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特表2023-543233複合多孔質椎体間インプラント、及び製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】複合多孔質椎体間インプラント、及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/44 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
A61F2/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519102
(86)(22)【出願日】2021-09-23
(85)【翻訳文提出日】2023-05-22
(86)【国際出願番号】 US2021051679
(87)【国際公開番号】W WO2022066856
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】63/082,782
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507280675
【氏名又は名称】アルファテック スパイン, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン,スコット
(72)【発明者】
【氏名】レオン,スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,フランク
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA10
4C097CC02
4C097DD10
(57)【要約】
【解決手段】脊椎椎体間インプラントの形成に使用するための複合チタン本体を形成する方法では、金属合金本体を選択して、金属合金本体から上部分及び底部分を切り取り、切り取られた上部分及び底部分に多孔質材料を接合する。複合チタン本体から複数の部分を切り取ってもよく、複数の部分は、金属合金で形成された前面と、多孔質材料で形成された上部分及び底部分と、前面から後面に延びて金属合金で形成されている中間部分とを夫々有している。骨ねじの後退を防ぐための固定機構を有する脊椎椎体間インプラントのための方法及びデバイスが更に記載されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合椎体間インプラントを製造する方法であって、
上面及び反対側の底面を有する金属合金本体を選択し、
前記金属合金本体の上面の一部を切り取り、
前記金属合金本体の底面の一部を切り取り、
前記上面に多孔質金属を接合し、
前記底面に多孔質金属を接合して複合金属合金ブロックを形成し、
前記複合金属合金ブロックから複合椎体間インプラントを切り離す、方法。
【請求項2】
複合椎体間インプラントを製造する方法であって、
上側及び底側を有する固体チタン本体を選択し、
前記固体チタン本体の上側の一部を切り取って上部分空所を形成し、
前記固体チタン本体の底側の一部を切り取って底部分空所を形成し、
前記上部分空所に多孔質チタンを拡散接合し、
前記底部分空所に多孔質チタンを拡散接合し、前記上部分空所及び前記底部分空所への多孔質チタンの拡散接合によって、複合チタンブロックを形成し、
前記複合チタンブロックから複合椎体間インプラントを切り離す、方法。
【請求項3】
複合椎体間インプラントを製造する方法であって、
上面、反対側の底面及び側面を有する固体チタン本体を選択し、
前記上面に多孔質チタンを接合し、
前記底面に多孔質チタンを接合し、
固体チタンブロックを前記側面に垂直に接合して複合チタンブロックを形成し、
前記複合チタンブロックから複合椎体間インプラントを切り離す、方法。
【請求項4】
複合椎体間インプラントを製造する方法であって、
上面及び底面を有する固体チタン本体を選択し、
前記固体チタン本体の上面の一部を切り取り、
前記固体チタン本体の底面の一部を切り取り、
前記上面に金属を接合し、
前記底面に多孔質金属を接合して複合チタン本体を形成し、
前記複合チタン本体から複合椎体間インプラントを切り離す、方法。
【請求項5】
前面及び反対側の後面を有する本体と、上部分及び底部分とを備えており、中間部分が前記本体を貫いて前記前面から反対側の前記後面に延びており、
前記前面はチタン合金で形成されており、前記上部分及び前記底部分は多孔質チタンで形成されており、前記中間部分はチタン合金で形成されている、複合椎体間インプラントシステム。
【請求項6】
前記前面及び前記中間部分は1個のチタン合金で形成されている、請求項5に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項7】
前記多孔質チタンは、多孔質チタンを形成すべく共に拡散接合された多孔質チタンのシートを含んでいる、請求項5又は6に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項8】
前記上部分は前記中間部分の上面に拡散接合されており、前記底部分は前記中間部分の底面に拡散接合されている、請求項5~7のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項9】
複合椎体間インプラントシステムであって、
前面及び反対側の後面を有する本体と、上部分及び底部分とを備えており、中間部分が前記本体を貫いて前記前面から反対側の前記後面に延びており、
前記前面は固体金属合金で形成されており、前記上部分及び前記底部分は多孔質金属で形成されており、前記中間部分は固体金属合金で形成されており、
前記前面は、骨ねじを受けるための少なくとも1つの孔を有しており、
前記複合椎体間インプラントシステムは、前記骨ねじの後退を防ぐための少なくとも1つの固定機構を備えている、複合椎体間インプラントシステム。
【請求項10】
前記前面は、前記少なくとも1つの孔の近位に設けられた軸方向チャネルを更に有しており、
前記固定機構は、外側に突出するタブと共にシリンダを有しており、前記シリンダは前記軸方向チャネルに受け入れ可能であり、外側に突出する前記タブは、前記少なくとも1つの孔内に少なくとも部分的に延びている、請求項9に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項11】
前記固定機構の外側に突出する前記タブは、前記骨ねじが前記少なくとも1つの孔に挿入されると前記骨ねじが外側に突出する前記タブを偏倚させ得るように角度の付いた面を更に有している、請求項10に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項12】
外側に突出する前記タブが前記骨ねじによって偏倚した後、外側に突出する前記タブは付勢されて前記少なくとも1つの孔内に延びる、請求項10又は11に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項13】
前記前面は、前記少なくとも1つの孔の近位に設けられた軸方向チャネルを更に有しており、
前記固定機構は、少なくとも1つの外側に突出するアームを有する阻止体を有しており、前記阻止体は前記軸方向チャネルに受け入れ可能であり、固定構成と開放構成との間で前記軸方向チャネル内で回転可能である、請求項9に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項14】
前記本体は、請求項1に記載の方法によって形成された複合金属合金ブロックから切り取られている、請求項9~13のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項15】
前記本体は、請求項2~4のいずれか1つに記載の方法によって形成された複合チタンブロックから切り取られている、請求項9~14のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの孔はねじ山を少なくとも部分的に有している、請求項9~15のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの孔のねじ山は、前記骨ねじの対応するねじ山と係合するように構成されている、請求項16に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項18】
前記骨ねじは、少なくとも部分的にねじ山を有する頭部を有している、請求項16又は17に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの孔のねじ山と前記骨ねじの対応するねじ山との間に間隙が設けられている、請求項17又は18に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項20】
前面及び反対側の後面を有する本体と、上部分及び底部分とを備えており、中間部分が前記本体を貫いて前記前面から反対側の前記後面に延びて前記上部分及び前記底部分を隔てており、
前記前面は固体金属合金で形成されており、前記上部分及び前記底部分は多孔質金属で形成されており、前記中間部分は固体金属合金で形成されており、
前記前面は、第1の骨ねじを受けるための第1の孔と、前記第1の孔の近位に設けられている、第1の固定機構を受けるための第1の内側に延びているチャネルとを有しており、
前記前面は、第2の骨ねじを受けるための第2の孔と、前記第2の孔の近位に設けられている、第2の固定機構を受けるための第2の内側に延びているチャネルとを有しており、
前記第1の固定機構は、第1の内側に延びているチャネルに受け入れ可能であって内側端部及び外側端部を有するシリンダと、前記シリンダの外側端部から外側に突出して前記第1の孔内に少なくとも部分的に突出する第1のタブとを有しており、
前記第2の固定機構は、第2の内側に延びているチャネルに受け入れ可能なシリンダと、前記シリンダから外側に突出して前記第2の孔内に少なくとも部分的に突出する第2のタブとを有している、複合椎体間インプラントシステム。
【請求項21】
前記第1のタブ及び前記第2のタブは付勢されて前記第1の孔内及び前記第2の孔内に少なくとも部分的に突出する、請求項20に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項22】
前記第1のタブ及び前記第2のタブは角度の付いた面を有している、請求項21に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項23】
前記シリンダの外側端部は、内側に動く第1の骨アンカーの圧力によって前記第1の固定機構のタブを前記第1の孔から押し出して、内側に動く第2の骨アンカーの圧力によって前記第2の固定機構のタブを前記第2の孔から押し出すことができるように切り取られている、請求項22に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項24】
前記第1の固定機構のタブ及び前記第2の固定機構のタブは、前記第1の孔内及び前記第2の孔内に少なくとも部分的に突出するために夫々付勢される、請求項23に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項25】
複合椎体間インプラントシステムであって、
