(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵システム及びエネルギー貯蔵システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20231005BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20231005BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
H02J7/02 J
H02J3/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518865
(86)(22)【出願日】2022-07-26
(85)【翻訳文提出日】2023-03-23
(86)【国際出願番号】 KR2022010931
(87)【国際公開番号】W WO2023008867
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0097480
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジョンチョル・キム
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G066HB09
5G066JB03
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503GB03
(57)【要約】
本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵システムの制御方法は、複数の電池及び複数の電池のそれぞれに接続された複数の電力コンバータを含むエネルギー貯蔵システムの制御方法に関し、複数の電力コンバータのうち第1電力コンバータがDCリンクの電圧を一定水準に維持するCV(Constant Voltage)モード制御を行うように制御するステップと、第1電力コンバータが接続された第1電池ラックの状態をチェックするステップと、第1電池ラックの状態に応じてDCリンクに対するCVモード制御を行う主体を変更するステップとを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各電池ラックと連動してDC/DC変換を行う複数の電力コンバータと、
前記複数の電力コンバータとグリッドとの間の電力変換を行う電力変換システムと、
前記複数の電力コンバータ及び前記電力変換システムと連動する電池セクションコントローラであって、前記複数の電力コンバータのうち第1電力コンバータがDCリンクの電圧を一定水準に維持するCV(Constant voltage)モード制御を行うように制御し、前記第1電力コンバータが接続された第1電池ラックの状態をチェックして、前記第1電池ラックの状態に応じて前記DCリンクに対するCVモード制御を行う主体を変更する、電池セクションコントローラと
を含む、エネルギー貯蔵システム。
【請求項2】
前記電池セクションコントローラは、
前記複数の電力コンバータのうち第1電力コンバータを除く残りの電力コンバータがCP(Constant Power)モード又はCC(Constant Current)モード制御を行うように制御する、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項3】
前記電池セクションコントローラは、
前記第1電池ラックの充電状態(SOC)に基づいて、前記第1電力コンバータによるDCリンク制御を中断させ、前記複数の電力コンバータのうち第2電力コンバータがDCリンク制御を行うように変更する、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項4】
前記電池セクションコントローラは、
前記第2電力コンバータによるDCリンク制御が行われる前に、
一時的に前記第1電力コンバータによるDCリンク制御及び前記第2電力コンバータによるDCリンク制御が同時に行われるように制御する、請求項3に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項5】
前記電池セクションコントローラは、
前記第1電力コンバータの代わりにDCリンク制御を行う前記第2電力コンバータとして、前記第1電力コンバータを除く前記複数の電力コンバータの中で電力コンバータを選択するように構成され、前記第2の電力コンバータは、前記電池ラックの充電状態に関して中間位置の値を有する電力コンバータに対応する、請求項3に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項6】
前記電池セクションコントローラは、
前記第1電池ラックの充電状態が既設定の充電状態範囲の上限値又は下限値に達したかを確認し、前記DCリンクに対するCVモード制御を行う主体を変更するか否かを決定する、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項7】
前記DCリンクは、前記複数の電力コンバータとグリッドとの間でAC/DC変換を行う電力変換システム(Power Conversion System;PCS)と前記複数の電力コンバータとの間のリンクである、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項8】
複数の電池ラック及び前記複数の電池ラックのそれぞれに接続された複数の電力コンバータを含むエネルギー貯蔵システムの制御方法であって、
前記複数の電力コンバータのうち第1電力コンバータがDCリンクの電圧を一定水準に維持するCV(Constant Voltage)モード制御を行うように制御するステップと、
前記第1電力コンバータが接続された第1電池ラックの状態をチェックするステップと、
前記第1電池ラックの状態に応じて前記DCリンクに対するCVモード制御を行う主体を変更するステップと
