法
(51)【国際特許分類】
G01N 33/49 20060101AFI20231005BHJP
G01N 15/14 20060101ALI20231005BHJP
G01N 33/68 20060101ALI20231005BHJP
G01N 33/48 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G01N33/49 K
G01N15/14 C
G01N15/14 B
G01N33/68
G01N33/48 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518774
(86)(22)【出願日】2021-09-24
(85)【翻訳文提出日】2023-05-02
(86)【国際出願番号】 US2021051999
(87)【国際公開番号】W WO2022067068
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510005889
【氏名又は名称】ベックマン コールター, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Beckman Coulter, Inc.
【住所又は居所原語表記】250 S. Kraemer Boulevard, Brea, CA 92821, United States of America
(71)【出願人】
【識別番号】514291680
【氏名又は名称】ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】キーオ, サラ
(72)【発明者】
【氏名】ハッサン, モハマド シャキール
(72)【発明者】
【氏名】シュー, ガン
(72)【発明者】
【氏名】イリミア, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ヨンカー, レイル
【テーマコード(参考)】
2G045
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045CA02
2G045CA12
2G045CA17
2G045CA20
2G045CA21
2G045CA25
2G045DA20
2G045DA36
2G045DA38
2G045DA40
2G045FA14
2G045FA37
2G045GA01
(57)【要約】
小児多系統炎症症候群(MIS-C)を識別するためのシステムおよび方法は、種々の血液パラメータおよび血液パラメータの組み合わせを使用し得る。そのようなパラメータおよび組み合わせは、単球分布幅(MDW)を使用し得るが、他のパラメータも、使用され得る。このアプローチを使用すると、0.8またはより高い曲線下面積値が、達成され得る。そのようなパラメータは、入院中の患者が、安全に退院され得るときを決定するために、そのような患者のステータスの評価を含むMIS-Cの治療においても使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価するための自動化システムであって、前記システムは、
体液サンプルの細胞を照射するように構成された光源と、
前記体液サンプル中の前記細胞によって散乱させられた前記光源からの散乱させられた光を測定するように構成された1つ以上の光散乱検出器ユニットと、
プロセッサと非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体とを備えているデータ処理モジュールと
を備え、
前記非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体は、命令を記憶しており、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、
前記1つ以上の光散乱検出器ユニットからのデータに基づいて、前記体液サンプルに関して決定された単球または顆粒球細胞母集団パラメータを分析することと、
少なくとも部分的に前記単球または顆粒球母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することと
を含む方法を実施するように前記プロセッサを構成する、システム。
【請求項2】
前記単球または顆粒球細胞母集団パラメータを分析することは、単球細胞母集団パラメータを分析することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記単球細胞母集団パラメータは、MDWを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記単球または顆粒球細胞母集団パラメータを分析することは、顆粒球細胞母集団パラメータを分析することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記顆粒球細胞母集団パラメータは、EGCを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記顆粒球細胞母集団パラメータは、IG COUNTを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記単球または顆粒球細胞母集団パラメータを分析することは、好中球体積の標準偏差を分析することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記単球または顆粒球細胞母集団パラメータを分析することは、好中球体積およびEGC_LMALS_MEANの標準偏差を分析することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記単球または顆粒球細胞母集団パラメータを分析することは、前記単球または顆粒球細胞母集団パラメータを含む1つ以上の細胞母集団パラメータを閾値と比較することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、前記体液サンプルの細胞の直流(DC)インピーダンスを測定するように構成された電極アセンブリを備えている、請求項1-9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
少なくとも部分的に前記単球または顆粒球母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することは、MIS-Cを査定するために推奨される追加のパラメータとの組み合わせにおいて、前記単球または顆粒球母集団パラメータを評価することを含む、請求項1-10のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
MIS-Cを査定するために推奨される前記追加のパラメータは、全血球数(CBC)、C反応性タンパク(CRP)、赤血球沈降率(ESR)、フィブリノゲン、プロカルシトニン、d-ダイマ、フェリチン、乳酸脱水素酵素(LDH)、インターロイキン6(IL-6)、またはアルブミン、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
少なくとも部分的に前記単球または顆粒球母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することは、単球細胞母集団パラメータと、顆粒球細胞母集団パラメータと、赤血球細胞母集団パラメータとから成る群から選択される少なくとも2つのパラメータを含むパラメータの組み合わせを分析および評価することを含む、請求項1-10のいずれかに記載のシステム。
【請求項14】
前記単球細胞母集団パラメータは、MDW、Mo_DC_SD、Mo_DC_Mean、Mo_All_SD、RE-MONOから成る群から選択されるパラメータであり、
前記顆粒球細胞母集団パラメータは、Ne_DC_Meanと、Egc_Lmals_Meanと、Egc_Mals_Meanと、Ne_Lmals_Meanと、Ne_Mals_Meanと、Ne_All_SDと、Ne_DC_SDと、Ne_All_Meanと、Ne_Lals_SDと、Egc_All_Meanと、Ne_Lmals_SDと、Egc_Op_Meanと、Egc_Umals_SDと、NEUT-GIと、NEUT-RIと、IG COUNTとから成る群から選択されるパラメータであり、
前記赤血球細胞母集団パラメータは、Rbcと、Hgbと、Hctと、NNrbc_Op_SDと、Nretic_Op_Meanと、NrbcAL2Meanと、HYPO-HEと、HYPER-HEと、RET-HEと、NRBCと、MICRORと、MACRORと、FRCとから成る群から選択されるパラメータである、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記パラメータの組み合わせは、リンパ球細胞母集団パラメータを含む、請求項13-14のいずれかに記載のシステム。
【請求項16】
前記リンパ球細胞母集団パラメータは、Ly_DC_SDと、Ly_All_SDと、Ly_All_SDと、Ly_Lmals_SDと、Ly_Mals_SDと、Ly_Lals_SDと、Ly_Op_SDと、RE-LYMPと、AS-LYMPとから成る群から選択される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価する方法であって、前記方法は、
フローセルを通して体液サンプルを流動させることと、
前記体液サンプルに関して1つ以上の細胞母集団パラメータを決定することであって、前記1つ以上の細胞母集団パラメータは、前記体液サンプル中の免疫細胞の変動性に関するパラメータを含む、ことと、
少なくとも部分的に前記1つ以上の細胞母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することと
を含む、方法。
【請求項18】
前記体液サンプル中の免疫細胞の変動性に関する前記パラメータは、NEMOスコアを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記体液サンプル中の免疫細胞の変動性に関する前記パラメータは、MDWを含む、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも部分的に前記1つ以上の細胞母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することは、MDWが閾値を上回るとき、前記体液サンプルが取得された患者がMIS-Cを患っていること、またはそれを発現させているリスクがあることを決定することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
MDWに関する前記閾値は、少なくとも23と少なくとも24とから成る群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも部分的に前記1つ以上の細胞母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することは、前記単球または顆粒球母集団パラメータが閾値を下回っているとき、前記体液サンプルが取得された患者が退院またはデエスカレーションのために適格であることを決定することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記MDWに関する閾値は、最大20と、最大21と、最大22と、最大23と、最大24とから成る群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記閾値は、年齢調節される、請求項20-23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記1つ以上の細胞母集団パラメータは、MDWおよびEGCと、MDWおよびNE_DC_SDと、MDW、NE_DC_SD、およびEGC_LMALS_MEANとから成る群から選択される組み合わせを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
前記体液サンプルは、小児患者から入手される、請求項17-25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価する方法であって、前記方法は、
フローセルを通して体液サンプルを流動させることと、
前記フローセル内の前記体液サンプル中の複数の細胞を照射することと、
前記複数の細胞のうちの個々の細胞からの光散乱を測定することと、
前記光散乱に基づいて前記体液サンプルに関して決定された単球または顆粒球細胞母集団パラメータを分析することと、
少なくとも部分的に前記単球または顆粒球母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することと
を含む、方法。
【請求項28】
前記体液サンプルは、全血である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記単球または顆粒球細胞母集団パラメータを分析することは、単球細胞母集団パラメータを分析することを含む、請求項27または請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記単球細胞母集団パラメータは、MDWを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記単球または顆粒球細胞母集団パラメータを分析することは、顆粒球細胞母集団パラメータを分析することを含む、請求項27または請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記顆粒球細胞母集団パラメータは、EGCを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記顆粒球細胞母集団パラメータは、IG COUNTを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記単球または顆粒球細胞母集団パラメータは、検査指示別に定義される、請求項27-33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記単球または顆粒球細胞母集団パラメータを分析することは、前記単球または顆粒球細胞母集団パラメータを含む1つ以上の細胞母集団パラメータを閾値範囲と比較することを含む、請求項27-34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記方法は、分析に先立って前記サンプルを色素にさらさない、請求項27-35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
前記新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cは、少なくとも1つの細胞母集団パラメータが閾値範囲を超えていることに基づいて疑われる、請求項27-36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
その閾値範囲を超えている前記少なくとも1つの細胞母集団パラメータは、MDWを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
少なくとも部分的に前記単球または顆粒球母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することは、前記単球または顆粒球母集団パラメータが閾値を上回るとき、前記体液サンプルが取得された患者がMIS-Cを患っていること、またはそれを発現させているリスクがあることを決定することを含む、請求項27-38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
前記単球または顆粒球母集団パラメータは、MDWを含み、前記MDWに関する閾値は、少なくとも23と少なくとも24とから成る群から選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