前面及び反対側の後面を有する本体と、上部分及び底部分とを備えており、中間部分が前記本体を貫いて前記前面から反対側の前記後面に延びて、前記上部分及び前記底部分を隔てており、
前記前面は固体金属合金で形成されており、前記上部分及び前記底部分は多孔質金属で形成されており、前記中間部分は固体金属合金で形成されており、
前記前面は第1の骨アンカーを受けるための第1の孔を有しており、
前記前面は第2の骨アンカーを受けるための第2の孔を有しており、
前記複合椎体間インプラントシステムは、前記第1の孔及び前記第2の孔からの前記第1の骨アンカー及び前記第2の骨アンカーの夫々の後退を防止するための固定機構を備えている、複合椎体間インプラントシステム。
【請求項26】
前記前面は、前記第1の孔と前記第2の孔との間に設けられている、前記固定機構を受けるための成形空所を更に有しており、
前記固定機構は、前記第1の孔と前記第2の孔との間の成形空所に配置されている回転式阻止体を有しており、前記回転式阻止体は、骨アンカーが挿入され得る第1の開位置、及び骨アンカーが挿入され得ない第2の閉位置を有する、請求項25に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項27】
前記回転式阻止体は、前記第2の閉位置で前記第1の孔内及び前記第2の孔内に延びて、前記第1の開位置で前記第1の孔内及び前記第2の孔内に延びない、請求項26に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項28】
前記本体は垂直開口部を有しており、前記固定機構は垂直ピンを更に有しており、前記回転式阻止体は、前記回転式阻止体を本体の所定の位置に保持するための前記垂直ピンを受けるための開口部を有している、請求項27に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項29】
前記回転式阻止体は第1の外側に延びているアーム及び第2の外側に延びているアームを有しており、
前記成形空所は、前記第1の外側に延びているアームが内部で回転するための第1のスロット、及び前記第2の外側に延びているアームが内部で回転するための第2のスロットを有している、請求項26~28のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項30】
前記第1のスロットによって、前記第2の外側に延びているアームは約0度~約45度回転可能であり、前記第2のスロットによって、前記第1の外側に延びているアームは約180 度~約225 度回転可能である、請求項29に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項31】
前記成形空所は、挿入具を受けるための少なくとも1つの更なる切欠部分を更に有している、請求項26~30のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項32】
前記回転式阻止体は、挿入具と係合するためのねじ山を更に有している、請求項26~31のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項33】
前記本体は、請求項1に記載の方法によって形成された複合金属合金ブロックから切り取られている、請求項20~32のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項34】
前記本体は、請求項2又は3に記載の方法によって形成された複合チタンブロックから切り取られている、請求項20~32のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項35】
前記本体は、請求項4に記載の方法によって形成された複合チタン本体から切り取られている、請求項20~32のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に脊柱のためのインプラントに関する。より具体的には、限定することなく、本開示は脊椎椎体間インプラント及び脊椎椎体間インプラントの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脊椎手術は、変性椎間板疾患、再発性椎間板ヘルニア、脊椎不安定性、脊椎すべり症、偽関節症、骨髄炎/椎間板炎、椎弓切除後症候群及び外傷などの様々な異常を処置するために使用されてもよい。脊椎固定処置は通常、変性椎間板疾患及び/又は脊椎不安定性に起因する難治性の腰痛に使用される。固定には、痛みを伴う脊柱部分の固定、及び固定されたレベル全体に亘る骨成長の促進が含まれる。頸椎には通常、前方除圧術及び固定が使用される。
【0003】
腰椎固定の臨床結果が骨融合の達成と相関するため、脊椎固定インプラントは骨のイングロースを促進するように構成されていることが多い。椎体間インプラントにより骨結合を実現して、沈降、応力遮蔽及び関連する合併症を制限することにより、固定を促進してインプラントの寿命を改善する可能性が高い。実際、椎体間インプラントによる骨のオングロース及びイングロースを改善すると、癒合を高めて、擬関節症、応力遮蔽、沈降及びインプラントの不具合を制限する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チタンは、優れた生体適合性、優れた耐腐食性を与えるTiO2生成に起因する堅牢な再不動態化、及び低密度を有するため、チタン及びその合金は椎体間インプラントの構造に選択されることが多い。チタン合金は望ましい生体適合性及び機械的特性を有するが、オッセオインテグレーションを支援するために更なる修正が必要とされることが多い。例えば、修正には、表面粗さ、表面形状の修正、熱処理、アルカリ処理、Naイオンの除去、多孔質材料の変換、及び/又はHAコーティングが含まれる。これらの修正によって、オッセオインテグレーションの可能性及び生物活性を高めることができる。多孔質チタンはオッセオインテグレーションに有用であり得るが、限界もある。例えば、多孔質チタンは固体チタンほど強くなく耐久性もない。
【0005】
脊椎インプラントの別の問題は、隣り合う脊椎骨間の所定の位置に脊椎インプラントを固定するために骨アンカーを使用する場合があるということである。経時的に、インプラントに対する脊椎骨の微小な動きにより、骨アンカーが緩んで脊椎骨から後退し始める場合がある。場合によってはインプラントが緩んで潜在的に脊椎骨間内で移動し得ることに加えて、骨アンカー自体が突き出て、患者の敏感な組織及び器官に損傷を与える場合がある。
【0006】
インプラントの短期的及び長期的両方の安定性を更に高めて癒合を促進するインプラント構成の改善が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によれば、複合椎体間インプラントを製造するための方法が開示されており、この方法では、上面及び反対側の底面を有する金属合金本体を選択し、金属合金本体の上面の一部を切り取るか又はくり抜き、金属合金本体の底面の一部を切り取るか又はくり抜き、上面に多孔質金属を接合し、底面に多孔質金属を接合して複合金属合金ブロックを形成し、複合金属合金ブロックから複合椎体間インプラントを切り離す。ある構成では、金属合金はチタン合金を含んでおり、多孔質金属は多孔質チタンを含んでいる。別の態様によれば、多孔質材料を金属合金本体に融合させるために融合接合が使用されてもよい。
【0008】
本明細書に記載されているような方法で形成された複合金属合金ブロックで形成された椎体間インプラントなどの複合椎体間インプラントが、本明細書に更に開示されている。例えば、ALIF複合椎体間インプラントシステムは、前面及び反対側の後面を有する本体と、上部分及び底部分とを備えてもよく、中間部分が本体を貫いて前面から反対側の後面に延びており、前面はチタン合金で形成されており、上部分及び底部分は多孔質チタンで形成されており、中間部分はチタン合金で形成されている。ある構成では、前面及び中間部分は1個のチタン合金で形成されている。
【0009】
更に別の態様によれば、複合椎体間インプラントからの骨アンカーの後退を防ぐための固定機構が記載されている。複合椎体間インプラントシステムは、前面及び反対側の後面を有する本体と、上部分及び底部分とを備えてもよく、中間部分が本体を貫いて前面から反対側の後面に延びており、前面は固体金属合金で形成されており、上部分及び底部分は多孔質金属で形成されており、中間部分は固体金属合金で形成されており、前面は骨ねじを受けるための少なくとも1つの孔を有しており、複合椎体間インプラントシステムは、骨ねじの後退を防ぐための少なくとも1つの固定機構を備えている。
【0010】
固定機構が、孔の近位に設けられている軸方向チャネルを有してもよく、固定機構は、外側に突出するタブと共にシリンダを有しており、シリンダは軸方向チャネルに受け入れ可能であり、外側に突出するタブは少なくとも1つの孔内に延びている。ある構成では、固定機構の外側に突出するタブは、骨ねじが少なくとも1つの孔に挿入されると骨ねじが外側に突出するタブを偏倚させ得るように角度の付いた面を更に有している。外側に突出するタブが骨ねじによって偏倚した後、外側に突出するタブは付勢されて少なくとも1つの孔内に延びてもよい。
【0011】
ある構成では、複合椎体間インプラントシステムは、第1の骨ねじを受けるための第1の孔と、第1の孔の近位に設けられている、第1の固定機構を受けるための第1の内側に延びているチャネルとを有する前面を備えてもよく、前面は、第2の骨ねじを受けるための第2の孔と、第2の孔の近位に設けられている、第2の固定機構を受けるための第2の内側に延びているチャネルとを有しており、第1の固定機構は、第1の内側に延びているチャネルに受け入れ可能であって内側端部及び外側端部を有するシリンダと、シリンダの外側端部から外側に突出して第1の孔内に少なくとも部分的に突出するタブとを有しており、第2の固定機構は、第2の内側に延びているチャネルに受け入れ可能なシリンダと、シリンダから外側に突出して第2の孔内に少なくとも部分的に突出するタブとを有している。
【0012】
別の態様によれば、固定機構のシリンダの外側端部は、内側に動く第1の骨アンカーの圧力によって第1の固定機構のタブを第1の孔から押し出して、内側に動く第2の骨アンカーの圧力によって第2の固定機構のタブを第2の孔から押し出すことができるように切り取られている。第1の固定機構のタブ及び第2の固定機構のタブは、第1の孔及び第2の孔に少なくとも部分的に突出するために夫々付勢される。
【0013】
別の態様によれば、頸椎複合椎体間インプラントが記載されており、頸椎複合椎体間インプラントは、前面及び反対側の後面を有する本体と、上部分及び底部分とを備えてもよく、中間部分が本体を貫いて前面から反対側の後面に延びて上部分及び底部分を隔てており、前面は固体金属合金で形成されており、上部分及び底部分は多孔質金属で形成されており、中間部分は固体金属合金で形成されており、前面は、第1の骨アンカーを受けるための第1の孔、及び第2の骨アンカーを受けるための第2の孔を有しており、頸椎複合椎体間インプラントは、第1の孔及び第2の孔からの第1の骨アンカー及び第2の骨アンカーの夫々の後退を防止するための固定機構を備えている。
【0014】