を含む、エネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項9】
前記第1電力コンバータがCVモード制御を行うようにするステップは、
前記複数の電力コンバータのうち第1電力コンバータを除く残りの電力コンバータがCP(Constant Power)モード又はCC(Constant Current)モード制御を行うように制御するステップを含む、請求項8に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項10】
前記第1電池ラックの状態に応じて前記DCリンクに対するCVモード制御を行う主体を変更するステップは、
前記第1電池ラックの充電状態(SOC)に基づいて、前記第1電力コンバータによるDCリンク制御を中断させ、前記複数の電力コンバータのうち第2電力コンバータがDCリンク制御を行うように変更するステップを含む、請求項8に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項11】
前記第1電池ラックの状態に応じて前記DCリンクに対するCVモード制御を行う主体を変更するステップは、
前記第2電力コンバータによるDCリンク制御が行われる前に、
一時的に前記第1電力コンバータによるDCリンク制御及び前記第2電力コンバータによるDCリンク制御が同時に行われるステップをさらに含む、請求項10に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項12】
前記第1電力コンバータの代わりにDCリンク制御を行う前記第2電力コンバータは、
前記複数の電力コンバータのうち前記第1電力コンバータを除く残りの電力コンバータのうち該当の電力コンバータが担当する電池の充電状態に関して中間位置の値を有する電力コンバータが選択される、請求項10に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項13】
前記第1電力コンバータが接続された第1電池ラックの状態をチェックするステップは、
前記第1電池ラックの充電状態が既設定の充電状態範囲の上限値又は下限値に達したかを確認するステップを含む、請求項8に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項14】
前記DCリンクは、前記複数の電力コンバータとグリッドとの間でAC/DC変換を行う電力変換システム(Power Conversion System;PCS)と前記複数の電力コンバータとの間のリンクである、請求項8に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項15】
複数の電池ラック及び前記複数の電池ラックのそれぞれに接続された複数の電力コンバータを含むエネルギー貯蔵システムで前記複数の電力コンバータと連動する電池セクション制御装置であって、
少なくとも一つのプロセッサと、
前記少なくとも一つのプロセッサを通じて実行される少なくとも一つの命令を格納するメモリとを含み、
前記少なくとも一つの命令は、
前記複数の電力コンバータのうち第1電力コンバータがDCリンクの電圧を一定水準に維持するCV(Constant Voltage)モード制御を行うように制御する命令と、
前記第1電力コンバータが接続された第1電池ラックの状態をチェックするようにする命令と、
前記第1電池ラックの状態に応じて前記DCリンクに対するCVモード制御を行う主体を変更するようにする命令と
を含む、電池セクション制御装置。
【請求項16】
前記少なくとも一つの命令は、
前記複数の電力コンバータのうち第1電力コンバータを除く残りの電力コンバータはCP(Constant Power)モード又はCC(Constant Current)モード制御を行うように制御するようにする命令をさらに含む、請求項15に記載の電池セクション制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、2021年7月26日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0097480号の出願日の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された内容の全ては、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、エネルギー貯蔵システム及びエネルギー貯蔵システムの制御方法に関し、より具体的には、複数の電力コンバータを含むエネルギー貯蔵システム及びエネルギー貯蔵システムにおける制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
エネルギー貯蔵システム(Energy Storage System;ESS)は、再生可能エネルギー、電力を貯蔵した電池、そして既存の電力系統を連携させるシステムである。近年、スマートグリッド(smart grid)と再生可能エネルギーの普及が広がっており、電力系統の効率化と安定性が重要視されることに伴って、電力供給及び需要の調節、及び電力品質の向上のために、エネルギー貯蔵システムに対する需要がますます増加しつつある。使用の目的によって、エネルギー貯蔵システムは、出力と容量が変わる。大容量エネルギー貯蔵システムを構成するために、複数の電池システムが互いに接続されることができる。このようなエネルギー貯蔵システムは、DC-coupledエネルギー貯蔵システムに変化しつつある。
【0004】
エネルギー貯蔵システムは、多数の電池から構成された電池セクション(Battery Section)、電池管理のためのBMS(Battery Management System)、電力変換シス
テム(Power Conversion System;PCS)、エネルギー管理システム(Energy Management System;EMS)を含むことができ、DC-coupledエネルギー貯蔵システムの場合には、DC/DCコンバータを要する。