少なくとも部分的に前記単球または顆粒球母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することは、前記単球または顆粒球母集団パラメータが閾値を下回っているとき、前記体液サンプルが取得された患者が退院またはデエスカレーションのために適格であることを決定することを含む、請求項27-38のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
前記単球または顆粒球母集団パラメータは、MDWを含み、前記MDWに関する閾値は、最大20と、最大21と、最大22と、最大23と、最大24とから成る群から選択される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記閾値は、年齢調節される、請求項38-42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
前記体液サンプルは、入院中または非入院中の患者から入手される、請求項27-43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cが、鑑別検査指示に伴ってCBCを用いて自動的に評価される、請求項27-44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
前記体液サンプルは、小児患者から入手される、請求項27-45のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
少なくとも部分的に前記単球または顆粒球母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することは、MIS-Cを査定するために推奨される追加のパラメータとの組み合わせにおいて、前記単球または顆粒球母集団パラメータを評価することを含む、請求項27-46のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
MIS-Cを査定するために推奨される前記追加のパラメータは、全血球数(CBC)、C反応性タンパク(CRP)、赤血球沈降率(ESR)、フィブリノゲン、プロカルシトニン、d-ダイマ、フェリチン、乳酸脱水素酵素(LDH)、インターロイキン6(IL-6)、またはアルブミン、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
少なくとも部分的に前記単球または顆粒球母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することは、単球細胞母集団パラメータと、顆粒球細胞母集団パラメータと、赤血球細胞母集団パラメータとから成る群から選択される少なくとも2つのパラメータを含むパラメータの組み合わせを分析および評価することを含む、請求項27-46のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
前記単球細胞母集団パラメータは、MDW、Mo_DC_SD、Mo_DC_Mean、Mo_All_SD、RE-MONOから成る群から選択されるパラメータであり、
前記顆粒球細胞母集団パラメータは、Ne_DC_Meanと、Egc_Lmals_Meanと、Egc_Mals_Meanと、Ne_Lmals_Meanと、Ne_Mals_Meanと、Ne_All_SDと、Ne_DC_SDと、Ne_All_Meanと、Ne_Lals_SDと、Egc_All_Meanと、Ne_Lmals_SDと、Egc_Op_Meanと、Egc_Umals_SDと、NEUT-GIと、NEUT-RIと、IG COUNTとから成る群から選択されるパラメータであり、
前記赤血球細胞母集団パラメータは、Rbcと、Hgbと、Hctと、NNrbc_Op_SDと、Nretic_Op_Meanと、NrbcAL2Meanと、HYPO-HEと、HYPER-HEと、RET-HEと、NRBCと、MICRORと、MACRORと、FRCとから成る群から選択されるパラメータである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記パラメータの組み合わせは、リンパ球細胞母集団パラメータを含む、請求項49-50のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
前記リンパ球細胞母集団パラメータは、Ly_DC_SDと、Ly_All_SDと、Ly_All_SDと、Ly_Lmals_SDと、Ly_Mals_SDと、Ly_Lals_SDと、Ly_Op_SDと、RE-LYMPと、AS-LYMPとから成る群から選択される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
患者内のMIS-Cを検出またはその重症度を検出する方法であって、前記方法は、
前記患者からのサンプルを提供することと、
前記患者内の細胞母集団パラメータの値を決定することであって、前記細胞母集団パラメータは、単球または顆粒球母集団パラメータを含む、ことと、
前記細胞母集団パラメータの値に基づいて、前記患者がMIS-Cに罹患する増加したリスクを有するかどうかを決定することと
を含む、方法。
【請求項54】
前記患者は、新型コロナウイルスにさらされていたことが既知であるか、または新型コロナウイルスにさらされていることが疑われる、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記患者は、小児患者である、請求項53または54に記載の方法。
【請求項56】
前記細胞母集団パラメータは、MDWを含む、請求項53-55のいずれかに記載の方法。
【請求項57】
前記方法は、前記細胞母集団パラメータを閾値または閾値範囲と比較することをさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記細胞母集団パラメータの値に基づいて、前記患者がMIS-Cに罹患する増加したリスクを有するかどうかを決定することは、前記細胞母集団パラメータが前記閾値を上回っているとき、前記患者がMIS-Cを患っていること、またはそれを発現させているリスクがあることを決定することを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記細胞母集団パラメータは、MDWを含み、前記MDWに関する閾値は、少なくとも23、または少なくとも24である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記細胞母集団パラメータの値に基づいて、前記患者がMIS-Cに罹患する増加したリスクを有するかどうかを決定することは、前記細胞母集団パラメータが前記閾値を下回っているとき、前記患者がデエスカレーションおよび/または退院のために適格であることを決定することを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項61】
前記単球細胞母集団パラメータは、MDWを含み、前記MDWに関する閾値は、最大20、最大21、最大22、最大23、または最大24である、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記閾値または前記閾値範囲は、年齢調節される、請求項57-61のいずれかに記載の方法。
【請求項63】
前記方法は、MIS-Cを査定するために推奨される追加のパラメータを測定することをさらに含む、請求項57-61のいずれかに記載の方法。
【請求項64】
MIS-Cを査定するために推奨される前記追加のパラメータは、全血球数(CBC)、C反応性タンパク(CRP)、赤血球沈降率(ESR)、フィブリノゲン、プロカルシトニン、d-ダイマ、フェリチン、乳酸脱水素酵素(LDH)、インターロイキン6(IL-6)、またはアルブミン、またはそれらの組み合わせを含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記細胞母集団パラメータの値に基づいて、前記患者がMIS-Cに罹患する増加したリスクを有するかどうかを決定することは、単球細胞母集団パラメータと、顆粒球細胞母集団パラメータと、赤血球細胞母集団パラメータとから成る群から選択される少なくとも2つのパラメータを含むパラメータの組み合わせを評価することを含む、請求項53-62のいずれかに記載の方法。
【請求項66】
前記単球細胞母集団パラメータは、MDW、Mo_DC_SD、Mo_DC_Mean、Mo_All_SD、RE-MONOから成る群から選択されるパラメータであり、
前記顆粒球細胞母集団パラメータは、Ne_DC_Meanと、Egc_Lmals_Meanと、Egc_Mals_Meanと、Ne_Lmals_Meanと、Ne_Mals_Meanと、Ne_All_SDと、Ne_DC_SDと、Ne_All_Meanと、Ne_Lals_SDと、Egc_All_Meanと、Ne_Lmals_SDと、Egc_Op_Meanと、Egc_Umals_SDと、NEUT-GIと、NEUT-RIと、IG COUNTとから成る群から選択されるパラメータであり、
前記赤血球細胞母集団パラメータは、Rbcと、Hgbと、Hctと、NNrbc_Op_SDと、Nretic_Op_Meanと、NrbcAL2Meanと、HYPO-HEと、HYPER-HEと、RET-HEと、NRBCと、MICRORと、MACRORと、FRCとから成る群から選択されるパラメータである、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記パラメータの組み合わせは、リンパ球細胞母集団パラメータを含む、請求項65-66のいずれかに記載の方法。
【請求項68】
前記リンパ球細胞母集団パラメータは、Ly_DC_SDと、Ly_All_SDと、Ly_All_SDと、Ly_Lmals_SDと、Ly_Mals_SDと、Ly_Lals_SDと、Ly_Op_SDと、RE-LYMPと、AS-LYMPとから成る群から選択される、請求項67に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年9月25日に米国特許庁において出願され、「Methods for Evaluating MIS-C Associated with COVID-19 in Pediatric Patient」と題された仮特許出願第63/083,519号に関し、その利益を主張する。その出願は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
(政府許諾権)
本発明は、米国保健社会福祉省における準備/対応担当次官補次官補室の生物医学先端研究開発局(BARDA)によって授与された契約番号75A50120C00189の下、国立衛生研究所によって授与された契約番号GM092804の下、国立衛生研究所によって授与された契約番号HD089939の下、および国立衛生研究所によって授与された契約番号HL143183の下で、政府の支援を受けて行われた。政府は、本発明におけるある権利を有する。
【背景技術】
【0003】
新型コロナウイルス感染症の世界的流行の初期において、子供は、この疾患から免れると考えられた。しかしながら、世界中でますます多くの子供が、小児多系統炎症症候群(MIS-C)と呼ばれる稀ではあるが新型コロナウイルス暴露の重症な合併症を発現させていることが、報告された。MIS-C症例の大部分は、新型コロナウイルス感染症発症の高い地理的エリアにおいて報告され、最も多くの症例が、世界的流行の局所的ピークの約3~4週間後に生じる。最初は、過炎症性ショックおよび「川崎病様」の病気として報告されたが、MIS-Cは、毒素性ショック症候群、非定型川崎病、マクロファージ活性化症候群、および心原性ショックおよび敗血性ショックを伴う重複する特徴を有することが観察された。拡張冠状動脈が、冠状動脈瘤および心臓虚脱の希少な発現を患う患者の17~25%において報告されている。大部分のMIS-C患者は、適切な集約的処置で生き延びるが、死亡も、報告されている。MIS-Cの長期的結果は、現在のところ、不明である。
【0004】
MIS-Cを識別することは、厄介である。MIS-Cの一次的症状は、発熱である。しかしながら、発熱はまた、小児科医による評価を促す、最も一般的な症状のうちの1つでもある。現在のCDCガイドラインによって、過去4週間以内のいかなる新型コロナウイルス暴露の設定における発熱も、MIS-Cに関する疑いを促すはずである。しかしながら、潜在的な新型コロナウイルス暴露は、その地域的発散を前提として、ほぼ全世界的なものである。MIS-Cに関して査定するために、全血球数(CBC)と、C反応性タンパク(CRP)と、赤血球沈降率(ESR)と、フィブリノゲンと、プロカルシトニンと、d-ダイマと、フェリチンと、乳酸脱水素酵素(LDH)と、インターロイキン6(IL-6)と、アルブミンとを含む実験室評価が、推奨される。しかしながら、これらの実験室の多くが、例えば、CBCに対する好中球数の上昇、またはCRPの上昇に関して非特異的である。他の実験室検査は、IL-6を含めて、完了するのに時間を要し、したがって、重要となる臨床的意思決定時にはあまり有益ではない。全体として、MIS-Cの査定は、最大24時間を要し、実験室リソースの集約的使用を要求し得る。故に、迅速で有益な検出技術が、必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの側面において、本開示は、小児患者において新型コロナウイルス感染症に関連付けられたMIS-Cを評価するためのシステムに関する。システムは、フローセルを通した複数の細胞を含む液体の流動を伴うフローセルを備え得る。システムは、細胞がフローセルを通過するにつれて、光散乱、光透過、電気インピーダンス、RF伝導率、またはそれらの組み合わせを検出するための1つ以上のセンサを備え得る。システムは、同じまたは関連するタイプの個々の細胞の複数の測定値に基づいて細胞母集団パラメータを計算するためのプロセッサを備え得る。プロセッサは、少なくとも部分的に細胞母集団パラメータのうちの1つ以上のものに基づいて、MIS-Cを評価し得る。
【0006】
いくつかの側面において、フローセルを通して体液サンプルを流動させることと、フローセル内の体液サンプル中の複数の細胞を照射することと、複数の細胞のうちの個々の細胞から光散乱および直流インピーダンスを測定することと、1つ以上の細胞母集団パラメータを分析することと、少なくとも部分的に1つ以上の細胞母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することとを含む方法が、提供され得る。
【0007】
1つ以上の細胞母集団パラメータは、赤血球(RBC)と、好中球(Ne)、初期顆粒球(EGC)、単球、好酸球(Eo)、好塩基球、およびリンパ球(Ly)を含む白血球(WBC)とから成る群から選択される細胞母集団に関連することができる。
【0008】
使用される技術に応じて、パラメータは、変動するであろう。Beckman Coulter製のD×H血液学分析器(限定ではないが、D×H800およびD×H900を含む)では、WBC鑑別サンプルが、フローセルを通して方向づけられ、ダイオードレーザモジュールと、フローセルと、2つの光学センサアセンブリとから構成されたマルチトランスデューサを用いて分析される。細胞のサイズ、形状、および形態を特性評価する少なくとも7回のパラメータ測定が、実施される。7つのパラメータ、すなわち、インピーダンス、高周波、および5つのレーザ光散乱測定値が、フローセルを通過する細胞毎に同時に捕捉される。これらのパラメータは、概して、体積、伝導率、および散乱(VCS)を測定する。
【0009】
加えて、各パラメータ測定値は、4つのパルス形状属性を含む。これらの測定値および時間は、発生した細胞毎に合計で29個の異なる測定値を提供する。インピーダンス測定値(体積)は、3次元細胞サイズのインジケータである。高周波測定値(伝導率)は、細胞密度等、細胞の内部構造に関する情報を提供する。体積および伝導率測定値に加えて、5つの光散乱測定値、すなわち、軸方向光損失(ALLまたはその派生物、例えば、AL2)、低角光散乱(LALS)、下中央角光散乱(LMALS)、上中央角光散乱(UMALS)、および中央角光散乱(MALS)が、各発生した細胞の粒度および小葉性特性を定義する。