別の態様によれば、頸椎インプラントの前面は、第1の孔と第2の孔との間に設けられている、固定機構を受けるための成形空所を有しており、固定機構は、第1の孔と第2の孔との間の成形空所に配置されている回転式阻止体を有しており、回転式阻止体は、骨アンカーが挿入され得る第1の開位置、及び骨アンカーが挿入され得ない第2の閉位置を有する。ある構成では、成形空所は、挿入具を受ける/挿入具と係合するための更なる切欠部分を更に有してもよい。
【0015】
ある構成では、頸椎インプラントの本体は垂直開口部を有しており、固定機構は垂直ピンを更に有しており、回転式阻止体は、回転式阻止体を本体の所定の位置に保持するための垂直ピンを受けるための開口部を有している。回転式阻止体は第1の外側に延びているアーム及び第2の外側に延びているアームを有してもよく、成形空所は、第1の外側に延びているアームが内部で回転するための第1のスロット、及び第2の外側に延びているアームが内部で回転するための第2のスロットを有している。
【0016】
別の態様によれば、本明細書に記載されているインプラントは、本明細書に記載されている方法を使用して形成された複合金属ブロックから切断/形成されてもよい。本明細書に記載されている方法で形成された複合金属ブロックから切断/形成されたインプラントは固体金属の前面を有し、固体金属の中間部分が前面から後面に延びており、上部分及び下部分は多孔質材料で形成されている。上部分及び下部分は中間部分に拡散接合されてもよい。
【0017】
開示された主題の他の態様、並びに開示された主題の様々な態様の特徴及び利点は、後続の説明、添付する図面及び添付する特許請求の範囲を考慮することにより当業者に明らかになるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下の図面は、開示された主題を実施するための具体的且つ典型的な構成であると現在みなされるものを示しており、本開示に従ってなされてもよい実施形態に関して限定されるものではない。図面中の構成要素は、必ずしも相対的な縮尺で示されているわけではない。同様の参照符号は、複数の図面を通して対応する部分を示している。
【0019】
図1】脊椎椎体間インプラントを製造するために使用される複合チタン本体の例を示す斜視図である。
図2】チタン合金本体を示す断面図である。
図3】切り取られたチタン合金本体並びに上側及び下側の多孔質材料を示す断面分解図である。
図4図1の斜視断面図である。
図5図1の断面正面図である。
図6】複合チタン本体から椎体間インプラントを形成するための可能性がある切断マークを示す図1の複合チタン本体を示す斜視図である。
図7】本明細書に記載されているような複合チタン本体から形成された例示的なALIF椎体間インプラントを示す斜視図である。
図8図7の例示的なALIF椎体間インプラントを示す側面図である。
図9】ねじが示されている図7の例示的なALIF椎体間インプラントを示す斜視図である。
図10図9の分解図である。
図11図8の例示的なALIF椎体間インプラントを示す正面図である。
図12図11のXII 線に沿った図8の例示的なALIF椎体間インプラントを示す断面図である。
図13】例示的な固定機構を示す斜視図である。
図14】本明細書に記載されているような複合チタン本体から形成された例示的な頸椎椎体間インプラントを示す斜視図である。
図15図14の例示的な頸椎椎体間インプラントを示す側面図である。
図16】ねじが示されている図14の例示的な頸椎椎体間インプラントを示す斜視図である。
図17】ねじが示されている図14の例示的な頸椎椎体間インプラントを示す平面斜視図である。
図18】ねじが示されている図14の例示的な頸椎椎体間インプラントを示す正面図である。
図19図18のXVIII 線に沿った図14の頸椎椎体間インプラントを示す断面図である。
図20】別の例示的な固定機構を示す斜視図である。
図21A】例示的な挿入具を示す斜視図である。
図21B図21Aの挿入具の遠位端部を示す拡大図である。
図21C図21Aの挿入具の遠位端部を示す断面図である。
図22A】別の例示的な挿入具を示す斜視図である。
図22B図22Aの挿入具の遠位端部を示す拡大図である。
図23A】別の例示的な挿入具を示す斜視分解図である。
図23B図23Aの挿入具の遠位端部を示す拡大図である。
図24図23Aの挿入具と共に使用される例示的なモジュール型先端部を示す斜視図である。
図25図23Aの挿入具と共に使用される別の例示的なモジュール型先端部を示す斜視図である。
図26図23Aの挿入具と共に使用される別の例示的なモジュール型先端部を示す斜視図である。
図27図23Aの挿入具と共に使用される別の例示的なモジュール型先端部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本開示の例示的な実施形態について、添付図面を参照して詳細に記載する。本開示の利点及び特徴並びにこれらを実現する方法が、添付図面を参照して例示的な実施形態の以下の記載から明らかになる。1つの図面を参照して記載される様々な態様が、別の図面に示されている実施形態と共に存在してもよく及び/又は使用されてもよく、複数の図面に示されている各要素は1度だけ記載されてもよい。
【0021】
明細書における「1つの構成」、「1つの実施形態」、「構成」又は「実施形態」への言及は、構成に関連して記載されている特定の特徴、構造又は特性が少なくとも1つの構成に含まれていることを意味するが、このような特徴、構造又は特性が、存在していると特許請求の範囲に明確に示されていない限り、任意の特定の構成に存在することは要件ではない。様々な箇所における「1つの構成で」という表現は、必ずしも本発明の特定の要素を1つの構成に含めることを限定しない場合があり、むしろ、要素は、本明細書に記載されている他の構成又は全ての構成に含まれてもよい。
【0022】
開示された主題の構成の記載された特徴、構造又は特性は、一又は複数の構成であらゆる適切な方法で組み合わされてもよい。本明細書及び添付の特許請求の範囲に使用されるように、文脈上明らかに指示されていない限り、「a 」、「an」及び「the 」などの単数形は複数形を含んでもよい。従って、例えば、固体チタンの「ブロック」への言及はこのようなブロックの一又は複数を含んでもよく、「孔」への言及はこのような孔の一又は複数への言及を含んでもよい。構造要素、構成要素及び/又は材料は、簡便性のために共通のリストに示されてもよい。しかしながら、これらのリストは、リストの各要素が別個の固有の要素として個別に識別されるかのように解釈されるべきである。
【0023】
本明細書に記載されている複合椎体間インプラントのある構成要素は互いに結合又は連結されていると記載され、このような結合及び連結は、あらゆる適切な方法で達成されてもよい。更に、このような構成要素はあらゆる適切な方法で互いに一体化されてもよく又は分散してもよい。本明細書で使用される材料の「ブロック」とは、このような材料のレンガ状体、シート又は別の塊など、あらゆる形状又はサイズのこのような材料のあらゆる塊を意味する。
【0024】
本開示は一般的に、複合椎体間インプラントを製造する方法に関する。複合椎体間インプラントは、完全に又は実質的に非多孔質であってもよい金属合金を含む第1の部分、及び多孔質材料を含む第2の部分で形成されてもよい。ある構成では、図1に示されており、以下により詳細に記載されるように、複合椎体間インプラントは、頂部及び底部の一部が除去されて、多孔質材料15が頂部及び底部の一部に接合されるか又は他の方法で取り付けられている金属合金のレンガ状体又は本体10を含む複合材料のレンガ状体又は他の本体から形成されている。
【0025】
ステンレス鋼、コバルト・クロム、チタン(Ti)、チタン合金、形状記憶合金、例えば、NiTi、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)及び白金(Pt)を含むが、これらに限定されないあらゆる適した金属又は金属合金が、複合椎体間インプラントの金属合金本体10に使用されてもよい。脊椎椎体間インプラントは通常、チタン、タンタル、チタン合金、コバルト・クロム及びこれらの合金を含む金属及び金属合金で形成される。例示的なコバルト・クロム材料にはCoCrMo合金が含まれる。本開示に従って使用するための例示的なチタン合金にはTi6AI4V が含まれる。本開示に従って使用するための例示的なステンレス鋼材料には、オーステナイト系ステンレス鋼、特に316 型及び316L型、並びにニッケルを含有しないステンレス鋼が含まれる。チタンは、耐食性及び高剛性を有して生理的に不活性な遷移金属であるため、脊椎椎体間インプラントにおける有用性を高める。チタンは更に、独特の骨結合能力を有する。更に、チタンから作製された椎体間インプラントの解剖学的位置は、従来の画像化法で容易に解析され得る。
【0026】
多孔質材料15は、あらゆる適した多孔質金属又は金属合金であってもよい。例えば、多孔質金属又は金属合金は、ステンレス鋼、コバルト・クロム、チタン(Ti)、チタン合金、形状記憶合金、例えば、NiTi、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)及び白金(Pt)から選択され得るが、これらに限定されない。典型的な金属及び金属合金には、チタン、タンタル、チタン合金、コバルト・クロム及びこれらの合金が含まれてもよい。多孔質材料は、あらゆる適した方法で製造されてもよく、ある構成では、多孔質材料は、金属又は金属合金の薄いシートを共に接合することにより製造されてもよく、この場合、夫々のシートに均一な細孔パターンを形成するために、フォトリソグラフィを使用してシートを多孔質にする。多孔質シートは、拡散接合などの方法を使用して接合されてもよい。他の方法が更に使用されてもよく、多孔質材料15の多孔質構造は、ランダム化された開孔パターン又は開孔の繰り返しパターンを有してもよい。多孔質材料15は、相互に連結された孔又は開孔を特徴としてもよい。
【0027】
多孔質材料15は、直径が例えば約100 μm~約2mm、約100 μm~約1mm、約200 μm~約900 μm又は約300 μm~約800 μmの範囲内の孔を有してもよい。孔径は、約300 μm~約800 μm、約400 μm~約700 μm又は約500 μm~約600 μmの平均孔径を有してもよい。孔径分布は単峰型であっても双峰型であってもよい。球状又は部分球状の孔、繰り返しパターン又はランダムなパターンの円筒体、立方体、円錐体、角錐体、多面体などのあらゆる適した孔の形状及び構成が使用されてもよい。多孔質材料15は更に、オッセオインテグレーションを促進するのに適した多孔性を更に有してもよい。例えば、多孔質材料は約30%から約80%の開孔率を有してもよい。ある構成では、多孔質材料は50%を超える開孔率、60%を超える開孔率、70%を超える開孔率又は75%を超える開孔率を有してもよい。
【0028】
多孔質材料15は、非多孔質金属合金本体10にあらゆる適した方法で取り付けられてもよい。一構成では、金属合金の本体10は最初に、例えば金属合金の本体10の一部を切り取るか又はくり抜くことによって除去された一又は複数の部分を有してもよい。図2は、矩形状の断面を有する金属又は金属合金の本体10の断面図である。この構成には、実質的にレンガ状の形状を有する本体10が使用されているが、本体10に他の形状及び大きさが使用されてもよい。本体は、上面18及び反対側の底面20を有してもよい。
【0029】