【0005】
一方、各電池に対して別個のDC/DCコンバータを使用するESSシステムでは、通常、中央コントローラを通じて毎瞬間電池の出力値を計算し、当該値を各電池に指令として伝達する方式が使用される。ところで、この場合、どのような方式でシステム電圧を維持するかについては、適切な解決策が提示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような問題点を解決するための本発明の目的は、エネルギー貯蔵システムの制御方法を提供することにある。
【0007】
上記のような問題点を解決するための本発明の別の目的は、エネルギー貯蔵システムを提供することにある。
【0008】
上記のような問題点を解決するための本発明のまた別の目的は、電池セクション制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の一実施例に係るエネルギー貯蔵システムの制御方法は、複数の電池ラック及び上記複数の電池ラックのそれぞれに接続された複数の電力コンバータを含むエネルギー貯蔵システムの制御方法に関し、上記複数の電力コンバータのうち第1電力コンバータがDCリンクの電圧を一定水準に維持するCV(Constant Voltage)モード制御を行うように制御するステップと、上記第1電力コンバータが接続された第1電池ラックの状態をチェックするステップと、上記第1電池ラックの状態に応じて上記DCリンクに対するCVモード制御を行う主体を変更するステップとを含むことができる。
【0010】
ここで、DCリンクは、上記複数の電力コンバータとグリッドとの間でAC/DC変換を行う電力変換システム(Power Conversion System;PCS)と上記複数の電力コンバータとの間のリンクである。
【0011】
上記第1電力コンバータがCVモード制御を行うようにするステップは、上記複数の電力コンバータのうち第1電力コンバータを除く残りの電力コンバータはCP(Constant Power)モード又はCC(Constant Current)モード制御を行うように制御するステップを含むことができる。
【0012】
上記第1電池ラックの状態に応じて上記DCリンクに対するCVモード制御を行う主体を変更するステップは、上記第1電池ラックの充電状態(SOC)に基づいて、上記第1電力コンバータによるDCリンク制御を中断させ、上記複数の電力コンバータのうち第2電力コンバータがDCリンク制御を行うように変更するステップを含むことができる。
【0013】
上記第1電池ラックの状態に応じて上記DCリンクに対するCVモード制御を行う主体を変更するステップは、上記第2電力コンバータによるDCリンク制御が行われる前に、一時的に上記第1電力コンバータによるDCリンク制御及び上記第2電力コンバータによるDCリンク制御が同時に行われるステップをさらに含むことができる。
【0014】
上記第1電力コンバータの代わりにDCリンク制御を行う上記第2電力コンバータは、上記複数の電力コンバータのうち上記第1電力コンバータを除く残りの電力コンバータのうち該当の電力コンバータが担当する電池の充電状態に関して中間位置の値を有する電力コンバータが選択されることができる。
【0015】
上記第1電力コンバータが接続された第1電池ラックの状態をチェックするステップは、上記第1電池ラックの充電状態が既設定の充電状態範囲の上限値又は下限値に達したかを確認するステップを含むことができる。
【0016】
本発明の別の目的を達成するための本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵システムは、各電池ラックと連動してDC/DC変換を行う複数の電力コンバータと、上記コンバータとグリッドとの間の電力変換を行う電力変換システムと、上記複数の電力コンバータ及び上記電力変換システムと連動する電池セクションコントローラであって、上記複数の電力コンバータのうち第1電力コンバータがDCリンクの電圧を一定水準に維持するCV(Constant voltage)モード制御を行うように制御し、上記第1電力コンバータが接続された第1電池ラックの状態をチェックして、上記第1電池ラックの状態に応じて上記DCリンクに対するCVモード制御を行う主体を変更する、電池セクションコントローラとを含むことができる。
【0017】
上記電池セクションコントローラは、上記複数の電力コンバータのうち第1電力コンバータを除く残りの電力コンバータはCP(Constant Power)モード又はCC(Constant Current)モード制御を行うように制御することができる。
【0018】
上記電池セクションコントローラは、上記第1電池ラックの充電状態(SOC)に基づいて、上記第1電力コンバータによるDCリンク制御を中断させ、上記複数の電力コンバータのうち第2電力コンバータがDCリンク制御を行うように変更することができる。
【0019】
上記電池セクションコントローラはまた、上記第2電力コンバータによるDCリンク制御が行われる前に、一時的に上記第1電力コンバータによるDCリンク制御及び上記第2電力コンバータによるDCリンク制御が同時に行われるように制御することができる。
【0020】
上記第1電力コンバータの代わりにDCリンク制御を行う上記第2電力コンバータは、上記複数の電力コンバータのうち上記第1電力コンバータを除く残りの電力コンバータのうち該当の電力コンバータが担当する電池の充電状態に関して中間位置の値を有する電力コンバータが選択されることができる。
【0021】
上記電池セクションコントローラは、上記第1電池ラックの充電状態が既設定の充電状態範囲の上限値又は下限値に達したかを確認し、上記DCリンクに対するCVモード制御を行う主体を変更するか否かを決定することができる。
【0022】