【0010】
D×Hシステムは、発生した細胞毎に複数のパラメータを測定するためのデジタル信号処理(DSP)回路網を用いた、高速、高分解能アナログ/デジタル転換を使用する。DSPアルゴリズムは、細胞データをデジタル的に分析し、細胞の解像度および分解能を提供する。鑑別正確度およびフラグ化技術が、追加の光散乱測定値とデータ分析技法を組み合わせ、細胞母集団をさらに定義し、分離することによって取得される。例えば、ある場合、MALSが、数学的変換を通して修正された回転MALS(RMALS)パラメータに変換され、重複を排除し、異なる好中球、リンパ球、単球、および好酸球母集団を生成し、結果の最適な分析および視覚信頼度を可能にし得る。現在の内部および視覚鑑別データ変換は、RMALS(回転MALS)と、不透明度(伝導率-サイズアスペクト)と、SOP(伸展不透明度)と、線形AL2変換とを含む。D×Hシステムは、「VCSパラメータ」を報告する。
【0011】
Abbott、Sysmex、およびMindray製のもの等、他の血液学分析器は、区別クラスタ(CD)システムを使用し、白血球母集団を区別する。CD分子が、多数の方法において作用し、多くの場合、それによって信号カスケードが開始され、細胞の挙動を改変する受容体またはリガンドとしての機能を果たすことができる。いくつかのCDタンパク質は、細胞シグナリングの役割を果たすわけではないが、細胞接着等の他の機能を有する。細胞マーカを識別するために一般的に使用されるCDシステム専門用語は、したがって、細胞が、その表面上に存在する分子に基づいて定義されることを可能にする。ヒトに関して識別される、350超個のCD分子が、存在する。例えば、単球は、CD45+およびCD14を用いて識別されることができる。蛍光標識抗体を使用すると、これらの細胞マーカは、細胞を選別するために使用されることができる。蛍光活性化細胞選別(FACS)は、各細胞の特異的な光散乱および蛍光特性に基づいて、細胞の不均質な混合物を、一度に単一の細胞ずつ、2つ以上のコンテナの中に選別する方法を提供する。蛍光フローサイトメトリ、すなわち、FACSは、標識細胞の細胞組成についての情報も提供し得る。例えば、細胞の密度または複雑性についての情報が、細胞によって散乱させられた光を測定することによって取得され得、細胞サイズおよび内部構造についての情報が、細胞の蛍光信号強度を測定することによって取得され得る。蛍光フローサイトメトリ、すなわち、FACSに基づくシステムは、「FACSパラメータ」を報告する。
【0012】
VCSパラメータおよびFACSパラメータの両方は、当技術分野において説明されている。
図8A-8D、9、および10A-10Cは、本開示に基づいて実装される方法またはシステムにおいて使用され得るVCSパラメータを図示する。同様に、下記の表1は、本開示に基づいて実装される方法またはシステムにおいて使用され得るFACSパラメータを図示する。
【表1】
【0013】
本明細書に説明されるいくつかの方法では、1つ以上の細胞母集団パラメータは、VCSパラメータまたはFACSパラメータであり得る。いくつかの方法では、細胞母集団パラメータは、好ましくは、VCSパラメータであり得る。いくつかの方法では、細胞母集団パラメータは、Ne_DC_Meanと、Egc_Lmals_Meanと、Egc_Mals_Mean(EGC)と、Ne_Lmals_Meanと、Diff_LDW_Valueと、Ly_DC_SDと、Ne_Mals_Meanと、Rbcと、Mo_DC_SDと、MDWと、Mo_DC_Meanと、Ne_All_SDと、Hctと、Ne_DC_SDと、Hgbと、Ne_All_Meanと、Ly_All_SDと、NNrbc_Op_SDと、Eo_All_Meanと、Ly_Lmals_SDと、Ne_Lals_SDと、Mo_All_SDと、Ly_Mals_SDと、Nretic_Op_Meanと、Eo_Lmals_Meanと、Egc_All_Meanと、Ly_Lals_SDと、Ne_Lmals_SDと、Ly_Op_SDと、それらの組み合わせとから成る群から選択されるVCSパラメータであり得る。
【0014】
いくつかの側面において、上で説明されるもの等の方法からの体液サンプルは、全血であり得る。いくつかの側面において、1つ以上の細胞母集団パラメータは、単球分布幅(単球赤血球不同症とも称されるMDW)を含み得る。MDWは、単球母集団の体積分布を表す。いくつかの側面において、1つ以上の細胞母集団パラメータは、検査指示別に定義され得る。いくつかの側面において、1つ以上の細胞母集団パラメータは、閾値または閾値範囲等の閾値と比較され得る。いくつかの側面において、上で説明されるもの等の方法は、分析に先立って体液サンプルを色素にさらさないこともある。いくつかの側面において、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cは、閾値または閾値範囲を超えている(例えば、MDWを含む)少なくとも1つの細胞母集団パラメータに基づいて疑われ得る。いくつかの側面において、上で説明されるもの等の方法では、体液サンプルは、入院中または非入院中の患者から入手され得る。いくつかの側面において、上で説明されるもの等の方法では、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cは、CBC鑑別検査指示に伴って自動的に評価される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本開示の側面による例示的細胞分析プロセスのフローチャートである。
【0016】
【
図2】
図2は、本開示の側面による例示的細胞分析システムの概略図である。
【0017】
【
図3】
図3は、本開示の側面による例示的トランスデューサモジュールおよび関連付けられる構成要素の図である。
【0018】
【
図4】
図4は、本開示の側面による例示的モジュールシステムの単純化されたブロック図である。
【0019】
【
図5】
図5は、MDWとEGC_MALS_MEANの加算された値を示すグラフである。
【0020】
【
図6】
図6は、MDWとNE_DC_SDの加算された値を示すグラフである。
【0021】
【
図7】
図7は、MDWとEGC_LMALS_MEANおよびNE_DC_SDの加算された値を示すグラフである。
【0022】
【
図8A】
図8A-8Dは、例示的VCSパラメータを図示する。
【
図8B】
図8A-8Dは、例示的VCSパラメータを図示する。
【
図8C】
図8A-8Dは、例示的VCSパラメータを図示する。
【
図8D】
図8A-8Dは、例示的VCSパラメータを図示する。
【0023】
【
図9】
図9は、例示的VCSパラメータを図示する。
【0024】
【0025】
【
図11A】
図11A-11Eは、MIS-C決定のためのパタメータを評価する検査における登録者に関するMDW値を図示する。
図11Aは、MDW値が急性新型コロナウイルス感染症と比較してMIS-C患者において有意により高かったことを示す。両方の症例におけるMDW値は、健康な対照におけるものより高かった。
図11Bは、急性新型コロナウイルス感染症を患う患者間で、最高のMDW値が、入院中および/または呼吸支援を受けていた患者におけるものであったことを示す。
図11C-
図11Eは、検査群において、MIS-Cと、新型コロナウイルス感染症と、健康な対照との間に、WBC、リンパ球、および単球数において、いかなる有意な差異も観察されなかったことを示す。
【
図11B】
図11A-11Eは、MIS-C決定のためのパタメータを評価する検査における登録者に関するMDW値を図示する。
図11Aは、MDW値が急性新型コロナウイルス感染症と比較してMIS-C患者において有意により高かったことを示す。両方の症例におけるMDW値は、健康な対照におけるものより高かった。
図11Bは、急性新型コロナウイルス感染症を患う患者間で、最高のMDW値が、入院中および/または呼吸支援を受けていた患者におけるものであったことを示す。
図11C-
図11Eは、検査群において、MIS-Cと、新型コロナウイルス感染症と、健康な対照との間に、WBC、リンパ球、および単球数において、いかなる有意な差異も観察されなかったことを示す。
【
図11C】
図11A-11Eは、MIS-C決定のためのパタメータを評価する検査における登録者に関するMDW値を図示する。
図11Aは、MDW値が急性新型コロナウイルス感染症と比較してMIS-C患者において有意により高かったことを示す。両方の症例におけるMDW値は、健康な対照におけるものより高かった。
図11Bは、急性新型コロナウイルス感染症を患う患者間で、最高のMDW値が、入院中および/または呼吸支援を受けていた患者におけるものであったことを示す。
図11C-
図11Eは、検査群において、MIS-Cと、新型コロナウイルス感染症と、健康な対照との間に、WBC、リンパ球、および単球数において、いかなる有意な差異も観察されなかったことを示す。
【
図11D】
図11A-11Eは、MIS-C決定のためのパタメータを評価する検査における登録者に関するMDW値を図示する。
図11Aは、MDW値が急性新型コロナウイルス感染症と比較してMIS-C患者において有意により高かったことを示す。両方の症例におけるMDW値は、健康な対照におけるものより高かった。
図11Bは、急性新型コロナウイルス感染症を患う患者間で、最高のMDW値が、入院中および/または呼吸支援を受けていた患者におけるものであったことを示す。
図11C-
図11Eは、検査群において、MIS-Cと、新型コロナウイルス感染症と、健康な対照との間に、WBC、リンパ球、および単球数において、いかなる有意な差異も観察されなかったことを示す。
【
図11E】
図11A-11Eは、MIS-C決定のためのパタメータを評価する検査における登録者に関するMDW値を図示する。
図11Aは、MDW値が急性新型コロナウイルス感染症と比較してMIS-C患者において有意により高かったことを示す。両方の症例におけるMDW値は、健康な対照におけるものより高かった。
図11Bは、急性新型コロナウイルス感染症を患う患者間で、最高のMDW値が、入院中および/または呼吸支援を受けていた患者におけるものであったことを示す。
図11C-
図11Eは、検査群において、MIS-Cと、新型コロナウイルス感染症と、健康な対照との間に、WBC、リンパ球、および単球数において、いかなる有意な差異も観察されなかったことを示す。
【0026】
【
図12A】
図12A-12Dは、MIS-C決定のためのパラメータを評価する検査に登録された子供の入院から退院までのパラメータ値を図示する。
図12Aは、MDWが、入院経過の間のMIS-C療法(免疫グロブリンまたはステロイド)の投与に先立って採取された第1のサンプルと、退院時または経過観察受診において採取された第2のサンプルの時間との間に減少したことを示す。MDW値は、入院期間中、入院時の32の平均値から、健康な対照のMDW値に匹敵する退院/経過観察時の17.60の平均値までの持続的減少を示した。
図12Bは、その病気の課程にわたってプロットされるMIS-Cを患う個々の患者からのMDW値を示す。
図12Cは、炎症の汎化マーカであるC反応性タンパク(CRP)の値を示し、これも、患者の病気の課程にわたって減少するが、CRPは、入院期間中には改善することがより緩徐である。
図12Cは、患者の病気の課程にわたる、WBCの値を示し、WBCは、経過観察までの治療課程にわたる疾患の寛解を反映しなかった。
【
図12B】
図12A-12Dは、MIS-C決定のためのパラメータを評価する検査に登録された子供の入院から退院までのパラメータ値を図示する。
図12Aは、MDWが、入院経過の間のMIS-C療法(免疫グロブリンまたはステロイド)の投与に先立って採取された第1のサンプルと、退院時または経過観察受診において採取された第2のサンプルの時間との間に減少したことを示す。MDW値は、入院期間中、入院時の32の平均値から、健康な対照のMDW値に匹敵する退院/経過観察時の17.60の平均値までの持続的減少を示した。
図12Bは、その病気の課程にわたってプロットされるMIS-Cを患う個々の患者からのMDW値を示す。
図12Cは、炎症の汎化マーカであるC反応性タンパク(CRP)の値を示し、これも、患者の病気の課程にわたって減少するが、CRPは、入院期間中には改善することがより緩徐である。
図12Cは、患者の病気の課程にわたる、WBCの値を示し、WBCは、経過観察までの治療課程にわたる疾患の寛解を反映しなかった。
【
図12C】
図12A-12Dは、MIS-C決定のためのパラメータを評価する検査に登録された子供の入院から退院までのパラメータ値を図示する。
図12Aは、MDWが、入院経過の間のMIS-C療法(免疫グロブリンまたはステロイド)の投与に先立って採取された第1のサンプルと、退院時または経過観察受診において採取された第2のサンプルの時間との間に減少したことを示す。MDW値は、入院期間中、入院時の32の平均値から、健康な対照のMDW値に匹敵する退院/経過観察時の17.60の平均値までの持続的減少を示した。
図12Bは、その病気の課程にわたってプロットされるMIS-Cを患う個々の患者からのMDW値を示す。
図12Cは、炎症の汎化マーカであるC反応性タンパク(CRP)の値を示し、これも、患者の病気の課程にわたって減少するが、CRPは、入院期間中には改善することがより緩徐である。
図12Cは、患者の病気の課程にわたる、WBCの値を示し、WBCは、経過観察までの治療課程にわたる疾患の寛解を反映しなかった。
【
図12D】
図12A-12Dは、MIS-C決定のためのパラメータを評価する検査に登録された子供の入院から退院までのパラメータ値を図示する。
図12Aは、MDWが、入院経過の間のMIS-C療法(免疫グロブリンまたはステロイド)の投与に先立って採取された第1のサンプルと、退院時または経過観察受診において採取された第2のサンプルの時間との間に減少したことを示す。MDW値は、入院期間中、入院時の32の平均値から、健康な対照のMDW値に匹敵する退院/経過観察時の17.60の平均値までの持続的減少を示した。
図12Bは、その病気の課程にわたってプロットされるMIS-Cを患う個々の患者からのMDW値を示す。
図12Cは、炎症の汎化マーカであるC反応性タンパク(CRP)の値を示し、これも、患者の病気の課程にわたって減少するが、CRPは、入院期間中には改善することがより緩徐である。
図12Cは、患者の病気の課程にわたる、WBCの値を示し、WBCは、経過観察までの治療課程にわたる疾患の寛解を反映しなかった。
【0027】
【
図13】
図13は、感染症の症状を示す子供の母集団におけるMIS-CのためのMDWバイオマーカに関する受信者動作特性曲線を図示する。
【0028】
【
図14A】
図14A-14Bは、MDWに及ぼす年齢および性別の影響を図示する。
図14Aは、年齢に伴ってわずかに減少する平均MDWスコアを示す。
図14Bは、MDW値が、男性患者と女性患者との間で同等であることを示す。
【
図14B】
図14A-14Bは、MDWに及ぼす年齢および性別の影響を図示する。
図14Aは、年齢に伴ってわずかに減少する平均MDWスコアを示す。
図14Bは、MDW値が、男性患者と女性患者との間で同等であることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書で使用されるように、「患者」は、体液サンプルが取得されるヒトまたは他の動物を指し、「患者」は、研究目的、外来患者(典型的に、医療査定または治療のために、持続時間が1日未満である医療施術者との短時間受診のために訪れる人々または動物)、入院患者(限定ではないが、病院、ホスピス処置施設、リハビリテーション施設等を含む、1日以上の時間にわたって医療処置施設に入院している人々または動物)、また他の対象に適用され得る。いくつかの側面において、患者は、現在、医師、内科医の補助者、看護師、診療看護師、カイロプラクタ、外科医、歯科医等の臨床医の処置下にあり得る。いくつかの側面において、「患者」は、提供から医療査定または治療を受けることなくサンプルを提供し得る。いくつかの側面において、患者は、小児患者であり得る。小児患者は、21歳までの年齢であり得る。いくつかの側面において、小児患者は、月齢1ヶ月から21歳までであり得る。いくつかの側面において、小児患者は、21歳まで、18歳まで、および16歳までの年齢を有する。いくつかの側面において、小児患者は、1歳まで、2歳まで、および3歳までの年齢を有する。