破線24で示されているように、本体10の上面18の一部が切り取られるかくり抜かれるか、又は他の方法で除去されて上部分空所27(図3参照)を形成してもよい。同様に、図2に破線30で示されているように、本体10の底面20の一部が切り取られるかくり抜かれるか、又は他の方法で除去されて底部分空所33(図3参照)を形成してもよい。その後、これらの空所に多孔質材料を充填することができる。図3は、上部分空所27及び底部分空所33並びに夫々の空所に充填される多孔質材料15を有する本体10の分解断面図である。
【0030】
多孔質材料15は、金属合金本体10にあらゆる適した方法で接合されてもよい。限定することなく例として、拡散接合が使用されてもよい。拡散接合は固体接合技術であるため、元の接合線は検出不可能になる。接合される金属部品は微細な変形のみ受け、接合領域は二次材料又は液相無しで均質である。拡散接合には、金属部品間の原子レベルでの溶接を実現すべく高温及び高圧が使用されることが多い。高温高圧下で2つの表面が接合されると、材料は経時的に、接する表面の境界を越えて拡散し始め、材料の境界を混ぜ合わせて接合部分を形成する。
【0031】
本明細書に開示されている複合金属合金ブロック12は、(既に上部分及び底部分が除去されている)金属合金本体10の第1の部分、金属合金本体10の上部分空所27の多孔質材料15、及び金属合金本体10の底部分空所33の多孔質材料15の集合体の拡散接合により形成されてもよい(図4~5参照)。多孔質材料15、金属合金本体10及び多孔質材料15のこれらの層は、層をダイ内に配置して熱及び圧力を加えることにより拡散接合されてもよい。上述したように、原子レベルでの拡散接合は、互いに接する表面の結合を促進して、略100 %の接合をもたらす。
【0032】
複合金属合金ブロック12を形成するための拡散接合を、複合金属合金ブロック12から脊椎椎体間インプラントを形成する前に行ってもよい。あらゆる適した形状及び大きさの複合金属合金ブロック12が使用されてもよく、上部分空所27を形成するために本体10からあらゆる適した形状及び大きさの部分が切り取られてもよい。上部分空所を充填するために使用される多孔質材料は、金属合金本体10の上側18を越えて延びるように上部分空所27の深さより大きい深さを有してもよい。他の構成では、上部分空所27を充填するために使用される多孔質材料15の深さは、上部分空所27の深さと同様であってもよく又は上部分空所27の深さ未満であってもよい。
【0033】
同様に、底部分空所33は本体10から切り取られてもよい。底部分空所33は、あらゆる適した形状及び大きさを有してもよい。底部分空所33を充填するために使用される多孔質材料15は、金属合金本体10の底面20の下に延びるように底部分空所33の深さより大きい深さを有してもよい。他の構成では、底部分空所33を充填するために使用される多孔質材料15の深さは、底部分空所33の深さと同様であってもよく又は底部分空所33の深さ未満であってもよい。
【0034】
複合金属合金ブロック12が形成された後、複合金属合金ブロック12から一又は複数の複合脊椎椎体間インプラントを切り取ってもよい。或いは、(金属合金本体10及び多孔質材料15を含む)部分を最初に切り取って、その後共に拡散接合してもよい。図6に示されているような1つの複合金属合金ブロック12を複数の部分に切断して、夫々の部分を使用して複合脊椎椎体間インプラントを形成することができる。複合金属合金ブロック12が図6の破線で示されているように切断される場合、つまり、複合金属合金ブロック12が連続的に切断される場合、各脊椎椎体間インプラントは、非多孔質金属合金本体10で形成された前面、並びに多孔質材料15で形成された上部分及び下部分を有し、金属合金本体10の中間部分が脊椎椎体間インプラントを通って前から後ろに延びることが認識される。
【0035】
複合金属合金ブロック12を切断した後、複合金属合金ブロックの夫々の部分が、複合脊椎椎体間インプラントの機能性を高めるために特徴を追加して所望のタイプの脊椎椎体間インプラントを更に形成してもよい。所望のあらゆるタイプの椎体間インプラントが形成されてもよく、椎体間インプラントの大きさ、形状及び他の特徴がカスタマイズされてもよい。
【0036】
例として、前腰部椎体間固定インプラントが、一般的な台形状を有して形成されてもよい。このようなインプラント40の具体的な一例が図7~8に示されている。インプラント本体42が、一般的な矩形状の前面45、テーパ状の後面47、及び前面45と後面47との間に延びている側壁によって画定されている。例えば、前面45が上述したような複合金属合金ブロック12から切り取られる場合、前面45は金属合金で形成されてもよい。前面45は、前面を貫いて延びる一又は複数の孔又は開口部を有してもよいので、(多孔質金属又は多孔質金属合金ではなく)金属合金の使用により、孔が補強されてもよい。多孔質金属又は多孔質金属合金と比較すると、固体金属合金の前面は、埋め込み中に加えられる負荷に更に耐えることができてもよい。
【0037】
インプラント本体42の前面45は、下面49から上面51に延びて前面45の前方からテーパ状の後面47に向かって延びている。中空の内部チャンバ52が、インプラント本体42の内周部内に画定されている。前面45は、中空の内部チャンバ52への途中まで、中空の内部チャンバ52の近傍まで、又は前端部から中空の内部チャンバ52への少なくとも途中まで後方に延びてもよい。更に、中空の内部チャンバ52は、オッセオインテグレーションを促進するために海綿状自家移植骨、同種移植骨、DBM 、多孔質合成骨移植代替物、BMP 、又はこれらの材料の組み合わせ(総称して骨移植材料)で充填されてもよい。他の構成では、本体は実質的に固体であってもよく、中空の内部チャンバ52を含まなくてもよい。
【0038】
ある態様によれば、インプラント40のオッセオインテグレーション能力は、結晶性ナノ粒子などの成長促進材料で少なくとも一部の外面を被覆することによって更に強化される。適した結晶性ナノ粒子には、ヒドロキシアパタイト(「HA」)、リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウム、リン酸八カルシウム、炭化HA、フルオロアパタイト、マグネシウムドープアパタイト、ストロンチウムアパタイト、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、及び/又はその組み合わせが含まれる。ある構成では、インプラント40の外面の少なくとも一部が成長促進材料で被覆されている。他の構成では、インプラント40の外面の全て又は略全てが成長促進材料で被覆されている。
【0039】
インプラント40は上部分55及び下部分60を有しており、両方の部分が後面47に向かって先細になっている。上部分55及び下部分60の両方が多孔質材料15で形成されてもよい。他の種類の材料が更に使用されてもよい。更に、インプラント本体42の中間部分64が、インプラント本体42の中央を貫いて前面45から後面47に延びてもよい。ある構成では、中間部分64は(チタン本体10からのチタンなどの)チタン合金で形成されて上部分55及び下部分60を隔てている。上部分55は中間部分64の上面に連結されてもよく、下部分60は中間部分64の底面に連結されてもよい。例えば、上部分55及び下部分60は、上述したような拡散接合によって中間部分64に連結されてもよい。インプラント本体42が上述したように複合金属合金ブロック12で形成される場合、多孔質の上部分55及び下部分60は、金属合金の中間部分64に夫々拡散接合されてもよい。
【0040】
図示されている実施形態では、上面51及び下面49は複数の鋸歯状切込み68を画定している。鋸歯状切込み68は、固体の前面45と多孔質の上部分55及び下部分60との両方によって画定されている。他の構成では、上面及び下面が比較的滑らかであってもよく、或いは、脊椎骨に対する椎体間インプラント40の滑り又は動きを減らすように構成された他の骨係合特徴を有してもよい。
【0041】
インプラント40の前面45は複数の孔を有しており、孔を通って(図7~8に示されていない)ねじが延びてインプラント40を脊椎体に固定する。更なる空所/スロットが、インプラント40を挿入するために使用される器具を受けるために設けられてもよく、挿入器具と係合するような形状及び大きさを有してもよい。インプラント40は、後面47の近くに横断開口部70を更に有してもよい。横断開口部70は、外科的処置中のインプラント40の画像化の可視性を高めてインプラントの適切な配置及び装着を保証することができ、インプラントの固定の術後評価を更に高めることができる。
【0042】
インプラント本体42の前面45は、インプラント本体42を所定の位置に固定するためにねじを受けるための一又は複数の孔を有してもよい。図9~10に示されている例示的な構成では、骨ねじ(骨ねじ79, 81が図9~10に示されている)などの骨アンカーを受けるための角度の付いた第1の孔73及び角度の付いた第2の孔75が設けられてもよい。この構成では骨ねじが図示されているが、あらゆるタイプの骨アンカーが想定される。第1の孔73及び第2の孔75は、所望のタイプの骨アンカーを受けるのに適したあらゆる形状、大きさ及び開口を有してもよい。図9~10に示されている構成では、第1の孔73及び第2の孔75は、前面45の前方を貫いてインプラント40のインプラント本体42の上面51の外側に延びるように形成されてもよい。
【0043】
同様に、第3の孔90が第1の孔73と第2の孔75との間に設けられてもよい。第3の孔90は、前面45の前方から本体の下面49の外側に延びてもよい。図7~8に示されている例示的な構成では、第3の孔90は第1の孔73及び第2の孔75より大きく、カニューレ式骨ねじを受けるように構成されている。ある構成では、インプラント40の本体42に2つの孔のみが設けられてもよく、他の構成では、インプラント40を脊椎骨に固定するために所望に応じて4以上の孔が設けられてもよい。
【0044】
ある構成では、前面45の一又は複数の孔は、骨ねじのねじ山と係合するように内側にねじ山を更に有してもよい。他の構成では、孔はねじ山を有さなくてもよい。ねじ孔の1つの特定の構成では、骨ねじ79, 81は、少なくとも部分的にねじ山を有する頭部を有している。骨ねじ79, 81のねじ山付頭部並びに第1の孔73及び第2の孔75のねじ山は、雄ねじ及び雌ねじ間に一定量の間隙を有するように構成されてもよい。図12の断面図に示されているように、第1の孔73の雌ねじ85は、横ねじ79の雄ねじ89のピッチと一致する。雌ねじ85及び雄ねじ89間の間隙92により、外科医は横ねじ79の角度を制御して配置することができる。雄ねじ89及び雌ねじ85間に間隙を設けることにより、更に外科医がねじを遅らせることができ、つまり、外科医は、インプラント40と上側脊椎骨及び/又は下側脊椎骨との間の距離を詰めるために必要な範囲を超えて骨ねじ79を回転させることにより、インプラント40を上側脊椎骨及び/又は下側脊椎骨に圧縮し得ることを意味する。
【0045】