本発明のまた別の目的を達成するための本発明の実施例に係る電池セクション制御装置は、複数の電池ラック及び上記複数の電池ラックのそれぞれに接続された複数の電力コンバータを含むエネルギー貯蔵システムで上記複数の電力コンバータと連動する電池セクション制御装置に関し、少なくとも一つのプロセッサと、上記少なくとも一つのプロセッサを通じて実行される少なくとも一つの命令を格納するメモリとを含み、上記少なくとも一つの命令は、上記複数の電力コンバータのうち第1電力コンバータがDCリンクの電圧を一定水準に維持するCV(Constant Voltage)モード制御を行うように制御する命令と、上記第1電力コンバータが接続された第1電池ラックの状態をチェックするようにする命令と、及び上記第1電池ラックの状態に応じて上記DCリンクに対するCVモード制御を行う主体を変更するようにする命令とを含むことができる。
【0023】
上記少なくとも一つの命令は、上記複数の電力コンバータのうち第1電力コンバータを除く残りの電力コンバータはCP(Constant Power)モード又はCC(Constant Current)モード制御を行うように制御するようにする命令をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0024】
上記のような本発明の実施例によれば、多数のDC/DCコンバータを使用するエネルギー貯蔵システムでDCリンク電圧を安定して制御することができる。
【0025】
また、CV制御を行うDC/DCコンバータ以外の残りのDC/DCコンバータは、 CP制御又はCC制御を行うので、BSCで各電池の状態を考慮して能動的に出力リファレンスを計算することができる。
【0026】
PCSも、ソフトウェアの変更などの付加的な手続きを行うことなく、従来どおりの方式でCP制御を行うことができるようになって、グリッド連携制御をスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明が適用されることができるエネルギー貯蔵システムのブロック図である。
【
図2】本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵システムの制御方法の概念図である。
【
図3】本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵システムの制御方法の動作フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、種々の変更を加えることができ、様々な実施例を有し得るため、特定の実施例を図面に例示し、詳細な説明で詳しく説明する。しかし、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されたい。各図面を説明しながら類似の参照符号を類似の構成要素に対して使用している。
【0029】
第1、第2、A、Bなどの用語は、多様な構成要素を説明するのに使用されることができるが、構成要素は、これらの用語によって限定されるものではない。上記の用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく、第1の構成要素は第2の構成要素と命名されることができ、同様に第2の構成要素も第1の構成要素と命名されることができる。「及び/又は」という用語は、複数の関連して記載された項目の組合わせ又は複数の関連して記載された項目のうちのある項目を含む。
【0030】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか「接続されて」いると言及されたときには、当該他の構成要素に直接的に連結されているか又は接続されていることもあるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されたい。これに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるとか「直接接続されて」いると言及されたときには、中間に他の構成要素が存在しないことと理解されたい。
【0031】
本明細書で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味でない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加可能性をあらかじめ排除しないことを理解されたい。
【0032】
特段定義されない限り、技術的又は科学的な用語を含め、ここで使用されるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書において明白に定義しない限り、理想的であるか過度に形式的な意味としては解釈されない。
【0033】
以下、本発明に係る好ましい実施例を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0034】
本発明は、DC/DCコンバータを含むエネルギー貯蔵システムでどのような方式でシステム電圧を維持するかに対するソリューション、すなわちエネルギー貯蔵システムの制御方式を提案する。
【0035】
図1は、本発明を適用可能なエネルギー貯蔵システムのブロック図である。
【0036】
エネルギー貯蔵システムで電力を貯蔵する役割を果たす電池は、通常、複数の電池モジュール(Battery Module)が電池ラック(Rack)を構成し、複数の電池ラックが電池バンク(Battery Bank)を構成する形態で実現されることができる。ここで、電池が使用される装置又はシステムによって、電池ラックは電池パック(pack)と呼ばれることもできる。
図1に示す電池#1、電池#2、…、電池#Nは、電池パック又は電池ラックの形態であってよい。
【0037】
このとき、各電池には電池管理システム(Battery Management System;BMS)100が設けられてよい。BMS100は、管理する各電池パック(又はラック)の電流、電圧及び温度をモニタリングし、モニタリングの結果に基づいてSOC(Status Of Charge)を算出して充放電を制御する役割を果たすことができる。
【0038】