【0030】
細胞分析システムは、細胞を識別、計数、および/または特性評価するための種々の技法を使用し得る。例えば、細胞分析システムは、フローセル内の取り調べ区域を通過する細胞の体積および分量を決定するために電気インピーダンスを使用し得る。別の例として、細胞分析システムは、撮像技術を使用し、細胞の光学表現を捕捉し、(ヒトが理解可能であることも、そうではないこともある、または、ヒトが理解可能な画像への転換に適していることも、そうではないこともある)光学表現を分析し、静止システムまたはフローセルのいずれかの中の取り調べ区域内の細胞のサイズおよび分量を決定し得る。さらに別の例として、細胞分析システムは、フローサイトメトリを使用し、フローセルを通過する細胞を照射し、光が細胞を通過するときのその透過および/または散乱を測定し得る。光散乱は、本質的に、異なる種類、サイズ、または特性の細胞を区別し得るかまたは、細胞は、蛍光マーカ等のマーカを用いて調製され、マーカによってマーキングされた、またはマーキングされていない細胞特徴に基づいて、細胞の識別、定量化、および/または特性評価を促進し得る。
【0031】
細胞分析システムは、これらの技法および/または他の技法の組み合わせを使用し、細胞を計数、識別、および/または特性評価し得る。例えば、細胞分析システムは、電気インピーダンスおよび光散乱の組み合わせを使用し、血液サンプル中の細胞を分析し得る。技法の組み合わせが、使用される場合、技法は、連続的前進(例えば、同じサンプルまたはサンプルのアリコートが、複数の別個の取り調べ区域に通される)、または並列前進(例えば、サンプルの異なるアリコートが、複数の別個の取り調べ区域を通して本質的に同じ時間に通される)においてハードウェア設定を採用し得るか、または、2つ以上の技法が、本質的に同じ時間に採用され得る(例えば、フローセルが、本質的に同じ時間において、同じフローセル内の同じサンプルまたはサンプルのアリコートから電気インピーダンスおよび光散乱の両方を測定するように装備し得る)。この点について、「本質的に同じ時間」は、プロセスが、同じサンプルまたは同じサンプルの異なるアリコートに関して重複する時間間隔において実行されていること意味する。異なる技法が、精密に同じ時間または等しい持続時間の時間間隔において生じるように調整されることは、本発明の実践にとって不可欠ではない。
【0032】
分析のためのサンプルは、細胞を含む任意の生物流体であり得る。生物流体は、例えば、血液等の体液サンプルであり得る。サンプルは、全血であり、例えば、分析のためのフローセルを通した血液の流動を複雑にするであろう血液の凝固を防止するための抗凝固剤の可能な添加を除いて処理または修正されていない血液であり得る。サンプルは、例えば、希釈によって、または濃縮によって処理され得る。いくつかの状況では、サンプルは、尿、滑液、唾液、胆汁、脳脊髄液、羊水、精液、粘液、痰、リンパ液、房水、涙、腟分泌物、胸水、心膜液、腹水等の非血液体液からのものであり得る。血液と同様、非血液体液が、サンプリングされた場合、非血液体液は、例えば、分析のために望ましい細胞濃縮を達成するように処理され得る。全血を評価することの可能な利点は、比較的に多数の細胞が、比較的に少量のサンプル中において分析のために入手可能であることであり得る。非血液体液および/または処理済みの血液を分析することの可能な利点は、通常、異なる体液中で生じる細胞のタイプおよび数の差異のためのある着目細胞の事前隔離および/または細胞の数の低減であり得る。より少ない数の細胞が、例えば、個々の細胞を特性評価するために役立ち得る。
【0033】
いくつかの側面において、フローセルを通過する細胞が、光散乱を使用して分析される。
図1に示されるように、細胞母集団の変動を評価する方法100は、フローセル110を通してサンプルを流動させることを含み得る。フローセルを通して流動するサンプル中の細胞は、可視光等を用いて照射され得る(120)。細胞分析システムは、細胞がフローセル内で照射されているとき、分析器が光の透過および/または散乱を測定すること(130)を可能にする1つ以上のセンサを備え得る。細胞分析システムは、細胞がフローセルを通して流動するにつれて、遠隔プロセッサと通信し、サンプル中の複数の細胞に関する光の透過および/または散乱を収集する(140)ためのプロセッサまたは手段を備え得る。プロセッサは、少なくとも部分的に光の透過および/または散乱に基づいて細胞を識別する(150)ためのアルゴリズムを使用し得る。プロセッサまたは別個のプロセッサは、特定の細胞または特定の細胞型母集団(例えば、単球、好中球、赤血球)に関する光の透過および/または散乱データを分析し得る(160)。分析は、例えば、細胞の体積または光散乱等の特定の測定値に関するおよび/または単球、好中球、または赤血球等の特定の細胞型に関する極値、範囲、標準偏差、分布幅等のパラメータを計算することを含み得る。例えば、細胞分析システムは、無核赤血球(NNRBC)として識別された細胞に関して、光散乱の標準偏差または上中央角光散乱(UMALS)等の特定の角度の光散乱を計算し得る。加えて、細胞分析システムは、血液サンプル中の単球の部分母集団内の細胞体積の標準偏差の計算値である単球分布幅(単球赤血球不同とも称されるMDW)を計算し得る。いくつかの側面において、測定(130)は、マーカを伴いまたは伴わず、単独で、または組み合わせまたは副次的組み合わせにおいて、および光透過および/または、光散乱の測定を伴いまたは伴わず、画像分析、電気インピーダンス、高周波(RF)応答、フローサイトメトリ等の細胞のサイズおよび/または粒度の代替測定を伴い得る。
【0034】
図2は、細胞分析システム200を図式的に描写する。ここに示されるように、システム200は、調製システム210と、トランスデューサモジュール220と、分析システム230とを含む。システム200は、概して、3つのコアシステムブロック(210、220、および230)を参照して説明されるが、当業者は、システム200が、中央制御プロセッサ、ディスプレイシステム、流体システム、温度制御システム、ユーザ安全制御システム等の他のシステム構成要素を含み得ることを容易に理解する。動作時、全血サンプル(WBS)240が、分析のためにシステム200に提供されることができる。いくつかの事例では、WBS240は、システム200の中に吸引される。例示的吸引技法が、当業者に公知である。
【0035】
吸引の後、WBS240が、調製システム210に送達されることができる。調製システム210は、WBS240を受容し、さらなる測定および分析のためにWBS240を調製することに関わる動作を実施することができる。例えば、調製システム210は、トランスデューサモジュール220への提供のためにWBS240を1つ以上の所定のアリコートに分離し得る。いくつかの側面において、調製システム210は、WBS240の組成に対していかなる変更を行わないこともある。代替として、調製システム210は、適切な試薬が、アリコートのうちの1つ以上のものに添加され得るような、混合チャンバを含み得る。例えば、アリコートが、白血球部分集合母集団の区別のために検査されるべきである場合、溶解試薬(例えば、赤血球溶解緩衝液である、ERYTHROLYSE)が、RBCを粉砕し、除去するためにアリコートに添加され得る。調製システム210はまた、試薬および/または混合チャンバの温度を制御するための温度制御構成要素を含み得る。適切な温度制御は、調製システム210の動作の一貫性を改良することができ、例えば、蛍光マーカ、染色、または溶解を用いたサンプル中の細胞の事前処置を促進し得る。
【0036】
いくつかの事例では、1つ以上の所定のアリコートが、調製システム210からトランスデューサモジュール220に移送されることができる。下記にさらに詳細に説明されるように、トランスデューサモジュール220は、それを通して個々に通過するWBS240からの細胞の光透過および/または光散乱測定を実施することができる。測定された光伝搬(例えば、光透過、光散乱)パラメータは、データ処理のために分析システム230に提供または伝送されることができる。いくつかの事例では、分析システム230は、測定されたパラメータを評価し、血液細胞成分のうちの少なくとも1つを識別および列挙し、アリコート内の1つ以上の細胞母集団に関する細胞母集団パラメータを計算し得る本明細書では
図4に描写されるシステムを参照して説明され、下記にさらに説明されるそれら等のコンピュータ処理特徴および/または1つ以上のモジュールまたは構成要素を含み得る。
【0037】
図2に示されるように、細胞分析システム200は、アリコート内の1つ以上の細胞母集団に関する測定値および/または計算されたパラメータ、例えば、単球体積分布幅、好中球体積分布幅、未熟顆粒球の数または割合、および/またはNNRBCに関するUMALS測定値の標準偏差を含む報告250を発生させ得る(または、出力し得る)。いくつかの事例では、トランスデューサモジュール220からの余剰生物学的サンプルが、外部(または、代替として、内部)廃棄システム260に方向づけられることができる。例示的細胞分析システムは、直流インピーダンスを測定し、細胞質の粒度および核構造に関して細胞体積および伝導率および光散乱を決定するBeckman Coulter D×H血液学分析器である。
【0038】
図3は、トランスデューサモジュールおよび関連付けられる構成要素をより詳細に図示する。ここに示されるように、システム300は、ビーム314を放出する、レーザ312等の光源または照射源を有するトランスデューサモジュール310を含む。レーザ312は、例えば、635nm、5mWの固体レーザであることができる。いくつかの事例では、システム300は、結果として生じるビーム322が、フローセル330の細胞取り調べ区域332に集束させられ、位置付けられるようにビーム314を調節する焦点位置合わせシステム320を含み得る。いくつかの事例では、フローセル330は、調製システム302からサンプルアリコートを受け取る。種々の流体機構および技法が、フローセル330内でのサンプルアリコートの流体力学的焦点合わせのために採用されることができる。
【0039】
いくつかの事例では、アリコートは、概して、その成分が細胞取り調べ区域332を一度に1つずつ通過するように、細胞取り調べ区域332を通して流動する。ある場合、システム300は、米国特許第5,125,737号、第6,228,652号、第7,390,662号、第8,094,299号、第8,189,187号、および第9,939,453号(その内容は、あらゆる目的のために、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるもの等のトランスデューサモジュールまたは血液分析器具の細胞取り調べ区域または他の特徴を含み得る。例えば、細胞取り調べ区域332は、約50×50ミクロンの正方形の横断面、約65ミクロンの(流動の方向に測定される)長さを有することによって画定され得る。フローセル330は、細胞取り調べ区域332を通過する細胞のDCインピーダンスおよび/またはRF伝導率測定を実施するための第1および第2の電極334、336を有する電極アセンブリを含み得る。
【0040】
電極334、336からの信号が、分析システム304に伝送されることができる。電極アセンブリは、それぞれ、低周波数電流および高周波数電流を使用して、細胞の体積および伝導率特性を分析することができる。例えば、低周波数DCインピーダンス測定が、細胞取り調べ区域を通過する各個々の細胞の体積を分析するために使用されることができる。高周波数RF電流測定が、細胞取り調べ区域を通過する細胞の伝導率を決定するために使用されることができる。細胞壁が、高周波数電流に対する導体としての機能を果たすので、高周波数電流は、電流が細胞壁を通して、および各細胞内部を通過するにつれて、細胞成分の絶縁性質の差異を検出するために使用されることができる。高周波数電流は、核および顆粒状成分および細胞内部の化学組成を特性評価するために使用されることができる。
【0041】
図3の光源は、レーザとして説明されているが、しかしながら、光源は、代替として、または加えて、同じまたは異なる種類のランプ(例えば、複数のLEDランプまたは少なくとも1つのLEDランプおよび少なくとも1つのキセノンランプ)の組み合わせを含むキセノンランプ、LEDランプ、白熱灯、または任意の他の好適な光源を含み得る。
図3に示されるように、例えば、入射ビーム322が、細胞取り調べ区域332を通過する細胞を照射し、区域332から発出する角度範囲α内の光伝搬(例えば、散乱、透過)をもたらす。例示的システムは、減衰または軸方向光損失測定に関連付けられた光を含む角度範囲α内の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれを上回る角度範囲内の光を検出し得るセンサアセンブリを装備する。
【0042】
図3に示されるように、光伝搬340は、随意に、光散乱検出器ユニット350Aと、光散乱および/または透過検出器ユニット350Bとを有する光検出アセンブリ350によって検出されることができる。いくつかの事例では、光散乱検出器ユニット350Aは、上中央角光散乱(UMALS)、例えば、光ビーム軸に対して約20~約42度の範囲内の角度に散乱または別様に伝搬される光を検出および測定するための光活性領域またはセンサ区域を含む。いくつかの事例では、UMALSは、取り調べ区域を通して流動する細胞を照射する入射ビーム軸に対して約20~約43度の角度範囲内で伝搬される光に対応する。光散乱検出器ユニット350Aは、下中央角光散乱(LMALS)、例えば、光ビーム軸に対して約10~約20度の範囲内の角度に散乱または別様に伝搬される光を検出および測定するための光活性領域またはセンサ区域も含み得る。いくつかの事例では、LMALSは、取り調べ区域を通して流動する細胞を照射する入射ビーム軸に対して約9~約19度の角度範囲内で伝搬される光に対応する。
【0043】
UMALSおよびLMALSの組み合わせは、取り調べ区域を通して流動する細胞を照射する入射ビーム軸に対して約9度~約43度の角度における光散乱または伝搬であり得る中央角光散乱(MALS)として定義される。当業者は、これらの角度(および、本明細書に説明される他の角度)が、取り調べ、感知、および分析システムの構成に基づいて若干変動し得ることを理解するであろう。
【0044】
図3に示されるように、光散乱検出器ユニット350Aは、低角光散乱または伝搬340が光散乱検出器ユニット350Aを越えて通過し、それによって、光散乱および透過検出器ユニット350Bに到達し、それによって検出されることを可能にする開口部351を含み得る。いくつかの実施形態によると、光散乱および透過検出器ユニット350Bは、低角光散乱(LALS)、例えば、照射光ビーム軸に対して約5.1度未満の角度で散乱または伝搬される光を検出および測定するための光活性領域またはセンサ区域を含み得る。いくつかの事例では、LALSは、取り調べ区域を通して流動する細胞を照射する入射ビーム軸に対して約9度未満の角度で伝搬される光に対応する。いくつかの事例では、LALSは、取り調べ区域を通して流動する細胞を照射する入射ビーム軸に対して約10度未満の角度で伝搬される光に対応する。いくつかの事例では、LALSは、取り調べ区域を通して流動する細胞を照射する入射ビーム軸に対して約1.9度±0.5度の角度で伝搬される光に対応する。いくつかの事例では、LALSは、取り調べ区域を通して流動する細胞を照射する入射ビーム軸に対して約3.0度±0.5度の角度で伝搬される光に対応する。いくつかの事例では、LALSは、取り調べ区域を通して流動する細胞を照射する入射ビーム軸に対して約3.7度±0.5度の角度で伝搬される光に対応する。いくつかの事例では、LALSは、取り調べ区域を通して流動する細胞を照射する入射ビーム軸に対して約5.1度±0.5度の角度で伝搬される光に対応する。いくつかの事例では、LALSは、取り調べ区域を通して流動する細胞を照射する入射ビーム軸に対して約7.0度±0.5度の角度で伝搬される光に対応する。各事例において、LALSは、約1.0度以上の角度で伝搬される光に対応し得る。すなわち、LALSは、約1.0度~約1.9度、約1.0度~約3.0度、約1.0度~約3.7度、約1.0度~約5.1度、約1.0度~約7.0度、約1.0度~約9.0度、または約1.0度~約10.0度の角度で伝搬される光に対応し得る。