ある構成では、インプラントは骨アンカーの後退を妨げるための固定機構を更に有してもよい。(インプラント40における配置に関して2つの固定機構を示している図9~10及び固定機構を単独で示している図13に示されている)1つの例示的な構成は、一般に95の参照番号が付されている固定機構を有しており、固定機構は、内端部94及び外端部96を有するシリンダ93を外端部96から外側に突出するタブ98と共に有している。固定機構95のシリンダ93は、インプラント本体42の軸方向チャネル100 を貫いて延びており、更に垂直ピン102 (図10)によって軸方向チャネル100 の所定の位置に保持されてもよい。軸方向チャネル100 は骨アンカーのための孔(例えば孔73, 75)の近位にあるため、固定機構95の外側に突出するタブ98は、以下に更に詳細に述べるように孔内に延びる。軸方向チャネル100 は、前面45から後方に延びてもよく、前面45に接するラインから実質的に垂直に延びてもよく、或いは角度をなして延びてもよい。固定機構95のシリンダ93が軸方向チャネル100 内にぴったりと嵌るように、軸方向チャネル100 は、シリンダ93の直径より僅かに大きい直径の大きさを有してもよい。固定機構95がインプラント本体42内の所定の位置に確実に保持されることを保証すべく、ピン102 が、インプラント本体42の上面51を垂直に貫いて固定機構95のシリンダ93の内端部94の垂直孔97に挿入されてもよい。
【0046】
図13に示されているように、固定機構95の例示的な実施形態では、外側に延びるタブ98が外端部96に設けられている。固定機構95のシリンダがチャネル100 の所定の位置に設けられると、外側に延びるタブ98は骨ねじを受けるための孔内に延びる。タブ98は、角度の付いた前面を更に有してもよい。更に、シリンダ93の一部が外端部96の近位で切り取られてもよい。シリンダの角度の付いた面及び切り取りにより、タブ98が孔から外側に変形することができ、(タブ98が孔をふさぐことなく)骨アンカーが挿入されると骨アンカーがタブ98を通過することができてもよい。骨アンカーの頭部がタブ98を通過すると、タブ98は付勢されて孔内の所定の位置に戻ってねじの頭部と係合し、ねじが後退することを防止する。
【0047】
使用中、骨ねじの頭部が固定機構95の外側に突出するタブ98に押し付けられるまで、まず骨ねじ79を孔73に導入する。外側に突出するタブ98の角度の付いた面のため、骨ねじの頭部はタブ98を外側に押してタブ98を越えて移動することができる。ねじの頭部がタブ98を通過すると、タブ98は付勢されて(今や骨ねじの頭部と孔73の入口との間の)所定の位置に戻り、骨ねじの頭部と係合して、骨ねじ79が孔73から後退するのを物理的に妨げることにより骨ねじの後退を防止する。ねじの後退を防止するために他のタイプの固定機構が更に使用されてもよいことが認識される。
【0048】
図14~15を参照すると、頸椎インプラント140 の例示的な構成が示されており、頸椎インプラント140 は、本明細書に記載されているような複合金属合金ブロック12から形成されてもよい。頸椎インプラント140 は、一般的なD字形状の本体142 を備えてもよい。インプラント本体142 は、一般的な矩形状の前面145 、テーパ状の後面147 、及び、前面145 と後面147 との間に延びている側壁によって画定されている。例えば、前面145 が上述したような複合金属合金ブロック12から切り取られる場合、前面145 はチタン合金で形成されてもよい。インプラント本体142 の前面145 は、下面149 から上面151 に延びて前面145 の前方からテーパ状の後面147 に向かって延びている。中空の内部チャンバ152 が、インプラント本体142 の内周部内に画定されている。金属合金の前面145 は、中空の内部チャンバ152 への途中まで、中空の内部チャンバ152 の近傍まで、又は前端部から中空の内部チャンバ152 への少なくとも途中まで延びてもよい。更に、中空の内部チャンバ152 は、オッセオインテグレーションを促進するために海綿状自家移植骨、同種移植骨、DBM 、多孔質合成骨移植代替物、BMP 、又はこれらの材料の組み合わせ(総称して骨移植材料)で充填されてもよい。他の構成では、本体は固体であり、中空の内部チャンバ152 を含まない。
【0049】
頸椎インプラント140 は上部分155 及び下部分160 を有しており、両方の部分が後面147 に向かって先細になっている。上部分155 及び下部分160 の両方が多孔質材料15で形成されてもよい。他の種類の材料が更に使用されてもよい。更に、本体142 の中間部分164 が、本体142 の中央を貫いて前面145 から後面147 に延びてもよい。ある構成では、中間部分164 は(上述したようなチタン本体からのチタンなどの)金属合金で形成されて多孔質の上部分155 及び多孔質の下部分160 を隔てている。上部分155 は中間部分164 の上面に連結されてもよく、下部分160 は中間部分164 の底面に連結されてもよい。例えば、上部分155 及び下部分160 は、上述したような拡散接合によって中間部分164 に連結されてもよい。インプラント本体142 が上述したように複合金属ブロック12で形成される場合、多孔質の上部分155 及び下部分160 は、金属合金の中間部分164 に夫々拡散接合されてもよい。
【0050】
図示されている特定の構成では、本体142 の下面149 及び上面151 は複数の窪み168 を画定している。窪み168 は、固体の前面145 と多孔質の上部分155 及び下部分160 との両方によって画定されている。他の構成では、上面及び下面が比較的滑らかであってもよく、或いは、脊椎骨に対する頸椎インプラント140 の滑り又は動きを減らすように構成された他の骨係合特徴を有してもよい。
【0051】
頸椎インプラント140 の前面145 は複数の空所を有しており、空所を通って(図14~15に示されていない)ねじが延びてインプラントを頸椎に固定する。以下に説明するように、頸椎インプラント140 を挿入するため、及び/又は固定機構195 を受けるために使用される器具を受けるために更なる空所/スロットが設けられてもよい。図14~15に示されている例示的な構成では、固定機構を受けるための成形空所200 が設けられており、挿入器具を受けるための切欠部分211 が設けられている。
【0052】
インプラント本体142 の前面145 は、インプラント本体142 を所定の位置に固定するためのねじを受けるための一又は複数の孔を有してもよい。図14~15に示されている例示的な構成では、頸椎骨ねじ(頸椎骨ねじ179, 181が図16~19に示されている)を受けるための角度の付いた第1の孔173 及び角度の付いた第2の孔175 が設けられてもよい。第1の孔173 及び第2の孔175 は、当該タイプの骨ねじ又は他の所望のタイプの骨アンカーを受けるのに適したあらゆる形状、大きさ及び開口を有してもよい。図14~15に示されている構成では、第1の孔173 は、前面145 の前方を貫いてインプラント140 の底面149 の外側に延びるように形成されている。第2の孔175 は、前面145 の前方を貫いて頸椎インプラント140 の本体142 の上面151 の外側に延びるように形成されている。ある構成では、第1の孔173 及び第2の孔175 は、骨ねじ179, 181のねじ山と係合するためのねじ山を更に有してもよい。他の構成では、第1の孔173 及び第2の孔175 はねじ山を有さなくてもよい。
【0053】
骨ねじ179, 181と本体142 との螺合係合が望ましい場合、骨ねじ179, 181の係合するねじ山は、少なくとも部分的に骨ねじ179, 181の夫々の頭部に設けられてもよい。ある実施形態では、骨ねじ179, 181のねじ山付頭部並びに第1の孔173 及び第2の孔175 のねじ山は、雄ねじ及び雌ねじ間に一定量の間隙を有するように構成されてもよい。骨ねじ179, 181のねじ山と孔173, 175のねじ山との間に間隙を設けることにより、外科医は骨ねじ179, 181の角度を制御でき、更に外科医は骨ねじを遅らせることができ、つまり、外科医は、インプラント140 と上側脊椎骨及び/又は下側脊椎骨との間の距離を詰めるために必要な範囲を超えて骨ねじ179, 181を回転させることにより、インプラント140 を上側脊椎骨及び/又は下側脊椎骨に圧縮することができる。
【0054】
頸椎インプラント140 は、骨アンカーが後退しないことを保証するために、一又は複数の固定機構を更に備えてもよい。図16~20に示されているように、固定機構195 が設けられてもよい。図示されている特定の構成では、頸椎インプラント本体142 の前面145 は、固定機構195 を受けるための成形空所200 を有してもよい。成形空所200 は、第1の孔173 と第2の孔175 との間に設けられてもよい。成形空所200 は、第1の孔173 の近位で第1の孔173 内に少なくとも部分的に延びている第1のスロット204 と、第2の孔175 の近位で第2の孔175 内に少なくとも部分的に延びている第2のスロット208 とを有してもよい(図16)。第1のスロット204 及び第2のスロット208 は、以下に説明するように固定機構195 のアームを夫々受けてもよい。成形空所200 は、挿入具を受けるための一又は複数の追加の切欠部分211 を更に有してもよい(例示的な挿入具が図21A~27に関連して以下に記載される)。本体142 は、固定機構195 を所定の位置に保持するために上面151 から延びて垂直ピン218 を受けるための垂直開口部215 を更に有してもよい。
【0055】
固定機構195 は、インプラント本体142 の成形空所200 に受け入れ可能な回転式阻止体220 で構成されてもよい。回転式阻止体220 は、外側に延びている第1のアーム224 及び外側に延びている第2のアーム227 を有してもよい。ある構成では、第1のアーム及び第2のアームは互いに直接対向してもよい。他の構成では、1つのアーム又は3以上のアームが設けられてもよい。外側に延びている第1のアーム224 は、成形空所200 の第1のスロット204 内で回転してもよく、外側に延びている第2のアームは、成形空所200 の第2のスロット208 内で回転してもよい。回転式阻止体220 は、骨アンカーが挿入され得る第1の開位置、及び骨アンカーが挿入され得ない第2の閉位置を有してもよい。図16~19に示されている特定の構成では、第1のスロット204 により、外側に延びている第1のアーム224 は、約180 度の閉位置から約270 度の開位置に回転することができる。同様に、第2のスロット208 により、外側に延びている第2のアーム227 は、約0度の閉位置から約45度の開位置に回転することができる。回転式阻止体220 は、第2の閉位置で一又は複数の孔内に延びるが、第1の開位置では一又は複数の孔内に延びない。閉位置では、外側に延びている第1のアーム224 及び第2のアーム277 は夫々第1の孔173 内及び第2の孔175 内に少なくとも部分的に延びる。孔の少なくとも部分的なこの阻止のため、孔内に配置されたあらゆる骨アンカーは、回転式阻止体220 の外側に延びているアームによって物理的に阻止されるので後退することができない。
【0056】
回転式阻止体220 を頸椎インプラント140 の本体142 の所定の位置に保持するために、本体142 は、上面151 から下方に延びて垂直ピン218 を受けるための垂直開口部215 を有してもよい。回転式阻止体は、垂直ピン218 を受けるための開口部225 又はスロットを有してもよい(図20参照)。開口部225 により、回転式阻止体220 が垂直ピン218 に対して開位置と閉位置との間で回転しても、回転式阻止体220 を所定の位置に保持することができてもよい。
【0057】