多数の電池及び周辺回路、装置などを含んで構成された電池セクションのそれぞれには、電池セクションコントローラ(Battery Section Controller;BSC)200が設けられて、電圧、電流、温度、遮断器などのような制御の対象をモニタリングして制御することができる。BSC200はまた、モニタリングした電池の状態情報に基づいて、各DC/DCコンバータの出力を計算してDC/DCコンバータに伝達する。
【0039】
本発明において、電池セクションコントローラは、複数の電池及び複数の電池のそれぞれに接続された複数の電力コンバータを含むエネルギー貯蔵システムで、複数の電力コンバータと連動する電池セクション制御装置であって、少なくとも一つのプロセッサと、上記少なくとも一つのプロセッサを通じて実行される少なくとも一つの命令を格納するメモリとを含むことができる。
【0040】
ここで、少なくとも一つの命令は、複数の電力コンバータのうち第1電力コンバータがDCリンクの電圧を一定水準に維持するCV(Constant Voltage)モード制御を行うように制御する命令と、第1電力コンバータが接続された第1電池ラックの状態をチェックするようにする命令と、第1電池ラックの状態に応じてDCリンクに対するCVモード制御を行う主体を変更するようにする命令とを含むことができる。
【0041】
このとき、第1電力コンバータがCVモード制御を行うようにする命令は、複数の電力コンバータのうち第1電力コンバータを除く残りの電力コンバータはCP(Constant Power)モード又はCC(Constant Current)モード制御を行うように制御するようにする命令を含むことができる。
【0042】
また、電池セクション毎に設けられた電力変換システム(Power Conversion System;PCS)400は、外部から供給される電力と電池セクションから外部へ供給する電力を制御して、電池の充放電を制御し、DC/ACインバータを含むことができる。すなわち、電力変換システムは、電池の出力、すなわちDC電力をACに変換してグリッドへ伝送するか(放電時)、逆にグリッドからのAC電力をDCに変換して電池へ伝達する役割を果たす(充電時)。
【0043】
また、DC/DCコンバータ500の出力がPCS400と接続されてよく、PCS400はグリッド600と接続されてよい。PCS400は、通常、定電力(Constant Power)モードで動作する。PCSと接続された電力管理システム(Power Management System;PMS)300は、BMS又は BSCのモニタリング及び制御結果に基づいてPCSの出力を決定して制御する最上位コントローラである。
【0044】
図1のエネルギー貯蔵システムにおいて、電池#1は、DC-DCコンバータ#1と接続され、電池#2は、DC-DCコンバータ#2と接続され、電池#Nは、DC-DC#Nと接続される。各電池に対応するDC-DCコンバータの出力は、DCリンクを通じてPCS400と接続される。
【0045】
DC-DCコンバータは、双方向コンバータであってよく、電池から負荷の方向に変換が行われるとき、DC-DCコンバータの入力は電池(電池ユニット、電池ラック又は電池パック)と接続され、DC-DCコンバータの出力はPCSと接続されてよい。DC-DCコンバータの例としては、フルブリッジコンバータ、ハーフブリッジ(half-bridge)コンバータ、フライバックコンバータなど多様な種類のコンバータが使用されてよい。DC-DCコンバータは、制御部、入力スイッチングセット、一次側コイル、二次側コイル、出力スイッチングセット、キャパシタなどを含むことができる。
【0046】
一方、BMS100、BSC200、PMS300、PCS400の間では、CAN(Controller Area Network)又はイーサネットを用いた通信(
図1で点線で示される)が行われてよい。
【0047】
このようなESSシステムでは、一般にシステム内の中央コントローラで毎瞬間電池の出力値を計算し、計算された値を各電池に指令として伝達する(上位レベル制御)。ところで、エネルギーシステムのシステム電圧が維持されてこそ、すなわち下位レベル制御が先行されてこそ、上位レベルの制御が可能となる。
【0048】
図1を参照すれば、DC/DCコンバータとPCSとの間の領域であるDCリンク部は、DC電圧を有し、DCリンク部の電圧を、通常、システム電圧と呼ぶことができる。エネルギー貯蔵システム全体の安定のために、このシステム電圧は一定水準の電圧に維持される必要がある。
【0049】
図2は、本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵システムの制御方法の一例を示す。
【0050】
DCリンク部の電圧、すなわちシステム電圧を一定状態に維持するために多様な形態の制御が行われてよい。すなわち、DC/DCコンバータとPCSは電力コンバータの一種であって、CV(Constant Voltage;定電圧)制御、CP(Constant Power;定電力)制御、CC(Constant Current;定電流)制御、ドループ(Droop)制御などを行うことができる。ここで、ドループ制御は、DCリンクの電圧に対するコンバータの出力電力の関係を示すドループ曲線を用いた制御を意味し得る。
【0051】
通常、PCSは、CV(Constant Voltage)制御、CP(Constant Power)制御を行う。例えば、PCSがCP制御を行うと仮定すれば、PMSはPCSの出力リファレンス(PCSが出力すべき電力値)を計算して、PCSに指令として伝達する。この場合、これを受信したPCSがCP制御によって充放電を行えば、DCリンクの電圧がPCSの充放電によって変動することになる。この場合、システムの安定した制御のために、電力コンバータがDCリンク部の電圧を一定水準に維持するCV制御を行う必要がある。
【0052】
ところで、