【0045】
いくつかの実施形態によると、光散乱および透過検出器ユニット350Bは、入射光ビーム軸に対して約0度の角度で細胞を通して軸方向に透過される、または照射された細胞から伝搬された光を検出および測定するための光活性領域またはセンサ区域を含み得る。ある場合、光活性領域またはセンサ区域は、入射光ビーム軸に対して約1度未満の角度で細胞から軸方向に伝搬された光を検出および測定し得る。ある場合、光活性領域またはセンサ区域は、入射光ビーム軸に対して約0.5度未満の角度で細胞から軸方向に伝搬される光を検出および測定し得る。そのような軸方向に透過または伝搬された光測定値は、軸方向光損失(ALLまたはその派生物、例えば、AL2)に対応する。以前に組み込まれた米国特許第7,390,662号に記載されるように、光が、粒子と相互作用すると、入射光の一部が、散乱プロセス(すなわち、光散乱)を通して方向を変化させ、光の一部が、粒子によって吸光される。これらのプロセスの両方は、入射ビームからエネルギーを除去する。ビームの入射軸に沿って視認されると、光損失は、前方消光または軸方向光損失と称されることができる。軸方向光損失測定技法の追加の側面が、米国特許第7,390,662号の第5列の58行目から第6列の4行目に説明される。
【0046】
したがって、細胞分析システム300は、生物学的サンプルの照射された細胞から、種々の角度のうちのいずれか、またはALLおよび複数の明確に異なる光散乱または伝搬角を含む種々の角度範囲のうちのいずれかの範囲内で発出する光に関する光散乱および/または光透過を含む光伝搬測定値を取得するための手段を提供する。例えば、適切な回路網および/または処理ユニットを含む光検出アセンブリ350は、UMALS、LMALS、LALS、MALS、およびALLを検出および測定するための手段を提供する。
【0047】
有線または他の伝送または接続性機構が、処理のために、電極アセンブリ(例えば、電極334、336)、光散乱検出器ユニット350A、および/または光散乱および透過検出器ユニット350Bから分析システム304に信号を伝送することができる。例えば、測定されたDCインピーダンス、RF伝導率、光透過、および/または光散乱パラメータが、データ処理のために分析システム304に提供または伝送されることができる。いくつかの事例では、分析システム304は、本明細書では、測定されたパラメータを評価し、生物学的サンプル成分を識別および列挙し、生物学的サンプルの要素を特性評価するデータの一部を1つ以上の着目特徴またはパラメータと相関させ得る
図4に描写されるシステムを参照して説明されるもの等のコンピュータ処理特徴および/または1つ以上のモジュールまたは構成要素を含み得る。
【0048】
図3に示されるように、細胞分析システム300は、NNRBCに関するWBC、MDW、またはUMALS平均値等の、サンプルに関して行われた測定値またはそれに関して計算されたパラメータを提供する報告306を発生または出力し得る。いくつかの事例では、トランスデューサモジュール310からの余剰生物学的サンプルが、外部(または、代替として、内部)廃棄システム308に方向づけられることができる。いくつかの事例では、細胞分析システム300は、米国特許第5,125,737号、第6,228,652号、第8,094,299号、第8,189,187号、および第9,939,453号(そのそれぞれは、その全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるもの等のトランスデューサモジュールまたは血液分析器具の1つ以上の特徴を含み得る。
【0049】
図4は、モジュールシステム600の個々のシステム要素が、分離された様式、またはより統合された様式において実装され得る方法を広義に図示する例示的モジュールシステムの単純化されたブロック図である。モジュールシステム600は、細胞分析システム200の一部である、またはそれとの接続性を有し得る。モジュールシステム600は、データを生産する、または細胞分析に関連する入力を受信するために非常に好適である。いくつかの事例では、モジュールシステム600は、1つ以上のプロセッサ604、ユーザインターフェース入力デバイス等の1つ以上の入力デバイス606、および/またはユーザインターフェース出力デバイス等の1つ以上の出力デバイス608を含むバスサブシステム602を介して電気的に結合されたハードウェア要素を含む。いくつかの事例では、システム600は、診断システム642から信号を受信する、および/またはそれに信号を伝送し得るネットワークインターフェース610および/または診断システムインターフェース640を含む。いくつかの事例では、システム600は、例えば、本明細書に開示される技法の1つ以上の側面を実装するように構成されたプログラム等、ここでは現在、メモリ614の作業メモリ612、オペレーティングシステム616、および/または他のコード618内に位置するように示される、ソフトウェア要素を含む。メモリ614は、非一過性である、および/またはハードウェア等の有形媒体に具現化され得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、モジュールシステム600は、本明細書に開示される種々の技法の機能性を提供する基本プログラミングおよびデータ構築物を記憶し得る記憶サブシステム620を含み得る。例えば、本明細書に説明されるような方法側面の機能性を実装するソフトウェアモジュールが、記憶サブシステム620内に記憶され得る。これらのソフトウェアモジュールは、1つ以上のプロセッサ604によって実行され得る。分散環境では、ソフトウェアモジュールは、複数のコンピュータシステム上に記憶され、複数のコンピュータシステムのプロセッサによって実行され得る。記憶サブシステム620は、メモリサブシステム622と、ファイル記憶サブシステム628とを含むことができる。メモリサブシステム622は、プログラム実行の間の命令およびデータの記憶のためのメインランダムアクセスメモリ(RAM)626と、固定命令が記憶される、読み取り専用メモリ(ROM)624とを含む、いくつかのメモリを含み得る。ファイル記憶サブシステム628は、プログラムおよびデータファイルのための永続的(不揮発性)記憶装置を提供することができ、随意に、患者、治療、査定、または他のデータを具現化し得る有形記憶媒体を含み得る。ファイル記憶サブシステム628は、ハードディスクドライブ、関連付けられるリムーバブル媒体に加えて、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、コンパクトデジタル読み取り専用メモリ(CD-ROM)ドライブ、光学式ドライブ、DVD、CD-R、CD RW、固体リムーバブルメモリ、他のリムーバブル媒体カートリッジまたはディスク等を含み得る。ドライブの1つ以上のものまたは全ては、モジュールシステム600に結合される他の敷地における他の接続されたコンピュータ上の遠隔場所に位置し得る。いくつかの事例では、システムは、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、本明細書に開示される技法または方法のうちのいずれかの側面を実施させ得る命令の1つ以上のシーケンスを記憶する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体または他の有形記憶媒体を含み得る。本明細書に開示される技法の機能性を実装する1つ以上のモジュールが、ファイル記憶サブシステム628によって記憶され得る。いくつかの実施形態では、ソフトウェアまたはコードは、モジュールシステム600が、通信ネットワーク630と通信することを可能にするためのプロトコルを提供するであろう。随意に、そのような通信は、ダイヤルアップまたはインターネット接続通信を含み得る。
【0051】
システム600は、本開示の方法の種々の側面を行うように構成されることができる。例えば、プロセッサ構成要素またはモジュール604は、センサ入力デバイスまたはモジュール632から、ユーザインターフェース入力デバイスまたはモジュール606から、および/または診断システム642から、随意に、診断システムインターフェース640および/またはネットワークインターフェース610および通信ネットワーク630を介して細胞パラメータ信号を受信するように構成されたマイクロプロセッサ制御モジュールであることができる。いくつかの事例では、センサ入力デバイスは、Beckman Coulter D×HTM血液学分析器におけるもの等、複数の光角度検出パラメータを取得するように装備する細胞分析システムを含み得るか、または、その一部であり得る。いくつかの事例では、ユーザインターフェース入力デバイス606および/またはネットワークインターフェース610は、Beckman Coulter D×HTM血液学分析器等、複数の光角度検出パラメータを取得するように装備する、細胞分析システムによって発生させられた細胞パラメータ信号を受信するように構成され得る。いくつかの事例では、診断システム642は、Beckman Coulter D×HTM血液学分析器等、複数の光角度検出パラメータを取得するように装備する、細胞分析システムを含むか、または、その一部であり得る。
【0052】
プロセッサ構成要素またはモジュール604は、随意に、センサ出力デバイスまたはモジュール636、ユーザインターフェース出力デバイスまたはモジュール608、ネットワークインターフェースデバイスまたはモジュール610、診断システムインターフェース640、またはそれらの任意の組み合わせに本明細書に開示されるまたは当業者に公知であるか技法のうちのいずれかに従って処理される細胞パラメータ信号を伝送するようにも構成されることができる。本開示の実施形態によるデバイスまたはモジュールの各々は、プロセッサ、またはハードウェアモジュール、またはそれらの任意の組み合わせによって処理される1つ以上のソフトウェアモジュールをコンピュータ読み取り可能な媒体に含むことができる。種々の一般的に使用されるプログラミング言語のいずれかにに加えて、Windows(登録商標)、MacIntosh、Unix(登録商標)等の種々の一般的に使用されるプラットフォームのうちのいずれも、本開示の実施形態を実装するために使用され得る。
【0053】
ユーザインターフェース入力デバイス606は、例えば、タッチパッド、キーボード、マウス、トラックボール等のポインティングデバイス、グラフィックスタブレット、スキャナ、ジョイスティック、ディスプレイに組み込まれるタッチスクリーン、音声認識システム、マイクロホン等のオーディオ入力デバイス、および他のタイプの入力デバイスを含み得る。ユーザ入力デバイス606は、有形記憶媒体または通信ネットワーク630からもコンピュータ実行可能コードをダウンロードし得、コードは、本明細書に開示される方法またはその側面のうちのいずれかを具現化する。端末ソフトウェアが、随時、更新され、適宜、端末にダウンロードされ得ることを理解されたい。一般に、用語「入力デバイス」の使用は、モジュールシステム600の中に情報を入力するための種々の従来および専用のデバイスおよび方法を含むことを意図する。
【0054】
ユーザインターフェース出力デバイス606は、例えば、ディスプレイサブシステム、プリンタ、ファクス機械、またはオーディオ出力デバイス等の非視覚的ディスプレイを含み得る。ディスプレイサブシステムは、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)等のフラットパネルデバイス、投影デバイス、または同等物であり得る。ディスプレイサブシステムは、オーディオ出力デバイス等を介して非視覚的ディスプレイも提供し得る。一般に、用語「出力デバイス」の使用は、モジュールシステム600からユーザに情報を出力するための種々の従来および専用のデバイスおよび方法を含むことを意図する。いくつかの事例では、細胞分析システムは、直接、ユーザインターフェース出力デバイスを含まず、代わりに、細胞分析システムからのデータが、初期の転送の後にさらに転送される、そのデバイスまたは複数のデバイスに関連して生じる人間ユーザのためのデータディスプレイを伴うネットワーク、コンピュータプロセッサ、またはコンピュータ読み取り可能な非一過性記憶媒体にデータを転送し得る。データが、ディスプレイを伴わない分析器から転送される場合、転送されるデータは、未加工センサデータ、または処理済みデータ、または未加工データおよび処理済みデータの組み合わせであり得る。
【0055】
バスサブシステム602は、モジュールシステム600の種々の構成要素およびサブシステムを意図または所望されるように互いに通信させるための機構を提供する。モジュールシステム600の種々のサブシステムおよび構成要素は、同じ物理的場所にある必要はないが、分散型ネットワーク内の種々の場所に分散され得る。バスサブシステム602は、単一のバスとして図式的に示されるが、バスサブシステムの代替実施形態は、複数のバスを利用し得る。
【0056】
ネットワークインターフェース610は、外側ネットワーク630または他のデバイスへのインターフェースを提供することができる。外側通信ネットワーク630は、必要または所望に応じて他のシステムとの通信を生じさせるように構成されることができる。それは、したがって、モジュールシステム600から電子パケットを受信し、必要または所望に応じて任意の情報をモジュールシステム600に戻るように伝送することができる。ここに描写されるように、通信ネットワーク630および/または診断システムインターフェース642は、Beckman Coulter D×HTM細胞分析システム等の複数の光角度検出パラメータを取得するように装備する診断システム642に情報を伝送し得るか、またはそれから情報を受信し得る。非限定的な例として、外側通信ネットワーク630は、細胞分析システムと、研究データベースと、実験室情報システム(LIS)と、電子医療記録(EMR)等との間でデータを伝送するために使用され得る。いくつかの事例では、通信は、情報が細胞分析システムから他のシステムに流れる、一方向であり得る。いくつかの事例では、通信は、(具体的な測定が行われるための指示または計算されるべき母集団パラメータ等の)情報が、細胞分析システムに対して遠隔である、または物理的に近接し得る外部システムから細胞分析システムに流れる一方向であり得る。いくつかの事例では、通信は、双方向であり得る。いくつかの事例では、外部システムによって細胞分析システムに通信される情報は、細胞測定の有意性を評価することにおいて有用である、患者情報を含み得る。例えば、血液学的パラメータに関するいくつかの基準範囲は、小児母集団または具体的な患者部分母集団に関して、一般的な成人母集団と比較すると異なり得、細胞分析システムは、さらなる精査のために分析結果にフラグを立てるかどうかを決定するときに患者情報を考慮し得る。
【0057】
システムに内蔵されるそのようなインフラストラクチャ通信リンクを提供することに加えて、通信ネットワークシステム630はまた、インターネット等の他のネットワークへの接続を提供し得、有線、無線、モデム、および/または他のタイプのインターフェース接続を備え得る。
【0058】
実質的な変形例が、具体的な要件に従って使用され得ることが、当業者に明白であろう。例えば、カスタマイズされたハードウェアも、使用され得、および/または、特定の要素が、ハードウェア、(アプレット等のポータブルソフトウェアを含む)ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせの中に実装され得る。さらに、ネットワーク入力/出力デバイス等の他のコンピューティングデバイスへの接続が、採用され得る。モジュール端末システム600自体が、コンピュータ端末、パーソナルコンピュータ、ポータブルコンピュータ、ワークステーション、ネットワークコンピュータ、または任意の他のデータ処理システムを含む種々のタイプであることができる。コンピュータおよびネットワークの常に変化する本質に起因して、
図4に描写されるモジュールシステム600の説明は、本開示の1つ以上の実施形態を例証する目的のために、具体的な例として意図されるにすぎない。