使用中、外科医はまず頸椎インプラント本体142を配置してもよい。例えば、切欠部分211 と係合する形状を有する挿入具、及び/又は回転式阻止体220 の任意のねじ山部分と係合するねじを使用してもよい。次に、外科医は、外側に延びている第1のアーム及び第2のアームが夫々孔から外側に回転した状態で、回転式阻止体220 が解除位置にあることを確認してもよい。回転式阻止体が開位置にある状態で、外科医は、一又は複数の骨アンカーを孔を通して導入してもよい。骨アンカー及びインプラントの本体が正しく配置されていることを外科医が確信したら、外科医は次に回転式阻止体220 を閉位置に回転させてもよい。ここでも、挿入具を使用して回転式阻止体を回転させてもよい。閉位置では、回転式阻止体の外側に延びているアームが、孔からの骨アンカーの後退を防ぐことができる。
【0058】
図21Aは、挿入具300 の一態様を示しており、挿入具300 は、(図21Bに更に詳細に示されている)インプラント係合機構310 を有して本明細書に記載されているインプラント40などの適したインプラントと係合するように構成されている遠位端部304 を有している。挿入具300 は、ハンドル係合部分317 とインプラントと係合させてインプラントから離脱させるように構成されているノブ320 とを有する近位端部313 を更に有している。近位端部及び遠位端部間に細長い軸325 が設けられている。近位端部313 は、任意でインプラント係合機構310 を固定構成で維持するように構成されている固定機構328 を更に有している。ノブ320 の回転により、細長い軸325 内に含まれている内軸が細長い軸325 に対して平行移動するように、ノブ320 は内軸に機械的に連結されているため、インプラント係合機構310 は、内軸が平行移動する方向に応じて開閉する。
【0059】
図21B及び21Cは、基礎部分335 、アーム338 及び内側突起344 (図21C)によって夫々画定されている横方向舌状体332 などの、インプラント係合機構310 の一部の特徴を更に詳細に示している。インプラント係合機構310 はハウジング337 内に含まれており、上記に示唆されているように内軸340 に機械的に連結されている。基礎部分335 は、ハウジング337 内に配置されてハウジング337 に対して固定されたピン354 と係合する角度の付いた又は湾曲したスロット349 を夫々有している。内軸340 の遠位側への平行移動により、各基礎部分335 が遠位側に押されて、スロットがピン354 に沿って移動すると、各基礎部分335 はスロット349 によって画定された経路に沿って移動する。この図示されている構成では、内軸340 の遠位側への平行移動により、インプラント係合機構310 が開き、インプラント係合機構310 の開放はインプラントを受けるために必要になる場合がある。
【0060】
挿入具300 へのインプラントの固定は、ノブ320 を回転させて内軸340 の近位側への平行移動を引き起こし、インプラントの少なくとも一部の周りでインプラント係合機構310 を閉じて、内側突起344 をインプラントの対応する表面と接触させて係合することにより行われてもよい。当業者は、インプラント係合機構310 の開閉には、インプラント係合機構の近位側及び遠位側への夫々の平行移動が含まれることを認識する。このような平行移動は、患者の脊柱の所望の位置でインプラントを外す場合に有用であり得る。言い換えれば、所望の位置に達すると、インプラント係合機構310 を開いてインプラント係合機構がインプラントを解放すると、インプラント係合機構がインプラントを遠位側に僅かに押してインプラント係合機構をインプラントから離れる方向に近位側に押すことにより、挿入具300 は外される。このような構成は、インプラントを所望の位置に維持しながら挿入具300 を外す際に外科医を支援し得ることが有利である。
【0061】
図22Aは、挿入具400 の別の態様を示しており、挿入具400 は、近位端部413 にハンドル417 及びノブ420 を有しており、遠位端部にインプラント係合機構410 を有している。細長い軸425 が近位端部及び遠位端部を連結している。
【0062】
図22Bは、挿入具400 の遠位端部403 を示す拡大図であり、インプラント係合機構410 が一対の遠位側に延びている突起体444 及び係合ロッド447 を有していることを示す。係合ロッド447 は、ノブ420 に機械的に連結するために細長い軸425 を貫いて近位側に延びているロッドの遠位端部であるため、ノブ420 の回転によって、頸椎インプラント140 の回転式阻止体220 のねじ孔などのインプラントのねじ孔と係合するねじ山を有する係合ロッド447 を回転させる。突起体444 は、インプラントの対応する形状と係合して、係合ロッド447 がインプラントに螺合し得るようにインプラントを安定させるように構成されている。例えば、突起体444 は、インプラント140 の切欠部分211 又は異なるインプラントの同様の形状と係合するように構成されてもよい。
【0063】
ある態様によれば、突起体444 は、挿入具400 がインプラントと係合している間、インプラントの固定機構の回転を防ぐように構成されている。例えば、図18は、突起体444 が切欠部分211 に挿入されると、回転式阻止体220 の回転が防止されるか又はより困難になるように、回転式阻止体220 が切欠部分211 と整列する一対の波形の縁部を有することを示す。このような構成により、骨ねじ179, 181を挿入する前に回転式阻止体が意図せず閉じるのを防ぎ得ることが有利である。
【0064】
図22Bは、挿入具400 の遠位端部403 がストッパ450 を有していることを更に示し、この図示されている態様では、ストッパ450 は、ストッパ450の遠位面がインプラント係合機構410 の遠位面と連続するように設けられている。ストッパ450 は、インプラントを椎間板腔内に配置して位置決めする際に外科医又は他のユーザを導くために使用されてもよい。例えば、ストッパ450 は、インプラントを椎間板腔内に極端に挿入しないように上側又は下側の脊椎体に当接するために使用されてもよい。そのため、当業者は、ストッパ450 が挿入具400 の最も遠位の位置に配置されてもよいか、又は外科医がインプラントを椎間板腔内に僅かに深く挿入し得るように最も遠位の位置の僅かに近位側に配置されてもよいことを理解する。当業者は更に、挿入具400 が、外科医又はユーザの操作性を最大にするようにストッパを全く含まない可能性があることを理解する。
【0065】
図23Aは、挿入具500 の別の態様を示しており、挿入具500 は、挿入具400 と同様にハンドル517 及びノブ520 を有する近位端部513 を有しているが、挿入具500 の遠位端部504 は、以下に更に詳細に記載されている様々なモジュール型先端部(図24~26参照)を受けるように構成されている。具体的には、挿入具500 は、ハンドル517 から延びている細長い軸525 を有しており、細長い軸525 の遠位端部にはモジュール型先端部の延長部分を受けるように構成されている開口部554 を有している。図23Bは、開口部554 が、モジュール型先端部の延長部分の夫々の突出部を解放可能に受ける一対の可撓性部材558 を有していることを示す。挿入具400 と同様に、挿入具500 は、ノブ520 に機械的に連結されて細長い軸525 を貫いて遠位側に延びている係合ロッド547 を有している。しかしながら、挿入具400 とは異なり、係合ロッド547 は、モジュール型先端部が開口部554 で挿入具500 に固定される部分を貫いてその固定される部分を越えて延びるように細長い軸525 の遠位端部を十分越えて延びている。
【0066】
図24は、モジュール型先端部560 の態様を示す。モジュール型先端部560 は、一対の遠位側に延びている突出部544 を有している点で挿入具400 の遠位端部のようであるが、モジュール型先端部560 はストッパを含んでない。更に、モジュール型先端部560 は、挿入具500 の開口部554 に対するモジュール型先端部560 の取り付け及び取り外しを容易にするために一対の把持面563 を有している。モジュール型先端部560 は、挿入具500 の可撓性部材558 が受けるように構成されている一対の突出部又は突起569 を有する延長部分566 を更に有している。モジュール型先端部560 は、遠位端部から近位端部に延びる管腔572 を更に有しており、管腔572 は挿入具500 の係合ロッド547 を受けるように構成されている。
【0067】
図25は、別のモジュール型先端部570 の態様を示しており、モジュール型先端部570 は、モジュール型先端部560 と同様に、一対の遠位側に延びている突出部544a、一対の把持面563a、突起569aを有する延長部分566a、及び係合ロッド547 を受けるための管腔572aを有している。しかしながら、モジュール型先端部570 はストッパ550 を有しており、ストッパ550 は、この図示されている態様では一対の遠位側に延びている突出部544a間の仮想線に対して僅かに角度をなしている。
【0068】
図26は、別のモジュール型先端部580 の態様を示しており、モジュール型先端部580 は、モジュール型先端部580 と同様に、一対の遠位側に延びている突出部544b、一対の把持面563b、突起569bを有する延長部分566b、及び係合ロッド547 を受けるための管腔572bを有している。モジュール型先端部580 はストッパ550aを有しており、ストッパ550aは、図25に示されているストッパ550 と同様に一対の遠位側に延びている突出部544b間の仮想線に対して僅かに角度をなしている。更に、ストッパ550aは、モジュール型先端部580 の最も遠位の表面の僅かに近位側に配置されている。
【0069】
図27は、別のモジュール型先端部590 の態様を示しており、モジュール型先端部590 は、他のモジュール型先端部と同様に遠位側に延びている突出部544c、突起569cを有する延長部分566c、及び係合ロッド547 を受けるための管腔572cを有している。しかしながら、モジュール型先端部590 は、インプラント140 の第1の孔173 及び第2の孔174 などのインプラントの開口部と整列するように構成されている一対のドリルガイド594 を更に有している。モジュール型先端部590 は、図示されている他のモジュール型先端部のストッパのようなストッパを有するように図示されていないが、当業者は、このような特徴が含まれ得ることを理解する。当業者は、ドリルガイド594 の大きさ及び形状が、特定のインプラントの大きさ、ねじの大きさ、インプラントの形状などに合わせて調整されてもよいことを更に理解する。
【0070】
モジュール型先端部を使用できることにより、挿入キットは、複数の挿入具ではなく複数の先端部を有する1つの挿入具を含むことが可能になる。モジュール型先端部の別の利点は、特定の手順を調整してカスタマイズできることである。
【0071】
複数の態様が本明細書に開示されている。例えば、態様1は、複合椎体間インプラントを製造する方法であって、上面及び反対側の底面を有する金属合金本体を選択し、金属合金本体の上面の一部を切り取り、金属合金本体の底面の一部を切り取り、上面に多孔質金属を接合し、底面に多孔質金属を接合して複合金属合金ブロックを形成し、複合金属合金ブロックから複合椎体間インプラントを切り離す、方法を備えている。