図2に示すように各電池パックに対して個別のDC/DCコンバータが配置されて使用される場合、DCリンク部と連動する複数のDC/DCコンバータが存在する。これらのうち2つ以上のDC/DCコンバータが、例えばDCリンク電圧制御を持続的に行う場合、電圧センシング誤差などによって循環電流が発生し得る。すなわち、実際に2つ以上の電力コンバータが完全に同一であることはできないため、同一の電圧を異なる値にセンシングする問題が発生するおそれがあり、それによって循環電流又は制御の発散が発生し得る。
【0053】
したがって、
図2に示す例のように、本発明の実施例においては、1つのDC/DCコンバータがCV制御を行うようにする。
図2の各ステップ(step 1、step 2、step 3)でCV制御を行う電力コンバータは、DC/DCコンバータ1であって、残りのDC/DCコンバータはいずれもCP制御を行う。
【0054】
一方、DC/DCコンバータのCV制御は、該当の電池のSOCが適正領域に存在する場合、大きな問題なく行うことができる。しかしながら、該当の電池のSOCが特定の上限値又は下限値に達する場合、電池自体の出力制限特性によってDC/DCコンバータの出力も制限され、それによって正常なCV制御を行うことが難しい場合もある。
【0055】
したがって、本発明の実施例によれば、CV制御中であったDC/DCコンバータの電池が、上限SOC領域又は下限SOC領域に達する場合、他の電池と連動するDC/DCコンバータがCV制御を行うようにする。
【0056】
このようにCV制御の主体が、例えばDC/DCコンバータ1からDC/DCコンバータ2に変更される場合、ステップ2では、一時的に二つのコンバータによってCV制御が行われるようにすることで、DCリンク電圧に対する制御が常時維持されるようにする。ステップ2を経てステップ3になると、制御権がDC/DCコンバータ2に完全に渡され、DC/DCコンバータ2のみがCV制御を行い、DC/DCコンバータ1はCPモード制御を行うようになる。
【0057】
図3は、本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵システムの制御方法の動作フロー図である。
【0058】
図3に示す制御方法は、どのような方式でDC/DCコンバータの制御がCV制御からCPモード又はCCモード制御に変更されるのか、又はその逆に変更されるのかについて説明する。
図3に示す制御方法は、電池セクションコントローラによって行われてよい。すなわち、DC/DCコンバータ制御モードの決定主体はBSCである。
【0059】
DC/DCコンバータがCPモード又はCCモード制御を行う場合、BSCで電池のSOCなどを考慮して、DC/DCコンバータの出力リファレンスを計算してDC/DCコンバータに伝達し、DC/DCコンバータはこれに基づいて出力を決定する。 すなわち、本発明によれば、電池の状態に応じて出力を自ら決定する能動的な制御が可能である。
【0060】
図3を参照すれば、本発明に係る電力制御方法は、複数のDC/DCコンバータのうち一つのDC/DCコンバータがDCリンクに対するCV制御を行うようにする。よって、例えばn個のDC/DCコンバータがシステム内に配置されており、第1コンバータがCV制御を行うとしたら、残りのDC/DCコンバータはいずれもCP モード制御又はCCモード制御を行うようになる(S310)。
【0061】
この状態でCVモード制御を行う第1DC/DCコンバータに対するSOCの測定が周期的に行われてよい(S320)。測定された第1DC/DCコンバータのSOCが適正な範囲内である場合(S330のいいえ)には、第1コンバータによるCVモード制御が引き続き行われる。
【0062】
ところが、第1DC/DCコンバータのSOCが適正な範囲から外れた場合、すなわち第1DC/DCコンバータのSOCが既設定のSOC範囲の上限値(SOC_high)より大きいか下限値(SOC_low)より小さい場合(S330のいいえ)には、CV制御の主体を変更する必要がある。具体的に、BSCは全体n個のコンバータのうちCVモード制御を行っていた第1コンバータを除くCP/CC制御中の(n-1)個のコンバータと連動する電池のSOCを測定する(S340)。BSCは、測定されたSOCに応じて(n-1)個のコンバータのうちCVモード制御を行う第2コンバータを選定する(S350)。
【0063】
ここで、CVモード制御を行う新規のコンバータを選定するための手続きは、下記ような数式1及び数式2を用いて行われてよい。
【0064】
[数式1]
Diff_n = max {(x - SOC_low), (SOC_high - x)}
数式1において、xは該当の電池のSOCであり、SOC_highは既設定のSOC範囲の上限値であり、SOC_lowは既設定のSOC範囲の下限値である。通常のSOCを有する電池の場合、xはSOC_low以上SOC_high以下の値になるのであろう。(すなわち、0 < SOC_low < x < SOC_high < 100)
[数式2]
Next_CV_converter = min{Diff_1, Diff_2, .... Diff_n-1}に該当する位置のDC/DCコンバータ
数式1を通じて、各電池のSOCばらつき(Diff)、すなわち該当の電池の現在のSOCに対する上限値又は下限値の差のうち大きな値を計算することができる。また、数式2を通じて、CV制御を行う新規のDC/DCコンバータ(Next_CV_converter)を選定することができる。数式2によれば、最も小さなばらつきのSOCを有するコンバータ、すなわち既設定のSOC範囲内の中間位置の値を有するコンバータが、次のCV制御を行うのに適したコンバータに選定されてよい。このように既設定のSOC範囲内で中間位置の値を有するコンバータがCV制御を行う場合、最大限長い間CV制御を維持することができ、これによって頻繁な制御モード変換を防止できるという長所を有する。
【0065】
数式1及び数式2を用いたコンバータ選定手続きは、システム運用中にCV制御を行う主体を変更するときだけでなく、システムの初期動作時に最初のCVモード制御を行うDC/DCコンバータを選定するときにも活用されてよい。すなわち、S310ステップで第1コンバータを選定するときにも、数式1及び数式2が使用されることができ、この場合、SOC測定の対象はシステム内のすべてのDC/DCコンバータになることができる。