図4に描写されるモジュールシステムより多いまたは少ない構成要素を有する、モジュールシステム600の多くの他の構成も、可能な。モジュールシステム600のモジュールまたは構成要素のうちのいずれか、またはそのようなモジュールまたは構成要素の任意の組み合わせが、本明細書に開示される細胞分析システム実施形態のいずれかと結合、またはそれに統合、またはそれと接続するように別様に構成されることができる。関連して、上記に議論されるハードウェアおよびソフトウェア構成要素のうちのいずれも、他の場所において使用される他の医療査定または治療システムと統合される、またはそれとインターフェースをとるように構成されることができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、モジュールシステム600は、入力モジュールにおいて患者の1つ以上の細胞分析パラメータを受信するように構成されることができる。細胞分析パラメータデータは、未加工センサデータまたは部分的に分析されたセンサデータがさらに、可能性として、同じ患者に関するこれまでの実験室結果、他のタイプの分析器または実験室分析からの実験室結果、患者愁訴、診断履歴、バイタル、または理学的診査所見等の患者についての非実験室データ、またはそれらの組み合わせを含む、追加の情報と併せて処理および/または評価される、査定モジュールに伝送されることができる。WBC、MDW、NNRBC UMALS平均値、および他の細胞母集団パラメータ等の細胞母集団パラメータを含む、細胞分析が、出力モジュールを介してシステムユーザに出力されることができる。
【0060】
トランスデューサモジュール300の分析システム304またはモジュールシステム600の他のコードプログラム618または両方は、トランスデューサモジュール300によって発生させられるセンサデータを処理するための1つ以上のアルゴリズムを備え得る。1つ以上のアルゴリズムは、センサデータを処理し、細胞を識別および計数し得る。例えば、個々の細胞が、細胞のサイズおよびある表面特性の指示を提供する光散乱および/または光透過データに基づいて識別可能であり得る。別の例として、電気インピーダンスも、細胞のサイズの指示を提供し得る。高周波伝導率が、顆粒球および有核細胞対無核細胞を区別することにおいて有用であり得る細胞成分の指示を提供し得る。マーカ、染色、画像分析、または他の測定技法が、例えば、NNRBC、WBC、単球、好中球等として細胞を識別するために使用され得る。アルゴリズムが、フローセルを通した時間または撮像時間によって定義され得るか、または、診査された体液の体積によって定義され得るか、または、両方である取り調べ期間中に所与の細胞型に一貫する信号の数を計数し得る。
【0061】
いくつかの事例では、生産された信号は、連続値または序数値であり、信号の大きさまたは他の特性が、さらに分析され得る。例えば、より高い電気インピーダンス値は、典型的に、より大きい細胞を示し、特定の細胞を識別するために有用であり得る。電気インピーダンス値は、細胞体積とも相関し得、したがって、サンプル中の多くの細胞にわたる信号の大きさも、細胞のその部分母集団についての有益な情報を伝達し得る。例えば、電気インピーダンス値は、細胞の部分母集団が、MIS-Cステータスについての情報を伝達し得るため、単球および単球に関する体積の分布特徴を識別することに役立ち得る。
【0062】
上で説明されるもの等の細胞分析システムを使用して、外来加療新型コロナウイルス陽性および陰性症例、および入院加療新型コロナウイルス陰性症例から入院加療新型コロナウイルス陽性およびMIS-C症例を区別することにおいて、血液学的マーカが識別され、使用され得る。そのようなパラメータの効力を査定する複数の検査が、実施されており、そのうちの2つが、下記に議論される。
【0063】
第1の検査では、特定のマーカおよびマーカの組み合わせが、救急診療部にもたらされた86人の小児科(1~18歳)患者から収集されたデータの検査において識別された。データでは、16例の入院加療新型コロナウイルス症例と、70例の非入院加療新型コロナウイルス症例とが、存在した。16例の入院加療症例のうち、13例が、MIS-Cであり、3例が、入院加療新型コロナウイルス陽性であり、70例の非入院加療症例のうち、8例が、入院加療新型コロナウイルス陰性であり、23例が、外来加療新型コロナウイルス陽性であり、39例が、外来加療新型コロナウイルス陰性であった。このデータは、MIS-Cステータスを決定することにおける190個のマーカの有効性を統計的に分析するために使用された。具体的に、各マーカに関して、曲線下面積(AUC)が、1つの予測器ロジスティック回帰モデルを使用して計算された。加えて、カットオフおよび対応する感度、特異度、PPV、およびNPVが、YoudenのJ統計量、すなわち、二分診断検査の性能を捕捉する統計値を使用して計算された。この分析において識別された、少なくとも80%のAUCを伴う上位29個のマーカが、下記の表2に提供される。
【表2】
【0064】
上記の表(表2)および本書の他所において、(例えば、表2の第1列における)マーカ名称の初期部分は、「Diff_」で始まるマーカを除いて、表2の第2列内で識別される細胞型または特性を指す。さらに、上記の表(表2)および本書の他所において、DCの参照は、体積を指すものとして理解されるべきであり、OPまたはOpの参照は、不透明度を指すものとして理解されるべきであり、UMALSの参照は、上中央角光散乱を指すものとして理解されるべきであり、LMALSまたはLmalsの参照は、下中央角光散乱を指すものとして理解されるべきであり、MALSまたはMalsの参照は、中央角光散乱(例えば、UMALSおよびLMALSの加重和)を指すものとして理解されるべきであり、ALLまたはAllの参照は、軸方向光損失を指すものとして理解されるべきであり、AL2の参照は、光学構成要素内の製造変動を補償するためにスケーリングおよび較正されているALLの派生物を指すものとして理解されるべきであり、LALSまたはlalsの参照は、低角光散乱を指すものとして理解されるべきであり、DWの参照は、分布幅(例えば、単球分布幅(MDW)と、リンパ球分布幅(LDW)とを含む)を指すものとして理解されるべきであり、SDの参照は、標準偏差を指すものとして理解されるべきであり、Meanの参照は、平均を指すものとして理解されるべきである。例えば、Nretic_Op_Meanは、全成熟赤血球(すなわち、網状赤血球ではないもの)に関する平均不透明度を指すものとして理解されるべきである。別の例では、Mo_DC_SDは、単球の体積の標準偏差を指すものとして理解されるべきである。表2および本書の他所において、Diff_LDW_Valueは、リンパ球分布幅(LDW)に関して報告された値として理解されるべきである。いくつかの実装では、これは、MDWパラメータの一部としての対照として、リンパ球分布幅(Diff_LDW_Valueとも称されるLDW)と併用され得る。Rbcは、
図8Aにさらに説明されるように、赤血球数として理解されるべきである。Hctは、
図8Aにさらに説明されるように、ヘマトクリットとして理解されるべきである。Hgbは、
図8Aにさらに説明されるように、ヘモグロビンとして理解されるべきである。
【0065】
上で説明される計算を使用して個々のマーカを分析することに加えて、加算値分析も、他のマーカと併せてMDWの性能を決定するために行われた。
図5に示されるように、この加算値分析は、初期顆粒状細胞の中央角光散乱の平均(Egc_Mals_MeanまたはEGC)との組み合わせにおけるMDWが、約99%のAUCを提供するための診断能力を改良し得ることを示した。加えて、
図6-7に示されるように、他の組み合わせも、例えば、単一の単球または顆粒球細胞母集団パラメータ単独と比較して、より良好な陽性予測値、陰性予測値、または増加したAUCを含む改良された結果を提供し得る。例えば、
図6に示されるように、好中球の体積の標準偏差(Ne_DC_SD)との組み合わせにおけるMDWは、
図7に示されるように、95%のAUCを提供し、好中球の体積の標準偏差(Ne_DC_SD)および初期顆粒状細胞の下中央角光散乱の平均値(ECG_LMALS_MEAN)との組み合わせにおけるMDWは、98%のAUCを提供した。MDWとの組み合わせにおける表2に記載の非MDWパラメータのうちのいずれかの使用が、正確な新型コロナウイルス関連のMIS-C検出を促進するであろうことが考えられる。独立型パラメータとしてのMDWの有効性も、評価され、表2に示されるように、MDWは、他のパラメータと組み合わせられていないときにも、効果的であることが見出された。
【0066】
第2の検査では、持続的発熱を患う、病院に搬送された21歳またはそれより若い699人の子供が、登録され、822個の血液サンプルが、血液学分析器による分析のために収集された。699人の子供のうち、424人の子供が、感染症に関連する症状を呈し、そのうちの46人が、MIS-Cに関する基準を満たし、94人が、急性新型コロナウイルス感染症を患っていた。非感染対照(n=193)および健康な対照(n=90)も、登録された。参加者の平均年齢は、10代(4日から21歳の範囲)であった。性別は、均等に分散された(52%男性、48%女性)。人種別では、参加者は、白人(n=363、52%)、黒人(n=148)、アジア系(n=26)、アメリカ先住民(n=3)、ヒスパニック系(n-217)であった。この検査では、MIS-Cを患う子供が、他の感染症を患う子供、非感染性の病気を患う子供、および健康な対照(それぞれ、平均MDW23.8、19.5、および16.7)より有意に高いMDW(平均31.7)を示すことが見出された。複数の群間の差異が、チューキーの事後分析をともなう一元配置分散分析パラメトリック検査を使用して分析された。差異は、p<0.05に関して統計的に有意であると考えられた。血液パラメータ間の依存度が、ピアソンの相関係数を使用して計算され、相関が、p<0.05に関して有意であると仮定された。受信者動作特性曲線(ROC)が、MIS-Cと他の感染症を示す子供を区別することにおいてMDWの能力に関して計算された。
【0067】
この検査では、受信者動作分類(ROC)分析が、MDWバイオマーカが感染症の症状を示す子供の母集団内でMIS-Cを患う子供を識別する80%の診断正確度を有するであろうことを明らかにした。したがって、子供が新型コロナウイルス感染症の高い地域率の設定内で感染症の非特異的症状を示すとき、この検査は、
図13に示されるように、31を上回るMDWが、MIS-Cを識別することにおける90%の特異度を有するであろうことを示した。代替として、この同じ臨床的状況では、23を下回るMDWは、95%の感度を有するであろう。全体として、感染症の症状を患う子供において、31を上回るMDW値は、MIS-Cを強く示唆するであろう一方、23を下回るMDW値は、鑑別診断からMIS-Cの除外を補助するであろう。
【0068】
第2の検査はさらに、診断または症状に関係なく、年齢が、コホートにわたってMDW値に影響を及ぼすであろうかどうかを査定しようとするためのものであった。以前の研究報告と一貫して、MDW値は、より年齢の高い子供および低年齢の成人と比較して、より年齢の低い子供においてわずかに高く、MDWは、より低年齢の子供において増加することが見出され、2歳未満の子供は、最も高いMDW(平均25.3)を有し、16歳超の子供は、最も低いMDW(平均20.1)を有した。これは、
図14Aおよび14Bに見られ得る。
【0069】
この第2の検査はまた、MDWが、MIS-Cを急性小児新型コロナウイルス感染症と区別するであろうかどうかを査定しようとするためのものでもあった。検査は、MDWが、急性新型コロナウイルス感染症を患う子供と比較して、MIS-Cを患う子供において有意に高いことを見出した。この結果(急性新型コロナウイルス感染症平均23.5、一元配置分散分析、P<0.0001)が、
図11Aに見られ得る。加えて、MDWは、健康な対照と比較して、軽度な小児新型コロナウイルス感染症において増加したことが見出され、より高いMDW値は、入院加療を要求する新型コロナウイルス感染症を患う子供において着目された。これは、MDWが、新型コロナウイルス感染症関連の病気のための疾患重症度マーカとしての役割を果たし得ること示唆する、
図11B(一元配置分散分析、P<0.0001)に見られ得る。この検査では、MIS-Cを患う子供からの平均白血球数または平均単球数を急性新型コロナウイルス感染症を患う子供または健康な対照と比較すると、いかなる差異も、着目されず、MIS-Cを患う子供のみが、軽度のリンパ球減少を示した。これは、
図11C、11D、および11Eに見られ得る。
【0070】
この検査は、MDWが、MIS-Cを識別することにおいて有用であるだけでなく、それが、疾患の寛解を追跡することも補助し得ることをさらに示した。検査では、MDWは、MIS-Cを患う子供において複数の時点において測定され、個々の値が、MIS-C療法(免疫グロブリンまたはステロイド)の投与に先立って、または入院の24時間以内、入院課程中、および追跡時にも経時的にプロットされた。これは、
図12Aに見られ得る。MDWは、入院期間中、入院時の32の平均から、病気の予期された寛解を反映する、健康な対照のMDW値に匹敵する退院/経過観察時の17.60の平均まで有意に低下した。これは、
図12Bに見られ得る。これらの所見は、炎症の汎化マーカ(C反応性タンパク:CRP)と一致したが、CRPは、
図12Cに示されるように、入院経過の間には改善するためによりゆっくりとしている。重要なこととして、CBCに関する典型的パラメータは、臨床的軌跡を反映せず、例えば、WBCは、
図12Dに示されるように、治療課程から経過観察にわたり疾患の寛解を反映するものではなかった。
【0071】
MDW以外にも、この第2の検査は、表3に示されるような追加の細胞母集団パラメータも、MIS-Cを診断すること、および/またはその進展を追跡することにおいて有用であり得ることを示した。
【表3】
【0072】
第1の検査の文脈において前述に記載されるように、マーカの組み合わせも、MIS-Cを検出するためにさらなる検出力を提供するために使用され得る。例えば、表4に記載のマーカの組み合わせは、少なくとも0.99のAUCを有することが見出され、表5に記載のマーカの組み合わせは、少なくとも0.95のAUCを有することが見出された。
【表4】
【表5】
【0073】
一般に、異なるタイプの細胞に関連するパラメータ(例えば、表2および/または3からのパラメータ)の組み合わせが、個々のパラメータのうちのいずれかからの情報よりもMIS-Cを検出することにおいて効果的であり得る情報を提供し得ると考えられる。したがって、以下の群:単球パラメータ(例えば、MDW)、顆粒球パラメータ(例えば、Ne_DC_SD、Egc_Lmals_Mean)、赤血球パラメータ(例えば、Hgb)、リンパ球パラメータ(例えば、Ly_All_SD)、および好酸球パラメータ(例えば、Eo_All_Mean)のうちの2つ以上のものからの1つのパラメータを含む組み合わせが、MIS-Cを検出することにおいて有用であることが予期される。加えて、単球、顆粒球(例えば、好中球)、および赤血球に関連するパラメータの組み合わせが、単球、顆粒球、および赤血球が、骨髄内の共通の前駆細胞を共有するので、MIS-Cを検出することにおいて有用である可能性が高いと考えられる。加えて、リンパ球パラメータはまた、そのような組み合わせにおいて関連のあることが予期され、従って、MDW+Ne_DC_Mean+Rbc+Ly_All_SD等の4つのパラメータの組み合わせが、MIS-Cを検出することにおける使用のために好適であることが予期されるであろうが、他の組み合わせ(例えば、表4および5に示されるもの等のより少ないパラメータとの組み合わせ)も、可能であり、したがって、上記説明は、例証にすぎないものとして理解されるべきであり、限定するものとして扱われるべきではない。
【0074】