【0072】
態様2は、複合椎体間インプラントを製造する方法であって、上側及び底側を有する固体チタン本体を選択し、固体チタン本体の上側の一部を切り取って上部分空所を形成し、固体チタン本体の底側の一部を切り取って底部分空所を形成し、上部分空所に多孔質チタンを拡散接合し、底部分空所に多孔質チタンを拡散接合し、上部分空所及び底部分空所への多孔質チタンの拡散接合によって、複合チタンブロックを形成し、複合チタンブロックから複合椎体間インプラントを切り離す、方法を備えている。
【0073】
態様3は、複合椎体間インプラントを製造する方法であって、上面、反対側の底面及び側面を有する固体チタン本体を選択し、上面に多孔質チタンを接合し、底面に多孔質チタンを接合し、固体チタンブロックを側面に垂直に接合して複合チタンブロックを形成し、複合チタンブロックから複合椎体間インプラントを切り離す、方法を備えている。
【0074】
態様4は、複合椎体間インプラントを製造する方法であって、上面及び底面を有する固体チタン本体を選択し、固体チタン本体の上面の一部を切り取り、固体チタン本体の底面の一部を切り取り、上面に金属を接合し、底面に多孔質金属を接合して複合チタン本体を形成し、複合チタン本体から複合椎体間インプラントを切り離す、方法を備えている。
【0075】
態様5は、前面及び反対側の後面を有する本体と、上部分及び底部分とを備えており、中間部分が本体を貫いて前面から反対側の後面に延びており、前面はチタン合金で形成されており、上部分及び底部分は多孔質チタンで形成されており、中間部分はチタン合金で形成されている、複合椎体間インプラントシステムを備えている。
【0076】
態様6は、前面及び中間部分が1個のチタン合金で形成されている、態様5に記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。態様7は、多孔質チタンが、多孔質チタンを形成すべく共に拡散接合された多孔質チタンのシートを含んでいる、態様5又は6に記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。態様8は、上部分が中間部分の上面に拡散接合されており、底部分が中間部分の底面に拡散接合されている、態様5~7のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。
【0077】
態様9は、複合椎体間インプラントシステムであって、前面及び反対側の後面を有する本体と、上部分及び底部分とを備えており、中間部分が本体を貫いて前面から反対側の後面に延びており、前面は固体金属合金で形成されており、上部分及び底部分は多孔質金属で形成されており、中間部分は固体金属合金で形成されており、前面は骨ねじを受けるための少なくとも1つの孔を有しており、複合椎体間インプラントシステムは、骨ねじの後退を防ぐための少なくとも1つの固定機構を備えている、複合椎体間インプラントシステムを備えている。
【0078】
態様10は、前面が少なくとも1つの孔の近位に軸方向チャネルを更に有しており、固定機構が外側に突出するタブと共にシリンダを有しており、シリンダが軸方向チャネルに受け入れ可能であり、外側に突出するタブが少なくとも1つの孔内に少なくとも部分的に延びている、態様9に記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。
【0079】
態様11は、骨ねじが少なくとも1つの孔に挿入されると骨ねじが固定機構の外側に突出するタブを偏倚させ得るように、外側に突出するタブが角度の付いた面を更に有している、態様10に記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。態様12は、外側に突出するタブが骨ねじによって偏倚した後、外側に突出するタブが付勢されて少なくとも1つの孔内に延びる、態様10又は11に記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。
【0080】
態様13は、前面が少なくとも1つの孔の近位に軸方向チャネルを更に有しており、固定機構が、少なくとも1つの外側に突出するアームを有する阻止体を有しており、阻止体が軸方向チャネルに受け入れ可能であり、固定構成と開放構成との間で軸方向チャネル内で回転可能である、態様9に記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。態様14は、本体が態様1の方法によって形成された複合金属合金ブロックから切り取られている、態様9~13のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。
【0081】
態様15は、本体が、態様2~4のいずれか1つに記載の方法によって形成された複合チタンブロックから切り取られている、態様9~14のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。態様16は、少なくとも1つの孔がねじ山を少なくとも部分的に有している、態様9~15のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。態様17は、少なくとも1つの孔のねじ山が、骨ねじの対応するねじ山と係合するように構成されている、態様16に記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。態様18は、骨ねじが、少なくとも部分的にねじ山を有する頭部を有している、態様16又は17に記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。態様19は、少なくとも1つの孔のねじ山と骨ねじの対応するねじ山との間に間隙が設けられている、態様17又は18に記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。
【0082】
態様20は、前面及び反対側の後面を有する本体と、上部分及び底部分とを備えており、中間部分が本体を貫いて前面から反対側の後面に延びて上部分及び底部分を隔てており、前面が固体金属合金で形成されており、上部分及び底部分が多孔質金属で形成されており、中間部分が固体金属合金で形成されており、前面は、第1の骨ねじを受けるための第1の孔と、第1の孔の近位に設けられている、第1の固定機構を受けるための第1の内側に延びているチャネルとを有しており、前面は、第2の骨ねじを受けるための第2の孔と、第2の孔の近位に設けられている、第2の固定機構を受けるための第2の内側に延びているチャネルとを有しており、第1の固定機構は、第1の内側に延びているチャネルに受け入れ可能であって内側端部及び外側端部を有するシリンダと、シリンダの外側端部から外側に突出して第1の孔内に少なくとも部分的に突出する第1のタブとを有しており、第2の固定機構は、第2の内側に延びているチャネルに受け入れ可能なシリンダと、シリンダから外側に突出して第2の孔内に少なくとも部分的に突出する第2のタブとを有している、複合椎体間インプラントシステムを備えている。
【0083】
態様21は、第1のタブ及び第2のタブが付勢されて第1の孔内及び第2の孔内に少なくとも部分的に突出する、態様20に記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。態様22は、第1のタブ及び第2のタブが角度の付いた面を有している、態様21に記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。態様23は、シリンダの外側端部が、内側に動く第1の骨アンカーの圧力によって第1の固定機構のタブを第1の孔から押し出して、内側に動く第2の骨アンカーの圧力によって第2の固定機構のタブを第2の孔から押し出すことができるように切り取られている、態様22に記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。態様24は、第1の固定機構のタブ及び第2の固定機構のタブが、第1の孔及び第2の孔に少なくとも部分的に突出するために夫々付勢される、態様23に記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。
【0084】
態様25は、複合椎体間インプラントシステムであって、前面及び反対側の後面を有する本体と、上部分及び底部分とを備えており、中間部分が本体を貫いて前面から反対側の後面に延びて上部分及び底部分を隔てており、前面が固体金属合金で形成されており、上部分及び底部分が多孔質金属で形成されており、中間部分が固体金属合金で形成されており、前面は、第1の骨アンカーを受けるための第1の孔、及び第2の骨アンカーを受けるための第2の孔を有しており、複合椎体間インプラントシステムは、第1の孔及び第2の孔からの第1の骨アンカー及び第2の骨アンカーの夫々の後退を防止するための固定機構を備えている、複合椎体間インプラントシステムを備えている。
【0085】
態様26は、前面が、第1の孔と第2の孔との間に設けられている、固定機構を受けるための成形空所を更に有しており、固定機構が、第1の孔と第2の孔との間の成形空所に配置されている回転式阻止体を有しており、回転式阻止体が、骨アンカーが挿入され得る第1の開位置、及び骨アンカーが挿入され得ない第2の閉位置を有する、態様25に記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。態様27は、回転式阻止体が、第2の閉位置で第1の孔内及び第2の孔内に延びて、第1の開位置で第1の孔内及び第2の孔内に延びない、態様26に記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。
【0086】
態様28は、本体が垂直開口部を有しており、固定機構が垂直ピンを更に有しており、回転式阻止体が、回転式阻止体を本体の所定の位置に保持するための垂直ピンを受けるための開口部を有している、態様27に記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。態様29は、回転式阻止体が第1の外側に延びているアーム及び第2の外側に延びているアームを有しており、成形空所が、第1の外側に延びているアームが内部で回転するための第1のスロット、及び第2の外側に延びているアームが内部で回転するための第2のスロットを有している、態様26~28のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。
【0087】
態様30は、第1のスロットによって、第2の外側に延びているアームが約0度~約45度回転可能であり、第2のスロットによって、第1の外側に延びているアームが約180 度~約225 度回転可能である、態様29に記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。態様31は、成形空所が、挿入具を受けるための少なくとも1つの更なる切欠部分を更に有している、態様26~30のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。態様32は、回転式阻止体が、挿入具と係合するためのねじ山を更に有している、態様26~31のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。
【0088】