【0066】
一方、CV制御を行う第2コンバータが選定されれば、一時的に第1コンバータ及び第2コンバータが同時にCV制御を行う(S360)。これは上述したように、DCリンクの電圧を安定して維持するためである。
【0067】
その後、一定時間が経過すれば、第2コンバータのみCV制御を行い、第1コンバータを含む残りのコンバータはいずれもCP制御を行うようになる(S370)。
【0068】
上述したような本発明の実施例によれば、多数のDC/DCコンバータを使用するエネルギー貯蔵システムでDCリンク電圧を安定して制御することができる。
【0069】
これに加え、CV制御を行うDC/DCコンバータ以外の残りのDC/DCコンバータは、CP制御又はCC制御を行うので、BSCで各電池の状態を考慮して能動的に出力リファレンスを計算することができる。
【0070】
一方、DC/DCコンバータを含まないESS内のPCSは、CP又はCC制御方式で駆動されるのが一般的である。DC/DCコンバータが適用された電池システムで本発明の実施例に係る制御方式を適用する場合、ESS内のPCSは従来のシステムに使用されていた方式と同様に動作することができる。すなわち、本発明によれば、電池システムにDC/DCコンバータが使用されても、PCSのソフトウェアなどを変更する必要なくそのまま使用できるという長所を有する。
【0071】
本発明の実施例に係る方法の動作は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体にコンピュータで読み取り可能なプログラム又はコードとして実現することが可能である。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み込まれ得るデータが保存されるすべての種類の記録装置を含む。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークで接続されたコンピュータシステムに分散して、分散方式でコンピュータで読み取り可能なプログラム又はコードが保存されて実行され得る。
【0072】
また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ロム(ROM)、ラム(RAM)、フラッシュメモリ(flash memory)などのようにプログラム命令を格納して遂行するように特別に構成されたハードウェア装置を含むことができる。プログラム命令は、コンパイラ(compiler)によって作られるような機械語コードのみならず、インタプリタ(interpreter)などを使用してコンピュータによって実行され得る高級言語コードを含むことができる。
【0073】
本発明の一部の側面は、装置の文脈で説明されたが、それは、対応する方法による説明も示すことができ、ここで、ブロック又は装置は、方法ステップ又は方法ステップの特徴に対応する。同様に、方法の文脈で説明された側面は、対応するブロック又はアイテム又は対応する装置の特徴で示すことができる。方法ステップのいくつか又は全部は、例えばマイクロプロセッサ、プログラム可能なコンピュータ又は電子回路のようなハードウェア装置によって(又は用いて)行われ得る。いくつかの実施例において、最も重要な方法ステップの一つ以上は、このような装置によって行われてよい。
【0074】
以上、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更できることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0075】
1 DC/DCコンバータ
2 DC/DCコンバータ
100 電池管理システム(BMS)
200 電池セクションコントローラ(BSC)
300 電力管理システム(PMS)
400 電力変換システム(PCS)
500 DC/DCコンバータ
600 グリッド
【手続補正書】
【提出日】2023-03-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各電池ラックと連動してDC/DC変換を行う複数の電力コンバータと、
前記複数の電力コンバータとグリッドとの間の電力変換を行う電力変換システムと、
前記複数の電力コンバータ及び前記電力変換システムと連動する電池セクションコントローラであって、前記複数の電力コンバータのうち第1電力コンバータがDCリンクの電圧を一定水準に維持するCV(Constant voltage)モード制御を行うように制御し、前記第1電力コンバータが接続された第1電池ラックの状態をチェックして、前記第1電池ラックの状態に応じて前記DCリンクに対するCVモード制御を行う主体を変更する、電池セクションコントローラと
を含む、エネルギー貯蔵システム。
【請求項2】
前記電池セクションコントローラは、
前記複数の電力コンバータのうち第1電力コンバータを除く残りの電力コンバータがCP(Constant Power)モード又はCC(Constant Current)モード制御を行うように制御する、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項3】
前記電池セクションコントローラは、
前記第1電池ラックの充電状態(SOC)に基づいて、前記第1電力コンバータによるDCリンク制御を中断させ、前記複数の電力コンバータのうち第2電力コンバータがDCリンク制御を行うように変更する、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項4】
前記電池セクションコントローラは、
前記第2電力コンバータによるDCリンク制御が行われる前に、
一時的に前記第1電力コンバータによるDCリンク制御及び前記第2電力コンバータによるDCリンク制御が同時に行われるように制御する、請求項3に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項5】