上記にさらに説明されるように、種々のパラメータおよびパラメータの組み合わせが、MIS-Cに対処すること(例えば、それを識別または治療することを含む)において使用され得る。例えば、システムは、(例えば、表2または表3に示されるものを含む)細胞母集団パラメータの測定値に基づいて、個々に、または組み合わせにおいてのいずれかで、新型コロナウイルス関連のMIS-Cを迅速に検出および報告するように実装され得る。別の例では、方法は、少なくとも細胞母集団パラメータの測定値に基づいて、単独で、または組み合わせにおいてのいずれかで、患者内のMIS-Cを検出することまたはMIS-Cの重症度を検出することを含み得る。MIS-Cは、好ましくは、新型コロナウイルス関連のMIS-Cであり得る。いくつかの側面において、細胞母集団パラメータは、好ましくは、単独で、または1つ以上の追加の細胞母集団パラメータとの組み合わせにおいてのいずれかで、MDWを含む。いくつかの側面において、患者内のMIS-Cを検出する、またはMIS-Cの重症度を検出する方法は、全血球数(CBC)、C反応性タンパク(CRP)、赤血球沈降率(ESR)、フィブリノゲン、プロカルシトニン、d-ダイマ、フェリチン、乳酸脱水素酵素(LDH)、インターロイキン6(IL-6)、およびアルブミン等の、MIS-Cを査定するために推奨される、追加のパラメータを査定することをさらに含み得る。
【0075】
いくつかの側面において、本明細書に説明される細胞母集団パラメータのうちの1つまたはそれらの細胞母集団パラメータの組み合わせが、閾値を上回る場合、これは、MIS-Cを示すものとして扱われ得る。閾値は、当業者によって、診査されている具体的な患者母集団に関して決定され得る。いくつかの側面において、閾値は、表2に記載のYoudenカットオフを含み得る。いくつかの側面において、例えば、患者が小児患者であるとき、MDWに関する閾値が少なくとも23または少なくとも24であり得ることを含む。いくつかの側面において、MDWに関する閾値は、第2の検査において説明されるように、MIS-Cを示す値である、少なくとも24であり得る。いくつかの側面において、例えば、患者が小児患者であるとき、MDWに関する閾値が最高31であり得ることを含む。いくつかの側面において、MDWに関する閾値は、年齢調節され得る。例えば、患者が、1歳まで、2歳まで、または3歳までの小児患者であるとき、MDWに関する閾値または閾値範囲は、年齢調節され得る。
【0076】
いくつかの側面において、表2または表3に示されるものを含む細胞母集団パラメータは、MIS-C症例の治療のタイミングおよび/または投与を決定することにおいて使用され得る。例えば、MDW値は、MIS-Cに関連付けられたある合併症に関するリスクを決定すること、および/または特定の療法が適切である患者を選択することの補助として使用され得る。適切な療法が、患者の内科医によって、MDW値に応じて選択され得、例示的療法は、体外式膜型人工肺(ECMO)、免疫グロブリン静注(IVIG)、ステロイド、および昇圧剤を含み得る。別の例では、MDW値、特に、低下するMDW値が、治療の有効性を評価することにおいて使用され得る。例えば、治療が、低下するMDW値に基づいて有効であると決定されると、臨床医は、入院加療MIS-C症例者が、適切にデエスカレーションおよび/または退院され得るときをより正確に決定することが可能となり得る。患者がデエスカレーションおよび/または退院され得るときを決定するための閾値は、当業者によって、診査されている具体的な患者母集団に関して決定され得る。例えば、患者がデエスカレーションおよび/または退院され得るときを決定するための閾値は、正常な母集団における細胞母集団パラメータの平均値によって決定され得る。いくつかの側面において、例えば、患者が小児患者であるとき、デエスカレーションおよび/または退院のためのMDWの閾値が最大20、最大21、最大22、最大23、または最大24であり得ることを含む。例えば、いくつかの側面において、デエスカレーションおよび/または退院のためのMDWの閾値は、
図12Aに示されるように、最大20であり得る。いくつかの側面において、デエスカレーションおよび/または退院のためのMDWの閾値は、第2の検査において説明されるように、MIS-Cを示す値である最大24であり得る。いくつかの側面において、患者がデエスカレーションおよび/または退院され得るときのためのMDWに関する閾値は、年齢調節され得る。例えば、患者が、最大1歳、最大2歳、または最大3歳の小児患者であるとき、MDWの閾値または閾値範囲は、年齢調節され得る。
【0077】
当業者は、説明される方法、システム、およびパラメータが、開示される技術の可能な実装を全て包括的に説明することを意図していないことを理解するであろう。例えば、開示される技法は、ほぼ天然状態にある血液のサンプルに対して分析を実施するシステムを使用して実装され得るが、血液学的パラメータを使用してMIS-Cを決定する、説明されるアプローチは、それらのサンプルに対して蛍光染色または類似の治療を使用する分析器についても有用であり得る。同様に、血液学的パラメータを使用してMIS-Cを決定する説明されるアプローチはまた、MDWのように、免疫細胞母集団内の変動を反映し得るパラメータ等の他のパラメータを使用して実施するときにも有用であり得る。例示的な他のパラメータは、Urrechaga,et. al.による、Role of Leucocytes Cell Population Data in Early Detection of Sepsis,J. Clin. Pathol. 2017; 71:259-266(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明される、NEMOスコア、または、Nigro et al.による、Performance of an automated immature granulocyte count as a predictor of neonatal sepsis,Am J Clin Path. 123:618-624,2005(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるように取得されたものを含む未熟顆粒球(IG)数を含む。同様に、任意の所与の細胞母集団パラメータに関して本明細書に述べられる閾値は、細胞を測定または観察するために使用される方法、および測定を行うために使用される具体的なハードウェア(例えば、光源、感知ハードウェア)に基づいて変動し得る。
【0078】
以下の例は、本明細書における教示が組み合わせられ得る(または、適用され得る)種々の非包括的な方法に関する。以下の例が、本願または本願の後続の出願において随時提供され得る任意の請求項の範囲を制限することを意図していないことを理解されたい。いかなる免責事項も、意図していない。以下の例は、単に例証的目的ために提供されているにすぎない。本明細書における種々の教示が、多数の他の方法において配列および適用され得ることが想定される。いくつかの変形例が、下記の例において参照されるある特徴を省略し得ることも、想定される。したがって、下記に参照される側面または特徴のいずれも、本発明者によって、または本発明者の権利承継人によって、後日そのように別様に明示的に示されない限り、重要となると見なされるべきではない。本願または本願に関連する後続の出願において、下記に参照されるもの以外の追加の特徴を含む任意の請求項が、提供される場合、それらの追加の特徴は、特許性に関連するいかなる理由のためにも追加されていると想定されないものとする。
【0079】
(実施例1)
【0080】
新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価するための自動化システムであって、システムは、体液サンプルの細胞を照射するように構成された光源と、体液サンプル中の細胞によって散乱させられた光源からの散乱させられた光を測定するように構成された1つ以上の光散乱検出器ユニットと、プロセッサと非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体とを備えているデータ処理モジュールであって、非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体は、命令を記憶しており、命令は、プロセッサによって実行されると、電極アセンブリおよび1つ以上の光散乱検出器ユニットからのデータに基づいて、体液サンプルに関して決定された単球または顆粒球細胞母集団パラメータを分析することと、少なくとも部分的に単球または顆粒球母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することとを含む方法を実施するようにプロセッサを構成する、データ処理モジュールとを備えている、システム。
【0081】
(実施例2)
【0082】
単球または顆粒球細胞母集団パラメータを分析することは、単球細胞母集団パラメータを分析することを含む、実施例1に記載のシステム。
【0083】
(実施例3)
【0084】
単球細胞母集団パラメータは、MDWを含む、実施例2に記載のシステム。
【0085】
(実施例4)
【0086】
単球または顆粒球細胞母集団パラメータを分析することは、顆粒球細胞母集団パラメータを分析することを含む、実施例1に記載のシステム。
【0087】
(実施例5)
【0088】
顆粒球細胞母集団パラメータは、EGCを含む、実施例4に記載のシステム。
【0089】
(実施例6)
【0090】
顆粒球細胞母集団パラメータは、IG COUNTを含む、実施例4に記載のシステム。
【0091】
(実施例7)
【0092】
単球または顆粒球細胞母集団パラメータを分析することは、好中球体積の標準偏差を分析することを含む、実施例1に記載のシステム。
【0093】
(実施例8)
【0094】
単球または顆粒球細胞母集団パラメータを分析することは、好中球体積およびEGC_LMALS_MEANの標準偏差を分析することを含む、実施例1に記載のシステム。
【0095】
(実施例9)
【0096】
単球または顆粒球細胞母集団パラメータを分析することは、単球または顆粒球細胞母集団パラメータを含む1つ以上の細胞母集団パラメータを閾値と比較することを含む、実施例1に記載のシステム。
【0097】
(実施例10)
【0098】
システムは、体液サンプルの細胞の直流(DC)インピーダンスを測定するように構成された電極アセンブリを備えている、実施例1-9のいずれかに記載のシステム。
【0099】
(実施例11)
【0100】
少なくとも部分的に単球または顆粒球母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することは、MIS-Cを査定するために推奨される追加のパラメータとの組み合わせにおいて、単球または顆粒球母集団パラメータを評価することを含む、実施例1-10のいずれかに記載のシステム。
【0101】
(実施例12)
【0102】
MIS-Cを査定するために推奨される追加のパラメータは、全血球数(CBC)、C反応性タンパク(CRP)、赤血球沈降率(ESR)、フィブリノゲン、プロカルシトニン、d-ダイマ、フェリチン、乳酸脱水素酵素(LDH)、インターロイキン6(IL-6)、またはアルブミン、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、実施例11に記載のシステム。
【0103】
(実施例13)
【0104】
少なくとも部分的に単球または顆粒球母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することは、単球細胞母集団パラメータと、顆粒球細胞母集団パラメータと、赤血球細胞母集団パラメータとから成る群から選択される少なくとも2つのパラメータを含むパラメータの組み合わせを分析および評価することを含む、実施例1-10のいずれかに記載のシステム。
【0105】
(実施例14)
【0106】
単球細胞母集団パラメータは、MDW、Mo_DC_SD、Mo_DC_Mean、Mo_All_SD、RE-MONOから成る群から選択されるパラメータであり、顆粒球細胞母集団パラメータは、Ne_DC_Meanと、Egc_Lmals_Meanと、Egc_Mals_Meanと、Ne_Lmals_Meanと、Ne_Mals_Meanと、Ne_All_SDと、Ne_DC_SDと、Ne_All_Meanと、Ne_Lals_SDと、Egc_All_Meanと、Ne_Lmals_SDと、Egc_Op_Meanと、Egc_Umals_SDと、NEUT-GIと、NEUT-RIと、IG COUNTとから成る群から選択されるパラメータであり、赤血球細胞母集団パラメータは、Rbcと、Hgbと、Hctと、NNrbc_Op_SDと、Nretic_Op_Meanと、NrbcAL2Meanと、HYPO-HEと、HYPER-HEと、RET-HEと、NRBCと、MICRORと、MACRORと、FRCとから成る群から選択されるパラメータである、実施例13に記載のシステム。
【0107】
(実施例15)
【0108】
パラメータの組み合わせは、リンパ球細胞母集団パラメータを含む、実施例13-14のいずれかに記載のシステム。
【0109】
(実施例16)
【0110】
リンパ球細胞母集団パラメータは、Ly_DC_SDと、Ly_All_SDと、Ly_All_SDと、Ly_Lmals_SDと、Ly_Mals_SDと、Ly_Lals_SDと、Ly_Op_SDと、RE-LYMPと、AS-LYMPとから成る群から選択される、実施例15に記載のシステム。
【0111】
(実施例17)
【0112】
新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価する方法であって、方法は、フローセルを通して体液サンプルを流動させることと、体液サンプルに関して1つ以上の細胞母集団パラメータを決定することであって、1つ以上の細胞母集団パラメータは、体液サンプル中の免疫細胞の変動性に関するパラメータを含む、ことと、少なくとも部分的に1つ以上の細胞母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することとを含む、方法。
【0113】
(実施例18)
【0114】
体液サンプル中の免疫細胞の変動性に関するパラメータは、NEMOスコアを含む、実施例17に記載の方法。
【0115】
(実施例19)
【0116】
体液サンプル中の免疫細胞の変動性に関するパラメータは、MDWを含む、実施例17または18に記載の方法。
【0117】
(実施例20)
【0118】
少なくとも部分的に1つ以上の細胞母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することは、MDWが閾値を上回るとき、体液サンプルが取得された患者がMIS-Cを患っていること、またはそれを発現させているリスクがあることを決定することを含む、実施例19に記載の方法。
【0119】
(実施例21)
【0120】
MDWに関する閾値は、少なくとも23と少なくとも24とから成る群から選択される、実施例20に記載の方法。
【0121】
(実施例22)
【0122】
少なくとも部分的に1つ以上の細胞母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することは、単球または顆粒球母集団パラメータが閾値を下回っているとき、体液サンプルが取得された患者が退院またはデエスカレーションのために適格であることを決定することを含む、実施例19に記載の方法。
【0123】
(実施例23)
【0124】
MDWに関する閾値は、最大20と、最大21と、最大22と、最大23と、最大24とから成る群から選択される、実施例22に記載の方法。
【0125】
(実施例24)
【0126】
閾値は、年齢調節される、実施例20-23のいずれかに記載の方法。
【0127】
(実施例25)
【0128】
1つ以上の細胞母集団パラメータは、MDWおよびEGCと、MDWおよびNE_DC_SDと、MDW、NE_DC_SD、およびEGC_LMALS_MEANとから成る群から選択される組み合わせを含む、実施例17に記載の方法。
【0129】
(実施例26)
【0130】
体液サンプルは、小児患者から入手される、実施例17-25のいずれかに記載の方法。
【0131】
(実施例26A)
【0132】
小児患者は、21歳までと、18歳までと、16歳までとから成る群からの年齢を有する、実施例26に記載の方法。
【0133】
(実施例26B)
【0134】
小児患者は、1歳までと、2歳までと、3歳までとから成る群からの年齢を有する、実施例26に記載の方法。