態様33は、本体が態様1の方法によって形成された複合金属合金ブロックから切り取られている、態様20~32のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。態様34は、本体が、態様2又は3に記載の方法によって形成された複合チタンブロックから切り取られている、態様20~32のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。態様35は、本体が態様4の方法によって形成された複合チタン本体から切り取られている、態様20~32のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステムを備えている。
【0089】
本方法及び本デバイスは、脊椎インプラントにおける使用に関して具体的に記載されているが、他の用途が可能であり、本明細書で検討されていることが認識される。上述された様々な実施形態の要素を含む上述された様々な態様は、更なる実施形態を提供すべく組み合わせられ得る。例えば構造部品を含む、本開示の範囲内の装置の様々な部分及び構成要素は、当業者に知られている一又は複数の様々な適切な製造工程によって形成され得る。同様に、本開示の範囲内の装置の様々な部分及び構成要素は、当業者に知られている適切な材料で形成され得る。
【0090】
上記の記載は、本開示の様々な特徴、機能、方法及び他の態様を説明している。時間及び更なる展開例は、様々な態様が実施される方法を変更してもよい。特許請求の範囲によって定められている保護範囲は、開示された実施形態の特定の大きさ、形状、特徴又は他の態様に限定されることを意図しない。請求された発明は、本明細書に開示されている概念の範囲内に依然としてありながら、他の形態で実施又は具体化されてもよい。以下の特許請求の範囲によって適切に保護された概念の範囲から逸脱することなくなされ得る特許請求の範囲の要素の均等物が更に含まれている。
【0091】
関連出願
本出願は、2020年9月24日に出願された米国仮出願第63/082782号の優先権を主張しており、その内容全体が参照によって本明細書に組み込まれている。
図1
図2
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図11
図12
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図14
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図17
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図19
図20
図21A
図21B
図21C
図22A
図22B
図23A
図23B
図24
図25
図26
図27
【手続補正書】
【提出日】2023-05-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面及び反対側の後面を有する本体と、上部分及び底部分とを備えており、中間部分が前記本体を貫いて前記前面から反対側の前記後面に延びており、
前記前面はチタン合金で形成されており、前記上部分及び前記底部分は多孔質チタンで形成されており、前記中間部分はチタン合金で形成されている、複合椎体間インプラントシステム。
【請求項2】
前記前面及び前記中間部分は1個のチタン合金で形成されている、請求項に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項3】
前記多孔質チタンは、多孔質チタンを形成すべく共に拡散接合された多孔質チタンのシートを含んでいる、請求項又はに記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項4】
前記上部分は前記中間部分の上面に拡散接合されており、前記底部分は前記中間部分の底面に拡散接合されている、請求項のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項5】
複合椎体間インプラントシステムであって、
前面及び反対側の後面を有する本体と、上部分及び底部分とを備えており、中間部分が前記本体を貫いて前記前面から反対側の前記後面に延びており、
前記前面は固体金属合金で形成されており、前記上部分及び前記底部分は多孔質金属で形成されており、前記中間部分は固体金属合金で形成されており、
前記前面は、骨ねじを受けるための少なくとも1つの孔を有しており、
前記複合椎体間インプラントシステムは、前記骨ねじの後退を防ぐための少なくとも1つの固定機構を備えている、複合椎体間インプラントシステム。
【請求項6】
前記前面は、前記少なくとも1つの孔の近位に設けられた軸方向チャネルを更に有しており、
前記固定機構は、外側に突出するタブと共にシリンダを有しており、前記シリンダは前記軸方向チャネルに受け入れ可能であり、外側に突出する前記タブは、前記少なくとも1つの孔内に少なくとも部分的に延びている、請求項に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項7】
前記固定機構の外側に突出する前記タブは、前記骨ねじが前記少なくとも1つの孔に挿入されると前記骨ねじが外側に突出する前記タブを偏倚させ得るように角度の付いた面を更に有している、請求項に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項8】
外側に突出する前記タブが前記骨ねじによって偏倚した後、外側に突出する前記タブは付勢されて前記少なくとも1つの孔内に延びる、請求項又はに記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項9】
前記前面は、前記少なくとも1つの孔の近位に設けられた軸方向チャネルを更に有しており、
前記固定機構は、少なくとも1つの外側に突出するアームを有する阻止体を有しており、前記阻止体は前記軸方向チャネルに受け入れ可能であり、固定構成と開放構成との間で前記軸方向チャネル内で回転可能である、請求項に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項10】
前記本体は、
上面及び反対側の底面を有する金属合金本体を選択し、
前記金属合金本体の上面の一部を切り取り、
前記金属合金本体の底面の一部を切り取り、
前記上面に多孔質金属を接合し、
前記底面に多孔質金属を接合して複合金属合金ブロックを形成し、
前記複合金属合金ブロックから複合椎体間インプラントを切り離す
方法によって形成された複合金属合金ブロックから切り取られている、請求項のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項11】
前記本体は、
上側及び底側を有する固体チタン本体を選択し、
前記固体チタン本体の上側の一部を切り取って上部分空所を形成し、
前記固体チタン本体の底側の一部を切り取って底部分空所を形成し、
前記上部分空所に多孔質チタンを拡散接合し、
前記底部分空所に多孔質チタンを拡散接合し、前記上部分空所及び前記底部分空所への多孔質チタンの拡散接合によって、複合チタンブロックを形成し、
前記複合チタンブロックから複合椎体間インプラントを切り離す方法(a)、
上面、反対側の底面及び側面を有する固体チタン本体を選択し、
前記上面に多孔質チタンを接合し、
前記底面に多孔質チタンを接合し、
固体チタンブロックを前記側面に垂直に接合して複合チタンブロックを形成し、
前記複合チタンブロックから複合椎体間インプラントを切り離す方法(b)、並びに
上面及び底面を有する固体チタン本体を選択し、
前記固体チタン本体の上面の一部を切り取り、
前記固体チタン本体の底面の一部を切り取り、
前記上面に金属を接合し、
前記底面に多孔質金属を接合して複合チタン本体を形成し、
前記複合チタン本体から複合椎体間インプラントを切り離す方法(c)
のいずれか1つに記載の方法によって形成された複合チタンブロックから切り取られている、請求項10のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの孔はねじ山を少なくとも部分的に有している、請求項11のいずれか1つに記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの孔のねじ山は、前記骨ねじの対応するねじ山と係合するように構成されている、請求項12に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項14】
前記骨ねじは、少なくとも部分的にねじ山を有する頭部を有している、請求項12又は13に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの孔のねじ山と前記骨ねじの対応するねじ山との間に間隙が設けられている、請求項13又は14に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項16】
前面及び反対側の後面を有する本体と、上部分及び底部分とを備えており、中間部分が前記本体を貫いて前記前面から反対側の前記後面に延びて前記上部分及び前記底部分を隔てており、
前記前面は固体金属合金で形成されており、前記上部分及び前記底部分は多孔質金属で形成されており、前記中間部分は固体金属合金で形成されており、
前記前面は、第1の骨ねじを受けるための第1の孔と、前記第1の孔の近位に設けられている、第1の固定機構を受けるための第1の内側に延びているチャネルとを有しており、
前記前面は、第2の骨ねじを受けるための第2の孔と、前記第2の孔の近位に設けられている、第2の固定機構を受けるための第2の内側に延びているチャネルとを有しており、
前記第1の固定機構は、第1の内側に延びているチャネルに受け入れ可能であって内側端部及び外側端部を有するシリンダと、前記シリンダの外側端部から外側に突出して前記第1の孔内に少なくとも部分的に突出する第1のタブとを有しており、
前記第2の固定機構は、第2の内側に延びているチャネルに受け入れ可能なシリンダと、前記シリンダから外側に突出して前記第2の孔内に少なくとも部分的に突出する第2のタブとを有している、複合椎体間インプラントシステム。
【請求項17】
前記第1のタブ及び前記第2のタブは付勢されて前記第1の孔内及び前記第2の孔内に少なくとも部分的に突出する、請求項16に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項18】
前記第1のタブ及び前記第2のタブは角度の付いた面を有している、請求項17に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項19】
前記シリンダの外側端部は、内側に動く第1の骨アンカーの圧力によって前記第1の固定機構のタブを前記第1の孔から押し出して、内側に動く第2の骨アンカーの圧力によって前記第2の固定機構のタブを前記第2の孔から押し出すことができるように切り取られている、請求項18に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【請求項20】
前記第1の固定機構のタブ及び前記第2の固定機構のタブは、前記第1の孔内及び前記第2の孔内に少なくとも部分的に突出するために夫々付勢される、請求項19に記載の複合椎体間インプラントシステム。
【国際調査報告】