前記電池セクションコントローラは、
前記第1電力コンバータの代わりにDCリンク制御を行う前記第2電力コンバータとして、前記第1電力コンバータを除く前記複数の電力コンバータの中で電力コンバータを選択するように構成され、前記第2電力コンバータは、前記電池ラックの充電状態に関して中間位置の値を有する電力コンバータに対応する、請求項3に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項6】
前記電池セクションコントローラは、
前記第1電池ラックの充電状態が既設定の充電状態範囲の上限値又は下限値に達したかを確認し、前記DCリンクに対するCVモード制御を行う主体を変更するか否かを決定する、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項7】
前記DCリンクは、前記複数の電力コンバータとグリッドとの間でAC/DC変換を行う電力変換システム(Power Conversion System;PCS)と前記複数の電力コンバータとの間のリンクである、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項8】
複数の電池ラック及び前記複数の電池ラックのそれぞれに接続された複数の電力コンバータを含むエネルギー貯蔵システムの制御方法であって、
前記複数の電力コンバータのうち第1電力コンバータがDCリンクの電圧を一定水準に維持するCV(Constant Voltage)モード制御を行うように制御するステップと、
前記第1電力コンバータが接続された第1電池ラックの状態をチェックするステップと、
前記第1電池ラックの状態に応じて前記DCリンクに対するCVモード制御を行う主体を変更するステップと
を含む、エネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項9】
前記第1電力コンバータがCVモード制御を行うようにするステップは、
前記複数の電力コンバータのうち第1電力コンバータを除く残りの電力コンバータがCP(Constant Power)モード又はCC(Constant Current)モード制御を行うように制御するステップを含む、請求項8に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項10】
前記第1電池ラックの状態に応じて前記DCリンクに対するCVモード制御を行う主体を変更するステップは、
前記第1電池ラックの充電状態(SOC)に基づいて、前記第1電力コンバータによるDCリンク制御を中断させ、前記複数の電力コンバータのうち第2電力コンバータがDCリンク制御を行うように変更するステップを含む、請求項8に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項11】
前記第1電池ラックの状態に応じて前記DCリンクに対するCVモード制御を行う主体を変更するステップは、
前記第2電力コンバータによるDCリンク制御が行われる前に、
一時的に前記第1電力コンバータによるDCリンク制御及び前記第2電力コンバータによるDCリンク制御が同時に行われるステップをさらに含む、請求項10に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項12】
前記第1電力コンバータの代わりにDCリンク制御を行う前記第2電力コンバータは、
前記複数の電力コンバータのうち前記第1電力コンバータを除く残りの電力コンバータのうち該当の電力コンバータが担当する電池の充電状態に関して中間位置の値を有する電力コンバータが選択される、請求項10に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項13】
前記第1電力コンバータが接続された第1電池ラックの状態をチェックするステップは、
前記第1電池ラックの充電状態が既設定の充電状態範囲の上限値又は下限値に達したかを確認するステップを含む、請求項8に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項14】
前記DCリンクは、前記複数の電力コンバータとグリッドとの間でAC/DC変換を行う電力変換システム(Power Conversion System;PCS)と前記複数の電力コンバータとの間のリンクである、請求項8に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項15】
複数の電池ラック及び前記複数の電池ラックのそれぞれに接続された複数の電力コンバータを含むエネルギー貯蔵システムで前記複数の電力コンバータと連動する電池セクション制御装置であって、
少なくとも一つのプロセッサと、
前記少なくとも一つのプロセッサを通じて実行される少なくとも一つの命令を格納するメモリとを含み、
前記少なくとも一つの命令は、
前記複数の電力コンバータのうち第1電力コンバータがDCリンクの電圧を一定水準に維持するCV(Constant Voltage)モード制御を行うように制御する命令と、
前記第1電力コンバータが接続された第1電池ラックの状態をチェックするようにする命令と、
前記第1電池ラックの状態に応じて前記DCリンクに対するCVモード制御を行う主体を変更するようにする命令と
を含む、電池セクション制御装置。
【請求項16】
前記少なくとも一つの命令は、
前記複数の電力コンバータのうち第1電力コンバータを除く残りの電力コンバータはCP(Constant Power)モード又はCC(Constant Current)モード制御を行うように制御するようにする命令をさらに含む、請求項15に記載の電池セクション制御装置。
【請求項17】
請求項8から14のうちのいずれか一項に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法を実行するための命令を含むコンピュータプログラム。
【国際調査報告】