【0135】
(実施例26C)
【0136】
小児患者は、少なくとも月齢1ヶ月である、実施例26、26A、または26Bのいずれかに記載の方法。
【0137】
(実施例27)
【0138】
新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価する方法であって、方法は、フローセルを通して体液サンプルを流動させることと、フローセル内の体液サンプル中の複数の細胞を照射することと、複数の細胞のうちの個々の細胞からの光散乱を測定することと、光散乱に基づいて体液サンプルに関して決定された単球または顆粒球細胞母集団パラメータを分析することと、少なくとも部分的に単球または顆粒球母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することとを含む、方法。
【0139】
(実施例28)
【0140】
体液サンプルは、全血である、実施例27に記載の方法。
【0141】
(実施例29)
【0142】
単球または顆粒球細胞母集団パラメータを分析することは、単球細胞母集団パラメータを分析することを含む、実施例27または実施例28に記載の方法。
【0143】
(実施例30)
【0144】
単球細胞母集団パラメータは、MDWを含む、実施例29に記載の方法。
【0145】
(実施例31)
【0146】
単球または顆粒球細胞母集団パラメータを分析することは、顆粒球細胞母集団パラメータを分析することを含む、実施例27または実施例28に記載の方法。
【0147】
(実施例32)
【0148】
顆粒球細胞母集団パラメータは、EGCを含む、実施例31に記載の方法。
【0149】
(実施例33)
【0150】
顆粒球細胞母集団パラメータは、IG COUNTを含む、実施例31に記載の方法。
【0151】
(実施例34)
【0152】
単球または顆粒球細胞母集団パラメータは、検査指示別に定義される、実施例27-33のいずれかに記載の方法。
【0153】
(実施例35)
【0154】
単球または顆粒球細胞母集団パラメータを分析することは、単球または顆粒球細胞母集団パラメータを含む1つ以上の細胞母集団パラメータを閾値範囲と比較することを含む、実施例27-34のいずれかに記載の方法。
【0155】
(実施例36)
【0156】
方法は、分析に先立ってサンプルを色素にさらさない、実施例27-35のいずれかに記載の方法。
【0157】
(実施例37)
【0158】
新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cは、少なくとも1つの細胞母集団パラメータが閾値範囲を超えていることに基づいて疑われる、実施例27-36のいずれかに記載の方法。
【0159】
(実施例38)
【0160】
その閾値範囲を超えている少なくとも1つの細胞母集団パラメータは、MDWである、実施例37に記載の方法。
【0161】
(実施例39)
【0162】
少なくとも部分的に単球または顆粒球母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することは、単球または顆粒球母集団パラメータが閾値を上回るとき、体液サンプルが取得された患者がMIS-Cを患っていること、またはそれを発現させているリスクがあることを決定することを含む、実施例27-38のいずれかに記載の方法。
【0163】
(実施例40)
【0164】
単球または顆粒球母集団パラメータは、MDWを含み、MDWに関する閾値は、少なくとも23と少なくとも24とから成る群から選択される、実施例39に記載の方法。
【0165】
(実施例41)
【0166】
少なくとも部分的に単球または顆粒球母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することは、単球または顆粒球母集団パラメータが閾値を下回っているとき、体液サンプルが取得された患者が退院またはデエスカレーションのために適格であることを決定することを含む、実施例27-38のいずれかに記載の方法。
【0167】
(実施例42)
【0168】
単球または顆粒球母集団パラメータは、MDWを含み、MDWに関する閾値は、最大20と、最大21と、最大22と、最大23と、最大24とから成る群から選択される、実施例41に記載の方法。
【0169】
(実施例43)
【0170】
閾値は、年齢調節される、実施例38-42のいずれかに記載の方法。
【0171】
(実施例44)
【0172】
体液サンプルは、入院中または非入院中の患者から入手される、実施例27-43のいずれかに記載の方法。
【0173】
(実施例45)
【0174】
新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cが、鑑別検査指示に伴ってCBCを用いて自動的に評価される、実施例27-44のいずれかに記載の方法。
【0175】
(実施例46)
【0176】
体液サンプルは、小児患者から入手される、実施例27-45のいずれかに記載の方法。
【0177】
(実施例46A)
【0178】
小児患者は、21歳までと、18歳までと、16歳までとから成る群からの年齢を有する、実施例46に記載の方法。
【0179】
(実施例46B)
【0180】
小児患者は、1歳までと、2歳までと、3歳までとから成る群からの年齢を有する、実施例46に記載の方法。
【0181】
(実施例46C)
【0182】
小児患者は、少なくとも月齢1ヶ月である、実施例46、46A、または46Bに記載の方法。
【0183】
(実施例47)
【0184】
少なくとも部分的に単球または顆粒球母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することは、MIS-Cを査定するために推奨される追加のパラメータとの組み合わせにおいて、単球または顆粒球母集団パラメータを評価することを含む、実施例27-46のいずれかに記載の方法。
【0185】
(実施例48)
【0186】
MIS-Cを査定するために推奨される追加のパラメータは、全血球数(CBC)、C反応性タンパク(CRP)、赤血球沈降率(ESR)、フィブリノゲン、プロカルシトニン、d-ダイマ、フェリチン、乳酸脱水素酵素(LDH)、インターロイキン6(IL-6)、またはアルブミン、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、実施例47に記載の方法。
【0187】
(実施例49)
【0188】
少なくとも部分的に単球または顆粒球母集団パラメータに基づいて、新型コロナウイルスに関連付けられたMIS-Cを評価することは、単球細胞母集団パラメータと、顆粒球細胞母集団パラメータと、赤血球細胞母集団パラメータとから成る群から選択される少なくとも2つのパラメータを含むパラメータの組み合わせを分析および評価することを含む、実施例27-46のいずれかに記載の方法。
【0189】
(実施例50)
【0190】
単球細胞母集団パラメータは、MDW、Mo_DC_SD、Mo_DC_Mean、Mo_All_SD、RE-MONOから成る群から選択されるパラメータであり、顆粒球細胞母集団パラメータは、Ne_DC_Meanと、Egc_Lmals_Meanと、Egc_Mals_Meanと、Ne_Lmals_Meanと、Ne_Mals_Meanと、Ne_All_SDと、Ne_DC_SDと、Ne_All_Meanと、Ne_Lals_SDと、Egc_All_Meanと、Ne_Lmals_SDと、Egc_Op_Meanと、Egc_Umals_SDと、NEUT-GIと、NEUT-RIと、IG COUNTとから成る群から選択されるパラメータであり、赤血球細胞母集団パラメータは、Rbcと、Hgbと、Hctと、NNrbc_Op_SDと、Nretic_Op_Meanと、NrbcAL2Meanと、HYPO-HEと、HYPER-HEと、RET-HEと、NRBCと、MICRORと、MACRORと、FRCとから成る群から選択されるパラメータである、実施例49に記載の方法。
【0191】
(実施例51)
【0192】
パラメータの組み合わせは、リンパ球細胞母集団パラメータを含む、実施例49-50のいずれかに記載の方法。
【0193】
(実施例52)
【0194】
リンパ球細胞母集団パラメータは、Ly_DC_SDと、Ly_All_SDと、Ly_All_SDと、Ly_Lmals_SDと、Ly_Mals_SDと、Ly_Lals_SDと、Ly_Op_SDと、RE-LYMPと、AS-LYMPとから成る群から選択される、実施例51に記載の方法。
【0195】
(実施例53)
【0196】
患者内のMIS-Cを検出またはその重症度を検出する方法であって、方法は、患者からのサンプルを提供することと、患者内の細胞母集団パラメータの値を決定することであって、細胞母集団パラメータは、単球または顆粒球母集団パラメータを含む、ことと、細胞母集団パラメータの値に基づいて、該患者がMIS-Cに罹患する増加したリスクを有するかどうかを決定することとを含む、方法。
【0197】
(実施例54)
【0198】
患者は、新型コロナウイルスにさらされていたことが既知であるか、または新型コロナウイルスにさらされていることが疑われる、実施例53に記載の方法。
【0199】
(実施例55)
【0200】
患者は、小児患者である、実施例53または54に記載の方法。
【0201】
(実施例55A)
【0202】
小児患者は、21歳までと、18歳までと、16歳までとから成る群からの年齢を有する、実施例55に記載の方法。
【0203】
(実施例55B)
【0204】
小児患者は、1歳までと、2歳までと、3歳までとから成る群からの年齢を有する、実施例55に記載の方法。
【0205】
(実施例55C)
【0206】
小児患者は、少なくとも月齢1ヶ月である、実施例55、55A、または55Bのいずれかに記載の方法。
【0207】
(実施例56)
【0208】
細胞母集団パラメータは、MDWを含む、実施例53-55のいずれかに記載の方法。
【0209】
(実施例57)
【0210】
方法はさらに、細胞母集団パラメータを閾値または閾値範囲と比較することを含む、実施例56に記載の方法。
【0211】
(実施例58)
【0212】
細胞母集団パラメータの値に基づいて、該患者がMIS-Cに罹患する増加したリスクを有するかどうかを決定することは、細胞母集団パラメータが、閾値を上回るとき、患者がMIS-Cを患っていること、またはそれを発現させているリスクがあることを決定することを含む、実施例57に記載の方法。
【0213】
(実施例59)
【0214】
細胞母集団パラメータは、MDWを含み、MDWに関する閾値は、少なくとも23、または少なくとも24である、実施例58に記載の方法。
【0215】
(実施例60)
【0216】
細胞母集団パラメータの値に基づいて、該患者がMIS-Cに罹患する増加したリスクを有するかどうかを決定することは、細胞母集団パラメータが閾値を下回っているとき、患者がデエスカレーションおよび/または退院のために適格であることを決定することを含む、実施例57に記載の方法。
【0217】
(実施例61)
【0218】
単球細胞母集団パラメータは、MDWを含み、MDWに関する閾値は、最大20、最大21、最大22、最大23、または最大24である、実施例60に記載の方法。
【0219】
(実施例62)
【0220】
閾値または閾値範囲は、年齢調節される、実施例57-61のいずれかに記載の方法。
【0221】
(実施例63)
【0222】
方法はさらに、MIS-Cを査定するために推奨される追加のパラメータを測定することを含む、実施例57-61のいずれかに記載の方法。
【0223】
(実施例64)
【0224】
MIS-Cを査定するために推奨される追加のパラメータは、全血球数(CBC)、C反応性タンパク(CRP)、赤血球沈降率(ESR)、フィブリノゲン、プロカルシトニン、d-ダイマ、フェリチン、乳酸脱水素酵素(LDH)、インターロイキン6(IL-6)、またはアルブミン、またはそれらの組み合わせを含む、実施例63に記載の方法。
【0225】
(実施例65)
【0226】
細胞母集団パラメータの値に基づいて、該患者がMIS-Cに罹患する増加したリスクを有するかどうかを決定することは、単球細胞母集団パラメータと、顆粒球細胞母集団パラメータと、赤血球細胞母集団パラメータとから成る群から選択される少なくとも2つのパラメータを含むパラメータの組み合わせを評価することを含む、実施例53-62のいずれかに記載の方法。
【0227】
(実施例66)
【0228】
単球細胞母集団パラメータは、MDW、Mo_DC_SD、Mo_DC_Mean、Mo_All_SD、RE-MONOから成る群から選択されるパラメータであり、顆粒球細胞母集団パラメータは、Ne_DC_Meanと、Egc_Lmals_Meanと、Egc_Mals_Meanと、Ne_Lmals_Meanと、Ne_Mals_Meanと、Ne_All_SDと、Ne_DC_SDと、Ne_All_Meanと、Ne_Lals_SDと、Egc_All_Meanと、Ne_Lmals_SDと、Egc_Op_Meanと、Egc_Umals_SDと、NEUT-GIと、NEUT-RIと、IG COUNTとから成る群から選択されるパラメータであり、赤血球細胞母集団パラメータは、Rbcと、Hgbと、Hctと、NNrbc_Op_SDと、Nretic_Op_Meanと、NrbcAL2Meanと、HYPO-HEと、HYPER-HEと、RET-HEと、NRBCと、MICRORと、MACRORと、FRCとから成る群から選択されるパラメータである、実施例65に記載の方法。
【0229】
(実施例67)
【0230】
パラメータの組み合わせは、リンパ球細胞母集団パラメータを含む、実施例65-66のいずれかに記載の方法。
【0231】
(実施例68)
【0232】
リンパ球細胞母集団パラメータは、Ly_DC_SDと、Ly_All_SDと、Ly_All_SDと、Ly_Lmals_SDと、Ly_Mals_SDと、Ly_Lals_SDと、Ly_Op_SDと、RE-LYMPと、AS-LYMPとから成る群から選択される、実施例67に記載の方法。
【0233】
本明細書に開示される寸法および値は、列挙される厳密な数値に完全に限定されているものと理解されるべきではない。代わりに、別様に規定されない限り、各そのような寸法は、列挙された値と、その値を囲繞する、機能的に同等な範囲との両方を意味し、少なくとも、本明細書に説明される検査方法、または、いかなる検査方法も明示的に開示されない場合、産業標準的な検査方法を使用して行われる測定の再現性に起因する、変動性を含むことを意図している。
【0234】
いかなる相互参照、または関連する特許または出願も含む、本明細書に引用されるあらゆる文書は、明白に除外されるか、または別様に限定されない限り、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。いかなる文書の引用も、本明細書に開示または請求されるいずれかの発明に関する従来技術であること、または単独で、または任意の他の参考文献または複数の参考文献とのいかなる組み合わせにおいても、いかなるそのような発明も教示、示唆、または開示することを認めるものではない。さらに、本書における用語の任意の意味または定義が、参照することによって組み込まれる文書内の同じ用語の任意の意味または定義と矛盾する限り、本書におけるその用語に割り当てられる意味または定義が、優先するものとする。
【0235】
本発明の特定の実施形態が、例証され、説明されているが、種々の他の変更および修正が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、行われ得ることが当業者に明白となるであろう。したがって、添付の請求項において、本発明の範囲内である、そのような変更および修正の全てを網羅することが、意図される。
【0236】
本書では、例および請求項を含め、何らかのものが他の何らかのものに「基づく」という文言は、これが、少なくとも部分的に、これが基づいていると示されるものによって決定されることを意味すると理解されたい。何らかのものが、他の何らかのものに基づくと完全に決定されなければならないことを示すために、これが完全に決定されなければならないものに「排他的に基づく」ものとして説明される。
【国際調査報告】